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令和 4年第 2回定例会−06月15日-03号

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  1. 熊本市議会 2022-06-15
    令和 4年第 2回定例会−06月15日-03号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    令和 4年第 2回定例会−06月15日-03号令和 4年第 2回定例会   令和4年6月15日(水曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第3号                         │ │ 令和4年6月15日(水曜)午前10時開議                │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時00分 開議 ○原亨 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原亨 議長  日程第1「一般質問」を行います。  発言の通告があっておりますので、順次発言を許します。  まず、田中敦朗議員の発言を許します。田中敦朗議員。          〔29番 田中敦朗議員 登壇 拍手〕 ◆田中敦朗 議員  皆様おはようございます。  熊本自由民主党市議団所属、田中敦朗でございます。  本日は登壇の機会をいただきました先輩・同僚議員の皆様に感謝を申し上げまして、文字数が9,000文字を超えておりまして、1時間を超えそうでございますので、早速質問に入らせていただきます。  まず初めに、福祉の諸課題についてお伺いいたします。  そのうちの子供医療費助成について、今から子供医療費助成を拡充した方がいいと私が思う理由を羅列させていただきます。
     まず、先日行われた子育て支援に関する市民アンケートの結果から、子育て世代が求めているということ。今回の制度が実施されるに当たって、議会からの附帯決議が存在しているということ。私が選出されております北区で、国勢調査の5年間で8,000人の人口減が起こっているということ。薬剤において、院内処方か院外処方かで、市内の中で医療費格差が出る不平等な制度になっているということ。7,000人程度で推移していた本市の出生数が急激に減少しているなどです。  毎年50億円前後の黒字で推移している熊本市の財政状況を鑑みるに、10億円弱程度はかかったとしても、中学校3年生までの1医療機関月500円の子供医療費助成の制度を早急に実施して、子育てしやすい熊本市へ近づけなければ、少子化と若い世代の市外への流出の波は止まらないのではないでしょうか。  実際、ハウスメーカーや不動産会社の方々と話す中で、熊本市外への新居建設と転居の理由の一つには、子供医療費助成が入ってくると口をそろえておっしゃいます。これまで何回も本会議や委員会で質問をし、歴代局長や担当課長に対して、市民の代弁者として、若い子育て世代の一員として、財政的に厳しいのは理解していますが、まずは何よりこれをおいてほかにないので、すぐには無理でも、未来に希望を持たせるためにも、将来的に拡充するという前向きな答えを求めてきましたが、ずっとはぐらかされてまいりました。ただ、冒頭申し上げましたとおり、様々な状況がもう決断するときだと示していると私は考えます。  そこでお伺いします。子供医療費助成について、中学校3年生までの1医療機関月500円の制度を実施する考えはないのか、拡充についていつまでに行うのか、市長にお伺いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  子供医療費助成については、可能な限り早期の対象年齢拡大を目指し、様々な議論を経て2度にわたる見直しを行い、平成30年12月、現行制度をつくり上げたところです。  その後、当該制度を初め、子育て施策について市民の皆様の御意見を伺っていくこととし、昨年度、市民アンケートを実施したところです。2,089人からお答えをいただいた結果によりますと、約27%の方が負担感が軽減されたと思わないと回答されているものの、約44%の方が負担感が軽減されたと回答され、現行制度について一定の評価が得られたものと考えております。  また、重要と思う子育て支援施策として、子供医療費による支援のほか、会社や社会の子育て支援に対する理解や支援制度、子供の遊び場や子供と保護者が集える施設、週末や祝日の相談体制など、子育て支援全般についての御意見が多く見られたところです。  このような結果から、子供医療費助成制度は、安心して子供を産み育てられる環境づくりの施策の一つとして、経済的な負担軽減に寄与する重要な施策であると改めて認識をしたところであり、現時点では、子育て世代全体で制度を支えるという枠組みの維持に努めるとともに、各種の子育て支援策に総合的に取り組んでまいりたいと考えております。  御指摘のとおり、子供医療費助成制度については、各地方自治体がそれぞれ制度設計をしていることで助成内容に差異が生じており、このことは指定都市市長会でも共通の課題としているところです。長期的に安定した制度設計となるよう、国による統一的な制度の創設が望ましいと考えており、指定都市市長会として、引き続き国に要望してまいりたいと考えております。  私といたしましても、子供医療費助成制度をより一層充実させたいと考えておりますが、そのためには財源の確保が不可欠であることから、今後国に財政支援を強く働きかけてまいりたいと考えております。          〔29番 田中敦朗議員 登壇〕 ◆田中敦朗 議員  今回の市長答弁をいただきまして、やっと熊本市のスタンスと市長の思いが明確になりました。充実させたいが、財源の点で懸念があり踏み切れないということ。持続可能な制度が望ましいため、国による国全体での実施が望ましく、国が財政支援をしてくれるなら拡充が考えられるということが理解できました。  つまり、今の答弁をしっかりと分析すれば、大西市長体制の下、今の財政状況が続く限り、市単独による拡充は見込めないのではないかということがよく分かりました。本当に残念ですが、実務を執行していく当事者が困難と言っている以上、何回要望しても質問しても意味はありません。今後は私自身、市議会議員として国への意見書、政党への要望、国会議員への働きかけを行い、国による実施もしくは財政支援の強化を行ってもらえるように行動していきたいと思います。  もっと早くに、国の支援がなければ拡充は難しいとはっきり言ってくれれば、ほかのことに質問の時間を使えましたので、熊本市全体として、今後はできれば早めに方向性が分かるように明確な答弁を今後お願いをして、次に移りたいと思います。  超重症心身障がい者及びその家族への支援強化についてお伺いいたします。  先日の質問において、重症心身障がい者の就労実現に向けて、ICTを活用して市役所が率先して取り組んではどうかとお伺いしました。といいますのも、医療的ケア児支援法が制定され、その基本理念に、医療的ケア児とその家族を支援することや施策を行うことは、地方自治体の責務となったからです。  今回は法の精神にのっとって、2つの支援強化について熊本市の考えをお伺いします。  1点目は、医療的ケア児における高校卒業後の居場所問題です。熊本市は、医療型特定短期入所施設の利用が月7日となっています。高校生までは、学校と医療型特定短期入所施設などの利用により、外出できる家庭以外の居場所があります。しかし、超重症児と言われる医療的ケア児は、高校卒業後、行き場が大きく減り、今までの利用日数では月の多くを家で過ごすことになり、規則正しい生活パターンが崩れ、母子ともに地域で孤立してしまう例が多いのが現状です。そういった現状を踏まえれば、月7日の利用を段階的に増やし、社会参加を推進することは、法の精神に基づき行わなければならないことだと考えます。  2点目は、医療的ケア児に対する看護師派遣事業認定こども園で行えるようにしていただきたいということです。  今現在、気管切開や胃ろうなどのための医療デバイスが必要な医療的ケア児は、保育園などの受入れ先が見つかりにくいのが現状です。医療的ケア児支援法成立後より、学校や保育園は医療的ケア児のための看護師配置などの対応が責務となりました。しかし、皆さん御存じのとおり、看護師不足などの様々な課題があるため、看護師雇用は困難な状況です。  また、看護師によって医療的ケア児の支援の経験に差があり、しかも園内で唯一の医療関係者であり、孤立しがちになってしまいます。医療型特定短期入所施設での訓練や医療的ケア児の課題について、連絡・相談がいつでもできる環境等を整え、保育園の受入れ環境の向上を行う必要があるのではないでしょうか。  冒頭申し上げましたが、2021年9月施行の医療的ケア児支援法は、医療的ケア児とその家族の支援について、地方自治体と学校、保育園の責務となっています。その財源は、地方交付税として医療的ケア児支援のための予算も配分されると聞いています。  そこでお伺いします。高校を卒業した超重症心身障がい児の施設利用の拡充と認定こども園への看護師派遣事業について、現在の熊本市のお考えを健康福祉局長にお伺いします。          〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕 ◎津田善幸 健康福祉局長  超重症心身障がい児・者及びその家族への支援についてお答えいたします。  本市におきましては、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の基本理念の下、医療的ケア児コーディネーターの配置や、熊本県医療的ケア児支援センターとの連携による相談支援体制の強化に取り組んでいるところでございます。  お尋ねの1点目でございますが、超重症心身障がい者の高等学校卒業後の活動場所といたしましては、御本人の介護が受けられ、御家族の休息が確保できる医療型短期入所と、御本人が介護を受けながら創作・生産活動を行うことができる生活介護事業所がございます。  御指摘のとおり、本市は短期入所の基準支給量を月7日と定めておりますが、家族不在の長期化、障がいの重度化による介護困難な状況など、個別の事情がある場合には、支給量を増やすこととしております。ただ、医療型短期入所施設は市内に4か所と限られていることから、御本人、御家族の利用意向に応えられるよう、市外の施設も御案内しているところでございます。  今後も引き続き、施設の新規開設に伴う整備費や人件費助成等を行い、超重症心身障がい児・者を受け入れられる事業所の拡充に努めてまいります。  次に、2点目でございますが、認定こども園等を含む私立の保育施設は、看護師配置などの保育環境を整え、医療的ケア児を受け入れております。本市といたしましては、まずは、私立の保育施設で既に配置されている看護師をサポートする体制づくりや研修などに取り組み、医療的ケア児を受け入れるための環境整備と理解の促進を行ってまいります。  また、看護師の雇用は各施設での対応が難しい状況にありますことから、利用者のニーズに対応するため、看護協会等に御相談するとともに、議員御提案の看護師の派遣を含めた人員確保の方法につきましては、他都市の状況も調査し、研究してまいります。          〔29番 田中敦朗議員 登壇〕 ◆田中敦朗 議員  短期入所施設の利用の支給量でありますが、状況によっては増やすということですが、やはり私は基本の支給量を増やすべきであると考えます。今の7日間を12日間にするだけで、やはりその負担は大きく軽減いたしますし、上質な生活を超重症心身障がい児・者が送れることになると考えております。  これをもし実施したとしても、今対象者がそこまで多くないことから、増額に関しては予算は2,000万円は超えないと試算できるかと思っております。将来的には、そういった対象者増について必要な予算が増えることは予想されますが、超重症心身障がい児・者とその家族が、先ほども申し上げたとおり、上質な生活を過ごすために、真剣に支給量増に取り組んでいただき、考えていただくようにお願いいたします。  また、看護師派遣事業は、保育施設においても教育施設においても、受入れの環境整備にも理解促進にも大きく資するものだと考えておりますし、施設で働く看護師が病気や休養で休まねばならなくなった際の施設へのサポートになるとも考えております。しっかりと研究していただき、本市独自の政策として導入していただくようにお願いをして、次に移ります。  続きまして、介護施設の現状についてお伺いいたします。  先日、ある特別養護老人ホームの運営をされている方と話をする機会がありました。そのときに驚いたのが、有料老人ホームの整備が進み、特別養護老人ホームの待機者がほとんどいなくなってきているという事実です。私が15年前議員になりたての頃と比べれば、隔世の感があります。これも、熊本市がくまもとはつらつプランに基づいて各種施設を整備してきたことと、ニーズに応じて介護保険を活用した有料老人ホームなどが拡充されてきたからだと考えます。  これまで想像もしなかったような、特別養護老人ホームの待機者がいなくなってきているという状況、これはつまり、まさしく今がこういった介護施設の現状を変えていく転換期であるということではないでしょうか。  といいますのも、つい先日お話をお伺いした方から、うちの特別養護老人ホームで空床が出たというお話を聞いたからです。待機者がいないというのは理想的な状況ですが、空床があるということは、今後の運営に支障を来しかねないということにほかなりません。  これまでの流れに沿ったくまもとはつらつプランの見直し程度であれば、現在の特別養護老人ホームの運営が困難になる可能性が出てきたということです。市は、現状を詳細に把握しつつ、今後の見通しも含めた上で、これまでとは異なる、熊本市に本当に必要な持続可能な介護体制を考えなければならないときが来たのではないでしょうか。  今期の計画期間が令和3年から令和5年ということは、これまでのスパンであれば、来年である令和5年に次期計画を見直すということになります。今のうちから現状の把握をしていかなくてはならないと考えます。激変している介護界の現状と抜本的なくまもとはつらつプランの改変の必要性について、健康福祉局長としてどのように考えているのか、局長に答弁を求めます。          〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕 ◎津田善幸 健康福祉局長  介護施設の現状についてお答えいたします。  現行の第8期くまもとはつらつプランにおきましては、策定当時の特別養護老人ホームの整備状況はおおむね充足していたものの、高齢者人口や入所の対象となる要介護3以上の認定者が増加することが見込まれましたことから、その見込みに合わせた整備を行うこととしたところでございます。  