荒尾市議会 > 2018-09-20 >
2018-09-20 平成30年第3回定例会(4日目) 名簿
2018-09-20 平成30年第3回定例会(4日目) 本文

  • FM(/)
ツイート シェア
  1. 荒尾市議会 2018-09-20
    2018-09-20 平成30年第3回定例会(4日目) 本文


    取得元: 荒尾市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-08
    2018-09-20:平成30年第3回定例会(4日目) 本文 (文書 66 発言中)0 発言ヒット ▼最初のヒットへ(全 0 か所)/ 表示中の内容をダウンロード 1:◯議長小田龍雄君)                          午後6時00分 開議 ◯議長(小田龍雄君) これより、本日の会議を開きます。  日程に入ります前に、議会を代表して一言御挨拶を申し上げます。  本日は、昨年に引き続き夜間議会として、午後6時から本会議を開催するに当たり、浅田市長をはじめ、各理事者、関係者の皆さん方には、特段の御協力をいただいておりますことに、まずもってお礼を申し上げます。  現在、行政はもちろん議会活動についても、住民参加が重要な要素となっております。この夜間議会の開催が、市民の皆様にとって有意義なものになり、また、行政や議会活動への御理解が深まることを願っております。今後とも、どうかよろしくお願い申し上げます。  それでは、日程に従い会議を進めます。    ────────────────────────────────   日程第1 一般質問 2:◯議長小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君) 日程第1、一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。17番浜崎英利議員。   〔17番浜崎英利君登壇〕 3:◯浜崎英利◯浜崎英利君 今回は、まず、何をするにも金が必要だということで、今回は、荒尾市の平成29年度決算を拝見し、荒尾市の財政状況と将来にわたる布石について、いささか所感を申し上げまして、問題提起と質問をさせていただきますので、市長はじめ執行部の明快なる答弁を一つよろしくお願いをいたしておきたいと思っております。  さて、ことしは、例年に勝る異常気象が続きまして、週末ごとに台風が近づいたり、記録的豪雨が頻発したりするなど、全国的に災害が続いております。  北海道をはじめ各地の災害で、犠牲になられた皆様に深い哀悼の意を表しますとともに、被災地での復興に努力をされている被災者の皆さん、そして、ボランティアの皆さん方の姿に感銘を覚えるものであり、荒尾市でも万に一つの災害対策を万全に期する必要があると、痛感をいたしておる次第でございます。  それでは、発言通告に基づきまして、最初の項目、「荒尾市財政の現状について」質問をする前に、荒尾市を取り巻く全国的な経済状況を少しお話をさせていただきます。  まず、ことしの7月2日発表の全国企業短期経済観測調査、いわゆる日銀短観では、業況判断指数DIが2期連続で悪化をし、アメリカ発の通商問題や資金価格上昇への懸念から、景気後退リスクが意識されております。  政府としては、「企業の景況感には慎重さが見られるものの高い水準にあり、景気は緩やかに回復しているという認識には変わりがない」としておりますが、我々庶民的感覚としては、景気の回復についてはいまだ実感がないのも、また事実ではなかろうかと考えております。  次に、ことし7月31日に日銀が金融政策決定会合での声明を発表いたしました。  その内容は、おおむね次のとおりと理解をいたしております。  まず、一つ目に、物価インフレ2%は届かず後ずれするが、徐々に目標に到達すると見込まれる。
     二つ目に、短期金利長期金利とも、これまでの水準から変更なし。  それから、三つ目に、短期金利については、日銀当座預金のうち政策金利残高に、マイナス0.1%のマイナス金利を適用することを維持する。  そして、四つ目に、長期金利についても10年物国債の金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れをする方針を維持する。その際、長期金利については経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動し得ることを示した、と理解をいたしております。  日銀短観と金融政策決定会合の市場に対するメッセージを考えると、債券相場が活発になると思われ、事実、国債の相場を見ると、10年物国債で利回りが回復傾向にあります。しかし、経済の状況はさまざまな因子に左右されるものであり、特に、昨今のアメリカと中国との関係に見通しが立たないことを受けて、世界状況の推移を反映してか、株価は下落しつつある状況でございます。  ざっと申しますと、超低金利はここ数年続きそうですし、それによる疲弊や弊害があらわれつつある分野においても、長期金利の「ある程度の上下」では焼け石に水で、さらなる企業努力や、場合によっては、私たち国民への転嫁が必要とされる場合も出てくるのではないでしょうか。つまり、「経済状況の好転は暫く見込めない」というのが大方の見方ではなかろうかというふうに思っております。  そこで、荒尾市の平成29年度決算を見てみますと、最終的な収入から最終的な支出を引き、さらに、翌年度に繰り越すべき金額を除いたもの、いわゆる「実質収支」については、平成29年度は全ての会計で黒字でした。  会計単位を一つの財布として考えた場合、収入に見合った支出をして、かつ必要な金額を次年度に繰り越した上に、まだ財布にお金が残っている状態です。これはすばらしいことですが、平成28年度と平成29年度を比べて、最終的な財布の中身はどうなったのかを示す「単年度収支」を見ると、一般会計で1億2,944万6,553円、介護保険特別会計で1,281万5,667円、後期高齢者医療特別会計で92万8,700円、それぞれ赤字となっております。  端的に言って、一般会計では約1億3,000万円、介護保険特別会計介護サービス部門では約1,280万円、後期高齢者医療特別会計では約93万円、平成28年度の同時期に比べて財布の中身が目減りしているということになります。  一般会計で申しますと、平成28年度決算時の単年度収支は2億4,140万8,370円の赤字、平成27年度決算時の単年度収支は4億1,426万1,799円の黒字であり、特に、平成28年度決算時で、単年度収支が差引き約6億5,000万円以上悪化しているのが気にかかります。  また、後期高齢者医療特別会計については、平成27年度決算以来、3期続けて赤字なのも気にかかるところでございます。もちろん、単年度収支の推移のみで、市の財政に関する安全度は計れないとは、承知いたしております。しかしながら、市民の皆さんにとって、わかりやすい一つの指標になるものではないかというふうに考えております。  単年度収支の赤字の要因としては、一つ目に、当該会計規模の縮小によるもの、二つ目に、当該会計の収入の鈍化によるもの、三つ目に、当該会計の支出増大によるもの、四つ目に、今申しました3点の複合的なものによるものが考えられますが、市長としてはこの単年度収支の赤字についてどのような分析をしておられるのか、そして、荒尾市の財政規模は実質どの程度が適切なものと考えておられるのか、まずはお伺いをいたします。  また、基金については、金利が低い中、運用に大変御苦労があるということを思っております。各種基金は83億円程度あり、基金の積立ても伸びているようでございます。  ただ、ある証券会社の地方自治体資産運用アンケートの調査結果によれば、指定都市を含む306市の基金積立規模については、100億円から200億円が最も多く、107自治体、基金種別の平均値は、財政調整基金で54億円、減債基金が56億円、その他特定目的基金が67億円、定額運用基金が7億円というところでございます。  この数字は指定都市を含めていますので、全体的には高めではあるでしょうが、それでも荒尾市は、目的を決めて積み立てる基金が少ないように見受けられます。  今後の荒尾市が支出すべきさまざまな事業を考えると、基金が枯渇することも考えられますが、今後の各種基金の推移や活用について、財政的見地から市長にお答えをいただきたいと存じます。  次に、今後の支出見込みと持続可能な市政運営についてでございますが、荒尾市の一般会計歳入歳出規模で約200億円となります。  収入済額約206億7,800万円のうち、市税と言われるのは約52億円となります。これは、地方交付税の収入額約58億円と比べるまでもなく、荒尾市の財政基盤の弱点を露呈しているものと考えます。  俗に「3割自治」と言われますが、荒尾市はおおむねその3割自治に甘んじてきたように感じられます。  歳出面で見てみますと、ひときわ目につくのが民生費の比率の高さです。支出済合計200億円のうち99億5,000万円余り、歳出のほぼ半分が民生費に費やされております。  福祉国家が進むに連れて、市民の皆さんのニーズも多様化し、それと正比例して各種サービスに費やすお金がふえることは道理ではありますが、急速に進んだ少子高齢化が、ニーズの多様化や対策面へ影響を与えていることも否定できないところでございます。  国においても、増大を続ける社会保障費の対策に四苦八苦している状況を見ると、早晩、荒尾市においても同様の悩みが深刻化してくるのではないかと、心配をいたしているところでございます。  先ほど、私は市長に対し、荒尾市の適切な財政規模がどの程度と思われるか、とお聞きしたところでございますが、私自身は荒尾市の本来、身の丈に合った財政規模、その身の丈を知っておくということが、今後、持続可能な市政運営を考える上で、カギとなる数字の一つと思う次第でございます。  さて、先ほども述べましたように、現在の歳出の半数を占める民生費については、今後も増加することが見込まれることから、必要な財源を確保していかなければなりません。必要な支出を賄う種となる事業費として使う、つまり金を生む事業を構築するという視点が、今後の市政運営には欠かせないものと感じている次第でございます。  今後、荒尾市において生起する、それは全国的なものでございますが、全国的であればあるほど「儲ける視点」は大切ではないでしょうか。  荒尾市公共施設等総合管理計画がございます。これは、荒尾市の各種公共施設インフラについて、一定の条件のもとに、行政サービスの確保と健全な財政運営の両立を実現していくため、公共施設インフラについて更新、統廃合、長寿命化など今後の総合的なあり方についての方向性を定めたものでございます。  その中では、次のように述べられております。「現在の建設事業費の規模では、人口減少や高齢化に対応しながら、全ての公共施設インフラを同じ規模で更新するのは財政的に不可能であり、経費削減に向けて抜本的な改革を行っていく必要がある。」まさにそのとおりでございまして、私も時々、刻々と流転していく世の中で、不壊鉄壁なものはあり得ず、市の各種施設インフラ等も時代に合わせて変わっていかねばならないのであろうと考えているところでございます。  ましてや、当局の見込どおり今後40年間で1,000億円もの財源が不足するのであれば、なおさらのことでございます。  計画では、現在の公共施設等の配置や規模、運用方法等を合理的に検証しつつ、2035年までに公共施設等の総量の15%(約4万平米)を、将来的には2055年までに総量の30%(約8万平米)を削減すれば、公共施設等に要する今後40年間の更新費用は938億円から509億円になる見込みであることが記されております。それでも、大きな支出であることは、論を待ちません。  このような大きな支出が確実に見込まれる中で、将来を見据えた市政運営財政規模を保持することが大切でございます。持続可能な、ひいては市民の最大幸福を実現できる市政運営が図られなければなりません。  そこで、持続可能な市政運営に向けて、次の点を市長にお伺いをいたしたいと思います。  まず、一つに、今後、荒尾市は人口減少と少子化の進展の中であるべき姿が変化していくものと思われますが、市長にとって30年後の荒尾市のあるべき姿の具体例をお聞きいたします。  2点目に、そのあるべき姿を実現するため、収入増の方策と支出減の方策について、今後の長期的計画があれば御説明をいただきたいと思います。  最後に、荒尾市の将来への布石についてでございますが、私が常日ごろ考えていることを申し上げさせていただきます。  荒尾市には、なかなか仕事がないという話を聞きます。これについては、産業振興課をはじめ、担当の部署が企業誘致に努力し、幾つかの成果を上げていることも十分承知をいたしております。その努力は継続していただきつつ、新たな観点から企業誘致というよりも仕事の誘致を考えることも必要かと思います。  例えば、今後の情勢としては、既に熊本県の子育て支援課で採用されておりますが、AI等の進化で人間の仕事の半分がロボットに奪われる時代が遠からず来ると予測をされていますので、残される仕事を選ぶ鑑識眼も必要ですし、例えば、農業にしても農地は必要かという視点から、いわゆる水耕気栽培などを研究する必要はないのでしょうか。また、今後オフィスレスとなれば、そもそも仕事場は必要ではなく、必要な回線とその人が望むオフの時間を過ごせる場所があればいいのですから、そのような仕事ができる場所の整備こそが急務なのではないかと考える次第でございます。「仕事がないのではなく、仕事ができる環境がないのではないか」ということです。  衣食住は、生活の基礎中の基礎です。中でも、「住」は人間のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)に大きくかかわるものと言えます。  そして、もう一つ、人は住みたいところに住めるからこそ幸せになるという真実がございます。  私の住む府本は、自然が豊かで、住む方々の人情味も厚く、歴史も深い、非常に暮らしやすいいいところです。もちろん、何をもって暮らしやすいと感じるかは千差万別ですので一概には言えませんが、少なくとも荒尾市は居住環境について非常に選択肢が広いと感じております。その選択肢の幅を少しでも広げていただくことが、荒尾市の魅力の一つになることと考えております。  近年、どこの地域でも重要な課題の一つとなっているのが、廃屋問題でしょう。理想論で言えば、親の住んでいた家を子どもたちのいずれかが相続をし、荒尾市に戻って暮らしていただくことが筋でございますし、誰もがウイン・ウインの関係を築くことができるでしょう。  その理想論から幾つか提案をいたしますと、一つ目に、帰って来たくなる政策を実施する。二つ目に、廃屋を資産にするような発想をする、の二つになります。帰って来たくなる施策は、この後にお話する事項と共通しますので、廃屋を資産にする発想について提案をいたしますと、市営住宅代わりの廃屋利用があります。市営住宅は学校とともに地域に人を根付かせるための施設です。あっせんや仲介の方法は問いませんが、例えば、中山間地域の廃屋を有効活用したいという方に使っていただく手段や、改装廃屋による公共施設に限らない各種施設の設置の青写真を考えることも一策でしょう。その配置が、荒尾市の魅力を際立たせたりすることもあるかと思います。  