熊本市議会 2003-09-22
平成15年第 3回教育市民委員会−09月22日-01号
平成15年第 3回
教育市民委員会−09月22日-01号平成15年第 3回
教育市民委員会
教育市民委員会会議録
開催年月日 平成15年9月22日(月)
開催場所
教育市民委員会室
出席委員 9名
佐々木 俊 和 委員長 藤 岡 照 代 副委員長
澤 田 昌 作 委員 高 島 和 男 委員
倉 重 徹 委員 廣 瀬 賜 代 委員
田 辺 正 信 委員 古 川 泰 三 委員
嶋 田 幾 雄 委員
議題・協議事項
(1)議案の審査(1件)
議第 302号「財産の取得について」
(2)報告案件(地方自治法第243条の3第2項の規定による)(4件)
報第 25号「
財団法人熊本市
美術文化振興財団の経営状況について」
報第 26号「
財団法人熊本市
国際交流振興事業団の経営状況について」
報第 27号「
財団法人熊本市
学校建設公社の経営状況について」
報第 28号「
財団法人熊本市
学校給食会の経営状況について」
(3)送付された陳情(4件)
陳情第25号「城東校区における不法駐輪の取り締まり及び駐輪場の設置を求める陳情」
陳情第26号「本荘校区への
コミュニティセンター設置を求める陳情」
陳情第31号「
児童育成クラブの改善・拡充を求める陳情」
陳情第38号「学級定数を減らしゆきとどいた教育を求める陳情」
(4)所管事項の調査
午前10時21分 開会
○
佐々木俊和 委員長 ただいまから
教育市民委員会を開会いたします。
今回、当委員会に付託を受け審査いたします議案は、財産の取得について1件であります。
それでは、審査の方法についてお諮りいたします。
審査の方法としては、議案並びに報告案件について順次執行部の説明を聴取した後、陳情を含む議案、所管事務の順で質疑を行いたいと思いますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
佐々木俊和 委員長 御異議なしと認め、そのようにとり行います。
まず、議案についての総括的な説明をお願いします。
◎永山博 教育長
◎中山通晴
市民生活局長
(平成15年第3回
定例会議案書に基づき説明)
○
佐々木俊和 委員長 次に、議第302号「財産の取得について」の説明を求めます。
◎大塚和規
社会体育課長
(平成15年第3回
定例会議案書に基づき説明)
○
佐々木俊和 委員長 以上で議案の説明は終わりました。
引き続き、報第25号「
財団法人熊本市
美術文化振興財団の経営状況について」の説明を求めます。
◎金坂義徳
文化振興課長
(平成15年第3回
定例会議案書に基づき説明)
○
佐々木俊和 委員長 次に、報第26号「
財団法人熊本市
国際交流振興事業団の経営状況について」の説明を求めます。
◎前渕啓子
国際交流課長
(平成15年第3回
定例会議案書に基づき説明)
○
佐々木俊和 委員長 次に、報第27号「
財団法人熊本市
学校建設公社の経営状況について」の説明を求めます。
◎境博明 施設課長
(平成15年第3回
定例会議案書に基づき説明)
○
佐々木俊和 委員長 次に、報第28号「
財団法人熊本市
学校給食会の経営状況について」の説明を求めます。
◎山口敬三
健康教育課長
(平成15年第3回
定例会議案書に基づき説明)
○
佐々木俊和 委員長 以上で説明は終わりました。
それでは、これより質疑を行いますが、前回の委員会において決定いたしましたとおり、本日は報第25号に関連いたしまして「熊本市
現代美術館の現状と今後の展開について」を議題に、参考人として
南嶌熊本市現代美術館副館長の出席を得ておりますので、これより参考人の意見を聴取した後、質疑を行います。
南嶌副館長におかれましては、本日御多忙の中、本員会のために御出席いただき、まことにありがとうございます。委員会を代表してお礼を申し上げますとともに、忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願いいたします。
早速ですが、議事の順序について申し上げます。
発言は15分程度で御意見を簡潔に述べ、その後、委員の質疑にお答えいただくようお願いいたします。
それでは、参考人にお願いいたします。
◎南嶌宏 熊本市
現代美術館副館長 おはようございます。南嶌でございます。
昨年までは
総務委員会で
佐々木先生にもお世話になりました。ですから、何か、とっても奇妙な気持ちで今ここにおります。何か転校生のような、ちょっと気恥ずかしいような、そんな思いであります。
昨年の10月12日に、皆さんのおかげをもちまして開館を迎えまして、間もなくちょうど1年がたとうとしております。
総務委員会にあっては、恐らく熊本市で
現代美術館をつくる、これは一体何だ、どういう美術館をつくるんだと、非常にすべてにおいて新しいことだらけの
美術館建設という中で、各委員の先生方のそれこそ大所高所からの御意見と、それから励ましをいただきながら開館を迎えることができたわけでございます。
ちょうど8月22日までの統計でありますけれども、入館者数が22万人を超しました。
うち有料観覧者が6万人強という数字でございます。これはあくまでも数字の上だけのことでありますが、これをどう判断するかは、少なくとも今まで日本の中ですけれども、熊本で5つ目の美術館の立ち上げでございますけれども、この熊本市の民意と、それからそれまでのさまざまな経緯を考えますと、私としては非常に入っているというふうに判断をしております。これを入っていないというふうに判断する場合は、もちろん数字上のこととして、使った事業費に対してそれを全部ペイするというところから逆算した数字から比べれば、当然それには及ばないわけでございますけれども、この美術館、これから少しばかり披露させていただきますけれども、そこから考えると非常にいいスタートを切れたのではないかと思っております。
ここに元村部長がいらっしゃいますけれども、私、こちらに3年半前に参りました、館長になる田中幸人と一緒にこちらに呼んでいただきました。本当にすべてにおいて、今までの日本の美術館にないことを御提案申し上げ、それを一つ一つ事務的な処理をしていただき、本当に大変な御苦労をかけたと思います。しかし、それはやはり熊本という歴史のあるまちで
現代美術館をつくっていく、現代的なものをつくっていくという意味をいかにしてそこに光を当てるかということを考えれば、どうしてもやらなければならないことでもあったわけでございます。したがって、これは単なる熊本市の美術館ではなくて、日本の中で新しいタイプの美術館を、個人の美術館ではなくて、行政がいかにしてつくり上げていくか、それを一つの形としてどうしても見せていかなければならない、そのことを一つ一つ事務的に処理をしていただいたわけでございまして、非常に私としても感謝を申し上げたいところでございます。
ただ、もちろん問題点がないわけではございません。これは今財団でやっております。果たして財団でやっている意味があるのかどうかということはもう一度吟味してみる必要があるかと思います。基本的に直営にほとんど近い形で行われております。しかし、学芸員は財団採用でありますし、その福利厚生等のことにおいて、私は一応名ばかりの上司ではありますけれども、彼らのことを考えると、その辺の手当をもう少し考えていただきたいというのがありますし、また、今はほとんど市からの受託事業でやっておりますが、財団の自主財源、財団が自由に企画をやっていけるお金というのが予算的には1円もついておりません。これはもっと自由に、フレキシブルにできるということが財団のメリットであったにもかかわらず、予算上はついておりませんので、これは関係各位にもこの場をかりてお願い申し上げたいところですが、ぜひその辺は予算的な措置を考えていただきたいと思うわけでございます。
私たちは学芸員として、美術の専門家として熊本市に招かれているわけです。それから、学芸員も全国公募で採用いたしました。これは一切のコネもなく、熊本に来て一生懸命美術館をつくりたいという学芸員を全国公募で集めまして、全国57名、北は北海道大学から南は九大まで、東大、京大すべて申し込んでまいりました。大体の大学の先生を私は知っておりますので、南嶌君、何とかうちの学生を頼むよということもたくさんありました。しかし、すべて断りました。それから推薦文も送っていただきましたけれども、一切封も開けずに、その本人だけを見て選びました。その中で選んだ5名の学芸員でございます。57名のうち53名が女でありましたから、これは結果としてなんですが、採用いたしました学芸員は全部女ということになりました。
これは、ある意味では時代をもう既に先取りしている。世界の美術館は実は女性が動かしていると言ってもいい状況でありまして、男はもう既に役に立たない時代になっております。女だからといって私は容赦しないで、本当にその日倒れるまで仕事をしてくれと。本当に倒れたら、私は多分訴えられると思うんですが、それも覚悟の上で仕事をしてもらっています。本当によくやってくれております。
大体がみんな大学の博士課程を出て、海外にも留学したというようなつわものぞろいですけれども、容赦せず、本当に熊本市民のために、財団であろうとも、給料は税金からいただいているわけですから、そのことは忘れるなと。それから、1円、2円、3円、10円、100円、1万円、100万円、1,000万円の企画であっても、それは全部税金なんだと。おまえがそのお金を任されるんで、その責任をちゃんととれるかどうかというところで仕事を与えています。もう少しトレーニングを積んだら、彼女たちが、1円のお金であってもその自覚を持った心のこもった仕事をしてくれるのではないかと、今一生懸命鍛えているところでございます。
それから、きょうは田辺先生から、おまえ出てこいということだと思います。これは田辺先生には
建築検討委員会では大変お世話になりまして、また
総務委員会からこちらの委員会へ変わったということで、顔見せもしろという親心ならぬ兄貴心ということで大変感謝しておりますけれども。私は、先ほども言いましたが、これで熊本は5つ目の美術館になります。福島県の
いわき市立美術館、それから広島市の
現代美術館、それから1年間フランスに留学しましたけれども、その後、企業の美術館としては大日本印刷の美術館、それからポカリスエットの大塚製薬の
国際美術館等をやってまいりました。こちらに来る前は東京の女子美術大学で教えていたんですけれども、美術館に戻るという気はもうなくて、個人の研究を続けようと思っていたところでありました。そこにこういうお話をいただきました。熊本には来たことがございませんでしたので、非常に本当は悩んだんですが、一度熊本に来て、熊本がどういうまちかというのを見ようと思いました。
そのときに、これはもう既にいろんな講演会で呼ばれて何十回と言っていることなんですが、熊本に来たときに嫌な気が流れていたら熊本に来ることはやめようと思いました。これは理屈でも何でもなくて感覚的なものです。ところが、熊本に初めて来たときに非常にいい気が流れていたんです。これは驚きでもあり、やってみる価値があるのかなと。そして熊本に来ることを決意いたしました。その思いは今も変わっておりません。その気は、熊本の人に言わせると、おまえ、それはだまされているんだと言う人もいますけれども、だまされるなら、だまされてもいいと。ただし、これは信じてみようと思って、今日まで皆さんの御協力を得ながら美術館をつくり上げてきたところでございます。
この美術館は、22万人の入場者でございますが、今までの美術館は、美術館に入るときに切符を買って強制的に首根っこを押さえられて展覧会を見ろというつくり方になっていたんですね。これは根づきませんから、この熊本市
現代美術館は、とにかく美術館という場に来てもらおうと。このコンセプトは美術館ではなくて、人間の家というコンセプトでつくりました。これは既に実施設計まで入っていたんですが、前市長の三角市長とのお約束で、私、建築をやらせていただけるということで来ましたので、元村部長、それから当時の松本課長には大変御面倒をかけたんですけれども、一つ一つの契約変更みたいなんで御面倒をかけたんですが、しかし、建築として、まず一つ最初の美術館、最初の展覧会として、そしてこれは決して終わらない展覧会でございますので、ぜひ私のアイデアでつくり直させていただきたいということで、全面的に受けとめていただき、今のようなデザインに変えたわけでございます。
これはもちろん失敗しようと思ってつくることはありません。非常に考えて考えてデザインをした建築なんですけれども、既に国内外で高い評価を受けております。特に、国内ではアート・
ドキュメンテーション研究会という学会があるんですが、その学会を既に私どもの方の美術館で招聘いたしました。その会長が今慶応の教授の高山正也という友人がいるんですが、彼はそのときのあいさつで、まさかこんな美術館があるとは思わないで来てますから、「この美術館が東京の真ん中にあったら日本は変わるだろう」と言ってくれました。社交辞令も含めてでしょうけれども、私は心の中では、それはそうだ、当たり前だと思いました。
今、
六本木ヒルズの中に新しい美術館もできていますけれども、今度10月18日開館ですが、その中にああいう
ライブラリーのサロンがあるんですね。ただし、これは年間10万円の金持ちだけのためのサロンなんですが、彼は実はそこにかかわっていたんです。そのことを非常に彼は恥じておりました。こういうふうに無料で市民が定着し、本も読める、ちびちゃんも遊べる、そして世界的な講演者が来て講演会をしている横で、ちびちゃんがとことことこと歩いている。こんな、つまり人間的なにおいのする美術館を見て、ハイソサエティだの、年間会費何十万円だのというような
図書館づくり、
美術館づくりをしていた自分を非常に恥じるというふうなことを言ってくれました。これは、今までの、少なくとも日本の美術館にはない美術館であるということが言えると思います。
一番最初に、──つまりこれは美術館ですけれども、美術館としてだけ使ってもらうのではなくて、いろいろなことに使ってもらいたい──この美術館を使わせてくれと言ってきたのは、潮谷知事でした。潮谷知事が、くまもと21という、民間の任意の団体との
