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平成20年第 1回定例会-02月28日-03号
平成20年第 1回定例会−02月28日-03号

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  1. 熊本市議会 2008-02-28
    平成20年第 1回定例会-02月28日-03号


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    平成20年第 1回定例会-02月28日-03号平成20年第 1回定例会   平成20年2月28日(木曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第3号                         │ │ 平成20年2月28日(木曜)午前10時開議               │ │ 第  1 質問                             │ └─────────────────────────────────────┘                              午前10時01分 開議 ○牛嶋弘 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ─────────────────────────── ○牛嶋弘 議長  日程第1「質問」を行います。  順次発言を許します。落水清弘議員。         〔43番 落水清弘議員 登壇 拍手〕 ◆落水清弘 議員  おはようございます。自由民主党熊本市議団の落水でございます。  本日は、はえある平成20年第1回定例会質問のトップという機会をお与えいただき、先輩、同僚議員の皆様方に心から感謝を申し上げます。  では、まず初めに、今議会に提案されております平成20年度当初予算案について、何点かお尋ねいたします。  市長も提案理由の中で述べられておられるように、来るべき新年度が、熊本市にとって将来の方向性を決定づける重要な年であることは間違いありません。合併、政令指定都市実現に関していえば、去る1月30日に総務大臣による告示が行われ、正式に富合町との合併が決定いたしました。また、城南町との任意協議会の設置や、植木町、益城町での研究会の開催など、いささか遠回りをした感はありますものの、合併特例法の期限を考えるとぎりぎりのタイミングで、今このときを何とか頑張れば政令指定都市実現に手が届く状況を迎えていると感じております。  また、昨年5月に国からの認定を受けた熊本市中心市街地活性化基本計画では、熊本駅から、そして熊本城まで、中心市街地における再開発やまちづくりなどのさまざまな事業が描かれております。無論、計画はつくって終わるわけではなく、それからが始まりなわけです。そういう意味でいいますと、新年度は計画実現に向けて極めて大事な年であり、平成23年春、新幹線鹿児島ルートの全線開業に向けて、待ったなしで着実に取り組みを進めていかなければならないわけです。  それから、たびたび申し上げてきたことですが、観光立市くまもとの実現に向けた取り組みです。熊本城築城400年祭もいよいよエピローグを迎え、本丸御殿の落成に合わせた各種行事も今回の予算に含まれておりますが、昨年入園が、平成8年以来100万人を超え回復基調にある中で、築城400年以降の熊本城観光をどうするのか、また熊本城以外での観光行政についても、新たな展開を考えるべきときであります。
     このほか、バス網や鉄軌道系などの公共交通体系の問題も大きな転換点を迎えていると思います。  このように、平成20年度という年は、熊本市にとって実に重要な年になるわけで、その意味からも、市長は新年度の予算編成においても、さまざまに意を用いられた点があるかと思います。まずは新年度の予算編成に当たっての市長の基本姿勢と、特に力を入れられた点についてお尋ねいたします。目玉となるような施策を中心にお答えいただければと思います。  次に、歳入の面からお尋ねいたします。  昨年末に国が公表した地方財政計画を見てみますと、その規模は対前年度比プラス0.3%、地方一般歳出がプラス0.0%、税や交付税などの一般財源の総額がプラス1.1%となっており、国としては一般財源の総額は増額となっていると言っております。  しかし、これをそのまま信用してもよいものでしょうか。税収の伸びが鈍化しておりますのは明らかで、本市を初めとする地方では、想定どおり伸びるとはとても思えません。また交付税についても、交付税特別会計からの借入金の償還を繰り延べするなどで確保されたものであります。このように一般財源が伸びない中で、本市独自の自主財源が確保できるかというと、そう簡単にはいきません。例えばネーミングライツによる財政確保策について、一昨年の第1回定例会でも私から提案いたしましたが、市民会館で取り組みをされている点は評価いたしますものの、実際には民間からの応募がなく、いまだ実現に至っておりません。  なぜこのようなことを長々と申し上げたかといいますと、昨日、本議会においても、国に対し意見書を提出いたしました道路特定財源の暫定税率についてお伺いしたいのです。昨年度から国会においてはさまざまな論議がなされており、暫定税率をやめてガソリンを安くしろといった意見や、いやいや、まだまだ道路の整備は不足しているところもあり、暫定税率のまま道路特定財源として堅持すべきだなどの意見が飛び交っておりました。  私自身は、このような論議自体が地方の実情を知らぬむなしいものであると感じております。現実問題として、昨日も申し上げましたが、熊本市は道路特定財源を原資とする自動車重量譲与税を、平成18年度の決算ベースで約25億円もらっており、仮に暫定税率が廃止された場合12億円の減収となり、また国からの補助金への影響を考えると、減収額はさらに大きなものになります。これで一体、本市の道路行政がこのまま維持できるものでしょうか。  そこで市長にお尋ねいたします。私は道路特定財源の暫定税率は現行を堅持し、地方道路整備の推進に資するべきと考えますが、市長はいかがお考えでしょうか。  次に、冒頭申し上げました重要な政策課題の部分と重なる点もありますが、昨年度末に我が自由民主党熊本市議団から市長に対して行いました新年度に向けての要望書への対応状況についてお尋ねいたします。  既に、昨年末お手元に渡っておりますので、穴があくほど見ていただいているかと思います。大項目だけ申し上げます。  一、「政令指定都市の実現に向けて」、一、「観光立市くまもと創造について」、一、「新幹線と熊本駅周辺整備について」、一、「地域活性化(都市再生)について」、一、「建設的な議会と執行部の関係について」、一、「健全な市職員育成について」以上6項目について、新年度予算の中でどのような対応をされているのか、お尋ねいたします。  熊本市が九州の州都として発展していくために、今すぐにでも実行に移すべき事項ばかりですので、予算化した事業を中心にお答えいただきたいと思います。幸山市長に御答弁を願います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  新年度予算に関しまして、3点御質問がございました。順次お答えさせていただきたいと思いますが、どれも重要な課題でございますので、少し長くなりますことをお許しいただければと存じます。  まずは、平成20年度当初予算編成に当たっての、基本的な考え方につきまして申し上げます。  先ほども御紹介がございましたが、来るべき新年度は本市の将来の方向性を決定づける、実に重要な年であるとの認識のもとに、予算編成を行わせていただきました。そのような中で、特に意を用いました主な施策につきまして、まちづくり戦略に関します項目を中心に申し上げますと、まずターゲット1の「良好な環境を未来へと引き継ぐまち」におきましては、地下水涵養のための白川中流域での水田湛水事業などの地下水保全対策の推進などに、引き続き取り組んでまいりますとともに、特に環境に優しい交通機関の利用促進につきましては、中心市街地における交通ビジョンの策定を行いますほか、バスサービスの水準やバス交通のあり方についての検討、さらには都市圏における鉄軌道ネットワーク強化に向けた調査などを行ってまいります。  次に、ターゲット2の「子どもたちが健やかに成長するまち」におきましては、熊本市総合保健福祉センター愛称ウェルパルくまもとの開設とあわせまして、子供に関する相談を一元的に受ける子ども総合相談室や、障がいの早期発見、早期療育を目指します子ども発達支援センターなどを設置し、安心して子育てができる環境づくりを目指してまいります。  また、妊婦・乳幼児健康診査の拡充や、ひとり親家庭等自立促進計画に基づく施策の展開、そして児童相談所の開設に向けました人材の育成や調査に取り組んでまいります。  個をはぐくむ学校教育の推進につきましては、中学校における少人数学級、少人数指導に関して、検討委員会を設置することといたしております。  次に、ターゲット3の「人々が集う元気なまち」におきましては、中心市街地の活性化を図りますために、民間が主体となる花畑地区や桜町地区の市街地再開発事業に支援を行ってまいります。  また、熊本城築城400年祭のエピローグを迎えまして、この機会を熊本城域のみならず、中心市街地にぎわい創出にもつなげますため、地元商店街とも一体となりました各種行事を開催しますとともに、今後の熊本城を中心とした魅力ある都心の形成を目指しまして、桜の馬場地区の利活用の検討も引き続き進めてまいります。  そして、熊本駅前東A地区市街地再開発事業や新幹線建設連続立体交差事業の促進、熊本駅西土地区画整理事業や、関連する都市計画道路の整備などを着実に行ってまいります。  最後になりましたが、合併政令市の実現に向けた取り組みといたしましては、富合町との円滑な合併に向け、必要な準備を行いますほか、城南町と引き続き合併任意協議会を開催してまいります。  続きまして、2点目の道路特定財源につきましてお答えさせていただきます。  地方の道路行政にとりまして、道路特定財源を原資とする譲与税及び交付金は貴重な財源でございまして、本市が直接的に受け入れている額でありますが、平成18年度決算ベースで約25億円、平成20年度の当初予算でも23億円を計上いたしております。仮に暫定税率が廃止され、本則に戻ったとして試算いたしますと、新年度では約11億円の歳入減となりますし、さらには国庫補助金の縮減に伴う事業量の減少や、本市が直接的に関連しております国道3号北バイパス連続立体交差事業など、国・県の道路整備事業への影響をあわせて考えますと、暫定税率廃止の及ぼす道路整備への影響は実に多大なものとなります。  昨年末来、さまざまな議論が国を中心に行われます中、全国市長会におきましては1月24日に、現行の税率水準を維持し必要な道路整備財源の十分な確保を行うよう、緊急決議を行っており、また2月には県内の中央団体、そして中核市市長会としても同様の要請を行っているところであります。  そうした中、きのうの本会議におきましても、道路特定財源の堅持に関する意見書につきまして可決いただいたところであります。私自身も、先ほど申し上げたような市長会等で活動しておりますように、現行の暫定税率の維持は必要だと考えております。その前提で、きのう改めまして、賛成、反対、双方の立場からの討論につきましてじっくりと伺わせていただきました。反対討論での、特定財源は廃止して地方の財源は確保するといった対応でございますが、残された期間も少ない中で、現実的には難しいのではないかとの不安を覚えます。また、たとえ本市の財源が確保されたといたしましても、先ほど申し上げましたような、都市圏の骨格を形成することになります国道等がストップしてしまうことになりますと、九州新幹線開業や、あるいは連続立体交差事業完成を見据えた本市のまちづくりに、重大な支障を来すのではないかといった点におきましても不安を感じております。  話は少しそれますが、今回私も含めまして、地方自治体の首長がこぞって特定財源の堅持の立場を示しておりますのは、三位一体の改革のトラウマがあるからではないかと考えております。あのときも地方分権の名目で進められたはずの改革が、結果として交付税が大幅に削減され、財政状況の厳しさが増しただけで、地方分権が進んだ実感はほとんどございません。その二の舞になるのが怖いのだというふうに感じておりますし、私自身もそのようにとらえております。  確かに、30年以上も続いております暫定という形が正しいのか、今後10年間、現行維持がベストかと問われれば、それに対してもろ手を挙げて賛同するものでもありません。また地方分権の推進を望みます立場から、教育や福祉等にも充当できる一般財源の充実も必要でございます。昨夜ちょうど民主党から対案が提示されたということを聞いております。今後、国会におきまして本格的に議論されることになるのでしょうが、暫定税率の堅持か廃止かという二者択一的な議論ではなく、しっかりとこの地方の実情を踏まえていただきまして、なおかつ地方分権が着実に前進するような方向で議論が進んでいくことを期待いたしております。  最後に、昨年末いただきました要望の対応についてお答えさせていただきます。  穴があくほどは見ておりませんけれども、じっくりと見させていただいた上でお答えさせていただきたいと思います。  先ほど申し上げました重点施策にかなり含まれておりますが、それ以外につきまして関連予算の主なものを申し上げますと、まず一つ目の、政令指定都市の実現に向けてにおきましては、熊本市民あるいは都市圏住民の機運醸成に向けた取り組みや、職員の政策立案等の能力向上を目指し、政策研究を行う予算等も計上させていただいております。  次に、観光立市くまもと創造におきましては、熊本城築城400年に関する諸事業はもとより、動植物園、水前寺、江津湖魅力向上に向けた取り組みでありますとか、韓国、台湾、中国からの海外観光客誘致、及び九州新幹線全線開業をにらみました山陽道、関西方面での観光PRの拡充などに、重点的に取り組むこととしておりまして、結果、新年度の観光関連予算につきましては、予算区分の目の観光費が、前年比プラス34%の約4億5,000万円程度となっております。また熊本駅から熊本城間の新町・古町地区におきましては、協働のまちづくりを推進するため、新たな支援制度を創設することとしておりまして、さらに文化財保存修復基金を活用した、北岡自然公園内の妙解寺跡土塀修復工事などを行ってまいります。  次に、地域経済活性化につきましては、新総合計画や都市マスタープランなどの計画策定を通じまして、本市の魅力を最大限に引き出すことができるよう努めてまいります。  さらに、4点目の熊本駅周辺整備につきましては、先ほど申し上げました熊本駅前東A地区再開発事業などの各種事業の推進を図りますとともに、東A地区と隣接いたします坪井川沿い親水空間整備に新たに着手いたします。  5点目の、健全な市職員育成につきましては、熊本市職員の倫理の保持に関する条例の上程や、公務員倫理あるいは意識改革に向けた研修を実施してまいりますことで、市職員としてのさらなる意識の高揚に努めてまいります。  最後になりますが、建設的な議会と執行部の関係についてでございますが、これまでも申し上げてまいりましたように、私といたしましても67万市民の公共の福祉のため、議会と執行部とがそれぞれの立場で切磋琢磨し、前向きな議論を重ね、よりよい緊張と協調の関係を築き上げていかなければならないと考えております。そのためにも、政策立案などのでき得る限り早い段階での説明に心がけ、議会との御議論の中でさまざまな施策の推進に、今後も全力で取り組んでまいる所存であります。  以上であります。          〔43番 落水清弘議員 登壇〕 ◆落水清弘 議員  幸山市長、早いもので市長が御就任されて、この当初予算を編成されるのも、もう6回目になるわけでありますが、その6回の中では、あくまで私の感覚ですけれども、今回が最もバランスのとれた形になっているとは感じております。もちろん歳入面が過去に比べれば随分楽になってきたという現実もあるわけです。どちらにしましても、今回我が党からの要望書に対して真摯に対応していただいたことは本当によかったと思っております。議員はそれぞれがその道のエキスパートであります。昔から三人寄れば文殊の知恵と申しますように、今後も議会からの御意見を積極的に取り入れていただくようにお願い申し上げます。  また、ただいまの暫定税率の件に関しましては、三位一体のトラウマという言葉を使われ、ある意味で市長御自身の苦悩が見えました。やはり今の時代のトップというものは大変な心労だと思います。二者択一ではない、このことも多分ここにおられる政治、行政にかかわっていらっしゃる方は、大体の方が首を縦に振られたんではないかと思います。それほど今の政策論議は難しい状態にあります。どうかマスメディアの方々におかれても、このように地方議会の中で真剣に取り組んでいる姿も、取り上げていただければ幸いでございます。  では次に移ります。  通告2、行政改革に関する質問に移りますが、初めに、先ごろ発生した職員の不祥事に関連してお尋ねいたします。  市長は、このところ毎回、市議会の提案理由の説明の際に、職員が起こした不祥事の陳謝を行っておられますが、不幸にも今回もまたございました。自分自身がなされたことでないにもかかわらず、大変お気の毒な感もありますが、管理監督の最高責任としては、やはりその責任は重いというほかありません。  聞くところによりますと、今回事件を起こした職員は、ふだんの勤務状況は大変まじめで、仕事もできる職員だったとのことであります。なぜそのような優秀な職員がこのような事件を起こしてしまったのか、その原因はどこにあるのか、徹底的に分析する必要があると思います。  折しも、今議会に熊本市職員の倫理の保持に関する条例の制定が提案されておりますが、条例でどんな立派な倫理規定を制定しても、具体的な改善策に何も取り組まなければ、効果は全くないと同じです。まさに仏つくって魂入れずの状態に終わってしまうのではないかと心配しております。  私は不祥事が続く原因として、現在の市役所の職場環境の悪化があるのではないかと考えます。例えば行革の一環で職員数は全体的に減ってきている中、時間外も一律に減らすことを求められるなど、職員が仕事に追いまくられる状態にだんだんなってきているのではないのでしょうか。特に近年は会議のための会議や、さまざまな資料づくりなどの作業ばかりが増大し、職員はそれをこなすのに追われて、一人一人が意欲や向上心を持って仕事に取り組める環境にはないのではないかと思います。その結果、職員は精神的ストレスがふえる一方で、仕事に満足感を見出せなくなり、そのことが不祥事多発のきっかけになっているのではないかと考えます。  そこで一つの参考でありますが、職場管理の手法として、民間では有名ないわゆるトヨタ方式のカイゼンがあります。カイゼンは片仮名4文字で書きます。そのポイントを簡単に言いますと、トヨタの職場では、一人一人に考えさせることが徹底しており、全従業員が日ごろから改善を考えながら仕事に取り組める環境ができていて、そしてまた、社員からのさまざまな提案を組織が吸い上げる仕組みを実現しているというところであります。  そこでお尋ねでありますが、本市においても、トヨタ方式のカイゼンという手法を取り入れ、職員みんなが仕事にやりがいを持てるような、職場環境の実現に向けた具体策を実施すべきと思いますが、市長のお考えをお聞かせください。  次に、行財政改革についてお尋ねいたします。  本市におきましても、行財政改革に積極的に取り組んでおられますものの、そこで生み出された財源は、それ以上に減少する地方交付税にかき消され、財政運営は厳しくなる一方であります。行財政改革は、このように財政再建に向けた必要な財源確保のための有効な手段としての側面に目が行きがちですが、それは改革を上辺だけでとらえた考え方ではないかと私は思います。さらなる改革を求められている今こそ、行政改革の本来の目的である総コストの削減を初め、行政サービスのあり方の検討や品質の向上といった原点に、いま一度立ち返る必要があるのではないかと考えるものです。  そしてまた、最も大事なことは、その仕事を実際に手がける職員のやる気であると考えます。そして職員の改革への士気を高めることが、市長の大切な大きな仕事の一つではないかと考えるものです。