昔から、俗に「遠くの親戚より近くの他人」と言われています。現在、人とのかかわりを余り持ちたがらなくなった方もあるようでございますし、社会状況の変化によって濃密な隣近所のかかわりといったものは少なくなりつつありますが、それでも大きな災害の経験から地域コミュニティの大事さが再認識されております。  まちから人がいなくなるのは、進学、就職、結婚などのさまざまな社会的ステージの変化によるものが大きいと思います。しかし、進学した子どもも、親御さんが荒尾市にいる限りは荒尾市との何らかのつながりがございます。しかし、荒尾市に何一つつながりがなくなったとき、その人の心から「荒尾市」が消えてしまうのではないかと考えるときがございます。人がいなくなるのは、つながりがなくなるからであると考えるとき、ふるさと応援寄附金ふるさと情報誌などでつながっておくことも大事なことと思う次第でございます。  そして、まちの魅力とは、調和であると言えます。調和とは、まちの歴史と景観との調和、まちの持つ風合いとの施策の調和、行政と市民の調和、行政と各種団体との調和など、いろいろあるかと思いますが、要するに「無理や背伸びをしない」、「無理強いをしない」、「誠実である」ということだと思います。協働のまちづくりも、市民と行政の調和が大切であることは言うまでもありません。その上で人財、私は人の財産と書いて、何かに秀でた能力を持つ市民の方と定義をいたしておりますが、その人財を大事にすれば、まちは元気になります。地域づくり等の活動をされている方々は、何かしらの思いを持ち、問題点を漠然とでも意識しつつ、使命感を持って活動をされている方が多いように見受けられます。その中でも、一部門において他の追随を許さぬほどのスペシャリストもいらっしゃいます。それらの人々はどんどん活用しないと、荒尾市役所ばかりでは回らない仕事が多くなることと思っております。  以上をもちまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。答弁の内容次第によりましては、再質問をさせていただくことをあらかじめ申し上げまして、降壇をいたします。 4:◯議長小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君) 浅田市長。   〔市長浅田敏彦君登壇〕 5:◯市長(浅田敏彦君) ◯市長(浅田敏彦君) 浜崎議員の、荒尾市の財政状況と将来への布石について、お答えをいたします。  まず1点目の、本市の財政の現状についてでございますが、単年度収支に着目しての御質問でございますけれども、単年度収支とは当該年度実質収支から前年度の実質収支を差し引いた額でございます。  実質収支は、前年度以前からの収支の累積であり、前年度以前の収支における増減が含まれた額となりますが、単年度収支当該年度だけの収支の差を見る数字でございます。  このことから、一般会計決算における単年度収支の増減をもって単純に赤字、黒字を示すものではなく、また、そのための指標ではないことを、まずは申し上げさせていただきたいと思います。  平成29年度の単年度収支は、議員が述べられたとおり前年度に比べ1億3,000万円近く黒字額が減少となっており、平成29年度の歳出は平成29年度のみの歳入を上回ったことになります。  しかしながら、この単年度収支はある一定期間において、必然的に減少する年度が出てくるものでございます。なぜなら、もし毎年度、単年度収支を黒字化しようとすれば、実質収支において毎年、前年度を上回るようにしなければなりません。仮に、前年度収入が同じだとしたら、歳出を少しずつ減らすようなこととなり、行政サービスを毎年減少させていくこととなります。このような財政運営は健全ではなく、どこかの時点で、単年度収支は減少することとなっても、行政水準を引き上げてやらなければなりません。本市のここ10年のこの数字を見ますと、増減を繰り返していることが御理解いただけるかと思います。  また、この単年度収支には、実質的な増加要素や減少要素が含まれております。例えば、歳入においては、財政調整基金を取り崩している場合は、実質的には減少する要因であり、歳出面では地方債の繰上償還を実施したり、財政調整基金への積み立てを行った場合、将来への備えであることから、実質的には増加する要因となります。このような数字を単年度収支に反映したものが、いわゆる実質単年度収支でありまして、平成29年度決算をみますと、財政調整基金の取崩しを行っておらず、かつ2億8,000万円ほど積立てを行っていることから、1億5,500万円の増加となっております。  以上のことから、単年度収支については見かけ上は減少しておりますが、実質黒字要素財政調整基金の積立てが多く含まれておりますことから、決算としては健全な状況であると考えております。  なお、自治体財政の健全度を計るために、財政健全化法に基づき四つの健全化判断比率、すなわち実質赤字比率連結実質赤字比率実質公債費比率及び将来負担比率がございまして、全ての数値で健全であることは、本定例議会で報告させていただいたとおりでございます。  また、適切な財政規模についての御質問でございますが、本市の歳入総額に対する税収の占める割合は25.1%と、4分の1程度でございまして、地方交付税国庫支出金などに依存した財政構造となっております。  また歳出では、議員が述べられたとおり、ほぼ半分が高齢者、福祉などの民生費となります。使途に縛りのない一般財源の総額を見てみますと、およそ136億円でございますので、これに各事業、施策等に付随する国庫支出金や県支出金、あるいは地方債等で、民生費を含めた歳出を賄うわけでございますが、重要なのは、過度に地方債や基金繰入金に頼らない財政運営を続けていくかであり、基金の積み増しや地方債現在高が減少していることから、現在は、安定した財政運営ができているものと考えております。  逆に言いますと、この一般財源でどこまでできるかが重要であり、歳入歳出の決算規模はその年度で行う事業などで大きく変わるものでございますので、その中でいかに補助率の高い国や県の補助金、あるいは地方交付税措置率が高い地方債を有効に活用していくことが大切であるため、適切な財政規模については一概にお示しできるものではないと考えております。  本市の基金につきましては、毎年黒字から2分の1以上を積み立てます代表的な財政調整基金につきましては、平成18年度では5億円を切っておりました。その後、財政の健全化が進む中で、積み立てを行ってきた結果、平成29年度末では約37億円となっておりまして、類似団体の平均や県内の他市と比較いたしましても遜色ない水準ではないかと思っております。  また、特定目的基金につきましては、平成28年度に公共施設整備基金に5億円、平成29年度には一般廃棄物処理施設建設基金に8,000万円の積立てを行っております。定額運用基金以外の基金合計額は、平成29年度末で67億円余りであり、平成18年度末の14億8,000万円と比べますと4倍以上となっており、このことからも財政状況健全化傾向が伺えるところでございます。  また、こうした地方の基金残高の増大につきましては、国におきましてさまざまな議論がなされておりますが、先般発生いたしました北海道の地震や、まだ記憶に新しい熊本大地震のほか、異常気象によります豪雨など、日本全国の至るところで大規模な災害が発生している状況を考えますと、災害などの不測の事態に当然ながら、ある程度備えておく必要がございます。  そのほか、それぞれの自治体において、大型事業の推進や地理的・歴史的背景からくる財政需要がありますので、その対応のために確保しておかなければなりません。  本市におきましても、先ほど申しましたとおり、将来を見据えて特定の目的のために新たな基金の創設、積立てを始めておりますが、現在の財政状況におきましては、短期間において十分なレベルまで積み増していくことは困難な状況でございます。  今後、本市におきましては、新市民病院の建設や給食センターの建替え、南新地土地区画整理事業の工事、さらには、総合体育館や図書館の建替えなどの事業を進めていかなければなりませんが、必要に応じて財政調整基金を含めた基金を活用しなければならないと考えているところでございます。  次に2点目の、今後の支出見込みと持続可能な市政運営について、お答えをいたします。  本市の財政状況は着実に改善傾向にあり、現在は安定した財政運営を行っているところでございますが、議員御指摘のとおり人口減に伴います市税等の歳入減少をはじめ、高齢化に伴う扶助費の増大、そして、老朽化した公共施設や各種インフラの維持管理、更新等に関する建設事業費の増大など、今後の財政運営上、多くの課題が見込まれているところでございます。  将来にわたって持続可能な市政運営を行うためには、本市の身の丈に応じた行政サービスを効率的かつ効果的に提供していくことはもちろんですが、現在の市民ニーズに応えるだけではなく、将来を担う子どもたちを意識しながら、先を見据えた価値ある投資を行っていく必要があると考えております。  これから30年後の荒尾市のあるべき姿に思いを馳せるに当たり、改めて、「平成」という時代を振り返りますと、市政運営上最も影響が大きかった出来事といたしましては、平成9年の三井三池炭鉱の閉山であったと捉えております。炭鉱閉山という本市の基幹産業の消失という危機を乗り越えるため、荒尾産業団地などの工業団地造成や緑ケ丘地区など、炭鉱住宅社宅跡地の再開発による商業・住環境の整備、グリーンランド周辺における観光振興などの施策を講じてまいりましたが、いつの時代におきましても、まちの姿をつくる上で最も重要なのは産業であると認識をいたしております。  本市の特徴的な産業でありますレジャー産業、医療・介護分野をはじめ、製造業や農業、漁業など多様な地場産業を今後も継承・発展しながら、新たな産業を起こし、稼げるまちとなることが将来のあるべき姿の一つであると考えております。  また、今後もますます複雑化・多様化していくと見込まれる地域課題に対応していくためにも、市民や各種団体との「協働」はより一層重要になるものと考えており、地域にとって将来のあるべき姿を描くためには、市役所から地域に出向き、現場で議論を重ね、地域の課題を一つ一つ住民の皆様とともに解決していくことや、新たな魅力を創出していくことが欠かせないことと考えております。  ICTの進歩によって、定型的な業務が自動化される技術が広まり、市役所の業務そのものも劇的に変化することが見込まれる中、市役所及び市職員のあるべき姿も大きな変革を迎えることになるものと考えています。  国の「自治体戦略2040構想研究会」におきましても、新たな自治体行政の考え方として、自治体は、公共私相互間の協力関係を構築する「プラットホーム・ビルダー」へと転換することや、自治体職員は関係者を巻き込み、地域を一つにまとめていくプロジェクトマネージャーとなる必要性などが示されております。  今後、本格化する人口減少を、よりよいまちづくりを行っていくためのイノベーション、変革のチャンスと捉え、これから30年後も人口減を悲観することなく、市民と行政が互いに知恵を出し合い、未来に希望を持って、荒尾市で暮らす価値をお一人お一人が見出して、幸せに暮らしていることが一番のあるべき姿ではないかと考えているところでございます。  30年後のあるべき姿を実現するために、収入増と支出減の長期的な計画は、との御質問でございますが、まず収入増について申し上げたいと思います。若干、私の夢の部分も含めて申し上げたいと思います。  一つは、まずは現在取り組んでおります南新地土地区画整理事業の民間誘致も含めまして、この開発を成功させること。二つ目に、有明海沿岸道路など交通アクセスのよさを生かして、グリーンランド、万田坑、荒尾干潟、そして、先ほどの南新地など、本市の地域資源と広域的な連携をとりながら、外国人も多く訪れるような一大観光交流拠点を形成していくこと。三つ目に、本市の特性でもございますが、医療や介護施設を生かしまして、そういった分野に関します研究施設の誘致を促進いたしまして、さらに、関係する医療・介護産業も集積する、そのような形で医療・介護産業先進都市というふうなものの形成を目指していきたいと思っております。  次に、支出の減につきましては、一つは、公共施設等総合管理計画の御紹介もいただきましたが、老朽化したさまざまな公共施設につきましては、集約化や複合化に努め、その更新費や維持管理費を抑制すること、2点目に、人工知能AIやIOTなど、ICT技術を活用いたしまして、市役所業務そのものを効率化し、市民の皆さんの手続におきましても、来庁せずにそれぞれの御自宅や勤め先で手続が完了するようなシステムづくりを行うこと、その上で、市職員は、企画・立案やそれから福祉などの体現サービスを充実することでスリムな市役所を実現すること、このようなことで支出の削減を図っていければというふうに考えております。  次に3番目、荒尾市の将来への布石について、お答えをいたします。  議員御提案の、帰って来たくなる政策を実施する。廃屋(空き家)を資産にする発想、あるいは人材の活用など、いずれも移住定住やコミュニティの構築など、本市にとりまして非常に重要な視点であると認識をしているところでございます。  荒尾市の未来への布石という点におきましては、本市の現在の重点戦略、「あらお未来プロジェクト」がまさしくそのための政策として取り組んでいるものでございますが、子どもへの投資によります『人づくり』、健康・長寿の『安心づくり』、雇用創出や経済活性化によります『夢づくり』、そして、未来志向の新たな中心拠点を目指します『街づくり』、この4本柱に基づく施策や事業を今後さらに拡充してまいりますので、議員御提案の内容につきましても、その際に参考とさせていただきたいと考えております。 6:◯浜崎英利◯浜崎英利君 ありがとうございました。  荒尾市のあるべき姿を実現するための長期計画、中身を聞いておりますと、まだまだこれからなのかなというところもあろうかと思っております。このことは、ぜひ必要なことでございますので、一つびっちりとした長期計画を実現していただきたい、そういうふうに思っております。  それから、決算の審査の中で、一応、関連した答弁等は大体いただきましたので、今市長から詳しくお話をいただきましたし、理解はいたしたつもりでございます。  そこで、2点ほど再質問をさせていただきたいというふうに思っております。  まず、1点目ですけれども、今後、荒尾市において、先ほど市長も述べられましたように市民病院、それから市民体育館、道の駅、潮湯それからビジターセンター、三世代交流センター、給食センターと課題は山積をいたしております。  浅田市長は、次代を担う子どもたちに対する施策を荒尾市の目玉の一つとして位置づけ、給食費の無償化や教室へのクーラーの設置の推進、それから、さきに大阪で起こりましたブロック塀等の痛ましい事故を教訓とした学校の安全対策の推進など、学校の教育関係の整備や子どもたちの安全確保等に力を注がれておられますことは大切なことです。私も、これは荒尾市のよさの一つであると、大いに自慢できることであるというふうに思っております。これ、さらに次世代の子どもたちが活躍できる基盤をつくってこられた、これまでの我が国、そして、荒尾市の発展を支えてこられた高齢者の皆さんに対しても、バランスのとれた施策をお願いをしたいというふうに思っております。  