私で5人目ですので、重なった部分がございます。一部順番等の変更があることをお伝えし、早速質問に入りたいと存じます。
最初の質問項目、
政令指定都市移行3年目を迎えて。早3年たったのだなと思うところ多々です。
私も今回はあえて
選挙管理委員長さんをお呼びしております。なぜかと申しますと、3年以上前に、
政令指定都市になる1年以上前に、
政令指定都市になったらこういう問題が起こりますよ、決してバラ色のことばかりではない、こういう弊害もありますよということを幾つか申し述べさせていただきました。
その中で、項目にあります期日前投票所の設置問題、そして、区境のところの投票所の変更、これが大きいですよというのを、もう3年以上前に指摘しておりました。しかし、3年目に入った今、本質的にはまだ一つも解決していないと言わざるを得ないのは残念な限りです。
御案内のとおり、昔は熊本市民誰であれ、市役所横の駐輪場8階で期日前投票ができました。しかし、
政令指定都市に移行してからは、そちらは中央区の方のみ。期日前投票は、今までは1週間弱でしたけれども来年の選挙は期間が延びますので、まちなかの方々が仕事の合間だったり、仕事の帰りになったり、ちょこっと時間をつくって寄られるためにつくられていたと思います。そういう方が中央区以外の方の方が多いという状況で、投票したくても投票できない方が出ているという状況は早急に改善しなければならないということで、私もさまざまなアイデアも含めて御提案をさせていただきました。
14階のホールだったり、展望所も利用していいのではないかと
予算決算委員会でも触れました。しかし、いろいろなことでここは使いますからとおっしゃいますけれども、そのとき私も問われていましたが、全ての方を一つのところに集めて投票していただかなければと思ったのです。仙台市みたいに広いところを自前で持っているところはいいのでしょうけれども、そうでないところは、熊本も含めていろいろなほかの方策を考えなければいけない。そういう中で言うと、分離して場所を考えるということも考えるべきではないかと私は思っておりました。
その期日前投票所の設置問題に対して、
選挙管理委員会のお考えをお聞きしたい。
また、区境の投票所。前は、校区は隣だけれども、近いからそこに投票しに行っていた。今回
政令指定都市になって区が別々になったけれども、区が違うことによってそこに行けなくなり、今までよりもさらに遠いところに、バス通りを幾つも越えて行かなければいけなかったりというような状況で投票しなければいけない方々が多数出てきているという状況であります。本市で22カ所そういう場所があるという状態、これもまだ抜本的な解決には至っておりません。この現在の状況とこれからの進捗状況、そして見通しについて
選挙管理委員長にお尋ねいたします。
〔
田代芳郎選挙管理委員会委員長 登壇〕
◎田代芳郎
選挙管理委員会委員長 おはようございます。選挙関係の御質問に対しまして、お答えさせていただきます。
まず1点目の全ての有権者が投票できる期日前投票所の設置につきましては、さきの第1回定例市議会でお答えしたとおり、恒常的に利用できる広い投票場所の確保が困難であること、さらには
指定都市移行後初の
統一地方選挙となる来年4月執行予定の
市議会議員選挙と
県議会議員選挙が同日投票となり、市議と県議の選挙区が異なる複雑な選挙となることなどから、
統一地方選挙までの設置は難しい状況でございます。
しかしながら、設置の必要性は十分認識しているところであり、全ての有権者が投票できる期日前投票所の設置場所については、以前のように1カ所に設置するのではなく、
市役所別館自転車駐車場と本庁舎内に、またその付近で、例えば本庁1階のスペースなど数カ所を利用しての分散した設置を視野に入れて、実現可能な方法を考えているところでございます。
また、全国の指定都市の中で、全ての有権者が投票できる投票所を設置している市は、仙台市、静岡市、それに福岡市の3市でございますが、実施方法につきましては、期日前投票期間全てではなく、期間と時間を短縮して実施されるなど、その都市に応じた対応をされているところでございます。
本市におきましても、このような先進市の状況を参考にしながら、
統一地方選挙後、なるべく早い時期に設置できるよう
各区選挙管理委員会と協議してまいります。
次に、2点目の選挙投票所については、
指定都市移行に伴い、選挙は区ごとに実施されておりますが、区境で投票所が変更となった対象者の方については、事前に地元自治会の説明を行い、移行後初めてとなる平成24年12月執行の衆議院議員総選挙前には、
投票所入場整理券とは別にはがきなどで変更のお知らせをいたしております。
その後も引き続き地元自治会の意向を確認するなど対応をとってきたところでございますが、投票所が変更となった地域だけを対象に投票所を新たに設置することは、対象有権者数や投票所として使用する施設などいろいろな問題があります。
しかしながら、投票環境を整備することは有権者の皆様にとって重要なことであり、投票所の見直しにつきましては、地域の意見を尊重し、投票所ごとの有権者数の増減や投票環境も考慮に入れながら、投票率低下につながらないように、
各区選挙管理委員会に対しまして、変更となった投票所も含めまして全体的な見直しをお願いしているところでございます。
これまで、
指定都市移行後の投票所の見直しについては、地域の要望により投票所を変更した地域もあり、
各区選挙管理委員会と連携を図りながら今後とも地域の皆様の御意見等を十分に尊重し、投票所の見直しを適宜行いながらよりよい投票環境の向上に努めてまいります。
以上でございます。
〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員
選挙管理委員長、初めての御登壇ではなかったかと思います。懇切丁寧な御説明は承りました。
投票環境を整備していくというお話がございました。まさにこの投票所の問題、
議会制民主主義の根幹にかかわる、我々議場にいる議員の身分、また11月に行われるであろう市長選においても非常に大切になってまいります。そういうところをしっかりと勘案していただいて、もう3年以上前から言っていますので、もうそろそろ具体的な改善策を示していただいて、形を残していただきたい。
私が3年ちょっと前に指摘したときには仙台市しかございませんでした。しかし、その後、静岡市、福岡市と実現してきております。静岡市に至っては熊本市とほぼ同規模ということですから、私からすると負けてくれるなというところ多々でございます。そこをあえて強く指摘させていただきまして、次の質問に移らせていただきます。
政令指定都市になりまして、消防団のあり方というものも3年ちょっと前にも触れておりますけれども、区によって地域性や文化が異なるのと同様に、消防団も区によって団員が多い地域、少ない地域、ポンプ操法等の訓練をする場所、ポンプ車倉庫等々のさまざまなケースが存在しているのも事実であります。
そのような中、中心部の消防団とそれ以外の場所の消防団、基本的には同じ役割・体制で今活動を行っております。私も消防団でしたので、消防学校に行ってもおりますので、その辺はよくわかりますが、中央区のように常備消防が充実している地域では、消防団、
