熊本市議会 > 2020-09-10 >
令和 2年第 3回議会運営委員会−09月10日-01号
令和 2年第 3回定例会−09月10日-04号
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令和 2年第 3回定例会−09月10日-04号

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  1. 熊本市議会 2020-09-10
    令和 2年第 3回定例会−09月10日-04号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    令和 2年第 3回定例会−09月10日-04号令和 2年第 3回定例会   令和2年9月10日(木曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第4号                         │ │ 令和2年9月10日(木曜)午前10時開議                │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時00分 開議 ○紫垣正仁 議長  ただいまより本日の会議を開きます。  この際、申し上げます。  本日は新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う出席議員の抑制を行っております。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  日程第1「一般質問」を行います。  順次発言を許します。山内勝志議員。          〔15番 山内勝志議員 登壇 拍手〕 ◆山内勝志 議員  皆さん、おはようございます。市民連合、山内勝志です。  昨年9月議会以来、2回目の一般質問の機会を頂きました。ありがとうございます。  本日、コロナの対応等を中心に、6項目について御質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  最初に、熊本市の医療圏におけるコロナ対策と医療の逼迫度についてお聞きします。
     熊本県には、10の2次医療圏があり、基本的には今回の新型コロナウイルス感染症の直接対応や感染患者の収容等についても、それぞれの医療圏が主体となって行うことになっております。  熊本市は、熊本地震後に策定された県の地域医療構想により、上益城郡域を吸収する形で熊本上益城医療圏と再編されました。その豊富な医療資源を生かし、医療圏域の中心的な役割を担っております。また、九州各県におおむね1つしかない第一種感染症指定医療機関を持ち、今回のコロナ禍の中で最前線に立つ都市の1つとして大きな役割を担っております。そのような背景の中、8月4日には熊本市は、感染リスクレベルを最高段階のレベル4特別警報に初めて引き上げました。第1波の収束でつかの間の平穏を感じていた中に、予想以上に早い第2波の到来に、多くの市民の方々がショックと不安を感じました。  熊本市のレベル4の判断基準は、市内でリンクなし感染者4名以上、新規感染者5名以上と定められています。リスクレベルを判断するに当たって、感染症の専門家会議においては、検査体制や医療提供体制の整備は進められているものの、新規感染者の急増でこれらに負担がかかり始めているような状況から、現時点では、熊本県、熊本市共にレベル4に引き上げることが妥当であるとしています。リスクレベルの引上げには、定められた基準の数値と共に、医療体制の負担のかかりよう、いわゆる医療逼迫度が決め手になったと感じています。  また、8月7日には政府の有識者会議、新型コロナウイルス感染症対策分科会が感染状況を4段階で評価するための6つの指標を発表しました。その中で、最初に掲げられた指標が病床の逼迫度合いです。その内容は、最大限確保できる病床全体の占有率と同じく重症者用病床の占有率が50%以上になると感染爆発段階のステージ4、そのレベルになるというものです。分科会の会長は、ステージ4のボタンを押すときは、緊急事態宣言を出す時期とまで述べられております。これらの専門家の意見を聞いただけでも、これからの感染リスクレベルの判断や社会の行動指標を提示する際に、医療の逼迫度を明確に判断することがより重要になってくることを表しております。  私たちはコロナに相対するときに、これまでと異なった生活様式への戸惑いや不自由さ、経済活動の停滞による収入減少の不安、家族や自分自身が感染したときの恐怖、自分たちの置かれた環境に多くの不安を感じております。そして、何を最も大切にすべきかを思い悩みますが、最悪の場合でも最善の治療を行ってくれる医療の現場を守ることがコロナとの闘い、またその先にあるポストコロナの時代を生き抜くのに重要なことではないでしょうか。  そこで、熊本市の医療圏におけるコロナ対策と医療の逼迫度について4点お尋ねします。  1点目は、医療の逼迫度をより理解し共有するための情報提供についてです。  多くのコロナ関係の報道や情報がもたらされていますが、医療の逼迫度について具体的に表すものは、コロナ治療に使える病床の数や、そのうち何床を使っている、それを示す占有率しかありません。しかし、実際の現場は、単に空き病床があり、入院の受入れができればいいというものではありません。患者の重症度に応じて対応する人員体制や医療機器など、医療資源が充足しているのかが重要になります。  そこで、次のような指標を示していただきたいと思っています。  1、重症度ごと確保病床数とその占有率、2、感染症の専門医やコロナ専用病棟に従事している医師や看護師の人員体制及び勤務時間数、3、N95マスクほか医療用感染防止資器材の備蓄状況、4、人工呼吸器の確保台数と占有率、5、最重症者に使用する人工心肺ECMOの確保台数、占有率及び対応可能な臨床工学技士の人員体制です。このような具体的に医療現場の実情を知ることができる情報を、医療機関名称は非公表のまま、総数のみを知らせていただきたいと思います。  熊本市の医療圏がコロナ治療にどれほどの力を備えているのか、あるいはその備えがどれだけ乏しくなっているのか、市民やかかりつけの開業医の方々ももっと正確に知っておきたいのではないでしょうか。それを知ることで、さらに予防や新しい生活様式のルールに積極的に取り組むきっかけになると思います。  2点目は、感染症指定医療機関受入れ協力医療機関の連携についてです。  第1波の際は、陽性患者の収容は帰国者・接触者外来を経て感染症指定医療機関に入院となり、病床の占有率が高まってきたら、行政機関の調整により協力医療機関への転院という流れであったと思います。さらに、一定期間の隔離や無症状の場合は医療機関以外の宿泊療養施設への移動も準備されていました。しかし、感染が蔓延する中で手探りの中の仕組み作りであったため、医療機関の連携や調整がスムーズに進まなかったこともあったように聞いております。  今後、さらに患者が増えてきた場合でも、治療を受け持つ指定医療機関協力医療機関の体制が疲弊し逼迫しないようにしなければなりません。特に、指定医療機関PCR検査の結果が陽性になった場合に、最初に搬送されてきます。そのため、クラスターなどで患者が一気に集中した場合は、現場が逼迫しやすくなります。また、第2波の特徴として、患者の8割が軽症や無症状であるとの報告もあります。医療の逼迫を避けるため、宿泊療養施設の有効な活用が大きなポイントになるように思います。これらを十分考慮して、指定医療機関協力医療機関の連携がスムーズにいくよう行政がしっかりと力を出していただきたいと思います。  第1波の際の課題点や反省を踏まえての現在の状況と今後の連携調整方法についてお聞きします。  3点目は、医療機関における感染症の専門家の充足についてです。  医療機関では、院内感染を防ぐため、日常的な消毒、滅菌等の感染対策を行うことが必須となっております。これは感染症の指定病院であるかにかかわらず医療機関としての責務でもあり、その医療機関を評価するポイントにもなっています。しかし一方では、感染症の専門資格を持つ医療者はまだ少数で、今後、コロナウイルスと共存し、さらに新種のウイルスが発見される可能性もある中で、感染症の専門家の存在は、熊本市の医療圏にとっても重要なものだと思います。  ICD(インフェクション コントロール ドクター)、感染制御認定薬剤師感染管理認定看護師感染制御認定微生物検査技師、ECMOを操作できる臨床工学技士などの感染症対策の専門資格を持つ医療従事者が熊本市の医療圏に何人いるのかは把握しているのでしょうか。また、これらの専門家を充足していくために、個人や医療機関の思いに頼るだけではなく、医療政策を受け持つ行政としてどのような支援策があるか、そのお考え、方針についてもお聞きします。  最後に、指定医療機関協力医療機関の収益悪化に対する財政支援についてお聞きします。  コロナ禍において、多くの方々がコロナと闘う医療従事者への感謝の気持ちを表してくれました。医療機関に勤めていた私も自分のことのようにうれしく感じておりました。しかし、コロナとの闘いは相手がウイルスだけではなく、病院経営の急激な収益悪化という大きな問題を抱えています。最近になって、この問題についても報道などでも伝えられるようになりました。指定医療機関協力医療機関では、ほかの入院患者や医療従事者への院内感染を防ぐため、病室の隔離や一般病床の縮小が必要となっています。その結果、通常より相当数の入院病床が使えなくなっております。そのため、入院予定日の延期や手術の延期、中止を余儀なくされています。  厚生労働省は、4月からコロナウイルスに対応した診療報酬を増額しましたが、これは重症者を中心とした改定であったため、中等症や軽症者の診療報酬には大した恩恵がなかったようです。今後も、コロナ患者の受入れが続く限り、指定医療機関協力医療機関経営の悪化は、自らの経営努力だけでは到底埋め合わせることはできません。必要なマンパワーについても人件費の削減などが行われ、職員のモチベーション低下で医療者の離職を引き起こしてしまいます。まさに内部からの医療崩壊を起こしかねません。  熊本市では、医療政策を担う行政として、このような状況を何とか回避しなければなりません。まずはコロナ対応によって収支不足となった指定医療機関協力医療機関に対して、その実質的な収支不足分を完全に補填するよう強く国に働きかけをしていただきたいと思います。もし国の支援が不足する事態となったときは、地方創生臨時交付金など一連のコロナ関連予算を組み替えてでも支援を行っていただきたいと思います。  以上、1点目から3点目までを健康福祉局長に、4点目を市長に御答弁をお願いいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  3点のお尋ねにつきまして順次お答えいたします。  1点目の医療の逼迫度に関する各種情報の提供につきましては、市民の皆様に新型コロナウイルス感染症を取り巻く状況を正しく御理解していただくため、議員お示しの例示も参考としながら、医療の逼迫度について、できる限り分かりやすい形での情報提供に努めてまいります。  次に、感染症指定医療機関受入れ協力医療機関との連携につきましては、4月の県市合同専門家会議におきまして調整本部が設置され、感染症指定医療機関から受入れ協力医療機関への調整が開始されました。  現在は、県の調整本部を中心として、感染症指定医療機関受入れ協力医療機関の連携強化が進められており、本市としても、県の調整本部に職員を派遣するなど、県との協力体制を強化しているところでございます。加えまして、県が設置いたします宿泊療養施設での軽症者の受入れも開始しており、本市も協働して運営に当たっております。このような取組により、重症、中等症患者の病床が逼迫することがないよう病床確保に努めているところでございます。  最後に、現在把握しています感染症専門家の充足についてでございますが、市内の医療機関におきまして、ICDが130人、感染制御認定薬剤師が6人、感染管理認定看護師が16人、感染制御認定微生物検査技師が3人、診療等に従事されているところでございます。しかしながら、より高度で専門的な知識を有し、感染症の治療で中心となる感染症専門医は市内に12名しかいらっしゃらず、その育成は喫緊の課題でありますことから、熊本大学病院に寄附講座を設置し、感染症専門医を育成し、新興感染症に対応できる医療提供体制の充実に取り組んでまいりたいと考えております。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  新型コロナウイルス感染症流行の長期化に伴う受入れ病床の確保や受診控え等により、感染症指定医療機関を初め、受入れ協力医療機関経営状況に影響を及ぼしていることは十分認識しておりまして、直近のヒアリング調査でも、各医療機関における4月以降の医業収入の昨年比では、平均で約13%の減収となっているところです。  このような中、国においては新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関に対する支援として、診療報酬の引上げを初め、重症、中等症に係る空床確保補助額の増額や医療従事者等への慰労金の支給など支援メニューの拡充もされているところではありますが、さらなる支援が必要と考えておりまして、空床確保補助額の増額など、受入れ医療機関への財政支援について国に繰り返し要望を行ってまいりました。  先般、国においては、患者を受け入れる医療機関の安定経営を確保するため、さらなる支援方針を示されたところであり、その具体的な施策を注視しながら、医療機関をしっかりと守るため、国に対し引き続き手厚い支援を求めてまいりたいと考えております。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  御答弁ありがとうございました。  1点目の医療逼迫度をより理解し、共有するための情報提供については、まず行政機関が医療現場の実情をより正確に把握することが重要です。その上で、市民の皆さんとも、また開業医の先生方とも今の医療の逼迫度合いを共有できるような情報提供の在り方を工夫していただきたいと思います。  2点目の指定医療機関協力医療機関の連携についてですが、この課題がコロナ対策においても、また医療逼迫を防ぐ上においても大変重要であると思います。陽性患者の初期受入れ入院患者増加による定員調整などで各医療機関が混乱し疲弊しないように、調整の役割をしっかり機能させていただきたいと思います。特に、熊本市は、豊富な医療資源を抱え、熊本上益城医療圏のみならず、熊本県の体制の中で大きな力と役割を担っています。熊本市としても、さらにリーダーシップを発揮していただくようお願いいたします。  3点目の医療機関における感染症専門家の充足については、熊本大学病院にも寄附講座を作るという具体的な取組が行われているとのことです。大変よい取組だと思います。さらに、そのほかの職種についても認定を取得するまでの研修等の費用を助成するなど、行政のできる支援策について、感染対策の専門家を増やし、感染症に強い都市を目指していただきたいと思います。  4点目の指定医療機関協力医療機関への財政支援についてですが、現在の厳しい経営状況は既に十分把握されていることと思います。国においても慰労金の支給や診療報酬の引上げなど幾つかのメニューを実行していますが、現実にはこれらのメニューではコロナによる収益悪化をカバーすることは到底できません。指定医療機関協力医療機関への財政支援は、あくまで国の責任の下に行われるべきです。引き続き、強い要請をお願いいたします。万が一それが十分な支援でなかったときは、市の独自措置を検討していただきますよう重ねてお願いいたします。  それでは、引き続き、コロナ関連の質問をさせていただきます。  コロナ禍で見えた課題と解決策について、介護福祉現場のことと保健所機能について、2点お聞きします。  1点目は、介護や福祉の現場におけるコロナ対策についてです。  春先の感染初期には、施設、通所、訪問等の全ての介護福祉の事業所でマスクや消毒薬等の感染防止資器材の絶対数が不足し、混乱と不安の中で利用者の対応に当たられました。第1波の際は、本市において介護福祉事業所の感染の伝播はありませんでしたが、事業者の方からは、たまたま起きなかっただけとの声も聞かれました。しかし、今回の第2波では、県内の介護老人保健施設クラスターが発生するなど、介護福祉の現場は、発症者や濃厚接触者がいつ出てもおかしくないと危機感を強めています。  介護福祉の現場では、利用者と介護従事者が一対になっており、感染者一人だけが療養すればよいということではありません。介護従事者は多くの利用者を担当していますし、利用者側も複数の介護従事者と接しています。お互いの関連性が網の目のように複雑に絡み合っているため、一人の感染が多くの濃厚接触を生むということになります。また、利用者の介護や看護は日常の生活の一部であり、いっときも止めることができず、すぐに次の介護従事者を決めなければなりません。  