熊本市議会 2015-03-05
平成27年第 1回定例会-03月05日-付録
平成27年第 1回定例会-03月05日-付録平成27年第 1回定例会
総合的な
まちづくり対策に関する特別委員会
報 告 書
1 はじめに
平成23年3月11日に発生した
東日本大震災は、
我が国観測史上最大級のマグニチュード9.0を記録し、東北地方を初めとする東日本の広範囲に甚大な被害をもたらした。
そこで、平成23年5月23日、本市議会において、安全で安心な市民生活を実現するための諸問題と災害に強いまちづくりや
危機管理対策の強化に関する調査を行うため「総合的な
まちづくり対策に関する特別委員会」が設置された。
本特別委員会では、調査項目として「防災・
危機管理対策」と「市民生活の
安心安全対策」の大きく2つの項目を掲げ、まず防災・
危機管理対策から調査を進めることとし、中でも
東日本大震災を踏まえた喫緊の課題として「地震・津波対策」を中心に調査を行い、風水害等の災害対策については、必要に応じ調査を行うこととした。
一方、「市民生活の
安心安全対策」としては、防犯対策、
交通安全対策、食・地下水等の
安心安全対策の観点から調査を行うこととし、以来9回に亘り、終始熱心に議論を行ってきたところである。
ここに、本市における安全安心なまちづくりの実現に資するものとするため、本特別委員会における議論並びに各委員からの意見の概要を集約し、以下に記すものである。
2 開催状況
第1回(平成23年8月12日)
議題:「調査項目並びに調査の進め方」
第2回(平成23年10月24日)
議題:「
災害予防対策(1) 避難体制」
第3回(平成24年1月26日)
議題:「
災害予防対策(2) 河川・道路、耐震化等」
第4回(平成24年4月20日)
議題:「熊本型の防災対策」
地域防災計画の見直し、消防活動、医療体制
第5回(平成24年10月22日)
議題:「災害発生時の応急対策」
災害時要援護者支援、備蓄物資、
本市業務継続計画(BCP)
第6回(平成25年7月22日)
議題:「災害発生後の
復旧復興対策」
災害対応基本マニュアル(各区対策部)
公共施設の災害復旧、被災者支援など
第7回(平成26年1月16日)
議題:「防災・
危機管理対策についての総括」
第8回(平成26年6月27日)
議題:「防犯対策、
交通安全対策」
第9回(平成27年1月23日)
議題:「食・地下水等の
安心安全対策」
3 「防災・
危機管理対策」に関する調査の概要
防災・
危機管理対策に関する調査においては、
東日本大震災及び
九州北部豪雨災害の状況を踏まえ、6回に亘り
災害予防対策、災害発生時の応急対策、災害発生後の復旧・復興対策等の観点から「災害に強いまちづくりや
危機管理対策の強化に関する調査」を行った。特に、地域別の災害特性を踏まえた各区の将来のまちづくりについては、各区ごとの防災計画の必要性を強く進言したところである。
なお、調査の概要については以下のとおりである。
(1)地域の災害特性を見据えた防災対策
(意見要望の概要)
特別委員会では、区毎の防災に関する計画を作成すべきとの意見が多数あったことから、各区役所の役割、業務分担を明確にし、事前の備えや災害発生時の応急対策など、具体的な行動手順等記載した各区対策部の
災害対応基本マニュアルが作成されたが、各区の災害対応については、今後も絶えず訓練等を通し、救急体制なども含めた区対策部の
災害対応基本マニュアルの見直しを行い、有事の際、市民の避難行動に繋げる必要がある。
(主な取り組み・今後の対応)
・防災会議や
防災アセスメント調査を踏まえた
地域防災計画の見直しを実施。
・
各区対策部ごとに地域の特性に応じた
災害対応基本マニュアル等を策定。
・
液状化ハザードマップ・
津波ハザードマップを策定。
・交通円滑化や
防災機能強化のため、
都市計画道路や
緊急輸送道路等の整備を含んだ
道路整備プログラムの見直しを実施。
・
緊急輸送道路沿線における特定建築物の耐震診断を実施し、所有者に対し補助制度等を周知する。
・早めの避難により防災・減災が実現できるよう、河川の水位や降雨量等に基づく避難発令の基準を見直すとともに、避難発令の市長権限の代行権限について「
避難発令マニュアル」を新たに整備する。
・熊本大学と共同で住民の避難行動の円滑化等に関する研究を実施。
(2)災害対応力の強化
(意見要望の概要)
災害対応力の強化にあっては、災害の規模や被害の想定に基づき災害対策は計画されなければならない。また、過去の被害実態を踏まえたものでなければならない。
したがって、
災害対策本部となる本庁舎の非
常用発電設備、
防災従事職員の通信設備等を
業務継続計画と照査した結果、庁舎が地震により被災し、災害対応に使用することが困難な場合や、停電により災害対応に支障をきたす場合が想定されるため、非
常用発電設備や通信設備の整備、備蓄等の対策を迅速かつ計画的に進める必要がある。
また、
災害対策本部の組織体制にあっては、平時から防災業務に従事する職員に対する対応能力の
スキルアップやノウハウの蓄積に努める必要がある。
現在、熊
本市業務継続計画に基づき、災害時の
職員参集訓練等が実施されているが、災害により市職員の死傷が多数に上った場合や市幹部職員の被災によって、初動対応が遅れる場合の想定、さらには災害に従事する職員の備蓄物資についても絶えず見直しを行っていく必要がある。
(主な取り組み・今後の対応)
・
災害対策本部と消防局・消防団・
土木センターとの連携強化を図る。
・白川・緑川・菊池川水系において各区職員等、
防災従事職員の訓練を実施。
・消防団活動の充実強化(
ライフジャケット、懐中電灯、合羽、拡声器の配備)。
・
業務継続計画(BCP)を策定し、発災時の職員体制を明確化。
・大学生などを対象とした
防災サポーター制度を創設。
・
健康支援活動に必要な救護服、医薬品及びテント等を各区に配備。
・市庁舎4階に非
常用発電設備を平成27年度までに設置。
・
水防本部事務室を拡張。
・
移動系防災行政無線として各区役所や各
土木センター等の防災拠点に
デジタルMCA無線を整備。
・
公的医療機関等を中心とした
救急災害医療協議会を設置し、平常時から情報共有を行うとともに、大規模災害を想定した
災害医療訓練を毎年実施。
・
被災者支援システムを導入。
・
待機配備態勢以上の場合、
災害対策本部に消防局から連絡幹部を常駐させるほか、連携体制を見直すとともに通信手段を確保し、円滑な
情報共有体制を整備した。
・災害現場における消防団からの重要な情報について、消防局を通じて
災害対策本部が情報を把握することができるよう連絡体制を整備した。
・国及び熊本県に対し、白川の県管理区間における水位計設置や監視カメラの増設、
市防災情報システム等への接続を要請し、実現。
・国、熊本県、
ライフライン関係企業、報道機関等とのホットラインを整備。
・
災害対策指揮室を本庁舎5階に設置。
(3)
情報伝達体制の整備
(意見要望の概要)
災害対応時、情報の収集、選別・評価、情報の共有・伝達については、状況の把握、対応の決定並びに指揮命令の伝達、さらには市民への
避難指示発令等の根幹を成すものである。
① 情報収集について
大規模地震が発生した場合、道路網の寸断、通信手段の途絶等により情報収集が困難となる。また、発災直後、積極的な情報収集を行わなければ、緊急的に実施すべき災害対応が遅れ、被害が拡大する可能性もある。
したがって、市では、
デジタルMCA無線、携帯電話、
携帯型PHSを配備するとともに、消防局、消防団、
防災関係機関との連絡体制を整備しているが、できる限り多様な情報の収集手段を講じる必要がある。
② 情報の選別・評価
平成24年7月12日の
九州北部豪雨災害における熊本市の避難指示等のあり方に関する検証部会の報告を受けて、災害発生時、
災害対策本部に入ってくる様々な情報の中から、
災害対策本部が必要とする情報を選別・評価する「情報のトリアージ」を実施することとしているが、今後も訓練等を通じて、情報を選別・評価するための基準等を検証するなど、必要な情報収集の強化に努めていく必要がある。
③ 情報の共有・伝達
情報の共有については、様々な気象情報や被害等を集約できる熊本市
防災情報システムや
デジタルMCA無線等で共有を図り、市民への伝達については、
防災行政無線の再整備やデジタル化などを進めているが、減災の考え方に基づいた避難を効果的に実現するためには、より迅速かつ適切な情報を市民へ伝達することが不可欠であることから、今後も、多様な
情報伝達手段の活用を検討するとともに、受け手となる市民の防災意識の向上を図りながら、実効性の高い情報の共有・伝達体制を構築していく必要がある。
(主な取り組み・今後の対応)
・年次計画によって平成28年度までに
防災行政無線を整備する。
・
緊急告知ラジオの
自主防災クラブ・自治会・消防団・民生委員等への配布や購入希望者に対する有償頒布を実施。また、
情報メール等での災害情報を配信する仕組みを整備。
・各区役所・
総合出張所等の防災拠点にMCA無線、その他
携帯型PHS等複数の通信手段を整備。
・災害時における情報収集及び情報伝達の更なる迅速化を図るため、消防団との専用電話を導入。
・白川及び合志川流域にサイレン10基を設置。
(4)避難所の整備
(意見要望の概要)
一時避難所となる小中学校等の公的施設の耐震化については、着実に耐震化が行われているものの、液状化により避難所が使用できない場合も考えられるため、被害状況等を把握し、迅速に避難所開設ができるよう、安全な避難場所の確保を図るとともに、市民への周知に努める必要がある。あわせて、輸送や救命活動、消防活動に必要な
緊急輸送道路や市民が避難するための主要道路等の整備を検討することも必要である。
また、備蓄物資については、熊本市備蓄計画に基づき、小中学校等の一時
避難場所ごとに分散備蓄を実施しているが、その他必要な物資を着実に入手できるよう、他都市間あるいは民間との災害時応援協定等の締結をさらに進める必要がある。
(主な取り組み・今後の対応)
・避難所を災害別に検証し、
地域防災計画上での見直しを行う。
・
市指定避難場所の周知徹底に努める。
・避難場所となる
