熊本市議会 > 2006-09-12 >
平成18年第 3回議会運営委員会−09月12日-01号
平成18年第 3回定例会−09月12日-04号
平成18年第 3回議会運営委員会−09月12日-01号
平成18年第 3回定例会−09月12日-04号

ツイート シェア
  1. 熊本市議会 2006-09-12
    平成18年第 3回定例会−09月12日-04号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    平成18年第 3回定例会−09月12日-04号平成18年第 3回定例会   平成18年9月12日(火曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第4号                          │ │ 平成18年9月12日(火曜)午前10時開議                │ │ 第  1 質問                              │ └─────────────────────────────────────┘                              午前10時01分 開議 ○税所史熙 議長  ただいまより本日の会議を開きます。      ─────────────────────────── ○税所史熙 議長  日程第1「質問」を行います。  順次発言を許します。中松健児議員。          〔27番 中松健児議員 登壇 拍手〕 ◆中松健児 議員  おはようございます。くまもと市民連合の中松健児でございます。  回を重ねること、今回で12回となりました。登壇の機会を与えていただきました議員の皆様に感謝申し上げます。  3日目ともなりますと、質問が重複する部分は割愛したり、要望に変えています。また、質問の順序を一部変更しておりますことをお許しください。市長初め執行部の皆様の明快な御答弁を期待しています。  それでは、骨太方針と地方財政のあり方について質問いたします。  政府は、今後5年間の財政運営の基本的な考え方を示す「骨太方針2006」を閣議決定いたしました。この方針に基づいて2007年度以降の財政運営がなされます。今年度までの過去3年間、三位一体の改革が推進され、地方自治体の財政を直撃し、市町村合併に突き進んだのは記憶に新しいところです。2006年度4兆7,000億円の補助金が廃止され、3兆円の税源移譲となり、大幅な地方交付税削減となりました。熊本市は、51億円の交付税減額となり、さらなる財政健全化計画策定を余儀なくされる状況となりました。この骨太方針に基づいて2007年度の政府予算が決定するだけに、地方公共団体は今後の動向に大きく関心を持つのは当然だと言えます。  この「骨太方針2006」の最重要課題は、歳出削減と歳入改革を一体的に進めるとしている点です。その方針は、名目成長率3%を前提に2011年度までに国と地方の基礎的財政収支を黒字化すると明記し、それを実現するために、財源不足額16兆5,000億円のうち11兆4,000億円程度を歳出削減で賄い、残りの財源不足分2兆ないし5兆円を歳入改革で埋めるとしています。
     政府が公約している2009年度に基礎年金の国庫負担率3分の1から2分の1にする引き上げ財源2兆6,000億円については具体的に明示していません。その財源は消費税で賄うものと思われますが、先送りして示していません。現在進めている高齢者控除の廃止、配偶者控除の削減、定率減税の廃止など、増税で国民が苦しんでいるときだけに、十分な討議なくして推進することは許せません。自治体にとっては地方交付税の削減で財政運営に四苦八苦しているときに、これ以上の地方へのしわ寄せは許せません。今回の歳出歳入を一体とした改革で、複雑でわかりにくい交付税の仕組みを簡素化するとして、人口と面積を基準に算定する方法を2007年度から導入したいとしています。確かに現在の交付税の算定は複雑ですが、複雑になった理由は、自治体の要望を反映させるために細かな算定項目が設定されたともいえ、一概に悪いとは言えません。  ある学者が、試算した例を見ますと、人口比80%、面積比20%として、面積が広い北海道、人口が多い神奈川県では大幅な増額となりますが、交付税の依存度が高い小規模の自治体ほど新型交付税の影響は大きいと述べています。  「骨太方針2006」と地方財政についてお尋ねします。  1つ、この「骨太方針2006」に対しての市長の考え方と交付税のあり方、さらに今後の自治体の対応について御所見をお尋ねします。  2つ、「骨太方針2006」が実施されたときの熊本市への影響度、現在策定中のさらなる財政健全化計画の再検討が必要か。  3つ、地方財政について、人件費削減と小さな政府実現を目指して、国家公務員純減マイナス5.7%、地方公務員は国に準じて5.9%の削減を行うとされていますが、熊本市の進める人件費削減計画との整合性、さらに国庫負担金、補助金の廃止・縮小により、熊本市が進める事業推進の見直しとマスタープランとの整合性と今後の見通しについてお尋ねします。  次に、市債等の現状と今後の進め方についてお尋ねします。  新聞で北海道夕張市が財政再建団体の指定を申請する方針という報道がなされていたました。過去に、福岡県の旧赤池町が財政再建団体に指定され、職員削減、給与のカット、公営家賃等の公共料金アップ、事務事業の見直し、公共事業の大幅削減など、住民の犠牲を強いる状況となり、財政再建団体の厳しさと行政の携わる者の責任の重さを感じた次第です。  報道によりますと、夕張市は産炭地として繁栄した都市でありましたが、エネルギー革命には抗し切れず、炭鉱閉山、人口の大幅減となり、その再生のため観光振興に取り組み、その資金は借金によるもので累積赤字が600億円ともなり、赤字隠しのため一時借入金を充て、一般会計は見かけ上、黒字にしていたというものです。このことにかかわって、熊本市の現状についてお尋ねします。  一時借入金や市債の状況が予算・決算の段階で見抜けないものか。決算書などは明細がわかりにくいところがありますが、一時借入金での赤字隠しや一般会計と特別会計との貸付金のやりとりなど、監査役はチェックできにくいのか。そのために不正経理を見抜く第三者の行政監査制度を設ける必要はないのか。現在の市債の現在高及び一般会計と特別会計の貸付金のやりとり等が行われているのか、現状と課題についてお尋ねします。  日銀はゼロ金利政策を転換して、郵貯・銀行の金利も少しずつ上昇しています。自治体が借り入れる金利も当然上がると思われます。金利上昇による利払いがふえれば、その分財政負担が重くなり、歳入増や事業の縮小・削減となり、事業計画にも影響します。金利の動向は、市債償還計画及び借り入れにも関係すると思われますが、今後の見通しをお示しください。  次に、県単独の補助金や国が県に交付した補助金で、熊本市だけが交付されていない補助金があると聞きますが、どのような費目で、金額はどのくらいなのか。熊本市だけ補助金が削減された根拠は何なのか、復活は可能なのでしょうか。  以上、企画財政局長にお尋ねします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  それでは、私の方から「骨太方針2006」と地方財政のあり方につきまして、順次お答えさせていただきます。  先ほど御紹介もございましたが、本年の7月に閣議決定をされました「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」につきましては、原案段階で示されておりました地方交付税につきましての現行の総額維持の記述が削除されましたこと、また、地方単独事業につきましても、名目値で3兆円の削減とされておりました部分が削除されましたことなどにつきましては、一定の評価をするものでございます。  次に、地方交付税のあり方についてでありますが、地方交付税は地域社会の存続基盤を維持し、国が定めた一定水準の行政サービスを全国どこでも享受できますように資源の再配分を行うものでありますことから、その財源保障機能は、堅持していかなければならないものと考えております。  また、新型交付税につきましては、単なる人口、面積等の条件だけによる算定では、自治体ごとの特性を反映できないと危惧いたしておりまして、住民の年齢構成でありますとか、あるいは市域の地理的条件でございますとか、行政需要を反映した算定基準が必要であると考えております。  今後の対応についてでございますが、今回の基本方針だけでは、具体的に地方交付税がどの程度になっていくのかなど、依然として不透明なままでございまして、今後も全国市長会、さらには地方6団体を通じまして地方分権推進のための改革及び地方交付税の確保を強く訴えてまいりますとともに、本市におきましては、歳入面で今後も厳しい状況が続くものとの前提に立ちまして、行財政改革を着実に実行しながら、健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。  次に、さらなる財政健全化の再検討が必要かどうかとのお尋ねでございますが、先ほども申し上げましたように、現段階におきましては、本市への影響を推計することが困難でございますため、熊本市財政の中期見通しの見直しは考えておりませんが、今後、想定を上回るような削減が示されました場合には、計画の見直しも行う必要があるかと考えております。  また、現行の歳出削減策との整合性等についてのお尋ねでございますが、基本方針におきましては、人件費の削減につきまして、国家公務員の定数純減5.7%と同程度の定員純減を求めておりますが、本市におきましては、本年4月、熊本市集中改革プランを策定いたしまして、5年間で定員を293名削減することを目標といたしておりますことから、まずは集中改革プランに基づいた取り組みを着実に実行しなければならないと考えております。  次に、平成18年度までの国庫補助金の廃止・見直し分についてでございますが、所得譲与税による税源移譲と地方交付税の算入によりまして、財源手当がなされておりますため、本市でも、現時点で事業そのものを中止したり、規模を縮小したものはございません。また、いわゆるスリム化の影響といたしましては、道路や河川整備等に対する国庫補助金が内示段階で若干減額となる傾向が続いておりますが、現在のところ事業の継続に大きな支障を来しているものはございません。  いずれにいたしましても、厳しい財政状況が続きます中、先ほども申し上げましたように行財政改革に努めます一方で、それによって生み出されました資源を重点的に配分いたしまして、「自然と調和した市民が主役の活気あるくまもとの実現」に向けまして、全力で取り組んでまいりたいと考えております。          〔今長岳志企画財政局長 登壇〕 ◎今長岳志 企画財政局長  私からは、市債等の現状や本市への補助金についてお答えいたします。  まず、本市の市債残高でございますが、平成17年度末において、普通会計で臨時財政対策債を含め2,913億円となっております。また、企業会計への貸付金につきましては、交通事業会計に対しまして上熊本車両基地用地購入に係る元金償還分等として、平成17年度までに累計で16億7,000万円を貸し付けております。一時借入金につきましては、本市の一般会計においては、出納上での一時的な資金不足を補うために300億円を限度として借り入れることはありますが、すべて同一年度内に短期間で返済しておりまして、夕張市のような隠れ借金のようなものではございません。  次に、金利上昇の影響でございますけれども、発行済みの市債につきましては固定金利でありますので、金利上昇が償還計画に影響を与えることはございません。しかしながら、新しく発行する市債については、長期金利に連動することから、金融機関からの借り入れに当たりましては、入札の実施等により低利の借り入れに努めておりますが、平成18年度に入ってから発行した市債については、熊本市財政の中期見通しの想定利率2%を超えたものもございます。  地方債につきましては、現在、政府資金の圧縮と地方債の自由化という大きな流れがある中で、市債の発行が市場金利に連動することは避けられないものでありますが、地方債の自由化の中で、財政状況を理由に熊本市債の利率が高いということにならないよう、財政健全化に努めてまいりたいと考えております。  最後に、本市への補助金についてでありますが、県の単独補助金につきましては、中核市への移行に伴って、高齢者や障害者の住宅整備資金の助成や小規模作業所に対する運営費助成等、当時で約3,400万円が廃止されました。いずれもその後、本市単独で事業を実施しておりますが、県に対して復活を要望してはおりますものの、いまだ実現はしていないところでございます。          〔27番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  骨太方針で掲げた財源移譲は進まなくて、補助金、地方交付税の削減が先行し、中央官庁の壁の厚さが際立った三位一体改革であったかと思います。これからの地方財政の運営は厳しさが増しており、地方が知恵を出して政府の施策に追随することなく、市民本意の事業推進が求められています。夕張市の赤字は、各年度の決算書で見抜けないことではなかったと思います。恐らく行政、監査、議会が組織的に黙認したことであろうと思います。今回の件を他山の石として市政運営されることを願っています。  次に、中心市街地活性化対策についてお尋ねいたします。  平成10年に成立した大店立地法・中心市街地活性化法改正都市計画法、いわゆるまちづくり三法は、地方の中心市街地の空洞化に歯どめをかけようと制定されました。従前はスーパー等の出店を規制する大規模小売店舗法(大店法)があり、大規模な店舗が出店するには地元業者との調整が必要でした。しかし、2000年にこの大店法が廃止され、大店立地法が施行され、生活環境に配慮すれば、地元業者との調整をしなくても大型店を出店できるようになり、自治体も税収増や雇用の増加を期待して誘致しました。市の郊外への大型店出店に拍車がかかり、まちづくり三法の意図した中心市街地は空洞化が進み、効果が得られず、さびれる一方の中心市街地活性化が緊急の課題となり、今回の改正まちづくり三法の成立となったわけです。イオンの佐土原進出について、対応会議が認めなかったのも当然の帰結であると認識しています。  人口減少や高齢化を背景に、コンパクトな都市づくりへの転換が迫られています。公共施設や住宅等も中心市街地に集約させ、今まで郊外のインフラ整備に要した経費を中心市街地活性化に向けた施策に転換を図ろうとするものです。特に青森市では、コンパクトシティ構想を打ち出し、都市機能の中心部への集約を目指して、効果を上げつつあると聞いております。青森、金沢両市を視察いたしましが、都市機能を中心部に集約しつつあるなと肌で感じました。今回の改正まちづくり三法では、中心市街地活性化基本計画を策定し、内閣総理大臣の認定により、集中的に支援するとしています。  熊本市は手取地区再開発や上通りA地区再開発のハード事業、商店街のイベント支援など、ハード・ソフト両面からの支援をしてきています。このようなことから、本市の中心商店街は、本年6月に経済産業省が選定しましたがんばる商店街77選にも選ばれています。しかしながら、近年中心商店街におきましては、郊外型大型店の出店もあり、その通行量は減少が続いており、今回の改正まちづくり三法が示していますように、中心市街地活性化基本計画策定が急がれます。  6月議会で基本計画策定経費が補正予算で承認され、現在、策定に向けた作業が進められている段階かと思います。特に民間の積極的な参加を求めております。現在の取り組みの進捗状況、民間人の参加、さらには基本計画には数値目標を設定されますか、お尋ねいたします。  また、今回の基本計画は中心市街地のみの計画となっており、本市の均衡ある発展や、これからの少子高齢化の中、お年寄りが安心して買い物ができる健軍商店街・川尻商店街・子飼商店街等の地域商店街の活性化もあわせて行う必要があると思いますが、今後、本市としてどのように地域商店街の活性化に取り組まれる御所存なのか、あわせてお尋ねいたします。          〔岡本安博経済振興局長 登壇〕 ◎岡本安博 経済振興局長  商店街についての2点のお尋ねのうち、まず1点目の中心市街地活性化基本計画の策定状況についてお答えします。  本年8月22日に施行されました改正中心市街地活性化法におきましては、活性化基本計画を策定し、認定を受けることが国の支援条件となっておりますことから、本市としましても、今年度中の策定、認定に向け準備を進めているところでございます。  その進捗状況でございますが、6月末に関係各課による庁内会議を立ち上げ、対象区域、計画期間、目標とする各種数値の設定等の基本的事項を協議しますとともに、中心市街地で行政が行う事業の洗い出しを行っているところでございます。  また、今回の改正におきましては、民間の積極的参加を強く求めておりますことから、基本計画におきましても、現在、商工会議所で発足準備が進められております中心市街地活性化協議会と連携を図りながら策定してまいりたいと考えております。  次に、2点目の地域商店街についてでありますが、議員御指摘のとおり、本市の均衡ある発展やお年寄りが安心して買い物ができる地域商店街の振興は、中心市街地の活性化と同様に極めて重要なことであると認識いたしております。このため、まずは地域商店街10カ所程度の現状を把握しますとともに、その中からモデル商店街を選定し、活性化プランを策定する予定でございまして、この一連の作業の中で、現在ある補助メニューの見直しを図りながら、その振興を支援してまいりたいと存じます。          〔27番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  少子・高齢化に突入する日本の都市は、コンパクトな都市への質的な転換期にあると思います。この時代に即応し、将来を見通した都市計画を進めてほしいと思います。  次に、教育問題の質問に入ります。  県教委が進める高校再編計画について質問いたします。  この質問については、大石議員から質問があっておりますが、教育現場にいた者として、どうしても議員の皆さんや市長を初め、執行部の皆様に御理解いただきたい、熊本市民の納得する高校再編になることを願って質問いたします。  県教育委員会は、高校再編整備計画案を7月2日に提示いたしました。その概要は、全日制高校の3分の1に当たる21校を対象に、2007年度から段階的に統廃合を進め、現行の8学区を3学区にして通学区域を拡大、地方の拠点校に中高一貫教育を導入、さらに学区外枠を現行6.5%から20%に拡大するというものです。  この素案の背景には、郡部を中心に過疎、少子化の現実があるとはいえ、地方はますます過疎化が進行します。郵政民営化で集配局が次々に統合され、町村合併や農協の撤退、さらに学校までもなくなると過疎化が加速し、ひいては農林水産業の一次産業の破壊につながります。県財政が厳しい状況下での再編計画とはいえ、地域の状況、将来の教育のあり方などの論議なしで、効率一辺倒の施策は、ますます地方を疲弊させます。コストや費用対効果を優先して、地域のあり方や子供たちの未来を考えるとき、公教育のあり方そのものが問われていると言っても過言ではありません。  各地域での説明会の様子が新聞で報道されていますが、「財政効率が本音で教育論議が不足している」、「地域の過疎化が進み、後継者・指導者がいなくなる」、「小規模校ならではの特色ある教育実践を理解していない」など、素案に対しての不安、疑問、反対の意見が多数であったと述べています。阿蘇市議会では、阿蘇清峰高校と阿蘇高校の統廃合に対して、単独存続を求める意見書を採択していますが、同様のことが天草、球磨、八代、山都町、和泉町などほとんどの地域から高校再編計画案に対しての批判が相次いで出されています。  熊本市にとっての最大の関心事は、通学区域の拡大と学区外枠、現行6.5%から20%への拡大です。通学区域の拡大は、現行の熊本市以外の宇土、大矢野、松橋、矢部等が同一学区となりますので、同一学区内の受験生が、現時点で調べてみますと360人以上ふえるということで、また、学区外枠の拡大で多くの熊本市外の生徒が入学することになり、熊本市内の生徒たちの市内の公立高校への入学は難しくなります。その分、熊本市内の受験生がはじき出され、私立高校か郡部の高校へ不本意入学せざるを得ない結果になり、保護者の経済的負担も増大します。不本意入学や経済的負担などによる中途退学者の増加、中学校までの友人が市内校と郡部校に入学し、その後の生活の中で優越感と劣等感が醸成され、友人関係にも亀裂が入り、格差社会をつくる温床となります。  高校入学のための塾通いが熊本市内でも一層加速し、郡部や低年齢からの塾通いも増加、またその一例ですが、午後5時過ぎの豊肥線の武蔵塚、竜田口、水前寺駅などでは、熊本市内から阿蘇方面に帰宅する高校生、逆に阿蘇方面から熊本市に帰宅する高校生、さらに阿蘇大津方面から熊本市に塾通いする中学生とが交差する姿が数多く見受けられ、この状況を見ても、保護者の経済的格差が子供の格差にもつながりかねないと実感しています。  県教委は11月上旬に基本計画を決定する予定を変更し、若干おくれる見込みとの新聞報道がありました。柿塚教育長は、学校や地域の意見をなるべく反映させたいとコメントしていますので、地域説明会等での意見が計画案に反映されることを期待しています。幸山市長が会長を務める県市長会と県幹部との意見交換会でも、「進め方が拙速」、「学校が地域に果たす役割は大である。原案では地域住民が納得しない」など批判的意見が大多数を占めていたとの報道がされています。  熊本市民にとっても、市内公立高校に通学できない子供がこれ以上ふえることは許しがたいことです。