このような複雑な事態を抱えているのに、現場の実情は深刻な働き手不足に悩まされており、どこかの事業所が休業する場合に、代わりがすぐ見つかるような状況ではありません。また、あらかじめ応援体制を作っておこうと思っても、コロナ禍の中で日常の運営に忙殺され、お互いに話し合う機会さえ作れないのではないでしょうか。  そこで行政が調整役を担う必要があります。事業者同士に相互支援の仕組み作りを任せっきりにするのではなく、第三の調整役として現状を俯瞰的に見回して、応援が必要な事業所、反対に応援が可能な事業所を把握して、事前に相互支援システムを提案すべきだと考えます。  愛媛県と松山市では、事前に応援協力ができる法人を募集し、応援者の名簿まで作っているそうです。さらには、応援を出した事業所をさらに後方支援する体制まで考えられているようです。応援登録した事業所には、マスクや手袋、消毒薬の支給はもちろんのこと、必要な旅費、宿泊費、危険手当を県市から補助しているようです。このような事前の取組やリスクを回避する相互支援システムを作ることが熊本市でも必要だと思います。本市の現状と今後の方針についてお聞きします。  また、現在の熊本市の介護行政では、主に介護保険制度の運営維持を中心に所管する介護保険課と高齢者の全般的な課題を担う高齢福祉課があります。今回のコロナ禍の混乱の中で感じたのは、介護福祉現場で起こっている不安を解消するために統括的な指揮をする部署がどこなのか、今後の感染リスク災害リスクに備えるシステムを作っていく部門はどこなのかが分かりにくいと感じました。現在の組織の中に新たな部署を作るか、既存の組織の人数を増やし、業務の再編等を考えるべきだと思いますが、お考えをお聞かせください。  2点目は、保健所機能の強化と検査体制についてです。  まず、コロナ対策における保健所職員の皆さんの奮闘に敬意を表します。決して十分ではない職員数で、急激に高まった業務量と行政機関の責任に対する負担感は計り知れないものであったと思います。  昨年の9月議会の私の一般質問で、ラグビーとハンドボールの国際大会2つを開催するに当たっての外国人旅行者感染症対策について質問いたしました。その際のお答えとしては、チラシやガイドブックの配布で啓発に努めるという程度で、決して感染対策が万全と言えるものではありませんでした。とはいっても、私自身も含め、その半年後に新種のウイルスが国を越えて日本に入り、爆発的感染を起こすとは正直思っていませんでした。  1980年前後にエボラ出血熱やエイズが、2000年以降にSARSや高病原性鳥インフルエンザなどの新興感染症が世界を震撼させた過去があったにもかかわらず、感染症対策の反省と備えは、流行が収束し時間が経過していくに伴って薄れていくものだと感じています。また、我が国の保健行政でも、感染症に対する危機感が徐々に薄れると同時に、生活習慣病の予防へと軸足が移り始めました。感染症対策を担う公衆衛生行政も、国が進める全国の保健所の統廃合や行革による公務員削減により、その機能は縮小していきました。  熊本市も例外ではなく、従来2つの保健所と3つの保健センター公衆衛生体制を担ってきたものが、現在は1つの保健所体制となっています。そのような中、突然に急激に押し寄せるパンデミックの波に保健衛生行政は大混乱となりました。特に新種のウイルスに対峙するには余りにも情報も知識も経験もなく、初動においても国の方針を待つしか方策がなかったのが実情ではないでしょうか。その後、有識者による専門家会議が立ち上がり、情報の分析と対応方針の提示をしていただきましたが、初動の段階から一定の方針や対策が立てられるよう、熊本市の組織の中に感染症対策に詳しい人材が必要であったと思います。早急に感染症対策を担える公衆衛生医師を採用し、より統括的な判断ができる体制を構築していただきたいと思います。  また、本来感染予防を受け持つ保健師も、生活習慣病対策のほか、児童虐待、高齢者障がい者の孤立、メンタルヘルス対策と担当する分野が増え、さらに災害時の被災者支援をも担っています。今回のコロナ禍で急遽感染症対策に引き戻され、戸惑いも大きいと思います。地域の感染防止に目を届かせることが感染症蔓延の防止に有効ではありますが、現在の体制のままでは多くの保健師が疲弊してしまいます。いま一度、保健師の体制を見直し、職員の増加や職域の分担を考えていただきたいと思います。  加えて、コロナ対策で大変重要な役割を持つPCR検査を実施する部署が環境局所管であることに少し違和感を持っております。コロナ禍の初期段階でPCR検査の立ち後れが全国の保健所で課題になりました。本市においても例外ではなく、さらに異なる部局間での情報のやりとりであったことも、その混乱の要因になったのではないでしょうか。  今後の国の方針では、PCR検査のさらなる拡充や保健所の体制強化、積極的疫学調査の強化などが示されています。ますますPCR検査体制や保健所の体制が重要視されてきます。そのような中で、検査の迅速化や大量検査に備える規模等を考えた場合、現在のまま環境局と検査体制を共有する体制のままでよいのか、保健所内に独立した検査体制を作った方がよいのか、PCR検査の実施体制も含め、今後の方針についてお尋ねします。  以上2点について、健康福祉局長に御答弁をお願いします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  1点目の介護福祉現場におけるコロナ対策についてのお尋ねにお答えいたします。  介護事業所におきましては、新型コロナウイルス感染者等が発生した場合の対応について、国や県からの通知に基づき情報提供を行うとともに、適宜相談に対応いたしております。  在宅の利用者に対して介護サービスを提供している事業所で感染者等が発生した場合には、サービスの縮小、停止が想定されることから、事前の備えとして、利用者の身体状況や家庭環境等を整理し、緊急時の対応のトリアージを行っておくよう通知いたしております。  その中で、サービスの提供が不可欠な利用者に対しまして、感染防止策を徹底した上で介護サービスを提供することとなりますが、その際に必要となるマスクやガウン等の衛生防護用品につきましては、必要に応じて本市から提供を行うことといたしております。  また、高齢者施設において感染者等が発生した場合につきましては、熊本県において、応援職員として協力できる方を事前に人材バンクに登録する仕組みを構築し、現在、高齢者施設に対して登録の依頼を行っているところでございます。今後、人材バンクに登録された職員の派遣につきましては、本市で行っていくこととしております。  次に、感染リスク災害リスクに備える部署についてお答えいたします。  今般の新型コロナウイルス感染症への対応や災害時におきましては、迅速な対応と業務の専門性に応じた個別具体的な対応が不可欠でございます。こうした専門性は、日常的に業務に携わることによって得られる経験や知識により培われることから、平常時の業務体制の充実や職員の人材育成が重要であると考えております。  これまでも、災害時においては組織間の連携の下、適切な対応を図ってきたところでございますが、今後も様々な事態が生じる可能性もあることから、さらなる組織間の連携強化を図るとともに、担当職員の危機管理意識の高揚と対応力の向上にも努めてまいります。  2点目の保健所体制の強化と検査体制についてお答えいたします。  まず、保健所体制の強化でございますが、公衆衛生医師や保健師につきましては、公衆衛生行政における重要な役割を担うと認識しており、それぞれ専門的な役割を果たせるよう、引き続き人材育成等を行ってまいります。  次に、検査体制の強化についてお答えいたします。  検査体制につきましては、当初は環境総合センターのみで実施してきたところでございますが、4月からは民間検査機関等の活用、また7月からは熊本市医師会と連携し、PCRセンターの設置など検査機関を増やしますとともに、環境総合センターの体制強化や検査機器の整備など検査体制の強化に取り組んでまいりました。  現在、環境総合センターでは、クラスターの発生や、医療機関や高齢者施設など重症化のリスクの高い方が多い施設において感染者が確認された場合の集中的な検査や緊急検査を行うなど、機能分化を図っているところでございます。  これまでも環境総合センターと十分連携を図りながら検査を実施してきたところでございまして、引き続き、民間検査機関等と役割を分担し、迅速かつ効率的に検査を実施することで、市民の皆様に御安心いただける検査体制の確保に取り組んでまいります。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  御答弁ありがとうございました。  1点目の介護福祉の現場におけるコロナ対策は、個々の生活の事情が異なることや従事者不足で事業者相互の応援体制を築くことが難しいとは思いますが、行政が事業者の間に入ってマネジメントすることが大変望まれております。事業者へのタイムリーな情報提供、相談体制の強化、応援人材バンク事業の充実などとともに、しっかりと対応していただきたいと思っております。  また、感染リスク災害リスクに対処する体制については、日常業務に忙殺される現在の体制ではなかなか困難な部分もあると思います。想定以上のリスクにもしっかり役割を果たせるように、組織の在り方や人員体制の強化について、いま一度十分な御検討をお願いいたします。  2点目の保健所機能の強化と検査体制についてですが、感染対策の仕切り役として欠かせない公衆衛生医師、市中の感染を未然に防ぐ役割を担う保健師、共に保健所機能を強化するためには、しっかりとした人員体制を築くことが重要です。公衆衛生医師の充足と保健師の増員について、関係部局と十分な御協議を行っていただきたいと思います。  検査体制については、今後の流行のスピード、大規模クラスター発生、予防的検査の増加など、想定の範囲を大きく捉えて準備を進めていただきたいと思います。  それでは、次に、がんと闘う人々、がんサバイバーへの支援について2点質問させていただきます。  1点目は、がん治療と仕事の両立のための休業補償制度等についてです。  先日、2019年の日本人の平均寿命が発表され、男女共に昨年に引き続きの伸びとなりました。医学の進歩や社会環境の整備、保健予防の強化など多くの専門家の努力と高齢者自身を含めた国民の健康に対する意識の高さの結果であると思います。  また、毎年死亡率の1位となる悪性新生物、いわゆるがんの治療においても、オプジーボのような画期的新薬の登場で治療成績も向上しています。一昔前は不治の病と言われていたがんも、医療技術の進歩で長期生存が可能となってきました。  一方で、がんと闘うがんサバイバーには多くの問題が残されています。副作用などの身体的な問題、がん再発に対する精神的な問題、治療費などの経済的な問題、働きながら治療する際の周囲の理解など、様々な問題に直面し、がんと診断されたときから生涯にわたってこれらの問題と向き合うことになります。  そういった問題をがんサバイバー本人だけでなく、その周囲の人々や社会全体を巻き込んで、みんなで協力して乗り越えていこうという考え方が出てきました。国の策定した第3期がん対策推進基本計画にも反映され、例えば、仕事と治療の両立をサポートする体制の構築など、分野別施策の項目の中にがんとの共生が掲げられています。特に、治療方法の進歩により、病院の外来に通院しながら化学療法を受けるなど、働きながら治療を受けることもできるようになりました。厚生労働省が行った調査では、病気を抱える労働者の93%の人が就労の継続を希望しています。一方で、15%の人が配置転換や雇用形態が変わり、14%の人が退職しているなど、現実は大変厳しい状況です。  また、仕事と治療を両立させるために必要なことを聞いたアンケートでは、1位が体調や治療の状況に応じた柔軟な勤務形態で48%、2位が治療、通院目的の休暇休業制度が欲しいで45%という結果でした。しかし、事業所によっては治療のための休暇制度がないところ、あったとしても有給での日数が限られているところなどがほとんどではないでしょうか。年単位で治療を続けるようながんサバイバーにとっては、無休で治療を続けるか、やむなく退職を選ぶことになってしまいます。  そこで、がんや難病の治療のため、休暇休業制度をもっと普及するための制度を導入する事業者に対して、休暇日数に応じた休業補償制度の導入を検討していただきたいと思います。コロナ禍で自宅待機となった労働者への休業補償制度のように、事業者側の負担を軽減することで、がんサバイバーの方に安心感を与えられるのではないかと考えます。  また、治療に係る費用は、健康保険を使ったとしても、治療の内容によっては自己負担額が相当大きくなります。健康保険の高額療養費制度を利用したとしても、高い場合には月に8万円程度の出費となります。しかも月単位で連続した治療であれば、その額をその都度用意することになり、家計に与える影響は大変大きなものとなります。がん、難病の治療費用に対する貸付制度の導入についても併せて御検討をお願いします。  2点目は、熊本版マギーズセンターの創設についてお聞きします。  聞き慣れない名前だと思いますが、東京都江東区にマギーズ東京という施設があります。この施設は、がんにかかった人とその家族や友人など、がんに影響を受ける人々が迷ったり悩んだり孤立感を感じたときに気軽に訪れ、話をし、サポートを受けられるNPO法人の施設です。  がんの告知を受けるとき、多くの方が病院の狭い外来診察室で、医師からのつらくショッキングな話を聞かされます。頭の中が真っ白になって、主治医の説明の何分の1も頭に入らず、その後の治療方針のことを尋ねられても、先生にお任せしますと答えるのが精いっぱいだったと、そう言われる方が多いように思います。病院の外来では、次々に患者が待っているため、長く話をすることもできず、ほんの数分で自分のこれからの一生がかかった話が終わってしまう、それが現実ではないでしょうか。  マギーズ東京ができたのは、イギリスで同じように狭い診察室で告知を受けたマギー・ジェンクスさんという女性の方が、自分のがんと向き合い、対話したり質問したりする場所が病院にはない、それならば自分で創ると創設されたイギリスマギーズセンターを参考にして作られたものです。  趣旨に賛同する企業から土地を無償で借り受け、設計は建築士の厚意に頼り、建設費用はクラウドファンディングで募りました。運営についても企業や個人の寄附で賄っています。病院とは離れた場所にあり、庭やキッチンがあって、ゆっくりと落ち着ける雰囲気となっています。そこで、がん専門看護師や心理療法士など専門知識がある人たちに、気兼ねなくじっくりとこれからの自分の人生を話せる居場所となっています。  がんについて相談する場所としては、がん拠点病院などにあるがん相談支援センター等がありますが、そこでもしっかりとした相談ができるとは思いますが、病院の職員の方に病院内で本音をぶつけるのはなかなかできない、もしマギーズセンターのようなところがあれば、そこで話したいと思う方は多いのではないでしょうか。  創始者のマギーさんの話を一部紹介いたします。  病院は医学的な治療をしてくれる。病院の仕事はそこで終わる。ところが、私たち患者は、治療が終わった後も後遺症を抱えたまま家に帰って生活しなければならない。副作用もあるだろうし、治療を受けたことによる長期的な影響を引きずって生きる。人によっては子供が欲しかったのに持てなくなるかもしれない。仕事を変えなければならなくなるかもしれない。そんな将来への不安を抱えて、患者は家に帰る。病院には、将来自分がどうなるのかということを患者が考える時間も場所もないとのことです。  マギーズセンターのような理想的な施設でも、公費を使って建設し維持していくのは難しいとは思いますが、行政が企業への賛同をお願いしたり、クラウドファンディングで建設費用を捻出したり、趣旨に賛同する個人の寄附を募るなど、NPO法人等のがん支援団体と一緒になって、公費を使わず1つの理想を形にすることにチャレンジすることはできないのでしょうか。  以上、健康福祉局長に御答弁をお願いいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  2点のお尋ねについて順次お答えいたします。  がん治療と仕事の両立等に向けた支援は、がんと共に生きる人々にとって切実な問題であり、非常に重要であると考えております。
