以上、壇上からの質問を終わり、答弁をいただいた後には、一問一答での再質問を議長にお願いをしまして、降壇をいたします。
4:◯議長(小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君) 浅田市長。
〔
市長浅田敏彦君登壇〕
5:◯市長(浅田敏彦君) ◯市長(浅田敏彦君) 橋本議員御質問の、
世界遺産万田坑の現状について問うのうち、1)市政発展のため、市長は万田坑の有効活用をどのように考えているのかについてお答えをいたします。
平成27年7月に、本市の万田坑を含む明治日本の
産業革命遺産、製鉄・製鋼、造船、石炭産業が
世界文化遺産に登録されて2年5カ月が経過をいたしました。
世界遺産登録時にユネスコから出された勧告に対する回答につきましても、11月末に日本政府からパリの
ユネスコ世界遺産センターへ無事提出され、その審議が来年度の
世界遺産委員会で行われる予定となっております。
さて、
世界遺産登録後には、見学客が前年度に比べ3倍以上の約11万人に増加いたしましたが、昨年度は熊本地震の影響もあり、登録年度に比べ半減をいたしました。今年度は、
万田坑フェスタや大牟田市と連携した炭鉱の祭典など特色を生かしたイベントを開催いたしましたが、11月末現在で前年度同期に比べ約1割程度減少をいたしております。
このような状況の中、国史跡であり世界遺産の構成資産である万田坑や
専用鉄道敷跡などを計画的に修復、公開、活用を図り、その価値を次世代へ適切に保存・継承していくために、昨年8月に世界遺産の専門家等の有識者からなる、万田坑跡及び
専用鉄道敷跡整備基本計画策定委員会を設置し、審議してまいりましたが、今月、基本計画の最終案がほぼ取りまとまったところでございます。
市といたしましては、このように厳しい現状を踏まえて、見学客の減少要因等の分析を的確に行い、これからの万田坑の将来にわたる保存・活用に取り組んでいかなければならないと強く感じているところでございます。
万田坑等の計画的な整備により、
世界遺産自体の価値や魅力を高めることはもちろんですが、まず、その価値を市内外の人々に広く知っていただくことが、万田坑の有効活用につながり、ひいては、見学者が増加することにもなると考えております。
そこで、本市が炭鉱のまちとして築いてきた市民の歴史や、炭鉱の
まちならではの地域の絆、記憶などを深く理解していただくとともに、広くわかりやすく伝えていくための効果的なPRやイベント、学習、そして、円滑に来訪できるような誘導を行う必要があると考えております。
そのためには内向きと外向き、つまり、市民と観光客の二つの視点に分けて、それぞれ違ったアプローチが必要であると思っております。
二つ目の視点、市民に対しましては、市内すべての小学校が万田坑を学習施設として活用することなどによります担い手の育成や、市民参加型のイベント、地域との交流連携などを通して、市民自身が万田坑を誇りと思い、愛着を感じるような活動の充実が必要であると考えております。
次に、二つ目の外向きの視点、観光客に対してですが、三池炭鉱の価値をより広め、円滑に万田坑を訪れることができ、価値を理解してもらうためには、誰にでもわかりやすい情報発信や、わくわく、どきどきするような
体験プログラムの提供、民間とも連携しながら万田坑の景観や歴史を生かした、訪れてみたいと思わせる魅力的なイベントの企画実施などが必要であると考えております。
そのうえで、私自身が主要な旅行会社や学校等へ教育旅行などの誘致をトップセールスするなど、集客増を図ってまいりたいと考えております。
さらに今回、九州内で新しく生まれました世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と
関連遺産群や、来年の
世界遺産登録を目指しておられます長崎と天草地方の
潜伏キリシタン関連遺産をはじめとする国内の他の世界遺産や候補遺産等の新たな連携にも取り組んでいく必要があると認識をしているところでございます。
このように、世界遺産であるものとしての保存・管理を行っていくだけではなく、人づくりやおもてなしといったソフト面の充実等を図っていくことで、世界遺産の構成資産「万田坑」というブランドの価値を高めるとともに、そのブランド力を幅広く発信することによって、将来にわたり安定的な集客を図って、本市の発展につなげていきたいと考えております。
なお、その他の項目につきましては、担当部長より答弁いたします。
6:◯議長(小田龍雄君) ◯議長(小田龍雄君)
一木建設経済部長。
〔
建設経済部長一木鉄也君登壇〕
7
:◯建設経済部長(一木鉄也君)
◯建設経済部長(一木鉄也君) 議員御質問の、