永山教育長は、整備協の中で、現段階での全県1区には反対であり、熊本市への一極集中が加速し、熊本市以外の地域の教育力とか、人材確保とか、育成とかをどういうふうにされるかという視点が欠けているのではという趣旨の発言をされています。  昨日の答弁でも、公式に学区拡大と学区外入学枠拡大見直しを表明されたことを私も高く評価いたしております。このことにかかわって、何点かお尋ねします。  県人教の調査によりますと、平成18年度の郡部の生徒の熊本市への流入は1,770名、熊本市から郡部への流出は953名となるという資料を出されています。いわゆる逆流現象による弊害、特に意に沿わない高校への不本意入学と学習意欲の減退や家庭の経済状況悪化による中途退学者が多数います。中途退学の実態、中途退学に追い込まれた生徒の心情をどの程度認識しておられるのか。また、改善するためにはどうすればよいとお考えか。  2つ、今回の素案について、通学区域の拡大と学区外入学枠の拡大についてどのように認識されているか、昨日の教育長答弁と同じようなお考えなのか。さらに、教育基本計画に対するお考えをお伺いします。  また、県知事、県教育長に対して市長の見解、または要望書提出など具体的対応をされるお気持ちはないか。以上、2点について市長にお尋ねいたします。  次に、学力テスト実施についてお尋ねします。  文部科学省は、来年4月に全国一律に国語、算数、数学の学力テストを小学校新6年生、中学校新3年生を対象に実施したいとしています。学力テストについては、過去にも文部省が全国一律に実施し、さまざまな問題が出て中止になった経緯があります。当時の学力テストが学力コンクールの様相となり、調査結果が学校や教員評価、さらに各市町村、県の評価ともなり、首長が率先してテスト成績を上げようと督励したケースの報告があっています。学校では、テストの連続で反復練習をさせ、「テストあって、授業なし」と言われる状況が生み出されたり、教師が成績の振るわない子供たちをテスト日に欠席させたり、マル・バツですので正答を教えるしぐさをしたりと、さまざまな事例があったことが当時の毎日新聞社が出版しました「教育の森」で指摘されています。学力テストにより、全体的傾向と指導上の留意点を知るとの目的のようですが、実態は学校の差別化、点数による競争となり、人格形成を目指すべき教育の目的を逸脱したものとして、学力テストの弊害が世論を動かして中止になりました。  愛知県犬山市では、全国学力テストのマル・バツ式では真の学力ははかれない、犬山市の目標とする学力観に合致するテストなら多いに賛成し、実施するとしていますが、現時点では不参加を表明しています。  現在、熊本市では、児童・生徒の学力を判断する資料として全国標準学力テストを実施し、この資料を教育現場で活用していると聞いていますので、学力テストは必要ないのではないかと思います。学力テストにかかわってお尋ねします。  1つ、熊本市で実施している全国標準学力テストをどのように実施し、その結果はどの程度の水準でしたか。学校現場でどのように活用されていますか。  2つ、学力テストを実施する文部科学省の目的と熊本市が目指す教育の理念や目標との整合性について、どのようにお考えですか。不参加という選択肢はありませんか。  3つ、学力テストを実施するとして、実施時期が新学期となりますが、学校現場の意見は聴取されていますか。現場には混乱はありませんか。実施に当たっての経費、事務処理、資料の公表の程度や活用の仕方について、以上教育長にお尋ねします。  私の懸念でございますが、テスト準備のため予想問題、練習のための授業時間を振りかえたり、放課後に実施するような学校が出ないことを祈っております。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  教育問題につきましてお答えいたします。  まず、本市への一極集中に伴う中途退学についての御質問につきまして、お答えさせていただきます。  毎年7%前後の生徒が熊本市立の中学校から市外の高校へ進学している現状にありますが、その中にはスポーツや文化活動など自分の特技や個性を生かすため、みずから市外の学校を志願なさる方もいらっしゃいまして、市外へ押し出されたという生徒さんがどれほどいらっしゃるのか、実態の把握はなかなか難しいものがございます。しかしながら、それらの生徒さんの中には遠距離の通学に負担を感じたり、あるいは学業に意欲を失い、結果として中途退学される方がいらっしゃることも事実でございます。  いずれにいたしましても、中途退学につきましては、本人だけではなく、期待を寄せて温かく育ててこられました保護者の皆様方にとられましても、大きな挫折感、あるいは失望感をもたらすものであろうと考えております。  対策といたしましては、先生方に対しまして、中学校におけるきめ細かな進路指導をお願いいたしますとともに、県に対しましては、通学区域の設定について格段の配慮をいただくことが必要であろうと考えております。  次に、県立高校再編整備計画素案についての御質問につきましてお答えさせていただきます。  今回の素案におきましては、高校の再編整備計画とともに通学区域の拡大や学区外からの入学枠の拡大につきまして、具体的な提案がなされておりまして、御指摘のとおり市内への集中化や、それに伴います逆流現象、また、地域教育力の低下、さらには地域の活力低下などさまざまな懸念が指摘されているところでございます。  先ほど御紹介のありました、先般行われました県下市長会におきましても、そういった疑問の声が次々と出されている現状もございます。特に本市の子供たちにとりましては、通学区域の拡大や学区外からの受け入れ枠の拡大がもたらす影響が大きなものとなることが予測されますので、慎重な配慮を求めたいと考えております。  また、現在、本市におきましては政令指定都市の実現を視野に入れつつ、都市圏戦略の基本的方向におきまして研究を進めているところでもありまして、本市を中心とした都市圏を構築していく観点からも、高校の再編問題につきましては大きな関心を寄せております。通学区域につきましては、生活圏や行政単位との一体化を図る必要がありますので、近隣自治体との合併に際し、当然市全域が同一の学区に含まれるような見直しをお願いする必要もあると考えております。  今後は、県教育委員会において、県議会の審議や、あるいはパブリックコメントに寄せられた意見を踏まえ、基本計画の策定が進められるとのことでありますので、その経過を注意深く見守りますとともに、機会をとらえまして市内へ急速に生徒が集中しないよう配慮いただきますとともに、市町村合併に応じた通学区域の見直し等につきましても柔軟に対応していただくよう意見を申し上げてまいりたいと考えております。          〔永山博教育長 登壇〕 ◎永山博 教育長  私の方からは、学力テストの実施についてのお尋ねにお答えいたします。  まずは、本市が実施しております全国標準学力検査についてでございますが、本検査は個人や学級の学力の実態を把握するために、小学校2年生から本市すべての小・中学校で実施をいたしております。各学校におきましては、検査結果の分析を行い、個に応じた指導法の工夫や授業の改善等に生かしております。  本市の検査結果を見てみますと、全国標準より高く、良好な水準を維持しているところでございます。          〔議長退席、副議長着席〕  次に、国が予定しております全国学力・学習状況調査についてでございますが、一定以上の教育水準を確保するため、国が教育の成果と課題を検証し、教師の指導法や教育施策の改善に生かしていくことを目的として実施されるものでございます。  調査問題は、学習指導要領に基づく極めて基礎的なものに絞られており、あわせて実施されます質問紙調査では、学習への関心や意欲を初め、家庭学習や読書習慣等についても調査が行われると聞いております。  これは、確かな学力の向上と個性を伸ばす教育の充実という本市の取り組みと合致するものであり、本市におきましても全国調査を実施する方向で考えております。この全国調査は、対象学年が小学6年生と中学3年生という一部の学年に限られておりますので、本市が実施しております全国標準学力検査とあわせて活用することによりまして、本市の子供たちの学力の実態をより多面的に把握できるものと考えております。  なお、採点や集計などの事務処理等は、国の予算で民間機関へ委託することになっております。  また、議員の御指摘にもございますように、実施時期が来年4月24日ということで、学校の行事等との関係から一部心配の声を聞いております。学校現場に混乱を来さないよう、周知のあり方を含め準備を進めてまいりたいと思っております。  調査結果につきましては、国は都道府県単位で公表するとしておりますが、本市における公表のあり方につきましては、学校間の序列化や過度な競争が生じないよう慎重に検討をしてまいりたいと考えております。          〔27番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  今、市長の答弁をお聞きしましたが、教育を大事にする市長が教育長答弁よりも後退したような感じを受けます。決して容認できません。熊本市民の願いは、県教委案に不満で、最低でも現状の状態であってほしいというのが大多数です。教育長答弁より前進した対応はできないのか、再度質問いたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  高校再編計画につきましての再度のお尋ねでございますが、教育長の昨日の答弁から後退したのではないかということでございますが、決してそういうものではございません。学区外入学枠の拡大につきましては、前日教育長が答えましたとおり、私自身も熊本市にとりまして大変大きな影響を及ぼすものと考えておりまして、県に対しましても、強くそのことを申し上げてまいりたいと考えております。          〔27番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  今、市長の再答弁を求めたわけですが、市長の再答弁の中で、教育長のきのうの答弁に対しては、それを超えた形で県教委、さらに県知事の方に申し入れをしたいというような趣旨だろうと思いますので、最低限申しますような学区外枠の拡大、これは非常に大変なことであるという認識に立っておられますので、一定の評価をいたしたいと思います。市長は市民の代表でございますので、市民の声をいつも大事にされるように、今後の対応を注視したいと思います。  高校進学の適齢期の子供を持つ保護者にとって、熊本市内に住みながら市内の公立高校に進めない、しかも親の経済力によって私立に進学させてやることもできないことほど、保護者としてやり切れない気持ちはないと思います。高校再編の根底は財政問題であり、能力ある者を優遇する施策であります。熊本の将来を思うとき、今回の高校再編計画は拙速であり、県民、市民のコンセンサスを得る努力をするべきです。地方は県行政に対してきちんと物を言わなければなりません。市長、教育長の勇気ある行動を期待いたします。  それでは、介護保険制度の見直しと高齢者の健康づくりについてお尋ねいたします。  平成12年4月に発足した介護保険制度も6年目となり、利用者も大幅にふえ、制度が着実に国民に浸透していることは大変喜ばしいことです。反面、介護保険の支払い費用も増大し、医療費とともに将来に向けての制度の維持が大きな課題となるほどに経費がふえていることも事実です。少子高齢化が急速に進み、要介護者がふえるのは当然の帰結であり、将来の見通しの甘さも否定できません。  発足当初から3年ごとの見直しをするとして、平成18年4月から新たな見直しがされました。施設給付の見直しは、平成17年10月から実施されております。介護保険料は若干の激変緩和措置があるとはいえ、大幅な値上げです。介護サービスについては、予防重視型へのシステムの変更、施設給付の見直し、サービスの質の見直しとなっており、全体的に給付の抑制と負担増となっていると言えます。特に地域での24時間体制で支える地域密着型サービスの創設、地域包括支援センターの設置、要介護区分は「要支援1」、「要支援2」が新設され7つの区分となり、介護予防を重視したサービスの創設と地域支援事業など、施設介護から在宅介護重視への転換です。今回の改正にかかわって、何点かお尋ねします。  1つ、特別養護老人ホームや老健施設など、待機者が多数と聞きます。在宅介護重視となりますと、ますます待機者が増加し、入所待ちで死を迎えるという事態も起こります。待機者の現状と今後の取り組みについて、また、各施設の待機者情報提供の現状と対策についてお伺いいたします。
     2つ、小規模居宅介護・夜間対応型訪問介護などのサービス提供施設・地域密着型介護老人福祉施設等は、既存の施設の事業として認可されるのか、新たな施設の認可となるのか、具体的にお示しください。  3つ、昨年10月から居住費・滞在費・食費といったいわゆるホテルコストが保険対象外となりました。やむなく退所したり、未納者が出たりしているとお聞きします。現状をお知らせください。また、未納者に対する施設の対応や負担困難な人に対する救済措置についてお尋ねします。  4つ、今回の介護保険法の改正で、給付的施策から介護予防や健康づくりに重点を置くようになっています。今後、具体的にどのような事業推進をされるのか、特に高齢者の健康づくりについてお尋ねします。  次に、高齢者のうつ病対策についてお尋ねします。  少子高齢化が急速に進展し、核家族化や独居老人などの世帯数が増加する中で、高齢者のうつ病も増加していると聞いております。  仙台市では住民健診などの活用で、取り組み可能と判断し、事業を進めるという新聞報道がありました。私の地域内にもうつ病と思われる独居老人が住んでおられ、興味深く記事を見た次第です。対策事業の柱として、うつ病の早期発見、訪問・相談による支援、普及啓発の推進としています。2008年から40歳以上の健康診断が義務づけられることになりますので、住民健診受診者や地域包括支援センターへの相談者から抑うつ傾向を調べる質問票で一次チェックし、うつの疑いのあると判断された人を看護師が自宅訪問で二次チェックし、それに基づいて精神科医と訪問看護師等で支援策を検討するというもので、実現可能であるとしています。  団塊の世代が一線を退いて家庭生活に入ることとなり、自殺につながるうつ病対策を進めることは、急速に進展する高齢化社会に向けての取り組みとして大切だと考えます。市長の御所見をお伺いします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  私の方から、介護保険制度の見直しと高齢者の健康づくりについての中での高齢者のうつ病対策につきましてお答えさせていただきます。  核家族化の進行によります独居老人世帯の増加、さらには2007年問題でもあります団塊の世代の高齢化など、今後到来いたします超高齢社会への対応が本市の重要な課題であると認識いたしております。そのような社会状況のもとに、高齢者の方々が健康で生き生きと生活されますことは重要なことでございまして、議員御提案の高齢者のうつ病につきましても、疾病対策だけではなく、その予防策も十分に検討する必要があると感じております。  現在、保健福祉センター等におきましては、市民の方を対象にうつ病に関するパンフレットの配布でありますとか、「こころの健康教室」、「うつ病に関する講演会」の開催を通じて心の健康づくりに関する知識の普及啓発を進めますほか、御本人や御家族に対しまして、精神科医による心の健康相談や保健師等による精神保健相談・訪問もあわせて実施をしているところでございます。  さらに、本年度から基本健康診査時に65歳以上の方を対象といたしまして、日常生活の充実感や満足度等を把握する問診を新たに追加いたしまして、うつの予防支援が必要な高齢者の方々に対しては、介護予防事業等へつなげることができるようになったところでございまして、今後とも高齢者の健康づくりに努めてまいりたいと考えております。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  私の方からは、介護保険に関する4点の質問にお答えを申し上げます。  まず、1点目の入所待機者の現状と対策についてでございますが、平成17年度末の調査におきましては、特別養護老人ホームの入所待機者は3,865人となっております。この中には、他の介護施設に入所中の方や在宅生活が可能な方が含まれておりまして、特に入所の必要性が高い要介護度3以上の在宅の方は393人でございます。  施設への入所は、県策定の取り扱い指針に基づきまして、申し込み順ではなく必要性の高い方から優先的に行われているところであります。また、施設への入所が措置から契約となったことによりまして、待機者情報を一括して提供することは困難でありますが、それぞれの施設で個別の問い合わせに応じ、適切に情報提供が行われるように指導しているところでございます。  待機者対策につきましては、入所までの間は適切なケアプランによりまして、可能な限りの在宅介護サービスを提供することといたしておりますが、さらに在宅支援体制を充実するために、新たに設けられました小規模多機能型居宅介護を初め、地域密着型サービスなどの整備を進めているところでございます。また、地域密着型介護老人福祉施設を計画に基づきまして、平成20年度末までに2カ所整備することによりまして、待機者の解消に努めてまいりたいと考えております。  2点目の地域密着型サービスの認可につきましては、市において、新たな事業所として指定することになり、指導・監査なども行うこととしております。  次に、3点目の利用者負担についてお答えを申し上げます。  市内の特別養護老人ホームにつきまして、昨年10月から8月末までに退所された方の理由を調査いたしましたところ、個室等の経済的負担ができないために退所された方が数名おられましたが、いずれもグループホーム等の他の施設で介護サービスを受けておられます。  未納者の実態につきましては、それぞれ施設との個別の契約でございますので、把握は困難であります。しかしながら、費用負担が困難な方に対しましては、新しく設けられた補足給付や高額介護サービス費、社会福祉法人によります軽減制度について、入所者全員にお知らせをしたところでございまして、今後とも個別に相談を受け、施設への周知を図ってまいりたいと考えております。  4点目の介護予防につきましては、今回の制度改正によりまして創設されました地域支援事業の運動器の機能向上事業、栄養改善事業、口腔機能の向上事業を10月から実施する予定で準備を進めているところでございます。また、高齢者の健康づくりにつきましては、介護予防支援施設はもとより、本市の持つさまざまな施設を活用し、積極的に推進してまいりたいと考えております。          〔27番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  介護保険制度は本当に定着いたしております。これがなかったら、本当に日本の社会はどうなるだろうかというふうに地域の実態を見ながら感じておるわけでございます。時代のニーズに合った介護のあり方をあくまでも追求して、よりよい介護保険制度へ発展するように努力していただきたいと思います。  高齢者のうつ病対策は、私も高齢者でございますので、自分の問題と同じように身近に感じるわけでございますが、具体的な方策は難しいと、今まで手つかずでした。40歳以上の住民健診が義務づけられましたので、資料がそろいますから、その資料を活用して、うつ病対策にぜひ先鞭をつけてほしいと思います。毎年3万人以上の自殺者が出ています。自殺とうつ病とは関連ありという報告もありますので、ぜひ取り組みの強化をお願いいたします。  それでは、環境問題についてお尋ねします。  地球温暖化対策と大気汚染対策について質問いたします。  環境問題は、公害型の環境汚染問題から、産廃の大規模不法投棄問題、リサイクル推進とごみ減量化の問題へと時代ごとに変遷してまいりました。現在重要な問題として、地球温暖化対策は国際的な課題として取り上げられ、推進されています。  平成17年2月に京都議定書が発効しました。世界各地で異常気象が発生し、人間生活にも大きく影響が出て、将来の地球環境悪化が心配されています。日本を初め各国は温室効果ガス排出量の削減を約束し、その数値目標を守ることが法的な義務となり、日本は、2008年から2012年間に1990年レベルから6%削減するという目標を達成すると公約しています。しかし、現状は1990年レベルと比べて7.4%増加しており、現時点で京都議定書の目標より13.4%超過しております。  熊本市の温室効果ガスの排出量は1990年を基準として、2003年度では6.6%の増加の状態にあります。現在は企業の温室効果ガス排出量は少なく、家庭、業務、運輸といった日常生活にかかわる部門が約8割を占めていることからして、市民が毎日の生活を変える努力をし、行動することこそが大きな課題であり、また、市民の認識をその方向に向けるふだんの啓発と継続性が大切です。  平成17年度に見直した第2次熊本市環境総合計画の中で、温室効果ガス排出量の平成2年度比で6%削減目標を掲げておられますが、その達成に向けた基本的な取り組みの方向性についてお尋ねします。  温暖化問題は別の言葉でいえばエネルギー使用量の削減とも言えます。これまでエネルギー消費を増やし、資源を大量消費することが当然としてきた意識を改めることこそが大切です。エネルギー節減についてですが、熊本市は行政の率先活動として平成13年度に市役所グリーン計画を実施し、平成14年度には本庁及び周辺庁舎でISO14001の認証を取得して、環境負荷の低減を図る努力をされていますが、削減効果はどの程度か、出先機関も含め、市施設全体のエネルギー削減量と、それを二酸化炭素排出量に換算してどのくらいになるのかお伺いします。  