八代市議会 > 2020-12-09 >
令和 2年12月定例会−12月09日-03号

  • "県域"(/)
ツイート シェア
  1. 八代市議会 2020-12-09
    令和 2年12月定例会−12月09日-03号


    取得元: 八代市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-09-15
    令和 2年12月定例会−12月09日-03号令和 2年12月定例会        ─────────────────────────────────                   主  要  目  次        1.市長提出案件19件に対する質疑・一般質問(第2日)        (1)西 濱 和 博 君…………………………………………………4        (2)百 田   隆 君………………………………………………20        (3)古 嶋 津 義 君………………………………………………34        (4)堀   徹 男 君………………………………………………44        ─────────────────────────────────             令和2年12月八代市議会定例会会議録(第3号) ・令和2年12月9日(水曜日)            ───────────────────────── ・議事日程(第3号)                     令和2年12月9日(水曜日)午前10時開議  第 1 議案第114号・令和2年度八代市一般会計補正予算・第12号(質疑)  第 2 議案第115号・令和2年度八代市国民健康保険特別会計補正予算・第3号(質疑)  第 3 議案第116号・令和2年度八代市後期高齢者医療特別会計補正予算・第2号(質疑)  第 4 議案第117号・令和2年度八代市介護保険特別会計補正予算・第4号(質疑)  第 5 議案第118号・令和2年度八代市ケーブルテレビ事業特別会計補正予算・第2号(質疑)
     第 6 議案第119号・令和2年度八代市診療所特別会計補正予算・第1号(質疑)  第 7 議案第120号・令和2年度八代市水道事業会計補正予算・第1号(質疑)  第 8 議案第121号・令和2年度八代市簡易水道事業会計補正予算・第4号(質疑)  第 9 議案第122号・令和2年度八代市下水道事業会計補正予算・第2号(質疑)  第10 議案第123号・専決処分の報告及びその承認について(令和2年度八代市一般会計補正予算・第10号)(質疑)  第11 議案第124号・契約の締結について(質疑)  第12 議案第125号・指定管理者の指定について(八代市立希望の里たいよう)(質疑)  第13 議案第129号・八代市職員の服務の宣誓に関する条例の一部改正について(質疑)  第14 議案第130号・八代市税外収入金に係る督促手数料及び延滞金徴収に関する条例の一部改正について(質疑)  第15 議案第131号・八代市公共下水道事業(八代処理区・八代東部処理区)受益者負担及び受益者分担に関する条例及び八代市都市計画下水道事業(鏡処理区)受益者負担に関する条例の一部改正について(質疑)  第16 議案第132号・八代市介護保険条例の一部改正について(質疑)  第17 議案第133号・八代市国民健康保険税条例の一部改正について(質疑)  第18 議案第134号・八代市後期高齢者医療に関する条例の一部改正について(質疑)  第19 議案第135号・八代市企業立地促進に関する固定資産税の課税免除を定める条例の一部改正について(質疑)  第20 一般質問            ───────────────────────── ・会議に付した事件  1.日程第 1  1.日程第 2  1.日程第 3  1.日程第 4  1.日程第 5  1.日程第 6  1.日程第 7  1.日程第 8  1.日程第 9  1.日程第10  1.日程第11  1.日程第12  1.日程第13  1.日程第14  1.日程第15  1.日程第16  1.日程第17  1.日程第18  1.日程第19  1.日程第20 一般質問 (1)西濱和博君   (2)百田 隆君               (3)古嶋津義君   (4)堀 徹男君            ───────────────────────── ・出席議員及び欠席議員の氏名  (1)出席議員(28人)       1番 中 村 和 美 君        2番 成 松 由紀夫 君       3番 田 方 芳 信 君        4番 増 田 一 喜 君       5番 金 子 昌 平 君        6番 北 園 武 広 君       7番 百 田   隆 君        8番 福 嶋 安 徳 君       9番 高 山 正 夫 君       10番 前 川 祥 子 君      11番 上 村 哲 三 君       12番 谷 川   登 君      13番 村 川 清 則 君       14番 橋 本 幸 一 君      15番 村 山 俊 臣 君       16番 西 濱 和 博 君      17番 古 嶋 津 義 君       18番 鈴木田 幸 一 君      19番 橋 本 隆 一 君       20番 太 田 広 則 君      21番 橋 本 徳一郎 君       22番 庄 野 末 藏 君      23番 亀 田 英 雄 君       24番 山 本 幸 廣 君      25番 堀   徹 男 君       26番 野 崎 伸 也 君      27番 大 倉 裕 一 君       28番 村 上 光 則 君  (2)欠席議員(なし)            ───────────────────────── ・説明のために出席した者の職氏名  (1)長                 (2)教育委員会    市長       中 村 博 生 君     教育長      北 岡  博 君     副市長      田 中 浩 二 君      教育部長    宮 田  径 君     政策審議監   山 本 哲 也 君   (3)農業委員会     市長公室長   松 本 浩 二 君     会長職務代理者  本 田 友 治 君      秘書広報課長 梅 野 展 文 君   (4)選挙管理委員会     総務企画部長  丸 山 智 子 君     委員長職務代理者 尾 崎 信 一 君     財務部長    佐 藤 圭 太 君   (5)公平委員会     市民環境部長  桑 原 真 澄 君     委員長職務代理者 加 藤 泰 憲 君     健康福祉部長福祉事務所長     (6)監査委員             小 林 眞 二 君     委員       江 崎 眞 通 君     経済文化交流部長中  勇 二 君     農林水産部長  沖 田 良 三 君     建設部長    潮 崎  勝 君            ───────────────────────── ・職務のために議場に出席した事務局職員の職氏名    事務局長     岩 崎 和 也 君     次長       増 田 智 郁 君    次長補佐兼総務係長馬 淵 宗 徳 君     議事調査係長   島 田 義 信 君    参事       中 川 紀 子 君     参事       鶴 田 直 美 君    主任       勇  正 一 君     主任       村 上 政 資 君            ─────────────────────────                 (午前10時00分 開議) ○議長(中村和美君) これより本日の会議を開きます。            ───────────────────────── △日程第1〜20 ○議長(中村和美君) 日程第1から日程第19まで、すなわち議案第114号から同第125号まで及び議案第129号から同第135号までの議案19件を一括議題とし、これより本19件に対する質疑及び日程第20・一般質問を行います。  それでは、通告に従い、順次発言を許します。  西濱和博君。                  (西濱和博君 登壇) ◆西濱和博君 皆様、おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)  会派新風の西濱和博でございます。  本12月議会におきましても、このように登壇の機会を賜りましたことを関係各位に心より感謝申し上げます。質問に入ります前に、さきの7月豪雨により犠牲になられました方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げます。少しでも早く穏やかな日常が戻りますよう、坂本町の創造的復興に向けて、引き続き皆様とともにしっかりと取り組んでまいりたいと思います。  それでは、質問に移ります。令和2年も残すところ、あと20日余りとなりました。年末年始は人や車の動きが慌ただしくなり、例年、胸を痛めるような悲しい交通事故が多く発生しています。そのようなことも踏まえ、熊本県内におきましては、今月21日から来年の1月3日までの2週間、年末年始の交通事故防止運動が実施されることとなっています。思いやりあふれる安全な行動を心がけ、交通事故ゼロで明るい新年を迎えましょうと呼びかけられます。  今年、県が作成されたこの交通事故防止運動リーフレットの表紙には、第7回交通安全ポスターコンクールで最優秀賞を受賞されました本市代陽小学校1年生の吉野万智さんの作品が掲載さています。1年生とは思えない表現豊かで、とてもほほ笑ましいポスターだと感じました。皆さんもぜひこのリーフレットを御覧になっていただき、交通安全に一層心がけての行動を取っていただきましたら、幸いです。  それでは、通告の1番目、第10次八代市交通安全計画の総括及び次期計画についてに入らせていただきます。  内閣府の最新の交通安全白書を見てみますと、次のことが記載されています。  我が国の歩行中、自転車乗車中の死者の割合は、主な欧米諸国と比較して約2倍から3倍となっているなど、歩行者や自転車が多く通行する生活道路における安全対策をより一層推進する必要がある。また、少子高齢化が進展する中で、子供を事故から守り、高齢者や障害者が安全にかつ安心して外出できる交通社会の形成を図る観点から、安全・安心な歩行空間が確保された人優先の道路環境整備の強化を図っていくことが求められるとしています。  また、交通安全に関する法律を見てみますと、昭和45年に交通安全対策基本法が制定されており、第4条には地方公共団体の責務が定められています。地方公共団体は、住民の生命、身体及び財産を保護するため、その区域における交通の安全に関し、国の施策に準じて施策を講ずるとともに、当該区域の実情に応じた施策を策定し、これを実施する責務を有するとうたわれています。  さらに、同法において、交通の安全に関する総合的長期的な施策の大綱である本交通安全基本計画の策定について規定を設けています。  現在、国や都道府県、市町村を含む地方公共団体においては、それぞれに平成28年度から令和2年度までの5年間を計画期間とする第10次の計画を策定し、各施策が実施されております。  本市におかれましても、この交通安全対策基本法の第4条及び第26条に基づき、第10次八代市交通安全計画を策定されており、現在5か年計画の最終年度を迎えていると承知しています。  そこで、市民環境部長にお尋ねします。第10次八代市交通安全計画の5か年、平成28年度から令和2年度における取組の成果についてお答えください。
     また、課題等を含め、どのように総括されていらっしゃいますか、併せてお伺いします。  以上、壇上での質問はこの程度にとどめ、以降の質問及び発言は発言者席より行います。               (市民環境部長桑原真澄君 登壇) ◎市民環境部長(桑原真澄君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)  西濱議員御質問の1項目め、第10次八代市交通安全計画の総括及び次期計画についてお答えをいたします。  御質問の、第10次計画の5か年における取組の成果及び課題を含めた総括についてでございますが、本計画では、24時間交通事故死亡者数を年間6人以下、交通事故死傷者数を年間550人以下を目標としております。死亡者数は平成28年は3人、29年は9人、30年は5人、令和元年は4人、2年は10月末現在で5人となっております。  死傷者数は、平成28年は365人、29年は344人、30年は318人、令和元年は272人、2年は10月末現在で196人となっております。死傷者数は5年間目標を達成しており、死亡者数についても平成29年を除き目標を達成しており、おおむね計画どおりの成果は得られたものと考えております。  この成果は、国・県・警察等関係機関の御協力によるものであり、特に地域協議会や学校が中心となった地域ぐるみ交通安全活動が推進された結果だと考えております。しかしながら、依然として高齢者の死亡事故は多く高齢者に対する施策や交通事故被害者の支援については、まだまだ不十分だと考えております。今後も、関係機関と連携を図り、詳細な検証を進めてまいります。  以上、お答えといたします。 ◆西濱和博君 まず、第10次計画のこの5年間における取組の成果についてお伺いいたしました。  本市の計画においては、24時間交通事故死亡者数を年間で6人以下、そして、交通事故死傷者数を年間550人以下とする目標を掲げ、これに対し各年おおむね目標を達成していることから、成果を得られているとの御認識を示されました。その背景には、交通安全対策会議の委員の皆様、その事務局を担っていらっしゃる八代市はもとより、部長の答弁の中にありましたように、警察をはじめ、国や県、各道路管理者学校関係者、そして、民間団体や地域における日々の交通安全の取組があってのことと、私からも改めて感謝を申し上げますとともに、たゆまぬ御努力を高く評価したいと思います。  次に、5か年計画の総括に関してお伺いしましたところ、特に高齢者の死亡事故についての対策や支援の強化が必要である旨の訴えがありました。  政府においても、昨年、昨今の事故情勢を踏まえた交通安全対策に関する関係閣僚会議において、未就学児童及び高齢運転者交通安全緊急対策を取りまとめ、これを推進してこられたところであります。  本市における詳細の総括は今後という説明でありましたので、ただいま触れました政府が示した取組を含め、本市域におけるこの5か年の事故の状況や特徴を分析していただくとともに、その対策について議論の深度化をぜひ図っていただき、次期の計画に生かしていただきますようお願いしておきます。  それでは、次の質問をいたします。本市の第10次計画に掲げてある施策、道路交通環境整備などに関するこれまでの取組の経過について3点、市民環境部長に伺います。  まず1点目、災害に備えた道路環境整備に関する方策として、計画書にこのように記載されています。豪雨、豪雪時等には、安全・安心で信頼性の高いネットワークを確保するため、道路斜面などの防災対策や災害のおそれのある区間を回避、代替する道路の整備を推進するとありますが、具体にどのような取組をされてきましたか。  次に2点目、住民参加の方策方針として、道路利用者等が日頃から抱いている意見を道路交通環境整備に反映するとあります。これも具体にどのような取組をされてきたのか伺います。  最後に3点目、連絡会議等の活用方策として、熊本県道路交通環境安全推進連絡会議やその下に設置されているアドバイザー会議を活用して学識経験者のアドバイスを受けつつ、施策の企画、評価、進行、管理等に関して協議を行い、そして、的確かつ着実に道路交通環境の実現を図ると記載されています。  そこで、具体の取組の内容、また、その取組は的確かつ着実に道路環境の実現を図ることにどのように生かされてきましたか。  以上3点について、検証しての見解を市民環境部長にお伺いします。 ◎市民環境部長(桑原真澄君) 議員御質問の1点目、災害に備えた道路環境整備に関する方策について、自席よりお答えいたします。  本市の防災計画には、緊急輸送道路の指定路線として国道219号など9路線が記載されており、道路拡幅やのり面強化整備につきましては、沿線関係自治体と一丸となって、国・県への要望活動を継続して行っております。  また、本市管理の市道、林道、農道につきましては、定期パトロールや路面の維持管理、のり面強化等の整備を行い、孤立集落対策を推進しております。これらの道路が災害時に有効に機能するよう、今後も国や県、警察、自衛隊、消防機関その他関係団体等と連携してまいります。  次に2点目の、住民参加の促進方策についてお答えいたします。  本市では、地域要望制度により、各校区や自治会より要望意見を受け、道路交通環境整備に反映しております。また、道路利用者個人からの要望についても随時道路管理者につないでおりますものの、制度化はしていないため、住民の皆様の要望を道路整備に反映する方策についても検討してまいります。  次に3点目の、連絡会議等の活用方策についてお答えいたします。  国土交通省が主催する熊本県道路交通環境安全推進連絡会議では、熊本県全体の幹線道路及び生活道路の交通事故対策を検討するもので、学識経験者アドバイザーとして毎年開催されております。しかしながら、本市の交通安全計画に定めております本連絡会議の活用については十分にできていないと考えております。  交通安全計画を具体化する施策の企画やその評価、進行管理につきましては、計画を実効性のあるものとするための大切なプロセスであると考えております。特に、計画の検証、評価は重要であり、市と警察が共催する八代市交通安全推進会議の活用など、本市の実情に即した評価、検証の在り方を検討してまいります。  以上、お答えといたします。 ◆西濱和博君 本市の計画に掲げてある具体の施策のうち3点についてお伺いしました。  1点目の、災害に備えた道路環境整備に関しましては、八代市坂本町復興計画策定専門部会においても、委員から代替道路の確保、孤立集落の解消を図るために、既存の道路をネットワーク化されたいなどの意見が出されており、このことは御答弁にありましたように、交通安全計画の観点からも引き続き関係機関との連携を図りながら、よりよい備えを講じていただきますよう、よろしくお願いいたします。  2点目の、住民参加の促進方法については、住民の要望を道路整備に反映する方策を検討をする旨、また、3点目の、連絡会議等の活用方策にあっては十分に活用ができていないとの御認識の下、本市の実情に即した評価、検証の在り方を検討するとの御答弁でした。この2項目につきましては、今後、改善充実させていく姿勢をお示しいただくことができました。次期の第11次の計画づくりの中で、ぜひ取組の新たな姿をお示ししていただきますよう、改めてお願いしておきます。  今、次期計画のことに触れましたが、ここで次の質問に移ります。  本市の次期計画となる第11次の計画案の策定状況について御説明ください。併せまして、改定の主な特徴について市民環境部長にお伺いいたします。 ◎市民環境部長(桑原真澄君) 御質問の、次期計画の策定状況及び改定の主な特徴について自席よりお答えいたします。  