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平成18年第 1回定例会−03月09日-05号
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  1. 熊本市議会 2006-03-09
    平成18年第 1回定例会−03月09日-05号


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    平成18年第 1回定例会−03月09日-05号平成18年第 1回定例会   平成18年3月9日(木曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第5号                          │ │ 平成18年3月9日(木曜)午前10時開議                 │ │ 第  1 質問                              │ └─────────────────────────────────────┘                            午前10時01分 開議 ○税所史熙 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ───────────────────────────────── ○税所史熙 議長  日程第1「質問」を行います。  順次発言を許します。益田牧子議員。          〔51番 益田牧子議員 登壇 拍手〕 ◆益田牧子 議員  おはようございます。日本共産党熊本市議団益田牧子でございます。  私どもは、本年1月から2月にかけまして、市民アンケートを広く市民の皆さんにお届けし、800人を超す方々から回答を寄せていただきました。本日はアンケートの要望や声を紹介しながら、質問させていただきます。時間いっぱい使わせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。  初めに、耐震強度不足問題への対応についてお尋ねいたします。姉歯元建築士の構造計算書偽造に端を発しました中高層建築物の耐震強度偽装問題は、直接被害をこうむった住民や経営者だけでなく、マンションに住んでいる全国の人々が大きな不安を感じています。札幌の問題も報道されておりました。木村建設が熊本県にあり、全国的に注目されている中で、熊本県と本市の先般の国土交通省への報告、対応のまずさは一層不信を募らせることとなりました。さらに福岡県のサムシングという構造設計会社の偽装問題の真相解明が進めば、その件数と本市への影響の大きさから見て、もっと深刻な問題となりかねない事態に直面しています。本市としては、信頼の回復と安全確保のために格別な努力を払うことが求められていると言わなければなりません。  全国的に耐震強度偽装問題を解決して、建築確認制度への信頼を回復するためには、なぜこんな信じられない問題が起きたのか、その根本原因を明らかにする必要があります。安全よりももうけを優先した関連業者に責任があることは明白ですが、ずっとさかのぼれば、官から民へということで、1998年、平成10年の建築基準法改悪により、建築確認という安全確保のための最も大事な仕事を民間に丸投げした規制緩和に最大の原因があることは明白です。民間確認検査機関はゼネコンや大手ハウスメーカーの出資でつくられているケースもあり、安く、早く建築確認をおろすという民間の競争原理がまかり通るようになっただけでなく、構造計算プログラム大臣認定制度を導入したことがそれに拍車をかけました。それにともなって、行政の役割が低下し、行政による検査確認体制も弱体化が進行してしまいました。  本市においても例外ではなく、確認審査室の実務体制が半減し、本年度の構造検査担当はたった1人になっています。しかも、構造計算ソフトを備えていませんので、自前で再計算をすることもできなくなっていました。今回、木村建設関係については、プロジェクトチームが設置されましたが、応急措置ではなく抜本的な対策が求められています。そもそも本市においては、10数年前ぐらいから設計の業務を次々と民間へ委託し、1級建築士の資格を持っている職員が専門技術を生かす機会を奪っていました。その上、さらに、人事面でも、こうした専門技術者を生かすどころか、ほとんど関係のない分野に配置するなどしたために、せっかくの技術が鈍ってしまい、やる気もなくすことにつながっています。ですから、民間の設計士や建築業者も、「以前は行政に相談し、教えられることも多かったが、今では書類を出すだけになった」と行政のレベル低下を見抜いている状況です。  私ども市議団は、こうした問題を放置すれば、いずれ深刻な問題に直面すると考え、繰り返し取り上げ、改善を求めてまいりました。しかしながら、官から民へを政治信念とする幸山市長のもとでは一向に改善されず、むしろ加速されていきました。
     そこで、幸山市長にお尋ねいたします。  第1は、今回の一連の耐震強度偽装問題が発生した最大の原因をどのように認識しておられるのでしょうか。  第2は、この問題の解決に当たって、国に対してどのような改善策を要望していくおつもりでしょうか。法改正の問題も含めてお答えください。  第3に、本市として、市民の信頼を回復し、安全確保のためにどのように対応しようとしておられるのでしょうか。当面の対策と恒久的な対策についてもお答えください。この点では、市民から、私の住んでいるマンションは大丈夫でしょうかという不安にこたえるためにも、福岡市では既に実施している耐震診断助成要綱を制定すべきと考えますがいかがでしょうか。  第4に、建築分野を初め専門技術者が、その専門性を最大限に発揮し、市職員として誇りが持てるようにするために、具体策は持っておられるのか。  以上4点、幸山市長にお尋ねします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  御質問にお答え申し上げます前に、まずもって、今回の耐震強度問題に対する本市の対応におきまして、結果的に市民の皆様に不安や不信を招きましたことに対しまして、大変申しわけなく思っております。改めて申すまでもございませんが、市民の生命、財産を守りますことは、自治体の最も基本的な責務でありまして、今後、市民の皆様方の信頼回復に向けまして、全力で取り組んでまいる所存でございます。  それでは、4点のお尋ねに順次お答えさせていただきます。  第1点、今回の一連の耐震強度偽装問題が発生した原因についてであります。申すまでもございませんが、問題を起こした業者や、あるいは建築士が安全より利益を優先した姿勢に最大の責任があるところですが、これを見抜けなかった審査体制の不備も大きな問題であると認識いたしておりまして、今後、国等の調査の中におきまして、原因の究明や検証がなされる必要がありますが、建築確認行政を担う本市といたしましても、これを期に、審査体制の検証を行い、整備を進めていかなければならないと考えております。  第2点の、国に対しこの問題解決に向けてどのような改善策を要望していくのかということであります。国におきましては、この問題を受けまして、建築士に対する罰則の強化あるいは第三者機関での構造計算書チェック体制の創設等が検討されていると聞き及んでおりますが、私といたしましては、市民の安全が確保されますよう、実効性を伴った関連法令やあるいは審査体制の充実強化を強く望んでいるところであります。  第3点、本市の対応についてであります。まず、当面の対策といたしましては、本年2月耐震強度問題対策プロジェクトを設置いたしまして、まずは問題となっております建築物の検証を鋭意進めているところでありまして、できるだけ早く市民の皆様の不安解消に努めてまいりたいと考えております。  さらに、新年度からは、本議会において提案しております新年度予算の中におきまして、構造計算システムの導入経費を計上させていただいておりますほか、建築指導や建築確認における体制強化を進めますとともに、従事する職員の研修などにも努めてまいる所存であります。加えまして、先般、建築物の耐震改修の促進に関する法律が一部改正されたところでありまして、今後、本市といたしましても、耐震改修促進計画の策定に取り組んでいくことといたしております。  なお、議員御提案の耐震診断に関する助成制度につきましては、この計画を策定してまいります中で検討してまいりたいと考えております。  最後に、建築分野を初めとする専門技術者についてのお尋ねであります。私は、民間委託やアウトソーシングにつきましては、官と民との役割分担に基づき、効率的で質の高い行政サービスを実現するために取り組んでいるものであり、単に官から民へではなく、行政としての責任を果たすことは、その大前提であると考えております。  このような観点から、私は、事務技術に限ることなく、行政職員として果たすべき役割をしっかりと担っていくとともに、みずから積極的にその責任を果たすための能力向上に努める必要があると考えております。  そこで、本市におきましては、特に業者に対する指導等の最前線に立つことの多い技術系職員に対しまして、今後とも研修等により技術力の向上を図ります一方で、その専門的知識や技能を十分生かすことができる人事配置等に努めますなど、その能力を発揮できるような環境づくりを進めてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、耐震強度不足問題におきまして揺らいでおります信頼の回復、さらには市民の不安を払拭すべく全力で取り組んでまいる所存でございます。          〔51番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  ありがとうございます。耐震強度偽装問題が起こった原因は、規制緩和で建築確認審査という大事な公の役割を民間に開放したところに根本原因があります。市長がおっしゃいますように、国に明確な対応を求めるとともに、建築確認行政は市民の生命、財産を守る大事な自治体の仕事です。これを期に、体制の強化、職員研修などを行うとのことですが、各分野で頑張っておられる専門技術者の力量が発揮される人事配置を私の方からも強く要望いたします。幸山市長には、マンションを対象とする構造計算書調査費用の補助制度をつくって、市民の不安解消にこたえていただきますように、再度要望いたします。  続きまして、幸山市政の3年間余の評価に関連してお尋ねいたします。  本年11月には、早いもので市長選挙を迎えます。日本共産党市議団は、毎年、市民アンケートを配布いたしまして、市政のさまざまな課題についての御意見とともに、幸山市政の評価についても尋ねてまいりました。今回の結果、「評価がわからない」23.1%と多いものの、この3年間の特徴は「評価する」が1年目、26.3%。2年目16.8%、今回の3年目9.8%と減少していることです。「評価する」の意見では、「市長のやる気が感じられる」、「秘密がないようだから」、「議会による市長のいじめという感が強い」などでしたが、「どちらかといえば評価する」と答えた人であっても、「行政が一部透明になったことは評価するが、弱い者にしわ寄せをすることで、市の借金を減らしたことは自慢にならない」、「何のための改革かわからない」、「市民の暮らしは苦しくなるばかり」と自分の生活観から厳しい評価となっています。「評価できない」では、「弱者の立場、底辺の生活者のことが本当にわかっていない」、「市民負担ばかりで、行政の努力がない」、「頑迷、独善。市民の意見に耳を傾けること」と、さらに厳しい意見が多くなっています。  幸山市長には、このような市民の皆さんの御意見は届いているでしょうか。こうした思いの背景にあるのは、市民の暮らしの実態です。幸山市長は、今議会の提案理由の説明で、「本市におきましても、個人消費の持ち直しや有効求人倍率の増加など、全般的に改善傾向にある。」と言っておられますが、私どもの市民アンケートでは、「暮らし向きが悪くなった」が約8割と、多数を占めています。  日銀の生活意識に関するアンケートの結果も、「1年前に比べて景気が悪くなった」、「変わらない」と答えた人が8割を占め、同じような結果となっています。また、多重債務の相談に乗っておられる熊本クレ・サラ・日掛被害をなくす会のまとめでも、昨年1年間で相談を受けた1,025人のサラ金、日掛けなど、多重債務に苦しむ人々の所得は、生活保護基準以下の10万円未満が約60%を占め、年代も働き盛りの40歳代がトップで、きっかけも、リストラ、失業、病気などによる生活費など、社会的な原因がほとんどとなっています。  熊本市におきましても、市営住宅の滞納による明け渡しの訴訟が、5年間で6割増となっていますが、病気や事故、失業、倒産、借金返済、低収入が約7割を占めています。皆さんも御存じのとおり、ホームレスの人たちも一向に減る気配はありません。  小泉構造改革がもたらした格差社会と貧困の拡大が、熊本市でも同じような社会問題となっているのではないでしょうか。幸山市長は、市民の暮らしの実態をどのように認識されているのか、また、格差社会について、どのようなお考えをお持ちなのかをお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  私の市民の暮らしに対する認識、また格差社会についての考えに対するお尋ねでございます。順次お答えさせていただきます。  昨今の経済情勢につきましては、先ごろ、政府経済見通しが示されたところでありまして、平成18年度におきましても、消費及び設備投資は引き続き増加し、我が国経済民間需要中心の緩やかな回復を続けると見込まれるとされているところでありまして、また、有効求人倍率等の数値におきましても、平成15年度が全国平均約0.6、熊本県で0.5でありましたものが、平成17年は全国で1.0、熊本県でも0.8と上昇していることなどから、今回提案理由の説明の中におきまして、全般的には景気は改善傾向にあると申し上げたところであります。  しかしながら、詳細に分析いたしますと、例えば、昨年12月の県内の求職状況でありますが、対前年同月に比べまして8.4%増加しているところでありますが、そのうちパートタイムの求人が約37%の増、パートを除きます求人は逆に1.2%の減少となっておりまして、昨今の景気回復につきまして、特に地方におきまして、決して楽観が許されるような、そんな状況ではないと認識いたしております。  また、私は就任以来、「市長への手紙」でありますとか、あるいは「私の提言」などを通じまして、できるだけ多くの市民の皆様の御意見を拝聴するよう心がけているところでありますが、その中におきましても、税や介護保険、さらには年金などの問題に対します相談や要望も多数寄せられているところであります。  このようなことから、先行きが不透明な経済情勢が続き、さらに急速な少子高齢化の進展に伴い、保険や年金などの社会保障制度のあり方が大きく見直されていくことが予想される中におきまして、将来の生活に不安を抱いている市民がおられることも実感いたしているところであります。  次に、今、国会を初め大きな論議を呼んでおります、いわゆる格差社会についてであります。少子高齢化社会あるいは人口減少社会におきましては、右肩上がりの高度成長はもはや期待できず、今後、いかに安定的な成長を図っていくかが大きな課題となっております。このような時代におきまして、確かに平等に機会を与え、透明公平な環境の中で競争を行いますことは、社会全体の活力を創出するために必要なことであると考えております。  しかしながら、一方におきまして、過度に格差が生じますことは、社会不安を増大させるとともに、公共の福祉を確立する上におきまして、さまざまな問題を引き起こすことにつながりますことから、私といたしましては、セーフティーネットを社会全体で構築していく必要があると考えております。そこで、把握がなかなか困難な面もあるわけでありますが、今後のいわゆる格差社会の動き、推移につきましては、注視していかなければならないと考えております。          〔51番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  幸山市長は、将来の生活に不安を抱いておられる市民がおられることを実感しておられるとのことですが、不安を強め、格差を拡大しているのが小泉政治の規制緩和、構造改革の路線であり、私は幸山市長が進めてこられた行財政改革ではなかったかと思っております。市長は、セーフティーネットの構想の必要性について述べられましたが、この間の市政の実態は、学童保育の利用料の有料化、障害者、被爆者、高齢者のさくらカードの有料化、下水道使用料の引き上げなど、市民の意見を聞くことなく、受益者負担を押しつけ、さらに格差を広げているのではないかと思います。その結果が、さきに紹介した市民アンケートの結果にもあらわれていることを認識していただきたいと思います。  次に、新年度の予算編成についてお尋ねいたします。新年度政府による庶民増税のメニューが盛りだくさんです。1月には所得税の定率減税半減、4月には介護保険料の引き上げ、5月は酒税の引き上げ、6月住民税の定率減税半減、7月たばこ税の引き上げ、8月厚生年金保険料の引き上げ、10月からは70歳以上の医療費の負担増と、庶民にとっては、年間を通しての負担増計画となっています。  小泉内閣は大企業、大資産家への優遇税制を温存、拡大する一方で、庶民には5回の予算編成で13兆円もの増税負担を押しつけ、税制改悪により、熊本市民の負担増は今年度だけでも、約16億円余りとなっています。幸山市長は、提案理由説明において、国の三位一体改革国庫補助負担に関連して、真の地方分権の実現に向けて、一歩ずつ前進していると評価されていますが、果たしてそうでしょうか。国の責任の後退と地方財源の大幅削減であることが明らかになり、積極推進者でありました浅野史郎前宮城県知事は、「この決着は地方の期待を裏切るものであった。改革などなければよかったと言いたくなるほど中途半端な状況である。」と述べておられます。  熊本市においても、新年度地方交付税臨時財政特例債が51億円削減となり、地方交付税の命とも言うべき財源保障の機能の縮小、廃止となり、結局そのツケが行財政改革として、市民負担増市民サービスの低下、市職員の合理化を招く原因となっています。熊本市の新年度予算案は、熊本駅周辺整備費などを聖域とする一方で、経常経費と政策経費の1割カットは高齢者福祉の分野にまで及び、「1週間に1回の電話での会話が生きる希望を与えていました」と喜ばれていたひとり暮らしの高齢者の福祉電話予算600万円を削り、安否確認を廃止し、月750円まで無料だった使用料も全額有料となっています。  そのほかにも、給食サービス予算500万円を廃止、敬老お祝い品予算358万円を削り、88歳と101歳以上の方々へのお祝い品代5,000円を3,000円に引き下げようとしています。お金がないからと、年に1回のこんなささやかな高齢者へのお祝いまで削るのは、長年社会のために貢献してこられた高齢者に対して、余りにも冷たい仕打ちではないでしょうか。  また、幼い子供たちをめぐる事件が多発し、安全対策が多くの市民の強い関心となっているときに、安全安心のまちづくり推進経費もわずか100万円の予算が90万円へと1割カットとなっています。昨年、学校図書館への空調設備については、2年連続ゼロ査定となっていることから、一般質問で取り上げ、教育長は必要性を認め、「実現に向け検討していく」と言われましたが、今回は予算要求も行っておられません。熊本の暑い夏、せめて子供たちにクーラーの設置は当たり前のことではありませんか。  