ミーティングを持ちたいというときに、県庁の中のつまらない、こういう会議室でやっても自由な発想が出てこない。心のこもった言葉が出てこないということで、あの部屋を使わせてほしいということで、一番最初に実はそういう公的な、美術館とは関係のない会議みたいなものを、普段は貸し出しをしない
ホームギャラリー、
ライブラリーですけれども、そこで開催を希望してきたのでした。
このときは、当時の企画財政局の岡本次長にも協力していただいて実現することができたわけですけれども、そういうようなことで美術館だけじゃなくて、いろんな人があの場を使っていただけるような場所として機能させていきたい。つまり、美術館でもあるけれども、もっともっといろんな使い方があるんだということで、実は市会議員の先生方のいろいろな
ミーティングだとか、それから
委員会そのものもあそこの
ホームギャラリーで開催していただいてもいいぐらいだと私は思っています。
余談ですけれども、最後に少しまた幾つかの提案といいますか、こんなことをやったら、もっと熊本市がおもしろくなるのになということを御提案させていただきたいと思っているんですけれども、いずれにしても、もっともっといろんな使い方が既に熊本市には用意されているということは言えるんじゃないかと思います。
美術館に来ていただく方には、それこそ忌憚のないことを言っていただくためにアンケートをずっととっております。これはいつでも見ていただきたいんですが、100人中95人は非常に喜んで帰ってくれています。3人ぐらいがこうやったらいいんじゃないかというアドバイス、最後の残り1人が熊本市にこんなのをつくりやがってという、逆切れのような人が1人ぐらいいます。これは外部の人かなと思ったら熊本市民だったので、ちょっとがっかりしましたけれども、アンケートの結果はこういうことになっています。これはすべて公表しておりますので、いつでもごらんいただけたらと思っております。
美術館は上通にできました。これは非常に熊本市の心臓部に当たる場所でもございます。美術館だけで機能しているわけではありません。例えば、ことしは10月25日に開催されますけれども、
商工会議所と市役所が一緒になってのアート・プレイ・ストリートという催し物がございます。これは市が基本的にはお金を出資しているんですけれども、
商工会議所と一緒にまちづくりをしようということで、昨年はその熊本市
現代美術館の開館を記念してイベントということで企画をしてくれたものなんですが、これはいわば美術館のためにということで、私はお客さん的にいればよかったんですが、これをまとめる人がいないということで、僕は断ったんですけれども座長をやらされました。
これは、今の
三嶋企画財政局長だとか、
岡本建設局長とか、皆さん一緒に入っていましたので、その経緯はよく御存じなんですけれども、私がまとめて
実行委員会の兵隊として、紅蘭亭の葉山君なんかにお願いをして、音楽のワンデーイベントを行ったりしました。
また、先ほど潮谷知事のお話もしましたけれども、潮谷さんもよく来てくれて、それから副知事の黒田君もよく来てくれるんですね。黒田君というのは、実は僕が広島に
現代美術館の準備にかかっているときの、ちょうど商工課の課長として自治省から来ておりまして、実はそのころからの友人ではありませんけれども、知り合いだったんですね。で、またこの熊本で出会ったんで、ちょっとびっくりしたんですけれども。彼からは、これは実は知事からも言われているんですが、この
現代美術館を
県立美術館にしてくれないかと、冗談のようなことも言われております。もちろんそれはできないことじゃないんですね。
つまり、熊本市と、今、
県立美術館もあります。それから幾つかの文化施設もありますが、これを全体として
熊本文化芸術財団というものをつくって、市と県が出資し、それから熊日も出してもいいでしょう、テレビ局も出してもいいでしょう。それで一つの大きな財団をつくって、そこでバレエのコンサートをやる、ことしは例えば美術の年なら美術をメーンにやりましょうとかというふうにやれば、お金も一括してまとまるし、もっともっとまとまりが出てくる。こういうことは意外にありそうで、全国どこにもありません。これは実は本当に実現したい、あるいはさせていただきたいものの一つなんです。
そうすると、今、
文化懇話会等もありますけれども、そういう人たちももっともっといろいろな発言を反映させるように言う機会ももっともっと出てくるということで、これはひとつぜひ実現させて、先生方の御協力でもしていただきたいと思っているところであります。これは黒田さんや知事なんかにも実はメール友達でこういうことは提言しているんですけれども、そういうようなことも思っております。
それから、上通もおひざ元ということで非常に協力してくださいます。
展覧会ごとにチケットも100枚ずつ毎回買っていただきますし、それから例えば
前回岡本太郎の展覧会では岡本太郎への手紙というコンテストをやっているんですが、その優勝者には、東京の青山の記念館へ行く、あるいは川崎市の
岡本太郎美術館へ行く旅費を上通がちゃんと提供してくれるというような形で、非常にありがたい。これは泉会長を初め皆さんに感謝しなければならないところなんですが、御協力を得ているというところでございます。
それから、熊本市は
文化振興課というのがありますが、これはどうしても市の事務員の組織ですから、なかなか何かアイデアを出すということは、私から見ていても大変だろうと思います。本当は美術館の学芸員を全国公募で選んだように、この熊本市もそうした文化的な
アートマネジメントをできる職員を全国公募で求めるべきではないかと思います。そうすると、彼らはハンドレージングもできますから、企業に行っていろんなお金もとってこれる。今はメセナ活動は低調ですけれども。市の職員だけでやると、どうしても自家中毒に陥ってしまう。だから、美術館の学芸員は全国公募で選んでいるわけですから、そういった専門家を全国公募で選ぶようなシステムをとっていただきたいと思います。そうすると、もっともっとむだがなく、それからお金のコストもむだがなく、全国的な広がり、海外への広がりを持ち得るのではないかというふうに思います。
県の話ばかりしてもあれですけれども、熊本県は
アートポリスという建築のプロジェクトをずっと続けています。非常に低調です。これも今バイスコミッショナーの伊東豊雄に提言をしまして、ちょっとこれをつくり変えたいということで、今アドバイザーとしております熊大の名誉教授の堀内先生にも、私が個人的にこれから
アートポリスを頼むというふうにお願いをされておりまして、この
アートポリス関係、熊本の建築を、これは市も県も実は関係がないので、熊本をもう一度ということでこの
アートポリス計画は、美術館ということではありませんが、私個人としても少し力を入れて何か提言をしていきたいと思っているところでございます。
私の役割としては、少し距離を持って何かを提言していく、物事を実現していくという役割だろうと思うんですが、例えばことしは武蔵の年ですけれども、なかなか武蔵は盛り上がっているのか盛り上がっていないのかわからないような状況にあります。ただ、熊本市は本当はこれができるんですよ。五輪書がありますけれども、五輪書というのは、最後ここで書いたものですから、熊本のある意味では宝です。こういう高齢化社会の中で、人間あるいは単なる武芸の本ではなくて、年を経て、最終的に人間は何を考えるかという、その生き方の書でもあるわけですが、それを翻訳している唯一の外国人がビクター・ハリスという人なんです。これは大
英博物館日本部の部長なんですね。大英博物館の理事長は、先ほども金坂さんからありましたけれども、私どもの美術館のプレイベントで呼んだレディ・ジュリア・ボイドというそのだんなさん、前の日本の
在日英国大使であったジョン・ボイドが今大英博物館の理事長をやっているんですよ。彼は奥さんの関係で、
リデルライト記念館のこともありまして、非常に親しい人なんですね。
私が思うには、私の考えとしては、ジョン・ボイドを熊本市の文化顧問として招く。大英博物館の理事長です。その日本部の部長をやっている研究者であるビクター・ハリスという人がその五輪書をちゃんと翻訳しているんですよ。だから、本当は今年度、武蔵の年にハリスを呼んで講演会をしていただく。それから、それにあわせて
ジョン・ボイド理事長に来ていただいて、熊本市の文化顧問として就任をしていただくというふうになれば、熊本と英国との関係がもっともっと密になり、そしてリデル・ライトの研究も、こんな人が熊本に来て、人間の魂を救っていってくれたんだということをもっともっと広く紹介できるという、その始まりにもなるということで、実は武蔵で何か巌流島での何とかかんとかだけではなくて、熊本市ができるということが実はあるものですから、そういう広がりを実はもっともっと熊本市はやっていくべきだと思います。
熊本市
現代美術館は、先ほども言いましたように、美術館でありますけど、人間の家であり素朴な場所であり続けたいと思っています。そのときにできることはもっともっとあるわけで、これは文学から建築まで広めて、そこでのネットワークづくりというものの核となるような活動を、もちろんこういう時世ですので限られた予算、それからもっともっと収益を上げるということも当然意識しておりますが、ようやくスタートを切ったというところでございますので、これからも皆さんの御協力を得ながら市民の美術館として頑張っていけたらと思います。
それから最後に、先ほど言いましたちょっと御提案なんですけれども、議会議事堂で、これは
佐々木先生にお願いしておきます。春と秋に子供たちを招いたコンサートとして、あの会場を使っていただけないかということです。もちろん神聖な会議場ですけれども、あそこはコンサートホールとして、僕は十分に使えると思います。そのときに、やはりこういうところで市会議員の先生たちは話し合いをしているんだというのを見るのを、子ども議会だけじゃなくて、もっと心のある場所として使うためには、そういう利用の仕方もあっていいのではないかと思います。
それから、さっき陳情の方がいらっしゃいましたけど、自転車王国としての熊本ですね、これは全然美術館と関係ありませんけれども、ハイデルベルクなんかと行政間の交歓をしているならば、ドイツは自転車の先進国ですけれども、市電の中の3つぐらい、自転車を乗せられるような市電を導入していただけると、僕はもっと自転車を楽しめるように使えるし、それからまた場所から場所へということも考えると、その市電の改良・改革というものも一つの市のテーマになっているようですから、ぜひ自転車を乗せられるような、ここで言うべきことじゃないかもしれませんけれども、そういうアイデアもおもしろいと思います。
最後に、先ほど財団ということも言いましたけれども、今、新しく4月から、前助役であった御厨さんに理事長になって来ていただいて、実は非常によく動いてくださっています。ですから、結局、人ということになるわけですけれども、私どもの意見を吸い上げて、市の方にも、これは市長の方にも直接、その一つの実例は岡本太郎展の小中学生無料ということでしたが、これもわざわざちゃんと市長のところへ出向いてくださって、そのことをお願いしてくださって実現したものでございます。これは数多い例の中の一つでございますけれども、非常に御厨理事長にも感謝しているというところでございます。
ようやく動き始めたところで、市民の場所として、それからぜひ美術館に、先生方は多分1回ぐらい来てくださっているかもしれませんけれども、来てください。本当に多くの人たちが定着をして、それぞれの時間を費やすような場所として使い始めてくださっていますので、せっかくあの場を得たわけですので、その特性を見失わないように美術館を運営していけたらと思っているところでございます。
○
佐々木俊和 委員長 ありがとうございました。
以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。
それでは、参考人に対する質疑をお願いいたします。
なお、念のため申し上げますが、参考人は委員長の許可を得て発言し、また委員に対して質疑をすることができないことになっていますので、御了承願います。
それでは、質疑をお願いいたします。
◆田辺正信 委員 大変参考になるお話だったんですが、これまで1年間のことについて、私は私なりに理解をさせていただいたと思います。
ただ、その中で一つだけお伺いをしたいんですが、検討委員会の中でもいろいろ論議があったと先ほどお話がありました。特にたくさんのお金を使うので、経済的な効果をと委員会の中でも述べさせていただきました。田中館長の方も当然そういったことについて留意しながら事業を進めていくということでしたけれども、これは南嶌さんにお聞きしてということでもないかもしれませんけれども、この点について、どのように留意されてきたかということについて、まず一つお伺いできたらと思うんですけど。
◎南嶌宏 熊本市
現代美術館副館長 もちろん文化施設でありますから、お金もうけのための施設ではありません。あくまで研究施設であり、そして教育的な施設である。わかりやすい例で説明申し上げますと、学校の義務教育は、生徒一人一人にかかる単価というものは、これは全く経済効果を無視した金額として割り出されているわけで、もちろん現在は時限立法でさまざまな教育特区の提案がなされている中で、特に大学の株式化ということもそろそろ始まってくるわけですね。時代はそういう時代になっているんだと思うわけですけれども、現状として、あくまで美術館を通しての市民義務教育の場所であるというような認識に立っております。
もちろん、田中幸人はお金がもうかる場所だと言ったことも確かでございます。それで、もちろん私どももそのことは何よりも留意してきたわけでございますけれども、まずすべてにおいて予算がペイできるような活動ということになれば、まず最初から美術館はつくり得ないだろうと思います。しかし、その中で上通、下通という一つの商店街の中に一つの文化という付加価値を与え、その中でお金が動いていくということにおいては、この美術館の建設というものは非常に大きなインパクトとモーメントを与えたのではないかと思います。
