熊本市議会 > 2016-10-11 >
平成28年10月11日熊本地震からの復旧・復興に関する調査特別委員会-10月11日-01号
平成28年第 3回(閉会中)議会運営委員会−10月11日-01号
平成28年第 3回(閉会中)議会運営委員会−10月11日-01号
平成28年10月11日熊本地震からの復旧・復興に関する調査特別委員会-10月11日-01号

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  1. 熊本市議会 2016-10-11
    平成28年10月11日熊本地震からの復旧・復興に関する調査特別委員会-10月11日-01号


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    最終取得日: 2022-11-22
    平成28年10月11日熊本地震からの復旧・復興に関する調査特別委員会-10月11日-01号平成28年10月11日熊本地震からの復旧・復興に関する調査特別委員会  熊本地震からの復旧・復興に関する               調査特別委員会会議録 開催年月日   平成28年10月11日(火) 開催場所    予算決算委員会室 出席委員    47名         津 田 征士郎 委員長    田 尻 将 博 副委員長         澤 田 昌 作 委員     藤 岡 照 代 委員         光 永 邦 保 委員     大 塚 信 弥 委員         山 部 洋 史 委員     緒 方 夕 佳 委員         小 池 洋 恵 委員     三 森 至 加 委員         高 本 一 臣 委員     小佐井 賀瑞宜 委員         寺 本 義 勝 委員     西 岡 誠 也 委員         福 永 洋 一 委員     田 上 辰 也 委員         浜 田 大 介 委員     井 本 正 広 委員         藤 永   弘 委員     原     亨 委員         原 口 亮 志 委員     紫 垣 正 仁 委員         くつき 信 哉 委員     田 中 敦 朗 委員
            那 須   円 委員     重 村 和 征 委員         村 上   博 委員     上 田 芳 裕 委員         園 川 良 二 委員     倉 重   徹 委員         満 永 寿 博 委員     三 島 良 之 委員         齊 藤   聰 委員     大 石 浩 文 委員         田 尻 善 裕 委員     上 野 美恵子 委員         白河部 貞 志 委員     鈴 木   弘 委員         坂 田 誠 二 委員     竹 原 孝 昭 委員         江 藤 正 行 委員     藤 山 英 美 委員         田 尻 清 輝 委員     古 川 泰 三 委員         北 口 和 皇 委員     家 入 安 弘 委員         田 辺 正 信 委員 欠席委員    1名         落 水 清 弘 委員 議題・協議事項   (1)震災復旧状況並びに震災復興計画に関すること                              午前11時00分 開会 ○津田征士郎 委員長  ただいまから熊本地震からの復旧・復興に関する調査特別委員会を開催します。  本日は、前回に引き続き震災復興計画案を質疑のテーマといたしますことから、市長並びに両副市長にも御出席をいただいております。  それでは、これより議事に入ります。  本日の質疑の通告状況は、一覧表にしてお手元に配付しておきました。  なお、井本委員より配付の申し出のありました資料については、お手元に配付しておきました。  それでは、まず質疑に入ります前に、執行部より資料についての説明を求めます。         〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  皆様、おはようございます。  調査特別委員会の資料につきまして、私の方から一括して御説明申し上げます。  まず、資料の御確認ですが、今回、熊本市震災復興計画の案を1-1として、また1-2として別冊資料、それと2として熊本地震に伴う財政影響試算と今後の対応、この3部をお配りしているかと存じます。  まず、1-2の別冊資料につきましては、今回、これまで調査特別委員会でその都度統計データを時点修正したものをお配りしているところでございます。この罹災証明の件数であるとか、義援金あるいは寄附金の状況等々、9月30日の最新のデータをまた更新してお配りしておりますので、これについては詳細な説明は省かせていただきます。  引き続き、2の平成28年熊本地震に伴う財政影響試算と今後の対応について御説明させていただきます。  1ページをお開きいただきますと、試算の前提ということで書いておりますが、今回、歳出に関しまして、公共施設等復旧経費につきましては、8月の補正予算時点での今後の見込みを含めて想定した復旧経費でございまして、まだ国の災害査定中あるいはまだ災害査定がこれからというものもございますので、今後変動が見込まれるものでございます。また、被災者支援及び生活再建関連経費につきましては、これも8月補正予算時点で想定している復旧・復興経費でございまして、議会から、あるいは市民の皆様から御要望の多い、まだ制度がはっきりしていません宅地や未指定文化財等復旧支援につきましては、引き続き国への支援要望とあわせて、県に創設された復興基金の活用を今後協議してまいりたいと考えておりますので、この時点での試算では入れておりません。  歳入に関しましては、市税につきましては非常に見込みが難しいところではございますが、仙台市等の先行事例を参考にしまして、発災から3年から10年の間に個人市民税固定資産税都市計画税等の税収が徐々に回復すると見込むということで、段階的な試算をさせていただいております。  なお、減免分と減収分については、それぞれ特別交付税あるいは普通交付税等の算定上、歳入に影響しておりますので、その分が市の実質負担の減少となっているところでございます。  また、使用料につきましては、熊本城は3年後、天守閣を一般に開放できるようにする。また、その他、動植物園、体育施設、市民会館等は2年間で復旧させるということで、熊本城については3年間の減収、その他については2年間の減収ということで、使用料については試算しているところでございます。  以上が算定の前提でございます。  引き続き、2ページの歳出の影響額でございますが、公共施設等復旧経費につきましては、これまで議会等々で御説明しましたとおり、全体1,460億円、うち本市の実負担額として150億円程度を見込んでおります。  また、被災者支援及び生活関連経費につきましては、同じく870億円で、うち一般会計の実負担額が70億円で試算しているところでございます。  それと、3番目の新たな被災者支援関連経費については、現時点では不明ということで、αという変数で置かせていただいております。  次に、3ページをお開きいただけますでしょうか。  これが歳入の部分の影響でございまして、税収の減は、先ほど申しましたとおり今後10年間で段階的に回復するということで、120億円から313億円の影響を見込んでいるところでございます。これに対する一般会計の実負担額としては、45億円から126億円ということで試算しております。  また、使用料の減につきましては、今後10年間で33億円と。これについては、全て一般会計の負担額となります。  歳入の増につきましては、国のさらなる支援の確保あるいは県との協議による復興基金の活用等々で、現時点ではこれも不明でございますので、βという変数で置かせていただいております。  4ページに、その総試算をさせていただいておるところでございますが、現時点の影響試算として、今までお話ししました歳出の増あるいは歳入の減、それと新たな支援策あるいは国・県からの支援の確保を計算しますと、本市への影響額につきましては、これは今後10年間の試算で58億円から139億円プラス新たな被災者支援のものでプラスα、それと国・県からの支援の確保でマイナスβという数式を最終的な熊本地震による10年間の財政影響額とさせていただいたところでございます。  次に、5ページでございますが、財政負担の軽減に向けた今後の対応としましては、1つには国・県の支援の確保、先ほど申しました変数のβが大きくなればなるほど我々熊本市の一般会計の負担額が減るということで、今後とも引き続き国に支援を求めていくということでございます。今まで国に対して150項目にわたる要望を行いまして、現時点で104項目について本市の負担軽減になる措置が実施されております。  これにつきましては、この資料の8ページから12ページまでに主なものを掲載しているところでございます。今後引き続き要望する事項についても掲載しておりますので、後ほど御参照いただければと考えております。  加えて、県内被災市町村分も含め、熊本県に510億円の復興基金が造成されておりますので、今後、被災市町村と連携しまして、県と協議して、この510億円を被災市民の皆様方の真に生活再建につながるような活用方法を検討してまいりたいと考えているところでございます。  一方で、私どもの自助努力としまして、行財政改革の取り組み、事務事業の見直し、時間外勤務の縮減あるいは市有財産の売却、寄附金等の歳入の確保等、今後も全職員が一丸となって抜本的かつ徹底的な行財政改革に取り組むこととしております。  このようなことで震災の財政影響を最小化しまして、これまでの住民サービスを低下させることなく着実に実施していくとともに、震災復興をこれまた着実に推進することで震災からの復興を加速させてまいりたいと考えているところでございます。  なお、6ページにはこの試算によります財政指標への影響を記載しております。財政健全化の判断比率として幾つかの指標がございますが、この中で実質公債費比率と将来負担比率実質赤字比率等々を試算させていただいております。上2つのグラフが将来負担比率、下2つの折れ線グラフ公債費比率でございまして、点線の部分が震災前の状況、実線の部分が震災後のこの影響試算による状況でございます。いずれも最大で10ポイント程度、震災前と震災後では変わりますものの、例えば実質公債費比率、下の部分では25%を超えると財政健全化団体、あるいは35%を超えると財政再生団体となりますが、震災後の影響を鑑みましても、最大で11.4%程度となると試算しておりますし、また将来負担比率も400%を超えると財政健全化団体となりますが、最大でも158.7%程度ということで、いずれの指標も著しい数値の悪化は招かないというところで試算させていただいております。  また、7ページには過去の大規模被災自治体の状況を記載しておりますが、いずれの団体とも将来を見据えた投資を展開しつつ、行財政改革等の自助努力によりまして、現在では順調に復興を果たしているところでございます。  8ページ以降は、先ほど申しましたように要望に対する国の対応状況でございまして、主なものを記載しております。今後、未措置の部分について引き続き要望していく項目については、11ページ以降に記載しておりますので、御参照いただけたらと存じます。  次に、もう一つの資料でございます震災復興計画案についてでございますが、これにつきましては、前回の特別委員会でお示ししたものとの違いだけを御説明させていただきたいと思います。  1ページもので新旧対照表をお配りしておりますので、御参照いただけたらと存じます。  まず、前回の特別委員会、9月26日時点では、パブリックコメントを経て、素案の段階でお示しさせていただきました。その後、復興検討委員会でありますとか、庁内の議論あるいは議案として提出するための法制的な文言の整理等を行いまして、大きく2点加筆させていただいております。  それは、第4章の3番目、目的別施策の防災・減災のまちづくりにおきまして、避難所の指定・運営方法の見直しの部分につきまして、今回の熊本地震では在宅の方あるいは車中泊の避難者の方が大変多くございました。それに対する対応について加筆させていただいております。在宅や車中泊等の避難者への対応についても検討するということで、加筆させていただいたところでございます。  また、第5章の復興計画の推進に向けての(2)行財政基盤の確立につきましては、実効性のある計画とするために、国・県の支援の動向を踏まえ、適宜、財政への影響を把握し、事業の実施時期や規模等の検討を行うこと、あるいは、既存事業の大胆な見直しであるとか、そういったところを、行財政改革の推進と財政との整合性に特に意を用いて加筆させていただいたところでございます。  これが前回提示した案との大きな違いでございまして、その他、漢字で「併せて」と書いておりました表記の部分を平仮名で「あわせて」とするなど、幾つか簡易な文言修正とか整理は行っておりますが、大きな変更点は以上の2点でございます。  以上、御説明を終わらせていただきます。よろしく御審議のほど、お願い申し上げます。 ○津田征士郎 委員長  以上で説明は終わりました。  これより、質疑実施要綱による順序に基づき、質疑を行います。  初めに、自由民主党熊本市議団高本一臣委員の質疑を行います。持ち時間は85分となっております。         〔高本一臣委員 登壇 拍手〕 ◆高本一臣 委員  おはようございます。自由民主党高本一臣です。  第7回復旧・復興に関する特別委員会、質疑を早速行わせていただきます。  今回、執行部から提示されました平成28年熊本地震に伴う財政影響試算と今後の対応についてお尋ねいたします。  これまで本市の復興計画案を議論してきた中で、特に財政経営が懸念されてきたことは、皆様も御承知のとおりでございます。そのような意味では、この財政影響に関する試算は、復興計画を審議する上で貴重な判断材料となり得るものでなければなりません。  そこで、お尋ねいたします。  まず、歳出の影響額についてお尋ねいたします。  資料の2ページによりますと、歳出の影響額は主に3点から試算されております。順次申し上げますと、公共施設等復旧経費として1,460億円、本市の実負担は150億円、次に被災者支援及び生活再建関連経費として870億円、本市の実負担が70億円、そして新たな被災者支援関連経費は現時点では不明と記載されております。この資料を拝見しますと、歳出の影響額は道路等のインフラ及び公共施設の復旧に要するものと災害関連法によるものが占めており、震災からの復興にどの程度の経費が一体幾らかかるのか、少なくとも私には見えてきません。  そこで、2点お尋ねいたします。  1点目、先月26日の特別委員会におきまして、本市の熊本地震における全体の被害額が約1兆6,362億円と試算されましたが、歳出の影響額にそれが反映されているのか、お示しください。  2点目、新たな被災者支援関連経費につきましては不明とされておりますが、本市の被害総額が試算されているにもかかわらず、なぜその数字が出てこないのでしょうか。