私はすぐにできることとして、市長の退職金廃止と議員の費用弁償を廃止すれば、敬老お祝い品代などは削らなくてもよい。幸山市長には、玉名市の新しい市長さんが、市長の退職金廃止を公約して当選されましたように、みずからの退職金を廃止されることを提案いたします。私ども議員も長崎市、佐賀市のように、費用弁償は廃止すべきだと考えております。幸山市長に市民の暮らし、福祉を守る予算編成のあり方について、市長の退職金の廃止のお考えについてお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいまの御質問に対してお答えさせていただきたいと思います。先ほど、三位一体の評価について、私の先日の答弁の中から、地方分権が進んだということで一定の評価はするということは申し上げたかと思いますが、何も今回の三位一体の改革につきまして、私自身、もろ手を挙げて賛成しているものではございません。今後、交付税の改革でありますとか、いろいろな課題が積み残されている中で、やはり地方の過度の負担転嫁とならないように、そういったことには注視しながら、今後も国に対して申し上げるべきことは申し上げ、進めていかなければならないと考えているところであります。  それでは、今回の予算編成のあり方についてでありますが、今回の予算編成におきましては、昨年5月のさらなる財政健全化に向けての試算の中におきまして、三位一体改革による地方交付税等の減少が続く一方におきまして、歳出がこのままで推移いたしますと、大幅な収支不足が見込まれましたために、その改善方策の一つといたしまして、経常、政策的計画の10%削減シーリングを行ったところであります。しかし、投資的経費まちづくり戦略重点ターゲット事業などは除外いたしますとともに、対象事業につきましても、一律に10%削減するというものではなく、事業評価に基づいた、あるいは各局の主体的な取り組みにより実施したところであります。  特に、事業の廃止や、あるいは見直し、削減に当たりましては、ニーズが薄くなっていたり、代替が可能なものを中心に可能な限り市民サービスへの影響が出ないよう配慮いたしたところであります。歳入自体が減少しておりますため、予算全体も縮小になりますけれども、その中におきましても、特にまちづくり戦略重点ターゲットとなります施策につきましては、予算の重点配分を行いますなど、事業効果を勘案した選択と集中の考え方に基づきまして、予算編成を行ったところであります。  次に、退職金の廃止ということについてでありますけれども、平成16年3月に熊本市長の退職手当の特例に関する条例を市議会に御提案させていただき、議決いただいておりまして、私が市長の職にあります間、それまで100分の70でありました支給率を100分の50へと引き下げております。また、今議会におきまして、市長の給料を100分の7、その他の特別職の給料につきましては100分の5をそれぞれ減額する条例を御提案させていただいているところであります。地方交付税の減少など非常に厳しい財政環境が続きますけれども、今後も行財政改革に正面から、そして不断に取り組んでまいりたいと考えております。          〔51番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  私は、予算編成の基本として、市民の暮らしや福祉を守ること、そして市民に負担を求めない、これを原則にすべきだと考えています。市長の退職金の問題も、減らしたとおっしゃいますけれども、厳しい環境のもとで、市長みずからやることができる、そのように思っております。退職金の廃止は、市民に負担を求め、高齢者へのささやかな敬老お祝いなど、福祉を削る前に行うべきだと思います。事業効果を勘案し、選択と集中の考えで予算編成をしたと言われますが、私どもの市民アンケートでは、市政に望む優先課題では、第1位が「国民健康保険料の引き下げ」、第2位が「子育て支援」、第3位が「高齢者対策」、第4位が「地下水保全対策」、第5位は「安全対策」となっています。熊本市が戦略として予算の重点配分をしている熊本駅周辺開発や合併政令市は極めて低いランキングでしかありません。  具体的な問題として、市立熊本産院について、お尋ねいたします。  私たちは党派を超えた女性議員スクラムを組んで、市民の皆さんと市立産院存続に、夏の暑い日も、冬の寒い日も、命がけで取り組んでまいりました。市立熊本産院の存続を願う署名は、さきにお母さん方を中心に集められました4万人、その後の私どもの取り組みと合わせまして、毎日毎日ふえ続け、本日9万6,000人を突破いたしました。市内外、全国の皆さんがこの問題に注目しておられます。幸山市長は昨年12月議会に、7万6,000人を超す存続を願う署名が寄せられていたにもかかわらず、聞く耳持たずで、市立熊本産院廃止条例案を提出されました。  結局、12月議会では継続審査となりました。その際、私も所属しております保健福祉委員会では、委員長が継続審査の採決後、「今回の条例の出し方に根本的に瑕疵があったということを指摘せざるを得ません。」「さらなる道も検討することができる議論もなされました。執行部はこの議会で議論したことを踏まえて、さらなる案も含めて、しっかりと検討した案をまた委員会に報告していただきたい、このことを切に望んでおきます。」とまとめの発言をされました。ところが、本議会には、市立熊本産院の廃止条例案などを撤回するまではよかったのですが、再提案された条例案、市立熊本産院の後続として本山診療所の廃止時期、これを産科のみの診療とすることは変わらず、9月30日までだったものを、12月31日までに延長するだけの条例案です。余りにも議会、市民を愚弄した提案ではありませんか。委員長が「瑕疵があった」と言われたことをどのように受けとめられたのでしょうか。また、この間、どんな検討をされたのでしょうか。提案者である幸山市長にお尋ねします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  条例案の出し方についてのお尋ねでございますが、12月議会に提出いたしました条例案でありますが、これまでお示ししております、1つ、お産をめぐる医療機能の強化、充実、1つ、お母さんをめぐる保健福祉施策の強化充実、さらには、赤ちゃんに優しい分娩に対応する産科医療機関の拡大という、産院見直しに係る基本方針を実現してまいりますために、上程いたしたものでございます。御審議をいただきました結果、継続審査となりましたので、今回、3月末までに来院された方のうち産院でのお産を希望される方に対応すべく、本山診療所の設置期間を12月末まで3カ月延長することについて修正をお願いしたものでございます。          〔51番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  行財政改革といい、市立熊本産院廃止を提案しながら、ほぼ同額の予算をつける。しかも、市民サービスの低下になる支援センターの設置を提案する。おまけに全然質が違う市民病院のNICUと関連させたことが、どれだけ現場を苦しめ、議会を混乱させたか、幸山市長には反省がないようです。市立産院廃止ありきから一歩も出ようとしない幸山市長の頑迷さにはあきれてしまいます。私たち市立産院の存続を願う実行委員会は、3月5日、聖マリア病院母子総合医療センター総括で、日本母乳の会前運営委員長の橋本武夫先生から、「ハグは育児の原点」と題した母乳育児についての講演を聞き、ますます市立産院の役割に確信を深めたところです。  橋本先生は、先日、首相官邸でも自民党の国会議員の方々を前に、母乳育児の大切さを話してこられたそうです。その感想が、小泉内閣メールマガジンに掲載されていました。こんなことが書いてありました。「先日、大臣、政務官による家族、地域のきずな再生プロジェクトチームで、聖マリア病院副院長の橋本武夫先生から、温かい心をはぐくむ育児の提言として、おっぱいの話を聞きました。それによると、赤ちゃんがお母さんのおっぱいに吸いつくことが重要であり、それによって女性が母性に目覚め、赤ちゃんが親子であることを体得するということでした。子や親に対するいまわしい事件が相次ぎ、少子化が大問題となっていますが、赤ちゃんにおっぱいを吸いつかせることが、これらの解決に資するとすれば、大いに傾聴すべきことと思います。少子化対策としては、経済的な支援に目が行きがちですが、このようなことも含めて、じっくり考えたいと思います。」と長勢内閣官房副長官が書いておられます。私は小泉内閣のメールマガジンを見て、国会でも母乳育児の勉強会が、自民党の先生方によってなされたことに、深く感銘を受けました。  橋本先生は熊本の講演でも、母乳育児を通した母と子のきずなが、人格の基本的信頼関係をつくり、暖かい心を持った子供を育て、児童虐待を予防し、キレる子供をつくらない。現在は、少子化の中で、母親の半数が赤ちゃんを抱いてあやしたことのない女性が子供を産んでいる時代であり、不安を抱えるお母さんを優しく勇気づけ、そばにいてくれる人が求められており、その役割を果たし、子供の心をはぐくむケアを実践しているのが市立産院であり、その産院をつぶすような、経済優先に将来はないと市立産院存続の意義を強調されました。幸山市長にも、ぜひ、聞いていただきたい内容でした。  こうしたことを踏まえまして、引き続き産院問題について、幸山市長にお尋ねいたします。  その第1は、幸山市長は、なぜ、今日に至るまで、橋本先生にも太鼓判を押してもらった市立産院に出かけて、母乳育児の取り組みなど職場の実践や利用者である母親、父親の意見を聞かれないのでしょうか。  第2は、私どもの市立産院についての市民アンケートでは、存続を求める声は廃止の3倍となっております。存続を求める理由は、第1が「民間ではできない」、第2は「子育て支援の拠点」、第3は「赤ちゃんにやさしい病院だから」でした。幸山市長は公約に住民参加を掲げておられます。現在、9万6,000人を突破した存続を求める署名に込められました市民の方々の思いをどのように受けとめておられるのでしょうか。地元向山、本荘、春竹、そして春日校区自治会連合会を初めとする地域の要望を、なぜ、無視されるのでしょうか。住民参加の公約に反するやり方ではありませんか。  第3は、幸山市長は職員不祥事で議会のたびに陳謝を繰り返し、みずからの給与を7%カットし、職員の倫理観の研修を繰り返し述べておられますが、現にその見本となる職場が、市立熊本産院ではありませんか。ここから学ぶことこそ、市職員の誇りとなるのではありませんか。お母さんは市立産院と出会えたことを心から感謝しています。「不安定になる気持ちを、産院で出会ったお母さんたちやスタッフの方々に支えていただき、励まされています。産院の存続がないと、2人目を産むことはできません。存続を強く願っています。」、このようにおっしゃっています。9万6,000人を超す存続を求める署名が寄せられている。市立熊本産院を葬り去ることが、市職員の希望と誇りをずたずたにすること。公務員として後輩の指導も含め、頑張ろうという気持ちをなえさせてしまう、このように幸山市長は思われませんでしょうか。  以上、幸山市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  何点かお尋ねがございましたが、その中から、現場、利用者からの意見聴取について、あるいは職員の誇りや希望という面から、その部分につきましてお答えさせていただきます。  産院の見直しに関しましては、これまでも陳情や要望を数多くいただいておりまして、そういった場面などにおきまして、さまざまな方々の御意見を直接伺ってまいったところでございますし、また、職員が産院の子育てグループをお伺いした結果等につきましても、逐次報告を受けてきたところでございます。  また、今回の見直しの内容は、本市で生まれますすべての赤ちゃんとお母さんの安心づくりに向けまして、母子保健、医療、福祉を拡大推進するものでありまして、これまで市立産院の職員が目指している目標と同じであると考えております。今後とも、目標の実現に向けまして、産院でこれまで培ってまいりました、赤ちゃんとお母さんに優しい医療技術を生かしながら取り組んでいくものと考えております。          〔51番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  機能拡大、推進をする、職員の気持ちと同じである、とんでもありません。現場にも行っていないからそんなことが言えるのです。  幸山市長、何度も何度も聞きましても、御理解をくださいの一本やりではありませんか。自治体の長として、なぜ、現場の職員の思い、お母さんの思いを受けとめることができないのでしょうか。これでは、職場の士気が高まるはずがありません。産婦人科病棟で仕事をした看護師は、「母親と赤ちゃんを24時間同室で、赤ちゃんに不安を与えないようにする、赤ちゃんを中心にした産院の取り組みに感激した。」と述べておられます。自治体で働く皆さんも産院の取り組みを聞いて、「市立産院では高い理念のもと、その実現のために医師を初め全職員が一致して、日々の業務に精励され、その士気の高さに感銘を覚えた。」「スタッフが、お母さんや赤ちゃんのために頑張っている、生き生きとした姿勢に感動した。」「理想の公務員像を見た思いがする、職員が自分の仕事に誇りを持って働いている職場が存在することを知り、公務員として誇らしく思った。」と述べておられます。私たちも市立産院の現場に行き、母乳育児の取り組みを聞き、またおっぱいを飲み、安心しきっている赤ちゃんの笑顔を見るにつけ、市立産院の役割の大きさを実感し、何としても存続をの思いでいっぱいになります。  市長、なぜ、市立産院に足を運ばれないのでしょうか。ぜひ、お答えください。そして、55年の歴史を持っているのです。その重みを受けとめるならば、現場に行く、そのことが、なぜできないのでしょうか、お答えください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  なぜ、現場を見ないのかということでございますけれども、先ほども申し上げましたように、今回、確かに私自身、現場に足は運んでおりませんけれども、これまで見直しに当たりましては、例えば産院の院長とも何度も意見交換を繰り返してきたところでございますし、先ほど申し上げた産院で培ってまいりました機能を、これをすべてに広げるためにはどうあるべきかという議論を、何度も繰り返してきたところでございます。  また、看護師におきましても、産院に出向いてという場ではございませんけれども、いろいろな職員とのミーティングをいたします中で、産院の看護師もまいりまして、そしてその職場について直接話を聞いたところでございます。この、現段階におきまして、産院、現場に足を運ぶということが、どういう意味を持つのかという部分はございますが、いずれにいたしましても、ぜひ、先ほど申し上げましたように、これまで産院で培ってまいりました機能、それをすべてに広げるべく、そして先ほど話がありましたように、このことが職員の意識の低下につながらないように、私といたしましては精いっぱい努力してまいる所存でございます。          〔51番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  いろいろ話も聞いた、意識の低下につながらないようにというのであれば、存続以外にありません。私たちはこれまでも、本会議や委員会での論議を通して、市立熊本産院の存続を訴えてきましたが、市立産院廃止条例案は愚策以外の何ものでもありません。改めてその理由を述べてまいります。  第1の理由は、幸山市長はまちづくり戦略のターゲット2に、「子どもたちが健やかに成長するまち」を掲げ、子育てしやすい環境づくりを挙げておられますが、妊娠、出産、産後のケアを手厚く行っている市立産院存続こそ、子育てしやすい環境づくりそのものではありませんか。先日、幸山市長にお届けした市民提言を生かし、市立産院を存続し、日本一子育てしやすいまち熊本を目指したらいかがでしょうか。市長は提言を重く受けとめると言われましたが、何をどのように受けとめていただいたのでしょうか。  その第2は、本山診療所についての問題です。市は市立産院で出産を希望する妊婦さんのために、産院を廃止した後、4月から12月までは本山診療所として、1人の産科医師体制をおいて、現在、産院を受診している妊婦さんの便宜を図るとされています。厚生労働省研究班は、妊婦指導は診療所で特に多く、「出産時の事故や合併症で死亡した妊婦のうち、救命が可能であったケースは、診療所では病院の4倍に達した。」と調査結果を発表しています。その結果を受けた日本産婦人科医会は、「お産の医療事故防止と妊婦の安全確保のために、診療所をかかりつけにしている妊婦もお産は病院で行うのがよい。」という方針を打ち出しておられます。  産科医療が他の医療と異なる点は、1つは、母と子、2つの命がかかっていることです。もう一つは、突発する異常が多いということです。市民病院において、今、その問題で訴訟が起きているではありませんか。お産では予測できない異常が突発発生することがある、診療所ではこのような突然発生する異常になかなか対応できないと言われています。例えば、異常事態が発生してから救急車を呼んでも、救急車が診療所につくまで一定の時間がかかります。到着した救急車に急いで妊婦さんを乗せて、一番近い病院に運ぶにも、それからまた時間がかかります。その病院で玄関から産科病棟まで妊婦さんを運び、病院の医師が妊婦さんを診て状態を把握し、もし手術が必要だと判断した場合、手術場とかけ合い、空いている手術場へ妊婦さんを連れて行き、手洗いや消毒、麻酔を開始し、それから初めて手術になります。実際に病院で手術が始まるまで、相当な時間がかかってしまいます。  緊急といってもいろいろなケースがあり、1時間後の手術で間に合う場合もあれば、本当に5分、10分待てないケースもあるようです。産科医療は、母と子、2つの命、健康がかかっています。2人とも無事に助けなければなりません。例えば、もし妊婦さんが診療所に到着した段階で、既に子宮内の赤ちゃんの状態が非常に悪いケースがあったとすれば、それから妊婦さんを病院に送る余裕はありません。1分1秒を争います。最近、市立産院では、今、話したようなケースが本当にあったそうです。直ちに帝王切開を行い、5分後に生まれた赤ちゃんの蘇生を1人の医師が行い、20分後に到着した市民病院のNICUの医師に赤ちゃんを渡すまで、蘇生と呼吸管理が続けられたそうです。もう1人の医師は、帝王切開をそのまま続け、出血も大したことなく、結局お母さんにも赤ちゃんにも障害が残らず、無事に健康に退院されたとのことです。これが1人しかいない診療所であったら、どうなっていたでしょうか。  母親と赤ちゃんの命がかかっています。母親の手術と赤ちゃんの蘇生を1人で同時にすることはできません。1人の医師体制の場合、たとえ一刻を争う状況ではあっても、仕方なく病院への移送になってしまいます。その場合、赤ちゃんは助からない可能性もあるのです。また、助かったとしても、低酸素による脳障害を起こす可能性があります。公的な施設であれば、複数の医師体制をとるのが当然ではありませんか。1人の産科医師体制で公立の診療所を設置するということはやめるべきです。  市として、市民に対して責任ある医療を行うべきであり、複数の医師体制の現状の病院機能を残すことが、母親や子の命、健康を守る最大の保障です。  3つには、高度医療を担う市民病院のNICU拡充のために、効率的な人員配置と称して、市立産院を廃止しないと、市民病院のNICU3床の拡充ができないかのように思わせていることです。