去る3月12日に、熊本県民、熊本市民が待ちに待った九州新幹線が全線開業しました。JR西日本の新幹線博多駅開業が昭和50年ですから、何ともはやおくれること36年、歌の文句ではありませんけれども、新幹線がやってきたということになります。この開業のおくれが、福岡市と熊本市の都市力に格差が生じた一因であると分析する声も聞かれますが、私はそんなことよりも、都市計画や成長戦略など総合的な都市発展戦略に大きな差があったことが実質的な原因であると思っています。
そのような観点から言えば、新幹線開業や
政令指定都市移行後の本市都市戦略がいかに大切なものであるかという結論に至るのは当然のことであります。この視点と観点は、幸山市長を初め執行部の皆様方と共有できているものと確信いたしております。
ところで、このたびの九州新幹線の開業は、東日本大震災のまさに翌日でしたので、記念の開業イベントのほとんどを自粛することとなり、まことに静かなスタートとなりました。
しかしながら、その後の経緯では
ゴールデンウィーク期間中の乗降客が、博多、熊本間でこれまでのリレーつばめや有明といった在来線に比べ、50%増の33万4,000人、熊本、鹿児島中央間に至っては80%増の19万7,000人となるなど、滑り出しはなかなか快調のようです。また、新幹線新下関、小倉間の利用者は71万6,000人、みずほ、さくらの乗車率はそれぞれ72%と62%で、のぞみの37%、ひかりの48%を大幅に上回り、嬉しいことに、九州と関西の直通効果が見られたとJR西日本では分析しているようであります。
一方、新幹線効果として、本市を訪れた観光客数は、熊本城の
有料区域入場者が前年同期比8.9%増の10万人、市動植物園が0.06%増の7万4,000人、水前寺成趣園が5.2%増の1万9,000人、また、3月に開業した熊本城桜の馬場城彩苑は10万6,000人と熊本城を上回る入場者数を記録しています。このように、観光客の入りは、本市の至るところで前年度を上回っており、新幹線開業や城彩苑整備による一定の波及効果があらわれていると評価ができます。
しかし、ここで少し厳しい見方をしますと、本市の城彩苑と同時期の3月にオープンしたJR新博多駅ビル、博多シティでは、開業1カ月で726万人、1日平均24万人の人出が報告されており、また、この博多シティの各テナントである博多阪急は、5月25日に入店客数が1,000万人を突破したと発表されています。同店は開業当初、年間2,000万人の入店を予想していましたが、東日本大震災による影響が懸念されていました。しかし、実際は
九州新幹線鹿児島ルートの全線開通や、新駅ビル開業の効果を絶対的に我が物とし、当初見込みの1.5倍のペースで1,000万人を達成しており、さすがとしか言いようがありません。震災後も週末には九州各県や山口県以東から家族連れなどが多く来店し、大型連休中の5月4日は、過去最高の26万5,000人を記録しているようであります。
このように、巧みな手法と努力で福岡の求心力がますます高まっていることは明白な事実ですので、これをしっかりと受けとめて、本市は福岡を訪れる観光客をいかに熊本市まで呼び込むのか、その英知を結集して取り組むことが喫緊の課題と言えるのかもしれません。
恐らくこの危機感を打破するためなのでしょう、新幹線開業と政令市移行を見据え、本年4月、幸山市長は観光文化行政や
都市プロモーション、東アジア戦略などに対する並々ならぬ決意のあらわれとして、
観光文化交流局を新設されたものと感じています。
少し前置きが長くなりましたが、そこでお尋ねいたします。
観光文化交流局を新設された意図は私の期待どおりのものであるのか、はたまた、別の意図があるのか、そして
新幹線全線開業後の観光文化行政や
都市プロモーション、東アジア戦略などの都市戦略はどのように展開、推進されるのか。その思いと決意を幸山市長にお伺いをします。
続けて、その東アジア戦略についてお伺いします。
我が自民党の牛嶋議員の言葉をおかりすれば、本来は台湾まで含めてアジア戦略と称すべきものと思いますが、このたびの大震災、原発事故の影響で、心外にも日本産の農産物を輸入禁止とする国があらわれ、また、中国、韓国を筆頭に諸外国からの観光客が激減しているようです。これらの風評被害の防止に国も躍起になっているわけですが、報道によれば、今回の我が国における大震災、原発事故の模様が世界各国でセンセーショナルに報道されたことより、そのダメージは極めて深刻なもののようです。
くしくも本市は、東アジア諸国の経済成長に目を向け、東アジア戦略をスタートさせたばかりです。大切な資源とも言えるアジアを初め、諸外国からの観光客招致に今後、さらに大きな影響をもたらしはしないかと危惧されるところでもあります。
そこで2点目、東アジア諸国を初め、海外から本市を訪れている観光客の現状はどのように把握しておられるのでしょうか。お聞かせください。
また、この東アジア戦略に関して、昨年の第3回定例会で私はクールジャパンならぬ、
クールくまもとの提案をさせていただき、幸山市長からも大変前向きな御答弁をちょうだいしたと記憶しておりますが、まだまだいま一つ、具体的な動きが見えてこないので寂しく思っています。
今の熊本市には数えきれないほどたくさんのクール、いわゆる格好いいが存在するはずです。この議場で再三話題となっているワンピース、これは世界的見地においても非常にクールで大きな価値があります。さらに、県の
キャラクターくまモンは、全国的に人気沸騰中です。また、
前回トラムシティのお話をしましたが、本市の市電をヨーロッパ諸国のLRTや
富山ライトレールのように、もっともっと魅力的な存在にすることができれば、それも必ずや
クールくまもとの大きな要因の一つになるはずです。
そこで3点目、
クールくまもとの発掘、発信に向けて、前回の私の質問にお答えいただいて以来、現在まで具体的にどのように検討していただき、どのような方向づけがなされているのか教えてください。
さらに、東アジア戦略の拠点ともなる熊本市の上海事務所が、県、市、熊本大学の3者合同で開設される運びとなりました。本市未来を見据えた都市戦略の中で、その役割をどのように理論づけ、推進していかれるのか、また、今後の上海事務所の活動方針についてもお聞かせください。
以上、4点について幸山市長にお伺いいたします。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長
九州新幹線全線開業と都市戦略について、5点ほどお尋ねがあったと思いますので、順次お答えさせていただきたいと存じます。
まず、1点目の
観光文化交流局の新設についてでございますが、九州新幹線の全線開業や政令指定都市への移行は、人、情報、経済、文化など、さらなる活発な交流が見込まれまして、本市にとりまして大きな飛躍のチャンスでございます。
また本市は、全国に誇る貴重な歴史的文化遺産や伝統文化、あるいは文化芸術など数多く有しておりまして、さらにスポーツにおきましても全国、世界レベルのアスリートを多数輩出いたしますなど、都市としての高い魅力と個性も持ち合わせております。
本市のこのような特性を再認識いたしますとともに、さらに充実をさせ、それを国内外に向け発信をしてまいりますことは、本市の交流拠点性を一層強化できるものと考え、本年度、観光や
コンベンションの振興、また国内外との都市間交流、さらには文化・スポーツの振興などの取り組みを一体的に推進する組織といたしまして、
観光文化交流局を設置したものでございます。
次に、観光文化行政や
都市プロモーションの今後の展開についてでございますが、
九州新幹線全線開業の効果を最大限に生かしながら、熊本城や中心市街地を中心にお城まつりを初めとするにぎわいの創出に取り組みますとともに、来年4月の政令指定都市への移行を記念いたしまして第1回
熊本城マラソンを開催し、
政令指定都市熊本を全国にアピールしたいと考えております。
