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令和 4年第 1回定例会−02月28日-04号

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  1. 熊本市議会 2022-02-28
    令和 4年第 1回定例会−02月28日-04号


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    最終取得日: 2022-11-22
    令和 4年第 1回定例会−02月28日-04号令和 4年第 1回定例会   令和4年2月28日(月曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第4号                         │ │ 令和4年2月28日(月曜)午前10時開議                │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時00分 開議 ○原口亮志 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  日程第1「一般質問」を行います。  発言の通告があっておりますので、順次発言を許します。  まず、光永邦保議員の発言を許します。光永邦保議員。          〔20番 光永邦保議員 登壇 拍手〕 ◆光永邦保 議員  皆さん、おはようございます。熊本自民の光永邦保です。  第1回定例会一般質問の先頭を切って登壇の機会をいただきました。関係各位に改めて感謝申し上げます。  早速ですが、お手元の通告表に従い進めさせていただきます。  まずは、本市の防災体制から伺います。  1月31日付で気になる報道がありました。内閣府の調査によりますと、全国の指定避難所の約3割が浸水危険箇所にあるというもので、熊本県においても同様に、約3割の避難所において浸水の危険があると報道されております。本市の指定避難所においてはどのような状況でしょうか。また、今後の取組について教えてください。
     政策局長、お願いします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  市内181か所の全指定避難所のうち、浸水想定区域内に設置されているものが94か所で約52%、区域外に設置されているものが87か所で約48%となっております。いずれの区域においても、学校施設における校舎の2階以上を避難所として活用することにより、浸水の想定の高さ以上の垂直避難を行うことができるよう対策を講じているところでございます。  今後も、市民お一人お一人が災害の状況に応じて迅速かつ安全な避難ができますよう、各区と連携を図りながら、適切な避難の在り方等について周知してまいります。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  約52%という半数を超える数字に驚いております。もちろん指定避難所の全てがあらゆる条件を満たしているとは考えておりません。個々の特性に応じ、しっかり対応を検討していただきたいと思います。  ただいまは、いずれの区域においても学校校舎の2階以上を活用して垂直避難するということでしたけれども、簡単なことではないと思います。体育館が避難所である場合にはもうその上はありませんから、一旦外に出てから別の校舎を利用するということになります。その経路の導線と移動のタイミング、あるいは校舎の2階以上に避難スペースを確保できるのか等きめ細かく検討し、市民を正しく誘導できるように準備を整えていただきたいと思います。  次は、避難所運営についてお尋ねいたします。  本市においては、熊本地震の教訓に基づき、避難所開設運営マニュアルを作成しております。全3分冊からなる大変な力作で、昨年3月に改定されております。このマニュアルの中に示されております校区防災連絡会避難所運営委員会の設置状況と会議の開催状況について教えてください。  また、その際の中核となるのが市役所から派遣される避難所担当職員の方だと思います。市内198か所の指定避難所等に派遣される職員の皆さんは、年度が改まってからどのように選考し、いつ頃配置が決定しているのでしょうか。令和3年度の例で結構ですから教えてください。  政策局長、総務局長にそれぞれ御答弁をお願いいたします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  今年2月末時点で、校区防災連絡会は全92校区のうち87校区及び4地区で設置されており、避難所運営委員会指定避難所等198か所のうち150か所で設置されております。  議員お尋ねの会議等の開催状況につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による延期等もございまして、詳細には把握できておりませんが、今後開催状況はもとより、訓練の実施状況等を把握し優良事例を紹介していくなど、市域全体の地域防災力の向上に努めてまいります。          〔宮崎裕章総務局長 登壇〕 ◎宮崎裕章 総務局長  避難所担当職員の配置についてお答えします。  避難所担当職員の任命は、年度当初に各局へ非常時優先業務に従事する職員や居住地、希望する避難所等について事前調査を行いまして、原則出水期前までに終えることといたしております。  令和3年度におきましては、当該調査を新たに取り入れましたことから、任命が8月にずれ込みましたが、来年度以降は速やかに配置してまいります。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  昨年の6月定例会一般質問において、地域防災力向上のための中長期的な考え方について伺い、中期を想定した訓練構想は作成していないというお答えでしたので、今回はもう一つ掘り下げて、校区防災連絡会避難所運営委員会の状況についてお尋ねいたしました。いただいた御答弁については、なるほど、そうですかと思うわけですけれども、もともとこれは中長期的な構想にどうつなげるかという流れで質問しておりますので、その辺りをよく考えていただきたいと思います。優良事例の紹介はもちろんいいアイデアだと思いますけれども、まずは地域防災力の現状を把握していただきたいと思います。  具体的には、会議や委員会の設置状況と話し合われた回数、防災訓練の内容や回数など、これらの情報を地域ごとにまとめ上げれば立派な資料になります。まちづくりセンター避難所担当職員の方を使って、自動的に情報が上がるようにすれば、そんなに難しいことではないと思っております。これを基にしてどこをどう伸ばしていくのかとか、そういう中長期的な構想につなげていただきたいと思います。  これは同じ話を何度もしておりますけれども、これからも根気よく進捗を確認しようと思います。早く実のある議論に持っていけるように、よろしくお願いいたします。  また、避難所担当職員の配置状況についても伺いました。今年度の例で、配置完了が8月というのはやはり遅過ぎると思います。新年度に入って4か月以上が経過しておりまして、1年の3分の1は体制ができていないということになります。御答弁にもありましたけれども、来年度からはぜひ速やかに配置できるように、選考要領を検討していただきたいと思います。  また、こうした避難所担当職員の配置を含む、災害時における業務遂行の基礎とも言うべき業務継続計画、通称BCPが策定されております。これは本市のホームページにも掲載されておりますので、お手元のタブレットでも簡単に御覧いただけるわけですけれども、その文書の日付を見ると、平成30年5月に改定されて以来、全く更新されておりません。その理由を教えてください。政策局長、お願いします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  平成23年に策定しました熊本市業務継続計画は、熊本地震の経験を踏まえ、平成30年5月に、災害時の復旧・復興の各段階において必要となる業務や職員の配置などについて大幅に見直しを行ったところでございます。この業務継続計画の考え方を踏まえ、新型コロナウイルス感染症への対応におきましても、感染の拡大により出勤困難な職員が急増した場合等を想定し、限られた職種や人数で必要な業務を継続できるよう、状況に応じて事業の中止や休止、縮小などについて精査を行い、備えてきたところでございます。  業務継続計画における組織改編等に伴う記載内容の不備につきましては、議員の御指摘を真摯に受け止め、早急に対応してまいります。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  業務継続計画というのは、平成22年4月に内閣府によって示された、地震発災時における地方公共団体の業務継続の手引きとその解説という根拠に基づき、全ての自治体において策定するようになっております。最近では、このコロナ禍の中、民間企業においてもその必要性が取り上げられ、話題になっております。  本市においては、こうした内閣府の指示に基づき、平成23年に策定し、平成24年10月に改定されております。この計画の目的は、大地震という非常事態に備えて、通常の業務から非常時の業務へといかに素早く切り替えるかというものを目的としております。  具体的な中身としては、まず、災害応急対策業務復旧業務等、非常時に求められる業務と、災害においても継続が求められる業務、これらを明らかにして市役所の組織全体で適切なマンパワーの配分を定めたものであります。  ところが、平成28年4月の熊本地震においては、この計画が全く機能しませんでした。多くの方が覚えておられると思いますけれども、発災後の参集基準でさえ、職員間に認識の統一がなされておらず、誰がどこに行って何をするかも分からない手探りの状態でスタートしました。  避難所においては、他都市から支援に来ていただいた職員の方がきびきびと行動する一方で、本市の職員が日替わりで配置され、避難所マニュアルそのものを知らない職員も散見されました。避難所の市民から強い言葉が向けられる場面がしばしばあり、見るに見かねた心優しい自治会長さんは、「大変だけん、その首にかけた熊本市役所の名札は外しておきなっせ」と声をかけたという話も聞こえております。  現場の厳しさはもちろんですけれども、熊本市民の命と生活を守るためにある職員の皆さんがいざというときに力を発揮できない、この悔しい思いを経験した方はたくさんおられたと思います。その大きな反省の上に策定されたのが平成30年5月の改定版です。この改定版を出す直前の3月26日付で、熊本市非常時優先業務の実施のための業務継続計画の策定等に関する条例まで公布されております。  さらに、この改定版の1ページ目を開くと、熊本地震で学んだ教訓とともに改定に至った経緯が連綿と述べられ、その最大の反省点は、市役所組織の改編に併せてこの計画を更新してこなかったことだと述べられております。平成24年から約4年間も計画を放置してきた苦い経験を二度と繰り返さないと宣言した改定版から、また4年が経過しようとしております。  改めて内容を見てみますと、計画の24ページ以降になりますけれども、非常時優先業務を実施する特命隊100人、応急危険度判定支援チーム118名、これらの組織の編制はいいのですけれども、その職員を動員する市役所の編制が昔のままです。文化市民局は市民局のまま、土木センターは全て都市建設局の中です。人数も配置も変わった状況で、素早く非常時の体制に移行できるわけがありません。こんな大事な計画が更新されていない理由だけ、私はお答えいただければよかったのですけれども、そこには触れずに、指摘を真摯に受け止め早急に対応するという御答弁でした。それならそれで、自ら条例まで制定してやると決めたことができないことへの無念さとか、反省の言葉があってもよかったのではないかなと思っております。  災害時における業務継続の基本体制が整っていないことへの大西市長の所見をお願いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  災害発生直後の市民生活や社会経済等への影響を最小限に抑え、市民等の生命、身体、財産等を守るためには、あらかじめ業務継続計画に基づき、体制を整備しておくことが必要であると考えております。  本計画における記載内容の更新については、ただいま政策局長がお答えしたとおり、適切に対応するよう指示したところでございますが、一般的にもいろいろな形で各地域でも災害に対する危機対応が非常に厳しく見直しされている中で、平成28年熊本地震を経験した我々としてはやはり、そのいろいろな教訓、それから反省に立って、これから本当に市民の生活を守るんだという強い決意がなければならないと思います。  議員からの御指摘がございましたような点、多々見られるわけでございまして、私自身も様々な計画、あるいはこの防災対処の様々な計画にもう一度目を通しているわけでありますが、やはり不備な点もまだまだ見られるところでございます。そうしたことから、常に見直しをして最新のものにしていく、そして、最善の対応を取っていくということを我々が常に緊張感を持って対応することが必要だと思います。  今回の議員の御質問に対して大変反省いたしますとともに、熊本地震から6年が経過しようとする今、改めて我々自身がもう一度気を引き締めて、様々な災害対応に対する組織、あるいはこうしたマニュアル等の見直しをもう一度確実に行って、市民の皆さんの安心につなげていきたいと思います。  また、様々な災害、それから感染症への対応において、市民生活や社会経済等に支障を来すことがないよう、それぞれの状況に応じた業務継続が可能な体制の整備に万全を期してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  やはり一番の基本は、今ここで大地震が起きたら我々市役所は対応できるのだろうかと常に自問自答することだと思います。やるべきことをやらない、準備不足の状態で、守るべき命や財産が失われるとしたら、今でも市民にリスクを与えているということになります。もちろん計画に書き込むだけでは不十分です。実行動によって確認し自信をつけて、初めて体制が整います。そのレベルに持っていくまでずっと市民生活が危ない状態に置かれているということを心に留めておいていただきたいと思います。  すぐ自衛隊の話になって恐縮ですけれども、年2回全国規模で人が動きますけれども、どんなに小さい部隊長でも、着任したら必ず災害派遣計画に目を通します。人の配置と物の準備に抜けがないかを確認し、抜けがあれば代理を配置します。一日も空白をつくることはありません。