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平成22年第 1回定例会−03月08日-03号
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  1. 熊本市議会 2010-03-08
    平成22年第 1回定例会−03月08日-03号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    平成22年第 1回定例会−03月08日-03号平成22年第 1回定例会   平成22年3月8日(月曜) ┌──────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第3号                          │ │ 平成22年3月8日(月曜)午前10時開議                 │ │ 第  1 質問                              │ └──────────────────────────────────────┘                              午前10時01分 開議 ○坂田誠二 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ───────────────────────────────── ○坂田誠二 議長  日程に入るに先立ちまして御報告いたします。  市長より、「平成21年度熊本市一般会計補正予算修正に伴う係数処理について」送付を受けましたので、お手元に配付いたしておきました。  これにより御承知願います。       ───────────────────────────────── ○坂田誠二 議長  日程第1「質問」を行います。  順次発言を許します。税所史熙議員。          〔41番 税所史熙議員 登壇 拍手〕 ◆税所史熙 議員  おはようございます。自由民主党熊本市議団の税所史熙でございます。平成22年第1回定例会に、この税所に最初の質問の機会を与えていただきました先輩議員並びに同僚議員に深く感謝し、御礼を申し上げます。  さて、自由民主党熊本市議団は、すべての熊本市民の人格の尊厳と基本的人権を尊重する真の自由主義・民主主義集団であります。これまで先人たちが築き上げてきた熊本の伝統と文化をとうとび、これらを大切にし、熊本の発展を目指しておりますとともに、市政は市民のものとの信念と、市民の幅広い支持に立つ市民政党である理念のもと、市民の負託にこたえる集団であります。その理念に沿い、質問通告に従いまして質問をしてまいりますので、幸山市長初め執行部の明快なる答弁をよろしくお願いをいたします。
     さて、昨年9月、歴史的な政権交代がなされました。民主党は政権成立後、国民との契約だということを大義名分に、マニフェストに基づき政策を進めようとしていますが、マニフェストどころか政治と金の問題ばかりで、国民は少々うんざりしているのではないでしょうか。また、これまで自公政権が進めてきた政策方針を大きく転換した部分も多く、地方自治体もその対応に戸惑いを隠せない状況にあります。  このような中、来年度予算の編成に当たって導入されました事業仕分けは、予算編成の協議過程が国民に公開されるなど評価される点もありましたが、一方で、地方においてこれまで長年にわたって国・県、地元経済界、住民などと協議、連携しながら進めてきた基盤整備などの方針が見直され、都市整備や市民生活に大きな支障を来す事案が数多く見られます。  また、これまで地方の主体性を尊重しながら進めてまいりました地方分権につきましても、地域主権へといかにも地方の主体性をより強調したかのような方針を打ち出されております。  ことしの夏には、国の出先機関の原則廃止や、国の補助金にかわる自治体への一括交付金の導入など、改革の具体的内容やスケジュールを盛り込んだ地域主権戦略大綱を策定予定とのことでありますが、国の来年度予算において新規国債発行額が過去最大になるなど、財源が厳しい中で自治体が望んでいる権限、財源が本当に移譲されるのか、大変疑問を感じているところであります。  さらに、地方の実情や課題を踏まえ、その解決のために国に対して行ってまいります要望活動につきましても、民主党幹事長室を経由する新たな陳情・要望システムがつくられております。しかし、幹事長室での選考により地方の声が国に届きにくい、あるいは、民主党議員がいない地方についてはさらにその傾向が強くなるなど、要望活動の平等性が損なわれかねないとの不満の声も上がっております。そのねらいは政治の権力を民主党に集中させる仕組みという見方もでき、地方の主体性が尊重されていくのか、甚だ疑問に思うところであります。  また、我が国の経済状況につきましても、これまで取り組まれてきた経済対策の効果が見えないばかりか、雇用情勢もなかなか好転せず、デフレスパイラルの状況にあるなど景気低迷が予想以上に続いているのが現状ではないでしょうか。  このような中、本市では平成23年3月には九州新幹線が全線開業しますとともに、今月23日には2町との合併が実現し、平成24年4月には全国で20番目の政令指定都市が実現する見込みであります。これからのまちづくりは本市の今後の百年の大計をなすと言っても過言ではなく、市長の市政運営の責任はこれまで以上に重くなると考えます。  私は、市長が市政運営の大きなかじ取りを行うに際し、市長の考え方や方針を具体的な形として着実に進めていくために最も大切なのは、実際に業務に携わる職員の資質向上ではないかと考えます。  しかしながら、これまでの市政運営を振り返りますと、2期7年半の間、職員の不祥事に対して幾度となく陳謝されておりますし、そのたびに対策をとられておりますが、職員の不祥事は後を絶たない状況であります。  昨年12月の市議会一般質問で、我が自民党の若武者、紫垣議員に対してリーダー論を自信満々に答えられ、「政治家は言葉が命。私に求められるものは、今後のまちづくりや一つ一つの事業の未来予想図を、心に響く言葉で伝え、市民が、職員が、地域に対する誇りや将来に対する挑戦に果敢に立ち向かっていけるようにすることである」と、やる気満々に、自信に満ちあふれた言葉で熊本の未来が開けたような答弁を伺いました。  また、合併政令指定都市になれば、市の規模が拡大するだけでなく、例えば、先日のマスコミ報道にもありました城南町の土地区画整理事業問題など多くの課題を抱えることが考えられ、その課題への対応や、それぞれの行政区の特性、特徴を生かしたまちづくりなど、これまでより複雑、多岐にわたる市政運営が求められることは事実であります。  市民から信頼される市役所の構築は政令指定都市移行に向けた執行体制の根幹をなすものであり、市長のリーダーシップをこれまで以上に発揮していただかなければならないと考えております。  一方、本市では、過去の歴史を振り返ってみますと、十年一昔とは言うものの、ほぼ10年で大きな節目を迎えております。例えば、30年前、昭和56年には現庁舎が完成をし、その10年後の平成2年度の2月には、平成の大合併とも言うべき飽託4町と合併し、そしてさらに10年後、20世紀最後の年に当たる平成12年には、中心市街地の顔とも言える通町に再開発事業が着手され、そして、くしくもその10年後のことし、平成22年には、この3月に植木町、城南町との合併が行われ、政令指定都市移行への準備が本格的に進められることになります。  また、先ほど申し上げましたように、来年3月には多くの市民、県民が待ち望んでおりました九州新幹線の全線開業などを控えており、このように大きな転換期を迎える熊本市は、市民のニーズに的確にこたえられるような体制づくりを進めるとともに、九州中央の拠点都市として、熊本都市圏のみならず九州全体を牽引できるような都市間競争に負けない政令指定都市を目指さなければなりません。  しかし、先日の新聞に、熊本出身で関西経済同友会代表幹事であります中野健二郎氏から、関西人から見ると熊本市は都市として中途半端で変化していない町、現状のままでは新幹線開業後、通過都市になる可能性が高い、熊本の意識は目線が狭く、内向きの意識が強い、変化を好まず現状に甘んじている、その対応としては10年後を見据えた工程表をつくって取り組む必要があるという厳しい意見、提案がなされておりました。  確かに、九州新幹線の全線開業や政令指定都市の実現は、本市発展の大きな契機になる反面、ともすれば都市間競争に埋没するおそれを含んでおります。  そこで、これから10年後の熊本市の姿を見据え、どのような政令指定都市を目指そうとされているのか、その将来像について幸山市長のお考えをお伺いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、政令指定都市の将来像につきましてお答えをさせていただきたいと存じます。  現在、将来を見据えました政令指定都市ビジョンの策定に取り組んでいるところでございますけれども、この策定に当たりましては、これまで住民アンケートや経済界との意見交換、さらには、学識経験者や合併関係町の首長等への意見聴取も行ったところであります。  その市民の意見や、あるいはデータ分析によります本市の特性でございますが、日本三名城の一つ熊本城、あるいは100%の清らかな天然地下水、さらには、全国有数の生産額を誇る農水産物、そして、九州中央に位置する地理的優位性などが挙げられております。  このような本市固有の資源や都市の特性を踏まえまして、本市の目指す政令指定都市の姿を「九州ど真ん中! 日本一暮らしやすい政令市 くまもと〜水と緑と歴史が息づき 未来へ挑戦する交流拠点都市〜」と掲げたところであります。  そこで、市固有の資源でもあります歴史と文化が息づく城下町、緑豊かな日本一の地下水都市、食の恵みを満喫できる都市を初め、教育・医療環境などの特徴を市民共通の誇りとして、政令指定都市移行による効果を最大に生かして、福祉や交通環境などの充実を図り、さらに安全・安心の暮らしやすいまちづくりを進めたい考えております。  さらには、九州中央に位置し、これまでも国の行政機関の集積や交通の要衝として発展をしてまいりました歴史を本市の誇りとし、九州新幹線の全線開業や広域交通網の整備によりまして九州各都市との連携強化にも取り組み、九州の一体的発展に貢献いたしますとともに、さらには東アジアとの交流を強化いたしますことで海外の情報収集や本市の魅力の発信に積極的に取り組み、交流人口の増加や相互理解を深め、東アジアとともに発展する交流拠点都市を目指してまいりたいと考えております。  今後、新規または拡充して取り組みます施策などを盛り込みました政令指定都市ビジョンを7月ごろまでには策定し、政令指定都市の姿やまちづくりの方向性につきまして、市民の皆様方との共通認識を持ち、そして、先ほど御指摘もございましたけれども、信頼される市政の構築にもこれまで以上に取り組ませていただきます中で、日本一暮らしやすい政令指定都市づくりを進めてまいりたいと考えております。          〔41番 税所史熙議員 登壇〕 ◆税所史熙 議員  ありがとうございました。ただいま幸山市長から政令指定都市移行後の将来像をお聞きし、熊本市の将来に明るい展望が開けたような気がします。  合併に伴い魅力ある資源がふえ、それに九州新幹線政令指定都市効果が加わることで、本市発展のための基盤はさらに充実することになります。あとは市長の手腕にかかっております。行政組織が拡大する中で、いかに職員や組織をまとめ上げ、九州に位置する政令指定都市熊本の存在意義を示していかれるのか、市民は大変な関心を持っております。  幸山市長には、市民からのこのような声に十分こたえていただきますことを期待いたしまして、次の質問に入らせていただきます。  次に、次期市長選に対する幸山市長の思いをお伺いしたいと存じます。  幸山市長は、平成14年の市長選で初当選されて以来今日まで7年半が経過し、あと半年余りで市長就任2期目が終了することになります。  市長就任当時は、緊張感を持って公の場で大いに議論をするという姿勢で議会と取り組まれました。しかし、これも本市発展という目的、思いがあってのことであり、市長も我が党も目的は同じでありました。  例えば、一つの例を挙げれば、政令指定都市移行という大きな目的に向かって市長と我が党はそれぞれの立場で近隣市町村との連携強化に取り組み、その結果、一昨年の富合町、そして、この3月には植木町、城南町との合併が実現し、我が党が望んでおりました政令指定都市への移行がいよいよ現実のものになったのであります。  しかし、本市の厳しい財政状況や合併効果がわからないといった反対意見があり、近隣町との合併が実現せず、政令指定都市移行が遠のいた時期もありました。  そこで、幸山市長は財政健全化に取り組み、また、熊本都市圏ビジョンの策定を通して近隣市町村との連携強化を図られるなど地道な対応をされてこられた結果、政令指定都市移行という本市の将来に明るい展望を開かれたことに対しましては、大いに評価をしたいと思います。  また、1期目は、前市長のやり残した事業、例えば、世界女性スポーツ会議、本丸御殿の復元整備等々一生懸命に取り組み、その傍ら本市の自治の最高規範として、議会、市民などの意見を取り入れて策定されました自治基本条例の制定、さらには、市民の交通の利便性を向上させるためのバス路線網の整備や、にぎわいを創出するための中心市街地活性化基本計画の策定等に積極的に取り組まれるなど、多くの実績を残しておられます。  第6次総合計画にあります本市の目指すまちの姿である「湧々(わくわく)都市くまもと」の実現に向けましても、市長と議会が市政運営の両輪となって、お互いが協力、理解をしていくことが必要ではないかと考えております。  先ほど申し上げました、今後は九州新幹線全線開業の効果を最大限に生かしたまちづくり政令指定都市移行後の新たな都市づくり、日本一住みやすい熊本市、世界が注目する都市づくりを進めることになり、これまで以上に責任と期待がかかることになります。  幸山市長は年末の記者会見の中で、次期市長選への出馬についてはこの春ごろ判断する考えを示し、任期を超えた問題についても、先を見据えてしっかりやることが使命と発言されておられましたが、改めまして3期目の市長選出馬について幸山市長の考えをお伺いしたいと存じます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、3期目の市長選に対する考えについてのお尋ねでございますので、お答えをさせていただきたいと存じます。  先ほどは、これまでの2期、7年半、正確には7年4カ月ということでございますけれども、その御紹介もいただいたところであります。  私自身、平成14年12月3日がスタートの日であったわけであり、もう7年4カ月前のことになりますけれども、ついきのうのことのように思い出される日でもございます。そうした中で、ただいまこの7年半余りの取り組みにつきまして御紹介をしていただいたところでありますけれども、その取り組みに対しまして一定の評価をいただきましたことに対しましては、大変ありがたく、心から感謝を申し上げる次第でございます。  この7年4カ月の取り組みの中で、特に、ただいま御紹介もございましたけれども、合併政令指定都市の実現に向けましては、就任直後からの大きな課題でもございまして、この間、紆余曲折を経ながらも、ようやくここまでたどり着くことができました。議会の皆様方を初めといたしまして、多くの皆様方の御協力によりまして今日を迎えておりまして、このことに対しましても皆様方に対しまして深く感謝を申し上げたいと存じます。  こうした議会の皆様方を初め、これまで御協力をいただきました多くの皆様方の期待にこたえますためにも、今は今月23日の新市としてのスタートの準備に万全を期しますとともに、来春に迫りました新幹線開業や、あるいは、政令市移行に向けました準備にも全力で取り組ませていただいているところであります。  そこで、3期目に向けました現在の心境についてでございますが、約73万人の新熊本市としてのスタートとともに、さらなるチャレンジを目指しております本市のかじ取りにつきまして、引き続き担わせていただきたいとの強い思いを持っております。  しかしながら、現在は、先ほども申し上げましたように、2町との合併を目前に控え、また、2期目の最終年度にも当たります新年度予算の審議の真っ最中でもございます。そして、政令市移行に関しましても、特に市民の皆様方の関心が高い区制の問題が審議中でもございますことから、こうした当面の課題に対しまして全力で取り組むことが重要であると考えております。こうした課題が整理をされ、そして、2期目の4年間がある程度見通せました段階におきまして、改めまして、これまでを振り返る時間を持たせていただきたいと考えております。  そして、この2期8年間の中でできたこと、あるいはやり残したことを整理させていただきまして、先ほどは、政令市ビジョンにつきましても答弁をさせていただいたところではありますが、さらに、次の4年間で熊本市にとって必要なことは何かというものを十分に考えさせていただきまして、できるだけ早い時期にみずからの考えを示したいと考えております。  とにかく今は、先ほど申し上げました課題に対する対応を含めまして、残されました任期を引き続き全力で取り組んでまいる所存でございますので、皆様方の御協力を何とぞよろしくお願い申し上げます。          〔41番 税所史熙議員 登壇〕 ◆税所史熙 議員  幸山市長らしく、大変慎重な答弁でございました。全体の話から想像する限りでは、3選出馬の可能性が大きいと受け取りました。過去の実績、過去の取り組みを整理して近いうちに考えを示すという答弁でございました。  そういうことを示されたときに恐らく示すのは、今はやりのマニフェストだろうと私は思いますが、その示された事案を精査しながら対応してまいりたいと思います。現政権の民主党のように、マニフェストをつくって、マニフェストみたいにならないことのないようにお願いしておきたいと思います。  次の質問に入らせていただきます。政令指定都市移行後の総合支所、市民センターの役割についてお尋ねいたします。  政令指定都市になれば、市民に対する行政サービスの提供は実質各区役所が担うことになります  幸山市長は大区役所制を目指すと言われておりますので、一定の権限や財源が区役所に与えられ、区役所みずからの判断で地域の実情に合わせた事業展開や、住民の要請に対して迅速な対応が可能になるものと期待をいたしております。  一方、現在の総合支所や市民センターは、住民票、戸籍、印鑑証明などの発行業務、まちづくりに関する情報提供や活動支援、あるいは公民館の運営を行うなど、地域住民の生活にとってなくてはならない地域の拠点となっており、現在も施設や機能の充実、並びに講座の拡充などを希望する市民も多くおられます。今後、区役所のあり方を検討する中で、これらの施設の役割についても検討されていくものと考えておりますが、市民サービスの維持向上を図るために、これまで同様の機能を存続させるべきではないかと考えております。  そこでお尋ねいたします。私は、政令指定都市移行に向けて、まずは総合支所、市民センターの位置づけを確立し、それから、行政区割り、区役所の位置について議論を交わしていくべきだと考えますが、総合支所、市民センターの位置づけについて企画財政局長にお尋ねいたします。  引き続き、政令指定都市移行後の区割り作業の進め方について要望をいたしておきます。  第6回の審議会において、第3の案についても審議会委員が提案するものであれば、俎上に乗せ議論するといったような審議の進め方を見ておりますと、何のコンセンサスもなく、ただ拙速に協議を行っているとしか考えられず、住民の皆さんの思いと随分かけ離れたものになっているようにしか見えません。  