小中学校構造体の耐震化。
・避難場所となる小中学校非構造部材の耐震化(体育館の
天井落下防止対策)
・
避難所運営マニュアルの見直しを実施。各対策部の役割を明確化。
・新たに救急箱や紙オムツを備蓄した。平成24・25年度には、小中学校等の避難場所への分散備蓄を実施。
・
災害ボランティアの受援体制を検討。
(5)特別な配慮が必要な人への対策
(意見要望の概要)
今後、
少子高齢化社会に対応するための災害対策として、特に
個人情報保護に配慮しながら、実効性ある災害時要援護者の支援体制を確立する必要がある。
また、高齢者、妊産婦や乳幼児、障がい者の方々などへの対応を含め、福祉避難所の拡充を図る必要がある。
(主な取り組み・今後の対応)
・
地域版ハザードマップ作成における町歩きの中で、災害の種類に応じた避難経路を確保する。
・
地域版ハザードマップを活用し地域における防災訓練を実施する。
・災害時における
福祉避難所等の設置運営に関する協定に基づき福祉避難所を確保していく。
・全ての避難行動要支援者(災害時要援護者)名簿を作成し、災害時の迅速な避難支援に備える。
(6)自助・共助・公助
(意見要望の概要)
住民等に対しては、「自分の身は自分で守る」という意識啓発を行うとともに、家具等の転倒防止や耐震診断、耐震補強の重要性に関する情報提供や耐震補強への財政支援を通じて、住宅の耐震化を促進する必要がある。
また、市や
自主防災クラブが実施する防災訓練、出前講座等については、地域性を踏まえて災害想定の内容を工夫するなど、住民の積極的な参加を促すとともに、行政からの物資等の配給が困難な場合を想定した食料、飲料水、医薬品などの確保について、
住民一人ひとりが検討することが必要である。
地域の
自主防災クラブの結成・育成を進め、平時の避難訓練や防災教育等を実施し、共助の意識を高める取り組みも必要である。また、
地域版ハザードマップ作成支援を通じて、地域の危険箇所や避難経路の認知、
地域指定避難場所及び災害時要援護者の把握など、地域の実情にあった効果的な防災・減災対策を地域自らが主体となって考えることが重要であることから、市は積極的に関与すべきである。
(主な取り組み・今後の対応)
・
自主防災クラブの結成促進及び活性化に努める。
・市民協働による地域指定一時避難場所の設定。
・耐震診断・
耐震改修制度の拡充、周知。
・一時避難所としての市営住宅等の活用。
・災害時応援協定を拡充。
・災害弔慰金・見舞金の増額や
被災者住宅利子補助金の創設など、
被災者支援制度等を拡充。
・市民の
自主防災意識の涵養を図るため、体験型の
防災教育施設(
防災センター)を改修。
・区の特性に応じた住民参加型の災害訓練の実施や、
体験型イベントやセミナーの開催により、区民の防災意識の向上を図る。
・
地域版ハザードマップの自治会単位での作成作業を通じ、自助・共助意識の涵養を図る。
・「
自主防災意識の涵養に関する共同研究」を熊本大学と実施。
4 「市民生活の安心・安全対策」に関する調査の概要
(1)防犯対策について
①犯罪のない安全安心な
まちづくり対策
(意見要望)
・
安全安心まちづくり推進協議会が形骸化しないよう、会議のあり方を検討すべき。
・警察等と連携し、各種犯罪の発生要因を十分検証してもらいたい。
・地域防犯力が希薄な地域などの実態把握に努め、総合的な対策を講じてもらいたい。
・
防犯ボランティアの活動支援のため、防犯ベストの定期的な更新や効率的な運用を求めたい。
・校区単位で実施されている登下校時の見守り活動などの効果的な
取り組み事例を市政だより等で紹介し、
地域防犯活動の普及促進に努めてもらいたい。
(取り組みおよび今後の対応)
・区役所と連携して、
校区防犯協会の活動を積極的に支援するとともに、
各種関係団体との連携を強化し、今後も安全安心なまちづくりに取り組む。
・防犯団体等に対する
補助金制度活用をはじめとする活動支援を行うなど、市民協働による防犯活動を推進。
・商店街や各種団体等と連携を図り、
繁華街安全安心パトロールを今後も継続。
②学校における防犯対策
(意見要望)
・小学校入学時に提供される防犯ブザーについては、子供が緊急時に正確に使用できるよう指導・教育を徹底してもらいたい。
・こどもひなんの家は、設置件数が減少傾向にあるとともに、
表示プレートの劣化が激しい箇所が見受けられる。今後、定期的にプレートを交換することで、こどもひなんの家の意識啓発につなげてもらいたい。
・学校における防犯訓練については、過去に発生した事故の事例等を教訓に、緊張感を持って継続的に取り組む姿勢が必要である。
・インターネットを利用した犯罪の危険性については、学校における教育・指導や保護者への周知啓発を徹底するとともに、教職員の倫理意識の向上に取り組んでもらいたい。
・犯罪被害の種別に応じた相談窓口の周知啓発に取り組んでもらいたい。
・
情報モラル教育において、ケータイ・スマホハンドブックを活用してもらいたい。
(取り組みおよび今後の対応)
・各学校の「
危機管理マニュアル」の見直し。
・各学校で
学校安全計画を作成し、各教科や特別活動において学習指導を実施。
・学校訪問等の機会を捉え「
学校安全対策協議会」の意義及び重要性を説明し、年3回以上の開催を促進。
・
地域防犯協会等関係機関の協力により、青パトによる
パトロール等を実施。
・各校区内に「こどもひなんの家」を設置し避難できる体制を整備。
③商店街における防犯対策
(
取り組み状況)
・犯罪の未然防止等のため、中心商店街において防犯カメラを設置。
・商店街が行う防犯カメラの設置に対し補助による支援を実施。
(今後の対応)
・警察と連携し、防犯カメラの設置が必要な箇所の抽出を行うとともに、商店街に対して設置費用に対する助成制度の紹介と設置の働きかけを行う。
(2)
交通安全対策について
①自転車の交通ルール・マナー対策、
交通安全啓発、
交通指導員活動の推進
(取り組みおよび今後の対応)
・
交通安全教育専門員が小中学校等に対し、横断歩道の渡り方、自転車の安全な乗り方、加齢による判断低下など実技や実験等を交えた
交通安全教育を実施。
・スタントマンによる
交通事故擬似体験を市立中学・高校で実施。
・
交通安全運動期間における登校時の街頭指導をはじめ、各種団体からの要請により、市民の安全確保のため交通整理等を実施。
・警察や関係機関・団体等とも連携した
キャンペーン活動等の広報活動を実施。
②歩行環境の改善対策
(意見要望)
・歩道環境の改善対策においては、単に歩道整備率の向上を目標とするのではなく、現場の状況に応じた適切な安全対策を講じてもらいたい。
・歩行者の
歩きスマホ対策を講じてもらいたい。
(
取り組み状況)
・移動円滑化のための重点地区を設定し、歩道の
バリアフリー化、
視覚誘導ブロックの設置等を実施。
・無電柱化事業での歩行空間の確保。
・
自転車通行帯の整備やピクトの設置により自転車と歩行者の移動空間を分離。
・公共空間(水路)等の活用により歩行空間を創出。
・路肩・交差点のカラー化を実施し、
歩行者移動空間の視覚的な認識を図る。
③学校における
交通安全対策
(意見要望)
・
自転車運転免許証交付制度を拡充してもらいたい。
・自転車の乗り方も含め、家庭と連携した安全教育を一層充実してもらいたい。
・自転車の運転においては、子供のみならず大人を含め、ルール違反やマナーの悪さが目立つので、自転車教室の全校での実施を求めたい。
・通学路の
交通安全対策においては、子供たちと共に通学路の
危険箇所点検を行い、子供目線での安全対策を講じてもらいたい。
(取り組みおよび今後の対応)
・通学路の安全確保のため、警察、道路管理者、教育委員会及び市関係課による熊本市
通学路安全推進会議を設置し、関係者及び関係機関と連携した
合同安全点検を実施する。
・学校において、地域の関係団体等の協力を得て、自転車教室や新入児童の交通教室等を実施。
・学校独自の安全マップを作成し、児童生徒やその保護者及び地域の方々に対しても危険箇所等を周知。
(3)食・地下水等の
安全安心対策について
①食の
安全安心対策
(意見要望)
・社会的信頼の向上や
競争力アップにもつながるような
仕組みづくりを検討し、HACCPの導入促進に努めてもらいたい。
(取り組みおよび今後の対応)
・営業施設や給食施設などに対して、夏期や年末の一斉取締りをはじめとした立入調査による監視指導を積極的に実施する。
・市内を流通している農水産物や加工食品などについて、残留農薬、食品添加物、微生物などの検査を継続する。
・衛生管理の手法が選択制になることから、HACCPによる衛生管理を選択する事業者が増えるよう取り組む。
・食の
安全安心食育推進会議などを通して、関係団体との連携を強化する。
・ホームページや市政だよりなどによる情報提供を継続するほか、
フェイスブックなどを活用した即時性のある情報発信にも努める。
・
田崎市場体験などの
食品衛生体験事業を通して、正しい知識や情報の提供に努め、食の安全に関する市民の不安解消を図る。
②農水産物の
安全安心対策
(意見要望)
・
東南アジア圏域を含め、海外における熊本市産の食品、農産物の販路拡大に取り組んでもらいたい。
(取り組みおよび今後の対応)
・県やJA等の関係団体と連携し、各種講習会により
減農薬等栽培技術の定着を図るとともに、天敵等の
生物農薬導入などに対し支援を行い、より一層安全安心な農産物生産を推進する。
・県や漁連などの指導機関と連携し、のり生産者の安全性に対する意識向上の啓発を行う。
・県やJA、漁連などの関係部門と連携し、九州食の展示商談会や消費地でのイベントなどの機会を活用し、安全安心な本市農畜産物・水産物のさらなる販路拡大に取り組む。
③学校給食の安全対策
(意見要望)
・
食物アレルギー症状への対応については、あらゆるケースを想定し、迅速な対応が行えるよう万全を期してもらいたい。
(取り組みおよび今後の対応)
・納入された食材の微生物検査や理化学検査を実施することにより品質を確認。
・
物資購入委員会や
青果物査定会等において、食材に含まれる添加物及び原産地等の確認や、
食物アレルギーによる事故を防ぐため材料に含まれるアレルゲンを確認するなど、より良質で安全な食材を確保していくための選定を実施。