先ほどの業務継続計画であれば、非常時に編制する組織と差し出し区分さえ明確になっていれば十分です。新年度の編制表と同時につくればいいと思っております。  また、先ほどの避難所担当職員の配置につきましては、正式の担当が決まるまでは、人数だけを割り振って、課長の権限で暫定的な担当を決めてはいかがでしょうか。もちろん実行動による確認をお願いしたいと思います。  次は、防災拠点についてお尋ねいたします。  これは昨年6月の一般質問の続きです。庁舎建て替えの議論の中で、一般庁舎としてはもとより、防災拠点としても強度を有していないという表現が度々使用されまして、まるで一般庁舎の中にある特別な部分が防災拠点という印象がありました。ところが、さきの一般質問では、市役所、区役所、上下水道局、交通局等、全てが防災拠点だというお答えでした。もう一度きちんと整理をしたいと思っております。  国から示されている防災拠点、防災拠点施設防災拠点建築物について、本市はどのように捉え、市役所庁舎はその中でどのような分類に当たるのでしょうか。また、一般的な庁舎と防災拠点としての庁舎、そういう区分概念はあるのでしょうか。さらに、現在の建て替え問題に出てくる約400億円の庁舎はそのどちらで考えておられるのでしょうか、教えてください。政策局長、お願いします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  防災拠点の捉え方について、それぞれお答えいたします。  まず、防災拠点につきましては、内閣府によれば、広義の意味では避難所、備蓄倉庫、救援物資の集積所、応急復旧活動の拠点、本部施設など幅広い概念で捉えられており、狭義では、本部施設や応急復旧活動の拠点の意味で用いるとされております。  また、防災拠点建築物につきましては、国土交通省防災拠点等となる建築物に係る機能継続ガイドラインにおいて、防災拠点として機能継続することが期待される建築物として、庁舎、避難所、病院等が想定されております。  一方、防災拠点施設につきましては、本市の地域防災計画におきまして、災害が発生した場合、被害を未然に防ぎ、あるいは被害を最小にとどめるための防災活動の拠点となる施設として、本庁舎等が位置づけられております。これらのことから、市役所庁舎は防災拠点、防災拠点施設防災拠点建築物のいずれにも該当するものと認識しております。  次に、市役所庁舎に関しての一般的な庁舎と防災拠点としての庁舎の区分概念についてでございますが、庁舎は、災害時において応急復旧活動被災者支援に総力を挙げて対応する重要な施設であり、防災拠点であると認識しております。  最後に、現在の本庁舎の区分につきましては、本庁舎等整備に関する基本構想においては、本庁舎等を防災拠点として位置づけているところでございます。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  ただいまの御答弁で一応の整理ができたように思います。そうであるなら、市役所イコール防災拠点ですから、一々防災拠点という観点からもと、表現を置き換える必要もないように思います。  続いて、市庁舎の耐震性能と建て替えについてお尋ねしたいと思います。  現在はコロナ禍に対応するために議論は中断するということですので、執行部に新たな見解を求めるつもりはありません。また、これまでの調査結果等は全て妥当なものとして進めてまいります。  庁舎建て替え問題は4年目に入りましたが、依然として市民の関心は高いものがあります。私自身は、議論の経過を市民の方に分かっていただこうと、説明に努めておりましたが、そのたびに様々な質問や御意見をいただきます。私自身がどうしても答えられないもの、うまく説明できないものを整理してお尋ねしたいと思います。  ある市民の方からは、心にずしんとくる質問をいただきました。もし市役所庁舎が自分の家だったら、あなたはどう思うのかという問いかけであります。私も熊本地震の後、実家が大規模半壊し、新しく建て替えました。一生住むつもりの家が、ある日突然基準が変わって、次に震度7の地震がきたら壊れると言われ、その費用は全て自分持ちで、額はおよそ4倍になるという話です。  確かにこれが個人の家の話なら途方に暮れるし、夜も眠れないだろうなと思います。こんなに重大なことを難しくて分からないからといって、結論を他人に任せきりにしてはいけないと思っております。自分のこととして自分自身で考え、納得できるように、今日の質問を準備いたしました。  まずは、今後の議論の進め方について伺います。  第1回目の有識者会議では、実に様々な御指摘がありました。耐震性能にとどまらず、市役所庁舎が果たすべき機能だとか、まちづくり全体に関するものなど、幅広い観点で御意見をいただいたように思います。今後の進め方として、指摘された論点全てに結論を出していかれるのでしょうか。それとも、その多角的な結論を集約する形で庁舎建て替えの結論とするのでしょうか。政策局長、お願いいたします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  第1回有識者会議では、各委員から防災の観点をはじめ、様々な視点から御意見をいただいたところであり、いずれも今後議論を進めていく上で参考になるものであったと認識しております。  議員お尋ねの今後の会議の進め方については、有識者会議で決定されるものと承知しておりますが、今後防災のみならず、財政、資産マネジメントまちづくりの観点など、多角的な視点から御審議いただけるものと考えております。その上で、有識者会議で取りまとめられた御意見を踏まえ、本市としての考え方を整理しまして、議会における御審議をお願いしたいと考えております。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  全体の進め方については一応理解いたしました。多角的な視点はもちろん必要だと思いますけれども、全体を丸め込んでぽんと一つの結論を出すのではなく、それぞれのテーマごとに前提をきちんと整理した上で御提示をお願いしたいと思います。  実際に庁舎建て替え問題につきましては、当然賛成や反対、あるいはまだ結論を出せない等、いろいろな御意見があるわけですが、例えば同じ賛成意見であっても、経年劣化による施設管理の経済性を挙げたり、国からの事業債を利用できる利点を挙げる方など様々であります。  そこで、私はまずこの議論の原点とも言うべき庁舎の耐震性能に限定して質問をさせていただこうと思います。  1つ目は、本庁舎がどのような耐震基準の下に建てられているのかを伺います。  耐震基準には、昭和56年6月1日を境として、それ以前の旧基準とそれ以降の新基準、さらに平成12年6月1日に定められた基準、私はこれを2000年基準と呼んでおりますけれども、この3つがあります。昭和56年11月に竣工した本庁舎は、旧基準と考えてよろしいでしょうか。また、竣工した年はまさに新基準が制定された年でもありますけれども、この新基準を考慮する必要はないのでしょうか。もし考慮されていないとすれば、なぜ2000年基準で建て替えを検討する必要があるのでしょうか。これが1つ目の質問です。  2つ目は、平成29年度に行われた耐震性能調査についてお尋ねいたします。  この調査におきましては、観測波5種類、告示波3種類、サイト波3種類に、長周期波1種類を加えた合計12種類の波形で調べた結果、告示波3種類について設計目標値を満たさず、令和2年度にはこの3波について再調査した結果、上部構造と杭の耐震性能が不足することが判明し、建物全体として耐震性能が不足するという結論に至ったということですけれども、これで間違いはありませんか。  また、この平成29年度の調査において、設計目標を満足しなかったのは全て告示波で、観測波、サイト波については設計目標を満たしていると考えてよろしいでしょうか。  さらに、今回の調査で使用した波は全て、極めてまれに発生する地震動という表現になっておりますが、具体的にはどれくらいの頻度で発生するものか、お答えください。いずれも総務局長、お願いします。          〔宮崎裕章総務局長 登壇〕 ◎宮崎裕章 総務局長  まず、本庁舎の耐震基準についてでありますが、本庁舎は昭和56年以前のいわゆる旧耐震基準が適用される時期の建築基準法の下、同法に基づく大臣認定を受けまして建設されたものであり、その手続において新基準の適用は受けておりません。また、これまでの本庁舎整備の調査検討に当たりましては、建築基準法に基づく必要があるため、2000年の改正を経た現行法を適用したところでございます。  次に、平成29年度の調査及び令和2年度の調査の結果につきましては、ただいま議員が述べられたとおりでございます。  また、極めてまれに発生する地震動の頻度については、国土交通省の資料等によりますと、数百年に一度程度の地震動と示されております。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  本庁舎等耐震基準の考え方については、ただいまの答弁で理解したところです。たとえ旧基準であっても、一度大臣認定を受けて建てられたものは、その後どんなに基準が変わっても問題ないということ、したがって、基準が制定された以前に遡って適用されることはないということを確認させていただきました。また、今回は本庁舎の改修整備を検討するに当たり、耐震性能を調べるために最新の2000年基準に基づきチェックをしたんだと理解したところです。  念を押すようですけれども、2000年基準はあくまで耐震性能の重要な目安として使用するもので、この基準を満たしていないことをもって、直ちに建て替えを意味するものではないということを確認しておきたいと思います。  そういう観点から、平成29年度と令和2年度の調査結果をまとめて確認させていただきました。この調査で使用された波の強さは全て、極めてまれに発生する地震動で、これは御答弁にもありましたように、数百年に一度という強さです。建築関係資料においては、この数百年という表現の中間をとって、500年に一度と表現されておりますので、私もこちらを使わせていただきます。  ちなみに、耐震強度に関わる応答解析の世界では、地震の波の強さに対して震度幾つとか、マグニチュード幾つとかという単位は使用されません。使用されるのはたったの2種類だけ。ただいま紹介した、極めてまれに発生する地震動と、まれに発生する地震動、こちらは数十年に一度、あるいは50年に一度発生する地震動となっております。  2000年基準に規定される時刻歴応答解析においては、使う波の種類と数が決まっております。まず、過去に実際に観測された波、これが観測波と呼ばれるものですけれども、これを3つ以上、さらに将来を予測して人工的につくった波、これは告示波とサイト波の2種類が該当しますけれども、これを合わせて3つ以上、合計6種類以上を使用することとなっております。  平成29年度の安井設計による調査では、実にこの倍の12種類の波を使用しております。なぜこんなにたくさんの波が必要かといいますと、波形の種類によって建物に与える影響が異なるという研究によるものです。ちなみに、人工の波である告示波、サイト波の揺れの継続時間が120秒となっています。熊本地震の前震が8秒、本震が20秒ですから、応答解析における人工の波の負荷がいかに大きいかをイメージしていただけると思います。  平成29年度調査の内容を簡単に御紹介します。まず、観測波として使われたのが5つ、内訳を見てみますと、エルセントロとタフト、これはいずれも米国のカリフォルニア州の地震ですけれども、残りの3つは全て日本のものです。熊本地震の前震と本震の両方、そして、十勝沖地震における八戸の波が使われており、これら5つの波においては全て設計目標値をクリアしております。また、告示波は、国が統一規格で作成した人工の波ですけれども、八戸、神戸、そしてランダム波の3種類が使用され、ここではいずれも庁舎の中層階において設計目標値を満たさない、NGが出ております。この原因については、調査した安井設計から、建物の中で1次モードと2次モードの波が重なった結果ではないかという非常に興味深い所見が出されております。  そして、サイト波が3波、これも人工の波ですけれども、告示波をさらに進化させたもので、その建物がある場所に応じて活断層や地質、地盤の環境などを加味して作られたもので、高度な処理が求められます。ここでは、布田川・日奈久連動の波、布田川単独の波、日向灘の波が使用され、全て目標値をクリアしております。さらに、国の基準にはない南海沖の長周期の波まで使用した結果、これも合格となっております。  つまり12種類の波のうち9種類で目標基準を満たしており、その中に熊本地震の観測波、布田川・日奈久断層のデータを加味したサイト波、さらには長周期波までが含まれておりまして、全て500年に一度の強さに増幅した上で設計目標値に合格しております。  これまで執行部に対して、前震、本震と2回の熊本地震に耐えたのだから、3回目がきても大丈夫ではないかと何回も質問をされておりましたけれども、執行部は、震源地の益城から離れており、実際には届いた波が弱かったとして、次に震度7の揺れには保証できない、もしくはもたない、そういう説明を受けてきました。この調査結果を見る限り、熊本地震をさらに波形を強めて解析していますから、むしろ問題ないとするのが妥当だと思いますし、サイト波も同じ結果を裏づけています。  また、大西市長は、ドンドン語ろう!の市民に説明する場面においても、本庁舎は震度6強で傾くと説明しておられますけれども、こうした表現も私は適切ではないと思っております。  確かに告示波の3波はNGですけれども、熊本において、八戸、神戸の波がどれぐらいの確率で発生するのかを考える必要があると思います。私は単純に、12種類の波が500年に一度の強さで発生するわけですから、告示波の発生確率は4回に1回と計算して、500年掛ける4で2000年に一度くらいだろうと思っておりますけれども、これは専門の先生に教えていただきたいと思います。  私が申し上げたいのは、議論の最初から、耐震性能が不足するという執行部の結論をもってスタートしたわけですけれども、改めて先入観を持たずにこの資料に目を通して見ると、必ずしも執行部と同じ結論にはならない。むしろ安心材料として受け止める人もいるのではないでしょうか。やはり結論を出す一歩手前の資料の段階から丁寧に説明することが大事だろうと思っております。  続いて、地下構造物の調査結果について伺います。  令和2年度調査報告に、全ての杭で剪断破壊が発生すると結論づけられております。剪断破壊というのは、短時間で壊れることを意味するもので、告示波に限定した特定の条件下に起きるとしても、大変衝撃的な内容です。これは、どの時点から耐震強度を有していなかったと考えられるのでしょうか。また、その結果を招いた原因と責任はどこにあると考えられますか。  さらに、本庁舎の原設計についてお尋ねします。
