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令和 2年第 3回定例会−09月09日-03号
令和 2年第 3回定例会−09月09日-03号

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  1. 熊本市議会 2020-09-09
    令和 2年第 3回定例会−09月09日-03号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    令和 2年第 3回定例会−09月09日-03号令和 2年第 3回定例会   令和2年9月9日(水曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第3号                         │ │ 令和2年9月9日(水曜)午前10時開議                 │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時00分 開議 ○紫垣正仁 議長  ただいまより本日の会議を開きます。  この際、申し上げます。  本日は新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う出席議員の抑制を行っております。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  日程第1「一般質問」を行います。  順次発言を許します。光永邦保議員。          〔20番 光永邦保議員 登壇 拍手〕 ◆光永邦保 議員  おはようございます。  熊本自由民主党市議団光永邦保です。一般質問の機会を与えていただきました関係各位に改めて感謝申し上げます。  また、新型コロナウイルスによって治療を余儀なくされている皆様の一日も早い回復と医療、衛生の第一線で職務に専念されている皆様に対し、改めて敬意を表したいと思います。  また、先日は台風10号の襲来もありましたが、7月に発生した豪雨災害によって被災された全ての方々にお見舞いを申し上げたいと思います。
     特にこの未曽有の豪雨災害につきましては、7月下旬に当市議会チームの一員としてボランティア活動に参加させていただきました。災害から2週間余りが経過してもなお、生々しい現場の惨状を目の当たりにして、改めて水害の恐ろしさを再認識した次第であります。  まず、政策局長にお尋ねしたいと思います。  今回、球磨川流域に被害をもたらしたものと同じ規模の線状降水帯が白川流域に発生したら、白川公園から藤崎宮周辺といった地域については、どのようになるのでしょうか。お願いします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  議員お尋ねの、今回、球磨川流域に被害をもたらした豪雨と同じ規模の大雨が白川流域に降ったと想定した場合、統合型ハザードマップでは、本市の藤崎宮、白川公園付近から上通、下通、辛島町にかけての中心市街地においては、土地の高低差や地形によりまして、0.5メートル以上5メートル未満の浸水が予測されます。  また、統合型ハザードマップで想定される最大規模の降雨が発生した場合は、0.5メートル以上10メートル未満の浸水が予測され、この場合、市役所本庁舎周辺の浸水深は約6メートルになると考えられます。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  具体的な数字で御答弁頂き、助かりました。  国土交通省河川データによれば、球磨川は平均流水量、流域面積が共に白川の4倍とありますので、均等に雨が降れば同等、少しでも雨量が集中した場合には、それ以上の被害ということだろうと思います。感覚的にも妥当な見積りと受け止めたところです。  私は球磨村の大変厳しい現状を見て、太古の昔から清正公の時代、さらには明治、大正、昭和を経て、現在に至るまで、政治を担う者の最大の責務が治水にあることを改めて思い起こしました。治水の手段は様々ありますが、短期的、長期的なあらゆる手段を講じながら、リスクを最小限に抑える努力を怠ってはならないと思っております。過去の気象データが次々と更新されている事実を見ても、自然の驚異そのものが年々進化していることを肝に銘じるべきだと思っております。  さて、昨年からいろいろと議論を交わしてまいりました市庁舎の建て替え問題、現在は新型コロナウイルス対応で一時中断しておりますが、大西市長は建て替え最大の理由を防災拠点としての役割を強調しておられました。災害の形態としては専ら庁舎の耐震強度が挙げられておりましたので、地震災害がメインであったように思います。  改めて水害を視野に置いたとき、例えばさきの7月豪雨をイメージした時に、将来の市役所本庁舎が担う防災拠点としてのイメージ、具体的には移転する場合の移転先、あるいは建物の構造等について考え方に変化はあるのでしょうか。  大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  市役所本庁舎は、重要な防災拠点として災害対策本部での指揮命令、総合調整はもとより、支援物資の要請、受入れ、罹災証明書の発行など、様々な業務を行う災害対応の要であります。  そこで、令和2年3月に策定いたしました本庁舎等整備に関する基本構想においても、庁舎整備の最重要視点として、あらゆる災害に対して防災拠点としての機能を最大限に発揮するとともに、大規模災害発生後も業務継続計画に基づく業務を維持、継続できる災害に強い庁舎としているところです。加えて、浸水に対する脆弱性について、建物の場所を問わず、庁舎の機能維持に必要な機器設備について、想定される浸水高以上に配置すること、と具体的にお示ししているところです。  このような中、令和2年7月豪雨では、被災地において庁舎の浸水等により行政機能が失われ、行政サービスの提供に著しく支障が生じたとお聞きしており、本庁舎の防災拠点としての重要性を改めて認識させられたところです。このようなことから、これまで本庁舎に関する議論は耐震性の問題を中心に進めさせていただいてきたところでございますが、今般の豪雨も踏まえ、庁舎の浸水に対する脆弱性についても改めて十分な検討を行う必要があると考えております。  現在、庁舎整備に関する議会での議論を中断させていただいておりますけれども、議論を再開させていただく際は、本庁舎の防災拠点としての必要な機能が十分に確保されるよう、さらに議論を深めてまいりたいと考えております。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  移転先の候補地には白川公園も含まれていたように思いますが、今回最も甚大な浸水被害は、球磨川の流域で発生しております。10メートル以上の浸水は1階、2階の地上部分に大きな被害をもたらしただけでなく、地下構造物にまで土砂や瓦礫が流れ込み、たとえ建物が生き残ったところでも、水圧で建物全体にひずみが生じ、結局取壊しになったところも発生しております。  さらに重要なことは、建物だけが頑強で生き残ったとしても、周囲の道路網が寸断され、孤立化するような場所では、防災拠点としての役割を果たすことは極めて難しくなると考えております。7月豪雨では、何本も発生した線状降水帯のちょうどはざまに位置し、紙一重で難を逃れた本市としては、多くの教訓を酌み取るべきだろうと思っております。  続きまして、教科書の選定について伺います。  今年は、令和3年度中学校用教科書10教科16種目が選定される年となっております。まず、これらの教科書の選定状況について教えてください。  また、どのようなプロセスを経て選定されるのか。その間、現場の先生や一般市民の意見等は考慮されているのか。さらに、選定委員会には保護者代表などは入っているのでしょうか。  以上4点について、教育長にお尋ねいたします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  令和3年度使用教科書の選定状況とプロセスについてお答えいたします。  4点お尋ねを頂きました。まず、現在の状況ですが、令和3年度使用教科用図書の選定については、8月11日の臨時教育委員会会議において採択を行い、9月1日に熊本市ホームページにて公開した状況です。  その他3点の質問については、採択のプロセスということで、まとめてお答えいたします。  本市においては、令和3年度使用教科用図書の採択に向けて、学識経験者、校長、保護者等から成る教科用図書選定委員会を、教育委員会の附属機関として4月に設置いたしました。  選定委員会においては、4月下旬から約1か月半の間、各教科の高い専門性を有する教職員による教科書研究員を置き、熊本県教育委員会から6月上旬に提供された選定資料も活用しながら、本市独自に教科書の調査研究を行ったところであります。  今回の採択に向けての調査研究結果は、7月に行われた4回にわたる選定委員会において、その妥当性が審議されました。加えて、県教育委員会が実施する教科書展示会においては、学校現場の教員及び市民からの感想、意見が約600件寄せられたところです。これらのプロセスを経て、7月下旬から行われた6回にわたる臨時教育委員会会議において、選定委員会からの報告及び教科書展示会の感想、意見を基に十分協議した上で、公正かつ適正に教科書を採択いたしました。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  文部科学省のサイトによれば、採択の権限は学校を設置する市町村にあり、都道府県教育委員会は、採択の対象となる教科書について調査研究し、採択権者に対し、指導、助言、援助するとあります。私は、この、県が市に指導、助言するという表現から、検定に合格した教科書が県においてある程度ふるいにかけられるか、あるいは県から教科書に評価づけされて市に下りてくると勝手に想像しておりました。ただいまの御答弁から、県と同じ基準ながら、本市独自で早期から選定作業が進められたことを伺い、大変参考になりました。  また、保護者の方を選定委員に加え、現場の先生、一般市民の方からの意見も寄せられていると伺い、安心したところです。  子供たちの教育に使用する教科書は、多くの方の関心の下に選ばれるべきだと思っておりますが、現在の状況はかなり特別な環境、文部科学省がいうところの静ひつな環境で作業が行われております。その遠因としては、40年近く前に起きたいわゆる教科書問題があり、歴史の記述部分については、近隣諸国に十分配慮してということになっております。また、5年前には、出版社と学校関係者の癒着の問題が発生し、今では見本となる教科書の数まで限定され、かなり立入り難い環境になってしまいました。しかし、そうであればこそ、選考に当たる人は、たとえ限定されても教科書に対する意見には広く耳を傾けるシステムであってほしいと思っております。  本市の教科書採択の最終的な権限が本市の教育委員会にあるということを前提に、改めて本市の教育大綱等を踏まえた採択上のポイントについて、教育長にお尋ねいたします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  教科書の採択に当たってのポイントについてお答えいたします。  教科書採択においては、全国学力・学習状況調査の結果、教員や指導主事が授業を通して見た本市の生徒の実態や学習指導要領の趣旨を踏まえ、熊本県教育委員会から示された採択基準に沿って調査研究を行いました。  また、本市の教育大綱等に掲げた、自ら学びに向かう力を育む教育の推進及び郷土学習の充実を目指し、ICT機器デジタル教材等を活用しやすい工夫及び熊本城を代表とした本市にまつわる事象や史実、人物等との関連を独自のポイントとして設定したところでございます。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  ICTなどの新しい教育技法、あるいは熊本城に係る熊本市ならではの郷土愛の醸成などは大変いい着眼だと思います。  私たちの会派でも、今年は教科書の勉強会を実施いたしました。私自身、何冊かに目を通してみて、こんなにも違うものかと驚きました。例えば、我が国最古の歌集である万葉集の説明を見ると、一番丁寧なAという教科書によると、万葉集は飛鳥時代から奈良時代に及ぶ約130年間に作られた約4,500首の様々な歌を収める我が国に現存する最古の歌集です。歌の作者は天皇や貴族、役人から農民や防人、貧しい人々にまで及んでいます。年齢や地域も様々であり、男女の差別もありません。今から1,200年も前に我が国では身分や地域を超えた国民的歌集が完成していたのです。これは当時の人々が共通の言葉を使い、感動を共有することができたことを示していますと書いてあります。まだ続くのですけれども。  一方、短い説明の教科書Bにおいては、大伴家持がまとめたといわれる万葉集には、天皇や貴族だけでなく、防人や農民の歌も収められていますと、僅か数行にまとめられたものもあるわけですが、さらにCという教科書では、同様の短い説明に、わざわざ解説を加えて、当時の農民の多くは文字の読み書きができたわけではありません。みんなで集まった時に声に出してうたったものを文字を知る人が書き写したと考えられますと説明しています。  教科書によって、万葉集はどういう書物であるのか、子供たちに与える印象は随分違うように思っております。  学校の先生方と教科書についてお話をすると、教科書を教えるのではない、教科書で教えるのだと言われます。もちろん私も同感です。教科書は一つのきっかけですから、これを膨らませることによって、より深い学びの場が得られると思っております。  熊本城や本市にまつわる事象をとありましたけれども、もっと九州全体から熊本を見てもいいと思っております。現在の山鹿市と菊池市にまたがる山城鞠智城は、福岡県の大野城市にある水城の陣地につながる後方支援基地であるといわれております。八角形の建物は、当時の百済文明との強い結びつきを示すもので、古代人の交流の深さと大陸からの脅威に備えた壮大な構想には驚くばかりです。  元寇襲来で活躍した熊本の御家人竹崎季長の名前も絶対に外すことはできません。郷土熊本を誇りに思うような学びの場をぜひともお願いしたいと思います。  また、出版社の名前を見ながら作業をしますと、どうしても使い慣れたものに落ち着く可能性があります。私の個人的なアイデアですが、教科書選定をより公平公正にするのであれば、対象とする教科書の表紙を全て真っ白にして、白表紙に記号か何かで選定作業をしていただくといいのではないかと思っております。  続いて、新型コロナウイルス感染症対策について質問いたします。  このコロナ対策については、既に6月定例会でも数多くの質問があり、熊本市議会新型コロナウイルス対策会議でも報告を受け、大西市長以下執行部の皆さんの真摯な対応については、多くの市民が認めるところではないかと思っております。その最大の理由は、全く先が見えない中で、その都度限られた情報と与えられた条件の中で、精いっぱい調整を進め、時には本市独自の判断を積み重ねてきた結果にあると受け止めております。  したがって、既に決定が下され、一定の成果を得たものや過去において完了した施策等を今さら手戻りを促すような意見を申し上げるつもりはありません。ただ、様々な経験値が得られたこの時点でもう一度振り返ることによって、その時には最善だと思われた判断に改善の余地はなかったのか、これからの対応に役立つヒントはないか、そういう狙いで質問をしたいと思っております。  すぐ自衛隊の話になって恐縮なのですけれども、陸上自衛隊では、1つの作戦行動が終了すると、必ず振り返りの検討会を行います。英語で申し上げますと、After Action Review、略してAARと呼ばれております。これは10人程度の小規模チームから、大きなものでは数千人規模で実施する方面隊レベル指揮所演習まで、規模の大小を問わず必ず行われるものです。その狙いは、指揮官を評価するのではなく、一旦時計の針を作戦スタートの時点に戻し、時間の経過に沿って情報の流れを追体験しながら、改めて指揮官の判断を検証するものです。  したがって、これからの質問は、項目別ではなく、カレンダーをめくるように、時間軸に沿って進めてみようと思っております。  検証に当たって使用した資料は、国が発出した新型インフルエンザ等対策特別措置法、以下特措法と申し上げます。本市が作成した熊本市新型インフルエンザ等対策行動計画、以下行動計画と申し上げます。さらに、熊本県の新型コロナウイルス感染症対策本部会議録と本市における対策本部会議の次第、そして、当該期間における新聞報道資料等であります。  対象とする期間は、1月から8月末までの約8か月間、期間の区切りは、本市の行動計画を参考にして5期に区分しております。細かな日にちの区切りにつきましては、お手元の通告表を参照していただきたいと思います。  では、まず第1期から質問に入ります。  厚生労働省から武漢で発生した新型肺炎に対する注意喚起がなされた1月6日をスタートとし、国外から国内へとじわじわ感染の脅威が迫ってきた時期であります。この段階で、1月27日、市民病院において実働による対処訓練が行われております。この訓練の狙いと成果について教えてください。  病院事業管理者、よろしくお願いします。          〔水田博志病院事業管理者 登壇〕 ◎水田博志 病院事業管理者  市民病院におきまして実施いたしました、新型コロナウイルス感染症疑い患者対応訓練についてお答えいたします。  本訓練は、本年1月末時点におきまして、中国武漢市における新型コロナウイルス感染症の発生拡大とともに、日本国内においても数例の発生が確認された状況を踏まえ、当院での患者受入れ体制等の確認を行うため、緊急的に当院で企画し実施したものでございます。  