私たちは市民病院のNICUの増床について必要性は認めますが、市内の民間病院はこの1月から3床増床を行い、地域周産期母子医療センターに指定され、熊本大学病院も3床の増床計画があり、状況も変わってきています。  市民病院NICU3床増床のために、議会終了後の1週間後の4月からすぐに市立産院を廃止する理由にはなりません。本来、NICUの増床は熊本県の課題です。県がNICU分の増床を認め、赤字補てんをすればよい問題です。現在、市民病院では、経営健全化計画の策定が進んでいますが、全体的な診療科の見直しで、人員配置の結論が出されない中で、最優先して福祉的なお産を中心に担う市立産院を廃止し、市民病院に統合する理由はありません。  4つには、周産期母子医療の充実を図ることを目的と言われておりますが、周産期死亡や乳幼児死亡を防ぐためには、妊娠中期の早産を予防し、小さい赤ちゃんを産まないことが重要であり、職員の皆さんのチームワークにより、それを実践しているのが市立産院の取り組みではありませんか。小さい赤ちゃんの命を救うことと同時に、予防こそ行政として最も力を入れるべき分野ではありませんか。  5つには、新たにつくろうとしている支援センターには、約1億円の予算を投入し、助産師会に委託して行っている第1子の訪問サービスを取り上げ、産婦人科診療をなくせば、大幅な住民サービスの低下になり、行革にも値いたしません。第1子訪問を重視しようと思えば、中核市でも最低水準の、1件当たり2,800円の助産師会への委託料を引き上げ、必要な訪問回数をお願いすれば、ベテランの助産師や若い助産師さんが意欲を持ち、頑張っていただけます。市立産院の取り組みは、既に365日、24時間支援センターの役割を果たしています。市立産院を廃止して、新たにつくる必要はありません。  6つには、幸山市長は「これまで産院で培ってきたノウハウを、本市で生まれるすべての赤ちゃんと母親の安心づくりとして広げる。」と提案理由でも述べておられますが、それは机上の空論にすぎません。市立産院は10代やシングルマザー、DVに悩む女性、中国など外国籍の人など、経済的、社会的に困難をもっておられる方々や、橋本先生が述べられましたように、子育てに不安を抱える女性たちにとってかけがえのない施設なのです。市立産院はホームレスの女性の出産をサポートし、母乳育児で母と子のきずなを強め、大江荘への入所を支援し、自立に向けた支援を行っております。慈恵病院の蓮田先生は「社会的、経済的なさまざまな問題を抱える場合、経験を積んだ人材と時間と労力と経済的な支援が必要であり、開業医では経験豊かなスタッフがおらず、精神面まではサポートできない。」と議会陳情でも述べておられたとおりです。  市立産院で出産されたお母さんたちは、サークル活動などを通して、母乳育児を広げ、育児相談などの役割を果たしておられます。また実習病院として、人材を育て、母子医療、母子保健を地域に広げる大事な役割を持っています。単純に300のお産ではないのです。市立産院を拠点として、妊娠、出産、産後の一貫したサポートがあればこそ、家庭、職場、地域へと大きく広がっていくのです。  以上、申し上げましたが、私どもの結論は、条例案の撤回以外ないということです。指摘した点につきまして、幸山市長の見解をお示しください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  条例案を撤回すべきであるということでありますが、繰り返しになりますけれども、本市で生まれますすべての赤ちゃんとお母さんの安心づくりを推進してまいります上におきまして、市立産院の市民病院への統合と民間医療機関との連携などを基本とする見直しは必要不可欠であると考えております。  なお、提言を重く受けとめるとの私の発言についてでありますが、手法の違いはございますものの、先日いただきました市民提言の中で、母子保健、医療を地域に広げるなど、その目指すところは私どもの取り組むべき方向と同じ部分も多く、その必要性につきまして、改めて認識いたしたところであります。  また、本山診療所における体制についてでございますが、今後の分娩の予約状況等を見ながら万全の体制をとってまいりたいと考えております。市民病院でのNICUの整備につきましても、総合周産期母子医療センターとして、早急に取り組まなければならないと認識いたしているところでございます。  いずれにいたしましても、今回の産院の見直しにおきまして、先ほど職員の意識の低下につながらないようにということも申し上げましたけれども、この取り組みが私どもの目指すべき本市全体に対する取り組みであるということ、今回の見直しが母子保健、医療の低下につながるということに決してならないように、所期の目的を達成できますように、私どもとして全力で取り組んでまいらなければならないと考えております。          〔51番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  目指すところが同じとは、よくぞおっしゃいました。所期の目的を達成するためには、何が何でも。本当に情けなく思っております。今まで何を聞いてこられたのでしょうか。毎回毎回同じ答えではありませんか。民間医療機関の8割の皆さんも市立産院の存続を要望しておられます。駆け込み寺として期待されています。赤ちゃんとお母さんのよりどころになっている市立産院を廃止して、何が赤ちゃんとお母さんの安心づくりですか。  幸山市長の市立産院廃止の根本に、市立産院が行っている妊娠、出産、産後のケアの大切さを理解されていないことがあります。出産直後のカンガルーケアや母子同室で母乳育児を進める1週間が母と子のきずなを強めるゴールデンタイムと呼ばれています。この大事な出産をなくしては、産院の命、職員の皆さんの働きがいがなくなるのです。  つい先日、3月6日、市庁舎14階ホールで行われました市主催の「児童虐待防止に関する講演会」でも、講師のあいち小児保健医療総合センター総合診療部長の山崎嘉久先生も、児童虐待予防の上からも、赤ちゃんにやさしい病院の役割の大切さを話され、熊本市内に3つの赤ちゃんにやさしい病院があるのは誇るべき財産であり、「市立産院の廃止は時代逆行」と言われたそうです。まさに、市立産院は市民の財産なのです。なぜ、そのことがおわかりいただけないのでしょうか。だからこそ、9万6,000人の存続の署名があるのです。この署名を真摯に受けとめ、廃止撤回するのが政治家としての市長のとるべき道ではありませんか。  同じ公立の産院を持つ上田市におきましては、先般、西議員がおっしゃいましたように、昨年10月、産婦人科医師不足から大学への医師の引き上げが打ち出され、市長は市立産院の廃止の方向を打ち出されました。しかし、お母さん方や職場の声を聞き、10万人近い署名の声にこたえて、本年1月、医師を公募し、医師を確保し、存続を発表されました。産婦人科の医師体制を1人ふやし、将来的には小児科医の配置の方向を打ち出しておられます。このように市民の声にこたえることが、なぜ、幸山市長にはできないのでしょうか。  幸山市長が何が何でも市立産院の廃止にこだわる、その理由がわかりません。何かしがらみでもあるのだろうかと考えたくなります。昨年度の決算では、夜勤体制を3人から2人に見直し、そうした中でも24時間電話相談、母乳外来に取り組み、廃止報道が繰り返される中でも20年ぶりに赤字額は1億円を切ることができました。この現場の努力の方向をしっかり応援するのが、本来の改革ではありませんか。子育て支援をするためには、あれかこれかではなく、あれもこれも必要な施策、だからこそ今、国を挙げての少子化対策が進められているのではありませんか。
     市立産院で出産したお母さん方は、10人の子育てのお母さんの岸さんを初め、市立産院での妊娠、出産、産後のケアの高さを評価しておられます。WHO、ユニセフの赤ちゃんにやさしい病院に続き、お母さんにやさしい病院の10カ条の資格を既に備え、日本で一番早く取得できる条件もあります。存続の方向を決め、産後うつなどで悩むお母さんたちに、現在行っているデイケア、ショートステイ、宿泊ケアの充実や24時間電話相談事業など、すこやか親子21の少子化対策ソフト交付金を活用するなど、職場の意見を聞いて、改善を進めることこそ、改革と言うのではありませんか。存続をすれば、必ずお産の件数は増加し、赤字額を減少させることができます。川尻で産婦人科医院を開業しておられ、元自民党の市議会議員の内野元先生は、市立産院を存続し、開業医と連携したオープンシステムの導入を提案されています。昨年8月からお産を廃止されたその現状からの切実な提案です。改革の大もとは現場にあり、その声も聞かないままで改革ができるはずがありません。  まず、廃止ありきからスタートするから、委員長から瑕疵があると言われたのではありませんか。再度、幸山市長にお尋ねいたします。本音でお答えください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  再度のお尋ねでございますけれども、今回のこの見直し、先般の12月議会に提案させていただき、そして継続ということで、また今回御審議いただくことになっているわけであります。今回、この見直しに当たって、そして議会に御提案させていただくに当たりまして、2年近い期間の中でいろいろな方々の声をお聞きし、そしてこの見直し案というものをつくり上げてまいったところでございます。  先ほど、申し上げましたように、今回のこの見直しの目的、熊本市で生まれるすべての赤ちゃん、そしてそのお母さんのための取り組みであるという思いで、今回の見直しを行っているところでございます。市立産院と市民病院が統合し、新たな拠点として、そしてすこやか赤ちゃん支援センターに新たな役割を担っていただき、そして各保健福祉センターと連携し、さらには民間の医療機関と連携いたします中で、全市的な取り組みに広げることができるように、その実現に向けまして全力で取り組んでまいりたいと考えております。          〔51番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  2年間意見を聞いたとおっしゃいますが、これまでるる述べましたように、肝心の利用者の声が聞かれておりません。スタッフの声も聞いていないではありませんか。間接的でいろいろ聞いたとおっしゃいますが、ここが肝心です。さくらカードの有料化に続き、9万6,000人の存続の署名、これはこの会期中には10万人になります。こうした声にも耳をかさず、スタッフの皆さんが長年にわたって築き上げ、3年前に「赤ちゃんにやさしい病院」の認定を受けたものを、幸山市長が改革という名のもとに葬り去ろうとしていることに、大きな怒りを禁じ得ません。  この問題は、熊本の未来にかかわる大事な問題です。先般、元の市長さんにもお話を聞く機会がありました。その市長さんも「どうして廃止をするのでしょうか。これからの女性にとって大事な施設です。」このようにおっしゃっておられました。私は、こうした見識が市長には求められていると思います。55年の歴史を刻んだ市立産院の廃止を、私は公約に掲げて幸山市長に選挙で市民の審判を受けていただきたいと思います。議員の皆さんの御理解を心からお願いいたしまして、この問題では、当該委員会でもありますので、引き続き論議を続けることにいたします。  次の質問に移ります。  家庭ごみ有料化条例案の撤回を要求し、市民参加でごみ減量を進める立場で、幸山市長及び環境保全局長にお尋ねいたします。  家庭ごみ有料化の第1の問題は、家庭ごみ有料化についての説明責任が果たされず、市民的なコンセンサスが得られていないことです。昨年1月から11月までの家庭ごみ有料化に関する説明会は390回、延べ1万2,489人の参加者で、今回の素案に対する説明会も市民センターや市役所14階ホールで5回、149人と、回数も参加者も極めて少ないではありませんか。横浜市では、分別減量のために、1万回ほどの地域説明会をされたと聞いています。300万人を超す大都市でできたことが、熊本市でできないはずはありません。有料化説明会の前に、徹底した町内単位でのごみ問題懇談会をまずはやるべきではありませんか。政策の決定段階から情報公開と市民参加を進めるという幸山市長の公約にのっとるならば、十分な説明責任を果たすべきではありませんか。  第2の問題は、私たちの市民アンケートでも、多くの市民は「有料化の前にやるべきことがたくさんある」と答えておられます。一部紹介いたします。「分別方法など変えるべきところを変えてならまだわかるが、市民からどうお金を取るかとしか伝わってこない。」、「45円の提案になったようですが、これでも高い。税金で賄ってほしい。」、「みんなが協力しがいのあるシステムづくりを。」、「不法投棄しかないように市民を追い込むやり方はやめてほしい。」、「有料化では減量効果がないと、既に結果は出ている。もっと別のことを考えるべきだ。」、市民の皆さんはよく考えておられると思いました。有料化の前にやるべきことがあるのではありませんか。  第3の問題は、45リットル1枚45円に根拠がないことです。1枚60円の負担に根拠がないと指摘してきましたが、幸山市長は60円の根拠を有料化説明会で集めた約1万人のアンケートをもとに決めたと胸を張っておられました。しかし、パブリックコメントで高過ぎると指摘されたことから、45円に引き下げて提案しておられますが、根拠はあるのでしょうか。60円と45円では、減量効果はどの程度違うと考えていらっしゃるのでしょうか。私どもの有料化に対する市民アンケートでは、「高過ぎる」が一番多い意見でした。  本来、ごみ収集は税金でやるべき自治体の仕事です。手数料徴収になじまず、今回の提案は税金の二重取りになってしまいます。しかも、有料化で集めた基金でやろうとしている事業は、従来、一般会計で行ってきたものであり、新規事業である、容器プラスチックリサイクル調査などは、有料化提案の前にやるべき事業ではありませんか。市民に対して有料化で痛みを押しつけるのでなく、最終処分場を1年延期すれば6億円の節約になるように、目標どおり焼却量を減らせば、幾ら処理費用を節約できるのか、二酸化炭素何キロの減少効果があるのかを知らせ、地球温暖化の防止など環境面の効果や焼却炉や最終処分場を長持ちさせる財政効果を示し、市民、事業者に協力を求めるべきではありませんか。  第4は、有料化が意識を変える、負担の公平になるという市の言い分は、大いに問題があります。この考えは、市民協働の立場を放棄した、市民を信頼していないやり方ではないでしょうか。有料化により自治会長さんたちの心配は意識を変える効果より、不法投棄などのマナー違反がふえるのではないかということです。市は条例を強化し、ごみ110番やパトロールを行いますとのことですが、氏名の公表などのペナルティーを設けて、市民を犯人扱いすることでは、市民協働は育たないのではありませんか。横浜市が行っているような高齢者家庭や障害をお持ちの世帯へのごみ出しボランティアを募集するなど、市民協働を進めることが求められるのではありませんか。  負担の公平論は所得の大小により負担感は異なります。子供の多い世帯などは、努力をしてもどうしてもごみ出し量はふえてしまいます。ごみ問題は量とともに質の問題も環境負荷、処理費用にも大きく影響を与えることになります。私は、負担の公平化というのなら、ごみを出す段階で、消費者だけに負担を求めるのではなく、ごみとなるものをつくっている生産者にごみ処理費用を負担させてこそ、公平化が図られるし、ごみを減量させることができると考えています。有料化は責任を最終の排出者である住民に転嫁したものにすぎません。ドイツなどでは分別は消費者が行うものの、回収、再資源化、製品化はすべて排出者である事業者の責務として行われ、循環型社会の形成に大きな成果を上げています。負担の公平というのであれば、製造者、流通業者にこそ求めるべきではありませんか。また、有料化による痛み押しつけは、市民協働の精神に真っ向から反するとは思いませんか。幸山市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  家庭ごみ有料化につきまして、順次お答えさせていただきます。  まず、家庭ごみ有料化についての説明責任についてでありますが、まず「ごみ減量・リサイクル推進基本計画」の策定に際しましての平成16年5月からの説明会、平成17年1月からの有料化に関する説明会、11月の家庭ごみ有料化の素案の説明会、本年1月には有料化に関する条例案についての説明会を、それぞれ各自治会を初めといたしまして、必要に応じて市民センター等におきまして、全市的に順次実施してきたところでございまして、延べ757回、2万4,086名の市民の方々への説明を行い、御意見を伺ってまいったところであります。  特に有料化は毎日の生活にかかわるものでありますため、市民の方々の御意見を十分踏まえたものとする必要がございまして、1万人を超える方々からのアンケートをいただきますとともに、有料化の素案や有料化を含め、資源物の抜き取り等に関する条例等についてのパブリックコメントを行いますなど、計画の策定段階から今日まで、できる限り丁寧に説明を重ねてまいったところであります。  今後、実施に当たりましては、全自治会、全校区において、ごみの分別や減量方法等の説明を行いますとともに、全自治会に本市の管理職員を派遣いたしましての説明会を行いますなど、あらゆる機会を活用いたしまして説明責任を果たし、さらなる理解を図ってまいりたいと考えております。  2点目の、有料化の前にやるべきことにつてでございますが、本市は持続可能な循環型社会を構築いたしますため、ごみ減量・リサイクル推進基本計画におきまして、ごみ減量・リサイクルの意識啓発、ごみの発生抑制、資源物のリサイクル推進、排出されたごみの適正処理、この4つの柱を設定いたしまして、それぞれについての取り組みを進めることといたしております。  現在、ごみ減量・リサイクルの意識啓発に関しましては、有料化に関します説明と同時に、紙の分別等の説明でございますとか、あるいは消費者団体等とのマイバッグ運動・ノーレジ袋デーのパレード参加、個人の取り組みを進めますためのごみゼロ・サポーター登録制度、ごみ発生抑制につきましては、生ごみ処理機等の助成や、あるいは環境に優しい店を紹介いたします「よかエコショップ認定制度」、資源物のリサイクル推進につきましては、樹木等の資源化の試験的導入でございますとか集団回収助成事業、排出されたごみの適正処理につきましては、扇田環境センターにおけます埋め立てごみの破砕選別を行いますなど、ごみ減量・リサイクル施策を積極的に展開しているところでございます。  3点目の45リットル当たり45円の手数料についてのお尋ねでございますけれども、先日もお答えいたしましたとおり、家庭ごみ有料化の素案におきましては、1万人を超える方からいただきましたアンケートをもとに、45リットル当たり60円と設定させていただきましたけれども、この市議会を初めといたしまして、さらには市民の皆様方から「他の自治体に比べて高い」等の御意見をいただき、これらの御意見を踏まえまして、ごみの減量効果への影響でありますとか、あるいは他自治体の状況等を勘案しつつ、より一層の有料化への理解を図りますため、45リットル当たり45円と見直したところでございます。  ごみ減量効果につきましては、ごみ処理手数料を45円とすることによりまして、低下が予想されるわけでありますけれども、市民の方々と一体となりまして、意識啓発はもちろんのこと、分別の徹底、資源物のリサイクルなどを積極的に行ってまいりますことで、ごみ減量効果の低下を補い、ごみ減量を進めていきたいと考えております。  