今日は、いつもの鳥獣対策、イノシシの質問はしないのかと言われそうですが、前回までに3度の一般質問で幾つもの要望を行ったことで、
狩猟免許費用の補助や箱わなの貸出し、
有害鳥獣捕獲報奨金の増額など、あらゆる面での待遇改善を行っていただきました。この場をお借りして、お礼申し上げます。
このようなことから、本日は、鳥獣対策以外の市政や地域の課題を中心に、御支援いただいている皆様の声を交えながら質問させていただきます。
本日も予定どおり緊張しておりますが、精いっぱい頑張っていきますので、温かく見守っていただくことをお願い申し上げ、早速ではありますが、質問通告に沿って一般質問に入りたいと思います。
まず、1問目でございます。
森林環境譲与税の活用についてでございます。
森林環境税、
森林環境譲与税を御存じでしょうか。
地球温暖化防止のための
森林吸収源対策に関する財源の確保について、長期間にわたり政府での検討や関係者による働きかけが続けられ、2015年の
地球温暖化防止に向けた新たな国際枠組みであるパリ協定の採択や、昨今の山地災害の激甚化等による国民の森林への期待の高まりを受け、2019年に
森林環境譲与税が創設されました。
ちょうど私が
市議会議員になった直後に創設されたため、令和元年第3回定例会で初登壇した際に、本市に配分された初年度予算4,200万円の
森林環境譲与税の使用用途について質問させていただいたところ、立田山の遊歩道の整備、林業の人材育成などに活用していくとの答弁をいただきました。
そのような中、今年3月、
森林環境税 とっても余る?との新聞記事がありました。2019年、2020年の2年間に各市町村へ総額500億円が配られておりますが、実際使われたのは228億円、全体の54%が使い残しとなり、基金に積み立てられているとのことでした。
地球温暖化防止のための
森林吸収源対策に関する財源の確保が必要だと取り組んだ割には、各市町村の体制が手薄で使い道が見つけられない、お金の使い道が木材利用などに限られているなど、残念な言い訳が並んでおりました。
今後の計画では、2024年には、皆様の収入から
森林環境税として約6,000万人を対象に1人当たり年間1,000円徴収することになっており、現在の状況であれば減額徴収すべきと考えますが、皆さん、いかがでしょうか。
そこで、お尋ねいたします。
2019年、2020年度に配られた
森林環境譲与税の熊本県及び熊本市の使用状況を教えてください。
森林環境譲与税の本市の具体的な活用事例について教えてください。
以上2点につきまして、農水局長、御答弁をお願いします。
〔
大塚裕一農水局長 登壇〕
◎大塚裕一 農水局長 お答えします。
まず、熊本県における
森林環境譲与税の使用状況は、2019年度の譲与額約1億900万円に対し、事業化額は約8,500万円で事業化率は78%であります。2020年度は、譲与額約1億6,300万円に対し、事業化額は約9,400万円で事業化率は58%と聞いています。
また、本市の使用状況ですが、2019年度の譲与額約4,200万円に対し、事業化額は約3,600万円で事業化率は86%であります。2020年度は、譲与税の配分が追加されたため、譲与額約9,000万円に対し、事業化額は約6,400万円で事業化率は71%となっています。
本市においては、決算に伴う執行残等をいっとき、基金に積み立てた後、翌年度の
森林整備事業の財源に充当して活用しています。
次に、本市の具体的な活用事例についてお答えします。
これまでに本市では、税の目的である森林整備の促進をするため、主に
森林所有者に対する森林の管理についての意向調査や、間伐等の整備の必要性を調べる民有林の
現地調査等に活用しています。
また、意向調査や現地調査の結果、間伐等の整備が必要と判断した民有林については、
森林所有者の同意を取得し、市が所有者に代わって間伐等の施業を実施することとしており、令和3年度は、民有林約4ヘクタールの間伐を実施いたしました。そのほか、令和4年春に開催しました
全国都市緑化くまもとフェアのメイン会場の1つであります立田山や、
パートナー会場であります雁回山の
遊歩道整備等にも活用しております。
〔6番
島津哲也議員 登壇〕
◆島津哲也 議員 熊本県、熊本市とも2019年度は8割程度、2020年度は6割〜7割程度の活用でしたが、積立てしていた基金は、今年開催された
全国都市緑化くまもとフェアで活用されたことは、とても有効的だったと感じます。今後も本市の公園山道の整備など、新たな場所はたくさんありますので、ぜひ調査をどんどん行っていただき、整備に取り組んでいただきたいと思います。
本市の取組はある程度順調に推移しているということでしたが、熊本県内の各市町村の使用状況はいかがでしょうか。熊本市内よりも、その他の市町村が公園の山道の整備や林業の人材育成など、より多くの活用ができそうだと考えますが、いかがでしょうか。
そこで、お尋ねいたします。
本市以外の市町村の使用状況を教えてください。もしもうまく活用できていない市町村がある場合、熊本県の
リーダー都市としての取組などがあれば教えてください。
以上2点を農水局長、御答弁をお願いします。
〔
大塚裕一農水局長 登壇〕
◎大塚裕一 農水局長 お答えします。
本市以外の市町村の使用状況について、熊本県から提供していただいた情報を基に本市で試算いたしました。その結果、本市を除く県内市町村の使用状況は、2019年度の譲与額約3億9,000万円に対し、事業化額は約1億8,000万円で事業化率は46%でありました。2020年度は譲与額約8億4,000万円に対し、事業化額は約3億円で事業化率は36%となっています。