ただ、それまでの熊本には、ある意味では何もなかったと言ってもいいわけなんですね、そういう文化施設が。ですから、その中でびぷれすという建物の中で、あのような建築、僕は内臓建築と名づけているんですけれども、そういう建築をつくり、そして市民がお金をあそこでは払わないけれども、そこで時間を費やし、そしてその連続線の中でお金を落としていくということにおいては、多分見えない経済効果というのは出てくるのではないかと思います。今どのくらいそれが出てくるかというのは申し上げることはもちろんできませんけれども、そういう意味では徐々に、熊本市の一番の心臓部である中心部の活性化というものは、経済効果とともに見えるような形に上がってくるのではないかと思っています。
ただ、あくまでも文化施設であり、教育施設であり、一つの文化の発信の場所であるということで周りの経済を旨とする場所の引き上げ、そういったものに一つの力を及ぼすような、その機能は少しずつ果たしてきたのではないかというふうに思っております。
◆田辺正信 委員 今お話にあった面も、先ほどの報告の中でありましたように、ほぼ1年ということで入館者が22万人、そのうち有料入館者6万人と。これが多いか少ないかというのは、私も率直にここでコメントできませんけれども、ただ、月に2万人近くの人が
現代美術館に入ったということが、上通、下通に対する経済効果はどうであったのかなということも含めて考えることが必要ではないか。その意味では、今の話があったんだと思うんです。
それとあわせて、確かに研究施設、文化の発信地ということについては当然そういうことだと思うんですけれども、この企画の問題についても、先ほどお話ありましたように、いろいろなことをされてきたと思うんですけれども、より人がお集まりいただけるような、そういった企画というのも考えられてきていると思うんですけれども、その点についてはいかがでしょう。
私どもは何名かしか行っていませんので、余り大きいことは言えませんけれども、一つはそういうことも必要ではないかなという気がするんですね。現代美術にかかわらず、
県立美術館とのかかわり合いもあろうかと思うんですけれども、枠を超えて、いろんな企画がされてもいいんではないかなと思うんですけれども、その点はいかがなんでしょう。
◎南嶌宏 熊本市
現代美術館副館長 美術館はもちろん万能な場所ではありませんので、できないこともあります。しかし、できることは命がけでやろうと思っております。展覧会も、今の予算ですと大体年間大きいもので5回ということになります。ですから、5つの種類の展覧会を年間でやるということ。ですから、なかなか、すべて万人が満足するような、私はこればっかり見たいんだというのが普通の感覚ですから、そのすべての要望にこたえられることは基本的にできないわけです。それを何年かの歴史の中で満たしていくというのが文化活動に求められている、また必要とする時間でもあるわけです。
例えば、これはAGという雑誌ですが、これは毎年美術館がやった記録をすべて、講演会の一字一句も含めて記録していく本で、AGというのはアート・がまだすで、がまだすは、御存じのように熊本弁の頑張ろうというところの、造英語ですけれども、こういう形で毎年報告書を提出していきます。昨年の分は10月ぐらいに、多分分量としてはこの2倍強の分厚い雑誌になろうかと思いますが、そういう形で報告書を出させていただきたいと思います。もちろん、こういう形でちゃんと出しているのは全国でも我が熊本市
現代美術館だけでございます。
例えば岡本太郎の展覧会は夏休みということで、多くの人に見ていただきたいということをもちろん考えてやった展覧会でございます。ただ、岡本太郎の展覧会は今までどこでもやられているわけですが、どういう切り口でやるかということがなければ熊本市でやるには恥ずかしい。で、「絶対の孤独」というテーマで、それからカタログを、架空の岡本太郎との対談を我どもの学芸員とさせて、これは全国的に評判になって、おかげさまでこのカタログは完売いたしました。今もあのカタログはありませんかという電話がしょっちゅう来ます。これは全国のメディアでも大きな話題になっております。
それから、「ゲラン」という月刊誌で、熊本の本屋にはなかなかありませんけれども、これは10月号で美術館へ行こうという特集を組んでいます。この中で、日本の今一番おもしろい美術館で東京の原美術館、それから豊田市の美術館、そして熊本市
現代美術館が選ばれています。これはぜひ読んでいただきたいんですが、ここに実際に来て見ていただいた方には多くの評価を得ているわけです。これは開館記念展のアティテュード2002という熊本国際美術展、これは朝日新聞の全国版でも、これほど志の高い展覧会はないというふうに絶賛していただきましたが、そういう展覧会でオープンして、あと一番最初のきっかけになりました、これはどうしてもやらなければならなかった井手宣通さんの展覧会とか、どうしてもやらなければならない展覧会、そしてこれは絶対熊本市のためになる展覧会だと、それからメディアアートの展覧会。メディアアートの展覧会は、おばあちゃんたちには正直言ってなかなかわかりません。なんじゃこれと。しかし若い人には非常にインパクトがある。どうしても、すべての人に一つの展覧会で満足を与えるということはなかなか難しいことです。その努力はいたしますけれども、それは時間の中でいろんな展覧会を考えながら企画をしてまいりたいと思うわけでございます。
ついでですから、これはNKAというアメリカの美術雑誌ですが、ここでも熊本市
現代美術館の特集を組んでくれたり、いろんな形で、小さな美術館ですけれども、少しずつですけれども、熊本市の名前とともに広がりつつあるという自負はございますので、むだはできるだけ少なく、効率的に、そして意味のある展覧会を一つ一つ残していけたらと思っております。
学校教育の先生方にも少しずつ協力を得られるようになりました。教育長にも理事長の方から、それから私の方からも毎回お願いに行くようにしているんですけれども、そういう効果も少しずつ出てきているのじゃないかと思います。いろんな方々の御協力を得てやってまいりたいと考えているところです。
◆田辺正信 委員 先ほど南嶌さんも言われましたように、人の動きというのは非常に大事だと思っております。そういう意味で、いろんな企画、また人が集まりやすいような企画を、これからぜひいろいろな部分から企画をし考えていただけたらなというような気がします。
それと、もう一つは、先ほどこれもお話ありましたように、市の美術館とあわせて日本の新しいタイプの美術館、世界の中でもということでありました。そういう意味で、情報がかなり熊本の
現代美術館には集まってくるのではないかなというふうに思います。そういったシステム自体もたしか建設当初考えられていたんではないかなと思います。要するに、発信と受信をどうしていくかという、それを市民の方々にどう還元していくかということだと思うんですけれども、そこら辺は今どうなっているのかが一つと。
あわせて、熊本の民意の話をされましたが、どう受けとめられたのか、私自身はちょっと理解できませんが、ただ人づくりというのも非常に大事だということで、たしか研修施設も含めてあの中にありまして、熊本の中でのこういった美術面での人づくりについて、いろんな角度から検討はされていると思うんですけれども、積極的に取り組んでいただきたい、こういう気持ちを当初からお願いしていましたけれども、その点を含めて現段階、まだ1年目ですから、どうっていうことはなかなか申し上げられませんけれども、お伺いしたいと思うんですけど。
◎南嶌宏 熊本市
現代美術館副館長 外への広がりということでは、まずハードの面ではウエブサイト、ホームページの充実ということで、これはなかなかほかの美術館ではまだ、あんまりやっていないんですが、メールマガジンも発行しております。
ただ、コンピューターの熊本の所有率というのが多分3割いっていないと思います。まだそういう状況なんですね。IT革命なんて言いましたけれども、これは言葉だけの上滑りで、実際に革命なんかは起こりませんでしたし、何もなかった。ただ、行政や幾つかの企業が踊らされたというだけのことでありましたんですが、3割は少なくとも100%満たすように、メールマガジン、ウエブサイトの充実は図って、メールマガジン等も発行しております。
それから、もう少しソフトの人的なところでの外への広がりということで言いますと、熊本市
現代美術館は日本の公立美術館では唯一インターナショナル・アドバイザー制というのを採用しております。これは世界で活躍するキュレーター、大学の教授、現在7名採用しております。年間たった50万円でお願いしております。その人たちに日本に来ていただき、熊本で講演会をし、そして熊本のこの美術館を外に持って帰っていって、いろんな宣伝をしていただく。もちろん、彼らはただ来ていただくだけではなくて、先ほど紹介いたしましたAGという美術専門誌に彼らの論文も掲載していく。それぞれの住んでいる地域、現在は、今度の3月は第1期目のメンバーは終わりますけれども、その彼らの住んでいる地域の現代美術のリポートも含めて報告していただくという仕事をしてもらっているんですが、そういう人たちに外へいろいろ紹介してもらう。
例えば、一つは、ジュリアナ・エングバーグという、これはメルボルンの
現代美術館の館長ですが、彼女は自分のところの美術館で大きく熊本市
現代美術館の特集を組んでくれました。
例えば、先ほどのこのNKAというのは、これもアドバイザーの1人で、サラ・ハッサンというコーネル大学の教授ですが、彼はこういうふうに特集を、雑誌に売り込んで、ちゃんとつくってくれたおかげで、ルクセンブルグ
現代美術館の館長、名前がマリー・クロード・ボーという女性の館長ですけれども、そこからはこの開館記念展のカタログを20冊、すばらしいので買いたいというような注文が来るとか、そういうネットワークの中でこの美術館の広がりが進んでいます。
今のマリー・クロード・ボーというのは、ことしの4月、今も11月まで開かれていますが、イタリアのベニスビエンナーレという大きな国際展の最高賞をとったルクセンブルグのキュレーターでもあります。これは一口メモですけれども。
そういうような形で、熊本市の
現代美術館を少しずつ、あとは、国内はこういうような形で広がっていく。とにかく来ていただければ楽しんでいただく。予算上なかなか行政というのは広告費というのはつけられないんですね。かろうじてつけていただいていますが、これはことしの予算のときには強く要求したいと思っているんですが、広告費はやはり来る人数に比例します。ですから、これは行政の仕事すべてにおいてですが、もちろんそれは限界があっての話ではありますが、こういう広告費というのは余りばかにしないように考えていく必要はあろうかと思います。
ちょっと質問以外に言うと怒られちゃうのかもしれませんが、例えば合併問題も、
総務委員会のときに、例えば佐々木委員長がこれは部局にして運動しろと再三強くおっしゃっておられました。ただ、残念ながら、市はそれに対応できなかったわけですけれども、早目早目に文化行政もいろんな形で手を打つということは物すごく大事だと私は実感しておりまして、これは今までの経験からも言えることなので、たかだか文化だというのではなくて、道州制がいずれひかれていくようになるときに、熊本市はやはり文化と福祉だと思います。だから、そういう意味では、美術館がすべてができるわけじゃありませんが、そのきっかけづくりぐらいは多分できると思うので、そういう意味では、早目早目の文化改革の対応をお願いしたいと思うところでございます。
◆田辺正信 委員 コメントはもう要りませんが、私どもも熊本の
現代美術館ができる前に広島の美術館を見に参りました。かなり大きな規模の美術館でした。ただ、それから比較しても、決して熊本の
現代美術館、容積は小そうございますけれども、中身から含めて、私は小さいとは思いません。大変機能的にも大きなものではないかなと、それだけの投資もかかっているのではないかなという気がいたします。
そういう意味で、今後、私どもも含めて
現代美術館の事業そのものは関心を持つ以上に、いろんな意味で対応していかなければならないのではないかなという気がしています。きょうお話にありました、いろんな注文がたくさんありましたけれども、私ども、ここでコメントすることではございませんので、人事の問題から予算の関係から含めてありましたので、それは担当部局で対応していただけるものだと思います。
しつこいようですけれども、議会からしますと、この
現代美術館というのは、さっき言われましたように、お金ではない、研究施設だという話がありますけれども、活用をどれだけ目指すのかというのが一番関心のポイントでもございますので、その辺はぜひ留意しながらやっていただけたらと思うわけです。
きょうは、ほかの方からもまた質問があると思うんですけれども、参考人としておいでいただいたことを心から感謝をいたしまして、私からの質問は終わります。
○
佐々木俊和 委員長 ほかの委員さん、参考人に対する質疑ありませんか。
◆倉重徹 委員 私もくまもと21の会のメンバーでございまして、潮谷知事が来られたときも、それ以外の21の会の開催時に数度、
現代美術館の方にお邪魔をさせていただきました。すばらしい美術館だということで、私自身も熊本の誇りとして思っている次第でございますが、先ほどもお話に出ましたように、熊本の芸術家の発掘といいますか、熊本に存在するまだ未曾有の、表に出ていない芸術家、いろいろな音楽、美術を含めまして、いろんな方面での芸術家の発掘ということにもぜひ力を入れていただければと、そういう方面で発掘できるような活動というものもぜひ推進をしていただきたいというのが一つでございます。
それと、コンサートのできるすばらしいホールをお持ちでございまして、そちらの方がどういうような利用の仕方といいますか、どうすれば利用ができるのか、どちらの方に届け出に行けばいいのかというようなことをよくお尋ねが私の方にございます。その辺に関します広報活動をより力を入れていただきますれば、いろんな方々のコンサートあるいは講演会等がここで開催できるのではないかと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