消防ポンプ車よりも消防車の方が早く現場に着くわけです。そういうところでは、役割がおのずと変わってくるのではないか。消火活動や、いらっしゃる近隣の方々の整理、残火の処理等が中心になっているのが現状かと思います。今後は、地域に応じて消防団の役割を見直していくべきではないかというのが、私の指摘であります。
また、それに伴い、一つの校区で消防団を持たないところがまだまだ見受けられます。20人いないと消防団がつくれないとか、
消防ポンプ車倉庫の場所がないと消防団がつくれないとかいうことでは、なかなか
消防団設置地域についていけない。
いろいろなところで、
桜木東小学校区とかでいい例も出てきているようですので、その辺も踏まえまして消防団のあり方について消防局長の答弁を求めます。
〔
大塚和規消防局長 登壇〕
◎大塚和規 消防局長 私からは、指定都市の消防団のあり方について2点の御質問にお答えいたします。
初めに、中心部と周辺部の消防団の役割や体制についてでございますが、議員御案内のとおり、本市におきましても社会状況の変化によりまして消防団の役割が変化してきていると認識いたしております。
特に中心部の消防団におきましては、被雇用者、いわゆるサラリーマンの増加や、少子化によります若手団員の不足、あわせて常備消防の充実が図られている中で、消火活動などにおける消防団の活動も変化してきていると考えております。
しかしながら、一昨年の
九州北部豪雨災害の際に見られましたように、日ごろから地域に密着した即時対応力や要員動員力などを生かして、地域住民の避難誘導などが的確に実施され、消防団の必要性が改めて認識されたところでもございます。
そこで当局といたしましても、中心部や周辺部にかかわらず、火災などの災害対応だけではなく、地域防災のリーダーとして地域の災害予防活動を初め、災害時には災害時要援護者の避難を支援する消防団とのさらなる連携強化に努めてまいります。
また、地域の実情を考慮しているかとのお尋ねでございますが、常備消防におきましては、市街地の道路狭隘地区などに対応すべく小回りがきき、利便性にすぐれた15メートル級の小型はしご車を導入するなど装備の見直しを行っているところでございます。
消防団につきましても、体制を今年度から地域に密着した区に沿って方面隊を編成した1区1区団体制としたところであります。装備につきましても、常備消防と同様に軽
トラックベースでの
小型動力ポンプつき積載車の導入など、地域の実情に応じた装備の変更、充実を図っていくことといたしております。
次に、消防団の未設置校区への対応についてでございます。
現在、9つの小学校校区におきまして未設置でありまして、管轄する消防分団の分団長などから今後の意向について聴取いたしておりますとともに、必要に応じまして新規設置に向けての説明を実施いたしております。
具体例を挙げますと、議員御案内のとおり桜木小学校から分離した
桜木東小学校におきましては、将来の分団新設に向けまして、現在の桜木分団に2つの部を設置いたしまして、災害対応や地域住民とのコミュニケーションを図るなど桜木東分団に昇格するための実績づくりを行っているところでございます。
お尋ねの消防分団の設置基準につきましては、原則として
小学校校区ごとに置くこととなっておりますが、一律に施設の整備や相当数の団員の確保を必要とするのではなく、各分団で所有する車両装備や機械倉庫の共有化、所属する団員の再編などで対応は可能であると考えております。
いずれにいたしましても、今後も地域の実情やニーズに合った消防分団の編成を推進してまいります。
〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員 前回お尋ねしたときに比べると随分進んだなとうれしく思うところでもありますし、これからまだ予断を許さないところがございますので、ぜひ丁寧な対応、現場の方々の声を生かしながら対応をしていただきたいと思います。
それでは、市長、お待たせしました。大体、私、毎回市長に最初に立っていただいて議論することが多いのですけれども、今回は少しお休みいただいていよいよ登場と。
キャッチボール、まいります。
熊本市の経済・財政視点から見ました喫緊の諸問題についてお尋ねいたしたいと思います。
きのうも種々論議がございましたけれども、桜町・花畑地区再開発事業を筆頭とした今後の投資問題等が待ち受けているわけです。その中で、まず
MICE施設整備の事業費。この部分で300億円という数字がひとり歩きをしているという問題。
私も、まだ議事録が起こされていませんので、議会のホームページで何度も3月10日の
予算決算委員会、午前中の市長の答弁をチェックいたしました。百年の計と言える事業であるという中で事業費が肥大するということを懸念された上での発言だったと思いますけれども、300億円程度の事業費を目安として進めていきたいと。
この中でも述べられておりますけれども、まだ検討に着手した段階であるとおっしゃっている中で300億円という具体的な数字を出だされたのは、ちょっと唐突な感じがいたしました。この数字を出された真意をお尋ねしたい。10%上がると何がし、15%上がると何がしという数字も出ておりましたので、その辺との整合性を含めて答弁をお願いしたいと思います。
続けて財政局長にお尋ねいたしますが、もし市長も思うところあられたら、そこで加えて発言していただいても構いません。
財政の中期見通しでの大規模事業費が予想される投資。随分財政局ともやりとりをさせていただきましたけれども、私からすると、幾らお話を聞いてもなかなかマジックのような形で、これだけの事業が山積している中で本当に可能なのかと思わざるを得ないところは事実であります。
例えば、特別支援学校の整備もございますし、北消防署の整備、また、川尻・熊本駅間の新駅、西熊本駅ということになるというのもちょっと聞いておりますけれども、加えて植木体力・
健康づくり拠点施設整備等々にも10億円から30億円以上事業費が予想されております。こういう数字が予想される中で、事業が今言ったものの3倍という形で億単位の事業費があるのも事実でございます。これに対して財政局として説得力のある御説明をお願いしたいと思います。
経費の精度を高めるなどしていかないといけないと思いますし、当然、事業が間近になったり、進んでいく段階で次の事業への影響というものも予想されますでしょうから、そのあたりの進め方も含めまして財政局長の答弁を求めます。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 それでは、
MICE施設の事業費についてのお尋ねにお答えさせていただきたいと存じます。
300億円程度を目安としてというような発言をさせていただいたわけでありますけれども、その発言の真意ということではございましたが、議会等での議論の中でも事業費が高騰していった場合はどうするのかでありますとか、あるいはそのことによって他の事業に与える影響というものが出てくるのではないかといった疑問や指摘等をいただいたところでありました。
もちろん、この事業というものは本市にとりましての将来を見据えました、きのうも答弁させていただきましたが、人口減少なども見据えましたときに大変重要な事業であるということでぜひ進めさせていただきたいと、これまで発言もさせていただいたものでありました。しかしながら、その不安や疑問の声にもお答えもしていかなければならないという中で、あのような発言をさせていただいたものでもありました。