県内他市町村では、本市と同様に森林整備を促進するための
森林所有者への意向調査や現地調査のほか、
森林作業道等の開設や担い手対策、
木造公共建築物の整備等に活用されています。一方、一部の市町村では、職員や林業の担い手が不足している等の理由から必要な森林整備に着手できず、
森林環境譲与税が十分活用できていない状況が見られると県から聞いております。
本市のこれまでの森林整備の取組については、国が作成した
森林環境譲与税の取組事例集に掲載されております。また、この制度が開始された早い時期から
民有林整備を実施した実績は、県内の先行事例として一定の評価を得ているものと考えております。
今後も他都市の
優良事例等を参考にしながら、さらなる森林整備の推進をはじめ、
森林環境譲与税の活用に努めるとともに、県等と連携し本市の取組を紹介するなど、他の市町村の
森林環境譲与税の活用に寄与する取組を実施してまいる考えです。
〔6番
島津哲也議員 登壇〕
◆島津哲也 議員 確かに新しく創設されたばかりですし、職員や林業の担い手が不足しているので必要な森林整備に着手できておらず、
森林環境譲与税が活用できていない状況は仕方がないかもしれません。
しかし、2024年からは、今後必要だから
森林環境税として徴収することになっておりますし、徴収するからには、
地球温暖化防止のための
森林吸収源対策に関する財源としてしっかり活用いただきたいと思います。
税金とは、徴収してから使用用途を考えるのではなく、使用目的を決めてから税金として徴収するものだと認識しております。そのようなことをしっかり考えていただき、今後大切な税金を活用いただくことをお願いしまして、次の質問に移りたいと思います。
2問目は、
自転車利用のマナー、安全対策についてでございます。
気軽にちょっとそこまで行けるのは、やはり自転車ではないでしょうか。私は、どこに行くにも自転車で会社への通勤や子供たちの部活動の応援などに多く利用しておりました。ここ最近は、行動範囲が広がったことにより自動車での移動が多くなりました。地域活動をしていますと、非常に狭い道を通ることが多く、安全速度を心がけながら、離合するためにできる限り左側に寄せて、自転車と接触しないように注意し走行しています。
しかし、そのようなときに、前方から来る自転車が、本来なら左側走行なので左側によけられると安心するのですが、逆によけられることも多く、とても危険です。学生だけではなく、小さな子供や高齢者の方も安全確認が不十分で、突然飛び出してこられるケースも少なくありません。
自転車事故でも、小学校の児童が女性をはねて、被害者が寝たきり状態になられ、多額の保険対応になっているニュースも報道されていました。気軽にちょっとそこまで行ける自転車も、一歩間違えば加害者となり、人生を大きく変えることになります。そのような加害者を増やさないためには、就学前から自転車の安全な運転技術を高める必要があると考えます。
以前は、
小学校中学年になると自転車の安全教室があり、自分たちの自転車を持っていき、学校のグラウンドで自転車の乗り方を教えてもらった上で公道に出ていった思い出があります。
ここ最近の状況が分からなかったので、知り合いにお聞きしたところ、安全教室はあり、資料と映像を活用して体育館などで集合研修を開催されていましたが、最近は
新型コロナウイルス感染症の影響により、
ユーチューブなどでの研修を開催しているとのことでした。
研修方法はそれぞれですが、実際乗車することで、なぜこうしないと危ないのか理解できると考えるのは私だけでしょうか。大阪府では、
自転車事故が多いということで
自転車実技教室が開催されているというニュースが報道されていましたが、本市では実技教室を開催するなどの計画はありませんか。
文化市民局長、御答弁をお願いします。
〔
横田健一文化市民局長 登壇〕
◎横田健一
文化市民局長 本市が実施しています
小学校中学年を対象としました
自転車教室につきましては、現在、
新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、
ユーチューブを活用した動画による教室を実施しているところでございます。
実技を加えた教室は、
自転車利用者として必要な技能と知識の習得だけでなく、危険を予測し、安全に通行する能力を高めるためにも重要なことと認識いたしております。
今後は、
新型コロナウイルス感染症の感染状況を注視しながら、動画による教室と併せまして、安全を意識した
自転車運転を体験させることで児童が危険に対する気づきを得ることができるよう、工夫を凝らし効果的な教室となるよう検討してまいります。
〔6番
島津哲也議員 登壇〕
◆島津哲也 議員 コロナ禍でもあり、なかなか集合しての実技研修は難しいとは思いますが、実技体験や行動事例による
グループディスカッションなど、みんなで体験し考える学習も大切だと考えますので、今後の取組に生かしていただきたいと思います。
知識や技術を向上させたら大丈夫ということではありません。交通事故は相手の行動があってこそ発生するものです。万が一のことを考えると、自動車と同じく保険加入が必要不可欠です。先ほどお話しした小学生の児童が女性をはねて、被害者が寝たきり状態になられ、多額の補償問題になったケースも、保険加入がなければほとんどの方が対応することはできません。
5月10日の新聞記事に、
自転車保険の認知度、