それと、先ほど御説明がございました、22万人あるいは6万人という入場者の世代別の統計調査表というのは作成をされておられますんでしょうか。もしそういうものが出ていましたら、世代的には、どの世代が一番こちらの来館者の中で多かったのか。なぜこういう質問をしたかと申しますと、私たちにしてみると、若い世代の人たちに、特にこの
現代美術館にぜひおいでをいただきたいし、いろんな感性というものをこちらの方で磨いていただきたいという思いがございます。当然ながら、さまざまな世代の人々に来ていただきたいんですが、若者と呼ばれる人たちが多数おいでいただいてるんであれば、すごく喜ばしいことでありますので、もしその辺の統計調査が出ていましたらお教えをいただきたいと思います。
それと、私が数度
現代美術館さんの方にお邪魔をいたしまして、一つだけ感じたことを述べさせていただきますと、入り口の部分がどうも企業の出入り口のような感覚ということをよく耳にすることがございます。私自身も美術館の中に入っていく際に、どうも企業の中に入っていくような感覚を覚えた嫌いがございまして、もっと何といいますか、入り口自身はそれで結構なんですが、奥に行くにつれて、もっと美術館、芸術に自分は触れていくんだというような感覚にするような何かおもしろい手法というようなものは、お考えの中にないんでしょうか。その辺もよろしければお聞かせをいただきたいと思います。
◎南嶌宏 熊本市
現代美術館副館長 まず最初の御質問、アーティストの発掘ですけれども、客観的に見て、熊本といったときに、ああこの人と出るのは浜田知明という、版画家で彫刻家ですね。この人は全国的というか世界的な作家と言っていいと思います。御高齢ですけど、非常にお元気で精力的に作品もつくっておられますが、この浜田先生以外は、残念ながら美術史の俎上にのってくる作家というのは今のところおりません。
ただし、そのポテンシャルがないかというと、そうではなくて、大体美術館ができると、その場所から若い作家が絶対出てきます。これは私の経験からもわかります。それで、その一つの私どもの発掘の方法として、例えばポスターとか、カタログのデザインがあります。これは大体有名なデザイナーに頼んじゃえば、お金はかかりますが、楽ちんなんですね。ですけど、これは開館記念、それからそれ以前から全部地元の、金のない、若いデザイナーにやらせてるんです。これは彼らはチャンスを与えれば必死に仕事をやってきます。今まで全部、ポスターも何も全部、若い連中にチャンスを与えてやってきています。
それから、例えば作品の購入も昨年度からさせていただいておりますけれども、その中に地元の若い作家の枠というのをつくって、これは金額はすごく安いです。安いですが、応援する意味で、彼らの作品を少しずつ買い始めております。そういうことがないと、美術館はできたけれども、おれとは関係ない場所だというふうになっちゃったら終わりで、あの美術館も頑張るなら、おれも頑張ると、刺激を与えてくれよと、おれも頑張るよという交流が生まれてこないと、つくった意味もないので、少なくともそういう若い作家に、ほかにやらせるのではなくて、ここで頑張ってる作家にやらせてるということは、これは最後まで貫き通そうと思っているところでございます。
それから、コンサートは、先ほども言いましたように、ここは人間の家ですので、コンサートもあれば、演劇もあれば、全部やっております。先ほどの陳情の中にも九電のことがありましたけど、最初私が来たときには、あそこには何か音楽堂がつくられるかもしれないということもちらっと聞いたことがあったんですね。熊本は県立劇場がありますけど、例えば500人ぐらいのキャパの非常に使い勝手のいい小屋がないんですよ。美術館で毎週フライデー・ジャム・コンサートというようなコンサートを毎週やっています。これはロックからクラシック、お琴までやっていますが、まず小さい、大体美術館の場合はぎりぎり入ったって100なんですよ、キャパが。でも70人ぐらい入れば大体いっぱいな感じになっちゃうんですけれども、そこで積み上げていくと、これから音楽をやってる人たちが、「ちょっと市長さん、小さくてもいいから音楽できる小屋をつくってよ」という要望をもう一度出してもらえる、そのきっかけづくりを実は美術館はしてるんですね。
そういうことで、毎週金曜日、夜6時からコンサートをやっております。それから、そこは貸し出しもしておりますので、金曜日以外の日は申し込みをしていただけると1時間、無料の場合は800円で、これは市のほかの施設と一緒ですけど、非常に安い金額で場所を使える。これはいろんな形で既に多くの方に利用していただいているんですが、これはホームページぐらいですので、もっともっといろんな形で宣伝はしたいと思いますが、非常に多くの方々に既に利用していただいているというところであります。
それから、世代別ということですが、アンケートをとっておりますので、まだ全部の統計は出ておりませんけれども、私の見た感じでは、22万人うち、恐らく15万人は中高年だと思います。残りの七、八万人が若い連中だと思います。残念ながら一番少ないのは中学生ですね。中学生は美術館どころじゃないんだと思います。部活は忙しいし、受験勉強もしなければいけないということで。ただ、本当は受験勉強しなければならない連中には美術館に来てもらいたいと思うくらいなんですが、現実的には中学生が一番少ないです。夏休みは無料にしていただいたので、たくさん来ていただきましたが、岡本太郎展は2万6,000人ぐらい入りました。そのうち2万人が有料です。つまり、6,000人が小中学生ということになるんですが。もうちょっと来てくれるかなと思いましたが、2万6,000人は僕は非常に入ったと思うんですが、なかなか小中学生には時間がない。
もっと言えば、実は、私が一番最初に来たときに、三角市長に、
現代美術館をつくるんだったら熊本市立芸術小学校をつくった方がいいですよという御提案を申し上げたことがあるんです。そこにはギャラリーもあれば音楽堂もある。今のあの建物で、あのまま小学校にしちゃうというような、これこそ教育特区でやればできたかもしれないようなアイデアなんですが、あそこを使って、例えば、先ほど城東小学校の校区の方もいらっしゃいましたが、城東小学校は1学期、1年3組はここを教室にしますというようなことだって本当はできなくはないんですね。だから、そんな形で子供たちの導入というのは図っていきたいと思いますけれども、多分統計的には中高年の方がだんトツに多いです。
それから、入り口ですけれども、私はできる限りデザインの変更をさせていただいたんですが、どうしても柱とかは、上のホテル、下のブティック共通ですので、いかんともしがたいところがあります。そのかわり、入り口は利休の茶室じゃありませんが、柱をくり抜いて一輪挿しのコーナーをつくったんですね。ですから、できるだけあそこはそういう入り口として、逆に何もない入り口としてやったつもりだったんですが、もう少し色気をつけてもいいかなと思うところもあります。それはまた何かアイデアを考えたいと思っております。
◆倉重徹 委員 ありがとうございました。本当に何かうれしくなるような南嶌さんの御説明で、すごく今後に期待が持てそうな気がいたしました。
それと、中学生が一番少ないということで今申されました。私の子供も中学生でございますが、中学校の方にぜひ私の方からも働きかけをしていきたいと存じますので、どうぞ今後とも御尽力に御期待を申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうごさいました。
○
佐々木俊和 委員長 先ほどの入場者数の内訳の統計については、文化交流部の方で取りまとめはできていますか。
◎金坂義徳
文化振興課長 入場者数は把握しておりますけれども、年代別については把握しておりません。
○
佐々木俊和 委員長 はい、わかりました。
ほかに参考人に対する質疑はありませんか。
◆高島和男 委員 私もきのう、おととい初めて行きまして、きょう副館長がお見えになるということだったものですけん、行っとらんわけにはいかんぞと思いまして行ってきまして、大変また、これはすばらしいですね。子供たちもうろうろしよりますし、漫画本ば読んだり、本当に自由勝手で気楽で気軽でいいなと思いました。美術館らしくなかけん、私は非常に気に入りまして、学芸員の方がそぎゃんすばらしか人とは思わずに、これはえらい話が上手だなと思って、うちも家内と一緒に行ったんですが、すばらしい御説明でありました。
私が1点聞きたいのは、今の倉重委員とちょっとダブるかもしれませんが、7万人とおっしゃった若人ですね、立地のそもそもの一つの中に、会社帰りに気軽にとか、OLの方が気楽にとかということだったんですが、そうすると平日の夕方、ここら辺のそういう人たちの入りぐあいはいかがでしょうか。
◎南嶌宏 熊本市
現代美術館副館長 時間的には、午後1時から午後4時ぐらいが一番入ります。特にもちろん土日がそれが一番顕著な傾向として出るんですけれども、この熊本市
現代美術館は夜8時まで開館しています。これは全国にほかにないというわけじゃありませんが、非常に少ないです。これはさっき言い忘れましたが、この美術館は約300人のボランティアの方々に支えられているんですね。実際に実労でお手伝いしてくれるのは70名ぐらいいるんですけれども、登録は300名、非常にこれも質の高いお手伝いをしてくださっています。
そのうちの一つ、ピアノボランティアというのがあって、毎日7時から市民がピアノを弾いてくれます。これは毎晩やってます。ですけど、7時ぐらいになりますと、さすがに少なくなるんですね。
ホームギャラリー、図書館は大体半分ぐらいの人がまだ残ってくれてますけれども、実は7時ぐらいからまたお楽しみがある美術館なんですよ。その時間になると、高校生のデートタイムに変わりまして、そういう高校生が非常に多いんです。それもいいかなと思って見ているわけです。それも多分いいことだと思うんですよ。
若い連中は、残念ながら学校教育の中で美術館へ行くという教育を受けていません、今まで。これは日本全部がそうです。
県立美術館へ行ったことがあるといったって、僕だってなかなかあの坂を登りたくないなと思って行かないぐらいになっちゃうんですね。だから、ある時期に強制的というのは変ですが、とりあえず美術館に連れて行って、美術館ってこんなとこかというのをどこかでインプットしていただけると、リピーターになっていくんですが、その最初の教育というものが日本の中になかった。これは音楽もそうですし、いろいろなところで足りないところがたくさんあると思うんですよ。
だから、そういう意味では、学校教育の中で、遠足が雨になったから美術館へというのではなくて、最初から確信犯として美術館へ行きますというような時間を総合教育の中で取り入れていただく、これは言葉だけじゃなくて、なかなか学校の現場の先生も本当に大変なんですね、時間がなくて。その御苦労もわかるんですが、ぜひこれはもっと立体的にカリキュラムの中に、年間予定の中に入れていただいて、最初のきっかけをつくっていただく、とにかく一度来ていただければというのが、私たちの思いなので、そんなようなところが現実的になってくると、若い連中がもうちょっと小さいときに体験をしてれば、それがもう少し数がふえて、美術館をもっと違ったものとして楽しめる人生を持つような大人になっていってくれるんじゃないかと思っているところです。
◆高島和男 委員 大体、私はあんまり文化的な素養は全くなかですが、うちの家内が、家内のことばっかり言ってすんません。テレビのコマーシャルを見て、ミレーば見に行こうと言うわけですよ。「落ち穂拾い」を見に行こうと。そういう意味じゃ、やはり広告というのは本当に大事だなと思うんですね。だから、逆にこがんところからストロー現象が始まっておりますんで、こっちへ引き寄せるような企画はもちろん副館長がお考えになるんで、広告はそんなことで考えんといかんなということを改めて感じました。
○藤岡照代 副委員長 非常にすばらしい美術館運営、志等を聞かせていただきまして、より具体的に非常にわかりまして、ありがたく思います。
それと、私も何回かいろんな企画に参加させていただきまして、また食事会等、本当に美術を鑑賞しながら、その後また食事をしながら皆様と対話をしていく、ここに非常にもっと深いものが得られるなということも、今までにない美術館としてのあり方ということで感動しておりますけれども、あの中に、私も選挙が終わりまして、この前、たくさん皆さん、議会質問しましたけれども、議会質問が終わったら、何とかあそこの研修、会議等をぜひ使わせていただきたいとずっと検討しているところですけれども、一度、先ほども、ともかく来ていただきたいと、来ていただければ、今までにない美術館というものが皆さんにわかっていただけると思うので、そういう研修とか会議とか、ああいうところをもっともっと利用する機会をつくっていただけたら、そうすると、そこから会議、研修に来て、今度来てみよう、全然違うんだなというところも広がるんじゃないかと思いますけれども、そこあたりの利用度とか、そういう部分をちょっとお聞きしたいと思いますけれども。
◎南嶌宏 熊本市
現代美術館副館長 研修室等の貸し出しについて、ちょっと統計は今持ち合わせておりませんので、データは申し上げられませんけれども、いろんな企業の研修も含めて多くの方々に使っていただいております。資料はまた別途提出させていただきたいと思いますけれども。いかんせん、敷地的に非常に狭い。だから、本当はもう少し面積があって、そういう研修室等レンタルできる場所もあってもよかったかなとは思うわけですけれども、ホームページ等を通じて、これも1時間800円と非常に安いものですから、それこそ田辺先生に怒られそうですが、あんまりもうけにはならないんですけれども、立地からすれば本当はもっと取っていいわけですけれども、これは市の横並びの規定もあるようですので、とりあえず多くの方に来ていただいて、そこで美術館を見ていただく、そのきっかけづくりとしての会場提供、そういうものはどんどんしていきたいと思います。