これは、昨年の12月議会で私も申し上げましたが、荒尾市の現状を考えると、荒尾市には高齢者が集える場所が必要だというふうに思っております。特に、潮湯につきましては、長年、市内の高齢者の憩いの場として、集いの場として機能し、その完成を心待ちにしておられる市民の皆さんも多いことというふうに思っております。場所の設定や他施設との、先ほどお話がございましたように複合の問題、予算的な問題等もあるでしょうが、どうか一つ早急にめどをつけていただきたいなというふうに思っております。  これから庁内で、いろいろと議論されることと思います。これら公共施設等総合管理計画で規定されているものやそうでないものがありますが、それらの配置が地政学的に、あるいは荒尾市の内外への動線等にもたらす変化をどう考えておられるのか、その辺のところをお尋ねいたしたいと思いますが、よろしくお願いします。 7:◯市長(浅田敏彦君) ◯市長(浅田敏彦君) 潮湯の問題ということで御質問をいただきましたが、現在も潮湯は多くの方々に御利用いただいているところでございますけれども、できるだけ大切に長く使っていただきたいというふうに思っております。  また、今までの議会の中で御説明申し上げておりますが、市民全体の健康づくりの拠点を競馬場跡地に考えていきたいということを申し上げております。具体的には、いわゆる健康づくりの保健、福祉、子育て施設を現在、庁内での検討を始めているところでございますが、温水の活用ができないか、そういう可能性を探ろうということで、現在、内部検討を行っているところということでございまして、そういう意味では高齢者の皆様にも当然ながら、そういう健康づくりの点において、そういう施設を今検討しているところということを御理解いただければなというふうに思っております。  先ほど最初の答弁でも申し上げましたが、そういった施設、競馬場に道の駅、あるいはそういう保健、福祉、子育て施設あたりができ上がることで、他のさまざまな施設とのネットワークというのが強化されていくだろうというふうに思っております。  基本的な本市の公共施設の配置の考え方でございますが、二つの核ということで、緑ケ丘及び駅、南新地を含めました駅周辺地域を二つの核として、そこを環状骨格道路で結ぶ、いわゆる中央区の通りと倉掛通りでございますが、公共交通機関もこの両中核拠点地区を結ぶ形で公共交通も強化しておりますが、それらの施設のアクセスについては、周辺地域と公共施設でできるだけ便利に移動していただけるような形での、全体の都市計画的な考えで、公共施設の配置及び道路、公共交通のネットワークを図って、御利用いただきやすい環境をつくっていくというふうに考えているところでございます。 8:◯浜崎英利◯浜崎英利君 はい、ありがとうございました。一つ、よろしくお願いをいたしておきます。  それから2点目でございますけれども、荒尾市の将来的な布石の流れですね。私どもが暮らしております中山間地域について、今後、対応される事項について少しお話をいただければありがたいと思いますが。 9:◯市長(浅田敏彦君) ◯市長(浅田敏彦君) 中山間地域の振興につきましても、非常に重要な問題であるというふうに認識をいたしております。  本市の特性として、病院とか、あるいは買い物とか、そういう施設が集積しているエリアもあれば、小岱山、あるいは有明海そういった自然豊かな環境もすぐ近くにあるということで、さまざまなライフスタイルの選択ができるのが荒尾市の特徴の一つであり、よさであるというふうに私も思っております。  中山間地域につきましては、やはり今も例えば府本地区におかれましては、樺地区でのいろんな農業体験ができるもの、内容ですとか、あるいはオリーブの栽培を活発にしていただいている、そういう非常に荒尾市の中でも先進的な取り組みをされているところだというふうに思っております。そういった自然が豊かな環境を生かしながら住んでいただくこと、それから、そういう環境の中での魅力的な飲食店あたりを誘致してくること、そして、議員から先ほど御指摘いただいたような空家に移住していただく場合にも、単に移住していただくだけではなくて、例えば、農業ができるようなものとセットにして、そういった移住促進に努めるとか、自然環境が豊かなことでのよさをお伝えして、さまざまなライフスタイルを提案していけるような形で、移住・定住を進められたらなというふうに考えているところでございます。 10:◯浜崎英利◯浜崎英利君 はい、ありがとうございました。  市長も平山に住んでおられますので、同じ中山間地域でございます。一つ、よろしくお願いします。  将来の設計、いろんなものがあると思いますので、ぜひ一つ、丁寧に検討を続けていただきたいというふうに思っております。  特に、先ほど市長から御答弁いただきましたが、中山間地については大変だと思います。特に、移住者の方々が、この荒尾にたくさん来ていただければなというふうに私も思っているところでございますので、そういったものを含めて、一つ御検討いただければ非常にありがたいというふうに思っております。
     ちょっと時間は早いようですけれども、夜間議会でもございますので、ちょっとまとめさせていただきたいと思っております。  市長も御存じのように、北海道の夕張の例でございますけれども、やっぱり私たちと同じ石炭のまちとして栄えてきた町でございました。私もサラリーマン時代に何度かお邪魔させていただきましたけれども、1990年に閉山をし、その後、観光の町として目指して、再建に一生懸命に取り組んでこられましたけれども、闇起債が発覚し、2002年に財政再建団体へ指定をされ、国の管理下に置かれました。人口も最高時は、昭和35年には11万6,908名ということだったそうでございますけれども、平成28年には8,851名となりました。我々も将来に大きな負債を残さないように、そしてまた、こうしたことにならないように、行政も議会も、そして市民の皆さんもお互いに知恵を出し合い、協働のまちづくりを進めていくことが必要かなというふうに思っております。  このことを申し上げまして、少し早いようでございますけれども、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 11:◯議長小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君) 暫時休憩をいたします。                          午後6時53分 休憩    ────────────────────────────────                          午後7時00分 再開 12:◯議長小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続行いたします。12番木村誠一議員。   〔12番木村誠一君登壇〕 13:◯木村誠一君 ◯木村誠一君 まず、質問に先立ちまして、ことし発生しました大阪北部地震をはじめ、7月豪雨、8月の猛暑、台風21号、さらには北海道胆振東部地震において被災された方、そして、今なお避難所生活を余儀なくされておられる方々に心よりお見舞いを申し上げますとともに、関係者の皆様の御苦労・御努力に対しまして、心から敬意をあらわすとともに、一日も早い再建と復興を願うものであります。  それでは、平成30年第3回定例会において、発言通告に従い質問を行いますので、市長並びに関係部課長の答弁を求め、質問に入らせていただきます。  私たちの住む日本は地震大国として知られていますが、最近では、豪雨や台風など気象関連の自然災害も頻繁に起こっています。そして、この自然災害の被害は、死傷者だけではなく、長期的な影響も大きい経済的被害も甚大なものとなります。  西日本豪雨に代表される50年に一度の大雨、台風21号にみられた50メートルを超す最大瞬間風速、生命に危険を及ぼすレベルの猛暑が相次ぎ、こうした大規模な豪雨、洪水を伴う気象災害は、今後、さらに増加していくとみられています。想定外や50年に一度が常態化すれば、いつでも起き得る災害となり、もはや想定外ではなくなります。  そこで問題になってくるのが、現在の自然災害に対応するための建物や道路、排水の強度計算、そして、被害が起こってからの救難救護・災害援助計画が全て過去の災害の記録に基づいて対策を立てられているということではないでしょうか。想定外、50年に一度を前提にした災害対策やマニュアルはもはや通用しなくなり、見直しの必要を迫られているのではないでしょうか。しかし、どのようなマニュアルをつくろうと不測の事態は必ず起き、行政など担当者には、事態に柔軟に対応するとっさの判断力、決断力が一層求められることになるのも事実です。  さらに、今回の災害で課題となっているのが、行政が出す情報をどうやって命を守る避難につなげていけるかといった避難勧告、指示の基準やマニュアルの見直しだと言われており、この避難のあり方については国も検証を始め、内閣府は8月末に災害や気象の専門家ら13人による作業部会を設置し、年内に提言をまとめるとしています。  台風や大雨で数十年に一度の災害が起きるおそれが大きいとして、気象庁が2013年から2017年に計7回発表した特別警報、対象となった12都道府県の307市町村に朝日新聞がアンケートしたところ、自治体が避難指示を出した地域住民のうち、実際に避難所に逃げた割合は3%弱だったという結果が出ています。  また、西日本豪雨で自治体から避難勧告・指示が出された広島、岡山、愛媛3県のアンケートでも、94.3%が避難所へ移動せずに「その場にいた」と回答、また、今後避難勧告などが発令された場合に、「避難しない(難しい)」と回答した住民にその理由を聞くと、「災害の危険がないところに住んでいるから」との回答が多かったとの結果が出ています。しかし、最近の災害では区域外での被害も多く発生しており、どこにいようが安全だとの過信はできせん。ハザードマップ等を活用し、こうしたリスクを住民の側が知る努力も必要ですが、一方において、行政としても住民の意識や行動の全体像を把握する必要もあるのではないでしょうか。  情報は、送り手が送っただけでは生かされた情報にはなりません。受け手がその情報をいつ、どのように受け取ったのか、どのような意味に受け取り、どう判断し、どう行動するのかといった解明も、今後の課題ではないでしょうか。  そこで一つ目に、ここ数十年に一度と言われる災害が各地で起きています。異常気象時代の大災害や酷暑に備えるには、これまでの常識を捨て、発想を変え、対策、備えを強化する必要があると考えられますが、このことに対する本市の考え方をお尋ねいたします。  二つ目に、ことし起きた災害でも課題とされている避難のあり方で、荒尾市地域防災計画の課題とそれに対する対策をお尋ねいたします。  次に、2019年5月に行われる改元に関して質問いたします。  新聞報道によると、憲政史上初めて退位に伴う改元に関し、政府は2019年5月1日の新天皇即位に伴う新元号の公表時期について、同日の改元の1カ月前と想定し、準備を始める方針を決めたとされています。  しかし、ここで問題となるのが、自治体の情報システムは新元号に合わせて改修する必要があるということです。それは、証明書などに「昭和」や「平成」などの和暦を記しているためであり、改修がおくれると西暦と和暦のシステムを接続する際などに障害が起きる可能性もあると言われており、例えば、税を納めても納税記録が残らなかったり、住民票を発行できなかったりする場合もあると言われています。本来、情報システムの日付データは重複がなく、かつ、連続性のある文字列にしなければなりません。画面や書類で現実にどう表示するかは別にして、次の元号がどうなるかの予測ができない和暦での管理は、情報システムとの相性は最悪になり、さらに、こうしたシステムは元号が変わるたびに大きなコストをかけて改修する必要があります。  さらに、印刷物についても同様で、元号の部分を訂正や修正するといった作業が必要になるのと同時に、残ったものについては廃棄処分になるのではとも言われており、改元時にはシステムや印刷物に対する改修や作業、それに伴う時間的コストなどさまざまな改元コストがかかってきます。  そこで質問ですが、2019年5月1日の改元に対する本市の対応と今後の取り組みについてお尋ねします。  二つ目に、市民生活に直結する情報システムの改修及び書類等の対策と課題について、お尋ねします。  最後に、荒尾市立図書館について質問です。  現在の図書館は1973年5月に建てられ、既に45年が経過していることで、老朽化は否めません。  「図書館」とは、図書館法によれば、「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設」とされています。  本市の図書館でも、移動図書館「読む読むくん」、2市2町の図書館の相互利用や工夫を凝らした取り組みなど、職員の方たちの努力もあって、地域における生涯学習の場として定着しています。  しかし、一方で、現在は情報の種類が多様化し、利用者自身が情報をさまざまな媒体から、より手軽に入手できるようになり、図書館側もそれに即した対応をしなければいけなくなったことも事実です。  私たち新社会党議員団は、7月の25日から26日にかけて、神奈川県大和市にある複合施設である文化創造拠点シリウスについて、視察研修に行ってきました。  神奈川県大和市は、東京や横浜のベッドタウンとして、人口総数は約23万5,000人、2016年11月に開館した文化創造拠点シリウスは、市民の利便性を向上させるだけでなく、高齢社会に対応したまちづくりを進める公共施設として、「自宅に閉じこもらず外出をしてもらう」ことも目的にされており、市民の居場所として利用できる建物になっています。  6階建ての建物には、図書館、芸術文化ホール、生涯学習センター、屋内子ども広場、そして、スターバックスコーヒーやコンビニが入居するなど、さまざまな機能が取り入れられている官民融合の複合公共施設です。各階には、有料・無料で利用できる部屋や飲食ができるフリースペースでは、知り合い同士での雑談、会議室とは別にある有料スペースでは、さまざまな催しやイベントが行われるようになっています。  旧図書館では、年間30万人ほどだった利用者は、それぞれの機能の相乗効果で、オープン以来1日平均8,000人で、年間300万人にまでふえています。  荒尾市と大和市では財政規模が違うので、そのまま荒尾市に導入ということにはなりませんが、図書館サービスが本の貸出しだけであれば自治体のノウハウも必要なく、企業の実績の必要もありません。図書館は問題解決を支援する場所であり、生涯学習社会と言われる現在、図書館が多くの学ぶ人の側にある施設と認知されなければなりません。単に本を貸し借りするためだけにあるのではなく、より地域の問題や課題に理解を深め、解決のためのサポートができるようになれば、地域住民は図書館の応援団となってくれるはずです。図書館をめぐる状況が厳しく変動している現状において、これらの公共図書館に求められるものは何なのか、さらに図書館の強みを見出し、地域の特色を分析し、柔軟な発想で事業を創造することが、今後、図書館に強く求められていると考えるところです。  そこで最後の質問として、図書館の現在の取り組みと利用状況と、公立図書館として今後どのように考えられ、取り組まれていくのかをお尋ねし、壇上からの質問を終わり、議長に再質問をお願いして降壇いたします。 