訓練では、感染症外来における診察や検体採取から病室への入室まで、一連の流れを想定し実施したところで、新病院での新たな設備や体制での受入れのシミュレーションが確認できたところでございます。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  私も当時の資料で調べてみました。我が国で数例という御答弁でしたけれども、この時はまだ2人目の感染者が発生したばかりで、恐らく全国的に見てもかなり早い段階で、しかも実働で行ったのはすばらしいと思います。恐らく全国の先駆けではなかったかと思っております。開設間もない市民病院が感染症に取り組む心意気を示したことは、多くの市民に頼もしさと安心感を植え付けたものと思っております。  そして、2月に入り、15日までに全国で30人を超える感染者が発生いたしました。予想を超える広がりに、緊張感が次第に高まってまいります。  こうした状況下に、2月16日、熊本城マラソンが開催されました。いろいろと難しい判断があったと思いますが、今改めて振り返ってみて、開催に踏み切ったことについて、どのようにお考えになっておられますか。  大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  熊本城マラソン2020の開催判断についてのお尋ねでございますが、まず、当時新型コロナウイルスの感染者は国内で確認されておりました。議員御指摘のとおりでございます。ただ、県内では確認されていなかったこと、また、ランナーを初め多くの関係者の方々が既に準備を整えておられたこと、一方で、悪天候が予想されるなど、様々な状況を踏まえながら、文字どおり開催直前まで慎重な検討を重ね、私にとっても極めて難しい判断でございました。  開催に当たりましては、ランナー、スタッフ等へのマスク配布や各会場への消毒液の設置、さらに、体調不良者への参加自粛や沿道応援者へのハイタッチ自粛の呼びかけなど、当時考え得る万全の対策を取ることといたしました。  大会終了後、大会に起因し感染が蔓延するということはございませんでした。また、参加ランナーを初め多くの方々から感謝の声を頂き、安堵しているところでございます。悪天候の中ではあったものの、大きな事故もなく、関係者の皆様の御協力に対し、心から感謝を申し上げたところでございました。  今年度は開催中止を決定いたしましたが、次回は10回目の節目となる記念大会でございまして、感染状況や感染拡大防止対策等を見極めながら、皆様が笑顔で参加できる大会となるよう、慎重に検討していきたいと考えております。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  コロナ対策を十分取った上で、開催するのか、思い切って中止にするのか、この2つに1つの選択だったと思いますが、大変難しい状況の中決断をされ、その判断は間違っていなかったという今のお気持ちを確認することができました。  この日は、本市のほか3都市でもマラソン大会が企画され、全て開催されておりまして、その中でも、コロナ対策という点では本市が一番配慮されていたように思っております。また、私自身も当日は開会式に参加して、その盛り上がりの中で、開催に踏み切ってよかったのではないかと感じた次第であります。  しかし、今新型コロナウイルスに備える新しい生活様式が定着する中、現在の経験値をもって当日を振り返ってみると、やはり知識や情報が余りにも少なかった。あのスタート地点における密集状態を思い返しますと、今なら容認できなかっただろうなというふうに思っております。  実際、熊本城マラソンの翌日に東京マラソンの縮小が発表され、全国の大きなイベントの中止が次々と発表され、翌週からの本格的なマラソン大会は全て中止になりました。そして、大会から僅か5日後に本市の感染者第1号が発生し、その方はマラソンの応援に参加し、夜の集まりにも出ていたということが判明しております。まさに薄氷を踏むようなぎりぎりの判断であったと感じているところです。  いずれにいたしましても、御答弁にありましたとおり、来年の熊本城マラソンにつきましては早々に中止が決定されております。この素早い決断の中に大西市長の胸の内を酌み取っておきたいというふうに思っております。  そして、2月21日、本市における感染者第1号が発生いたします。大きく報道され、一気に緊張が走りました。ここから第2期へと入るわけですけれども、この段階でまず取り組むべきこととされているのは、医療体制整備の強化です。特に帰国者・接触者外来はどのように確保されたのでしょうか、また、相談窓口が設置、運営されたわけですが、量と質の面から対応に当たる人の確保にどのように取り組み、また、それは状況に対応できたのでしょうか。  健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  帰国者・接触者外来につきましては、2月8日に1か所設置いたしまして、2月25日には新たに5つの医療機関に協力頂き、2月からの第1波において新型コロナウイルス感染症が疑われる方への外来診療を行ってまいりました。  また、第2波に向けた外来体制の強化といたしまして、7月に熊本市医師会と連携し設置いたしました地域外来・検査センターに加え、8月からは帰国者・接触者外来に準ずる医療機関として、さらに市内の11の医療機関についても御協力を頂いたことで、現在市内に18か所となっており、必要な体制を確保したところでございます。  次に、相談窓口につきましては、1月30日には、保健所内に新型コロナウイルス感染症に関する一般電話相談窓口を開設し、その後、2月3日には帰国者・接触者相談センターとして、さらに4月13日からは、市民の皆様に分かりやすく、名称を新型コロナ相談センターに変更し、これまで帰国者・接触者外来への受診調整はもとより、市民の皆様からの様々な御相談に対しまして、各区役所から保健師など専門職を配置し、丁寧に対応を行ってまいりました。  その間、相談受付時間を24時間に拡充し、電話回線につきましても、4月3日から2回線を6回線に増設するなど、状況に応じて体制の強化を図ってまいりました。その結果、感染の第1波におきましては、1日に最大で451件の御相談に対応を行うなど、市民の皆様の御不安等に対して、適切に対応を行ってきたところでございます。  今月からは、一般相談につきましてはコールセンターを活用し、保健師がより専門的な相談に注力できる環境としたところでございまして、引き続き今後の相談状況等も踏まえ、市民の皆様に御安心頂ける相談体制を確保してまいりたいと考えております。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  第1波を予期しつつ、2月初旬から準備を進めて、初期の診療体制を整え、その後も市内の医療機関と連携を図りながら体制強化を進めてこられたことに、改めて敬意を表したいと思います。  また、相談窓口についても、ウイルスに対する情報が少なく、不安感だけが先行していましたので、様々な内容の相談があったことと思います。保健師や看護師の方のプロとしての冷静な対応が多くの市民の安心感につながったことは間違いありません。心より感謝申し上げたいと思います。  特にこの相談窓口につきましては、県と市の連携が大変よく取られております。回線の増設や24時間体制への移行等、記録を見るだけでも一体感を持って進められていることがよく分かります。平素からの県と市、さらには地域医療機関とのチームワークがあればこそと感じた次第です。  ただ、こうした取組の一方で、気になりますのが、多くの保健師の方を併任によって集中運用されたわけですが、その結果、各区役所の業務は大丈夫だったのでしょうか。幼児健診や子育て相談等、具体的な現場の様子について教えてください。  再度、健康福祉局長、お願いいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  発生期における区役所の状況は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、週1回開催しておりました育児相談を2月25日から中止し、1歳半及び3歳児幼児健診を3月4日から延期したところでございます。  しかしながら、コロナ禍における子育ての相談には各区の保健師が電話で対応し、相談者の状況に応じて訪問等を行ってまいりました。また、医療機関や熊本県助産師会などの関係機関と連携を図りながら必要な支援を継続し、妊産婦や子育て中の方の不安解消に努めてきたところでございます。  なお、幼児健診につきましては6月中旬から再開したところであり、引き続き、密閉、密集、密接のいわゆる3密を避け、感染防止対策を適切に講じながら業務を行ってまいります。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  コロナ禍における子育ては、お母さん方の特別な不安や御苦労があるように思います。併任によって掛け持ちをしながら丁寧に対応していただいた職員の皆様に改めて感謝申し上げます。
     また、これから長丁場になることも予想される中、保健師、看護師御自身の健康管理についても大変気になるところです。それぞれの現場において適切な業務管理をしていただくことを要望しておきます。  続いて、特措法に基づく国の緊急事態宣言から解除までの第3期についてお尋ねしたいと思います。  3月26日に国の特措法が施行され、これを期に本市の行動計画がスタートいたしました。具体的には、新型インフルエンザを新型コロナウイルスと読み替えて実行されたわけですが、この違いをどのように捉えられたのでしょうか。また、その違いに対して、計画にどのような修正を加えながら対応されたのかを教えてください。  健康福祉局長、お願いいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  新型インフルエンザ等特別措置法に基づく、熊本市新型インフルエンザ等対策行動計画におきましては、感染の拡大防止と市民生活等への影響の最小化を基本方針とし、未発生期から小康期に至るまでの6段階に応じた具体的な取組を定めております。  今回の対応におきましても、この行動計画を基本に、実施体制や市民の皆様への分かりやすい情報提供、予防、蔓延防止対策、医療体制の整備などについて必要な対応を行ってまいりました。  4月7日には、国の緊急事態宣言を受けまして、本市におきましても特措法に基づく熊本市新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、国が示す基本的対処方針等を踏まえ、外出自粛の要請や小中学校等の休校など、早い段階から先手先手の対策を講じてまいりました。  また、医療提供体制につきましても、帰国者・接触者外来等を市内18か所に設置するとともに、入院病床についても県内において最大400床が確保され、宿泊療養施設での軽症者の受入れも行われております。  一方で、行動計画で想定しておりましたワクチンの接種については、現在世界的に開発が進められている段階であり、計画に沿った対応を行えていない状況でございます。  行動計画の見直しについてでございますが、市町村行動計画は、新型インフルエンザ等特別措置法により、県が作成する行動計画に基づき作成することとされていることから、今後国、県の行動計画の見直しを踏まえ、検討してまいります。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  単なるウイルスの名前の読替えでありながら、ワクチンや治療薬が存在するウイルスと、そうでないものでは大変対応が大きく変わります。検査の方法についても同様です。そうした観点からの計画修正のほか、医療提供体制の充実や入院病床の確保など、計画の具体化がなされたことがよく分かりました。  このたびのコロナウイルス感染症の拡大を災害として捉えると、ほかの災害対処とは異なる、際立った特色を有しております。1つは、長期間にわたり全ての人が等しく脅威にさらされるということ、2つ目は、その他の自然災害においては,最初に発生した被害が最大値で、そこからある程度見通しを持って計画的に復旧・復興が進められますが、感染症は明日起きることも分からず、見通しが立てられないということであります。  さらに、対応に当たっては、感染拡大を抑え込むこと、既に発生した感染者の治療に当たること、そして、経済活動への配慮と市民生活の確保等、これらが複雑に絡み合っています。1つを追求すると、もう一つが成り立たなくなることがしばしば発生し、これが対応を一層複雑にしております。  今回施行された国の特措法には、こうした対応の難しさ、複雑さが大変よく表れております。まず特措法の本文をもって基本的な枠組みを作り、日々変化する状況に対しましては、特措法第18条に基づき、その都度基本的対処方針が示されることになっております。つまり、外枠を示す部分と、状況の変化に応じ絶えず更新される部分との二重構造になっているわけであります。  一般的には、基本的対処方針と聞けば、何か大きな行動の基準だけが示されるようなイメージですが、実際には、国、県、市がその権限に応じて取り組むべき細かな事項までもが書き込まれております。この基本的対処方針が3月28日から5月25日まで、実に8回も出されております。しかも、やるべきことが次々と追加されていきますので、1回目が14ページ、以降回を重ねて、最後は37ページまでボリュームが膨らんでおりまして、恐らくこれを追いかけながら対応に当たった執行部の皆さんは、相当苦労されただろうと感じているところであります。  こうした言わば複雑な法律の建てつけの中で、3月28日に示された1回目の基本的対処方針の中に、保健部局のみならず、危機管理部局も含めて全ての部局が協力して対策に当たるようにと指示が出されております。本市では、実際にどのようにして体制を取っていかれたのでしょうか。  この部分については行動計画にも詳細な記述がありませんので、実態が分かるように御説明頂きたいと思います。  政策局長、お願いいたします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  国の基本的対処方針を踏まえた本市の体制についてお答え申し上げます。  国内で新型コロナウイルス感染症の感染者が初めて確認されたことを受け、本市で発生した場合の対策等を検討するため、令和2年1月27日に、新型インフルエンザ行動計画に準じて制定した熊本市新型コロナウイルス感染症対策本部設置要綱に基づき、対策本部を設置したところでございます。そして、4月7日から5月25日までの緊急事態宣言期間中は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく対策本部に移行いたしました。  この対策本部は、市長を本部長とし、副市長及び各局長等で構成しており、市民の健康と安全を守ることを第一に、感染拡大傾向時には毎週会議を開催するなど、状況の変化に応じた迅速な対応を図っております。  また、この本部会議を円滑に運営するため、庁内の調整組織として、同要綱に基づき、保健衛生部長を議長、危機管理防災総室長を副議長とし、各局主管課長等で構成する庁内連絡会議を設置しております。この連絡会議も、緊急事態宣言期間中は、危機管理防災総室長を議長とし、各局主管部長を構成員とする会議体に移行しているところでございます。  このように、危機管理防災総室は、危機事象全般の対策部署として新型コロナウイルス感染症対策につきましても、健康福祉局と連携を図りながら対応に当たってまいったところでございます。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  ただいまの御答弁で、危機管理防災総室の動きと運用の考え方についておおむね理解することができました。  改めて体制移行の全体像をイメージしてみますと、まず、市長を本部長とする対策推進本部が立ち上がり、対策本部へと移行します。そして、これを支える組織は2つ必要で、1つが市役所本庁の中で全般調整に当たる組織、そして、もう一つが保健医療の総括組織で、現場からの情報収集と調整を行う組織であります。私は、行動計画のイメージ図を見る限り、危機管理の専門組織がこの両方を取り仕切るものと考えておりましたが、ただいまの御答弁にありましたように、実際には前者の本庁内における総括を主体に活動されたということでした。  では、今回保健部局についてはどのようにして体制が強化されたのか。実はこの部分について、大西市長の大変大きな決断がありました。4月の人事配置で、前政策局長を理事としてウェルパル内の初動対応に当たらせるというものであります。同時に、約2か月にわたって、上下水道局と交通局の2つの事業管理者のポストを前総務局長1人に担当させております。  改めて大西市長にお尋ねいたします。こうした人事は、過去に例があったのでしょうか。また、どのような経緯で決定されたのでしょうか。お願いします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  今回の事業管理者の任命につきましては、既に異動内示を終えておりました3月下旬に、感染症が急拡大をいたしまして、緊迫した状況となりましたことから、当時感染症対策の一翼を担っておりました政策局長に、引き続きその職責を担わせることが必要と判断し、緊急的かつ時限的な措置として、地方公営企業法第7条ただし書の規定に基づき行ったものでございます。  事業管理者を1人にすることにつきましては、管理者の職責やそれを支える組織体制等、執行部内で慎重に議論を重ね、短期間であれば可能と判断したものでございます。これは、過去に例がない極めて異例な措置でございましたが、結果として、第1波の流行期という重要な局面を乗り越えることとができ、本市全体の危機管理の観点からも最善の策であったと考えております。  