それからまた、駅前の再開発の中でも、できたら幾つか提案したいこともあるんですけれども、ああいうところにも市民ギャラリーのような場所も設けて、
現代美術館のサテライトというような形で。それから、既にもう収蔵庫はいっぱいになっております。こういう現実的な問題もありまして、作品をどこに保管するかというようなことも含めて、駅前の再開発とリンクしたような形で少し展開をしていただけるような御配慮を先生方にもいただけたらと思っているところです。
○藤岡照代 副委員長 大変ありがとうございました。
本当にすばらしい施設ですので、この委員会でももっともっと検討しながら、市民または全国、世界に広げていく美術館にと思いますので、またよろしくお願いいたします。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑ありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
佐々木俊和 委員長 それでは、以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
本日はお忙しい中を本委員会のため御出席いただき、貴重な御意見を述べていただき、心から感謝をいたします。本委員会としては、御意見を今後の委員会審査に十分生かしてまいります。
本日はまことにありがとうございました。(拍手)
それでは、ここで議事の都合により休憩いたします。
午前11時50分 休憩
───────────
午後 1時00分 再開
○
佐々木俊和 委員長 それでは、休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
それでは、議第302号、報第25号ないし報第28号並びに陳情について一括して質疑をお願いいたします。
◆田辺正信 委員 先ほど、学校給食、それと、関連して3つほど報告がありましたけれども、それぞれプロパーの方は大体どのくらいいらっしゃるんでしょうか。学校給食はたしか3名だったですね。
現代美術館の場合はちょっと別ですけど。あと残り、報告あった分は。
◎境博明 施設課長 施設課でございますけれども、建設公社にはおりません、職員が兼務ということでございます。
◎前渕啓子
国際交流課長 国際交流振興事業団の方にはプロパー、財団で正規の職員として採用しています職員は11名でございます。
◎金坂義徳
文化振興課長 現代美術館は7名でございます。
◆田辺正信 委員 それぞれプロパーの方の指導等については十分やられてるとは思うんですが、国際交流会館、特に部外者との関係が多いところですけれども、以前にもひょっとしたらこういったところへ出たと思うんですけれども、対外的な人との折衝の関係で指摘がされないような指導というのはどのぐらいされているんですか。
◎前渕啓子
国際交流課長 現場の職員の指導につきましては、直接国際交流会館の館長の方が責任を持ってしていただいているところでございますが、私の方で把握しております内容としましては、毎日朝から館全体で
ミーティングを館長以下なさっておられます。その中で、常にそういった窓口対応の改善といいますか、先般も市民の方の声で、これは市の財団の方の嘱託で採用しています中国人の方の対応が少し不適切だったというようなことで、ちょっとおしかりがあったような場面もございましたんですが、そういった多少文化の違い等も踏まえた上で、常に相手に言葉がどのように受け取られるのかということを念頭に置いて対応してくださいということで、再三そういった御指導をしていただいているところです。
◆田辺正信 委員 今回の行革の問題でもそうです。それぞれ見直しされるのは結構なんですが、ここで具体的には申し上げませんけれども、接遇の問題、接待マナーの問題、それが行政にも響いてくるんだと思います。幾らほかの部署に任せたといったとしても、責任は行政にあるわけですね。今のお話をお聞きしても、館長がそういう部分について指導する。あわせて
ミーティングを毎朝やるということでありますけれども、職員の関係についても十分とは言えませんけれども、こういった研修は職員と同等の指導をやるべきだというふうに思うわけです。市民の方々は、プロパーの方というふうに意識されてるかどうかわからないと思う。市の施設ですから、市の公的な部分としての対応ということで受けとめられるのではないかなと思うんですけれども、その辺の厳しさが少しないんではないかなと思いますが、その点はいかがですか。
◎前渕啓子
国際交流課長 厳しさという面では、非常に会館の方も危機意識を持っていただいておりまして、さっき委員がおっしゃいましたように、単に経営的な、経費的な問題だけで行革をしていくわけではございませんけれども、いかにコスト意識を持って、そして市民の公共のサービスの窓口としての職員の責務ということにつきまして、これは行革の取り組み以前のお話として当然のことではありますけれども、先ほど申し上げましたそういった問題提起の場を
ミーティングの場で常日ごろ設けていただいて、指導をしていただいておりますし、また、あそこは交代勤務で全員集合する場面が非常に少ない部分もありますので、そういったことにつきましての申し送り事項あたりも徹底してやっていただいておりますので、そういう危機意識、あるいは公のサービスの窓口としての責任についてはかなり職員の中に浸透はしてきているというふうに私は認識しております。
ただ、先般指摘がありました件につきましては、確かにいろいろ笑顔での対応が少なかったということで、若干外国の方との文化の認識の度合いというのもなかなか微妙なものがございますもんですから、自分がいかにそういう丁寧に答えたつもりでも、相手にそれが届かなければ言葉というのは意味を持たないということを再度指導していただいております。
◆田辺正信 委員 これは国際交流会館だけの問題ではないと思います。プロパー全体の問題であろうかと思います。これからまたそれぞれの外郭団体も行革の対象にもなってる分がありますけれども、先ほど申し上げましたように、職員の場合は研修というものがございます。プロパーは今お話にあったとおりだと思います。そういう意味では、もともとそういった系統立てた指導、訓練というのはなされてないんではないかなという気がしてなりません。ですから、これは、ここで研修の問題をどうするかというようなコメントはなかなか難しいと思いますし、委員会として、今後この問題についてぜひ検討方、また実施できるような方向でお願いをできたらというふうに思いますが、これはコメントは要りません。一応検討していただきたいということで済ませたいと思います。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑ありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
佐々木俊和 委員長 議案、報告事項、陳情について、質疑ありませんか。
○藤岡照代 副委員長 先ほど、上通地区の自転車の陳情がありましたけれども、あの状況は、九電跡地に駐輪場があって移転をされましたけど、移転をした後が余計ひどくなったのか。それ以前と変わらない状況なのか。この実態を教えていただきたいんですけれども。
◎中山正樹 生活安全課長 私が参りましてから把握してる状況では、九電跡地が約600台の収容能力があったのに、あそこがなくなった関係で、それが放置自転車として現在、中心部に約2,500台放置されておる状況である旨把握しております。九電跡地の駐輪場があった前と後でどのくらいの差があるのかにつきましては把握しておりません。
○藤岡照代 副委員長 把握されてないということで、私は、あそこの駐輪場が移転すると聞いたときに、どういうふうな状況につながっていくかなと少し心配をしておりましたので、先ほど陳情に来られまして、移転した後にあれだけひどくなったのか、それ以前からずっとあの状況が続いているという状況であれば、何らかの方策というのが立てられているのかということを再度お聞きいたします。
◎中山正樹 生活安全課長 この上通を含めまして中心部の放置自転車の状況につきましては、第2回の定例会のときにも御説明をしておりますが、市内全体の放置自転車の半数強に当たる約2,500台が放置されておるという状況であります。中心部の駐輪場の絶対数が不足しておるということでもあるわけですが、そこで第2回の定例会でも認めてもらいましたが、草葉町に約400台の収容能力を見込んでいる駐輪場を設置する予定で、10月からの契約を予定しております。
○藤岡照代 副委員長 移転先の駐輪場は利用頻度はどんな状況ですか。今、九電跡地で移転ができています場所の利用は、ちょっと離れたという状況の中で、場所的に。
◎中山正樹 生活安全課長 九電跡地が、駐輪場がなくなった後できましたところにつきましては、利用状況は良好であります。大体100%近いぐらいの利用状況であります。
○藤岡照代 副委員長 わかりました。じゃ、草葉町にまた400台できるということと、上通、下通、ここに写真が撮ってありましたところを私たちもよく歩いたときに、非常に歩く等に困難な部分がありますので、校区の方たちも一緒になって取り組むということをさっきおっしゃっておりましたので、これもテレビでもありましたし、あの状況を見ていただきながら、観光立市熊本というのも出てきておりますし、しっかりそういう場面でも、他県から熊本市に来られたときに、どういう状況に写るかという、まちの状況、景観もありますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑ありませんか。
◆田辺正信 委員 本荘校のコミュニティセンター関係なんですが、今回体育館とプールが建つということで出てます。ただ、話として、これ、
コミュニティセンター設置の関係については、話が進んでたようにお聞きしておったんですが、再度陳情があったということで、本荘校区のコミュニティセンターの取り扱いはどうなっているんでしょう。
◎杉原青史郎 地域づくり推進課長 本荘校区へのコミュニティセンターの件でございますけれども、最初に、平成14年3月に学校施設の改修時にコミュニティセンター建設の要望ということで1項目入っておりましたけれども、さらに平成15年7月28日には市長あての陳情書が各種団体長から提案されております。
私どもとしては、本荘校区に自治活動のための公民館がございません。同校区住民から陳情がありましたわけですけれども、住宅密集地のために用地確保が困難な状況でありましたので、様子をうかがっていたところでございますけれども、学校の改修の問題等のお話がありましたものですから、この点につきましては、本荘校区は夏祭りや、あるいは白川を愛する会の地域づくり活動等を非常に活発になされておりますので、コミュニティセンターの必要性を十分私どもは認識しております。しかし、学校に云々という話になりますならば、本荘小学校は確かに面積が狭隘でございますので、これはどのようにして用地が確保できるのか、教育委員会の御意見、あるいは十分協議して進めなければならないというふうに考えておりました。
○
佐々木俊和 委員長 ちょっと前後いたしますが、私の方からちょっと質問を。先ほど陳情の駐輪場の関係で、この中での陳情内容は不法駐輪の取り締まり方、市単独でどういう状況でやっているかということと、警察との連携がどうなのかというのが1点。
それから、先ほど話がありましたように、九電跡が600台ですか、今度10月からつくる草葉が400台、もう1カ所既に稼働しておるところは何台だったですかね。それで容量的な問題がどうなのかというのが1点。
それと、以前からお願いといいますか、検討を要請しておりました駐輪場の附置義務条例の関係です。ここら辺の検討状況もあわせて報告を願いたいと思います。
◎中山正樹 生活安全課長 陳情の関係につきましては、こちらの方で陳情内容を把握した内容では3点要点があったかと思います。
1点は、上通地区の桜井町通りは道幅が狭いにもかかわらず自転車や単車の放置が目立ち、その上自動車の流れが頻繁になって交通事故がいつ発生するか懸念される事態となったと。したがって、その辺の放置自転車の取り締まり、及びその整理方をお願いするとともに、受け皿である駐輪場の公的設置方を陳情するという内容だったと思います。これにつきましては、市の中心部、上通、下通、アーケード周辺では駐輪場の絶対数が不足しておるわけですが、市内全体の放置自転車数の約半数強に当たる約2,500台が放置されて、いろいろな通行障害等社会問題を起こしているということであります。
今回の陳情箇所につきましては、御指摘のとおり、道幅が狭いにもかかわらず自動車等の交通量も絶えずに、これは9月8日調査の時点ですけれども、放置自転車が約70台等、多い地域で中心部における放置自転車対策の重点地域でもあります。こういうことから、放置自転車対策として熊本市自転車の安全利用及び駐車対策等に関する条例及び同施行規則に基づいて、ふだの張りつけ等を行い、取り締まりを行っております。
また、駐輪場整備計画につきましては、本年度、先ほどもちょっと申し上げましたが、草葉町に約400台規模の駐輪場を設置する予定で、桜井町通り周辺の放置自転車を誘導することでその対策に努めたいというふうに考えております。
それから、陳情の要点の2つ目が、坪井川沿い、厩橋からNHK付近の歩道に駐輪場を設置してもらいたいということだったと思いますが、これにつきましては、道路構造令の規定で歩道付近の規定がありますが、その幅員の関係で現状の歩道の幅ではクリアできない状況にあるということであります。
それから、陳情の3点目が、坪井川上に、これも厩橋からNHK付近までですが、張り出して駐輪施設を設置してもらいたいという内容と思いますが、これにつきましては、河川法の規定をクリアするための構造の問題とか、あるいは工法が特殊なために財政面にかかる費用の捻出等、さまざまな問題を抱えておりますので、今後検討していきたいということであります。
