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平成25年第 2回定例会−06月12日-04号
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  1. 熊本市議会 2013-06-12
    平成25年第 2回定例会−06月12日-04号


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    平成25年第 2回定例会−06月12日-04号平成25年第 2回定例会   平成25年6月12日(水曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第4号                         │ │ 平成25年6月12日(水曜)午前10時開議               │ │ 第  1 質問                             │ │ 第  2 議第249号 熊本市一般職の職員等の給与の臨時特例に関する条例│ │             の制定について                 │ │ 第  3 議第250号 熊本市長等の給料の特例に関する条例の制定について│ │ 第  4 議第1号「平成25年度熊本市一般会計予算」及び議第13号「平成│ │      25年度熊本市公共用地先行取得事業会計予算」のうち、附帯決議で│ │      示された内容に関する調査について               │ └─────────────────────────────────────┘                              午前10時03分 開議 ○齊藤聰 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○齊藤聰 議長  日程第1「質問」を行います。  小佐井賀瑞宜議員の発言を許します。小佐井賀瑞宜議員。          〔3番 小佐井賀瑞宜議員 登壇 拍手〕
    小佐井賀瑞宜 議員  皆様、改めまして、おはようございます。  自由民主党熊本市議団小佐井賀瑞宜でございます。この議場で3回目の登壇の機会をいただきました。まずは、この機会をお与えいただきました先輩議員の皆様方、そして同僚議員の皆様方に心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。  さて、一般質問も5人目となりますと、先に登壇されました皆様方の質問内容と重なる部分も多くて、聞いている皆様からすれば、非常にくどいとお感じになるかもしれませんけれども、今回はおさらいというように受けとめていただきまして御了承いただきたいと思います。  そして、先週から私、お聞きのとおり、やや風邪ぎみでございまして、喉の調子が思わしくございません。若干お聞き苦しいと思われるかもしれませんけれども、何とぞこの点については御容赦いただきたいと思います。  それでは、早速、通告に従い順次質問を進めてまいります。執行部には明快な答弁を求めます。  昨年4月に政令指定都市が誕生して、はや1年が過ぎました。その間、新しいまちづくりの基礎固めが進行する中で、先般、報道関係紙に記載されておりました市民アンケートを拝見しましたところ、指定都市に移行して、おおむね感じがよいという好意的な意見が多いことを確認させていただきました。区役所の設置効果を初め、県からの事務移譲によってふえた市民サービスが功を奏しているのであろうと私は感じたところでございます。市長並びに執行部の皆さんには、この機運を励みとしながら、これからも市政繁栄のためのかじ取りにいそしんでいただきたいと思います。  私としては、現在も地元町域の問題に対応している中で、難解な課題が山積みしておりますので、いまだ市民の間には不安や不満も数多く渦巻いている現状を目の当たりにしているところであります。  そのような中で、この4月から新しい執行体制が確立し、スタートいたしました。そして、中でも特筆すべきことは、市長を補佐する副市長お二人が新しく就任されたことです。両副市長には、市長を補佐する立場として、今後の御活躍に大きな期待が寄せられておりますので、市民の期待以上の成果を示していただきたいと願っております。  なお、個々に申し上げ恐縮ではございますが、高田副市長におかれては、都市建設局から企画振興局の局長を歴任され、組織の中枢において、政令指定都市熊本の誕生に尽力され、目まぐるしい組織改編を経て、執行体制の確立にいそしまれました。それゆえ、現在起こり得る指定都市効果や幾多の課題の分析など、十分熟知されているものと思います。今後の市政繁栄のためにも引き続き御尽力いただきたいと存じます。  そして、もうお一方の牧副市長におかれては、これまで培ってこられた地域おこしのスペシャリストとしてのその手腕に大きな期待が寄せられております。前所管は、総務省の自治行政局地域自立応援課長をお務めされ、これまで地方自治や農政にも精通していらっしゃる旨を伺っております。全国を股にかけて御活躍されてきた身の上であるということは承知いたしておりますが、この春からは名実とも熊本市民の一人として、郷土愛に燃えて、業務に傾注していただきたいと存じます。  そこで、国の中枢に位置し、政務をつかさどってこられた牧副市長に、新しく誕生した政令指定都市の課題や行方、目指すべき方向性について、ある一定の御所見をお持ちかと存じますので、市長を補佐する身として、今後の市政に対する思いを含め、2つの見解を示していただきたいと思います。  まずは熊本市のよさや魅力をどう受けとめているのか、この熊本市の印象を含め、都市機能の強化や優先的に取り組みたい政策など、名実ともに自立した地方の大都市として発展を促すための方策について示していただければ幸いです。  また、熊本市の課題をどのように分析し、克服したいとお考えでしょうか、御所見をお聞かせいただきたいと存じます。          〔牧慎太郎副市長 登壇〕 ◎牧慎太郎 副市長  熊本市の印象、市政の課題とその対応方策について、私の考えをというお尋ねがございましたので、お答えいたします。  九州新幹線の開業、政令指定都市への移行など、九州の拠点都市としての大きな飛躍に向けた転換期に熊本市政にかかわる機会をいただきましたことに、まずもって深く感謝申し上げております。  熊本市に赴任いたしまして2カ月余りが経過いたしましたが、大変活力にあふれるまちだと感じております。市内の中心には堂々と熊本城がそびえ、歴史的な風格や情緒にもあふれていると思います。また、少し郊外に出ますと、豊かな田園風景が広がり、阿蘇山麓の自然は実に雄大であります。先日、江津湖の蛍を観賞する機会がございました。73万人の政令指定都市の町なかにありながら、数多くの蛍が舞うほどの清冽な地下水が湧き出していることに大きな感動を覚えたところでございます。また、小佐井議員の御地元、北区の植木温泉にも、この2カ月、2回ほど訪れさせていただきまして、源泉かけ流しの温泉で大いに英気を養うことができました。  熊本市は、日本一暮らしやすい政令指定都市を目指しておりますが、その目標を実現するだけの潜在力は十二分に備えているという印象を持ったところでございます。  さて、私は総務省におきまして、地域振興にこれまで取り組んでまいりました。今の日本の抱える大きな問題は、地方から大都市に若者が流出する。一方で、大都市の方では、子供が生まれにくい構造になっているという点が、日本の今、抱える大きな問題点であると認識しております。2010年には、日本の人口は1億2,800万人ございましたけれども、このまま減少していきますと、今世紀の末、2100年には、今の半分にまで人口が減少しかねない状況にございます。  ここで熊本市に目を転じますと、全国で20あります政令指定都市の中では、出生率、人口1,000人当たりでどれだけ子供が生まれるかという数でございますけれども、これが20ある政令市の中では最も高い。大都市の中にありながらも、多くの子供が生まれている。ここに私は注目しております。  一方で、せっかく多くの子供たちが生まれながら、大学卒業の大体二十から24歳の年齢層でここ5年、その前の5年をとっても、大体5,000人から6,000人、5年間で人口が域外に流出する。首都圏、あるいは福岡市に若い人材が流出していくという傾向が見られます。  また、市民の所得が他の政令市に比べて低い状況にありまして、その結果、税収も低い、自主財源も豊かとは言えない状況にございます。  こうした熊本市の状況を打開する方策として、あえて3点について申し上げたいと思います。  まず、第1点は、若い人材がその能力を生かして働くことができる場づくりでございます。このことによりまして、働く人の所得、あるいは税収も増加していくことが期待されます。  2点目が、これまでにも増して、子供を産み育てやすい環境づくりでございます。このことが、ひいてはすべての市民にとって安心して暮らしやすい環境づくりにつながるものと考えております。  そして、3点目が、定住人口が減少する中におきましても、観光、あるいは国際的なコンベンションなども含めた交流人口の増加でございます。熊本市は、地方のよさと都会のよさをあわせ持った持続可能なまちづくりが可能な、極めてポテンシャルが高い都市だと認識しております。  今後とも、これまでの行政経験も生かしながら、副市長といたしまして、幸山市長をお支えしながら、市議会、市民の皆様方とともに熊本市政発展のために全力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、御指導のほどよろしくお願い申し上げます。          〔3番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  牧副市長におかれましては、赴任され、2カ月が過ぎたところでございますけれども、本市の魅力を十分感じ取っていらっしゃることがよく理解できました。それと同時に、人口動態を初め、本市が果たすべき役割についても、しっかりとした御所見を伺い、感じ入りました。さすがは地域おこしのエキスパートとしての貴重な人材であると、私は認識したところでございます。また、我が地元であります植木温泉にも足を運ばれまして、英気を養われたとのことをお伺いし、大変ありがたく感じます。大変心強く受けとめますので、ぜひそのお力を今後また熊本市発展のために傾注していただきますよう重ねてお願い申し上げます。  続いての質問に移りたいと思います。  熊本のよさといえば、他都市に比較してすばらしい地域資源が豊富にあることが挙げられます。美しい水と緑、熊本城を初めとする歴史や観光資源、風情豊かな町並み、生産量豊かで品質すぐれた農産物、安心の医療資源、人情豊かな風土、そして雄大な自然、阿蘇や天草に囲まれ、九州の中心地に位置する地の利。  これほど好条件の整ったまちで生きることに、多くの市民は喜びと誇りを感じていることであろうと期待を抱きます。そして、誰もが訪れたくなる、住みたくなる要素が豊富であるがゆえに、この恵まれた環境を生かしながら、企業立地やビジネス誘導、そして観光に至るまで充実が図られることで、定住も促進され、まさに市長が描いていらっしゃいます日本一暮らしやすい政令指定都市の実現化に大きく歩み出すものと感じます。  しかし、そのような本市にも、以前から致命的な問題が指摘されていたことは、皆様周知のとおりであります。特に掲げられるのは、いまだ発展途上の交通道路網の形態や公共交通機関の整備であろうと感じます。このような指摘を受ける背景には、以前、国土交通省によって、道路渋滞における経済損失率、損失額というようなことでもありますけれども、そのような指数が発表されておりましたが、他の地方都市と比較すると、本市はワースト圏内に入っていたという事実がございます。本市は、全国の地方都市の中でも、決して見劣りするようなまちではないと思いますが、まことに不名誉な限りです。しかし、現実を直視すれば、うなずけるはずです。  人や物は、ビジネスにしても、レジャーにしても、必要付加価値が高く、居心地のよい環境で時間を効率よく消費できるところにおのずと集約されます。そのため、行政の中心地である市役所や区役所、そして県庁などの行政棟と、駅やバスターミナルや港や空港などの公共交通基幹施設などのほか、観光施設や中心繁華街、さらには病院や体育館や競技場などの健康福祉施設など、さまざまな地域資源の結節を図り、効率よく目的地へ到達するためのすべを確保しなければなりません。何を申し上げたいかは、お察しのとおりでございます。いわゆる定時性の確保が重要であるということでございます。  しかし、本市は、残念なことに、この課題がいまだ克服されておりません。これまでこの議場においても多くの議員の皆さん方が幾度となく重要な課題と位置づけし、提言を行ってまいりました。そして、民間レベルでも、以前から課題解消のための提言を示されていたことを思い起こしております。その具体的内容は、21世紀の道研究会FITS研究会から平成15年に熊本都市圏交通システムに関する提言という形で冊子としてまとめられています。取りまとめをされたのは、地元の政財界の皆さんでいらっしゃいますが、その後、くまもと次世代交通システム整備推進協議会によって、平成17年9月に次世代交通システム導入に関する要望というものが県に対し行われる旨のことを伺ったことがございます。  その内容は、巨大都市圏で導入されている公共交通機関、例えば地下鉄やモノレールや新交通システムなどについては、国庫補助金等の支援が得られても、導入の可能性は低いと想定されるので、高速輸送バスシステム通称BRTやデュアルモードバスの実用化を促すものでございました。私も早くからこの話を伺いまして、近代化された熊本の町並みの変貌ぶりにひそかな期待を抱いたことがございます。  また、益城町との合併協議が立ち上がろうとしていた折には、モノレール構想まで持ち上がり、何らかの資料の表紙に描いてあったことを思い起こしております。あのイラストを拝見し、さぞ市民の夢は膨らんだものと思いますが、現実には、環境問題や都市計画や景観条例、採算性と予算などにより、かなりハードルが高く、現実性は薄いものであったろうと察しております。  