そのような中で策定いたしました熊本市
MICE施設整備基本計画でございますが、ここにおきまして概算事業費といたしまして約289億円と提示したわけでありますけれども、その中で今後大きな価格上昇が見込まれる場合には、本計画の施設プランを尊重しつつ、施設規模や仕様などの見直しにより事業費抑制を図っていくことを併記させていただいたというものでありました。
昨日見直しにつきましての基本的な考えを少し述べさせていただき、今回、見直しも進めているところでありますが、この見直しというものは、単に事業費を抑制するというものだけではなく、施設機能の向上というものもあわせて目指すものでございます。
具体的に少し申し上げますと、現在、基本計画に基づきまして3,000人規模の学会・大会でございますとか、あるいは2,000人規模のホールツアーコンサートでありますとか、まちなかの展示会など多様なMICEのニーズに対応する施設機能の維持を図りつつ、例えば
メーンホール利用者の動線でありますとか視認性の向上など創意工夫を重ねているところではありますが、今後もさらに使い勝手がよく、より魅力的な施設となるように努めているところでございます。
加えまして、熊本城への眺望の確保、あるいは屋上庭園との一体的利用などによります熊本市独自の
おもてなし空間を備えました
MICE施設や
シンボルプロムナードなどを整備いたしますことで、中心市街地の活性化の起爆剤ともなり、昼夜を通じたさまざまなにぎわいを創出いたしますとともに、交流人口の増大につなげていきたいと考えているものであります。
〔
木下修一財政局長 登壇〕
◎木下修一 財政局長 財政の中期見通しでの大
規模投資事業についてのお尋ねにお答えいたします。
本年3月に26年度から30年度までの5年間の財政の中期見通しを策定しました。その中で投資的経費につきましては、継続事業や
MICE施設整備など現時点で計画段階にある事業も含め、各局の事業計画を参考に所要額を積み上げました上で収支見通しなどを勘案し推計しており、御案内のとおり平成27年度以降、450億円台から500億円台で推移すると見込んだところでございます。
その結果、平成27年及び28年度におきましては一時的に収支がマイナスと見込まれますものの、平成30年度までの5年間では2億円の黒字と、一定の収支が確保できるものと見込んでおり、また、財政指標につきましても、健全化法に基づく
早期健全化基準を下回る数値で推移する見込みでございます。
お尋ねの大規模投資につきましても、
MICE施設整備のほか、新
西部環境工場施設整備、
龍田西小学校建設など、現時点において計画されている平成30年度までの大型投資事業につきましては一定の推計で見込み、盛り込んでいる状況でございます。
ただし、計画段階にある事業は設計も未了であり、一定の推計のもと見込んだ想定事業費であること、また、国庫補助の採択状況や入札による減額、さらには議員御懸念の労務単価の上昇や建築資材の高騰による影響などにより事業費が大きく変動する可能性もございます。
このようなことから、投資的経費全体の調整や各事業の年度間調整が必要と考えており、今後、各事業の進捗状況を見きわめながら進度調整などを行うことで投資的経費全体を平準化させることを想定しているところでございます。
いずれにいたしましても、財政の中期見通しに盛り込んでおります投資事業につきましても、毎年度の予算編成の中で事業の緊急性や事業効果などについて厳しく精査するとともに、設計を踏まえた事業費の見直しなど事業進捗に応じてその精度を高めた上で財政の中期見通しをローリングし、全体の投資水準や財政指標の推移等を見きわめ、計画的な財政運営に努めてまいります。
〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員 答弁をお聞きしても、やはり不安は拭えません。
なぜ私がこのような指摘をするか。私は一貫してこの再開発事業に関しては慎重論であります。前もそうですし、今もそうです。
しかし、桜町・花畑地区が今のままでいいとは思っておりません。そういう中で、やるのであればいいもの、魂のこもったものをということでずっといろいろな指摘をさせていただいてまいりました。
また、議場で私も若い方ですけれども、若い世代の代表としても申し上げているつもりです。次世代に問題を先送りしたり、負担を先送りするということがあってはならない。30代の議員の方はこの中には多分お二人ぐらいしかいらっしゃいませんし、40代も数えるほどしかいらっしゃいません。1期で当選されている方には20代の方はもちろんいらっしゃらない。そうなると、きょうも若い世代の方もいらっしゃっていますけれども、そういう世代に対する責任というものも、私を含めて上の世代というのは負っているということを痛感しているものですから、お尋ねをいたしております。
先ほどの答弁をお聞きする中で私が感じますのが、300億円のキャップの部分でいうならば、幸か不幸か、市長がキャップをかけたことによって推進室初め知恵を絞って今プランを練られている。おぼろげと出てきているというのも、私も感じております。
もし、それがなかったならこのまま行っていたのかと思うところですし、検討委員会の存在意義も問われるところだと思います。本当に審議時間、議論の時間が十分だったかというところも指摘されるところであろうかと思います。
そういうことも考えながら次の質問といいますか、関連質問として副市長にお尋ねいたしたいのですが、この再開発が動き始めた当時から責任ある立場にいらっしゃった高田副市長。特に、都市建設局長、そして企画振興局長当時も携われていたのは、皆さんも御存じの方、多いと思いますが、副市長になられてからも現在に至るまで、平面駐車場等の問題に対する対応も行っていらっしゃるというのも聞いております。
都市計画決定がされたとはいえ、まだまだ予断を許さない状況だと思います。こういう中において今までの進捗状況を鑑みて思われるところ、そして、これからの見通しについて、現場の責任者だと思います。CEOが市長だとするならば、COOというような形だと思いますので、COO高田副市長に答弁をお願いいたします。
〔高田晋副市長 登壇〕
◎高田晋 副市長 それでは、桜町再開発、MICEに対する今の状況、私の思いというようなことでお答えさせていただきたいと思います。
桜町地区での再開発事業につきましては、これまでも議会におきまして慎重かつ活発な御議論をいただきまして、そして今般、都市計画決定を行い、これまでも市長のリーダーシップのもと、進むべき方向性に道筋がつけられつつあると考えているところでございます。
改めましてこの再開発事業を考えましたときに、当事業の行われる桜町・花畑地区は歴史的にも熊本の政務の中心地として発展してきましたように、現在も中心市街地の2核3モールをなす一つの核でございまして、また、本市のシンボルである熊本城から続く空間としても大変重要な位置にあり、中心市街地の再デザインを進める上で、また熊本の顔づくりの上でかなめの地区であると考えているところでございます。