交通安全対策基本法に基づく第11次交通安全計画につきましては、国においては中間報告が11月25日に行われ、今年度中に策定予定であり、県の計画は令和3年6月頃に策定予定でございます。  本市の計画につきましては、本年度中に示される県の素案に基づき、策定準備に入り、県と調整し、八代市交通安全対策会議にて検討いただき、できるだけ早い時期の策定を予定しているところでございます。  主な特徴につきましては、今後、国・県の計画を受けて検討することとしておりますが、本市におきましては、令和2年7月豪雨災害の教訓を生かし、孤立の解消や迂回路確保などの交通施策をはじめ、コロナ禍における自転車通勤の増加などの生活様式の変化に対応した施策を盛り込む必要があると考えております。そのほかにも、高齢運転者対策交通事故被害者支援策の充実が必要であると考えているところでございます。  また、年度ごとに計画の検証を行い、地域ごとの交通事故発生状況等を市民の皆様にお知らせしてまいりたいと考えております。  以上、お答えといたします。 ◆西濱和博君 御答弁ありがとうございました。計画の策定の流れにつきまして、今の御説明と交通安全対策基本法にうたわれている手順を重ね合わせてみたいと思います。  法によりますと、国が策定した計画を基にして、県が県域における計画を策定する。その後、市は県計画に基づいて、市域における交通安全計画を策定する運びとなっています。したがいまして、ただいまの御答弁にありましたように、熊本県が示す素案に基づいて策定の準備に入り、できる限り早くつくりたいとされる説明には理解を示したいと思います。  ただ、熊本県が策定される計画が正式に公表される時期は来年6月とのことでありますので、これに連動する形で本市の計画が出来上がるのは6月以降とならざるを得ず、結果として少なくとも3か月は計画なしの空白の期間を迎えることとなります。このことは手続上やむを得ないことなのでしょうが、交通安全計画が住民の生命、身体及び財産を保護するために策定される計画と位置づけられていることに鑑みますと、計画が存在しない期間が発生してしまうことにはもどかしさを感じます。この件につきましては、県内で市町村計画を定めている自治体にあっては、5年ごとに訪れる恐らく共通のジレンマだと推察します。  したがいまして、このことにつきましては、改善を要する課題の一つとして、今後、熊本県の担当部署とも御協議、調整いただきますよう、市民環境部長にお願いしておきます。  それから、前後しますが、答弁の最後に、年度ごとに計画の検証を行うこと、さらに地域ごとの交通事故の発生状況などを市民に知らせていきたいとの考えを示していただきました。このことについては、かねて私から担当部署に御検討をお願いしてきた案件でありまして、本日、具体の対応を行うとの明快な意思表示をしていただきましたことに感謝を申し上げます。  次に、改定される次期計画の特徴に関するお尋ねをしました。答えとして、コロナ禍における自転車通勤の増加もあげられました。  そこで、最後に自転車に関する質問をさせていただきます。ここからは自転車損害賠償責任保険等への加入義務化をテーマとして伺ってまいります。  本日、中村議長の御許可をいただき、皆様のお手元に関係資料を配付させていただいております。お配りしています資料のタイトル、第10次八代市交通安全計画の総括及び次期計画についてと記載しています紙面を御覧ください。  まず、(1)にありますように、国においては、全国の都道府県に対し、自転車損害賠償責任保険等への加入義務化を要請しています。このことを受け、(2)の地方公共団体の条例の制定状況を御覧ください。このデータは、今年9月末現在のものですが、都道府県について申し上げますと、条例により加入を努力義務としていますのが、本県熊本を含む11の団体、条例により加入を義務化しているのは16団体となっています。  参考までに(3)の自転車事故による高額賠償事例を御覧ください。これは、自転車事故で5000万円前後から1億円近くまで高額の損害賠償を命じられた判決事例であります。しかも、上位2件にあっては、その加害者は小学生や高校生という若年層でありました。熊本県内におきましても、散歩していた男性が、向かい側から運転してきた高校生の自転車と衝突し、後頭部を強打され亡くなる事故など、昨年1年間で616件の自転車事故が発生しているとのことです。  以上、これまで申し上げましたことを背景とし、質問に入ります。  熊本県においては、本年度中に熊本県自転車の安全で適切な利用の促進に関する条例を改正される方針と伺っています。この改正に伴い、自転車損害賠償責任保険等への加入義務化がスタートすることになると見込まれますが、そこで、この加入の義務化を見据え、本市では何らかの対応を考えていらっしゃいますでしょうか、市民環境部長にお伺いします。 ◎市民環境部長(桑原真澄君) 御質問の、熊本県の条例改正を見据えた本市の方針について、自席よりお答えいたします。  熊本県におきましては、自転車の利用者に損害賠償保険の加入を義務づける方向で条例の改正を検討する方針を明らかにされている中、本市といたしましても、その重要性、必要性について認識しているところでございます。  熊本県による2019年度の県民アンケートでは、自転車保険の加入率は53%、調査手法が異なり、単純比較はできませんが、国土交通省のまとめでは、加入を義務化した全国の自治体の加入率はおおむね60から70%台となっております。そのような中、本市の小中学校におきましては、現在、学校単位での損害賠償保険への一括した加入は実施されておりませんが、近年の自転車による事故での高額賠償判例を受け、損害賠償保険の重要性と加入促進について、教育委員会やPTAが周知を行っているところでございます。  さらに、本市におきましては、小・中・特別支援学校を対象に、自転車賠償責任保険がついておりますTSマーク付き自転車点検の実施を推奨し、自転車の安全確保と保険加入を促進しているところでございます。  また、市民の皆様に対しましても、自転車保険の加入について、現在も交通安全教室や出前講座などを活用し、周知を図っているところでございます。  今後も、交通安全教室等に加えて、広報紙やホームページなど様々な媒体を活用しながら、県の条例改正により加入義務化となる内容について周知を図り、自転車保険加入をさらに促進してまいります。  以上、お答えといたします。 ◆西濱和博君 本市の交通安全計画の中にも、自転車損害賠償責任保険等の加入を促進しますと記載があり、これまでも鋭意その取組を実践してこられたことをただいまの御答弁で確認することができました。そして、熊本県の条例改正により加入義務化となった際は、その内容について市民に対し周知を図り、自転車保険加入をさらに促進していく旨の方針を明確にお示しいただきました。  条例で加入を義務化した自治体では、義務化を契機に広報啓発にも重点的に取り組み、加入率も上がっているとのことであります。本市の今後の取組に期待を寄せていきたいと思います。ただ、義務化に伴い留意しておくべき事項があります。それは補償の重複です。  条例では、自転車利用者は、自転車損害賠償責任保険等を契約しなさいと言っております。これは、万が一自転車を運転する自分が加害者になってしまい、被害者に対し損害賠償しなければならないときに備え、その賠償金を補償してくれる保険に入っておきなさいという意味だと思います。ここで注意が必要なことは、条例に規定する自転車損害賠償責任保険等とは、自転車保険そのものを指しているのではありませんので、保険への加入が義務化になったからといって、必ずしも自転車保険への加入を選択しなくてもよいということであります。  具体例を申し上げますが、例えば、自転車保険や火災保険などにあっては、特約で個人賠償や自転車事故補償を附帯しているケースが多くあります。これをもって加入の義務は果たされていることになります。したがって、既にこれらの保険に加入していらっしゃる場合は、その補償額等を御自身で確認された上において、その後どうするかを落ち着いて検討されるのが懸命だと思います。参考までに自転車保険とは、個人賠償責任保険と本人の傷害保険の2つを組み合わせたものとなっています。少し複雑な話となりましたが、今申し上げましたことは、お配りしております資料の(4)加入状況の確認フローを御参照いただきますと、私の説明より分かりやすくなるのではないかと思いますので、後ほど御確認いただけましたら幸いです。  本市におかれましては、今後、市民に対し、広報、周知啓発をされます際は、ぜひこの加入状況確認フローなどを御提示、御活用いただきますようお取り計らいよろしくお願いいたします。  最後に、交通事故がない社会は、交通弱者が社会的に自立できる社会につながるという人優先の考えを大切にしていただき、次期の交通安全計画の策定に取り組まれますようお願い申し上げまして、この項を終わります。(西濱和博君挙手) ○議長(中村和美君) 西濱和博君。 ◆西濱和博君 次に大項目の2つ目、特別支援教育環境等のさらなる充実に向けた取組についてに移ります。  本日12月9日は、12月3日から始まった障害者週間の最終日に当たります。また、12月9日は、かつて障害者の日であったことを心に置き、特別支援教育環境等のさらなる充実に関するお尋ねを教育委員会にさせていただきたいと思います。  平成19年4月、学校教育法が改正され、従来の特殊教育の対象に加え、発達障害のある児童生徒も含めた新しい教育支援の仕組みとして、特別支援教育制度がスタートいたしました。特別支援教育は、障害のある児童生徒の自立や社会参加に向け、適切な指導や必要な支援を行う一方で、誰もがそれぞれの違いを認め合いながら、自らが暮らす地域の中で生き生きと活躍できる共生社会を構築する、そのための基盤となるものと言われております。  このような中、本市教育委員会、八代支援学校をはじめ、各小中学校、幼稚園におかれましては、これまでも一人一人のニーズに応じた特別支援教育の体制整備等に努めてこられたことと承知しています。一方、近年、特別な支援を必要とする子供たちは年々増加傾向にあり、また、そのニーズも多様化していると伺っております。インクルーシブ教育システムの構築を基本的な考えとしつつ、幼児、児童生徒一人一人の能力を最大限に伸ばしていくためには、学校機関のみならず、家庭や地域、そして、関係機関と一層緊密な連携の下に、幼児期から学校卒業後までを見通した切れ目ない特別支援教育に取り組んでいくことが必要と考えます。そのためには、本市の特別支援教育をめぐる現状を踏まえ、将来にわたり取り組むべき指針を定め、市民の理解と御協力も得ながら、各種の施策を着実に確実に推進していく必要があるのではないかとの思いから、私は、本市独自の特別支援教育推進計画の策定について、平成28年及び平成30年と2回にわたり、一般質問を通して教育委員会に要望してきたところであります。この提案をお酌み取りいただき、本年3月、八代市特別支援教育推進計画を策定いただくことができました。  そこで、お伺いします。八代市特別支援教育推進計画策定に関して、教育部長に次の3点を伺います。  まず1点目、計画策定の意義をどのように捉えていらっしゃいますか。  次に2点目、この計画を策定したことによりもたらされる効果として、どのようなことを期待されていらっしゃいますか。  最後に3点目、本市教育委員会が目指すビジョンについて伺います。  以上3点、教育部長お答えください。                 (教育部長宮田径君 登壇) ◎教育部長(宮田径君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)  議員御質問の、特別支援教育環境等のさらなる充実に向けた取組についてお答えをいたします。  まず、八代市特別支援教育推進計画についてでございますが、本市では、子供一人一人の確かな学びと自立や社会参加の実現のために特別支援教育の充実を図ることを目的に、令和2年3月に八代市特別支援教育推進計画を策定いたしました。  この特別支援教育推進計画は、子供たちの自立に向けた特別支援教育を推進していくために必要かつ重要なものでございます。総合的かつ体系的な推進計画を策定したことにより、学校・園におけるサポート体制がこれまで以上に充実するものと考えております。  策定しました推進計画は、全ての八代市立の学校・幼稚園に配付し、校長・園長会においても説明しておりまして、特別支援教育の充実に向けて、学校・幼稚園の教員が特別な支援を必要とする子供たちへの指導や支援における具体的方策を共通理解することができました。  また、計画は本市のホームページ上にも掲載しておりまして、教育現場のみならず市民や関係機関の皆様にも特別支援教育の推進に関して広く知っていただくことにもつながっております。  この計画は、特別支援教育のニーズの高まりに対応するための本市の基本的な計画であり、今回の策定は大変意義深いものであると認識しております。  特別支援教育の推進につきましては、各学校・園における適切な指導及び必要な支援の充実が必要です。そこで、教育的ニーズに応じた適切な教育を提供していくための体制整備として、八代支援学校を特別支援教育のセンター校として位置づけ、高い専門性を生かして各学校・園に積極的な支援を行うこととしております。これにより各学校で一人一人の障害の状態に応じた個別の配慮の提供がより一層充実していくことが期待されます。  また、特別支援教育の推進は、関係機関との連携が重要であり、本計画では、八代市特別支援総合推進事業として、八代市特別支援連携協議会を設置し、保健、福祉、労働等の関係機関とネットワークづくりを推進してまいります。加えて、大学の准教授、医師、心理士、社会福祉施設関係者等から構成する専門チームも設置しており、市内の学校の教員等に指導・助言を行います巡回相談員に対して、専門的な助言・指導をしていただいております。  今回策定した推進計画に基づき、特別な教育的支援を必要とする幼児、児童生徒を支える総合的な支援体制の充実を図ることで、子供たち一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高めるとともに、共生社会の形成に向け、障害のある人とない人がともに学ぶインクルーシブ教育システムの構築を目指し、ふるさと八代の未来を担う心豊かな子供たちの育成に努めてまいります。  以上、お答えといたします。 ◆西濱和博君 計画策定の意義及び計画策定によりもたらされる効果、そして、本市教育委員会が目指すビジョンについてお伺いいたしました。  いずれの問いに対しましても、しっかりとしたお考えの下、明快なお答えがいただけたものと受け止めます。今後に期待が膨らむ宮田部長の御答弁でありました。ありがとうございました。  お伺いしますと、この計画の策定作業にあっては、学校教育課の当時の東田審議員さんが中心的な役割を担ってこられたとのことでありました。東田先生はじめ、関係職員の皆さんのこの間の並々ならぬお取組に改めて敬意と感謝を申し上げたいと思います。  さて、先月17日、文部科学省の萩生田大臣が記者会見において、次の発言をされています。  障害の特性などに応じたきめ細やかな支援を行うため、省内に設置した新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議において、議論を深めているところです。文科省としては、これらの取組を通じて、引き続き、特別な支援を必要とする児童生徒に対して、適切な支援が実施されるように取り組んでまいりたいと思いますと述べられておられます。  追って、文部科学省から全国の地方教育委員会に対し、文字どおり新しい時代の特別支援教育に関する施策が提示されることになると思いますが、本市教育委員会におかれましては、事前にこの報告書を御確認いただき、いわば情報を先取りされて、八代市特別支援教育推進計画に基づく施策のさらなる充実に役立てていただきますよう、お願いしておきます。  それでは、次の質問に移ります。先ほどの御答弁の中でも、特別支援教育のセンター校としての八代支援学校の役割の重要性に触れられています。  そこで、具体の取組事例の一つとして、八代支援学校における進路指導、いわゆるキャリアサポート体制に関し、次の3点について教育部長にお伺いします。  まず1点目、八代支援学校の生徒さんの進路はどのような状況でしょうか。過去5年間の実績を交えてお示しください。  次に2点目、八代支援学校のキャリアサポート体制の現状について御説明ください。  最後に3点目、熊本県教育委員会の取組の紹介となりますが、特別支援学校においては企業などからの求人票が届かないという現状が課題となっています。  そこで、県教委では、文部科学省所管の補助金を活用し、特別支援学校キャリアサポート事業というものを実施されており、特別支援学校にキャリアサポーターを配置し、現場実習や就労先となる職場の開拓などの支援を行い、就職率の向上につながっているとのことです。八代支援学校におかれましては、進路指導の先生方が御熱心に進路対応を担っていらっしゃることと思いますが、進路指導体制のさらなる充実につながるよう、この国庫補助金を活用してのキャリアサポート事業について検討するお考えはありませんでしょうか。  以上の3点について教育部長に御答弁をお願いします。