14:◯議長小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君) 浅田市長。   〔市長浅田敏彦君登壇〕 15:◯市長(浅田敏彦君) ◯市長(浅田敏彦君) 木村議員御質問の1番目、荒尾市における防災の取り組みについて、お答えをいたします。  まず、1)ここ数年、数十年に1度と言われる災害が各地で起きていますが、本市ではどのような対策を考えておられますかについて、お答えをいたします。  昨日の中野議員及び北園議員への答弁と重複する部分がございますが、御了承をお願いいたします。  近年は、局地化、集中化した大雨や台風により甚大な被害をもたらす風水害が相次いでおり、ことしも平成30年7月豪雨や、関西地方を中心に大きな被害を出しました台風21号、さらには、9月6日には北海道胆振東部地震が発生し甚大な被害が報告されるなど、災害はいつ、どこで発生するかわからない状況となっております。  本市といたしましては、このような災害が予想される場合または発生した場合には、荒尾市地域防災計画にのっとった行動計画によって対応をいたします。  防災計画書では、災害予防計画、災害応急対策計画、水防計画、消防計画、災害復旧計画を定めており、災害の内容や対応する時期に応じて対処してまいります。計画の内容の変更につきましては、毎年、国・県の防災計画の内容に沿って変更し、作成をいたしております。  このような中、市の災害対応能力を上回る災害が発生した場合や特殊な技能を要する事案が発生した場合には、何よりも住民の生命や身体を最優先に考え、早めにかつ、より安全な場所への避難を呼びかける対応を進めてまいります。そのためにも、防災関係機関、団体とは緊密な連携を図るとともに、防災行政無線等を活用した情報伝達手段の確保が必要であると考えており、円滑な情報伝達が行われる設備の整備について検討を行っているところでございます。  また、熊本県や県内の他市町村はもとより、災害時における相互応援協定を締結している団体、企業とも連携して、必要な支援を受けることとしておりますので、災害が発生した場合には、このような連携が迅速に行えるよう、現在、受援計画についても策定を進めているところでございます。  円滑な避難のためには、自主防災組織など地域と一体となった防災体制の確立が不可欠となりますので、地域とも連携を図りながら、市全体の防災体制の確立を構築してまいりたいと考えております。  次に、2)荒尾市地域防災計画の課題と、それに対応する対策についてでございますが、課題の一つといたしましては、本市の防災計画をさらに具体的かつ実効性のあるものにしていく必要があると考えております。大規模災害時には、応急復旧時における適切な対応と、自治体機能を低下させることなく行政サービスを継続して提供していく必要があることから、現在、受援計画、業務継続計画(BCP)、さらに、防災行動計画(タイムライン)の作成作業を行っており、あわせて、これらの計画に関連する業務マニュアルにつきましても作成を進めているところでございます。  二つ目に、自助・共助の体制についてでございます。  近年の大規模災害後の教訓として挙げられる事案として、避難勧告や指示が発令されたにもかかわらず、実際に避難した住民が少なく、場合によっては、逃げおくれるケースもあったと聞いております。  本市の防災計画の避難計画の中で、住民への避難情報の種別に避難準備・高齢者等避難開始、避難勧告及び避難指示がございますが、避難情報の種別について、改めて、市民の皆様に正確に理解してもらう必要があると感じておりますので、広報あらおやホームページでの啓発、また、防災に関します出前講座などを通しまして、防災対策について御理解していただけるよう啓発を行ってまいります。  また、共助の取り組みを促す施策といたしまして、自主防災組織の設立や育成の支援を行っております。自主防災組織の中には、地域での防災訓練の実施や地域における避難ルートの確認、避難所運営の訓練などを行っている地域もございますので、そのような活動を他の地域でも取り組んでいただくことで、各地域の防災力の向上を図ってまいりたいと考えております。  このような活動を地域で行っていただくためには、地域内での住民による助け合いや支え合いの意識を学び、防災・減災に関する知識や技術を身につけ、防災の中心となって活動していただける人材が不可欠でございます。そのために、防災士などの資格を持っている方がリーダーとなって活動いただけることが有意義であると考えております。  そのようなことから、熊本県などが行います防災士関連の研修について、必要な経費の一部を補助することで資格取得の後押しをしたいと考え、本議会において関連する補正予算を計上させていただいております。  今後、自主防災組織をはじめ地域の防災に係るリーダーとして活躍いただける人材を育成し、地域の防災力を高める取り組みを通して、市民の防災意識の向上を図ってまいりたいと考えております。  以上のとおり、大規模な災害から被害を少なくするためには、行政機関による公助だけではなく、市民一人一人の自助や防災組織などの地域の共助の全てによって対応する必要があることから、今後もさまざまな取り組みを通して災害に強いまちづくりを行っていきたいと考えております。 16:◯議長小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君) 石川総務部長。   〔総務部長石川陽一君登壇〕 17:◯総務部長(石川陽一君) ◯総務部長(石川陽一君) 木村議員御質問の2番目、2019年5月改元についてのうち、1)2019年5月1日の改元に対する本市の対応と今後の取り組みについて、お答えいたします。  議員御案内のとおり、平成29年6月16日に、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」が公布され、政府において、来年の5月1日に新天皇陛下が即位されることが決定しております。  元号につきましては、「元号法」に規定されておりますように、「元号は、政令で定める」とされております。  したがって、新元号を定めた政令が公布されることで、新しい元号が施行されることとなります。  また、新元号の公表時期につきましては、政府において改元日の1カ月前を想定して準備が進められるとのことであります。  改元につきましては、関係省庁幹部で構成される新元号への円滑な移行に向けた関係省庁連絡会議にて、各府省庁が個々に管理する情報システムについて、改修や証明書や通知書に「平成」が残るケースへの対応などについての検討が行われているところでございます。  改元に対する本市の対応と今後の取り組みにつきましては、昨年度から元号改正についての準備について、庁内情報共有システムを通じ庁内へ周知を行い、所管課において対応を行っているところです。  具体的には、所管するシステム事業者とのシステム改修についての打ち合わせを実施し、元号を印刷した帳票の運用などについての調整でございます。  今後は、政府における対応状況を注視しつつ、改元への準備を進めていく予定です。  次に、2)市民生活に直結する情報システムの改修及び書類等の対策と課題についてでございますが、今後の予定としまして、平成30年12月議会において改元に伴うシステム改修予算を計上し、議会にて御審議いただき、予算成立後システム事業者と調整の上、2019年5月1日までにシステム改修を完了する予定としております。  具体的には、現行システムにおいて新元号を作成する領域を構築し、新元号発表後速やかにシステムへの登録処理を行うこととなります。この過程でシステム上に不具合が生じないかなどの確認作業も実施することとなります。  これら改修経費につきましては、所管課において各システム事業者と打ち合わせを行っているところですが、一例としましては、住民票関連情報や税情報、福祉情報等を包括的に管理します住民情報システムの改修費を、現時点では750万円ほど見込んでおりますが、できるだけ費用負担がふえないよう調整を行ってまいります。  また、書類等に対する対応につきましては、まず、現在使用している印刷物である帳票等について、元号が印字されたもので、新規で発注する分などにつきましては、改元時期を見据え、過剰な在庫が生じないよう、昨年度から各課にて調整を行っているところです。しかしながら、新元号の発表・公表が元号改正の1カ月前を予定されているため、帳票等を作成する事業者への発注が複数の自治体より集中し、作成が間に合わないことも予想されます。このため、元号を記載していない用紙を作成するなどし、手作業にて対応する部分も一部生じるものと考えております。  前回の昭和から平成への改元の際には、本市におきましては大きなトラブルもなく、対応が完了しております。今回の改元につきましても、国の動向把握に努め、市民生活への影響が生じないよう適切に対応してまいります。 18:◯議長小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君) 永尾教育長。   〔教育長永尾則行君登壇〕 19:◯教育長(永尾則行君) ◯教育長(永尾則行君) 木村議員3番目の御質問に、お答えいたします。  荒尾市立図書館につきましては、昭和48年の開館以来、45年の長きにわたり、市民への教育の振興と文化の発展に寄与してきており、運営においては、平成18年度から指定管理者制度を導入しているところでございます。  まず、議員御質問の一つ目にあります、現在の取り組みと利用状況についてですが、過去5年間を見てみますと、平成25年度から平成27年度において、年間来館者数が約4万9,000人前後、年間貸出冊数は14万冊前後と、ほぼ横ばい状態で推移しておりました。しかしながら、平成28年度において、熊本地震に伴う補修工事による約2カ月間の休館もあり、年間来館者数が約3万8,000人、年間貸出冊数が約10万8,000冊と、大幅な減少となりました。  その後、平成29年度におきましては、年間来館者数は約4万3,000人、年間貸出冊数が約13万1,000冊と徐々に増加してきている状況ではございますが、さらに、多くの方々に市立図書館を利用していただくためのさまざまな取り組みを展開しているところです。  ここで、具体的に幾つかの事業内容を紹介させていただきますと、まず「食」をテーマに、絵本に出てくる食べ物を子どもたちが実際に大人と一緒に調理し、食べながら絵本の読み聞かせを楽しむ「つくって食べるおはなし会」を開催しておりますが、大変好評で参加者の満足度も高く、毎年定員以上の応募があっております。  また、夏休み期間中に小中学生の子どもたちが好きな本を借りてスタンプを集め、目標の20冊を達成すると、10月の図書館まつりで表彰を行う「どくしょクラブ『ポン』」などもあります。この事業は、読書活動の習慣化やきっかけづくりを目的としており、昨年度は140名の子どもたちが目標を達成しております。  そのほかの取り組みとしましては、1歳6カ月児健診受診者を対象に、乳幼児向けの絵本1冊と赤ちゃん用靴下、おはなし会のお知らせなどを詰め合わせた絵本パックをプレゼントする「ブックスタート事業」のほか、乳幼児を対象に、絵本の読み聞かせやわらべ歌を歌って楽しむおはなし会や、高齢者を対象に、老人福祉施設を訪問してのおはなし会など、さまざまな世代の方々に読書の楽しさを体験していただく取り組みを推進しております。  また、館外におけるサービスとしましては、移動図書館車「読む読むくん」が市内各所を巡回し、年間約3万冊の図書の貸出しを行っておりますし、広報活動につきましては、定期的な刊行物の発行や「FMたんと」のほか、「SNS」なども積極的に活用して、幅広く情報発信に努めているところです。さらに現在、広域での連携も進めておりまして、有明圏域定住自立圏構想の取り組みとして、大牟田市、南関町、長洲町とは、圏域住民の利便性向上を目的に、相互利用が可能な体制を整えています。  また、県立図書館とは、相互貸借を行っており、本市図書館に求める本がない場合は、市立図書館において県立図書館の蔵書の貸借りができるサービスも行っているところです。今後、時代とともに利用者のニーズも変化していくと思われますことから、館内に設置した御意見箱をはじめ、他自治体の公立図書館の状況など、積極的に情報の収集を行いながら、図書館事業の充実に向けて取り組んでまいりたいと思います。  次に、議員御質問の二つ目にあります公立図書館としての今後の取り組みについて、お答えいたします。  現施設での運営につきましては、先ほど申し上げたところですが、今後の施設の更新につきましては、平成28年度末に策定した荒尾市公共施設等総合管理計画において、「図書館は、中央公民館と一体となった施設であり、老朽化していることから、更新に当たっては、中央公民館を含め、他の施設との集約化や複合化を検討していきます」と、その方針を示しております。全国各地にはさまざまな形態の図書館がございますが、図書館という施設はその目的として、市外から人を呼び込む集客施設と捉えるか、市民向けの生涯学習施設と捉えるかで、形態や設置場所、コストなど大きく変わる施設だと考えております。  したがいまして、将来における施設の更新につきましては、公管計画の方針を念頭に置きながら、まずは、トータル的な財政運営まちづくりの視点を踏まえたところで、施設の目的や方向性を見定め、それをもとに庁内の関連部署と連携しながら、総合的に検討していく必要があると考えております。 20:◯木村誠一君 ◯木村誠一君 ひと通り答弁いただきまして、ありがとうございます。  一応、回答いただきました分について、再質問していきたいと思います。  まず、自然災害のほうからなんですけれども、ことしはそれこそ耳にたこができるぐらい、常識が通用しないとか、想定外とか、50年に一度とか、そういった話が頻繁に出されておりました。  先ほど市長の答弁の中にもありましたように、やはり、災害自体はやっぱり避けることができない、これはハード面で幾ら対応しても、それを超える災害も来るという可能性があるので、なかなか難しい部分があると思うんですけれども、あとはソフト面をいかに充実させていくかということが、やはり、今回の災害の一番の課題になっているんじゃないかなというふうに思うところなんですね。  その災害避難の情報伝達ということで、市長からもお話をいただいておりましたけれども、実際問題、避難に対する住民の方の意識というのがすごくやっぱり、行政が発信する情報と乖離している、かけ離れている部分がかなりあるんじゃないかなというふうなことを、私自身思うんですね。  これは、実は広島県知事が、新聞のインタビューに答えた分なんですけれども、広島というのは4年前にかなりひどい災害がありまして、その災害を受けて「『みんなで減災』県民総ぐるみ運動ということで、命を守るため早めの避難行動を取ってもらおうとしてきました。にもかかわらず、これだけ被害者が出てしまいました」ということで話をされておるんですね。  それで、「ただ警戒区域を指定するだけではなく、災害の危険性や避難行動の重要さを説明会などで繰り返し訴えてきました。自主防災組織を活性化したり、不動産取引の際には、ハザードマップを説明してもらったり、学校なども含めていろんなルートで危険個所の周知を図ってきましたが、実際の避難行動に必ずしもつながっていません」ということで、4年前に実際あれだけの災害が起きた広島でも、これだけ苦労されているというのが、やっぱり実態ではないかなというふうに思うんですね。  