・
学校給食調理業務に従事するものを対象にした
衛生管理研修会等の開催や、熊本市学校給食会が主催する給食の食材の
納入登録業者を対象にした
食品安全衛生研修会の開催などの取り組みを継続して実施。
④地下水の
安全安心対策
(意見要望)
・地下水の
硝酸性窒素濃度が年々上昇傾向にあることから、多角的な観点から対策を検証するとともに、地下水の汚染状況など市民に対する正確な情報提供や意識啓発に努めてもらいたい。
(取り組みおよび今後の対応)
・湛水事業については、企業等の積極的な参入も含め継続するとともに、新たな対象地区の調査やかん養対策を県や(公財)
くまもと地下水財団と連携して進める。また、
水源かん養林については、国や
学識経験者等の協力を得て、かん養される地下水量の数値化(見える化)を進める。
・東部の畜産(主に酪農)地帯における
家畜排せつ物対策として、
家畜排せつ物を堆肥化し、生成した堆肥の広域流通を図るための処理施設を整備する。また、広域的な対策として、熊本県や(公財)
くまもと地下水財団と連携し、熊本地域の各市町村に対して、市町村ごとの
削減計画策定や地域特性に応じた対策を推進するよう働き掛ける。
⑤水道水の安全対策
(意見要望)
・水道施設については、異物混入や
いたずら防止のため、施設周辺へ有刺鉄線を設置するなど、警備体制のさらなる強化を求めたい。
(取り組みおよび今後の対応)
・水道GLPによる
精度管理体制を維持していくとともに、
硝酸態窒素濃度の上昇については、当面、既存施設の運用により対応し、今後更なる水融通施設を整備する。
・水道施設については、
機械警備対象施設の拡大予定。また、
監視カメラ設備を設置し遠隔監視、画像の記録を開始予定。
⑥大気汚染対策
(意見要望)
・PM2.5については、健康への影響など未だ不明な点が多いため、国に対して早期の分析解明を働きかけるとともに、市民に対する正確な情報提供に取り組んでもらいたい。
(取り組みおよび今後の対応)
・大気汚染常時
監視測定局適正配置検討委員会が示した配置案に基づき、測定局の新設(1局)と移設(3局)を実施。
・
光化学スモッグ注意報の発令や、PM2.5の注意喚起の発出については、発令地域等の見直しを県と協議。
・PM2.5の成分分析を今後も継続し、
国立環境研究所との共同研究に参加し、主たる発生源等の解析を行うとともに、PM2.5に関するさまざまな情報を収集し、本市の対策等に生かす。
・PM2.5の健康への影響については、未だ不明な点が多いことから、国の動向に注視しながら情報収集に努めるとともに、国に対しては、多岐にわたる発生源の実態や、
生成メカニズム、黄砂の付着物質等による健康影響、国内外の大気の移流等について詳細な解明を行い、国際的な対応も視野に入れた総合的かつ実効性のある広域的な対策を講じ、自治体へ必要な支援を行うよう要請。
5 行政視察
平成23年11月15日~17日
船橋市 「防災対策の取り組みについて」
・
防災アセスメント調査及び地区別防災カルテについて
・液状化対策について(現地調査)
浜松市 「東海地震対策について」
・防災体制について
・津波対策について
平成24年7月18日~20日
仙台市 「
東日本大震災の被害状況及び復旧復興の取り組みについて」
東松島市「
東日本大震災後の復旧復興の取り組みについて」
・被災地の視察
・災害廃棄物の分別仮置場等の視察
平成25年11月12日~14日
西東京市「西東京市
防災センターについて」
・
防災センターの施設見学
・
地域防災計画の見直しについて
長岡市 「長岡市の防災対策と災害情報システムの整備について」
「防災機能を備えた学校施設について」
・長岡市立東中学校の現地視察
平成26年8月20日~22日
豊島区 「みんなでつくるセーフコミュニティとしまについて」
・セーフコミュニティ国際認証について
・安全安心なまちづくり(防犯・交通安全)について
・学校の安全について
静岡市 「静岡市食の安全・安心アクションプランの取り組みについて」
中心市街地の活性化に関する特別委員会
報 告 書
はじめに
本市は、平成23年3月の九州新幹線全線開業や平成24年4月の政令指定都市移行という大きな転機を迎え、今後、他都市からの観光客誘致をはじめ、人的交流の活発化によりにぎわうまちづくりや、経済・文化面などにおける高次な都市機能を備えた中心市街地の活性化が求められている。
また、本市中心市街地活性化のためのあらゆる施策は、人々が集うまちのにぎわい創出と中心市街地における回遊性の向上に集約されるものである。
こうした中、中心市街地の活性化及びこれに関連する事業の諸問題と対策に関する調査を行うことを目的として、平成23年5月23日に、中心市街地の活性化に関する特別委員会を設置した。同年8月16日には、本特別委員会において、桜町・花畑地区の両再開発事業を、地区のにぎわい創出のみならず、熊本城や中心商店街との回遊性を高め、中心市街地全体の活性化、ひいては本市の将来的な発展に資する重要課題と位置づけ、総合的に調査・検討を行う必要性において議論を行ってきたものである。
具体的な調査の対象としては、
「中心市街地のにぎわい創出と回遊性の向上について」
1 桜町・花畑地区再開発事業について
2 中心市街地活性化のための諸施策について
と決定し、平成23年10月以来、平成27年2月25日までの16回にわたり、終始熱心に議論を行ってきたところである。
ここに、今後の本市中心市街地活性化へ資するものとするため、本特別委員会における議論ならびに各委員の意見の概要を集約し、以下に記すものである。
2 調査状況
第1回(平成23年8月16日)
(1)中心市街地活性化基本計画
・進捗状況について(報告)(都市建設局 都市活性推進課)
※以下の事項を調査項目とすることを決定
「中心市街地のにぎわい創出と回遊性の向上について」
1.桜町・花畑地区再開発事業について
2.中心市街地活性化のための諸施策について
第2回(平成23年10月18日)
(1)2期熊本市中心市街地活性化基本計画(熊本地区)の策定について(都市建設局都心活性推進課)
〇2期熊本市中心市街地活性化基本計画の策定スケジュール、今後の取組概要等についての説明
(2)城下町の風情を感じられる町並みづくり事業について(都市建設局 開発景観課)
〇事業目的、内容、スケジュール等についての説明
(3)コンベンションシティの実現に向けて(観光文化交流局 シティプロモーション課)
〇コンベンション都市づくり検討報告書の概要、熊本市コンベンションシティ基本構想の策定スケジュール等についての説明
┌───────────────────────────────────────┐
│〈主な意見〉 │
│(1)2期熊本市中心市街地活性化基本計画(熊本地区)の策定について │
│ ・熊本駅西側の土地利用は、熊本らしさを出すことが必要である。 │
│ ・熊本城と中心市街地を結ぶ道路を歩行者天国化するなど、費用をかけずにできる│
│ ことから取り組むことが必要である。 │
│ ・1期計画の進捗状況と効果の総括・検証が必要である。 │
│ │
│(2)特になし │
│ │
│(3)コンベンションシティの実現に向けて │
│ (MICE施設整備について) │
│ ・様々な選択肢を吟味し、経済状況等も踏まえて検討すべきである。 │
│ ・他県の施設の利用状況等のデータを下に、必要性や効果を分かり易く説明すべき│
│ である。 │
│ ・既存施設を活用したコンベンション機能の向上も検討すべきである。 │
└───────────────────────────────────────┘
第3回(平成23年12月21日)
(1)熊本市コンベンションシティ基本構想・中間報告について(観光文化交流局 シティプロモーション課)
〇熊本市コンベンションシティ基本構想の策定状況等についての説明
(2)2期熊本市中心市街地活性化基本計画(熊本地区)の素案について(都市建設局都心活性推進課)
〇2期熊本市中心市街地活性化基本計画の素案の概要等についての説明
(3)桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント構想について(中間報告)(都市建設局 都心活性推進課)
〇桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント構想の策定状況等についての説明
┌───────────────────────────────────────┐
│〈主な意見〉 │
│(1)熊本市コンベンションシティ基本構想・中間報告について │
│ (MICE施設整備について) │
│ ・整備費、維持管理費、経済効果について具体的なデータ・数値、資料を基にした│
│ 検証と説明が必要である。 │
│ ・中心市街地での整備は他都市にないメリットであり、これを最大限に活かせる仕│
│ 組みが必要である。 │
│ ・他都市の二番煎じとならないよう熊本市のオリジナル性を打ち出すべきである。│
│ │
│(2)2期熊本市中心市街地活性化基本計画(熊本地区)の素案について │
│ ・空き店舗対策などの基本的な対策があってこそ、コンベンションの成功にもつな│
│ がると考える。 │
│ ・市民への意見公募については、パブリックコメントを漫然と行うのではなく、住│
│ 民説明会などを開催すべきである。 │
│ ・計画の有効性を高めるためには、評価機関を設置すべきと思う。 │
│ │
│(3)桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント構想について(中間報告) │
│ ・辛島・花畑公園を一体化した市民利用型の公園を整備することを検証してはどう│
│ か。 │
│ ・旧産業文化会館のような市民が気軽に利用できるホールが必要である。 │
│ ・辛島・花畑公園付近に武家屋敷等を整備するなど、熊本城から中心市街地に観光│
│ 客が流れるような仕組みを検討してはどうか。 │
└───────────────────────────────────────┘
第4回(平成24年2月23日)
(1)2期熊本市中心市街地活性化基本計画(熊本地区)(案)について(都市建設局都心活性推進課)