     現在、ハローワークや熊本産業保健総合支援センターが中心となり、がん治療と仕事の両立に関する相談を受けており、本市におきましても、がん経験者が電話で様々な相談に応じるがん相談ホットラインを設置し、がん患者に対する相談支援等を行っているところであり、この相談内容やがん患者の方々、関係団体の御意見を踏まえながら、必要な支援について検討してまいります。          〔議長退席、副議長着席〕  次に、熊本版マギーズセンターの創設についてでございますが、市内には、市や医療機関などが開催しているがんサロンやがん経験者が直接相談に応じる県設置のがんピアおしゃべり相談室などの場所がございます。がんサロンやおしゃべり相談室は、マギーズセンターのように、がん患者やその御家族が安心して不安や悩み事を話し合うことのできる場として提供しております。  引き続き、がん患者の皆様方の不安や悩みに寄り添い、耳を傾けることのできる場所について、関係機関とも連携しながら研究してまいりたいと考えております。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  御答弁ありがとうございました。  1点目のがん治療と仕事の両立のための休業補償制度についてですが、御答弁にあるように、がんサバイバーの方々にとっては切実な問題です。また、全ての人ががんと闘う可能性がある今の時代では、休業補償や貸付制度は決して特別な取組ではありません。引き続き、御検討いただきますようお願いいたします。  2点目の熊本版マギーズセンターについてですが、このような施設があれば、多くのがん患者さんや家族が喜び、救いとなるということは皆さん共感していただけると思います。  この質問で聞きたかったもう一つのことは、税金を使わなくても多くの方々の賛同の輪を広げ、クラウドファンディングなどのツールを利用して、新しい物事を創り上げる、そんなことを行政が主導してもよいと思ったからです。特に熊本市は、熊本城一口城主や市電緑のじゅうたんサポーター等の前進的な企画の実績があります。どのような障害があるのかないのか、予算編成や事業企画の際にぜひ一度考えてみていただきたいと思います。  次は、コロナ禍をきっかけにした東京一極集中の見直しに伴う地方移住策について質問いたします。  総務省が発表した5月の人口移動報告では、東京都からの転出者が転入者を1,000人以上上回る転出超過になりました。続いていた東京への人口流入がストップする結果となりました。コロナウイルスの感染拡大は、企業の在宅テレワークや遠隔地リモートワークの導入を加速化させ、都会を離れて仕事をするという選択肢を生み出しました。これまで潜在的に地方移住を希望する人たちの背中を押したのではないでしょうか。  そもそも、東京、名古屋、関西の三大都市圏に日本人の人口の52%が集中しており、これらの都市部はコロナの急激な感染拡大を招く幾つかの要因を持っていました。実際に、人の移動の制限やそれに伴う経済活動の停滞を招き、改めて人口集中のリスクというものを顕在化させました。  このような事態を背景に、政府の骨太方針でも、ポストコロナを見据えて東京一極集中の見直しを掲げています。骨太方針では、首都圏で地方移住への関心が高まっているこの機を捉え、東京一極集中の流れを大きく変えるとまで言い切っています。地方に大きなチャンスが来たと言ってもよいでしょう。  ここで、建設機械大手の小松製作所の取組を御紹介いたします。  小松製作所は、2001年以降、本社機能の一部を徐々に地方に移転しています。調達本部を創業地の小松市に移転させたのを皮切りに、研修センター、オペレーションセンター、人事部、こういった本社機能を地方に移転させています。それまではほかの企業と一緒で、本社機能を東京に一極集中させ、社員採用も東京一極採用していました。  東京集中を社員の生活面から見てみると、都市部の住居費が高額なため、遠いところに住み、通勤に多くの時間をかける。生活コストが高いため、残業代を稼ぐため長時間労働となる。それらの結果、東京圏に流入し続ける若者の未婚化や晩婚化が進むことになりました。少子化の原因の一部を自分の会社が作り出していることに当時のトップが憂慮し、本社機能を創業地の小松市など地方へ移転することに踏み切ったのです。  この結果、石川県での雇用も移転した部門で150名増加し、小松市にある研修センターには、海外からを含めた小松製作所の自社社員が年間3万人訪れているそうです。雇用対策だけでなく、宿泊や飲食店への経済効果も年間7億円に上ると小松製作所のほうで試算をしておられます。  中でも、最も興味を引く報告は、30歳以上の女性社員の既婚率と子供の数です。既婚率では、東京圏域の事業所ではおおよそ50%に対して、石川圏域の事業所では80%を上回ったそうです。子供の数では、東京圏域の事業所では平均0.9人ですが、石川圏域の事業所では平均1.9人という結果だったそうです。これらの数字を見ても、小松製作所が行った本社機能の移転策が少子化対策として効果を上げていたことが分かります。  今回のコロナ禍をきっかけにした東京都市圏などからの地方への人の流れは、決して一過性のものにはならないと思います。それは国の重要方針にもはっきりと書かれており、地方からすれば、この流れをしっかりつかむことは、移住定住対策だけでなく、企業立地等の経済対策、さらには少子化対策にも寄与するものと言えます。  熊本市には、豊富な自然と豊かな水、おいしい食べ物があり、政令市にふさわしいにぎやかさも持ち合わせています。街の中心にある壮大な熊本城を見ながら、歴史ある城下町の風情の中でリモートワークができる、まさに地方移住にぴったりの都市です。小松製作所のような会社の機能移転やIT企業、スタートアップ企業に丸ごと移住してもらうために、オフィス環境の整備支援、移住される社員の生活支援や子育て支援などにもオール熊本市で推進していただきたいと思います。  また、企業が求める人材を輩出するために、本年3月に答申された市立高等学校等の改革についての中で示されたAIやIoTなどの専門性の高い先端技術分野について、市立高校とビジネス専門学校のトータル5年間を使った学習を行うという提言を実際に進めていただきたいと思います。そして、地方移住した企業と地元が輩出した優秀な人材をマッチングさせるところまで考えていただきたいと思います。  感染防止のため、県境を越えた移動自体が制限される現状のため、すぐに具体的な活動はできないとは思いますが、骨太方針にも明記されるような、この大きな地方回帰の流れを見据え、本市の移住定住、企業誘致の今後の方針と支援策について、経済観光局長にお尋ねします。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  移住定住、企業誘致の今後の方針と支援策についてお答えいたします。  首都圏における地方移住や企業の進出機運につきましては、本市移住情報サイトの月平均検索ユーザー数が昨年度比約2.4倍に増加していることや、今年8月に東京に本社を置く東証一部上場企業がオフィス分散化の観点から研究開発拠点を本市に移転させたことなどから、機運の高まりを実感しているところでございます。  国においても東京一極集中の見直しを柱の1つとする骨太の方針2020が示されており、今後は、首都圏から地方への流れを的確に捉え、リスク分散や柔軟な働き方へのシフトを図る首都圏の企業と人とをセットで本市に呼び込むことを方針としたいと考えております。  そのためにも、テレワークなど柔軟な働き方に対応した環境整備や企業誘致に当たっての家族の移住を含めた支援策を検討するとともに、企業が求める地元高校などの優秀な人材と企業とのマッチング支援に取り組むなど、本市への確実な移住定住並びに企業誘致を進めてまいります。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  御答弁ありがとうございました。  今後の方針として、首都圏の企業と人をセットで呼び込むとのことです。実際に、研究開発拠点の本市移転が実現するなど、経済部門では既に動いていただいているようです。  コロナ禍をきっかけにした都会から地方へ向かう人の流れは、都市の活性化だけでなく、我が国の重要課題である少子化対策にもプラスになります。今回の大きなチャンスをしっかり捉えるために、今後の企業誘致はオール熊本市の体制で臨んでいただきたいと思います。企業の移転支援策は経済観光局が、企業と一緒に移住される従業員家族への子育て支援は健康福祉局が、企業が求める優秀な人材の輩出には教育委員会が担うなど、それぞれの部局が本市の地方移住方針に一体となって取り組むような仕掛けをぜひ検討していただきたいと思います。  それでは、次に、動植物園のマスタープランと専門的人材の育成についてお聞きします。  動植物園は1929年に開園し、現地移転や都市緑化動物園植物園との一体化を経て、現在に至ります。熊本地震では大きな被害を受け、2年8か月にわたり休園を余儀なくされました。休園中には被災した子供たちのために、35か所でふれあい移動動物園を開催し、多くの市民の共感を呼び、まさに愛される動植物園の姿を見せてくれました。  今回、動植物園では、開園100周年となる2029年に向けて、中長期的な施設整備と運営方針を定めた熊本市動植物園マスタープランを策定しています。  そこで、動植物園のマスタープランから3点お尋ねします。  1点目は、マスタープランの目標と成果指標についてですが、プランには収支状況の改善の必要性とともに、現在の74万人の来園者を2029年までに85万人に増やす成果指標を設定してあります。成果指標はこの1点のみです。全国にある動物園が旭川市の旭山動物園のような集客力のある動物園を参考にしています。集客力のアップは、安定した施設運営をするための必須の課題であることは当然ですが、計画の進捗や達成度を計る成果指標がこれだけでは、この先の10年間が集客数や収支状況のみを優先して進んでいくのではないかと不安があります。  プランでは、愛され続ける水辺の動植物園へをコンセプトに、4つのテーマを設定しています。特に、テーマ1の驚きと新たな発見!いきものミュージアムには、動植物園が、環境教育、種の保存、調査研究の3つの役割を担うことが書かれています。まさに動物と植物の博物館でありたいという気持ちの表れだろうと思います。  動植物園は、これまでの長い間、子供たちが目を輝かせて、動物や温室の植物を観察し、発見し、触れ合う学習の場でした。また、動物飼育においては多くの動物たちの繁殖を成功させ、種の保存についてもしっかり役割を果たしてきました。私は、動植物園が博物館と同じような役割と責任を持つ教育施設であると思います。マスタープランを推進するに当たっての動植物園の使命、目標とプランにある唯一の成果指標の進捗管理の考え方についてお聞きします。  2点目は、専門的人材の確保と育成等についてお聞きします。  プランを見ると、1つ欠けていることに気づきます。役割や責任をしっかり果たすためには、それらを担う人材の確保と育成が欠かせません。動物の飼育や健康管理、病気の対応には専門知識と危機管理も含めた経験を持つ職員が必要です。植物の栽培、管理にも植物の専門家が必要です。プランには、飼育員の確保、獣医師の体制、造園や園芸などの植物の専門家の確保、さらには調査研究や展示企画を主導する学芸員の採用など、特に専門的な職種についての記載がありません。  開園100周年に向けて、またそれ以降の一定期間についても、マスタープランには人員体制や教育育成方針など具体的な見通しが必要です。特に、飼育は現在業務職職員が担っていますが、この職種の採用が途絶えて長くなります。職員の高齢化も進み、そのうち退職者の補充もできなくなります。飼育の専門職の新設も考えなくてはならない時期が来ています。動植物園に必要な専門的な人材の育成と飼育の専門職種の新設についてお尋ねします。  3点目は、植物園ゾーンのこれからの運営方針についてです。  2022年春に開催される全国都市緑化くまもとフェアに合わせて、植物園ゾーンを中心に大規模な整備が行われます。施設の整備と共に、樹木の整理や移植、郷土の花の展示や肥後六花コーナーの設置も行われます。この大規模整備を機会に、植物園ゾーンは大きく変わることになりますが、フェアが終わった後の運営方針はどうなるのでしょうか。江津湖と隣接している地の利を生かした熊本ならではの植物園の風景が見られるとは思いますが、市民の憩いの場としての植物園になるのか、様々なテーマを持った植物の展示が中心になるのか、緑化フェア以降の植物園ゾーンの運営方針についてお尋ねします。  1点目と3点目、2点目の人材育成方針については経済観光局長に、2点目の飼育の専門職の新設については総務局長に御答弁をお願いいたします。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  動植物園のマスタープランと専門的人材の育成に関する3点のお尋ねにお答えいたします。  動植物園マスタープランでは、愛され続ける水辺の動植物園へをコンセプトに、4つのテーマを目標として掲げ、その実現に向けて取り組むこととしております。  成果指標につきましては、より多くの方に来園していただくことは、安定した施設運営のみならず、テーマに掲げる重要な目標である種の保存・調査研究の推進、自然環境教育の推進にも寄与すると考え、客観的な数字として把握できる来園者数を成果指標としたところでございます。  動植物園の使命は、4つのテーマに掲げた具体的な取組を着実に実行していくことであり、そのことが結果として、成果指標である来園者数の増加につながるものと考えております。そのため、計画の進捗管理につきましては、来園者数の把握分析はもとより、テーマごとに設定している個々の取組につきましても、有識者等の意見も踏まえて評価、検証を行い、改善に取り組んでまいります。  次に、専門的人材の育成につきましては、動植物園の生態に関する専門的な知識はもとより、科学的に思考する力や提案力、対話力などを備えた職員育成を目指しております。今後、本計画の着実な実施に向け、必要な職種別の人員配置につきましては、関係局と協議してまいりたいと考えております。  最後に、植物園ゾーンのこれからの運営方針についてのお尋ねでございます。  全国都市緑化くまもとフェア終了後も、市民はもちろんのこと県外の方の憩いの場として活用し、また、園の重要な目標である種の保存や環境教育の場としても活用するとともに、四季を実感できる特色のある種の展示を行うことで、植物の魅力を積極的に発信していきたいと考えております。          〔深水政彦総務局長 登壇〕 ◎深水政彦 総務局長  私からは、動物飼育の専門職についてお答えいたします。  動植物園における動物の飼育業務につきましては、現在、業務職員が従事しているところであり、その業務の特殊性を踏まえた人員配置が必要であると考えております。  そこで、飼育業務に従事する職員については、経験を蓄積させるため、配属期間を長めにするとともに、当該業務を希望する職員を配置する等、職員自身の熱意や適性も考慮した人事配置を行っているところでございます。  今後も引き続き、これらの取組を行いながら、新たな専門職の必要性について、動植物園の今後の在り方と併せて検討を行ってまいりたいと考えております。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  御答弁ありがとうございました。  開園100周年に向けた計画の推進では、御答弁にありましたよう種の保存、環境教育、調査研究といった動植物園が本来持つ重要な使命を常に念頭に置いて、来園者が楽しんで学習できるような展示方法や企画などに工夫を加えていただきたいと思います。  また、必要な専門職種の配置は、使命、目的を果たすためには大変重要な課題となります。先を見越した中長期的な計画を立てておく必要があると思います。飼育の専門職の創設も含め、関係部署と十分協議を進めていただきたいと思います。  植物園ゾーンのこれからの運営方針では、市民の憩いの場として、また郷土の草花の展示等を通した教育施設として、2つの役割を受け持つとのことでした。江津湖湖畔の美しい風景を生かして、多くの方々が訪れ楽しめるよう魅力のある植物園を作っていただきたいと思います。  それでは、最後に、ポストコロナ時代の新しい生活様式を実践すべき市役所について2点お聞きします。  今回のコロナ禍は、人々の生活を大きく一変させ、これからの生活様式も全く新しいものに変わっていくでしょう。昨年までのオフィスの様子やコンサートや演劇会場での人が集まる日常の映像を見ますと、これから先、このような場面を再び見ることができるのか大変不安になります。マスク着用やソーシャルディスタンスを取ることは、風邪やインフルエンザなどの予防、病気の予防にも役立ちますので、自分の体調や季節に合わせた習慣となればよいとは思いますが、今後進められますポストコロナ時代の新しい生活様式になじむまでに、私たちもある程度の覚悟が必要であると思います。  質問の1点目、コロナ対策や豪雨災害援助を通して考える市役所の新しい役割と職員体制についてです。  今年に入ってからの突然の感染症襲来は、市役所の日常を一変させ、熊本地震を経験し災害対策への備えが手厚い熊本市でも、大きな混乱が起きました。職員も疲弊し、感染対策を所管する職員の中には、月の残業時間が230時間を超える職員もいました。頂いた資料を集計すると、各部局とも前年の同時期と比べ軒並み残業時間が増加しており、最も増えたのは健康福祉局の26%増でした。これから先、今のコロナウイルスだけでなく、コロナの変異や新種のウイルスの蔓延も想定される状況で、感染対策はもはや特定の部署の仕事ではなく、市役所全体の日常的な役割となります。  また、毎年のように起こる自然災害も大きな脅威です。