八代市議会 2019-09-17
令和 元年 9月定例会−09月17日-02号
令和 元年 9月定例会−09月17日-02号令和 元年 9月定例会
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主 要 目 次
1.市長提出案件23件に対する質疑・一般質問(第1日)
(1)成 松 由紀夫 君…………………………………………………5
(2)太 田 広 則 君………………………………………………21
(3)谷 川 登 君………………………………………………38
(4)西 濱 和 博 君………………………………………………45
1.
市長追加提出案件1件・説明………………………………………62
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令和元年9月八代
市議会定例会会議録(第2号)
・令和元年9月17日(火曜日)
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・議事日程(第2号)
令和元年9月17日(火曜日)午前10時開議
第 1 議案第51号・平成30年度八代市
水道事業会計利益の処分及び決算の認定について(質疑)
第 2 議案第52号・平成30年度八代市
病院事業会計決算の認定について(質疑)
第 3 議案第53号・平成30年度八代市
下水道事業会計利益の処分及び決算の認定について(質疑)
第 4 議案第54号・令和元年度八代市
一般会計補正予算・第5号(質疑)
第 5 議案第55号・令和元年度八代市
介護保険特別会計補正予算・第2号(質疑)
第 6 議案第56号・専決処分の報告及びその承認について(質疑)
第 7 議案第57号・専決処分の報告及びその承認について(質疑)
第 8 議案第58号・契約の締結について(質疑)
第 9 議案第59号・地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備等に関する条例の制定について(質疑)
第10 議案第60号・八代市
会計年度任用職員の給与等に関する条例の制定について(質疑)
第11 議案第61号・八代市職員の分限に関する手続及び効果に関する条例等の一部改正について(質疑)
第12 議案第62号・八代市消防団員の定員、任用、服務等に関する条例の一部改正について(質疑)
第13 議案第63号・八代市印鑑条例の一部改正について(質疑)
第14 議案第64号・八代市手数料条例の一部改正について(質疑)
第15 議案第65号・八代市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部改正について(質疑)
第16 議案第66号・八代市
家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について(質疑)
第17 議案第67号・八代市特定教育・保育施設及び
特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正について(質疑)
第18 議案第68号・八代市
放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部改正について(質疑)
第19 議案第69号・八代市特定教育・保育施設及び
特定地域型保育事業の
利用者負担額等に関する条例の一部改正について(質疑)
第20 議案第70号・八代市奨学資金貸付に関する条例の一部改正について(質疑)
第21 議案第71号・
八代市立小学校設置条例の一部改正について(質疑)
第22 議案第72号・八代市市民農園条例の一部改正について(質疑)
第23 議案第73号・八代市
水道事業給水条例及び八代市
簡易水道事業給水条例の一部改正について(質疑)
第24 一般質問
第25 議案第74号・令和元年度八代市
一般会計補正予算・第6号
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・会議に付した事件
1.日程第 1
1.日程第 2
1.日程第 3
1.日程第 4
1.日程第 5
1.日程第 6
1.日程第 7
1.日程第 8
1.日程第 9
1.日程第10
1.日程第11
1.日程第12
1.日程第13
1.日程第14
1.日程第15
1.日程第16
1.日程第17
1.日程第18
1.日程第19
1.日程第20
1.日程第21
1.日程第22
1.日程第23
1.日程第24 一般質問 (1)成松由紀夫君 (2)太田広則君
(3)谷川 登君 (4)西濱和博君
1.日程第25
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・出席議員及び欠席議員の氏名
(1)出席議員(28人)
1番 福 嶋 安 徳 君 2番 田 方 芳 信 君
3番 成 松 由紀夫 君 4番 増 田 一 喜 君
5番 金 子 昌 平 君 6番 北 園 武 広 君
7番 百 田 隆 君 8番 上 村 哲 三 君
9番 高 山 正 夫 君 10番 前 川 祥 子 君
11番 橋 本 幸 一 君 12番 谷 川 登 君
13番 村 川 清 則 君 14番 古 嶋 津 義 君
15番 村 山 俊 臣 君 16番 西 濱 和 博 君
17番 中 村 和 美 君 18番 鈴木田 幸 一 君
19番 橋 本 隆 一 君 20番 太 田 広 則 君
21番 橋 本 徳一郎 君 22番 庄 野 末 藏 君
23番 亀 田 英 雄 君 24番 山 本 幸 廣 君
25番 堀 徹 男 君 26番 野 崎 伸 也 君
27番 大 倉 裕 一 君 28番 村 上 光 則 君
(2)欠席議員(なし)
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・説明のために出席した者の職氏名
(1)長 (2)教育委員会
市長 中 村 博 生 君 教育長 北 岡 博 君
副市長 田 中 浩 二 君 教育部長 桑 田 謙 治 君
市長公室長 松 本 浩 二 君 (3)農業委員会
秘書広報課長 野々口 正治 君 会長 白 石 勝 敏 君
総務企画部長 松 村 浩 君 (4)
選挙管理委員会
財務部長 佐 藤 圭 太 君
委員長職務代理者 尾 崎 信 一 君
市民環境部長 桑 原 真 澄 君 (5)公平委員会
健康福祉部長兼福祉事務所長 委員 山本 八重子 君
丸 山 智 子 君 (6)監査委員
経済文化交流部長山 本 哲 也 君 委員 江 崎 眞 通 君
農林水産部長 沖 田 良 三 君
建設部長 潮 崎 勝 君
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・職務のために議場に出席した事務局職員の職氏名
事務局長 宮 田 径 君 次長 増 田 智 郁 君
議事調査係長 土 田 英 雄 君 主査 上 野 洋 平 君
主査 島 田 義 信 君 参事 中 川 紀 子 君
参事 鶴 田 直 美 君
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(午前10時00分 開議)
○議長(福嶋安徳君) これより本日の会議を開きます。
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△議長の諸報告
○議長(福嶋安徳君) 諸般の報告をいたします。
本日、市長より議案1件が送付され、受理いたしました。
この余の報告は、朗読を省略いたします。
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△日程第1〜23
○議長(福嶋安徳君) 日程第1から日程第23まで、すなわち議案第51号から同第73号までの議案23件を一括議題とし、これより本23件に対する質疑並びに日程第24・一般質問を行います。
それでは、通告に従い、順次発言を許します。
成松由紀夫君。(「頑張れ」と呼ぶ者あり)
(成松由紀夫君 登壇)
◆成松由紀夫君 皆さん、おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)
自由民主党礎の成松由紀夫でございます。
令和元年9月
議会一般質問初日の
トップバッターということでございまして、このように質問の機会を与えていただきましたことに対しまして、市民の皆様、議会の皆様に感謝とお礼を申し上げます。
質問に入ります前に、まずもって、8月31日に開催されました八代市協働の
まちづくり推進条例施行記念市民フォーラムにおいて、八千把校区で地域活動を行っている
学生ボランティアの人たちの発表がございました。その主な内容は、地域における活動内容や国際間交流についてでございました。
まず、地域における活動としては、平成28年度、八千把出張所で職場体験を経験した第四中学校の生徒さんたちが熊本地震後、一日も早い復興・復旧を願い、納涼夏祭りにおいて生徒さんたちによる段ボール迷路の作成や大やちわ祭りでの司会進行、さらには地域活動の下支えを行ったことでありました。参考までに、これらの活動は、四中生が高校生に進級した現在も毎年引き継がれております。
次に、国際間交流としては、熊本地震の復旧活動の一環として、アメリカ海軍による救援活動に対して感謝を伝えるため、
学生ボランティアの子供さんたちが中心となって、地域を挙げた御礼の
ポストカード集めを行い、福岡の
アメリカ領事館に届けました。このことに対し、後日、当時の
キャロライン・ケネディ大使から感謝状が送られております。今では、この感謝状は地域の宝物として八千把
コミュニティセンターに掲示されております。また、これを契機として、八千把校区と在
福岡アメリカ領事館との交流活動が始まり、昨年の第10回記念の大やちわ祭りには在
福岡アメリカ領事館の
バネッサ・善治広報担当領事が来賓としてお越しになられました。その際、私も同席しておりましたが、大やちわ祭りでの
白百合学園高等学校茶道部による野点において、中村市長と善治領事は将来の都市間交流をテーマに会話が弾んでおられたと記憶しております。
さらに、ことしの5月には、離任を控えた当領事館の
サクライ首席領事が異例とも言える市長表敬にお越しになられるまでに至っております。
単なる地域の小さなイベントに外国の要人がお越しになることは異例中の異例であります。また、生徒たちは英語はしゃべれなくても、心が伝わったと実感できた瞬間でありました。
このような子供たちの地域貢献をしたいという純な思いから始まった活動が国際間の大きなきずなを生み、今では本市と
アメリカ領事館との交流がしっかりと市執行部の国際課に引き継がれ、揺るぎない信頼関係を構築し、今後の八代市の国際化発展に寄与しているものと確信しております。
さらには、中村市長は、その国際課を昨年新設して以来、早々にやつしろ
国際化推進ビジョンを策定され、そこで示された施策を次々と実行に移されております。まさしく市長の時宜を捉えた判断力とスピード感を持った対応に私としても敬意を表したいと思います。
そのような中、私も台湾、ベトナムを視察した折、国際課の担う重要な役割を肌で感じました。そんな市長肝いりの国際課が各課の後方支援の取り組みにも大きな活躍を見せ、さらに今回、国際交流員が加わり、今後の国際化に対する取り組みに大きな展開と夢が膨らむわけであります。
こういった地元の次世代の子供たちによる地域から国際化発展まで結んだすばらしい活動がある中で、今回は八代市の次世代をテーマとして4点通告いたしております。
それでは、通告に従いまして質問に入らせていただきます。執行部におかれましては、わかりやすく簡潔な御答弁をお願いいたします。
まず、大項目の1点目、新庁舎建設につきましては、実施設計がおおむね完了し、さきの3月議会において本体工事費132億円、令和元年度から令和3年度までの3カ年事業の継続費として承認されたところであり、執行部におかれましては、これまで入札及び契約手続を粛々と進められてきていることだと思います。
そのような中、先々週、市のホームページにおいて落札予定者が公表され、今回、9月議会に契約の承認について追加提案される見込みであります。
そこで、佐藤財務部長に5点お尋ねいたします。
まず1点目、追加提案とする経緯について。
今回の新庁舎は、規模、事業費とも本市にとって過去に例のない大きな事業であり、発注に際してはいろいろ知恵を絞られたかと思います。皆様御存じのとおり、県内を含む他の自治体においては、建設資材の高騰や技術者不足などによる不調・不落が続いており、一日も早い新庁舎の完成を目指している本市において完成がおくれることを私も大変心配しておりました。が、何とか応札者もあり、一安心したところであります。
応札者については、共同企業体1者だったものの、中村市長がこれまで、できる限り地元の企業への配慮を行いたいと議会でも説明されてきたとおり、地元の大手建設業者が2者、共同企業体の元請として参加していただくことになり、本市の活性化にとって大いに期待されるところであります。
そこで、2点目、入札の要件及び応札者の状況についてお尋ねいたします。
また、今回の入札方法については、通常の価格評価ではなく、総合評価により建設業者を決定されていると伺っております。総合評価という言葉は、一般市民の方にとってはなじみの薄い言葉であり、わからない方も多くおられると思います。
そこで、3点目、総合評価を採用した理由とその評価基準、あわせて、この
総合評価方式を活用した本市の実績はどの程度なのか。
また、4点目、1者応札のこれまでの本市の実績、1者でも競争性は確保できるのか、お尋ねいたします。
次に、本体建設工事の契約については、本議会で承認されれば、いよいよ着工となりますが、本体だけでなく、外構工事の時期なども気になるところであります。現段階で答えられる範囲で構いませんので、5点目として、完成までの作業内容について、また、工事が始まりますと、何かと不測の事態やさまざまな事態が考えられるわけですが、そういった場合、どのように対応していかれるのか、あわせてお尋ねいたします。
壇上からの質問はこの程度にとどめ、以下の質問については発言者席にて行わせていただきます。
(
財務部長佐藤圭太君 登壇)
◎財務部長(佐藤圭太君) 皆様、おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)
成松議員お尋ねの1点目、まず、追加提案とする経緯についてお答えいたします。
議員御案内のとおり、本体工事費につきましては、免震・制振装置の検査データ改ざん問題により実施設計がおくれたものの、災害復旧という観点から一日も早く事業の進捗を図るため、何とか3月議会に間に合わせ、3カ年の継続費として御承認いただいたところです。
また、去る6月議会では、実施設計を精査する中で、やむを得ず工期の延長を行うとともに、建物の床の一部に構造材として使用するCLTについて100%市産材を使えるよう分離発注についての説明を行い、おおむね御理解いただけたものと思っております。
その後、分離発注するCLTについて事業費を精査し、契約の手続を進めてまいりました。
地域の活性化を図る観点から、構造材の一部として使用するCLTの活用につきましては、市としましても初めての試みでありましたが、関係団体の御協力のもと、市産材をおおむね100%使用できる見通しとなっているところです。
あわせて、新庁舎建設工事に係る入札事務を進めてまいりましたが、規模も大きいことから、設計図書、工事の仕様、設計金額の精査、また今回、入札方法として
総合評価落札方式を取り入れたことから手続に時間を要しましたものの、何とか本議会の追加提案に間に合わせることができる見込みとなったところです。
次に、2点目、入札の要件及び応札者の状況としましては、本件は
総合評価落札方式による
制限付一般競争入札として7月25日に公告いたしました。
競争入札参加資格としましては、九州圏内に営業所を有し、
建築一式工事の
経営事項審査総合評定値が1500点以上の1者を代表構成員とし、本市内の
建築一式工事の格付がA級の構成員を1者または2者で構成される共同企業体としたところでございます。
その後、8月16日までに技術申請書の提出、8月21日までに入札を行い、翌22日に開札したところ、応札は共同企業体1者でございました。
これを受けまして、応札者により提出された技術申請書の審査のため、8月26日に
総合評価幹事会、28日に学識経験者の意見聴取を経て、30日の
総合評価審査会により慎重に審査したところ、落札者として適正であることを確認しましたので、9月3日に落札者に通知し、同月10日に仮契約を締結したところでございます。
次に、3点目、
総合評価落札方式を採用した理由、並びに評価基準と実績についてですが、公共工事は調達時点で品質を確認できる物品の購入とは異なり、受注者の技術的能力等により品質が左右されることから、発注者は個々の工事の内容に応じて適切な技術的能力を持つ企業を
競争入札参加者として選定するとともに、技術的能力を評価した落札者の決定や適切な監督、検査等の実施により公共工事の品質を確保する必要があります。
また、公共工事の品質確保の促進に関する法律が平成17年4月に施行され、公共工事の品質は、経済性に配慮しつつ、価格以外の多様な要素も考慮し、価格及び品質が総合的にすぐれた内容の契約がなされることにより確保されなければならないと規定されております。
本市としましては、本庁舎建設は
ビッグプロジェクトであり、後世に残る重要な構造物であることから、価格だけで決定する方式でなく、工事期間中の周辺に対する安全対策や工事の施工計画を評価する
総合評価落札方式により事業者を選定したものです。
次に、評価基準としましては、施工計画、企業評価、技術者評価で構成され、施工計画としては構造躯体の品質確保や耐久性の向上、工事中の近隣環境への影響低減、省資源、社会貢献等の提案内容について評価します。
企業評価としましては、共同企業体の場合は代表構成員や構成員の施工実績や工事成績評点などを評価しますが、それに加え、今回は地元企業への発注を評価項目として設定し、下請などで地元企業をより多く利用する者が有利になるような評定方法をとっております。
技術者評価としましては、代表構成員の
配置予定技術者の資格や施工経験などを評価するものです。
続きまして、これまでの本市における実績ですが、
総合評価落札方式を取り入れた平成20年度から平成30年度までの土木一式、建築一式、水道施設工事、舗装工事など多岐の分野に採用しており、総件数は29件となっております。
なお、熊本県におきましては3000万以上の工事は
総合評価落札方式を原則とされておりますし、国においては
一般競争入札のほぼ全てに
総合評価落札方式が採用されているところでございます。
次に、4点目の1者応札の本市の実績及び競争性の確保につきましては、本市の
一般競争入札では、平成19年度の施行開始からこれまで23件の1者応札がございまして、全て有効として契約を行っているところです。
一般競争入札の場合は、公告条件に見合った者であれば誰でも参加でき、競争の機会が確保されていることが重要であります。今回は、応札者は1者という結果でしたが、競争性は働いていると考えております。
最後に、お尋ねの5点目、完成までの作業内容及び不測の事態等への対応についてお答えいたします。
本体工事につきましては、さきの議会で申し上げましたとおり、ことしの10月から2年後の令和3年10月の完成に向けて取り組んでまいります。
契約締結後は、本体工事とあわせて、その附帯工事であります水道や電気附帯工事、通信関係、情報関係設備、造作家具や什器の選定、搬入、取りつけなどの協議や検討を行うこととなっており、外構工事関連としましても、駐車場、駐輪場、倉庫、ごみ集積所、記念植樹の移設など、協議や検討が必要な内容が数多くありますことから、今後の進捗管理につきましてもしっかり取り組んでまいりたいと考えているところです。
また、工事が始まりますと、不測の事態やさまざまな事態により設計変更等の対応も考えられますことから、その状況に応じてスピード感を持って柔軟に対応してまいりたいと考えております。
以上、お答えといたします。
◆成松由紀夫君 佐藤部長、長い答弁、ありがとうございました。
さて、熊本地震から、はや3年以上経過し、被災した新庁舎の建てかえについては、平成28年に策定されました新
庁舎建設基本構想から3年を迎えることになりました。
当初はですね、規模や予算の話ばかりが先行して、庁舎にとって一番重要な機能の議論がなされず、私も特別委員会の創成期のメンバーでありましたので、一時はどうなることかと心配しておりましたが、ようやく本体工事に着手ができるところまでにこぎ着けることができました。
新庁舎の一日も早い完成は市民の願いであり、中村市長におかれましても、ここに至るまでの御苦労はいかばかりだったかと拝察するところであります。
最後に、市長のお気持ちをお聞かせ願えばと思います。よろしくお願いします。
(市長中村博生君 登壇)
◎市長(中村博生君) 皆さん、おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)
思いをということにお答えいたします。
これまで大変な御苦労をおかけした関係者の皆様に感謝しますとともに、これからが建設に向けての正念場であるという思いを新たにしているところでございます。
工事が順調に進行し、市民の皆様方に対し、一日も早い新庁舎の提供こそが私としての責務であると考えておりますので、今後とも議員各位の御理解、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
◆成松由紀夫君 市長、ありがとうございました。
これまで執行部におかれましては、市産材100%活用のためにですね、ありとあらゆる知恵を絞り、構造材であるCLTの分離発注を試みるなど、新しい取り組みにも尽力されておられるようであります。
本体工事着手後も、外構工事や附帯工事など、やるべき内容が山積しておりますが、今後とも事業の一層の進捗管理に努めていただき、市民の皆様のため、新庁舎の一日も早い完成につながりますようエールを送り、この項を終わります。(成松由紀夫君挙手)
○議長(福嶋安徳君) 成松由紀夫君。
◆成松由紀夫君 次に、大項目の2点目、