世界遺産万田坑の現状について問うの2)
世界遺産登録前と後、理想と現実のギャップをどう分析しているのか、3)現在の収支の状況はどうなっているのか、4)万田坑が抱える問題点、また、その解決策はどうなっているのか、5)来場客増を考えたときの具体策はどうなっているのか、6)世界遺産の冠を使いきれているのかについてお答えいたします。
はじめに、2)
世界遺産登録前と後、理想と現実のギャップをどう分析しているのかについてお答えいたします。
本市では、万田坑を含む明治日本の
産業革命遺産が世界遺産に登録される以前に登録された市町村を対象に、見学客の動向調査を行い、その動向から
世界遺産登録年度は大幅に集客が増加するものの、それ以降は数年かけて少しずつ減少し、最終的には登録前の見学客数からやや増加したところで落ち着き、そのまま推移していくという、おおよその集客動向は把握しておりました。
しかしながら、昨年度前半の減少幅に関しましては、本市の想定を大きく超えており、おそらく、昨年4月に発生しました熊本地震の影響ではないかと考えております。
今年度につきましては、昨年当初の4月から6月にかけては、予想以上に減少した前年度比から約40%の増加で推移しておりましたが、7月以降10月までは前年度比から約40%の減少と大きく後退しました。7月当初は、
九州北部豪雨に見られる悪天候が続いたことが原因であると見込んでおりましたが、9月以降も増加傾向に転じなかったため、原因の一つとして、本年7月に九州で新たに世界遺産に登録された「神宿る島」宗像・沖ノ島と
関連遺産群へ見学客の流出が影響しているのではないかと考えているところでございます。
11月現在の来場客については前年度並みでございますが、引き続き、おもてなしの向上とさらなる情報発信を行っていくことで、12月以降の落ち込みを最小限に抑えていくとともに、今後も観光客等の動向を注視していきたいと考えております。
また、次年度以降につきましても、長崎と天草地方の
潜伏キリシタン関連遺産や、大阪の
百舌鳥古市古墳群などの
世界遺産候補が、次々と世界遺産に登録されていくことが予想される中で、これまで以上にメディア等での取り扱いも容易でなくなってくることが想定されます。
今後におきましても、大牟田市や宇城市をはじめとする三池エリアの関係自治体との連携をより一層強化し、さまざまなイベントや行事の企画、そして、
観光関連団体等とのタイアップによる旅行商品の開発などを行っていくことで、万田坑などを含む
三池炭鉱資産が他の世界遺産の中で埋没しないよう、早急に情報発信等の対策を講じてまいりたいと考えております。
次に、3)現在の収支の状況はどうなっているのかについてお答えいたします。
世界遺産登録年度の平成27年度の収入につきましては、入場料収入が約3,700万円、その
他物産品販売等収入が約700万円、総額で約4,400万円の収入があり、指定管理における収入については約1,000万円の黒字となっております。
また、平成28年度の収入につきましては、入場料収入の減少とともに事業収入も減少し、入場料収入が約1,500万円、その
他物産品販売等収入が約300万円に減少したものの入場者の減少による経費の低減もあり、約600万円の黒字となっております。
今年度におきましても、同数程度の入場者数を見込んでおりますので、前年度並みの収支になるのではないかと想定しております。
次に、4)万田坑が抱える問題点、またその解決策はどうなっているのかについてお答えいたします。
まず、万田坑を含む
三池炭鉱関連施設の問題点は、産業遺産であるという性質から、時代とともに施設や設備の役割が変わってきており、解体と建造のスクラップ・アンド・ビルドを繰り返しながら、平成9年の
三池炭鉱閉山まで機能が維持されてきているため、現存する施設だけでは万田坑を含む三池炭鉱の
石炭生産システムを理解することが難しい点が挙げられます。また、施設全体が老朽化し、施設の破損等が進行している個所が多数あるものの、現状では、一部の施設以外は修理・工事ができておらず、安全面の理由から体験見学や内部公開がほとんどできない状況でございます。
このようなことから、今年度中に策定する
三池炭鉱跡の保存・公開・活用に関する計画に基づき、現存施設の修復や整備を計画的に行っていくことで、見学エリアや動線を広げ、万田坑の魅力を高めてまいりたいと考えております。
また、施設の設備の変遷の歴史や三池炭鉱の
石炭生産システムなどについて、解説版や仮想現実をつくり出すバーチャル・
リアリティシステムなども検討し、丁寧にわかりやすく説明を行っていくことで、三池炭鉱の世界遺産としての価値や、三池炭鉱をはじめとする石炭産業が日本の近代化に果たした大きな役割などについて、理解を増進させていきたいと考えております。