また、先般の3月議会においては、北口議員からの同趣旨の問題提起の際、執行部としては、市電延伸やLRV等高架橋レールバス等整備計画に関する具体的数値を示しながら、採算性や妥当性を疑問視される旨の答弁を述べられていたことを思い起こしております。  確かに、時代の流れとともに構築物の増加や財源の問題や環境等の課題の検討も進み、一定の方向性はつかんでいらっしゃるのではと推察いたしますが、政令指定都市熊本が真に拠点性を増すためには、避けて通れない大きな課題であるということは言うまでもございません。  そこで、新型公共交通整備に関する提言に関する見解について、そして交流人口増加の切り札とも言える定時性の確保のためのすべを今後どのように構築していくのか、全体的な将来展望も含め、夢の持てる指針の掲示を市長に求めたいと思います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  新型公共交通網整備についての提言に対する見解と将来展望につきましてのお尋ねにお答えさせていただきたいと存じます。  先ほど牧副市長の答弁からも、また小佐井議員の方からもお話がございましたが、熊本市はとても暮らしやすい環境にあると思っております。しかしながら、課題として挙げますならば、御指摘もありました交通問題が大きなネックになっていると言っても過言ではないと思っております。  それは昨日の議論の中でもございました道路のネットワークの問題もございますし、さらには市民にとりまして身近な公共交通の問題というものもございます。さらには、市域から外れますけれども、空港、港、高速道路、あるいは駅、そのような主要な交通機関ネットワークの問題でございますとか、さまざま交通に関しまして課題があるということは私も十分認識いたしておりまして、そういう中で将来像を描き、着実に進めていくということが肝要であると考えております。  そういう中におきまして、本市の公共交通における将来像を少し述べさせていただきたいと思いますが、本市におきましての将来都市像といたしまして、商業、業務、文化など高度な都市機能が集積しております中心市街地と、買い物や通院など日常生活に必要なサービスが整う地域拠点、これらが利便性の高い公共交通で結ばれた多核連携型の都市形成を掲げ、公共交通グランドデザインの策定でございますとか、あるいは公共交通基本条例の制定など、利便性の高い公共交通の実現に現在全力を挙げて取り組ませていただいているといった状況でございます。  中でも、中心市街地地域拠点、また先ほどお話にもございました駅、空港、港などの広域交通拠点とを結ぶ公共交通路線でございますが、市域や都市圏はもとより、国内外との交流促進に大変重要な交通ネットワークでもありまして、公共交通グランドデザインにおきましても、基幹公共交通軸と位置づけまして、これを担う公共交通機関の定時性、速達性、輸送力などの機能強化を図っていくことといたしております。  ただいま議員から御紹介のございました新型公共交通整備に関する提言におきましては、近未来における熊本都市圏高速大量輸送公共交通システムの構築に向け、愛知万博の会場内におきまして試験運行されておりました次世代型交通システム、IMTSといいますが、この導入を提案されたというものでございました。  このIMTSでございますが、専用道を走行いたしますことで定時性や速達性を確保いたしますとともに、一般道も走行できる柔軟性もあわせ持っているものでございまして、基幹公共交通軸を担う交通システムの一つとして評価できるところもございます。しかしながら課題もございまして、いまだシステムの安全性などの技術的な検討、あるいは検証がまだ必要な段階であるということ、さらには専用道を確保しなければならないということもございまして、事業費が膨大となってしまうこと、あるいはそのような状況でございますので、法的な制度、国の財政支援などの事業の仕組みが依然として整っていないことなどから、実用化に向けましては、まだ相当な時間が必要であるといった状況にございます。  そこで、公共交通機関定時性確保についてでございますけれども、本市といたしましては、JRなど既に定時性が確保されております鉄軌道とバスとの結節強化でございますとか、本年度に社会実験を予定いたしております急行バスの運行、また優先信号や優先レーン等の確保を検討いたしますなど、既存ストックの効果的な活用を図りますことで、定時性の確保のみならず、速達性、輸送力の向上などに取り組んでまいりますとともに、バスロケーションシステムなど、ICTを活用することによりまして、さらに効率的で利便性の高い公共交通ネットワークの構築を図ってまいりたいと考えております。          〔3番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  本市としての定時性の確保がどうあるべきかということについては、やはり最大のテーマであることは間違いありませんが、ただいまの御答弁によって、私も時代の流れの大きさを感じ取ったところでございます。経済界を中心に提言されていた構想は、夢の膨らむような構想でございましたけれども、やはり技術面、財政面において厳しい現実があるということを改めて再認識いたしました。大きな夢物語にはせていた自分を少々恥じると同時に、複雑な心境に至っておりますけれども、現実は現実として受けとめながら、課題解消のすべを模索しなければならないと思ったところでございます。  しかし、人々の心理を察して、うまく安定状態に導くことのできるバスロケーションシステムなどのICTを活用したネットワーク構築については、確かに効果が大きいのかなと感じました。例えば停留所でバスを待つ際に、あと数分でバスが到着すると、今現在どこの停留所を通過したということが明確にわかれば、それだけでもバスを待つ人たちは随分リラックスできますし、少々時間があれば、個々の雑用も消費できるわけでございます。たしか本市では、びぷれす広場の前のバス停にも設置されていたのではないかと思いましたが、今後も引き続きまち全体の実用化に向けた取り組みが確実に進みますよう願っております。  続いて、教育問題について2項目お尋ねいたします。  この件に関しましては、元来、委員会で提唱することが望ましいかとも思いましたけれども、いずれも以前から調査を進めていた重要項目でございますので、この場での発言をお許しいただきたいと存じます。  さて、先月29日、田迎西小学校開設記念式典に赴き、生徒・児童や保護者の皆さん、そして期成会を初めとする地域の皆さんと学校関係者の方々の晴れやかな姿を目にしてまいりました。式典の第2部では、子供たちの喜びの歌声を拝聴し、一時目頭が熱くなりました。そして、「幸せは笑顔の中に咲いている。」「幸せは感謝の中に咲いている。」、この言葉は6年生児童の締めくくりのあいさつに含まれていたワンフレーズですが、実にすがすがしさを感じさせる言葉でございました。感動的な式典に立ち会うことができ、私自身が笑顔と感謝と感動に包まれてしまいました。改めて子供たちの健やかな育ちと、これまでの苦難を乗り越えて誕生した新しい学校の前途に幸多きことを祈らずにはおられません。この場をかりて、お喜びを申し上げたいと存じます。  さて、このように大規模校の課題解消に向けた取り組みが進められ、着実に市政の運営が図られていることを肌で実感したばかりですが、その一方では、小規模校課題解消に向けた取り組みが進められようといたしております。今回は、そのことに追随してまいりたいと思います。  まずは、学校統廃合の問題と住民理解を得るためのすべについてお尋ねいたします。  我が国も、人口減少社会に突入し、これまで培ったもの、ハード・ソフトすべてにおいて、早急な見直しが進められております。限られた枠の中で、より効率的で効果的なまちづくりが求められていることは言うまでもありません。そして、その分野は、福祉や教育という聖域とも言える分野についても例外ではありません。  しかし、事業推進を図るプロセスには、課題や影響、そして結果に至るまで慎重に検討を積み重ねなければなりません。中でも、長年培ってきた史実を無視しながら、拙速な改革に及べば、おのずとその弊害は大きく膨らみ、取り返しのつかないことへとつながります。特に教育の分野においては、見誤ることは許されません。  日本教育史の資料によれば、そもそも我が国には400年ほど前から独自の高い教育システムが構築されていたとよく言われております。藩校や私塾や寺子屋等の数は、当時の人口数から対比しても、驚くべき就学率であったと認知されております。そのような史実が人を育み、無資源国家に近い我が国を近代化へと導いてきたことは言うまでもありません。まさに人づくりこそが国づくりであります。そして、これまでの裾野の広い教育水準が国家繁栄の原動力であったということを再認識すべきと感じます。そのような意味において、特に学校の効率化については慎重を期せざるを得ません。  さて、本市の取り組みとしては、学校適正化規模、いわゆる小中学校統廃合に至る基本方針をまとめるための外部検討委員会設置条例が昨年6月定例会において可決され、審議がスタートいたしました。委員は、学識者を初め保護者、自治会、公募市民等が主となり、小規模校と大規模校のメリット、デメリットなどの比較調査、検討を重ね、整理した後、適正規模の指針のもとに、その枠から外れる学校の統廃合や通学区域の検討、さらには学校選択制についても検討が重ねられた結果、本年3月、報告書が教育長あてに提出されたことを伺いました。  内容は、一つの学年の学級数について、小学校では2から4、中学校では4から8として、この具現化に向けて取り組むための計画策定が本年度進められる予定となっております。報告書では、教育環境の向上や多様な人間関係の構築などの観点を重んじた結果、小中学校合わせて20校ほどが対象校として挙げられているようでございます。しかし、このベースとなる報告書は、1年足らずでの審議を経て集約されておりますので、内容に至るまでのプロセスにいまだ不安がよぎります。  このたびの報告書をもとに市民との対話を重ね、実現性のある計画へとこれから移行するものかと察しておりますが、報告書の内容いかんによっては、市民の感情論争が過熱して、壁ができるようなことになってはいけません。また、報告書の内容を重んじる余り、決してその内容ありきの出来レース的な進め方になってもいけません。特に地域コミュニティの充実強化が叫ばれている昨今であれば、なおさらであります。  地域の原点は、教育施設、つまり学校にあると言っても過言ではありません。地域の皆さんは、どのような歴史の中で育ち、どのような手法で独自の文化を形成し、そして地域を支え合ってきたのか、そのすべての中核に位置したのが学校区であります。そのような認識を欠いて、数の論理が先行することは、よもやないとは思いますが、いかがでございましょうか。  また、本年2月、実に痛ましい事件を報道で目の当たりにしたことを思い起こします。その事件とは、大阪に住む小学校5年生の男子児童が、学校の統廃合直前に電車に飛び込み自殺してしまったとの記事でございました。ホームには、リュックと一緒に小さなメモ書きの遺書があり、そこには「どうか小さな命と引きかえに統廃合を中止してください。」と記されていたそうでございます。亡くなった11歳のお子さんは、1年前ほどから学校を潰してほしくない旨の作文を書いたりしていたそうでございますが、これまでなれ親しんだ学校の変化に戸惑い、その幼い心は落ちつく場所を見出すことができなかったようです。  この事件は、誰の責任と問えないような事案でございましょうが、一人の人間の気持ちに沿えなかった現実に、地域の関係者はいたたまれない気持ちを痛感されたものと察します。ただ、少年の御両親は、「死んで世の中を変えるのは間違い。子供たちには、生きて世の中を変えることを強く思ってほしい。」と願われたそうです。御両親のお気持ちを察すると胸が痛みます。  そこで、3点お尋ねいたしますが、まず1点目に、検討委員会の審議では、先ほど申し述べた重要観点のほかに、特筆すべき協議項目など盛り込まれていたのでしょうか。適正規模に関する数値の設定以外に、どのような項目に注視して提唱し、その結果、どのような意見、検討がなされたのかお尋ねいたします。  2点目に、報告書を受けた教育委員会として、統廃合の具現化までのプロセスについての詳細な構想や、特に配慮すべき点と今後の課題についてどのように分析しているのかお尋ねいたします。  3点目に、小中学校の適正規模に関する本構想の事業発足時期や期限についてお尋ねいたします。この件については、改めて伺うまでもないような質問で困惑されるかもしれませんけれども、このことは合併議論以前にも認知していなかった案件でございますので、念のために詳細な時期と動機について確認させていただきたいと思います。  1、2点目は教育長に、3点目は市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、質問の順番と前後いたしますが、私の方から先にお答えさせていただきたいと存じます。  先ほどもお話がございましたが、近年、少子化の影響もありまして、児童・生徒数が減少傾向にございます中で、本市におきましても、地勢や地域間の人口分布の違いによりまして、学校の規模に差が生じ、小規模、あるいは大規模な学校が複数存在しているものでございます。分離新設校が必要な校区もあれば、複式学級での対応を余儀なくされている学校もあるという現状でございます。  そのような中で、これまで大規模校に対しましては、先ほど田迎西小学校の御紹介もいただいたところでございますが、将来的に児童・生徒数の減少が見込めない場合は、分離新設校の設置による対応を進めてきているというものでございました。一方、小規模校に対しましては、小学校区を単位としたまちづくり活動が活発に進められているところもありまして、統廃合には慎重な検討が必要なことから、具体的な取り組みには至ってこなかったというのが現状でございます。  そのような中で、子供たちにとりましての教育環境ということを考えました場合に、規模の大きな学校では、子供の数が多いことによりまして、ハード面では教室が不足いたしましたり、また体育館などでの授業への支障が出てくるといった課題もございますし、一方、規模の小さな学校におきましては、学び合いの機会が少ないのではないか、あるいはチームスポーツなどの集団活動が行いにくいといった状況も見られまして、それぞれに子供たちの良好な教育環境の確保という観点からは課題があるということでございます。