熊本全国トップ 加入率も急上昇4位と掲載されていました。昨年10月、熊本県は、保険加入を条例改正で義務化しました。150万円の予算を組んで啓発運動をされたことにより、ある一定の成果が出たと記載がされておりました。非常によい取組だなと感じました。
そこで、本市の状況についてお尋ねいたします。
本市の保険の加入率はどれぐらいなのか、教えてください。昨年から本市と県で連携した取組、また、今後のさらなる加入促進に向けた取組などがありましたら、教えてください。
都市建設局長、御答弁をお願いします。
〔
井芹和哉都市建設局長 登壇〕
◎井芹和哉
都市建設局長 本市の
保険加入率と加入促進に向けた取組についてお答えいたします。
本市の
自転車保険加入率は、昨年度実施いたしました第7次
総合計画市民アンケートにおきまして、日常的に自転車を利用すると回答された582人中、69.1%の方が
自転車保険に加入していると回答されており、前年度と比べて8.1%上昇いたしております。
次に、熊本県と連携した取組といたしましては、これまでテレビやSNS、ホームページ、市政だより等による周知をはじめ、ポスターやチラシを市有施設や駐輪場、
自転車販売店等に配布、掲示し、さらには中学校、高校を通じた保護者への啓発等を行っております。
今年度はこれらに加え、本市と
包括連携協定を結んでいただいておりますコンビニエンスストアと連携した周知活動や
PRイベントの企画、
SNS発信用のPR動画や、街頭啓発用ののぼりの作製、さらには
新型コロナウイルス感染症の影響で動画により実施しております児童・生徒を対象にした安全教室につきましても、状況を見ながら再開することとしておりまして、今後もより広く市民の皆様に伝わるよう工夫を重ねながら、
自転車保険への加入促進に取り組んでまいります。
〔6番
島津哲也議員 登壇〕
◆島津哲也 議員 本市のみでも
自転車保険の加入率が増加していること、また、加入促進の広報活動にも十二分に取り組んでいただいているということは、非常にうれしく思っております。今後もさらに加入率が向上していくように願っております。
交通事故時の被害者は、やはり歩行者や自転車が多いのですが、死亡率で見てみると自転車が非常に高いです。2010年前半は10%台で減少傾向でしたが、2019年には21.1%、2020年は21.9%と連続して増加傾向になっております。そして、死亡されているほとんどの方が
ヘルメット未着用とのことでした。
前回の定例会でも、市の職員の方へ
自転車運転時の
ヘルメット着用が提案されておりましたが、
ヘルメットの着用はどこまで推奨されるのでしょうか。小学生や中学生は
自転車運転時に
ヘルメットを着用しているのは見かけますが、高校生になりますと着用されている方はほとんど見ませんし、社会人の方は、マウンテンバイクや
ロードバイクの運転時は着用されているのを見かけますが、その他の自転車の方はほとんど未着用です。
また、最近の学生に多いのが、
自転車運転時の
イヤホン利用です。
スマートフォンでダウンロードした音楽を
ブルートゥース接続で聞いている方も非常に多くなりました。片耳だから大丈夫だろうと思っていましたが、集中力が薄れ、他の歩行者や自転車に気づかれないこともよく見かけます。その中でも危険性が最も高いのは、
スマートフォンを操作しながらの
自転車運転です。初めの頃は器用だなと感心しておりましたが、最近はそこまでやるのかと、見ている方がどきどきしております。緊急であれば自転車を降り、落ち着いて対応すべきだと思いますが、皆さんの考えはいかがでしょうか。
さきにお話しした
ヘルメットや
イヤホン利用は、なかなか条例などで義務化するのは難しいと思いますが、あらゆる面での努力取組、また、注意喚起は必要だと考えます。特に
自転車運転の
スマートフォン操作は絶対やめさせるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
そこで、お尋ねいたします。
これまで述べてまいりました
交通安全マナー及び安全対策について、大西市長の思いや考えをお願いします。
また、
交通安全マナー及び安全対策についての本市の取組、今後の新たな取組等がありましたら、教えてください。
都市建設局長、御答弁をお願いします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本市の
自転車運転中の交通事故は、近年減少傾向にはありますものの、一時不停止など、自転車の法令違反が認められる事故が約4割と高い割合となっております。
実は、私も中学生の頃、友人と自転車で走行中に接触、転倒いたしまして、頭を打って救急車で病院に運ばれ、入院したという経験がございます。幸い大事には至らなかったんですけれども、このような経験から、かねてより
スマートフォンの操作、あるいは無灯火走行の自転車等を見るたびに、大変危険性を感じておりまして、自転車も車両として運転している意識を持つことが必要であると痛感しておりました。
そこで、3月に条例を改正いたしまして、
交通ルールの遵守やマナーの向上に加え、
自転車保険の加入義務や
ヘルメット着用に関する規定を設け、熊本県警察や
関係機関等と連携いたしまして、安全対策の強化を図っていくこととしております。
自転車は、環境に優しく手軽な交通手段でありまして、近年の健康志向や環境意識の高まり、
新型コロナウイルス感染症の影響による行動変容などによりまして、さらに利用ニーズが高まっております。
このような環境の変化を踏まえまして、昨年3月に策定いたしました
