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平成29年第 3回定例会−08月31日-02号
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  1. 熊本市議会 2017-08-31
    平成29年第 3回定例会−08月31日-02号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    平成29年第 3回定例会−08月31日-02号平成29年第 3回定例会   平成29年8月31日(木曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第2号                         │ │ 平成29年8月31日(木曜)午前10時開議               │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時00分 開議 ○澤田昌作 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○澤田昌作 議長  日程第1「一般質問」を行います。  順次発言を許します。藤岡照代議員。          〔36番 藤岡照代議員 登壇 拍手〕 ◆藤岡照代 議員  皆様、おはようございます。公明党市議団藤岡照代でございます。  質問に入ります前に、先月の九州北部豪雨で亡くなられました方々の御冥福を衷心よりお祈り申し上げますとともに、被災されました多くの皆様方に対しても謹んでお見舞い申し上げます。  私たち公明党市議団は一日も早い復興を願って、7月11日上通にて九州北部豪雨災害募金活動に参加させていただき、義援金は日赤の方に届けさせていただきました。  本日の質問は2年8カ月ぶりの登壇となり、少し上がっております。また、市民の皆様の声がいっぱいで盛りだくさんとなっておりますので、時間の許す限り頑張らせていただきます。どうかよろしくお願い申し上げまして、早速質問に入らせていただきます。  まず、最初にしごと・人・まち、市長3年目の折り返し点の総括としまして、大西市長は平成26年12月の就任以来3年目に入りました。  振り返ってみますと、マニフェストでは誰もが憧れる上質な生活都市熊本を掲げ、130項目の取り組みを公表し当選されました。
     以来、1年目は新たな総合計画、しごと・ひと・まち創生総合戦略連携中枢都市圏構想を策定してきました。  そして、昨年度は指定都市5年目の節目の年を迎える中、熊本地震が発生、市民の暮らしはもとより本市の経済状況などが一変、それ以来市長は地震からの復旧・復興に邁進される中で、昨年10月に議会の議論を経て震災復興計画を取りまとめ、復旧・復興を加速化されております。  こうした一日も早い被災者の生活再建を初めとする復旧・復興を加速させていく一方で、持続可能な都市の実現に向けて子育て支援の充実や雇用創出につなげる経済活性化など、若い世代が働きやすく、暮らしやすいまちづくりが重要であり、決して今先送りは許されないものと考えております。  そこで、お尋ねいたします。  市長として3年目に入る中、現在までをどのように総括されますでしょうか。  また、思ってもみない地震からの完全な復旧・復興はまだまだこれからですけれども、熊本市の輝く未来のため残る任期を含めどのように取り組んでいかれるおつもりでしょうか。  以上、大西市長にお伺いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  3年目の総括をとのお尋ねでございますが、就任1年目は、市長選で掲げましたマニフェストに基づくまちづくりを着実に進めるため、市政の基盤となります新たな総合計画やしごと・ひと・まち創生総合戦略の策定に着手するとともに、マニフェスト130項目のうち、例えば待機児童対策や小中学校へのエアコン設置など、特に市民の皆様からの要望の高かったものにつきましては、優先的に取り組んできたところでございます。  そして、就任2年目は、平成28年度から熊本市第7次総合計画に基づくまちづくりに取り組もうといたしましたやさきに熊本地震に見舞われました。そこで、一日も早い復旧・復興の道筋を示すための復興計画を策定いたしまして、一人一人の生活再建はもとより、市民病院や熊本城を初め被災しました社会基盤等の復旧に全身全霊をかけて取り組んでまいりました。  そして、就任3年目となる本年度は、熊本地震からの復興を加速し、さらにこの震災を乗り越えて、新しい熊本市の創造に向けた一歩を踏み出す復興元年と位置づけまして、震災の経験の中で重要性を再認識いたしました地域主義の実践を柱に掲げ、4月からまちづくりセンターを設置し、今まさに職員みずからが市民や地域の中に飛び込み、信頼関係を築き、地域の特性に応じたまちづくりを協働で進めているところでございます。  任期も残り1年3カ月余りとなりましたが、今後の市政運営方針といたしましては、今なお2万人を超える方々が仮設住宅等に入居され、不自由な生活を余儀なくされるなど、復旧・復興が道半ばという現実を見詰め、まずは全ての被災者の皆様の生活再建をやり遂げなければならないと考えております。  さらには、国の財源や民間活力を最大限活用しながら、子育て支援や教育環境の整備、さらには復旧・復興を下支えする地域経済の活性化など、熊本の未来にとって不可欠な取り組みについても着実に実行に移してまいりたいと考えております。  加えて、地域主義をこれまで以上に徹底いたしまして、まちづくりセンターにおいて把握いたしました地域のニーズを政策へ反映させることで、市政に対する市民の満足度や信頼度の向上を図り、参画と協働による自主自立のまちづくりにつなげてまいりたいと考えております。  熊本地震という予期しない惨禍に見舞われたものの、私は第32代熊本市長として市民との相互信頼のもと、互いに手を携え、必ずや熊本地震からの復興への歩みを確かなものにし、魅力と活力に満ちた新しい熊本市づくりに全力を傾注してまいりたいと考えております。          〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  思い起こせば市長は初当選されて、はえある第32代市長に就任され26年12月12日、市議会では私がトップバッターで、市長のマニフェストや地方創生について質問させていただいたところでございます。若さという大きなエネルギー、財産を持って、就任から今日まで怒濤のごとく走り抜いてこられました。3年目の折り返し点、これからも力強く市政発展のためのかじ取りにしっかり頑張っていただきたいとエールを送りまして、次の質問に移ります。  本市の人口減少社会少子化対策についてでございます。  本市の人口ビジョンについてお伺いいたします。  本市が策定した人口ビジョンは、人口減少少子高齢社会の中で、このまま推移すれば約30年後の2050年には約64万人に減少するとの推計に対し、合計特殊出生率2.1まで引き上げ、何とか約70万人に維持すると打ち出しました。  しかしながら、その後の熊本地震の影響もありまして、本年2月の住民基本台帳に基づく2016年の人口移動報告では、転出超過数が1,540人、また本市の統計書でも昨年の人口総数がマイナス1,216人となっております。このまま転出超過や人口総数の減少が続けば、目標としております約70万人は実現できないのではと私は危惧しております。  人口減少を食いとめるために注目しているのが、生涯未婚率です。本市の人口ビジョンを見ますと、男性の生涯未婚率は16.04%、女性は12.24%で、全国平均と比較して男性は低い水準ですけれども、女性は高く、少子化のさらなる深刻化が危惧されております。  さて、話は変わりますけれども、過日放送されましたNHKスペシャルで、見られた方もいらっしゃるかと思いますけれども、AI、いわゆる人工知能を活用した番組が放送されました。その中で40代ひとり暮らし率が上昇すると自殺者数、餓死者数、空き家数、救急出動件数などがふえ、合計特殊出生率老人クラブ会員数などが減るといった傾向が示されておりました。  確かに40代のひとり暮らしの増加は、未婚男女の増加を意味しており、この割合がふえると少子化が加速するのは容易に想像できます。  そこで、大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  少子化の進展については本市においても喫緊の課題であり、その大きな要因である未婚化、晩婚化に対する対策は大変重要であると認識しております。  熊本市しごと・ひと・まち創生総合戦略策定の際に実施いたしました結婚・出産・子育てに関する意識調査では、結婚後の経済的な負担や家庭と仕事の両立といった結婚後の生活に対する不安等が未婚化、晩婚化に大きく影響しているということが明らかとなりました。  そこで、本市では求職者に対する企業との面談会の開催といった雇用の場の確保に関する取り組みや、就業環境の整備等の仕事に関する取り組みについても、未婚化、晩婚化対策につながるものと考えておりまして、総合戦略に基づき重点的に取り組んでいるところでございます。  加えて、結婚支援に関する取り組みといたしましては、未婚者に対する情報提供や出会いの場の提供等を実施するとともに、平成28年度からは熊本市結婚世話人事業を創設いたしまして、結婚を希望する独身者を応援する取り組みも進めているところでございます。  今後も人口減少少子化社会の克服に向け、仕事に関連した取り組みに力点を置きつつ、結婚、妊娠、出産、子育てまでのライフステージに応じた切れ目のない支援や地域コミュニティの再生など、総合的な取り組みを長期的、継続的に実施してまいりたいと考えております。  次に、AIに関する活用についてお答えいたします。  議員からも御紹介がありましたように、AI、いわゆる人工知能につきましては、さまざまな分野において活用が進んでおります。本市においては現在のところ具体的な導入事例はないものの、多くの業務や分野で活用可能と考えておりまして、国におきましても本年6月に策定された未来投資戦略2017等において、さまざまな分野での導入に向けて検討が進められていることから、国や先進自治体の動向を注視しつつ、本市においても引き続き研究してまいりたいと考えております。          〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  答弁にありましたように、AI、いわゆる人工知能の活用については、これからさまざまな分野においても導入が進んでいくのではないかと思われますけれども、しかし地方創生のポイントは、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる若い世代の経済的安定や妊娠、出産、子育てへの切れ目のない支援を地域住民と行政が協力して行うことだと思います。今後も昨年開催いたしました熊本市結婚世話人事業等も継続していただき、しっかり対策を練っていただきたいと、よろしくお願いしたいと思います。  次に、定員適正化計画と専門職の確保についてお伺いいたします。  人口減少、超高齢社会という我が国が経験したことがない社会構造の変化が到来しております。こうした中、本市を含めた全国の地方自治体は、自治体の使命である安定的な公共サービスの提供維持を目指し、行財政改革に取り組んでまいりました。  このような行革の流れ自体はやむを得ないものと考えておりますが、熊本地震により甚大な被害を受け、まだまだ復興に多くの人やもの、金を必要とする本市が、他の自治体と同様に従来どおりの行革に取り組んでいくべきものか疑問に感じているところです。  本市の状況を見てみますと、業務量は年々ふえ続けている一方、行革により職員数は減少の一途をたどってきております。そこに熊本地震が発生し、災害関連の業務が加わり、職員の時間外勤務は大幅に増加しております。こうした中、時間外勤務の新たなルールとして、時間外勤務は原則20時までと定められておりますが、単に時間外勤務を制限するだけでは、復興業務や他の行政サービスの提供に影響が出てくるのではないかとも懸念しております。  今年度の採用試験の実施状況を見てみますと、任期付職員の土木職は、採用予定数10人に対し最終合格者は6人、建築職は、採用予定者8人に対し最終合格者はなしというふうに、採用予定数は辛うじて確保できるかどうか、既に採用予定数を下回っている状況でありまして、特に専門職の確保は着実な復興を進めるためには喫緊の課題と考えます。  また一方で、今回の震災対応のように業務が著しく増加する場合に、特定の時期に新規採用職員を増員した場合、年齢構成がアンバランスとなり、将来的にも大量退職、大量採用の繰り返しといった、その場しのぎの採用につながりかねず、年齢構成の是正ができないばかりか、空白の年代が生じることで経験や知識の継承、さらには人材育成の観点からも問題が生じてくるのは明らかであります。  そこで、提案を含めお尋ねいたします。  将来にわたって安定的に知識、経験を引き継ぐためにも、経験豊富な社会人を一定程度採用するなど、年齢構成に偏りが生じないような採用を行ってはいかがでしょうか。今後の定員適正化計画と専門職の確保についてどのように考えておられるのか、総務局長にお尋ねいたします。  次に、働き方改革につきましても、政府は誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現を目指し、その最大のチャレンジとして働き方改革を位置づけて、改革の主軸として長時間労働や賃金制度の見直しを掲げておられます。中でも長時間労働は小さな子供を育てる女性の就業継続の大きな阻害要因であり、女性のキャリア形成を困難にしているだけではなくて、男性の育児参加を阻み、子供を産み育てにくい社会の背景となっているのではないでしょうか。  本市においても、時間外勤務の状況を見てみますと、先ほども申しましたように熊本地震の影響もあって大幅に増加しておりました。長時間勤務対策は喫緊の課題となっております。また、長時間勤務対策に加えて、家庭の事情に応じて柔軟な働き方を選択ができる環境整備も私は重要ではないかと思っております。  先月7月11日から25日まで、東京都は時差出勤や在宅勤務を呼びかける時差Bizのキャンペーンを行っております。この時差Bizとは通勤ラッシュ回避のために通勤時間をずらすというものであり、さらにこの取り組みは保育園の送迎のために1時間勤務時間をおくらせたり、または1時間早く帰るといった子育て世代にとっても働きやすい職場環境整備につながるものでありまして、本市もこのように積極的に制度を活用すべきと考えます。  このほか、1987年に導入されましたフレックスタイム制は、労働者が個々の生活に応じて柔軟に労働時間を定めることができる変形労働時間制の一種ですが、厚生労働省の平成28年の調査によりますと、従業員が1,000人以上の企業の22.1%が導入しており、また在宅で勤務を行うテレワークも総務省の調査によりますと16.2%の企業が導入しているとの結果が出ている現状であります。  これらの勤務形態は、労働者の子育てや介護、通勤に要する負担の軽減などワーク・ライフ・バランスの確保に資するだけでなく、通勤手当の削減や不足している執務スペースの確保など副次的な効果もあるそうです。そこでお尋ねいたします。  民間企業で着々と進んでいる多様かつ柔軟な働き方の導入が、自治体では消極的に映るのは私だけではないと思います。本市も導入に向けて積極的に検討を進めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。本市の働き方改革の取り組みについては、総務局長にお尋ねいたします。  引き続き、女性、高齢者が活躍できる社会についてお尋ねいたします。  働き方改革など女性、高齢者が本当に活躍できる持続可能な社会についてどうするか、現在人口減少社会が本格的に到来する中で、産業界においては人材不足や人手不足が危機感を持って論じられ、経済の成長にも重要な人材確保が困難な時代となっております。  このような中にあっても、働き方改革を推し進めながら経済成長を確保していくためには、現在眠っている人材を社会にもう一回呼び戻し、活躍の場を広げていくことが今求められているのではないでしょうか。  専業主婦や子育てを終えた女性には能力の高いそして戦力となる人材が多く存在しておりますし、定年を迎えた高齢の方々にも優秀な方はたくさんいらっしゃいます。このような潜在的な人材、能力をフルに引き出していくことが求められているのではないでしょうか。  そこで、お尋ねいたします。  今後、どのように女性や高齢者が人材として活用され、活躍ができる社会を構築していくのか、経済観光局長にお尋ねいたします。          〔田畑公人総務局長 登壇〕 ◎田畑公人 総務局長  働き方改革について、2点続けてお答えいたします。  まず、職員の定員管理と専門職の確保についてでございます。  これまでも定員管理計画に基づき職員数を抑制してきたところでございますが、復興業務に当たる技術職員が大幅に不足したため、定員抑制は一旦見合わせるとともに、他都市から応援職員を派遣いただき、業務を進めているところでございます。  土木建築の技術職員につきましては、新規採用の増員や任期付職員の採用により確保に努めておりますが、民間の好調な求人状況の影響もあり、採用予定数の確保が困難な状況にあります。  そこで、まずは任期付職員の再募集や次年度以降の採用計画の見直しなどを行うとともに、なお不足する人員を他都市からの応援いただくことで復興業務を着実に進めることができる人員体制を整えてまいりたいと考えております。  次に、専門職の確保についてお答えします。  議員が述べられましたように、公務における知識や経験を安定的に継承し、人材を育成していくためには、空白の年代が生じることがないよう計画的に職員を採用していかなければならないと考えております。  そこで、空白の年代が生じないよう退職者がいない職種につきましても定期的に採用を行うとともに、専門性を確保するために平成24年度より民間企業等経験者の採用を行っているところでございます。今後も人員の確保はもとより、年齢構成や専門性も考慮した計画的な採用に努めてまいります。  続きまして、働き方改革の取り組みについてお答えいたします。  これまでも時間外勤務につきましては、職員の健康被害の防止と総人件費抑制の観点から縮減に取り組んできたところでございますが、震災業務による時間外勤務時間数は大幅に増加している状況にあるため、仕事のあり方、進め方を見直すとともに、時間外勤務の縮減を一層強化するための新たなルールを試行しているところでございます。  この取り組みにより、仕事にめり張りをつけることや勤務時間内で仕事を終えるためのスケジューリングなど、仕事に対する意識の変化が見られるなど一定の効果が出ているところでございます。  次に、柔軟な働き方についてお答えいたします。  議員が述べられましたとおり、フレックスタイム制テレワークにつきましては、民間での取り組みは徐々に進んでいるところでございますが、自治体においては窓口の人員確保や情報セキュリティなどの課題があるため、導入が進んでいない状況にあります。  しかしながら、時間外勤務の削減や多様な働き方による優秀な人材の確保につながるなど、導入のメリットはあると考えているため、先進自治体を参考としながら積極的に進めてまいります。          〔中村英文経済観光局長 登壇〕 ◎中村英文 経済観光局長  女性、高齢者が活用され活躍できる社会の構築についてお答えいたします。  今後の労働力人口の減少に対し、本市が持続可能な社会を形成していくためには、女性、高齢者を含む多様な人材の活用や生産性の向上などに全庁を挙げて取り組む必要があると考えているところでございます。  そのため、平成27年5月に発足しました熊本市と熊本労働局との雇用対策連携協定に基づく運営協議会におきまして、本市の経済、福祉、市民生活の各部門の担当課長が参画し、これまで双方の施策や制度の補完などについて情報の共有化を図ってきたところでございます。  特に女性の活躍推進に向けましては、働く女性のキャリアアップセミナーや、企業における子育て支援のためのセミナーの開催、母子家庭の母を雇用した企業への奨励金制度を設けるなど、中小企業などにおける女性の人材活用支援や、女性のライフステージに対応した支援などを行っております。  また、高齢者の活躍支援に向けましては、中高年齢者を対象といたしましたライフプランセミナーを開催しているところでございます。あわせて、年齢や性別に枠を設けない合同就職面談会や、UIJターンサポートデスクなどの就職支援を行っているところであり、今後も女性や高齢者などが働きやすい職場づくりの推進に取り組んでまいりたいと考えております。          〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  ただいま御答弁がありましたように、先進自治体を参考にしながら積極的に進めていくとの局長の答弁、フレックスタイム制テレワークについて積極的に取り組んでいくというふうに御答弁いただきました。しっかり頑張っていただきたいと思います。  また、多様かつ柔軟な働き方の新たな取り組みでもありまして、役所の本気度が試されますので、全力で取り組んでいただきたい。私たちもしっかり後方から応援していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  また、水道町に設置してありますマザーズハローワークや、昨年4月にヤングハローワーク熊本が管内に開設されました。この中にはシニア世代のための就職相談窓口や生涯現役支援窓口などとも連携して、女性や高齢者などが活躍できる社会の実現に向けて取り組んでいただきたいことも申し述べておきたいと思います。  次の質問に移ります。  中小企業の支援及び活性化についてです。  報道などによりますと、県内の経済状況はおおむね順調に進んでいると報道がされております。例えば、復興需要を追い風に百貨店やスーパー、家電量販店の売り上げが伸びるなど個人消費は堅調に推移しており、また製造業の生産活動も全国でも高水準で推移、住宅着工や企業の設備投資もふえていることから、日銀熊本支店や、九州財務局の景気判断はいずれも県内経済が着実に回復していることを示しております。  また、震災後に懸念されておりました倒産は、グループ補助金などの公的な支援に加えて、金融機関が返済猶予や低金利の融資など積極的に支援を行った効果で、過去最低の水準に抑制されていると報じられております。  