本市の現状を見ますと、住宅型有料老人ホームサービス付き高齢者向け住宅が増加し、高齢者の住まいの選択肢の一つとなっている一方で、関係団体からは、特別養護老人ホームにおいて入所者確保に苦心している施設が多いとのアンケート結果の提供もあっております。  次期プランの策定に当たりましては、特別養護老人ホームの待機者や運営状況等に加え、住宅型有料老人ホーム等の実態を含め、現状を詳細に把握・分析した上で、将来を見据えた介護基盤の整備について、策定委員会において議論を進めてまいりたいと考えております。          〔29番 田中敦朗議員 登壇〕 ◆田中敦朗 議員  前向きな答弁をいただきましたので、必ず現状を詳細に把握・分析をした上で議論をお願いしたいと思います。  また、他自治体においては、特別養護老人ホームの安定した運営のため、現在の特別養護老人ホームの運営形態を一部変更して、柔軟に利用者確保を可能にしているところもあると聞いております。全体のバランスを見極めながら、運営形態の変更という選択肢も考慮しつつ、盤石な介護基盤を整備していただくことを求めて、次に移ります。  内閣府ムーンショット計画への参画についてお伺いいたします。  皆さん、内閣府ムーンショット計画を御存じでしょうか。概要を申し上げますと、誰もが夢を追求できる社会の実現、100歳まで健康不安なく人生を楽しめる社会の実現をビジョンに掲げ、急進的イノベーション少子高齢化時代を切り拓くという設定の下、誰もが多様な社会活動に参画できるサイバネテック・アバター基盤を整え、サイバネテック・アバター生活を実現するとともに、様々な困難と思える課題に対して、その解決のために、国が策定、構想した目標の達成に向けて科学技術の研究を進めていくという、一昔前であれば荒唐無稽と言われてもおかしくないような、壮大でわくわくするような計画です。  今進行しているプロジェクトは多数あります。インターネットで調べていただければ、もう実際に研究を進められている先生方がおられます。その一部を挙げてみますと、1人に1台一生寄り添うスマートロボット電気エネルギーを利用し、大気CO2を固定するバイオプロセスの研究開発、超電導量子回路の集積化技術の開発など、9つの目標において多岐にわたる研究が行われています。  映画のマトリックスのような世界が、30年後にはやってくるかもしれません。現在は地方自治体が関与する隙はなく、熊本の大学において行われている研究もありませんが、ゆくゆくは社会実装に向けた実験が行われていくと考えます。熊本市として、ムーンショット計画に着目し、将来的に関与、参画していく考えはないか、大西市長にお伺いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  ムーンショット型研究開発制度は、超高齢化社会や地球温暖化問題など重要な社会課題に対し、人々を魅了する野心的な目標を国が設定し、挑戦的な研究を推進するという制度です。  国においては9つのムーンショット目標を掲げ、人々の幸福、いわゆるヒューマン・ウェルビーイングの実現を目指すとしております。例えば、その目標の1つであります激甚化しつつある台風や豪雨を制御し、被害を大幅に軽減するといった取組は、災害に強い安全安心な市民生活の実現を目指す本市としても、大変興味深いものです。しかしながら、これらの取組は、議員御指摘のとおり国の主導の下、大学や民間企業等において研究開発がなされるものでありまして、現時点における自治体としての関与は想定しがたい状況です。  そこで、本市としては、まずは実装可能な様々な先端技術を積極的に活用し、本市が抱える地域課題のより効果的・効率的な解決に取り組みつつ、将来的には、ムーンショット目標の進捗状況を見ながら、関与の可能性等について考えてまいりたいと思っております。          〔29番 田中敦朗議員 登壇〕 ◆田中敦朗 議員  御答弁ありがとうございました。将来的に関与の可能性を検討していくということでございますけども、9つの目標のほとんどが、その達成を2050年に設定しています。実装可能な技術で地域課題を解決していくことが最優先だと理解はしておりますが、社会の変化や新たな技術開発に目を向けて、それに備えて様々な準備をすることも、またそれに基づいたビジョンを描くことも、そこに参画していくことも、同様に大切なことだと考えますので、常にアンテナを張り巡らせて、本市ならではの先進的な取組や、ムーンショット目標への参画を期待して、次の質問に移りたいと考えております。  次に、技術職の育成方針と都市建設局のSDGsへの取組についてお伺いいたします。  以前の質問か質疑でも申し上げましたが、令和3年度は都市建設局土木センターにおいて、事業の進捗の滞りや報連相の不備など、執行体制について心配になるような案件が複数件、私のところに相談が舞い込んできました。  諸般の事情はあったにせよ、ミスはミスでありますので、私自身、人員体制の不足や業務の過多によって、事業進捗や後進の育成がうまくいっていないのではないかということで、総務局長に対して都市建設局としっかり話をしてほしいといったお願いをこれまでしてまいりました。今後どうなるか分かりませんが、改善が図られることを心底願っているところです。  さて、そんな中、市役所全体で軽微なミスが増えていますよねと、都市建設局関係でこんなことがあったんですよといったことを同僚議員と話していたところ、その方から、昔に比べて今の都市建設局は業務が多忙で余裕がないから、目の前のことで精いっぱい、同年代の民間の給料と比べて格差があるので、モチベーションが上がらない。さらに資格を持っていようが持っていまいが評価に関わらないから、必然的に技術職の資格の取得率が悪くなり、知識や技術の向上が行われないということでした。  また、ある事業者さんからは、これまでどおりに仕事をしておけば問題は起きないから、新しい資材や技術について学んで導入しようとする積極性が、熊本市には全然見えない。熊本市がSDGs未来都市だというのなら、そこら辺のところまで積極的に取り組むべきなのに、本当に残念ですという話になりました。  事実関係が分かりませんので、ここでまずお伺いいたします。熊本市の二級建築士、一級建築士の取得率は、政令指定都市の中で何位でしょうか。また、SDGs未来都市にふさわしい、持続可能な社会を実現するための新技術や資材の導入について、どのように取り組んでいるのか、都市建設局長にお伺いいたします。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕 ◎井芹和哉 都市建設局長  ただいまの2点の御質問にお答えいたします。  まず、都市建設局職員の一級建築士の取得率は、政令指定都市のうち、取得状況を確認できました19市の平均が約39%であるのに対しまして、本市では約31%となっており、19市中18番目でございます。二級建築士の取得状況につきましても、各政令指定都市に問い合わせましたが、正確に把握している自治体がなく、本市の順位は不明でございます。  次に、新技術等の取組についてございますが、道路等の社会インフラや市有建築物の維持管理を効率的かつ効果的に進めてまいりますためには、業務の省力化や均質化、コスト縮減を可能とする新技術や資材の活用は不可欠でございます。  これまでの具体的な取組としましては、AI技術を活用した橋梁点検や地中レーダーによる空洞化調査、ホール等の特定天井への軽量化天井材の活用等を実施しており、今年度中にはドローンを活用した点検等も試行することといたしております。また、脱炭素社会実現に向けた取組といたしましては、省エネ・創エネによる既存市有建築物のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化に向けまして、プロジェクトチームを設置したところでございます。  そして、本年度から、インフラメンテナンス国民会議市区町村長会議九州沖縄ブロック幹事となりましたことから、この会議体を通じて、新技術の事例共有や継続的な研修の参加などによりまして、職員の知見や知識を向上させ、本市のSDGs未来都市計画が掲げる熊本地震の経験と教訓を生かした地域防災力の向上に努めてまいりたいと考えております。          〔29番 田中敦朗議員 登壇〕 ◆田中敦朗 議員  新技術の導入については、様々な努力をされているということが答弁からうかがえましたが、事業者の方々から積極的ですごいと賞賛されるような、熊本市都市建設局になられることを切に願っております。  また一方、一級建築士の取得率については19自治体のうち18番目ということです。資格を持っていれば、技術が高く知識が十分であることとイコールではないのは理解していますが、資格を持っているということは、最低限の知識が担保され、資格取得のために努力をしたということが明らかであるということです。また、下から2番目ということは、資格取得を目指さない何らかの理由があるということではないでしょうか。  そこで改めてお伺いいたしますが、都市建設局として、一級建築士の取得率が悪い原因はどこにあると考えているのか。また、都市建設局の課長職にあるための配属要件に、一級建築士資格を設定している政令指定都市はあるのか。今後技術職の知識と技術の向上のためにどのような育成方針を設定するのか。都市建設局長にお伺いします。  また、業務に関連のある資格の取得率は、組織の強靭性と積極性を明確にする大切な指標だと考えます。これを都市建設局において向上させるために、一級建築士の資格を持つ職員は課長試験を免除もしくは大幅な加点があるようにしてよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか、こちらは総務局長にお伺いいたします。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕 ◎井芹和哉 都市建設局長  一級建築士の資格取得率が他都市と比較いたしまして低い原因は調査しておりませんが、昨年度若手職員を対象にして行いましたヒアリングでは、取得が個人の意思に委ねられていること、業務において資格を取得する必要性が不明確なため、受験する意義が見出せない等の意見があったところでございます。  次に、一級建築士の資格保有を管理職になるための条件としているか、政令指定都市に確認いたしましたが、そのような条件を設定している自治体はございませんでした。  次に、職員の育成方針についてでございますが、建築職の業務は、市有建築物の維持管理、更新業務が増加しております中で、耐震化等新技術への対応、まちづくりや空き家対策など業務が多様化しており、技術力の向上など職員の育成が課題となっております。  そこで、令和元年度に、技術力の向上と継承、業務推進体制の見直し、適切な人員配置の3つの方針からなる建築職員人材育成プランを策定し、昨年度には振り返りを行うなど、適宜見直しながら人材育成に取り組んでいるところでございます。  その中で、資格取得につきましては、技術力の向上と継承の項目に掲げており、技術力の向上はもとより、建築職のやりがいにつながるよう、資格取得や人事配置について、総務局とも協議しながら取り組んでまいりたいと考えております。          〔宮崎裕章総務局長 登壇〕 ◎宮崎裕章 総務局長  課長級昇任に関する質問にお答え申し上げます。  管理職として求められる能力は、業務に精通した知識を有することに加えまして、目標達成に向けた組織管理能力や渉外力等も重要な要素であると考えております。管理職の配置や昇任の在り方につきましては、求められる能力や役割を踏まえまして、また、他都市の取組等も参考にしながら、総合的に検討してまいりたいと考えております。          〔29番 田中敦朗議員 登壇〕 ◆田中敦朗 議員  御答弁いただき、ありがとうございました。  それでは、今回の答弁に関して幾つか指摘をさせていただきたいと思います。  まず1つ目に、政令指定都市で一級建築士の資格保有を課長職になるための条件としている自治体はなかったとのことでした。一回答弁をすり合せたとき、改めて内規や運用で一級建築士を課長の配属要件に設定している自治体はないのか確認してくれと言いましたが、ないとのことでした。  今回の答弁は、総務局人事課が各政令指定都市の人事課に確認したから、この答弁になったのではないかと思っています。私が確認しましたところ、各政令指定都市都市建設局に相当する局の内部では、局内の人事の運用として、公共建築物の設計または工事監理を行う部署の課長の配属要件に一級建築士の資格保有を設定しており、建築職の質の向上に努めている自治体は、相当数存在しておりました。本市においても、都市建設局の中で検討を行い、そのような政令指定都市の配属要件の設定をするようにお願い申し上げたいと思います。  2つ目に、業務において資格を取得する必要性が不明確なため、それを取得する意義を感じないということでしたが、私はこれを聞いて、本市の建築行政が危機的状況に陥るおそれがあると考えました。といいますのも、国は一定規模以上の建築物の設計または工事監理をすることを、建築士にしか認めていません。本市が公共建築物の設計または工事監理をすることができるのは、一級建築士を取得している職員が存在するからです。実際、無資格者はフリーライダーということになります。  また、本市は特定行政庁に当たり、建築主事という資格を置くことが義務づけられている自治体です。したがって、建築基準適合判定資格者試験の受験要件である一級建築士を取得することは、自明のことです。都市建設局の技術者にありながら、若手職員が業務において資格を取得する必要性、意義を見出せないという、そういった答弁が局長から発せられるということは、大変残念で仕方がありません。今後は、若手職員に対して建築基準法及び建築士法の趣旨を深く理解させ、資格取得につなげるよう、よろしくお願いいたします。  3つ目に、建築職員人材育成プランを策定し、人材育成に取り組んでいるとのことですが、やはりその具体的な取組と客観的な成果を答弁いただけなかったため、今回はそれに対して詳しく検証ができない状況です。今後、具体的な取組や成果指標についてしっかりとレクチャー、または市民に向けて公開いただきますようよろしくお願いいたします。  資格取得について、ぜひ積極的に促して、その後、実際のところ何人受けたのか、そして何人通ったのか、そういった推移等もぜひ公開いただきますようによろしくお願いしたいと思います。  最後になりますけども、資格取得を考慮した人事配置ができるよう、総務局とも連携し取り組んでまいるとのことですが、今年度の建築審査室の人事配置におきましては、主査以上で建築主事を担える人材が不足していることから、担当職員が建築主事という重責を担うという状況に陥っていると伺いました。このような事態が常態化しないように、全建築職員を挙げて資格取得に励むよう、重ね重ねお願い申し上げます。  今回の件に関しては今後も取り組んでいきますので、都市建設局として資格の取得率の向上と、目に見える形での技術職の育成をお願いいたします。総務局長の答弁は端的ではありましたが、検討するとおっしゃっていますので、私は前向きに受け取らせていただきます。  先ほど申し上げたとおり、国が必要と認めている資格であり、特定行政庁である本市に存在しなければいけない建築主事の資格取得に必要な一級建築士というこの資格は、簡単に取れるものではありません。この資格を取得する必要がある、取得することによってメリットがある人事制度を検討していただくことを強く求めて、次に移ります。  市道管理の課題についてお伺いいたします。  膨大な路線を有する熊本市の市道においては、現在様々な理由により、常に万全で適正な状態に維持管理するということが困難であり、たくさんの課題を抱えています。