自転車活用推進計画では、企業と連携した自転車通勤の促進や、
シェアサイクル実証実験等、環境負荷の低減や健康増進にもつながる取組を推進することとしておりまして、安全対策や利用環境の整備と併せまして、自転車の魅力も発信していくことで、誰もが安全で、快適に自転車を利用できるまちづくりの実現を目指してまいりたいと考えております。
〔
井芹和哉都市建設局長 登壇〕
◎井芹和哉
都市建設局長 交通安全マナー及び安全対策についての本市の取組についてお答えいたします。
自転車の
交通マナーや安全対策につきましては、これまでも
文化市民局や
教育委員会と連携して、
交通事故防止に向けた街頭での安全指導や押しチャリの啓発を進めますとともに、児童・生徒に向けて、自転車の安全利用に関する動画を配信するなど安全教育に努めてまいりました。
本年度はこれらに加えまして、新たに熊本県警察と連携いたしまして、砂取小学校を
自転車安全モデル校として指定し、自転車に関する総合学習の中で、子供目線による
ヒヤリハット地図の作成に取り組んでおります。また、10月からの改正条例の施行に先駆けまして、
ヘルメット着用促進の取組として、企業や市民の皆様からモニターを募集したところでございまして、そのモニターの皆様から、着用に向けた課題や
アイデア等を伺うことにいたしております。
さらには、SNS等での情報発信に向けた動画の制作や
PRイベントの開催、再開を予定しております安全教室では、児童たちが体験しながら学習できる内容とするなど、引き続き、
交通ルールの遵守や
マナー向上、安全対策の強化に取り組んでまいります。
〔6番
島津哲也議員 登壇〕
◆島津哲也 議員
大西市長自身の体験を交えて御答弁いただき、自転車の
運転マナーや安全対策に対する熱い気持ちが伝わってまいりました。また、本市の安全意識の向上に向けたいろいろな取組に御尽力いただいていることを知り、今後の交通事故の減少や
マナー向上につながってほしいと思ったところです。
今年4月からサービス開始されましたシェアサイクルチャリチャリも、利用者が徐々に増えてきており、利用しやすいとの意見も聞こえてきております。たくさんの市民の皆様が気軽に安全にマナーを守って自転車を利用していただくために、今後も安全第一で取り組んでいただくことをお願いしまして、次の質問に移ります。
次は、公文書の
保管等検討についてでございます。
私
たち市民連合は、各
常任委員会へ1名から2名ずつ出席しており、それぞれの委員会の内容は情報共有をしております。いろいろな委員会での取組について確認しておりましたら、令和4年第1回定例会の
総務委員会で、公文書の
保管等検討支援経費についての文書がありました。
文書を読んでみると、公文書の適切な保管等の在り方検討に係る経費ということで690万円計上されており、現在、約8万箱の文書保存箱が本庁舎や各区役所、出先機関などの様々な場所に保管されているものを、熊本市
公文書管理条例に基づき、
集中管理推進に努め、
特定歴史公文書については、適切な保存及び利用を行うために必要な場所に保管しなければならないとの内容でした。
私も以前、企業で働いているときに資料の保管や整備の業務に携わったことがありますが、ただ整理整頓するだけでなく、後で資料を確認する場合のために検索しやすくしておくことも大事であると考えます。
また、収納場所やスペースも新たに費用を投入すれば簡単に決まるのですが、行政も民間も同じ考えで、できるだけコストをかけずに効率的に収納場所やスペースをつくり出すことが重要だと考えます。できれば、本市で所有する施設で現在使っていない施設を有効活用することを優先に考えていただきたいと思います。
そこで、お尋ねいたします。
具体的な取組などは今から検討されていくと思いますが、現時点での検討状況を教えてください。また、今回の検討を行っていく中で重要視されていることがありましたら、教えてください。
総務局長、御答弁をお願いします。
〔
宮崎裕章総務局長 登壇〕
◎宮崎裕章 総務局長 公文書は、本市の諸活動及び歴史的事実を記録した市民共有の知的資源として、市民の皆様方が主体的に利用し得るものであるということから、適切な環境の下で保存され、十分に利活用されることが重要であると考えております。
このため、熊本市
公文書等管理委員会へ公文書の集中管理や
特定歴史公文書の適切な保存及び市民利用の在り方などについて諮問したところであり、加えまして、公文書の保存、利用に必要な条件整理や
コスト比較等についても調査をしているところでございます。
今後、答申や調査結果を踏まえまして、
特定歴史公文書をはじめ、全ての公文書を適切に保存できる環境整備やデジタル技術を活用した電子化を推進し、市民の皆様の利便性の向上を図ってまいります。
〔6番
島津哲也議員 登壇〕
◆島津哲也 議員 答弁でもありましたとおり、公文書は市民共有の知的財産、知的資源であり、集中管理や適切な保存及び市民利用の在り方など検討されることは、よく理解しております。
今後も
総務委員会でもあらゆる面で十分検討されていくと思いますが、もしも条件に合致するものがあれば、現在使っていない本市施設を有効活用することを優先的に考えていただくこと、また、他都市の好事例等がありましたら参考に進めていただくことをお願いしまして、次の質問に移りたいと思います。
次は、安全な歩道整備についてでございます。