熊本市内の災害対処だけでなく、県内外で起きた自然災害にも復旧支援を行ってきました。7月の県南の豪雨災害では、初動の段階から保健師や水道局職員、消防職員らが現地に赴き、その後も複数の消防隊や医療チームのほか、市役所各局から延べ5,000人を超える職員が被災地の応援に行っています。近年の日本の災害発生の状況を見れば、このような事態は、残念ながら毎年のように起きる可能性があると思います。感染症の蔓延防止を含めた災害対策や他都市への災害支援が、新たな役割、新たな市役所の日常となれば、ただでさえ行革で削減されてきた職員数では到底足りません。  職員の数の上限を定めている職員定数は、8年前の政令市移行時に比べ、仕事量が増えているにもかかわらず、市長事務部局においては90人の定数減となっています。また、現在の市長事務部局の定数が3,742人であるのに対し、実際の職員数が3,712人と、定数と実人数の差である余裕人員は30人足らずです。消防職員に至っては定数810人に実際数が807人で、余裕人員はたったの3人です。これでは、この先市役所が担う新たな役割に対しても、国が示すポストコロナ時代の新たな日常にも、対応できないのではないでしょうか。  新たな役割や年々増加する業務に対して、ポストコロナ時代を迎える市民をしっかり支える市役所となるためにも、必要な部署への職員の増員と将来を見据えた職員定数の見直しが必要と考えますが、どのようにお考えでしょうか。  2点目は、ソーシャルディスタンスが取れず、今のままでは感染の危険が高い過密職場の解消についてです。  市役所本庁と各区役所の過密状態を知るために、総務局に資料をお願いいたしました。中央区役所を含めた本庁舎と東西南北の区役所の全フロアのうち、本庁の地下、5階、14階を除く24フロアで、執務室の1人当たりの広さを出してもらいました。結果は、6平米未満が13フロア、6から7平米未満が6フロア、7平米以上が5フロアというものでした。最も狭かったのは本庁2階の3.8平米です。オフィスとして適正な広さというのは様々な基準があるとは思いますが、最も狭いフロアに実際に行くと、デスクトップパソコンが1台おけるくらいの一人のスペースで、4人、5人の方が横並びにびっしり座って仕事をしているところもありました。普通の場所でも、人が歩くとき、椅子を引いてもらわなければ真っ直ぐ歩けないような状態です。また、奥に行けば、部署のエリアをパーティションで仕切ってあるため、迷路のようになっています。もし火災や大きな地震が起きれば大混乱になり、大変危険な状態と言ってもよいでしょう。  このような密状態で、マスクを取って昼食を取れば、日常どんなに注意をしても感染を避けることはできません。万が一、このような職場で感染者が出たら、窓口に来られた市民の方も巻き込んだ大きなクラスターになる可能性もあります。  コロナの第1波の中、5月に実施した職員の在宅勤務は、密を避けることを目的として始まりました。当時は様々な課題がありましたが、通信環境を整え、端末を整備するなどして、本格的なテレワークが始まろうとしています。しかし、テレワークが進んだとしても、高レベルの個人情報を持つ基幹システムなどは在宅での閲覧はできないとのことです。ほかにも窓口対応など、公務の中にはテレワークではカバーできない仕事がたくさんあります。テレワークを進め、日ごと交代で出勤することでスペースを作るとしても、それができる職場は限られるのではないでしょうか。やはり過密職場を解消するには、別の場所にオフィスを探すしかないと思います。  コロナ禍が長引く現状では早急に過密職場の解消が必要です。市役所の業務停止を招かないためにも、暫定的な対策でもよいので、知恵を出して実行していただきたいと思います。例えば、旧市民病院の管理棟のように、市が所有するもので十分な空きスペースがあり、オフィスに転用できる施設を探して、移転可能な部署を当分の間分散してはどうでしょうか。  本庁機能職場であれば市民の方に不便をおかけすることも少ないと思います。また、ほかの課との連携や文書決裁等の内部業務でも、テレワークが可能な環境にあれば全く問題はないはずです。市職員のコロナ感染を防ぐため、来庁される市民の方への二次感染を防ぐため、市役所の閉鎖という最悪の事態を避けるため、過密職場の解消策を早急に具体化するようお願いいたします。  1点目は総務局長に、2点目につきましては市長に御答弁をお願いいたします。          〔深水政彦総務局長 登壇〕 ◎深水政彦 総務局長  私からは、職員体制等に関するお尋ねにお答えいたします。  職員定数につきましては、これまでも本市を取り巻く社会情勢や政策課題等を踏まえ、必要に応じて見直しを行ってきたところでございます。  また、人員配置に当たりましては、民間活力の活用を初め、事務事業の見直しや業務の効率化を図りながら、本市の重要施策を初め、新型コロナウイルス感染症の関連業務や災害対応等、その時々に注力すべき分野へ重点的に配置を行っております。  今後も、時代のニーズや新たな行政課題に柔軟かつ的確に対応するため、必要な体制整備を図ってまいりたいと考えております。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  議員御指摘のとおり、市役所の現状の執務環境については、一部の職場において過密な状況となっており、ソーシャルディスタンスの確保など新型コロナウイルス感染症の予防対策の観点からも課題があると認識しております。  これまでもマスク着用や一斉換気などの感染予防策の取組のほか、勤務時間の繰上げ繰下げや在宅勤務などのリモートワークにより、職場の過密状態を避けるための対策を講じてきたところです。これらを引き続き実施するとともに、議員御提案の旧市民病院の管理棟などの市有施設の活用やリモートワークを初めとした働き方改革によるスペースの創出など、総合的に検討しながら過密職場の解消に努めてまいります。          〔15番 山内勝志議員 登壇〕 ◆山内勝志 議員  御答弁ありがとうございました。  1点目の必要な部署への職員の増員と職員定数の見直しについては、今のコロナ禍や近年の災害の発生状況を踏まえて考えれば、市民の生活を支える公務職場は最後のとりででもあり、その強化は最優先事項であると思います。  御答弁では、必要な体制整備を図るとのことです。現状の体制が本当に最良のものか、しっかりと把握分析し、既存の職員定数の見直しも含め、職員の増員による体制強化を真剣に検討していただきたいと思います。  2点目の過密職場の解消については、これから冬に向けて、インフルエンザとコロナのダブル流行期に入るおそれもあります。現在の過密職場の状況は、実際に現場に入ってみると、感染対策としてとても耐えられるものではないと思います。来庁される市民と現場で働く職員のため、テレワークと併せて早急に具体的な解消策の検討をお願いいたします。  これで私が用意しておりました質問は終わりました。  コロナ禍の中、資料要請から本日の答弁まで真摯に御対応いただきました市長初め執行部の皆様に感謝を申し上げます。  また、本日傍聴においでいただきました皆様、インターネット中継で視聴いただきました皆様、ありがとうございました。  これからポストコロナ時代に入り、さらに多くの課題が出てくるとは思いますが、私も市民の皆様と市の執行部の皆様と一緒になって頑張ってまいります。御清聴ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○上田芳裕 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午前11時20分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○紫垣正仁 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。
          ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  一般質問を続行いたします。吉田健一議員。          〔7番 吉田健一議員 登壇 拍手〕 ◆吉田健一 議員  皆さん、こんにちは。公明党熊本市議団の吉田健一でございます。  2回目の一般質問をさせていただくこととなりましたが、発言通告を見ていただければ分かりますとおり、コロナ対策、そして水害も含めた災害対策など、このような質問をするとは議員になったときには想像もしておりませんでした。今後、ウィズコロナ、アフターコロナと言われる新しい生活様式に加え、異常気象に起因する災害が毎年多発し続けるこの日本に住んでいく以上、行政と市民が一丸となることをさらに求められる時代になったと感じております。誰もが体験したことのない社会の中で、未来のために動いていける施策や取組を一緒になって追求していきたいと思いますので、市長初め執行部の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、早速質問に入らせていただきます。  まず初めに、本年7月3日に発災しました令和2年7月豪雨災害を受けての質問をさせていただきます。  今回の水害発生当初から、本市職員の皆様も災害派遣として被災現場に入っていただきました。本来の業務もある中、延べ5,000名を超える職員の皆様が入っていただき、現地で熊本市と書いてある防災服や車両を見ると元気が出たものです。災害対応に携わっていただいた市職員の皆様に敬意を表します。大変にありがとうございます。  我が公明党も発災直後から、山口代表を初め、党選出の赤羽国交大臣、石井前国交大臣など国会議員と共に現場に駆けつけ、被災者に寄り添い、小さな声を聞き取ってまいりました。現在も地元議員と連携し、復旧・復興に向けた活動に取り組んでいるところです。  改めて、お亡くなりになられた方々の御冥福と、今まさに生活再建に向けて必死に動かれている被災者の皆様にお見舞い申し上げます。  そのような中、熊本市議会議員の一人として思うことは、これが熊本市内で発生したならばと、常に頭の中で思いを巡らせているところです。  そこで、大西市長にお伺いしたいと思いますが、今回の豪雨災害を受けて、1つ目に率直な思い、2つ目に、白川を初めとする熊本市内で発災を想定したときの対応とそれに向けた対策、そして以前から触れてきました立野ダムの必要性について御答弁いただきたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  令和2年7月豪雨災害に関する3点の質問にお答えいたします。  今回の豪雨災害によりお亡くなりになられた方々に、改めまして謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。  私も実際に被災現場を訪問いたしましたが、市街地に堆積するおびただしい量の土砂や全壊した家屋、崩落した河川堤防や橋梁を目の当たりにし、予想をはるかに上回る自然の猛威のすさまじさを改めて感じたところです。  今回の豪雨の原因となった線状降水帯は、現在の予報技術でも予測が困難であり、避難を促すタイミングの判断が非常に難しいと考えられます。  本市では、災害発生のおそれがある場合は、夜間や気象状況等が悪くなってからの避難は大きな危険を伴いますため、空振りを覚悟の上で、早めに避難所を開設するとともに、警戒レベル3避難準備・高齢者等避難開始を発令し、明るいうちの避難を促す予防的避難を呼びかけております。先日の台風10号の際も、接近前の6日朝9時に警戒レベル3避難準備・高齢者等避難開始を発令し、12時40分の警戒レベル4避難勧告発令前には、既に6,000人を超える市民の方々が避難されており、早期避難の有効性を改めて認識したところです。  今回、球磨川流域に被害をもたらした豪雨と同じ規模の大雨が白川流域で降ったと想定した場合、藤永議員の一般質問にもお答えいたしましたように、本市の48校区に浸水の影響があると予測されております。このような豪雨災害から自らの命を守るためには、やはり早めの避難行動に尽きることから、統合型ハザードマップを活用して、市民の皆様お一人お一人に地域のリスク等を事前に把握していただき、早期避難をしていただくことが極めて重要であります。加えて、住民の皆さんの積極的な避難行動につながりますよう、日頃から的確な情報提供と地域との連携による地域防災力を高めていくことが被害の最小化につながるものと考えております。  私といたしましても、熊本地震や平成24年九州北部豪雨といった大規模な災害の経験を生かし、公助はもとより、自助、共助それぞれの役割が最大限発揮されるよう、関係機関や地域との連携を図りながら、強い危機感と覚悟を持って危機管理体制を強化してまいりたいと考えております。  立野ダムの必要性についてでございますが、現在、白川においては、白川水系河川整備計画に基づき、国及び県において河道改修や立野ダム整備など、総合的な治水対策が進められております。これまで、私も白川改修・立野ダム建設促進期成会の会長として、治水対策の推進を強く要望してまいりました。  立野ダムについては、令和4年度末に完成予定であり、洪水被害の防止、軽減が図られるほか、下流への流量到達時間を遅らせることで、避難行動時間の確保にもつながると期待しております。近年のように常態化している深刻な水害から市民の生命と財産を守るためには、河川整備計画に基づく総合的な治水対策の一日も早い実現が極めて重要と考えており、引き続き、国に対し強く働きかけをしてまいりたいと考えております。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  大西市長、ありがとうございます。  今述べられました災害に対する決意ともいうべき内容をしっかり共有していかなければならないと思っております。  人間が考える想定をも超えてくる自然と、対策を用いながら共生しなければなりません。立野ダムを含めた治水対策、そして熊本地震を経験した我が熊本市が災害対策の模範となる都市となるよう、私自身も全力で取り組んでまいりたいと思いますので、大西市長、よろしくお願いいたします。  それでは、引き続き、今回の令和2年7月豪雨災害を受けて、具体的な質問に入ってまいります。  冒頭でもお伝えしたとおり、公明党熊本県本部として、発災2日目に、災害状況の確認のため、先発隊として国会議員、県会議員と共に、井本議員と一緒に芦北町、八代市、人吉市の現場へ同行してまいりました。  被災現場に近づくにつれ、以前の景色がうそのように信じ難い現実が目の前に現れたのを今でも鮮明に覚えています。この現実を自らの目で確認しながら、一緒に帯同する国、県、市のそれぞれの議員が車内や現場で意見を出し合い、協議をしながら、即関係省庁へ携帯電話で連絡を取り、緊急案件として、その場その場で応急処置をしてまいりました。  例えば、県道219号線が寸断され通行止めとなっていた状況から、地元住民を優先した九州自動車道八代人吉間の無料化や、人吉のインターチェンジを降りる車両で大渋滞が発生したことを踏まえ、インターチェンジ手前の山江サービスエリアから自衛隊などの災害対応車両を優先的に降りられるように改善、そのほかにも地域住民のお声を一つ一つお伺いし、今必要とする要望を形にしていくことができました。  そこで、復旧支援で御用聞きする中、実現した事例や生のお声を参考に伺っていきたいと思います。  まず、被災者住民のお声からです。皆様も御存じのとおり、球磨川の氾濫により、人吉市街地を狙ったかのように多くの商業施設や住居が床上浸水に見舞われました。その後も復旧作業の多くは土砂や災害ごみを出す撤去作業です。特に土砂は家屋や店舗の隅々まで入り、ショベルカーなど重機が入るところはまだいいのですが、被災家屋のほとんどはスコップ、バケツ、モップなどで行う手作業です。  そのような重労働を強いられる中、活躍したのは、ある程度の大きさの砂利や石などもまとめて吸い込んでいくバキュームカーの存在でした。泥水はもちろんのこと、水を含んだ土や土砂、小石も重さを感じず、手の届かない場所でも吸い込んでいき、手作業よりもはるかに速いスピードで作業を行えたとのこと。また、土砂が乾いた後もあえて水を含ませ、吸い込みやすい状態にして活用するなど、大変な状況の中でもいかに効率的に作業ができるかを考えながら復旧作業をされていました。  今後、水害が予想される地域や今回の経験で必要性を感じる自治体では効果的だと感じます。しかし、バキュームカーを手に入れるとなると高額な予算と維持管理も必要となります。そこで考えられるのはリースです。今回の発災時も災害協定を活用し、パッカー車を初めトラックなど多くの設備や機材を提供されたことや、数日間滞在できる職員専用のキャンピングカーをレンタルされ駆けつけていただいたことも伺いました。  そこで大西市長にお尋ねします。  想定外の災害が多発する近年の状況から、同時多発的に発生し、他都市でも同じタイミングで国の支援が必要になる中、いざというとき、本市独自で準備が整えておけるように、災害協定で先ほどのバキュームカーのレンタル、リースを対象とするなど、本市でハード面での防災協定の枠組みの拡大や見直しが必要かと思いますが、いかがでしょうか。  