人は人生においていろいろな約束をしながら生きています。子供のころの、一緒に遊ぼうという約束から始まり、大人になってからの周囲とのおつき合い、そしてまた婚約、結婚などは特に大事な約束事ではないでしょうか。
私には4人の子供たちがおりますが、この子供たちが小さいころに後輩の奥さんが若くしてこの世を去り、母親の死が理解できず線香と弔問客が吸うたばこの煙の中で走り回っていた幼子の姿が痛々しく、脳裏から離れませんでした。このことがきっかけで私は、我が家の4人の子供たちが育ち上がるまでは絶対に死ねないと心に誓い、ヘビースモーカーであった自分に対し、たばこをやめるという約束をいたしました。妻も周りの者もまさかその約束が守れるとは思っていなかったようですが、私には自分の子供たちとの約束は必ず守るぞという信念のようなものが芽生え、たばこをやめることができました。今から30年ほど前のことであります。
子供を産み育てていく。そして立派に成人させる。それも親側からの一方的かもしれませんが、子供たちへの約束ではないでしょうか。非行に走らせることなく育てたいものであります。
子供たちの世界では、友達との約束を破ることによって一緒に遊ばなくなったり悪口を言ったり、それがいじめにつながるのかもしれません。大人の場合、日ごろのおつき合いまたは金銭の貸し借りなどさまざまな約束事があり、それらを守らなかったら人間社会が成り立っていきません。
いろいろ申しましたが、皆様方には釈迦に説法のわかり切った話をしてしまいました。何とぞお許しいただきたいと思います。
私たち議員や首長は、選挙においていろいろな公約を掲げ、選ばれております。この約束を守るために、常に市民の皆様との交流を図り、またその目線で物事を捉え、市政に反映できるよう意識し努力しているところであります。
さて、本日は本会議の場でございますので、幸山市長にはその約束ということでお伺いしていきたいと存じます。
市長におかれましては、第1期目の市長選から
マニフェストを掲げ、3回の選挙を勝ち抜いてこられました。首長という立場は、苦渋の決断を強いられる大変厳しいものであると認識いたしております。しかしながら、強い信念のもと一歩一歩確実に市の代表としてかじ取りをしてこられ、市民の絶大なる支持も得られていると私は思っております。その大きな指針となっているのが
マニフェストです。
幸山市長は3期目の選挙に際し、「挑戦元年・市民の皆様への新たな約束」という形で市政に対する基本理念や今後取り組むべき施策の方向性を具体的に示されました。再選された後には、公約を具現化する事業内容やスケジュールを体系化し公表され、またその進捗状況などについても、毎年、年度末に公表してこられました。私もそのたび拝見し、達成された項目が随分ふえたなと高く評価しているところであります。その内容は多方面の分野にわたり、かなりの項目で構成されておりますが、当初の計画どおりに進んでいないものも見受けられ、課題も残っていることと思います。全ての約束を守ることの大変さを改めて感じているところであります。
そこで市長にお尋ねですが、市長御自身、この10年を振り返り、その実績や課題などをどのように捉えておられるのか。そして、これらの課題の残っている項目について、今後どのように取り組んでいかれるのか。また、約束ということについて市長のお気持ちもお聞かせいただきたいと思います。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 それでは、
市長マニフェストについてという項目で3点ございましたので、約束ということについての認識も含めましてお答えさせていただきたいと存じます。
さまざまな約束事を守らなかったら人間社会が成り立たないと、ただいま見解も披瀝していただきましたが、そのことにつきましてはもちろん同感するものであります。
そして、約束という言葉から思い浮かびますのが「信なくば立たず」という言葉でございます。御存じのとおり論語の一節でもありまして、政治への信頼がなければ社会は成り立たないというものであります。信頼の信という漢字でございますが、これは年頭に当たりましての一文字に使わせていただいたこともありましたが、人が言うと書きますように言ったことをきちんと実行すること、あるいはみずから発した言葉に責任を持つということ、すなわち約束を守るということが政治に携わるものといたしまして心すべきものであると考えております。選挙に当たりまして、政党や候補者が政策や施策を掲げまして実現を約束したものが
マニフェストあるいは選挙公約、公の約束でもあるわけでありまして、私も市民との約束として、その実現に真摯に取り組んできたものであります。
そのような中で10年の振り返りということで、実績と課題はどうかというお尋ねであるわけでありますが、市長に就任いたしまして以来、熊本の強みを生かし、魅力と活気にあふれ暮らしやすいまちを目指して、市民協働の考え方のもとさまざまな取り組みを進めさせていただきました。特に
政令指定都市の実現に向けましては、多くの皆様方の御協力をいただきながら、その必要性を粘り強く訴えてまいりますとともに、行財政改革による財政の立て直しを図り、情報公開と市民参加を進めることで信頼される市政づくりに努めてきたところであります。
また、日本一住みやすく暮らしやすいまちを目指しまして、保育所整備や子供の医療費助成など福祉や
子育て支援施策の拡充に取り組みますとともに、学校教育の充実、産官学の連携による人材育成あるいは地域活動などへの支援にも力を入れまして、新しい熊本づくりを担う人づくりも進めてまいりました。
さらに、熊本城の復元とともに、城下町づくり、築城400年祭など、お城を核とした観光の振興や中心市街地の活性化、さらには新幹線開業や、今後の
在来線高架化事業を見据えまして、熊本の陸の玄関口でもあります駅周辺整備などによりまして、新しい熊本の基盤づくりに取り組んでいるところであります。
そして、3期目に臨むに当たりまして、それまでの取り組みの成果や課題を踏まえつつ、先ほど御紹介のございました「挑戦元年・市民の皆様への新たな約束」としてお示しさせていただいております。この約束を
挑戦元年アクションプランとして体系化いたしまして、行程表に取りまとめ、全庁的に実現に向け取り組んでいるところであり、その進捗状況につきましては半年ごとに更新し、民間団体などが実施されております検証会議でも説明の機会をいただいているものであります。
項目ごとに一つ一つ見てみますと、先ほどお話がございましたが、達成されたものあるいはまだ道半ばのもの、それから実現に向けて依然模索中のものなどさまざまでございますが、先ほど申し上げました公約、公の約束の重みを鑑みまして、その実現に向けて全力を挙げることと、その進捗状況を示し説明責任を果たしていくことが肝要であると考えております。
課題の残っている項目にどのように取り組んでいくのかということにつきましては、今後の取り組みといたしましては少子高齢化の進展あるいは近い将来の人口減少、都市間競争の激化など、本市を取り巻きます環境が一段と厳しさを増します中で、新たなステージに立った
政令指定都市熊本として、市役所、交通体系、中心市街地の3つの再デザインを進め、もっと市民の皆様が暮らしやすさを実感していただけるようなまちづくりを実現し、暮らす場所や観光、MICE、企業立地、学生の学ぶ場など、あらゆる観点から選ばれる都市熊本を目指すことといたしております。
課題といたしましては、
指定都市移行の効果というものを市民の皆様にもっと実感していただくということが重要でありますことから、本年度新たに区の
まちづくり懇話会を設置いたしまして、各区の
まちづくりビジョンをもとに参画と協働によるまちづくりを推し進める仕組みを強化する予定でございます。また、
健康まちづくり、交通空白地域の解消、地域防災力の強化など、地域に密着した事業を実施し、身近な役所としての区役所が力を発揮するように努めてまいりたいと考えております。さらには、昨年7月の
九州北部豪雨災害を教訓といたしまして、より災害に強いまちづくりも進めていかなければなりません。そして、不祥事の根絶と市政の信頼回復に向けた取り組みも今の熊本市にとりましては大きな課題となっております。
いずれにいたしましても、
マニフェスト、すなわち公約は将来を見据えましたまちづくりを進めるに当たりまして、市民の皆様との大事な約束でございます。その重みを十分に認識し、市民の皆様との約束を果たすべく、実現に向け全庁一丸となって取り組んでまいる所存であります。
〔26番
白河部貞志議員 登壇〕
◆白河部貞志 議員 ありがとうございました。幸山市長も約束という見解に全く同感であるというお話をいただきました。
「信なくば立たず」という論語の一節も示され、幸山市長の政治に対する真摯な思いを改めて感じることができました。市民の皆さんとの約束を果たすため全庁一丸となって取り組み、日本一暮らしやすい
政令指定都市の実現に向け、頑張るとのことであり、大変心強く大いに期待したいものであります。
それでは、次の質問に移ります。
今議会での一番のテーマは、桜町・
花畑かいわいの開発問題についてであると思います。
桜町・
花畑かいわいは、歴史的には広大な敷地の中に能舞台や泉水と築山のある庭園など格式の高い大名屋敷であった花畑屋敷や、現在の
交通センター一帯は昭和の中ごろまで県庁があるなど、本市の政務の中枢をなした地区でありました。その後、百貨店の進出や交通センターの立地により商業の中心地区として生まれ変わり、活気あふれる地区であったことは御承知のとおりでありますが、近年、昔の活気は感じられなくなっており、当地区を含む中心市街地の活性化は急務の課題であります。
そのような中、桜町・花畑の開発の成功は、中心市街地の活性化のみならず、政令市熊本が次の100年を見据えて発展していくために重要な事業であり、是が非でも早急になし遂げるべきものと考えております。また、そのように本市の将来を左右するような重要な事業であるがゆえ、私ども議会も市民に対する責任から特別委員会という議論を尽くす場を持ったものと思っております。そのことは市長も重く受けとめていただきたいと思います。
そこで、今回の件に関し、私なりに論点を整理しながら質問させていただきます。
今回の問題の一つに、以前計画のあった花畑町開発計画が頓挫したということがあります。民間事業者の劇場構想を実現するための再開発計画にあわせ、旧
産業文化会館にありました市民ホールを併設するという計画で、この事業が成就すれば、これまでの熊本にない新たな魅力が創出されるものと多くの市民が期待されていたものと思います。
しかし、
リーマンショックという予測不能の経済環境の悪化により事業継続が難しいとして民間事業者が断念されたものでありますが、本市はこの問題にいかに対処していくかという大変難しい試練を受けたことになるのではないかと考えます。
市長は再開発事業の事業断念を受けた後に、
議会全員協議会において桜町・花畑地区におけるにぎわいと潤いの都市空間の新たな方向性を示し、
産業文化会館を含むエリアを広場として
シンボルプロムナードと一体となった
都市空間整備に取り組み、
産業文化会館にあった市民ホールの機能は、桜町の再開発の中で新たに整備される
MICE施設と市民会館などの既存施設により機能分担を図るとされたところであります。その基本的な考え方ということでは、特に
シンボルプロムナードと一体となった広場整備を行い、桜町・花畑地区に上質な都市空間を創出することについては一定の評価をしているところで、そのことは私だけではないと思われます。
しかし、広場の必要性から導き出される利活用といった点についてはまだまだ検討が必要とは思うものの、少なくとも、現在廃墟になっている旧
産業文化会館については、上質な都市空間を創出するという方針に基づき一日も早く取り壊し、憩いやにぎわいの感じられる広場としての利活用が図れるよう前進していくべきだと思います。