     国の基準として、時刻歴応答解析が登場するのは2000年、平成12年以降ですけれども、本庁舎が設計された昭和53年において、この時刻歴応答解析という手法は用いられているのでしょうか。また、設計図から竣工図にはどのような変更が加えられたのでしょうか。  また、耐震性は関東大震災の約2倍にも耐えるという内容がくまもと市政概要1982年版に記載されております。この耐震強度の表現は本市から求めたものですか。それとも設計会社からの説明によるものでしょうか。  以上5点について、総務局長、お願いします。          〔宮崎裕章総務局長 登壇〕 ◎宮崎裕章 総務局長  本庁舎は、昭和56年以前のいわゆる旧耐震基準が適用される時期の建築基準法の下、同法に基づく大臣認定を受けて建設されたものでありまして、その後、平成12年に建築基準法が改正され、この時点で法に対して不適格となり、平成29年度の調査において、現行法等が求める耐震性能を有していないことが明らかとなったものであります。したがいまして、建設当時の耐震性能は、平成12年時点で建築基準法等の基準を満たさなくなったものと考えております。  次に、現行の建築基準法等を基準とした場合に、耐震性能を有していないこととなった原因につきましては、阪神・淡路大震災を契機としました建物の安全性に関する建築基準法の改正によるものであり、その責任はどこにも求められるものではないと考えております。  次に、設計に関する御質問ですが、本庁舎の設計につきましては、時刻歴応答解析が用いられております。  また、大臣認定時の設計図から竣工図にかけまして、外壁タイルの大型化、バルコニー床のPC版化や、杭の径、本数などが変更されております。  最後に、市政概要の記述につきましては、堅固な建物であることを示す意図であったと考えますが、当時の関係資料を調べましたものの、その記述の根拠等は確認できませんでした。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  どの時点から問題があったのか、その原因と責任はどこにあるのかという質問をしたわけですけれども、大臣認定を受けて建設されたもので問題なく、平成12年に基準が改められ、不適格となったもので、責任はどこにも求められないとの御答弁でした。実は1年前に、この質問と同じ内容を執行部経由で会派から山下設計宛てに送っておりますけれども、その回答も全く同じ内容でした。私はこの意見には全く同意できません。  先ほどのこの耐震基準の種類と適用のところの話に戻るわけですけれども、旧基準によって大臣認定を受けた本庁舎の耐震性能を2000年基準をもって調査検討しております。1つの建物を2つの基準で見ているわけです。旧基準に基づく建築基準法上の手順について話をすれば、御答弁のとおり私も全く問題ないと思っております。しかし、2000年基準で耐震性能を調査検討する際には、山下設計はその結果を生んだ当事者ですから、当事者として検討のテーブルに着くべきだと思っております。  決して2000年基準をもって違法性を問うわけではありません。なぜそうなったのか、我々と一緒に真相を解明する責務を有していると申し上げたいわけであります。もしただいまの御答弁のように、誰も悪くない、どこにも責任がないとするならば、熊本市はもっと悪くない、むしろ一番悪くない、予算を使ってお願いした側ですから。その熊本市がなぜまた400億円を支払って建て替えなければならないのかと、これが普通の市民の感覚だろうと思います。  また、全ての杭が全壊するという状態がどの時点からなのかという質問に対しても、基準ができた時点からというお答えでした。これもおかしいと思います。基準とは判断の目安ですから、新たな基準によって判明しただけで、ごく普通に考えれば、立てた時点からそういう状態であった、あるいは設計したときからそうだったと考えるのが自然だろうと思います。もちろん当時の知見ではそれが予測できなかったわけですから、改めて責めを負うものではありません。しかも、先ほど申し上げたとおり、2000年基準に2000年に一度の告示波に対して現れた結果ですから、その確率と併せて詳しく分析すべきだろうと思っております。  山下設計は、昭和43年、日本最初の超高層ビル、霞が関ビルを設計した超がつく一流会社です。国が基準を定めるずっと前から、本庁舎の設計においても時刻歴応答解析を行っていたということも今の御答弁で分かりました。そう考えますと、設計図と竣工図の変更点や、くまもと市政概要の記述内容についてはさらに深く調べていただきたいと思います。特に関東大震災の2倍にも耐えるという表現は、私自身が調べた市役所側の要求書等には一切記載されておりません。あくまで消去法になりますけれども、山下設計の側でそれなりに根拠があって本市に伝えた内容だろうと思っております。  また、今回の調査結果を受けて、それならば、他の超高層建築物の状況についても大いに気になるところです。山下設計が手がけた超高層建築物において、2000年基準を満たさないことで建て替えした事例はあるのでしょうか。建物の名称は結構ですから数を教えてください。このほかにも不明な点を明らかにするために、昭和56年当時に関わった設計会社、市役所双方の関係者から聞き取り調査はできないのでしょうか。総務局長、お願いします。          〔宮崎裕章総務局長 登壇〕 ◎宮崎裕章 総務局長  山下設計による超高層建築の建て替え事例等につきまして、同社に確認しましたところ、弊社で認識している範囲では、現在のところ建て替え事例はないとの回答でありました。  また、当時関わった同社社員への聞き取り調査につきましては、既に全員が退職しており、聞き取り調査への対応はできないとの回答でありました。  なお、本市職員につきましては、必要に応じて対応してまいりたいと考えております。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  建て替え事例はないと一言で言われましても、耐震性能との関係が分かりませんので、ここでは何も申し上げることができません。さらに詳しく次の機会に伺いたいと思っております。何よりも当事者意識が感じられないのが残念です。特に地下杭の問題については、波に応ずる細かい分析結果が示されておりませんし、地下の連続壁の問題等、依頼主である本市と設計会社の当時のやり取りなど、まだまだ聞きたいことが数多くあります。改めて市長名で山下設計のしかるべき立場の方に回答を求め、議会あるいは特別委員会で提示することをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。  また、建て替え議論については、多角的な視点で慎重に進めるとして、有識者会議を設置し、現在は議論を中断しているところですけれども、議論の原点である耐震性能についてまず結論を出すべきと考えておりますが、大西市長の所見をお願いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  先ほど総務局長が答弁いたしましたとおり、阪神・淡路大震災の後、国において安全性の一層の確保等の要請に的確に対応するとの考えの下議論がなされ、建築基準法の改正に至ったものと承知しております。このようなことから、現行の建築基準法等を基準とした場合に、耐震性能を有していないこととなった原因については、責任はどこにも求められるものではないと認識しておりまして、その点に関して現時点で回答を求めることは考えておりませんが、調査等に関する御協力については、引き続きお願いしたいと考えております。  次に、第1回有識者会議においては、本庁舎の耐震性能について専門的かつ集中的な審議を行うため、耐震性能分科会の設置が決定されました。まずはこの分科会において、耐震性能に関する審議を行っていだたくものと考えておりまして、二度の耐震性能調査等について、専門的な立場から詳細な検証をいただけるものと期待しております。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  山下設計には調査等について協力を求めていくということ、耐震性能については、まずは分科会において専門的な立場から詳細な検証を求めるということなど、現時点における市長のお考えを理解したところです。  最後に、私に寄せられた市民からの意見を含め、個人的な要望を申し上げておきたいと思います。  まず、本庁舎の耐震性能を判定するに当たっては、現実的な判断を下していただきたいと思います。2000年基準をもって大臣認定を再度受け直すわけではありません。あくまで参考として、重要な目安として問題点を洗い出し、影響度を妥当に評価していただきたいと思います。  さらに、その判定の結果、建て替えしかないと誰もが納得するような形で結論が出たならば、私はまず国に補助金をお願いすべきではないかと思っております。同じような問題を抱えた自治体と連携を取りながら、考え方としては東日本大震災後の防潮堤や河川工事のように、国土強靭化という大きな事業の枠の中で進めていただけないかなと思っております。合併推進事業債よりも趣旨、目的に沿うものと思いますので、ぜひとも今後の検討の中に加えていただきたいと思います。  以上で、用意した質問を終了いたします。今回の一般質問は災害、特に地震への備えについて伺いました。全体を通して感じたことですけれども、庁舎に求める厳しさを人にも向けていただきたいと思います。何よりも市民生活を守ることを意気に感じ、答弁という言葉のやり取りではなく、あふれるような情熱と行動力を持って市民に安心感を与えていただきたいと思います。  県は昨年、年度が変わる4月から5月にかけて水害対応指揮所訓練を7回も行っております。新たに配置された職員のレベルアップを図るためだそうです。県に負けないでください。御清聴ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午前11時10分に再開いたします。                             午前10時58分 休憩                             ───────────                             午前11時10分 再開 ○原口亮志 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  一般質問を続行いたします。  田島幸治議員の発言を許します。田島幸治議員。          〔12番 田島幸治議員 登壇 拍手〕 ◆田島幸治 議員  皆さん、こんにちは。自由民主党熊本市議団、田島幸治でございます。  第1回定例会一般質問の初日に質問の機会をいただきましたことに対し、各議員の皆様に深く感謝申し上げます。そして、月末のお忙しい中、傍聴に足を運んでいただいた皆様、インターネット中継にて御視聴いただいている皆様、深く感謝申し上げます。  早速ですが、通告に従いまして質問してまいります。  まず最初に、生活困窮者に対する支援についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、職を失った人や、働きたくても再就職が難しいことなどから、生活が苦しく追い詰められる人が増えています。このような方々にとって、生活保護は最後のとりでであり、何らかの理由で生活困窮状態に陥り、自分の力で生計を維持できない人に対しては、国が健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、併せてその自立を助長することを目的とした制度となっています。  生活保護の現状について、厚生労働省が毎月発表している調査によりますと、去年11月の生活保護申請件数は全国で2万1,093件、前年の同月比で2,021件、率にして10.6%増えており、前年同月比での申請件数の増加は7か月連続ということです。  また、去年11月に生活保護の受給を新たに始めたのは1万8,447世帯で、前年同月比で9.1%の増であり、生活保護を受給中の世帯は全国で164万3,782世帯、前年同月比で7,300世帯余り増加しております。  そこで、健康福祉局長にお尋ねいたします。  1つ目に、本市の生活保護受給世帯総数について、新型コロナウイルス感染症発生前と直近の数字を比較しながらお示しください。  2つ目に、高齢者、母子家庭、障がい者、傷病者、その他の世帯類型別の推移についても併せてお示しください。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  本市の生活保護受給世帯数につきましては、新型コロナウイルス感染症による影響前の令和元年度の年度平均で1万1,902世帯、令和3年4月〜12月までの平均は1万2,015世帯でございます。  次に、世帯類型別では、令和元年度と令和3年4月〜12月までの平均を比較いたしますと、高齢者世帯が6,399世帯から6,689世帯に増加、母子世帯が538世帯から489世帯に減少、障がい者世帯が2,297世帯から2,097世帯に減少、傷病者世帯が1,026世帯から849世帯に減少、その他の世帯が1,600世帯から1,861世帯に増加しております。          〔12番 田島幸治議員 登壇〕 ◆田島幸治 議員  本市の生活保護受給世帯は、新型コロナウイルス感染症発生前と比較すると、年度平均で総数1万1,902世帯から1万2,015世帯と、113世帯の増ということですが、世帯類型別で見ますと、高齢者が290世帯の増加、母子家庭で49世帯の減、障がい者が200世帯の減、傷病者が177世帯の減、その他で261世帯の増となっており、特に高齢者世帯とその他世帯での増加が著しいことが分かりました。その他世帯は、16%増加していることから、新型コロナウイルス感染症の影響で失業された方が多くいらっしゃるのではないかと推測できます。  また、構成比で見ても高齢者世帯が全体の56%を占めており、年金だけでは生活できない単身世帯の高齢者の割合にも留意する必要があります。今後も高齢化は進んでいきますので、ますます増加することは明白です。  そして、新型コロナウイルス感染症の影響で、販売やサービス産業で非正規雇用女性の雇い止めが増え、困窮しているシングルマザーが増えていると聞きます。そのため、常識的に考えれば、母子世帯の保護受給世帯は増えているはずですが、現実ではそうではなく、横ばいどころか減少しております。減少ペースも新型コロナウイルス感染症発生前と変わっていないように思われます。