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平成15年第 4回定例会−12月09日-03号
平成15年第 4回定例会−12月09日-03号

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  1. 熊本市議会 2003-12-09
    平成15年第 4回定例会−12月09日-03号


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    平成15年第 4回定例会−12月09日-03号平成15年第 4回定例会   平成15年12月9日(火曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第3号                         │ │ 平成15年12月9日(火曜)午前10時開議               │ │ 第  1 質問                             │ └─────────────────────────────────────┘                            午前10時01分 開議 ○落水清弘 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○落水清弘 議長  日程第1「質問」を行います。  順次発言を許します。東美千子議員。           〔17番 東美千子議員 登壇 拍手〕 ◆東美千子 議員  おはようございます。くまもと市民連合の東美千子でございます。今回初めての質問の機会を与えていただきました議員の皆様に感謝申し上げます。  私は、昨年まで熊本市市役所職員として、主に保健福祉、医療関係職場で公衆衛生行政に携わってまいりました。今回、市民代表という立場で職員の皆様とともに、乳幼児から高齢者まで、障害があっても痴呆になっても、だれもが元気に暮らせるまちづくりを目指してまいりたいと思います。  公衆衛生という文字を描いてみてください。公衆衛生というのは、公的責任において住民の生を守るということです。  守らなければいけないまず第一の生が生命です。医療の進歩と予防活動の充実などにより、平均寿命も男性78歳、女性85歳と延びました。熊本県は全国4位という長寿県です。  次に守るべき生に生活があります。安全な空気、水、食べ物、環境、それらを守らなければなりません。熊本の水ほど安全でおいしい水はほかにありません。しかし、環境汚染、地球温暖化など人為的な生活環境の弊害がこれからの課題となっております。  そして、守るべき大切な生の一つとして、生きる権利があります。だれもが健康的な生活を送れる権利、自分の生きていることを発揮できる権利、これらの生は守られていますでしょうか。今回、この生きる権利を求めて質問させていただきます。
     市長初め執行部の皆様、公的責任において生きる権利を守るという立場での御答弁、よろしくお願いいたします。  まず、行政改革についてお尋ねいたします。  10月に行財政改革推進計画まちづくり戦略計画の中間報告が出されました。改革が目指すものとして、「市民と協働し、市民に信頼される市政の実現」「市民志向の質の高いサービスを提供する市政の実現」「スリムで時代の変化に柔軟な行財政の実現」が掲げられております。まちづくりの重点戦略としまして、「良好な環境を未来へと引き継ぐまち」、「子どもたちが健やかに成長するまち」「人々が集う元気なまち」が挙げられております。  くまもと市民連合では、行政改革を受けまして、政策及び予算に関する要望書を市長に提出しております。内容につきましては、ホームページを御参照いただきたいと思います。  今回の行政改革とまちづくり戦略の関係を見ましたとき、市民協働によるまちづくりに向けての行政改革といった関係が薄く、まちづくりのために一体何を充実させるのか、そのために何をスリム化させる必要があるのか、その点が明確になっておりません。効率化という名目のコスト論が優先しているような感じがいたします。民間委託をすることで市民サービスが向上するのでしょうか。  市民に信頼される市政を推進する上で、改革に対して市民への説明、納得、理解が不十分だと思います。また、これまでの議論も不足しております。昨日も指摘されましたように、さくらカードにしましても、事業を維持存続するためにどのような施策が必要なのか、その内容についての十分な論議がされないままに、今回補正予算が提案されています。  そして、昨日、バス事業者の4割負担も決まりました。玄関前に高齢者の方が座り込みをされているのを朝ちらりと見てまいりました。風邪を引かれないといいなと思っております。  行政改革を行うとき、市民サービスを低下させない、市民の負担を増大させない、税金のむだ遣いをしない、市役所の円滑化、効率化を図る、そして、市長と職員の信頼関係を密にするということが原則だと思います。  行財政改革推進の強化を図るということで、今回、組織の再編が行われますが、まだ改革の全体像が出ていない中で、先行的に組織の再編が実施されることは、結果として業務の能率化の面からも、市民サービスの面からも、問題を引き起こすことにはならないでしょうか。  そこで、3点お尋ねいたします。  1点目、行政改革により行政サービスを低下させないという根拠について。2点目、行政改革の効果について市民が認識しているとお考えでしょうか。3点目、組織再編についてどのようにお考えになっているのか、市長の御見解をお伺いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  行政改革についてお尋ねがございましたので、順次お答えをさせていただきます。  まず、背景から申し上げますが、これまでの答弁と重複することをお許しいただきたいと思います。  まず、本市を取り巻きます状況でございますが、現在の厳しい財政状況、さらには、将来の極めて厳しい財源確保の見通しの中で、少子高齢社会の本格化、さらには、九州新幹線の全線開通への対応ですとか、取り組むべき政策課題は山積している状況にあると認識を持っております。  このような状況を踏まえまして、スリムで合理的な行政体制の整備と、さらには、財政の健全化を確立し、その過程で生み出されました財源、人員等の行政資源を本市が取り組むべき政策課題に戦略的、重点的に投入する必要があると考えまして、行政改革、財政健全化、さらには、まちづくり戦略の3つの計画につきまして一体となった見直しに現在取り組んでいるところでございます。  行政改革や財政健全化は、ともすれば経費削減ばかりが話題となりがちでございますけれども、一方で、将来のまちづくりに夢と希望をつなぐための手段でもございまして、今後も質の高い行政サービスを持続的に提供してまいりますためには必要不可欠なものと認識をしております。  現在、このような考え方のもとにすべての行政サービスについてこれまでの枠組みにとらわれることなく、官と民の役割分担も踏まえました市が行う妥当性について、さらには、サービス水準、民間委託も含めた実施主体のあり方等につきまして徹底的な検証を行っているところでございます。  また、これらの検討過程につきましては、去る10月の中間報告の公表を初めといたしまして、これからもさまざまな機会をとらえまして、市民の皆様方に対し、その必要性や意義等につきまして積極的に説明を行ってまいり、御理解を賜りたいと考えております。  特に、1月末に予定しておりますパブリックコメントにおきましては、個々の取り組みにおける改革の方向性をより具体的に、できる限り丁寧にわかりやすい形で御説明をさせていただき、御理解をいただくとともに、市民の方々から寄せられました御意見、御提言につきましては、可能な範囲で計画に反映させてまいりたいと考えているところでございます。  次に、組織の再編についてでございます。  今回の組織再編の大きな目的でございますが、きのうの本会議でもお答えいたしましたように、先般、議員各位にもお示しをいたしました市政改革の3つの計画を、企画、総務、財政の3つの担当部局がそれぞれ責任を持って推進する体制を整えますために、関係部局の役割分担を見直すものでございます。そのために、今回の条例案では、新たな執行体制の基本フレームとなります局の事務分掌の改正をお願いしているものでございます。  なお、局の再編以外の主な内容といたしましては、まず1点目に、行政運営の効率化の観点から、新たな庁内システムといたしまして、経営戦略会議の新設によりまして、全庁的な政策推進体制を確立してまいりますとともに、部制の廃止に伴いまして、各局に局次長や政策調整班を配置させていただき、局のマネジメント機能の強化を図っていきたいと考えております。  2点目といたしまして、市民の市政参加という観点から、市民との協働のための組織の充実や、その前提となります市民への積極的な情報提供を行う場となります市政情報プラザの開設、広報と広聴部門の統合、さらには、契約事務の透明性を確保するための担当組織の一元化なども予定をしているところでございます。  以上のような再編を考えておりますが、今後まとめます市政改革プランの最終報告を踏まえまして、議員がただいま述べられました市民サービスの向上や業務の効率化の観点からも、さらに十分な検討を行い、改めて具体的にお示しをいたしたいと考えております。           〔17番 東美千子議員 登壇〕 ◆東美千子 議員  関係各機関との十分な論議をこれからもしていただきたいと思います。それから、市民への説明、そして、市民の意見の反映によりまして、市民が納得して市民の役割を果たす、そして、よりよい暮らしをつくっていく。また、職員が信頼関係の中でやりがいを感じながら責任を持って市民サービスができる、そのような改革に取り組んでいただきたいと思います。  次に、女性のケア事業についてお尋ねいたします。  これまで女性に関する社会生活の中で、ドメスティックバイオレンスの問題や望まない妊娠の問題など、女性であるがゆえに人権が侵害されてきた歴史があります。  婚姻関係にない男女の望まない妊娠。性に対する無知と男女平等の感覚が欠落していたため、女性が被害を受ける事例。また、産みたいという思いはあるが未婚での出産を不道徳とする社会的な価値観の中での妊娠。さらには、育児、家事、介護を女性が担うべきこととする古い慣習などです。  平成15年5月から、県の福祉総合相談所女性相談センターが設けられました。以前は婦人相談所と言っていた場所です。そこで、新たに女性の心と妊娠にかかわる専門的な相談事業が開始されています。電話相談は、平日9時から22時まで、来所相談は平日9時から17時まで実施されています。開始後5カ月間で343件の電話相談があり、心の問題が96件、妊娠に関することが88件、そのうち妊娠葛藤──妊娠したけれども産むか産まないかどうしようかというような妊娠葛藤が44件です。不妊に関することが16件となっております。また、1件当たりの平均電話相談時間は27.3分と長くなっております。相談時間帯は開始したすぐの9時台が一番多く、その後も切れ間なく、18時以降の相談が全体の21.4%を占めています。  妊娠葛藤の問題については、平成14年と15年に市内のボランティア団体が2週間24時間体制で相談窓口を開設されました。妊娠して産みたいと思っているが、当面の社会的、経済的問題などで悩んでいる方々が大変多いという状況が実績として報告されました。  相談時間帯は、やはり夜になると不安になるのでしょうか、18時以降の相談が34.2%を占めております。産む、産まないは個人の選択であり、行政が介入することではありませんが、産まないという選択をすれば、少子化が深刻になるのは明らかです。産みたいと望んでいる場合は、その女性の状況に応じた相談、支援が必要だと思います。  また、人工妊娠中絶についてですが、昭和30年と比べて平成9年では3分の1以下に減少していますが、熊本県は全国で12位と人工妊娠中絶を行う女性が多い実態にあります。そして、10代の人工妊娠中絶については全国的に増加の傾向にあります。この時期の人工妊娠中絶が心身に及ぼす影響を考えますと、相談事業で何らかの支援ができないでしょうか。  これらの社会情勢から見ましても、女性の心の問題や妊娠に関する相談窓口がいかに求められているかが明らかです。現在、各保健福祉センターや市立産院などで随時相談を受けていると思いますが、やはり女性固有の悩みを持つ方のための女性相談窓口が熊本市にも必要だと思います。  昨日、市長から、市立産院に相談機能をという答弁がありましたが、この女性相談窓口を市立産院に相談体制を整備した上で設置できるのではないでしょうか。  相談体制としましては、相談に対応する保健師、助産師、看護師などの専任相談員の配置、休日、夜間も対応、迅速な対応が必要なときや関係機関との連携が必要なときのネットワークづくり、相談者がみずから問題を整理し自己決定に結びつくような支援が行えるように、医学的知識も含めた相談員の研修の実施などが考えられます。  次に、生涯を通じた女性の健康施策にも取り上げられていますが、不妊についてです。  不妊に悩む人は夫婦の約1割と言われています。近年、体外受精などの不妊治療が普及してまいりましたが、多くの夫婦が不妊についてさまざまな悩みを抱えているということが指摘されています。子供ができないことについての家族や社会からの精神的圧迫、自分自身の不安や自信喪失、不妊治療やその医療機関についての情報不足、経済的な負担が大きいなどです。特に、男性不妊については十分な情報が提供されておらず、不妊は女性の責任と考えられる傾向があることも、女性の精神的負担を大きくしている原因の一つと考えられます。  そこで、不妊専門相談センターの整備についてお尋ねいたします。  平成15年度現在、全国で36カ所整備されております。新エンゼルプランによりますと、平成16年度目標値が47カ所となっております。実施主体は、都道府県、指定都市、中核市ですが、県か市で計画されているのでしょうか。現在、熊本にはございません。不妊に悩む夫婦に対し、不妊に関する医学的な相談や不妊による心の悩みの相談を、さきに述べました女性相談窓口で実施できるのではないでしょうか。  また、不妊治療は高額な医療費がかかり、経済的負担からあきらめている場合もあります。平成16年度から、国においては年額10万円、通算2回を限度に不妊治療費助成制度が導入されます。熊本市でも実施される予定はあるのでしょうか。もしされるとしますと、相談体制と連携した支援体制が必要だと思います。  そこで、3点お尋ねいたします。  1点目、女性相談窓口の設置について。2点目、不妊専門相談センターの整備について。3点目、治療費助成事業の活用と支援体制の整備について。健康福祉局長の御答弁をお願いいたします。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  女性のケア事業についてお答えいたします。  1点目、女性相談窓口の設置についてでございます。  