〇2期熊本市中心市街地活性化基本計画(案)の概要等についての説明
(2)桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント構想について(検討委員会報告)(都市建設局 都心活性推進課)
〇桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント構想の素案の概要等についての説明
(3)熊本市コンベンションシティ基本構想(案)について(観光文化交流局 シティプロモーション課)
〇熊本市コンベンションシティ基本構想(案)の概要等についての説明
┌───────────────────────────────────────┐
│〈主な意見〉 │
│(1)2期熊本市中心市街地活性化基本計画(熊本地区)(案)について │
│ ・市民への意見公募については、パブリックコメントだけでは限られたものとなる│
│ ので、より多くの意見を聞けるような方法を検討すべきである。 │
│ ・二本木地区など熊本駅周辺のまちづくりには、道路整備を最も重視すべきであ │
│ る。 │
│ │
│(2)桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント構想について(検討委員会報告) │
│ ・地域の企業等が活性化するような再開発のあり方について検討する必要がある。│
│ ・花畑町の計画が遅れており、優先順位を決めて桜町に集中すべきである。 │
│ ・産業文化会館跡地を更地にし、辛島・花畑公園をつないだ集いの広場とすること│
│ を検討してはどうか。 │
│ │
│(3)熊本市コンベンションシティ基本構想(案)について │
│ (MICE施設整備について) │
│ ・本事業を成功させるには、県や熊本大学等の関係団体と一丸となりオール熊本で│
│ 取り組む必要があるので、今後は連携強化に努めてもらいたい。 │
│ ・福岡市等と競合しても誘致が可能ということを、具体的・客観的なデータで検証│
│ ・説明すべきである。 │
│ ・多額の事業費を要する新規施設を整備するのではなく、既存施設を最大限活用す│
│ ることを検討すべきである。 │
└───────────────────────────────────────┘
第5回(平成24年7月9日)
(1)花畑・桜町地区再開発事業の状況について(都市建設局 都心活性推進課)
〇花畑・桜町地区再開発事業の進捗状況等についての説明
(2)桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント検討委員会(第1回)について(都市建設局 都心活性推進課)
〇桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント検討委員会の構成、検討事項等についての説明
(3)1期熊本市中心市街地活性化基本計画(熊本地区)フォローアップの中間報告について(都市建設局 都市活性推進課)
〇1期熊本市中心市街地活性化基本計画(熊本地区)に基づく事業実績等についての説明
┌───────────────────────────────────────┐
│〈主な意見〉 │
│(1)花畑・桜町地区再開発事業の状況について │
│ ・花畑地区再開発については、当該地区の民有地を市が取得し活用方法を公募する│
│ など、事業のスピードアップを図るべきではないか。 │
│ ・再開発の進捗状況等については、事前に議会に対して情報提供すべきである。 │
│ ・花畑地区のA街区を市が更地で取得し、公園化することも検討すべきではない │
│ か。 │
│ │
│(2)桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント検討委員会(第1回)について │
│ ・検討委員には、公募によって大学生を含む若い人たちを登用すべきと考える。 │
│ ・検討委員会の方向性を明確にして、市のリーダーシップの下で進めるべきであ │
│ る。 │
│ │
│(3)特になし │
└───────────────────────────────────────┘
第6回(平成24年12月14日)
(1)桜町・花畑地区の新たな方向性について(都市建設局、観光文化交流局)
〇桜町・花畑地区の都市空間の新たな方向性等についての説明
┌───────────────────────────────────────┐
│〈主な意見〉 │
│(1)桜町・花畑地区の新たな方向性について │
│ ・花畑地区のA・B街区の一体的な開発計画を変更するならば、産業文化会館のあ│
│ り方等を含め、議会や市民に事前に情報提供しつつ、原点に返って慎重に議論す│
│ べきである。 │
│ ・花畑地区のA街区の広場については、市民が運営する手法も検討してはどうか。│
│ ・広場に隣接した民間の土地が残った場合、広場としてかなりの制約がかかるので│
│ はないかと懸念する。 │
│ ・広場との一体的な活用を確保するため、辛島公園と広場の間の道路部分は歩行者│
│ 天国にするなどの手立てを講じるべきではないか。 │
│ ・MICE施設の稼動に伴う周辺の交通渋滞の影響を調査・説明すべきである。 │
│ ・市民の芸術・文化の享受のためには、固定席700程度の中規模ホールを確保すべ │
│ きである。 │
└───────────────────────────────────────┘
第7回(平成25年2月19日)
(1)桜町・花畑地区整備計画の方向性について(都市建設局、観光文化交流局)
〇桜町・花畑地区再開発事業の施設概要(案)等についての説明
┌───────────────────────────────────────┐
│〈主な意見〉 │
│(1)桜町・花畑地区整備計画の方向性について │
│ ・花畑地区のA街区をバスターミナル代替施設として利用する計画については、複│
│ 数の利用案を提示すべきではないか。 │
│ ・花畑地区のA街区の広場に隣接する民間の土地について、将来のトラブルを未然│
│ に防止するための法令整備を十分に行う必要がある。 │
│ ・広場の整備に当たっては、整備計画、利用見通し、費用対効果を検証し妥当性を│
│ 確認した上で行うべきである。 │
│ ・広場と辛島公園の一体的な利用のためには、NTTやNHKとも協力して、市民│
│ が利用しやすい空間を作る工夫をすべきである。 │
│ ・2期中心市街地活性化基本計画にも記載された花畑地区再開発を基本計画策定か│
│ ら1年も経過しないうちに断念するのは、当初の再開発計画に問題があったと指│
│ 摘せざるを得ない。 │
│ ・花畑地区再開発に伴い、産業文化会館の代替となる中規模ホール整備の検討が行│
│ われ、議会にも必要性を説明されていたにも関わらず、当初の整備計画を断念す│
│ ることは遺憾である。 │
└───────────────────────────────────────┘
第8回(平成25年10月7日)
(1)花畑地区広場整備の現況について(都市建設局 都心活性推進課)
〇桜町・花畑周辺まちづくりマネジメント検討委員会、基本構想、基本計画の策定についての説明
(2)桜町地区再開発事業の現況について(都市建設局 都心活性推進課)
〇開発目標、施設コンセプト、施設構成、スケジュールについての説明
(3)MICE整備について(観光文化交流局 シティプロモーション課)
〇桜町再開発事業における新たな集客施設整備検討委員会での審議内容、MICE施設のプラン案の説明
┌───────────────────────────────────────┐
│〈主な意見〉 │
│(1)特になし │
│ │
│(2)桜町地区再開発事業の現況について │
│ ・報道が先行するような進め方、既成事実を作って進めていくのは本来あるべき姿│
│ ではないと言うことを強く指摘したい。 │
│ ・再開発事業の都市計画決定には、法的に議会同意は必要ではないものの、道義的│
│ 観点において議会の同意を得るべきである。 │
│ │
│(3)MICE整備について │
│ ・桜町再開発事業における新たな集客施設整備検討委員会での議論は、MICE施│
│ 設の整備が決定したかのように進んでいる。 │
│ ・施設の詳細、利用見込み、費用対効果、財政への影響などについて示されない限│
│ り、議会としては判断できない。 │
└───────────────────────────────────────┘
第9回(平成25年10月25日)
(1)「第3回桜町再開発事業における新たな集客施設整備検討委員会」における検討状況について(観光文化交流局 シティプロモーション課)
〇桜町再開発事業における新たな集客施設整備検討委員会での審議内容、メインホールの想定催事とMICE施設のプラン案の説明
(2)NHK熊本放送局の花畑地区移転の進捗状況について(都市建設局 開発景観課)
〇鉄塔の高さの審議結果及び今後のスケジュールの報告
┌───────────────────────────────────────┐
│〈主な意見〉 │
│(1)「第3回桜町再開発事業における新たな集客施設整備検討委員会」における検討│
│ 状況について │
│ ・事業費等の議論に入る前に、次回の「桜町再開発事業における新たな集客施設整│
│ 備検討委員会」においてMICE施設の管理運営の方法を示すのは時期尚早であ│
│ る。 │
│ ・再開発事業全体工事の入札は、熊本市の入札基準に合わせるべきである。 │
│ ・事業費、費用対効果、将来負担、市財政への影響などについて、明確な根拠に基│
│ づいて示すべきではないか。 │
│ │
│(2)NHK熊本放送局の花畑地区移転の進捗状況について │
│ ・NHKや景観審議会に対して、市の要望等をしっかり伝えるべきである。 │
│ ・NHKの鉄塔については、景観上、重要なポジションとなるので慎重かつ丁寧に│
│ 進めるべき。また、チェックも審議会任せではなく本特別委員会にも適宜報告す│
│ ることを強く求める。 │
└───────────────────────────────────────┘