本市の被害総額約1兆6,362億円のうち、住宅関係の被害は約74%を占めており、この部分に対する支援が復興事業の中核になるものと考えております。このことからも、私は新たな被災者支援関連経費を大変重視しておりますが、その見解を求めます。  1点目は財政局長、2点目は政策局長にお尋ねいたします。         〔宮本邦彦財政局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 財政局長  本市全体の被害額の反映についてお答えを申し上げます。  先般の本特別委員会でお示しいたしました本市全体の被害総額1兆6,362億円につきましては、道路等のインフラや熊本城等公共施設の被害額に加えまして、住宅や家財、宅地、農地や農業施設商工業関係施設など、多くの民間施設の被害額を盛り込み試算したものでございます。  また、今回お示しした財政影響につきましては、1兆6,362億円のうち、本市が直接支出することとなります公共施設等復旧経費1,460億円に加え、農業施設商店街施設社会福祉施設等復旧支援を含む被災者支援経費870億円を歳出影響額として試算したものでございまして、現時点で本市の歳出として見込まれる復旧経費につきましては、今回の試算に反映させているところでございます。         〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  新たな被災者支援関連経費に対する見解についてのお尋ねでございます。  委員御指摘のとおり、今回の熊本地震では住宅や宅地を初めとして、甚大な被害が生じておりまして、さまざまな支援制度により、被災者の住宅や生活の再建について支援を行っているところでございますが、支援制度が不透明なため、確立されておらず、今回の試算では反映させておりませんが、新たな被災者支援関連経費については、本市としては、これまで開催した復興座談会での御意見や本復興特別委員会での御議論を踏まえ、既存制度では支援の対象となっておりません宅地や地域の未指定文化財等への復旧支援のほか、自力で再建が困難な一部損壊世帯への支援等を行うことが考えられるかと考えております。今後、被災自治体や県との調整を行った上で検討を進めてまいりたいと考えております。         〔高本一臣委員 登壇〕 ◆高本一臣 委員  復旧経費に関しては反映しているということでしたが、復興に対しての影響額が反映されているのか、明確な回答はありませんでした。  過去の震災を見てみますと、復旧・復興に係る総事業費は被害額を上回っております。具体的には、阪神・淡路大震災では、約10兆円の被害額に対し16兆円程度の事業費を要しております。このことからも、歳出の影響額は本市への被害額をもとに復旧・復興に係る総事業費を試算することにより、中長期的な財政運営が議論できるのではと考えていますので、歳出の影響額については、さらなる精査を求めます。  新たな被災者支援関連経費についての見解は、自立再建が困難な一部損壊世帯への支援も考えていらっしゃるということでありますが、そのことでマンパワー不足にならないように、ぜひお願いしておきたいと思います。  続きまして、資料3ページの歳入面についてお尋ねいたします。  税収や使用料の減収が示されている一方で、国・県からのさらなる支援の確保は不明とされております。本市の実負担額の軽減に対し、国に150項目の要望を行い、補助率のかさ上げなど104項目については措置済み、見込みがなされました。残る46項目の中身を拝見しますと、支援制度の創設が多くを占めております。家屋解体補助の補助対象が半壊以上に拡大されるなど、過去の震災支援にない特別な措置を行っていただいている状況で、国からの新たな支援メニューについては、果たしてこれ以上の実現の見込みは厳しいものと思われます。また、県が創設される510億円の復興基金の活用も歳入増の柱の一つと捉えられているようです。  そこで、2点お尋ねいたします。  1点目、国からの新たな支援メニューについて現実的な見解をお尋ねいたします。  2点目、復興基金については、本市への配分時期、配分額をどの程度見込んでおられるのか。  以上、政策局長にお尋ねいたします。         〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  国からの新たな支援メニューについての現実的な見解についてと、復興期金についてのお尋ねでございます。順次お答え申し上げます。  まず、国の新たな支援メニューに対する見解についてでございますが、これまでさまざまな機会を捉えて要望活動を行った結果、先ほどの資料にお示ししましたように、多くの分野において過去の大規模地震災害とおおむね同等あるいはそれ以上の財政措置が講じられている分野もございましたところから、国においては、本市の要望に対して可能な限り御支援いただいていると認識しております。  しかしながら、先ほど答弁しましたとおり、熊本地震における特徴的な被害と言える宅地被害の中でも、現行の公共事業では対応できないものや、いまだ補助対象や補助率が未確定なものもございますので、今後も既存制度で対応できていない被害に対する支援制度の創設や拡充等については、引き続き国に対して働きかけてまいりたいと考えております。  次に、熊本県の平成28年熊本地震復興基金についてのお尋ねでございますが、配分時期、配分額の見込みについては、先般の9月30日に開催されました県内市町村事務担当者を対象とする熊本県市町村創生復旧連絡会議というものがございまして、そこの場において、復興基金を活用して実施する事業の第1弾は次期定例会で予算化できるように取り組みを進めていくという県の説明がございました。そのようなことから、今後数カ月をめどに、配分時期を含む基金活用の概要が明らかになるものと考えております。  そこで、本市としましては、液状化等の宅地被害の中でも現行の公共事業では対応できないものに対する新たな支援制度の創設など、市議会や市民の皆様からの強い要望があるものを中心に、他の市町村とも連携しながら積極的に県との協議を進めてまいりたいと考えております。
     なお、配分額についてのお尋ねでございますが、各市町村へ配分するかも含めて、現時点では明確にされていないところでございまして、今後、活用事業の概要が明らかになる中で示されるものと存じます。         〔高本一臣委員 登壇〕 ◆高本一臣 委員  復興基金に関しましては、今後、県との協議を進めていかれるということでありますが、活用事業や金額について現時点で不明確であるのに、資料を拝見すると、最終面では復興基金に頼らなければならない厳しい状況とも読み取れます。  今回の県が採用する復興基金は直営式と言われるものであり、ややもすれば被災者支援からかけ離れた使い方になることもあり、そういう使い方が現実に東日本大震災で起きております。支援メニューについては、使いやすさではなく、被災者ニーズを酌み取り、実態に沿った活用ができるよう、十分に県や周辺自治体と協議していただきますようお願いいたします。  続きまして、資料4ページの現時点での影響試算についてお尋ねいたします。  この資料では、平成28年度当初予算の見直しで80億円の負担額が軽減されたようになっております。当初予算の減額分は来年度以降に先送りしたものと理解しておりましたが、このまま80億円もの事業は着手されないのでしょうか。つまり、中長期的な財政運営を見れば、80億円という数字は減額されるものではないと考えます。  その一方で、税や使用料の減収分は今後10年間の影響が含まれているようですし、新たな被災者支援や国・県からの支援確保については現時点では不明とされております。さらに、本市財政への影響額は58億円から139億円と2倍以上の開きが示されているだけでなく、加えてプラスαの要因もあります。  そこで、財政局長にお尋ねいたします。  現時点の影響試算は、本市の財政運営を中長期的な視点で考えていらっしゃるのか、お示し願います。         〔宮本邦彦財政局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 財政局長  現時点での影響試算について、お答えを申し上げます。  今回お示しいたしました熊本地震に伴う財政影響は、現時点で想定できる範囲で試算いたしたものでございまして、財政調整基金の取り崩しや前年度繰越金の活用、未利用地の売却等を加味いたしましても、今後10年間で58億円から139億円の財政影響があると見込んだところでございます。また、新たな被災者支援に要する経費や国・県からのさらなる支援の状況等によって、この影響額は変動するものと考えております。  委員御指摘の平成28年度当初予算の見直しで減額いたしました事業につきましては、一部を除き、次年度以降実施していくことになりますが、今後数年間は復旧・復興に集中して取り組む必要がありますことから、各年度の通常事業全体の中で年度間調整を行いながら実施していくことを想定いたしておりまして、今回の見直しによる影響額を試算に反映させたところでございます。  また、税の減収見込みにつきましても、仙台市を参考に試算いたしましたところでございますが、どの程度の期間で回復するのか見込むことが困難でありましたため、早期に回復するケースと回復まで期間を要するケースを試算し、幅を持たせてお示ししたところでございます。  いずれにいたしましても、今回お示しした熊本地震に伴う財政影響試算と今後の対応につきましては、現時点で想定できる範囲で震災の影響を歳入歳出両面から試算したものでございまして、震災を踏まえた財政の中期見通しにつきましては、復旧・復興に要する経費の精査や国からの支援内容等を反映し、あわせて平成29年度当初予算編成と並行して具体的な事務事業の見直しを行い、平成29年第1回定例会会期中にはお示ししたいと考えているところでございます。         〔高本一臣委員 登壇〕 ◆高本一臣 委員  質問でもお話ししましたけれども、試算資料からは、58億円から139億円と幅の広い影響額が示されました。2倍以上の開きがある数字を示されても、なかなか中長期的な影響額を示したとは言いがたいと考えます。  財政の影響額で最も確認をしたいα、βが不明な状況でありますので、さらに第1回定例会会期中には示したいという意向でありますので、精度を高めた影響試算を求めておきます。  続きまして、過去の大規模被災自治体の状況、参考資料が添付されておりますので、その点についてお尋ねいたします。  財政影響試算の参考資料として、過去の大規模被災自治体の状況を添付され、その説明も先ほど政策局長の方からありました。この資料の結びには、神戸市、仙台市とも将来を見据えた投資を展開しつつ、行財政改革も行いながら順調に復興を果たしていると記載されております。どのような行財政改革を行いながら順調に復興が果たされてきたのか、大変興味が持たれるところであります。  阪神・淡路大震災で被災した神戸市は、財政調整基金136億円全てを取り崩したにもかかわらず、平成7年度の一般会計実質収支はマイナス37億円となり、その後の財源確保対策として、事務事業の見直し、平成8年度から8年間で192項目、人件費では平成8年度から平成27年度まで7,190人の削減、さらには570億円の資産売却と、聖域なき行財政改革を現在でも進められております。本市においても、全職員一丸となって抜本的かつ徹底的な行財政改革に取り組むとされております。これが給与カットにつながり、職員の士気が低下しないことを切に願うばかりであります。  そこで、総務局長にお尋ねいたします。  過去の大規模震災で被災された自治体の行財政改革について、御見解をお示しください。また、被災自治体行財政改革の現状を鑑み、本市としてはどのように取り組んでいかれるのか、以上2点をお尋ねいたします。         〔多野春光総務局長 登壇〕 ◎多野春光 総務局長  今後の行財政改革への取り組みについて、お答えを申し上げます。  まず、被災自治体の取り組みについてでございますが、委員からも御紹介がございましたけれども、阪神・淡路大震災で被災をいたしました神戸市では、基金の取り崩しを初め、未利用地の売却、下水道繰り出しの一時停止、さらには職員数の削減や市債残高の圧縮などに取り組まれてきたところでございます。また、東日本大震災で被災をいたしました仙台市におきましても、事務事業の見直しや民間活力の活用、税を初めとする収入の確保に取り組むなど、両市とも震災復興に向けまして積極的に行財政改革を推進されているところでございます。  一方、本市では、これまで平成8年度から5次にわたり組織や事務事業の見直しを初め、指定管理者制度の導入拡大など、民間活力の活用、人件費の縮減対策等に取り組み、一定の成果を上げてきたところでございます。そのような中、今回の震災から復旧・復興を着実に進めていくためには、震災復興計画に掲げます施策に財源や人員を重点的に投入する一方、これらの行政資源の確保に向けまして、一層の行財政改革を進める必要があると考えております。  そこで、他都市も参考とすることはもとよりでございますが、現在の第5次行財政改革計画に加えまして、さらに平成28年度から平成31年度を期間とする緊急行財政改革に取り組むこととしておりまして、既存事業の見直しや仕事の効率化などにより、人員の捻出や時間外勤務の削減を図るほか、未利用地の売却など、歳入確保等に全職員一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。         〔高本一臣委員 登壇〕 ◆高本一臣 委員  先ほども申し上げたように、神戸市では約20年間で七千数百人の職員の方たちの削減、これは平成7年当時から比べれば全体で約33%削減されたようになっております。資料によると、神戸市、仙台市とも順調に復興を果たしていると記載されておりますが、決して順調という言葉でなく、本当に民間の後押しが物すごい、株式会社神戸市と言われるような都市でも、非常に血のにじむような行財政改革努力、取り組みをされております。  本市でも、抜本的かつ徹底的な行財政改革に取り組むと答弁されましたので、市民サービスの低下を招くことなく、また職員の士気を低下させず、しっかり取り組んでいかれることを望んでおきます。  続きまして、熊本市震災復興計画案について2点お尋ねいたします。  1つ目、都市圏全体の復興を牽引する取り組みの推進についてお尋ねいたします。  計画案の基本方針に、熊本地震では益城町や西原村、南阿蘇村を初め、熊本連携中枢都市圏を構成する全ての自治体が被害を受けており、本市は都市圏の中枢都市として都市圏全体の復興に一丸となって取り組むため、先導的な役割を果たしますと記載されております。また、第4章の目的別施策では、復興ビジョンの共有、近隣自治体の被災者支援、災害対応情報等の提供、広域的な防災体制の強化など、その言葉にはまさしく都市圏全体の復興を牽引しようという力強いリーダーシップがうかがえます。