熊本市議会 > 2006-12-18 >
平成18年第 4回定例会−12月18日-05号
平成18年第 4回議会運営委員会−12月18日-01号
平成18年第 4回定例会−12月18日-05号
平成18年第 4回議会運営委員会−12月18日-01号

ツイート シェア
  1. 熊本市議会 2006-12-18
    平成18年第 4回定例会−12月18日-05号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    平成18年第 4回定例会−12月18日-05号平成18年第 4回定例会   平成18年12月18日(月曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第5号                          │ │ 平成18年12月18日(月曜)午前10時開議               │ │ 第  1 質問                              │ └─────────────────────────────────────┘                              午前10時00分 開議 ○税所史熙 議長  ただいまより本日の会議を開きます。      ─────────────────────────── ○税所史熙 議長  日程第1「質問」を行います。  順次発言を許します。北口和皇議員。          〔35番 北口和皇議員 登壇 拍手〕 ◆北口和皇 議員  自由クラブ北口和皇でございます。本日、登壇の機会を与えていただきました議員の皆様方に心から感謝を申し上げます。  さて、通告に従いまして質問をしてまいりますので、幸山市長を初め執行部の皆様方の具体的で明快な御答弁をお願いいたします。  質問に入ります前に、さきの市長選挙において2期目の御当選を果たされました幸山市長に対し、お慶びを申し上げます。おめでとうございました。市政の発展と67万市民の福祉の向上のため、一層の御努力を期待いたします。今議会は幸山市長には2期目最初の議会となりますので、具体的な質問の前に改めて基本的なことをお聞かせいただきたいと思います。  幸山市長はこれまで多くの先人が営々と築いてこられました輝かしい歴史と伝統ある大熊本市の市長を若くして目指されたわけでありますので、その高邁なる志や理想とされる都市像を抱いて市長選に臨まれたと思います。ここで、2期目に臨まれるに当たって、幸山市長の抱いておられるあるべき市長像、目指される理想の都市像をお聞かせください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  2期目の市政運営に臨むに当たりましてのあるべき市長像及び目指す理想の都市像につきましてお答えをさせていただきます。
     まず、あるべき市長像についてでありますが、改めて申すまでもございませんが、熊本市長は67万熊本市民の代表でありますとともに、6,000名を超える組織の長でもございます。この市長としての重責を担ってまいりますためには、庁内一丸となりまして取り組む環境づくりでありますとか、あるいは新しい熊本づくり市民協働で進めてまいりますためのリーダーシップや決断力あるいは地方分権などの急激な時代変化や、将来を見据えました課題に的確に対応してまいりますための先見性や視野の広さなどが不可欠であると考えております。  そして、公平公正を旨とし、次世代に対する責任を持ち、心から熊本市を愛し、すべての市民から信頼される、そのような姿が理想の市長像であると考えております。私といたしましては、この理想の市長像に少しでも近づくことができますよう、今後とも全力で取り組んでまいる所存でございます。  次に、私の描く理想の熊本市像といたしましては、すべての市民が安全で健康的な生活環境の中におきまして、生きがいを持って暮らしていただけるような日本一住みやすく暮らしやすい都市であり、九州の一体的な繁栄を牽引する九州中央拠点都市、こうした都市を描いております。そこで、私といたしましては、まずは、将来に確かな夢や希望を抱き、その実現に努力する自主自立の精神と思いやりや助け合いの心を持つ新しい熊本を担う人や地域を育て、その人や地域との協働により理想とする熊本市を実現してまいりたいと考えております。          〔35番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  それでは、これから具体的な質問をいたします。  御答弁いただくに当たっては、幸山市長の市政に対する基本的な考え方を明確にお答えいただきたいと思います。  4年前、三角市政を批判され、市政改革を旗印に掲げ、政令指定都市の実現を公約に当選されたわけであります。しかし、現実は政令市の実現どころかこの4年間、何ら進展することなく、その道筋すら描かれず今日に至っております。  2期目の選挙期間中はあたかも前任者の財政運営が悪かったため、他の町との合併が進まなかった。自分がこの4年間で財政改革を進め、やっと自信を持って合併の話ができるようになったと、公に話をされておられたわけであります。それが原因だったのか、これまで進めてこられた具体的な取り組み、そして4年間で実現できなかった原因は何だったのか明確にしていただきたいと思います。  さて、中核市の中で、今や堺市、静岡市、浜松市、新潟市と次々に政令市の指定を受けて、あるいは見通しを立て、都市発展の礎を固めているわけでありますが、熊本市に至ってはいまだその道筋さえ立たないのが実情であります。  中核市の中で堺市に次いで2番目の人口を擁し、全国においても都市規模で14番目だった熊本市が、この4年間で19番目と後退したわけであります。幸山市政の4年間は何であったのかと思わざるを得ないのであります。もう一度お尋ねいたします。  今後、残された法の期限までにどのように具体的に対応されるのかお答えください。そして、その実現がもしもできなければ、熊本市にとっては4年後に悔やんでも取り返しのつかないことになるわけであります。これはぜひとも実現しなければなりませんが、もし実現ができなかったら、幸山市長はその責任をどうされますか、これもお答えいただきたいと思います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  政令指定都市の実現についてのお尋ねにお答えさせていただきたいと思います。  本市が合併旧法のもとでの合併を実現できなかった理由といたしましては、主に近隣市町村本市財政状況に対する懸念あるいは合併後の将来ビジョンの欠如、さらには相互交流の不足などが考えられます。  そこで、これまで本市におきましては、これらの課題解決に向けた取り組みを進めておりまして、まず財政状況につきましては、行財政改革を推進し各種財政指標は着実に改善しつつあります。  また、合併に直接結びつくものではございませんが、本年10月には熊本都市圏及び政令指定都市についての研究会におきまして、近隣14市町村などとともに、熊本都市圏ビジョン基本構想を策定いたしておりまして、来年2月には、基本計画を取りまとめる予定であります。  さらに、熊本中央広域市町村圏協議会の「さるく肥後っ子パスポート」の発行を初めといたしまて、さまざまな分野で近隣市町村との連携強化を図っているところであります。こうした取り組みを通じまして、近隣市町村の首長の皆様との信頼関係の構築に努めてきたところでありまして、その結果、熊本都市圏及び政令指定都市についての研究会の中で、都市圏に政令指定都市を実現する必要性に御賛同いただいたところでございます。何とか合併特例法の期限までの合併、さらには政令指定都市の実現に向けまして全力で取り組んでまいります。          〔35番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  行財政改革についてお伺いいたします。  幸山市長は、改革は進んだ、改革をとめるなと強調されておりますが、この4年間の中身はすべて内部の事務手続論ばかりで真の改革は何らなされていないという思いを強くいたしております。私は、本当の行政改革は、むだをなくし、効率化を図り、よりよい市民福祉の向上を目指すとともに、長期的展望に立った行政運営の基本となる健全な財政を守っていくことが最も大切であると思うわけでありますが、幸山市長はどのような考えで取り組んでおられるのか、その基本的な考え方と決意をお伺いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  行財政改革に対する基本的考え方につきまして、お答えをさせていただきます。  本市におきましては、本格的な地方分権社会に対応し、新しい熊本づくりを進めてまいりますため、市民の皆様から信頼される市政の実現を初め、市民志向の質の高いサービスの提供、またスリムで時代の変化に柔軟に対応できる行財政の確立に職員一丸となって取り組んでまいったところであります。  この取り組みの結果、平成16年度から2年間で55億円の経費削減を達成し、中核市で最低レベルでありました各種財政指針を、先ほども御紹介いたしましたが、順調に改善しているところであります。しかしながら、今後とも地方交付税の削減など財政運営は一層厳しくなることが予想されますことから、現行の行財政改革推進計画に掲げました目標達成に向けまして取り組みを強化してまいりますとともに、改革で生み出されました財源や人員を重点分野に投入いたしまして、魅力と活力あるまちづくりにさらに積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。          〔35番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  ただいま決意はお伺いいたしましたが、改革は一人一人の意識の改革が基本ではないかと私は考えます。意識が変わらなければ改革はできません。要は、組織の意識はそのトップが本気の姿を示さなければ実現はできないということであります。これまで企業や行政で改革に取り組んでこられました多くの経営者や行政トップの人たちが、みずからが決断しみずからが率先行動しなければ真の改革はできない。きょうできないことはあしたもできない。1期でできないことは2期でもできないと明言しておられることはテレビ、新聞や書物などで皆様方御承知のとおりであります。  そこで、幸山市長は、今回も改革をとめるなと叫んで当選されましたが、みずからの改革の姿勢と行動を公にどう示されましたか。具体的にお答えいただきたいと思います。  また、今回の選挙期間中、幸山市長は声を大にして、悲壮な顔で我が身を削って改革に取り組んでいると訴えておられました。私は多くの市民の方々から、幸山さんは退職金ももらわず給料も削って頑張っとんなはるそうですねと聞かれました。市長の給料も退職金も公になっていることですので、あえてお伺いをいたしますが、どのような内容で4年間で幾ら削減されたのか、市民の皆様方にもわかるように具体的にお答えください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  行財政改革でございますが、新しい熊本づくりを進めてまいります上で必要不可欠な取り組みでもありまして、職員一人一人のやる気とそして積極的な取り組みが重要でございます。  そこで、この改革の目的につきまして、全庁的な認識を共有いたしますとともに、職員のやる気と能力を十二分に発揮できる環境づくりに向けまして、先ほどトップの姿勢につきまして御指摘のあったところでございますけれども、私自身みずから先頭に立って取り組んでいかなければならないと考えております。  加えまして、行財政改革の先にある新しい熊本づくりに向けましては、公平公正で信頼される市政の実現を初め81項目に及びます具体的な取り組みを公約といたしまして、市民の皆様にお示し申し上げたところでございまして、今後庁内一丸となりまして一つ一つ着実に実現してまいりたいと考えております。  続きまして、給与等の削減額につきましてお答えさせていただきます。  本市では、厳しい社会経済情勢を踏まえまして、行財政改革集中改革プランに基づきまして歳出の抑制に取り組んでいるところでありますが、市政の責任者でもございます私といたしましても、本市が置かれている状況を総合的に勘案いたしまして、みずからの給料及び退職金を減額することにしたものであります。  具体的に給料につきましては、給与構造改革の導入によりまして、平成18年4月から一般職給料水準が平均4.8%引き下げられた際、その最高下げ幅が7%でありましたことから、自身の給料も7%引き下げさせていただいております。また、退職金につきましては、その支給額は給料月額に在職期間の月数と支給割合を乗じたものとなっておりますけれども、熊本市特別職報酬等審議会の答申やあるいは他都市の状況等を参考にいたしまして、その支給割合を従来の100分の70から100分の50に引き下げさせていただきまして、実質28.6%の減額措置をとらせていただいております。その結果といたしまして、給料と退職金の削減額でございますが、4年間の合計で1,224万9,000円となっております。          〔35番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  市民の皆さんは、退職金ももらわずにということだったんですけれども、今の御答弁で3,900万円のうち1,000万円をカットしていただいたと。お給料に関しては、4年間のうち15カ月分120万円、114万円のうち8万円のカットというお答えをいただきました。  市の職員が30年働いていただける退職金というのは、たかだか3,000万円ぐらいじゃないかと思います。市長とは本当に退職金が多いんだなと思いました。  次に、財源対策についてお伺いいたします。  市民福祉の向上と財政の健全化のためには税収対策が最も大切と思いますが、市税の収入状況を見ますと、ここ数年固定資産税が市民税を上回る逆転現象が生じておりますが、この現象ひとつ見ても熊本市の経済状況が相当落ち込んでいる状況が見えるのではないでしょうか。  本会議でございますので、細かい数字はまた改めて委員会で議論いたしたいと思います。そこでお尋ねいたします。幸山市長は、みずから動いて例えば企業誘致や大型会議の誘致、観光客誘致の働きかけなど、この4年間でどのような財源対策のための行動をなさったのか具体的にお示しください。企業誘致などは、相手企業のこともありますので具体名は言いませんが、例えば関東、関西などでお示しくだされば結構です。          (傍聴席より発言する者あり)          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  トップセールスにつきましてお答えさせていただきます。  まず企業誘致といたしましては、現在約600人規模営業されております株式会社テレマーケティング・ジャパンにつきましては、一昨年でございましたが、みずから訪問させていただきまして、本市への進出をお願いしたものでもありまして、これ以外にも関東、関西地区への企業誘致の訪問活動を行っているところであります。  さらに、本年、東京で約70社を対象といたしました企業立地説明会を初めて実施したところでございまして、今後の成果にぜひともつなげなければならないと考えております。  次に、観光客の誘致につきましては、昨年福岡で開催されましたアジア太平洋都市観光振興機構総会での本市のPR活動でありますとか、あるいは九州観光推進機構に誘客の働きかけを行っているところでございまして、先日報道でも紹介されたところでありますけれども、中国の太極拳愛好家あるいは体育協会の方々など3グループ、計260名に来熊していただきますなど、その後、中国、韓国からの入り込み客数は着実に増加しているところであります。  また、この秋には、夏目漱石でつながりのあります松山市で「熊本の日」ということで観光キャンペーンを行わせていただきましたし、その結果、早速、関西汽船から松山と熊本を結ぶ観光ルートをぜひ設定したいと申し出もあっているところでございます。  今後とも企業やコンベンションの誘致を初めといたしまして、さまざまな分野におきましてのトップセールスに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ○税所史熙 議長  申し上げます。