特に、私自身もそういう気持ちがあるんですけれども、「荒尾は災害がないよね」みたいな、もう普段の会話の中でも常にそういう話を、私自身がしてしまっている自分がおるということを含めると、こういった広島の知事の教訓とか、実際に朝日新聞での避難者に対するアンケートですね。先ほど私が言ったのは2012年ですね。2013年から2017年にかけての対象となった12都道府県ということだったんですけれども、これとは別に、また、アンケートを新聞が取っておりまして、アンケートでは、住民が避難しない理由についても質問されているということで、複数回答で、「自分は大丈夫だとする危機感の欠如」が77%、「避難情報の意味を十分に理解していない」というのが64%、「災害時の危険区域を示すハザードマップを認知していない」が34%の順で多かったということで、アンケートの結果が出ております。特に、先ほども言いましたように、荒尾という地域はなかなか今まで大きい災害がなかったので、こういう部分に対してかなり、私も含めてなんですけれども、ちょっと疎い部分があるんじゃないかなというふうな気がするんですね。そういった部分に対して、ただ情報を一方的に発信するんじゃなしに、どういうふうに理解してもらうかということがポイントになると思うんですけれども、そのあたりについては、どういうふうにお考えでしょうか。 21:◯市民環境部長(松村英信君) ◯市民環境部長(松村英信君) 今までのお話と重複するところはございますけれども、今、議員さんお話のように、避難指示とか発令されたにもかかわらず、実際には、避難されない住民の方が多い、場合によっては、逃げおくれにつながるということが教訓として指摘されております。  市としましては、災害に関する情報をいち早く入手しまして、迅速にその情報を確実に住民の方に知らせることが必要だと考えております。そして、市民の皆様は、必要な情報に対して、必要な行動をとってもらうことが防災・減災の上では、重要になってくると当然考えているわけでございます。  現在、防災に関する出前講座や展示、防災訓練などを通じまして、市民の防災意識の醸成に努めているところではございますが、今後、また、啓発活動の進め方については、より効果的な取り組みについて研究してまいりたいと考えております。  また、議員の答弁にもございましたけれども、7月豪雨を受けて、内閣府のほうで今、ワーキンググループがつくられて、避難に関する対策の強化等について取りまとめられるということでございます。その中からまた、提言等が市町村に下りてくるかと思います、その辺の結果を見て、今後の啓発活動を含む防災対策に反映をさせてまいりたいと思っております。
    22:◯木村誠一君 ◯木村誠一君 はい、ありがとうございます。  そこら辺は、国との関係も出てくると思いますので、しっかり対応していただきたいなと思います。  それと、避難するに当たって、やっぱり地域の皆さんがどういうふうな行動をとられるのか、どういう考えでおられるのかということに対して、例えば、市としてアンケート調査とかを一旦してみるということは、お考えではないでしょうか。 23:◯市民環境部長(松村英信君) ◯市民環境部長(松村英信君) 現在、出前講座等による防災講習会等を行っており、その際、参加者の方にはアンケートではございませんが、防災クイズのような設問も設け、防災知識の啓蒙ですとか、防災意識の高揚を図っているところでございます。  また、昨年度の防災訓練の際には、避難所設置運営訓練の参加者を対象にアンケート調査等は行っております。その際に、そのようなアンケートを実施する際に、避難行動に係る設問を設けるなど、意識啓発につながるように工夫をしてまいりたいと考えております。  議員御提案の、啓発を兼ねたアンケート調査につきましては、調査研究してまいりたいと考えておるところでございます。 24:◯木村誠一君 ◯木村誠一君 はい、ありがとうございます。しっかりとお願いしたいと思います。  広島県知事が、避難せずにとどまられた方に対して、どういうふうに対応していくかということの中で話されているのが、やっぱり残留と避難、それぞれのコストを比べ、残留のコストのほうが小さいという暗黙の計算というか比較をされたのではないでしょうかねということで、いわば、先ほど私が言いましたように、「荒尾は今まで大きい被害はなかったよね」みたいなところで、「だったらおったほうが大丈夫や」というふうな、やっぱりそのはかりというのか考えてしまう部分に対して、それに対してやっぱり判断の際に感じる、避難コストを下げ、残留コストを上げるインセンティブをどうするか、つまり、避難せずにおるのと避難した場合というのは、これだけ危険度が違うんですよということを、やはり、どうわかってもらうかというのが一番のポイントになってくるということで、それで初めて住民の方というのは、情報をしっかりと受け取って動いていただけるんじゃないだろうかというふうに、この広島県知事は過去の辛い教訓の中から、そういうふうにおっしゃられておりますので、荒尾市としてもそこら辺を含めて、しっかりやっていただきたいなというふうに思います。  それと、どうしてもやっぱり自然災害というのは起こってしまうものですけれども、あとは被災者の方が生活を営む場所になる避難所が、やはりこの間、各地でいろんな課題というのが浮き彫りになってきていると思うんですね。荒尾市も地域防災計画書の第3章・災害応急対策計画の中で、避難所についての項目というのが書かれております。  それに対してなんですけれども、まず、2016年の熊本地震では、災害そのもので亡くなる直接死よりも、その後の避難生活の環境悪化などを理由とした関連死のほうがはるかに多く、直接死の4倍程度にも上ったということで、最近の災害というのはかなり大規模になってきていますので、その避難所生活がやっぱり長期化しているということで、関連死がかなり多く見られたということで、その関連死をどう防ぐかというのも、一つは災害対策の重要なポイントになると思うんですね。やはり、その避難所では、トイレの問題とか、入浴の問題とか、プライバシーの問題ですね、そういう部分というのもいろいろ課題が上がってきていると思うんですけれども、そういった課題を再度、荒尾市として、今後のその避難所に対する対策として生かしていくというようなことは、今のところお考えではないでしょうか。 25:◯市民環境部長(松村英信君) ◯市民環境部長(松村英信君) 当然、今まで東日本大震災から熊本地震等でいろいろ長期間の避難にあわれた方、その辺でいろんな教訓は出ていると思いますので、今後も防災計画等の見直しの中でそういう部分も、実際に、荒尾市はそういう災害を受けたことがございませんので、その辺を参考にしながら、入れていける部分は入れていきたいと考えております。 26:◯木村誠一君 ◯木村誠一君 はい、ありがとうございます。  時間もあれなんで、あと支援物資の部分というのも、かなりあちこちで支援物資に対しての課題というのも出てきているみたいなんですね。実際、日本での具体的な避難物資の支援というのは、どっちかといえば自治体からの連絡を待たずに、先にどんどん送ってくるプッシュ型だというふうに言われておりまして、その中では自治体の受入れがまだできてない、体制もできていない中でどんどん送ってくるので、その支援物資を、仕分けしたりすることができないというような状況も、あっちこっちの避難所でも起きているということが見受けられるらしいんですね。  新潟県の中越地震で被災した長岡市では、防災計画では外部からの任意の物資を受け取らないようになっているということもあったりして、なかなかその支援物資をきちんと受け入れる体制というのができてなかったということも問題として上げられていますので、こういう部分も含めて課題の一つとして、市としても今後取り組んでいただければな、というふうに思います。  それと、もう一つなんですけれども、防災リーダーというのが、今度予算で一応計上されて、自主防災組織とか、地域で活躍していただくということで、資格のほうを取っていただきながらやっていこうということなんですけれども、この防災リーダーの方というのは、例えば、避難所運営の中の「避難所運営マニュアルに基づき、避難所対応職員の配置や自主防災組織との連携を図りながら、避難所を運営する」というふうに避難所運営の項ではなっているんですけれども、第3節・動員計画の中に、この防災リーダーというそういった言葉というのは出てこないんですけれども、こういった防災リーダーとかというのは、あくまでも個人の判断に任せるということで、市としては考えられているんでしょうか。 27:◯市民環境部長(松村英信君) ◯市民環境部長(松村英信君) 一応、防災リーダーという方を、地域にそれぞれ出ていただいて、地域の防災について牽引していただくリーダーということですので、それには当然、荒尾市の計画そういうことを理解した上で、あと地域の計画をつくっていただく、引っぱっていくリーダーということですので、一人の判断と申しますか、荒尾市の全体の計画にものっとった判断というところになってくるのかなとは思いますけれども。 28:◯木村誠一君 ◯木村誠一君 この防災リーダーの災害時の活動という項目の中に、別に自治体が強制するというふうな文言とかも書いていませんし、あくまでもやはり自主的なものでということで書いてはあるんですけれども、ただ、やっぱり市の税金を使って、取っていただくという部分になりますので、そういう意味では、ある程度のそういった災害時には、何らかの行動の位置づけといいますか、大体、ここら辺の部分を担っていただきたいというのが、私はあってもいいかなというふうに思うんですね。でなければ、やはり税金を投入してするわけですから、そこら辺ではちょっと、今後、そういった部分では課題が若干残りはしないかなというふうな部分で考えておりますので、せっかくそういったふうに、地域で中心となってやっていただける部分ですので、特に、市役所の職員さんも以前に比べると人員もかなり減ってきている中で、災害時には動いていただかないといけないというのがありますので、先ほど市長が言われましたように、やっぱり自助、共助の共助の部分ですよね、そこら辺も含めて、そういった防災リーダーの方には率先して動いていただければなというふうに思うところですので、そこら辺もよろしくお願いしておきたいと思います。  次は、改元の件ですね。これについては、いろんなシステム上で、問題も起きる可能性があるということで、これは実は、前回の改元のときにあった、市役所としてのシステムのエラーらしいんですけれども、秋田県に87歳の女性がおられて、22年間14歳若く登録されていたと。元号が前回変わったときですね。22年間そのまま、14歳若く登録されたままだということで、本来なら対象となっていた後期高齢者医療制度の保険料とか、国民健康保険税とかの部分で、かなりその方にシステム上のエラーで迷惑をかけたということで、市としては時効分を除き請求し、国民健康保険税を還付したということで、やっぱりこういったシステム上のエラーというのも、実際問題出てきているということもあるみたいなんですね。国は一応、今後西暦でということで発表しましたよね。元号については、並記するかしないかということで、発表したみたいなんですけれども、この元号はある程度システムの中にも、荒尾市としては組み込んでいくということで考えられているんでしょうか。 29:◯総務部長(石川陽一君) ◯総務部長(石川陽一君) 荒尾市におきましては、先ほど申し上げましたように元号改正について、今、鋭意準備を行っているところですけれども、これらのシステム改修につきましては、和暦を使用している部分に新たな元号を用いるというような形で改修を予定しているところでございます。  仮に、議員がおっしゃるように西暦で直す場合には、逆に、本市の場合は4桁の数字を改修するということで、全く異なった改修、また期間とか、改修費用の高額化、こういったものも考えられますし、それによって逆に検証期間が必要になる場合も見込まれるところでございますので、またほかの機関との、連携する機関とのそういうシステム連携とかにも影響があるということも逆に考えられたりします。だから、西暦にするからといって、和暦が、西暦がというので、必ずしもそのシステムのバグといいますか、そういった部分が全て解消されるわけではなくて、そういった部分については、確かに、国のほうはそういうふうに言っておりますので、そういった動向を注視しながら、本市にそれが明らかになってきて、また、本市がそれに対応する必要があれば、対応していきたいと。特に、今おっしゃいましたように市民サービスには十分影響がないように、改修については適切に対応を進めてまいりたいというふうに考えております。 30:◯木村誠一君 ◯木村誠一君 この和暦ですね、いわば元号を並記するということになると、誤解されないように、私は、元号がだめだというふうに言っているんじゃありませんので。今はシステム上の話をしているだけなんですね。だから、和暦が付随してくると、次の改元のときにまた、それ費用がかかるわけなんですよね。そのときにまた印刷物にシールを貼ったりとか、また、システムを改修したりとかというので、和暦が付いているとどうしても、その都度その都度、やっぱりコストがかかっていくということだと思うんですね。西暦の場合は、もうある程度、西暦一本でいくとそのまま継続的にずっと使えますので、そういった部分ではむだな経費が要らないと。先ほどおっしゃった700万円だったですかね、言ってしまえば、今回700万円かけて西暦なら西暦に一本化しておけば、次の改元のときにはその700万円は一切要らないと。それと、例えばシステムの誤作動によるリスクも減るということで、そういう意味では、私自身としては、もう西暦なら西暦一本でしておいたほうが、行政としても仕事がしやすいんじゃないかなというふうに思うんですね。  今、世の中というのは、西暦というのが一般化してきているというのが事実ですし、オリンピックも「2020年」と言っていますし、学校の歴史の教科書でも、いわば元号を使って歴史の年号は覚えたりはしませんよね。「鳴くようぐいす平安京」、これは西暦ですし、今変わったらしいですね、いや「いい国つくろう鎌倉幕府」か。これは、1185年に年号が変わったらしいですね。私も今回調べて、初めて知ったんですけれども。そういった意味では、ほとんどが西暦を中心に動いているというのと、例えば、子どもさんたちに寄り添った場合に考えると、なかなか子どもさんたちは「昭和」、「平成」と次に元号が変わってくるとなれば、なかなかその年号を理解しにくい部分もあるかなというふうに思ったりするので、そういう意味では西暦一本にやったほうがリスクが減る、経費が要らないということで、そちらのほうが、国との関係があるので、なかなかうまくはいかないと思うんですけれども、リスクを減らして、さらに経費を減らすという意味では、そちらのほうがいいんじゃないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。 