具体的には、行政に民間の経営感覚、すなわち成果主義、顧客主義、事後評価の3つの要素を導入し、行政の活性化、効率化を図ることでありますと言いたいところですが、成果主義とは言ったものの、自分たちの仕事を評価することになれてはいないし、顧客主義といっても、国の補助事業や法令に基づく仕事が多いことから、職員は市民の視点というよりは、むしろ国やサービス供給側の視点に立っている場合が多いのかもしれません。しかし、このような組織風土や職員の意識を変革し、当たり前のことが当たり前にできるようにする、これが行財政改革の基本中の基本ではないかと考えるものであります。  全国の自治体では、既に組織の改編や職員定数の削減など、行政内部の改革は終え、新しい時代に対応する公共サービスのあり方などの見直しが、もう始まっています。本市でも、平成21年度以降の新行財政改革計画の策定作業が進められていると聞いております。  そこでお尋ねいたします。次期計画の基本的な考え方、主な取り組みについてどのように考えられているのか、また達成できた項目は、次期計画策定を待たずに、前倒ししてでも推し進めることはできないものでしょうか。  最後に、平成18年6月に制定されたいわゆる公共サービス改革法、けさもこれはテレビ報道でやっておりました。公共サービス改革法による市場化テストへの取り組みについて、本市ではどのように取り組んでいくつもりなのか。この法律では、これまで対象が数項目の窓口業務に限定されていましたが、先ほど国が示した通知では、民間委託できる窓口業務が二十数項目に拡大されたとも聞いております。  以上、市長のお考えをお聞かせください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  行財政改革につきまして、3点お答えさせていただきます。  まず、1点目の職員の意識改革についてでありますが、昨年来不祥事が続いております中で、全庁一丸となって公務員の倫理の高揚や意識改革のために、職場内研修等に取り組んでおります最中に新たな不祥事が生じましたこと、私自身、本当にじくじたる思いでございまして、その責任の重さというものを痛感しております。  今議会におきまして、職員全体の倫理観を醸成いたしますために、熊本市職員の倫理の保持に関する条例を上程しておりますが、今後この条例を基本理念としながら、本市職員としての行動規範等を策定し、階層別研修等の機会を利用し、全職員に周知徹底を図りたいと考えているところであります。  また一方、職員のモチベーションを高め、目標と意欲を持って仕事に当たる職場環境の整備も、不祥事防止対策の一つであろうと認識いたしております。このようなことから、現在、管理職におきましては目標管理の手法を取り入れておりますほか、一般職では国等への派遣研修を公募制としたり、自主学習グループへの支援も実施しているところであります。  議員御提案のトヨタ方式カイゼン手法につきましては、意識改革や職場環境の整備に取り組みます上で参考としながら、職員一人一人がみずから考え、またその意見が組織に反映されるような、職員がやりがいを持って仕事ができる職場づくりに、今後もさらに取り組んでまいりたいと考えております。  次に、新たな行財政改革への取り組みについてお答えいたします。  平成16年度から取り組んでおります現在の行財政改革推進計画でありますが、おおむね順調に推移しているところではございますが、昨今の地方をも巻き込んだ国の行政改革、そして不透明感が漂います日本経済等を考えましたときに、今後も引き続き本市を取り巻く行政環境は大変厳しいことが見込まれ、また複雑化、高度化するニーズに的確にこたえていかなければなりません。  さらには、政令指定都市の実現を初め、九州新幹線鹿児島ルートの全線開業への対応、中心市街地の活性化といった、本市の将来の発展に不可欠な取り組みなどを着実に推進しながら、新しい熊本をつくってまいりますためには、行財政改革への取り組みを一層強化しなければならないと考えております。  このようなことから、現在新たな計画を策定しているところでありまして、その目標には、新しい熊本づくりを支える、簡素で効率的な行政体制の整備と財政の健全化、また市民志向の質の高いサービスを提供する市政の実現を掲げているところであります。  また、改革の主役は、現場で実務に当たる職員でありますことから、行政評価の導入や情報公開の充実によりまして、費用対効果や、市民を念頭に置いた仕事の進め方が浸透するなど、改革意識が着実に醸成されておりますが、より一層の意識改革を図ります観点から、改革の視点として、顧客である市民の視点に立った市民志向の改革、評価、検証に基づき目標を達成する成果重視の改革、そして職員一人一人が自発的、自主的に取り組む現場からの改革などを掲げているところであります。  さらには、現行計画の検証を行い、改善できるものはすぐにでも着手するなどスピード感を持って取り組むとともに、聖域を設けることなく、すべての事業や制度を対象に総点検を実施し、改善につなげることとしておりまして、常に経営感覚を持って今後も市政運営を行ってまいりたいと考えております。  最後に、市場化テストについてでありますが、現在、地方公共団体の対象となります業務でありますが、住民票の写しなど6つの文書の受付、引き渡しに関する事務などに限定されているところでありますが、徐々に拡大の方向にございますほか、制度の基本的な考え方を活用し、民間提案型の公共サービスの民営化制度を導入している先進的な自治体も出てきております。本市におきましても、行政サービスの見直しに当たりまして、市場化テストを含めた民間業者からの提案制度につきましても、委託に当たっての個人情報の保護や公権力の行使といった、解決すべき課題を整理しながら、検討してまいりたいと考えております。  以上、行財政改革につきまして、3点お答えさせていただいたところでありますけれども、先ほどのお話の中で、市長の役割として、職員の意識を高めていくということが最大の責務であるといった趣旨の御指摘をいただいたところであります。私自身も、まさにそのように感じているところであります。ただいま申し上げましたように、これまで大変厳しい環境の中で、行財政改革につきましては取り組んでまいりました。そこには職員一人一人の懸命な努力というものがなければ、実現はできなかったのではないかと感じております。  しかしながら、さらなる厳しい環境の中で、この取り組みというものは不断の継続的な取り組みというものが求められているわけでありまして、そういう意味におきましては、さらに職員一人一人のやる気を引き出す、自主的な取り組みを、やらされる改革ではなく、みずから取り組む改革という意識につなげていかなければならないと思っております。  また、この取り組みというものを市民の皆様方からも評価していただき、あるいは協働の取り組みという中で、この行財政改革を進めていかなければならないということを考えましたときには、昨今の相次ぐ不祥事というものは、市民の皆様方からの市政に対する信頼の低下、協働の取り組みのストップにつながりかねないという危機感を持ちまして、全力で信頼回復に取り組み、そしてさまざまな課題に向かって前進していかなければならないと感じております。具体的な取り組みにつきましては、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、市長として、6,000名を超える長の立場としての役割というものをいま一度自覚し、全力で取り組んでまいる所存でございます。          〔43番 落水清弘議員 登壇〕 ◆落水清弘 議員  職員の意識改革、言葉で言えば短いですが、要するに人の心を変えるということですから、そう簡単に一朝一夕にしてできることではないわけです。ただいま市長が、職員にやる気を起こさせることは自分の最大の責務だという内容のお話をされましたけれども、実は正月早々にテレビを見ておりましたらば、例の東国原知事が出ておられまして、県知事の最大の役割は県職員にやる気を起こさせること、それと県民にやる気を起こさせることというふうに言われたんです。私はその言葉を聞いて、この人は本当に政治家なんだなとつくづく思いました。そして、ただいま市長がそのことを丁寧に御説明される姿を見て、市長、立派な政治家に成長されているんではないですか。  何しろ言葉で言うのは簡単ですが、実際にこれが実現できるかが問題であります。私自身も現代っ子という世代です。市長も新人類と言われた世代であります。つまり現代っ子から以降の世代というのは物が豊かな世代であり、人間関係よりも物やお金が世の中に充足しておった時代に生きてきた人間ばかりです。しかしその現代っ子と言われる世代の私が、もう51であります。世界的にいえば今の多くの日本人は人間関係を構築するのが、低いほうだと思っています。だからこそ私ども政治に身を置くは、そういう哲学論、精神論にウエートを置いて、今から先、政治や行政に取り組んでいかなければならないのではないかと、今、市長の話を聞きながら気持ちを新たにした次第であります。  そしてまた、先ほど申し上げましたトヨタ方式、カイゼンは結果として個々の社員が達成による満足感を得、そのことが向上心へとつながっていくわけです。つまり悪循環の反対の善循環、こういう言葉はないわけですけれども、喜びの輪廻というか、職場において満足感が繰り返し起きていくのです。このトヨタ方式のカイゼンは、実は熊本市の北郵便局では既に3年前からやっております。大きな成果を上げているそうですので、ぜひ御検討いただきたい。  また市場化テスト、市長も言われたところの民間提案型が、現時点においては最もよい方法だと私も思っております。これもまた、結びに難しい言葉を2行ほど使われておりましたけれども、そういうことにこだわらずに、ぜひ実行していただくようにお願いいたす次第です。  通告3、教育問題について教育再生の観点から質問いたします。  ここ数年、たびたびマスコミの話題をさらっております東京都杉並区の和田中学校のことを御紹介させていただきたいと思います。和田中学校では、PTAとは別に学校を中心とした市民社会づくりを目指し、100名以上の地域住民などのボランティアを組織化し、さまざまな学校支援活動を行っております。その活動内容は、例えば土曜日寺子屋と銘打った学習支援、学校図書館の司書業務のサポート、校内の芝生、樹木、草花の手入れなどの緑化サポート、コンピューター室のパソコンを活用したクラブ活動によるパソコンスキルの向上、運動クラブのコーチ探しや引き受け、そして先月、テレビ、新聞でも報道されておりました学校内での民間塾の開設など、多岐にわたる活動を行っております。  どうしてこのような活動が行われるようになったのか、そのきっかけはといいますと、御存じの方もおられるかと思いますが、一人の民間人の方がこの学校の校長として赴任してきたことからの始まりであります。その人の名は藤原和博さん。実は先月、その藤原先生とお会いすることができたのです。  藤原校長先生は、情報産業大手のリクルート社で、長年新規事業の立ち上げにかかわり、数々の業績を上げられてきた人ですが、2002年から杉並区教育委員会の教育改革担当参与に就任、翌2003年には日本で初めての義務教育における民間人校長として和田中学校に赴任、民間人の視点で、さまざまな社会人の講義を聞く「よのなか科」の創設など、ユニークな改革に取り組んでおられます。その容姿は、歌手のさだまさしさんにそっくりで、大変やわらかい表情をされた方です。  当時、教育改革のフレーズとともにやってきた新しい民間人校長を迎えて、PTAの方たちも学校はどうなるのかと不安に思いながら、新校長との懇談が繰り返され、その結果、学校支援本部の活動が立ち上がったと伺いました。  この学校支援本部の考え方といいますか、特徴はといいますと、核家族やコミュニティの弱体化により、家庭や地域の教育機能が失われる中で、その分まで学校に過度の期待がかかり、今や教員の負担は3倍になるようなオーバーワークで押しつぶされそうになっているのが現状であります。これに対して、学校を拠点として地域住民やボランティアの方々のネットワークをつくり、子供たちへの教育や学校への支援活動を独自に行うことで、家庭や地域の代替的役割を果たすとともに、学校における教員の負担を軽減するというものであります。  かつては、家庭や地域で子供たちもしつけや社会のルールなど、いろいろなことを教えられて育ち、そこで社会性を身につけていくことができました。しかし、今や家庭も地域もその役割を果たせなくなっていますが、かといって、そこまで学校の先生にすべてを負わせるのは酷というものです。つまり和田中学校の試みは、本来の家庭や地域の役割を、学校ボランティアで少しでも補おうというものであります。その分、学校の先生は授業や部活での指導に専念できるわけです。  私はこの理念を伺って大変すばらしいと思いました。家庭や地域のあり方は、大きな時代の流れの中でそう簡単には変わりません。しかし、その学校支援ボランティアの仕組みであれば、一人一人が強制されず、自発的に自分のできることで参加できます。しかも独自の事務局をつくり、学校自体でPTAの取り組みとは切り離されているので、学校に負担をかけることもありません。あえて申し上げますが、そこで動く経費は5,000万円を優に超えるそうであります。  この仕組みの中で、子供たちがボランティアの方々と、藤原校長の言われる、縦横ではなく「ナナメの関係」の中で社会性を身につけることができるならば、まさに家庭や地域の教育機能の補完として、それは画期的なことだと思います。この和田中学校の事例に学び、文部科学省では実は新年度から新規事業としてこの学校支援地域本部の事業に取り組むこととし、全国で1,800カ所、全市町村を対象として実施する方針と伺っております。  そこでお尋ねです。私はぜひ本市でもこの事業に取り組んでいただきたいと思います。本市としては、この和田中学校の事例をどのように評価し、また20年度のこの国の新規事業にどのように取り組むつもりなのか、小牧教育長の御見解をお伺いいたします。          〔小牧幸治教育長 登壇〕 ◎小牧幸治 教育長  教育再生に関連しての2点のお尋ねにお答えいたします。  まず、和田中学校での取り組みにつきましては、民間人出身校長の強い指導力のもと、学校を活動拠点に地域で事務局を組織され、子供たちの読書振興を初め学力振興、スポーツ振興などに、さまざまな支援活動を展開されております。特にPTAの役員経験が主に運営に携わり、市民のボランティアを機能的に活用し、子供の居場所づくりと学校の教育ニーズをとらえた活動を展開されるなど、独自の学校支援を進められており、評価いたしておるところでございます。  本市におきましては、平成12年度から学校支援ボランティア制度を開始しまして、学校が活用しやすくなるよう工夫をしながら展開しておりまして、現在、地域の方々にゲストティーチャーとしての学習指導や読み聞かせ、伝承遊びの指導、学校の環境整備、さらには安全パトロールなど、平成18年度におきまして登録3,252人、延べ1万8,130人の方に御協力いただいているところであります。  お尋ねの国の学校支援地域本部事業への対応につきましては、この事業の目的であります学校教育活動における教員の負担軽減のための事業展開や、本市の学校支援ボランティア制度との調整などを図り、今後モデル的に実施できないか、検討を進めてまいりたいと考えております。          〔43番 落水清弘議員 登壇〕 ◆落水清弘 議員  小牧教育長、学校支援地域本部事業に対し、私と同じように評価していただいたということで安堵しております。仄聞するところによると、文科省からの打診はもう今月あったかに伺っております。ぜひ手を挙げていただき、20年度中に補正予算でも組んでスタートできるようお願いいたします。それと、小牧教育長にもぜひ和田中学校の藤原校長先生に会っていただき、その生の声や情熱を感じ取っていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。  では、質問通告4、持続可能な都市づくりについて。  昨今の地球温暖化に関するマスメディアの報道状況は、異様なほど激化しております。いえ、私はそのことを否定的にとらえているものではありません。それほどまでに温暖化が進んでいるのだと、素直に受けとめているのです。しかし周りを見回しましても、マスメディアほどの反応を示される方もさほど多くは感じられないわけで、多くの方々は、温暖化は頭では十分理解しているものの、それに対する危機感はまだまだ先のことという感じです。私自身もついこの間まで同じようなものでした。あの現実をこの目にするまでは。  私事ですが、来年は結婚30年という節目を迎えようとしております。その古女房が正月からたびたび映画を見に行こうと言うのであります。その映画の題名は「アース」、日本語でいうと「地球」というものでした。ごらんになった方もおられると存じます。内容はというと、北極のシロクマやアザラシ、アフリカゾウ、鯨などの多数の動物たちが、地球温暖化の影響のため悪戦苦闘で子孫をはぐくむ、一般でいうところの記録映画であります。映画の結びで、温暖化のため北極の氷が激減しおぼれそうになりながらも、いつまでもいつまでも必死で大海原を泳ぎ続けるシロクマの姿は、感動や感激という意味とは違う、独特の、言葉では言いあらわせないような感覚を受けるものでした。帰りの車の中で私の口から「もう鯨は食べれんね。」と言ったのがすべてを物語っている言葉であります。  言いわけをするつもりはありませんが、私はこの議場で温暖化対策については幾度となく発言してまいりました。環境ISO14001の提唱、アイドリングストップ運動、ノーマイカーデーの推進、太陽光発電の導入などなど。しかし、今思えばそれは温暖化に対する危機感からではなく、一議員、政治家としての責務として取り組んでいたにすぎなかったということに私は気がついたのです。  今回、私は地球温暖化に対する危機感をこの手にすることができました。今後は一人でも多くの方々にこの危機感を伝え、多くの市民の方々と共有して、地球温暖化対策に邁進してまいりたいと思っております。  さて、地球温暖化の知識に関しては、この議場においても、ここ3年で10名程度の議員各位が、るる述べられております。最新のデータもマスコミなどで毎日報道されておりますので省くとしまして、本市のこれまでの取り組みのみ簡単に振り返ります。