傍聴人の方は静粛にお願いいたします。なお、議長の命令に従わないときは退場を命じますから念のため申し上げておきます。  それでは、質問を続けます。          〔35番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  私も担当局よりの資料で市長の企業誘致トップセールスの動きを見させていただきましたが、資料からはほとんどその動きが見えてこないのが実態のようです。  今は情報化の時代です。すべてがより早い決断と、その都市の取り組みやトップの姿勢が、企業やイベント会議など地方進出の大きな決断の要因となると言われています。そのため、いかにトップセールスが必要であるかということであります。トップが本気でその政治力と人脈を活用し、恵まれた熊本市のこの環境を、日本国内はもちろんですが、世界にアピールしなければならない時代であります。言葉や雰囲気だけではなく、本気で取り組んでいただきたいと思います。  次に、幸山市長の教育に対する基本的な考え方をお尋ねいたします。  新聞やテレビなどの報道で、学校や家庭における子供のいじめや虐待、そして自殺や、親が子を殺し、子が親を殺しという心の痛む出来事が毎日のように起こっているのは皆様方御承知のとおりであります。教育のあり方が私たちの大きな課題として提起されているのが現状ではないでしょうか。  国会においては、戦後教育を改めて見直す教育基本法の改正が議決されました。そこで、幸山市長の教育に対する基本的な思い、哲学をお聞かせいただきたいと思います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  私の教育に対します基本的な思いにつきまして、考えを述べさせていただきたいと存じます。  昨今のいじめによります自殺を初めといたします子供たちの事件を聞きますたびに、私も保護者の一人としてやりきれない思いとともに、教育の重要性を改めて痛感しているところであります。次代を担う子供たちは、これまでも繰り返し申し上げてまいりましたけれども、本市にとりまして大事な宝でもございますし、また活気ある本市の象徴でもあると考えております。  子供たちがいつまでもその瞳の輝きを失うことなく、みずからの持つ可能性を信じ未来を切り開いていけるよう、学校はもとよりでございますが、社会全体で子供の健やかな成長を支える環境づくりに取り組んでいかなければならないと考えております。そうしたことから、私はこれまで教育環境の整備などにつきまして、積極的に進めてきたところでございますが、今後とも新しい熊本を担う人づくりには特に力を入れて取り組んでいかなければならないと考えております。          〔35番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  国家において最も大切なことは教育ではないでしょうか。私たちも教育には心を込めて真剣に取り組まなければならないという思いを強くしております。市長におかれましても、今後とも教育に一層の御尽力をお願いいたします。  幸山市長は、4年間の成果として市民との直接対話を強調し、市民に対する市長の姿勢を強く示されているわけであります。また、幸山市長は何かの機会に、市民は言うなれば大切な顧客であるということを言っておられます。  市長にとって、市民はただのお客さんなんでしょうか。私は市長にとって、市民は家族ではないかと思います。そして、喜びも悲しみも苦しみも悩みも市民生活のすべてを市長みずからが自分のこととして受けとめていただく、そのような市長の姿を見て、市民は市長を尊敬し、信頼し、安心して市民生活が送れるのではないでしょうか。これは私だけが思うことでしょうか。そこで、こんなことでいいのだろうかという行政の対応についてお答えをいただきたいと思います。  地域住民の良好な住環境を守る観点から、マンション建設計画についてお尋ねいたします。  現在、全国各地で多くのマンション建設に伴う紛争が起こっています。見なれた風景を変えてしまう高層マンションの計画に対して、地元住民の反対運動が全国各地で展開されています。熊本市においても、紛争に至らないまでも多くの問題があると聞いています。  このような中、ことし10月22日6時半ごろ、私が本荘コミュニティセンターを訪問した際に、偶然にも35メートル、10階建てマンション建設白紙撤回を求める抗議集会に遭遇いたしました。PTA会長からの要請を受け、私も参加いたしました。私が近隣住民の皆様方に伺ったところでは、事前説明は全くなされていないとのことでした。また、本来の自治会長マンション建設予定の隣接地にお住まいで、了承を得たと言われている自治会長については、この地区担当ではなく遠く離れた地区の自治会長であることが判明いたしました。この自治会長を市職員が間違って教えていたようです。  マンション建設は、建築基準法とその他関係法規に基づいて確認申請を提出する必要があるほか、本市においてはマンションを含む中高層の建築について地域住民の良好な住環境に影響を与える可能性があるため、建築主などと近隣住民との相互理解を目的に中高層建築物の建築に関する指導要綱を定め、指導していると聞いております。  私が反対集会に参加した地区で7階建て以上のマンションを建設する場合は、指導要綱により建築計画届出書を提出するようになっており、近隣住民に対し建設の概要について説明をするようになっているにもかかわらず、全く説明がなされておりません。そこで、私は地元の方々とともに、都市整備局長に意見を申し入れました。その際提出された建築計画届出書を住民の方々が確認されると、自宅で商売をされ、毎日自宅にいらっしゃるにもかかわらず、3度訪ねるも留守などと虚偽記載が多く見られました。熊本市では、地元の意見を受け建設業者に対して届出書に不備があった旨指摘されたところ、建築計画届出書が取り下げられたと聞いております。  しかしながら、このマンション計画については、住民に対し全く説明を行わないまま、10階建て35メートルのマンション建設についての確認申請を民間の確認機関であります日本ERIへ提出されています。  このままでは、地元住民の皆さんが不安を抱えたままマンションの建設が進んでいきます。地元住民の皆さんは、マンション計画建築確認の取り下げと、この計画の白紙撤回を強く望んでおられます。加えて、手続で定められた建築計画届出書虚偽記載をして提出したこの業者、多々良工務店に対して、公共工事の指名停止などの厳しい処分も求められています。  そこでお尋ねいたします。この問題について市は、近隣住民に全く説明がないまま提出された建築確認申請書の取り下げと、マンション建設自体白紙撤回を指導すべきではないでしょうか。さらに、近隣住民から業者への厳しい処分も求められており、指導要綱により提出が義務づけられております建築計画届出書は私文書でもあることから、今後の虚偽記載の再発防止の上においても処分は必要であると考えます。都市整備局長、御答弁をお願いいたします。          〔松本富士男都市整備局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市整備局長  お答え申し上げます。  ただいま御質問いただきましたが、この件につきまして、議員並びに近隣の皆様の御心情は理解申し上げておるところでございます。それでは、答弁させていただきます。          〔議長退席、副議長着席〕  まず、マンションなどの中高層建築物の計画に当たっては、建築基準法、その他関連規定に適合することはもとより、本市におきましては、建築主等近隣住民の皆様の相互理解を目的として、熊本市中高層建築物の建築に関する指導要綱を制定し、建築主等に対し、建築計画届出書の提出を求めているところでございます。  今回のマンション建設計画におきましては、本年10月12日、要綱に基づき建築計画届出書が提出され、その後確認申請書は10月16日に民間確認検査機関に提出されております。御指摘のありました近隣住民の皆様への説明がなされていないとの御意見につきましては、私どもも確認いたしましたので、その不備について建設業者へ指摘したところ、10月25日、指導要綱に基づく建築計画届出書は取り下げられました。また、確認申請書が提出されております民間確認検査機関には建築計画届出書が取り下げられたこと、及びその経緯についてお伝えしているところでございます。  お尋ねの確認申請書の取り下げの指導についてでございますが、今回のマンション建設計画は民間の建築主が民間確認検査機関に提出するものでございますので、行政から確認申請書の取り下げについて働きかけを行うことは制度上困難であることを御理解いただきたいと思います。  また、今回、不備がある届出書を提出した建築業者に対しましては、厳重に注意を行っております。指導要綱に基づく届出書の提出につきましては、建築主等近隣住民の皆様との相互理解を目的としたものでございますので、その趣旨にのっとり今後正確な情報の記載と報告をするよう指導を徹底してまいりたいと考えております。  以上、答弁させていただきましたが、皆様方の御心情は理解しておりますが、制度上のこともございますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。          〔35番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  まずこの問題は、熊本市の手続に致命的なミスがあったわけです。  市長がわび状を出されています。市長が市民にわび状を出さなければいけないような行政のあり方でいいんでしょうか。陳謝すれば済むという問題ではありません。  市長は、市民の生命、財産を守る最高責任者であって、常に市民の側に立つ行政を心がけるべきです。その観点に立てば、今回の問題でも市長は強力なリーダーシップを発揮して、住民の側に立った解決策を模索するべきではないのでしょうか。担当した職員の処分もきっちりと行うべきです。結果責任を問わないから無責任な態度がはびこることになるんです。  その点について、市長はもっと敏感になるべきです。職員指導がなっていないのではないか。原市民生活局長にお尋ねいたします。  再発防止策を具体的に明らかにしていただきたいと思います。また、住民から損害賠償の裁判を起こされたら、市としてどう対応するつもりなんでしょうか。この業者、多々良工務店につきましては、この地域の別の物件につきましても、私はこの地域の自治会長ではありませんと言ったにもかかわらず、それでもいいですから同意の印鑑を下さいと言われ押印したと、連合会の会議で自治会長から報告があったそうです。この物件は高層マンションが既に完成しております。また、他の地域におきましても、隣接地に全く説明がなされないまま、マンションの建設が現在行われています。  行政はこんなことでいいんですか。松本局長、あなたの家の隣に全く説明がないまま高層ビルが建つと思ってお答えください。この業者は繰り返しこのようなことを行っているわけですから、建築主が建築業者を選択するときの判断材料にもなりますよう厳重注意処分の公表なども行っていただき、今後は再発防止策に努めていただきたいと思います。あわせてお尋ねいたします。          〔原幸代子市民生活局長 登壇〕 ◎原幸代子 市民生活局長  北口議員にお答えいたします。  今回、誤って隣接する自治会長を紹介しましたことにつきましては、当該自治会長様から御指摘をいただきましたことから誤りに気づき、業者に対し速やかに訂正の連絡を行いましたが、結果として自治会の皆様方に大変御迷惑をおかけいたしましたことを深くおわびいたします。  御迷惑をおかけいたしました自治会に対しまして、自治会長様あてにおわび状を出させていただきました。職員に対しましては厳しく注意をいたしますとともに、事務の見直しを指示したところでございます。今後は、再び同じような過ちを犯し、市民の皆様方の信頼を損ねることがないよう受け付けの手順と注意事項を明記した手順書を作成いたしますとともに、担当職員への指導研修を行いまして、その周知徹底に努めてまいる所存でございますので、職員の処分は行っておりません。          〔松本富士男都市整備局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市整備局長  業者の指導についてお答えいたします。  先ほども申し上げましたが、今回不備がある届出書を提出した建築業者に対しましては、その後、不備があるという旨をお伝えいたしまして厳重に注意を行い、届出書が取り下げられております。今後の届出書に当たりましては、正確な情報の記載、それと報告をするよう、その段階におけます指導を徹底してまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。          〔35番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  原局長はわび状を提出していると、これは局長の名前ではなく市長のわび状ですよ。トップにそういうことをさせたという責任を、十分局長として考えていただきたいと思います。  このマンション問題では、建設に関係したと思われる関係者が、この町内には妙な団体がありはしないですかと自治会長のお宅を訪ねておられます。妙な団体とはどんな意味なんでしょうか。私も首をかしげますので、建築絡みのようなので、ちょっと松本局長にお尋ねをいたします。          〔松本富士男都市整備局長 登壇〕
    松本富士男 都市整備局長  ただいまの御質問についてでございますけれども、明確な点がはっきりいたしませんので、ちょっときちっとしたお答えはできかねると思います。          〔35番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  妙な団体ってどういう意味なんでしょうかね。  本市で人権を大きく侵害する事件が2年前に起こりました。日本のニュースのみならず世界のニュースになりました。それは、ある教師が小学校4年生に対し、原爆被爆者の写真を使って肝試しを行ったというあの事件です。今でも憤りを抑えられません。事もあろうに、未来を担う子供たちに原子爆弾の恐ろしさや戦争の悲惨さを教えるべき教師が、幼い子供に対し、人として決して許されない原爆被爆者の方を冒涜する行為を行ったのです。  広島の原爆資料館に行かれた方は思い出してください。熱い、熱い、水をください、水をくださいと、原爆によって被害に遭われ、焼けただれた体を引きずって水を求めてさまよっておられるお姿に、今思い出しても涙こそすれ、その写真を小学生の子供たちに対し、肝試しに使うなど人間じゃないと思いました。  これは、人類に対する不正行為です。原爆被爆者の方々から、熊本市から受けた人権侵害は絶対許さない、そのようなことをした者は記者会見の場に引きずり出して、全国民に対して顔を出して本人の肉声で謝罪をさせるべきだと言われました。  現場の教職員からも、もう本当に困っています、広島、長崎には修学旅行に来るなと言われたと涙を流して訴えられもしました。周辺市町村の方々と政令市の話をすると、熊本市は原爆被爆者の写真で肝試しをしたところでしょう、人権意識はどうなっているのと言われました。  当時、実名報道がなされなかったわけですが、教員の任命権がある熊本県に対して取り扱いを見直すよう要望すべきだったと思いますが、その後、この問題については熊本県教育委員会の処分が行われましたが、それだけでは済まないと私は思います。今まで静観してまいりましたが、幸山市長、あなたはこの件に関して何ら責任をとっておられませんよね。  肝試しを行った張本人は、退職金約3,000万円の全額をもらい、停職6カ月のうち4カ月半しか処分を受けず定年を1年残してやめてしまいましたが、本来なら徹底した人権教育を受け、現場復帰して誠心誠意、人権教育に努めるべきではなかったのではないでしょうか。  市長、あなたは市長選の公約に新しい熊本づくりを担う人づくりとか政令指定都市実現とか、いろいろ美辞麗句を並べておられますが、当該事件はそれ以前の人権問題であり、市のトップとしてきちんと責任をとることが先決ではないでしょうか。  さて、本市総合計画には、分野別施策の第1章に、一人一人が輝く人権尊重社会の構築が高らかに掲げられております。