しかしながら、マスコミなどで公表されている倒産は負債額1,000万円以上であり、また後継者難や業績不振に悩む経営者が震災を機に事業に見切りをつける事例も多いと聞いております。  個人経営者の事業所の倒産や、自主廃業の状況は余り表に出ることはないかと思われますけれども、実際私の身近な方たちの中で、理容室を営む知人は地震で建物が被災して、建てかえ費用を捻出するための資金繰りについては、金融機関などに相談したりしっかり動いてきた、しかし資金計画をうまく立てられずに営業を断念するしかなかった。また、飲食店を営む別の知人も、地震後1年間は復興需要を追い風に売り上げが順調であったけれども、近隣に全国チェーンの同業者が店舗をオープンした後は売り上げが激減して、弁護士さんなどに相談し再建計画を、練ってきたけれども、結果的には借金が少ない今のうちに店を畳んだ方が、今後の生活への影響が少ないのではないかということで、法的整理による債務整理の道を選んだと。本当に若い青年の方でしたけれども、肩を落とす姿に、若者を育てる本市の方向性、そういうことを思うと、ただただ残念で仕方がありませんでした。  このような好調な県内景気の陰に隠れて、事業再開を断念したり、事業は再開したものの業績が回復できない。そういうふうに法的整理を選ぶ事業者も多いと考えられますけれども、本市として熊本地震後どのような中小企業支援を行ってきたのか、経済観光局長の答弁を求めます。          〔中村英文経済観光局長 登壇〕 ◎中村英文 経済観光局長  熊本地震後の中小企業支援のお尋ねについて、お答えいたします。  平成28年度における県内の倒産件数は低水準で推移しておりますものの、中小零細企業を対象とした休廃業・解散件数はここ10年間で最も多くなっており、熊本地震の影響により休廃業の決断を余儀なくされている事業者がいらっしゃいますことは認識しているところでございます。  お尋ねの地震後の本市の取り組みといたしましては、被災した中小企業者に対しまして迅速かつ円滑な事業活動を支援するため、本震直後の4月19日にくまもと森都心プラザに特別相談窓口を設置し、中小企業者の経営や融資に関する483件の相談に対応したところでございます。  あわせて利子を3年間補助する熊本地震特別融資制度を創設し、従業員の人件費などの運転資金への活用などに融資件数514件、融資総額約31億4,665万円の利用がございました。  また、県や金融機関におかれましても社屋の改修などを目的として、低金利や一定期間の返済猶予を設けた融資制度を創設されるなど、関係機関が一体となって金融支援を行ってきたところでございます。  今後とも商工団体を初め金融機関などの支援機関と連携を図りながら、事業者に寄り添った金融経営支援を行ってまいりたいと考えております。          〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  ただいま局長から御答弁がありました行政、金融機関、経済団体が一体となって県内の経済の復興を下支えしてきたことは評価するところです。ただ、好調な景気の一方では、人手不足による人件費や資材の高騰によって公共工事での入札の不調、また不落が相次ぐとともに、中小零細企業の設備修繕や住宅再建が延び延びになるなど、人手不足が復興の妨げになっていることが今指摘されております。  加えて、現在の景気を支えている復興需要もいつまで続くのか期待ができない上、また、2019年10月には消費税の増税が予定されております。個人消費の低迷が懸念されるところであり、熊本市の経済が真の意味で本格的復興を果たしていく上では、経営基盤の弱い中小零細企業をいかに支援して、今後予想されている景気減速をいかに乗り切るかが鍵だと私は思います。どのように取り組んでいかれるのか、経済観光局長の答弁をお願いいたします。          〔中村英文経済観光局長 登壇〕 ◎中村英文 経済観光局長  中小企業の支援及び活性化の今後の取り組みについてお答えいたします。  本市におきましては、発災後1年が経過する本年4月に立地企業や商工団体などに対しまして、復旧・復興の状況及び行政へのニーズ調査を実施いたしました。その結果、議員御指摘のように人手不足の深刻化や、補助金、利子補給などの各種支援終了後における経営面に関する不安などが寄せられ、経営基盤の弱い零細企業などの経営力をいかに強化していくかが課題であると認識したところでございます。
     このようなことから本市といたしましては、森都心プラザのビジネス支援センターにおきまして、発災後本市が相談を受けた事業所へ定期的に専門家を派遣し、経営状況などの適切な診断や助言を行っているところでございます。  今後も商工会議所などと連携を図りながら、経営者が抱えるさまざまな課題の解決に向け、きめ細やかな支援を行うことにより、中小企業の経営安定に努めてまいりたいと考えております。          〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  震災後、本当に大きな爪跡を残しながら、本市の企業は前向きに一生懸命頑張っておられます。厳しいところについては、大小限らず、企業の経営安定化に向けて支援策など早くからの情報の周知を図っていただき、きめ細かな支援体制に力を入れていただきたいことを切に要望しておきます。  続きまして、本日地元新聞にもございましたけれども、復興基金を活用した被災者支援施策について改めてお伺いいたします。  熊本地震から1年4カ月が経過いたしましたが、いまだ仮設住宅では多くの方々が生活されており、生活の再建に不安を抱いていらっしゃいます。これらの方々が仮設住宅を退去され恒久的な住まいに移る際に、生活再建を後押しする目的で、熊本市が復興基金を活用して転居に係る費用等を助成することを検討され、熊本県とこれまで調整を進めてこられました。  そこで、確認の意味も込めましてお尋ねいたしますけれども、被災者の方々の一日も早い生活再建のためにも、このような支援施策はとても大切なものであると強く感じておりますので、これらの支援施策について、県との調整状況や制度創設の見通しについてわかる限りお示ししていただきたい。政策局長にお尋ねいたします。          〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  復興基金を活用した被災者支援施策についてお答え申し上げます。  本市ではこれまで復興基金を活用した被災者支援策として、応急仮設住宅等からの転居費用や民間賃貸住宅への入居費用等の助成について、熊本県に対して事業化を図るよう要望してまいったところでございます。  このたび県において本市を初めとする被災市町村からの意見要望を踏まえまして、9月定例県議会に住まいの再建を加速することを目的としました各種支援策の補正予算案が上程されることとなっております。  具体的に申し上げますと、転居費助成1世帯当たり10万円や、入居費助成1世帯当たり20万円、さらには自宅再建に係るローンの利子助成として100万円程度などが予定されております。  これを受けまして、今後本市としましては被災者の方々が一日も早く生活再建が図れるよう必要な体制を整え、さらに迅速に取り組んでまいります。          〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  ようやく新たな復興基金を活用した被災者支援施策が固まったようでございます。転居費用助成については1世帯10万円、入居費用助成は20万円とのこと、さらに自宅再建に係る利子助成については100万円助成されるとのこと。これからはしっかりとした周知、広報をお願いしたいと思います。  次に、全ての女性が輝く社会についてお伺いいたします。  内閣府が発行した平成29年度版の男女共同参画白書では、人口減少社会に突入する中で持続的成長の最大の課題を解決するには、働くことを希望する女性が仕事を持つようになるだけではなくて、働く女性がその希望に応じて能力を十分に発揮できる働き方を実現できるかどうかが鍵となると指摘しております。  具体的には、我が国の働く女性の現状を見てみますと、生産年齢人口は平成7年をピークに減少しているものの、就業者数は平成24年から28年の4年間で男性は23万人、女性は何と147万人の合計170万人増加しております。特に女性は大きく拡大しており、熊本県における15歳から44歳における女性の就業率は47都道府県中14番目となっております。  また、女性の就業率を年齢階級別に見てみますと、各年代で就業率がふえ、最近の10年間で今まで言われておりましたM字カーブの底が大幅に上昇してきておりますけれども、いまだ就業を希望していながら求職していない、職を求めていない女性も多く存在しているということであります。  その理由を見てみますと、出産や育児のためが最も多くて、次いで適当な仕事がありそうにないからとなっておりました。  また、非正規雇用者の割合は男女とも年々増加傾向で、女性では全体の55.9%を占めております。  一方、一般労働者における男女間の所定内給与額の格差は、平成28年では男性一般労働者の給与水準を100としますと、女性は73%と依然として格差が存在している状況であります。  さらに、民間企業での管理職の女性の割合としましては、熊本市の調査で平成23年の5.1%から平成26年には18.1%とある程度大きくは伸びておりますが、本市の目標値であります20%にはまだまだ届いていないというのが状況であります。  このように見てみますと、いまだ働く環境は男性中心となっており、女性の個性や能力が十分発揮できているとは言えないのではないでしょうか。  こうした状況の中、昭和女子大学の坂東眞理子総長は、新時代の女性リーダーの管理職登用の流れをつくることが大事であると述べられているように、今時代は女性のリーダーを求めております。坂東眞理子総長によると、このリーダーといっても旧来の男性と同じスタイルではありませんと。今の時代に求められているのは皆を巻き込んでチームメンバーを支え、新しい価値を生み出すリーダーだそうです。  女性が責任のある地位について能力や個性を十分に発揮することは、女性個人の人生を充実するだけではなくて、企業戦略として必要不可欠となっています。優秀な人材を女性だからといって排除しているようでは、人材プールがやせ細るばかりですというふうにも言われております。また、男性的基準では優秀でない人も実は新しい価値観を持っているかもしれませんとも言っておられます。  今、日本に必要なのは新しいアイデア、新しいビジネスモデルですが、それは従来のように同質な人ばかりの中から生まれるのではなくて、異なる発想、また異なる経験を持っている人との遭遇から生まれます。もちろんそれは外国の人や異なる宗教や人種の人でもよいのですけれども、まずは多様性活用の試金石は女性活躍が大事と言われております。  また、女性たちがこれからの時代に必要とされるリーダーシップをどう身につけるかが大事であり、とりわけ女性に必要で足りないのはリーダー経験ですとも述べておられます。  このように、全ての女性が輝く社会の実現は、国の目指す一億総活躍社会の中核であり、その推進のために昨年4月には女性活躍推進法が全面施行され、市は法律に基づいて熊本市女性の職業生活における活躍推進計画を策定いたしましたが、その計画の実効性を高めて推進していくためには、官民、特に経済界と連携した取り組みが必要だと私は思います。  その取り組みを具体的に本市の女性活躍をどのように進めていかれるのか、市民局長にお尋ねしたいと思います。  また、男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画的に推進することを目的としました男女共同参画社会基本法が制定されて18年が経過しております。熊本市男女共同参画推進条例の趣旨からすると、時代の変遷とともに変化する役割や意義を捉えた見直しが今後必要とも考えますが、その理念の実効性を担保した熊本市男女共同参画基本計画の計画期間が平成30年度までとなっており、次の計画期間に向けてさまざまな社会情勢、そして市民のニーズを反映した基本計画の見直しが必要ではないかと思います。  また、昨年度、熊本市女性の職業生活における活躍推進計画を策定いたしております。この熊本市男女共同参画基本計画及び熊本市女性の職業生活における活躍推進計画については、整合性をとりながら、総合的かつ計画的に男女共同参画を進めていくために今後見直しされることと思います。  そこで、熊本市男女共同参画推進条例並びに熊本市男女共同参画基本計画及び熊本市女性の職業生活における活躍推進計画の見直しの必要性を含めて、条例の目的であります男女共同参画社会の実現について、本市の現状及び課題に対する大西市長の見解を求めたいと思います。          〔萱野晃市民局長 登壇〕 ◎萱野晃 市民局長  私からは本市の女性の活躍推進に向けた取り組みについてお答えいたします。  本市ではあらゆる職場で女性が活躍できる社会の実現を目指しまして、平成27年度からは熊本県地域女性活躍推進交付金を活用した企業向けセミナーやワークショップを開催し、また平成28年度からは女性の活躍推進事業を第7次総合計画実施計画の重点的取り組みの一つとして位置づけ、働く女性の大交流会や女性のキャリアアップセミナーの開催、企業へのアドバイザー派遣事業の実施などにも取り組んでおります。  また、平成29年3月には熊本市女性の職業生活における活躍推進計画を策定し、平成30年度時点における女性の管理職比率20%の目標を定め、各種施策を展開しているところでございます。  今年度は、事業所等における女性の登用及び活用状況、育児・介護休業制度の整備状況や利用実態等に関する企業実態意識調査を実施し、今後の施策に反映させることといたしております。  さらには、女性活躍推進法第23条に基づき設置予定であります経済団体や労働者団体、行政機関等によって構成されます地域協議会等を通じ、女性の活躍推進に向けた各施策が効果的かつ円滑に実施できますよう、産学官で連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  男女共同参画社会の実現に関する本市の現状と課題についてお答えいたします。  本市では平成21年度に熊本市男女共同参画基本計画を策定いたしまして、さらに平成28年度に熊本市女性の職業生活における女性活躍推進計画を策定するなど、男女がともに生き生きと個性と能力を発揮できるまちを目指して、男女共同参画社会の実現に取り組んでまいっているところでございます。  しかしながら、依然といたしまして企業等の管理職や地域のリーダーに占める女性の割合は低く、女性の登用、参画は十分に進んでいるとは言えない状況だと認識しております。  また、結婚や出産を機に離職する女性もいまだ多く、働き続けてもワーク・ライフ・バランスやキャリア形成に悩む女性も数多く存在しております。  さらに、女性の晩婚化と出産年齢の上昇によりまして、育児と介護の同時進行に苦しむ女性の増加や、男女間による賃金格差、長時間労働の是正と男性をも含めた働き方の見直し等、昨今の急速な社会情勢の変化に伴って新たな課題も発生しており、いずれも喫緊に取り組むべき課題であると認識しているところです。  お尋ねの2つの計画につきましては、十分な検証と現状の把握分析に努めますとともに、先ほど述べました新たな課題にも対応した総括的な見直しを行い、その施策を着実に推進することで、多様な能力、視点を生かす男女共同参画社会を実現することが、本市が目指す上質な生活都市の実現につながるものと考えております。          〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  先ほど局長が述べましたキャリアアップセミナー、働く女性の大交流会inくまもとに私と三森議員で一緒に参加してまいりました。  200人もの女性たちがみずからのキャリアアップやワーク・ライフ・バランスなどについて語り合い、それぞれの知識や経験の意見交換をし、意識を共有することで、女性が自分自身の生き方、働き方を改めて考え直すきっかけになったのではないかと思いました。  先ほど市長も述べられましたように、時代の変化とともに、育児と介護、このダブルケアと男女間の賃金格差など新たな問題も発生しておりますので、男女共同参画社会の実現に向けて、これからぜひスピード感を持って取り組んでいただきたいことを要望しておきます。  次の質問に移ります。  生活困窮者の自立支援事業関係についてお尋ねいたします。  過日、私を含め公明党市議団3名で生活困窮者自立支援事業関係について、北海道の釧路市に視察に行ってまいりました。この釧路市は、保護から自立支援へと早くから取り組んでおられました都市であり、その後の経過も含めて視察をさせていただきました。これを踏まえてお尋ねしていきたいと思います。  さて、熊本市の現状はいかがでしょうか。自立支援については生活保護に至る前の段階から支援することが喫緊の課題でありました。国でも平成25年12月に生活困窮者自立支援法が成立し、モデル事業を経て平成27年度から本稼働となっております。  事業内容としましては、自立相談支援事業を初め、就労準備支援事業及び自立支援プログラム事業、または学習支援事業等が実施されております。そして、中央区内には生活自立相談支援センターとして相談窓口が設置されましたので、私は設置されたと同時に相談者の方たちを何名もここに案内しておりました。  昨年の熊本地震に関する相談や生活設計に不安を抱える方など、複合的で重層的な問題を抱えた生活困難者も今ふえておりまして、伴走型でしっかり寄り添った支援を行う必要があると思っております。  こうした事業の中で、就労準備支援事業の対象者は働く能力はあるものの、自分の健康の管理、また規則正しい生活ができなかったり、対人関係が苦手だったり、また就労意欲が低いなどの課題を抱えておられます。対象者の状況に応じて、就労体験やボランティア体験など、地域社会と人とのつながりを通して、自分が本当に役立っているという体験を積み重ねていくことで、社会参加や就労への意欲を養う必要があると思います。  ある方は、保護になられた後に部屋に閉じこもって、本当に外には出られないような状況を見たことがありました。そういう状況の中から、これからはいろいろな角度で一般的な求職活動では就労に結びつきがたい方へ、さらに段階的に手厚い支援を行うということが必要不可欠なことではないかと今思っております。  就労実績を見ると、平成28年度は熊本地震による影響もある中で、対象者数22名に対して、15名の方が就労することができたという成果が出ているというふうにお伺いしました。今後も一人でも多くの方が社会的自立ができるように寄り添った支援をお願いしたいと思います。  また、一方では子供の学習支援事業については、生活保護世帯の中学2年生また3年生と保護者を対象に取り組んでいただいておりますが、この事業の特徴は基礎学力向上のみならず、ひきこもりや不登校の生徒さんへの相談と支援を行っておりまして、一般の学習塾とは少し違い、福祉的な配慮も求められており、御存じのとおりでございます。  しかしながら、直近の参加者が全体で定員60名に対して参加予定者を含めて34名と少ないことが課題となっており、何らかの対応が必要ではないかと思います。  そこで、まず1点目は震災により生活困窮者自立支援関係事業における相談などに影響があったんだろうと思われますが、その実績と今後の見通しについて、どう考えているのかお尋ねしたいと思います。  また、2点目は子供の学習支援事業の参加者の実績と今後の取り組みについて。  以上2点、健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  生活困窮者自立支援事業に関する2点の御質問にお答え申し上げます。  まず、生活困窮者自立支援事業の実績と今後の見通しについてでございますが、相談件数につきましては、平成27年度の3,131件に対しまして、平成28年度は2,900件と減少しておりますが、これは仮設住宅の提供や義援金の配分等の各種被災者支援策が活用されたことが一つの要因ではないかと考えております。  今後は仮設住宅からの転居等、各種支援策の期間満了等による相談の増加も見込まれますことから、各区の地域支え合いセンターを初め関係機関との連携を図り、生活困窮者の早期把握や早期支援に努めてまいります。  次に、子供の学習支援事業の実績と今後の取り組みについてでございますが、子供の学習支援事業につきましては、生活保護受給世帯の中学2年、3年生とその保護者を対象として、基礎学力向上の学習支援のみならず、ひきこもりや不登校などさまざまな課題を抱えている生徒やその親とのカウンセリングを行っております。  実績といたしましては、平成27年度に参加した中学3年生22名、平成28年度の18名全員が高校進学をしております。ただ、ただいま御指摘がありましたように、定員枠60名に対しまして平成27年度は40名、平成28年度は28名の参加にとどまっており、定員枠の充足が課題となっております。  そこで、本年度は早期の段階からケースワーカーの戸別訪問により丁寧な事業説明を行い参加勧奨を強化するとともに、校長・園長会、児童虐待防止連絡会などにおいて事業の周知を行っており、その結果、年度当初は13名であった参加者が8月4日現在は、予定者も含め34名と増加傾向にございます。  今後も参加勧奨を継続し、生徒一人一人の家庭環境に配慮しながら、健全な育成が図られますよう寄り添った支援に取り組んでまいります。          〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  子供たちの将来のために、しっかり取り組んでいただきたいと思います。  また、震災から2年の時間がたってきましたけれども、今後震災後の義援金の配分、また各種支援策の期間が終了するとなってきますと、また相談の増加が見込まれるのではないかと思います。しっかり今後新たな生活再建と、そしてまた早期自立に対しても、そうした中で社会参加ができますように、伴走型で支援に取り組んでいただきたいと思います。  さらにもう一点、要望でございますけれども、中央区の相談室がなかなか狭くて、私も相談者を連れていくと、壁にぶつかったりコンセントに引っかかったりと、ちょっと狭い状況でありますので、今は大変かと思いますけれども、検討していただけますようよろしくお願いいたします。  次に、高齢社会への取り組みと地域包括ケアシステムについて、質問させていただきます。  