さらには、清冽な地下水や豊かな緑に代表されます自然環境、充実した医療、教育環境、また城下町としての歴史や文化など、本市が誇りますさまざまな魅力を都市ブランドとして積極的に発信し、本市の認知度を向上させるともに、多くの人々から暮らす場所として、あるいは観光や
コンベンション、さらには企業立地などさまざまな面におきまして本市が国内外から選ばれる都市となりますよう、
シティブランド戦略をさらに展開してまいりたいと考えております。
次に、東アジア戦略についてでございますが、このことにつきましては4つのチャレンジ項目といたしまして、まず、本市の存在感を示す都市ブランドの確立や観光振興、
コンベンション誘致、2つ目に東アジアと連携した
学術都市づくり、3つ目は東アジアとのビジネス促進、そして、東アジアの中の環境先進都市の実現を定めまして、具体的な取り組みに着手しているところであります。
その中で特に上海事務所でございますが、この戦略展開の拠点として位置づけているところでありまして、先ほど御紹介がございましたような県、熊本大学と連携し、現在設置に向けて準備を進めているところであります。
また、香港での国際食品見本市への参加や、韓国や台湾での販路拡大に向けた物産展の開催を初めといたしまして、これらの地域での
観光プロモーション展開、また、
韓国高速鉄道KTXでのPRなどによりまして、本市の認知度をさらに高めたいと考えております。
一方、市民にもアジアをもっと身近に感じていただけますよう、中心市街地におきましてエンターテイメント、あるいは食、文化、旅行というテーマで、昨年度に引き続きまして
アジアンホリデーを開催し、まち全体で盛り上げたいと考えております。
今後も熊本市の持つ都市の魅力を初めとする都市ブランドを強く発信しまして、九州の中で、そして日本の中で、あるいは東アジア地域におきましても選ばれる都市を目指してまいりたいと考えております。
続きまして、海外からの観光客の現状について申し上げますが、先ほど御紹介もございましたが、3月11日の大震災以降、海外からの観光客の入り込みは大きく減少しているところでありまして、熊本城で申しますと、4月の入園者総数約14万5,000人のうち、海外からの入園者は1,800人程度となっておりまして、この数字は対前年同月比でいきますと90%の減、9割も減少しているということでございます。その後、5月には4,200人ということで、徐々にではありますけれども、回復基調にはございます。しかしながら、このような中、海外からのお客様につきましては、厳しい状況ではございますけれども、日本人の観光客を含めました4月及び5月の熊本城の総入園者は31万人を超えておりまして、前年よりも増加となりますなど、先ほどお話もございましたような九州新幹線の効果というものもあらわれているのではないかと認識いたしております。
今後、海外からの誘客に向けましては、国や県、また九州各都市でいろいろな取り組みが行われているところでありまして、本市におきましても4月末の韓国蔚山市からの
青少年文化交流団の受け入れや、5月、上海での国際旅行博覧会、蔚山のくじらまつりへの参加などを通じまして、本市の魅力を発信いたしますとともに、安全な九州熊本を中国や韓国のマスコミ等にもアピールしているところであります。
今後も引き続き、機会あるごとにこのような情報を発信してまいりますとともに、本市を訪れる海外旅行客は増加に転じていくものと期待もしているところでございます。
続きまして、
クールくまもとの発掘・発信についてでありますが、まず、先ほどお話のあったワンピースにつきましては、原画を使用します作品展や、昨年、東京で開催されました
ワンピースカーニバルのような商店街と連携したイベントなどで作品が使用できないか、権利者へお願いしたところではございますけれども、御理解をいただけるまでには至っておりません。今後も現在活動されております民間団体などと連携しながら、可能性について検討してまいります。
また本市では、低床電車の導入や軌道敷の緑化など特徴的な取り組みも行っておりまして、このような取り組みも
専用ホームページなどで情報発信していきたいと考えております。
御提案の
クールくまもとは、本市のブランド戦略の展開に欠かすことのできない視点であり、まだまだ御提案をいただきましてから成果が上がっているとは言いがたい状況にはございますけれども、今後もマンガやアニメ、市電に限らず、熊本市の魅力を多角的にとらえ、国内外に対し広く発信をし、本市の認知度向上につなげたいと考えております。
最後に、上海事務所の役割と今後の活動方針についてでございます。
上海事務所についてでありますが、現在、先ほども申し上げましたような
東アジア戦略展開の拠点と位置づけまして、本年11月の開設を目指しまして準備を進めているところであります。事務所の大きな目的といたしましては、ビジネス支援、留学生誘致、観光客誘致の3つを掲げておりまして、3者がそれぞれのノウハウを生かして連携いたしますことで相乗効果が期待できるものと考えております。
さらに、上海には、福岡、長崎、大分、宮崎、鹿児島が事務所をそれぞれ開設されておりまして、今後はこれら九州の各地域とも連携し、観光客の誘致に取り組んでまいりたいと考えております。具体的には、チャーター便を利用する旅行商品の造成や、熊本の魅力を中国富裕層向けの雑誌に掲載したり、中国に進出中の企業と連携して発信をいたしますなど、さまざまな取り組みを行い、本市の認知度を向上させ、さらなる誘客につなげたいと考えております。
以上であります。
〔23番 倉重徹議員 登壇〕
◆倉重徹 議員 ただいま御答弁いただきましたように、現在は、熊本市が未来に向けて大きく羽ばたく、また、大きなチャンスが到来している、そういう時期であると確信をいたしております。大切な私たちの資源である観光の誘致、また、東アジアからの観光客の誘致、これはまさに私たちの未来を左右するほど大きな課題であるというふうに私も実感しているところであります。どうぞ市長には、御多忙ではありましょうが、知恵を絞っていただきまして、私たちとも手を携えて熊本の未来の発展のために尽力していただければと思うところであります。
ちなみに、きょうは市長と格好が非常に似ておりまして、グレーのスーツにピンクのネクタイと何か妙に気が合っているのか、もともととても仲よしでございますので、いい答弁をいただけるものと期待しながら、質問を続けさせていただきたいと思います。次が、2番と3番が
観光文化交流局長に聞く質問で同じでございますので、続けて質問させていただきたいと思います。御了承いただきたいと思います。
まず、
フェアトレードシティについてお尋ねさせていただきます。
本市は、先般6月4日に日本で初めて、世界で1,000番目の
フェアトレードシティの認定を受けました。これは、発展途上国の産品を適正価格で売買し、現地の生産者の自立につなげる、いわゆる
フェアトレードの推進が目的です。新聞でも報道され、市民の動きを後押しする形で今回の認定に結びついたものですが、私
たち熊本市議会は、昨年12月、その理念はすばらしいものであり、新たな側面から本市の都市イメージの向上につながるものと期待をして、あくまでもその理念に賛同し、
フェアトレードの理念周知を求める決議をさせていただきました。
ちなみに、
フェアトレードの意義を伝える英米合作の
ドキュメンタリー映画「おいしいコーヒーの真実」の
公式ホームページでは、1998年から1999年、東京の喫茶店で飲むコーヒー1杯の平均価格が419円であるときに、タンザニアのコーヒー農家は、平均価格の0.4%に当たる1.7円しか手にしないというデータを紹介していますが、このような不公正を放置せず、公正な貿易によって途上国の貧困問題を解決しようとする
フェアトレードの取り組みを個人や小規模のグループだけではなく、自治体として取り組んでいくことに、私は今回の認定の大きな意義を感じているところでもあります。
ただし、ここではっきりと申し上げておかなければならないことがあります。