八代民俗伝統芸能伝承館(仮称)の整備についてお尋ねいたします。
八代民俗伝統芸能伝承館(仮称)、以下、伝承館といたしますが、この建設については、平成24年に八代
妙見祭保存振興会から八代
妙見祭まつり会館基本構想の提言があり、さらに平成28年には笠鉾連合会、
民俗伝統芸能保存団体や
観光ガイド協会も一つになって、
八代民俗伝統芸能伝承館(仮称)の整備方についての強い陳情が提出され、議会で採択されました。
その後、ユネスコ無形文化遺産の登録を経て、文化振興や観光振興に貢献する施設として、陳情された関係団体だけでなく、インバウンド効果や情報発信による地域活性化に期待される多くの市民の皆様が早期の整備完成を待ち望んでおられ、そのような中で建築工事の入札が行われたものの、不落という結果になった旨を聞き、私としましては、今後のスケジュールのおくれを心配していたところであります。
しかし、今回の入札結果に執行部はすぐに対応されて、9月10日及び12日の議会運営委員会において、関係事業費に係る補正予算の追加提案を本日予定しているとの報告がありました。
そこで、今回の追加提案の経緯や理由、また伝承館の早期完成の必要性をどのように考えておられるのか、山本経済文化交流部長にお尋ねいたします。
(
経済文化交流部長山本哲也君 登壇)
◎経済文化交流部長(山本哲也君) 皆さん、おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)
議員御質問の
八代民俗伝統芸能伝承館(仮称)の整備についてお答えいたします。
なお、以下、伝承館と呼称させていただきます。
議員からもございましたが、伝承館の整備につきましては、平成24年に八代
妙見祭保存振興会が八代妙見祭まつり会館(仮称)基本構想を提言され、4年後の平成28年に八代
妙見祭保存振興会、市内の民俗伝統芸能の各保存団体で構成された八代市民俗文化財保存連合会、八代妙見祭笠鉾連合会及びやつしろ
観光ガイド協会の4団体から、
八代民俗伝統芸能伝承館(仮称)の整備方という陳情が行われ、同年6月議会での陳情採択から事業が進み始めたものでございます。
その後、設計コンサルの選定、基本設計を経て、このほど完成した実施設計をもとに入札に付しましたが、不落となりました。
入札の不落を受け、設計コンサルと協議の上、主に積算で採用している見積もり単価の見直しを行うとともに、設計コンサルを交えた市内専門業者へのヒアリングの実施、見積もりの徴収し直し及び単価の入れかえを行いました。その結果、予算の不足が生じることとなり、今回の補正予算の提案を行うに至ったものです。
なお、入札が不落となった要因は、伝承館の屋根の形状が全国に例がない特殊なつくりであり、また、それに付随する工事内容にも特殊な部分があることから、想像以上に金額の差異が生じたものではないかと考えております。
整備のスケジュールにつきましては、18カ月の工期を見込んでおり、9月議会での契約承認を経て工事着工した後、令和3年3月末での完成を計画しておりました。
この後、補正予算の追加提案について御承認をいただきましたら、できる限り早く再入札を実施したいと考えております。
その後、臨時議会を開催していただき、契約の御承認をいただきましたら、早期の着工につなげられ、スケジュールのおくれを少なくすることができると考えております。
伝承館の早期着工を目指す大きな理由は、笠鉾などの収蔵保管を早く開始するためです。
建物の構造が鉄筋コンクリート造であるため、生コン打設後にコンクリート躯体から笠鉾等、貴重な文化財に変色や劣化をもたらすアルカリ性物質の発生が避けられません。県指定文化財でもあり、町内の非常に大事な笠鉾等をお預かりする施設ですので、このアルカリ性物質が影響を及ぼさないよう、博物館施設と同様の対応を行う必要があると考えております。
こうした有害物質を取り除くための、いわゆる枯らし期間は2夏必要とされています。令和2年度夏前に収蔵部分のコンクリート打設を終えることによって、3年度の秋には収蔵が可能になりますが、おくれた場合は収蔵庫への搬入が令和4年度の秋にずれ込むことになります。
また、笠鉾や衣装などの保管については、本年2月に二之町での火災で現場近隣の笠鉾、蘇鉄の保管庫にも被害が危惧される状況になり、保管庫におさめられず自宅等に保管されていた行列衣装などが損傷した事例もあることから、各町内から早期の完成の要望も上がっています。
さらには、クルーズ船拠点となる八代港に、今年度末には、くまモンポート八代が完成するなど、外国人観光客の増加が見込まれる中、インバウンド対策を強化し、その対策を早期に発現できるよう、さらにクルーズ船の就航は春から初夏にかけてが本格的な時期であるため、この機会を逃さないよう、伝承館の整備も可能な限り早期に完成させる必要があると考えております。
そもそも、関係団体が平成28年に陳情を出されたのは、4月の熊本地震の発生や被害の状況から、それぞれの用具や衣装の保管状況に、起こり得る次の災害への備えに不安を感じられたことに端を発しております。同時に、関係団体では、祭りや伝統文化材の保存、継承に係る責任感も強く持たれ、守り、伝え、残すための拠点としての伝承館の整備に大きな期待が寄せられております。
なお、6月議会でもお答えいたしましたとおり、伝承館の工事中の騒音や振動、また利用者の安全等を考慮いたしました厚生会館の休館により、市民の皆様に御迷惑をおかけしていることは十分に承知しているため、休館期間への影響をできるだけ少なくすることが必要であると考えております。
伝承館の整備につきましては、市総合計画にうたわれている郷土の文化・伝統に親しむまちづくりの主要事業の一つであり、その完成は関係団体や市民が熱望されています。大きく波打つ屋根は、妙見祭の笠鉾や亀蛇、獅子の躍動感をイメージさせる特徴的なもので、市民の皆様に夢を与えるとともに、市内民俗文化財の保存と380年続く八代妙見祭が今後も連綿と継承されていくという夢の実現に寄与するものです。
また、建物の完成と開業が目標ではなく、その後の活用や地域への効果を創出し、持続させていくことが施策のかなめであることは言うまでもありません。
担当部といたしましても、伝承館の整備はお祭りや民俗文化財の保存・継承、情報発信による認知度の向上、インバウンド対策の強化、伝承館を中心とした周辺周遊コースの創設、開拓による中心市街地の活性化など、広範で多岐にわたる効果につながるものであり、早期実現へ向け取り組むべき重要な施策と認識しております。
繰り返しになりますが、関係団体や市民の皆様の声に応えるべく、できる限り早く運営開始の運びとするため、早期の再入札及び仮契約の後、議会の御承認をいただければと考えております。
以上、お答えといたします。
◆成松由紀夫君 ありがとうございました、部長。済みません。
ただいまの部長答弁のとおり、入札不落になったことは大変残念でありますが、笠鉾の屋根の形状をモチーフにラウンドした形状や、獅子やガメの躍動感をあらわした流れるようなデザインを表現し、全国にも類を見ないという特殊な、本当に特別な形状の屋根の積算に、市としても苦慮されたことが察せられますんで、私はやむを得ないと考えます。
しかし、設計コンサルはですね、そういう特殊な形状の屋根ということは、図面を引いた側なので、わかっているはずなんですよね。執行部は、入念に打ち合わせはされたとは思いますが、もう少し設計コンサルが執行部に情報提供をしていただいていればと、私は考えるわけであります。
これからは、こういう事態とならないよう、十分留意し、進めていただきたいというふうに思います。
また、先日、八代
妙見祭保存振興会関係の方から、今後完成までの心配のですね、問い合わせがありまして、その内容は、先日の議会運営委員会での、工期については急がず、もう少し時間をかけてもいいのではないかというような発言をされた議員に対して、急いでもらわんと困るという、お怒りの御意見であります。
伝承館の完成はですね、八代
妙見祭保存振興会や八代市民俗文化財保存連合会の方々を初め、市民の皆さんにとっての悲願であります。また、早期の施設完成への理由も理解できることから、執行部におかれましては、早期の完成に向け、精いっぱい努力していただくとともに、議会としてもですね、全面的に協力していくべきだと私は考えます。
何事も拠点整備に当たっては紆余曲折あろうかとは思いますが、所期の目的を見失うことなく、整備及び運営に邁進していただくことを要望とし、この項を終わります。(成松由紀夫君挙手)
○議長(福嶋安徳君) 成松由紀夫君。
◆成松由紀夫君 次に、大項目の3点目、八代畳表認知向上・需要拡大事業についてでありますが、本市の基幹産業である農林水産業、とりわけ畳表の材料であるイグサにつきましては、皆さん御承知のとおり、国内最大の産地であり、これまで本市の経済発展を牽引してきた重要な農産物の一つであります。
しかし、国内において国産畳表の需要は、平成5年の4500万畳から平成30年には1200万畳と言われ、減少の一途をたどっており、生産面において大変厳しい状況が続く中、かつて5000戸以上あったイグサ農家は、平成30年時点で400戸を切るまでに減少しております。
市議会でも、このような状況を憂慮し、イ産業振興に関する質問をたびたびさせていただきました。本市としても、これまでさまざまな対策を講じてこられましたが、本年度にはイグサ畳表関連企業、建築、住宅メーカー等に対してPR、販促活動を行う八代畳表認知向上・需要拡大事業を新規事業として立ち上げ、活動を展開されておられます。
このような中、先月、本市と氷川町、山中産業株式会社の3者が八代産畳表の振興について連携を図る旨の協定が締結されました。
山中産業株式会社は、国内最大手の畳関連資材取扱商社であると伺っており、イ産業に与える影響も大きく、協定締結の効果に大きな期待をするところでございます。
そこで、この協定がどのような経緯で締結に至ったのか、また、この協定締結を機にどのような取り組みを進めていかれるのか、本9月議会に計上されている八代畳表認知向上・需要拡大事業の補正予算の内容を含めて、沖田農林水産部長にお尋ねいたします。
(農林水産部長沖田良三君 登壇)
◎農林水産部長(沖田良三君) 皆さん、おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)
議員御質問の3項目め、八代畳表認知向上・需要拡大事業についてお答えいたします。
まず、本年8月19日付をもって、本市並びに氷川町と山中産業株式会社の3者で締結しました八代産畳表振興に関する協定でございますが、本協定は、八代地域のイ産業の活性化及び日本の伝統文化である畳文化の保護、継承を目的とし、4つの項目を柱に連携を図っていくというものです。
具体的な項目は、1つ目が八代産畳表の認知向上に関すること、2つ目に八代産畳表の需要拡大に関すること、3つ目にイ産業の活性化に関すること、4つ目にその他、八代地域の農林水産物の振興に関することが明記されております。
協定に至った経緯でございますが、山中産業株式会社が昨年11月、千丁町に九州配送センターを開設されておりますが、その報告を兼ねて本市を訪問された際、日本の伝統文化である国産畳表を守るため、ぜひ協力したいとの申し出をいただいたところです。
本市におきましても、イ産業を取り巻く厳しい状況を踏まえ、国内における国産畳表、特に八代産畳表の認知向上と需要拡大に向けまして、本年度からの新規事業として八代畳表認知向上・需要拡大事業を立ち上げ、畳表に関連する企業や建築、建設業界へのPR活動を行うこととしておりました。
このような中で、今回申し出をいただき、早速、山中産業株式会社への八代産畳表のPRに伺った際、国産畳表の振興のためには、消費者に対する需要の喚起が重要であり、全国展開を見据えた大規模なPR活動が必要ではないか、さらに、国産畳を守るという共通認識のもと、互いに連携ができるのではないかとの意見で一致したところです。
そこで、本年5月から具体的な連携内容についての協議を開始し、これまでイ産業に関する一連の事業をともに推進してきた氷川町とともに、今回の協定締結に至ったものです。
なお、協定締結の際には、山中産業株式会社より八代産畳表の振興のためにと多額の寄附をいただいております。
その後も、八代産畳表のPR先となる企業等への訪問機会を調整していただくなど、認知向上、需要拡大に向けた活動が円滑に遂行できるよう御支援をいただいております。
さらに、全国各地の畳関連事業者の方々を本市に招かれ、産地の視察とあわせて八代産畳表のPRにもお力添えをいただいております。
次に、今後の取り組みと補正予算についてでございますが、まず、協定の柱であります八代産畳表の認知向上、需要拡大を重点的かつ効果的に推進するため、本市、氷川町、山中産業株式会社のほか、畳関連事業者、建設関連事業者、生産者団体、行政機関等で構成する協議会を立ち上げ、事業を実施していきたいと考えております。
具体的なPRの手法や実施時期などにつきましては、その協議会において事業計画を策定し、民間企業等のノウハウを取り入れ、全国規模での広告宣伝や民間建築物への八代産畳表の導入、八代産畳表加工製品などの販売促進など、これまで以上に国産畳表のシェア拡大につなげていきたいと考えております。
本議会に上程しております補正予算は、その事業計画策定及び協議会の運営に必要な経費で、山中産業株式会社からの寄附金につきましても畳表の振興に活用していただきたいとの申し出があることから、本事業の財源に充当させていただいております。
また、今後、全国的なPR活動を行うためには大きな経費が必要となることから、ふるさと納税制度のクラウドファンディングを活用し、広く個人、民間企業等からイグサ、畳表振興に係る寄附金を募り、事業の財源に充てたいと考えております。
さらに、外国産畳表や化学畳にない国産畳表の優位性や安全性などのPRとあわせて、畳文化を守り、将来に受け継いでいく今回の活動に対しまして、多くの個人、団体、また民間企業の方々に御賛同いただけるよう、協議会を組織する民間企業等のネットワークを活用し、企業訪問等を実施してまいりたいと考えております。
以上、お答えといたします。
◆成松由紀夫君 ただいまの部長答弁で、協定締結の経緯、活動内容がよく理解できました。
これまで、比較的に取り組みが進んでいなかった建設や住宅設備の業界を巻き込んだ今回の取り組みは、行政単独では難しい全国規模の広告や建設業界への働きかけなどができるようになる画期的なものであります。
また、クラウドファンディングを活用し、全国からの協力を得ながら畳文化を守る、伝統文化を保護、継承するには、実に理想的な方法だと考えます。多くの方に賛同いただき、多くの寄附をいただけるよう、全力で取り組んでいただきたいと考えます。
国産畳表は、消滅の危機にあり、まさに待ったなしの状況にあると言えます。そのような中で今回の取り組みは、イ産業にとって国産畳表復活への期待が大きく膨らむものであります。
そこで、この八代産畳表復活の最大のチャンスと言える本事業に対し、中村市長はどのような思いでこの事業に取り組まれるのか、市長の思いをお尋ねいたします。
(市長中村博生君 登壇)
◎市長(中村博生君) 最大のチャンスと言える本事業についての思いについてお答えいたします。
八代産イグサ、畳表など、本市のイ産業を取り巻く状況は、確かに大変厳しいものと認識しております。
このような中、官民一体となって八代産畳表のPR活動のための新たな協議会が設立されることは、山中産業株式会社様を初めとする民間企業の皆様、関係機関、団体の御協力と御支援によるものであり、深く感謝いたしますとともに、大変心強く思っております。
これまでも就任以来、イグサ農家の生産環境を改善するイグサ刈り取り機、ハーベスタの再生産にも取り組み、今年度までの3カ年で101台の導入を実現しております。
また、イグサと畳表の知的財産としての保護と商品価値の向上につなげるために、地理的表示保護制度、GIにも登録いたしました。
さらに、カセット式移植機の再生産につきましても、現在、生産者団体や関係機関とも密に協議を行い、実現に向けて鋭意取り組んでいるところであります。
これら産地をバックアップするこれまでの施策に加え、全国規模の需要を喚起する今回の取り組みとが両輪となって進むことにより、現在のイ産業の苦境を打破し、八代産畳表と世界に誇る日本の畳文化の新たな未来を見せてくれるものと確信しております。
畳表は、日本人の生活の中に深く根差し、日本人に愛され、育まれ、発展してきた世界に誇るすばらしい伝統文化であります。そのすばらしい伝統文化を将来にわたって継承していくのは、国内最大のイグサ産地である本市の使命でもあろうかと思います。このような決意のもと、今回の事業にも全力で取り組んでまいります。
◆成松由紀夫君 市長、ありがとうございました。市長の強い決意がただいまの答弁でよくわかりました。
中村市長は、県議時代から県のイ業振興議員団会長を務められ、深く、これまでもかかわってこられており、市長就任後もスピード感を持ってハーベスタの再生産やGIマーク登録、またカセット式移植機再生産等の取り組みも進められております。
私も、この取り組みが新たな未来を見せてくれるものであり、また、次世代に誇れるものを残していけるラストチャンスと捉えております。
私は、畳表の振興について、これまでもい業振興議連副会長としてですね、強く関心を持って幾度も質問してまいりました。これまでも強く推進してこられた生産者への支援に加え、今回の取り組みによりハード、ソフト両面から国内随一のイグサ産地を守っていっていただければというふうに思います。
その経緯としては、行政内部の連携が図られ、本年度からフードバレー推進課が主体的に事業を加速させておられ、執行部におかれましても、全く新しい取り組みでもあり、苦労が多かったのではないかなと推察いたします。が、それを乗り越えて、ここまでたどり着いた御尽力に敬意を表する次第であります。
今後、全国規模の広告宣伝等も展開されていくということで、大規模な事業展開も期待され、これからも大変だとは思いますが、イグサ農家を初め、イ産業にかかわる方々によい結果が出るよう、我々、い業振興議連も精いっぱいの支援をしてまいりますんで、市長を先頭に、現場の沖田部長が陣頭指揮に立たれてですね、職員一丸となって、氷川町、民間企業の方々と密に連携しながら事業に取り組んでいただくことを強く要望し、この項を終わります。(成松由紀夫君挙手)
○議長(福嶋安徳君) 成松由紀夫君。
◆成松由紀夫君 次に、大項目の4点目、本市スポーツ振興の取り組みについてでありますが、皆さん御承知のとおり、来年、2020東京オリンピックが開催されます。前回が1964年に開催されましたので、56年ぶりに日本で開催されることになります。
また、ことしはラグビーワールドカップ2019が日本で開催され、さらに八代トヨオカ地建アリーナを含む5会場で2019女子ハンドボール世界選手権大会が開催されます。前回、平成9年に男子の世界ハンドボール選手権大会も八代会場で開催されましたので、本市において22年ぶりの国際大会開催となり、市民の皆様を初め、多くの方々が関心を寄せているところであります。
さて、スポーツの成長産業化に目を向けると、国は成長戦略の一環として、2015年に5.5兆円だったスポーツ市場を2025年には15兆円の市場規模を目指すとしています。
担当であるスポーツ振興課におかれましては、地方創生推進交付金を活用した事業を実施されております。スポーツ行政においても、国、県、市が連携し、事業を進めることで、これまでにないスポーツを活用した経済や地域の活性化が生まれ、実際、本市では、本年8月に開催されたインターハイのバドミントン競技とアーチェリー競技開催の際も、宿泊を初め、大変なにぎわいを見せ、また、本市において毎年開催されている全国小学生ABCバドミントン大会も観客数4000人を超え、大きな経済効果があったと伺っております。
このような、またとないスポーツイヤーを利用し、スポーツの振興に限らず、スポーツによる経済、地域の活性化の観点も、さまざまな分野からアプローチいただき、本市の活力を倍増させていただければと考えております。
そこで、1点目、本市の大規模スポーツ大会等の誘致への取り組み状況について、また2点目、東京2020オリンピックに向けた本市の取り組み状況について、山本経済文化交流部長にお尋ねいたします。
(
経済文化交流部長山本哲也君 登壇)
◎経済文化交流部長(山本哲也君) 議員お尋ねの本市におけるスポーツ振興施策についてお答えいたします。
1点目の、本市で開催された令和元年度全国高等学校総合体育大会の開催状況及び2019女子ハンドボール世界選手権大会に向けた取り組み状況についてでございますが、まず、令和元年度全国高等学校総合体育大会、通称インターハイについては、本年7月下旬から8月上旬にかけてバドミントン競技とアーチェリー競技が本市で実施されたところです。
両競技には、約3500人の選手、監督や関係者が参加され、延べ約2万3000人の観客の方々に御来場いただき、大変大きなにぎわいを見せました。
バドミントン競技においては、本市からの出場選手が大活躍され、またアーチェリー競技の最終日には高円宮承子女王殿下に御観覧いただき、大変有意義な大会であったと感じております。
次に、2019女子ハンドボール世界選手権大会については、1997年の男子大会に続いて、22年ぶり、2度目の熊本県におけるハンドボール世界選手権大会の開催となり、世界各国から選手団や大会関係者、観客など多くの方々が本市を訪れることが見込まれるところです。
本市では、大会の成功へ向け、関係競技団体、関係団体及び関係機関とともに実行委員会を設立し、密接に連携、協力を図りながら、オール八代で万全な開催準備を進めております。
次に、議員お尋ねの2点目、東京2020オリンピックに向けた本市の取り組みについてお答えいたします。
東京2020オリンピックは、56年ぶりに日本で開催される夏季オリンピックであり、市民のスポーツへの関心を高める絶好の機会と認識しております。
来年5月6日には、本市におきまして東京2020オリンピックの聖火リレーが実施されることが決定しており、オリンピックへの盛り上がりを間近に体感できると同時に、八代市を国内外に情報発信できる絶好の機会と考えております。
また、東京2020オリンピックの事前キャンプ誘致関連事業にも取り組んでおり、相手国を台湾、競技種目をバドミントン競技とし、キャンプ誘致や友好交流を推進しているところです。