次に、5)来場客増を考えたときの具体策はどうなっているのかについて、お答えいたします。
世界遺産登録前から取り組んできた施設ガイドを含めた人材育成の強化や、施設ガイドを補完する音声ペンの導入などに加え、登録に合わせて平成27年度に
スマートフォンやタブレットなどの
モバイル機器を利用した
ガイドシステムや、Wi-Fiによる
インターネット回線の無料エリアの設置などを導入しました。また、手狭であった
万田坑ステーションの
特産品販売エリアを拡充するため、隣接する民有地を借りて仮設の物販施設を整備しております。
なお、レストランなどの見学者への
飲食スペースについては、現在のところ市としては整備を予定しておりませんが、見学者の利便性を向上させ、万田坑での滞在時間を延ばしていくためにも必要なものと認識しております。
今後、世界遺産としての景観に特段の配慮を行いながら、飲食店の出店等についても働きかけていくとともに、万田坑の近隣地域を各種店舗が進出したいと思わせるような魅力的な地域づくりに取り組み、人の流れを創出してまいりたいと考えております。
最後に、6)世界遺産の冠を使いきれているのかについてお答えいたします。
万田坑への集客が思うように伸びていない現状や、市内外での
世界遺産構成資産としての認知度がそれほど上がっていないという点からは、まだ、十分に使い切れているとは言えないものと認識しております。
今後は、
三池炭鉱跡の保存・公開・活用に関する計画に基づく公開活用の拡充を図り、さまざまな事業やイベントを積極的に開催し、
各種メディア等での露出を向上させていくとともに、現在、本市が加盟している
世界遺産明治日本の
産業革命遺産の構成資産を有する関係自治体の8県11市で構成された明治日本の
産業革命遺産世界遺産協議会や、全国の近代化遺産の保存・啓発を行っている
全国近代化遺産活用連絡協議会などを通して、積極的な情報発信を図ってまいりたいと考えております。
また、将来的には、世界遺産という枠組みで、他の国内の世界遺産との連携や三池炭鉱をはじめとする
炭鉱関連遺産との連携などを図りながら、万田坑や
専用鉄道敷跡を含む三池炭鉱の発信力を向上させていきたいと考えております。
8
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 ひととおり答弁いただきましたので、再質問をやらせていただきます。
まず、市長の今後の万田坑の有効活用の中で、今、答弁があったのは、万田坑の価値を広く知ってもらうと。そのためにPRやイベント、学習が必要になってくると。そして、市内のすべての小学校において、学習施設として有効活用していくという答弁があったんですけれども、今現在、
世界遺産推進室は以前あった教育委員会から外れてあるんですけれども、市長の答弁を聞いたうえで、教育長にあえてお尋ねしますが、市内のすべての小学校にこういうことを広めていくということでありますけれども、その辺の具体的な対策はどう考えておられますか。
9
:◯教育長(永尾則行君) ◯教育長(永尾則行君) お答えします。
「荒尾の宝もん」という副読本、小学校の中学年、高学年用につくったものですが、これをすでに全小中学校に配布しております。そして、先ほど市長が申しましたように、万田坑を必ずその中で見学をしに行って、そこで学習をするようにというふうにしています。調査をしました、ちゃんと行っているかどうか。10の小学校、3の中学校、全校万田坑を訪れて、そこで見学し学習をしております。まだ2校予定のところがありますが、行くようになると思います。小学校は3年生が中心です。中学校は1年生が中心です。いずれも総合的な学習の一環として行っております。ですから、荒尾市の歴史を万田坑を中心にしっかり学習しながら、荒尾市に誇りを持つ子どものその土台づくりというのは、着実に少しずつ進んでいると考えております。
10
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 そういう市内の小中学校の取り組みのみならず、この前、新聞の記事にも載っておりましたけれども、大牟田市で先日、第9回の
ユネスコスクール全国大会が開催されたということもあっております。これはESDという言葉で表現してあるんですけれども、持続可能な開発のための教育という、その推進根拠となっている
ユネスコスクールを軸として、ESDに関心を持つ人が集い、さらなる発展を目指して実績交流を行うという趣旨で先般、大牟田市で行われたと思うんですけれども、こういう取り組みについては教育長はいかがお考えですか。