また、具体的に削減効果を広く公表し、市民への啓発の資料としてほしいと思います。市民への啓発活動や具体的な行動などの取り組みの現状についても、あわせてお尋ねします。  次に、省エネ対策としてクリーンエネルギーの導入促進、ビルの屋上緑化、低公害車の普及促進と車の排ガス対策、ノーマイカーデーによる省エネ促進などが考えられますが、特に自動車使用を自粛して、公共交通機関の利用や家庭などの節電は省エネに果たす役割は大きく、市民一丸となっての取り組みも強力に進めることが大切であると考えます。また、化石燃料の代替エネルギーの活用も温室効果ガス削減に有効です。将来的には、燃料電池による自動車など各分野での技術革新が進んでいますが、新エネルギーの活用は重要な課題です。EUでは、太陽エネルギーの利用、風力発電・地熱発電など積極的に進め、化石燃料からの依存の脱却を政策的に進めていますが、日本ではコスト面などの理由により、導入がおくれています。  熊本市では、地域新エネルギービジョンを策定し、その中で太陽エネルギーの活用が有効であるとして、太陽熱温水器購入助成をしていますが、太陽光発電や他の新エネルギーの利用について御所見をお伺いします。  次に、大気汚染対策についてお尋ねします。  6月に高濃度の光化学オキシダントが観測され、大気汚染は予断を許さないものがあります。現在は工場等の排出規制が徹底し、汚染物質は抑制されていますが、従来に増して、自動車による排気ガスが環境汚染の大きな要素となっています。  熊本市では、現在7カ所の大気測定局が設置され、常時大気汚染の監視をしています。熊本市の現状はどうなのでしょうか。測定局7カ所で熊本市の大気の状況が十分把握できているのでしょうか。市民への情報提供はどうされていますか。現状と課題についてお尋ねします。  清水地区は国道3号線の上り坂の下部にあり、自動車の排気ガスが一帯に滞留し、大気汚染が進んでいるとの地元からの指摘があります。この地域の大気汚染の現状について、あわせてお尋ねします。  次に、ごみ減量化対策についてお尋ねします。  3月議会でごみ有料化に関する条例案が否決され、本年度の事業推進に少なからず影響があったのではと思います。ごみ有料化の目的は、市の財政に貢献するために実施するのではなく、ごみ減量とリサイクル推進を図るための一つの方法として、ごみ有料化は有効な方策の一つであるとして条例案が提出されたと認識しています。1人1日当たりのごみ排出量は、現在、1,307グラムであるものを平成22年度までに1,088グラムに抑制するという目標に向けた不断の努力を継続的に実施しなければなりません。ごみ減量化とリサイクル推進についてお尋ねします。  1つ、ごみ有料化の条例案が否決されたことにより、排出量抑制・リサイクル推進計画に変更が生じていますか。  2つ、ごみ減量化とリサイクル推進に向けての市民への啓発は大事ですが、現状とごみ有料化条例の再提案の有無を含めて、今後の取り組みについて。  3つ、容器包装リサイクル法の見直しが進められているとお聞きしますが、改正の要点と今後の取り組みについて。  以上、環境保全局長にお尋ねします。          〔小牧幸治環境保全局長 登壇〕 ◎小牧幸治 環境保全局長  環境問題につきまして、5つの御質問にお答えいたします。  1点目の第2次熊本市環境総合計画における温室効果ガス排出量6%削減に向けた基本的取り組みといたしましては、1つには、国が推進しておりますトップランナー方式により開発されました温室効果ガス削減に効果の高い製品の普及促進、また、市民、事業者、行政の協働によります省エネルギーへの取り組みの推進、そして、地域特性に応じた太陽エネルギーなどの新エネルギー導入の向上、以上3つの柱を位置づけまして、これらにより温室効果ガス排出量の削減に取り組むことといたしております。  2点目のエネルギーの節減に向けましたISO14001の成果と啓発に関する御質問でございますが、現在、本庁及びその周辺庁舎を対象にいたしましたISO14001による環境負荷低減へ向けた取り組み、及び全庁的な取り組みであります第2次熊本市役所グリーン計画におけるエコオフィス活動におきまして、出先機関を含め目標値を設定し、各部署それぞれの省エネルギーに取り組んでいるところでございます。  このエコオフィス活動におきましては、昼休みの消灯、空調設定温度の適正化、廃棄物の分別化などに取り組んでおりますが、平成13年度から平成17年度のエネルギーの使用量は94万4,918ギガジュールから91万1,760ギガジュールへと3万3,158ギガジュールの削減となり、これをガソリンに換算いたしますと、2,730万リットルから2,635万リットルへと95万リットル分の削減、また、二酸化炭素に換算いたしますと2,340トンの削減となっております。また、市民の皆様への啓発活動といたしましては、年度ごとに環境保全年次報告書を作成し、ホームページ等を活用しまして公表いたしているところでございます。  次に、3点目の新エネルギーの活用に関します御質問でございますが、議員御案内のとおり、現在、本市では地域特性を生かした家庭向け太陽熱温水器の設置費用に対する補助を実施、また、公共施設への率先導入といたしまして、太陽光発電システムを西部市民センターなど7カ所に導入いたしているところでございます。また、現在建設中の必由館高等学校、さらには平成20年春を目指し建設計画を進めております(仮称)総合保健福祉センターへも導入を予定しているところでございまして、今後も市民の皆様の意識啓発に努めながら、新エネルギーの一層の普及を図りたいと考えております。  4点目の大気汚染対策に関する御質問でございますが、本市では、現在7カ所の大気測定局におきまして二酸化窒素など5項目について常時監視を行っておりますが、その中で浮遊粒子状物質と光化学オキシダントにつきましては、環境基準未達成の測定局があるものの、本市全体としての環境基準達成率は、平成14年度の59.1%から平成17年度は73.1%と改善が見られております。また、本市におきます大気測定局の配置につきましては、平成15年度に市北東部に楡木局を新設し、7局にふやしたところでございまして、本市の大気汚染の状況につきましてはおおむね把握できているものと考えております。  さらに、市民への情報提供につきましては、年度ごとに環境調査等報告書として取りまとめ、市ホームページ等におきまして公表するなど、情報提供に努めているところでございます。  清水地区におきます大気汚染現状でございますが、亀井水源地におきまして自動車排ガスの二酸化窒素による汚染の状況を把握する簡易測定を実施いたしまして、その調査結果では、環境基準を下回っている状況でございます。今後は、清水地区における国道3号線沿いの地点でも測定を行いまして、詳細な把握に努めてまいりたいと考えております。  最後に、5点目のごみ減量対策につきましてお答えをいたします。  ごみ減量・リサイクル推進基本計画に掲げております平成22年度のごみ排出量の目標値等につきましては、ごみの有料化を含みますさまざまな取り組みの総合的な実施によりまして、達成を目指していたものでございます。  議員御案内のとおり、本市ではこれまでのごみ減量とリサイクルの推進を図るためのさまざまな方策を進めながら、家庭ごみ有料化の導入をあわせて検討してまいりました。条例案の否決を受けまして、基本計画に掲げる目標値の達成は厳しい状況ではございますが、残された期間に与えられた環境の中で目標値の達成に向けた最大限の努力を行うことが必要であると考えております。  したがいまして、現時点におきまして、ごみ減量・リサイクル推進基本計画の取り組み内容につきましては、目標値等の変更は行っていない状況でございます。  次に、2点目の今後の取り組みに関する御質問でございますが、ごみの減量やリサイクルの推進に向け最も重要なことは、市民一人一人の意識改革と実践であると考えております。そのため、与えられた環境の中で徹底した啓発活動を行い、全力を上げてごみ減量化に取り組んでまいりたいと考え、以下の3点に重点的に取り組んでいるところでございます。  1点目は、市民の皆様と直接顔を合わせて、ごみ減量の具体的な取り組みを説明する説明会の実施をいたしております。4月以降、これまでに自治会や事業者などを対象に約300回を実施いたしまして、1万名の皆様方に御説明をしてきたところでございますが、今後は地域におけるごみ問題の取り組みのかなめとなります減量美化推進に対する講習会を広く一般にも参加を呼びかけまして、「ごみゼロ大学」と称しまして9月末から市内16カ所で実施することといたしております。  次に、啓発の取り組みの2点目でございますが、市政だより等を活用した広報といたしまして、当該月までの市民1人1日当たりの家庭ごみ排出量の速報値を掲載いたしまして、基本計画の目標値であります504グラムの達成向けまして、最新の情報を市民の皆様へ提供し、より一層のごみ減量を呼びかけているところでございます。  また、若者や主婦などが講読いたします地元情報誌や、市内の約9割の世帯に無料で配布されております情報誌等への広告の掲載等によりまして、さまざまな層の市民の皆様の目にとまるような機会をふやしてまいりたいと考えております。  次に、啓発の取り組みの3点目といたしまして、ごみステーションへの啓発チラシの貼付と、ごみ収集車の車体を活用いたしました方法を行うことといたしております。啓発チラシの貼付につきましては、ごみを出す多くの機会を通じまして市民に訴え、これによりまして日々の市民の行動につながることを期待いたしまして実施するものでございます。  次に、ごみ減量に関しまして3点目の御質問でございます。本年6月に改正されました容器包装リサイクル法の要点と本市の今後の取り組みについてお答えいたします。  本市の取り組みと関係する主な改正点といたしましては、「拠出金制度の創設」と「事業者によるレジ袋等の使用量削減の推進」の2点であります。  1点目は、市町村の品質向上への取り組み度合いに応じて、リサイクルにかかる費用を還元する制度でございますが、一方で、市町村が行う選別後の品質につきましては、市民の排出段階でいかにルールが守られているかが重要であるため、市民の意識改革と実践が進むよう、より一層地域説明会や広報活動を実施したいと考えております。  2点目の事業者によりますレジ袋等の使用量削減の推進につきましては、本市でもこれまでにもマイバッグ運動やノーレジ袋デー等の市民団体等の取り組みを支援してきているところでございますが、これまで以上に市民・事業者の取り組みが進みますよう啓発に努めてまいりたいと考えております。          〔27番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  地球温暖化防止は人類の存亡にかかわる大問題です。太平洋のある島では、島全体が埋没するという危機にあるとテレビでの報道もありました。温暖化防止につながることは何でも実行するという危機感で、継続的に確実に事業を推進してください。ごみ問題は局長が述べられましたように、市民に対する啓発と意識改革です。あらゆる機会を通じてごみ減量・リサイクル推進に向けて精力的に取り組まれるよう要望いたします。  それでは、市役所の施策について何点かお尋ねします。  電子市役所構想の現状と課題について質問いたします。  平成13年、国は「e−Japan」計画を策定し、ITの活用と整備の方向が示され、各自治体も電子自治体構築に向けての取り組みが始まり、具体的計画が策定され今日に至っています。  熊本市は、平成9年に平成18年度を目標とした情報基本計画を、平成15年度に第2次情報化実施計画を策定し、47の施策を計画、現在32の施策に着手していると聞いています。電子申請受付システム、図書館インターネット活用事業、戸籍情報システム、文書管理や職員情報システム、住民基本台帳ネットシステム等が開発・稼働しているようです。  目標年次は平成18年度でありますが、目標の達成率、要した経費、庁内の業務効率化とその費用対効果、具体的な市民サービスの向上の施策、特に住基カードの取得状況と課題、財務会計管理システムの現状、電子入札導入の現状と課題について、さらに平成19年度以降の取り組みについてお尋ねいたします。  次に、市役所の施策の2番目でございますが、建築物の安全性と耐震化対策についてお尋ねいたします。  姉歯建築士等による構造計算書偽装問題により、建築確認審査制度自体に対する信頼性が損なわれ、マンションに住む市民を初め、民間建築物についても耐震化についての不安が広がっています。また、東横インホテルに見られる無断改造問題まで起きると、モラルの低下、社会規範の欠如に市民は何を信頼してよいのか戸惑うばかりであり、今こそ行政としてきちんとした対応が求められています。そのためには、再発防止のための厳格な中間検査及び義務化、検査段階ごとの別機関での検査制度の導入、民間の確認検査機関に対する監督の強化、的確な構造設計審査とマニュアルの整備、違反に対する罰則のあり方、建築主への保険加入の義務化、建築資格の更新など、再発防止に向けた対応に取り組むことが大切であると専門家は指摘しています。  今回の問題を受けて、再発防止のため熊本市が取り組んでいる課題、特に偽装を見抜く体制の強化としての中間検査の実施の強化と職員配置について、現状と課題についてお尋ねします。  次に、建築物の耐震化対策について質問をいたします。  福岡県の西方沖地震を初め、世界各地で発生する地震では多くの人的被害、経済的被害をもたらし、地震の怖さを認識させられます。被害を最小限に食いとめるために、各自治体は地域に合った防災計画を策定していますが、その施策には温度差も感じます。  3月の定例会で学校施設の耐震対策について質問いたしましたが、校舎、体育館等の耐震調査・診断を実施した後に耐震化の計画に取り組みたいと、そのスケジュールも含めての答弁があっておりますので、速やかに実施を要望し、学校施設以外の公共物についても学校同様の取り組みをお願いいたします。  民間建築物の耐震化の取り組みについてお尋ねします。  民間建築物については、基本的には、市民や企業がみずからの問題として取り組むことが大切ですが、こうした市民の取り組みに対して、行政としての指導・支援も必要ではないかと思います。市民に身近な生活の施設として欠かせない病院、福祉施設、スーパー、マンション等の共同住宅、木造一戸建て住宅等に対する耐震診断、耐震改修等の指導と啓発、支援策などの現状と今後の対策についてお尋ねします。  平成18年1月に「建築物の耐震改修の促進に関する法律」が改正施行され、市町村においては、公共及び民間建築を含めた耐震改修等の目標や推進すべき施策等を定め、耐震計画の策定が努力義務として位置づけられました。この法律によりますと、建築物の所有者に対する耐震化の目標及び指導、避難者等の確保すべき道路、耐震化の支援制度、啓発と相談体制等が示されていますが、この法律に基づいた耐震改修促進のための計画策定をどのように進められるのかお伺いいたします。  3つ目、AEDの設置と普及についてお尋ねします。  突然の心臓停止に対応する救命処置として一般にもAED(自動体外式除細動器)の使用が認められるようになり、AEDを使用した救命事例も数多く報告され、その普及を行政及び民間においても積極的に進められております。  熊本市においても、市役所本庁、熊本城、総合体育館などのスポーツ施設に12台配置されていると聞きます。民間施設でも大学、スポーツクラブ、ショッピングセンターなど人の多く集まる施設に徐々に設置が進んでおります。1つの事例ですが、民間スポーツクラブの屋内プールを水中歩行中の女性が急に心肺停止状態になり、施設内に設置していたAEDを使用して除細動を実施し、女性が意識を回復した事例の報告がありますが、この施設にAEDが設置されていて、職員がAEDの使用に習熟していたことが救命につながったと言えます。  一般市民がAEDの認識と関心と理解を深め、広く社会に普及する取り組みが必要です。今後の設置計画及び取り扱いの研修についてどのようにされているのか、現状についてお尋ねします。  市立の2高校や中学校及び市民センター、保健福祉センター等については早急に設置してほしいと思っています。自主防災クラブや学校等での救急法の訓練とともに、AEDの講習を実施してほしいと思います。市民への啓発と講習の進め方について、健康福祉局長、教育長にお尋ねします。          〔今長岳志企画財政局長 登壇〕 ◎今長岳志 企画財政局長  私からは、電子市役所構想の現状と課題についてお答えいたします。  本市では電子自治体の実現に向け、これまで約23億円の経費をかけ、第2次情報化実施計画の約7割、32のシステムの導入等を図ってきたところでございます。これらの取り組みにより、例えば図書館インターネット活用事業において、昨年度の図書貸し出し予約の46%がインターネットで行われたり、市電・市バス情報提供システムで、本年度のアクセス件数が月平均44万件を超えるなど、市民・事業者への情報提供、申請手続の簡素化、効率化など市民の利便性向上に大きく寄与しております。  また、職員情報システムでは、人事部門と各課との各種報告や届け出等をオンライン化することにより、給与関連データ入力経費の削減、各課庶務担当者の服務・手当等の集計、報告事務量の削減や事務の迅速化・正確化が図られるなど、内部的にも大きな効果を上げていると考えております。  次に、住民基本台帳カードについての御質問でございますが、本年8月末時点の本市における交付枚数は約4,300枚で、その普及が全国的な課題となっております。今後、国の方針や他都市の状況等も把握しながら、住民基本台帳カードの多目的利用など今後の普及に向けた方策等について検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、財務情報システムの現状ですが、このシステムの利用件数は年間約40万件に達しており、予算編成、決算業務において財務担当者の事務量の削減や事務の迅速化・正確化が図られるなどの効果があらわれております。  次に、電子入札システムの現状ですが、平成17年度より運用を開始し、当該年度には37件の入札が実施されております。今後の検討課題としては、電子入札の対象拡大に伴う中小企業等への普及・啓発、現在、県と行っている共同利用システムの参加自治体の拡大などが挙げられるところでございます。  最後に、お尋ねの平成19年度以降の取り組みにつきましては、本年度、次期情報化計画の策定を進めているところであり、具体的な施策については検討中でございますが、基本的な考え方としましては、これまでの取り組みをさらに進め、市民、事業者等のニーズを十分反映しながら、地域社会、産業の活性化など地域全体の情報化を視野に入れた情報化施策を展開していきたいと考えております。          〔松本富士男都市整備局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市整備局長  私からは、建築物の安全性と耐震化対策についてのお尋ねにお答えいたします。  まずは、建築物の安全性に対する取り組みについてでございますが、今般の耐震偽装問題を踏まえ、再発防止に向けた対策といたしまして、議員御指摘の厳格な検査制度、民間の確認検査機関に対する監督の強化、違反に対する罰則の強化などにつきましては、現在、国において建築基準法、その他関係法令の改正が予定されております。  本市におきましても、本年度、構造班の新設及び計算ソフトの導入、あわせて建築行政職員の増員を行い、中間検査につきましても、本年8月より開始したところでございます。今後とも法改正に速やかに対応いたしますとともに、厳格な建築行政を進めてまいりたいと考えております。