私は以前、
シンボルプロムナードに隣接する辛島公園から旧
産業文化会館跡地、そして花畑公園、現在のNHKの移転予定地までのエリアを、大きなスケールで本市の
セントラルパーク的な意味合いの都市公園を整備することについて提案させていただいたことがございます。
世界の大都市には必ずと言っていいほど
セントラルパークのような公園や広場があるようですが、政令市熊本の100年先のまちづくりを見据えた場合に、当地区にその必要性を今でも強く持っているところであります。それは、本市のまちのど真ん中にあるからこそ必要であり、熊本城から続く当地区こそが
セントラルパークに最もふさわしい場所であると考えられるからであります。
市長は新たに
広場整備計画を示されたところですが、将来の展望も含めれば、
セントラルパークとなり得る当地区におきまして、今回、市長が花畑地区の一部に
広場整備計画を示された真意をお聞かせください。
また、当地区、ひいては政令市熊本の発展のためには核施設の導入も不可欠と考えており、桜町の再開発計画について、さらに
MICE施設を整備されることに対する思いをお聞かせください。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 それでは、桜町・花畑地区の開発につきましてのお尋ねにお答えさせていただきます。幾つかの項目に分けられて御質問がありましたけれども、合わせる形でお答えさせていただきたいと存じます。それから、先週の特別委員会で申し上げましたことと重なる部分もございますが、一括してお答えさせていただきたいと存じます。
先ほど幾つか事例の紹介もございましたが、私自身もこれまで全国のいろいろな都市がその都市としての魅力を高めることに取り組んでいる状況を拝察させていただきまして、改めまして都市間競争の激しさというものが増してきていることを実感しているものであります。
そして、その競争というものは、右肩上がりの時代の追いつけ追い越せ的な発想では決してなく、それぞれの都市の魅力、個性、いわゆるオンリーワンの魅力というものをいかに発揮することができるかどうかが成否の鍵を握っていると言っても過言ではないのではないかと考えているものであります。そういう意味におきましては、今回御提案させていただいております桜町・花畑地区は、熊本城と一体となり熊本としてのオンリーワンを表現できる場になると考えているものであります。
今回提案させていただいております熊本城から
シンボルプロムナード、さらに広場、そしてMICEも含めました桜町地区の再開発と、それからさらにつながっていくことになります2核3モールの熊本の中心部、私はやはりここを熊本の顔としてしっかりと位置づけ、熊本の個性としてのオンリーワンに磨きをかけていくことが必要であると考えておりまして、そのような観点から今回の事業をぜひ進めさせていただきたいと考えているものであります。
さらに、
MICE施設につきまして述べさせていただきますならば、先日、御承知のとおり
日本糖尿病学会という1万1,000名を超える大規模な学会がこの熊本で開催されておりまして、熊本のまち全体でその学会を受け入れております。この学会につきましては、地方都市といたしましては初めての開催ということでございましたが、熊本城の奉行丸でレセプションが開催されますなど、熊本らしさを打ち出したことで、参加された方々に好評であったと伺っております。
本年度も、御承知のとおり
水銀条約外交会議でございますとか
アジア太平洋都市サミット、さらには
日本心臓病学会など、国際会議あるいは大規模な会議というものが熊本で開催されることが既に決定いたしております。そのような会議、大会を多くの市民の皆様方と力を合わせまして、一つ一つ成功におさめることによりまして次につなげていくことができればと考えております。
そして、御提案させていただいております桜町・花畑地区のさまざまな事業を一歩一歩前進させていくことによりまして、さらに弾みをつけることができればと考えているものでもあります。これらの事業を具体的に進めるに当たりましては、これからの桜町・花畑地区全体がどうなっていくのか、あるいは用地の関係などいろいろな課題が残されていることも十分承知いたしております。
そのような状況であるからこそ、私自身が先頭に立たせていただきまして、積極的にいろいろな場面で協議、交渉を行い、活気あふれ、そして潤いのある熊本の顔にふさわしい空間となりますように努力してまいりたいと考えております。議員各位のこれまでの数々の御指導、御指摘に対しましては改めて心から感謝申し上げる次第であります。今後は議会と情報共有とともに議論をさせていただきます中で事業を進めてまいりたいと考えておりまして、議員各位におかれましては、御理解と御協力を賜りますように重ねてお願い申し上げます。
〔26番
白河部貞志議員 登壇〕
◆白河部貞志 議員 桜町・花畑地区に関し、市長が先頭に立って進められるという強い決意をお聞きいたしました。今回の計画は、実現に向け、課題が多いことは承知しておりますが、ぜひとも着実に推進していただけますようお願いし、次の質問に移らせていただきます。
国道501号線関係で、15年前の約束が1つございます。それは、現在の国道501号線の改修についてであります。
現在の国道は、歩行者や自転車が通る歩道が整備されておりません。子供たちは、現国道が狭く危険なため遠回りして通学している状態であります。特に点滅信号のある内田バス停は事故の常習地帯であり、過去にも大きな事故が発生しております。非常に危険な状態であり、至急改修する必要があります。これは新たな陳情ではなく、501号バイパスが計画されたときに、あわせて現在の国道も改修するという地域との約束でありました。政令市になった今、この約束は生きているのか、
都市建設局長にお伺いいたします。
〔
永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博
都市建設局長 国道501号につきましてお答え申し上げます。
現在の国道501号の整備につきましては、歩道が未整備であり大型車の交通量も多いため歩行者の通行に危険が伴うという理由により、平成19年度から熊本県におきまして事業化され、現在銭塘町地区の道路整備が完了しているところであります。
この国道501号の整備につきましては、政令市移行に伴いまして本市で引き継ぎ、整備に取り組んでいるところであり、昨年度は舗装の打ちかえを中心に行ったところでございまして、本年度からは歩道の整備につきましても取り組み、歩行者の安全確保と交通環境がよくなるよう事業を進めていくものでございます。
〔26番
白河部貞志議員 登壇〕
◆白河部貞志 議員 国道501号線の改修については、引き続き継続して歩道の整備に取り組むということでお答えいただきました。県からの移譲がそのまま引き継がれるということで安心しております。ありがとうございます。
次に、花岡山の展望所としての景観確保のための樹木の剪定についてお尋ねいたします。あえて伐採でなく剪定と申し上げるのは、大木は残し雑木ややぶを切り開いてほしいからであります。この問題については、以前質問いたしました。
新幹線口の西側に位置するこの山は、皆さん御存じのように桜の名所でもあります。高架化が進んでいるJR線を真下に見ながら、駅周辺から中心市街地を見渡すことができます。遠くには、右から宇土半島、雁回山、その中を流れるように走り来る新幹線。東には阿蘇外輪に回る風車、中には噴煙を上げる阿蘇中岳、小山戸島から立田山とすばらしい景観をたたえています。ぜひ皆さんも登ってみていただきたいと思います。特に西日が輝く夕方はすばらしい景観を楽しめます。
しかし、それから左の立田山方向に目を向けますと、桜の間をふさぐようにササや雑木が生い茂り何も見えません。この北側の眺望を確保できれば本当にすばらしい、九州一、いや全国にも誇れる展望所が確保できるのではないかと思います。大木を除いた雑木、ササの伐採をもう少しお願いできないでしょうか。
都市建設局長にお尋ねいたします。
それから、今回のテーマであります約束ということでお尋ねいたします。
市民の皆さんから、花岡山は大変すばらしいところで、歩いて上がるにはちょうどよい散策コースですという話をよく聞きます。このように、花岡山は市民が楽しむ癒しの場所であるとも思います。しかし、上にあるトイレの汚れや臭いなどの苦情が絶えません。私の前回の質問でそのことを取り上げ、そのときの
都市建設局長にお尋ねいたしました。局長から、トイレの水洗化を図るというお答えをいただき、大変うれしく思ったことでありました。しかしながら、先般、市民の方から電話があり、トイレの改修は全然なされていないではないですかと怒りの声であります。私は久しぶりに花岡山に登り、トイレの確認をいたしましたが、話のとおり何も手がつけられておらず、以前のままでありました。大変寂しい思いをいたしました。これまで、眺望を確保するための南側の樹木の剪定やベンチ、案内板の設置などには取り組んでいただきましたが、トイレについては何もなされていません。今後どのようにされるのでしょうか。
本議会での答弁は、議員個人との約束ではなく、市民との約束ではないでしょうか。早急な対応が求められます。
都市建設局長にお尋ねいたします。
〔
永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博
都市建設局長 花岡山に関します2点の御質問につきましてお答え申し上げます。
まず、1点目の景観確保のための樹木の剪定についてでございますが、花岡山公園は山頂部などの借地を含む約2ヘクタールを都市公園として開設いたしております。JR熊本駅や中心市街地からも至近であり、標高133メートルの山頂部から見る眺望はすばらしく、日常的に市民が憩いの場として利用されておりまして、特に桜の季節には多くの市民が訪れる場所となっております。
これまで、花岡山山頂の南東側につきまして、熊本駅方面への眺望を確保するため、風致地区としての緑地景観に十分配慮しながら、樹木等の伐採、剪定を実施しているところでございます。
熊本城や立田山方面である北側につきましては、議員御指摘のとおり眺望が確保できればこの公園の魅力をさらに高めることにつながりますことから、今後、公園区域内の借地部分の土地所有者や隣接土地所有者の方々と協議を行いまして、樹木の適正な管理と、緑地景観に配慮しながら剪定等を実施し、眺望の確保に努めていく所存でございます。
次に、2点目のトイレの水洗化につきましては、これまで改修に向け現地調査を行い、下水道による処理や浄化槽による対応も検討いたしましたが、水洗化に伴う汚水の接続先がなく、浄化槽から排水される処理水の流し先もないことが判明したところでございます。
しかし、くみ取り式の簡易水洗トイレであれば設置は可能でございまして、このトイレは見た目も臭いがでないという点でも水洗トイレと変わらない形式となります。一方、現在のトイレは建物自体が老朽化しておりまして利用しづらい状況にありますことから、くみ取り式簡易水洗トイレへの改修は建物の建てかえに合わせて実施することといたしており、年度内には工事を完成させたいと考えております。
〔26番
白河部貞志議員 登壇〕
◆白河部貞志 議員 熊本城、立田山方面である北側についても樹木の適正な管理に努めるということですので、期待したいと思います。
トイレの水洗化については、下水道による処理ができないということでありました。公道はあるのに道路境界の確定ができずに側溝の敷設工事ができないとの話のようであります。この状態を何十年もの間、ほったらかしにしているというのも問題ではないでしょうか。今回は簡易水洗トイレということで了解いたしますが、下水道の完備に向けて取り組んでいただきますよう強く要望いたします。