11
:◯教育長(永尾則行君) ◯教育長(永尾則行君) 先日、大牟田市で全国大会がございまして、ちょうど荒尾市は
人権フェスティバルの日でしたので、私は行けなかったんですが、そちらのほうに参加した学校もございます。
持続可能な社会をつくるためのいろいろな取り組みは、今、全部の学校でやっております。いろんな学校の中での省エネに取り組んだり、いろんな委員会の中で学校の中の水道、電気、あるいはごみを減らす、リサイクルに取り組む、そういったところに全部の学校が取り組んでおります。大牟田市が加盟しております、こういう
ユネスコスクールに参加をしている学校はございませんが、基本的には全部の学校でやっておりますので、荒尾市においてもそれはきちっと推進できていると考えております。
12
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 先ほどお尋ねした中での、小中学校はその副読本を使って万田坑を勉強しておるということですが、副読本以外でもっともっと万田坑の魅力を、その小学生、中学生の子どもたちに伝えるために、どのような努力が必要だと思われますか。
13
:◯教育長(永尾則行君) ◯教育長(永尾則行君) まず、荒尾市の子どもが荒尾市に誇りを持つためには、基本的なこの万田坑、そして、荒尾干潟、宮崎兄弟と三つの大きな柱を立てているんですが、これらをきちんと教育課程の中で学習をすることがいちばんと考えております。
そのうえで、例えば、万田小学校は万田坑の
子どもガイドを今、やっております。昨年から始めているんですが、万田坑の中の6ケ所ぐらいに数人ずつ分けて、自分たちで学習したパネル等を使って、例えば、
万田坑フェスタのときに、私も見にいきましたけれども、多くの観光客にしっかり説明をしておりました。とても好評です。これが去年から始まって、6年生がしておりますので、今度はことしの6年生にと引き継がれております。こういった学校を拠点にしながら、それぞれの地域には、また、それぞれのいろんな歴史がありますので、それと関連しながら進めていくことが大事かなと考えております。
14
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 市内の子どもたちへの取り組みは、今、永尾教育長の答弁で大体方向性はわかりました。
一木建設経済部長、対外的に考えたときに、子どもたちへのその万田坑の魅力というか、その辺を伝えるためにはどのように努力をなさいますか。
15
:◯建設経済部長(一木鉄也君)
◯建設経済部長(一木鉄也君) そうですね、子どもたちには、やはり、荒尾市には世界遺産という世間的にも有名なものが荒尾市にはあるということを、みんなに知っていただいて、いい学習の材料等とかになればいいかと考えておりますけれども。
16
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 先ほど私が質問した4番目の答弁の中で
一木建設経済部長は、万田坑が抱える問題点並びにその解決策の部分で、
バーチャルリアリティの導入であるだとか答弁なさったですよね。例えば、これはうちが8県11市、明治日本の産業遺産で、同時に世界遺産として認定をなされた佐賀県の
三重津造船所跡、ここは現に足を運ぶと、行けばそこには広いところがあって、具体的に何もないんですけれども、そこでそのバーチャルの眼鏡をかけると往時を偲ぶような風景が出てくると。
うちの場合、万田坑がいちばん、先ほどから話が出ているように、集客力として弱いといいますか、なかなか来ていただいた人たちに感動を与えるというか、そもそも話が返りますけれども、丸3年前の平成26年の12月議会、私がこの登録目前の万田坑をテーマに質問させていただいたときに、浅田市長は当時の総務部長だったですね。当時の前畑市長の答弁にもありましたけれども、「来てよかった、また来たいというような取り組みを心がけていく。」という答弁が、そのときなされておるわけですよ。現になかなか、いろんな──これはまた後に話をしますけれども──文化庁との間での法の縛りだとか云々があって、いろんな来訪者の人達の利便性を考えたときに、招く側として見れば、いろんな改良も含めてやっていきたいと思ってもそういうものに対して縛りがある。
その中で、限られた中での、それじゃ何ができるのかというところでの知恵が必要になってくると思うんですけれども、先ほどお尋ねしたように、例えば、そのバーチャルの部分であったり、万田坑の中に学校としての学習施設、修学旅行としての見学施設だけじゃなくて、子どもを持つ親御さんたちが自分の子どもを連れていきたいというような、何というんですか、アミューズメント性といいますか、今で言うと、荒尾市にはテーマパークがあってグリーンランドには人が来るけれども、なかなかほかのところには足を運んでもらえないという現状がありますよね。