第10回(平成25年12月3日)
(1)「第5回桜町再開発事業における新たな集客施設整備検討委員会」における検討状況について(観光文化交流局 シティプロモーション課)
〇熊本市MICE施設整備基本計画(素案)についての説明
〇想定催事件数見込み及び算定方法についての説明
(2)MICE施設整備費について(都市建設局 都心活性推進課)
〇床コスト、床原価、財源についての説明
(3)桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント検討委員会について(都市建設局 都心活性推進課)
〇利活用・運営・管理について、オープンスペースの整備方針についての説明
(4)景観審議会(NHK新熊本放送会館)について(都市建設局 開発景観課)
〇建築物及び鉄塔の色彩・デザインに関する景観審議会の答申の報告
(5)下通A地区優良建築物等整備事業(都市建設局 都心活性推進課)
〇位置図、目的及び効果、建替スケジュールについての説明
┌───────────────────────────────────────┐
│〈主な意見〉 │
│(1)「第5回桜町再開発事業における新たな集客施設整備検討委員会」における検討│
│ 状況について │
│ ・他都市のMICE戦略は具体的な数字を持っているが、本市は交流人口を増やす│
│ という曖昧な計画で進めている。 │
│ ・土地関係費の額については、従前資産の妥当性も含め慎重な検討をすべきであ │
│ る。 │
│ │
│(2)MICE施設整備費について │
│ ・MICEが取得する床単価は、民間の床単価に比べて高いと思う。 │
│ ・今後、本市がJT、NHK、合同庁舎の跡地などを購入するならば、それらの負│
│ 担も含めて財政への影響を考えるべきではないか。 │
│ │
│(3)特になし │
│ │
│(4)景観審議会(NHK新熊本放送会館)について │
│ ・熊本城にマッチするデザイン、色彩を要望する。 │
│ │
│(5)特になし │
└───────────────────────────────────────┘
第11回(平成25年12月19日)
(1)景観審議会(桜町再開発)について(都市建設局 開発景観課)
〇景観審議会の答申(計画高さの了承)及び今後の対応についての説明
【委員要求資料】
〇MICE財源等
〇熊本市中期財政の見通し・収支総括表
┌───────────────────────────────────────┐
│〈主な意見〉 │
│(1)景観審議会(桜町再開発)について │
│ ・景観について、景観審議会から指摘があった事項については、市として対応して│
│ もらいたい。 │
│ │
│ (MICE財源等について) │
│ ・再開発事業における土地関係費は適正な価格なのか判断できない。 │
│ ・土地開発費については、市民が納得できるよう情報開示に努めてもらいたい。 │
│ ・再開発事業の土地取得の経緯等も踏まえて、公共性を考えるのであれば、その資│
│ 産についても検証してもらいたい。 │
│ │
│ (財政の中期見通しについて) │
│ ・平成25年3月時点の見通しが示されているが、その後の消費税増税、資材費・人│
│ 件費の高騰、MICE施設整備費の増嵩等を踏まえたものを平成26年3月までに│
│ 改めて示すべきではないか。 │
└───────────────────────────────────────┘
第12回(平成26年3月7日)
(1)桜町・花畑地区について(都市建設局 都心活性推進課、都市政策課)
〇MICE施設検討案の価格について資材等の上昇見込みについて説明
〇桜町地区市街地再開発事業に関連する都市計画等の説明会で聴収した意見等の概要説明
(2)MICE施設整備について(観光文化交流局 シティプロモーション課)
〇熊本市MICE施設整備基本計画(素案)の策定に関するパブリックコメントの結果等の報告
〇MICE施設利用料金についての説明
┌───────────────────────────────────────┐
│〈主な意見〉 │
│(1)桜町・花畑地区について │
│ ・再開発事業の補助金については、事業費の妥当性が検証されないまま、事業者か│
│ ら許可申請が提出されていることは問題である。 │
│ ・今後、より一層丁寧な説明を行ってもらいたい。 │
│ │
│(2)MICE施設整備について │
│ ・将来を見据えた収支計画をもとに、税収、経済波及効果を含めて議論していきた│
│ い。 │
│ │
│ (財政の中期見通しについて) │
│ ・MICE施設整備のほか、合同庁舎やNHKの跡地の取得など他事業の想定事業│
│ 費も含めて、投資的経費の推計を示すべきではないか。 │
└───────────────────────────────────────┘
第13回(平成26年6月13日)
(1)桜町・花畑地区の現況について(都市建設局 都心活性推進課)
〇桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント基本計画(素案)に関するパブリックコメントの結果についての報告、桜町地区再開発事業の現状報告、都市計画決定、基本設計、実施設計委託の状況等についての説明
(2)MICE施設整備について(観光文化交流局 シティプロモーション課)
〇MICE施設の見直し案、主要室のイメージパースについての説明
┌───────────────────────────────────────┐
│〈主な意見〉 │
│(1)桜町・花畑地区の現況について │
│ ・基本設計等の契約については、民間契約ではあるが、結果的に1社だけの応募で│
│ あったことが問題であり、本市の契約のありかたに準じた契約方法で行うべきで│
│ ある。 │
│ ・熊本市の契約が、公募プロポーザルに関するマニュアルを作成していないのが問│
│ 題であり、ルールに則した適切な助言・指導を行うべきである。 │
│ │
│(2)MICE施設整備について │
│ ・県や経済団体に対して事業費の負担を要請すべきである。 │
│ ・今後懸念される更なる建設費の高騰を十分想定しておくべきである。 │
│ ・コンベンション等の誘致については、議会も含め、市職員全員が積極的に励むべ│
│ きである。 │
└───────────────────────────────────────┘
第14回(平成27年1月26日)
(1)桜町地区第一種市街地再開発事業 施行認可申請について(都市建設局、観光文化交流局)
〇桜町・花畑地区第一種市街地再開発事業認可申請時における変更点と今後のスケジュールの説明(都市建設局 都心活性推進課)
〇MICE施設の概要についての説明(観光文化交流局 シティプロモーション課)
(2)MICE施設整備の精査・再検討内容について(観光文化交流局 シティプロモーション課)
〇MICE施設整備に関する主な精査・再検討項目と検討状況の説明
(3)桜町・花畑地区の現況について(都市建設局 都心活性推進課)
〇桜町地区第一種市街地再開発事業の施行認可の基準及び審査状況についての説明
〇花畑地区広場の整備スケジュール及び現況についての説明
(4)県民百貨店等の再就職支援等の状況について(農水商工局 商工振興課)
〇再就職支援等の進捗状況等についての説明
┌───────────────────────────────────────┐
│〈主な意見〉 │
│(1)桜町地区第一種市街地再開発事業 施行認可申請について │
│ ・桜町再開発事業については、求心力のある商業施設を形成し、2核3モールの一│
│ 核を担えるものとすべきである。この点については、事業者にも議会の意見を伝│
│ えてもらいたい。 │
│ ・MICE施設の床の取得単価は、様々な要因はあっても民間の床の取得単価に比│
│ べて高いと言わざるを得ない。 │
│ │
│(2)MICE施設整備の精査・再検討内容について │
│ ・MICE開催による経済波及効果について、改めて報告すべきである。 │
│ ・MICE施設整備について、市民との意見交換の場を設けるべきである。 │
│ ・市の投資的経費全体が膨らんでいく傾向にある中、MICE施設についても、財│
│ 政の中期見通しの中で慎重に検討していくべきである。 │
│ │
│(3)特になし │
│ │
│(4)県民百貨店等の再就職支援等の状況について │
│ ・桜町地区第一種市街地再開発事業における商業施設の小規模化については、熊本│
│ 市の経済振興面に大きな影響を及ぼすことが懸念されるため、再開発事業者に対│
│ して、その充実を働きかけてもらいたい。 │
└───────────────────────────────────────┘
第15回(平成27年2月17日)
(1)MICE施設整備事業の精査・再検討に関する報告について(観光文化交流局 シティプロモーション課)
〇MICE施設整備に関する精査・再検討の経緯、詳細内容及び今後の取り組み等についての説明
(2)桜町・花畑地区の現況について(都市建設局 都心活性推進課)
〇桜町地区第一種市街地再開発事業施行認可申請書の審査状況等についての説明
(3)県民百貨店等の再就職支援等の進捗状況及び今後の取り組みについて(農水商工局 商工振興課)
〇再就職支援等の進捗状況及び今後の取り組み等についての説明
┌───────────────────────────────────────┐
│〈主な意見〉 │
│(1)MICE施設整備事業の精査・再検討に関する報告について │
│ ・現在のMICE施設の利活用方法については、エンターテイメント開催が強調さ│
│ れているが、本来は、熊本市コンベンションシティ基本構想に基づいて、MIC│
│ Eの推進を図るためのものだったのではないか。 │
│ こうした方向性の転換は利用率を上げるためのものであり、交流人口の増加につ│
│ ながるとは思えない。 │
│ ・今回、中規模ホール機能が追加され、同ホールでの想定催事件数は新たに年間70│
│ 件程度の増加と見込まれているが、約9億円の費用を追加してまで整備する必要│
│ があるのか疑問である。 │