    ◎教育部長(宮田径君) 議員お尋ねの、八代支援学校におけるキャリアサポート体制について、自席よりお答えいたします。  まず、進路につきましては、八代支援学校では、第一に本人、保護者の思いを尊重し、希望に寄り添う対応を行っております。例えば、高等部1年時から本人、保護者の希望をお聞きしまして、生徒の進路を見据えた作業学習の内容を設定するなどしております。  進路の現状といたしましては、八代支援学校は、知的障害教育を行う特別支援学校であるため、進学や職業訓練校につきましては、過去5年間希望がない状況でございます。  一方、就職につきましては、例年3割ほどの生徒や保護者からのニーズがございまして、平成27年度は5人、28年度は1人、29年度は3人、30年度は3人、令和元年度は3人の生徒が事業所等への就職に結びついております。そのほか、7割近くの生徒は各種福祉サービスの利用を希望され、利用している状況でございます。  次に、キャリアサポート体制といたしましては、八代支援学校では、高等部1年時から進路面談を行い、生徒や保護者の希望の進路を実現するために、就労先の開拓等の取組を進めており、進学等の希望があれば、それにも対応してまいります。  また、八代支援学校では、進路指導主事は学級担任を持たず、進路に関する業務に専念できる体制を取っており、そのため生徒が希望する分野の職場を開拓することができ、複数の就労につながった等の成果が報告されております。ほかにも、ハローワークや県の就職相談室であるジョブカフェ等をはじめとした関係機関との連携によりまして、職場開拓につながっている状況もございます。  障害のある生徒が自立して社会参加していくためには、早期から関係機関との連携を図り、キャリアサポートを充実していくことが大切であると認識しております。  キャリアサポート事業につきましては、議員から御提案いただいたことを参考にさせていただきまして、より充実したキャリアサポートが行えるように努めてまいります。  以上、お答えといたします。 ◆西濱和博君 今月1日のことでございますが、熊本県は、障害がある方が働きやすい職場環境を目指す障害者活躍推進計画を来年1月でございますので、来月策定することを表明されました。この取組は、改正障害者雇用促進法が昨年成立したことを受けての対応だと認識しております。  市教育委員会におかれましては、この障害者活躍推進計画の策定も追い風と捉えていただき、今回私が提案しました特別支援学校キャリアサポート事業の活用による進路指導体制のさらなる充実を図るため、これを機会にぜひ議論を深めていただきますようお願いいたしておきたいと思います。  それでは、この項の最後の質問をさせていただきます。コロナ禍における八代支援学校のスクールバス運行状況などについてお尋ねをしたいと思います。  文部科学省は、新型コロナウイルス感染症に対応した特別支援学校における教育活動に関し、スクールバスでの感染リスクの低減を図る取組として、スクールバスの増便による1台に乗車する児童生徒さんの少人数化を促していることは、教育委員会の皆さん御承知のとおりであります。このことを踏まえた上で、お配りしております資料の裏面の左側を御参照ください。  これは、岡山県教育委員会の対応について、地元新聞社が報道した記事でございます。記事の中ほどの一部を読み上げます。  知的障害部門の小学部から高等部まである岡山南支援学校では、通常4台を同市内のバス会社と契約して8台に増便し、これまで乗車率が1台69.4から49.0%だったのを49.0から30.6%に減らしたとあります。増便により乗車率を50%以下に抑えていることが分かります。  次に、熊本県教育委員会の対応状況を御紹介いたします。  熊本県では、障害のある児童生徒の通学手段として、特別支援学校6校でスクールバスを運行されています。令和2年度は、平均乗車率が89%であり、乗車する児童生徒間の距離を確保することが困難な状況にあることから、通学バス利用時の感染防止策として換気や消毒などの通常の対応に加え、児童生徒間の距離を確保すること、また飛沫が直接かかりにくい座席配置とすることなどの対応を実施するために、スクールバスを増便する対策を講じていらっしゃいます。  さらに、今後の対応方針としては、このように述べています。本県における新型コロナウイルス感染症感染症については、いまだ収束のめどが立っていない状況であり、来年度も引き続き本年度同様の感染症対策として、スクールバスの増便を講じる必要があるとの見解を示しています。  そこで、教育部長に2点お伺いします。  まず1点目、現在、八代支援学校のスクールバスはどのような運行体制になっているのか。平均乗車率も含めた現状を御説明ください。  次に2点目、八代支援学校のスクールバスを利用されている児童生徒さんの中には、重症化リスクが高いと言われる基礎疾患をお持ちの子供さんもいらっしゃいます。それから、一部報道によりますと、今般文部科学省は、全国の特別支援学校のスクールバスを増便するため、補助金を拡充する方針を固めたとのことでございます。  記事によりますと、文部科学省は、スクールバスの増便により1回の乗車率を50%ほどに抑えることを目指し、来年度当初予算に盛り込んでいた必要経費のうち40億円程度を第3次補正予算に先取りで計上し、早急に支援したい考えとあります。  そこで、本市においても八代支援学校のスクールバスについて増便されることを提案しますが、このことに対する御見解を伺います。  以上2点について、教育部長御答弁をお願いいたします。 ◎教育部長(宮田径君) 議員お尋ねの、コロナ禍における現在の八代支援学校のスクールバスの運行体制とバスの増便について、自席よりお答えいたします。  まず、スクールバスの運行体制についてでございますが、現在、八代支援学校では、スクールバスとして5つのルートに5台のバスを運行させております。全て29人乗りのマイクロバスを車椅子も乗車できるように改造したリフトつきバスとなっておりまして、運転手のほか、乗車する児童生徒に対応できるよう介助員1名も常に同乗する体制で運行をいたしております。  改造後の定員に対する実際の乗車人数の割合となります乗車率につきまして、普通席で申し上げますと、5台の平均が88.7%となっております。  また、本市のコロナ禍におけるスクールバスへの対策といたしましては、他校のスクールバスと同様、児童生徒側に、当日の健康チェック及び検温のほか、乗車時の手の消毒の実施。また、学校側では、児童生徒乗車前後の小まめな車内消毒及び走行時の車内換気等を実施しています。さらに、国の学校保健特別対策事業費補助金と新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用いたしまして、オゾン発生器5台を購入し、それぞれのバスに設置いたしております。  次に、スクールバスの増便についてでございますが、先ほどお答えしましたが、現在の平均乗車率は9割近くになっております。コロナ対策として、様々な取組を行ってはおりますが、身体的弱者である支援学校の子供たちの感染については懸念するところもございます。  先ほど、議員から御案内ありましたように、県立支援学校では、スクールバスが増便されており、国のほうでも、特別支援学校のスクールバス増便に対する補助金拡充が検討されているようでございます。  本市といたしましても、密の状態を解消するため、検討を進めてまいりたいと考えております。  以上、お答えといたします。 ◆西濱和博君 ありがとうございました。ただいまの御答弁の中で、八代支援学校のスクールバスの運行状況については、平均乗車率は88.7%、約9割であり、密の状態にあるとの御説明がありました。この数字は、繰り返しになりますが、熊本県教育委員会が示した従来の平均乗車率89%と同じ数値であります。本市教育委員会における現状の運行体制については、八代支援学校の保護者の方々も大変心配をされていらっしゃいます。宮田教育部長からはスクールバスの増便について検討するとのお考えを明確にお示しいただきました。実現に向けてのお取り計らい、何とぞよろしくお願いいたします。ただ、実施に当たっては、本市の財政措置も必要になってまいります。財務部におかれましては、これまで申し上げてきました提起内容を御賢察いただき、事案の緊急性、重要性に鑑みまして、教育委員会、八代支援学校と一緒になって、何とぞ迅速に御対処いただきますよう、切にお願い申し上げまして、この項を終わります。(西濱和博君挙手) ○議長(中村和美君) 西濱和博君。 ◆西濱和博君 次に大項目の3、地域人口の急減に対処する総務省所管の特定地域づくり事業協同組合制度についてお尋ねをしていきます。  お配りしております資料の裏面右側を御参照ください。  我が国の人口は、平成27年の国勢調査で初めて減少に転じ、この減少傾向は今後も加速する見通しとなっています。特に地方人口は、農山漁村を中心に急激に減少しており、これらの地域においては担い手不足が極めて深刻な課題となっております。そのような中、本年6月に地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律が施行されました。  この法律では、過疎地域等においては、事業者単位で見ると、年間を通じた仕事が少なく安定的な雇用環境や一定の給与水準を確保できないといった現状が、人口の流出の要因やUIJターンの障害になっているということに着目しています。このような課題について、地域全体で複数の事業者の仕事を組み合わせることで、年間を通じた雇用を生み出す新たな仕組みとして、地域特定づくり事業協同組合制度と呼ばれるものを創出しようとするものです。また、この法律により、この協同組合から派遣される労働者の人件費や組合事務局の運営費の2分の1までが国や市町村から財政支援を受けることが可能であると承知してます。このことは、経営側にとっても大変ありがたい制度ではないかと思うところです。  そこで、総務企画部長にお伺いします。  まず1点目、この法律に基づく特定地域づくり事業協同組合制度とはどのような制度なのでしょうか、改めてその概要を御説明ください。  次に2点目、この制度に対する本市の認識をお伺いします。               (総務企画部長丸山智子君 登壇) ◎総務企画部長(丸山智子君) 皆様、おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)  議員御質問の、地域人口の急減に対処する総務省所管の特定地域づくり事業協同組合制度についてお答えします。  まず初めに、特定地域づくり事業協同組合制度の概要についてでございますが、本制度につきましては、総務省において、地域人口の急減に直面している地域において、地域づくり人材の確保及びその活躍の推進を図り、地域社会の維持及び地域経済の活性化に資することを目的として創設された制度でございます。  その概要としては、働き手を必要とする事業者で事業協同組合を設立し、その組合で地域の働き手となる人材を雇用し、事業者へ派遣するものとなっております。対象地域は、近年の人口の動向や高齢化の進行、人口密度や地域の事業所数など、様々な観点から判断され、過疎地域に限られるものではありません。  また、この制度は、島根県海士町の観光協会において実施されていた、移住者3名を正規職員として雇用し、季節ごとに人手不足が生じている地域内事業者へ職員を派遣する特定人材派遣業が参考事例とされております。  次に、同制度に対する本市の認識でございますが、本制度には国や市町村からの財政支援がありますことから、事業者が直接雇用するより人件費を抑えられることや、働き手の給与や社会保障など安定した雇用が確保されることなどがメリットとしてあげられます。  本市にとっても坂本、東陽、泉地域の過疎地域や、要件が合えば旧八代市内の人口減少地域において、地域産業の担い手である人材の確保や、移住者や地域の若者等の雇用も見込まれるなど、制度の活用により地域事業者の事業維持や拡大が図られ、持続可能な地域づくりが期待される有効な手段であると認識しているところでございます。  以上、お答えといたします。 ◆西濱和博君 ただいまの御説明で、特定地域づくり事業協同組合制度について理解を深めることができました。また、この制度に対する執行部の御認識をお伺いしましたところ、本市の過疎地域などの人口減少地域においても、持続可能な地域づくりが期待される有効な手段であると認識している旨の御見解を併せてお示しいただけました。  ここで再質問させていただきます。令和2年7月豪雨被災地を含む本市の過疎地域において、この制度の導入を検討するとした際に想定される論点としては、どのようなものが考えられますでしょうか、総務企画部長にお伺いします。 ◎総務企画部長(丸山智子君) 自席からお答えいたします。  この制度の導入に当たっては、年間を通じた労働需要の確保、組合設立に当たっての発起人の確保、並びに派遣職員の確保など留意すべき課題が論点であると考えられます。しかしながら、財政上の措置も手厚く、地域や事業者、また市にとっても有意義な制度であると考えております。  具体的には、議員の御説明にもありましたが、組合運営費の2分の1の範囲で公費支援が受けられることとなっており、国が示している1組合当たりの財政支援のイメージでは、派遣職員6名で年間2400万円の組合の運営費に対して2分の1の1200万円が市町村から助成が受けられることとされております。また、市町村負担のその1200万円のうち900万円が国費で賄われ、市町村の実質的な負担は300万円に抑えられることとなります。  このように組合にとっては運営費の半額を公費負担により支援が受けられ、安定的で持続可能な運営が行えるとともに、市にとっても少ない財政負担により過疎地域等の活性化に寄与することができる、これまでにない有利な支援制度となっております。  以上、お答えといたします。 ◆西濱和博君 丸山部長、御答弁ありがとうございました。論点となる課題などに関しまして数点例示がありましたが、この制度にはそれを上回る財政上の利点があり、地域や事業者、そして、本市にとっても有意義な制度である旨の御見解だったと受け止めます。ちなみに、この特定地域づくり事業協同組合制度は、地域の担い手を確保するためのこれまでにない画期的な仕組みとして、既にこの制度の活用に向けた具体的な検討を進められている地方公共団体もあり、これらの役所からは総務省に対し期待の声が寄せられているとのことであります。  それでは、ただいまの御答弁を受けまして、最後の質問をさせていただきます。  過疎地域はもとよりですが、令和2年7月豪雨により甚大な被害を受けた被災地においては、地域のこれからの復興という視点からも、この制度は、まちづくりに向けた有効な手だての一つになるのではないかと期待するところです。  そこで、この特定地域づくり事業協同組合制度に関して、調査研究や情報収集などを試みられてはいかがでしょうか。この提案に対する執行部の御見解を伺います。 ◎総務企画部長(丸山智子君) 自席からお答えいたします。  本市におきましては、本年4月に制度の概要について全庁的に情報を共有しているところです。今後とも、国や県に対して、さらなる情報提供を求めるとともに、他市における先行事例なども調査しながら、本市の産業振興や農林業振興を所管する担当部局とも連携した上で、労働需要の確保についても検討してまいります。  また、同制度について、地域の事業者の方やJA、商工会議所、商工会、森林組合などの関係団体への周知を行い、季節ごとの人手不足等でお困りの声があれば、必要とされているところに制度の御提案ができるよう取組を進めてまいります。  7月の豪雨災害で被災した坂本地域では、今後、取組が本格化する復興のまちづくりに向けて、また、他の地域においても、今後のまちづくりにおける新たなツールとして、この制度の活用ができないかを地域と一緒になって検討してまいりたいと考えております。  以上、お答えといたします。 ◆西濱和博君 この制度に関しまして、情報の収集作業、そして、先進地の事例なども含めた調査研究を手がけていただけること、また、地域の関係者や関係団体への周知や調整を担うお考えがある旨、お示しいただくことができました。  本市の過疎地域やその他の人口減少地域にとっても、関心が高まるお答えだったと感じます。さらには、7月豪雨の被災地である坂本地域においては、これからの復興のまちづくりに向けての新たなツールとして、この制度の活用について、地域の皆さんと一緒に検討していきたいとのお考えを確認することができました。ありがとうございます。  東日本大震災の復興に取り組んでる復興庁は、このように述べております。  被害の大きい地域では、労働力の確保ができないことが復興の妨げになっていると言われている。このような中、被災地における課題解決や仕事を通じた関係性を保つ人口を形成、増加させることが、被災地の地域活性化に重要であると考えているとの見解です。  特定地域づくり事業協同組合制度という新たな制度について、ただいまの御答弁にありましたように、まずは情報収集や基礎調査などにお取り組みいただき、今後、活用の筋道が見えてきたならば、機を捉え、被災地の創造的復興に資するよう、特段のお取り計らいをお願いいたしまして、今回の私の一般質問を終わります。ありがとうございました。            ───────────────────────── ○議長(中村和美君) 百田隆君。                   (百田隆君 登壇) ◆百田隆君 皆さん、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)  自由民主党、絆の百田でございます。  今日は久しぶり登壇しまして、登壇の機会を与えていただきました関係者の皆さん方に心からお礼を申し上げたいと思います。  今年は、本市にとりまして大変災難の多かった、大きな災難がありましたが、大変皆さん方におかれまして御苦労をなされたんじゃなかろうかなと思っております。災害に遭われた方、そして、亡くなられた方に対しては心からお見舞いとお悔やみを申し上げる次第でございます。また、早い復興ができますことを心から念じまして、質問に移らせていただきます。  質問通告3点しておりますが、第1点目の災害弱者対策について、まずお尋ねをします。  7月4日未明、県南部を中心に球磨川をはじめとする河川の氾濫、土砂崩れ、集落の孤立化など、本市を含む人吉市、球磨郡、芦北町、津奈木町において豪雨による甚大な被害を被り、多くの人命が失われております。  今回の災害の大きな原因は、大雨による球磨川及び支流の氾濫によるものであり、地球温暖化による線状降水帯の発生によるものと言われております。短時間の集中豪雨により、小川と球磨川本流の水位が急激に上昇し、球磨川流域の集落は壊滅的な状況となり、想像を絶する惨事を引き起こしました。本市においても4名の死者、1名の行方不明者が出るなど、かつてない状況を呈しており、中でも豪雨による死者の多くは高齢者、障害者であります。有事の際、自分の身は自分で守ることをモットーとしてはおるものの、高齢者、障害者にとっては限界があり、その結果、死亡に至るケースが多いものと思われます。  私たちは、5年前の熊本地震を経験しており、災害から生命、財産を守るため、行政と住民が一体となって、災害に強いまちづくりに向けた防災体制の構築に取り組んできたところでありますが、今回の球磨川の氾濫は、想像を絶するものであり、防災に対する認識を根本から覆すものであると思っております。異常気象が常態化した今日、今回のような想像を絶する災害がいつどのような形でやってくるのか、予想することは困難であり、その都度高齢者、障害者は生命の危機にさらされていると言っても過言ではありません。  災害対策として、日頃から地域防災力を高めることが必要ではないかと考えますが、次の項についてお尋ねをします。  1、災害弱者の現状と課題、2、大規模災害における災害弱者対策、この2点、一括して答弁をお願いをいたします。なお、再質問については質問者席から行います。               (総務企画部長丸山智子君 登壇) ◎総務企画部長(丸山智子君) 議員御質問の1点目、高齢者や障害者の避難の現状と課題についてお答えいたします。  本市地域防災計画において、高齢者や障害者が避難勧告等を受けた場合、円滑に避難が行えるように特に配慮するとしており、自分で避難することが困難な方については、平成28年3月に策定した避難行動要支援者避難支援計画に基づき、避難支援を行うとしております。  具体的には、平時から要支援者名簿を作成し、災害時にはそれを活用して、市政協力員、民生委員、児童委員、警察、消防団などが要支援者の避難行動を円滑に実施するための支援を行うこととしています。  本市における要支援者名簿登載者数は12月1日現在で4816名となっており、そのうち災害時において避難支援を行う関係者に情報提供することに同意していただいている方が1199名で、個別の避難計画の策定数は751人となっております。  この制度については、避難を支援する関係者への情報提供に同意いただいている方が全体の4分の1と少ないことが課題であり、制度を周知し御理解をいただくことが必要と考えております。  次に、学校、保育所、病院及び介護施設など要配慮者施設については、平成29年に避難計画の策定が義務化されました。本市における要配慮施設の計画策定率は、洪水浸水想定区域で81%、土砂災害警戒区域で87%となっております。要配慮者施設における避難計画の策定率のさらなる向上に向け、未策定の施設に対しまして計画策定の働きかけを引き続き行ってまいります。  また、避難判断の基準となる球磨川水害タイムラインは、球磨川の氾濫を想定し、ステージ0の事前準備からステージ6の応急対応まで6段階の時間軸に沿った災害時に取るべき行動をあらかじめ計画したもので、平成30年6月から運用が始まっています。避難行動要支援者については、ステージ3の早期避難の段階で避難開始とされておりますが、このタイムラインが浸透していないため、その周知を行うことが必要と考えております。  次にお尋ねの2点目、大規模災害における高齢者や障害者の避難対策についてでございますが、これにつきましては、それぞれの状況に応じた対策が必要です。まずは災害への備えをそれぞれの方に行っていただくことが重要であるため、自宅の危険性をハザードマップで確認することや、あらかじめ避難先や避難経路を決めておくこと、持病の薬を用意しておくことなどの自助の大切さを出前講座等で推進していきます。  現在、整備を進めている新たな防災行政通信システムにおいては、携帯電話や固定電話、ファクスなど、高齢者や障害者の方にも避難情報が届くシステムづくりを行っております。  また、避難所では、福祉避難スペースを設けることとしており、段ボールベッドやおかゆ等の柔らかい非常食の配備など、災害弱者を意識した備蓄品の充実も併せて進めてまいります。  さらに、大規模災害に備えて、近隣の自治体と連携し、相互に福祉避難所の提供や物資の融通ができる体制を整えてまいりたいと考えております。  以上、お答えといたします。 ◆百田隆君 詳しい答弁誠にありがとうございました。  ただいまの答弁の中で、災害弱者対策として、本市は平成28年3月、避難行動要支援者避難支援計画を策定し、国は平成29年、要配慮者施設について、水防法、土砂災害防止法を制定し、避難計画の策定を義務化したとのことであります。また、球磨川水害タイムラインでは、避難開始がステージ3に位置づけ、早い段階での行動を促しております。大規模災害弱者対策として、本人に直接避難情報が届くシステムづくりをしているなどソフト面での充実を図るなど、災害弱者対策に注力されていることを理解することができました。(百田隆君挙手) ○議長(中村和美君) 百田隆君。