今後も様々な危機事象に対し、市民の生命と財産を守ることを最優先に、その時々の状況に応じた迅速かつ的確な判断に努めてまいりたいと考えております。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  私は、こうした非常事態であればこそ、個人ではなく組織をもって体制強化を図るべきという考えの下に質問をさせていただいたわけですが、実際にウェルパルの現場に足を運び、ただいまの御答弁も伺い、結論から申し上げますと、この非常事態に前政策局長を起用した市長の御判断は正しかったと思っております。最大の理由は、最も強化すべきところに手を打ったということ、そして、前政策局長がゼロから体制を作り上げ、立派にその役目を果たされたということに尽きると思います。  現在のウェルパル1階の会議室には、事務職と保健衛生の職に就く皆さんが広いスペースの中で連携を保ち、隣の相談窓口と情報管理が一体となって運用され、濃厚接触者に対するPCR検査室も、駐車場からの導線を考慮して配置される等、大変機能的に作られております。今後たとえ厳しい状況に向かったとしても、持続的に活動ができる仕組みができていることを確認することができました。同時に、具体的な計画もない中では、私が考えておりましたような組織による増強は難しかったのではないかと感じたところです。  以上のような市長判断に基づく成果は、十分認めた上で、この時の処置が私は問題であったと思っております。  1つ目は、2つの外局の事業管理者を1人にしたことによる危機管理上の問題です。本市にとっての危機は、コロナウイルスだけではありません。その他の危機事態に対しても最低限の備えを常に確保しておく必要があります。電車を巻き込んだ大事故の発生や突然の災害等、たとえそうした事態がなくても、コロナの脅威の下でそれぞれ特別な対応が求められております。臨時会議の招集や常任委員会の対応にも配慮すべきでしょう。  ただいまの市長の答弁は、まるで2つのエンジンで飛んでいた飛行機が短期間なら片方のエンジンを外しても飛べます、大丈夫ですと言われているように感じました。飛行機には74万の市民が乗っております。短期間なら可能と判断という言葉には、何の裏づけもありません。むしろ危機に対して短期間隙を見せているということに過ぎません。この2か月間、この間に何事もなくて本当によかったと思っております。  そして、もう一つは、組織管理上の問題です。2つの外局の管理者を1人にした根拠は、地方公営企業法第7条第1項ただし書の規定によるというお答えでした。恐らく公営企業の事業管理者は、兼職ができないとする規定に配慮してのことだと思っております。ところが、この第7条第1項は、原則として事業ごとに管理者を置くが、条例で定めることによって、2つ以上の事業に1人の管理者を置くことができるという管理者の設置に関する大原則を定めた条文で、この第7条によって現在の2人体制がとられております。  2つの公営企業の編成と任務が何も変わっていないのに、今までは2人だったが、1人でもできる仕事ですと読み替えてしまったのは、問題だろうと思っております。それならば、今後ずっと1人体制でやればいいだろうと、そういう議論さえ生まれてくる可能性があります。まして、2か月限定でといった条件は、本質的にここに入り込む余地がありません。私はもっと幅広く検討して、市長の決断を無理なく実現する道がほかにもあったのではないかと考えております。  1つは、同じく地方公営企業法第13条第1項に、代理及び委任について定めた条文があります。そこには、管理者が欠けた時は管理者が当該地方公共団体の長、すなわち市長の同意を得て、あらかじめ指定する定席の職員がその職務を行うとあります。つまりお二人いる副市長のいずれかに2か月間代理をお願いしてもよかったのではないかと思っております。そのほかにも、前の交通事業管理者に2か月だけ定年延長をお願いする案もあったかもしれません。  いずれにしても、これはもう完了したことですから、過去に遡って修正を求めているわけではありません。本当に処置として最善だったのか、もう一度執行部の中で検討していただきたいと思っております。  そして、過去に例のないような判断をする時には、危機管理や組織管理など、様々な立場から意見が出され、執行部の中で幅広い議論が尽くされることを願っております。そのためにも、意見が出しやすい風通しのよい環境づくりにも配慮していただきたいと思います。  続きまして、特措法、基本計画に示された、県、他機関との連携について、2点お尋ねいたします。  特措法の基本的対処方針にも示されている、関係機関相互の連携協力はどのように確保されたのでしょうか。また、県と市ではどのように役割分担がなされたのでしょうか。  また、3月24日と30日に、熊本市独自で専門家会議が開催されております。この会議の目的と本市自らリスクレベルを設定した狙いは何でしょうか。  それぞれ関係局長にお願いいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  新型インフルエンザ等対策特別措置法においては、対策を的確かつ迅速に実施するため、総合調整は都道府県が行い、市町村においては、県が作成する行動計画に基づき、市町村行動計画を作成し、区域内における対策等を実施することとされております。行動計画におきましては、新型インフルエンザ等への対策を実施するに当たって、県や関係機関と連携することとされており、最初に対策本部を開催して以降、対策本部会議に相互に職員を派遣し、情報共有を行いました。  3月末には、本市において感染が急速に拡大し、専門家からの御意見を踏まえた適切な対応が必要となったことから、本市において専門家会議を設置し、その後、感染拡大防止はもとより、医療提供体制の確保を図るため、県に呼びかけを行い、県市合同の専門家会議とし、県と市で連携し、先手先手の対策を講じてまいりました。  その他の関係機関につきましては、行動計画に基づき、医療機関や警察、ライフライン事業者等で構成します熊本市新型インフルエンザ等対策協議会を1月31日に立ち上げ、その後、必要に応じて情報共有等を行っております。  また、役割分担につきましては、県は地域医療体制の確保や蔓延防止など、特措法に基づく措置の実施主体となりますが、本市は、保健所設置市でもあることから、地域医療体制の確保など、これまでも県と連携し対応を行ってきたところでございます。  今後も、県を初め関係機関とも十分連携し、必要な対策を的確かつ迅速に講じてまいります。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は、本年3月、県内でも特に本市において感染が拡大し、医療提供体制が逼迫するおそれが生じていた中、疫学を初めとした各分野の専門的な見地から、本市の取るべき対策について御助言を頂くために設置したものであります。  その中で、本市における感染防止対策の判断基準を設けるべきとの御意見を頂きましたことから、市民の皆様に本市の感染状況を分かりやすくお伝えするとともに、その状況に応じた適切な対策を講じていくことを目的としまして、客観的な判断基準となるリスクレベルを設定したところでございます。いずれの取組も、県内でも特に本市において感染が拡大していた当時の状況やいち早い市民周知の観点から、まずは本市独自で実施したものでございます。  そのような中、医療提供体制の整備などについては、圏域を越えた検討が不可欠であることから、常に県とも情報共有を行い、連携を図ってまいりました。現在は、県市で専門家会議を合同開催しているほか、リスクレベル及びそれに基づく対策につきましても毎週調整を行っているところでございます。  今後とも、市民の安心安全の確保に向けまして、県市で連携を図りながら感染防止対策に取り組んでまいります。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  健康福祉局長の御答弁を伺い、まず、県との関係におきまして、対策本部会議への職員の方の相互派遣や県市合同の専門家会議など、また、関連機関に対しては対策協議会を立ち上げる等、連携を図ってこられたことがよく分かりました。  また、政策局長の御答弁からは、本市に感染者が集中しているという現状を踏まえ、努めて早い段階で分かりやすい行動基準を市民の皆様に示したい、そのために専門家会議を開催して御意見を頂いたという御説明でした。いずれも周囲としっかりと連携をしながらも、本市独自でできることは一歩でも前に進めたいという積極的な思いが伝わってまいりました。  私がお尋ねしたポイントは、連携を進める中で、県と市のお互いの権限と、これに基づく役割についてはどれくらい認識されていただろうかという点にあります。改めて国から示された特措法を見てみますと、都道府県対策本部長の権限は第24条と第45条第2項に、市町村対策本部長の権限は第36条に記述がありまして、明快に分かれております。具体的に申し上げますと、施設使用の制限、もしくは停止、またはイベント開催の制限、もしくは停止、これらを要請、指示すること及びその期間の設定、これらは全て県の権限であります。市は、これに基づく総合調整をするということになっております。  リスクレベルの設定の目的が、現状の危険度を伝え、最終的には施設の使用制限や行動の制限についてより分かりやすく伝えるためであったとすれば、検討は検討で本市で行うことはやぶさかではないのですけれども、その示し方については、県との確認が必要ではなかったかと思っております。  実際の動きを見てみますと、本市が3月31日にリスクレベルを発表し、県は4月16日に新型コロナウイルス地域区分基準という形で公表し、その後、6月6日に県が本市に歩み寄る形で1つの基準に統一をされております。この間、県市それぞれ専門家会議が開催され、県と市の合同でも専門家会議が開催されておりますが、会議の参加メンバーはほぼ同じ先生方であります。本市独特の緊迫感や市民に対する強い思いは伝わってまいりますけれども、リスクレベルが一本化されるまでの2か月余り、市民にとっては二重の基準が存在したわけで、そこには戸惑いもあったのではないかと感じているところであります。  また、県市合同による専門家会議は、4月2日から2度開催されておりますが、対策本部の合同会議は一度も開かれておりません。これも後知恵になるかもしれませんが、2月初旬には県と市のそれぞれの対策本部が立ち上がっておりますので、2月中に合同対策会議を開いて、お互いの権限と役割、行動基準の示し方等、これらについて相互に確認をしておけばよかったのではないかと思っております。  5月15日以降7月19日まで、新たな感染者が発生することなく、本市は小康状態の期間を迎えます。この第4期の6月8日に、感染症を考慮した避難所訓練が行われております。これは本市独自の計画によるものでしょうか。また、その成果と今後の避難所運営に反映すべき事項があれば教えてください。  政策局長、お願いします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  密集した空間になりやすい避難所は、新型コロナウイルス感染症の感染リスクが高いことから、避難所の開設準備から運営までの感染防止対策としまして、本年5月に本市独自の避難所における新型コロナウイルス感染症対応の手引を作成したところでございます。  6月8日に南区の南部公民館で実施しました訓練は、実際に避難所の運営を担当する職員54人が参加しまして、熊本大学の竹内裕希子准教授を講師にお招きしまして、専門的見地から御意見、御指導を頂いたところでございます。  訓練では、手引に基づき、受付での体温測定や体調の優れない方の別室への誘導、避難スペースのレイアウトの作り方、ウェブカメラを用いたリモートによる健康観察などの役割分担や手順を確認しました。竹内准教授からは、受付時の混雑回避や避難者の導線の表示方法などについて特に御指導頂きまして、避難者をいかに手際よく案内できるかがポイントであることを一同で確認したところでございます。  これを踏まえまして、8月1日に実施しました震災対処実働訓練におきましては、手引を校区防災連絡会や避難所運営委員会に配布しまして、訓練を通じて避難所を運営する地域の皆様と留意点などを共有したところでございます。  先日の台風10号の際は、手引や研修での留意点も踏まえまして、おおむね問題なく運営ができたものと思っております。  今後も繰り返し訓練を実施し、経験を積み重ね、手引の見直しや担当者の判断力を養っていくことで、迅速で的確な避難所運営ができるよう努めてまいります。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  コロナ対応で大変な中、災害との複合事態を想定して、こういった検証を含む訓練が本市独自の計画で行われたことを高く評価したいと思います。  さきの熊本地震の教訓を生かして、避難所の数を2倍に増やしたわけですが、今回の訓練成果を踏まえると、その数はさらに増えると思います。それぞれの避難所開設のために配置する職員の方の運用など、様々な分野にわたって計画の見直しを進めていただきたいと思います。  次は、こうしたコロナ対応下における職員の皆さんの健康状態についてお尋ねいたします。  3月22日に投開票が行われました県知事選挙においては、異例ともいえる多数の持ち帰り票が発生し、4月4日には、入院予定の方の検体番号の記入ミスが発生しております。いずれも大きく報道され、問題点が指摘され、様々な対応がなされてきたところですが、私はウイルス対処というある種異常な職場環境にも一因があったのではないかと考えております。  長期にわたるコロナ対応において、心身のストレス等、職員の健康に与える影響はなかったでしょうか。また、その問題点、対策については検討がなされているのでしょうか。  総務局長にお尋ねいたします。          〔深水政彦総務局長 登壇〕 ◎深水政彦 総務局長  新型コロナウイルス感染症対策に従事する職員の健康管理についてお答えいたします。  本市では、職員の健康を管理するため、定期健康診断やストレスチェックの実施のほか、月に80時間を超える時間外勤務を行った職員に対し産業医の面接を行い、心身の状況把握に努めているところでございます。  御指摘のとおり、新型コロナウイルス感染症に関連する業務を担う職員は、日々長時間の勤務を行っており、今後その業務が長期化することが予想される中で、肉体的、精神的な負担の積み重ねにより、健康が阻害されることを懸念しております。  そこで、当該職員については、産業医がカウンセリングなどによって身体的疲労や精神的負担の状況を確認し、必要に応じて所属長に対する業務上の配慮の助言や職員への医療機関の紹介などを行うとともに、その後も継続して職員の健康状態を確認して、フォローを行っているところでございます。  今後とも職員の心身の状況を丁寧に確認し、必要な指導等を行いながら、職員の健康の確保に取り組んでまいりたいと考えております。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  必要な指導によって、職員の皆様の健康確保に取り組んでいくという前向きのお答えを頂き、うれしく思っております。  主要な手段としては、いわゆる残業時間を把握して、そのデータに応じて産業医の方に面接していただくという内容でしたが、現在の職場環境は大きく変わってきております。例えば、併任による1人二役の勤務、特定の職員に対する業務の集中、テレワークや時間差出勤などによる勤務形態の多様化等により、勤務時間の長短にかかわらずストレスがたまりやすく、しかもそれを把握するのが難しくなっております。また、相互に対面する時間が短くなると、本人からのサインも見落としやすくなります。新しい環境への洞察を深めながら、職員の皆さんの働く環境を守っていただきたいと思います。  さて、小康状態の第4期も長くは続かず、7月20日より再びウイルスが猛威を振るい始めます。この第2波の到来以降を第5期として質問を進めたいと思います。  1点目は、小中学校の夏休みについて、教育長にお尋ねいたします。  先週の8月31日からいよいよ2学期が始まりました。子供たちが重苦しい閉塞感の中でどのように夏休みを過ごし、どんな気持ちで今勉強に臨んでいるのか、大変気になるところです。新聞報道によれば、夏休み期間の設定について、6月15日の臨時教育委員会において話し合いがあり、対面授業とみなせる時間に差があるため、長短3つの案が検討され、教育長の御判断で、その平均値を示す30日に決定したとあります。  まず、その考え方を教えてください。  また、進度が平均以下で、授業時間が足りないとする学校に対してはどのような処置が取られたのでしょうか。学校ごとに何か取組があれば具体的に教えてください。  また、2学期が始まって1週間余りが経過しました。子供たちの現在の様子についても教えていただきたいと思います。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕
    ◎遠藤洋路 教育長  小中学校における夏休みの取得状況と進度が遅れている学校への処置についてお答えいたします。  休校中に各学校で取り組んだ家庭学習やオンライン授業を授業時数に置き換えた時間数には、学校間で差がありました。休校中の児童・生徒や教員の努力を正当に評価する観点から、教育委員会会議において、最も少ない時数の学校に合わせるのではなく、各学校の平均値に合わせることが合理的と判断したところです。また、全ての学校において個別に対応することの重要性についても確認したところです。  平均を下回った学校では、それぞれの学校再開後の授業時数の確保について工夫をしております。具体的には、小学校では、音楽会や家庭訪問の中止、研修の時間の授業への振替、各教科の内容を関連づけた効果的な教育課程への組替え等を行っております。  また、中学校では、文化発表会の中止や体育大会の半日開催等の学校行事の精選、月2回程度の7時間授業や土曜授業の実施、始業式や終業式の日における6時間授業の実施等、様々な取組を行っております。1学期末に行った学校への調査において、平均を下回った学校も含めて、全ての学校が今年度の学習内容を今年度内に終えることができると確認しております。  また、2学期が始まってからの子供たちの様子については、残暑が厳しい中ではありますが、落ち着いた雰囲気で学習に取り組んだり、今月開催される体育大会の練習を頑張ったり、意欲的に生徒会活動に取り組むなど、順調に2学期を始めることができていると聞いております。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  まずは子供たちが落ち着いた雰囲気の中、順調に2学期を始めたというお話を伺いまして、安堵いたしたところであります。  本市の小中学校における夏休み期間の設定については、報道でも度々取り上げられ、注目されました。私自身、新聞を読み、教育委員会の方からも説明を聞き、今また教育長から直接御答弁頂いたわけですが、進度を確認して平均値で線を引いたという考え方がどうしてもすんなり理解できません。私は、進度が遅れている学校は学校長判断で登校日が設けられるものと思っておりましたが、そういったものはなく、2学期以降、行事の中止や振替などで全て学校単位で取り組んでいくという御答弁であったように思います。  6月27日付の地元新聞によれば、県内で一番短い夏休みは9日間で、これを設定した産山村のコメントは、コロナの第2波などで再び休校すれば遅れを取り戻すのが難しくなる、今のうちから日数を確保して余裕を持たせたいと述べており、同じ日数の南阿蘇村においても、1日の授業数を増やしたり、土日にも授業をしたりすると現場にも負担がかかる、できるだけ夏休みと冬休みの中で調整していきたいとし、ここでは既に冬休みの短縮も視野に入れております。  いずれも6月の時点における判断ですが、単に1学期における授業進度だけではなく、来年3月までを視野に置いて、最悪の状況を見据えながら判断しているところに、本市にはない洞察の深さを感じております。  また、本市のPTA協議会において、保護者の皆さんに対するアンケート調査も行われております。既に教育委員会にも届いているかと思いますが、大変率直で厳しい内容です。夏休みの期間についてどう思われますかという問いに、長い、やや長いと答えた家庭が63%、オンライン授業での学習内容に満足していますかという問いに、不満、やや不満と回答した家庭が同じく63%となっております。自由意見の一部を紹介しますと、前の学年のまとめもできていないまま進級し、新しい学年の学習を自宅で自力でやるのは限界があり、とても2週間程度の遅れとは言い難い。もう一つの声は、夏休みの期間を決定する際、どうして家庭へのアンケートなどの実施がなかったのか、オンライン授業ができているからというのは自己満足のような気がするといった声など、子供たちを間近で見守る保護者の皆様の不安な気持ちが強く伝わってまいります。  オンライン授業というのは、もちろん画期的な手法ではありますが、これをどんどん推し進めると、どこかのスーパー予備校のように、優れた先生1人で全国の授業をすることも可能になるでしょう。そうではない、熊本市の教育現場として何を補っていくのか、授業以外の行事や地域活動にも大切な学びの場があると思います。  新しい取組にチャレンジする時であればこそ、日数計算だけでなく、その教えようとする中身を提示し進捗を確かめながら、保護者の皆様との連携を大切にしていただきたいと思います。よろしくお願いします。  最後は、大西市長に質問いたします。  8月4日に、大西市長は、新型コロナウイルス感染リスクレベルを最も高いレベル4に上げることを県知事と同じ日に発表されました。これを受けて、県と市それぞれに緊急対策を打ち出しております。同じように歩調を合わせて発表されているわけですが、県は同じ日に臨時議会を開き、議決により決定し、本市では、次の日の8月5日に市長専決処分としています。  この新型コロナウイルス感染症に係る緊急対策第7弾を専決処分とした根拠と考え方についてお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  新型コロナウイルス感染症に係る緊急対策第7弾を専決処分とした根拠と考え方についてお答えいたします。  専決処分については、地方自治法第179条において、長において議会の議決すべき事件について、特に緊急を要するため、議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認める時などに行うことができると規定されております。私も県議会議員時代に、県議会において専決処分の報告を受け、承認をしてきたところでございますが、専決処分は、本来臨時的、限定的な措置として実施されるべきものと考えておりまして、予算など市民生活に関わりのある議案につきましては、原則として議会における議論を通じ議決されることが望ましいと考えております。  議員お尋ねの緊急対策第7弾については、8月1日に本市初となるクラスターが確認されるとともに、リスクレベルも8月4日にレベル4に引き上げられている中で、保健所体制の強化やPCR検査体制の充実など、一刻も早く対策を講じ、市民の安全安心を確保する必要があった。そのようなことからやむを得ず8月5日に専決処分を行ったものでございます。  今後も緊急的な対応が必要となる場合は専決処分を行うことが考えられますため、議員各位におかれましては、御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  ただいまお示しいただいた地方自治法第179条には4つの項目がありますが、御答弁にあったように、特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がなかったということですから、そのうちの第3項を適用されての御判断ということでした。もちろんその内容については理解し納得もしております。ただ、残念ながら事業内容やその緊急性について、議員という立場からは全く意見を申し上げることができません。それは、この専決処分が議会の議決を経ずして自ら処理できることを許された市長固有の権限であるからであります。  地方自治法によれば、専決処分は第179条に基づく専決処分と第180条に基づく専決処分の2種類があります。第180条は、ごく軽易なものについて議会の委任により行われるもので、処理後の報告だけでよいことになっております。一方の第179条については、議会が機能しない事態への対処を前提とするもので、市長が独自の判断で処理した後に議会に承認を求めることとなっております。ところが、大事なポイントは、たとえそこで議会が承認しなかったとしても、市長の専決処分が優先するとされております。つまり専決処分をするかどうかの判断から処理後に至るまで、全て市長に一任された地方自治最強のカードであります。  御記憶の方もあるかと思いますが、平成22年、他都市において市長がこの専決処分を乱発し、議会の招集も行わなかったために議会が紛糾するという事案がありました。これを受けて、平成24年に法律が改正されております。具体的には、議会が不承認としたとき、自治体の長は必要と認められる措置を講じて議会に報告することとなり、臨時議会の招集につきましても、一定の条件の下に議長が臨時議会を招集できることとなっております。つまりこれまでは専決処分に関わる全てが市長に委ねられておりましたけれども、この法改正によって、議会の側からもチェック機能が働くようになったと解釈しております。  御答弁にありましたように、緊急性を判断する基準が議会を招集できるかどうかにあるのであれば、その可否について事前に議会と調整することが必要かと思っております。  改めて大西市長に伺いたいと思います。二元代表制としての市長と議会の関係を踏まえ、専決処分についての見解をお聞かせください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  専決処分の運用についてのお尋ねにお答えいたします。  先ほども述べましたとおり、地方自治法第179条に規定する長の専決処分は、真にやむを得ない場合に限り議会の権限に属する事項を長が代わって行う、言わば臨時的、限定的な措置であります。したがって、その権限の行使に当たっては、抑制的であるべきであり、その要件に該当するかどうか慎重に判断しなければならないと考えております。これらのことを踏まえ、繰り返しになりますが、これまで、特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認める場合において、議員御指摘の補正予算のほか、条例の改正や上訴の提起等について専決処分を慎重に行ってきたところでございます。  今後も専決処分については、議員御紹介頂きましたけれども、平成24年における地方自治法の改正がなされた経緯等も踏まえ、安易にその権限を行使することがないよう、私のみならず、職員にも法の趣旨を十分に認識させながら適切な運用に努めてまいりたいと考えております。          〔20番 光永邦保議員 登壇〕 ◆光永邦保 議員  やはりポイントは、第179条第3項の緊急を要する場合の適用にあるかと思っております。先ほど第3期の質問の中で、上下水道局と交通局の2つの公営事業を1人の事業管理者に担当させた問題を取り上げました。ここでは、人事上の処置を可能にするために条例の改正が行われております。人事は市長の権限でありますけれども、条例の改正は本来議決案件であります。ところが、これも緊急を要する場合という判断で、専決処分により処理されております。その承認が議会に求められたのは5月21日の臨時議会、つまり前政策局長のコロナ対応特別任務が終了する間際のことであります。  もう一つ、10万円の特別定額給付金の支給につきましても、専決処分で行われました。これは全国一斉に行われた施策でありますので、財政課の方にお願いして全国20の政令指定都市の状況について調べていただきました。すると、これを専決処分で対応したのは、20都市のうち5つの都市、その他15都市は臨時議会で議決しております。併せて、定額給付金の支給率を調べてみますと、6月26日現在で全国トップの支給率はどこでしょう、熊本市です。熊本市がトップ95%の支給率、スピード感を持って市民に届けたいという市長の思いが見事結果に表れております。  ところが、第2位の札幌市は、臨時議会の議決を経て92%の成果を上げております。上位ベスト5のうち、専決処分をした都市は熊本市と新潟市の2つだけであります。このほかにもたくさんのコロナ関連補正予算がありましたので、これについても各政令都市の状況を調べていただきました。すると、1回でも専決処分を行った都市は11都市、平均回数は2回で、本市はちょうど平均値の2回であります。その他9つの都市では全て議会を開いて議決を行っております。この中には、横浜市、川崎市、札幌市、福岡市、北九州市、そういった大都市も含まれております。  このようにいろいろ考えてまいりますと、専決処分をするかどうかという問題は、同時に緊急時において議会の議決権をどのように行使すればよいのかという表裏一体の問題が見えてまいります。  先ほどの市長の御答弁にありましたように、専決処分につきましては、職員の方への意識も含めて慎重に判断し適切に運営していくと、それはそれでぜひともそのようにお願いしたいわけですけれども、同時に、議決権の在り方についても検討を進めるべきだろうと思っております。議会に身を置く者としては、緊急を理由に出番がなくなる議会であるよりも、緊急においても機能を発揮する議会でありたいと思うからであります。  では、緊急事態において議会はどうすればいいのか。現在の地方自治法を前提に私は少なくとも2つの方法が可能ではないかと思っております。その1つは、臨時議会です。原則として7日前に招集しなければなりませんが、緊急を要する場合はこの限りではないというただし書があります。招集に要する期間はもっと短縮できると思います。  もう一つは、通年議会という方法です。議会を閉会せずに休会とすることによって、いつでも議会を開会できるようにするということであります。ちょうどパソコンなどを完全にシャットダウンせずにスタンバイモードにするのと似ているかもしれません。通年議会は、平成24年地方自治法改正以降、可能になっております。  いずれにしても、緊急事態という事態認識をまず執行部と議会で共有する必要がありますし、具体的な手順、方法については様々な議論が必要なことは言うまでもありません。一言で緊急事態と言っても様々であります。平成12年に発生した三宅島の噴火においては、住民全員が避難し、村議会の招集も困難になったため、この時の村長は年間20件にわたる補正予算を全て専決処分で処置しております。こうした最悪の事態も想定しながら、議会がどこまで対応できるのか、検討していくことは重要なことだろうと思っております。  現在議員全員がタブレットを保有し、コロナ禍の中で議会のルールも大きく変わろうとしております。この機会に議決権行使についてもぜひ検討のテーブルにのせていただければうれしく思います。  以上、今回はAARという手法を用いながら、8か月にわたる本市のコロナ対応について駆け足で振り返り、質問をさせていただきました。体制移行を含む組織運営の在り方、行動計画と実行、そして訓練、県と市の連携、学校運営、そして、緊急時における二元代表制の在り方等について執行部の皆様の真摯な答弁によって、これまでの成果と今後の課題の解決の糸口を見出せたのではないかと思っております。  本来このような検討は、県市合同や機能別の集まりの中で情報を出し合い、忌憚なく意見を交換することによって大きな成果が得られます。まだまだゴールは見えない状態ですが、ぜひとも機会を捉えて振り返りをしていただければと思っております。  大西市長を核心に執行部の皆さんの力を大いに発揮していただき、市民の安全安心の生活が守られていくことを祈念いたしまして、私の一般質問を終了いたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午前11時44分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○紫垣正仁 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  一般質問を続行いたします。日隈忍議員。          〔13番 日隈忍議員 登壇 拍手〕 ◆日隈忍 議員  皆さん、こんにちは。自由民主党熊本市議団の日隈忍でございます。  今回2回目の一般質問ですが、2回目もかなり緊張しております。議会活動も2年目に入りまして、新たな気持ちで臨んでおるところでございます。今回の一般質問の機会を頂き、本当にありがとうございます。心より感謝申し上げます。  まず、7月の県南豪雨並びに先日の台風10号の災害でお亡くなりになられました皆様に心よりお悔やみを申し上げます。そして、被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。  私に議員として与えられた1期目の残り期間は3年弱となりましたが、これからも市民の皆さん、そして、地域の皆さんの御期待に応えられるように全力で議会活動に取り組んでまいります。  今年は世界中が新型コロナウイルスの影響を受け、当たり前の生活のもろさ、そして危うさを痛感し、これからは新型コロナウイルスと共存する新しい生活様式を模索しなければいけない年となりました。これから10年後、あるいは数百年後に私たちの子孫が歴史を振り返った時、2020年、令和2年が大きな歴史の転換点として刻まれるのではないかと思っております。それほど歴史的な年になるのではないかと思っております。  早速質問に入らせていただきます。  私は、日本一の健康都市の実現を議員活動の目標の1つとしております。健康都市実現のためには、予防と早期発見、そのための健診の受診が非常に重要となりますが、その健診が新型コロナウイルスに大きな影響を受けております。新型コロナウイルスから市民の命を守るために、感染防止対策を徹底して実行することは、行政として当たり前のことですが、同時に市民の命と健康を守るために、コロナ対策だけでなく、熊本市がこれまでも取り組んできましたがん検診、特定健診も従来以上に取り組む必要があるのではないでしょうか。  新型コロナウイルスの重症化の要因として、糖尿病、高血圧、肥満、慢性腎臓病が挙げられています。まさに生活習慣病と新型コロナウイルス重症化予防は密接に関連しているということになります。  また、がん検診では、毎年100例以上のがんが発見され、早期治療につながっております。新型コロナウイルス感染防止を実行しつつ検診を行うことは初めてでもあり、課題も多いと思います。さらに、コロナウイルスの状況により、今年の集団健診、巡回検診ができない状況も想定しなければなりません。  そこで、お尋ねいたします。  新型コロナウイルスの感染防止を実行しつつ、各種検診についても中止することなく、早期発見、早期治療のために確実に行っていく必要があります。大西市長のお考えをお伺いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  がん検診、特定健診は、我が国の死亡原因の上位を占めるがんや糖尿病、脳血管疾患などの生活習慣病を早期発見し、早期治療を推進することにより、市民の皆様の生活の質の向上、ひいては、健康寿命延伸に向け、非常に重要なものであり、これまで積極的な受診勧奨を行ってまいりました。  