これまでに本市と台湾との間でジュニア選手の交流などを実施し、参加された選手、監督からは、台湾の競技レベルは高い、これまでにない経験ができた、引き続き交流を実施してほしいとの声が上がっております。
去る9月9日には、台北市におきまして台湾バドミントン協会と八代市、熊本県バドミントン協会、八代市バドミントン協会とのスポーツ分野における友好交流覚書を締結いたしました。
引き続き、健康で明るく豊かな生活や活力ある地域づくりを目指すスポーツで創る元気やつしろの推進に今後も取り組んでまいります。
以上でお答えとさせていただきます。
◆成松由紀夫君 部長、ありがとうございました。
大規模スポーツ大会誘致の取り組み状況につきましては、山本部長からしっかり答弁をいただき、大変安心したところであります。
インターハイでの観客数や
宿泊者数など、スポーツには改めて人を呼び込む力があると感じました。
また、インターハイでは台風に見舞われ、設営等に執行部が大変苦慮されたということも伺っております。
さらに、アーチェリー競技ではですね、高円宮承子女王殿下のおなりも実施されたと。名勝史跡である松浜軒を御視察され、同会場にて御昼食をとられたと伺ったところであります。
この後、いよいよ2019女子ハンドボール世界選手権大会も開催されます。ぜひ、熱気あふれるすばらしい大会にしていただきたいと思います。
さて、東京2020オリンピック関連の取り組みについて、キャンプ誘致や相手国との友好交流の促進に努めていると、今ほど山本部長から伺いました。
東京2020オリンピックの事前キャンプ誘致では、多くの自治体が手を挙げ、相手国の奪い合いになっているという報道もあっております。
そこで、本市においては、相手国を台湾、競技種目をバドミントン競技に選んだとのことですが、私も議会代表といたしまして、事前キャンプ誘致や友好交流を促進するため設立された実行委員会のメンバーでもございます。
市長の提案理由説明でもありましたが、去る9月9日、台湾において、県の国際スポーツ大会推進課にも御同行いただき、中村市長を初め、県バドミントン協会の水野理事長、市バドミントン協会の野々口会長による台湾バドミントン協会との友好交流覚書の締結が行われました。
ここまで至るには紆余曲折があったのも、よく知っておりますが、国際課及びスポーツ振興課による互いの強みを合わせてですね、横の連携により乗り越えられたのは、本当に見事なものでありました。執行部が初めて台湾バドミントン協会を訪問したのが平成30年の1月とのことでありまして、そこにいらっしゃる桑原部長がその当時のメンバーの一人だったかと記憶しておりますけれども、そのときの話では、台湾バドミントン協会から友好交流も事前キャンプも全く考えていない、ほかの市町村からも話があっており、八代市とは難しいとの報告を受けておりました。実際、私もその後に、増田前議長とともに同行させていただき、台湾バドミントン協会と協議の場におりましたが、非常に厳しいものであったと記憶しております。
しかしながら、中村市長のトップセールスでですね、台湾バドミントン協会の対応に変化が生まれ、その後、協議を重ね、今回の交流事業開催、友好交流覚書の締結に至ったものと言えます。
執行部も、何のコネクションもなく、言葉や文化も違う中で御苦労も多々あり、スポーツ分野だけの狭い考えであれば、ここまでには至らなかったのではないかと考えます。
皆さん、御存じのとおり、台湾の基隆市とも本市は友好交流の覚書を締結しており、くまもと県南フードバレーフェアも基隆市で実施しております。これに加え、今回の台湾バドミントン協会との友好交流覚書締結で、さらに台湾とのパイプが太くなったと言えます。
一方、本年4月に策定された、やつしろ
国際化推進ビジョンにおいて、中村市長は、チーム八代で国際化に向けた取り組みを積極的に推し進め、全ての市民と訪れる人々の笑顔が花咲く国際都市八代を目指すと力強く言っておられます。まさに、今回の友好交流覚書締結は、その一つであると言えます。
また、本市においては、基幹産業である農業や製造業の分野においても、海外からの技能実習生は欠かせない存在となっており、私もことし、海外研修で視察をし、本市の国際化に向けた取り組みの必要性について実感したところでございます。
話は戻りますが、大規模なスポーツ大会や東京2020オリンピック関連事業、さらにはスポーツ合宿も含めてですけれども、経済効果などに非常に即効性があるものと思いますし、つい先日、拝見しましたが、日本旅行とコラボされた世界ハンドの応援宿泊プランのパンフレットですね、あれはいいですね。実にいいです。あのお得感は、ちょっと県外の知り合いの人をですね、案内したくなります。スポーツ振興課のですね、この一連の経験からブラッシュアップされ、経済波及効果まで考えた努力が感じ取れます。
スポーツ大会の運営や誘致活動は大変な苦労があります。執行部も大変ではありますが、引き続きスポーツによるまちづくりを推進していただき、八代市発展のために御尽力していただければと思います。
この項の結びに、先ほども申しましたが、今回、中村市長がバドミントンの関係で台湾に出張されたときの様子を少し紹介させていただきます。
福嶋議長も会場に同席されておられましたが、今回の台湾バドミントン協会との友好交流締結の前に中村市長は、この時期に開催されておりましたチャイニーズタイペイオープン2019において表彰のプレゼンターもお務めになられております。今回のプレゼンターは、台湾の総統である蔡英文氏を初め、台湾オリンピック協会会長、台湾バドミントン協会理事長、さらには熱気あふれる数えきれないばかりの観客の中、開催され、大型スクリーンにですね、映し出された中村市長の姿に、八代市バドミントン協会の野々口会長の目に光るものがありました。私も胸に熱いものが込み上げたことを覚えております。
この企画に対して、ヨネックスの林田社長を初め、八代市バドミントン協会の野々口会長、さらには執行部の皆様の御尽力により、直前までですね、大変な御苦労もあったかと思います。思いますが、八代市という名前がですね、全世界に配信され、とても感動的な場面でございました。これも中村市長のリーダーシップとしての思いに対し、県、市、議会、競技団体、さらには民間が一体となり、実現に至ったものであります。また、その背景には、担当部である山本経済文化交流部長並びに佐藤財務部長の深い御理解もいただいたものだと考えております。
山本部長におかれましては、昨年、本市に金融庁から御着任いただき、これまで鋭い視点でさまざまな指導をいただいており、本市職員にも新鮮な刺激を与えていただくとともに、国、県への対応はもちろんのことながら、外交交渉も的確に対応され、まさに仕事に対するグローバルな考えをお持ちのスペシャリストであります。
また、田中副市長は県の御出身であり、このように本市には国からおいでいただいた部長、県出身の副市長と、まさに国、県、市が一体となり、さらなる今後の事業展開に期待できると言えます。
今後も、本市のために引き続き御尽力いただくことをお願い申し上げ、この項を終わります。(成松由紀夫君挙手)
○議長(福嶋安徳君) 成松由紀夫君。
◆成松由紀夫君 今回の質問は、次世代をテーマに質問いたしました。今回の4つの項目は、どれもが次世代を担う子供たちを初め、八代市民の皆様が事業実施にはさまざまな課題はあるものの、それぞれが力を合わせ頑張っていけば、必ずや明るい未来、そして幸せな生活が訪れることができ、夢と希望を持つことが期待できるような答弁内容でございました。また、今回、本市が国際的にも発展が期待できる執行部の取り組みも深く理解いたしたところでございます。今後もですね、中村市長の始動から加速に向け、私自身も努力、精進していく所存でございます。
実は、私事ではございますが、台湾に出張する前日に、親戚であり、私の後援会長が逝去されました。スポーツをこよなく愛され、ヒマワリのような方でしたが、大好きだったソフトボールチームのユニホームをまとい、旅立っていかれました。
会長の遺言にですね、自分に何かあっても議員には知らせるなと、議員は市民のために仕事に邁進させよと遺言が残されておりました。私は、この遺言を胸に刻み、今後も粉骨砕身、努力、精進してまいりますので、執行部におかれましては、今後とも御指導のほど、よろしくお願い申し上げ、私の今回の一般質問を終わります。
ありがとうございました。(「よかったぞ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
─────────────────────────
○議長(福嶋安徳君) 太田広則君。(「頑張って」と呼ぶ者あり)
(太田広則君 登壇)
◆太田広則君 おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)
公明党、太田広則でございます。
令和元年9月定例会一般質問初日2番目の登壇をさせていただきました。この登壇の機会を与えていただきました市民の皆様初め、関係各位に感謝申し上げます。
また、さきの秋雨前線活発による記録的な大雨となった九州北部地方や、関東地方を直撃した台風15号の被害に遭われた全ての皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、千葉県内においてはまだ停電したままの地域もあるようですので、一刻も早い復旧を願う次第であります。
この台風15号は、千葉市で瞬間最大風速が57.5メートルと観測史上最大の風が吹いたとされ、台風通過後の惨劇は予想以上のものがあり、とてもよそごとには思えない、また思ってはいけない台風の被害であったと思います。
この台風被害の教訓として、やはり台風進路の右側に当たる地域が風が強く危険であるということ、風速40メートルを超えると高架鉄塔や電柱が倒れ、停電が長引き、停電が長引くと携帯電話基地や防災行政無線機の非常用バックアップ電源までもが時間切れとなり、二次災害が広がること、そして、災害が発生すると電気と水がいかに大切かを改めて再認識させられたと思います。
そのような中、停電した千葉県のあるガソリンスタンドでは、スタンド店員みずからが自転車をこいでガソリンを車に給油している光景を目にしました。手で回す手動式は知っておりましたが、自転車のペダル式を見るのは初めてでした。
その光景を見て、真っ先に浮かんだのが、水においては手押し式のくみ上げポンプであります。ちょうど今月は防災の月、来年度予算編成の検討準備の時期でもあろうかと思います。避難所整備担当部署におかれましては、ぜひ千葉県の被災状況も教訓とされ、避難所においては、まずは非常用電源の確保、いわゆるエンジンオイル式の発電機、そして手押し式くみ上げポンプ、この2つのツールの重要性を再認識されて整備されますことを、この場をおかりして改めて要望いたしておきます。
それでは、前置きが長くなりましたが、通告に従い質問いたします。
項目1、おくやみコーナーの設置と手続の効率化について。
大切な御家族を亡くされた後の書類上の手続の多さは、経験されたことがある方は誰もが思われたのではないかと推測いたしますが、本議員もここ数年の間で2回経験しており、全ての手続が完了するまで何回も通って、とにかく面倒で大変だったという印象しか残っていないのが本音のところであります。
そのような中、おくやみコーナーという名称で、その死亡に伴う一連の手続を1カ所で効率よく行うためのコーナーを設置した自治体の存在を知りました。ワンストップサービスを目指している本市の観点から、また窓口に来られた御遺族が移動することなく手続が済ませられるという利点からも、本市におきましてもとても有効な手段の一つのおくやみコーナーの設置であると考え、今回、通告に至りました。
そこで、まず1点目、担当部署における市民の死亡に関する手続の現状についてお伺いします。
2点目に、おくやみコーナーに対する市の認識、3点目として、おくやみコーナー設置の導入実現の可能性について、担当部がまたがりますので、代表して総務企画部長に一括して答弁をお願いいたします。
以上、壇上での質問はこの程度にとどめ、再質問並びに、あとの2と3の項目の質問につきましては、降壇の後、発言席にて行います。
(総務企画部長松村浩君 登壇)
◎総務企画部長(松村浩君) 皆様、おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)
おくやみコーナーにつきましては、ただいま議員が申されたとおり、行財政改革の一環で取り組んでおりますので、私のほうから総括してお答えいたします。
御質問の1点目、市民の死亡に関する手続の現状につきましては、まず、市役所窓口へ死亡届を提出され、その際に市が埋火葬許可証とガイドメッセージをお渡しすることとしております。
なお、死亡届の提出は、御遺族にかわり葬儀社が窓口に来られるケースがほとんどでございます。
このガイドメッセージは、各種手続のため来庁していただく市役所窓口の課名と手続の種類を一覧表にしたもので、その世帯の状況に応じて電算システムから出力される帳票でございます。
ほとんどの御遺族は、葬儀が終わり落ちつかれたころ、おおむね1週間後に来庁され、死亡に伴う一連の手続を済ませておられます。
具体的には、世帯主の変更届や未支給年金の受け取り手続、国民健康保険または後期高齢者医療の葬祭費申請、高額療養費や高額介護サービス費等の給付申請、健康保険証や印鑑登録証の返納、納税管理人の変更や相続人代表者の指定、場合によりましては市営住宅関係や上下水道関係の届け出など、関係する窓口も複数にわたり、多種多様な申請、届け出、相談が必要となります。
これらの多岐にわたる手続のために、御遺族は市役所の5カ所から10カ所ほどの担当窓口を回られる必要があり、その都度、死亡に伴う手続を行うために来庁したことを説明し、複数の届け出、申請書の記入をされており、おおむね半日かかっておられる状況でございます。
さらに、市役所以外の機関、例えば、金融機関、税務署、法務局、年金事務所などを訪問される場合もあり、長い方だと数日かかることもございます。また、書類がそろわなければ、後日再び来庁されることもございます。
次に、御質問の2点目、おくやみコーナーに対する本市の認識でございますが、おくやみコーナーは御遺族の負担を軽減する上で取り組む必要があると十分に認識しております。親族を亡くされたばかりで疲弊されている御遺族の負担とならないよう、窓口のワンストップサービスを目指す必要がございます。
次に、御質問の3点目、おくやみコーナーの導入実現に関しましては、既に本市におきまして平成30年5月から、八代市行財政改革推進本部の下部組織として、各窓口関係課で構成する総合窓口化専門部会を設置いたしまして、約1年間、実施に向けて、事務の内容と課題解決について研究を行ってまいりました。
また、この専門部会では、平成30年8月に先進地である別府市を、さらに11月には松阪市を視察しております。
その後、平成31年3月に、八代市行財政改革推進本部でおくやみコーナーの設置について、所管課を市民課とし、開始時期を令和2年8月とすることを決定いたしております。
おくやみコーナーでは、死亡に関係する申請、届け出書について一括で自動作成し、受け付けを行う方法で考えておりますが、どうしてもできない複雑な案件につきましては、所管課へ案内することといたしております。
さらに、市役所以外の金融機関等の手続につきましても、可能な範囲での案内を行う予定でございます。
なお、お一人の手続に時間を要するため、御遺族には来庁される日時を電話等で事前に予約をしていただくことを検討いたしております。
本市としましては、御遺族の申請、届け出に対する不安を解消し、早く、優しく、わかりやすい窓口を目指してまいります。
以上、お答えといたします。
◆太田広則君 3点について詳細、多岐にわたり御答弁をいただきました。
まず1点目、死亡に関する手続の現状ですが、まず最初の死亡届ですね、これが市役所窓口に出されるわけですけれども、その提出者は遺族のかわりに葬儀社の方が来庁されるケースがほとんどということ、それから、そのときに埋火葬許可証とガイドメッセージを渡しているということでありました。
そして、そのガイドメッセージなるものに手続の書類や市役所窓口を書いた一覧表が記載されているということで、1週間くらいしてですね、恐らく初七日を終えられたころだと思いますけれども、御遺族の方が死亡に伴う一連の手続を済ませておられると、かかる方は半日ぐらいは必ずかかっているということでございました。よくわかりました。
また、その手続、書類の多さ、これはもう本当、大変な理由もお示しをしていただきました。
答弁にあったとおり、多種多様な書類の手続のため、回る窓口は最低でも5カ所から10カ所、その都度、死亡手続に来たことを窓口で説明をしなければならないと。ここがですね、各窓口で死亡届に来ましたということ、これは本当大変だと思います。そして、さらに、人によっては市役所以外の金融機関、税務署、法務局、年金事務所等を回らなければならず、数日かかっておられることが明らかになりました。
こう話しているうちに、実は私も大変だったことを思い出しました。父が亡くなったときにですね、銀行口座が即座に凍結されると、これは実は知らなかったものですから、その解除にですね、まだ憔悴しきった母をですね、銀行に何度も連れていったことを思い出しました。この手続に、私でさえも大変に思っております。御高齢の方々であるならばですね、なおさら大変であろうというふうに気をもむばかりでございます。
そういうことをですね、解消するべく、2点目のおくやみコーナー、これに対する市の認識でございますけれども、ただいまの部長答弁では、御遺族の負担を軽減する上で、おくやみコーナーはワンストップサービスを目指す必要性があることからも取り組む必要があると十分認識をしているということでございました。本議員と全く同じ認識であり、安心をしているところでございます。
そして、最後、3点目、おくやみコーナーの設置導入の実現性についてお聞きしたわけですが、これはもう正直、私も驚きをいたしました。知らなかったもんですから、もう既に執行部におきましては昨年の5月から、行革の推進本部の下部組織、各関係課で構成する総合窓口化専門部会を設置して、約1年間、実施に向けて研究を重ねてきたと、そして、先進地視察、別府市、松阪市にも行ってきたということ、そして何よりも、もう既に、おくやみコーナーの所管課を市民課と決め、開始時期を令和2年の8月に決定をしたという御答弁でございました。
私が事前に知って通告したのではないかと思われる方も多いかと思いますが、誤解のないように申しておきます。実は私、先ほども言いましたが、このおくやみコーナーの存在を知ったのはですね、我が党の公明新聞の記事でございまして、別府市の先進事例でございました。これは昨年の11月、公明党の新聞の記事に載りました。ですから、昨年の12月議会で本当はですね、私はやりたかったんですけれども、12月に質問してたとしても、皆さんはもう5月から取り組んでおられますので、答弁は同じだったんではないかなというふうに思います。
そこで、詳細について2点、再質問をさせていただきます。
1点目、先ほどの部長答弁で、おくやみコーナー設置に当たっては、電話などで事前予約をとるとの答弁がございました。その事前予約とはどういう予約制なのか、その理由と詳細をお聞かせください。
次に、2点目、先進自治体では、専用のですね、ハンドブックを作成して配布をしてですね、市民の理解度を広げておられる自治体があります。本市においては、そのハンドブックを作成して配布するお考えはないのか、もしあるとすれば、その掲載内容と配布方法についてお聞かせください。
◎総務企画部長(松村浩君) 自席からお答えいたします。
まず、お尋ねの1点目、事前予約を行う理由と方法についてお答えします。
本市の死亡届け出の現状は、年間約1700件、1日平均7件でございますが、多い日には14件あり、特に休み明けの月曜日や連休明けの窓口に来られる市民の方は多く、お待たせする時間が長くなっております。
今回、おくやみコーナー窓口を設置する予定としておりますが、同時間帯に一度に来庁されますと、長い時間お待ちいただくこともあるため、電話等で来庁日時の事前予約を検討しております。
事前予約を行うことで、御案内するまでの待ち時間解消と事前の書類準備が可能となり、応対時間の短縮、ひいては市民の皆様の手続の効率化につながるものと考えております。
なお、事前予約を含めたおくやみコーナー利用については、死亡届け出時に周知、案内をすることを考えております。
次に、御質問の2点目、本市においてハンドブックを作成し配布する考えがあるかについて、また配布する場合の掲載内容と配布方法についてお答えいたします。
本市におきましても、御遺族がスムーズに死亡に伴う手続を済ませられるよう、ハンドブックを作成したいと考えております。
このハンドブックの内容につきましては、死亡に伴う手続をわかりやすく紹介し、活用していただけるものを考えており、おくやみコーナーにお持ちいただくものや市役所で行う手続のほか、市役所以外で行う手続についても整理し、掲載する予定でございます。
また、ハンドブックの配布方法としましては、死亡届け出時に本庁窓口及び各支所窓口などでお渡しするよう考えております。
以上、お答えといたします。
◆太田広則君 事前予約の理由ですね、年間約1700件、1日平均7件、多いときでその倍の14件になるときがあると、そのため、お待たせをする時間が長くなっているということでですね、スムーズに事を運ぶために事前予約をするということ、案内待ち時間の解消、事前の書類準備、応対時間の短縮、市民の皆様の手続の効率化が図れるということで、よくわかりました。
また、ハンドブックについては、スムーズに手続が済ませられるよう、市民にわかりやすいハンドブック作成を考えている、本庁や支所等の窓口でお渡しをするということで理解をいたします。
ふだんでもですね、目につくようなところ、また、例えば、各コミセンとかですね、置かれたらどうかというふうにも思います。
それでは、最後に3点、少し気になるところをお聞きしたいと思います。
