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平成27年第 4回定例会−12月01日-02号
平成27年第 4回定例会−12月01日-02号

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  1. 熊本市議会 2015-12-01
    平成27年第 4回定例会−12月01日-02号


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    最終取得日: 2022-11-22
    平成27年第 4回定例会−12月01日-02号平成27年第 4回定例会   平成27年12月1日(火曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第2号                         │ │ 平成27年12月1日(火曜)午前10時開議               │ │ 第  1 一般質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                            午前10時00分 開議 ○満永寿博 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ───────────────────────────────── ○満永寿博 議長  日程第1「一般質問」を行います。  順次発言を許します。藤山英美議員。          〔41番 藤山英美議員 登壇 拍手〕 ◆藤山英美 議員  おはようございます。くまもと未来の藤山英美でございます。先輩、そして同僚議員の温かい理解のもとに、本定例会におきまして一般質問の機会をいただきましたことをまずもって御礼申し上げます。  振り返れば、今回で実に20回目の登壇となります。この間私は、市民協働手法による鶯川の再生や、本市東部地区に特徴的な都市型水害の解消など地域に密着した課題に取り組み、その一方で、ごみの減量化などの環境問題や魅力ある市電であり続けるための都市交通問題についてなど、広く全市的な課題にも積極的に取り組んでまいりました。  このように、地域の課題を通して市域全体を考える、市域全体から見て地域の課題を考えるということが私の議員活動の基本的なスタンスでございます。地域の課題は市域全体から見て優先的に取り組むものなのか、地域での取り組みを市域全体に広げるべきものなのかなど、相互に関連させていくことが必要と捉えております。  このことで、政令市になり、選挙区が5つに分割されたことで、議員は自分の属する選挙区域のことだけを重視し、市全体のことは関心がないのではないかという多くの市民の批判に応えることになるのではないでしょうか。  このような考えのもと、今回も地域の課題、そして全市的な課題についてお尋ねしていきますので、市長並びに各局長におかれましては、質問の趣旨を十分に理解されて積極的な御答弁をお願いいたします。  まず、今現在、執行部内において来年度当初予算の編成作業が進められていることと存じますが、正式に予算案として提案される来年の第1回定例会を前にした今議会において、予算案の編成方針や骨格等について論議しておくことがさまざまな意見を予算案に反映するという面から意義があることと捉え、来年度予算編成について大西市長にお尋ねいたします。
     さて、各位御案内のとおり、国は経済財政運営と改革の基本方針2015において、現在の経済財政状況は三本の矢の一体的な推進により、デフレ脱却、経済再生と財政健全化の両面で大きく前進しており、今後さらにデフレから脱却し、中長期的に持続する経済成長を実現するためには、経済の好循環の拡大やまち・ひと・しごとの創生などに取り組んでいくことが必要であるとする一方で、債務残高がGDPの2倍程度に膨らみ、なおもさらなる増加が見込まれているなど厳しい財政状況にあることから、平成28年度国家予算編成に向けて聖域なき歳出改革を進めることとし、特に社会保障と地方行財政改革は改革の重点分野として取り組み、地方においても国の取り組みと基調を合わせ、徹底した見直しを進めることを求めています。  また、安倍首相は9月の記者会見で、強い経済、子育て支援、社会保障の施策強化を掲げた新たな三本の矢を打ち出し、アベノミクスの第2ステージと位置づけ、一億総活躍社会を目指すこととし、その具体的な目標として、名目国内総生産、いわゆるGDPの600兆円達成、合計特殊出生率1.8の回復、介護職の離職率のゼロ%等を掲げ、少子高齢化が進展する中、活力ある社会の実現へ向けた施策のてこ入れを図ったところでございます。  このような中、本市にあっては、昨年12月に就任された大西市長にとっての実質的な当初予算編成となるわけで、平成28年度は市長公約にある新総合計画や国の進める地方創生に呼応した熊本市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定など、これからの本市にとって重要な時期を迎えることとなります。また、これ以外にも連携中枢都市圏構想への対応や市長マニフェストに掲げられた項目の実現など、取り組んでいくべき課題が数多くあるのではないでしょうか。  これらの国の方針を受け、あるいは本市として独自に取り組むべき課題について、平成28年度当初予算にどのように反映していかれるのか、大西市長にお尋ねします。また、当初予算に取り組んでいかれる決意をお聞かせいただきたいと存じます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  平成28年度予算編成に向けた基本的な考え方、決意についてお答えいたします。  まず、本市を取り巻く財政環境については、歳入面では市税や地方交付税などの一般財源の大幅な増加は見込めない状況の中で、歳出面では社会保障関係経費や老朽化した施設の維持補修経費の増加への対応に加え、これまで漸減してきた公債費が増加に転じる見込みであるなど、引き続き厳しい状況にあります。  一方、本市にとって平成28年度は、人口減少、超高齢社会への対応、商業や公共交通など日常生活サービスの確保、地域コミュニティの維持など、さまざまな課題に対して、現在策定中の熊本市第7次総合計画や熊本市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、新しい魅力と活力に満ちた熊本づくりへの取り組みを進めていくスタートとなる年であり、その予算編成は大変重要なものと認識しております。  このため、新年度の予算については、総合計画や総合戦略、また連携中枢都市圏構想に基づく重点事業について財源の優先配分を行う予定であります。また、その財源の確保に向けて予算要求の上限を設定し、各局長主導による事業の優先順位の設定や、新規・拡充事業と廃止・縮減事業のバランスを意識した選択と集中の厳格化に取り組むこととし、職員一人一人が常に財政規律を意識しながら事業効果の最大化を図る組織文化の醸成にも努めているところでございます。  このように、将来に向け持続可能な市政運営を意識しながら、既存事業については不断に検証や見直しを行う一方で、マニフェストに掲げた施策も含め、より市民ニーズや実効性の高い、または本市の特性を踏まえた独自性のある施策を重点的に推進することにより、誰もが憧れる上質な生活都市熊本の実現に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、国において現在、環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPPの大筋合意を踏まえた農業対策や一億総活躍社会実現に向けた介護、子育て支援などの重点施策への緊急的な対応について、平成27年度補正予算及び平成28年度当初予算での検討が行われていることから、本市といたしましても、今後国の動きに合わせて機動的な対応を図ってまいりたいと考えております。          〔41番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ありがとうございました。  本市の26年度決算から見ても、義務的経費、人件費、扶助費、公債費ですが、この比率が56.8%、半分以上を占めておりますし、投資的経費は14.6%というような中で当初予算の編成に当たられるわけですが、本当に厳しい現実だと思います。  また、このような中で、答弁の中にありました職員一人一人が常に財政規律を意識しながら事業効率の最大化を図る組織文化の醸成に努めるということでございます。  この言葉は初めて耳にしたような気がいたしますが、組織というものが活性化すると人は能力を発揮できると思います。市長が掲げられております誰もが憧れる上質な生活都市熊本、これを結びつけるためには、このほとんどがこの言葉に集約されるのではないかと思います。その予算の中でいかに実現するかというのは、今後の大西市長の腕の見せどころではないかという思いがいたします。どうぞよろしくお願いいたします。  次に、TPP大筋合意についての本市としての見解と対応についてお尋ねいたします。  さて、政府はこれまで攻めの農業をキーワードとし、農業・農村所得倍増、農林水産物の輸出倍増、農業の6次産業化を主体として農業政策を進めてきました。その一方、日本の農業の特徴として小規模農家が多いことから、農地の集積についてもあわせて推進してまいりました。  しかしながら、日本の経営耕作面積の4割が中山間地であること、さらにはみずからの農地は知らない人には貸したくないという農家も少なくなく、農地の集積が進まないのが現状であり、これらのことは本市においても同様のことと考えております。  また一方、国内の農産物に対する国民の信頼感と満足度は極めて高く、広く世界に向けてアピールできるものであり、中でも熊本産のナス、スイカ、ミカンなどは首都圏を中心に全国に流通するなど、大きく市場を占有するまでになっております。  このような中にあって、この10月にTPP交渉が大筋合意に至ったことは、その経緯がつぶさに報じられていたことから各位御存じのことと思います。  政府においては、TPPの大筋合意は日本にとっての繁栄のチャンスと位置づけていますが、その反面、各マスコミ報道においては小規模経営者の離職がふえるとの報道が目立つなど、賛否が相まっております。  そうは言いながら、近いうちに開催される予定の国会においてTPP大筋合意が承認されれば、日本の農業、商業、工業の各分野において否応なしに新たなグローバル化に踏み込むこととなり、このことは年間480億円の農業産出額を誇る本市に限っても、まさに試練のときを迎えることともなります。  このように、さまざまな課題をはらんだTPP大筋合意について、その実態を本市としてどのように捉え、今後どのような影響が生じ、これに対してどのように対応していかれるのか、農水商工局長にお尋ねいたします。          〔石櫃紳一郎農水商工局長 登壇〕 ◎石櫃紳一郎 農水商工局長  TPP大筋合意に関しまして、3点のお尋ねにお答えいたします。  まず、TPP大筋合意に対する市の捉え方についてでございますが、10月5日の大筋合意後、国のTPP総合対策本部におきまして、新たな市場開拓や産業活性化、国民の不安の払拭の3点を基本目標といたします総合的な政策対応に関する基本方針が示されたところでございます。また、11月25日には、これらを踏まえ具体的な対策を盛り込んだTPP関連政策大綱が公表されたところでございます。  本市といたしましては、これらの対策の動向等について注視するとともに、農業者の意見を聞きながら、国に対し要望すべきところは要望していくなど、国や県と連携しながら全力で対応していくことが重要と考えております。  次に、TPPの市への影響についてでございますが、現時点で影響の詳細につきましては国の公表がなされていないため、本市農業への具体的な影響につきましても明らかにできていない状況でございます。  今後、国の調査結果や試算方法の公表等を待って精査、検証を行っていく予定としております。  3点目のTPPに対する市の対応についてでございますが、TPPへの対応に当たりましては、農業者の方々の意見もよく聞きながら効果的に進めることが重要と考えておりまして、11月には各区におきまして農業者との意見交換会も行ったところでございます。農業者の方々からは、先行きの見えない不安とそれによる就農意欲の減退を危惧しているといった意見が多かったことから、農業者に寄り添った支援の必要性を改めて認識したところでございます。  本市といたしましては、引き続き農地集積や規模拡大など農業の効率化を加速させますとともに、本市農業の特色でもあります野菜や果樹といった園芸作物につきましてはより一層の品質向上や低コスト化を図りながら、6次産業化やブランド化などに加えまして、国内外への販路拡大の取り組みを発展させていくことが重要と考えております。  さらには、担い手への支援体制を整備するほか、畜産業におきましては高品質な優良牛等の導入を推進するなど、収益性の改善を図る必要があると考えております。  本市の農業が将来を担う若者にとりまして魅力あるものとなるように、国や県など関係機関との連携を十分にとりながら、また農業者の方々の意見をしっかりと伺いながら支援を行ってまいります。          〔41番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ありがとうございました。  TPP大筋合意に対するということで質問いたしました。日本にとっても大きな関心事でありますし、また日本の農業の将来に向けてグローバル化は避けて通れないものではないかと思いますし、本市としてもいろいろな御努力をされていることはわかります。  また、先日の新聞報道で、嘉島町に農業法人が誕生したということもありますし、宇土市の走潟でもそういう形で誕生しております。熊本市でもそういう動きがあることは承知しておりますが、この農地集積や集約はもう避けて通れないことではないかなというふうに思っておりますし、日本独特のブランド化等、生き残る道は多分にあると思います。この日本の開発力というのには私も期待しております。どうかこれを乗り切るためにも御尽力いただきたいと存じます。  次に、少子化対策についてお尋ねいたします。  本市において少子化問題が一般質問に登場したのは20年前の平成8年第2回定例会において、少子化問題として、現時点では保育、遊び場の整備など行政の縦割り組織による個別対応が主であるが、その問題は縦割り組織だけで取り組めるものではなく、また地方だけで対応できるものではない、本市として総合的な取り組みができないかと私がお尋ねしたのが本市における少子化問題の端緒となったのではないかと記憶しております。  その後、少子化問題は高齢化問題とあわせ論じられることとなり、今日では国、地方を挙げた最大課題となり、さまざまな視点から論議が行われています。  このような背景のもと、本市として策定を進めておられる熊本市まち・ひと・しごと創生総合戦略の基本目標の一つとして、誰もが安心して子供を産み育てられるまちの実現を掲げられるやにお聞きしております。  今後、この基本目標に向けて、新年度以降どのような取り組みを行っていかれるのか、また本市においては平成26年度から国の地域少子化対策強化交付金を活用して具体的な取り組みをスタートされましたが、これまでの取り組みの成果についてもあわせて健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  少子化対策への本市の取り組みについてお答え申し上げます。  まず、平成26年度の取り組みの成果についてでございますが、少子化の要因といたしましては、未婚化、晩婚化、家庭と仕事の両立の困難などが考えられますが、平成26年度はまずは未婚化、晩婚化の対策といたしまして、若者に対する結婚、妊娠、出産、子育てに関する情報提供及び意識啓発事業と未婚者に対する情報提供及び意識啓発事業を実施いたしました。  若者に対します事業では、大学生を対象に少子化の影響、未婚化、晩婚化の現状や高齢出産のリスクなどを伝える講義を行い、その前後に受講者の意識変化の調査を実施いたしましたところ、結婚や出産の希望時期が講義後ではより若年へシフトするなど、若者に対する情報提供が少子化対策としての意識啓発に有効であることが把握できました。  また、未婚者に対する事業では、未婚男女の結婚に対する意識啓発や出会いの場の提供として実施いたしたものでございますが、少子化の現状やさまざまな子育て支援事業などの情報提供をワークショップ形式で実施いたしますとともに、引き続き民間事業者主催婚活パーティーに参加していただくことで複数のカップルが誕生するなど、結婚支援につながったと考えております。  今年度は、これら2事業を拡充いたしますとともに、新たに仕事と子育ての両立の実現のために、安心して妊娠・子育てができる雇用環境の整備に取り組む企業への支援事業のほか、少子化対策に対する機運の醸成を図るためのシンポジウムの開催や、不妊治療に関する正しい知識啓発のための講演会の開催、父親の家事・育児参加を促進するためのよかパパクッキングの開催など、結婚、妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援事業を実施いたしているところでございます。  新年度につきましては、結婚を希望する未婚者への新たな支援策につきましても検討しているところでございます。  いずれにいたしましても、少子化対策に効果的な事業を推進し、未婚化、晩婚化、晩産化の解消に努めてまいります。          〔41番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  少子化についての答弁の中で、いろいろな施策をやっているということで御努力はわかりました。しかしながら、究極の少子化解消というのは、金のかからない妊娠、出産、子育てではないかなというふうに思っております。余りにも金がかかるということで、2人目、3人目を考えるという方がいろいろ多いような気もいたしますし、また共働きの場合、保育料だけを見てみても差が大き過ぎるというのは私だけではないと思います。  いずれにしても、少子化を解消しなければ国の存続は危ういという思いでこれからもいろいろな施策に御努力をお願いしたいと思います。  次に、環境問題として、地球温暖化対策とごみ問題についてお尋ねいたします。  まず、地球温暖化対策についてですが、国においては、現在開催中のCOP21に合わせ、我が国の温室効果ガスの排出量を2030年度までに2013年度比で26%削減する新たな目標値を決定したことは、各位既に御案内のことと思います。  この目標値を達成するためには、国を挙げてのさまざまな取り組みが必要となりますが、それを待つこともなく、地方都市としてもできることとして、例えば生ごみをエネルギー源としても活用するなど、既に民間事業者が取り組んでいる方法を導入する、あるいは民間事業者を支援していくなど、積極的に進めていくことも大切であると捉えております。  