フェアトレードは、確かに人道支援、国際貢献の一環です。しかし、だからといって、他の商品、ましてや県産品より高くてもそれを買えなどということは、根本的に理念に反するものであり、あってはならないことではないでしょうか。公正な貿易という意味での理念には賛同し、大いに協力したいと考えますが、我々の第一義は、あくまでも本市の地場産業の育成です。度を過ぎた特別待遇で人々に負の利益を与えることのないように、まだまだ慎重な検討と研究が必要であることを申し添えておきます。
以上を踏まえてお尋ねをします。
日本初、アジア初となった
フェアトレードシティの認定を受け、今後、市としてどのような取り組みを行っていくのか、具体的にお聞かせください。また、これを本市の未来の発展にどう生かしていこうとお考えなのかお伺いします。
また参考までに、国際交流会館内の
フェアトレード商品販売店は、どういう扱いで、家賃等の設定はどうなっているのかもあわせてお伺いいたします。
続きまして、
ノルディックウオークというスポーツの推進と大会誘致についてお尋ねさせていただきます。
熊本走ろう会の皆さんの念願でもあった
熊本城マラソン大会が、いよいよ来年2月19日に開催されることが決まりました。当初、計画にはなかったフルマラソンも実現し、政令市移行に向けたビッグイベントとして、もちろん私もその大成功を祈念している一人です。
そこで、もう一つを提案させてください。
それは、
熊本城ノルディックウオーク大会の開催です。
ノルディックウオークを御存じない方はおられないと思いますが、まず、
ノルディックウオークとは何ぞやということを簡単に御説明させていただきます。私もなかなか上手にそのよさを説明はできないですが、ぜひ体感していただければ一番よくおわかりいただけると思いますが、簡単に説明させていただきます。
スキーにノルディックという種類の競技がありますが、そのスティック、いわゆる両手で持つつえですが、それを改良したものを使い、つえがわりとして体を支えつつ、腕の力を利用して軽快に、かつ楽にウオーキングを楽しむというスポーツで、障がいのある方を初め、子供から高齢者まで、だれでもどこでも簡単に楽しめて、健康増進と予防医療に役立つという、今静かなブームのスポーツです。
高齢者は、スティックで突っ張ることで背筋がぴんと伸びるので、必然的に健康につながるようです。夕方や早朝にウオーキングを楽しまれている方がふえていますが、このスティックを使うことによって、腰やひざへの負担が軽減し、歩くことで起きる弊害を減らしてくれるという利点があるようです。また、座った姿勢から立ち上がる際に、このつえを両手で使うと、体重を乗せられるので楽に立てるなどの利点が評価されており、健康増進と介護予防効果が種々報告をされています。
最近では、世界的にもその効果が認められ、高齢者の健康こそが国の財政をも左右するということが過言ではない状況の中、全国で急速に広がり、競技人口がふえています。残念ながら九州では、その普及が少しおくれているようですが、江津湖畔では、早朝からたくさんの人がこの
ノルディックウオークを楽しんでいる光景を見ることができます。
このスポーツのよさは、私のように優男であっても、体力に自信のない人でも、気軽に参加できるということで、それゆえに全国大会ともなれば数万人規模の参加があるとのことです。PRの仕方では、
熊本城マラソンの参加予想人員を上回る人手を期待することもでき、交流人口の拡大を目指す本市としては、その開催を検討し、実現する価値は十分にあるかと思います。
既に本年10月、アジア大会が阿蘇で開催されますが、熊本城内の急坂は、
ノルディックウオークのコースには最適であり、歴史を身近に感じながらの大会は人気が出ること間違いなしと
ノルディックウオーク連盟の方の熱いメッセージも送られています。
そこでお尋ねをします。最近、急速に競技人口がふえている
ノルディックウオークを支援し、
熊本城マラソンとともに本市の2大
スポーツイベントとして、定期的な開催に向け取り組めないものでしょうか。
観光文化交流局長にこの2点につきましてお伺いさせていただきます。
〔
坂本純観光文化交流局長 登壇〕
◎坂本純
観光文化交流局長 お尋ねの2点についてお答えいたします。
まず、
フェアトレードシティについてでありますが、議員御紹介のように本市はこのたび、アジアで初めて、世界で1,000番目となる
フェアトレードシティの認定を受けたところでございます。
お尋ねの1点目、認定を受けた本市の今後の取り組みについてでありますが、市議会での決議の趣旨に沿って、国際貢献や人権尊重の精神、さらには人道的見地に基づく
フェアトレードの理念の周知に努めてまいります。
具体的には、リーフレットやDVD、パネル展の開催などによる周知を考えておりますが、その際には、特に
フェアトレードの団体、企業、個人の商行為等への支援とならないよう、留意してまいりたいと考えております。
2点目の、今回の認定を本市の未来の発展にどう生かしていくかにつきましては、
フェアトレードシティは、現在、ロンドンやパリ、サンフランシスコを初め、本市の友好都市ハイデルベルグ市などを含む1,000都市以上に広がっております。そこで本市では、このたびの認定を国際貢献に対する意識の高い都市として広く海外での評価を高める契機として活用し、アジアから、そして世界から選ばれる都市へ飛躍するための一助としたいと考えております。
最後に、国際交流会館内の
フェアトレード商品販売店についてでございますが、この店舗を設置するに当たっては、国際交流、国際協力の推進につながる
フェアトレードの産品を紹介し、この活動の理念を広くPRできることを条件に公募しまして、平成17年10月から営業を行っているところでございます。もとより賃料につきましては、行政財産の目的外使用として、本市の条例に基づき徴収をいたしております。
次に、
ノルディックウオークにつきましてお答えいたします。
ただいま議員から御紹介いただきましたように、この
ノルディックウオークは、子供から高齢者までだれもが気軽に楽しめるレクリエーションスポーツとして日本国内において広がりを見せており、健康づくりや介護予防にも効果的であると認識しているところでございます。本市におきましては、現在、スポーツ施設や民間団体の主催でノルディックウオーキング教室や体験会などが実施されており、今後さらなる広がりが期待されるスポーツであります。
このようなことから、まずは
ノルディックウオーク連盟を初め、各スポーツ関係団体、スポーツ施設管理者などとの連携を図りながら、広報啓発など普及に努め、
ノルディックウオーク愛好者のすそ野を広げてまいりたいと考えております。
〔23番 倉重徹議員 登壇〕
◆倉重徹 議員
フェアトレードシティにつきましては、私の申し上げたことをよく御理解をいただけたものと理解をさせていただきました。どうぞ、公平、公正な貿易、また、地場産業の育成というこの3点をお忘れなく推進をしていただければと改めて思う次第であります。
また、
ノルディックウオークにつきましては、一定の御理解はいただけたのかと、また、今後の推進の支援と、そして大会の誘致については御相談をさせていただきながら、できれば県民市民の健康のために御支援していただければと思う次第でございます。
それでは、続きまして、熊本市電の魅力向上とデザインについてお尋ねさせていただきます。
市街地の中心部を走る市電は、熊本城や地下水と並ぶ熊本市の都市ブランドであり、その魅力向上を図ることは観光戦略上も大変重要であると考えます。今、まばゆいばかりに美しい緑に輝いている緑のじゅうたん事業は、市電の魅力や都市景観の向上に大いに貢献しており、市民の関心と評価も急激に高まっていると聞きます。
今年度は、通町筋電停から水道町電停間を実施される計画で、さまざまな御意見はあるかもしれませんが、近い将来、鹿児島市のように全路線が緑のじゅうたんとなることに大いに期待をしていることを申し添えておきます。市長、よろしくお願いをしておきます。
そこでお尋ねですが、政令市となる本市の利便性を考える中で、延伸計画も含めエリアの拡大、散水車の導入など、緑のじゅうたん事業は今後どのようになっていくのか、その計画について環境保全局長にお尋ねをいたします。