次に、農業政策についてお尋ねいたします。
現在、TPP問題で日本国内は揺れております。農産物の関税が完全に撤廃され、そこに何ら保護政策がなされなかった場合、日本の米は生産原価より販売価格が安くなってしまい、米生産農家が立ち行かなくなることは火を見るよりも明らかです。
過去の米政策の変遷を見てみますと、江戸時代後期から大正初期にかけては農業と工業の発展が均衡であったため、米の需給は安定していたようです。大正中期になると、人口増加と工業への労働力集中で米の需給率が低下し米価格が暴騰し、1918年にいわゆる米騒動が起こりました。米は、その後増産期に入り、1942年食管法が成立し、干拓事業が進められていきました。1961年農業基本法成立。1963年ごろからは米は供給過剰となっていきました。そして1970年、減反政策が開始されたのであります。1993年細川内閣のときに米が一部自由化され、1995年食管法廃止、食糧法が施行されました。自由化により米はスーパーマーケットなどで販売されるようになりました。しかし価格は安定せず、農家は計画的な経営ができない状況であります。近年、飼料米、米粉米、備蓄米など新たな施策も打ち出されてはいますが、農家の経営が安定するにはほど遠く、引き続き農業者には厳しい状況が続くと予想されます。
そんな中、冒頭にも申しましたTPP問題が農業者の前に立ちはだかっているのであります。日本農業団体のJA全中は、国家の主権を揺るがすとしてTPPに強い懸念を表明しています。
米国最大の農業団体ファームビューロー連盟はTPP参加推進の立場で、日本の交渉参加表明に際して、関税撤廃から特定分野を除外することに否定的な考えを示しています。
安倍総理とオバマ大統領は会談の後、それぞれの内閣でTPP参加に向けて交渉を進められているようでございます。安倍総理は参議院予算委員会でTPP交渉について、「日本は瑞穂の国だ。当然、米、稲作はしっかり守っていきたい。米は守るべき聖域だ。」と言っておられます。日本の農業が岐路に立たされている中、その総理の言葉を信じたいとは思うのですが、この問題については国内外を問わず農業者団体から激しい反対運動が起こっています。本議会でも全会一致でTPP参加に慎重な決議がなされました。減反政策、価格低迷の中にあって、さらなる価格競争に打ち勝つ力が日本の農業に残っているのでしょうか。
滋賀県の試算でありますが、新聞によりますと、農業生産は米、小麦など主要8品目で249億円減少すると見込んでいます。一方、農業の多面的機能では、水田の洪水防止や水源涵養、土壌浸食の防止、土砂崩壊防止の4機能だけでも288億円の損失が生じると予測されています。
本市でもいち早く試算をし、このTPP参加による影響を最小限に抑える施策を考えなければいけないと思いますが、農業生産への影響、多面的機能試算がありましたらお示しいただきたいと思います。
〔多野春光農水商工局長 登壇〕
◎多野春光 農水商工局長 TPP参加による農業生産への影響及び多面的機能試算についてお答えいたします。
〔議長退席、副議長着席〕
まず、TPP参加による農業生産への影響額につきましては、今年3月に公表された国の試算におきまして、関税撤廃による農林水産物の生産減少額は約3兆円程度、うち農産物は2兆6,600億円の減少が見込まれるとされております。この国の考え方に準じて熊本県が試算した本県農産物の生産減少額は、854億円と示されているところでございます。
議員お尋ねの本市における農業生産への影響額は、米、小麦、牛乳・乳製品、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵の7品目について、県の試算に準じて算出いたしますと、生産減少額は約80億円となり、これは本市農業算出額461億円の約17.4%に当たるものでございます。
次に、TPP参加による農業の多面的機能の喪失に関する試算についてでございます。今回の国の試算におきまして1兆6,000億円程度の損失額とされておりますが、その詳細な算出方法は示されていないことから、本市の影響額を全国統一の方法で試算することは困難な状況にございます。いずれにしましても、水田の洪水防止や地下水涵養等への影響が懸念されるところでございます。
このように、TPP参加により本市の農業へ大きな影響が想定される中、国におきましては、今後具体的な対策が示されるものと考えております。特にこの多面的機能につきましては、本年5月21日に政府が設置した農林水産業・地域の活力創造本部におきまして、美しいふるさとを守るため、多面的機能も評価した新たな直接支払い制度の創設も必要との方針が示されたところでございまして、今後の国の動向に注視しつつ、各制度の活用等に向けて準備を進めるなど、適切な対応に努めてまいります。
〔26番
白河部貞志議員 登壇〕
◆白河部貞志 議員 TPP参加による本市における生産減少額は約80億円ということでありました。多面的機能については算出が不可能ということでありますが、多面的機能の喪失について、滋賀県の試算では生産減少額の倍以上でありますので、本市における影響は200億円弱になるのではないかと予測されるところでございます。
蒲島知事は、「熊本にあるような豊富な地下水、美しい農村景観を育んでいる農業の多面性にも感謝すべきで、その対価を農家に支払う仕組みづくりも不可欠だ。多面性の評価が農家の誇りや夢に結びつく」と言っておられます。TPP参加の方向にいくとするならば、その対価を支払う仕組みづくりができるのか、注視していかなければならないと思います。
次に、熊本市における高齢者の介護予防の取り組みについてお尋ねいたします。
超高齢社会の到来を迎える中、本市においても高齢者の孤立化や認知症の増加、地域の中での人と人とのつながりの希薄化に伴う孤立死の増加など、高齢者を取り巻く多くの諸問題を抱えています。今後は地域全体で高齢者を支え合い、助け合う体制づくりと、高齢者の皆様方が住みなれた地域で、健康で元気に生き生きと暮らすことができる熊本市を築くことが大切であると思います。
本市における高齢者の現状を見ますと、65歳以上の人口は約16万2,000人。介護保険制度が始まった2000年の高齢化率は約16%でした。それが現在では22%を超えるなど、確実に高齢化が進行しています。また、それに伴い介護保険サービスの費用も増大し、高齢者が支払う保険料の負担もふえ続けているなど、超高齢社会を背景とした諸問題が深刻化しております。
介護保険料は個人の所得などに応じて細かく分類されていますが、本市の平成24年度から平成26年度にかけての3年間の介護保険料基準月額は5,280円、年額6万3,360円となっています。国の試算によると、団塊の世代が75歳以上になる2025年には8,200円程度になるのではなかろうかと予測されており、今後、高齢者一人一人に対する経済的負担が確実にふえてくることになります。介護費用には、保険料だけではなく多額の公費を費やすわけですから、将来的にはそのツケを我々の子供たちや孫たちに残すことになってしまいます。このような状況の中、熊本市としてはどのような対策がとれるのかを考える時期に来ているのではないでしょうか。
公的サービスの充実はもとより、やはり住みなれた地域の中でいつまでも健康で元気に暮らしていけるよう、高齢者の皆様方が仲間づくりや生きがいづくり、そして元気づくりができるような機会と意識づけ、いわゆる介護予防の取り組みを強化する必要があると思います。
真の健康とは、体だけではなく心も健康でなければいけません。そういう意味で、介護予防の指す意味は多様的な要素を含んでいるのではないかと思います。介護保険制度の中にも、要支援や要介護状態になる前から介護予防を推進しようといった考え方が重要視されており、各自治体が主体となって取り組む地域支援事業といった形で示されております。本市で昨年策定されたくまもとはつらつプランの中にも介護予防の必要性がきちんと明記されているところであります。
最近メディアでも話題になっていますが、介護保険制度の中で特に不安なのが今後の介護保険制度の仕組みであります。2015年の制度改正に向けた国の議論の中で、介護費用と高齢者の保険料を抑制するため、要支援1と要支援2に該当する方々、いわゆる要介護状態が軽い方のサービスを介護保険から切り離すといった軽度分離が検討されているところです。もしそれが現実となれば、要介護になるおそれがある方々の予防を行う受け皿がない状態に陥ります。言葉はよくありませんが介護予防難民と呼ばれる方々を生み出すことになるのかもしれません。本市でも要支援の方々は1万人近くおられ、何らかの形で介護予防の取り組みを講じないと要介護になるリスクは非常に高くなるのではないかと思います。このようなことから考えると、介護予防の受け皿となる場づくりと方策を早急に検討する必要があるのではないでしょうか。
私が調べたところによりますと、地域の中での仲間づくりや介護予防に対する実践、すなわち介護予防の受け皿づくりは熊本市社会福祉協議会が積極的に展開されていると聞いております。特に、多くの高齢者の皆様方に介護予防の取り組みに参加していただくためには、まずは地域ごとにその場づくりを進めることが必要であります。また、地域住民の皆様方にもボランティアといった形で支えていただき、介護予防に対する正しい理解、再認識を図る必要があります。
このような地域単位での実践は、行政だけでは取り組むことはできないと思います。やはり、行政と実践を行っている関係機関や地域と連携し、取り組みを行うことが最も効果的ではないでしょうか。
今後も本市の高齢化は確実に進んでいくと予測されます。地域全体で高齢者を支える仕組みや制度をきちんと整備することにより、高齢者の皆様方の介護予防を通した元気づくりに役立つだけではなく、本市の未来を支える子供たちの負担軽減にも役立つと思います。そして、この取り組みで高齢者の皆様方が元気になれば、介護費用や保険料の抑制に役立つかもしれませんし、医療費の削減にもつながるのではないでしょうか。本市の未来を支える費用対効果の面から考えても、このような仕組みをつくる価値は大きいと思います。
そこでお尋ねいたします。地域単位での高齢者を支える仕組みや介護予防の取り組みについて、本市ではどのような方策を考えておられますか。健康福祉子ども局長に答弁をお願いいたします。
〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕
◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長 地域単位での介護予防の取り組みへの支援についてお答え申し上げます。
高齢化が進展し、要支援・要介護認定者の増加が見込まれる中、高齢者の方々が住みなれた地域でいつまでも生き生きと自立した生活を送ることができるよう支援していくことは、元気な高齢社会を形成していく上で極めて重要と認識しており、健康づくりや介護予防のための取り組みを積極的に進めているところでございます。具体的には、主に元気な高齢者の方々を対象にした一次予防事業といたしまして、健康づくりや介護予防に対する意識づけと知識の普及啓発を図るため、高齢者サロンや校区単位の
健康まちづくり等において、健康相談、食生活改善のための健康教育、介護予防のためのパンフレット作成、配布などを実施しているところでございます。
さらに、地域で実施されている健康相談や介護予防教室等につきましては、市社会福祉協議会、地域包括支援センター、区役所等の関係機関が連携協力しながら実施しているとともに、ボランティアとして地域での活動の担い手となります介護予防サポーターの養成も行っているところでございます。
また、身体的な機能低下により介護が必要となるおそれがある高齢者の方々には、二次予防事業といたしまして、個々の状態に応じ対応ができるよう個別の予防プログラムを作成し、運動や口腔機能の向上訓練、栄養改善指導等を実施しているところでございます。