このような中、本市では平成22年に策定した温暖化対策の実行計画となる低炭素都市づくり戦略計画を昨年度に改訂し、一層の計画実現に向けて取り組んでおられます。  そこでお尋ねいたします。  地球温暖化に対する認識と本市の温暖化対策で重視されている点について大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  地球温暖化に関する質問にお答えいたします。  地球温暖化については、将来の予測として、厳しい温暖化対策をとらなかった場合、今世紀末には世界の平均気温は2.6度から4.8度上昇すると気候変動に関する政府間パネル(IPCC)から示されており、日本の平均気温も長期的に上昇傾向であることから、温暖化は確実に進行していると感じております。  また、地球温暖化による影響は単なる気温上昇にとどまらず、異常気象や生態系の破壊、とりわけ水や緑に恵まれた本市にとっても、この豊かな自然環境への影響が懸念されるなど深刻な問題であると認識しておりまして、昨日からパリで開催されている気候変動に対処するための会議であるCOP21において、各国の新しい枠組みが合意されることを期待しております。  このような地球規模あるいは国レベルでの対策はもとより、議員御指摘のように地方自治体においても温暖化対策を着実に進めることが重要であることから、本市でも低炭素都市づくり戦略計画を策定し、2020年度までに温室効果ガス排出量を2007年度比6.2%の削減目標に向けて、再生可能エネルギーの導入促進や公共交通の利用促進など具体的なアクションプランに取り組んでおります。  とりわけ、温暖化対策は行政だけの取り組みでは限界があり、市民一人一人の協力がなければ成し得ないものと考えております。  そこで、この計画では、市民の具体的な取り組みとして、日常生活の中でできる具体的な省エネルギー対策や、1世帯当たりのCO2の削減目標を達成するモデルケースなども示して、市政広報番組パンフレット等を活用し啓発に努めており、先月、環境省主催により本市で開催されました省エネ・低炭素型の製品等の選択を勧める国民運動、クールチョイスイベントにおいても本市の温暖化対策を紹介したところでございます。  さらに今年度からは、自然エネルギーの普及促進を目的とする指定都市自然エネルギー協議会に加入したところであり、自然エネルギーのさらなる活用を図るとともに、新たなエネルギーとして期待される水素社会に向けても事業者や研究機関等とも連携した取り組みを進め、温暖化対策を推進してまいりたいと考えております。          〔41番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ありがとうございました。  この地球温暖化対策については、地球規模で対策を行わなければ、一国だけの問題ではないわけでございます。きのうからパリで行われておりますCOP21、発展途上国との枠組み合意というのが期待されているわけでございます。テレビ報道では、気温が3度上昇すれば海水面は63センチ上昇するとの報道があっておりました。3度上昇すれば九州の砂浜は壊滅するというような内容でありました。日本も2013年比で2030年には26%削減ということを宣言されるようでございます。本市も環境都市宣言を行っております。地方でできることは地方から、また行政だけでの取り組みは限界があるということであります。市民一人一人が協力してこの難題を解決しなければならないのではないかと思います。まず始めることが肝心ではないかと思います。  後の質問の中でも出てきますけれども、ごみ問題でもそういうことが中に入っているという思いがしますので、よろしくお願いいたします。  次に、ごみ問題として、違反ごみを出さない仕組みづくりについて、ごみの収集方法の見直しについての提案を交えつつお尋ねいたします。  さて、本市ではこれまでも違反ごみ対策についてさまざまな取り組みが行われてきましたが、なかなか効果が見えてきません。  平成26年度の調査によると、ルール違反のごみに違反シールを張った枚数が8万枚、悪質なケースについて、クリーンセンターの啓発推進班でごみ袋を開封調査し、違反者が特定され、戸別訪問の上直接指導を行った件数が750件ということでございます。  この件数を多いと見るかどうかは別にして、現実にごみステーションに違反ごみが出され、当分の間とはいえ、そのまま放置されている状況は、特にごみステーションの近くに住む住民の方々にとっては大変に迷惑なことで、その方々の理解と協力の上に成り立っている現在のステーション方式については見直しが必要ではないかと捉え、私なりにごみステーションの近くの住民の方々や収集現場の職員の意見を聞いたりしてまいりました。  その結果、違反ごみ対策には、現在のステーション方式から戸別収集に変更するのが最も効果的であると確信して、これまで一般質問の中で取り上げてまいりました。この提案について、執行部からは、モデル地区を設定して検討したが、戸別収集は収集経費の増加が見込まれ、費用対効果の面から導入は困難であるとの回答でした。しかしながら、試行、検討された区域が狭い区域であればスケールメリットが働かず、費用対効果の正確な試算とはならないのではないでしょうか。  そもそも、費用対効果を行政の担当局の組織内だけで試算すること自体に無理があるのではないかと思います。ごみの戸別収集がもたらすさまざまなメリット、例えば超高齢化あるいは核家族化の急激な進展の中においては、一人暮らしの老人の安否確認ができる、あるいは重いごみをステーションまで持ち出すのに苦労が軽減できる等のさまざまなメリットが生まれてまいります。  このような担当局を超えた検討を行い、あるときは庁内ネットワークのナレッジシステムを活用して職員のアイデアを募集する、そして何よりもこの戸別収集について多くの市民の意向を聞くことも必要ではないでしょうか。  以上、述べましたごみの戸別収集について、さらに多面的な検討を加え、ぜひとも実現していただきたいと考えておりますが、このことについて環境局長の御意見をお聞かせください。          〔中村英文環境局長 登壇〕 ◎中村英文 環境局長  違反ごみを出さない仕組みづくりについてお答えします。  現在本市が行っておりますステーション方式によるごみ収集は、地域のコミュニティを基盤として市民がごみを分別し、ごみステーションに排出されたごみを市が効率よく収集する仕組みとなっており、戸建て住宅が多く自治会などの組織も十分に機能している本市に適した方法であるとともに、本年のような台風災害ごみの早急な対応の際にも大いに役立つものと考えております。  一方、議員御指摘のとおり、戸別収集にはルール違反対策や分別の徹底、さらには地域の方々が一人暮らしの高齢者の安否確認ができるなど、その効果が見込まれることも認識しているところでございます。  そこで、ルール違反が多いごみステーションでは、五、六世帯に1カ所となるようごみステーションの細分化を行い、戸別収集に近い効果が期待できる取り組みを初め、高齢や障がいなどにより排出が困難な世帯については、安否確認も行いながら戸別収集するいわゆるふれあい収集も実施しております。また現在、さらなる違反ごみへの対応やごみステーションの適切な管理のため、クリーンセンター職員の業務内容見直しの検討も行っているところでございます。  今後とも、違反ごみを出さない仕組みづくりにつきましては、収集の効率性、費用対効果、さらには市民の意向など、さまざまな観点から検討していく必要があると考えており、他都市の先進事例を初め、広く市民や職員からの意見、提案なども踏まえて取り組んでまいります。          〔41番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ごみ問題については過去何度も質問してまいりましたが、答弁はつれないものばかりでございました。  振り返れば、平成20年の第2回定例会の中で、私は環境水道委員長を務めさせていただいておりました。そのとき有料化を採決いたしまして、委員長取りまとめとして3項目の決議をいたしました。その中でも、家庭ごみの約4割を占める生ごみのリサイクルのあり方について明確に示し、早急に実行するよう最大限の努力をすること、2、戸別収集についてはモデル調査を速やかに実施し、経費等の課題を整理した上で実現に向けて最大限努力すること、3、平成22年10月から実施を予定しているプラスチック容器包装分別収集リサイクルについて、分別、リサイクルによるCO2削減効果が極めて高い施策であることから早急に条件を整理し、可能な限り早期に取り組むことということで3項目ありましたけれども、今実施しているのは3番目のプラスチックの容器包装分別収集でございます。あと2つについては全く報告もなく、進展もないというような状況ではないかと思っております。このような委員会での決議を無視した形で進んでいるように思えてなりません。これは先ほどの市長に対する質問の中にもありますけれども、CO2削減で大きな効果を生み出すものと思って委員会で採決したものでございます。このようなことから始めないと地球温暖化はなかなかとめられないのではないかという思いでございます。  職員が知恵を出してやらなければ到底無理な話でございますが、あるテレビ番組で型破りのデザイナーが行政の職員に対して発した言葉は、自分で考えろということでありました。本当にそうだと思います。まず考えて、できることは小さなことからでもやるというような姿勢を貫いてほしいと思います。  また、戸別収集のメリットはいろいろとあると思います。ある自治協議会の会長が市の会合で、独居老人の安否確認に戸別収集をできないかということで質問されたら、担当局ではないのですが、即座にできませんと言われたそうでございます。地域でそういう話題が盛り上がっているならば、行政は応えるべきではないかなという思いでございます。一生懸命安否確認ができるようにということで努力なさっておるのにつれない返事ではなかったかなという思いがします。  地域でそういう協力を申し出るならば行政としては考えることが必要ではないかと、市長もドンドン語ろうでも話されておりますし、地域主義、市民の声を聞くということでいろいろな会場に出かけておられます。その市長の姿勢を全力でバックアップするのが行政ではないかと思います。掲げられております誰もが憧れる生活都市熊本、これに向かっていくには、予算の大小を問わずにできるものからやっていけば、おのずとそういう方向に行くのではないかという思いがいたします。  次に、市電に関し3点についてお尋ねいたします。  まず、市電の東部延伸についてです。  大西市長は御自身のマニフェストの中で市電の延伸を田崎方面、南熊本駅方面、東部方面の3方面について検討すると掲げられて、これまでの御答弁においても市電延伸については必ず実現させるという強い気持ちで今後とも取り組んでいくと積極的な姿勢を示していただき、大変に心強く思っております。  そもそも、私にとっての市電の延伸問題については、平成11年第1回定例会での一般質問において、新水前寺駅での立体交差についての国の調査事業との関連でお尋ねしたことに始まり、以来今日まで一般質問の機会があるごとに一貫してお尋ねするとともに幾つかの提案もさせていただいたところです。  その後、このテーマについて執行部としてさまざまな検討を重ねられ、平成15年度には健軍から沼山津までの延伸ルートはランニングコストが賄えるとされ、また平成16年度には単線、複線のいずれも費用対効果の面ですぐれていると評価されました。  しかしながら、実際に実現化に向けた検討の段階になろうとすると、巨額に上る初期建設費用の問題、あるいは自動車交通への影響などがネックとなってさらなる一歩が踏み出せなかったような気がいたします。  しかしながら、今、高齢化社会への確実な進展の中で、交通弱者がふえ続けるであろうということを見据えたとき、都市公共交通の基幹を担う市電の担うべき役割はますます重大となり、その一方で、地方財政が逼迫する中において、公共事業の採択にあっても費用対効果の視点がさらに重要になっていくのではないかと考えております。  このようなことから、時まさに市電の東部延伸に費用対効果も視座に据えた取り組みの機運が高まってきたと捉えておりますが、現時点でどのように検討されているのか、また今後どのように取り組んでいかれるのか、大西市長にお尋ねいたします。
             〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市では、人口減少、超高齢社会を見据えて、将来にわたって市民の暮らしやすさを維持するために、公共交通を基軸とした多角連携都市を目指すべき都市像として掲げております。  その実現に当たりまして、公共交通利用の選択肢をふやすとともに、定時性、速達性にすぐれた鉄軌道をさらに充実させることが必要であるという認識から、現在、東部方面、田崎方面、南熊本方面という3方面で5つのルートを設定し、市電延伸の検討に取り組んでおります。  お尋ねの東部方面につきましては、健軍町電停から沼山津へ至る県道熊本高森線を通過するルート、健軍電停から第二高校や熊本東税務署を経由して第二空港線に至るルート、九品寺交差点電停から日赤病院や県立大学を経由して県民総合運動公園に至る、通称産業道路を通過するルートという3つのルートを設定しております。  現在、軌道施設などのハード面や事業収支などのソフト面の両面から各種課題を洗い出しているところであり、その対応策の検討や延伸効果の検証を行い、3方面の5つのルートで比較検討を行った上で、相対的に優位な路線を複数選定したいと考えております。  そして、来年度以降、さらに熟度を高めるため、交通実態調査などの詳細な調査検討に取り組んだ上で、まちづくりへの効果といった観点も考慮しながら、まず最初に実現化に向けて取り組むルートを決定したいと考えております。          〔41番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ありがとうございました。  これも以前3回にわたって東部延伸の話は質問しておりますが、なかなか調査内容は見えても実現にはほど遠い感じがいたしました。私は個人的にもこの延伸については複線ではなかなか難しいというふうに思っております。単線で、それもサイドリザベーションを取り入れたやり方で進めなければなかなか難しいかなという思いはあります。  そして、大規模な集客施設については、この鉄軌道がなければ輸送の面で支障を来すし、大きなイベントはなかなかやりにくいというようなところは皆様も一緒だと思います。この市電の延伸、それで役割を果たすというのは大きな意味を持っているというふうに思っております。  あわせて、3方面の5ルートでの検討ということでございますが、可能なところから実現していただければと思います。よろしくお願いいたします。  次に、市電のICカードの普及拡大について、提案しつつお尋ねいたします。  私はこれまでの一般質問において、市電問題として、均一運賃の導入、乗車方法の改善、電停のバリアフリー化など数々の提案を交えつつお尋ねしてまいりました。  このいずれもが市電の利便性と定時性を高め、乗客数をふやし、ひいては市電事業の経営改善につなげていくことができるという確信に基づくものでございました。その後、提案した多くが検討され、実現してきたのは本市交通局の真摯な姿勢によるものと捉えております。ここで改めてお礼を申し上げるところでございます。  このような中、平成26年3月から導入された市電ICカード乗車券、いわゆるでんでんnimocaと、ことし4月から運用開始となった熊本地域振興ICカード、いわゆるくまモンのICカードについては、多額の導入経費を要したにもかかわらず、今もってそれに見合うまでの利用の拡大に至っていないように感じております。  その原因にはさまざまなものがあり、今後検討することが必要でしょうが、その一方、機運が熟しつつある市電の延伸計画が実現するとなると路線延長が大幅に延びることとなり、現行の均一運賃が対キロ運賃に変更されることが考えられ、その時点ではまさにこのICカード利用が主体となると考えられます。  さらに、ICカード利用で乗降がスムーズになることから市電運行の定時性が確保されるなど大きなメリットもあり、これらのことからぜひともICカードの利用率を上げるべきであると考えております。  そこで、これらのICカードの導入費用は幾らで、現在の利用率はどうか、またICカードのさらなる普及についてどのように取り組んでいかれるのかについて、交通事業管理者にお尋ねいたします。          〔西本賢正交通事業管理者 登壇〕 ◎西本賢正 交通事業管理者  市電のICカードの普及拡大に関する御質問にお答えいたします。          〔議長退席、副議長着席〕  交通系ICカードの導入経費につきましては、全国相互利用型ICカードと地域振興ICカードの相互利用環境構築経費などを含め市全体で約16億円でございまして、このうち交通局が支出する市電ICカードの導入経費は約2億円、地域振興ICカードが市電で利用できるシステムの構築経費としては約1億7,000万円でございます。  次に、市電におけるICカードの利用率は本年9月で38.2%、人員にしまして33万1,054人となっておりまして、導入当初の平成26年4月の利用率7.3%からは約31ポイント増加している状況でございます。  議員御案内のとおり、交通系ICカードはタッチするだけでスムーズに乗降できますことから、利便性や速達性の向上に有効な支払い方法と認識しており、来春、おでかけ乗車券のICカード化などに伴いまして、さらにICカードの利用率は増加するものと見込んでおります。  これまでもICカードの普及拡大に向けて電停や車内、局ホームページでの広報など周知に努めてきたところでございまして、加えて今月15日からは上通のプレイガイドでもでんでんnimocaやIC定期乗車券を購入いただけるよう準備を進めているところでございます。  今後も交通系ICカードの利便性を利用者の皆様へさらに広報することなどによりまして、ICカードの利用拡大を図り、公共交通、とりわけ市電の乗降をこれまで以上にスムーズにすることでさらなる利用促進につなげてまいりたいと考えております。          〔41番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  市電のICカード導入には16億円という費用がかかっております。莫大な費用でございます。市電の1年間の利用者収入は13億円でございますので、1年間の収入よりも大きい金額であります。これは国、県からの補助も含まれておりますので全額というわけではありませんが、相当の金額を用いて導入しております。そのためには、費用対効果、IC乗車券がもっともっと普及し、もっともっと便利になるような方策を考えなければならないというふうに思います。  