    ◆百田隆君 そこで、再質問でございますが、今の総務企画部長の答弁では、本市における要支援者名簿登載者数は12月1日現在で4816名、そのうち避難支援を行う関係者に情報提供することに同意している方は4分の1、1199名と少ないことが課題であり、また、個別の避難計画の策定数は751名とのことでありました。避難行動要支援者の生命または身体を災害から保護するためには、平常から避難行動要支援者に関する情報把握や避難誘導等の支援体制の整備を図っていくことが重要であると考えます。避難行動要支援者名簿の情報提供に関する同意者及び個別計画の策定者が少ない状況への対策についてお尋ねをします。            (健康福祉部長福祉事務所長小林眞二君 登壇) ◎健康福祉部長福祉事務所長(小林眞二君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)  議員御質問の、避難行動要支援者名簿の情報提供に関する同意者及び個別計画の策定者が少ないことへの対策についてお答えをいたします。  災害発生時に備えて、より多くの避難行動要支援者が迅速かつ安全に避難していただくことを目的として、民生委員や社会福祉協議会などの避難を支援する関係者に、ふだんから避難行動要支援者御自身の情報を提供することへの同意をお願いしております。  また、個別計画を作成するため、実際に避難を支援していただく避難支援者として同居の御家族や御近所の方などの登録をお願いしているところであります。  毎年12月には、新たに避難行動要支援者として登録された方や、これまで情報提供の同意について確認が取れていない方へ通知を行うことで、制度の周知と情報提供への同意を促すとともに、避難支援者の登録につきましても勧奨を行っているところでございます。  あわせまして、その旨を民生委員にもお知らせし、この制度についてのお問合せがあった方にはその御案内や記入方法についての支援をお願いすることとしております。  また、市のホームページや広報やつしろでも、この制度の周知を行っているところでございます。災害発生時に自ら避難することが困難な方の生命や身体を保護する制度として重要であると認識しておりますことから、今後も避難行動要支援者の情報提供への同意者や個別計画の策定者を増やす取組に努めてまいります。  以上、お答えといたします。 ◆百田隆君 ありがとうございました。災害弱者が有事の際、自力で避難することは困難であります。第三者の手助けが必要と思っております。平成28年策定の要支援者の避難支援計画を実効性のあるものにするためにも、要支援者名簿登載者の中で情報提供の同意、個別の避難計画の策定は必要と思っております。  市としても、災害弱者の生命、身体を守るため、あらゆる機会を捉えて制度の周知、情報収集をしておられるということでありますが、1人の犠牲者も出さない強い決意の表れであると思っております。関係者の努力が実ることを願って、この項を終わります。(百田隆君挙手) ○議長(中村和美君) 百田隆君。 ◆百田隆君 第2点目の、定住自立圏構想についてお尋ねをいたします。  総務省の定住自立圏構想推進要綱の制定を受けて、本市は、平成27年3月に氷川町と、平成28年3月に芦北町とそれぞれ定住自立圏形成協定を締結し、八代市・氷川町・芦北町定住自立圏の中心地となっております。中心地である本市が策定した定住自立圏共生ビジョンでは、51事業が具体的な取組として推進されておりますが、その内容は、近隣自治体と互いの地域特性を生かした役割分担を図りながら、住民が安心して豊かな暮らしを続けられるよう圏域全体の活性化に向けて取り組むというものであります。定住自立圏共生ビジョンの期間が最終年度を迎えている現在、圏域としてどのような成果が得られているのか、その達成状況はどうなのかをお尋ねをいたします。               (総務企画部長丸山智子君 登壇) ◎総務企画部長(丸山智子君) 議員お尋ねの、定住自立圏共生ビジョンの現在の成果及び達成状況についてお答えいたします。  議員御案内のとおり、八代市・氷川町、芦北町定住自立圏における具体的取組として、定住自立圏共生ビジョンに掲げた51事業を推進しております。  事業開始4年目の実績として進展があった取組が、生活機能面においては病児・病後児保育事業や消費者行政事業、雇用促進面においては企業誘致の推進や圏域内雇用促進事業、産業振興面においてはシトラスブランディング事業などがございます。その中でも、特に成果があった企業誘致の推進につきましては、昨年9月に、IT関連企業の株式会社MARUKU、本市、芦北町及び県南広域本部の4者でIT企業等の誘致や新たな雇用創出に取り組み、地方創生を推進することを目的とした県南地域における企業誘致及び雇用創出に関する包括連携協定を締結いたしました。  締結後、本市では、昨年10月にウェブサイトの制作やスマートフォンアプリの開発などを行う株式会社ファクトリー様が、本町一丁目に八代支店を開設されており、芦北町では本年3月に株式会社ウェブテート様、本年4月にはファンテック株式会社様が、芦北サテライトオフィス計石に進出されております。  その他、本市では、本町一丁目アーケード内に株式会社お金の家庭教師様がオフィスを開所され、株式会社SUNABACO様もオープンされるなど、IT系・事務職系企業の新設が図られ、圏域全体の活性化につながっていると考えております。  以上、お答えといたします。 ◆百田隆君 ただいまの答弁で企業誘致をはじめとして、病児・病後児保育事業や消費者行政事業など、様々な政策分野について成果があったとのことでしたが、いずれも暮らしに必要な様々な機能を総体として確保するという本構想の趣旨に沿ったものであり、本圏域の魅力の創出に寄与するものと考えております。  今後、残りの事業についても継続事業として取り組んでいただき、さらなる成果につながることを期待します。(百田隆君挙手) ○議長(中村和美君) 百田隆君。 ◆百田隆君 再質問でございますが、定住自立圏では、生活機能の強化、結びつきやネットワークの強化、圏域マネジメント能力の強化の3つの政策分野でそれぞれ関係する事業を進めることとしています。その中で、まず、結びつきやネットワークの強化に関わる政策分野で、一般県道二見田浦線及び球磨田浦線道路整備事業の現在の進捗状況と今後の見込みについて、建設部長へお尋ねをします。  また、圏域マネジメント能力の強化に関わる政策分野で、国や県との人事交流や民間人の確保などに取り組むとされており、国・県から本市への職員派遣は行われているところでありますが、氷川町や芦北町との人事交流や民間人の確保はどのようになっているのかを総務企画部長へお尋ねします。                 (建設部長潮崎勝君 登壇) ◎建設部長(潮崎勝君) 皆さん、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)  議員御質問の、一般県道二見田浦線、球磨田浦線の道路整備事業の現在の進捗状況と今後の見込みにつきまして、まず、二見田浦線についてお答えいたします。  二見田浦線は、八代市の二見洲口町と芦北町田浦を結ぶ延長約12.6キロメートルの道路でございます。このうち整備が必要な区間は、二見洲口町の二見漁港付近から芦北町井牟田までの海岸沿いの道路約1.6キロメートルであり、内訳といたしましては、芦北町管内が約0.5キロメートル、八代市管内が約1.1キロメートルとなっております。  この道路は、観光業等の地域産業の振興及び沿線地域を結び、交流を促進する道路としての役割を担っておりますが、現在、道路幅員が狭小なため、自動車のすれ違い等が困難で、緊急車両等の通行にも支障を来していることから、地域住民の安全で安心な生活、利便性向上を図るため、早急な整備が望まれております。  整備の状況といたしましては、芦北町管内では約0.36キロメートルの護岸工事が完成し、令和3年度末には事業が完了する予定と聞いております。  一方、八代市管内では、起点側バイパス部の事業用地確保に必要な建物調査及び用地交渉を行っており、令和元年度に用地買収1件、建物補償1件、令和2年度には用地買収2件、建物補償1件の契約が締結されております。今後も早期の工事着手に向け、用地取得を進めていくと聞いております。  次に、球磨田浦線についてお答えいたします。  球磨田浦線は、球磨村神瀬の国道219号との交差点を起点とし、芦北町横居木を通り、八代市二見赤松町の赤松トンネル付近で国道3号線に接道する地域生活に密着した延長約18.7キロメートルの道路であります。  このうち整備が必要な区間は、芦北町横居木から二見赤松までの約2.9キロメートルであり、内訳といたしましては、芦北町管内が約2.1キロメートル、八代市管内が約0.8キロメートルとなっております。  この道路は、芦北町横居木集落から国道3号を経て八代方面へ向かう地域間交通を形成する道路としての役割を担っておりますことから、先ほどの二見田浦線と同様、現在、道路幅員が狭小で自動車のすれ違いが困難な八代市管内の区間について、利便性と安全性向上のため、早急に整備するよう望まれております。  現在の整備の状況といたしましては、芦北町管内では、平成6年頃から横居木集落より2車線での拡幅・改良工事に着手され、平成27年度までに全区間が完了しております。  一方、八代市管内では、事業用地確保に必要な建物調査及び用地交渉を行っており、令和元年度に用地買収1件、建物補償1件、令和2年度には用地買収1件の契約が締結されており、今後も早期の工事着手に向け、用地取得を進めていくと聞いております。なお、本年7月の豪雨災害で国道3号に近い箇所が崩落したものの、7月中旬には応急仮工事により通行を可能とし、令和3年1月の本復旧完了目指して工事を行っているとのことでございます。  2つの路線につきましては、用地取得など、住民の皆様の協力が不可欠であり、また工事費も多額となりますことから、事業の完成にはかなり期間を要するものと伺っております。  市といたしましても、円滑な事業促進のため、必要な用地の確保に向け、県に協力していくとともに、一日も早い完成のため、国・県に対しまして機会あるごとに要望してまいります。  以上、お答えといたします。 ◎総務企画部長(丸山智子君) 議員お尋ねの、圏域内における人事交流について自席からお答えいたします。  圏域マネジメント能力の強化に係る政策分野につきましては、現行の定住自立圏共生ビジョンの策定時に、3市町で協議した結果、連携する具体的な事業がないことを確認しており、議員御質問の、圏域内の3市町間の人事交流は行っていないところでございます。そのため、次期定住自立圏共生ビジョンでは、この政策分野についても取組を追加することといたしております。  以上、お答えといたします。 ◆百田隆君 結びつきやネットワーク強化の中で、一般県道二見田浦線、同じく球磨田浦線は、いずれも八代側の工事が進んでいない路線であります。それぞれの事業で現在は用地買収などを進められており、その後工事に着手されることは理解することができましたが、周辺住民は早期完成を待ち望んでおります。また、本年7月に起こりました豪雨災害の経験により迂回路としての観点からも必要不可欠な路線であると思っております。  本市としても、県に対しできる限り協力し、要望活動をさらに進めていただくようお願いをしておきます。  また、圏域マネジメント能力の強化についてでありますが、ビジョン策定時点において、連携する具体的な取組がないことを八代市、氷川町、芦北町で確認されており、その結果、相互の人事交流がないという経緯を理解することができました。次期ビジョンには、この政策分野についての取組も明記されるということで期待をしております。(百田隆君挙手) ○議長(中村和美君) 百田隆君。 ◆百田隆君 再々質問です。令和2年度で現在の共生ビジョンが終了するのでありますが、次期共生ビジョンの方向性についてお尋ねをします。 ◎総務企画部長(丸山智子君) 議員お尋ねの、次期定住自立圏共生ビジョンの方向性について自席からお答えいたします。  本年7月に閣議決定された、まち・ひと・しごと創生基本方針2020において、定住自立圏等により、住民の生活機能の確保や都市・地域のスマート化を進めるとされており、国においても、定住自立圏構想は、今後も地方創生を推進する重要な施策として位置づけられているところでございます。  また、昨年10月に開催いたしました定住自立圏共生ビジョンに関する市長・町長懇談会において、第2期定住自立圏共生ビジョンを策定する方向で一致したところでございます。  これを受けまして、現在、第2期定住自立圏共生ビジョンの策定を進めており、第1期定住自立圏共生ビジョンの基本目標の進捗状況並びに具体的な取組の成果指標の達成状況について評価を行ったところでございます。  第1期定住自立圏共生ビジョンの令和元年度の実績としまして、教育の分野において目標としていた、学校へ行くのは楽しいと思う小学校6年生の割合が目標値を上回るなど、20件の基本目標のうち10件が既に目標を達成し、3件は策定時よりも数値が改善している状況でございました。  第2期定住自立圏共生ビジョンは、圏域全体で連携できるよう掲載項目を事業単位から施策単位へと改め、事業の集約等を行い、22の取組へと整理を進めているところでございます。  また、圏域マネジメント能力の強化に係る政策分野におきましても、外部人材等活用の取組やICT利活用の共同研究について、新規に取り組むことといたしております。さらに、その他の政策分野においても、地域防災力の強化や誘致企業との連携による地域課題の解決の推進などの新規の取組を行うことといたしております。  以上、お答えといたします。 ◆百田隆君 ありがとうございました。国において地方創生を進めるに当たり、住民の生活機能の確保や都市・地域のスマート化を進めるとのことであります。また、市長・町長の懇談会で第2期の共生ビジョンを策定することで一致したとのことでもあります。今後も1市2町が連携した事業が継続されることは歓迎すべきことであり、圏域のさらなる飛躍を期待するものであります。(百田隆君挙手) ○議長(中村和美君) 百田隆君。 ◆百田隆君 再々々質問でございますが、本市は現在、氷川町、芦北町と一つの圏域を形成しているわけでありますが、今後、中心市としての本市の役割について、市長のお考えをお聞かせください。                 (市長中村博生君 登壇) ◎市長(中村博生君) 皆さん、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)  中心市であります本市といたしましては、人口流出を抑制する上で、定住自立圏内の若者が働ける場所の確保が特に重要であるというふうに考えております。  企業誘致や企業の新規事業創出等を図ることによりまして、圏域産業の魅力創出を目指すこととしております。  今現在ですね、氷川、芦北町とは大変この共生ビジョンの締結で、さらにそれぞれの町、うちもそうですけれども、共通した課題、そして、それぞれの課題ございますけども、そういったことも含めて一緒になって解決のほうに進むということは大変いいことだなというふうに感じております。  さらには、株式会社SUNABACO様などと連携したプログラミングスクールを開催するなどして、企業に求められるIT技術の高い人材の育成を図ることにより、若者の圏域外への流出を防ぐとともに、一旦出ていった若者が帰ってきやすい環境の整備につなげていきたいと考えております。  定住自立圏を形成していたことによりまして、令和2年7月豪雨の際には、氷川町による避難者の受入れ、氷川町から芦北町への物資の提供、氷川町から本市及び芦北町への避難所運営等の人員派遣等の協力が行われるなど、防災の面においても非常に大きな役割を果たしました。  今後も、さらに1市2町の連携を深めるとともに、リーダーシップをもって中心市としての役割をしっかりと果たして、圏域全体の活性化を牽引していきたいと考えております。 ◆百田隆君 本市の中心市としての役割について、市長が強い意志で臨んでおられることを確認することができました。中でも、人口流出を抑制するため、働く場の確保を特に重要なものとして、企業誘致はもちろんのこと、企業に求められる人材の育成に積極的に取り組むこととのことであり、これは圏域全体の活性化を図るためにも必要不可欠でありますことから、ぜひ推進していただきたいと思っております。  また、まさに総務省の定住自立圏構想推進要綱に明記されております、人口流出を食い止めるため、定住のための暮らしに必要な諸機能を確保し、自立のために経済基盤や地域の誇りを培い、魅力あふれる圏域を形成するための連携であろうかと思っております。圏域のさらなる発展のために、中心市の市長として強いリーダーシップを発揮されることを願って、この項を終わります。(百田隆君挙手) ○議長(中村和美君) 百田隆君。 ◆百田隆君 3点目でございますが、南朝を支えた中世山城の遺構と関連する歴史文化遺産についてお尋ねをいたします。  