31:◯総務部長(石川陽一君) ◯総務部長(石川陽一君) 議員のおっしゃることも十分わかりながら、システム改修というのが、この元号の改編とか、変わるときに合わせてあるものではなくて、国のそういう全国的な方向性とか、そういったことで明確な部分、西暦で今後いきますよということで、ある程度、全国的に明確にはっきりしてくれば、システムの更新に合わせて、個々に徐々に変えていくということはあり得るかもしれませんけれども、改元にあわせて西暦に変えると、逆に、そういう連携がとりにくくなったり、いろんな問題がちょっと出てくるというふうに捉えておりますので、今般のこの改元についての対応については、一番確実で市民に迷惑がかからないという観点でいけば、和暦のほうが我々としてはいいかなというふうにも思ってもおります。そのあたりは、今後、国の動向を注視して見ていきたいというふうに思っております。 32:◯木村誠一君 ◯木村誠一君 なかなか国の関係があるので、難しいと思うんですけれども、基本的にはそういった和暦、元号を使うということは法律上も強制はされていませんよね。慣習で使っているという程度と、あとは、荒尾市での公用文書の規定の中にも、そういった部分というのは書かれていないというのもありますよね。ですから、そこら辺ではやっぱり国とのつながりがあるので、なかなか難しいとは思うんですけれども、なるべくならやっぱりコストがかからずに、そういった誤作動とかが出ずに、やっぱり市民の方に迷惑がかからないというふうなことで、取り組んでいただきたいと思います。  ちょっと時間がなくなりましたので、最後に、図書館の件を若干お話させていただきたいと思います。  先ほど、永尾教育長からもいろいろ回答をいただいたように、今、図書館は老朽化している中で、かなり頑張っておられると思います。そういう意味では、皆さんも利用されている部分もありますし、いろんな催し物とか同時に使いながら、利用されているということがあると思います。  ただ、きのうの坂東議員の話の中でもあったんですけれども、最近の子どもってやっぱりSNSですね、インターネットとか、そっちのほうに流れていってしまって、なかなか本を読まない、読書離れというのも出てきている部分もあると思うんですね。そういう意味では、図書館で本を読んだり、図書館に行って友達と話ができたりとかという部分というのも、今後、やっぱり必要になってくるんじゃないかなというふうに思うところです。  あとは、荒尾市は、特に高齢化が進んでいますので、やっぱり高齢者の方の居場所、そういう意味では、先ほどお話をしましたように大和市のシリウスですね、そこには「家から出ましょうよ」というのがコンセプトなんですね。中でいろんなことをするのは、もう皆さん自由ですけれども、とにかく「家から出ましょうよ」ということがコンセプトになっています。荒尾市の公管計画の中でも図書館は、公民館等も含めて複合施設ですね。複合施設で、というふうな方向で、検討されているというにお聞きしました。そういう意味では、例えばの話、以前も何か話が出たと思うんですが、五中の跡を利用するとか、シティモールの中を利用するとか、そういった方法も一つ複合施設化としてはやっぱりあるんじゃないかなというふうに思いますので、そういう意味では、しっかりと今後、図書館の位置づけ、そういった複合施設として図書館をどう生かしていくかという部分をしっかり考えて、今後、取り組んでいただきたいと思うんですけれども、そこら辺に関してはいかがでしょうか。 33:◯教育長(永尾則行君) ◯教育長(永尾則行君) 施設の更新につきましては、今後、さまざまな角度から検討してまいりたいと考えております。今回の議員の御提案は、貴重な御意見として賜りたいと考えております。 34:◯木村誠一君 ◯木村誠一君 よろしくお願いいたします。  公管計画の中では、かなりあっちこっちの建物、今後、対応していかないといけないということで、市としても、財政的にもやっぱり厳しい部分はあると思うんですけれども、そういったふうにうまい具合に利用していけば、人が寄ってこれるというような施設にもなってくると思いますので、そこら辺を今後、しっかりと内容を精査しながら取り組んでいただきたいと思います。  これで、ちょっと時間前ですけれども、私の質問を終わりたいと思います。どうも、ありがとうございました。 35:◯議長小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君) 暫時休憩いたします。                          午後7時59分 休憩    ────────────────────────────────                          午後8時10分 再開 36:◯議長小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  一般質問を続行いたします。9番多田隈穣議員。   〔9番多田隈 穣君登壇〕 37:◯多田隈 穣君 ◯多田隈 穣君 皆さんお疲れでしょうけれども、今暫くおつき合いください。  7月、8月の灼熱のような暑さが過ぎて、季節は秋、9月になりました。  きょうはあいにくの雨ですけれども、非常に気持ちがいい風が穂を揺らして、そして気持ちがいい風とともに、すばらしい秋を迎えられたこと、非常にうれしく思います。そして、そんな中、秋風が気持ちよくなっているわけですけれども、私もまた、そんな秋風のように爽やかに一般質問夜間議会のトリとして頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  それでは、まず、質問に入ります前に、去る6月からの西日本を中心とした豪雨、7月、8月の記録的猛暑、そして、9月の台風21号並びに北海道胆振東部地震で亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたします。また、被災された方々にお見舞い申し上げますとともに、一日も早く復旧されますよう心からお祈り申し上げます。  では最初に、本市独自の視点における平成の大合併の意義、当市の経過そして今後の対応をお尋ねいたします。  2025年問題、つまり、約800万人の団塊の世代が75歳になり、日本人の4人に1人が後期高齢者になるという問題はよく知られておりますが、それに継ぐ2040年問題は御存じでしょうか。  2025年の15年後、いわゆる団塊ジュニアが高齢者となるわけであります。結果3人に1人が高齢者となり、労働人口が減少のみならず、人口そのものの減少がいよいよ顕著になるわけであります。それに伴い、個々の自治体がその機能を維持できないと予想されています。現在、総務省主導のもと、それを近隣自治体同士でカバーし合うべく、市町村連携を法制化し、行政主体を圏域にする、という議論が進行しています。  さて、そうすると一つ疑問が生じます。なぜ、あれだけ推進していた合併ではないのかということです。そのための平成の大合併ではなかったのか、という疑問です。圏域なら、本市を含めた玉名、長洲、南関、和水、玉東の熊本県内の2市4町はもちろん、隣接していながらも異なる県ゆえ、合併自体が非常に困難である本市と大牟田市のように、大牟田・荒尾地域振興推進協議会しかり、有明圏域定住自立圏しかり、大牟田・荒尾清掃施設組合等々の都道府県の枠を越えた親密な関係を構築できます。しかし、各市町村の自由意志ではなく、法制化による圏域を進めているということは、平成の大合併は失敗であったとまでは言わずとも、芳しい結果ではなかったと暗に認めているのではないかと思えてなりません。事実、平成30年度現在、「市町村の合併の特例に関する法律」、いわゆる改正・新合併特例法が存在しているにもかかわらず、圏域を推進しているのはその証左と言えます。  さらに言うと、改正された時点で、制定目的がそれまでの「自主的な市町村の合併を推進」から「自主的な市町村の合併の円滑化」とトーンダウンしていることから、適用された平成22年度、あるいは、それ以前に既にわかっていたのではないかと推察すらできます。  さて、合併の本来の目的は強固な行財政基盤の確立であったはずが、合併特例債や合併算定替をあてに、野放図な使い道をした挙句、財政的に四苦八苦しているとはよく聞く話であります。また、かつての村や町だった地域では、著しく行政サービスが悪くなって苦労しているとの話もよく聞きます。それらの話を耳にすると、本市には関係のない話であり、合併話に振り回された結果、よかったんじゃないのと思われる方もいるかもしれません。  しかし、果たしてそうでしょうか。確かに合併バブルだったかもしれません。いわゆるバスに乗りおくれるなの感覚が、当時はあったでしょう。それを後知恵で笑うことは簡単です。しかし、私はそもそも、本市はなぜバスの乗客になれなかったのか、もしくはならなかったのかを考えずにはいられません。本市において、平成16年1月に荒尾市行政改革大綱及び財政健全化緊急3カ年計画が策定されたことから、当時を知らない私でも、財政の危機的状況がわかるわけですが、合併話が最も盛んだったとされているのは、平成15年から平成17年とされています。ちょうど、かぶっております。  合併を結婚に例える人もいますが、なるほど持参金を持ってこいとまでは言わないが、借金を背負ってまで結婚したくないというのは、当然理解できる話です。  そういうわけで、財政の点からはそのように推測するわけですが、事はそんなに単純なものではないように思わずにはいられません。非常にデリケートな問題ゆえ、錯綜していたのではないかと、そう思わずにはいられません。  私が初当選して早3年余り、議員としての職責に耐えるべく勉強しているつもりですが、やはり机上のものになりがちであり、実際に経験し、対応した先輩議員、職員の皆さんからフィードバックを受ける必要性を感じています。先人の苦労のおかげで、本市は財政調整基金減債基金などの基金残高は、平成18年の約5億円をボトムに右肩上がりで、平成29年度には63億円をオーバーいたしました。今後、新市民病院、新給食センターの建築が続き、まだ予断を許さないとはいえ、危機を脱して安定期に入ったとは言えます。そして、安定している今だからこそ、10年後、20年後を見据えて方向性を考えるときではないかと思います。そのためには、過去の検証は怠れません。  平成の大合併を経験しなかった荒尾市ですが、荒尾市にとってのその意義及びなぜしなかったのか、もしくはできなかったのかなどを、合併全盛時から10年以上経過したわけですので、市民の皆さんに当時の状況、立ち位置、対応などを含めて、つまびらかにするときではないでしょうか。そして、それはまさにフィードバックであり、私を含むまだまだ経験値の低い議員の糧となり、若い職員への伝承ともなり、新しい世代による荒尾市政の礎になるものではないかと考えます。それらを踏まえての、本市の今後の対応や方向性をお聞かせ願いたいと思います。  続きまして、新市民病院建設に伴い、その近隣に医療・保健・福祉資源を集約する事の意義について、をお尋ねいたします。  我々荒尾市民はもちろん、近隣自治体の住民の皆さんも含め、まさに医療における精神的支柱と言える荒尾市民病院ですが、著しい老朽化により速やかな建替えを必要としているのは御承知のとおりです。本市の最重要プロジェクトに位置づけられる南新地土地区画整理事業の起爆剤となるべく、また、それに相乗効果を生むべく、競馬場跡地に建設される予定でしたが、市民の皆さんの不安と不満が少なからずあり、現地建替えという結論に落ち着きました。  それからは、非常にスムーズに事が進展していることから、英断であったといえ、正解であったといえます。また、老朽化といえば、給食センターもそれが看過できない状況であり、その建替えが、今回具体的に進行することは非常に喜ばしいことです。こちらに関しては、近隣企業の土地を購入して、拡張に伴う現地建替えを予定していると聞き及んでおります。  さて、これら老朽化した施設を建て替えることに当たって、見過ごすことができない事実があります。それは、現地建替えという事実であり、重要なキーワードであります。市民病院も給食センターも長年あの地にあり、市民の皆さんに親しまれてきております。  先ほど、市民病院を医療の精神的支柱と述べましたが、給食センターも給食の提供という荒尾市と長洲町の児童及び生徒の健やかな成長の一翼を担い、食の安全、栄養の供給という大事な使命を担う必要不可欠な存在であり、保護者や子どもたちにとって重要な精神的支柱といえます。いわば、市民病院も給食センターもランドマークであり、メルクマールといえます。そこにあって当たり前、当然のものがなくなるという喪失感、不安感は想像するに難くありません。また、どんな場所であろうと、いざ移転しようとすると、どうしても賛否両論になることは否めません。それに比べ、現地建替えとなると、既にそこにあるわけですから、誤解を恐れず言えば、よほどの迷惑施設でない限り、反対はないと言えます。事実、我々はその心の機微を経験しております。  これらの事例から、今後、市の建築物は、それらが市民の皆さんの思い入れが強いもの、利便性が高いものほど、拡張も含めた現地建替え、もしくはそれに準ずる形、つまり極力近隣にする流れになるのではないか、と推察するわけであります。  さて、そういうランドマーク、メルクマールであるわけですから、それらを最大限に活用するためには、そのエリアを、それに特化させるのが肝要と思われます。あのエリアは市民病院、給食センターに加え、岱志高校があるため、医療・保健・福祉、そして文教に力を入れたエリアづくりを期待したいところです。しかし、今回、質問項目に文教は入れておりませんので、医療・保健・福祉の資源集約について、お尋ねしたいと思います。  本市の医療環境の強みは、熊大との包括的連携協定、そして医師会、歯科医師会、薬剤師会のいわゆる三師会との親密な友好関係にあると言えるわけですが、先ほど述べましたように、市民病院を中心としたエリアに、医療・保健・福祉の資源を集約、誘導することは、やはり今後10年、20年を見据えて必要ではないかと思われます。  例えば、保健センターです。市民病院、給食センターと立て続けに建設するために、残念ながら優先順位は低くなるかもしれませんが、赤ちゃんからお年寄りの健康を守る大変重要な保健施設です。これを市民病院エリアに移転することは、非常に有意義と思われます。移転といっても、市民病院と保健所は、現在でも近接・近隣と言える距離ではありますが、やはり隣接すること、周辺に位置することのメリットは計り知れません。さらに言えば、荒尾市民の知と文化のよりどころであり、まさにランドマーク、まさにメルクマールである中央公民館、図書館、やはり老朽化しているわけですが、こちらも将来の建替えが必要であり、保健センターが移転後、その跡地を有効利用するなどと、建物をつくる際、または、駐車場スペースなど余裕を持って、計画に幅を持って考えることができます。  昨今、図書館は文化的のみならず、観光的な視野で建設・運営している自治体も珍しくありません。先ほどの木村議員しかり、6月議会の俣川議員しかり、図書館について問題提起されているのは、その重要性ゆえであります。  改めて言いますが、スペース的に余裕があることは、設計段階からそれらを含めた発展性を担保できるものと思います。保健センターを市民病院周辺に配置し、医療・保健・福祉エリアにし、ワンストップサービスエリアにすれば、利便性の上で申し分ないと言えます。  図書館と保健センターが隣接するよりも、市民病院と保健センターが隣接するほうが、相乗効果が著しく高まるのは明白です。  