おでかけ乗車券も来春からは使用できるようになります。私は思うに、このIC乗車券はできれば100%に近い普及を図るべきだと思っております。そうすれば乗降もスムーズになりますし、運転手の負担軽減にもなります。事故防止にもなるんではないかというふうに思っております。  そして、私は個人的に考えましたけれども、このIC乗車券はいろいろなことに利用できると思うんです。先ほども質問の中で言いましたけれども、距離制にしてもいろいろ対応できますし、JRについては1円単位の運賃、高速道路では曜日、時間帯によって割引料金と、国交省に問い合わせましたところ、そういう運賃の設定はできるということでございましたけれども、その利益を確保しなければならないというところがありますので、市電ではなかなか難しいかなという思いがしました。距離制が出てくれればそういうのも可能になるかという思いがしました。距離が余りにも近いし、均一料金でございますので、そこまではなかなか考えにくいという結論に達しました。今後はそういうものが出てくる可能性はあるかなという思いでございます。そういう御努力もまたお願いしたいと思います。  次に、市電の混雑解消について、これまでの取り組みと今後の計画についてお尋ねいたします。  この件については、これまで私自身が身をもって利用者の視点で体験し、それをもとに改善を求めた結果、その多くが改善されてきましたが、なお取り組みの余地があると考えております。  健軍電停や新水前寺駅前電停など利用者が多い電停での乗客の積み残しやラッシュ時の混雑については、健軍交番前電停での折り返し運転の実施により解消されてきましたが、混雑が解消されるとまた乗客がふえて新たな混雑が始まるなど、ソフト面での対応には限界があるような気がいたします。  そこで提案ですが、今後購入が進むと考えられる超低床電車は乗降ステップがかなり低いため乗りおりが非常に楽であると好評ですが、その反面、車内の乗客スペースが狭いとの不評が多くの人から聞こえてまいります。  そこで提案いたしますが、乗降口近くのベンチあるいは両側にあるベンチの片側をはね上げ式にしてラッシュ時にはベンチを収納し、多くの立ち席を生み出すことにより現在の超低床電車のデメリットを解消し、座席がフレキシブルに変化する第二世代の超低床電車として多くの乗客が乗れるようにするハード面での対応も考えてみる必要があるのではないでしょうか。  いずれにしろ、市電の混雑解消をどう捉え、どのように解決しようとしておられるのかについて、交通事業管理者にお尋ねいたします。          〔西本賢正交通事業管理者 登壇〕 ◎西本賢正 交通事業管理者  市電の混雑解消に関する御質問にお答えいたします。  健軍町や新水前寺駅前電停などでの利用者が乗車できない状況、いわゆる積み残しやラッシュ時の混雑につきましては乗降調査などによる実態把握に努めており、その解消に向け、健軍交番前電停始発便の運行や健軍町電停始発の増便など、状況に応じた臨時便の運行に取り組んでいるところでございます。また、利用実態やJRのダイヤ改正も踏まえながら利便性の高いダイヤを提供していくとともに、ラッシュ時における輸送力の強化といたしまして、2両連接車の再生利用に取り組みたいと考えており、ハード・ソフト両面からいわゆる積み残しの解消を図ってまいります。  議員御提案の第二世代の超低床電車へのはね上げ式ベンチの導入につきましては、車両構造上の課題もございますが、少しでも多くのお客様が乗車できるよう今後研究してまいりたいと考えております。          〔41番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  市電の混雑解消につきましては以前からよく聞いております。積み残しがもう始発からありますし、また終電での積み残しも聞いております。曜日によっては最終電車に積み残しがあるようでございます。  そして、私も何回か提案いたしました。以前の第4回定例会でバスから電車に乗って市役所に来たときがありますけれども、そのときにイチョウの落ち葉で電車がとまってしまいまして、バスに乗りかえてまいりました。そういういきさつがあったものですから、政令市になる前でございましたが、県の土木事務所にイチョウの剪定を11月いっぱいやってもらえないかというお話をして、特に八丁馬場から市体育館、そして大甲橋のところ、坂がありますので、そこを重点的にやってくれということで言いましたら、なかなか難しいという返事でございましたが、県の土木事務所は協力してくれました。  そして、電車は平地でもイチョウの落ち葉には弱いんですが、特に坂のあるところは車輪が滑ってのろのろ運転で大変だと。そして、砂をまくのでほこりがします。環境上も悪いということで、そういうお願いをしまして、しかし、ことしも注目しておりますと、神水から体育館まで、水前寺でしたか、もう剪定が終わっておりました。ことしは台風の影響で葉は少し少ないと思いますけれども、東部土木センターに引き継がれておりました。当初は2月、3月にその剪定作業を行っていたんですが、2月、3月の方が剪定の単価は高いということで11月にやってほしいということをお願いいたしまして、ことしもある程度そういうことで作業を進められておりました。たったそれだけで電車はスムーズに動きます。ほこりもばらまきません。運転手の方はマスクをかけてほこり対策をされておるということも聞きましたので、そういうちょっとしたことで市民の方は喜ばれることが多いと思います。  今残っております交通局周辺が、いつも見ますと落ち葉が吹きだまりになって一番大変だなというふうに思っておりますので、今後は交通局と建設局と一緒になって、そういう小さなことですが、解消していただければ市民も利用者も大変喜ばれることと思います。運行上も大変スムーズにいくと思っております。ただ同じような費用を使っても喜ばれるような対策をお願いしたいと思います。  次に、まちづくり支援機能の強化と出張所等の再編についてお尋ねいたします。  まず、まちづくり支援機能の強化についてでございます。  全国的に見ても将来の総人口の減少や少子高齢化が進む中、地域におけるまちづくりの担い手や自治会長の後継者不足などの深刻な問題が起きつつあります。  本市においても自治会加入率は85%と比較的高い数値を誇っておりましたが、最近では、わずかずつですが年々減少傾向にあるということでございます。また、地域の行事や活動などに参加する人も少なくなってきたとのことで、地域における人と人とのつながりが希薄になってきているように感じるとともに、このように地域のコミュニティ機能が低下していくこと、その結果として地域のさまざまな課題が放置されてしまうこととなるのではないかと懸念しております。  大西市長は公約の中で、地域コンシェルジュ制を導入し、地域のまちづくり支援機能を充実させるとされていますが、これはどのようなものなのか市民局長にお尋ねいたします。          〔永目工嗣市民局長 登壇〕 ◎永目工嗣 市民局長  地域コンシェルジュ制を導入した地域のまちづくり支援機能強化についてお答えいたします。  現在、市内19カ所にあるまちづくり交流室の機能を拡充した(仮称)まちづくりセンターを設置し、そこに地域担当職員を配置いたしますとともに、公民館業務との役割分担を明確にし、まちづくり支援に関する体制を強化することを検討しております。  地域担当職員の役割といたしましては、地域の相談窓口、地域情報の収集、行政情報の発信、地域コミュニティ活動の支援等を想定しておりますが、地域特有の課題もありまして、今後具体的な業務内容について地域住民の皆様の御意見をお聞きしながら検討してまいります。          〔41番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ありがとうございます。  市長が掲げられる地域主義に伴うものと思っております。地域が便利になれば皆様喜ばれるということでございます。よろしくお願いいたします。  次に、出張所等の再編についてお尋ねいたします。  ことし10月から11月にかけて、自治会や校区自治協議会の会長に対して出張所等の再編についての説明会が開催されました。これは平成26年第1回定例会において区役所のあり方として私が質問したことに対し、当時の幸山市長が、来年度は区役所と本庁の連携強化や役割分担の明確化を図るため、区役所のあり方に関する検討組織を設け検討するとの答弁をいただいたことに端を発し、その後の検討結果の一つとして、最も近い区役所から5キロメートル以内にある8つの出張所を再編する案についての説明会であったと捉えております。  この案については、行政事務の効率化という面において理解はいたしますが、現実に出張所等で行われている各種証明書の交付サービスが廃止されることは、地域の住民の方々にとっては大きな不安になるのではないかと心配しております。  この説明会の中で実際にどのような意見や課題が出たのか、またそれについて市としてどのような対応を考えているのか、市民局長にお尋ねいたします。          〔永目工嗣市民局長 登壇〕 ◎永目工嗣 市民局長  区役所と出張所等の体制に関する基本的な考え方に関しましては、10月から11月にかけまして各区で開催したドンドン語ろうの中で大西市長が直接説明を行い、あわせて市民局におきましても自治会長等を対象に地域説明会を行ったところでございますが、地域担当職員の配置などまちづくり支援機能の強化については大いに期待するとの声も数多く聞かれました。  一方で、出張所等の再編につきましては反対の声は少なかったものの、総合出張所で行っている福祉関係の相談業務や移動手段が限られる高齢者への対応についての不安、あるいは窓口廃止後の空きスペースの利活用に関する御意見などをいただいております。  本市といたしましては、今後も住民の皆様方の意見をしっかりとお聞きしながら、高齢者福祉等のサービスについても十分な提供ができますよう具体的な対応策を検討してまいりたいと考えております。  また、窓口廃止後の空きスペースにつきましては、地域住民の皆様の御意見を聞きながら柔軟に対応してまいります。          〔41番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  一番私が心配しているのは、高齢者の方々へのオレオレ詐欺がかなりありますけれども、そういうものについて歯どめになるところが少なくなりますので、そういう点では少し心配しております。  空きスペースについても地域の方々の意見を聞きたいということでございます。よろしくお願いいたします。  次に、地域が抱える4点の課題について、所管の各局長に要望あるいはお尋ねしたいと思います。  まず、東区役所が直面する課題として、東区役所庁舎内へのATM設置と住民と区役所の職員が合同で研修できるホール等の設置についてでございます。  議員各位は意外と思われるかもしれませんが、東区役所にはATMがありません。区役所の窓口には国民健康保険や市税の納付窓口もあり、市民にその場で納付をお願いする場面もありますが、ATMがないために現金を持ち合わせていない市民には、少し離れたところにある銀行やコンビニを紹介しているとのことでございます。ほかの区役所では庁舎内や隣の施設にATMが設置されていることから、同じように東区役所内にも設置できないものか、東区長にお尋ねいたします。          〔中原裕治東区長 登壇〕 ◎中原裕治 東区長  東区役所庁舎における現金自動預け払い機(ATM)の設置についてお答えいたします。  議員御案内のとおり、区役所に来庁される方の中には、国民健康保険料や市民税、保育料などの納付のために来庁される方も多く、金融機関やATMを利用したいとの要望が数多く寄せられております。  区役所といたしましてもATMは必要であると認識しておりまして、これまでも事業者に対して設置を働きかけてまいりましたものの、現在まで実現しておりません。  ATMの設置につきましては、昼休みを利用して区役所に来庁された方がATMがないため納付ができなかった事例もあり、来庁者の利便性の観点から今後も引き続きATMの設置に向けて努力してまいります。          〔41番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  皆さんも信じられないことだと思います。今の時代に区役所にATMがないと。政令市を調査しましたが、ほとんどのところでございます。ないところは住民が必要としないというようなことがありましたけれども、ほとんどATMは区役所または近隣に銀行またはATMがあるということで回答いただきました。  金融関係の方に聞きましたけれども、区役所にATMがない、信じられないという話を聞きました。今はそういう時代であります。現金を持って歩かないということで機械があると思います。  以前にも近くにありますATMを移したらどうかという話もしましたけれども、なかなか話が進まないようでございます。  次に、東区庁舎へのホール設置について質問いたします。  我が東区においては、さまざまな地域の課題を解決するため、区役所職員と校区自治協議会を初めとした多くの地域団体とが連絡会や研修会などを開き、東区のまちづくりに積極的に取り組んでおられます。  しかしながら、区役所庁舎には現在3つある会議室を1つにしても60名を収容できる広さしか確保できず、例えば東区内の137名の町内会長が一堂に会する場所がございません。したがって、住民同士で交流し、打ち合わせができるコミュニティスペースとして、さらに高まりつつある市民と行政との協働を育む場として、ぜひとも東区庁舎にホールを付設していただけないか、市民局長にお尋ねいたします。          〔永目工嗣市民局長 登壇〕 ◎永目工嗣 市民局長  東区役所庁舎へのホール設置についてお答えいたします。  西、南、北の3つの区役所は敷地内にホールを有しておりますが、これは公民館としてホールやコミュニティスペースを設置しているものでございます。  東区役所におきましても、庁舎内または近接してホールを有することが望ましいとは考えておりますが、敷地や用地の確保などの点において課題があるのが実情でございます。  東区役所の場合、東部公民館のエリアに入っており、自治会長の研修会等多くの方が集まる場合は東部公民館のホール等を使用しております。当面は東部公民館ホールや近隣の秋津公民館ホールとの連携により機能確保を図ってまいりますが、将来的には検討すべき課題と考えております。          〔41番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ホールの建設についても、ATMも、これは区役所に必要不可欠かと思います。よろしくお願いいたします。  地域の課題として2点の要望をいたします。  1点目は、秋津出張所の駐車場への進入路の安全確保について要望いたします。  秋津出張所は昭和60年にまちづくり交流室、秋津公民館、児童館、図書室を併設して設置されたものであり、以来30年を経過しております。  このような中、本市において出張所の再編が進められており、この中でまちづくり交流室と公民館の役割の明確化と連携強化を図るため、新たにまちづくりセンターを設け、ここに地域担当員を配置してまちづくり支援機能を強化されると聞いております。これが実現すれば、地域に関するさまざまな要望、相談、手続などのために秋津出張所を訪れる市民が多くなることが予想されます。  ところが、駐車場への進入路の道路幅員が非常に狭く、車の離合が難しく、過去にも接触事故が起きたことがあると聞いております。さらに、秋津出張所前は夜は暗く、職員の方々が樹木の管理に大変苦慮されていることも考え合わせて、樹木が茂った広いスペースの中の歩道部分を駐車場への進入路として改良されることを要望いたしておきます。  次に、都市計画道路新外秋津線の整備についてでございます。  地域住民にとっての長年の懸案であった佐土原交差点の改良が、平成9年6月の私の一般質問から実に18年を経てことし3月10日に完成いたしました。ここに至るまでの執行部各位の用地買収を初めとした並々ならぬ御努力に心から敬意を表する次第でございます。ありがとうございました。  そもそも、佐土原交差点の改良は、都市計画道路新外秋津線の重要な一角をなすものでございますが、この交差点の完成によって本市東部地域から阿蘇くまもと空港へのアクセスも同時に便利になるなど、予想を超える効果が見られております。  このように、道路や交差点の整備は単に安全と便利さをもたらすだけでなく、住民の生活環境を快適で魅力あるものにし、地域の発展にも大きく寄与することとなるなどさまざまな効果をもたらすことから、私としては今後も果敢に取り組んでいかなければならないと意を強くしているところでございます。