今から約670年前、南朝方の懐良親王及びその一族が本市に滞在し、一時期九州の拠点となったこともあり、それらに関する多くの歴史的遺産が残っており、同様に南朝方の本拠地であった奈良県吉野町においても、数多くの歴史的遺産を見ることができます。  南朝時代を築いた関係市町村に対し、平成29年7月に吉野町長名で、南朝の歴史遺産を生かした地域活性化について取り組むことについて賛同の依頼があったとのことであり、本市としては暫定的に賛同する旨、回答したとのことであります。その後、平成31年1月15日付で、本市を含む17市町村による広域連携型で、南朝を支えた中世山城の遺構と関連する文化財をテーマに日本遺産の認定申請を行ったとの通知があったとのことであります。  本市としましては、資料によりますと、国指定遺跡として八代城跡群のうち、古麓城跡、宮内庁陵墓として征西大将軍懐良親王の御陵、市指定文化財として懐良親王菩提所の中宮山悟真寺、市指定史跡として懐良親王御両親の供養墓である御小袖塚、懐良親王御両親菩提所の護国山顕孝寺跡、高田御所等の資料を提供したとのことであります。これらは、いずれも本市の南北朝時代を代表する歴史文化遺産であります。  本市の南朝関連の歴史文化遺産が、日本遺産の認定ストーリーを構成するものとして申請されていたことについては、なぜか我々には全く知らされておらず、驚きをもって知った次第でありました。  また、時を同じくして本市独特の石造り文化をテーマとして認定申請されておりましたが、いずれも不採択であったとのことであります。  今回、石造り文化については、文化庁、県などの指導・助言も得られて2回目の申請で認定されたことは御存じのとおりであります。しかしながら、残念なことに今回は南朝関連については申請されていないということであります。せっかく機運が盛り上がっていたこともあり、今後、日本遺産のような事業が行われるのであれば、本市単独での認定申請を視野に入れて検討されることを本議員は願っております。また、このような優れた文化遺産を何らかの形で内外に発信することも意義あることだと思っております。  そこで、前回の申請に至る経緯と不採択の理由、本市の今後の対応をお尋ねをします。               (経済文化交流部長中勇二君 登壇) ◎経済文化交流部長(中勇二君) 皆さん、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)  議員お尋ねの、南朝を支えた中世山城の遺構と関連する歴史文化遺産についてお答えいたします。  まず、日本遺産認定申請に至った経緯でございますが、平成29年7月、奈良県吉野町長からの南朝の歴史資産等を生かした地域活性化を連帯して取り組むことについての賛同依頼が契機となっており、その活動内容の一つに南朝方の歴史文化遺産を生かした日本遺産認定を目指す取組もあげられておりました。しかしながら、当時、本市では、石造りの文化をテーマとして、単独での日本遺産申請に取りかかっており、その取組に注力する必要があったことから、吉野町へ相談の上、全国南朝の歴史資産等所在市町村活性化協議会に正会員ではなく、オブザーバーとして参加させていただくこととし、併せて本市における南朝の歴史に関連するものとして、指定文化財を含む20件の歴史文化遺産の情報提供を行っております。  日本遺産の認定申請には、同協議会における平成30年度の事業として取り組まれ、平成31年1月に宮方(南朝)を支えた中世山城の遺構と関連する文化財として申請が行われましたが、残念ながら認定は見送りとなりました。その際、文化庁からは、テーマはよいが広範囲にわたるため、実現性が乏しいのではないかとの指摘がなされており、2回目となる今年の認定申請は行われませんでした。  今後の対応についてでございますが、本市には国指定史跡の古麓城跡、宮内庁指定陵墓である懐良親王の御陵をはじめとして南朝に関係する11の指定文化財のほか多くの関連する歴史文化遺産があります。また、南朝の功臣である名和氏が当時の八代城である古麓城を築き、その後、九州における南朝最後の拠点となったことなど、南北朝時代は本市の歴史上、重要な一面を持っております。  このため、同協議会に引き続き参画し、これらの歴史的、文化的資源の保存の在り方や観光資源としての活用方策などについて、他の自治体との情報交換の機会を持つことで、地域住民の誇りや地域への愛着心の醸成並びに地域の活性化につながるような取組を検討してまいります。  以上、お答えといたします。 ◆百田隆君 ただいまの答弁で、今後も引き続き協議会に参画して、市内外への効果的な情報発信を行っていくということであります。また、今回見送りとなった理由として、広範囲にわたるため実現性が乏しいということであります。そうであれば、例えば、今後は九州管内の関連する自治体と連携することも考えられ、現に菊池市においては、南朝時代に活躍した菊池武光公を中心に、その一族とゆかりのある自治体と連携して、歴史街道プロジェクトと題して情報発信に取り組んでおられます。  本市においても、この優れた歴史文化遺産を広く知らしめることで活性化につなげることが可能になるのではないかと考えています。今後の取組に期待したいと思います。(百田隆君挙手) ○議長(中村和美君) 百田隆君。 ◆百田隆君 再質問いたします。昨年10月8日、八女市の良成親王の墓前祭に式典の途中からではありましたが、参加することができました。神楽舞などが奉納され、厳粛な中に式典も進行し、意義ある1日ではなかったかと思っております。出席者の顔ぶれを見ますと、八女市長、八女市関係者、議会から議長はじめ、議員、さらに市外から奈良県吉野町長代理、宮内庁関係者、一般の参拝者、それに地元の方々でありました。  良成親王は本市との関係も深く、このようなイベントが毎年開催されていることに興味があったからでありますが、本市に埋葬されている懐良親王のおいであり、南朝時代を代表する人物の一人でもあります。時代的背景でありますが、第96代後醍醐天皇は、建武の中興の失敗を挽回するため、懐良親王、良成親王を九州へ派遣され、武将菊池武光氏とともに一時九州を制圧し、一時期、太宰府に征西府を置くも九州探題今川了俊に追討され、懐良親王、良成親王ともども八女市の星野町へ入り、良成親王は地元民から慕われていたこともあり、良成親王が亡くなった後、今日まで約600年もの間、墓前祭が続いているとのことであります。  懐良親王については、八女市星野町説もありますが、明治政府宮内庁は、明治11年4月25日、熊本県八代郡宮地村、現在の八代市宮地校区と決定し、現在に至っております。また、明治政府は、懐良親王の業績をたたえてか、政府の重鎮太政大臣三条実美公は八代宮の正面の記念碑に記してありますが、明治13年8月3日付で八代宮の祭神は懐良親王であると達し、八代市民の心のよりどころである八代宮に懐良親王が鎮座しておられることに心から敬意を表するとともに、天皇家との関わりの中で我々の心の中にあることは大変意義深いものを感じる次第であります。  八女市の良成親王の墓前祭が、今日まで関係者の間で開催されてきたこともあり、本市においても活躍された懐良親王に崇敬の念を表すため、何らかの形でイベントを開催してもよいのではないかと本議員は考えますが、市の考えをお聞かせください。 ◎経済文化交流部長(中勇二君) 自席よりお答えいたします。  議員も御発言のとおり、明治11年に宮内省が宮地村にある陵墓を征西将軍懐良親王墓と決定し、同13年に懐良親王と良成親王を顕彰するための社殿を八代城跡に造営する願いが八代町民の署名により熊本県令宛てに提出されたことを受け、官幣中社として創建の許可が下り、同16年に社殿が落成し、翌17年に神霊鎮座の大祭が行われ、以来多くの市民の皆様が参拝され、地域の方々の心のよりどころの一つとなっております。  また、妙見町に所在する懐良親王の御陵の隣には、南北朝時代に親王の菩提を弔うために創建されたと伝わる悟真寺があり、中世以来の貴重な文化財が伝えられております。  このように本市におきましては、南朝方の重要人物であった懐良親王への顕彰は、多くの市民の皆様の絶え間ない御支援により営まれてきており、これまでの取組に感銘するところです。
     議員御質問の、懐良親王への顕彰行事を市が実施することにつきましては、政教分離の原則もありますことから、まずは市民有志の方々による顕彰の機運の盛り上がりを期待したいと考えております。  以上、お答えとします。 ◆百田隆君 確かに政教分離の原則があり、宗教行事に対して行政が介入することは難しいものがあると思っております。聞くところによりますと、八女市の良成親王の墓前祭は、大杣公園祭として市主催だと聞いており、それに合わせて良成親王の祭事を行っているものと思われます。  答弁のとおり、市民有志の方々に働きかけて行うことも一つの方策であろうかと思います。このことは、今後の課題でもありますが、地域の活性化、本市の知名度アップにつながることはもとより、南朝時代における懐良親王の活躍を後世に伝承することになり、意義のあることだと考えます。本市の新たな試みとして御一考願えればと思います。よろしくお願いします。(百田隆君挙手) ○議長(中村和美君) 百田隆君。 ◆百田隆君 次、再々質問でございます。去る3月27日、宮地校区の古麓城の一角を占める稲荷山展望広場の改善整備の要望書が市長宛て、市民有志によって提出されたと聞き及んでおります。  御存じのない方もおられると思いますが、この展望広場は、私たちが高校生時代、機会あるごとに訪れた記憶があり、また市民の皆様も憩いの場として訪れた方も多かったのではないかと思っております。この展望広場からは、市内中心部はもちろんのこと、天草の島々、雲仙普賢岳、遠くは金峰山に至るまで見渡すことができ、一大パノラマが展開する本市唯一の展望広場でもあります。しかも、この地域は、本市指定の唯一の風致地区でもあります。しかしながら、時の経過とともに、荒廃が進み、以前の面影もなく今日の状況を呈していると言っても過言ではありません。この状況を見かねてか、どうにかしたい、これを元の場所に戻したいとの強い願いから、今回の要望であると伺っております。  この展望広場については、古くは1587年、豊臣秀吉が薩摩制圧のため、本市に駐留していたとき、当時拝謁した宣教師ルイス・フロイスが著書日本史の中で、本市の田園風景、中心部を力強く蛇行し、八代海へ進む球磨川、それに遠くを一望できることから、その情景はまるで桃源郷のようだと絶賛し、記述していることからも御理解できるのではないかと思っております。  また、この展望広場の周囲には、多くの歴史的遺産が存在し、例えば、国史跡の古麓城跡、ユネスコ無形文化遺産となった妙見祭が開催される八代神社──妙見さんですが、ガラシャ夫人の御位牌が安置されている春光寺、さらには本市指定の中宮山悟真寺を含む懐良親王に関する数多くの史跡があり、本市を代表するものであり、これらを周遊コースとして発信することも可能ではないとか考えます。  このように展望広場を整備することにより、相乗効果が期待でき、本市の観光行政に資すること大であることからも、展望広場の改善整備が強く求められるものであります。今回の要望に対して、本市の考え方をお尋ねします。 ◎経済文化交流部長(中勇二君) 自席よりお答えします。  お尋ねの、要望書につきましては、本年3月27日に稲荷山展望広場整備を望む市民グループより市長宛てで御提出いただいたものでございます。  議員御発言のとおり、稲荷山展望広場は、以前は八代全体を一望できる見晴らしのよい場所でありましたものの、現在は背の高い木々が生い茂り、展望を遮っている状況にあり、さきに述べましたとおり眺望改善を求める旨の御要望をいただいております。  この展望広場の眺望を遮っている樹木は、広場前面の斜面より伸びておりますが、当該地は民有地であり、現時点では国指定史跡八代城跡群のうちの古麓城跡の指定範囲には含まれておりません。そのため、斜面の樹木伐採を含め、市が直接整備することは難しい状況にあります。  しかしながら、市といたしましても、稲荷山展望広場からの眺望改善は、国指定史跡八代城跡群を保存活用していく上で、重要な要素の一つであると認識しておりますので、これまでも市民グループの皆様に現地の文化財の指定状況や伐採行為時の手続などについて説明と助言を行ってまいりました。  現在、市民グループの皆様が伐採についての土地所有者の方々の了承を得た上で、既に眺望を阻害する樹木の伐採に向けた取組を進めておられますので、市としましても、引き続き必要な手続や整備費の補助を含めた支援を行ってまいりたいと考えております。  以上、お答えとします。 ◆百田隆君 当該地は民有地であるが、既に所有者との伐採等についての合意形成が図られており、本市としても、必要な手続や展望広場の眺望改善に際しての整備費補助を含めた支援について検討してもよいというような前向きの答弁であろうかと思います。  市民グループの方の話としましては、地権者との合意形成はもうなされているとのことであり、さらには関係機関から事業推進のための支援もあるとのことであり、今後とも、本市と関係者との連携を図っていただき、広場の眺望改善が図られることを願っております。展望広場の整備は、前にも述べましたように、観光資源の相乗効果を発揮することが十分考えられ、例えば、クルーズ船の乗客等によっては、八代の新しい魅力発見につながるのではないかと確信しております。  このように、稲荷山展望広場は、本市のさらなるにぎわい創出のために歴史文化遺産を生かした観光行政の推進に当たって大きな役割を果たすことが期待できることから、関係者の御尽力を願って、この項を終わりますが、総括をさせていただきます。  今回の質問に当たっては、昨年11月23日、本市の妙見祭の日でありますが、知人からの御案内を受けて、とある交流会に出席しました。参加者は10名ほどでありましたが、その中に国土交通省のキャリアの方も出席しておられ、親交を深めることができ、会話の中で、そのキャリアの方が、八代は歴史的文化遺産が数多く見られ、これらを活用して活性化を図ったらどうかとの助言もあり、また応援もしたいとのことでもありました。大変意を強くした次第でありました。  確かに、本市には、歴史的文化遺産が随所に見受けられ、これらを活用することは本市を内外にアピールするよい機会になるのではないかと考えます。本市の活性化を図るため、このような歴史的文化遺産があることを知ってもらうことは、人が集うまちづくりの手法の一つではないかと考えます。また、稲荷山展望広場の整備要望につきましても、本市の歴史文化遺産を内外に発信する手助けになるものと考えます。  このように、国土交通省キャリアの方の助言、それに稲荷山展望広場の整備要望等が重なり、今回の質問に及んだ次第であります。御理解をいただきたいと思います。以上で総括とします。  以上で私の質問をこれで終わります。            ───────────────────────── ○議長(中村和美君) 以上で午前中の議事を終わり、午後1時まで休憩いたします。                 (午前11時55分 休憩)                 (午後1時00分 開議) ○議長(中村和美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。            ───────────────────────── △日程第1〜20(続き) ○議長(中村和美君) 日程第1から日程第20までの議事を継続いたします。  古嶋津義君。(「頑張れ、古嶋」と呼ぶ者あり)                  (古嶋津義君 登壇) ◆古嶋津義君 皆様、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)  自由民主党八代市議団顧問、会派絆の古嶋津義でございます。  まずもって、7月豪雨で犠牲になられた方々、被災をされた皆様に心からお見舞いとお悔やみを申し上げます。一日も早い復旧復興をお祈りをいたします。  さて、近年、大変自然災害が多発をしています。大きな原因は地球温暖化にあると考えます。菅総理におきましては、脱炭素化目標に向け2050年までに国内の温室効果ガス排出をゼロにすると宣言されました。極めて重要なことではないでしょうか。  それでは、通告順に従って質問をいたします。  1項目め、令和3年度当初予算編成について財務部長に伺います。  令和元年に中期財政計画を策定後、令和2年に入り、新型コロナ感染症が発生、7月には豪雨災害が発生し、坂本町が被災。それに伴い、補正予算で速やかに対応されたことは承知をいたしているところです。ただ、例年の補正予算を大きく上回る財政出動が行われていることもあり、加えて、法人市民税の減収や普通交付税の合併算定替終了などにより一般財源の確保が厳しくなる中、コロナ禍や7月豪雨による対応等で市債の増加、基金の減少から財政基盤が大きく傾いている状況であり、計画と現状が大きく乖離をしている現状を踏まえ、今回の中期財政計画の見直しに至ったとのこと。引き続き財政健全化に取り組み、これまで以上に将来負担を意識した予算編成に努めると、11月13日開催の全員協議会での説明でした。直近の課題である7月豪雨からの復旧・復興、新型コロナウイルス感染症への対応など、また、法人市民税や普通交付税の減収が予測される中での令和3年度の当初予算、その編成方針について伺います。  以降の質問は質問者席にて行います。                (財務部長佐藤圭太君 登壇) ◎財務部長(佐藤圭太君) 皆様、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)  古嶋議員お尋ねの、令和3年度当初予算編成についてお答えいたします。  議員御案内のとおり、先月11月13日の全員協議会において、中期財政計画の見直しの内容と令和3年度当初予算編成方針について説明させていただいたところでございます。そのうち、令和3年度当初予算編成のポイントについて、改めて説明をいたしますと、まず、編成方針の柱として、坂本町の復旧・復興と新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた予算編成としており、主に3つのポイントを掲げております。  その1点目は、財政見通しの現状として、歳入では、法人市民税の税率改正に伴う減収や普通交付税の合併算定替終了などにより、一般財源の確保が厳しくなり、歳出では、全国的に猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症への対応や、令和2年7月豪雨による被災からの復旧・復興のため、一時的に市債の増加や基金が減少し、財政基盤が傾いていくおそれもある現状であります。  具体的には、昨年の12月に策定しました本市中期財政計画に対する計画と現状を比較し、現行のまま進めていくと、昨年度策定の計画最終年度に位置づけていた令和8年度において、基金残高は41億円が17億円へ24億円の減少、市債残高は712億円が731億円へ19億円の増加となる試算結果を示しております。これは、昨年度の計画に位置づけた基金残高の最低ライン40億円程度を大きく下回ることになり、加えて後年度の市債残高についても推計よりも大きく膨らむ見込みとなっております。  そのような状況から、今年10月に中期財政計画の見直しを行い、坂本町の復旧・復興や新型コロナウイルス感染症対策を推進するとともに、経済活性化と質の高い経済社会の実現などに取り組む必要があるとしております。  