歩道とは、小さい子供から高齢者、全ての方が安全に通行できる道路だと認識しております。私も以前からダイエットの一環でウオーキングに取り組んでいることもあり、熊本地震以降は、歩道の危険箇所など定期的に確認し、土木センターへ改善のお願いをしているところでございます。特に子供たちの通学路は、他の箇所よりも優先的に対応いただくなど、非常に感謝しているところでございます。
そのような中、私の活動拠点である西区上高橋から高橋稲荷神社に渡る橋があります。正式名称は、高橋稲荷大橋、地域の皆さんは、赤橋と呼んでいます。高橋稲荷神社のすぐ近くにあり、昔から地域のシンボル的な橋で外観もおしゃれで、4月初旬〜5月の連休の間は、川の上にたくさんのこいのぼりを泳がせるのが恒例行事となっております。
しかし、その橋の歩道幅は75センチメートルと狭く、また、車道との段差が30センチメートルほどあります。地域の方から危ないという声を多数いただいたので、私も朝から状況確認に行きました。朝は、小学生、中学生、高校生の通学路であり、歩行者や自転車の通行量が多く、それに加えて自動車の通行量も非常に多いです。現在はバス道路になっており、大型トラックも結構多く通行しています。
小学生と中学生が擦れ違うことも多く、狭い歩道を気をつけて離合していました。自動車がいないときは、どちらかが車道に下りればいいのですが、低学年の子供や高齢者には段差が高いこともあり、危険性は高いと感じました。
現在、熊本西環状道路の工事を行っており池上インターができる予定ですが、完成したら、さらに交通量が増加すると予想されます。おしゃれな橋の外観を保つことも大事ですが、歩行者が安全に通行できることが一番大事だと考えます。
そこで、お尋ねいたします。
以前から数回陳情書も提出していると聞いておりますが、今後の道路整備について計画がありましたら、教えてください。
都市建設局長、御答弁をお願いします。
〔
井芹和哉都市建設局長 登壇〕
◎井芹和哉
都市建設局長 議員御指摘の市道上高橋町今町第1号線は、高橋校区の主要な通学路であり、また近隣の中学、高校への通学など多くの方に利用されておりますが、高橋稲荷大橋は歩道幅が十分でないことから、歩行者の安全確保が必要な路線の1つでございます。
そこで、令和元年度の道路整備プログラムの見直しの中で、整備の必要性を評価し、おおむね10年以内に事業に着手する路線として位置づけており、着手に当たりましては、工法も含め幅広く検討を進めてまいります。
〔6番
島津哲也議員 登壇〕
◆島津哲也 議員 令和元年度の道路整備プログラムの見直しの中で、おおむね10年以内に事業着手されるとの御答弁でしたが、陳情や相談している地域の住民の皆さんは、全く御存じではありませんでしたので、今回の答弁の内容を伝えたいと思います。
しかし、先ほど説明したとおり、交通量や道路状況は刻々と変化しております。新しい道路ができると、さらに周りの道路も含めて交通量や道路状況は変化していきます。熊本市内全域で対応していただいているので何かと大変かと思いますが、どのような状況なのか、できれば一度御確認いただくとありがたいです。対応の方をよろしくお願い申し上げます。
それでは、最後の質問に移りたいと思います。
最後は、教職員の職場環境改善についてでございます。
2013年、経済協力開発機構の国際教員指導環境調査で、参加国34か国のうち日本は教職員の勤務時間が最長で、かつ授業時間が短く、学業以外の事務、会議、部活動などの時間が長いことから、問題が複雑化、多様化する現状と、教職員の長時間勤務が課題となる日本の学校における、新しい時代の教育に向けた持続的な学校指導、運営体制の構築のための働き方改革が始まったと記載されていました。
その後、本市の
教育委員会でも様々な職場環境の調査やヒアリングを行い、改善に向けて取組を行ってこられたとお聞きしております。中でも、昨年度から、第2期学校改革!教職員の時間創造プログラムを策定し、教職員の働きやすい環境づくりを行っていくことで、減少している教職員になりたいとの学生を増やしていく活動も行っておられます。
しかし、現場からは、思うような勤務時間になっていない、取りたいときに休暇が取得できない、などの声が聞こえております。いろいろな取組をしているにもかかわらず、なぜまだ同じ声が聞こえてくるのかが疑問です。また、教職員への成り手不足に加え、教職員になったはいいが、続けることが難しく離職される方や、教職員になったが、頑張り過ぎて心の病になられた方の話を聞くことも少なくありません。
そこで、お尋ねいたします。
本市の教職員の離職率はどのような状況でしょうか。いろいろな理由があると思いますが、分類別に分かれば教えてください。また、心の病になられている方の数値などが分かりましたら教えてください。また、教職員の離職率や休職者の状況を踏まえ、
教育委員会の取組状況を教えてください。
以上3点につきまして、教育長、御答弁をお願いします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 教職員の職場環境改善について、3点お答えいたします。
まず、教職員の離職率ですが、令和3年度、自己都合で退職した教職員は19人で、全職員の0.5%に当たります。ここ数年、若年層の退職が増加しており、主な理由は、民間への転職や結婚、病気などとなっております。
次に、令和3年度、精神疾患を理由として休職した教職員は24人で、全職員の0.7%に当たります。政令指定都市移行後、20人前後で横ばいで推移しております。
離職者を増やさないための対応としては、今後、職場環境が原因で退職に至った経緯を詳細に分析した上で、働き方改革の取組の追加や、校内の支援体制の改善に向けた検討などを行ってまいります。