     さて、一昨年10月に一般県道小池竜田線が開通し、交通混雑の緩和が図られたところでありますが、さらに円滑な交通を確保するためには、熊本市道路整備プログラムで中期Bに分類され、実施を検討する路線とされている佐土原交差点から県道戸島熊本線までの新外秋津線の整備が特に重要であると考えております。  このためにも、8億円をかけて完成した佐土原交差点を大きなてことし、新外秋津線の整備計画を進め、交通渋滞の解消に取り組んでいただきたいと考えております。  地元でも来年の道路整備プログラムの見直しに向け整備の要望を出そうとの機運が盛り上がりつつありますが、全線に取り組むのが難しいのであれば、せめて健軍自衛隊東側から熊本県消防学校へ向かう市道榎町佐土原3丁目第1号線までの一部区間についてだけでも早期に着手していただきますよう、住民を挙げて要望するものでございます。  最後になりますが、桜木小周辺の治水対策についてお尋ねいたします。  平成26年第1回定例会でお尋ねした若葉・秋津地区の浸水対策事業については、工事の実施にあってさまざまな御苦労があったと聞き及んでおりますが、鋭意お取り組みいただき、ことしの梅雨前には施設が供用開始されました。  その後、これまでであればあふれていたような大雨が数回発生しましたが、懸案であった水路と県道熊本高森線との交差点部分での浸水被害が一度も発生しておりません。まさに浸水対策の効果の高さを改めて認識したところですが、今回の浸水対策は時間雨量60ミリと想定されており、ことし6月11日の大雨の際は水がぎりぎりのところまで迫っておりました。  地球温暖化が大きくクローズアップされた現在にあっては、想定雨量のかさ上げ、あるいは遊水地面積の拡大などについても今後検討していかなければならないのではと捉えております。  さて、今回お尋ねしたいのは、桜木・花立地区の浸水対策についてです。  この地区は、先ほど御紹介した若葉・秋津地区と同様に平成20年度に策定された本市下水道浸水対策計画において、優先的に整備を推進する重点対策に掲げる6地区の中の一つに位置づけられるほど浸水被害が大きい地区であるとともに、近年、近隣地区の宅地開発によってさらに浸水のリスクが高まりつつある地区でございます。  したがいまして、桜木・花立地区においても早急に浸水対策を実施してほしいと考えていますが、現時点での進捗状況についてお尋ねいたします。また、今現在、熊本県が所有する沼山津広場について、今後の本市への移管について県市の間で協議が行われているということですが、その協議に当たっては地元の利活用を配慮されることをあわせて要望いたしておきます。          〔永山國博都市建設局長 登壇〕 ◎永山國博 都市建設局長  桜木小学校周辺の治水対策についてお答えいたします。  本市では、平成20年度に策定した下水道浸水対策計画において、過去の実績から、特に被害が大きく優先的に整備を行うべき地区として浸水対策重点6地区を選定し、浸水被害の軽減に向けた取り組みを進めております。  このうち、議員お尋ねの桜木・花立地区につきましては、計画策定後も宅地開発が進むなどにより、地域の課題である道路冠水等の都市型水害が発生している状況でございます。  そのようなことから、現在、当該地区につきましては、基本設計を行う中で既存施設である鶯川調整池のより効率的な運用等を含めた効果的な整備案を検討しているところでありまして、案がまとまり次第地元の方々にお示ししたいと考えております。  なお、今後も計画的な浸水対策事業の推進を図り、安全安心なまちづくりの実現に向けてより一層の治水対策に努めてまいります。          〔41番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  今までの治水対策の質問に対しても答弁がいろいろありましたが、なかなか目に見えて進まないところがございます。  しかし今回、桜木小北側の治水対策について、少しずつですが進んでいくような気がいたしました。地域の方は非常に迷惑でございまして、まだまだ住宅地としては非常に人気の高い桜木地域でございますが、まだ浸水があるということも考えると、もっと魅力を出さなければならないというような現状でございます。これが解消すればもっともっと住みやすい地域になるというふうに思います。この計画が見えてきたということで安心するわけではございませんけれども、進展を期待しております。  本日用意しました質問については以上でございます。  大西市長が掲げておられる誰もが憧れる上質な生活都市熊本、実現すれば、住みたい熊本市、住んでよかった熊本市となることと思います。御就任から1年間、忙しい大変な1年であったと思いますが、残りはあと3年でございます。どうかリーダーシップを発揮されて思いを実現されんことを期待いたしております。  御清聴いただきました議員各位、また傍聴いただきました皆様方、インターネットで中継をごらんいただいた皆様にも感謝申し上げます。これで私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○藤岡照代 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午前11時31分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○満永寿博 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ───────────────────────────────── ○満永寿博 議長  一般質問を続行いたします。那須円議員。          〔23番 那須円議員 登壇 拍手〕 ◆那須円 議員  皆さん、こんにちは。日本共産党熊本市議団の那須円です。  国においては現在、アベノミクス第2ステージということで新たな三本の矢が放たれました。では、第1ステージの三本の矢は一体どの方向に飛び、市民の暮らしにどのような影響を与えたのか、こうした総括も同時に必要だと考えています。  昨年2014年は、GDP(国内総生産)が全体でマイナスとなる一方で、大企業の経常利益は過去最高を更新する、こうした戦後初めての現象が起こりました。企業の成長が回り回って国民の所得をふやし、好循環を生み出すとの説明でしたが、残念ながら企業の内部留保や株主配当は上昇する一方で、労働者の賃金上昇は物価上昇に追いつかず、実質賃金は減少しています。雇用はふえたものの正規雇用は減少し、かわりに非正規雇用が拡大しています。加えて、消費税の増税をきっかけに消費の冷え込みは続き、経済に明るい兆しは見えておりません。  こうしたときだからこそ、熊本市が市民の方々の生活実態にしっかりと目を向けて、暮らしや福祉や子育てなど、少しでも安心して生活が送れるよう責任を果たしていく必要性を強く感じているところであり、こうした視点で順次質問を行いたいと思います。  答弁によっては早く終わる質問であり、また答弁によっては時間いっぱいかかる質問ですが、市長を初め執行部の皆さんにおかれましては、生活実態に向き合って、その苦難を解決していく立場から真摯な御答弁をいただくように求めるものです。  初めに、国民健康保険についてお尋ねいたします。  先月11月19日に行われた国保運営協議会に提出された資料、熊本市国民健康保険会計収支推計において、本年度末の累積赤字が約56億3,000万円となる見込みが示され、さらに平成29年度末には約96億2,000万円に達する見込みであることが示されました。  こうした状況に対して、市として単年度収支均衡を最優先し、医療費適正化、収納率向上対策に取り組むとともに、一般会計からの支援について協議すること、さらには保険料率の改定による保険料収入の確保を検討するとの方向が示されました。確かに国保会計の健全化は解決すべき課題であります。  しかし、もう一つ考えていただきたい点は、被保険者である市民の生活実態です。この間、国民の所得は、実質賃金が減少してきたことは先ほど指摘したとおりですが、高齢者の年金も切り下げが続いています。一方で、介護保険料の引き上げなど暮らしにかかる負担は深刻です。  こうした中で、熊本市の保険料は、両親と子供2人の年間所得200万円のモデル世帯において年間38万7,110円。政令市中、昨年度は高い方から3番目でしたが、今年度は不名誉なことに順位を1つ上げて2番目の負担の重さとなっています。また、国保料の負担は他の医療保険と比べて重く、同じ所得だけれども、保険料が2倍近く高くなるケースも少なくありません。市がことし8月に行ったアンケートにおいても、国保料の負担について軽い、やや軽いと答えた方が1.1%に対して、重い、やや重いと答えた方が67.3%に上っている状況です。  こうした実態を受け、国においては本年度、低所得者への保険料軽減のための財源措置が行われたわけでありますが、政令市平均で保険料は5,600円下がっていることに対し、本市は累積赤字解消にその財源措置が補填され、残念ながら保険料軽減に至っていません。しかも、国が取り組んだ保険料軽減の財源は消費税増税分です。ですから、所得200万円以下が8割を占める国保に加入されている世帯にとって、低所得者ほど負担割合の高い消費税で負担がふえ、しかもその納めた分が本来ならば保険料軽減に使われるはずが、その軽減に充てられず赤字補填に消えてしまう、まさに踏んだり蹴ったりの状況で、来年度、市が保険料値上げで追い打ちをかけるようなことがあれば市民生活を根底から壊してしまうものであり、これ以上の保険料引き上げは行うべきではないと考えています。  そもそも、なぜ本年度末にここまで累積赤字がふえてしまったのか。確かに医療給付費の伸びはありますけれども、大きな原因は、2012年、2013年と年間28億円あった赤字補填のための一般会計からの繰入額が2014年には20億円、大西市長が就任した後の2015年では大幅に減少し8億円と、制度上の矛盾を少しでも解消するために行われてきた一般会計からの繰り入れを政令市最低水準まで弱めたことが大きな原因です。  今行うべきことは、収納率向上や医療費適正化の取り組みとともに、一般会計からの繰入額を最低でも2012年ベースに戻し、国保会計の健全化を図ることです。そうすれば、保険料の引き上げを行わなくても単年度の収支均衡が図れるとともに、収支の改善が見込まれます。  そこでお尋ねいたしますが、先ほど紹介した国保加入世帯の実態から見ても、これ以上の保険料値上げは行うべきではないと考えますが、いかがでしょうか。また、一般会計からの繰り入れを抜本的に拡充するべきだと思いますが、いかがでしょうか。健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  国民健康保険について、2点のお尋ねにお答え申し上げます。  まず、保険料の引き上げについてでございますが、本市の国民健康保険会計は健全化計画に取り組みました結果、平成21年度に過去最大82億円ありました累積赤字は、平成25年度末には14億9,000万円まで縮小したところでございます。  しかし、平成26年度は医療費が他の政令指定都市と比較して突出して伸びたことなどにより単年度収支が赤字となり、平成26年度決算では累積赤字が20億4,000万円となりました。  さらに、今年度に入りましても医療費が非常に高い水準で伸び続けており、今後より一層の厳しい財政運営が続くことが予想されるところでございます。  国民健康保険につきましては、被保険者の年齢層が高く、医療費が高くなる一方、低所得の方が多いという構造上の課題があり、所得に対する保険料の負担感は高いものと認識いたしております。  国保制度は医療給付費のおよそ半分を加入者の保険料で賄う仕組みであり、平成28年度の保険料の水準につきましては、医療給付費の動向や被保険者の負担感などを考慮しながら検討してまいります。  次に、一般会計からの繰り入れの拡充についてでございますが、国保会計の収支改善につきましては、まずは医療費適正化や収納率向上対策などの取り組みを進めることが重要と考えており、その上で一般会計からの繰り入れにつきましても検討することといたしております。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  医療費が高くなる一方で低所得者が多いという構造上の問題があるとの認識が示される一方で、保険料の水準をどうするのか、負担感を考慮しながら検討するという答弁でした。今、国はやっと国保料の負担の重さに目を向けて保険料軽減の取り組みを始めました。  こうした中で、熊本市が逆行し、さらなる値上げを行い、さらなる痛みを市民の暮らしに押しつけることは許されません。自治体によって一般会計からの繰り入れ水準はさまざまでありますけれども、現行の赤字補填の8億円の水準は政令指定都市の中でも低い方であり、この水準を続ける限り累積赤字の解消は望めません。市民の命や健康に直接かかわるものだけに、何よりも優先し、一般会計からの繰り入れ増額を行い、国保制度の矛盾が保険料にしわ寄せされないように取り組みを求め、次の質問に移りたいと思います。  おでかけパス券廃止問題についてお尋ねいたします。  9月議会の質疑において、私は就労継続支援事業所B型に通っている利用者の実態なども示し、パス券廃止方針を見直すように求めました。そしてまずは、利用者の声をしっかり把握してほしいと要望いたしました。市長からは、障がいのある方の移動手段の確保については、自己実現、社会参加のために必要、利用者からの意見もしっかり聞いてまいりたいとの答弁がなされたところです。  そこでお尋ねいたしますけれども、9月議会以降、熊本市としておでかけパス券利用者の声をどのようにつかみ、その意見にはどのようなものがあったでしょうか。健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  おでかけパス券廃止方針についてのお尋ねにお答え申し上げます。  まず、おでかけパス券利用者の声についてでございますが、現在おでかけパス券の廃止に当たりましては、本来の制度の趣旨やICカード移行による利用方法につきまして、利用者の混乱をできるだけ少なくするため、ICカード利用説明会を開催しているところでございます。  10月20日に開催いたしました説明会におきましては、市内、市外の266カ所の通所施設などへ呼びかけを行い、50名ほどに御参加いただきました。参加者からは、市外での利用、市内から市外へ乗車した場合の精算方法はどうなるのか、現金で1割負担はできないか、ICカードの残高は見えるのかなどの御意見や御質問が寄せられ、それに対する回答も行ったところでございます。  また、11月16日の自閉症協会との意見交換会の場におきましても、おでかけパス券の廃止及びICカードの利用方法の説明を行い、10月20日の説明会と同様に市外での利用につきましてのお問い合わせをいただきました。  11月26日には障がい者関係団体や施設当事者、保護者などへの説明会を実施し、ICカードへのチャージ方法などの質問がございました。また、おでかけパス券の廃止の撤回を求める意見もございましたので、これまでの経緯を踏まえながら廃止の説明を申し上げ、理解を求めたところでございます。  今後も当事者、保護者、関係団体、障がい者施設などに対しまして説明会を順次開催いたしますとともに、利用者の意見をしっかりと聞いてまいります。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  御答弁いただきましたけれども、参加者の中からはこの廃止方針を撤回してほしいという声も上がったとの紹介がありましたが、理解をいただく、説明は行う、こうした答弁だったというふうに思います。  おでかけパス券は、授産施設への通所や通院など障がい者の社会参加を保障するものであり、欠かすことができないものです。内閣府障害者白書によりますと、就労継続支援A型事業所の利用者の賃金の平均月額は7.2万円となっており、最賃が適用されない就労継続支援B型事業所の利用者の工賃の平均月額は1.3万円となっています。  9月議会で指摘したとおりですが、最賃が適用されないB型事業所は月に受け取る工賃が1万円ほどであり、こうした方も含めておでかけパス券の廃止がもしこのまま強行されたらどうなるのか、利用者からより詳しい聞き取りを行いましたので、ぜひ利用者の率直な意見として聞いていただきたいと思います。  まず、通所施設や通院などに利用している方、特に利用頻度が高い方ほど負担の引き上げの度合いは大きくなることから、通所そのものを抑制する、また通院費を節約するために病院受診の抑制をするなど、障がい者にとって余りに厳しい選択が迫られている実態も聞きました。通所の抑制は、本人の社会参加、生きがい、そして収入を奪うことになり、大西市長が保障されるべきとおっしゃっていた障がい者の自己実現、社会参加の機会を奪うことにつながります。また、施設側にとっても利用減となり、施設の運営に深刻な影響が及び、施設そのものの運営が成り立たなくなることへの懸念の声も寄せられました。さらに、通院抑制が起こってしまえば、障がい者から定期的な受診の機会を奪うことにもなりかねず、疾病によっては投薬治療で症状が安定しますけれども、こうした治療が滞り症状の悪化などが引き起こされる危険も指摘されました。  また、こうした問題以外にも、料金の精算時、もし残高が残っていない場合、障がい者自身でチャージすることが難しい事例もあること、カードの紛失や盗難など、電子マネーの管理に困難が伴うこと、最も安い通院、通所のルートを探すために通所や通院のルートの見直しを行う必要もあるが、理解してもらうことは困難であることなど、さまざまな不安の声が出されました。  こうした声を熊本市としてどのように受けとめますか。これらの問題はカードリーダーにICカードをかざすことで解決できるものではありません。カードをかざすから大丈夫だ、もともとの1割負担に戻っただけだ、こうした機械的な理由でパス券廃止を強行するのではなく、1割負担が障がい者の実態にどのように影響し、出てきた課題をどう改善するのか、具体的な対応が求められているのではないでしょうか。年間2,000円の負担で社会参加の機会を支えているおでかけパス券はなくてはならない制度であり、これをなくさないでほしいという声は生きる糧を奪わないでほしいという切実なものです。  さきの9月議会では、サービスの低下がないよう配慮するように求めた厚生委員会の指摘もあっています。  そこでお尋ねいたしますけれども、おでかけパス券廃止によって障がい者が抱えることになる課題や困難について、市としてどのように対応するつもりなのでしょうか。こうした課題が解決できないままでパス券廃止を強行するべきではありません。パス券廃止方針を撤回するべきではありませんか。  以上、大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  おでかけパス券の廃止方針についてお答えいたします。  前回も御説明申し上げておりますが、障がいのある方の移動手段の確保は、自己実現を図り社会参加を促進するためには非常に重要であると認識しております。  本市といたしましては、公共交通機関やタクシーによる移動促進、またいずれも利用しがたい方へは、本年度制度創設した燃料費助成制度などを実施し、市民の御意見を聞きながら対応してきたところでございます。  おでかけパス券の廃止、ICカードへの移行に当たっては、現在利用されている方々に対して、利用方法が大きく変わることやおでかけ乗車券本来の制度等について、当事者団体や障がい者施設等を通じ説明を行っているところでございます。  ICカードへの一本化については予定どおり進めさせていただきたいと考えておりますが、今後も丁寧な説明に努めてまいるとともに、前回の厚生委員会でも御指摘のあった導入後の実態調査を行う所存でありまして、今後の施策に生かしていきたいと考えております。  障がいのある方の自立を促進するための施策は総合的に実施すべきであり、議員の御指摘のあった障がい者施設の工賃についても、その向上を目的として、商品PRのための商品コンクールや障がい者施設商品のアンテナショップを活用して、商品力向上を目的とした研修会やコンサルティング等の相談を行っているところであり、これからもさまざまな視点から障がいのある方を支援していきたいと、このように考えております。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  今の市長の答弁では、導入後に実態調査を行うということでありましたけれども、こういう調査は本来ならば導入前に行われるべきだと私は思います。市長は就労継続支援事業所などに直接足を運ばれましたでしょうか。利用者から直接声を聞かれたでしょうか。障がい者にとって、また個々の状況によって障がい者の所得や生活実態はさまざまでありますけれども、先ほど指摘したように、パス券廃止によって生きがいとしている仕事場、作業所に通えなくなってしまう、病院に通えなくなる、こうした不安を抱えている人がいることは事実であり、ここを切り捨てるような制度はやるべきではありません。ぜひ目をそらさずに真摯に向かい合い、取り組んでいただきたいと思います。  さくらカードと同様の福祉乗車券などの制度を実施している政令指定都市14市の中で、障がい者にまで受益者負担を求めている都市は熊本市と横浜市の2市のみ。