今後も高齢者の方々が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、高齢者の見守りや高齢者サロンなど地域を中心に活動している校区社会福祉協議会等との連携をさらに強化するとともに、必要に応じて保健師等の専門職を派遣するなどの支援を行い、介護予防の充実に取り組んでいく所存でございます。
〔26番
白河部貞志議員 登壇〕
◆白河部貞志 議員 健康福祉子ども局長、初答弁ありがとうございました。
健康づくりや介護予防への取り組みを積極的に進めている。介護予防のためのパンフレットを作成し配布している。介護予防のサポーターの養成も行っている。機能向上の訓練、栄養改善指導なども実施しているとのことでありました。ほとんどの分野での対応はなされていると思いましたが、私の言いたいことは、国の施策が変わりそうだということであります。それに対応するには、これまで以上に市の担当部局と市の社会福祉協議会、また、地域においては包括支援センターと校区の社会福祉協議会が緊密に連携していかなければならないと思いますので、どうか後手にならないように仕組みや制度を整備されますようお願いいたします。
それでは、次の質問に移ります。
私たち議員は地元の小中学校から行事のたびに案内を受け、学校にお邪魔しているわけでありますが、そのたび子供たちと先生が一生懸命頑張っておる姿を拝見しています。どの学校もすばらしい教育活動がなされていると思います。
2年ぐらい前にも本議場で紹介しましたが、感動する出来事がありました。雨の中の6年生最後の運動会。落雷が予想される中、子供たちの健康や安全面をしきりに考える先生たち。PTAと相談し、6年生の演技である太鼓と応援合戦だけはさせたいということになりました。雨に打たれて見守る先生、保護者、地域の皆さん。一生懸命に演技する子供たちのその姿に思わずぐっと迫るものがありました。子供たちのその姿は、見ている者すべてに感動を与えてくれました。
今回もまた皆様にすばらしい伝統を紹介したいと思います。
地元天明中学校の卒業式のことであります。式は、式次第にのっとり粛々と進んでいきます。最後の保護者代表のあいさつの後、卒業生と在校生はステージの上下に整列して合唱が始まります。「さよならと言おう」「旅立ちの日に」「巣立ちの歌」と続きます。その歌声はコンサートホールに来ているのではないかと錯覚するようなすばらしいものでありました。特に卒業生たちがみんなで歌うのはこれが最後と思っているのか、目を潤ませて一生懸命歌う姿は心打つものがありました。
この合唱はことしだけのものではなく、もう10年近くも受け継がれております。きっかけは銭塘小学校の全国合唱コンクール入賞にあります。その子供たちが中学生になり、入学式、卒業式で歌ったすばらしい歌声が伝統となり、今日まで担当の先生たちが受け継ぎ、指導していただいたおかげだと思っております。10年前の全国大会入賞がきっかけで新たな伝統が生まれましたが、子供たちの心の中には、コンクール入賞が目的ではなく、自分たちの入学式、卒業式を思い出に残る式にしようという気持ちが芽生え、先生方とつくる伝統、本当にすばらしいことです。このように子供たちのために頑張っている学校、また、学校を支えていただいている教育委員会に日ごろから感謝しているところであります。
それでは、3つのことについて教育長にお尋ねいたします。
最初に、平成24年4月から熊本市が
政令指定都市になりましたが、そのための準備、計画等がきちんとなされ、平成25年度もスムーズに学校教育がすべり出していると思います。教育委員会及び各学校の御苦労に対して、まずお礼を申し上げます。
さて、各学校における教職員の年齢でありますが、各学校ともベテランと若手がバランスよく配置され、それぞれのよさが発揮されていくのが教育効果を高める上で大切であると考えています。しかし、熊本市の教職員の年齢は、他郡市に比べてだんだんと高くなってきていると聞いています。また、本市の教職員が学校現場で目を輝かせ、やる気を持って子供たちの教育活動に一生懸命取り組むことも大切であると考えています。そのためには、各学校への教職員の適正配置や管理職への登用など、人事異動が大きな役割を果たすと思います。その人事異動は3月に終わりますが、終わった段階から次の人事異動が始まると言われております。そのような中で熊本県から熊本市へと、教育行政に関する権限・業務が移譲されました。
わかり切ったことではありますが、教職員の意欲が子供たちへの教育活動に影響いたします。教育委員会では、来年度を踏まえての教職員採用や管理職採用などの教育行政に取り組んでいただくならばと思います。そのための施策の一端をお示しいただきたいと思います。
次に、学力と体力の向上についてであります。
今日、日本全国で学力の低下が問われています。特に理数科の力が落ちていると言われています。この理数科は、ものづくり日本の大切な基盤であります。このことは誰に聞いても同じ答えが返ってくると思います。日本の未来を左右する子供たちの理数科の学力を向上させることは我々誰もが願っていることであり、教育委員会に対する期待が大きいところであります。
今、子供たちの様子を見ていますと、部活や習い事など大変忙しい日々を過ごしていると思います。そのような状況の中、先ほども申しましたが、理数科の学力を高めるためにどのように取り組んでおられるのかお尋ねいたします。
また、最近、転んだときに手をつかないで顔から突っ込む子供がふえたとも聞いております。これは、反射神経や腕などの筋力のなさが影響しているのではないでしょうか。子供たちの遊びの様子を見ていますと、ゲームが家庭内に入り込んでいると保護者からの話も多々聞きます。地域の広場でも、子供たちが数人集まりゲームをしている姿を見かけます。ゲームが全面的に悪いというのではありませんが、私たちの子供時代は、学校から帰ったら村の中や田んぼを走り回ったものであります。そのために、自分の筋力、持久力もあったように思います。本市の子供たちの体力は今低下傾向にあるのではないかと推測できます。
そこで、本市教育委員会が推進しておられる体力向上の取り組みについてお尋ねいたします。
3番目は、子供たちの心の健康についてであります。
最近、マスコミなどで話題となっていますのが学校荒らしであります。夜間、学校に入って水道の蛇口を出しっ放しにしたり、教材や教具を荒らし回ったりする事件があるそうです。このような行為は決して許されるものではありません。しかし、このような子供たちには心満たされるものがないのではないでしょうか。自分の居場所がないのではないでしょうか。さらには、自分が認められる場所がないのではないでしょうか。
幸い、熊本市の学校においては、このような問題は起きていません。本市の各学校の取り組みや教育委員会の学校への支援が大きな役割を果たしていると思っています。本市の子供たちが心満たされる教育活動、よさが認められ、子供一人一人の居場所が保障される教育についてどのように取り組んでおられるのかお尋ねしたいと思います。
〔廣塚昌子教育長 登壇〕
◎廣塚昌子 教育長 教育行政に関する3点のお尋ねにお答えします。
1点目の教職員の人事についてでございますが、教育効果を高めるためには教職員の指導力の向上や学習環境の整備などのほか、教職員の適正配置等とあわせまして、本市が求める教職員像にふさわしい人材の確保や、リーダーとしての資質、能力を有する人材の管理職への登用が重要でございます。
教員採用試験並びに管理職選考試験につきましては、昨年度の状況等を踏まえて準備を進めているところでございます。本年度の主な変更点を申し上げますと、まず教員採用試験につきましては、採用予定数が昨年度の57人から108人と大きく増加したことに伴いまして、中学校の全教科について試験を実施できることとなりました。また、市立高等学校教員につきましても、今年度から一部の教科について採用試験を実施することとしております。次に、管理職選考試験におきましては、試験から発表までの期間を短縮することとし、また、より多様な人材の中から選考できますよう、昨年度よりも一次合格者数をふやすことを検討しております。
今後とも、本市教育を担うにふさわしい資質、能力を備えた人材の確保、登用に努めてまいります。
2点目の学力と体力の向上についてでございます。
まず学力についてでございますが、全国的に理数離れが指摘される中、本市では子供たちに理数のおもしろさを実感させることが重要であると捉え、学力の向上に向けた取り組みの一つに理数教育の充実を位置づけております。具体的には、算数、数学におきまして、面積や体積の求め方など、実際に物を使って考えることが難しくなってきます小学校6年生と中学校1年生の授業にデジタル教科書を使って、図形を動かすなどの機能を活用し、子供たちに学ぶ楽しさとわかる喜びを味わわせることができるよう支援しております。加えまして、本年度から基礎学力の定着が必要であると思われる学校に対しまして、小学校3年生、4年生の算数の授業に支援員を派遣し、学習内容の定着を図っております。
また、理科におきましては観察や実験など体験活動を取り入れた授業を重視し、その結果から子供たちが自分たちの力で自然の決まりなどを発見し、まとめることで考える楽しさを感じ、科学への興味、関心が高まるよう努めているところでございます。
今後も子供たちの学習意欲を高め、学習内容をしっかりと身につけ、学力の向上が図られますよう努めてまいります。
続きまして、体力についてでございますが、本市の子供たちの体力テストの結果につきましては、ここ数年改善傾向にありますものの、いまだ全国平均を下回る種目が多い状況でございます。
これまで教育委員会といたしましては、体力向上実践校及び体力向上モデル校を指定し、学校全体で体力向上のための実践と研修に取り組んできたところでございます。
昨年度からは体力向上に向けた実質的な指導を行いますステップアップサポーターを各学校に派遣し、体育の授業の工夫や、運動ができる環境づくりなどの指導を行っております。また、子供たちの外遊びが少なくなる冬の時期には、小学生を対象にわくわくチャレンジ長なわとびフェスタを開催いたしましたところ、多くの子供たちが記録の向上を目指し、積極的に外に出て長縄跳びに取り組んだところでございます。
日常生活において子供たちの外遊びが減少している中、今後も学校における体育授業の充実や、休み時間を利用した遊びを積極的に推進して体力向上が図られるよう努めてまいります。
3点目の子供の心の健康についてでございますが、子供たちが安心して落ちついた学校生活を送るためには、クラスの中に自分は認められていると自己の存在を実感できるような居場所があるということが大変重要なことでございます。
そこで、少人数指導やグループ学習を取り入れまして、子供一人一人が自分の意見や考えを発表しやすくし、自分の意見を聞いてもらえた、自分の意見が認められたという満足感を持つなど一人一人を大切にした授業の推進を図っております。また、各学校におきましては、運動会や卒業式、集団で行動いたします教育キャンプ、球技などのクラスマッチ、写生大会や学習発表会など多様な活動を行っておりまして、子供たち一人一人が得意な分野で活躍し、よさが認められる場として大切にしております。
今後とも、子供たち一人一人の存在や思いを大切にした教育活動を充実することにより、クラスや学校が子供たちにとって心の居場所となるよう努めてまいります。
〔26番
白河部貞志議員 登壇〕
◆白河部貞志 議員 人事について、採用予定者が倍増し、管理職選考においては一次合格者をふやし、多様な人材の中から選考できるなど、
政令指定都市効果が出ているのではないかと思われます。