     例えば道路と歩道の際の雑草や、車道の隣接地から生えてくる雑草の処理に関しては、予算や人手の都合上、ある程度繁茂してからではないと処理できませんし、旧北部町地域のように坂が多く市道が斜面と接している地域においては、雨により流れてくる土砂が側溝の蓋の上に堆積し、側溝があることすら分からなくなるということもあります。道路標示についても、削れて見えなくなっていても、市民からの要望があってから対応することが多いのが現状です。  土木センターは、市長が掲げる市民に寄り添うという指示に従っているため、指摘をしたらできる限り早く対応してくれていますが、本当の理想を言えば、指摘される前に整えるべき姿を維持することが大切なはずです。しかし、それは今の体制、今の契約方法では難しいことは、各地域で活動されている議場におられる議員の皆さんが、一番よく御存じだと思います。ただでさえ通常の業務がある中で、都度都度様々な改善要望が入ってきて、それに寄り添い対応していけば、今のままであれば土木センターはパンクしてしまうのではないかと憂慮している次第です。  そこでお伺いしますが、現在進めてはおられますが、さらに地域を巻き込んだり、これまでにないような事業の在り方、契約の方法を考えたりなどして、土木センターの負担を減らし、理想とする市道の維持管理を実現すべきだと考えますが、都市建設局長のお考えをお伺いします。  併せてもう1点、現在訴訟中ではありますが、市道沿いの巨木が倒れ、市民の方がお亡くなりになった事案がありました。北区においても市道沿いに巨木が多数あり、今後大型化した台風や大雨などで倒れれば、同じようなことになりかねません。そうならないために、熊本市は市道沿いの土地所有者に対し通知を送りましたので、今後何かあったとしても熊本市が訴えられることはないかと思いますが、その代わり、土地所有者が莫大な賠償金を払うことになります。  しかし、巨木を伐採するにはかなりの金額がかかってしまうのが現状です。また、市が訴えられなくなったとしても、巨木が市道に倒れれば、結局は熊本市が早急に対応せざるを得ないのが現状です。  そこで提案ですが、全額熊本市が出すことは難しくとも、巨木が倒れたというような事実が起こった後の対処を考えれば、市道沿いの民地の巨木の伐採に幾ばくかの補助金を出すこと、もしくは伐採に向け、何らかの対処を検討する考えはないでしょうか。こちらも都市建設局長にお伺いいたします。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕 ◎井芹和哉 都市建設局長  市道管理の諸課題に関する2点の御質問にお答えいたします。  まず、土木センターの負担軽減について、地域の皆様と連携した取組といたしましては、道路除草等の作業を御支援いただくボランティア制度の推進や、道路の不具合を24時間通報していただくことができるLINE通報システムを運用しており、道路パトロールや電話対応の負担軽減はもとより、危険箇所の早期発見と迅速な対応につなげているところでございます。また、今月からホームページで対応状況を公表するなど、対応状況の見える化にも努めているところでございます。  次に、契約方法につきましては、あらかじめ工種ごとに単価を設定し、実績に応じて支払う単価契約を採用することにより、契約事務の負担軽減とともに、緊急性の高い補修工事に迅速に対応しております。また、今年度からは土木センター職員によって行われております、夜間や休日の緊急対応業務の委託も試行することとしておりまして、現在実施に向けた調整を進めているところでございます。  土木センターは、昨年度から区役所組織となったことで、まちづくりセンターとの連携が強化され、地域委託の合意が得られたなど、効果が見え始めております。今後も土木センター職員の負担軽減に向けて、都市建設局も一緒になって、業務の効率化や体制の在り方について検討してまいります。  次に、2点目の市道沿いの民地の巨木伐採の支援についてでございますが、これまでも民有地から道路に越境している樹木等につきましては、所有者に対し文書や訪問等による指導を行ってまいりましたが、緊急的措置が必要でやむを得ないと判断した場合は、本市で枝落としや伐採等の対応を行っているところであります。民有地の樹木等の維持管理は、本来土地所有者の責務であると考えておりますが、一方で道路通行の安全確保は重要でございまして、今年度立ち上げた庁内検討会議で、具体的手法について検討してまいりたいと考えております。          〔29番 田中敦朗議員 登壇〕 ◆田中敦朗 議員  御答弁をいただき、ありがとうございました。様々な取組をしているというのは十分に理解をしておりますが、やはり現状の様々なミスであるとか事業の遅延などには、そういった土木センターの負担過多が大いに影響しているのではないかと思っております。  土木センターのそういった負担の軽減に関しましては、1年間でどの程度の改善要望が市全体で起こっているのかという数を把握しつつ、改善要望担当の部署の立上げや、そういった土木センターに改善要望を積極的に行っていくというような担当職員の配置など、これまでの通常業務とは切り離してもよいのではないかと考えています。  また、答弁をいただいたように、市民協働の観点からも、可能な地域の課題解決は地域で行えるようにするというのは、大変重要なことだと考えておりますので、あらゆる手法を検討し、市道の適正な管理と土木センターの負担軽減を実現していただくようにお願いします。  また、巨木の対策についてでありますが、激甚化する災害を前にして、喫緊の課題だと私は認識しています。現在、具体的手法を検討しているということでありますので、できる限り早めに予算の獲得と制度設計をしていただきまして、市民の方が取り組めるように、もしくはそういった巨木の伐採が進むように本市の中で行っていっていただきたいと思います。  私の近隣の校区の中でも、この木が倒れてきたら一体どれだけの負担になるだろうか、もし子供たちが巻き込まれたらどうしよう、また、自動車走行中に倒れてきたら間違いなく人命が失われるといったような、中央区は大丈夫かもしれませんが、そういった可能性のあるエリアが全ての区にあるのではないでしょうか。  また、皆さん覚えてらっしゃると思いますけども、先日、産業道路で街路樹が倒れて、市内が大渋滞になったというような事例もあります。こういった街路樹と私有地の巨木とはちょっと話は違いますけども、木をどのように扱っていくのか、そういったことも含めてしっかりと考え、市としての方向性を打ち出すことは大事だと思いますので、ぜひ都市建設局の中で前向きな議論をしていただければと思います。  では、最後の質問になりますが、観光振興に向けた宿泊税の導入についてお伺いいたします。  宿泊税導入の是非については、これまで執行部と何度もやり取りしてまいりました。私の方で宿泊業界の方々と話をいたしまして、徴税したお金がどのように使われるのか明確であれば、宿泊税導入もやぶさかではないというようなお返事もいただいています。  会派としても2年連続で要望をしていますが、先日の会派の要望の返事は、コロナ禍で業界が大変だからというようなことで、やるのかやらないか分からない、返事になっていない返事でありました。何度もやり取りを行い要望を行っているにもかかわらず、いつまでたっても態度保留で、やるのかやらないのかが分かりません。  もし実施すると決断して取り組んだとしても、国との調整、県との調整、熊本市で行う場合の制度設計などで、二、三年はかかると思われます。もし私が以前提案したときに決断していれば、今頃開始することができていたはずであり、決断と実行の大切さを感じます。  福岡県においては、2020年4月1日から既に宿泊税の徴収を開始しており、今後ウィズコロナで宿泊需要が徐々に見込めるようになっている今、この数年のうちにどれだけ福岡市と北九州市に観光施策で水を開けられるか、大変心配しているところであります。  そこでお伺いします。熊本市は宿泊税についてどのような考えを持っているのか。今後導入の可能性はあるのか、前向きか後ろ向きかわかるようにお答えください。市長にお伺いします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  法定外税の1つであります宿泊税については、導入自治体の多くが観光客受入れ環境整備等の施策の財源に充当しておりまして、効果的に活用することで観光客へと還元され、さらには新たなサービスの創造等、好循環につなげられていると承知しております。  本市においても、新型コロナウイルス感染症の影響から地域経済を力強く復活させるため、観光資源を充実させることで、誰もが訪れてみたい魅力あるまちづくりを推進することが重要であり、そのためにも、宿泊税を初めとした法定外税の導入等自主財源の確保は重要な課題であると認識をしております。  宿泊税については、令和元年度より他自治体の導入状況等を参考にしながら、関係部署において研究を進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による観光事業者への影響について注視してきたところです。今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響からの観光需要の回復状況を見極めながら、観光事業者を初めとする関係者の御意見を丁寧に聴取しつつ、検討を行ってまいりたいと考えております。          〔29番 田中敦朗議員 登壇〕 ◆田中敦朗 議員  市長には、ここでぜひ期限を切って、いついつまでに始めますと断言してほしかったのですが、このコロナ禍の状況でありますから、なかなか難しいのであろうと推察いたします。  ただ、答弁の中にありましたとおり、もう既に関係部署による研究を行っているということ、また答弁の締めにありましたとおり、関係者の御意見を丁寧に聴取するということです。これまでのようにやるかやらないかではなく、関係者の意見を聴取し始めるということですので、私としては実施に前向きになっているというふうに受け止めさせていただきます。  もし次に宿泊税の質問をするときには、明確な導入時期をお示しいただくように強くお願いしておきますが、理想としては私が質問しなくとも、率先していつまでに導入する予定か発表してくれたほうがありがたいです。そうすると、この大事な質問の時間を別に回すことができますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  また今回も早口になってしまいまして、お聞き苦しかったと思っております。おかげさまで時間前に終わることができました。今回も福祉のこと、観光のこと、また市民の様々な課題について質問をさせていただきました。それを積み重ねていくことが必ず熊本市の未来につながっていくと考えて、こういった質問を重ねていっている次第であります。  今回、市長をはじめとする執行部の皆さんも真摯に御答弁をいただきましたが、こういったキャッチボール、真剣に、そして未来につながるようにはっきりと、やるならやる、やらないならやらない、やらない理由はこうだというようなことを明確にしていただくことで、より健全な議論につながると思いますので、そういったさらに明確な答弁をお願いしつつ、また本日傍聴いただきました皆様、ネットで御覧になっている皆様、そして議場で聞いていただきました議員の皆様に心から感謝申し上げまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○原亨 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午前11時10分に再開をいたします。                             午前10時55分 休憩                             ───────────                             午前11時10分 再開 ○原亨 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原亨 議長  一般質問を続行いたします。  荒川慎太郎議員の発言を許します。荒川慎太郎議員。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇 拍手〕 ◆荒川慎太郎 議員  皆さんこんにちは。自由民主党熊本市議団、荒川慎太郎でございます。  今回、一般質問の機会を頂きましたことに対し、先輩・同僚議員の皆様に心から御礼申し上げます。ありがとうございました。また、傍聴席にお越しいただいた皆様、昨年、一昨年と新型コロナウイルス感染症拡大による影響が大きい時期であったため、なかなか傍聴の御案内もしづらい状況でございましたが、本日は平日の昼間というお忙しい中にもかかわらず足をお運びいただき、誠にありがとうございます。  と申しましたが、もちろん現在コロナ禍が終息したわけではございません。とはいえ、3月のまん延防止等重点措置の解除以降、感染者数も徐々に減少傾向が見られますことから、今回の質問では、この春に開催されましたイベントの検証、それに付随する諸問題、今後の観光誘致、そして最後に中心市街地における喫煙に関する問題点について質問をさせていただきます。大西市長はじめ執行部の皆様におかれましては、御答弁のほどよろしくお願い申し上げます。  それでは、まず初めに、先月閉会を迎えた第38回全国都市緑化くまもとフェアくまもと花とみどりの博覧会についてお尋ねいたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大が懸念され、イベント開催についての状況判断が難しい中にありながら、2か月間のフェアを開催することができたことは、非常に有意義であったと考えます。また、私自身も各会場を何度か視察に行く中で、とても多くの方が思い思いに花を眺め、写真を撮り、笑顔で過ごしていらっしゃるのを目の当たりにし、とてもよい雰囲気のイベントになったと感じたところでした。しかしながら、平常時の開催とは大きく状況が異なっていたはずであり、その結果や効果の検証は非常に重要であると考えます。  