また、障がい者世帯、傷病者世帯の受給数も、毎年数百単位で減ってきています。こうした減少の要因については、自立支援制度や保証制度などの様々な施策が機能していると考えてもよいのではないでしょうか。  そこで、健康福祉局長にお尋ねいたします。  1つ目に、本市における母子家庭、障がい者、傷病者世帯の生活保護受給者数減少要因の分析に関する御意見をお示しください。  2つ目に、本市の生活困窮者に対する支援策にはどのようなものがあり、どの程度の実績があるのか、主なものをお示しください。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  母子、障がい者、傷病者世帯の減少につきましては、世帯類型ごとの分析はできていないところでございますが、生活保護受給世帯数が平成27年度をピークに減少傾向となっており、これは生活困窮者自立支援事業を開始いたしました平成27年度と合致いたしますことから、同事業が生活保護に至る前のセーフティーネットとして機能したことが世帯数が減少した要因の一つであると考えております。  次に、支援策につきましては、中央区、東区、南区の各区役所に設置しております生活自立支援センターにおきまして、相談員が家計の立て直しについてアドバイスする家計改善支援事業や、これまで就労の経験がないなど、働くことに不安がある方に対しまして、就労に向けた訓練や就労体験の機会を提供いたします就労準備支援事業を実施しております。また、休業等に伴います収入の減少により住居を失う恐れがある方に対しましては、一定の期間、住居確保給付金を支給しているところでございます。  実績につきましては、過去5年間におきまして、家計改善支援事業においては127名の実績があり、就労準備支援事業におきましては126名の支援を実施し、うち93名が就労へとつながっております。  また、住居確保給付金は、新型コロナウイルス感染症による影響もあり、昨年度1年間で953世帯に支給したところでございます。          〔12番 田島幸治議員 登壇〕 ◆田島幸治 議員  世帯類型ごとの減少については分析できていないとの答弁でしたが、実績と傾向から見ると、支援事業がセーフティーネットとして機能しているのではないかとのこと。ただ、母子家庭においてそうでないとしたら、子供の貧困につながりますので、今後世帯類型ごとの詳細についても分析が必要と考えますので、よろしくお願いいたします。  そして、現在中央区、東区、南区の3窓口で事業を実施している、熊本市生活自立支援センターの功績が機能していることも分かりました。昨年第3回定例会一般質問において、日隈議員より、西区、北区の相談に対しては月2回の巡回相談ではなく、新しく設置すべきとの質問に対し、新たなセンターの設置については、相談数の推移を検証しながらその必要性について検討してまいるとの答弁でした。  相談は窓口のどこでも受付可能とのことですが、生活に困窮し、一日でも早い支援を望む人が利用しやすい環境を整備する必要があると考えます。また、センターの相談には生活保護の相談のみならず、高齢者、子供、障がい者など、各分野の多岐にわたる相談が多いと思います。  行政の縦割り体質を問題点と指摘する声をよく聞きますが、本市では、生活自立センターの受けた相談をどのように一元化し、困窮者が必要とする支援につなげられておられるのでしょうか。健康福祉局長、お答えください。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  生活自立支援センターにおきましては、相談者の困り事や不安を聞き取り、必要な支援情報の提供や関係機関につなぐなどの支援を行うとともに、困窮状況に応じ、関係機関による調整会議を行い、相談者の課題に応じた支援計画を作成し、総合的な支援を行っているところでございます。          〔12番 田島幸治議員 登壇〕 ◆田島幸治 議員  相談者の課題に応じ、総合的な支援を行っているとの回答でした。生活自立支援センターにおける相談は、先ほども申しましたとおり、生活保護の相談のみならず、8050問題など、孤独、孤立に対する相談も多いと聞きますので、そちらも一元的につないでいただきたいと強く要望しておきます。  次に、狂犬病の予防接種状況についてお尋ねいたします。  既に皆様も十分御承知のことと思いますが、改めまして狂犬病とは、狂犬病ウイルスによる人畜共通感染症で、発症した場合は人も犬も有効な治療法はなく、100%死に至ることから、致死率としては新型コロナウイルスよりも非常に怖い感染症ではないでしょうか。  WHOの推計によりますと、世界で毎年約6万人、10分に1人の患者が死亡しているそうです。インドや中国などアジアでの発生が大部分ですが、2020年には愛知県豊橋市において、フィリピンで犬にかまれた方が入国後発症し、亡くなられるという報告もありました。1950年以前、日本国内では多くの犬が狂犬病と診断され、人も感染し、死亡していました。このような状況の中、狂犬病予防法が施行され、犬の登録、予防接種、野犬等の抑留が徹底されるようになり、1956年を最後に、わずか7年という短期間で狂犬病を撲滅するに至りました。  日本では、1950年に狂犬病予防法が設立され、全ての飼い犬に、年1回の狂犬病ワクチンの接種が義務づけられています。日本は狂犬病ウイルスが発生しないとされる狂犬病清浄国の一つです。2020年現在で、清浄国・地域は全世界で6地域のみとされています。現在も清浄国であり続けているのは、撲滅以後約65年地道に、そして義務に対して誠実に予防接種を受けさせてきた努力のたまものではないでしょうか。  しかし、世界中から物資や人が入ってくる日本もまた、いつ狂犬病の脅威にさらされてもおかしくない状況です。先人たちの努力を無駄にしないためにも、予防接種の継続的な接種率向上に努めなくてはなりません。  我が国の接種率の推移を見てみますと、平成5年には全国の登録犬の99%以上が接種していたのが、令和2年には71%まで減少しております。  そこで、本市の状況について4点、健康福祉局長にお尋ねいたします。  1つ目に、本市の犬の登録頭数は何頭でしょうか。  2つ目に、平成30年度には集合接種会場が186か所から66か所へと約3分の1に大幅な削減がされておりますが、その後の接種率への影響はなかったのでしょうか。  3つ目に、本市の狂犬病予防接種の接種率はどうなっているでしょうか。  最後に、今後の接種率向上をどのように図っていく計画があるのかお知らせください。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  狂犬病予防接種に関しまして、御質問に順次お答えさせていただきます。  初めに、本市の犬の登録頭数につきましては、令和2年度末時点で3万1,959頭でございます。  次に、集合接種会場の削減によります接種率への影響につきましては、平成30年度は、より安全で衛生的な動物病院での接種への転換を図ったことにより、集合接種会場を大幅削減したため、集合注射での接種頭数は減少いたしましたが、動物病院での接種頭数が増加しており、前年度並みの接種率を維持したところでございます。  次に、過去5年間の狂犬病予防接種の接種率につきましては、平成28年度62.6%から令和元年度70.1%と増加傾向にございましたが、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、集合注射を中止した影響もございまして、接種率は62.6%と前年度より7.5ポイント低下しております。  最後に、今後の接種率向上につきましては、議員御案内のとおり、狂犬病は非常に危険度の高い病気でありますことから、日頃から犬の飼い主お一人お一人が狂犬病につきまして正しい知識をお持ちいただき、登録と予防注射を確実に行っていただくことが重要でございます。  接種率向上に向けまして、毎年2回、3月末と11月末に飼い主の方に、はがきにより接種の勧奨を行っているところでございますが、さらに本市のホームページやイベント等、様々な機会を通じまして、市民の皆様に積極的に啓発を行うとともに、獣医師会をはじめ動物病院の御協力もいただきながら、予防注射を受けやすい体制づくりに取り組んでまいります。          〔12番 田島幸治議員 登壇〕 ◆田島幸治 議員  本市の犬の登録頭数は、令和2年度末時点で3万1,959頭で、令和2年度の接種率は62.6%ですので、約1万頭以上が未接種ということです。集団接種会場の削減については、大幅な削減にもかかわらず、前年度並みの接種率を維持しているとのこと、動物病院での接種は、天候に左右されず、日程も飼い主の都合で決められるというメリットがあるのが一つの要因かもしれません。  ただ、診察料やワクチンの料金に差があるのは気になるところです。どうせ室内で飼っているので、接種する必要はないという話も最近よく聞きます。今後狂犬病の危険性を広く周知することで、接種率の向上に努めていただきたいと思います。  次に、消防団員の入団促進についてお尋ねいたします。
     消防団は、自らの地域は自らで守るという精神に基づき、普段はそれぞれにほかの職業を持つ地域住民を中心とした地域密着性、要員動員力及び即時対応力を生かして、火災の初期消火や、災害時には避難誘導のほか、地域の河川の土のう積み、それに捜索活動などの災害対応はもとより、地域コミュニティの維持及び振興にも大きな役割を果たしてきました。  私も地元消防団に入団し20年になりますが、私の所属する分団においても、サラリーマン世帯の増加や高齢化も背景に、団員の確保は年々難しくなっており、特に深刻なのが若い世代の消防団離れで、20代、30代の団員確保が非常に難しくなってきております。  このように消防団員の確保については、災害対応はもとより、地域コミュニティの維持及び振興のために、今後も優先課題として取り組んでいく必要があります。私は団員の確保に向けては、まず処遇の改善などが有効と考えておりますが、その点については、今回の定例会において報酬の引上げに関する議案の上程がなされておりますので、その効果を期待し、ここでの質問は控えたいと思います。  処遇改善に並んで重要になるのが、公務員の消防団への入団です。消防庁は、公務員の消防団への入団について、平成14年、平成19年、そして平成22年と、相次いで通知を発出しております。地方公共団体の職員が消防団に入団することは、団員不足の解消はもちろんのこと、地域とのパイプ役にも大きな役割を果たすのではないでしょうか。  そこで、消防局長にお尋ねいたします。  1つ目に、本市の消防団員に公務員が何人在籍しており、うち市の職員が何人いるのでしょうか。  2つ目に、消防庁の通知を本市はどのように捉えているのでしょうか。あわせて、その内容を踏まえながら、これまで本市の職員に対する入団の促進をどのように行ってきたのでしょうか。  3つ目に、今後、団員の入団促進について、どのように進めていくお考えかお知らせください。          〔西岡哲弘消防局長 登壇〕 ◎西岡哲弘 消防局長  消防団員の入団促進に関する御質問についてお答えいたします。  まず、公務員と本市職員の団員数につきましては、令和3年4月1日時点で、公務員の在籍数は180人、そのうち本市職員は104人となっております。  次に、総務省消防庁の通知への認識につきましては、本市としましても、地方公務員の入団は、地域防災の強化への貢献や地域コミュニティへの積極的な参加など、大変重要なものであると認識しております。そのような中、本市職員への入団促進につきましては、新規採用職員研修の際に、地域防災の重要性を伝えながら入団を呼びかけるとともに、庁内掲示板等におきましても積極的に周知を図っているところでございます。  最後に、今後の団員の入団促進につきましては、今後も市職員の所属に対し、消防団活動への理解と協力を求めるとともに、研修等の機会を通し入団募集に取り組んでまいります。また、公務員に限らず、多くの団員を確保するため、現在消防団活性化検討部会を設置し、消防団が抱える日頃の課題や解決策の検討を行っているところでございます。  今後は、これらの検討結果を踏まえ、若者や女性が入団しやすい環境づくりを図り、さらなる促進につなげてまいりたいと考えております。          〔12番 田島幸治議員 登壇〕 ◆田島幸治 議員  本市公務員の消防団員の人数は180人で、そのうち市の職員が104人とのこと、近年ボランティア活動や地域貢献活動に参加した社員を何らかの形で評価する制度を導入する企業も増えております。職員本人にとっても消防団の経験はよい経験となると思いますので、評価制度の導入を検討いただき、さらなる入団につなげていただきたいと思います。そして、現在も消防団活性化検討部会を設置し、課題や解決策の検討を行っているとのことですので、今後期待しております。  次に、児童館の利用についてお尋ねいたします。  児童館は児童福祉法第40条に規定する児童厚生施設の一つで、児童に健全な遊びの機会を与えて、その健康を促進し、または情操を豊かにすることを目的とした施設で、現在本市は11の児童館と3つの児童室を設置しています。  乳幼児から小学校6年生までの子供は、事前の登録を済ませれば誰でも無料で利用でき、館内にはプレイルームや図書室、図工集会室があり、楽しい遊具やおもちゃを配置しているなど、子供たちみんなが安心して触れ合い遊びができる施設です。  また、季節に応じた行事や地域の特色を生かした催しも開催されるなど、児童館は親子触れ合いの場としても大変人気の施設となっており、現在では核家族化の進行や共働き世帯の増加により、子供の放課後の居場所としても重要な役割を果たしていると考えます。  私たちが子供の頃は、子供たちだけで自由に遊べる安心な環境がありました。その中で自主性や社会性、創造性など、生きる上でも大切な力が育まれてきたように思います。しかし近年は、残念ながら子供たちが自由に過ごし方を選ぶのが難しい状況にあります。私たち大人が意識してその環境をつくっていかなければ、子供たちの居場所すら失うことになりかねません。  そして、居場所づくりにおいては、友達と思い切り遊びたい子や独りでのんびり読書をしたい子、何かに挑戦したい子、それぞれに合った過ごし方ができ、また、見守る大人が子供たち一人一人のよいところや得意なところを見つけて伸ばしてあげられることが大切ではないでしょうか。  そういう意味でも児童館は、学校や家庭とはまた異なる人との触れ合いや体験ができ、子供を大きく成長させてくれる非常に重要なものだと考えます。また、子供にとって第二の家のような放課後の居場所をつくってやることが心の安定にもつながり、親にとっても安心して働くことができるのではないでしょうか。  