また、世界でも注目されている災害復旧のスペシャリストである国交省のテックフォースがこれまで多くの災害に際し、人命救助や応急復旧等に多大な成果を上げております。平成28年熊本地震の際も、被害状況調査等を迅速に実施したことで、激甚災害指定の早期指定にもつながっております。災害対策には国との連携強化を図ることが重要と思いますが、見解を伺いたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  災害復旧に関する協定につきましては、現在、地元建設業界団体と締結しております。議員御提案の機材につきましてもこの協定に含まれておりますが、今後、さらに自然災害の頻発が予測されることから、災害復旧業務の在り方等について議論を進めてまいりたいと考えております。  次に、議員御紹介の国土交通省に設置されました緊急災害対策派遣隊、いわゆるテックフォースは、平成28年熊本地震の際にいち早く派遣していただき、高度な技術力をもって道路や河川など様々なインフラの応急復旧に御尽力いただきました。  その後も全国で大規模災害が頻発する中で、全国市長会としても、特に発災直後における基礎自治体と国土交通省の各地方整備局との連携が極めて重要であるとの結論になり、私は全国市長会防災対策特別委員長として、全国の市長と地方整備局とのホットライン構築を当時の石井啓一国土交通大臣に要請いたしまして、平成31年2月に実現したところでございます。  今後とも、国土交通省を初め国の機関とさらに密接に連携し、より迅速な災害対応が図れるよう努めてまいります。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  大西市長、ありがとうございます。  国との連携を初め、ソフト、ハード両面からあらゆる連携を駆使し、年々増大する自然の脅威を再認識したリーダーシップをお願いいたします。  続きまして、現場の最前線で復旧に取り組む行政職員に関する情報から、実現するまでに至った事例を基に伺います。  7月3日の発災から1か月もしない7月20日には罹災証明書の受付を開始した人吉市でしたが、一日も早く発行できるようにと、本人も被災した人吉市職員が、被災家屋の調査員として猛暑の続く被災現場を回っておられました。熊本地震の際も、家屋調査員が大変な思いをしながら、半壊、全壊などの判定に追われていたことを思い出します。また、本市と職員の人員の規模が違いますので、あの人吉市街地全土を少人数で担当しなければならないため、キャパに限界があり、また連日の災害対応で相当な無理をしていたのか、倒れたり病院に直行する職員が出たとの情報を得ました。  公明党熊本県議会議員の城下議員と連携を取り、対策を取ろうと状況把握に努めたところ、災害対応はもちろんのこと、連日の猛暑による熱中症が原因でした。早速今後の予防と熱中症対策に動くこととなり、協議した結果、最近、屋外の仕事、いわゆるガテン系のお仕事をされている方々にマスト、絶対必需品となっている空調服が必要であるという結論となり、県に要望を実施、担当局からすぐに手配をすることになりました。原因判明から2日後には、全調査員分の35着が届けられ、現場調査員である人吉市職員の皆さんが大変に喜ばれた声を直接伺うことができました。  さて、この空調服ですが、皆様も見られたことがあると思います。正面から見ると、この夏場にジャンパーを着て暑くないのかなと思うような上着に見えますが、後ろ側に空調ファンが2つついていまして、胸元には小型バッテリーを内臓、それを電源としてファンが動くシステムとなった未来の作業服と言われているもので、うれしいことに私でも入るサイズも売られているほど需要が高いものです。  そこで、総務局長に伺います。  この近年の歴史的猛暑に見舞われる夏季のシーズンに、屋外で働かれている本市職員の命を守るためにも空調服の導入はできないでしょうか。  今年に入り、熱中症の疑いも含め、約6名の方が体調を崩されております。その中には、まさしく人吉市への災害派遣で家屋調査に携わられた方もいらっしゃいます。これを踏まえた御見解をお示しください。          〔深水政彦総務局長 登壇〕 ◎深水政彦 総務局長  空調服の導入についてお答えいたします。  現在、電気、機械などの技術職員を初め、屋外での業務を中心とする技能労務職員など約800名に対して、作業能率の向上を図るため、作業服を定期的に貸与しているところでございます。  議員御提案の空調服は、炎天下での作業において空調ファンが被服内の熱気を排出することから、一定程度の熱中症予防効果が期待され、肉体的疲労の軽減につながる可能性があるものと認識いたしております。  そこで、通常業務あるいは今回の令和2年7月豪雨のような災害対応業務における空調服の耐久性や着用時の作業能率などについて、その導入効果を研究してまいりたいと考えております。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  これは、ある屋外現場を主に担当される市職員から直接伺いましたが、猛暑の続く中、年々その暑さが厳しくなっているように感じますとのこと。また、ここが大事ですが、委託している企業さん、従業員さんのほとんどの方が空調服を着ていて、私たち職員は着ていません。同じ現場で仕事をしている者として正直羨ましいと思いますとの声を頂戴しました。  猛暑の続く中、熊本市のために働く本市職員の命を守ることに直結する代物です。ましてや、災害被災地に派遣で行かれた本市職員が現に熱中症になっています。災害意識の高まる昨今、異常気象に対応していくことも求められていると思います。今後、人吉市職員が喜ばれたように、本市職員の手にも届く日が来ることを願い、要望しておきます。  次の質問に移ります。  先日の我が会派藤永議員の質問の中でも触れましたハザードマップについて、違う角度でお伺いしたいと思います。  まず、統合型ハザードマップについてですが、洪水、土砂災害、高潮、津波などを想定した総合的なハザードマップが完成し、本年4月より公開がスタート、年度末には全戸配布も予定されています。  今回作成された統合型ハザードマップは、防災の観点から大変重要な情報を得るためのツールであります。そのツール、手段という点から本市の取組の中で関心を持ったことがLINEを活用した情報発信です。特に、所管委員会である環境水道委員会内でもそうですし、友人からも好評の声を頂きましたが、本市のごみ減量に向けたリサイクル活動への理解、分別のルールの周知啓発を目的に、本市LINEを活用したごみ減量リサイクルクイズの実施です。  LINEのアカウント、友だち登録者数の増加を目的とした取組の一環でもありましたこのクイズですが、7月1日からのプラスチック製買物袋の有料化の時期を見込んだ戦略で、全部で8問ある三択クイズに全問正解することができたらエコバッグをプレゼントしたものです。やはり皆さん、この時期、マイバッグが欲しかったのでしょうか。あるいは影響力の大きい大西市長のツイッターの中で触れられたからでしょうか。当選者500名に対して5,191名という倍率10倍を超える応募があり、関心の高さとLINEの重要性を感じました。そのごみ減量リサイクルクイズやコロナ情報の提供など、活用の効果もあり、2か月で7,195名が登録され、昨年の3倍近い速さで熊本市LINEの登録者数を伸ばすことができております。  そこで、利用価値も関心も高いこのLINEを活用して、統合型ハザードマップの発信ができないかと考えました。  そこでお尋ねいたします。  1点目に、LINEを活用して、市民へ統合型ハザードマップを周知、発信することは可能でしょうか。  2点目に、災害発災時の情報提供はもちろんのこと、平時である日頃の防災意識向上の観点から、今回の7月豪雨発災日の7月3日や熊本地震の前震、本震である4月14日あるいは4月16日など、防災に関する日などに、ハザードマップを見る、知る、触れる機会を本市が継続的に、そして定期的にLINEで発信し続けることはできますでしょうか。  以上2点を政策局長にお尋ねいたします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  LINEを活用した市民への情報発信に関するお尋ねにお答え申し上げます。  統合型ハザードマップについては、本年4月に作成しまして、市のホームページや市政だより、各種広報媒体で周知を行うとともに、各区のまちづくりセンター等に印刷版の統合型ハザードマップを配備しまして、いつでも閲覧できるようにしております。さらに、全世帯への印刷版の配布に向けて、現在準備を進めているところでございます。  LINEを活用した情報発信については、これまでも避難情報などの防災情報について積極的に行っており、今後、統合型ハザードマップにつきましても取り組んでまいりたいと考えております。  令和2年7月豪雨や今回の台風10号で、防災に対する市民の関心も高まっていることから、議員御提案の手法も参考に、分かりやすく効果的な方法を検討してまいります。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  利活用の高い手段で情報発信をすることは必須であると感じます。今回、LINEを活用して統合型ハザードマップの発信を実施していただけることになりました。せっかくできた統合型ハザードマップです。最大限に生かすことができるよう、宝の持ち腐れにならぬよう、さらなる活用方法の向上に努めていただきたいと思います。  それでは、引き続き災害対策に関連した質問を行います。  他都市の事例を参考に、先ほどのような平時にも活用でき、特に災害発生時に注目した内容を伺います。  まず、大阪府箕面市では、電柱に町名や番地を表示している街区表示板に、今いる現在地から最短の避難所までのルート、経路情報が入ったQRコードをつける取組を進めています。電柱についたQRコードを読み取ると、瞬時に地図アプリにアクセスし、最寄りの避難所までの最短ルートが表示されます。旅行者を初め、土地勘のない方や外国人など、避難所までの経路が分からない方が迷わず避難できるメリットがあります。  また、奈良県奈良市でも、公共電柱の広告に避難場所などの防災情報を表示する啓発事業を行っています。避難所情報の提供のみで、特に費用は伴わずに実施しているものです。また、広告主にとっては、広告、看板制作費の割引があり、奈良市にとっても啓発効果の向上につながる官民連携による防災事業となっており、同様の防災電柱事業は、大阪府や神戸市、和歌山市などでも導入されているそうです。  今御紹介させていただいたとおり、電柱とQRコードをセットにした避難事業を多くの都市が採用し推進を行っています。本市としても、情報アプリ、くまもとナビで避難情報を提供しているようですが、アプリをインストールしなければなりません。いざとなったときに、アプリがなくともQRコードを読み取るだけで、熊本市内外を問わず、土地勘のない全ての人に瞬時に避難を促すことができるものです。  そこで、政策局長に伺います。  1点目に、本市事業でも多岐にわたりQRコードを活用されていますが、どのような事業に活用されているのか、代表的な事例をお示しください。また、活用事業全体の中で、QRコードで直接防災情報が展開される事業の有無についてもお願いいたします。  2点目に、他都市の事例のように本市でも、有事が発生した際に即行動に対応できる、電柱とQRコードを活用した避難所の情報提供事業を取り入れることはできないでしょうか。また、他都市と同様に、今回完成した統合型ハザードマップを電柱のQRコードからアクセスできるように整備することはできないでしょうか。  御答弁をお願いいたします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  QRコードを利用した本市事業の代表的な事例としましては、市政だよりにおける詳細な情報提供や届出ナビシステムにおける窓口手続、防災情報くまもとナビにおけるアプリのダウンロード等がございます。そのうち、くまもとナビにつきましては、最寄りの避難所とそのルートを確認できるシステムでありますが、観光客等が手軽に利用できる環境にはございません。  そこで、より分かりやすい情報発信のために、他の防災システムとの連携について検討を行っているところでございますので、今後、議員の御提案も含め、研究してまいりたいと考えております。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  熊本市でも、本市LINEや情報アプリ、くまもとナビを登録されている方がまだまだ大半を占めています。  一方で、このQRコード、最近ではスマホのカメラをかざすだけでアクセスするようになっています。白黒の点字のような絵柄をカメラで狙うだけですので、日頃からカメラで撮る楽しみにもなるツールであり、その楽しみがいざという有事でも活用できるならばなおさらです。  QRコードの活用にぜひ動いていただきますようお願いいたします。また、今後、事業に活用する際は、カメラをかざしてくださいなどのコメントをつけるなど、高齢者への配慮も求めておきます。  続きまして、ハザードマップに関連した質問です。  今回の統合型ハザードマップのほかに、地域住民の皆様の実情に合わせて作成された地域版ハザードマップがあります。  まず1点目、この地球版ハザードマップの作成に当たっての経緯や内容、そして現時点での完成した町内の数を教えてください。  地域版ハザードマップは、特に地元自治会長を初め、各諸団体など、各町内の皆様から御協力いただき作成しております。地域版ハザードマップは、避難場所や消火栓、医療施設、コンビニなど、細かに位置情報が記載されている地図になっていますが、その記載の中に、防災に関して気になる箇所という項目があります。  そこには、地図上に現場の写真をつけて、階段あり転落注意や蓋のない水路、大雨時道路冠水のおそれあり、崩壊注意近づかないなど、まさに地域の実情を示した内容が散りばめられています。本当に地域住民の御協力の結晶でありますし、裏を返せば行政への危険信号であり要望の声です。  以上のことから、2点目、今も地域版ハザードマップの完成に向けて進められている町内もありますが、特に防災に関して気になる箇所については、迅速に本市行政側が整備すべき内容でもあります。今後どのように取り組んでいくのかお示しください。  1点目を政策局長に、2点目を都市建設局長にお尋ねいたします。
             〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  地域版ハザードマップは、地域における防災意識の向上と迅速な避難行動の促進を目的としまして平成25年から作成に着手しました。自主防災クラブや校区防災連絡会が各区役所と連携しまして、自らがまち歩きを行い、地域における危険箇所や避難所、避難ルートなどを共同作業で地図に落とし込み、地域独自のハザードマップを作成するものであります。  完成したマップは、印刷物として地域の全世帯に配布しておりまして、同時に、このマップを市のホームページ上に掲載しまして、市民の皆様がマップの様々な情報を共有できる仕組みとなっております。  現在の作成状況につきましては、全自治会914町内中、394町内が作成を完了しております。          〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕 ◎田中隆臣 都市建設局長  地域版ハザードマップに掲載されている、防災に関して気になる箇所への対応についてお答えいたします。  対応の状況としましては、各区土木センターにより現地を確認した上で、緊急性が高く、早急な対応が可能な箇所から、順次対策を実施しているところでございます。  また、注意を要する箇所を市民の皆様に認知していただくことが減災にもつながりますことから、区役所と連携し、地域版ハザードマップを広く市民に周知しますとともに、今後とも地域の実情に応じた安全対策に取り組んでまいります。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  地域版ハザードマップの作成段階や作成後において、簡易的な改善はされているようです。しかし、通常の土木センターで要望しなければならないものについては、各自治会や町内会から要望書を提出しなければ動いてもらえないのが現状です。この後の質問でも窓口業務についても触れますが、市民からすれば、防災担当であれ土木担当であれ、行政職員であるということは一緒です。御協力いただいて地域版ハザードマップを作成したこと自体が要望書を提出したものと同じ重みであるものと認識し、御答弁いただいたとおり、少しでも手間を取らせず、危険箇所の整備に取り組んでいただきますようお願いいたします。  次に、避難所について質問させていただきます。  今回の豪雨災害の被災から、平時での準備、そして防災意識の向上など、具体的な観点から触れてまいりました。