我が国は諸外国に例を見ないスピードで高齢化が進展しており、本市でも平成29年8月1日現在、65歳以上の皆さんは18万3,000人で高齢化率も25%になり、今後もさらに高齢化の進展が予測されているところでございます。  一方、介護保険制度は2000年4月から介護の社会化を目指してスタートし、16年が経過しました。2006年には、地域の調整機関として地域包括支援センターをスタートさせ、さらに2014年の改正では、医療介護総合確保推進法により医療から介護へ、施設から地域へと介護保険はさらに介護の地域化の方に向かっております。  このような高齢者の尊厳の保持と自立生活支援の目的のもと、可能な限り住みなれた地域で、人生を最期まで自分らしい暮らしを続けることができるよう、住まい、医療、介護、そして介護予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が今求められております。  本市では、第6期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を地域包括ケアシステム構築の推進計画として位置づけ、在宅医療や介護の推進、認知症高齢者の支援、介護予防と健康づくり及び生活改善の推進など本市の実情に応じたサービス基盤の整備について、重点的にこれまで取り組んできたというふうに伺っておりますが、今年度は平成30年度からの第7期の計画の策定に向けて、地域包括ケアシステムの推進に向けて新たな検討を進められているところかと思います。高齢者にとっても介護が必要な状態になっても地域で暮らしていくためには、在宅医療や介護サービスの提供体制を充実させることで、この地域で高齢者を支える仕組みをつくることが大きな課題ではないでしょうか。  また、介護が必要な方への支援体制を充実させるのはもちろんのことですけれども、まずは介護が必要な状態にならないように、高齢者がいつまでも元気で生き生きと自立した生活を送ることができるような進め方が重要だと思います。高齢者の皆さんが生きがいを持って集う場、高齢者の方の居場所づくりを進めることが高齢者の社会参加にもつながるものと思います。  そこで、お尋ねいたします。  まず、今後の本市の地域包括ケアシステムについて、市長のお考えをお伺いいたします。  また、在宅医療や介護の連携推進、高齢者の居場所に関し、これまでの取り組み状況や今後の方向性につきまして健康福祉局長にお伺いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  地域包括ケアシステムに関する私の考えについてお答えいたします。  議員御案内のとおり、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けましては、支援を必要とする高齢者を社会全体で支える仕組みであります地域包括ケアシステムの構築が重要であるというふうに認識しております。  本市では、これまでも地域包括ケアシステムの構築を熊本市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画、いわゆるはつらつプランに位置づけまして、医師、薬剤師、ケアマネージャーなどの医療・介護に携わる多職種による連携や、小学校区単位の健康まちづくりといった地域でのネットワークづくりを進めてきたところでございます。  地域包括ケアシステムが機能していくためには、地域住民が主体となって地域の特性や実情に応じ推進していく必要がありまして、そのために行政は医療機関、介護施設、民間企業等の地域資源を生かしたネットワーク形成など、地域包括ケアシステムの基盤づくりを進めることが重要であると認識しております。  そこで、本年4月には地域包括ケアシステムの構築に当たって取り組む方向性を共有するための指針として、熊本市地域包括ケアシステム推進方針を策定するとともに、5月には医療、介護、地域等の関係団体からなる熊本市地域包括ケアシステム推進会議を立ち上げ、地域課題の整理や情報共有を行うとともに、市民や関係団体、行政等が連携しながらそれぞれの活動や事業を展開する体制づくりを行ったところでございます。  今後は、各区におきましても関係団体から構成いたします推進会議を順次立ち上げまして、熊本市地域包括ケアシステム推進会議と連携することによって、日常生活圏域から区へ、そして市域へと地域課題を持ち上げ検討していく体制を整備し、本市における地域包括ケアシステムの構築をより具現化してまいりたいと考えております。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  私からは2点のお尋ねに順次お答え申し上げます。  まず、在宅医療と介護の連携推進に関する取り組み状況と今後の方向性についてでございますが、この連携につきましては平成24年度から取り組みを始めており、具体的には在宅医療と介護にかかわる多くの専門職の顔の見える関係づくりを支援するための多職種連携研修会の開催、市民や関係者からの相談に対応する在宅医療相談窓口の開設、在宅医療・介護にかかわる医療介護施設の資源マップの作成、市民講演会や出前講座等による市民啓発等に取り組んでおります。  また、昨年度からは熊本市版エンディングノートでございますメッセージノートの普及啓発を進めており、市民一人一人がみずからの人生の最終段階における医療について考えるためのきっかけづくりや、在宅等でのみとりや急変時の医療と介護の情報共有にも活用していければと考えております。  今後とも在宅での療養を希望する方々が安心して生活を送ることができるよう、在宅医療と介護の連携を進めてまいります。  次に、高齢者の居場所づくりに関する取り組み状況と、今後の方向性についてでございますが、本市ではこれまで地域との協働により高齢者健康サロン等を開催し、高齢者の居場所づくりの一つとして一定の役割を果たしてきたものと認識しております。  また、平成29年4月からの介護予防日常生活支援総合事業への移行に伴いまして、これまでの介護予防事業を見直し、新たな通いの場としてくまもと元気くらぶを7月に創設したところでございます。  本事業は、高齢者が住民主体で身近な場所に集まり、運動を取り入れた活動に継続的に取り組む地域の団体に対しまして、活動費の助成や理学療法士等の専門職を派遣するものでございます。高齢者自身も地域の介護予防の担い手となることで生きがいを持つとともに、運動機能の向上によって高齢者の自立や介護予防につながるよう、くまもと元気くらぶを高齢者の新たな居場所の一つとして推進してまいります。
             〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  ただいま答弁がありましたように、今年度から取り組まれる地域密着型のリハビリテーション、くまもと元気くらぶの介護予防の施策が始まってまいります。これからいろいろな地域ごとに高齢者の対策を練られていくかと思いますけれども、そういうことになってくると、場所が遠いからとかいろいろな声が届いてくるのではないかと思っておりますけれども、ともかく歩いて参加しようと、リハビリということで、万歩計とかを利用しながらきょうは何歩歩いてきたとか、また歩数のポイント化とか、地域で検討していただきながら楽しいリハビリ、楽しい居場所としての取り組みが展開できますよう心から期待しておりますので、しっかり頑張っていただきたいと思います。  続きまして、地域活動における公共施設の有効活用についてお尋ねいたしますけれども、先ほどリハビリ等の居場所づくりということですけれども、ではその居場所はどうするのかという問題でありまして、地域にそういう居場所があるところは心配がありませんけれども、全市的にはそういう居場所というのがさまざまではないかと思います。そのため、住民が地域活動に積極的に取り組むために、より身近な地域で集まって活動ができる拠点となる、そういった施設が必要でございます。  例えば、地域コミュニティセンターがあるけれども、通うには距離が遠かったり不便だったりと、そういった住民の声もあります。身近な施設ということでは、老人憩の家や地域公民館などの集会施設もあり、これら施設も活用していかねばならないと思いますが、地域によっては身近な場所にこのような施設が全然ないというところもあります。そのような地域の住民から、高齢者の方からですけれども、ともかく既存の施設でもいいので、身近なところで活動ができる場所を何とか紹介してほしいという、本当に切なる要望もありました。  このような中、市では熊本市公共施設等総合管理計画に基づきまして、今後施設面積の縮減に取り組むとされておりますけれども、拠点のない地域の方々から、中央区は割と土地も狭くてないところがあるんですけれども、高齢者の方が何人も来られまして、ひとり暮らしの高齢者をそのままにしておくことはできない、自発的に何とかしなくてはならないということで、地域に呼ばれていきました。自発的に自分たちで身近で交流する居場所を探しておられましたけれども、なかなか厳しいという状況でありましたけれども、地域のために何とか自分たちも一生懸命頑張っていかねばならないという情熱に感動したものでした。  そこで、お伺いいたします。  既存施設の空きスペースや空き時間を、こういった地域活動の場として使ってもらえるよう柔軟な対応ができないものか、大西市長にお伺いしたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  地域活動における公共施設の有効活用についてお答えいたします。  本市では、平成29年3月に公共施設等総合管理計画を策定いたしまして、基本方針の一つとして資産総量の適正化を掲げ、公共建築物の総延べ床面積を40年間で20%削減することとしておりまして、これを実現するために、施設の集約化や統廃合を視野に入れた公共施設再編等計画を平成30年度中に策定することとしているところでございます。  そのような中、議員御指摘の地域力の維持向上を図っていく上で、必要となる地域活動の場につきましては、公共施設を有効に活用していくことは大変重要であると認識しております。  今後は市民ニーズなどを踏まえながら、例えば社会教育と老人福祉の機能を持たせて統合いたします白川公園内複合施設のように、施設の弾力的な運用を図ることなどにより、地域活動の場としての利活用を進めてまいりたいと考えております。          〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  市長の御答弁、ありがとうございます。施設の弾力的な運用を図るなどによって、地域活動の場としての利活用を進めてまいりたいとの答弁でありました。前向きな答弁、本当にありがとうございます。  まずは地域の状況の把握から進めていただき、あわせて民間施設や空き家の活用なども考えてはいかがでしょうか。よろしくお願いいたします。  続きまして、国保制度改革について質問いたします。  平成30年度に向け、現在準備が進められている国保制度改革についてですけれども、国民皆保険を将来にわたって堅持していくため、医療保険制度の財政基盤の安定化や、医療保険の保険料に係る国民負担に関する公平の確保等を内容とする、持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律というものが平成27年5月に成立いたしました。  現在、来年度からの新制度施行に向けて、国民生活改革が進められているところでございます。この制度改革では、都道府県が財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業の確保などの国保運営に中心的な役割を担っていくことになります。  また、もう一つの柱は、国保の財政基盤強化として約3,400億円の財政支援の拡充が行われることとされており、拡充される財政支援のうち新たな財源としては、医療費適正化への取り組みなど保険者としての努力を行っていると評価される市町村や都道府県に対しては、保険者努力支援制度としての交付金が交付されるということでございます。  この評価制度の導入に当たっては、具体的にその評価指標が示され、加点が大きいほど有利になるということだそうですが、この保険者努力支援制度の内容について、詳しくお示しいただきたい。  また、保険者努力支援制度では個人の健康づくりの取り組みに対するインセンティブの提供についても加点がされることになっているとのことですが、個人へのインセンティブの提供についてもどのように今考えておられるのかお示しいただきたい。  以上2点につきまして、健康福祉局長にお尋ねいたします。  続きまして、保険者努力支援制度の活用による本市独自の仕組みづくりについてお尋ねしたいと思います。  さて、本市は人工透析患者が政令市一多いと言われてきました。CKD対策にも長年取り組んでこられ、その結果新規透析患者が初めて全国平均を下回ったとのことです。  また、早期発見や食事指導で人工透析への移行を防いで、医療費約14億5,000万円といった連携事業の削減効果があったとも聞いております。  保険者努力支援制度を活用した取り組みを行うことは、このCKD対策の強化で明らかなように、国保財源の確保とともに市民の健康を守る観点からも、本市にとって私は重要であると考えております。  本市には、市民に身近なまちづくり支援の体制や地域担当制の健康まちづくりや保健師の配置など細やかな支援体制ができており、これは強みとなっているのではないでしょうか。  こうした本市の強みを生かした市民、医療機関、機関行政などが連携した熊本市独自の仕組みづくりを行って、保険者努力支援制度を活用すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。  生涯を通して健やかで生き生きと暮らせる保健福祉の充実の実現に向けて、全国一の成果が出るような本市独自の仕組みづくりを行い、保険者努力支援制度の活用を図るべきだと考えますけれども、市長の決意をお伺いいたします。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  まず、私の方から国保制度改革の2点のお尋ねについてお答え申し上げます。          〔議長退席、副議長着席〕  まず、保険者努力支援制度の内容についてでございますが、同制度は平成30年度からの国民健康保険制度の新たな財源でございまして、個人や保険者の生活習慣病等の予防や、特定健診等の受診に関する取り組みを促す仕組みの構築を目的として実施されるものでございます。  保険者努力支援制度の評価指標と配点につきましては、重症化予防への取り組みによる加点が100点、個人へのインセンティブ提供による加点が70点、特定健診受診率による加点が50点などとなっております。  平成30年度の市町村向けの保険者努力支援制度の予算額は500億円となっており、その算定方法につきましては、基礎となる体制構築加算60点に、評価指標ごとの点数を加え、被保険者数を乗じて算出した総点数に応じて予算額を案分して交付されるものでございます。  次に、個人へのインセンティブの提供に対する考えでございますが、特定健診やがん検診の受診、健康イベントへの参加、ウオーキング等の取り組みに対するヘルスケアポイントの付与等、個人の健康づくりの取り組みに対するインセンティブの提供につきましては、国保の医療費適正化を図っていく上で有効であると考えております。  本市の国民健康保険の特定健診受診率は約27%でございまして、未受診者の中には、自分自身の健康づくりに対して関心が低い層があると考えられることから、個人へのインセンティブの提供等、保険者努力支援制度の活用により、市民の健康づくりに対する意識の喚起に努めてまいりたいと考えております。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  先ほど局長が答弁いたしましたが、保険者努力支援制度の活用に当たっては、被保険者の皆様に特定健診の受診やジェネリック医薬品の利用等、市の取り組みに御協力いただくことが不可欠でありますとともに、市民、医療機関、また行政の連携が極めて重要であると考えております。  議員御指摘のとおり特定健診受診率向上や重症化予防などの保険者努力支援制度を活用することにより、市民の健康づくりがより一層推進されるものと考えております。  これまでも、本市では市民の健康を守る観点からCKD対策等の優良事例や、校区単位の健康まちづくり等の横展開を強化してきたところでございまして、保険者努力支援制度につきましても、本市独自の仕組みづくりを検討してまいりたいと考えております。  今後も市民が生涯を通して健やかで生き生きと暮らせるよう、医療費適正化の取り組みを推進しますとともに、上質な生活都市の実現を目指してまいりたいと考えております。          〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  本市の独自の取り組みについて仕組みづくりを検討していくとのことですので、効果のある取り組みをよろしくお願いしたいと思います。  また、今回の制度改正によって、新聞記事などによれば、熊本市もまた保険料が高くなるのではという不安の声が市民から聞こえてきます。保険者努力支援制度にしっかり取り組んで、市民に安心していただけるような市政運営にしていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。  続きまして、子育て世代包括支援センターについてお伺いさせていただきます。  この施策の概要と目的は現在医療機関、市町村の保健福祉センター、児童相談所といったようなさまざまな機関が今縦割りで行っている、妊娠期から子育て期にわたるまでの支援につきましては、ワンストップ拠点、子育て世代包括支援センターを整備するというものでございます。平成27年度には全国で150カ所を整備して、平成28年度以降は5年後までに全国展開すると目指しております。  母子保健法の改正によって、平成29年4月からセンターを市町村に設置することが努力義務とされました。さらに、ニッポン一億総活躍プラン、平成28年6月2日閣議決定においては、平成32年度末までにセンターの全国展開を目指すこととされ、利用者の視点に立った妊娠、出産、子育てに関する支援のマネジメントを行うことが期待されております。  この子育て世代包括支援センターの整備を進めている社会的背景には、ライフスタイルや経済社会の変化の中で、子育てを専ら家族だけに委ねるのでは、子育てそのものが大きな困難に直面する時代となっているということが挙げられております。  具体的には、地域の互助、共助の力のばらつき、インターネットの普及による間違った情報などによる混乱や誤解もありますけれども、基本的な知識や情報の欠落による子育てのつまずきのリスクもあるなど、今非常に子育てについて行き詰まり感のある時代となっている状況です。  そこで、国が設置を進めています子育て世代包括支援センターの役割として、3つ紹介しますと、1つが妊娠、出産、子育てに多くの関係機関がかかわることから、関係機関同士の十分な情報共有や連携が難しく、制度や機関によって支援が分断されてしまうという課題がある。これらの課題を踏まえ、妊産婦、乳幼児の状況を継続的、そして包括的に把握して、妊産婦や保護者の相談に保健師などの専門家が対応するとともに、必要な支援の調整、そしてまた関係機関との連絡調整をするなどして、育児不安、そしてこの虐待予防に努めることだとあります。  また、2点目にはセンターが母子健康手帳交付時に直接面談し、その機会を活用して直接状況を把握する。支援ニーズを踏まえこのセンターで包括的な支援を提供でき円滑な連携を図れること。  そして、3つ目には安心して妊娠、出産、子育てができる地域づくりも重要な役割の一つで、地元の自治会や地域住民などを含んだ地域の子育て資源の開発に努めるというふうになっております。  そこでお伺いいたしますけれども、本市においてはこの妊娠、出産から子育てまでのさまざまな相談を受けている子育て世代包括支援センターについて、このような連携した業務、さまざまな業務を推進するに当たっては、今どこの窓口でどう担っておられるのかについてお伺いしたいと思います。  また、母子健康手帳交付時など専任の保健師や助産師などが悩みを聞いたり、利用者に合わせた切れ目のないサービスなどについての取り組み状況についてもお示しいただきたい。  また、東京都などの調査によりますと、うつ病などで自殺した妊産婦は2005年から2014年のこの10年間に東京23区では63人にも上っておるそうでございます。出産数に占める割合は、10万人当たり8.5人で、出産に起因する死亡者の約2倍にも相当するという報告があり、産後ケアは今喫緊の課題となっております。  出産後、身体的、そして精神的にも不安定になりがちな妊産婦をサポートするこの産後ケアについても本市で取り組むべきではないかと思いますので、局長にお伺いしたいと思います。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  子育て世代包括支援センターに関する3つの御質問についてお答え申し上げます。  まず、子育て世代包括支援センター業務を担っている窓口についてでございますが、本市では各区の保健子ども課と、子ども・若者総合相談センターの6カ所がワンストップの拠点としての役割を担っているところでございます。  次に、利用者に合わせたサービスの取り組み状況についてでございますが、同センターでは妊娠から子育て期にわたるさまざまなニーズに対応しており、特に母子健康手帳の交付時は区役所の保健子ども課の保健師、看護師が子育て質問票を活用し、相談、情報提供、助言等個別対応しております。また、支援が必要とされる母親に対しましては、継続的に支援を行っているところでございます。  出産後の取り組みといたしましては、こんにちは赤ちゃん事業を実施しているところでございます。保健師、助産師等の専門職による訪問や、第2子以降におきましては地域の民生委員、児童委員が訪問し、地域のつながりができる体制づくりを推進し、切れ目のない支援に取り組んでいるところでございます。  最後に、産後ケアに関する本市の取り組みにつきましては、産科医療機関での1カ月健診におきまして、産後うつ病を発見するためのアンケートを実施いたしております。その中で産後うつ病が疑われる方に対しましては、区役所の保健師が連絡を受け、継続的支援を行うとともに、ヘルパーなど社会的資源の紹介も行っております。  また、産科医療機関や助産師等との専門職の連絡会や、地域におきましては校区ごとに子育て支援にかかわります民生委員、児童委員等の関係者との連絡会を開催し、孤立化しない子育て支援に努めているところでございます。          〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  ただいま局長から御答弁がありましたけれども、熊本市は全国的にも保健師さんがしっかり地域で、また地元での体制もできており、虐待でもいろいろな全国の状況から見たら、そういう問題も起きておりませんで、保健師さんたちの底辺でのしっかりした取り組みが功をなしているのではないかということを、今回の質問を通じてわかったところでございましたので、またしっかり切れ目のない支援に取り組んでいただきたいと思います。  さらに、今熊本市は保健子ども課と子ども・若者総合相談センターが子育て世代包括支援センターの役割を担っているというような答弁でありました。ウェルパルで建物も一つになっておりますけれども、平成24年度に政令指定都市となった際に保健福祉センターが保健子ども課になって、国の方針にかなった体制ができておりました。しかし、この当時には他都市に先駆けて熊本市も子ども未来局というのをつくっていただいたんですけれども、今政令市になりまして体制がちょっと変わったみたいなんですけれども、このように国の流れがある中で、やはり以前子ども未来局がありましたので、切れ目のない支援をしていただくためにも、子ども・子育てに関することを一元化していっていただけるような組織の再編も必要ではないかと個人的に思ったところでございますので、ぜひ要望していきたいと思います。  では次に、発達障害の早期発見の体制づくりと保護者支援について質問をさせていただきます。  この発達障害という言葉は広く一般的に知られるようにはなってきましたけれども、その理解、周囲の支援というものは十分ではないという状況ではないでしょうか。ある程度わかったように自分自身も錯覚していたのもありました。  また、2015年の文部科学省の調査によりますと、通常学級に通う小中学生の6.5%に可能性があるというふうに推計されており、1クラスに二、三人は特別な配慮や支援が必要であるということが明らかになってきました。  この発達障害は、生まれつき脳の働き方や情報処理の仕方がほかの人と異なっていることによって生じていると言われており、誰にでも発達の仕方によっては生まれつきでこぼこがあって、得意な力と、また不得意な力があるということで、この脳の働き方が違うと発達のでこぼこが大きくなりますけれども、そのことによって生活に困難を抱えている状態を発達障害というそうであります。  この発達障害は、周囲が気づかずに表面の行動だけを見ていると、うつ状態や不登校などの二次的な障害が生じてくるということが考えられるそうです。  また、保護者にとっては育てにくさを感じたり自分を責めたり、また周りの人から批判されたりして、保護者自身も多くの困難を抱えており、過大な負担を強いられていることが多いというふうに言われております。  しかし、このような状況でありましても、周囲が理解してサポートすることで、生活上や学習上の困難さが軽減できるんだということが今わかってきております。  さて、この発達障害者支援法は2005年、平成17年に施行されましたけれども、昨年改正され、早期発見と発達支援の強化が明記されております。  そこで、本市のこの早期発見につなげるための体制づくりについて伺っていきたいと思います。  さて、乳幼児健診においての早期発見についてですが、平成22年第3回定例会での質問で、3歳児健診の実施時期を3歳1カ月から3歳6カ月にできないかと提案させていただきました。  これは特に発達障害のある子供にとっては、障害の有無や程度の判断を行うに当たって、より確実な検査結果が導きやすい利点があるということから提案したものでございました。平成24年に変更になっております。平成25年第1回定例会でも変更後の健診の状況についてお尋ねしたところ、保育園や幼稚園に入園している子供が8割を超えることで集団の中での課題が出てくることが多く、軽度の発達障害についても保護者から相談されるようになり、支援につながることもふえたというふうに伺っておりました。  それでまず1点目の質問ですが、発達障害の早期発見について、現在の健診の状況についてお伺いいたします。  同じく早期発見についてですが、厚生労働省は外見ではわかりにくい自閉症やアスペルガー症候群などの発達障害については、平成28年度から各都道府県と政令指定都市で、地域で開業する小児科医らを広く対象にした研修会を始めるとの報道があっております。  そこで、2点目の質問になりますけれども、熊本市の健診以外の早期発見、早期支援の取り組みの現状についてお示しいただきたいと思います。  次に、発達障害のある子供の子育て支援、保護者支援について質問いたします。  発達障害のある子供の対応に悩んでいる保護者に適切な支援を行うことは非常に大事であり、保護者の困難さを軽減することだけでなく、保護者が発達障害のある子供に対する適切な支援に取り組むことを可能にします。保護者が子供の行動を正しく理解して、正しい対応ができるように支援することが大切ではないかと私も考えております。  熊本地震後、発達障害がある子供の過敏症がふえており、保護者も疲れている状況であります。通常でも大きな不安やストレスがある上で、地震で子供たちの過敏性が高まったまま、保護者のストレスを強く感じ取り、子供がさらに落ち着きをなくしてしまうことが今懸念されております。  その解決のヒントが、厚生労働省が実施を推進しておりますペアレント・プログラムというのにあり、熊本でも中京大学の辻井教授が保護者向けに実施しておられます。  具体的には、行動に注目して、できることを見て、行動を褒めてあげると。子供も保護者も自信をつけていくという取り組みになっているそうで、そういう内容でございました。熊本地震後、このような取り組みが熊本市でも必要ではないかと感じておりますので、ぜひこれを取り組んでいただきたいと思います。  また、発達障害のある子供の保護者支援は非常に重要で、力を入れるべきだと実感しておりますので、子ども発達支援センターでも親子グループや保護者のグループなどの保護者の支援に力を入れていっていただきたいというふうに思います。  そこで、3点目の質問ですけれども、発達障害のある子供の対応に悩んでいる保護者に対しての支援について、ペアレント・プログラムの取り組みも含めて、本市の取り組み状況についてお伺いいたします。  健康福祉局長に答弁を求めます。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  発達障害に関する3つの御質問についてお答え申し上げます。  まず、発達障害の早期発見につながる健診の現状についてでございますが、1歳6カ月健診や3歳児健診で精神発達面や育児面で気になるお子さんは保健師等で経過を見ておりますが、その中で発達障害が疑われる場合は心理相談につなげております。  さらに、心理面で継続的な支援が必要な場合には、医療機関や子ども発達支援センターなどの専門機関を紹介するなど、早期支援に取り組んでいるところでございます。  次に、健診以外の早期発見、早期支援の取り組み状況についてでございますが、保育園、幼稚園、認定子ども園におきましてはコーディネーターを養成し、早期発見、支援、保護者支援、連携などを担う体制を整備いたしておりまして、現在220園のうち191園がコーディネーターを配置いたしております。  さらに、支援者を対象とした研修会を実施し、早期に支援が入り発達障害のある子供とその保護者のさまざまな困り感が軽減されるよう、支援者を育成することに努めているところでございます。  最後に、発達障害のある子供を持つ保護者に対する支援についてでございますが、本市といたしましては、保護者への支援は大変重要であると認識いたしているところでございます。  本市では、本年度より子育ての難しさを感じる保護者を対象にいたしまして、子供の行動の理解の仕方を学び、楽しく子育てする自信をつけることを目的とするペアレント・プログラムを新たに実施する予定でございます。  このほか、保護者に対する従来からの取り組みといたしましては、親子グループ、保護者グループによる初期療育プログラムを実施し、また、熊本県との共催による発達障害に関する講演会を開催いたしているところでございまして、今後とも障がい児の子育てに必要な情報発信をしながら保護者支援を行ってまいります。          〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  発達障害のある子供への子育て支援、保護者教育の取り組みなど、なお一層の理解が深まりましたので、子育て支援に関するいろいろな機関にも周知の輪を広げていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
     それでは、次の市民病院についてお伺いさせていただきます。  平成31年秋の新熊本市民病院の完成を目指して病院の再建をどのように取り組んでいかれるのかについて、2点のお尋ねをさせていただきます。  公明党熊本市議団のローカルマニフェストでは、女性のための医療の充実を掲げ、女性や子供に優しい政策にこれまでも取り組んできました。  そこで最初に、平成16年から熊本市民病院に開設された女性専門外来についてお尋ねいたします。  この女性専門外来は、内科や外科、婦人科といった従来の診療科の分類には属さずに、思春期から更年期、そして老年期までのさまざまな年代の女性の心と体を総合的に診察する診療科でございます。女性専門外来は今ふえ続けており、その理由としては、女性が気兼ねなく、さまざまな病気や体調の不安を同性の医師に相談ができること、プライバシーに配慮がなされていること、また総合診療を行うため1人当たりの診療時間を長くとっていることなどが考えられており、さらには、これらのことから女性が何より安心して受診できることが大きな理由であると考えております。  従来の診療体制では女性特有の身体・精神的悩みを抱えながらも、さまざまな診療科を受診しても解決しないケースもあり、結果的につらくても諦めてしまうこともありました。しかし、女性専門外来では女性特有の診療に特化して、積極的に治療を施していくために、諦めていた症状が改善されるケースが多く見られたと聞いております。  そこでお尋ねですが、熊本市民病院再建基本計画の診療科目を見ましたところ、この女性専門外来の記載がありませんでした。そこで、新病院では女性専門外来は行わない予定でしょうか。現在の状況とともにお聞かせいただきたい。  2点目は、新病院での重度心身障がい児の在宅支援についてお尋ねします。  これまでの議会答弁で、病院再建に当たっては、重度心身障がい児を療養する御家族の負担を軽減するためのレスパイトケアを関係局と連携を図りながら検討するとされてきました。  NICUに長期入院して、その後自宅で生活する重度心身障がい児は、人工呼吸器を使用したり、たんの吸引や経管栄養の管理など、医療的ケアのほとんどを常に御家族が担うために、御家族の負担ははかり知れないものがありました。  このようなことから、御家族の負担を軽減するためのレスパイトケアの取り組みなど、在宅で医療的ケアに当たる御家族への支援は早急に取り組むべきであると考えます。  市民病院は、総合周産期医療を初めとする政策医療を担う医療機関として、在宅の重度心身障がい児とその家族に対する支援についてどのように取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。  以上2点について、病院事業管理者にお尋ねいたします。          〔高田明病院事業管理者 登壇〕 ◎高田明 病院事業管理者  最初に女性専門外来の設置についてお答えいたします。  現在、市民病院においては熊本地震で被災し病院機能が限られる中においても、震災前と同様に毎週金曜日心療内科の女性医師により女性専門外来を実施しており、月平均で25名から30名の予約診療を行っております。  再建後の新しい市民病院におきましては、高度周産期医療を中心にこれまで病院が培ってきた技術や経験を生かし、特に子供や女性に優しい病院づくりを目指すこととしており、医療法の制限がありますことから診療科目には掲げておりませんが、女性専門外来も引き続き実施してまいりたいと考えております。  引き続き、在宅の重度心身障がい児とその家族に対する支援についてお答えいたします。  たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な重度心身障がい児を人工呼吸器などを使用しながら御家庭で見ることは、御家族にとって大きな負担になると考えられます。  このようなことから、市民病院の再建後は、御家族の肉体的、精神的な負担を軽減するため、一時的に家族にかわって療養を行ういわゆるレスパイトケアに取り組んでまいりたいと考えております。  加えて、在宅医療を提供する地域の医療機関では、対応が厳しい複数の病気を持つ障がい児などのケースについては、これまで市民病院が培ってまいりました知識や経験を生かして、地域の医療機関等とも連携しながら積極的に御家族や関連施設などを支援してまいります。  病院の再建につきましては、現在議会を初め多くの方々の御支援により順調に進んでいるところであり、御尽力をいただいた皆さんの期待に応えるためにも、再建後は周産期医療を中心に今まで以上に市民の皆さんから愛され信頼される病院となるよう、職員一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。          〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  ありがとうございました。ぜひよろしくお願いいたします。  それでは、特別支援教育についてお尋ねいたします。  小中学校における特別支援教育については、市内の児童・生徒数が減少している中で、特別支援学級在籍者は平成25年度の1,270人から、今年度は1,700人となって、430人ふえております。  特別支援学級が学校教育法に位置づけられてことしで11年目になりますが、この増加の背景には学校や保護者の特別支援教育に対する理解が進んだことなどもあるとお聞きしております。それに伴って指導する教員もふえ、教員の専門性についても大変危惧するものです。  また、発達障害のある子供たちは特別支援学級だけでなく通常学級にも在籍しており、全ての教員の特別支援教育に関する専門性の向上が早急に求められます。  そこで、障がいのある児童・生徒を指導する教員の専門性の向上への取り組みの現状について、教育長にお尋ねいたします。  続きまして、読書活動の実態と本市の取り組みについてお伺いいたします。  近年スマホなどの情報メディアの発達普及、子供の生活環境の変化、さらには幼児期などの読書習慣の未形成などによって、子供の活字離れ、読書離れが指摘されております。  このような中、AIロボット研究の第一人者であります国立情報学研究所の新井紀子教授は、中高生を対象とした主語と述語、接続詞からなる文章構造の理解などについて調査したところ、半数の生徒が主語の読み間違いや文章の中に書かれている意味が理解できないなど、読む力が身についていないとの結果を踏まえ、中学校では読解力を十分に引き上げることが大切だと述べております。  このような状況の中で、学校での読書活動の推進にしっかり取り組むべきではないかと思いますので、読書活動推進に向けて教育長にお尋ねいたします。  さらに、小学校の多目的トイレについてお伺いいたします。  今、小中学校の多目的トイレの整備とトイレの洋式化については、いろいろな角度から要望が来ております。小中学校の施設整備としては校舎の耐震化が完了し、空調整備などについては今年度末で完了予定となっておりますので、今後のトイレの計画について教育長に続けてお尋ねしたいと思います。  大変申しわけありませんけれども、時間が迫っておりますので、続けてその他の項目で1点だけ質問させていただきます。  医療介護モノづくりについてでございますけれども、本年3月の一般質問で藤永議員より、熊本市の技術を生かした介護ロボットの研究支援についての質問があり、大西市長から、我が国における高齢化社会の進展に伴って、シルバービジネスの市場は拡大する一方で、医療福祉分野、とりわけ介護の分野においても人材不足や従業者の負担軽減といった課題も生じていますとあります。  過日、藤永議員と介護ロボットを導入している介護施設を視察してきましたので、その後の研究会の設置や成果に向けた支援体制の進捗状況を大西市長にお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  3点お尋ねがありましたので、お答えいたします。  まず、特別支援教育の専門性向上についてお答えいたします。  本市においては、毎年8月に開催される特別支援学校教諭免許状取得のための認定講習の受講を推奨しており、本年度は約100人の教員が受講しております。  また、先進的な取り組みを行う県内外の学校等へ教員を派遣し、実践的な知識や技能を学ぶ特別支援教育スキルアップ派遣研修を実施しておりまして、これまで102人を派遣し、今年度も12人の派遣を予定しております。  さらに、通常学級の担任も含め、全ての教員の専門性の向上を図るため、学校からの要請に応じて特別支援学校の教員等を巡回相談員として派遣しております。教員に具体的な指導や支援方法の助言を行うことで、子供の特性に応じた指導の充実に取り組んでおります。  次に、子供の読書活動についてお答えいたします。  本市においては1カ月に1冊も本を読まない子供の割合は小学校で全国平均の4.2%を大きく下回る1.3%であり、読書活動が浸透しているといえます。一方、中学校では1カ月に1冊も読書しない生徒が全国平均と同様20%程度おります。このことから小学校と比べ、中学校では読書する子供と読まない子供の二極化が進んでいるものと捉えております。  読書活動推進に向けた取り組みについてですが、本市では平成17年に熊本市子ども読書活動推進計画を策定し、現在第3次計画に基づいて読書の習慣化に取り組んでおります。今後は特に二極化が進んでいる中学校に対して朝の読書活動に積極的に取り組むなど、学校、家庭、地域の連携協力のもと、子供たちの読書活動の一層の推進に努めてまいります。  3点目、多目的トイレの整備と今後の計画でございます。  現在、校舎における多目的トイレの設置状況は小学校32校、中学校16校であり、設置率は全体で35.8%となっています。現在の整備状況としては、多目的トイレを必要とする障がいのある児童・生徒の在籍状況に応じて、毎年一、二カ所ずつ設置しております。  また、トイレの洋式化については、平成12年度から3カ年で集中的に改修を行い、校舎内のトイレ1カ所につき1台以上の洋式トイレを設置したところであります。  現在、新設校建設や増改築の際には洋式トイレを中心に設置しており、設置率は全体の35.1%となっております。  今後の計画としては、現在平成30年度末をめどに学校施設長寿命化計画の策定に取り組んでおり、多目的トイレの整備、トイレの洋式化についてもこれに基づいて計画的に整備を行ってまいります。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  まず、お尋ねの研究会につきまして、本年第1回定例会で藤永議員の質問にお答えいたしましたとおり、くまもと医工連携推進ネットワークの中で準備を進めてまいりましたが、本年10月には大学のシーズと医療福祉分野のニーズをマッチングし、熊本発の製品開発の実現を目指す介護ロボット研究会を熊本大学、東海大学などと連携し、発足を予定することといたしております。  また、製品化に向けた支援につきましても、これまでくまもと医工連携推進ネットワークにおいて新製品や試作品の開発を行う企業に対する助成制度を設けているところでありまして、平成27年度、28年度の過去2年間で13件の助成を行っているところでございます。  いずれにいたしましても、これらの新たな研究会等々でこの介護施設の視察あるいは現場の声もしっかり踏まえながら、双方が密な関係をつくることによって製品化がよりよいものになっていくことを期待しているところでございます。          〔36番 藤岡照代議員 登壇〕 ◆藤岡照代 議員  御答弁、ありがとうございました。  本日、たくさん要望しておりまして、時間が差し迫った質問になりました。きょうは傍聴の皆様、そしてインターネット傍聴の皆様、大変ありがとうございました。  これをもちまして質問を終了させていただきます。大変ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○藤山英美 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午前11時59分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○澤田昌作 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○澤田昌作 議長  一般質問を続行いたします。山部洋史議員。          〔5番 山部洋史議員 登壇 拍手〕 ◆山部洋史 議員  日本共産党熊本市議団の山部洋史です。  今回の第3回定例議会では、昨年度の決算報告がなされています。決算を通して、改めて熊本地震に対して本市がどう向き合ったかを考えるきっかけになっています。そういう意味では、本日の質問は熊本地震取り組みに関するものの分量が多くなっております。また、そのほか大事だと思う点を質問させていただく予定です。  都合上、発言通告の順序を一部入れかえて質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、市長も先日の議案提案理由説明で述べられていましたが、北朝鮮のたび重なる国際社会への軍事的挑発行為、とりわけ通告なしに日本列島の上空を飛び越える弾道ミサイルを発射するという極めて危険な行為に対し、日本共産党としても満身の怒りを込め抗議いたします。  北朝鮮に対しては、これらの挑発行為を直ちに中止し、米国、韓国を初め国際社会が要請している無条件での対話に応じるよう強く求めるものです。また、こうした核開発については、国連において核兵器禁止条約が採択されるなど大きな動きが始まっています。そうしたことを受け、まずは国政の分野で核兵器禁止条約について市長の見解をお伺いしたいと思います。  