先ほど、今回のこのおくやみコーナー設置についての通告は、私は延ばし延ばしにして今定例議会通告になったと申し上げました。それは、このおくやみコーナーの設置はですね、できれば、今の仮庁舎の窓口のスペースからしてもですね、非常に狭いのではないか、新庁舎が完成するときにですね、一緒にですね、開設したほうがちょうどいいのではないかと、私自身、個人的に勝手に思っておりまして、急がなくてもいいかなと思っておりましたんで、のんびり構えておったからでございます。
しかしながら、もう先ほどありました、来年8月に設置を決めてるということで、仮庁舎に窓口設置となると、非常にスペースの問題、手狭な仮庁舎でもございます。
まず1点目は、設置スペースは大丈夫ですかというのが1点目でございます。
次、2点目、専用窓口となると、それに特化した職員対応がですね、必要になるかと思います。先ほど、電話予約制にされるということで、まず、その電話予約で決まった人を対応する方が1人、必ず要るかと思います。それから、電話予約を知らずにですね、おくやみコーナーに来られる方があるかと思います。この方が来られた場合には、門前払いするわけにはいきませんよね。ですから、その方を受け入れる人が必要になるかというふうに思います。それから、2人要ると、そうなってくると、例えば、職員のですね、方々の負担を考えると、交代制も含め、休憩の交代もあると思いますんで、私自身は最低3人はですね、ここに特化した職員が要るのではないかなと考えます。
先進地のですね、別府市もですね、今、3人で回しておられます。ですから、3人の人員配置について、その人員配置がお忙しい市民課にとって大丈夫なのかというのが2点目でございます。
そして、3点目、おくやみコーナーはワンストップ窓口で済ませられることになりますので、今、さまざまな電算システムのですね、変更が求められるのではないかと危惧をいたします。現在、難しいシステムとなると、外部委託がほとんどであるというふうに思います。コスト面の心配を新たにしてしまいます。できれば、本庁内には情報政策課という方たちがおられます。しっかり連携されて、コストのかからない方向ができないものかと、電算システムの考え方について、以上3点についてお聞きしたいと思います。
◎総務企画部長(松村浩君) 自席からお答えいたします。
これまで申し上げました状況から、おくやみコーナーは市民に少しでも早く提供すべきサービスというふうに考えております。
そこで、専用スペースの確保につきましては、手狭な仮設庁舎ではございますが、庁内で検討、調整を行いまして、総合案内所の横でもあり、御案内しやすい仮設庁舎東棟1階の11号会議室を予定いたしております。
次に、人員配置につきましては、先進地の事例を参考に、今後検討をしていくこととしております。
また、電算システムの導入に関しましては、先進地の事例から、市職員で申請、届け出様式を表計算ソフトの形式に編集するなど、新たなシステム導入は行わず、庁内で連携して独自開発により行うことといたしております。
以上、お答えといたします。
◆太田広則君 専用スペース、何とか仮庁舎東棟1階の11号会議室を予定しているということで安心をいたしました。
それから、人員配置、これは先進事例を参考に、これからということで理解をいたしますが、先ほど申したとおり、3人いれば何とかですね、大丈夫かと思います。逆に、3人は必要という考え方を要望いたしておきます。
最後の電算システム、新たなシステム導入は行わず、庁内で連携して独自開発するというお言葉でございました。百点満点の御回答であったかと思います。大いに期待をしておきます。しっかりと連携をお願いいたしておきます。
最後に、この項をまとめます。
今回のおくやみコーナー設置と手続の効率化についての質問については、先ほど部長の御答弁に、御遺族の申請、届け出に対する不安を解消し、早く、優しく、わかりやすい窓口を目指してまいりますとありました。まさに、そのとおりであると思います。何度も言いますが、既に、このおくやみコーナー設置に向けては、私が提案するまでもなく、既に設置に向けて邁進しておられていたことに驚嘆をし、また、おくやみコーナーなる窓口設置を検討し、英断を下された中村市長初めとする関係部署の職員の全ての皆様にですね、敬意を表したいと思います。
今回、おくやみコーナー設置については、先進事例もあり、タイミング的にも私が皆さんの後押しをする形の質問になりましたが、この機を捉えての通告をしてよかったなと思っております。
来年の8月設置に向けて、まだまださまざまな障壁があるかもしれませんが、総合窓口化専門部会の皆様が一致団結して、このおくやみコーナーが滞りなく設置ができますことを願っております。
また、このコーナーができることの影響はですね、他の業務窓口のワンストップ化にもつながると思います。将来的にはマイナンバーカードのですね、統一運用も見えてくるかもしれません。この波及効果と今後の本市ますますの行財政改革が進みますことを大いに期待をいたしまして、この項を終わります。(太田広則君挙手)
○議長(福嶋安徳君) 太田広則君。
◆太田広則君 項目2、高齢者自動車免許返納後の支援策についてであります。
本年4月、東京池袋で87歳、元経産省職員が起こした暴走事故は、母子の2人が死亡し、10名の負傷者を出しました。その事故以降も高齢者による事故が続いており、警察庁によると、75歳以上の高齢の運転者は、この10年で2倍近くにふえ、事故率も75歳未満の2倍以上になっています。さらに、アクセルの踏み間違いは75歳未満の8倍近くに達しています。加齢に伴う判断力の低下は、認知症と密接に結びついているとされ、このため、75歳以上で運転免許更新する場合は認知機能検査が義務づけられております。
この検査で、今後、認知症のおそれがあると判定されたケースでは、約6割が自主返納や失効を選択していますが、4割近くの人はそのまま免許を更新し、運転を継続している状況です。その自主返納をためらう理由の7割がほぼ生活が不便になるとのことでした。
そこで、お尋ねします。
1点目、高齢者自動車免許返納について市の認識について。
2点目、本市の高齢者自動車免許返納の状況と推移について。
3点目、現在の支援策についてどのようなものがあるか、以上3点について市民環境部長にお尋ねします。
(市民環境部長桑原真澄君 登壇)
◎市民環境部長(桑原真澄君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)
太田議員御質問の2項目め、高齢者の自動車免許返納後の支援策についてお答えをいたします。
1点目の、高齢者の免許返納についての市の認識といたしましては、急速に高齢化社会が進む中で、ブレーキとアクセルペダルの踏み間違えや高速道路逆走など高齢運転者による悲惨な交通事故が全国的に発生しており、高齢運転者の交通事故防止を推進していく上で免許返納は大変有効な手段であると認識しているところでございます。
また、免許返納は、運転に不安を感じていらっしゃる高齢運転者やその御家族の不安の解消にもつながるものと考えております。
本市におきましては、高齢者の交通事故防止に関する意識を高めるため、警察や八代地区交通安全協会と合同で年間を通した交通安全教室の開催や、春と秋の全国交通安全運動期間中には老人クラブなどの団体を対象とした交通安全研修等を実施しており、その中で免許返納についても学んでいただいているところでございます。
今後も引き続き、警察や交通安全協会などの関係機関と連携し、高齢者への交通安全意識の啓発や免許返納制度について周知してまいります。
2点目の、高齢者の免許返納の状況と推移につきましては、高齢運転者の事故増加に伴い、平成10年4月より免許返納が始まっておりますが、八代警察署で受理された自動車運転免許返納者数について確認しましたところ、平成26年は145名、平成27年は209名、平成28年は251名、平成29年は334名、平成30年は354名と、年々増加しております。
特に、ことし1月からの返納者数を見てみますと、5月までは月におよそ35名程度でありましたが、先ほど議員のほうから御紹介ありましたが、ことし4月19日に発生した母子のとうとい命が奪われた池袋での事故などの影響もあり、6月には88名の方が返納され、返納件数はさらに増加している状況でございます。
3点目の、現在の支援策でございますが、本市による支援策としましては、運転免許を返納された方への乗り合いタクシー運賃の半額割引がございます。
この半額割引の適用を受けるためには、運賃の支払い時に熊本県公安委員会が有料で交付する運転経歴証明書または本市が無料で交付する免許返納者割引乗車証を提示していただく必要がございます。このうち、運転経歴証明書につきましては、最寄りの警察署などで交付を受けることができ、公的な身分証明書としても使用いただけます。また、本市の免許返納者割引乗車証につきましては、企画政策課に熊本県公安委員会から無料で交付される申請による運転免許の取消通知書と顔写真を添えて申請していただくことになります。
この割引制度は、乗り合いタクシーを導入した平成22年10月から実施をしており、当時は運転経歴証明書または市政協力員等による運転経歴証明を提示することにより割引を行っておりましたが、現行の免許返納者割引乗車証は平成25年度から交付しており、現在までに14名の方に交付しております。
市民への周知といたしましては、市ホームページや広報やつしろに記事を掲載しているほか、八代警察署においても免許返納の際にお知らせしていただいているところでございます。
また、公共交通をテーマとしたまちづくり出前講座においても、割引制度についての説明を行っており、平成29年度から本年8月までの実績としては、いきいきサロンや婦人会の会合等における出前講座を11件実施し、約160名の方に御説明しております。
そのほか、民間事業者での運転免許返納者に対する支援として、商品購入時の割引や温泉施設の利用割引などが実施されているところでございます。
公共交通においては、産交バス株式会社で運転免許を返納された県内在住の満65歳以上の方を対象に、県内全域の産交バス路線運賃の半額割引を行っておられます。この半額割引の適用を受けるためには、運賃支払い時に産交バスが発行する免許返納者割引乗車証の提示が必要であり、この割引乗車証は最寄りの産交バス各営業所に運転経歴証明書または申請による運転免許の取消通知書と顔写真を添えて申請していただくことになります。
以上、お答えといたします。
◆太田広則君 詳細にわたり、ありがとうございました。
まず、高齢者の自動車免許返納に対しての認識はですね、高齢運転者の交通事故防止を推進していく上で免許返納は大変有効な手段と考えている、また、運転を不安に感じている高齢運転者や御家族の不安の解消にもつながるという認識であり、理解をしたいと思います。
次に、高齢者免許返納の状況と推移、これは八代警察署受理ということでですね、平成26年に145名だったものが平成30年ではもう354名と年々増加している傾向にあります。
特に、ことし1月からの月別推移においては、5月まで月平均34名だったというですね、ことが、先ほどの池袋の暴走事故以降、6月にはその倍以上の88名、急激にふえてるようでございます。この7、8、9を見てみないと、何とも言えませんが、当然、あの事故のですね、影響は大きかったのかなというふうに思います。
そして、現在の免許返納者に対する本市の現在の支援策でございます。
まず、乗り合いタクシー、これが半額割引になると、なっているということ、ただし、この割引の適用を受けるためには、運賃支払い時に提示しなければいけないのが2種類あるということでございました。1つが熊本県公安委員会で有料で交付している公的な身分証明書のかわりにもなる運転経歴証明書、そしてもう1つが本市が無料で交付する免許返納者割引許可証でございました。市が無料で発行の免許証返納者割引許可証は、警察から申請による運転免許の取消通知書を警察から交付を受け、顔写真と一緒に本市の企画政策課へ提出とのことで、いずれにしても必ず1回はですね、警察署に行かなきゃいけないと、もしくは免許センターに出向く必要があるということのようでございます。
乗り合いタクシーの半額利用の交付者は、現在14人ということで、まだまだの数のようでございます。乗り合いタクシー自体がですね、まだ年数がたっておりませんし、路線区域も限られているのでですね、このような人数なのかなというふうには理解したいと思います。
また、周知の面ではですね、さまざまな交通のですね、ことをやられておられます。広報紙やホームページはもちろんのこと、婦人会、いきいきサロン等で出前講座、これでですね、一定の周知方法はされておられるようですので、今後もですね、継続して、この周知は必要であるかというふうに思います。引き続きお願いをしたいと思います。
それでは、ここで再質問をしたいと思います。
現在の免許返納者への支援策はわかりました。つい14日のですね、土曜日の新聞にですね、お隣の上天草市と水俣市が、私の質問を見てかのように、記事が載っておりました。水俣市がですね、水俣警察署と、水俣署と連携してワンストップで返納と申請ができるということ、それから、上天草市は県内で初めて、熊本地域振興ICカード──いわゆるくまモンカード、くまモンのICカードの交付を始めたという内容でございました。もうそれぞれの自治体でですね、高齢者免許返納者へのサービスが加速しているという証拠でもあるというふうに考えます。
そこで、本市においても今後の支援策について何か考えておられることがあれば、具体的にお示しください。
◎市民環境部長(桑原真澄君) 今後の具体的な支援策について、自席よりお答えをいたします。
本年10月から、小学生以下の方、障害者、自動車運転免許返納者に対する支援策として、新たな市街地循環バス回数券の設定を予定しております。現在、市中心部に3路線を設定しております市街地循環バスでは、150円券10枚つづり1500円分を1000円で購入いただける回数券を設定しております。これを10月からの消費税率引き上げに伴い、運賃が150円均一から160円均一に引き上げられることにあわせ、80円券19枚つづり1520円分を1000円で購入いただける回数券に変更する予定でございます。
現在の回数券は、平成29年10月の運賃見直しの際に設定された通常運賃の150円券のみであり、半額割引が適用される小学生以下の方、所定の障害者手帳をお持ちの方、免許返納者の方に向けた半額運賃分の回数券の設定はございませんでした。このため、割引が適用される利用者の方々から、半額運賃分の回数券の設定について御要望をいただいていたところでございます。
1枚当たり80円の回数券を設定することにより、これらの方々にも回数券を利用していただくことができるようになり、運転免許を返納された方への支援につながるものと考えております。
また、この回数券の利用により、半額運賃からさらに約34%割り引いた金額で乗車いただくことができるようになるものでございます。
今後、運転免許返納者への優遇措置については、民間事業者や各種団体に対し協力を働きかけるとともに、市役所各部署とも連携を図りながら、運転に不安を抱く高齢者が運転免許を返納しやすい環境づくりに努めてまいります。
以上、お答えといたします。
◆太田広則君 来月から市街地循環バスの回数券、現在、10枚つづり1500円を1000円の価格で販売していたものを80円券19枚つづり1520円を1000円で購入できるようにすると、それから、これまで半額の回数券が要望が出ていたけれども、要望どおり、それから消費税増税の10月より160円運賃にして、半額の80円回数券を販売するとのことで、小学生以下、障害者、免許返納者が1枚当たり約34%割引で循環バスに乗れるということで、さらにこの回数券購入者がですね、今後ふえてくるというふうに見込めるということで、よく理解できました。
今後、免許返納をしやすい環境づくりにですね、民間事業者や各種団体に強力に働きかけていくとのことでございました。
例えば、私がいつも言っております、八代市には独自のイベントがございますですね。妙見祭、それから花火大会──全国花火競技大会、ここのシートもしくは桟敷席があると思いますね。免許返納した年だけの1回でもいいんでですね、御優待をするとかですね、そういった八代市独自のですね、サービスを考えられたらどうでしょうか。先ほどのおくやみコーナーもワンストップ、水俣市も免許返納にはワンストップサービスで始められます。同じ内容ですので、先ほどありました産交にですね、産交バスさんに訪れなきゃいけない、それを八代市の窓口で何かできないかと、そうすると、本市も、八代市も、警察との連携も必要ですけれども、ぜひ、そのことを先進事例を参考にしてもらいたいなと思います。
それから、ICカードは、これはもちろんですね、これから先は必要です。先ほど言いましたマイナンバーカードの活用の時代も来ると思います。何かできるんではないかと、たくさん知恵を絞れば出てくるかと思います。どうか免許返納者へのですね、支援策は市民環境部主導でですね、お願いをしたいと、支援策の向上に向けて努めていただくよう要望いたしまして、この項を終わります。(太田広則君挙手)
○議長(福嶋安徳君) 太田広則君。
◆太田広則君 それでは、最後、項目3、介護認定要支援者に対する訪問型サービスが減少している状況についてお尋ねをいたします。
この項については、昨年、御主人を亡くされたばかりで、子供たちは県外、市外に住んでおられます。おひとり暮らしの御高齢の御婦人からの市民相談が発端となり、通告をいたしました。
その方は、要支援2の介護認定で、週2回ほど施設からヘルパーさんに来ていただいて、お世話を受けておられたのですが、来月、その施設が訪問サービスをやめるから、突然、来れなくなると告げられたそうであります。新たな施設の引き継ぎ等の説明もないままでしたので、不安がられて、私に相談がございました。
早速、その地域の包括支援センターに連絡したところ、同様の相談が大変多いこと、そして、今度は私が知ってる知り合いのヘルパーさんに確認したところ、その方も長く勤めた事業所をやめたと、事業所がサービスをやめられたということで、本人も転職しておられました。サービスを廃止している事業者の実態を知ることになりました。
介護認定の要支援は、予防を目的として、要介護になる重篤化する前の軽い段階での自立を手助けする支援であり、介護認定者のスタートの、すなわち入り口でございます。その受け皿は当然、今後ますますふえていくと予想されます。
また、この要支援の段階で踏みとどまることこそが寝たきり高齢者をつくらない、元気なお年寄りをふやす大事な支援サービスであると私は考えます。
平成26年、介護保険制度の改正により、全国一律の予防給付、訪問介護、通所介護を市町村が取り組む地域新事業に移行しております。それが数年たった今、本市の減少傾向にあるサービス事業に危機感を持ち、通告をいたしました。
そこで、担当である健康福祉部長にお尋ねいたします。
1点目、この要支援段階での訪問型サービスの現状、すなわち事業所の増減も含めたところでの現状について。
次に、2点目、サービス利用者数の推移はどのようになっておりますでしょうか。
以上2点についてお尋ねいたします。
(健康福祉部長兼福祉事務所長丸山智子君 登壇)
◎健康福祉部長兼福祉事務所長(丸山智子君) 皆様、おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)
議員御質問の、介護認定要支援者に対する訪問型サービスが減少している状況についての1点目、サービスごとの現状についてお答えいたします。
本市の日常生活支援総合事業では、議員御案内のとおり、訪問型事業としまして介護予防訪問介護相当サービス、えぷろんケアサービス、口腔機能改善教室の3つの事業を実施しております。
このうち、介護予防訪問介護相当サービスとえぷろんケアサービスがホームヘルパーの派遣事業になります。
介護予防訪問介護相当サービスは、居宅において入浴、排せつ、食事などの身体介護と掃除、買い物などの生活援助を行うもので、えぷろんケアサービスは生活援助のみを行うものです。
次に、各事業を実施する事業所数の増減についてですが、介護予防訪問介護相当サービスが平成28年4月サービス開始時は30事業所でしたが、平成31年4月時点で27事業所と、3事業所の減となっております。
また、えぷろんケアサービスが平成28年4月サービス開始時に26事業所あったものが平成31年4月時点で18事業所と、8事業所の減となっております。
続きまして、議員御質問の2点目、要支援者に対する訪問型サービスの利用者数の推移についてお答えいたします。
まず、介護予防訪問介護相当サービスの年間延べ利用者数が平成28年度487人、平成29年度669人、平成30年度416人と推移しております。
次に、えぷろんケアサービスの年間延べ利用者数が平成28年度1741人、平成29年度3694人、平成30年度3391人と推移しております。
最後に、口腔機能改善教室の年間延べ利用者数は平成28年度8人、平成29年度34人、平成30年度27人と推移しております。
以上、お答えといたします。
◆太田広則君 要支援1、2の認定の方が受けられる訪問型サービスの具体的なサービスとして3つあるということでございました。
介護予防訪問介護相当サービス、これは居宅においてホームヘルパーさんにより入浴、排せつ、食事などの身体的介護、掃除、買い物などの生活援助をするということでございました。次に、えぷろんサービス、これは居宅においてホームヘルパーさんにより掃除、洗濯、買い物の生活援助、1回につき60分までということは補足しときます。そして、3つ目、口腔機能改善教室ということで、歯科衛生士が自宅を訪問し、口腔、食事に関する指導、助言等を行うとの3つのサービスがあるということでございました。
その3つのうちの最初の2つ、介護予防訪問介護サービスとえぷろんケアサービスが、この訪問型サービスの中心となるんではないかなと、中心となっているであろうサービスと考えます。そして、この2つの事業所数、それから利用者数の推移については、まず、介護予防訪問介護相当サービスは平成28年30カ所あったのが31年で27カ所、次にえぷろんケアサービスが平成28年26カ所あったものが31年18カ所、この10月から1カ所減りますので、17カ所になるということですね。