そこで、まず1点、健康福祉局長にお尋ねいたします。  本市の各児童館の直近の利用実績をお示しください。あわせて、直営、指定管理など、管理運営の状況についてもお示しください。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  本市の児童館の管理運営状況につきましては、直営が10か所と指定管理が1か所の合計11か所でございます。  また、今年度4月〜12月までの利用実績につきましては、直営10か所の児童館が合計2万9,027件、指定管理であります城南児童館が1万3,871件でございます。          〔12番 田島幸治議員 登壇〕 ◆田島幸治 議員  今年度4月〜12月までの利用実績は、直営で運営されている10の施設で2万9,027件に対し、1施設のみ指定管理者にて運営されている城南児童館は1万3,871件との答弁でした。  直営10施設の平均と比較すると、4倍以上の利用があるとのことです。全ての児童館において、年間を通して多様な行事や特色を生かした催しを開催されていることと思われますが、直営と指定管理で利用状況に大きな差があるようです。施設の立地や規模にも違いがあるとは思いますが、それを考慮に入れたとしても、城南児童館とほかの児童館の利用者数の差は大きく、利用したくてもできない児童がたくさんいるのではないか、利用している児童や保護者のニーズに応じた運営が行われているかが懸念されます。  そこで、健康福祉局長にお尋ねいたします。  全国的に指定管理への民営化も進んでいるようですが、このように運営の違いにより利用者に差がある場合は、民営化の検討も必要ではないでしょうか。もちろん、指定管理とすることにより、利用する児童に不利益にならないよう、また、保護者の理解も得ながら慎重に進める必要があるとは思いますが、本市における今後の児童館の管理運営についてのお考えをお示しください。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  児童館の管理運営の考え方につきましては、城南児童館は、新市基本計画に基づき平成25年に新設しました図書館と一体となった独立した複合施設でございまして、施設の規模や利用者見込み数を考慮し、民間のネットワークやノウハウを活用することで、市民サービスの向上や経費節減が期待できるとして指定管理の導入を行ったところでございます。  一方で、直営の児童館の多くは、公民館や図書室とともにまちづくりセンターに併設されておりますことから、規模も小さく、まちづくりセンターが一体となった管理運営を行っております。  これらの児童館におきましても、より多くの児童が利用できるよう、効率的、効果的な運営に努めますとともに、利用者の方や民間事業者の意見を伺いながら、今後多様な観点から運営手法を検討してまいります。          〔12番 田島幸治議員 登壇〕 ◆田島幸治 議員  城南児童館は独立した複合施設で、規模も大きいことから利用が多い。一方で、直営の児童館の多くは規模が小さいので利用が少ない。施設自体が違い過ぎるので比較対象にならないのでしょうか。行きたいけれども行けない児童が存在するのではないでしょうか。そのような児童の放課後の居場所を民間事業者の運営方法などを参考に増やしていただきたいと思います。  次に、選挙についてお尋ねいたします。  国政選挙や地方選挙を通じて投票率が低下傾向にある中、有権者が投票しやすい環境をより一層整備し、投票率の向上を図っていくことは、本市においても引き続き重要な課題であると考えます。  少子高齢化社会がさらに進む中、投票環境における制約から有権者に有効な投票機会を提供できていない側面があるのであれば、少なくともそのような制約についてはできるだけ解消、改善し、高齢者や障がいを持つ方々に着目した、さらなる投票機会の創出や利便性の向上に努めていくべきではないでしょうか。  このような観点から、投票所の環境整備に関してお尋ねいたします。  まず、投票所のバリアフリー化についてです。投票所となる施設は、学校の体育館が多いようですが、このうち比較的新しい学校については緩やかなスロープが常設されておりますが、古い学校では一時的にべニヤ板で仮設のスロープを設置したり、中にはスロープがあっても傾斜がきつく、人の手を借りないと一人では上れないという場合もございます。  現状、職員や地域の方々が汗をかきながら運んでくれるといった対応になっているようですが、こうした対応について、運んでいただく立場の方からは、面倒をかけるため精神的に負担が大きく、投票所に行くハードルになっているという声も聴きます。そうしたことから、投票所のバリアフリー化については現状にとどまることなく、今後も着実に進めていく必要があると考えております。  次に、指定投票所の立地についてです。  各指定投票所として使用する施設の選定については、市域の全体的なバランスなどを考慮されながら検討されていると存じております。そうした中、私の地元で次のような声を聴きました。  地図上で見れば龍田西小学校が近いように思われる地域のことですが、実際にその地域から投票所に行くには急な上り坂を上らなければならず、また、バスなどの公共交通も通っていません。一方、その地域から龍田小学校に向かう道は、平坦で歩いて行けますし、直通のバスも通っています。停留所で3つほど乗れば済む距離です。このような事情から、指定投票所となっている龍田西小学校には、車で連れて行ってくれる家族もおらず、投票に行きたくても行かないという方もいらっしゃるようでした。  そこで、選挙管理委員会事務局長にお尋ねいたします。  1点目、本市でスロープが常設されていない投票所は、全投票所中何か所あり、その対応はどうされているのでしょうか。  2点目、先ほど御紹介したような立地の問題で、投票にハードルを抱えている地域の方々については、指定の投票所を変えるなどの柔軟な対応はできないのでしょうか。  3点目、投票率向上に向けた投票所の環境整備について、本市独自の取組がございましたらお知らせください。          〔岡村公輝選挙管理委員会事務局長 登壇〕 ◎岡村公輝 選挙管理委員会事務局長  まず最初に、スロープが常設されていない投票所につきましては、昨年10月に執行されました衆議院議員総選挙におきまして、当日投票所として借用いたしました施設150か所中19か所でございました。これらを含めました43か所の投票所には細かい段差があり、選挙時に仮設スロープの設置や人的介助などの適切な措置を講じることで、投票環境の整備に努めたところでございます。  次に、龍田西小学校に関しましては、平成28年4月に龍田小校区より分離新設されたことに伴いまして、地元自治会からの要望を受け、投票所を宝積寺公民館から新設の龍田西小学校へ変更し、あわせまして、一部の区域を龍田小学校投票所へ移したところでございます。今後も引き続き、投票所の見直しについては地域の御意見を踏まえ、投票所ごとの有権者数の増減や投票環境も考慮した上、各区選挙管理委員会と連携を図りながら、よりよい投票環境の向上に努めてまいります。  最後に、投票率向上に向けた本市独自の取組としましては、有権者の方が投票しやすい環境を整備し、投票率の向上を図ることを目的に、公設施設である区役所やまちづくりセンターなどに20か所の期日前投票所を設置し、期間や時間は短縮せず、全期間及び全時間で対応しております。また、交通アクセスなど利便性が高い市役所に、中央区以外の4区の有権者の方も投票できる集合型期日前投票所を設置しております。  今後は、令和3年第4回定例会におきまして答弁いたしましたとおり、今夏に予定されております参議院議員通常選挙から、商業施設への期日前投票所の設置に向けて鋭意準備を進めてまいります。          〔12番 田島幸治議員 登壇〕 ◆田島幸治 議員  解散総選挙など、急な選挙もあり、当日投票所を借用する立場の選挙管理委員会としては言いにくいのかもしれませんが、3割近くも何らかの整備が必要であれば、高齢者や障がい者の立場に立った投票所の環境整備に努めるべきと考えます。投票所の変更対応は、一例を挙げたまでで、ほかの地域においても同じような状況があると思いますので、地域自治会などの意見を踏まえ、地域ごとの柔軟な対応を要望しておきます。  投票率向上に向けた取組においては、今夏の参議院議員通常選挙から、商業施設への期日前投票所の設置に向け準備が進んでいるとのことですが、その際は投票所となる施設の選定など、投票区ごとのバランスを考慮して、不公平のないような場所の選定を強く要望いたします。  最後の質問になります。  政令指定都市移行後10年の検証についてお尋ねいたします。  この件については、我々自由民主党熊本市議団から大西市長への政策要望においても、昨年度と今年度、継続して要望させていただいております。本市は、平成20年10月に旧富合町との合併、平成22年3月に旧城南町、旧植木町との合併を経て、平成24年4月に政令指定都市への移行を実現し、本年4月には10年の節目を迎えます。  当時、政令指定都市への移行に当たっては、区割りをどうするか、区役所の位置をどこにするか、行政区の名称をどうするかなど、議論が繰り返し行われ、特に区割り案については、市民の方からも様々な課題について御意見があったと聞き及んでおります。総じて、その内容は、学校区とコミュニティなどの整合性の問題や区役所までの距離、交通アクセスの問題など様々です。  政令指定都市10年を迎える現在でも、一部の校区で、同一の小学校区において行政区が異なる状態が続いております。また、区役所への交通アクセスにおいても、公共交通機関の利便性など、課題が解決されないまま現在に至っております。  現行の行政区画及びその機能については、行政側の利便性、効率性だけではなく、まちづくり、コミュニティ形成の面からも地域の住民にとって利便性のある区役所なのか、現状と課題を明確にし、さらなる検証が必要ではないでしょうか。  そこでお尋ねします。  政令指定都市移行10年を振り返り、これまでの検証を行い、現状と課題を明確にし改善を図ることで、今後の住民のサービス向上、つきましては、区役所の存在価値が高まるのではないかと考えますが、今後どのように進めていかれるのか、大西市長の御見解をよろしくお願いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  私は市長就任以来、区役所等の在り方に関する検討会など、様々な場において有識者や市民の皆様の御意見も賜りながら、区役所の在り方について適宜検証を行ってまいりました。それらを踏まえ、平成29年度に出張所等を再編するとともに新たにまちづくりセンターを設置し、そこに配置した地域担当職員により、市民と区役所、区役所と各局の連携を深め、地域課題の解決に向けて積極的に取り組むことで、各区の特性に合わせた自主自立のまちづくりを進めてまいりました。  区設置から10年を迎え、改めて区政を振り返り、今後の課題を明らかにしていくことは非常に重要なことであると考えます。そうしたことから、新年度においては、各区におけるまちづくり事業等の検証を行うなど、10年間を総括し、これを契機に地域主義に基づくまちづくりをさらに推進することで、上質な生活都市熊本の実現を目指してまいりたいと考えております。          〔12番 田島幸治議員 登壇〕 ◆田島幸治 議員  大西市長がおっしゃるとおり、出張所等の再編によるまちづくりセンターの設置、そして、地域担当職員の配置など、地域自治会としては非常に助かっております。  また、現在はほとんどの手続を区役所に行くことなく、総合出張所や市役所本庁でできるようになったことで、不便さを感じないように思います。しかし、今後菊陽町へのTSMCの進出を機に、北区、東区に隣接する菊陽町、合志市、大津町など、人口の流動をはじめとして本市への影響も大きく変化していくと考えられます。私も北区の住民として、合併当時を振り返りますと、合併ありきの人数合わせによる区割りだったことを払拭できません。  最後になりますが、この10年を機に、多様な観点から検証を行い、全体的な区割りも見直しを検討する時期がきているのではないでしょうか。  目標のチャイム前に、全ての準備しました質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午前11時58分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○原口亮志 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○原口亮志 議長  一般質問を続行いたします。  高瀬千鶴子議員の発言を許します。高瀬千鶴子議員。          〔17番 高瀬千鶴子議員 登壇 拍手〕 ◆高瀬千鶴子 議員  皆様、こんにちは。公明党熊本市議団の高瀬千鶴子です。  本日が4回目の質問となります。今回質問の機会をいただきました先輩同僚議員の皆様に心より感謝申し上げます。コロナ禍の中、傍聴にお越しいただきました皆様、また、インターネット中継で御覧いただいている皆様にも心から御礼申し上げます。  それでは早速ですが、通告の順に従い質問してまいります。市長並びに執行部の皆様には明快な答弁をよろしくお願いいたします。  まず初めに、HTLV−1感染者に対する熊本市の対応について質問いたします。  皆様、HTLV−1ウイルス、それによって引き起こされるATL、HAMという病気を御存じでしょうか。HTLV−1とは、ヒトT細胞白血病ウイルスのことで、主にヒトの白血球、リンパ球に感染するウイルスの一つです。このHTLV−1感染によって、1、血液のがんである成人T細胞白血病、ATL、2、重篤な歩行障害や排尿障害を引き起こす脊髄疾患、HAM、3、眼球内のぶどう膜炎などの重篤な病気を引き起こします。  日本では、九州を含む西日本に特に感染者が多いことが分かっています。HTLV−1の感染経路としては、1、母子感染、2、性行為感染、3、輸血による感染と言われていますが、輸血による感染は、現在ではほぼ100%阻止されていますので、主な感染経路は母子感染と性行為感染となります。  現在HTLV−1の感染者、キャリアは、全国に71万人〜82万人と推計されています。ATLは、40歳以上のキャリアで年間1,000人に1人の割合で発症し、年間約1,000人がお亡くなりになっております。発症すれば極めて死亡率が高い疾患です。一方、HAMの発症率は年間3万人に1人と推定されており、全国に約3,000人の患者さんがいます。最近の日赤九州ブロック血液センターなどの疫学調査によると、全国で年間4,000人以上が新たに感染していると推定され、特に九州、沖縄の調査では、1985年以降に生まれた男性の若年層で新規感染者が増加傾向にあるということが判明しています。