私は、これまでそういった目標の設定、目標を重視し高い設定をするべきだという質問をしてまいりました。それは民間の投資を誘引するのが目標値だからです。低い目標設定とそれに基づく予算編成と結果であれば、民間は投資をいたしません。今後、高い目標設定とそれを達成する見込みのある計画と計画達成を裏づける予算建てをしていっていただかなければ、熊本市のさらなる発展は見込めないと考えております。
また、それにあわせて
コンベンション協会についてお伺いいたしますが、
国際観光コンベンション協会については、その目標達成のために、より一層の予算面、人員面での体制強化と組織の活性化が必要だと考えています。なぜならば、先ほど高い目標を掲げていただきたいとお願いした観光やコンベンションに対しては、役所というさまざまな手続や制約を有する組織では不可能な、柔軟かつ迅速な対応や長期的な視野での
コンベンション誘致にさらに取り組んでいく必要があるからです。
昨年から質問でよく取り上げさせていただいている大阪観光局は、年間予算10億円と行政、民間企業との連携をしながら、先を見据えた長期的な
コンベンション誘致を行っています。2021年のワールドマスターズゲームズ、これは海外からシニア層の方々が2万人以上参加される、シニアのオリンピックと言われているものです。そして、2025年の大阪万博、さらにはその先にもいろいろと仕掛けをもくろんでおられるようです。
熊本市の未来を左右する
熊本国際観光コンベンション協会の体制強化は喫緊の課題であり、熊本市も協会への支援や協会との連携をさらに深化させていかなければならないと考えます。そして、大阪観光局のようにみずから主体的に、計画的に、規模の大きなコンベンションを誘致できるようになっていかなければならないのです。そのためには、観光とコンベンションで熊本の未来を絶対に変えるという強い思いと行動力、国外、国内に人脈を持ちコンベンションを誘致開催する力を持った人をどんどん採用するべきですし、円滑な熊本市内での
コンベンション開催のため、企業からの出向者をふやす方向で動くべきです。
何より協会が観光とコンベンションを活用して稼ぐ組織となり、職員の収入を上げて、就職するなら
熊本国際観光コンベンション協会だよねと若者たちに思われるようにしていかなくてはならないと考えています。
そこでお伺いいたしますが、まず1点目、インバウンドについては、未来に向けて今こそ力強く、一日でも早く新たな高い目標を設定し公表すべきだと考えております。今現在、熊本市が掲げる目標値とその達成状況、これからの目標値の設定について市長のお考えをお伺いします。
コンベンション協会、MICE誘致に関しましては、主体的で計画的な
コンベンション誘致の重要性と、今後の
熊本国際観光コンベンション協会はどうあるべきだと考えているのか、こちらは担当局長に御答弁をお願いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 インバウンドに関します目標設定についてお答えいたします。
昨年3月に策定いたしました熊本市国際戦略における外国人宿泊者数の目標値は、国の目標設定の状況や本市における過去の実績の推移等を勘案し、基準値である2016年の10万4,000人から2023年に倍増の20万8,000人としたところでございます。
このような中、近年の本市の外国人宿泊者数は、国の
訪日外国人誘致施策の展開に加え、熊本空港及び九州各県における国際線の新規就航や増便などにより年々増加いたしまして、2018年には約23万5,000人となり、国際戦略の目標値を早期に達成する結果となったところでございます。
今後の
インバウンド増加に向けた新たな目標値につきましては、本年秋からの熊本城特別公開の段階的な開始により、多くの外国人観光客が本市を訪れることが見込まれることに加えまして、ホテルの新設による宿泊定員数の増加、また熊本空港民営化に伴う国際線就航便のさらなる増加など、さまざまな要因がありますことから、これらの状況の変化を勘案しながら早期に設定してまいりたいと考えております。