4点目の負担の公平化についてでございますが、ごみの有料化はすべての市民の方々に、ごみの発生抑制やリサイクルの行動を起こしていただき、ごみ減量を進めるために導入するものでありまして、環境負荷を抑え、現在の良好な環境を次の世代へと引き継ぐためのものでございます。この制度は、取り組みの度合いと、そして負担割合が比例する仕組みでございまして、ごみ減量・リサイクルの取り組みの努力におきまして、負担が少なくなるものでございますが、経済的インセンティブを活用いたしますため、一定負担を求めることとなります。一方におきましては、生活保護受給世帯でございますとか、あるいは紙おむつ使用者の負担の軽減を図りますため、一定枚数の袋の配布を行ってまいりたいと考えております。  また、いわゆる拡大生産者責任につきましては、平成13年に施行されました循環型社会形成推進基本法に、その考え方が取り入れられておりますが、国におきましては、容器包装リサイクル法に関します事業者の費用負担の見直し等につきまして、先日まで論議されていたところであります。拡大生産者につきましては、市議会からも意見書が提出されているところでありますが、本市といたしましても、ごみの発生抑制が促進強化されますように、引き続いて、全国市長会等を通じまして働きかけてまいりたいと考えております。  これまで、るる述べてまいったところでありますが、本市におきましては、持続可能な循環型社会を構築いたしますため、市民、事業者、行政がそれぞれの役割と責任を持って、ごみの発生抑制や資源の循環的利用に取り組むべきものと考えておりまして、特に家庭ごみ有料化の導入はごみの発生抑制のための効果的な施策と考えておりまして、より一層の御理解をいただきたいと思います。          〔51番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  10月の有料化実施までに地域に出かけ、管理者を先頭に十分説明を行うとのことでしたが、そもそも多くの市民は有料化に納得していないのです。「ごみ問題解決に何をやるべきですか」との私どもの市民アンケートでも、一番多かったのは「分別推進」、そして「リサイクルの推進」、「生ごみの堆肥化」、「企業との協力、啓発」であり、「有料化」は一番少なくなっています。市民にごみ問題の実情を知らせ、解決のための説明責任を果たさないまま、ごみが減らないのは市民の取り組みが悪い、これは行政の責任を免除する市民への責任転嫁ではありませんか。今でも負担増に悲鳴を上げている家計に、家庭ごみ有料化によりさらに痛みを与えることは、今やるべきことではありません。有料化の最大の目的である減量効果についても、既に他都市の経験でも、減量効果は数年でなくなり、リバウンドしています。結局は年間14億円を超える市民負担増による財源確保が目的ということになってしまいます。  そこで提案があります。熊本市においても、水俣市、横浜市、名古屋市など、家庭ごみを有料化しないでごみ減量を実現した経験に大いに学ぶべきではありませんか。  横浜市は中田市長を先頭に、仕組みは市役所がつくります。その仕組みに市民が積極的に参加してくださいと、プラスチック製の容器包装やスプレー缶、古紙、古布など、分別収集品目に加え、分別収集の拡大をされました。そして、G30と30%減量を掲げ、ごみ組成の紙類とプラスチック、生ごみの減量に挑戦し、徹底した地域説明会を行い、資源化を推進、町内単位でのきめの細やかな説明会を1万カ所で実施し、平成13年度を基点に、平成22年度までの30%の削減目標を、平成17年度に前倒しで実現しておられます。横浜市は「G30の推進により、栄工場と港南工場を廃止し、全面建てかえ費用1,100億円が、また年間30億円に及ぶ2工場の運営費用についても不要になりました。また、63万トンの二酸化炭素の削減が見込まれます。」と、市民、事業者の理解と協力に感謝を述べておられます。こうした態度こそ、市民協働の立場ではないでしょうか。  名古屋市でも、有料化をせずにごみ減量を達成しています。平成11年2月、ごみ非常事態宣言後、紙製容器包装、プラスチック製容器包装の新資源回収を初め、さまざまな施策を矢継ぎ早に実施し、平成13年度までの3年間でごみ量は25.6%、資源回収量は2倍以上、埋め立て量は半分以下になり、焼却量は約16%減少しています。事業系についても資源化を進め、平成15年5月、自治体環境グランプリ2003で、環境大臣賞、グランプリを同時に受賞しておられます。  仙台市では、あの手この手で生ごみ、紙に的を絞り、減量作戦がやられていました。キャラクター、ワケルくんとセツコさんを使った市民への情報の徹底、プラスチック容器包装の分別収集、段ボール式生ごみ堆肥化の推進、食器洗浄車ワケルモービル、リユースブティック、再生可能な紙類の工場への搬入禁止で、8.8%削減効果と熱心に取り組んでおられました。リユースブティックは、不要になった衣類をリサイクルセンターに持ち込み、市民が無料で持ち帰ることができ、大変好評とのことでした。  熊本市でも、まだまだやれることがいっぱいあると思いました。有料化の前に他都市の経験にも学び、容器包装プラスチックの分別、生ごみの資源化など、市民の提案を積極的に受けとめ、実践すべきではありませんか。環境保全局長にお尋ねします。          〔小牧幸治環境保全局長 登壇〕 ◎小牧幸治 環境保全局長  有料化の前に、他都市の経験を学び、実践すべきではないかというお尋ねにお答えいたします。  本市のごみ減量のための取り組みといたしましては、これまで、昭和55年の空き瓶・空き缶の分別収集の導入以来、平成5年の透明ごみ袋導入、平成10年には紙の収集を月2回から毎週収集とするほか、ペットボトルの分別収集を開始し、平成13年には大型ごみの事前申し込みによります戸別・有料収集の導入、また今年度におきましては、各クリーンセンターにおいて啓発推進係を設置するなど、さまざまな取り組みを行ってきたところでございます。  しかしながら、本市のごみの排出状況は依然として高い水準にございまして、ごみの発生抑制策として家庭ごみ有料化の導入をお願いいたしているところでございます。御案内のとおり、横浜市や名古屋市では、近年、プラスチック製容器包装の分別収集など、急速に収集品目の拡大を図る等の取り組みが進められ、仙台市ではユニークでかつ効果的な啓発活動などにより、一定の効果を上げられておるところでございます。  本市におきましても、有料化とあわせ、さらなる減量化につながる施策につきましては、今後とも取り組んでいかせていただきたいと考えております。          〔51番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  熊本市での取り組みをるる述べられましたけれども、その不十分さが、今、問題になっているのではありませんか。横浜市、名古屋市など大都市でも、市民協働のもとで取り組まれています。熊本市でできないはずはありません。名古屋市のさきに紹介した環境大臣賞の受賞理由は、「名古屋市という大都市が市民、事業者とのコラボレーションにより、短期間のうちに顕著な成果を上げたこと、計画、実行、評価、新たな目標設定の各段階で、市民との率直な対話を重ね、情報公開を行うなどの活動も、市の問題解決への意欲、リーダーシップのあらわれと評価でき、市民、事業者もそれにこたえ、市との協働により成果を上げたこと、ごみをめぐる危機を機会に変容させて、1周おくれだった状態を取り戻し、さらに各地の先頭に立ち、今後も環境問題へ取り組もうとする、市、市民、事業者の意欲、積極性は高い評価に値する。」このように述べられています。ポイントは、市のやる気が市民、事業者のやる気につながったということです。上から有料化を押しつけるやり方とは、雲泥の差ではありませんか。          〔議長退席、副議長着席〕  レジ袋の削減リユース食器と食器洗浄機を搭載した車の貸し出しや生ごみの資源化についてのモデル事業も行い、平成22年度までには生ごみ20%の削減を目標に、大都市部においても掲げておられます。市民に家庭ごみ有料化を押しつけるのでなく、横浜市のように、十分市民に対して説明を行い、名古屋市などのように、市民、事業者とともにごみ減量に挑戦したらいかがでしょうか。再度幸山市長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいま、有料化をせずにいろいろと減量に取り組んでいる他都市の事例につきまして、御紹介いただいたところでございます。  私どもといたしましても、ごみ減量・リサイクルに向けての取り組み、先ほど御紹介いただきましたように、これまであらゆる取り組みをしておりますけれども、なかなか進んでいないというのが現状でございます。そういった中におきまして、ごみ減量・リサイクル推進計画に基づきまして、今回、ごみ有料化に向けて取り組みをすることといたしておりますが、ただ、先ほど御指摘もありましたけれども、このごみ有料化だけに頼ってしまいますと、すぐリバウンドしてしまう、もとに戻ってしまうという事例も、他都市においてあるわけでございます。有料化につきましては、他の自治体におきましても、導入が進んでいるところがありますけれども、そういった意味におきまして、有料化に取り組んでいる、そしてその効果が余りあらわれていない、効果が高まっている、いろいろな事例を参考にしながら、私どもとして取り組んでいかなければならないと思っています。  そして、基金についての御質問も先日あったところでございますけれども、この基金の使い道につきましても、いろいろな形で広げていきたい、短期的には不法投棄の対策でありますとか、あるいはごみステーションの管理でありますとか、いろいろな取り組みを徹底してまいりますとともに、やはり長期的なごみ減量・リサイクルにつながるような、そんな使い道も広げていく必要があると考えておりまして、有料化だけに限ることなく、あらゆる施策を絡めることによりまして、ごみ減量、私どもは20%の削減目標を掲げているところでございますけれども、そこに向けました取り組みを、市民の皆様方から御理解と御協力をいただく中で、ぜひとも進めてまいりたいと考えております。          〔51番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  私のところにひとり暮らしの高齢者の方から手紙をちょうだいいたしました。年金暮らしで、ごみは少なくて済む、なぜレジ袋でできないのか、有料化はやめてほしいというものでした。これが市民の皆さんの実感です。ごみの問題についても、市長の答弁を聞いておりますと、いろいろおっしゃいますけれども、市立産院問題と同様に、聞く耳持たずで、何が何でも有料化する、その決意だけが伝わってまいります。有料化を強行いたしましても、おっしゃいますように、減量効果を上げることはできません。急がば回れと言うではありませんか。ごみ問題こそ、市民、事業者、行政の協働、行政のリーダーシップが試される課題です。有料化をやめて、環境保全都市にふさわしいごみ問題解決に取り組んでいこうではありませんか。  次に、幸山市長の公約であります、日本一住みよい、暮らしやすいまちづくりに関連いたしまして、特に福祉の分野でお尋ねいたします。  介護保険、障害者自立支援法は、所管の事項でもありますけれども、とりわけ重要な問題でありますので、引き続きお尋ねしてまいります。  昨年10月からの特別養護老人ホームや老人保健施設など介護保険施設の食費、居住費が、全額自己負担になったことによる経済的理由で施設から退所した人が、保険医協会の調査で、21県で347人に上ることが明らかになりました。  4月から始まる予防給付に移行する要支援、要介護1の該当者は、全体の約4割強を占め、ホームヘルプサービスなど、これまでのサービスが受けられなくなるのではないか、こんな不安が広がっています。この議会には、介護保険料の引き上げが提案されています。今年度は税制改正により定率減税の廃止、公的年金の縮小、老年者控除の廃止により税金がふえ、年金そのものが減少してしまいます。所得は変わらないのに、負担増になる対象者が2万100人と予想されています。  これまでの介護保険料の基準額4,000円についても、市が行ったサービス利用者アンケートでは、「負担に思う」「少し負担に思う」が、平成15年度の保険料の引き上げにより47%と約半数に上っています。サービス利用料の負担感も、「負担が重いと思う」「少し負担に思う」は平成15年度に33.4%、平成16年度32.6%と、ほぼ3人に1人が負担に感じています。さらに、施設サービスの食費、居住費が自己負担になったことに伴い、今後、施設サービス利用者負担感が大きくなることも考えられております。  10月からホテルコストの導入で、総額15億円もの負担増となり、4月からはさらに介護保険料総額12億円の負担増となります。保険では、これまでの5段階を7段階に変更するなど、一定の工夫はありますが、保険料額が一定改善されるのは、新第2段階だけで、全体として15%の引き上げ、第7段階では34%の引き上げとなっており、納得の得られる金額ではありません。  そこで、担当局長にお尋ねいたします。  第1は、ホテルコスト導入による経済的な理由での退所者の把握と、その後の対応、施設側の影響の把握はなされているのでしょうか。  第2は、介護保険料の問題です。生活保護基準以下の新第2段階については、少なくとも生活保護基準に見合う所得、熊本市が現在行っている減免基準の100万円以下に引き上げるべきではありませんか。また、税制改正の影響で、収入は同じか、むしろ減少しているのに、大幅な引き上げになるのを避けるため、1年の緩和措置でなく、次年度以降もぜひ実現をするべきだと思います。  第3は、デイサービスやデイケアの食事代が自己負担になり、回数を減らす高齢者も出ています。そのため、12月議会では、他都市における負担増に対する市独自の助成制度の例を示し、熊本市でも独自の助成制度をつくることを提案してまいりましたが、安心して通所サービスが利用できるように、市独自の助成制度をつくるべきだと思います。  関連いたしまして、要介護認定者に対する障害者控除を進めるための障害者認定証の発行についてお尋ねいたします。身体障害者手帳または療育手帳を持たない65歳以上の方で、その障害の程度が、特別障害者やその他の障害者に該当する場合は、市が発行する障害者認定証により障害者控除が受けられます。介護認定制度をもとに、自治体が独自に障害者認定制度を発行する制度の運用が全国で広がっています。今年度はさまざまな税制の控除が廃止、削減されています。この制度を思い切って活用するべきではないでしょうか。熊本市では、障害者認定制度の認定は、この3年間ともわずか2件にとどまっています。積極的な運用を図るべきではありませんか。関係局長にお尋ねいたします。  引き続き、障害者自立支援法に対する自治体独自の対策についてお尋ねいたします。介護サービスを受けて、健常者と同じスタートラインに立つのさえお金がかかる、支援費制度が4月から始まるのに際して、これでは自立阻害法だなど、厳しい批判、怒りはおさまるどころか、ますます強くなっています。  これまで、応益応能負担であったため、費用を払っていたのはホームヘルプサービスの場合5%程度で、残り95%の人はこれまで無料でサービスを受けていました。自立支援法では、生活保護世帯以外はすべて1割負担とされ、上限の期限はあるものの、一挙に1万5,000円から4万円以上の負担増となります。住民税課税世帯はすべて一般世帯の扱いとなり、上限3万7,200円の負担となり、何の減免措置も受けることはできません。もともと応益負担は障害者福祉とは相入れない負担方式であり、障害が重く、多くのサービスを必要とする人ほど負担が重くなり、お金がなければ支援が受けられない事態となってしまいます。わずかな障害年金からの出費で、サービスを受けたくても受けることはできません。  京都市は国の所得区分を独自に細分化し、それぞれの負担の上限額をおおむね半額に軽減する予定とのことです。また、国の制度では、障害福祉サービス、自立支援医療、車いすなどの補装具などの利用を重複して利用する場合、それぞれ別に上限額まで負担しなければなりませんが、負担の合計に総合的な上限制度を設定し、その額を超える負担が生じた場合、償還される制度にするそうです。横浜市でも、低所得1、2のホームヘルプサービスなどの在宅サービスに限り、全額助成で負担をなくす方針とのことです。東京の荒川区でも、在宅サービス利用者に対して、利用者負担10%を3%にし、また、通所施設利用者の食費を50%に軽減する3年間の激変緩和措置をとり、全身性障害者など在宅でサービス量が多い場合には、継続的な緩和策として、負担上限額を50%に軽減するための予算が提案されています。  介護保険と同様、利用者負担の重さから必要な支援施策が受けられない事態をできるだけ防ぐため、不十分ながら設定されている減免などの制度を活用することはもちろんですが、京都市や横浜市、荒川区などのように、自治体による独自の支援施策を実現していく必要があります。熊本市でも独自の利用料減免制度を検討すべきではありませんか。  2つ目に、10月からスタートする地域生活支援制度の一つである移動支援、ガイドヘルパーは、視力障害者にとっては社会参加を進める唯一の制度であり、視力障害、聴力障害の方々にとってのコミュニケーションサービス、要約筆記、手話通訳も同じです。数百万円余りで無料継続することができます。10月実施に向けた検討を、ぜひともお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。  3つ目は、小規模作業所で働く障害者の方々は、1日300円から500円の賃金となっています。こうした作業所の場合でも、月に1万円の利用料が徴収されてしまいます。仕事をしても、利用料も稼げないと、作業所に通えなくなる人がふえてしまいます。仲間の皆さんは家に閉じこもりになり、病気が悪くなり再入院になるのではないかと心配されていました。コロニー印刷など福祉工場においても、仕事をするのに障害があれば負担が求められ、あるいは事業者負担となるために大きな不安が渦巻いています。こうした事態が起きてはならないとは思いませんか。利用者の負担を軽減するための自治体の対応についてお尋ねいたします。  あわせて、さきの保健福祉委員会でも障害者についてはさくらカードを無料にするべきではないかと意見が相次ぎました。小規模作業所などで働く意欲を支援するために、ぜひ早急な実現を行うべきではありませんか。  4つ目は、精神障害者の医療費の減免制度についてです。精神障害者の場合、特に定期的な通院と服薬は再発防止からも重要です。現在、医療費の5%の負担で済む措置制度がなくなってしまい、負担が倍にふえてしまいます。そのため、京都市などでは、長期入院者の退院後1年間の精神科通院医療費を全額免除する支援を行うとし、東京都では、精神通院医療の無料継続を決めておられます。再発防止の観点からも、大切な措置ではないでしょうか。熊本市でも、現行より負担をふやさないように助成をぜひ実現してください。  以上、健康福祉局長にお尋ねいたします。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  介護保険法改正について、また障害者自立支援法について、御質問にお答えします。  まず、介護保険制度改正に関する御質問でございますが、1点目のホテルコスト導入による施設退所者の数や施設側の影響については、特に調査は行っておりませんが、毎年定期的に介護サービス利用者アンケートを実施しておりますので、その中で利用者の意向を把握するとともに、施設側の影響についても、老人福祉施設協議会などとの定期的な情報交換を通して把握してまいりたいと考えております。  