そのことは私自身も各校区単位で回らせていただいておりますけれども、その違いでありますとか、あるいは課題につきましては、これまでも認識していたものでございます。  そのような中で、教育委員会におきましては、平成23年度に教育振興基本計画が策定されておりますが、その重点的な取り組みの一つとして、学校規模の適正化が掲げられているものであります。そして、先ほども御紹介がございましたが、平成24年度に外部委員による学校規模適正化検討委員会が設置されておりまして、審議の結果につきまして、先般報告書が提出されたということ、先ほど御紹介があったとおりでございます。  このようなことから、学校の規模適正化につきましては、合併後から検討が開始されている状況でございます。ただ、いずれにいたしましても、子供たちのよりよい教育環境の整備のために、今後、教育委員会におきましては、保護者や地域の方々と十分な協議を重ね、この後、教育長の方からも答弁があろうかと思いますが、理解を得ながら検討を進められるものと考えております。          〔廣塚昌子教育長 登壇〕 ◎廣塚昌子 教育長  私の方から、学校統廃合につきまして外部検討委員会での審議内容と今後の取り組みについてお答えいたします。  小中学校は、子供たちの心身の発達に応じて教育を行う場であるとともに、地域と深くかかわり、歴史的・文化的役割や地域の活動拠点としての機能等、さまざまな役割を担っていると認識いたしております。  まず、検討委員会における審議内容につきましては、市立小中学校の現状と課題の把握や学校規模の違いによる教育上のメリット、デメリットの比較等とともに、アンケート調査を行いまして、児童・生徒、教員、保護者、地域の方々の意識や意見を踏まえながら御審議いただいたところでございます。  特に、子供のための教育環境整備の観点を優先させること、全市的な視野に立った適正化を推進すること、学校、地域を配慮した計画に努めること、この3つの視点を基本に検討が進められました。その上で本市における適正な学校規模の基準が示されるとともに、適正化の方策といたしまして、大規模校においては通学区域の見直しや緩衝地区の設定など弾力的に取り組むこと、小規模校においては統廃合を基本として考え、複式学級のある学校、全学年単学級の学校を優先的に進めることなどが示されたところでございます。  その中でも、「子供たちの良好な教育環境を確保するためには、学校規模の適正化を図ることは必要であるが、取り組みに当たっては、地域の方々と十分に協議を重ね、理解と協力のもと進める必要がある。」との意見が出されました。  次に、今後の取り組み等についてでございますが、教育委員会といたしましては、子供たちのためによりよい教育環境を提供し、より望ましい学習集団の中で教育活動を行っていく必要があると考えております。  そこで、検討委員会からの報告を受け、まず小規模校の中で複式学級を有する学校と大規模校で児童数の増加が見込まれる学校のPTAや校区自治協議会などの地域の皆様方へ検討会の報告書の説明を行い、御意見をいただくとともに、広く市民の方々の意見も伺いながら、本年度中に具体的な適正化計画を作成してまいりたいと考えております。  また、学校規模の適正化を行うに当たりましては、子供たちにとってよりよい教育環境となりますよう整備を図るとともに、通学に係る安全性の確保や子供たちへの心のケア等に配慮することも必要であると考えております。  今後の課題としましては、学校が地域の拠点機能を有し、地域のつながりやコミュニティ活動に重要な役割を担っておりますことから、区役所など関係部局と連携を図り、地域事情の把握に努めるとともに、地域の方々との十分な協議を行いながら進めてまいります。          〔3番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  統廃合に関する本構想の出発点についてはおおむね了解いたしました。情報のすれ違いは余計な心配事の種となりかねませんので、確認させていただいたところでございます。その件につきましては、これ以上申し述べることは控えたいと思っております。  また、不安視しておりました報告書に至るまでのプロセスにつきましては、本計画のスタート直後から地域性を重んじ、小まめな情報収集に徹していらっしゃる旨を伺いましたので、事業推進のすべについて一定の理解は示したいと思います。  ただ、再編計画を進めるに当たり、大変ナイーブな部分を含んでいるため、作業は困難をきわめることが予期できます。不安も募ります。進めるすべを一つ間違ってしまえば、計画そのものの妥当性に疑義が生じます。そのような事態を招かないように配慮しなければなりません。  そこで、改めて御提案も兼ねて質問いたします。  子供たちの健やかな学習環境の再構築につながるこの計画の意義を広く周知し、御理解を深めていただくためには、多少の時間を要しても住民みずからが地域の課題を検証しながら、今後の方向性を探るのが望ましいのではないかと感じます。  そこで、統廃合の対象として挙げられる地域においては、問題意識の共有を図ることが可能なシステム、仮称でございますけれども、校区内検討委員会などの設置を推し進めるお考えはないでしょうか。住民みずからが地域の提案や課題の検証などを行っていくことは、大変有意義であると考えます。課題解消に向けた協議を進める機会を付与した検討委員会の設置について、教育長に見解をいただきたいと思います。          〔廣塚昌子教育長 登壇〕 ◎廣塚昌子 教育長  学校規模適正化計画を策定し、実施するに当たりましては、子供たちにとってよりよい教育環境を確保するため、適正化の必要性を十分御理解いただくとともに、地域の特性に応じた方策を住民の方々に話し合っていただくことが必要であると考えております。教育委員会としましては、自治会、保護者や地域の方々から十分御意見をお聞きするとともに、きめ細やかな説明と協議を行い、御理解と御協力を得ながら取り組んでまいります。          〔3番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  組織の形成とまではいかないようでございますけれども、担当部局の取り組みは慎重を期した上で住民と協議していくという決意でございましたので、今後の取り組みを見守りたいと思います。  なお、その取り組みが決して行政サイドからの一方通行にならないように最大の配慮を重ねてお願い申し上げます。たとえこの計画がどんなに子供たちのため、また保護者のためのものであっても、進め方を誤ってしまえば、地域は混乱いたします。  それが証拠に一時期、国が主導となり、学校の統廃合計画が推進されていた時期がございました。地域のコミュニティを初めさまざまな問題提起がなされ、文部科学省はその反省を踏まえて、学校の統廃合の無理強いは行わない、行う場合は住民の合意を前提とする旨を、当時の自治体の教育委員会に通達いたしております。これは1973年のことであります。今も生きていると思います。
     しかし、その後の2007年6月6日、財政制度審議会の建議によって、再び覆されることになりました。学校規模の最適化の背景にある生徒1人当たりのランニングコスト3割縮減等の見解が財務省によって示されたからであります。つまり教育的視点と財政効率の視点が絡み合う中で、現在の学校適正化の推進が図られているという事実も認知しておかなければならないと思います。  なお、これ以上申し上げますと、議論が白熱するおそれもございますので、参考文献を1点だけ申し添えておきたいと思いますが、アメリカの社会学者ジェームズ・コールマンらが1966年にまとめた通称コールマン報告を参照に、今後の事業推進の是非を見きわめていただければ幸いに存じます。  続いて、教育問題の2項目の教育センターの充実についてお尋ねいたします。  私は昨年9月議会において、教師塾「きらり」について質問を行い、エールを申し上げました。さらに、その後の12月議会においては、我が党の落水議員が同じように評価され、一層の充実を図るよう述べていらっしゃいました。このように本市の教師塾「きらり」につきましては、他都市の先行事例をしのぎ、さらにグレードを上げ、事業に臨んでいらっしゃることを御紹介し、そのことを改めて本年4月に本市の教育センターで確認してまいりました。  データ化された事業報告書では、開始初年度とはいえ、師範教師、そして塾生教師ともにモチベーションが高く維持され、各自のスキルアップにつながり、教師としての使命感や意義を見出している様子について確認を行ったところであります。その上で地元の中学校に在籍される塾生教師の方にお会いし、そのことが確かであることを目の当たりにし、本事業の頼もしさとうれしさを感じたと同時に、一人の保護者としても大変心強さを抱いたところでございました。  ただ、気になりましたのは、事業効果も認知されているにもかかわらず、25年度予算要求においてはB査定との結果を拝見しておりましたので、その折は財政局に赴き、徹底してその検証に当たろうと意気込んでおりました。しかし、その後、市長におかれても、小まめに視察されたという報告を受けまして、次年度の取り組みに期待し、静観しようとおさめた次第であります。願わくば、本事業がさらに発展しますよう改めて市長には御賢察いただければ幸いに存じます。  さて、昨年4月に指定都市としてスタートし、教育委員会も県から独立し、個々のモチベーションを上げ、公務にいそしんでいらっしゃいます。課題が多い中にも、教育センターでは教師塾「きらり」のほか、多彩な研修プログラムを提供し、先生方のスキルアップを図っていらっしゃいます。また、情報通信網の構築など、さまざまな事業に精力的に携わっておいでのようでございます。  今回の往訪で当市の教育センターでは人材や事業について明るい展望を見出したところでございましたが、今後はそれを弾みとして、さらなる飛躍を目指した研修システムの構築を願いたいと思います。  しかしながら、少々気になったこともありました。決して人的要因ではありませんし、研修室や会議室の多さは、むしろ喜ばしいことでございましたが、これから多くの優秀な人材を輩出する拠点としてふさわしいのかと問われると、若干疑問視せざるを得ません。それは先月、私は熊本県の保有する教育センターに赴き、施設の機能を視察させていただきました折、本市の施設と比較する中で幾つかの課題が見えてまいりました。  御案内のとおり、当市の教育センターは、藤園中学校と城東小学校に隣接しており、ちょうど裏手はNHK放送局です。市の中心部に位置し、静かなたたずまいに、一見環境的な不備は感じられませんが、やや手狭な感は否めません。一方、熊本県教育センターは、山鹿市の丘の中腹で、周りは田園地帯です。公共交通の未発達地域といえば、不便さをお感じになるかもしれませんが、施設規模のスケールは大きく、自然環境に恵まれた静かな場所に立地しております。  双方のセンターに赴けば、当然本市のセンターの方が立地条件ですぐれていると判断できるところでしょうが、校務多忙な教師の皆さんが貴重な時間を割いて研修に赴いている実情や、一堂に会する研修や会議等の開催時の状況を鑑みれば、幾ら公共交通機関があるとはいえ、決して利便性が高いとは断言できないものと感じます。当市のセンターには、お客様用レベルの駐車場しか見受けられませんでしたので、その不備も強く感じたところでした。また、技術系強化のための施設、備品等の設置状況についても、圧倒的に県の施設が豊富でした。  そして、何よりも一番厄介な問題は、県、市の施設を双方ともに自由に利活用できれば、何も問題視することではありませんが、市が指定都市となり、県から独立したことによって、県の教育センター施設利用に規制が生じているということでございます。やはり市の学校に在籍する教師の皆さんにとっては大変不都合と感じます。ハード的な問題をどのように克服するかは、今後の大きな課題と言えます。  現場の教師は、時には半日の授業を経て、会議や研修に赴くことはたびたびです。当然、業務の特殊性から自家用車利用は避けられませんが、駐車場の問題ばかりでなく、研修等に要する技術系授業の備品の不足等があるのでは、利用者のモチベーションどころか、スキルアップにもつながりません。  財政が決して豊かとは言えない時代に入り、ハード面において、まだまだ先行して取り組まなければならない案件が山積みしているときです。施設の新設設置とは行き着かないものと察しますが、問題解消のための基本的な考え方をお示しください。また、理科系、音楽、美術、技術家庭科などに要する研究機材、楽器や備品等の設置についてはどのようにお考えでしょうか。  県から独立したと言えば聞こえはよいのですが、ハード・ソフトを含め、県以上の事業展開が求められるときに至って、受け皿的な拠点整備がおぼつかないでは、先生ばかりでなく、未来を担う子供たちにその影響は懸念されます。未来の子供たちを牽引する役目を担う教師育成のための拠点整備について、教育長にお尋ねいたします。          〔廣塚昌子教育長 登壇〕 ◎廣塚昌子 教育長  教育センターの充実についてお答えいたします。  さまざまな教育課題に適切に対応できる教員を育成するため、従来の教育センターで行う集合型の研修から教員が自主的に学ぶ研修や、各学校で経験の浅い教員にベテラン教員が蓄積してきた指導技術を伝える研修、教員同士がお互いに高め合う校内研修の重要性が高まってきていると考えております。  そこで、教育センターにおきましては、校内研修を支援するために指導主事が講師として学校へ出向き、授業づくりや教育の情報化など、学校の求めに応じた研修を行っております。実技を伴う理科や技術家庭科などの研修につきましても、学校を会場とすることで、その学校で実際に子供たちが使っている教材や備品を用いた実技研修を行うことにより、実践的指導力の向上を図っております。  また、教員が自主的に学ぶ研修の支援としましては、夕方6時から参加できる今日的教育課題をテーマにした研修も開催しております。さらには、教育センターと市内すべての学校をつなぐインターネット回線を使って、授業で活用できる映像や資料、授業のポイントの解説などを配信することで、学校にいながら学ぶことができる環境を整備しております。  