それを考えたときに、やっぱり、先ほど申し上げたように佐賀県の三重津の造船所跡じゃないけれども、現地に足を運んで、うちもその坑道の一部でも実際、足を運んで、例えば、大分県の中津江村の鯛生金山なんかはその坑道が残っていて、中を見て回れるだとか、そういうふうな部分があると、もっともっと環境は違うのかなと思いますけれども、その辺のバーチャルの導入についても具体的に今、話が進んでおるのか、ちょっとその辺の答弁をよろしくお願いします。
17
:◯建設経済部長(一木鉄也君)
◯建設経済部長(一木鉄也君) バーチャルに関しては、今後、検討できればというような段階ですけれども、ただ、計画を現状しておりますので、今、やはり危険個所等とかで、また、万田坑内を十分に見学することができないというところもありますので、今後、その計画の中で改修とか修繕等とかを行いまして、万田坑の中をある程度幅広く見学できるような形を考えております。
それとともに、また、万田坑を整備するために、いろんなそういう見学できるとか何か体験をできるとか、そういうような感じの計画を今度、それを含めたところで考えていきたいと考えているところでございます。
18
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 お客さんを呼び込むための努力として、今、言ったように、もっともっと子どもたちにも理解しやすい環境づくりというのは必要になってくると思いますし、これも3年前にもいろいろ話をさせていただいて議論したんですけれども、現在、なかなか来場客数の問題もあって、手が行き届かないというか、例えば、今現在に至っても万田坑において食事をする部分がなかったり、そういうところがありますよね。やっぱり、人を呼び込もうと思えば、そういう観光の視点で物事を考えたときに、例えば、食の開発であったり、その辺についてはどのようにお考えですか。
19
:◯建設経済部長(一木鉄也君)
◯建設経済部長(一木鉄也君) 食の改善というか、万田坑にも今のところそういう食事をするところがないというような状況ですので、市のほうでそういうのを設置するというのではなく、民間の企業とか商店等の方がその万田坑付近に店等とかを出店していただければというようなことを考えております。それに基づいて、一応、そういう商店街等とかにも出店等とかの意向等とかを聞いていきたいと考えております。
20
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 本当に、それで地域の人たちは協力していただけるんでしょうか。
21
:◯建設経済部長(一木鉄也君)
◯建設経済部長(一木鉄也君) そうですね、一応、万田坑独自の食品とか、「万田坑ゴロゴロ」とかの新しい食べ物等とかを開発してもらっておりますので、その辺で食の開発をしていただいて、そういうのが販売できるようなお店ができればとは考えております。
22
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 これも、その万田坑の来場客数が減ったという状況説明の中で、昨年の熊本地震があって、以前、大分県ルートで入って来ておられた人たちがなかなか今、足が遠のいているというような話もあったんですけれども、こういうやむを得ぬ現状を考えたときに、それ以外の地域、九州圏内を考えたときの修学旅行生の集客というか、その辺は具体的にどのように考えておられますか。
23
:◯建設経済部長(一木鉄也君)
◯建設経済部長(一木鉄也君) 関西等とかの修学旅行等とかも、ことし4校ほど来ていただいております。それでまた営業等とかもこれからしていって、マジャク釣り体験とか万田坑にも来ていただいて、荒尾市のよさをアピールしていきたいとは考えております。
24
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 それはもう、精神論だけじゃなくて、具体的にそういうところに話をして取り組んでおられるんでしょうか。
25
:◯建設経済部長(一木鉄也君)
◯建設経済部長(一木鉄也君) 現在、関西と四国、中国地方のほうに行って、直接お話をして、営業をやっているところでございます。
26
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 九州のそのテーマパークというか、北九州市の今度、閉園するスペースワールドは年内で閉園をするということで、修学旅行生の人たちが万田坑とグリーンランドをセットにしてという話も聞いていますけれども、その辺の部分というのはふえつつあるんですか。