     平成7年に環境保全都市宣言を行い、環境の保全と循環型社会への転換を宣言しました。平成14年には国際環境都市会議を開催するなど、環境先進都市を標榜した取り組みを進めてきたところであります。しかしながら、その実態を見てみますと、平成7年に策定した地球温暖化防止地域推進計画では、平成2年度の二酸化炭素排出量を、平成17年度までに20%削減するという大きな目標を掲げたにもかかわらず、排出量は逆に増加しているのが現状です。また平成18年4月には第2次熊本市環境総合計画を策定し、平成22年度の温室効果ガスの排出量目標を、京都議定書の削減目標に従って、平成2年度比で6%削減と見直しておりますが、これも目標達成にはほど遠いというのが現状であります。このままでは、環境保全都市や環境先進都市などとはとても言えたものではないわけであります。  さて、国内における各自治体の状況を調べてみますと、何といっても滋賀県がずば抜けて環境先進自治体のようであります。その内容は、県民及び県内法人との一体的な温暖化対策への取り組みです。2007年12月に新しく議決した基本構想をもとに、民間との協力の中、滋賀県エコ・エコノミープロジェクトがスタートし、その核となるのが炭素中立県プランであります。CO2の排出量と吸収量を同程度にすることを目指し、2030年に同排出量50%削減などの目標を掲げております。  滋賀県は、日本最大の湖で貴重な生態系を有する琵琶湖を擁し、近畿圏の水がめの役割を果たしています。1977年、琵琶湖に大規模な赤潮が発生したときに、県民主導で合成洗剤を使わないなどの運動が起こり、それをきっかけとして琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例が制定された、環境問題に大変古い歴史を持った県であります。  また、現在県内の全法人に占めるISO14001の認証取得の割合では、全国トップであります。最初に申しましたプロジェクトを指揮する戦略本部の本部長を務めるのは、滋賀銀行の高田紘一頭取です。滋賀銀行では、省エネ、温室効果ガス削減など地球環境の保全へ取り組む企業に対し、超低金利での融資を90年代から行っています。東洋経済にも環境対策企業16社に名を連ねております。紹介すれば数知れず対策事例が出てきて、午前中ではとても終わりそうにはありません。  そこでお尋ねいたします。本市の計画や対策が目標を達成できなかったことを伺うのは、もう全く意味のないことかと感じます。どうでしょう、いま一度原点に戻り、滋賀県のように50年、100年を見据えての構想と、その目標と体系的な施策を示した具体的な実施計画を策定し、市民、市域事業挙げての温暖化対策を講じ、環境立市を高らかに掲げられたらいかがでしょうか。幸山市長に御見解をお示し願います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  地球温暖化対策につきましてお答えさせていただきます。  ただいま議員の、「アース」という地球温暖化の影響をテーマとした映画をごらんになられたときの思い、あるいは滋賀県の取り組みなどをお聞かせいただきまして、私自身も温暖化対策の重要性というものを再認識させていただいたところであります。  また、個人的には「アース」という映画を見たい見たいと思っておりましたが、見逃してしまいましたので、また何らかの機会で見るように心がけたいと思っております。  地球温暖化問題につきましては、昨年6月のドイツ、ハイリゲンダムサミットに続きまして、本年7月に北海道で開催されます洞爺湖サミットにおきましても、主要な課題の一つとして掲げられるような、世界的に重要な課題となってきております。本市における温暖化対策につきましては、先ほど御紹介もございましたが、これまで平成7年9月の環境保全都市宣言の基本理念であります、環境問題を引き起こさない循環型社会の構築を進めるという趣旨を踏まえますとともに、本市の市政運営のために策定いたしましたまちづくり戦略計画におきましても、重点的に取り組むべきターゲットの一つといたしまして、「良好な環境を未来へと引き継ぐまち」を掲げ、さまざまな施策を展開してきたところであります。しかしながら、国や本市の温室効果ガス排出量の削減状況、先ほど御指摘もあったところでありますが、現段階では大変厳しい状況にありますことは御案内のとおりであります。  近年の世界各地で発生いたします豪雨や干ばつ、猛暑などの異常気象を見ましたときに、温暖化など地球環境は予想以上の速さで深刻化しておりまして、その対応もこれまで以上の取り組みが必要だと強く感じております。この地球温暖化対策につきましては、国・県・市といった行政だけの一方向的な取り組みでは、決してなし遂げられる問題ではございませんので、市民、事業、行政とが一体となって進めることが重要でございます。  そこで、そのさらなる推進に当たりましては、現在策定を進めております、本市の目指すまちづくりの基本方針となります総合計画におきまして、持続可能な社会づくりの方向性を示しますとともに、今後策定を予定しております、第3次となります環境総合計画や地球温暖化防止地域推進計画に、長期的目標や施策の体系を示しまして、温暖化はもとより、本市の貴重な財産であります清冽な地下水や緑などのすばらしい自然環境を守ってまいりますためにも、御提案の環境立市を目指し、新たな決意で取り組んでまいりたいと考えております。  さらには、我が国を低炭素社会に転換していくことを目指し、国が先駆的な取り組みに挑戦する都市を10カ所選定し、そしてその都市を先ほど申し上げました洞爺湖サミットにおきまして公表し、支援していくこととしております環境モデル都市といった取り組みがあるわけでありますけれども、それに対しまして本市も立候補したいと考えておりまして、そうした取り組みを通じまして、本市におきましてもこれまで以上に持続可能な都市づくりを強力に進めてまいりたいと考えております。          〔43番 落水清弘議員 登壇〕 ◆落水清弘 議員  結びのところで、市長のほうから国指定の全国10カ所の環境モデル都市に立候補していただけるということで、これはすばらしいことかと思いますが、落選しては何にもなりませんので、幸山市長、ぜひ洞爺湖サミットで熊本市の名前が出ますように、全庁上げて本当にこれは取り組んでいただきたい。  この地球温暖化対策という問題は、すべての政治家のこれから先20年の最大のテーマとなっていくと思います。若い政治家の方が何人か首を今振られましたけれども、私たちは本当にこのことには真剣に取り組んでいかないと、毎日、テレビ、新聞等に載っておりますけれども、加速度的な温暖化が起きる可能性があるという警告が、ここ1カ月はもっぱらの評判であります。加速度的に起こったときには、2度上昇が、一気に6度から7度上昇すると。6度から7度上昇するというのは、今まで有史以来5回、地球の生物が絶滅しているそうであります。この絶滅がまた起きる温度が6度だそうです。6度上がると、地球上の動植物は、1回すべて絶滅するということでありますから、そのようなことにならないように、私ども地方議員、地方議会の末席におるも、真剣に考える時代に入ってくると確信しておる次第であります。  また、市長が「アース」の映画を見てみたいと、見るつもりでいたというお話をされましたが、市長、実はあしたまでなんですよ。あしたまでなんですから、ぜひ執行部の皆さん方も見ていただきますと、私の気持ちがわかっていただけるかと思うところであります。  では、引き続き質問を続けます。  次に、我が党要望書にも記載しておりましたが、森の都の再生についてお尋ねします。  町なかの緑は、都市生活に憩いと潤いをもたらす重要なものであり、地球温暖化の防止にも大きく寄与するものであります。特に本市は、国の天然記念物に指定されている熊本城内の大楠群に象徴されますように、明治の文豪、夏目漱石の言葉でありますが、まさしく森の都にふさわしい豊かな緑に恵まれた都市であります。昭和47年に森の都都市宣言を行って以来、西日本の森の都として、東日本の杜の都仙台とともに全国に名をとどろかせてきました。  しかしながら、近年の都市化の進展などによって、年々本市の緑は減少しつつありまして、執行部においても、中心市街地における屋上緑化などの施策を進めてはいますが、森の都くまもとの対策としては、まだまだ不十分な感がいたします。  さて、近年、他都市では緑のカーテンということで、オフィスビルにヘチマやゴーヤなどのつる性の植物を窓の外にはわせる取り組みが行われております。これは夏の日差しを和らげ、室温の上昇を抑え、夏の冷房の使用電力量を20~30%削減する効果があるということで、地球温暖化防止にもつながる緑化推進対策であります。  そこでお尋ねですが、私は、森の都の再現に向けてさまざまな緑化推進策を実施することは、地球温暖化防止に大きく寄与するものと考えます。温暖化に関連して、緑のカーテンなどを含めた具体的な緑化推進の対策を、どのように進められようとしているのか、お答えを願います。  さて、地球温暖化防止につながる取り組みとして、ごみ自体の排出量を抑えるほか、リサイクルを推進して循環型社会を形成していくことも重要となります。先般、視察に参りました京都市では、バイオディーゼル燃料化事業に取り組み、家庭から出る食用油を回収し、環境に優しいバイオディーゼル燃料を精製しており、この燃料をごみ収集車全車と市バスの一部で利用し、年間4,000トンの二酸化炭素を削減していると伺っております。また東京都では、民間企業の水素化処理油という新技術を活用した、バイオディーゼル燃料を使用したハイブリッドバスの実用化を進めており、今年度、実際には都バスを走らせ、実施実験をもう行っております。  こうした各自治体の先駆的取り組みが見られる中、本市ではバイオディーゼル燃料の導入に向けて、どのように考えておられるでしょうか。私はこの廃食用油のリサイクルによるバイオディーゼル燃料の導入は、地方の一都市で取り組むには、規模の面や効率の観点から少し無理があると考えます。そこで、本市の地理的優位性を活用して広域的な取り組みを行うことにより、事業化できないものかと思っております。御答弁を願います。  次に、ごみ有料化についてお尋ねいたします。  御承知のとおり、このことについては平成17年第1回定例会におきまして、執行部からごみ有料化導入の条例案が提案されましたが、市議会では、有料化の前にもっとごみ減量のためにやるべきことがあるのではないか、料金設定の根拠が不十分である、市民への周知徹底が不足ではないかなどの指摘がなされ、結果としてその条例案は否決となったところであります。その後も市議会では、本会議や委員会においてさまざまな議論がなされているようでありますが、今日まで結論には至っておりません。ごみ有料化に関して、市民生活に直結した問題でもあり、私も関心を持って他都市の状況なども調べてみましたが、本市の足踏みのような状態を見たときに、私がぜひ参考にすべきと考えるのは、仙台市の取り組みであります。  仙台市は、本年10月1日からのごみ有料化を実施するため、市長を筆頭として全庁体制のもと、10万人以上、2,000団体以上の説明会を開催し、丁寧できめ細やかな広報活動を展開しております。本市においても、担当部局ではごみ分別の徹底や減量、リサイクルの推進に向けて地道な地域説明会等を開催したり、テレビなどを通じてPRに努められておるのは私も知ってはおりますが、仙台市のような、市長を筆頭にした全庁的な体制で取り組まれているという報告は受けておりませんし、そのようなPRもないようであります。  私が思いますに、このような市民生活に直結した重要課題を進めるときこそ、トップである市長の思いと行動が問われるときであります。市長みずから直接市民に語りかけ、その実用性を理解していただく必要性があるのではないかと思います。どうか、5階におられる時間を少しでも減らしていただいて、まちの中で、市民に語りかけていただきたい、このことをお願いしたいのであります。  折しも、先日の新聞報道では、環境省も家庭ごみ20%削減へ向け、この3月に閣議決定予定の第2次循環型社会形成推進基本計画に、自治体におけるごみ有料化の実施を盛り込むとのことであります。もはや避けては通れないとの理解は、全国的にも広がっているものと思います。  そこでお尋ねいたします。ごみ有料化の条例案が否決されてから、もう3年たちますが、この問題についてどう対応していこうとお考えなのか、また、たびたび申し上げていますが、住民サービスの低下を避けるためには、有料化とともに戸別収集をセットで行うべきだと考えます。  以上3点、宗村環境保全局長に御答弁願います。          〔宗村收環境保全局長 登壇〕 ◎宗村收 環境保全局長  まず、1点目の森の都の再生と緑化推進対策についてお答えいたします。  本市は、近年の都市化の進展に伴い市街地が拡大し、かつての豊かな緑は減少をたどっている現状にございます。そこで本市は、昭和47年に森の都都市宣言を行い、森の都くまもとにふさわしい緑豊かな都市づくりを目指し、緑の保全及び緑の創出に取り組んでいるところでございます。  具体的には、緑の保全といたしまして、名木、巨樹などを保存樹木に指定いたすとともに、市域に残された良好な緑地を環境保護地区として指定しているところでございます。また緑の創出に関しましては、学校や市民センターなどの公共施設の緑化に取り組んでおりますが、緑の総量を増加させていくためには、市民や事業との協働による民有地の緑化を推進していくことが、新たな緑を創出する上で極めて重要でありますことから、平成13年度から、新世紀・漱石の森づくり事業に取り組み、家庭や事業所の緑化推進に努めており、平成18年度末までに約3万本の樹木を植栽いたしております。しかしながら、森の都くまもとの再生を実現するには、さらなる緑化施策の推進が必要であるものと考えるところでございます。  議員御案内の緑のカーテンでございますが、安価でだれにでも手軽に取り組むことができ、直射日光を遮るとともに、植物の蒸散作用による室内温度の低下や、空調の負担軽減が図られ、ひいては二酸化炭素排出削減効果が期待されるものでございます。  そこで、平成20年度から学校や市施設への設置を初め、市民モニター約50組の募集により、熊本の高温多湿な気候風土における効果の程度や、建物の形態に合った効果的な手法などの検証を行いながら、緑のカーテンの普及に努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目のバイオディーゼル燃料の導入についてお答えいたします。  バイオディーゼル燃料は、循環型社会の形成、また温暖化対策におきましても大変有効な手段の一つであると考えております。そこで、本市ではバイオディーゼル燃料の公用車への利用を図るため、ごみ収集車による実験使用を行ったところでございますが、まだ現時点では本格導入に至っていない状況でございます。  そのような中、昨年5月には熊本県が中心となり、バイオディーゼル燃料などの利活用促進等を図るための組織、くまもとEco燃料拡大推進研究会が立ち上げられ、技術面などの共同研究が始められたところでございます。このような現状でございまして、議員御提案のバイオディーゼル燃料の広域的な取り組みによる事業化は、温暖化対策として有効な手段と考えますものの、まだ品質の向上や廃食用油の回収システムの構築等、解決すべき課題もございますことから、今後、本市といたしましては、この研究会の推移や先進導入都市の状況も参考にさせていただきながら、事業化に向け努力してまいりたいと考えております。  次に、3点目の家庭ごみの有料化に関する質問についてお答えいたします。  本市では、循環型社会の構築を目指して、平成16年3月に熊本市ごみ減量・リサイクル推進基本計画を策定し、平成22年度までに家庭ごみを20%減量させることを目標に、ごみの発生抑制や資源の循環的利用を進めることとし、その具体的な取り組みとして、家庭ごみ有料化の導入など60の項目を掲げたところでございます。この取り組みを実施に移すため、平成18年第1回定例会において、家庭ごみ有料化のための条例案を提案いたしました。しかしながら条例案は否決となり、市民への説明不足であり啓発をさらに進めるべきである、さらには、戸別収集についての検討を行うべきであるなどの御意見をいただいたところでございます。  まず、戸別収集に関しましては、モデル地区での収集を実施いたしたところ、ごみ量に関しましては一定の削減効果が見られた一方で、大幅な作業量の増大につながり、経費面のみならず、温室効果ガスの排出増が懸念されるなどの課題も明らかになったところでございます。戸別収集の実施となりますと、これまで最も合理的かつ効率的な収集法として、長年、本市が採用してきたステーション収集という方法を大きく転換するものでございますことから、その導入に当たりましては慎重な検討が必要であると考えております。  また、市民への啓発につきましては、平成18年度以降、地域説明会等を662回開催いたすとともに、各種広報媒体を通じ、ごみ減量と分別の徹底によるリサイクルの必要性などの啓発活動に取り組んでまいったところでございます。これらの取り組みの結果、平成19年度の家庭ごみ排出量は、1月末現在で、14年度と比べ約5%減となっておりますが、依然平成22年度の目標値とは大きく乖離しており、目標達成には厳しい状況にあると考えております。  このような中、国においては今年度、自治体における有料化導入の指針である一般廃棄物処理有料化の手引きを策定するなど、有料化推進の立場を明確に打ち出しており、自治体に対しても有料化導入を積極的に働きかけているところでございます。一方、熊本県内におきましても、これまで有料化を実施していなかった荒尾市が、来年度からの導入を決定したことによりまして、未実施の自治体は本市のみとなるなど、有料化をめぐる周辺環境は大きく変わりつつある状況でございます。本市といたしましても、基本計画に掲げるごみ減量の目標値を達成するための効果的な手法として位置づけておりますことから、家庭ごみの有料化につきまして、改めて具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、今後持続可能な循環型社会の構築に向け、有料化のみならず、地域説明会や各種広報を初めとした積極的な啓発活動や、さらなる分別によるリサイクル品目の拡大にもあわせて取り組むなど、総合的なごみ減量・リサイクル施策を講じてまいりたいと考えております。          〔43番 落水清弘議員 登壇〕 ◆落水清弘 議員  森の都再現の件ですけれども、ついこの間、都市整備委員会で岐阜県に行きましたときに、駅前の再開発を見たわけですけれども、ここで御一緒に見た方たくさんおられると思いますけれども、駅前を森にするというわけですよね。駅前の広場を森にするということで、今工事をやっておりました。あれを見て、熊本も森の都だから、これぐらいのことをやったらどうかと思いましたので、市長、ちょっと検討してみてください。松本局長がその目で見てこられておりますので。  それと、宗村局長、幾度となく申し上げておりますけれども、私はこの議場の中で、最も長い期間ごみ有料化を唱えてきた議員の一人であります。しかし、それは市民への啓発が大前提であります。仙台ほどの大都市でやれたわけですから、熊本市でもできないはずは絶対にないわけで、ただ宗村局長さんのところだけでは私は絶対無理だと思います。幸山市長が先頭に立たれ、全職員で取り組むべき問題だと感じています。どうか御理解いただきたい。  また、戸別収集とのセットは最も市民サービスが低下しないということは、これは私は常道だと考えております。そしてまた、民間委託を6割、直営を4割ぐらいでやれば戸別収集どころではないんです。福岡のように夜間収集までできるような財政捻出は必ずできます。どうか積極的に、いろいろ組合問題があるとかいう本音の話も伺いますけれども、組合の方々にも御協力いただいて、こういう問題は本市のために避けては通れない問題だと思いますから、ぜひ一日も早く取り組んでいただきたいと思います。ひるまず攻めの行政をやっていただきたいと感じております。  通告5、現在策定を進められております第6次総合計画について、3点ほどお伺いいたします。  執行部においては、第6次総合計画の策定に本年度当初から着手され、昨年7月に設置された審議会において基本構想案の審議を進められ、先月25日に答申が出されております。答申された内容を見てみますと、目指すまちの姿として「湧々都市くまもと」という、熊本市らしさとともに大変インパクトのあるキャッチフレーズを打ち出され、これを実現するために重点的に取り組むべく、4つのわくわくプロジェクトというものを上げられております。さらには分野別取り組みの基本方針、構想を推進するためにという、市政全般を見渡した多岐にわたる内容がまとめられており、熊本大学学長の崎元会長を初め審議会委員の皆様方の高い御見識に、心より敬意を表する次第であります。  しかしながら、私といたしましては一つ気になる点がございます。それと申しますのは、分野別取り組みの基本方針の中で、「市民が安全で安心して暮らせるよう、消防、防災、防犯、交通安全、消費生活の安定などに取り組む」と記載してありますが、今日、新型インフルエンザや食の安全の対応など、市民生活に広範な被害や不安を与える事態への対応が喫緊の課題となっている中、新たな危機管理体制の構築という考え方について、今回の基本計画に位置づける必要があるのではないかと思うのであります。  執行部においては、昨年度、熊本市危機管理指針をまとめられておりますが、基本構想というものが、時代変化を踏まえて策定されるものであることを考えますと、新しい基本構想に危機管理という文字が入っていないのはいかがなものかと考える次第であります。この点につきましては、執行部の考え方をお聞かせいただくとともに、今回の答申を受けた今後のスケジュールについて、議会への説明や議案提出の時期を含め、どのように進めていかれるのか、さらには今回の第6次総合計画と、現在検討会で論議いたしております自治基本条例との整合性についてどのように考えておられるのか、以上3点、幸山市長に答弁をお願いいたします。  次に、今回の予算案の中で、都市マスタープランの策定経費が計上されておりますが、そのことについてお尋ねいたします。  都市マスタープランは、長期にわたる都市の基盤づくりについて、体系的、総合的に方向性を明らかにするもので、個別の都市計画における指針となるものです。本市では、平成13年3月に現行の都市マスタープランが、平成37年を目標年次としてつくられております。皆さんの記憶に残っているところでは、例えば佐土原の大規模商業施設開発の問題の際に、最終的に市長が不許可にされた判断根拠の一つとして、この都市マスタープランに定めている土地利用の方針と整合していないことが理由に挙げられました。都市マスタープランとは、それぐらいのよりどころになり得る都市計画の基本方針を定めるものなのです。  