また、それは県にとりましても、近隣自治体にとりましても、大変心強いものと感じております。  しかし、その一方で、先月、罹災証明のために実施する住宅被害調査において、1次判定を不服として2次調査を依頼し、その結果、1次判定より重くなった割合は、本市が他の自治体に比べて高いことが報道されました。結果のばらつきが見られた背景としては、本市と他の市町村が2次調査で使用している調査票が異なっている点が指摘され、一部を簡略化した調査票を導入した時点で他の市町村に連絡をしていなかった本市に対し、熊本市は県内での影響力の大きさを十分理解していない、周辺自治体への配慮に欠けていると、周辺の首長から指摘をされました。  今回の件は、都市圏の機能強化どころか、信頼関係の構築を揺るがすことにもなりかねないという件であります。今回の件の反省も踏まえ、今後どのように他の市町村と連携を図っていかれるおつもりか、見解をお聞かせください。大西市長にお尋ねいたします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  熊本都市圏全体の復興を牽引する取り組みの推進に関するお尋ねについてお答えをいたします。  本市は、今年度から近隣の16市町村と連携をいたしまして、熊本連携中枢都市圏構想に基づく60事業を展開することとしておりましたが、熊本地震の発生によりまして、圏域の市町村の多くが被災、甚大な被害を受け、被災者の生活再建への対応に追われ、計画していた事業を進められない状況となっているところでございます。  そこで、7月には連携中枢都市圏の取り組みの一環として、各市町村の被害状況等を取りまとめ、国へ共同で要望活動を行ったところでございます。また、9月にはインターネットラジオを活用した災害情報発信事業を開始するなど、復旧・復興に向けた連携中枢都市としての取り組みを進めているところでございます。  今後も、各市町村と緊密に連絡調整や情報の共有化を図り、本市を初め、連携中枢都市圏全体の復旧・復興につながるよう、連携事業の内容について適宜見直しを行いながら、さらなる連携強化に取り組んでまいりたいと考えております。         〔高本一臣委員 登壇〕 ◆高本一臣 委員  今回の件に関しましては、県の調整不足にも原因がありますが、本市としても先導的な役割を果たさなければならないという強い意識をふだんから持っていれば、他の市町村からの疑念は防げたのではないでしょうか。連携強化に関する意識の温度差は、少し広がったのではないかと感じております。今後は、より慎重な行動と配慮を忘れず、真のリーダー自治体として信頼の構築に努力していただくことを強く要望しておきます。  続きまして、復興計画の計画に改定が生じた場合の対応についてお尋ねいたします。  熊本市復興計画案については、14日の臨時議会において審議することを予定されておりますが、本来、復興計画自体は必ずしも議決案件ではありません。本市の場合には、議決案件である総合計画の中核として復興計画を位置づけるため、総合計画の変更を議決するものであり、変更の中身が復興計画であると理解しております。また、総合計画はまちづくりの基本的な方向性を示すものであって、具体的な取り組みは実施計画の中に組み込まれるのが一般的な手法と認識しております。  一方、提案されています復興計画を拝見しますと、液状化などによる宅地被害への復旧支援を初め、シンボルプロムナードや花畑広場の整備、熊本駅周辺整備事業など、事業手法や経費がまだ不明なものが含まれており、各個別の事業に対する議論はまだ終わっておりません。加えて、各重点プロジェクトにはスケジュールも記載されておりますが、果たして原案のまま全てを進めることが可能なのか、非常に懸念を抱くところであります。  さらに、先ほどお尋ねしました熊本地震に伴う財政影響試算につきましても、さらなる精度が必要でありますので、財源の裏づけが弱い復興計画は、改定があり得ることを前提に考えるべきであります。  そこで、市長にお尋ねいたします。  復興計画の改定についての見解をお示しください。  また、仮に復興計画に改定があった場合には、総合計画の一部が変更になるということも考えられますが、その場合は再度議案となるのでしょうか。  以上、2点お尋ねいたします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  総合計画の基本計画につきましては、基本構想で掲げる本市のめざすまちの姿を実現するための基本的な施策の大綱を定めたものでございまして、この基本計画に基づく具体的な事業の内容や経費につきましては、毎年度作成する実施計画の中で財政状況との整合を図りながら、当初予算を編成した上で取りまとめてきたところでございます。復興計画におきましても、第7次総合計画の前期基本計画の中核に位置づけておりまして、同様の手法で実施計画を策定することとしております。  なお、本年度分は現状でお示しできる範囲において、年内をめどに取りまとめ、次年度以降は各年度の当初予算を編成した上でお示しし、毎年度事業のローリングを行ってまいりたいと考えております。  第7次総合計画におきましては、8年の計画期間の中間年に基本計画を見直すこととしておりまして、復興計画の期間が終了する平成31年度がそれに当たります。  なお、これ以外におきましても、今般の熊本地震のような大きな社会環境の変化等が発生した際には、当然見直しが必要であると考えております。         〔高本一臣委員 登壇〕 ◆高本一臣 委員  計画が変更になったら再度議案となるかどうか、よほどのことがない限り、社会情勢の変化が発生したとき以外はと、明確な答弁ではなかったような気がします。復興計画の期間が終了する平成31年度が総合計画の基本計画を見直す年に該当するということで、私は今の答弁では復興計画の見直しはないのかと判断をしたものであります。  ただ、質問でも述べましたように、提案されているこの計画の内容からすれば、液状化などによる宅地被害への復旧支援を初め、シンボルプロムナードや花畑広場の整備、熊本駅周辺整備事業など、まだまだ事業手法や経費が不明なものが含まれております。その議論はまだ今からであり、まだ終わっていないということを申し添えておきます。  熊本地震による財政への影響試算を示していただきました。今回、執行部におかれましては、歳入歳出とも不確定要素がある中、作成に努力していただきましたことには感謝申し上げます。  しかし、最も確認しておきたい新たな被災者支援やさらなる支援の確保については、震災から半年たとうとしている現時点では、まだまだ不明の状況であります。新たな被災者支援関連経費や国・県からのさらなる支援の確保が想定より厳しくなれば、当然本市財政への影響は大きく膨らんでいきます。復旧・復興を確実に進めていくに当たり、今回提出された財政影響試算では、その判断がなかなか難しい現状であることも事実であります。  繰り返しになりますが、執行部におかれましては、今後さらに精度の高い財政影響試算を示していただきますようお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○津田征士郎 委員長  高本委員の質疑は終了いたしました。  次に、市民連合、西岡誠也委員の質疑を行います。持ち時間は45分となっております。         〔西岡誠也委員 登壇 拍手〕 ◆西岡誠也 委員  市民連合の西岡でございます。持ち時間と時計を見ながら質問させていただきます。  震災から半年経過をいたしました。この間、執行部の方ではかなり県、それから国と協議をいただきまして、多くの項目が前進をいたしております。この中で、8ページ以降にかなりの項目が前進したということで報告がされております。中でも、これまで東日本大震災の中でもできなかった半壊以上の解体費も国の方で見るということも実現をしたところでございます。さらには、初めて大規模災害からの復興に関する法律が適用されるということで、大きな前進がございます。  ただ、資料を見せていただきますと、3ページの歳入のところ、国・県からのさらなる支援の確保、ここはやはりβということで数字が書かれておりません。先ほどの2ページの新たな被災者支援関連経費と関連するわけでありますけれども、一部損壊の問題がこれまでずっと議論されてきましたが、なかなか結論が出ておりません。それと、液状化の問題、国の補正で4分の1から2分の1へということでありますけれども、東日本大震災の場合は特措法をつくりまして、さらに国の方から負担をするということが行われてきました。莫大な費用がかかるものですから、なかなか個人では解決できない状況もあると思います。  したがいまして、そういう意味では、このβの上積みの問題が非常に大切だと思いますし、新たな被災者への支援については、やはり法的な整備が必要ではないかと考えております。この点について、市長の認識をお示しいただきたいと思います。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  国・県からの支援の確保の見通し、また特措法の認識についてお答えをさせていただきます。  これまでさまざまな機会を捉えまして要望活動を国・県等に行ってまいりました結果、復興税を財源に、特別措置法により措置されたものを除き、既存制度の拡充を含めて、東日本大震災とおおむね同等の支援措置が講じられることとなったところでございます。  しかしながら、熊本地震における特徴的な被害とも言える宅地被害の中でも、現行の公共事業では対応できないものや自力での再建が困難な住宅の一部損壊など、いまだ支援制度等が確立されておらず、具体的な支援の見通しが立っていないものもございまして、引き続き制度の創設や拡充等について、国に積極的に働きかけていかなければならないと考えているところでございます。  また、現状において補助制度の創設または拡充が行われたもの、あるいは国の補正予算措置等が行われる見込みのものであっても、翌年度以降の財政措置等について確約されているものではございませんで、予算編成の状況等については、国の財政支援が大きく縮小されるおそれもございます。これからの復旧・復興には長い年月を必要とすると思われますことから、それを担保する財源の確保や法制度整備について、今後とも継続して国に強力に要望を行ってまいりたいと考えております。         〔西岡誠也委員 登壇〕 ◆西岡誠也 委員  ありがとうございました。引き続き、国に対して要望していくということでございました。  先ほど申しました大規模災害からの復興に関する法律というのは、東日本大震災の後に制定をされまして、熊本が初めて適用ということになりました。被災地である熊本から、これからどこで災害があるかわからない自治体に対して、過度な負担が強いられないような法律を国の方に市長会なりで働きかけて、そういうことが起きても、常に各自治体が安心して事業を展開できる制度が必要ではないかと考えておりますので、ぜひその点についても今後の課題として取り組んでいただきますようにお願いをしておきます。  2点目の市民病院の診療報酬減による財政措置の関係でありますけれども、これについては要望にかえさせていただきます。  試算の中では、年間の費用が40億円ということになっています。今、病院の看護師を初め、いろいろな技術者については九州管内、研修ということで努力をしております。この計算でいきますと40億円、これが3年間、120億円ということになります。そうしたときに、新たにスタートするとき120億円借金をしてスタートをする。さらに、建物の費用だとかもかなり費用がかさむわけでありますから、ぜひこの点についても国の方に積極的に働きかけをしていただいて、借金だけではなくて、国の支援をいただけますように努力をしていただくことをお願いし、私の質問にさせていただきます。ありがとうございました。 ○津田征士郎 委員長  以上で西岡委員の質疑は終了いたしました。  質疑の途中ではございますが、議事の都合により休憩いたします。  午後1時に再開いたします。                              午前11時55分 休憩                              ───────────                              午後 1時00分 再開 ○津田征士郎 委員長  休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、公明党熊本市議団、井本正広委員の質疑を行います。持ち時間は35分となっております。         〔井本正広委員 登壇 拍手〕 ◆井本正広 委員  皆さん、こんにちは。公明党熊本市議団の井本正広でございます。  今回、提示されました平成28年熊本地震に伴う財政影響試算と今後の対応についてお伺いをいたします。どうかよろしくお願い申し上げます。  間もなく、熊本地震発災から半年がたとうとしております。地域によって違いはありますが、住家や商業ビルなどの解体や改修も始まりました。一方、人手不足等によって今後の作業が思うように進まないのではないかと危惧もしております。  さて、熊本地震による財政影響試算については、さきの特別委員会で議論がなされ、齊藤委員の締めくくり質疑に対して、現時点での試算を出すとの答弁があったところです。  この現時点での状況を見てみると、例えば被害調査では国の事業選択を受け、本格的な詳細調査に入る事業も多いのが現状で、正確な数字を出すには時間を要するようです。また、国に対しては、これまで被災者支援及び市民生活の再建、公共施設等復旧経費への支援等の強化を求めてきました。その結果、既に実現できたもの、今後実現の見込みがついたもの、さらにはいまだ実現できず、今後もさらに強く要望しなければならないものもあります。このため、現時点で熊本市の財政への影響を正確に示すことは困難なことを理解した上で、今回の特別委員会熊本地震に伴う財政影響試算と今後の対応について資料が出されたことを、まず評価をしたいと思います。また、担当部局は大変であったろうと思います。感謝したいと思います。  さらには、4月14日の前震、28時間後の本震を直接経験した市民の皆様にとっては、復旧・復興は大丈夫なのだろうか、どこまで支援の手が届くのだろうか、熊本市の財政が破綻することはないのだろうか、さらには人口減少社会の中で未来への熊本市づくりや活性化は大丈夫なのだろうかといった不安や疑問に応える意味は大きいと思います。こういった観点に立って、今回提出された財政影響試算と今後の対応の資料に沿って質疑をしてまいります。  1ページ、試算①の試算の前提、歳出の2番目に、被災者支援及び生活再建関連経費復興基金の活用を今後県と協議とあります。また、試算③の歳入の増の2番目でも、この復興基金について、県との協議による復興基金の活用とあります。  この復興基金は、皆さんよく御存知のように自由度の高い財源で、現在国会で審議がなされている第2次補正予算の中で、特別交付税での510億円の支援が盛り込まれており、4日に閉会した県議会では、この510億円の国の支援も見込んで、総額523億2,000万円を積み立てる復興基金の創設が可決成立をしました。  この復興基金については、よりきめ細やかな被災者生活再建には欠かせない重要な財源となるとの思いから、8月の第5回本特別委員会でも私の方からお尋ねをしましたが、その時点では、どのような分野に活用するかが未定であることから具体的な評価はできないとの答弁でありました。  そこで、お尋ねをいたします。  午前中の高本委員と重なる部分もありますけれども、1点目、本日、国の第2次補正予算が成立予定であると報じられており、県議会でも可決成立したことから、今後具体的にどのような形で県と協議をされるのでしょうか。  2、また、いつごろまでに復興基金活用の内容が見えてくるとお考えでしょうか。