     次に、建築物の耐震改修促進計画の策定についてお答えいたします。  耐震改修促進計画につきましては、本年度、熊本県において計画の策定が進められているところでございます。本市におきましては、関係各課による「耐震改修促進計画研究プロジェクト」を設置し、県との協議や情報収集を初め、本市の耐震化の現状と課題、耐震化率の目標設定や民間への支援制度などについて調査研究を行っております。  今後、県計画との整合を図り、平成19年度中の計画策定に向け取り組んでまいりたいと考えております。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  私の方から、AEDの市の施設への設置計画と職員への取り扱いの研修についてお答え申し上げます。  まず、AEDは救命の効果が高いことから、できるだけ市の施設への設置が必要であると認識しておりまして、現時点では計画は策定しておりませんが、市民の利用が多い市の施設に対し、設置の必要性について説明を行ったところであり、今後とも関係部局との協議を行ってまいりたいと存じます。  次に、職員の研修につきましては、AEDを設置している施設の職員はもとより、庁議やこれまで行っておりました救急蘇生講習会の中で実施しておりまして、今後とも関係部局とともに、さらなる研修に努めてまいりたいと考えております。          〔永山博教育長 登壇〕 ◎永山博 教育長  私の方からは、学校施設への設置及び研修についてお答えいたします。  まず、AEDの取り扱いについての研修でございますが、教育委員会では毎年、安全担当者会及び養護教諭研修会におきまして、心肺蘇生法の訓練とあわせて、AEDの取り扱いについて実技講習を行っております。今後とも消防局と連携し、多くの学校職員が体験できるよう計画的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、AEDの設置についてでございますが、議員がお述べになられましたように、緊急事態への備えとしてAEDの設置につきましては、大変重要であるという認識をいたしております。  現在、市立高校2校につきましては既に設置いたしております。また、中学校につきましては、今後の計画も含めまして検討してまいりたいと考えております。          〔27番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  市役所の施策について、さらに2点質問したいと思います。  乳幼児の医療費助成について、これは大事なことだと思って質問の第一に据えておったわけでございますが、2人の議員の方から、この問題については先に質問が出ておりますので、私としましては、この問題は割愛させていただきますが、ただ要望いたしたいのは、平成19年度から医療費助成をやりたいということでございますが、それでは19年の4月なのか10月なのか、翌年になるのかということがわかりませんので、常識的に平成19年度から実施ということは、4月からだろうと私は認識しておりますので、ぜひとも4月に実施されますように御検討をお願いいたしまして、この問題については要望に切りかえたいと思います。  次に、下水道料金の未払いの実態とその対応について質問いたします。  無届けで井戸水を使って、下水道管に流すという家庭や企業があると聞き、その実態についてお尋ねします。  熊本市の下水道料金徴収は、上水道の使用量によって決定される仕組みとなっています。井戸水だけを使い、上水道を使用しない家庭や企業、井戸水と上水道を併用している場合など、使用した水を流すのに下水道管を使用すれば、当然下水道料金を支払うべきです。上水道と井戸水を併用し、日常生活の大部分は井戸水を使用しているのに、井戸水使用の届けをしなければ適正な下水道料金を支払っていないことになります。下水道の布設費用と維持管理費に膨大な予算を使っているだけに、これらの家庭や企業を放置しておくことはできません。企業では、ホテル、浴場、洗車場などは水道と井戸水の両方を使用するケースが多く、また、湧水量の多い地域の家庭や企業では併用があると聞きます。地下水減少が懸念されているときだけに、適正な水道水の利用のためにも市民に理解を求め、適正な利用をするように啓発することが大切です。  さまざまなケースがありますが、未登録及び併用の家庭・企業をきちんと把握しておられますか、実態はどのようになっているのでしょうか。また、井戸水登録者の下水道使用料の収納状況と未収金額はどの程度ですか。また、滞納者に対してどのような対策をとられていますか。  次に、下水道管が布設されている地域で、まだ本管に接続されていない家庭や企業はどのくらいありますか。下水道管布設に当たって、地域に十分な説明がなされ、理解の上で布設されると思います。未接続の家庭や企業の実態及びその対応についてお伺いします。          〔松本富士男都市整備局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市整備局長  下水道に関します数点の御質問についてお答えいたします。  水道水と井戸水を併用している家庭や企業の無届け対策として、平成13年度から平成14年度にかけまして、財団法人下水道技術センターと共同で現地調査を行い、無届け接続世帯に対し賦課、徴収を行うよう改善したところでございます。その後も引き続き戸別訪問を実施いたしますとともに、排水設備指定工事店へ開始届け出を徹底するよう指導いたしております。  今後、水道水のデータと井戸水のデータを地図情報に反映させ、水使用の実態を把握し、届け出の指導を強化した上で、無届けの解消を図ってまいりたいと考えております。  また、併用の実態といたしましては、井戸水の使用者のうち約6割が併用で、内訳として家庭用2,900件、事業用400件、合わせて約3,300件であります。  次に、井戸水の使用料収納状況と未収金額についてでございますが、平成17年度の収納率は99.4%で、未収金額は約1,100万円であります。滞納対策といたしまして、毎月督促状を発送しているほか、四半期ごとに催告状を発送し、納付の催促を行いますとともに、夜間電話催促を実施し滞納解消を図っております。  最後に、下水道が供用開始されているにもかかわらず、いまだ下水道に接続されていない未接続の件数についてでございますが、平成17年度末の水洗化率が95.7%で、残り4.3%、件数にいたしまして約9,500件が未接続と推計されます。未接続につきましては、市ホームページでの接続案内とともに、毎年約4,000件につきまして、戸別訪問による接続指導を実施し、未接続の解消を図っております。          〔27番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  市政の5つのことについて取り上げたわけですが、速やかに実施されることをお願いしたいと思います。  建築物の安全性が問われております。国民に不信を招いています。改善すべき点は改善して、市民の信頼にこたえるようにしてください。  民間の耐震化については法律が改正、施行されました。法律の趣旨にのっとって、積極的に施策を進められるよう要望いたします。  AEDについては、人命救助の視点に立って、中学校にもぜひ来年度には設置されますようお願いいたします。  また、下水道管使用につきましては、やはり市民に不公平感を与えてはいけません。きちんとした対応をよろしくお願いいたします。  それでは、保育所問題について質問いたします。  保育所の民間委託の現状と保育サービスの向上についてお尋ねします。  熊本市は、行財政計画に基づいて市立保育園の見直しを図るため、平成20年度までに2カ園の民営化の方針を固め、平成19年度に寺原保育園、平成20年度に水前寺保育園を民営化することとし、それぞれ引受法人を決定し、保護者、引受法人への説明会もなされ、引受法人への移管準備が進行しています。寺原保育園では民営化に反対する意向もあったようで、民営化に当たってお尋ねします。  1つ、寺原保育園の民間委託への移管状況、保護者の要望と市の対応、克服すべき課題について。  2つ、民間委託後の職員の処遇、人件費を含めての節減効果額、委託後の園の運営の監査と委託契約の解消は可能か。  3つ、公立保育所は民間保育所への指導的役割を果たし、モデル事業などの研究機関の役割など、保育水準維持に貢献すべきだと思いますが、公立保育園の役割はどうあるべきかお伺いいたします。  ここ数年、待機児童のことが全国的に話題となり、定員増や保育所の増設、分園の設置、企業内保育所の設置などの施策が講じられ、一時ほど待機児童についての話題が少なくなったとはいえ、解消されたわけではありません。熊本市の待機児童の現状と、どのような対策をとられているかお尋ねします。  今後の保育所の整備計画についてですが、待機児童、保留児童、潜在的な保育所入所希望等の保育需要調査をされていると思いますが、今後の整備計画をお示しください。  次に、ライフスタイルの変化により保育所も実態に沿うような対応を問われるようになりました。延長保育、休日保育、一時保育、重度障害児等の受け入れなど公、私立保育所ともに努力しておられますが、無裁量に事業を推進することはできません。これらのサービス実施の現状と実施するに当たっての施設改善や職員配置等の公的な助成や支援策をお尋ねします。  地域内の民生委員の方から相談を受けたのですが、5人目の子供の誕生に当たり、出産期に4人の子供を保育所に預ける相談をしたところ、自宅から離れた別々の2カ所の保育所を紹介され、これでは保育所に入所させられないという相談でした。早速再度実情を調査し、対応されていますが、このようなケースで、1カ所の保育所に預ける措置はできないか。多子出産の場合、定員を満たしている保育所への入所基準緩和はできないかお伺いします。  保育料の未納についてですが、どの程度の未納額、未納率、滞納者に対する取り組み状況について、以上、健康福祉局長にお尋ねします。  認定こども園について質問いたすようにしておりましたが、日和田議員の質問があっておりますので、認定こども園に対する認識を深めていただくために、その概要、問題点を紹介いたしまして、市としての最善策をとられるよう要望にかえたいと思います。  「就学前の子供に関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律」が、平成18年6月15日公布、10月1日から施行されることになりました。幼稚園、保育所の両方の機能を備える施設で、認定こども園と総称されています。今回の制度による総合施設が検討された背景には、少子化の進行により子供数が減り、小規模化した施設を総合施設として受け入れの場にできる。2つ、保育所の定数を満たしているが、幼稚園に空きスペースがある場合に、これを活用して待機児童の解消が進められる。例えば第二子を出産し、就業を中断するという保育に欠ける状態でなくなり、第一子が保育所を退所せざるを得ない場合、総合施設は可能となる。子育ての保護者からの需要にこたえられるということになります。このように待機児童の解消が少しでも進められるということです。それから3番目、総合施設では地域の子育て支援を必須の機能と位置づけており、家庭で子育てをしている保護者に対する支援を充実させることができるとしています。  今回の制度では、保護者の働き方の態様にかかわらず、教育・保育を一体的に提供し、地域における子育て相談や親子の集いの場の提供などの地域における子育てを支援する機能を備える場合に、都道府県から認定こども園として認定される仕組みとなっています。現在の幼稚園、保育所を基礎としながら、認定こども園という制度ができるということになります。この認定こども園の認定基準については、都道府県が国の定める指針を参酌して、都道府県が定めることとされています。現在、県においても運用開始に向け、認定基準等を審議する認定こども園に関する検討会の初会合が開催されました。  認定こども園の指針で示された基準には、国の規制緩和の流れを受け、幾つか留意すべき事項があると思われます。例えば職員配置基準や給食の外部搬入を条件つきとはいえ、認めている点なども挙げられます。子育て支援を条件としながらも、予算的には配置基準がないことなども課題です。また、直接入所方式であり、利用料の自由設定となっていますが、保育に欠ける子も入所する施設であり、行政としてきちんとかかわるべき課題も多数あります。  1番に考えるべきは、入所する子供の保育に支障を来さないことであり、子供の最善の利益を基本に認定基準をつくり上げるべきことです。そのために、県の認定基準は重要な意味を持つものであり、県に対しても、基準の緩和による教育・保育の質の低下につながらないよう市として意見していくよう、ここでは要望いたしておきます。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  保育所問題について8点の質問に順次お答え申し上げます。  まず、1点目の寺原保育園の民営化につきましては、現在、引受法人の職員と市の職員が合同で保育を行い、運営全般の引き継ぎを行っているところでございます。今回、民営化に当たりまして保育士が一度に全員交代することが、保護者の皆様方にとって不安であるという御意見を踏まえまして、市の職員4名と引受法人の職員3名が合同で保育を行い、1年間をかけて引き継ぐことで、子供たちの負担と保護者の不安が最小になりますよう対応しているところでありまして、今後とも保護者の御意見に対しましては、できる限り対応してまいりたいと考えております。  次に、2点目の民営化の効果とその後の体制についてお答え申し上げます。  寺原保育園に勤務しています職員の処遇につきましては、民営化後は他の保育園、地域子育て支援センター、児童デイサービスの担当職員として配置転換し、子育て支援施策の充実を図ることといたしております。また、経費削減効果を試算いたしますと、約2,100万円となります。民営化後の監査につきましては、他の認可保育所と同様、本市の監査を受けることになり、また、移管後の遵守状況を継続的に把握して、現在と同様の保育水準を確保してまいりたいと考えております。  次の契約解除についてのお尋ねでございますが、民営化に当たって締結します土地・建物に関する契約におきまして、契約の解除についての条項を盛り込むことを検討しております。  3点目の公立保育所の役割についてお答え申し上げます。  これまで公立保育所は多様な保育ニーズにこたえますとともに、地域に開かれた保育所として子育て支援に率先して取り組んできたところでございます。公立保育所の有する保育や子育てに関する専門的な知識や経験は、本市の子育て支援の施策を充実していくための重要な行政資源でございまして、これを十分に活用していく必要があると思われます。今後とも民間保育所との役割分担を明確にしながら、障害児保育などの充実を図り、保育行政のかなめとして、本市全体の保育水準の維持向上に努めるとともに、地域社会のすべての子育て家庭を対象とした子育て支援の拠点としての役割を果たしてまいりたいと考えております。  次に、4点目の待機児童の現状と対策及び5点目の今後の保育所整備計画について、あわせてお答え申し上げます。  待機児童につきましては、既存保育園の定員増や分園の設置を図り、また、平成17年度から20年度までの4カ年で定員90人規模の園5カ所を認可することとして、平成11年度から18年度までに約1,100名の定員増を図ることによって、平成17年度末では153人となっております。今後の保育所整備計画につきましては、先ほど議員御紹介の認定こども園の制度も含めまして、検討してまいりたいと考えております。  次に、6点目の多様な保育ニーズへの行政の支援についてお答え申し上げます。  議員お示しのように、現在、私立保育所でも多様な保育ニーズに対応するための事業を展開しておられ、これに必要な職員の配置に係る経費につきましては、公的な助成を行っているところでございます。  7点目の保育所入所についてでございますが、保育所入所に際しましては、入所基準に基づき適正に対応しているところでございますが、議員御案内のケース等、個々のケースに応じて、できる限り利用者の御希望に沿うよう保育園と協議し、適切に対応してまいりたいと考えております。  8点目の保育料未納の状況と対策についてお答え申し上げます。  平成17年度の保育料の収納率は、現年度分で見ますと97.5%、未納額は約7,000万円となっており、過年度分を含めた累計で見ますと、約2億7,000万円となっております。未納者に対しましては、まず、督促状の発送を行いまして、さらに未納の場合は催告状を発送して納入をお願いしております。また、2名の納入指導員によります、土日を含めました戸別訪問によりまして、徹底した滞納整理を行うなど徴収強化に努めているところでございます。          〔27番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  少子高齢化が進む中で、乳幼児の子育てに果たす保育所の役割は大変大きなものです。核家族化する中で安心して子育てができる環境づくりは、行政の大きな責任です。保育所は保護者にとって一つの選択肢ですが、あらゆる選択肢に対応する施策が望まれます。市民の声にこたえられる保育行政を進めてください。  それでは次に、その他として1点だけ質問いたします。  熊本電鉄LRT化構想と市電の結節についてお尋ねします。  平成13年に策定された熊本都市圏交通マスタープランで、基幹公共ネットワーク整備として熊本電鉄の延伸が取り上げられ、検討の俎上に乗せられました。平成16年には、九州運輸局でも熊本都市圏の鉄軌道についての調査が始められ、同時期に熊本電鉄の株主総会で、熊本電鉄と市電の相互乗り入れとLRT化の構想が発表され、熊本市長、市議会議長へ「LRT化事業の推進について」の要望が出されています。その折に、行政支援の結論が出ないときには、平成20年3月には廃止やむなしと決断せざるを得ないと考えるとの表明があり、沿線住民、旧西合志町民は電鉄の将来性に不安を募らせています。その後、熊本県・市・旧西合志町は、熊本都市圏鉄軌道ネットワーク検討業務を立ち上げ、電鉄計画案の検証、基盤整理、運行、経営などに関しての検討が始められたと聞いておりますが、審議の経過及び今後の展開について都市整備局長にお尋ねします。  LRT化については、富山市が総合的なまちづくり事業としてJR西日本が運営していた赤字路線、旧JR富山港線を富山市が買い取り、運営は第三セクター、LRT化して新規開業したものです。私は、富山市に出かけて係員の説明を受け、実際に乗車してきました。他市からの議員さんも同乗されておられました。すべての駅が低床ホームであり、車いす、ベビーカーのスロープを採用した交通弱者に優しいバリアフリー化したもので、快適な乗り心地でした。開業とともに大幅な集客数の増加で、開業当初からの落ち着きを取り戻した現在で、1日乗車人数の目標を3,400人とし、目標は達成可能であると述べておられます。旧JR時代は1,000人から、多くて2,000人程度であったのに比べて大幅な増加です。コンパクトなまちづくりを目指す富山市として、薄く広がった市街地では人口減少や少子高齢化、環境問題の深刻化、特に自動車などの課題解決のためには、都心部への人口回帰は、住みやすいまちづくりの上で重要なことであり、そのためにも交通体系を考えたLRT化は、まちづくりのシンボルとしているという市長の方針がLRT化実現となったという係員の説明でありました。  熊本電鉄と市電の相互乗り入れとLRT化は、まちづくりの視点と交通体系のあり方の中で将来を展望した事業とすべきであると思います。市長の御所見をお伺いします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  熊本電鉄の市電への取り入れとLRT化につきましてお答えさせていただきます。  九州新幹線の全線開業を4年半後に控えまして、都市圏交通体系を強化してまいりますことが喫緊の課題でございまして、公共交通機関が相互に連携したネットワークの構築は、その骨格をなすものであります。中でも市電とJR鹿児島本線・豊肥本線並びに熊本電鉄線との結節や乗り入れなどが進みますことは、沿線利用者の利便性の向上はもちろんのこと、本市を含みます熊本都市圏の交流強化と、そしてまちづくりにもつながるものと考えております。  御案内のとおり、熊本電鉄線につきましては、これまで90年余りにわたります熊本都市圏北部方面における貴重な公共交通軸でございますので、その存続と都心結節へ向けて、市電軌道への乗り入れやLRT化も含めた方策につきまして、現在、県・合志市と連携をいたしまして、今年度中を目途に行政としての対応方針を取りまとめるべく検討、協議を進めているところでございます。  今後は、魅力ある中心市街地の形成や北部方面の活性化、さらには沿線の住みよいまちづくりとの相乗的な効果をあわせて期待した、都市圏の一体的な取り組みとして発展させていかなければならないと考えておりまして、そのためには中心市街地や沿線の商店街並びに沿線住民の皆様などによるまちづくりや、利用促進へ向けた活動などとの連携も強めなければならないと考えております。          〔松本富士男都市整備局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市整備局長  私からは、熊本都市圏鉄軌道ネットワーク強化検討調査業務に関するお尋ねについてお答えいたします。  本業務につきましては、平成15年度、16年度の国・県の調査に引き続きまして、平成17年度以降、県及び合志市と連携して取り組んでいるところでございます。この中で、熊本電鉄から提示されました事業計画案を検証し、比較案などとの検討を行い、現在、特に路線計画について環境機関との合意形成に向け協議を行っているところでございます。  今後は、都市圏交通の円滑化や都市部へのアクセス向上などの観点から、さらなる検討を加えるとともに、運行や経営等について関係機関との協議を踏まえまして、県・合志市と連携して、平成18年度中に行政としての対応方針を取りまとめることにいたしております。          〔27番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  熊本電鉄LRT化構想は、沿線住民はもとより熊本都市圏を考える点からも重要な課題です。安易にバス移行するのではなく、鉄軌道は残さなければなりません。今回の答弁で、若干今までより前進した部分が見られます。一定の評価をいたしますが、熊本電鉄からの要望ということだけではなく、将来の熊本都市像という視点から、早急に進めてほしいと思います。  本日は多岐にわたる質問に対して、執行部には誠意を持って御答弁いただき、ありがとうございました。答弁された事項について、確実に事業として推進されるようお願いいたします。  議員の皆さん、傍聴者の皆さんには長時間にわたる質問に対して御協力いただきまして、本当にありがとうございました。これをもちまして私の質問を終わらせていただきます。(拍手)      ─────────────────────────── ○田尻清輝 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                              午後 0時02分 休憩                             ────────────                              午後 2時01分 再開 ○税所史熙 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。      ─────────────────────────── ○税所史熙 議長  質問を続行いたします。有馬純夫議員。          〔10番 有馬純夫議員 登壇 拍手〕 ◆有馬純夫 議員  皆さん、こんにちは。公明党の有馬純夫です。  4回目の登壇になりました。質問3日目の午後ですが、市民の声をストレートにぶつけていきたいと思います。  それでは、質問の順番を一部変更して質問してまいります。  昨年の9月に引き続き、アスベスト対策について質問します。  このアスベスト問題については、国も深刻な事態と受けとめ、関係省庁会議を設置し、本市でも「アスベスト対策本部」の設置や「アスベスト相談窓口」が設置され、我が公明党市議団でもアスベストの使用実態調査、除去の進捗状況を尋ね、金融支援策等も要請してきました。  こうした中、国においてアスベストによる健康被害を救済する新法が成立しました。同法は、労災保険に加入していない工場周辺住民や時効で労災が適用されない遺族などの救済を目的としており、因果関係の立証は求めず、中皮腫やアスベストが原因の肺がんであれば対象とすることで、すき間のない救済を目指しています。