女性の心の問題や妊娠に関する相談を専門的に行う女性相談窓口は、女性の妊娠、出産、育児の各ステージにおける悩みや諸問題の解決のために重要でありまして、さらに議員御案内のとおり、少子化社会への対応策としても有効な方策であると認識しております。  不妊を初め、女性固有の悩みについての相談事業は、現在、福祉総合相談室を初め、各保健福祉センター等で個々に対応しておりますが、十分な体制がとれていないのが現状であります。  女性の相談につきましては、まずは保健福祉センターを初め、女性に関する相談機関相互の連携を深めながら、今後身近なところで気軽に相談しやすい窓口づくりや、専門性の向上のためのスタッフ育成等を検討してまいりたいと存じます。  2点目、不妊専門相談センターにつきましては、県において平成16年度からの開設に向け検討がなされており、今後その状況を把握してまいりたいと存じます。  3点目の不妊治療費助成事業につきましては、議員御指摘のとおり、平成16年度から国の制度として開始予定でございますが、本市においても、国や県の動向を見守りながら検討を進めてまいりたいと考えております。  この事業を円滑に推進していくためにも、女性相談の窓口は大切であると考えており、今後は、女性のさまざまな心身の悩みに応じるため、女性の総合的支援体制の充実に向けて取り組んでまいりたいと考えております。           〔17番 東美千子議員 登壇〕 ◆東美千子 議員  女性固有の課題に対しての支援体制の充実に向けて、まずは相談体制の整備が重要だと思います。今後とも努力のほど、よろしくお願いいたします。  次に、子育て支援についてお尋ねいたします。  出産後の女性は、一過性の軽うつ状態のマタニティーブルーとなることが少なくありません。発生頻度は、全産婦の6.5%と報告されております。少子化や核家族化により、家庭の養育機能が脆弱化している中で、はんらんする育児情報に翻弄され、育児に自信をなくしている保護者が増加しております。  こうした育児ストレスは女性の健康面に影響を与えるだけでなく、子供が精神的に不安定になったり、子供に対する虐待の原因になることが指摘されております。  熊本市では、助産師会に委託して、生後3カ月までに乳児家庭訪問が実施されております。家庭訪問をすることで育児不安も緩和し、安心して育児に取り組めます。  不安内容としましては、母乳・授乳に関することや、母体の回復に関すること、そして、授乳間隔や夜泣きなど育児に関することが主になっております。だれかがちょっとアドバイスをすることで、母親は自分で工夫できるようになるものです。育児不安については、身近な機関で気軽に相談できる機会をふやす必要があります。  現在、各保健福祉センターや保育園、地域子育てセンターなどで育児支援を行っておりますが、特に育児不安が強い乳児期の家庭訪問や相談機能を充実させるために、また、子供と遊べない、触れ合い方がわからないという母親も多くなってきている中、各保健福祉センターに新たに助産師と保育士を配置し、それぞれの専門性を生かし、スタッフ間で連携をとりながら地域子育て支援を行う必要があると思います。  また、出産し退院した後、育児不安が非常に強かったり、身体的機能の回復に不安があったり、日常生活面で保健指導が必要な母と子に対して、助産所や医療機関に最長7日間滞在し、日常生活に近い環境で保健指導を行い、育児や生活に自信が持てるようになり、再び自宅に帰すという産後ケア事業というのがございますが、それについてお尋ねいたします。  この事業を独自に実施されている医療機関がありまして、効果についてお尋ねいたしました。自立支援をすることで育児に自信が持てるようになり、その後も気軽に相談ができるようになったという報告がされました。  市立産院では、母乳中心の赤ちゃんに優しい病院を実践しております。この産後ケア事業の中で、スタッフの豊かな経験を市立産院以外で出産された母子にも広く生かしていただきたいと思います。産後の育児不安を軽減し、母と子のきずなを深める育児支援が、この市立産院で産後ケア事業を推進することで推進していけるのではないかと思っております。  また、女性ばかりに育児を押しつけることが女性の育児ストレスの原因ともなっております。少子化対策の観点からも、男性の育児参加を促進する必要があります。男女共同参画社会の形成と相まって、子供を養育する者の多様なニーズに対応した良質な保育サービスが求められています。病児保育、低年齢児保育、休日保育、夜間保育、延長保育及び一時保育など、体制の整備と情報の提供です。  しかし、保育サービスの充実と同時に、労働時間の短縮や育児休業制度の活用、育児時間の取得促進など、雇用環境の整備のための施策が講じられなければ、親と子が一緒に過ごす時間が短縮され、豊かな家庭生活を享受することができなくなります。  県では、企業や事業所が社員や従業員の仕事と家庭の両立支援に積極的に取り組むように、「家庭にやさしい企業」を進めております。熊本市役所内部でも、「家庭にやさしい市役所」を目指し、労働時間の短縮や男性の育児休業取得促進などに取り組んでいただきたいと思います。  そこで、3点お尋ねいたします。  1点目、子育て支援体制の充実について。2点目、産後ケア事業の導入について。3点目、「家庭にやさしい市役所」の取り組みについて、健康福祉局長と総務局長の御答弁をお願いいたします。  続きまして、もう1点、地域子育て支援センターについてお尋ねいたします。  熊本市では、平成7年度から地域子育て支援センター事業を開始しております。現在、東部地域の私立保育園に1カ所、北部地域の私立保育園に1カ所、中央地域の公立保育園に1カ所、計3カ所の保育園に併設されています。熊本市こどもプランによりますと、平成14年度の目標は7カ所となっておりますが、いまだ目標に達しておりません。  地域子育て支援センターの役割は、家庭で子育てをする保護者からの育児に関する相談に応じるとともに、地域の子育てサークルへの支援や保育室の開放を行う。また、子育て講演会などの開催や育児情報を提供するなど、地域における育児支援を行っています。  現在の各地域子育て支援センターとも利用者は増加の傾向にありまして、活動が定着してきております。特に、平成14年度から公立保育園の支援センターを熊本市総合子育て支援センターとして整備を行いましたところ、全市から相談やサークル活動に訪れ、利用者が急増しております。相談内容も多岐にわたり、ニーズの高さがうかがえます。  核家族化が進み、地域や近隣関係が希薄化している中での孤独な子育ては虐待につながることもあります。もっと身近なところに気軽に利用できる地域子育て支援センターがあれば、そこで近所の母親同士の仲間づくりができ、日常的な交流が生まれます。孤独な子育てから解放するために、おくれています地域子育て支援センターを早急に整備していただきたいと思います。  9月議会でも公立保育園の役割について提案されましたが、これからの公立保育園は、通園している子供の保育だけではなく、地域に根差した保育園としての機能強化が必要だと思います。各園に地域子育て支援センターを併設し、保育士や給食職員の経験と専門性を生かしながら、その地域で生活している各世代の人々とともに、多様なニーズに対応できる中核施設として、地域の子育て支援を支え合う子育てネットワークを構築することが必要です。  そこで、お尋ねいたします。  地域子育て支援センターの設置計画と公立保育園の今後の役割について、健康福祉局長の答弁をお願いいたします。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  子育て支援について、幾つかの御質問に順次お答えいたします。  1点目に、子育て支援体制の充実についてでございます。  各保健福祉センターに助産師や保育士を配置し、それぞれの専門性を生かした地域子育て支援を行う必要があるとの御提案でございますが、現在、助産師会に委託した妊産婦・乳児訪問指導事業を初め、地域での子育てサークル保健福祉センターの事業に保育士を派遣するなど、それぞれの専門性を生かした子育て支援活動を実施しているところでございます。  今後は、育児に関する相談事業や子育てサークルの育成等とともに、助産師、保育士等の専門職の積極的な活用を図り、地域の関係機関との連携を強化して、地域での子育て支援の充実に努めてまいります。  2点目の議員御案内の産後ケア事業についてでございますが、出産直後の育児不安の解消や身体機能の回復のためにも必要と考えておりますので、今後検討してまいりたいと存じます。  続きまして、地域子育て支援センターの設置計画と公立保育園の役割についてでございます。  これまで本市では、熊本市総合子育て支援センターを初め3カ所に地域子育て支援センターを設置して、育児相談や育児情報の提供を行うとともに、また、各保育園では、家庭で保育中の親子が気軽に参加できるような園開放事業を実施し、子育て支援活動の充実を図ってきたところでございますが、現在、策定中のまちづくり戦略計画におきましても、地域における子育て支援センターの拡充に取り組むこととしているところでございます。  地域社会のすべての子育て家庭を対象とした子育て支援が重要となる中で、公立保育園が有する育児についての専門的な知識や経験の活用を図り、公立保育園と地域子育て支援センター、さらには、各保健福祉センター等との連携の強化を図りながら、地域における子育て支援のネットワークを構築してまいりたいと考えております。          〔古川康総務局長 登壇〕 ◎古川康 総務局長  「家庭にやさしい市役所」への取り組みについてお答え申し上げます。  議員御案内のとおり、男女共同参画社会の実現に向けまして、事業主は家庭生活と職場生活の両立を一層容易にするための環境を整備し、育児等を行う職員の負担を軽減することが求められているところでございます。  本市におきましても、これまで育児休業制度を初め、育児時間や子の看護休暇、さらには時間外勤務の制限など、さまざまな制度の活用を呼びかけながら、職員の皆さんの子育て支援を行ってまいりました。  これらの制度のうち、例えば育児休業制度の利用実績について申し上げますと、平成14年度の育児休業取得職員は64名を数えております。そのうち22名が1年を超える期間を取得いたしております。また、本年度には初めて男性の育児休業取得者も出てきたところでございまして、育児休業等の制度のさらなる利活用に向け、なお一層、職員への内容周知と取得啓発に努めてまいりたいと考えております。  今後の子育てしやすい環境づくりといたしましては、本年7月に成立いたしました次世代育成支援対策推進法に基づきまして、本市の事業主としての行動計画を職員の意見やニーズを踏まえながら策定し、仕事と子育ての両立を図ることができるような良好な職場環境づくりに努めてまいりたいと考えております。           〔17番 東美千子議員 登壇〕 ◆東美千子 議員  地域子育て支援センターを整備するに当たっては、開放する保育室の確保や対応する職員の配置などが必要ですが、ハード面で可能な保育園があるのではないでしょうか。早急な計画的な設置を要望いたします。  また、市役所で育児休業を取得した男性職員がおられるということです。今後もぜひ広げていただきたいと思います。  次に、心身障害児地域療育についてお尋ねいたします。  熊本県、また全国の母子保健の統計を見てみますと、出生数は減少の一途をたどっているにもかかわらず、早産、低体重児の数は減少していません。むしろ極小未熟児は増加しております。  医療の進歩により、妊娠22週で生まれた赤ちゃんも助かる時代になりましたが、早く生まれた未熟児ほど中枢神経の障害を来しやすく、無事に就学年齢まで育ったと喜んでいますと、多動などの行動障害が認められ、小さな脳の損傷を推測させるような例も少なからずあると報告されています。  障害児の出現率は少子化の中でも高く、障害の内容も多様化してきています。このことは、乳幼児期にとどまらず学童期にまで広がり、学校教育の現場に指導の困難さとして大きな問題提起をしています。  障害児は早期に療育を行うことにより発達が促進され、障害の程度が軽減されることは、学会報告で確認されていることです。現在、障害児の療育については、手をつなぐ育成会、ダウン症協会、自閉症協会、重症心身障害児を守る会などでおのおの自主的に行われていますが、その運営のほとんどがボランティア活動に支えられているのが現状です。
     障害児を持つ親の会に参加し、お話を聞きました。自分の子供がどこか変と気づき始めたが、どこに相談していいのだろうと、とても悩んだ。就学後、療育が途切れ、支援の場がないのでとても不安。就学、成人期に至るまでの療育、指導、相談のできる施設が欲しい。育児に携わる保護者の心のケアが必要ですなど、親としてできることは何でもやるという熱心さと必死さとともに、子供の将来への不安が伝わってまいりました。  熊本市では、乳児発達健診、1歳6カ月児健診、3歳児健診の実施により、乳幼児の発達障害が早期に発見されるようになりましたが、その後のフォローが十分ではなく、親と子は各地の相談所、治療機関などに療育の場を求めて歩いております。  現在、子どもの発達相談窓口で熊本市の療育を担っておりますが、スタッフなどの不足から、療育を申し込んでも待機した上で6カ月間しか利用することができない現状です。  また、障害児を取り巻く環境は、子どもの発達相談窓口、医療機関、保健福祉センター、学校、施設などの各関係機関のつながりが薄く、子供を通しての間接的な関係となっております。そこで、認識や対応にばらつきが生じている状況です。  この各機関の関係の希薄さによりまして、就園、就学などの各段階に移行する際の引き継ぎが不足しております。小学校に入学する際の子供や家庭の不安は非常に大きく、普通学級がいいのか、特殊学級や養護学校がいいのか、決めるときに子供のことを十分知っているスタッフが指導にかかわることができれば、保護者の不安や不信感は減少すると思います。          〔議長退席、副議長着席〕  これらの現状を打破するためには、一生涯相談、支援ができる一貫した療育体制の確立が必要です。乳幼児や学童期に適切な療育訓練を受けたかどうかは、その後の基本的な生活に大きく影響いたします。将来の生活を見通した支援ができる体制を早急に整備することで、親子ともに安心した一生を送れることになります。  この一貫した療育体制の確立のためには、療育システムの構築が必要です。現在の子どもの発達相談窓口を中心に、各保健福祉センター、教育センターなどの取り組みを子育て支援という視点から見直して一本化し、子供の発達を支援するセンターとする必要があると思います。  このセンターの機能としましては、まず、一生涯相談、支援ができる、各関係機関とのコーディネートの能力を持つ、療育にかかわる人材の育成を行う、地域における療育体制の確立を図るなどが考えられます。  しかし、この療育システムの構築には少し時間がかかると思いますので、当面は、現在の子どもの発達相談窓口の充実が急務だと考えます。まずは、専門スタッフの増員です。現在の常勤5名──保育士2名、看護師2名、作業療法士1名のほか、常勤で保育士、作業療法士、心理士、言語聴覚士、各4名ずつは必要だと思います。このスタッフが子供の発達を支援するセンターで継続して活躍できることと思います。  