熊本市の負担は、その横浜市と比べても圧倒的に重い状況です。一律の1割負担そのものを見直すべきであることを指摘して、次の質問に移ります。  次に、子育て支援についてお尋ねいたします。  1点目は、認可外保育施設に通っている保護者の保育料の負担軽減についてであります。  現在、子ども・子育て新制度のもとで認定こども園や小規模保育の設置により待機児童の受け皿づくりが進められているところでありますが、それでも本市の乳幼児の施設ごとの受け入れ数を見てみますと、認可外保育施設には2,335人の乳幼児が預けられており、保育所に入りたくても入ることができない待機児童の貴重な受け皿となっています。  御存じのとおり、無認可保育所においては園の運営費を保護者負担で賄う比率が高く、おのずと保育料についても認可園に比べ高い水準となっています。  こうした実態を受けて、熊本市は、認可外に預けている保護者のうち国の定義に基づく待機児童を対象に、認可保育所の保育料との差額の2分の1を助成する制度を2012年度より創設いたしました。保護者にとっては、子育てに係る経済的負担軽減を求める声が大変強く、同制度については多くの親からも喜ばれているところです。  しかし、一方で、認可外保育施設には待機児童だけではなく保留児童も多く在園しています。保留児童については、入園可能な園を紹介されたものの、家から離れており通園手段がない、職場の近くの園を希望しているなど、紹介された園への入園を保留している等、さまざまな理由でやはり園に預けたくても預けることができない状況に置かれ、認可外保育施設を利用されている方も多くいらっしゃいます。しかし、先ほど紹介しました助成制度の対象にはなっていない状況です。  本市には11月1日時点で1,000名を超える保留児童がおり、新制度の基本理念である全ての子供が健やかに成長するよう支援するためには、待機児童だけではなく、保留児童を含め保育を必要とする全ての子供への助成が必要ではないでしょうか。  また、本市においては、認可保育所等に通う多子世帯への支援として、在園児の保育料の第2子半額、第3子無料という国基準に加え、市独自に18歳未満の児童が3人以上いる場合には3歳未満児の在園時を無料とする制度も実施されています。こうした財政的負担の軽減制度について、認可外保育施設に通う世帯に対しても同様の軽減措置が必要だと考えます。  そこでお尋ねいたしますけれども、現行の待機児童支援助成事業を保留児童を含めた認可外保育施設利用者の保育料助成制度に改めるとともに、多子世帯に軽減を行うなど、その拡充も必要だと考えますが、いかがでしょうか。  2点目は、子ども・子育て新制度で新たに法制化された小規模保育についてです。  この制度は、6名以上19名以下の小規模な保育が実施され、規模は小さい上に、園舎ではなく一般住宅を使用する等、開園コストが従来の認可保育園より格段に低いというメリットが言われる一方で、保育士の配置基準が義務づけられているA型のほかに保育士の配置が緩和されたB型・C型の施設が存在します。来年度は新たに35施設633人の受け入れ枠が計画されるなど、多くの乳幼児がこの小規模保育を利用することになるかと思います。  小規模保育B型・C型については保育士の配置が義務づけられておりません。一定の研修を受ければ保育士でなくても保育ができる内容になっていることから、保育の質の低下を招くことが大きな問題だと考えます。  千葉市などは市独自の基準を定め、保育士の配置を義務づけるなどの取り組みも進められています。  そこでお尋ねいたしますが、小規模保育については保育の質を低下させないために、条例によりB型・C型には保育士の配置を義務づけるようにするべきではないでしょうか。
     以上、健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  子育て支援についてのお尋ねにお答え申し上げます。  まず、保育料軽減についてでございますが、議員お尋ねの待機児童支援助成事業は、認可保育所の入所要件を満たした待機児童のうち認可外保育施設の利用料の一部を助成することで保護者の経済的な負担を軽減することを目的とし、平成24年度から開始した事業でございます。  助成に当たりましては、市町村民税所得割額が9万7,000円未満の世帯を対象とし、認可保育所の保育料の階層区分に応じ、認可外保育施設平均利用料と認可保育料基準額の差額の2分の1相当の1人当たり月額4,000円から1万8,500円を上限といたしております。  この制度は、当初、国の定義に基づきます待機児童を対象とし、この解消が図られるまでの期間の実施を想定したものでございますが、御指摘いただきました多くの保留児童がいるという現状を踏まえ、今後は多様な保育サービスへのニーズを踏まえました上で、保留児童を含めた実質的な待機児童の解消に至るまでの助成制度のあり方について検討してまいりたいと考えております。  次に、小規模保育への保育士の配置についてお答え申し上げます。  本年8月に策定いたしました保育環境緊急確保対策の3つの柱の一つとして保育の受け皿確保を掲げ、同月に待機児童の7割以上を占める3歳未満児の保育の受け皿を確保するために地域型保育事業者の募集を行ったところでございます。  今回の事業者募集に当たりましては、保育内容の支援や卒園後の受け入れなどを担う保育所などの連携施設を必置といたしまして、家庭的保育や事業所内保育に加え、小規模保育事業の全ての事業類型を対象といたしましたが、保育の質の確保の観点から、採点基準におきましては保育士の配置の多い事業者に加点処理を行ったところでございます。  その結果、家庭的1事業者、事業所内5事業者、小規模A型39事業者、B型2事業者の合計47事業者から応募があり、外部委員によります施設整備審査会による審議を踏まえ、本年10月に新たに37事業者、600人規模の地域型保育事業者を採択いたしたところでございます。  今回採択された事業者は、結果的に小規模A型32事業者と、事業所内A型2事業者、保育所型3事業者となり、これまでの認可事業者も含め、スタッフ全てが保育士の配置となる事業類型となりましたが、突然死や感染症に罹患しやすい乳幼児を預かる地域型保育事業におけます保育の質の維持向上は重要な課題であるとも認識いたしております。  今後は、連携施設による支援体制や協力関係の確かな構築に加え、事業開始前はもとより、開始後の計画的な研修、さらには定期的な指導監査を通して保育の質の維持向上に取り組みますとともに、保育の担い手である保育士の確保にも努めてまいります。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  認可外保育施設に通う保護者への保育料軽減については、保留児童を含め、実質的な待機児童の解消に向けて助成制度のあり方を検討したいとの答弁でありました。  保留児への対象拡大という方向が一定程度示されたことは大きな前進であると思います。さらに、多子世帯、2人目2分の1、3人目以降無料との認可園に通わせる保護者への助成についても、ぜひ認可外へも拡大していただくように要望するものです。  また、小規模保育などへの保育士の配置義務については、質確保の観点から採点基準において保育士の配置の多い事業所に加点処理を行ったとの答弁が示しているように、市みずからも保育士の配置が保育の質に深く関係することを認識しているわけであります。であるのならば、保育士配置要件を緩和して、ただ設置しやすくなるという量の面ではなく、質を確保するためにも保育士の配置を義務づけるように条例へ規定するべきだと指摘しておきたいと思います。  次に、午前中の藤山議員も取り上げましたけれども、出張所等の再編問題についてお尋ねいたします。  ことし9月に示された区役所・出張所等の体制に関する基本的考え方(案)では、冒頭の総論のところに、将来の少子高齢化、人口減少社会において地域の自主自立のまちづくりを区役所を拠点に行政が支える体制が必要であること、一方、出張所等の窓口サービス機能については、他の政令指定都市に比較し区役所・出張所数が多く、行政運営上の課題となっていることと課題を挙げ、出張所の窓口機能を再編し、まちづくり機能の方向へシフトすることが必要だと述べられております。つまりは、まちづくりを進めていくために人員が必要だから、その人員確保のためにも窓口サービス業務量が減っている出張所等を統廃合したいということだと私は認識いたしました。  そもそも、政令指定都市に移行する前に熊本市は住民サービス、出張所機能についてどのように説明していたのか、2010年5月の臨時議会での提案理由説明において、幸山前市長は、区割りの基本的考え方、区役所の利便性や区役所や出張所の機能などについて次のように述べておられます。  「本市といたしましては、市民の皆様が居住する区にかかわらず、どの区役所でもできるだけサービスが受けられるような窓口サービスの充実や、区役所出張所となる総合支所、市民センターの機能の維持、さらには区バスの導入など、住民サービスの低下を招かないような取り組みを進めてまいりたいと考えております」、このように表明されています。  出張所については、機能を維持するなど住民サービスの低下を招かないようにすると市民に約束されています。その答弁からわずか5年しかたっていない中で、他の政令市と比べ出張所・区役所が多く行政運営上の課題となっているとまで述べ、出張所等の廃止を提案することは、市の説明とも矛盾するものではないでしょうか。  また、今回の出張所再編は、最終的には窓口廃止となる出張所の選別となっているわけですが、再編に伴い廃止される窓口業務は、証明書発行だけにとどまりません。市は、再編方針について、5キロ以下の出張所等を再編の検討対象とするとしていますけれども、その中には、花園、飽田、幸田、北部の4つの総合出張所も対象となっています。総合出張所は、証明書発行業務だけでなく、認知症高齢者や高齢者虐待に関する相談、生活保護の申請や相談、妊婦健康相談など市民の身近な相談業務も行っています。窓口業務の8割が証明書発行サービスであり、将来的にはマイナンバーカードの普及に伴い、コンビニがない地域では郵便局での交付も可能となることなど、市民サービスの低下を防ぐ取り組みとして市は挙げられていますけれども、さきに指摘しました相談業務はマイナンバーカードがあったからといってできるものではありませんし、もちろんコンビニや郵便局で対応できるものではありません。身近な相談窓口があってこそできるものであり、この相談窓口をなくすことは明らかに市民サービスの低下となるのではないでしょうか。  また、出張所や総合出張所がなくなることで誰が最も影響を受けるのか、市が行った熊本市区役所等施設利用に関するアンケート調査によりますと、証明書発行サービスについても、個人番号カードを利用したコンビニでの利用について、高齢者ほど利用しようとは思わないと回答されています。住民説明会においても、車の免許を返上し、交通弱者である高齢者が最も影響を受けるとの指摘があったように、移動手段が限られる高齢者にとって、地域から出張所をなくすことは明らかな住民サービスの低下となるのではないでしょうか。  さらに、方針案の住民への情報提供、説明についてでありますが、現在、自治会長さん等への説明会が開催されております。しかし、再編対象地域の説明会において出席率が50%を切る説明会もあるなど、住民への十分な説明を果たしているとは言えない状況です。  また、身近な出張所がなくなるか、残るかという極めて重大な問題であるだけに、自治会長向けの説明会だけではなく、校区ごとの住民説明会を開催するべきではないでしょうか。  以上、政令指定都市に向けたこれまでの市の説明との整合性、相談業務がなくなることでの住民サービスの低下、大きく影響を受ける高齢者のサービス利用について住民説明会が不十分であることなどについての認識とともに、政令指定都市移行時に市民に約束した市民サービスを低下させないという言葉に責任を持つのならば、出張所再編は白紙に戻すべきだと考えますが、いかがでしょうか。市民局長にお尋ねいたします。          〔永目工嗣市民局長 登壇〕 ◎永目工嗣 市民局長  出張所等の再編方針についてお答え申し上げます。  急速な少子高齢化や近年のライフスタイルの変化などにより、地域における人と人とのつながりが希薄化しつつあります。このままでは、これまで地域が担ってきた防犯、防災などの地域コミュニティ機能の低下が懸念されることから、地域のまちづくり支援機能の強化が求められております。  一方で、区役所設置後4年目を迎えまして、出張所等の窓口サービス件数は年々減少傾向にございまして、特に区役所に近い出張所等におきまして顕著にその傾向があらわれてきております。  さらに、ことしから導入されるマイナンバー制度という大きな社会システムの変化に伴いまして、来年3月開始予定の証明書のコンビニ交付サービスや、平成29年7月から各種手続における情報連携が始まりますことで、平成31年度には窓口業務の8割を占める証明書発行件数はおおむね半減すると試算しております。  このようなことを踏まえまして、ことし3月に策定した区役所等のあり方に関する基本方針に基づき、区役所・出張所等の体制について基本的な考え方をお示ししたところでございます。10月から11月上旬にかけまして各区で開催しましたドンドン語ろうの中で大西市長が直接説明を行い、あわせて市民局におきましても自治会長等を対象に地域説明会を行ったところでございますが、その際にも総合出張所で行っている福祉関係の相談業務や移動手段が限られる高齢者等への対応などについて不安の声をいただいておりまして、本市としましても丁寧に対処すべき課題であると認識しております。  来年1月には地域住民を対象とした説明会を公民館単位で開催する予定でございまして、住民の皆様方の御意見をしっかり伺いながら、高齢者福祉等のサービスについても十分な提供ができますよう具体的な対応策を検討してまいります。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  今御答弁いただきましたけれども、政令指定都市になる前に、区役所の場所がここになる、ここになるということを前提に、熊本市は出張所の機能は維持するとはっきりと説明されました。証明書発行件数が減っているという答弁がありましたけれども、ならば体制を縮小するなど、業務量に見合った人員配置を行えば済む話であって、いきなり廃止するということは住民サービスの低下を招くことにつながってしまいます。  証明書発行についても、コンビニでの発行サービスについて、高齢者の3割は利用しようとは思わないと回答しているわけでありまして、そのうちの6割の方がマイナンバーカードについて個人情報のセキュリティに不安と、このカードそのものを持つかどうかもわからないという状況です。  こうした中で、移動手段の限られた高齢者から身近な窓口業務サービスを奪うことは許されないものだと思います。さらに、相談業務を含めて対応策は検討中とのことですが、生活保護の相談や申請などは行政にしかできない対応であり、具体的にこれらをどうするのか対応が示されておりません。こうした課題があるままで出張所等の廃止は行うべきではなく、機能を維持し、住民サービスの低下を招かないように強く求めておきたいと思います。  次に、桜町再開発について、さらにはMICE施設整備についてお尋ねいたします。  桜町再開発計画については、都市再開発法に基づく施行認可を経て、ことし7月に権利変換計画の認定がおりています。  こうした法律に基づく手続が進められている一方で、商業施設、ホテル、マンション、バンケットなど、保留床取得者または運営主体がどこになり事業が進められていくのか、事業フレームが確定せずに具体的な進捗が市民にも議会にもわからない状況が続いています。  ことし10月7日付の毎日新聞では、ホテルとマンションの運営事業者の決定が予定より1年以上おくれていることが報じられ、その中で2014年3月に、ホテル、マンション、いずれも優先候補者が決定したものの、ホテルに関しては現在も協議が継続中、正式合意には至っていないこと、またマンションについては今春破談となって、公募に応じた12社から選んだ候補者と協議を続けていると報じられました。  再開発事業は、保留床の処分をもって事業費が確保されるものでありますので、事業フレームの確定というものは非常に重要であります。  そこでお尋ねいたしますけれども、優先候補者との協議がなぜここまで長引いているのか、金額の面での折り合いなのか、採算や経営面で難色を示されたのか。民民の協議でありますけれども、にぎわいの拠点整備として約120億円という多額の補助金、税金を投じることになる事業だけに、こうした事業の進捗に関する情報については絶えず再開発株式会社からの提供を求め、議会と住民に対しても明らかにすべきではないでしょうか。新聞で報じられたマンションとホテルの運営事業者の決定がおくれているとの情報について、その理由等も含め市として把握していることを明らかにしてください。都市建設局長にお尋ねいたします。          〔永山國博都市建設局長 登壇〕 ◎永山國博 都市建設局長  桜町再開発事業に関し、マンションやホテルの床取得者や運営事業者についてのお尋ねにお答えいたします。  桜町再開発会社は、再開発事業における事業フレームを固めるために、平成25年12月に住宅やホテルについて保留床取得者や運営事業者の公募を行われ、ホテルについてはリゾートトラスト株式会社を運営事業者の優先交渉権者として選定、覚書を締結されており、今後実施設計などを進め、詳細が確定した段階で建物賃貸借契約が締結されるとお聞きしております。  また、住宅につきましても、保留床取得の優先候補者となる住宅ディベロッパーを選定されたものの、建設資材の高騰などで建築工事費が想定を大幅に上回る見込みとなり、譲渡条件が折り合わず、優先候補者が事業参画を断念されたものであります。  その後、再開発会社により実施されたその他の住宅ディベロッパーへのヒアリングにより、事業計画に見合う価格で保留床処分の見込みがあることが確認されたことから、権利変換計画の認可を経て、保留床の売買ができる現段階においてその公募を実施されているところでございます。  なお、議会や市民の方々への情報提供につきましては、事業の進捗に合わせ適宜行ってまいりたいと考えております。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  議会や住民への情報提供については適宜行ってまいりたいとのことでございました。破綻した花畑再開発事業については、保留床の取得者がとうとう決まらずに断念せざるを得ないという結果になりました。見通しのない花畑再開発計画に2億円の税金を投入して無駄にした失政を繰り返すことは許されないと思います。進捗状況も含め情報提供の徹底をお願いしたいと思います。  次に、MICE施設分の保留床取得についてお尋ねいたします。  