そして、医療分野では、三師会と良好な関係がなぜ存在するのかを考えますと、補完関係にあると思われます。  わかりやすく言うと、病院のドクターと診療所のドクターは役割が違うわけで、それぞれ補い合うことで信頼関係も熟成されたと言えるわけです。  例えば、大きい病院が安心と思って、はじめからそこにかかりたがる患者さんがいるというのは、よく聞く話ですが、そうすると病院のドクターに負担がかかるわけであります。それを防ぎ、病気・けがに応じて、はじめて病院を紹介するというのが、診療所の1つの役割といえます。  一方、複数のドクターがいる病院と違って、診療所にはドクターは大体1人です。1人だから交代はいない、当然休みも必要であり、日曜・祝日は休みます。それでは、日曜日や祝日は、患者さんはどうすればいいのか、結局、直接病院に行かなければならないのか。それらを踏まえて、休日当番医の制度があります。交代で担当のドクターが休みでも、患者さんを診察してくれるという非常にありがたいことですが、大きな欠点があります。  我々の住む荒尾市は比較的コンパクトなまちですが、それでも東から西、北から南と移動すると、それなりに時間もかかります。例えば、その日の休日当番医の担当診療所が四ツ山町にあるとします。金山や樺にお住まいの方が診てもらうということになった。そうすると、非常に不便であるといえます。かつて、競馬場跡地に新市民病院を建設する上で反対意見の一つに、西に寄り過ぎるじゃないか、もっとまん中じゃないと困るというのがありました。結局、今の制度では、それと同じような構図になりかねないわけであります。さらに言うと、普段余り行かない地域では、どこに診療所があるかわからないという問題もあります。それらを念頭に考えると、市民病院に近接する形で、休日担当医のドクターが診察できる施設の建設は必要不可欠ではないでしょうか。ランドマークたる市民病院に隣接するなら、どの地域の人も偏りなく、そして、迷うことなく来院して、治療を受けることができる。これは、患者さんにとって非常に大きなメリットであります。  また、通常の患者さんは、その施設で対応することで、市民病院のスタッフの負担を軽減し、そこで手に余る緊急性のある患者さんの場合、間髪入れず、市民病院に対応してもらえるという流れの形成は、ドクターをはじめ、スタッフの皆さんにとってもいろいろな負担の軽減になることは言うまでもありません。  また、先ほど保健センター建設の話もいたしましたが、基本、日・祝日のみの利用と考えると、保健センター、さらに言うと介護・福祉の面から荒尾市在宅医療連携室、いわゆる「在宅ネットあらお」も含めた複合施設の建設などのさまざまな考えができるのではないでしょうか。本市の強みである医療環境のさらなる充実は、全国的に人口減少の流れが顕著な中、本市の人口減少を防ぐ上で、さらに言うならば、積極的な対応次第では、維持・増加に直結し得る非常に大きなファクターであると考えます。ぜひ強くその方向性を打ち出していただきたいと思います。  以上、壇上での質問を終え、再質問を議長にお願いして降壇いたします。 38:◯議長小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君) 浅田市長。   〔市長浅田敏彦君登壇〕 39:◯市長(浅田敏彦君) ◯市長(浅田敏彦君) 多田隈議員御質問の1番目、本市独自の視点における平成の大合併の意義、当時の経過、今後の対応についてお答えをいたします。  平成の大合併と呼ばれる市町村合併に関する全国的な経緯について申し上げますと、まず平成11年7月に、いわゆる地方分権一括法が公布され、同時に合併特例法が改正をされました。この改正によりまして、国は、市町村合併を積極的に推進する観点から、地方交付税による優遇措置を大幅に拡充し、「合併算定替」と呼ばれる、合併しても地方交付税が減少しないように保証する期間を、従来の5年から10年へ延長し、さらに合併特例債という、合併後の市町村の施設整備などに活用することができる特別の地方債を制度化いたしました。これら合併に伴う国の手厚い財政措置の期限が、平成17年度までであったことから、多くの市町村が財政的な理由を背景として、平成17年度に合併が集中したということでございます。  平成11年3月末時点の市町村数が3,232であったのに対し、7年後の平成18年3月末では1,821と、大幅に減少をいたしております。  また、財政措置に加えまして、国は、平成11年8月に各都道府県に対して「市町村の合併のための指針」を示し、市町村合併のパターンなどを定めた要綱を策定するように求めました。  この通知を受けまして熊本県では、平成12年3月に「熊本県市町村合併推進要綱」を制定し、荒尾市に関する合併パターンといたしましては、本市及び長洲町の1市1町が合併するパターンAと、本市、長洲町及び南関町の1市2町が合併するパターンBの2案が示されました。  そして、県では、市町村合併をはじめとした広域行政を強化するため、平成12年度に従来の県事務所を組織改編をいたしまして、玉名地域振興局をはじめ県下10の地域振興局を設置するとともに、各振興局に管内の合併を推進するための組織を設けました。  その後、平成13年4月に、荒尾・玉名地域の2市8町の首長及び議長で構成する「荒尾・玉名地域市町村合併問題研究会」が発足し、合併の枠組みや任意協議会の設置などについて議論が行われております。  平成14年5月には、一旦、本市を除く1市8町の合併推進協議会が設立されたものの、平成16年10月には休止となり、最終的な枠組みといたしましては、玉名市、岱明町、横島町及び天水町の1市3町が新たな玉名市として、さらに平成17年10月には、菊水町及び三加和町の2町が和水町として平成18年3月に合併が行われたところでございます。  一方、本市では、平成14年度に長洲町との法定協議会設立に向けた動きもございましたが、両者の足並みがそろわず、荒尾市、長洲町の枠組みの実現には至っておりません。  市町村合併に対する当時の本市の認識といたしましては、平成15年9月の市議会定例会におきまして、隣接する福岡県大牟田市との越県合併には、県境という高いハードルがあること、また、長洲町や南関町では合併協議に要する時間的な制約を考慮して、当時は、町単独制を行うとの方針がそれぞれ示されましたことなどから、合併は見送る判断となったところでございます。  また、本市といたしましては、当時の逼迫した財政状況におきまして、まずは交通事業、病院事業、競馬事業の抜本的な健全化を優先すべきであるとの立場に立った判断でもあったものと考えております。  改めて、平成の大合併が目指した目的を振り返りますと、人口減少少子高齢化等の社会経済情勢が変化する中、これまでの中央集権型の社会システムが発揮してきた役割や機能が低下しつつある状況において、地方の自己決定・自己責任の原則のもとで、地域自身が個性豊かで活力に満ちた地域社会となる地方分権型の社会システムを実現するための大きな転換を図るための試みであったと捉えております。  この地方分権型社会システムは、現在におきましても、ますますその重要性が高まっており、高度化・複雑化する行政課題に的確に対応し、本市の自主性・自立性を高めていく必要があると考えております。  平成の大合併と時期を同じくいたしまして、平成16年度から三位一体の改革による地方交付税の減少などにより、本市の財政状況は著しく悪化し、一般会計が大幅な赤字を計上する事態となりましたが、第三次行政改革大綱や財政健全化緊急3か年計画を策定し、市議会や市民の御協力を得て、集中的に財政健全化を推進することで危機を脱することができたのでございます。  平成の大合併という国策そのものの是非を問うことは難しい面もありますが、本市独自の視点で、改めて、当時の経緯から今日までを振り返りますと、合併することなく単独の自治体経営を選択して、市営バスの民間移譲、競馬事業の廃止、病院事業の黒字達成など、公営企業の改革に取り組むとともに、一般会計におきましても思い切った歳出抑制や予算編成の抜本的な見直しなどにより、早期に財政健全化をなし遂げることができたことや、さらに、地域との協働を推進する観点から、地域元気づくり事業や協働のまちづくりを進めることができたことは、本市の経営力の向上、市民とのつながりを深めることにつながっており、大変厳しい痛みを伴う試練ではございましたが、大きな財産になったのでは、と考えております。  平成の大合併後、国では広域連携を推進するための新たな制度として、定住自立圏構想を創設しており、本市は、大牟田市を中心とする有明圏域定住自立圏に平成25年3月から参画をいたしております。この定住自立圏では、生活機能の強化に関すること、結びつきやネットワークの強化に関すること、圏域マネジメント力の強化に関することの三つの分野について連携を行っており、各市町の特性を生かしながら、連携・協力を図っているところでございます。  このほか、広域連携の制度といたしましては、連携中枢都市圏構想や地方自治法改正に基づく連携協約など、さまざまな運営がこれまでも設けられており、さらに、国におきましては、新たな市町村連携のあり方に関する審議も始められておりますが、本市といたしましては、今後とも、必要に応じて積極的に広域連携を活かしながら、効率的かつ効果的に各種取り組みの拡大を図るとともに、引き続き安定した財政運営を行い、市民、地域団体、事業所など、市を構成する皆様との協働によって、荒尾市全体の自治力をこれまで以上に高めて、幸せを実感できるまちの実現を目指していきたいと考えております。 40:◯議長小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君) 田上副市長。   〔副市長田上 稔君登壇〕 41:◯副市長(田上 稔君) ◯副市長(田上 稔君) 多田隈議員御質問の2番目、新病院建設に伴い、その近隣に医療・保健・福祉資源を集約することの意義につきまして、お答えをいたします。  議員の話にもありましたが、荒尾市民病院は、荒尾市医師会、歯科医師会、薬剤師会と良好な連携関係にあります。また、本市も、熊本大学や荒尾市医師会等と連携しながら、平成28年度から大規模認知症コホート研究への協力を行っております。  このように、荒尾市、荒尾市民病院、熊本大学、三師会との医療分野における良好な関係は、平成29年9月の「荒尾市と熊本大学との包括的連携に関する協定」の締結につながり、今後は、保健・医療・福祉に関する分野にとどまらず、教育、文化、地域産業の振興、人材の育成など、まちづくり全般に関する連携へと進化させていきたいと思っております。  熊大や三師会とこのように良好な関係にあるからこそ、新築する市民病院を核として、保健・医療・福祉、さらに、文教を含めた特徴的なエリアにしたらどうかという御提案であったと思います。確かに、周辺の有明高校には看護学科や福祉科もございまして、看護学科の生徒さんたちは市民病院で実習もされております。  それらを加味しますと、議員の御提案は非常に魅力があり、一つのあり方でもあると感じたところでございます。
     市民病院エリアへの市の施設移転の実例として、保健センターを挙げられました。保健センターは公共施設等総合管理計画において、老朽化しており、今後、更新の方向性や類似する施設等の集約化の可能性を検討するとしており、いずれ何らかの検討をしなければならない施設であると思っております。  一方、土地区画整理事業を行っております南新地地区におきまして、市といたしましては、道の駅のほか、保健・福祉・子育て支援施設を整備することを検討しております。この保健・福祉・子育て支援施設の機能や内容は、これから庁内で詰めていくことになりますが、イメージといたしましては、言葉のとおり保健機能、福祉機能、子育て支援機能、さらに、市民交流機能などが想定できるところでございます。  さらに、国の方針といたしまして、子育て世代包括支援センターの平成32年度中の設置が示されており、今申し上げました機能は相互に関連し、切り離せない状況も生じてまいることも想定されております。  したがいまして、保健センターの今後の方向性につきましては、更新の是非、時期、さらに、提案のありました保健・医療・福祉資源の集約など、さまざまな角度から検討する必要があるというふうに思っております。  次に、市民病院に近接する形で休日当番医のドクターが診療できる施設の建設が必要ではないかということについて、お答えいたします。  在宅当番医制、いわゆる休日当番医は、市民の休日・祝日等における医療不安に応えるために、荒尾市の医師会、歯科医師会、薬剤師会の協力を得て実施している事業でございまして、平成9年に、それまで行っていた「休日診療所」を廃止し、現在の「在宅当番医制」をスタートいたしました。  平成22年度からは、荒尾市医師会の提案により、大牟田市医師会と連携した眼科系の救急輪番制も実施しているところでございます。  在宅当番医に関する情報につきましては、新聞やホームページなどで周知を図っておりますほか、土曜・日曜、祝日におきます問い合わせにつきましては、市役所の宿日直室で対応しており、在宅当番医の平均利用者数は、内科・小児科を中心に、年間で約4,000人と多くの方に利用をしていただいているところでございます。  現在、在宅当番医による診療は、外科系、内科・小児科系、歯科系、眼科と非常に充実したものになっておりまして、市民の皆さんの間からも在宅当番医ではなく、いわゆるセンター方式で、との声はお聞きしてない状況でございます。  御質問にありました、休日当番医のドクターが診療できる施設の建設につきましては、今後、新たに診療所を設置するとなれば、建屋の建設にとどまらず、初期の救急医療に対応するための各種の資材や機材などを整える費用なども必要となり、一般的な内科や小児科に加えて眼科などの診療を想定しますと、開設や運営に要するコストと、市民の皆様が受けられるメリットとの比較が重要になると考えるところです。  市といたしましては、現在の輪番による在宅当番医制により、初期救急医療体制を確保していきたいと考えております。 42:◯多田隈 穣君 ◯多田隈 穣君 御答弁ありがとうございました。  ちょっと順番は入れかわりますけれども、新市民病院建設に伴い、その近隣に医療・保健・福祉資源を集約することの意義についてから、まず、再質問を行いたいと思います。  今、副市長が言われたとおり、以前、市役所に入ってすぐ、現在の荒尾市地域職業相談所、いわゆるふるさとハローワークのあるところで、かつて休日診療をしていた際は、市役所に行けば診療してもらえるということで、非常に市民の皆さんに好評だったわけですけれども、今思えば、それは、誰もが知っている場所、皆が知っている施設ということで躊躇なく行けることに尽きる、利用できる、利便性それらがあるかと思われます。  本市の立地適正化計画においては、荒尾駅周辺、そして、緑ケ丘地区周辺を都市機能誘導区域として位置づけておりますが、その導線上に市民病院という誰もが知っている場所、みんなが知っている施設がまさにあるわけです。それを中心とした医療・保健・福祉、そして、介護などのワンストップサービスエリアの構築は、市民の皆さんの利便性の上で、この上ないと思いますが、もう一度その観点から、改めて考えをお聞かせ願いたいと思います。 