この都市マスタープランについて、まだ策定から7年の経過の段階、目標年次まではまだ17年相当の期間を残している中で、今回どのような理由で改定されようとしているのか。また現行の都市マスタープランを改めて見ますと、都市空間の将来図として、都市全体の構造を簡単に示したイメージ図や、分野別の基本方針として、土地利用、交通、市街地整備、住宅整備、自然環境保全などの項目別に基本方針が書いてあるものの、それぞれの地域がどうなるのかという観点からは、非常にわかりにくい内容となっております。本来は地域別の整備構想まで示すのが都市マスタープランではないかと考えますが、なぜ現行計画にはそれが含まれていないのか、少々疑問であります。市民が知りたいのは、具体的な自分の地域に即した計画だと思います。したがって今回改定なさるのであれば、地域別構想をぜひ入れ込んでいただきたいと考えるものであります。  そこでお尋ねですが、今回改定する理由、また新計画にはどのような内容が盛り込まれるのか。特に地域別構想が不可欠だと思いますが、これについてどう取り組むつもりでしょうか。さらには、今後どのような手順で策定するのかも含めて、以上、松本都市建設局長にお答えを願います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  第6次総合計画に関する3点の質問に、順次お答えさせていただきます。  まず、基本構想における危機管理の位置づけについてであります。今回お示ししております第6次総合計画の基本構想案におきましては、分野別取り組みの基本方針の中で、「ともに支え合い文化に親しみ、安全で安心して心豊かに暮らせる生活の実現」を掲げ、防災や消防など、市民生活の安全性の確保に取り組むことといたしております。  このような中で、先ほど御紹介もありましたけれども、新型インフルエンザなど、大規模な感染症の発生への対応や、あるいは先般の中国産冷凍ギョーザ問題等の食の安全への対応など、安心・安全な市民生活の実現のためには、不測の事態に備える危機管理の重要性がますます高まっていると認識いたしております。このようなことから、ただいま議員から御指摘いただきました基本構想の中に、危機管理を明確に表現することも必要かと考えております。  引き続き、今後の進め方とスケジュールにつきまして、お答えさせていただきます。  基本構想につきましては、今回の案をもとに議会の御意見をいただきますとともに、パブリックコメントなどを実施いたしまして、幅広く意見を聴取し、これらを踏まえて、本年6月の第2回定例会におきまして、議案として提出させていただきたいと考えております。  基本計画につきましては、現在庁内において策定作業に着手したところでありまして、市議会に対しましては、作業の進捗状況に合わせまして御説明申し上げてまいります。その上で本年12月の第4回定例会におきまして、素案を提示し御意見をいただき、来年の第1回定例会におきまして、議案として御提案申し上げたいと考えております。そのようなスケジュールで考えております。  最後に、第6次総合計画と自治基本条例との整合につきましてお答えさせていただきます。  本格的な分権時代の到来を迎えまして、地方にはみずからの判断と責任において、それぞれが有する地域の個性や特性を生かした、自主自立のまちづくりが求められております。今回の基本構想案をまとめるに当たりましても、構想を推進するための基本的な事項といたしまして、協働と自主自立のまちづくりを掲げているところであります。現在、自治基本条例につきましては、公募市民、それから議会、行政、学識経験の参加もいただきました委員会におきまして、検討いただいているところであり、総合計画策定の進捗状況と、そして自治基本条例の検討状況を見きわめながら、整合を図っていきたいと考えております。          〔松本富士男都市建設局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市建設局長  都市マスタープランの改定に関します3点についてお答えいたします。  まず、1点目の改定の理由でございます。  都市マスタープランは、本市都市計画の長期的な方向を示し計画したものでありますが、予想以上の社会情勢の変化、特に本市も人口減少が現実のものとなりつつあることから、人口減少社会への転換を図る必要があること、また昨年2月に策定いたしました熊本都市圏ビジョンや、富合町との合併など、本市の都市づくりの変化に対応して改定を行うものでございます。  次に、2点目の改定の内容ですが、社会情勢の変化や現在策定中の第6次総合計画基本構想を踏まえ、目標年次は変えないものの、都市づくりの基本目標や都市空間の将来像などの、内容の変更を行う予定としております。  議員御指摘の地域別構想につきましては、今回の改定後の平成21年度から取り組むこととしており、市民の皆様に地域の将来像がイメージしやすいものとなるよう、心がけてまいりたいと考えております。  最後に、今後のスケジュールですが、学識経験及び市民公募で構成されます委員会により案を策定し、議会と御相談しながらパブリックコメントなどを行い、平成21年2月ごろまでには改定案を策定したいと考えているところでございます。          〔43番 落水清弘議員 登壇〕 ◆落水清弘 議員  幸山市長、初の総合計画づくり、また本市にとって大きな節目の時期の計画でもあります。どうかまち戦のときのようにボタンのかけ違いがないようによろしくお願いいたします。議会への説明、または議会からの意見聴取、丁寧に一つ一つ事を運んでいただけるように、重ねてお願いいたします。またさらには、市民へのコンセンサスは無論言うまでもありません。  また、自治基本条例との整合性については、これは西島局長に一肌脱いでもらわんといかんごたるですね。きちんと論理構築をしていかなければ、余りにも場当たりな対応をされていると、大変な禍根を残す結果になるような予感がします。どうか、この自治基本条例と総合計画は、きちんと整合性を持った形で事を進めていただきたい。それも検討会の方にその旨、局長さんの方からでも話していただいて、どういうふうに今後この2つの会議を進めていくのか、片方だけ暴走してつくったからそちらに合わせるというスタイルでいいのか、そういうことにはならないと私は確信いたします。きちんとした論理構築を事務方の西島局長、トップでしょう、お願いしますよ。総合計画のほうです。総合計画側から私は見るべきだと思っておりますので、局長にお願いいたした次第です。  その他の項目、2点お伺いしようと思っておりましたが、全国藩校サミットにつきましては、昨日の市議会文化創生議員連盟での全面的なバックアップ体制も整いましたし、執行部のほうでも支援体制も整いつつある旨、報告を受けておりますので、さらなる応援をお願いいたしまして要望にとどめさせていただきます。  最後に、地域包括支援センターの問題についてお尋ねします。  この件につきましては、昨年の第4回定例会においても質問があがっておりました。しかしながら、今回の予算案を見ましても、いまだに見直しはされていないようですので、あえてお尋ねいたします。  地域包括支援センターは、市域を26に分割した日常生活圏域に、本市からの委託により一つずつ配置されており、高齢の実態把握や在宅介護にかかわる相談、高齢虐待への対応や権利擁護などの支援を行うとともに、地域の関係ネットワークづくりに努め、さらには年間1万1,000人を超える要支援の予防給付の介護計画策定や、いわゆる介護予備軍の予防事業の支援など、まさに高齢の地域における総合相談支援センターとしての役割を果たしております。  しかしながら、現在、地域包括支援センターの運営は非常に厳しい状態となっています。センターには社会福祉士、主任ケアマネジャー及び保健師などの3人を配置することが義務づけられておりますが、各地域でも対象となる高齢数や相談件数の増加などにより、3人で業務を処理していくことは非常に困難となっております。実際に平成18年4月には、地域包括支援センターにおける平均人員は3.4人でしたが、平成19年10月には4.4人に増加しております。一方、地域包括支援センターを運営する法人に対する本市からの委託費は、当初から1,500万円と変わっていないわけで、ということは、この人員増は受託法人が赤字を出しながら、やむを得ず行っているものなのであります。  私の耳にも、各センターの運営で26のうち17センターが赤字決算であり、中には500万円もの赤字を出している法人の話が届いております。この件では、昨年11月にセンターの連絡協議会から市長に対して委託費の増額要望がなされており、もし委託料の増額がなされないならば、受託を中止せざるを得ないセンターも出てくると聞き及んでおります。今後さらなる高齢化の進展や、支援、介護が必要な高齢の増加も予測される中、本市におきましても介護保険制度の適切な利用と運用をかなえるためにも、この地域包括支援センターの役割が非常に重要になっていくことは言うまでもありません。  したがいまして、本市の高齢施設の今後を見据えた上でも、この地域包括支援センターに対する委託のあり方について、現状を踏まえた早急な見直しが不可欠ではないでしょうか。センター委託料の問題につきまして、谷口健康福祉局長のお考えをお聞かせ願います。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  地域包括支援センターの委託料に関する御質問にお答え申し上げます。  地域包括支援センターの業務につきましては、高齢人口が多い圏域ほど相談業務などが増加しており、職員の補充などでその対応を行っておられるところであります。  今後、地域包括支援センターが地域の高齢支援の拠点として、十分にその機能を発揮できるよう、地域包括支援センター運営協議会での議論を踏まえ、平成20年度には業務量や職員配置数等を調査し、健全な経営の視点から生活圏域の見直しを含めて検討してまいりたいと考えております。          〔43番 落水清弘議員 登壇〕 ◆落水清弘 議員  地域包括支援センターの委託費の件は、少々手厳しいことを言うようですが、役所側の完全な見誤りということかと感じています。この役所というのは、市役所だけではなく、厚労省も含めた役所のことを申し上げているわけですが、もともと2,000人の高齢の地区と5,000人の高齢の地区を、同じ割合の委託費で処理するという考え方、これはだれが考えても採算に合わないところが出てくるわけです。これ以上は言わぬが花ということで引かせていただきますが、早急に善処いただくようにお願いいたします。  これをもちまして、私の本日の質問をすべて終了させていただきます。議員各位には長時間の御清聴をまことにありがとうございます。(拍手)       ─────────────────────────── ○牛嶋弘 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                              午前11時40分 休憩                              ───────────                              午後 2時02分 再開 ○牛嶋弘 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ───────────────────────────
    ○牛嶋弘 議長  質問を続行いたします。上村恵一議員。          〔48番 上村恵一議員 登壇 拍手〕 ◆上村恵一 議員  皆さん、こんにちは。市民連合の上村恵一でございます。  本日は、平成20年第1回定例会の2番手としての登壇に御配慮をいただきました議員の皆さん方に感謝を申し上げながら、早速質問を続けてまいりたいと思います。つたない質問でございますけれども、しばらくの間おつき合いのほど、よろしくお願い申し上げます。  それでは初めに、新年度予算案について。  国会においては、道路特定財源や揮発油税などに対する暫定税率の取り扱いをめぐり、与野党間で論戦が展開されている中で、本市の新年度予算案が編成されました。予算案は一般、特別、企業の3会計の総額は4,394億円で、前年度比9.4%、457億円の減額となっています。3会計のうち一般会計については2,007億円で、前年とほぼ同額となっています。  歳入の特徴は、市税が前年比0.7%増で926億円、地方交付税が0.5%減で287億円、国庫支出金4.2%減の277億円となっています。また一般財源については、前年比約1億6,000万円減で、三位一体改革が始まる前の平成15年と比較すると、100億円以上も減額されることになっています。  一方、歳出面については、政策的経費などで各局の予算要求を前年度比で10%の削減措置が断行される中で、3つのゲートを中心にしたまちづくり戦略計画の事業促進を図るため、225事業に対して337億円配分がされています。  一方、地方財政に大きな影響を与える国の三位一体改革は、各自治体の財政に大きな打撃を与えることになっています。特に地方交付税については削減の状態が続き、この影響によって、税収の豊かな地域と厳しい地域の格差拡大の要因の一つになっていることは、御案内のとおりであります。また同時に、地方の貴重な一般財源が減額されることにもなっています。  本市においては、三位一体の改革によって、平成19年度までに約169億円の財源がマイナスになったと、本年度当初予算の説明時になされております。まことに大きな数字で、今後の財政の見通しについて、改めて危機感を募らせたところでございます。  そこで、1点目の質問は、国の三位一体の改革を地方の立場からどのように評価されているのか、同時に新年度の地方財政計画の税や地方交付税の状況からして、地方の一般財源は確保できる姿になっているのか、さらに本市における一般財源の見通しについてお尋ねします。  2点目に、現在のまちづくり戦略計画は、市長就任早々の平成16年度に5年計画で策定され、新年度が最終年度になっています。そこで、これまで3つのターゲットごとにどの程度の予算が講じられてきたのか、またどのような事業を成果として評価されているのかお尋ねします。  さらに、新年度には、次の10年間を見据えた総合計画の策定に取り組むことになっていますが、そのためにはこれまでのまちづくり戦略計画の実績等に対して検証を行うことが不可欠です。そこで、新年度予算を含んだこの5年間のまちづくり戦略プランの事業をどのように検証を行い、それを新総合計画につなげていかれるのかお伺いいたします。  3点目、国の地方財政計画で、地方の財政力に応じて地方再生対策費が配分されています。そこで、本市の財政力についてはどのような評価のもとに、どの程度の財源が配分されているのかお尋ねします。  4点目は、国の三位一体の改革などによって、地方の財政力は一般財源の落ち込みなどに見られるように、弱体化の一途をたどっています。本市においては財源力の向上を図るため、職場の民営化を取り入れた行財政改革が行われています。しかし安定的な財政基盤を築くためには、企業立地の促進とともに、ベンチャー企業の育成を図ることが不可欠であります。今議会においては、企業立地を強力に推進するため補助金交付限度額を現行の5億円を20億円に、さらに雇用促進補助金を現行の30万円を、正社員については50万円に、正社員以外に対しては15万円に改めることを骨子とした熊本市企業立地促進条例の一部改正が提出されており、大変評価をいたしているところでございます。  そこで、条例改正後、企業立地の促進に向けてどのような取り組みをなされているのかお尋ねします。またベンチャー企業の育成の状況についても、あわせてお尋ねします。  答弁につきましては、1点目、2点目は幸山市長に、3点目、4点目については担当局長にお願いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  新年度予算案につきまして、私の方から、三位一体の改革の評価と影響について、それからまちづくり戦略計画の検証について、以上2点につきまして、順次お答えさせていただきます。  まず、三位一体改革への評価でありますが、午前中の答弁でも少し触れたところではありますが、分権型社会に向けた端緒として、一定の評価ができる部分もございますが、5.1兆円にも及びます地方交付税の抑制などが行われまして、結果として地方自治体にとりましては、より厳しい財政運営を強いられるものとなっておりまして、国の厳しい財政状況のツケを、地方に負担転嫁したものと言わざるを得ないと考えております。  次に、地方の一般財源確保についてのお尋ねでありますが、新年度の地方財政計画でございますが、地方税、地方交付税、臨時財政対策債等の一般財源総額は前年比1.1%と、5年ぶりに増額確保されておりますが、地方税につきましては、つい先日公表されました月例経済報告でも、景気判断が下方修正されますなど、先行き不透明感が漂っておりまして、その影響も懸念されますこと、また地方交付税は、交付税特別会計からの借入金の償還を繰り延べした上で確保されたものでありますことなどから、計画どおりの地方財政運営となるのかどうか、予断を許さないものがあります。  そのような中での本市の一般財源についてのお尋ねでありますが、当初予算につきましては、市税は税源移譲の影響が通年ベースとなりますことや、固定資産税の安定的な増額などによりまして、一定の伸びは見込まれますものの、地方交付税及び臨時財政対策債が、いずれも前年度当初予算を下回る見込みとなりまして、地方消費税交付金なども減少が見込まれますことから、一般財源総額は前年を2億円ほど下回ります。しかしながら、昨年度までのように大幅な落ち込みはないものととらえております。  続きまして、まちづくり戦略計画に関する2点のお尋ねにつきましてお答えいたします。  まず、1点目の予算の投入額と成果につきまして、まちづくり戦略計画に掲げております3つのターゲットごとにお答えさせていただきます。  まず、ターゲットの1つ目、「良好な環境を未来へと引き継ぐまち」でありますが、計画期間でございます平成16年度から平成20年度までの当初予算ベースで、総額113億円を投入し、白川中流域での水田湛水事業などの地下水保全、地域拠点説明会やメディアの活用による啓発などによりますごみ減量・リサイクルの推進、さらには公共交通機関の利用促進などに取り組んできております。成果といたしましては、個々の事業ではなく、ターゲット全体としてとらえてみますと、成果指標でございます良好な環境が守られていると感じる市民の割合、平成19年1月調査の実績値でございますが64.5%でございます。平成15年度の基準値が59.1%、そして平成20年度の目標値が65%でありますことから、現在、平成19年1月で64.5%と見ましたときには、目標達成に向け着実に成果が上がっているととらえております。  ターゲットの2つ目、「子どもたちが健やかに成長するまち」、ここへの投入予算額でありますが1,228億円で、ひとり親家庭に対する総合的な支援などの子育てしやすい環境づくり、少人数学級、少人数指導の実施など、個をはぐくむ学校教育の推進などに取り組んでいるところであります。成果指標でございますが、子供たちが健やかに成長していると感じている市民の割合、この実績値は48.3%、基準値の43.1%は上回っておりまして、一定の成果は見られますが、目標値は55%でございまして、その達成までには厳しい状況にございます。  ターゲットの3つ目、「人々が集う元気なまち」への投入予算額でありますが252億円で、熊本駅前東A地区市街地再開発などによります熊本駅周辺の整備、熊本城築城400年祭開催などの、KUMAMOTOブランドの確立などに取り組んでおります。成果指標でございますが、豊かで活気あるまちだと感じる市民の割合、この実績値でありますが32.6%で、基準値が26.9%、目標値が35%でございますが、これも目標達成に向けまして順調に成果が上がっているものととらえております。  以上が、各ターゲットにおける予算の投入額、あるいは目標達成の状況でございますが、平成20年度はまちづくり戦略計画の最終年度でありまして、そして第6次総合計画につながる重要な年度でありますことから、各ターゲットに向けましては重点的な予算配分を行ったところでありまして、目標達成に向け、積極的な事業展開を図ってまいります。  