9月議会において上野議員の質疑で、MICE施設の保留床取得費用、土地の取得費用については民間に比べて余りにも高額となっていることが指摘されました。  改めて御紹介しますと、建物の床分でありますが、市が取得する床は1平方メートル当たり99万4,190円、一方、民間が取得する床は1平方メートル当たり32万4,588円、市の単位面積当たりの負担は民間の3倍に上ります。また土地分は、市の取得する土地は1平方メートル当たり76万2,712円、これは再開発区域を取り巻く道路の中で最も路線価の高い道路に隣接する土地でさえ、実勢価格で52万8,571円でありますので、なぜか路線価の低い南西に位置するMICEの土地取得単価が最も路線価の高い地点の土地の単価の1.5倍の値段として取得することになっています。  熊本市が取得しようとしているMICEの保留床取得金額は、果たして妥当と言えるのか。残念ながら、9月議会の市長の答弁は、不動産鑑定士なども入り適切にやっているとの答弁にとどまり、妥当性を判断する具体的な積算根拠は示されませんでした。積算根拠を示さずに妥当であるとの結論だけを述べるのは余りにも無責任でありますし、市民の税金であるだけに、その部分を曖昧にしたまま事業を見守れというのでは、議会としての責任は果たせないものと思います。  そこでお尋ねいたしますけれども、なぜ市の取得分は床も土地も民間に比べ高くなるのでしょうか。その積算根拠とともに、その理由を議会に早急に示す必要があると考えますが、いかがでしょうか。大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  桜町再開発の保留床取得費についてお答えいたします。  (仮称)熊本城ホールの価格は、ホール特有の設備機器や内装工事等が反映される建物関係費と土地の取得費に補償費などを加えた総額を、用途、位置、階層、天井高などを考慮し算出された土地関係費により算出されることから、単純に民間施設などと床面積割合で比較することはできません。  この熊本城ホールの価格については、不動産鑑定士による調査や専門家による検証により適切な額と判断されていることは、これまでも答弁してきたとおりでございます。  今後、来年度予定しております保留床の取得契約の前には、工事費積算の専門家による精査を行う等、その妥当性を確認し、議会や市民の皆様方に適宜お示ししていきたいと考えております。  本市といたしましては、この熊本城ホールが観光客でにぎわう熊本城に隣接した中心市街地の一角という場所において、再開発という事業手法により、公共交通のかなめであるバスターミナルや魅力ある商業施設やホテルと一体的に整備されることは、多様な魅力や付加価値が創出され、他都市に比べ大変優位性を持ち、交流人口の増加にもつながると考えているところでございます。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  今の市長答弁では、単純に民間施設などと面積割合で比較することはできないという旨の答弁がありました。だからこそ積算根拠を示してほしいと質問したわけでありますけれども、今の答弁では、来年度予定している取得契約の前には、議会や市民の皆様方に示していくということでありました。言いかえれば、来年度でないと積算根拠は示されないということであります。  再度、この点については非常に大事な点だと思いますので、市長にお尋ねいたしますけれども、実施設計後、金額が示されて、市として検証を経るわけですから、議会に積算根拠が示されるのは早くても夏、ともすれば秋ぐらいになるかと思います。そういう中で、NPO法人区画整理・再開発対策全国連絡会議事務局長であります遠藤哲人氏は著書の中で、これまで各地で公益施設の床に高い値段がつけられ、その分、他の保留床や権利床を安くするなどの価格操作がなされた事例が露見している、ビル床の値段については価格設定がやや複雑なことがあり、ごまかしの余地があると、全国の事例を複数挙げて指摘されております。  3カ月後の第1回定例市議会にはMICE施設への本格的な投資となる当初予算が提案され、議会にもそれが諮られることになります。  そこで1点目、お尋ねしますけれども、妥当な金額であるのか、こうした根拠が示されない前段階で予算の議決や審議を一体どうやれというのでしょうか。こうした妥当性も判断できない状況で予算を提案するおつもりなんでしょうか。  2点目は、せめて現時点での資金計画で示された数字があるわけですから、この数字に基づいてどういう積算で保留床取得金額がはじかれたのか示すべきではないでしょうか。再度、大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  土地関係費も含め、この保留床の取得費について、それが妥当であるかどうかということでございますけれども、先ほども答弁いたしましたとおり、位置や階層、用途、床面積に応じた負担割合ということを設定し、算定しているところでございます。  また、この建物関係費についても、用途ごとの工事費等に応じた負担割合を設定し、算定し、先ほども述べましたとおり、専門家による検証で適切な額と判断されているということでございますので、そういったことをもってこれまで適切だというふうに判断しているということでございます。  なお、先ほども申し上げましたとおり、現在、この具体的な詳細の設計、それから業者の選定、こういったものが具体的に進んでくるわけでございますので、当然のことながら来年度予定しております保留床の取得契約の前には、そうした民間の方に、例えば著しく安くして、その分を公的なスペースに負担が多く乗せられているというようなことがないように、きちんと工事費の積算の専門家による精査を行うということで妥当性を確認してまいりたい、そのように考えております。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  市としては、金額の妥当性をしっかりと専門家も入れながら判断するというふうにおっしゃいましたけれども、予算、議案の認定を行うかどうかの議会に対しては、そうした積算根拠が示されないままでの判断を私たちは迫られてしまいます。こうした根拠すら議会に示されないままで議決を行わなくてはいけないという点は、民間主体の再開発事業の最も矛盾した点だというふうに思いますし、市としては積極的に情報提供を民間事業者にも求めていくとともに、判断する積算根拠を、現時点の数字をもとにした積算でも構いませんので、ぜひとも第1回定例議会の前にでも、議会に示していただきたいというふうに強く求めておきたいと思います。  次に、中心市街地の活性化についてお尋ねいたします。  2期熊本市中心市街地活性化基本計画における基本方針の考え方の項目では、まず通町、桜町の2つの商業機能等の核と、これを結ぶ上通、下通、新市街のアーケード街の機能改善によりさらなるにぎわいをつくるものとされ、これまでどおり、御存じのとおりの2核3モールを機軸に人の流れをつくって市街地のにぎわいづくり、活性化の取り組みを進めていくことが明記されています。  これまでの2核、通町筋と桜町の県民百貨店、それぞれの特質を生かしながら住民ニーズのすみ分けが行われて、相互の行き来により3モールがしっかりと結ばれるというバランスが保たれていたように思います。  しかし、基本計画策定当初には想定していなかったJR九州による熊本駅周辺における約7ヘクタールの敷地に複合商業施設やホテル、オフィスなどが入る駅ビルやマンションなどの計画が明らかになりました。商業部分の面積は、大分や鹿児島を上回る3万数千平方メートル規模が予想されております。2核に加えて新たにもう一つの核が加わることで、中心市街地での人の流れが大きく変わる可能性があるのではないかと考えます。  資料請求を行いましたが、現時点で中心街を訪れる利用者がどの地域から、どの自治体から、どれほど来られているのか、詳細な分析はしていないということでしたが、仮に熊本駅ビルが建設されれば、西区、南区、そして熊本駅より南側の国道3号線沿線の自治体、そしてJR沿線の自治体からの買い物客の流れが駅ビルでとまり、中心市街地から足が遠のく可能性は否定できません。また、東区、北区、その周辺の自治体においても光の森やクレア等の郊外大型店の影響とともに、市街地に来たとしても通町筋や下通、上通周辺で買い物を完結してしまう、そして中心市街地のにぎわいは分散されてしまう、さらには双方に挟まれた桜町の空洞化が進んでにぎわいが損なわれる可能性もあるのではないかと考えます。  先ほど述べたように、そもそも2期中心市街地活性化基本計画には、JRによる駅ビルの計画は考慮されておらず、熊本駅は外から中心街に来る玄関口という位置づけとなっています。  こうした状況のもとで、桜町再開発による商業施設、JRによる駅ビルがそれぞれ計画され、どのような特色があって、どのような市民ニーズの受け皿になり得るのか、現時点ではほとんど情報はありません。  そこでお尋ねいたしますけれども、どのような課題が挙げられて解決していくのか、中心市街地の空洞化を防ぐために、にぎわいの分散を防ぐために具体的な方向性が示されているのならばお示しください。  また、JR駅ビル計画が明らかになった現状にあわせて、中心市街地活性化基本計画を見直す必要があるのではないかと考えています。それぞれ3つの拠点の回遊性を高める手段はあるのか。そもそもこの拠点にそれぞれ巨大な商業施設が計画されていますけれども、郊外大型店の影響もある中で、3つの拠点ににぎわいを生み出す消費や購買力のポテンシャルが熊本都市圏にあるのか。求められる規模や役割等々をしっかり検証して基本計画を練り直す必要があるかと考えますが、いかがでしょうか。大西市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  桜町再開発事業とJR九州における開発についてのお尋ねでございますが、私は、中心市街地においてこのようなビッグプロジェクトが2つ進められているということについて、マニフェストの中で、JRによる再開発を考えると、このまま何もしなければ中心市街地のさらなる空洞化は避けられず、駅とあわせて桜町を再開発し、駅と有機的に結びつけ、交通ターミナル機能のリニューアルによってまちの中心に人を呼び込む必要があると記載したところでございます。  本市の中心商店街は、郊外の大型店の影響はあるものの、他都市に比べればにぎわいを保っておりまして、3年後には公共交通のかなめであるバスターミナルのリニューアルや、交流拠点としての(仮称)熊本城ホールの整備が行われる桜町地区の再開発事業やシンボルプロムナードの整備など、上質な都市空間の中に都市機能が充実することで多様な魅力が創出されることとなります。  一方で、熊本駅周辺においては新幹線開業後の熊本駅の乗降客数の大幅な増加が見られ、将来のJRの開発によりさらに熊本域内への観光客等の取り込みができるものと考えられます。  このようなことを踏まえれば、2つのビッグプロジェクトによる相乗効果を高め、交流人口を拡大させていくことこそが将来のまちづくりを発展させていくものであり、これを期待する多くの市民の声も聞かれるところでございます。  このためには、市電の利活用を初め、ノンストップで町なかに通じるバス路線等により熊本駅周辺地域と中心商店街の動線を確保し、双方の回遊性を向上させ、人が流れる仕組みが重要と考えております。  これらによりまして、本市が誇る中心市街地の将来にわたる活性化ばかりでなく、本市域あるいは県全体の魅力や機能の向上に資するものとなることを期待しているところでございます。  また、中心市街地活性化基本計画の見直しについては、これらを踏まえまして今後検討してまいりたいと考えております。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  桜町の再開発とJRの開発によって交流人口を増加させ、まちづくりを発展させていくという展望が市長から答弁されました。確かに双方で民間による大型商業施設の整備が進んでおります。しかし、いかに均衡ある、その都市の規模に合ったまちづくりを進めていくのか、市として方向を見定める必要があると考えています。  というのも、かつて郊外への大型店の無秩序な出店によって各地の商店街が疲弊し、国、行政としてはその後に面積基準など規制強化を図り、遅きに失した感はありますけれども、行政が一定の役割を果たしました。  先ほど、中心市街地活性化基本計画の見直しについて検討していきたいと答弁されましたけれども、にぎわいが分散されて、特に桜町の空洞化が起こらないように現状の課題分析なども行いながら、中心市街地の整備についてどうあるべきか、市として適切にかかわり、検討を重ねていただきますようお願い申し上げます。  次に、現在策定中の公共施設等総合管理計画とMICE施設整備との整合性についてお尋ねいたします。  現在、熊本市は、市が保有している公共施設、さらにはインフラ等の現況課題を整理し、これから更新期を迎えるこれらの施設の更新経費の算定、さらにはどう対応していくのかとの公共施設等総合管理計画を来年度に策定予定です。  先日、公共施設マネジメント特別委員会において千葉市を訪れ、千葉市の公共施設等総合管理計画について調査を行いました。千葉市では、今後30年間の公共施設等の更新経費を1兆5,710億円と見込んでおられました。大変莫大な金額です。当然、今後の財政状況からしても、更新費用の全額を捻出することは困難であり、施設の統廃合、複合化、そして民間への売却や委託など、更新経費の支出を抑えるために現在ある公共施設の面積を15%削減するとの方針を立てておられます。学校や公民館、スポーツ施設等々、住民にとって必要な施設も利用者が少ないなどを理由に廃止が迫られることが想定されます。そして、施設の必要性よりもまずは更新費用の捻出や財政の維持が優先されている印象を受けました。  こうした課題は、財政の規模の違いはあれども、熊本市に迫られてくる課題であります。千葉市の場合は、住民に対して身近な施設の廃止や縮小を求めていくわけですから、当然行政としても施設の新規整備、新設など、量的拡大については原則行わないという方針を大前提として掲げておられます。  そこでお尋ねいたします。
     現在、施設白書の策定が進められていますが、現段階で本市において更新経費が幾らかかるのか、概算で構いませんので数字を教えてください。  そして今後、公共施設の更新費用をどう捻出し、またどれだけの総費用を削減しなければならないのか、また公共施設の総面積も相当数削減しなければならない等の方針が策定される一方で、323億円のMICE施設整備を進めることはどう考えても市の政策として整合性に欠けると言わなければなりません。  年間の維持管理費も大規模改修積み立てを合わせ8.6億円と莫大です。大規模なコンベンション誘致のための体制強化についてもかなりの費用がかかることが予想されます。MICEそのものの必要性の是非についての意見は分かれるところでありますけれども、今後市が抱える公共施設の維持・更新という課題を考えるのならば、コンベンション誘致は現存施設の利用範囲の規模にターゲットを絞って、大型集客施設であるMICE施設整備は、勇気の要る決断でありますけれども、現段階からでも私はやめるべきだと考えますが、いかがでしょうか。  更新経費については財政局長に、MICEの施設整備方針については大西市長にお尋ねいたします。          〔木下修一財政局長 登壇〕 ◎木下修一 財政局長  公共施設の更新費用の見通しについてお答えいたします。  現在、公共施設の更新費用の推計作業を行っておりますが、一定の前提条件のもとでは、これまでの投資水準を大幅に上回る費用が必要になることが見込まれております。その見通しにつきましては、推計の前提条件や課題解決に向けた考え方を含め、次回の公共施設マネジメント調査特別委員会においてお示ししたいと考えております。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  公共施設等総合管理計画との整合性に関するお尋ねのうち、(仮称)熊本城ホール整備事業と公共施設の更新費用との整合性についてお答えいたします。  熊本城ホールの整備は、学会、総会、大会、コンサート、イベント、展示会などのMICE開催の受け皿を整備することで交流人口の増大を図ることを最大の目的としておりまして、これは人口減少社会を迎える中、本市が将来にわたり都市の活力を維持していくため必要不可欠な事業と考えております。  その事業概要については、床面積を見直すなど事業費の抑制に取り組むとともに、市財政へ与える影響、費用対効果等についても精査、再検討の上、本年3月に市議会へ御報告したところでございます。          〔議長退席、副議長着席〕  一方、公共施設等総合管理計画は、老朽化する公共施設の維持・更新という課題への対応に向け策定するものであり、公共施設の延床面積の削減や耐用年数の延長といった視点で財政の持続可能性を確保できる水準を見きわめ、目標値を定めることとしております。  今後は、事業効果等を慎重に検討した上で、必要な施設整備は行いながらも、この計画で設定する目標達成に向けた取り組みを着実に進めることで公共施設の老朽化にも対応してまいりたいと、このように考えております。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  MICEは必要な事業だから進める、一方で、公共施設等総合管理計画は、老朽化する公共施設の維持・更新への対応に向けて策定するものと、なかなか関連性がわかりにくいような答弁でしたけれども、これは別々の問題ではないから整合性の問題を聞いたわけであります。  同規模の都市では、先ほど具体的な数字は示されませんでしたけれども、維持・更新には兆の単位の費用がかかっています。だから、公共施設の面積をいかに減らすのか、廃止、売却、統合、複合化など苦渋の決断を住民に迫る計画を立てているわけであります。  今後、人口が減少し、税収も減っていく。しかし、公共施設の更新は年々行っていかなければならない、将来にわたって向き合わなければならない課題です。住民に対して施設の削減を迫り、既存施設に幾つかの施設が複合化されていく。今ある建物をいかに有効に使っていくのか、時代はこういう方向に向かっているのに、なぜ今市が大規模なコンサートホールや国際会議場を一方で進めるのか。MICEによる税収増は、市の試算でも年間8,000万円程度であります。MICEもいずれ老朽化し、更新時期を迎えるでしょう。現状の財政規模と近日示されるであろう今後の更新経費に要する費用を考えれば、この時期に新規に大規模施設を整備することについて、私は市民の理解を得られるとは思っていません。  繰り返しになりますけれども、整備の見直し、そして廃止を現時点からでも行うべきであると指摘したいと思います。  次に、立野ダム問題についてお尋ねいたします。熊本市にも密接にかかわってくる問題であります。通告の順番は、次は花畑町の取り壊しの問題でありますけれども、順番を入れかえて質問したいというふうに思います。  