若年層で新規感染者が増えている原因は不明とのことですが、まずは母子感染の防止が重要となります。  今から12年前、我が国で初めてとなるHTLV−1総合対策が創設されました。この総合対策の創設に当たっては、2010年12月、専門家でもある公明党の江田康幸前衆議院議員をはじめとする総理官邸の特命チームで精力的な議論を経て、政治主導で創設されたものと伺っています。  このHTLV−1総合対策の創設により、喫緊の母子感染対策として、初めて全額国庫負担で妊婦健康診査の折にHTLV−1抗体検査が実施されるようになり、各都道府県にはHTLV−1母子感染対策協議会が設置され、母子感染対策をはじめとしたHTLV−1総合対策が強力に推進されることになりました。  国は、抗体検査で感染が判明した母親に対し、原則として、生まれた赤ちゃんに母乳を与えずに粉ミルクで育てるように推奨しています。断乳ができれば、母子感染は最小限に防ぐことができると言われています。しかし、母親にとっては、母乳を与えられないことへの罪悪感や家族の無理解、自分がいつ発症するか分からない不安など精神的な負担が大きく、自治体では相談できる体制づくりが極めて重要になります。  鹿児島県にあるNPO法人スマイルリボン代表の菅付加代子さんは、御自身もHAMを患いながらも、積極的にHTLV−1ゼロを目指して国会請願や啓発活動に取り組まれておられます。  さらに鹿児島市の取組として、2018年4月から未来を守るミルク支給事業をスタートされております。  以前から、非課税世帯や低所得者への支援として母子栄養食品の支給をされており、その中に母親がHTLV−1キャリアの乳児も含めて、粉ミルクを支給する事業を日本で初めてスタートされました。すなわち、キャリアである母親に対して粉ミルクを支給することで、母子感染のリスクを最小限に抑え、ミルクの受け渡し時に子育て相談を実施することにより、母子感染防止と安心の子育てを同時に支援することができるのです。これにより、母親がキャリアである乳児の申請も、支援事業を始める前の申請者数5名から支援開始後は49名と増加し、対象者の把握ができるようになった上に、孤立しがちだった母親の不安や相談の受皿となっています。
     現在、国の総合対策が創設されてから10年、母子感染による新たなキャリアを生まないためには、母親の心に寄り添い、しっかりとしたさらなる相談体制、支援体制が重要であると考えております。  そこで、熊本市においてこのHTLV−1総合対策が適切に実施され、定着しているのか、提案も含めて質問させていただきたいと思います。  1点目、熊本市において妊婦健康診査時のHTLV−1抗体検査の状況はどのようになっていますでしょうか。これまでに何人の陽性者、キャリア妊婦が確認されたのか教えてください。  2点目、HTLV−1抗体検査にて陽性となった方の相談窓口や支援体制はどのようになっていますでしょうか。断乳等による母子感染の防止は適切に行われていますでしょうか。  3点目、熊本市のHTLV−1母子感染対策協議会の設置と母子感染対策の取組状況について教えてください。  4点目、鹿児島県で実施されたHTLV−1キャリアの妊産婦さんへのアンケートによりますと、妊産婦の方の心配事として、精神的な苦痛に加え、ミルク代などの経済的な負担が挙げられておりました。さらに、コロナ禍で困窮されている御家庭も増えてきています。何よりも子供たちの健やかな成長を最優先にすべきと考えます。  そこで、熊本市においてもHTLV−1母子感染対策を強化する目的で、母親がHTLV−1キャリアである乳児を対象とした粉ミルク支援事業を創設されることを提案したいと思いますが、大西市長の積極的な御見解を求めます。  以上4点につきまして、1点目から3点目を健康福祉局長に、4点目につきましては大西市長にお尋ねします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  HTLV−1抗体検査の状況等の御質問に順次お答えいたします。  初めに、抗体検査につきましては、全ての妊婦の方に対し、初回の健康診査の際に行い、その結果、陽性であった場合はさらに精密検査を受けていただく必要がございます。          〔議長退席、副議長着席〕  なお、検査の結果は御本人と医療機関との間で慎重に取り扱われますことから、陽性者数は正確に把握できませんが、熊本県が県内の産科医療機関に実施いたしました令和2年度のアンケート結果では、約1万2,000人のうち0.28%の34人の方が陽性でございました。  次に、相談支援体制につきましては、陽性の方に対して、まずは産科医療機関において母子感染予防のための丁寧な説明を行った上で、原則として完全人工栄養を勧め、本人の希望に沿った授乳方法の相談にも応じているところでございます。また、必要な場合は、産科医療機関からの連絡を受け各区保健子ども課の保健師等の専門職が継続して相談に応じ、心理的負担の軽減を図っております。  最後に、HTLV−1母子感染対策協議会につきましては、国から都道府県の実情に応じた設置が求められており、本県では県下統一の妊婦健康診査でありますことから、県が設置しているところでございます。本市もこの協議会に、専門家の方や医療関係者の方などと共に参加しており、関係機関が連携した母子感染対策の推進を図っているところでございます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  母親がHTLV−1キャリアである乳児への支援については、県や医療機関と連携し、アンケートなどによる実態の把握に努めますとともに、熊本県HTLV−1母子感染対策協議会の中で、コロナ禍の影響も踏まえて必要な支援について協議してまいります。  また、県と連携いたしまして、感染予防対策、相談支援、医療体制の整備、普及啓発、情報提供などの施策を総合的に推進するとともに、専門家や医療関係者等との連携強化を図り、キャリアの妊産婦が安心して子供を産み育てることができるよう、環境づくりに努めてまいりたいと考えております。          〔17番 高瀬千鶴子議員 登壇〕 ◆高瀬千鶴子 議員  御答弁ありがとうございました。  産科医療機関に実施したアンケートの結果によれば、令和2年度の結果は約1万2,000人のうち34人、0.28%の方が陽性であったとのことでした。自分がキャリアだと告げられたとき、何をどう相談すればよいのか分からない方がほとんどだと思いますので、いつでも相談できる体制と丁寧な支援をよろしくお願いします。  大西市長の答弁では、粉ミルク支援事業について一言も触れていただけなかったことは大変残念に思いますが、今後検討していただける可能性を残してくださっているものと前向きに捉えておきます。今後も県と連携していただきながら、誰一人取り残さない母子感染対策の推進をよろしくお願いいたします。  続きまして、女性の活躍推進に関して、3つの観点から順次質問いたします。  本年4月より、女性活躍推進法が改正されます。女性活躍推進法とは、働きたい女性が個性と能力を十分発揮できる社会の実現を目的として、4月1日から、常時雇用する労働者数が101人以上の事業主に対して、一般事業主行動計画の策定と公表及び自社の女性活躍に関する情報の公表が義務化されます。この女性活躍推進法に基づき、一定の基準を満たし、女性の活躍促進に関する状況などが優良な企業は、厚生労働大臣からえるぼし認定を受けることができます。さらに、えるぼし認定企業のうち、より高い水準の要件を満たした企業は、プラチナえるぼし認定を受けることができます。  また、日本の急激な少子化の進行に対して、次代の社会を担う子供たちの健全な育成を支援する企業に対し、次世代育成支援対策推進法に基づき、一定の基準を満たした企業は、子育てサポート企業として、同じく厚生労働大臣よりくるみん認定、プラチナくるみん認定を受けることができます。今後このような認定を受けた企業がどんどん増えていくことで、働きたい女性が子育てしながら安心して働き続けられる、持てる能力を十分に発揮できる社会の実現へとつながっていくものと信じています。  そこでお尋ねいたします。  1点目、熊本市において、えるぼし認定、プラチナえるぼし認定を受けている企業数を教えてください。  2点目、熊本市において、くるみん認定、プラチナくるみん認定を受けている企業数を教えてください。  3点目、これから本市においても、えるぼし認定、くるみん認定を受けている企業を増やしていくことが重要であると考えますが、本市の取組として、企業に対しどのように推進していますでしょうか。また、今後どのように推進していきたいとお考えでしょうか、教えてください。  後ほどまとめて質問させていただきますので、引き続き女性の就労支援について質問いたします。  熊本市では今年度、子育て女性のための再就職応援講座を開催されております。この講座は、コロナ禍で失業したり、収入が減るなど、経済的に不安を抱える方や子育て中の女性を対象に再就職を支援するものであったと認識しております。先ほど紹介しましたえるぼし認定、くるみん認定企業ともつながってくる話でありますので、今回の再就職応援講座についてお尋ねします。  1点目に、今回の講座は定員10名で開催されておりますが、定員に対して実際に参加された方の人数、就労につながった方の人数を教えてください。  2点目に、今回講座を受講した方で、残念ながら就労につながらなかった方の理由、今後の対応について教えてください。  3点目に、今回の講座を開催しての課題や改良点などがありましたら教えてください。  以上、さきの質問と合わせて6点につきまして、文化市民局長にお尋ねします。          〔横田健一文化市民局長 登壇〕 ◎横田健一 文化市民局長  女性の活躍推進に関します御質問にお答えいたします。  まず、えるぼし認定、くるみん認定企業の現状と促進についてでございますが、女性の採用や継続就業、管理職比率などをデータベースに公表し、女性の活躍推進に関する状況等が優良な事業主を認定するえるぼしの本市認定企業は4社あり、このうち、より高い水準の要件を満たすプラチナえるぼしの認定企業はございません。  また、仕事と家庭の両立支援を積極的に進めている企業を子育てサポート企業として認定するくるみんの本市認定企業は13社あり、そのうちの2社がプラチナくるみんの認定を受けております。  認定企業を増やすための取組としまして、本市のホームページにおいて、厚生労働省及び熊本労働局のえるぼし認定やくるみん認定だけでなく、熊本県のブライト企業認定やよかボス宣言の募集の記事へのリンク集を公開しているところでございます。  各種認定を受けることは、女性が働きやすい企業としてアピールでき、優秀な人材の確保や企業イメージの向上にもつながりますことから、経済部局とも連携し、認定制度の紹介とともに企業の意識啓発に取り組んでまいります。  次に、女性の再就職支援事業につきましては、今年度実施の男女共同参画型再就職支援事業では13名の申込みがありましたが、家庭の都合等により4名が辞退され、最終的には9名の参加者に対しまして、就労につながった方は現時点では4名となっております。就労につながらなかった理由といたしましては、条件に合う企業が見つからなかったことや勤務条件が企業側と合わなかったことなどが挙げられると考えております。  これら就労につながらなかった方に対しましては、本事業の受託事業者が運営します合同説明会等の就職イベントへの案内や企業とのマッチングなど、継続した支援を行ってまいります。  今後に向けた改善点としましては、熊本労働局などの関連組織や関連部署と連携し、企業が求める人材の把握を行うことで、その内容に合わせたカリキュラムを作成するなど、女性に寄り添った支援を行ってまいります。          〔17番 高瀬千鶴子議員 登壇〕 ◆高瀬千鶴子 議員  御答弁ありがとうございました。  熊本市にはえるぼし認定の企業が4社、くるみん認定が13社、そのうちの2社がプラチナくるみん認定とのことでした。また、再就職支援事業においては9名の方が参加され、就労につながった方は4名、残念ながら就労につながらなかった理由としては、条件に合う企業が見つからなかった、勤務条件が企業側と合わなかったとのことでした。今後は、熊本労働局などとも連携しながら、企業が求める人材の把握を行い、その内容に合わせたカリキュラムを作成するなど、就職率の向上に取り組まれるとのことでした。引き続き、えるぼし認定、くるみん認定企業の推進と併せ、一人一人に寄り添った再就職支援をよろしくお願いいたします。  続きまして、女性の就労支援、中でも女性のデジタル人材の育成について質問いたします。  令和3年第4回定例会におきまして、我が会派の三森議員からも質問されておりますが、改めて質問させていただきます。  私たち公明党は、重点政策の一つに女性のデジタル人材育成10万人プランを掲げております。党の女性委員会では、これまでデジタル人材育成について、独り親や未経験者を対象とした研修、就労支援など、全国の先駆的な取組を調査してきました。そこから、適切な支援策があれば女性がもっと活躍できることが分かってきました。そこで、女性のデジタル人材を10万人育成するという目標を立て、それを実現するための政策を練り上げていこうと考えました。  昨年末、閣議決定されましたデジタル社会の実現に向けた重点計画に、公明党の強い主張により、女性デジタル人材育成の推進という項目が新たに追加されました。今国会で審議される2022年度予算案には、2021年度予算に引き続き、女性のデジタルスキル向上や就労支援に地方自治体が活用できる地域女性活躍推進交付金が計上されており、政府としても女性デジタル人材育成を推進する方針を決定しています。  新型コロナウイルス感染症の影響で、非正規などで働く女性を中心に、減収や失業などで困窮する人が増えています。その中で、デジタルの分野の仕事は感染症の影響を受けにくく、今後社会のデジタル化が進んでいけば、その分野の人出不足が続き、労働力を求めるニーズが高まってくることは間違いありません。育児や介護をしながらテレワークで取り組めるようにする企業も出てきております。  これを機会に、本市においても、希望する女性がデジタルのスキルを習得し、就労につなげる施策を考えるときではないかと思いますが、大西市長の御見解を教えてください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  現在、国を挙げてデジタルトランスフォーメーションを推進する流れが加速しており、その流れに対応できるデジタル人材の獲得競争はさらに加速するものと認識しております。