│ ・MICE施設運営の収支計算書を提出してもらいたい。 │
│ │
│(2)(3)特になし │
└───────────────────────────────────────┘
第16回(平成27年2月25日)
桜町・花畑地区再開発事業並びにMICE施設整備事業に関する各会派意見
(1)主な意見
〇自民党
・MICE施設は、九州中央の交流拠点・政令指定都市として、市民に愛される施設とする必要がある。
・コンベンション等の誘致は、県や大学等の関係機関と連携し、オール熊本で取り組み、目標とする誘致件数を達成する必要がある。
・MICE施設の維持管理費は多大であるため、他の経費に影響を及ぼすことのない財政運営を行う必要がある。また、宿泊施設においては、バンケット機能を整備する必要がある。
〇くまもと未来
・MICE施設の事業費について、精査・再検討が行われたが、9億円の増加となった。削減に期待していた市民も多く、多額の経費がかかることへの不安がある。今後、様々な分野に影響のないよう財政運営に万全を期す必要がある。
・再開発事業全般について、今後も議会や市民に丁寧な説明を行う必要がある。
・事業費の精査・見直しについては、様々な手法で継続的に取り組んでいく必要がある。
〇市民連合
・熊本の地域的な優位性をゆるぎないものとするためにはMICE施設は必要である。
・維持管理はもとより、発注も地域の人材・企業の資源を活かしてもらいたい。
〇公明党
・熊本城ホールは、熊本城の正面玄関となり、本市にふさわしいものとする必要がある。
・コンベンション等の誘致は、関係機関と連携し、目標とする誘致件数を達成する必要がある。
・熊本城ホールの維持管理は多大であるため、後年度の投資的経費に影響のないよう、財政運営には万全を期す必要がある。
・宿泊施設においては、バンケット機能の導入を図る必要がある。
・再開発事業を進めるに当たっては、議会と市民への丁寧な説明に努め、継続的な事業費の精査・見直しに取り組む必要がある。
〇共産党
・MICE施設整備については、事業費が多大であり、過大なハコモノは容認できない。
また、維持管理についても毎年10億円が必要となり、黒字にはならず、市債の償還など後年度の負担が大きく、市民の理解は得られない。
・MICE施設の利用見込みの達成は困難であり、利用料金も非常に高く、利用者の負担が大きいため、一般市民は利用できない。
・MICE施設に中規模ホールを整備することで9億円の増となっており、床単価は他の施設の2倍にもなる。多目的ホールということで座席は可動式で、ホールとしては中途半端であり、上質とはいえず、旧産業文化会館のホールのようにはならない。
・再開発事業では、事業者からの口頭の申し入れだけで、無利子融資を行うこととしているが、市民への説明が不足し、合意も図られていない。圧倒的多数の市民は再開発事業について理解していない。
・以上のことから、再開発事業の事業認可は認められず、MICE施設整備についても認められない。
〇日本の教育を考える会
・再開発事業は中心市街地の活性化には必要である。
・再開発事業全体の事業進捗状況については、花畑地区の広場用地にはいまだにビルが現存しており、隣接の駐車場も含めて、移転問題が解決に至っていないことが危惧される。今後、頻繁な交渉を通じて解決に努める必要がある。
〇自由クラブ
・本市は政令市でありながら、国際的なコンベンションが開催できる施設がないので、MICE施設は是非とも進め、政令市にふさわしい施設とする必要がある。
・学会等の誘致は、経済界を含めた関係機関と連携して取り組む必要があり、議会も協力し、市長もトップセールスで取り組み、オール熊本で目標とする誘致件数を達成する必要がある。
・宿泊施設においては、バンケット機能の導入を図る必要がある。
・維持管理に多大な経費を要することから、財政運営には万全を期す必要がある。
(2)まとめ
本特別委員会における議論ならびに各委員の意見を踏まえ、本特別委員会の多数意見として、下記のとおり取りまとめるものである。
記
今回、再開発施行者及び執行部から示されたMICE施設整備事業を含む桜町地区第一種市街地再開発事業並びに花畑地区整備については、同地区が
①商業面では、本市中心市街地の2核3モールの1核を担っていること。
②交通面では、バスターミナルを有し、交通結節点であること。
③文化面では、熊本城の正面玄関にあたり文化交流拠点であること。
などを踏まえ、中心市街地に留まることなく本市全体の賑わい創出を中心的に牽引するものとなっており、一定の評価と理解をするが、本市の将来像を左右する大型事業であることから、その推進に当たり以下の点を強く要請する。
一、MICE施設については、九州中央に位置する交流拠点都市、政令市熊本にふさわしい施設とすること。
一、学会や大会などのコンベンションや文化催事等の誘致に当たっては、県や大学等の関係団体と連携強化を図り、オール熊本体制で取り組み、現在試算されている誘致件数を達成すること。
一、MICE施設の整備、維持管理経費については、多大な経費を要することから、後年の投資的経費に影響を及ぼすことのないよう財政運営には万全を期すこと。
一、宿泊施設においては、中心市街地の活性化に資するよう各種催事に対応できるバンケット機能の導入を図るとともに、政令指定都市にふさわしい施設とすること。
一、今後、本再開発事業を推進していく中においては、議会と市民に対し丁寧な説明に努めるとともに、継続した事業費の精査と見直しに取り組み、様々な手法や知恵を用いて事業費縮減に最大限の努力を図ること。
以上、市長、副市長はじめ、執行部一丸となって取り組むことを中心市街地の活性化に関する特別委員会の多数意見として強く要請するもの。
3 行政視察
平成23年11月14日(月)~16日(水)
横浜市 〇戸塚駅西口第1地区第二種再開発について
長野市 〇2期長野市中心市街地活性化基本計画等について
平成24年10月15日(月)~17日(水)
長岡市 〇中心市街地の機能集積によるコンパクトシティについて
墨田区 〇まちづくりグランドデザインについて
平成26年2月3日(月)~5日(水)
神戸市 〇新長田駅南第1地区再開発について
京都市 〇国立京都国際会館について
大阪市 〇大阪コングレコンベンションセンターについて
平成26年8月20日(水)~22日(金)
千代田区〇JPタワーホール&カンファレンスについて
八王子市〇八王子駅南口地区市街地再開発について
渋谷区 〇ヒカリエホールについて
財政運営のあり方に関する特別委員会
報 告 書
1 はじめに
平成の大合併や三位一体改革など、一連の地方分権改革にも関わらず地方財政は好転していない状況にある。少子高齢化や経済のグローバル化によって地方財政の縮小が予想される中、国が主導する地方分権や財政健全化策に頼るだけではなく、本市独自の取り組みに基づく、持続可能な行財政運営に向け構造的な転換が望まれている。
また、本市は平成24年4月の政令指定都市移行により、地方自治体としては最も多くの権限と財源を有することとなり、これらの権限移譲による専門性を生かした質の高いサービスを安定的・持続的に提供できる財政運営が望まれている。
このような状況を踏まえ、平成23年5月に財政運営のあり方に関する特別委員会を設け、以来10回にわたり、財政運営に関するこれまでの国の動きや本市での
取り組み状況についての調査と今後の方向性や対応等について審議してきたところである。
以下、これまでの審議内容について報告するが、財政運営のあり方については、人口減少社会をはじめとする社会情勢の変化や国の行財政制度の改正を踏まえた対応が必要であること、また、財政の諸課題については、将来の予算編成や議会等での議論も必要であることから、本特別委員会の報告としては、これまでの議論を踏まえ、中長期的視点で、少子高齢化と人口減少社会における今後の財政運営のあり方に関して、取り組むべき方向性を示すこととした。
2 開催日程
┌────┬───────────┬───────────────────┐
│ │ 開 催 日 │ 調 査 案 件 │
├────┼───────────┼───────────────────┤
│第 1回│平成23年 8月 5日│地方分権改革の流れについて │
│第 2回│ 10月 7日│新地方公会計制度について │
│第 3回│ 10月21日│ 〃 │
│第 4回│平成24年 4月26日│財政の中期見通しについて │
│ │ │今後の方針について │
│第 5回│ 7月10日│財政運営に資する各局の具体的取り組み │
│ │ │ 都市建設局・環境局 │
│第 6回│ 11月 2日│ 〃 │
│ │ │ 企画振興局・健康福祉子ども局 │
│第 7回│平成25年 5月29日│ 〃 │
│ │ │ 農水商工局・教育委員会事務局 │
│第 8回│ 11月21日│ 〃 │
│ │ │ 観光文化交流局・総務局 │
│第 9回│平成26年 6月26日│ 〃 │
│ │ │ 財政局 │
│第10回│ 12月 8日│報告書に関する意見聴取 │
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3 調査経過
第1回 平成23年8月5日
〈調査案件〉
〇地方分権改革の流れについて
〈調査概要〉
地方分権改革は、国が全国一律・画一の基準を定めて行政運営を行うのではなく、地方が、地域の個性を活かし、地方の実情に応じた施策を主体的に展開するため、権限や財源が国から地方に移譲されるものである。これにより、地域のアイデアによって、地域の個性や実情に応じたきめ細かな行政サービスを総合的に幅広い視点で実施することが可能となった。また、地方が自らの支出を自らの権限、責任、財源において執行できる割合を増やすことで、地方に対し、財政健全化や行財政改革が促された。
このような状況に対応した行財政運営が求められている。
〈主な意見要望事項〉
・高度成長期に整備した社会資本が老朽化してきており、維持管理や更新のための費用が増大する。一方で、義務的経費も安易に削減できる状況にはなく、全ての職員が共通認識の下で人口減少社会を見据えた行財政運営を進めていく必要があるのではないか。