2点目の新第2段階の所得基準につきましては、介護保険法施行令において、課税年金と合計所得金額の合計額が80万円以下と定められておりますので、変更することは難しゅうございます。しかしながら、本市が現在独自に行っております現第2段階の方に対する保険料の減免措置につきましては、新第3段階の方に対しても、引き続き適用してまいりたいと考えております。なお、税制改正に伴う激変緩和措置につきましては、介護保険法施行令において、平成18年度及び平成19年度の保険料に適用され、段階的に引き上げられることとなっております。  3点目、通所サービスの食費につきましては、一定の負担をお願いすることになりますが、今回の制度改正の趣旨が公平性の観点から他のサービス利用者と同様に負担をお願いするものでありまして、御理解いただきたいと存じます。  今後、介護保険制度の円滑で安定的な運用を図るためには、制度を支える財源の問題や低所得者対策など、一自治体では解決困難な課題も多いと認識しておりますので、今後とも引き続き国に対して要望を行ってまいりたいと考えております。  次に、介護保険制度をもとにしての障害者控除対象者認定でございますが、平成14年8月1日付の厚生労働省からの老齢者の所得税、地方税上の障害者控除の取り扱いについての文書からも、身体障害者手帳の認定基準と要介護者の認定基準は連動していないと考えております。したがいまして、障害者控除対象者認定につきましては、個々の申請に基づき、医師等の調査をもとに実施してまいりたいと考えます。  なお、申請手続きの広報につきましては、他都市の状況を参考に研究してまいりたいと存じております。  次に、障害者自立支援法に関しての御質問にお答えしてまいります。  まず、福祉サービスにおける市独自の利用者負担の減免についてでございますが、障害者自立支援法における利用者負担につきましては、原則利用料の1割負担となっております。しかしながら、その負担が過重なものとならないように、所得に応じて上限額が設定されますとともに、低所得の方には個別減免等各種の減免措置が講じられております。  本市としましては、現在、これら減免措置の対象となる方について、適用に遺漏のないよう手続きを進めているところでございます。また、法の規定を踏まえ、災害その他の特別な事情により障害福祉サービスに要する費用の負担が困難な場合に、その負担額の一定割合を市が支給する障害福祉サービス費の特例を4月から実施する予定としております。  次に、地域生活支援事業についてでありますが、同事業は地域の特性や利用者の状況に応じて市町村が柔軟に実施する事業と位置づけられておりますが、その内容につきましては、議員御案内の移動支援、手話通訳などのコミュニケーション支援を初め相談支援、地域活動支援センター等、多種多様の障害福祉サービスが含まれております。  今後、10月からの事業実施に向け、国の補助の動向あるいは各事業の性格、これまでの経緯、自立支援給付事業とのバランス等を考慮しながら検討してまいりたいと考えております。  次に、小規模作業所、福祉工場の利用者負担軽減及びさくらカードの無料化の御質問でございますが、まず小規模作業所につきましては、地域活動支援センター等に移行していくと考えられますので、ただいま申し上げました地域生活支援事業の検討の中で対応を考えてまいります。  また、福祉工場につきましては、支援を受けながら働く場として訓練等給付に位置づけられ、利用者負担が生じることになりますが、事業者の負担により軽減措置を講じることができることとされております。本制度について事業者へ周知してまいりたいと考えております。  障害者のさくらカード制度につきましては、本年度より年間2,000円で見せるだけでいい「お出かけパス券」の販売を始めたところでございますが、その結果、利用も大幅にふえている状況でございます。今後、その利用の実態等について調査してまいりたいと考えております。  最後に、精神通院医療に対する独自の助成についてでございますが、同医療につきましても、基本は1割の定率負担であり、所得に応じた上限額が設定されております。その中で、低所得の方については、上限額が比較的低額に設定されており、また、一定の所得がある方についても、継続的に相当額の医療費負担が生じる場合は、別に上限が定められているなどの配慮がなされているところでございます。  さらに、本市におきましては、精神障害者保健福祉手帳1級の所持者に対しましては、重度心身障害者医療費助成制度の対象としておりまして、通院の場合、医療費利用者負担額の3分の2を助成しているところでございます。  障害者自立支援法につきましては、その詳細について、いまだ国から示されていない部分も多くありますので、今後とも、国から示される内容等を踏まえ、適切に対応してまいりますとともに、制度の実施主体として住民の皆様の声を聞きつつ、必要なことは国に申し上げてまいりたいと考えております。          〔51番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  熊本市の対応は、介護保険、障害者自立支援法におきましても、残念ながら、国の基準にとどまっています。市独自の判断でできる障害者控除認定制度の運用についても、できない理由を並べるばかりでなく、既に多くの自治体が行っているのですから、熊本市でも、ぜひ、実現に向けて取り組んでいただきたいと思います。  障害者のさくらカードは、先般の保健福祉委員会では無料化を求める声、全体の声となっています。無料化に向け実態をつかみ、バス事業者とも無料化についての協議をお願いいたします。  介護保険利用者の10月から始まる地域生活支援事業の利用料は、市町村が独自に条例で定めることになっています。現行どおり無料または応能負担による低廉な利用料とされることを再度要望いたします。  障害者が人間として当たり前の生活をするために必要な支援を、益とみなして負担を課すという応益負担は、憲法や福祉の理念に反します。このままの制度では、重い負担のために必要なサービスを受けられなくなり、深刻な事態を招いてしまいます。障害者の皆さんや御家族の意見をよく聞き、国に応益負担の撤回を求めるとともに、熊本市としても最大の努力を尽くされるよう、強く要望いたします。  続きまして、国保料の引き上げを中止し、市民の命を守る課題について幸山市長にお尋ねいたします。  自営業者などが加入する国民健康保険の保険料が払えない、滞納世帯が全国で470万世帯に上り、1年以上滞納して保険証を取り上げられた世帯が初めて30万人を超え、資格証明書があっても、医療費を全額払わなければならないため、手おくれとなり命を落とすなど、社会問題になっています。2000年以降、国保料を滞納し、保険証を取り上げられ、受診がおくれて病状が悪化し死亡したと見られる人が6年間で判明しただけで18人に上っています。胃がん、肝臓がん、心筋梗塞、直腸がんなど病状が悪化するまで治療を受けられず、手おくれになり死亡されたものです。患者のほとんどは、不況の影響などによる低所得者で、だれもが安心して医療を受けられるはずの国民皆保険制度の中で、平等であるべき命の重さにまで貧困による社会的格差が広がっている実態が新聞紙上でも取り上げられ、衝撃を与えています。  熊本市の国保も例外ではありません。国保加入者の所得は減少し続けているのに、値上げを繰り返し、九州の県庁所在地では、医療分は3番目、介護分では1番高くなっています。その結果滞納者も多く、3カ月、6カ月証の発行は中核市中、断トツ1位で2万4,000世帯を超えています。資格証明書の発行は年々増加し、693件に上り、未交付状態もあり、皆保険制度に穴が開いています。少なくとも訪問指導を行い、未交付という違憲状態を解消すべきです。  また、昨年策定されました国民健康保険会計の健全化計画では、本年度から3年ごとに保険料の改定、つまり6%引き上げが計画されています。既に介護分については引き上げの方向が提案されていますが、今年度は市民の暮らしの状況は、引き上げる状況にないことは明らかです。私の知り合いの自営業の60歳の男性も、ことし1月、両足にやけどをし、入院治療を進められたけれども、入院費を心配し迷っているうちに、糖尿病の持病が悪化し、やけどが壊死状態となり、救急車で運ばれ、入院となりました。何とか足の切断は免れましたが、現在も入院中です。糖尿病など慢性の病気にとって、治療の中断は即病状の悪化につながります。  つい最近も、資格証明書を発行された糖尿病の方が、いよいよ目が不自由になったため、仕事ができなくなり、相談に来られました。熊本市で行われている資格証明書の発行によるペナルティーを強化しても、収納率の向上につながらず、このように、むしろ重症化を招いてしまいます。安心して医療を受けることができるように、資格証明書の発行を中止し、3カ月の機械的な短期証の発行は少なくとも中止をすべきではありませんか。国保は命に直結する大事な問題ですので、幸山市長にお尋ねいたします。  続きまして、小規模修繕契約希望者登録制度の改善についてお尋ねいたします。
     地元の小さな建設業者の皆さんの雇用と仕事を確保するために、受注を希望する業者を登録し、市内の小規模業者が直接工事を行うことができる小規模事業登録制度が昨年6月から始まりました。金額は30万円未満ではあっても、施設修繕の実績が機器修理で2,100件、施設修繕で4,900件あることから、期待しておりました。しかし、仕事が発注されたのはわずか9業者、223万円にとどまっていると聞き、耳を疑いました。1年ほど前から取り組まれている佐賀市では、平成16年度は188業者、833万円余の実績を上げ、同時期にスタートした新潟市は、登録業者1,064業者、発注件数1,413件、受注額1億2,072万円となっています。現在の熊本市の状況は、仏つくって魂入れずではないかと思います。  1つには、この制度の趣旨の徹底がなされていないことが問題です。熊本市が小規模修繕を発注する、学校を含めた公共施設及び出先機関、すべての受注課にこの制度の趣旨を十分徹底することが求められるのではありませんか。  2つには、登録更新をさらに進めるために、さまざまな業者の集まりに要請があれば出かけて、この制度についての説明を行うなど、積極的な対応をすべきだと思いますがいかがでしょうか。  3つ目は、制度を安定的に発展させるため、対象金額について現在の30万円以下を随意契約の上限を、佐賀市や新潟市のように50万円以下とし、また随意契約の上限であります130万円まで一歩一歩引き上げていくべきです。  以上、小規模修繕契約希望者登録制度の改善について、関係局長にお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  国民健康保険につきまして、2点の質問にお答えさせていただきます。  1点目の保険料の引き上げの件でありますが、国民健康保険は御案内のとおり、被保険者の保険料を主たる財源といたしまして、相互扶助の精神に基づき運営される公的な医療保険制度でございます。しかしながら、本市の国民健康保険会計でございますが、平成16年度決算におきまして、約65億円の累積赤字を抱えているところでございまして、現在、国におきまして、医療制度改革による医療費の適正化が検討されているところでありますが、2007年問題と呼ばれます団塊の世代の高齢化などによりまして、現行の保険料率で推移した場合、平成26年度には累積赤字が190億円を超える見込みであります。  国民健康保険制度は社会保険の根幹でもありまして、市民の皆様の生命と健康を守る医療保険制度でありますことから、制度の維持は極めて重要な課題と認識いたしております。現時点におきまして、被保険者の皆様の負担感は十分に理解しておりますが、保険料率の改定なしには、本市の国民健康保険会計を維持することは極めて困難な状況であります。したがいまして、今後の医療制度改革の動向など、不確定な要因もありますけれども、平成16年度に策定いたしました国保会計健全化10カ年計画をもとにいたしまして、3年ごとの保険料率の見直しに当たりましては、収納率の向上並びに歳出の抑制等を図りまして、被保険者の皆様の負担が緩和されますよう、でき得る限りの努力を払ってまいりたいと考えております。  次に、2点目の資格証明書及び短期証の交付の件でありますが、資格証明書は法的に交付が義務づけられたものでありまして、被保険者間の公平性を図るために必要であると認識いたしております。  また、短期証でございますが、被保険者の皆様との納付相談の機会を確保するため交付しているものでありまして、今後とも納付相談等を通しまして、未納付世帯の状況把握に努めまして、でき得る限りきめ細やかな対応を行ってまいりたいと考えております。          〔原幸代子総務局長 登壇〕 ◎原幸代子 総務局長  私の方から、小規模修繕契約希望者登録制度について、3点のお尋ねにお答え申し上げます。  まず1点目の登録制度の趣旨の徹底についてでございますが、小規模修繕業者の登録制度につきましては、市内の小規模業者の方々の受注機会の拡大を図ることを目的に、先ほど議員が述べられましたように、昨年6月に申請受け付けを行い、8月から運用を開始したところでございます。運用開始に当たりましては、主幹部長会議や事務担当者の研修会などにおきまして説明を行う一方で、Cネット上で掲示を行うなど全庁的に周知を図ってきたところでございます。新年度におきましても、さまざまな機会をとらえまして、この制度の周知徹底に努めてまいります。  2点目の業者登録推進のための積極的対応についてでございますが、新年度には補充登録を行うこととしておりまして、市政だよりやホームページなどで制度のPRに努め、登録業者の拡大を図ってまいりたいと考えております。  最後に、対象金額の引き上げにつきましては、まずは本制度の趣旨を徹底させ、小規模修繕契約希望者への発注が拡大されますよう努めてまいりたいと考えております。          〔51番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  国民健康保険の問題では、確かに大きな赤字金額となっております。けれども、今、市民の皆さんの保険料は、もう負担の限界に来ております。保険料の値上げは絶対やめていただきたいと思います。保険証が手元にないことが重症化を招いている。このことにも心を持ち、社会保障制度としてすべての世帯に命綱であります保険証の交付をしていただきたいと思います。  また、小規模登録制度につきましては、せっかくつくった制度を生かし、新潟市並みに登録を1,000件以上、受注額も1億円を目指して頑張っていただきたいと思います。  最後に、簡潔に、大型店出店規制の問題について、幸山市長にお尋ねいたします。  先日も質問がありましたけれども、郊外への大型店の出店を規制しなければ、暮らしやすいまちづくり、バランスのとれた都市計画を進めることはできません。菊陽町の大型店舗であります光の森の影響で、共同店舗であります武蔵プラザが閉店を決められたことは、早速近隣の高齢者やマイカーのない交通弱者にとっては、毎日の買い物にも不自由することになってしまいます。熊本市議会も佐土原地区への大型店の出店に当たっては、国の都市計画法などの見直しを視野に入れ、市独自の指針を策定し、大型店出店に慎重に対応することを、全会派一致で決議しています。  先般、私ども市議団は、日本共産党の県議や党国会議員と一緒に、この件で国土交通省と話し合う機会がありました。既に報道されているとおり、都市計画法と中心市街地活性化法を見直し、1万平方メートルを超える大型店を含む大規模集客施設の立地可能な用途地域を見直し、市街化調整区域及び白地地区においては、原則立地を不可とし、郊外への拡散を防ぎ、秩序ある都市づくりを目指す方針です。特に立地に当たっては、地域の判断を反映した適切な立地を確保するとされるようです。  長野市におきましては、市長がイオン系の超大型複合ショッピングセンターなど4店の大型店の出店計画を総合的なまちづくりの視点から、将来、世代に持続可能でコンパクトなまちづくりが求められることとなり、中心市街地や拠点地域などの既存市街地の有効活用を図る必要があるとの総合判断を行い、大型店の郊外出店を許可しないことを表明されました。  その理由として、これまでの右肩上がりの経済を前提にした市街地の外延的拡大を抑制する、2つには社会構造の変化を踏まえた開発型から保全型へ土地利用の転換を図り、新たな時代の要請に合ったまちづくりをすすめることを基本とすること、3つには農業政策についても、農業の持続的発展と農村の振興に向け農業基盤の強化策として認定農家、農業者を初めとした担い手の育成や、集落営農の組織化と育成支援などを打ち出しておられます。その結果、現在の法制度のもとでも、「大型店の出店は当面、既存市街地を中心とした出店可能な地域に限定することが望ましいものと判断する。」と明快に述べておられます。  福島県におきましても、環境への負荷の少ない持続可能なまちづくりや、歩いて暮らせるコンパクトなまちづくりの考え方に基づき、住民に最も身近な市町村が行うまちづくりを支援するため、6,000平方メートル以上の、特に規模の大きな小売商業施設について、広域の見地から、適切な配置の推進を図るなど、商業まちづくりに関する施策を総合的に推進するよう、商業まちづくり推進に関する条例が制定されております。  いずれも共通するのは、これまでの郊外への市域の拡大を進めるのではなく、コンパクトなまちづくりの方向が明快に掲げられていることです。熊本県商店街振興組合連合会など共同で陳情なども出されて、その署名数も30万人と聞いております。副市長を中心に対応会議が立ち上げられ、その詳細については先般報告がありましたけれども、熊本市においてもまちづくり条例を制定し、郊外への大型店出店についての熊本市としての見解を示す必要があるのではないでしょうか。  現在、問題となっております佐土原地区への大型店出店の立地について、幸山市長の見解をお聞かせください。その際、熊本市における中心市街地の問題をどのようにとらえておられるのか、現状認識について、またコンパクトなまちづくり及び現在、国会に提案されております中心市街地活性化法、都市計画法などの改正案についての幸山市長の考えについてもお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  佐土原地区への大規模商業施設の立地によります本市の中心市街地への問題や現状認識、及び今国会に提出されておりますまちづくり3法改正案に対する考え方につきましてお答えさせていただきます。  佐土原地区への大規模商業施設の立地につきましては、広範囲にわたります交通に対する影響、排水、環境等の問題、また熊本の顔でもあります中心市街地等にも影響を及ぼすことが考えられますことから、庁内の対応会議におきまして、慎重に検討を重ねているところであります。  そのような中、本市の中心市街地の現状を見てみますと、TMOや商店街の方々の努力もありまして、イベントの開催などさまざまな事業展開が行われまして、一定の成果を得てはおりますものの、これまで熊本の顔として魅力と活力を呈してまいりました中心市街地も、近年、通行量や小売業の販売額等が減少しているところでありまして、求心力は徐々に低下している現状と認識いたしております。その活性化につきまして、今後はさらに地元や商店街の方々との連携のもとに、築城400年に向けた取り組み等を行います中で、活力あふれる熊本の顔にふさわしい中心市街地を創出していかなければならないと考えております。  