今後ともさまざまな工夫を凝らし、校内研修や教員が自主的に学ぶ研修を充実させることで、教員同士のコミュニケーションが活発になり、お互いの指導力を高め合う風土が育つよう積極的に支援してまいりたいと考えております。          〔3番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  時間的制約の多い先生方の実情や駐車場の問題など認知された上で、そのフォローアップのために指導主事が出張を行っていらっしゃるという報告を伺いました。その小まめな対応については評価いたしたいと思います。  ただ、校務多忙な中に研修や会議のため、先生方が研修センターに赴く際には、やはり公共交通機関の使用にはやや不便さをお感じになる方も多いかと感じます。常にとは申しませんけれども、緊急時、もしくは特別な集会等におきましては、自家用車での来訪が実るように駐車場の確保についてもぜひ前向きな御検討をいただきたいと存じます。  さて、次の質問に移ります。  続いては、TPPによる本市農業への影響を踏まえた今後の農業振興についてお尋ねいたします。  本年4月20日過ぎにTPP交渉が事実上、承認されました。そして、本年夏以降の交渉が開始される予定です。グローバル経済を大きく支える新しいブロック経済の構築に大きな期待が寄せられる一方で、これまで近代国家を支えてきた産業とその従事者の行方が極めて不透明な中において、関係者からは不安まじりの厳しい意見も相次いでおります。政府は、あくまでも成長戦略を促すとともに、産業のセーフティネット化を構築したいとの意向を示しておりますが、やはり関係事業に携わる方々の不安は膨らむ一方です。  確かに国内需要が成熟し切った経済状態では、貿易立国である我が国が活路を海外に見出すことはセオリーな判断と言えるのかもしれません。しかし、今後の展開次第では、経済の進展による国家の繁栄と国民の暮らしの担保を同時に確立することができるのかは、至難のわざとも見てとれます。ましてや国家は、国民の生存権を担保する義務があることを決して忘れてはなりません。  この問題は、農業、医療、保健、食品衛生、公共事業など幅広く多岐にわたっておりますので、現段階の論争から着地点を見出すのは極めて難解と言わざるを得ません。また、世界を股にかけた国策であるがゆえに、市としての対応はおのずと限界をお感じになるのではと不安がよぎります。  しかし、これがたとえ国の専権事項であったとしても、市民の暮らしへの影響が懸念されるのであれば、大きな変革の中でその弊害をあらかじめ想定しておかなければなりません。そして、解消策について検討を重ねておくことは、自治体の責務として捉えておくべきです。  特に本市においては、農業は重要な基幹産業で、貴重な地域資源です。だからこそ、個々の問題ではなく、産業衰退や地域崩壊に結びつきかねない大きな課題として注視しておかなければならないと感じます。また、言うまでもなく、農は国家を支える3つの柱の一つであり、多岐にわたる行政施策の中で優先的に保護し、成長戦略を講じる必要があります。  それゆえに、多くの地方議会は、この問題の深刻さを注視しながら、個々の対応を模索していると聞き及びます。そして、あすから開会する今般の6月熊本県議会においても、TPP交渉結果の影響が本県にもたらす具体的事案について推察し、対応策を模索するため、特別委員会の設置が上程される模様であります。当然、本市においても果たすべき役割を見出しておかなければなりません。  そこで、お尋ねいたします。  世情に余りにも不安材料が渦巻いているTPP交渉の成り行きから目が離せない状況下で、この機運が農業従事者のモチベーションを低下させることが懸念されます。また、就農意識の低下ばかりでなく、これを機会に離職ともなれば、自給率の問題ばかりでなく、耕作放棄地の増加による環境悪化や害虫増加による品質並びに生産性の低下など、次々に問題は増大いたします。そして、このことが本市の大切な地域資源の喪失につながっては一大事であります。  TPPを好機と捉える方と弊害と捉える方が入りまじる中で、本市の農業事情を踏まえて、今後の農業計画をさらに検討しなければならないと感じますが、その取り組み姿勢について、まず求めたいと思います。  そしてまた、このTPPの成り行きにかかわらず、後継者育成には特に力を注ぐべきと考えますが、先般募集されましたわくわく化事業では、予算枠を拡大していたにもかかわらず、不採択となった事例が多く見受けられました。やはり厳しい事業運営を強いられる中で、就農意識を高く維持しながら活躍している担い手の皆さんも多数いらっしゃるという現状を拝見すれば、さらなる担い手育成の強化策を拡大していただきたいと思うところであります。  TPP交渉にまつわる機運と対峙するための考え方、そして今後の農業振興策について、農水商工局長に見解を求めます。          〔多野春光農水商工局長 登壇〕 ◎多野春光 農水商工局長  TPPによる本市農業への影響を踏まえた今後の農業振興についてお答えいたします。  TPPへの参加によって、本市の基幹産業である農業に多大な影響が予想され、農業者の皆様から多くの不安の声が聞かれる中、国におきましては、将来のビジョンや具体的な対策などを早く示していただきたいと考えており、現在、国の動向を注視しているところでございます。  一方、TPPの交渉にかかわらず、本市の農業振興におきましては、稼げる農業、強い農業づくりの確立が重要と考えております。御案内のように、本市の農業は、豊かな自然環境に恵まれ、各地域で野菜や果樹、稲作、花卉、畜産など、多種多様な農産物が生産されております。中でもスイカやナスなど、施設園芸を中心とした集約的な形態によりまして、高い収益を上げる農業が特徴でございまして、その強みの源は、すぐれた農業技術を有する担い手が多数いらっしゃることでございます。  このようなことから、今後とも本市の強い農業を持続的に展開していくためには、こうした担い手農業者の支援とともに、若手農業後継者の育成・確保が重要であると考えております。  このようなことから、6月補正といたしまして、国の強い農業づくり交付金を活用した、台風に強い低コスト耐候性ハウスの整備を初め、農業用排水路や排水機場など農業基盤整備に係る関連予算をお願いしておりまして、また本市独自の担い手育成策といたしまして、新規就農を希望する若者に対する実践的な研修の実施、また農業わくわく化事業における若手農業者の優先採択などの方策も講じているところでございます。さらには、担い手への農地集積や規模拡大の推進、農商工連携による高付加価値化やブランド化、そして販路拡大などに力を入れながら、今後も意欲ある担い手がやりがいと希望が持てる、そのような農業づくりを振興してまいります。          〔3番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  確かに局長がおっしゃるとおり、いつの時代でも安心して農業に従事できる環境づくりが最も重要であろうと私も考えます。先ほど申し述べたとおり、県議会のように特別委員会設置や対策会議などを設置して、情報の収集や課題の分析などを実施することは、就業意識の低下を防ぐための一つの手段としては有効なのかもしれません。  しかし、本市は、住民に一番近い基礎自治体であります。何よりも農業従事者の皆さんの心情を察することが大切かと思います。そのため、皆さん方の一番身近な現場に赴き、現場を知り、現場を肌で感じ取っていただきながら、不安の解消や相談への対応、そして皆さんの元気が出るような施策を進んで提示されることが何より大切であろうかと考えます。庁舎内の対応も大切でございますが、まずは農業従事者の皆さんのお心に沿えるような、さらなる努力をお願いしたいと思います。  さて、続いては文化振興策と文化財保護振興策についてお尋ねしてまいります。  まず、合併町域の文化協会の存続問題について質問いたします。  この件については、我が党の寺本議員、くつき議員が要望も兼ねて、再三にわたり問題を投じてこられました。県における文化協会の活動と合併町域に存在する文化協会の活動意義は、全く異なるものであるため、これまでどおり県への助成によって市に存在する文化団体への間接支援を行っても、合併町域に存在する文化協会の支援にはつながらない旨の提言でございました。  それにもかかわらず、あくまでも市の執行部は終始楽観的な見解を示し、これまでのスタイルを変更する予定はないとの見解を見事に示してこられました。しかし、いまだ合併町域に住まいする関係者の不安はぬぐえない状態であります。担当部局が十分精査された上で予測の範囲を超えて、より現実的な見解として結論づけられたのであれば、私たちも納得に至らずとも静観し、見守りたいと思います。しかしながら、先般の議会において執行部から、市の文化活動が充実するよう丁寧な議論を実施するとの回答もいただいていたところでございますが、合併町域に住まいする関係者の意識としては、いまだ結論には至っていないとの御報告をいただいたところです。  この議場において、再三にわたって問題提起された案件ですから、よもやおざなりになったとは考えませんが、これまでの経過を含め、まずはその後の協議の進展について、観光文化交流局長に答弁を求めます。          〔坂本純観光文化交流局長 登壇〕 ◎坂本純 観光文化交流局長  合併町域の文化協会の存続問題についてお答えいたします。  お尋ねの3町の文化協会との協議でありますが、合併特例区の期限が本年10月5日に迫る富合町の文化協会とは、昨年12月の協議に引き続きまして、本年6月5日に南区まちづくり推進課、そして富合まちづくり交流室も交えて、協議を行ったところです。協議の中では、県内に市町村文化協会が設立された意義や富合町文化協会の文化活動の内容確認を行うとともに、活動にかける思いもお聞きしたところです。  引き続き富合町文化協会とは協議を重ねることとしております。同様に城南町、植木町の文化協会とも協議を開始する予定です。今後、3町の文化活動に大きな支障が起きないよう、南区、北区とともに文化協会の皆様と協議してまいります。          〔3番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  進展が図られたのか、いささか不明でございましたけれども、不安視しておりましたが昨今になって協議が開催されたとの答弁でございました。余り状況に変化は見受けられないようでございますが、これでは緊張感のなさを指摘せざるを得ません。これでは寺本議員やくつき議員に対する議会答弁そのものを軽んじている感が否めません。ましてやこれまでのお二人の質問に対しては、確たる答弁ではなく、議論のすれ違いさえ、たびたび生じさせていたこともあったはずでございます。このことも厳しく指摘させていただきます。  この問題を提起されてこられた関係者の皆さんは、個人の技能向上や流派の確立を目指して活動していらっしゃるわけではありませんし、決してわがままな言い分をしていらっしゃるとも感じません。幅広く文化をたしなみ、文化の交流人口を増加させながら、生きがいを持って地域のまちづくりを担ってきた皆さん方の大切な居場所づくりを求めるものであります。そのような切なる願いから発した問題であります。まずはそのことを御理解いただきたいと思います。  さらに質問を続けます。  この問題の出発点時、つまり平成23年第4回定例会において幸山市長は我が党の寺本議員の質問に対し、文化協会や文化活動者の皆さんとの協働のもとに文化の育成発展に努めてまいりますが、各区の特徴ある文化振興に当たっては、区ごとの特性を生かしたまちづくりの中で進めていただくことが望ましく、今後それぞれの地域において考えるものである、との指針を提示していらっしゃいます。  そこで、各区の区長にお尋ねいたします。  これまでの市長の基本的な考え方を踏襲すれば、この1年間の中で文化協会との意見交換や交流会などを通じ、どのような意見聴取がなされたのか。また、今後各区における文化振興という点において、文化協会の存在する区においてはどのような措置が必要とお考えか、各区で文化協会が現存していない区では、文化協会設立に向けての構想はお持ちでしょうか。簡潔で結構です。各区の区長にお尋ねいたします。          〔前渕啓子中央区長 登壇〕 ◎前渕啓子 中央区長  文化振興と文化協会のお尋ねにつきましてお答えいたします。  中央区におきましては、まちづくりの方向性の一つに、活力とにぎわいのあるまちづくりを掲げまして、その中で文化芸術の持つ豊かな創造性をまちの新たな活力やにぎわいにつなげる取り組みを進めていくことといたしております。  お尋ねの区としての文化協会設立の構想はございませんが、現在、区内一円で展開されておりますさまざまな文化芸術活動を今後の区のまちづくりの具体的な取り組みに積極的、効果的に生かしていく中で、文化の振興も図られるものと考えております。          〔西島徹郎東区長 登壇〕 ◎西島徹郎 東区長  東区の文化振興と文化協会のお尋ねに対してお答え申し上げます。  文化は、人々に楽しさや感動、精神的な安らぎや生きる喜びをもたらし、またその活動は人と人とを結びつけ、相互に理解し、尊重し合う土壌を提供するもので、人が豊かな人生を送るためにも、まちづくりを進めていく中でも大変重要なものだと考えております。  東区では、本年3月に策定いたしましたまちづくりビジョンの基本方針の一つでございます、人と人とがつながり世代を越えて語り合えるまちを実現させる重点的テーマといたしまして、地域の歴史、文化の活用を掲げ、伝統文化の継承、文化活動の推進に区民の皆様方とともに取り組むこととしております。  お尋ねの文化協会の設立の構想につきましては、東区内で現在、文化協会の組織化に向けた動きもなく、今のところ設立の構想はございません。          〔永田剛毅西区長 登壇〕 ◎永田剛毅 西区長  西区における文化振興に関してお答えいたします。  現在、西区におきましても文化協会設立の構想はございませんが、西区まちづくりビジョンにおける重点的取り組みの一つに、楽しさあふれるまちづくりを掲げており、西区の豊かな自然や地域に根差した伝統、文化を磨き上げ、西区の魅力を高めていくとともに、情報発信にも努めることで一層のにぎわいを創出していくことといたしております。