今年度は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、4月からの緊急事態宣言期間中を除き、個別検診は継続して実施しておりますものの、集団健診につきましては、安全性等も考慮し、9月以降に繰り延べて実施することといたしました。  本市といたしましては、市民の皆様に安心して受診いただけるよう、万全な感染症対策を整えるとともに、今年度本格運用を開始いたしました健康ポイント事業も積極的に活用しながら受診勧奨を行い、多くの方に受診していただけるよう努めてまいりたいと考えております。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  御答弁ありがとうございます。  市長もがん検診、生活習慣病健診の重大さを十分に認識していただいており、安心いたしました。  しかし、9月以降もコロナウイルス感染拡大の状況に臨機応変に対応し、市民の皆さんがコロナの影響でがんの早期発見や生活習慣病の治療が遅れることのないように、対応をお願いいたします。さらに、来年度に向けて感染症に影響を受けない検診の方法の確立を早急に検討していただくようお願いしたいと思います。  続きまして、がん検診、特定健診の実施に関する質問に移ってまいります。  4月から始まる予定の各種集団健診、巡回検診が新型コロナウイルスの影響により9月以降に繰り延べされています。医療機関での個別検診は従来どおり行われていますが、コロナ感染を恐れ、検診を控える傾向もあり、昨年と比べ、受診者が大幅に減少している状況ではないかと思います。また、今後の集団、巡回検診受診に当たり、時期も会場も変更されたために、市民への周知も大変対応が難しいのではないでしょうか。  これまでの集団、巡回検診は、受診者の待ち時間をできるだけ短縮しながら多項目の検査を実施するために、密の状態が発生しておりました。これからの集団、巡回検診は、密を避けるために、これまでとは全く違う検診体制を作らなければならないと思います。検診会場で新型コロナウイルスの感染が広がらないよう、万全の体制が必要になってまいります。集団、巡回検診で密を避けるための具体的な体制は整っているのでしょうか。また、集団、巡回検診での密を避けながら受診率を維持、あるいは向上させるためには、個別医療機関での受診勧奨、または対面機会の少ない検診を実施することも重要ではないでしょうか。今は感染症の対応に追われ、大変だと思いますが、熊本市の検診を見直す良い機会となるのではないでしょうか。  申込み方法、受診方法など、30年前とほとんど大きく変わっておりません。今や多くの市民がスマートフォンを所持し、情報通信技術が格段に進歩しております。密を避け、受診率を上げるために、思い切ったデジタル化を進めてはいかがでしょうか。情報通信技術を活用し、申込みから結果通知までスマートフォンで行い、さらに対面を避けるために、大腸がん検診では既に実施されている郵送検診などの様々な方法を、さらに他の検診にも広げることを検討すべきではないかと思っております。  そこで、3点お尋ねいたします。  1点目は、受診控えの状況と今後の受診者増加のための周知対策をどのように行うか。2点目は、対面機会の少ない検診の実施、医療機関での検診に対する取組。3点目は、検診機関と連携した検診のデジタル化を含めた検診の取組について。  以上3点を健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  がん検診、特定健診の実施に関する3点のお尋ねにお答えいたします。  まず、受診の状況、周知対策でございますが、現在実施しております各個人で検診実施機関を受診された方の状況でございますが、直近でございます6月末現在の受診者数を昨年度と比較いたしますと、令和元年度9,162人に対し今年度は5,817人と、約4割減少している状況でございます。これは緊急事態宣言期間中である4月16日から5月14日までは実施を中止しており、その影響も大きいのではないかと考えております。  このような状況でございますことから、今後はできる限り多くの方に受診していただけるよう、市政だよりやホームページなどの市政広報に加え、個別の受診勧奨を行ってまいります。  次に、対面機会の少ない検診方法の実施、医療機関での検診に対する取組についてのお尋ねですが、大腸がん検診においては毎年11月から4か月間郵送検診を実施しているところであり、現在その期間延長につきまして、熊本市医師会と検討を行っているところでございます。  また、集団健診のみで実施しております肺がん検診につきましても、密状態の回避や受診率向上を図るため、個別検診の導入など、今後研究してまいりたいと考えております。  最後に、検診機関と連携した検診のデジタル化を含めた検診の取組についてのお尋ねでございますが、本市では、現在ひごまるコールで集団健診の受付を行っておりますが、さらなる市民の皆様の利便性向上を図るため、他都市の状況も含め、情報収集し、検討してまいりたいと考えております。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  御答弁ありがとうございました。  医療機関での感染を心配し、治療が必要な方が病院を受診しない傾向があると報道されておりましたが、検診についても同様の傾向であることが分かりました。コロナ感染が続く中で、がん検診、特定健診の受診勧奨は難しい状況だとは思いますが、はがきなどによる個別の通知は効果が高いと思われますので、ぜひ積極的に対応していただければと思っております。さらに、健診会場では、万全の感染予防対策を実施していることを市民の方に広くお知らせすることが受診にもつながると思いますので、周知をよろしくお願いいたします。  今回のコロナ感染を機会に、これまで実現できなかったデジタル化、個別化など思い切った対応で市民の利便性を上げ、受診率向上に結びつけていただきたいと思います。  次に、熊本市国民健康保険の健康づくりについてお伺いいたします。  全国的な課題として、加入している医療保険により健康状態に大きな差があると言われ、中でも市町村国保加入者の健康状態が危惧されています。国保加入者は、農家や自営業など、熊本市の地域活動、あるいは経済活動を支えていただいている皆さん方が中心に構成されております。この市民が健康でなければ、熊本市の発展は望めません。  国保の検診事業、疾病予防事業は、市民の命と健康を守る重大な役割を果たしております。特に三大疾患と言われるがん、心臓病、脳卒中を早期発見、早期治療するためには検診の受診が最も重要なのですが、国保加入者のがん検診、特定健診の受診率は非常に低いのが現状であります。熊本市国保の特定健診の受診率は国の目標60%に対し、残念ながら低迷をしているようです。国保加入者の疾患別、あるいは世代別の健康課題が健診データの見える化で明らかになってきているのではないでしょうか。  そこで、2点お尋ねしたいと思います。  1点目は、特定健診、疾病予防事業の現状をいかがお考えでしょうか。2点目、熊本市国保における健診受診率と医療保険ごとの受診率、結果データから見取れる熊本市国保の健康課題と対策をお示しください。  1点目を大西市長に、2点目を健康福祉局長にお願いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  国民健康保険の保険事業につきましては、特定健診を中心に実施しておりまして、特定健診は、生活習慣病の重症化リスクが高い方や治療が必要な方をより多く捕捉し、保健指導や重症化予防の促進へつなげ、生活習慣病の発症予防等を図ることができるものでございます。
     本市の特定健診受診率は近年上昇傾向にありますが、平成30年度は30.8%と全国平均を下回っておりまして、世代別では、40歳代及び50歳代の受診率が低い状況でございます。このことから、健康ポイント事業の活用や新規健診受診者を対象としたインセンティブの付与等を行いながら、40歳代及び50歳代の受診率向上はもとより、新規健診受診者の拡大及び健診の定着化に取り組んでまいりたいと考えております。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  まず、医療保険者ごとの特定健診受診率につきましては、本市国民健康保険における平成30年度の受診率は、先ほど市長が申し上げました30.8%であり、他の保険者につきましては、厚生労働省が公開しております平成29年度特定健康診査実施状況によりますと、健康保険組合及び共済組合は約77%、全国健康保険協会は約49%となっております。  次に、比較したデータから読み取れる国民健康保険加入の健康課題と対策についてでございますが、平成30年度の特定健診結果では、特に肥満、血糖、脂質に関する項目におきまして、基準値を超える方の割合が全国と比較して幅広い世代で高く、また、メタボリックシンドローム予備軍の割合が全国よりも高いことでございます。  性別に着目いたしますと、男性が総じて基準値を超える方の割合が高く、特に肥満に関する項目であります腹囲においては、基準値を超える方の割合が5割以上であり、また、腎機能に関する項目においては、基準値を超える方の割合が、女性は全国と同程度でございますが、男性は全国の割合より高くなっております。  世代別に着目いたしますと、血糖に関する項目でありますヘモグロビンA1cにおいて、40歳代及び50歳代の基準値を超える方の割合が全国より10ポイント以上高い状況でございます。  健診の結果から、本市国民健康保険加入者はメタボリックシンドロームによる生活習慣病の発症リスクがうかがえますが、本市では、メタボリックシンドロームの予防と改善を目的とした特定保健指導に加え、血糖や腎機能等のリスクに重点を置きました重症化予防対策を行っており、引き続き生活習慣病の発症予防や重症化予防に努めてまいります。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  御答弁ありがとうございます。  今勤めている人たちは、労働安全衛生法に基づき、健康診断を受診しなければなりませんが、国保加入者は自らの意思で受診するしかありません。それだけに、国保は加入者が受診行動に結びつく環境を整備する必要があります。しかし、残念ながら受診行動につながっていないのが現実のようです。特定健診が導入されてもう12年が経過し、目標値の半分の30%であれば、受診率をこれ以上上げることは非常に難しいのではないでしょうか。これまでも対策は実施されているようですが、今後は受診率を上げることよりも、健康課題を絞り込み、戦略的に対応することが必要ではないでしょうか。  データでは、40歳、50歳代のヘモグロビンA1c血糖値の基準値を超える割合が高いとありましたが、放置すると、将来的に糖尿病から人工透析につながる可能性もあります。熊本市の地域活動、そして、経済活動を支える働く世代の健康管理に的を絞り、より一層力を入れていただきますよう要望いたします。  続きまして、企業の健康経営支援についての質問に移ってまいります。  これまで健康づくりは、単なる投資、あるいは医療費の削減として捉えられていましたが、健康経営では、健康づくりを生産性の向上、創造性向上、さらには企業イメージが向上し、人材確保にもつながる重要な経営戦略として捉えています。  企業の成長を支援するために、熊本市が積極的に健康経営支援を行う必要があります。その担当として、各区役所に校区担当の保健師が配置されていますが、企業での活動割合が少ないのではないかと思っております。これまで熊本市の健康政策は、地域の健康づくりに偏っていたのではないでしょうか。  経営者の中には将来を見詰め、健康経営の視点から計画を立てている企業も多いと思います。今こそ行政が健康経営支援を積極的に展開すべき時期ではないでしょうか。  まず、これまでの職域に対して、具体的な健康管理支援の成果と今後の計画をお示しください。  また、最近協会けんぽでは、くまもと健康企業会が40社で結成されたそうですが、熊本市として支援をどうお考えなのか、お知らせください。  続けて、お尋ねいたします。  現在健康経営支援の対策は、健康福祉局が単独で動いていると思いますが、これまでの関係性、あるいは信頼感がなければ企業の協力は得られません。そこで、企業とつながりの強い経済観光局との連携が必要ではないでしょうか。  健康経営を積極的に進めていくためにも連携を深めていただきたいと思います。経済観光局と連携した健康経営の取組について、どのようにお考えか、お示しください。  以上2点、健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  企業における健康経営につきましては、本市が設置いたします健康くまもと21推進会議において、市民、医療、保健、福祉等の関係機関に加え、職域保健関係機関として産業保健の相談、支援を担う産業保健総合支援センターや労働基準監督署、協会けんぽなどに参画いただき、情報共有を図っております。  また、昨年10月には、熊本市、協会けんぽ、関係機関との共催により、健康経営実践セミナーを開催したところでございます。  議員御紹介のくまもと健康企業会は、健康経営に取り組む企業同士の横のつながりを強化するため、協会けんぽの主催で発足され、その設立趣旨について大いに賛同するものでございます。  本市は、協会けんぽと健康づくり包括協定を締結しており、協会けんぽを通して、くまもと健康企業会へ積極的に情報を提供し、協働して市民の健康づくりを推進してまいりたいと考えております。  最後に、従業員が健康で生き生きと仕事ができる環境を整えることは、企業にとっても有益であることから、健康経営に関する情報の企業への周知に当たりましては、経済観光局のネットワークを活用し、効果的な広報に努めてまいりたいと考えております。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  答弁ありがとうございます。  情報の共有やセミナーを開催されているようですが、私は、企業への健康支援はまだまだ不足しているのではないかと思っております。企業の従業員の健康管理は、企業の責任との考え方もありますが、私はそうではないというふうに考えております。  熊本市の経済は中小企業で支えられています。中小企業の発展は熊本市の発展に直結します。中小企業の成長の生命線は人材確保です。従業員の皆さんが健康で安心して働き、能力を発揮できる人材を育成、確保するためにも健康経営の支援が必要となっております。くまもと健康企業会をモデルとして、企業との連携を深め、企業とのつながりがある経済観光局のネットワークを利用し、健康経営の意識がまだ十分でない企業にも積極的に周知、働きかけをお願いしたいと思います。  続きまして、新型コロナウイルス感染防止についてお伺いいたします。  まず、感染防止のキーパーソンである保健師についてお尋ねいたします。  コロナの感染はなかなか収まりませんが、感染の次の波、あるいは新たに発生する可能性のある感染症に備えなければなりません。感染症対策の中心となるのは当然保健所となりますが、保健所は1995年の地域保健法を契機に、保健所の統合、再編が全国的に進みました。職員数も減少し、行政にとって保健所はコストとしてみなされる傾向がありました。今回の新型コロナウイルスは、保健所の力がなければ何も動かないことが明確になり、今後は保健所機能の強化と公衆衛生に関する人材の強化が必要であることが改めて認識されたのではないでしょうか。昨日の質問の中でも指摘がありましたが、保健所機能の強化に努めていただきますよう、私からも強く要望したいと思います。  そして、もう一つ大事なことがあります。それは感染症予防対策の最前線で働く人材の育成です。その重要な役割を担うのが保健師ではないでしょうか。  保健師は英語でパブリック ヘルス ナース、直訳すると、公衆衛生看護師となります。具体的には、地域の人々の健康増進を担うために訓練を受けた看護師となります。新型コロナウイルス相談センターなどでも、非常に大きな役割を果たしていただき、今後の新型コロナウイルス感染防止のキーパーソンになると思います。終息後も、予防活動、啓発活動など、幅広く活動を続ける必要があります。  私はこの重要な役割を果たす専門職である保健師の絶対数が不足しているのではないかと心配しましたが、事前に確認しましたところ、他の政令指定都市と同等の人員は確保されているようです。安心いたしました。  保健師は、母子、成人、老人、精神など広い分野で行政と地域、医療、福祉などをつなぐコーディネーターとしても活動していますが、今後は感染症予防の対策を中心に担う人材を育成しなければなりません。  そこで、お尋ねいたします。  これからの保健師の育成、教育について、健康福祉局長のお考えをお示しください。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  保健師は、看護師免許と保健師免許の2つの国家資格を持ち、地域の健康課題を顕在化させ、他職種と連携しながら横断的かつ継続的に地域の人々の健康増進のための予防活動と健康を支援する役割を担っており、近年では児童虐待や新しい感染症などの健康危機へ迅速に対応することが求められております。  新型コロナウイルス感染症の対策におきましても、新型コロナ相談センター業務及びPCR検査の関連業務や入院調整等の専門的業務を担っております。感染症対策につきましては、これまで看護教育の中で学んできた基礎知識に加え、医師による講義やOJT研修によりスキルアップを図っているところでございます。  また、採用年数に応じた研修計画に基づき、行政能力、専門能力の向上を図っているところでございますが、新興感染症等にも対応できる保健師の育成を目指し、さらなる健康危機管理研修を強化してまいりたいと考えております。