審議会が開催される前に、自民党、公明党共同で幸山市長、審議会会長あてに、拙速は避け、市民のコンセンサスを持って慎重に審議することを求める要望書を提出しておりました。  確かに、平成24年4月の政令指定都市移行までに準備を進めていかなければならないことは理解できますが、3月中に審議会の答申案を取りまとめることは大変無理があるように思えます。  また、住民説明会でもいろいろな意見が続出し、今も多くの市民に混乱を招いているのではないでしょうか。  政令指定都市を目指す熊本市の将来に禍根を残さないためにも拙速を避け、慎重に審議を進めてもらうよう強く要望しておきます。          〔續幸弘企画財政局長 登壇〕 ◎續幸弘 企画財政局長  政令指定都市移行後の総合支所、市民センターの機能につきましては、行政区画等審議会での論議や住民説明会パブリックコメントなどの中でも現状の業務内容の維持、または窓口サービスの向上を要望される意見が多かったところでございます。  そこで位置づけとしましては、総合支所、市民センターを出張所として存続させ、可能な限り市民の皆様に身近なサービスを提供できる区役所の出先機関となるよう考えてまいりたいと思っております。  また、現在、併設している公民館、児童館の管理運営等の業務につきましては、これまでどおり存続させていきたいと考えております。  市民の皆様に対しましては、これまでと同様に活用していただけますよう、迅速で決め細やかな行政サービスの提供に心がけてまいります。          〔41番 税所史熙議員 登壇〕 ◆税所史熙 議員  ありがとうございました。今お聞きし、市当局も総合支所、市民センターの重要性を十分認識されているということが理解できました。  しかし、高齢化が進む中、行政サービスを身近で受けられるようにすることは行政の基本であり、市民が安心して暮らせるまちづくりの第一歩であると思います。  どのような区割りになるか、今後の審議を見守りたいと思いますが、ぜひ、総合支所、市民センターの役割については、少なくとも現状を維持していただきますようお願いしておきます。  また、区割り作業の進め方につきましては、後で市民にしわ寄せが来ないよう、拙速な進め方だけはしないよう再度お願いしておきたいと思います。  次に、現在策定中の熊本市観光振興計画に関連して、観光に関する諸問題についてお尋ねいたします。  御案内のように、我々が待ち望んでおりました九州新幹線が、来年3月には全線開業の運びとなります。これに伴い日帰り圏が大阪などの関西地方にも及ぶこととなり、整備後の日帰り圏の交流可能人口は、整備前の約1.5倍、約2,250万人と飛躍的に拡大すると予測されております。  新幹線という高速大量輸送機関により、博多・熊本・鹿児島を結ぶ九州縦軸の都市間の時間距離が大幅に短縮し、まさに大交流時代とも言うべき競争と連携の時代を、今、熊本市は迎えようとしております。このような大交流時代は、観光はもちろん、本市の経済・ビジネス発展の絶好のチャンスであると同時に、一たん対応を誤れば都市間競争に埋没してしまうというおそれをはらんでおります。  熊本市の九州におけるプレゼンスを高め、九州中央における拠点性を向上させるためには経済の活性化がとりわけ重要であります。熊本ならではの資源、すなわち、熊本の歴史、文化、人材、知的資源、風土、産物などを生かし、地場企業の競争力の強化、観光振興等に取り組むことが絶対の条件であります。  特に、地域の関連産業へのすそ野が広く、直接・間接の経済波及効果や雇用拡大が即時に期待できる観光分野の対策強化が、急務の課題ではないかと考えます。  本市随一の観光名所である熊本城本丸御殿の効果もそう長く続くものではなく、注目を集めている間に次の一手が必要であります。  現在、熊本城桜の馬場に観光交流施設整備が行われておりますが、事業運営等を一歩間違えると、日本一の熊本城が死んでしまうおそれもあります。  鹿児島や大分、福岡では、官・民によるしっかりとした観光関連投資がなされておりますが、本市は、観光都市と言いながら、これまで必要な大規模投資がなかなか行われてきませんでした。これまでの反省を踏まえ、大交流時代を迎えた今こそ、熊本らしさ、きらりと光る熊本の個性をはぐくみ、情報発信、観光産業の活性化を図るため、他都市との競争と連携を見据えた思い切った投資が継続的に行われるよう、市当局のさらなる取り組みを大いに期待するものであります。  さて、観光とは光を観る、すなわち非日常のもの、そこでしか味わえないものをいかに提供するかが重要であります。熊本に来たら、熊本ならではのもの、歴史や食も大きな要素であり、伝統や文化・芸能もぜひ熊本に来て堪能していただきたいと思いますが、現状ではそのような場が大きく不足しております。  そこで、提案でありますが、中心市街地に熊本独特の芸能、肥後にわかや、能などを体験できる伝統芸能会館、(仮称)肥後にわか会館ができないでしょうか。あのすばらしい熊本弁のにわかが、現在では遠のいているような感じがいたします。山鹿の八千代座のような収容人員600人程度の施設で、肥後にわかがないときには地域のカラオケ愛好会、あるいはストリートミュージシャン大会など、利用者は非常に多いと思います。こういう施設の建設が実現すると、本市伝統文化の振興が都市圏の集客につながるという一石二鳥の効果が期待できると思います。経済振興局長に、伝統芸能会館の建設についてどのようにお考えか、お尋ねいたします。  次に、東アジア戦略についてお尋ねいたします。  現在、熊本市で策定中の東アジア戦略では、ターゲット都市を上海市、香港、桂林市、台北市、釜山広域市、ソウル市、そして、市長の提案理由説明の中で友好協力都市として協定締結の提案があっております蔚山広域市など、熊本市に近く、市場の獲得や観光客等の誘致、あるいは学術・環境面での交流連携が見込める都市として挙げられておられます。  しかし、残念なことにアシアナ航空が旅行客の低迷で熊本―ソウル線を6月から運休することを検討しており、熊本空港唯一の国際定期便が消えるおそれが出てきているという報道がなされました。私は、このような状況の中、東アジア戦略への影響が出ないものかと心配でなりません。  私は、昨年11月に熊本市・桂林市友好都市締結30周年を記念して派遣されました熊本市議会代表団の一員として、中国桂林市、上海市を訪れる機会をいただきました。  桂林市は国際観光都市として町もきれいに整備され、ハイスピードで発展していると感じを受けました。  そして、帰りに訪問した上海市は、GDPが中国全土の約22%を占めるなど、驚異的成長を続けております。  本年開催の上海万国博覧会を目前に控え、工事のつち音高く急ピッチで都市整備が進められており、まちは活気にあふれ、リーマンショックなどどこ吹く風といった状況でありました。  また、中国では年収1,000万円以上の高額所得者が数千万人いると言われており、台湾、韓国の成長に限界が見られる今、本市への観光誘客や農産物輸出先として最も有望な市場であると思います。  我が国が人口減少社会に転じ、国内で大きな市場獲得が余り期待できない中、本市が地理的優位性を有する上海市など東アジア地域の都市に向けて本市の魅力をアピールし、観光客誘致、輸出入や投資などのビジネス交流を積極的に進めていくことが、本市経済の発展に極めて有効な方策であります。  このような中熊本県では、ことしの秋、中国の南寧市に情報発信拠点となる広西・くまもとプラザを開設し、韓国忠清南道で同じく秋に開催される大百済典に出展計画があるなど、東アジア諸国との実利ある交流を本格化させる考えであります。また、熊本市も県とともに、来年日本で開催予定の日中韓首脳会議の熊本城本丸御殿開催に名乗りを上げられております。  一方で、具体的展開について上海に現地事務所を置く企業の方の御意見をお伺いしましたところ、すぐに経済効果につながるのは、観光誘致、果物など農畜産物の輸出等と思われるが、中国ビジネスは人的つながりを重視するので、現地事務所スタッフの存在が必須とのことでありました。そのため、東アジア諸国の経済観光情報の収集に努め、本市企業の進出や貿易、観光客の誘致などの役割を担う現地事務所の設置は必要不可欠であると考えており、昨年12月に幸山市長に提出をしました自民党の要望書の中でも海外事務所開設を掲げております。  また、東アジア諸国との交流において、真にお互いが信頼できる関係を構築するためには、ビジネスや観光分野だけではなく、将来を見据えた人材交流も大変重要であると考えます。幸い、本市にはすぐれた研究を行い、成果を出している大学が多数立地しております。既に東アジア諸国の大学と連携交流を図っている大学もあります。熊本市もこの連携を支援し、人材交流の促進に協力することで、熊本のすばらしさを海外に発信できるばかりか、東アジア諸国での経済活動、学術研究なども円滑に進めることが可能になるものと考えます。  そこで、東アジア諸国との交流について、現地事務所の設置を含め、どのような方針のもと取り組まれようとしているのか、また、この戦略を具体的に進めるための組織体制はどのように考えておられるのか、幸山市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  東アジア戦略につきまして何点かお尋ねがございましたので、順次お答えをさせていただきます。  ただいま御紹介もございましたが、熊本市東アジア戦略につきましては、昨年の12月に素案を策定いたしておりまして、その後、パブリックコメントを行い、現在、最終的な取りまとめを行っているといった段階でございます。  どのような方針のもと取り組まれようとしているのかとのお尋ねでございます。
     これまでの東アジア諸国と本市の交流でございますが、友好都市の桂林市や、歴史的にゆかりのある蔚山市を中心といたしまして積極的に進めてまいりましたほか、民間レベルでは、香港や上海市における食品産業を中心とした経済活動などを既に盛んに取り組まれている状況ではございます。  今後は、これまでの交流実績を生かしますとともに、東アジア戦略に掲げておりますとおり、熊本市の存在感を示し、東アジアから選ばれる都市になることを目標といたしまして、観光やビジネスの経済分野はもとより、本市の強みでもございます学術研究・高等教育機関の集積や、地球環境問題など、東アジア共通の新たな課題も踏まえまして、東アジア地域とのさらなる連携協力を深めていきたいと考えております。  このような方針をもとに、平成22年度は本戦略を推進しますための具体的な事業といたしまして、全市的に東アジアへの理解を深めるための催しでもあります「アジアンホリデーin熊本」の開催や、上海のテレビ局による熊本への旅番組の制作、さらには香港などでの商談会開催や国際食品見本市出展などを計画しているところであります。  また、先ほど御紹介もいただきましたが、先般、蒲島知事とともに国や政府に要望いたしました日中韓首脳会議等の熊本城本丸御殿での開催など、東アジアへの本市のアピールに大きくつながる取り組みにつきましても挑戦してまいりたいと考えております。  今後、このような取り組みの展開には、さまざまな関係機関とのネットワークづくりや海外での情報収集が大変重要であると考えておりまして、そのための海外活動の拠点につきまして、ただいま議員から御提案のありましたことも含めまして、新年度から検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、お尋ねの東アジア戦略を具体的に進めるための組織体制についてでございますが、東アジア戦略は、シティブランド戦略に続く本市の重要な都市戦略でもありまして、国の内外に向け、熊本市の魅力を情報発信し、存在感を高めていくためのシティブランド戦略と一体で取り組むことが効果的であると考えております。  そのようなことから、平成22年度からは現在の熊本ブランド推進室を拡充し、都市ブランド戦略と東アジア戦略の全庁的な企画調整及び推進を担当することになります組織を、新たに設置したいと考えております。  市議会におかれましても、さきの議会で東アジア諸国との活発な交流の促進に関する決議をいただいたところでもありまして、今後、市議会とも連携をさせていただきながら、全市を挙げましての東アジア戦略の展開に向けて取り組んでまいりたいと考えております。          〔谷口博通経済振興局長 登壇〕 ◎谷口博通 経済振興局長  私の方からは、観光問題に関連いたしまして、熊本の観光対策についてのお尋ねにお答え申し上げます。  本市特有の歴史や文化を生かした観光振興を図る上で、伝統芸能は重要な要素の一つでありまして、現在、熊本城の利活用や、お城のにぎわい創出の取り組みの中で伝統芸能を活用しているところであります。  昨年は、夜の本丸御殿を舞台にした秋夜の宴や、お城まつりステージイベントで伝統芸能を披露したところでありまして、ことしも早速4月から夜の本丸御殿での春の宴を開催し、伝統芸能を披露することといたしております。  現在策定中の、仮称でありますが、熊本市観光振興計画では、熊本市文化芸術振興指針の視点も取り入れまして、今後、関係部局とも連携し、伝統文化の観光活用に取り組んでまいりたいと考えております。  御提案の伝統芸能会館、(仮称)肥後にわか会館につきましても、観光客の皆様が本市の伝統芸能に触れる場の創出につきまして研究してまいりたいと考えております。          〔41番 税所史熙議員 登壇〕 ◆税所史熙 議員  ありがとうございました。  熊本には特有の伝統芸能がありますが、イベントや祭りのときだけではなく、日ごろから堪能できる施設がありません。確かに、建設、用地取得、管理などいろいろな課題はあろうかと思いますが、熊本には他都市に誇れる特有の伝統芸能があるにもかかわらず、それを堪能していただく施設がないというのは残念でなりません。  局長は研究するということでございますが、今後とも建設に向けて検討していただきますよう要望をしておきます。  また、東アジア戦略については、中国経済は昨年もGDP8.7%成長と依然高い伸びを示しており、地理的にも近いことから、本市にとって大変魅力的な存在であります。  さらに、福岡市などでは、企業はもちろん、行政もその経済効果を享受するために中国に事務所などを設置し、中国市場と福岡企業の橋渡しを行っております。  国内景気が低迷する中、この東アジア戦略は、我が会派としましても本市経済の活性化を図る上で最重要課題の一つであると考えております。  本市は、他都市にやや遅れた感がありますので、今後はこの戦略に基づき、まさに実利が得られますよう市長を先頭に具体的かつスピーディーに進めていただきたいと思います。  次に、環境問題に関して2点お尋ねいたします。  まず、低炭素社会づくりについてであります。  現在、熊本市が策定中の低炭素都市づくり戦略計画素案を見ますと、第1章の基本方針から第7章の推進体制、進行管理及び公表までまことにきめ細かく示されており、また、国の温室効果ガス削減目標を踏まえた本市の目標も掲げられております。  第4章では将来像と低炭素都市づくり戦略を、第5章ではアクションプラン80として、5年以内に具体化する戦略1から戦略4までさまざまな取り組みが示されております。  これらは行政だけでなく、市民一人一人が、また、企業すべてが理解し、協力し合わなければなりません。このことをこれからどのようにして啓蒙啓発していかれるのか、お尋ねしたいと思います。  次に、具体的な取り組みといたしまして、温室効果ガス削減策として公共施設の省エネルギー機器の導入についてお伺いをいたします。  現在、熊本市の公共施設には多くの照明機器が使われております。照明機器等の消費電力や二酸化炭素排出量だけでも相当に上るのではないでしょうか。そこで、公共施設の照明にLED照明を使用してはどうかという考えであります。  ことしは12校の学校施設に太陽光発電パネルが設置されます。これに最適なのがLED照明であります。LED照明の特徴は、消費電力が大変小さく、そして長寿命です。一灯当たりの単価を比較すればかなり高額ではありますが、使用期間が長くなるほどコスト削減効果は高くなり、二酸化炭素排出量も大幅に抑えることができます。現在、いろいろなタイプのLED照明が販売されておりますので、場所や目的に合った照明が選ぶこともできます。仮に、熊本市がすべての公共施設にLED照明を導入したら、年間相当の二酸化炭素削減に効果があり、経費削減にも貢献できるなど全国的にも注目されるのではないかと考えます。  また、熊本市が率先して取り組みを進め、効果を上げることで民間事業者への普及啓発にもつながってまいります。  自公政権の緊急経済対策では、商店街の街路灯1,000基分について補助がつき、現在、取り組み中と聞き及んでおります。  そこで、来年度以降、温室効果ガス削減に向けた対策の一環として、公共施設へのLED照明の設置につきましてどのように考えておられるのか、環境保全局長にお伺いいたします。          〔奥山康雄環境保全局長 登壇〕 ◎奥山康雄 環境保全局長  環境問題に関する2点のお尋ねについてお答えいたします。  議員御案内の熊本市低炭素都市づくり戦略計画は、本市を低炭素都市へと転換を図り、世界共通の喫緊の課題となっている地球温暖化問題に地域から貢献することを目的として策定を進めてきたものでございます。  そこで、1点目の本計画の実現に向け、市民、事業者、行政が協力し合い、一体となって取り組んでいくための今後の啓発と推進体制に関するお尋ねでございますが、本計画の推進に当たりましては、学識経験者や事業者、市民団体、公募委員等から構成する熊本市低炭素都市づくり戦略計画推進協議会を設置し、その中で本計画に係る温暖化対策の進捗状況の報告や評価などを行うとともに、情報の共有化を図りながら、さらには、行政はもとより市民や事業者の役割や取り組みを明確にし、全市民一丸となって本計画の着実な推進を図ってまいりたいと考えております。  次に、2点目のLEDの取り組みについてでございます。  この計画の取り組みの中で、エネルギーの効率的な利用として、公共施設へのLED照明の導入を初め、道路や公園の照明灯については、超寿命光源への切りかえなどを推進することといたしております。  また、環境保全に配慮した公共事業のあり方を示した本市の公共事業環境配慮指針におきましても、省エネルギーの推進を重点配慮事項としており、公共施設などへLED照明を含めた省エネルギー機器の導入に取り組んでおります。  このような中で、来年度は本庁舎への太陽光発電システムの導入にあわせ、14階のホールとロビーにLED照明の導入を計画しており、本議会へ予算案の計上を行っているところでございます。  今後におきましても、公共施設や道路、公園などへのLED照明を初めとした省エネルギー機器の導入などにつきましては、導入コストやランニングコストなどを十分に検討し、CO2の削減に向けた関係部局との連携のもとに導入に努めてまいりたいと考えております。          〔41番 税所史熙議員 登壇〕 ◆税所史熙 議員  ありがとうございました。環境の問題、大いに期待をしたいと思います。  このまま温室効果ガスがふえ続ければ、21世紀末には、地球の平均気温は最大で約6度上昇し、これに伴い海水面は最大で1メートル近く上昇するという予想もあり、そうなった場合には生命・環境に対する影響ははかり知れません。このような事態にならないよう、国はもとより市民レベルでの取り組みを進めなければなりません。本市でも具体的な目標を設定し、温室効果ガス削減に取り組まれるということですので、その中でぜひLED照明の設置につきまして、積極的に使用拡大をお願いしたいと思います。  次に、都市づくりに関して3点お尋ねいたします。  まず、本市の将来の都市づくりを見据えた中心市街地の整備についてであります。  長引く景気低迷により熊本経済は厳しい状況が続いており、これを打開し、にぎわいを取り戻すためには、魅力ある都市づくりが大変重要になると考えます。  