今国会に提出されております都市計画法等の改正案に至る背景を見ますと、モータリゼーションの急激な進展によりまして、経済活動から市民生活に至りますまで、自動車に依存した社会構造となっておりまして、それに呼応して郊外への大型店の出店が進み、中心市街地の疲弊などの問題が生じているものと思われまして、それは高度経済成長を支えた大量生産、大量消費によるさまざまな社会的課題に似たところがあると考えております。  また、改正にあわせまして議論されておりますコンパクトなまちづくりにつきましては、単に中心市街地の活性化のみを図るというものではなく、都市全体で見て、都市機能の配置や土地利用のあり方など、都市構造の問題としてとらえるものとされておりまして、またそれは各都市の規模や構造によって、あるいは近隣市町村との連携などによっても異なってくるものと認識いたしております。そのようなことから、政令市実現を目指す本市の将来や、あるいは高齢社会の到来などを見据えまして、また交通施策と連動した都市機能や土地利用のあり方などにつきまして、学識者等の参画をいただき、中心市街地活性化に向けました土地利用研究会で議論を重ねているところであります。来年度も引き続き検討を行い、土地利用基本方針を策定してまいりたいと考えております。          〔51番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  どうもありがとうございました。幸山市長におかれましては、現行の法律のもとでも明快に大型店出店反対の意思表明をしていただきたいと思っております。  これをもちまして、私の質問を終わります。議員の皆さん並びに傍聴者の皆さん、長時間にわたり御清聴本当にありがとうございます。(拍手)       ───────────────────────────────── ○田尻清輝 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午後 0時25分 休憩                           ──────────────                             午後 2時01分 再開 ○税所史熙 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ───────────────────────────────── ○税所史熙 議長  質問を続行いたします。倉重徹議員。          〔8番 倉重徹議員 登壇 拍手〕 ◆倉重徹 議員  皆さん、こんにちは。一人会派真政クラブの倉重でございます。3回目の登壇の機会を与えていただきました。諸先輩方並びに同僚議員の皆様方に心より感謝を申し上げるものでございます。  初めにお断りをしておきますが、今回は少し堅苦しい質問が多うございますので、皆さんお疲れのところ大変申しわけありませんけれども、できるだけ圧縮して、時間いっぱいにとは申しません、スピーディーに質問させていただきますので、何とぞ我慢して最後までおつき合いのほどよろしくお願い申し上げます。  それでは、通告書の順番と内容を一部変更させていただきまして、早速質問に入らせていただきます。  まずは、今回の本題に入ります前に、前回私が質問させていただきました問題でございますが、平成17年第1回定例市議会におきまして、路上に横たわる動物の遺体処理、いわゆる車にひかれた動物の処理に、命の大切さが感じられる方法を考えてほしいと御質問させていただきましたところ、田中局長は「路上で死亡した動物につきましては、現在、法に基づき一般廃棄物として処理されておりますが、動物の命の大切さを再確認して、動物愛護の精神を踏まえ、関係部局と新しい視点から検討してまいりたいと考えております。」と答弁をされました。  また、私と一緒に考えさせていただきたいというふうにおっしゃられておりました。健康福祉局では、他に多数の大変な問題を現在も抱えておられることは私も十分に承知しておりますので、じっと待っておった次第でございますが、その後、鳴かず飛ばずで、何の報告も相談もないまま1年が過ぎてしまいました。自分の気の長さに自分でも驚いているわけでございますが、この場をおかりしてお尋ねさせていただきます。その後、関係部局との新しい視点からの検討なるものはなされているのでしょうか。今後、どのようにされるおつもりなのでしょうか。田中局長の答弁を求めます。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  動物の事故後の遺体処理について、倉重議員にお答えいたします。  路上の動物の遺体処理につきましては、議員からの御質問以来、これまで他都市の例も参考にしながら、新しい視点で処理方法を検討してきたところでございます。  まず、当初受け入れ可能との回答をいただいておりました処分施設への業務委託については、その後、課題も多く、いまだ受け入れができない状況でございます。また、民間のペット霊園の委託についても検討いたしましたが、道路上の動物の遺体は一般廃棄物であり、ペット霊園は一般廃棄物処理業の許可がないため、焼却できない状況でございました。さらに、動物愛護センターで処理することも、焼却炉の能力上困難であり、いまだ具体的な処理方法を見出していないのが現状でございます。  今後、動物の適正飼養の指導啓発を強化して、道路上で死亡する動物の数を減らしていきますとともに、遺体処理については、動物は単なる物ではなく、命あるものであるという視点で、さらに検討を進め、その結果を導き出してまいりたいと存じます。          〔8番 倉重徹議員 登壇〕 ◆倉重徹 議員  現在の状況は、今、教えていただきましたので、初めてよくわかりました。しかしながら、これは私の勝手な不安でございますけれども、局長たるものが本会議で答弁されたわけでございまして、その場しのぎの発言は決してされないとは思いますけれども、そういうことをされますと、議会そのものの意味がなくなるというような不安さえ抱いたわけでございまして、私の疑問をぜひ払拭していただきますように、今後は御相談される、検討されるという部分に関しては、御報告なり何なりをきちんと、ぜひしていただきますように、よろしくお願いしたいと思います。市長よろしくお願いいたします。  それでは、早速本年の質問に入らせていただきますが、2007年から2010年にかけて、一斉に定年退職をするため、年金制度に多大な混乱をもたらすと予想されている第1次ベビーブームで生まれた世代、いわゆる団塊の世代のことについてお尋ねさせていただきます。  年金、退職金の問題もさることながら、この世代の人々が蓄えた技術や能力、人脈を、どのように次の世代に継承していくかという問題は、企業も自治体もその差がなく、大きな課題であろうと考えます。自社で生かすべくその力を獲得しようとする企業の動きも徐々に活発化しているようです。  もちろん、本市におかれましても、さまざまな対策を御検討されていることと承知しておりますが、改めまして、この世代が及ぼす多大な影響、世間で言うところの2007年問題に対してお考えをお聞かせいただきたいと思います。今回はその優れた技術に的を絞ってお聞かせいただきたいと思いますが、例えば道路改良工事をする際に図面をいただきますが、図面上はあるはずのない場所に水道管が入っていて、バックホーで管を破ってしまうなどという経験を持つ建設業者もおられると聞いております。6・26水害で配管図が流されたり、諸事情があって紛失したとも聞いておりますが、この市内の配管図がすべて頭の中に入っておられ、図面を見るよりもこの人に聞いた方が早いという方も職員の中にはおられるそうです。  昨年、宮崎市の断水処理のために、応援給水に延べ210名が水道局からかけつけられましたが、この中には事務職の方もおられたと伺っております。やはり水道局に配属になった方は、技術職、事務職を問わず、少なくともメーターの取りつけ方や蛇口のパッキンの取りかえ方ぐらいは習得しておく必要があるのかもしれません。  また、ある大手のバルブメーカーの製造現場で、水圧が1平米当たり10キログラムを超える高圧弁をつくったが水がとまらない。ベテランがやってきて、弁体を少し削ったら、ぴたりととまったということもあるそうです。実際、ベテランのわざにはすごいものがあるようでございます。  話が少し横道にそれましたが、さまざまな自治体で、既に技術継承への取り組みがされており、東京では36億かけて技術研修センターを建設されており、福山市は建設に向けて取り組み始め、政令市と呼ばれる自治体は既に進行しています。しかしながら、高度な技術は東京へ研修に行けば済むことであり、立派な研修センターをつくる必要はないと思いますので、そこまでは望みません。  ところで、本市では、水道局がいち早くこの問題に危機感を持ち、他局に先がけて取り組みを始めておられます。しかし、この問題は水道局だけの問題ではなく、全庁的にもっと危機感を持って対応すべきではないかと考えます。  そこでお尋ねいたします。充実した市民サービスのためにも、団塊の世代にかかわらず、優秀な技術や知的財産を持つ退職者の知識と技術の継承についての計画と対策をお示しください。          〔原幸代子総務局長 登壇〕 ◎原幸代子 総務局長  知識と技術の継承についてのお尋ねにお答え申し上げます。  団塊の世代に限らず、ベテラン職員の知識と技術を在職する職員へと継承するような手だてにつきましては、基本的には日常業務を遂行する中で、あるいは職場研修などの人材育成の取り組みの中で習得するように努めております。また、業務の継承につきましても、マニュアルやチェックシートを作成するなど、組織的に対応し、事務に支障がないように努めているところでございます。  さらに、近年の自治体の業務は多岐にわたりますため、職員には幅広い分野で対応できる資質が求められておりますが、一方では、自治体の業務も高度複雑化しまして、より専門的な知識経験が求められる職務分野もございまして、専門職員としての人材を育成していくことが重要となってきております。そのために、実務研修の実施、公的研修機関や専門セミナーなどへの積極的な派遣を行っているところでございまして、議員御指摘の知識と技術の継承の手だてにつきましては、重要なことととらえており、人材育成の観点からも取り組んでまいりたいと思います。          〔8番 倉重徹議員 登壇〕 ◆倉重徹 議員  ありがとうございました。何でも業務委託すればいいというものではないような気がいたします。今いる職員のやる気を促して、民間企業のように、試験などではなく、本当の実績に伴い、正当な評価をしてあげることも大切なことではないのでしょうか。そういう意味でも、今、御答弁していただきましたように、ベテラン職員の知的財産と経験から習得した技術はとても貴重なものであり、スペシャリストの育成というものも不可欠なような気がいたします。何と申しましても、ここは原総務局長の手腕の見せどころでございます。どうかよろしくお願い申し上げます。  続きまして、予防医療についてお伺いさせていただきます。  市長は、本議会の提案理由説明の中において、「引き続き医療費の増加傾向が続いているので、国民健康保険会計、老人保健会計への繰り出し措置、その他決算見込みによる過不足調整等を計上した。」と述べられました。国の関係機関の発表によれば、65歳以上の高齢者は今後とも増加し続け、西暦2025年には約3,300万人となり、全人口のおよそ27%を占めるであろうと予測されています。  そこで、直面する高齢化社会への行政の対応策として、予防医療を通した医療費削減策について、肺炎球菌ワクチンの公費助成という問題を取り上げてお尋ねいたします。  肺炎そのものは抗生物質などの薬や医療技術の進歩に伴い、治療可能なケースがふえましたので、私たちの意識からは遠くなりがちですが、高齢者、特に65歳以上の方、中でも心臓や呼吸器に慢性疾患のある方、腎不全、肝機能障害、糖尿病のある方などは注意が必要とされており、急速に症状が進んだ場合、抗生物質などによる治療が間に合わないこともあり、一言で肺炎と言いましても、とても怖い病気だと言えるのではないでしょうか。さらに、肺炎に起因した死亡数は、現在でもここ数年来上昇傾向にあり、がん、心臓疾患、脳卒中に次いで、死亡原因として第4位に位置づけられています。  本題に入りますが、一般的に肺炎は、細菌、マイコプラズマ、ウイルスなどさまざまな病原体に起因しますが、その中でも死に至る重い肺炎の最大の原因となるもの、それが肺炎球菌だという臨床結果報告がなされています。我が国において、ペニシリンなどの抗生物質が効きにくい肺炎球菌の頻度は、1980年代後半から増加し、現在、臨床で分離される肺炎の30ないし50%を肺炎球菌によるものが占めていると言われています。この肺炎球菌はとてもたちが悪く、体力が落ちているときや高齢化して免疫力が弱くなってくると、ちょっとしたことから肺炎、気管支炎などの呼吸器感染症や副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎などの病気を引き起こすことで知られています。  肺炎球菌には80種類以上の型があり、それぞれの型に対して免疫をつける必要がありますが、肺炎球菌ワクチンを接種しておけば、そのうちで特に感染する機会の多い23種類の型に対して免疫をつけることができます。これらの23種類の型ですべての肺炎球菌による感染症の8割を予防することができますし、1回の接種で有効レベル以上の免疫ができるとともに、この免疫の持続力はとても高く、5年以上も続きます。  ちなみに、アメリカでは政府機関である疾患防疫センター(CDC)などにより、前述しました方々に対して、既に肺炎球菌ワクチンの接種が強く勧告されています。また、国内でも、敬老の日に65歳以上の方を対象にして、自治体から健康のプレゼントとして、ワクチン接種サービスを実施する自治体がふえていると伺っております。  余りよくない言い方ですが、本市でも敬老祝い品のかわりとして、ワクチン接種券をお渡しすると、結果として、健康と医療費削減の一石二鳥が望まれると思いますが、いかがですか。敬老祝い品を減額したり、なくしたりするよりも、御老人の健康のためにもワクチン接種券をお渡しになると、今、保険がききませんので約7,000円ぐらいかかります。それを何がしかの給付をしていただいて、ワクチン接種をしていただくことによって、長生きもしていただけますし、健康であり続けていただけるという一石二鳥の効果が望まれるということでございます。  皆さんも御存じのように、我が国でいち早くこのワクチンへ取り組みを始めたのは北海道の瀬棚町ですが、中学生以下、65歳以上の方に対し公費助成を行い、出張予防医療講習などの取り組みとあわせて、医療費を半減することに成功しています。現在では、このまちを手本に既に27の自治体が取り入れ、そのうち15の自治体で公費負担を実施し、住民の健康づくりを積極的に応援しています。瀬棚町の取り組みは、将来の地域医療のあり方にいての有望なテストケースであると、全国でも高い評価を得ているようです。  そこで、3点お尋ねいたします。  まず、熊本市の死因の中で、肺炎による死亡率はどのぐらいでしょうか。  また、まるでプランの図書館でもおつくりになられるのではないかと思えるほど、膨大なプラン策定に時間を費やすのではなく、実の伴った市民サービスとして、市民の健康づくりと、何よりも医療費増大の徹底抑制という観点から、本気で予防医療というものに力を入れるときが来たと考えますがいかがでしょうか。  3点目に、今後の地域医療のあり方として、また高齢化社会への対応策として、病人を減らす以外に医療費を削減する方法はないと言われています。そこで、現在までの医療費削減に向けた本市の取り組みと、今後の計画並びに問題点、あわせて入院リスクを63%、死亡リスクを81%削減したという実証例を持つ肺炎球菌ワクチンに対する認識を、公費助成の考え方も含めてお聞かせください。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  予防医療についての御質問にお答えいたします。  1点目の熊本市の死因の中での肺炎による死亡率はどのくらいかとの御質問でございますが、肺炎は本市におきましても死因の第4位でございまして、平成16年の統計では、死亡数469名で、死亡総数に占める割合は10%、人口10万人当たりの死亡率は69.9となっております。全国の統計では、人口10万人当たりの死亡率は75.3となっており、熊本市は全国よりは少ない死亡率となっております。  2点目の市民の健康づくりと医療費の増大を抑制する観点から、予防医療に対する考え方はという御質問でございますが、疾病予防は議員御指摘のとおり、大変重要であると認識いたしております。医療費の削減につきましては、具体的な目標は定めておりませんが、疾病予防への取り組みが医療費削減につながっていくものと考えております。  具体的な取り組みの主なものとしましては、疾病予防に関する情報提供や学習の機会として、保健福祉センターを中心とした骨粗しょう症予防教室や生活習慣病予防教室等を開催しております。  次に、健康状態を確認できる健康診査として、基本健康診査や各種がん検診等を実施し、その結果に基づく要指導者への事後指導、さらには糖尿病等の特定の生活習慣病にターゲットを絞った個別健康教育や国民健康保険対象者に生活習慣病の発症を予防することを目的としたヘルスアップ事業を実施しております。  また、疾病予防のための環境づくりでございますが、市民一人一人の健康づくりを地域で継続的に支援できるように、健康くまもと21推進市民会議との協動により、市民の健康づくりを応援する飲食店「健康づくりできます店」の登録制度を開始したところでございます。そのほか、地域で市民の健康づくり活動を行う地域組織の育成や高齢者の活動拠点づくりやシルバースポーツの支援等も行っているところでございます。  一方、予防接種による疾病予防としましては、法に基づくインフルエンザ予防接種を高齢者に本市では無料で実施しており、50%を超える多くの方が受けておられ、近年、施設でのインフルエンザ集団発生の届け出はあっていないところでございます。  3点目の肺炎球菌ワクチン接種の公費助成についてでございますが、本市における予防接種につきましては、法に基づくものを対象として公費で実施しております。現在、肺炎球菌ワクチンにつきましては、任意の予防接種となっておりますが、厚生労働省の予防接種に関する検討会で有用性や安全性を含め、法に基づく予防接種の対象疾患に入れるかどうかが検討されており、国の検討の推移を見ながら対応してまいりたいと考えます。  なお、敬老祝い品のかわりとしてワクチン接種券をお渡しするという御提案につきましては、実施する場合の一つの方法として、参考にさせていただきたいと思っております。          〔8番 倉重徹議員 登壇〕 ◆倉重徹 議員  参考にしていただけるということで、少し安心しましたが、実は平成17年に大成町というまちと北檜山町というまちと瀬棚町というまちの3町が合併しまして、現在の瀬棚町というまちになったわけでございますが、この大成町は実は私の家内の出身地でございまして、家内のおじが長く町長を務めた土地でございますので、今回引用させていただきました。小さなまちではありますが、実際に死亡率を低下させ、医療費の半減に成功した実例でもあります。熊本でもほとんどの医師により既に実施されているワクチンであり、効果も十分に立証されているものであります。ただし、保険がきかないため、先ほども申し上げましたように、7,000円ほどかかるということでございまして、きのう、高島議員も力強く「日本一を目指せ」と言っておられましたが、どうか一刻も早く決断をしていただきまして、中核市に先がけて実施していただき、削減した医療費で、さらに福祉の充実を図っていただきますよう、強く御要望申し上げます。          〔議長退席、副議長着席〕  それでは、続きまして、次の質問に入らせていただきます。  橋梁の補修についてでございますが、本年2月14日、福岡高裁は熊本市に対し測量作業中に破損した欄干から転落し負傷した男性に、820万円の損害賠償支払いを命ずる判決を出しています。報道によりますと、今回の判決では、欄干の管理瑕疵を認定していますが、熊本市内には車両や二輪車、歩行者が転落すればけがを負うか、あるいは人命にかかわりかねない事故が発生する可能性のある場所に、ガードレールや転落防止さく、橋梁の欄干などが数多く設置されていると聞き及んでおります。また、大切な構造物が事故で破損したり、老朽化しさびていることも相当数あると考えられます。早急な発見と迅速な補修や補強が、今回の判決のような事態の再発防止には欠かせない重要な問題と考えます。