今後、このような区民との協働によるまちづくり活動を通して、西区の文化振興も図ってまいりたいと考えております。          〔永目工嗣南区長 登壇〕 ◎永目工嗣 南区長  続きまして、南区からお答え申し上げます。  南区では、まちづくりビジョンにおきまして6つの基本目標の一つに、歴史、文化を育むまちを掲げております。歴史や伝統、文化は、南区にとって大きな魅力であり、これを生かした区のまちづくりを進めるに当たりましては、管内の3つの文化協会を初めといたします関係団体等がネットワークするなど、全区的な取り組みになることが重要でございます。このような多くの区民や地域に広がりを持つ事業につきましては、南区としても支援し、区民、団体の皆様と協働して進めていけるものと考えております。  南区では、この6月にまちづくり懇話会を設置いたしますが、その委員の一人に城南町文化協会会長の就任をお願いしておりまして、今後、懇話会におきましても、歴史、文化を育むまちづくりについて協議してまいります。          〔石原純生北区長 登壇〕 ◎石原純生 北区長  北区の文化振興については、北区のまちづくりビジョンを作成する中で、ワークショップや意見交換会などの場におきまして意見や要望等をお聞きし、また植木町文化協会の総会などの会議の場に出席してお聞きしております。  今後、文化協会、文化団体の組織や活動内容が特定の地域に限らず、北区全体を対象として組織され、またまちづくり活動等が行われる場合は、北区のまちづくり懇話会などの場で論議し、北区の文化振興につながるような取り組みについては、ぜひ検討してまいりたいと思っております。          〔3番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  お聞きのとおりでございますが、それぞれの区では、支援の手法は違っても文化の振興策は講じる必要性ありとの見解は示していらっしゃるわけでございますので、各地域で市民の結集した願いがあれば、各区役所は本庁との協議のもと、財源の確保に至るまで構想を練り上げていただきたいと感じます。  なお、その場合には、別途に財源確保が可能であるのかという課題と、各区における文化活動の支援と公平性という点を考えれば、やはり県への補助金の見直しに着手することが、より現実的なものであろうかと察しております。そのような意味で、県との協議や支援団体に対する説明や協議会などで時間を要するかとも思いますけれども、今後の文化活動の支援については、一度フラットにしてから出発してもよいのではないかと考えます。抜本的な対応が求められているということを、いま一度御認識いただきたいと思います。  また、合併協議会では基本的な各論にまで追随することなく、総論的に文化の存続という形で拙速な協議を行ってきた結末が、ここに至って問題の噴出を招いたというような意識を持っていただき、今後、丁寧な対応のもと、合意形成が図られることを望みたいと思います。担当部局と各区長の皆さん方のリーダーシップに期待いたします。  続いて、文化財保護にかかわる文化財指定基準の違いについてお尋ねいたします。  地域の文化財の保存及び活用のため、自治体は保存条例を制定し、それに則した地域内の文化財の指定を実施しています。指定を受けた文化財は、当然自治体みずから管理を行い、それに関与する事業への補助も行われます。この文化財については、その定義も幅広く、有形・無形文化財のほか、遺跡や動植物等の記念物、また景観や伝統建築物の保存地区などの多岐にわたり、都道府県並びに市町村において指定を受けた文化財は、現在、全国で10万8,000件にも及びます。そして、この熊本市では、合併前に指定を受けていた文化財がおよそ107件超でしょうか。そして、富合、城南、植木で96件にもなっておりました。  しかし、近年、合併町域と熊本市において指定基準に違いがあったために、合併前の熊本市の指定基準に沿えば、おのずとその指定から除外されてしまう文化財が発生するとの問題がクローズアップされてまいりました。そして、合併町域にとって地域の文化を損ないかねない重要な問題として指摘されていました。  そもそも地域の文化財は、その地域にとってのゆえんであり、歴史であります。それゆえ、その地域にとって希少価値が高いのは当然のことです。だからこそ、公的支援を受けて守り継がれてきたわけでございますが、今回の問題でその地域の思いが認定されないとなると、事は住民感情に及ぶ可能性は極めて高いと申し述べたいと思います。  市としては、文化財保護委員会が諮問を受けて、教育委員会が適否を決定づけられるということでございますが、指定基準の違いについて、この1年の審議を経て、どのように結論づけられたのでしょうか。これまでの経過と今後の見通しについてお尋ねいたします。  なお、市の基準に沿った場合に指定から除外される、またそのおそれのある文化財の数と個々の理由、そして今後のその取り扱いについても、あわせて御回答いただければお願いいたしたいと思います。観光文化交流局長にお尋ねいたします。          〔坂本純観光文化交流局長 登壇〕 ◎坂本純 観光文化交流局長  文化財指定基準の違いについてお答えいたします。  旧3町には、国指定文化財が6件、県指定文化財が9件、旧町指定文化財が96件、合計で111件の指定文化財がありました。市の文化財指定基準は、国や熊本県の文化財指定基準に準じておりまして、歴史的由来や保存状態、希少性などの視点から文化財の価値を専門家に評価いただき、それをもとに市文化財保護委員会におきまして、1件ずつ丁寧に市指定にすべきか審議を行い、判断しております。  このような審議の結果、平成25年6月1日現在、旧3町の指定文化財96件中17件が熊本市指定文化財となっております。今後、平成27年度までに調査を終える予定としており、そのときには議員お尋ねの指定に至らなかった文化財の数と理由は明らかにできる見込みです。仮に、市の指定に至らなかった場合でも、旧町の指定文化財は地域の貴重な文化財であることに変わりはなく、市としてもホームページなどを通して地域の文化財として情報発信に努め、末永く継承してまいります。          〔3番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  この件については、いまだ調査が進行中ということで確定的な見解が示されませんでしたが、その調査内容に対し、旧町域の市民は不安視をしているわけでございますので、調査内容の開示を含め、今後も適切な説明を求めてまいりたいと思います。  続けて、熊本城復元整備計画についてお尋ねいたします。  本年3月末、報道の記事を見てショックを感じました。「熊本城復元『待った』文化庁が改善指導文書」、この見出しを見て、市民、県民、幾人の方が衝撃をお感じになったかと思うと、事は単なる手続上の不備で済まされるような問題ではありません。我が熊本市のシンボルとも言うべき熊本城は、言うまでもなく、熊本市民、県民の誇りであります。その誇りと風格が損なわれようとした一大事件であります。  内容は、皆様御承知のとおりでございますが、史跡についての調査研究体制の不備や史跡保護の視点を欠いた活用策が問題視され、このまま放置すれば、歴史的価値を損なうおそれありとまで指摘を受け、文書による改善指導が促されたわけでございます。そして、この件に対し、適切かつ真摯な対応が望めない場合には、今後の復元整備計画の申請を国の所管に提出しても審議を認めないとの大変な事態にまで至っております。
     要は、熊本城復元整備計画は、中途で崩壊するおそれさえ生じております。恐らく多くの市民の怒りは、しばらくは沈静化しないのではと危惧されます。私のもとにもぜひ糾弾してほしいという強い口調による要望が早々と寄せられました。そのため、県の関係者のお考えも伺いたくお尋ね申し上げましたところ、熊本県文化財保護協会会長の古閑三博先生は、熊本市に対し烈火のごとくお怒りになった旨を耳にいたしました。また、同協会の高木事務局長からも注意喚起を促す強い要望が寄せられました。  復元整備計画のホームページを拝見しますと、市長はこんなごあいさつを述べていらっしゃいます。  中略でございますが、「熊本城は、日本の貴重な文化遺産としてはもとより、本市を代表する観光資源として、さらには『森の都』を印象づける緑の拠点として多くの人々に愛され、熊本市民の物心両面にわたるシンボルとなっています。一方、現代は物質的に恵まれた豊かな社会でありますが、反面、経済性や効率性を重視する余り、地域の文化や誇りそして心のゆとりといったものが、だんだんと失われつつある社会でもあります。このようなことから、熊本市では、歴史と文化を象徴する熊本城を復元整備することにより、都市に潤いと風格を与え、市民はもとより国内外からの来園者の皆様に心の安らぎを提供するものと考え、平成10年度から復元整備事業に取り組んでまいりました。」と、このような感じで、この記述からは、はっきりと文化や歴史的価値を尊重していらっしゃることが理解できます。  また、この計画の基本方針にも最初の項目として、この計画によって「歴史遺産としての価値をさらに高める」と記述されています。しかし、本市の取り組み方は観光振興にウエートを傾けた計画と指摘され、このままの状態が続けば、史跡としての価値を喪失しかねず、魅力を失い、本来の趣旨を根底から崩壊させ、逆に熊本市の振興に悪影響を及ぼしかねないのではとの見解まで示されています。これではまさに本末転倒ではないでしょうか。  現状に至っては、専門調査組織を設置し、文化庁や県との協議を重ねて、適切な復元整備計画へと移行する考えを示していらっしゃいますので、ぜひ今後の対応を見守りたいと思います。  そこで、本日は、以下の点についてお尋ねいたします。  まず、1点目に、専門調査組織設置に至るまでの考え方をお示しください。趣旨、時期、構成員などを含み、今後の活動など。また、庁舎内担当部局への城郭、城壁等の建築専門職に通じる学識者の登用や、専門知識を保持する職員の配置などについての考え方はいかがでしょうか。人材の不足が今回の発端ではとささやかれています。組織の拡充についてお尋ねいたします。  2点目に、国や県並びに文化財保護協会等の関係団体との連携や公的支援という面において、このような文化財にまつわる重要な所管は、本来、教育委員会が担うべきものと考えられますが、所管事務の移動を含め、組織改編についての考え方をお示しください。教育の観点よりも、観光の視点がまさったということが今回の問題に大きく影響しているようにも感じます。今の位置づけで本当によいのか、改編の意思がなければ、その理由は何であるのかお示しください。  3点目に、この整備計画は、平成10年から開始されていますが、これまで受けられた公的補助金の支出元、所管ごとの金額についてお示しください。  4点目に、この復元整備計画には、熊本城復元募金、いわゆる一口城主制度が設置されていますが、これまでの寄附金件数と金額についてお示しください。  1、3、4点目は観光文化交流局長に、2点目は総務局長にお尋ねいたします。          〔坂本純観光文化交流局長 登壇〕 ◎坂本純 観光文化交流局長  熊本城復元整備計画についてお答えいたします。  まず、議員お尋ねの1点目、専門調査組織につきましては、特別史跡熊本城跡を学術的、総合的、そして体系的に調査研究し、熊本城跡の価値を明らかにし、その価値を次世代へと継承していくために調査研究組織を設置することとしております。この調査研究組織では、これまでの調査整備事業を総括した報告書の刊行を初め、総合的な調査研究に取り組む予定にしております。  職員の配置につきましては、考古学、建築などの専門的知識を持った職員の配置を検討しているところです。また、学識者の登用につきましては、既存の熊本城跡保存活用委員会を初め、学識経験者からの十分な指導、助言が受けられる体制を整備する予定にしております。  組織の設置につきましては、本年度中にかい相当組織として立ち上げ、来年度は課相当組織の仮称ですけれども、熊本城調査研究所へ拡充し、適切な対応ができる職員の配置を検討してまいります。  次に、お尋ねの3点目の熊本城復元に対する補助金について申し上げます。  まず、平成10年度から平成19年度までの第1期復元整備事業におきましては、事業費が約89億3,000万円、その財源といたしまして、国、県補助金が約30億4,000万円、このうち国土交通省補助金が18億5,000万円、文化庁補助金が10億5,000万円、県補助金が1億4,000万円となっております。  次に、平成20年度から取り組んでおります第2期復元整備事業では、平成24年度末で事業費約2億9,000万円のうち、文化庁補助金が1億3,000万円、県補助金が1,000万円です。  お尋ねの4点目の熊本城復元整備基金、いわゆる一口城主寄附金でありますが、第1期復元整備事業では約2万7,000件で12億1,000万円、第2期復元整備事業では平成24年度末で約4万3,000件、5億3,000万円となっております。          〔西川公祐総務局次長 登壇〕 ◎西川公祐 総務局次長  私からは、所管事務の移動を含めた組織改編についてのお尋ねにお答えいたします。  本市は、熊本城を初めとする全国に誇る貴重な歴史的、文化的遺産を数多く有しており、これらを適正に保存、整備し、後世に引き継いでいくことは、大変重要であると認識しております。また、本市固有の財産の魅力を国内外に向けて発信し、文化力の高いまちづくりと、より活発な交流を図るため、平成23年度に文化財保護業務を教育委員会から観光文化交流局に移管し、文化財と観光振興施策などの一体的な推進に取り組む組織改編を行ったところでございます。  移管に当たりましては、地方自治法に基づく補助執行の形をとりまして、文化財保護の重要性を踏まえ、教育委員会が掲げる教育方針や理念に沿った業務の運営が担保されるよう、これまでどおり文化財の指定、解除などの基幹的な権限については教育委員会に残し、文化財の保全と整備とプロモーション活動の一体的な推進については、観光文化交流局が担うこととしたところでございます。