次に2点目は、令和3年度の予算編成の中で最優先と位置づける坂本町の復旧・復興と新型コロナウイルス感染症対策の計画的な推進を掲げており、推進する上では、策定中の坂本町復興計画に十分配慮するとともに、防災・減災対策、社会経済活動の段階的な引き上げ、新たな日常の実現などに留意し、各課において施策ごとの優先順位を明確にすることとしており、重点課題推進枠として5億円を確保することとしております。  最後に3点目は、持続可能な財政運営に向けた取組を掲げており、前述の最優先課題の推進のために必要となる財源確保として、ビルド・アンド・スクラップによるこれまでの事業の改革や制度の見直しを行い、新たな日常に合うものと合わないものを十分検討を行った上で、めり張りをつけて要求を行うこととしております。  これは市長訓示にも示しているとおり、前例や既成概念にとらわれず、思い切った発想による事業の改革に挑戦するというものであります。  また、最優先課題以外の事業に対するシーリング率も、前年度と同様に設定しており、部内、課内におけるシーリング率以上の経費削減ができた場合のインセンティブも削減額の2分の1を上限として、新たな事業枠への活用を認めるものとしております。  なお、以上3つのポイント以外に、これまで第2次八代市総合計画における重点施策等を取りまとめた八代市重点戦略についても、社会情勢の変化に対応するため見直しを行いながら、その実現に取り組んできていることや、国からの方針も踏まえたSDGsの適切な取組やSociety5.0の推進などの新たな要素も取り入れながら、本市の人口減少克服と地方創生のさらなる推進を行っていく必要があるとしております。  以上、お答えといたします。 ◆古嶋津義君 概要については理解をさせていただきました。市民生活に直結をする大事な当初予算であります。シーリング率等厳しい、そして、難しい予算編成にはなろうかと存じますが、行政は最大のサービス産業であります。そのようによく言われます。市民が安全・安心で日々の営みが滞ることのないよう希望をしておきます。  続いて再質問をいたします。中期財政計画の見直しの建設事業枠の調整では、令和3年度以降は大型事業の整備を進めていく一方で、公共施設の老朽化への対応や新たな事業の発生も想定をし、通常の事業枠60億円を抑制し年50億円程度、公共施設適正化事業枠で年3億円程度と推計と記されています。公共施設の老朽化への対応、例えば、例えばの話でありますが、総合体育館や武道館など大変老朽化をいたしております。特に総合体育館は、災害時の避難所となります。今回の7月豪雨だけでなく、熊本地震では日奈久断層帯は割れ残りがあり危険度が高いと、地震に詳しい学者から指摘をされています。公共施設適正化事業枠での老朽化施設への対応について、そのお考えをお伺いします。 ◎財務部長(佐藤圭太君) 議員お尋ねの、公共施設適正化事業枠の考え方について自席よりお答えいたします。  公共施設適正化事業枠とは、いわゆるファシリティマネジメントの考えに基づく事業枠のことであり、公共施設の老朽化への対応として、改修や解体などを計画的に進め、施設の安全性や利便性を向上させるとともに、中長期的な視点に立って、今後の施設管理に関わる経費を軽減できるよう設定しているものでございます。  中期財政計画において、この公共施設適正化事業枠を毎年3億円程度ではございますが、通常の建設事業枠とは別枠で確保することにより、公共施設の老朽化対策を計画的に進めていきたいと考えております。  以上、お答えとさせていただきます。 ◆古嶋津義君 総合体育館につきましては、仮の話としてお話をさせていただきました。仮説の話でありますから、施設名等について明確な御答弁は差し控えられたものと推察をいたしておきます。ただ、公共施設の老朽対策は計画的に進めていきたいと、しっかりと理解をしておきたいと存じます。(古嶋津義君挙手) ○議長(中村和美君) 古嶋津義君。 ◆古嶋津義君 次に2項目め、八代市立幼稚園の在り方について教育部長に伺います。  近年の少子化の影響で、市立幼稚園の園児数が減少をしているとお聞きをいたします。特に昨年の10月から幼保無償化に伴い、保育時間が長い保育園へのニーズが共働き世帯などで高まっています。近年の園児数の減少を考えると、市立幼稚園の現状での存続が危惧されます。  そこで、近年の園児数の状況、その状況に対しての取組、9月定例会において条例制定された八代市立幼稚園規模適正化等審議会の審議状況について伺います。                 (教育部長宮田径君 登壇) ◎教育部長(宮田径君) 議員御質問の、市立幼稚園の在り方についてお答えいたします。  まず、市立幼稚園の近年の園児数の状況ですが、平成25年度、市立幼稚園の園児数は6園合わせて287人でしたが、近年の少子化や核家族化の進行、共働き世帯の増加等による保育園への需要の高まりの影響などを受け、幼稚園の園児数は次第に減少し、令和元年度は179人、さらに令和2年5月1日現在では、令和元年10月からの幼児教育・保育の無償化の影響もございまして、園児数は138人にまで減少している状況でございます。  これまで市立幼稚園は、幼稚園教育要領に基づき、専門性の向上に努め、遊びを中心とした総合教育の実施、また幼保、小、中の連携を推進し、教育の連続性、一貫性を確保した体系的な教育を推進してきました。このような幼稚園での教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を養う重要なものであり、なくてはならないものであります。このまま園児数が少なくなりますと、園児同士の関わりが限定され、集団として多様な個性や考え方に触れる機会が少なくなったり、園行事の規模が限られたりするなどの影響が出てまいります。  そこで、この状況に対し、市立幼稚園では、平成28年度から通常の保育が終了した後に1時間程度の預かり保育を実施してきました。また、さらに利便性を高めるために、保護者の方々から要望をいただいております夏季休業中の預かり保育についても実施できないか検討をいたしているところでございます。  このような取組により園児数を確保していくことで、多くの友達と様々な遊びを通して関わり、互いに切磋琢磨しながら個性を伸長する機会を確保していきたいと考えております。  また、今後の市立幼稚園の在り方等について調査審議をしていただくために、八代市立幼稚園規模適正化等審議会条例を9月に制定したところでございます。本審議会の委員は、市立幼稚園後援会連絡協議会や市政協力員協議会、社会教育指導員、幼稚園園長及び学識経験者からの代表の方など9人にお願いをしております。市立幼稚園に求められる役割を踏まえた幼稚園教育の在り方、それから、保護者のニーズに対応した幼稚園経営の在り方などにつきまして、来年1月から審議をしていただく予定といたしております。審議会においていただいた意見を基に、今後の幼稚園教育をさらに充実させていきたいと考えております。  以上、お答えといたします。 ◆古嶋津義君 市立幼稚園では、保護者の要望を受け、延長預かり保育の実施や夏季休業中の預かり保育の検討をされているようであります。保護者の御要望は、夏季休業中の預かり保育の実施と聞き及んでいます。ぜひ実施の方向で検討を願っておきます。  私も、2人の子供を私立の幼稚園に通わせた経験がございます。後援会の会長も5年間経験をさせていただきました。そのおかげで就学前教育の幼稚園教育の果たす役割の大切さというものは熟知をしているつもりでございます。今後は、来年1月開催予定の審議会の動向を注視したいと存じます。(古嶋津義君挙手) ○議長(中村和美君) 古嶋津義君。 ◆古嶋津義君 3項目め、入札の在り方について財務部長に伺います。  本市の工事入札において、落札率が高止まりの傾向にあり、その要因の一つとして、予定価格の事前公表にあると考えます。予定価格については、入札の前に公表すると予定価格が目安となって競争が制限され、落札価格の高止まりになること、国の指導では事後公表とされていることなど。  そこで、本市の工事入札における過去3年間の平均落札率、予定価格の事後公表のメリット・デメリット、県内・全国の自治体における予定価格の公表状況、予定価格の公表時期に関する国の動向及び予定価格の事後公表について、本市の考えを伺います。                (財務部長佐藤圭太君 登壇) ◎財務部長(佐藤圭太君) 議員お尋ねの3項目め、入札の在り方についてお答えいたします。  まず、本市が発注した過去3年間の工事入札の平均落札率につきましては、平成29年度が97.7%、平成30年度が97.8%、令和元年度が97.9%となっております。予定価格の設定に当たっては、国の公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針に基づき、経済社会情勢の変化を勘案し、市場における労務及び資材等の最新の実勢価格を適切に反映させつつ、実際の施工に要する通常妥当な経費について適正な積算を行っているところです。  一方、御指摘の落札率の高止まりは、予定価格の事前公表が原因の一つではないかとのことについてですが、本来、予定価格は契約事務における秘密保持の最たるものと位置づけられ、厳格に守られていました。しかしながら、この予定価格に絡んだ贈収賄事件等の不正事件を引き起こす原因となったことから、不正な動きの抑止力として事前に公表する自治体が増え、本市においても市町村合併以前の旧八代市で平成13年度から事前に公表しているところでございます。  議員から御提言がありました予定価格の事後公表のメリットとしましては、談合防止・抑制の効果や予定価格に影響されず落札率が低下する傾向があるなど、落札価格の高止まりに対する効果がございます。デメリットとしまして、職員等に対する外部からの予定価格に絡む不正な動きや情報漏えいの懸念が常に付きまとうおそれがあることなどから、メリット・デメリットを比較して、本市ではこれまで事前公表としているところでございます。  なお、県内の予定価格の公表時期の状況につきましては、熊本県及び県内他市全て事前公表となっており、全国の自治体においては約6割が事前公表を行っている状況でございます。  議員御承知のとおり、国においては、従前より予定価格は事後公表とされており、国からの通達などにより地方自治体に対しまして、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律に基づく取組の推進の一つとして、予定価格の事前公表の適否について十分検討した上で適切な対応を行うよう示されているところでございます。  本市におきましては、今後、これらを踏まえ、他自治体の状況を注視し、予定価格の事後公表について調査研究してまいりたいと考えております。  以上、お答えといたします。 ◆古嶋津義君 予定価格の事前公表を取りやめた沖縄市の例を申し上げますと、取りやめた理由として、市場における競争性を確保するとともに、公正を害するような不適正な行為を防止するため、予定価格については入札の前に公表すると、予定価格が目安となって競争が制限され、落札価格が高止まりになること、建設業者の見積り努力を損なわせること、国の指導に基づいて競争入札の公正な競争を確保するためなどで、予定価格の事前公表を取りやめることにしたと聞いています。  先ほどの御答弁にございましたように、事前公表、事後公表、それぞれメリット・デメリットがあるようでございます。このことを踏まえ、さらなる調査研究をしたいとのことであります。その深掘りを注視をしたいと存じます。(古嶋津義君挙手) ○議長(中村和美君) 古嶋津義君。 ◆古嶋津義君 4項目め、企業誘致について経済文化交流部長に伺います。  企業誘致は、新たな雇用や税収を増やすなど、地域経済の活性化につながる重要な施策であります。政府では、地方創生に向けた5か年計画、まち・ひと・しごと創生総合戦略で東京一極集中是正を加速するため、新型コロナウイルス感染拡大を機に普及したテレワークを推進し、地方移住につなげることを柱に地方創生を進めています。その背景、理由として、新型コロナウイルスが都市部を中心に拡大し、地方移住への関心が高まっていることなど、企業誘致についても税制改正においても小規模オフィスの移転及び拡充などを支援対象に要件緩和や移転型事業の対象地域の追加などが実施されるなど、民間企業の本社機能移転を促進する政策メニューの充実が強化されています。  本市においても、最近、オフィス系企業の進出が顕著であります。新型コロナウイルス感染症の拡大でICTの活用やテレワークの広がりで、新たな働き方として本市に就職するために移住定住する人の動きがあります。  そこで、中村市長2期目における企業誘致の実績と今後の方針について伺います。               (経済文化交流部長中勇二君 登壇) ◎経済文化交流部長(中勇二君) 議員お尋ねの4項目め、企業誘致について、中村市長2期目における企業誘致の実績と今後の方針についてお答えいたします。  まず、企業誘致の実績につきましては、企業の投資件数が平成29年度7件、平成30年度17件、令和元年度も同じく17件と、直近2か年は平成17年の本市合併以降最多となっております。また、今年度は11月末時点で3件の実績となっております。このうち、本市に新たに進出された企業は平成29年度はございませんでしたが、平成30年度7件、令和元年度6件、令和2年度1件となっております。  主な進出企業を御紹介しますと、平成30年度は食品関連企業で弁当や惣菜の製造・販売を行う株式会社ヒライホールディングス様、また、エネルギー関連企業でバイオマス発電を行う株式会社エネ・ビジョン様など大規模な投資について立地協定を締結しております。
     そして、令和元年度は6件のうち4件がいわゆるオフィス系企業となっており、IT関連企業でウェブサイトの制作やITを活用して地方創生に取り組まれている株式会社MARUKU様、ICTに関するアプリケーション制作を行う株式会社ファクトリー様、また、テレワークでベンチャー企業の経理代行等を行う株式会社お金の家庭教師様、さらに企業の電話受付等を代行して行うコンタクトセンター業の株式会社NIC八代コンタクトセンター様などと立地協定を締結いたしました。令和2年度もIT関連企業として、コワーキングスペースやプログラミングスクールの運営を行う株式会社SUNABACO様と立地協定を締結したところでございます。  次に、今後の企業誘致の方針についてお答えいたします。  本市では、これまで地域経済の活性化に向けて様々な施策に取り組んでまいりましたが、その中で企業誘致を雇用の受皿確保の大きな柱と位置づけ活動を展開してまいりました。これまでの活動の中でターゲットとしてきた企業の一例を申し上げますと、重点港湾八代港の背後地に県の工業用地がありますことから、八代港の利用促進も考慮した製造業などの港湾利用企業や、県と連携して取り組んでおります県南フードバレー構想と連動した食品関連企業、また、県が取りまとめましたやつしろ物流拠点構想を踏まえ、高速交通網の結節点としての本市の優位性を生かせる物流関連企業などがございます。  このような企業が進出するためには、用地購入など大きな設備投資が必要となりますことから、進出企業に対する優遇制度として、固定資産税の減免や課税免除など税制上の措置のほかに、事業所等建設補助金や、用地取得等補助金及び雇用奨励金等の支援制度を整備し、先ほど申し上げましたとおり、一定の成果を上げてきているところです。  さらに、これらの企業に加え、力を入れて誘致に取り組んでいきたいと考えておりますのが、ハローワークの統計でも求職者からの希望が多い職種となっている事務的企業や、社会のデジタル化の進展に対応するため、行政や地域企業にとっても連携が望まれる情報技術に関わるIT企業など、いわゆるオフィス系企業でございます。  そうした企業の進出促進へ向けて補助金等、これまでの支援策に加え、地元からの人材供給を後押しするため、プログラミングスクール等による求職者のスキルアップや企業内での人材育成の支援等にも取り組んでおり、今後は地元企業とオフィス系企業の連携による地元企業におけるデジタル・トランスフォーメーションを推進していきたいと考えております。  これまでの活動の中で、本市と御縁ができました様々な業種の企業様により、この八代をフィールドとした連携が生まれていくことで、さらなる成長が期待されますとともに、企業の持つテクノロジーの活用による本市の行政運営の革新にもつながると考えております。このような行政と企業の取組を広く情報発信していくことで、本市の魅力づくりを推進し、人と企業に選ばれるまちとなることを目指したいと考えております。  今後も引き続き、企業誘致など各種施策を推進しますとともに、本市の取組を効果的に情報発信しながら、本市の地域経済の活性化に向けて取り組んでまいります。  以上、お答えといたします。 ◆古嶋津義君 企業誘致は、新たな雇用や税収を増やすなど本市活性化につながるものです。中村市長2期目の実績では、直近2年は、平成17年本市合併以降最多であること。特に立地協定を締結をしているバイオマス発電を行う株式会社エネ・ビジョン社は300億円の大規模な投資額で、来年着工と聞き及んでいます。中村市長の企業誘致への強い思い、企業訪問など確実に実を結んでいると考えています。まさに始動から加速です。中村市長におかれましては、なお一層、八代市民のため全力投球で頑張っていただきたいと存じます。  さて、今後の方針として、県の物流拠点構想を踏まえ、高速交通網の結節点としての優位性を生かした物流関連企業進出に優遇制度などを活用し取り組むとのこと。物流拠点構想は、地域経済活性化につながる重要な施策であります。スピード感を持って取り組まれるよう要望しておきます。(古嶋津義君挙手) ○議長(中村和美君) 古嶋津義君。 ◆古嶋津義君 最後の5項目めであります。第76回県民体育祭八代大会について、引き続き経済文化交流部長に伺います。  熊本県民最大のスポーツイベントである県民体育祭が令和3年9月11日土曜日、9月12日日曜日の2日間にわたり、平成21年第64回大会以来12年ぶりに地元八代地域で開催されます。新型コロナウイルス感染症予防対策に万全を講じ、地元開催に向けて各競技団体の競技強化及び全種目出場を目指し、総合優勝を目標に取り組まれ、参加される全ての人々にすばらしい思い出の大会となるようにと考えています。  そこで、大会開催に向けての準備状況について伺います。               (経済文化交流部長中勇二君 登壇) ◎経済文化交流部長(中勇二君) 議員お尋ねの5項目め、第76回県民体育祭八代大会について本市の取組についてお答えします。  第76回熊本県民体育祭八代大会は、令和3年9月11日と12日の2日間にわたり、八代市と氷川町をメイン開場として開催されます。  熊本県民体育祭は、広く県民の間にスポーツを普及し、県民の健康増進とスポーツ精神の高揚を図り、明るく豊かな県民生活の進展に寄与することを目的として、県教育委員会及び県スポーツ協会並びに各競技団体等が開催市町村と連携し、大会運営が行われており、八代郡市での開催は12年ぶりとなっております。  