〔
平井英虎経済観光局長 登壇〕
◎平井英虎 経済観光局長 私からは、
熊本国際観光コンベンション協会に関するお尋ねについてお答えいたします。
コンベンション協会は、平成3年の設立以来、本市の観光、コンベンションの振興に向け、地域に密着した旅行商品の開発、また旅行会社や
コンベンション主催者への営業活動など、行政との役割分担のもと柔軟かつ迅速な対応を行っております。
このうち
コンベンション協会による主体的で計画的な誘致につきましては、昨年本市が策定いたしました熊本市
MICE誘致戦略の中で
コンベンション協会による支援内容・体制の充実を柱の一つとして掲げ、その重要性を認識するとともに、
コンベンション協会においても誘致に係る新たな助成制度を整備するなど、これまで以上に積極的な誘致活動を展開されているところでございます。
次に、協会の組織体制でございますが、役職員の任用や報酬・給与体系等も含めた協会の組織運営に当たりましては、独立した事業主体として自主的・自律的な経営判断を行っているところでございますが、今後も市と協会は本市の観光、
コンベンション振興の両輪として密接な関係にあることから、今後、人材確保の面も含め協議してまいりたいと考えております。
〔34番 田中敦朗議員 登壇〕
◆田中敦朗 議員 御答弁ありがとうございました。今後そういった目標設定を早期にしていただくことがこれからの民間投資を活性化することになると考えておりますし、さまざまな業界、特に1次、2次、3次産業に一番貢献するのが観光であるということは市長初め皆さん御存じのことであろうと思っておりますし、何よりも、これからこの熊本で発展する見込みが大きくあるのがこの観光業界であるというふうに思っておりますので、ぜひとも今の答弁に沿った形で御尽力いただきたいと思っております。
続きまして、3点の質問に入らせていただきます。まず最初に、国際大会参加者へのおもてなしについてお伺いします。
秋に予定されております
ラグビーワールドカップと
女子ハンドボール世界選手権に関しては、さまざまな趣向を凝らしたおもてなしの準備をされているということを耳にしておりまして、海外から来られるお客様が楽しまれることを願っている次第です。本日の私の質問は、直接的なおもてなしではなく、都市環境的な観点からお伺いいたします。
選挙後も辻立ちを行ったり地域のまちづくり活動、そしてPTAや子ども会の活動に参画する中で気になっていますのが、ポイ捨てやごみの多さ、繁茂した道路上の雑草です。なれている我々からしてみれば、許せないけれどもいつものことだと流せる事象でも、一生に一度熊本に来るかもしれない海外からのお客様方からすれば、その印象は決してよいものにはなりません。私たちも海外に行ってごみごみしていたら、その旅が台なしになってしまいます。海外の方々の立場に立って、美しい町並みをみんなで維持するような上質な生活都市を実現すべきです。それが本当のおもてなしというものではないでしょうか。
そこでこの点についてお伺いいたしますが、私は今回の国際大会を機会として熊本の文化を変えないといけないと考えています。観光やインバウンドをふやしていくとともに、美しい町並みを市民全体で維持する、ポイ捨てをしない文化を育てるのはいかがでしょうか。それに続く道として、まずは小学生の子供たちに通学路や学校の周辺を清掃する教育と、ポイ捨てをすると社会へどのような悪影響が生じるかの教育を始めるべきだと考えます。シンガポールは法律で厳しく取り締まっていますが、熊本市は文化とモラルで美しい地域環境を実現していく必要があると考えます。こちらは後ほど環境局長のお考えをお伺いします。
また、雑草に関しては、市道、県道、国道上に存在している雑草の大会前の除去は確実にできるのでしょうか。整然とした美しい町並みを海外から来られたお客様たちにお見せすることができるのか、心配です。また、いっそのこと、ふだんの市民生活の中で苦情が多いところから順に、雑草が繁茂してしまうところへ防草シート処理かコンクリートで埋めてしまい、恒常的に管理が要らない状況をつくってしまうことも多くの観光客が訪れる地域を目指すのであれば必要かと考えますが、こちらに関しては都市建設局長のお考えをお伺いします。