     以上2点について、政策局長にお伺いいたします。         〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  熊本県の平成28年熊本地震復興基金に関するお尋ねにお答え申し上げます。  この基金は、今月4日に閉会しました定例県議会において条例案が可決成立し、国から配分される510億円の特別交付税などを原資として、熊本県が設置するものでございます。  多少質問の順と前後しますが、まず基金の活用の概要がいつごろわかるかという御質問についてでございますが、先ほど高本委員にお答えしましたとおり、9月30日に開催されました県内市町村事務担当者を対象とする熊本県市町村創生復旧連絡会議におきまして、復興基金を活用して実施する事業の第1弾は、次期定例会で予算化できるよう取り組みを進めていくということでございましたので、今後数カ月をめどに、基金の活用の概要が明らかになるのではないかと考えております。  また、その協議の方針としましては、現在その使途についての具体的な内容は明確に示されておりませんが、まず市町村に対する基金活用希望事業に関する調査が実施されております。それらを踏まえて、今後県の方で示されていくものと考えておりまして、本市としましては、今後、他の市町村とも連携しながら、真に被災者の生活再建につながるよう積極的に県との協議を進めてまいりたいと考えております。         〔井本正広委員 登壇〕 ◆井本正広 委員  ありがとうございます。  答弁では、復興基金は県に設置をされること、実施される事業の一部については、次期12月県議会で示されること、さらには県から市町村に対して基金活用希望事業に関する調査が行われているとのことであります。  そこで、続けてお伺いします。  1つ、全てを答弁することはできないかもしれませんが、どのような事業を要望しているのか、お示しください。  2つ目、また要望している理由もお示しください。  3つ目、加えて、この復興基金については、県と被災市町村とが十分協議して内容を決めていく必要があると思いますが、今後どのように協議が進められていくのか、現在わかっている範囲で結構ですので、お答えください。  以上3点について、政策局長にお伺いします。         〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  復興基金に関する重ねてのお尋ねにお答え申し上げます。  まず、1点目の基金活用事業検討のための事前調査につきましては、9月7日付で県の市町村課から各市町村宛てに照会が行われております。それに対し、本市としては、液状化等の宅地被害の中でも現行の公共事業では対応できないものに対する新たな支援制度の創設や、未指定文化財の復旧に係る支援あるいは自力で再建が困難な住宅の一部損壊世帯に対する支援など、市議会や市民からの強い要望があるものを中心に回答しているところでございます。  また、今後の県との協議に関してでございますが、こうした基金活用希望事業に関する調査のほか、知事と県内各市町村長が一堂に会する熊本地震からの復旧・復興に向けた県・市町村による意見交換会が今週14日に開催される運びとなっております。その中で、県の復旧・復興プランや復興基金等が議題とされておりまして、忌憚のない議論が交わされるものと考えております。今後、県において、こうした事前調査結果や首長による意見交換会での議論等を踏まえた上で検討され、被災市町村へ基金活用についての内容が示されるものと考えております。  そこで、本市としましては、先ほどもお答え申しましたが、他の市町村とも連携しながら、真に被災者の生活支援につながるよう、積極的に県との協議を進めてまいりたいと考えております。         〔井本正広委員 登壇〕 ◆井本正広 委員  先ほど復興基金は自由度の高い財源であると述べましたが、今回の復興基金は県によって活用される事業が決まることから、市町村から見れば、自由度は低下することになります。特に、本市だけに特有な事業を希望したとしても、実施されるとは限りません。  一般的に復興基金の運用方法には2つあります。1つは、今回熊本県が採用する、いわゆる直営方式です。そして、2つ目が財団方式です。この2つには、それぞれ特徴があります。  財団方式を採用したのが2004年に発災した新潟県中越地震でした。このときは新潟県が3,000億円を起債し、金利2%で運用、10年間で600億円を事業費として充当、県債発行の利子相当分は国から交付税措置がされています。この新潟県中越地震での財団方式のメリットの一つは、理事長に県知事、副理事長に被災した各関係自治体の長、例えば長岡市の市長、小千谷市の市長、そして震源地である川口町の町長が就任したことで、事業選択の合意形成が図られやすかったことであります。  今回の熊本県の震災復興基金は、まだ入手はできておりませんが、恐らく7条ぐらいで構成された簡単な条例であろうと考えられ、これまでの県の各種基金と同様に、対象事業が決定された後、関係市町村からの申請を受け、県が予定する事業枠の中で配分されるのではと推察されます。もしそうであるならば、市町村から見れば、せっかくの基金としての自由度が損なわれることが危惧されます。答弁にもありましたように、12月議会で県から示される基金の活用事業は、恐らく全体事業の一部であろうと推測されます。その後の検討で果たしていつ全体の事業が明らかになるのか、不透明な部分が多いように思います。  復興基金の活用については、国の支援、言葉をかえれば国民の皆様からの支援で成り立っていることを考えれば、今最も重要なことは、被災した県民、そして市町村民にとって有益な事業に活用されなければなりません。県に対して大変に失礼とは思いますが、県内に暮らす被災県民の思いに一番近いところにいるのは市町村であります。そして、熊本市は県都として市町村を牽引する責務があると考えていますので、大西市長にはその役割もしっかりと果たしていただきたいと思います。  次に、同じページの歳入の市税のところで、先輩市である仙台市の実績を参考に試算するとしています。具体的には、個人市民税と法人市民税は3年から5年で回復、固定資産税都市計画税等については発災後3年から10年目の間で徐々に回復するとしています。こうした前提で示された今後10年間での税収の減少は、3ページに記載されていますが、120億円から313億円、このうち交付税措置がなされた後の実質負担額を45億円から126億円と導き出しています。  では、仙台市では実際どうだったのかを見てまいります。  東日本大震災が起きたのは平成23年3月11日、このため、震災復興の影響は平成23年度の決算からということになります。「仙台市の家計簿」、これは熊本市の「財政ってなあに?」に当たる報告書ですが、これによると、市税については、東日本大震災の後、大きく減少しましたが、平成25年度には震災前の水準に回復し、平成28年度は家屋の新増築の増等による固定資産税の増加などでさらにふえる見通しですとしています。つまり、平成23年度から見た場合、仙台市では翌々年の平成25年、丸3年で税収全体が震災前の水準に回復をしています。時期としては、デフレスパイラルが懸念されていた時期から、国がデフレ脱却を目指す転換点の期間になります。また、復興需要も続いている期間でもあります。  仙台市と比べ、現在はデフレスパイラルの懸念は払拭されつつあり、本市も仙台市を見習い、ケース1の全税目が3年で回復することを目指したいと思います。この場合、今後10年間の税収の減少は120億円、このうち交付税措置がなされた後の実質負担額は45億円となります。  一方、同ページの税収の減のケース2では、個人法人市民税は5年目で、固定資産税、都市計画税、事業所税は10年目で回復した場合で算定をしていますが、仙台市では津波による影響で家の再建がおくれているという特殊事情があり、熊本地震では公費解体が完全に終わる予定の平成29年度以降は家の再建が仙台市以上に進むと推測をされます。このように見た場合、本市ではケース2のような事態は本当に最悪のケースではないでしょうか。さらに言えば、ケース2で示されたようなスピード感のない復旧・復興はあり得ず、遅過ぎると考えます。  歳入の影響額は、回復までの時間がどれだけかかるかで実負担が大きく変わります。税収の減で示されたケース1とケース2では、幅が広過ぎるのではないかと考えます。まずは、復旧のスピードを速め、復興需要なども取り入れながら、税収減の早期解消を目指し、実負担額を極力抑える必要があると主張をしておきます。  次に、同じく3ページで、使用料の減少見込みを33億円としています。内訳を見ると、熊本城が3年間の減収、その他施設が2年間の減収が続く見込みとしています。この使用料については、今のところ、東日本大震災でも交付税措置などの国の特段の支援はありません。この影響を少しでも小さくすることが求められます。  1つは、何か知恵はないか、残念ながら、現時点で私にも妙案はありませんが、やはり国への働きかけを強めていくことであります。  そして、2つ目に、一日でも早い再開を目指す。例えば、動植物園では植物園側を基軸に一部再開を実現するなど、復旧を加速させながら公開を早めることが重要と考えます。  そこで、お尋ねします。  国への働きかけはもちろんですが、使用料の減少は、例示したようなあらゆる工夫を行い、一日でも早い公開を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか。  以上、経済観光局長に伺います。         〔石櫃紳一郎経済観光局長 登壇〕 ◎石櫃紳一郎 経済観光局長  使用料に関しましての御質問にお答えをいたします。  今回の財政試算におきまして、熊本城、動植物園、スポーツ施設、市民会館などの使用料収入につきましては、平成28年度を起点に、施設の復旧に要する期間でございます2年ないし3年間における減収額を総額33億円と見込んでおります。本市といたしましては、これらの市民利用施設につきましては、財政影響を最小化する観点のみならず、市民福祉の向上の観点からも、一日も早い復旧を目指しているところでございます。  今後は、それぞれの施設の復旧工事の進捗状況も見据えながら、利用者の安全確保を最優先に、例えば熊本城につきましては、3年後に天守閣を何らかの形で公開いたしますこと、また動植物園におきましては、植物園側からの一部開園、こういったことに加えまして、ほかの施設につきましても可能な限り早期の再開に努めてまいります。         〔井本正広委員 登壇〕 ◆井本正広 委員  ありがとうございました。  熊本城に関しては、現在概算事業費が634億円と試算をされていますが、このうち国交省や文科省の支援があり、現在考えられている国の支援が継続されれば、熊本市の実負担は約10億円程度と試算されており、真心から寄せられた寄附金などを考え合わせると、実負担はほとんど軽減されることになります。このため、今重要なことは、熊本城の復元をどこまで県内外の多くの人々と共有できるようにするのか、そのための具体的検討が求められています。最も時間を要する石垣の復元では、20年近くの歳月が想定をされています。そうであればこそ、一緒に石垣をつくる、参画するとの意識が芽生える具体策を提示できれば、交流人口の向上に大きく寄与することが期待され、ピンチをチャンスに変え、今まで以上の熊本城を未来の人々にバトンタッチできると期待をしています。  また、城彩苑や周辺の文化施設、新町・古町地域などとの連携強化で回遊性のさらなる向上を図り、そして防災機能が強化されたシンボルプロムナード周辺の開発事業との連携強化によって、さらなる回遊性の向上が図れれば、やはりピンチをチャンスに変えられるのではないかと考えています。  その上で、動植物園、市民会館、森都心プラザホール、諸体育館施設などの再開や一部再開は、市民文化、教育、福祉に直結する事業であり、使用料減少への国の支援が期待できない中、一日でも早い再開や一部再開の工夫を改めて求めておきます。  続けて質問をいたします。  次に、2ページの試算②で、1、公共施設等復旧経費で1,460億円、2、被災者支援及び生活再建関連経費で870億円となっていますが、事業によっては復旧年数がまちまちになることが想定をされます。  そこで、事前にお配りした資料1の下の欄をごらんください。  先ほど紹介した「仙台市の家計簿」で見ても、仙台市では避難所運営、災害援護資金貸付など、災害救助費は平成25年度までに平成27年度時点累計額の約99%が完了し、平成26年度以降は極端に減っていることがわかります。また、都市基盤、市民利用施設などの災害復旧費は、その95%が平成25年度までにほぼ完了し、平成26年度以降はかなり減っていることがわかります。防災集団移転促進、復興公営住宅建設など復興関係費は、東日本大震災では津波による被害が特徴的で、直下型地震による熊本市とは状況が違いますので、復興のスピードは参考にはなりません。あえて言えば、津波による被害のなかった熊本市では、復興関連は東日本大震災よりも早く行えるのではと考えられます。  そこで、4ページの試算④について、これまでの指摘を踏まえて伺ってまいります。  仙台市の事例を参考にすると、Aの公共施設等復旧事業は、3年間、平成30年度までには一部を除いてほぼ完了することが想定できるのではないでしょうか。  次のBの被災者支援及び生活再建関連事業は、3年間、平成30年度にはほぼ完了することが想定できます。  次に、Dの税収の減では、仙台市の事例を参考にするのであれば、ケース1の120億円を目指すべきではないかと述べました。また、そうあるべきとも主張をしました。  次のEの使用料でも、現時点では国の支援が想定できないことから、市民文化、教育、福祉に直結するものであることからも、一日でも早い再開を望みました。  このように見てくると、4ページの最後の本市財政への影響額は58億円から139億円プラスα、マイナスβとしていますが、人手不足が心配されるものの、仙台市との比較を通して58億円プラスマイナスを目指すべきと思います。そして、この58億円プラスマイナスも、使用料収入の減少抑制でさらに縮小できる可能性もあるのではないでしょうか。  さて、今回の質問に当たり、国への150項目の全ての要望について、2日間にわたってヒアリングを行いました。そこで明らかになったことがあります。