次に、車両デザインについてですが、JR九州のあそぼーい!が、6月4日から運行を開始しました。これは鉄道デザイナーの水戸岡鋭治氏によるものです。ちなみに水戸岡氏は、スターウォーズのダース・ベイダーを彷彿させる旧つばめ号や、九州新幹線800系のつばめ号を初め、ゆふいんの森号など、多くのJR九州の人気車両をデザインされています。これまでの例に漏れず、新しいあそぼーい!も大好評で、多くの観光客と子供たちであふれ返っています。
私が申し上げたいのは、本市の市電も、見た目はもちろんのこと、楽しさを味わえる快適なデザインにこだわりを持ち、都市の魅力向上や観光資源として活用すべきであるということです。つまり、先ほど
富山ライトレールのことにも触れましたが、新型の超低床の車両を導入するにしても、メーカー側の既製品車両よりも、多少高価であっても、デザインや車内装飾にこだわりを持った車両にした方が魅力があるのではないかということです。
市長の公約の中にたしか、先ほども答弁にありましたが、超低床電車の増車が掲げてあったと思います。また、市長自身がドイツのライプツィヒで、こうあるべきという路面電車の姿を目の当たりにして感動して帰ってこられたと聞いています。
低床電車の導入に当たり、水戸岡氏にデザインを依頼するのも一つの手法として、現在の交通局保有車両全部が一体となったトータル的なイメージづくりで、さらなる市電の魅力向上に取り組んでいただけないものか、幸山市長の御意見をお聞かせください。
以上、エリアの拡大や散水車の導入については環境保全局長に、新しい低床電車の導入に当たってのデザインや社内装飾については市長に御答弁をお願い申し上げます。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 それでは、私の方から先に、新しい超低床電車の導入に当たりましてのデザインや室内装飾についてお答えさせていただきます。
政令指定都市移行を間近に控えまして、本市のブランド力をさらに高めるという意味におきましても、市電の魅力を向上させるということは重要なことでございます。特に、九州新幹線を利用して来熊されました観光客の皆様が、熊本城や中心市街地などの目的地まで快適に移動できる環境を整えるということは必要なことであります。
このようなことから、九州新幹線の開業に合わせまして、市電わくわく大作戦といたしまして、系統名称の変更、系統の色分け、あるいは熊本城・市役所前などといったわかりやすい電停名称への変更などにもこれまで取り組んでまいりました。
加えまして、利用しやすく、かつ魅力あるデザインの市電車両を導入する必要もあると認識いたしておりまして、先ほど御紹介がございましたが、さきに訪れましたドイツのライプツィヒ市におきましても、統一感のあるデザインの路面電車が市内各地を走る様子に深く感銘も受けたところであります。
議員御案内の水戸岡氏につきましては、本市におきましても、平成12年度に導入いたしました超低床電車2編成につきましてデザインを監修していただいたという経緯もございます。今後、超低床電車の導入に当たりましては、単なる移動手段としてだけではなく、市民の皆様はもとより、熊本市を訪れた方々の心に深い印象を残すようなデザインも配慮したいと考えておりまして、見て、乗って、楽しく、快適な車内空間を演出するためにも、議員の御提案も踏まえまして検討してまいりたいと考えております。
〔原本靖久環境保全局長 登壇〕
◎原本靖久 環境保全局長 私の方から、緑のじゅうたん事業についてお答えいたします。
緑のじゅうたん事業は、中心市街地に新たな緑の空間を創出し、ヒートアイランドの緩和や都市景観の向上、さらに電停の温度抑制や騒音低減等の効果を期待し、市民が緑の効果を体感できるものとして整備を進めているところでございます。
現在、熊本駅周辺整備事業におきまして、熊本駅前電停から田崎橋電停間の約400メートルが完成し、また、市内中心部におきましては辛島町電停から水道町電停間の約1.1キロメートル区間を中心に整備を進めているところでございます。既に熊本城・市役所前電停から通町筋電停間の約280メートルが完成したところでございます。
今年度は、通町筋電停から水道町電停間約190メートルを整備することとしており、来年度以降につきましては、花畑別館前や花畑町電停から辛島町電停を整備する計画でございますが、工事の着工時期につきましては、桜町周辺の再開発事業等の状況を見ながら決定していくことになると考えております。なお、エリアの拡大につきましては、費用対効果の検証はもとより、交通状況や芝の管理状況、さらには市民の皆様並びに市議会、関係機関等の御意見を踏まえまして、今後検討してまいりたいと考えております。
また、芝の散水についてでございますが、現在の散水方法は軌道の外から車両を活用して散水を行っておりますが、議員御提案の散水車の導入につきましては、今後エリア面積を勘案しながら、観光資源としての可能性等さまざまな観点から研究してまいりたいと考えております。
〔23番 倉重徹議員 登壇〕
◆倉重徹 議員 市電のデザインの検討につきましては、魅力の向上のためということもありますので、どうか今の御答弁のようによろしくお願いをしておきます。
また、緑のじゅうたん事業につきましては、いろいろな意見があるかと思います。邪魔になるという方もおられるし、緑がきれいになったねと言われる方もおられますし、さまざまな意見はあるかと思いますが、ある意味、今御答弁をいただいた内容のように、観光資源として活用できる一端を担っているというふうに思います。
また、鹿児島に行ってみますと、今は、鹿児島は散水電車を保有しておりまして、散水電車が走るのを見にわざわざ新幹線に乗って福岡から訪れる方々も多数おられるようでございます。私も実際に行きまして、散水電車の走っているところを見られておられる方に、どこから来られましたかとお尋ねをいたしましたら、筑豊から来ましたとか、北九州のどこから来ました、福岡のどこから来ましたとおっしゃられる方が結構おられましたので、これはまた観光資源という面においても本当に意味があるのかなというふうに思った次第でございまして、それで今回の御質問の中に入れさせていただいた次第でございます。どうぞ、御検討をお願い申し上げます。
また、一つ提案と要望でございますけれども、私の住んでおります東部地域では、区役所が税務大学校のところにできるということで、確かに区バスは走るんですが、長嶺から小山、戸島に至っての方々が、若干不便さが出るかもしれないということで、その辺の勘案も含めまして、一つ御提案なんですが、ぜひ県庁・自衛隊・健軍をめぐる市電の環状線を実現させていただきたいと。市電の延伸ができなかった背景には、いろいろあるかと思うんですが、交通安全をつかさどる県警の理解がなかなか得がたいということもあるでしょうし、道路幅の関係があって、軌道を敷いてしまうと車道を圧迫して渋滞を招くというようなことも懸念されているのかもしれませんが、現代社会は環境配慮型へと変化をしている社会でもあります。時代の要請からいくと、公共交通を利用する方へ転換させていかなければならないと、公共交通の充実が車道を狭くするのもいとわないという、そういうような発想を持つことが、新時代の行政には必要であるのかなというふうに思います。
昔から、両親が忙しい家庭はありました。そうした場合は、おじいちゃん、おばあちゃんが親のかわりを務めてくれたり、近所のおじちゃん、おばちゃん、特に怖いおじちゃん、怖いおばちゃんたちがいました。こういう方々が陰になりひなたになり、助けてくれていたんだと思います。子供と大人の斜めの関係、こういうものがあったのだと思いますが、核家族のマンション暮らし、また、親が地域の活動にも参加しなければ子供は家と学校を往復するのみ、親と先生としか接することができず、狭い社会の中でテレビやネットのバーチャルな架空の空間で情報のみを頼りにして、自分のアイデンティティーを確立できない。自分が何者であるかというのがわからなくなってきていると言えるかもしれません。