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  答弁ありがとうございます。  保健師は常に新しい情報、そして、技術を習得するための教育研修が不可欠ですが、組織的に計画的に実施されているようで、安心いたしました。今後は、新しい感染症の発生も危惧されており、いつ発生するか分からない新しい健康課題に素早く対応し、市民の命と健康を守るために研修を進めていただきますようお願いいたします。  続きまして、今後の新型コロナウイルスの検査、治療体制についてお尋ねいたします。  今後備えなければいけないのが検査、治療、研究体制の整備ではないでしょうか。検査については、PCR検査や抗原検査が可能な医療機関が増加し、今後は積極的に検査を希望する市民が増加すると思われます。検査を受ける方が増加することは、感染防止にもつながりますが、PCRも100%保証するものではありません。PCR検査が陰性だったから安心というわけではなく、感染防止は、3密を避け、手洗い、マスクなどの基本が重要であることを正確に伝えていただくように要望したいと思います。  次に、治療については、高機能病院、一般病院、感染症指定医療機関ごとの役割分担を明確にすべきではないかと私は思っております。高機能病院に感染症の患者が入院すると、命に関わる重篤な患者に十分な医療が提供できなくなる可能性が出てきます。具体的には、感染症指定医療機関以外の大学病院や三次救急を担う病院は、その分野に集中して対応していただくべきではないかと考えております。  今回感染症が与えた社会的損失、経済的損失を考えると、将来的に国も感染症対策の拠点設立に向けて動くのではないでしょうか。熊本県、熊大病院などと連携し、感染症専門医療機関を熊本に設立、あるいは誘致することも検討すべきではないかと考えています。熊本には研究機関としての熊本大学、さらには全国屈指のワクチンメーカーもあり、十分な素地があると思っております。  そこで、お尋ねいたします。  今回の感染症治療体制と感染症専門病院設立、誘致について、大西市長の御意見をお聞かせください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  これまで、新型コロナウイルス感染症に対応するため、国の方針の下、感染症指定医療機関を中心に県や協力医療機関と連携をいたしまして、医療提供体制を確保してまいりました。議員御指摘のとおり、高度な医療を提供する病院については、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れず、本来その医療機関が担う診療に専念するという考え方もございますが、限られた医療資源の中においては、それぞれの医療機関が連携を深め、新型コロナウイルス感染症に対応した医療提供体制を維持していくことが今のところ重要であるというふうに考えております。  議員御提案の感染症専門医療機関の設立や誘致につきましては、まずは今後の国の動向等を見極めてまいりたいと考えております。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  答弁ありがとうございます。  限られた医療資源の中での対応は非常に難しいところがあると思いますが、私は時間をかけてでも三次救急やがんなど、命に関わる疾患の治療に影響しないような診療体制の確立が必要ではないかというふうに考えております。救えるはずの命が失われる、そういう事態が発生しないよう、医療機関との連携をお願いいたします。  専門医療機関の設立、誘致については、市長答弁のとおり、国の動向を見ながらということにはなると思います。しかし、常にリサーチをお願いしておきたいと思います。  私は長く医療関係の業務に携わってきましたが、熊本市には、他都市以上に、私たちが考えている以上に医療に関する人材と実績と施設が蓄積されております。神戸市では、阪神・淡路大震災を機に、医療産業都市構想を立ち上げ、既に相当な実績を上げております。熊本市の産業活性化のためにも、神戸市をモデルに九州、アジアの医療産業の中心都市を目指す構想も検討すべきではないかと考えております。  続きまして、コロナ感染に関する風評被害についてお尋ねいたします。  全国で感染症により生じる風評被害が大きな問題となっております。本年2月、市長は市内の医療機関での感染に、自らのツイッターで人権侵害を防止するためのメッセージを発信されました。医療機関で働く皆さんや市民の皆さんに勇気と安心感を与え、大きな効果があったのではないかと考えております。  しかし、感染の拡大により、本市の感染症指定医療機関には大きな風評被害が生じているようです。2月の事例のように、風評被害を防止、減少させるためには、信頼できる立場の機関が正確な情報を発信し続けることが重要になってまいります。そして、感染症指定医療機関自らが情報を発信することが必要ではないかと私は考えております。風評被害は職員だけでなく、家族も含めて人権侵害につながり、さらには経営にも大きな影響を与えます。  そこで、お伺いいたします。  感染症指定医療機関における風評被害の現状と、こうした風評被害に対するこれからの啓発活動について、文化市民局長にお尋ねいたします。          〔井上学文化市民局長 登壇〕 ◎井上学 文化市民局長  本市の感染症指定医療機関におきましても、職員の家族が出勤停止となったり、看護師本人が医療機関の受診を拒否されるなど、少なからず風評被害があったと聞いております。  新型コロナウイルスは、誰もが感染し、誹謗中傷を受ける可能性があり、さらには、身体的な不調のみならず、人の心も不安にし、その不安が差別や非難を生み出し、多くの風評被害につながっており、このことが、ひいては地域コミュニティの低下や経済活動にも悪影響を与えることが懸念されております。  本市では、2月の早い段階から、市政だよりや市ホームページを初め、新聞やテレビCMなど、様々な機会を通して新型コロナウイルス感染症に係る差別に特化した啓発に努めてまいりました。  今後も引き続き、医療従事者やその家族はもとより、関係者全ての人々が差別や偏見によって風評被害を受けないよう、新型コロナウイルスに関して正確な情報発信を迅速に行うとともに、これまで以上に人権教育、啓発に取り組んでまいります。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  答弁ありがとうございます。  私は、本市の感染症指定医療機関としか今表現できないことが非常に残念な気持ちでおります。現場で働く医療に関わる本人は感染のリスクと向き合いながら治療に当たり、その家族も大きなストレスを感じているのではないでしょうか。  答弁にも、職員に対する人権侵害につながる事例も報告されました。熊本市として、これら差別防止を市民に発信することも重要ですが、本市の感染症指定医療機関が直接自らの声を発信することこそが、風評被害の防止と抑制につながるのではないかと思っております。様々な御意見があると思いますが、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。  次に、災害関連の質問に移ってまいります。  毎年のように大きな災害が発生しますが、災害対策は行政の危機管理能力が問われているのではないでしょうか。危機管理の鉄則は、最悪の事態を想定して対策を実行することです。全国で地震、風水害など、発生しますが、そのたびに繰り返されるのは、想定外という言葉ではないでしょうか。これからの防災対策に想定外があってはならないと思います。それが市民の命と財産を預かる行政の責任であり、義務ではないでしょうか。  7月の県南豪雨では、人吉球磨地方に大きな被害が発生しました。人吉球磨地域で発生した線状降水帯が直線距離にして80キロ北であれば、どのような被害が発生したのか。白川上流及び支流に48時間雨量が1,000ミリに近い状況になったことを想像する必要があるのではないでしょうか。  その想像を地図上で確認するのがハザードマップです。最新の統合型ハザードマップは、4月にホームページにアップされていますが、災害弱者である高齢者ではネットを利用される方は非常に限られた方です。そのために、高齢者にはそのハザードマップが十分に周知されていないのではないかと思っております。  今年の梅雨の時期は、幸い熊本市での河川の大きな氾濫はありませんでしたが、秋にはまた大雨の時期を迎えます。高齢者が安心できる対応が必要になってくるのではないでしょうか。  また、熊本市内の中小河川のハザードマップは、平成22年に制作され、地域住民にとってはこれが避難の際に重要な判断材料となっています。私の地元の住民の皆さんも、白川はもちろんですが、過去の浸水被害の経験から、藻器堀川、健軍川の氾濫についても高い関心を持っており、対応が望まれております。  今回の統合型ハザードマップでは、最大浸水として軒下3メートル未満の浸水が予想される学校が市の緊急避難所となっています。地域住民の安全な避難を考えると、軒下まで浸水が予想される場所が、指定避難所として本当に適切かどうか非常に疑問を持っているところです。  さらに、市役所本庁は、災害対策本部として災害時には利用されますが、これから地震だけでなく風水害、あるいは噴火による降灰災害など、あらゆるリスクを想定して、全ての災害に対して最大の備えが必要となります。その中でも私は、最も高いリスクとして想定しなければならないのが水害ではないかと思っております。  そこで、4点お尋ねいたします。  まず1点、新たに公開された統合型ハザードマップの周知はどのように実施予定でしょうか、お示しください。  第2点は、中小河川のハザードマップの改訂状況と計画をお知らせください。  3点目は、浸水想定地域に設定されている緊急避難所への対応策をお知らせください。  4点目は、午前中の質問と一部重複しますが、本庁舎の浸水想定について、何メートルで何階部分まで浸水が想定されているか、お知らせください。  また、地下2階の電気設備関係が浸水した場合の行政能力にどの程度の影響が出ると予想されるか、お示しください。  以上4点、政策局長より答弁をお願いいたします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  豪雨災害に関する4点のお尋ねに順次お答え申し上げます。  1点目の統合型ハザードマップの周知につきましては、これまで洪水や土砂災害、高潮や津波といった災害の種類ごとにございましたハザードマップを1つに集約しまして、地域にどのようなリスクがあるのかを総合的に確認できるようにしたものでございます。  市民の皆様には、市のホームページを初め市政だよりや各種広報媒体で周知を行いますとともに、各区のまちづくりセンター等に印刷物の統合型ハザードマップを配備しまして、いつでも閲覧できるようにしております。さらに、全世帯への印刷版の配布に向けて、現在準備を進めているところでございます。  2点目の河川のハザードマップの改訂状況につきましては、河川の氾濫を想定しましたハザードマップは、水防法に基づき改訂を行いまして、統合型ハザードマップに反映している状況でございます。  3点目の浸水想定区域内の指定避難所につきましては、風水害時は公設公民館等の基本避難所20か所の開設を予定しておりますけれども、気象情報や河川の水位等から浸水のおそれがあると判断した場合は、近隣の代替となる施設を避難所として開設することとしております。  最後に、本庁舎の浸水想定と浸水した場合の行政能力への影響についてでございますが、統合型ハザードマップにおいて、白川が氾濫したと想定しました場合、本庁舎の浸水深は約6メートルでございまして、2階辺りまで浸水するものと考えられます。  また、本庁舎地下2階の受電設備等が浸水し停止しました場合は、4階にある非常用発電機を稼働させ、代替させることになりますが、各フロアの照明の一部や非常用コンセントしか使用できなくなります。給排水設備や空調設備も不能になりますことから、行政能力は著しく低下するものと考えられます。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  答弁ありがとうございます。
     先日の台風10号の報道で、地域のハザードマップ確認が再三報道されましたので、ハザードマップが市民に広く浸透したのではないかと思います。今回のハザードマップは、日頃からネットを使用している市民には、中小河川を含め確認できるので、非常に分かりやすいのですが、災害弱者といわれる高齢者にとっては、やはり紙ベースのマップが必要ではないかと考えております。できるだけ早く、この秋のシーズンにできたら間に合うタイミングで全世帯に配布していただけますようお願いいたします。  また、風水害の浸水が想定される避難所については、マップで事前に確認できる対策が必要ではないでしょうか。途中で状況を知らせるというのは非常に難しいと思いますので、事前に確認できる対策をお願いしたいと思っております。  質問の中でも申し上げましたが、危機管理の鉄則は、最悪の事態を想定し備えることです。行政は市民の命と財産を守ることが最も大事な役割と私は考えております。地球温暖化の影響で、自然災害は深刻化し、さらには大規模化していますが、最も高いリスク、それが風水害、それに備えることこそ急ぐべきではないでしょうか。7月の県南豪雨災害を教訓に、6メートルの浸水が想定される本庁舎整備の議論も深めていく必要があるのではないかと考えております。  続きまして、街路樹に関する質問に移ります。  熊本市では、先日の台風10号では幸い大きな被害はありませんでしたが、これから本格的な台風シーズンを迎え、地球温暖化の影響でこれまでとは台風の発生数、あるいは規模、コースが大きく変化をしております。昨年の19号台風の甚大な被害は、まだ皆さんの記憶の中に鮮明に残っているのではないでしょうか。  熊本でも過去に何回も台風被害が発生していますが、その中でも1991年の台風19号、この時、阿蘇山での瞬間最大風速は60メートルを超え、今で言うスーパー台風でした。私は、家の屋根瓦が風で吹き飛ぶ様子をはっきりと覚えています。あれから30年が経過し、当時小さかった街路樹は今大きく成長しております。スーパー台風を想定した街路樹の管理と危険性についてお尋ねしたいと思っております。  私は、街路樹または道路脇の民有地の倒木被害は非常に大きな課題ではないかと考えております。私がこのような思いを強くしたのが、倒木による死亡事故が私の地元で発生したからです。県道を走行していた普通乗用車に道路脇の大木が倒れかかり、運転していた30代の男性が命を落とされました。突然の事故に、本人、家族の無念さは想像を絶するものがあると推察いたします。現在でも熊本市内の道路沿いに危険な街路樹や樹木が存在しているのではないでしょうか。  街路樹は植樹後30年近くが経過し、歩道に根が伸び、ベビーカーや車椅子が通るのに危険を感じるほどになっている場所があります。また、成長により大きな枝が電線や電話線に接触している樹木もあります。これからは瞬間最大風速60メートル級のスーパー台風を想定し、市民の命と生活を守る対策を実行する必要があるのではないでしょうか。  景観維持、あるいは森の都のイメージなど、メリットも理解はできますが、倒木による人的被害、電線、電話線切断による経済や産業の被害などを考えると、非常に大きな危険性をこの街路樹ははらんでいるのではないでしょうか。  そこで、お尋ねいたします。  まず、1点目、本市の街路樹の剪定の実施状況、経費についてお知らせください。  2点目、剪定依頼や落ち葉に対する市民からのクレームや要望の実態と倒木の危険性に対する調査は実施されているのか、お知らせください。  3点目、市民から民有地の倒木等の危険性を指摘する声もあると思いますが、その対応をお知らせください。  4点目、通信、電力会社との連携も必要になると思いますが、通信、電力会社との協力体制の状況をお示しください。  以上4点、都市建設局長にお尋ねいたします。          〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕 ◎田中隆臣 都市建設局長  街路樹の管理に関する4点のお尋ねにお答えいたします。  まず、街路樹剪定の実施状況とその経費についてでございますが、街路樹の種類や大きさ、また、各路線の状況等によって異なりますが、これまではおおむね3年に1回の頻度で剪定を行っており、費用は年間約1億円となっております。  次に、市民からの要望等の実態と調査についてでございますが、要望の内容につきましては、通行に支障する街路樹の伐採や剪定、落ち葉処理、害虫駆除などで、年間約300件の要望等が寄せられております。  また、樹木等による危険性の調査につきましては、倒木事故後の緊急点検を初め、令和元年度には幹線道路を中心に約6,000本の調査を実施いたしました。これらの調査結果とともに、定期的な道路パトロールや市民の皆様からの情報提供を基に、危険性が確認されたものにつきましては、随時伐採などの対応を行っているところでございます。  次に、民有地からの倒木等の危険性を指摘する情報につきましては、各区土木センターで現場を確認し、現に倒木等により通行に支障を来しているものを除き、所有者による対応を指導しております。また、民有地の所有者に対する倒木の危険性の周知のため、市のホームページにおいて啓発を行っております。  最後に、通信、電力等の電線管理者との協力体制についてでございますが、本市による街路樹剪定時の協議を初め、枝折れや倒木、枝葉などが電線に支障する場合においては、電線管理者と連絡調整を行うなど、連携した対応を行っているところでございます。  