具体的には、市民一人一人が人権問題をみずからの問題として受けとめ、差別や人権侵害を許さない確固たる信念を持って、すべての人が個人として尊重される社会を築き上げていかなければなりませんとうたわれております。しかしながら、本件はまさにこのような人権尊重社会に逆行する行為であると思います。  そこでお尋ねいたします。総合計画及びまちづくり戦略計画に掲げられている、一人一人が輝く人権尊重社会の構築を目指しておられる幸山市長、あなたは当該事件をどのように認識しておられるのか、責任問題を含め御見解をお聞かせください。また、事件後における職員への人権研修及び市民への人権啓発について取り組みの現状とこれからの対応について、総務局長及び市民生活局長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  人権問題につきましてお答えさせていただきます。  原爆に関する写真の不適切な使用につきましては、平成16年第4回定例市議会の冒頭におきまして、このような行為は決して許されない行為であり、被爆者及び関係団体の方々を初め多くの皆様に心からおわび申し上げるとともに、この事実を厳しく受けとめまして、二度と繰り返すことのないよう教職員を含め本市全職員の人権意識の確立に向けまして、全力を上げて取り組んでいかなければならないと決意した次第でごさいます。  21世紀は人権の世紀と言われておりますが、残念なことにまだまださまざまな人権問題が発生している現状がございます。こうした中、私は一人一人が日常生活の中におきまして、人権擁護の大切さと平和のとうとさにつきまして認識を深めるとともに、それぞれの違いを理解し、認め合い、互いに尊重し合うことが最も大切であると考えております。また、いかなる差別や人権侵害も許さない、そのような確固たる信念を持ちまして、一人一人が輝く人権尊重社会の実現に向け全力で取り組んでまいりたいと考えております。          〔寺本敬司総務局長 登壇〕 ◎寺本敬司 総務局長  職員への人権研修の取り組みの現状とこれからの対応についてお答えいたします。  基本的には、昨年7月に制定いたしました熊本市人権教育推進会議等に関する訓令に基づき、市民生活局を中心に全庁的な人権教育に取り組んでいるところでございます。総務局といたしましては、その一環となる職員講演会や人権セミナーへの側面的な支援を行っておりますし、新規採用職員の研修におきましても人権問題をカリキュラムに組み込み人権を尊重する職場づくりなど基本的な研修を行っております。  今後とも、公務に携わる全職員が人権に対する意識を強く持てるような人権意識の醸成に努めてまいりたいと考えております。          〔原幸代子市民生活局長 登壇〕 ◎原幸代子 市民生活局長  私からは、市民への人権啓発のお尋ねにお答え申し上げます。  本市におきましては、これまで熊本市人権啓発市民協議会と一体となりまして、社会のあらゆる差別の解消に向けた人権フェア、そして人権ふれあいフェスタ、人権啓発作品の募集などの人権教育啓発事業に取り組んでおりますとともに、個別の人権課題に対しましても、人権講演会や人権セミナーなどの啓発事業に取り組んできたところでございます。  議員がお述べになりました案件につきましても、広島、長崎の原爆被害者の方々を講師にお招きし、市民の皆様や職員を対象にした人権啓発研修会を実施したところでございます。また、職員に対する人権教育につきましても、先ほど総務局長がお答えいたしましたとおり、昨年7月、熊本市人権教育推進会議等に関する訓令を制定いたしまして、本年度から各部署におきまして主体的に研修計画を作成し実施することとしており、年度末には報告書が提出され、その評価と課題等を検証することといたしております。  さらに、人権教育・啓発推進法に基づき、本市の人権施策の総合的な基本方針となります人権教育啓発基本計画の策定に向け調査を始めたところでありまして、来年度検討委員会を設置し、取り組むことといたしております。今後とも、学校や職場、家庭などあらゆる場、あらゆる機会をとらえて人権教育啓発の推進に鋭意取り組んでいく所存でございます。          〔35番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  問題が発覚してから2年間が経過しましたが、この間、熊本市の取り組みは研修会を単発で開いたぐらいで、とても市長が答弁されたような、全力で取り組んできたというにはほど遠いお粗末な取り組みと言わざるを得ません。  これでは、とても人権問題に取り組んでいますと胸を張って言えないでしょう。この現状に対し、市長はどのように考えているのか。市長の人権感覚が問われていると思います。また、熊本市として今後どのように取り組むのか。例えば、すべての職員を対象にタイムスケジュールを立てて研修会を開くとか、具体的な内容のある取り組みを表明していただきたいと思います。これでは市民も納得しないし、とても胸を張って政令指定都市を目指すなどとは言えないのではないでしょうか。  子供たちの人権教育、平和教育のために広島、長崎に行くわけでしょう。本市の人権教育の根底を揺るがす事件に対し、抜本的な中長期的施策をこの2年間講じていなかったことが問題だと言っているんです。  市長、今からでも遅くありません。広島、長崎に行って改めておわびされる気持ちがないのかお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  人権研修、人権教育に対して今後どのように取り組んでいくのかというお尋ねでございますが、先ほどそれぞれ総務局長、市民生活局長からお答えいたしましたように、職員に対します人権教育につきましては、熊本市人権教育推進会議等に関する訓令に基づきまして、各部署が推進マニュアルに沿いまして研修計画を作成し、既に実施しているところでありまして、年度末には報告書が提出されることになっておりまして、その評価と課題等をきちんと検証しなければならないと考えております。  また、本市の人権施策の総合的な基本方針となります人権教育・啓発基本計画の策定についてでありますが、調査を始めたところでございまして、策定に当たりましては検討委員会を設置し、人権をめぐる現状や人権教育啓発の取り組みの方向を明らかにいたしますなど、中長期的な計画の策定に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、長崎、広島に出向くべきではないかとのお尋ねではございますが、先ほど申し上げましたように、二度とこのような行為を起こさせないという信念のもとに、あらゆる場、あらゆる機会をとらえまして、啓発事業に取り組むことが何より重要であると考えております。          〔35番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  ありがとうございました。大いにやっていただきたいと思います。  熊本は宿泊拒否などでも全国的に有名になりました。ぜひ人権教育をよろしくお願いしたいと思います。  次に、熊本県養鰻漁業協同組合によるシラスウナギ採捕についてお尋ねいたします。  熊本県養鰻漁業協同組合は、緑川下流においてウナギ種苗、いわゆるシラスウナギを提灯たぶ、別名地獄網と呼ばれるものですが、極めて目が細かいこの地獄網をほぼ川幅いっぱいに張って捕獲し、それを養殖して販売されておられます。  通常、21センチ以下のウナギはとってはならない規則がございますが、1、試験研究のため、2、教育実習のため、3、増養殖用のためのいずれかであれば、特別に知事の許可を受けてとれるという例外的な、いわゆる特別採捕として認められるケースがあります。熊本県養鰻組合の特別採捕につきましては、増養殖を目的として実施されておられますが、このことについては、ウナギやアユの生態系を考えたときに、下流に地獄網を張ることは、遡上を阻害するという観点から約20年前に熊本県と熊本市の2年もの長き協議の結果、採捕の条件として毎年熊本市漁業協同組合を初め、熊本県養鰻組合との採捕調整がついたことを証明する書面の取り交わしが必要と決められておりました。  そこで、これまで熊本市漁業協同組合と熊本県養鰻組合とは毎年シラス漁業解禁の12月10日までに協定書を締結しており、この協定の中では、熊本県養鰻組合は採捕したシラスウナギの3.6倍の重量に当たるウナギ、すなわち中間育成した21センチから25センチのウナギを熊本市漁協区域に放流することになっております。ところが、昨年は熊本市漁業協同組合と熊本県養鰻組合の協定に際し、熊本市漁業協同組合長の押印がないまま、あろうことか県が肩がわりして、協定が調ったことにして特別採捕を実施されておられます。こんな乱暴な事務処理が許されていいのでしょうか。言語道断です。  次に、本年に至っては、12月になっても熊本市漁業協同組合に対して、熊本県養鰻組合からも、指導する立場の県の水産振興課からも協定に対する何のアクションもなく、特別採捕が12月10日から実施されております。この点について県に問い合わせを行ったところ、何とこれまで協定書締結の対象であった熊本市漁業協同組合をその対象から外しておられるのです。何の連絡も協議もなしにです。こんなばかな話はありません。この点について農林水産省の職員に問い合わせたところ、そんなばかなことがあり得るんですかとのコメントをいただいております。  また、しかもこれまで放流協定で約束されていた中間育成したウナギを放流することも、また、放流に際しての立ち会い日時の連絡も全くない中で、放流がどれほど実行されているのか不明なままの状況であります。熊本市漁業協同組合は、緑川水系加勢川の水産資源の確保、管理を目的に活動いたしておりますが、今般の県の対応は、このような水産資源の確保、保全をないがしろにするものであり、大きな問題があると考えざるを得ません。  そもそも全国でシラスウナギの採捕を許可しているのは、47都道府県のうち19県だけのようです。このうち9県は、シラスウナギが傷つかないように手すくいなど、たも網でとり、熊本県を初め10県だけが地獄網での採捕を認めているようであります。そのうち宮崎県は、宮崎県内水面振興センターだけ、公的機関にだけ許可しており、熊本県でも組合員が約2,500人もいる球磨川漁協は、水産資源を守るため手すくい、たも網です。全国的な流れとしては、魚類を根絶やしにするおそれのある地獄網の使用は全面禁止の方向に動いております。貴重な水産資源の保護の観点からも当然の動きです。  ちなみに、熊本市漁協と市の水産振興課により江津湖にはフナ20万匹、モエビやタエビ100万匹、ハエ5万匹などを毎年放流し続けており、漁業権を持つ加勢川にはテナガエビも放流いたしておりました。もちろん、ウナギについても熊本県内水面漁連に熊本市漁協として負担金を払い、5月連休前に毎年放流し続けているにもかかわらず、国土交通省の平成7年から15年までの江津湖でのウナギの生態調査では、8年間でたった3匹しかウナギが確認できなかったとの報告もあるようですが、これが事実であるなら江津湖下流で実施されている地獄網によるシラスウナギの特別採捕は、遡上してくる前のウナギを根絶やしにしていることの証拠であり、また採捕の条件である中間育成したウナギの放流が行われていないことを証明していることになると言わざるを得ません。  そこでお尋ねでありますが、貴重な水産資源を根絶やしにする地獄網の特別採捕の許可に対し、幸山市長はどのようにお考えになっているのかお聞きいたします。  次に、私が指摘した県の水産振興課の事務処理、すなわち熊本市漁業協同組合との放流協定の印鑑が調わないまま、県が平成18年産のシラスウナギの特別採捕を許可した事実及び平成19年産のシラスウナギの特別採捕の協議対象から熊本市漁業協同組合が権利を持つ加勢川水域を除いていた事実について、経済振興局長の考えと対応についてお伺いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  シラスウナギ採捕、地獄網につきましてお答えさせていただきます。  江津湖は市民の憩いの場でもありまして、多くの子供たちが水遊びを楽しむ安らぎの場でもあります。また、清冽な水辺を利用する野生生物の宝庫でもありまして、自然学習の場ともなっております。毎年、先ほど御紹介もありましたように、熊本市漁協におかれましては、江津湖の自然環境と自然保護の観点から、ウナギ、フナ、モエビ等の多くの種苗の放流を行っていただいておりまして、その水産資源の確保、保全の取り組みには大変感謝いたしているところであります。  議員御指摘の地獄網とも呼ばれます提灯たぶでございますが、他の魚種の遡上をも阻害していると考えられ、水産資源の保護への影響が懸念されるところであります。シラスウナギ採捕を許可している都道府県は、先ほど御紹介もありましたが、全国で19県でございまして、うち提灯たぶ等の網を許可している県は10県にとどまっている現状にあります。このような全国の趨勢から見ましても、自然環境や水産資源の維持、保全という観点から、提灯たぶの使用は好ましくなく、さらなる検討をお願いしてまいりたいと考えております。          〔岡本安博経済振興局長 登壇〕 ◎岡本安博 経済振興局長  私からはシラスウナギの特別採捕許可についての考えと対応についてお答えいたします。  シラスウナギの特別採捕の許可につきましては、熊本県内水面漁業調整規則第37条及びうなぎ種苗特別採捕許可取扱方針に基づき県が行うものであります。申請の手続を定めていますうなぎ種苗特別採捕許可申請要領では、申請者は採捕調整がついたことを証する書面の一つとして当該漁業権者との放流協定書を添付することとなっておりました。  このような中で、平成18年産につきましては、申請者と熊本市漁業協同組合との放流協定書をとり交わすことができなかったため、放流に係る誓約書を添付させ、許可を行ったとのことでした。また、本市に送付されてきました平成19年産うなぎ種苗特別採捕許可申請要領では、シラスウナギの特別採捕に当たっての放流協定対象から、突然加勢川区域が削除され、熊本市漁業協同組合との協定書が不要となっていたところでございます。  協定書につきましては、その当時の関係者の方々が大変御苦労され、この仕組みをおつくりになられたものであり、また熊本市漁業協同組合におかれましても、これまで多年にわたり資源の保護のためウナギを初めとする種苗放流に尽力されてきたところであり、これらの取り組みに対し心より敬意を表する次第であります。  加えて、先般、決算特別委員会で議員から御指摘を受けましたので、早速、県に議員の意思を伝えるとともに、ウナギを含めた内水面漁業の水産資源保護の観点から種苗放流への理解を強く申し入れたところであります。さらに、今回要領で協定がなくなりますことは、自然環境や水産資源にも影響を及ぼすものであり、大変憂慮していることを重ねて申し入れたところでございます。  放流協定は、ただいま市長が申しましたとおり資源保護や保全の観点からも意義の高いものであり、今後とも熊本市として県へ従来どおりの協定書の締結を申し入れてまいりたいと存じます。          〔35番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  協定に基づく放流をしていない熊本県養鰻組合に放流するよう指導するどころか、熊本市漁業協同組合に対して協定書に押印するよう何度もしつこく迫った養鰻組合の職員とも思われる県の河邉課長補佐の事務処理、加えて放流実態についても特に確認していないと公文書で堂々と回答している県の行政は、どちらを向いて仕事をしているのか、信じられません。  このような県の水産振興課の態度からして、水産資源の確保という観点は全く感じられません。市民の財産でもある内水面の漁業資源を守るためにも、熊本市はもっと指導力を発揮するべきです。今回の件についても、県に対しもっと強く迫るべきです。なぜなら、税金を投入して漁業資源の育成に力を入れているのは熊本市も同じだからです。大切なことは、いかにして内水面の漁業資源を守るかということで、そのために県も市も関係漁協も知恵を絞るべきであって、改悪と見られるようなことはすべきではありません。  同じ熊本県内でも、球磨川漁協のようにあえて地獄網を使っていないところもあります。ぜひ地獄網を全面禁止にするように県に強く働きかけていただきたいと思います。福島前知事が熊本市漁業協同組合におみえになった際、地獄網禁止は世の中の流れで、水産資源を守るためには全面禁止にするとおっしゃったと組合員さん方から聞き及んでいます。