それから、今、委員長の質問の中で、附置義務の関係がございましたが、これにつきましては現在附置義務の規定が条例等にないわけですが、駐輪場の有料化とあわせまして、今後スーパー等、一定規模の建物につきましては附置義務を検討していかなければならないというふうに考えております。
城東町の駐輪場は約300台です。
○
佐々木俊和 委員長 ありがとうございました。
ここの問題については詰めていこうとは思っておりませんけれども、これから熊本市が自転車交通を重点的にハード面、ソフト面を含めて推進していこうという中で、特に中心市街地の違法駐輪の対策というのは重要だろうと思っています。しかしながら、公的な施設の整備だけでできるというものではないと思っています。
今、報告ありましたように、上通方面だけで700台の収容だけれども、2,500台の放置自転車がある。そういった意味では、私が申しましたように、民間でも附置義務条例をつくってやるべきじゃないかという話をずっとしてまいりました。今また検討していくということでありますが、これも3年ぐらいの検討課題だろうと思っています。そろそろ有料化も含めながら出していく必要があると思っていますので、それも強く要請をしておきます。
ほかに質疑ありませんか。
◆廣瀬賜代 委員 学級定数を減らしゆきとどいた教育を求める陳情に関してなんですが、県の方の35人学級が来年どうなるか、全く今のところ見通しがないというような話があるんですけれども、それにつきまして、市の方では多分働きかけをされていると思いますけれども、具体的にどんな話し合いがどの程度まで進んでるのかといったことを教えていただけたらと思います。
それから、もし県の方がこの35人、来年度2年生まで繰り上げてやることはしないというような結論になった場合、熊本市はどうされるのか。1年、2年の間は学級がえがないようにしてほしいというのは、現場からの、指導される先生たちからのお声でもあるわけなんですけれども、これが今のまま1年生だけ35人ということになりますと、自動的に2年生に上がるときに学級をまた、ばらすという格好になりますね。そのあたりをぜひ防いでいただきたいところなんですが、市の方はどのように今のところ算段をされているかお聞かせください。
◎堀洋一 学務課長 来年度の2年生の35人学級につきましては、事務ベースでお尋ねをした段階では、今のところは白紙であるというお話をいただいております。それで、議会終了後もう一度また県教委にもお伺いをいたしまして、お話、協議をしてまいりたいと考えております。
◆廣瀬賜代 委員 といいますと、今のところ、例えば県が35人学級、2年生までやるということに踏み切らなかった場合、市独自でこれをやるということはまだ検討には上がってきてない段階ということですか。
◎永山博 教育長 今のところは、先ほど申し上げましたように、県の方にお願いをしている状況でございまして、その辺がどうなるかを今見ている状況でございます。はっきりした段階でどうするかと。ですから、なかなか県の方も、こちらの方は6月ごろからお願いをしていますけれども、まだ今の段階でははっきりしていないと思っております。私どもも県の動きを十分見ながら考えていきたいと思っています。
◆廣瀬賜代 委員 そうしますと、一応1年、2年までは一貫して35人でやれるよう今働きかけをいただいているということですね。
◎永山博 教育長 はい、県の方にはそのようにお願いをしていっている状況でございます。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑がなければ、引き続き所管事務についての質疑をお願いいたします。
◆田辺正信 委員 まず、行革の関係、市政改革の関係で、1つは学校給食のあり方、この項目に上がってくる。先般も、この関係についてお伺いしたかと思うんですけれども、基本的に私は子供たちの食生活の問題等を考えた場合に、委託というのにはなじまないんではないかという考え方を持っています。そういう中で、出された部分として、民間委託のメリット的な部分は経費的な部分が出されています。率直に申し上げまして、私どもとして、子供たちの食生活、バランスを主に置くのか、経費的なものを主に置くのか、その辺についての基本的な考え方について、まずお聞かせいただけたらと思うんですけど。
◎中山通晴
市民生活局長 本会議の方でも一応質問いただきましてお答えしましたように、子供のたちの安全・安心というものを基本にして考えていくとお答えいたしました。そのとおり、それを中心にしながら考えてまいりたいと考えております。
◆田辺正信 委員 民間委託の関係は、他都市に見習わなくても十分皆さん方、おわかりになっていると思います。私もこの間申し上げましたように、臼杵に共同調理場の関係を見てまいりました。確かに衛生管理は行き届いています。しかし、結果的には、当初共同調理場をつくるときの約束というのは果たされないまま進んでいるという状況もありました。これはメニューの問題もありましたし、そこに働く方の問題もありました。ある意味では工場みたいな感じです。そうしますと、雇用の問題も即出てくる問題と思います。
今、市の方から出されてる分からしますと、先ほど申し上げましたように、コスト面だけから見ておられるような気がしてならなかったもんですから、安心・安全の問題もあろうかと思いますけれども、教育委員会として、まず何を基本に置かなければならないのかということでお聞きしたわけです。ここでもう具体的に論議を云々というのは避けます。これから論議をされていく問題でありますけれども、教育委員会としては、まずこの点を前提に取り組みを進めていただきたいというふうに思います。特にこれは雇用も大きな問題として出てまいります。
続いて、これもあわせて大きな問題で、市立幼稚園のあり方についても先般この場でもお話ししました。これについてはサービスのあり方について検討を行うというような項目になっています。子供を中心に考えていくということからしますと、私の地元も川尻幼稚園がございますけれども、市立保育園は市立保育園として大きな役割を果たしてまいりましたし、幼稚園としての指導的な部分も果たしてきたのではないかなという気がいたしております。
あわせて金の問題なんですね、これに書いてありますように。その点については、基本的な部分は再度まずお考えいただきたいなという気がいたしております。これもこれからの論議ということですから、私も十分それに見合うような根拠をお示ししながら、論議をしていくということになろうと思いますから、ただ単に金だけの問題で云々とされるのは、よその委員会でも産院の問題が論議されておりますけれども、我々としては行政として問題ある考え方ではないかなという気がいたしております。ぜひ、その点については、1点考え方をお伺いしたいと思います。
◎永山博 教育長 公立幼稚園につきましては、私どもとしては、当面は公立幼稚園が果たすべき役割といいますか、幼児教育をどうやって全体として引っ張っていくのか、もう少し公立の役割を見直すことは必要であろうと考えております。
◆田辺正信 委員 それと、大きな部分として、社会教育施設のあり方も出ています。南部の方ではアクアドームがあるわけですけれども、これについても今検討されている事柄だと思いますけれども、社会体育の問題からしても、また子供たちの野外活動にしましても、これは人的な問題が非常に伴うわけですね。それで、施設の問題であれば、施設を建てれば、ボイラーの関係とか、どこに委託をするかというのは理解できるんですけれども、ほとんどこれは人的な問題です。その辺について、どのように考えられているのか、それが基本だと思いますので、お伺いしたいと思います。
◎永山博 教育長 社会教育施設といいますか、金峰山の少年自然の家とか、いろんな社会教育施設を持っていますけれども、この辺につきましては、人的見直しというような話もありますけれども、今のところ、私どもはより多くの方々に利用していただくという視点での見直しは必要かと思っています。
◆田辺正信 委員 今から具体的に論議をされていく分だと、私はここは逆に、今から子供の問題、人づくりの問題からして充実していくべきだ。これは改革というよりも、そういう意味での改革を私は望みたい。そういうことで御検討いただくということですから、これも具体的に出てこないと、私ども、どうのこうのというのはなかなかコメントしづらいところでありますけれども、ぜひ御努力をいただきたいなと思います。
市政改革の分は以上であります。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑ありませんか。
◆廣瀬賜代 委員 自閉症児の療育の問題なんですけれども、18日、20日ぐらいですか、長崎の事件の加害者が自閉症児であったことがわっと新聞に出まして、今、自閉症児を持つ親の会の方たちは大変心配をされています。といいますのは、その新聞記事に付随しまして、自閉症を含む発達障害というのは、決して犯罪に結びつくような、もともとそういうたちのものではないんだという学者さんのコメントは必ず添えられているんですけれども、それでも自閉症の子供たちに対するいろんな偏見、差別、そうしたものがここで一気に噴き出すんではないかと、とても心配をされているんですね。
その心配のもとにありますのは、今、自閉症あるいは自閉症児、一般的に言われますLDとかADHDも含めて、そうした発達障害を持つ子供たちに対する、例えば教育現場などでも非常にまだ理解が浅い、理解がされていない、どういう特質を持った子供たちなのかということが十分に理解されないまま来ているということですね。これで、さらに誤解が深まって、さらに子供たちが追い詰められた状況に来るんではないかという、これは私もよくわかる気がする心配です。
それで、今、こういう問題行動を起こす子供さんがいる教室に、例えばサポートの教員を送るという事業もされているようですけれども、そうした方たちに、どの程度、この問題、この障害についての研修なり基礎知識を持たせるようなことがなされているのか。
それから、学校現場の中で、先日の一般質問の中で数字を出しましたけれども、100人の中に6.3人という、これは学級担任の先生たちが自分のクラスの中からピックアップした、行動とか学習なんかにとても障害を持っている子供ということで出てきた数字なんですね。ですから、現場から上がった数ということで、それがイコール自閉症の数とかADHDの数と完全イコールに結びつくわけではないんですけれども、確かにそういう状況がある。そうした中で、今、先生たちにどの程度発達障害についてのレクチャーというのがなされているのか、徹底されているのか、これを伺わせていただきたいと思います。
それと、これは小学校、中学校の問題だけではなくて、幼稚園、保育園でも大体2歳半ぐらいから障害がはっきりしてくると言われてますんで、もうそのくらいの子供たちから扱う部署にとっては、これは欠かせない基礎知識というふうに今後なってくると思うんですが、そのあたりでの研修体制、あるいは周知徹底度というのはどのようになっておりますか、お願いします。
◎堀川治城 教育次長 いわゆる発達障害、いろいろございまして、先生、今話のとおりでございます。数字を100人に6.3人というふうにお挙げになりましたが、熊本市の小中学校では、平成10年か11年度ぐらいから何らかの課題を持つ子供たちということで調査をして状況をつかんでおります。通常学級にいる場合は軽度の発達障害の場合には多いわけでございますけれども、それにつきましては毎年夏休みに、ちょっと名前が違うかもしれませんけれども、通常学級に在籍するその担任の先生方を対象として、その理解を深める研修をやっております。それから、昨年から特に教育センターの方で講座をつくりまして、昨年3回ですけれども、本年7回ということで、担任等の研修というのは、理解がまず第一番でございますから、そういうことで進めております。
また、これは近年何らかの課題があるということがだんだん、だんだん明るみに出てきたわけでございますので、管理職につきましても校長会を通じてそういう子供たちへの配慮、それから学校職員の指導ということをお願いして、毎年継続しているところでございます。
◆廣瀬賜代 委員 ありがとうございます。そうしますと、小学校、中学校に対しては、かなり頑張っていただいているということだと思いますが、幼稚園の状況はいかがでしょうか。
それと、親の会の方たちのお話なんかを聞きますと、それだけ研修はなさっているにもかかわらず、まだ理解が足りてないという声があるんですね。そのあたりについて、どのようにお考えになりますか。
◎堀川治城 教育次長 確かに担任がつかんでいる分につきましては、そういう配慮が十分だと思うわけでございますけれども、確かに私の方にもそういう声が聞こえてまいりますので、そのときには直接教育委員会の方に連絡をお願いしますということで、学校、それから担任の先生等への理解を深めていきたいとお答えをしているところでございます。
それから、幼稚園につきましては教育センターの方で答えます。
◎杉本三昭 教育センター所長 幼稚園における実践事例の研修として、LDやADHD、自閉症については8月7日に教育センターで研修を行っております。
◆廣瀬賜代 委員 その幼稚園に対する研修というのは、ことしから始まったということですか。
◎中島衛 教育センター副所長 幼稚園に関する研修は、毎年幼稚園の先生方から要望がございまして、教育センターに限りましては毎年行っております。ただ、発達障害関係の研修をずっと続けてきたわけではございません。その研修の中に発達障害関係のやつも含めながら研修を進めてまいっているところです。幼稚園の先生あたりからは、さらに研修の充実を教育センターでもっと図ってほしいという要望がございますので、来年度の中にまた検討してまいりたいと考えております。
◆廣瀬賜代 委員 そうしますと、その研修というのは年に1回のチャンスという形で、時間的には1日だけというようなものなんでしょうか。