43:◯副市長(田上 稔君) ◯副市長(田上 稔君) 医療・保健・福祉施設の集約につきましては、ただいま答弁で申し上げましたとおりでございまして、いろんな観点から検討しないといけないと思っておりますが、今の段階で、市民病院エリアに集約するということについては、まだ検討しておりませんで、先ほど申し上げましたとおり、さまざまなことを勘案しながら、検討すべき事項だろうというふうに思っております。 44:◯多田隈 穣君 ◯多田隈 穣君 検討していただけるということで、答えをお預かりいたしました。  次に、本市と熊大は包括的連携協定を結んでいるわけですが、その第1条に、「本協定は、甲と乙が──甲が荒尾市で乙が国立大学法人熊本大学なんですけれども──包括的な連携の下に相互に協力し、地域社会の発展及び人材の育成に寄与することを目的とする」とあります。これを読み解くと、自治体である本市と教育機関たる熊大の立ち位置から考えまして、地域社会の発展のくだりは、一義的に自治体である本市のみが受益し、そして、人材の育成のくだりは、本市の市民や職員さんもさることながら、やはり、教育機関たる熊大の研究者、学生さんが多く受益するものと考えられます。単純に字面から判断すると、本市のほうが、恩恵が多いような感じもあります。しかし、ウイン・ウインでなければ、協定を結ぶ意義はないと思います。  それを踏まえて、第2条をちょっと読んでみます。7つの項目がありますが、こちらですね。「甲及び乙は、前条の目的を達成するため、次に掲げる事項について連携及び協力する」とあります。「(1)保健・医療・福祉に関すること。(2)まちづくりに関すること。(3)教育・文化の発展に関すること。(4)地域産業の振興に関すること。(5)人材育成に関すること。(6)安心・安全な地域づくりに関すること。(7)その他両者が協議して必要と認める事項」とあります。これらは全て重要なのは確かですけれども、やはり、順不同ではなくて、優先順位と考えるものであります。つまり、(1)の保健・医療・福祉に関することが、人材の育成、派遣や交流を含めた研究成果のフィードバックが熊大にとっての最優先かつ大きな利益であり、お互いが最大の恩恵を受けるためには、そのための土壌づくりが本市に求められていると考えます。それが研究フィールドの提供であり、学術研究への協力であると思います。  有名なところでは、世界トップレベルである福岡県の久山町における「久山研究」があります。その研究によって、町及び町民の皆さんは非常に大きな恩恵を受けております。  わかりやすいところでは、健診の受診率の向上しかり、健康意識の向上しかりであります。それをロールモデルとすることは、今後の本市の指針になり得ると考えるところですが、熊大への協力は、先ほど言われたように現在進行中のコホート研究を含め、今後の拠点としての研究施設建設も含めて、惜しむべきものではないと考えます。そのための包括的連携協定であると考えますが、その視点においての、医療・保健・福祉資源のエリア集約の重要性について、どのように考えられるか、お答えください。 45:◯副市長(田上 稔君) ◯副市長(田上 稔君) 荒尾市に責任がある分野での医療・保健・福祉の集約化については、市のほうで積極的に、主体的に回答ができると思いますけれども、今、連携協定に基づいて、熊大とのその研究機関のという表現がございましたけれども、その点については、今この段階では、私の立場でといいましょうか、市としてお答えするものは持ち合わせておりません。 46:◯多田隈 穣君 ◯多田隈 穣君 もちろん、協定上いろいろ表にできない部分というか、そういう部分はあると思うんですけれども、参考程度に熊大サイドからの本市に求めるところは何か、差し支えない程度で結構ですので、教えていただけたらと思います。 47:◯市長(浅田敏彦君) ◯市長(浅田敏彦君) あくまで教育機関でございますので、一つはもちろん学生の皆さんの教育に資すること、それからあわせて医学部で申しますと、当然ながら研究ですね、研究に資すること、また、そういった両面から研究、教育、その両面からそういった実際の臨床と申しますか、フィールドとして荒尾市が提供できる、逆にいうと、熊大から見るとそういった場が荒尾にあるということがメリットになるのかなというふうに思っております。 48:◯多田隈 穣君 ◯多田隈 穣君 研究フィールドの提供、学術研究への協力というのがあるわけですけれども、具体的に、先ほども言いましたように久山研究では、久山町においてそれに値する施設をつくっているわけですけれども、本市においては熊大から何かそのような建設物とかに関しての、こういうふうな希望とか期待とか、そういうのはあるわけでしょうか。 49:◯市長(浅田敏彦君) ◯市長(浅田敏彦君) そういった点については、これからの問題かなというふうに思っております。 50:◯多田隈 穣君 ◯多田隈 穣君 今後、そういうことを、もしかしたら希望されるかもしれないんですけれども、そういう意味において、先ほど言いましたように医療・保健・福祉資源のエリア集約においてそういう建物をつくるとしたら、そこを選ぶとかいうことについては、どのように考えられておりますか。 51:◯市長(浅田敏彦君) ◯市長(浅田敏彦君) 場所という意味でございますかね。保健・福祉・医療のその連携としての場所としての市民病院。 52:◯多田隈 穣君 ◯多田隈 穣君 はい。ちょっとこちらに関してはあくまでも私のほうから、こういうふうに集約したらどうかというのがありますので、そういうもとで、あそこのエリアを、そういう医療・福祉・保健施設のエリアの集約ということで、そういう施設をもしつくるとしたら、そこら辺につくったほうがいいんではないですかというニュアンスもあったんですけれども、いかがでしょうか。 53:◯市長(浅田敏彦君) ◯市長(浅田敏彦君) 失礼しました。そういった複合的な医療・保健・福祉施設の場所につきましては、もう副市長答弁で申し上げたとおりでございますが、これから、議員の御提案もいただきましたので、今時点では、南新地のほうでそういった複合的な施設を検討しているところでございますが、今回の御提案を踏まえまして、今後、総合的に検討していきたいと思っているところでございます。 54:◯多田隈 穣君 ◯多田隈 穣君 南新地土地区画整理事業ですね、こちらに関しては、もう本市にとって最重要課題といいますか、これ失敗したらいけないというわけですから、そちらに力を入れたい、そこのエリアに力を入れたいというのも非常にわかるところでありますけれども、やっぱり、先ほど言いましたように、本市はコンパクトシティとはいえ、やはり、ある程度エリア化することによって、例えば、荒尾駅周辺ということ、一応この市役所も含めて集約させるという意味合いにおいて、ちょっといろいろエリアの集約が今後考えるべき課題と思いますけれども、いかがでしょうか。 55:◯副市長(田上 稔君) ◯副市長(田上 稔君) 繰り返しになりますけれども、市民病院を現地に建て替えるという決め手になった大きな要因は、やっぱり拡張性の問題でしょうね。やっぱりあれだけ広大な敷地が残って、駐車場に利用できる、また、その数十年後の新築にも対応できるということで、あそこを新しい市民病院の建設地に決定したという経緯もございます。  さらに、エリアへの集約ということにつきましては、必ずしも市民病院敷地に建設するということにはならなくて、先ほどちょっと議員もおっしゃいましたけれども、保健・医療・福祉、文教地区というようなエリア設定にすれば、お隣の岱志高校、さらに、私が申し上げましたように有明高校といった施設もございますので、そういった施設との連携をして、そういう保健・福祉・医療、文教エリアというような核づくりということは、まちづくりとしてあり得るのではないかと思っております。 56:◯多田隈 穣君 ◯多田隈 穣君 はい、ありがとうございました。  それでは、今回この件については、いろいろ考えるところもあると思いますけれども、ぜひ検討していただきたいと思います。  次は、先ほどの第1の本市独自の視点における「平成の大合併」の意義、当時の経過、そして、今後の対応を尋ねるの件で、お尋ねいたします。  合併というデリケートな問題は、当事者たる首長、それに準ずる形で議員さんや職員さん同士が、個人的な関係を足掛かりにすることも含めてアプローチすることも多々あると思うんですけれども、それに関しては、ちょっとなかなか難しいところがありますのでオミットいたしまして、先ほど、県によるアドバイスというか、市町村合併促進のための基本指針に基づき、市町村合併推進に関する構想を作成したわけですけれども、先ほどのA案の本市と長洲町、B案の本市と長洲町、南関町とあったんですけれども、その過程において、どのような話し合いがあったのか、支障がない程度で結構ですので、もうちょっと詳しく教えていただけたらと思います。 57:◯総務部長(石川陽一君) ◯総務部長(石川陽一君) 先ほども答弁でありましたように、長洲町と1市1町での合併するパターンと、長洲、南関町との1市2町のパターンがあって、鋭意そこは検討して、それぞれの分野でいろいろ検討してきたところですけれども、いろんな思惑というか、各自治体それぞれありまして、それでそういう広域合併というような形にはならなかった。その後、定住自立圏とか、緩やかな連携というようなことで、そういったことで、いろんな分野での連携を進めてきたというような、そういったことが大まかなところではございます。細かい、何というか、途中途中の経緯というものは、時系列に並べてみれば、それぞれあるかと思いますけれども、ちょっと今ぱっと質問されて、ぱっと答えられるよう内容ではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 58:◯多田隈 穣君 ◯多田隈 穣君 先ほど、県からの関与というか、提示みたいなものはお聞きしたんですけれども、国からの関与は、例えば、都道府県を通して市町村に対する必要な助言、情報の提供、合併協議会の設置推進、内閣に市町村合併支援本部を設置し、市町村合併支援プランを策定するとあったんですけれども、具体的にはどのような感じであったんでしょうか。 59:◯総務部長(石川陽一君) ◯総務部長(石川陽一君) 合併のパターンを先ほど言いましたような形で示されたという、県のほうから示されたということで、特に、国のほうからどうしなさいとかというような形ではなくて、指針を示した上で、都道府県のほうが、こういう合併の形があるんじゃないかということで、2パターン、2案が示されたというようなことでございます。 60:◯多田隈 穣君 ◯多田隈 穣君 はい、わかりました。  次に、当然、近い未来で合併という選択肢はあり得ない、それが前提の質問でありますけれども、合併における事務レベルでの最も高いハードルは、情報システムの統合とされていますけれども、先ほど言いましたように、そういうことはあり得ないという前提ではありますが、近隣の自治体との間で、それらについて推進する、まあ、するしないは別として、勉強会またはお話とかはあっているんでしょうか。 61:◯総務部長(石川陽一君) ◯総務部長(石川陽一君) 現在、御承知のように機関系システムに関しましては、近隣も含めた自治体との共同運用というものは行ってはいないんですけれども、過去には種々検討してきた経緯はございます。ただ、システムというものは、必ずしも近隣じゃなくても、極端にいえば九州外であってもいいわけで、それらの連携については、過去にも検討してきた経緯はあります。やはり、スケールメリットを生かしたコスト削減とか、いろんな各自治体で基幹系のシステムといっても、メーカーが違って、仕様が違って、契約期間もそれぞれ異なっていると。それに、それぞれカスタマイズといって、自治体独自の仕様に仕上げている部分も多々ありますので、トータルでのメリットとか、本当に連携が図れるかという段階になると、なかなか実態的には難しいというのがありますが、そうしたものを置いておいても、広域的な部分では、クラウドというものを今言われておりますので、そうしたものについては、検討していく必要があるのかなというふうに考えております。必ずしも、近隣じゃなくてもいいということだけは、あるかと思います。 62:◯多田隈 穣君 ◯多田隈 穣君 はい、ありがとうございました。  そういうふうになると、今後、圏域という動きが活発になっていくと思うんですけれども、これは圏域という中では、例えば、大牟田市なり、長洲町とか、情報システムの統合とか、そういうものはスムーズにいけるようなものなんでしょうか。 63:◯総務部長(石川陽一君) ◯総務部長(石川陽一君) 先ほど言いましたように、なかなか簡単にはいかない。ただ、仮に合併するとすれば、必然的にしないといけないハードル、乗り越えないといけないハードルではあるかと思いますが、通常の連携の状態でありますと、やはりそれぞれのシステム、メーカー等、先ほど言いましたように異なる部分が多々ありますので、システムのその契約期間もそれぞれ現在も違っておりますので、そういうようなものを合わせていって、なおかつコストメリット等もあるというような状況でなければ、なかなか簡単にはできないかと思います。 64:◯多田隈 穣君 ◯多田隈 穣君 はい、ありがとうございました。  今回、いろいろ質問したわけですけれども、そろそろまとめに入りたいと思います。  今回、大きく二つのテーマで質問いたしました。もう一度言わせていただきますと、本市独自の視点における「平成の大合併」の意義、当時の経過、そして、今後の対応を尋ねると、新市民病院の建設に伴い、その近隣に医療・保健・福祉資源を集約することの意義についてなんですけれども、これらの二つは一見、関連していないように思われたかもしれませんが、実は、根底に大きな共通点があると考えます。それは、自治体間競争です。確かに今は、圏域の方向で進んでいますが、数十年後には、また、合併の方向に戻る可能性がないとは言い切れません。再び合併の流れがきた際、この荒尾市が選択として選ばれるだけではなく、主体的に動け、そして、主導的な役割を持って選択権を確保できる体制になることが、必要不可欠であると考えます。また、圏域でも、荒尾市民の利便性のためにも、中心的立場を確保することは必要であると思います。その意味でも、大合併の意義を尋ね、精査し、体制を整える。そして、本市の強みを生かして、特徴あるエリアづくりを図る。それらが将来への大きな布石になると考えます。  これにて、質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。    ──────────────────────────────── 65:◯議長小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「なし」と呼ぶ者あり〕 66:◯議長小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君) 御異議なしと認めます。よって、本日の会議はこの程度にとどめ、延会することに決しました。  次の本会議は、明日9月21日午前10時から再開し、一般質問を続行いたします。  本日は、昨年に引き続き夜間議会の開催となりました。傍聴者の皆さん、浅田市長をはじめ、各理事者、関係者の皆さん、夜遅くまで本当にありがとうございました。気をつけてお帰りください。  本日は、これにて延会いたします。                          午後9時07分 延会...