理数教育についてでありますが、先日テレビを見ていますと、理系女ということが言われていました。かつての男社会のものづくりの現場で、理数系に強い女性たちが活躍し注目を浴びているということでありました。女性特有の感性を生かした製品に企業が注目しているようであります。ものづくりにおいて外国企業に席巻される中、ものづくり日本の復権にもつながるのかもしれません。
体力向上については、部活動が始まる前の小学1、2、3年生への対応が必要と思われます。ステップアップサポーターの指導に期待するものであります。
教育問題で、私事で申しわけありませんが、おやじの話をさせてください。
私のおやじは鹿児島師範を卒業した後、指宿の方で2年ほど教職に携わっていたようです。しかし、戦争が激しくなり戦場へと向かいます。戦後は教職につくことはありませんでしたが、後に天明町の町長を務めさせていただきました。そのころ、いつも政治は弱い人の立場で行うものだと私に言っておりました。強い人は時代の変化に対応しながらどうにか生きていける。しかし、弱い人には手を差し伸べなければ生きていけない。そんなことだと申しておりました。政治も教育も同じだと思います。能力のある子供をもっともっと伸ばしてやるのも必要ですし、ついていけない子供たちには身を寄せ、教え、指導する。そんな姿勢が必要ではないでしょうか。
「教育は人なり、人は心なり、心は愛なり」という言葉があります。先生方が一人一人の子供たちに愛情を持ってかかわっていただくならば、すばらしい子供たちが育っていくのではないでしょうか。と同時に、八重の桜ではありませんが、「ならぬことはならぬ」ということも厳しく指導していただきますよう願っています。さらに、教育委員会におかれましては、本市の子供たちや先生方をしっかりと支えていただきますことを切に願って、次の質問に移ります。
次に、環境問題について質問します。
本市において、平成22年3月に熊本市低炭素都市づくり戦略計画が策定され、水・森林の保全、再生可能エネルギーの導入など5つの戦略を鋭意進められております。本日は、その中の廃棄物などのエネルギーとしての活用について質問をいたします。
御承知のとおり、化石燃料からつくられる軽油などは、精製過程及び燃料として燃焼したときに二酸化炭素を排出するものであります。バイオディーゼル燃料(BDF)は、光合成により二酸化炭素を吸収した植物の油脂を主原料としてつくられています。その発生した二酸化炭素は再び植物が吸収し、二酸化炭素の絶対量は増加しない、いわゆるカーボンニュートラルが成立するため、二酸化炭素の排出を抑制し、地球温暖化を防止する効果があると言われています。具体的には、事業所や家庭で使用したてんぷら油を地域資源として回収し、それを精製して、従来の軽油などにかわる代替エネルギーとして再利用するものであります。したがいまして、従来の化石燃料にかわる新エネルギーとして活用することは、遠く中東方面から原油を輸入、精製してつくる軽油に対して、市内の各家庭や事業所を油田とするまさに燃料の地産地消であり、国においてもこの利用促進を奨励しているところであります。
既に全国の多くの自治体も、実際にこの利用促進に取り組んでいると聞いております。例えば、京都市では市営バス、コミュニティバスの燃料として利用されております。本市においても現在、市民の皆さんに廃食用油の拠点回収への協力を呼びかけ、その廃食用油をバイオディーゼル燃料にリサイクルし、市のごみ収集車で活用しております。
このような中で、先日の新聞報道では、市内の企業が総務省の地域経済循環創造事業交付金を活用して、軽油に5%のバイオディーゼル燃料を混合したB5と呼ばれる燃料が製造できる施設を熊本県内で初めて設置し、ことしの10月から本格稼働させるとの記事が紹介されました。また、そのB5の原料となる100%バイオディーゼル燃料のB100は、現在県内のバイオディーゼル燃料の約6割を製造販売している同じ市内の企業から購入すると伺っております。このように、県内においても着々とバイオディーゼル燃料が普及しております。
また、この利用促進によるメリットとしては、1、化石燃料の使用を抑制することができる。2、CO2の排出を抑制し、地球温暖化の防止につながる。3、小児ぜんそく、アトピー、酸性雨の原因と言われる硫黄酸化物がほとんど発生しない。4、多くの疾病の原因となる黒煙の発生を大幅に削減できる。5、地元の農家で生産した菜の花等の植物から搾油したてんぷら油を供給すれば、農業の振興と地産地消を推進することができ、新たな雇用も生まれる。6、下水に流れる油の量が減り、終末処理場等のコストが削減されるなどが考えられます。
そこで質問に移りますが、1つは、本市において事業所や家庭から排出される食廃油はどのように処理されておりますか。2つ目は、本市の施設等においてバイオディーゼル燃料を活用している実績はありますか。3つ目は、今回熊本県内で初めてB5の製造販売が始まろうとしていますが、熊本市においてもこのB5の利用促進を図っていく必要があると考えますが、市としてどのように利用を促進していかれるつもりですか。環境局長にお尋ねいたします。
〔石櫃紳一郎環境局長 登壇〕
◎石櫃紳一郎 環境局長 環境行政につきましての3点のお尋ねにお答えいたします。
本市におきましては、低炭素社会への転換を図りますため、地域の特性を生かしました地球温暖化対策等を取りまとめました熊本市低炭素都市づくり戦略計画を策定し、その推進に努めているところでございます。その中で、あらゆる資源が有効に活用される資源循環型都市の構築を戦略の一つとして掲げておりまして、廃食油のBDF化の実施を初め、下水汚泥の燃料化や消化ガスによります発電、あるいはごみ焼却余熱発電などに取り組むことといたしております。
そこで、お尋ねの事業所や家庭から排出されます廃食油の処理についてでございますが、現在本市におきましては家庭から排出される廃食油につきまして、区役所、総合出張所、地域コミュニティセンター等での拠点回収を行っておりますほか、共同調理場や小学校の給食施設等から排出されます廃食油につきましても回収いたしておりまして、再資源化を図っているところでございます。そのうち、小学校の給食施設や共同調理場から回収します廃食油の約3割につきまして、揮発油等の品質の確保等に関する法律に規定されますバイオディーゼル燃料、いわゆるB5燃料を精製することができる業者に対しまして売却を行っているところでございます。
次に、本市におけるバイオディーゼル燃料の活用実績についてでございますが、先ほど御説明いたしました業者が精製いたしましたB5燃料を購入しまして、本市の3つのクリーンセンターにおきまして一部のごみ収集車に燃料として活用し、温室効果ガスの排出削減に努めているところでございます。
最後に、B5燃料の利用促進についてでございますが、本市といたしましてもバイオディーゼル燃料の利用促進は必要であると認識しておりまして、今後はごみ収集車両に限らず、そのほかの公用車への利用拡大も含めまして、他局とも連携しながら取り組んでまいりますとともに、バイオディーゼル燃料などの原料であります廃食油の拠点回収につきましての広報啓発等にも努めてまいりたいと考えております。
〔26番
白河部貞志議員 登壇〕
◆白河部貞志 議員 地球温暖化防止に効果があるとされるバイオディーゼル燃料をできるだけ多くの公用車に活用していただきたいと思います。私も試験的に使わせていただきましたが、普通の燃料と何ら変わりはありませんでした。今後、普及推進していくためにも、拠点回収についての広報啓発は大変重要だと思います。少しでも無駄なく回収できますよう、市の重要施策の一つとして取り組んでいただきますようよろしくお願いいたします。
最後にもう一つ、道路問題での懸案事項がございますのでお尋ねいたします。並建−アクアドーム間の道路改修であります。交通センターから熊本駅、田崎、野口、飽田天明、川口、宇土へつなぐバス路線があります。このバス路線は、市中心部から西南方面への唯一の主要幹線道路であります。
しかしながら、道幅がかなり狭く、朝夕の通勤時間帯にはバスの後に20台近くも車が並び、通勤に支障を来しております。とにかくバス同士スムーズに離合できず、一方がとまってやり過ごし運行されている状態であります。また、沿線には学校が多数あるにもかかわらず、歩道も備わっておりません。
この道路改修については、県との間で改修しますと約束をもらっていたわけではありませんが、県にはここ30年来地元から要望が出されておりました。しかし、その後、何の進捗もしておりません。このたび熊本市道路整備プログラムを拝見いたしましたが、この道路は計画にすら入っておりませんでした。
先ほども申しましたように、本線は市中心部から西南部へつなぐ唯一の幹線道路です。いざ災害が起きたときには、東バイパスに抜ける避難道路でもあります。また、本線は、平成24年から始まっております熊本城マラソンコースにもなっております。歩道がないので安心して応援することができない場所もあります。本市が一大イベントとして開催するマラソン大会の参加者に対しても、その場しのぎの改修では恥ずかしいのではないかと思います。末永く参加者に愛される大会にするためにも、できるだけ早く道路整備プログラムに入れて改修すべきだと思いますがいかがでしょうか。
本日は、要望をいただいた沿線の自治会長さんたちも傍聴に来ておられます。どうか地域の30年来の要望に沿うよう整備計画路線に入れていただきますよう、
都市建設局長の答弁をお伺いいたします。
〔
永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博
都市建設局長 県道アクアドーム線につきましてお答え申し上げます。
本市の道路整備につきましては、熊本市道路整備プログラムに基づきまして計画的に取り組んでおりますが、この道路整備プログラムを策定する際には、まず都市計画道路や幹線道路を中心に、事業の継続性、交通渋滞、事故の発生状況、地元の要望などを考慮しながら候補路線を抽出し、まちづくりの誘導、円滑な交通処理の確保及び安全で快適な道路サービスの提供などの観点から重要度の評価を行い、最終的に地域性、特殊性、財政計画との整合、費用対効果を総合的に判断しまして、整備路線を選定することといたしております。
現在の熊本市道路整備プログラムは、平成24年度から平成33年度の10年間を対象期間として策定いたしておりまして、議員御質問の並建−アクアドーム間の県道並建熊本線につきましては、幹線道路や主要なバス路線として位置づけがあり、また、質問にもございましたように、熊本城マラソンのコースでもありますものの、現計画では対象路線とはされていない状況でございます。
この道路整備プログラムは、平成24年度に実施いたしましたパーソントリップ調査に基づき平成26年度に策定予定の都市交通マスタープランを踏まえまして、道路整備プログラムの中間年であります平成28年度に見直しを予定いたしております。その際に調査検討してまいりたいと考えております。
なお、昨年度実施しました通学路の一斉点検におきまして、危険性が高いと判断されました市道との交差点部におきましては、交差点マークの表示やガードレールの補修などを行ったところでございますが、今後も通学路と指定されました一部区間につきましては児童の安全性を考慮した道路改良を実施していきますとともに、バス停の位置やバスベイの設置の検討など、交通渋滞の緩和が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
〔26番
白河部貞志議員 登壇〕
◆白河部貞志 議員 熊本市道路整備プログラムに入っていなかったこの路線を平成28年度の調査対象路線にするという答弁をいただきました。やっとテーブルの上に上がったということでうれしくはありますが、県の方にではありますが、住民は既に30年もの長い間要望してこられました。また、質問でも申しましたように、熊本城マラソンのコースでもあり、毎日の通勤通学にも使われております。