2点目のまちづくり戦略計画の検証と第6次総合計画への反映につきましては、昨年5月に現行の第5次総合計画、まちづくり戦略計画検証市民会議を立ち上げまして、現行計画の成果や残された課題などにつきまして、市民の皆様の目線から検証を行っていただき、その結果につきましては、本市の政策評価に当たって、それぞれの部局におきまして政策目的の達成度の把握、課題の抽出などに活用いたしますとともに、第6次総合計画基本構想審議会で検証結果をお示しし、議論の際の参考にしていただいたところであります。  まちづくり戦略計画につきましては、引き続き行政評価制度を活用した検証を十分に行いますとともに、その結果を、可能な限り第6次総合計画の基本計画及び実施計画に適切に反映させてまいりたいと考えております。          〔西島喜義企画財政局長 登壇〕 ◎西島喜義 企画財政局長  私からは、地方再生対策費についてお答えいたします。  これは、新年度より地方税の偏在是正策として導入されたもので、都道府県分1,500億円、市町村分2,500億円の計4,000億円となっております。  市町村に対しましては、地方交付税の算定を通じて、特に財政状況の厳しい地域に重点的に配分されることとなっておりまして、その積算につきましては、第1次産業就業及び高齢人口の比率を反映した人口規模や、耕地及び林野面積を基準とされておりますが、具体的な内訳までは示されておりません。国が示します試算では、人口1万人規模で8,000万円程度、10万人規模では2億円程度と、人口規模の小さい自治体に、より高い比率で配分する傾斜配分となっておりまして、本市の場合、交付税の歳出の積み上げとなります基準財政需要額の約0.5%に当たる約4億9,000万円が示され、当初予算もこの金額で見込んでおります。          〔岡本安博経済振興局長 登壇〕 ◎岡本安博 経済振興局長  私からは、4点目の条例改正後の企業立地促進に向けての取り組みと、ベンチャー企業の育成の状況についてお答えいたします。  まず、企業立地促進についてでございますが、国の企業立地促進法が施行されましたことや、近隣自治体との合併による市域拡大が考えられる中、本市への企業立地をより有利に推進するために、他都市と同等以上の助成制度にする必要がありますことや、また市民に対して、より安定した雇用の場を提供できるような制度の整備が必要であるため、熊本市企業立地促進条例の一部改正案を提出したところであります。  本市といたしましては、これまでも市長がプレゼンテーションを行う首都圏での企業誘致説明会の開催や、企業誘致アドバイザー制度の活用による誘致、大都市圏における県人会や経済界の集まりの参加などにより、他方面から最新の企業情報の収集を行ってまいりました。条例改正後は、これまでの誘致活動のほか、特にことし3月には新制度をPRするために、東京モノレール6両編成を借り切ってのポスターの掲示を予定しているところであり、今後もより効果的な誘致活動を行ってまいりたいと考えております。  次に、ベンチャー企業の育成でございますが、起業家育成塾の開催や中小企業経営サポートプラザによる経営相談等により、起業家の創出、育成を図っております。中でも熊本県並びに独立行政法人中小企業基盤整備機構とともに運営しております、くまもと大学連携インキュベータにおきましては、低賃料の貸しオフィス、貸し研究室の提供のほか、専門家による経営ノウハウ、販路開拓などの総合的支援を行っており、現在入居している企業のうち、海外への展開を図るなど成長が見込まれる企業も出現しているところでございます。今後もベンチャー企業の創出、育成を図るため、より一層の支援を図ってまいりたいと考えております。          〔48番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  国の三位一体改革や地方財政計画は、本当に地方分権の確立に逆行した内容になっているわけでありますが、また一方におきましては、地域再生対策費に象徴されますように、都市と地方における税収の格差は拡大を続け、歯どめのきかない状態になっています。地域間の格差を是正するのは、基本的には国政によって取り組むべき課題でございます。しかし早い段階に格差の是正を図るためには、地方における自助努力も必要ではないでしょうか。さきに九州経済界から発表された九州経済白書によると、平成14年1月に始まった景気拡大を消費なき拡大と位置づけながら、格差の連鎖を断ち切るためには、企業立地や観光振興が効果的であることが提言されています。  今議会で提案されている企業立地促進条例案が議決されることになれば、合併政令市の実現によって、まちのイメージアップとともに市域面積が広くなりますので、企業立地をこれまで以上に期待することができます。また、本市が誇りとする熊本城を初め豊富な観光資源を最大限に生かし、観光立市くまもと都市宣言にふさわしいまちづくりを推進することによって、経済の効果を期待することができ、ひいては税収を通じて市の財政力を高めることになります。財政力の向上に向けた施策を積極的に展開していただくように、要請をいたしておきます。  また、3つのゲートを柱にしたまちづくり戦略の取り組みについては、総体的には目標達成に向けて着実に成果が上げられているとの評価がなされています。しかし日常の市民生活など、身近にかかわりのある交通問題などについては、厳しい評価になっているようでございます。まちづくり計画の最終年度に当たる新年度は、市民の要望に答えるために綿密な検証を行い、第6次総合計画につなげることが、まちづくりの継続性を図るためには必要だと思っております。私自身もまちづくり戦略計画の進展に向けて微力を尽くすことを申し添えまして、次に質問に移らせていただきます。  次は、交通問題ということで、バス網再編の前段の取り組みとして進められている市営バスの路線移譲については、九州運輸局、熊本県、熊本市、バス事業で構成される熊本都市圏バス路線に関する検討会議で、平成15年9月29日から検討され、熊本市営バスを競合する8路線のうち、これまで6路線が民間バス会社に移譲され、残り2路線はことし4月1日に移譲されることになっています。また一方で路線の移譲に続いて、昨年12月25日に設立された新バス会社に、市営バス本山車庫を全面移譲することを幸山市長は発表されました。  バス再編の要因は、バス離れによる営業の悪化や、市街地を中心にした競合運行の解消などが上げられています。これまで行われた6路線の移譲に当たっては、交通事業管理者と民間バス会社との間に合意書が交わされています。その合意書の前文には、「交通局が運行する路線の移譲に関し、地域住民の足を守り、バス交通の利便性の確保を図ることによって公共交通の使命を果たす」ことが骨格となっています。しかし、既に移譲されている6路線の状況は、市営バスが運行されていたときよりも、時間がたつにつれ大幅に縮小されています。最初に移譲された川尻帯山線一つ見ても、当初107本あったダイヤを、移譲する際は90本に減便し、現在は87本までに縮小されていることで、利用を無視したコスト優先の民間企業の手法を見てとれます。  合意書には、運行本数及び終始発の時刻は、特別な事情がない限り3年間は維持することになっていますが、路線移譲後の実態からすると、この先これまでの運行本数が担保される保障はありません。今後もこれまでのように利用のバス離れに歩調を合わせた形で運行本数を決めるような状態が続く限りにおいては、利用の増加を期待することはできません。バスの再編に当たっては、目的とされる地域住民の足を守ることに留意し、適切な取り組みを進めることが求められております。  現在、交通問題で最も重視しなければならないことは、団塊世代の高齢化が進行することによって、それこそ超高齢化社会を突き進むことになります。本市における高齢化率の推移によると、平成20年19.71%、5年後の平成25年21.87%、10年後の平成30年には24.85%で、4人に1人が高齢人口によって占められることになります。そのときに最も必要とされるのが、住民が移動する場合の公共交通による受け皿づくりでございます。また公的病院が同じ地域に集中していることや、日常の買い物時などの交通手段の確保に困っている住民は少なくありません。通勤、通学など、交通手段を必要とする地域住民への対応を含めて、適宜に結節を取り入れながら利便性を図り、バス網の再編を行うことによって、必ず利用の増加を期待することができるはずです。  そうした取り組みの中で不可欠とされるのが、公民の役割であります。民間のバス会社は良好な営業を最大の目的にされているため、利用の状況に合わせて運行体制が築かれることによって、今回の路線移譲時のように、利用の少ない時間帯の間引きや、島団地系統のように採算がとれない路線などは運行されなくなります。こうした状況を踏まえ、バス網の再編に当たっては公民の役割を明確にする必要があります。  市から民へのバス路線移譲に伴って、住民の利便性が大きく後退したものがあります。それは、特に高齢や障がいなどの弱者にとって不可欠なノンステップバスが、6路線の移譲によって減便されていることです。バリアフリーの新法によると、ノンステップバスの比率を、2010年まで国全体で総車両台数の30%まで引き上げることが目標にされています。このような国の動きの中で、市営バスの導入率は国の平均約18%を上回り、本年度の時点で49台保有されており、これは全車両台数の28%に達しています。  しかしながら、昨年移譲された御幸木部線、高平台線を見てもわかるように、合わせて27本、市営バスが運行していたノンステップバスが、民間ではその4分の1以下の6本しか確保されておらず、車いすの利用や高齢などに大きな負担を与えています。これらの実態から明らかなように、現在進められているバス網再編は、住民のバス離れを一段と加速させ、ひいては経営悪化に拍車をかける取り組みが計画的に進められていると言うことができます。  そこでお尋ねします。  1点目、市営バスから民間バス会社への路線移譲は、ノンステップバスの減便を招くと同時に、ダイヤの間引きを初め過疎地域の路線の撤退や休止につながり、特に交通弱の大切な足が十分に守られていない状況になっています。こうした住民にとって不都合な状態は、本山車庫を新会社へ全面的移譲後も続くことは必至であります。そこで、このような状態をどのように受けとめてバス網の再編を行っていかれるお考えであるのか、バス網再編の具体的な進め方についてお尋ねします。あわせて、ノンステップバスの確保を含めた公共交通の福祉政策についてもお尋ねします。  2点目、資本金900万円で設立された新バス会社は、必要とする乗務員や車両の確保だけでも極めて大変なことだと思います。そこで本市として、新バス会社に支援のお考えがあるのかお伺いします。  また、市長は新バス会社の設立については歓迎されているようでありますが、新バス会社の将来に何を期待されているのか、あわせてお尋ねします。  3点目、バス網の再編に当たっては、先ほども申し上げましたように交通局の役割を明確にするため、例えば公営交通でしかでき得ない福祉の側面などからの位置づけなどが考えられますが、御所見をお聞かせください。  以上3点の質問に対しては、幸山市長によろしくお願いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  バス網再編に関するお尋ねにつきまして、順次お答えさせていただきます。  まず、1点目のバス網再編の具体的な進め方でありますが、御承知のとおり熊本都市圏におけるバスの利用数は、この20年間で半減いたしております。そしてここ10年間で見ましても約3割減少している状況にあります。そのため、バス事業の経営は大変厳しい状況にございまして、市民生活に必要な路線の維持すら困難な状況になってきております。  しかしながら、一方には先ほど御指摘もありましたように、高齢化が進行いたしますなど、公共交通が果たす役割はますます重要となり、バス交通を今後も安定的に維持してまいりますための方策を、官民一体となりまして確立しなければなりません。九州産交の再建を契機といたしまして、これまで市営バスとの競合路線について移譲を行ってきたところでありますが、その結果、バス事業全体の採算性の向上や、効率的運行に成果を上げてきたところであります。  そこで、試行的ではありますが、次に面的移譲といたしまして、民間3社共同で設立されました新バス会社に対しまして、21年4月をめどに市営バスの本山営業所管轄路線に関しまして、移譲協議を進めてまいりたいと考えております。  また、利用の利便性向上の視点に立ったバス路線網につきましては、現在バス事業とともに、実際の交通行動の分析に加えまして、潜在的な需要にも対応できるようなバス路線網の策定に取り組んでいるところでありまして、利便性が向上しますことでバスの利用増につなげていきたいと考えております。  さらに、新年度でありますが、バス交通のあるべき機能や役割を検討する協議会を設置いたしまして、今後必要なバスサービスや、市営バスを含めた本市のバス交通のあり方について検討することといたしております。  これまで民間バス事業が移譲を受け運行している路線につきましては、減便により市民の足が守れていないという御指摘についてでございますが、例えば競合路線でございます川尻帯山線の移譲の際には、利用状況を把握し、適正な運行回数によるダイヤの均等化に取り組んだ結果の減便でございまして、利用の利便性を低下することなく運行されていると認識いたしております。  また、民間バス事業のノンステップバスの保有率でございますが、御指摘もありましたように、いずれも低いものでありますが、高齢や障がいにも利用しやすいバスサービスの重要性は十分認識いたしておりまして、バス事業と取り組んでおります公共交通改善実務検討会におきましても、導入に向けた方策を協議しているところであります。今後予定しております本山営業所管轄路線の移譲に当たりましては、本市といたしましても、いわゆる営業権の移譲だけでなく、ノンステップバスの譲渡につきましても、サービス水準の低下を招かないように、適切に対応していかなければならないと考えております。  次に、2点目の新会社への支援と期待についてでありますが、新バス会社は既存の民間バス事業3社が熟慮協力して設立されたものでありまして、あくまでも民間主体の取り組みと考えており、市の出資は考えておりません。しかしながら、面的移譲の際に必要となる施設や車両などは、新バス会社が円滑かつサービス水準を極力維持しながらバス事業を行っていくために必要であると思われますので、今後、新バス会社と協議してまいります。  また、新バス会社には、移譲されました市営バス路線の運行のみならず、利便性の高い路線網の構築と、これまで市営バスが担ってきた公共の福祉の増進という基本理念もあわせて引き継いでいただきたいと考えておりまして、バスサービスの施策向上に向けた取り組みなど、先導的な役割を担ってほしいと考えております。それが期待であります。  最後に、3点目のバス網再編における、交通局の福祉の側面からの位置づけというお尋ねでありますが、これまで交通局のバス事業は、民間バス事業とともに、昭和初期より公営交通として公共の福祉の増進という重要な役割を担ってきたわけでありますが、その役割につきましては、先ほど述べました協議会の中におきまして検証することになろうかと考えております。          〔48番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  交通問題、なかんずくバス網の再編の問題でありますけれども、現時点においてバス網再編の取り組みを当市ではっきりしていることは、市の場合は路線の移譲によって赤字を減らすことができ、財政面に利点が生じています。一方、民間のバス会社は、市バスの路線を受けることによって、経営面において利点が生じています。しかし住民は、運行体制の効率化やノンステップバスの大幅な減便などによって利便性が損なわれることになっています。  このような住民にとって不都合な状態を解消するためには、鉄軌道との結節などを含めた取り組みが不可欠です。つまりバス網の利便性を高めるためには、バス網の再編だけでは見通しをつけることはできません。言うなればバス網の再編は、公共交通機関の機能強化を図るための一環として位置づけをすべきものだと考えています。新年度は市営バスも含めて、バス交通のあり方を検討することになっています。その中では、改めてバス網再編の目的は利用の利便性を図り、住民の足を守るための取り組みであるということに対して、確認の上、協議を進めていただきたいと要請いたしておきます。  交通問題の最後に、幸山市長に要望しておきます。それは、昨年末、住民の足を守る県民会議から、幸山市長に対してバス網再編に対する約3万7,000通の署名が提出されました。市長におかれましては、これを重く受けとめていただきながら、これからの取り組みに十分に生かしていただきますように、強く要望をいたしておきます。  それでは、次の質問は、次世代育成支援行動の推進に向けて。  世界に例を見ないスピードで進行する少子化に歯どめをかけるため、平成15年度に制定された次世代支援対策推進法のもとに、平成17年度から5年計画で抜本的な少子化対策がスタートしました。本市では国と連動し、熊本市次世代育成支援行動計画ひびけ!子ども未来プランを策定し、子供の声が響く地域づくりを目指して、約3年間にわたって行動が展開されてきました。この間、保育ニーズの不足する地域5カ所に新たな保育園の建設や、家庭で養育中の子供を対象にした地域子育てセンターほっとステーションの拡充など、質量ともに充実された子育て支援策のもとに取り組みが進められてきました。しかし、現在社会的要請が高まっている仕事と子育ての両立支援策に対する不十分さもあって、全国的に3年間の取り組みの結果は少子化の波を制御することができず、これからの取り組みに期待がかけられています。  昨年の少子化社会白書によると、人口減少社会の到来に伴い、過疎地では防犯、消防などの自主的な住民活動や、集落という共同体の維持さえ困難な状況になるなど、地域の存立基盤にかかわる問題が生じる可能性があると警鐘を鳴らしています。少子化の進行によって、社会基盤はさらに衰退を余儀なくされるものと思います。こうした自体を重視し、本市の新年度予算案には、新規や拡充を含めて子育て支援に対する配慮がなされています。問題は、計画されている諸事業を実りあるものにするための取り組みにかかっています。  そこで、新組織の中で展開される事業を実効性のあるものにするための方策についてお尋ねします。  次に、子ども未来局の機能強化についてお尋ねします。  昨年12月の第4回定例会において、本年4月から子ども未来局を設置することを可決しました。これは少子高齢化の進展に対し、子育てしやすく、子供たちの健やかな成長をはぐくむ環境づくりに、一体的かつ総合的に取り組むため、子ども施策を専管する組織を設置するとしたものでした。そのために①子ども施策を集約、体系化することで各組織の目標と責任を明確にするとともに、一体的、総合的な事業展開により、効果的、効率的な市政運営を行う、②乳幼児期の相談、保育園、幼稚園の窓口一元化など、市民の利便性が向上するとともに、担当部署がわかりやすくすることを目的としました。  しかし、子ども施策は、母子保健法や児童福祉法を初めとする保健福祉分野や教育の分野など多岐にわたっており、健康福祉局や教育委員会との連携が不可欠となっています。さきの議会においても、子ども未来局の設置に当たり、①各局との連携、調整機能を明確にする必要があること、②本市における子ども施策の骨子となる政策の議論の必要性、とりわけ国連子どもの権利条約に基づく熊本市子どもの権利条例策定について検討することなどが、本会議質問や委員会での議論になりました。その際、市としては連携、調整機能については業務に支障が生じないよう早急に対応する、子どもの権利条例についても検討していくとの回答でした。  そこで、お尋ねします。この間の母子保健を初めとする健康福祉局、教育委員会との連携、調整機能についての検討状況をお伺いいたします。また、子どもの権利条例制定についての考え方もお伺いいたします。  続きまして、保育ニーズについて。  現在、保育園においては、3点の問題が保護の関心を集めています。  1点目は、母親が育児休業の場合に、在園児が退園を余儀なくされることです。この問題については、これまで会派を越えて継続保育を求める質問が繰り返し行われてきましたが、いまだに検討事項として先送りされています。そこで関係の意見を伺いながら、継続保育の必要性を私なりに取りまとめてみました。  まず、育児休業は新生児の育児のために取得したものが、上の子供の育児に手間がかかるということです。