ことし7月にニューヨークの国連本部で開かれた核兵器の全面廃絶につながる、核兵器を禁止する法的拘束力のある協定について交渉する国連会議は、核兵器禁止条約を国連加盟193カ国の63%に当たる122カ国の賛成で採択しました。  人類史上初の核兵器禁止条約の採択は、日本の被爆者を初め核兵器のない世界を求める世界各国と市民社会の多年にわたる共同の取り組みが結実した、文字どおり歴史的な壮挙と言えるものです。  条約は、核兵器を全面的に違法化するものであるとともに、核兵器完全廃絶に不可欠な核保有国とその同盟国の条約参加にも門戸を広く開いています。また、国際社会がここに到達するまでの被爆者や市民の役割が強調されていることも重要です。本市においても、年齢を重ねられた被爆者の方が街頭に立ち、20年以上も核兵器廃絶の署名活動を続けられていますが、こうした方々の願いにしっかりと応えるべきであると考えます。  1945年8月の原子爆弾の投下で一瞬にして廃墟となった広島市、長崎市では多くの尊い命が奪われ、戦後70年以上経過した現在でも、多くの被爆者や2世、3世の皆さんが後遺症などで苦しんでおられます。原子爆弾による悲劇が二度と繰り返されることのないよう、広島、長崎両市は一貫して核兵器の非人道性を訴え、世界へ核兵器廃絶を求め続けてきました。  1982年6月にニューヨークの国連本部で開催された第2回国連軍縮特別総会において、当時の荒木武広島市長が世界の都市が国境を越えて連帯し、ともに核兵器廃絶への道を切り開こうと核兵器廃絶に向けての都市連帯推進計画を提唱し、広島、長崎両市長から世界各国の市長宛てにこの計画への賛同が求められました。  平和首長会議は、この趣旨に賛同する都市、自治体で構成された機構で、1991年に国連のNGOに登録されました。世界の都市の緊密な連携によって核兵器廃絶を実現させ、世界恒久平和の実現に寄与することを目的としています。現在、世界では7,417自治体が加盟しており、2010年に熊本市も加盟しました。  また、戦後50年の節目に当たる1995年、熊本市は平和都市宣言を行い、「再び戦争の惨禍を繰り返さないことを誓うとともに、人類共通の願いである世界の恒久平和の達成を希求し、ここに『平和都市』を宣言する。」と高らかに表明しました。  核兵器廃絶の実現を目的とした平和首長会議の加盟都市として、また平和都市宣言を行った自治体の長として、このたび国連で採択された核兵器禁止条約の意義について見解をお聞かせください。  続いて、残念ながら、国連での採択の折、日本政府は会議に参加をしませんでしたが、世界で唯一の戦争における被爆国の政府として、被爆者の願いに応えるならば、歴史的な核兵器禁止条約を速やかに批准すべきです。  2015年第1回定例会で益田議員が行った核兵器禁止条約交渉への参加要請の質問に対し、大西市長は「私としては、我が国は世界で唯一、戦争の放棄をうたった平和憲法を掲げる国であり、また、世界で唯一の被爆国であることから、世界の核廃絶、核軍縮をリードしていく気概を持たなければならないと考えております。」との答弁をされております。  平和首長会議の加盟自治体は、2020年までの核兵器廃絶を目指し、そのための交渉を推進することが約束されています。この点からも、今回の核兵器禁止条約を多くの国が批准し、早期に核兵器廃絶という目標が達成されるように本市としても取り組んでいかなければならないと思います。  そういう意味で、市長には国に条約の早期批准を求めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。大西市長に伺います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  我が国は唯一の被爆国として、また平和主義の理念を掲げる憲法を持つ国家として、世界の核兵器廃絶や核軍縮を世界に訴え続けていかなければならない責務があり、また、その実現のための努力を粘り強く行っていかなければならないと考えております。  私自身、平和都市宣言を行った自治体の長として、核兵器廃絶には大いに賛同するものであり、平成27年2月には、全ての国に対して核兵器禁止条約の交渉を開始するよう求める核兵器全面禁止のアピールの署名も行ったところでございます。  そのような中、本年7月に、核兵器の使用や開発、実験、生産、製造、保有等を禁止する核兵器禁止条約が、国連における交渉会議において、多くの国の賛成を受け採択されたことは大変意義深いものであり、核兵器のない世界の実現に大きく寄与するものと期待しているところでございます。  次に、国に対する条約批准の要請についてのお尋ねでございますが、本年7月に開催されました国連の核兵器禁止条約交渉会議において、核兵器禁止条約の採択に当たり、日本政府はこの交渉会議を欠席しております。  私自身は、ことしも広島、長崎で開催されました平和記念式典に参加いたしまして、広島市長や長崎市長ともこれまでさまざまな意見交換を行ってまいりました。以前も答弁申し上げましたとおり、我が国が世界で唯一の被爆国として、世界の核廃絶、核軍縮をリードしていく気概を持たなければならないとの強い思いは、現在も変わっておりません。  核兵器禁止条約への批准については、最終的には国において判断されるものと思いますが、私といたしましては、日本政府に対し、核兵器保有国と非保有国との橋渡し役を積極的に果たすなど、核兵器廃絶に向けた強いリーダーシップを発揮していただけることを期待しております。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  ありがとうございました。  市長の核廃絶への強い思いのこもった答弁、私もしっかりと受けとめました。政府には核兵器廃絶に向けたリーダーシップを期待しているとのことでしたが、ぜひ条約の批准を市長としても国に強く求めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  続いて、熊本地震への取り組みについて伺います。  熊本地震から1年4カ月が経過しました。市内には解体が終わった後も更地のまま放置されている土地が目立つようになったほか、屋根にブルーシートがかぶせられている家も多く残されるなど、住宅や生活の再建に多くの課題が残されている状態です。  また、擁壁崩壊や液状化などの宅地被害も7,200件と推計されており、多くの世帯で復旧のめどが立っていません。
     今、復興のあり方、進め方をめぐり大きな岐路を迎えています。全ての被災者の生活となりわいを取り戻すための支援をして、市域や地域経済の再建については、住民合意を尊重しながら施策を進めていくのかが問われています。  そうした中、本市が策定した震災復興計画では、経済成長を牽引する取り組みとして、中心市街地によるMICE施設整備が位置づけられています。これは先週の熊日新聞に寄せられた読者の声ですが、自宅を解体し、みなし仮設住宅に入っている。生活再建の見通しが立たず、MICEなど正直よそごとでしかありません。被災地の生活再建と大型再開発について、市は車の両輪と捉えていると思いますが、再開発と並行して災害公営住宅の整備などもスピード感を持って取り組んでほしいという声でした。  多くの市民が被災し、いまだ家屋の修復にも着手できていない、仮設入居後の住宅の確保もできていない、宅地の復旧もままならない状況のもとで、450億も使うような大型施設に巨額の予算を投じることに市民の理解が得られるでしょうか。今必要なことは、被災者一人一人の実情に寄り添い、国、県、市が連携し、被災した住民の最後の一人まで支援を粘り強く進めることです。  そうした立場に立って本日は質問させていただきます。  まずは、支援制度の打ち切りについてです。  2016年度末をもって受け付けが終了された支援制度が多くあります。しかし、4月以降も罹災証明の発行件数は多く、地震発生から1年4カ月たった現在も受け付けが行われています。  具体的な件数を申しますと、今年度4月から7月末までの罹災証明の1次調査の受付件数は7,855件、交付件数は8,409件に上ります。交付の内訳は、一部損壊が7,471件、半壊が873件、大規模半壊が42件、全壊が33件で、支援制度が受けられる半壊以上の世帯が948件もあるのが現状です。  市長は3月議会の答弁で、被災住宅の応急修理やみなし仮設住宅など罹災証明の区分に基づく生活再建支援制度については、個別事情に合わせて申し込み可能としているところでございますと答弁されました。しかし、実際には、やっと罹災証明が出たが、肝心の支援制度を受け付けてもらえないという相談が寄せられている実態があります。  そこでまずお尋ねいたします。  今現在、支援が打ち切られた制度が幾つあって、そのことによってどれだけの被災者が支援を受けられなかったか、把握されていますでしょうか。  また、罹災証明の発行について、今現在調査中の件数、そしていつまでに調査が終わると見込んでおられますでしょうか。政策局長並びに財政局長にお尋ねします。          〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  支援制度に関するお尋ねにお答え申し上げます。  熊本地震における被災者支援制度のうち、申請の受け付けを終了したものは26制度ございます。これについては、それぞれの支援内容や進捗状況に応じて、期限を設定したものでございます。  これら各支援制度については、そういった期限設定を含め、復興だよりや支援制度をお知らせする冊子、市ホームページ、さらには地域説明会等、さまざまな手段により広報を行い、周知に努めてきたところでございます。  加えまして、期限を迎えた支援制度においても、長期入院等の理由により申請期限までに申請ができなかった場合などについては、制度ごとに柔軟な対応を図っているところでございまして、被災者の早期の生活再建に向けて取り組んでいるところでございます。          〔中原裕治財政局長 登壇〕 ◎中原裕治 財政局長  熊本地震に伴います住家の被害認定調査についてお答え申し上げます。  現在調査中の件数は、8月18日現在で第1次調査が21件、第2次調査が38件、再調査が23件となっております。この中には、申請者の都合によりまして調査が保留されているものも21件含まれております。  現在におきましても、やむを得ない理由による新規申請が1日当たり数件行われておりまして、それを受けまして必要な調査を継続している状況でございます。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  ただいま、26の支援制度が打ち切られているとの答弁でした。しかし、肝心のどれだけの被災者が支援を受けられなかったか、その実態把握がされているのか、いないのかのお答えがありませんでした。  そこで、再度お尋ねいたします。制度が打ち切られたことによって、どれだけの被災者が支援を受けられなかったか、把握されていますでしょうか。          〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  再度のお尋ねでございます。先ほどの答弁を多少繰り返すことになるかと思いますが、お答え申し上げます。  本市としては、各支援制度については申請期限を含め、あらゆる手段を活用して周知に努めたところでございまして、加えて罹災証明の発行状況や被災者の個々の生活再建状況を勘案しながら、必要に応じて申請期限の延長も行うなどの対応を行っているところでございます。その上で、必要な支援が受けられないことがないよう、やむを得ない理由などにより申請期限までに申請ができなかった場合などは、現在でも制度ごとに柔軟な対応を図っているところでございます。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  再度お尋ねをさせていただきましたが、制度の打ち切りによってどれだけの被災者が支援を受けられなかったのかは、把握されていないようです。  そこで、市長に伺います。  市長は本年度を復興元年と位置づけられていますが、支援を打ち切っては真の復興、市民の生活再建はなし得ません。市長が、全ての被災者がもとの生活を取り戻していくまでしっかりと支援していこうというお考えなのであれば、支援を受けられなかった人、困っている人の現状をきちんと把握すべきではないでしょうか。市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  先ほどから政策局長も繰り返し答弁させていただいておりますとおり、確かに終了したものがございますけれども、いろいろな制度を被災者の皆さん方がより受けられるように、きちんとそれぞれ柔軟な対応をしていくということでございますので、そういう形で窓口においても、それから被災者の支援についても、丁寧に状況を把握しながら、これからも適切で柔軟な対応を行ってまいりたいと考えております。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  支援を受けられなかった被災者の把握は、この熊本地震において現行の支援制度のどの部分が不足しているのか、また次の支援へとその枠を拡充していくためにもベースとなる重要なものであると考えます。被災者の最後の一人までしっかり支援していくという意味でも不可欠であると考えましたのでお尋ねいたしました。  最初の答弁にありましたように、今でも罹災証明の発行が1日当たり数件新規に申請されているということです。その方々が受け取った罹災証明で、受けられる支援がきちんと受けられるよう対応していただくことをお願いいたしまして、次の質問に移ります。  次に、具体的に支援が打ち切られた制度、また今後期限が迫っている支援制度についてお尋ねいたします。  まず、みなし仮設の入居についてですが、昨年度3月末までに罹災証明の発行がおくれるとの理由書の届けを行っていない限りは、支援制度が受けられません。また、理由書を提出済みの場合でも、5月末日までに入居を済ませなければなりませんでした。  2次、3次調査などを経て、罹災証明の発行が6月以降になった方は、半壊以上など支援の要件に合ったとしても、みなし仮設への入居ができません。御存じのように、みなし仮設住宅については、全壊もしくは大規模半壊、さらには現在の住居で生活する上で危険と判断された半壊認定の方が利用でき、少なくとも2年間は家賃の補助があります。当然、震災後家を失い、民間の賃貸住宅に移り、罹災証明の結果に納得がいかず、罹災証明発行まで1年以上かかった世帯もあります。こうした方が行政が引いた期限により本来受けることができる支援制度を受けることができないということは、公平な被災者支援とは言えません。しかも、理由書の届け出以前に罹災証明の発行がおくれているのは、一方で行政の責任もあるはずです。  そこでお尋ねいたします。  第1に、罹災証明の発行がおくれたためにみなし仮設住宅等の支援が受けられなかった人には、罹災判定に見合った支援を速やかに提供すべきではありませんか。都市建設局長にお尋ねいたします。  2点目に、各種税の減免についてです。  市民税の減免については、罹災判定に納得がいかず何度も調査して、ことし4月、やっと半壊の認定を受けた方が、2016年度の市民税の減免については、減免受け付けの締め切りが3月末までということで減免できなかったという相談がありました。税の減免については、固定資産税も同様に受け付けが終了しています。  一方で、国民健康保険料の減免は、昨年分までさかのぼって減免を行っており、被災者の実態や制度の整合性からいっても、市民税及び固定資産税の減免もさかのぼって行う必要があるのではないでしょうか。財政局長にお尋ねいたします。  3点目として、ほかにも半壊以上の罹災証明があれば受けられる支援があります。それらについても支援が受けられるようにすべきではないでしょうか。授業料、就学援助等については、前年度分を還付及び給付すべきではないでしょうか。以上、教育長にお尋ねいたします。          〔肝付幸治都市建設局長 登壇〕 ◎肝付幸治 都市建設局長  私からは、罹災判定に合ったみなし仮設等の住宅支援についてお答えいたします。  みなし仮設住宅の申し込みにつきましては、危険な状況にある自宅に居住している被災者に対し、梅雨の前までに転居してもらう必要があると判断され、期限を平成29年3月31日までとされたところでございます。ただし、個別の事情により期限までに申し込みができない入居希望者につきましては、理由書の提出により、平成29年5月31日まで申し込みを受け付けたところでございます。  しかしながら、罹災証明の発行がずれ込んだ等でやむを得ず手続ができない方もおられましたことから、その方々に対しましては、状況に応じ、県を通して国へ個別協議を行うなど対応しているところでございまして、今後も引き続き可能な限りの支援を行ってまいりたいと考えております。          〔中原裕治財政局長 登壇〕 ◎中原裕治 財政局長  市民税及び固定資産税の遡及減免についての御質問にお答え申し上げます。  平成28年熊本地震による被害が市内の全地域に甚大な被害を及ぼし、納税環境に大きな影響を与えましたことから、平成28年度の市民税や固定資産税など市税の減免申請期限を一定期間延長する必要があると判断し、平成29年3月31日までとしたところでございます。  これらの期間延長につきましては、罹災証明書が未発行の場合でも減免申請手続は可能であること等を含めまして、復興だよりやホームページを初め、あらゆる機会を捉えて周知に努めてまいりましたところでございます。  市民税及び固定資産税などの市税の遡及減免につきましては、これまで被災者の状況を踏まえた対応を行ってきたところではございますが、税制度上、さらに長期間にわたりさかのぼって減免を行うことはできないと考えております。  市民の皆様には気持ちよく納税していただく必要があると考えておりまして、今後とも被災された皆様に寄り添い、丁寧かつ適切な納税相談等の対応に努めてまいります。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  授業料、就学援助等の前年度分の還付についてお答えいたします。  熊本地震によって経済的困難を抱えている小中学校の児童・生徒の保護者に対しては、就学に必要な支援をする就学援助の対象としており、市立高等学校、総合ビジネス専門学校については授業料の減免を行っております。この支援措置については、各学校を通して、全ての保護者に周知の徹底を図ったところであります。  罹災証明書については、発行までに期間を要することが想定されたため、申請時には必ずしも添付を必要とせず、発行後の提出を認めております。なお、申請時に添付されていなかった罹災証明書は、後日全て提出されております。  また、申請日にかかわらず、地震が発生した4月に遡及して認定を行っております。  なお、現在のところ、前年度分の授業料の返還や就学援助に関する相談はあっておりませんが、罹災結果の判明がおくれたなど、特別の事情がある相談がある場合には個別に対応を協議していきたいと考えております。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  みなし仮設等の入居について、罹災証明の発行がずれ込んだ場合でも、個別に県を通して国へ協議を行うなど対応していく、可能な限り支援を行ってまいりたいとのお話でした。  先ほど我が党の県議会議員が内閣府の方に問い合わせをいたしまして、この件の対応について回答がございましたので、御報告させていただきます。  まず、再審査で半壊と認定され、御本人は既にアパートを借りて住んでおられるといったケース。これについては、さかのぼって家賃負担分を支払うとのことです。また同様に、判定がおくれて御本人は自宅もしくは知人宅に身を寄せているという方についても、公営住宅を無償提供する制度を案内するとの内閣府の回答でした。この回答を熊本市にも伝えるとのことでしたので、ぜひ県にも御確認いただきまして、こうしたケースには御対応していただけるようにお願い申し上げます。  また、6月以降に罹災証明を発行した人には、どの支援制度が利用できるのかを再度お一人お一人にしっかりと説明していただくように要望申し上げます。  質問を続けます。  次に、各種保険料の減免及び国民健康保険医療費の窓口負担免除についてお尋ねします。  ことし2月末で打ち切り予定だった国民健康保険医療費の窓口負担免除は、9月末まで延長されました。しかし、間もなくそれも終了しようとしています。  長期にわたる避難生活に加え、住環境が大きく変わる仮設住宅での生活を送る中で、健康被害や重症化の防止対策は欠かすことができません。また、住宅再建に向けた経済的な負担などが重くのしかかる被災者にとって、医療費の窓口負担免除はなくてはならない支援制度となっています。  東日本大震災においては、震災が起こった2011年3月以降、2012年9月までは全額国の負担で実施され、2012年10月以降は国からの補助率が8割となる中、各自治体で対応が分かれました。支援打ち切りを行った宮城県に対し、岩手県では県と市町村との連携により期限延長がなされ、岩手県の達増知事は、多くの被災者が仮設住宅などで不自由な生活を余儀なくされており、引き続き医療や介護サービスを受ける機会の確保に努める必要があると支援の必要性を訴え、現在でも医療費減免が継続している状況です。  医療費の打ち切りが行われた宮城県における聞き取り調査では、「糖尿病、高血圧、ぜんそくなどの治療費が払えない。すぐ命にかかわるもの以外は治療をやめる。(石巻市の56歳男性)」、「通院を減らさざるを得ない。(石巻市の65歳女性)」などの声が寄せられています。  昨年3月に放送されたNHKスペシャルでは、辻内琢也早稲田大学人間科学学術院准教授の調査において、震災後持病が悪化した人が35%に上り、震災後新たな病気にかかった人が40%になったとの結果が示されています。とりわけ、自覚症状のない高血圧、高脂血症、糖尿病や精神疾患、さらには心臓病、腎臓病などへの罹患が主な特徴となっています。  これまで、国の財源措置が示された部分については、制度の延長、更新がなされてきたわけですが、その財源措置が終了となった途端、支援を打ち切るというのでは、国政の弊害から住民の生活を守る防波堤でなければならない自治体の役割としては、余りにも不十分ではないでしょうか。国の財源措置がなくなったとはいえ、通常でも8割の国の補助があるわけです。残りの2割を県と市町村で負担し、実際に医療費減免を継続している自治体があるわけで、そうした姿勢を本市も学ぶ必要があるのではないでしょうか。  各種保険料減免や窓口負担免除については、国の財政支援がなくなったとしても自治体独自に支援に踏み出し、そうした中で国からの財政措置を改めて求めていく、国の責任を明確にするということが大事です。