まず、都市づくりの中心となる熊本市の中心市街地についてでありますが、中心市街地の拠点である通町地区と桜町地区は、ここ10年間で歩行者通行量が30%減少し、商品販売額も25%減少しておりますように、近年、そのにぎわいに陰りが出てきております。  特に、桜町・花畑地区一帯では、歩行者通行量がここ10年で半減し、その数はもう一方の拠点である通町地区の5分の1、百貨店の売上高も4分の1と、その格差は年々開く一方であります。2核3モールを中心に発展してきた熊本の中心市街地の形態を壊しかねない重大な問題となっております。  私は、平成15年の第4回定例会において、桜町・花畑地区の活力低下を指摘し、開発の必要性について訴えました。幸山市長からは、この地域のまちづくりについては関係機関と協議しながら検討を進めるという答弁をいただきましたが、今申し上げましたように、この地区の状況は悪くなる一方で、再整備は待ったなしの状況ではないでしょうか。  幸いに、この地区では、現在、産業文化会館を含む花畑地区と交通センター一帯の桜町地区で民間再開発が計画されており、市長もこれらの再開発に積極的な支援を表明され、私も大いに期待をしております。  先月26日には、花畑地区開発協議会が、花畑公園を挟んだ2区域に建設予定の複合ビル等の機能配置案を発表されました。  また、これらの再開発にあわせ、昨年にはこの周辺一帯のまちづくり計画が策定され、その中でシンボルロードを歩行者空間化する整備方針が示されております。このシンボルロードは、熊本城を眺望できる空間で、熊本城と中心商店街を、さらには2つの再開発地区をつなぐ重要な場所であり、中心市街地の活性化に欠かせないものであります。早急に、熊本の中心市街地にふさわしい、熊本ならではと感じさせる整備計画を作成し、実現していただきたいと願うものであります。  そこで、この地区の整備計画を作成するに当たって、私の構想を少し述べさせていただきます。  私は、以前から、産業文化会館から花畑別館まですべての建物を取り払って更地にし、シンボルロードから電車通りまで一体となる空間を創出し、札幌の大通り公園に匹敵するような熊本城大通り構想といいますか、このような夢を持っておりました。熊本駅から熊本の中心部に入ってくると、広い公園の先にお城が見える。公園には四季の花々が咲き、噴水は「水の都くまもと」を表現し、公園からお城にかけてつながる水路にはコイが泳いでいる。想像しただけでわくわくしてきませんか。市長、どうでしょうか。  残念ながら、この構想を実現させるには、ここに建っているビルの所有者や使用者等多くの方々に御理解いただき、協力してもらわなければならないし、また、多額の買収費用を要するため実現は厳しいと思いますので、私の夢といたしまして、次に、実現性のある提案を2つほどさせていただきます。  熊本市は、人口50万人以上の都市では全国唯一水道水源を100%地下水で賄う地下水都市であります。これを都市ブランドの一つとして、地下水を見る観光、触れる観光を内外に発信されてはいかがでしょうか。  熊本市イコール地下水都市をイメージされる方は、ほとんどおられないのではないでしょうか。シンボルロードに噴水など親水空間の設置を検討されているとお聞きしますが、これに関連して1つ目の提案として、地下水都市をアピールでき、湧水をイメージできる親水施設を設ける仕掛けをつくってはどうかと思います。  例えば、シンボルロードに清流をつくり、そこをコイが泳ぐ。「こい」違いではありますが、「恋の街札幌」ならぬ「鯉の街くまもと」を実現し、安らぎと潤いのある空間をつくり、また、四季折々に風情を感じさせるそんな仕掛けも必要ではないかと思いますが、どうでしょうか。  そこで、市長にお尋ねいたします。  先般行われました事業仕分けにより予算の20%削減が示される一方、景気低迷により中心市街地活性化基本計画の取り組みも出鼻をくじかれた格好となっており、民間の再開発事業の進捗も鈍っているようであります。現在の再開発事業の状況と熊本の顔にでもなろうとする桜町・花畑周辺一帯のまちづくりをどのように進めていかれるのか、市長のお考えをお聞かせください。  次に、政令指定都市を迎えるに当たり、本市都市マスタープランに位置づけられた地域拠点についてお尋ねいたします。  熊本市では、将来の都市計画に関する基本的な方針となります都市マスタープランが平成21年3月に改訂されております。  そのマスタープランでは、都市構造の将来像として豊かな水と緑、多様な都市サービスが支える活力ある多核連携型都市というものを掲げられており、中心市街地と13の地域拠点を位置づけ、これらが公共交通などの交通の軸で連携するような構造かと思います。  この都市マスタープランが示す方向性については、私も十分理解するところでありますが、重要なことはその方向性をいかに実現につないでいくかということであります。今後は、中心市街地を中心としたまちづくりが進められていくことになろうかと思いますが、都市マスタープランに示されております13の地域拠点についても、その拠点を中心に、今後、その地域をどのように導いていくかというグランドデザインを描くことが必要であります。そのグランドデザイン次第で本市の持続的な発展が左右されると言っても過言でないと思います。  地域では、それぞれの歴史と文化があります。  そこで、示されております13の地域拠点の現状について目を向けてみますと、十分機能を果たしているとは思えない状況でございます。  例えば、楠・武蔵ケ丘地区では、隣町にできました光の森の影響で、これら機能が光の森に吸収されていった感があります。  また、昔からの商店街であります川尻、子飼、健軍地区などでも空き店舗がふえているような現状であり、拠点性が高いとは言えない状況でありますし、今後もこのような状況が続けば、そこに暮らす方々、あるいは利用される方々の生活に多大な影響が出ることが予想されます。  それらの地区の方々も、ただ手をこまねいているわけではなく、懸命な努力をされておられます。  武蔵ケ丘では、光の森の影響などにより閉店に追い込まれましたムサシプラザを地元の熱意により一部再オープンされておりますし、川尻地区では、おけや刃物といった伝統文化並びに加勢川の舟運で栄えた歴史や史跡を生かしたまちづくりに以前から取り組まれております。特に、加勢川の河川改修により、細川藩政時代の物資の集散拠点である御蔵が復元したことから、ことしの5月15・16日にかけて御蔵サミットを開催され、新幹線全線開業後の熊本市南部の観光拠点を目指しておられます。  次に、東京のアメ横とよく比較されます子飼商店街でも、レトロ通り物産市の開催や、さまざまなイベントが開催され、近くの大学と連携した取り組みも行われているようであります。また、多くのお年寄りの日常生活を支えるばかりでなく、近年、熊本に来られている留学生の利用がふえているということで、大学が多いという本市の特性を今後も生かしていく上で、その活性化が望まれております。  健軍地区では、お年寄りの買い物をサポートするタクシー宅配事業や、空き店舗を活用したまちの駅の開設、また、サッカーJリーグ2部ロアッソ熊本のホームタウンとして応援する健軍商店街から試合会場までの無料シャトルバスの運行、さらに、ロアッソ熊本の運営会社であるアスリートクラブと協力し、今月には商店街の中にロアッソ熊本や商店街情報を発信できるタッチパネル式の情報端末を備えた大型画面モニターの設置も行われる予定と伺っております。  このように、各地区では危機感を持ってさまざまな取り組みをされておりますので、これらの取り組みを支援する観点から、実のあるグランドデザインにしなければならないと考えます。  そこで、政令指定都市に向けて早急なグランドデザインの策定が必要と考えておりますが、今後の策定予定についてどのように考えておられるのか、都市建設局長にお尋ねしたいと思います。  3つ目は、都市づくりの最後に、路面電車の東部方面延伸についてお尋ねいたします。  路面電車の東部方面への延伸については、議員各位、幾度となく取り上げてこられました。そして、市当局も平成15年度からさまざまな調査検討を重ね、有効な整備手法を絞り込まれております。平成21年度はランニングコストが賄えるとされる沼山津ルートについて、社会実験の実施を見据えた路面電車延伸の調査検討がなされておりました。そして、平成22年度には本格的な実現に向けた具体的な取り組みが進むものと大いに期待をしておりましたが、次のステップに入る気配がないように感じます。道路の拡幅、財源問題、交通渋滞等のいろいろな問題もあろうかとは思いますが、しかし、平成28年4月までに市営バスも廃止され、また、現在策定中の低炭素都市づくり戦略計画においても、戦略2の中に人と地球に優しい都市の構造、交通システムの転換、路面電車が走る住みやすく暮らしやすい城下町が掲げられております。  そこで、東部の住民に夢と希望を与える路面電車の東部延伸問題を今後どのように展開していかれるおつもりなのか、目標を含めて都市建設局長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  都市づくりにつきまして3点のお尋ねがございましたが、私の方からは将来を見据えた中心市街地の整備につきましてお答えをさせていただきます。  御案内のように、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業を1年後に控えまして、九州中央の交流拠点都市を目指します中で、中心市街地の新たな魅力創出とにぎわいづくりは必要不可欠でございます。そのためにも熊本城のにぎわいを一過性とせず、中心市街地への回遊性を高め、さらには熊本市全体のにぎわいづくりにつなげていくことが重要と考えており、桜町、花畑、2つの民間再開発は、中心部の活性化を図ります上で重要な事業であるととらえております。  一昨年来の経済状況の悪化によりまして、両再開発事業の進捗が滞っておりましたのは事実でございますが、両事業者とも地域の活性化に貢献したいという強い思いは変わっておられず、本市といたしましても積極的に支援をしてまいりたいと考えているところであります。  両再開発の進捗状況についてでございます。  まず、花畑地区におきましては、開発協議会において大枠の事業イメージが固まりつつありますことから、一定の前進が図られ、議員も御承知のとおり、先日は建築の設計者選定を公募型プロポーザル方式により実施する旨の公表をされたところでありまして、本年夏ごろの都市計画決定、平成25年度の完成を目指すとされております。  また、もう一方の桜町再開発におきましては、事業フレームの構築に向けまして、複合ビルの事業採算性や施設計画につきまして、鋭意検討を重ねられているところであります。  続きまして、桜町・花畑周辺一帯のまちづくりについてであります。  昨年7月に周辺地区を含みます桜町・花畑一帯の将来のまちづくりの指針となる計画を策定したところであります。この計画におきましては、まちづくりの方向性といたしまして、「楽しみ、憩い、交流できるまち」、「歴史・文化や水・緑があふれる潤いのまち」、「歩きたくなるわくわくしたまち」を掲げておりまして、お城とこの地区とをつなぐ通称シンボルロードの歩行者空間化を目指すとしたところであります。  この計画の実現化に向けまして、行政及び民間団体とが共通認識のもと連携をして、再開発に伴うシンボルロード等の整備検討協議会を立ち上げまして、シンボルロードと花畑・辛島の2つの公園のあり方を検討し、整備イメージ案を作成しているところであります。  ただいま議員からは、札幌大通り公園に匹敵するような整備構想や、あるいは地下水都市を象徴する「鯉の街くまもと」の実現など、大変夢のある構想をお聞かせいただいたところでありますが、この地区が九州中央の交流拠点都市にふさわしい魅力あるまちとなりますためには、2つの再開発の実現と、そして、その効果を高めるシンボルロードなどの魅力ある公共空間の整備は欠かせないものと認識をいたしております。  整備につきましては、再開発の進捗が前提ではございますが、議員御提案の四季折々の風情を感じさせる仕掛けや、親水施設につきましても、今後、計画を進めます中で検討させていただき、にぎわい創出はもとより、安らぎと潤いが調和した熊本ならではの空間の創出を目指してまいりたいと考えております。          〔高田晋都市建設局長 登壇〕 ◎高田晋 都市建設局長  私からは、地域拠点のグランドデザイン策定と路面電車の東部延伸についてお答え申し上げます。  まず、1点目の地域拠点のグランドデザインについてでございますが、本市では、政令指定都市や将来の高齢化社会を見据えた、本市の都市計画の基本的な方針となる第2次都市マスタープラン全体構想を昨年3月に策定したところでございます。この全体構想において、熊本城から熊本駅周辺に至る高次な都市機能が集積した中心市街地を中心に、13の地域拠点が有機的に連携した多核連携型の都市構造を将来像といたしております。  地域拠点では、商業や行政サービス、医療、福祉、教育など、地域での暮らしに必要な機能の集積を図り、買い物などの日常生活は地域拠点を中心にして、できるだけ車に依存しないで営める地域社会の形成を目指すことといたしております。  今後、区割りが確定次第、直ちに区ごとの将来のまちの姿や、地域拠点の基本的な整備方針などを盛り込んだ、いわば区のグランドデザインとなる地域別構想の策定に着手してまいりたいと考えております。  お尋ねの今後の策定予定でございますが、まずは平成22年度に植木・城南町につきましても地域拠点の位置づけなどの検討を進め、新市としての全体構想の改訂を行うことといたしております。  したがいまして、地域別構想につきましては、本年度実施いたしました日常生活における市民の動向調査や、平成22年度に行います植木・城南町での同様の調査、さらに区ごとの特性調査などを行うとともに、ただいま議員から御紹介がございましたような商店街の方々のさまざまな取り組みなども参考といたしまして、平成23年度に策定してまいりたいと考えております。  次に、2点目の路面電車の東部延伸についてお答え申し上げます。  議員御案内のとおり、路面電車は環境に優しい乗り物として、近年、欧米諸国を中心に見直されており、本市交通事業におきましても、今後、路面電車の利便性を高め、低炭素都市づくりの一端を担いたいと考えているところでございます。
     お尋ねの路面電車の東部延伸につきましては、周辺道路を含めた渋滞対策や、道路利用者や住民の意向について、社会実験によって実際に把握することが重要でありますことから、今年度、実際の軌道敷設を想定し、社会実験の実施に向けた検討調査を行っております。  これまでに道路管理者等の関係機関と協議を重ねてまいりましたが、車線数減少による道路交通への影響や、交差点における交通処理、電停設置のためのスペースの確保など、さまざまな課題を解決する必要があり、早急に社会実験に移ることは厳しい状況と考えております。  これまでも路面電車の東部延伸は、熊本都市圏東部地域の発展のために検討してきたところでございますが、政令指定都市に向け、区割りや区役所の設置など、新たな状況が生まれてきており、また、それに伴う住民等の移動行動の変化を十分勘案し、今後、路面電車の利便性向上についてさまざまな角度から改めて議論、検討が必要ではないかと考えているところでございます。          〔41番 税所史熙議員 登壇〕 ◆税所史熙 議員  ありがとうございました。  将来を見据えた中心市街地の整備につきましては、私が、平成15年第4回定例会で御紹介いたしましたこの桜町・花畑周辺地区は、第3代熊本市長に就任した辛島格市長が、陸軍権力を相手に幾つもの難問題を乗り越え、新市街の建設を成し遂げたのであります。これを支えたのが議会であり、市民であり、事業に参画した多くの市民の情熱でありました。現在、本市の発展は、こうした先人のたゆまぬ努力の結晶であることを、現代に生きる我々は決して忘れてはならないと思います。幸山市長の御英断を大いに期待いたします。  また、地域拠点のグランドデザインにつきましては、本市東部の拠点としてにぎわいを見せておりました健軍商店街を見てみますと、シャッターが閉ざされている店舗数は、健軍商店街アーケード内で十数件、その周辺で約50件ほどあるような状況であります。  私が先ほどの質問で述べましたように、地域再生のため、地域の住民、まちづくり団体の方々は一生懸命に頑張っておられます。この思いを行政としてしっかりと受けとめていただき、地域のにぎわいが回復でき、また、地域住民にとっても利便性の高いまちづくりが実現できますよう、地域別構想の策定をお願いしたいと思います。  また、路面電車の東部方面への延伸につきましては多くの課題もあろうかと思いますが、このような課題は承知の上で、実現に向けて幾度となく予算計上し、調査検討をされているものと理解しております。路面電車の東部延伸は住民が長年待ち望んでいるものであり、環境政策の上でも大変有意義な施策であることから、少しでも前に進めていただきますようお願いを申し上げ、次の質問に移ります。  次に、その他といたしまして、佐土原地区の土地利用についてお尋ねいたします。  佐土原地区につきましては、平成18年、市長が大手スーパーイオンの進出を不許可としたことで地権者は途方に暮れ、以来4年が経過し、土地そのものは塩漬け状態となっているのが現状であります。  この間、熊本市が策定した第2次都市マスタープランでは、佐土原地区は農業的土地利用を保全するゾーンとする一方、地区計画を活用して、隣接する市街化区域と一体となった良好な市街地を形成する区域、また、インターチェンジに隣接し、第2空港線沿線に位置することから、製造業、流通、研究機能を地区計画により計画的に立地を誘導することが可能な地区とされています。  このような中、当地区の地権者202名の代表者の方々の声を聞いてみますと、佐土原地区23ヘクタールの土地利用は全体を一括して開発することを望まれており、例え3ないし4分割の場合でも、一体的取り組みを希望しておられます。  そこで、インターチェンジに隣接する九州のど真ん中という絶好の立地条件、交通の利便性を活用した佐土原地区の土地利用を市の執行部と一緒に検討していただくプロジェクトの立ち上げができないか、都市建設局長にお尋ねいたします。          〔高田晋都市建設局長 登壇〕 ◎高田晋 都市建設局長  佐土原地区の土地利用に関するお尋ねにお答え申し上げます。  平成18年度の佐土原地区への大手スーパー出店計画を不許可とする議論の中、国におきましては、市街化調整区域の大規模開発に対する規制や、中心市街地の活性化を趣旨としたいわゆるまちづくり3法が改正され、市街化調整区域での開発につきましては、地区計画制度に基づく市の都市計画決定が必要となったところでございます。  この地区計画制度によって開発を進める場合は、予定地区内のまちづくりの方針や地区整備計画について、権利者全員の同意が不可欠となっております。このため、本市といたしましては、平成20年度に策定した第2次都市マスタープランに示す土地利用方針や地区計画制度について、権利者の皆様に十分理解していただく意味もございまして、機会をとらえまして、佐土原地区の皆様による土地利用に関する勉強会に参加させていただいているところでございます。  今後、このような勉強会が重ねられ、権利者全員が同意された段階において、まちづくりの案の作成や、地区計画の都市計画決定に向けた具体的な協議などについて、関係機関や各部局が横断的に連携した、いわゆる連絡会議を設置するなどの対応を図ってまいりたいと考えておるところでございます。          〔41番 税所史熙議員 登壇〕 ◆税所史熙 議員  ありがとうございました。  佐土原地区の土地利用に当たっては、関係機関や各部局が横断的に連携したいわゆる連絡会議を設置するなどの対応をしてまいりたいとの答弁でありました。  