そこで、お尋ねいたします。  療育システムの構築についての今後の計画と子どもの発達相談窓口の充実に向けての考えについて、健康福祉局長に答弁をお願いいたします。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  心身障害児地域療育についての御質問にお答えいたします。  1点目、療育システムの構築についてでございますが、平成14年度から療育に関するアンケート調査並びに今後の療育システムのあり方について、市役所内関係各課による庁内連絡会議を開催してまいりました。これらを踏まえ、平成16年度は外部の関係機関を含めた検討会議を開催し、療育におけるネットワークの構築を目指すこととしております。  また、療育システムの核となる子供の発達を支援する施設及びその機能につきましては、本年度内に策定いたします(仮称)総合保健福祉センターの基本計画の中でも検討しているところでございます。  次に、子どもの発達相談窓口のスタッフの強化も含め、充実に向けた計画についてでございますが、利用者数は依然伸びている状況でございますので、必要に応じて計画的な人材育成とその確保に努めてまいりたいと考えております。           〔17番 東美千子議員 登壇〕 ◆東美千子 議員  まず、言葉のおくれに気づき、子どもの発達相談窓口に相談に来られる方が多いと聞いております。常勤の言語聴覚士、心理士の配置を強く要望いたします。  また、平成16年度中に構築される療育におけるネットワークに期待いたします。障害児とその保護者の皆様は、何年も何年も待っております。一生涯にわたり発達や生活に関した支援や相談ができる施設の建設を待っております。  健康福祉局長に再びお尋ねいたします。近い将来、子供の発達を支援する施設ができることを期待してよろしいのでしょうか。一言、御答弁をお願いいたします。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  先ほどもお答えいたしましたように、(仮称)総合保健福祉センターの建設に向けて、療育の核となる施設も計画しているところでございますので、そのように御理解いただきたいと思います。           〔17番 東美千子議員 登壇〕 ◆東美千子 議員  再答弁ありがとうございました。期待したいと思います。障害児の生きる権利を守っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、学校給食の役割についてお尋ねいたします。  学校給食は、戦後の栄養失調対策に始まり、飽食の時代には残さず食べることをしつける場、そして、食文化、食べることの意味、食育を学ぶ教科へと、役割は時代を追って変わってきています。子供を取り巻く食生活の乱れにより、肥満傾向の増大、過度のやせなど、子供の体力の低下、さらには脳の発達や心の健康との関係などの問題点が指摘されています。  昨年実施されました中学2年生を対象にした生活習慣調査によりますと、朝食を抜いたり夕食を一人で食べるいわゆる孤食の中学生にうつ傾向が強いという結果が出ました。中学2年生です。「泣きたいような気がする」「生きていても仕方がないと思う」「生活が楽しくない」など、食生活と生きる意欲の低下を意味するうつとの関係が浮き彫りになりました。また、うつ傾向の子供の方が、他の子供に比べ給食を残すことが多いと聞いております。  このような課題に対し、小中学校の学校教育で、体力の向上とともに望ましい食習慣の形成が求められています。よい食習慣を身につけるために食育が必要となってきました。食育とは、自分で自分の健康を守り、健全で豊かな食生活を送る能力を育てることです。  まず、食べ物を選択する力です。体によいものかどうかを判断して選ぶことのできる能力が必要です。次に、料理する能力です。自分で食べるものは自分でつくれることが大切です。そして、味がわかる能力です。食材が本来持っている味をおいしいと評価できる能力は、人間として大切な教養です。また、食べ物の育ちを感じる能力です。食べ物が自然の中で息づきながら生育してきたことを知ることで食べ物に対する感謝の気持ちを持つことにつながります。最後に、元気な体のわかる能力です。自分の体をコントロールする能力を身につけることが大切です。これらの5つの力を身につけることが食育です。  学校での食育の指導の充実のために、もっと学校給食職員を活用すべきだと思います。現在、給食職員が、直接子供たちと触れ合い、食に関しての指導を行う機会は少ないと思います。  ランチルームで給食職員が子供たちに食べ方の指導を行ったり、食材の特徴などを話している学校や、教室に訪問して食事のつぎ方の指導などを行っているクラスでは残滓の量が減少しております。つくり手の姿が見えれば、おいしさは心にも体にも響きます。給食職員が、給食時間帯に計画的に各教室を訪問し、担任の先生とともに食育を実践することで学校給食のねらいが明確になってくると思います。  また、地域の中の学校として、保護者や地域の高齢者の方などを対象に試食会を定期的に行い、地域の人への食育の普及と給食への理解を得る活動も、給食職員の大切な役割ではないでしょうか。  給食試食会に参加した保護者のアンケートの感想を一部紹介します。「給食で好き嫌いがなくなりました」「より安全な食材を使ってほしいと思います」「食生活全体のしつけの大切さを再確認いたしました」「平日のお昼はバランスのとれた食事をとっていると思うと、とても安心です」「年に1回計画してほしいと思います」。最後に食器についての感想がありました。「食器だけが昔のままのようで、今ではペットの食器でももう少し上等のような気がします」とありました。  私も試食をさせていただきました。ちょうど昆布とカツオだしがしっかり効いた具だくさんののっぺ汁でしたが、器が熱くて持てませんでした。子供たちが食器の上の方をつまむようにして持ったり、直接口を食器に持っていったりする理由がよくわかりました。食習慣で、食べ方も大切な教育だと思います。  また、学校教育の一環として食の教育に力を入れる一方で、行政改革の一環として学校給食の民間委託や効率化を図ることは、給食の教育的効果が薄れてくると思われます。この行政改革の中での給食の位置づけを再確認いただきたいと思います。  そこで、お尋ねいたします。  子供たちと地域の方たちへの食育の推進のために給食職員の活用についてと、食器に対するお考えについて、教育長に答弁をお願いいたします。          〔永山博教育長 登壇〕 ◎永山博 教育長  食教育推進のための給食職員の活用と、食器に対する考え方につきましてお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、朝食の欠食や好き嫌いの傾向など、食生活の乱れが子供たちの心身の健康に大きな影響を及ぼしていることは非常に憂慮すべきことであると認識いたしております。  そのような中、子供たちが将来にわたって望ましい食習慣や栄養バランスのとれた食生活を形成するという観点から、学校給食を通じた食教育は大変大切であると考えております。  食教育に関する現在の取り組みでございますが、まず、給食時間における食指導の機会、あるいは担任と学校栄養職員とのチームティーチングによる授業等をふやすなどして、その充実を図っているところでございます。  また、保護者を対象とした試食会、地域の方々を招待するふれあい給食、あるいは学校給食に地産地消で野菜等を提供していただいております生産者との交流給食等を通して、家庭や地域と連携した食教育に取り組んでおります。  今後とも食教育の推進に当たりましては、児童・生徒への食事のとり方や配膳の仕方などの指導や、家庭、地域と連携した食教育の推進なども含めて、関係職員全体でかかわりながら、より充実したものにしてまいりたいと考えております。  また、食器につきましては、子供たちにとっての扱いやすさを初めとして、食器自体の安全性や現有施設との関連等も含めて、どのような食器が学校給食にふさわしいかを検討しているところでございます。           〔17番 東美千子議員 登壇〕 ◆東美千子 議員  食器に関しまして、予算が伴うことですので早急にはできないかと思いますけれども、随時改善の方をよろしくお願いいたします。  給食職員の皆様も、子供たちとの触れ合いや地域の皆さんとの触れ合いを望んでおられると聞いております。給食職員の食育への活用で、教育の一環としての給食の充実が図れることと思います。  次に、高齢者虐待防止についてお尋ねいたします。  くまもとはつらつプランに挙げられています高齢者を支える基本理念は、高齢者の人権と自立が尊重され、みんなで支え合いながら、住みなれた地域で、健康で生き生きとその人らしく安心して暮らせる社会の実現です。  しかし、近年、高齢者の虐待が社会問題となってきました。ことしの8月、県が在宅介護支援センター協議会に依頼し、実態調査を行いました結果、虐待を受けた人は151人でした。女性114人、男性37人、そのうち介護保険給付対象者は81.5%です。54.3%には痴呆の症状がありました。  虐待の内容としましては、脅しや侮辱など言葉による嫌がらせや、無視などの心理的虐待が一番多く209件でした。次に、暴力ややけど、ベッドに縛りつけるなどの身体的虐待が189件。そして、水分や食事を与えない、入浴、排せつなどの放棄など介護、世話の放任が157件。通帳や現金を強制的に取り上げる、お金を渡さないなど経済的虐待が49件。性的虐待も4件ありました。虐待者の続柄としましては、息子30.5%、配偶者25.2%、娘16.6%、嫁13.9%、兄弟、孫、その他12.8%で、介護者による虐待が6割を超えている現状でした。  ホームヘルパーさんに実態を聞きました。本人や周囲が虐待と思っていないケースや、本人がじっと我慢しているためわからないケースなど多くあり、虐待の実数はもっと多いだろうとのことでした。ホームヘルパーさんが翌日訪問するまでおむつ交換を一度もしていなかったり、数年間、家族が入浴介助を不要とし、不衛生な状態の高齢者など、虐待と思われるような気になる高齢者も多いという声が聞かれました。対策の必要性を強く訴えられました。  虐待は、高齢者の人権にかかわる大きな問題です。しかし、痴呆高齢者の介護は家族にとってはかなりストレスとなります。虐待につながりやすい現状です。高齢者虐待防止対策が早急に必要です。  まず、実態把握が必要です。十分な相談体制、まだ不十分です。関係機関との連携強化、そして対応する職員、関係者の研修が必要です。また、市民啓発などの事業、これらの対応が早急に必要だと思います。  また、高齢者虐待で命にかかわるような内容もあると思います。そんなときの緊急避難場所は確保できているのでしょうか。介護保険給付を受けている人が、介護保険給付内で緊急避難的にショートステイを利用する場合、他の介護サービスとの関係で短期間しか利用できなくなります。家庭内暴力や介護放棄など、虐待されている高齢者を救うために、安心、安全な生活が確保できるまでの期間、滞在できるような介護保険の適用外になる緊急対応型のショートステイが必要だと思います。  そこで、お尋ねいたします。  高齢者虐待防止対策について、健康福祉局長の御答弁をお願いいたします。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  高齢者虐待防止についての御質問にお答えいたします。  議員御紹介になりました県による実態調査の結果のとおり、高齢化が加速する今般、虐待の内容や要因も多岐にわたり、新たな社会問題となっていると認識しております。  本市における高齢者虐待の相談体制につきましては、現在、保健福祉センターや在宅介護支援センター、あるいは民生委員等の活動の中で、継続的に情報交換や実態把握を行い対応している状況でございます。  その実態としましては、年間に約20件程度の相談があり、保健師等の訪問によりまして介護者等との十分な相談を踏まえ、ショートステイの活用や施設入所による解決を図っております。  また、緊急避難場所といたしましては、特別養護老人ホーム、養護老人ホームにおけるショートステイの利用がありますが、短期間しか利用できないのが現状でございます。しかし、緊急避難が長期にわたる場合には、老人福祉法に基づく入所を考えております。  また、入所後は、施設のケアマネジャーや保健福祉センターの保健師等、関係機関や家族等と協議しながら、本人の希望に沿ったその人らしい生活の確保と虐待の再発防止に取り組んでまいります。  いずれにいたしましても虐待を未然に防ぐことが重要でありますので、虐待要因が介護者の精神的、肉体的ストレスによるところが多いことから、その軽減策として家族介護者リフレッシュ事業を実施するとともに、介護に関する知識の習得や啓発を行うため、家族介護者教室を開催し取り組んでいるところでございます。  今後は、従事職員や関係者の研修を行うなどして、保健福祉センター等での相談体制の強化に努めてまいりたいと考えております。           〔17番 東美千子議員 登壇〕 ◆東美千子 議員  高齢者がこれからどんどんふえてまいります。そうしますと、高齢者虐待も実数としてふえてくると思います。長年社会に貢献されてきました高齢者の方の生きる権利をしっかりと守っていただきたいと思います。  次に、地域福祉推進についてお尋ねいたします。  現在、かつての伝統的な家庭や地域の相互扶助機能が弱体化しております。地域住民相互の社会的なつながりも希薄化してきています。少子高齢社会の到来、成長型社会の終えん、産業の空洞化、そして、近年の深刻な経済不況が、これに追い打ちをかけております。このため、高齢者や障害者などの生活上の支援を要する人は一層厳しい状況に置かれております。  今こそ地域住民がともに生きるまちづくりの精神を発揮し、生活の拠点である地域に根差してお互い助け合い、だれもがその人らしい安心で充実した生活が送れるような、地域社会を基盤とした地域福祉の推進に努める必要があります。  少子高齢社会の中で、まず子供と地域社会のつながりの回復が必要です。地域住民が、地域の子供との距離を置くようになるにつれ、子供自身の社会性が育ちにくくなっております。加えて、子供を持つ親を支援することも少なくなってきています。そうした環境が、子供を巻き込んだ事故や事件を引き起こしている面も否定できません。  子供が用水路に落ちて亡くなった事故がありました。そのときのインタビューに、危ないところで遊んでいるなと思って通り過ぎた、危ないなと思って見ていたと答えた大人は何人もいました。この事故、地域で防げなかったでしょうか。このような事件が時々起きております。  高齢者の介護に通っているホームヘルパーさんが言われました。地域で助け合えたら、介護保険を使わなくても在宅で生活できる人はたくさんいますよ。例えば、お店が近くにないため買い物だけができません、ごみ出しだけができませんなどといった方です。そして、高齢者が地域の人に提供できる知恵もたくさん持っていますというお答えでした。  ごみ問題に関しましては、減量、分別、リサイクル、収集方法など、地域だけではなく、行政も一緒に工夫する必要があると思います。  