     具体的には、労災対象外の周辺住民の方々に対して、闘病中の場合、医療費の自己負担分や月額約10万円の療養手当を支給、遺族には弔慰金など合計300万円の支給となっています。  このほかにも、アスベスト被害を未然に防止するため関連4法案も一括で改正されました。大気汚染防止法では、建築解体時の飛散防止規制の対象拡大、廃棄物処理法は、石綿廃棄物の溶融による無害化を促す特例制度を創設、また、建築基準法では、改築時の検査義務づけなど建築物の吹きつけ石綿の使用を規制するとともに、地方財政法で公共施設の石綿除去費用を地方債の対象として追加されています。  この間、おおむね公共施設での本市の除去対策は進んでいますが、今後の対策は民間施設になっていくと考えます。この民間建築物については、国土交通省からの依頼で床面積1,000平米以上の建築物で、鉄骨づくり、鉄筋コンクリートづくり、鉄骨・鉄筋コンクリートづくりの建物のうち、平成元年までに施工された建築物のアスベストの有無などについて現在調査がされたと聞いています。  このアンケート調査結果によると、おおむね1,500件ある対象建築物のうち、1,298件が調査に応じ、露出してアスベストの吹きつけがされていると回答したところが、そのうちの約1割に当たる128件あるとのことです。この128件のうち指導による対応済みはいまだ21件で、残りの107件は、露出してアスベストを使用されていることがわかっていても、その後の対応が進んでいないのが現状です。このほかにも未回答が約200件あり、その中にも露出してアスベストの吹きつけがされている建築物が数多く含まれている可能性があります。このままだと公共ではアスベスト対策は進んだものの、民間建築物でのリスクは回避されず、市民の生命を守れないのではと危惧しています。  なぜ民間建築物でのアスベストの除去、封じ込め等の対策が進まないのか、何点か理由があると思います。その一つは、実態が把握されていないことです。そして、もう一つは調査、除去対策に費用がかかることです。  こうした現状に対し、国は今年度予算で「優良建築物等整備事業」による民間建築物でのアスベスト除去支援を行うようにしました。この制度のもと、当面、床面積1,000平米以上の建物で、多数の者が利用する建築物の吹きつけアスベスト使用に関する調査や改修を行う場合、国が必要な費用の3分の1を補助するようになっています。この制度で、民間建築物所有者の自己負担が3分の1で済むようになりました。このように、国からの支援により一定の前進は見られるものの、本格的なアスベスト対策はこれからだと考えています。  そこで、数点お伺いします。  まず1点目、床面積1,000平米未満の耐火、準耐火構造の建築物はどれだけあるのか実態は把握されているのでしょうか。実態が把握されていないのであれば、どの程度と想定されているのか、民間での実態把握をどうされるのかお尋ねします。  2点目、実態調査を進めるために、民間がアスベスト定量検査をする場合の助成制度を創設できないかお尋ねします。この定量検査は、おおむね3万5,000円かかると言われています。小さな物件ほどこの3万5,000円が負担で、調査もしないというのが実態ではないでしょうか。  3点目、現在、本市ではアスベスト飛散防止に取り組む中小企業者に対する支援事業として利子補給を打ち出していますが、これに加え、アスベスト除去や封じ込め等に対する助成制度をあわせて創設できないかお伺いします。  以上、3点を踏まえ今後の対応を都市整備局長にお尋ねします。          〔松本富士男都市整備局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市整備局長  民間建築物のアスベスト対策についてお答えいたします。  本市におきます民間建築物の吹きつけアスベストの実態につきましては、御案内のとおりでございまして、現在、床面積1,000平米以上の建築物について128件を把握いたしております。本市では、この実態調査の結果をもとに国の補助制度の創設を受けて補助事業の周知を行い、所有者のアスベスト除去意向を把握してきたところでございます。これまでにこの補助制度を活用してアスベストを除去したいと申し出があった建築物につきましては、現地調査や国・県との協議を行い、現時点で2件が補助の採択基準に合致いたしております。  そこで、本年度におきましては国の補助制度の趣旨に基づき、まずは利用者の多い大規模な建築物であります床面積1,000平米以上のものについて対策を急ぐべきとの観点から、今回、市の補助要綱を制定し、本議会に補正予算として計上させていただいているところであります。  今後は、アンケート調査未回答の191件の実態及び補助事業への意向把握に努めることといたしております。  加えて、議員御指摘の床面積1,000平米未満の建築物についてでございますが、建築基準法の規定から、床面積500平米以上の建築物につきましては、耐火及び準耐火構造の割合が高く、アスベストが吹きつけられている可能性が高いため、何らかの対応が必要であると認識いたしております。  ちなみに500平米以上に限ってみれば、市内におおむね5,000件程度があるものと推定いたしております。今後、所有者の要望に応じ、補助対象や内容について国・県と協議するとともに、他自治体の対応を把握しながら検討してまいりたいと考えております。  また、アスベストの含有調査に対する補助制度につきましても、あわせて今後検討してまいりたいと考えておりますが、まずは現補助制度を最大限に活用し、民間建築物におけるアスベスト被害の防止に取り組んでまいりたいと考えております。          〔10番 有馬純夫議員 登壇〕 ◆有馬純夫 議員  1,000平米以下の建物でアスベストの吹きつけの可能性があるところが5,000件もある状況では、何らかの対応が必要と認識されておられます。補助対象や内容について、さらに検討され、サンプリング調査も補助内容の改定の中に組み込み、さらに全庁的に助成制度をもっと手厚くしていただくことをお願いいたします。  次に、「熊本水物語」についてお伺いします。  4月の定例記者会見で、市長みずからプレゼンテーションした熊本オフィシャルウオーター「熊本水物語」。市長はこの記者会見で、「熊本市は67万の市民の上水道をすべて地下水で賄う日本一の地下水都市であるわけでありますが、このような都市は世界でもまれであると言われております。さらに、その品質でありますが、ミネラルや炭酸ガスを含み極めて良質で、全国的にも高く評価されているところであります。そこで、本市の地下水を「KUMAMOTOブランド」の一つと位置づけまして、本市のオフィシャルウオーター(公式飲料)として全国に発信し、100%地下水都市・熊本を内外にアピールしてまいりたいと考えております」と述べています。  8月14日、この「熊本水物語」に異物が混入していることが判明しました。検査の結果、毒性はないと聞いており、ひとまずは安心したところですが、この「熊本水物語」は、さきの市長記者会見にもあるように、本市の地下水を「KUMAMOTOブランド」の一つと位置づけ、本市のオフィシャルウオーターとして、プロゴルファーの不動裕里選手とタイアップして、市内のホテルで発表会まで行い、華々しくスタートしたものです。まさかこのような事態になるとは思いもよりませんでした。「KUMAMOTOブランド」の大変なイメージダウンです。  何かトラブルが発生したときに、どのように誠実に、そして迅速に対応したのか。そのことがイメージダウンを最小限に食いとめる最善の方法です。残念なことに、本市ホームページにこの異物混入事件についての記述を見つけることができません。残念でなりません。  そこで、まず1点目、異物混入が判明した8月14日の対応、2点目、異物の検査結果と混入経路の調査結果、3点目、自主回収の状況、4点目、市民への周知等について、発生から今日までの対応をお答えください。  次に提案ですが、聞くところによると、「熊本水物語」は健軍水源地から取水し、それを阿蘇の業者がタンクローリーで運搬し、製造していると聞いています。その製造単価は88円で、販売は本市が行っています。販売に係る本市の人件費等を含めると、1本200円程度だとも伺っています。ウオータービジネス専門業者によると、取水から製造まで一貫して行われるのが普通であり、運搬によるリスクを避けるのが通常のようです。まして人件費まで含めると赤字というのでは話になりません。また、本市ホームページで「熊本水物語」を検索すると、品切れになった時期があるようです。これではオフィシャルウオーターとは言えません。  そこで提案ですが、製造だけを業者に委託する今の方法から、取水、製造、販売までをすべて行う専門業者と契約し、安定した供給と安全性を確保すべきだと考えますが、お考えをお聞かせください。          〔東軍三水道事業管理者 登壇〕 ◎東軍三 水道事業管理者  私の方から、「熊本水物語」の件についてお答えいたします。  今回の「熊本水物語」への異物混入につきましては、議員各位を初め、市民の皆様や関係者の皆様に大変な御迷惑と御心配をおかけし、まことに申しわけなく思っております。この場をおかりいたしましておわびを申し上げます。  それでは、まず議員お尋ねの1点目、異物の混入が判明いたしました8月14日の対応についてでございますが、当日午前9時35分、熊本城売店を経営する熊本国際コンベンション協会から、ペットボトルに異物が混入しているとの連絡を受け、もう1カ所の販売先でございます熊本市役所の地下売店にも確認いたしましたところ、同様に異物が混入しているペットボトルが見つかりました。  そこで、直ちに両売店に対して販売の中止を依頼するとともに、熊本市保健所及び製造工場に連絡を行い、同時に製品の自主回収と原因究明の作業を開始いたしました。一方、御購入の皆さん方の健康被害が懸念されますことから、同日午後5時30分から記者会見を開き、報道機関を通じて広く、飲用の中止と回収への御協力をお願いするとともに、ホームページでも同様の広報を行ったところでございます。  お尋ねの2点目、異物の検査結果と混入経路の調査についてでございますが、まず、本市の環境総合研究所と水道局の水質検査室の検査によれば、混入したペットボトルの水質に毒性はないとの結果でございました。また、去る9月4日、製造業者が委託した民間の検査機関からも報告を受けましたが、本市での結果と同様に問題がないとの結論が出ております。  ただ、異物が何であったのかにつきましては、検体が微量であり、特定するには至りませんでしたが、民間の検査機関からは段ボール紙片の可能性が高いとの分析結果の報告を受けております。また、混入経路につきましても、異物そのものの特定ができないため、究明はできませんでしたが、製造工場におきましては、段ボール紙片を含め、さまざまな混入の可能性を想定し、各製造工程での改善策を実施されているところでございます。  お尋ねの3点目の自主回収の状況についてでございますが、7月25日製造の販売分1,416本のうち、およそ7割に当たる992本を回収いたしました。よって、回収できなかった分は424本となっております。  次に、お尋ねの4点目、市民の皆様への周知についてでございます。8月14日の異物発見当日には、先ほど申し上げました第一報の広報活動を行いました。翌日の15日にも、本市の環境総合研究所の検査結果が出ましたので、これを報道機関にお知らせいたしました。さらに、翌々日の16日には、水道局の水質検査室の結果も判明いたしましたので、再度記者会見を開き、仮に飲用しても人体に影響はない旨の見解を公表するとともに、ホームページにも同じ内容を掲載し、市民の皆様への周知に努めたところでございます。  最後に、議員御提案の件についてお答えいたします。  今回のような事故に対するリスクの負担等を考えますと、今後は取水、製造、販売までのすべてを行う専門業者に委託する方法もまた検討に値するのではないかと考えており、オフィシャルウオーターとしてのブランド価値を高めていく方策も含めまして、関係部局と協議を進めてまいる所存でございます。  なお、今回の回収分につきましては、これまでの状況を踏まえ、製造業者と協議の上、改めて製造を依頼したいと考えております。          〔10番 有馬純夫議員 登壇〕 ◆有馬純夫 議員  おいしい水のイメージを壊す事件になりましたが、何か起きた後の対応が大変重要です。今後は、この事件をきっかけに、より安全でおいしい「熊本水物語」の製造・販売を目指し、熊本の地下水を宣伝していただきたいと思います。  次に、教育問題についてお伺いします。  まず、就学援助制度についてですが、御案内のとおり、本市でも学校教育法の「経済的理由により就学困難と認められる学齢児童・生徒の保護者に対しては、市町村は必要な援助を与えなければならない」との条文に基づき、就学援助がなされています。将来の熊本市を担う子供たちの教育を受ける権利を保障する上で、極めて重要な施策となっています。  その内容を簡単に説明します。対象者は要保護者、いわゆる生活保護世帯と市町村教育委員会が要保護者に準ずる程度に困窮していると認める準要保護者となっています。国からは、要保護者に対して行う事業に要する経費について補助がなされ、準要保護者に対して行う事業に要する経費の補助については、平成17年度より税源移譲を行った上で国の補助が廃止されました。補助対象品目は学用品、補助教材、新入学用品、修学旅行費、通学費、医療費、学校給食費、校外活動費、災害共済掛金などとなっています。  この就学援助の認定世帯が熊本市でも増加傾向にあります。小学校で見た場合、平成10年度で児童数2,377人、認定率5.6%であったものが、平成17年度では4,258人、10.7%に増加、中学校も同様で、平成10年度1,493人、認定率6.4%であったものが、平成17年度では2,241人、11.5%と倍増しています。しかしながら、国庫補助額は就学援助の国庫補助そのものが2分の1以内とされており、国庫補助率は年々減少しており、平成10年度の国庫補助率が40.9%であったものが、平成16年度では24%に落ちてきました。こうした中、本市の負担も今後もふえていくことが想定されます。  そこでまずお伺いします。  市町村次第では、独自の裁量で所得基準限度額や認定基準を変更して、対象者を限定しようとすることも考えられます。学校教育法の趣旨からして、市町村は子供たちの教育を受ける権利を擁護する最後のとりでとして、認定基準等を変更すべきでないと考えますが、お考えをお示しください。また、今後も維持していくのか、あわせてお答えください。  次に、この就学援助のうち修学旅行費についてお尋ねします。  過日、市民の方から相談がありました。その内容を紹介します。  中学のお子さんの修学旅行が近づいてきました。費用は5万数千円です。本人は不登校が続いていました。御両親は、修学旅行を何とか行かせてあげたいと考えましたが、旅行費は出発前までに支払わなければなりません。何とか準備をしてあげたいと奔走したのですが、用立てることができませんでした。本人自身も親の苦労している姿から、喜んで参加する気持ちにならず、修学旅行に参加することができませんでした。  就学援助対象品目には修学旅行費も入っています。どうしてこういうことになるのでしょうか。担当課とやりとりしていてわかったことがあります。  修学旅行費の援助金の支払いは、修学旅行が終わった後に保護者の口座に振り込まれるようになっているとのことです。このために、一度立てかえ払いをしなければなりません。この立てかえるお金を用立てできないことがあるのです。よく担当課から話を聞いてみると、実施前までに費用が払えない家庭から相談があれば、業者に依頼して実施後の支払いにしてもらっているとのことでした。一見丁寧な対応に聞こえますが、保護者の心理がわかっていないのではないかと思います。  保護者の心理としては、一番は、他の生徒と同じように事前に修学旅行費を払ってあげたいと思うものです。その上で、どうしても立てかえることができないときに、何とか後払いにできないかと相談することになります。ところが、相談があれば業者に依頼するということが広く周知されていません。学校に修学旅行費を準備できないことを告げることは大変なストレスです。このことに配慮しなければなりません。  そこで提案ですが、事前に支払いをしたいと希望される方に、本市社会福祉協議会の福祉金庫貸付制度があることを広く周知すべきです。既に平成15年度から平成17年度までに小・中学校で3件、高等学校の修学旅行で9件の貸し付けが行われています。  次に、修学旅行後の支払いを希望される保護者には、簡単な「後払い申請書」を渡し、保護者と本人の名前を書くだけで後払いができるようにできないものでしょうか。  以上、2点についてのお考えと周知方法についてお答えください。  続きまして、本市の特殊教育就学奨励金制度についてお尋ねします。  やはりこれも市民の方からの相談です。この制度は、小学校及び中学校の特殊学級に在学、または通級指導教室に通学する児童・生徒の保護者等に予算の範囲内で支給する制度です。この手続では、世帯全員の昨年度の所得状況証明書をとらなければなりません。その結果、担任や校長などに家族の経済的なプライバシーを見せることになります。  そこで提案ですが、障害児福祉手当を請求する場合、請求書に「熊本市福祉事務所長様、障害児福祉手当の認定に必要な市民税関係の調査をされても、異議は申し立てません」との記述があり、氏名、捺印を押すだけで、わざわざ世帯全員の所得証明書をとる必要がありません。これ同様の方法を特殊教育就学奨励金の申請でもとれないでしょうか。お考えをお示しください。  教育問題の最後に、特別支援教育についてお尋ねします。  さきの通常国会で発達障害を含め、障害児一人一人のニーズに応じて指導する特別支援教育を反映させた改正学校教育法が成立しています。これを受け、文部科学省では発達障害を抱える子供への教育や食育指導の充実に向け、2007年度から3年間で教員約1,500人の確保を目指す方針を固めております。  中身は、学習障害や注意欠陥・多動性障害などを持つ児童・生徒が通常学級に在籍しながら、支援を受ける「通級指導」の指導要員と食育指導の中核を担うことが期待されている栄養教諭の増員が柱となっています。  公明党は障害のある子供への教育的支援や食育の充実を強力に推進してきました。2007年度予算の概算要求に向け、通級加配の人員確保や特別支援教育の教員への支援体制の強化、栄養教諭の拡充などを小坂憲次文科相に要望、通常国会の審議でも支援体制の充実を要請しており、今回の文科省の方針は公明党の主張を大きく反映したものとなっています。  そこでお伺いします。  本市での特別支援教育の現状と、また、軽度発達障害のある児童・生徒が各学校にどのくらい在籍しておられるかお示しください。その上で、学校教育法の改正を受け、今後の特別支援教育をどのように進めていかれるのかお答えをお示しください。  教育長にお尋ねします。          〔永山博教育長 登壇〕 ◎永山博 教育長  教育問題につきまして、4点のお尋ねに順次お答えいたします。  まず、1点目の就学援助の認定基準と給付水準についてでございますが、認定基準につきましては、現在本市では、国の補助事業時に示されました基準をもとに、公的証明のない世帯につきましては、学校長及び民生委員の意見をいただきながら認定を行っております。しかしながら、近年は各世帯の生活状況等が把握しにくくなっておりますので、現在、他都市における状況を調査しているところであり、これらを参考にしながら、認定のあり方について検討してまいりたいと考えております。  また、給付水準につきましては、今後も現行の水準を維持できるよう努めてまいりたいと考えております。          〔議長退席、副議長着席〕  次に、2点目の就学援助の修学旅行費についてでございますが、修学旅行前に支払いを希望される方へは、社会福祉協議会の福祉金庫貸付制度が利用できることを周知すべきであるという点につきましては、今後、修学旅行の説明会等で学校から保護者の皆様方へ周知を図るよう指導してまいりたいと思います。  また、旅行後に支払いを希望される方へは、後払い申請書を配布してはどうかということにつきましても、就学援助がより利用しやすくなることでもありますので、学校において簡単な申請書を作成し、あらかじめ保護者の皆様へ配布するよう指導していきたいと思います。  