また、先般の第1回定例会において御報告いたしました第6次総合計画の中間見直しの中で今後強化する3つの取り組みとして、定住促進、少子化対策、交流人口の増加を柱と掲げさせていただきまして、今後の市政を進めていきたいと考えているところでございます。
このような中にありまして、桜町地区で進められる再開発事業は、バスターミナルの再整備や、新たな商業の集積やホテル、住宅などの都市機能の更新、充実に加えまして、新たに
MICE施設も整備されるというようなことでございまして、さらなる中心市街地のにぎわいの創出や定住促進、さらには都市の知名度、イメージアップ、さらには国際化に寄与する事業で九州中央の交流拠点都市の実現にもつながるものでありまして、今申し上げましたような市の進むべき道筋に合致した事業であるということで、私もぜひ成就しなければならないと考えているところでございます。
ただいまいろいろな事業におきまして、課題も多うございますけれども、ぜひとも努力させていただき、実現させてまいりたいと考えているところでございます。
〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員 高田副市長は読書家でも有名でいらっしゃると聞き及んでおります。ぜひ机の上で得た知識、知恵を現場で生かしていただきたい。お元気だというのも、バイタリティーがあるというのも、私も存じ上げておりますけれども、ちょっと元気が表に出ていないところがあるかなと思いますので、八面六臂とは言いませんけれども、ぜひ御活躍をいただいて、今後、市長が退かれた後、どうなるかわからないところですけれども、熊本市にとって実りあるものとなるようお力添えをお願いしたい。それが副市長の役割だとも考えております。
引き続きまして、今回の中核ともいっていい風格ある文教都市熊本のための文化・教育行政についてに移りたいと存じます。
以前私も触れました創造都市という言葉がございます。ボローニャ等で有名ですけれども、この創造都市の分野で有名な大阪市立大学の佐々木教授もおっしゃっています。社会のインフラはコンクリートやアスファルトではない、文化であると。まさに名言だと私は思います。
国内では同規模の金沢市、また先輩政令市でもある神戸市、横浜市、名古屋市などもこの理念を掲げていらっしゃいます。熊本市もお城を中心にした県・市の文化施設が多数ございます。
そういう中で私が今回ちょっと懸念するところ、残念に思うところを含めてお尋ねしてまいりたいと思います。
先人が築き上げてきた我が郷土の誇るべき歴史、文化的土壌は他県の追随を許さないのは御案内のとおり、先ほども申しました。さて問題は、その大切な文化遺産が今日どのような形で将来に受け継がれていくのか。ここ数年の動きを見聞するとき、いささか不安を覚えるのは私だけではないと思います。
以下、現状を踏まえた上での私の質問は、それは県だ、町だ、市だというセクショナリズムではなく、
政令指定都市になった熊本市の大局的な見地から指摘するお尋ねということをあらかじめ明確にしておきたいと存じます。
まず、昨年から議論され始めた熊本博物館の熊本県総合博物館ネットワーク、通称熊本タイプ、熊本型博物館の正体、実像とは何ぞやという疑問を投げかけたいと思います。
県は構想策定から約18年経過したため、その環境が変わり、事業費200億円も財政健全化計画で凍結され、断念。ここに来て県の総合博物館新設を前提としない時代の要請に応じた熊本タイプの博物館像を描くことでスタートいたしております。
本市の
政令指定都市移行を受け、県市トップが話し合い、松橋収蔵庫と市立博物館との連携等が合意されております。
しかし、昨年末の県議会では、長年先送りして、ここに来て建設断念は拙速ではないか、熊本タイプは作文であり、実感が伴わない机上の空論、バラ色みたいな構想などと手厳しい意見が相次いでおります。県内の学芸員からも県市町村との連携にはお互いのニーズが合わなければならない。例えば大型展示はどこで開くのか、企画運営、資料の保存、管理・メンテナンス等、これら責任の所在をどこでどう調整していくのか、全く現場の声が反映されていない。絵そらごとに近いという言葉も耳にいたします。
熊本県は九州で唯一、全国でも珍しいといいますか、いろいろ調べましたら県が総合博物館を持たないのは全国で熊本県だけですね。しかし、塩漬けにされていると指摘されておりますけれども、64万点の資料は松橋収蔵庫に眠っております。これを日の目を見ぬままにするのは確かに許されない、もったいないという判断があった上での県が提唱している熊本タイプ博物館。この机上論が浮上してきたのかなと思います。
しかし、市としてその受け皿である市立博物館の歩みと現状を率直に思うとき、私は危機感を持たざるを得ません。
今、4月26日から6月29日まで熊本博物館と黒川紀章展が市立博物館のエントランスで行われております。あの黒川紀章が設計した市の博物館、第1期工事が完成し、博物館は歴史的にも人文博物館でスタートしております。途中から当時の市長の意向で自然科学系も含めたものとなったため、現状でもかなり無理をしているというのが実情。第2期工事も、時の市長が約束されておりましたが、その後、平成17年、特別史跡の指定地域となり、現状変更が認可されず、市の収蔵資料だけでもここ数年はオーバーフロー状態。体は大学生なのに衣服は幼稚園、保育園というような状態ですね。
そこで親である本市が知恵を絞って、昨年夏より許される範囲の環境整備と大規模リニューアルを開始し、現在、国宝、重要文化財の展示も可能な施設として再オープンする経緯となっていたわけですが、御案内のとおりのような状況が起きております。
ここで私がお尋ねしたいのは、熊本タイプの博物館構想が時間的にも財政的にも逼迫した県の単独行動ではなく、先ほど触れたように平成24年5月に続いて、その年末には知事、市長だけではなく副市長、副知事、6人。そこに企画振興局長、知事公室長もいらっしゃったようですが、そういう事実があるからです。当事者になっているということですね。しかし、その内容は非公開でした。何でかなと思うところですが、報道によれば、常設展示を新設するのが県市連携の第一弾とするというような話が出ておりました。県に増設したスペースを無償提供するというようなことも伝え聞いておりますので、その辺の真意もお伺いしたいところです。
また、企業誘致にも積極的に取り組んでおりまして、一昨年度、昨年度ともに過去最高となる16の企業が立地を決定し、合わせて1,000名を超える雇用を創出する見込みでございます。
さらに今年度は、オフィス系の企業の立地をなお一層進めるため、オフィスビル建設を促進するモデル事業にも取り組んでいるところでございます。
また、すぐれた人材の確保に向け、県外に流出した地元人材のUターンや、地方都市での生活を求める優秀な人材のIターン、Jターンを促進するべく就職面談会を福岡、東京で開催する予定でございます。
今後もこのような取り組みを着実に進めるとともに、地域経済の活性化に資する施策に積極的に取り組み、雇用の場の確保に努めてまいりたいと考えております。
〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕
◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長 動物愛護行政に関し、2点のお尋ねにお答え申し上げます。