地域福祉の範囲としまして、保健、福祉、医療の一体的な運営はもとより、教育、住宅、交通、環境、まちづくりなどの生活関連分野との連携が必要となります。地域福祉の積極的な推進を担うのは地域住民ですが、その自主性が発揮できるよう側面からさまざまに援助する役割が必要となります。その役割を担うのが地区担当の保健師だと思います。  熊本市には小学校が80校ありますが、現在、地域を担当している保健師は52名です。1人で2から3校区担当している保健師もいます。小学校区により人口に差がありまして、一番多い校区で1万6,000人、少ないところで2,000人程度のために、受け持ち人口を基準として地区担当を決めている状況です。しかし、各地域にはそれぞれの特性があります。1小学校1保健師の配置が必要だと思います。  熊本市としての地域福祉計画も必要ですが、一つの町として、各小学校単位での地域福祉計画を住民参画で策定し、自分たちの町を自分たちでつくる地域福祉活動への参加を促すことが重要です。  そこで、お尋ねいたします。  今後どのように地域福祉を推進していかれるのか、また、保健師の地域への配置計画について、健康福祉局長の答弁をお願いいたします。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  地域福祉推進についてお答えいたします。  地域福祉は、地域の中で子供を安心して産み育てられ、高齢者や障害のある方が地域の一員として安心して暮らし続けられるよう支援するものであり、その推進は、だれもが住みたい、暮らしたいまちづくりに必要不可欠なものだと考えているところでございます。  このような中、本市地域福祉計画の策定に当たりましては、地域住民の主体的な参加のもと、本年度には、市内にお住まいの6,000名を対象に、福祉観、地域活動への参加状況などについてアンケート調査及び各種団体へのヒアリング調査を実施し、生活課題などの現状把握と分析を行ってまいります。  来年度には、関係部署で組織する策定ワーキングメンバーと町内自治会、まちづくり委員会、福祉団体、ボランティア団体などの参加をお願いして、日常生活圏を考慮した圏域でワークショップ、座談会方式での会議を開催し、それぞれの到達目標を設定した行動計画を策定していきたいと考えているところでございます。  この地域福祉の推進において、重要な役目を担うのが地域担当の保健師であり、今後、その重要性はますます高まっているものと認識いたしております。地域に密着したきめ細かな活動を実現するため、保健師と住民とが顔の見える関係となり、我が町の保健師として活躍できるよう、議員御指摘のとおり校区に1人の保健師配置を目指してまいりたいと考えております。           〔17番 東美千子議員 登壇〕 ◆東美千子 議員  地域の特性に応じた、地域の人とともにつくる健康と福祉のまちづくりを目指していただきたいと思います。1校区1保健師の計画的な配置に期待いたしております。  最後に、地域の安全対策について提案、要望いたします。  私が居住しております東部地域は、人口17万人、6万7,000世帯と、他の地域に比べて人口が多く、特に子供が多い地域です。小学校が17校で、児童数900名を超える小学校が4校あります。近くに通称第2空港線、東バイパスが通っておりまして、そこに向かう車で小学校周辺は、朝夕、特に交通量が多くなっています。通学路は、登校時は時間帯で車の進入禁止の措置がとられていますが、近年守らない人がいて、注意すると逆にどなられることもあるんですよと、校長先生が困られていました。また、下校時間帯も交通量は多く、特に低学年が心配とのことでした。  平成14年度、13歳未満で交通事故に遭い救急車で搬送された子供が312人います。通学路の交通安全対策については各地域でいろいろと工夫されていると思いますが、福岡市南区で、効果的でユニークな取り組みがされていますので紹介いたします。  若久小学校の通学路は、国道に近いため通り抜けの車が大変多く、30キロの速度規制がありますが、守る人はだれもいないということです。交通事故が頻発していたそうです。そこで、3年前に生活道路整備事業として、1キロメートルにわたる通学路にスピードセーブ工法を取り入れたところ、その後、現在まで交通事故がゼロになったそうです。  暴走族対策として実施されていた工法で、1キロメートルの区間に4カ所、道路を少し隆起させるそうです。波状になるわけです、道路が。隆起箇所を茶色に着色し、ドライバーに知らせています。スピードを出して通過すると、隆起箇所にぶつかるような感じになるということです。30キロ以上のスピードを出して通過できない道路状況となっております。  通学路の進入禁止も速度規制も効果がなくなってきている昨今、子供たちを交通事故から守るために、熊本市でも、モデル的にこのスピードセーブ工法の道路整備にぜひ取り組んでいただきたいと思います。教育委員会の立場で、道路整備事業として、まちづくりの一環として、各関係課での今後の検討課題としていただきたいと要望いたします。  以上で予定しておりました質問はすべて終了いたしました。残った時間は次の質問の機会に貯金させていただきます。早朝よりおいでいただきました傍聴席の皆様、議員の皆様、長時間の御清聴ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○竹原孝昭 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。
                               午前11時12分 休憩                            ────────────                            午後 2時00分 再開 ○落水清弘 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○落水清弘 議長  質問を続行いたします。藤山英美議員。           〔22番 藤山英美議員 登壇 拍手〕 ◆藤山英美 議員  市民クラブの藤山英美でございます。  まずもって、今定例会における質問の機会を与えていただきました先輩並びに同僚各位に厚く御礼を申し上げます。質問通告を一部変更して質問をいたします。  さて、幸山市長におかれましては、昨年12月市政改革を掲げ、さっそうと就任されました。我が会派としては、是々非々の立場で臨むと、大きな期待を抱いておりました。以来1年がたち、今定例会は、さきの市政改革の中間報告を受け、数々の論議が沸き上がっています。  私としても、この基本的な部分についてお尋ねするとともに、これまで行ってきた質問、要望のその後の経緯につきましてもお尋ねしたいと考えております。その意味においても、きょうの質問、提案は、市政改革の大きなポイントとなると自負しております。幸山市長を初め関係局長の明快な御答弁をお願いいたします。  まず、三位一体の市政改革について数点のお尋ねをいたします。  まず第1点は、市政改革の基本姿勢についてでございます。  幸山市長は、昨年12月の就任以来、市民や職員との直接対話を基本姿勢とされ、おでかけトーク、まちづくりトークとして積極的に市民の中に飛び込んでいかれるとともに、その一方では、ブレックファストミーティングやイブニングミーティングとして、ふだん接することが少ない若手職員や出先の職員の意見を聞き入れようとしておられることを高く評価いたしております。  今後もこのような姿勢を貫かれることを大いに期待するものでございますが、殊今回の市政改革に当たってはこれが徹底されていない面があり、結果、職員の中にさまざまな不満と不安が広がっております。  私は、時間が許す限り、庁内あるいは出先の職場に足を運び、そこの職員と話す機会を設けておりますが、いずれの職場でも異口同音に、今回の市政改革で取り上げられた個々の改革項目については、それに直接に関係する自分たちの意見を聞くことなく一方的に選ばれたものであり、自分たちには寝耳に水のものが多い、自分たちとしても市民が改革を求めていることは十分に認識しており、改革そのものには反対しないが、ただ、改革に向かうプロセスが現場の意見を聞くことなく一方的で独断的なため、改革そのものに向かう意欲がそがれてしまい、勝手にやってくれと言いたくなるとのことでございました。  このようにして策定された行財政改革推進計画まちづくり戦略計画の中間報告を見ると、ますますその感が強くなります。ほとんどの項目が、これまで我々が市議会の中で質問あるいは提案してきたもので、目新しいところがありませんし、市民と接する第一線の現場の職員の意見が反映されていません。  また、中間報告では取り組みの項目が掲げられているだけで、これをどのように進めていくか、あるいはその是非を判断する情報さえ全く触れられておりません。さらに、今後、市民に対するパブリックコメントを経て、来年3月までに最終報告をするとのことですが、取り組み項目によっては来年度から予算的に反映されるものがあることを考えると、来年度予算の各課原案が定まり、近々最終の市長査定を控えた現時点からすると、スケジュール的には到底間に合わないのは明らかです。  このような市民や市議会での幅広い論議を経ることなく策定された当初予算案については、少なくとも市政改革に係る部分については、我が会派としては、予算の修正など何らかの対応をとるのもやぶさかではないと考えております。  私は、改革は急がなければならないと考えております。しかしながら、急ぎ過ぎることは失敗につながるとも考えております。改革には結果も大切ですが、そのためのプロセスはそれ以上に大切です。このプロセスを正しく踏まえることが、ひいては職員の中にふだんから改革に対する意識が高まり、将来にわたって自発的な事務事業の見直しが進むこととなります。改革は、何も今回の市政改革のメニューをなし遂げるだけで終わることではありません。そのためにも着実なステップを踏まえ、改革に立ち向かう一人一人の職員を奮い立たせ、応援することが大切ではないでしょうか。  幸山市長におかれましては、このような状況を正しく認識され、いま一度、第一線に立ち、日々市民と対話し、工夫を重ねている職員の意見を聞かれるなど、執行部が一丸となった市政改革案を策定され、これを市民と市議会に対し、わかりやすい言葉と是非を判断し得る内容をもって説明されるなど、かねて主張されている説明責任をみずから実践されたいと願うものでございます。これらの点に関し、どのように受け取り、今後取り組んでいかれるか、お聞かせいただきたいと存じます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいま藤山議員より改革の基本姿勢につきましてお尋ねがございましたので、答弁をさせていただきます。  三位一体の市政改革の進め方につきまして、基本的な姿勢、また市民、議会への説明責任等につきましてお答えをさせていただきます。  今回の改革を進めるに当たりましては、職員一人一人が、市政を取り巻きます厳しい状況につきましてみずからの課題として認識をし、市政を担う一員として使命感を持ち、全庁一丸となった取り組みを進めていくことが極めて重要と考えております。  そのような思いから、本年4月には市政改革本部を立ち上げますとともに、また、今、藤山議員から御紹介がありましたけれども、私の方から職員に直接に市政改革の必要性や意義等について訴えましたほか、ブレックファストミーティング、またイブニングミーティングですとか、それに加えまして職員からのEメールによる意見にも直接答えてまいりますなど、さまざまな機会をとらえまして職員の意識改革には特に努めているところであります。  これらを通じまして、市役所の古い体質を感じることもありますけれども、その一方では、改革の志を持つ職員が予想以上に多くいることに改めて意を強くしているところでもあります。  先般、職員提案制度を実施いたしまして、その表彰も行いましたけれども、事務改善から政策提言まで、多岐にわたる職員みずからのこうあるべきという提案をいただいたところでございます。それらにつきまして、すぐ取り組めるものは取り組んでいく、また今後、政策提案として生かせるものは予算化していく等々の、これからの試みが大事なのではないかという思いを持っております。そういった試みを一つ一つやり遂げていくことによりまして、職員の意識改革にもつながってくるのではないかと思っております。  先ほど、独断的なため意欲がそがれてしまうと声も上がっていると御意見もございました。この市役所の中には6,400名近い職員がいるわけでございますけれども、その中ではまだまだそういう気持ちを持っている職員もいることも現実であろうと思っております。  そういう認識を踏まえまして、これまで私自身がやってきました取り組みをさらに積極的にやることによりまして職員の意識改革に努め、一丸となって市政改革に取り組まなければいけないという思いを、ただいまの藤山議員からの御指摘を受けまして、そういう意を強くしたところでございます。  また、市政運営は市民生活に密着に関連しておりますことから、市民の皆様に対しまして、市政改革の必要性や意義等につきまして検討の過程から積極的に情報提供し、説明責任を果たしていくことが必要であると考えておりまして、6月の行財政運営の個別課題の公表から、7月に新たなまちづくりに向けた市民意識調査を行いましたほか、去る10月には中間報告という形で行財政改革に関する基本的な考え方や具体的取り組みにおける方向性、実施時期などを掲げ公表したところでございます。  現在、この中間報告を議論のたたき台としまして、去る11月に開かれました市議会の各常任委員会において御論議をいただいておりますほか、今12月定例会の一般質問や常任委員会におきましても、現段階における検討状況や具体的な検討の方向性などにつきましてもできる限りの情報提供を行い、個々の具体的な取り組みにつきまして、議員の皆様方と積極的に議論を行ってまいりたいと考えているところでございます。  また今後は、1月末に予定をしておりますパブリックコメントにおきまして、さらに広範な市民の御意見、御提案をいただきながら、3月の最終報告に向けまして、より詳細な検討、議論を深めてまいりたいと考えているところでございます。           〔22番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ありがとうございました。  幸山市長から市政改革に臨む意気込みを聞かせていただきましたが、果たして、その気持ちが全職員の中に浸透しているのでしょうか。これまで全職員を対象とした幸山市長の市政改革についての講話があったりしておりますが、その一度だけで職員の意識啓発ができるとは考えておりません。職場の中の改革の機運を高めるためには日々業務の中で実践されることが大切ですし、そのためにもボトムアップの改革こそが必要ではないのでしょうか。  今回の市政改革が、一部の管理部門の考え方をトップダウンすることで進められているという大多数の職員のとらえ方を承知され、最終報告に向けて、職員の生の声を取り上げられることを心よりお願い申し上げます。  