それから、利用者数の推移ですが、これは延べ人数ですので、介護予防訪問介護相当サービスのほうは平成28年487人から平成30年416人、こちらのほうは利用者が減ってるんですね。減ってるんです。で、えぷろんケアサービス、ここは1741人が平成30年度で3391人、約倍になっている。大幅にふえております。
ただいま部長のお示ししていただいた数字でですね、如実に厳しい数字がですね、一目瞭然にわかるわけですね。
本市に移行したばかりの当初は、26施設、1741人、現在では18、17施設になろうであろう、3391人、1施設当たりに換算しますと、1施設67人が1施設当たり199人に負担がふえてると。数字だけで見る限りですよ。先ほど言いました延べ人数ですので、正確ではないかもしれませんけれども、事業所の目減りで判断できるというふうに思います。
何よりも、えぷろんケアサービスの施設は35%減ってるのが実態でございます。逆に、サービス利用者は、先ほど言いました、2倍近くに膨らんでいる。ということはですね、残ってる事業者さんにもしわ寄せがですね、いってるということがうかがわれるんですね。
そういうことでですね、実は、名だたるところ、例えば、社会福祉協議会も含めですね、八代市で名だたる事業者さんがですね、このえぷろんケアサービスを廃止されてるわけですね。ここに私は危機感を持って、今回質問を通告したわけでございます。
そこで、再質問をいたします。
えぷろんケアサービスにおいて事業所が減少している理由、それから今後の対策について、何かお考えなのか、お尋ねをいたします。
◎健康福祉部長兼福祉事務所長(丸山智子君) 議員御質問の、えぷろんケアサービスにおいて事業所が減少している理由と今後の対策について、自席からお答えいたします。
事業所が減少している原因の一つとして、訪問型サービスに必須であるホームヘルパーの人員確保の問題が考えられます。これは全国的な問題であり、ホームヘルパーに限らず、介護職全般において人員の確保が困難な状況にあります。
また、要支援者の訪問型サービスは、国の制度により利用回数の上限が低く設定されていることから、他の介護サービス事業と比較して事業所の収入源となる介護報酬が上がりにくいことも、えぷろんケアサービスにおいて事業を廃止する要因の一つとなっていると考えております。
このようなことから、国においては人員確保の対策として、介護職の処遇改善、介護ロボットの導入促進、外国人介護職員を可能とする制度改正などを行っております。
本市としましても、事業所の減少については危惧しているところであり、次期介護保険事業計画策定の際に状況を調査し、国の制度改正を踏まえながら、えぷろんケアサービスなどの日常生活支援総合事業について見直しを検討したいと考えております。
以上、お答えといたします。
◆太田広則君 減少している理由、全国的な問題である、ホームヘルパーに限らず、介護職全般において人員の確保が困難であるということでございました。それから、要支援のサービスは国の制度により、もともと低く設定してある、介護報酬が上がりにくい、いわゆる採算が合わない、安い報酬であるという意味のことであろうと思います。それで、事業をやむなく廃止する要因の一つとなっているということでございました。
もう一例がですね、軽いサービスができずに、要は介護1から5に重くなってる方に手がとられるようになった、そちらのほうに手がかかるんで、済みません、えぷろんケアサービスができなくなったんですという、介護認定を受けてる方が重くなっている、そちらに手がかかってるというのも1つあるということを御紹介しておきます。
それから、えぷろんケアサービス、先ほど言いました掃除、洗濯、買い物、これは本当はですね、大事な大事な、おひとり暮らしの方にとってはですね、大事なことでございます。しかし、実は、こういう状況がございまして、ヘルパー泣かせであると、このえぷろんケアサービスは。どういうことかといいますと、エプロンかけた職員の皆さんに、買ってきたら、何でこやん高っかとば買うてくっとねとか、お願いしたものと違うことが、違うものを買ってきた、もっと安いいいものがあるのにとかって、そういうですね、結構な苦情があるそうなんですね。これが実はヘルパー泣かせのえぷろんケアサービスでもあるということ、これを御紹介しておきます。
報酬が低いということもですね、当然でございます。本当にこれはですね、一概に言えない、難しい問題であると私自身も思っております。ただ、このまま放っておくとですね、どんどんドミノ式にですね、事業者さんがですね、廃止する業者がふえてくるというふうに私は心配をしております。
先ほど言いました、掃除、洗濯、買い物、簡単な生活支援サービスではありますが、この事業をもし本市がやめるとなるとですね、本当に路頭に迷う市民がたくさんおられるということも間違いないと思います。
この問題は、本市だけに限らず、全国の自治体、大なり小なりですね、同じ問題を抱えているというふうに思っております。ですから、早急な国の見直しもですね、必要だというふうにも思います。
そこで、最後にですね、中村市長にお尋ねをいたします。
このような本市のですね、このえぷろんサービスの危機的現状を踏まえてですね、市長はどのように思っておられるでしょうか、お聞かせください。
(市長中村博生君 登壇)
◎市長(中村博生君) 事業所の減少についての認識についてお答えいたします。
えぷろんケアサービスは、要支援者にとって必要なサービスであります。
介護保険にかかわる事業所及び介護職の人員の確保については、大変心配しているところでございます。市民にとって適切な介護サービスの体制を整えることが重要だと考えておりまして、ただいま健康福祉部長が申しましたとおり、介護保険制度上のさまざまな課題とあわせてですね、次期介護保険事業計画策定の中で検討してまいりたいと考えております。
◆太田広則君 ありがとうございました。
えぷろんケアサービスは、要支援者にとって必要なサービスである、介護保険にかかわる事業者、人材確保については、市長も大変心配しておられるとのことで、全くの同感でございました。
次期介護保険事業計画策定の中で検討されていくということですので、これはたしか3年に一度のですね、見直しの時期に来てるというふうに思いますので、ぜひ期待をしたいんですけども、やはり、この介護予防生活支援事業は、事業自体は市町村自体に移管させながらも、報酬額など国がですね、国が定めてあるところもあるようですので、しっかり国に申していくことも大事だというふうに思います。
市長はこの間、前期のですね、政府要望に行かれたばかりとお聞きしております。ぜひ、後期に行かれることがあるならば、この問題、ぜひ取り上げていただきたいなというふうに思います。
私自身も、このえぷろんケアサービスの現状をですね、党の国会議員に問題提起をしてですね、いきたいと思っております。
また、片や10月の消費税増税を機に、介護従事者の処遇改善がベテラン職員あたりから月額8万円の賃上げ、もしくは年収440万円までの引き上げなど、ルールの改正もあるような明るい兆しも現場職員にはあるようですので、事業者だけにとどまらないよう、しっかりですね、職員の処遇改善にまで行き届くよう、関心を持って私もチェックしていきたいと考えております。
今回、私の質問のテーマは、高齢者に関するテーマでございました。幸いなことに、うちの2人会派には、本市第1号となる社会福祉士の橋本隆一議員がスペシャリストとしておられます。教えを請いながら、元気なお年寄りづくり、高齢者施策に少しでも貢献していきたいと考えておりますので、どうか中村市長初め、担当執行部の皆様、どうぞよろしくお願いをいたします。と申し上げまして、今回の私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。
─────────────────────────
○議長(福嶋安徳君) 以上で午前中の議事を終わり、午後1時まで休憩いたします。
(午前11時59分 休憩)
(午後1時00分 開議)
○議長(福嶋安徳君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────
△日程第1〜24(続き)
○議長(福嶋安徳君) 日程第1から日程第24までの議事を継続いたします。
谷川登君。(「頑張れ」「頑張れよ」と呼ぶ者あり)
(谷川登君 登壇)
◆谷川登君 皆さん、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)
自由民主党和の谷川登でございます。
今回、一般質問の機会をいただき、市民の皆様、関係各位に対しまして感謝申し上げます。
それでは、通告に従い、早速質問に入らせていただきたいと思います。
今回は、大きく1といたしまして、本市における林業振興について、次に、大項目の2といたしまして、本市の防災事業についてお尋ねをいたします。
まずは、本市における林業振興についてですが、本市は総面積の約74%が山間地であり、豊富な資源に恵まれております。この豊富な資源の中で、人工林については先人が長年にわたり育ててきた杉やヒノキなどが立派に成長し、木材として生かされる時期が来ております。しかし、一方では、まだ手入れの行き届かない森林もたくさんあるように思われます。
また、天然林は五家荘に代表される春の新緑や秋の紅葉など、山間地の観光産業にも貢献しております。
特に、森林には公益機能として、水の循環を左右し、洪水緩和、冠水緩和、水質浄化といった水源涵養の機能がございます。近年、災害など多く発生しておりますが、森林が水の流出量を調整することにより冠水や洪水を防止し、緩和するとともに、市民の皆様においしい水を飲んでいただくことに貢献しております。
森林は、本市における重要な財産でございます。このことから、今後も森林の適切な管理が重要だと考えております。
そこで、まず、小項目の1といたしまして、本市における林業振興について、現状及び課題、今後の振興策について、農林水産部長にお尋ねをしたいと思います。
なお、壇上からの発言はこの程度にとどめ、この後は質問席にて発言を行いたいと思います。執行部の皆様、よろしくお願い申し上げます。
(農林水産部長沖田良三君 登壇)
◎農林水産部長(沖田良三君) 皆さん、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)
議員御質問の1項目め、本市における林業振興について、現状及び課題、今後の振興策についてお答えをいたします。
まず、本市の森林の現状と課題でございますが、議員御案内のとおり、本市は総面積約6万8000ヘクタールの74%に相当する約5万ヘクタールを山林が占めております。このうち、杉、ヒノキなどの人工林は国有林を除き約2万7000ヘクタールで、その約7割は戦後間もなく植林されたもので、50年以上が経過し、伐採時期を迎えております。一方、林齢の若い人工林は約3割と少なく、偏った林齢構成となっております。
将来に向け、安定的な森林資源を残すためにも、積極的かつ計画的な伐採による林齢構成の平準化を図り、水源涵養や二酸化炭素吸収などの公益的機能を維持していく必要があります。
そのような中、森林整備を行っていく上では、シカによる植林地の食害が依然として多く、被害防止対策が急務となっております。また、伐採跡地の植林に際して必要となる苗木の不足問題や、現場作業従事者の高齢化や林業後継者の慢性的な不足など、課題も多くございます。
次に、今年度の森林整備の概要でございますが、本市におきましては、伐採後の植林を確実に行う必要があることから、国、県の補助事業を最大限に活用し、シカ侵入防止ネットを設置し、植林を行い、その後の下刈り、間伐等ができるよう支援を行っております。
また、八代森林組合が実施する森林整備事業としまして、伐採後の植林で55ヘクタール、下刈り作業が367ヘクタール、除伐が13ヘクタール、間伐が14.5ヘクタール、シカ侵入防止ネットの設置が16.4キロメートル、作業道の開設が920メートルとなっております。
その作業経費に対しましては、国、県の補助約68%と合わせまして、市が30%以内のかさ上げ補助を行い、森林所有者の負担軽減を図りながら事業を推進しております。
また、間伐材を資源として利活用を推進する県の補助事業であるくまもとの森林利活用最大化事業を利用しまして、間伐材の運搬などに要する経費への補助も行っております。
さらに、主伐や間伐を行うためには、林道や作業道などの整備が必要となることから、森林組合や林業公社が行う作業道開設や災害復旧への補助を行っております。
また、本市が管理する林道につきましては、森林環境譲与税を活用し、森林整備区域を中心に改良や維持、補修等を行っております。
このような森林整備事業を実施する際には、森林所有者の承諾が必要となりますが、所有者不明の森林も点在しており、事業の推進に支障を来す場合もございます。
そこで、今年度より施行された森林経営管理制度の趣旨にのっとり、森林所有者の明確化を進め、今後の森林経営管理の意向調査を随時行いながら、森林整備事業の推進につなげていきたいと考えております。
以上、お答えといたします。
◆谷川登君 ありがとうございました。
主伐後の再造林やシカ侵入防止ネットの設置、下刈り、除伐、保育間伐等の森林整備と管理に対して総合的に支援があり、森林所有者と林業従事者にとっても心強いものとなっていると思いますが、今後、できるだけ利用者の声を聞いていただき、さらに実態に即した拡充を強くお願い、要望いたします。
次に、小項目の2、再造林対策と後継者育成についてお尋ねいたします。
先ほどから、人工林の伐期が来ているということで、伐採した後の山はどうなるのか心配です。苗木不足を課題として挙げられましたが、伐採後もそのままにしておけば森林の公益的機能は全く役割を果たせなく、地域はもとより下流域の方々へ災害など大変迷惑をかけることになります。
また、この伐採した山に植林し、伐期を迎えるまで40年以上かかることになり、多くの年数や労力や資金力が必要になり、林業従事者にとっては死活問題です。
そこで、伐採した後の山の対策はどのようになっているのか、また、現在、人手不足と言われる社会において、さらに林業従事者が不足していることについて、その課題と対策についてお尋ねいたします。よろしくお願いします。
◎農林水産部長(沖田良三君) 再造林対策と後継者育成について、自席よりお答えをいたします。
本市におきましては、先ほど申し上げましたように、伐採時期を迎えた山林が多くあります。木質バイオマス燃料としての利用や公共建築物への利用、さらにはアジア向けの輸出もふえており、杉やヒノキの伐採も進んでおります。
木材伐採の際に届け出が義務づけられている伐採届を集計しますと、本市への提出分で平成29年度は61.4ヘクタール、平成30年度で103.8ヘクタール、県に提出されます保安林の伐採許可申請分で平成29年度は58.7ヘクタール、平成30年度が93.8ヘクタールと、伐採面積は確実に増加をしております。
一方、伐採後の植林について、平成29年度は苗木が不足し、計画どおり植えつけができなかったこともあり、八代地域林業研究・普及連絡協議会では、苗木生産量拡大と生産技術の向上に向けた研修と意見交換なども行われております。
次に、後継者育成についてですが、植えつけや下刈り、保育間伐等の森林整備を担う林業従事者が高齢化しており、今後、増加傾向にある伐採後の植林に対応できる林業従事者をいかに確保できるかが喫緊の課題となっております。
そこで、林業の魅力を広く発信するとともに、国や県の担い手対策制度を周知しながら、本市での新規就業者の確保に努めてまいります。
以上、お答えといたします。
◆谷川登君 ありがとうございました。
再造林対策については、苗木の確保や後継者の育成を含め、御苦労も多いと思いますが、有効な施策を行っていただきたいと思います。
また、伐採の増加に伴い、植林が必要となる面積がふえ、今後、さらに事業量もふえてくると考えられます。必要な予算措置を含め、森林整備に対する総合的な支援をお願いしたいというふうに思います。
次に、小項目の3、現在行われております木の駅やっちろゴロタン、この運営状況について、農林水産部長にお尋ねいたします。
◎農林水産部長(沖田良三君) 木の駅やっちろゴロタンの運営状況について、自席よりお答えいたします。
木の駅やっちろゴロタンは、これまで搬出されなかった林地残材を有効活用し、地産地消による地域循環型社会の構築と地域内での消費喚起による地域活性化にもつながる事業として、平成27年7月から泉町下岳にあります八代森林組合の敷地内に拠点を設け、運営を開始したもので、ことし5年目を迎えております。
木材の集荷システムとしましては、木材を搬入する会員を登録制とし、木材1トン当たり3000円での買い取りに加え、地域の加盟店で利用可能な3000円相当の地域通貨券を発行するというものです。
次に、利用状況でございますが、平成29年度は852トン、平成30年度は940トンを集荷し、これらの木材は市内の製紙用チップや東陽町の東陽交流センターせせらぎに整備しました木質バイオマスボイラーの燃料用チップとして利用されております。
平成30年度末での会員数は、個人28名、事業所11社の登録で、地域通貨券の取り扱い加盟店は東陽町、泉町を中心に24店舗となっております。
年々、会員数も増加し、地域通貨券につきましては平成30年度で267万7500円分が発券され、加盟店で利用されております。
特に、最近は個人会員が増加しており、今後、地域林業の担い手としても期待をしているところです。
今後も引き続き、会員や加盟店の増加を図りながら、さらなる中山間地域の振興に努めてまいります。
以上、お答えといたします。
◆谷川登君 ありがとうございました。
木の駅に関しましては、個人の出荷がふえてきているということで、木の駅の存在意義が高まってきているということで感じております。
エネルギーの地産地消による地域環境社会の構築を目指すこと、山に捨てられたままになっておりました木材がお金にかわり、そのお金が地域に落ちて活性化を図ると、すばらしい取り組みだと思っております。今後も、ぜひ続けていってほしいと思っております。
また、最近では日奈久地区にも木質バイオマス発電所建設が予定になっているようでございますが、今後、ますます木材の需要が高まっていくことが考えられますので、八代産材が有効に利用されますよう、森林整備とあわせて、林道、作業道整備も一層進めていただきたいと思います。
次に、小項目の4、本市におけます森林環境譲与税を今後どのように活用されるのか、お尋ねいたします。
◎農林水産部長(沖田良三君) 本市における森林環境譲与税の活用について、自席よりお答えをいたします。
森林環境譲与税につきましては、今年度は約3800万円が本市に交付される予定で、今後、段階的に増加していくこととなっております。
その使途につきましては、法令により森林の整備に関する施策、森林の整備を担うべき人材の育成及び確保、森林の有する公益的機能に関する普及啓発、公共施設等への木材利用促進などに要する費用に充てなければならないとされております。
そこで、本市では、森林経営管理法に基づき、今年度から泉町の仁田尾地区と東陽町の森林所有者に対して、所有者みずから経営管理していくのか、または本市へ経営管理を委託するのかの意向調査を開始し、今後、他の地域へ順次広げていく予定としております。
その他の主な使途としましては、森林施業の効率化と林道利用者の安全を確保するため、予算をさらに拡充して林道の改良や維持管理を実施することやシカによる被害を防止するためシカ侵入防止ネットの修繕などに充てることとしております。
今後とも、本制度の趣旨に沿った取り組みを行い、本市における課題解決と健全な森林の保全を図ってまいります。
以上、お答えといたします。
◆谷川登君 ありがとうございました。
森林環境譲与税につきましては、新たに創設されたものであり、今後も交付額が増額していくことのようですが、組織体制及び人事体制を万全なものにして、既存の事業ではなく、新たな事業にも展開し、確実にここ八代市の財産であります森林を守る施策に取り組んでいただきたいと思います。
この項を終わります。(谷川登君挙手)
○議長(福嶋安徳君) 谷川登君。
◆谷川登君 次に、大項目2、本市の防災事業についてお尋ねいたします。
9月1日は防災の日ということで、各地で防災に関するイベントが行われております。9月1日は、1923年9月1日に発生した関東大震災に由来しております。台風や暴風、土砂災害などの自然災害が起こった際に適切な行動をとり、災害を最小限にとどめるためには、日ごろからの備えが大切であり、機会を捉え、住民の防災意識を高めていく取り組みが必要と思っております。
ことしも台風や停滞する前線の影響により全国各地で豪雨、洪水による災害が発生しております。7月上旬は鹿児島県で梅雨前線の活発による大雨で一時的、鹿児島全域に59万人に避難指示が発令されました。また、先月、8月28日は九州北部を襲った記録的な豪雨でございました。線状降水帯が形成されたことで猛烈な雨となり、福岡、佐賀、長崎県、約36万世帯、約87万人に避難指示が出されたところでもあり、局地的に1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降り、河川の氾濫や浸水被害が発生しております。
今回、八代広域消防本部からも救急消防隊4隊12名が8月28日当日夜8時過ぎに佐賀県の大町町に現地入りし、31日までの3日間、安否確認や油流出処理に当たったと聞き及んでおります。
この大雨により、残念ながら死者4名という災害となりました。亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災されました方々へ心よりお見舞い申し上げます。
振り返ってみますと、一昨年は九州北部豪雨、昨年は広島、岡山を襲った西日本豪雨、近年、毎年、全国各地で大きな災害が頻発し甚大な被害が発生している状況です。このような災害は本当に、いつ、どこで発生するかわかりません。自分の命は自分で守る、地域における自主的な防災組織の活動が非常に重要であると認識しております。
昨年12月、防災関係機関や住民が参加して住民参加型防災訓練が当、泉町で行われました。多くの住民が参加しての防災訓練で、訓練参加者からは、よい体験になった、今後も機会があるたびに体験し、訓練を行っていただきたいという御感想もいただいたところでございます。