1点目の動物愛護センターリニューアルについてでございますが、本市では、平成14年度から殺処分ゼロに取り組み、平成21年度には犬の殺処分数が1頭にまで激減いたしたところでございます。
本年3月に完成いたしました愛護棟は、人と動物との共生社会の実現を目指し、収容されております犬猫の譲渡促進、動物愛護の情報発信の拠点として建設いたしたものであります。同棟には、シャンプートリミング室、しつけ教室や講習会を行う研修室などを設置いたしました。
現在実施しております譲渡前の講習会やしつけ教室に加え、動物愛護推進員と協働で新たに相談コーナーを開設し、犬猫の介護、しつけ、病気の相談などに対応しております。また、小学校、幼稚園などを対象とした動物ふれあい教室も開催する予定でございます。
今後も愛護棟を拠点に、ペットマナーの普及啓発に向けて獣医師会等で構成されます動物愛護推進協議会と協働で、人とペットが穏やかに共生できる社会を目指してまいります。
2点目の犬猫などのペットの適正飼育についてでございますが、本市では、平成24年6月に熊本市動物の愛護及び管理に関する条例を制定いたしました。本条例では、ペットの飼い主に犬の散歩時のふんの持ち帰りや適切なしつけなどに関する規定を設けております。現在、市民の皆様へは市政だよりで広報いたしますほか、パンフレット、チラシを配布し、広報に努めているところでございます。
また、マナーやモラル向上のため動物愛護推進協議会との協働で地域猫活動の支援、パネル展示等の啓発やセンターでの譲渡前の講習会やしつけ教室、ちびっこワンワン教室を実施いたしておりますほか、年間1,000件に近い相談に対応して、マナーの訪問指導を実施いたしております。また、犬の鳴き声や猫のふん尿といった地域のトラブルを解消いたしますため、自治会と協働で回覧板やポスター、チラシを活用した啓発も実施いたしております。今後もさらに自治会などと協働して、マナーやモラル向上に向けた適正飼養の啓発を粘り強く継続してまいります。
〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員 行財政改革に関しましては、先般、第5次行財政改革計画も策定されております。組織のあり方、ころころと変わる部局の名前というのも問題かと思います。横文字もいかがかと思います。この辺も勘案していただければと思います。
先ほどの海フェスには100万人以上の方々が来られる可能性があります。こういう交流人口というのから人口減少社会を食いとめていく。熊本に行きたい、住みたいという形になればと思います。
そうなると、住生活基本計画というのを熊本も考えておりますけれども、このあたりとの関連性、整合性も大事になってくるのではないでしょうか。保育園・幼稚園のあり方も関連していきます。先般の議会ではすごく問題になりましたので、対応をお願いしたいと思います。
熊本市は1,000番目のフェアトレードシティでもあります。先般、国際会議も3月末に行われております。こういう部分も一つの熊本市の魅力になるので、実態もそれに即したものになるように心がけていただきたいと思います。
また、動物愛護に関しましては、獣医師会の主催で動物愛護フェスティバルも行われております。ことしは31回目になりますので、しっかりと連携を図って命の大切さを育んでいただければと。国もこれを推進するようですので、連携も深めていただければと思います。
結びになります。お待たせしました。
私の大好きなサッカーの世界祭典ワールドカップが開幕いたします。日本代表がいいゴールを決めて勝利することを市民、国民の多くとともに願うものですが、それ以上に本市のすばらしいゴールを願ってやみません。もちろん応援だけでなく、そのゴールに対しましてそれなりの貢献ができるよう、これからも今まで以上に精進いたしてまいることを改めてお誓い申し上げ、私の質問としたいと思います。
議場の方々、ネットでごらんいただいた皆様、御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○三島良之 議長 この際、議事の都合により休憩いたします。
午後2時に再開いたします。
午後 0時13分 休憩
───────────
午後 2時01分 再開
○三島良之 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────────────────────
○三島良之 議長 質問を続行いたします。下川寛議員。
〔45番 下川寛議員 登壇 拍手〕
◆下川寛 議員 くまもと未来の下川寛でございます。本日、この質問の機会をいただきました先輩並びに同僚議員に心から感謝を申し上げて質問を行いたいと思いますが、本日はフランスの方も傍聴にお見えいただいているようで、自分の気持ちを少し上げながら質問に取り組んでまいりたいと存じます。
私は質問のたびにテーマをつくっておるのはよく申し上げるところですが、本日の質問のテーマは地方政府といたしました。21世紀を迎えた現在、日本の行政の潮流は分権化と民営化でありまして、地方行政の自立の道が開けてきたと言われております。1993年の地方分権をうたった国会決議に始まり、1995年の地方分権推進法の成立、2000年の地方分権一括法の施行により国と地方は上下主従から対等協力へと変化してきております。
この流れの中で561事務の7割が自治事務へ移行する機関委任事務制度の全廃、行政指導、通達及び必置規制の廃止という地方への関与の縮小廃止、国と地方の係争処理機関の設置、自治立法権拡大、地方税財源充実などの地方分権が定められ、国の指導で地方行政を営むのではなく、地方が自前で政策をつくり、地域をつくる時代となったことは確かであります。
そのため、法律では地方公共団体という用語がいまだ使われておりながらも、地方自治体という表記どころか、今や地方政府という呼称が学識者においても一般的になりつつあることがそのあかしでありましょう。
この地方政府であれば単なる執行官庁というわけではなく、自治体は政策官庁に脱皮し、自己決定と自己責任を持つ必要があるわけです。つまり、これまでは国が企画活動して、地方が執行活動していたものを、地方自身がその裁量権を駆使し、憲法上も主権者である住民の目線でその満足度の高い政策づくりを目指し、創意工夫を重ねるスタイルを構築する必要があるわけです。
住民は自己解決できない課題、つまり他人の意思に多くを依存しており、他人との共同負担で問題解決せざるを得ない公共領域において、行政に問題解決者とサービス提供者の役割を期待しています。このとき住民の満足を得られるためには、主権者である住民の意思をもとに執行及び決定をしていく必要があります。そして、その意思がルソーの言う一般意思または全体意思として認められるレベルで形成されるためには、課題の発掘形成と解決のための情報が十分に提供されていなくてはなりません。
この意味で、本日の質問は地方政府としての熊本市を確立することを、全体に脈々と流れるテーマとして行ってまいりたいと存じます。なお、これまでの私の質問の慣例として、逆質問や反問ということも大歓迎でありますので、このことを事前に確認して質問に入らせていただきます。
まずは先般成立した地方自治法改正に関し、お尋ねいたします。