岡本局長にもう一度この点についてお伺いいたします。          〔岡本安博経済振興局長 登壇〕 ◎岡本安博 経済振興局長  ただいま議員お述べのとおり、自然環境、水産資源の維持確保が大切ということは私どもも十分認識しているところでございます。ただ、他方において、これまでの技法で生計を立ててこられた方々の経緯もあり、一定の検討期間も必要かとも思っております。このようなことから、提灯たぶにつきましては、使用禁止も含め、漁具漁法の再検討をいただくよう県に要請してまいりたいと、そのように考えております。          〔35番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  どうぞよろしくお願いいたします。  入札制度についてお尋ねいたします。  熊本市は、最低制限価格が何億何千何百何十何万何千何百円と百円の台まできっちりと当たる、情報漏えいと疑われる入札が9件も行われました。本市契約事務を調べてみましたところ、意外なことに気がつきました。  まず、最低制限価格は、低入札を防ぎ、品質を確保するために設けられたものであり、この価格を下回ったとき、応札業者は失格となるわけです。本庁における最低制限価格の積算ですが、直接工事費に共通管理費と現場管理費の5分の1を加えて、決裁権者が、ある幅の中から選んだ比率を掛け合わせた最低制限価格をペーパーに記入し、マル秘扱いとして封印されます。さすればペーパーの数値は、関係者が知りたい最も大切な情報です。ある幅の中から比率を設定すると言っても、決裁権者によって偏りができることも想定されます。業者などからは、知りたいということで、情報が求められたり、前回のように最低制限価格がまっぽし当てられれば、だれがしゃべったのかと情報漏えいがささやかれたりと、本人が幾らまともにしてもあらぬ疑いをかけられ、たまったものではありません。  市長は、よくもまあこのような英断をされたと感心もいたしました。  一方で、水道局は負担を少しでも緩和するため、最後の比率をコンピューターで求めているとお聞きしました。業者がいる目の前でコンピューターにより弾き出された比率、いわゆる変動係数がその場でわかる仕組みとなっております。ということは、開札するまで最低制限価格は価格の積算ができず、事前に知ることが不可能であります。水道局ではこのすばらしい方式により、何の不都合もなく業者からの苦情も皆無とお聞きしました。職員を守るためにも業界のあらゆる詮索を招かないためにも、水道局方式に変更したらいかがかと思う次第であります。御所見を伺います。市長、いかがでしょか。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいまお尋ねの最低制限価格の設定につきましては、より透明性の高い方式を検討してきたところでございまして、これまでは決裁権者が任意に決定する方式でございましたが、来年の1月からコンピューターによる最低制限価格自動設定方式に変更することといたしております。この方式は、電子入札システムと契約事務システム及び入札情報公開サービスシステムが連動いたしておりまして、一定の範囲内でコンピューターが無作為に抽出した額を最低制限価格とする方式であります。この方式によりまして、最低制限価格は開札の時点におきましてコンピューターにより決定されるということになります。今後とも市民の皆様の信頼をいただくよう入札契約事務に取り組んでまいりたいと考えております。          〔35番 北口和皇議員 登壇〕 ◆北口和皇 議員  市長、大変ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  今回は幸山市長2期目の初議会でございますので、市長の公約の中でも市政の基本に関することを中心に市長の考え方を、失礼とは思いましたが多少厳しく質問させていただきました。これも、皆様方とともに市政の将来を思ってのことであります。要は、幸山市長の市政が67万市民の生活に大きくかかわってくるからであります。そのため、市長の人間としての哲学や教育に対する考え方を明確にしてほしかったわけであります。あと何点か具体的質問をと思っておりましたが、次の機会に回し、要望にかえますので、よろしくお願いいたします。  必由館、千原台の両市立高校の施設整備の促進でございます。  おかげをもちまして、千原台におきましては、体育館の完成、必由館におきましては校舎の建てかえも完成が間近になっており、在校生は無論同窓生ともども完成を心から期待いたしております。環境や教具の整備がいかに大切か、生徒の生活や成績に大きくあらわれ、両高校ともそれぞれの学科や体育、部活動と、大きなレベルアップが見られるとのことでございます。例えば、必由館高校では大学入試状況を見てみますと、国公立大学の合格者数が平成18年度38人に達するなどソフト・ハード両面で活性化が図られております。そういう意味からも、残された施設整備の促進にさらに取り組んでいただきますことを強く要望いたしておきます。よろしくお願いいたします。  これで私の質問を終わりますが、市長を初め執行部の皆さん、御答弁まことにありがとうございました。そして、議員の皆さん、傍聴席の皆さん、長時間にわたり御清聴いただきましたことに心から深く感謝申し上げます。  これをもちまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)      ─────────────────────────── ○田尻清輝 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                              午前11時22分 休憩                             ────────────                              午後 2時01分 再開 ○税所史熙 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。      ─────────────────────────── ○税所史熙 議長  新たに提出された請願中、請願第7号、請願第9号、請願第10号は議会運営委員会に付託いたしました。  以上、御報告いたします。 ┌─────────────────────────────────────┐ │         平成18年  委員会付託議案一覧表            │ │         第4回定例会                      │ │                                     │ │ 議会運営委員会                              │ │  請願第 7号 議員定数削減に反対し、議員の費用弁償廃止、政務調     │ │         査費の削減等の真の経費節減を求める請願          │ │  請願第 9号 政務調査費の領収書の添付を求める請願           │ │  請願第10号 議会改革を求める請願                   │ └─────────────────────────────────────┘
    税所史熙 議長  質問を続行いたします。廣瀬賜代議員。          〔9番 廣瀬賜代議員 登壇 拍手〕 ◆廣瀬賜代 議員  無所属一人会派、一歩の会の廣瀬賜代です。  質問に先立ちまして、さきの選挙で再選されました幸山市長に一言お祝いを申し上げます。このたびはまことにおめでとうございます。  16万人の期待を背負っての2期目ということで、御期待にこたえる実績が求められており、御苦労も多いこととは思いますが、どうか張り切って理想の熊本市づくりに邁進してください。  さて、私の方は、このところ2つ立て続けに逆風をくらいました。すなわち、先週金曜日には教育基本法の改悪案が参議院を通過して、いよいよ成立の運びとなりました。また、本日の議会運営委員会で熊本市の議員定数を4つ減らす条例案が賛成多数で可決すべきものと決定されました。いずれも私の思いや信念に対する逆風であり、正直気落ちいたしておりますが、多数派の判断が必ず正しく、少数派の意見は間違っているというわけではないということは歴史が証明しております。よって、気を取り直し、私の信ずるところに従いまして、今期最後の質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、まず最初に、学校図書館と司書業務補助員の現状と課題についてお尋ねいたします。  子供が本を読まない、いわゆる読書離れがゆゆしき問題として教育界の話題に上ったのは既に40年も前のことです。その後、受験戦争の激化によって、本を読む暇があったら受験勉強をしろといった風潮が支配的となったため、読書離れの問題は棚上げされた格好で改善を見ることなく、やがて事態は子供たちの読書離れにとどまらず大人も活字離れと言われる様相を示して、中堅出版社の倒産が相次いだのは20年ほど前だったでしょうか。  政府では、これらへの遅過ぎる対策として、1997年、平成9年にやっと学校図書館法の一部を改正、小規模校を除く学校への司書教諭の発令を義務化し、また2001年には子どもの読書活動の推進に関する法律が制定されて子供たちの気持ちが読書に向くよう環境を整える政策にようやく目が向けられました。もっとも、これらはいずれも国からの予算措置などの裏づけがなく、実際には効果に乏しい絵にかいたもちとなっていることは皆様御承知のとおりです。  さて熊本市では、1995年、平成7年から学校に専任司書をモデル配置する事業に取り組まれ、子どもの読書推進法の制定に先立つ2000年に市内の小中学校すべてに学校図書館司書業務補助員という職名で、いわゆる学校司書の役割を担う学校図書館専任の臨時採用職員を配置されました。これにつきましては、市教育委員会並びに多くの先輩議員の皆様の御尽力のおかげであると深く感謝いたしております。  子供の読書環境を整えるということは、具体的には子供たち生活環境の一部である学校の中にある図書館を整えるのが早道です。また、図書館の機能の7割は人が支えると申しまして、すなわち司書がいてこそ図書館は生き生きとした教養の殿堂として機能できます。  専任司書を得た熊本市内の小中学校図書館は、いずれも大幅な利用増を果たしました。図書館利用の一つの指針として使われる貸し出し冊数の推移を見ますと、どの学校でも2倍ないし3倍、目覚しい学校では、司書の配置前の10倍もの利用増が見られて、事業の効果はだれの目にも明らかです。さらに、学校図書館の任務の大きな柱である資料の提供による子供たちの学習支援や先生方への授業支援の面でも着実に成果を上げており、全校配置も7年目となりました今では、司書業務補助員は学校になくてはならない存在との認識が学校内に定着してきています。  ところが、その司書業務補助員は臨採身分であるために一日に5時間しか勤務できず、特に大規模校では事務量に対して勤務時間が足りないなどさまざまな問題を抱えております。  その本題に入ります前に、ではなぜ子供に本を読ませたいのかという学校図書館充実事業の根幹となる部分について、一つだけ所見を述べさせていただきます。  皆様は、「ITに殺される子どもたち」という本を御存じでしょうか。大脳生理学の観点から、子供たちの脳にテレビ脳やゲーム脳と言われる発達障害が起きていることを報告し、警鐘を鳴らしている本です。ここ数年、こうした事象を取り上げた類書が何冊も刊行されています。  研究によれば、テレビやテレビゲーム漬けで育った子供は、理性や感性などの精神活動をつかさどる脳の前頭前野の発達が未熟で、すなわち人格形成に影響するような後天的発達障害を起こしていると言います。この前頭前野の発育に寄与するのが、友達との遊びや野外での遊びなどの経験と読書だと言われています。従来言われてきた読書の効用といいますと、たくさんの言葉や言い回しを知ることによる言語能力の育成や豊かな教養のもととなる雑多多様な知識の吸収、また一冊の本の中に込められた作者の思いや心情と出会うことで、人とは多様なものであることを理解する感性が身につくなどが挙げられると思いますが、私は現代的な子供の問題を読み解くヒントの一つとして、この前頭前野の発達不全という大脳生理学分野からの警告に注目し、それへの対策として提唱されている読書の勧めを重く受けとめているものです。  今、学校では子供たちの向学心の薄れによる学力の低下や、他人の気持ちを無視したいじめの蔓延による自殺事件の多発、学校という集団社会になじめずに家に引きこもる不登校などの事象が起きていますが、これらの原因の一つが幼いころからテレビに子守りをされ、ゲームを友として育った子供たちの大脳の後天的な発達障害にあるとするならどうでしょう。今の学校問題が昭和29年制定の教育基本法の不備や教員の指導力不足にあるのではなく、課題は子供たち自身の脳内にあるとの指摘は、私は的を射ていると感じますし、大変憂慮すべきことと思います。それと同時に、そうした子供たちの発達を促す手段として読書が役に立つという研究報告は、私は教育界を挙げて飛びつくべき有効な行動指針であると考えますし、文科省が取り組んできた学校図書館の蔵書充実のための交付税措置や読書推進法の制定も、そうした警鐘にこたえた動きであったとも言えるでしょう。しかし、ためになるから読みなさいと押しつけられる読書ほど苦しいものはありません。子供たちには、楽しいから読む、好きだから読むという自分の選択として積極的に本を手にとる読書家になってほしいわけです。  そこで、子供が本好きになるような環境整備を進めようというのが全国で行われている学校図書館の充実を求める市民運動の眼目であり、市町村の取り組みであり、熊本市では専任の人の配置によって学校の図書室大好きっ子たちがふえ、ひいては読書好きの子供たちもふえていると思われます。そこに人がいることが学校図書館を血の通った温かい空間にし、学校内のオアシスとして機能するほか、保健室登校にかわる図書館登校といった活用例も見られます。  しかし、熊本市の司書業務補助員事業には、まだ大きな課題があります。その最たるものが学校図書館を支える事実上の立役者である司書業務補助員の雇用形態です。問題点を整理するために主要なことだけ申し上げますが、先ほど申し上げました5時間勤務の問題のほか、1、1学期ごとに雇用が切れる臨時採用職員であるために、年間を通した計画的な活動が保障されない。まして、年次を越えての蔵書収集計画などは立てられない。  2、業務補助員という身分のため正規の学校スタッフとして職員会議に参加する機会もなく、学校の行事予定などがわからないまま活動しているといった実態がある。  3、また雇用規則により、学期ごとの雇用が続けて5年を超えることが許されないため、経験を積んで専門性を高めた人材をわざわざ手放すというリスクが発生している。  これらに加えまして、私たちは毎年予算査定の時期が近づくと、この司書業務補助員の配置事業が次年度も継続されるのかどうか、どうか続いてくれと祈りながら息を詰めて見守ってきたという現実があります。  それはひとえに、市職員さんたちでさえ、学校司書って臨採なんですかと驚かれ、そうした業務内容なら当然嘱託身分になっているべきでしょう、何で臨採と不思議がるような不安定身分での雇用が一向に改善されるめどが見えないからです。つまり、司書業務補助員の配置事業そのものが臨時的なものとして考えられているのではないかと危惧をしてきたわけです。  これらの身分問題は、この4年間、教育市民委員会の場で何度も申し上げましたが、教育長の御見解はこの財政厳しい折に臨採身分にしろ専任の人を置けているということを評価してほしいというところにとどまり、実は教育長御自身も来年の予算査定ではどうなることかとはらはらし続けてこられたのではなかったかと拝察しております。  そこで、市長にお尋ねします。  子供たちの教育や人格育成に対する学校図書館の存在意義、並びに学校図書館司書が担う役割についての市長の御認識をお聞かせください。また今後、熊本市の学校図書館をどのように運営していかれるおつもりか、端的に言えば学校司書、養護教諭や学校主事などのような学校に必須な恒常的スタッフとして位置づける方向でお考えいただけないものかお答えください。  