国の交付税算入率が47.5%から85.5%と幅があり、現時点で確定していないものについては、最低の47.5%で試算をされていたことでした。一般会計の実質負担額の算定に当たっては、財政担当としては当然のことですが、確定していないものについては、最低の47.5%で試算をされていますので、これからの調査などにより、Aの150億円とBの70億円の実質負担額の合計220億円は、さらに縮減できることが確認できたところです。  その上で気になるのが、プラスαである新たな被災者支援の金額と、マイナスβである国・県からのさらなる支援の確保による金額ということになります。  そこで、お伺いをいたします。  現時点では不明となっていますαとβは、いつごろまでに見えてくるのでしょうか。財政局長にお伺いします。         〔宮本邦彦財政局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 財政局長  αとβの判明時期についてお答えを申し上げます。  資料中、αとβであらわしました新たな被災者支援関連経費及び国・県からのさらなる支援の確保につきましては、いつの時期に全て確定すると申し上げるのは難しい状況でございますが、αにつきましては、被害状況の詳細や復興計画に基づき実施いたします具体的な事業内容等が決定した段階で、βにつきましては、国の2次補正予算や県の復興基金の活用状況等が決定いたしました段階で、本市財政への影響額に反映させてまいりたいと考えております。         〔井本正広委員 登壇〕 ◆井本正広 委員  答弁では、不確定要素であるαとβは、被災者支援と財源の確保をどこまでできるかで異なるようです。定期的な試算の改定と情報公開を求めておきます。  次に、6ページ、熊本地震による財政指標への影響についてお伺いをいたします。  これは、冒頭紹介した市民の皆さんの熊本市の財政が破綻することはないのだろうかという不安に応える試算ということになります。  さて、平成19年に成立した地方公共団体の財政の健全化に関する法律が、平成20年度から全面施行されました。地方自治体の財政破綻を未然に防ぐためのもので、健全かどうかの目安となる健全化判断比率と資金不足比率を計算し、公表することを義務づけており、指標が一定基準を超える団体は赤字解消の計画を策定し、改善に取り組むよう定められています。  そこで、財政健全化法で定める実質赤字比率実質公債費比率及び将来負担比率についてお伺いをいたします。  実質赤字比率では、実質赤字の標準財政規模に対する比率が11.25%を超えると、イエローカードである財政健全化団体に、20%を超えると、レッドカードである財政再生団体となります。前回の特別委員会で鈴木委員から紹介のあった夕張市は、唯一の再生団体であります。  なぜ夕張市は破綻をしたのか。通常では考えられないことが起きていました。2002年にスキー場を買収しようと考えますが、北海道庁が負担が重過ぎるとして市債の発行を許可しなかったことから、市は土地開発公社に買収させ、市が肩がわりする、返済する、いわゆるヤミ起債に手を染めたことから始まります。その後も一時借入金などを活用して、表面上は財政黒字となる手法をとり続け、一時借入金残高は292億円、地方債残高187億円、公営企業と第三セクターへの債務損失補償が120億円となり、標準財政規模44億円を大きく上回り、20年という前代未聞の財政再生団体に転落することになります。  夕張市が財政再生団体に転落してから後、東京都の職員として再建を支援するため、夕張市に派遣されたのが現在の市長の鈴木市長です。その鈴木市長の声を紹介いたします。  この厳しい財政再生計画を進めたら、どんなことが起きるのか、ある種、壮大な検証実験だったと言えるかもしれません。支出は命にかかわること以外は全部削れないかというスタンスでしたから、削れるものは全て削りました。最も大きかったのは職員の人件費です。市職員を半分以下に、議員数も半分に、報酬も40%カット、市民にも、税はもちろんのこと、公共の施設の利用料も50%引き上げたり、水道料金も1.7倍に引き上げたりするなど、負担をお願いしました。厳しい緊縮財政の果てに、計画どおりここまで借金を返すことができたが、若い世代を中心に人口が3割減少するなど、大きな副作用に苦しむことになりましたと述べています。  その上で、10年目のことし、第三者による検討委員会から、例がないほどの規模で借金は返せているものの、緊縮財政一辺倒だと、まちの存続にかかわる。今後も同様にやっていくと地域社会が崩壊するという強い指摘を受け、道と国と協議を行い、許可の方向性を受け、11年目から緊縮財政一辺倒から未来への投資を行う計画変更へのかじを切ろうとしております。大変な御苦労だと推察をいたします。  このような事態を招いたヤミ起債や粉飾決算のような手法は、決してあってはならないことであり、こうした事態を防ぐため、制定されたのが財政健全化法であり、熊本市ではあり得ないことであります。  そこで、実質赤字比率の指標を除く実質公債費比率と将来負担比率について伺ってまいります。これら指標は、毎年の市債の元利償還金と地方債残高に関する指標であり、熊本市の財政が破綻することはないのだろうかという市民の声に応える指標と言えます。  そこで、お伺いいたします。  実質公債費比率では25%を超えると財政健全化団体に、35%を超えると財政再生団体となります。  1点目、今回示された見通しでは、右下のグラフを見ると、震災の影響が最大の場合で平成37年度に11.4%とのことですが、本市の場合、公債額がどのような状態になると、財政健全化団体財政再生団体になってしまうのでしょうか。  2点目、将来負担比率では400%を超えると財政健全化団体となりますが、今回の見通しによりますと、平成30年度には158.7%になり、それ以降は下がっていくようです。本市の場合、将来負担額、市債残高が幾らになると、財政健全化団体になってしまうのでしょうか。  以上2点について、財政局長にお伺いします。         〔宮本邦彦財政局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 財政局長  財政指標について、2点のお尋ねにお答えを申し上げます。  まず、実質公債費比率についてでございますが、標準財政規模から基準財政需要額算入額を除いた額を分母といたしまして、公債費等から基準財政需要額算入額等を除いた実質的な公債費の額を分子として計算されます。  現時点での試算では、例えば補助災害復旧事業債100億円を10年償還で借り入れた場合には、5,000万円程度が毎年度の実質的な公債費となります。同様に、単独災害復旧事業債100億円を10年償還で借り入れた場合には、5億2,000万円程度が毎年度の実質的な公債費となります。  本市の平成27年度の標準財政規模を前提といたしますと、先ほど申し上げた毎年度の実質的な公債費の額が、平成27年度決算の134億円から214億円増加し348億円となった場合には、財政健全化団体に陥り、353億円増加し487億円となった場合に、財政再生団体に陥る計算となります。  次に、将来負担比率についてでございますが、標準財政規模から基準財政需要額算入額を除いた額を分母といたしまして、市債残高等から基準財政需要額算入額等を除いた実質的な市債残高の額を分子として計算されます。  現時点での試算では、例えば補助災害復旧事業債100億円を借り入れた場合には、5億円程度が実質的な市債残高となります。同様に、単独復旧事業債100億円を借り入れた場合には、52億円程度が実質的な市債残高となります。  本市の平成27年度の標準財政規模を前提といたしますと、先ほど申し上げた実質的な市債残高の額が、平成27年度決算の1,747億円から3,821億円増加した5,568億円となった場合に、財政健全化団体に陥る計算となります。         〔井本正広委員 登壇〕 ◆井本正広 委員  実質公債費比率は、答弁によると、補助災害復旧事業であれば事業費の0.5%、単独事業であれば2.5%であり、あと214億円の実質公債費がふえた場合に財政健全化団体に、353億円ふえた場合に財政再生団体になることが示されました。つまり、例えば極端に国の支援を受けず単独事業だけで逆算しますと、8,560億円の災害復旧事業を行った場合には財政健全化団体に、同じく単独で1兆4,120億円行った場合に財政再生団体になるということになります。これまでの事業費を見ても、あり得ない数字であり、財政健全化団体にも、破綻自治体と言われる財政再生団体にも陥ることはないことがわかります。こうしたメッセージをしっかり伝える必要があります。将来負担比率についても同様であります。  続けて質問をいたします。  次に、8ページ以降、参考2の要望への国の対応状況についてお伺いをいたします。  先ほど全ての要望項目のヒアリングを行ったと述べました。要望項目150件を見ますと、担当局ごとでは、政策局17件、財政局5件、市民局3件、健康福祉局11件、環境局4件、経済観光局27件、農水局20件、都市建設局28件、教育委員会9件、病院局9件、交通局2件、上下水道局3件、消防局12件の要望をこれまでされてきました。  8ページの措置済み、措置見込み104件の内容は、対応ありが30件、一部対応あり、または今後対応の可能性があるが74件となっておりました。この結果、要望150件のうち、約70件の要望項目が措置済み、措置見込みのようであります。今回、措置済み、措置見込みの主な項目、要望後の効果額を示されました。これまでの交渉努力に敬意を表したいと思います。  その上で、4点についてお伺いをいたします。  1つ、これまでの大震災に比べ、国から今回の熊本地震で特に支援された、または早期に対応できたことにより、効果が大きかった項目はどのようなものがありますか。  次に、未措置の項目について伺います。第2次補正予算が成立することにより措置されるようになる項目は、どのようなものがありますか。  3点目に、復興基金の活用など、違う形での代替案で要望していく項目はありますか。
     4点目、措置できない項目について、今後の対応はどのように考えられていますでしょうか。  以上4項目について、政策局長にお伺いします。         〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  要望への国の対応状況に関する4点のお尋ねに順次お答え申し上げます。  1点目の、特に支援され、また早期に対応できたことによって効果が大きかった項目としましては、災害救助法の弾力的運用により、仮設住宅入居用件が、これまでの大規模半壊以上から半壊以上と改められたことや、42中学校へのスクールカウンセラーの配置が決められたこと、あるいは熊本城復旧事業において文化庁が初めて補助率のかさ上げを行ったことなどが挙げられると考えております。  また、2点目の未措置の項目のうち、国の第2次補正予算で措置されると考えられる項目としましては、保健衛生施設の復旧費補助対象の拡大や、災害公営住宅建設経費などがございまして、グループ補助金については既に増額されているところでございます。  3点目の復興基金の活用を要望する項目として考えられるものとしましては、先ほどお答え申し上げたとおり、液状化等の宅地被害に対する新たな支援制度の創設あるいは地域公民館施設や未指定文化財の復旧に係る財政支援等が挙げられるかと考えております。  また、4点目の今後の対応についてでございますが、未措置の項目については、引き続き国に積極的に働きかけていかなければならないと考えております。         〔井本正広委員 登壇〕 ◆井本正広 委員  復興交付金など、新たな法律で担保された財源がない中、個々の事業ではこれまでの大震災で培われてきた各種支援が行われてきたことがわかりました。国の方でも、できることは何でもするとの姿勢で臨んでくれています。さらに国や県との連携を強化し、さらなる支援や継続を求めていきたいと思います。  最後に、熊本市震災復興計画案についてお伺いをします。  今回いただいた変更箇所の新旧対照表を見ますと、第5章、復興計画の推進に向けての(2)復興を円滑に進めるための行財政基盤の確立の章が変更されています。変更後では、「実効性のある計画とするため」との文言が入り、さらに「既存事業の見直し」に「大胆な」との文言も新しく入りました。当然のことではありますが、より強い意思をあらわしたものと評価するとともに、その実効性に期待するものであります。  その上で、国・県の支援の動向を踏まえ、適宜財政への影響を把握し、事業の実施時期や規模等の検討を行いますとありますが、具体的な事業化の実施計画はどのような形で明確化されると想定されているのでしょうか。  次に、復旧・復興に向けた取り組みについては、国・県の強力な支援が必要不可欠であることから、他の被災市町村と連携・協力し、補助率のかさ上げや補助対象の拡充、従来の制度では対応できない課題に関する補助制度の創設等を引き続き働きかけていきますと変更になっています。  これまでも市長を中心に、各局が国・県に対して要望活動に頑張ってこられたことは存じております。しかし、今後、まさしく復旧・復興は事業次第では長期にわたることが明らかですので、復興交付金のような独自の財源が示されていない中で、中長期的な財政支援が最重要であると認識をしております。市長の見解をお伺いします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  まず、復興計画に掲げる施策の具体的な事業化の実施計画についてお答えをいたします。  御承知のとおり、総合計画におきましては、その事業実施に際して実施計画を策定することとなりますが、これまでも年度ごとに財政状況との整合を図りながら当初予算を編成した上で取りまとめているところでございます。この復興計画は、第7次総合計画における前期基本計画の中核に位置づけておりまして、その実施計画については、これまで同様に総合計画における実施計画と位置づけ、今後取りまとめていくこととしております。  しかしながら、平成28年度におきましては、現在国・県からの財政支援等について継続して要望、協議を行っているところでございますため、現状においてお示しできる範囲において、年内をめどに取りまとめたいと考えているところです。平成29年度以降の実施計画につきましては、今後、事業の実施時期や規模等の検討を行いながら、当該年度当初予算を編成した上で取りまとめてお示しすることとしておりまして、毎年度ローリングを行ってまいりたいと考えております。  次に、中長期的な財政支援についての認識でございますが、これまでもさまざまな機会を捉えて国への要望活動を行う中で、復興基金創設に伴う財源措置など、一定の成果を得てきたものと認識をしております。  しかしながら、宅地被害の中でも現行の公共事業では対応できないもの、あるいは自力での再建が困難な住宅の一部損壊など、いまだ具体的な支援の見通しが立っていないものもございます。