現在の準備状況でございますが、本市と氷川町及び郡市体育協会の代表者で構成します第76回熊本県民体育祭八代大会準備委員会を本年4月に設立し、本市職員4名と氷川町職員2名を事務局に配置して、各競技団体との大会運営に関するヒアリングや競技会場の選定、施設の整備状況の確認などを行い、大会開催に向けて鋭意準備を進めているところです。  また、NPO法人八代市体育協会におかれましても、地元開催での大会成功と総合優勝を目標に掲げて、各競技団体における選手の強化育成とともに、審判員、競技役員の養成など運営体制の強化が進められており、加えて、全種目の出場を目指して協会関係者の皆様が一致団結して取り組まれているところです。  懸念されますのが、新型コロナウイルス感染症の影響でございますが、本年9月に開催が予定されていました第75回大会につきましては、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を受け、5月20日に大会中止の決定がなされたところです。  八代大会開催の可否につきましては、今後、県教育委員会や県スポーツ協会及び来年4月設立予定の大会実行委員会において協議し決定することとなりますが、現時点におきましては、検温器や消毒液等感染防止に必要な資材を十分確保しますとともに、競技運営や観覧の取扱いなどに十分な配慮を行い、万全な感染予防策を講じられるよう大会開催に向けて準備を進めてまいりたいと考えております。  以上、お答えといたします。 ◆古嶋津義君 先ほど御答弁にもございましたが、令和2年──今年でありますが、第75回玉名荒尾大会は、新型コロナウイルス感染症感染拡大で中止をされております。その前の年、令和元年──昨年でありますが、宇城地域大会での成績は男女総合3位に甘んじています。ちなみに、宇城地域大会の成績を見てみますと、男女総合1位が熊本市、2位が菊池郡市、3位が八代市となっております。その成績が落ちたその主な要因というのは、採点競技が24種目ございますが、この中で2つの競技が不参加でございます。採点競技には参加点が10点を与えられます大会要項からしますと、総合成績に大きく影響したのではないかと思います。  私も、以前会長でありましたので、第64大会のときには、その前に当時のスポーツ振興課の宮村課長と熊本市との競技別のシミュレーションをさせていただき、当時、馬術競技を出場をしていなかったので、その選手の発掘を行い、出場にこぎ着けたところでございます。シミュレーションした結果、各競技団体がある程度の頑張りを見せても熊本市には勝てないであろう、ただ肉薄はするだろうという予測であります。それで、総会の席上、優勝をしなければ、私が頭を丸めますと申し上げたところ、その次の年、65回大会には会長ば丸坊主させたということで、それぞれの競技団体が発奮をし、熊本市にもう少しというところまで来たところでございます。何はともあれ、私の経験からしますと、今後、宇城大会の反省を踏まえて、競技者の発掘及び競技力の強化、底上げを図ることが大事ではないかと考えます。  スポーツの世界は勝負の世界と言われます。しかしながら、スポーツは勝つことばかりではありません。勝つように努力をする、そのことが一番大事なことであろうかと思っております。準備委員会、実行委員会、各競技団体のなお一層の奮闘、努力を期待をいたします。(古嶋津義君挙手) ○議長(中村和美君) 古嶋津義君。 ◆古嶋津義君 次に再質問でございます。建設部長に伺います。球磨川河川緑地でソフトボール競技、男女7面、サッカー競技4面で開催が予定をされています。7月豪雨で被災をし、全国花火大会が中止になるなど復旧が遅れている状況です。大会までに使用が可能なのか、その見通しについて伺います。                 (建設部長潮崎勝君 登壇) ◎建設部長(潮崎勝君) 皆さん、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)  ただいま御質問がございました球磨川河川緑地の大会での使用の見通しについてお答えいたします。  球磨川河川緑地は、7月4日に発生しました令和2年7月豪雨により、上流から土砂が流れ込み、芝生やグラウンド舗装並びに運動施設が流出するなどの被害を受けました。  そこで、9月中旬に国の災害復旧事業による査定を受け、総額3億7900万円の復旧事業を認めていただいたところでございます。その後、公園の早期復旧に向け、土木・造園・とび土工の3つの工種に分割し工事発注を行い、12月7日までにそれぞれ1億4685万円、1億1533万5000円、7040万円の契約を行ったところでございます。  これらの工事は、その規模や内容から、来年10月までの工期を決定しているところであります。特に造園工事については芝生を張った後に50日間程度の養生期間も必要となることから、工事期間中の施設の利用は難しいところでございます。  しかしながら、同大会は規模も大きく、地元への経済効果なども大きいことから、公園の全面開放は難しいものの、大会期間中の競技使用が可能かどうか、受注業者との工程協議で検討したいと思います。  最終的には、代替地の確保や大会運営への影響を考慮するとともに、大会開催時の工事進捗などを見極めながら判断を行ってまいります。  以上、お答えといたします。 ◆古嶋津義君 本議場には同僚議員でありますサッカー協会の北園会長、そして、昨日は出席をされておりましたが農業委員会の会長、ソフトボール協会の白石理事長も大変心配をしていらっしゃいます。工事の進捗状況次第ではございますが、競技会場が幾つもの会場に分かれますと、競技団体の運営に負担がかかります。芝生の養生期間なども考慮をしなければなりませんが、ぜひ競技会場だけでも使用可能となりますように、特段の御配慮を要望しておきます。まだ、実行委員会が設立をされておりませんけれども、これまでの慣例でいきますと、中村市長が実行委員会の会長に就任をされると推察をいたします。よろしくお願いをいたします。  結びになりますが、今年もあと20日余りとなりました。コロナ禍や7月豪雨と多難な1年となりました。来年は平穏な、そして、よき年になりますよう祈念をし、これで私の一般質問を終わります。ありがとうございました。            ───────────────────────── ○議長(中村和美君) 堀徹男君。                   (堀徹男君 登壇) ◆堀徹男君 皆様、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)  改革・市民の会の堀でございます。  3月定例会以来の登壇にいささか緊張しておりますが、午後のひととき、いましばらくのお付き合いをよろしくお願いいたします。  今回は2つの項目を通告しております。早速大項目の1、町内会で管理をしているごみ集積所の現状と課題についてお尋ねをいたします。  ごみ集積所と一くくりに題をしておりますが、可燃物燃えるごみと分別回収資源ごみの両方の集積所があります。どちらにも共通することと、どちらか一方に限った話になる場合もありますので、御了承をいただきたいと思います。  さて、この質問に至る経緯は、ごみの問題やごみ集積所の問題に関して、私の住まいの近くで指定された集積所の散らかりぶりや、町内の各集積所の近隣の方々から寄せられるごみの出し方や回収についての苦情の多さ、地元の町内会長さん、市政協力員さんとの話の中から出たものであり、また、それぞれの町内会長さんにも聞き取りを行ったりするうちに、ごみ集積所の課題については行政担当部署の現在のお取組や問題解決へ向けての努力と、町内会長さんをはじめ集積所近隣の住民の協力だけではもはや限界なのではないかと感じたところからです。これは、私の住む地域だけの問題ではなく、それぞれに地域性はあるものの、市内各所でもうかがえる状況ではないでしょうか。  そこで、現状を確認し、何とか解決策を模索し、よりよい住環境や地域環境の向上につながる策を求めてのものです。  それではまず、本市のごみ収集の現状からお尋ねをしていきます。  1点目、資源物回収品の売却額と有料指定袋の売上額、これまでの売上額の推移、その売上げの使い道について伺います。  2点目に、本庁管内での可燃物の収集車は何台で運用されていますか。また、作業に従事されている方は何名でしょうか。  3点目に、収集ルートや回収にかかる時間、また、1台当たりに何か所くらい回収に回っているのでしょうか。  以上、市民環境部長にお尋ねをします。  壇上からの発言は以上とし、再質問以降と大項目の2については発言席より行います。               (市民環境部長桑原真澄君 登壇) ◎市民環境部長(桑原真澄君) こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)  堀議員御質問の1項目め、町内会で管理しているごみ集積所の現状と課題についてお答えをいたします。  まず御質問の1点目、資源の日に集めた資源物の売却額及びこれまでの推移についてでございますが、缶類、瓶類、紙類、プラスチック類などを有価物として売却しており、平成29年度の実績は旧八代市と旧坂本村分で2209トンを売却し、約1650万円の収入、平成30年度は旧八代市、旧坂本村の6月までの分と環境センターが稼働を始めた7月からは市内全域分を合わせた2614トンを売却し、約1940万円の収入、令和元年度は2702トンを売却し、約2690万円の収入を得ております。この収入の全額は、資源物収集運搬業務委託事業約1億6000万円の財源となっております。  次に、有料指定袋売却額についてでございますが、販売代金から販売に伴う諸経費を差し引いた収入については、平成29年度の決算では約1億3270万円、30年度は約1億3360万円、令和元年度は約1億3980万円となっております。この全額は、環境センター運営委託事業約1億7500万円の財源となっております。  続きまして御質問の2点目、可燃物収集車は何台で運用されているか、また、作業に従事される方は何名かという御質問についてお答えをいたします。  本庁管内における可燃物収集車、いわゆる塵芥収集車でございますが、予備車両3台を含めて12台あり、通常は9台で収集運搬を行っております。予備車両につきましては、連休の後や年末など、集積所に排出されるごみの量が増加する場合に台数を増やしての対応や、車両の故障や点検などの際の代車として使用しております。また、作業に従事する職員は24名でございます。  次に御質問の3点目、収集ルートや回収にかかる時間、1台当たり何か所くらい回収に回るのかという御質問についてお答えをいたします。  収集ルートについては、収集する曜日やごみの排出量にもよりますが、午前は環境センターから比較的遠い校区を中心に回収し、午後は入り組んで時間を要する校区を中心にコースを決めて対応しております。また、本町アーケード、八代駅周辺、日奈久校区などは交通規制や観光面などを配慮し、朝一番で回収するようにしております。ただし、収集日のごみの排出量や動物の死骸の回収など、特別な事情がある場合はルートを変更して対応しているところでございます。  また、回収にかかる時間については、収集日のごみの排出量により変化しますが、午前が8時30分から11時30分、午後が1時から4時30分までの間で回収しており、排出量が多いときなどは午後6時近くまで回収する場合もございます。また、1台当たりの回収箇所数につきましては最低でも1日に70から80か所を回収しております。  以上、お答えといたします。 ◆堀徹男君 ありがとうございました。まず、現状についての確認をさせていただきました。  それでは再質問ですが、私がですね、聞き取りをした範囲ですが、ごみの集積所についての問題の中からまとめたものを少し御紹介をします。  まず、決められた曜日、時間を守らずにいつでも出す者がいる。貼り紙をしても、看板を立てて注意を促しても全然守ってくれない。燃えるごみの袋に生ごみと一緒に瓶や缶、ひどいときにはフライパンも交ぜ入れて出すので、収集されず残されてしまい、それをカラスなどに荒らされて困る。その荒らされた集積所を掃除をして回っている。通りに面しているところでは通りがかりの者が投げ捨てていく。まだまだありますが、町内会長や市政協力員さんの声のほんの一部であります。  そこで、私の聞き及んでいる以外のこともあると思いますので、お尋ねをします。  1点目に、ごみ集積所に関わる市民、市政協力員からの苦情の件数と内容及びその対応についてお伺いをします。  2点目、市政協力員協議会の総会や理事会などでは、ごみ問題に対する意見や要望はあっているでしょうか。  3点目、苦情や意見、要望に対してどうお考えでしょうか、お伺いをします。 ◎市民環境部長(桑原真澄君) 自席よりお答えをいたします。  まず御質問の1点目、ごみ集積所に係る市民、市政協力員からの苦情の件数と内容及びその対応についてでございますが、ごみ集積所に関する苦情等の件数は令和元年度で166件ございまして、今年度は10月までの実績で既に114件となっております。その内容は、可燃物のカラスなどによるごみの散乱や有料指定袋に空き缶などが混入しているなど不適正な排出に起因するものがほとんどとなっております。また、その対応についてでございますが、ごみの散乱に関しては時間外排出や集積箱、ネットの外に排出されたものがカラスなどの被害に遭っているため、啓発看板を設置して周知を行っております。不適正排出に関しましては、違反シールを貼って排出者に引き取りをお願いしており、次の収集日まで引き取られない場合は市職員が回収したり、市政協力員の御協力により環境センターに搬入していただいている状況でございます。  市職員で回収した不適正排出物につきましては、排出者が特定できる物が出てくれば文書により注意を行っており、特定できないものにつきましては、排出状況の写真をラミネート加工して集積所に掲示し、啓発を行っているところでございます。  続きまして御質問の2点目、市政協力員協議会総会や理事会において、ごみ問題に対する意見、要望があるかについてお答えをいたします。  市政協力員の皆様には、ごみ集積所の調整やごみ出しの苦情に対する対応など大変御苦労をおかけしているところでございます。市政協力員協議会におきましても、ごみ問題に対しては非常に関心が高く、これまでも理事会で議題として取り上げられ、ごみ出しのマナーや不燃物混入などで収集されなかったごみの対応など、担当課を交えて協議、意見交換が行われているところでございます。  次に御質問の3点目、苦情や意見、要望に対する考え方につきましては、集積所周辺の住民や市政協力員の皆様には大変な御迷惑をおかけしていると感じており、さらなる啓発及び周知徹底が必要であると考えているところでございます。  以上、お答えといたします。 ◆堀徹男君 ありがとうございました。市に寄せられて把握できたものも、私が聞いた内容と同じような案件のようでございます。今年度は既に114件の苦情などの件数であるということですが、市に苦情の申立をせずに散乱したごみの後片づけを粛々とされている住民もいらっしゃるようです。町内会長さんにあっては、環境センターまで持っていったりされるのもお手数を取っていただいていることですし、また、市の職員さんも違反シールを貼っても引き取られることのないものを回収して回っている姿も見かけます。  市、行政の対応や取組については、その様子を見ていても御苦労があることと十分に理解をするものであります。また、町内会長さんはじめ、近隣住民の方も掃除をしたり、注意の貼り紙をしたりと相当の御協力をされています。誰にとっても本当に大変な御苦労をされていると思います。市政協力員協議会でも関心の高い問題として取り上げられていると確認もできました。  そこで、再々質問になりますが、ごみの集積所における一部の不適切排出の対応については町内会長、市政協力員さん方や近隣住民の御尽力によっても成り立っています。違反シールや看板など周知啓発では対応にも限界があり、やむなく次の手段として監視カメラを設置したいが、市で購入し、その貸出しができないものかとの要望も伺っています。  本市の決算審査における主要な施策の成果に関する調書の中でも、監視カメラの導入について検討するとありましたが、どういう経緯があったかについてお伺いをします。 ◎市民環境部長(桑原真澄君) 御質問の、決算審査の調書から監視カメラの導入について検討するに至った経緯について自席よりお答えいたします。  排出者が特定できない不適正排出物に関しましては、啓発看板の掲示だけではなかなか改善されない集積所もございますので、一部の町内では、今、議員おっしゃられたとおり監視カメラの導入を検討されたり、その対策を市に要望されている状況でございます。  市といたしましても、その対応については苦慮しており、監視カメラの導入について検討を開始したものの、プライバシー保護の問題など解決すべき課題も多いことから慎重な検討が必要であると考えているところでございます。しかしながら、後を絶たない不適正排出を防止するため、今後もさらなる啓発の実施に努めてまいりたいと考えております。  以上、お答えといたします。 ◆堀徹男君 ありがとうございました。監視カメラのですね、導入については検討を開始したものの、慎重を期すということであります。その運用については一定の課題はあることは理解しますし、やらずに済めばそれにこしたことはないと思っています。しかしながら、これまでの担当課の努力、住民側の協力による対応では、もはや対応にも限りがあることがうかがい知れます。市政協力員協議会などの会議を通して、さらに聞き取りをしたり、また、実際に現場で対応をされている方々の御意見も確認をしながら、ぜひともですね、導入に向け前進をしていただきたいと思います。  それでは次の質問になりますが、では、この項の最後になります。聞き取りをしたうちにですね、主な意見、要望をお伝えします。お考えをお聞かせください。  1点目、町内でお金を出し合い、鉄製のかごをつくり、ごみの集積をしているが、ごみの量が増え、収まらなくなった。そこで、はみ出す部分についてはカラスよけネットをかぶせているが、今後買換えが必要な時期が来る。その補助ができないものか。  2点目、回収場所のローテーション導入はできないものか。これは回収に来る順番がいつも同じであれば、午後の遅い時間に当たるところはカラスなどに荒らされる割合が高くなるそうです。そこの周辺は気の毒であり、たまには順番を早くしてやれないものかということです。財源の必要なものについては、冒頭の質問でお尋ねした資源物の売却益、有料指定袋の収益から一部回せないものでしょうか。最終的には一般財源という同じ財布の中の話になりますが、資源物の回収も有料のごみ袋も市民の理解と協力の上に成り立っているものですから、ごみ事業に関わるものについて一部を回すという考えもあってよいかと思います。また、多額の財源を伴わず、現場の工夫でできるものは御検討いただきたいものです。 ◎市民環境部長(桑原真澄君) 自席よりお答えをいたします。  まず御質問の1点目、集積所に設置しているカラスよけネットに対する補助はできないかについてでございますが、議員御承知のとおり、燃えるごみの集積所は各町内で管理をしていただいており、市内全域で約3000か所ございます。近年、人口は減少してきているものの、世帯数が増加傾向にありますことから、集積所数も年々増加している状況にございます。また、集積所につきましても、各町内だけでなく校区で対応しているところもございますので、ネットの補助につきましては様々な調整が必要になってくると考えているところでございます。  次に、御質問の2点目、回収場所のローテーション導入についてお答えをいたします。  午前と午後で回収する校区を変更するなどした場合、午前に回収していた校区からは、まだ取りに来ていないなどのクレームが想定され、午後に回収していた校区では、午前に回収が終わっているにもかかわらず、これまでどおり午後からの回収と思い、ごみを出されるなど、回収後に不適正排出されたものに対するクレームなどが、ローテーションするたびに繰り返し起こることが想定されることから、ローテーションを導入することについては困難であると考えております。  以上、お答えといたします。 ◆堀徹男君 ありがとうございました。最初のですね、質問で収集ルートの確認をさせていただきました。そこでは、環境センターから遠いところからや、交通規制や観光に配慮してなど、合理的な理由がありましたし、限られた予算、車両、人員での業務については優先順位を決めて行っているのも理解するところです。しかし、見方を変えてみれば、優先される地域があれば優先されない地域もあるということです。早く回収に来てもらいたいのはどこでも同じ気持ちに変わりはないと思います。回収側の条件で優先順位をつけて行うのは理解するものでありますが、では、その後回しになっている時間にカラスに荒らされるのを我慢してくださいというのも申し訳ないなと思います。そこでは、優先されない地域にはそれに代わる手だてをするのが平等な策ではないかと思います。また、回収に従事をされる職員の方にとっても、散らかった集積所での回収は気持ちのいいものではないと思います。散らかったごみを掃除していかれる手間も、本来は必要のない作業ではないかと思います。  ただいまのお答えは、それぞれカラスよけネットの補助は様々な調整が必要、そして、回収ルートのローテーションは困難とのことでした。そもそも論ですが、回収が午前、午後に関わらず、集積所には朝の8時半までに出すようになっていると思います。考える余地はまだありそうでした。できない理由を探すよりどうしたらいいか考えよう、そんなとてもよい言葉があったのを思い出しました。