私は、本来でしたら学校司書は学校定数法の範疇で正規の人員とされてしかるべきと考えていますが、現状ではそうした法整備が進む気配はありませんので、市独自の取り組みとして学校司書の位置づけができないものかという提案です。  なお、学校図書館法及び子どもの読書推進法では、そうした市町村の努力を期待しておりますし、沖縄県や岡山市、豊中市など先進例は幾らもあります。市長の御答弁をお願いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  学校図書館につきましてお答えさせていただきます。  学校図書館でございますが、教育活動に必要な図書や資料などを提供することで子供たちの自主的、自発的な学習を支援し、創造性や感性をはぐくみますなど学校教育におきまして欠かすことのできない施設でありまして、子供たちの身近な読書活動の拠点として、その果たす使命と役割は極めて重要であると認識いたしております。そのため、蔵書の充実、司書業務補助員の全小中学校への配置、蔵書のデータベース化、市立図書館や学校間の図書の貸し借りなど学校図書館の充実に取り組んでまいったところであります。  また、学校図書館司書が担う役割についてでありますが、議員も述べられましたように人の果たす役割は大きいものがあると私も思っております。司書業務補助員を専任の職員として配置しましたことで、学校図書館が温かい空間となり、子供たちのニーズに応じた貸し出し等にも対応できるようになったところであります。司書業務補助員の方々には、子供たちの読書環境や学習環境の維持向上を図る上で大切な役割を担っていただいていると考えております。  次に、司書業務補助員を学校司書として正規職員に位置づける考えはないかということについてでありますが、現在、各学校に図書主任や12学級以上の学校には司書教諭も配置されており、また本市におきまして行財政改革推進計画の中で職員数の削減を進めておりますことから、現状では難しいと考えております。  しかしながら、先ほど述べましたように司書業務補助員の担います役割は十分認識いたしておりますので、司書業務補助員の配置につきましては、今後も継続してまいりたいと考えております。          〔9番 廣瀬賜代議員 登壇〕 ◆廣瀬賜代 議員  ありがとうございました。  司書業務補助員さんたちがとても大切なお仕事をしてくださっているということをよく御理解いただいているようで大変ありがたく思います。正規職員にということはやはり今の財政状況あるいは市が人を減らしている中では大変難しいこととは私もわかっております。  ただ、できればせめて嘱託身分にはできないだろうかと、これは教育市民委員会の場では何度も申し上げてきたことなんですが、これもなかなか財源的に、今の司書業務補助員配置事業の予算の倍ほどかかってしまうということで、ちょっと無理だというふうに言われてまいりました。ただ、きょうの議会運営委員会での定数削減の結論が、このまま本会議でも可決ということになりますならば、そこで2億3,000万円ほどお金が浮くそうでございます。その中の9,000万円ほど回していただきますと、この司書が嘱託身分になれますので、ぜひその方向での御検討もお願いしたいと御要望申し上げまして、次の質問に入ります。  熊本駅前東A地区再開発ビルに設置を予定されている情報交流施設の運営についてお尋ねいたします。  この質問は、ビジネス支援機能を備えた図書館施設をベースとしてつくられることが期待されております情報交流施設につきまして、民間委託ないし指定管理者制度による運営も視野に入れて研究中と聞き及び、それで果たしてこの施設に必要なはずの高い専門性を持った職員を育てられる体制がとれるのだろうかと危惧いたしましてお尋ねするものです。  図書館の機能の7割は、利用者へのサービスに当たる人が担うという話は先ほどの学校図書館についての質問の際にも申し上げましたが、市民への広範な情報提供を大きな柱とする、俗にビジネス支援図書館と呼ばれる高機能公共図書館を実現するには、高いサービス能力を持ったスタッフの確保が必須であることは市長もよく御存じのとおりです。  私はこの4年間、行政視察や個人視察で多くの先進的と言われる図書館を見学してきましたが、すぐれた図書館はいずれも高い専門性を持った職員を育成できるような運営と雇用のシステムをとっていました。すなわち、司書資格を持った正規職員が図書館運営の主力となるような、ある意味きちんとお金をかけた運営を確保していることが図書館としての高い機能を保障していることを多くの実例として見てきたわけです。  申すまでもなく、図書館職員というのは貸し出しの手続や返却本の棚戻しをするだけの人々ではありません。そうした物理的な作業は、ボランティアなどに任せている図書館も多かったです。そうしただれでもやれる仕事は、せっかくの専門知識と能力を持った正職員を当てておくのには財政的にももったいないからです。図書館職員の本来の業務とは、何万冊という蔵書の中からお客様が必要としている本を見つけてあげること、こんなことを知りたいという漠然としたニーズを持って訪れたお客様にも対応できるだけの豊富な知識と経験によって、図書館に来てよかったと思わせるようなサービスを提供することです。そのためには、まずは自分の図書館の蔵書内容を熟知していなくてはなりません。さらには、出版物全体についてのある程度以上の知識や欲しい情報が見つけられる本探しのテクニックも必要です。  また、尋ねられた本が手元にない場合でも、何とか提供する方法を考えるような旺盛なサービス精神も不可欠です。こうした能力を備えた図書館員をここでは仮にプロの司書と呼びますが、私はせっかく新設する情報交流施設の図書館部分には、そうしたプロの司書たちで固めた、やがては全国有数の高機能公共図書館として名をはせるような施設を目指して構想していただきたいと強く願っているところです。  そのためには、どういった人材をどういう雇用形態で配置するのかが大きなかぎとなります。ここで申し上げたいのは、優秀な司書を育てるには時間がかかるということ。本とお客様の間をサービスでつなぐ経験を10年、20年と積んで、次第に一人前になっていく職柄だということをまず念頭に置いていただきたいと思います。ベテランほどいい仕事をする職人芸のような世界でもあります。  また、司書とてかすみを食べて生きていくわけにはいきませんので、一生の仕事として奉職できるだけの身分保障がないことには、すぐれた人材を確保し続けることはできません。そうしたことを考えますと、3年ないし5年ごとに事業主体が変更になる可能性がある指定管理者制度による運営はまずもってなじまないということになります。  民間委託につきましては、先日伺いました筑紫野市民図書館でその実例を見ました。10年前に新設された市民図書館は、当初より人件費を抑えるために職員は民間の人材派遣会社を通して雇用しており、ただし、それらの職員さんたちは、この10年間同じ方が継続して配置されています。つまり、市の直営にしないことで人件費の単価を抑えつつ、継続雇用を守ることで司書たちの身分を保障してきたというわけです。給与面がどうかは気にかかるところながら、これも一つの方法ではないかと興味深く思ったことでした。  しかし、今議会でしきりと話題になっております州都構想から逆算して、いずれはこの情報交流施設を州都候補地にふさわしい情報収集、提供拠点として強化発展させていくといったところまで想定しますなら、当初からそれなりの陣容を固めた直営施設としてしっかりと形づくっておく必要があると思います。  そこで、市長にお尋ねします。  産学協働施設ともリンクした先進的なビジネス支援図書館の一つとして実績を上げている静岡市の御幸町図書館は、市長も見学に行かれて大変感銘を受けられたと聞いておりますが、ああしたレベルの施設を熊本市が持つためにはどのような運営方法をとるべきか、理想を交えてのお答えで結構ですので、市長が夢見ておられる知の拠点構想としてお話しください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  熊本駅前東A地区の情報交流施設の運営に関するお尋ねにつきましてお答えさせていただきます。  私はこれまでの市政運営を通じまして、まちづくりの基本は人づくりにあると感じておりまして、人がまちを築き、そして町が人を育てる、そのような熊本づくりを進めたいと考えております。その一環といたしましてこの情報交流施設も位置づけておりまして、その目指す姿といたしまして、人や産業を育て熊本のあすをつくるとともに、駅正面という立地性から熊本の魅力を創造、そして発信することを掲げているところでもあります。そして、この施設を熊本駅周辺の発展のみならず、熊本地域全体の活性化に寄与する知の拠点にしてまいりたいと考えております。そのためには、議員の御指摘のようにこの施設の運営に携わる人、これが重要なポイントになると考えております。この施設には、ビジネス支援、情報図書、観光、郷土の各部門を設置する予定でございまして、さまざまな情報を収集、蓄積するとともに、発信提供していきたいと考えております。このため、それぞれの部門に専門的知識を有する人材、いわば知の案内人、コンシェルジュを配置いたしまして、多様な情報をわかりやすい形で提供し、訪れる人の個別のニーズに対応したいと考えております。  この案内人を初めといたしまして、施設を運営するスタッフには豊富な知識と高い専門性に加えまして、おもてなしの心など目的意識を持つことも求められるのではないかと考えております。このような人材の育成、確保が大きな課題であると認識いたしておりまして、今後、庁内の検討会議におきまして、具体的な運営体制を検討いたします中で、ただいま御提案の手法等も考慮しながら運営には万全を期してまいりたいと考えております。          〔9番 廣瀬賜代議員 登壇〕 ◆廣瀬賜代 議員  ありがとうございました。  今のところ市長と思いが一致しているようですので、あとは予算の都合でもうちょっとだったなみたいなことになりませんようにぜひよろしくお願いいたしたいと思います。  引き続きまして、GIS(地理情報システム)活用による災害弱者支援システム並びに観光施策についてお尋ねいたします。  先般、兵庫県西宮市におけるGISの活用状況を個人的に視察してまいりました。大変感動いたしましたので、報告かたがたいただいてきた資料を市長ほか関係各位にお配りさせていただきましたが、ごらんいただけましたでしょうか。  全国で最高レベルかつ国際的な注目も集め始めている西宮市のGISは、阪神・淡路大震災の折、被災住民支援のための情報システムとして活用すべく当時の市の情報システム課チームが必死の突貫作業で取り組んで、大きく飛躍発展しました。西宮市では、1961年(昭和36年)という早い時期から情報化に取り組み、現在、行政情報システムと内部情報システムに大別される情報システムを稼働させていますが、この行政情報システムは総合住民情報システムと内部情報システムから成り立っています。この総合住民情報システムがまずは御注目いただきたいものです。  内容としては、住民情報、税務情報、福祉情報、教育情報システム及び震災業務支援システムが含まれています。この中の震災業務支援システムは、地震でめちゃめちゃになったまちの住民の方々の安否や居場所を行政がいち早く正確に把握し、必要な支援を的確に行うために構築された電子情報システムで、住民票をもとに各家族ごとの一人一人の安否、避難場所、災害復興援助金の利用状況などを詳細に記録してあり、震災から11年目となる現在も被災住民のその後をケアする基本情報として生かされています。また同時に、GISを利用して多くの家屋倒壊や火災が起きたまちの被災状況の把握分析が行われ、後には家屋の復旧・復興状況図や活断層の分布図、被災状況と活断層の相関図、新築家屋構造別状況図などが作成されて、市の復興の取り組みへの情報提供に貢献しました。  そうした情報提供システムの存在が近隣自治体に比べていち早かった西宮市の復興を支えたことは想像にかたくありません。正確で詳細な情報ほど正しい判断を導くことはだれしも経験していることですが、殊に非常時における情報の不足や混乱は判断の過ちによる二次被害を生むもとでもあり、危機管理の重要な着目点であることに異論はないでしょう。  さて、西宮市情報システム課では、せんだっての中越地震の際には、地元自治体に対してこの震災業務支援システムの提供を申し出られましたが、関係自治体には電子情報システムの便利さへの理解がなく、受け入れてもらえないで残念だったと嘆いておりました。熊本市はこういうことをなさいませんように。  熊本市では、立田山活断層などが存在し、いつ起こるかわからない地震被害への対応は想定しておかなくてはなりません。また、震災に限らず大規模な水害や、近隣県で原発事故が起きた場合の避難民の流入といった非常事態においても、この被災者支援システムを核とする情報整理のノウハウは活用できるものだと思います。先般、西宮市の資料を持って伺った総合防災室にはぜひ西宮市に研究に行かれるようお勧めしましたが、市長にもぜひお出かけいただきたいと思います。  前置きが長くなりましたが、これより本題に入ります。  お疲れの皆様には、首を回すなどの息抜きをしていただき、リフレッシュしたお耳で聞いていただきたいと思います。  私がこの西宮市の総合住民情報システムの中でも、特にこれはいい、熊本市でも欲しいと思いましたのは地域安心ネットワークシステムというウェブ仕様の情報配信です。これは、福祉・防災・消防の各部局が連携し、住民、とりわけ災害弱者の緊急時及び災害時支援を主目的につくられたもので、個人情報が満載されていますので、行政内部での利用しかできません。実物を見たい方は西宮市までお出かけいただかなくてはなりませんが、内容はこういったものです。  例えば、ある場所で火災が起きて延焼の危険があったとします。担当者は地域安心ネットワークシステムのGISをパソコンに呼び出し、火災箇所の周辺50メートルといったふうに状況に応じた検索範囲を決めて検索をかけます。すると、画面上の地図にその範囲にあるひとり暮らしの老人や寝たきりの方などがおられる家々が表示されます。例として見せていただいた画面では、ゼンリン地図の精度の市街地図に一瞬で10軒以上の表示が出ました。また、さらにそうした要援護者がいる家の詳しい情報、つまりAさん宅では酸素吸入を必要とする寝たきりのおじいさんが家の南端の部屋におられるといった情報が瞬時に見られます。消防ではそうした情報を勘案して必要な避難援護などを素早く行うというわけです。  このシステムは、水害や土砂災害などでの避難情報を出す際にも大変役に立ち、実際に西宮市でも台風の際の避難勧告に活用して水が上がりそうな地区の老人世帯の早期避難を行って事なきを得たそうです。  なお、個人情報の収集については、市の職員と民生委員が協働して一軒一軒にシステムの説明を行い、情報掲載の承諾を得た上で稼働しておられるそうです。ちなみに西宮市の人口は約47万人で熊本市よりは少し規模が小さいですが、決して小さなまちというわけではありません。また、西宮市よりも高齢化率が高い熊本市では、こうした災害弱者への支援策の必要性も高いと言えます。日ごろからの備えとして熊本市でもぜひ導入していただきたいですが、担当局長のお考えはいかがでしょうか。  さて、もう一つのお勧めは地図案内サービス「道知る兵衛」です。これも西宮市が独自に開発されたものですが、汎用ウェブGISを活用したシンプルで使い勝手のよいソフトとして大阪府や和歌山市、市川市、篠山市などが既に許諾使用しており、全国に広まりそうな気配です。よいものはみんなに使ってほしいというお考えで、他の自治体からの要請があれば無償でソフトの使用を許諾されています。また、京都府の篠山市や千葉県の市川市などが発注したような自分のところ用の「道知る兵衛」を開発してくれといった依頼にもこたえておられます。自前のソフトを使用して自前のスタッフでつくられるので、例えば市川市「道知る兵衛」の開発にかかった経費というのは、耳を疑うお安さでした。「道知る兵衛」は、住民のための地域情報を集積した暮らしに役立つナビゲーションシステムとしての利用のほか、観光客に対する魅力的な道案内サービスの提供方法としても使えます。  私が目をつけましたのはここです。熊本市は観光立市宣言を出し、熊本城築城400年祭をばねにした観光都市としての発展を目指していますが、全国並びに韓国や中国などからの集客も望みたいにしては、集客の取り組みも受け入れ態勢の整備もまだまだおくれていると感じます。