こうした家族や地域コミュニティの教育力の低下は、学校にも影響してきます。子供が家庭や地域でいっぱいの愛情を受けて、自己愛や共感性を身につけて学校に通っていたころには、学校は子供に学問と規律を教えるだけでよかったのかもしれません。しかし今は、まずその前段にあるところから始めなければならず、規律を教えようとしてもできない、仮に教師に力があって、そこまで踏み込んだとしても、大人に成りきれていない親からクレームが上がってくることもしばしばです。
こんな状況を現場の先生方は必死に支えているという実態もあるのではないでしょうか。こうした教育状況を建て直すには、社会や地域のパラダイムの転換を図る必要があると言えるかもしれません。合理性や経済性の物差し、これを人間らしい幸福の物差しで変えていくことが必要です。GHPというような指標もありました。親が子供と一緒に過ごす家族の時間をふやす、地域との交流を深めていくという形でまず、子供の自己愛や共感性、自立性をしっかりとはぐくむ、そして、学校や教師の権限をしっかりと認め、学校の本来の姿である学問や規律の指導を行ってもらうという役割分担を明確にしていく必要があるのではないでしょうか。
このような私の基本的な考えをお伝えした上で、政令市移行後の教育現場の変化と課題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
先ほど申しましたが、教育委員会の権限が変わってまいります。教職員の任命権、人事権が移譲され、また、採用試験も独自に行えるという形にはなりますが、これは政令市、他都市の先輩政令市でも同様なことでありますけれども、人事権と採用はできるようになりますが、その教職員さんの給与、そして定数に関しては県が握っているという状態であります。熊本市の場合には県ですね。お金は都道府県にございます。これらは、市の主体性や教育現場の一体性、一体感というものを考えるときに、私はあるべき姿ではないのではないか、国と地方のこれまであった上下関係と同じような仕組みが、都道府県と市町村の間、特に政令市の間で起こってくることになると思うからです。その問題認識についてお尋ねをいたしたいと思います。
また、政令市になって、熊本市の教育はどのように変わるんでしょうか。教育水準、さまざまな指標があるでしょうが、熊本市の教育はこれまで以上によくなったというふうに言えるのでしょうか。これについても熊本市がさまざまな取り組みをされているのも存じ上げておりますけれども、今回、東日本大震災の影響も受けて全国で行われていた学習調査に対しましても、ストップがかかっております。熊本市は幸い、このNRTというのも続けておりましたので、全国学力学習状況調査が中止になったとしても、何とか最低限の対応はできたのかもしれませんが、今後の熊本市の教育水準を上げる取り組みについてお尋ねをしたいと存じます。
また、この教育現場の改善という部分で触れさせていただきますが、学校支援地域本部、これが熊本市では予算がついて、平成20年度から22年度まで国のモデル事業として熊本市井芹中、また下益城城南中学校で実施されておりますが、今年度の当初予算ではこの部分が上がってきておりません。補正で出されるかと思っておりましたが、ここにも出されておりません。この学校支援地域本部といいますのは、杉並区の和田中学、私も何度か視察に行かせていただきましたが、民間からリクルートの幹部であった藤原校長先生が立ち上げた、民間の校長先生ができたというところでありますけれども、杉並区の和田中とかはもう、年間5,000万円に及ぶ予算をスポンサーをつけてとり行われておりまして、私はこれは一つの目指していいモデルではないかと。熊本市の場合はまだモデル地区として予算をつけてその方向に向かってお手伝いをしているという、行政がという状況であるんでしょうけれども、私は、ほかの地域でもできればやりたいという声があるのも存じ上げております。そういう中で、ぜひ来年の当初予算でこの予算をつけて、モデル事業を再開するべきだと思いますが、いかがでしょうか。お尋ねをいたしたいと思います。
そして、最後に、教育基本条例の議論をというところでお話をさせていただきます。
この教育基本条例、私が今調べた限り、全国で唯一成立させているのが福岡県の嘉麻市、嘉穂郡とかで合併が起こってできた都市ですけれども、ここが唯一だとは思います。しかし、杉並区や大阪府の吹田市、こちらもこの教育基本条例の議論が活発に行われております。吹田市においては、市長さんが出された執行部の案が根本的にそれではよろしくないと、吹田市議会としては議員立法でもというような意欲でかんかんがくがく、ときにはけんけんごうごうの議論が巻き起こって、この教育基本条例、去年の11月に継続審議になっておりましたが、ことしの3月、一応その原案ではだめだということで廃案にはなっておりますけれども、また議論をゼロベースというところで続けていこうという動きにもなっております。
こういうことを受けて、私としましては、すぐに条例化ということではないにしても、平成18年に改正された教育基本法というものがありますので、これの是非も含めて、教育というものに対してもっと活発な議論が熊本市で行われるべきいいチャンスなのではないかというふうに考えております。そういう意味におきまして、熊本市の教育基本条例、教育都市宣言というものも考えていってもいいのではないかと思いますが、それを見据えての熊本市のスタンスについてお尋ねをいたしたいと存じます。
〔廣塚昌子教育長 登壇〕
◎廣塚昌子 教育長 私からは、4点のお尋ねにお答えいたします。
まず、1点目の教育委員会の権限についてでございますが、先ほど議員から御紹介がありましたように、
政令指定都市移行に伴いまして人事権は熊本市に移譲されますが、教職員の給与、それから定数の決定権につきましては都道府県がそのまま続けるということに法的な規定でなっております。これらの法の趣旨でございますが、国によりますと、県内における一定の教育水準の維持にあるということで解されております。先行政令指定都市におきましては、教職員の人事権者と給与負担者を一致させることを求める動きがございますし、国におきましても教職員の人事権と定数決定、給与負担のあり方については検討がなされているところでございます。
熊本市といたしましても、財源の保障と配慮を要する課題はございますが、定数決定権等の移譲は、自主的、主体的な教育行政を展開する上では大変有用であるというふうに考えております。
次に、2点目の教育水準の向上についてでございます。
子供たちの力、教育水準、さまざまなとらえ方がございますが、教育委員会といたしましては、豊かな人間性と確かな学力、さらには健やかな身体を有し、徳・知・体の調和のとれた子供たちの育成を目指して教育施策に取り組んでいるところでございます。これまでに豊かな人間性を育成するための取り組みといたしましては、毎年11月を心かがやけ月間といたしまして、すべての学校が地域と一体となって基本的な生活習慣の柱となるあいさつ運動の実施でございますとか、心を育てる道徳の授業を公開するなど、学校と地域社会が連携した取り組みを行っております。
次に、確かな学力の向上のためには、個に応じるきめ細やかな指導ができます少人数学級や、少人数指導、学ぶ意欲の向上や学びの習慣化を目指して、基礎学力の定着を図る学びノート教室を実施いたしております。さらには、全小中学校で実施しておりますNRTによりまして、一人一人の学力状況の把握と個別の支援を行いますとともに、全国学力学習状況調査の結果も活用いたしまして、授業改善と学力の向上に努めているところでございます。
次に、健やかな身体をはぐくむために子供たちの体力向上の手だてといたしまして、いきいき健康づくりプログラムを作成いたしまして、各学校で日常的に活用するなど、徳・知・体のそれぞれについて教育水準の向上を図ってきたところでございます。また、これに加えまして、
政令指定都市移行に伴う教職員の人事権移譲によりまして、市独自の教員採用を行うことが可能になりますので、優秀な人材を確保し、育成するとともに、これまで以上に特色のある教育を展開し、将来の熊本市を担う子供たちの育成に努めてまいりたいと考えております。