なお、けさの地元紙の報道によりますと、さくらカードの負担割合について、本市と各バス事業者との間での協議が調ったとのことですが、我々が問題としているのは、この協議結果のいかんだけではなく、本市としての考え方を、市民あるいは議会の意見を聞いて決定するとしたそのプロセスを無視したことにあります。ほかのバス事業者との協議が調ったということで問題が解決したというものではないということを心していただきたいと存じます。  次に、第2点として、市政改革の個々の項目について、今後、執行部からの詳細な説明を待つとして、現時点で明らかにしておかなければならないことについてお尋ねをいたします。  まず、市政改革に掲げるそれぞれの計画の到達目標等について、企画財政局長にお尋ねいたします。  我々は、市政改革の基本的コンセプトは、まちづくり戦略計画を推進するために必要な財源を行政改革や財政健全化計画の取り組みによって捻出すると理解しております。そうであれば、まず先立って、まちづくり戦略に幾ら必要で、それを行政改革で幾ら、財政健全化計画で幾ら捻出するといった、それぞれの計画を結びつける金額を明らかにしなければならないのではないでしょうか。  顧みますと、本市におけるこれまでの行政改革は、地方分権の受け皿整備のために国から求められたものであり、そのために第1次行革では50億円の経費削減、第2次行革では30億円の達成目標が掲げられ、それを新規事業に再配分することにとどまっていましたが、今般の市政改革がまちづくり戦略を推進するためのものであるならば、評価が難しいまちづくり戦略の達成度をはかるため、これを側面的、客観的に評価するために有効である具体的な削減額を明らかにしていただきたいと存じます。  ところで、先月開催された各常任委員会において、市政改革・中間報告の主な項目について質問が相次ぎ、これについての執行部の答弁の多くが、現在検討中であり明らかにできないとのことでした。また、来年1月に市民に対するパブリックコメントを実施し、その意見を最終報告に盛り込むとの答弁もありました。このような中間報告の熟度で、今後、市民や議会の意見を最終報告の中に取り込み、これを来年度当初予算の中に盛り込むことはスケジュール的に不可能ではないでしょうか。  以上2点について、企画財政局長にお尋ねいたします。  次に、総務局長に数点のお尋ねをいたします。  まず、今回の中間報告について、既に市政だよりや熊本市ホームページで市民に公表されていますが、現時点での市民の反応や評価について教えていただきたいと存じます。  ところで、中間報告を見てまず感じたことですが、取り組み項目の一つとして、わかりやすい公文書の推進を掲げているにもかかわらず、パブリック・インボルブメント手法やアドプト制度など、殊さら難解な言葉が列挙されていますが、最終報告では、市民にわかりやすい表現に工夫されることを要望させていただきます。  次に、民間委託についてお尋ねいたします。  中間報告の中で数々の民間委託が掲げられておりますが、民間委託を進めていくことで、現に清掃や保育所などに従事している職員をほかの職場に配置転換することとなりますが、これらの職員の中に、自分たちはどうなるのだろうかといった不安が広がっております。長年一つの仕事のみに携わってきたこと、年齢や再配置後の職種などを考えるとき、実際に受け入れられる職場は少ないのではないかと危惧されますが、具体的な再配置計画についてお聞かせください。  さて、これまで議会の中で幾度となく議論されてきた市営住宅の将来計画や食品工業団地の今後の計画など、膨大な予算を伴う大型計画が多少のスケールダウンのもと進められようとしております。  例えば、市営住宅の画図重富団地計画を例にとりますと、310戸の建設のために、当初計画の事業費の104億円を85億円余りに圧縮することができましたが、それにもかかわらず膨大な事業費であることは論をまちません。  極論すれば、これ一つを取りやめることによって、市電の延伸や公共下水道の整備、あるいは河川改修など、市民の多くが望んでいる大型事業が可能となります。  今般の市政改革の中に、公共事業等の採択基準の明確化が掲げられていますが、その一方で、計画ありきで進められている大型事業についても厳しくメスを入れ、計画そのものの廃止を含めた見直しに取り組むことが聖域なしの市政改革の基本ではないでしょうか。  その意味でも採択基準を確立し、これを広く適用していくことが必要でございますが、この基準を定めるに当たり、どうしてもコスト優先の考え方に傾きがちであり、私としては大きな危惧を抱いております。  そもそも行政と民間の違いは、市民に税負担を求めていることから、コストに見合わなくても市民福祉の維持向上のためにはあえて取り組まなければならないというところがあり、幸山市長が掲げられた30人学級もまさしくこれに当たるものであり、今回の市政改革では当然にこの基本姿勢が貫かれるととらえ期待しておりました。  しかしながら、中間報告を見る限りにおいては、コスト優先の見直しが多くを占めている感触を抱いております。事務事業を評価するに当たっては、このようなコスト優先の定量評価だけではなく、数値としてあらわせない定性効果についても十分に検証することが必要ではないかと考えておりますが、この点に関しどのように考えておられるか、あわせてお尋ねいたします。  最後に、環境保全局長にお尋ねいたします。  市政改革の項目として、家庭ごみの有料化とともに清掃業務の見直しが掲げられていますが、清掃業務の民間委託などによりコスト削減が進めば、家庭ごみの有料化は回避できるのではないでしょうか。  そもそも、ごみ収集などの市民すべてが受ける基本的サービスであれば税金で賄われるべきものであり、大量のごみを排出するなど特定のサービスを受ける場合に限り受益者負担があると考えるべきではないでしょうか。  家庭ごみの有料化として市民に新たな負担を求める前に、例えば一定期間ごみの減量目標を掲げ、市民に呼びかけ、目標を達成した場合には有料化を先送りするなど、行政として当然にやるべきことがあるのではないかと考えますが、この点に関し御意見をお聞かせください。          〔三嶋輝男企画財政局長 登壇〕 ◎三嶋輝男 企画財政局長  市政改革につきまして、私から2点お答えを申し上げます。  まず、1点目のまちづくり戦略計画での必要経費と行財政改革推進計画での捻出される経費についてのお尋ねでございます。  両計画につきましては、去る10月の中間報告を踏まえ、来年3月の策定公表に向け、さらに検討、議論を行っているところでございます。  議員御指摘の各計画における必要事業費、あるいは改善効果につきましては、具体的な取り組みの調整、年次ごとの進捗スケジュールなど、詰めの協議を進めているところでございまして、現段階ではその数値を具体的にお示しすることは困難な状況でありますが、3月には具体的にお示しをしたいと考えております。  次に、2点目の両計画を来年度予算にいかに反映させるかについてでございます。  例えば、まちづくり戦略計画について申し上げますと、10月の中間報告の中で、今後のまちづくりに対する重点分野についての考えや方向性をお示しし、「良好な環境を未来へ引き継ぐまち」「子どもたちが健やかに成長するまち」「人々が集う元気なまち」の3つのターゲットを掲げさせていただいたところであり、今後、市議会あるいは市民の皆様からさまざまな角度からの御意見をいただき、具体的に3つのターゲットを達成するための事業や、総合計画の分野ごとの施策展開の方針となる分野別重点プランについて検討を行いながら最終報告を策定していくこととしております。  したがいまして、平成16年度予算編成におきましては、この3つのターゲットを推進するための諸事業にその重点配分を心がけたいと考えており、最終報告策定作業と並行して、関係部局間で緊密な連携を図りながら、整合性のとれた予算の編成に努めてまいりたいと考えております。          〔古川康総務局長 登壇〕 ◎古川康 総務局長  行財政改革推進計画まちづくり戦略計画の中間報告について、私の方から3点にわたりお答え申し上げます。  まず、1点目は、中間報告に対します市民の反応や評価の点でございます。  この点につきましては、去る10月に公表いたしました中間報告について、その全文を市のホームページに、また、その概要を市政だよりに掲載するなどしまして、さまざまな機会をとらえまして市民への情報提供に努めております。また、電話での御質問や直接来庁されての御意見をいただいたり、さらには、市長への手紙やEメールなどを通じて提言をいただいているところでございます。  これらの御意見の内容につきましては、取り組みをさらに進めよというものから、お示しした方向について反対の意見を表されるものなど、さまざまでございます。それぞれ市としての考え方などにつきまして御返答申し上げているところでございます。  次に2点目に、改革に伴います職員の再配置計画でございます。  事務事業の廃止や民間委託に取り組むに当たりましては、その進捗に従いまして、その業務に従事した職員を他の部署へ再配置していく必要性が出てくると考えております。再配置を行うに当たりましては、基本的には他の部署での活用ということになりますが、十分配慮しなくちゃならないと考えております。  またさらには、まちづくり戦略として重点的に推進していかなければならない分野に対しましても、重点的な配置も図ってまいりたいと考えているところでございます。  次に、3点目の費用対効果の検証でございます。  現在、個々の項目につきまして具体的な見直しを行っておりますが、御指摘のとおり、コスト面のみではなく、これまでの成果について十分な検証を行いますとともに、官と民の役割分担も踏まえた市が行う妥当性、サービスの水準、民間委託も含めました実施主体のあり方、さらには受益者負担のあり方など、さまざまな観点から総合的な検討を行っているところでございます。          〔大橋道雄環境保全局長 登壇〕 ◎大橋道雄 環境保全局長  家庭ごみの有料化についての御質問にお答えをいたします。  まず初めに、有料化の目的について申し上げますと、多額に上るごみ処理費用の財源というよりは、むしろ経済的手法によるごみの減量、分別リサイクルの推進、量に応じた費用負担の公平化などがその大きな目的でございます。  先般、全国都市清掃会議が環境省の委託を受けて実施いたしましたごみ処理の有料化に係る調査報告書が公表されておりますけれども、その中で、家庭系一般ごみの有料化は、ごみの減量に有効な方法であるということが報告されております。特に有料化する時点で総排出量が多い場合、減量効果が顕著であることが統計上あらわれております。  ただいま議員御提案の一定期間ごみの減量目標を掲げまして市民に呼びかけて、その目標を達成した場合には有料化を先送りするというアイデアでございますが、ごみの減量・リサイクルについての市民意識の向上を図ることができ、減量効果も期待できるものと思われます。また、それを達成できずに有料化した場合でも、有料化に対する市民の理解を得ることができるなど、大変ユニークなアイデアであると感じます。  ただ一方で、季節、気候や経済状況等で変動の多いごみの量を短期間で見て評価ができるのか、また、目標を達成できなかった場合に、市民の間で減量化の努力をした人としなかった人との不公平感が出てくるおそれがありますなど、実施に当たっての課題もあるのではないかと考えます。  現在、家庭ごみの有料化につきましては、ごみ減量・リサイクル推進市民会議で御議論をいただいておりますが、議員の皆様の御意見、御提案も踏まえ、さまざまな知恵を絞りながら今後検討してまいりたいと考えております。           〔22番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  中間報告に対する市民の反応が少なかったと聞いております。そういうことは、市民にも市政改革の内容がわかりづらいということのあらわれであり、最終報告に向けてさらに工夫されることが必要ではないでしょうか。  また、予算措置と市民を対象としたパブリックコメントを並行して進めていくということはスケジュール的に難しいことを考えると、パブリックコメントが形だけのものとなる可能性が高いと考えられます。そのあたりについては、来年の第1回定例会の中で具体的に検証してみたいと考えております。  また、民間委託による職員の再配置、費用対効果の測定などについては、最終報告としてまとめ上げられる前に具体的な説明を受け、ぜひ判断をしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  さらに、ごみの有料化につきましては、私の提案を理解いただき、ありがとうございます。残された時間は余りありませんが、評価いただいたことを、この3月の最終報告に掲げられることをお願いいたします。  次に、地下水問題についてお尋ねいたします。  まず、地下水保全プランについてでございます。  ことし6月、熊本市地下水量保全プランの基本的方向が発表され、その中で今年度中に正式なプランを策定するとされていましたが、その後の経過はどうなっているのでしょうか。  ところで、私はこれまでの本会議において、地下水の量の確保とともに、岐阜県各務原市のニンジン栽培を例に挙げ、有害物質が容易に地下水系に混入する実例をもとに、質の問題についてもあわせ論じてきました。  本市の場合も、現実の問題として地下水涵養域での産廃汚泥の不法投棄や肥料・農薬による地下水汚染の可能性が論じられており、そのためにも地下水の質の確保も重要な課題ではないでしょうか。いかに地下水の量が確保できても、その質に問題があれば飲むことができません。  ところが、今回のまちづくり戦略計画の中間報告の中では、「良好な環境を未来へと引き継ぐまち」の戦略として、地下水の量の保全のみが掲げられています。なぜ地下水の質について触れられることがなかったのか、教えていただきます。  次に、地下水基金と地下水協力金について、提案を交えつつお尋ねいたします。  各位御承知のとおり、平成3年3月、財団法人熊本地下水基金が設立され、県、関係市町村及び民間が一体となって、熊本地域における広域かつ長期的な地下水保全対策に取り組むこととなり、以来、これまでこの基金を活用し、普及啓発活動を初めとし、涵養林の取得や整備などのさまざまな事業が推進されてきました。  そもそも熊本地域の地下水を守るために、本市だけの取り組みでは到底不可能であり、これに関係流域の自治体、あるいは住民の参加があって初めて可能となるものです。その意味からも、熊本地下水基金が担うべき役割には絶大なものがあるととらえております。  ところが、今回の行財政改革推進計画中間報告の中で、外郭団体の統廃合として、地下水基金の見直しが掲げられており、このことで本市の役割が後退するのではないかと大変に危惧をいたしております。