27
:◯建設経済部長(一木鉄也君)
◯建設経済部長(一木鉄也君) スペースワールドも今年中に閉鎖するということですので、私どものほうもやはり、グリーンランドや万田坑とかもセットというような形で、この機会をチャンスと捉えてPR等とかをしていきたいと思っております。
28
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 やっぱり、年間の来場客数をキープしていくうえで、やっぱり、それなりの人たちが来ていただかないと、なかなか万田坑の運営というのは厳しい、右肩下がりではいかんわけですね。だから、それをどうやって食いとめていくのかということで今、議論をしておるんですけれども、そう考えたときに、現状で万田坑のその損益分岐点といいますか、どれくらいのお客さんたちに足を運んでもらえれば維持していけるのか、具体的にお答えください。田川産業振興課長の答弁でもいいですよ。
29
:◯建設経済部長(一木鉄也君)
◯建設経済部長(一木鉄也君) 大体ではございますが、今の経営の状況から考えますと3万5,000人前後ぐらい。大体3万人ぐらいで収支がとんとんぐらいというような形で考えております。
30
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 3万人の来場者で大体年間の運営を含めてやっていけるんですか。ここに、僕が平成26年やり取りした議事録を持っておるんですけれども、これは当時の塚本保健福祉部長がまだ教育委員会の次長でおられたときの答弁なんですけれども、その当時は、認定を受ける直前だったものですから、非常に希望的観測があって、年間十五、六万人のお客さんがお見えになって、その当時の答弁で損益分岐が、指定管理料だとか除草だとか維持費を考えると、アバウト5,000万円ぐらいかかりますという答弁だったんですけれども、3万人で収益がどれくらいになるんですか、今の答弁だと。
31
:◯建設経済部長(一木鉄也君)
◯建設経済部長(一木鉄也君) ちょうど平成26年度が入坑者数が3万1,345人ということになっておりまして、そのときの収入と経費の差額が大体100万円程ありますので、大体その辺ぐらいが基準ではないかと考えております。
32
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 先ほど答弁にもありましたけれども、平成27年、平成28年を含めて指定管理料も若干、市のほうに返還もあっておるのでというようなことも含めて、そういうことなのかなと思いますけれども。例えば、先ほど今後の万田坑の魅力を上げていく部分の話で、軌道敷の有効活用等の話も出ましたですね。
実は先般、これは11月24日だったんですけれども、大牟田・荒尾の地域振興協議会におきまして、今、私もそこに籍を置いておるものですから、高千穂町のあまてらす鉄道を見てまいりました。これは、もともとその高千穂線といいますか、熊本県から宮崎県に抜けるあの線であったんですけれども、台風被害により途中の鉄橋が決壊したり崩壊したり、非常に復興に関して多額の経費を要するものですから、今、その高千穂線というのは通ってないんですけれども、これを民間団体が買いあげて、今、トロッコ列車的なものを走らせておられるわけです。
その高千穂鉄道に乗ってまいりましたけれども、駅から途中の大きな橋があって、地上105mの高さだったですかね、そこまで行って、また、折り返しで帰ってくるんですけれども、こういう廃止されたその鉄道の有効活用で現在、そのあまてらす鉄道に乗りたいということで、全国から約4万人のお客さんがお見えになっておると。結局、そのお客さんがお見えになって、遠方の方もいらっしゃるものですから、そういう取り組みのおかげで、宿泊もふえておりますという説明があったんですけれども、先ほどから答弁があっておるように、軌道敷の有効活用と考えられたときに、こういう取り組みについて、市長と担当部長はどのように思われるのか、御答弁のほどよろしくお願いします。
33
:◯建設経済部長(一木鉄也君)
◯建設経済部長(一木鉄也君) 私も一緒に参ったんですけれども、やはり、いいアイデアだったと思います。荒尾市の場合も、やはり、鉄道敷がございますので、現状としてはただ途中まで歩けるような状況でございますので、今後、その万田坑を整備していく中では、もちろんその鉄道敷跡も整備することは考えなければならないと思いますので、現状、大牟田市でもそういうことについて検討されておりますので、今後は大牟田市とも相互に検討し合いながら、いいアイデアを出して、どういうものをそこにつくることができるのかとか、また、利用することができるのか、そのアイデアを出し合って、今後、ちょっと検討していきたいと考えております。