続きまして、県北の観光地を活用した植木温泉の活性化についてお伺いします。
北区に居を構え、
山鹿植木広域行政事務組合の議会議員であるということで、県北地域は私にとっては身近であり、またその魅力を実感しているところであります。荒尾地域には世界遺産の万田坑にグリーンランド、玉名地域には大河ドラマいだてん関連の記念館や蓮華院、山鹿地域には八千代座や熊本ワインの菊鹿ワイナリー、歴史公園鞠智城、菊池地域には菊池渓谷などの自然や見ごろを終えましたが例年舞い飛ぶ蛍、各地域には豊かな食文化もあり、独特の歴史、伝統、文化を有しています。日本の熊本ならではの体験ができるすばらしいエリアです。そんなすばらしい地域をゆっくり満喫できるのが、合併したことによって熊本市が新たに得た、すばらしい財産である植木温泉です。
そして何より、植木温泉がある植木町米塚は、地図を見ればわかりますが荒尾、山鹿、菊池のちょうど中間点に存在しています。熊本市内の渋滞に煩わされることなく、少し足を延ばせば阿蘇まで行ける上に、植木インターを活用することによって県南観光も視野に入れることが可能になってきます。温泉の泉質もすばらしく、滞在型の観光拠点としては最高の立地です。
植木温泉を核として県北の観光ルートをつくり出すことで、阿蘇から荒尾までを見据えた大自然と、古代、近代までのすばらしい文化財を堪能できる長期滞在の旅程ができると考えます。県や周辺自治体と協力して、市域にこだわらない新たな観光資源の開発をして国内外に発信することで熊本市の観光振興をする考えはないか、こちらは担当局長にお伺いいたします。
そして、
ドラゴンクエストウォークについてお伺いいたします。
スクウェア・エニックスが令和元年6月3日、
スマートフォン向けドラゴンクエストの新作ゲーム、
ドラゴンクエストウォークを発表いたしました。
ドラゴンクエストシリーズは、私と同世代の方々は御存じと思いますが、1986年に発売された
ファミリーコンピューター向けソフト、
ドラゴンクエストから2017年に発売された
ドラゴンクエストⅥまで一貫した王道のRPGの世界観を守っていく一方で、時代に即した技術を用いた新しい遊びの創造に挑戦をしているタイトルであります。また、さまざまなシリーズを出しており、モンスターの育成や
アクションRPG物まで数多くのタイトルが発売され、全世界でシリーズ累計7,600万本以上の
出荷ダウンロード販売を達成しています。
ここで話を変えまして、ポケモンGOのことをちょっとお話しさせていただきたいと思います。ポケモンGOは、御存じの方も多いと思いますが、架空の
生き物ポケットモンスターのキャラクターを使って遊ぶ
スマートフォン用ゲームソフトです。まちや公園などを歩きながら、ゲームや映画の世界観そのままにスマホ画面上でポケモンを収集、育成、対戦、交換できる体験型ゲームであります。2016年7月6日から配信を初め、売上高は2018年9月には20億ドル超となっています。
ポケモンGO自体を楽しむのは無料ですが、ゲームを有利にするアイテムを入手するのには課金をしなくてはなりません。
ポケモンGOの集客力を観光、地方振興に役立てる動きも出ており、鳥取県、熊本県、岩手県、宮城県、福島県、横浜市、横須賀市などが連携やイベントの実施を行っています。横浜市がイベントを開催し、200万人を動員したという報道もあります。一方では、ゲームに夢中になった人が原子力発電所や宗教施設などに入り込んだり、夜間徘回し地域住民に迷惑をかけたり、大量のプレーヤーの流入により交通機関が麻痺したり、交通事故を起こしたりするというような問題が生じているという事実もあります。我が熊本市でも問題が生じたという報道があったのは記憶に新しいかと思います。また、国防・防衛施設、電力会社、交通機関などがこのようなゲームにふさわしくない場所をゲームソフトから削除するように運営会社に要請する事態となるなど、世界的にポケモンGOは社会現象化いたしました。