このような取り組みは、自主防災組織の活性化や住民の防災意識の向上につながる有効な取り組みであると感じたところでございます。
そこで、お尋ねですが、毎年行われている住民参加型防災訓練など、市民参加を対象とした防災事業の取り組みの現状と今後の取り組みについて、総務企画部長にお尋ねいたします。よろしくお願いいたします。
(総務企画部長松村浩君 登壇)
◎総務企画部長(松村浩君) 皆様、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)
議員御質問の、本市の防災事業について、市民参加を対象とした防災事業の現状の取り組みと今後の取り組みについてお答えいたします。
自分たちのまちは自分たちで守るを合い言葉に、地域全体で災害に立ち向かう地域防災力を高め、災害時に地域住民が迅速かつ適切な初期活動が行えるよう、地域に密着した訓練として、住民参加型防災訓練をおおむね毎年3校区ずつ開催いたしております。
訓練内容は、自宅から避難場所への安否確認を含めた避難訓練に始まり、応急手当、初期消火、救命救急、119番通報、搬送、炊き出し訓練などの中から、校区の希望に合わせた4つないし5つの訓練を実施いたしております。
初期消火訓練においては地元消防団の指導で訓練を実施し、炊き出し訓練では地元婦人会や地元女性部などで行われております。
昨年度は泉校区、高田校区、昭和校区で開催しており、議員御案内のとおり、昨年12月に実施しました泉校区の訓練におきましては、参加者が約150名で、初期消火訓練、濃煙体験訓練、心肺蘇生とAED操作の応急手当訓練を実施いたしております。
市政協力員、自主防災会、消防団、婦人会、学校などと協力して開催することで、住民相互の連携が深まり、改めて住民により強固な関係を構築する機会となり、市民の防災意識向上につながっております。
また、住民参加型防災訓練を経験し、それぞれの校区や町内会でも自主的に防災訓練を実施するところがふえてきており、自助、共助の考えが広がっていると、手応えを感じているところでもございます。
このほかの取り組みとしまして、各町内会単位や老人会等の各種団体からの依頼を受け、防災出前講座と防災訓練も実施いたしており、それぞれの昨年度の実施件数と参加人数の実績は、出前講座が28件の1194人、防災訓練が33件の1997人となっており、参加者数は年々増加傾向にございます。
今後の取り組みにつきましては、住民参加型防災訓練を本年度、日奈久校区で実施したのを皮切りに、今後、龍峯校区、八代校区を予定しており、また来年度は植柳、宮地校区の予定となっております。
この訓練は、各校区で合併以降、これまで2回実施し、経験されておりますので、将来的には各校区で住民みずからが計画し、自主的に訓練を行えるよう取り組んでいただきたいと思っており、その際は市としても積極的に支援を行ってまいりたいと考えております。
一方、各町内会単位や老人会等の各種団体を対象に行っている講座や訓練についても、開催機会をふやしながら、より多くの皆さんに参加していただけるよう取り組んでまいります。
また、今月28日土曜日に防災関係機関が一堂に会して、八代市総合防災訓練を開催することとしております。さらに、12月には防災の啓発を目的に今年度から新たな取り組みとして防災セミナーや子供向け防災教室などを実施する、仮称防災フェスタの開催を予定しているところでございます。
今後も、さまざまな防災対策事業を通して、多くの市民の皆さんに防災を身近に感じていただき、日ごろから災害に備える心構えと防災意識の高揚につながる取り組みを実施してまいりたいと考えております。
以上、お答えといたします。
◆谷川登君 ありがとうございました。
詳細に御答弁いただき、本当にありがとうございました。
地域における防災においては、まず自分たちの住んでいる地域を知る、また災害の種類や最近の傾向、そして災害のメカニズムなど災害のもとを知ること、さらには地域にどのような人がどこに住んでおられるのか、どの程度の活動ができるのか、支援が必要な人がいるのか、救助活動ができるのか、人を知ることが大事であると思います。
やはり、日ごろからさまざまな活動を通して事前に知っておくことが重要であり、そうした意味からも、住民参加型防災訓練等、計画的に実施されます各種の訓練や講演会には積極的に参加して、正しい知識と技術の習得に向け取り組んでいかなければならないと認識させていただきました。
住民参加型防災訓練は、7年に1回しか回ってまいりませんが、防災意識を高めるためには、地域全体で取り組むことが重要であると考えられます。市には支援をお願いしたいと思います。
今後も安全で安心なまちづくりに取り組んでいただきますよう、強く要望します。
今回は、本市における林業の振興策と本市の防災事業について質問させていただきました。執行部の皆様におかれましては、丁寧に、丁重に御対応、本当に仕事の合間の中、対応いただきまして、感謝申し上げます。ありがとうございました。
そして、今後も中村市長をリーダーに、さまざまな施策を通して八代市の活性化につなげていただきますよう祈念申し上げまして、今回の一般質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
─────────────────────────
○議長(福嶋安徳君) 西濱和博君。(「頑張って」「頑張れ」と呼ぶ者あり)
(西濱和博君 登壇)
◆西濱和博君 皆様、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)
会派新風の西濱和博でございます。
今9月定例会におきましても、このように登壇の機会を賜りましたこと、関係各位に心より厚く御礼を申し上げます。
今回は、大きく3つのテーマにつきまして通告いたしております。
まず1つ目が本市における歯科保健医療に関する現状と課題及び今後の取り組みについてであります。
2つ目は、
会計年度任用職員制度の導入と地方自治体から見た地方交付税措置のあり方について。
そして、3つ目として、本市における子育て支援体制の強化策「産後ケア事業」についてであります。
通告に従い、最初に大項目の1、本市における歯科保健医療に関する現状と課題及び今後の取り組みについて質問していきたいと思います。
事前に、福嶋議長の御許可をいただき、議員の皆さん、そして中村市長、北岡教育長を初め、執行部各位のお手元に、この2枚つづりの関係資料をお配りいたしております。お目通しをお願いいたします。
1枚目、見出しに、大切なお子様の口の健康を守るためにと書かれた資料は、先月、熊本県が歯科保健事業の一層の推進を図っていくために作成されました啓発用のチラシです。
ごらんいただきますと、おわかりのとおり、熊本県の乳幼児を対象に、平成29年度実施された歯科検診の結果が全国の中にあってどのような状況にあるかを示してあります。具体には、チラシに記載のとおり、乳幼児の虫歯の保有病者率について、1歳半の子供の場合、全国でワースト3位、そして3歳児にあっては全国ワースト6位と、かなり深刻な状況にあることがうかがえます。
裏面につきましても、お時間のあるときにぜひごらんいただきたいと思います。
次に、2枚目の資料をごらんください。
この資料は、平成13年当時、3歳児だった全国の子供たちが1人平均何本の虫歯を持っていたのか、そして、その子供たちが9年後の12歳、検査は中学校1年生のときになりますが、12歳になったとき虫歯の本数がどのように増減したかについて、都道府県別に集計し、ランキング化したものであります。
資料の上段は、平成13年当時の3歳児の1人平均虫歯本数の全国ランキングです。一番左端の東京都、一番少ないのが左端の東京都、一番多いのは右端の沖縄県となっていますが、私が注目しましたのは、それ以外の今から申し上げる3つの県です。
まず、平成13年のランキングで18番目となっていた新潟県、次に42番目に位置するワースト6位の宮城県、そして45番目のワースト3位の佐賀県です。その後、全国の都道府県の幼稚園や小中学校におかれては、それぞれにフッ化物洗口の取り組みなどが行われてきたことと推察します。
さて、9年の年月を経て平成22年、その当時、3歳だった子供たちは12歳、中学校1年生になりました。この年の歯科健康診断の結果の都道府県別ランキングは、資料の下段のとおりとなりました。平成13年当時、18番目だった新潟県は何と全国のトップに、そうしてワースト3位の45番目だったお隣の佐賀県は36都府県をごぼう抜きして全国9位へと大躍進しています。一方、当時、その佐賀県の少し前を走っていた42番目、ワースト6位だった宮城県は、さらに順位を落とし、44番目のワースト4位という残念な結果となりました。
では、私たちの郷土熊本県はいかがでしょうか。この資料を見ますと、平成13年の32番目から平成22年には全国ワースト6位の42位へ後退していることが確認できます。熊本県によりますと、データが示すように、本県は長く非常に悪い状態が続いているとのことであります。
このようにランキングに激しい変動が起こった背景には、一体何があるのでしょうか。全国各地方自治体に平等に与えられた9年という時間をいかに有効に取り組んできたのか、自治体個々の姿勢がまさに問われているようにも感じます。
では、ここで、歯科保健分野に関する法律や地方自治体における条例制定の取り組みの一端に触れてみたいと思います。
これまで健康診査や保健指導等の事業は、地域保健法や健康増進法を基盤としながら、母子保健法や学校保健安全法などの各個別法の規定に基づき実施されてきました。しかし、乳幼児期から高齢期までのライフステージごとに実施されているそれらの取り組みに対して、歯科保健分野に関しては歯科保健医療の関係者から法的基盤が弱いと危惧する声がありました。
そのようなことも背景に、平成23年8月10日、歯科口腔保健施策を総合的に推進することを目的とした歯科口腔保健の推進に関する法律が公布、同日施行されました。以降、歯科口腔保健法と呼ばせていただきます。
この歯科口腔保健法ですが、我が国の歯科関係の法律としては、昭和30年に歯科技工法が制定されて以来、実に56年ぶりに歯科関係の新法として制定されたことになります。経過として、平成20年8月、日本歯科医師会において、これからの口腔保健のあり方に関する考え方が示され、法整備を行うべきである旨の提言がなされています。その後、国会では超党派議員により成案が検討され、衆議院、参議院ともに全会一致で平成23年8月の可決成立の運びとなったわけであります。
話題を変えますが、実は国によるこの歯科口腔保健法が法制化される以前の平成20年7月、今や不動のトップランナーとなっている、あの新潟県にあっては、新潟県歯科保健推進条例というものを全国に先駆け独自に制定していたのであります。法律の委任に基づかない、全くの政策条例であるにもかかわらず、新潟県の条例制定から端を発し、今や全国のほぼ全域で条例が制定されています。
ちなみに、この条例が制定されるに至った経緯ですが、余り知られていませんが、新潟県南歯科医師会と子どもの歯を守る会という市民団体が中心となって、自由民主党県議団と県行政に対し熱心な働きかけを行ったことが契機となっています。
先ほど御紹介しました新潟県は、12歳児1人平均虫歯本数が一番少ない県として、いまだにトップの座を譲っていません。そこには、確固たる信念、理念を持ったたゆまない取り組みがあったものと察します。行政と住民が事態の深刻さに真剣に向き合い、地域の実情をしっかりと捉えた政策を着実に実行してこられたのではないかと思いをはせるものです。
さて、熊本県においては、この新潟県の条例化からさほど時をあけず、平成22年に熊本県歯及び口腔の健康づくり推進条例を制定しています。さらに、この条例に基づき、全ての県民が生涯を通じて歯と口腔の健康づくりをみずから取り組めるよう支援するための施策を総合的に推進するため、熊本県歯科保健医療計画を策定し、現在、改定を重ねた第4次の計画により各施策が進められているところであります。
それでは、以上申し上げてきました経過も踏まえた上で、本市における歯科保健医療の分野に関する現状は一体どのようになっているのか、今回は各ライフステージの中で、とりわけ学齢期にある小中学校の児童生徒に焦点を当て、抱えている課題や今後の取り組みの方向等について質問をしていきたいと思います。
小項目の1、本市における児童生徒の虫歯の現状とこれまでの取り組みの総括として、次の4点について教育部長にお伺いいたします。
1点目、児童生徒の虫歯保有者の推移につきまして、小中学校それぞれに平成元年、10年、20年、30年と10年ごとの数値をお示しください。また、全国平均との比較もあわせてお願いいたします。
2点目、平成30年度の虫歯等の治療が必要な児童生徒の現状について伺います。具体には、虫歯保有者の人数と、そのうち年度内に治療が完了していない人数、またその割合もお答えください。
3点目、虫歯を有する児童生徒に対して、治療に向け、これまでどのような取り組みをされてきましたか、御説明ください。
4点目、実施してきた取り組みはどのような方法で検証、評価されていますか、お示しください。
次に、小項目の2、虫歯を予防する歯科保健の観点から、小学校におけるフッ化物洗口の取り組みの現状について、健康福祉部長に次の3点をお伺いいたします。
1点目、フッ化物洗口事業について、その概要を簡潔に御説明ください。
2点目、本市における小中学校における集団洗口の取り組みの状況についてお伺いします。
最後に3点目、小中学校におけるフッ化物洗口の実施率は100%と承知していますが、小中学校それぞれに実施回数について、最大と最小及び平均の数値をお答えください。また、その実態を踏まえての健康福祉部としての認識をお伺いします。
以上、壇上での質問はこの程度にとどめ、小項目の3及び大項目の2と3につきましては発言者席より行います。
(教育部長桑田謙治君 登壇)
◎教育部長(桑田謙治君) 皆さん、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)
議員御質問の、本市における歯科保健医療に関する現状と課題及び今後の取り組みについてお答えいたします。
まず、児童生徒の虫歯保有者の推移についてでございますが、この虫歯保有者とは、調査時点での虫歯がある者と既に虫歯の治療が終わっている者とを合わせた数であります。
平成元年度から10年ごとの推移で見ると、小学校では、平成元年度95.2%、平成10年度89.9%、平成20年度76.7%、平成30年度63.4%となっております。
中学校では、平成元年度90.6%、平成10年度89.3%、平成20年度75.1%、平成30年度57.8%となっております。
年々、虫歯保有者の割合は低下しているものの、全国平均と比較すると年々、その差は開いており、平成30年度は小学校で18.1%、中学校では22.4%と高い割合となっております。
次に、平成30年度の虫歯等の治療が必要な児童生徒の数でございます。
小学校では、歯科検診を受けた児童6389人中、虫歯等の治療が必要な子供が2123人で、全体の33.2%、中学校では、歯科検診を受けた生徒2897人中、712人で、全体の24.6%となっております。
また、平成30年度、本市の虫歯等の未治療者の人数と割合は、小学校で733人の34.5%、中学校で376人の52.8%となっております。
次に、虫歯を有する児童生徒に対して、治療に向けてこれまでどのような取り組みをしてきたかについてでございますが、各学校において歯科検診の結果をもとに保護者に治療を促すプリントを配付し、虫歯の治療を勧めております。また、治療終了後は保護者から学校に報告していただくようにしており、未報告の児童生徒には学校から再度、治療を促すプリントを配付したり、家庭へ電話連絡をしたりしております。
次に、実施してきた取り組みはどのような方法で検証、評価しているのかについてでございますが、各学校では、歯科検診の結果を集計し、考察を行い、今後の対応や歯科保健の教育に活用しております。
また、毎年、熊本県教育委員会が行っております学校保健(健康状態)統計調査をもとに、本市教育委員会では、養護教諭等を対象とした学校保健説明会や学校訪問において学校における治療率向上に向けた取り組みの充実を図るよう働きかけているところでございます。
以上、お答えといたします。
(健康福祉部長兼福祉事務所長丸山智子君 登壇)
◎健康福祉部長兼福祉事務所長(丸山智子君) 皆様、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)
議員御質問の小項目2、小中学校におけるフッ化物洗口の取り組みの現状についてお答えします。
1点目、フッ化物洗口事業の概要についてですが、フッ化物洗口とは、薬剤を溶かした洗口液を口にふくみ、うがいを行うことで、歯の質を強化するものです。生涯を通じた歯及び口腔の健康の保持増進を目的とし、虫歯予防に効果的なフッ化物洗口を4歳児から中学3年生までを対象に実施しております。
フッ化物洗口は、厚生労働省において8020推進事業や健康日本21の中で推奨されております。
また、県でもフッ化物洗口事業の取り組みの評価指標である12歳児1人平均虫歯数が全国ワースト5位という現状から、平成22年11月に熊本県歯及び口腔の健康づくり推進条例を制定し、県内全ての小中学校においてフッ化物洗口を実施することとされました。
本市においても、12歳児1人平均虫歯数が県平均より上回っていることなどから、教育委員会と協議、検討した上で、小中学校において平成26年度から本事業を開始しました。
フッ化物洗口については、保育園、幼稚園の時期から中学校を卒業するまで継続した人は、フッ化物洗口を実施していない人と比べると1人平均虫歯数が半分以下であるという報告もあり、継続することで虫歯予防効果が高まることがわかっています。
フッ化物の安全性が問題視されることがありますが、安全性、有効性は十分に確立しており、国内外の専門機関が推奨しています。
2点目、本市の小中学校における集団洗口の取り組み状況についてお答えします。
小中学校では週1回、1人当たり10ミリリットルの洗口液を紙コップに注ぎ、口にふくんで、歯の隅々まで行き渡るような方法でうがいを行っています。
フッ化物洗口液の作成及び各学校への配達は、保健センターにおいて臨時職員を2名雇用して行っており、実施前日に洗口液ボトルを各学校に届け、都合のよい時間帯に実施していただいています。
平成26年度中には100%の実施に至ることができ、現在もこの方法で継続しております。
3点目、小中学校におけるフッ化物洗口の実施回数及びその実態を踏まえた健康福祉部の認識についてお答えします。
フッ化物洗口の実施回数については、小中学校で実施している週1回法では、虫歯予防の効果を出すために年40回の実施が有効と示されております。
本市の平成30年度の実施回数の状況は、小学校では最大36回、最小8回、平均29回であり、中学校では最大43回、最小25回、平均33回です。学校間で実施回数にばらつきがあることや平均回数が40回を下回っている現状については、課題と認識しているところです。
今後も、学校現場や教育委員会、八代歯科医師会等、関係機関との連携強化を図り、安全で適切なフッ化物洗口の実施に向けた共通理解を深めるとともに、課題に対応しながら児童生徒の虫歯予防に取り組んでまいります。
以上、お答えといたします。
◆西濱和博君 両部長、御答弁ありがとうございました。
まず、教育部長の御答弁を受けてコメントさせていただきます。
教育部長へ1点目として、小中学校の虫歯保有者の推移についてお伺いしました。私も事前に関連事項を少しだけ調べさせていただいておりますので、その一部を紹介させていただきます。
虫歯のある小学校の児童についてですが、平成元年当時、全国の平均は90.1%に対し、八代市は95.2%であり、その差は5.1ポイント、また同年、中学校の生徒においては全国平均90.5%に対し、本市は90.6%で、その差はわずか0.1ポイント、小中学校とも全国平均と比較し、さほど大きな差はなかったのであります。
しかし、ただいまの御答弁による直近の平成30年度の数値を伺い、大変驚きました。平成の30年という時間の経過の中で、本市の小中学校は全国平均から約20ポイントも水をあけられてしまっているわけであります。
次に、2点目の質問として、平成30年度の虫歯等の治療が必要な児童生徒の現状についてお伺いしました。答弁により、虫歯等の治療が必要な小学生の割合は、おおむね3人に1人、中学生にあってはおおむね4人に1人の割合と、かなり高い数値であることを受けとめました。
さらに、虫歯等の治療が必要とされながらも、まだ治療していない小中学生が合わせて約1100人もいるという実態が本日明らかになりました。
このように、1点目と2点目の答弁をお聞きし、とても深刻な状況にあることを強く認識した次第です。
また、3点目と4点目の質問につきましては御答弁いただきました内容について、後ほど改めて触れたいと思います。
次に、健康福祉部長にフッ化物洗口に関してお伺いしました。御答弁の中で、フッ化物の安全性と有効性については十分確立している旨の御説明があり、安心いたしました。また、フッ化物の有効性につきまして理解を深めることもできました。
次に、本市の小中学校におけるフッ化物の集団洗口の取り組み状況、そして年間の実施回数についてもお尋ねをしたところです。
実施回数については、年間40回の実施が有効とされていること、これは熊本県のフッ化物洗口マニュアルにおいても週1回法による年間40回の実施が奨励されていることを踏まえてのことだと私も承知しております。
さて、実態としては40回を満たしている学校がある一方、極端に少なく8回の実施にとどまっている学校もあるようです。先日お聞きしたところによると、本市の小中学校で昨年度40回以上実施した学校は2校あり、それは日奈久中と二見中でありました。最小の8回実施であった学校について、私は昨年度がたまたま何らかの事情で極端に回数が少なかったのかなと思いましたが、過去3年の平均実施回数を見ても10回を下回っていました。
そこで、小中学校におけるフッ化物洗口の取り組みのあり方について、2点の問題を提起し、あわせて検討をお願いしたいと思います。