日本一住みやすく、暮らしやすいまちづくりを目指しておられる幸山市長にも考えていただきますよう要望いたします。
以上で私の準備した質問は終わります。
きょうは約束というテーマで質問させていただきました。
熊本市が政令市になり、県の事務引き継ぎを行いました。政令市になって事務引き継ぎがあってよかったという分野もあるようでございます。しかし、県の負の遺産も引き継ぎ、県民との約束が今は市民との約束になっていますが、なかなか守れない。負の遺産に対して、今後の市の取り組みはどうしていくのかということも課題として残っているのではないかと思います。
それから、きょうは対面式の一般質問の
トップバッターでありました。正直な自分の気持ちを述べさせていただきますが、先ほどの質問席は余り居心地がよくない。私はやはり本会議はこの演壇からするのがいいのではないかと正直な気持ち、思いました。誰に向かってしゃべっているのかがわからないような状態でありました。やはり、ここで議員の皆さんの顔を見ながら話すということ、そして傍聴に来ていただいた皆さんに話す。そしてまたマスコミの方も多くおられます。マスコミの方に話すということは、市民の皆様に話すということであると思いますので、やはり本議会は、県会、国会と同じくこの壇上からするものではないか。私の個人的な意見でございましたが、申し述べさせていただきたいと思います。
以上で質問を終わりますが、先輩並びに同僚議員に、この登壇の機会を与えていただきまして感謝いたしております。そして、朝早くから傍聴においでいただきました傍聴席の皆様、ありがとうございました。終わります。(拍手)
────────────────────────────
○鈴木弘 副議長 この際、議事の都合により休憩いたします。
午後2時に再開いたします。
午前11時31分 休憩
───────────
午後 2時00分 再開
○齊藤聰 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
────────────────────────────
○齊藤聰 議長 質問を続行いたします。西岡誠也議員。
〔6番 西岡誠也議員 登壇 拍手〕
◆西岡誠也 議員 市民連合の西岡誠也でございます。3回目の登壇になりますけれども、登壇の機会を与えていただきました先輩議員並びに同僚議員に感謝申し上げます。
午前中は約束という言葉が出てきましたけれども、特段考えておりません。
きょうから対面方式ということで2回目の質問は質問席からやります。先ほど立ってみましたけれども、どうもやはりどこを見て話をしていいのか、なかなか難しい席でございます。
きょうは私も市役所にずっとおりまして、そのときだけではなくて将来を見据えた政策が必要ではないかという立場でいろいろ行政を見させていただいておりますけれども、最近は熊本市の財政状況はかなりよくなってきている。これは幸山市長の成果ではないかと思っております。ただその反面、働く者からしますと、正規職員から非正規職員、さらには指定管理者制度、そして民間委託をかなり進めてきております。そういう意味からしますと、かなり安い賃金で働く人たちがふえている。そういう状況を見ていますと、将来的にどうなるのか本当に心配しております。
私が思うのは、現時点での運営というのは、当然、市長としては今の財政状況を踏まえた行政運営が求められていると思います。さらには、私たちの宿命として選挙というのもございます。そういうことからしますと、マスコミの皆さん方にも短期的な評価というのが多いような気がいたしております。そういう意味では、もっと将来を見据えた政策についてもそれぞれ考えていきながらやっていかないと、その場限りの行政運営ではだめだと思っていますから、その基本に雇用問題が重要だということで考えておりますので、今後ともまたよろしくお願い申し上げたいと思っています。
次の通学路の点検整備についてに移らせていただきます。
まず1点目は、危険箇所についてであります。
京都府亀岡市や千葉県館山市の事故を受けまして、文部科学省、それから国土交通省、警察庁で合同点検の実施と対策必要箇所の抽出を行うということで、具体的に熊本市についてもPTAとか地元とかで洗い出しが行われて、422カ所あったということをお伺いしておりますけれども、その対策の進捗状況はどうなっているのかということ。各校区で計算しますと四、五カ所程度ということになろうかと思いますけれども、ほかにも大変危険な箇所、対策が必要な箇所もあると思っておりますから、その422に入らなかったところについてはどういう対策をされようとしているのかお尋ねしたいと思っております。
生活道路については、かなり狭い道路が多いわけであります。その中で、通学路として指定されて、民地の生け垣が道路の方に出てきているところも見受けられます。特に雨の場合、傘を差して道路の中央まで寄らなければ通学できないところも実はあるわけであります。ところが、残念ながら、個人の生け垣でありますから、なかなか言えないところもあるということで、ぜひ行政として対策ができないのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
もう一つは、スピードの制限と道路の色分けなどの対策でございます。もちろん、スピードの制限につきましては警察の仕事でありますけれども、そのスピードと道路の構造は密接な関係にございます。例えば、道路を色分けして、途中を盛り上げるのをハンプと言いますけれども、そういう対策をする場合、道路にスピード制限がないとかえって危険な状態になるわけであります。そういう対策について力を入れるべきではないかと思っておりますので、そのあたりについて
都市建設局長にお尋ねしたいと思います。
〔
永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博
都市建設局長 通学路の点検整備に関しまして、3点の御質問にお答え申し上げます。
1点目の危険箇所につきましては、議員御案内のとおり京都府亀岡市を初めといたしまして、登下校中の児童等が死傷する事故が連続して発生いたしましたことから、全国で通学路の緊急合同点検が実施されたところでございます。
本市におきましても、昨年度、学校、警察、道路管理者などの関係機関や地域関係団体等の皆様方により危険箇所の緊急点検を実施いたしまして、道路幅員が狭く、歩行者と車の分離が不明確、交差点の見通しが悪く、運転者が歩行者に気づきにくい、道路が狭く、道路横の水路に転落のおそれがあるなどの422の危険箇所を確認いたしたところでございます。これらの危険箇所につきましてどのような対策が可能か、総合的な検討を行い、326カ所につきましては、各関係機関により対策を実施したところであります。実施いたしました主な対策といたしましては、教育委員会における通学路の変更や、ボランティアの方々等によります立ち番の配置、警察によります交通取り締まりの強化等のほか、運転者の注意を喚起いたしますとともに、歩行者の安全確保を図るため、交差点や路肩のカラー舗装、防護柵の設置等を実施いたしました。
残りの96カ所につきましては、今後対策を実施するに当たりまして、用地買収や関係権利者との調整が必要な課題がありますことから、これらの課題をできるだけ早く整理した上で関係機関と連携しながら対応を進めてまいりたいと考えております。
なお、今回の対策必要箇所以外につきましても、新たに地元から要望されます危険箇所や、道路パトロール等で危険箇所を把握した際は、関係機関と調整を行いながら逐次対応していくことにいたしております。
次に、2点目の道路にはみ出した生け垣等についての指導についてでございます。
生け垣や樹木の緑は、町並みの景観形成に寄与するとともに、道行く人々の心を和ませ、潤いと安らぎをもたらしてくれるものでございますけれども、議員御指摘のように道路への枝や葉などのはみ出しにより、歩行者や自転車の通行を妨げたり、時には自動車の安全走行に支障を来しているところも見受けられます。このようなことから、道路にはみ出した生け垣や樹木につきましては、これまで民法や道路法の関連法令に基づき、剪定等の指導を行ってきたところでございます。
今後は、チラシや市政だよりを通じまして、これまで以上に維持管理の啓発に努めますとともに、通行に支障がある場合、地元自治会やPTA等の皆様方と連携を図りながら、その危険性や管理責任につきまして所有者の方々に御説明を行い、剪定等の指導を行っていくなど、通学路を含め本市の管理道路が安全に通行できるよう対処してまいりたいと思います。
最後に、3点目のスピード制限と道路の色分け等の工夫についてでございます。
まず、道路の色分けにつきましては、これまで交差点や路肩のカラー舗装などを実施し、運転者へ注意喚起を行いますことで通学児童の安全確保に努めているところでございます。
また、スピード制限につきましては規制標識によりまして速度を規制することが一般的でございますが、車のスピードを抑制する方法といたしまして、議員から御紹介のございましたハンプと呼ばれる道路の一部を盛り上げる工夫や、車道を曲線状にしているところもございますことから、交通管理者と協力を行い、歩行者の安全確保に向けて、スピードの出ない工夫などにつきましても取り組むことを検討してまいりたいと考えております。
〔6番 西岡誠也議員 登壇〕
◆西岡誠也 議員 よろしくお願いしたいと思います。
従前の道路につきましては、狭い道路で側溝がございます。側溝にはふたがありますけれども、側溝のふたは中を掃除するために穴があいております。小学校1年生の場合は、その穴に足をはめて転ぶ事故も実はあっております。さらには、カラー舗装をする場合でも、側溝のふたではなかなかしづらいということがありますから、ぜひ今後はそういう道路につきましては、現場打ちコンクリートでところどころグレーチングで水抜きをつくるということもあわせてお願いしておきたいと思っております。
次は、公共交通基本条例の具体化について、御質問申し上げます。
以前、私は都市整備委員会に入っておりまして、行政視察で大阪府の堺市に調査に行かせていただきました。大阪も福祉バスからスタートしたと思いますけれども、14ルート走っておりまして、ほとんどの路線が巡回型のルートになっております。そして、市の持ち出しとしては8,000万円程度でございまして、利用料金が100円でございました。利用者も熊本市よりももちろん多い状況にございます。
それともう一つは、イーグルバスの社長さんの話を聞いてくれと言われましたから、学習会に参加させていただきました。赤字の路線を黒字にするいろいろな工夫をされて、結構あちこちで講演をされています。
そういう状況の中で、熊本市の今現在のゆうゆうバスの状況でございますけれども、ことしの4月からルート変更等を行いまして、少しは改善されたと聞いておりますけれども、なかなかうまくいかない。約束の3年間の中では廃止せざるを得ない路線も出てくるのではないかと思っております。
私は、この問題について提案申し上げましたけれども、交通空白地域については対策が必要でございます。ただ、交通不便地域とこのゆうゆうバスを一緒に考えたらどうかと思っているんです。区役所へ行くアクセスも必要です。ただ、今、総合出張所でかなりの業務ができますけれども、区役所に行く必要がある業務もあります。ですから、そこは確保しつつ、日常的に利用者がふえる方法を考える必要があるのではないかと思っております。当初のゆうゆうバスの見直し・廃止は3年ということで決まっております。今1年少し過ぎたところでありますけれども、そろそろそれを抜本的に検討しながら、3年目に入る段階では次の対策が必要になってくるのではないかと思っております。3年で廃止にしました、もう終わりですというわけにはいきませんから、2年過ぎた段階で新たな方針を出す必要があると思っております。