立野ダム建設は、国の事業として、阿蘇・立野峡谷に建設が進められており白川の治水が目的とされていますけれども、高さ90メートル、県庁の1.5倍の巨大な構造物で、ダム下段には5メートル四方の穴が3つあけられて、洪水時大量に流れ込んだ水がじょうろの原理で洪水調整を行うというものです。  これまでも本会議において立野ダムの問題についてお尋ねしてきました。穴詰まりなどによって洪水調整機能が発揮されず、ダムに依存した治水対策はかえって住民の生命や安全を脅かすこと、そして、試験湛水によって貴重な自然が壊されてしまうこと、ダムに依存した治水ではなく河川整備による治水を進めることなどを指摘してまいりました。  ことし9月の鬼怒川で発生した堤防の決壊による大きな水害は、極度にダムに依存した治水対策の危険性を改めて示したものであったと思います。  9月11日付中日新聞では、京都大学名誉教授の今本博健氏が、これまでの河川行政はダムによる治水を優先し、堤防の強化を後回しにしてきたと指摘しているように、10分の1の洪水、つまり10年に1度レベルの洪水にも耐え得ることができないほど、高さ、幅ともに堤防の強度が不足していたこと、改修計画はあったが上流のダム建設を優先し河川改修を怠ってきた河川行政の重大な責任が指摘されています。  こうした問題は、3年前の九州北部豪雨災害においても同様のことが言えます。豪雨災害直後の9月議会で指摘したように、九州北部豪雨災害で被災した地域はいずれも河川整備計画により築堤や堤防のかさ上げ、橋梁の建てかえなど、河川改修は計画されていたにもかかわらず改修は行われていない地点において、堤防からの溢水等によって多大な被害が発生いたしました。  現在、激甚災害特別事業で河川改修は急速に進んでいますが、これまで立野ダム建設に使われてきた400億円の費用を今行っている河川改修に優先的に回していれば、多くの箇所で水害を防ぐことができました。  また、さきに紹介した鬼怒川水害の特徴は、河川の上流には4つのダムが既に建設されており、立野ダム13個分に当たる治水容量を確保していたにもかかわらず堤防決壊は防ぐことができなかったことであります。  もちろん、河川の治水対策は河川改修や洪水調整機能を果たす遊水地、ダムなどさまざまな手法があり、それらを組み合わせて行います。  本市の白川においても現在改修工事が急ピッチで進められていますが、九州北部豪雨災害から今日までの3年間の河川改修によりどのような治水効果が出てきたのか、こうしたデータも示しながら、ダム優先、ダム依存の治水対策の考え方を根底から変えて、ダムによらない治水対策へかじを切っていく必要について質問を行いたいと思っています。  私はこの間、国土交通省自身が開示した資料、そして情報、また直接国交省の九州地方整備局とのやりとりを行ってまいりました。こうしたことを通じて、ますます立野ダム建設は住民の安全にとっても、そして熊本市にとってもさまざまな問題があることを再認識しているところであり、大西市長に一つ一つお尋ねしてまいりたいと思います。  まずは、治水の問題は後ほど質問いたしますけれども、最初に立野ダム建設によって熊本市の観光や経済にどのような影響が与えられるのかお尋ねしてまいりたいと思います。  御存じのように、外輪山を含めて1,000平方キロメートルにわたり、阿蘇地域一帯は昨年9月に世界ジオパークに認定されました。この世界ジオパークは、地質遺産を保全し、教育に生かして地域経済の持続的発展に寄与する活動が求められております。  こうした中で、ダム建設予定地の立野峡谷も33カ所あるジオサイトの一つに選ばれて、ジオツーリズム(地学見学旅行)などがなされているスポットであります。  立野峡谷は、都市整備委員会においても現地視察が行われたと聞いておりますけれども、ごらんになった方もいらっしゃるかと思いますが、溶岩が急激に冷やされて柱状にひびが入り、幾つもの柱が連なって地層を形成している柱状節理が大変美しい阿蘇の自然と歴史を地学的に体現している地点です。また、北向山原生林は貴重な自然として国立公園特別保護地区に指定されております。  さて、この世界ジオパークには認定基準が設けられておりまして、4年に1度、その基準に沿った審査が行われます。認定基準の中の一つに保護と保存との項目があり、国とジオパークにかかわる当局は、地域の伝統と法規制に基づき地質遺産を保護することがうたわれております。地質遺産を保護することを一つの認定基準としているわけであります。  しかし、立野ダム建設によってこの地域はどのように変わるのか。ダム予定地では脆弱な地盤強化のために柱状節理に大量のコンクリートミルクが流し込まれます。また、建設工事を行うために川の流れを人口的に変えるために地層に穴があけられるなど、ダム建設により地層が破壊されてしまいます。  さらに、ダムの試験湛水により長期に貴重な北向山の自然林を水没させてしまうこと、ダム建設が地層の破壊や自然破壊を行う、こうした行為そのものによって、4年に1度実施される審査によって世界ジオパーク認定が取り消される可能性が極めて高いことを率直に指摘したいと思います。  取り消しになれば、阿蘇は大きなイメージダウンとなって、観光にも甚大な影響が及ぶことになるのは明らかです。熊本県の統計によれば、県内の宿泊客の6割が熊本市と阿蘇であり、空港やJR、高速のインターなどの玄関口、そして熊本城などがある熊本市と、そして阿蘇が密接に結びついて県内の観光産業を支えています。八代港や熊本港に寄港しているクルーズ船からも、熊本市を経由して阿蘇への観光に訪れる人が多数いらっしゃることも事実であります。当然、阿蘇の自然や世界ジオパーク認定取り消しが両地域の観光に大きな打撃を与えることは言うまでもありません。また、熊本市にとっても交流人口の増加、そしてコンベンション誘致の重要なポイントとなるアフターコンベンションの魅力発信など、本市が進める多様な取り組みや経済にも重大な影響を及ぼすものと考えています。  そこで大西市長にお尋ねしますけれども、立野ダム建設によってこの世界ジオパークの認定取り消しは絶対にないと断言できるのでしょうか。その認識と根拠についてお答えをお願いしたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  阿蘇ジオパークは、カルデラ及び周辺地域を含む広大な地域が含まれ、さまざまな火山地形、地質を中心とする多くの観光スポットやジオサイトが存在し、昨年9月に国内で7カ所目の世界ジオパークに認定されたことは私としても大変喜ばしいことであると考えております。  なお、議員御質問の立野ダムが阿蘇ジオパークの認定取り消しの要因になるか否かという点につきましては、世界ジオパークネットワークが再認定等の審査、決定をするという立場でありますので、私の方から言及できる立場にはないということでございます。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  今の答弁では、立野ダムがジオパーク認定の取り消しの要因となるかどうかは、ジオパークネットワークが審査、決定することから言及できる立場ではないというふうな答弁でした。  この問題は、本市の観光や交流人口増加政策にもかかわるもので、他人ごとのような答弁であってはならないというふうに思っています。だからこそ、正面から御答弁願いたいと思います。  もう一度お尋ねしますけれども、ジオパークは地質の遺産です。その地質に直接影響を与える立野ダムが審査の要因になることは容易に判断ができます。つまり、4年に1度の審査に立野ダム建設が重要にかかわってくるということは容易に判断ができます。  質問は、認定取り消しが絶対にないと断言できるのかどうかということを聞いたのでありまして、もし認定が取り消されることはないと断言できる判断材料がなければ、断言できないとはっきりお答えいただきたいというふうに思いますけれども、もう一度市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  繰り返しになりますけれども、阿蘇ジオパークの認定取り消しの要因になるか否かということについては、世界ジオパークネットワークが再認定の審査、決定をするということでございますので、私の方から言及できる立場ではないということを申し上げておきます。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  同じような答弁をいただきましたけれども、認定が取り消されるかどうか、市長にその判断を聞いたわけではなくて、認定取り消しの可能性はやはり否定できないものであるという認識をお尋ねいたしました。何度聞いてもそれについての御答弁はありませんでしたが、本市の観光や経済にも影響を与える問題として、市として直接確認するなど、しっかりとした対応をとっていただきたいというふうに思っております。  では、次に立野ダムによる治水について質問を行います。  私は3年前の9月議会において、ダム下段にある3つの穴について、流木などが詰まる危険性を指摘いたしました。当然、穴が詰まればダムは1時間ほどで満水となり、流れ込んだ洪水がそのまま下流に押し寄せ、ダムの洪水調整機能を前提にした河川整備ではさらに水害の被害を拡大してしまうことになってしまいます。また、一度詰まってしまえば、穴の長さは全長80メートルあるわけですから、穴詰まりの解消工事は極めて困難であり、満水状態が長く続けば、ダム上流の貴重な自然が水没して植物や生命が死滅してしまうことは明らかです。完全に詰まっていない場合も、ダム底に堆積した土砂を含んだ濁った流れが長期に続き、白川中流域の農業や河口の有明海漁業に深刻な影響を与えることが懸念されます。  国交省は、穴詰まりの防止に、穴の入り口にスクリーン、つまりは網をかけるので流木は穴に流れ込まないと説明していますが、むしろ網の目の細かいこのスクリーンに流木や枝葉が張りついて、穴詰まりの危険性を一層深刻にしているのではないかとの指摘もなされているところです。  この問題について、熊本市はこれまで国が対策を講じているから大丈夫であるとの認識を示してきましたが、果たしてそれを裏づける確たる根拠はあるのでしょうか。  私はことし8月、九州地方整備局に直接足を運び、ダムの穴詰まりの危険性を指摘するとともに、その対策やどのような検証を行っているのか、直接懇談を行ってまいりました。そこで担当者が穴詰まりはないとの根拠として示したものが、60分の1の模型を使った水理模型実験でありました。  しかし、その実験の中で、流木として見立てて使ったものが原木の比重よりもはるかに軽く、枝や根っこなどのついていない、国交省の文書からそのまま引用しますと、爪ようじを切断したものを流木に見立てて検証を行っていたことを聞いたときに、余りにも科学性を欠いたその根拠に大きな不安と、こんな検証に住民の生命を預けることはできないと改めて感じたところです。国交省が流木と見立てた模型の比重は、水を1とすれば0.73の重さです。対して、実際の流木の比重は、水を1とすれば0.9から1、つまりほぼ水と同じ重さの流木が枝葉や根っこなど複雑な形の状態で、あるいはへし折れて、割かれた状況で流れ込んできます。  また、岩石の詰まりについても、国交省は、大きさ5メートル以上の2つの巨岩がさきの九州北部豪雨災害時に動かなかったから穴に詰まることがないと説明していますが、ではどういうサイズの岩が水流に流される可能性があるのか、それが流木などと絡み合った場合に詰まる可能性はないのか、こうした詳細な実験は行っておりません。  水理模型実験を行うのであれば、流木、岩石、土砂もひっくるめての実験を行う必要がありますし、数量を変えるなど、さまざまな条件を設定したもとで検証がなされるべきです。どのような条件の場合に穴が詰まり得る可能性があるのか、住民の生命に責任を持つ事業主体ならば、そこまで検証するのが当然です。こうした検証を行わず、爪ようじを流して穴に引っかからなかったから大丈夫だ、2つの巨岩が動かなかったから穴詰まりはないなどと唱えるだけの無責任でずさんな検証を穴詰まりはないという根拠にすることはできません。  そこでお尋ねいたしますけれども、国交省のこの水理実験の結果をうのみにして、市民の命や安全を立野ダムに預けていいんでしょうか。大西市長の率直な認識をお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  議員御指摘の放流孔の穴詰まりなど、さまざまな御意見があることは承知しておりますが、この放流孔が流木や巨石によって塞がらないようにするための対策として、ダム上流に流木等捕捉施設を設けるほか、放流孔にスクリーンを設置する予定と事業主体である国土交通省から伺っているところでございます。  放流孔の問題を含めた住民の不安の声に対しましては、事業主体である国土交通省に責任を持って説明していただくよう引き続き私の方からも要望してまいりたいと考えております。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  今の答弁は、国交省が大丈夫と言っているから大丈夫ということだったように受け取りましたけれども、住民の不安に対しては国交省に説明をいただくように要望するというふうに答弁で述べられました。市長が本当に住民の生命や財産に責任を持つ立場で治水対策、特にダムの洪水調整機能を図っていくという推進の立場であるのならば、余計にこの実験をもっとしっかりしてくれと言わなければならないのではないかというふうに思います。  もう一度お尋ねしますけれども、ダムの上流に流木等の捕捉施設とか穴の部分にスクリーンをつけることは十分知っています。私が聞いたのは、こうした施設が機能するかどうか、国交省がやっている実験が科学的で信頼するに値するものなのか、その認識を聞いているわけであります。  再度お尋ねしますが、立野ダム常用洪水吐きにおける流木対策についてという実験結果をまとめた冊子があります。この文書の中では、先ほど申しましたように、流木として使ったものは爪ようじを切断した材料、枝も葉もついていないつるつるした爪ようじがぷかぷか浮いている、こうした実験の画像が掲載されているわけです。爪ようじの長さをそれぞれ変えて実験を行ったようですけれども、最終的には、以上により、複雑な条件においても流木流下状況に問題はないことが確認されたと結論づけられています。わずか十数ページのまとめの文書であります。  もうちょっとちゃんとした検証をしてくれというふうに市長は思われませんか。国に対してしっかりと科学的な検証を行うべきだということを市として言っていただきたいというふうに思いますけれども、大西市長の御見解を伺います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  今、那須議員の方から御指摘がありました放流孔の穴詰まりでありますとか、そういうさまざまな不安の声、御意見があるということでございます。  先ほども申し上げましたとおり、私どもには、この放流孔が流木や巨石によって塞がらないようにするための対策ということで、先ほど申し上げたダム上流に流木等の捕捉施設を設ける、あるいはこの放流孔にスクリーンを設置することによって安全な対策が図られるということが、この事業主体である国土交通省の方から伺っている説明でございます。  今議員御指摘の点も踏まえ、今後とも、立野ダムに関するさまざまな御意見に対しては、事業主体である国土交通省がきちんと説明責任を果たしていただくように引き続き要望してまいりたいというふうに思いますので、御理解いただければと思います。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  さまざまな意見については国土交通省から説明するように引き続き求めていくということでしたけれども、意見を持たなくてはいけないのは僕は市自身だというふうに思います。市民の安全、そして命にかかわる問題であるだけに、市が問題意識を持って国に対しても意見を言うべきだというふうに思っています。国が安全と言うから安全だと判断してしまう。しかし、事故や災害が起こった後に改めて安全性が問われてしまう。絶対にあってはならないことですが、あの福島原発事故の教訓だというふうに思います。  後ほど触れますけれども、ぜひとも市としての検証をお願いしたいというふうに思います。  では、次に立野ダムにかわる治水対策についてお尋ねいたします。  現行の河川整備計画は、御存じのように毎秒2,300トンの洪水に対応するために整備が行われておりまして、河川そのもので2,000トンの流下能力を確保して、上流の遊水地によって100トンカットする、立野ダムの洪水調整機能で200トンカットするというようなものです。  立野ダムがなければ住民の命と安全を守れないかといえばそうではありません。確かに3年前の九州北部豪雨災害を機に立野ダム必要論は息を吹き返して、急速にその計画の具体化が進みました。一方で、大きな被害をもたらしたこの災害から3年、激甚災害と認定され、5年の計画で進められている白川の河川改修が急ピッチで進められています。  どれほど流下能力が飛躍的に改善されたのか、ことし3月に国交省みずからが明らかにした資料が明確に示しております。その資料、流下能力算定表といいますけれども、白川の各ポイントにおいてどれだけの水を流すことができるのかを示した資料です。既に堤防のかさ上げ強化、川幅の拡幅、河床の掘削、橋のかけかえ等が進み、小磧橋以下の国管理機関においては、さきの豪雨災害での溢水地点のほとんどで現行の河川整備計画が目標としている2,300トンを大きく超える流下能力を確保するに至っています。  具体的に見てみますと、河川整備計画においての基準点となっている代継橋では、堤防天端高、堤防の高さぎりぎりまで水が来たときの流下能力ですけれども、右岸、左岸とも毎秒3,800トンの洪水を流すことができます。また、堤防の強度を加味したスライド堤防高、これは堤防の厚みが上に行くほど狭くなる土の堤防を前提にした考え方でありますけれども、強度が確保された堤防の厚みまでラインを下げて、そのラインで流れる流下能力の数値ですが、代継橋ではこの天端高と同じ値です。つまり、矢板を打ち込んだ強靭な堤防であることから、堤防の真上であってもこのスライド堤防高であっても一緒だというふうな状況になっています。  そしてまた、このスライド堤防高から波のうねりなども考慮して余裕高を1.2メートルさらに下に下げて見るわけですけれども、その余裕高を加味しても代継橋では左岸、右岸とも2,800トンの流下能力を確保しているデータを国交省みずからが明らかにいたしました。中心市街地に最も近い大甲橋においても、右岸、左岸とも2,900トンの流下能力が確保されています。現行の河川整備計画で目標としている2,300トンを上回っている、こうしたデータを国交省が示しました。こうしたデータは、3年前の九州北部豪雨災害直後の2012年7月時点の情報開示された資料との比較で、この3年間で毎秒当たりの流下能力が数百トンから多いところで1,000トンも改善している。