そこで、今回のフェア開催における成果、経済波及効果など、現状で把握できている範囲で構いませんので、お聞かせください。  もう1点、今回のフェア開催による効果と経験を一過性のものに終わらせるのではなく、今後の本市の施策においていかに有効活用していくかという点も重要になります。現時点で想定されている今後の施策や取組があればお聞かせください。  以上2点、大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  5月22日に閉幕いたしました全国都市緑化くまもとフェアくまもと花博は、市議会をはじめ市民の皆様や企業、県内市町村、関係団体等の多大なる御支援と御協力により、成功裏に終えることができました。関係する全ての皆様に、この場をお借りしまして改めて感謝申し上げたいと思います。  まん延防止等重点措置の適用期間中での開幕となるなど、厳しい状況下でのスタートとなりましたが、春休みやゴールデンウィークを中心に大変多くの皆様にお越しいただき、熊本地震からの力強い復興の歩みと、自然豊かな熊本の魅力を感じていただけたと思っております。  また、くまもと花博の中心的行事であります全国都市緑化祭では、佳子内親王殿下にオンラインでご臨席を賜り、熊本から緑化推進の輪がさらに大きく、世代や地域を越えて広がっていくことを願いますとのお言葉を賜りますなど、市民にとって大きな励みとなりました。  くまもと花博の最終的な来場者数や経済波及効果については現在精査中でございますが、開催期間中、熊本の街に賑わいが戻りつつあると、私自身も実感をしたところです。また、多くの皆様からいいイベントをありがとう、また来たいなどの言葉をかけていただくなど、市民の皆様にとっても、花や緑に囲まれる幸せを感じる機会になったと思っております。  このくまもと花博による機運の高まりを継承いたしまして、市民の皆様のより一層の参画を得ながら、オープンガーデンやスポンサー花壇等のNEO GREEN PROJECTの取組を推進していきますとともに、継続して、花と緑と笑顔にあふれる森の都熊本を広く内外に発信していくイベント等についても、今後検討してまいりたいと考えております。  花や緑は私たちの生活に潤いと癒しを与えますとともに、良好な環境形成や地球温暖化の防止、賑わい等、幅広くまちづくりにつながりますことから、今後の取組を進めるに当たりましては、推進体制や人材の育成、確保等についても併せて検討してまいりたいと考えております。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇〕 ◆荒川慎太郎 議員  緑化フェアの成果については、今後も引き続き精査を続けていただき、さらに今後の施策についても継続的な取組が必要不可欠と考えます。  現在の緑に関する行政体制は、先ほどの田中議員の質問の中でも事例として挙げられました街路樹や公園、また環境や農水分野など様々な部局に分散しており、一部縦割りの弊害が懸念されます。過去に緑化フェアが開催された都市では、それぞれに緑行政についての一元化へ向けた取組が深化したと聞き及んでおります。ぜひそういった他都市の例も参考にしながら、効率的な執行体制が確立されますことに期待したいところです。  さて、緑化フェアに合わせて実施された取組の中に、オープンガーデンがありました。その会場の1つとしても登録されていたのが、坪井川遊水地にある花公園です。この坪井川遊水地の一部は、公園として遊具や競技場が整備されており、市民の憩いの場として有効活用され、休日には多くの人々が訪れています。  一方、それ以外の区域に関しては、設置当初から手つかずのまま放置されている状況が見られます。そもそもこの遊水地は、水害が発生した際に河川の流量を調整し、坪井川の流域である中心市街地を含めた市民の安全を守るために設置されたものであります。ところが、現状を見る限り、その役割を果たすことができるのか甚だ疑問であります。  また、河川敷や遊水地沿いの土手などはジョギングやウォーキングなどの場所としても利用されており、その利用者の観点からも雑草が生い茂っており、整備が十分とは言えません。遊水地としての本来の機能である湛水量、水をためることのできる量の確保や、利用環境の保全について、どのように管理運営がなされているのかお聞かせください。都市建設局長にお尋ねいたします。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕 ◎井芹和哉 都市建設局長  坪井川遊水地の管理運営状況等についてお答えいたします。  坪井川遊水地は、洪水を一時貯留し、下流の河川負担を軽減する洪水調節施設であり、洪水調節機能と自然環境保全機能に留意されながら、熊本県により管理が行われております。  県におかれては、遊水地の堤防の除草を夏と秋の年2回実施されるとともに、順次防草シートの設置を進められております。また、おおむね2週間に1度河川を巡視されており、特に出水期前には、堤防の変状や遊水地内の状況を重点的に点検し、補修等を行われているということでございます。今後、自然環境に配慮されながら、治水上必要な堆積土砂の撤去や樹木伐採等を実施される予定と伺っております。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇〕 ◆荒川慎太郎 議員  県の管轄において、管理が行われているとの御答弁でした。しかしながら、遊水地に必要とされる機能を確保するための堆積土砂の撤去や樹木の伐採などは、あくまでも今後の予定とのことです。これまでの管理基準も明確ではなく、果たして十分な洪水調節機能が確保されているのかどうか、疑問が残ります。  この洪水調節機能という重要な役割を担う坪井川遊水地に関して、河川管理者である熊本県と本市の間での連携が十分であったとは、見てとることができません。水害時に遊水地の洪水調節機能という役割を果たし、流域となる市民の安全確保が担保されるのか、これまで両者の間で課題を共有されてはおりませんでした。この点に関して、現場の状況把握や県に対する要望や指摘など、今後どのように行っていかれるのか、改めて都市建設局長にお尋ねいたします。          〔井芹和哉都市建設局長 登壇〕 ◎井芹和哉 都市建設局長  河川管理者との連携体制についてお答えいたします。  熊本県との連携体制につきましては、出水期前に坪井川の重要水防箇所の合同巡視を実施し、豪雨時には、河川の水位情報などを県市ホットラインで共有しているところでございます。  また、昨年度末に、県と流域自治体などで構成する熊本圏域流域治水協議会にて策定いたしました二級水系流域治水プロジェクトに、坪井川遊水地の堆積土砂の撤去や樹木伐採も施策の1つとして位置づけられており、今後、これらの進捗状況を確認しながら、県市連携して流域の治水対策を推進してまいりたいと考えております。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇〕 ◆荒川慎太郎 議員  これから梅雨時期に入り、水害が懸念される時期になりますので、引き続きプロジェクトでの取組を推進し、県との緊密な連携を図りながら、市民の安全確保に努めていただくようよろしくお願いいたします。  さて、次の質問に移ります。  現在、坪井川遊水地の会という組織がNPO法人化され、壺川、黒髪、清水、高平台の4つの校区の方々が、遊水地の利活用に関して活動を行っていらっしゃいます。しかしながら、もともとが湿地帯であり、沼地のような状態の区域が多く、そのまま何かしらの利活用を行うというのは非常に難しい状態です。また、中央、清水のまちづくりセンター地域担当職員の方も会議などに参加されていますが、コロナ禍の影響もあり、なかなか効果的な活動の推進が難しい状態でもあります。  一方、白川におきましては、大甲橋から明午橋までの河川敷が緑の区間としてきれいに整備され、白川夜市や、最近ではキャンプなど様々な催しが開催されており、先日も都市景観大賞を受賞したとの報道がなされました。この2つの流域での河川敷活用に関する利便性については大きな差があり、同じように中心市街地を流れながら、そして坪井川遊水地には大切な洪水調節機能も有することを鑑みれば、坪井川の置かれている状況は望ましいとは言えません。  このような状況下においても、何とか有効活用ができないかと御尽力をいただいている坪井川遊水地の会をはじめとする地域住民の皆様に対して、本市としては今後どのように対応していかれるのか、また何かしら効果的なサポートができないものか、大西市長のお考えをお聞かせください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  坪井川遊水地周辺の住民の皆様には、ボランティアによる遊水地の美化活動など様々な御協力をいただき、改めて感謝を申し上げます。  坪井川遊水地の利活用に関する取組の1つとして、平成29年11月、河津桜の苗木120本が静岡県河津町から熊本地震復興支援のため寄贈され、地域主催で植樹祭が開催されました。その際にはまちづくりセンターも準備に関わるなど、協力をさせていただいたところです。  また、国土交通省によります河川空間のオープン化の推進の方針を受け、平成30年10月に本市主催でミズベリング坪井川会議を開催し、地域住民の皆様とともに全国各地の河川空間活用事例を学ぶなど、遊水地の未来の姿について考えるワークショップを行ったところです。  議員御案内の高平台、壺川、黒髪、清水の各校区の住民組織の代表などで構成されましたNPO法人坪井川遊水地の会の活動に関しましては、まちづくりセンターが定例会に参加するとともに、広報や補助金申請等のサポートを行っておりまして、また本年度は、同法人の活動をくまもと・わくわく基金の助成事業として決定したところです。  坪井川遊水地は、下流域の水害を防ぐための治水施設でありますとともに、市民の憩いの場でありますことから、今後も引き続き、地域住民や利用者の皆様の御意見を十分にお聞きしながら、必要な支援に努め、遊水地がより一層地域に親しまれる場所となるよう取り組んでまいりたいと考えております。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇〕 ◆荒川慎太郎 議員  御答弁の中で挙げられた河津桜の植樹祭やミズベリング坪井川会議は、いずれも平成の取組事例であります。逆に言えば、令和の時代を迎えての目立った取組は見られなかったのではないでしょうか。とはいえ、坪井川遊水地の会の活動や遊水地の重要性については御理解いただいており、その結果として、本年度くまもと・わくわく基金の助成事業として補助金を拠出していただいているものと理解いたします。  今後はより一層の御支援を御検討いただけるものと期待して、次の質問に移ります。  新型コロナウイルス感染症拡大による1年半の延期を経て、本年4月に第4回アジア・太平洋水サミットが開催されました。先ほどの緑化フェア同様、非常に状況判断の難しい中での開催だったと思いますが、無事にサミットが開催され、各国首脳を実際にお招きしながら、また、一部オンラインという新たな参加形式も確立されたことにより、熊本宣言の採択まで行われたことは、非常に有意義なことでありました。  しかしながら、サミットという性質上、なかなか市民の皆様にその意義や重要性を訴えることは難しかったのではないでしょうか。そこで、今回のサミット開催の意義や成果について、環境局長に改めて御説明をお願いいたします。          〔早野貴志環境局長 登壇〕 ◎早野貴志 環境局長  サミット開催における成果についてお答えします。  第4回アジア・太平洋水サミットは、持続可能な社会を目指す本市が、世界的な水問題解決に貢献できる機会であると同時に、本市の地下水保全の取組や熊本地震からの復興を国内外に発信する好機と捉え、開催に向け取り組んだところでございます。  サミットでは、「持続可能な発展のための水〜実践と継承〜」をテーマに、30か国の首脳・閣僚をはじめ多くの参加者に熱心な議論をいただき、世界の水問題解決に向け新たな展開が生まれるなど、大きな意義を持つ国際会議になったと考えております。  特に首脳級会合では、コロナ禍からの回復において水の重要性が改めて認識され、質の高い社会への変革を目指す熊本宣言が採択されました。さらに岸田総理からは、実現を加速させるためにアジア太平洋地域のインフラ整備などを支援する熊本水イニシアティブが表明されました。
     この熊本宣言は、来年3月開催の国連水会議で世界に発信される予定であり、熊本から世界の水問題解決に向けた一歩が踏み出され、持続可能な社会の実現に寄与できるものと考えております。また、本市としましては、長年にわたる市民、事業者、行政が市域を越えて連携した地下水保全の取組や、熊本地震から力強く復興した姿を国内外の皆様へアピールすることができました。  加えて、首脳、閣僚級が参加する本市で初めての国際会議を、コロナ禍という困難な状況の中、対面・オンラインを併用した新たな形で無事に開催できたことは、本市の大きな財産となったものと考えております。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇〕 ◆荒川慎太郎 議員  サミットにおいて採択された熊本宣言が国連水会議の場で世界に発信されるということは、地下水都市として有数の水資源を誇る熊本市にとって、非常に有益なものになるであろうと考えます。サミット開催の成果が、様々な面で今後の本市における取組に生かされていきますよう、期待したいところです。  さて、このような恵まれた本市の水資源についてお尋ねいたします。  昨今、菊陽町に台湾の半導体大手、TSMCが誘致され、地下水の大量使用に対しての懸念なども話題になる中、今後の水資源の涵養や保全についての取組が、より一層必要になるものと考えます。そしてまた、熊本の誇る地下水のすばらしさを広く知ってもらうために、今後どのような取組を進めていかれるのかお聞かせください。環境局長、お願いいたします。          〔早野貴志環境局長 登壇〕 ◎早野貴志 環境局長  今後の水資源に対する取組につきましては、熊本地域の健全な水循環の仕組みを様々な機会を捉え発信するとともに、熊本宣言のみならず、シンポジウムや展示会などサミットで話し合われました成果を、多くの市民の皆様に分かりやすく伝えてまいります。また、今回特に高い評価を受けました高校生の活動をさらに発展させるため、地下水保全活動に参加する機会を設けるなど、若い世代の活動も支援してまいります。  このように、世界が認めた地下水保全の取組をさらに国内外に発信するとともに、若い世代の参画を促すことで、豊かな地下水を次世代へ継承してまいります。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇〕 ◆荒川慎太郎 議員  御答弁にありましたように、サミットのシンポジウムでは、高校生や小学生の活動プレゼンテーションなど、その完成度に驚かされるものが多く見られました。