また、現状において補助制度の創設または拡充が行われたもの、あるいは国の補正予算措置等が行われる見込みのものであっても、翌年度以降の財政措置等について確約されているものではございませんで、予算編成の状況等によっては、国の財政支援が大きく縮小されるおそれもあるため、委員御指摘のとおり、今後中長期的な国の支援が非常に重要でありまして、引き続き支援制度の確立に向けた働きかけを行っていくことが必要であると考えております。  今後、全ての被災者が復興を遂げるには長い年月を必要とすると思われますことから、一日も早い生活再建へ向けて、残された課題について国に対して強く要望し、県とも協議を行ってまいりますので、議員各位におかれましても、国や県への要望活動に関して、多方面からの御支援、御協力を賜りますようお願いを申し上げます。         〔井本正広委員 登壇〕 ◆井本正広 委員  ありがとうございました。  これまで、今回示された財政影響額試算と今後の対応について、資料の順に沿って検証と提案を行ってまいりました。全体として、現時点でわかる範囲での試算でしたが、一つ一つ検証することによって、財政破綻を来すようなリスクは皆無に等しいと感じていますし、そのようなかじ取りはさせないというのも議会の役割と思っています。  復旧・復興からさらに未来へと、夢と希望につながる市政となるよう、今後も検証と提案を重ねて、熊本市民から熊本に残ってよかったと言っていただけるような努力をしていくことをお誓いし、質問を終わります。ありがとうございました。 ○田尻将博 副委員長  以上で井本正広委員の質疑は終了いたしました。  次に、くまもと未来、藤山英美委員の質疑を行います。持ち時間は20分となっております。         〔藤山英美委員 登壇 拍手〕 ◆藤山英美 委員  くまもと未来の藤山英美でございます。  今回、熊本地震への支援について、議員各位にはいろいろな御相談があっていることと存じます。本日の質疑は、同僚議員と話した中で、2つについて伺いたいと思います。  まず、被災家屋等の解体撤去について。  現在、熊本市では被災家屋等の公費解体が実施されております。解体に係る日数については、以前1棟当たり2週間程度と説明を受けておりました。解体関係者に聞くところによりますと、2週間では解体が完了しない状況ということを聞いております。市民の方々からも、2年で終わるのかという心配の声も上がっております。熊本市廃棄物処理実行計画では、2年間で業務完了予定とのことでございますが、2年で本当に完了するのか、また処理実行計画の延長など、検討しているのかということでお聞きしたいと思います。申請者の一日でも早い生活再建のため、処理実行計画内での完了をお願いしたいと思います。この件については、環境局長にお尋ねいたします。         〔中村英文環境局長 登壇〕 ◎中村英文 環境局長  被災家屋などの解体撤去についてお答えをいたします。  被災家屋の解体に当たりましては、貴重品や思い出の品の搬出など、所有者の意向に沿って行うことといたしておりまして、平均的な木造家屋で解体期間を約2週間と見込んでいるところでございます。しかし、現状では解体建物や不要となった家財などの分別に時間を要するなど、委員御指摘のとおり、当初想定の2週間を超えるケースが多く見られる状況にございます。  そこで、解体チームの編成数を当初の152班から298班にふやし、また家屋の所有者にも、持ち出し可能な廃棄物につきましては解体前までにできる範囲で搬出していただくようお願いするなど、解体のスピードアップを目指しているところでございます。現在もなお解体申請の予約件数は伸びておりますことから、今後も解体チーム数の増加と建物1棟に費やす日数の短縮が必須と認識しており、随時、体制の見直しなどを行いながら、作業のスピードを上げてまいりたいと考えております。また、災害廃棄物処理実行計画に掲げます2年以内を少しでも前倒しできますよう努めてまいりたいと考えております。         〔藤山英美委員 登壇〕 ◆藤山英美 委員  解体をされる皆様も大変な思いでございます。思い出の品物を運び出せないまま、解体のときに運び出すということもわかっております。その申し込み件数というのが物すごく多いという思いがしておりますし、私の地元でも更地になったところが物すごく広がっております。ここまで解体しなければならないのかというところもあります。解体チームも152班から298班ということで、倍くらいに増加した形で努力をされていることに敬意を表しますけれども、2年間という期間が設定してございますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  続きまして、熊本地震に伴う財政影響試算と今後の対応についてという資料の中にあります被災者支援及び生活再建関連経費に関する宅地の復旧支援についてお尋ねいたします。  この中で、国への支援要望とあわせ、復興基金の活用を今後県と協議していくとなっておりますが、今回の熊本地震により道路等公共施設における被害はもとより、民間の宅地における液状化やがけ崩れによる被害も相当な数が発生し、いまだ手つかずのものもかなり残っている状況と聞いております。  そこで、宅地被害の中でも特にがけ崩れによる被害に関してお尋ねしたいと存じます。  さきの特別委員会においても同様の質問が各会派からなされてきておりますが、私どもくまもと未来におきましても、宅地被害に対して2次被害への不安やがけ崩れの復旧等再建に向けて、地元から数多くの相談があっておる状況であります。その内容というのは、宅地については、個人資産でありますが、再建に係る費用が住宅と同じく高額であり、自己資金だけでの再建は厳しいとの声でございます。  このような中、9月7日には、池田、城西、花園校区から一日でも早い復旧を願い、住宅地の石垣等の復旧助成についての陳情書が市に提出されたとのことでございます。また、さきの特別委員会の答弁の中においても、市において国への支援要望がなされ、がけ地に対する支援制度である災害関連地域防災がけ崩れ対策事業について、6月13日に国土交通省から熊本地震限定の特例措置が示され、市域内における被災の実態調査結果を踏まえ、事業対象地を選定していくとの答弁があっております。  市においては、国への支援要望や国・県との協議が継続して行われているとは思いますが、多くの市民の方々が支援を求められておることから、一日でも早い復旧に向けて、公共事業などによる事業着手に取り組むべきだと考えております。  また、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業の公共事業においては、がけ崩れによる被害が周辺に及ぼす影響が大きいものとして、人家が2戸以上、ライフライン等の公共施設等に被害のおそれがあることなどの要件が課されておりますが、このような用件に該当しない宅地被害についても相当の数があるのではないかと思われます。災害関連地域防災がけ崩れ対策事業等の公共事業による支援はもとより、このような宅地被害に対する支援も必要ではないかと考えております。  そこで、災害関連地域防災がけ崩れ対策事業の現在の進捗状況と今後の見通し、並びに採択要件に合わない宅地被害について、都市建設局長にお尋ねいたします。         〔肝付幸治都市建設局長 登壇〕 ◎肝付幸治 都市建設局長  災害関連地域防災がけ崩れ対策事業に関する御質問にお答えいたします。  まず、進捗状況等につきましては、被災宅地危険度判定による危険な宅地あるいは注意を要する宅地として判定した箇所等をベースに、国の採択要件と照合した上で、補助対象となる箇所の協議を現在国と行っているところでございます。今後、国の補助採択を受けた後には、対象となる方々と協議し、御理解いただいた上で速やかに測量・設計を行い、復旧工事に着手したいと考えております。  また、採択基準に合わない宅地被害につきましては、先ほど来から市長あるいは政策局長もお答えしていますが、ほかの国の補助制度の拡充を要望していることに加えまして、今後も県と協議を行い、復興基金等を活用した独自支援策の検討を行ってまいりたいと考えております。         〔藤山英美委員 登壇〕 ◆藤山英美 委員  ありがとうございました。  採択要件に合わない被害についてということで、県と協議を行い、復興基金等を活用したいというような答弁でございました。農林漁業者の中には、隣が離れているところも多く、現在の救済のところはないとありますので、救済できるようによろしくお願いしたいと思います。  また、被災住宅の応急修理状況について、この資料の中にも9月30日現在の件数が載っておりますが、受付件数1万1,875件、完了1,336件、完了率11.25%ということで、まだまだ道半ばでございます。  9月28日の地元紙の紙面では、完了期限は今後の申請状況に応じて設定するということがありましたし、まだまだいろいろ対応することがあると思います。また、同じ地元紙の10月1日には、マンション法適用、今回の閣議決定は被災マンション支援の第一歩になるとありました。まだまだやることが山積しております。  私たちが相談を受けて窓口を紹介しても、窓口との話がなかなかかみ合わないというところも聞いておりますので、私たちもまだまだ情報不足でございます。国・県等への要請、協議の結果、情報については速やかに私たちにも情報提供していただきたいと思います。これは要望しておきますので、どうぞよろしくお願いいたします。これで質疑を終わらせていただきます。 ○津田征士郎 委員長  以上で藤山英美委員の質疑は終了いたしました。  次に、日本共産党熊本市議団、那須円委員の質疑を行います。持ち時間は15分となっております。         〔那須円委員 登壇 拍手〕 ◆那須円 委員  日本共産党熊本市議団の那須円です。  熊本地震からの復旧・復興に関してお尋ねをいたします。  今回の委員会には現時点での財政影響試算が示され、本市財政への影響額は58億円から139億円プラスα、マイナスβということで報告がありました。数字が出ているものでも、58億円から139億円と80億円以上の幅があります。また、それに加えてαやβなど、現時点では不明な値などもあり、財政の見通しは全くわかりません。  そこで、これらの数字についてお尋ねをいたしますけれども、αの部分、資料では新たな被災者支援関連経費となっている部分についてお尋ねをいたします。  午前中の質疑とも重複をするところではありますけれども、この中に含まれる事業について、例えば復興計画素案に盛り込まれた災害公営住宅なども含め、想定している事業、そして詳細はわからないということでありますが、大まかな事業規模、予算規模などをお示しください。また、住宅再建に向けた取り組みについて、その予算規模などについてもお示しください。大西市長にお尋ねをいたします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  住宅関係被害額の積算内容について、また、これまでの住宅再建、それから生活再建に向けた公的支援の2点についてお答えをいたします。  まず、1点目の住宅関係の被害額につきましては、住家被害、家財被害、宅地被害の3項目から……         (「そうではなくて、新たな生活支援についての支援内容についてです」と呼ぶ者あり) ◎大西一史 市長  支援内容。失礼しました。  現時点で想定をしております新たな被災者支援関係経費に含まれる事業についてお答えをいたします。  今回の資料でお示しをしておりますとおり、新たな被災者支援関連経費につきましては、これまでに開催をいたしました復興座談会での御意見や復興特別委員会での御議論を踏まえ、既存の制度では支援の対象となっていない宅地や地域の未指定文化財等復旧支援のほか、自力再建が困難な一部損壊世帯への支援等を行うことが考えられますが、被災自治体や県との調整を行った上で、検討をしていきたいと考えております。その事業費等については、現時点でまだお示しすることは難しいものでございます。よろしくお願いいたします。         〔那須円委員 登壇〕 ◆那須円 委員  既存の制度では支援の対象となっていない宅地や地域の未指定文化財等に対する復旧支援のほか、自力再建が困難な一部損壊世帯への支援等を行うことが考えられるが、事業費については、現時点では示すことが難しいということでありました。  被害の実態から、必要な支援制度がどうあるべきか迫る必要があるというふうに思いますので、引き続きお尋ねをしてまいりたいと思います。  まずは熊本地震の大きな特徴である家屋や宅地被害についてでありますけれども、午前中示された数字のとおり、熊本市震災復興計画素案の別冊資料では、その被害額が試算されております。市全体の被害額が1兆6,362億9,000万円、そのうち1兆2,121億5,000万円、74%を占めているのが住宅関係の被害であります。  住宅関係の被害について、その積算内容をお示しください。また、これまで住宅再建に向けた公的支援の内容と金額についてもお示しください。政策局長にお尋ねをいたします。         〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  住宅関係被害額の積算内容について、また、これまでの生活再建や住宅再建に向けた公的支援の2点についてのお尋ねにお答え申し上げます。  まず、1点目の住宅関係の被害額につきましては、住家被害、家財被害、宅地被害、この3項目から試算を行ったところでございます。積算内容としましては、建築統計年報の住宅工事単価や国土交通省の治水経済調査マニュアルの試算評価などに本市における罹災証明の発行件数割合を乗じて試算したところでございます。  次に、生活再建や住宅再建に向けた公的支援についてのお尋ねでございますが、生活再建への支援については、今回の特別委員会の別冊資料の4ページに記載しておりますが、9月30日時点で災害義援金約181億円を初め、被災者生活再建支援金103億円、市の条例に基づく災害見舞金13億円などでございます。また、住宅再建関係につきましては、10月7日時点で応急修理に約7億6,000万円のほか、仮設住宅関係で約26億円、みなし仮設住宅で約12億円となっております。         〔那須円委員 登壇〕 ◆那須円 委員  住宅関係の被害、1兆2,121億5,000万円についての説明でありましたけれども、住宅工事単価や国の示している数値に本市における罹災証明の発行件数を乗じて出したということでありました。事前の説明では、全壊世帯にはその単価の100%の額、半壊世帯には50%の額、一部損壊世帯には20%の額を乗じて被害金額が示されているということでありました。  積算する際の罹災証明の発行、被害別件数ですけれども、8月31日時点で全壊2,500件、半壊約1万4,000件、一部損壊8万5,000件で試算されているということでありました。数自体は今変わっていますので、その中身も変化があると思うんですが、明らかにしていただいた範囲で被害認定ごとの住家、家財の被害額を試算してみますと、例えば一部損壊世帯は被害戸数が多いこともあり、1兆2,000億円のうちの7,000億円を超える被害が一部損壊の住家、家財の被害として発生しているだろうと試算されます。  