本日お話をしています
ドラゴンクエストウォークは、簡単に言いますと
ドラゴンクエスト版のポケモンGOと言え、
ドラゴンクエストのブランド力を考えれば、若者言葉で言えば、バズッた後に日本で、そして世界ではやる可能性が高いと思われます。
そこでお伺いいたしますが、熊本市として
ドラゴンクエストウォークとタイアップして観光振興をしてはいかがでしょうか。初めて連携した自治体として視察もふえますし、さまざまな仕掛けをすることで多くのゲームを好きな人たちが余暇の選択肢に熊本訪問を入れる可能性が高まります。こちらも担当局長のお考えをお伺いいたします。
〔
勝谷仁雄環境局長 登壇〕
◎勝谷仁雄 環境局長 まず、1点目のポイ捨てをしない文化を育てる環境教育についてお答えいたします。
ポイ捨ては良好な環境を損なう社会問題であり、議員御提案のとおり、感受性の高い子供たちが身近なところで清掃活動等を経験することは大変意義のあることと考えております。
現在、環境教育の一環として、小学4年生の社会科の授業の副読本として本市のごみ処理等についてわかりやすく解説した、ごみとリサイクルを作成し、市内の4年生全員に配布しておりますほか、小学校の環境学習の時間を利用して、ごみ分別等をゲーム形式で教えるなど、工夫を凝らした出前講座も開催しているところでございます。
加えて、東部・西部環境工場や
扇田環境センターのごみ処理施設におきましては、ごみ減量、リサイクルの推進、分別の徹底の必要性をPRするため、随時小中学生などの施設見学を受け入れているところでございます。
このような中、海洋汚染の一因でありますプラスチックごみ問題など、新たな課題にも対応が求められているため、そこにつながるごみのポイ捨て等や身近な清掃活動につきましても教材や講座に加えるなど、美しい地域環境の実現に向けて、教育委員会と連携して環境教育の充実に努めてまいります。
〔
田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎田中隆臣 都市建設局長 私からは、国際大会に向けた道路の雑草対策についてお答えします。
道路の雑草対策につきましては、今年度関連予算を確保し、現在、大会会場、駅、空港、中心市街地等を結ぶ移動経路を中心に、中央分離帯やのり面の防草対策、具体的には張りコンクリートや防草シートの設置などを実施しております。また、大会開催時期に合わせた除草、街路樹剪定も今後実施していくこととしており、さらに
主要地方道熊本益城大津線などの市境についても、県との連携を図りながら取り組むこととしております。
今後とも、
道路除草等基本計画に基づき計画的な道路除草を進めながら、今回のような総量抑制を継続的に行うことで除草費用の削減に取り組み、安全で美しい町並みの維持に努めてまいります。
〔
平井英虎経済観光局長 登壇〕
◎平井英虎 経済観光局長 観光振興に関する2点のお尋ねに順次お答えいたします。
まず、市域にこだわらない新たな観光資源の開発でありますが、観光客の動向は広域にわたることから、観光ルートの開発やプロモーションにおける他自治体との連携は効果的と認識しており、本市では阿蘇、天草両市や九州内の他自治体と協議会を設置し、連携した取り組みを行っております。
一方、植木地域においては、平成29年度から田原坂などの西南戦争遺跡をめぐるウオークラリーを玉東町と連携して行っておりますことから、昨年から取り組んでおります植木温泉の美肌効果等に着目した
植木ビューティープロジェクトを初めとする
観光プロモーションにおきましても、今後、連携中枢都市圏を初め県北エリアの自治体との連携を図ってまいりたいと考えております。
次に、
ドラゴンクエストウォークを活用した観光振興でありますが、このゲームは、スマートフォンの位置情報を活用し、観光名所など実際の地図と連動した画面に出現するキャラクターと戦うゲームであり、今月から関東限定で先行配信され、年内には全国展開される予定とのことでございます。