     そこで、まず、安全安心なまちづくりを提唱する本市として、市民の生命を脅かすような事故の発生を未然に防ぎ、安心して通行できる道路の確保のために、どのような対策を考えておられるのかお伺いします。  また、本市には15メートル以上の橋梁が169カ所、2メートル以上15メートル未満の橋梁が1,678カ所、合計で1,847カ所に橋梁が設置されています。これらの橋梁は、日常生活だけでなく、渋滞対策や経済活動を支える基盤として、その役割の重要性は申すまでもありません。本市には、御存じのように有名な石造アーチ橋の明八橋や明十橋がありますが、熊本県は現在でも全国有数の石橋を保有する地域であり、過去の歴史を振り返ってみても、本市において橋は市民生活に密着したものとして存在してきました。熊本は、いわゆる「橋のまち」であるということをPRしてもよいのではないでしょうか。  ところで、さきの兵庫県南部地震では多数の橋梁が震災による甚大な被害を受け、緊急車両が通行できないことにより、多くの人命や財産が奪われました。その際、実施された状況調査により、耐震強度の重要性が再認識され、新潟県中越地震では診断による処置を施した橋梁にはほとんど被害がなく、補強が間に合わなかった橋梁には診断どおりの破損が生じたと伺っております。つまり、生活道路に相当数存在する小さい橋梁や通勤、通学などで毎日利用する小規模な橋梁も、破損すれば市民生活そのものや交通に多大な被害を及ぼすと考えられるので、いつ発生するとも限らない震災などのさまざまな災害に備え、きめ細かな危険部位の確認と耐震診断が必要であるということです。  そこで、小規模な橋梁まで気を配った点検と、迅速な補強・補修体制の確立、また幹線道路にかかる橋梁の耐震診断に要する予算の確保と対策についてお尋ねいたします。  以上、2点につき建設局長の御答弁をお願い申し上げます。          〔上田謙一建設局長 登壇〕 ◎上田謙一 建設局長  安全対策につき2点のお尋ねでございます。  まず、道路の安全対策についてお答えいたします。  今回の福岡高裁の判決を真摯に受けとめ、市民の通行の安全確保は道路管理者として最も大切なことであると痛感いたしております。今後は道路パトロールをさらに強化し、道路や安全施設の破損、異常を早期に発見し、事故発生を未然に防ぎ、安心して通行できる道路の安全管理に努めてまいりたいと考えております。  次に、橋梁の安全対策についてお答えいたします。  議員述べられましたように、熊本市が管理する橋梁は1,847橋ございます。この橋梁を安全に保つには、効率的かつ効果的な維持管理を行う必要があり、15メートル未満の1,678橋につきましては、平成10年度に調査し、老朽化が進んでいる16橋について整備計画を立て、平成17年度までに12橋の架けかえを終了し、残り4橋についても逐次対応することにいたしております。さらに、15メートル以上の169橋につきましては、平成18年度及び19年度において、まず専門家による1次調査を実施することとし、今議会でもそのための予算をお願いしているところでございますが、今後とも市民の安全が確保できるよう努めてまいりたいと考えております。  いずれにしましても、まずはパトロール強化が重要であるとの認識で、道路の安全管理に努めてまいりたいというように考えております。          〔8番 倉重徹議員 登壇〕 ◆倉重徹 議員  判決を真摯に受けとめるということで、上告はしないということのようで安心いたしました。今おっしゃられたように、市民の安全が一番でございます。二度とこのような事態が起きないように、安全管理に努められるよう要望を申し上げます。今は橋梁の耐震を測定する簡単な器具があるようでございまして、その器具を本市もお持ちのようでございますので、どうぞ頻繁に検査をしていただきながら、安全を確保していただきますようお願い申し上げます。また、十分な予算をとらなければなかなか難しい問題でございます。市民の安全のためでございます。ぜひ十分な予算の確保も努力、御尽力いただきますように、よろしくお願い申し上げます。  ところで、私は建設業界につきましては、まだまだ不勉強でありますので、甚だ恐縮ですが、今回は少しだけ触れさせていただきますことを御容赦願います。  国勢調査の結果を見てみますと、熊本県内の建設業就業者は約9万3,000人で、全産業に対する割合は10.5%を占めており、県内市町村別に見ても、同割合が10%以上の市町村は94のうち69市町村、建設業就業者の比率が最も高いところでは、23.7%にも上る地域があります。熊本市では約3万人が建設業に従事しており、間違いなく地域の主要な雇用の受け皿となっていることが伺い知れます。  本議会質問初日に落水議員も発言されましたが、過去を振り返ってみても、本市の経済発展に多大な貢献をしてきた産業であることは今さら申すまでもなく、明白な事実であります。もう少し地場業者の育成にどうか力を注いでください。PFIの結果を見る限りにおきましては、落札した大手企業の入札価格は、少し前なら失格となる低価格入札ではないでしょうか。私は、何でも安ければよいという現代の風潮には、残念ながら賛同しかねますし、経済不況からの脱却のためにも地場最優先の手法をとるべきであったと考えます。出鼻をくじかれて、意気消沈した建設業界のままでは、本市にとって甚だ不利益であると考えますが、今後の業界活性化策があればお聞かせください。  また、生き残りをかけて費用をかけ、さまざまな調査研究を重ね、新工法を開発した業者への処遇が、何の自助努力もしない一部の業者と同じ土俵という現在の状況には疑問を持ちます。ぜひ、部局の中に新工法提案窓口などを設置し、審議会等を経て厳しい審査をされても結構ですので、自助努力した建設業者がその成果を披露したり評価されるための機会を与えてほしいと考えます。  以上、2点について、経済活性化の観点から市長に、ぜひともだれにでもわかりやすい言葉で御答弁をお願い申し上げます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  建設業活性化に対する取り組みについて、2点お尋ねがございましたので、順次お答えさせていただきます。  ただいま議員が述べられましたように、建設産業は、地域経済の発展と雇用を支える基盤産業でありますが、国、地方の行財政改革の取り組みによる公共事業の削減等によりまして、建設業界を取り巻きます環境は極めて厳しい状況にあります。このことから、本市といたしましても、何らかの支援策が必要であると考えております。具体的には、まず入札契約制度におきましては、透明性の確保や公正な競争の促進を図りますとともに、事業所の訪問調査、工事現場の立ち入り調査等による、不良、不適格業者の排除に努めてまいりましたほか、極端な低価格入札を防ぎますため、昨年2月からは新たに最低制限価格制度の導入などに取り組んでいるところであります。  また、経済的支援といたしまして、長引く不況に伴い、厳しい経営環境にあります中小企業の経営の安定が図られますように、平成15年から、熊本市中小企業不況対策緊急融資制度を設けまして、経済的支援を行っているところでありまして、この制度利用実績のうち約4分の1が建設業の利用となっております。その他、予算面におきましては、普通建設事業への枠的な予算配分によりまして、入札残による新たな工事発注を促すなどの工夫も行っているところであります。  いずれにいたしましても、昨年実施いたしましたアンケート調査や業界の意見要望を伺いながら、中小企業不況対策緊急融資制度の期間延長等を含めまして、さらなる対応を検討してまいりたいと考えております。  続きまして、新工法提案等の自助努力促進についてお答えさせていただきます。新工法の認定でありますが、その耐久性あるいは信頼性さらには普遍性や経済性など総合的な評価が必要でありますため、国土交通省の新技術情報提供システムに申請を行いまして、さまざまな検証を行い、国のデータベースに登録され、初めて新工法として使用が可能となります。新工法と認定されますと、国土交通省が責任を持ってフォローアップを行い、活用促進の通知もありますことから、本市といたしましても、この登録された工法につきまして、現場条件や経済性及び環境性能を総合的に判断し、導入に努めているところであります。  地場建設業者の皆様が意欲を持って新工法の開発等に努力されていることに対しましては、私どもも一緒になって取り組む必要があると考えております。したがいまして、新工法や技術的相談につきましては、建設局に窓口を設置して対応してまいりたいと考えております。          〔8番 倉重徹議員 登壇〕 ◆倉重徹 議員  発展と雇用を支える基盤産業という御理解は、ある程度はいただいたようでございます。さらなる創意工夫が必要と思いますが、どうも今の御答弁を聞いておりますと、市長が実情を余りよく御存じでないのかと。できれば、市長御自身が建設業協会に出かけていかれて、直接自分の耳で現状を聞かれるということも、いろいろな政策を打っていく中では必要なのではないかなと感じます。  それから、先ほどの自助努力の業者の件でございますけれども、国交省が云々かんぬんというようなことは、わかっているわけでございまして、新工法として認定してくださいと申し上げているわけではなくて、そういう人たちを受けつける機会を与えてくださいということでございます。そういう窓口を設置していただけるということでございましたので、ありがたく受けさせていただきますが、実は、一つの例をとりますと、公園に砂場があると思いますが、この公園の砂場の悪臭がとてもひどくて、御近所の方は生ごみの悪臭なのか、それとも公園の砂場なのか、どこの悪臭なのか今までよく御存じなかったということでございますが、雨上がりに行ってみますと、とてもひどいにおいで、そこに近づくことすらはばかられるような砂場というのが、かなりたくさんございます。  ましてや、近くの保育園の子供たちというのはお散歩でそこに連れられていくわけでございまして、子供たちが遊んでいますと、中に異物が混入している、中にはひどい刃物的なものも入っておりますし、犬猫のふんはもちろん山ほど出てまいります。そういうような現状の中で、これを危惧したある業者が、アスファルトプラントの移動用の機械ですが、2トン車に積んでちょっと運べるというような機械をメーカーとともに開発されまして、熱処理で菌をすべて吹き飛ばし、そして最後にふるいにかけて、さらさらの砂にして落とすと。無菌状態、有機物を全然含まない状態で砂場に戻しますので、地域の人たちがこまめにかき混ぜていくと、生涯さらさらの砂であると、異物も熊手でかき混ぜると上に飛び出てくるというような、地域が一体となってメンテナンスをできる、そういう機械を開発されたわけですけれども、いざ持ち込んでみると、砂を入れられている業者と同じ土俵で物を考えられる。砂の業者と値段の勝負をせいというようなことを言われて、すごく苦労された次第でございまして、今はやっと少し理解がいただけまして、試験的な実験をさせていただいているようでございますが、ぜひそういったような地域のいろいろな問題を危惧して開発されるような一生懸命な業者もおられるわけでございますので、そういう方々に、ぜひ希望とやる気を奮起させるように処遇を考えていただきたいという思いで今回の質問をさせていただきました。どうぞ市長の頭の中に、今、私が申し上げましたことをお含みおきいただきまして、今後の市政に役立てていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  それでは、続きまして、市電の利活用ということにちょっと触れさせていただきます。  前回の質問の際、私は熊本の大切な資源たる観光という問題を一貫してお伺いさせていただきました。観光と一口に言いましても、今は従来型の絵はがき観光と呼ばれるものから癒しのある体感型観光へと、旅行そのもののマーケットニーズは大きく変化してまいりました。リゾート型、学び型、農業体験型など、そのスタイルは多様ですが、今最も注目される旅のスタイル、それはレトロな界隈を味わう旅ということでございます。単に景色や町並みということではなく、人の暮らしが息づく界隈の魅力に直接触れることが、都市生活者のリラクゼーションにつながるというのが、その理由と考えられています。皆さん御承知のように、レトロに癒しを求める傾向が既にさまざまなマーケットトレンドを形成していることは、紛れもない事実でもあります。  このような視点で熊本を見てみますと、路面電車のある風景は実に大きな観光資源でありますが、必ずしも有効に活用されているとは言えないと考えます。あるがままであること、自然体であることは重要ですが、こと観光に関しては話題性、メディア露出のきっかけというものをつくり出し、「熊本に行ってみたい」という気持ちを喚起することも重要な要素ではないかと考えますがいかがでしょうか。  そこで私からは、熊本の観光資源たる市電の活用策として、観光レストラン電車の御提案をさせていただきたいと考えます。路面電車の利活用につきましては、12月議会で上村議員が「ビール電車」について述べられましたが、本市を初め岡山の「クリスマス電車」、「浪曲電車」、函館の「ハイカラ号」、松山の「坊っちゃん列車」、高知の「維新号」など、各市さまざまな形で努力奮闘しておられるところであります。  一つの事例としまして、ニュージーランド・クライストチャーチにおいて運行されているトラムと呼ばれる路面電車は、毎日午後7時30分に出発し、全長2.5キロの環状線を所要時間25分で周回しながら、風景と食事を楽しむという形式の移動式レストランですが、旅行会社と連携をとりながら、観光資源として活用されており、海外旅行者の予約が殺到し、なかなか予約がとれないほどで、相当の収益を確保しているとのことです。料金は4種類のフレンチフルコース、日本円にして約5,000円から1万5,000円ぐらいということでございます。  仮に本市で取り組んだ場合、いわゆる業務委託という手法を使った場合も含めて、あくまでも仮にですが、私の勝手な試算をしてみました。1車両24席を配置し、4車両あるいは4回稼動、完全予約制で客単価をわかりやすく1万円に設定したとすると、満席で1日当たり96万円、年間300日稼動したとして、約3億円余りの収入が上がることになり、利益率を35%としても、1億円以上の利益が上がる計算となります。  これにより、利用が広まれば、食と非日常体験を通して、観光客さらには熊本市民も未知の空間と時間の中で、熊本の新たな魅力を発見する可能性が広がるとともに、メディアにおける情報価値が高まり、結果として、観光ニーズの喚起につながっていくと考えます。  私が、ここでこのような企画を提案する理由と目的は、大きく分けて2つございます。  まず第1点、若手料理人の人材発掘として、市民参加の料理コンテストを開催し、優勝者を毎年レストラン電車の料理人として起用するなどの手法を使うことにより、新たな人材発掘と人材養成につながり、本市の若者のやる気を喚起するとともに、本市の優秀な料理人を全国に発信する。  また、すべて熊本産の食材を使い、我がまちのブランドごと電車に乗せることにより、豊かな食材と人材こそが、何にもまして、私たちのまち熊本のブランドであることを全国にPRする。本市は、横井小楠を初めとして全国に誇れる知識と人材の宝庫であります。形にこだわらず、人材こそ我が町のブランドであることを皆さんにお考えいただきたいと思います。  2点目は、旅行会社と連携し、また新幹線と結節することにより、観光客を熊本駅で下車させ、停泊させる要因とする。また、もしLRT化が実現すれば、より幅が広がる可能性もお含みおきいただき、市民も同時に楽しめる新しい空間を創出する。市民にとっては、老若男女を問わず、カップルで記念日やクリスマスを楽しむ空間として、また和楽など熊本の古典芸能を楽しむ空間としてなど、さまざまな形で夢を広げることにより、メディア露出のきっかけとして創出できるという2点であります。  そこで、以上2点に留意していただきまして、日本では初めての企画に取り組んでみるお考えはないか、観光という観点から、経済振興局長にお尋ねいたします。          〔岡本安博経済振興局長 登壇〕 ◎岡本安博 経済振興局長  市電の利活用についてお答えいたします。  路面電車につきましては、車社会の著しい進展により、全国的に廃止、縮小の方向でありましたが、現在は交通渋滞の緩和や環境の観点から注目を集め、市民の足としての公共交通機関の役割はもとより、観光面での活用も図られているところでございます。本市におきましても、交通局が「ビール電車」の運行を計画中と伺っております。これは、市電を利用したまちの魅力づくりにつながるものと考えております。  議員御提案の「観光レストラン電車」につきましては、斬新なアイデアであり、新幹線全線開業が迫る中、実現できれば本市の観光振興策の一つとして、他都市に例を見ない魅力ある観光資源になるのではないかと存じます。  また、熊本産の食材を地元の若手料理人が調理提供することは、熊本ブランドの確立という観点からも、興味ある提案であると考えます。しかしながら、その実現に向けては、市電の改造や運行方法など多くの検討課題もございます。つきましては、交通局初め関係機関との協議を行うことが必要でありますし、来年度計画しております九州新幹線全線開通をにらんだ新たな観光商品づくりなどを行うための観光関連異業種交流会、こういった場でもテーマの一つとして取り上げていただくよう働きかけてまいりたいと考えております。          〔8番 倉重徹議員 登壇〕 ◆倉重徹 議員  ありがとうございました。働きかけを積極的にどんどんやっていただければ、私もここで御提案させていただいたかいがあるというものでございます。特に市政のホープの岡本局長に観光資源として多大なる御理解を示していただきまして、本当にありがとうございました。  レストラン電車の新熊本駅結節や熊本電鉄のLRT化が実現する日を楽しみにしながら、私もメンバーである九州相良風の会という、30人以上のメンバーからなり、県内に人力車15台を保有する、人力車によるまちづくり団体におきましても、まちのにぎわい創出に向け、現在、新熊本駅の詰め所設置と古町新町を抜け、中心市街地までの常時運行とレストラン電車への結節、築城400年祭への協力に向けて準備を進めておるところでございます。決して、私も言いっ放し、任せっ放しということにならないように、各方面から実現に向け努力をしてまいりますので、行政としてのお力添えをよろしくお願い申し上げます。  