上の子供は、母親が育児休業をとるまでは保育園で多くの仲間と楽しく遊んでいただけに、だれも相手をしてくれない家庭ではすぐに退屈になり、母親に遊びの相手を迫ります。そのとき子供の相手をしなければ、子供のストレスがたまりだだをこねることになり、こうしたことの繰り返しによって母親は育児不安になるケースが少なくないということです。育児休業の期間に継続保育ができれば、上の子供は昼間は保育園で仲間と遊び回り、すがすがしい気持ちで帰宅することができ、母親の育児不安も回避することができます。  そこでお尋ねします。母親の育児不安の回避や、子供の健やかな成長などを図る立場から、育児休業時の継続保育の実施については決断の時期に来ていますが、御答弁をお願いします。  2点目は、新生児が一定の成長をする時期になると、保護の就職活動が近年は目立って多くなっています。その場合、子供の面倒を見る人に恵まれていない場合は、動きがとれない状態にならざるを得ません。現在の雇用条件は派遣労働などの低所得層が多く、1人の収入では家庭を支えることは厳しい状況になっています。母子家庭はなおさらのことです。  先般、保育園を訪問したとき、1歳6カ月の子供と一緒に若いお母さんが園長先生にあいさつに来られました。訪問の目的は、就職活動のため入園をお願いされたができなかったため、認可外保育園に入所させることを報告に来られたのです。この場合は預ける見通しがついたからいいものの、できない場合の保護のことを思うと、何とかしなければという気持ちになりました。  子育て支援に最も求められているのは、経済対策であります。未来を担う子供を含めた家計を支えるために不可欠な保護の就職活動は、今後ますます活発になるものと思います。  そこで、保護が就職活動を行う場合に、保育に欠ける子供を対象にした保育に対する考えについてお尋ねします。  3点目は、入園審査後における通知書送付の問題であります。  入園申し込みの期間は、1次、2次の期間に分けて設定されています。そこで問題視されているのが、第1次申し込みに対する通知が、入園保留で送付されるケースが非常に多いということです。市の福祉事務所長名で送付されている通知書は、「先に申し込みを提示されました○○への4月への入園につきましては、定員等の都合により保留いたします。欠員が生じ入園できるようになりましたら、改めて御連絡いたします。」という内容になっています。通知を見た保護は後の通知を待ち切れず、やきもきの気持ちで希望以外の保育園に入園の問い合わせをするなどの行動を起こしています。一方、園側は定数枠は十分あるけれども、市からの連絡を受けなければ保護に対してうかつな返事ができない立場にあるということで、通知書が家庭に送付される時期が、年間の中で最も苦痛を受ける状態が続いているようです。  1次申し込みに対して保留通知が多いことは、2次申し込みの状況等を見て最終決定されるからだと思われます。しかし毎年保護や園をやきもきの状態にさせることになっていることについては、改めるべきだと思います。今後のこの問題への対応についてお尋ねいたします。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  次世代育成支援行動計画の推進、子ども未来局の機能強化及び保育ニーズについての御質問に、順次お答えさせていただきます。  まず、次世代育成支援行動計画の推進についてでございますが、熊本市におきましては、平成17年に次世代育成支援行動計画、いわゆる「ひびけ!子ども未来プラン」を策定し、保健、福祉、教育、都市建設など、各分野にわたります124の事業を展開しているところでございます。  さらに、子育て支援に係る施策を総合的、効果的に展開していくためには、できる限り組織を一元化し、推進体制を強化する必要があることから、本年4月、子ども未来局を新設するものであります。お尋ねの行動計画の推進に当たりましては、学識経験や企業の代表、公募市民等から構成されます次世代育成支援対策地域協議会を設置いたしまして、毎年度、計画の進捗状況を確認し、事業の効果や手法につきまして検証を行っております。          〔議長退席、副議長着席〕  平成18年度の実績を見てみますと、市民アンケートの調査の結果では、子供たちが健やかに成長していると感じる市民の割合が48.3%で、15年度の43.1%と比較いたしますと5.2ポイントの上昇となっておりまして、また事業ごとに設定しております成果指標につきましても、その7割以上が伸びていることなどから、計画はおおむね順調に推移しているという評価をいただいております。また、この結果につきましては、市ホームページで公表しているところでございます。  子ども未来局におきましても、着実に進行管理を行いながら、「子どもの声がひびく地域(まち)づくり」の実現に向けまして、さらに実効性のある事業展開を図ってまいりたいと考えております。  次に、子ども未来局と関係局との連携、調整機能についてでございますが、子ども未来局におきましては、子供にかかわる施策を集約、体系化し、子供の成長、発達段階に応じた施策を効果的、効率的に展開できる体制を目指しておりまして、また多様化、複雑化する子供に係る行政ニーズに対応するためには、子ども未来局と関係の深い健康福祉局や教育委員会との連携が大変重要であると考えております。
     そこで、健康福祉局とは母子保健を中心として、その実施現場となります保健福祉センターとの連携体制を構築いたしますとともに、両局の主管課を中心に局間調整会議を設置することとしております。  また、教育委員会とは特に子ども発達支援センター子ども総合相談室の運営におきまして連携が必要であることから、関係課によります連絡会を新たに設置しまして、連携を十分図ってまいりたいと考えております。  次に、子どもの権利条例についてでございますが、昨年、第4回定例会でもお答え申し上げましたとおり、本市では「ひびけ!子ども未来プラン」を推進する中で、子供の権利を守る社会づくりにも取り組んでいるところでありまして、今後の検討課題であると認識しています。今後とも子どもの権利条約が尊重されるまちづくりに向けまして、子ども未来局が中心となり、さまざまな施策の企画、立案を初め、その推進に取り組んでまいらなければならないと考えております。  最後に、保育ニーズにつきまして3点の御質問にお答えいたします。  まず1点目の、育児休業中の継続保育についてでございますが、現在、熊本市では5歳児に限って継続保育を実施しておりますけれども、子育て支援の観点から拡大への検討を始めており、19年度は保育需要調査に合わせて育児休業取得予定の調査を実施しておりました。その取りまとめを現在行っているところでございます。その結果を受けまして、20年度は保育所整備計画策定委員会を設置いたしまして、待機児童の解消を図るための整備計画を策定することとしておりまして、あわせて育児休業中の継続保育については、拡大に向けて具体的な検討に入ってまいりたいと考えております。  2点目の就職活動中の保育につきましては、一時保育制度がありますので、その周知に努める一方、希望される保育所に入所困難な場合には、他園の紹介やファミリーサポートセンターの活用など、情報提供を積極的に行い、保護の方々の就職活動が円滑に行えるよう、きめ細やかな対応に努めてまいりたいと考えております。  3点目の、入所審査後の通知についてでございますが、本市では保育を必要とする児童をできるだけ広く掌握するために、現在2回に分けて選考を行っているところでございます。しかしながら御指摘のような状況もありますので、今後、他都市の事例も参考にしながら、入所決定及び通知の方法等につきまして検討してまいりたいと考えております。          〔48番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  次世代育成の支援行動推進に向けてということで質問いたしたわけでございますけれども、国は新年度における少子化対策費として、約1兆3,000億円の予算案が計上されています。この中には仕事と生活の調和を図るための、いわゆるワーク・ライフ・バランスの推進事業費として約10億円が含まれています。不十分な中にも、少子化対策の強化に一石を投じたことについては評価することができます。本市の次世代育成行動計画については、順調に推進されているようであります。しかし、事業評価に対しては必要に応じて検証を行い、適切な対応を要請しておきます。  また、今後さらに実効性がある取り組みをするためには、企業の次世代育成に対する理解度を深める必要がございます。県との連携のもとに、将来の企業を支える人材確保の立場から、企業に対する働きかけを行っていただくように要請いたしておきます。  また、子ども未来局の新設については、時宜を得たものとして評価しています。しかし複数にかかわる組織の施策を集約し、総合的かつ円滑に事業を展開するためには、さらに踏み込んだ組織統合が必要ではなかったかと思っております。そこで、円滑な事業を展開するためには、情報交換を含めた連携体制を築き、適宜に組織の見直しに対する検討を視野に入れておく必要があるものと思っております。  また、子どもの権利条約の問題につきましては、近年の子供を取り巻く環境が非常に厳しいもとに置かれていることを熟慮し、新組織のもとで積極的に取り組んでいただきますように要望しておきます。  保育ニーズの問題でありますけれども、特に育児休業中の継続保育については、課題の整理を行った後、早期に結論が出されることを期待しております。今後とも保育園は地域の子育て支援センターの拠点施設であることに留意し、心身ともに健やかな子供の成長を図るための事業を展開されることを要望し、次の質問に移ります。  次は、こうのとりのゆりかご・赤ちゃんポストについてでございます。  親が育てられない赤ちゃんを匿名で受け入れる、こうのとりのゆりかご・赤ちゃんポストが本市の慈恵病院で運用開始後10カ月になります。赤ちゃんポストについては、賛否両論の意見が全国から持ち上がりましたが、最終的には幸山市長の、既に新生児が遺棄されているなどの深刻な事態が起きており、子供の命を守る手段としては必要な施設との判断によって、昨年5月に運用が開始されたことは御案内のとおりでございます。  運用開始から現在まで、施設の利用は予想をはるかに上回り、公式には公表されていませんが、男女児あわせて12人が預けられている模様であります。課題は抱えながらも、開設後12人の子供の命を救済し、健やかな成長をはぐくむための担保が確保できたことは、施設を設置したことによる成果のあらわれだと思います。  しかし、一方においては施設の設置によって安易な育児放棄の増加や、子供の人権を侵害するのではないかなどに対する課題の解決に迫られていることも事実であります。また、国は、こうのとりのゆりかごの運用に関しては静観の構えをとっているようであります。しかし施設利用や相談は全国的規模に達している事態からして、社会が抱える新たな子育て支援策として、国の関与は避けて通ることのできない課題ではないかと思います。  施設の運用などについては、2回にわたって検証が行われていますが、引き続き解決すべき課題は残されているものの、刑法上の違法性はなく、子供の安全性も確保され、総体的には大きな問題は発生していないとされています。こうのとりのゆりかごは、医療機関が匿名で子供を預かる、我が国の歴史において例のない取り組みであり、運用開始から間もない現時点においては、試行錯誤の状態が続くものと思いますが、ゆりかごの施設はあっても利用しないでも済むような、子育て支援の拡大に向けて取り組みを強化していく必要があります。  そこで、初めに幸山市長にお尋ねします。こうのとりのゆりかごに対するこれまでの状況をどのようにとらえ、今後の運用に当たっていかれるお考えであるのか、国への対応を含めてお伺いいたします。  2点目、新たな子育て支援を、国や地域社会が一体化して取り組んでいくためには、情報開示の目的を明確にして、一定の情報公開は必要だと思われますが、御見解をお聞かせください。  3点目、相談体制の拡充によって市の関係については、平成19年5月7日から平成19年12月末日まで585件、慈恵病院については、平成18年11月の受付開始から平成19年12月末日まで427件に及ぶ相談が寄せられています。このように多くの相談件数を分析し、これからの子育て支援に生かしていくことが重要だと思います。  そこで、相談内容をこれからの子育て支援のために活用していくための、具体的な取り組みについてお尋ねします。2点、3点目の質問については、健康福祉局長に御答弁をお願いします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  こうのとりのゆりかごにつきまして、3点お尋ねがございましたが、私の方からは現状への認識と、それから国への対応を含めました今後の運用につきましてお答えさせていただきます。  ゆりかごの開設から9カ月が経過したところでありますが、本市におきましては県との連携のもとに、短期及び中期的な検証を重ねているところであります。短期的検証の結果につきましては、現在までにゆりかごの運用に、刑事法上の明らかな違法性は認められないものの、個人情報の管理徹底や公的相談機関等との連携強化などの課題もあり、引き続き見守りと検証が必要であると報告されているところであります。この中で、特に子供の権利が侵害されていないかにつきましては、引き続き個別の運用状況について、中長期的視点での検討の必要性が指摘されているところでもありまして、なお慎重な対応が必要であろうかと考えております。  次に、国への対応についてのお尋ねでありますが、ゆりかごの開設以来、市、県、医療機関の各相談窓口には、全国各地から大変多くの妊娠や出産に関する相談が寄せられているところであります。特に医療機関への相談につきましては、その7割以上が県外からの相談となっておりまして、本市におきましても市外からの来所、電話相談に対応しているところでもあります。さらに医療機関からは、相談の身体、生命に急迫した、遠隔地からの相談の事例なども報告されておりまして、ゆりかごができるだけ使われないためにも、事前相談の全国的な体制の整備が重要であると、改めて認識するところでもあります。  また、県とともに検証会議を設置し、ゆりかごが設置された社会的背景や、現行制度上の課題など、中期的な検証を行っているところでありまして、国への要望につきましては、その中におきまして検討してまいりたいと考えているところであります。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  こうのとりのゆりかごに関連しまして、私から2点の御質問にお答え申し上げます。  まず、情報公開への見解についてでございますが、これまでも申し上げてまいりましたとおり、行政として第一に考えなければならないことは、子供の人権と福祉でありまして、子供の成長に支障を来してはならないということでございます。  したがいまして、運用開始から間がない時点では、ゆりかごが利用されたか否かの存否自体が特定の個人が識別され、または他の情報と照合することによって識別され得るような個人情報に該当するものと考えられることから、児童福祉法及び熊本市情報公開条例並びに個人情報保護条例に基づきまして、公開については、これまで年1回公表してまいりました要保護児童の年間統計数の内数として、ゆりかごに置かれた子供の件数を公表することとしておりました。  しかし一方、ゆりかごに関しては、多くの人々による社会的検証の必要性があることから、可能な限り公表することが望ましいと考えております。そこで要保護児童対策地域協議会専門部会におきまして、ゆりかごの運用状況の検証とあわせて、子供の人権を最大限尊重しつつ、どこまで情報を出すことができるかということにつきましても、現在慎重に検討していただいているところであります。  次に、妊娠に関する相談内容の分析と活用についてでございますが、現在、市、県、医療機関で、妊娠に関する相談を受けております。相談件数は昨年12月末で1,000件を超え、多くの女性が妊娠に関する悩みを抱いている現状が明らかになっております。相談の中には、特に子育て支援に直結した出産、養育についての内容も多く含まれておりますことから、今後の子育て支援に生かしてまいりたいと考えております。  また妊娠、避妊に関する相談の中には若年層からの相談もあることから、教育委員会との連携も十分図ってまいりたいと考えております。          〔48番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  こうのとりのゆりかご・赤ちゃんポストについては、子供を預ける要因や社会的問題の解明、また国や地域社会が子育て支援に一体的に取り組むために必要な情報公開の発信、さらに相談体制の拡充などが求められており、要は質問の中でも触れましたように、赤ちゃんポストはあっても利用しなくても済むような子育て支援の輪を、地域の隅々まで広めていくことが当面の課題ではないかと考えております。  次に、学校図書館の機能強化についての質問でございます。  学校図書館は児童・生徒の自発的な学習活動を支援し、教育課程の展開に寄与する学習情報センターとして、中核的な役割を果たすことが期待されています。また子供の活字離れや読書離れが指摘される中で、自由な読書活動や読書指導の場として、さらに想像力や好奇心を喚起し豊かな心をはぐくむオアシスの施設として、充実を図っていく必要があります。  こうした学校図書館の役割を果たすため、献身的な取り組みを行っているのが司書業務補助員、つまり学校図書司書であります。学校図書司書は議会等から要請を受け、5年間のモデル事業を踏まえて、平成12年度から小中学校の全校に配置されました。図書司書の1日の勤務時間は5時間で、就業時間は学校の授業状況などに合わせて個別に決められています。また業務内容は図書の購入、登録、貸し出し、返却、総合学習や調べ学習などへの支援、図書館だよりの発行、館内の環境整備など多岐にわたっています。まさに学校図書館の円滑な運営は、図書司書によって支えられていると言っても過言ではありません。  しかし、図書業務を通じて子供の健やかな成長や、21世紀の社会を支える人材育成のために、多大にわたって貢献している現状とは裏腹に、雇用条件は1日5時間、勤務年数については5年を超えないことが条件とされています。私が某学校を訪問した折、勤務時間は午後からになっているのに、朝から図書の整理が行われていました。理由を尋ねると、図書館が利用されていないときでないと、図書の整理や館内外の環境整備はできないとのことでした。また5時間勤務のため、その日の図書館にかかわる日程が職員朝会などで変更になることや、授業に使用する資料などを他校などから早急に取り寄せるのに手間取っている現状などについては、重視する必要があります。  今、子供たちを取り巻く教育環境は、いろいろな要因が重なり合って厳しいものになっています。教室に入れずに不登校となっている子供たちの中には、授業に直接かかわらない指導がいる部屋には登校できる子供たちも少なくないと聞いています。校長室を初め保健室、そして図書室がその対象になっています。単に本の整理や貸し出しだけではなく、心のよりどころとなっていることも認識していく必要があります。そして何よりも、常に本を通して子供と接している関係で、子供たちが求めている興味のある本は何なのか、先生たちが教材としてそろえてほしいと思っている本は何かが把握でき、司書教諭などとの協力をしながら無駄のない図書購入ができることです。教材研究の時間もないほど多忙化している学校現場のサポートもできていくと考えています。本を読むことで理解力、考える力が培われることは言うまでもないことですが、知らない世界に出会って感動する心を育てていくのも役割の一つではないかと考えます。  現在、本市においては職員の人材育成が大きな課題になっています。人材育成は一定の期間と財源を必要とします。しかし学校図書司書の場合は、5年間の短期間雇用とはわかっていながら、自前で業務に対する認識を高めるための努力が傾注されていることに対し、頭が下がる思いがしました。  そこで初めに、5年間の実務経験や研修などを通して、業務に対するノウハウを高め、これからの図書館機能の充実に期待できる図書司書の勤務年数及び1日8時間のフルタイムへの見直しについてお尋ねします。  2点目に、学校図書館は全学年が利活用する施設でありますので、運用面などについては教職員が共通認識を持つことが重要であります。