次に、3点目の学校支援地域本部の今後の考え方についてでございますが、学校支援地域本部事業は、学校、家庭、地域が一体となりまして地域ぐるみで子供たちを育てる体制を整えることを目的に、学校の教育活動を支援し、地域、住民の学校支援ボランティアなどへの参加を地域住民がコーディネートするものでございます。本市では、学校における地域ボランティア活動活性化のきっかけづくりとなりますよう、平成20年度から22年度まで、国のモデル事業といたしまして2つの中学校区で実施したところでございます。
この校区におきましては、ボランティアの登録数や延べ活動数が増加するなど、活発な活動が展開され、その活動により学校と地域の連携協力が充実し、さらには地域コミュニティが広がったところでございます。
そこで、モデル事業終了後に、経費補助がなくなった状況での地域での協力体制や、コーディネーターのあり方など、活動継続の方策につきまして検証を行う必要があると考えまして、今年度の実施を見送ったところでございます。教育委員会といたしましては、その検証結果をもとに次年度以降の取り組みについて検討してまいりたいと考えております。
最後に、教育基本条例についてでございますが、平成18年の改正教育基本法におきまして、地方公共団体は、地域の実情に応じた教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるよう努めることが規定されました。本市におきましても、本年2月、熊本市教育振興基本計画を策定いたしまして、現在この計画に基づき、先ほど申し上げました徳・知・体の調和のとれた人づくりに地域全体で取り組み、教育都市熊本の実現に向けましたさまざまな施策の展開に取り組み始めたところでございます。
議員お尋ねの教育基本条例につきましては、全国の自治体の中では、現在福岡県嘉麻市におきまして制定されているところであり、議論がなされている都市もございます。本市といたしましては、教育振興基本計画の取り組みが緒についたところでございますので、まずは計画の着実な推進を図りながら、教育基本条例に関する他都市の動向を注視してまいりたいと考えております。
〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員 まさに教育は百年の計、子は国の宝であります。そして、その子供たちが私たちもかかわる未来をつくり、支えていってくれるわけであります。ぜひ、きめの細かな政策、対応を心からお願いをしたいと思います。
それでは、次の
観光文化交流局創設後の文化行政についてお尋ねをしていきたいと存じます。
文化の薫り豊かな都市像とはと銘打っておりますけれども、先般、地元紙でも取り上げられておりましたけれども、もう4カ月ほど前になりますので、なかなか覚えていないという方もいらっしゃるかもしれませんが、
観光文化交流局というものができることによって文化財の観光活用へは期待はあるけれども、その保護には不安があると、熊本市が文化財課を市長部局にしたというところで、これでいいのかと、全国のあり方としてはやはり、文化財を守る文化財課と観光振興を図る観光振興課というようなものは相入れてはいけないのではないかというような論旨でございました。
これを踏まえた上で、熊本市の今回の取り組み、
観光文化交流局創設に当たりましてこの懸念をどう払拭されるのか、ここに対しまして、観光に文化というものは相入れないとは思いませんけれども、反する部分も出てくるというのも事実だと思います。市長の答弁を求めたいと思います。
また、東アジア戦略での歴史文化的、人的交流についてでありますけれども、実はことしは2011年でありますので、中国の辛亥革命、これからちょうど100年であります。アジアで最初の共和国、中華民国を誕生させた孫文と深い友情で結ばれ、その運動を物心ともに応援した荒尾出身の宮崎滔天兄弟らの献身的な業績に触れてみたいと存じます。
孫文は、
清朝への武装蜂起に失敗した後、日本へ亡命していた1897年と、革命成就後の1913年、大正2年3月、梅のころに宮崎を訪問しております。この辺のいきさつというのは、おととい地元紙の両開きの特集で組まれておりますので、ごらんになった方も多いかと思います。
孫文は、中国では中華人民共和国の方々、また台湾の中華民国というような方々も含めまして、国の父、国父として尊敬をされている現在であります。
その孫文、宮崎兄弟ともに、熊本市とも少なからぬ縁がございます。済々黌で講演も行っておりますし、それに際しまして中国の特に今回、熊本市が東アジア戦略で事務所を設けております上海に孫文記念館もございますけれども、そちらの方から中国のテレビ局等も取材に来ていたりしているようです。県の方との連携というものもとられるやに聞いておりますが、この孫文と熊本の縁というもの、今、日中間の国家レベルでは領土問題等がございますけれども、こういうときだからこそ、人的交流、また文化的交流というものが重要になってくるのではないでしょうか。この熊本市の東アジア戦略におけます戦略の一つといたしまして、中国の国父とも言われる孫文と、熊本市の関係というものを生かしていかれるおつもりはないか、お尋ねをしたいと存じます。
また、この熊本といいますのは、ほかにもありがたいお話をいただいているのも事実であります。福岡の総領事館、そこにいらっしゃるアモイ市出身の領事の方が熊本の方と交流を持たれて、九州からでさえ350万以上の人口があるアモイ市との人的交流、物的交流、経済的交流がほとんどないと、ぜひやりませんかというお声かけがあっているようです。
そして、熊本市の職員さんもことしの6月に上海事務所の方に、11月の設立に向けて現地にも向かわれております。そういう中で、ぜひこのアモイ市との交流というのも考えていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。市長の答弁を求めます。
〔幸山政史市長 登壇〕
◎幸山政史 市長 それでは、私の方から観光と文化の整合性と、それから2点目のことにつきましても私の方から答弁をさせていただきたいと存じます。
まず、1点目の観光と文化を同一組織で取り組むことについてでございますが、御承知のとおり本市には熊本城を初めといたしまして、午前中の答弁でも申し上げましたが全国に誇る歴史的遺産が数多くございまして、また邦楽や茶道、華道などといった多くの伝統文化も引き継がれてきたところであり、この貴重な文化財を大切に守っていかなければならないことは申すまでもございません。
また、一方におきましては、多くの市民の皆様方や観光客の皆様がそれらの価値や歴史的意義などを知っていただいて、そして関心を持っていただけるような活用を図るということも一方においては重要でございまして、保存と活用を一体的に進め、この歴史ある熊本市の魅力をまちづくりに役立てていきたいと考えました。
本市におきましては、これまでも本市最大の歴史的遺産であり、また観光資源であります熊本城におきまして、石垣など遺構の保存や本丸御殿の復元整備とともに、四季折々のお城まつりなど、にぎわい創出の催事を実施いたまして、利活用も一体的に進め、大きな成果も上げてきたところであります。
しかしながら、先ほど御紹介もありましたように、一方におきましては、文化財保護がおろそかになるのではないかといった懸念があることも十分承知いたしております。そういう声に対しましても、しっかりと耳を傾けまして、今後も文化財の保護というものを前提といたしまして、その上でできる限りの活用を図りますために、観光と文化に係る施策を
観光文化交流局で一体的に進め、歴史と文化を生かしたにぎわいと活気ある都市づくりにつなげてまいりたいと考えております。
続きまして、先ほど紹介がございましたような国父、中国革命の父、孫文と、それから熊本出身の宮崎滔天には深いつながりがございまして、この史実を生かして東アジア戦略の拠点である中国において熊本の認知度を高めていくということを有効な手段であると考えております。折しも、本年度は辛亥革命から100年目に当たりまして、中国の国内でもテレビでの記念番組や映画制作などの動きもございます。