そういう意味で私は、区役所、総合出張所、出張所を中心とした巡回型のバスを走らせたらどうか。そして、その乗り継ぎ場所はスーパーとか屋根があるところ、買い物できるところで乗り継ぎができるようなルートを検討したら利用者もふえるのではないかと考えておるところでございます。
この点について、
都市建設局長の御見解をお伺いしたいと思っています。
〔
永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博
都市建設局長 公共交通基本条例の具体化につきましてお答え申し上げます。
ゆうゆうバスにつきましては、区役所へのアクセス強化を図りますとともに、経済性や効率性の観点から、これまでバスが対応していなかった公共交通の不便な地域に対します日常生活の移動手段を確保する観点から路線設定を行いまして、平成24年4月に運行を開始いたしました。その際、より多くの地域住民の方々に日常の足として積極的に利用していただくため、収支率によります運行計画基準を定めまして利用実態を把握しますとともに、その実態に応じまして、運行日や運行経路など適宜見直しを行っていくことといたしたところでございます。
そこで、昨年度の実績を踏まえ、地域住民の皆様方と協議した上で、基準に満たなかった路線はもとより、すべての路線につきまして経路やダイヤ等の見直しを行い、本年4月1日からは新たな運行計画のもとで運行しており、この2カ月間の状況ではほとんどの路線で収支が改善するなど、一定の効果があらわれております。
しかしながら、すべての路線でまだまだ最終的な目標であります収支率30%には届いていませんことから、今後も引き続き利用実態や住民ニーズの把握に努めますとともに、必要に応じまして運行計画の見直しを行い、地域と連携し、運行継続基準の達成に努力していく所存でございます。
次に、公共交通不便地域等への対応につきましては、本年4月から施行いたしました熊本市公共交通基本条例に基づきまして、超高齢社会や本格的な人口減少への対応と地域住民の公共交通による日常生活の移動手段の確保・充実を図りますために、交通空白地域や不便地域への新たなコミュニティ交通の導入など、積極的に取り組んでいるところでございます。
現在、区役所と連携し、条例で定義する公共交通空白地域などを対象に地元説明会を開催し、制度説明を行うとともに、地域住民の皆様方の要望等をお聞きしており、早ければ本年秋から順次運行を開始したいと考えているところであります。
このように、新たなコミュニティ交通の導入に当たりましては、運行計画の企画立案から合意形成に至るまで、地域住民の皆様方がみずから参画する仕組みをとっておりまして、議員御提案の地域内の循環型の路線の設定や、既存のゆうゆうバスとの連携につきましても、それぞれの地域住民の皆様方のニーズを踏まえまして対応してまいりたいと考えております。
〔6番 西岡誠也議員 登壇〕
◆西岡誠也 議員 この問題については、以前から私もいろいろ勉強させていただいておりまして、早い段階から、例えば区役所を巡回するバスは毎日、出張所、総合出張所を巡回するバスについては隔日運行とした場合に費用がどれだけかかるのか、試算をしてもいいのではないかと思っているんです。ルートについては当然住民の皆さん方に相談する。ある程度のアウトラインを行政の方で考えてみるということも議論としてはいいのではないかと思っています。トータルとしての費用というのが関係しますから、大きなバスは幹線道路しか走れませんけれども、10人乗りとかいうことも組み合わせながら利用状況に応じて変化ができるようなことも必要だろうと思っていますから、これについては引き続き検討していただきたいと思っております。
次の市民病院の建てかえに伴う診療科目についてということでお尋ねさせていただきます。
特別委員会の中で今まで議論がなされて、今の同じ場所に市民病院の建てかえを行うということになっております。当然、建てかえを行うに当たっては、中身である診療科目、それから病床が基本になると思っております。それからまた、総合病院としてあるわけでありますから、診療科目ごとに患者が多いところ、少ないところももちろんありますけれども、この問題について、診療科目との関係をどのように考えられているのか、まず1点目、お尋ねしたいと思っております。
次に、看護体制の問題でございますけれども、これについては非常に大事な問題だと思っております。7対1看護体制を目指すべきだと私は思っております。当然、収入の方も人件費を引いても3億8,000万円程度増収になるという話も聞いております。お金の問題だけではなくて、さらにはサービスも向上できると思っておりますので、この点についてどのようにお考えになっているのか、2点目にお尋ねします。
3点目は、7対1看護が優先でありますけれども、必要であれば緩和ケア病棟を新設すべきではないかと思っているんです。今現在、熊本市内で139床あると思います。これは民間の病院との関係もあるかと思いますけれども、必要であるということであれば、そういうことも考える必要があると思っています。
そういうことを考えてみたときに、建てかえる建物の関係でありますけれども、将来の診療科目とか、医療機器の問題ですとか、それから、看護師もそうなんですけれども、医者については研修会が時間外に多く行われております。そういう意味では、建物については将来を見据えた会議室等ができるような余裕を持った建物にすべきではないかと思っておりますけれども、どのようにお考えなのか、病院事業管理者にお尋ねしたいと思います。
〔高田明病院事業管理者 登壇〕
◎高田明 病院事業管理者 熊本市民病院建てかえに伴う診療科目につきまして、4点のお尋ねにお答えいたします。
〔議長退席、副議長着席〕
まず、1点目の総合病院としての診療科目や病床数の見直しにつきましては、市民病院のあり方に関する特別委員会からの報告内容を踏まえながら、本年3月に新病院基本計画を策定したところでございます。その中におきまして、診療に関する基本的かつ特徴的な診療機能といたしまして、各診療領域のセンター化を図り、内科系・外科系医師が連携しながら、切れ目のない医療を提供できるなどの診療機能の充実を図る方針といたしました。
今後の診療科目につきましては、総合病院として高度な医療を提供できるなどの利点を生かせることを考えまして、現状を維持していきたいと思います。
また、病床数につきましては、昨年12月に病床再編の実施にあわせまして見直しを図りました。ただ、特別委員会の意見も踏まえながら、今後につきましても患者の多い診療科、あるいは少ない診療科があることなども考えまして、さらなる病床再編に向けて検討してまいりたいと思います。
次に、2点目の看護体制につきましては、市民に信頼される高度な医療を提供し、より安全安心な患者サービスの向上を図るためにも、7対1看護体制は必要だと考えております。これまでも看護師の確保に努めてまいりました。しかしながら、全国的な看護師不足の中、就業環境の改善や雇用対策などを試みておりますものの、現在まで7対1看護体制への移行は実現できていない現状でございます。今後におきましても、関係部署と協議しながら実現に向けて努力してまいる所存でございます。
次に、3点目の緩和ケアの病棟の新設につきましては、議員御案内のとおり、熊本市内の民間7病院におきまして139床が設置され、運営されております。これは、全国平均で4倍程度となる病床数でありまして、熊本市は全国的にもかなり恵まれた地域となっております。
また、本院は地域がん診療連携拠点病院として緩和ケア外来を平成21年10月に開設し、相談支援センター、あるいはがんサロンにおきましても患者の安心につながる取り組みを進めてきたところでございます。
本院といたしましては、急性期医療を担う医療機関として、緩和ケアを実施している病院や在宅で医療を受けておられる方々の病状が急変したときに患者さんを受け入れることが可能となる体制や、レスパイトなど介護者の負担を軽減する体制の整備を検討してまいりたいと考えております。議員御提案の緩和ケア病床等々の新設につきましては、地域の医療機関との関係や新たな医療スタッフの確保などの課題も多いことから、今後研究してまいりたいと思います。
最後に、4点目の建てかえに当たって柔軟に対応できる建物設計についてでございます。
本院は、現在におきましても患者さんへ高度で安全な医療を提供するため、職員研修の充実を図っているところでございます。また、連携しております医療機関や、そのスタッフに対しましても、先進医療の情報共有化を図るために研修会を定期的に実施しております。加えまして、市民の健康増進を図るために本院の医師が講師となり、毎月健康講座等も継続的に実施しております。
建てかえに当たりましては、新病院基本計画をもとに、議員御提案のとおり、将来の診療科目の増設や最新医療に対応可能なスペース、さらに院内研修を開催できる会議室などが確保できるよう、病院スタッフとともに綿密なヒアリングを通しまして、設計に反映させる建物配置計画となるよう努めてまいりたいと考えております。
〔6番 西岡誠也議員 登壇〕
◆西岡誠也 議員 ありがとうございました。
特に7対1看護体制の問題については、診療科目の加算の問題に絡んで、結構予定よりも多く手が挙がっているようでございまして、このままいきますと制限されるということになり、大変な状況になりますから、ぜひそのあたりについてもよろしくお願いしておきたいと思っております。
次に、幹線道路と交差する既存道路の拡幅ということでお尋ねしたいと思います。
以前質問いたしました田迎木原線の関係でありますけれども、流通団地から抜けていく道であります。西無田交差点から木部の交差点まで2キロ以上ありますけれども、途中、横断するところがない。信号機がないということでございまして、信号をつけられるでしょうかと警察に相談に行きました。3点言われました。1点目は、幹線道路を走らせたいから信号はつけたくない。2点目、信号をつける予算がない。3点目、既存の道路が片側1車線確保できていない。狭い。こういう3点を言われました。
そういう意味からしますと、当然、幹線道路を走らせるときは地元説明会とかをやりますけれども、図面を見ても地元の皆さん方は、ここは交差点が必要だとか、信号機が必要だとか、なかなか気づかないところもあります。そういう意味からしますと、将来を見た場合、そこに信号機をつけることができるように既存の道路の拡幅までその工事にあわせて用地買収を含めてできないかと考えております。
今現在も、もともと農業で田んぼが両側にあって、そこを幹線道路が走っております。農業の方は、こちらから反対側に移動するときに、遠回りをするか、車が通っていないところにコンバインを走らせたり、トラクターを走らせたりしておられます。警察にそういうときに非常に危ないと言ったのです。警察から、道交法上はコンバインを走らせたらだめですと言われたんですが、今まで田んぼがつながっていたところで、そういうことはなかなか難しいと思いますから、ぜひこのあたりも何らかの対策がとれないのかお尋ねしたい。
都市建設局長、よろしくお願いします。
〔
永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博
都市建設局長 幹線道路の計画において、既存の道路との交差に関しての問題の質問でございます。
新たに幹線道路を計画いたします場合には、生活道路などの既存の道路と交差します。その際に小交差点ができるわけでございますが、この場合に、生活道路はまず補助幹線的な道路と接続させるか、あるいは数路線をまとめて幹線道路と交差させることによりまして、交差点数を少なくし、幹線道路の走行性を増すことを基本としております。この幹線道路と補助幹線的な道路との交差点につきましては、幹線道路の設計時に交通管理者などの関係機関と協議を行いまして、右折レーンや滞留長の確保といったものが必要である場合は、事業用地の買収を行っているところでございます。