     地下水の保全のためには莫大な資金が必要であり、最大の受益者である本市にとって、地下水基金を活用することが非常に効果的であることを考えると、今回の市政改革での統廃合は流れに逆行しているのではないでしょうか。  以上、地下水量保全プランの経過、地下水の質についての取り組み、地下水基金の見直しの3点について、環境保全局長にお尋ねいたします。  さて、これまで地下水基金を維持し、運用していくためには莫大な費用が必要であると申し上げてまいりましたが、実際問題として、いかにしてそれを確保するかは大変に難しい問題であると考えております。  そこで提案でございますが、これまで幾度となく提案し続けてまいりました地下水協力金制度を実現させ、これを地下水基金に充当することはできないでしょうか。これまでの市議会での答弁を踏まえられ、地下水の最大の受益者である本市水道局のお考えをお聞かせください。          〔大橋道雄環境保全局長 登壇〕 ◎大橋道雄 環境保全局長  地下水問題についてお答えをいたします。  まず、地下水量保全プランについての1点目、熊本市地下水量保全プラン策定の進捗状況についてでございます。  本市の地下水位は長期的に低下傾向を示し、江津湖などの湧水量も減少している中で、市民、事業者に地下水の現状の周知と十分な理解を得て地下水保全に取り組む必要があると考えております。  そこで、地下水量を保全するための5カ年の実行計画といたしまして、熊本市地下水量保全プランを策定することとし、現在、節水、涵養、広域連携を基本方針といたしました具体的な事業内容について取りまとめを行っているところでございます。  今後の予定といたしましては、来年の1月中に市民の皆様に素案を公表し、御意見をいただくパブリックコメントを実施したいと考えております。  2点目のまちづくり戦略計画における地下水質保全の認識についてであります。  本市の地下水はその清冽さと豊かさを誇りとしておりまして、地下水の保全については水量と水質の両面があり、水質保全の重要性は十分認識いたしております。  ただいま策定をいたしておりますまちづくり戦略計画の分野別重点プランの中で、この水質保全につきましても具体的な政策目標を掲げ取り組んでまいります。  次に、地下水基金と地下水協力金についてお答えいたします。  財団法人熊本地下水基金は、平成3年3月設立され、同財団に対しまして、平成6年度までの5年間で7億円、平成8年度から平成12年度までの5年間で2億5,000万円、合計9億5,000万円を出捐しており、平成14年度末現在で、基本財産5,000万円と事業に利用可能な約2億500万円の資金を保有しております。  これまでの実績としましては、地域内で自治体や個人などによって実施されております水源涵養林整備や、自治体が住民に対して助成を行っている家庭用雨水浸透ます設置などの事業に対しまして財源的な支援を行い、地域内での地下水保全の取り組みを推進してきております。  これまで熊本地域内で財団が支援した山林整備は約6,500ヘクタール、雨水浸透ます設置は約1,100基に達しておりまして、地域内で実施される地下水保全の取り組みに大きな役割を果たしてきたものと確信をいたしております。  このような水源涵養林整備助成事業は、地下水涵養及び河川の水源保全の機能を有しているだけでなく、現在の木材不況の経済状況下で適正な山林の管理に大きく寄与しており、これを放棄することは、地下水保全のみならず、放置民有林の増加など、さまざまな問題を引き起こすことも懸念されます。  今回、熊本地域全体の地下水保全対策を考えます中で、本市が将来にわたって安定的な地下水を供給してまいりますためには、水源涵養策に取り組む市町村に対し財政支援を行い、その推進を図ることが必要と考えておりますが、現在の財団では、その役割を担っていくには、一般会計との役割分担や将来にわたっての財源確保など課題も多いと考え、財団の事業内容等についてゼロベースで検証を行い、財団の意義、役割について見直しを行っているところでございます。  今後、財団の活用も含めて、水源涵養に向けた効果的な方策を検討してまいりたいと考えております。          〔源寧生水道事業管理者 登壇〕 ◎源寧生 水道事業管理者  地下水の涵養対策に関する水道局の支援については、昨年の9月議会においても、公営企業・独立採算という制約の中で健全財政の維持を基本として、負担の公平性など諸条件の整備が必要であるとお答えしたところでございます。  このような中、今後の水道事業の経営収支を見たとき、景気の低迷と節水型社会の到来という二重の収益減が見込まれる状況にあるため、中長期的な視点から、財政状況を十分見きわめていかねばならないと考えます。仮に水道事業会計から支援するとなった場合、財源は料金収入によらざるを得ず、その規模には限度があり、一定のルールの設定が必要になると考えます。  一方、本市では地下水保全をまちづくり戦略計画の中の重要な柱と位置づけ、節水と涵養という観点から、現在、具体的な検討が進められていることは御案内のとおりでございます。  地下水保全の重要性につきましては十分認識しているところであり、26万世帯、67万市民に飲料水を供給するという事業者の立場から、本市の取り組みにあわせ、経営上可能な範囲で地下水保全に関する議員御提案の趣旨も勘案し、80年間その恩恵に浴してきた本市水道事業として、地下水保全のための諸施策に取り組んでまいりたいと考えます。           〔22番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  地下水の質の問題について環境保全局長からは、今後、分野別重点プランの中で取り組む予定であるとの答弁でございましたが、もしそうであれば、今回のまちづくり戦略計画の中で、量の問題とともに質の問題についても掲げられてよかったのではないかと考えます。まちづくり戦略計画の最終報告が来年の3月であればまだ間に合うはずですし、そのための中間報告であったはずです。地下水の質についても、ぜひ最終報告の中で掲げていただくことを強く要望しておきます。  また、地下水基金についての環境保全局長の御答弁は、今回の中間報告の中身と大きくずれているのではないかと感じられました。ただ、御答弁の趣旨からは、地下水基金の重要性を深く認識され、これを最大限に活用していくことが必要であると考えられていることがうかがわれたところであり、安心いたしました。  したがいまして、地下水基金の統廃合につきましても最終報告の中で修正されるものと期待しておりますので、よろしくお願いいたします。  最後に、私の提案についての水道事業管理者としての立場を踏まえられた御答弁は、これまでの答弁をさらに一歩踏み出されたものであり、大いに評価いたすものでございます。これが本市における地下水協力金制度の実現のための大きな流れとなっていくものと確信するものであり、今後も果敢に取り組んでいただきたいと存じます。ありがとうございました。  次に、高知市との友好都市交流について、再度お尋ねいたします。  昨年、第3回定例会で、横井小楠先生をキーワードとした高知市との都市間交流についてお尋ねし、そのときの市民生活局長から、今後の都市間交流については、これまでにとらわれることなく分野に限定した交流を進めていきたいとの前向きな御答弁をいただいております。  その後、NHK大河ドラマの「武蔵」の放映を機として、本県と北九州市の交流、あるいは武蔵生誕の地と言われる岡山県との交流など、武蔵をキーワードとした交流が進み、これによる観光客の誘致など、地域振興を図る取り組みが大いに功を奏しております。  このように、都市間交流は的確に機をとらえさえすれば、地域活性化の大きな力となり得るものであり、そのためにも水や緑、熊本城などのすぐれた資産を有し、横井小楠先生を初めとした幾多の先哲を輩出した本市にとって、これらを熊本城復元整備などとあわせ、交流のキーワードとして発信することが、ひいては本市の発展、飛躍のための大きな力となると考えております。  高知市とは、前回御案内したとおり、歴史的にも風土的にも、そして都市形態としても多くの共通点を有しております。このような意味において、再度、高知市との友好都市交流を提案するものでございますが、これについて幸山市長のお考えをお聞かせください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  高知市との都市間交流につきましての考えをお答えさせていただきます。  私は常日ごろから、都市と都市との交流は国内外を問わず、人と人との自然な交流が広がることにより、多くの友好的心情をはぐくみつつ、文化的、経済的にも市民生活をより豊かにするものであってほしいといった認識を持っております。  したがいまして、これからの都市間交流につきましては、姉妹都市交流に限らず、より多くの都市との幅広い友好関係を構築してまいります中で、市民や団体による民間交流を基本といたしまして、行政はそのきっかけづくりや交流促進のための相手都市との調整など、側面からの支援、協力する形で進めてまいりたいと考えております。そして、さまざまな都市との交流の積み重ねが、今後、個性豊かで活力あふれた新たな熊本市づくりにつながってくるものと考えております。  議員御提案の高知市との交流につきましても、ことし、日本近代化の幕あけの礎をつくりました偉大な先哲であります坂本竜馬と横井小楠先生の歴史的な縁によりまして、両記念館の館長対談が行われているところでもございます。  このような交流が市民の郷土愛の醸成や活力ある地域づくりにつながるものと考えておりますので、今後、市としましても、歴史的つながりに基づく交流の可能性を検討してまいりたいと考えております。           〔22番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  去る9月定例会において、議会提案による「観光立市くまもと」都市宣言が採択されましたが、この宣言の意義を執行部としてどのように受けとっておられるのでしょうか。私どもは、この宣言の理念を執行部としてあらゆる分野で実現していただきたいと考えており、今般、提案した高知市との都市間交流は、まさしくこれに当たるものでございます。ぜひとも実現に向け取り組まれることをお願いいたします。  次に、本市交通事業についてお尋ねいたします。  行財政改革推進計画、中間報告の市民サービスの利便性及び質的向上の中で、バス事業の再編が掲げられ、また、公営企業の経営健全化の推進の中で、交通事業の経営健全化の推進が掲げられており、ある意味では相反するテーマですが、工夫次第ではこれを両立させることは不可能ではないのではないかと考えております。  さて、九州産業交通に対する産業再生機構の支援決定に端を発し、都市圏、路線バスの再編問題が急展開しておりますが、私は、この問題は九州産業交通への市営バスの路線移譲をもって終わることではなく、これを長年にわたって手つかずだった路線再編問題を解決するための絶好の機会ととらえ、市営と民間3社が一体となって取り組むべきものであると考えております。  具体的な路線移譲については、本市交通局に対し、九州産業交通から5路線51系統の移譲が要望されたのに続き、熊本電鉄からは2路線33系統の撤退または運行委託を、熊本バスからは市営バスの路線撤退を前提とした3路線の増便と新規参入の要望が出されたと聞いております。  このような中、先月20日に開催された経済交通委員会において交通局から、4路線はいずれも不採算路線であり、利用者の利便性が確保できるのであれば、これを九州産業交通に移譲することを検討するとの答弁があったとのことです。  しかしながら、この利用者の利便性については、11月1日付の地元紙の記事によると、九州産業交通と市営との現行ダイヤが非効率で、約7割のバスが3分以内に同じ停留所を出発しているのが現状であり、移譲後の九州産業交通の計画では、全体の便数を減らすことになっても混雑の時間帯に応じて等間隔運行とし、利便性は向上させることができるとのことでした。  つまり、路線を移譲することは、本市交通局の赤字を軽減しつつ、同時に利用者の利便性を向上させることとなるものであり、何ら異論を唱えることはできません。そもそも、本市交通局の経営コストの高さはかねてより問題とされてきたところであり、明らかにされた資料によると、バス運行に必要な経営経費は、1キロ当たり、九州産業交通が266円、熊本電鉄が278円、熊本バスが212円であるのに対し、市交通局は494円で、民間3社の平均額のおよそ2倍となっております。  このように、過度の競争による民業圧迫や税金を投入した高コスト経営などの本市交通事業のお役所体質を、今回の市政改革の中でいま一度原点に返って根本的に見直す必要があるのではないかと考えておりますが、幸山市長のお考えをお聞かせください。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  本市の交通事業についてのお尋ねでございますけれども、私も、先ほど御指摘がありましたような、熊本市内のバス事業の運行実態を見ておりますと、真に利便性の高い効率的な運行がなされているかにつきましては疑問を感じているところでもございまして、都市圏における総合交通体系の整備は喫緊の課題であるといった認識を持っております。  また、官民の役割分担を明らかにして、民にできることは民にお願いしながら行革を推進していく過程におきまして、高コスト体質との指摘を免れない交通事業の見直しは不可避の問題、課題であるということは認識をしているところでございます。  その中で、特に民間事業者を含めたバス路線網の再編問題など、バス事業のあり方につきましては、行政改革の一環といたしまして、そしてまた、総合交通体系の整備の第一歩として、市営バスの従来からの運行形態を見直すことから検討できないかと考えております。  そこに、このたびの九州産交の再生問題が浮上し、市営バス路線の一部移譲要望等が出てまいったところでございます。この問題が、現在、県を中心に取り組んでおります都市圏バス路線に関する検討会議におけるバス路線見直しのきっかけになりましたが、九州産交支援ありきで取り組むべき問題ではなく、あくまで、まずもって競合路線の精査及びそれに基づく見直し、調整を経て、そして都市圏バス路線網の再編につなげていくといった2段階とでも申し上げますか、そうした手順で進めているところであります。  このバス路線網の再編につきましては、事業の効率化が図られ、かつ利用者にわかりやすく、利便性の高いバス路線網の提供が望ましいとの思いを持っておりまして、最も肝要なことは、基本的に市民の移動手段を守るといったことでありまして、乗客の利便性を損なうようなことがあってはならないと考えているところでございます。  また、交通局は、市役所の一組織でありながらも、これまで独自に給与や労働条件を見直すなど、公営企業としての経営努力を行ってまいったところでございますが、民間バス事業者との比較におきましては、高コスト体質であることは否めないところでございまして、そのことも念頭に置きながら、今後ともコスト削減に継続的に取り組みながら、本市交通事業のあり方についての検討を進めてまいりたいと考えております。           〔22番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  本市交通事業についての幸山市長の基本的なお考えを拝聴いたしました。  