34:◯市長(浅田敏彦君) ◯市長(浅田敏彦君) 議員御指摘のように、軌道敷の活用というのは、大牟田市、荒尾市双方にとって重要なテーマであると思っております。歩くだけでいいのか、自転車なのか、トロッコ電車なのかとか、いろんな方法はあるかと思うんですけれども、やはり、体験できるもの、感動できるものをぜひ用意したいという思いもございますので、これは可能性を探るという意味で非常に大切な視点だと思っておりますので、両市が協力して今後、検討していきたいというふうに思っております。
35
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 次に、国に対する規制緩和策についてちょっとお話をしたいと思うんですけれども、先ほどから質問の中にも、話の中にも出しましたけれども、いろんな知恵を出して、いろんな利用者の人たちの利便性を上げようと思って、それなりの整備を進めようと思ったときに、逆にいろんな法的な縛りがあるというような話も聞いておりますけれども、それは現状的にはどうなんですか、その辺の部分は。
36
:◯建設経済部長(一木鉄也君)
◯建設経済部長(一木鉄也君) 法の縛りは文化財保護法という法律がありますので、その中に基づいた縛りがあるかとは思います。
ただ、現状としても総務省とか文化庁とかのその辺ぐらいに相談いたしまして、一応、どういう施設とか、どういう改修とか、そういうのを随時細かく相談いたしまして、その辺を含めたところでどういうものができるのかというのを検討していきたいと考えております。
37
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 例えば今回、明治日本の産業遺産として8県11市が一緒になって認定を受けたんですけれども、さまざまなその世界遺産を持つ地域で、いろんな問題点はあると思うんですよね。それを共有して、例えば、国に対してこういうことを認めてほしいだとか、こういうところの規制緩和をお願いしたいだとか、そういう議論というのはなされておられるんですか。
38
:◯建設経済部長(一木鉄也君)
◯建設経済部長(一木鉄也君) 政策過程の中で、どういうものがよくてどういうものが悪いか、または、どういうものをしたいのでどういうふうにできないかというのは、その計画をつくる中で御相談しながら、現在、やっているところでございます。
39
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 担当部長として、その辺をいろいろ相談があったときに、何がいちばんネックだと考えておられますか、物事を進めようと思ったときに。
40
:◯建設経済部長(一木鉄也君)
◯建設経済部長(一木鉄也君) ちょっと難しい問題なんですけれども、市としてどういうことをしたら、その万田坑の今後の維持管理とか観光の視点ということで、その辺を考えたときには、やはり、市がこういうことをしたいということをある程度強調していくことが、やはり、文化庁とかの担当者の方との話し合いの中で可能になっていく分もあろうかとは思います。
41
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 私は、国もこうやっていろんな今までの日本国内に残るいろんな歴史的資産を世界遺産としてイコモスが認定した以上は、ある程度これはやっぱり、地域の活性化策として使っていただきたいという気持ちはあると思うんですよ。でも、それが現にいろんなことをやろうと思えば、法の縛りがあるのも事実ですよね。だから、その辺は、例えば、うちの場合であれば、その世界遺産の認定を受けた万田坑建屋本体はなかなか手をつけにくいというのはわかりますけれども、周辺施設の整備だとか、その辺はもうちょっと臨機応変に国も考えるべきじゃないのかなと。
そうなったときに、荒尾市だけで声をあげてもいかがなものかとは思いますので、だから、先ほどお尋ねをしたように8県11市が合同になってその辺の──言葉は悪いですけれども──もうちょっと使い勝手のよさというかな、利便性を来場者の人たちの利便性を図るうえでの、そういう法改正というものができないものだろうかというふうに思うんですけれども、その点についての働きかけも含めていかがお考えですか。