次世代を担う若い世代に問題意識を持ってもらうことは、将来へつながる大切な取組でありますので、ぜひ引き続き推進していただければと思います。  続いて、その水資源を有効活用することが可能となる防災井戸についてお尋ねいたします。  一昨年の第4回定例会において、防災用の手押しポンプ式井戸の導入についてお尋ねしました。その際の答弁でも、またその後の聞き取りの中においても、引き続き研究するとの回答でありましたので、その研究の結果がどのようなものであったかお聞かせください。政策局長、お願いいたします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  防災井戸に関する調査状況等についてお答えします。  手押しポンプ式の防災井戸は、停電時や災害発生時の生活用水確保の手段として非常に役立つものであると考えており、議員の御提案を踏まえ、他都市における設置状況調査や、国、事業者等からの情報収集を行ったところでございます。その結果、政令指定都市20市中3市において防災井戸が設置されており、マンホールトイレ用の水や日常の散水等での活用を考えているとのことでございました。  今後はこれらの設置・活用状況を参考に、本市の避難所ごとの生活用水の確保等について、地域や施設管理者、関係部署とも協議をしながら検討を行ってまいりたいと考えております。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇〕 ◆荒川慎太郎 議員  防災井戸の導入に関して、ある一定の調査や情報収集は行われていたようです。他都市の導入事例などを参考にして、導入に向けてのさらなる協議、検討を推進していただけるよう期待いたします。  さて、この井戸の問題を含めた防災に関する庁内各部局の連携についてお尋ねします。  熊本地震から6年余りが経過しました。あのとき生活用水の重要性を皆様体験されたことと思います。その観点を発端として井戸に関するお尋ねをしたところですが、災害発生時に最重要防災拠点であった市役所本庁舎では、当時断水や停電等のインフラ障害はあったのでしょうか。また、もし今、同様の災害が発生し、同じような断水、停電といった状況になった場合、防災拠点としての機能はどのように担保するのかお聞かせください。  もう1点、今回で3度目となる防災井戸に関する質問に対して、これまで政策局長からの答弁をいただいておりましたが、果たして1局からの答弁でよろしいのでしょうか。といいますのも、災害発生時に避難所となる小学校ではプールの再編や統合などが検討されており、教育委員会では手押しポンプ井戸の導入経費などを調査しているとお聞きしました。  また、上下水道局ではマンホールトイレの導入が進められており、これと連動する用水の確保も必要となりますが、この課題も解決されてはおりません。  既に設置されている熊本駅前とシンボルプロムナードの手押しポンプ井戸は、都市建設局の管轄であります。  井戸1つをとっても、部局ごとに各々での取組が行われているような状況でありながら、いざというときに本当に充分な連携が図れるのか疑問が持たれます。平常時の縦割り行政の弊害も耳にすることがありますが、こと防災に関しては、市民の命を守るため、とても重要な役割を担っていると考えます。  井戸に限らず、様々な観点において、縦割りではなく横断的な部局間の連携や平常時からの災害対応への取組が必要と考えますが、いかがでしょうか。政策局長、お願いいたします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  防災に関する庁内各部局の連携等についてお答えします。  本庁舎は、熊本地震の本震が起こった4月16日に停電や断水等が発生し、電力については非常用自家発電機により速やかに確保できましたものの、断水については復旧は2日後でありました。  今後、大規模な災害が発生し、本庁舎が防災拠点施設として活用できない場合は、消防局庁舎、熊本城ホール、熊本市民会館、上下水道局庁舎のいずれかに災害対策本部機能を移転し、対応することとしております。  また、災害発生時は直ちに災害対策本部において被害情報等の収集・発信を行うとともに、各局区における対策部間で情報共有、連携を図りながら、迅速な災害対応に取り組むこととしております。  しかしながら、熊本地震から6年が経過し、職員の震災対応の記憶やノウハウが全庁的に薄れていることが懸念され、特に、避難所運営や物資の配送など発災後の初期対応については、平時からの部局横断的な取組が大変重要であると考えております。  そのようなことから、本市では、災害救助法担当職員、避難所担当職員、物資搬送を担う特命隊について、あらかじめ職員を任命し、震災対処実動訓練や研修、会議等を通じて、部局を超えた連携に努めているところであります。今後もより迅速で効果的な災害対応を行うことができますよう、全庁的な災害対応力の強化に取り組んでまいります。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇〕 ◆荒川慎太郎 議員  災害発生時に本庁舎が使用できない場合には、ほかの施設に災害対策本部機能を移転とのことでしたが、実際、熊本地震発生時には、断水が復旧したのは2日後とのことで、その間災害対応に当たる職員の皆様は、非常に不自由な状況での作業だったのではないかと思われます。  実際、宇城市役所には隣接する施設に手押しポンプ式の防災井戸が設置されており、災害発生時には非常に有効性が高いと思われますので、庁舎敷地内への井戸の設置等も含めて御検討いただければと思います。  また、御答弁いただきましたように、災害発生時には平常時とは比較にならない、極めて迅速な対応が不可欠となります。その際に十分な災害対応を可能とするため、平常時における部局間の連携や対応強化に努めていただきますようお願い申し上げます。  続いて、観光資源としての熊本城についてお尋ねいたします。  ウィズコロナの時代を迎えるに当たり、経済活性化も重要な課題となる中で、今後は観光都市としても様々な取組を行っていく必要があると考えます。  3月にまん延防止等重点措置が解除され、今回の質問でも取り上げております緑化フェア、水サミットと、大規模なイベントも開催されました。その後、人の流れの増加も見られたゴールデンウィークが過ぎて、ひと月余りが経過しました。本市観光の重要施設である熊本城のゴールデンウィーク期間中の来園者数について、震災・コロナ禍の前と比較してどのような変化があったかお知らせください。  また、昨年度の熊本城みどり保存管理計画策定の際に、樹木に関するアンケートを実施したと伺っております。その中で、来園者の居住地区分に関する割合をお示しください。文化市民局長にお願いいたします。          〔横田健一文化市民局長 登壇〕 ◎横田健一 文化市民局長  まず、震災・コロナ禍前と比較しました熊本城来園者数の変化についてお答えいたします。  ゴールデンウィーク期間中における熊本城有料エリアの公開は、復旧工事やコロナ禍による臨時閉園等により、平成28年の熊本地震以来、実に6年ぶりとなったところでございますが、期間中には約5万7,000人のお客さまに御来園をいただきました。この数字を熊本地震前の平成27年のゴールデンウィーク期間中の来園者数と比較いたしますと、約7割まで回復してきており、今後の来園者の増加に確かな手応えを感じているところでございます。  次に、熊本城来園者数の居住地別の割合でございますが、昨年11月に実施しました熊本城みどり保存管理計画策定の際の来園者アンケート結果によりますと、熊本市内が約2割、熊本市内を除く県内が約1割、県外が約7割となっております。  なお、本年度、経済観光局において、国内旅行者の滞在情報や外国人旅行者のニーズ・志向情報などの調査分析を行うためのマーケットリサーチが予定されていることから、この調査分析の結果などを関係部局と共有しながら、連携してコロナ終息後の誘客につなげてまいりたいと考えております。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇〕 ◆荒川慎太郎 議員  経済観光局で実施されるマーケットリサーチでは、非常に細かい動向調査が可能になると伺いました。今後の観光施策において重要な参考データになると考え、その効果に期待したいところです。  樹木に関するアンケートは、分母数が小さいために全体の割合と同率ではないかもしれませんが、おおむね近い数字ではないかと思われます。ということは、熊本市内の来園者は2割程度であり、天守閣の特別公開から1年余りが経過した現在も、大多数の熊本市民が、復活した熊本城の姿を間近から、そして内部まで見たことがないということになります。あれだけすばらしい景観と展示内容が整備されたことを考えますと、これは非常に残念なことだと思います。  さて、何かにつけてSNSを使って情報収集するのが当たり前となっている昨今、最も有効で効率性の高いPRは口コミであります。熊本市民の皆様に、その口コミの情報発信源としての役割を担っていただくのは、これからの観光誘致策において非常に重要なことではないでしょうか。  そこで御提案いたします。熊本市民に対して、例えば熊本城入園無料の日を設けたり、無料券を配布したりといった取組を検討することはできないでしょうか。文化市民局長にお尋ねいたします。          〔横田健一文化市民局長 登壇〕 ◎横田健一 文化市民局長  議員御指摘のとおり、昨年11月の来園者アンケートの結果を見ますと、熊本市民の来園者の割合が少なく、復旧を終え、展示内容も刷新した熊本城内部を御覧いただけていない市民の皆様も多いものと推察しているところでございます。  天守閣復旧に伴う特別公開に当たりましては、報道機関にも大きく取り上げていただいたほか、市政だよりをはじめ熊本城総合事務所の公式ホームページやSNS、ポスター、チラシ等を活用し、広く周知に努めてまいったところでございますが、市民の皆様の口コミによるPRは非常に有効であると考えており、一人でも多くの市民の皆様に復旧の進む熊本城へ足を運んでいただけるよう、より魅力的な取組について検討するとともに、引き続き効果的な周知、広報に努めてまいります。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇〕 ◆荒川慎太郎 議員  これまでの特別公開に関して、通常の報道、市政だよりやホームページ、こういった広報の結果が来園者に占める市民の割合が2割という数字になっているという点を、まず御理解いただきたいと思います。  御承知のとおり、観光割引策の県民割が全国への拡大を検討されているとの報道がありました。今後全国各地の都市が観光客の誘致による経済活性化をもくろみ、様々なキャンペーンや広報手段を展開していくことは明白です。その激化する誘致合戦において、熊本市の対応が遅きに失するということがないように、あらゆる方法を検討し、よりよい答えを迅速に導き出していく必要があります。  今年、本市の政令指定都市移行10周年を迎えます。これを好機と捉え、ぜひ多くの市民の皆様に熊本城のすばらしさを御覧いただく機会をつくっていただきますよう、お願い申し上げます。  続きまして、中心市街地における喫煙に関する質問に移ります。  まずは、3月下旬に実施された中心市街地アーケード付近の公設灰皿撤去に関してお尋ねいたします。  5月26日から6月2日まで、LINEを利用してのアンケートが実施されておりました。その実施意図、また、撤去後2か月が経過してから実施した理由、そしてアンケート結果について御提示ください。また、アンケート項目以外に、公設灰皿を撤去したことによる影響や課題について、どのように状況把握を行い、課題を認識しているかお聞かせください。文化市民局長、お願いいたします。          〔横田健一文化市民局長 登壇〕 ◎横田健一 文化市民局長  公設灰皿撤去による現状と課題の認識についてお答えをいたします。  本年3月末に公設灰皿4基を撤去したところでございますが、その後周辺へのごみの散乱や市民等から苦情等もなく、経過を注視していたところであり、撤去後の対応策として、中心市街地分煙施設設置費助成事業を含む補正予算を本定例会に計上するにあたりまして、灰皿撤去後の状況について、市民の皆様へご意見を伺ったものでございます。  アンケートの結果では、受動喫煙を受けにくくなった、道端でたばこを吸う人が減ったなど、環境が改善したと答えた方が39.3%、また、道端でたばこを吸う人やごみが増えたなど、環境が悪くなったと答えた方が26.7%、特に変化は感じないと答えた方が16.1%となっており、灰皿撤去により、全体としては環境の向上が図れたものと認識をいたしております。  LINEアンケート以外の状況把握とその課題についてでございますが、今回複数の商店街関係者等に御意見をお伺いしたところ、ポイ捨てや路上喫煙が増えたとは直接は聞いていないが、撤去した灰皿に代わるものが必要との御意見もいただいたところでございます。  本市といたしましては、アンケートの結果において、道端でたばこを吸う人やごみが増えたなど、環境が悪くなったという意見もありましたことから、本助成事業により改善を図れるよう、努めてまいりたいと考えております。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇〕 ◆荒川慎太郎 議員  今回のアンケートでは、灰皿が撤去された場所に特化した質問内容であったため、中心部全体における喫煙に関する問題とは若干相違があるかと思われます。また、分煙施設の助成事業に関して、これは公設灰皿の撤去前に効果測定も含めて取り組むべきであった事業であり、全くもって順序が間違っている点を指摘して、次の質問に移ります。  令和2年第4回定例会における私の分煙施設の整備についての質問に対して、市長は、民間の分煙施設の設置や、分煙に関する指導助言などを行っていくと答弁されました。それ以降1年半の間、どこに対してどのような指導助言などを行ったのかお聞かせください。併せて、ほかの指定都市での公設喫煙所の設置状況がどのようになっているか御提示ください。大西市長、お願いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  令和2年12月からこれまでに行いました民間の分煙施設の設置や運営に対する指導助言などについて、順次お答えをいたします。  まず、民間事業者の分煙施設に関連する市民の皆様からの苦情について、令和2年12月から令和4年5月までの間、飲食店93店舗に延べ96回、その他事業所57店に延べ91回、計187回の指導助言を行いました。  次に、令和3年4月から5月にかけて、民間企業から、中心市街地の市有地等における加熱式たばこ専用の喫煙所設置と他都市の運用状況について御提案を受けましたものの、パーテーションの設置は行わないという条件でありましたため、受動喫煙防止が困難と判断し、設置提案を見送ったところでございます。  