◎中島衛 教育センター副所長 教育センターで行っております研修は、現在は夏期休業中に1日間使って1回だけです。課業期間中といいますか、お子さんがいるときの期間はセンター等に全員が集まってする機会はなかなかつくれませんので、それは各園でそれぞれ集まりながら園内の研修を行っております。先ほど言いましたように、幼稚園の先生方から研修の機会をつくってほしいというのは、夏期休業中、長期休業中に朝から夕方までなんですけど、1回だけじゃなくて、もっと機会をつくってほしいという要望が出ております。もっともだと思っておりますので、先ほど申し上げましたように、来年度検討してまいりたいと思っております。
◆廣瀬賜代 委員 それはもう来年度と言わずに、今年度中にでも期待にこたえてあげていただけたらと思うんですが。
ちょっとすいません、前後しましたが、今お答えいただいたのは市立幼稚園ですね。私立幼稚園の方は何らかの、一緒に研修を受けられるとかという形になってるんでしょうか。
◎永山博 教育長 私立につきまして一緒に研修を受けられるシステムになっているかということでございますけれども、いろんな研修につきましては働きかけをしています。ですから、今後、特に幼児教育という視点から考えて、公私立問わず、もう少し連携を図っていく必要はあると考えています。
それと、先ほどの研修の件でございますけれども、磯道議員の方にちょっとお答えしました中に、平成14年に「LD等学習障害児の理解推進のため」という冊子をつくって、各学校に配っております。そういうものをひとつ参考にしながら、各学校の中あるいは園の中で、基本的には校内研修というのが一番、学校を離れずにして研修できますので、夏休みとか長期休業期間中には別個でやりますけれども、通常の課業期間中に校内研修でいろいろとやっていただいておるところもあろうかと思います。
◆廣瀬賜代 委員 ありがとうございます。この問題については、本当に今保護者の方たちは大変ナーバスになってらっしゃると思います。確かに、あらぬ誤解で、例えばいじめが起きる、あるいは先生たちの子供に対する目が思わず変わってしまうとか、そういうことによって、とても傷つきやすい子供たちがどんな被害を受けるか、これは本当に幾ら心配しても心配し足りないということはないという問題だと私は感じております。
こういう機会にというのもあれですけれども、各学校の中で、よくそのあたりを話し合っていただくなり、何らかのことで保護者の方たちの不安にこたえていただきたいと思いますし、それと同時に、これがある意味、逆転的に、この発達障害に対する理解を広めるための一つのチャンスにも使えるかなと。そうでもしないと、救われないかなという感じもしますので、ぜひここのところはいろいろ学校内も忙しいのはよくわかっておりますけれども、これを機会に再度研修を深めるような形でぜひ対応していただきたいとお願いいたします。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑ありませんか。
○藤岡照代 副委員長 関連でお尋ねいたします。
私もこの新聞を見まして非常に心配をしまして、6月のこの委員会でちょっと質問をさせていただこうかと思いましたけど、確実な資料がまだ整っていないということでおりましたところに、こういう事件が新聞に載りました。国の制度の中で、特別支援教育推進体制モデル事業というのがことしから5カ年計画で始まっているんですけれども、その中において、──この長崎の子供さんは広汎性発達障害の中の一つの障害というふうにありますが、LDだけじゃなくて広汎ないろいろな障害を持っている子がいるんですけれども──注意欠陥多動性障害、高機能自閉症、全部一緒に入れた形の障害児の基本計画となっているんです。
これが県の方におりてきているということで、前回も部長にお尋ねしましたけど、市の方におりてきてないので、わからないというお答えだったんです、本当に県におりてきて現場の市におりてきてないというのはどういうことだろうかと非常に私も心配をしまして、いろんな資料を取り寄せてみましたら、青森県なんか、もう100%でこれが施行されてる。これを見ると、熊本県が最低で、一番下のランクになっていて、取り組んでいるのが西合志の小学校と中学校だけであって、熊本市の現場にすらおりてきていない。青森なんか100%だし、全国的に見たときには差はあるんですけれども、その中で熊本県が一番最低というのは本当にちょっと問題じゃないか。県のこういうことに対するあり方についても非常に私は怒りを持ったです。こういうひとつ一つのことを丁寧に国が方向性を打ち出した事業に対しては、もっともっと現場を知っていただいて対応をしていかなければ、本当にそういう子供さんを持っている父兄の方たちが手探りの中で一生懸命そういう子供さんたちの教育、方向性を悩んでおられるので、しっかりこういう点をとらえてほしい。ちょっとお答えをお聞きしたいんですけれども、そういうことに対して。
◎堀川治城 教育次長 今の先生のお尋ねの件でございますけれども、このモデル事業は、今お話しなされましたように、私どもも全く知りませんでした。県の方に尋ねましたところ、西合志町の3校がやるようになったので、それで県の方からそこで文書等を県下に流してないというような状況であろうと思います。もちろん熊本市には来ておりません。
熊本市に来なかったわけというのは、国の指定事業でございますので、これは本年慶徳小学校で同じ趣旨の指定事業をやっております関係もあろうかと思います。確かに、御指摘のように、特に東北地方あたりは100%近い数字が上がっていたように思いますが、それは結局、県教委が全部の学校を指定したというような形をとっているということでございます。県の方は何をどんなふうに心配されたのかわかりませんけれども、いろいろ中に人が絡むような話も研究項目もございますので、その辺のところを心配されたのではないかという節もございます。
また、実際、現在、慶徳小学校において同じ趣旨の授業を平成13年度から取り組んでいて、3年目でございますけれども、慶徳小学校については、そのための例えばコーディネーターを置くとか、そういう特別な人を置いてやっているわけではございませんで、教員の配置となりますと、なかなか難しい、人を新たに加えるということは難しいということもございましょうが、そういうふうに校内の体制の中にいかに進めていくかということがこの事業の趣旨ではないかと思いますので、答えになりませんけれども、県の方から連絡がございませんでしたので、私どもの方からも県にも伝えておりますし、また機会あるときに重ねて伝えていきたいというふうに思っておるところでございます。
○藤岡照代 副委員長 わかりました。じゃ、しっかり県の方にも要望していただきたいと思います。
それと、今、廣瀬委員がるるお述べになりましたのでいいんですけれども、こういういろいろな状況が新聞に載っておりましたときに、いろんな偏見がもたらす社会状況というのが一番危惧されるんですけれども、きょう朝からもお見えになりまして、「おまえんとこは障害児だったな」って、「そがんことばするとたいね」というふうに言われたと、そういう状況が、本当に子供さんを持っておられる家族の方の苦しみというのはただごとではないということを思ったときに、直接そういう子供さんと接する幼児教育から、また中学校、いろんな連携が本当欲しいと思いまして、先ほど議会質問もさせていただきましたけれども、まずは教育関係者がそういう適切な知識を持って対応するということが非常に大きいと思いますので、今、廣瀬委員が言われましたことに追随して、ぜひお願いをしたいと思います。
また、これは5カ年と10年計画でありますので、ことしからですので、しっかり、推進事業に取り組んでいただきたいと思いますので、これは要望させていただきますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
続けていいですか。
○
佐々木俊和 委員長 続けてどうぞ。
○藤岡照代 副委員長 ないでしょう。コメント、何かありますか。
◎堀川治城 教育次長 今お話のように進めてまいりたいと思っています。
なお、慶徳小学校では既に研究発表会を終えておりまして、ことしもまたその研究させていただく、そういうものをもとに熊本市内の学校にはそういう方向で啓発をしてまいりたいと考えております。
○藤岡照代 副委員長 すいません、それと、特別支援教育コーディネーターについてはどのような状況か、ちょっと教えていただけますか。
◎堀川治城 教育次長 正確なお答えにならないかもしれませんが、研究委嘱を受けた学校につきましては国の方から加配が1人参りますので、それはコーディネーターの役目をできるというような状況は生まれてくると思います。慶徳小学校におきましても指定を受けておりますので加配が1人つくというような状況で、その先生がコーディネーターの役目をしながら、ほかの校務分掌等も持って仕事をしているという状況でございます。このコーディネーターと申されましても、各学級の子供たちを一番知っているのは担任教師でございますので、担任と細かな連絡をとりながら必要な関係機関等を紹介していくということで、慶徳では今おりますけれども、この指定が外れましたら、そこに人がおるかどうかは不明でございます。
○藤岡照代 副委員長 よくわかりました。でも、慶徳だけでなされているというのもまだまだ不十分じゃないかなと、中身はですね。もっともっと精査していきながら、こういう連携調整を図っていく方が非常にやはり大事だと思いますので、外れたからいなくなるというのは非常に心配ですので、もう少し中身を検討して持続していただきたいと思います。
よろしくお願いしておきまして、次の質問に移らせていただきます、スクールカウンセラーの活動事業についてなんですけど、これも本会議で質問もありましたけれども、これが推進事業の中で入っておりまして、どのくらい熊本市で進められているか、そして、配置されないところは心の教室相談員が配置をするというふうに、これは喫緊の課題であると国の方向性も示されておりますので、これについてもう少し具体的な答弁をお願いいたします。
◎河上強 教職員課長 スクールカウンセラー配置については、文部科学省の方では、平成17年度までに3学級以上の中学校に対して配置する方針で臨んでいるようです。本市におきましては、スクールカウンセラーの配置は本年度6校に対して11名の方が配置されております。したがいまして、中学校37校ありますが、スクールカウンセラーの未配置校に対して30校、心の教室相談員を30名配置しております。17年度までに国はすべての学校に配置という方針で、我々も期待しているところですが、なかなかスクールカウンセラーという資格認定が厳しいんだと思います。大体県内で64人有資格者がいらっしゃるそうです。それを補完するような仕組みで心の教室相談員をすべての学校に配置いただいているというのが現状です。どちらにおいても成果は非常に上がっているということで、現場の方からは報告をいただいております。
○藤岡照代 副委員長 心の教室相談員の配置状況、1週間の時間的なものをちょっと教えていただけますか。
◎河上強 教職員課長 心の教室相談員は、本年度おおむね週2回程度です。年間の総時数が295時間、大体週35週で割りますと、週に8時間ちょっとですか、その程度の配置になっております。
○藤岡照代 副委員長 この週2日8時間、年間295時間というのはどういうところから時間数が出てきているところですか。
◎河上強 教職員課長 心の教室相談員配置事業は国の委託事業でありまして、国の方からそれぞれの年度において何時間お願いしますということが来ますので、その指示を県の方からいただいて配置している状況です。
○藤岡照代 副委員長 現場の声としましては、子供さんが不登校とかいろんな悩みがあったときには、1週間の何日と何日の何時から何時というふうでは合わせられないわけですよね。だから、本当に子供さんのそういう悩みとか心の教室を相談するならば、もっと枠を広げなければ、もっとここではきちんとされてる制度的なものがどれだけ効果があるかと、効果は上がってはいるけれども、もっと広げていただきたい。そしてまた、学校の心の教室の相談員の先生たちも、自分たちももっと来たい、子供が学校に相談に来る。何日に来るからね、と先生が言うと、もっと現場の子供さんは違う日にとか、来たときに自分がいないと、どないしとるかなと非常に心配をしていると。
だから、何とかもうちょっと、自分たちはお金は要らないけれども、子供のことを思うと、もっと学校におりたい。いると、そこに子供が来たときに対応ができる。時間が決まっているのに学校に行くと、おり場がない、いてはいけない、行ってもいけないという制約を非常に感じて、もっともっと、自分たちはボランティアでもいいから、そういう仕事をやっていきたいという声があるんですけれども、ここをもっと時間的なものを拡大という方向はいかがでしょうか。
◎河上強 教職員課長 私も現場の方におりましたときに、今の藤岡先生と同じような声を何度も聞いております。したがいまして、せんだっても、教育長から市長にも、ぜひ県、国へ要望していただきたいとお願いをしておりますし、私どもも現場の声を県の方には、機会あるたびに伝えているつもりです。
○藤岡照代 副委員長 市独自で何かできないかという検討もしながら、せっかくある制度ですので、もっともっと子供たちのために、現場の声を重視しながら前向きに一緒に検討していきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑ありませんか。
◆嶋田幾雄 委員 ちょっとお尋ねですが、ワンストップサービスを今計画されておるらしいけれども、これはどういう目的でやっておられますか。
◎中山通晴
市民生活局長 ワンストップサービスとか総合窓口とかという言葉がございますけど、なかなかみんなできちっとした定義ができていない部分はまだあるんですが、本庁が、ワンストップサービスということでいろんな業務が1カ所でできるということが一つあります。住民サービスの観点から見ましたら、一つは業務が1カ所でできるというような意味でのワンストップサービスがあるかと思いますけど、もう一つ私どもが考えていますのは、例えば出生とか、亡くなりました時点とか、転入とかという、一つの住み方の変わり状況のときに、例えば出生届けをされた場合には、あわせて乳幼児の医療の無料の受診券とか、児童手当の手続とか、関連した業務が1カ所でできるというようなことをひとつ総合窓口という考え方です。お客さんがおいでになったときに何カ所もお回りにならないでいいということがございます。