そこで図書館運営に最もかかわりがある学校長、図書担当教諭、学校図書司書の合同による研修会が必要だと思いますが、御所見をお聞かせください。  3点目は、図書司書の採用条件についてお尋ねします。  図書司書は専門的な知識を必要とするため、可能な限り有資格を採用することが望ましいと思われます。現在、小中学校の図書司書については、全体の47%で有資格が採用されていますが、そこで今後の採用条件のお考えについてお伺いいたします。  4点目に、図書館の空調設置についてお尋ねします。  現在、学校図書館には小学校12校、中学校14校の26校にエアコンが設置されています。設置は、熊本市3校、PTA19校、同窓会2校、その他2校となっています。猛暑に見舞われた昨年の2学期、つまり残暑の時期の9月、数校の学校の協力を得て、午前、午後に4回程度の時間を設定し、図書館の温度を1週間ほど調査しました。その結果、時間帯にかかわらず30度を上回り、9月上旬には36度を記録した学校もありました。学校図書館の利活用は高まっています。高温の中での読書や授業は子供の体調に影響を与え、さらに館内の環境面において設置校と未設置校とでは格差が生じることになっています。そこでこうした不平等な実態を解消し、全校が快適な環境の中で図書館の利活用ができるようにエアコンの設置が必要だと思いますが、今後の取り組みについてお尋ねします。  5点目に、児童の小学校における放課後の安全・安心な居場所づくりのため、学校図書館がモデル事業として開放されるようでありますが、どのような対応が検討されていますかお尋ねいたします。  答弁は、初めに幸山市長に学校図書館の機能強化に対するお考えを拝聴し、5点の質問に対しては教育長にお願いします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  学校図書館の機能強化につきましてお答えさせていただきます。  学校図書館でありますが、教育活動に必要な図書や資料などを提供いたしますことで、子供たちの自主的、自発的な学習を支援しますとともに、読書活動を通しまして、言葉による感性や創造性をはぐくみますなど、学校教育上、重要な教育的機能を有する施設であると認識いたしております。そのような観点から学校図書館の機能を充実、強化します上でも、本市といたしましては司書業務補助員を全小中学校へ配置し、そして蔵書のデータベース化、市立図書館とのネットワーク化などにつきまして、これまで取り組んできたところであります。  また、学校図書館につきましては、整備すべき図書の標準冊数を国が定めていますが、本市の達成率を見てみますと、平成18年度末では小学校89%、中学校85%となっております。そこで平成21年度末までには、その100%達成に向けた図書の充実に取り組む考えであります。さらに子供の健やかな成長のために、魅力ある図書館づくりに努めてまいりたいと考えております。          〔小牧幸治教育長 登壇〕 ◎小牧幸治 教育長  私の方からは、学校図書館の機能強化についての5点のお尋ねにお答えいたします。  まず、1点目の学校図書館司書業務補助員の勤務年数及び1日8時間のフルタイムへの見直しについてでございますが、学校図書館は学習情報センターとしての機能、また子供たちの身近な読書活動の拠点としまして、学校教育において欠かすことのできない施設であり、その果たす使命と役割は極めて重要であると認識いたしております。そこで勤務いただいております司書業務補助員は、学校図書館の機能充実と円滑な運営を図るため、学校長の指示によりまして、図書担当教諭を補助する臨時的任用職員として配置しているものでございます。勤務年数につきましては、司書業務補助員の業務の内容や、学校職員との連携等を考慮いたしまして、それまで3年としておりました年限を、平成15年度に5年といたしましたが、やはり臨時的任用職員であることから、一定の任用期間を定めることは必要であると考えております。  しかしながら、5年間お勤めいただきました経験を有する方は貴重な人材であります。現行制度におきましても、年限により退職された方も1年を経過すれば改めて採用することは可能であり、現に一定期間離職された方が新たに応募され、平成18年度に10人、平成19年度に4人、計14人の方々を再度雇用している状況でございます。  また、1日8時間のフルタイムへの見直しについてでございますが、司書業務補助員の勤務時間は、子供たちの学校生活の中で図書の貸し出し時間等をもとに5時間といたしております。今後も学校長を中心に、図書担当教諭はもとより他の教職員と司書業務補助員の連携・協力を図りまして、また他都市における配置状況等を調査、研究するなど、学校図書館の円滑な運営に努めてまいります。  次に、2点目の学校長、図書担当教諭、司書業務補助員の合同によります研修についてでございますが、教育委員会では、各研修会の目的や学校現場の負担軽減等の観点から、これまで研修の見直しを図ってきたところでありますが、学校長、図書担当教諭、司書業務補助員の合同によります研修会は、現在のところ実施いたしておりません。しかしながら議員御指摘のとおり、学校図書館の運営面などに関しまして、教職員が共通認識を持つことは大変重要であると考えておりますので、今後合同による研修のあり方について検討してまいりたいと存じます。  3点目の司書業務補助員の採用条件についてでございますが、司書業務補助員の新規採用に当たりましては、市政だよりやホームページの掲載によりまして公募いたし、面接、選考を行っております。司書等の資格につきましては応募の際に条件とはいたしておりませんが、選考におきまして評定項目の一つとして加点するなど考慮いたしているところであります。今後も有資格の確保も含めまして、学校図書館で意欲的に勤務いただける方の雇用に努めてまいりたいと考えております。  4点目の学校図書館への空調の設置についてでございますが、暑さ対策としての学校図書館へのエアコンの設置は、学びの場として親しみやすい場所である学校図書館の活用を図る観点から、その必要性を認識しているところでございます。しかしながら、喫緊の課題であります学校施設の耐震化や分離新設校の対応を進めている中、学校図書館へのエアコンの設置を初め、施設整備には多くの課題を抱えている現状でございます。したがいまして学校図書館へのエアコンの設置につきましては、本市の財政状況を踏まえまして、学校全体の施設整備に係る計画の中で検討を進めてまいりたいと考えております。  最後に、5点目の放課後の図書館開放につきましては、国の補助事業でございます放課後子ども教室推進事業を活用いたしまして、モデル的に行うものであります。小学校2校を選び、週2回、放課後17時までの間、安全管理員1名を図書館に配置いたしまして、そこで子供が自由に本を読んだり、本の読み聞かせを楽しんだりできるような場の提供を考えております。平成21年度までの試行として実施し、事業の効果や課題の検証等を行いまして、本格実施について判断してまいりたいと考えております。          〔48番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  学校図書司書については、個をはぐくむ学校教育の推進の陰の推進として貢献しています。現在の雇用形態を学校の始業時間に合わせることによって、図書館機能がさらに拡充されるばかりではなく、教育課程の展開に対しても、より一層寄与することができます。他都市の調査に加え、図書司書業務の検証などを行いながら、エアコンの設置とともに適切な対応を要請しておきます。  また、放課後児童対策のための学校図書館の開放については、当面モデル事業の状況を見守っていきたいと考えております。  次に、新幹線全線開業とまちづくりについての質問でございますけれども、いよいよ九州新幹線開業まで残すところ3年となりました。新幹線の建設工事も順調に進んでいるようであり、先日訪れた熊本駅周辺の様子は目をみはるものがありました。田崎橋の撤去に伴う仮設橋が設置されるとともに、駅の西側には新幹線の高架構造物が立ち並ぶなど様相が一変しており、開業が間近に迫っているのを実感いたしました。ようやく念願の新幹線が熊本にやってくることになるかと思うと、胸が熱くなる思いがいたしました。  しかし、新幹線がやってくることを喜んでばかりはいられません。開業後、熊本が単なる通過駅となり衰退への道を進むか、あるいは九州中央の交流拠点都市としての発展の契機となるのか、今、熊本市は大きな岐路に立たされていると言っても過言ではありません。  聞くところによると、栃木県の県庁所在都市である宇都宮市は、東北新幹線の開業により、政令指定都市であるさいたま市の大宮駅まで30分、東京駅まで1時間で結ばれることになりました。在来線に比べ大幅に時間が短縮され、格段に利便性が向上したものの、さいたま市や東京都心の商業施設に買い物客が流れるとともに、郊外への大型店の相次ぐ出店もあり、西武百貨店や東急などの撤退や、しにせ百貨店の倒産などにより、中心市街地の空洞化が進んでいるようであります。  これは何も新幹線開業だけが要因ではないと思いますが、熊本市においてもよそごとではないように思います。新幹線開業により、本市も福岡や鹿児島との都市間競争はいやが上でも激しさを増すことになり、このまま九州が福岡県と鹿児島県に二極化してしまう懸念すらあり、今後の3年間が、ある意味では都市間競争に勝ち残る勝負の時期になると思います。幸山市長は当然そのような覚悟で、熊本駅の整備や中心市街地の活性化などの、魅力あるまちづくりに取り組んでおられるとは思いますが、これからの事業の現状並びに開業までに、どの程度の事業が進捗するのかなどについて、熊本駅周辺整備を中心にお尋ねしてまいりたいと思います。  熊本駅周辺のまちづくりについては、平成17年、県市で策定された整備計画に基づき進められています。この計画では、将来像を「出会いとふれ合いの副都心」とし、「出会いとふれ合いのまちづくり」、「人にやさしい利便性の高いまちづくり」、「水と緑の自然や歴史性を活かしたまちづくり」の3つの柱を基本理念にまちづくりを行う方針が示されております。  この中で、私は3番目の「水と緑を活かしたまちづくり」こそが、熊本市らしさを表現して、熊本市の魅力をアピールする最大のポイントであると考えております。熊本市の第6次総合計画の基本構想には、未来のまちのイメージとして湧々都市くまもとが掲げられておりますが、今後、本格的に整備が進められている駅周辺においては、この湧々都市くまもとにふさわしい駅前にしていただきたいと思います。  そこで、まず初めに幸山市長に、熊本駅周辺整備に当たってどのように湧々都市くまもとを形づくり、熊本市らしさを創出していくお考えであるのかお尋ねします。  2点目に、東A地区の再開発事業についてお尋ねします。  御案内のとおり、事業提案協議の結果、アビリティー・イレブン・グループが建設業務代行に選定され、新幹線開業までの事業完了を目指し、事業が進められておりますが、昨年12月議会で明らかにされた事業概要によると、市の情報施設や残留権利が入居するA棟及びB棟と、35階建てのマンション棟であるC棟の3棟分棟方式で、総延べ床面積が5万2,600平米、総事業費200億円と、非常に大規模な計画となっております。35階建てのマンションには賛否両論あると思いますが、私はこのマンションは118メートルという高さから、市内のどこからでも熊本駅の場所を教えてくれる、いわばシンボルタワーになるものと期待しております。  また、公共施設である情報交流施設についても、訪れる人の好奇心をくすぐる知の拠点として、熊本市の活性化に寄与する施設となることを大変期待しているところであります。また再開発ビルの1階には、熊本の食をテーマにした商業施設が入居するとともに、3つのビルの空間にはアトリウム、パティオが整備されるなど、にぎわいの創出のための工夫も凝らされております。  東A地区は熊本駅正面に位置する重要な街区だけに、一刻も早い事業完成が望まれています。そこで大変気になるのが、事業促進の前提条件となる用地買収の状況であります。聞くところによると非常に難航しているようであり、平成23年の事業完了が心配であります。  そこで、現時点での用地買収の状況と対応方針について、さらに事業完了の見通しについてお伺いいたします。  さらに、情報交流施設についてお尋ねします。  情報交流施設の運営方針を見ますと、その運営には指定管理者制度を導入する方針が示されております。しかしながら、熊本市の活性化に寄与する知の拠点を目指す施設であるにもかかわらず、開設当初から民間に任せて本当にいいのでしょうか。私どもの会派としては、開設当時には直営とし、運営に当たっての課題の整理を行いながら、どうすればうまく運営ができるのか、ノウハウをある程度蓄積できた時点で、指定管理者の導入について慎重に検討すべきものだと考えております。そのような過程を踏んでこそ、仮に指定管理者を募集する際に重要となる仕様書もきちんと作成できるであろうし、すぐれた指定管理者を選び出すチェックポイントも把握できることになるのではないでしょうか。このようなお考えはないのかお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  九州新幹線全線開業まちづくりにつきまして、私の方からは熊本駅周辺整備における熊本らしさの創出につきまして、現在策定中の第6次総合計画との関連につきましてお答えさせていただきます。  熊本市第6次総合計画の基本構想につきましては、本年1月に御提出いただきました審議会答申をもとに、庁内で議論を行い、先般、市としての案を決定したところでありまして、今後御議論いただくことといたしておりますが、本案におきましては、先ほど御紹介もありましたとおり、本市が目指すべき姿として湧々都市くまもとを掲げさせていただいております。  この将来像を描くに当たりまして、審議会におきましては、これから熊本市は人口減少や構造変化、本格的な分権社会の到来など、急速に変化する時代潮流に的確に対応するとともに、今後激化する都市間競争を勝ち抜くこと、このためには九州中央に位置する地理的特性を生かした拠点性の向上を図り、本市の九州内での位置づけを確立することが不可欠である、そして熊本市の最大の魅力は、地下水などの豊かな自然、熊本城を中心とした歴史、伝統と、100万都市圏を支える都市機能とが調和した暮らしやすさであるとの認識におきまして一致されたところであります。  このようなことから、将来目指すべきまちの姿として、一人一人の夢や希望、歴史や自然の息吹、新しい出会いへの期待など、みんなのいろいろなわくわくが集まり、魅力となり、広く内外から人々を引きつける湧々都市くまもとが描き出されたものであります。このような中、熊本駅周辺におきましては、花岡山や万日山の緑、白川や坪井川などの水を生かし、駅を中心に緑とにぎわいに包まれた、快適でわかりやすい出会いと交流の空間、緑の町並みの中を市電が走る美しい空間、坪井川沿いの安全で変化に富んだ水際の回遊空間など、新たな都市空間の形成に努めているところであります。  具体的には、駅西側で万日山などの自然環境と調和した、暮らしやすい居住環境の整備を図りますため、土地区画整理事業を実施しているところであります。また駅東側の東A地区におきましては、市街地再開発事業によりまして、駅前広場から坪井川の水辺広場をつなぎます中庭空間といたしまして、水と緑に配慮したコミュニティウォークの整備や、そして庭園風の屋上緑化を施しますなど、水と緑があふれる熊本の新しい顔づくりに取り組んでまいります。  さらに、再開発ビル内に情報交流施設を整備し、地下水を初めとした熊本の魅力を広く発信いたしますとともに、市電を駅舎へ乗り入れることなどによりまして、だれもが気軽に移動しやすい環境づくりに努めますことで、来熊の方々が熊本での新たな出会いと交流に期待を抱かれますよう、夢と希望があふれ、心豊かに暮らせるまち、湧々都市くまもとを強く印象づけてまいりたいと考えております。          〔松本富士男都市建設局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市建設局長  私からは、東A地区市街地再開発事業の用地取得の状況と、事業の見通しについてお答えいたします。  まず、用地取得に関してでございますが、現時点での用地取得状況は、権利の皆様の御理解と御協力をいただき、面積ベースで約66%の取得を完了したところでございます。しかしながら、まだ取得が終わっていない権利の方々の中には、それぞれの御事情や、いまだ転出か残留かを迷われている方がいらっしゃいますことから、本年度末までにすべての用地を取得することは難しい状況となってきております。今後も引き続き権利の皆様と粘り強く交渉いたしますとともに、事業への御理解をいただきながら、平成20年度早々には交渉が整うよう取り組んでまいります。  また、今後の事業の見通しにつきましては、本年夏ごろに事業計画や管理処分の県知事認可をいただき、平成20年度中に本体建設工事に着手したいと考えているところでありまして、平成23年春の九州新幹線全線開業に合わせて再開発ビルがオープンできるよう、事業を推進してまいります。          〔西島喜義企画財政局長 登壇〕 ◎西島喜義 企画財政局長  情報交流施設への指定管理者制度導入に関するお尋ねにお答えいたします。  昨年9月に策定いたしました情報交流施設の運営及び施設整備の基本方針につきましては、庁内の検討会議において検討の上、取りまとめたところでありまして、この中で指定管理者制度導入の是非についても検討を行ったところであります。その結果、直営で行うよりも、民間事業のノウハウを生かした新しいサービスや業務の導入、さらには利用のニーズへの迅速な対応が図られるなど、市民サービスの向上が期待できること、民間事業の方が情報交流施設で提供するサービスを担い得る人材、特に経営能力を持った館長、専門的な知識を有する知の案内人や司書等の確保ができることなど、民間活力やノウハウを最大限に活用することで、施設の運営が効果的、効率的に行えると考え、指定管理者制度を導入する方針としたところであります。  指定管理者を募集する際に必要となります仕様書や選定基準等の作成に当たりましては、経営支援課や図書館など庁内の関係部局との協議や、他都市の先進事例等を参考とした十分な検討を行い、市民の皆様方に御満足いただけるようなすぐれた指定管理者を選定することで、開館時から円滑な運営を行ってまいりたいと考えております。          〔48番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  熊本駅周辺の湧々都市くまもとの形づくりにつきまして、市長にお伺いいたしましたけれども、熊本駅周辺の整備事業については、潤いと安らぎを与え、さらに熊本の明るいイメージを印象づけるためには、本市が誇りとする水と緑を随所に生かした町並みを形成することが必要であります。さらに県内外からの集客が見込まれる湧々都市くまもとづくりを形成することが、都市間競争を制する決め手にもなりますので、事業の進展を期待しています。  次に、東A地区の再開発事業に必要な用地の確保については、地権と誠意を持って接し、事業の進捗に支障がないように対応を続けていただきますように、また情報交流会館の管理、運営に対しましては、指定管理者に丸投げをするのではなく、円滑な運営を手がけるためには、将来に向けて人材育成を図ることを課題としてとらえるべきではないかと思います。情報交流会館が文字どおり出会いと触れ合い、さらに知の拠点としての役割が果たせるように、会館の管理、運営については、さらに詰めの協議を進めてまいりたいということを要望いたしておきます。  新幹線の開業とまちづくりについて質問を続けます。  3点目に、熊本駅の南B地区、月星化成跡地に移転される熊本合同庁舎についてお尋ねします。