特に熊本地震の体験者として、これまでも、そしてこれからも防災意識の重要性を高め続けている熊本市民、なかんずく、地域コミュニティに尽力する各種地域団体の存在は大きいものです。  地元東区尾ノ上小学校校区で、私自身、議員となった現在、尾ノ上校区自治協議会の顧問を初め、7月からは校区社会福祉協議会の会長にも就任し、地域発展、地域貢献に微力ながら努めているところです。そのような中、かねてから防災連絡協議会の皆様による防災訓練、備蓄倉庫の確認を計画されておられましたので、感染防止に努めながら、先月実施いたしました。  運営マニュアルにのっとり尾ノ上校区内の2つの指定避難所である尾ノ上小学校と錦ヶ丘中学校に分かれ、避難経路や備蓄物資の期限、運動場内の駐車方法、体育館スペースの区分け等々、詳細にわたり有事を見越した確認を徹底しました。そこで感じたことは、やはり皆さんの意識の中で、避難所イコール体育館のイメージが根強いことです。自治会長や町内会長などは、普通教室のエアコン設置により教室内への避難が可能となった認識はありましたが、そのほかの方々は、まだ体育館が避難所の中心施設のような認識でおられました。  そこで伺いたいと思いますが、昨年の6月の第2回定例会で、初めての一般質問の際に、体育館へのエアコン設置について大西市長に質問しましたが、構造上の問題や設置費用、維持管理等に必要な予算を理由に難色を示されました。しかし、その後他都市では、大阪府を初め埼玉県三郷市など、学校体育館のエアコン設置が進んでおります。特に大阪府では、国の緊急防災減災事業債を活用し、170校の体育館のうち既に20校の整備が完了、今年度も28校の完備が予定されています。  災害避難所の重要拠点であり、避難所として有事発生の際は、地域住民が一番に目指すのは体育館です。前回の質問に引き続き、小中学校の体育館へのエアコン設置はできないでしょうか。  続けて質問します。先ほど御紹介した防災訓練中にあった地域住民の要望から質問させていただきます。  防災訓練の最後は、先ほど述べたように、体育館だけでなく、エアコンの設置された普通教室にも避難できることになったことから、教室の利用方法について確認いたしました。校長室を窓口とし、1階玄関より近い教室から、救護室や障がい者用、高齢者と車椅子利用者、また乳児のお子さんを持つ親御さん用など、部屋ごとに利用方法を決めていきました。その確認の中で、訓練に参加する皆様から御要望がありました。  それは、特活室という畳の敷いてある余裕教室へのエアコン設置依頼でした。畳が敷いてあることで一番使い勝手のいい教室ですが、使おうにもエアコンが設置されていないことを理由に諦めることとなり、なぜこんな一番使い勝手のいい、優先的に使える部屋、和室にエアコンが設置されていないんだとの御指摘のお声を頂戴しました。普通教室と一部の特別教室に対してエアコン設置が完了されたことは喜ばしいのですが、やはり熱中症対策に限らず、災害時の避難所環境の改善という意味でも、余裕教室のエアコンが必要ではないかと思います。  事前にエアコンが設置されていない余裕教室がどの程度あるのかを調査したところ、小学校で112室、中学校で51室あることが分かりました。さらに、同じ畳を敷いている和室を確認したところ、小学校中学校合わせて5校に、それぞれ1部屋ずつあることが分かりました。全ての余裕教室にエアコン設置というと、各学校の使用状況もありますので課題があると思いますが、一番災害時に利用しやすい和室だけでも設置に向けた検討はできないでしょうか。  体育館へのエアコン設置並びに余裕教室、特に和室へのエアコン設置、2点について大西市長に御答弁を求めます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市では、教育環境の改善の観点から、昨年度までに全ての小中学校の普通教室及び小学校の家庭科室を除く全ての特別教室において、エアコンの設置を完了いたしました。  全国の小中学校の体育館におけるエアコンの設置率については、令和元年9月現在3.2%となっており、前年より1ポイント余り増加している状況です。昨年度もお答えいたしましたとおり、エアコンの設置につきましては、避難所として利用する場合など重要であると認識していますものの、体育館への設置につきましては、建物構造や費用対効果、維持管理の面等で課題も多いと考えております。  今後、大規模な災害が発生した場合には、エアコンが設置された教室等を有効に活用するとともに、避難が長期化するような場合には、リース等による設置にて対応したいと考えております。また、和室等余裕教室へのエアコンの設置につきましては、各学校の学習への利用状況を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  前回同様、体育館へのエアコン設置は難しいようですが、他都市の状況や近年続く猛暑日を鑑みれば、必要性は高くなるものと感じます。また、災害時、そして平時の両面から、今後、密を避ける対応策という点からも検討していただけるよう要望しておきます。  一方で、和室などの余裕教室については、設置について検討していただけるとの御答弁をいただきました。この質問は、地元校区自治会の役員会でも要望としている案件であり、防災対策に必死に取り組む地域住民からの切なる願いであります。ぜひ一日も早く設置に向けて動いていただきますようお願いいたします。  以上が、令和2年7月豪雨災害を受けての質問でした。様々な提案、要望を行いましたが、災害は待ってくれません。いつ来るかも分かりません。このコロナ禍でも、対策と同時並行で新しい生活様式と併せながら、最重要課題として取り組んでいただきますようお願いいたします。  次に、コロナ感染対策及び支援について伺ってまいります。  現在も第2波と言われる感染拡大が広がる中、大西市長初め、全庁挙げてさらなる支援策を日々模索されていることと思います。一方で、コロナ感染拡大防止には、行政だけでなく、各家庭、個々人の意識やモラルも求められており、市民も様々な点に配慮しながら工夫や我慢を続けています。  ここで、東京都足立区が行っている支援を基に伺います。  新型コロナウイルスに感染して自宅療養する区民を支援しようと、自宅療養セットの支給を始めました。それは食品やティッシュペーパーなどの日用品に加え、マスクなど生活必需品を、週に一度計2回、自宅まで区職員が車で配達に回っているという内容です。安心して治してもらえるようにお世話したいと足立区職員が考案されました。手をかけずに済む食品を調達、区の備蓄品からマスクや消毒液、トイレットペーパーなども準備、配布先からは、とても助かった、ほっとできましたなどの声が届いているそうです。  また、同様の支援策を東京都墨田区でも行っております。東京の事例ですので、感染者数そして規模など、本市の状況とは違いますが、コロナ感染者を抱える行政としては、同じ思いに立つ必要性はあるのではと考えます。  そこで現在、本市での感染者は、指定病院へ入院し、感染者家族もすぐに濃厚接触者としてPCR検査など対応しますが、陰性の場合、通常の生活に戻ります。しかし、世間の目や感染者への対応、近隣住民や学校、職場などへの配慮が求められ、通常の生活ではなくなります。そういった気苦労が続く感染者家族に寄り添える、先ほど紹介した支援物資の提供ができないかと考えますが、いかがでしょうか。  続けて、コロナ感染で大変な思いをされる子供たちに向けた支援についても伺います。  島根県松江市にある私立高校のサッカー部で感染が判明し、その部員が生活している寮でクラスターが発生したのは皆様も御存じのとおりです。私も、県外の高校にスポーツ特待生として進学し寮生活をした全く同じ身として、大変考えさせられるニュースでした。  県外に行く理由は、主に専門技術を学べる学科のある高校へ進学、もしくはスポーツの強豪校に行くパターンです。後者である私と同じ境遇の子供たちのほとんどは、毎日、勉強はもちろんのこと、朝から晩まで練習に励んでいます。その中で唯一の楽しみは、1年の中で盆と正月にまとまった休みが与えられ、その期間を利用して実家に帰れる帰省期間です。体を休め、自分の好きなことに没頭するのはもちろんですが、久しぶりに地元の友人や親戚との楽しい時間を過ごします。その高校生はもちろんですが、本人以上に楽しみにされているのは、1年で数日しか我が子に会えない親御さんにとっても、唯一成長を確認できる最も楽しみな数日間でもあります。  しかし、その唯一の楽しみな時間も、コロナという人を分断させる感染症の猛威により、帰りたくても帰れない、帰らせたいけれども帰らせられない、このようなケースが出ているようです。こういった生徒の皆さん、また心配が尽きない親御さんのためにも、心温まる支援、配慮はできないかと思う次第です。  現在、熊本市内の高校に県外から来ている生徒を初め、逆に熊本市内から県外へ進学し、帰省できない高校生または中学生を中心に、手を差し伸べていただけないでしょうか。例えば、先ほど足立区を例に挙げたように、食品や日用品を提供するのに併せ、その中に熊本にちなんだ食料品やグッズを提供できないかと考えます。熊本に来てくれた、またはふるさと熊本を忘れないように、未来ある子供たちへ、コロナ禍でも頑張れとエールを送りたいと願います。  そこで2点伺います。  1点目に、感染した家族への支援として、足立区などで行っているような支援物資の提供ができないでしょうか。  2点目に、県外から熊本市内へ、または熊本市から県外へ、進学して寮生活などを続けている中高生へ、支援物資を届けることはできないでしょうか。  それぞれ、関係局長にお伺いいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  まず、1点目の感染者家族への支援物資の提供についてでございますが、新型コロナウイルスの感染が確認された際には、速やかに積極的疫学調査を実施し、全ての濃厚接触者を対象にPCR検査を行っているところであり、検査結果が陰性となった場合でも、患者の感染可能期間の最終接触日から14日間の健康観察をお願いしております。その間は自宅待機となり、不要不急の外出を控え、食料や日用品などの購入につきましては親族など支援者への依頼をお願いしているものの、支援者がいない場合は、マスクの着用や手指衛生など感染予防を徹底し、短時間で済ませるよう指導を行っております。          〔議長退席、副議長着席〕  このようなことから、現在のところ、支援物資の提供は行っておりませんが、濃厚接触者となられた御家族については、健康状態を初め生活面についても聞き取りを行い、支援者を初め、職場や学校、関係機関とも連携し必要な対応を行っております。また、誤った情報による不当な差別や偏見など、患者を初め御家族や職場など関係者に対する人権侵害の防止につきましても、これまであらゆる機会を捉え啓発を行っているところでございます。  これまでも様々な不安を抱える患者や御家族へは丁寧に対応を行っており、今後も寄り添った対応に努めてまいります。  次に、2点目についてでございますが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、県外から本市へ、または本市から県外へ進学し、寮生活を続けている中学生高校生への支援物資に関する要望や相談は、これまで寄せられてはおりません。中高生の不安や様々な悩みについては、日頃から子ども・若者総合相談センターやこころの健康センター等で相談に応じているところでありまして、引き続き、教育委員会や関係機関と連携し対応してまいります。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  県外から市内または市内から県外へ進学した中高生に対する支援物資の提供についてお答えいたします。  県外から進学している生徒が在籍する市立高校に、新型コロナウイルス感染症に起因する困り事や必要な支援について確認しましたが、今のところ、具体的な要望は聞かれなかったところです。  議員御提案の県外から本市へ、または本市から県外へ進学した生徒については、引き続き情報の把握に努め、支援のニーズがあるようでしたら、内容に応じて関係機関と連携しながら対応に努めてまいります。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  答弁の中で、これまでに支援物資に関する要望は寄せられていない、聞いていない、ニーズがあれば対応するというような表現でした。事実確認は大切ですが、先ほど述べたように、コロナに感染しないようにと気苦労している方々や未成年の子供たちがはっきり、支援物資をくださいと要望が言えるでしょうか。東京都足立区での取組を御紹介したように、区職員自ら安心してもらえるようにお世話がしたいとの自発的な取組です。答弁にあるように、市民に寄り添った丁寧な対応をぜひお願いしたいと思います。  続きまして、コロナ禍での経済対策についてお伺いいたします。  先ほども触れましたが、国そして各自治体、ましてや世界各国の首脳、要人がコロナ対策と経済の両輪をいかにリンクさせるかに、感染状況や医療体制、経済界からの意見に挟まれ、苦労もひとしおかと思います。  本市においても緊急事態宣言解除後に合わせ、旅を通じて経済を応援しようと宿泊施設への支援として、熊本市プレミアム宿泊クーポンを実施、6月15日から8月31日までの販売で計1万6,795枚の販売となり、発表当初から、待っていましたと言わんばかりに問合せが殺到し、人気宿は即完売するなど、利用者を初め、宿泊施設を営む皆さんにも喜んでいただけたものと思います。  一方で、注目が高かった分、高齢者の方々から、クーポンを利用するのにネット以外の利用はできないかとのお声もありました。新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、対面販売を控えることや感染状況を見極めながらのスピード感が求められた事業でしたので、ネットを活用されたことは理解できますが、高齢者も含め、誰もが平等に利用しやすいものにとも考えます。  多少の課題はありましたが、このような経済支援策を、もちろん今後もコロナ感染状況を見極めながらではありますが、実施していただきたいと思います。  しかし、1点気になることがありましたので、伺います。  今回の熊本市プレミアム宿泊クーポンは、新型コロナウイルス感染症により甚大な影響を受けた事業者への支援策として実施されたと思います。ホテル、旅館業についてはよかったのですが、民泊事業者については対象となっておりませんでした。その理由と、今後、民泊事業者を対象とすることへのお考えをお聞かせください。  経済観光局長にお尋ねします。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  民泊事業者への支援につきましてお答えいたします。  熊本市プレミアム宿泊クーポンは、新型コロナウイルスの影響により大きく落ち込んだ宿泊需要の早期回復及び宿泊事業者への支援を目的とし、本事業に参加登録した市内106施設を対象に実施したものでございます。  対象施設の要件は、旅館業法に基づき、旅館、ホテル、簡易宿所として熊本市の許可を得て営業を行う宿泊施設といたしました。一方、住宅宿泊事業法に基づく都道府県知事への届出により、戸建て住宅やマンションなどを活用して旅行者等に宿泊サービスを提供する施設、いわゆる民泊は、宿泊を主たる業として営業しているとは判断できないと考え、今回のクーポン施設の対象外としたものでございます。  しかしながら、民泊事業者から支援の御要望を頂いていることに加え、新しい生活様式による旅行形態や旅行者の多様なニーズの変化に対応していくため、今後の支援策の実施に当たっては、民泊施設につきましても制度の対象とする方向で検討してまいります。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  今答弁がありましたとおり、今後の支援策実施に当たっては、民泊施設も対象としていただけるとのことですので、市民の皆様が民泊施設をどんどん御利用いただけることを願います。  今回、民泊について伺ったのは、一般社団法人民泊観光協会、JAMTAの熊本県の会長とお会いし、切実な訴えを基に取り上げさせていただきました。  熊本市内で民泊業を営む皆様は、昨年のラグビーワールドカップ、女子ハンドボール世界選手権など、国内旅行者を初め、インバウンドに向けた準備を整えていらっしゃいました。特に、熊本県からは、宿泊地の確保ということで宿泊提供の依頼もあり、それにお応えしようとリフォームを施し、借金までされているほどです。そのような中、本市の熊本市プレミアム宿泊クーポンが発表されましたが、民泊は対象とならず、反面、国が出したGoToキャンペーンは民泊を対象としたということもあり、なぜという疑念の表れでした。また、熊本県との情報共有に課題があるなどの経緯もありましたので、公明党の県議会議員を通じて県の担当局へ確認、今後は民泊事業者の情報提供にも協力する旨の確認が取れました。  