今後とも、安全で快適な街路樹空間の形成に向け、令和元年度策定の第1期街路樹再生計画に基づき、計画的な街路樹管理に努めてまいります。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  御答弁ありがとうございます。  街路樹管理の内容がよく分かりました。しかし、今は少しでも危険性のある街路樹については、思い切って伐採などの対応も必要ではないかというふうに考えております。答弁の中では、安全で快適な街路樹空間の形成ともありましたが、安全最優先で管理をお願いいたします。  先日の台風10号は、幸い街路樹に大きな被害がありませんでしたが、さらに猛烈な台風が襲ってくる可能性もあります。その際、街路樹が市民に被害を及ぼさない対応をお願いいたします。  また、民有地の樹木は、事故発生時の所有者責任などを、市政だよりなどを通して広く市民に知らせていただきたいと思います。先ほども御案内しましたような悲劇的な事故を二度と起こさないために、市民への強力な啓発をお願いいたします。  続きまして、災害発生時の避難所についてお尋ねいたします。  緊急避難所は小学校、中学校の体育館が中心になっています。体育館は長寿命化計画に基づき、整備も進んでいますが、コロナ後の避難所としての機能を強化するために、小学校、中学校の体育館はこれまでとは違った設計にすべきではないかと考えております。  次年度以降に整備される体育館には、トイレの洋式化、更衣室の設置、バリアフリーなどの課題の解決と同時に、教育施設、社会体育としての役割、そして、校区の避難所としての機能、複合的な機能が必要になってくるのではないでしょうか。これまでと同じでは感染症への対応が難しいと思われます。  私の地元の小学校も、整備の時期が近づいておりますが、感染症に備えた避難所としての体育館の機能、設備について、新しい規格が必要ではないかと考えております。  また、地域の高齢者の皆さんは、小学校、中学校などの指定緊急避難所への移動が困難なために、近い場所への避難となり、地域の公民館を利用する場合が多くあると思います。しかし、熊本地震の際、地域の公民館は地震に対する安全性を確認できないために、地域住民を受入れできなかったとも聞いております。地震だけでなく、日常の地域活動の場として公民館の安全を確保するとともに、耐震診断を実施することが必要だと考えます。災害時に地域公民館を避難所として利用するためにも、耐震性能の確認が必要ではないでしょうか。  また、今回の県南豪雨でも、車中泊、そして、自宅避難の把握と対応に難渋しているとの報道がありました。コロナ後の避難は感染症を恐れ、車中泊、自宅避難がさらに増加するとの予想もあります。熊本地震でも、車中泊避難者の把握、そして救援物資の供給などの課題が明らかになっております。今後の災害発生時には避難所以外での避難者に対する支援が一層重要になりますが、私は昨年の一般質問の中でも地域の商業施設との連携、あるいは避難所協定締結の提案をいたしました。その後、幾つかの協定締結が報道されていますが、今後も車中泊、自宅避難者への支援が求められているのではないでしょうか。  そこで、4点お尋ねいたします。  第1点、現在の避難所の整備方針と感染症を考慮した対応方針について。  2点目が、感染症を踏まえて、小学校、中学校体育館の整備計画の見直しも必要と思いますが、いかがでしょうか。  3点目が、昨年まで地域公民館耐震化支援事業を2年間実施した結果、想定以上に地域からの申請件数が少なかったようです。このような結果となった原因分析と、それを踏まえた今後の対策をお示しください。  第4点、避難所に関する協定の進捗状況と協定締結での課題をお示しください。  以上4点を関係局長より、それぞれ御答弁をお願いいたします。          〔田中俊実政策局長 登壇〕 ◎田中俊実 政策局長  避難所に関する2点のお尋ねにお答え申し上げます。  1点目の避難所の整備方針についてでございますが、地域防災計画におきまして、安全な構造を有している建物であることはもちろんでございますが、スロープや手すり、トイレなどのバリアフリー化や非常用電源の確保など、必要な機能、初期の避難生活に必要な食料や物資の備蓄など、基本的な事項を規定しているところでございます。  次に、新型コロナウイルス感染症を考慮した対応につきましては、避難者の過密を防ぐスペースの確保や体調が優れない方への保健室、退院者や濃厚接触者等が利用する保健避難所など、全ての市民の方が安心して避難ができる体制を整えたところでございます。  さらに、新たに避難所における感染症対応の手引を作成しまして、校区防災連絡会や避難所運営委員会と共有することで、運営の円滑化を図っているところでございます。  4点目の避難所協定の進捗状況につきましては、避難場所に関する協定としまして、9団体と避難施設協定等を締結しており、このうち、この1年間では、避難施設に関する協定を1団体と、また、帰宅困難者に関する協定を1団体と締結しております。  議員お尋ねの車中泊避難者等への支援につきましては、校区防災連絡会と連携しまして、その実態把握と支援物資を届けるための仕組みづくりを進めているところでありまして、今後も庁内関係部局との連携を図りながら、災害協定の拡充に努めてまいりたいと考えております。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  感染症を踏まえた小中学校体育館整備計画の見直しの必要性についてお答えいたします。  本市では現在、平成31年1月に策定した熊本市学校施設長寿命化計画に基づき、児童生徒が安全かつ円滑に学校生活を送れるよう、バリアフリー化等に配慮した施設整備を進めております。避難所運営については、今般の台風10号においても、密閉、密集、密接のいわゆる3密を避けるため、体育館に加え教室を活用するなど、柔軟な運営が行われたところです。  今後の体育館の整備については、今回の経験も踏まえまして、避難所として求められる設備や機能等について、さらに研究を重ねながら計画的に進めてまいりたいと考えております。          〔井上学文化市民局長 登壇〕 ◎井上学 文化市民局長  私からは、3点目の地域公民館の耐震化支援に関する御質問についてお答えします。  災害時における一時避難所として、地域公民館を地域住民が安心して利用できるためには、建築物の耐震性が確保されていることが重要であると認識しております。そこで、本市では、地域が一時避難所として指定した地域公民館に対して、県の復興基金を活用し、平成30年度から2か年にわたり、耐震診断、設計、補強工事の3つの補助を盛り込んだ地域公民館耐震化事業費補助事業を実施いたしました。しかし、当初見込んでおりました28件の希望数に対し、平成30年度は6件、令和元年度は4件と、見込みを下回る申請件数となりました。  本制度につきましては、各地域公民館長への文書による通知や説明会並びに地域公民館連絡協議会研修会や総会時における案内など、様々な機会を通じて周知に努めたものの、資金面の問題に加え、平成28年度から3年間実施しました熊本地震に係る地域公民館営繕費等補助を利用し、既に修復を終えられた地域公民館が約200館あったことなどから、申請件数が少なくなったのではないかと考えております。  本制度は、令和元年度で終了しましたが、今後は既存の建設営繕費補助制度で対応することとしており、引き続き、地域のニーズ等を把握しながら、安全で安心なまちづくりに取り組んでまいります。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  答弁ありがとうございました。  感染症を考慮した避難所では、これまで以上の面積、あるいは新たな設備なども必要になり、今のままでは対応が難しいことが想像されます。ウィズコロナのこれからは、教育施設である学校体育館を感染症に配慮した避難所にするための工夫が必要となってまいります。子供たちの学びの場として、そして、市民が安心して避難できる場として活用するために、関係する部署が知恵を出し合っていただきたいと思っております。  先日の台風10号では、教室の開放などの対応もありましたが、避難所の核となる施設は体育館です。体育館整備には様々な制約もあると思いますが、設備、機能の見直し等の御検討をお願いいたします。  地域公民館の耐震化事業につきましては、災害弱者である高齢者などが安心して避難できる公民館実現のために、今後も徹底した追跡調査を要望いたします。なぜ耐震化をしなかったかというところも含めて、追跡をしていただければと思っております。  また、避難所協定につきましては、申出を待つだけでなく、答弁にもありましたように、庁内関係部署と連携した取組をお願いして、そして、協定の数を増やしていただきたいというふうに思っております。  続きまして、働き方が劇的に変化する可能性のあるテレワークについてお尋ねいたします。  今回のコロナ禍は、全世界のあらゆる分野に非常に大きな影響を与え、世界の人々がこれまでの暮らし方を根本的に見直さなければならない状況になっております。多くの分野で様々なコロナ対応が検討されていますが、中でもデジタル化は最も重要なキーワードではないでしょうか。  我が国でも政府は、2001年に、5年以内に世界最先端のIT国家になる目標を掲げ、さらに2013年には、世界最先端IT国家創造宣言を閣議決定し、2020年までに世界最高水準のIT利活用社会を実現するとしていましたが、デジタル社会の象徴的存在の1つであるマイナンバーカードすら普及率は低迷しております。  私は、今回のコロナ禍を乗り越え、新たな暮らし方を創造するためにはデジタル化の推進こそが最も重要ではないかと考えております。  そこで、大西市長にお尋ねいたします。  あらゆる分野でデジタル化が必要になると思いますが、市長は社会全体のデジタル化について、どのような方針で臨むのか、お尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  テレワーク環境整備も含めた、社会全体のデジタル化についてのご質問にお答えいたします。  本年7月に閣議決定されました骨太の方針2020において、デジタル技術で制度や政策、組織の在り方等を変革する、いわゆるデジタルトランスフォーメーションを強力に推進するとされており、まず、国においてこの1年を集中改革期間として、改革を強化、加速することとされております。  本市といたしましても、これまでICT教育の推進やテレワーク環境の整備、マイナンバーカードの普及促進、スマート農業の推進など、社会全体のデジタル化につながる施策に積極的に取り組んできたところでございます。  また、今般の新型コロナウイルス感染症拡大に伴いまして、テレワークを初めとするデジタル技術の活用が社会全体で一気に進み、その有効性も確認されたところでございます。  本市においても、こうした新たな動きを捉え、デジタルトランスフォーメーションを強力に推進するという国の方針とも歩調を合わせ、本市の総合計画に掲げた技術革新への対応やスマートシティの実現など、デジタル技術の積極的な活用、普及を促進し、上質な生活都市熊本の実現に取り組んでまいりたいと考えております。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  答弁ありがとうございました。  市長の答弁にもありましたように、市役所のデジタル化は非常に重要ではないかと考えております。この1年間の集中改革期に社会全体にデジタル化を進めるためには、まずは市役所がデジタル化を引っ張るエンジンの役割を果たさなければならないと考えております。民間にデジタルトランスフォメーションを広げるためにも、引き続き積極的な推進をお願いいたします。  次に、民間企業のテレワーク支援対策についてお尋ねいたします。  新たな感染症発生の可能性も考え、民間企業もテレワークを積極的に進めているようです。大企業は技術、資金、人材が豊富にあり、対応が可能ではないかと言われておりますが、中小企業はテレワークの環境整備が進んでいないのではないでしょうか。  ある調査会社の報告によると、地元企業ではテレワーク実施企業が減少傾向にあると報じられております。熊本の産業を支える中小企業のテレワークを進めるための支援が必要ではないでしょうか。  また、テレワークを進めることは交通渋滞の解消にもつながります。交通渋滞を解消するために、幹線道路の拡幅、交差点の改良、道路の立体化など、様々な計画がありますが、実現のためには、膨大な予算と10年単位の時間が必要となります。行政と民間が一体となってテレワークを推進することで、熊本市の最大の課題の1つである交通渋滞の解消と、労働生産性を上げるための働き方改革が一気に進む可能性があるのではないでしょうか。今こそ、民間の中小企業でテレワークが可能な環境整備のための投資を支援しなければならないと考えております。  また、テレワークは朝夕の出勤、退勤時間の分散にもつながり、朝夕の交通渋滞の緩和にもつながるのではないでしょうか。そして、テレワークにより時差出勤に協力した企業には、何らかのインセンティブを与えることも考慮すべきではないでしょうか。例えば、市政だよりに協力企業名を掲載し、社会貢献活動として一般市民に広く周知するなどの方法もあるのではないでしょうか。  さらに、テレワークの普及により、首都圏在住者や企業に、地方移住の希望者が増加しつつあると報道されております。コロナの感染防止、あるいは子育て、豊かな自然環境などの観点から、地方への移転、あるいは移住が増えてくると思われます。熊本市として積極的な働きかけが必要ではないでしょうか。  活動は東京事務所が中心になると思いますが、熊本県とも連携しながら、熊本出身者へのダイレクトなアプローチなど、移住、移転の促進の大きなチャンスではないでしょうか。  そこで、3点お尋ねいたします。  まず、第1点、民間企業のテレワーク支援対策に関する現状と今後の支援対策についてお考えをお尋ねいたします。  2点目、時差出勤の取組について、企業支援を市としてどのようにお考えか、お示しください。  3点、県との連携状況、そして首都圏企業、あるいは個人への案内など、周知活動の現状と今後の計画をお知らせください。  また、移住、移転の目標数値などの設定がありましたら教えてください。  以上3点、経済観光局長にお尋ねいたします。          〔田上聖子経済観光局長 登壇〕 ◎田上聖子 経済観光局長  テレワーク支援対策、時差出勤の取組、移住促進に関する3つの御質問に順次お答えいたします。  まず、民間企業のテレワーク支援対策についてでございますが、民間のパーソル総合研究所の調査によりますと、本年5月の熊本県のテレワーク実施率は8.1%と、全国平均の25.7%を大きく下回っております。同調査において、未実施の理由といたしましては、会社に制度がない、環境が整っていない、場所がないとの回答が50%を超えており、テレワーク実施率の向上に向けて、その導入効果や支援制度のさらなる周知が必要であると考えているところでございます。  そのため、事業者を対象としたセミナーを開催し、先進事例における導入効果を初め、国の支援制度や本市のテレワーク推進に向けた取組の紹介などを行うとともに、本年7月には、小規模事業者を対象としたテレワーク等の環境整備にも利用可能な本市独自の助成制度を創設したところであり、引き続き民間企業のテレワーク実施に向けた環境整備の促進に努めてまいります。  次に、時差出勤に関する取組についてお答えいたします。  例えば、新たにテレワークや時差出勤を導入した事業者の導入効果をホームページで公表し、働きやすさを広くアピールするなど、当該事業者の人材確保に資するような支援策について検討してまいりたいと考えております。  次に、移住促進に関する3つの質問にお答えいたします。  まず、県との連携状況でございます。県と市それぞれに移住相談窓口を設けておりますが、どちらの窓口へ登録されても、御本人の同意を得た上で互いに情報を共有し、移住イベントなどの情報を発信しております。  次に、目標値についてでございますが、UIJターンサポートデスクを介した就業者数を掲げ、平成28年度から令和元年度までの累計目標値140人に対し、225人の実績を上げているところでございます。  最後に、首都圏企業や首都圏にお住いの方への周知策といたしましては、これまでも移住情報サイト、熊本はどう?やSNS等により熊本の旬の情報や魅力を発信してまいりました。熊本はどう?の月平均検索ユーザー数が昨年度と比べますと約2.4倍に増加するなど、熊本への移住に向けた関心の高まりを感じているところでございます。