この地方自治法改正は、昨年6月に出されました第30次地方制度調査会の答申に基づいておるわけです。今般の改正は答申に正面から答えていないという批判はあるものの、大方の骨子は反映されておりまして、具体的には、この議会でも質問のあった総合区の設置が可能になったことや、県市の位置づけの明確化及び二重行政解消のための組織、基礎自治体の事務の共同処理などが定められておるわけです。
しかし、ここで着目すべきなのは、そういった行政サービス提供体制の手法ではなく、答申にも書かれているとおり、行政サービスに対する住民意思の的確な反映及び都市内分権により住民自治を強化するということが目的であるということです。
そこで本日の質問の冒頭に、都市内分権と住民自治の関係及びそれらへの対応について市長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 地方自治法改正に関連いたしましての都市内分権と住民自治についての考え方についてのお尋ねにお答えさせていただきたいと存じます。
御紹介もありましたように、地方分権改革の進展によりまして、地方に権限や財源が移譲され、地方による自立的な総合行政が可能となりつつありますけれども、住民が地域において真に豊かさを実感できるためには、みずからの地域のことはみずからの責任のもと、みずから決定するという理念に基づく住民自治が確立されていくことが必要であると認識いたしております。
とりわけ人口規模が大きく、複雑多様化した住民ニーズを持つ指定都市にとりまして、地域の実情や多様な住民ニーズに的確に対応してまいりますためには、住民みずからが積極的に地域活動や区のまちづくり活動にかかわりを持ち、地域の課題を身近なところでみずからの権限と責任のもとで解決していく、いわゆる都市内分権を進めていくことが重要であると考えておりまして、そのことが地方自治の本旨の一つである住民自治の実現にもつながっていくものと考えております。
このような考え方のもとに、現在、本市におきましては住民に身近な区役所を拠点としたまちづくりを展開しているところであり、今後とも都市内分権を進めつつ、住民自治のさらなる充実に努めてまいりたいと考えているものであります。
〔45番 下川寛議員 登壇〕
◆下川寛 議員 住民自治と都市内分権に関する市長の基本的認識ということには、私も異論を挟む点がないように思います。
しかし、答弁にありました地方自治の本旨、この言葉は現在確立した定義というものはまだ見られていないのではないかと思いますが、この住民自治を確立することが、憲法論からも自治の分野で必要なことは疑いがないことではないかと思っております。
本日は、今の冒頭の市長のお考えを受けて、それについての各項目をお尋ねしながら、それが真に実現されるかということについての検証を進めさせていただきたいと存じます。
さて、さきに述べましたとおり、住民自治を確立するためには行政サービスに対する住民意思の的確な反映ということが大前提であることは論をまたないと存じます。この住民意思が形成されるためには、住民間はもとより、行政が保有する情報というものが広く提供されて、住民に共有されなければならないと考えます。
我が国の自治、また民主主義というものは市民革命を経験せずに構築されたために、世界でも特殊であると言われております。それが経験されて確立された古代ヨーロッパでは、都市の構成員としての意識を持って政治に自律的に参画する市民が集う広場が必ずといっていいほど都市の中心に置かれまして、市民たちはそこで情報交換をしながら自治を行っておったようです。
つまり、本市が住民自治を確立しようとするならば、この情報の広場が必要であると考えます。ただし、私がここで言います広場は、ハードウェアとしての広場ということではなくて、情報の場という意味で使っておりますので、通告では片仮名のヒロバと表記させていただいたところです。
このヒロバで現在の住民に情報が共有されることにより、当然、自治の具現化としての公共政策が立てられるのではないかと思います。つまり、公共政策を立案するためには解決すべき課題があって、そのための手法を立案し、立案されたものを比較検討して決定し、それを実施した上で評価を行い、さらに次の課題に向かうというプロセスをたどらなければなりませんが、この全ての段階で主権者たる住民への情報が提供されていなければ、行政側の一方的な執行になってしまうだけでなく、住民の市民化ということも構築できないものと考えます。
そういう視点で本市の状況を見てみますと、情報公開条例はあり、ホームページで情報の提供というものは行われておりますが、いずれも情報は置いておくからとりに来てくれというように感じられるものでありまして、さらに、そこに全ての情報が提供されているとは言いがたいものがあります。例えば、都市計画税の具体的使途なども公開されていないというように、本気で情報を提供する姿勢があるのかという疑問が湧いてくるわけです。
先般、市にとっての一大事業であります桜町の再開発に関しまして議会から指摘されて、その審議後にわずかの参加者しかない区ごとの説明会を開催するなどは、そのいい例であろうとも思いますし、また、保存期間が過ぎて廃棄される文書が貴重な住民の共有財産としていまだ保存公開もされていないというのもしかりでありましょう。
今後、本市の保有する全ての情報は、ICTなどを活用して全ての住民に配信するなど、容易に取得できるあらゆる手法を構築して住民間で共有できるようにすべきと考えますが、市長のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 それでは、情報のヒロバづくりについてのお尋ねにお答えさせていただきます。
本市におきましては、御案内のとおり市政運営の基本姿勢といたしまして、市民の参画と協働によるまちづくりを掲げているところでありまして、平成22年の4月に情報共有、参画、協働を自治運営の基本原則と定めました自治基本条例を定めております。また、翌平成23年には、参画と協働を拡充推進するための基本的事項を定めました市民参画と協働の推進条例も制定いたしまして、全庁的に参画と協働の推進に取り組んでいるものであります。
市民への情報提供・共有は参画と協働の前提となるものでありまして、議員御指摘のとおり課題設定、政策の立案、実施、評価などさまざまな段階におきまして効果的かつ積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。
このようなことから、本市におきましては、これまで市政だよりでありますとか、ホームページなどさまざまな媒体を活用した情報提供でありますとか、地域説明会、市政リレーシンポジウムの開催など、個別重要案件ごとに情報提供や意見聴取などにも努めてきたところであります。
市民ニーズの把握や情報収集につきましては、これまで分野ごとに必要に応じまして市民アンケート調査などを実施しておりまして、さらに、2000人市民委員会を設置し、この調査結果につきましても、市議会への報告はもとより、ホームページなどで広く市民の皆様方に情報提供を行っているものであります。
しかしながら、ただいま数点御指摘もあったところでありますけれども、課題設定から施策・事業の実施、評価に至りますまでの一連の流れの中での市民への情報提供、共有化、あるいは課題設定や政策立案など、早い段階での情報提供などさらに積極的に取り組んでいく必要があると認識いたしております。