また、同時に本市でも県と連携し医療費の窓口負担減免について9月以降も継続すべきだと思いますが、いかがでしょうか。大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  国民健康保険、介護保険及び後期高齢者医療保険につきましては、国の財政支援が延長されたことや市町村負担分について、国民健康保険は県の特別調整交付金、介護保険は介護保険会計剰余金、後期高齢者医療保険は熊本県後期高齢者医療広域連合剰余金が活用されることとなったことから、平成29年9月末までの保険料減免並びに一部負担金及び介護利用料免除措置の延長が可能となったところでございます。  平成29年10月以降の再延長につきましては、国、県及び広域連合は特別な財政支援を行わないこととしております。本市におきましても、全体としての支援は終了しますものの、今後は被災被保険者の個々の状況を踏まえた丁寧な相談対応等により、被災被保険者に寄り添った支援を行ってまいりたいと考えております。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  保険料減免や窓口負担免除については、熊本地震の特徴として直接地震が原因で亡くなられた人よりも、その後の震災関連死が圧倒的に多いことが挙げられます。本市においても、本年5月25日時点でその数を見ましても、震災で直接亡くなった方4人に対して、災害関連死は66人に上ります。未曾有の大地震でせっかく助かった命が、その後の体調悪化などが原因となり亡くなられてしまうというのは、余りにも痛ましいことです。  応急仮設での体調悪化などを防ぐ意味でも、医療、介護面での支援継続が必要です。こうした支援の打ち切りは受診抑制をもたらし、持病の悪化などを招きかねません。市が独自に制度を延長した場合、費用の8割は国の負担なので、国保、介護、後期高齢者医療を合わせても必要な負担額は約8億円です。確かに大きな金額ですが、国保会計だけでも予算規模は1,000億円あるので、市がやる気になればできることではないでしょうか。そういう意味で市長の姿勢が問われます。  国や県の対応待ちなどではなく、本市が被災者の健康を守るために主体的に取り組まれることを強く求めます。  次に、一部損壊世帯への支援について伺います。  一部損壊について、家屋修理費100万円以上の世帯、ひとり親、非課税世帯への支援は行われていますが、まだ多くの人が何らの支援も受けられずにいます。住宅地を見回せば、いまだ屋根にブルーシートがかかっている住宅が多く見受けられます。屋根の損壊は家屋全体に被害をもたらす原因となります。  そこでお尋ねします。  1点目として、一部損壊ではあっても修理に手がついていない世帯の状況について、市として調査を行い、把握すべきではないでしょうか。  2点目として、現行の一部損壊支援は大多数が対象外です。全ての被災者を救済する立場で一部損壊世帯へのさらなる支援拡充をすべきですが、いかがでしょうか。  以上、大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市では、これまで災害援護資金の貸し付けや個人市民税、国民年金保険料等の減免など、一部損壊であっても御利用いただける制度による支援に加えまして、一部損壊も含めた被災者アンケート等により被災者の状況を把握し、これに基づいて必要な支援を実施してきたところでございます。  具体的には、議員もお述べになったとおり、一部損壊世帯に対し、災害義援金を活用し、住家の修理費に100万円以上を要した世帯に10万円を配分することに加えまして、本市独自で、経済的な支援を要する非課税世帯やひとり親世帯に対しまして3万円を配分させていただいているところでございます。  また、国に対しましては、生活再建支援金について、一部損壊世帯についても支援の対象とするよう強く要望してきたところでございます。  一部損壊世帯も含め、現在も住宅等に課題を抱えている世帯があることは十分認識しておりまして、そうした世帯に対しましては、各区の総合相談窓口や伴走型住まい確保支援事業に取り組む中で、個々の事情に応じたきめ細やかな対応を図ってまいりたいと考えております。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  一部損壊世帯の支援については、大西市長もこの7月に熊本連携中枢都市圏の国への要望書で一部損壊世帯も支援金の支給対象とすることを要望されたように、その必要性を十分認識されているところだと思います。  本定例議会に7月の台風3号被害関連の補正予算が約4億円組んであります。この台風の被害では、屋根に損壊を受けながら修理に着手できず、それまでブルーシートでしのいでいた一部損壊世帯で、台風により屋根が大きな損傷を受け、大規模半壊に被害が広がったというお宅がありました。  一部損壊世帯でも今後何ら補修がなされなければ、被害が拡大することになりかねません。特に屋根の被害は家屋全体に被害が拡大することにつながりますので、せめて屋根の被害は復旧できるような一部損壊への支援が必要ではないでしょうか。実施をお願いしておきます。  続きまして、震災からの復興に不可欠な住まいの再建と確保についてお尋ねします。  まずは、仮設住宅並びにみなし仮設住宅の入居期間延長についてです。  仮設入居から約1年。次の住まいの見通しが立つまでは延長を行う必要があります。仮設住宅での訪問調査でも住宅の支援が必要だと答えた方が7月末現在で全体の42%にも上りました。中でも、本市仮設の90%以上を占めるみなし仮設の場合、家賃が6万円までということもあり、地震前よりも高い家賃の賃貸住宅に住んでいる方が多いのが実態です。ただでさえ震災で物件が不足していることに加え、中には家賃の便乗値上げも見受けられ、家賃相場が高どまりしている状況で、入居期限後みずからが家賃負担をしなければならなくなったときに、果たして高い家賃を払い続けるのか、転居を余儀なくされるのか見通しが立たず不安だという声が寄せられています。  大西市長は本年1月の記者会見で、仮設住宅の入居期間について延長を検討する考えがあることを明らかにされました。入居期間延長については、県とも連携し、政令改定などを国に求めていくことが必要になってくると思います。
     そこでお尋ねします。  仮設住宅の入居期限延長の必要性について今現在どのようにお考えか、また国へどのような要望をしていらっしゃるのか。都市建設局長にお尋ねします。  続けて、災害公営住宅の整備についてお聞きします。  昨年の私の一般質問では、仮設住宅、みなし仮設入居者への聞き取りで、災害公営住宅への入居希望は約480世帯、それに対して150世帯の新規公営住宅の整備を予定し、不足分については既存の市営住宅のストックを充てるとのことでした。  その点について、私からは、震災前から市営住宅は入居倍率5倍から8倍で、一般の方がなかなか入居できない現状であることから、一般の方に住宅を供給できないような市営住宅を代替するようなやり方ではなく、災害公営住宅の抜本的な拡充が必要であることを指摘しました。  現在でも市営住宅ストックの代替案の弊害として、一般入居者への定期募集に住宅が全て出されていない状況が続いており、空き室があるのに出してほしいという要望が多く寄せられています。特に単身高齢者用の1階の住宅のほとんどが募集に出されていない状況です。  本年5月に復興総室が改めて発表した仮設住宅入居者対象の市営住宅への入居意向調査の結果では、推計希望数が昨年の480世帯から1,259世帯へとふえていました。これは調査回答者の28%に当たります。  しかし、仮設の大半を占めるみなし仮設では、郵送による調査しか行われておらず、回答が返送されず調査で把握できていない人が多数います。実際に同じく復興総室が行った直接訪問による約9,600世帯対象の聞き取り調査では、住宅の支援が必要だと答えた世帯は3,769世帯、全体の42%に上りました。  東日本大震災では、発災から6年たった今でも、プレハブの仮設住宅住まいを余儀なくされている方々がいます。これはひとえに災害公営住宅の整備がおくれている弊害にほかなりません。何よりも予定戸数150戸というのは余りにも少な過ぎます。  そこでお尋ねいたしますが、災害公営住宅の抜本的な整備が改めて求められていると思いますが、いかがでしょうか。  次に、災害公営住宅の不足を補う点では、市営住宅に入居を希望する一般の方々にしわ寄せがくる市営住宅のストック案以外にも、あらゆる手だてが必要です。  3点目として、民間賃貸住宅に入居される方については、公営住宅と比べ家賃が高くなる場合が多いので、公営住宅との家賃の差額を補助するなどしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  加えて、国家公務員住宅、県職員住宅、郵政住宅など、県、国とも連携し、住宅の整備、貸し出しを行うべきではないでしょうか。  以上、都市建設局長にお尋ねいたします。          〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  仮設住宅の入居延長については、私の方からお答えをさせていただきます。  本市では、被災者の方々の一日も早い生活再建が実現できるよう被災者の状況に応じたきめ細やかな支援に取り組んでいるところでございまして、そのような中、本市におきましては液状化による宅地復旧に時間を要することや、災害公営住宅の完成時期との関係などから、災害救助法に基づく応急仮設住宅の供与期間内に恒久的な住宅への移行が困難な世帯が存在します。  このようなことから、本市では被災者の状況に応じた柔軟な対応が必要であると考えておりまして、そこで仮設住宅の供与期間の延長について、熊本県を通じて、被災者の実情に応じた柔軟な対応を国に求めております。  現在、本市を初め、他の被災市町村の意向を受け、県において国と延長に向けた協議を鋭意進められておりまして、熊本市としてはその状況を注視してまいります。          〔肝付幸治都市建設局長 登壇〕 ◎肝付幸治 都市建設局長  私からは災害公営住宅の整備等について順次お答えいたします。  まず、災害公営住宅の整備につきましては、地域コミュニティの維持を初め、バリアフリーや既存ストックが不足する地域に対応するため、市有地を基本に建設予定地の選定を行い、南区、西区、中央区に120戸程度整備することとし、東区につきましても現在30戸程度整備する方向で検討しているところでございます。  しかしながら、本年2月から改めて実施いたしました市営住宅への入居意向調査で、入居希望者が当初より増加する結果となったことから、現在行われております伴走型支援での聞き取り調査により、入居希望者の意向を的確に把握し、既存ストックの活用も踏まえ、追加整備について検討してまいりたいと考えております。  次に、民間賃貸住宅等への移行支援につきましては、民間賃貸住宅に入居されている方に対する家賃補助を含め、さまざまな住まいの支援策について県と協議を重ねてきたところでございます。  その結果、午前中に政策局長がお答えしたように、9月定例県議会に復興基金を活用した住宅の転居費用や入居費用等に係る補正予算が上程されることとなったところでございます。          〔議長退席、副議長着席〕  最後に、市内にある公的住宅利活用の国、県への働きかけについてでございますが、国家公務員住宅につきましては、現在、所管する九州財務局から2年間の期限で無償により使用を許可され、36世帯の被災者の方に提供しているところでございます。  また、県営住宅のストックの活用につきましては、既に県、市が連携して協議検討しているところでございまして、今後も市域にある公的住宅の活用につきまして、国、県と協議しながら検討してまいりたいと考えております。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  仮設住宅の入居延長について、液状化などによる宅地復旧に時間を要することや災害公営住宅の完成時期を考えると、恒久的な住宅への移行が困難な世帯が存在することは御認識いただいているとのことですので、入居期間延長については、ぜひ実施されるようお願いいたします。  災害公営住宅の追加整備について検討されているとのことでした。ぜひ、入居希望者の意向を的確に把握していただき、抜本的な整備拡充を強く求めます。また、民間住宅入居者への家賃補助もその実施をあわせてお願いいたします。  次の質問に移ります。  次に、熊本地震の特徴である宅地被害についてお尋ねします。  私が住む北区では、盛り土された宅地が大規模に滑り落ちる被害が急傾斜地に住宅が造成された龍田地域、清水岩倉地域に多発しました。いずれの地域も国の公共事業である宅地耐震化推進事業の調査対象となり、昨年度の調査設計を経て、本年度5地区で工事が始まります。国庫補助の対象になれば、事業費用の大半は国の負担となり、残りの個人費用の部分も市が負担することとなりました。また、熊本地震では、一部採択要件が緩和され、国庫補助の対象もふえました。しかし、それでも補助事業に該当するのは、市の推計でも宅地被害全体のわずか25%ほどです。それ以外のものは、県の復興基金による補助がありますが、3分の1の自己負担があり、費用負担の問題で補修を諦めざるを得ないケースも出てきています。  私が相談を受けた清水岩倉に住むAさんの場合を御紹介します。  ことし4月、自宅敷地の境界に建つ隣の家の擁壁に10センチ幅の亀裂が数本走っているのを発見しました。よく見ると、擁壁の一部が外に膨らみ、せり出しているはらみもあります。すぐに業者を手配しようとしましたが、数カ月待ち。仕方なくAさんは自費で生コンを購入。亀裂に流し込む応急処置をしました。その後、国の補助事業に申請しましたが、要件に合わず却下。残るは県の基金による復旧となりますが、こちらは自己負担があります。Aさんが土地の所有者に連絡すると、経済的にとても補修のためのお金はなく、どうしていいかわかりませんと言われました。それで、Aさんが市に相談したところ、土地の所有者でなくてもAさんが管理者として県に申請することができると言われたそうですが、それではAさんの負担で補修することになります。Aさんは自分の土地でもないし費用もない。しかし、二次災害のおそれもあるので、ほかへ転居することも考えなければならないのだろうかと肩を落とされていました。  東日本大震災の宮城県仙台市では、個人負担を10分の1にまで抑えました。何よりもこうした危険な宅地を放置したままでは、住民が地域にとどまることが困難になり、地域コミュニティの存続にもかかわってくる問題になりかねません。  そこでお尋ねします。  宅地復旧支援について、県の復興基金による支援制度の件数は、市の推計でも約5,500件と見られています。しかし、申請受理されたのは8月現在で790件しかありません。基金事業を申請する資力のない人が相当数いるのではと思われます。  擁壁の被害などは、二次被害発生のおそれもあるため放置できませんが、一方で資力がないために補修へ踏み出せない実態があります。  基金を使った家屋や地盤の復旧を行う場合、まず50万円までは自己負担となります。そして、50万円を超えた分について3分の1が自己負担となります。低所得者や高齢者にとってこの負担が重いと考えられます。  そうした資力がなく申請ができない人たちの実態把握はできていますでしょうか。  また、そうした人たちへの支援のためにも、現行の基金事業について、低所得者、高齢者を考慮した支援拡充策が必要と考えます。助成拡充、加算金等を検討すべきではないでしょうか。都市建設局長にお尋ねいたします。          〔肝付幸治都市建設局長 登壇〕 ◎肝付幸治 都市建設局長  宅地復旧支援に関する御質問にお答えいたします。  宅地復旧支援事業では、被災者へ寄り添った十分な支援を行うため、本年4月に新設した震災宅地対策課におきまして、被災状況やその方の実情など詳細な聞き取りを行って対応してきたところでございます。  その際、基金制度に対する御理解に加え、被災住宅再建資金助成事業や住宅金融支援機構など、他機関が実施しております支援制度についても御紹介しているところでございます。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  資力がない人たちの支援については、被災住宅再建資金助成事業や住宅金融支援機構などの融資を紹介しているとのことですが、しかし、そうした融資を受ける資力がない人たちをどう支援するのかが問われています。  従来から繰り返されてきた個人の資産形成に資する部分には税金は使えないといった理由を挙げるのではなく、支援制度が本当に被災者に寄り添ったものになっているのかが求められています。  先ほど例に挙げたAさんは、転居せざるを得ないとまで考えています。危険宅地の二次災害を防止する意味でも、さらなる助成拡充等の検討を求めます。  続いて、液状化被害についてお尋ねします。  市長はこれまで復旧・復興に多額の費用を必要とする液状化については、重点要望として国への要望を行うなど取り組んでこられました。液状化は、被災した家屋とその地盤の復旧を必要とし、被災世帯の負担も大きいことから、この間基金による補助制度がつくられるなど支援が拡充されてきました。  また、公共事業として宅地液状化防止事業を実施する候補地が検討され、公共施設と宅地との一体的な液状化対策が可能な地区として、特に液状化被害が顕著であった近見地区が候補となり、対策が進められようとしているところです。  液状化した地区では、とにかくさまざまな面で住民の負担が大きいこと、高齢者にとっては多額の住民負担は耐えがたいことなどの声が聞かれます。液状化対策は、これからが本格的な実施段階へと入っていきますが、住民不安に応える立場でお尋ねいたします。  まず第1に、現在公共事業として宅地液状化防止事業の対象地区となり準備が進められている近見地区で実施予定の地下水位低下工法では、実証実験を行い、その効果やふぐあいを検証しながら進めていきます。しかし、専門家の指摘でも、実施後のさらなる地盤低下や水漏れ等は、100%回避することはできないとのことであります。万が一、新たな地盤沈下等が発生した場合、その救済措置についても検討しておく必要があります。その場合、被災者に新たな負担を求めず、市の負担で救済する道を検討していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  2点目として、地下水位低下工法では、運営コストとして事業完成後の維持管理費の負担が出てきます。同じ地下水位低下工法で液状化対策事業を実施した千葉市の場合、30年間で13万円程度だと伺いました。そもそも完成後の維持管理費は、公共事業でつくった施設の管理なので自治体が行うべきです。完成後の施設管理は市の負担で行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  3点目、近見地区で開かれた説明会では、今でも地盤が動いている、地面にひび割れが起こったり、家が沈んでいるとの声がありました。地域の中にはまだまだ不安があるということです。地震から1年4カ月以上がたちましたが、液状化の発生している地域の現在の状況について、市として状況を把握し、不安に応える窓口を設置するなどの対策が必要ではないでしょうか。  4点目として、近見地区以外に液状化した区域は多数あります。液状化した地区の被害戸数、そのうち宅地液状化防止事業の対象地区となり得る戸数、基金事業で対応することになる戸数、液状化被害を受け基金事業に応募されている戸数をお尋ねします。  また、近見地区以外で宅地液状化防止事業の対象地区となり得る地域における事業の取り組みの状況、今後の見通しを御説明ください。  基金事業について、申請が進んでいない原因をどのように考えているのか。今後、基金事業を活用し復旧を進めていくためにどのように取り組んでいかれるのでしょうか。あわせてお聞きします。  そして、最後に、道路の復旧について2点お尋ねします。  まず第1に、液状化している地域の道路の被災状況とその復旧状況、今後の見通しについてお尋ねいたします。  2点目、液状化した地域には私道もかなりあります。住家や地盤の復旧に多額の費用がかかるために、近隣道路の復旧にまで新たな負担をする余裕がないというのが実情です。現在、本市の私道整備補助金制度は、事業費の75%を補助で、上限を250万円としています。事業費は、対象となる道路の長さや形状によって、場所により異なりますが、液状化した地区を走る私道の損傷にはなかなか手がつけられていません。基金事業として、あるいは市の一般財源を使い熊本地震の復興事業として、通常の私道整備補助金に上乗せする形での私道復旧への支援を検討できないでしょうか。  以上、都市建設局長にお尋ねいたします。          〔肝付幸治都市建設局長 登壇〕 ◎肝付幸治 都市建設局長  液状化に関するお尋ねについて順次お答えしますが、少々長くなることを御了承願います。  まず、液状化対策工法によって新たに地盤沈下等が発生したときの救済措置についてでございますが、近見地区におきましては、地盤調査の結果から地下水位低下工法による対策が現在のところ望ましいと考えておりまして、去る6月に開催いたしました熊本市液状化対策技術検討委員会に報告したところでございます。  この地下水位低下工法につきましては、道路内に排水管や排水ポンプを設置して強制的に地下水位を下げ、液状化しにくい地層をつくっていくもので、不同沈下が発生することも想定されますことから、現地におきまして実証実験等を行いながら検証を進めていくこととしております。  今後も検討委員会での議論を踏まえ、最適な工法などを地元にお示ししながら、了承を得た上で実施したいと考えております。  また、その維持管理費の負担につきましては、今後対策工法の受益の度合いも勘案しながら検討したいと考えております。  次に、相談窓口等の設置についてでありますが、議員が述べられたとおり、液状化した地域の方々は将来に不安を抱えられていることなどから、先ほどもお答えしたように、専門の窓口での個別相談はもとより、地域における説明会を順次開催しているところでございます。  次に、液状化防止事業の対象地区などについてでございますが、液状化による被害戸数を約2,900戸と推定しているところでありまして、現在、検討委員会により御意見をいただきながら対象地区の選定を進めているところでございます。  