私は、平成19年に、市長並びに前牛嶋議長を初めとする市議団5名で友好都市のドイツ・ハイデルベルク市を訪問した際、視察したハイデルベルク大学のイオン放射治療センターのがんの最先端治療の取り組みに大変な感銘を覚えたところであります。これは幸山市長も同じだったのではないでしょうか。  私は、この佐土原地区をがんの治療及びがん研究所の拠点とすることを本市の戦略として国に強く訴え、実現することで、市民が安心して暮らせるばかりでなく、広く九州または全国に貢献するものではないかと思います。  また、先般、熊本朝日放送の主催で、大転換期を迎える熊本の未来像をテーマにしたフォーラムが開催され、田原総一朗氏を司会に、パネリストに蒲島熊本県知事、幸山熊本市長、中田元横浜市長、そして、熊本出身の姜尚中東大大学院教授による討論がなされました。その意見の中で姜教授は、阿蘇の温泉と熊本の医療を合わせた東アジアの富裕層に向けての医療観光施設をつくってはどうかという提案がなされました。まさに適地ではないでしょうか。  また、経済振興局が大阪や東京で展開されております企業誘致作戦の際にも、ぜひとも佐土原地区をその受け皿としていただきますことを強く要望しておきたいと思います。  最後に、パークゴルフ場整備について幸山市長に一言お礼を申し上げます。  平成14年に開設されました旧戸島ごみ埋立地跡のパークゴルフ場につきましては、利用者の皆さんで整備されて以来9年になろうとしております。現在は、年約1万3,000人の高齢者の方々がプレーを楽しみ、健康維持、生きがいを感じながら楽しんでおられます。  平成24年には、このパークゴルフ場にかわり、市当局がその隣接地に公設のパークゴルフ場を整備していただけるということであり、また、北部の扇田埋立地跡にも並行してパークゴルフ場を整備されると伺っております。大変ありがたいことで、パークゴルフ愛好者全員が大変喜んでおられます。戸島・扇田と2カ所オープンすれば、県大会、あるいは九州大会、全国大会と大きな夢が実現するのではないかと楽しみにされております。一日も早い完成を待っております。ここまで御理解、御支援いただきました市当局に厚く御礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。  これで私の質問を終わらせていただきますが、御答弁いただきました幸山市長を初め、執行部の皆様、御清聴いただきました先輩・同僚議員、また、傍聴席の皆様に厚く御礼を申し上げまして私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)       ───────────────────────────────── ○坂田誠二 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                              午前11時35分 休憩                           ──────────────                              午後 2時01分 再開 ○坂田誠二 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ───────────────────────────────── ○坂田誠二 議長  質問を続行いたします。田尻善裕議員。          〔16番 田尻善裕議員 登壇 拍手〕 ◆田尻善裕 議員  くまもと未来の田尻善裕です。本日は、坂田議長をいただき初めての議会質問当日ですので、敬意を表して質問に臨みたいと思います。  さて、政令市を目前としまして、本市はいろいろな移行作業に入っており、大事な時期になっております。先ほど市長も今後の市政運営について熱い意思を示されたと思いました。まずは平成22年度の予算、そして、来る23日の合併に向けて全力で臨むということを言われました。私は、今回は予算決算委員会が設置されましたので、予算決算を除きまして、今、政令市を前にして地方自治の現場の足元の話ですとか、さらにこれからの未来に向けての観光への提案とか、さまざまな幅広い提案を含めたことを用意させていただきましたので、早速、質問に入らせていただきます。  政権交代後、我が国の政治システムの再構築が始まっております。それは、高度成長を続けていた経済を取り巻く状況の変化と少子高齢化という社会構造の変化で、今のままでは現状に対応できない行政システムの再構築の始まりを意味します。それゆえ、全国的に国レベルでも地方分権が叫ばれ、新しい公共という概念が広がってきているのだと思います。  新しい国づくり、地域づくりの前提として、国家とは何かという意思統一が国民には必要不可欠な前提条件であります。国は、地方の集合体であると同時に、国民が国家に忠誠を誓って初めて成り立つものです。これは、基礎自治体と言われる私たち熊本市にとって、決して他人事ではありません。  ここで、これから政令市になろうとする自治体の首長である幸山市長へ、外国人地方参政権についてお尋ねいたします。  先日、この法案を政府が提案先送りすると報道がなされ、私は胸をなでおろしました。なぜなら、この外国人地方参政権は、もし提出され可決されると、市長初め私たち市議会・県議会などの選挙にも関係するこの法案は、単なる選挙権だけの問題ではなく、地方自治法にある選挙権を持つ者は同時に条例の改廃・制定請求権、監査請求権、議員や教育委員会委員の解職請求権など直接請求権が与えられることになり、熊本市政に直結する問題だからです。決して、国が独断で決めるようなことはやるべきではないと私は考えます。  昨年暮れ、私は、東京で松野官房副長官とお会いしたときに、外国人地方参政権というのなら、ぜひ当事者の地方で議論をさせてくれ、私は感情的に賛成、反対を言いたくない、まだ、地方で議論もなされていないのに勝手に決めてくれるなと意見を言わせていただきました。松野氏にも納得していただきました。  現在は、熊本県を初めとして、全国の議会より国に対して意見書が続々と提出されている状況です。  今回は、政府提案の先送りであって断念ではありません。議員提案で出てくる可能性もありますし、一方的に国で決められる前に当事者の地方も議論すべきだと考えますので、幸山市長に、もし制定されたときの影響、何人の方が該当するのか。人数の問題ではありませんが、一体本市にはこの法案に該当する一般永住者及び特別永住者の方は何名ほどいらっしゃるのか。また、外国人登録をされている方は何人いらっしゃるのでしょうか、お尋ねいたします。重ねて、市長のこの外国人地方参政権についての見解を求めます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  外国人地方参政権への見解につきまして、順次、お答えをさせていただきます。  まず、議員お尋ねの本市に外国人登録をされております方でありますが、平成21年3月31日現在におきましては4,006名でございます。そのうち永住者及び特別永住者の方は1,361名でございます。  続きまして、外国人地方参政権への見解についてでありますが、現在、公職選挙法におきまして、選挙権及び被選挙権は日本国民に限定をいたしておりまして、外国人の参政権は認められておりません。このことに関しまして、地域に長年生活し、地域で暮らす外国人の方には、その地域での生活に密接に関係する地方自治体への参政権を認めるべきだという考え方がございます。  一方におきましては、憲法の規定、国のあり方、双方の観点から問題がある。あるいは、国の主権が損なわれかねない重大な問題として、外国人の参政権は認められないという意見もございます。  本市議会や県議会におきましては、永住外国人への地方参政権付与の法制化に反対する意見書を国に提出されていることも、もちろん承知をいたしております。  本年1月には、全国都道府県議会議長会におきまして、今通常国会において永住外国人への地方参政権の付与について法制化を図るという動きに対して、永住外国人への地方参政権の付与について具体的な議論を始める場合には、国民の幅広い議論を喚起しつつ、地方の意見を十分に聞くよう強く求めるといった内容の決議も行われております。  外国人への地方参政権の付与につきましては、憲法の規定や対象者の資格の問題など、さまざまに見解の分かれる問題であり、また、地方行政の根幹にも係る問題でもあるわけでありますが、現時点におきましては、国民的な関心は決して高いとは言えない状況にございます。  また、憲法上の解釈や、諸外国の状況など十分な説明を行いますなど、地方の意見を踏まえることはもとより、慎重に検討する必要があると考えております。          〔16番 田尻善裕議員 登壇〕 ◆田尻善裕 議員  市長、ありがとうございました。市長としては、首長である責任ある立場なので、正式な法案ができていないので、賛否含めてはっきりと言えないところがあるのかもしれません。  ただ、今の漏れ伝わってくる法案に該当するとしたら、熊本市内には千数百名の方がいらっしゃるということでありました。  この法案について、私から一言言わせていただきます。  私には、在日初め中国籍の日本に住んでいる友人がいます。その友人たちとこの参政権の話をすると、相手からこういう話が出ます。税金を払うのは当たり前、まちづくりも住民だからやるのは当たり前、しかし、参政権は自分の意思で帰化していないのだからないのは当たり前だと言います。こういうふうに当事者の人たちは思っているのです。自分の意思でやっているということです。  そういうことを踏まえると、決して外国の人を差別や区別するのではなく、一緒の住民として仲よくやっていきながらも、お互いを尊重しながらやっていくべきだと思います。  そして、私たちや政府のやるべきことというのは、今のまま選挙権を与えるというわけではなく、帰化したいと思った方に国籍を早く取れるようにすることだと思います。そして、そういう方たちに、何より日本人になりたいと心からそう思っていただけるような魅力的な国にすべきだと思う次第であります。  質問に移ります。  次に、政令市を目前とした本市の区割りに関し、質問をさせていただきます。  まず、区割りが現在幾つになるかが決まっていないため、予定していた質問がかなり減ってしまいました。ですから、区が幾つになろうとも共通する質問をさせていただきます。  市民の間には、区割りというと、東京のように区長選挙があって、区議会議員選挙があり、手続を初めすべて自分の所属する区で行うという、ある部分、事実とは違うイメージがあり、それが本市で起きている混乱の一因にもなっていると思います。  本市の説明では、手続はどこの区役所でもできますと言われています。一見、市民にはサービスが受けられる場所がふえ、便利になると聞こえますが、そうであるとすれば、後の質問にもつながりますが、全市民の情報がすべての区にリアルタイムで同期するシステムが必要になってまいります。  それを考えるには、それぞれの区の権限、区長の権限がどのようになるのかがポイントになってまいります。  まず、本市が政令市移行後、区長は、どのような位置づけで、どのような権限を持つのでしょうか。  他の政令市を見てみますと、区長は、市長、副市長に続いて局長クラスに位置づけされております。区独自の施策ができるような予算・人事の権限を持つように考えられているのでしょうか。  また、市民が、自分が住んでいない区役所に相談したこと、あるいは、現場で起きた課題を全市的な共有課題とする方法は考えていらっしゃるのか、市長へお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  政令市に関しまして、区長の位置づけや権限、あるいは区独自の施策等につきましてお尋ねがございましたので、お答えをさせていただきます。  まず、区役所同士の連携に当たることではありますが、区役所で行います市民サービスにつきましては、原則としてどこの区役所でもでき、例えば、高額療養費、児童手当などにつきましては、申請した区役所で決定まで行うことができます。また、居住地の区役所でしか決定することができない事務、例えば、生活保護につきましても、居住地以外の区役所で申請がありました場合、居住地の区役所と連絡を取り合い、速やかに訪問が実施できるような区役所同士の連携体制というものを構築してまいりたいと考えております。  それから、区長の位置づけや権限についてでございますが、御指摘のとおり、先進政令市の区長の位置づけを見てみますと、それぞれの市におきまして、局制や部制の違いはございますものの、内部組織の最上位の職階に位置づけられております。  本市は、区役所機能につきまして、戸籍、年金、税務などの窓口サービスに加えまして、総合相談窓口などの業務を行うまちづくり推進部門、農林水産業関係業務を取り扱う産業振興部門、区長の権限で道路等の維持補修やカーブミラーの設置などを行います土木部門など、いわゆる大区役所制をとることといたしております。  本市の考え方といたしましては、区役所機能を充実させますとともに、都市内分権を推進する上におきましても、区長の位置づけは、本市が定める内部組織の最上位の職階が望ましいと考えておりまして、その中で人事権のあり方につきましても研究してまいりたいと考えております。  先進政令指定都市におきましても、区役所単位で策定をいたしました基本計画やビジョンなどに基づきまして、区域の特色や市民の創意工夫を生かしたまちづくり事業を展開・支援されている状況にございます。  本市といたしまして、先進政令市の取り組みを参考にしながら、区単位で行います祭りや各種イベントの実施など、それぞれの区の特性に応じたまちづくりを進めていくことは大変重要であると認識をいたしておりまして、区裁量予算の配分の検討を含め、積極的に区独自の施策を支援・推進してまいりたいと考えております。          〔16番 田尻善裕議員 登壇〕 ◆田尻善裕 議員  市長、ありがとうございました。区長は市役所の内部組織最上位ということでした。現在、本市は局長制をとっているので局長級、部長制に変わると部長級というふうに理解をいたしました。  さきに政令市になったところでは、名前は別として、中央区役所ですね。今ここにある市役所、この中央区役所にほかの区役所でどうしようもならなかったことが持ち込まれるケースがいっぱいあるということですね。やはり、市民はここが大もとの市役所だというイメージがあるので、区役所制になっても、ほかの地域で何か解決できなかったら中央区役所に持ち込まれるケースが多いというふうに聞きました。ですから、そういうこともぜひ先進政令市にいろいろ聞きながら、これから対策を考えておいていただきたいと思います。  とにかく、区が幾つになるか早く決まらないとどうしようもありません。  全国的に政令市に移行した先輩政令市も、全て区割りでもめております。政令市になるための大きな関門とも言えます。  また、ある先輩政令市に聞いた話です。オフレコ話だったのかもしれませんけれども、その政令市は2万人から3万人の小さい区をつくっていらっしゃるところだったのですけれども、国から、小さい区は再合併をするように求められているというお話も聞きました。  とにかく、本市も最大限の努力を払い、いち早く将来の準備ができることを願います。  次に、情報システムの最適化の質問に移ります。  私は、数年前よりこの間題を取り上げております。と申しますのも、昨今の自治体を取り巻く財政状況の変化、本市でも毎年マイナス10%シーリングが続き、職員は悲鳴を上げ、時代とともに多様化する市民サービスに対応できなくなっております。  その観点から、毎年真剣な取り組みがなされていることは言うまでもありませんが、経費削減にも限りがあります。今や、残された埋蔵金ならぬ、大幅に市民の税金を節約する場所は情報システムの最適化しかありません。  その現状を打開するためには、現在の行政システムを、聖域なく、何のために行うのかの原点に立ち、見つめ直さなければならないのです。そのことは、市長初め執行部の皆さんも御理解いただいたと思っております。それゆえ、初めて特定任期付職員を、この最適化のために採用されたと思っています。  質問ですが、私が以前から言っているように、IT系総経費の大幅な削減ができるオープン系システムの検討はなされているのでしょうか。  ちなみに、オープン系というものを説明しますと、違うメーカーのさまざまなソフトウエアやハードウエアの組み合わせで構築されたシステムのことです。今、本市が使用しているものは、つくったところしかメンテナンスができない方式で、維持管理に競争原理が働けない方式になっております。  改めて申しますが、現在の状況は、誤解を恐れずに言えば、ぼったくりバーのように言われるがまま、適正かどうかも判断できずに市民の税金を払っているようなもので、毎年莫大な税金が維持管理に費やされています。  情報システムは、市役所の仕事のあらゆるところに存在します。  例を挙げれば、住民記録、税金、国民健康保険、介護保険、文書管理、人事、給与、財務会計、契約管理、庶務、福祉、教育、外国人登録、事業所税、家屋評価等々、多岐にわたります。  本市は、一体情報システム全体の総経費に毎年幾らかけているのか、お答えください。