今後はこれまでの取り組みを強化いたしますとともに、議員御提案も踏まえまして、ICTなどを活用し、市政情報に簡単にアクセスできるような仕組みを構築いたしますなど、広く市民に情報が行き渡るような手法を検討いたしますとともに、無作為抽出によるアンケート調査なども積極的に実施してまいりたいと考えております。
それから、つけ加えという形になりますけれども、情報のヒロバに関連もしてくると思いますが、やはりフェース・トゥ・フェースの関係というものも重要ではないかと考えております。
そういう意味では、政令市がスタートし、区制もしかれたわけでありますけれども、各区におきまして、あるいは区役所を通じ、それぞれの地域におきましてワークショップがいろいろな場面で開催されております。それは、例えば健康まちづくりというテーマでもあるでしょうし、あるいは地域版ハザードマップの作成というテーマにおいてもそうでしょうし、そういう形で市民の皆様方に集まっていただいていろいろな情報を共有していく、課題も共有していく、そして新たな何かを見出していくというような形は、先ほどICTを中心に答弁はさせていただきましたけれども、このようなフェース・トゥ・フェースの関係というものを、今、地域の隣同士も誰が住んでいらっしゃるかわからないというのが現実の中で、このようなことをしっかりと行政もサポートしていくということが冒頭御質問のあった住民自治の充実にもつながっていくものと思っております。いろいろな角度からしっかりと取り組んでいかなければならないと考えているものであります。
〔45番 下川寛議員 登壇〕
◆下川寛 議員 認識は共有されていると理解いたします。また、市長から最後にフェース・トゥ・フェースでのワークショップなどのお話もございました。そのお話が出たからではございませんけれども、ワークショップは大変にいい手法だと思います。近年はそれに加えてといいますか、それを発展させた、ドイツで開発されたのですけれども、プラーヌンクス・ツェレという手法を流用した市民討議会というものが関東の自治体を中心に行われておりまして、無作為抽出の市民がチームを組んで幾つかの課題を討議して回る。そこから、決して声が大きい人ばかりではない、本当に隠れた声が拾えるというような手法も広がってきておることを御紹介しながら、そういうものも研究してぜひ活用していただきたいと思います。
また、ICTの部分では、そういうものを使用して情報を出していただけるということだったのですけれども、恐らくここで大切なのは、いかにプッシュ型でいけるかということだと思うのですよ。情報をとっていただけるのを待っておる、ためておいてアクセスしていただくということではなしに、これでもか、これでもかと、こちらからプッシュして情報を出していくという姿勢が必要ではないかと思っておりますので、そういう点にも御配慮していただきながら、情報の開示を進めていただきたいと思います。
そして、今の御答弁の中でもう一つ気になって聞いておりましたのが、2000人市民委員会のお話も出てまいりました。この委員会でそれだけ多数の方が出される声というのを決して否定もいたしませんし、一つの取り組みとしては有効なものになるというふうに認識を私もしておるわけなのですけれども、ただ、ここで注意すべき点が若干あると思うのです。
その2000人市民委員会に登録されている方、この対象者の方は少なくとも何らかの形で市政に興味がある方ではないかとも思いますし、登録されている方の属性が果たして本当に広範囲に広がっているのかということが上げられるのではないかと思います。そういう意味では、聞くべき問題、伝えるべき問題の対象になる属性が一定の方に限られる場合、そういった場合に返ってくる結果に対して、本来の回答からバイアスがかかってしまって、得られるべき結果が少々変わってくることがあるのではないかということが気になって聞いておりましたので、そういう点もよく認識しておいていただきたいと思います。
今のバイアスという点で、一つ例を挙げますと、MICEばかり申し上げますが、先般、MICEのときに2000人市民委員会のアンケートでは6割ぐらいの方がたしか認知をしていらっしゃったのではないかと思うのです。しかし、そのとき私が一般住民意識調査というものを行って、1,000件以上の回答があった中では1割しか認識がなかった。これがその属性によるバイアスがかかっていたということのあかしではないかとも思いますので、頼り過ぎることがないようにということで指摘させていただきたいと思います。
いろいろなことを言っておりますけれども、私がこの自治ということで研究を進める中で感じますのが、今の答弁の中にも少々またあった言葉なんですが、参画と協働という言葉が結構多用されるのですね。本市の条例の中にも入っておりますので、条例に入っているという意味で、決して否定とかいうわけではないのですけれども、この参画とか協働という言葉が本当に適当なのかということが若干気になるときがございます。
これは私の考えを今まずお伝えいたしますけれども、この協働という言葉、いかにも聞こえがいいんですよ。しかし、先ほどから申し上げておりますように、あくまで主権者は住民であるということを考えましたときに、その主権者から行政というのは信託をされているのではないか。言葉はちょっと適切ではないかもしれませんが、もしかすると雇用されているというスタイルになるかもしれません。そういう立場にある行政の職員が主権者とともに活動しましょうということが、いかにも何かお上の時代の中央集権的な意識の名残を感じてしまうということがございます。このことは近年学識者の間からも一部でやはり指摘がされておるようなところなのですね。
また、もう一つ言いますと、参加と参画の違いというものなのですけれども、当然、民主主義の中では主権者がみずから参画をするというのが本来の姿でありましょうけれども、都市化が進んだ中で、自治体を構成する多数の住民の方全員が参画することは不可能であるということの中で、我が国に限らず多くの国で代表制民主主義というものがとられているのではないかと思います。そして、その代表として選出したものが代執行者として行政を執行しているのではないかということを思うわけです。そういうことから私の中で考えると、主権者である住民は身近な問題の解決には参画をして、行政の決定と執行過程には参加をするのではないかと思うわけです。
今この話を持ち出しているのは、この言葉の定義というか、解釈といいますか、これが確立していないと、今市長からも御答弁いただいたような内容と私がきょう行っております質問の意図するところにちょっとずれが生じるのではないかと思いまして、この協働、参加と参画の違い、この言葉の意味するところの市長の認識を教えていただければと思います。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 参画と協働についての認識ということでお尋ねがございました。
まず最初、条文を引用することから入るので恐縮ではありますが、基本的なこととして御紹介をあえてさせていただきたいと思いますが、自治基本条例の中で、「参画 施策の立案から実施及び評価までの過程に主体的に参加することをいいます。」とあります。それから、「協働 同じ目的のために、それぞれが対等な立場に立ち、役割と責任を担い、協力することをいいます。」と条例にはうたわれております。ですから、参画と協働についての認識はどうかと問われますと、そのように答えさせていただくということではあります。