次に、3点目の特殊教育就学奨励金の申請方法につきましては、議員が御指摘のように、本市が行うほかの事業では所得証明書の提出が不要なものもありますことから、各家庭の所得状況を直接調査する方法につきまして、今後、関係部局と協議してまいりたいと存じます。  最後に、4点目の特別支援教育の現状についてでございますが、本市におきましては、昨年に引き続き、文部科学省の「特別支援教育体制推進事業」の推進地域の指定を受け、各学校や地域における支援体制の整備を図っているところでございます。現在、21校の拠点校を中核として地域ブロックを形成し、そのブロックごとに専門家の巡回相談員を派遣して、具体的な支援や体制づくりについての助言を受け、各学校の実践に生かしております。  また、軽度発達障害のある児童・生徒についてでございますが、各学校におきましては、特別な教育的支援を必要とする児童・生徒として文部科学省のガイドラインの「LD、ADHD、高機能自閉症の判断基準」に沿って、学級担任等の観察を中心に把握しましたところ、本市全体で約500人程度でございます。いずれにいたしましても、今後は法の改正を受け、各学校における校内委員会の機能の充実や学校全体としての組織的な支援体制が求められると考えております。  特別支援教育の推進に当たりましては、管理職を初めとするすべての教職員が障害の特性を含めた子供への理解が重要になります。そのため研修の充実を図り、子供一人一人を大切にした特別支援教育の推進に努めてまいります。          〔10番 有馬純夫議員 登壇〕 ◆有馬純夫 議員  就学援助の修学旅行は、社会福祉協議会の福祉金庫が利用できることの周知や、後払いによる申請書を提出するだけで旅行費の捻出を考えなくて済み、大変助かるのではないでしょうか。特殊教育就学奨励金の申請方法は、所得証明は見直すとのことで、速やかな実施をお願いしたいと思います。  次に、その他として、障害者支援についてお伺いします。  まず、内部障害者・内臓疾患者についてですが、昨年6月、9月と2定例会続けて同僚の藤岡、日和田議員が内部障害者からの訴えを受け、支援について要望・質問をしてきました。これを受け、本市でも市民の理解をさらに深めるため、人権週間や障害者週間に開催される人権フェア等で、内部障害者等への理解とハート・プラス・マークなどを紹介したパネルを作成し、啓発に努めていただいています。感謝申し上げます。  さて、この内部障害者とは、心臓、呼吸器機能障害等6つの障害があり、身体内部に障害を持つ人のことを指しますが、この内部障害者は、他の障害と比べてその外見からはわかりにくく、その言葉すら知られていないのが現状で、社会の中でさまざまな困難に直面しているのが現状です。  そうした中、今年6月にも内部障害者の娘さんを抱えるお母さんが、廣瀬議員の紹介で公明党にも相談に来ました。  相談内容は、この春高校生になった心臓病の内部障害者であるお嬢さんが、混んでいる電車で座っていると、お年寄りなどから文句を言われるとのことでした。そのお嬢さんは、けがをすると血がとまりにくく、頭を打つと一番危ないそうです。ですから、転倒防止のためにも座る必要があります。お嬢さんは、昨年同僚議員が啓発を要望した内部障害者を示すハート・プラス・マークをつけていますが、電車の中には啓発ポスターもなく、車内の周囲から理解を得られずにいるとのことで、啓発ポスターなどの掲示を求めていました。  相談を受け、これまでもハート・プラス・マークの啓発を求めてきたことから、側面からの応援を約束しました。これまで、党として推進してきた妊婦への配慮を促すマタニティマークとともに、この8月末から交通局独自でハート・プラス・マークを紹介する啓発ポスターを作成し、電車内と電停へ掲出を始めたと伺い、大変に喜んでいます。ありがとうございました。  その上で質問してまいります。この内部障害者を含め、すべての障害者にとって移動手段の確保は社会で生活していく上で絶対条件になります。特に公共交通の確保が重要で、真に人に優しい社会かどうかを判断するのに、公共交通のありようを見ればわかるとまで言われています。  そこで2点ほどお尋ねします。  まず、内部障害者・障害児は本市にどの程度いるのでしょうか。障害ごとの人数と合計をお示しください。  2点目に、このマタニティマークやハート・プラス・マーク以外にも、車いすの絵を模した障害者のための国際シンボルマーク、聴覚障害者、視覚障害者のマーク、補助犬マーク、オストメイトマークなど障害者であることを示すマークが存在します。これらのマークと名称、そのあらわす意味などを記した啓発ポスターを作成して、交通局だけでなく、すべての公共交通に啓発ポスターの掲示をお願いできないでしょうか。私の知る限りでは、ポスターさえ準備すれば、バス協会などを通じて掲示をお願いし、無料で協力いただけるのではないかと思います。費用と相手のあることですので、あすからすぐとは言いません。前向きな答弁を期待します。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  障害者の支援に関しての2点のお尋ねにお答えいたします。  まず、内部障害者・障害児の種類ごとの人数と合計でございますが、全体では9,869人の方がおられまして、種類ごとには、心臓機能障害の方が6,842人、腎臓機能障害の方が2,000人、呼吸器機能障害の方が388人、膀胱・直腸機能障害の方が607人、小腸機能障害の方が18人等となっております。  次に、2点目の障害者のためのマークに関して、すべての公共交通機関に啓発の掲示ができないかという御質問でございますが、マークの周知による障害者への理解については、民間公共交通事業者の協力が必要でございますので、今後、協議を行ってまいりたいと考えております。          〔10番 有馬純夫議員 登壇〕 ◆有馬純夫 議員  何度も言うように、公共交通の対応を見れば、その都市の福祉のレベルがわかると言われています。事業者の協力を得て、一日も早い公共交通での啓発を求めておきます。  障害者支援について、続けてお伺いします。  障害者自立支援法に関しては、利用者負担の見直しがことし4月から施行され、10月からは全市町村で障害程度区分に基づく新たな支給決定の仕組みが実施されるほか、新サービス体系への移行が段階的にスタートします。これまで障害者福祉は長く措置費として施策が展開されてきました。これが約2年前、支援費制度に移行し、さらにことし障害者自立支援法に移行することになりました。2年前の支援費に移行したときにも、市民から変化に対する不安の声が寄せられ、本市では丁寧な対応に努め何とか支援費への移行を果たしました。  この支援費制度によって、より多くの障害者が新たにサービスを利用できるようになった点などは評価できますし、同制度で自己決定、自己選択の理念が確立したことも事実です。しかし、この支援費への移行で、1、サービス利用の急速な伸びに国の予算が追いついていかなくなった。また、2、提供されるサービス水準の地域間格差が都道府県比較でも7倍超と大きくなった。3、そもそも精神障害者が対象となっていないなどの課題が浮き彫りになりました。  こうした背景からスタートしたのが障害者自立支援法です。このため、障害者自立支援法は分立していた障害者福祉サービスを一元化することにより、精神障害に対する福祉サービスを身体・知的障害と同等に位置づけました。また、一部負担の導入と国の財政支出の義務化により、サービス給付の安定した財源の確保を目指すとともに、障害者福祉サービス全体をより体系的なサービスへと再編を図ることにより、今後の障害者福祉の発展の基盤となるよう設計されたものですが、一方では、当事者の負担のあり方や新たな報酬体系のもとでの事業運営、さらに新たな事業体系への移行等についてさまざまな課題の指摘がなされ、理解が必ずしも十分でないことから多くの不安の声が寄せられていることも事実です。
     これまでに寄せられた声の多くは、国が対応すべきものが多いのですが、その中でも、市町村の判断で対応可能なものもあります。そこで、それらに絞って数点お伺いします。  まず、1点目ですが、サービス決定に障害者の意向は反映されるのかという点です。市町村がサービスを決定する場合には、最終的に支援の必要度をあらわす「障害程度区分」を市町村に設置された審査会の審査を経て決めることとなっています。また、公明党の主張により、審査会の委員は、障害保健福祉の有識者で中立かつ公平な審査が行える人であれば、障害者を委員に加えることが望ましいとされました。  そこでお伺いします。具体的には本人のサービス意向等をどのように聴取し、決定に反映させるのか。また、審査会の委員に障害保健福祉の有識者がどの程度入るのかお示しください。  次に、移動支援やコミュニケーション支援はどうなるのかという点です。  この点に関しては、幸山市長は、市町村の判断でできるとした地域生活支援事業について、本市独自の軽減策を打ち出されましたが、平成18年度のみの対策となっています。  そこでお尋ねします。平成19年度以降、どのようにされるのでしょうか。また、市町村の義務的な事業として、地域生活支援事業に位置づけられた手話通訳や要約筆記などのコミュニケーション支援はどうなるのか、あわせてお答えください。  次に、現在、施設入所している人が退所を余儀なくされることはないのかという点です。障害程度区分認定制度が導入されることにより、これまで施設入所をしていた障害者が、経過措置はあるものの退所を余儀なくされる可能性は否定できません。こうした不安に対し、基本的に退所がないようにしていく意向を打ち出し、不安を払拭すべきだと考えますが、いかがでしょうか。お考えをお示しください。  次に、小規模作業所はどうなるのかという点です。  小規模作業所は地域で暮らす障害者の重要な支えになっています。そのため同法では、NPO法人等の法人格を取得することなどで、法案の内容に沿う事業所として認定されるようになったほか、同法に基づく事業者への意向が促進されるよう、小規模作業所等の充実強化を図るための事業が創設されるとともに、今後、都道府県の障害福祉計画に基づいて計画的に推進するとされています。今後、どのように小規模作業所等の充実強化を図っていくのかお示しください。  次に、これまで受けていたのと同等のサービスを受けることができるのかという点です。  自立支援法と介護保険との違いは、介護保険は程度区分によって受けられるサービス量の上限金額が決定しているのに対して、自立支援法では、上限金額がないと聞いています。このため、本市がどのようなサービス提供の新ガイドラインを策定するのかで、同等のサービスを受けることができるかが決定します。  この件に関しては、大石議員からも質問があり、国の基準の1.3倍を支給基準とし、これを超える場合は審査会に諮ることにより、従来のサービス水準を確保していくとの答弁がありました。  そこで、再度確認ですが、この新ガイドラインでいくと、国庫負担額を超えてサービスを提供していく可能性があり、本市独自の財政支出が必要になることも想定されますが、それでも、これまで受けていたのと同等のサービスは提供していくととらえてよいのでしょうか、お尋ねします。  次に、働く場をふやしてほしいという点です。障害者が地域で自立して暮らしていくためには働くことが非常に重要です。そのため、同法では就労のための訓練を行う「就労移行支援事業」が創設され、働きたい障害者をサポートするとしています。過日、保健福祉委員会が視察を行った人口9万人の東松山市障害者就労支援センターでは、3年間で100人を超える障害者の就労を果たしたと伺っています。今後、どのような就労支援を行っていくのか、お考えをお示しください。  この質問の最後に、この障害者自立支援法は、国はもちろんのこと、みんなで今後どのように育てていくかが大きな課題であり、運用次第で法の趣旨である障害者の自立を支え、利用者の理解を得ていかれるのではないかと考えています。  そこで、幸山市長にお尋ねします。今後、障害者自立支援法の安定した運用を図るための基本的な考え方と、そのための改善点を探るため、新サービス体系への移行後に何らかの利用実態を行い、本市独自のさらなる支援策を打ち出す必要があると考えますが、お考えをお示しください。  なお、そのほかの質問については健康福祉局長にお尋ねします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  障害者自立支援法につきまして、何点かのお尋ねがございましたが、私の方から、障害者支援に対する基本的な考えと本市独自の支援策につきましてお答えをさせていただきます。  私は、市政運営の柱の一つといたしまして、「特色ある日本一住みやすく暮らしやすいまちの実現」を掲げておりまして、障害をお持ちの方も、またそうでない方も、住みなれた地域でともに暮らし、だれもが自分の能力を生かして平等に社会に参加できる環境づくりを目指して、総合的な取り組みを行ってきたところでございます。  本年施行されました障害者自立支援法でありますが、3障害あわせてサービス体系が一本化されますとともに、市町村が責任を持って一元的にサービスを提供することと、そして、支給決定の仕組みの透明化、明確化が図られますなど、評価できる点があります一方で、利用者負担のあり方等につきましては課題が残されております。  先般、障害者関係団体から6万人を超える要望書を受け取りまして、利用者負担につきましては過重となっており、生活を圧迫しているとの御意見を伺ったところでございます。こうしたことから、本市におきましては、地域生活支援事業の一部に経過措置として本市独自の軽減策を設けたところでございますが、これにとどまることなく、今後とも障害者の方々の御意見を重く受けとめ、利用実態の把握に努め今後も対応してまいりたいと考えております。  また、利用者負担のあり方を初め、さまざまな課題の解決に向けましては、国に対しても引き続き全国市長会等、あらゆる機会をとらえまして要望してまいりたいと考えておりまして、今後とも障害者の皆様に対するサービスの安定した提供とともに、法の趣旨でもございます真の意味での自立支援となりますよう、さらに積極的に取り組んでまいります。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  私の方からは、障害者自立支援法に関して6点のお尋ねにお答えいたします。  まず、1点目の本人のサービス意向等の反映と審査会の委員についてのお尋ねでございますが、障害福祉サービスの支給につきましては、障害程度区分のほか社会参加の状況や介護者の状況、利用者のサービス利用意向等を勘案し、サービスの必要性を総合的に判断することとなります。調査に当たりましては、全員が社会福祉士や看護師の資格を持った専門の調査員であり、お一人お一人にお話を伺い、サービスの意向等について適正な把握に努めているところでございます。  また、介護給付等の支給に関する審査委員会については、障害保健福祉の学識経験者で、障害者の実情に理解があり、中立公平な立場で審査が行える医師を初め、保健医療専門団体、施設関係者、社会福祉士等の方々に委員をお願いし御審議をいただいているところでございます。これにつきましては、支給決定の仕組みを全国一律とし、透明化、明確化するために国が定めた基準により実施しているものでございます。  次に、2点目の地域生活支援事業の平成19年以降の軽減策についてでございますが、今後も検討してまいりたいと考えております。また、コミュニケーション支援につきましては、本市ではこれまで無料で実施しておりますし、今後も無料で実施することといたしております。  3点目の施設入所者の退所についてでございますが、仮に地域生活が可能と判断され、退所しなければならなくなった場合は、10月から新たにスタートいたします相談支援や地域活動支援センター等の地域生活支援事業の充実を図り、地域生活において支障がないよう支援を行ってまいりたいと考えております。  4点目の小規模作業所についてでございますが、今回の障害者自立支援法では、小規模作業所につきましても新事業体系のサービスを提供できる事業所となり、本市と協議の上、地域活動支援センターへ移行する作業所が3カ所、就労支援型へ移行する作業所は4カ所となり、移行することで経営的にも安定するものと考えており、今後も引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、5点目の本市のサービスの支給基準についてでございますが、本市においては新ガイドラインを策定し、従来の水準を確保してまいりたいと考えております。  最後に、6点目の就労支援についてでございますが、障害者の真の自立を握るかぎは就労にあると考えておりまして、本市にとっても大きな課題ととらえております。平成16年4月に熊本障害者就業生活支援センターが本市に開設され、昨年度の支援者数は269人に上り、このうち就職した方は24.9%に当たる67人でありまして、就職者数、就職率とも全国平均を上回っている状況であります。今後とも、このセンターと連携を深めながら支援を行ってまいりたいと考えております。          〔10番 有馬純夫議員 登壇〕 ◆有馬純夫 議員  市長答弁を含め、7点お伺いしました。このうち地域生活支援事業については、平成19年度以降も検討していただけるとのこと、また、これまで無料としてきた手話通訳や要約筆記等のコミュニケーション支援もこれまでどおり無料とのこと、当初からその方向とも聞いていますが、市民は意外とわかっていません。丁寧な広報を求めておきます。また、本市独自の新ガイドラインで今受けているサービス水準を維持するとのこと、仮にそのために財政支援が必要であれば協力していきたいと考えています。  就労支援については、これからだと思います。さらなる展開を求めておきます。このほか、仮に地域生活が可能と判断され施設退所の対象者となったとしても、5年間の経過措置があります。この間の本当に丁寧な対応を求めておきます。  最後に、市長は既に発表された軽減策のほかに利用実態を把握し、利用者負担のさらなる対応も考えていくとのことです。障害者の方々が、やはり熊本市に住んでいてよかったと言っていただけるように、心の通った安定した制度運営に今後とも努めていただくよう求めておきます。  次に、AEDについてお尋ねします。  平成16年度、17年度と自動体外式除細動器、いわゆるAEDについて、その設置と講習の普及を求めてきました。現在、本市の正面玄関にも設置され、AEDを含んだ救命講習も進んでいると聞いております。  そこで、現状について消防局にお尋ねします。  まず、実際に一般市民がAEDを使って救急救命処置を行った事例があれば、その事例を紹介してください。  次に、市職員の現在までの受講状況とAEDの設置状況をお示しください。  さて、このAEDは民間施設でも徐々に設置をしています。ところが、どこに設置されているのか市民がわからないのが現状ではないでしょうか。せっかくの機械もどこに設置されているかわからなければ、いざというときに役に立たないことも考えられ、救急車が到着する以前に、より早く人を救えることができません。  そこで、続けてお尋ねします。AEDの民間施設での設置状況と官民を問わず施設名称や設置場所の市民への周知をどのようにしていくか、お考えをお示しください。  このほか、AEDという言葉はかなり普及してきましたが、それでもAEDという文字だけでは、年配者や子供にとって一体何のことなのかわからないのが現状です。そこで、例えば「電気ショックを与えて心肺停止患者の救命を図る医療器具(AED)」であるとか、「心肺停止救急対応機器」など、わかりやすい説明と大きいロゴマークの案内をつけてはいかがでしょうか。健康福祉局長にお尋ねします。  話は変わりますが、このAED、実は8歳未満の幼児には使用が認められていませんでした。公明党は、「小さい子供も不整脈は起こり得る小児用のAEDが必要である」と厚生労働大臣に求めました。これに対し、厚生労働省は「問題がなければ4月に承認したい」との考えを示しておりました。それが4月21日には承認されることになりました。今回、承認されたのは機械自体は同じですが、子供でも大丈夫な量まで電気ショックを減らせる仕組みの子供用のパッドとなっています。  これを受けて、福井県や愛知県はすべての県立学校に、仙台市はすべての市立の中学校以上に、さいたま市では今年度から全市立学校161校に整備、茨城県取手市でも全小・中学校26校を含め6月末までに59台設置され、札幌市では市内の全市立中学校、高校合わせて106校に設置、千葉市でも公共施設や小・中学校など市内247カ所への配備予定、佐賀県多久市でも市内の全小・中学校と公共施設14カ所に設置と、他都市でも急速に設置が広がっています。  本市でも、平成12年7月小学校5年生の女子、平成14年6月小学校5年生男子、同じく平成14年中学校2年生男子、平成17年10月小学校4年生男子の児童が心肺停止を起こし、心肺停止による救急車を呼んだ事例があったと聞いています。このほか、学校現場としては平成16年6月男性教諭、また保護者の方も平成17年12月、突然倒れ救急車の出動と心肺蘇生をしたとも聞いております。  心臓停止を起こした場合、倒れてから1分経過するごとに救命率は約10%ずつ減少します。このため、通報から救急隊員が到着するまで平均5分から6分ほどかかるとすれば、救急隊や医師が到着してからの措置では遅過ぎます。この救急隊の到着までに役に立つのがAEDです。仮に幼稚園を除いて小・中・高120校に設置するとして、1台約30万円であれば、3,600万円で済みます。まとめて購入すればもっと安くなるかもしれません。これで1人の命が救えるとするなら安い買い物になると思います。ぜひとも小・中・高校を含めた学校施設にAEDを設置すべきです。お考えをお聞かせください。  さらに、全教職員にAEDの講習を受けてもらうことが必要と考えます。