また、コロナ禍において、特に女性の雇用や生活が厳しい状況に追い込まれていることも承知しております。この二者をうまく結び合わせることは、女性の社会進出を後押しすることにもつながり、男女共同参画社会の実現につながるものと考えております。  そのため、就労時間の制約等で条件の厳しい子育て中の女性であっても、企業に求められる人材として育成できるよう、本市としても労働局等と連携して、デジタル技能習得機会の提供や再就職支援事業等により女性の活躍を支援してまいりたいと考えております。          〔17番 高瀬千鶴子議員 登壇〕 ◆高瀬千鶴子 議員  御答弁ありがとうございました。  デジタル人材と女性の雇用をうまく結び合わせることは、女性の社会進出を後押しすることにもなり、男女共同参画社会の実現につながるものと考えるとの御答弁をされました。引き続き、子育てや介護をされている方、デジタル分野未経験の方であっても安心して受講できるようなきめ細やかな就労支援をお願いいたします。  続きまして、子供の幸せを最優先させる社会の実現に向けて、3つの観点から質問いたします。  政府は、昨年12月、子供政策の司令塔となるこども家庭庁に関する基本方針を閣議決定しております。国を挙げて子供政策を強化することが急務であり、子供に関する取組や政策を真ん中に据えた社会の構築が、こども家庭庁の創設の目的であります。  そこで、まず初めに、児童相談所についてお尋ねいたします。  過日の朝日新聞に、子供への虐待問題などに対する児童相談所の業務が適正かどうかを第三者として評価する日本児童相談業務評価機関が設立されるとの記事がありました。児童相談所は、全国に225か所存在し、第三者評価について実施している自治体は5%弱ということです。今後は、子供の権利を守ることが最優先ではありますが、児童相談所の業務の質を向上させていくことも重要であると考えます。  兵庫県明石市では、こどものための第三者委員会を立ち上げるとともに、兵庫県弁護士会が虐待などの疑いで児童相談所に一時保護された子供の元に弁護士を派遣する子どものための代理人制度を始めております。自ら声を上げることが困難な子供から意見を聞き取り、児相に伝えることで、子供の権利を守り、処遇改善につなげるというもので、派遣の回数に制限はなく、費用は弁護士会と県、明石市がそれぞれ負担されています。  話は変わりますが、今年1月28日、東京地裁にて、東京都大田区の自宅マンションに3歳の長女を放置して餓死させたとされる事件で、26歳の母親に対する裁判が行われました。3歳の子供を9日間も放置し、餓死させたこともありますが、この母親自身が幼少期に壮絶な虐待を受けていたという過去がありました。この裁判の模様を伝える記事を読み進めるにつれ、胸が締めつけられ、深い悲しみでいっぱいになりました。なぜそこに誰も手を差し伸べることができなかったのだろうかと悔やまれてなりません。母親自身の虐待の経験が我が子への虐待へとつながってしまう、このような痛ましい事件が起こらないようにするには、悲しい負の連鎖を断ち切っていくしかありません。  過日、家族療法に取り組まれているNPO法人ポピンズくまもとさん主催の虐待とトラウマケアという勉強会に参加しました。サブタイトルに、不適切な養育の世代間連鎖を止めるために、ともあり、私の考えにマッチした講演でした。講演の中では、子供のトラウマは気づきにくいもので、虐待を受けた子供への支援はかなりのエネルギーを必要とし、根気強い関わりが求められることなど、改めて虐待への認識を深めることができました。  最近では、トラウマ治療の効果があるとされる新しい治療法も出てきているようですが、保険外診療のため、高額な治療費がかかるようです。  そこでお尋ねいたします。  1点目に、客観性のあるこどものための第三者委員会の立ち上げなどが必要ではないかと考えますが、児童相談所の見解を教えてください。  2点目に、一時保護の子供に弁護士派遣をするなど、子どものための代理人制度の必要性について、児童相談所の見解を教えてください。  3点目に、新しいトラウマ治療などもあるようですが、トラウマを抱える子供に対する児童相談所の支援、対応について教えてください。  引き続き、産後ケア事業、産後ドゥーラの導入について質問いたします。  皆様は、産後ドゥーラという産後サポートの取組があることを御存じでしょうか。産後ドゥーラとは、産後の母親に寄り添って支える経験豊かな女性という意味があります。産後ドゥーラは、家事も育児も心配事も、丸ごと相談できる心強いサポーターです。元中野区議会議員として活動されており、産後ドゥーラの生みの親とも言える梁川妙子さんから、オンラインで直接お話を聞く機会がありました。  梁川さんが区議会議員時代最後の仕事として取り組まれてきたのが、切れ目のない子育て支援でありました。そして、6年前に中野区で全国で初めて実現したのが、区と区内にある松が丘助産院とが連携して行う、産後の母子を対象とする短期入所、デイサービス、産後ドゥーラによる訪問サービスでした。現在梁川さんは自ら産後ドゥーラの資格を取られ、ドゥーラ協会の理事としても活躍されています。  政府もこども家庭庁を創設し、子育て支援を本格的に前進させようとしています。実際に厚生労働省の担当者がドゥーラ協会に調査に訪れるなど、妊娠、出産、育児支援について検討を始めています。  さらに、ヤングケアラーへの支援などと併せて、新たな家事支援給付事業が令和4年度の予算に子育て世帯訪問支援臨時特例事業として組まれています。  ヤングケアラー問題についても、社会的に重要な課題の一つでありますので、今後トータル的な家事支援が必要になってくるものと考えます。ただ、産後ドゥーラについて、課題として考えられるのは、1、産後ドゥーラの数が少ないこと、2、資格取得のために70時間の研修と試験に合格すること、3、養成講座の受講料が高額であることなどが挙げられます。  東京都では、国の産後ケア事業に加えて産後家事・育児支援事業を発足し、区市町村の取組やそのための人材育成に10割補助を実施しています。一般的な家事支援ヘルパーは、赤ちゃんに触ることができませんし、保健師が訪問し、赤ちゃんのことや子育ての相談に乗ることはできても、家事支援は行いません。実際にトータル的に母親に寄り添った支援が丸ごとできるのは、産後ドゥーラだけであります。  そこでお尋ねします。  1点目に、今後産後ドゥーラの必要性がどんどん高まってくると思われますが、産後ケア事業の一つとして導入することについての御見解を教えてください。  2点目に、産後ドゥーラ育成について、東京都のような人材育成に対しての公的補助は考えられないでしょうか。  先ほどの児童相談所の質問と合わせて、健康福祉局長にお尋ねします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  初めに、児童相談所に関する御質問にお答えさせていただきます。  こどものための第三者委員会の立ち上げ並びに子どものための代理人制度の必要性につきましては、本市では、子供の権利擁護のため、一時保護所等でのアンケート調査やヒアリングを実施するとともに、子供の意見表明の支援を目的とした職員研修に取り組んでいるところでございます。  新年度は、さらに施設運営の質の向上を図るため、一時保護所の第三者による評価を実施することとしており、併せて子供の意見表明への支援や権利擁護を推進する仕組みについても研究してまいりたいと考えております。  次に、トラウマを抱える子供に対する支援につきましては、児童相談所では、虐待の影響が疑われる子供について、心理検査や行動の観察、医学的な診断により抱えるトラウマの影響を評価し、その症状に応じた具体的な支援の提案を行うとともに、必要に応じて専門医への受診を勧奨しているところでございます。  また、トラウマを抱えた子供のケアにつきましては、その家庭を支援する全ての機関がそれぞれの役割に応じて関わることや、子供と保護者がトラウマへの理解を深めることが重要でございます。そのため、児童相談所の心理士が学校や医療関係者等と連携を強化し、個々の子供の状況に応じたさらなる心理的支援に取り組んでまいります。  次に、産後ドゥーラに関する御質問にお答えさせていただきます。  本市では、助産師等の専門職が母親への心身のケアや授乳方法の指導等を行う産後ケア事業や、ホームヘルパーが家事や育児支援等を行う産後ホームヘルプサービス事業を行い、産後の心身の不調や育児不安の解消を図っているところでございます。  複雑な課題を抱える母親や家庭につきましては、保健師が寄り添いながら相談を受け、利用者のニーズを丁寧に把握した上で支援プランを作成し、産後ケアや産後ホームヘルプに加えてショートステイ等、産後の母子に必要な様々な事業を組み合わせ、関係機関と連携しながらきめ細かな支援につないでおります。  産後の母親や家庭が安心して子育てができる環境を整備していくことは、非常に重要であると認識しており、議員御案内の産後ケア事業への産後ドゥーラの導入及び養成につきましては、利用者等へのアンケートによるニーズ把握や他都市の状況を参考にしながら研究してまいりたいと考えております。          〔17番 高瀬千鶴子議員 登壇〕 ◆高瀬千鶴子 議員  御答弁ありがとうございました。  児童相談所については、子供の意見表明への支援や権利擁護を推進する仕組みについて今後研究されるとのことでありますので、第三者委員会、代理人制度について、積極的な研究をお願いいたします。  トラウマケアについては、その症状に応じた具体的な支援の提案と、必要に応じて専門医の受診を勧奨しているとのことでした。虐待の世代間連鎖を防ぐには、子供時代に虐待する親に代わって信用できる大人の支えが必要であるとも言われております。状況は様々で、複雑なことも多いかと思いますが、一人一人に寄り添った支援に努めていただきますようお願いいたします。  産後ドゥーラについては、助産師等による母親への心身ケア、授乳方法の指導を行い、ホームヘルパーが家事や育児支援を行ってくださっており、産後の母子に必要なきめ細やかな支援に取り組んでいるとのことでした。産後ドゥーラの導入については、利用者等へのアンケートにより、ニーズの把握や他都市の状況を参考にしながら研究してくださるとのことでしたので、ぜひ前向きな研究をお願いいたします。  続きまして、無戸籍者の現状、行政サービスについて質問いたします。  今月14日、大西市長は、内密出産で昨年12月に生まれた子供について、戸籍がないことで子供に不利益がないよう、最優先で考えなければならない、速やかに対応する必要があるとのことで、市長の職権で戸籍を作成すると表明されました。この件については、これまでも国に要請されており、法的ルールがない中、生まれた子供さんのために最善を尽くされたと受け止めています。  法務省の調べによると、親の事情などで出生届が出されていない無戸籍者が全国に842人いるようです。無戸籍者は、社会生活においては無戸籍であることを公的に証明するものがないため、住民票の作成や銀行口座の開設が難しく、就職や結婚などで不利益な処遇を受けることもあるようです。
     無戸籍者を生む主な要因とされるのが嫡出推定制度です。公明党では2007年に無戸籍問題の解消のためのプロジェクトチームを設置し、嫡出推定見直しを訴えるなど、無戸籍者の救済策拡充に取り組んできました。現在、国の法制審議会の親子法制部会は、妊娠出産時の婚姻状況などに基づき、子の父親を決める嫡出推定制度を見直す民法改正の要綱案をまとめています。  千葉県松戸市では、無戸籍者専用相談窓口が設置されており、無戸籍者が受けられる行政サービスを案内するとともに、スムーズに手続が進むよう、各課の相談窓口でその都度戸籍がないことを説明したり、居住証明を提出したりしなくても済むような無戸籍者であることを示すサポートカードを希望者に発行しています。無戸籍者やその家族は、乳幼児健診の受診や小中学校への就学などの行政手続をする際、居住実態の証明ができる書類の提出が必要となります。サポートカードがあることで、当事者が複数の課を回るたびに家族間の複雑な問題を何度も説明するという作業がなくなり、精神的な負担は大幅に軽減するものと考えます。  そこで、熊本市の現状についてお尋ねします。  1点目に、熊本市における無戸籍者の人数、年代を教えてください。  2点目に、熊本市には無戸籍者の方の相談窓口はどこにありますでしょうか。  3点目に、熊本市に在住の無戸籍者の方は、乳幼児健診や小中学校への就学など、必要な行政サービスは受けられていますでしょうか。  4点目に、熊本市における無戸籍者への対応について、松戸市のようなサポートカードは必要ないでしょうか。見解を教えてください。  以上4点につきまして、文化市民局長にお尋ねします。          〔横田健一文化市民局長 登壇〕 ◎横田健一 文化市民局長  無戸籍者に対します熊本市の対応についてお答えいたします。  まず、無戸籍者の人数、年代について、令和4年1月末時点での本市の無戸籍者は、10歳未満が13名、10歳以上20歳未満が2名の計15名でございます。  次に、無戸籍者の相談窓口といたしましては、主に区役所区民課の戸籍窓口を無戸籍者の把握と支援のための相談窓口といたしているところでございます。  次に、無戸籍者への行政サービスにつきましては、把握できている無戸籍者全員の住民登録がなされていることから、乳幼児健診や小中学校への就学などの必要なサービスは受けることができております。  最後に、サポートカードの必要性につきましては、各区役所に設けた相談窓口において、相談内容によっては窓口職員が他課へ同行するなど、丁寧なサポートを行っているところであり、引き続き相談者に寄り添った対応を行ってまいります。          〔17番 高瀬千鶴子議員 登壇〕 ◆高瀬千鶴子 議員  御答弁ありがとうございました。  熊本市においては、現在15名の無戸籍者を把握しているとのことでした。その全員が乳幼児健診や小中学校への就学など、必要なサービスも受けているとのことで、安心しました。また、各区役所の区民課戸籍窓口を相談窓口としており、相談者に寄り添った丁寧なサポートができているとのことでした。引き続き無戸籍者の方々に社会的な不利益が生じないよう、丁寧なサポートをお願いいたします。  続きまして、認知症高齢者の地域見守り体制について質問いたします。  昨年末のことになりますが、通勤途中に大きな交差点に差しかかったとき、寒空の中、押し車に腰かけている高齢の女性を見かけました。既に通りかかった方が警察に連絡してくださっていたようで、目の前でパトカーが到着し、警察官の方が高齢の女性に声をかけていました。私は、もしかしたら帰り道が分からなくなってしまったのかな、こんなに寒い中座って大丈夫だろうかと、女性のことを心配しながら市役所に到着しました。  