それでは、次の質問に入ります前に、まずお断りを申しておきます。これは私の単純な疑問に端を発し、さまざまな角度から調査研究していくうちに、悲しい現実に直面したことによりお伺いさせていただくものであり、十分に敬意を払った上でお尋ねさせていただくものであることをお断り申し上げました上で、御質問をさせていただきます。  それでは、本題に入らせていただきますが、熊本市斎場、いわゆる本市の運営する火葬場では、現在、平均して年間6,000件ほどの火葬が行われております。その火葬の温度ですが、高温にすると遺骨が粉になり、骨粉焼却灰が飛散して、灰の終末処理が大変困難になるということで、日本の場合は、遺骨の収集が主な目的とされている理由から、通常750度から摂氏800度という低温で焼却が行われております。つまり、骨の形が残るように火葬炉の温度が調整されているということのようです。  ちなみに、海外で火葬しますと、摂氏2,000度くらいの高温で火葬いたしますので、遺骨は遺灰という形でしか残らないということです。実はここに問題がありまして、この遺骨をどうするかという問題ですが、もちろん遺族の方々がつぼに入れて持ち帰られるわけですが、とてもすべての遺骨はつぼに入らないわけでございます。そこに残骨として何がしかの分量、平均して成人男性で約2キログラムが残されてしまいます。  さて、それでは、この残った2キログラムの遺骨は一体どうなるのでしょうか。言うまでもなく、遺族の皆さんにとってはとても大切なものであります。今回は動物でなく人間の問題でございます。現在、本市では収納された金品とともに土のう袋に入れ、集配業者が収集し、桃尾墓園の一角に掘られた残灰庫の中に無造作に収められています。本市は、数年前に、突然それまで委託してきた業者と手を切り、先行きの計画を定めないままに、急いでこの収納方法に切りかえをされています。関係部局にお尋ねしたところ、現在、この施設の3分の1が埋まっていますが、計算上はあと10年は収納スペースが確保できるので、まだその後の処理方法についての計画は全然考えていないというお返事でした。  厚生労働省の発表では、今後、高齢化が進み、2036年には死亡人口が約176万人とピークに達するということであり、地方自治体の火葬行政にとっては大きな課題であるとのことです。  そこで、お尋ねいたします。  本当にこの施設を建設する際に、将来的な検討や議論は何もされなかったのでしょうか。また、死亡人口の増加に伴い、10年を待たずして施設が満杯になったときは、一体どうされるおつもりなのでしょうか。そして、何もかも混ぜこぜになったまま数人の方の遺骨が入っている土のう袋は、その後一体どうなるのでしょうか。これには、環境問題を優先すべきか日本民族独特の死生観に基づく心情的なものを優先すべきかという、どちらとも選択できかねる大変な問題が残されています。全国的な問題ではあるかもしれませんが、他都市の状況を見て考えるとか、法律上はこうだというような機械的なお答えは、政令市を目指す本市には、また市民感情的にもふさわしくないと思います。  先ほども申し上げましたように、地方自治体の火葬行政にかかわる重要な課題であります。市民感情を十分に御配慮の上、幸山市長の奥深くに眠るぬくもりに問いかけつつ答弁を求めます。よろしくお願いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  火葬後の残骨灰への対応についてのお尋ねにつきまして、お答え申し上げたいと思います。  ただいまお話がございましたように、熊本市斎場を建設いたします際に桃尾墓園内におきまして、慰霊塔を兼ねた容量約25年分の残灰庫を設置いたしまして、現在そこで保管させていただいているところでございます。今、お話がございましたように、25年間の計画でございましたけれども、設置後7年間で既に3分の1容量が埋まっているという状況でございまして、当初計画よりも上回っているような状況でございます。計画より早く満杯を迎えることも十分予想されるわけでございます。  火葬されました御遺族の手により拾骨されました後の残骨灰につきましては、遺骨ではないとの司法判断がなされてはおりますものの御遺族の心情などを考えましたときには、やはり大切に取り扱うべきものであると考えております。  ただいま、議員の方から「市民感情に配慮した政治家のあり方としての答弁を」とのことでございました。私自身、死生観について、多くを語れるだけの詳しい知識を持っているわけではございませんが、例えば葬式などにおきまして死を表現いたします際に、神道におきましては帰幽でございますとか、あるいは仏教におきましては成仏でございますとか、キリスト教では昇天でありますとかといった言葉を使いますように、宗教によってそれぞれ異なったとらえ方があるのかなと考えております。  その中におきましても、私は仏教で申しますところの諸行無常でありますとか、あるいは老荘思想で申しますところの無為自然でありますとか、自然の中で生を受け、そして年月とともに老い、最後にまた自然に返っていくというような考え方が、日本人の死生観には最も近いのではないかなという考えを持っております。  このようなことから、残骨灰につきましては、一定期間保管し、そして十分に供養させていただき、その後は自然環境等に配慮いたしながら、土へ返すことが最も自然な対応ではないかと考えております。  いずれにいたしましても、残骨灰の取り扱いにつきましては、社会的な心情でありますとか、あるいは環境面など十分に配慮させていただきまして、さまざまな角度から検討を重ねまして、対応してまいらなければならない課題だと考えております。          〔8番 倉重徹議員 登壇〕 ◆倉重徹 議員  丁寧な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。私が初当選以来3度目の登壇でございますが、初めて市長の答弁の中に、若干のぬくもりを感じたような気がいたしました。大変な課題であるとは思います。土に返す場合も、自然環境を汚さずにという大変な配慮がまたございます。熊本市は100%地下水に頼っているまちでございますので、やたらなところにお捨てになられると、人骨をフィルターにして、流れ込んだ水を水道水にして私たちが飲むことになるわけで、どんな味がするのかなと思いますし、また農業地域だと、例えばそれが風のぐあいで降り注いだりすると、肥料になるわけでございまして、これまた大変な問題になるわけでございます。そういうことも十分に配慮された上でお考えいただきたいという難しい問題でございますが、いつまでにやるのかという話が今なかったような気がいたします。ぜひ、私からの提案でございますが、期限を切りましょう。市長の任期中に、本当にアバウトでも結構ですので、方向性だけでも見出していただくわけにはいきませんでしょうか。もう一度市長にお伺いしたいと思います。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  再度の御質問でございますので、答弁させていただきますが、ただいま考え方、そして方向性につきましては、土へお戻しするという方法が望ましいのではないかというふうな考え方を述べさせていただいたところでございますけれども、さらにその具体的な方向性といいますか、それは詰めさせていただきたいと思っております。私の現在の任期中で、できる限り具体的な方向性を示させていただき、そしてまた御報告をさせていただきたいと思っております。          〔8番 倉重徹議員 登壇〕 ◆倉重徹 議員  最後の質問にしたかったのですが、実はもう一つ質問がございまして。これが本当の最後でございますので、若干早い時間で終わってしまいますが、御容赦願いたいと思う次第でございますが、今の問題はぜひ任期中に、11月の頭ぐらいまでにはある程度の報告をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  これで本当に最後の質問をさせていただきたいと思うのですが、若干市長に、本当にきちんとしたお話を聞かせていただきたいと思いますけれども、少人数学級を市長は政権公約で掲げられました。今さら少人数学級を何で論じるんだと思われるかもしれませんが、根本的なことですので、ぜひ、今さらと思わずに、お答え願いたいと思う次第でございますが、少人数学級の推進に当たっては、別に私は異論を唱える気もございません。ただ、少人数学級実現のために、当初予算で1億などという金がぽんとつぎ込まれるわけでございますけれども、教育費の総予算を毎年減額したり、市民サービスの低下につながるとわかっていることであっても、また負担増を招くとわかっていることであっても、そういう施策は財政健全化という目的のために平気で実行されてしまう。  しかしながら、この少人数学級で建てられたプレハブについてちょっと1つお尋ねしたいのですが、所狭しと建ち並ぶプレハブ校舎のおかげで、某小学校は既にもう運動するスペースすらなくなっております。それであるのに、さらに土地を買い足して、まだでもプレハブを建てようとされています。プレハブ自体は昭和56年の建築基準法の改正で構造計算も見直されていますので、プレハブ自体の建築について論じる気はないのですが、これがその法に見合った計算がされているとは申しましても、やはりいろいろな意味で、子供が快適に学ぶ空間とはかけ離れたものではないかなと私は思うわけでございまして、少人数学級そこまでして、どうしても最優先にしなければいけない課題なのかなという疑問を一つ感じます。  実は、何でこういうことを申し上げたかといいますと、昨年11月9日、某小学校のプレハブ校舎におきまして、挟まっていたものをとろうとして窓を開けたお子様がおられます。窓を開けたのはいいのですが、開けた瞬間にサッシが丸ごと外れました。校舎の外に子供がいたわけですが、女児でございますが、たまたま窓の下にいなかったからよかったようなものの、窓のちょっと離れたところにおられましたので、落ちてきたサッシから割れたガラスが飛散して、足を10数針縫うという事件が発生しております。これが、もし万が一、頭の上に落ちたり、当たりどころが悪かったら、一体どういうことになっていたのかなということを考えますと、非常に恐ろしい事件でございまして、この問題に関しまして、市長は御存じでしたでしょうか。たまたまと言いますか、幸いなことにして、この子供の傷口は今はふさがっておりますので、元気に登校はされておりますけれども、市長はこの問題をまず御存じだったのかどうかということをお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいま倉重議員がおっしゃいました、その事故につきまして知っていたかどうかということでございますが、教育委員会の方から報告を受けたところでございます。知っているかどうかということであれば、知っておりました。そして、その後の子供の回復状況でございますとか、あるいはただいま議員からお話がございましたように、現在は元気で登校しているという話も聞いておりまして、安堵しているところでございます。  しかしながら、今回の事故につきましては、やはり学校現場での出来事でもございますし、やはり二度とこういうことが繰り返されることがないように、安全対策につきましては、しっかりと点検をしなければならない。そういう意味では、教育委員会におきましても、そのプレハブの窓につきましては、すべてもう一度安全管理をしているようでもございますし、その安全対策に向けた取り組みをさらに強化しているところでもございます。          〔8番 倉重徹議員 登壇〕 ◆倉重徹 議員  知っていたということでございます。知っていたなら、なおさらのこと、だんだん腹が立ってきますが、その御本人のところあるいはお母様のところにおわびに行かれたのでしょうか。私から言わせていただきますと、市長が政権公約として御自分で掲げられたことで少人数学級は展開しているわけでございまして、そう考えると、だれの責任というわけではなくて、これは明らかに市長の責任であると私は思う次第でございます。この大けがをした女の子に対して、ある程度の責任義務といいますか、そういうものはトップとしてあるのかなと思いますし、おわびの一つぐらいはあってもいいのかなと。ただ、学校の対応も余りよくなかったようでございまして、運動中、体育の時間中にけがをした処置と同じような処置をされていたということで、後から大変なおわびがあったようでございますが、市長にも何度もメールをされたそうでございます。  私が申し上げたいのは何かと申しますと、先ほど午前中もお話がございましたけれども、そういうことがあったら現場にかけつけるべきことが、今の政治家の姿勢ではないかなと思うわけでございまして、市長は何事に関しても現場にお行きにならない。私から言わせていただくと、高いところから物を見て、下におりてこられない、そういうところがどうも、私が市長の政治姿勢、スタンスというものに対して、大きな疑問と不安を抱くところであります。今どき現場にかけつけない、現場に行かないなんていう政治家は、この世の中どこを探してもいないわけでございまして、今現在で市長だけでございます。こういうような政治姿勢をとられているのは。  本日、どこかのモニターで静かにその保護者の方、お母様がこの議会を見守っておられます。どうぞこの壇上からで結構でございます。御本人におわびをしていただければと思いますが、どうぞよろしくお願いします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  先ほどの答弁の中で、やはりまずはお子様に対しまして、その保護者に対しまして、おわびを申し上げなければならなかったと反省しているところでもございます。まずは、けがをなさいましたお子様、そして保護者の皆様方に対しまして、心からおわびを申し上げたいというふうに思います。そして、先ほど申し上げましたように、二度とこういうことを繰り返さないような安全対策につきまして、徹底してまいりたいと考えております。          〔8番 倉重徹議員 登壇〕 ◆倉重徹 議員  本会議という場で申しわけございませんが、今、おわびをいただきましたことには、私も評価をさせていただきます。どうぞ、こういう事件が二度と起こらないように、耐震の問題というものは、今、社会問題でございます。どうせやるのであれば学校施設すべてに一気に予算を投入して、一挙に耐震診断をやっていただきますように。これは、子供の安心安全、そして保護者の方々の安心のためにも必要なことであるような気がいたしますので、どうぞ最優先してお考えいただきますようによろしくお願いいたします。  私の準備しました質問は以上でございます。大変失礼なことも申し上げましたが、午後からというお疲れの時間帯、最後までおつき合いをいただきました議員各位並びに同僚議員に心より感謝を申し上げます。また、終始丁寧に御回答いただきました市長初め執行部の皆様方、本当にありがとうございました。そして、傍聴席の皆様方本当にありがとうございました。(拍手)       ───────────────────────────────── ○田尻清輝 副議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  明10日から3月12日まで3日間は議事の都合並びに休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○田尻清輝 副議長  御異議なしと認めます。よって、明10日から3月12日まで3日間は休会することに決定いたしました。  次会は3月13日(月曜日)定刻に開きます。       ───────────────────────────────── ○田尻清輝 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。 午後 3時20分 散会
    〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成18年3月9日 出席議員 51名       1番   税 所 史 熙        2番   田 尻 清 輝       3番   澤 田 昌 作        4番   高 島 和 男       5番   大 石 浩 文        6番   田 尻 善 裕       7番   白河部 貞 志        8番   倉 重   徹       9番   廣 瀬 賜 代       10番   有 馬 純 夫      11番   満 永 寿 博       12番   三 島 良 之      13番   齊 藤   聰       14番   津 田 征士郎      15番   鷲 山 法 雲       16番   上 野 美恵子      17番   東   美千子       18番   村 上   博      19番   日和田 よしこ       20番   藤 岡 照 代      21番   坂 田 誠 二       22番   藤 山 英 美      23番   田 中 誠 一       24番   下 川   寛      25番   重 松 孝 文       26番   東   すみよ      27番   中 松 健 児       28番   佐々木 俊 和      29番   田 辺 正 信       30番   鈴 木   弘      31番   竹 原 孝 昭       32番   牛 嶋   弘      33番   古 川 泰 三       34番   落 水 清 弘      35番   北 口 和 皇       36番   田 尻 将 博      37番   家 入 安 弘       38番   大 江 政 久      39番   上 村 恵 一       40番   島 田 俊 六      41番   江 藤 正 行       43番   荒 木 哲 美      44番   主 海 偉佐雄       46番   紫 垣 正 良      47番   島 永 慶 孝       48番   矢 野 昭 三      49番   鈴 木 昌 彦       50番   宮 原 政 一      51番   益 田 牧 子       52番   磯 道 文 徳      53番   西   泰 史 欠席議員 1名      45番   嶋 田 幾 雄 説明のため出席した者  市長        幸 山 政 史    副市長      三 嶋 輝 男  収入役       川 上 憲 司    総務局長     原   幸代子  企画財政局長    今 長 岳 志    市民生活局長   谷 口 博 通  健康福祉局長    田 中 亮 子    環境保全局長   小 牧 幸 治  経済振興局長    岡 本 安 博    都市整備局長   松 本 富士男  建設局長      上 田 謙 一    消防局長     小 田 和 穂  交通事業管理者   石 田 賢 一    水道事業管理者  内 藤 祐二郎  教育委員会委員長  黒 澤   和    教育長      永 山   博  人事委員会事務局長 嶋 村 早 人    代表監査委員   中 原 謙 吉  農業委員会会長   森   日出輝    市長室長     木 村 正 博  財務部長      宮 崎 健 三 職務のため出席した事務局職員  事務局長      大 橋 舜一郎    事務局次長    松 本   豊  議事課長      山 田 利 博    議事課長補佐   木 村 建 仁...