42:◯産業振興課長(田川秀樹君) ◯産業振興課長(田川秀樹君) 先ほどの御質問の件でございます。現在、国のほうでは文化審議会文化財分科会企画調査会というような形で、中間の取りまとめがあってございます。こちらのほうは、本年の5月19日に文部科学大臣のほうから文化財の確実な継承に向け、未来に先んじて必要な施策を講じるための文化財保護制度のあり方について包括的な検討を求める諮問を受けたと。その中で、今後のあり方としまして、文化財とその取り巻く環境を一体的に捉えた取り組みと地域振興について、文化財保護法改正も視野とした検討が要請されているというふうになっておりますので、議員御質問の件につきましては当然、我々自治体のほうもそうでございますし、国のほうもそういう内容等を少しずつ理解を示しているところでございます。
ただ、こちらの法改正につきましては、国のほうでの議論をいろいろ行っている最中でございますので、最終的な決定ではございませんが、市としてもそういう声は出していきたいというふうに考えております。
43
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 今、田川産業振興課長が答弁していただいて、具体的にその文科省なり文化庁なりの取り組みというのがわかったんですけれども、文化財保護法の改正も含めて、やっぱり、これは現にやってみないと、この辺の部分が非常にネックになっているというのは、それはやっぱり、その当事者である地方のほうが声をあげていかんと、国もわかりづらい部分もあると思いますので、いい意味での規制緩和であるならば、積極的に働きかけをしていただきたいというふうに思う次第であります。
それと、続きまして、この万田坑の運営並びに今後の展開等を踏まえたうえで、今現在は、この万田坑は産業振興課の中に
世界遺産推進室というものがあって、そこが担当しているわけですよね。現にこの世界遺産の認定を受ける以前は、特にこの世界遺産推進本部長に市長が座って、全面的にこの世界遺産としての冠をもらうために、全庁的な取り組みが平成25、6年はあっていたと。何か見ていますと、その冠がもらえれば後はその担当部署任せだけじゃ、私はどうかなというふうに思うんですよね。
なかなか厳しい現状の中で、平成27年はそれなりに10万人を超えるお客さんに足を運んでいただいたけれども、平成28年度以降は極端に言うと、半減しておるわけですから、この辺の万田坑、この後ほかの議員から一般質問も出てきますけれども、例えば、ビジターセンターにしてもしかりですけれども、その担当部署任せだけじゃ、私はどうもこれはいかんのじゃないかなという気がするんですけれども、その点市長はいかがお考えですか。
44:◯市長(浅田敏彦君) ◯市長(浅田敏彦君) 万田坑
世界遺産登録になったという、そのブランドをどう生かしていくかというのは、議員御指摘のように、一つの部署だけですべてが賄えるとは思っておりません。これは、いろんな関係部署が総力を結集してそういう活用と申しますか、取り組む必要があると思っておりますし、また、行政だけでもこれはできるものではないのかなというふうにも思っております。
万田坑に足を運んでいただくために、いろんな仕掛けができるんだろうと思いますので、ああいう広い空間として捉えれば、いろんな活用の可能性は、私はあると思っておりますので、多面的な活用でアプローチをするという観点からは、民間の皆様にもいろいろ働きかけて、ぜひ企業の皆様にも、あるいは各種団体の皆様にも大いに活用していただくという視点も大事だろうと思っておりますので、そうなると産業振興課だけではなくて、もっともっと幅広い部署がかかわる必要があるというふうに私は思っておりますので、議員御指摘を踏まえて、もう少し庁内体制もきちっととりながら、そういった情報発信、あるいは活用について庁内連携を強めていきたいと思っております。
45
:◯橋本誠剛君
◯橋本誠剛君 今、市長のほうからも答弁ありましたけれども、その庁内でもっともっと連携体制を強めていくということであります。
そういう点においても永尾教育長、今、直接その
世界遺産推進室が教育委員会から外れておるからといって、やっぱり、その辺はしっかりいろんな人たちがいろんな、せっかくいただいたこの世界遺産としての大事な大事な荒尾市の宝であり、世界に誇れるものであるからこそ世界遺産という認定を受けたんでしょうから、そういうものをきちっともう1回、皆さんたち、この議会も含めて、万田坑にどう賑わいを求めていくのかという、そういう自由闊達な議論ができるような場を、ぜひぜひつくっていっていただきたいと思いますし、あえて永尾教育長にお尋ねしますけれども、そういうスタンスで考えたときに、教育委員会としてどのようなバックアップ体制というか協力ができるとお考えですか。