議員が御質問に挙げられました田迎木原線の西無田交差点から木部交差点までの区間についてでございますけれども、田迎木原線の設計時に県におきまして交通管理者や地元の方々との協議により農地の冠水対策といたしまして、水路や地区間道路の設置に加え、道路により分断される地区のスムーズな往来を考慮し、アンダーパスによる横断道路を設置するなどの対応を行い、整備をされているところであります。これは田迎木原線の走行性と横断の安全性を考慮して計画されたものでございますが、供用開始後の交通量が予想以上に増加している状況にございまして、こういったことから、議員御提案の新たな交差点を設置することにつきましては慎重に検討する必要があるものと考えております。
このようなことから、地域の皆様方には御不便をおかけしている面もございますけれども、アンダーパスによる道路横断の利用などによる安全性の確保に御理解いただきますようお願い申し上げる次第です。
〔6番 西岡誠也議員 登壇〕
◆西岡誠也 議員 アンダーパスは木部の方ですから、真ん中の方からしますとかなり距離がございます。ぜひそのあたりも引き続き検討をよろしくお願いしておきたいと思っています。
それでは、防災対策についてお尋ねいたします。
昨年は7月12日でございました。今は6月10日でありますから、梅雨の時期でございます。昨年を思い出しますと本当に大変な状況でございました。ぜひ、昨年の教訓を踏まえて対応をお願いしたいと思っていますけれども、私も市に在職中、防災対策室に出入りしておりましたし、現場にも土のうを持って出た経験がございます。そういう経験をもとに何点か改善点を申し上げたいと思っております。
1点目は、情報収集体制でございます。今、土木の職員については、東部、西部、北部、3土木センターに集まっております。以前は土木の職員が本庁に来ておりました。電話がかかりますと、それぞれ土木の職員は常に住宅地図を開いた経験がございますから、ある程度住所を言われると場所の特定ができます。今現在、本庁においては本庁内の各職場からの要請で上がってきますから、ふだん住宅地図を見た経験がない職員もおります。したがって、電話をかけてきた場所の特定がなかなか難しいというのが実態でございます。私も危機管理防災総室に電話しました。場所を言ってもなかなか理解してもらえないということがございましたから、場所の特定ができる何らかの対応ができないのか。住民の方は、水がそこまで来ている、早く土のうを持ってきてほしいという気持ちで電話されるわけでありますから、ぜひ何らかの対策が必要だと思います。これが1点目であります。
それからもう一つは、危険箇所についてはある程度把握されていると思っていますけれども、一定の雨が降ったとき、どのあたりが冠水するのか。そのあたりのマップを整備していく必要があるのではないかと思っております。以前、私がいたときは、超ベテランの方がいらっしゃいまして、ここはこれぐらい雨が降ったらあそこが危ないよと指示をされておりました。あそこの角、たばこ屋から2軒目のところが危ないぞと言う職員がいたんです。そういう仕事に携わる人たちも人事異動もありますので、そういう意味からしますと、あとはそういう場所を地図で把握することが必要ではないかと思っております。この辺の作成をやる必要があるのではないかと思っております。
3点目に、災害時の実働の関係でございます。以前は当然、センターに何十人も直営の皆さんがいらっしゃいまして、トラックに土のうを積んで一緒に出ていったりということをやっておりましたけれども、今現在は民間に委託してあります。その民間の業者さんについては、1業者3名の2班体制ができる業者ということで契約してありますけれども、残念ながら、実際災害が起こったときに3名の2班体制ができるかというと、そういう体制はできていないというのが実態ではないでしょうか。そういうことからしますと、いろいろセンターも努力しながら、1社ではなくて2社でやるとかいう工夫もされておりますけれども、そのあたりについて何らかの対応をしないと、いざというときには大変な状況になると思っております。
もう一つは、事前の説明はしてあると思いますけれども、毎年この業者は契約が変わります。初めての業者さんがまた災害時に対応するということになりますと、洪水のときに動かすのが非常にうまくいかないというケースが毎年起きているようでありますから、何らかの対応をする必要があると思っています。この辺についてどのようにお考えなのかお尋ねしたいと思います。
もう一つは、対策本部の体制ということで、スペースの問題でございます。昨年、7月12日、私もここの本庁の3階に行きました。ところが職員が入れないんです。今現在、机と椅子が並んでおりますけれども、大体、机、椅子の人数よりも警報のときは多いんです。それに県とか自衛隊とかいろいろ来られますから、全部入り切れないでみんな立っていらっしゃる。そういうときに電話を受けて対応ができるかということでございます。ですから、そういう意味では、一定のスペースを確保する必要があるのではないかと思っております。そして、機械についても見やすいような配置もしなければなりませんし、そのためには今の場所を少し広げても対応できないのではないかと思っています。熊本市と県のスペースを比較しますと、県は3倍以上ぐらいあるみたいです。ですから、この辺についてはぜひ検討していただきたいと思っております。これは関係局長にお尋ねいたします。
〔西川公祐総務局次長 登壇〕
◎西川公祐 総務局次長 それでは、お尋ねの項目の中で私から3点お答えさせていただきます。
まず、災害時の情報収集体制及び降雨時の冠水箇所等のマップ作成についてでございます。
災害時には、対策本部に入ってくる情報を正確かつ迅速に把握することが最も重要であると認識しております。これらの情報を把握する際には、住宅地図上で場所の特定に時間を要する例があることも事実でございます。現在、災害情報を迅速に特定できるようにするため、住宅地図のどの分冊に該当の区域が掲載されているかを把握できる早見表と、各土木センターごとに道路冠水等の災害危険箇所を記載した図面も作成しているところでございます。また、今年度は水防業務の担当職員に対し、河川等の災害危険箇所の現場視察を実施したところでございます。
今後も災害時における情報を迅速に把握し、市民の安全確保を図ってまいりたいと考えております。
次に、対策本部の体制についてのお尋ねでございますけれども、議員御指摘のとおり水防本部室を含めた危機管理防災総室のスペースが狭く、昨年の
九州北部豪雨災害において情報収集が混乱する中、重要な情報が埋もれていたケースがあったことも事実でございます。これらを教訓にしまして、収集した情報の中から意思決定及び応急対策等に必要な情報の整理・選別を行う情報トリアージを開始するとともに、冷静で的確な判断を行う場としまして、本庁5階に災害対策指揮室を設置したところでございます。また、防災関係機関とのホットライン等、連絡体制の整備も含めました見直しを行ったところであり、今後も災害時においてより的確な対応ができるよう努めてまいりたいと考えております。
〔
永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博
都市建設局長 私からは、災害時の実働につきましてお答え申し上げます。
大雨、洪水、台風、積雪等の災害時の対応につきましては主に各土木センターで行っており、平成21年度より土のう積みなどの水防業務の一部につきましては民間委託を導入し、災害時に迅速な実働作業がとれる体制をとったところでございます。
今年度は東部土木センターにおきまして4社、西部土木センターにおきまして6社、北部土木センターにおきまして5社と委託契約を締結しております。
議員御指摘のとおり、災害時の対応のための民間委託は年度ごとの契約でございまして、これまでに水防業務の経験がない業者が含まれている場合もございます。そのため、各土木センターにおきまして、冠水しやすい場所の確認、作業体制の確保や現地での作業方法、情報の伝達等につきまして委託業者と事前に打ち合わせを行い、実働時に確実な対応がとれるよう、毎年梅雨入り前には準備を行っているところでございます。また、昨年までは委託業者ごとに担当エリアを決め、警報発令態勢のたびに委託しているすべての業者が人員を確保しなければならないなど非効率的であったため、今年度から委託業者ごとの担当エリアを設けずに、全委託業者であらかじめ出動順を決め、輪番制での出動とし、出動体制の効率化を図ったところでございます。
なお、各社1回の出動は、責任者1名、作業従事者3名で、警報発令態勢時は2社が出動いたしまして、この体制で対応が困難な災害に対しましては次の出動予定者を追加し、災害状況に応じました体制をとることといたしております。
いずれにいたしましても、市民の皆様に安全安心な行政サービスが提供できるよう、土木センターと委託業者が連携をとりながら状況に応じた対応を行ってまいりたいと考えております。
〔6番 西岡誠也議員 登壇〕
◆西岡誠也 議員 情報収集体制については緊急の課題でございますから、何らかの対応をとる必要があるのかなと思っております。ぜひ御検討をお願いしたい。
それから、スペースの問題ですけれども、これはすぐ改善できるという問題ではございませんが、今、本庁、マスミューチュアル生命ビル、花畑別館と見た場合に、根本的には花畑別館の改築をしてもらって一定のスペースを確保する、そのことが急がれるのではないかと思っておりますので、ぜひそのあたりも含めて御検討をお願いしたい。ぜひ広く確保していただきたいということをお願いしておきたいと思っております。
それでは、その他の項目でもう一点申し上げます。職員の不祥事の問題についてでございます。
私も市におりましたから、非常に残念な思いをいたしております。たびたび市長が議会冒頭に陳謝される。そういう姿を見た人は誰もおりません。どこに原因があってそういう不祥事が起きるのか、本当に真剣に考える必要があるのではないかと思っております。
先日、旧町の皆さん方と話す機会がございまして、そのときに言われたのは、職員みんなどういう性格か知っておる。そして、みんな飲むぞと言ったときにみんな飲みに行く。そういうつながりもあるし、あるいは住民の皆さんもほとんど知っていると。そういうところで不祥事は起きませんという話がございました。私も、若い時代には同じ係の中で積み立てをして飲みに行ったり、係の旅行、課の旅行で家族ぐるみのつき合いをした経験がございました。そのときに、それぞれの家庭の事情とかいろいろな話をしておりましたから、お金の悩みとかいう話もできていたところなんです。
ところが、今、各職場を回ってみますと、そういう話ができる職場も中にはありますけれども、多くの職場では毎日下を向いて、本当に雰囲気が暗いような印象を受けております。
確かに、いろいろな不祥事を受けて朝礼等あっておりますけれども、どうも一方通行のような気がいたしております。逆に、それぞれの職員の意見を聞くことが必要ではないかと思っているんです。見直しとして、現金を扱わないとか、処分を強化するとか、風化させないとか、いろいろ検討はなされているみたいでありますけれども、その一つ前のそれぞれの職場の人間関係、コミュニケーションをもう少し図っていく必要があるのではないかと思っております。そこを抜きには、人間関係が希薄になって、どうも何を考えているかわからないということになってしまうのではないかと思っております。
それと関連しまして、係長、課長の昇任試験との関係です。
ずっとその管理職を見てみますと、以前から職場の皆さんから信頼されて、係長、課長になられる。そうした場合、係の皆さん方が、課長が一生懸命やっているんだから、我々も頑張ろうということになっていたような気がします。