既に消防局では毎年1回は各小学校・中学校等で講習をされ、PTAの役員の方やプールの監視員の方にも講習を行っていると聞いております。また、横浜市の教育委員会は心肺蘇生法を学んだ「応急手当て普及員」の資格を小・中学校の教職員に取得させることを決めております。本年度は約50人に資格を取得させる予定で、将来的には515校に有資格者の配置を目指しているようです。  この応急手当て普及員は総務省消防庁が1993年に創設した資格で、心臓マッサージや人工呼吸といった心肺蘇生法や救命機器の取り扱い、けがの応急手当てなどの講習を受けると、消防本部から与えられる資格です。資格があると救命講習を開催することもできます。この資格なら教えられる資格ですので、子供たちにも命の大切さを教える絶好の機会であり、AEDの指導を行うこともできると考えます。こうした特別の講習を受けた応急手当て普及員はさまざまな状況のもとで対応が適切に行われるのではないでしょうか。  さらに、心肺停止になった瞬間が目撃された傷病者は平成13年で117人、14年で148人、15年で167人、17年で159人、と本市では毎年約150人を超えております。この人がすべてAEDを使うわけではありませんが、これだけ心肺停止で搬送されていれば、校区単位や市民センター等のAED設置は早急に配備してもよいのではと考えます。  学校施設へのAEDの設置と教職員の応急手当て普及員の資格取得については教育長に、校区単位や市民センター等の配備及び今後のAED設置計画と講習計画の策定については健康福祉局長にお尋ねします。          〔中山賢三消防局長 登壇〕 ◎中山賢三 消防局長  AEDの使用事例についてお答えいたします。  議員お尋ねの市民がAEDを使用した事例につきまして、消防局で把握しております事例は1件でございます。これは、熊本市内のスポーツクラブにおきまして、60代の女性が水中歩行中、突然心肺停止状態になったもので、同クラブのインストラクターが施設内に設置されていたAEDを使用し、救命処置を施したというものであります。このインストラクターの方につきましては、消防局が行っておりますAEDを含めた救急講習を以前に受けられた方でございました。また、倒れられた女性につきましては、このAEDの使用を含めた一連の救命処置により一命をとりとめられまして、現在、社会復帰されております。          〔谷口博通健康福祉局長 登壇〕 ◎谷口博通 健康福祉局長  私の方からAEDに関する4点の御質問にお答えいたします。  1点目の市職員の研修の受講状況についてでございますが、AEDを設置した施設の職員はもとより、庁議を初め一般職員を対象とした救急蘇生講習会の中でAEDに関する知識についての研修を受けております。  次に、市施設への設置状況でございますが、8月1日時点の調査によりますと、市役所本庁1階に1台、熊本城頬当御門に1台、総合体育館、アクアドーム等の市スポーツ施設7カ所に10台の計12台が設置され、その後、教育委員会において市立高校2校に設置されており、計画中の熊本市総合保健福祉センターにおきましても設置することといたしております。  2点目のAEDの民間施設での設置状況につきましては、詳細については現在のところ把握できておりませんが、消防局が実施している救急蘇生講習会において、スポーツクラブ、事業所、大学等への設置が進んでいると聞いております。  なお、市民への周知につきましては、市民がAEDの設置施設をあらかじめ知っておくことは重要であると考えておりまして、調査を検討し、広く周知をしてまいりたいと存じます。  3点目のAEDのわかりやすい説明の掲示についてでございますが、本市のAED設置場所にはロゴマークの掲示のみを行っているところであり、わかりやすい掲示を行うとともに、民間施設においても、市民から見てわかりやすいAEDの説明掲示について働きかけをしてまいりたいと存じます。  4点目のAEDの市の設置計画につきましては、AEDは救命の効果が高いことから、できるだけ多くの施設への設置が必要であると認識しておりまして、現時点で計画は策定しておりませんが、市民の利用が多い施設に対し、設置の必要性について既に説明をいたしたところでありまして、議員御提案の市民センター等の地域の施設も含めて、今後とも関係部局との協議を行ってまいりたいと考えております。  また、市職員への講習につきましては、今後の導入状況に合わせて関係部局とともに計画的に実施をしてまいる所存であります。          〔永山博教育長 登壇〕 ◎永山博 教育長  私の方からは、学校施設への設置と教職員の応急手当て普及員の資格取得についてのお尋ねにお答えいたします。  本市におきましては、毎年、安全担当者会、養護教諭研修会の中で消防局から講師を招き、心肺蘇生法の訓練やAEDの取り扱いなどについて実技講習会を開催しております。さらに、本年度は消防局と連携し、小・中学校教諭、養護教諭34名を対象に、応急手当てインストラクター養成講習会を開催いたしたところでございます。この講習会は、AEDの取り扱いを含む心肺蘇生法講習会の講師としての資格を有するためのものでございます。来年度は全校にインストラクターを配置できますよう、消防局と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。  ところで、重大事故が発生してから救急隊が到着するまでは、まずは心臓マッサージや人工呼吸を開始することが最も大切であり、そのためのツールとして、早急なAEDの使用は大変効果的であると十分認識をいたしております。今後もさらに心肺蘇生法等の講習会を継続実施しますとともに、緊急事態への備えとしてAEDの設置について重要と考えておりますので、今後の計画も含め検討してまいりたいと思います。          〔10番 有馬純夫議員 登壇〕 ◆有馬純夫 議員  全国の学校でも児童が運動中などに突然死する事例が起きております。本市も教育の現場における生徒の安心・安全を確保するためにも、小学校・中学校等の教育機関にAEDの設置を速やかにお願いします。特に中学校等の学校機関は設置を急ぐべきと考えます。重ねてお願いしておきます。さらに、今後は身近なところにAEDが設置されるよう、でき得る限りの施設への導入をお願いしておきます。  続きまして、動植物園についてお尋ねします。  平成16年第2回定例会で熊本市動植物園の活性化についてお尋ねし、その1つとして、「動物サポーター制度」の導入を提案しました。それが平成17年度より実施の運びとなりました。感謝しています。  そこで、まず平成17年度の状況と本年度の現在までの状況をサポーターズデーの取り組みとあわせてお示しください。  さて、この動物サポーター制度は、本市動植物園を市民とともにつくっていく方法の一つとして提案しましたが、ことしは、いま少し登録が伸び悩みのようです。せっかくスタートした制度です。今後も登録がふえていくような工夫が必要です。  他都市では、市民がサポートする動物を指定できるようにしているところもあります。そのほか、いろいろな工夫が考えられます。例えば私はキリンを、僕はゾウを応援しますと限定しながら、その動物の近況をホームページ等に掲載したり、サポーターになった方の名前をその動物の園舎に一口城主のように書き出すなども考えられます。また、特典の工夫も必要でしょう。いずれにしろサポーターとなった市民が、自分が動物たちを支えていると実感できるような工夫が求められています。  そこでお尋ねします。せっかくスタートした制度です。いろいろな工夫が求められます。持続性のある制度とするためのお考えがあれば、お示しください。  次に、園内における動物資料館についてお伺いします。  中に入っても、子供が興味を引くようなものがないように思います。有料が適当かどうかを検討し、この中の展示をもっと工夫する必要があるのではないでしょうか。例えば江津湖周辺の貴重な動植物の展示や水源地に近いこともあり、地下水と水の学習ができるような環境学習のできる施設に変えていくのも一つです。無料化についての考えと施設の活用についての考えをお示しください。  次に、動植物園再編・遊器具整備の中期計画が進んでいると聞いております。おおむね10年計画で進めていかれる予定で、平成18年度に園舎の設計等が行われ動物の園舎や入り口の整備が行われると聞いています。今後の整備計画をお示しください。  次に、遊器具についてお尋ねします。聞くところによれば、最近チェーンタワーが5月から2カ月間故障したようです。この遊器具は多くの方に人気があり、修理するにも部品もない中、他の部品を加工して22年間も辛抱して使っておられるようです。涙ぐましい努力というか、節約には職員の方々の整備も大変だと思います。これらの遊器具は安全性や娯楽の面からとらえると、ある一定の年数がたてば新しいものと変えることも必要ではないでしょうか。ぜひ御検討ください。  さて、人気の旭山動物園ではことし8月にチンパンジー館を新設するのに伴い、建設費に充てるためミニ公募債を発行すると発表しています。これは、公明党議員が定例会で「市民の提供する資金が目に見える形で活用されることで、旭山動物園の発展を身近に感じることができる」として、市民公募債の発行を訴えていたことが契機となり実現の運びになっています。今後、本市でも園舎の建てかえなど活性化に向けた対策が必要になってくると考えています。  そこでお尋ねですが、動植物園の施設整備及び遊器具の財政資金を補う意味からも、ミニ公募債を活用されてはいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。  最後に、市民の方から話がありました。「この夏休み、お盆休みの期間中、孫を連れて動物園に行ったら、月曜日で休みでした。小さい孫も帰省して帰っていたので一緒に遊べず、残念でした」とのことです。お盆休みは多くの方が帰省されます。何とか工夫できないものかと思います。お考えをお示しください。          〔岡本安博経済振興局長 登壇〕 ◎岡本安博 経済振興局長  6件のお尋ねにつきまして、順次お答えさせていただきます。  まず、動物のえさ代を御支援いただく動物サポーターの状況でございますが、平成17年度は高校生以上が1,126人、中学生以下645人、企業・団体5件で総数1,776件、金額にしまして320万4,000円でした。平成18年度は、8月末までで高校生以上298人、中学生以下394人、企業・団体2件で、総数694件、総額119万円となっております。  次に、サポーターズデーの取り組みでございますが、昨年度は9月と3月の2回、それぞれ希望がありました35人を招き、調理室・飼料倉庫等の見学や猛獣舎・サイ舎の探検を行いましたところ、ふだん見られない場所の見学ができ、サイやゾウなどの動物を身近に感じられた。また、飼料の種類が豊富で新鮮なことに驚いたなどの声が聞かれ、大変好評を博したところであります。今後、制度の充実・拡大に向け、積極的な広報に努めますとともに、サポーターズデーの継続的実施や議員御提案のサポーターにとって支援効果を実感できる取り組みについても検討してまいりたいと考えております。  2点目に動物資料館でございますが、本年は職員手づくりによるクワガタ、カブトムシ展を開催し、予定の期間を延長するほどの盛況となりました。今後、江津湖に隣接しているという特性を生かして、環境学習等に関する資料や企画展示の充実に努めますとともに、より多くの方に御利用いただけますよう、無料化も含め検討してまいりたいと思います。  3点目の再編整備計画につきましては、当面平成19年度からの2カ年でエントランス及び猿舎、ホッキョクグマ舎の整備を3億5,000万円の事業で行うこととしており、その後、平成21年度からは4期に分けてチンパンジー舎、カバ舎などの整備を図っていきたいと考えております。  また、4点目の老朽化が進んでいる遊器具につきましては、利用者の安全確保ということからも、耐用年数等を考慮しながらリニューアルを進めていきたいと思います。  5点目の動植物園の施設整備等を対象とした住民参加型市場公募債の発行につきましては、現在の整備計画が短期的なものであり、その年度ごとの事業費も公募債を発行するほどの規模に達していないのが現状ですが、今後、動植物園の長期的な整備計画の論議の中で関係局とも協議したいと考えております。  最後に、盆休み期間中に休園日が入った場合の開園につきましては、職員の勤務体制や休園日変更の周知が徹底しないなどの問題もあり、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。          〔10番 有馬純夫議員 登壇〕 ◆有馬純夫 議員  市民の皆さんがえさ代として支援していただく動物サポーターが多くの市民の方に利用しやすいように、また、1人の方が長くサポーターとなり、目に見える効果となる取り組みをお願いします。また、動物博物館の活用に期待します。  遊具類も事故が起きてからでは遅過ぎますので、購入計画等を立てながら、集客のある遊具を入れていただきたいと思います。  次に、特定優良賃貸住宅についてお尋ねします。  特定優良賃貸住宅、熊本市の入居率アップ作戦、この特定優良賃貸住宅は過去にも質問し赤字をできるだけ削減できないか訴えてきました。私の提案の中で、単身世帯の入居を取り入れていただきました。しかし、まだまだ十分な解決までには至っておりません。とりわけ特優賃の15団地の中で、4団地が市の負担が大きく、平成12年より平成18年の期間、この4団地で2億4,200万円ほどになっています。4団地を含めて、平成15年度より毎年5,000万円から7,500万円が市から空き家負担として支出されています。  この特優賃制度は、本市では平成6年よりスタートしました。このときの住宅政策が右肩上がりの時代であったし、バブルがはじける前でもありました。しかし、この特優賃の制度そのものにも原因があります。最初は補助金が出ているが、補助金額が年々下がるため、年数がたてばたつほど3年置きに家賃が上がります。そのため、最初はいいが、その後ほかのマンションへ引っ越しをする人もあり、マンション購入も考え、出ていかれます。  今から何ができるかと考えるとき、家賃の減額が思いつきます。幸い、本年度から家賃の仕組みの中で、本人もしくは家族の収入による複雑な家賃の段階別家賃はなくなり、それぞれの特優賃の広さ等により、値段の違いだけで、月額所得が20万円、条件により17万8,000円以上になっていれば借りられるようになりました。それでも空き家率の高い特優賃に対して有効な方法となっていません。この中で入居率の低い特優賃のオーナーが家賃の減額5,000円に応じられたと聞いています。本市の担当者の方には間に入って大変かもしれませんが、他の入居率の低いオーナーに家賃減額をお願いしていただきたいと要望します。  また、オーナーにばかり負担をするのではなく、本市も値段を下げて、空き家になるより入居していただく努力も必要です。この特優賃は年々古くなるのに値段が上がる。具体的には3年を経るたびに少しずつもとの家賃額に戻ります。この制度、本市はこれをやめて、特優賃制度の20年間は家賃を上げないようにできないでしょうか。
     この家賃が上がる制度をやめるだけでも、入居率の低い4団地が80%から90%の入居率まで回復すると想定し、転居する人に歯どめがかかるのではないでしょうか。平成19年度より実施できる方向でお考えいただけないか、お尋ねします。  もちろん入居する人をふやすには別の対策を考えねばならないでしょう。さらなる入居者対策として、すべての特優賃に対して1年以上入居がない部屋には、入居時点で家賃の3カ月間半額にし、敷金も半額の家賃の3カ月分としていけば、通常入居する場合と比べ半額で入居することができます。条件としては、1年以上の入居の場合に限るとし、もし1年未満であれば、3カ月分半額の家賃はいただくようにしていけばいかがでしょうか。払わない人には敷金を充てていけば、取り損なうこともないと思います。検討できないでしょうか、ぜひお考えください。  この特優賃を不動産業者がお客さんに紹介するときも、かぎをわざわざ住宅管理課に取りにきたり、ハトのふんがテラスに落ちて汚れていたり、部屋が汚れていたり、部屋を見ていただく段階でお客さんの第一印象を悪くしているようであるとも聞いております。意識も工夫も変えていく必要があるのではないでしょうか。  全国的に見れば、高齢者向けの高優賃の整備目標が2005年度までの整備目標11万戸に対して、1万9,000でとまっており、一方、特優賃は全国に15万9,000戸あるが、入居想定世帯が分譲マンションに流れていることもあり、空き部屋が目立っております。こうした現状から国土交通省は「高齢者向け優良賃貸住宅」と中堅所得ファミリー層向けの「特定優良賃貸住宅」の一元化として、2007年に再編する方針を決めているようです。高齢者から子育て世代までが、手ごろな家賃で安心して居住できる良質な民間賃貸住宅をふやすため、登録制度を設けて家賃助成を行うことのようです。この新たな住宅登録制度は、高齢者のほか子育て世帯や障害者、外国人らの入居を想定し、さらに耐震性やバリアフリー設備、充実した管理体制などを備えていることを条件とする方向で考え、居住に際しては、収入に応じた家賃助成も検討している模様です。  本市も新しい施策を積極的に考えないと、赤字の解消にはつながりません。今後、どのように特優賃対策を行うかお尋ねします。          〔上田謙一建設局長 登壇〕 ◎上田謙一 建設局長  特定優良賃貸住宅についてお答えいたします。  この住宅の家賃は、本来3年ごとに上昇する制度になっておりますが、当時の経済状況による特定優良賃貸住宅の需要の低迷から、平成16年度より家賃を3カ年据え置いている状況であります。また、昨今の経済状況も好転の兆しは見えず、平成19年度からの3カ年の据え置き措置につきましては、年内に意思の決定をする必要があると考えております。  なお、このような経済状況が続くのであれば、以後もこの方向でその都度検討してまいりたいと考えております。  次に、1年以上の空き家となっている部屋を貸し付ける場合の家賃や敷金の減額による優遇措置につきましては、他都市の調査でも類似の施策が効果を上げている状況もあることから、早急に解決すべき問題を整理し、新年度からの導入に向け取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、これからの空き家対策については、現在、取り組んでおりますこれらの施策を初め、引き続きあっせん業者の活用、広報活動の展開を積極的に進めることにより、退去者の抑制並びに新規入居者の安定確保に努めることにいたしております。          〔10番 有馬純夫議員 登壇〕 ◆有馬純夫 議員  平成19年度から3年間、家賃の据え置きを考えておられるようです。今後、3年ごとの見直しがあるものの、経済情勢が好転しなければ家賃の据え置きをしていく方向であり、1年以上空き家となっている部屋には、平成19年度の入居者から家賃減額をやっていくと答えられました。いずれにしろ、今後も積極的な空き家対策の実施を望んでおきます。  次に、防災問題についてお尋ねいたします。  質問の前に、先般の集中豪雨により被害を受けられた皆様に対し、心からのお見舞いを申し上げます。  さて、去る6月26日、九州北部付近に停滞する梅雨全線の影響で、未明から断続的に雷を伴った雨が降り、本市でも午前7時までに84ミリの猛烈な雨がふりました。この集中豪雨により井芹川に近い池上保育園一帯は胸近くまで浸水、御幸笛田では木造平屋家屋が全壊、壺川2丁目一帯では、床下浸水や道路冠水が発生、坪井6丁目でも坪井川の支流である泥川がはんらんし、道路が冠水しました。  この地域の住民の方から、「排水ポンプは稼働しているのか」との問い合わせがありましたが、ポンプの稼働が間に合わず、道路が冠水しておりました。また、「今回は警報が聞こえなかった」との指摘もあります。また、小山田排水機場西側の花園3丁目や島崎6丁目、花園1丁目の一部でも床上及び床下浸水が発生、会派の同僚も駆けつけましたが、消防団の方々や地域の方々が泥の排除に汗を流しておられました。そのとき、地域の方は「まず警報が鳴らなかった。ポンプを稼働させるよう連絡したが、みるみるうちに水が床下まで上がってきた」と話されました。このほか、災害の現場ではさまざまな被害が起こっています。  そこでお尋ねします。まず、壺川2丁目一帯の雨水などの排水用に壺川ポンプ場がありますが、今回の豪雨は、その排水能力をはるかに超えており、そのために被害が発生しております。この一帯には動力の大きな排水ポンプを設置する以外にありません。その新設計画があると聞きます。その計画の内容と今後の具体的な取り組みをお聞かせください。  次に、坪井6丁目一帯の水害は、水位上昇が想定より早かったため、泥川の排水ポンプの稼働がおくれたことに原因があります。この排水ポンプ場の管轄は県土木事務所であります。聞くところによると、県の担当職員がポンプ場に着任しようとしたときには、既に周辺道路が冠水、行くに行かれずに排水ポンプの起動がおくれ道路冠水などにつながったとのことです。事実であれば、まことにお粗末な対応であり、人災といっても過言ではありません。  さらに、この排水ポンプは自動で起動するよう設定されていながら、いつも起動が間に合わないため、手動で委託業者が起動させているそうです。さらにあきれるばかりです。自動の設定が現状に合わないのであれば、その設定を変えるなどの対策が当然かと思いますが、県は何らの対応策も講じていなかったのが実情です。  この泥川流域一帯の水害対策について、県に対してどう改善を求めていくのでしょうか。現状に即した自動運転の設定変更や、さらに大型の排水ポンプの設置、泥川の雨水を遊水池に一時貯留するなど、より抜本的な改善策を県に強く求めていくべきではないでしょうか。