     区制に移り、本市の説明にあるように、どこの区役所に行っても同じ手続ができるようにするには、どのような考えで情報システムを構築しようとされているのか、教えてください。  また、新情報システム構築とともに、通信系の再構築にも手をつけるのか、お答えください。  加えて、以前提案し、取り組むと回答されたICカードでの支払いができるように、電子決済システム、MPNと言われるマルチペイメントネットワ一クもそのシステム構想に入っているのか、お答えください。企画財政局長へお尋ねいたします。          〔續幸弘企画財政局長 登壇〕 ◎續幸弘 企画財政局長  情報システムの最適化についての、何点かのお尋ねについてお答えをいたします。  まず、情報システム全体の総経費についてでございますが、平成21年度の当初予算におきましては、約34億円を計上いたしております。そのうち住民サービスに直結しております44の業務を運用しております総合行政情報システムに関して言えば、平成21年度において約10億円のコストとなっております。  この総合行政情報システムにつきましては、稼働から20年が経過したホストコンピューターによるシステムでありまして、老朽化、複雑化などの課題を解決しますために、現在、最適化に向けて検討をいたしており、議員御指摘のシステムのオープン化によるコストの適正化を初めとして、市民サービスの向上につながる効率的な情報システムの再構築を目指しているところでございます。          〔議長退席、副議長着席〕  次に、2点目でございますが、区制移行後の情報システムについてでございます。  現在と同様に本庁での一括管理を想定いたしており、現行データに区を識別するコードを付加しまして、区ごとの処理を行えるようにしますとともに、どこの区役所に行っても手続ができるようにしたいと考えております。  3点目でございますが、通信ネットワークの再構築についてです。  システムごとに構築をされておりますネットワークを共有する可能性も含めまして、情報システムの最適化事業の中で検討をしていきたいと考えております。その場合には、通信経費の削減のみではなく、情報セキュリティの確保にも十分留意していく必要があると考えております。  最後に、ICカードやクレジットカードによる収納につきましては、市民の利便性の向上を図る観点から、市税や公共料金の収納につきまして、所管部署でこれまで調査研究をしてきたところでございます。  ただ、現時点におきましては、費用対効果や手数料負担の課題などがございますために、導入には至っておりません。今後の区制移行に向けた新システムの構築におきましては、現行のシステムで処理している業務の再構築をベースとしておりまして、ICカードやクレジットカードなど、収納方法の多様化に関するシステムの構築は含んでおりませんけれども、今後ともそれらの収納方法の多様化については研究をしてまいりたいと考えております。          〔16番 田尻善裕議員 登壇〕 ◆田尻善裕 議員  ありがとうございました。お聞きになりましたように、毎年管理運営に34億円が費やされております。  なぜこういう問題を取り上げるかと言いますと、市長、年金問題を起こした社会保険庁が、問題が起こった後にこの行政システムを再構築いたしました。そうしましたら、運営コストが半額まで下がっているのです。本当に今は技術の進歩、そして、機材が安くなっているということで、この業界は、今全国の行政が手つかずではあるのですけれども、そこまでの技術ができて、先進政令市ではこのオープン化によってかなりのコスト削減を実現しているということであります。  もし、本市も管理運営コストが半額までできましたら、毎年17億円という費用が浮くことになります。17億円浮くといったら、市民のためにどういう施策ができるのかと思います。そういうことで、市長、半額を目標に頑張っていただきたいと思います。  それと、ICカードでの支払いの件なのですけれども、これも政令市を目指すというのであれば、やはり、先立って早目に導入を考えていただきたいと思います。もしも財源がネックというのなら、市長、全九州に呼びかけて、お金を出し合って、基本システムを構築するという考えも検討していただきたいと思います。  それでは、次の質問に移ります。  政令指定都市を目前にした本市の政策について、日本一暮らしやすい政令市づくりに関してお尋ねいたします。  改めて申すまでもなく、我が国は世界に類を見ないスピードで高齢化が進んでおり、65歳以上の高齢者が総人口に占める割合、いわゆる高齢化率は22%に達し、近い将来4人に1人が高齢者という超高齢社会が到来いたします。本市におきましても、全国平均を下回るものの、高齢化率は既に20%を超えております。  このような状況の中、本市が目指す日本一暮らしやすい政令市を実現するためには、来るべき超高齢社会に対応し、高齢者の皆様が住みなれた地域でいつまでも安心して暮らしていくことができるまちをつくり上げていかなければなりません。  特に、高齢化の進展はもとより、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯が急増していくことを考えますと、高齢者の見守りなどに地域社会全体で取り組む、いわゆる地域ケアの仕組みづくりが喫緊の課題であると思います。  このような観点から、地域ケアの核となる役割が期待されている地域包括支援センターの今後のあり方について、私なりの提案を交え、お尋ねいたします。  現在、地域包括支援センターでは、保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門職員を配置し、介護はもとより高齢者福祉や医療、虐待や権利擁護などさまざまな相談を受け、行政など関係機関と連携しながらその解決に向けた活動を展開しておられます。  また、その運営協議会には地元自治会や民生委員も参加されるなど、日ごろから地域との連携協力体制の構築も図られております。  このような、いわば高齢者のよろず相談所とも言うべき地域包括支援センターですが、本市で実施されております介護保険に関するアンケート調査等によりますと、その認知度は低く、高齢者の方でも地域包括支援センターの存在を知っている方は全体の2割にすぎません。さらに、高齢者以外は1割程度の認知度しかありません。今、介護認定を受けられている高齢者は全体の約2割ですから、介護保険を利用していない元気な高齢者はほとんどその存在を知らないことになります。  この認知度の低さの要因は幾つか考えられますが、最も大きな原因は設置されている場所にあると思います。現在、本市では、概ね中学校校区ごと、28の包括支援センターがありますが、そのほとんどが事業を受託している医療法人等の中に事務所があります。これでは、だれもが気軽に足を運べる環境とは言いがたいと思います。  現在の熊本市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画、いわゆるはつらつプランの計画年次は平成23年度までであり、次期計画は政令市のスタートと重なります。このため本市では、次期計画から区割りに応じ、地域包括支援センターの担当区域の見直しをされるとのことであり、加えて、改めて地域包括支援センターの受託者を公募する予定とのことであります。  そこで提案ですが、私は、この機会にぜひ地域包括支援センターの設置場所について、これまでのような受託法人に任せるやり方ではなく、区役所や総合支所、あるいは市民センターなどに設置してはいかがでしょうか。これらの施設は、ほとんどの市民に認知されており、また、気軽に訪れやすい場所でもありますし、公募により受託事業者がかわっても利用者の混乱を招くこともないと考えますが、いかがでしょうか。  そこで、お尋ねいたします。  本市では、現在の地域包括支援センターの認知度の低さについてどのようにとらえておられるのか、また、政令市移行後の地域包括支援センターの設置場所について、どのように考えておられるのか、お聞かせください。  引き続き、災害時要援護者支援対策についてお尋ねいたします。  高齢化社会などに対応し、だれもが安心して暮らせる地域づくりに向け、地域ケアによる日ごろの見守りとともに、災害時の支援対策も大変重要であります。  そこで、現在、本市では、高齢者や障がいのある方など災害時に援護が必要な方の支援体制を整えるために、要援護者の登録を呼びかけるとともに、登録された要援護者の方の位置図、避難経路地図、身体などの状況に応じて作成された支援プラン台帳などを一元管理する要援護者支援システムの開発などに取り組まれております。  特に、要援護者の登録については、これまでの市政だより等を活用した広報活動を中心としたものから、民生委員に協力をいただいて対象の方に直接的に登録を呼びかけるなど積極的に取り組まれており、現在では登録者数もかなり伸びてきているようでございます。  そこで、お尋ねいたします。  災害時要援護者支援対策について、登録者数やシステムの開発など、現在どのようになっているのでしょうか。また、今後、どのようにしてこの支援対策を具体的に動き出させようとされているのでしょうか。  さらに、この災害時要援護者に関連する情報については、災害時のみならず、地域での日ごろの見守りにおいても大変重要な情報であり、自治会や地域包括支援センターなどから、ぜひ活用させてほしいとの声が上がっていると聞いております。個人情報保護との関係など難しい問題があるとは思いますが、ぜひ、できるだけ日ごろの地域ケア活動などにも活用を図っていただきたいと考えますが、これらの情報の活用方法についての考えをあわせて健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔甲斐節夫健康福祉局長 登壇〕 ◎甲斐節夫 健康福祉局長  地域包括支援センター及び災害時要援護者支援対策についての御質問にお答えいたします。  まず、地域包括支援センターについてでございますが、今後、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみの世帯が急増する中で、認知症高齢者など見守りを必要とする高齢者も増加していくことが予想されますことから、支援が必要な高齢者を地域全体で見守る体制や仕組みづくりが重要な課題であり、地域包括支援センターにはその中核的な役割を果たすことが求められております。  そこで、本市では、地域包括支援センターを中心に、地域特性に応じた高齢者の見守りネットワークを構築するため、本年2月、校区自治協議会、老人クラブ、民生委員、所管の警察や消防、各保健福祉センターなどの関係者による地域ケア計画策定検討委員会を設置するなど、小学校区を単位とした地域ケア計画の策定を進めているところであります。  このような中、市民アンケート調査結果などを見ますと、地域包括支援センターはその果たすべき役割の重要性に比べ、一般市民の皆様の認知度は低い状況にあります。  そこで、本市では、昨年12月の市政だよりで地域包括支援センターの特集記事を組むなど、積極的な広報活動に取り組んでいるところであります。地域包括支援センターの認知度を高め、多くの市民の皆様に利用いただくためには、さらなる広報活動はもとより、市民の皆様にわかりやすく利用しやすい場所に設置することも大変重要な視点であると考えております。  そこで、今後、政令指定都市移行後の区制を見据えた担当圏域の見直しなど、地域包括支援センターのあり方を考える中で、設置場所等につきましても、議員御提案の内容を踏まえ、検討してまいりたいと考えております。  次に、災害時要援護者支援対策についてお答えいたします。  本市では、平成19年10月から災害時に避難支援を必要とする方の登録と個別支援プランづくりを開始いたしました。昨年12月には、高齢者等の登録推進名簿を民生委員に提供し、その訪問活動により登録を進めますとともに、自治会長の皆様へは支援制度への御理解と民生委員への御協力についてお願いをいたしました。  これらにより、昨年11月末の登録者3,600人が、2月末には1,100人ふえて4,700人に、個別支援プラン策定も160人ふえて760人となりました。  また、要援護者支援情報の確実な管理を行うため、本年度災害時要援護者支援システムの開発を行い、昨年12月から稼働いたしております。今後、この個別支援プランに基づき、要援護者の支援が確実に実行されることが重要であり、そのためには民生委員と自主防災クラブや自治会などの関係団体が連携し、継続的な取り組みを行っていくことが必要と認識いたしております。  このようなことから、例えば、地域主催の防災避難訓練に住民の皆様の参加を促し、住民の皆様には避難行動の確認などによって要援護者支援への理解を深めていただくことといたしております。  また、市といたしましては、地域に対して定期的な情報提供を行うことにより、住民の皆様の自主的な活動が継続的に推進されるよう支援を行ってまいります。  なお、要援護者情報は、御本人の同意を得た上で、町内ごとの登録者名簿を民生委員の皆様や自治会等の関係団体に提供しておりまして、個別支援プランの内容や避難経路の確認とあわせて、日常的な要援護者の見守り活動等にも御活用いただいているところでございます。          〔16番 田尻善裕議員 登壇〕 ◆田尻善裕 議員  御答弁、ありがとうございました。  地域包括支援センターは、提案を踏まえ、検討していただくという大変前向きな回答をいただきました。  また、要援護者支援情報は、地域の方々も個人情報との関係に大変気を使いながら、ただ、いざというときのためにどうにかしてあげたいという気持ちで、そういう熱意でいっぱいでいらっしゃるので、行政も本当に協働という観点で、これからも取り組んでいただきたいと思います。  続きまして、健康福祉局長にお尋ねいたします。女性特有のがん、子宮頸がんに関して質問させていただきます。  子宮頸がんは、女性のがんとしては乳がんに次いで多いがんです。最近、20代から30代に急増しているそうで、日本では毎年約1万5,000人ほどが発症し、約3,500人ほどが死亡されております。20代に限れば、乳がんの6倍も発症率が高く、女性にとっては生きていく上で大変注意すべき病気とも言えます。  しかしながら、若いうちにワクチンを打ってさえいれば予防できる病気だそうで、そのワクチンは昨年10月16日に国内で初めて承認されました。最近、テレビなどのニュースで取り上げられるので御存じの方もいらっしゃると思います。  世界では、アメリカの子宮頸がん検診受診率は82.6%、イギリスが69.6%、日本は23.7%という統計が2006年度時点でのデータであります。  国でも昨年、緊急経済対策として、対象年齢20歳、25歳、30歳、35歳、40歳に無料の検診クーポン券を配布されましたが、本市での利用率はどれくらいだったのでしょうか。  世界では、大体10代前半でワクチンを打つようでありますが、40代でも可能だそうです。  この間題が大きいのは、まさに、ちょうど出産する年齢に当たるからです。すなわち、日本が直面している少子化問題に直接関係するのです。  ワクチンは半年で3回接種する必要があるのですが、費用が1回約1万5,000円と大変高額で、だれでも打てるものではありません。  日本一暮らしやすい都市を目指す本市にとっては、この間題を真剣に考えていただきたいと思います。  岐阜県の大垣市では、今3月議会に、ワクチン接種に対し、半額の補助予算を計上いたしました。本市の考えをお聞かせください。担当局長にお尋ねいたします。          〔甲斐節夫健康福祉局長 登壇〕 ◎甲斐節夫 健康福祉局長  子宮頸がんワクチン接種についてお答えいたします。  まず、本年度から開始いたしました女性特有のがん検診における子宮がん検診の無料クーポン券の利用状況でございますが、本年1月末現在、利用者3,524名、その利用率は15.0%となっております。  次に、ワクチン接種補助に対する考え方でございますが、子宮頸がんワクチンは、国内において平成21年12月22日から発売されておりますが、予防接種法に規定されていない任意のワクチンであります。子宮頸がんはウイルスが主な原因で発生するがんであり、その感染を防止することによりがんの発生を予防できる可能性があります。このような意味で、ワクチン接種は重要であると考えており、その啓発に努めてまいります。  また、国においては、子宮頸がんワクチン接種に関し、法改正も見据えた議論が進められております。このような状況を踏まえ、予防という観点から、子宮頸がんワクチンにつきましては、国の動向を注視しながら検討を進めてまいります。          〔16番 田尻善裕議員 登壇〕 ◆田尻善裕 議員  御答弁ありがとうございます。  人口16万5,000人の大垣市が、計上している予算が1,440万だそうです。ということは、人口で考えると、本市でそのまま当てはめると六、七千万ぐらいですか。私がさっき提案したような情報システムの構築化で税金が浮かせることができれば、こういうのは一発で解決できるのです。  ただ、国の動向を待っているだけでなく、少子化への有効な手だての一つとしても、ぜひ、これから検討をお願いしたいと思います。  次に、地域コミュニティの再生について質問いたします。  本市は、自主自立の地域づくりの推進を掲げ、「住民みずからが住んでいるまちに関心を持ち、地域課題の解決やまちづくりに取り組みます」との基本方針のもとに、市民や事業者等の役割として、自治会や子供会などの地域団体に積極的に参加することや、住民から信頼される開かれた組織づくりと民主的な運営を行うこと、行政の役割として、校区自治協議会を初め、町内自治会や地域公民館など、地域団体に対して財政支援や、どのような支援メニューがあるかなどの情報を提供し、地域活動を支援し、協働と自主自立のまちづくりを進めていくための役割分担を明確にしながら、各種施策に取り組んでいくこととされております。  私自身、自分たちのまちは自分たちでつくり、地域の特性を次世代へ伝えていくとの考えが大事であり、そう思っております。  しかしながら、地域によっては、町内自治会を初めとした各種団体の新たなリーダーの担い手不足により、地域活動の停滞を危倶するお話をお伺いします。  このようなことから、私は、先月、福岡市で開催された住民自治フォーラムへ参加してまいりました。フォーラムでは、「福岡市における自治の特徴と課題への対応のヒント」と題した基調講演と、「みんなで作り、みんなで楽しむコミュニティ〜100%の住民参加を目指して」をテーマにパネルディスカッションがあり、日常からお互いの支え合いの積み重ねこそが大切であり、地域ぐるみで活動していくことで人材が育成されていくなどの意見交換が行われました。  また、校区自治協議会によっては、役員の年齢や団体長の兼務を制限するルールを設け、負担感の軽減や運営の活性化へ取り組む事例などが報告され、無理のない組織運営と新たな担い手育成による住民自治体制をつくれることが、今後の住民自治を考えた上で大変重要だと思った次第です。  本市では、校区自治協議会の設立推進と運営支援、新たな地域リーダーの育成・活用に取り組み、現在、72校区で校区自治協議会が設立され、それぞれの地域の問題解決や組織の連絡調整を行っているとお伺いしておりますが、今後、地域のまちづくりを活性化するために、校区自治協議会に対してどのようにかかわり、支援していかれるのでしょうか。  また、地域の問題解決に当たっては、NPO等の団体との協働という視点が今後考えられますが、どのように考えていらっしゃるのでしょうか。  さらに、地域コミュニティにとって、現場で活動してくれる人材不足が大きな悩みになっております。地域は地域でだれかいないか探してはおりますが、例えば、最近越してきたがきっかけがないとか、学生はどうやって地域に入ってよいかわからないという声もあります。何か方法はないものでしょうか。市民生活局長へお尋ねいたします。  さらに、地域の人材として、本市職員6,000名の存在に私は注目しております。果たしてどれだけの職員が地域活動をしていらっしゃるのでしょうか。私の感覚では、市民との協働と言いながら、肝心の職員が自治に対しての理解ができていないと感じております。最近ふえている政令市などの地域への説明会に参加した職員から、初めて地域の方と話をしたとか、地域の人の話が聞けて、仕事だけれども説明会に参加してよかったと聞いたことがあります。役所の中から地域へ出ていき、市民と話し合う機会ができただけで職員の意識が変わるのです。  私は、ここで一歩進んで、仕事で地域に出ていくことも大事だけれども、一市民として地域の活動に入ってほしいと願うものです。なぜなら、私は地元の地域活動をしていて市の職員さんに出会ったことがないからです。近所に職員さんが住んでいるかどうかもわかりませんし、知り合いの職員さんには地元の活動を一生懸命されている方も知ってはいるのですが、幾つかの校区で市民から、近くに住んでいる職員は地域の掃除にさえ一回も出てきたことがないとか、そんな話をときどき耳にします。市民は本当に見ています。  また、まちづくりなど地域の活動では、市民は仕事が終わってから、夜、集まり、地域のためにボランティアで汗をかいていますが、職員は時間外手当をもらって出てきている。これが、市役所が考える協働なのでしょうか。職員みんなに地域活動に入れと、決して強制できるものではありません。しかし、そう思いたくなるほど地域に参加している人が少ないのは事実でしょう。市長はどうお考えになっているのでしょうか、考えをお聞かせください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  地域コミュニティの再生につきまして、何点かお尋ねがございましたが、私の方からは本市職員の地域活動への参加につきましてお答えをさせていただきます。  先ほど田尻議員が地域の皆様方から出された御意見、御指摘というものは、私自身も校区自治協トークでありますとか、あるいは、おでかけトーク、地域の皆様方との直接対話の場におきましても、何度か受けた指摘でもございます。そうしたことを踏まえまして、お答えをさせていただきます。  協働と自主自立によるまちづくりのためには、市民と職員とがよりよいパートナーとして連帯感や協働意識、さらには信頼関係のもとに、共通する課題や目的に対しまして知恵と力を出し合い、協力して取り組まなければならないことを全職員が認識することが必要だと感じております。  このようなことから、職員に対しまして、これまでではございますが、例えば、平成16年度から行っておりますみずあかりでございますとか、平成18年度から始めております街なかボランティア清掃、さらには、同年度には地域活動などを勧める通知を出し、参加を呼びかけてきたところでありまして、こうしたことを通しまして、参加する職員も増加傾向にあると認識をいたしております。  また、昨年、職員に対しまして実施をいたしました自治基本条例の研修会におきましては、条例の研修とあわせまして、地域活動への参加や、職員一人一人が心がけるべき行動、心構えを示しました職員行動規範におきましても、職員の地域貢献活動への積極的な活動を呼びかけているところであります。  このような地域活動を通じまして、地域住民としての視点で物事をとらえることを身につけ、そこで得た経験や人的なつながりを、地域活性化のみならず、職務にも生かせるものと考えておりまして、今後も事あるごとに職員に対しまして、地域活動への積極的な参加を促してまいりたいと考えております。          〔原幸代子市民生活局長 登壇〕 ◎原幸代子 市民生活局長  私からは、地域コミュニティの再生につきまして3点のお尋ねにお答えをいたします。  まず、1点目の今後の校区自治協議会とのかかわり方と支援についてでございます。  御案内のとおり、地域の各種団体で組織されております校区自治協議会は、現在72校区で設立されておりまして、地域コミュニティの活性化と自主自立のまちづくりに取り組んでおられます。