このような中、中国のテレビ局が昨年度、これを記念したドキュメンタリー撮影のために来日した際には、熊本県と連携し、2人が訪れたと言われる熊本城や、先ほど御紹介もございました済々黌高校などでの撮影に協力いたしまして、本市をアピールさせていただいたところであります。また、昨年から本市で受け入れております上海の復旦大学の学生を対象とした研修プログラムでは、荒尾市にある宮崎兄弟資料館の見学など実施をいたしておりますが、今後も中国からのツアーや修学旅行でも見学先として行程に組み込んでもらうほか、熊本市民に対しましても周知に努めていきたいと考えております。
さらには、このような史実について上海事務所の本年度の開設を契機といたしまして、上海の孫文記念館を初め、中国のさまざまなメディアに取り上げていただくように、本市駐在員を介し働きかけを行っていきたいと考えております。今後とも、このような歴史、文化、人的なつながりを生かし、アジア地域との間でさまざまな交流を進めてまいりたいと考えております。
続きまして、中国における上海市以外との戦略的な交流についてでございますけれども、人口規模が大きく、市場の獲得や観光客の誘致、あるいは学術や環境面での交流、連携などが見込まれる都市を対象に進めているところであります。
そうした中で、先ほど御紹介もございましたアモイ市でございますが、人口が353万人で、機械、食品加工、観光産業などによりまして経済発展が著しく、富裕層も多いと伺っております。同市では、本年9月開催予定の国際投資貿易商談会があるようでございますが、まずはそこで本市の観光プロモーションを行いまして、その中で今後の経済交流の可能性や進め方などにつきまして検討してまいりたいと考えております。
〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員 観光と文化の整合性をしっかり図って、この
観光文化交流局を進めていきたいというお考えでありました。文化財に関する部門が移ったとはいえ、文化関係というものが教育委員会から全くなくなるというわけではございません。ぜひ、その辺の認識もしっかり新たに、教育長にもしていただきたいところでございます。また、もちろん、
観光文化交流局長に対しましてもお願いしておきたいところです。
そして、孫文、宮崎滔天兄弟、これを生かさない手はございません。今月取り上げられた地元紙のお話もいたしましたけれども、来月からはこの宮崎滔天、孫文のことも含めまして特集が組まれる、連載がされるようですので、そちらもぜひ、皆さん初め、市民の方々にも興味を持っていただきたいと思っております。
また、アモイ市に関しまして、非常に可能性のあることだと思います。香港というのも事務所の候補だったと思います。そこに行くちょうど途中でもありますので、情報収集の意味でも積極的にアモイ市の方々と親交を深めて経済交流まで進めていただきたいと思っております。
それでは、最後の2つに取り組んでいきたいと思います。
市民、観光客参加型のイベント、水前寺まつり、去年の12月6日、7日に水前寺まつりがございました。私も父と母の里が周辺ということもありまして、前から取り組ませていただいておりますけれども、何とか合格点であったのかなと思っております。そういう意味でもことしが大事であるという中で、ルネサンスの方々が実行委員をされており、やりとりをさせていただいておりますが、まだ、今の時点で日程を含めまして細かいことが決まっていないという状況であります。ぜひ熊本市としましても、古今伝授之間の修復に際しましてもかかわっておりますので、積極的なかかわりというものをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
また、
熊本城マラソン、私も1年以上前の質問、その前の質問でも触れておりますけれども、熊本シティマラソンをという形で取り組んでまいりました。このシティマラソンというのは、非常にいろいろな可能性を秘めている。熊本市を内外に周知する、熊本市民にも知っていただく機会である。熊本城はもちろんのこと、熊本城周辺にも子飼橋のわきから移った刑部邸もあれば、さまざまな史跡もございます。そして、先ほども触れましたけれども、水前寺成趣園があり、そこと水でつながっている江津湖があり、江津湖のほとりには、昔はよく水辺動物園と言っておりましたが、動植物園もあり、足を延ばせば竜馬も来た四時軒もあると、またジェーンズ邸がその合間にあったり、さまざまな史跡が熊本市にあります。
こういうものを一体として紹介する機会として、私は熊本シティマラソンを提唱したつもりです。東京マラソンが一つのモデルにはなっておりました。あの東京で、東京全体を巻き込んでのマラソンができるんですから、熊本市ができないはずがないと思い、まずは熊日30キロロードレースからという形で提唱をいたしましたら、それを取り上げていただいて実現して、フルマラソンにまで至ってよかったなと思っているんですが、今回、西南部を中心としたコース設定がされております。これもいろいろないきさつ、わからないんではないんですけれども、私はやはり熊本市民はもちろんのこと、観光客、マラソンツーリズムという言葉もございます。いらっしゃる方々に熊本市を知っていただく意味でも、熊本市全体で行って、その日はノーマイカーデー、そしてこの日は熊本市民が健康を考える日なんだという形にして、県警さんが危惧をされているような渋滞問題も払拭していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
また、最後に、市博物館のあり方についてお尋ねをいたします。
新幹線の全線開業や政令指定都市の実現を契機として、熊本市はさまざまな役割がふえてくると言わざるを得ないと思います。そういう中で、熊本市の博物館は、決して他都市と比べて充実しているとは言いがたい。先般の地元紙の報道でも、プラネタリウムが人気があるというのは出ておりましたけれども、これだけでは心もとない。また、床面積一つとってみましても、6,100ちょっとの熊本市に対しまして、北九州市、福岡市は1万6,000以上のともすると3倍近い床面積を持っていて、福岡はプラスアルファ県の博物館を持っている状態であります。熊本と静岡しか、県の博物館がないというところはないわけでありますけれども、こういう状態でいいのかと私は強い懸念を持っております。このことに対しまして、教育長の答弁を求めます。先に対しましては、
観光文化交流局長、よろしくお願いいたします。
〔
坂本純観光文化交流局長 登壇〕
◎坂本純
観光文化交流局長 ただいまのお尋ねの2点について、水前寺まつりと
熊本城マラソンについてお答えいたします。
まず、水前寺成趣園の活性化に向けた取り組みについてでありますが、水前寺成趣園は、本市の貴重な文化遺産として熊本城と並ぶ重要な観光資源であります。このようなことから、観光パンフレットやホームページでの情報提供はもとより、情緒あふれる名所を観光ボランティアが案内するくまもとさるくのコースにも組み込むなど、観光誘致に努めているところであります。
また、来る7月2日には、日本将棋連盟主催による第82期棋聖戦が園内の古今伝授之間で開催され、インターネットを通じて将棋の対戦とともに、成趣園の魅力も紹介することとなっております。本市も積極的に開催支援を行っているところであります。このような取り組みのほか、水前寺成趣園との連携協力のもと、観光客増加につながる取り組みについて検討してまいります。
次に、水前寺まつりについてでありますが、現在のところその具体的な内容は今後決めていかれるとのことで、この祭りを地元主体の祭りとするため、地域の方々を含め関係者の間でその実施主体のあり方など、協議が進められていると伺っております。