また、被災者への公的支援については、先ほど答弁がありましたけれども、義援金181億円や被災者生活再建支援金103億円、見舞金13億円、応急修理7億6,000万円、仮設住宅に26億円、みなし仮設に12億円と支援がありましたけれども、いずれも半壊世帯以上の方しか受けることができない支援であります。一部損壊世帯が受けた被害が7,000億円を超える中で支援がほとんどないというのが実態で、ここへの支援なくして熊本地震からの復興はあり得ないと思います。  日本共産党熊本市議団としても、被災者アンケートを実施していますけれども、無差別に市内10万世帯に対してアンケート用紙を配布し、返信用封筒が今続々と返ってきています。思いがびっしり書かれているわけですけれども、その中でも一部損壊の被害の深刻さや支援制度創設の思いは大変大きいものがあります。実際にアンケートを返信いただいた方を直接訪問し、聞き取りも行っています。屋根の修繕のための300万円を超える見積書や領収書なども見せていただきましたし、その費用を捻出するために老後の蓄えを取り崩して対応した、まだ壁や雨どいの修繕が残っているという方もおられました。あと数ポイントあれば半壊ということになったけれども、3次調査までやったけれども、だめだった、こういう声を市内各地で聞いてまいりました。  一部損壊の被害の実態はどうなっているのか、改めてアンケートを集計して驚きました。今返信いただいたもので628件の集計が済んでいますけれども、そのうち一部損壊と認定された方が235件あります。修繕に要した金額は幾らか、また要する金額が幾らかという設問で、次のようにお答えになっておられます。修繕費用、改修費用が100万円以内と答えられた一部損壊世帯は43%、100万円から300万円と答えた方が40%に上っています。また、300万円から500万円と答えられた方が10%、500万円以上かかるという方も6%いらっしゃいました。一部損壊の被害を受けた方の実に、6割以上が100万円以上の修繕費用がかかっていると答えていらっしゃいます。  この調査結果についての大西市長の認識はいかがでしょうか。一部損壊世帯への支援の必要性について、何度も聞いてきたことですけれども、どの程度の財政規模で支援を市として考えているのか、市長にお尋ねをいたします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  一部損壊世帯に対する支援に関するお尋ねについてお答えをいたします。  今回の熊本地震におきましては、住家そのものの被害は少なくても、敷地に大きな被害がある場合や屋根等の修理に費用がかかる場合など、一部損壊であっても、住宅の再建に相当の費用がかかるケースがあることは承知しておりますし、また議員のアンケートの結果からもうかがえるところでございます。現在、一部損壊も含めた被災者アンケートを我々の方でも実施中でございまして、その結果を踏まえて、より効果的な支援に取り組んでまいりたいと考えております。  また、どの程度の支援をという御質問でございますが、現段階では事業の内容や規模が固まっておりませんことから、また県との、あるいはほかの市町村との協議もございますので、現時点でお示しするのは難しいということを御理解いただければと思います。よろしくお願いいたします。         〔那須円委員 登壇〕 ◆那須円 委員  私が9月1日に一般質問でお尋ねしたときと変わらない答弁でありました。もう3日後には震災復興計画が臨時議会に提案され、そこで採決を諮られようとしているときです。震災後の議会の中で、多くの議員が問題点を指摘し、何らかの支援が必要ではないかと訴えてこられた一部損壊世帯への支援について、今の時点で具体的な支援策が全く見えてこないというのは大きな問題だと考えます。  そこで、再度市長にお尋ねをいたしますけれども、今月の6日、私、出張帰りの飛行機の中から市内の状況を見ましたけれども、ブルーシートがかかった家が無数に存在しています。少なくともこのブルーシートが一軒残らず取り除かれないことには、震災からの復興を果たしたとは言えないと思います。  一部損壊の支援のあり方や手法は固まっていないという答弁でしたが、市長はこれまで生活再建が最優先とおっしゃってこられましたので、せめて今の被害の実態から、どの程度の支援が必要か、財源は国か県か市か、それは今からの議論になると思うんですけれども、被害の実態は、先ほど一部損壊は7,000億円を超えるような被害が生まれているのではないかということも指摘しましたけれども、数億円程度なのか、それとも桁が1つふえて数十億円程度なのか、数百億円程度の支援が必要なのか、市としてどれだけ腹をくくって一部損壊世帯の被害に向き合うのか、その思いがあらわれる数字ですし、市の財政に与えるαの部分を議会としてもどの程度の予算規模として考えておくべきなのか、大事な部分になりますので、再度市長にお尋ねをいたします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  先ほどもそれぞれ答弁をさせていただきましたとおり、今、一部損壊世帯の被害ということに関しましては、何らかの支援の必要性があるということは、皆さんそのように議会でも御議論いただいているとおり、私どももできる限り被災者の利益を重視して、被災者の皆さん方の生活再建に向けて全力を挙げてまいりたいと考えているところでございます。  ただ、制度設計、また財政規模につきましては、県議会の方でも審議をされております510億円規模の復興期金の取り扱い、あるいはそれ以外でも、液状化の対策でありますとか、それから宅地の被害に対するいろいろな、公共事業でできる部分とそれ以外の部分、また国に今要望している部分等々がございますので、今ここでどのくらいの規模ということについては、まだ言及できる状況ではないということを御理解いただきたいと思います。  しかしながら、御質問いただいたとおり、一部損壊世帯への支援については、国・県、あわせて我々被災した市町村も一緒になって、できる限りきめ細やかな支援ができるように全力を挙げてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
            〔那須円委員 登壇〕 ◆那須円 委員  でき得る限りという答弁がありました。やはり実態からスタートするべきだと改めて指摘をしておきたいと思います。  先ほど答弁にあった生活再建支援課が今行っています熊本地震に係るアンケート調査の結果は、いつごろ公表できるのでしょうか。また、アンケート結果は、震災復興計画にどのように反映されるのでしょうか。政策局長に答弁を求めたいと思います。         〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  ただいま実施しておりますアンケート調査についてのお尋ねにお答え申し上げます。  現在、被災者台帳から無作為抽出した2,000世帯を対象にアンケート調査を実施中でございますが、今月17日を回答期限としておりまして、集計作業等を経て11月中には結果を公表できるものと考えております。  また、このアンケート調査によりまして、被災者の現在の生活や住宅再建の状況の把握、あるいは再建を行う上での課題及び求められる公的支援等をしっかり把握しまして、今後震災復興計画の実施段階で各事業の組み立てに反映させてまいりたいと考えております。         〔那須円委員 登壇〕 ◆那須円 委員  今月17日を回答期限としており、集計作業を経て11月中には結果を公表できると。また、その結果については、課題や求められる支援等を把握し、今後震災復興計画の実施段階で各事業の組み立てに反映させたいという答弁であったかと思います。  つまり、具体的な取り組みについては、11月の結果がまとまるまではわからないということでありました。先ほど聞いた財政規模も、それ以降にしか示されません。復興計画に関する財政計画は、最も大事な部分であるにもかかわらず、この部分が明らかにされていないということになるのではないでしょうか。今回示していただいたものは、率直に言って、まだ財政的な見通しが本当についたんだと安心できるデータではないということを指摘したいと思っています。  こうした中で、これまでも取り上げてきましたけれども、莫大な経費を要する熊本城ホールの整備を進めることに市民の理解が得られるのか。パブコメの意見が載せられておりましたけれども、整備を中止し、市民の生活再建に使うべきという声もありました。こういう声に正面から向き合う必要があると思っております。  9月議会の締めくくりの質疑においても紹介させていただいた、先ほどの被災者アンケートですけれども、生活再建、復旧・復興に望むことは何かということで、690人の方から回答を得ています。複数回答を可能としていますので、合計が100%ということになりませんが、現時点での結果を紹介しますと、最も多かった被災者の要望は、安心して暮らせる住家の確保39%、実に、アンケートにお答えになった方の4割が望まれております。2番目が37%の方が望まれております道路や橋のインフラの復旧、3番目は30%の方が答えておられます避難所となる学校や公共施設を避難所として機能するよう整備してほしいと答えられています。以下、医療費、国保や介護保険料の減免期間の延長、学校施設の復旧・耐震化、屋根の保全修繕への支援と続きます。  震災復興計画素案に盛り込まれている項目で特徴的なものでいえば、熊本城の復旧は22%で7番目、市民病院の早期再開は18%で10番目、項目はその他を除き全部で26項目ありますけれども、再開発やMICEを望まれている市民は0.4%で26項目中26番目でありました。このアンケートは、MICEに反対する人だけを抽出してとったアンケートではありませんし、私どもの支持者だけに配布したものでもありません。全市的に無差別に配布して、現時点で得た結果であります。  こうした市民の声にどう向き合うのか、大西市長に問われていると思います。地震後の熊本城ホールについての市民の意見をどのように把握しておられるのか、大西市長にお尋ねをいたします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  震災復興計画につきましては、市のホームページ上でのアンケート調査、それから自治会長等を対象としたアンケート調査、さらには私自身も出席をさせていただきました地域、団体向けの復興座談会あるいは高校生、大学生及び一般の方とのワークショップ等、多様な手法によりまして市民の皆様の御意見を賜りながら、この素案を取りまとめたものでございます。その後、改めて素案に関するパブリックコメントを実施し、そこでの御意見を踏まえた上で復興計画案を取りまとめるに至ったものです。  お尋ねの(仮称)熊本城ホールを含む桜町再開発事業については、賛成、反対、それぞれ両面から率直な御意見をいただいたところでございますが、最終的には市民の生活再建を下支えし、復興の局面で地域経済を牽引するものと判断をし、これまでも答弁をしてきましたとおり、復興重点プロジェクトに位置づけたところでございます。震災からの復旧・復興に当たりましては、市民の生活再建支援を最優先に進めるということはもちろんのこと、同時に桜町再開発事業等、復興を後押しする原動力となる事業を進めることも、広く市民の皆様に御理解いただけるよう、今後ともさまざまな場面を通じて、その周知に努めてまいりたいと考えております。         〔那須円委員 登壇〕 ◆那須円 委員  賛成、反対両面から意見を伺ってきたとの答弁でありましたけれども、先ほどのアンケートのように圧倒的多数の市民はMICEを望んでいないという結果も出ていますので、ぜひそこはしっかりと受けとめていただきたいと思います。  また、先ほど広く市民に理解をいただけるように周知に努めると答弁がありましたけれども、逆を言えば、まだまだ広く市民が理解をしていないということではないかと思います。  大西市長が市長になられたとき、なられる前のマニフェストを改めて読ませていただきました。今の市政の何を継承し、発展させるのか、何を否定し、何を構築しなければならないのか、それは誰がなすべきか、これを実行するのは市民そのものではないかと市長は書かれております。それには、まず市民の話を広く聞いてみよう、市民が私のシンクタンクだと記載されています。この立場に立つのならば、被災者の同意なしの復興計画はあり得ません。これだけ批判が上がっていますので、まずは復興計画から熊本城ホールを外して、市民への説明に取り組むべきだと思いますが、再度市長の答弁を求めます。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  復興計画の御審議をいただいているわけでございますが、この中であくまでも復興を進めていく上での重点プロジェクトの中で、今御指摘がありましたとおり、やはり暮らしの部分ということに対しては、非常に市民の皆さんからのニーズが高い、それを急いでほしいというお気持ちがあるということから、私たちはプロジェクトの第1番目に、一人ひとりの暮らしを支えるプロジェクトとして位置づけているところでございます。  それと同時に、やはり自分たちの生活をもとに戻すというだけではなくて、過去にも予算決算委員会等々でも答弁をさせていただいておりますとおり、復興事業というものが2年ないしは3年ぐらいをピークに、だんだん経済としても下がっていくという状況の中で、地域経済を下支えしていくということも非常に重要な点であるということから、このプロジェクトの中に新たな熊本の経済成長を牽引するプロジェクトと位置づけているところでございますので、その点も御理解をいただきたいと思っているところでございます。よろしくお願いいたします。         〔那須円委員 登壇〕 ◆那須円 委員  先ほどマニフェストに書かれている部分を紹介しましたけれども、今の答弁は、先ほど言ったように、市民への理解は今から求めていくという、そこの説明は後回しにしながら復興計画には書き込むということは、市長御自身の政治姿勢にも反するのではないかと指摘をしておきたいと思います。  経済効果についても、具体的な数字がMICE施設については示されてきましたけれども、例えば、多くの被害が出ている住家への支援には一向に具体的な数字が出てこないという状況のもとで、復興計画素案の議決、財政計画も示されておりませんので、まだまだ議決できるような段階ではないと思います。  先ほど飛行機、上空から熊本のまち並みを見たという話をいたしましたけれども、ブルーシートの被害家屋が本当にまだ多く残されています。この景色をコンベンションなどで熊本市に来られる方は目にされます。中心市街地、MICEでおもてなしを受けて、再びブルーシートが散乱する熊本市の景色を見ながら帰っていくようなことになれば、こんなまちに本当にもう一度来たいと思われるのか、魅力的なまちだと思っていただけるのか、大きな疑問が生じています。