スマートフォンの位置情報を使ったゲームの先行事例でありますポケモンGOにつきましては、他自治体において関連イベントの開催等により観光客の集客につなげている例もございますが、一方で、民有地への無断立ち入りや歩きスマホによる事故などのトラブルも懸念されております。このようなことから、
ドラゴンクエストウォークの観光面での活用につきましては、先行的に行われる関東地区での状況を注視しつつ慎重に検討してまいりたいと考えております。
〔34番 田中敦朗議員 登壇〕
◆田中敦朗 議員 御答弁いただきましてありがとうございました。それぞれですけれども、おもてなしについては、やはりこの熊本を訪れたときに雑草が繁茂してごみが散らばっていれば、当然そのイメージが頭の中に残るわけでありまして、やはりインバウンドを活性化する、観光客をおもてなしするという点においては、やはり市民一人一人の意識の向上は欠かせないものであり、そういったものが積み重なっていくような教育というものをぜひ教育長、お願いしたいところであります。
また、雑草の総量抑制ということをおっしゃっていただきましたが、やはり限られた財源、その中で手の届かないところが出てくるという中では、恒常的に常に美しい状態をどうやって維持するかということも上質な生活都市を実現するためには必要であると考えます。
また、植木温泉に関しましても、まさしく県北の核となり得る滞在型観光をつくっていけると思っておりますので、ぜひとも御一考いただきたいと思っております。
また、
ドラゴンクエストウォークに関しましては、多くの若い世代が
ドラゴンクエストになれ親しんでおり、例えば熊本を訪れて武蔵塚公園に行けば武蔵の右の刀、霊巌洞に行けば左の刀が手に入る、そして熊本城に行けばかぶとが手に入り、水前寺公園に行けば盾が手に入るといったようなさまざまな趣向を凝らすことで回遊性を実現することができると思っておりますし、全てをそろえれば1日に1回使えるすごいわざが出せるとか、そういったおもしろい仕掛けをやっていけると思います。そして、それを実現して、1,000人でも2,000人でもこの熊本を訪れていただければ、それが十分この熊本市の活性化につながっていくと思っておりますので、まずはスクウェア・エニックスとしっかりと話し合いをまず始めていただけないかというふうに思っている次第であります。
それでは、続きまして、宿泊税の導入についてお伺いいたします。
宿泊税というのは、ホテルや旅館などの宿泊施設を対象に導入されている税金で、泊まる人に対して課される税金です。宿泊税は、国税ではなく地方税の一つで、地方税法に次のような定めがあり、これに基づいて自治体が導入するかどうか決定できます。地方税法第731条、道府県または市町村は、条例で定める特定の費用に充てるため、法定外目的税を課することができる。2項、道府県または市町村は、法定外目的税の新設または変更をしようとする場合においては、あらかじめ総務大臣に協議し、その同意を得なければならない。幾つかの自治体が既に導入しておりますが、7,000円以上、1万円以上、2万円以上などそれぞれの自治体で課税区分を設定しており、その中でも一番高くて、1泊5万円以上の方に1泊当たり1,000円の課税をしている京都府の例があります。
市役所で決断をし、宿泊業界に御理解と御協力をいただき、制度を整え、議会に説明をし、総務大臣の同意を得たら新たな財源が得られるのであれば、挑戦する価値はあると思います。財源がないという理由でさまざまなチャレンジができないでいる現状を打破するために、これからのインバウンドや交流人口増に向けて環境整備をしていくために宿泊税を導入して、観光しやすいまち熊本市の実現に向けて動くべきと考えますが、財政局長のお考えをお伺いいたします。
〔
田中陽礼財政局長 登壇〕
◎田中陽礼 財政局長 宿泊税の導入についてお答えいたします。