なお、政令指定都市20市中10市におきましても、同様の考え方により、事務の移管が行われているところでございます。  今後は、市長事務部局と教育委員会が連携し、適切な保全が図られますとともに、観光と文化の振興においても相乗効果が発揮されるよう、意を用いてまいりたいと考えております。          〔3番 小佐井賀瑞宜議員 登壇〕 ◆小佐井賀瑞宜 議員  この整備計画が急速に進展した理由や観光重視となった背景については、私も全く理解できないわけではありませんけれども、技能的にも財政的にも、県や国から多くの支援を得ているのは事実でございますので、私は周囲との関係性からしても、所管の移動まで含めたところで一つ一つ丁寧な検証を進め、あわせて周囲の御意見を真摯に受けとめて御対応いただけますよう念じております。  市民の感覚は本当に敏感でございます。この問題が浮上してからというものの、私のもとにもさまざまな意見が寄せられました。当然お叱りの声が中心でございましたけれども、その中にまじりまして、非常に特徴的な御意見も多数寄せられました。  その一例を御紹介申し上げると、「復元整備計画は慎重に行ってほしい。でも、市民は一日も早く勇壮な姿を見たい。そのために、熊本城が年間を通じて感動を与えてくれるような策を講じてほしい。例えば樹木にしても、桜の早咲き、遅咲きを初め、四季折々に対応できる緑の森として反映させてほしい。」、またある方からは、「藤崎台球場を移転新築して、新幹線から見える新たな歴史公園をつくるよう県と協議できないか。」など、そのほかにも文化庁からさらにお叱りをいただくような奇抜なアイデアも数々寄せられたところでございました。これらのよしあしは別といたしまして、それほど本市は熊本城を核としたまちであり、市民の心のよりどころであるということを私自身も再認識した次第でございます。  そして、この問題で私が一番危惧いたしましたのは、莫大な補助金もさることながら、一口城主として基金に御協力いただいている市民、県民、全国の皆さんの心情を軽んじることになるのではないかと不安視したわけでございます。熊本城に思いをはせる皆さんがいるからこそ、一口城主制度が成り立っているわけでございます。先ほど申し述べられたとおり、17億5,000万円にも及ぶ募金の金額がまさにそのことを物語っております。その皆さんの心が離れることがないように、そういう事態を招かないようにしなければならないと感じます。ここにひびが入っては、明らかにこの計画の意味は半減いたします。今後、すばらしい熊本城復元整備が実現しますように祈っております。  そのような意味におきましても、私もここでこれだけ述べさせていただいたわけでございますので、早速この後、一口城主の募金に協力してまいりたいと思っております。わずかな金額で恐縮でございますけれども…… (「寄附行為だからできません」と呼ぶ者あり) ◆小佐井賀瑞宜 議員  私はできないのですかね。無知な発言を申し上げましたことを今さらながら恥じております。まことに申しわけございません。  今回の質問におきましては、問題の追求に余り時間を費やしておりませんので、まさに精査不足、そしてそういうことを御指摘いただくかもしれませんが、浅学非才の身でございますので、皆様方には何とぞ御容赦いただきまして、今後も御指導いただきますようお願い申し上げたいと思います。  結びになりますけれども、先般の一般質問時に要望申し上げました商工会移転の問題や、それに絡む区画整理事業室の人員体制の問題など、前向きの対応が図られていますことに改めてお礼を申し上げたいと存じます。また、引き続き御支援をいただければ幸いです。  それでは、長時間おつき合いいただきました皆様とネット中継で大声援を送っていただきました皆様に心からお礼を申し上げ、質問を終結いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○齊藤聰 議長  次に、日程第2、日程第3を一括議題といたします。  市長の提案理由の説明を求めます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいま上程されました議第249号及び議第250号につきまして、その提案理由を申し上げます。  まず、「熊本市一般職の職員等の給与の臨時特例に関する条例の制定について」につきましては、本市の一般職及び教育職の職員並びに市長、副市長、常勤監査委員、教育長及び企業管理者について、平成25年7月1日から平成26年3月31日までの間、給料等を平均で約7.1%減額するための条例を新たに制定するものであります。  次に、「熊本市長等の給料の特例に関する条例の制定について」につきましては、職員の不祥事に関しまして、これまでの再発防止策が徹底されず、同様の事案を繰り返しましたことは、当事者はもとより、組織としての責任も重大であり、このことを大変重く受けとめ、本年7月の1カ月間について、先ほど説明いたしました一般職の職員等の給与の臨時特例に関する条例を適用せず、私自身につきましては給料の全額、副市長につきましては給料月額の30%の減額を行う措置を実施するものであります。  何とぞ慎重に御審議の上、御賛同いただきますようお願い申し上げます。 ○齊藤聰 議長  市長の提案理由の説明は終わりました。  この際、申し上げます。  ただいま議題となっております議案のうち、議第249号(ただし、市長、副市長及び常勤監査委員並びに企業管理者に係る部分を除く。)につきましては、地方公務員法第5条第2項の規定に基づき、あらかじめ人事委員会の意見を聞いてありますので、その回答をお手元に配付いたしておきました。  それでは、議案を付託いたします。  議第249号、議第250号、以上2件については、いずれも「予算決算委員会」に付託いたします。       ──────────────────────────── ○齊藤聰 議長  次に、日程第4「議第1号「平成25年度熊本市一般会計予算」及び議第13号「平成25年度熊本市公共用地先行取得事業会計予算」のうち、附帯決議で示された内容に関する調査について」を議題といたします。  桜町・花畑地区再開発事業の附帯決議に関する特別委員長の報告を求めます。江藤正行議員。          〔桜町・花畑地区再開発事業の附帯決議に関する特別委員長 江藤正行議員 登壇〕 ◆江藤正行 議員  桜町・花畑地区再開発事業の附帯決議に関する特別委員会の調査の概要について、簡潔に御報告いたします。  本特別委員会は、平成25年3月、議第1号「平成25年度熊本市一般会計予算」及び議第13号「平成25年度熊本市公共用地先行取得事業会計予算」のうち、附帯決議で示された内容に関する調査を行うことを目的に設置され、以来、調査の柱として、1、産業文化会館の解体、2、民間2棟の必要性及び平面駐車場の取り扱い、3、MICE施設のあり方、以上3分野について調査を重ねたものであります。調査に当たりましては、先進施設の視察を行うとともに、9回にわたり論議を行い、配付しております報告書を委員会の多数意見として取りまとめ、調査を終了した次第であります。  本再開発事業は、中心市街地のにぎわい創出のために取り組まれる本市の最重要事業であります。昨今の経済情勢の変化等のあおりを受け、紆余曲折を経て現在に至っていることは議員各位御案内のとおりでありますが、なお高まる市民の期待に応える魅力的な中心市街地となすべきは言うまでもなく、我々議会としても、今後とも事業完了まで鋭意議論を重ねていくべきかと存じます。  執行部におかれましては、本特別委員会の中での提言や意見を尊重され、今後の事業進捗に十分に反映されることを切に望みまして、桜町・花畑地区再開発事業の附帯決議に関する特別委員会の報告を終わります。  皆様の御賛同をよろしくお願いいたします。 ○齊藤聰 議長  桜町・花畑地区再開発事業の附帯決議に関する特別委員長の報告は終わりました。  ただいまの桜町・花畑地区再開発事業の附帯決議に関する特別委員長の報告に対し、質疑はありませんか。上野美恵子議員。          〔27番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  日本共産党熊本市議団の上野美恵子でございます。  桜町・花畑地区再開発事業の附帯決議に関する特別委員会委員長報告に関してお尋ねいたします。  この2カ月間の特別委員会は、到底、予算の執行にゴーサインを出すような納得できる議論になっているとは私は思えませんでした。特別委員会の論議を踏まえ、お尋ねいたします。  1、委員長報告では、産業文化会館の再利用に要する費用が約26億円と多額であると述べてあります。特別委員会では、その積算根拠が説明されました。しかし、産業文化会館は、32年前の建設時、総事業費が26億5,000万円でした。改修のために、なぜ建設費と同じ費用が必要なのでしょうか。  2、3月議会のとき、花畑地区の広場整備は20億円と説明されました。しかし、特別委員会では、広場整備に要する費用が40億円にも上ることが明らかになりました。ならば、3月議会で広場を提案したときに40億円と説明すべきではなかったでしょうか。なぜ、その時点で説明されなかったのでしょうか。  3、民間の進める事業に300億円もの税金を投入する桜町再開発事業、40億円もかかる花畑町の広場整備、これだけの大事業であるにもかかわらず、市民にはその詳細がほとんど説明されておらず、意見も聞かれていません。政策決定段階での市民への説明責任や市民の納得、合意を得ることについて、どのようにお考えでしょうか。  4、中心市街地に必要とされてきた芸術文化に適する中規模ホールは、産業文化会館が閉鎖された今、ありません。1万人近い方々の署名に応え、5億円もかけて取り崩すのではなく、産業文化会館は速やかに再開すべきと思いますが、いかがでしょうか。  5、去る4月25日、株式会社県民百貨店代表取締役社長松本烝治氏とくまもと県民百貨店労働組合執行委員長児玉智勝氏の連名による要望書が届けられ、再開発時の仮店舗に産業文化会館を候補地として検討してほしいとお願いされました。要望書にありますように、1,000人の雇用を守るためという申し出をどのように検討され、どのように応えていかれるのでしょうか。  以上、市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、5点のお尋ねに順次お答えさせていただきます。  まず、産業文化会館の改修のためになぜ建設費と同じ費用が必要なのかというお尋ねでございます。改修のために必要な費用につきましては、先般の第5回特別委員会の場において説明させていただいたところでございますけれども、改めて申し上げますと、この26億円という費用でございますが、平成18年度の委託業務によりまして積み上げました空調設備改修や、その際に概算として算出いたしました昇降機などの改修費、また今回新たに内装費や耐震改修の費用、これらを試算したものでございます。なお、32年前の建設費用につきましては、当時の建設コストなどにより積み上げたものであると認識いたしております。  続きまして、2点目の広場整備に関しまして3月議会で40億円と説明すべきというお尋ねでございます。この点につきましては、この40億円という数字でございますが、今回の委員会でいろいろな議論をいただいたわけでございますが、この中で御提案もいただきました中で、その求めに応ずる形で仮に大屋根を設置した場合も含めまして、さまざまな施設整備をフルセットで実施しました場合を想定させていただいた際に必要となる広場整備費として試算させていただいたというものでございます。  具体的な広場のデザイン、あるいは仕様につきましては、利活用の内容によって決まってくるものでございまして、桜町・花畑周辺地区まちづくりマネジメント検討委員会におきまして今年度に取りまとめを予定しております基本計画で、利活用の方向性や整備のあり方を検討してまいりたいと考えております。その際には、議会への報告、あるいは意見も伺いながら、広場にどのような機能を持たせるのかにつきましても計画してまいりたいと考えております。  また、3月議会時点の20億円に関しましては、旧産業文化会館の解体や民間2棟の取得経費など、上程当時必要な経費を計上させていただいたというものでございます。  3点目の市民への説明責任についてのお尋ねでございますけれども、今後の広場整備につきましては、先ほど申し上げたマネジメント検討委員会におきまして、十分な議論や利活用のあり方などを今年度さらに検討する予定であります。その際に、シンポジウムの開催やオープンハウスなどの開催を行いながら、市民への説明、あるいは合意形成を図ってまいりたいと考えております。  また、MICE施設整備につきましては、桜町地区再開発事業の進捗状況を踏まえ、MICE施設整備基本計画を策定いたします中で、施設全体の構成、延べ床面積、概算事業費、あるいはホールや各室の仕様などをお示しさせていただきたいと考えております。その過程におきまして、市民の皆様に適宜情報をお伝えいたしますとともに、オープンハウスや先ほど申し上げたパブリックコメントなどの手法を活用し、幅広い御意見を伺い、御理解をいただきながら進めてまいりたいと考えております。  4点目の産業文化会館の再開についてのお尋ねでございますが、この旧産業文化会館の建物の状況につきましては、これまで説明させていただきましたように、老朽化が進んでいるものであります。また、桜町・花畑地区におきましては、にぎわいと潤いに満ちた上質な都市空間として広場を整備することが中心市街地の活性化に資するとの考えから、旧産業文化会館の再開というものは考えているものではございません。  なお、旧産業文化会館の中規模ホールの機能代替につきましては、新たに整備するMICE施設はもとより、市民会館崇城大学ホール、森都心プラザホールなどの既存施設で機能分担を図ることといたしております。そのような中で、附帯決議に関する特別委員会の昨日の報告の中で、その機能補完のための総合的検討を求めるとの御指摘もいただいておりますため、今後、さらに中規模ホールの機能代替についての検討を深めていかなければならないと考えております。  最後、5点目の県民百貨店の雇用に関するお尋ねでございます。