先ほど述べましたとおり、コロナの感染状況を十分に見極めつつ、支援策実施を初め、コロナ抑制後についても県市の連携を強化し、民泊業者はもちろんのこと、ホテル、旅館業も併せ、長い目で見た支援の実施を求めておきます。  続きまして、コロナの影響による就職支援についてお伺いいたします。  コロナ感染発生当初より、党員、支持者の皆様、地元企業や個人の皆様から御用聞きを行ってまいりました。また、前回の第2回定例会一般質問の場でも、我が会派伊藤議員からありましたとおり、公明党青年局が中心となり、新型コロナウイルス緊急インターネットアンケートの実施も行い、その結果でも、やはり失業や収入の減少の声は大きく、最終的に公明党国会議員青年委員会を通じて、安倍首相並びに菅官房長官へもこの声を形にし、緊急提言として提出しているところです。  そこで他都市でも、この現状を打破しようと対策に打って出ています。  札幌市では、6月より、座学研修や職場実習及び職業訓練への誘導により、再就職を支援するさっぽろ雇用セーフティプロジェクト業務をスタート。座学研修5日間と職場実習最大14日間を経て、最短約1か月で就職まで支援します。さらに、その研修期間中も札幌市の最低賃金時給861円を基に、最大にして約13万円の研修給付金も支給されるなど、手厚い支援を行っているものです。  また、福井県では10月より、建設業、運輸業、土木建築サービス業、老人福祉介護事業、障害者福祉事業などの担い手不足が深刻な業種に対する求職者促進と併せ、その人手不足業に正社員として就職した場合に30万円の奨励金を支給予定です。  これと同じく、コロナでの失業と介護分野の人手不足の解決を併せて支援し、奨励金を支給する、熊本市介護分野緊急就職支援事業が8月からスタートしました。また、福井県の奨励金と違う点は、人材確保の継続を盛り込んだ取組として、就職後、3か月後、6か月後の都度5万円を3回に分けて、合計15万円にする離職防止と継続を促す仕組みとなっています。  超高齢化社会を迎えた日本としても、介護職の人材の確保と継続は一刻を争う国家的課題です。その解決策としても大変有効な支援策と評価しています。しかし、先ほど述べたように、再就職の支援を求める方々の多くは、介護職以外の業種を希望しており介護分野以外にも人材不足に悩む業界は幾つもあります。  そこで経済観光局長にお伺いします。  福井県の奨励金制度のように、介護分野だけでなく、人手不足業と言われる業界にも対象を拡大するなど、支援制度の拡充や新制度の創設はできないでしょうか。また、奨励金はなくとも、業種を限らずコロナの影響による失業者や収入減少で悩む市民と人材を求める企業との再就職マッチング支援窓口の創設はできないでしょうか。  答弁を求めます。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  就職支援制度の拡充と再就職支援窓口の創設についてお答えいたします。  慢性的に人手不足である介護分野は、ハローワーク熊本の4月の有効求人倍率でも3.14倍と高く、業種ごとの求人数も1,514人と最も多いことに加え、身体的接触による感染リスクが高く、さらなる離職が懸念されるため、緊急的に支援を行っているものでございます。  一方で、介護以外の福祉、建設、運輸、警備業などでも有効求人倍率が2倍前後と高い状態にありますが、先ほど申し上げたとおり、介護分野の特性から緊急的に支援を行っているものであり、業種の拡充については慎重に検討してまいりたいと考えております。  次に、感染症の影響により失業された方や収入が減少された方に対しましては、オンライン合同就職説明会を初め、企業間出向や副業のマッチング支援に取り組んでおり、また、就職支援窓口といたしましては、中央区と東区役所内に労働局と連携いたしましたハローワークサテライトを設置しております。現在、窓口のさらなる増設に向けて国とも協議を進めているところであり、今後も国や県など関係機関と連携を図りながら、再就職支援に取り組んでまいります。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  再就職の支援を求めるほとんどの方は、コロナの影響を優先的に配慮した紹介事業を求めています。  先日発表された2020年4月から6月期の実質GDP、国内総生産は前期比年率で28.1%減と、戦後最悪の落ち込みと言われております。しかし、前期比でいえば7.9%減であり、他国に比べれば低い状況です。さらに言えば、リーマンショックのときと違い、意図して経済を止めた影響です。  そこで、大事なのはやはり雇用です。完全失業率は2.9%となりましたが、それでもリーマンショック後の5.5%よりは低く、まさにこれからの失業を抑える政策が重要と感じる次第です。そういった意味でも、雇用を維持することができ、ワクチンの一日も早い提供が実現できたならば、経済の回復は期待できるものと信じているところです。ぜひコロナ対策と経済対策、そして他業種も含めた雇用の確保の充実を重ねてお願いいたします。  コロナ対策支援の項目で、最後の質問をさせていただきます。  数点、コロナ関連で要望を含めた提案をさせていただきましたが、大西市長初め、本市としてもこの第3回定例会に合わせ、今回、国からの支援金、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用について議案を上げられておられます。様々な角度から意見を出し合い、考慮、思案されたものかと思います。具体的な中身については所管委員会の場で議論してまいりますが、他都市も、今回の臨時交付金について最大限に効果が出るようにと検討に苦慮されています。  そこで、このような全国の自治体が臨時交付金を活用した新しい生活様式の実現に向けた動きを支援しようと、内閣府が地域未来構想20オープンラボを設置しました。これは、各自治体の取り組みたい政策とそれを応援したいとする民間の専門機関、さらには各府省の専門官がコラボして、臨時交付金の実施事業を練り上げるために設置された部署です。  先ほど言いましたとおり、現在、国から提示済みの本市への臨時交付金の全額を活用するとなっていますが、この地域未来構想20オープンラボは、今後のまち・ひと・しごと創生の地方版の総合戦略を進めるマッチングとしても重要なコラボツールです。政令市を初めとする全国の自治体が登録しておりますが、本市はいまだ登録されておりません。7月31日の締切りは過ぎておりますが、随時登録可能です。答弁の常套句であり、比較しなければならない行政の立場としても、これこそ、他都市の状況を確認できるツールではないでしょうか。  そこで、政策局長にお尋ねします。  特に、これから冬場を迎え、インフルエンザの流行時期とも重なります。インフルエンザとコロナの見極めが大変難しいものです。今後、あらゆる対策案を考えるためにも地域未来構想20オープンラボに登録されるのか、お伺いいたします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕
    ◎田中俊実 政策局長  地域未来構想20オープンラボは、地域未来構想20の取組を進めるに当たりまして、地方公共団体、各分野の専門家、関係省庁の3者のマッチングをサポートする取組を行っております。  本市におきましては、これまでも3密対策やICT教育といった地域未来構想20に示されている分野につきまして様々な対策を講じてきているところでございます。  今後も、さらに取組を進める分野についての研究を深めまして、必要に応じてオープンラボへの登録など、新しい生活様式の実現に向け、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  この地域未来構想20オープンラボについては、国会議員事務所を通じて内閣府に確認を取ったところ、10月以降も登録の受付継続をすること、臨時交付金及びオープンラボの活用好事例の横展開を図っていくことの回答をいただきました。臨時交付金の実施計画提出後に、事業の具体化を図るためにも必要かと思います。  WHOは、今後2年以内に新型コロナウイルス感染症の収束を目指しているようですが、引き続き、様々な対策を講じる必要が出てきます。いつになったらワクチンの提供が可能かと毎日のように取り上げられておりますが、ワクチンの数にもまだまだ限界があり、提供方法も考えなければなりません。今回の登録も含め、新しい生活様式を踏まえた、まち・ひと・しごと創生の総合戦略にしっかり取り組んでいただきますようお願いいたします。  次の質問に移ります。  ここからは少し話題を変えまして、スポーツ支援、特にeスポーツについて伺ってまいりたいと思います。  昨年の9月、令和元年第3回定例会にて、田中誠一議員も取り上げられましたeスポーツですが、このeスポーツもコロナの影響を受けております。皆様も御存じのとおり、いわゆるテレビゲームをスポーツ競技として行われるエレクトロニックスポーツの略称であります。最近では、国内大会で賞金1億1,000万円を獲得する選手やアメリカの大会では賞金総額100億円ともなり、経済効果も大きく、年々人気は高まっています。  そのような経済期待も高まる中でしたが、このeスポーツ界にもコロナの影響が及んでおり、国内外の多くの大会が中止及び延期、またはオンラインでの開催などの判断に迫られました。しかし、ピンチはチャンスとよく言われるとおり、eスポーツにとって新たな展開が広がっております。それはリアルとの共存です。  アメリカのプロバスケットボールNBAで活躍する八村塁選手が、同じNBA選手とバスケットボールゲームでの対戦が話題となりました。またテニス界では、錦織圭選手や大坂なおみ選手のプロテニスプレーヤー同士の対戦も話題となり、リアルとゲームの融合大会として関心が高まりました。さらに、そのプロスポーツ選手同士のゲーム大会は、賞金の全てが新型コロナウイルス感染症対策のための基金に寄附されるなど、社会的にも非常に高く評価されているところです。  もう少し簡単に、インベーダーゲーム世代の先輩方に分かりやすく野球で例えますと、長嶋茂雄と王貞治が野球ゲームで対戦し、盛り上がっている模様をインターネット中継で生配信します。それを視聴することで得た収益や賞金を川上哲治のふるさとであり、今回の水害で被災した人吉市に寄附するというような取組です。  そういった中、本市でも2018年12月に熊本市MICE誘致戦略の策定以降、ターゲットの1つとしてeスポーツの誘致に取り組まれてこられました。これまでも市街地を中心に大会を開催され、本年5月には人が集うことなくオンラインを活用したeスポーツ熊本城ホールCUPオンライン大会を開催、プレーヤーや視聴者合わせ1万人が参加した大反響の大会となりました。  その大会には千原台高校のeスポーツ部も参加、学校休業期間は部活動も休みとなっていましたが、各人で自主練をしたのでしょう、5位に入賞という活躍を見せてくれています。そして、我がおもてなし武将隊もeスポーツの推進を図ろうとeスポーツ部を設立、この熊本城ホールCUPでも、サムライゲームでの優勝者に加藤清正からじきじきに表彰されたということで、参加者やゲーム業界ではバズった、話題となったと大好評だったようです。  eスポーツの現状をお話しさせていただきましたが、世界大会はもちろんのこと、オリンピック新競技にと注目されるeスポーツですが、残念ながら世界的に見ると日本は後進国であります。その中で、アニメ、ワンピースを初めとする漫画など、ゲームにも精通する我が熊本市が後進国日本を牽引し、世界へ発信するため、引き続き、オンラインによるeスポーツ大会の開催や感染抑制後につながるeスポーツ関連のMICE事業のさらなる展開など、他都市の模範となる取組や支援を実施していくことを切に願いますが、経済観光局長に御見解を伺います。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  eスポーツの普及促進は、eスポーツ先進都市として本市を全国に発信できるほか、地元関連産業の育成や支援につながることなどから大変重要であると認識しており、これまでも複数回の大会の開催を実現してきたところでございます。  今後は、熊本初となる世界規模の大会開催も視野に入れた誘致活動に取り組み、また、昨年10月に発足いたしました熊本eスポーツ協会の一員として周知活動を行うことにより認知度向上を図るなど、本市におけるeスポーツの普及促進に努めるとともに、関連産業の育成につなげてまいりたいと考えております。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  他都市では、ゲームを活用した高齢化対策や学校教材にも検討されています。また、このコロナ禍による活動自粛で、巣籠もり消費も高まり、国内ゲームメーカーの任天堂では、家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチやゲームソフト、あつまれどうぶつの森、通称あつ森が大ヒットし、営業利益予想を500億円も上回っている状況です。このような市場の動向をいち早く酌み取り、リアルとゲームの融合という有名スポーツ選手なども招待した世界大会の開催を願っています。  コロナ対応で大変な中ですが、今述べたように、コロナ禍だからこそ見いだせるものが必ずあるはずです。ウィズコロナ、アフターコロナといった新しい生活様式に生かされるきっかけを逃さぬようお願いいたします。  スポーツに関連して、本年第2回定例会の一般質問の中で、平江議員が要望された新たな武道館の早期建設に向けては、私も武道に取り組んできた一人として賛同するところでありますし、また、一スポーツ人としても多くの先輩議員の皆様が訴えておられます野球場建設についても賛同いたしますので、ぜひとも県市の連携と一日も早い実現に向け、要望しておきます。  続きまして、昨年、初めての一般質問でも再要望をいたしました暗所視支援眼鏡の日常生活用具給付事業の対象追加について、改めて質問させていただきます。  一昨年、大西市長への直接の要望に加え、昨年の一般質問、そして今回と、継続しての要望となります。改めてではありますが、要望内容をお話しさせていただきます。  国の難病指定となっている網膜色素変性症、光を感じる網膜に異常が見られる遺伝性の病気で、暗いところで見えにくくなる夜盲や視野が狭くなる視野狭窄、さらには視力が低下し、失明もしてしまう進行性の病気であります。この病気に有効なのが暗所視支援眼鏡、通称MW10と言われるものです。しかし、ここで課題であり要望を続けている原因が、この画期的な眼鏡が約40万円することです。現在のところ、国が2分の1、県が4分の1、そして残りは市町が決めるという状況まで来ました。  そこで今回、昨年6月の一般質問の要望後の他都市の状況や喜ばしい報告も加えて紹介したいと思います。  まず、昨年、全国で初となる日常生活用具給付事業の対象品目に追加した天草市では、現在のところ約10名の方が対象となり、早速利用され、喜びの声が広がっております。また、全国でもこの暗所視支援眼鏡の追加を訴える波が大きくなり、全国の各自治体でも動き始めております。特に、同じ九州、大分県は、中津市、宇佐市、由布市が決定、そのほか、大分県の多くの市町村で前向きに進んでいるとの情報も頂いております。  このように、全国で訴え続けてきた声が形となってきている今、さらに後押しとなる力強いエピソードが入ってまいりました。それは、皆様も御覧になられた方も多いと思いますが、今年の正月2日、3日に開催された箱根駅伝で、私の母校であります創価大学が9位に入賞し、駅伝部創部以来、初めてのシード権を獲得することができました。その中で感動を呼んだのが、最後の10区で区間新を取った島津選手の走りです。さらに感動を呼んだのは、走り終わった後のインタビューの中で、その島津選手がまさに網膜色素変性症の患者であり、暗い夜道で目の見えない中でも、チームメートが一緒に並走したり、別メニューを組んで工夫するなど、悩みながらも実直に練習に励んだ日々から得た力強い走りで、区間新、そしてシード権を獲得することができたことです。  そして本年2月に、熊本県の網膜色素変性症協会の会長と公明党参議院議員の秋野公造議員が同大学へ訪問し、島津選手にこの暗所視支援眼鏡が贈呈されました。早速、島津選手が装着すると、視界が変わった、物がはっきり見えると歓声を上げ、安心して歩ける、より一層練習を頑張りたいと意気込みを語ってくれたそうです。その眼鏡をはめて、さらに力強くなった走りを来年の箱根路で披露してくれることを大学の先輩として、そしてこの眼鏡の普及に取り組む一人として願っているところであります。  今御紹介したように、着実に時代は進んでいます。昨年の回答の中であった研究結果も踏まえた暗所視支援眼鏡の日常生活用具給付事業の対象追加について、大西市長に御答弁をいただきたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  暗所視支援眼鏡については、議員の御質問以降、眼科医療関係者とも継続的に意見交換を行ってまいりました。個々人の症状により差はありますものの、夜盲症状や視野狭窄等に一定の効果が期待できるとの御意見をいただいております。