     御承知のとおり、本市は明治時代から国の出先機関が数多く置かれ、官公庁のまちとして発展してまいりました。しかしながら、近年においてはNHK放送局の福岡市への移転、NTT九州総支社の支店への降格、郵政公社の民営化による九州支社機能の縮小など、九州における熊本市の拠点性の低下は著しいものになっています。  しかし、一時は合同庁舎用地については、国の財政確保のため、半分程度が売却候補に上がるなど非常に心配していましたが、県市の働きかけで国の方針を転換し、計画どおり建設されることになったと聞き及んでおります。建設計画によるとA棟、B棟の2棟が整備される予定で、A棟については延べ床面積2万8,000平米、19年度に着工し21年度に完成予定のようであります。またB棟については紆余曲折あったものの、約2万5,000平米の規模でPFI手法により整備される見通しであります。この合同庁舎整備に当たり、地元住民や商店街の方々が参加した協議会が設置され、地域に開かれた施設となるよう検討が進められていると聞き及んでいます。その会議での検討の内容などを含め、どのような形で地域に開かれた合同庁舎が整備されていくのかお尋ねします。  4点目に、熊本駅からの交通アクセスについてお尋ねします。  熊本駅におり立った観光客やビジネスマンは、駅前広場にあるバスやタクシー乗り場、市電の電停から目的地に向かうことになります。これらの配置について、市電の駅舎乗り入れもあって、東口駅前広場については計画の見直しが行われているようでありますが、問題は公共交通機関の運行体制であります。  現在、熊本空港行きのバスは、熊本駅から交通センターを経由して空港に向かうため、ラッシュ時には1時間以上かかる場合もあります。県においては時間短縮を図るために産業道路を通り、国体道路経由で空港に行くルート等について検証実験を行っております。しかしながら、これについても10分程度の短縮効果しか見込めず、これでは福岡空港にビジネスマンなどは流れるのではないかと危惧されます。根本的な解決には、やはりラッシュに関係なく定時性が確保できる鉄軌道系で、熊本駅と熊本空港を結ぶ必要があると考えます。市域を越えることになり、県主導での検討が進められているようでありますが、道州制の州都を目指す上では欠かせないインフラであることは、論を待たないのではないでしょうか。  また、現在、本市のバス網については、交通センターを中心に組み立てがなされているため、熊本駅から一たん交通センターまで行き、そこで乗りかえて目的地まで行かなくてはならないなど、非常に不便であるとの声を以前からよく耳にします。バス事業については現在バス網の再編が進められておりますが、このような再編の中で、熊本駅におけるバスターミナルの機能強化を図るべきだと思っております。  最後に、新幹線開業とまちづくりの中で、最も重視されている観光振興対策についてお尋ねします。  現在、本市における観光振興のため、大きな課題になっているのが宿泊客の増加を図ることです。観光統計によると、平成18年の宿泊客は築城400年を控えた諸事業によって、前年と比較し約5%増加しています。しかし平成18年の宿泊数は過去10年の中で6位にとどまり、改めて宿泊対策の必要性に対して意を強くしているところでございます。宿泊客の場合、消費額は1人当たり平均1万5,000円で、日帰り客の5倍の経済効果があると言われています。本市には熊本城に代表される加藤清正公を初め、細川家ゆかりの歴史的史跡のほか、幕末から明治にかけての史跡や文学史跡、あるいは江津湖の自然など、さまざまな観光資源を有しています。これらの資源を最大限に生かすとともに、一定の時期に限られてはいますが、水あかりやはしご酒大会などを取り込んだ観光コースづくりを設置することによって、宿泊の増員につなげることが期待されます。  そこで、新幹線開業に備え、コンベンションを含めた観光振興対策についてお尋ねします。答弁は関係局長にお願いします。          〔松本富士男都市建設局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市建設局長  私からは、合同庁舎の整備と熊本駅からの交通アクセスの2点についてお答えいたします。  まず、1点目の合同庁舎の整備についてでございますが、新熊本合同庁舎の施設の計画策定に当たりましては、平成16年度に地元の自治会、商店街、企業などで構成した新熊本合同庁舎及び周辺地区整備協議会を設置し、これまで5回の会議を重ねながら、地域に開かれた施設づくりを目指し、国との協議を進めてきたところでございます。委員からは、親しみやすくだれでも気軽に立ち寄れる施設、地域交流活動時に活用できる施設、ユニバーサルデザインの模範になるような施設といった、施設づくりに関することから、周辺道路の交通渋滞対策や、熊本の歴史や文化を考慮した熊本らしさを表現した意匠設計に至るまで、さまざまな角度から活発な御意見をいただいたところでございます。  事業主体である国土交通省では、この協議会での御意見を可能な限り取り入れ、来庁が利用しやすいユニバーサルデザインに配慮した施設づくり、地域住民が気楽に立ち寄れる憩いのスペースづくり、企画展示やイベントなどにも対応できる玄関ホールや広場づくりなどの整備方針を策定されるとともに、熊本駅周辺地域整備基本計画や都市空間デザインガイドとの整合も図りながら、施設づくりに取り組んでおられるところでございます。  このような中、A棟につきましては、先ごろ工事請負業者が決定し、平成21年度中の完成を目指し、近々工事に着手されると伺っているところでございます。またPFI事業で整備されるB棟につきましては、平成24年度完成を目標に事業を進められる予定であり、本市といたしましても、引き続きこの協議会を通して地元の皆様や地域の御意見を伺い、可能な限り地域に開かれた施設となるよう国に働きかけてまいります。  次に、2点目の熊本駅からの交通アクセスについてお答えいたします。  熊本駅から空港へのアクセス改善につきましては、現在、熊本県により設置されました空港アクセス改善に関する検討会議の中で、短期施策としてリムジンバスによる時間短縮、並びに豊肥本線からのシャトルバスの新設、中長期の施策として豊肥本線の活用が検討されております。いずれの施策も空港アクセスの定時性、速達性、輸送力の面からも魅力的であり、九州新幹線全線開業の効果を高める上でも、検討を行う必要があると考えております。  また、九州新幹線全線開業により、交流拠点として新たな交通需要が見込まれます熊本駅を拠点としたバス路線網の充実及び交通センターを補完する熊本駅での発着機能の強化は、バス利用の利便性の向上のため必要であることから、今後、県やバス事業と連携しながら、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。          〔岡本安博経済振興局長 登壇〕 ◎岡本安博 経済振興局長  新幹線開業に備えました観光振興策についてお答えいたします。  本市の平成18年の観光消費額は510億円でございまして、観光入り込み客及び宿泊客の増加に伴い、前年比5.15%の増となっているところでございます。今後も観光客、中でも宿泊客をふやし、観光消費額のさらなる拡大を図ることが大切であると考えております。  このような中、4月20日に一般公開となります熊本城本丸御殿では、けんらん豪華な昭君之間、若松之間や、当時の生活様式や建築技法が見られます大御台所、復元過程や発掘出土品の展示コーナーなどの見学を初め、藩主の料理を再現した食の提供などにより、新たな熊本城の魅力が体感できるようになります。さらに、これらの復元施設を活用し、週末の夕べには、訪れる観光客に楽しんでいただけるように、邦楽演奏や日本舞踊など伝統芸能の披露も行っていくことといたしております。  また、県立美術館本館では、細川家の所蔵品を集めた永青文庫の常設展示が同時期に開設されますことから、本丸御殿での相乗効果により、城域の回遊性が高まるものと考えております。  さらに、水前寺成趣園や泰勝寺、妙解寺跡など、市内に数多く点在します細川家ゆかりの史跡をつなぐ新たな観光ルートを造成するとともに、動植物園を核とした江津湖の観光活用、新町・古町界隈や川尻の伝統産業などを訪ねるまちあるきコースを設定するなど、さらなる魅力づくりに努めてまいります。  3年後の九州新幹線全線開業を本市観光振興の最大のチャンスとしてとらえ、これらの観光資源の旅行商品化に向け、代理店などへの積極的な働きかけを行うとともに、岡山、広島でのテレビコマーシャルの放映など、特に関西以西での広報活動の強化を図り、本市への宿泊観光客の増加に取り組んでまいりたいと存じます。          〔48番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  月星化成の跡地に建設される合同庁舎の特にB棟については、地域に開かれた庁舎づくりが住民参加のもとに進められていますので、期待をしながら、どのような庁舎づくりが行われるのか注目してまいりたいと思います。  熊本駅から空港までの交通アクセスと、熊本駅におけるターミナルの機能強化は、喫緊の課題であります。この課題が不十分な取り組みに終わるようなことになれば、都市間競争に影響することにもなり、ひいてはストロー現象が懸念されることにもなりかねません。市長におかれましては大変だと思いますが、県などとの連携によって、交通問題については、新幹線開業に向けての取り組みをさらに強化していただきますように要望いたしておきます。  また、観光面については熊本城を中心に、多くの観光資源を商品化しコースづくりを計画することによって、宿泊客の増加を期待することができると思いますので、よろしくお願いいたしておきます。  九州新幹線鹿児島ルートの博多-新八代間のトンネル15カ所のうち、1カ所だけが残されていた全長2,940メートルの田原坂トンネルが先ほど貫通し、改めて新幹線の開業が迫っていることを実感いたしました。新幹線の波及効果を享受し、九州の拠点都市として発展するためには、計画されているまちづくりの事業促進を図るため、幸山市長が強力なリーダーシップを発揮されることを期待しながら、次の質問に移らせていただきます。  上下水道について。  上下水道は平成21年度から一体化し、新組織のもとに事業が展開されます。そこで組織統合の目的を醸成していく立場から、3点について質問します。  初めに、健全な水循環社会を確立する取り組みであります。  組織統合の基本理念の中に、環境を保全し、水循環型社会形成の一翼を担うことがうたわれています。具体的な事業推進に当たっては、第6次総合計画の策定作業において検討することになっているようであります。そこで取り組みの状況についてお尋ねします。  2点目は、経営計画についてお尋ねします。  現在、水道局と下水道部は、それぞれ中長期計画のもとに事業が展開されています。そこで組織統合を契機に水循環施策を織り込み、合併を視野に入れた中長期の経営計画を策定する必要があります。その場合、「安全、安心」、「環境、暮らし」、「安定、維持向上」、「サービス」、「経営」をキーワードに、京都市で策定されている5点の施策を参考にするのもいかがかと思います。  3点目、市民との協働づくりについてお尋ねします。  組織統合によって、水の供給、水処理、水の再生を通した水行政が、一体的かつ総合的に展開されることが期待されています。事業推進に当たっては、市民を単なる上下水道の末端使用としてみなすのではなく、その運営を担う一翼として位置づけを行い、水行政を円滑に推進するための協働体制を築くことが大切ではないでしょうか。そのためには、市民の賛同を得るための情報提供を積極的に行うことが必要だと思います。その場合、例えば見学などに啓発が期待できる水の科学館を情報提供の場として活用することが効果的だと考えますが、御所見をお伺いいたします。          〔東軍三水道事業管理者 登壇〕 ◎東軍三 水道事業管理者  上下水道事業の組織統合に関する3点のお尋ねにお答えいたします。  まず、組織統合の基本理念の具体化についてでございますが、ただいま議員から御紹介いただきましたように、環境を保全し水循環型社会形成の一翼を担うことを、基本理念の一つとして掲げているところでございます。具体的な事業等につきましては、第6次総合計画策定の中で検討することといたしております。  水道事業といたしましては、本市における最大の地下水利用として、なお一層水の重要性にかんがみ、関係部局とも連携しながら、貴重な市民の財産であります地下水の保全に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  次に、経営計画策定についてお答えいたします。  組織統合後には、上下水道事業として新たな経営計画の策定が必要であることは、議員御指摘のとおりでございます。上下水道事業を取り巻く経営環境につきましては、富合町との合併を初め、大きな変化の兆しを見せております。このような経営環境の変化に対応した新たな経営指針づくりにつきましては、京都市など他都市の状況等も参考にしながら取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、市民との協働づくりについてお答えいたします。  これまでも、経営状況などにつきましては、市民の皆様への情報提供に努めてまいりましたが、今後もホームページや水道局だよりなどをより一層充実させて、積極的な情報提供に努めてまいります。また御提言の水の科学館の活用につきましては、水の科学館が平成22年に開館20周年を迎えますことから、これを機に展示内容を見直すなど、さらなる活用策を検討してまいりたいと存じます。さらに外部有識者、公募委員等で構成されております水道事業運営審議会につきましても、下水道事業を加えた新たな体制に拡充し、さまざまな角度からの審議をいただきたいと考えております。  いずれにいたしましても、組織統合を契機に、なお一層お客様の視点に立ち、市民との協働によりまして、上下水道事業を運営してまいりたいと考えているところでございます。          〔48番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  上下水道についてという質問をいたしましたけれども、急速な都市化の進展などによって、大量の地下水などが自然の水循環に多大な影響を与えていることは御案内のとおりでございます。上下水道が緊密な連携をとりながら、健全な水循環の創造に一定の役割を果たすことを目的として、平成21年4月から上下水道として新組織が発足することになっています。組織統合の目的を醸成するためには、水行政に対する基本理念と経営計画を策定する中で作成することが必要であります。どうかひとつ、策定作業になるべく早い時期から着手していただきますように、要望しておきます。また市民との協働づくりに必要な情報提供に対しても要望いたしておきます。  それでは最後に、その他の項で、質問1点と要望1点をいたします。  初めに、龍田小学校分離校の建設の見通しについてお尋ねします。  龍田小学校の児童数は、宅地化の進展によって増加の状況が続いています。そこで、現在の状態で児童数が推移した場合には、何年後に分離校建設の時期を迎えるのか、その見通しについてお尋ねします。  次に、都市計画道路、楡木麻生田線の中で、一部の区間に対する工事の早期着工について要望いたします。  昭和44年に都市計画道路として決定された小磧清水楡木線は、その後の見直しによって楡木麻生田線に変更されました。その区間の中で、県道託麻北部線から熊本北バイパスの区間は熊本北高校の通学路になっていますが、狭い市道に、朝夕のラッシュ時を中心に大量の車が流入し、交通事故につながる危険な状態になっています。そこで、この区間約260メートルの工事が早期に着工できますように要望いたします。          〔小牧幸治教育長 登壇〕 ◎小牧幸治 教育長  龍田小学校分離校の建設の見通しについてのお尋ねにお答えいたします。  龍田小学校は、平成19年5月1日現在、通常学級児童数が973人、学級数が29学級でございます。校区内では大規模な住宅分譲が行われておりますことから、仮に現在のペースで分譲が進みますと、平成22年ころには通常学級の児童数が1,000人を超え、31学級以上の過大規模校となることが想定されております。  分離校の建設時期につきましては、龍田小学校が実際に31学級以上の過大規模校となり、その状態がその後も継続すると見込まれる場合に検討したいと考えております。したがいまして、今後も校区内の宅地分譲の状況や、龍田小学校の児童数、学級数の推移等を注視してまいりたいと考えております。          〔48番 上村恵一議員 登壇〕 ◆上村恵一 議員  以上をもちまして、予定しておりました私の質問は全部終了いたしました。本当に長い間の御清聴ありがとうございました。新年度が本市にとって飛躍の年になりますように御祈念申し上げながら、質問を閉じさせていただきます。  どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)       ─────────────────────────── ○磯道文徳 副議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。  次会は、明29日(金曜日)定刻に開きます。       ─────────────────────────── ○磯道文徳 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                              午後 4時08分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成20年2月28日 出席議員 48名       1番   牛 嶋   弘        2番   磯 道 文 徳       3番   紫 垣 正 仁        4番   田 中 敦 朗       5番   重 村 和 征        6番   那 須   円       7番   上 田 芳 裕        8番   前 田 憲 秀       9番   原     亨       10番   澤 田 昌 作      11番   倉 重   徹       12番   満 永 寿 博      13番   大 石 浩 文       14番   高 島 和 男      15番   田 尻 善 裕       16番   上 野 美恵子      17番   東   美千子       18番   有 馬 純 夫      19番   三 島 良 之       20番   齊 藤   聰      21番   津 田 征士郎       22番   白河部 貞 志      23番   藤 山 英 美       24番   田 中 誠 一      25番   村 上   博       26番   東   すみよ      27番   日和田 よしこ       28番   藤 岡 照 代      29番   坂 田 誠 二       30番   下 川   寛      31番   田 尻 清 輝       32番   北 口 和 皇      33番   中 松 健 児       34番   佐々木 俊 和      35番   田 尻 将 博       36番   田 辺 正 信      37番   家 入 安 弘       38番   鈴 木   弘      39番   竹 原 孝 昭       40番   古 川 泰 三      41番   税 所 史 熙       43番   落 水 清 弘      44番   江 藤 正 行       45番   主 海 偉佐雄
         46番   嶋 田 幾 雄       47番   益 田 牧 子      48番   上 村 恵 一       49番   西   泰 史 説明のため出席した   市長       幸 山 政 史    副市長      三 嶋 輝 男   副市長      森 田 弘 昭    総務局長     寺 本 敬 司   企画財政局長   西 島 喜 義    市民生活局長   原   幸代子   健康福祉局長   谷 口 博 通    環境保全局長   宗 村   收   経済振興局長   岡 本 安 博    都市建設局長   松 本 富士男   消防局長     神 原 節 生    交通事業管理者  石 田 賢 一   水道事業管理者  東   軍 三    教育委員会委員長 黒 澤   和   教育長      小 牧 幸 治    人事委員会事務局長嶋 村 早 人   代表監査委員   濱 田 清 水    農業委員会会長  森   日出輝   財務部長     岡   昭 二 職務のため出席した事務局職員   事務局長     松 本   豊    事務局次長兼議事課長                                山 田 利 博   議事課長補佐   木 村 建 仁...