また、令和3年6月から現在まで、別の民間企業とも計7回、民間による喫煙所の新設等について協議及び情報共有を行っておりまして、今後も継続してまいりたいと考えております。  さらに、中心市街地において、分煙施設を有する民間事業者4社から、一般の喫煙者の利用について内諾を得ているところでございまして、準備が整ったところから、順次本市ホームページで紹介してまいりたいと考えております。  最後に、指定都市において、商業地や歓楽街に公設喫煙所を設けている都市は、さいたま市や横浜市など計11市であります。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇〕 ◆荒川慎太郎 議員  まず、187回の指導助言を行ったとのことですが、これは市民からの苦情に対して対応した回数であり、分煙施設の設置運営に関するものではございません。また、民間企業からの喫煙所設置に関する提案については、本市側から拒否したものであります。そして、公設喫煙所については、政令指定都市の半分以上が設置している状況を踏まえて、その必要性についての質問に移ります。  様々な機関で実施された喫煙所に関するアンケート調査結果について御案内いたします。まず、喫煙所の必要性に関するアンケートでは、喫煙者・非喫煙者いずれも8割前後が必要と回答。別の、昨年実施されたたばこ税に関する調査においては、たばこ税を喫煙所の整備に充てることをよいことだと思うと回答したのは、喫煙者・非喫煙者ともに78%でありました。  このような調査結果や事業を踏まえて申し上げます。今回の公設灰皿撤去に関する様々な問題の発端の1つは、市役所敷地内の全面禁煙を断行したことにあります。その結果、中心市街地の路上喫煙が増加し、改正健康増進法の本来の目的である望まない受動喫煙までもが増加したと考えられます。  以上の点を踏まえて、公設喫煙所の必要性について、そしてこれだけ設置が望まれている施設に対してどのように取り組むのか、大西市長のお考えをお聞かせください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  令和2年4月に全面施行されました改正健康増進法は、施設の類型に応じて敷地内禁煙と屋内禁煙を区分し、望まない受動喫煙を防止するもので、喫煙そのものを否定しているものではございません。  そこで、担当局長が先ほど答弁をいたしましたとおり、現段階において喫煙者が一定数いらっしゃることや、令和4年第1回定例会での議論、さらに改正健康増進法は民間企業に対し屋内禁煙などの義務を課していることを踏まえ、民間による分煙施設設置費助成の予算を計上したところです。  喫煙による身体への影響も考慮し、健康増進を図る観点から、行政主導による公設喫煙所の整備については考えてはおりませんが、民間事業者に対し、今回の助成制度の活用について促してまいるほか、先ほど答弁をいたしました市内中心部の協力していただける分煙施設を本市ホームページで紹介するなど、引き続き望まない受動喫煙の防止に取り組んでまいりたいと考えております。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇〕 ◆荒川慎太郎 議員  お昼のチャイムが鳴りましたが、若干延長戦に入らせていただきたいと思います。  改正健康増進法の目的である望まない受動喫煙を抑止することができないという状況にあるからこそ、今のお尋ねをしたわけであります。しかしながら、喫煙による身体への影響も考慮し、健康増進を図る観点から、行政主導による公設喫煙所の整備については考えないとの答弁でした。これは全くもって議論がかみ合っていないとしか言いようがございません。  また、御紹介したアンケート結果では、8割の方が喫煙所が必要であり、たばこ税の活用も良いことであるとの回答でした。さらに、中心市街地の商店街や自治会、各種団体からも喫煙所設置に対する要望の声が上がっていると聞き及んでおります。  以上の点を鑑みますと、こと喫煙所に関する問題については、多くの市民が望んでいる声に対して耳を傾けず、対応するつもりもないというのが本市の姿勢であるとの理解でよろしいでしょうか。改めて大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  先ほど御答弁をいたしましたけれども、健康増進法の趣旨からいっても、この非喫煙者の健康を守るということは非常に重要でありまして、そういう意味で、この受動喫煙に関する苦情も多く聞かれているわけであります。  そこで、繰り返しになりますけれども、現段階において喫煙者が一定数いらっしゃるということを踏まえ、あるいはさきの定例会での御議論も踏まえて、今回民間による分煙施設設置費の助成という予算を計上したところでございます。民間事業者の皆さんに対し、この助成制度の活用を促していって、そして、今回公設喫煙所は廃止したわけでありますけれども、民間の中で分煙施設を設置していただくことで、分煙をより進めていくことにつながっていくものと期待しているところでございます。  以上です。          〔10番 荒川慎太郎議員 登壇〕 ◆荒川慎太郎 議員  全国で一番最初に路上喫煙の罰則を設定したのは、東京都の千代田区であります。この千代田区では、公設の喫煙所が約50か所、それでも足りないということで助成金を設定して、民間の喫煙所に対する補助を行い、70か所の民間喫煙所を設置しております。これが本来の行政の正しい姿であります。まず公設の喫煙所がある。それでもなお足りないので、民間に協力を依頼する。今回の補助事業は、公設のものは全く考慮せず、問題を民間に委ねただけでございます。  この件に関しましては、まだまだ議論の余地が多く残されていると考えますけれども、ここで一旦は終了させていただきたいと思います。  今回の用意した私の質問は、以上となります。御答弁いただいた執行部の皆様、また傍聴席に足をお運びいただいた皆様、そしてネット中継で御覧いただいた皆様に心から感謝申し上げます。本日は誠にありがとうございました。(拍手)       ────────────────────────────
    ○原亨 議長  この際、議事の都合により休憩をいたします。  午後2時に再開をいたします。                             午後 0時04分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○原亨 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原亨 議長  一般質問を続行いたします。  三森至加議員の発言を許します。三森至加議員。          〔18番 三森至加議員 登壇 拍手〕 ◆三森至加 議員  皆さんこんにちは。公明党熊本市議団の三森至加です。  今回、7回目の質問の機会をいただき、先輩・同僚議員の皆様に心より感謝申し上げます。傍聴にお越しいただいた皆様、またインターネット中継で御覧いただいている皆様にも、心からお礼を申し上げます。  今回の質問では福祉関連が多くありますが、皆様の声を市政に上げ、一人でも多くの方に理解していただき、決して人ごとではなく寄り添っていただけるよう、質問を行ってまいります。大西市長並びに執行部の皆様におかれましては、真摯な御答弁をお願いして、早速質問に入っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。  まず初めに、更年期の女性が安心して働けるための支援についてお尋ねします。  女性の更年期は閉経前後の10年間、40代後半から50代前半で、女性ホルモンの急低下で自律神経が乱れることから心身に不調が生じ、個人差があるものの、顔のほてりや不眠、いらいらなど200種類以上の症状があるとされています。  心身の不調は仕事に大きな影響を及ぼしており、NHKや独立行政法人労働政策研究・研修機構などの調査を基にした専門家の試算によると、更年期症状が原因で離職をした人が、40代、50代の女性の中で推計46万人に上り、仮に仕事を失った状態が1年間続いた場合の経済損失は、年間4,196億円に達するとのことでした。  離職に至った主な理由は、仕事を続ける自信がなくなった、病状が重かった、働ける体調でなかった、職場や会社に迷惑がかかると思ったなどでした。標準的な治療法には、体に不足したホルモンを少量補うことで症状を緩和させるホルモン充填療法がありますが、症状だけを見て更年期によるホルモン低下が原因かどうかを判別することは難しく、適切な診療に結びつかないケースが少なくないとのことでした。  更年期に関する情報や対策の普及、啓発に取り組むNPO法人ちぇぶら代表である永田代表理事は、更年期に詳しい専門家が少ないのが大きな課題だと言われています。公明党は、これまで更年期に悩む女性への支援を推進してきており、柔軟な働き方のできる制度の導入や医療体制の整備、正しい知識の普及へ前向きな取組を国に求めており、厚生労働省は、更年期症状が日常生活に与える影響に関する研究を今年度から実施し、実態調査も行うとしています。  私自身、更年期症状を見てみると、頭痛、急な発汗、めまい、不眠、肩こり、白髪、視力の低下、むくみ、物忘れ、腰痛などが当てはまっています。少しでも改善するようにといろいろ取り組んでいますが、根本的にこの症状に付き合っていくしかないと、諦め半分です。初めての経験に戸惑うことばかりで、鬱になってしまいそうなときもありました。このまま見えないトンネルに入ってしまって抜け出せないのではないかと、症状があっても対策が分からず、我慢していました。  過日のNHKの放送でも、そんな症状のときに寄り添ってくれる人、理解してくれる人がいることによって救われたと語られているシーンがありました。私もそうでした。私も含め、女性自身の健康に関する知識不足や更年期の不調があっても、周囲に相談しづらい職場環境などが背景にあり、適切な理解に向け、当事者だけでなく社会全体への啓発が必要になってくると思います。  そこでお尋ねします。国はこれから研究、実態調査を行ってまいりますが、男性の更年期もあることから、本市でも男女を問わず職員を対象に、実態調査を行ってみてはどうでしょうか。閉ざされた悩みに向き合い、男女が理解し合える社会を築いていけるよいきっかけになると思います。大西市長にお伺いします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  更年期には個人差はありますが、様々な症状が現れ、その程度によっては仕事の能率が低下し、最終的には離職に至る場合もあると聞いております。  更年期世代の職員については、キャリアが長く、知識や経験が豊富で貴重な人材でもありまして、その能力を十分に発揮し、質の高い業務を遂行してもらいたいと考えております。そのため、職員に対し更年期症状について周知を図り、早期の相談や治療につなげるとともに、周囲の理解を深め、働きやすい職場環境づくりに努めてまいりたいと考えております。  また今後、厚生労働省が実態調査を実施するとのことでありますので、その内容を注視しつつ、本市職員への調査については検討してまいりたいと考えております。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  大西市長、前向きな御答弁ありがとうございました。  私自身、50歳になってから初めてこの市議会議員という仕事に就きました。もともとポジティブで元気だけが取り柄の私です。先ほども述べましたが、そんな私でさえ更年期の症状に悩まされ、落ち込んでしまうときなどが出てきました。  そんなとき、相談できる先輩議員や家族が理解を示してくれたことで、何とか乗り越えてきました。なにげない日常の会話の中で救われています。柔軟な働き方のできる制度の導入や医療体制の整備、相談しやすい環境、正しい知識の普及を築いていくためには、実態調査が必要です。まずは本市職員で実態をつかみ、寄り添った対応をしていくことで、働きやすい環境を築いていけるのではないでしょうか。そこに大西市長のリーダーシップが発揮できると考えます。ぜひ早急に実態調査をお願いいたします。  次に、働く女性の悩みを解決する手助けとなるフェムテックの活用についてお伺いします。  フェムテックとは、女性を意味するフィメールとテクノロジーを掛け合わせた造語で、ライフステージに沿った健康課題を技術で解決する製品やサービスを指します。経済産業省は、約7割の方が更年期に関わる健康課題で昇進を辞退したことがあるとの調査結果から、出産や更年期といったライフイベントによる望まない離職を防ぐため、フェムテックを活用し、就業継続支援に乗り出しています。  月経を管理するデジタルデバイスのような簡易なものから、不妊治療、遠隔診療など高度な技術まで、製品、サービスは多岐にわたっています。東京都渋谷区では、日本初の更年期に焦点を当てたオンライン相談サービス、TRULYを提供しており、更年期の働き方や健康問題を社会課題として可視化し、社会全体でその解決を目指す事業に取り組んでおられます。  具体的に申しますと、TRULYは女性社員の健康支援を目的に、働く女性の健康に寄り添い、信頼できる情報を伝え、女性医師が悩みに答えるオンラインサービスを行っています。健康ケアに取り組んでいる企業は増えているものの、女性の健康課題や女性活躍に対しての対策は不十分な組織がまだまだ多いのが実情である。働いている女性特有の健康問題を、女性本人だけでなく社会全体で支えていくために、まずは実証実験によって、女性が抱えている具体的な問題、悩みを探っていくことが重要であると考え、フェムテックを活用した実証実験を実施されました。  効果検証として、更年期について対処法が分かったので、やみくもに不安ということはなくなった、自分の健康について気を遣おうと思えた、相談する場所があれば、更年期も乗り越えられるなどと報告されております。この実証実験の成果発表を受け、神戸市も連携し、専門家との意見を交えながら、更年期世代の男女が働きやすい社会の実現に向けて、産官学でさらに議論するための更年期の未来会議2030を開催されています。  TRULYは、更年期を女性だけのものとして捉えるのではなく、男女が互いに理解し、自身を大切にできる社会にしていきたい。更年期をネガティブな課題として捉えるのではなく、上手に付き合い、ポジティブな経験にしていけるよう変えていきたいと言われています。  そこでお尋ねします。  1点目、本市では更年期で悩んでいる方々に対し、どのような取組を行われていますか。  2点目、更年期の女性が安心して働ける支援として、フェムテックを活用するべきと考えますが、自治体だけではできません。企業や医療、福祉等との連携が必要だと思います。どのように取り組んでいかれますか。  以上2点について、健康福祉局長へお伺いします。          〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕 ◎津田善幸 健康福祉局長  更年期の方々に対する支援といたしましては、本市では、各区役所の保健子ども課において保健師等による健康相談を実施しており、更年期症状で悩んでおられる女性の皆様が、早期に相談できる体制を確保しているところでございます。また、3月の女性の健康週間を中心に、市政だよりや市ホームページにおきまして、更年期症状に関する情報提供や普及啓発に取り組んでおります。          〔議長退席、副議長着席〕  次に、フェムテックの活用でございますが、フェムテックは経済財政運営と改革の基本方針2022にも明記されており、国においても重要な取組であると位置づけております。令和3年度以降、経済産業省において、フェムテックを活用した実証事業が行われているほか、渋谷区でも議員御案内の更年期ケアの取組を含む女性特有の健康課題に対し、様々な実証的な取組も進められているところでございます。  本市としましても、フェムテックの活用は、女性が健康課題を解決し、安心して働ける社会の実現に向けて非常に重要な取組であると考えており、この実証事業に加え、国が行う実態調査の結果も注視しつつ、企業等との連携も視野に、フェムテックの活用方法について研究してまいります。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  健康福祉局長、御答弁ありがとうございました。本市での更年期障がいについての支援のホームページを開いてみると、女性の健康推進室や婦人科受診のトリセツが掲載されており、厚生労働省からの詳しい情報も載せてありました。  昨日、小佐井議員も言われていたように、情報が多過ぎて、どこに相談すればよいのか分かりませんでした。しかし本市では、各区役所において保健師等による健康相談が実施されているとのこと、更年期で悩む女性にとって、相談できることはとても心強いと思います。私も機会を見つけて、一度相談に行ってみようと思いました。  フェムテックの活用については、骨太方針2021に初めて盛り込まれ、今年度の骨太方針2022にも女性の活躍を挙げた中で、フェムテックのさらなる推進が重要な取組であると位置づけられています。熊本市バージョンの取組として、企業等とも連携し、取り組んでいってほしいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  次に、アピアランスケアの推進について質問します。  アピアランスとは外見を示す言葉で、外見の変化が起きた際に行うケアをアピアランスケアと言います。がん患者さんは、がんやがん治療に伴う副作用により、頭髪の脱毛やまつ毛や眉毛の脱毛、肌色の変化、皮疹、爪の変化、手術による傷跡、乳房の喪失、顔や四肢のむくみなど様々な変化が起こり、これらの外見の変化により、自分らしさを失ってしまったように感じたり、人の目が気になり、周囲の人々や社会との関わりをつらく感じるようになってしまったりと、がん患者さんにとっては大変な苦痛となってしまいます。  アピアランスケアとは、そのストレスを軽減するためのケアです。近年のがん医療では、アピアランスケアがとても注目されています。患者自身が外見を意識する機会が増えることで、アピアランスケアの重要性や注目度が、一層高まっていると考えられます。  医療技術の進歩によって、がん患者の生存率は伸び続けており、さらに通院治療環境の整備も進み、多くの患者が、仕事をしながらがん治療のための通院を継続できるようになりました。がんになってもこれまでどおり安心して明るく暮らしていただけるよう、療養生活の質の向上の観点から、全国でも県単位や市などで医療用ウィッグや補装具に係る費用の補助を行っている自治体があります。  実際にがんの治療を受けられている患者さんからも、お店に手頃なウィッグがあるか見に行かれたりもしたそうですが、安価なものはすぐにずれてしまうそうで、一般的なものでも高額で、経済的な負担が大きく費用が非常に高いので、ウィッグの助成などないかと相談を受けています。女性にとって、髪は命と言っても過言ではありません。  そこでお伺いします。  1点目、指定都市での助成制度の導入状況をお示しください。  2点目、熊本県内での助成制度の導入状況をお示しください。  3点目、本市で行われているがん患者への支援をお示しください。  4点目、本市での検討に向けての状況をお示しください。  以上4点、健康福祉局長にお伺いします。          〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕 ◎津田善幸 健康福祉局長  アピアランスケアの推進に関しまして、医療用ウィッグ等の助成など4点の御質問に順次お答えいたします。  1点目の指定都市における医療用ウィッグ等に対する助成制度の導入状況でございますが、県全体での導入を含め、指定都市20市中11市で導入されており、本年度から福岡市が導入している状況でございます。  次に、県内における導入状況でございますが、平成30年度より大津町が、令和2年度より益城町が制度を導入されており、いずれも医療用ウィッグのみを助成の対象とされているところでございます。  次に、3点目の本市のがん患者の方への支援でございますが、がん患者やその御家族等からの相談に対応するがん相談ホットラインの開設をはじめ当事者間の交流等を促すがんサロンの開催のほか、様々な媒体を通じた支援情報の発信や、医療機関等の関係団体との連携にも努めているところでございます。  最後に、4点目の本市における医療用ウィッグ等に対する助成制度についての検討状況でございますが、がん患者の方などからこれまでいただいております制度導入に関する要望等を踏まえまして、他都市における導入事例の調査や、補装具も含めた制度設計等を現在行っているところでございまして、本市におきましても早期導入を目指して、引き続き検討を進めてまいります。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  健康福祉局長、御答弁ありがとうございました。本市では、がん患者の支援としては、がん相談ホットラインの開設やがんサロンでの交流開催などを行ってくださり、情報発信や医療機関等との連携も行ってくださっているとのこと、より一層寄り添いながらの支援をお願いします。  アピアランスケアの導入については、半数以上の指定都市が導入されています。他都市での導入事例の調査や補装具も視野に入れてくださるとのこと。実際にお使いになっていらっしゃる方のお話も聞いてくださればよいかと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、新型コロナウイルス後遺症の対策についてお尋ねします。  公明党は、皆さんの声を実現するため、今年3月から九州各県でコロナ対策アンケートを実施し、40万人から回答を受けました。アンケートの結果で分かったことは、コロナ禍で不安に感じていることは何かとの設問に、コロナの後遺症と答えた人は44.8%あり、今後必要と思う対策・支援については、コロナ後遺症への支援が54.6%の方が必要と感じていることが分かりました。約半数の方が、コロナ後遺症への支援を望まれています。  公明党は、このことを踏まえ、新型コロナウイルス感染者の後遺症対策について、充実、強化すべきであると国に訴えてきたところです。現在開会中の、今日で終わりますが、第208回国会の衆議院本会議代表質問で、公明党の石井啓一幹事長は、感染者が増え続ける限り、後遺症で苦しむ方々も増える。後遺症外来や相談窓口の設置促進とともに、後遺症対策の要となる後遺症のガイドラインを適時適切に改定していただきたい。後遺症に関わる医療データのオープンソース化、いわゆる無償一般公開も重要であると訴えました。  岸田文雄首相からは、後遺症に悩む方が必要な医療を受けていただけるように努めてまいります、また、後遺症に関する研究結果について、広く国民に還元してまいります、との答弁を受けています。  新潟大学大学院医歯学総合研究科の菖蒲川由郷特任教授は、次のように語られています。「後遺症については、感染者の約1割でつらい症状が出ており、そのうち4割程度が、1日の多くの時間で活動できない状態となる準寝たきりとなるとも言われており、オミクロン株でも倦怠感が出る人の割合は高く、症状は重い場合もあり、デルタ株などに比べ、頭痛や呼吸困難に陥る人の割合が高いのも特徴で、警戒が必要となり、事態は深刻だと言われています。しかし、日本では後遺症に関して周囲に理解されにくいため、人に伝えられずつらい思いをされている。これまでの調査は一部の機関や施設による限られた地域の調査分析にとどまっているため、全国規模の調査を行うことが急務であり、また、後遺症専門外来や相談窓口の設置促進も欠かせない。」と言われています。  東京都では、都立公社病院にコロナ後遺症相談窓口を設置し、新型コロナウイルス感染症の治療や診療終了後も、呼吸の苦しさや味覚嗅覚の異常などの症状がある方からの受診や医療に関する相談に対応されています。  5月下旬、都立公社病院が受け付けた電話相談の分析結果を公表しています。後遺症の実態としては、オミクロン株では、せきや倦怠感を訴える割合が大きく増加しているが、味覚・嗅覚障害は少ないとされています。専門医は、後遺症は長期化傾向が見られ、感染時は軽症でも油断は禁物だ。相談者の97%が感染時に軽症以下だが、後遺症の相談が寄せられているとして、感染予防策の徹底を呼びかけています。  そこで大西市長にお伺いします。  1点目、新型コロナウイルスに感染し、後遺症に悩む方が必要な医療を受けられる体制が本市にも必要だと考えますが、医療機関と連携した後遺症外来の設置について、本市はどのようにお考えでしょうか。  2点目、また、東京都では医療機関と連携した無料のコロナ後遺症相談窓口が設置されており、本市にも必要と考えますが、御見解を教えてください。  以上2点、大西市長にお伺いします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  新型コロナウイルス感染症罹患後に続く症状、いわゆる後遺症につきましては、呼吸器症状など全身に及ぶ症状が報告されているものの、その病態についてもまだ不明な点が多く、国の骨太の方針においても、実態把握や病態解明に資する調査・研究を進めるとされたところです。本市としても、これまで罹患後症状について相談があった場合は、入院受入れを行った医療機関での外来診療をはじめ、かかりつけ医や症状に応じた診療科へ案内をしております。  今後も国の調査・研究などの動向を注視していくとともに、かかりつけ医等の身近な医療機関において安心して医療が受けられ、必要時には専門医を受診できる従来の病診連携体制の強化について、医師会と連携し取り組んでまいります。  また、罹患後症状に関する相談については、県が設置いたします新型コロナウイルス感染症専用相談窓口にて受け付けておりまして、本市では保健所においても相談対応を行っております。当該症状のある方々を必要な医療に確実につなげていくことが重要であると考えておりまして、今後もかかりつけ医などの医療機関との連携を図りつつ、丁寧な案内に努めるとともに、専用相談窓口等の周知を図ってまいります。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  大西市長、御答弁ありがとうございました。国の骨太の方針においても、後遺症の病態については不明な点が多く、実態把握や病態解明に資する調査研究を進めているとされているとのこと。現在本市では、熊本機能病院さんと1つのクリニックさんが後遺症外来を行われているとお聞きしました。このような医療機関と情報交換ができるような医療機関が必要ではないでしょうか。様々なデータの下で専門的なアドバイスをし、リードをしていくのが本市の役目ではないかと考えます。医師会とも連携し、取り組んでいってほしいと思いますので、よろしくお願いします。  コロナ後遺症相談窓口の設置については、県が設置する新型コロナウイルス感染症専用窓口で受け付けており、本市では保健所においても相談対応を行っているとのこと。確かにホームページを調べてみると、新型コロナウイルス感染症専用窓口はありましたが、コロナ後遺症に関しては何も記載がありませんでした。県のホームページでは、新型コロナウイルス感染症の後遺症についてと別にありました。やはり分かりにくいので、本市でもホームページに載せていただけるよう、よろしくお願いいたします。  次に、帯状疱疹予防接種支援についてお伺いします。  帯状疱疹とは、子供の頃に感染した水ぼうそうと同じウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスが体の中で再活性化することで発症する皮膚の病気です。日本人成人の約90%以上は、帯状疱疹の原因となるウイルスが既に体内に潜んでいる可能性があり、50歳を過ぎると帯状疱疹の発症が増え始め、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると言われていますが、近年では20代から40代の比較的若い人たちの発症も増えているようです。  帯状疱疹の症状には通常、胸部、腹部または顔面に痛みを伴う水疱や、かゆみを伴う発疹が現れ、しばしば灼熱感、発赤または刺すような痛みを伴うことがあります。発疹が消えた後、帯状疱疹後神経痛(PHN)という痛みが数か月続くことがあります。PHNは、帯状疱疹の最も一般的な合併症です。また、50歳以上の帯状疱疹の患者さんはPHNに移行しやすく、加齢とともに移行率は高まることから、高齢者ほどPHNになりやすいと考えられています。  1997年から2006年に、宮崎県で約4万8,000人の帯状疱疹患者を対象に行われた研究調査・宮崎スタディによると、50歳以上では2人に1人の割合で後遺症が残ると報告されていますが、効果的な治療はなく、対症療法しかない。しかも長いケースだと10年間もこの痛みと付き合い続ける人もいるとのことです。  帯状疱疹ワクチンの製造メーカーであるGSK、グラクソ・スミスクラインは、日本も含め世界的に50歳以上の成人の健康やワクチン接種の重要性に関する意識が高まる中、帯状疱疹についての正しい理解を普及し、帯状疱疹の発症リスクに対する一般的な誤解をなくすための啓発は大切だと考え、国際高齢者団体連盟IFAと連携し、今年2月28日から3月6日まで、帯状疱疹に関する世界初の帯状疱疹啓発週間を立ち上げ、全国50歳以上の男女6,000名を対象に、帯状疱疹の認知とワクチン接種に関する考え方を理解することを目的として、帯状疱疹とワクチン接種に関する日本人の意識調査を行い、その結果を発表しています。  調査結果では、帯状疱疹という病名の認知度は高い一方で、帯状疱疹のリスクや帯状疱疹ワクチンに関する認知度は低く、帯状疱疹ワクチンをある程度以上知っていると回答したのは、わずか16%でした。