また、基金事業で対応する戸数につきましては、擁壁崩壊や液状化などの宅地被害総数を約7,200戸と推計しているところでございまして、8月28日現在におけます傾斜復旧や地盤改良工事等の申請件数は833件となっております。  さらに、基金事業が進んでいないということでございますが、窓口での相談が約3,500件、電話での相談が約5,600件となる中で、被災者の皆様から、施工業者の数が不足しているということで見積徴取に時間を要しているなどとのお話をお聞きしているところでございます。今後もあらゆる広報媒体を通して周知に努め、基金事業を推進してまいりたいと考えております。  次に、液状化地域の道路復旧状況等についてでございますが、熊本地震に伴い液状化の可能性が見られた箇所では、マンホールの浮き上がりや路面沈下、舗装のたわみ等が確認され、昨年度から順次復旧工事を進めておりまして、現時点でおおむね3割程度が完了したところでございます。今後も液状化対策と整合を図りながら、順次復旧を行ってまいります。  最後に、私道復旧への支援につきましては、熊本県が復興基金を活用した私道復旧事業を創設し、去る7月26日に各自治体に対し運用ルール等が示されたところでございます。  その基本フレームは、復旧事業を実施する方々に対する補助上限額が1,000万円となっているなど、本市の既存制度より有利な部分が見られるものの、補助率が50%であるなど、基金事業の方が不利な部分も見られるところでございます。  この点につきましては、現在、補助率を上乗せし、本市の既存制度と整合を図る検討を行っているところでございまして、制度概要が固まり次第、周知を行ってまいりたいと考えております。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  質問で述べましたように、地下水位低下工法では、実証実験を行いながら進めても、さらなる地盤沈下が100%ないとは言い切れないというのが専門家の見解です。地元の了承を得て進めるというのは当然ですが、問題が起こったときには行政の責任で対応することを要望しておきます。  維持管理費の負担についても、液状化した地区では家屋等の復旧に多額の費用がかかるので、市が負担するよう重ねて要望いたします。  私道復旧に係る補助についても工夫はされているようですが、地元負担が限りなく少なくなるよう、75%の補助率を大幅に引き上げていただくようお願いしておきます。  次の質問に移ります。  次に、国民健康保険の都道府県単位化についてお伺いします。  2018年度から国保の都道府県単位化がスタートいたします。都道府県単位化によって国保財政は県が一括管理し、県が各市町村に納付金を割り当て、市町村が住民から集めた保険料を県に納付する形で国保財政が運営されることになります。  納付金は100%完納が原則です。県は市町村ごとに医療給付費の水準や標準保険料率、標準的な収納率などの指標を提示することとなります。都道府県化によって、医療給付水準の高い自治体や収納率が低い自治体などが見える化されるため、市町村には給付抑制や収納率向上などの圧力が加えられることの根拠とされます。  言うまでもなく、今日の国保の危機を招いた原因は国の国庫負担金の削減です。今必要な取り組みは、国庫負担の引き上げによる保険料の引き下げ、保険証の取り上げや機械的な差し押さえの中止などです。国保の都道府県化は、市町村の一般会計繰り入れをやめさせるための圧力を強化するものです。  今回の改革では、県に財政安定化基金が設けられ、給付増や保険料の収納不足などにより国保会計が財源不足となった場合に貸し付けができるようにするので、一般会計からの繰り入れはしないでもいいという説明がされています。しかし、貸し付けは市町村からすればあくまでも借金であり、返済しなければなりません。そうなると、いずれもっと保険料を引き上げるか、あるいは徴収強化を図るかということになりかねません。  徴収強化という点では、本市の差し押さえ実績の年次推移を見ますと、2012年度の差し押さえ執行件数126件、執行額7,850万円から、2016年度には執行件数634件、執行額2億5,600万円へと飛躍的に伸びています。差し押さえ項目も2015年度から給与や家賃収入など生活の糧となるものも追加されました。また、年金も年金の受給権として差し押さえは禁止されてはいるものの、年金が口座に振り込まれた直後には預金債権として差し押さえている実態がわかりました。  私たちのところへは、分納相談に訪れ約束どおりに納めてきたものの、新年度になり納付書が届かないために一時支払いがストップしていた方に対し、督促状も催告状も送られないまま突如通帳預金が差し押さえられたとの相談も寄せられました。  ただでさえ本市ではこうした差し押さえの年次実績がふえているところに、今回の制度改正を理由に、機械的な債権徴収強化が図られることを大変懸念するものです。  そこでお尋ねいたします。  第1に、県に運営が変わる中で、保険料が上がらないようにするためにも、市としては一般会計法定外繰り入れを引き上げるべきではないでしょうか。また、保険料決定など、本市における独自の取り組みを責任を持って継続することも求めます。  2点目として、今回の制度改定を理由に徴収、差し押さえの強化をしないこと。  3点目として、国民皆保険制度を守り、発展させ、払える保険料とするために、国保の国庫負担の大幅引き上げを国に対してしっかりと求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。  以上、健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  国民健康保険の都道府県単位化に関します3つの質問に順次お答え申し上げます。  まず、法定外一般会計繰入金につきましては、平成30年度以降も繰り入れは可能でありますものの、国保制度改革後は計画的に削減、解消すべきものとされておりまして、国保被保険者以外の市民も含めて負担していただいているものでもありますことから、まずは医療費適正化及び収納率向上対策をさらに強化し、単年度収支均衡を最優先として取り組んでいくことが必要と考えております。
     なお、平成30年度以降の法定外一般会計繰り入れにつきましては、国保制度改革による影響等を踏まえまして、平成30年度当初予算編成に向け、検討していくこととしております。  次に、保険料の差し押さえにつきましては、財産調査の結果を精査し、納付能力があるにもかかわらず滞納している世帯について、電話や訪問、催告書等の発送等により折衝を試み、それでも納付や連絡等がない方に対しまして、差し押さえ禁止財産を除く財産に対して行っております。  また、滞納者への納付相談などの対応につきましては、滞納者の生活実態を詳細に聞き取りまして、生活困窮者に対しましては分割納付などの個々の状況を踏まえた丁寧な対応を行っているところでございます。  公平公正な保険料負担を図るためには、平成30年度からの国保制度改革後も必要な行政処分は実施していかなければならないと考えているところでございます。  最後に、国に対する国庫負担引き上げ要望についてでございますが、国保制度改革によりまして、平成30年度から毎年度約3,400億円の国費拡充が行われることとなっております。しかしながら、国民健康保険事業の安定的な運営のためには十分とは言えないことから、引き続き国の動向を注視していくとともに、さらなる財源措置について要望してまいります。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  熊本市の保険料は、両親と子供2人の年間所得200万円のモデル世帯において、年間39万9,070円です。政令市の中でもワースト1位という不名誉な順位です。年間所得の5分の1が保険料で消えていく。まさに負担の限界を超えた高負担だと言わざるを得ません。  本市の累積赤字の拡大については、言うまでもなく国保の赤字補填への支援額が2015年度以降大幅に減額されたからにほかなりません。国においては2016年度、低所得者への保険料軽減のための1,700億円の財源措置が行われました。しかし、残念ながら本市ではこの財源措置が保険料引き下げではなく、累積赤字解消のために補填され、保険料の軽減に至っていません。  医療費適正化と収納率向上の強化という前に、今一番取り組むべきは一般会計からの繰り入れを増額し、政令市一高い保険料を引き下げることではないでしょうか。加入者の立場に立った制度の運用を強く要望いたします。  次に、子供の貧困対策について伺います。  まずは、子供食堂についてです。  厚生労働省がこの6月に発表した2016年国民生活基礎調査によると、子供の貧困率は2015年時点で13.9%。これは7人に1人の割合でした。過去最悪だった前回の調査から2.4ポイント下がりましたが、依然高い割合を示していることには変わりありません。  また、経済協力開発機構(OECD)の直近のデータでは、日本は大人1人で子供を育てる世帯の貧困率が50.8%と極めて高いことが報告されています。特に日本の子育て世帯の貧困の世界から見れば異常とも言える現実は、働いても貧困から逃れられないということです。  OECD諸国加盟国との比較でも、ほかの国では働きさえすれば貧困が劇的に改善しています。アメリカの場合、働いていないひとり親世帯の貧困率は90.7%にも上りますが、働けばその割合は31.9%へと改善されています。一方、日本では、働いていないひとり親世帯の貧困率が50.4%なのに対し、働いても改善されるどころか逆に50.9%へと悪化しているのです。  これは、ひとり親家庭に支給される児童扶養手当が、働いて少し収入がふえると減額されるという仕組みがあるからです。どれだけ働いても過半数の世帯が貧困から抜け出すことができないという異常さです。  そうした中、貧困状況にある子供たちに対し、おいしい食事、楽しい時間、地域とのつながりを提供する子供食堂の試みが全国各地で行われています。本市でも12カ所の実施事例があり、その取り組みは子供の孤食防止、居場所づくり、地域住民とのつながり、また学習支援に就労支援まで行っているところもあります。本来公的機関が行うべき分野まで目配りをし、支援している実態があります。  本市では、昨年12月に食堂を運営する12団体を対象に、子供食堂の運営状況に関するアンケート調査が実施されました。調査では、開催場所について無料の場所を使っているが75%とあり、個人所有や無償提供で何とか会場を賄っている状況でした。しかし、食材については、全ての団体が何らかの費用の持ち出しで購入していることがわかりました。加えて、運営資金については、自己資金によらず、寄附金、助成金、また利用者の利用料だけで賄えているのはわずか1団体。残りの11団体は全て自己資金で運営している実態がわかりました。運営面の課題では、食材の確保がトップに挙がっており、運営の根幹部分で苦労されている様子がうかがえました。  この7月、北区で新たに子供食堂を開設したいという皆さんに立ち会う機会がありました。開設に当たって市の担当課からは、基本的に各団体で自発的にやっていらっしゃることですからと、既に食堂を開設している団体の一覧表とアンケートの結果を渡されただけでした。資金も体制も、そしてノウハウも全く白紙の状態で、7月下旬、最初の子供食堂を実施されたわけです。終了後の感想としては、正直もう少し行政からのアドバイスや支援があると思っていたとのことでした。  昨年、市が主催した運営団体対象のワークショップでの要望で食材の確保と並んで多かったのが、食堂開催に当たって子供たちへの周知に対する行政のかかわりでした。特に、学校との連携が必要ではないでしょうか。  かつて学童保育は、その成り立ちはそもそもボランティアから始まったものでしたが、今では学校長が責任者となっている現状です。そうした過去の事例から考えても、子供食堂についてもボランティアが自発的にやっていることだからとせず、もう一歩踏み込んだ行政の関与が求められます。そもそもこうした子供食堂が全国的に広がった背景には、子供の貧困に対する政治や行政の施策の貧困、それにこそ問題があったはずです。  そこでお尋ねいたします。  第1に、現在、市では市内子供食堂の実態把握や運営団体相互の情報交換のためのワークショップなどを実施されておりますが、それがちゃんと市民の皆さんや新たに子供食堂に取り組みたいと考えている皆さんに共有されているとは言いがたい状況があります。そこで、食堂開催の周知や情報発信、運営団体の横の連携強化の支援について、行政でしっかり支援する取り組みを行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  第2に、やはり全くボランティアで運営、継続していくことは大変困難です。先ほど述べた学校との連携、そしてエンゼル基金からの助成があるとはいうものの、例えば、食材についてはフードバンクのような仕組みの立ち上げや運営費の支援など、行政のいま一歩踏み込んだ支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。健康福祉局長に伺います。          〔池田泰紀健康福祉局長 登壇〕 ◎池田泰紀 健康福祉局長  子供食堂の支援に関する2つの御質問にお答え申し上げます。  まず、食堂開催の周知や情報発信、運営団体の連携強化のための支援についてでございますが、議員御案内の熊本市子供食堂関連のワークショップは、子供食堂間の情報共有や課題解決、ネットワーク化を図ることを目的に開催いたしており、子供食堂の主催者に限らず支援者にも参加いただき、主催者と支援者のマッチングの機会にもつながっております。  また、今後子供食堂を始めたい方、支援したい方も傍聴していただいており、状況がわかり参考になったという御意見もいただくなど、市民への情報提供の場としても機能しているものと考えております。  引き続き、このワークショップの開催や結婚・子育て応援サイト等による紹介などを初めとした広報の支援を中心に、子供食堂の主体的な取り組みを支援してまいります。  次に、団体への運営面での支援についてでございますが、活動中のほとんどの子供食堂は、個人や企業、地元の商店等からの食材の寄附を受けて賄われております。中には、全国組織のフードバンク等から提供された食材をストックし、他の子供食堂へ提供するなど、既にフードバンクとしての活動も行われているところでございます。  本市といたしましては、このような状況を踏まえつつ、エンゼル基金による支援とともに、サイトによる情報提供や子供食堂の状況、課題を把握する場の提供などの支援を行ってまいりたいと考えております。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  アンケートの結果からもわかるように、子供食堂の運営は民間任せになっています。ボランティアの皆さんが子供の貧困のために身銭を切って奔走されていますが、そもそも子供の貧困は今の社会が生み出した問題であり、その解決には国や自治体が責任を持って向き合っていく課題です。熊本市が子供食堂に対してノウハウの面でも財政的な面でも積極的な支援を行っていくよう強く要望いたします。  次に、学校現場での子供の貧困対策への取り組みとして、学校給食についてお尋ねします。  学校とは、日本の子供の施策の中で最も普遍的なものであり、子供の貧困対策に学校がきちんと位置づけられていることは大事なことです。貧困対策は誰が貧困者であるか、救済されるべき人を見つけ出して救済するという選別的な救済から始まったという経緯があります。誰が救済されるべき人かということでは常に大きな論争があり、ともすれば救済された人はむしろ恥ずかしい思いをする。スティグマ、いわゆる恥の烙印を伴うものです。一方で、学校に通うこと自体にはスティグマ、恥は伴いませんから、その学校が反貧困の機能を持つこと自体に大きな意義があります。  さて、そこで学校給食です。  学校給食が果たす役割として、国民生活基礎調査の全国調査でも、経済水準が低い家庭の中高生は高い家庭の子に比べて肥満の割合が3倍であったのに対し、完全給食の実施率が高い小学生では、両方とも肥満の割合は変わらなかったという結果が出ました。これは学校給食により栄養バランスがとれている結果だと推察されます。学校給食が、格差対策の点でも、その役割を果たしていることをあらわすものです。  学校給食については、今全国で学校給食の負担軽減に取り組んでいる自治体がふえており、全国1,741の自治体で給食費の全額並びに一部補助を実施している自治体は417自治体、うち完全無償は55自治体に上ります。熊本県下では、荒尾市がこの10月に全ての小学校で無償化に取り組みます。  一方、今現在、本市の給食費の負担額は、2015年度実績で小学校が平均年間実施回数が188回で、給食費が1回243円ですので、年間約4万5,700円。中学校が実施回数177回に給食費が295円で、年間約5万2,200円です。子供2人の世帯では、給食費の負担は9万円から10万円以上になります。3人以上の多子世帯となればなおのことです。  要支援世帯へは生活保護や就学援助による給食費の全額助成をしているとのことですが、子供にとって一番普遍的な制度である学校という場においては、選別的な救済ではなく、皆が等しく支援が受けられる制度にすることが必要ではないでしょうか。  学校給食は学校給食法により、食育として教育課程の中に位置づけられています。教育課程の中にある以上は義務教育においては無償提供を旨とすべきです。  そこでお尋ねします。  学校給食が格差対策の役割を果たしていることも考えれば、本市でも学校給食については無償化も視野に入れた何らかの援助に踏み出すべきだと考えますが、いかがでしょうか。教育長にお伺いします。          〔遠藤洋路教育長 登壇〕 ◎遠藤洋路 教育長  子供の貧困問題に関し、学校給食への助成についてお答えいたします。  学校給食は、本来無償提供を旨とすべきという御指摘でございましたけれども、学校給食法には、学校給食に要する経費のうち、職員の人件費及び必要な施設、設備に関する経費は設置者の負担とし、給食用食材に関する経費は保護者の負担とすると規定されておりまして、本市においてもこの規定に基づいて保護者に負担をお願いしております。  また、学校給食が格差対策に一定の役割を果たしているということは認識しております。したがって、全ての子供に等しく学校給食を提供できるよう、経済的に支援が必要な世帯に対しては、生活保護費や就学援助により給食費の全額を助成しているところであります。  こうしたことから、今後も現行制度の趣旨に沿った運用を行ってまいりたいと考えております。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  教育基本法では、その目的を「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」と定めており、子供たちは社会の宝としてその教育が行われます。  憲法でも、教育基本法でも、その他教育にかかわる法律、それは子供たちの健全な精神、肉体の育成のために行われるものでありますので、子供たちの健やかな成長のためにも、ぜひともこうした学校給食を初めとする貧困対策としての支援を行っていただきますよう要望いたします。  続いて、桜町再開発、熊本城ホール整備についてお尋ねいたします。  桜町再開発事業は熊本城を望む中心市街地に位置しています。景観条例に基づく高さ規制を超えるビルとなるために、景観審議会での審議が行われました。  2013年12月の第21回景観審議会では、公益性の高い複合施設であるため、高さ、海抜73.6メートルを了承すると結論づけられています。しかし、巨大な建造物であるだけに、その圧迫感を解消してほしいと個別意見がつけられました。その中の1つには、高さの基準を超える例外が当たり前になっては困るという厳しい意見もありました。  その後、事業者としては若干の外観を変更し景観審議会に報告されましたが、今、その外観パースを見るときに、圧迫感の正体は何なのかと考えさせられます。  桜町再開発地区は、熊本城への眺望、熊本城からの眺望を確保するための景観形成基準を定める重点地区となっています。公益性を理由に約20メートル近くも高さをオーバーする建物が了承されているわけですから、公益性が理由になる部分はやむを得ないかもしれませんが、そうでない部分についてはできる限り景観形成基準を遵守することが必要ではないでしょうか。  MICE施設部分については、ホワイエ部分の高さは低くされています。一方、マンション、ホテル部分については高さは変わっておらず、熊本城正面に立ちはだかる壁となっております。しかも、15階建てマンションの高さ基準を超えた部分が最も高い分譲価格で売り出され、事業者の利益を膨らませることにつながっています。  74万市民にとってかけがえのない熊本城の眺望よりも企業の利益が優先されるような景観条例の例外について、市長はどのような認識をお持ちでしょうか。  2点目、景観条例の基準を超える高さ73.6メートルの巨大ビルとなる桜町再開発事業は、熊本市民の大切な景観を企業利益に差し出し、財政面でも事業費総額755億円のうち、その55%、417億円を国や熊本市が支出するという、公的な支えなくしては成り立たない事業です。それだけに公益施設さえ入ればいいというような事業であっては困ります。  地元熊本にどのように貢献していくのか、それが問われる事業となります。  そこで1つは地域経済活性化への寄与です。いよいよ建設工事も始まっています。再開発事業の商業、保育所、バンケット、シネコンの部分にどの程度の地元企業が参入してくるのでしょうか。床面積の何割程度になるのか教えてください。  また、再開発ビル全体で地元からの雇用はどの程度あるのでしょうか。特に、正規雇用として何人くらい雇用される見通しがあるのか教えてください。  また、熊本市が整備する熊本城ホールについての地元雇用の見通しがどうなるのか、正規、非正規別にお願いいたします。  3点目、桜町再開発事業の工事を受注している大成建設は、全国の工事現場で重大な事故を次々と引き起こしています。ことしになってからだけでもニュースになった重大事故が4件もあります。  1月には、高浜原発構内で113メートルの巨大クレーンが倒壊する事故が起きました。4月には、2020年開催の東京オリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場の建設現場で働く23歳男性の過労自殺が発覚しました。6月には、神奈川県庁新庁舎建設工事現場での作業員の転落死亡事故、8月には、東京都千代田区の老舗宴会場、東京会館建てかえ工事で、作業中の作業員が3名も死亡する事故が起こりました。