     これまで市といたしましては、さまざまな支援を行ってきたところでございますが、特に平成20年度には、地域活動の支援体制を強化いたしますために、まちづくり交流室を設置いたしまして、地域のさまざまな団体の情報収集でありますとか、行政情報の提供などに努めてきたところでございます。  また、地域みずからの力で課題を解決していきますため、地域コミュニティづくり支援補助制度を創設いたしまして、これまで26校区において、環境保全や子育て、防犯等の分野での取り組みがなされております。  さらに、平成21年度からは、地域リーダーの担い手不足が共通の地域課題でありますことから、まちづくりサポーター養成・活用講座を開設いたしまして、新たな地域の人材発掘にも取り組んでいるところでございます。  今後とも、校区自治協議会の全校区設立を目指してまいりますとともに、地域活動の活性化に向けたさらなる支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の地域とNPO等との協働についてでございます。  社会の成熟化に伴い、市民の価値観やニーズが多様化し、複雑化した地域課題の解決には、特定分野で活動していらっしゃいますボランティア団体やNPOとの協働による取り組みが大変重要なことから、現在、まちづくり交流室では、市民活動支援センターあいぽーとと連携をいたしまして、NPOなどの活動情報の提供を行っているところでございますが、活動事例はまだ少ない状況にございます。  今後、行政の役割といたしましては、地域の個性を生かした協働のまちづくりが活性化するよう、参画と協働に関する研修会の開催や、情報の交換、さらには交流の場の提供などを行い、積極的に支援してまいりたいと考えております。  3点目でございますが、転入者や学生等の地域とかかわるきっかけづくりについてでございます。  学生や転入者、さらには団塊世代と言われる方々の地域活動への参加・参画を促進してまいりますことは、地域のまちづくり活動の活性化につながると認識をいたしております。  これまで、学生を初め転入された方には、届け出の際に町内自治会への加入を案内いたしますとともに、市政だよりやテレビ・ラジオ等の広報媒体を活用し、地域活動への参加を促してまいりました。  今後、さらに学生などが地域とのかかわりを深めるためには、住民相互の親睦を図ることが大切でございまして、そのためには、地域で活発に行われております祭りでありますとか、伝承行事などにだれもが気軽に参加したくなるような仕掛けづくりが重要であると考えます。  このようなことから、行政といたしましてもその仕掛けづくりについて地域の皆様とともに考え、参加・参画を促進していく環境づくりに努めてまいります。          〔16番 田尻善裕議員 登壇〕 ◆田尻善裕 議員  ありがとうございました。  市長が言われました職員行動規範、これは職員用のパソコンを立ち上げると最初に出てまいります。私も見せていただきました。イベントを含めた地域活動に参加したことのある人は、職員全体の大体20%ぐらいではないかと思いますけれども、とにかく6,000人の職員さんというのは、やはり地域にとって大事な人材ということで期待をしたいと思います。  また、市役所で働くだけで市のために働いていると思い込んでいる人がいるのかもしれません。役所は縦社会です。市民とともに地域活動を行い、横の組織に身を置いてこそ市役所のあるべき姿が職員さんにも見えてくるのではないかと思いますので、ぜひ、今後ともよろしくお願いします。  また、NPOとの協働については、問題が見えてまいりましたので、今後の対応に期待いたします。  きっかけづくりについても、今後のさらなる検討をお願いしたいと思います。  福岡では、区によって独自に自治協議会のルールがつくられておりました。ここで、フォーラムで印象に残ったことを少し紹介をさせていただきます。  これは、神戸の方だったのですけれども、災害時は組織は役に立たないが、人は役に立つ。日ごろの訓練が大事だということでした。そして、小さな避難所には救援物資は届かない。だから、そういうことも含めて体制を考えてほしいということでありました。そして、地域活動で「こうせねばならない」とか、かたく考えると疲れてしまうと。地域が受け入れるかどうかで、外部から来た人を活用できる。  そして、福岡では校区に担当職員を設置しているということでありました。  そして、地域活動をなさっている方は、無償ボランティアはあり得ないと。交通費や昼を過ぎたらお弁当を出すということです。それと、地域活動で、基本的には土日を外して平日にやるということでありました。  とにかく、無理のないようなルールを自分たちでつくっているということでありましたので、今後とも私たち住民自治はどういうまちづくりをするか、市民同士でもいろいろ話し合って決めたい、進めていきたいと思っておりますので、ぜひ、本市にしてもいろいろな支援をよろしくお願いします。  続きまして、東アジア戦略についてお尋ねいたします。  本市は、東アジアから選ばれる都市になることを目指し、来年度より観光振興・コンベンション誘致、学術都市づくり、ビジネス促進、環境先進都市の実現に向けた取り組みを推進するとされております。  ちなみに、本市が定義する東アジアとは東南アジアを含む広い地域で、当面の間は上海市、香港、桂林市、台北市、釜山市、ソウル市、蔚山市等、本市と距離的に近く、かつ、人口規模が大きく、市場が望める都市をターゲットにするとされています。  考えてみれば、本市から一番距離が近い首都は韓国のソウルであることからして、動きが遅いぞと思うところもありますが、方向性は間違っていないと思います。  ちなみに、最近聞いた話では、日本の一流企業と言われるところが軒並み東アジアを見据えた成長戦略に備えた人事を行っているそうであります。  話を本市に戻します。新町にあり、現在、町名復活の機運が高まりつつある旧蔚山町にゆかりのある韓国蔚山市と友好都市の話が進んだことも大変喜ばしく思います。  さて、今回、東アジアの中でも特に中国へ全国の自治体はどのようなアプローチをしているのか、調べてみました。  特に興味深いものを紹介させていただきますと、長崎の中国のテレビ、新聞、雑誌への広告、中国の主に企業等に勤務する者を対象に情報を発信、収集するネットワークを構築。徳島県の中国の糖尿病患者を誘客するメディカルツーリズム。岐阜県、香港に向けてミネラルウォーター輸出、中小企業の販路開拓等で支援事業費補助金及び海外における見本市への出展及び展示会の開催に要する経費に対する支援。鹿児島、海外ビジネスツアー助成事業。埼玉県、県民から公募し、大学へ奨学生を派遣する教育交流。奈良県、中国とのゆかりを情報発信。名古屋市、中国企業の誘致。佐賀県、徐福伝説の活用。大分県、上海市と友好交流覚書を交わし、無錫市、宜興市、江陰市、蘇州市と観光交流協定を交わした。留学生が人口比率で日本一。福岡県、アジア特区、福岡と広島で中国発着のクルーズ船誘致活動。北九州市、環境・産業観光誘致、日本と中国の経済人を募って開催した第1回中日之橋日中経済人ゴルフ大会を契機にゴルフツアーの誘客促進などがあり、ほとんどの自治体が旅行、マスコミ等を招聘したり、特産物の物産展開催等を行っていたり、政令市を初め県単位で上海、北京、大連などに連絡事務所の設置などをしております。  このような中で、新たに中国市場に入り込み実績を上げるには、これまでと違った戦略が必要となるのではないでしょうか。  例えば、中国は政治システムが日本とは違います。地元の国営企業と提携するなど、新しい切り口を考えてみてはいかがでしょうか。  また、熊本を知ってもらうために東アジアへ出ていくだけではなく、逆に、私たち熊本市民が東アジアの文化などをもっとよく知る機会を、この熊本市の町なかで企画してはいかがでしょうか。  さらに、本市には留学生が約750名と、他都市と比べるとさほど多くはありません。今後は、大学、専門学校から高校に至るまで受け入れに力を入れ、留学生倍増を目標に動いていくべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。  以上、市長へお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  東アジア戦略に関しまして、他都市の事例を紹介しながら何点か御指摘、御意見もいただいたところでありますので、順次、お答えをさせていただきます。  近年の中国を初めといたします東アジア諸国の著しい経済成長を背景といたしまして、全国の自治体が東アジアの市場に対しましてさまざまなアプローチを行っているところでありまして、本市も今年度中に東アジア戦略を策定し、新年度から本格的な取り組みを開始するのは、御案内のとおりでございます。  こうした中、御紹介のありました他の自治体の取り組みとは違う新しい切り口での取り組みをという御提案でございますが、今後、本市におきましては、熊本市の存在感を示し、東アジアから選ばれる都市になることを目標といたしまして、観光やビジネスの経済分野はもとより、本市の強みでもございます学術研究、高等教育機関の集積や、地球環境問題など、東アジア共通の新たな課題も踏まえまして、東アジア地域とのさらなる連携、協力を深めていきたいと考えているところであります。  御提案の中国の国営企業との提携につきましても研究を行い、市場の獲得や観光客の誘致などにつながるような取り組みを進めてまいりたいと考えております。  そして、市民が東アジアの文化などをもっとよく知る機会を町なかで企画してはどうかという御提案でございますが、早速、平成22年度から、秋の週末を中心といたしまして、仮称でございますが、「アジアンホリデーinくまもと」を開催することといたしておりまして、町なかを中心といたしまして、東アジア関係のパフォーマンスステージや著名人のトークショー、食、雑貨、フェアトレードなどの東アジア市場の再現、あるいは旅行PRやビジネスセミナー、文化芸術企画展などを検討しているところであります。  そして、留学生数の倍増を目標にすべきとのお尋ねについてでございますが、東アジア戦略の中におきましても、留学生が集まるための情報発信と受け皿づくりを掲げているところであります。  昨年、私自身も桂林市や上海市を訪れました際にいただきました御意見というものが、留学生にとって本市がいかに暮らしやすいかということでありましたことからも、本市の誇る生活環境や自然環境、観光などの情報発信を行いますとともに、留学生に対する支援、インターンシップ受け入れなどを積極的に行うことによりまして、留学生数の増加につなげてまいりたいと考えております。  具体的な留学生数の目標値についてでございますが、各大学がそれぞれ目標を掲げまして積極的な取り組みを進めておられますことから、市といたしましても、そうした大学などとも連携をいたしまして、可能な限り高い目標を掲げて、実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。          〔16番 田尻善裕議員 登壇〕 ◆田尻善裕 議員  ありがとうございました。  私の提案した違う視点での東アジア戦略も考えていただけるということでしたので、私も本市のために一生懸命力を尽くしてまいりたいと思います。  アジアンホリデーを秋に開催されるということですけれども、どういうものになるのか、私も期待しております。  留学生をふやそうと考えるときに、やはり課題になるのは住宅問題だと思います。本市も、例えば空いている市営住宅など、そういうものを含めながら、長い交流のかけ橋になれる学生さんの受け入れに御協力、御支援を考えていただくよう要望しておきます。  また、大学に限らず、専門学校とか、これからは高校も留学生の視野に入っていくと思いますので、重ねてお願いしておきます。  次に、中心市街地のまちづくりに入らせていただきます。  本市では、平成23年3月の九州新幹線の全線開通、平成24年4月の政令指定都市実現を目前に控え、九州のど真ん中、九州中央の交流拠点都市を目指されており、その実現のためには、熊本の顔となる中心市街地の活性化は喫緊の課題であります。  本市では、平成19年、熊本市中心市街地活性化基本計画を策定し、計画区域415ヘクタールを熊本市の陸の玄関である熊本駅周辺地区、駅と都心間を結ぶ新町・古町地区、熊本市のシンボル熊本城を擁する熊本城地区、商業施設や業務施設が集積する通町・桜町周辺地区の4つに区分し、それぞれの地域特性に応じた施策、事業を展開することとなっております。  熊本城地区につきましては、本丸御殿大広間を初め、第1期の復元整備が実施され、昨年度は222万人という日本の城郭の中で一番の入城者数を記録いたしました。また、九州新幹線開通にあわせ、先月15日には桜の馬場観光交流施設も着工され、整備が進んでおり、さらなるにぎわいにつながるよう、私も祈るような気持ちでおります。  しかしながら、熊本城を訪れた方が、通町・桜町周辺地区や新町・古町地区など、他の地区に回避されているかと言えば、そうではありません。せっかく熊本に来ていただいているのに、熊本城で完結しているのが実情であり、このままでは中心市街地全体の活性化につながりません。  そこで、新幹線全線開通に向けてまちづくりに取り組まれています新町・古町地区と、先日、記者発表されました花畑地区の再開発についてお尋ねいたします。  城下町の風情が残る新町・古町地区では、これまで来町者をおもてなしの心で迎える立ち拠りどころの設置などにまちづくりとして取り組まれてきました。  現在ではさらにステップアップして、史跡や名所を案内するまち案内人の育成や、城下町の伝統工芸や食文化を観光客に体験していただける店舗の組織化を進められています。  今後、このようにして育成した案内人や組織化された体験店舗を、熊本城や整備後の桜の馬場に訪れた観光客の回遊性向上のために、観光政策の一環として位置づけて支援、活用していくことが大変効果的であると考えておりますが、市の方針はいかがでしょうか。九州新幹線の全線開業も目前に迫っておりますので、具体的な取り組み方針について経済振興局長にお尋ねいたします。  また、このような新町・古町の取り組みは城下町風情が感じられて、初めて観光客に熊本らしさを印象づけることができると考えております。本年1月には景観基本計画も策定されており、同様の趣旨のことが記載されておりますが、具体的に今後どのようにして新町・古町地区を初めとした城下町の景観形成を図られるのか、その方針についてお尋ねいたします。  特に、この地区に400件以上が残っている町屋は、城下町風情の感じられる景観形成のかなめであると考えております。本市においても、先般、まちづくりの方々と協働した町屋お掃除イベントを実施され、大変な反響があったと聞いております。このように、地域住民のみならず市民の方々の関心も深い町屋についても、景観形成における位置づけと活用方針などもあわせてお伺いいたします。  さらに、一新まちづくりの会で推進しようと考えている城下町非常口マークというものがあります。どういうものかおわかりにならないと思いますので、持ってまいりました。このようなものです。私は、消防庁へこれを持っていきまして、直接担当課長にいろいろお話をさせていただいたのですけれども、地域に裁量権があるので地域がいいいと言うならよろしいという言質をいただいてまいったのですが、なかなか地元の消防局に「うん」と言っていただけません。言いたいことは理解するのですけれども、地元の裁量でできるのであれば、規則をつくり、許可することはできないでしょうか。これは消防局長へお尋ねいたします。          〔谷口博通経済振興局長 登壇〕 ◎谷口博通 経済振興局長  私の方からは、中心市街地のまちづくりに関連いたしまして、新町・古町地区のまち案内人や、組織化された体験店舗への支援、活用方針についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  新町・古町地区は、本市の特徴であります城下町の風情を色濃く残す地区でありまして、多くの見どころや名所がございます。このようなことから、これまで観光ホームページでの特集や、くまもとさるくのコース設定などを行ってきたところであります。  特にこの地区では、地域の方々が積極的な取り組みをされており、議員御紹介のほか、からしレンコンを使ったカラコロバーガーの開発や、城下町発見ツアーにおける秘伝のしょうゆブレンド体験、肥後象眼の制作体験などを初め、美化活動の推進など、おもてなしをとおしたまちづくりが行われております。  そのような中、九州新幹線の全線開業を見据え、中心市街地の中で、熊本駅と中心部との間に位置します新町・古町地区は、両拠点をつなぐ重要なエリアでありまして、今後、地域の方々とさらなる連携を図りながら、協働で熊本城との回遊性の向上はもとより、さるくなどのまち歩き観光の充実、地元に残る史跡等の観光説明板の整備などに取り組んでまいる所存であります。          〔高田晋都市建設局長 登壇〕 ◎高田晋 都市建設局長  私からは、城下町の景観形成方針と町屋の位置づけと活用方針についてお答え申し上げます。  本市の景観計画では、新町・古町などを想定し、城下町の趣が残る場所は歴史的資源を生かし、歴史を感じられる景観形成を図る方針といたしております。  そこで、新町・古町に関してでございますが、御指摘の町屋は地域景観を特徴づけております貴重な地域資源と認識しており、その活用・保存について積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  具体的には、来年度も引き続き新町・古町の城下町風情が感じられる景観形成を図るために、町屋イベント等による広報や啓発、また、景観形成建造物として助成制度を活用するための町屋のリストアップ、さらには、町屋を借りたい人、貸したい人など、町屋に関する情報の収集・提供などに、地域の皆様とともに取り組んでまいりたいと考えております。          〔橋本孝消防局長 登壇〕 ◎橋本孝 消防局長  私の方からは、城下町非常口マークの許可についてお答えいたします。  議員御案内の城下町非常口マークとは、消防法令でいうところの避難口誘導灯と思われますが、そのマークなどにつきましては、総務省消防庁の告示により定められております。  