結婚や子育てを理由とした退職者には、今後の採用
試験において、教職経験者の優遇措置を設けるなど、復帰しやすい環境整備にも取り組んでまいります。
また、精神疾患による休職者を増やさないための対応として、産業医や学校管理職と連携しながら日頃の健康管理に努めるとともに、精神科医師や臨床心理士による学校問題対応相談事業の活用を積極的に勧めるなど、重症化予防に努めてまいります。
〔6番
島津哲也議員 登壇〕
◆島津哲也 議員 数値で聞きますと、そこまで多くは感じられませんが、若年層の退職者が増えているのが少々気になります。しかし、離職者・休職者に対して
教育委員会が改善に向けての取組をされているというのをお聞きして、少し安心しました。結婚や出産を理由に退職された方への復職の優遇措置などが実現すれば、非常にいいなと思いますので、ぜひとも実現いただきたいと思っております。
児童や生徒の数も極端に増加しているわけではありませんが、教職員の抱える業務量は減少していないように感じますし、保護者の方からは、先生たちに余裕が感じられず、相談ができないなどの意見もお聞きしております。今後、40名学級から35名学級へ変更された場合、教職員が明らかに足りない状況になってきます。そのため教職員の不足が続くと、教育現場や子供たちへの影響も大きくなると懸念されます。
今後、どのようにして教職員の成り手を増やしていくのかは全国共通の課題でもあり、本市としても早急に取り組んでいくしかありません。現在、本市で実行している現場の状況の確認などの取組、また、今後計画されている取組がございましたら教えてください。
教育長、御答弁をお願いします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 学校改革!教職員の時間創造プログラムに基づく働き方改革の取組により、令和3年度の時間外の在校等時間は、取組前と比べて約2割削減されております。
今後は、部活動改革や年休付与の時期の見直しなどを実施し、教員を目指す方にとっても魅力的な職場となるよう、環境改善を進めてまいります。また、今年度の採用
試験において、全国から優秀な人材を確保するため、7月に実施する一次
試験を、熊本市のほか大阪市でも実施するなどの改善を図りました。その結果、志願者は7年ぶりに増加いたしました。
今後は、現役の教員が出演するプロモーション動画を作成し、教員のやりがいを全国に発信していくほか、大学と協議し、入学後の早い時期から本市の学校現場を経験する仕組みをつくるなど、将来の成り手を安定的に確保する取組も進めてまいります。
〔6番
島津哲也議員 登壇〕
◆島津哲也 議員 採用
試験の新たな工夫やプロモーション動画による教員のやりがいを全国に発信するなどの取組、また、教職員の
試験の志願者が7年ぶりに増加したということは、とてもうれしく思っております。教職員の時間創造プログラムでの働き方改革、また、部活動改革や魅力的な職場環境改善に取り組まれるとお聞きしていますので、引き続き現場の声を十分反映していただき、さらなる職場改善に努めていただきたいと思います。
これで、私が準備しました質問は全て終わりました。
丁寧に御答弁いただきました大西市長はじめ執行部の皆様、質問準備に当たり御協力いただきました議会局の皆様、誠にありがとうございました。また、平日の午前中にもかかわらず、傍聴に来ていただきました皆様、インターネット中継で御覧いただいた皆様、長時間お付き合いいただき、誠にありがとうございました。
今後も皆様のお役に立ち、身近に感じていただけるような議員になれるよう、地域の皆様との会話を大切に、皆様からいただく小さな声を市政に届けてまいりますので、引き続いての御支援をよろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。(拍手)
────────────────────────────
○園川良二 副議長 この際、議事の都合により休憩いたします。
午前11時15分に再開いたします。
午前11時07分 休憩
───────────
午前11時15分 再開
○園川良二 副議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
────────────────────────────
○園川良二 副議長 一般質問を続行いたします。
高本一臣議員の発言を許します。高本一臣議員。
〔21番 高本一臣議員 登壇 拍手〕
◆高本一臣 議員 皆様、こんにちは。熊本自由民主党市議団の高本一臣です。
やはりこの台に立つと、緊張はいささかするものであります。本日は、この質問の機会を与えていただき、また、先ほど出発式でエールをいただいた我が会派の議員、それから同僚の議員、そして御多用中にもかかわらず駆けつけていただきました傍聴者の皆様方、さらにはインターネット中継で御覧になられている数万人、いや数百人、いや数十人の支援者の皆様に感謝を申し上げ、早速質問に入らせていただきます。
前回は項目が多かったので、かなりはしょって、当時の原口議長に3秒前に注意をいただきながら、ばたばたした質問でしたので、今回、余裕を持って質問をさせていただきたいと思います。
それでは、1番目、第4回アジア・太平洋水サミットについてお尋ねいたします。
先日の荒川議員の質問にもありましたけれども、私は、その会議で採択されました熊本宣言についてお尋ねいたします。