     今後は、首都圏在住の本市出身者ネットワークなどを通じまして、本市の移住施策やテレワークが可能なコワーキングスペースなどをダイレクトに紹介し、移住促進につなげてまいりたいと考えております。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  御答弁ありがとうございました。  地場企業のテレワークの取組は少し遅れ気味のようですが、テレワークは今後の企業の成長や人材確保に大きな影響を与えると予想されますので、時差出勤制度も含めて、できるだけ早くしっかりとした支援と環境整備を進めていただきたいと思います。  今は全国の自治体が、首都圏の企業や人への移住、移転を促す大きなチャンスと捉え、活動していると思いますが、ホームページのアクセス数が飛躍的に増加していることをお聞きし、熊本への関心が高まっていることを確信いたしました。目標の数値の報告もございましたが、さらに上を目指して、目標を上回る実績を目指して活動していただきたいと思っております。  次の質問に移ってまいります。  地域の高齢化に伴い、限界集落の言葉が一般的になってまいりました。限界集落とは、65歳以上の人口が50%を超えている場合と定義されています。限界集落問題は、郡部の市町村に限られたことではありません。熊本市では、建築後30年以上経過した市営団地では、まさに限界集落と同じか、それ以上の年齢構成になりつつあります。市営団地の高齢化の実態について事前に調べましたところ、昨年度末現在で市営団地にお住まいの全世帯中、65歳以上の方がお住まいの世帯が58%、そのうち75歳以上の方がお住まいの世帯は全体の28%にも上ることが分かりました。  本市が公表する今年8月の推計人口では、65歳以上が26%、75歳以上が13%となっておりますので、本市の人口区分から見ても、市営団地の高齢化が進んでいることがよく分かります。  このような超高齢化は限られた市営団地だけの問題ではありません。将来市内に広く広がる可能性があります。熊本市は、各校区に設置されている地域包括支援センターと連携し、超高齢地域の課題を把握し、地域全体で健康寿命の延伸への取組が求められているのではないでしょうか。  高齢者は一般的に、自立状態からいきなり介護状態に進むのではなく、フレイル、いわゆる虚弱状態を経由して介護が必要な状態に移行するというふうに言われております。健康寿命延伸のためには、フレイル予防が重要な取組となります。  そこで、お尋ねいたします。  地域コミュニティの維持と健康寿命延伸を目的として、高齢化が進む市営団地をモデルケースにしながら、団地の集会所などを利用し、民間事業者と連携したフレイル予防事業はできないでしょうか。  健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔石櫃仁美健康福祉局長 登壇〕 ◎石櫃仁美 健康福祉局長  フレイルとは、健康な状態から要介護状態に移行する中間の段階でございまして、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態を表す言葉でございます。フレイルは、身体的、精神的、社会的な問題など、様々な要因が影響し合って進行するため、予防のためには、適度な運動やバランスのとれた食事などの生活習慣を見直すとともに、ボランティアや趣味活動などの社会参加も重要でございます。  本市では、フレイル対策として、地域住民が主体となって継続的に運動等の活動に取り組むくまもと元気くらぶなど、高齢者の通いの場の活動支援に取り組んでおり、運営費等の助成のほか、開設のための支援スタッフやリハビリテーション専門職を派遣しております。  また、昨年10月からは、通いの場に参加する高齢者のうち、身体機能等の低下が見られる方を主な対象として、運動機能や口腔機能の向上、栄養改善の専門的プログラムを市が民間事業者に委託して提供する、短期集中予防サービスを開始いたしました。  これまでも市営住宅の集会所などを高齢者の通いの場として活用しているところでございますが、議員御案内のとおり、高齢化が進む市営住宅の集会所において、フレイル対策を実施することは有効であり、今後は元気くらぶの取組に加え短期集中予防サービス等についても実施するなど、民間事業者と連携したフレイル対策をさらに推進してまいりたいと考えております。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  御答弁ありがとうございました。  フレイルの概念はまだまだ一般的ではありませんが、健康寿命延伸のためには、重要な取組ではないでしょうか。多くの市民は、住み慣れた地域で最後まで自分らしく暮らすことを望んでおられます。この希望を実現させるためには、健康寿命の延伸が必要となります。行政は高齢者と民間業者をマッチングさせ、フレイル予防事業を支援する役割が求められているのではないでしょうか。  健康寿命の延伸は、本人はもちろん介護保険の運営にも大きく貢献することとなります。今後の超高齢化地域対策を見据え、市営団地をモデルケースにして、高齢者の皆さんが歩いて行ける場所でフレイル予防ができるようにぜひ検討していただきたいと思っております。  次の質問に移ってまいります。  高齢化社会の問題の1つとして孤独死があります。私の地元でも、今年に入り高齢者の孤独死が3例発生いたしました。孤独死は地域社会全体にダメージを与えますが、表面化する孤独、孤立問題は氷山の一角であり、地域社会の中に静かに深く広がりつつあるのではないでしょうか。  孤独、孤立問題は高齢者に限った問題ではありません。1人で食事をする子供、1人で子育てをする母親、家族に先立たれ1人で暮らす人など、高齢者世代だけでなく、全ての世代で発生する深刻な問題ではないかと考えております。  今後も高齢化、核家族化、地域コミュニティ活動の低下など、孤独、孤立はますます深刻化し、問題を抱えた人は精神的にダメージを受け、自ら命を絶つ最悪の事態にもなりかねません。行政として孤独、孤立問題を解決につなげる対策が必要ではないかと考えております。  そこで、お尋ねいたします。  孤独、孤立問題を解決に近づけるためには、現在のように原因ごとに担当部署が変わるのではなく、全ての孤立、孤独問題を担当する部署が必要ではないかと考えております。市長のお考えをお示しください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  地域社会において誰ともつながりがなく、孤立してしまうことは、孤立死だけでなく、ひきこもり、あるいは児童虐待などを引き起こす要因にもつながると考えております。こうした孤立を防ぐためには、人と人とが社会の中でつながり、見守り、支え合っていくような人間関係を築くことが重要であると考えます。  そこで、これまでまちづくりセンターや高齢者支援センターささえりあ、熊本地震の被災者を支える地域支え合いセンターなどにおいて、地域の中で人と人とが関わりを深めることができるような取組を進めてまいりました。  議員御提案の全ての孤独、孤立問題を担当する専門の部署を設置するということについては、現時点では考えておりませんけれども、今後も、お一人お一人が孤立することなく誰かとつながっていくことができる地域づくりを目指して、様々な部署が連携して取組を進めてまいりたいと考えております。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  御答弁ありがとうございました。  市長の答弁の中では、全ての孤独、孤立問題を担当する専門の部署を設立することについては現時点では考えていないとの御答弁でしたが、これは少し残念な思いでおります。市長はかねてより、地域主義を政治理念として掲げられておられます。地域と行政が一体となって課題を解決することの重要性は十分に理解していただいていると思います。国でも法律を改正し、地域共生社会の実現に向けた取組を進め、その中で、地域の様々な問題を包括的に受け止める体制の整備を自治体に求めているとも聞いております。そのような体制を整備するに当たり、孤独、孤立を含め、相談を丸ごと受け止める部署の設置で、表面化しにくい孤独、孤立問題を抱える市民を支援する部署の設置の御検討をお願いしたいと思っております。  続きまして、私の地元の課題について少しお尋ねしたいと思います。  私の地元、保田窪地域は歴史と伝統のある地域で、集落の発祥は、寛永12年1653年細川忠利公の入国直後に、街道防衛と新地開発を目的に藩内に8か所設置された地鉄砲集落の1つです。約400年近い歴史がある集落ということになります。そのため、市内にはほとんど残っていない貴重な建造物が今でも存在しますが、東バイパス、産業道路の開通に伴い、宅地化が進み、地区にあった田んぼや畑は今ほとんどなくなっておりますが、田んぼや畑があった時代に使用していた水路や道路が残っており、その管理が十分でなく、問題となっております。  保田窪地域で地元の女性が水路に転落し、腕を骨折し、入院をされました。道路の脇に水路がありますが、転落事故が発生した場所の水路と道路の境には転落防止の柵もなく、水路を覆う蓋もついていません。道路は子供たちの通学路でもあり、地域の生活道路として使われております。こうした水路や道路問題は保田窪だけでなく、隣接する新南部地区にもあり、熊本市内にはこのような状態の水路や道路がたくさんあるのではないかと思います。転落事故を防ぐためには、水路の有蓋化や安全柵の設置などが必要になっているのではないでしょうか。  そこで、都市建設局長にお伺いいたします。  本市が管理する道路からの転落防止に関する安全対策はどのように対応されているのか、お尋ねいたします。          〔田中隆臣都市建設局長 登壇〕 ◎田中隆臣 都市建設局長  本市には大小数多くの水路がございますが、流下能力の確保や維持管理、農業利水の観点から多くが開水路となっており、議員御指摘のとおり、安全管理上の課題がある水路が存在していることは認識しております。また、平成22年度には水路への転落事故を受け、市道の交通安全防護柵点検調査を実施したところでございます。  この調査結果や地域版ハザードマップなどを基に、道路との高低差がある水路につきましては、ガードレール等の防護柵を設置しており、平成25年度以降のデータでありますが、近年約19キロを整備したところでございます。また、通学路や交通量が多い路線につきましては、水路の蓋掛けによる歩道整備を行っております。  さらに、幅員減少や乗り入れの制限等により防護柵設置が困難な箇所につきましては、注意喚起や視線誘導など地域の実情に応じた安全対策を進めているところでございます。  今後とも市民の皆様の安全を守るため、このような対策と併せ、注意が必要な箇所について、地域版ハザードマップやホームページ等も活用し、広く市民に周知をしてまいります。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  御答弁ありがとうございました。  市道は安全調査を実施し、対応していただいているということでお聞きしましたが、それだけでも膨大なものになると思います。それに加え、地域には水路や里道がありますので、里道や水路を含めた全体像を土木センターで把握することは非常に難しいのではないでしょうか。  そのために、まず転落事故防止を目的に、現状の把握をするために地域に協力を依頼し、里道、水路の危険箇所を調査したらいかがでしょうか。そして、その調査を基に現状を把握し、安全対策を実行する、そのような対策をぜひ検討していただきたいと思っております。  いよいよこれが最後の質問となりますが、熊本の最低賃金についてお尋ねしたいと思っております。  我が国の大きな課題の1つとして、東京一極集中があります。お金と人材が東京に集中し、日本全体が経済的にも、政治的にもいびつな状態になり、地方自治体は中央からの仕送りに頼らなければ成り立たない状態になり、地方は衰退の道をたどりつつあります。  私はこの衰退の現状を変えるためには、先ほど質問させていただきましたテレワークの推進と最低賃金の見直しが必要ではないかと考えております。最低賃金は、地域ごとの地方最低賃金審議会で協議されながら決定されることとなっていますが、今年2020年では、熊本県は793円、東京は1,013円に決定しました。この時給差220円は、1日8時間、月22日で換算しますと、1年間に50万円の差となります。実勢の時給で比べれば、その差は年間100万円近くになると予想されております。これだけの差がつけば、若者が地方から東京に流れていきます。熊本に若者が残りやすい環境を作るためには、最低賃金を東京と同等レベルに引き上げる必要があると考えております。  そこで、お伺いいたします。  市長もマニフェスト2018で、最低賃金を上げるための環境整備について、任期中実現を掲げられておられますが、東京一極集中の是正、地方創生と最低賃金について、市長のお考えをお聞かせください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  最低賃金の上昇は、若者を初め人材の地元定着や移住、定住に資することから、東京一極集中の是正、地方創生につながるものと考えております。そのため、私は2期目のマニフェストにおきまして、最低賃金を上げるための環境を整備すると掲げ、地域経済の活性化に積極的に努めてきたところであり、民間の皆さんの企業努力とも相まって、全国最下位の最低賃金から脱出したところでございます。  昨今、コロナ禍でテレワーク等、人々の働き方に変化が生じるとともに、地方への移住意欲の高まりが見られるところです。本市が将来にわたり持続的に発展していくためには、この移住意欲の高まりを捉え、県外から多くの移住希望者を呼び込むことが重要であると認識しております。  そのためにも、コロナ禍で大きいダメージを受けている地元中小企業、小規模事業者への支援策を適時的確に講じ、地域経済を回復させ、雇用の創出につなげてまいりたいと考えております。  また、引き続き最低賃金を引き上げるための環境整備に積極的に取り組み、東京一極集中の是正、地方創生につなげてまいりたいと考えております。          〔13番 日隈忍議員 登壇〕 ◆日隈忍 議員  御答弁ありがとうございました。  市長答弁のとおり、最低賃金の上昇こそが人材流出を防ぐ最大の要因の1つと考えております。若者が安心して働き子育てができる将来に希望が持てる熊本を目指さなければなりません。新型コロナウイルスの影響で、地場企業は経営的には非常に厳しいと思いますが、経営支援を含めた環境整備に取り組んでいただきたいと思います。  私は個人的には、地方創生のためには現在の最低賃金制度そのものも見直しが必要ではないかと考えております。そこには国の支援制度も当然必要となりますが、東京一極集中是正の切り札になるのではないかと考えております。  以上で、今回準備いたしました質問は終わりました。まだコロナの収束も見えず、さらにはこれから本格的な台風シーズンを迎え、まだまだ困難な事態が発生する可能性もありますが、私は市会議員として地域のため、そして、熊本市のためにしっかりと活動してまいりたいと思います。  御答弁いただきました市長を初め執行部の皆様、大変ありがとうございました。そして、傍聴に来ていただいた支持者の皆様、本当にありがとうございました。感謝申し上げます。先輩同僚議員の皆様、長時間おつき合いいただき、本当にありがとうございました。感謝申し上げます。ありがとうございました。  これにて終わります。ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は、明10日(木曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○紫垣正仁 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 3時48分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 令和2年9月9日 出席議員 48名       1番   紫 垣 正 仁        2番   上 田 芳 裕       3番   山 本 浩 之        4番   北 川   哉       5番   古 川 智 子        6番   島 津 哲 也       7番   吉 田 健 一        8番   伊 藤 和 仁       9番   平 江   透       10番   荒 川 慎太郎      11番   齊 藤   博       12番   田 島 幸 治      13番   日 隈   忍       14番   吉 村 健 治      15番   山 内 勝 志       16番   緒 方 夕 佳      17番   高 瀬 千鶴子       18番   三 森 至 加      19番   大 嶌 澄 雄       20番   光 永 邦 保      21番   高 本 一 臣       22番   福 永 洋 一      23番   西 岡 誠 也       24番   田 上 辰 也      25番   浜 田 大 介       26番   井 本 正 広      27番   藤 永   弘       28番   原 口 亮 志      29番   田 中 敦 朗       30番   小佐井 賀瑞宜      31番   寺 本 義 勝       32番   原     亨      33番   大 石 浩 文       34番   村 上   博
         35番   那 須   円       36番   園 川 良 二      37番   澤 田 昌 作       38番   田 尻 善 裕      39番   満 永 寿 博       40番   田 中 誠 一      41番   津 田 征士郎       43番   藤 山 英 美      44番   落 水 清 弘       45番   倉 重   徹      46番   三 島 良 之       47番   坂 田 誠 二      48番   白河部 貞 志       49番   上 野 美恵子 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      多 野 春 光   副市長      中 村   賢    政策局長     田 中 俊 実   総務局長     深 水 政 彦    財政局長     田 中 陽 礼   文化市民局長   井 上   学    健康福祉局長   石 櫃 仁 美   経済観光局長   田 上 聖 子    都市建設局長   田 中 隆 臣   教育長      遠 藤 洋 路    病院事業管理者  水 田 博 志 職務のため出席した事務局職員   事務局長     富 永 健 之    事務局次長    和 田   仁   議事課長     池 福 史 弘    調査課長     下錦田 英 夫...