過去には、公営企業としての役割が期待されていた時代もありましたが、現在のように民間事業者が対等な立場で交通事業に参加するまでに育ってきた中にあっては、いま一度、その存否についても考え直すことが必要なのではないでしょうか。幸山市長がかねて申されているとおり、民間にできるものは民間にということを本気で考えるべき時期に来ております。果敢に取り組んでいただきたいと存じます。  次に、地域の課題として、3点についてお尋ねいたします。  まず、今後の鶯川改修についてです。  秋津地区の中央を流れる鶯川の魅力ある再生については、これまでも幾度となく本会議の中で質問や要望を繰り返してきたところであり、秋津まちづくり委員会と行政とが携えつつ意見を交換し、知恵を出し合いながら、理想ともいえるまちづくりが実践しつつあることと自負いたしております。  今では鶯川再生のシンボルと言える秋津3丁目の水に親しむエリアが姿をあらわし始めるまでに工事が進み、地元の人たちが完成を心待ちにしておられます。  このように完成後の姿があらわれるにつれ、自然を巧みに取り入れた鶯川の本市管理区域と、三方張りの無味乾燥な県の管理区域との差が歴然とし、住民の取り組みの熱意でここまで変わるものかと感慨深いものがあります。  ここまで誠意を持って取り組んでこられた都市整備局の御理解と熱意に大いに感謝するとともに、完成しつつある水に親しむエリアの魅力をさらに高めるために、清冽な水の確保など、今後どのような計画を持っておられるのか、都市整備局長にお聞かせいただきたいと存じます。  次に、本市東部地区の都市型水害の解消についてお尋ねいたします。  ことし7月、例年のごとく秋津都市下水路で浸水、溢水が起き、若葉、健軍、広木の下水道合流区域では、マンホールから汚水が噴出するなどの都市型水害が発生しました。  もともと都市型水害は、下流域の河川の改修が進んでいないところに原因すると言われ続けてきましたが、これらの河川の改修が大きく進んだ現在でも毎年発生している状況を見ると、何か別のことが原因していることは明らかです。  我々としては、これまでの河川改修の基本ルールでは解決できない何かがあるのではないかととらえており、今後、鶯川の秋津中央公園上流の改修のため用地買収が難しいところでは、数十年もかかる改修よりも、例えば公園や道路敷きを利用して放水路のような早期の効果を出す方策はとれないものか、素人なりに考えていますが、いかがでしょうか。  執行部におかれては、これらの急を要する浸水等の対策について、これまでの河川改修の基本にとらわれることなく発想の転換を行い、抜本的な解決を図っていただきたいと考えておりますが、何か具体的に打つ手がおありか、都市整備局長にお尋ねいたします。  最後に、健康ウオークについて教育長に提案をいたします。  平成12年3月、秋津まちづくり委員会の長年の夢であった秋津3丁目公園がオープンし、子供たちのさまざまな遊びの場、あるいは周回トラックを利用した地域の人たちのウオーキングの場として、朝夕幅広く利用されています。ウオーキングを経験した人はおわかりと思いますが、健康管理あるいはダイエットのためと最初は意気込んで始めても時間がたつにつれ、いつの間にか断念してしまうことが多いものです。心当たりがある方もおありのことと思います。  その原因の最たるものは、ウオーキングそのものが単調でおもしろみがないなど、持続する上での楽しみや具体的に実感できる目標に乏しいところにあるのではないかと考えております。  そこで提案ですが、ウオーキングの楽しみを高めるために、トラックの周回を自動的にカウントし、これを積算するためのシステムを導入されてはいかがでしょうか。さらに、積算された距離を具体的なイメージとして与えるために、現在まで歩いた延べ距離を日本地図や世界地図の上に落とすことができれば、ウオーキングの楽しみが増すこととなるのではないかと考えます。そして、このシステムを市内の各社会体育施設まで広げることができれば、個人競争から地域競争まで、さらに楽しみがふえると思いますが、この提案についてよろしく御検討ください。          〔中原謙吉都市整備局長 登壇〕 ◎中原謙吉 都市整備局長  私からは、地域の問題としてお尋ねになりました鶯川改修計画と東部地区の都市型水害の解消につきましてお答えいたします。  まず、鶯川の改修につきましては、平成14年度より都市基盤河川改修事業といたしまして着手をしておりますが、下流側から約200メートルの護岸工事を既に完了し、現在、その上流部分を施工いたしております。  その工法といたしましては、河川の蛇行部分をショートカットいたしまして、一層の治水効果を発揮させるとともに、工事によって切り取られましたもとの河川の蛇行部分につきましては、特に環境に配慮した対応をしたいと考えております。  具体的には、御質問にもありましたように、このエリアには清冽な水が十分満たしている箇所もございますので、現存する樹木の保存を行うとともに、老朽化しております護岸の整備や河床の改修に多自然型工法を採用し、清流の確保とともに、親水性に富んだ空間整備を行い、地域住民の方々にも親しんでいただける場となるよう工夫していきたいと考えております。  次に、東部地区の都市型水害の解消についてお答えをいたします。  お尋ねの秋津都市下水路につきましては、これまで親水対策といたしまして、水路の拡幅や掘り下げなどを実施してまいりましたけれども、当水路が住宅密集地を貫流しております関係上、これ以上、水路の流下能力を上げることは現段階では困難かと存じます。  したがいまして、当地区の浸水解消につきましては、以前議員からも御提案をいただいておりましたように、雨水を地下に一時蓄えまして、これを地下浸透させる流出抑制方法の導入について現在検討を行っているところでございます。  幸いにも、東部地区には地下水保全の観点から県、市で策定されました熊本地域地下水総合保全管理計画において、雨水の浸透促進地域として位置づけられていることや、浸水箇所の上流域には国、県、市の公共施設が多数集まっておりますなど、条件にも恵まれておりますので、それらの公共施設用地の地下を活用した貯留や浸透などによる流出抑制を具体化したいと考えております。  そこで、現在そのような方針に基づきまして、各公共施設管理者に対し、流出抑制への協力をお願いしているところでありますが、中でもまず初めに、市の公共施設につきまして、国のモデル事業としての事業実施に向け協議を行っているところでございまして、協議が調い次第、事業に着手したいと考えております。           〔22番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  地域の問題として、2点のお尋ねと1点の要望をさせていただきました。素人なりの考えも申し上げましたが、ともに私自身が、日々、地域において見聞きしているものであり、それだけに何とかしてほしいという地域の人たちの気持ちを代弁したものでございます。以前、私が提案いたしました貯留や地下水浸透ますについても、また今後、力を入れていただくということで心強い思いでございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。  次に、これまで本会議で質問、要望いたしました数点について、その後の経過などについてお尋ねいたします。  まずは、国民健康保険の人間ドック制度の廃止についてでございます。  この件につきましては、昨年の第3回定例会におきまして、国保の人間ドック制度と非常に似通った老人保健法の基本健康診査、がん検診制度を対比し、市民と本市の双方にとって有利な老人保健法の制度の一本化に絞り込んではどうかとお尋ねしたところでございます。  そのときの健康福祉局長の御答弁では、国保の人間ドックと老人保健法で実施される基本健康診査、がん検診とはほとんど差がなく、本人の費用負担を考えると、ぜひ基本健康診査を利用されたいが、今後のことについては財源問題等もあり検討したいとのことであった。  この問題は、医療サービスのレベルは維持しつつ市民と行政の負担は軽くするという意味において、今回の市政改革の一つとして取り上げられてもいいほどのものです。市政改革のテーマとして追加計上することも含め、その後の検討経過について健康福祉局長にお尋ねいたします。  次に、職員採用と業績評価についてお尋ねいたします。  さて、さきの水俣市での豪雨災害は記憶に新しいところですが、我々にさまざまな教訓を残してくれました。その一つが、災害時の職員招集体制です。  本市の場合、注意報の発令時点から全職員が参集する4号配備まで綿密な職員招集体制が敷かれ、評価はできるところですが、一たび大災害となり、全職員が参集しなければならなくなったとき、実際に機能し得るか心配な点があります。といいますのも、職員の居住地の問題があるからです。  調べたところによりますと、平成15年度でいえば830名の職員が熊本市以外の市町村民税を納めている。つまり、市外に居住しているという事実です。それにしても全職員の13%もが市外居住者であるというのには驚くとともに、このような状況では非常時の職員招集にも支障が出るのではないでしょうか。  居住の自由は憲法上の基本的権利であり、とやかく言えるものではありませんが、職員採用に当たって、市内居住者を優先することは可能か、総務局長にお尋ねいたします。  次に、職員の業績評価についてお尋ねいたします。  この件に関しては、これまでも何度かお尋ねしたところであり、そのたびに理解ある答弁をいただいてはおりますが、なかなか具体的な形が見えてきませんし、最近の流れを見ますと、これとは逆の動きの方が目立っております。
     本市では、一連の職員の不祥事が続き、これに対応するために職員の懲戒処分を重くすることで職員の自覚を促し、公務員たる立場の保持と公務の適正な執行を期す方向に重きが置かれていますが、私は、これとは逆に、職員のやる気を引き出すために必死で頑張った職員を正当に評価する制度をつくることも必要であると考えております。  このことで、職員の市政改革に向かうモチベーションが高まり、結果、改革志向の職員風土が全体として定着すれば、これは今回の市政改革の達成以上の成果と言えるのではないでしょうか。  改革は、計画する以上に実現していくことの方がはるかに難しいと言われます。今回の市政改革をなし遂げるためには、職員一人一人の意識改革から始めることが大切であると考えておりますが、そのための一つとして、職員の業績評価制度を設けてはどうかと考えておりますが、総務局長の御意見をお聞かせください。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  人間ドックと健康診査についてお答えいたします。  議員御指摘のように、基本健康診査及びがん検診は、人間ドックの診査内容と大きな違いはなく、費用の個人負担も少ない検診制度であります。  ここで、国民健康保険の人間ドックを基本健康診査及びがん検診に移行させることにつきましては、いまだ十分な検討が進んでおりませず、被保険者の人間ドックへの強い期待感があること、あるいは検診方式の違いによる市民の利便性など、まだまだ解決すべき課題があると考えております。  今後、市民のニーズ調査や他都市の検診方式の調査等を実施しまして、より充実した検診のシステムづくりを引き続き検討させていただきたいと考えているところでございます。          〔古川康総務局長 登壇〕 ◎古川康 総務局長  私の方から、職員採用と職員の業績評価に関しましてお答え申し上げます。  まず、職員採用につきましては人事委員会の所管でございますが、関連いたしますので、一括して私の方からお答え申し上げます。  職員採用につきましては、人事委員会では現在、優秀で有能な人材を広く確保する観点から、受験資格につきましては、年齢制限や免許資格など最小限にとどめております。これは、地方公務員法に規定されます平等取り扱いの原則等の趣旨にのっとって受験資格を定めているからでございます。  したがいまして、議員の御提案の趣旨は十分理解できるところでございますが、採用に当たり居住地による制限を行ったり、市内居住者を優先させるということにつきましては、法の趣旨に照らしますと大変難しいと考えておりますので、御理解をお願いしたいと思います。  なお、市外居住者の非常時参集に支障が出ないかという御心配でございます。現在の非常時の職員参集につきましては、本市の地域防災計画に基づきまして、大規模地震等の発生によります場合、その際の招集体制を定めております。  その計画に定めます災害発生時や緊急時の職員参集でございますが、まず第1には、職員への参集通知後、定められた職員の行動、動員計画に基づき、速やかに所定の部署に参集することとなっていること。2つ目には、大規模地震等が発生し、職員が覚知したときは、速やかに全職員が参集することとなっております。また、災害被害による交通遮断等により定められた部署に参集できない職員は、最寄りの市の施設に参集し、所属長に連絡をとり、指示に従うことといたしております。このように非常招集体制をとっておりますが、今後とも非常招集体制について万全を期してまいりたいと考えております。  2点目の職員の業績評価についてお答え申し上げます。  この業績評価につきましては、現在国で進められております公務員制度改革の中で、能力等級制度の検討と連動して職員個々の能力、実績に基づきます新たな人事評価制度として検討がなされております。  確かに議員が述べておられるように、業績評価の導入は、職員個々の職務に対するやる気や向上心を促す意味から効果的であると考えております。ただ、業務が多岐にわたる市町村行政にはなじみにくい点、あるいはどのような方法で評価するかといったことが大変難しい部分でございます。現在、このような点について、国において論議が深められているところでございます。  したがいまして、今後とも国の公務員制度改革の動向を注視しながら、本市にとりましてもなお一層、職員の能力、業績に応じた適正な評価ができるような、納得性の高い人事評価システムを構築する中で、業績評価の導入についても引き続き検討してまいりたいと考えております。           〔22番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  国保の人間ドック制度の廃止については、前回より踏み込んだ御答弁がいただけるものと期待しておりましたが、いま一つ納得できません。このようなことでは、改革は難しいことと思います。国保の人間ドック制度を廃止することで3,200万円の削減と職員の業務軽減を図ることができるなど、厳しい本市国保事業を持ち直すために、あるいは市民の負担を軽減する上で大変に有効な策であると言えるのにもかかわらず、なぜ取り組みができないのでしょうか。市政改革の最終報告が出る3月までに真剣に検討されることを強く要望しておきます。  また、職員の業績評価については、市政改革に取り組もうとする今の時期にこそ必要なことであると考えております。市民が本当に期待するものは、何も市政改革を進めることだけではなく、それを日々実践していく職員と、それを支える職場風土ができ上がることであると私は考えております。