誘導灯の設置の目的は、世界共通の避難口であり、その旨を表示するものでありますが、熊本市を訪れるすべての人々の安全・安心の確保ということからも、そのマークを裁量により変更できないと考えておりますので、御理解をいただきたいと存じます。  今後、議員御提案のまちづくりの観点からも、地域の特色を生かした活用策については研究してまいりたいと考えております。          〔16番 田尻善裕議員 登壇〕 ◆田尻善裕 議員  ありがとうございました。  先ほど触れましたが、新町地区にある旧蔚山町、来週の16日に蔚山市の行政関係者がいらっしゃるというふうに聞いております。そして、町名復活の活動をされているということに大変興味を持っていらっしゃるということでした。  体験のできる城下町地区というのは、本市にとって今後も協働のまちづくりの成否を問う大事なポイントだと思っておりますので、よろしくお願いします。  非常口マークについては、本庁は言葉では、「地元がよかと言うならよかよ」と言って、地元では、本庁から文書で「よか」というのをくださいと言って、堂々めぐりになっております。今後とも、楽しいまちづくりについて提案をしてまいりたいと思います。  次に、花畑地区の再開発についてお尋ねいたします。  先日、花畑地区の再開発を進める熊本市花畑地区開発協議会が、プロポーザル方式による基本設計の募集をすることを発表されました。その資料を見ますと、施設の構成イメージとして、産業文化会館がある花畑公園南側に商業施設、業務施設、宿泊施設が、公園を挟んで北側に放送施設と市民ホールが計画されております。  当初、事業発案者が、熊本市の中心市街地活性化のために今まで熊本にない文化施設、劇場をつくりたいとの思いを受け、本市も賛同し、この事業に参画されたと私は理解し、その情熱に敬意を表し、これまで賛同してきていたのですが、今回の発表ではその肝心な劇場の部分が抜け落ちており、会見では代表者の方が、市民ホールに同様の機能を持たせることができるのではないかと発言されております。劇場がなくなるということは、本市の再開発事業への参画の前提条件が崩れてしまったのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。  確かに劇場経営は、新宿コマ劇場の経営破綻、福岡の博多座を見ましても赤字ですから、計画自体に無理があったと今になっては言えるのでしょうが、私も含め、多くの皆様が期待されていたのは事実です。  そこでお尋ねですが、再開発事業の核をなすと思われていた劇場ができなくなった今、本市は、今後、どのようにこの再開発事業にかかわっていかれるのでしょうか、市長の考えをお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  花畑地区の再開発につきましてのお尋ねでございますけれども、この再開発事業につきましては、先ほどお話もございましたように、当初は本格的な劇場を含む商業・業務等からなります複合ビルを計画されていたものでございます。  しかしながら、先日、熊本市花畑地区開発協議会から発表されました施設構成イメージにおきましては、劇場は確かに含まれてはおりませんが、産業文化会館がございます花畑公園南側の街区につきましては、低層部分には商業施設を、その上に業務や宿泊施設を配置されますなど、新市街や桜町との商業の連続性を重視したにぎわい空間の創出が期待できるものとなっております。  また、花畑公園の北側の街区では、市のホールと放送施設とが配置をされておりまして、崇城大学市民ホールや国際交流会館との連携によります、この地区一帯の文化交流機能の充実も見込まれるところであります。  再開発事業は、平成14年に完了いたしました上通・手取地区の例でもわかりますように、街の魅力を向上させ、にぎわい創出にも資するものと考えております。  10年前と比べまして歩行者通行量が半減をいたしますなど、他の地区と比べまして落ち込みの著しいこの地区にとりまして、花畑の再開発事業というものは、にぎわい向上に貢献する極めて重要な事業であると考えておりまして、隣接の桜町地区の再開発事業とともに、今後も積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。          〔16番 田尻善裕議員 登壇〕 ◆田尻善裕 議員  実は、今の質問は市長の本当の熱意を聞いてみたかった。劇場がなくても、熊本の活性化のためにやるのだという決意がどれほどあるのかなという思いを聞きたくて今の質問をさせていただきました。  劇場がなくても、再開発は極めて重要な事業である。そして、隣の桜町の再開発事業とともに、積極的に支援をしていくということの決意だと思って受けとめました。 やはり、劇場をつくりたいということで、賛同した人というのはいっぱいいると思います。市民の皆様に、それがなくてもやるのだと説得する熱意がなかったら、これからの再開発にとってよくはないと思って今の質問をさせていただきました。  ですから、私も、この計画が本市の活性化につながるように期待をいたします。  では、続いて再開発についてお尋ねいたします。
     この再開発事業にはNHK熊本放送局が参画の検討をされており、今回の施設構成イメージにも入っております。NHKの検討状況と、事業に参画し、移転する場合、その跡地はどうなるのでしょうか。私としては、この地は15世紀後半に出田秀信が千葉城を築いた熊本城発祥の地でもありますし、市で買い取り、整備してはと思うのですが、いかがでしょうか。  また、花畑再開発は、単にこの場所だけの問題ではありません。隣の桜町再開発とシンボルロード、辛島公園と一帯を含めた一貫性のある地区となるよう、将来を見据えた再開発にすべきです。  そこで提案なのですが、花畑公園を含む一帯を、バス路線確保のために1車線分交通センター方向へセットバックしてはいかがでしょうか。将来の市電のサイドリザベ一ションに備えることにもなります。  また、シンボルロードには、ギリシャ宮殿のように両脇に熊本に縁のある横井小楠初め坂本竜馬や宮本武蔵に始まり、夏目漱石、孫文など歴史上の人物や、それこそワンピースやマンガの登場人物のオブジェが、そこにシンボルとして出迎えるような仕掛けは考えられないでしょうか。  続いて、熊本城の前を流れる坪井川についてお尋ねします。  現在、本市では市民の力によって坪井川を拠点としてさまざまなまちづくりがなされています。みずあかりや舟運復活を目指した活動など、機運は年々盛り上がっている様相です。  改めて、坪井川に関してお話をさせていただきますと、この川は、遠く熊本城築城の資材を運び、城下町の大動脈として川の周辺に商家が立ち並び栄えてまいりました。船場の狸やおてもやん、下るだけで熊本の歴史を語れる川なのです。  本市も市民の声を受け、熊本駅前の東A地区の坪井川に面した場所を、将来、船着き場にも転用できるように水辺広場としていただきました。現在行われている坪井川舟運計画検討業務も3月未に調査が完了する予定です。  これまで県にも積極的に協力いただき今日に至っているのですが、県の管理河川であるため、市としても遠慮もあろうかと思います。政令市になる本市は、県との権限移譲の交渉を行っていると存じますが、この坪井川の所管は本市で引き受け、治水を含めたまちづくりに直接対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  以上、関係局長へお尋ねいたします。          〔高田晋都市建設局長 登壇〕 ◎高田晋 都市建設局長  私からは、中心市街地のまちづくりに関連した3点のお尋ねに、順次、お答えいたします。  まず、1点目の花畑地区再開発事業へのNHK参画の検討状況についてでございます。  NHKは、平成20年9月から熊本市花畑地区開発協議会の会議にオブザーバーとして参画され、放送会館の花畑地区への移転の可能性について検討を進められてきたところでございます。  今後、協議会としての事業計画がさらに具体的になる中で、経費面や設備面などの諸条件を詰めた上で、移転についての最終的な判断をされることになると考えております。  次に、2点目の花畑地区再開発エリアをシンボルロード側へシフトさせ、電車通りに新たなバスレーンを確保してはという御質問にお答え申し上げます。  現在、熊本市と桜町再開発準備会社が協力し、シンボルロードの歩行者空間化に伴って、バスターミナルに東からバスの出入りができなくなることを想定し、現在3カ所ある出入り口を減らしてもバスの運行処理が可能なのかどうか、検討しているところでございます。  また、この地区及び周辺は、再開発に加えて、桜の馬場観光交流施設や合同庁舎跡地の利用計画、さらには熊本城の本格復元などが進められることで、熊本城域を含め、将来、交通量の増加が見込まれるため、来年度に中心市街地や熊本城域の交通処理と回遊性向上のための検討を行うことといたしております。  その中で、議員御指摘のバスレーンの必要性の有無を含め、中心市街地の円滑な交通処理のための施策を総合的に検討してまいりたいと考えております。  また、御提案がございました歴史上の人物や漫画の登場人物のオブジェにつきましては、シンボルロードの整備計画を検討する中で、市民の皆様や議会の御意見を賜りながら、この地区一帯の整備が町なかのにぎわい創出につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、坪井川の県からの権限移譲についてお答え申し上げます。  政令都市移行に伴う河川の管理権限移譲につきましては、法令任意事務となっておりますので、現在、市域を流れる熊本県管理の43河川を対象に協議を進めているところでございます。権限移譲に当たっては、個々の河川が受け持つ安全性等の重要度や整備状況、さらには、まちづくりと連携した河川整備の必要性などを主な判断項目といたしております。現段階におきましては、県市において43河川のうち、どの河川を協議対象とするか、絞り込みを行っている状況でございまして、坪井川につきましても、判断項目をもとに協議対象の1つとして検討したいと考えております。          〔續幸弘企画財政局長 登壇〕 ◎續幸弘 企画財政局長  私からは、NHK熊本放送局が移転する場合の跡地についてのお尋ねがございましたので、そのことについてお答えいたします。  御案内のとおり、NHK熊本放送局のある場所は、出田三郎秀信により熊本城の始まりとされる千葉城が築城された地でございます。  また、細川忠利公の時代に客分として招かれ宮本武蔵が住んでいたという歴史を持つ場所でもございます。  この千葉城を含みます地区は、平成9年度に策定いたしました熊本城復元整備計画の中では、上通などの中心商店街に近い位置を生かし、かつ、県立美術館分館や伝統工芸館等の既存の施設を生かして、文化交流の場、サービスゾーンとして整備するとの基本方針が示されております。  しかしながら、現時点におきましては、NHKの移転が決定していない状況でございますので、移転となった場合の跡地の取り扱いにつきましては、その動向を見ながら検討してまいりたいと考えております。          〔16番 田尻善裕議員 登壇〕 ◆田尻善裕 議員  ありがとうございました。  熊本城復元計画の中でNHKの件は含まれており、その方針に沿って検討すると受け取りました。  また、シンボルロードの件、セットバックの件、よろしくお願いします。  坪井川の件は、まさに今県と調整している真っ最中ということで、うかつなことが言えないのかもしれません。しかし、江津湖も含めてそうですけれども、権限移譲とともに財源も一緒にもらうように交渉をお願いしたいと思います。  次に、観光について提案を主に質問に移ります。  本丸御殿が入城者日本一になったことが、今の本市にとってどんなにプラスに動いているかは、関係者だったら御理解できていると思います。私も議員になる前より、熊本城を中心としたまちづくりこそが本市の活性化につながると活動してまいりましたので、現在の状況はうれしくもありますが、まだまだ足りないところもございます。  現在、復元予定になっているものに百間櫓、西竹の丸五階櫓、数寄屋丸五階櫓、御裏五階櫓、櫨方三階櫓、北大手櫓門がありますが、そこにさらに追加をお願いしたいのです。それは、熊本城本丸天守閣であります。現在の本丸は、昭和35年に松崎吉次郎さんが、当時のお金で復元費用1億8,000万円のうち5,000万円と、けた外れの寄附をしていただいたおかげで復元されております。その志を引き継ぎ、その予算確保にいろいろな施策を考えながら、いつかは天守閣完全復元を目指してはいかがでしょうか。  財源の問題はありますが、図面は残っているし、文化技術の継承という意味では国家的プロジェクトになると思います。この復元をいつまでと言うことはしませんが、いつかは復元するのだという熊本人の心意気で復元計画に入れてはいかがでしょうか。また、現在、復元するとしたら幾らぐらいかかるものでしょうか、お答えください。  さらに、本市のシンボルである熊本城来城者を引き続きふやし、その経済効果をふやすものとして、本市に宿泊された方に対し、お城を入場無料とする企画は考えられないでしょうか。  これは、格安旅行企画などで、数百円節約するためにお城に入らず、バスで外からお城を眺めて県外に泊まるということが行われている、そのようなことが起きていると聞き及び、考えました。  また、このようなサービスがあるとかなりの宣伝効果も期待できますので、入場料の減少はあるかもしれませんが、宿泊がふえるとなれば、本市として最終的にはマイナスにはならないのではないでしょうか。  お城だけでなく、市の施設利用無料チケットなどの企画ができればさらにいいと思いますが、いかがでしょうか。  さらに、もう一つ提案として、熊本城を舞台とする世界コスプレ大会の開催です。和物をテーマにし、本物のお城が舞台となるとすれば、世界で唯一となります。  他都市を見てみますと、高知市と高知市教育委員会が主催するこうちまんがフェスティバルは2002年から開催され、実在した戦国武将が登場する「戦国BASARA」というゲームにちなんだコスプレ大会を開催して、参加者は四国のみならず本州からも来て、大変な盛況だそうです。現在、名古屋市では外務省と国土交通省の後援を得て世界コスプレ大会が開催されております。このイベントには世界各国から参加者が来ており、名古屋というブランドを世界へ発信するのに一役買っております。  お城まつりの一環とするのもよし、本物のお城が舞台となれば世界へ発信できると確信しております。ぜひ、実現させたいと思いますが、いかがでしょうか。  以上、経済振興局長へお尋ねします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、私のほうからは、熊本城天守閣の完全復元につきましてのお尋ねにお答えをさせていただきます。  本市におきましては、昨年、今後の熊本城の保存と活用のあり方につきまして、文化財保護、熊本城の魅力づくり、さらには地域活性化などの観点から、幅広く総合的に検討するために、特別史跡熊本城跡保存活用委員会を設置し、復元整備に関する事項につきましても論議をいただいているという状況でございます。  議員お尋ねの天守閣の完全復元についてでございますが、現在の熊本城天守閣は、絵図面や古写真を根拠とした鉄筋コンクリートによる再建であるのは、御承知のとおりでございます。  木造等によります完全復元は大変夢のあるものと考えますが、費用や技術面、また法律など、さまざまな課題もございまして、慎重に検討しなければならないだろうと考えております。  また、お尋ねの復元経費についてということでもございましたが、現段階におきましては金額が算出できるような状況ではございませんけれども、一説によりますと名古屋城の場合では、報道等によりますと500億円とも言われております。  また、本市の本丸御殿の復元が54億円ということを考えましても、かなり多額の経費を要することが見込まれると考えております。          〔谷口博通経済振興局長 登壇〕 ◎谷口博通 経済振興局長  私の方からは、熊本城の御質問に関連しての無料チケットと世界コスプレ大会の2点にお答えを申し上げます。  まず、1点目の宿泊者に対します市施設の利用無料チケット配布についてでございますが、本市宿泊客の増加を図るためには、観光客の宿泊を促すことのできるおもてなしの向上も必要と考えております。  このような中、夜の本丸御殿でのイベント開催など、宿泊につながる夜の観光の魅力向上に取り組んでいるところであります。  議員御提案の市施設の無料チケットの配布は、観光客へのおもてなしの一つであると思っており、今後、九州新幹線全線開業記念のキャンペーンなどで、宿泊客を対象とした特典の一つとして検討してまいりたいと考えております。  2点目の熊本城での世界コスプレ大会の開催についてでございますが、熊本城を舞台としたイベント開催は、熊本の情報発信や観光客誘致の面からも有効な手段であります。  御提案の世界コスプレ大会は世界的イベントであるとのことでありまして、このようなイベントが開催できれば、熊本を全世界に発信できると思っております。  名古屋での世界コスプレ大会は、外務省やテレビ愛知など、行政と民間が連携して開催されており、今後、熊本城での世界コスプレ大会の開催につきましては、市民の皆様と連携を強め、機運を高めてまいりたいと考えております。          〔16番 田尻善裕議員 登壇〕 ◆田尻善裕 議員  天守閣完全復元については、保存活用委員会に権限があるようでございます。新一丁目御門を含め、これからその検討委員会によってぜひ御議論をいただきたいと思います。  また、宿泊者に対する無料チケット、これはかなり前向きな御回答をいただいたと思っております。  それと世界コスプレ大会、議会でこういうことを発言するのはかなり勇気がいるんです。ただ、いろいろな人に話をすると、みんな乗ってくれます。商店街の人も、おもしろいからやろうと。そして、若い方はぜひやりたいと。高齢者の人もそういうのがあるなら見に行きたいと。いろいろな方が言うものですから、私も引っ込みがつかなくて、この議会で提案をすることになりました。  また、世界コスプレ大会を企画している関係者とも御縁があって知り合ったりとか。と言いますのは、コスプレというとどうも偏見を持たれるんですけれども、今の若い人は着物をコスプレ感覚で着るんです。そういう感覚でというふうに、皆さんに御理解をいただきたいと思います。決して、変なものを考えているのではございません。  それと、もう一つ。これは要望なのですが、熊本城にマスコットの馬を飼ってみてはいかがでしょうか。僕はこれはポニーでもいいと思うんですけれども、市民から名前を募集して、マスコットの馬というものが飼えれば、さらにお城に来てくれる人がいるのではないのかなと。馬のえさ代を、一口馬主として募集してはいかがかなと。これはあくまで要望ですけれども、検討をお願いします。  それでは引き続き、観光についてお尋ねいたします。  今月23日に本市と植木町が合併すると、ますますお城にとって魅力ある施策ができるようになります。田原坂が同じ本市の管轄になり、日本最後の内戦西南戦争の舞台としてアピールすることができるからです。  そこで今回は、西南戦争が舞台で、日本赤十字発祥の地となったジェーンズ邸の熊本城域への移築を提案いたします。  このジェーンズ邸は、もともと熊本洋学校へ外国人教師ジェーンズを迎えるために、現在の第一高校のある場所へ建てられたものです。  ちなみに、ジェーンズは、映画「ラストサムライ」でトムクルーズが演じたオールグレン大尉のモデルとも言われております。  この建物は日赤発祥の地であることから、日赤記念館及び日赤熊本事務所として昭和42年まで使用されておりました。現在の場所は湿気が多く、人目にもつかないところであるため、後世まで残すためにも早目に移築するべきだと提言させていただきます。  