観光客に対する市としてのサービス体制の一つとして、携帯電話でもカーナビ情報並みの道案内サービスが受け取れる「道知る兵衛」を導入することは、観光客の皆さんに便利に観光していただくための有効な手だてとなりそうですが、担当局のお考えはいかがでしょうか。かなりのデータを載せられるシステムのようですので、ハングル語版や中国語版の展開も可能なのではないかと思われます。経済振興局長のお考えをお聞かせください。  ただし、これらのシステムを実用化するには、まずは地図情報を載せる土台となる汎用GISの構築が必要です。つまり、各方面、各分野からの各種の情報が自由自在に書き込めるウェブ用の白地図が準備された上でないと「道知る兵衛」などの情報検索ソフトの利用も指をくわえて見ているしかないわけですが、熊本市では今現在まだこの汎用GISができておりません。県と共同して汎用GISを構築しようという計画があるように聞いておりますが、現在の状況と今後の見通しについて企画財政局長の御答弁をお願いいたします。          〔寺本敬司総務局長 登壇〕 ◎寺本敬司 総務局長  GIS(地理情報システム)活用による災害弱者支援策について、所管がまたがりますので、私の方からお答えいたします。  災害発生時の初動態勢といたしましては、地域住民相互の協力が何より不可欠であり、中でも災害時に援護を必要とされる障害者やひとり暮らしの高齢者の方々、いわゆる災害時要援護者の地域支援体制づくりが特に重要であると考えております。  そこで、平成17年9月に健康福祉局、消防局、危機管理防災室による要援護者避難対策に関するワーキンググループを設置し、平成18年3月に県が策定しました災害時要援護者の避難支援ガイドラインに沿って、要援護者の状況把握や具体的な避難支援の方法等について検討を重ねてまいりました。その結果を取りまとめ、今年度中に必要な措置を講じるための対策マニュアルを策定する予定であります。御提案のGISを活用した災害弱者支援システムは、災害時の救援活動に大変有効な手段であると考えられます。  今後、議員御紹介のありました西宮市など先進市の状況等を調査しますとともに、現在、災害時の被害情報の集約などで運用しています熊本市防災情報システムや消防・救急車の出場指令に活用しています消防指令管制システムとの連携の検討、さらに県内自治体が共同で導入を計画しております汎用型GISの構築の状況を見守りながら関係部局で検討してまいりたいと考えております。          〔岡本安博経済振興局長 登壇〕 ◎岡本安博 経済振興局長  地図案内サービスについてお答えいたします。  観光客にとりまして、旅先でまず必要なのは観光施設や宿泊施設などの場所の情報であります。本市におきましても、観光客にとって見やすくわかりやすい観光マップの作成に努めているところであります。  また、本市の観光ホームページであります「満遊くまもと」では、登録してある観光施設とその周辺の地図情報を携帯電話からも検索できるようになっております。御提案のありましたインターネット地図案内サービス「道知る兵衛」につきましては、住所や施設名称から即時に地図を表示できるほか、登録した店舗等についても業種、名称、電話番号などから検索できるなど観光客の利便性の向上につながるすぐれたシステムと伺っております。  そこで、この利用状況や導入、維持経費など他都市の事例について調査してまいりますとともに、現在、熊本県と市町村で構成します協議会におきまして、汎用型地理情報システムの共同導入についての検討がなされておりますので、この状況も見きわめながら地図案内サービスについて関係課と連携、検討していきたいと考えております。          〔今長岳志企画財政局長 登壇〕 ◎今長岳志 企画財政局長  私からは汎用型GISの導入についてお答えします。  このシステムは、今後、地域全体の情報化を進めるために必要な基盤システムであり、本市域内だけでなく広く県域での活用や広域連携を進める上でも県内自治体が共同で取り組む方がより効果が大きいことから、現在、熊本県市町村電子自治体共同運営協議会において検討を行っているところでございます。  今後、県や県内市町村と連携しながらできるだけ早い時期に導入できるよう努めてまいりたいと考えております。          〔9番 廣瀬賜代議員 登壇〕 ◆廣瀬賜代 議員  それぞれ前向きと私は解釈しております。御答弁いただきまして、ありがとうございます。いいものはどんどん導入していただいて、活用していただきたいと思います。  この汎用GISについて、かなりややこしい作業にはなるらしいんですが、ただ基本データはすべて自治体は持っているはずということで、あとは整理整とん、うまく載せていくという作業になるそうですので、ぜひぜひ早目の対応をお願いしたいと思います。築城400年祭が終わってしまってから「道知る兵衛」ができても、ちょっと手おくれかと思いますので、そのあたりどうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、いじめ問題に関連して子供の人権保障の取り組みについてという切り口でお尋ねいたします。  いじめが原因の子供たちの自殺が相次ぎましたことは、教育界のみならず日本の社会全体を揺るがす切実な問題提起です。その対策は、学校のみに負わせて済むようなことではないとの認識も広がってきておりますが、実際にいじめの現場となることが多い学校での対応というのはやはり重要です。そこで、2点お尋ねいたします。  まず1点目は、政府方面で声が上がりましたいじめる子供に対する懲罰的措置、すなわち教室から排除するなどの考えがあることについて教育長のお考えをお聞きします。  先日、伊吹文部科学大臣は、そうした方法は望ましくないと表明しましたが、中学校の中では、現在既に服装規定を守らない子供や授業態度の悪い子供を教室に入れない措置などが生徒指導対策として一般的に行われており、そうした範疇の中でいじめた子への隔離政策というのも現場の判断として行われる可能性があるのではないかと私は心配しております。  従来行われてきた、先生の言うことを聞かない子供たちの教室からの排除というのは、その子供の教育を受ける権利を侵害するやり方として問題視されてきましたが、同時に授業妨害などが見られる場合には、授業を邪魔されることで侵害されるほかの生徒の権利を守る必要があるということで黙認されてもきました。確かに、教師への反抗として暴れる、騒ぐと言った迷惑行為を続ける授業を受ける気もない生徒に対しては、教室を出なさいと言わざるを得ない事情もあるかとは思いますが、では生徒間のコミュニケーションのもつれであるいじめ対策として、そうした方法を使うことで何かよい結果が生まれるでしょうか。  私は、学校側の対策をとっていますという言いわけに使われる以外、問題解決には全く寄与しないと考えます。いじめられた子の保護者に、いじめた子は教室から追い出しましたので、お子さんはもう大丈夫ですと告げることで学校の責任が果たせたとお考えになるような学校管理者は熊本市にはいないと信じますが、解決が大変難しいと言われる校内のいじめ問題に悩む余りに、ついそうした乱暴な策に心引かれる場面があるかもしれません。そこで、この件についての教育長の御所見を伺っておきたいと思います。  関連しまして2つ目として、13年前に批准された子どもの権利条約に対応した子供の人権についての思想啓発並びに権利教育の進捗についてお尋ねします。  いじめ問題の裏側には、他人の苦しみに配慮できない人権センスのなさがすき見えますが、その原因は人格的な発育不全などの子供たちの内部問題ばかりにあるのではなく、そもそも日本では子供に対する人権保障が大変お粗末だという社会環境にも根があるように思えます。このことは私個人の感想ではなく、国連の子どもの権利委員会から日本政府に対し、繰り返し改善勧告が出されていることです。自分が大事にされている実感もないのに、他人を大事にできる寛大さを持てと子供たちに求めるのは無理難題というものだと私は思うわけです。  子どもの権利条約の理念については皆様御存じのとおりですので、ここでは触れませんが、批准当時、学校現場などでささやかれていた、こんなものを子供に教えたらわがままに手がつけられなくなるといった誤った受け取り方はいまだに社会通念として存在するようで、その証拠に学校や地域で子供たちにこの条約の存在や内容を教える取り組みは余り進んでいないように見受けられます。  子供には生きる権利がある、守られて育つ権利がある、安心して暮らす権利がある、だれに対しても自分の意見を言う権利がある。これらの権利を保障する努力がいじめ問題や不登校、引きこもりなどの子供の問題の多くに解決のめどを与えるのではないかと私は考えますが、熊本市の教育行政の方向性を見守るお立場にある教育委員長のお考えはいかがでしょうか。あわせてお聞かせください。
             〔永山博教育長 登壇〕 ◎永山博 教育長  私の方からは、懲罰的措置に対する見解についてのお尋ねにお答えいたします。  教育委員会といたしましては、当然のことでございますが、いじめは絶対に許されないこととして、いじめが起きた場合には毅然とした態度で臨み、いじめられている児童・生徒をしっかりと守るということを基本として考えております。  いじめにはさまざまな形がございまして、議員御案内のように、生徒間のコミュニケーションのもつれによる言葉のいじめあるいは集団での無視などもございます。中には、暴力を振るうものや金銭をおどし取るなど犯罪につながるケースも見られますので、そのような場合には被害の子供の安全を守るために、いじめる子供と一時的に距離を置くことが必要であろうと考えます。  しかしながら、いじめ即出席停止や別室指導という措置をとるのではなく、いじめる側の子供について、その子供のこれまでの生活環境等も見詰め、保護者や学校、関係機関がもっと深くかかわり合って指導していくことも大切であろうと考えております。          〔黒澤和教育委員会委員長 登壇〕 ◎黒澤和 教育委員会委員長  子どもの権利条約に対応した子供の人権についての思想啓発並びに権利教育の進捗についてのお尋ねにお答えします。  まず、教育委員会の児童の権利に関する施策については、自分のことが好きといういわゆる自尊感情やコミュニケーション能力の育成等を機軸とした人権学習指導案集を作成し、人権教育を推進していますが、平成16年3月に作成しました第1集の「じんけん1」では、特に児童の権利に関する条約を取り上げています。          〔議長退席、副議長着席〕  また、この児童の権利に関する条約については、中学の社会科の公民的分野、技術家庭科の家庭分野の教科書にこの条約やそれと関連する記述があり、そこで学習する機会があり、また教育委員会が独自に人権カレンダーをつくって児童・生徒の目に触れるように教室に掲示したりもしております。  その他の具体的な教育委員会の施策として、子供たちが日ごろの思いや願いを自由に述べ合い、大人と子供たちがともに学び合うことを目的として、熊本市子どもフォーラムを開催し、児童の権利に関する条約の趣旨を生かした意見発表、交換の機会としています。平成10年度からスタートし、現在、年に4中学校区で開催していて、それには保護者や地域の方々も参加し、既に小中学校合わせて64校区で行われています。  また、毎年8月に市長、市議会議長にも御出席いただき、ふるさと熊本の暮らしや未来について語り合う熊本市中学生による子ども議会を開催しております。さらに、日常的な子供の意見発表の機会の確保についても、小中学校でそれぞれ学級会、委員会、学校集会、全校集会その他多くの機会が子供たちの意見発表の場となっています。  ところで、いじめについては自殺者が多数出ているのはなぜでしょうか。先日の田辺議員の質問にもお答えしましたが、私は、子供たちに自分の行為が相手にどのような影響を与えるのかという他人をおもんぱかる心が育っていない結果ではないかと思っています。そして、原因としては、子供の自制心の低下、友人関係の構築が不得手な児童・生徒の増加、受験での過剰な競争などが考えられると思います。  いじめ等を減らすためには、人権教育は大切だと思いますし、さらに根気強く推進していただきたいと思っています。          〔9番 廣瀬賜代議員 登壇〕 ◆廣瀬賜代 議員  お答えありがとうございました。  学校でこのいじめ問題の対策、対応というのは本当に大変だろうと思います。子供に説教して、それでそれがやむならばだれも苦労はしていないわけで、いろいろなことで話し合い、心を解かしていく、あるいは人の痛みに気づかせてあげることができるかどうか、非常に手厚いかかわり方が必要と思います。そういった意味では、先日の田辺議員の質問にもありましたけれども、先生たちにそれだけの余裕があるかという、この体制の問題、本当に大きいと思いますけれども、ただやはり現状の中で何とかしていかなくてはいけない。先生方に大変御苦労をおかけいたしますけれども、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  また、子供への権利教育、進んでいるようで安心いたしました。この子どもの権利条約というのは決して特別なことを言っているわけではありません。子供にも基本的人権があると、大人と同じように基本的人権を持っているんだということを言っているだけの話です。つまり、子供の今問題になっています発言権、子供の意見表明権というのも、結局子供は黙っていろと、大人は子供の口をふさいでしまうというのは、それはおかしいことですと言っているだけの話なんです。学校では、今おっしゃったように子供たちに今あなたたちにはこういう権利があると教える動きが広まっているようですけれども、地域とか大人たちの間でそれがどこまで広がっているのか。結局、子供に幾ら権利があるといっても、それを周りから私たちが尊重して守ってあげなくては実効はございません。  そういう意味で、子供にも人権がある、権利があるというこの考え方をできるだけ広く広めるようなあるいは社会教育の方向での取り組みなどもお願いできたらいいなと思います。  では、続きまして情報漏えいが疑われた工事入札に関連して第三者調査機関の設置についてということでお尋ねいたします。  9月6日の地元新聞朝刊に、熊本市発注土木工事落札額と最低制限価格接近という見出しの記事が載りました。午前中に北口議員も扱われた件です。  この内容は、熊本市が2005年2月以降に発注した土木工事、予定価格2,000万円以上は落札額と最低制限価格との差が1%未満で落札されたケースがほぼ8割を占めていることが5日わかった。最低制限価格と同額も8件あり、建設業界は明らかに不自然、発注者側が情報を漏らしている可能性があると指摘しているという記事が出たもので、9月議会の総務委員会の中でも取りざたされた問題です。  この問題につきまして、5月に最低制限価格の決め方を変えるという対策がとられ、以後こうした事例は起きていないそうですが、この件に関して情報漏えいがあったのではないかという疑惑に市が十分こたえられていないことに焦点を絞りましてお尋ねしたいと思います。  かなりのスペースを割いて報道されました同記事は、契約検査室次長の、現在は入札すると最低制限価格に張りつく傾向が鮮明であり、制限価格との差が極めて小さい額での落札も企業努力でたまたま近づいただけだろう、市から情報が漏れているとは到底考えられないというコメントで結ばれていますが、私は残念ながらこのコメントに信用を置くことができませんでしたし、多くの市民の方々も同じでしょう。身内のアリバイ証言は信用できないというたぐいの常識的な疑いを持たざるを得ないからです。このことは、立場上お答えになられた次長にとっても不幸なことです。市からの情報漏れはないということを証明する手段を持たないまま身内をかばっているんだろうといった疑いの矢面に立たれるわけです。  もしもこの件で職員からの情報漏えいがなされていた場合には、公務員法による守秘義務違反、入札妨害あるいは贈収賄事件の可能性もある犯罪行為となるわけで、警察の捜査が行われてもおかしくないと思いますが、今回の件については市に大きな損失を与えたといった事例ではなかったため、県警も動かなかったというふうに漏れ聞いております。また、市民からの監査請求あるいは議会からの同様な要求の対象にするには、現行の制度では市あるいは市民がそのことで明らかな金銭的損失をこうむったという面からの追及しかできないということで、すなわち情報漏えい疑惑といったことには全く対処法を持たないのが市の現状です。  