1点目、実施回数が極端に少ない学校については、なぜ毎年そのような状況となっているのでしょうか。原因や起因する事柄を確認する必要があると思われます。万やむを得ない何らかの事情があるのかもしれませんけれども、教育委員会におかれましては、この件、早急に調査をしていただきたいと思います。
学校におけるフッ化物洗口の実施に当たっては、事前に保護者の同意を書面で確認するように扱われています。同意された保護者からすると、自分の子供が通う学校で実施されているフッ化物洗口の回数は適正に行われているものと信じて疑う方はいらっしゃらないと思います。しかし、本市として週1回で年間40回の実施を目標とする取り組みの中にあって、健康福祉部長の御答弁にもありましたが、課題として認識されているようでございます。
とりわけ、年間10回程度にとどまっている状況を当該校の保護者の方々が知り得たら、どう思われるでしょうか。同じ市内の市立の学校なのに、公平性に欠けているとの御指摘が出てくるかもしれません。
教育委員会におかれましては、しっかりとした対応をなさいますようお願いしておきます。
2点目、次に、学校におけるフッ化物集団洗口の実施に関して提案があります。
実施するたびに紙コップを使用されているようですが、恐らく使い捨てされているのではないでしょうか。他方、小中学校では歯磨きにも熱心にお取り組みであり、もちろん、その際は各児童生徒が自宅から持参し、学校に置いているマイコップを使用されているものと思います。
そこで、衛生上、特段の問題がなければ、そのマイコップを週1回実施されるフッ化物洗口の場面で使用されてはどうでしょうか。そうすれば、紙コップの調達にかかっていた予算のコスト削減にもなりますし、使い捨ては環境負荷に影響しており、処分費もかさみます。何より学校は環境問題についても子供たちを教え、育む場でもありますでしょうから、そういった視点からも、この件につきましては教育委員会に熟慮した検討をお願いしておきたいと思います。
ここで、2点再質問させていただきます。
まず1点目、児童生徒の虫歯治療に関するこれまでの取り組みを検証した上での課題認識についてお伺いします。
本市においては、先ほどの教育部長の御答弁から、虫歯の保有者の割合について、そして虫歯の未治療者の割合がとても高いことが確認できました。では、その要因や背景等についてどのように捉えていらっしゃいますか、御見解をお伺いします。
次に、2点目、本市教育委員会として目標設定を含めての目指そうとしている姿、また今後の施策の方向性について、その考えをお示しください。
以上2点、教育部長、よろしくお願いいたします。
◎教育部長(桑田謙治君) 自席からお答えいたします。
まず、議員御質問の、児童生徒の虫歯治療に関するこれまでの取り組みを検証した上での課題認識についてでございますが、虫歯保有者の割合、虫歯の未治療者の割合が高い要因や背景等については、乳歯の虫歯は生えかわるから大丈夫だろう等の虫歯に対する保護者の意識の低さ、保護者が歯科医院に連れていく時間がない、近くに歯科医院がない、児童生徒が部活動や塾等の習い事で時間をつくることが難しいのほか、学校における歯と口の健康に対する児童生徒、保護者への啓発不足などが挙げられます。
次に、目標設定を含めての目指そうとしている姿、今後の施策の方向性についてでございますが、まず、目標としましては、平成30年3月に策定された第7次八代地域保健医療計画で示している指標、12歳児の1人平均虫歯数の全国平均以下を目指していきたいと考えております。
そのために、各学校では、関係機関や保護者と連携した歯科保健教育の充実、保健だより等での保護者への啓発活動に努めてまいります。
また、第2期八代市教育振興基本計画の施策に示しているように、定期健康診断において学校と家庭が連携し、診断後の治療の徹底を図るとともに、食後の歯磨きの推進に努めてまいります。
以上、お答えといたします。
◆西濱和博君 桑田部長、ありがとうございました。
まず、現状を重く受けとめておられるのだなということの一端が今の御答弁の趣旨で確認できました。
先ほど、私が登壇しての総括質問の中で、次のことを質問しました。虫歯を有する児童生徒に対して、治療に向けて、これまでどのような取り組みをされてきたのか、そして、その取り組みについての検証方法等をお尋ねしました。これを受けての答弁内容を踏まえて、これから私の私見を少し述べさせていただきたいと思います。
歯、そして口腔をよりよい状態で保持し、また増進していくことは、しごく基礎的なことではありますが、私たち市民が健康で質の高い生活を営む上で大変重要な役割を果たしています。
参考までに、歯科口腔保健法の基本理念の一つに、関係機関は、互いに連携、協力するようにとうたわれています。
具体には、保健、医療、社会福祉、教育等における関連施策の有機的な連携を図って、その関係者の協力のもと、歯科口腔保健を総合的に推進しなさいとうたわれております。このことは、本市の組織にも同じようなことが言えるのではないでしょうか。
逼迫した現状にしっかりと向き合って、今後、実効性のある具体的な取り組みを一日も早く実践していかなければならないと思います。
そのためには、本質に触れないままの場当たり的な対応では、目指す姿には到底たどり着かないのではないでしょうか。市民の健やかな日常生活を守るべく、法が定める自治体の責務、果たすべき役割とは何かを見詰め直し、新潟県や佐賀県のように中長期的な視点も含め、おくればせながらかもしれませんけれども、今こそ本腰を入れた取り組みをスタートさせなければなりません。
そこで、教育部長の御答弁にもありましたが、保護者の認識などの社会的要因を考慮した上で、行政としての取り組みの礎となるスタンスをどのように構えるべきか、まずはこの点からしっかりとした議論をしていただきたいと思います。
課題認識や検証のあり方、そして今後の取り組みという大変重要なスキームに関し、私がお勧めしたいことがありますので、参考までに御紹介したいと思います。
お手元にお配りしています関連資料をもう一度ごらんください。
資料の2枚目の裏面になりますけれども、これは公益財団法人医療科学研究所という組織が提唱しております。健康格差7原則という考え方です。本日、ここでは時間の都合もありますので、この程度にとどめさせていただきますが、失礼ながら、そもそもということになるかもしれませんけれども、今後、取り組みのあり方自体を考える上において、きっと何がしかお役に立つ部分があると思います。詳しくは、公益財団法人医療科学研究所までお問い合わせいただければと思います。
ここで、改めて質問させていただきたいと思います。
本市が抱えている課題の改善に向け、私の私案として、新たな対応策を3つ提案したいと思います。
保護者に対する意識啓発活動の充実に関する取り組みとして、まず2案お示しします。
1つ目の案ですが、これまでの学校側からのみの働きかけのスタイルを見直し、保護者側の理解と協力を得ながら一緒になって取り組みを進めていく。具体的には、PTAの組織の中に保健部会などと称される機能を設け、歯科保健に関する取り組みの体制強化を図ってはいかがでしょうか。
次に、2つ目の案です。学校から発出されている歯科検診後の治療勧告文書の構成について見直しをされてはいかがでしょうか。この勧告文書の余白や、あるいは裏面を活用して、歯科医師会の専門的な見地からの知見欄などを設ける。また、本市では中村市政のもと、子供の医療費の無償化、来月は高校生にも拡充されます。このような旨を明記するなど、治療を促すための方策について検討していただければと思います。
最後に、3つ目の提案です。学校健診情報のデータベース化による活用方策の一つとして、ライフコースデータと呼ばれるものがあります。この既に構築されているシステムを導入してはいかがかと思います。これは、京都大学大学院等が総務省及び文部科学省の支援を受け、自治体との連携によるライフコースデータの構築を実施しているものであり、その仕組みにより、これまでになかった多様な利活用が可能になるものと私は捉えております。
ライフコースデータとは、人が生まれてから終末期を迎えるまでに受けた健康診断及び治療に関する全ての情報の総称であり、その分析により疾病予防の精度が高まるものと期待されております。管理されたデータは、当事者である本人はもとより、学校、自治体にレポートのような形で無償で提供を受けることも可能です。心配なセキュリティー対策についても、総務省との連携で完成しております。
この新たなライフコースデータの取り組みは、現在、全国120を超える自治体で有効に実践、活用されているところであります。
以上、3つの提案をさせていただきましたが、このことに対しての教育部のお考えをお伺いいたします。
◎教育部長(桑田謙治君) 保護者に対する意識啓発活動の充実について、自席からお答えいたします。
議員御提案の、PTAの中に保健部会等を設け、歯科保健に関する取り組みの体制強化を図ることに関しましては、定例校長園長会議の中で各学校の校長、園長に呼びかけるとともに、八代市PTA連絡協議会主催の会において、各学校のPTA会長に本市の虫歯の現状と議員御提案の内容をお知らせしていきたいと考えております。
また、治療勧告文書の構成の見直しについては、保護者の歯科保健に対する意識啓発に大変有意義なものだと考えますので、今後、歯科医師会等と連携し、治療勧告文書の構成の見直しについて検討してまいりたいと考えております。
次に、議員御提案の、学校健診情報のデータベース化による活用方策、ライフコースデータの構築につきましては、主体事業者や現在実施している自治体から情報を収集し、制度や内容、効果等について検討してまいりたいと考えております。
最後に、議員から御提案いただきましたことを含め、今後、教育委員会としましては虫歯予防、虫歯の治療率向上に向け努めてまいりたいと考えております。
以上、お答えといたします。
◆西濱和博君 ありがとうございました。
私の3つの提案に対しまして、いずれも前向きな答弁をいただきまして、まずは感謝申し上げたいと思います。
1つ目の提案に関しましてですが、事前に福嶋議長のお許しをいただきまして、ここに1つ冊子を持ってまいりました。これは文部科学省が発行しておりまして、タイトルは「生きる力」をはぐくむ学校での歯・口の健康づくりとなっています。この本は、歯、口の健康づくりについて、発達の段階や障害に応じた適切な指導や管理ができるような内容として、学校保健法等の改正及び学習指導要領の改定等を踏まえて、学校歯科保健の参考資料として作成されているようであります。ページ数は120にも及び、そのボリュームもさることながら、大変中身の濃いものとなっています。
実は、この冊子の第5章に歯・口の健康づくりにおける組織活動というのがありまして、見ますと、家庭及びPTAとの連携や協力について9ページにもわたり詳しく書かれています。私がPTA組織の中に保健部会と称される機能を設け、歯科保健に関する取り組みの体制強化を図ってはいかがでしょうかと提案したのと同じような趣旨のことがここに書かれていました。ちなみに、この冊子は本年度中に改訂される予定となっているようでございます。
次に、2点目ですが、学校から発出されている治療勧告文書の構成についての見直しを提案いたしました。
そもそも論となりますが、学校保健安全法の第12条を見ますと、このように書かれています。市町村教育委員会は、健康診断の結果に基づき、治療を勧告しなければならないとあります。また、同法の第14条では、さらにこのように規定されています。学校においては、健康診断の結果に基づき、治療を指示しなければならないとあります。
以上のことから、治療勧告書の取扱責任者は学校マターでなくて教育委員会であると私は認識しました。
そういうことから、治療勧告書の様式等について、各学校のこれまで裁量に任せておられたこと自体を見直す必要があるのではないでしょうか。
最後に、3つ目ですけれども、学校健診情報のデータベース化による活用方策として、ライフコースデータの構築を提案させていただきました。
この提案に関連すると思われますけれども、平成30年12月8日に、略称ですけれども、成育基本法が成立しています。ここで、この法第15条の規定を要約して申し上げます。地方公共団体は、成育過程にある者の心身の健やかな成育に資するため、学校における健康診断に関する記録の収集及び管理、並びにその情報の活用等に関する体制の整備、当該情報に係るデータベースの整備、その他必要な施策を講じるものとすることとあります。これは、成立した日から、公布の日からですけど、1年を超えない範囲内で施行されることになるわけであります。
以上申し上げましたことについて、実は1点目のPTAの組織、それから3つ目のライフコースの活用については、私、今回の一般質問、従前、先般、教育委員会の担当部署にですね、検討の投げかけをさせていただいた経緯があります。しかしながらですね、そのとき、残念ながら、回避というか、取り合ってもらえませんでした。何か、私の発想が突拍子もないのかなって反省しつつもですね、どうしてお話聞いてもらえないのかなと不思議に、悶々とした日を過ごしてまいりました。
それでですね、恥ずかしい話ながら、今回、一般質問でどうお取り扱いいただけるか、正式に提案したわけなんですけれども、先ほど申し上げました、この「生きる力」をはぐくむ学校での歯・口の健康づくり、こういうのが存在していることすら、私、知ったのはここ数日のことでした。よくよく読むと、私と同じような考えを文科省は各教育委員会、学校に指し示しているということがわかりました。
3つ目の提案、ライフコースデータのことについても、法律できちんとですね、学校の健康診断の結果をデータベース化し、活用しなさいよと法律が成立している、それもここ数日、知りました。インターネットで調べたわけでございますけれども。
そう考えるとですね、当時、教育委員会の部署で私が投げかけてきたことに対して、なぜスルーされたのかなというのが、どう考えてもよくわからずにですね。大変失礼ながら、この文科省の図書、それから、あるいは成育基本法のことを御存じでいらっしゃったのか。でも、御存じでないはずはないでしょうから、何といいますか、慎重に取り組んでいこうということだったのかもしれません。
しかしながらですね、私がもしその一義的な発意をした折に、こういうものが法例上、あるいは国の方策としてきちんと整理されていたのを知っていたならば、私は引き下がらなかっただろうと自分自身に自問自答するわけでございます。
教育委員会がですね、働き方改革で言われるように、大変御多忙なことも承知しております。ましてや、今回、御担当いただいた部署の指導主事さん、日夜奔走していただいた、その姿勢に頭が下がる思いでございます。
口腔法がうたう各機関が連携して子供たちのためにしっかり取り組もうよということにおいて言うと、健康福祉部長の御答弁にもありましたように、立ちおくれた、この空白の9年間、いかに取り戻すか、取り戻せないかもしれませんけれども、少なからざるとも関係法例は行政、プロフェッショナルの一番秀でた部分でございますので、こういった事態について、答弁の内容よりもですね、こういった場面にどう向き合うかということをしっかり組織の中で認識を共有していただければなと、大変失礼な物の言い方でございますけれども、そのことを本日、切に訴えたいというふうに思います。
そして、今回、私が提案した3点は、非常にささやかながらの視点ではございますけれども、よくよく考えたらですね、多くの関係者のお力添えも必要だろうし、保護者の理解も必要である、データベース化というシステムにも大きくかかわることでございます。いわば政策的な視点というのも必要であります。
以前、私は議会で、各市の部署に政策機能を置いてくださいということで、おかげでですね、各部署に政策課とある名のついた部署がございます。もちろん、教育委員会にも教育政策課さんがあります。学校教育課、学校の先生方、非常に御多忙でございます。こういった新たな提案に際しては、よろしければですね、教育政策課の機能をもっと充実していただき、優秀な人材が多数いらっしゃいますので、そういう観点からも両課一緒にですね、話を聞いてもらえる、そういう環境をぜひですね、教育長、教育部長、つくっていただければなというふうに思うところでございます。
甚だ勝手な、一方的なお願いになりましたけれども、以上とさせていただきます。
それでは、最後の質問に移らせていただきたいと思います。(西濱和博君挙手)
○議長(福嶋安徳君) 西濱和博君。
◆西濱和博君 小項目の3、八代圏域における病院歯科の開設に向けての動向に関しましてお尋ねいたします。
地域医療においては、病院と歯科の相互連携は、患者のリスク軽減、医療費削減の観点をとっても相当の効果をもたらすことが期待されます。しかし、県内において、いまだ病院歯科が設置されていないのは山鹿圏域と八代圏域だけであります。
第7次八代地域保健医療計画におきましても、歯科医師会及び医師会にあっては、病院歯科の開設に向けた連携体制整備に努める旨が記載されているところです。
そこで、病院歯科の開設に向けて、中村市長の思いをお伺いさせていただきます。
(市長中村博生君 登壇)
◎市長(中村博生君) 皆さん、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)
お尋ねの、病院歯科の開設についてお答えいたします。
近年、口の健康が誤嚥性肺炎や心筋梗塞など全身の健康に影響することが広く指摘されております。こうした病気を予防する観点からも、口腔ケアが重要な役割を果たすとされております。
病院歯科は、こうした医療と歯科の連携の拠点としても重要な機能を持つものであろうかと思います。八代圏域にも必要なものであると認識しているところであります。
議員御案内のとおり、第7次八代地域保健医療計画において、歯科医師会と医師会も病院歯科の開設に向けて相互に連携体制の整備に努めるとされております。
以前、歯科医師会からも直接、私にも申されたこともございますし、病院にもいろんな話もしておりますけども、そのままになっているというような状況ではないかというふうに思っております。
本市といたしましても、関係機関や関係団体と連携して、病院歯科の開設に向けた取り組みに協力してまいりたいと考えております。
◆西濱和博君 ただいま中村市長から、病院歯科は八代圏域にも必要なものとの御認識をお示しいただきました。さらには、関係機関や関係団体と連携して、病院歯科の開設に向けた取り組みに協力していきたい旨の力強い御答弁を伺うこともできました。
市民、もとより歯科及び医療の関係者の皆さんにとっても、市長の御発言は大変心強く、大きな励みになったことと感じます。住民を初め、例えば、児童生徒、保護者、高齢者、障害者等、幅広い関係者を交えた率直な議論が歯科保健医療の分野においても、今後、広範に行われていくことを切に期待したいと思います。
なお、先ほどから何度も触れさせていただいていた「生きる力」をはぐくむ学校での歯・口の健康づくりの中に、このように書かれております。教育委員会においては、歯、口の健康づくりを含めた健康の確保に関する明確なビジョンを打ち出すこと、学校保健に関する体制の充実が望まれると記してありますことをここで改めて申し添えさせていただき、この項を終わります。(西濱和博君挙手)
○議長(福嶋安徳君) 西濱和博君。
◆西濱和博君 次に、大項目の2、
会計年度任用職員制度の導入と地方自治体の立場から見た地方交付税の措置のあり方についてお尋ねいたします。
小項目の1、関係法の改正内容及び
会計年度任用職員制度の概要並びに人件費への影響に関する質問をさせていただきます。
1点目、地方公務員法及び地方自治法の一部改正の内容について簡潔に御説明ください。
2点目、
会計年度任用職員制度の概要についてお示しください。
最後に、この制度導入に伴う本市における人件費への影響の見込み額、以上3点、松本市長公室長にお伺いします。
(市長公室長松本浩二君 登壇)
◎市長公室長(松本浩二君) 皆さん、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)
議員御質問の、関係法の改正内容及び
会計年度任用職員制度の概要並びに人件費への影響についてお答えします。
まず、お尋ねの1点目、地方公務員法及び地方自治法の一部改正の内容につきましては、これまで臨時、非常勤職員は地方自治体の行政、教育、子育てなど幅広い分野で地方行政の重要な担い手となっております。本市におきましても、事務補助や保育士等のさまざまな職種で任用しており、平成31年4月1日現在、485名の臨時、非常勤職員の任用がなされており、これは職員全体の約3割を占めております。
また、臨時、非常勤職員の任用根拠については、自治体によって曖昧なことから、その身分や勤務条件の取り扱いが制度的に不明確となっており、本来なら常勤職員で対応すべき業務に対して、臨時、非常勤職員を任用し、趣旨に沿わない運用が見受けられるなど、さまざまな課題が指摘されております。
このような課題を解決するために、一般職非常勤職員の任用の新たな仕組みとして、
会計年度任用職員制度が今回創設され、任用の明確化や期末手当などの支給が可能となりました。
次に、お尋ねの2点目、
会計年度任用職員制度の概要につきましては、今回の地方公務員法の改正により、会計年度を越えない範囲内で置かれる非常勤の職員を
会計年度任用職員とし、勤務時間が常勤職員と同一のフルタイム職員と常勤職員よりも短いパートタイム職員の2つの類型が設けられ、本市では現行の勤務形態から、臨時、非常勤職員のほとんどがパートタイム職員に移行するものと考えております。
この
会計年度任用職員の任用に当たっては、原則として公募することとされておりますが、公募によらず、これまでの勤務実績に基づく能力の実証により再度の任用する場合でも、国に準じ2回までとなっております。
会計年度任用職員に対する給与の水準については、常勤職員の基準や昇給制度との均衡を図り決定されることになります。また、
会計年度任用職員には期末手当を支給することが可能となりましたことから、本市におきましても
会計年度任用職員に期末手当を支給することとし、本定例会に対し、関連する条例議案を上程しているところです。
今回の法改正により、臨時、非常勤職員全体の任用を常勤職員の基準や昇給制度との均衡を図っていく中で、多くの自治体において給与や期末手当等の財政負担が生じ、本市におきましても同様の財政負担の増加が見込まれています。