昨年発生した博多駅前の道路陥没事故もまた大成建設が元請となっていたものでした。  このような事態を受け、マスコミには、過労自殺に続き転落事故、大成建設に何が起きているのか、大手ゼネコン大成建設の工事現場でまた死亡者、危険なゼネコン大成建設、あり得ない大事故続出などの見出しが躍り、コスト圧縮による慢性的な人手不足などが指摘されていました。  高浜原発の事故現場では、原子力規制委員会の保安規定違反が認定され、労働基準監督署の指導が入りました。丸の内の東京会館工事現場の事故は、作業をしない日と定められた祝日に発生した事故でした。  市長は、大手ゼネコン大成建設の頻発する重大事故の状況について、どのような認識をお持ちでしょうか。  また、桜町再開発事業は、民間事業とは言っても市が助言しながら事業を進め、事業費の6割近くを税金で負担する、公共と切っても切れない事業です。そこで重大事故が発生しては困ります。重大事故が絶対に繰り返されないように、熊本市として申し入れすべきと思いますが、いかがお考えでしょうか。  以上3点、大西市長にお伺いします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  桜町再開発事業に関する御質問に順次お答えいたします。  まず、景観条例に関するお尋ねでございますが、桜町地区は、本市の景観計画において熊本城周辺地域を重点地域と位置づけ、城域からの眺望及び市街地からお城への眺望を保全するということを目的とし、建築物等の高さの基準を定めているものでございます。  この基準には、都市計画で定められている公共性のある建築物等に対しては景観審議会の意見を聞いて、景観形成に支障がないと認めた範囲内において基準の高さを超えることができることとしております。  そのようなことから、平成25年開催の第21回熊本市景観審議会において、本事業についてはバスターミナル等、公益性が高い複合施設であり、背景となる市街地のラインにおさまる高さであることから、建築物の高さ、海抜73.6メートルが了承されたものであります。  なお、建築物の形態について、壁面のボリューム感を軽減するようにとの意見が当時出されたものに対して、事業者が建物の分節化や屋根の形状変更等を行ったことから、平成28年開催の第23回熊本市景観審議会において報告がなされ、了承されたものでございます。よって、本市景観計画の規定に基づき適切に処理されているものと認識しております。  次に、再開発施設への地元企業等の参入及び地元雇用についてお答えいたします。  まず、再開発施設への地元企業等の参入につきましては、本年第1回定例会において申し上げましたとおり、再開発事業者においては、商業戦略上、公表を控えられているところでございますが、テナント構成を計画する上で、地元企業の出店に対しては配慮する意向であることをお聞きしております。  また、再開発事業全体で生み出される雇用につきましても、およそ1,600人と想定されておりまして、このうちの多くが新規雇用とお聞きしております。正規、非正規等の雇用形態別の人員については未定とのことでございます。  私としましても、これまで再開発事業者に対しまして、地元企業の出店など地域経済の発展並びに雇用の創出につながるような取り組みを行っていただくよう、直接申し入れを行っているところでございます。  次に、熊本城ホールの地元雇用についてお答えいたします。  熊本城ホールに関しましては、指定管理者による運営を予定しており、今定例会に設置条例案を提出させていただいております。  雇用につきましては、指定管理者が行うこととなりますため、指定管理者が決定していない現時点におきましては、正規、非正規も含め、何人が地元雇用となるのかについてはお答えすることはできませんが、指定管理者の選定に際して提案された内容を適正に評価してまいりたいと考えております。  最後に、民間業者の建設現場における事故状況についての認識並びに事故防止に向けた申し入れについてあわせてお答えいたします。  議員御指摘の他県での事故等も含めて、それらについては報道などを通して承知しているところでございますが、民間事業者におきましても原因究明や再発防止に努めているものと考えております。  いずれにいたしましても、尊い人命が失われるような痛ましい事故はどのような建設現場であっても避けなければならないというふうに考えておりまして、本市といたしましても、今後、復興や再開発事業などさまざまな事業が本格化してまいりますことから、安全管理などの義務を適切に果たされるよう、適宜、指導、申し入れを行ってまいりたいと考えております。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  景観条例の例外適用についての認識では、バスターミナル等、公益性が高い複合施設であることから、海抜73.6メートルが了承されたものとの御答弁でした。しかし、景観を阻害する原因となっているのは、熊本城ホール、ホテル、マンションです。熊本城ホールは、市が整備する公益施設なので公益性ということが言えるかもしれませんが、ホテルやマンションは企業の運営する営利施設で公益という言葉は当てはまりません。  特にマンション部分はザ・熊本ガーデンズと銘打ち、熊本市中心部の熊本城を目の前にした一等地、立地や利便性にすぐれた高級マンションとして売り出されようとしています。最上階はプレミアムフロアとして最高1億6,200万円、最低でも1億800万円という破格の値段で販売されます。総戸数159戸の平均販売価格は、1戸当たり5,453万円と、これまでになかった高い価格となっています。  今、全国の再開発は企業が高利益を得るために高層マンションと一体となった開発がふえていますが、まさに桜町再開発の高層マンションもまた再開発ビルの中でも多額の企業利益を生む部分となっています。特に景観条例違反となる最上階の15階を初めとした上層階が億ションとして売り出され、マンション販売の利益を膨らませていることは明白であります。  公益性を理由に景観条例の例外適用を認めるのであれば、マンションやホテルなどの営利施設は高さを下げるべきです。それがなされないのは桜町再開発という450億円もの税金をつぎ込む事業が企業の利益優先で進められているからではありませんか。企業の利益のために、市民の大切な財産である景観を売り渡したとしか言いようがないことを厳しく指摘しておきます。  再開発ビル建設に係る事故の問題では、先ほど紹介しましたように大成建設は危険なゼネコンと評される状況にあります。新国立競技場での過労自殺に関して、当時の塩崎前厚生労働大臣は、元請、下請企業全てについて労働時間の実態を調査の上で、問題が認められた場合には、是正に向けて厳しく指導していきたいとコメントされていました。また、神奈川県庁新庁舎工事現場における死亡事故については、知事が大成建設社長に対し安全管理の徹底についての指示を出し、二度と事故が発生しないようあらゆる機会を捉えて工事現場の安全管理を徹底することを表明しています。  市長も安全管理等について指導、申し入れを行っていただくとのことですので、再開発事業者はもとより、工事を担う大成建設に対しても申し入れを行うこと、その場合、元請の大成建設のみでなく、下請まで含めた徹底した安全管理が行われるよう申し入れしていただくことをお願いしておきます。  再開発ビルへの地元企業の参入については、事業者に申し入れているとのことですが、再開発ビルは床の価格が高いだけに地元企業進出はなかなか厳しいと思われます。本当に参入が進むのか、実態を把握し、その内容は議会等へも報告していただくようお願いいたします。  そこで1点、市長に伺います。  熊本城ホールにおける地元雇用では、指定管理者の選定に際して提案された内容を適正に評価していきたいと答弁されました。それならば、指定管理者選定に当たっての仕様書に地元雇用について明記しなければ、それはできません。指定管理者選定における仕様書に地元雇用について明記されるのでしょうか。お尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  地元への貢献、あるいはそういった配慮については、当然この評価の対象になり得ると考えております。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  桜町再開発事業、熊本城ホール整備は熊本市政史上、最大の税金投入となる大型箱物です。地元における直接の効果があらわれるよう特段の取り組みを要望しておきます。また、熊本城ホール整備については、所管となる経済委員会で那須議員がさらに踏み込んでお尋ねしますので、時間の関係もあり、議論はそちらに譲りたいと思います。  続いて、立野ダムについてお尋ねいたします。
     これまで毎議会ごと、市長に対して立野ダム建設についての国交省の説明責任、ひいてはダムの最大受益地である自治体の長としての市民への説明責任を繰り返しお尋ねしてきました。市長は、国へ説明を求めていくと毎回答弁されるも、国から住民への具体的な説明はなされずにきました。  熊本地震以来、多くの人たちが立野ダムの安全性に疑問を抱き、そのことに対して行動を起こし始めています。従来の市民団体主催のダムの学習会では、ここのところ毎回会場いっぱいになるほどの参加者です。南阿蘇村では、住民有志が県へ要請行動を行いました。大津町議会では、保守系議員がダム建設予定地の安全性を疑問視する質問を行いました。また、今月に入って、市内流域の自治会で、自治会長を呼びかけ人とするダムを考える会が発足、住民有志の学習会が催され、新聞各紙で報道されるなどしています。  そこで、市長にお尋ねいたします。  第1に、こうした中、この5月、国交省との意見交換会で、大西市長が住民説明について要望されたとの新聞報道がありました。具体的にどのような要望をされたのでしょうか。  2点目として、国交省は、この7月から計5回にわたる流域住民を対象とした現地見学会を計画実施しています。これまで私たちが繰り返し、どれだけ要望しても一切聞き入れられなかった住民への説明会です。これはまさに、市長が意見交換会の場で住民へ説明をと、しっかり求められた結果だと評価しております。  しかし、国交省は現地見学会こそ開催したものの、一方で市民団体からの6回にわたる公開質問状にはいまだ一切回答しておりません。また、現地見学会の場でも参加者からの質問に対しては、ホームページを見てほしいなどとするばかりで、しっかり答える姿勢がありません。  一般参加者は、立野ダム事務所のホームページを見ない限りは、見学会の実施すら知り得ないにもかかわらず、国交省は連携関係にあるNPO法人に見学会の動員をかけるなど、見学会を身内で固めて既成事実化しようとしているととられても仕方がない動きをしています。  こうした国交省の姿勢は、市長が求められた住民への説明責任、これと整合するものでしょうか。市長自身どう受けとめておられるのか、お聞かせください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  昨年の熊本地震発生以降、立野ダム建設の安全性につきましては、流域住民の不安の声もあることから、わかりやすく丁寧な説明を行っていただくよう、さまざまな機会を捉えて国土交通省に対し要望してまいりました。  そして、本年5月に開催されました白川改修・立野ダム建設促進期成会総会での国土交通省との意見交換会におきましても、流域住民に対しわかりやすい説明をいただくことが重要であり、引き続き流域住民に理解を深めていただくよう要望したところでございます。  さらに、7月の九州治水期成同盟連合会や、8月の白川改修・立野ダム建設促進期成会の国土交通省への要望の場におきましても、期成会会長として同様の要望を行っているところでございます。  その結果、事業主体であります国土交通省において、住民に理解を深めていただくための取り組みとして、現地見学会が行われているものと理解しております。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  今御答弁いただきましたように、さまざまな機会を捉えて国への要望をしていただいたことが、今回の現地見学会につながったものと私も理解するものです。しかしながら、この見学会も計5回の開催のみで、参加人数が75名とごく限られており、また見学会での国の対応も参加者に十分説明を尽くすものになっていません。  何より最大の受益地である本市において、市民に説明する場が設けられていない現状は解消されておりません。国の流域住民を対象とした会は2012年9月に公聴会が開かれたのみで、説明会に至っては皆無です。国に対しては、本市流域住民を対象とした説明会を開催し、説明責任をしっかり果たすよう引き続き要望していただきますようお願いいたします。  質問を続けます。  7月の九州北部豪雨、福岡朝倉地区を襲った大量の土砂と流木に、改めて想定外の水害にダムが耐えられるのかと、誰しも疑問に感じたと思います。  改めて立野ダムの問題点について、以下お尋ねいたします。  まず、7月の豪雨で私たちに大きな衝撃を与えた、あの大量の流木の問題についてです。  国の説明では、流れてきた流木や大きな石は、立野ダム上流約200メートルの地点に設置した流木捕捉施設で捕捉されるとしていますが、何立方メートルの流木にまで対応できるのでしょうか。  国交省の資料では、この流木捕捉施設は幅42メートル、高さ5メートルですので、100メートルにわたり流木や土砂をためたとしても、42メートル掛ける5メートル掛ける100メートル割ることの2、約1万立方メートルしかためることができません。一方で、7月の豪雨では、新聞報道によると、福岡県が朝倉市と東峰村で少なくとも36万立方メートルの流木が流れたと推計したと報道されています。朝倉市の赤谷川単体を見ても、約21万立方メートルの流木が流れたとされています。  一方、立野地域はどうだったのでしょうか。2012年の九州北部豪雨及び熊本地震の後の豪雨で、立野地点を通過した流木は何立方メートルだと計算されているのでしょうか。  第2に、洪水時、一時的に何立方メートルの土砂が堆積し、そのうち何立方メートルが幅5メートルしかない立野ダムの放流孔を通り下流に流れるのかという点です。  国交省の説明では、湛水によって一時的に堆積していた土砂は徐々に下流に流れていくとしています。一方で、7月の豪雨では、九州大の三谷泰浩教授の推定によると、朝倉市の赤谷川では120万立方メートルもの大量の土砂が流出したとされています。  一時的に何立方メートルの土砂が堆積し、平水位に戻るまで何立方メートルが幅5メートルの放流孔を通り下流に流れたのか。赤谷川での120万立方メートルもの土砂に立野ダムが耐え得るのか、見解をお聞かせください。  3点目、立野ダム建設に係る技術委員会の資料と実際の土砂崩壊箇所が食い違っている点についてお尋ねします。  昨年8月の立野ダム建設に係る技術委員会が、わずか3回の会合で検討した国交省の資料では、熊本地震後に現地調査対象斜面として抽出した16地区については、今後必要に応じて対策工事を実施することにより、湛水による斜面の安定性を確保することができるとしていますが、その16地区は多くの土砂崩壊箇所のほんの一部にすぎません。現状を見れば、特に右岸側の立野溶岩の台地側ではダム水没予定地の大半が崩落しており、国交省が技術委員会に提示した資料と大きく食い違っています。崩落箇所のほとんどでは、ダム水没予定地の底におりるまでの道路をつくれない状況ですので、重機などをおろすこともできず、土砂崩壊の対策工事は不可能です。  このように、技術委員会で検討された資料と実際の土砂崩落箇所とが食い違っています。まさに技術委員会の結果が、立野ダム建設においての安全性を担保するものに足り得ないことをあらわしています。わずか3回の会合で、十分な説明がなされているとは言えません。改めて技術委員会の検討をやり直すことを求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。  以上、3点について大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  議員お尋ねの熊本地震後の豪雨等での立野地点の流木量、あるいは今回の九州北部豪雨により赤谷川で流出した土砂量に対し立野ダムが耐え得るかどうか、また、立野ダム建設に係る技術委員会での検討のやり直しについてでございますが、あくまでも事業主体は国土交通省でありますことから、これらの技術的な御質問に対して市として言及する立場にはございません。  いずれにいたしましても、近年各地で豪雨被害が頻発する中で、本市中心部を流下する白川の治水安全度の向上は、市民の生命、財産を守る上で喫緊の課題であることから、治水対策の取り組みを着実に推進していただくよう、流域の市長として国土交通省に対し引き続き要望してまいりたいと考えております。          〔5番 山部洋史議員 登壇〕 ◆山部洋史 議員  事業主体は国土交通省であるので言及する立場にないと述べられましたが、一方で市長は白川改修・立野ダム建設促進期成会の会長というダム建設推進役をされている立場でもあります。そうであるならば、市長にも住民の立場に立ってダムの安全性や疑問に対し説明を尽くす責任があると思います。  ダム建設に対する国交省の説明責任を問う声は、今や従来の市民団体の皆さんだけにとどまりません。熊日新聞が1月に社説で、立野ダム、丁寧に説明を重ねる姿勢をと言及したのを皮切りに、その後も囲み記事やコラムで、立野ダムは大丈夫か、立野ダムをめぐる違和感などの見出しで繰り返し国交省への説明責任を問うています。現在開催中の現地説明会のあり方についても、毎日新聞が、毎回質問状の回答拒否、国交省はゼロ回答として、国交省の説明責任、その姿勢を厳しく指摘しています。  技術委員会の検討の内容につきましても、今のダム建設予定地周辺の土砂崩落のありさまを見るならば、極めて危険であることは一目瞭然です。昨年たった3回の会合で、この重要な問題について検証することは難しいと思われます。不十分な検証の中身を根拠に、このままダム建設を進めていくべきではありません。市民の安全を守るためにも技術委員会の検討をやり直すことを国へ強く求めるべきです。そのことを私からも強く要望しておきます。  本日、私が準備いたしました質問は以上です。  質問時間の多くを割きました熊本地震からの復旧・復興は、今後さまざまな局面、課題が出てくると思います。そうした課題の解決にこれからも力を尽くす決意を申し上げまして、本日の質問を終わります。  御清聴どうもありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○藤山英美 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は、明9月1日(金曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○藤山英美 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 3時56分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成29年8月31日 出席議員 47名       1番   澤 田 昌 作        2番   藤 山 英 美       3番   光 永 邦 保        4番   大 塚 信 弥       5番   山 部 洋 史        7番   小 池 洋 恵       8番   三 森 至 加        9番   高 本 一 臣      10番   小佐井 賀瑞宜       11番   寺 本 義 勝      12番   福 永 洋 一       13番   西 岡 誠 也      14番   田 上 辰 也       15番   浜 田 大 介      16番   井 本 正 広       17番   藤 永   弘      18番   原     亨       19番   原 口 亮 志      20番   紫 垣 正 仁       21番   くつき 信 哉      22番   田 中 敦 朗       23番   那 須   円      24番   重 村 和 征       25番   村 上   博      26番   上 田 芳 裕       27番   園 川 良 二      28番   倉 重   徹       29番   満 永 寿 博      30番   三 島 良 之       31番   齊 藤   聰      32番   大 石 浩 文       33番   田 尻 善 裕      34番   上 野 美恵子       35番   白河部 貞 志      36番   藤 岡 照 代       37番   津 田 征士郎      38番   坂 田 誠 二       39番   竹 原 孝 昭      40番   江 藤 正 行       41番   鈴 木   弘      43番   田 尻 清 輝       44番   落 水 清 弘      45番   古 川 泰 三       46番   北 口 和 皇      47番   田 尻 将 博       48番   家 入 安 弘      49番   田 辺 正 信 欠席議員  1名       6番   緒 方 夕 佳 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      多 野 春 光   副市長      植 松 浩 二    政策局長     古 庄 修 治   総務局長     田 畑 公 人    財政局長     中 原 裕 治   市民局長     萱 野   晃    健康福祉局長   池 田 泰 紀   環境局長     勝 谷 仁 雄    経済観光局長   中 村 英 文   農水局長     西 嶋 英 樹    都市建設局長   肝 付 幸 治   消防局長     中 村 一 也    交通事業管理者  西 本 賢 正   上下水道事業管理者永 目 工 嗣    教育長      遠 藤 洋 路   中央区長     石 櫃 仁 美    東区長      田 端 高 志   西区長      白 石 三千治    南区長      松 石 龍太郎   北区長      野 口 恭 子    病院事業管理者  高 田   明 職務のため出席した事務局職員   事務局長     田 上 美智子    事務局次長    大 島 直 也
      議事課長     本 田 正 文...