新型コロナウイルスの影響により延期されていた、第4回アジア・太平洋水サミットが4月に行われました。対象49か国のうち30か国の首脳・閣僚らが対面やオンライン、ビデオメッセージで参加され、サミット開催期間が僅か2日間だったとはいえ、各国の首脳級を迎えての国際会議が開催されたことは、本市にとりまして、地下水保全の取組を、アジアはもとより、世界に発信する絶好の機会となりました。また、成功のうちに終了したことは、本市の大きな自信ともなりました。
今回の会議では、熊本宣言が採択されました。
熊本宣言は、
新型コロナウイルス感染症により広がる被害の中で、水の重要性と意義を改めて認識し、コロナ禍からの回復において、水分野が重要な役割を果たすことを確認。また、気候変動により深刻化し続ける地球環境の中において、健全な水循環を取り戻すことは、災害に備え多角的なSDGsの達成をしていかなければならないことから、水と衛生へのアクセス強化など、質の高い社会への変革が必要と認識。その実現に向けて、ガバナンスを整える、資金ギャップを埋める、科学技術の提供を強く望む、この3つの分野の取組を加速させることが示されました。
熊本宣言の採択は、アジア諸国だけではなく、世界の水問題解決に向けた我が国の強い決意を感じたところであり、非常に大きな意義があります。
御存じのとおり、熊本市は市民74万人の水道水を全て地下水で賄う、世界でもまれな地下水都市であります。今日まで豊かな自然と先人の知恵により恩恵を受けている一方で、都市化が進むことで、農地の涵養地域は年々減少しており、水質の悪化等も懸念されています。
この熊本宣言を本市で発信したことにより、これからの水問題に対する熊本市の取組は、さらに注目されることと思いますが、今回の成果を後世へ継ぐためにも、今後どのようなことに取り組み、どう考えておられるのか、大西市長にお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 第4回アジア・太平洋水サミットは、本市初となる首脳・閣僚級が参加する国際会議であり、コロナ禍の中、無事開催できましたことは、議員各位をはじめ多くの皆様の御支援、御協力のたまものであり、改めてお礼申し上げます。
サミットでは、アジア太平洋地域の水問題の解決に向けた熊本宣言が採択され、これらの実現を加速させるため、岸田総理が熊本水イニシアチブを表明されたことは大きな意義がございまして、一方で、開催地としての責任の重さも感じているところです。
また、シンポジウムや展示会に多くの市民や事業者の皆様にも御参加いただきましたことは、水に関する課題を改めて考えますとともに、パートナーシップをさらに深める契機となり、とりわけ高校生などの若い世代の活動には、目をみはるものがございました。
こうしたサミットの成果を一過性のものとせず、レガシーとして後世につなげていくことが非常に重要と考えております。そのため、市民、事業者、行政が長年にわたり市域を超えて連携してきました地下水保全の取組を国内外に強力に発信いたしますとともに、特に高い評価を受けました若い世代の活動をさらに発展させるため、地下水保全活動を世代から世代へと受け継ぐ仕組みづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
今後も開催都市として、また、SDGs未来都市として、国内外の水に関する課題解決に寄与するとともに、豊かな地下水を次世代に継承し、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現を目指してまいりたいと考えております。
〔21番 高本一臣議員 登壇〕
◆高本一臣 議員 開催の2日間を振り返ってみますと、天皇陛下の記念講演では、神話を交えながら、水への信仰がアジア地域に広がっていった過程を説明されるなど、その研究の深さに感銘を受けました。
また、市長の答弁にもありましたが、岸田総理の熊本水イニシアチブの表明では、新しい資本主義に基づく質の高いインフラ整備への積極的な貢献として、今後5年間で約5,000億円の支援を実施するなど、具体的な数字が示されたところであります。
我々は近年、九州北部豪雨、熊本地震、人吉球磨地方の豪雨を通じて、水のありがたさと同時に、水による脅威を経験しています。だからこそ、水と共に生きることにしっかりと向き合っていかなければならないと考えます。豊富で質の高い地下水を次世代に継承し、持続可能な社会の実現を目指す今後の本市の取組に期待いたします。
また、開催に当たり御尽力いただきました関係者並びに職員の皆様の御労苦に改めて感謝申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
2番目、「令和の黒船」TSMCの進出についてお尋ねいたします。
1点目、プロジェクトチームの進捗状況と県・近隣市町村との連携についてお尋ねいたします。
昨年12月、私の一般質問において、TSMCの熊本への進出は千載一遇の好機であることから、人材の確保をはじめ、道路、住宅、教育など進出環境の整備や関連企業の誘致について、本市といたしましても、庁内横断的なプロジェクトの設置を検討しておりますと、市長から答弁をいただいております。
あれから半年経過している現在、当然のことながらTSMCの進出に対する準備については、積極的に取り組まれていることと存じます。しかし、その取組については、今年度の関連予算が1億3,200万円計上されている程度の情報しか我々には伝わってこず、その内容、構成員、進捗状況については、一体どのような形で進んでいるのか、全く見えてこないのが非常に気がかりであります。