また、全国の自治体の導入状況についても調査を進めてまいりました。私自身も当事者の方から直接お話も伺い、要望もいただいてきたところでございますけれども、こうした関係者の方々の御意見や他都市の状況等、総合的に検討を行った結果、日常生活用具として給付対象に追加する方向で、必要な準備を進めてまいります。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  大西市長、大変にありがとうございます。  日常生活用具として、給付対象追加に向けて動いていただけるとの御答弁をいただくことができました。  先ほど御紹介したエピソードは、全国、そして我が熊本でも話題は尽きません。特に最近では、この網膜色素変性症だけでなく、同じ夜盲や視野狭窄が進んでしまう緑内障の患者さんにも効果があるということで、熊本県眼科医会でも注目されており、眼科医会としても一緒に要望を検討しているところです。  大西市長、ぜひ一日も早い実現を待っておりますので、藤永議員のピロリ、そして吉田の眼鏡として訴え続けてまいりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。  続きまして、本市業務対応について、数点続けてお伺いします。  1点目は、窓口対応です。  区役所の区民課など、受付番号を発券し、お待ちいただく体制ができている窓口はよいのですが、そのほかの窓口では、立っていても気づかれないケースが多々あるように思います。私自身も議員になる前、議員になった後でも感じているところです。全て職員の対応が悪いと言っているわけでなく、業務に追われ、仕事に集中されていることで気づかれないことも理解しています。ただ、一般市民の皆様の中には、「窓口に行ったっちゃ誰も来んし、気づきもせん」という声を伺いますし、この私のずうたいでも気づかれないのであれば、一般市民の方はさらに気づかれないと思われます。  そこで、両者の思いを共に解決するために、窓口に呼び鈴を設置することはできないでしょうか。100円ショップでも売っている簡易的なもので結構です。これが1つ置いてあるだけで、お互いが気持ちよくつながることができるのであれば簡単なものかと思います。御意見を伺います。  2点目に、コロナ感染防止として導入されたテレワークについてです。  大西市長が率先し取り組まれ、各局内でも職員の方々が業務の内容によって工夫しながら、感染防止にと現在も取り入れられているようです。しかし、確認事項や要望等で各課長へ電話すると、本日課長はテレワークでおりませんという言葉で終わってしまいます。ある課では、テレワーク導入数に目標があるため、人員や業務内容によっては担当課長がテレワークで不在になることも多く、連絡しようにもできない日が続いたこともありました。  最近では、テレワーク中でも折り返しのお電話をいただけるようになったこともありますが、いまだに以前から変わらず、同様の対応をされる課があるように思います。我が会派の三森議員が総務委員会でも本件を取り上げたにもかかわらず、変わっていない状況です。  テレワークは休暇ではないはずです。今後もテレワークを継続するのであれば、全庁に連絡が取れるよう再度徹底する必要があると思いますが、いかがでしょうか。御見解をお願いいたします。  3点目に、土木センターへの要望書の改善です。  議員となって様々要望、御意見を頂戴しておりますが、その中には土木センター所管の内容が多く、道路上やカーブミラー等々、目に入りやすく気づきやすい箇所でもありますので、よく御相談を頂きます。その都度、土木センターに、特に私の場合、東区になりますので、東区土木センターの所長を初め、各課長には大変お世話になっているところです。  そこで実際に感じたことが、様々要望を上げる際、各自治会長や責任者の方が要望書を提出しなければなりませんが、要望書の決まりが曖昧で、必ずしも決まっているわけでなく、自由な書式で構いませんと要望者のためにと思って言われているかもしれませんが、逆に慣れない自治会長にはハードルが高くなり、要望書を出すだけの案件でも、なかなか書けずじまいで終わっているケースがあります。書き方や参考例をお渡しするなど、私もお手伝いしているところでありますが、そもそも論として、各土木センター宛ての要望書のフォーマットを統一し、さらには簡易的に記入できるものにできたらと思いますが、いかがでしょうか。  1点目と2点目を総務局長に、3点目を都市建設局長にお尋ねいたします。          〔深水政彦総務局長 登壇〕 ◎深水政彦 総務局長  私からは、窓口対応等に関するお尋ねに順次お答え申し上げます。  まず、窓口対応につきましては、これまでも、各階層ごとの研修等において接遇研修を行うとともに、各職場での実務を通じた指導などによりまして職員一人一人の接遇力向上に取り組んできたところでございます。また、市民が利用しやすく、職員も働きやすい窓口を目指し、案内サインの見直しやレイアウトの変更等、市民の視点に立ったサービスが提供できるよう窓口改革にも取り組んでおります。  一方で、市民の皆様から苦情等を頂くこともありますことから、引き続き、職員の接遇力の向上に努めますとともに、御指摘の呼び鈴の設置等、様々な工夫も検討しながら、さらに市民満足度の高い窓口対応を目指してまいりたいと考えております。  次に、在宅勤務実施時における連絡体制等についてでございますが、本市ではテレワークの一環として、在宅勤務制度を導入し、全庁的な推進を図っているところでございます。  在宅勤務を行う場合においても通常の勤務と同様に、他の職員や関係者との連絡等を確実かつ迅速に行えるようにしておく必要がございまして、御指摘のような対応により、業務の遅滞等を招くことがないよう、改めまして制度の理解と徹底を図ってまいりたいと考えております。          〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕 ◎田中隆臣 都市建設局長  私からは、土木センターへの要望書の改善に関するお尋ねにお答えいたします。  要望書につきましては、地域の実情に応じた課題を把握する上で重要なものと考えており、また、円滑な工事の進捗やカーブミラーの設置においては隣接者の同意確認が必要であるなど、提出していただいているところでございます。  提出に当たっては、必要としている項目の記載があれば受理することとしており、必要な方にはひな形の提供も行っております。しかしながら、要望書に対し、これまでも記入方法などについて問合せが寄せられておりました。  そこで、記載する項目を減らし選択形式にするなど、簡略化した各区土木センター共通の標準的な様式を今年度中に作成してまいります。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  呼び鈴については設置も含め検討されるとのことですが、今までも接遇力向上には相当な努力をされてこられたと思います。それでも、業務多忙や人員不足などの課題もあり、解決に至っていないと感じましたので、解決策として取り上げさせていただきました。呼び鈴設置など、簡易的な取り組みやすい具体的解決策が出されることを願っております。  2点目のテレワークについては、今後、新しい生活様式に取り組んだ結果、弊害が起きてはなりませんし、ましてや、テレワークを理由に一日何も動かない、市民からの大切な相談が停滞してしまうことは避けなければなりません。一方で、職員の方々がテレワーク、仕事をされているのに、休んでいると勘違いされたくもありませんので、ぜひ再度徹底をお願いいたします。  3点目の土木センターへの要望書の改善は、新たな様式を作成していただけることになりました。行政と市民が連携しやすい環境にさらに一歩近づけたと思います。  今後も、市民から要望、相談する際に、敷居が低く、間口の広いものに感じていただけるような業務運営に継続して取り組んでいただきますようお願いいたします。  最後の質問となりました。通告には、市職員の皆様へという項目を上げさせていただいております。  少し話はそれますが、今回の私の質問もそうですし、今の社会を見てもコロナそして災害と、本当に明るいニュースを探すほうが難しい世の中となっています。その中で、私が今唯一の楽しみにしていることは、やられたらやり返す。倍返しだ!で人気を博しているTBSの日曜劇場、半沢直樹を見ることです。大西市長も御覧になられているようで、特に元銀行員である私や、多分齊藤議員もそうかと思いますが、前回のシーズン1からのヘビー視聴者の一人であります。7年前のシーズン1では、まさしく銀行員時代で、翌日の月曜日には上司や同僚とドラマを再現した物まねをよくしたものでした。  皆様も御存じのとおり、作家池井戸潤氏が銀行内外の人間や組織による数々の圧力や逆境と闘う姿を描くシリーズ小説をドラマ化したものですが、今放送しているシーズン2では、特に悪役として出てくる香川照之や市川猿之助といった歌舞伎俳優のやり過ぎた演技力が魅力で、わびろ、わびろ、わびろ、わびろ!や、君はもうお・し・ま・い・DEATH!といった、誇張した演技も高く評価されています。  毎週楽しみにしている中でふと思ったことは、銀行員ではなく、市職員の皆様に置き換えたときどうなるだろうかと思いました。銀行でも市庁舎内でも、出向も含む異動発表は大きなイベントだと思います。また半沢直樹では、大きな組織に対抗するため、同期やそのほかの仲間たちと一丸となって闘う姿に引かれますが、パワハラやモラハラといったハラスメント、嫌がらせも大きく取り上げています。  以上のことから、総務局長に2点お伺いします。  1点目に、熊本市での出向の扱いや出向先についてお示しください。  2点目に、本市職員間でのパワハラやモラハラが確認できた事案と、その解決方法、相談窓口についてもお示しください。          〔深水政彦総務局長 登壇〕 ◎深水政彦 総務局長  職場環境等に関するお尋ねに順次お答え申し上げます。  まず、本市の出向及び出向先についてでございますが、本市では、専門性の高い知識や技能の習得、また政策形成能力の向上など、職員の人材育成を図るため、国県等の行政機関や本市が出資する法人等に対し、原則、公募または本人の同意に基づいて職員の派遣を行っているところでございます。  2点目のハラスメントに関するお尋ねでございますが、本市では、ハラスメントに関する相談窓口をコンプライアンス推進室を初め、任命権者ごとに設置いたしますとともに、庁外においても相談ができますよう、外部相談員として弁護士を委嘱しているところでございます。  窓口には、例えば、罵声等による精神的な攻撃や遂行不可能な業務を押しつけるような過大な要求などの相談も寄せられております。ただ、それぞれの事実関係を調査した上で、行為者や所属長に対し、必要に応じて注意、指導等の措置を講じますとともに、相談者に対しましてもフォローを行っているところでございます。  今後も、管理監督職員を対象にしたハラスメント防止セミナーの開催や全職員を対象に自らの行為を点検するためのセルフチェックを実施するなど、様々な取組を総合的に行うことによりまして、ハラスメントのない風通しのよい職場環境作りに努めてまいりたいと考えております。          〔7番 吉田健一議員 登壇〕 ◆吉田健一 議員  御答弁ありがとうございました。  まず、出向については銀行とは違うようで、スキルアップのために頑張ってこいと感じられる異動のようです。半沢直樹であるような片道切符の島流しとは大分違うようでした。  一方で、ハラスメントについては数件発生していることが判明し、当事者のお一人お一人に親身になって寄り添い、職場環境の改善に取り組んでいただきたいと思います。また、未然に食い止める防止策を、知識だけでなく、我が身に置き換えた研修にも取り組んでいただきますようお願いいたします。  特に、パワハラ、モラハラについては、私は絶対に許しません。この議場内にいる執行部の皆様、市長はもちろんのこと、副市長も加害者とならぬよう気をつけていただきたいと思います。  なぜ半沢直樹を取り上げたかというと、2つあります。  1つは、私も今まで、パワハラやモラハラで苦しんでいる友人や知人を見てまいりました。体の健康も大事ですが、心がやられると本当につらいです。最近では、何でもハラスメントと言われ、気苦労が絶えない、難しい人間関係になっているのも事実です。信頼関係の構築、そして対話が必要だと感じます。  2つ目は、半沢直樹のような銀行員、バンカーとしてのプライドのように、なかなかドラマのようにはいきませんが、市職員としてのプライド、職員魂を改めて持っていただきたいと思います。  今回の水害で数多くの市職員の方々が災害現場に入ってくださいました。本当に感謝しております。一方で、選挙ミスによる選管が設けた第三者委員会の回答が、全ての市職員の意識改革が不可欠との発表もありました。質問の冒頭でも触れましたとおり、このコロナや災害といった混沌とした時代の中、行政と市民が一丸となることを試され、さらに求められる時代になったと改めて感じる次第です。  大西市長、今まで以上に、この新しい時代の課題解決に向け、共に動いてまいる決意ですので、市民の生活と命を守る政治手腕を何とぞよろしくお願い申し上げ、私の質問とさせていただきます。  コロナ禍にもかかわらず、傍聴においでいただいた皆様、そして傍聴を控えていただきリモートで御覧いただいた皆様、本当にありがとうございました。  以上にて私からの質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○上田芳裕 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は明11日(金曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○上田芳裕 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 3時52分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり
    令和2年9月10日 出席議員 48名       1番   紫 垣 正 仁        2番   上 田 芳 裕       3番   山 本 浩 之        4番   北 川   哉       5番   古 川 智 子        6番   島 津 哲 也       7番   吉 田 健 一        8番   伊 藤 和 仁       9番   平 江   透       10番   荒 川 慎太郎      11番   齊 藤   博       12番   田 島 幸 治      13番   日 隈   忍       14番   吉 村 健 治      15番   山 内 勝 志       16番   緒 方 夕 佳      17番   高 瀬 千鶴子       18番   三 森 至 加      19番   大 嶌 澄 雄       20番   光 永 邦 保      21番   高 本 一 臣       22番   福 永 洋 一      23番   西 岡 誠 也       24番   田 上 辰 也      25番   浜 田 大 介       26番   井 本 正 広      27番   藤 永   弘       28番   原 口 亮 志      29番   田 中 敦 朗       30番   小佐井 賀瑞宜      31番   寺 本 義 勝       32番   原     亨      33番   大 石 浩 文       34番   村 上   博      35番   那 須   円       36番   園 川 良 二      37番   澤 田 昌 作       38番   田 尻 善 裕      39番   満 永 寿 博       40番   田 中 誠 一      41番   津 田 征士郎       43番   藤 山 英 美      44番   落 水 清 弘       45番   倉 重   徹      46番   三 島 良 之       47番   坂 田 誠 二      48番   白河部 貞 志       49番   上 野 美恵子 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      多 野 春 光   副市長      中 村   賢    政策局長     田 中 俊 実   総務局長     深 水 政 彦    財政局長     田 中 陽 礼   健康福祉局長   石 櫃 仁 美    経済観光局長   田 上 聖 子   都市建設局長   田 中 隆 臣    教育長      遠 藤 洋 路 職務のため出席した事務局職員   事務局長     富 永 健 之    事務局次長    和 田   仁   議事課長     池 福 史 弘    調査課長     下錦田 英 夫...