先ほど御紹介もございましたように、県民百貨店から旧産業文化会館を仮店舗として利用したい旨の要望もいただいたところでございますが、利用再開のためには、空調、電気設備の改修のほか、耐震補強工事も必要となり多額の費用を要しますこと、さらには県民百貨店の現在の売り場面積でございますが、2万5,000平米ございます。それに対しまして産業文化会館の有効床面積でございますが、5,000平米程度、5分の1程度ということになりまして、仮店舗としての利用には大きな課題があるのではないかということを思い、その説明もさせていただいたということでございました。  また、本市では、旧産業文化会館を解体し、桜町・花畑地区におけるにぎわいと潤いに満ちた上質な都市空間として広場を整備する方針であることも県民百貨店の方にはお伝えいたしております。  現在、県民百貨店では、再開発事業者と仮店舗も含め協議を進められていると伺っておりまして、その協議の動向を注視したいと考えておりますが、雇用の確保というものは、本市にとりましても重要な課題でございますことから、雇用者であります県民百貨店や再開発事業者に対しまして、雇用不安や雇用確保に対しまして十分に配慮いただくように求めてまいりたいと考えております。          〔27番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  いずれもうなずけるような答弁ではありませんでした。ただいまの答弁を踏まえて、続けてお尋ねいたします。  第1に、委員長報告では、これまでの定例議会において明らかにされなかった事実等も多く判明したことは、議案審査を根底から覆しかねないものであると述べてありますように、3月議会では20億円と説明されていた広場整備費が特別委員会で40億円と説明されたときには、大変驚きました。ところが、ただいまの答弁では、フルセットで整備した場合が40億円で、具体的な広場のデザインや仕様は、今後の桜町・花畑まちづくりマネジメント検討委員会で検討するということです。要するにどんな広場を整備するのか、利活用の見通しもこれからです。本当に行き当たりばったりです。  ところが、5月8日の特別委員会には、広場整備の費用対効果は、来場者増加予測、年間34万人と説明されました。利活用見通しもこれからと言いながら、アンケートで寄せられたイベントをただ並べて、来場者が34万人も増加するというのは、余りにも乱暴な予測ではないでしょうか。客観的な根拠もない、34万人という数値をどうして示せるのですか、御説明ください。  第2に、市民への説明責任、合意形成については、オープンハウス、シンポジウム、パブリックコメントということを言われましたが、これはとてもすべての市民に本気でこれらの大事業を説明し、理解を得ていこうという市の姿勢は見えません。まるで帳面消しです。特別委員会でも行き当たりばったり、納得のいく説明とはとても言えない状態でした。ですから、今回の委員長報告でも、再度、説明不足の解消と十分な意見聴取、合意形成が求められています。今回の特別委員会には、市民から公聴会開催の陳情も出されていました。説明会、公聴会を開き、説明責任を果たし、意見を真摯に聞いていくべきではないでしょうか。  第3に、産業文化会館再開の改修費用については、平成18年に委託業務に出された費用を駅前東A地区情報交流施設等の工事費で検証したとの説明がありましたが、東京都の清瀬市では約500席の中規模ホールを持つ清瀬市民センターが、市民の文化活動の拠点として1976年に建設されましたが、舞台装置その他昨今のIT化や利用形態に対応し切れなくなって、外装、内装ともに一新され、座席もすべてつくりかえ、増築リニューアルの大規模改修が行われました。しかし、その費用は、建物を新築すれば45億円かかるものが、リファインによって20億円の事業費で入札にかけられ、10億円で落札されました。そして最終的には、500席のホールが12億円で生まれ変わりました。  このように今や建築技術の進歩によって、少ない経費で大変効果的にリニューアルを行うことができます。先日、再度、産業文化会館の中を見学してきましたが、水分が多くて、かびている地下を除けば、地上部分のほとんどは、そのままの状態でも十分使えます。26億円もの改修費用は過大だと思われます。大切に使う気さえあれば、もっと少ない費用で生まれ変わらせることもできます。本市でも公共施設の長寿命化計画が策定されています。産業文化会館についても、公共施設を市民の財産として大切に使う観点で、リファイニングについて研究し、再開費用26億円は再度検証すべきと考えますが、いかがでしょうか。  最後に、県民百貨店の申し入れの件では、広場整備で解体するから、産業文化会館は使えないと説明されています。一方、雇用確保は大変なので、県民百貨店と再開発業者との協議を注視し、雇用確保についての配慮を求めていくと言われました。しかし、デパートの仮営業は、一定の売り場面積が必要となることなどから、大変困難と言われています。デパートの営業継続の困難さをどのようにお考えでしょうか。  また、産文を使わせないというのなら、どのようなところが仮店舗として考えられるのでしょうか。市として1,000人の雇用を守るために積極的な対応をすべきではないでしょうか。  以上、市長に再度お尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、4点の再度のお尋ねでございましたので、順次お答えさせていただきたいと思いますが、全体として申し上げますことは、先ほど江藤委員長から御報告のあった内容につきましては、十分にそれを踏まえた上で今後対応してまいりたいと考えております。  そのような中で4点でございますが、広場の利活用の話がございました。これも委員会の中で、基本的にはこれまで開催されているものを中心として集計し、御説明させていただいたというものでございます。しかしながら、今あっているものだけではなく、やはり今回のシンボルプロムナード、あるいは広場も含めまして、あのような空間が生み出されることになりますと、これまでなかなか難しいのではないか、あるいは新たな発想の中でさまざまな集客を伴うようなイベントも開催が可能になってくるものと思っております。  そういう意味におきましては、多くの皆様方の知恵でありますとか、あるいはアイデアを頂戴いたします中で、さらににぎわいのある空間にしていきたいと考えておりますので、そういう意味におきましては、今後、先ほど2点目の質問にもございましたが、市民の声をいかに反映するのかというような中におきましても、さまざまなアイデア、提案をいただけるような場というものは設けていく必要があると考えております。  2点目のお尋ねにつきましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、シンポジウムの開催、あるいはオープンハウス等ということを考えておりますが、それにとどまることなく、さまざまな形というものは模索していきたいと考えております。できるだけ多くの皆様方に桜町・花畑一帯の開発整備の方向性につきまして知っていただいて、そしてさまざまな観点から御意見等をいただいてまいりたいと考えております。  3点目にリファインの話がございました。他地域の事例を紹介されての御説明であったわけでありますけれども、旧産業文化会館の考え方につきましては、先ほど御説明したとおりでございます。しかしながら、今後におきましては、市政の運営におきまして、既存ストックをできる限り有効に活用していく姿勢というものは重要になってくるものと思いますので、先ほど御紹介のあった事例等も研究しながら、そのような取り組みを市政全体の中で反映できるように努力してまいりたいと考えております。
     それから、県民百貨店の雇用の話がございましたけれども、先ほど申し上げましたように、確かにスペースも必要という中で、現在の旧産業文化会館では、スペース的にもかなり無理があるのではないかという御説明をさせていただいたということでありました。しかしながら、雇用の確保、あるいは継続というものは、大変重要であるという認識は先ほど申し上げたとおりでございますので、これにつきましては、繰り返しでございますが県民百貨店、あるいは再開発事業者に対しまして、私どもとして十分配慮していただくように求めてまいりたいと考えております。          〔27番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  いろいろ御答弁いただきましたけれども、今後の広場、桜町等々に関する利用見通しについては、もっと正確にきちんと検証した数値をお示しいただきたいと思います。  2番の質問については、市民の声を聞く場を設けるということでしたので、きちんとした説明会、公聴会なりという場を設けて取り組んでいただくことを要望しておきます。  それから、施設を大事に使うという点では、最少の経費で最大の効果を上げていくという点や、あるいは既存ストックの活用も重要だと言われましたので、はなから取り壊す、そのために5億円も使う、広場は40億円というやり方というのは、いま一度きちんと見直していただきたいと思います。  いろいろ答弁がありましたけれども、私はやはり一つ一つの事柄について、まだまだ検証不足を実感します。今回、時間の関係でお尋ねできませんでしたけれども、MICE整備の利用見通しは、福岡の国際会議場の年間利用を上回る予測が特別委員会で示されていました。人口70万人の熊本市が、九州の経済、文化の中心で人口150万人の福岡市を上回るようなコンベンションの開催ができると誰が考えるでしょうか。それを目標とすることは結構ですけれども、実際にそうなることは大変難しいと思います。このような予測の一つ一つをとっても、現在のMICE整備や広場整備の検証は不十分であると思われます。  よって、提案された特別委員長報告の予算執行可という結論には賛成できません。今後、さらなる検証と市民への説明責任をきっぱりと果たしていかれることを強く要望いたしまして、質疑を終わります。 ○齊藤聰 議長  北口和皇議員。          〔48番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  自由クラブの北口和皇です。  桜町・花畑地区再開発事業の附帯決議に関する特別委員会の委員長報告に対し、質疑をいたします。  ただいまの委員長報告を要約しますと、凍結していた関連予算の執行に大きく3つの課題解決を求めるとされています。  第1点目は、産業文化会館の解体についてです。産業文化会館再開には、要する費用が多額であり、またシンボルプロムナードなどとの一体的な広場整備の観点からやむを得ないものとするものの、閉鎖となる産業文化会館のホール機能補完について総合的検討を行うこと。  第2点目の民間2棟の必要性や平面駐車場の取り扱いについては、辛島公園から花畑公園までを一体的に整備を行うようにすべきであること。取得価格については、一般社会通念に配慮した交渉を行うこと。また、仮バスターミナルとしての使用は認めないこと。  第3点目のMICE施設のあり方について、基本計画の策定に当たっては、オンリーワンのものとして魅力的なものを盛り込むこと。施設整備を協議する審議会等の議会の参加を求めること。議会内にMICEに特化した審査部門の設置をすること。  以上の3つであります。  素直に申し上げて、10回にわたる審議で、委員の中には欠席、全く発言しない日が4日もある、発言時間が合計で3分90秒など、この10回にわたる審議の結果としては余りにも残念なものと言わざるを得ません。何のための特別委員会設置であったのかと改めて疑念を感じています。新しい提案としては、仮バスターミナルの使用は認めない、議会にMICEに特化した審査部門を設置するの2つぐらいです。それ以外は、新たに特別委員会を設置するまでもなく、これまでに中心市街地活性化特別委員会や常任委員会で既に議論や指摘があったこと、あるいは今後、議論する中で当然指摘されるであろうと予想されることばかりであります。そのようなことから、中心市街地活性化特別委員長であった家入議員も、以前の委員会と重複した質問ばかりではないかという指摘をされているのではないでしょうか。  そもそも私は、ことし3月の第1回定例市議会において、桜町・花畑地区再開発事業に関する附帯決議が提案された際には、この問題に関しては、本会議はもとより、中心市街地活性化特別委員会や都市整備、経済常任委員会など、これまでさまざまな論議が交わされており、なぜ新たに特別委員会を設置するのか大変疑問であり、議会が執行部にプライドを傷つけられたから、結論を先送りにすることで、議会としての落とし前をつけようとするだけではないかと申し上げました。  今まで10回に及ぶ特別委員会の開催において、議員への費用弁償の総額は、1日5,000円から7,000円の日当で、1回の委員会が4万円にも上ります。また、今回、執行部は約30名で、中心市街地活性化特別委員会と同じメンバーの管理職が出席しており、管理職の平均時給が約2,800円ですので、平均2時間の審議としても、約160万円の人件費が空費されていると考えられます。  そのほかにも、慌しいスケジュールの中での資料作成に多くの担当職員が残業を余儀なくされています。また、今回の特別委員会で、ことし4月、約80万円の予算を使い富山市に行政視察を行っておられますが、田辺議員には、平成22年1月の中心市街地活性化特別委員会の行政視察においても、同じ富山市への同じ視察に2泊3日、約10万円の経費が支出されております。同じ場所への二度の視察で、いずれの視察も何を検証し、何を参考にしたのか、議会に報告が行われたという記憶は全くありません。  いずれにしても、今回の特別委員会は、以前の中心市街地活性化特別委員会での議事録や行政視察の報告を精査した後に議論が行われているとは思えません。改めて今回の委員長報告をお聞きし、議員の日当5,000円から7,000円で10回の約40万円近くの委員会と視察80万円で約120万円、このような会議費で、多額の市民の税金や時間を費やし出された結果が、平成21年3月議会で産文廃止条例案を可決しており、これまで17回も開催されている中心市街地活性化特別委員会等で論議されたことと変わりない結論では、議会がいつも執行部に指摘する血税の無駄遣いであり、正直残念な思いがいたします。  