先ほども述べましたように、プロジェクトチーム設置の検討から6か月が経過しようとしていますが、取り組む内容によってはスピード感を持って進めなければいけない事業もあると認識いたします。果たしてプロジェクトチームはどのような形で、どの程度進捗しているのか、お尋ねいたします。
また、熊本を選ばれた期待に応えるために受入れ体制を整えるのは、必須条件であります。そのために、県・近隣市町村との連携は重要だと捉えますが、協議の状況についても併せてお尋ねいたします。
経済観光局長、お答えください。
〔田上聖子経済観光局長 登壇〕
◎田上聖子 経済観光局長 プロジェクトチームの進捗状況についてお答えいたします。
TSMCの進出計画を受け、課題に応じて、戦略的な土地利用検証、人材確保・育成、国際交流・広報、交通課題対策、住環境対策の5つのプロジェクトチームを設置しており、情報収集を行いながら短期・中期・長期のそれぞれの段階に応じて、取り組むべき施策の検討を行っているところでございます。
例えば、戦略的な土地利用検証プロジェクトチームにおいては、経済、都市、農業の政策関連部署を構成員として、半導体産業の集積に向けた事業用地確保の取組を進めております。具体的には、他都市先進事例の調査や民間開発業者との意見交換、土地利用上の課題等への対応について整理、検討を行っております。
また、人材確保・育成プロジェクトチームでは、経済や教育の政策関連部署を構成員として、企業が求める人材像の把握や人材確保事業を実施いたしますとともに、将来を見据えた人材育成のため、大学や高等専門学校と連携したキャリア教育の推進について検討を行っているところでございます。
次に、県・近隣市町村との連携についてでございますが、各自治体と施策の進捗状況や、それぞれが保有する情報について共有するとともに、熊本連携中枢都市圏の市町村と協力してオンライン合同就職説明会を実施するなど、具体的な取組を始めております。加えて、本年3月に国が設置した九州半導体人材育成等コンソーシアムや、熊本県半導体人材育成会議への参加を通じて、国や各自治体、企業、教育機関等と幅広い情報交換を行い、共同で実施できる取組等についても協議を開始いたしましたところでございます。
今後も関係機関と連携を図りながら、今回の進出を将来のまちづくりを見据えた好機と捉え、スピード感を持って取り組んでまいります。
〔21番 高本一臣議員 登壇〕
◆高本一臣 議員 ただいまの局長の答弁を伺って、期待ではなく、むしろ心配がますます膨れてきた次第です。私が令和の黒船とこの項目に記したのは、世界の中でも半導体大手のTSMC進出が、設備投資額、工場の敷地面積、生産規模、従業員の数など、全てにおいて過去にないビッグな企業であるからです。その企業が熊本を選んでくれたのですから、市長も千載一遇という言葉で表現されたのだと思います。
答弁によると、プロジェクトチームでは、短期・中期・長期に分けて取り組む施策の検討を行っているとのことでした。段階ごとに対応することは評価いたしますが、いまだに施策の検討をしている段階では遅過ぎるのではないでしょうか。また、他都市の事例を調査している時期ではないということを指摘させていただきます。
進出に際し、自治体に必要な受入れ体制としては、操業開始までの短期間の人材確保、稼働開始後の継続的な人材獲得の採用と育成、交通渋滞を回避するインフラ整備、台湾及び国内からの移住者への住宅確保、工場建設時及び装置立ち上げ時の取引先の宿泊先確保、先日報道でもありましたけれども、インターナショナルスクールなど、台湾から赴任する社員家族の教育機関、医療機関などが想定されます。
これらの期待に応えるためには、通常の業務を担って、つまり二刀流となる庁内横断的なプロジェクトチームには限界があります。市長が本当にTSMC進出は千載一遇と捉えるのであれば、庁内横断的なプロジェクトチームではなく、専門のプロジェクトチームを組織すべきです。
コロナ禍での通常業務で精いっぱいの状況の上に、4月の異動で体制も変わり、情報の共有を改めて確認しなければならなかったと察します。このままでは、短期的に取り組まなければならない施策が間に合わないと感じました。ぜひ専門のプロジェクトチームを検討していただき、TSMCの進出が様々な分野で好循環を生むよう強くお願いしまして、次の質問に移ります。
関連しまして、進出に関しての課題対策をお尋ねいたします。
TSMCの進出先に熊本が選ばれた理由の一つに、水資源が豊富な地域であることが言われています。半導体の生産には、純度の高い超純水が大量に必要となり、そのため、水どころ熊本の地下水への影響が心配との声も聞きます。さらには、昨今の気候変動により世界的な水不足が懸念される状況でもあり、活用と保全を行いながらの地下水マネジメントが重要だと認識いたします。
本市の豊富な地下水は、今日まで工場が建設される菊陽町や大津町の白川中流の広い地域で水田開発を進めたことが涵養量の増加につながっていました。しかし、先ほどの質問でも触れたように、涵養域の減少により、保全が課題となってきました。持続可能な水を確保するために湛水事業、つまり水田に水を張ってため続けること、この湛水事業や水源涵養林の育成に取り組んだことにより、一時減少していた江津湖の湧水量は回復してきました。
このような状況を鑑みれば、少なからず本市の生活水にも多少影響があるのではと気になるところでありますが、見解をお尋ねいたします。
環境局長、お答えください。
〔早野貴志環境局長 登壇〕