宿泊税は、ホテルや旅館等の宿泊者の素泊まりの料金及びサービス料に対して課税される法定外目的税でございまして、現在、東京都、大阪府、京都市、金沢市が導入しており、令和2年度中には福岡県及び福岡市が導入を予定しているところでございます。
議員御提案の宿泊税の導入に当たりましては、宿泊者の市外流出の可能性や
震災復興業務従事者の滞在が続いている状況などへも配慮する必要があると考えており、課税目的、使途を明確化した上で、課税客体や納税義務者、徴収方法、税率などについて詳細な検討が必要であると考えております。
今後、さらなる観光の振興に向け自主財源の確保は重要な課題でございまして、宿泊税につきましては、他自治体の導入状況等を注視しつつ、関係部署で連携しながら研究してまいりたいと考えております。
〔34番 田中敦朗議員 登壇〕
◆田中敦朗 議員 御答弁ありがとうございました。冒頭からいろいろ申し上げましたけれども、それらを全て実現するにはやはり財源が必ず必要になってまいります。本当に日ごろからこういうアイデアがある、こういう取り組みをしたらどうかと市役所の方にお伺いしても、財源が、財政課がといったような御答弁をいただくことが多々あります。今後、先ほど申し上げましたとおり7万人の生産年齢人口が減ったらどうなるか。住民税だけでも100億円の税の減収が見込まれます。そういったことにならないために観光振興が必要でありまして、その観光を振興するために、今足りないお金をどうするかというための一つの答えが宿泊税であると私は思っております。
観光が盛んなところが導入していると言っておりますけれども、観光を盛んにするためにこの宿泊税をぜひできる限り早目に研究していただいて、決断していただければなというふうに思っております。
続きまして、RPAについてお伺いいたします。
RPAとはロボティックプロセスオートメーションの略語で、ホワイトカラーのデスクワーク、主に定型作業をルールエンジンやAIなどの技術を備えたソフトウエアのロボットが代行、自動化する概念と定義されています。日本国内では2016年からRPAという言葉が使われ始め、そのわかりやすさや即効性から2017年には大ブームが始まりました。
そんな中、地方自治体として2019年にいち早く大規模なRPA導入を決めたのが茨城県です。正職員だけで約4,500人が働く茨城県庁では、2018年、民間企業の協力を得て、導入予算がゼロの状態からRPAで業務の一部を自動化する実証実験に成功しました。2019年度の予算では早くもRPAやAIなどのツール導入に約6,700万円の予算を割り当て、庁内の二重業務などを自動化することを決めています。
茨城県つくば市では市民税課で年間換算336時間、熊本県宇城市では時間外申請窓口業務とふるさと納税業務で、年間換算で3,632時間の業務削減効果を出しているということです。そのほかにも京都府や愛知県一宮市、石川県加賀市でも取り組みが行われているということです。
全国各地で、単純作業が多い自治体業務と単純作業を自動化するRPAの技術がマッチングして、大きな成果を上げていっています。熊本市も先行自治体を大いに参考にして、さまざまな分野で積極的に導入を進めるとともに、優秀な職員さん方を単純作業から解放して創造的な仕事や市民と直に接する、おのれの能力を最大限発揮できる職場環境を実現していかなくてはならないと考えます。
そこでお伺いいたしますが、熊本市のRPA導入事例の説明とその効果、今後の熊本市のRPA導入に関するお考えを担当局長にお伺いいたします。
〔萱野晃総務局長 登壇〕
◎萱野晃 総務局長 RPAに関するお尋ねにお答え申し上げます。
RPAの活用につきましては、職員の業務負担の軽減や事務の精度向上、さらにはシステム構築と比較して安価であるなど、ICTによる業務効率化推進策の一つとしてさまざまなメリットが見込まれますことから、導入に向け検討を進めております。
具体的には、住民異動の入力業務につきまして、昨年度の効果検証における一定の成果を踏まえ、来年度以降の本格導入に向け、準備を進めているところでございます。また、児童扶養手当やひとり親家庭等への医療費助成現況届の入力業務につきましても、本年8月からの導入を予定しております。