そこで市長にお尋ねします。  クリーンな政治、清廉潔白な行政運営を目指しておられる市長は、市職員に対するこうした疑惑が取りざたされることは大きな黒星であるとお感じだろうと拝察します。また、市民としても白なら白であることがきちんと説明されることを望んでいると思います。そのためには、行政内部からの、うちではだれもそんなことはいたしませんといった回答ではなく、きちんとした根拠を持ち、公正な立場からの説明であると納得がいくような客観的な調査結果を提供できる第三者機関が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。  同時に、情報漏えいなどの不正については、内部告発によって明らかになる例が多く見られますが、ああいうことはおかしいと思いながら適切な告発手段がないために沈黙しているといった状況は熊本市にはありませんでしょうか。内部告発というのは、仲間を裏切る密告というふうに認識されがちで、告発者の秘密が守られることが必要です。また、逆に悪意による誹謗中傷の道具に使われないための注意も必要ですが、不正を目の当たりにしながら累を恐れて口をつぐんでいるしかない状況があるとしたら、それは口をつぐむ当事者たちのモラル意識をも侵食します。  先ほど申し上げた第三者機関は、あるいはそうした自浄努力としての内部告発の持ち込み先も兼ねる形で設置されるとより有益かもしれません。市長のお考えをお聞かせください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  行政内部の不正を未然に防ぎ正すため、第三者機関を設置してはどうかという御提案に対しましてお答えさせていただきます。  先日来、岐阜県に端を発しました裏金の問題でありますとか、あるいは相次いで発覚いたしております入札談合問題など行政の組織的な犯罪と思われる不祥事が各地方自治体におきまして発生しておりますが、地方分権が一層進み、各自治体が独自の行政を進めていかなければならない中にありまして、住民の信頼を裏切るあるいは自治体の根幹を揺るがすような不祥事は絶対にあってはならないものであると考えております。  本市におきましても、このような不祥事件が発生することのないよう、組織の見直しを初め電子入札など入札方法の見直しや会計処理のシステム化等を随時行ってまいったところであります。また、本年4月、国が公益通報者保護法を施行したことに伴いまして、職員が不利益な取り扱いを受けず不正を正すことのできる内部通報制度も導入したところであります。  本市の制度におきましては、御提案の第三者機関の設置はいたしておりませんが、通報窓口や調査組織として第三者機関を設置している他都市もありますことから、そのあり方や取り組みにつきまして研究してまいりたいと考えております。  何と申しましても、市民から信頼される市政を実現しますためには、職員一人一人が公務員としての誇りと責任を自覚しながら、日々の業務を適正に処理することが最善と考えますことから、そのような職員の意識の醸成と職場環境づくりになお一層努力をしてまいりたいと考えております。          〔9番 廣瀬賜代議員 登壇〕 ◆廣瀬賜代 議員  ありがとうございました。  内部告発をやれるようなシステムがある、それはお互いに見張り合って職員たちがお互いに嫌な雰囲気であいつ何をやっているんだろうみたいな、そういうことをつくるわけではないですね。もちろん、正義の意識に基づいて言いたいことがある方が言えるということでございますので、きちんとしたものを構築していただきたいというふうに思います。それこそ、そうしたシステムをきちんとつくっていることで、市民からの信頼が得られるという点もあると思いますので、どうぞ御研究の方よろしくお願いいたします。  続きまして、熊本電鉄のLRT化と市電との結節についてお尋ねいたします。  昨年11月から、私は合志市の神田議員、当時は西合志町議員でいらっしゃいましたが、と協力して熊本電鉄のLRT化、ライトレール化と市電結節を実現しようという市民活動に取り組んでまいりました。電鉄の市電結節については、ずっと以前から実現を目指した市民や議会内での動きがあり、私たちの市民研究会はそうした諸先輩方に続く第三世代といったところのようです。  私たちの活動は、廣瀬さん、たまには夢のある話をしませんかという神田議員のお誘いから始まりました。人にも環境にも優しい便利で安全なライトレールによるまちづくりを考えてみよう。車であふれる国道3号線の渋滞を緩和し、ヨーロッパなどの例では中心市街地に自然と人が戻ってくるような効果も期待できる。鉄軌道を機軸として、そこから枝を張るようにバスを走らせると、今バス路線がなくて不便をしている地域も便利になるだろう。無理して自家用車を持たなくても暮らせるまちというのが、高齢者や低所得者にも優しい今後目指すべきまちづくりの一つの柱ではないか。そんな夢を語り合いながら、どうすればその夢が実現できるかと模索してきました。  その間に、この事業が実現できるか否かは関係自治体の首長たち、特に熊本市長の決断にかかっているという見解を、国や県の関係者なども含めた多方面から耳にしました。  さて、新聞報道もされましたが、今月6日に持ちました第7回熊本電鉄のLRT化を考える市民研究会でのミニシンポジウムの席上、幸山市長から市電と熊本電鉄の結節についての意欲的な御発言をいただきました。市民グループが主催する会でのこととはいえ、マスコミ各社もお集まりの場でのお言葉ですので、私たちは市長の公式発言と受けとめてよいだろうと考えておりますが、そのような認識でよろしいでしょうか。まずはその確認をさせていただきたいと思います。あわせて、早速ですが、今後の御予定を伺いたいと思います。  熊本電鉄の延伸による市電との結節は、幹線国道を一部利用する熊本都心部での大規模事業となりますので、さきの市民研究会での市長の御説明のとおり、ルートの選定を初めとして解決しなければならない課題は多く、各方面からの知恵を結集する必要があります。しかし、また同時に、熊本電鉄には赤字続きの鉄道事業を廃業するか存続させるかの判断の瀬戸際から出してこられた、ことしの3月までと返答期限を切っての市への投げかけへのお返事を今までお待ちいただいてきた経緯もあります。  そこで、待ちに待たれていた市長の意向表明が出された上は、できるだけ早期にこの件に関係する2市と県、国、事業者及び学識者や市民を含めた合同プロジェクトチームを組んでいただき、実現に向けた具体的な検討を推し進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。市長の御答弁をお願いします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  熊本電鉄のLRT化と市電との結節につきましてお答え申し上げます。  これまでも申し上げてきたところでありますが、私は新しい熊本づくりに向けまして、その目指すべき方向といたしまして、豊かな環境と利便性の高い都市機能とが調和した日本一住みやすく暮らしやすい都市、さらには九州の一体的な発展を牽引し広く国内外に飛躍する九州中央の交流拠点都市を掲げているところであります。  この実現に向けましては、だれもが利用しやすい公共交通網の再編が不可欠でございまして、関係者との連携のもとに本市がリーダーシップを発揮し、具体的に進めていかなければならないと考えております。  こうした中、熊本電鉄線でございますが、熊本都市圏北部域の公共交通の機軸であり、熊本電鉄の都心結節は沿線利用者の利便性の向上はもとより中心市街地の活性化や都市圏の交流強化につながりますことから、本市及び熊本都市圏の魅力と活力づくりを進めます上で重要な課題であるととらえております。  そこで、熊本電鉄の市電軌道の乗り入れやLRT化などにつきまして、今年度中をめどに行政としての対応方針をまとめますため、現在、県や合志市と連携いたしまして、検討協議を進めているところであります。  なお、ただいま議員御提案のプロジェクト組織の立ち上げについてということでございますが、事業を具体的に進めてまいります上では、必要となると考えておりますが、まずは先ほど申し上げました今年度中をめどといたしました行政としての対応方針の取りまとめに取り組んでまいりたいと考えております。          〔9番 廣瀬賜代議員 登壇〕 ◆廣瀬賜代 議員  思ったより慎重な御答弁でありがとうございました。  ただ、確かにいろいろなところで、合意、協議、たくさん今から話し合いを重ねていかなくてはならない案件ではございますので、そのあたりは理解いたしております。  私は即断、即効で突っ走るのが好きなものですから、今年度中に実現に向けたプロジェクトチームを立ち上げたいといったお答えを期待しておりましたが、なかなかそうは問屋が卸さないようでございます。  ともかく進捗を楽しみに見守っておりますので、ぐいぐい前進させていただきたいと思います。私はこの事業は、よい意味で熊本のまちの姿を大きく変える可能性を持っていると信じておりますし、日本一暮らしやすいまちづくりの夢への一歩前進として大いに期待しております。ですので、やるからには妥協の産物などではない、極力理想を追求した形での実現を見たいと思っています。今、私のところには電鉄線LRT化に当たってのルートについて、松崎のカーブの手前から真っすぐに延ばし、北部保健センター前を通過させて国道に出す案はどうかという市民の方からの大胆なアイデアが寄せられています。清水亀井駅から北部保健センター前、室園郵便局並びに肥後銀行清水支店前を通って熊本市総合女性センター前、浄行寺停留所、藤崎宮前、白川公園前といったふうに来て水道町で市電と合流、ただしこれでは単線案で、運行本数が制約されてしまいますから、もう一ひねりの工夫が必要ではございます。  それにしても、藤崎宮前の県道から右折して国道に入るという現在の電鉄案よりむしろ妥当性が高いかなと私は思うのですが、過去の検討案の中にこの案が見られなかったのは、思いつかなかったというより実現は難しいとして廃棄された結果ではなかったのでしょうか。私が申し上げたいのはそこです。絶対不可能なことに当たってくだけろなどという無茶は申しませんが、難しいというハードルは越えようと努力すれば案外越えられてしまう場合もあります。また、安易な妥協の産物というのは、後に後悔を生むことが多いものです。そうした意味で、ぜひ大胆に理想を追求した事業計画に挑戦していただきたい。担当される皆さんには、後世に名を残す仕事をしようという野望に燃えて頑張っていただきますよう、御期待を申し上げます。  続きまして、熊本産院の経営改革の現状並びに市の早産予防対策と妊産婦支援の現況についてお尋ねいたします。  昨年度1年間の議会を挙げての大激論の末、ことし3月の議会で条件つき存続が決まりました熊本市民病院附属熊本産院につきまして、時期的にまだ少し早いかとは思いますが、経営改革の進捗状況を御報告ください。あわせまして、今現在の問題点や課題、それについての解決の見通しを忌憚なくお聞かせください。  市民病院長の御答弁をお願いいたします。          〔松田正和市民病院長 登壇〕 ◎松田正和 市民病院長  私からは、熊本産院の現状につきましてお答えいたします。  熊本産院は、本年6月に策定いたしました熊本産院収支改善計画に沿って、職員の意識改革、収入の確保、経費の縮減等の取り組みを行いながら、収支の改善目標の達成に努めているところでございます。本年度の取り組みといたしましては、産院PRの一環としてのリーフレットの作成、市政だよりを活用した月々の両親学級開催のお知らせ等の広報、看板の設置、子育て支援課との連携によります助産制度の周知及び職員配置の見直し等でございます。また、熊本産院として初めて先月25日に産前、産後を通じた楽しい育児を応援する育児塾を開催し、100名を超える方々に御参加いただいております。さらに、本年10月からは患者様の利便性の向上と患者数の増加を図るために、土曜日診療も開始したところでございます。  そこで、本年度前半の利用された患者数の状況でございますが、このような取り組みを行ってはおりますが、昨年度の同時期と比較いたしまして、入院、外来及び分娩数におきまして、約2割程度減少いたしております。この原因といたしましては、熊本産院の見直しが議論されていたことや、本年4月から助産ができる病院の拡大に伴い、助産分娩の患者様が減少したことによるものと考えております。  いずれにいたしましても、熊本産院といたしましては、お示しいたしております収支改善計画の目標を達成するには、何よりも患者様をふやすことであり、今後その確保に最大限努めてまいりたいと考えております。          〔9番 廣瀬賜代議員 登壇〕 ◆廣瀬賜代 議員  御答弁ありがとうございました。  存続の条件として附帯決議されました、2年以内に赤字を3,000万円以内に抑える経営改革を実行するという大命題をクリアしますには、もっともっと産院のよさを知っていただき、そして利用者の方に来ていただく、こうした努力が必要なようです。  また、これまでの産院は余りにも奥ゆかしく、自分のところがやっている事業をなかなか表にお出しにならなかった。これが、公的病院は宣伝ができないということがあるそうですけれども、ただ、いろいろ産前、産後の教室やなんかを通じて産院がやっている赤ちゃんにやさしい病院の医療、それをどんどん宣伝していただいて、何とかこの経営改革をなし遂げていただきたいというふうに思います。産院一丸となった御努力をさらに頑張っていただかなくてはならないんですけれども、頑張る産院を支援する執行部内部の動きも欲しいというふうに私は思います。  そこで、健康福祉局の政策的な姿勢についてお尋ねいたします。  私たちが頑強に産院存続を主張した理由には2つありました。おさらいとして簡単に申し上げますと、1つはソフロロジー分娩や出産直後のカンガルーケアや母子同室、母乳育児の実施により、利用者の健全な母子関係の形成に成功していて、社会問題となっている母親による乳幼児の虐待といった事例は一例も出さず、この問題についての具体的な対策を体現してみせている施設であること。2つ目は、これまた社会問題と言える赤ちゃんが危険な未熟児あるいは極小未熟児で生まれてしまう早期早産の増加問題に対し、適切な予防教育とケア、サポートを講じればそうした早産は十分防ぎ得ることを実績として証明している施設であること。この2点を高く評価した私たちは、熊本産院を日本一子育てしやすいまちづくりの根幹に置く、よい出産と楽しい育児を広める拠点施設として活用するべきだと判断して産院廃止絶対反対の論陣を張ったわけですが、拠点施設という意味合いはそこだけが頑張るという意味ではもちろんありません。  熊本市で生まれるすべての赤ちゃんたちに、月満ちて生まれる健康な出生を果たしてもらえるよう早産予防を着実に推進する市としての保健指導体制また精神障害に至る深刻な産後うつや育児放棄や乳幼児虐待といった不幸な事例を生まないための喜びに満ちた健全な母子関係の構築を援助する市による妊産婦支援及び育児支援、またそれらのノウハウは熊本産院の活動が具体的な手本を示しているとはいえ、それを広く全市の当たり前として実施するには、市の保健センターや民間医療施設などの関係諸機関が心を一つにして取り組まなければなりません。そして、そうした体制を実現するには、営利的な立場とは一線を画して、住民福祉の責任を負う市当局が主導的に指導監督する必要があると思われます。  そこで、お尋ねいたします。  熊本市としての早期早産予防対策として、今どのような活動を実施しておられますか。また、妊産婦支援の具体的な事業展開について現況を御報告ください。それらについての熊本産院並びに市民病院産科との協力状況もあわせてお答えください。健康福祉局長にお願いいたします。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  妊産婦支援について3点の質問にお答え申し上げます。  まず、1点目の早産予防対策でございますが、本市におきましては保健福祉センターにおきまして母子健康手帳の交付時に心身の健康状態、経済状況、家族関係等を含めて保健師が相談に応じ、妊娠中の日常生活の注意や健康管理、定期健診の受診、喫煙についてなど早産予防に向けた指導を行っております。  