このような中で、特に平面駐車場の取り扱いについて、大変違和感を覚えております。この駐車場について、報告では、市長みずから交渉に挑み、努力するという決意のとおり、広場の一体的整備に鋭意努力することという表現になっています。委員会の場において、この問題について質疑がなされた際の執行部の答弁は、所有者と交渉を続けているものの、現在のところ売却の意思はない。ただし、もし売却する場合は、まず市に相談する。また、建物等を建てる場合は、市の指導のもとで景観等に十分配慮する等の約束はしていただいているとのことでした。  しかし、落水議員などからは、売却が確約されなければ事業そのものを認めないような発言がありましたし、取りまとめ案を論議された最後の委員会においても、竹原議員から改めて平面駐車場の取得を条件にするような発言もあっています。この駐車場は、改めて申すまでもなく民間の方の所有地です。駅前再開発や流通業務団地の建設のように、土地収用法など法的拘束力が実行できるような事案であれば別でしょうが、民間私有地に対し、議会がその権限において一方的に売却を要求することは、憲法が認めている財産権の侵害であり、ましてや今後の予算執行を認める上での条件とするなど、法的に問題があるのではないかと感じています。  2つのビルの取得価格についても、高過ぎる、高過ぎるといった意見があったため、一般社会通念に配慮した交渉を行うことといった報告があるのでしょうが、執行部からの説明では、熊本市の公共事業の施行に伴う損失補填基準による取得価格の説明が行われているわけですから、理解されているのか疑問に感じています。  もし私がビルの所有者であれば、納得できない。非常識な高い価格で売ろうとしているのではないかと疑うような委員会の質疑に嫌気がさし、ビルも土地も売りたくないと思います。余りにも不当な個人財産への介入、干渉ではないでしょうか。  そこで、お尋ねいたします。  今回の報告にあった平面駐車場について、条件にあります鋭意努力された結果、財産取得の確約ができなかった場合について、どのように考えておられるのでしょうか。努力した結果がどのような内容であれば、議会として予算執行をお認めになるのか、あるいは努力がいかにあろうとも、取得を条件として今後の整備予算等をまた凍結といった対応をとられるのか、お尋ねします。  また、買収価格を一般社会通念に配慮せよとの報告は、執行部が示した価格は不当に高いので、もっと安く買えといった意味なのでしょうか、真意をお尋ねします。江藤委員長のお考えをお聞かせください。          〔桜町・花畑地区再開発事業の附帯決議に関する特別委員長 江藤正行議員 登壇〕 ◆江藤正行 議員  北口議員にお答えいたします。  この報告書が議会において了承されますと、いわゆる凍結は解除され、交渉に入るものと理解しております。今後、市長を初め執行部の交渉過程を見守ってまいりたいと思っております。          〔48番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  江藤議員、ありがとうございました。財産権の侵害にならないよう、市長の節度ある用地交渉の努力をお願いいたしたいと思います。 ○齊藤聰 議長  以上で質疑は終わりました。  これより討論を行います。  益田牧子議員より討論の通告が提出されておりますので、発言を許します。益田牧子議員。          〔49番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  桜町・花畑地区再開発事業の附帯決議に関する特別委員会の正副委員長取りまとめを中心にいたしました委員会報告に反対討論を行います。  第1の理由は、凍結解除して、予算の執行を認めたことです。そもそも当初議会の折の予算決算委員会附帯決議には、特別委員会を設置し、5月末日までに結論を得た上で、当該予算の執行を可とすると出口が決めてあり、限界がありました。  しかし、市民目線で結論を出そうとの最初の申し合わせもあり、真剣な論議が交わされ、取りまとめに記載されているように定例議会で明らかにされなかった事実が判明しました。江藤委員長の提案で特別委員会が市民の直接傍聴を実現し、市民の関心も高まりました。しかしながら、今回の凍結解除へのゴーサインは、多くの市民を裏切る結果となったのではないでしょうか。  第2は、委員会報告で議会の二元代表制が強調されている、議会の役割についてです。特に花畑地区広場は熟度の低い予算計上であり、辛島公園や花畑公園、シンボルプロムナードもあり、産業文化会館を取り壊し、2棟の民間ビルまで急いで買収する必然性はありません。本来なら、議会の提案で予算を削除すべきところです。百歩譲っても、現在の時点で予算の凍結解除をするべきではありません。  第3は、産業文化会館廃止の論拠とされた老朽化の根拠が崩れていることです。熊本大学の耐震構造に詳しい名誉教授も、耐震補強すれば十分使えると言われたと聞いています。東京大学工学博士で首都東京大学特任教授の青木茂教授も、「産業文化会館は良質な建物。丁寧に施工されている。耐震補強すれば、十分に使うことができる。」との評価をされました。ちなみに青木先生は、2012年には日本建築防災協会耐震改修貢献者賞理事長賞、2013年同じく耐震改修優秀建築賞など、多くの業績を上げておられる一級建築士です。費用についても、27億円と積み上げ方式で示されましたが、競争入札にすれば、上野美恵子議員が質疑で申し上げましたように、恐らく10億円前後に縮小することができるのではないでしょうか。  第4は、特別委員会設置の原因ともされた市民への説明不足がそのまま放置されていることです。市議会は、多数決でしゃにむに凍結解除するのでなく、議会のイニシアチブで、陳情にありました公聴会開催など市民参加や専門家の意見を聞くなど、慎重な論議を尽くすべきではないでしょうか。市議会議員各位におかれましても、産業文化会館の解体、広場整備の予算について可とすることに、じくじたる思いを持っておられる方もいらっしゃると思います。その背景にあるのは、多くの市民の皆さんが産業文化会館を壊すのはもったいないと考えておられ、市民のコンセンサスが得られていないことにあります。  特別委員会には、産業文化会館の再開を求める会や、産業文化会館を長年愛用されてきた文化関係者からの陳情がありました。吟詠家の大塚さんは、「熊本の芸能、芸術発展のために、産業文化会館を十数年間利用してきました。キャパシティーが700の利用できる会館は、ほかにありません。他の方は広過ぎたり、狭過ぎたりで、しかも交通の便の悪い会場を利用することになり、非常に困っています。これからの日本は、少子高齢化となります。高齢者が芸能、芸術の習い事で気と呼吸を磨き、元気な細胞をつくり出し、予防医療と熊本の元気なまちづくりに貢献できるのではないでしょうか。産業文化会館は、まちの中央部にあって、交通の便がよく、足腰の弱い高齢者も県内外からおいでの方にも利便性がよいのです。産業文化会館の利用者は、年間30万人と言われ、閉ざされた4年間には約100万人以上の利用者の文化と市街地のにぎわいにも大きく影響しているかと思います。産業文化会館の再開を一日も早くお願いします。」と訴えられました。  邦楽、洋楽、舞踊関係者など、多くの方々から同じような訴えがあり、女優の栗原小巻さんからも「使い勝手のよいホールであり、壊すのはもったいない。」との言葉が直接熊本市に届けられています。新市街周辺の商店主からも、産業文化会館を壊して、広場に賛同する声はありませんでした。存続を求める署名は、約1万人に上っております。私どもの市民アンケートでも、産業文化会館については、改修して使うべきが78%、壊していいは8%にすぎません。議会は、このような産業文化会館の再開を望む声に向き合い、そのために知恵を絞るべきではないでしょうか。  第5は、特別委員会で民間ビル用地買収費用については、用地費の約3倍もの11億4,500万円もの移転補償費に多くの疑問が呈されました。委員会報告では、「取得価格については、一般的社会通念に配慮し、価格交渉を徹底的に行うことを要望する。」とされました。しかし、何ら拘束力はありません。仮バスターミナルの使用については認めないというのであれば、急いで2棟ビルを買収する必要はありません。市民的なコンセンサスのない広場のために、2棟ビル買収費15億円は不要不急の支出です。削除し、地域経済活性化に大いに役立つ職員給与に回し、給与の引き下げはやめるべきではないでしょうか。  第6は、MICE施設のあり方については、議会として施設整備の可否も含め判断するために、議会内にMICE施設に特化した審査部門を設置したいとされています。一方では、施設整備を協議する審議会等への議会の参加を求めています。先日開催された糖尿病学会は、シャトルバスで会場を結び、市内施設の総合力で成功しました。  私どもの市民アンケートでは、施設に賛成は6%にすぎず、既存施設を利用するべきは78%に上っています。熊本市は、300億円ものMICE施設を進めようとしており、委員会報告は何ら歯どめにはなりません。大型箱物建設の時代は終わりました。少なくとも議会がとるべき道は、予算を削除した上で、費用対効果や財政への影響など真剣な論議を行い、MICE施設整備の可否を早急に判断することではないでしょうか。  以上、賛同できないことを述べ、反対討論といたします。 ○齊藤聰 議長  以上で討論は終わりました。  それではお諮りいたします。  桜町・花畑地区再開発事業の附帯決議に関する特別委員長の報告については、これを了承し、調査を終了することに賛成の議員の起立または挙手を求めます。          〔賛成者起立〕 ○齊藤聰 議長  起立多数。  よって、さよう決定いたしました。       ──────────────────────────── ○齊藤聰 議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  明13日から6月20日まで8日間は、常任委員会開催並びに休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○齊藤聰 議長  御異議なしと認めます。  よって、明13日から6月20日まで8日間は、休会することに決定いたしました。  次会は、6月21日(金曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○齊藤聰 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                              午後 0時27分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成25年6月12日 出席議員 49名       1番   齊 藤   聰        2番   鈴 木   弘       3番   小佐井 賀瑞宜        4番   寺 本 義 勝       5番   高 本 一 臣        6番   西 岡 誠 也       7番   福 永 洋 一        8番   田 上 辰 也       9番   浜 田 大 介       10番   井 本 正 広      11番   大 島 澄 雄       12番   原 口 亮 志      13番   くつき 信 哉       14番   松 野 明 美      15番   田 中 敦 朗       16番   重 村 和 征      17番   上 田 芳 裕       18番   那 須   円      19番   園 川 良 二       20番   藤 永   弘      21番   紫 垣 正 仁       22番   澤 田 昌 作      23番   倉 重   徹       24番   大 石 浩 文      25番   田 尻 善 裕       26番   白河部 貞 志      27番   上 野 美恵子       28番   有 馬 純 夫      29番   藤 岡 照 代       30番   満 永 寿 博      31番   三 島 良 之       32番   津 田 征士郎      33番   坂 田 誠 二       34番   藤 山 英 美      35番   田 中 誠 一       36番   東   すみよ      37番   家 入 安 弘       38番   田 尻 将 博      39番   竹 原 孝 昭       40番   牛 嶋   弘      41番   税 所 史 熙       43番   落 水 清 弘      44番   江 藤 正 行       45番   下 川   寛
         46番   田 尻 清 輝       47番   古 川 泰 三      48番   北 口 和 皇       49番   益 田 牧 子      50番   田 辺 正 信 説明のため出席した者   市長       幸 山 政 史    副市長      高 田   晋   副市長      牧   慎太郎    総務局次長    西 川 公 祐   企画振興局長   原 本 靖 久    財政局長     岡   昭 二   健康福祉子ども局長宮 本 邦 彦    環境局長     石 櫃 紳一郎   農水商工局長   多 野 春 光    観光文化交流局長 坂 本   純   都市建設局長   永 山 國 博    消防局長     大 塚 和 規   交通事業管理者  中 山 弘 一    上下水道事業管理者宮 原 國 臣   教育委員会委員長 崎 元 達 郎    教育長      廣 塚 昌 子   代表監査委員   平 塚 孝 一    農業委員会会長  森   日出輝   中央区長     前 渕 啓 子    東区長      西 島 徹 郎   西区長      永 田 剛 毅    南区長      永 目 工 嗣   北区長      石 原 純 生 職務のため出席した事務局職員   事務局長     大 杉 研 至    事務局次長    木 村 建 仁   議事課長     富 永 健 之    議事課長補佐   本 田 正 文...