・少子高齢化・人口減少社会においては、労働力人口が確実に減少するため税収も減少する。資産・債務の整理や、事業のスクラップ・アンド・ビルドを行うなどにより、少しでも有効な市税の活用を図るべきではないか。
第2回 平成23年10月7日
第3回 平成23年10月21日
〈調査案件〉
〇新地方公会計制度について
〈調査概要〉
地方分権の進展に伴い、これまで以上に地方の裁量による自由な行財政運営が可能となったが、一方で、地方公共団体には、より責任ある行財政運営を行うことが求められた。このような運営を行うには、行政内部の管理強化と外部へのわかりやすい財務情報の開示が不可欠であることから、国において新たな公会計制度の整備が進められた。本市においては、この新公会計制度に基づき、財務4表(貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書、純資産変動計算書)を作成し、資産・負債の一覧的把握や発生主義による行政コストの把握、連結ベースでの財政状況の把握を行っている。
このような財務書類を作成することで、持続可能な財政運営に向けた取り組みや、公共施設の最適化に向けた取り組みなど行財政運営上幅広い活用が可能であり、本市においても取り組みを進める。
〈主な意見要望事項〉
・財政の健全化は図れてきているが、今後、人口減少社会において歳入増が見込めない中では、さらに効率的な財政運営が必要と考える。これまで、行政改革に取り組み歳出抑制がなされてきたが、今後は、地場産業の育成や市民所得の増加といった視点など、税収入をいかに増やしていくかについても具体的に考えるべきではないか。
・事業の推進にあたっては、イニシャルコストだけでなく、ランニングコストがいくらかかるか、受益者負担をどうするかなどを議論・分析することが重要であり、今後は、よりコストを意識した行財政運営が必要ではないか。
・現役世代と将来世代の負担のバランスも含め、長期的な視点で行政サービスを展開すべきではないか。
・受益者負担の適正化については、公平性といった観点から利用者に十分な負担を求めるべきではないか。加えて、今後の人口減少社会においては、職員数も減少していくことから行政サービス維持に向けた市民負担も必要。特に、まちづくり部門等ではさらなる市民協働の推進を図っていくべきではないか。
・政策目的と費用対効果をより明確にし、事業に取り組むべきではないか。
・資産の売却については、民間での活用による新たな雇用創出や税収増に資するものであるので、情報公開をしつつ、積極的に取り組むべきではないか。
・市税、国保料など収納率の向上を図り、未収金、特に回収不能見込みの縮減を行うべきではないか。
第4回 平成24年4月26日
〈調査案件〉
〇財政の中期見通しについて
〇今後の方針について
〈調査概要〉
平成24年3月に作成した「熊本市財政の中期見通し」について説明。
今後、歳入の確保や事務の効率化等、各局の財政運営に資する具体的
取り組み事例について調査し議論していく。
第5回 平成24年7月10日
〈調査案件・調査概要〉
〇都市建設局
・技術力向上等の
取り組み状況について
土木・建築職員の研修等を実施し、技術の継承や技術力の向上に努めるとともに、「公共事業コスト構造改善プログラム」を策定し、コストと品質管理の両面から見た総合的なコスト構造の改善に取り組んできた。
・効率的かつ適正な業務改善について
道路や公園の維持管理については、長寿命化計画等に基づき、計画的・効率的に取り組んでいる。また、本庁と各
土木センターの連携や
土木センター間の情報共有・連絡調整の徹底により、適正な予算管理に努めている。
〇環境局
・ごみ減量全般の取り組みについて
ごみ減量・リサイクル推進基本計画に基づき、家庭ごみの有料化やごみ処理手数料の改定、プラスチック製容器包装の分別収集などにより、ごみ処理量の削減に取り組んできた。
・新西部環境工場の整備・運営手法について
新西部環境工場の整備にあたっては、公設民営方式(DBO)を導入し、機能性や効率性の向上に取り組んだ。
〈主な意見要望事項〉
・公共事業のコスト削減は必要だが、一方で企業に一定の利益がないと税収も増加しないのではないか。適正な入札価格となっているかも含め、財政的視点からも検討すべきではないか。
・長寿命化計画に基づき、予防保全の観点から維持補修に係る経費を予算措置していくという考え方について、今後、十分な検討が必要ではないか。
・幅広い分野で活用できる統合型GISについては、導入に多額の経費を要することから長期的に検討課題となっているが、導入によって財政的な効率化も図れると考えられるので、縮減できる業務量を検証する等検討すべきではないか。
・ごみ収集の民間委託については財政的には効果が出ているが、委託期間が3年と短く車両や人を抱える企業側からすると不安。もう少し長期間の委託とすることで、地場企業の育成にも繋がるし財政的効果も大きくなるのではないか。
・ごみ収集の民間委託をどの程度進めていくのかについて、経費効果だけでなく、災害時の対応も想定したうえで、総合的に判断し市民に理解される体制で進めるべき。
・ごみ減量の効果は、労働力人口の減少や少子高齢化による影響も多いと考えられることから、それらの影響を除いて、取り組み効果を示す必要があるのではないか。
・単年度でごみの処理量が減少しても、人や車両、環境工場の運営コスト等処理経費が直ちに削減できるわけではないが、中長期的には経費削減が図られるよう計画的な検討が必要であり、処理コストの推移を示し、減量効果を説明すべきではないか。
第6回 平成24年11月2日
〈調査案件・調査概要〉
〇企画振興局
・市民公益活動支援基金について
原資を税金に頼らず、公益活動を行う市民や団体を共感する市民や事業者が支援する仕組みであり、市民や事業者に制度を周知し理解を深めることで制度定着を図り、団体応援寄附の促進を図るべく取り組む。
・熊本市地域コミュニティセンターの運営について
地域密着型施設であるコミュニティセンターに指定管理者制度を導入し、各地域団体に管理運営を委託することにより、財政面でのメリットに加え、住民ニーズに応じた弾力的な運営が可能となり、利用者の利便性向上にも繋がった。また、地域が管理運営する中で地域独自の活動も生まれてきている。
〇健康福祉子ども局
・健康づくり対策について -CKDの取り組み-
高齢化の進展により医療費が増加する中、本市では人工透析者の割合が全国に比べ高い水準にあり、この減少を目指し病診連携等による啓発・早期発見・発症予防・進行抑制など総合的なCKD対策を実施することで一定の成果を得た。今後、校区単位の健康まちづくりを進め、生活習慣病予防に取り組む。
・介護予防事業の取り組みについて
被保険者が要介護・要支援となることを予防するため、健康づくりや介護予防に早期から取り組んでいる。また、介護の必要がある高齢者が在宅での生活を継続できるよう地域で支える仕組みである地域包括ケアシステムの構築に向け取り組んでいる。
〈主な意見要望事項〉
・市民公益活動支援基金については、まちづくり活動の原資を税金ではなく寄付金で賄う制度であり財政的効果は期待できるが、安定した寄附金の確保など継続性への課題もあり、持続可能な制度としていく必要があるのではないか。
・寄附者に対して、助成の成果をしっかり報告することや、助成額だけでなく、制度の運用に係るコストも把握すること、寄附額の目標を定めることなど、持続可能性を確保するための研究を重ねるべき。
・コミュニティセンターは、直営から地域への指定管理に移行したことで、財政的効果は出ているが、利用状況に応じた指定管理料の設定等、今後の運営に工夫が必要ではないか。
・住民自治、地域の自主自立の運営を考えたときに、最低限必要な物件費は市が負担し、人件費部分は地元負担という展望も検討しておく必要があるのではないか。
・
少子高齢化社会において、福祉、防災なども含む地域のコミュニティの場としてコミュニティセンターは重要。行政としてここまでは支出するという制度が必要ではないか。
・少子高齢化が進展している中で、高齢者に対する医療・介護・福祉にかかる負担は今後とも増加が見込まれるなか、この保健分野、予防について行政が率先し取り組むことによって、医療費等を縮減していくべき。
・地域での介護予防の取り組み強化のため、保健師による栄養指導や、スポーツ施設の活用による健康づくりのサポートが必要、また、若年層への指導を意図した企業との連携や、老人会・婦人会などの地縁団体との連携を見直すことが必要ではないか。
・本市の人工透析者数が他都市と比較して高い水準にあることを市民に示し、予防の啓発を行うべき、また、高齢化の進展に伴い、要介護認定者の増加が確実視されており、介護予防に力を入れていくべき。
第7回 平成25年5月29日
〈調査案件・調査概要〉
〇農水商工局
・熊本市産業成長戦略及び企業立地の推進について
本市経済の持続的な成長に向け、「熊本市産業成長戦略」を策定(平成25年4月)し、基本的な戦略を明確に掲げ、企業や経済団体、学術機関等と連携して本市経済の発展に取り組むこととした。また、企業立地の推進など「熊本市産業成長戦略」に掲げる施策展開を確実に進めることで、地域経済の活性化を図り、雇用の創出や税収の増加等に繋げる。
・熊本市の農業の更なる取り組みについて
今後の基本戦略及び展開すべき重点施策について、産業成長戦略及び農水産業計画において明示し取り組みを進めている。中でも、将来の担い手となる若手農業者の支援、農商工連携による6次産業化と販路拡大は重要であり、重点的に取り組んでいる。
〇教育委員会事務局
・学校施設における老朽化対策について
平成25年3月、文科省が「学校施設老朽化対策ビジョン」を取りまとめ、「事後保全型」から「予防保全型」の管理への転換、また、改築から長寿命化改修への転換の必要性が示された。本市の学校施設の改修は、これまで耐震化を優先に取り組んできたが、平成25年度で完了予定であり、今後、体育館やプール整備など中長期的な施設整備計画を策定していく中で、長寿命化計画についても研究を進め、財政負担の軽減に努める。
〈主な意見要望事項〉
・企業誘致はコールセンター等の事務系のオフィスは増加傾向だが、より雇用や財政的効果が大きい工場の立地増に向け、工業団地の分譲促進に一層努力すべき。