今後も、RPAを初めとするさまざまなICT新技術の導入等によって業務プロセスの改善を図ることで、職員が定型的業務に縛られることなく、これまで以上に市民に寄り添った相談業務や創造的な施策立案などに注力できる環境づくりへとつなげてまいりたいと考えております。
〔34番 田中敦朗議員 登壇〕
◆田中敦朗 議員 御答弁ありがとうございました。前向きな御答弁をいただきましたので、今後積極的にRPAを導入していただくように本当にお願いします。
さまざまな導入事例が全国各地である中で、本市で導入すればその効果は本当に何百時間というものになっていくと思いますし、そうすることでまちづくりセンターの充実でありますとか政策担当課の人員の充実でありますとか、そういったプラスの効果が多く出ていくと思います。やはり人間にしかできないことを人間に、そしてコンピューター、そしてICTで変換できることはどんどん積極的にやっていただきまして、優秀な職員さん方が本当に前向きに仕事ができる環境を、そういった技術を活用して整えていっていただきたいと思っております。
続きまして、震災による公共施設の外壁についてお伺いいたします。こちらに関しましては予算も今回ついておりますが、さまざまな公共施設、こちらをちょっと点検するというか拝見する機会が多々ありまして、そういったことから質問をさせていただきます。
熊本地震から3年がたちまして、復興も進んでまいりました。しかし、議会の冒頭市長がおっしゃったとおり、まだまだ仮設にお住まいの方がたくさんおられる中で、全ての被災者の方々が日常を取り戻されることを願うとともに、それに向けましてさまざまな取り組みを行われている市役所の皆さんがおられることに感謝する次第であります。
地震以降、これまで行われていませんでした防災会議や災害発生時のシミュレーション、そして避難所の運営の訓練など、防災意識を高め災害時の連携を図る取り組みが市内各地で行われているということはすばらしいことだと考えております。先日もそういった訓練に私自身参加し、地域の方々とともに交流する機会がありました。その際、公共施設のひびを見られた一級建築士の方が、鉄筋の腐食と爆裂について心配されていました。
皆さんも御存じのこととは存じますが、ヘアクラックやひびを放置することにより鉄筋が腐食し、爆裂を起こし、壁面が剥がれ落ちる可能性があります。それによってけが人が出たり、建物の耐久性が損なわれる心配があります。
そこでお伺いいたしますが、3年前の地震によって生じている公共施設のヘアクラックやひびについては全て把握していますでしょうか。また、その対応や補修、点検は既に完了しているかどうかお伺いいたします。
また、壁面剥離により市民が死傷した場合の責任は、これは誰がとらなくてはならないのでしょうか。そして、その対応策として、保険等には加入し万が一の備えはしてあるのでしょうか。それぞれ担当局長にお伺いいたします。
〔
田中隆臣都市建設局長 登壇〕
◎田中隆臣 都市建設局長 建物外壁のヘアクラックやひび割れの放置によるコンクリート等の剥落の危険性についてでございますが、多くの公共建築物が老朽化に伴い外壁のタイルやモルタル等の剥落の可能性が高まっており、これまでも法に基づく定期点検を適切に実施するなど、劣化状況を把握してきたところでございます。
次に、熊本地震により生じたひび割れの把握やその対処については、地震後速やかに技術職員や専門家により被害状況を把握し、その上で復旧工事など、被害状況に応じ所要の処置を行ってきております。
そのような中、本年1月の国際交流会館内壁の一部落下事故や4月の民間高層マンションの外壁タイルの剥落事故が発生したことから、改めて地震の影響を考慮した詳細な緊急点検が必要と考え、6月補正予算に内外壁等緊急点検経費を計上したところでございます。今回の緊急点検は、通常の法定点検で確認が困難な高所の内壁や天井について足場等を使用した打診等の点検を行うとともに、外壁についても法で10年ごとに実施が義務づけられている全面打診等調査を前倒しして実施するものでございます。