生活再建最優先と言うならば、市民が最も必要としている支援、先ほどアンケートでも示されました住家の再建、宅地被害の支援に力も財源も注ぐべきだと思います。  きょうは時間がありませんので、再度また質問をさせていただきますけれども、他都市では住家の修繕に地元業者への発注を条件に、一定の割合で支援を行う支援制度を創設した自治体もあります。大手ゼネコンしか元請になり得ない再開発では、地元は4次、5次の下請の仕事しか受けることができない実態も、駅前の東A地区でも見受けられました。  再開発ではなくて、住家支援、住民支援に取り組んでいただくよう求めて、質疑を終わりたいと思います。 ○津田征士郎 委員長  以上で那須円委員の質疑は終了いたしました。  次に、善進会、田尻善裕委員の質疑を行います。持ち時間は5分となっております。         〔田尻善裕委員 登壇 拍手〕 ◆田尻善裕 委員  田尻善裕でございます。  先ほどからの質問と重複する部分もありますが、質問させていただきます。  今回配付された財政への影響についての資料ですけれども、資料5ページでは、さきの議会で取り上げたとおり、震災の影響を少なくするために、事務事業の見直し、時間外勤務の削減、市有財産の積極的な売却など、本市の財政的危機感が示されております。  しかしながら、6ページを見ますと、今回の震災の影響は本市財政にはいずれの指標も著しい数値の悪化は招かないと示され、これを見ると、本市財政は大丈夫ですと言っているようにも見えます。これをそのまま額面どおり受け取るのであれば、震災で被害を受けた一部損壊の方たちへの支援や、凍結されております市長が公約とされた子ども医療費への助成などの拡大もできますし、今回見直された約80億円分の事業を初め、文化財への支援など、本市が今やらなければならないことはすぐ取りかかれると思いますが、一体本市の状況はどうなのでしょうか。  私たち議員は、市民から説明を求められる立場でもあります。本市の財政状況は実際にどのような状況なのか、また地震があっても影響が少なく、今後も新規事業を初め、さまざまな市民サービスの充実ができると考えていいのか、市長にお尋ねいたします。  次に、5ページにある事務事業の見直し、時間外勤務の削減についてお尋ねします。  これまで前市長時代からの課題で重点的に取り組んできたはずです。これをこれ以上どのようなやり方で実行していくのでしょうか。具体的にどのような取り組みを考えていらっしゃるのかをお尋ねいたします。  時間外の関連でありますけれども、先日、経済委員会の中で請求した資料では、熊本城マラソンでは職員の動員が782名、時間外で単価2,517円で、手当が予算とは別に約932万円かかっております。ほかのイベントでも、火の国まつりの動員が213名、花火大会、延べ1,008名と、そもそも職員を時間外で数百人も動員しないと成立しないイベントを今後どのように考えるのか。本市の財政状況、今後の市民サービスにどう対応するかを市長へ、改革の取り組みを総務局長にお尋ねします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  今回お示しをいたしました熊本地震に伴う財政影響につきましては、現時点で想定できる範囲で試算をしたものでございまして、財政調整基金の取り崩しや前年度繰越金の活用、未利用地の売却等を加味しても、今後10年間で58億円から139億円の範囲内で財政影響があると見込んだところでございます。  また、新たな被災者支援に要する経費や国・県からのさらなる支援の状況等によって、この影響額は変動するものと考えておりまして、具体的な内容が決定した段階で本市財政への影響額に反映をさせていきたいと考えております。  今回の試算のとおり、震災からの復旧・復興には一定の本市負担が生じますことから、引き続き私が先頭に立ち、国に対し最大限の支援を強力に要望してまいるとともに、本市みずからも業務の効率化による時間外勤務の縮減や未利用地の売却を初め、抜本的かつ徹底した行財政改革に職員一丸となって取り組むことで、熊本地震財政影響を最小化してまいりたいと考えております。こうした対応によりまして、生活再建支援を初めとした復旧・復興に取り組むとともに、これまでの市民サービスについても着実に実施をしてまいりたいと考えております。         〔多野春光総務局長 登壇〕 ◎多野春光 総務局長  私からは、事務事業の見直しや時間外勤務の削減に係る具体的な取り組みについてお答えを申し上げます。  事務事業の見直しや時間外勤務の削減につきましては、これまでも行財政改革計画に個別にプログラムを掲げまして、事務事業につきましては廃止、縮小、統合を初め、サービス向上と効率化に向けた民間委託等の推進、また時間外勤務の削減では、平成25年度から各局に上限値を設定するとともに、勤務時間の繰り上げ・繰り下げ勤務、休日勤務の振りかえなどに取り組んでいるところでございます。今後は震災からの復旧・復興を着実に進めていくためには、多くの財源や人員が必要となりますことから、さらにその取り組みを強化することといたしております。  具体的には、市全体の仕事のあり方をゼロベースで見直し、不要不急な事業の休止・廃止、類似事業の統合、民間活力の活用や実施手段の見直し、職員一人一人の処理能力の向上等による業務の効率化など、事務事業の見直しと効率化によりまして人員の確保と時間外勤務を削減していきたいと考えております。  次に、イベント開催に際しての時間外勤務についてでございますが、イベント開催に当たりましては、来客者の安全確保が重要となりますことから多くの職員を配置しておりますが、可能な範囲で民間の警備員を活用するとともに、職員の休日勤務の振りかえを徹底するなど、今後とも時間外勤務の削減に努めてまいりたいと考えております。         〔田尻善裕委員 登壇〕 ◆田尻善裕 委員  今、局長が言われたとおりゼロベースの見直しというのは、これまで前市長時代から繰り返し言われていることですが、今回できなかったら組織改革はできないという不退転の決意で、市長を初め、全職員で取り組んでいただきたいとお願いします。  また、財政の影響は、これから出てくるものを含め、見込みだけでも相当な開きがあるので、やはりちゃんとした数値が出ないと、議員として大規模な投資への市民への説明ができませんので、今後とも随時情報の提供を求めておきます。  最後に、今回の質問でも他都市の事例がいろいろ挙げられておりますので、私もちょっと述べさせていただきます。  先日、兵庫県の幹部の方とお会いしてきました。その中で記憶に残ったのが、兵庫県では毎年の返済が減ってきたときに、復興のシンボルとして美術館とMICE施設をつくった。美術館はそこそこ人が入っていますが、MICE施設は失敗だった。財政の標準化と健全化がおくれてしまったと言われていたことを紹介させていただきまして、私の質問とさせていただきます。 ○津田征士郎 委員長  以上で田尻善裕委員の質疑は終了いたしました。  次に、和の会くまもと、緒方夕佳委員の質疑を行います。持ち時間は5分となっております。         〔緒方夕佳委員 登壇〕 ◆緒方夕佳 委員  皆さん、お疲れさまです。緒方夕佳です。今回の特別委員会の議題の一つ、熊本市震災復興計画案に関してお尋ねいたします。  このような復興計画の策定は義務ではなく、阪神・淡路大震災のころから策定されるようになったと聞いております。熊本市震災復興計画は、熊本市が着実に復旧・復興を遂げるための道しるべであり、市民の心に安心、希望、勇気といったようなものが湧くようなものであるべきと理解しております。  計画の重点プロジェクトの第1と目標別施策の第1が被災者の生活再建となっておりますが、何をもって被災者が生活再建できたとお考えになりますでしょうか。その判断の基準となる指標をお示しください。市長にお尋ねいたします。         〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  お尋ねの何をもって被災者の生活再建と捉えるかということでございますが、被災者の方が震災前の安心な暮らしを取り戻し、あすへの希望を抱いて生活できるようになる状態であると考えております。このようなことから、被災者支援における生活相談にきめ細かく対応し、仮設住宅やみなし仮設住宅に入居中の方々が恒久的な住まいを確保されることを一つの目標と捉えているところでございます。         〔緒方夕佳委員 登壇〕 ◆緒方夕佳 委員  恒久的な住まいの確保は、一つの目安になるとは思います。加えて、被災を機に職を失ったり、変わられたりした方もいらっしゃいます。そのような方々がもとの生活レベルに戻ることや、被災した住居や職場の修理完了なども一つの目安である必要があると思います。みなし仮設に入居中とおっしゃいましたが、いまだにみなし仮設になる物件が見つからない方々もいらっしゃいますから、申し込みについては十分な期間を確保するように、くれぐれもお願いいたします。  また、一日も早い生活再建を最優先させるという言葉が、さきの議会の中でも市長から多数回発言されましたが、ぜひ復興計画の基本的方針として、計画策定の趣旨の部分や基本方針のところに明記すべきと存じますので、前向きに検討をお願いいたします。  次の質問に移ります。  復興計画案の24ページに防災・減災のまちづくりの(3)として、避難環境の見直し・強化が挙げられております。今回、避難者が多く、公民館、コミセンや団地の集会所など、指定外の場所にも多数避難されました。指定外の避難所にどういう規模で避難されたか、把握されていますでしょうか。政策局長にお尋ねいたします。         〔古庄修治政策局長 登壇〕 ◎古庄修治 政策局長  私の方から指定外避難所等の把握状況についてお答え申し上げます。  今回の熊本地震においては、震度7クラスの前震、本震が連続して発生したことから、事前想定を超える多くの避難者が指定避難所以外に避難されたところでございます。指定外の避難所については、地域からの情報等により区役所で把握し、災害対策本部において毎回報告し、情報共有に努めたところでございますが、その把握している状況の中で最大の避難者数は、4月17日午前6時で11万750人、避難所の最大時は4月21日午前7時で267カ所でございまして、その内訳としましては、指定避難所が179カ所、指定外避難所が88カ所となっております。また指定外避難所の中で地域公民館は8カ所、団地集会所が14カ所ございました。  また、7月に実施しました市民へのアンケート調査におきまして、前震後や本震後に避難された方で、どこに避難されたかというのを調査しておりますが、その結果としまして、指定避難所が21.3%でございまして、指定避難所において車中で避難した方がそのうち12.8%、指定避難所外では施設が10.2%、車中に避難した方が26.4%で、避難しなかった、あるいはできなかったが25.9%となっております。  そういったアンケート調査結果を得たところでございますので、現在、地域防災計画改定に取り組む中で、避難所の運営や指定外避難所の把握等を行うため地域、行政と情報を共有する手段についても、地域防災計画の改定の取り組みの中で進めていきたいと考えておりまして、平時から地域との連携、情報共有のあり方についても検討し、構築に努めてまいりたいと考えております。         〔緒方夕佳委員 登壇〕 ◆緒方夕佳 委員  物資の備蓄・分配、避難所となり得る場所の耐震化、地域で避難計画を考える上での基礎となる情報となるなど、これから熊本市の防災力を強化していく中で必要な情報であると思いますので、これからも詳細な調査をよろしくお願いいたします。  今、言及の地域公民館についてお尋ねいたします。  被災した地域公民館の修理、建てかえ費についてお尋ねします。  さきの議会にて、地域公民館の営繕費の上限が60万円から750万円に、総額の3分の2にまで引き上げられたことは、地域の負担軽減に大きく寄与するものだと思います。しかし、今回の被災規模が大きいため、その補助を受けても100万円以上の地域負担になるところが少なくとも7カ所もあり、多くの地域では60万円から80万円もの地域負担になります。さらに地域負担を軽くするような措置ができないでしょうか。市民局長にお尋ねいたします。         〔西島徹郎市民局長 登壇〕 ◎西島徹郎 市民局長  地域公民館の建設、営繕費補助についてのお尋ねにお答えいたします。  今回の熊本地震におきましては、多くの地域公民館が被災しておりまして、中には大規模な修繕が必要なところもありますことから、まずは修繕費用の3分の2、上限額を60万円から750万円に引き上げて補助するよう、先般の議会で御承認いただき、周知及び手続きに着手しているところでございます。  委員お尋ねのさらなる負担軽減につきましては、修繕費におけるこれ以上の軽減は、現在のところ考えておりません。ただ、地域公民館の建てかえにつきましては、現行の補助制度では建設費用の2分の1、上限額が750万円となっておりますが、地元の資金調達等の課題等もございますことから、今後検討させていただきたいと考えているところでございます。         〔緒方夕佳委員 登壇〕 ◆緒方夕佳 委員  復興計画案の中にも、16ページ、互いに支え合う自主自立のまちづくりの推進のところに、地域公民館やコミセンなどの地域活動拠点のさらなる利活用を促進するとあります。被災した地域公民館は、利活用の前に修理や建てかえが必要です。さらなる支援に取り組んでいただきますよう、強く要望いたします。  今回、熊本地震による財政影響試算を出していただきましたが、その中の未知数、αの部分である新たな被災者支援の内容と金額が、大西市長の被災者支援に対する姿勢が如実にあらわれてくる部分だと思いますので、今後注視してまいりたいと存じます。  これまでも一部損壊で修理費用が多額になる方々への支援策の必要性を再三訴えてきたところですが、最後にまた支援を訴えまして、私の質疑を終わります。 ○津田征士郎 委員長  以上で緒方夕佳委員の質疑は終了いたしました。  以上で本日の質疑は全て終了いたしました。  本特別委員会における復興計画策定に向けた調査につきましては、本日の質疑をもって終了いたしますが、次回以降の本特別委員会については、今後の復旧・復興に向けた具体的な動きの中で、必要に応じて開催いたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  これをもちまして、熊本地震からの復旧・復興に関する調査特別委員会を終わります。                              午後 2時41分 閉会 出席説明員    市長       大 西 一 史    副市長      高 田   晋    副市長      植 松 浩 二    政策局長     古 庄 修 治    総務局長     多 野 春 光    財政局長     宮 本 邦 彦    市民局長     西 島 徹 郎    環境局長     中 村 英 文    経済観光局長   石 櫃 紳一郎    都市建設局長   肝 付 幸 治...