・農水産業計画に定めている指標や目標の達成に向け、どのような取り組みをしていくのか、これまでの取り組みの成果、費用対効果を踏まえた事業の見直しにより、どの分野にどれだけ予算を投入するのかについて、説得力のある施策を示すべき。
・就農支援については、国の施策も重要だが、本市の現状を踏まえた展開が必要。
・長寿命化改修により財政負担を軽減できるのであれば、いつまでも研究するのではなく、本市の学校施設の改築や長寿命化などの具体的な計画を早期に定めるべき。
・校区毎に小中学生の人数の将来予測を行い、規模に応じた対応が必要ではないか。
第8回 平成25年11月21日
〈調査案件・調査概要〉
〇観光文化交流局
・熊本シティブランド戦略の推進について
平成21年に策定した熊本シティブランド戦略に基づき、九州新幹線鹿児島ルート全線開業に向け6つのリーディングプロジェクトに取り組み、さらに平成23年度にはシティプロモーション課を設置し、指定都市移行を契機としたさまざまなプロモーションを展開してきたことで、本市の知名度の向上及び交流人口の増加に、一定の効果が得られた。
・桜の馬場地区の整備について
民間事業者の活力やノウハウを活用したPFI事業により、施設整備、運営、維持管理業務等に行うことで、利用者サービス・顧客満足度の向上や、観光客等の滞留時間の拡大による周辺地域への回遊性の向上に取り組むとともに、本市の財政負担の軽減にも繋がった。
〇総務局
・行財政改革の取り組みについて
本市の行財政改革については、市民福祉の向上、効果的・効率的な行政体制の整備を目指し、平成8年に行財政改革大綱を策定した。以降、社会情勢の変化等を踏まえながら、数次にわたり行財政改革計画を策定し、事務事業や組織機構の見直し、財政の健全化に取り組んできた。現在、第4次行財政改革計画に基づき取り組みを進めているが、今後とも、現在策定中である第5次計画において引き続き取り組みを進める。
〈主な意見要望事項〉
・ひごまる、ケロロ軍曹等キャラクターのさらなる活用による観光振興を図るべきではないか。
・リーディングプロジェクトを継続する必要性や経済的な効果について、定量的に説明する必要があるのではないか。
・湧々座の利活用推進策の検討や飲食物販施設の集客対策等、城彩苑の整備に多額の投資をしていることを踏まえ、熊本城の入場者増等も含め、事業効果を高める取り組みが必要ではないか。
・コンベンション協会には本市も多額の委託料や補助金を支出しており、協会自体が、さらに観光事業の中で役割が果たせるよう、本市としても連携強化を図るべきではないか。
・観光関係は裾野が広く経済効果が非常に大きな産業である。観光が盛んになることで大きな雇用を生み、市の税収も増えるというような気概を持って業務推進すべき。
・人口減少や社会保障費の増大等を踏まえた行財政改革という視点だけでなく、人口減少社会に歯止めをかけるための少子化対策等の取り組みもあわせて考えていく必要があるのではないか。
・将来を見据え、住民サービスの低下となる事項も含め事業の内容や執行体制について見直しを行わなければ、持続可能な行財政運営は実現できないのではないか。
・民間委託による経費節減もあるが、仕事の中身を見直さずに、安易に民間委託を推進したり、非正規職員が担うこととするのではなく、行政が実施すべき事業なのか、地域住民にお願いしていく事業なのかについても整理検討すべき。
・職員数が減少傾向にある一方で、業務は増加している状況を踏まえ、職員の
スキルアップや団塊の世代の退職に伴う技術の継承等について配慮する必要があるのではないか。
第9回 平成26年6月26日
〈調査案件・調査概要〉
〇財政局
・公共施設等の総合的かつ計画的な管理の推進について
公共施設の資産マネジメントについては、全国的には大きな課題となっているが、公共施設の老朽化に伴い、今後、多くの施設が改修や更新の時期を迎えるため、公共施設等総合管理計画を作成のうえ、全市的・総合的な視点で公共施設の有効活用について検討し、計画的な維持管理や長寿命化などによって、財政負担の平準化を図る。
〈主な意見要望事項〉
・施設の維持管理業務については、業者委託が多くなっている状況だが、コストも含め適正に維持管理していくには、業務に精通した人材の育成が必要ではないか。
・非常時の緊急対応を考えると、メンテナンスについては地場企業への委託が有効であり、機械等設備関係の分野も含め地場企業の育成に取り組むべきではないか。
・人口減少社会においては、施設の長寿命化とあわせ、施設の転用や統廃合も必要となる。特に、施設の統廃合については住民サービスの低下を招くなど課題も多いが、財政健全化に向け一定の取り組みが必要ではないか。
・公共施設等総合管理計画には、市が保有する施設を盛り込むこととされているが、法定外公共物の取り扱いが不明確となっており、この計画に盛り込むのか個別計画で対応するのか整理すべきではないか。
・通常の維持管理と並行して予防保全型の維持管理に取り組むと、多額の維持管理費を要することとなり、長期的な財政計画への反映が必要となるのではないか。
<参考>地方行財政制度改革に関する近年の国の動向
第1回から第3回までにおいて、地方行財政制度改革に関する国の動向について調査・審議を行ったところであるが、平成24年度以降の主な地方行財政制度改革について補足する。
(1)地方分権改革について
義務付け・枠付けの見直しや事務権限の移譲等を盛り込んだ、第3次一括法(平成25年6月)及び第4次一括法(平成26年5月)が成立した。これにより、平成23年に成立した第1次及び第2次一括法とあわせて、地方公共団体が、条例で独自の基準を定めて地域の課題を柔軟に解決したり、地域の実情に応じた総合的・効率的な行政サービスの提供や窓口の一元化が可能になった。
(2)大都市制度改革について
我が国の社会経済、地域社会などの変容に対応した大都市制度のあり方について審議された第30次地方制度調査会において、指定都市と都道府県との「二重行政」の解消や「都市内分権」による住民自治の強化、さらには、指定都市等の地域の中枢的な役割を果たすべき都市(地方中枢拠点都市)を核とした都市機能の「集約とネットワーク化」に向けた答申がなされた(平成25年6月)。これを踏まえ、上述の第4次一括法に基づく指定都市への権限移譲、地方自治法の一部改正(平成26年5月)による区の役割の拡充や新たな広域連携制度の創設等がなされた。
(3)新地方公会計制度について
現金主義会計では見えにくいコストやストックを把握するなど現金主義会計による予算・決算制度を補完するものとして財務書類の作成を進めてきた新地方公会計制度について、「今後の新地方公会計の推進に関する研究会」報告書(平成26年4月)を踏まえ、地方公共団体における財務書類等の作成に係る統一的な基準を設定し、①発生主義・複式簿記の導入、②固定資産台帳の整備、③比較可能性の確保を促進する取り組みがなされつつある。
4 行政視察
平成23年度(平成23年11月7日~9日)
【大阪市】
・大阪市提案競争型民間活用監理委員会について
【多治見市】
・多治見市健全な財政に関する条例について
平成24年度(平成24年7月18日~20日)
【横浜市】
・アセットマネジメントプランについて
・民間委託の推進における市場化テストの導入について
【浜松市】
・浜松市における資産経営への取組みについて
・市税滞納削減対策アクションプランについて
平成25年度(平成25年8月6日~8日)
【足立区】
・公共サービス研究の推進について
・公共施設の再編と公有財産の活用について
【さいたま市】
・提案型の公共サービス民営化制度について
・公共施設マネジメントについて
【船橋市】
・債権管理の一元化について
平成26年度(平成26年9月1日~3日)
【墨田区】
・公共施設白書及び公共施設マネジメント実行計画について
【千葉市】
・行政改革推進プランについて
【目黒区】
・施設白書及び区有施設見直し方針について
5 まとめ
本特別委員会では、10回にわたる委員会の開催及び10都市への行政視察を行い、国の地方財政に関する動向の把握やそれを踏まえた本市の対応状況について再確認するとともに、各部局における財政運営に資する特筆すべき取り組みについて調査を行った。この中で、少子高齢・人口減少社会における財政運営のあり方、さらには、政令指定都市移行後の財政運営のあるべき姿について、現在の取り組みをもとに、より効果的な施策展開の手法等について、各方面から幅広く議論を重ね、以下のとおり一定の方向性を示したところである。
執行部におかれては、この方向性を念頭に、より一層の財政運営の健全化と財政基盤の強化に取り組まれることを強く要望し、本特別委員会のまとめとするものである。
■中長期的方向性
・少子高齢・人口減少社会を見据えた行財政運営
・熊本都市圏など広域的視点での行財政運営
〇財政全般
・行財政改革の推進及び人口減少社会に歯止めをかけるための少子化対策の推進
・将来世代の負担を見据え、住民サービスの縮小も含めた長期的な視点での行政サービスの展開
・地域密着型の公共施設は地域に管理運営を任せるなど市民協働の取り組みを推進
・イニシャルコストだけでなくランニングコストも考慮した事業推進と受益者負担の設定
・広域的な施策展開も含め、スケールメリットを活かした行財政運営の展開
・職員が減少していく中、専門技術職をはじめ、職員のさらなる
スキルアップや技術の継承が必要
〇歳入の確保
・企業誘致の促進や地場産業の振興による働く場の拡充により雇用を創出し税収増を図る
・農水産業施策の効果的な展開や地場産業の育成により市民所得を向上させ税収増に繋げる
・資産の売却等公共資産の有効活用に積極的に取り組む
・市税、国保料など収納率の向上を図り、未収金、特に回収不能見込みの縮減に努める
〇歳出の適正化
・公共施設等総合監理計画を策定し、公共施設等の長寿命化や最適化を推進
・公共施設等の維持補修は、事後対処型から予防保全型への転換を検討する
・民間委託については、コスト偏重ではなく、地場企業や地域活力の育成の視点も含め、より効果的な運用が必要
・高齢者に対する医療・介護・福祉施策については、予防策の強化を図り医療費等の縮減に努める...