それから、先ほど議員から話がありました主権者は住民であるということ。これには何も異を唱えるものではありません。そういう意味では、参画は押しつけではないか、協働につきましてもそうでありますが、捉えられかねない言葉であるとは思います。
しかしながら、現実的には、言葉は適切ではないかもしれませんけれども、お任せ民主主義的なところもあるのではないかと思っておりまして、ある意味典型的なことは、先ほど代表制民主主義の話もございましたけれども、その最も重要なと言っても過言ではない選挙に対する投票率の低下ということにもあらわれているのではないかと思っております。
ですから、そういった現実を捉えましたときには、私ども行政の立場として、やはりもっと市民の皆様方に積極的に参加をしていただきたい。一緒にいろいろなことに取り組んでいただきたいというような姿勢というものはやはり必要ではないかと思っておりまして、そして、ツール、手段としては先ほどのやりとりの中でいろいろ出てきたものをツールとして、そしてその参画と協働につながるように私どもとしてはこれまで取り組んできたというものであります。
今のでお答えになっているかどうかわかりませんけれども、参画と協働に対する基本的な考え方、あるいは現状も踏まえましての思いというものは、今申し上げたとおりであります。
〔45番 下川寛議員 登壇〕
◆下川寛 議員 基本的な部分は、恐らく今市長のお話を聞いていて共通しております。お任せ民主主義の部分も非常に同感する部分がございます。
よく言われますが、全国的な投票率と議会の信頼性の問題との関係を見ておりましたときに、だんだんいろいろ世間で言われます議会の信頼度というものと全国的な投票率の低下というのが、非常に同じような曲線をたどっていくのですね。
ただ、これがおもしろいのが、国政選挙の投票率の低下より地方選挙の投票率の低下の方がはるかに大きい。これが恐らく中央集権から地方分権に変わる流れの中で、いかに地方自治体がそれに対応できたかということだったのでしょうけれども、今、市長がおっしゃった条例の条文に規定をされていることは、私も検討委員会に参加していたので、そのときにいろいろな議論があったことも覚えておるのですけれども、ただ、協働ということでの意味、それから参加と参画をどう今後きちんと認識して仕分けていくかということが、地方自治体の運営に非常に大きくかかわってくるということ。今後、ますます大きくなっていくと思いますので、参画を求めるならば、本来多くの皆さんに参画していただかなければならない。
一部の方の参画では、それは成立しないだろう。一部の方しか参画ができないのならば、参加にするべきではないのか。その辺が今後議論されてくることだと思いますので、ここで余りそれだけに時間をとっておりますと次に入れませんので、ただ、そういうふうな問題提起をしながら次に進んでいきたいというふうにも思います。
続きまして、社会教育施設の転換についてこの流れでお尋ねしたいと思うのですけれども、住民自治を確立するための基本的な手法として、社会教育施設として運用されている公民館、この住民活動の場としての転換について具体的にお尋ねしたいと思います。
現在、社会教育という表現から生涯教育など本当に多様な表現が用いられておりますけれども、さまざまな活動が実施されております。しかし、このことに関して法政大学の教授でありまして地方自治のイデオローグとされる松下圭一氏によりまして、国民主権の主体者である成人市民がなぜ主権者から信託を受けているにすぎない行政によって教え育てられなければならないのかという疑問が提示されておるわけです。
つまり、戦前のように成人であったとしても社会文化的教育が未成熟であった場合にのみ行政によって行われるというのであればまだ納得はできるのですが、現代の社会教育理論によりますと、社会教育とは成人の自己教育であるか、成人間の相互教育であって、それは教育なき学習であり、市民の自由な学習であるので、市民文化活動の模索の一契機にとどまるべきものであるはずであるというようなことが言われております。
この理論に触れましたとき、私はまことに自分の中で納得がいったのですが、こういうことを念頭に社会教育法を見てみますと、市町村の教育委員会には19の事務が法の中で当該地方の必要に応じて行うこととされておりまして、このうち博物館や図書館、青年の家などは未成年への知の提供ということもありますでしょうから、教育施設としては適当と感じておりますが、その中での公民館の存在意義というものに疑問が湧いたわけでございます。
社会教育法が成立したのはかなり以前のことなのですけれども、現代では公民館の類似施設としてコミュニティセンターというものがあるわけですけれども、これは自治の施設として総務省が所管して、貸し館ということを中心として住民により運営されておるというのが一般的なわけです。
公民館は法によりますと教育施設であって、指導職員が必置義務化をされておりまして、その職員が教育活動を援助するとされておりますものの、さきに申し上げました松下氏によりますと、簡単な研修を受けただけの職員が幅広い活動の専門性を持つことは困難ではないか、今や市民文化活動の方がはるかにレベルが高いとされておるわけです。それを象徴しますように、公民館で本来の役割と違う貸し館業務というものも増加しておりまして、開催講座もカルチャーセンター化してきていると言えなくもありません。こういうことから考えますと、現代では公民館の役割は既に終えんを迎えて、そこに残る施設に求められるのは、市民が自分のことは自分で決めるという民主主義の活動の場としての役割ではないのかと思います。
こういうことから、本市で19館ある公民館につきましては、援助職員を配することで社会教育施設から文化活動施設になり得ると思いますので、その運営を住民に任せて、文化活動及び自治の場としての役割に転換すべきではないかと考えますが、所感をお聞かせいただきたいと存じます。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 それでは、公民館の役割転換についてのお尋ねにお答えさせていただきます。
先ほど御紹介もございましたけれども、改めて社会教育法におきましては、市町村は社会教育の奨励に必要な施設の設置及び運営、集会の開催等により住民があらゆる機会、あらゆる場所を利用して、みずから実際生活に即する文化的教養を高めるような環境を醸成するよう努めなければならないとされているところであります。その中で公民館というものは、その中核的な役割を担う施設といたしまして、各種講座の開催など住民の教養の向上、社会福祉の増進に寄与するような事業をこれまで実施してきたというものであります。
このような中で、昨今の情勢、都市化、核家族化などの急速な進展に伴いまして、先ほども少し触れましたが、地域のつながりが希薄化いたしましたり、あるいはこれに伴いまして災害発生時の初期対応や高齢者や子供たちの見守りといったこれまで地域が担ってきた機能が失われつつありまして、自主自立の地域づくりに向け、地域力の再生が大きな課題ともなっております。