今後の対応について、当局のお考えをお聞かせください。  次に、小山田排水機場の問題です。6月26日の朝までは動いていた排水ポンプも10時過ぎには故障して、床上・床下浸水が発生しました。実質的には建設後、初めての本格的な運転であったにもかかわらず、4台設置されている排水ポンプの全部が故障したと聞きます。この排水ポンプの故障は深刻な問題です。全部のポンプが故障した後の26日から27日にかけても豪雨が予想されていましたが、断続的に降ったことから大事には至りませんでしたが、26日未明と同じような豪雨が続いていたならば、この一帯はひとたまりもなく大水害に見舞われていたことでしょう。  そこでお尋ねします。まず、排水ポンプが故障に至る経過と、その原因を責任の所在も含めお示しください。  次に、ポンプが故障した後、豪雨が予想される中でどのような対策を講じたのか。万一に備えての地元住民の避難態勢や情報提供なども含めてお答えください。  3点目に、排水ポンプの修理など、その後の対応策について具体的にお聞かせください。  以上、3点について都市整備局長にお尋ねします。  4点目に、排水ポンプがすべて故障したことなど、事後も情報公開がなされていません。災害が予想される中、住民のパニックを避ける意味からも情報の取り扱いは慎重に行わなければならないことは理解できますが、一定の対策が講じられた後ででも地域住民や市民への情報公開が必要ではないでしょうか。  4台全部のポンプが故障するなど通常は考えられない事態です。しかし、想定を超えた事態が起こり得る災害です。それを明らかにすることで、防災への意識と備えを高めることにもなります。この情報の取り扱いと、このような事態を招いた行政の責任を幸山市長はどうお考えでしょうか、お聞かせください。  5点目に、この小山田排水機場の問題は、市内各所の排水ポンプ場や水害対策に関連する施設での日常の保守点検がいかに大事かを物語っております。小山田の排水ポンプは、通常の点検では見抜けないようなことが原因とも聞きますが、いずれにしても、このようなことが再び発生してはなりません。どう予防していくのか、具体的な対策をお示しください。あわせて幸山市長にお尋ねします。  引き続き、災害時の警報のあり方についてお尋ねします。  さきに述べたように、坪井でも小山田一帯でも、今回は警報のサイレンが聞こえなかったとの話を聞きました。さきの総務委員会の説明によると、水防本部は、坪井は坪井川の水位を基準にサイレンを鳴らすようにしており、基準の水位に達していなかったためサイレンを鳴らさなかったと聞きました。しかし、現場は道路冠水などが発生しており、関係住民にとっては、少なくとも車や貴重品、家具等の移動など万一の場合に備えての行動を起こさなければなりません。サイレンによる警報の呼びかけはそのきっかけとなる重要なサインであり、情報です。現場の実態を把握した上でサイレンを鳴らすなどの総合判断が必要ではなかったのでしょうか。  また、宮崎県では昨年9月の台風14号での深刻な被害を教訓に、県が地域防災計画を改定、住民に避難勧告する前に「避難準備情報」を出し、逃げおくれを防ぐ体制づくりを目指しております。本市でも内水による床下浸水や床上浸水が短時間に起きる現状からして、警報を出す前の集中豪雨の準備情報を出していけば早目の準備ができ、被害も最小限に抑えることができると考えます。本市でもこうした「避難準備情報」を出すなど、警報や避難等のあり方を見直すべきはないでしょうか。総務局長のお考えをお聞かせください。          〔松本富士男都市整備局長 登壇〕 ◎松本富士男 都市整備局長  私からは、坪井川周辺の排水ポンプ計画と小山田排水機場における排水ポンプの故障に至る経過並びに原因とその対策などについてお答えいたします。  まず、坪井川周辺の排水ポンプ新設計画でございますが、坪井川右岸の壺川地区につきましては、浸水解消対策事業として平成15年度より事業着手し、平成17年度には用地取得を行い、本年度の実施設計に基づき平成19年度に工事着手し、平成20年度の完成を目指しております。  次に、小山田排水機場につきまして、私からは3点についてお答えさせていただきます。  まず、1点目の故障に至る経過とその原因についてでございますが、御案内にありましたとおり、本年6月26日の雨は、午前5時から6時までの1時間に84ミリの降雨があり、記録的な集中豪雨となりました。このような中、小山田排水機場では午前5時半から2台のポンプで運転しておりましたが、運転中のポンプに異常音が発生するトラブルが相次いだため、予備のポンプを運転しております。雨は午前6時から午前7時の間に24ミリとなり、その後小康状態となりました。その間、予備のポンプとあわせ2台で運転しておりましたが、午前9時10分に片方が停止し、午前10時15分にすべてが故障、停止いたしました。  故障の原因は、モーターとポンプの連結減速機の破損によるもので、ポンプ設置時のオイル不足の可能性が高いことから、復旧につきましては施工業者により、「みずからの責務において早急な対応をしたい」との申し出があったため、復旧作業を指示したところでございます。  2点目の故障後の対策、3点目の排水ポンプの修理につきまして、あわせてお答えさせていただきます。  ポンプ停止後、その後の降雨に早急に対応するため、仮設ポンプの設置を最優先に考え、まず、緊急対応として国土交通省に移動用排水ポンプ車の支援要請を行うこととし、同日中にポンプ車を受け入れ、設置及び試運転を行っております。その後、7月1日に仮設ポンプを設置し、8月9日に既設ポンプすべての復旧を完了いたしております。  次に、お尋ねであります地域住民の方々への情報提供につきましては、当面の対応策を最優先に進めてまいりましたことで、当日、情報提供までに至らなかったことにつきましては、御理解を賜りたいと思います。  なお、7月2日に近隣の皆様方に故障の経緯と当面の対応策について説明を行い、その後のお問い合わせにつきましても、その都度説明をいたしております。  今後は、今回の小山田排水機場の件を教訓として、各施設の保守点検強化に取り組みますとともに、職員の技術研修等に努めてまいりたいと考えております。  最後に、地域の皆様や議員の皆様に大変御心配をおかけいたしましたことにつきまして、心からおわびを申し上げます。          〔寺本敬司総務局長 登壇〕 ◎寺本敬司 総務局長  私の方から、泥川流域一帯の水害対策に係る県への要望と災害時の警報のあり方についてお答えいたします。  議員御承知のとおり、ことしは梅雨時期に集中豪雨が続き、特に6月26日は熊本市で時間雨量84ミリの大雨を記録しました。この影響を受け、市内各所で床下・床上浸水や道路冠水等の被害が発生し、市民の皆様に大変御心配をおかけいたしました。  それでは、まず1点目の泥川流域一帯の水害対策に関しまして、県への要望についてお答えいたします。  本市といたしましても、議員御指摘のとおり、抜本的な改善が必要であると認識しており、県危機管理・防災消防総室に対しまして、注意報発令段階から担当職員の現場待機、状況に応じた早期の排水ポンプ運転開始や運転基準の見直し、また、泥川のはんらんを防ぐ方策などについて、強く要望したところでございます。  さらに先般、県市関係課による「坪井川遊水池・泥川関係連絡調整会議」を開き、今後の改善策について協議したところでありますが、その中で、待機方法や排水ポンプ運転方法の見直しを行うとともに、雨水を遊水池に一時貯留するなどの課題についても、今後検討していくことになりました。  次に、災害時の警報のあり方についてでございますが、本市では防災情報システムにより河川の水位情報の収集や監視を行っており、河川の水位状況や気象状況等により判断して警報を発することにしておりましたが、さらに道路等の現地状況の把握に努め、その状況も含めて総合的に判断して警報を発することといたしました。  また、御提案の避難準備情報につきましては、避難に時間のかかる要援護者が余裕を持って避難行動がとれるように、通常の避難勧告に先立って発令する情報であり、内閣府・総務省消防庁・厚生労働省の三者によるガイドラインの中で示されたところであります。今後、他都市の状況等を調査研究し、関係部局と協議しながら、避難準備情報を取り入れました地域防災計画の見直しに向け、早急に取り組んでまいります。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  今回の集中豪雨におきましての対応につきましては、私どもにとりましてさまざまな課題が残ることとなりました。小山田排水機場の件につきましては、経過、原因、その後の対応等につきまして、先ほど都市整備局長よりお答えをさせていただいたところでございます。  今回の小山田排水機場でのポンプ故障及びその後の対応につきましては、地域の皆様方や議員の皆様方に御不安と御心配をおかけするに至ったことにつきまして、私の方からも重ねておわびを申し上げる次第でございます。  議員お尋ねの件につきましては、今回の件を教訓といたしまして、重要な使命を持った施設であることを再認識し、再発防止に努めることが行政の責務であると考えております。したがいまして、個々の施設が最大限の機能を発揮できるように日常の保守点検を的確に実施いたしますとともに、技術研修等の実施によりまして、職員の大雨に対する防災能力の向上に努めてまいりたいと考えております。さらに、災害時の被害を最小限にとどめますため、国・県との連携強化はもとよりでございますが、きめ細やかな情報の収集、伝達に努め、治水対策を初めとする防災体制の充実にさらに万全を期してまいりたいと考えております。          〔10番 有馬純夫議員 登壇〕 ◆有馬純夫 議員  予期せぬ事態を招かぬよう、危機管理と日常の保守点検にしっかり取り組んでいただきたいと思います。  泥川流域の水害対策は、今回の改善策をしっかり実行に移すよう県に訴えていただきたいと思います。また、避難準備情報は内水被害による床下浸水、床上浸水に対しても効果的であると考えます。大雨による被害を最小限に抑えるために、早急に取り組みをお願いします。  最後にその他について、児童虐待についてお伺いします。  1989年、国連で子どもの権利条約が採択され、我が国でも1994年、平成6年に国会で批准、発効されました。その特徴は、子供を大人が保護する対象としてだけではなく、権利を享受し行使する主体として、より積極的にとらえた点です。国際社会が子供の擁護に大きく踏み出すことになりました。  ところが、この1994年当時、全国の児童相談所が扱った児童虐待の件数は約2,000件に上り、4年間で2倍にふえる事態となっていました。みずから主張ができない児童が無残に虐待されるのを、人の親として許すことができないとの立場と急激にふえている事態を受け、我が公明党市議団として対策を含め、要望、提案を継続して行っていくことにしました。  御案内のとおり、当時、児童相談所は、県または政令都市にしか設置できないことになっていました。しかし、児童福祉法では「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに児童を心身ともに健やかに育成する責任を負う」とうたっていることから、この精神にのっとり、本市でも児童虐待の予防や対策に積極的に取り組むべきであるとの観点に立って、やれることから提案していくことにしました。  最初に行ったのは、児童虐待の実態の把握と本市独自の取り組みをただすことから始めました。これ以降、虐待防止相談窓口(こども虐待110番)の開設、児童虐待対策会議等の設置、「くまもと市こどもプラン」への子供の虐待についての記述要望、虐待を対象とした専門家による相談コーナーの開設、本市「健やか親子21」への児童虐待防止対策の記述要望、児童虐待防止ネットワーク連絡会の設置、人材育成と研修の充実、児童虐待防止対策の拠点となる児童サポートセンターの設置等々の提案、要望を行ってきました。これら児童虐待防止対策の提案、要望は、この9年間で一般質問だけでも12回を数えます。また、多くの会派からも対策が求められてきました。  こうした中、平成12年5月には児童虐待防止法が成立、また、平成15年11月に利用者の利便性の向上や迅速な対応、各種の子育て支援サービスを活用した総合的な対応が可能になるなどの観点から、中核市にも設置が適当であるとの考えが厚生労働省の社会保障審議会児童部会で示され、これまで県または政令市でしか設置できなかった児童相談所が中核市でも設置できるようになったと聞き及んでいます。  本市は、ここ数年政令市を目指し、周辺市町村との合併を模索してきました。この政令市移行により福祉政策分野でおりてくる大きな政策が児童福祉分野です。これまで、本市では児童虐待防止法、児童福祉法に基づき可能な限りの独自対策を講じてきました。そして、かなりのノウハウを蓄積できたのではないかと思います。もう一歩大きく児童虐待防止など、児童福祉の充実を図るためには、本市に児童相談所を設置すべき時期が来ていると確信します。  そこで、会派を代表して幸山市長にお尋ねします。児童虐待防止や児童福祉の向上対策への思いも含め、本市での児童相談所の設置について、でき得る限り具体的にお考えをお示しください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  児童虐待につきましてお答えさせていただきます。  ことし4月、秋田県で発生いたしました連続児童殺害事件を初めといたしまして、福島の幼児放置死事件など、ここ数年、子供が巻き込まれる痛ましい事件が後を絶たないわけでございまして、大変心を痛めているところであります。  本市におきましても、平成17年度の児童虐待相談件数でございますが、189件ございまして、平成12年度の約3倍となりますなど年々増加傾向にあります。県中央児童相談所の虐待相談件数に占める本市の割合が6割を超えている状況にもあります。また、ケースの内容も深刻化しておりまして、児童虐待防止対策は喫緊の課題であると認識いたしております。  そこで、これまで平成12年度に「熊本市児童虐待防止ネットワーク連絡会」を設置いたしまして、関係機関と連携し、児童虐待の早期発見、早期対応、未然防止等に取り組んでまいりました。平成16年度には、虐待相談員を保健福祉センターに配置し、さらに平成17年度からは虐待予防教室を開催いたしますなど、児童虐待防止対策の充実を進めてまいりました。また、本年の6月には児童福祉法に基づきます「熊本市要保護児童対策地域協議会」を設置いたしまして、児童虐待を初めとする要保護児童の早期発見と適切な保護に努めているところであります。  さらに、虐待相談への対応には高度の専門性も必要でありますことから、本年の4月から保健師とケースワーカーを県中央児童相談所に派遣いたしまして、専門的知識に基づきまして対応できる職員の人材育成にも努めますとともに、より一層の連携を進めているところでもあります。加えまして、平成20年開設予定の総合保健福祉センターの中に、仮称でございますが、子ども総合相談室を設置することといたしておりまして、児童相談体制の整備を進めていかなければならないと考えております。こうした中、昨年4月、改正児童福祉法が施行されまして、中核市におきましても児童相談所を設置できることとなりまして、本年4月、横須賀市や金沢市では児童相談所が開設されております。  お尋ねの本市での児童相談所の設置についてでございますが、これまで議会におきましても議員各位から、児童虐待防止対策に関連し、さまざまな御意見をいただいてきたところであります。このたびの改正法におきましては、子育て支援から要保護児童対策まで一貫した児童福祉対策を実施することが求められておりまして、増加、深刻化する虐待相談の現状をかんがみ、政令市を目指す本市といたしましても、児童相談所を設置することが望ましいと考えております。したがいまして、人材育成並びに組織体制の整備等、児童相談所の設置に向けまして、その準備を進めてまいりたいと考えております。          〔10番 有馬純夫議員 登壇〕 ◆有馬純夫 議員  幸山市長から、児童相談所を設置するとの答弁がありました。このことは児童福祉法第11条で、都道府県が行うこととしている児童の一時保護などの措置権を持つことであり、本市が児童虐待防止対策の強化に大きく踏み出すことを意味します。  公明党は、熊本市内の親と離れて暮らす子供たちの施設で、理美容師の協力を得て散髪の奉仕活動をしてきました。初代の責任者が西議員、次に磯道議員、鈴木議員と続き、現在、私がお世話をしています。始めてから10年以上がたちました。子供たちと触れ合う中で、子供たちに一番身近な市町村が直接的にかかわっていくべきだと痛感してきました。  そうした中、我が党の坂口厚生労働大臣の時代に改正児童福祉法の骨格となる考え、つまり虐待防止のために、できるだけ身近な自治体がかかわった方がよいこと、そして、児童相談所は人口30万人規模に1つが望ましいことが示され、法改正へとつながりました。横須賀市、金沢市に次ぐ全国第3番目の児童相談所を持つ熊本市が一日でも早く実現することに期待します。  大変長くなってしまいまして申しわけございません。以上で質問を終わらせていただきます。  長時間にわたりまして、御清聴いただきました傍聴の皆様、議員の皆様に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。(拍手)      ─────────────────────────── ○田尻清輝 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は明13日(水曜日)定刻に開きます。      ─────────────────────────── ○田尻清輝 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                              午後 3時59分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成18年9月12日 出席議員 51名       1番   税 所 史 熙        2番   田 尻 清 輝       3番   澤 田 昌 作        4番   高 島 和 男
          5番   大 石 浩 文        6番   田 尻 善 裕       7番   白河部 貞 志        8番   倉 重   徹       9番   廣 瀬 賜 代       10番   有 馬 純 夫      11番   満 永 寿 博       13番   齊 藤   聰      14番   津 田 征士郎       15番   鷲 山 法 雲      16番   上 野 美恵子       17番   東   美千子      18番   村 上   博       19番   日和田 よしこ      20番   藤 岡 照 代       21番   坂 田 誠 二      22番   藤 山 英 美       23番   田 中 誠 一      24番   下 川   寛       25番   重 松 孝 文      26番   東   すみよ       27番   中 松 健 児      28番   佐々木 俊 和       29番   田 辺 正 信      30番   鈴 木   弘       31番   竹 原 孝 昭      32番   牛 嶋   弘       33番   古 川 泰 三      34番   落 水 清 弘       35番   北 口 和 皇      36番   田 尻 将 博       37番   家 入 安 弘      38番   大 江 政 久       39番   上 村 恵 一      40番   島 田 俊 六       41番   江 藤 正 行      43番   荒 木 哲 美       44番   主 海 偉佐雄      45番   嶋 田 幾 雄       46番   紫 垣 正 良      47番   島 永 慶 孝       48番   矢 野 昭 三      49番   鈴 木 昌 彦       50番   宮 原 政 一      51番   益 田 牧 子       52番   磯 道 文 徳      53番   西   泰 史 欠席議員  1名      12番   三 島 良 之 説明のため出席した者  市長        幸 山 政 史    副市長      三 嶋 輝 男  収入役       川 上 憲 司    総務局長     寺 本 敬 司  企画財政局長    今 長 岳 志    市民生活局長   原   幸代子  健康福祉局長    谷 口 博 通    環境保全局長   小 牧 幸 治  経済振興局長    岡 本 安 博    都市整備局長   松 本 富士男  建設局長      上 田 謙 一    消防局長     中 山 賢 三  交通事業管理者   石 田 賢 一    水道事業管理者  東   軍 三  教育委員会委員長  黒 澤   和    教育長      永 山   博  人事委員会事務局長 嶋 村 早 人    代表監査委員   中 原 謙 吉  農業委員会会長   森   日出輝    市長室長     木 村 正 博  財務部長      宮 崎 健 三 職務のため出席した事務局職員  事務局長      松 本   豊    事務局次長兼議事課長                                山 田 利 博  議事課長補佐    木 村 建 仁...