私の初質問の折に、そのような認知症高齢者の方の見守り体制について、ICTを活用した見守りシステム導入の提案をさせていただきました。その後、前向きに御検討いただき、今年度はモデル的に認知症高齢者等見守りSOSネットワーク事業としてスタートされており、来年度からは本格的に始動すると聞いております。見守りシステムを導入していただき、大変ありがとうございました。  そこで、現在の認知症高齢者の地域での見守り体制の状況についてお尋ねします。  1点目に、現在の熊本市における認知症高齢者数、今後の高齢者数の見通しを教えてください。  2点目に、認知症地域支援推進員の設置状況、推進員の役割等を教えてください。  3点目に、私も認知症サポーターの一員でありますので、何か地域でお役に立てることはないかと考えておりますが、認知症サポーターの方々が活躍されているモデル的な取組等はありますでしょうか。教えてください。  4点目に、改めて認知症高齢者等見守りSOSネットワーク事業の概要、利用状況を教えてください。  5点目に、認知症高齢者等見守りSOSネットワーク事業について、市民の皆様へ今後どのように周知徹底されるのか教えてください。  以上5点につきまして、健康福祉局長にお尋ねします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  認知症高齢者の方に関する御質問に順次お答えさせていただきます。  初めに、認知症高齢者数につきまして、本市においては、令和3年9月末現在、要介護認定を受けている高齢者の中で日常生活に支障がある認知症と診断されている方は約2万3,000人であり、高齢者人口が最も多くなる令和22年頃には3万4,000人程度まで増加する可能性があると考えております。  次に、認知症地域支援推進員は、各区に1名、健康福祉局に1名の6名体制としており、認知症の方やその御家族からの相談業務、医療や介護等関係機関のネットワークづくりのほか、認知症サポーターの養成や認知症の方、その御家族の憩いの場となる認知症カフェの立ち上げ支援など、地域における支援体制を充実させる役割を担っております。  次に、認知症サポーターにつきまして、認知症サポーター養成講座を受講した団体においては、校区内での認知症高齢者見守り訓練の実施や、地域の身近な場所で認知症カフェを開設するなど、認知症サポーターによる地域活動が広がっているところでございます。  次に、認知症高齢者等見守りSOSネットワーク事業につきましては、認知症などの理由により行方不明になられる可能性がある方の特徴や写真を事前に登録し、これらの情報を地域包括支援センターささえりあ等の関係機関と共有することで、行方不明時の迅速な対応や本人への必要な支援の提供につなげることを目指したものでございます。  また、事業登録者のうち希望者の方には、議員御提案のICTを活用した見守りシステムであるどこシル伝言板にも御登録いただいておりまして、現在試行的に利用されている10名の方やその御家族からは、安心感につながるなどの好評をいただいているところでございます。  最後に、市民の皆様への周知につきましては、今後高齢化がさらに進み、認知症高齢者が増加する中、ICTを活用した見守りは有効であると考えておりますことから、令和4年度からは、地域包括支援センターささえりあによる利用促進の働きかけに加え、市政だよりやSNS等も活用し、市民の皆様に広く周知してまいりたいと考えております。          〔17番 高瀬千鶴子議員 登壇〕 ◆高瀬千鶴子 議員  御答弁ありがとうございました。  認知症は特別な人にだけ起こる出来事ではなく、年を取れば誰にでも起こり得る病気です。もはや家族だけの問題ではなく、地域としての見守り体制の整備が必要です。認知症地域支援推進員は、各区に1名、本庁に1名の計6名体制とのことですが、相談業務も増加していると聞いておりますので、今のままの体制で十分なのか、今後御検討をお願いいたします。  どこシル伝言板は、現在試行的に10名の方が利用されており、御家族からも安心感につながるなど、好評をいただいているとのことでした。必要とされている方々に支援の手が届くよう、広く市民の皆様への周知をお願いいたします。  続きまして、熊本市におけるごみ減量と食品ロス削減の取組について質問いたします。  令和4年1月17日付の西日本新聞に、熊本市におけるごみの減量や資源化など、2022年度〜2031年度の10年間の目標値が公表されておりました。その中に、熊本市が2019年度に実施した家庭と事業所のごみの組成分析調査では、食べ残しなどの食品ロスが年間3万9,136トンも含まれていたとありました。まだ食べられるのに捨てられてしまう食品ロスの削減については、私の初質問の折にも、協賛企業の推進やフードバンク等との連携強化について質問しておりました。  また、家庭ごみの処理量の目標値は、12万3,791トンから10万5,672トンに減量するとしています。  BRITAJapan株式会社の家庭ごみに関するインターネットアンケート調査によると、1,000人中約半数の人がコロナ禍で家庭ごみが増えたと回答、その中で最も多かったのが生ごみだったそうです。現在熊本市では、家庭用生ごみ減量の取組として、段ボールコンポストの出前講座を開催したり、生ごみ処理機等購入の際、助成金が出る制度などがあります。  従来のコンポストは段ボールやバケツ型などの容器が主流でありましたが、最近は庭や畑といったスペースがなくても、ベランダで始められる都市型コンポストが人気を集めているようです。その中で、福岡市の企業が開発したおしゃれなバッグ型のコンポストは、発売当初から20代〜40代を中心とした若い世代の購入が相次いでおり、その購入者の9割がコンポスト初心者だそうです。このバッグ型コンポストの特徴は、コンパクトでスタイリッシュな外観、生ごみの臭いや虫の発生を抑える工夫が施されているため、気軽に始められるとのことです。  また、コンポスト1つに対して約20キログラムの生ごみが削減され、新たな資源に変わり、今まで生ごみ処理のために排出されていたであろう二酸化炭素の排出量も削減できます。  そこで、熊本市における取組状況についてお尋ねします。  1点目に、現在の協賛企業の推進とフードバンク等との連携の状況を教えてください。  2点目に、私の質問以降に、食品ロス削減に向けた新たな取組などがありましたら教えてください。  3点目に、生ごみ処理機等購入費用の助成金の活用状況を教えてください。  4点目に、家庭の生ごみ削減の取組の一つとして、若い世代にも人気のある都市型コンポストを進めてはどうかと思いますが、いかがでしょうか。  以上4点につきまして、環境局長にお尋ねします。          〔三島健一環境局長 登壇〕 ◎三島健一 環境局長  ごみ減量と食品ロス削減に関する4点の質問に順次お答えいたします。  1点目の企業とフードバンクの連携につきましては、本市でフードバンク活動団体へのヒアリングを行った際、一番の要望は企業との橋渡しであったことも踏まえまして、本市で実施しております廃棄物多量排出事業者への立入調査などの際に、食品の製造や流通過程で発生する余剰在庫や販売期限切れなど、可食に問題のない廃棄前の食品等について寄附などの協力依頼を行っております。  また、昨年6月と8月に実施した、各家庭で使用する予定のない食品を持ち寄るフードドライブにおきましては、SDGsの推進に関する連携協定企業など15の企業等と連携し、新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に困窮する学生等に対して、食料や日用品を無料配布したところでありまして、今後も企業等に対して実施を呼びかけたいと考えております。  2点目の食品ロス削減に向けた新たな取組といたしましては、特にコロナ禍において家庭で過ごす時間が多くなり、家庭ごみの量が増えていることから、食品ロス削減ハンドブックを作成し、各家庭で手軽にできる食品ロス削減を呼びかけております。  また、フードドライブについても、熊本連携中枢都市圏の自治体との連携も含めて4回実施したほか、高校生との共催によるイベントや本市公式LINEを活用したごみ減量リサイクルクイズなども行っております。  さらに、昨年度に本市で初めて実施した、各事業所における食品ロス実態調査を踏まえまして、今年度末に策定予定の一般廃棄物処理基本計画の重点施策として、食品ロス対策の推進を盛り込むこととしております。  3点目の生ごみ処理機等購入費用の助成金につきましては、平成4年度からコンポスト容器、また、平成11年度から電気式生ごみ処理機の助成制度を開始し、1台当たりそれぞれ5,000円と3万円を上限に2分の1の補助を行っており、今年度の実績としては、コンポスト容器が43基、電気式生ごみ処理機が136台で、予算額340万円に達しております。  4点目の都市型コンポストにつきましては、本市では既に、先ほど申し上げた助成制度の対象としているところでございます。このコンポストは、議員御指摘のとおり、スタイリッシュな外観から新たな購入層の獲得にもつながり、生ごみの減量や食品ロスの削減に効果が期待できると考えておりまして、本市の補助対象であることを積極的に周知してまいります。          〔17番 高瀬千鶴子議員 登壇〕 ◆高瀬千鶴子 議員  御答弁ありがとうございました。  本市では、SDGs連携協定企業など15社と連携し、新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に困窮する学生などに対して、食品や日用品を無料配布したり、食品ロス削減ハンドブックを作成し、市民への呼びかけを行っているとのことでした。  生ごみ処理機等購入費用の助成金については、予算額に達するほど活用されており、今回紹介しました都市型コンポストも補助対象となっていることから、積極的に周知してくださるとのうれしい言葉をいただきました。  若い世代の方々をはじめ、多くの市民の皆様がごみの減量や食品ロス削減への興味を持っていただき、協力していただけるよう、さらなる推進をお願いいたします。  以上をもちまして、今回準備しました質問は終わりました。真摯に御答弁をいただきました大西市長をはじめ、執行部の皆様に感謝いたします。  また、真摯にお付き合いいただきました先輩同僚議員の皆様、そして、月曜の午後という大変お忙しい中、傍聴においでいただいた皆様、インターネットにより御覧いただいた皆様に心より感謝申し上げます。これからも一人でも多くの市民の皆様のお役に立てるよう努力していくことをお誓いし、私の質問を終わります。本当にありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○園川良二 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  3月1日、2日の両日は、議事の都合により休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○園川良二 副議長  御異議なしと認めます。  よって、3月1日、2日の両日は、休会することに決定いたしました。  次会は、3月3日(木曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○園川良二 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 2時54分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 令和4年2月28日 出席議員 47名       1番   原 口 亮 志        2番   園 川 良 二       3番   山 本 浩 之        5番   古 川 智 子       6番   島 津 哲 也        7番   吉 田 健 一       8番   伊 藤 和 仁        9番   平 江   透      10番   荒 川 慎太郎       11番   齊 藤   博      12番   田 島 幸 治       13番   日 隈   忍      14番   吉 村 健 治       15番   山 内 勝 志      16番   緒 方 夕 佳       17番   高 瀬 千鶴子      18番   三 森 至 加       19番   大 嶌 澄 雄      20番   光 永 邦 保       21番   高 本 一 臣      22番   福 永 洋 一       23番   西 岡 誠 也
         24番   田 上 辰 也       25番   浜 田 大 介      26番   井 本 正 広       27番   藤 永   弘      28番   田 中 敦 朗       29番   紫 垣 正 仁      30番   小佐井 賀瑞宜       31番   寺 本 義 勝      32番   原     亨       33番   大 石 浩 文      34番   村 上   博       35番   上 田 芳 裕      36番   那 須   円       37番   澤 田 昌 作      38番   田 尻 善 裕       39番   満 永 寿 博      40番   田 中 誠 一       41番   津 田 征士郎      43番   藤 山 英 美       44番   落 水 清 弘      45番   倉 重   徹       46番   三 島 良 之      47番   坂 田 誠 二       48番   白河部 貞 志      49番   上 野 美恵子 欠席議員  1名       4番   北 川   哉 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      深 水 政 彦   副市長      中垣内 隆 久    政策局長     田 中 俊 実   総務局長     宮 崎 裕 章    財政局長     田 中 陽 礼   文化市民局長   横 田 健 一    健康福祉局長   石 櫃 仁 美   環境局長     三 島 健 一    消防局長     西 岡 哲 弘   選挙管理委員会事務局長            岡 村 公 輝 職務のため出席した議会局職員   局長       富 永 健 之    次長       和 田   仁   議事課長     池 福 史 弘    政策調査課長   上 野 公 一...