さらに、今年度からは、妊婦一般健康診査後の保健指導が必要な方について保健福祉センターで継続して支援していくため、受診票に保健福祉センターへの連絡欄を設け医療機関との連携を充実させたところでございます。  2点目の母子関係の構築を援助するための妊産婦支援や育児支援の現況についてでございますが、産後うつ病の早期発見と支援を行うために、平成17年2月から産婦人科医療機関での1カ月健診時にお母さん方にアンケートを実施しておりまして、要支援者に対しては、保健福祉センターから家庭訪問を行い、専門医療機関の紹介や育児支援等を行っております。  また、本市では、出産をめぐる赤ちゃんとお母さんの安心づくりを目指しまして、助産師や保健師による母子訪問指導事業や産後ホームヘルプサービス事業に取り組んでおりますが、今後さらに妊娠中からの継続的な支援を充実していくために、母子訪問指導事業について産婦人科医療機関への委託に向けて準備を進めているところでございます。  最後に、3点目の熊本産院や市民病院産科との連携状況についてでございますが、昨年度から病院職員と保健福祉センターの職員を対象に研修会を開催し、それぞれの取り組みについての理解を深めますとともに、赤ちゃんの訪問指導マニュアルを作成するなど情報交換と連携の強化を図っているところでございます。  今後とも妊産婦支援の充実に向けてさらに努力してまいりたいと考えております。          〔9番 廣瀬賜代議員 登壇〕 ◆廣瀬賜代 議員  ありがとうございました。赤ちゃんを抱えたお母さんを支えるみんなの輪、そうしたものが徐々につくられていっているようで安心いたします。ただ、研修会とか産院と保健センターとの交流とか、そういうものをやはり日常的にいつも意見交換ができるあるいは何かのときにはお互いに助け合うそうした体制にまで、ぜひ持っていっていただけますようにお願い申し上げます。  では、続きまして、自治基本条例案が審議未了のまま廃案になった場合の対処についてということで市長にお尋ねいたします。  昨年3月に市より議案が上程されました熊本市自治基本条例案は、現在地方自治の推進に関する調査特別委員会で審議中であり、その結論を待たずしてのお尋ねで恐縮です。しかし、任期満了を控えております関係で、お尋ねできるのは今しかありませんので、どうかお許しいただきたいと思います。  さて、自治基本条例とは、安定した行政への市民参画システムを保障するため、市の主権が市民にあることや具体的な行政への参画の仕組みなどを定めるものと私は認識しております。市民主権については、日本国憲法では国民に主権があることが規定されておりますが、それに基づき自治体の中では、市民に主権があることを明確に定めた法令は存在していません。また、行政への市民参画の仕組みについては、現状の法令にほとんど具体的な規定がありませんので、市独自の仕組みを模索し定めておく必要があります。つまり、自治基本条例は、現行の法令を補うことにより、本来あるべき市民と市の姿を定めるものとなります。  現在、全国的にこうした自治基本条例の策定機運が高まっている裏には、地方分権の推進があることは改めて確認する必要はありませんでしょう。これまでは、国、県に従属的であった市町村が基礎自治体として国とも対等的な関係となったことにより、市政運営に関する市の意思、つまり団体自治が問われる時代となっております。このため、この地域における自治そのものを再定義し、これを実現する方法について市民と行政が合意しておくべきことを定める必要性が出てきたというわけです。こうした自治基本条例には、一般的に次のような項目が必要であると言われています。  1、市民主権の宣言、2、市民の行政に対する参画の権利、3、住民の代表である議会の責務、4、市の市民参画をシステム化する責務、5、市民の行政運営にかかわるに当たっての権利及び義務、6、市の市民参画型行政の運営に当たっての責務、7、具体的な市民参画の仕組み、8、本条例の最高法規性及び改廃に関すること。このようなことから、熊本市の自治基本条例案では市と市民と議会という3本の柱が自治を支えるという考え方を条項に盛り込んでいます。  さて、特別委員会では審議を付託された昨年4月以来、条例の重要性にかんがみて慎重な調査研究を重ねてこられ、この10月からいよいよ本条例案の内容に具体的に踏み込んだ議論を始めておられますが、私が心配いたしますのは、果たして今議会の任期満了までに結論が出るのだろうかということです。もしも結論が出なかった場合には、任期満了時に自然廃案となります。  また、慎重審議の結果、条例案が否決されるという可能性もございます。私は、熊本市の自治の確立のためには自治基本条例が絶対に必要だと考えておりますので、今期廃案もしくは否決となった場合には改選後の議会に再度提出して、ぜひとも成立を目指していただきたいと思っておりますが、市長のお考えはいかがでしょうか。  自治基本条例の制定を発議された提案者としての条例への思いも含めましてお答えください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  自治基本条例の制定につきましてお答えさせていただきます。  まず、自治基本条例に対する思いにつきまして述べさせていただきたいと存じます。  地方分権改革によりまして、地方自治体みずからの決定と責任で地域や市民のニーズに合致した政策を展開し、特色のあるまちづくりを進めてまいりますことがこれまで以上に可能となりまして、市民の皆様にとりまして、最も身近な自治体としての本市が担うべき役割、大変重要なものとなってきております。  そして、この分権時代に対応した市政運営は、申し上げるまでもないことでありますが、熊本市というまちを構成する市民の皆様と市議会そして行政、この3者の協働により進めていかなければならないものでもあります。そのようなことから、自分たちのまちは自分たちがつくるという考え方を基本に置きまして、市民、市議会、行政の3者の役割を明確にし、これからの新しい熊本市の自治を進めてまいりますための3者共通のルールとして自治の基本理念や市政運営の原則、市民参画や協働の仕組みといったものを自治基本条例という形で定める必要があると考え、取り組んできたところであります。  そして、この条例づくりに際しましては、100名を超える公募市民による市民会議におきまして、約1年間の熱心な討議を経て、案をおまとめいただきましたし、シンポジウムや地域説明会も協働で開催をしたところでもあります。さらに、一人でも多くの市民の皆様に御理解いただきますため、通常よりも長い期間パブリックコメントを実施し、164名の皆様から701件もの御意見、御提案をお寄せいただいたところであります。そのほか、市政だよりへの条例案の掲載、自治会長や各種団体の皆様に対する説明会、地域公民館などでの出前講座といったさまざまな活動を積極的に展開してまいりましたし、オープンハウスでは私自身もこの自治基本条例の広報活動に努めたところでもあります。  このような取り組みの結果、5,000名を超える市民の皆様に自治基本条例を制定する意義や必要性を御理解いただき、パブリックコメントの意見と合わせますと約900件の御意見をいただいたところでもあります。
     一方、行政の対応といたしましては、職員に対する研修会の開催を初めといたしまして、全庁的な検討に取り組みますとともに、学識経験者による法的な検証を加えまして条例案としてまとめ、議会に提案させていただいたところであります。  この条例案につきまして、廃案あるいは否決になった場合の対処につきましての御質問をいただいたわけでございますが、御承知のとおり、現在地方自治の推進に関する調査特別委員会におきまして、熱心に御審議いただいているところでもありますし、ただいま御説明いたしました、今後市民協働をさらに進めてまいります上でのこの条例案の持つ必要性あるいは策定の過程も踏まえましたときに、私といたしましては、ぜひとも御可決いただきたいと考えております。          〔9番 廣瀬賜代議員 登壇〕 ◆廣瀬賜代 議員  御答弁ありがとうございました。  私もぜひ可決させていただきたいと、この議場で賛成の挙手をしたいと思っております。  改選後の議会に私がいるかどうかは未来のことでわかりませんので、ぜひ私の目で見ておきたいと思うものです。  ところで、地方自治の推進に関する調査特別委員会では、先日12月7日の会議で、現在の自治基本条例案には異論が多いとして修正案の検討に入ることを決定されました。より市民の思いに近い方向への修正がなされるものと期待しておりますが、一つ気がかりがあります。すなわち、執行部提出の条例案は、今御説明にもありましたように、地域説明会やパブリックコメントなどによって広く市民の御意見をいただく手続を踏んで上程されたものです。また、このパブリックコメントには、ほかの案件とはけた違いの700件にも及ぶ意見が寄せられ、市民の関心の高さを示したことも御承知のとおりです。  したがいまして、議会、委員会提案として修正案が提出されるに当たっても、執行部提出の際と同様な市民への修正条例案の周知と意見募集、その検討と反映という手続が踏まれるのが当然であると考えますし、特別委員会の委員の皆様も同様にお考えと拝察いたしておりますが、何分にも私たちの任期は来年4月までで時間の制約が大変厳しゅうございます。  紫垣委員長並びに委員の皆様には時間と競争しながらの大変な御努力をいただくことになると思いますが、これは私からのお願いとして、何とぞよろしくお願いいたします。  これで、一たん質問事項につきましては、申し上げさせていただきました。  その他の項といたしまして、一つ御提案申し上げたいと思います。  熊本市は、その魅力の一つとして清冽で豊富な地下水に恵まれていることを自負し、市内の水道水のすべてがおいしい地下水で賄われていることは、確かに私たち住民にとっては熊本市の魅力とも誇りともなっております。  しかし、それを対外的にアピールする熊本のおいしい水というブランド発信は、残念ながら現時点では成功しているとは申せませんでしょう。熊本市のオフィシャルウオーター「熊本水物語」の販売は、先日、西議員もお触れになられましたように、いまだ限定的な試みにしかすぎませんし、今後その広範な展開が可能かどうかについては、私は懐疑的です。  つまり、コンビニなどの棚でエビアンやヴォルヴィックといった国際ブランドや富士伏流水といった全国ブランドと競合していけるだけのネームバリューないしはそうしたネームバリューを得ようというはまりがあるかと考えますと、期待は持てないかなと感じてしまう次第です。すなわち、熊本市がそのおいしい水資源を売りにしたければ、もっと別のやり方を考えた方がいいと私は思いますわけで、その方法として私はただでおいしい水が飲める公共の水飲み場の設置を提案いたします。具体的に申し上げるなら、熊本に来ると熊本城などの観光地やまちのあちこちにいつでもだれでもおいしい水が自由に飲める水飲み場がつくってあるので、わざわざペットボトルの水を買って持ち歩かなくても済む。その水飲み場には、熊本市の水道水はすべておいしい地下水が使われていますといった宣伝がさりげなく書いてあって利用された観光客の方々は2倍得をした気持ちになられる。お帰りになられて、熊本ってお水がおいしいのよと宣伝くださる。それがすなわちリピーターの獲得につながるとまでは申しませんが、熊本市に対する好感度を上げることには寄与いたしましょう。  観光ポスターなどで「森と水の都」と標榜しても、熊本市の水資源の大方は地下にあります。江津湖でも見ていただかない限り、実感いただくのは難しい。そんな熊本市の水をアピールする施設として、おいしい飲料水を無料提供する公共水飲み場の設置は一考に値するアイデアと自負いたしますが、いかがでしょうか。  それなりのおしゃれなデザインで展開していただきますと景観面からのまちのイメージアップにもなると思います。浜田知名先生など在熊の彫刻家の方々に御助力いただけたら最高ではないでしょうか。御検討いただければ幸いです。  以上を持ちまして、今期最後の私の質問を終わらせていただきます。  御清聴いただきました議員の皆様方、また、たくさんおいでいただきました傍聴の皆様方、本当にありがとうございました。(拍手)      ─────────────────────────── ○田尻清輝 副議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。  次会は明19日(火曜日)定刻に開きます。      ─────────────────────────── ○田尻清輝 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                              午後 3時35分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成18年12月18日 出席議員 52名       1番   税 所 史 熙        2番   田 尻 清 輝       3番   澤 田 昌 作        4番   高 島 和 男       5番   大 石 浩 文        6番   田 尻 善 裕       7番   白河部 貞 志        8番   倉 重   徹       9番   廣 瀬 賜 代       10番   有 馬 純 夫      11番   満 永 寿 博       12番   三 島 良 之      13番   齊 藤   聰       14番   津 田 征士郎      15番   鷲 山 法 雲       16番   上 野 美恵子      17番   東   美千子       18番   村 上   博      19番   日和田 よしこ       20番   藤 岡 照 代      21番   坂 田 誠 二       22番   藤 山 英 美      23番   田 中 誠 一       24番   下 川   寛      25番   重 松 孝 文       26番   東   すみよ      27番   中 松 健 児       28番   佐々木 俊 和      29番   田 辺 正 信       30番   鈴 木   弘      31番   竹 原 孝 昭       32番   牛 嶋   弘      33番   古 川 泰 三       34番   落 水 清 弘      35番   北 口 和 皇       36番   田 尻 将 博      37番   家 入 安 弘       38番   大 江 政 久      39番   上 村 恵 一       40番   島 田 俊 六      41番   江 藤 正 行       43番   荒 木 哲 美      44番   主 海 偉佐雄       45番   嶋 田 幾 雄      46番   紫 垣 正 良       47番   島 永 慶 孝      48番   矢 野 昭 三       49番   鈴 木 昌 彦      50番   宮 原 政 一       51番   益 田 牧 子      52番   磯 道 文 徳       53番   西   泰 史 説明のため出席した者  市長        幸 山 政 史    副市長      三 嶋 輝 男  収入役       川 上 憲 司    総務局長     寺 本 敬 司  企画財政局長    今 長 岳 志    市民生活局長   原   幸代子  健康福祉局長    谷 口 博 通    環境保全局長   小 牧 幸 治  経済振興局長    岡 本 安 博    都市整備局長   松 本 富士男  建設局長      上 田 謙 一    消防局長     中 山 賢 三  交通事業管理者   石 田 賢 一    水道事業管理者  東   軍 三  教育委員会委員長  黒 澤   和    教育長      永 山   博  人事委員会事務局長 嶋 村 早 人    代表監査委員   中 原 謙 吉  農業委員会会長   森   日出輝    市長室長     木 村 正 博  財務部長      宮 崎 健 三    市民病院長    松 田 正 和 職務のため出席した事務局職員  事務局長      松 本   豊    事務局次長兼議事課長                                山 田 利 博  議事課長補佐    木 村 建 仁...