それこそいつの時代にも信頼できる市政と言えるのではないでしょうか。ぜひとも職員の業績評価に取り組んでいただきたいと存じます。  次に、公有財産の有効活用として、2点についてお尋ねいたします。  まず、本市交通局跡地の活用に関連した交通局前の市有地売却問題でございます。  熊本保健所と中央保健福祉センターの老朽化に伴い、これらの移転先として交通局跡地を活用しようとする執行部の計画に関し、我が会派としては、保健所等の移転は緊急性が高いものであり、交通局跡地を予定しているのでは実現がおくれてしまうのではないか、それよりも交通局前の市有地を有効に活用し、そこに移転させた方が交通アクセスの面からもすぐれているのではないか、その上で、市内一等地である交通局跡地についてはPFIの民間活力を有効に利用するなど、将来に悔いを残さない手法をじっくりと探るべきではないかと主張し続けてまいりました。  これに対し執行部からは、交通局跡地の活用については、議会とも相談しながら進めたいとの答弁があっておりました。  このような中、去る10月末に開催した市民クラブ政調会において、この問題についてのその後の経過について質問したところ、担当部から交通局前の市有地については既に民間のマンション業者に売却したとの答弁があり、我が会派のいずれもが一瞬、言葉を失いました。  確かに、公有財産の処分に至っては、熊本市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例で、土地については3,500万円以上で5,000平方メートルを超える場合には議案として付さなければならないとされており、その意味においては、当該交通局前の市有地の処分については議会に相談する必要はありません。しかしながら、これまでの議会での論議の経緯からして、我が会派としては当然に説明があってしかるべきものであり、信義則に反する行為であると受け取りました。  このように、これまで続いてきた議会での論議を執行部だけで一方的にふたをし、論議を終わらせる行為を我が会派としては許すことはできません。当該市有地を売却するに至った経緯とその詳細な内容について、所管である企画財政局長の納得のいく説明を求めます。  次に、行政財産の目的外使用許可に関してお尋ねいたします。  去る7月に公表された平成14年度、本市行政監査報告書によりますと、「行政財産の目的外使用許可の運用が全庁的に統一されていなかったり、誤った事務が慣例的に処理されているなど、必ずしも適正に行われていないので、事務の適正化に資するために行政監査を実施する。」と冒頭に記載され、また末尾のまとめでは、「行政財産の目的外使用に係る事務に関しては、改善や検討を要する事項が多く見られた。」と結ばれております。  このような行政財産の不適切な運用について、我が会派としては以前から疑問に感じ、これまでも数々の問題提起を行ってきたものであり、先般来のパークゴルフ場問題もその一つです。さきの議会で申し上げたとおり、我が会派としては、パークゴルフそのものを問題としているのではなく、むしろその活発な振興を期待しているものであり、ただ、その目的外使用許可の経緯と、その後の問題発生時に際して執行部がとられた対応を問題としているものです。  さきの本会議でこの件に関し、市長を初め関係局長の陳謝がなされるとともに、総務委員会と環境水道委員会の中で、今後さらに違反行為があった場合は使用許可を取り消すとの明確な答弁がなされ、我が会派としては、執行部の毅然とした態度に大いに安心したところでございました。  しかし、残念ながらつい最近になって、さらに新たな2件の疑わしい事実が判明いたしました。具体的に申し上げますと、1件はパークゴルフ場の管理事務所は使用許可を受けた部分ではなく、許可を受けていない市有地の中に建っているのではないかという疑いです。もう1件は、この管理事務所は建築基準法の許可が必要であるにもかかわらず無許可で建てられているのではないかという疑いです。  このような法律あるいは条例違反の疑いが濃厚な事実に対し、今後どのような対応をとられるのか、さきの総務委員会や環境水道委員会での答弁も踏まえ、市有財産審議会の会長でもある福島副市長の御見解を賜りたいと存じます。          〔福島靖正副市長 登壇〕 ◎福島靖正 副市長  パークゴルフ場の管理事務所に関する御質問にお答えいたします。  まず、事実関係でございますけれども、管理事務所が使用許可を受けた部分でなく、許可を受けていない市有地の中に建っているのではないかという点でございますけれども、行政財産使用許可を行った面積1万6,845.3平方メートルの中に当該管理事務所の部分も入っております。  次に、管理事務所は建築基準法の許可を得ずに建てられているのではないかとの御質問でございます。  当該事務所は、パークゴルフ場利用者の受け付けや急な降雨時の雨よけ等に使用する一時的な建物であり、利用者が施設を使用する上で最低限必要な施設としてその設置を認めているところでございますが、議員より御指摘のありました点につきまして、早速、担当部局に調査を指示し確認いたしましたところ、本件についての必要な手続はなされていないとの報告を受けたところでございます。  この件につきましては、使用申請があった時点で、申請者に対して適切な指導がなされておらず、このことは許可する側といたしましても大変遺憾に思っております。つきましては、早速、許可団体に対しまして適切な処置をするように指導をしたいと思います。          〔三嶋輝男企画財政局長 登壇〕 ◎三嶋輝男 企画財政局長  交通局跡地の活用に関連し、交通局前の市有地の売却につきましてお答えいたします。  交通局跡地の活用につきましては、昨日、本会議でもお答えしましたとおり、まずは西側部分に熊本保健所を含めた(仮称)総合保健福祉センターを整備する方向で現在基本計画の策定を行っているところでございます。  お尋ねの交通局前の市有地、元希望荘駐車場でありますが、その処分の経緯につきましては、当該地は面積が717.77平方メートルございまして、希望荘の福祉バスや施設利用者の駐車場用地として活用していたものでございますが、平成14年11月に安全性の確保や利便性の向上のため、希望荘西側の国有地、面積1,799.78平方メートルを取得することができ、その後、平成15年3月には駐車場として整備が完了いたしましたので、これまでの交通局前の駐車場は不要となったものでございます。  そのため、それまで所管しておりました障害保健福祉課から管財課へ普通財産として3月末に所属がえを行い、普通財産の有効活用に関する要綱にのっとり、4月の市有財産審議会において各局へ活用についての検討依頼を行うとともに、各局主管課を通じ活用計画について照会を行ったものでございます。その結果、活用の希望がなかったため、5月の市有財産審議会に諮り売却することとしたものでございます。  売却の方法としましては、公募による一般競争入札の方式をとり、7月に公告を行い、市政だより8月号及びホームページへの掲載等を経て入札を実施し、総額1億7,236万4,800円、平米単価約24万100円で売買契約を締結したものでございます。           〔22番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  財産問題として2点のお尋ねをいたしましたが、いずれの御答弁にも物足りなさを感じました。  まず、交通局前の市有地の売却問題については、質問の中でも述べましたとおり、議会に対する法律上の説明責任はありませんが、駐車場として使用してきた土地が不要になったから処分したということは、我が会派がこれまで主張してきたことを重く受けとってなかったということであり、この点について、会派として重大な問題であるととらえております。今後さらに論議をさせていただきたいと考えております。  また、パークゴルフ場問題につきましては、ただいまの副市長の答弁では、管理事務所は目的外使用許可をした区域内にあり違反ではないとのことでしたが、私が市有財産審議会の事務局である管財課や担当課である減量美化推進室に事前に図面で確認したところでは、区域外であるとの確証を持っております。今までも図面をいただきましたが、1回もそこまで入っている図面はいただきませんでした。  このように多少の疑問は残るものの、もう1件の建築基準法の違反については明らかに認められたととらえており、前回の総務、環境水道委員会の中での、新たな違反行為があったときは目的外使用許可を取り消すとの答弁と照らし合わせ、当然に許可を取り消さなければならないのではないでしょうか。  両局長の答弁は何だったのか。議会軽視ではないのかと思う気持ちでございます。この点について再度お尋ねいたしますので、正確にお答えください。          〔福島靖正副市長 登壇〕 ◎福島靖正 副市長  当該パークゴルフ場につきましては、前回の議会での御質問もございましたけれども、当初の行政財産の目的外使用とか、そのものの申請をされず協定に基づいてやったということで、そのことについての瑕疵がございまして、後日、遅きに失した状態でございましたけれども、市有財産審議会の審議を経て、目的外使用許可を出したものでございます。  当該パークゴルフ場につきましては、建築基準法の違反という行為はございますけれども、このことにつきましては、申請許可を出した時点でもう既に施設があったことがございまして、そのことについて、私どもが使用条例に基づく許可以外の関係法令に基づく各種の申請の必要性があることについて、当該団体に対して十分な指導を行っていなかったということが今回の問題が生じたことでございまして、新しく生じた違反ということでないということでございます。その点をかんがみまして、今回、私どもは適切な指導ということをして、その指導に従っていただくということを前提に、使用許可については従前どおりにしていきたいと考えております。          〔22番 藤山英美議員 登壇〕 ◆藤山英美 議員  ただいまの副市長の答弁は余り理解できませんでした。皆さん、理解できましたでしょうか。はっきり申していただきたいと思っていました。  また、申請許可条件ということでございますけれども、そういうこともまだまだおかしいところがあるのではないかと思いますし、新しく生じた違反ではないと言われておりますが、この問題につきましては、引き続き環境水道委員会の中で取り上げさせていただきたいと考えておりますので、それまでに事実を確認され、それをもとにした市としての判断と対応をお聞かせいただきたいと存じます。  以上をもちまして今回の質問を終わらせていただきますが、多岐にわたる質問に対して、幸山市長を初め関係局長に御答弁いただき、ありがとうございました。長時間にわたり御清聴いただきました議員各位、また熱心に傍聴いただきました皆様に心から感謝申し上げ終わりといたします。本日はありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○落水清弘 議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。  次会は明10日(水曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○落水清弘 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                            午後 3時39分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成15年12月9日 出席議員 52名       1番   落 水 清 弘        2番   竹 原 孝 昭       3番   澤 田 昌 作        4番   高 島 和 男       5番   大 石 浩 文        6番   倉 重   徹       7番   白河部 貞 志        8番   田 尻 善 裕       9番   廣 瀬 賜 代       10番   有 馬 純 夫      11番   満 永 寿 博       12番   三 島 良 之      13番   齊 藤   聰       14番   津 田 征士郎      15番   鷲 山 法 雲       16番   上 野 美恵子      17番   東   美千子       18番   村 上   博      19番   日和田 よしこ       20番   藤 岡 照 代      21番   坂 田 誠 二       22番   藤 山 英 美      23番   田 中 誠 一       24番   下 川   寛      25番   重 松 孝 文       26番   東   すみよ      27番   中 松 健 児       28番   佐々木 俊 和      29番   田 辺 正 信       30番   鈴 木   弘      31番   牛 嶋   弘       32番   古 川 泰 三      33番   税 所 史 熙       34番   北 口 和 皇      35番   田 尻 清 輝       36番   田 尻 将 博      37番   大 江 政 久       38番   家 入 安 弘      39番   上 村 恵 一       40番   島 田 俊 六      41番   江 藤 正 行       43番   荒 木 哲 美      44番   主 海 偉佐雄       45番   嶋 田 幾 雄      46番   紫 垣 正 良       47番   島 永 慶 孝
         48番   矢 野 昭 三       49番   鈴 木 昌 彦      50番   宮 原 政 一       51番   益 田 牧 子      52番   磯 道 文 徳       53番   西   泰 史 説明のため出席した者   市長       幸 山 政 史    副市長      福 島 靖 正   収入役職務代理者 原   守 保    総務局長     古 川   康   企画財政局長   三 嶋 輝 男    市民生活局長   中 山 通 晴   健康福祉局長   田 中 亮 子    環境保全局長   大 橋 道 雄   経済振興局長   西 山 哲 雄    都市整備局長   中 原 謙 吉   建設局長     岡 本 安 博    消防局長     高 田 勝 利   交通事業管理者  川 上 憲 司    水道事業管理者  源   寧 生   教育委員会委員長 笠   美 雄    教育長      永 山   博   人事委員会事務局長柳 川 彰 也    代表監査委員   宮 川 洸 洋   市長室長     石 田 賢 一    財務部長     寺 本 敬 司 職務のため出席した事務局職員   事務局長     友 枝 佑 二    事務局次長    松 本   豊   議事課長     山 田 利 博    議事課長補佐   木 村 建 仁...