個人的に第一候補は桜の馬場一角の合同庁舎跡なのですが、とにかく、多くの方へ熊本の歴史をアピールするには、もともとあった城域への移築と方向性を出していただきたいと思います。  さらに、西南戦争の明治初期から少し時代は移って、明治後期、当時の日本の状況がよくわかる一冊の本に「城下の人」があります。石光真清という人が書いた手記なのですが、読むと、現在NHKで放送されている司馬遼太郎の「坂の上の雲」を連想させるスケールの大きな話で、この人の生家を2004年から向山校区歴史文化保存会の方たちが記念館として公開されております。私は、この「城下の人」を取り巻く世界は、本市のみならず日本にとっても残すべきものと思っておりますが、家の持ち主の善意と地元の方の熱意によってこれまで成り立っているのが現状で、多大な負担をかけているのが現状であります。市で買い取り、保存するとか、何か方策はとれないでしょうか。  次に移ります。  県外の方に本市の観光で熊本城の次に思い浮かぶものを尋ねると、水前寺公園という答えが返ってきます。そんな方たちが水前寺公園を訪れると、口々に、なぜ熊本市は水前寺公園を大事にしないのか、一帯が寂れている現状はおかしいと言われます。私が、裁判を含め、経緯を話すと納得されますが、それでも、どうにかすべきではないかと言われます。全く同感でありますし、本市も同じ気持ちではないかと察します。それゆえ、水前寺公園内にある古今伝授の間修復にも乗り出されたのではないでしょうか。今後の水前寺公園に対する取り組みをどうお考えになっているのでしょうか、お答えください。  続いて、観光と史跡・文化財との連携についてお尋ねします。  本市には多くの文化財や史跡が残っております。ほとんどの観光地の目的は、史跡や文化財を目指しているのが現状ではないでしょうか。  観光ルートに載っている史跡の中には、民有地も含まれています。例えば、先日、相談を受けた西の武蔵塚は、宮本武蔵の遺体が葬られていると伝えられている江戸時代の墓所ですが、墓所の子孫の方がこれまで周りの木を切ったり、草を取ったり、管理されてきたが、お年を召されてこれが難しくなった。後を引き継ぐ人もいなくて、困り果てて、市の看板もあり観光スポットになっているので、市に管理ができないかと相談したのですが、民有地だし、墓所だから無理だと言われたそうです。  幸い、地域のまちづくり活動をしている人たちが、年に数回、地域にとって大事なところだからと清掃をしている事実がわかったのですが、これまで持ち主はチェーンソーで木を切ったり、枝を払ったりとされていたので、そこまではできないだろうと心配されております。  このような案件で、市の観光看板があり、ホームページでも紹介しているような場所は、市が直接とは言いませんが、積極的に管理方法を検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。それぞれ担当局長へお尋ねいたします。          〔小牧幸治教育長 登壇〕 ◎小牧幸治 教育長  私の方からは、観光と歴史・文化財の連携について、ジェーンズ邸の熊本城域への移築について、そして、石光真清の生家の保存についての2点についてお答えをいたします。  まず、1点目のジェーンズ邸の熊本城域への移築についてございますが、ジェーンズ邸は、明治4年に古城地区、現在の第一高校敷地内に建てられておりまして、これまで数回の移築を経て、昭和45年に現在の位置に移築されております。  そして、昭和46年には、明治初期の洋館としての文化財的価値が評価をされまして、県指定の重要文化財となっております。  しかし、経年によります柱や2階のテラスなどの老朽化が著しいために、現在、仮設の補強を行っておりまして、今後、全解体修理が必要と考えているところでございます。その際、現在地での建てかえも考えられますが、建物そのものの歴史的意義も考えまして、議員の御提案も含めまして、幅広く検討してまいりたいと存じます。  次に、2点目の石光真清の生家の保存につきましては、現在、向山校区歴史文化保存会の方たちによりまして、記念館として公開をされておりますが、以前、指定文化財にならないかとの相談がありまして、調査した経緯がございます。その際の結論といたしましては、一部解体や改修が行われておりますために、本来の構造としての残りが少なく、指定は困難と判断させていただいたところでございます。そのようなことから、公設の記念館としての保存・活用を図ることは困難な状況でございます。          〔谷口博通経済振興局長 登壇〕 ◎谷口博通 経済振興局長  私の方からは、観光と歴史・文化財の連携につきまして、水前寺公園に対する取り組みと民間所有の史跡等の管理の2点のお尋ねにお答えを申し上げます。  まず、1点目の今後の水前寺公園に対する取り組みについてでございますが、国内の桃山式庭園の代表的なものとして全国でも有名な水前寺成趣園、通称水前寺公園は、国の名勝・史跡にも指定されている文化的な価値の高い史跡で、近年、環境省の平成の名水百選にも選定されるなど、本市の特徴である豊かで清冽な地下水がわき出る観光名所となっております。このようなことから、これまでも水前寺公園周辺の環境整備や観光PR等に努めてきたところでございます。  しかしながら、熊本城の入園者が大幅に増加する中、水前寺公園の入園者は微増にとどまるなど、往時のにぎわいを取り戻せていないのも事実でございます。  本年秋には、園内の古今伝授の間の修復工事が終了いたしまして、これにあわせまして、民間を中心に水前寺活性化に資するイベントも計画されており、本市としても支援していくこととしております。  いずれにいたしましても、観光の課題であります滞在時間の延長のためにも、水前寺公園及び江津湖一帯の観光活性化は重要な課題であり、一層の魅力向上にこれからも努めてまいる所存であります。  2点目の観光地としての価値のある民間所有の史跡・文化財の管理についてのお尋ねですが、西の武蔵塚は、宮本武蔵の弟子寺尾信行一族の墓所で、龍田にあります武蔵塚には、武蔵の太刀だけを埋め、遺体は寺尾家の墓所に葬られたという説があり、西の武蔵塚と呼ばれております。  本市としては、観光ホームページや島崎周辺の案内マップでの紹介など、武蔵ゆかりの地としてPRに努めてきたところであります。  今後の維持管理につきましては、民地であることから、現状では難しいものと認識しておりますが、地元の方々と話し合いをしてまいりたいと考えております。          〔16番 田尻善裕議員 登壇〕 ◆田尻善裕 議員  お答え、ありがとうございました。  ジェーンズ邸移築については、行政の方も思いは一緒だというふうに受けとめました。近い将来、城域内で見られることができるかもしれません。  石光真清記念館については、建物としては困難だが、その功績というか、その世界の認知が広がれば、可能性が出てくるかもしれないというふうに理解しております。
     次に、観光に関連して質問します。  現在、観光をアピールする上でホームページは必要不可欠なものになっております。本市の観光に関連したホームページを調べてみると、観光政策課が「満遊くまもと」、水保全課が「くまもとウォーターライフ」、ブランド推進課が「わくわく都市くまもと」、熊本城総合事務所が熊本城公式ホームページを作成しております。市関連のくまもとお城まつり、熊本国際観光コンベンションなど、内容には同じものも多く、外国語対応もまだまだ不完全です。担当課の熱い思いは理解いたしますが、本市として、市の広報として考えてみますと、ホームページで告知する重要さはわかっておりますけれども、調べてみると観光関連だけで合計で年間2,000万円以上を超える運用経費もかかっております。観光を初め、幾つもある市関係のホームページをわかりやすく統一するとともに、外国語をさらに充実するようできないものでしょうか。以上、企画財政局長にお尋ねいたします。          〔續幸弘企画財政局長 登壇〕 ◎續幸弘 企画財政局長  ホームページについてのお尋ねにお答えいたします。  本市では、平成9年に開設いたしました熊本市ホームページを初め、各課が独自に開設したホームページによりさまざまな情報をきめ細やかに提供いたしております。  また、熊本市のホームページから各課のホームページに容易にたどりつけますよう、トップページにリンクを設置しているところでもございます。  これらの各課のホームページは、より詳しい情報の提供やアピール度を高めるなど、事業課独自のねらいもあり、現在は独立した運用を行っております。  しかしながら、議員お述べのように、内容が重複している事例も一部には見られますことから、経費面も含め、検証の必要性もあるかと考えております。  いずれにしましても、ホームページは、利用者が使いやすく、便利に活用できることが大変重要でありますため、本市が有している各ホームページの運用内容の実態調査を実施しますとともに、関係部局と連携し、今後の情報提供のあり方を研究してまいりたいと考えております。  また、外国語の対応につきましては、現在、策定中の新国際化指針におきまして、熊本のまちの魅力の発信や、外国人にとっての住みやすさの観点から、情報の多言語化の推進が示されており、今後、ホームページにおきましても、その充実に努めていきたいと考えております。          〔16番 田尻善裕議員 登壇〕 ◆田尻善裕 議員  ありがとうございました。  これから検証をしていくというお答えをいただきましたので、ぜひ、よろしくお願いします。  それでは、最後の質問に移らせていただきます。  観光に関する県との連携と九州横軸連携についてお尋ねします。  まず、県との連携については、観光についてこれまで幾つかの提案を含めて話をさせていただきましたが、観光には、相手に印象づける宣伝がとても大事になります。県外や外国の方たちへ本市だけで宣伝するのはいかがなものでしょうか。私は、県と市がそれぞれ単独で宣伝しているため、ばらばらの印象があるとの指摘を受けました。観光客にとっては、県も市もありません。政令市を目前にし、県からいろいろな権限が移譲されようとはしておりますが、観光に関しては、今後、ますます県と連携を組んで、一緒に取り組んでいくべきだと考えますが、いかがお考えでしょうか。  次に、今後の九州横軸連携についてお尋ねいたします。  現在はまさに経済活性化戦国時代というほど、各県、各地域が知恵を絞り、汗をかき、自分の住む場所の魅力づくりに力を注いでおります。それは、そこに住んでいる住民自身の活性化でもあり、都市間競争の幕開けでもあります。それゆえ、本市も来城者日本一を誇る熊本城をシンボルに、「くまもと」自身をブランド化して、それに取り組んでいることと存じます。  東アジア戦略にしろ、道州制の州都を目指した今後の動きにしろ、私たちは単に熊本市のことだけを考えていい時代は過ぎたと言ってもいいと思います。  かつて本市は、九州で初めて電灯がともり、日本初の公衆電話が設置され、ラジオ局も九州で初、郵便役所も九州初、スクランブル交差点は日本初、日本赤十字発祥の地であり、現代文化の象徴であるマクドナルドも九州初出店をしている地であります。100%の清冽な地下水都市で、数々の人材も輩出している大熊本市と呼ばれたほどのまちであります。私たちはその誇りを持ち、政令市になろうとも、観光施策を初め、県全体の発展のため、さらに県との連携を深め、九州各県に目を配りながら、九州全体を引っ張るような意識を持つべきです。  そんな中で本市は、鹿児島、福岡と三都市交流連携協定を結ばれました。縦軸の土台はできました。これからは、それ以外の横軸の人たちとの連携に取り組み、世界へ向けて九州という視点でアピールする準備時期に来ていると思いますが、市長はどのような考えをお持ちでしょうか、お尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  観光に関しまして、県との連携と、それから九州横軸連携について、以上、2点につきましてお答えをさせていただきます。  まず、県との連携についてでございますが、本市の観光・コンベンションの振興を図る上におきましては、県との連携は極めて重要でございまして、熊本市観光振興計画の策定におきましても、県に参加をしていただいているところでもあります。  これまでも、県が実施をされます観光キャンペーンへの参加や、県市合同での高速バスのラッピング広告掲出など、連携して観光PRを行っておりますほか、県下7市で開催しております大阪物産展におきましても、県の大阪事務所に御協力をいただいているという状況でもございます。  現在、九州新幹線全線開業に向けました開業記念イベントの開催や、観光客誘致につきまして、県の新幹線くまもと創りプロジェクトや、KANSAI戦略とも連携を図っているところであります。  いずれにいたしましても、本市の観光振興にとりまして、県との連携強化というものは不可欠でございます。  また、逆に、県全体の観光振興にとりましても、熊本市の観光資源を生かしていくということは、とても重要なことでございます。以前でありますれば、県の観光振興には熊本城が入っていなかったでありますとか、逆に、熊本市の観光に対して、阿蘇や天草、そうしたものの活用がなされていなかったでありますとか、先ほどのばらばらという御指摘が過去にはあったという認識の中で、県と市の連携を深めることによりまして、全体としての観光振興につなげていかなければならない、そのような思いを私自身も強く持っているものでございます。  続きまして、横軸連携につきましてお答えをさせていただきます。  これまでの都市連携におきましては、福岡市、鹿児島市と立ち上げました九州縦断県都観光ルート協議会でございますとか、大分市、別府市、北九州市との東・中九州観光ルート協議会、熊本県内における阿蘇・熊本・天草観光推進協議会などによりまして、広域連携による観光振興に努めてきたところであります。  また、一昨年の8月には、先ほど御紹介もありましたような鹿児島市、福岡市との交流連携協定を締結いたしまして、相互の信頼関係を強化し、市民交流などさまざまな分野における協力・連携を着実に進めてきたところでもあります。  特に、ことしの2月に三都市連携事業として取り組みました大阪でのプロモーションでありますが、大変盛況でございまして、私も含め、両市長ともに大きな手ごたえを感じますとともに、都市連携の効果というものを再認識したところでもあります。  今後、九州各都市が連携し、九州が一体となって取り組んでいくことが重要であると、そのこともそれぞれの市長で確認をしたところであります。  来年春の九州新幹線鹿児島ルートの全線開業を契機といたしまして、広く関東・関西や東アジアに目を向け、九州の各都市がそれぞれの特性を生かしながら、互いに連携を図り、九州の一体化を促進することが重要でございます。  私ども熊本市は、平成24年4月の政令指定都市移行に向けまして準備を加速しているところであります。九州で3番目の政令市として九州内での果たすべき役割や、あるいは求められる責任というものも増すものと考えておりまして、今後、九州縦軸連携のさらなる強化を図りますとともに、九州中央に位置する拠点といたしまして、地理的優位性というものを最大限に発揮し、大分・宮崎、長崎・佐賀へと横軸連携も強化し、九州全体の活力創出と一体的な発展に向けて取り組んでまいる所存であります。          〔16番 田尻善裕議員 登壇〕 ◆田尻善裕 議員  市長、ありがとうございました。ぜひ、その心意気で頑張っていただきたいと思います。私も微力ながら一生懸命、熊本活性化のためにも頑張らせていただきたいと思います。  これで準備した質問をすべて終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)       ───────────────────────────────── ○田中誠一 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は、明9日(火曜日)、定刻に開きます。       ───────────────────────────────── ○田中誠一 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                              午後 4時08分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成22年3月8日 出席議員 49名       1番   坂 田 誠 二        2番   田 中 誠 一       3番   くつき 信 哉        4番   紫 垣 正 仁       5番   田 中 敦 朗        6番   重 村 和 征       7番   那 須   円        8番   上 田 芳 裕       9番   前 田 憲 秀       10番   原     亨      11番   澤 田 昌 作       12番   倉 重   徹      13番   満 永 寿 博       14番   大 石 浩 文      15番   高 島 和 男       16番   田 尻 善 裕      17番   上 野 美恵子       18番   東   美千子      19番   有 馬 純 夫       20番   三 島 良 之      21番   齊 藤   聰       22番   津 田 征士郎      23番   白河部 貞 志       24番   藤 山 英 美      25番   村 上   博       26番   東   すみよ      27番   日和田 よしこ       28番   藤 岡 照 代      29番   下 川   寛       30番   田 尻 清 輝      31番   北 口 和 皇       32番   中 松 健 児      33番   佐々木 俊 和       34番   田 尻 将 博      35番   田 辺 正 信       36番   家 入 安 弘      37番   鈴 木   弘       38番   竹 原 孝 昭      39番   古 川 泰 三       40番   牛 嶋   弘      41番   税 所 史 熙       43番   落 水 清 弘      44番   江 藤 正 行       45番   主 海 偉佐雄      46番   嶋 田 幾 雄       47番   益 田 牧 子      48番   上 村 恵 一       49番   西   泰 史      50番   磯 道 文 徳 説明のため出席した者   市長       幸 山 政 史    副市長      西 島 喜 義   副市長      寺 崎 秀 俊    総務局長     寺 本 敬 司   企画財政局長   續   幸 弘    市民生活局長   原   幸代子   健康福祉局長   甲 斐 節 夫    子ども未来局長  木 村 正 博   環境保全局長   奥 山 康 雄    経済振興局長   谷 口 博 通   都市建設局長   高 田   晋    消防局長     橋 本   孝   交通事業管理者  松 永 浩 一    上下水道事業管理者加 耒 英 雄   教育委員会委員長 大 迫 靖 雄    教育長      小 牧 幸 治   代表監査委員   濱 田 清 水    農業委員会会長  森   日出輝   財務部長     石 櫃 紳一郎 職務のため出席した事務局職員   事務局長     中 島 博 幸    事務局次長    山 田 利 博   議事課長     木 村 建 仁    議事課長補佐   大 村   淳...