本市といたしましては、水前寺まつりが今後も民間団体や地域が主体となり、地域に根づいた祭りとしてにぎわい、地域の活性化につながることは大変望ましいと考えております。実行委員会と地元の協議状況を踏まえながら、本市としてのかかわり方やどのような協力ができるかを検討してまいりたいと考えております。
次に、
熊本城マラソンについてお答えいたします。
熊本城マラソンは、平成24年4月の
政令指定都市移行を記念して、第1回大会を来年2月19日に開催する予定でございます。本大会は、熊本市のすばらしい歴史や文化など、まちの魅力を全国にアピールするとともに、にぎわい創出とスポーツの振興を図ることを大会コンセプトとして実施するものでございます。
コース設定に当たりましては、熊本城を中心として本市の豊かな自然や、城下町の風情が残る町並みなどをめぐり、熊本市らしさをアピールできるコースにしたいと考えております。具体的なコース案といたしましては、熊本城を背景に通町筋をスタートし、九品寺交差点、流通団地、九州新幹線が通る西南部方面を走り抜け、川尻から古町、新町地区などの城下町をめぐり、お城をフィニッシュとする全国に類を見ないコースを検討しております。
議員御提案の水前寺公園を初め、江津湖周辺などを通るコースにつきましては、魅力あるコースの一つと認識しております。しかしながら、このコースには電車通りや国道3号などの主要幹線道路の長時間にわたる交通規制や、迂回路の確保、地域住民等の合意形成など、課題も多いと考えております。なお、参加者数につきましては、現在フルマラソンが9,000人、30キロロードレースが100人から150人、5キロ程度のコースが1,000人程度で、合計で約1万人を予定しております。
本大会は、第1回の大会であり、多くの人に参加していただきたいと考えておりますが、各コースの参加者数につきましては、安全面の確保や交通規制の時間等を考慮しながら柔軟に対応してまいりたいと考えております。
この第1回
熊本城マラソンにつきましては、参加されるランナーの皆さんはもちろんのこと、コース沿線の住民の皆様や事業者の皆様、それからボランティアの皆様や協賛をいただく企業の皆様など、多くの方々の御協力を得て大成功に導きたいと思っております。紫垣議員を初め、市議会議員の皆様方から格別の御支援を賜りますよう、心からお願いを申し上げます。よろしくお願いします。
〔廣塚昌子教育長 登壇〕
◎廣塚昌子 教育長 私からは、熊本博物館についてお答えいたします。
熊本博物館は、開館以来33年目を迎えておりまして、社会の変化や展示技術の向上に対応した新たな展開が求められておりますことから、昨年、リニューアル検討委員会を設置いたしまして、博物館のあり方やそれを踏まえました展示内容、展示環境等について御検討いただき、本年3月にその結果を御報告いただいたところでございます。
その内容といたしましては、全体構想といたしまして、現在の8分野の総合博物館として整備すること、ソフト面といたしましては、常設展の充実や魅力ある特別展、企画展の開催など、また、ハード面といたしましては、現在のスペースの有効活用のための工夫や資料劣化防止に十分配慮した展示環境の整備などが示されております。
さらに、リニューアルは現在の博物館を大前提としたものでございまして、県を代表する総合博物館とするには、熊本の博物館が将来どうあるべきかという議論を熊本県も交えて始めることの提案もなされております。この報告を受けまして、今年度、新たに外部委員からなる策定委員会で御検討いただきながら基本構想、基本計画を策定することとしておりますが、策定に当たりましては、今回の報告を尊重することはもとより、県の関係部署からも策定委員の一員として御参加いただき、意見もいただきながら進めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、リニューアルされた熊本博物館を訪れた子供たちが、熊本に誇りと愛着を抱いてくれるような魅力ある博物館となるよう努めてまいりたいと考えております。
〔21番 紫垣正仁議員 登壇〕
◆紫垣正仁 議員 水前寺まつり、まだまだ足腰が弱いという実行委員会、またボランティアの状況もあります。ぜひそれを支えていただいて、熊本市も水前寺成趣園の可能性というものはしっかりと認識していると思います。御助力をお願いしたい。そして熊本市の財産として、しっかりと管理も含めて携わっていかなければならないというふうに思っております。
また、
熊本城マラソン、私はコースの設定に関しまして、やはりベースは熊本市全体を選択肢として考えるべきだというふうに思いますけれども、この議論はまた所管の委員会で深めさせいただきたいと思っております。
また、最後の博物館に関しましては、財政的な問題で当初の計画、第2次計画が棚上げされている間に福岡、北九州の後塵を拝した形でありますけれども、このリニューアル検討委員会もございます。リニューアル、ステップ、ジャンプというような形で、県の博物館構想というのも凍結されています。博物館に所蔵できるようなものは保管をされておりますので、ぜひそのあたりのものに対して有効活用というのも含めて検討に入っていただいて、今後の博物館のあり方についてしっかりと議論をしていただきたいというふうに思います。
こう考えてまいりますと、熊本市、いろいろな諸問題がございますけれども、いろいろな財産があると思います。可能性もある、そういう中で、特に熊本市の中心には熊本城があり、文化財、文化施設も多いという状況です。今、世界的にも言われておりますし、日本の中でも政令市と言われているところは、創造都市というような理念、概念を掲げてそのまちづくりを行っているところがふえてきております。金沢市もそうですけれども、政令市のほとんどのところがそういう取り組みをされております。社会のインフラはコンクリートやアスファルトではない、文化であるということをこの創造都市という議論の中心に据えているようです。イタリアのボローニャやスペインのバルセロナ、フランスのボルドーやリヨンというところをちょっと思い浮かべてみても、何か魅力ある都市だなというふうに映ると思います。こういう都市に負けないような熊本づくりというのを、熊本市を中心として行っていくべきだと思います。また、それができると私は強く信じております。
その先頭に立って汗をかくこともお約束しながら、結びに移りたいと存じます。
今回、5回目の質問をさせていただきました。非常に自分といたしましてはしんがりということで、どこまで用意すればいいのかというところで苦慮したところもございましたけれども、きょうは一日の中で最も太陽が輝き続ける、4年前もそうでしたが夏至です。あのドイツの詩人である芸術家のゲーテの、もっと光をではありませんが、私たち熊本市民の将来と22世紀、いや、我が愛する熊本の30世紀に至る未来まで、光り輝き続けることを強く思いながら結びといたしますと、4年前は申しましたが、天からの、もっと結果を、もっと成果を市民のためにという声が聞こえてきそうでなりません。
改めて世阿弥の花鏡の言葉である、初心忘るべからずの精神で精進し、市民の負託にこたえていくことをお誓い申し上げ、私の今回の質問を終了させていただきます。御清聴、まことにありがとうございました。(拍手)
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○田尻将博 副議長 本日の日程は、これをもって終了いたしました。
この際お諮りいたします。
明23日から6月30日まで8日間は、委員会開催並びに休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○田尻将博 副議長 御異議なしと認めます。
よって、明23日から6月30日まで8日間は休会することに決定いたしました。
次会は7月1日(金曜日)定刻に開きます。
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○田尻将博 副議長 では、本日はこれをもって散会いたします。
午後 4時01分 散会
〇本日の会議に付した事件
一、議事日程のとおり