今後は、今回の点検結果をもとに緊急度に応じた改修工事などの対応を実施するなど、市民や利用者の安全を確保してまいります。また、今回の調査中に剥落の危険性が極めて高いと判断したものにつきましては、即時撤去等の処置を行うこととしております。
最後に、剥落により人身事故が発生した場合の責任につきましては、当然、市側に生じる可能性も考えられます。そのようなことがないよう、これまでの法定点検に加え、今後は昨年度作成した熊本市公共建築物点検マニュアルを活用した日常点検を強化するなど、万全を期してまいります。
〔萱野晃総務局長 登壇〕
◎萱野晃 総務局長 私からは、保険加入のお尋ねについてお答えいたします。
本市では、市公共施設において施設の瑕疵による事故が発生した場合、本庁舎や区役所などの施設については全国市長会市民総合賠償補償保険、また学校施設や保育所につきましては全国市長会学校災害賠償補償保険など、それぞれ管理する施設に応じた保険で対応することといたしております。
〔34番 田中敦朗議員 登壇〕
◆田中敦朗 議員 御答弁ありがとうございました。今の答弁を聞きまして、私も胸を張ってしっかりと点検をしていると、今後も点検をしていくといったことを御心配いただいている方々に説明できます。ただ、やはり点検をしたとしても、知らない間にヘアクラック、そしてひびによってコンクリートの腐食、爆裂が起こる可能性はゼロではないわけでありまして、今後も定期的な点検をぜひよろしくお願いしたいと思いますし、しっかりと保険にも入っているということで、万が一があった際にけがをした方々への補償も調っているということで安心した次第であります。
続きまして、社会資本整備に関する諸課題についてお伺いいたします。
議員となって12年間、さまざまな事業者から社会資本整備に関する工事や工事に関する書類について熊本市と熊本県の違い、他自治体との違いを指摘され、時には要望され、担当局とやりとりをしてまいりましたが、やはりそれぞれさまざまな考えがある中で、すぐにはそういった指摘は改善されませんでした。先日、ある協会との意見交換会に参加させていただきまして、さまざまな点で少しずつは前進していることは理解いたしましたが、疑問点がありますのでここでお伺いしたいと思っております。
まず、工事書類の統一化についてお伺いいたします。
25番 浜 田 大 介 26番 井 本 正 広
27番 藤 永 弘 28番 小佐井 賀瑞宜
29番 寺 本 義 勝 30番 原 亨
31番 原 口 亮 志 32番 紫 垣 正 仁
33番 大 石 浩 文 34番 田 中 敦 朗
35番 村 上 博 36番 那 須 円
37番 園 川 良 二 38番 澤 田 昌 作
39番 満 永 寿 博 40番 三 島 良 之
41番 津 田 征士郎 43番 坂 田 誠 二
44番 白河部 貞 志 45番 田 中 誠 一
46番 藤 山 英 美 47番 落 水 清 弘
48番 田 尻 善 裕 49番 上 野 美恵子
説明のため出席した者
市長 大 西 一 史 副市長 多 野 春 光
副市長 中 村 賢 政策局長 古 庄 修 治
総務局長 萱 野 晃 財政局長 田 中 陽 礼
市民局長 石 櫃 仁 美 健康福祉局長 田 端 高 志
環境局長 勝 谷 仁 雄 経済観光局長 平 井 英 虎
農水局長 西 嶋 英 樹 都市建設局長 田 中 隆 臣
消防局長 西 岡 哲 弘 交通事業管理者 肝 付 幸 治
上下水道事業管理者白 石 三千治 教育長 遠 藤 洋 路
中央区長 井 上 学 東区長 宮 崎 裕 章
西区長 深 水 政 彦 南区長 村 上 誠 也
北区長 野 口 恭 子 選挙管理委員会事務局長
士 野 公 史
職務のため出席した事務局職員
事務局長 大 島 直 也 総括審議員兼事務局次長
富 永 健 之
議事課長 本 田 正 文 調査課長 下錦田 英 夫...