こうしたことを見ましても、立野ダムの洪水調整機能毎秒200トン、こうしたダムの治水効果よりもはるかに多くの水を流せる流下能力が河川改修によって確保されたということを示しているものにほかなりません。  まだまだ、龍神橋左岸や渡鹿堰上流の右岸、左岸など、河川改修が途上の地点では2,300トンに満たない地点があるものの、この激特事業の進捗率は現在50%ということですので、残り2年間の河川改修でさきの九州北部豪雨災害を受けた地点を初め、2,000トン以上の流下能力を確保することは可能であって、立野ダムの必要性が根底から問われるものとなっています。  そこで大西市長にお尋ねいたしますけれども、国交省のデータは既に現行の河川整備計画の2,300トンの流下能力を確保しているということを示しており、改めてダムが不要であることを明示しているものと思いますけれども、市長の認識はいかがでしょうか。お尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  現在、白川では、平成24年7月の九州北部豪雨を受け、白川激甚災害対策特別緊急事業、通称激特事業により堤防の整備や河道の掘削が緊急的に行われているところでございます。  この整備に関しましては、平成14年7月に策定されました白川水系河川整備計画に基づき行われておりまして、河道改修で2,000トン、立野ダムを含む洪水調節施設で300トンを一体的に整備し2,300トンを安全に流下させる計画であることから、立野ダムは白川の治水安全度向上に必要な施設であると認識しております。  さらに、白川水系河川整備基本方針では、昭和28年6月の洪水規模3,400トンを目標としておりまして、激特事業による整備完成後もいまだ途上段階であることからも、立野ダムの流量調節機能により洪水の到達時間をおくらせ、避難指示や避難行動の時間を確保するためにも大変有効であると考えております。  いずれにいたしましても、立野ダムを含めた総合的な治水対策は市民の生命、財産を守る上で必要不可欠な取り組みであり、今後もスピード感を持って進めてもらうよう国、県に要望しているところでございます。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  ダムの必要性について述べられました。ただ、現在の激特事業によって毎秒2,300トンの洪水に耐えるだけの流下能力はもう既に確保されているのではないかという私の質問には先ほどの答弁では触れられておりませんので、また再度市長にはお尋ねしたいというふうに思っております。  先ほど私は代継橋や大甲橋の数値、2,800であったりというふうな数値を示しましたけれども、これはスライド堤防高から余裕高を引いた国交省が安全と判断する基準で流せる洪水の量です。ですので、今行われている激特事業そのものの目標は、平成24年7月の九州北部豪雨災害と同程度の洪水に対して家屋の浸水を解消することというふうになっております。河川課からいただいた資料にもそのように書いています。  平成24年7月の洪水規模は毎秒2,300トンでしたので、現在の激特事業が完了することで少なくとも平成24年7月の豪雨災害レベルの2,300トンの流下能力が確保されることになるかと思いますが、市長はそのことをお認めになりますか。御認識をお示しください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  先ほども御答弁申し上げたとおり、この整備に関しましては、平成14年7月に策定されました白川水系河川整備計画に基づき行われているものでございまして、河道改修2,000トン、立野ダムを含む洪水調節施設で300トンを一体的に整備し、2,300トンを安全に流下させる計画ということでございます。そういう意味では、立野ダムがこの白川の治水安全度向上に必要な施設であるということの認識は変わりません。  そして、白川水系河川整備基本方針では、先ほども述べましたとおり、昭和28年6月の6.26水害の洪水規模3,400トンを目標としているところでございまして、激特事業による整備完成後も途上段階であるということが今の認識でございますので、そういう意味では立野ダムを含めた十分な治水対策を行っていただくように事業主体である国の方にお願いしてまいりたいと、このように考えているところでございます。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  1回目と同じような答弁でしたけれども、今行われている激特事業は、市長は先ほど河川整備計画に基づいて行われているというふうな答弁だったと思うんですが、河川整備計画はダムも含めて2,300トン確保しようというそもそもの計画ですけれども、もう既にさきの九州北部豪雨災害で2,300トンの洪水が発生して多くの地点で被災され、そういうことに対応するために5年間かけて行われている事業であります。目的は、あの九州北部豪雨災害の規模の水害が起こっても浸水被害が起こらないように国が5年かけてやっているわけですから、この事業が完了すれば、そもそも河川整備計画で目標としていた2,300トンは確保されると、誰が考えてもこれは当たり前の理ではないかというふうに思っております。  将来的には3,400トンを目標にするという答弁でありましたけれども、さきに紹介した京都大学の今本名誉教授が熊本市で行った講演では、本来ならばダム治水という手法は河川整備、遊水地等とあらゆる手段を尽くした上で、それでもまだ対策が必要な際に行う最後の最後の手法であるというふうに指摘されておりました。ダムによらない治水対策が可能であるのかということなどについては、先ほど指摘した河川改修に加えて、白川上流部では地役権方式の遊水地が整備されていますし、検証作業の場にダムの対案として示された菊陽町下津久礼の遊水地計画については、立野ダムに匹敵する貯水量を確保することができるというデータも示されております。  こうした河川改修と中流域における遊水地の整備、そして輪中堤防などの組み合わせによって立野ダムと同等、またはそれ以上の治水効果を確保することは可能であります。しかも、自然と共生しながら治水対策を図ることができます。  本市にとっても、世界ジオパーク取り消しなどの観光面のマイナスのリスクを回避することができます。また、中流域における遊水地の確保は、地下水涵養対策になるなどダム治水よりも幾重にも優位性があるものではないかと考えます。
     そこで、この立野ダム問題について市長にお尋ねしますけれども、今指摘しましたように、ダムの危険性や河川改修、遊水地の整備などによる治水能力の検証、ジオパーク認定に与える影響、中流域の遊水地確保による地下水涵養の役割など、多面的な検証を市独自に行うべきだと考えますが、いかがでしょうか。御答弁を求めます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  立野ダムについて多面的に市独自で検証を行うべきとの御意見でございますけれども、立野ダムにつきましては、これはもう国が定めた検証プロセスに沿ってダム事業の検証が行われ、平成24年12月に国土交通大臣が事業継続の対応方針を決定されたところでございます。  本市もこの検証プロセスに位置づけられた関係地方公共団体から成る検討の場にメンバーとして出席いたしまして、コストや時間軸、実現性、環境への影響などについて検討を行った結果、ほかの治水対策と比較して立野ダムを含めた現行の河川整備計画は最も有利であるとされたものでございます。  これまでも述べましたとおり、非常にここ近年の気候変動による集中的な豪雨、あるいは全国各地でそうした被害が拡大しておりまして、洪水のリスクは極めて高まっておりますことから、白川においても一刻も早い治水安全度の向上が図られるよう、河川整備計画に基づく迅速な整備を国土交通省に働きかけてまいりたいと考えております。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  ほかの治水対策と比較してダムが有利との国の立場の紹介だったように感じますが、本当に時間軸でダムが有利なんでしょうか。5年の激特事業は、ダムでのカット200トンをはるかにしのぐ流下能力を確保するに至っているのではないでしょうか。また、先ほど触れた穴詰まりの危険性については、国の検証は非科学的で、大前提にすべきダムが機能するのか、そもそものところに疑問が生じております。  市長が本当に住民の命を大切にしたいと考えるのならば、独自の検証を行うべきであると繰り返し指摘しておきたいと思います。  次に、ダムの問題について最後の質問になりますけれども、想定を超えるような自然災害が起こった際、例えば現行の河川計画が想定している以上の洪水があった際の対応の具体化を進めるという点では、タイムラインの早期制定、そして住民への周知徹底と具体的な行動ができる準備を進める必要があると思います。避難勧告についてのタイムラインはあるとのことですが、避難勧告後の具体的な行動計画などについては、とりわけ地下街等や地下空間への浸水の危険が高い中心市街地ではまだまだ具体化されていない、そのような印象を持っています。  現状の把握とともに浸水防止の緊急防止壁の配備を進めること、確実な情報伝達手段の確立など、想定を超える洪水に対しての対応策の具体化を図る必要があると考えますが、いかがでしょうか。総務局長にお尋ねいたします。          〔多野春光総務局長 登壇〕 ◎多野春光 総務局長  想定を超えるような自然災害への対応策についてお答え申し上げます。  近年、地球規模での気象変化による集中豪雨や大型台風などによりまして大きな被害が発生しており、本市におきましては、このような自然災害から市民の生命、身体及び財産の安全を確保することを目指し、防災対策の強化に力を入れているところでございます。  そのような中で、お尋ねの地下街や多くの地下空間施設を有する中心部の浸水被害対策についてでございますが、鶴屋百貨店などの規模が大きく不特定多数の人が利用する地下街等は、水防法の規定によりまして市民が早期に避難できるよう避難確保を初め浸水防止計画の策定、計画に基づく自営水防組織の設置、避難訓練の実施等が施設管理者に義務づけられております。災害の危険時には市の水防本部から一斉送信のファクスで避難情報を伝達し、施設管理者において速やかに対処することとなっております。  また、水防法に規定されていない地下空間施設等につきましては、例えば上通商栄会や下通繁栄会などでは、おのおのの組織で自主的な対応計画を作成され、避難情報を受けた場合、アーケード内での一斉放送により一般の通行人も含め周知を図るなどの対応をとることとなっております。  さらには、商店街の組織に加盟されていない施設につきましても、災害情報メールやエリアメール、緊急告知ラジオ、テレビ等の報道機関などさまざまな広報媒体による迅速な情報の提供で速やかな避難行動を促すほか、商店街や地域住民の皆様が主体となった自主防災組織の設置や避難訓練等を通しまして地域防災力の向上を図っているところでございます。  議員御案内のとおり、今年、水防法等の改正によりまして、現行の浸水想定区域が想定し得る最大規模の洪水の区域に拡大されることとなりますことから、地域の方々や関係機関と連携を一層密にし、対応策を考えてまいりたいと考えております。          〔23番 那須円議員 登壇〕 ◆那須円 議員  想定を超える洪水への対応ということで御答弁をいただきましたが、熊本市の中心市街地には多数の地下空間施設が存在しています。先ほど、避難情報を受けたときにはアーケード内での一斉放送により周知を図るということでしたけれども、果たして地下空間施設にその一斉放送の声は届くのでしょうか。エリアメールなどで情報提供を行うとの答弁でしたけれども、携帯の電波が届かない空間がどれほどあるのか、把握は進んでいるでしょうか。こうした把握も進めていく必要がありますし、タイムラインで定められている市民の行動が具体的な行動として実動できるように対応を求めたいというふうに思います。  最後に、花畑町別館についての質問を準備しておりましたけれども、恐らく質問すると答弁の間に時間が来てしまいますので要望にとどめ、この問題については、私自身が所属している特別委員会でさらに詳細な質問を行っていきたいというふうに思います。  9月議会で大西市長から、花畑町別館は解体し建てかえるという方針が出されました。私は花畑町別館は解体せずに耐震改修を行って、熊本の歴史と発展を象徴する建物として利活用するべきだと考えております。花畑町別館の歴史的価値については、逓信省技師としての建築家山田守氏による代表作の一つであることに加え、第二次世界大戦の空襲にも残って熊本市民を勇気づけてきた重要な作品であること、建築物としての価値のみならず、熊本市の歴史的な建物として市民の記憶に残る象徴的な建物であるというふうに思います。  花畑町別館に関する基本方針には、こうした歴史的価値も一定程度認めて、記録や記憶として保存するということでありましたけれども、私は余りにも安易だと言わなければならないと思います。  私は今回の問題は、ただ単に一つの建物を解体するのか、改修するのか、こういう視点ではなく、熊本のまちづくりのあり方をどうしていくのか、つまりは古くなれば壊して新しい建物を建てていくという、どの都市にもできるまちづくりを進めていくのか、それとも他の都市にない歴史を象徴する建築物を有効活用し、まちづくりに生かし、熊本市にしかできないまちづくりを進めていくのか、こうしたまちづくりのあり方が問われている事例だというふうに考えています。  鹿児島大学の鯵坂徹教授は、価値ある建築物を保存し、活用し、まちの質を上げる取り組みについて、まちは多数の建築物から成り立っており、歴史の積み重なりの上に成り立っているとして、魅力的な都市は歴史的建造物の保存のみならず、その景観を生かすために厳しい規制を設けて、長い年月をかけ魅力的なまちづくりを進めていることを紹介されていました。ぜひともこうした点を考慮して方針の見直しを求めたいというふうに思います。  以上で質問は終わりますけれども、今回の質問で取り上げた課題以外にも、介護保険の問題、雇用やTPPへの対応など、暮らしにかかわる課題、解決すべき点が多々あるというふうに思っています。一つ一つ改善しようと思ったときにぶつかる問題が財源の問題と人の問題であります。  現在、行財政改革に取り組まれています。一方で、きょう取り上げた桜町再開発やMICE施設には450億円近くの税金が投入されようとしています。  暮らしや福祉制度の充実を求める声はこれまで以上に強いと感じています。これらの声を一つ一つ解決していくために、私ども共産党市議団としても巨額の税金投入となるMICE施設を見直し、中止し、その分の財源を暮らしの側に回していく、こうした決断が必要である、このことを最後に指摘させていただきまして私の質問を終わりたいと思います。  御清聴ありがとうございました。(拍手)       ───────────────────────────────── ○藤岡照代 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は、明2日(水曜日)定刻に開きます。       ───────────────────────────────── ○藤岡照代 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                            午後 4時00分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成27年12月1日 出席議員 46名       1番   満 永 寿 博        2番   藤 岡 照 代       3番   光 永 邦 保        4番   大 塚 信 弥       5番   山 部 洋 史        7番   小 池 洋 恵       8番   三 森 至 加        9番   高 本 一 臣      10番   小佐井 賀瑞宜       11番   寺 本 義 勝      12番   西 岡 誠 也       13番   福 永 洋 一      14番   田 上 辰 也       15番   浜 田 大 介      16番   井 本 正 広       17番   藤 永   弘      18番   原     亨       19番   原 口 亮 志      20番   紫 垣 正 仁       21番   くつき 信 哉      22番   田 中 敦 朗       23番   那 須   円      24番   重 村 和 征       25番   村 上   博      26番   上 田 芳 裕       27番   園 川 良 二      28番   倉 重   徹       29番   澤 田 昌 作      30番   三 島 良 之       31番   齊 藤   聰      32番   大 石 浩 文       33番   田 尻 善 裕      34番   上 野 美恵子       35番   白河部 貞 志      36番   鈴 木   弘       37番   津 田 征士郎      38番   坂 田 誠 二       39番   竹 原 孝 昭      40番   江 藤 正 行       41番   藤 山 英 美      43番   田 尻 清 輝       44番   落 水 清 弘      45番   古 川 泰 三       46番   北 口 和 皇      47番   田 尻 将 博       48番   家 入 安 弘 欠席議員  2名       6番   緒 方 夕 佳       49番   田 辺 正 信 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      高 田   晋   副市長      植 松 浩 二    理事       田 雜 隆 昌   総務局長     多 野 春 光    財政局長     木 下 修 一   市民局長     永 目 工 嗣    健康福祉子ども局長宮 本 邦 彦   環境局長     中 村 英 文    農水商工局長   石 櫃 紳一郎   観光文化交流局長 西 島 徹 郎    都市建設局長   永 山 國 博   消防局長     西 山 博 之    交通事業管理者  西 本 賢 正   上下水道事業管理者寺 田 勝 博    教育委員会委員長 崎 元 達 郎   教育長      岡   昭 二    中央区長     萱 野   晃   東区長      中 原 裕 治    西区長      永 田 剛 毅   南区長      田 畑 公 人    北区長      田 上 美智子 職務のため出席した事務局職員   事務局長     大 杉 研 至    事務局次長    木 村 建 仁   議事課長     富 永 健 之...