     最後になりますが、散らかった集積所の後片づけをする近隣住民と苦情処理に奔走する町内会長さん、そして、回収に従事する職員、このごみ問題、ごみ集積所の問題については誰もいい思いをしていないのが現状ではないでしょうか。今よりももう一歩前進するような御検討をされて、ああ、最近きれいになったねと喜ばれるように実現をしていきたいものであります。より美しい環境の中で暮らしたいと願う市民の声に応えられるよう、一層のお取組を願うところであります。(堀徹男君挙手) ○議長(中村和美君) 堀徹男君。 ◆堀徹男君 それでは大項目の2、国指定史跡八代城跡群を含む市内城跡保存管理事業の現状及び観光資源としての歴史文化遺産の活用についてお尋ねをしていきます。  期せずして、午前中の百田議員の質問と似ておりますが、舞台は中世から近世現代へと変わってまいります。  それでは、今回のテーマは以前にも、平成25年12月定例会においては矢本前先輩議員が、その後、平成27年3月には私から質問をさせていただいております。まず、そのときを簡単に振り返りますと、八代城跡群が国史跡指定に至るまでの経緯と概要では、土地の所有者、地元関係者の方々の御理解をいただきながら指定に至るまで10年ほどの時間を要したこと、複数の城郭をまとめて国史跡指定とするのは県内初であること、そして、平成27年から29年の3か年で保存管理計画を策定し、その3年目に計画書を刊行し、策定後は保存と計画的な修復修理等を図ることとなり、計画書に基づく事業であれば国から2分の1の補助があり、保存活用を図っていくという内容でした。以前の質問から、はや5年以上経過しましたので、その後の計画策定の経過と結果、現状についてお尋ねをしたいと思います。担当部長、どうぞよろしくお願いいたします。               (経済文化交流部長中勇二君 登壇) ◎経済文化交流部長(中勇二君) 議員質問の2項目め、国指定史跡八代城跡群を含む市内城跡保存管理事業の現状及び観光資源として歴史文化遺産の活用についてお答えいたします。  まず現状についてでございますが、古麓城跡、麦島城跡、八代城跡から成る八代城跡群は、中世山城から近世平城への変遷と、瓦窯跡及び城主墓地等の城郭関連遺跡を八代という一つの地域でたどることができる貴重な遺跡群であり、全国的にも注目を集めている史跡でございます。これら八代城跡群は、平成26年3月に国の史跡に指定されたことから、その後の保存活用と整備を図るために、平成27年度から29年度にかけて城郭考古学や歴史学、史跡整備などの専門家や各遺跡の所有者から成る検討委員会を組織し、八代城跡群保存活用計画を策定いたしました。  この計画では、八代城跡群と松浜軒を確実に保存し、次の世代へと伝えていくために、史跡及び名勝の文化財的価値と構成する要素を明確にし、適切に保存活用するための基本方針、方法及び現状変更の取扱いの基準などを示した上で、史跡及び名勝の価値を後世に確実に伝えるための文化財の保存管理と、それぞれの文化財の所有者や地域住民の合意を形成していく上で必要となる将来像を示した整備活用の在り方を取りまとめております。  今後は、この保存活用計画に基づき、各城跡や窯跡及び城主墓地の保存と活用、並びに計画的な修復修理及び整備等を図るための整備基本計画を策定した上で、具体的な取組を進めていくこととなります。  現在は、この整備基本計画の策定に向けて準備をしているところであり、令和元年度に八代城跡北の丸堀跡の構造等を確認するための発掘調査を実施するなど各種の調査等を進めており、これまでの調査で得られた知見を踏まえた上で、各城跡の現状と課題を整理し、令和3年度以降に八代城跡群整備基本計画の策定に取り組んでいくこととしております。  以上、お答えといたします。 ◆堀徹男君 ありがとうございました。平成29年度にはですね、史跡及び名勝の価値を後世に確実に伝えるための文化財の保存管理と将来像を示した整備活用の在り方を取りまとめた八代城跡群保存活用計画を策定されたということです。現在は、その保存活用計画に基づき、具体的な取組を進めていくために、来年度からの令和3年度以降に八代城跡群整備基本計画を策定していくプロセスの途上にあるということで確認をできました。  私のですね、勉強不足で、その保存活用計画がすぐさま活用できる具体的な計画だと思っておりましたので、麦島城跡の整備がちっとも進まないなというのは、そういう訳だと理解ができました。その下に個別の整備計画があるということでした。さすがにですね、何百年という歴史が相手の計画ともなりますと、なかなか時間がかかるものであるようです。せっかくですから、城郭や歴史の専門家の知見のみならず、城跡が存在する地元ならではの意見も参考にされるように期待をしております。  それでは、再質問であります。さて、保存計画は策定をされましたが、国指定の城跡群では唯一八代市の市有地である麦島城天守台の敷地と隣接する埋蔵文化財包蔵地の管理については、従前から適切に行われているとは思えない状況です。現状をどのように認識されていらっしゃいますか。また、今後の対応についてお伺いをします。 ◎経済文化交流部長(中勇二君) 現状の認識と今後の対応について自席よりお答えいたします。  まず、麦島城跡天守台の現況についてでございますが、天守台は国指定史跡になる以前から、周辺地域の皆様の御理解と御協力を得ながら、市史跡としての管理を行っており、平成21年には天守台の官民境界の確定、平成28年熊本地震後には長年の懸案でした空き家の解体・撤去も行うことができました。しかしながら、境界確定から時間が経過し、境界くいが失われている箇所があるとともに、市民の方から寄贈を受けた天守台東側隣接地との官民境界については曖昧な部分も残されていることから、改めて境界確定と明示を行う必要があると認識しております。  また、長年にわたる天守台の無断駐車や無許可で物品を保管している方がおられることを確認しておりますので、今後、当該地である麦島城は国史跡という貴重な文化財であること、また、日本の城、九州の城が土造りから石垣造りの城に移り変わる時期の重要な城であることなどを御理解していただくよう周知に努めますとともに、今後の整備基本計画の策定作業に併せて、将来の麦島城跡天守台の調査と整備を視野に、車両の移動や物品等を撤去するよう粘り強く求めていきたいと考えております。  以上、お答えといたします。 ◆堀徹男君 ありがとうございました。なかなかですね、文化財として管理する物件は範囲が広いし、数も多い。しかも、専門性が高く、簡単には手をつけられない文化財ということもありますし、予算も担当する人員もですね、限りがある中では目の届きにくいところではあるかと思います。今は時折、草むらと化すこともありますが、麦島城跡は国史跡という貴重な文化財であること、日本の城が石垣造りに移り変わる時期の重要な城であることをしっかりとお伝えをいただき、国指定史跡にふさわしい管理を行っていただきたいと思います。  それでは、再々質問になりますが、次にですね、その麦島城跡をはじめとする文化財を保存するだけではなく、活用という観点からは貴重な観光資源としての役割もあると思いますが、現在はどのような活用にお取り組みでしょうか、お願いします。 ◎経済文化交流部長(中勇二君) 自席よりお答えします。  文化財の観光資源としての活用についてでございますが、文化財保護は保存と活用が両輪であり、麦島城跡を含む八代城跡群についても保存に影響のない範囲で活用を進めていくことは大変重要であると考えおり、これまでもシンポジウムや史跡めぐりの開催、また、出前講座等を通して市内外の皆様に八代城跡群の魅力を発信してまいりました。  平成27年2月に八代城跡群国史跡指定記念シンポジウムを開催した際には、県内外から400人を超える多くの方がお見えになり、八代城跡群への関心の高さがうかがえたところでございます。また、八代城跡群と城下町の魅力をまとめた観光リーフレット八代城ものがたりや東陽町の石橋をはじめ樋門などの八代干拓遺跡群を取り上げたリーフレット八代の石造文化を作成し、観光素材としても活用してまいりました。  さらに、昨年は麦島城が地震で崩壊して400年目を迎えたことから、麦島住民自治協議会の皆様が記念事業として、麦島城跡のシンポジウムや史跡めぐりの企画開催をはじめ、リーフレットの刊行など地域づくりの活動の一環としても展開をしていただいております。  また、平成28年には八代城跡が、公益財団法人日本城郭協会の続100名城に選ばれたことを契機に、関東・関西を発着する日本の名城をめぐるスタンプラリーツアーが盛況となってきており、令和元年度は26団体、延べ700人ほどの方が八代城跡を訪れていただいております。これらのツアーには、やつしろ観光ガイド協会の皆様が対応していただいており、八代城跡をはじめとする本市の文化財の案内が好評をいただいていると伺っております。  そして、本年6月には、本市の石造りの文化に関するストーリー、八代を創造した石工たちの軌跡〜石工の郷に息づく石造りのレガシー〜が日本遺産に認定されましたが、そのストーリーを構成する文化財として、八代城跡及び麦島城跡も含まれておりますことから、今後は日本遺産としても市内外にさらに広くPRを行い、大いに活用していく所存でございます。  以上、お答えといたします。 ◆堀徹男君 ありがとうございました。本市にあるですね、貴重な文化財の保存と活用を図りながら、観光資源としても生かそうと様々な活動を行っているということとお伺いをしました。その中でもですね、八代城跡が続100名城に選ばれたということで、日本の名城をめぐるスタンプラリーツアーが盛況ということでお伺いをしました。  ちょうど今ですね、それと似たようなものがあって、鉄印帳というものを御存じの方いらっしゃいますでしょうか。それがですね、大盛況ということであります。これは何かといいますと、全国の第三セクター鉄道会社40社で開発をされまして、それぞれの路線の決められた駅に行って、手書きやですね、書き置き印という鉄印をもらって──御朱印みたいな感じなんですが、もらって、それがですね、スタンプラリーのような形になっています。地元のですね、肥薩おれんじ鉄道の八代駅でも、全国からたくさんのお客さんがお見えになっていただくきっかけとなっているようです。全国にはですね、鉄道愛好家と同じぐらいお城愛好家もいらっしゃるようですので、もっとたくさんの方に八代を訪れていただけるようにPRに努めていただければと思います。  それではもう続けて最後の質問になりますが、今のお答えにもありました日本遺産に認定された石造りのレガシーや八代城跡群をはじめ、本市には、まだまだたくさんの歴史文化遺産があると思います。今後、さらなるPRと活用を図っていただきたいと思うのですが、その手段として、例えば、NHKにブラタモリという番組がありまして、全国のまちを回ごとに取り上げて、そのまちの成り立ちを歴史や地理からひもといていくという、歴史文化に興味のある方にとってはとても楽しい構成となっています。番組で紹介されたまちには行ってみたくなりますし、まちのよいPRにもなっています。  そこで、メディアなどを通して本市の歴史文化財を紹介し、その魅力を発信することに取り組まれてはどうでしょうか。本市の歴史文化遺産などを御紹介をいただきながら、その可能性についてお伺いをします。 ◎経済文化交流部長(中勇二君) 自席よりお答えします。  本市には、麦島城跡を含む八代城跡群をはじめ、数多くの文化財が所在しております。中世には、現在の古麓城が築かれ、現在もその一帯には南朝方の懐良親王の御陵や御小袖塚等の歴史遺産が数多く残されております。古麓城には豊臣秀吉も九州攻めの際に滞在し、キリスト教宣教師ルイス・フロイスと面会しておりますが、フロイスはその際に、古麓城から見た八代のすばらしい景色を日本史という本に記しております。その後、1588年には麦島城が築城され、1615年に一国一城令が出された後も廃城とならず、熊本城とともに全国でも珍しい一国二城を支える城でございました。残念ながら、1619年に地震で倒壊してしまいましたが、八代の地理的な重要性を認識していた加藤氏が幕府の許可を得て、1622年に麦島城をモデルにして八代城を築城しており、再来年の2022年には築城400年を迎えようとしております。  その後、江戸時代を通して、加藤・細川領国の一国二城体制を支えた八代城と松浜軒を中心とする中心市街地には城下町の地割が今でも残っており、その城下町で育まれてきた八代妙見祭は、現在では国指定無形民俗文化財であり、またユネスコ無形文化遺産となっております。  また、八代平野の3分の2は干拓により陸地化された土地であり、現在も江戸時代以降の数多くの干拓遺跡が残されています。  鏡町両出・千丁町古閑出付近には1800年代に行われた四百町新地干拓の遺跡であり、熊本県指定史跡である大鞘樋門群が残されており、当時から労働歌として歌い継がれてきた郷土民謡大鞘節は、現在では鏡町で全国大会が開催されております。  干拓の技術は、江戸時代以降も磨かれ、郡築三番町には明治時代の干拓遺跡であり、国指定重要文化財の旧郡築新地甲号樋門、郡築二番町には昭和初期の干拓遺跡であり、国登録文化財である郡築二番町樋門が残るなど、当時の干拓の技術、変遷を一望できる八代干拓遺跡群が展開しております。  さらに、東陽町の笠松橋をはじめ、市内には数多くのめがね橋群が点在しておりますとともに、泉町には五家荘など平家に関連する文化財や県指定天然記念物の久連子鶏、また、久連子古代踊り等多くの民俗文化財が地元の皆様の御尽力によって、今に伝えられております。  生まれ育ってきた私たちにとっては見慣れた光景であるため、なかなか文化財の価値、観光資源としての魅力を実感できない場面もありますが、市外から訪れる方にとってはとても珍しく、魅力あふれる景色に映っていると伺っております。  今後は八代城跡群や八代干拓遺跡群、さらにはめがね橋群など歴史文化遺産の一層の活用を図り、その価値を高めていくためにも、議員御発言にありましたマスコミへの働きかけのほか、ウェブやSNSなどを積極的に活用し、市内の歴史文化遺産を切り口として本市のファンを増やしていきたいと考えております。  さらに、今回の日本遺産認定などを契機として、新型コロナウイルス感染症終息後、国外からの往来が再開されたときを見越して、将来の観光需要を取り込めるよう歴史文化遺産を活用するための下地をつくっていきたいと考えております。  以上、お答えといたします。 ◆堀徹男君 ありがとうございました。麦島城跡のですね、本丸跡、それから天守台跡は、遠くは関東や県外からも見学に来られるお客様がいらっしゃいます。私もですね、時折、御案内をする機会があるのですけれども、そこが天守台であったことを示すものは看板が1枚くらいしかありません。しかし、掘り割りのですね、痕跡だとか、キリシタンの殉教の地であることなど、歴史をひもときながら説明をすると大変喜んで帰られます。  その際に伺ったお客様の観光行動を御紹介しますと、まず、八代駅でレンタサイクルを借り、古麓城まで行き、駅に帰ってタクシーに乗り換え、麦島城を見た後、松江城を見学して八代市内に泊まります。夜は地元ならではの物を食べにまちへ出て、次の朝はおれんじ鉄道に乗って佐敷城跡を見て帰りますということでした。今の観光行動は、それぞれの過程で消費行動に結びついています。一例にすぎませんが、観光ルートとして、また、旅行商品としての開発への素地は十分に参考になるものと思います。担当部門にて、ぜひ御一考いただければと思います。  さて、ただいまのたくさん御紹介をいただいた本市の歴史文化遺産は、観光資源としてのパフォーマンスとしても非常に高いものがあるというふうに思っています。先ほどのお答えにありました八代城跡群国史跡指定記念シンポジウムが開催されたときのお話ですが、パネリストの方から、こういうシンポジウムにはそんなに人は集まらないだろうと思っていたが、こんなにたくさん人が来るなんて、八代は文化度の高いまちですねと。また、構成要素の違う3つのお城の一括指定は全国初の方式であり、日本全国から見に来る価値がある、国指定を誇りにしていいと思いますと語っておられました。国指定にこぎ着けた担当者の苦労も報われるというものです。  自分の足元にある見慣れた風景にはなかなか気づかないものでありますが、八代には歴史と文化の香りがあふれております。文化財であることの価値を最大限に生かし、心豊かな市民生活が送れますように、また、将来の観光需要が取り込めるよう観光資源としても活用されるよう、さらなるお取組に期待をしております。ブラタモリにもぜひエントリーをチャレンジしてみてください。  これで、私からの質問を終わります。            ───────────────────────── ○議長(中村和美君) お諮りいたします。  本日の議事はこの程度にとどめ、延会といたしたいが、これに御異議ありませんか。                (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(中村和美君) 御異議なしと認め、そのように決しました。  なお、次の会議は明12月10日定刻に開き、質疑及び一般質問を続行いたします。  本日はこれにて延会いたします。                 (午後2時43分 延会)...