COVID−19ワクチン90%や、インフルエンザワクチン86%と比較すると顕著な違いが確認されました。  そして、帯状疱疹に対する誤った認識として、自分が帯状疱疹を発症する可能性がない、分からないと71%が回答し、そのうち74%は自分は健康的な生活をしているから帯状疱疹を発症しない、自分は過去に帯状疱疹を発症したことがあるから帯状疱疹は発症しないとの誤った認識をしていることが明らかになりました。  そのような観点から、GSKは帯状疱疹に関する啓発活動として、帯状疱疹に関するウェブサイト帯状疱疹予防.jp、啓発広告、テレビCMなど幅広く展開し、より多くの方に帯状疱疹とワクチン接種の重要性を御理解していただくための情報を提供しています。そこで、このCMを見た市民の方から、私もワクチンを打ちたいとのお問合せがありましたので、帯状疱疹ワクチンについて調べてみました。  帯状疱疹ワクチンは、日本では厚生労働省により2016年3月に、50歳以上の者に対する帯状疱疹予防として効果があると追記されました。2016年から生ワクチンと呼ばれる、従来は水ぼうそうの予防のために幼児に打たれていたワクチンが接種できるようになり、1回8,000円程度です。しかし、これは免疫抑制薬やステロイド、抗リューマチ薬などを服用している人や妊婦は接種できません。それに加えて、新たに2020年に使用開始となった不活化ワクチンシングリックスは、1回2万円程度と高額で、しかも2回打たなければなりませんが、生ワクチンに比べると予防効果が高く、効果が長期間持続し、がんや膠原病などで免疫が低下している人でも接種ができる点が優れています。  帯状疱疹の予防接種は発症を完全に防ぐものではありませんが、発症しても軽症で済み、後遺症の予防につながるとされています。このことをお伝えすると、接種費用が高いので助成はないかとのお尋ねでした。また、別の帯状疱疹を発症した方からは、治りはしたが、いまだその痛みに悩まされており、仕事もできない状態になって悩んでいるという悲痛な話もお聞きしました。  新型コロナウイルスの影響により、運動不足や心理的ストレスが重なっていく中で、免疫力が低下し、帯状疱疹を発症するリスクが高くなるのではと懸念されます。帯状疱疹の治療には、ウイルスの増加を抑える抗ウイルス薬が使われ、飲み薬、点滴、塗り薬の3種類があります。早めにこれらの治療を受ければ、重症化するリスクを減らすことができますが、一方で治療が遅れてしまうと重症化するおそれもあります。  帯状疱疹の発症を防ぐ意味から、一定の年齢層を対象に、自治体で先行して帯状疱疹ワクチンへの助成を進めるべきと考えます。  そこでお尋ねします。  1点目、ワクチン接種費用の助成について、指定都市の導入状況をお伺いいたします。
     2点目、本市でのワクチン接種の周知と接種の推進はされているのでしょうか。  3点目、高額接種費用について、本市においても市民の健康を守るという観点から助成すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。  以上3点、健康福祉局長にお伺いいたします。          〔津田善幸健康福祉局長 登壇〕 ◎津田善幸 健康福祉局長  帯状疱疹予防接種についてお答えいたします。  まず、50歳以上の帯状疱疹予防接種につきましては、数年前より承認され、任意接種となっており、本市におきましては接種費用の助成は実施しておりません。指定都市における接種費用の助成等の実施状況は、20市中1市となっております。  次に、本市におけるワクチン接種の周知と推進につきましては、予防接種法で定められておらず、感染症の罹患や重症化などを防ぐ効果と副反応などのリスクを、個人の判断により接種する任意の予防接種についての周知及び推進は実施しておりません。  しかしながら、帯状疱疹につきましては、ワクチン接種を行うことにより病気に対しての免疫力が高められ、発症や重症化を抑えることができることから、予防接種の意義は大きいと考えているところでございます。現在、厚生労働省の厚生科学審議会におきまして、有効性や安全性等の観点から、予防接種法に基づく定期接種対象のワクチンに採用するかどうかについて、専門家による議論が進められており、費用の助成につきましても、今後国の動向を注視してまいります。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  健康福祉局長、御答弁ありがとうございました。政令市では1市、名古屋市が助成を実施しています。満50歳以上の方を対象に、生ワクチンは1回につき4,200円、不活化ワクチンは1回につき1万800円、2回で2万1,600円助成されています。  私も、子育て真っただ中のときに母が入院してしまい、ストレスがたまって帯状疱疹を経験したことがあります。その当時は珍しい病気だったので、発疹が体を1周すると死んでしまうという都市伝説が流れたほどです。入院を勧められましたが、子供を置いていけないので、特効薬の飲み薬と塗り薬を頂き、完治することができました。たしか1万円以上かかりました。高額とは聞きましたが、痛みには替えられなかったし、死にたくないと思い、支払ったことを思い出しました。  先日のニュースで、ジャスティン・ビーバーがラムゼイハント症候群という、顔の半分が麻痺する病気を発症し、長期療養に入ると伝えられていました。国立感染症研究所のホームページによると、ラムゼイハント症候群とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる疾患で、顔面神経麻痺が主な特徴だそうです。この若いジャスティン・ビーバーでさえ、顔面麻痺は深刻な状態であると悩まれています。  答弁でもありますように、帯状疱疹については、ワクチン接種を行うことにより病気に対しての免疫力が高められ、発症や重症化を抑えることができることから、予防接種の意義は大きいといいますので、どうか前向きに検討してくださるようお願いいたします。  次に、ドライブレコーダーを活用した安全安心のまちづくりについてお尋ねします。  ドライブレコーダーは、事故に遭った際やあおり運転を受けた際などにも、映像が提供されたことにより、事件・事故の解決につながっています。民間会社が行っているカーライフの実態に関する調査結果を見ると、ドライブレコーダーの搭載率は2018年の8.4%に対し、2021年には43%と、市民への普及も大きく伸びています。  令和元年第2回定例会にて、我が会派の井本議員がドライブレコーダーを活用した犯罪抑止力の強化について質問しており、公用車へのドライブレコーダーの普及を訴え、当初25%だった普及率も、今では77.5%と大きく伸びています。  地元紙によりますと、熊本県警は今年の春から、県警発の独自運用で熊本市の繁華街や荒尾、玉名地区の小学校通学路に、独自に運用する防犯カメラ40台を設置したとのこと。県警が運用まで担うのは初めてで、カメラの存在を周知して犯罪の抑止を狙い、事件や事故の際には捜査にも活用して早期解決を目指しています。  県警が独自に運用する防犯カメラを街灯に設置した背景には、犯罪抑止の狙いに加え、映像が事件の容疑者特定に大きく貢献しているが、一方では監視社会化がさらに進み、プライバシーの侵害を懸念する声もあり、厳格な運用が課題となっているとのことでした。  実際、私の地元自治会でも、地域の企業からの支援で防犯カメラを設置できるようになりましたが、地域の方々に聞いてみると、自分の家の前は嫌だということで、公民館の前にしかつけられなかったとのことでした。このようなことから、防犯カメラよりもドライブレコーダーは、動く防犯カメラとして役割を果たしてくれるのではないかと考えます。県がこのように取り組んでいる中、本市としても安全安心のまちづくりに向けて、ドライブレコーダーによる犯罪抑止への取組を強化すべきと考えます。  熊本県内の大津町や芦北町は、各警察署や民間事業者などいろんな団体と協定を結び、犯罪や交通事故等の発生抑止や早期解決につなげるものとして、町一体となって取り組まれています。芦北町では、芦北町防犯協会と芦北警察は、協定車両にドラレコステッカーを作成し、走る防犯カメラとして町民の皆さんに安心感を与えられているとのことでした。  本市でも公用車への設置は約8割となっており、民間でも普及率が増えてきているドライブレコーダーを地域の安全安心のために活用しない手はないと思っています。  そこで文化市民局長にお尋ねします。官民一体となってドライブレコーダーを活用した地域の安全安心を推進していく取組を、本市から警察や関係団体に積極的に呼びかけて実施していただきたいと思いますが、どのようにお考えでしょうか。          〔横田健一文化市民局長 登壇〕 ◎横田健一 文化市民局長  本市では、平成18年度に犯罪を防止し安全で安心なまち熊本市をつくる条例を制定し、市民及び観光客等の本市を訪れる人々が、犯罪に遭わないこと並びに犯罪を発生させないことを目指した取組を実施いたしております。また、各校区防犯協会などにおいては、お住まいの地区を定期的に徒歩や青色回転灯装備車(通称青パト)などにより見守り活動を実施し、安全安心のまちづくり活動に努めていただいているところでございます。  議員御提案の、車両に搭載してあるドライブレコーダーは、搭載車であることを表示することにより、動く防犯カメラとして犯罪の発生を未然に防止するとともに、事件及び事故等の早期解決につながる効果が高いと考えております。今後、県警や防犯協会などの関係団体と協議し、ドライブレコーダーの映像提供、保存への協力や、犯罪と交通事故に関する情報を入手したときの通報などの仕組みづくりを検討し、官民が一体となった見守り体制を強化することで、安全安心のまちづくりを推進してまいりたいと考えております。          〔18番 三森至加議員 登壇〕 ◆三森至加 議員  文化市民局長、御答弁ありがとうございました。せっかく行っていただくのであれば、よりよいものとなるよう、ステッカーの工夫や協力団体への積極的アプローチ、市民への周知など、一体的に取り組んでいってほしいと思います。ドライブレコーダーがあることで、犯罪は必ず暴かれるとの意気込みで、市民を守り、安全安心のまちづくりをお願いいたします。  これで私の用意した質問は終わりました。今回の質問で感じたことは、寄り添うことの大事さです。小さな声を聴き、同苦しながら寄り添っていく、少しでも前へ進んでいけるよう、私はこれからも皆さんの声を聴き続け、市政に反映していけるよう取り組んでまいります。  本日はお忙しい中お付き合いいただいた先輩・同僚議員の皆様、傍聴に来ていただいた皆様、またインターネットで拝聴していただいた皆様、また真摯な答弁をいただいた大西市長をはじめ執行部の皆様には、深く感謝申し上げます。これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○園川良二 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は、明16日(木曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○園川良二 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 2時50分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 令和4年6月15日 出席議員 47名       1番   原     亨        2番   園 川 良 二       3番   山 本 浩 之        4番   北 川   哉       5番   古 川 智 子        6番   島 津 哲 也       7番   吉 田 健 一        8番   伊 藤 和 仁       9番   平 江   透       10番   荒 川 慎太郎      11番   齊 藤   博       12番   田 島 幸 治      13番   日 隈   忍       14番   吉 村 健 治      15番   山 内 勝 志       16番   緒 方 夕 佳      17番   高 瀬 千鶴子       18番   三 森 至 加      19番   大 嶌 澄 雄       20番   光 永 邦 保      21番   高 本 一 臣       22番   福 永 洋 一      23番   西 岡 誠 也       24番   田 上 辰 也      25番   浜 田 大 介       26番   井 本 正 広      27番   藤 永   弘       28番   原 口 亮 志      29番   田 中 敦 朗       30番   紫 垣 正 仁      31番   小佐井 賀瑞宜       33番   大 石 浩 文      34番   村 上   博       35番   上 田 芳 裕      36番   那 須   円       37番   澤 田 昌 作      38番   田 尻 善 裕       39番   満 永 寿 博      40番   田 中 誠 一       41番   津 田 征士郎      43番   藤 山 英 美       44番   落 水 清 弘      45番   倉 重   徹       46番   三 島 良 之      47番   坂 田 誠 二       48番   白河部 貞 志      49番   上 野 美恵子 欠席議員  1名      32番   寺 本 義 勝 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      深 水 政 彦   副市長      中垣内 隆 久    政策局長     田 中 俊 実   総務局長     宮 崎 裕 章    財政局長職務代理者河 野 宏 始   文化市民局長   横 田 健 一    健康福祉局長   津 田 善 幸   環境局長     早 野 貴 志    経済観光局長   田 上 聖 子   農水局長     大 塚 裕 一    都市建設局長   井 芹 和 哉   消防局長     福 田 和 幸    交通事業管理者  古 庄 修 治   上下水道事業管理者田 中 陽 礼    教育長      遠 藤 洋 路   中央区長     岡 村 公 輝    東区長      本 田 昌 浩   西区長      河 本 英 典    南区長      江   幸 博   北区長      小 崎 昭 也 職務のため出席した議会局職員   局長       富 永 健 之    次長       潮 永   誠   議事課長     池 福 史 弘    政策調査課長   上 野 公 一...