なお、法改正に伴う国の財源措置につきましては、総務省の事務処理マニュアルにおいて、新たに支給すべき期末手当の所要額の調査を行い、地方財政措置についても適切に検討を進めていく予定と記載されておりますことから、国による一定の財政措置が見込まれますが、現時点では、その内容は示されていない状況でございます。
次に、お尋ねの3点目、この制度に伴う人件費の影響につきましては、まず令和元年度の当初予算における臨時、非常勤職員は、年間延べ900人の任用を見込んでおり、その予算額は約8億6600万円を計上しているところです。
会計年度任用職員に移行する令和2年度には、給与水準の見直しと期末手当を支給することで約1億4000万円増の約10億円を見込んでおります。
また、
会計年度任用職員の給与については、設定した上限まで毎年度、経験年数等を考慮し、初任給を決定しますことから、当面の間、これらに伴う負担が毎年増加していくものと考えております。
以上、お答えといたします。
◆西濱和博君 議長、大変申しわけございません。通告の2番目を時間の都合、割愛させていただき、3番目の質問に移らせていただきます。
財務部長、よろしくお願いいたします。
今、松本公室長の御答弁から、当該制度導入に伴う人件費の影響額については約1億4000万、来年度の見込み額、さらに当面の間、その負担は増加していくとのお考えをお示しいただきました。
本市もそうでしょうが、全国の地方自治体にとって避けることができない、しかも、大きな大きな課題と向き合うことになったと受けとめました。
会計年度任用職員制度の実施を控え、今後伴う財源を確実に確保していけるのか、本市のみならず全国の自治体の直面している課題、これについて関連する質問を財務部長にお願いいたします。
国は、来年度からの
会計年度任用職員制度の実施に伴い、地方交付税を行ってくれるのでしょうか。また、行うとした場合、その算定の内容が固まっているのか、御答弁をお願いいたします。
(
財務部長佐藤圭太君 登壇)
◎財務部長(佐藤圭太君) 皆さん、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)
西濱議員お尋ねの、
会計年度任用職員制度の実施に伴う地方交付税措置についてお答えいたします。
現段階では、本制度に対する国の交付税措置について、国からの明確な内容が示されておりません。
会計年度任用職員制度の導入に係る地方財源措置が不透明な中、質の高い公共サービスを効率的、効果的に提供する観点から、さらなる民間委託などの活用について検討していきますとともに、新たな行政課題や市民の皆様が期待する市民サービスに市全体として最大限取り組んでまいりたいと考えております。
なお、国からの確実な財源措置がなされるよう、これまでも県を通じて要望を行っておりますが、今後も引き続き要望してまいりたいと考えておりますので、議員各位におかれましても御理解、御協力をお願いしたいと思います。
以上、お答えといたします。
◆西濱和博君 ただいまの御答弁、現時点において国からの交付税措置についてはいまだ明確な内容が示されていないことが判明しました。
先ほど御説明を受けました制度導入に伴う人件費の影響額を来年度以降、ずっと確保していかなければならない中、国からの確実な財源措置は必須であります。私自身、本日の一般質問を通じて、このような事態を改めて重く受けとめました。引き続き、執行部と両輪体制でこのことに当たっていく所存です。
本件につきましても、今後しっかりと注視していくことを申し上げ、この項を終わります。(西濱和博君挙手)
○議長(福嶋安徳君) 西濱和博君。
◆西濱和博君 最後に、大項目の3、本市における子育て支援体制の強化策、産後ケア事業についてお尋ねしたいと思います。
幾つか通告させていただいておりましたけれども、最後の項のみお尋ねしたいと思います。
本市の重点戦略に掲げてある産後ケア事業につきまして、本9月議会開会日、中村市長から子育て支援策の強化として、来月10月から新たな取り組みを実施する旨、改めて力強い表明がありました。
そこで、多様なニーズにも応えるため、宿泊型に加え、訪問型事業の早期導入についても機会を捉え、その検討を私、お願いしてきたところです。このことにつきまして、改めて本市の方針を確認させていただきたいと思います。
健康福祉部長、明確な、明快な御答弁をお願いいたします。
(健康福祉部長兼福祉事務所長丸山智子君 登壇)
◎健康福祉部長兼福祉事務所長(丸山智子君) 議員御質問の大項目3、産後ケア事業についてのうち、ただいま御質問いただきました宿泊型に加え、訪問型産後ケアを早期導入することに関する方針について、自席からお答えいたします。
出産後の不安は、特に夜間に増大するおそれがあると考えられることから、当初は夜間の支援が可能な宿泊型から事業を開始し、実施状況を確認しながら、将来的に訪問型などの導入を検討する予定としておりました。
しかし、訪問型の導入を要望する市民の声も多く聞かれたことや、宿泊型では医療機関への移動負担や兄弟がいるなどの家族の状況等により利用ができない場合も考えられることから、訪問型の早期導入も必要と判断し、宿泊型に加え、訪問型についても10月1日から実施することにいたしました。
これにより、母親の多様なニーズに合わせた心身のケアや育児サポート等、きめ細かな支援が可能になると考えます。
産後ケア事業により、育児不安を早期に解消し、母体の身体的、精神的回復を促し、母親自身のセルフケア能力を育み、母子とその家族が自信を持って育児に取り組むことを目指してまいります。
以上、お答えといたします。
◆西濱和博君 多様なニーズに応えるため、訪問型事業の早期導入について市の方針を伺いました。
宿泊型に加え、訪問型についても来月1日から導入していただけることを確認できました。
背景に、訪問型の導入を要望する市民の声も多く聞かれたとのことで、弱い立場にある市民の声に真摯に耳を傾けていただきました中村市長の御英断に敬意と感謝を申し上げます。
この宿泊型の実施に当たり、私から幾つか部長へ検討のお願いをしたいと思います。
この事業は、委託型もできるというふうに書いてあります。仮に、委託型としたときに、公的機関が留意事項で出していること、私の私見も交えて幾つかお願いしたいと思います。
利用者、受託者の安全面、衛生面に十分な配慮が必要であることから、実施主体である本市において賠償責任保険に加入いただくこと。
2点目、実施に当たっては、実施機関、担当者によって相違が生じないようマニュアルを市で作成されること。
利用者の症状の急変等に対応できるよう、あらかじめ相談できる医師を選定していただきたい。
実施に当たり、時間外や土日、緊急時の連絡体制、事故が発生したときの報告のあり方等について必要な事項を取り決めていただきたい。
委託先の訪問料金や往復の交通費等の金額算定については、甲、乙、十分協議の上、合意していただきたい。
以上です。
訪問型の実施も宿泊型と同じ来月からのことでございます。ただいま私が申し上げた事項でまだ調整ができていないところがありましたら、甲、乙、対等の立場で、滞ることなく円滑に進めていただきますようお取り計らい、何とぞよろしくお願いいたしまして、これで私の一般質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
─────────────────────────
○議長(福嶋安徳君) 日程第1から日程第24までの24件の議事をしばらく中止します。
─────────────────────────
△日程第25
○議長(福嶋安徳君) 日程第25、すなわち議案第74号の議案1件を議題とし、これより提案者の説明を求めます。
市長中村博生君。
(市長中村博生君 登壇)
◎市長(中村博生君) それでは、ただいま上程されました議案につきまして提案理由の説明を申し上げます。
議案第74号・令和元年度八代市
一般会計補正予算・第6号は、歳入歳出予算に1400万円を追加し、補正後の予算総額を652億5280万円としております。
その内容につきましては、先般、入札に付しました
八代民俗伝統芸能伝承館(仮称)新築工事において、有効な応札がなく、不落となりましたことから、再度、設計図書の積算見直しを行い、3年間で総額4500万円の経費の追加及び継続費の変更を行うものであります。
なお、この
八代民俗伝統芸能伝承館(仮称)につきましては、伝統文化財の安全な収蔵、継承の場所と、それを生かした交流促進、情報発信によるまちづくりの拠点として、関係団体や市民の皆さんからの早期整備を求める多くの声に応えるため、早急に再入札に付する必要があり、本日、提案するものであります。
以上が提案理由の説明であります。
皆様方におかれましては、大変御多忙の中、御審議をいただくこととなりますが、何とぞ御理解の上、御賛同いただきますようよろしくお願い申し上げます。
○議長(福嶋安徳君) 以上で提出者の説明を終わります。
○議長(福嶋安徳君) この際、お諮りいたします。
ただいま議題となっております議案第74号については先議いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(福嶋安徳君) 御異議なしと認め、そのように決しました。
なお、本議案は当初上程されておりました議案第54号・令和元年度八代市
一般会計補正予算・第5号より先に議決いたしますことから、議案第74号・令和元年度八代市
一般会計補正予算・第6号を同第5号に、また議案第54号・令和元年度八代市
一般会計補正予算・第5号を第6号にそれぞれ改めます。
それでは、議案第74号・令和元年度八代市
一般会計補正予算・第5号の議案1件を議題とし、問題に供し、これより質疑を行います。質疑ありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(福嶋安徳君) ないようでございます。
ただいま議題となっております議案1件については、お手元に配付いたしております付託表のとおり、その審査を所管の常任委員会に付託します。
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○議長(福嶋安徳君) しばらく時間の延長をいたします。
委員会開催のため、しばらく休憩いたします。
(午後2時38分 休憩)
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(午後5時20分 開議)
○議長(福嶋安徳君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
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○議長(福嶋安徳君) 報告いたします。
先刻、審査を付託いたしました議案第74号について審査が終了した旨、所管の常任委員会委員長から報告がありました。
日程第25、すなわち議案第74号を議題とし、これより各委員長の報告を求めます。
経済企業委員会委員長成松由紀夫君。
(経済企業委員会委員長成松由紀夫君 登壇)
◎成松由紀夫君 それでは、経済企業委員会に付託されました予算案1件の審査が終了いたしましたので、その結果について御報告申し上げます。
なお、議案については執行部の説明を聞き、質疑、意見が行われましたが、その詳細については委員会記録に譲ることといたします。
議案第74号・令和元年度八代市
一般会計補正予算・第5号中、当委員会関係分についてでありますが、歳出の第9款・教育費、第7項・社会教育費、民俗伝統芸能伝承館(仮称)整備事業1400万円について、執行部からの説明を聞き、質疑の後、委員から、今回補正予算で対応するという執行部の判断は意図的なものではなく、執行部も苦しい中での提案だということは推察するものの、近年、避難所等の整備がおくれている中において、これだけの多額の経費を要してまで建設することに対し、さまざまな声を聞いている。経費をかけずに建設する方法を模索すべきである。また、今回、特殊な形状による屋根のつくりとなっているが、近年の風水害に耐え得るとは思えない。よって、今回の補正予算には反対であるとの意見。
一方、今回の伝承館建設の第1の目的は、笠鉾の保存であると考える。そこで、早期完成を目指し、施設の有効活用を求めるとの意見。
また、設計デザインを決定するまで、これまで市民の方を初め、さまざまな過程を経て現在の段階に来ている。また、建築物に対する見方も千差万別であり、この段階において、最初から検討し直すなど後戻りすることはできない。今回、執行部は熟慮の上での設計積算等を行ってきていると理解できるので、今回の補正予算には賛成であるとの意見があっております。
以上、本予算案1件については、慎重に審査しました結果、賛成多数をもって原案のとおり可決してしかるべきものと決した次第であります。
以上で報告を終わります。
○議長(福嶋安徳君) 総務委員会委員長前川祥子君。
(総務委員会委員長前川祥子君 登壇)
◎前川祥子君 総務委員会に付託されました予算案1件の審査が終了いたしましたので、その経過並びに結果について御報告申し上げます。
なお、議案については執行部の説明を聞き、質疑、意見が行われましたが、その詳細については委員会記録に譲ることといたしまして、その主なものを申し上げます。
議案第74号・令和元年度八代市
一般会計補正予算・第5号中、当委員会関係分についてでありますが、執行部からの説明を聞き、委員から、説明に際し、数字を並べるだけで、パース図などの資料を示し説明するなどの誠意も見られず、内容を理解できないことから反対であるとの意見がある一方、今回の補正の財源については地方交付税と社会教育債で対応するとのことから賛成である。また、設計変更などを行えば文化財の収蔵が1年延びると聞いており、関係団体や市民の皆さんは一日でも早い完成を願われていることからも、今回の補正予算については賛成であるとの意見があっております。
以上、本予算案1件については、慎重に審査しました結果、賛成多数をもって原案のとおり可決してしかるべきものと決した次第であります。
以上、報告を終わります。
○議長(福嶋安徳君) 以上で委員長の報告を終わり、これよりただいまの報告に対する質疑を行います。質疑ありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(福嶋安徳君) なければ、以上で質疑を終わり、これより討論を行います。討論ありませんか。
亀田英雄君。
(亀田英雄君 登壇)
◎亀田英雄君 皆さん、こんにちは。(「こんにちは」と呼ぶ者あり)
本日提案されました議案第74号・令和元年度八代市
一般会計補正予算・第5号について、反対の立場から意見を申し上げます。
まずもって申し上げたいことは、税金を使うことの認識、意識が甘いのではないかということです。これは、市民からの補助金の申請などであったならば、まず通る話ではないと思います。
入札が不落であったので、予算を上げるという話ですが、この件についての責任の所在について確たる話を聞くことはできませんでした。大事な税金を使う話です。時間をかけてでも丁寧に説明し、これ以上、予算をふやすべきではなかったと思います。
10億円以上の予算、厚生会館の取り壊しなどで市民の皆様から多くの声を聞いています。周辺部では、公民館、避難場所の整備もままならない中で、切実な多くの声、要望もいただいています。
祭り関係者の要望を受けて、これまで事業を認めてきた経緯はございます。それでも、これから築こうとするものは市民全ての財産であるはずです。
庁舎建設でも事業費の圧縮を求めてきました。環境センターから大型の建設事業が連続する中で、今回の職員の説明する努力は評価いたしますが、情報も説明も不足しているこの案件について、安易に事業費の増額については認めがたいと申し上げ、反対討論といたします。
○議長(福嶋安徳君) ほかにありませんか。
橋本幸一君。
(橋本幸一君 登壇)
◆橋本幸一君 自由民主党会派和の橋本幸一です。
議案第74号・令和元年度八代市
一般会計補正予算・第5号について、賛成の立場で討論を行います。
伝承館の整備につきましては、平成24年に八代
妙見祭保存振興会が八代妙見祭まつり会館、これは仮称ですが、基本構想を提言され、4年後の平成28年に八代
妙見祭保存振興会、市内の民俗伝統芸能の各保存団体で構成された八代市民俗文化財保存連合会、八代妙見祭笠鉾連合会及びやつしろ
観光ガイド協会の4団体から、
八代民俗伝統芸能伝承館(仮称)の整備方という陳情が行われ、同年6月議会で陳情採択から事業が進み始めたものであると眼中にあります。
その後、設計コンサル選定、基本設計を経て、このほど完成した実施設計をもとに入札に付しましたが、不落となりました。
なお、入札が不落となった原因は、伝承館の屋根の形状が全国に例がない特殊なつくりであり、また、それに付随する工事内容にも特殊な部分があることから、想定以上に金額の差異が生じたものではないかと考えられます。
これを受け、関係職員の皆さんは、早期完成を目指し、大変な努力の末、積算を見直し、今回の補正予算の提案になったと思います。
整備のスケジュールにつきましては、18カ月の工期を見込んでおり、9月議会での契約承認を経て、工事着工した後、令和3年3月末での完成を計画しておられます。
また、基本設計策定時には、市民の利用者や祭礼保存団体、市民団体などとのワークショップを数多く行い、さまざまな意見を聴取し、その意見を反映されておられるということです。
また、伝承館の早期の着工を目指す大きな理由は、笠鉾などの収蔵保管を早く開始するために、建物の構造が鉄筋コンクリートづくりであるため、生コン打設後にコンクリート躯体から笠鉾など貴重な文化財に変色や劣化をもたらすアルカリ性物質の発生が避けられません。県指定文化財でもあり、町内の非常に大事な笠鉾等をお預かりする施設ですので、このアルカリ性物質が影響を及ぼさないよう、博物館施設と同様の対応を行う必要があると考えられるということでございます。
こうした有害物質を取り除くための、いわゆる枯らし期間は2夏必要とされています。令和2年度夏前に収蔵部分のコンクリート打設を終えることによって、令和3年度の秋には収蔵が可能になりますが、おくれた場合は収蔵庫への搬入が令和4年度の秋に大変ずれ込むということになります。
また、笠鉾や衣装などの保管については、本年2月に発生した二之町での火災で、現場付近の笠鉾、蘇鉄の保管庫にも被害が危惧される状況になり、保管庫におさめられず自宅等に保管されていた行列衣装などが損傷した事例もあるということを聞いております。各町内から早期の完成の要望も上がっているとのことです。
さらには、クルーズ船拠点となる八代港に今年度末には、くまモンポート八代が完成するなど、外国人観光客の増加が見込まれる中、インバウンド対策を強化し、その効果を早期に発現できるよう、あわせてクルーズ船の就航は春から初夏にかけてが本格的な時期にあり、この機会を逃さないよう、伝承館の整備も可能な限り早期に完成させる必要があると思います。
そもそも、関係団体が平成28年に陳情を出されたのは、4月の熊本地震の発生や被害の状況から、それぞれの用具や衣装の保管状況に起こり得る次の災害への備えに不安を感じられたことに端を発しております。
同時に、関係団体では、祭りや伝統文化財の保存、継承に対する責任感も強く持たれ、守り、伝え、残すための拠点として、伝承館の整備に大きな期待が寄せられております。
また、この設計の段階では、地震対策はもとより、台風対策として、模型を制作した大学の実験室で過去最大級の台風の風速データをもとに風洞実験を行った結果と聞いております。
それぞれの経過を経て、今回の補正予算の提案であり、当初の予算の積算時のコンサルの情報不足が起因となっているのは明らかでございますが、今はその責任追及ではなく、早く予算を可決して、伝承館の早期完成を目指すのが急務であります。
伝承館の整備については、市総合計画にうたわれている郷土の文化・伝統に親しむまちづくりの主要事業の一つであり、その完成は関係団体や市民が熱望されております。大きく波打つ屋根は、妙見祭の笠鉾や亀蛇、獅子の躍動感をイメージさせる特徴的なもので、市民に夢を与えるとともに、市内民俗文化財の保存と380年続く八代妙見祭が今後も連綿と継承されていくという夢の実現に寄与するものであります。
また、建物の完成と開業が目的ではなく、その後の活用や地域への効果を創出し、持続させていくことが重要であるということは言うまでもありません。
以上のことから、関係団体や市民の声に応えるべく、議案第74号・令和元年度八代市
一般会計補正予算・第5号については、心ある議員の皆様の御賛同をいただくことをお願い申し上げ、原案に対する賛成討論といたします。
終わります。
○議長(福嶋安徳君) 以上で討論を終わり、これより採決いたします。
議案第74号・令和元年度八代市
一般会計補正予算・第5号については、委員長の報告どおり、すなわち原案のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
(賛成者 起立)
○議長(福嶋安徳君) 起立多数、よって本件は原案のとおり可決されました。
なお、補正予算番号を改めたことにより生ずる数字等の整理については、会議規則第43条の規定により議長に委任されたいが、これに御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(福嶋安徳君) 御異議なしと認め、そのように決しました。
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○議長(福嶋安徳君) 日程第1から日程第24までの24件の議事を再開いたします。
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○議長(福嶋安徳君) お諮りいたします。
本日の議事はこの程度にとどめ、延会といたしたいが、これに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(福嶋安徳君) 御異議なしと認め、そのように決しました。
なお、次の会議は明18日定刻に開き、質疑並びに一般質問を続行いたします。
○議長(福嶋安徳君) 本日は、これにて延会いたします。
(午後5時40分 延会)...