ワンストップと申し上げたときはもっと広くて、そこに税務の相談もできるところがあるとか、福祉の相談、手続もできるとか、広い業務がありますので、それについては、現状では本庁が総合的なワンストップサービスの場所が一つあるということで、今後、行政サービスの中で、市民センターとか総合支所がございますけれども、全庁的な話として総合事務所の話も出てきておりますけど、総合事務所になりますと、そこである程度の福祉とか、いろんな市民生活局業務以外でもワンストップでできる場所でもありますし、そこにもう一つ、総合窓口といったことで、1カ所の窓口で、関連する手続が1カ所で終わるというようなサービスは今後考えていくことということで検討しております。
◆嶋田幾雄 委員 いわば便利になるので大変いいことだと思うんですよね。1階に行ったり、2階に行ったり、教育委員会に行ったりしなければならない、そういうことが是正されるということであれば、非常にいいことだと思うんですが、私がこの問題をちょっと指摘をするのは、私なりに調査をしましたら、今、総合支所と市民センターがありますね。本庁はそれなりの、課長がおられて人が配置されてる部分があるんですけれども、例えば市民センターも戸籍の原簿を持っていないところが4カ所、あるところは6つある。人の配置と人口の数からすると、アンバランスなんですよ。
例えば、ある支所は2万8,800人の人口対象に対して人員が13人、片一方は5万5,000人いるのに職員は6人しかいない。バランスが崩れてるんですよね。今度は特に、本庁はワンストップでいいんでしょうけれども、市民センターや総合支所に行きますと、1つの課でいろんなことを全部、そのセンターなり支所で承ることになるわけだから、市民は便利になるけれども、職員の労力というものは物すごいものになってくるだろうというおそれを僕は持つから、ちょっとこの問題を取り上げてるんですけど、これはどうですか。
◎中山通晴
市民生活局長 67万人の都市になったときに業務が集中しているのは、ちょっと私見も入りますかもしれませんが、本庁にほとんどの業務があって、あと総合支所も、現状では一部福祉衛生課とかという部分がございまして、福祉部門も一部できますけど、市民センターにおきましてはもう少し業務が狭くなって、年金の一部とか、国民健康保険の一部の業務しかできないというような状況でございます。あとはほとんど本庁においでいただかんとできないということで、政令市になりますと区役所ができるわけでしょうけど、ほとんど人口規模からしますと、それに相当する、熊本市も67万人ですので、できれば、そういうふうな分散があるようになってくるんだろうと思います。現状の市民センター、総合支所でそういう体制を組むとなると、箇所数も多うございます、人員を要しますので、その辺の総合的な検討が一つ要るかと思います。
それから、先生おっしゃいましたように、現在の人口割と職員の配置のアンバランスについてですが、必ずしも市民センターにつきまして、区域を定めてその管内でないといけないということで業務をやっているわけじゃございませんけど、一番近い便利な場所に業務の範囲内で来ていただくということでございますけど、確かにそういうふうな位置と、人口の不都合につきましては、実際の業務量との兼ね合いをあわせて配置についても検討すべきだと思っています。
◆嶋田幾雄 委員 前々から政令都市に向かうならば区役所ですけれども、そういう総合支所的なものを適材適所に配置すべきであるというのは議会でいつも論議になってたことですよね。だから、これから熊本市がいつ政令都市になるのかわかんなくなっちゃったけれども、ワンストップで考えていく今度の方策にもう一つ加えるならば、ワンステップ考えて、将来の区役所的な適材適所というものを配置するような形を視野に入れた上で、このワンストップを計画していただいたらいいなと思うんですけど、これも局長、10月に市長が出されようとする行革の一つですか。
◎中山通晴
市民生活局長 総合事務所についても今度上げる段階では検討されております。
◆嶋田幾雄 委員 1つだけ申し上げておきたいのは、今度の産院問題にしましても、それからパス券にしましても、あるいは産業再生機構に絡む産交の問題にしましても、執行部から議会になかなか話がないんですよ。新聞に先にぼーんと出ちゃって、議員が後から一生懸命その情報を追っかけて、そして結果的には、きょうの委員会でも
総務委員会や保健福祉ですか、産院問題でガアガアやっているんですよ。だから、皆さん方に申し上げることではないんだけれども、昔はこんなことはなかったなあ。少なくとも、この問題はこういうふうにやりたいと思うけれども、こういう懸案事項があるけれどもという、少なくとも市民の代表である市議会の議員のそれぞれには、事前に御相談あってしかるべき問題が幾つかあるんじゃないですか。今、議員黙ってますよ、これ。だけど、皆さんたちに言ってるんじゃないですよ。だけど、これを是正しなければならないなというのが私どものテーマなんですよ。もっともっと市長と仲よくやれ、仲よくやれと盛んにおっしゃるけれども、そういうところの垣根があると、どうしてもそうなっちゃう。でも、我々はいいものはいいものとして結論を出しましょうという腹構えでいるわけですからね。
だから、将来にわたって、ぜひ市民生活局、教育委員会、心配はしてません、いつも御相談をいただいているから心配してませんけれども、あえてこの問題にかけて、いろいろお互いに車の両輪として、我々も執行部の方に御相談をする。それを口ききと称するならば、一体何ぞや。皆さん方も御相談があれば、我々はそれに応じて、我々の知恵としては、市民の皆さん方に、今度は食事の中であるいは会合の中で話をしてみて、みんな、この問題についてはどう思う。産院の廃止の問題、存続の問題についてどうすると。僕らは今度の議会の中で、夜の世界でもいいんだけれども、いろんな人と話、聞いてますよ、どう思うって。それが市民の代表の役割なんですね。だから、そういう車の両輪ということをぜひこれからもお願いをしたいということで、あえて、老婆心ですけれども、皆さんたちには関係ないわけです、本当に関係ないです。どうぞよろしくお願いします。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑ありませんか。
◆田辺正信 委員 高校入試制度の改善の問題ですが、これも私どもの東すみよ議員の方から質問がありました。私どもからすると、影響を受ける側になると思います。それで、1点目は、学区外の高校に通学をしている子供たち、ことしは何名ぐらいでしょうか。
◎堀川治城 教育次長 14年度卒業生の学区外、熊本市外への進学者数は513人です。全体の7.17%ぐらいになります。
◆田辺正信 委員 今7.1%で513人ということでお話がありました。それで単刀直入にお聞きいたしますけれども、この制度改革による影響はどの程度に見ておられますか。
◎堀川治城 教育次長 なかなか難しい御質問で、結局正直なところ、17年度を見なければわからないという気がするわけでございますが、これまで議会やここの場でも御指摘のように、どのくらい市外から本市の有名と言われる高等学校に押し寄せるか、その辺のところがいま一つ読めない感じは持っております。したがいまして、どのくらいと見ているかというお尋ねでございますけれども、その辺のところは正確にお答えし切れない状況もございます。
◆田辺正信 委員 これは今からということですけれども、前期、後期選抜が考えられているようですけれども、前期選抜の定数は最大3割、2割から3割みたいなことを考えられている。後期の場合は5%枠、これはまた広げるというような考え方もあるようですが、こういった拡大に伴う一定の計算というのは予想できるんではないかという気がするんですが、その点は数値をどこに置くかの問題がありますけれども、いかがですか。
◎堀川治城 教育次長 県立高校の入試改善検討委員会の中に出席したことはもちろんあるわけでございますけれども、普通科が10%から30%の枠内でということで、今その点がいろいろ議論になっていると承知しております。
その議論の中には、議事録には残っているわけでございますけれども、10%からしようかというようなお話も実は県の方からは、これは議事録が公開になっておりますので申し上げているわけですが、そういう話もございました。しかしながら、その辺のところは、10%から30%という数字でまとめは出されております。この後、県教委の方で慎重に、現在どのようにすればいいかということが検討されていると思っております。
◆田辺正信 委員 今少し申し上げましたけれども、いろんな意味で影響が出てくることだけは間違いないと思います。ですから、具体的にきょうはもうこれ以上論議は詰めませんけれども、影響が出てくる部分について想定せざるを得ませんから、どういった影響を受けるのかについて、後ほど資料提出をぜひお願いしたいと思います。
といいますのは、これはいろんな数値の並べ方があります。ある意味では、6.5倍から7倍ぐらいの部分が数字的に出てくるんではないかなという話もあります。ですから、今500名と言われましたけれども、これをはるか上回る市内の中学生が外に出ていく、また出ていかざるを得ない状況が出てくるんだと思います。
これはまた後の問題がありまして、中途で退学される子供たちがかなり今でも多いわけです。これがまだ拡大するんではないかという問題も出てきます。これがまたいろんな問題を醸し出す原因にもなっています。だから、先生方も、私の方から申し上げるまでもなく、この改善に伴って熊本市に対する大きな影響が出てくるということについては一定の問題認識をお持ちだと思います。
ですから、今申し上げましたように、これまでの論議とこれからの論議と考えた場合に、一定そういった認識を合わせる必要があるんではないかなという気がいたしますので、先ほども申し上げましたが、これ以上ここでは論議はいたしませんけれども、ぜひそういった部分について後日御提案し、また次の12月の議会の中でも論議ができたらと思います。いかがですか。
◎堀川治城 教育次長 先生、まことに申しわけございませんが、市立高等学校につきましては資料というのも考えられるかと思いますが、県立高校につきまして、私どもの方からその資料を作成するということはちょっと考えさせていただきたいと思いますし、状況がうちが把握できないというようなこともございますので、その点は御容赦をお願いしたいと思います。
◆田辺正信 委員 そういうことでぜひ御検討いただきたい。何でかといいますと、私は、今申し上げたのは、高校の問題よりも、今市内の中学校に通っている子供たちの立場、また進学の関係で心配をし指導をされてきている学校現場の先生方のことを考えますと、これから出てくる問題を非常に憂慮する立場でお聞きしています、県の問題ですけれども、一定の認識を合わせる必要があるという考え方で申し上げてますんで、ぜひ御努力をいただけたらと思います。
◆嶋田幾雄 委員 関連で。
これは、熊本市の中学生に対して権益を守れるんですか、守れないんですか、この選抜制度が改定になるのは。客観的に。例えばですよ、合併問題に影響がありませんか。
◎堀川治城 教育次長 あります。
◆嶋田幾雄 委員 ありますね。それからまだあるんじゃないですか。市立高校や市立商業、今名前は変わったけれども、ここに市外の人たちが入ってくる可能性というのは高まるわけでしょう。それは自由枠ではなくて規格の外ですか。
○
佐々木俊和 委員長 市立2高校の考え方について。
◎堀川治城 教育次長 市立2高等学校につきましては、13年度に新たに、これまでの実績を踏まえた上で熊本市民とするということで特例を設けております。それは、過去の入学者数と同じぐらいの割合になるように基本的には、そういうことで現在は来年度までは進むと。これは17年度からの話でございますので、そういう状況でございます。
◆嶋田幾雄 委員 17年度からそれをやりたいと。
◎堀川治城 教育次長 いや、17年度から新たな入試制度が県立高等学校等で始まりますので。
◆嶋田幾雄 委員 これは大変難しい問題ですよね。物事は、我々、グローバルに考えなければいけないんだけれども、ただ、郡部からどんと入ってくる、市内の中学生があふれ出したら、今度は郡部に通わなければならない。そこら辺の絡みを考えてくると、よくよく考えていかなければいけませんね、これは。市教委としてもなかなか難しい立場だろうと思いますね。これはやはり中学PTA連合会で立ち上がってもらうとか、委員長、陳情、請願を一つ出してもらうとか、委員会として結論が出ればそれでもいいんでしょうけれども、熊本市としてはこれは大変な問題で、ゆゆしき問題が出てくるんじゃないのかな。ただ、よその県とかはそういう傾向にあるんですか、これは。
◎堀川治城 教育次長 現在の流れは、学区を取り除いているのがかなりの数ございますし、選択幅の拡大という方向で全国的には進んで、もう二、三年前から進んでおります。
◆嶋田幾雄 委員 東京、大阪とか大都市だったら、電車、バス、地下鉄が走っているから、通学には事欠きませんよね。それは1時間かかったって、東京だったら相当距離まで高等学校へ行くことができますけれども、熊本は我々が生活するのに車がなかったらどうしようもないというこの社会の中で、中学生にそこへ通えと言ったら、バスに乗って、電車に乗って、汽車に乗って、またバスに乗って、やっと学校に到着をすると、こういうことを我々は考えてやらなければならないことなのかもしれませんね。だから、結論は出ないかもしれないけど、17年からというんであれば、これは早急に何らかの対応を考えていくべきだろうと私は認識をいたします。
◆古川泰三 委員 お願いですけれども、教育問題で質問するとき、何回も申し上げますけれども、必ず市教委は県教委と協議をしましてという形で答弁があるわけですよね。そのことについてはいろいろ申し上げて、そうじゃなくて、市の教育委員会というのは、県の下部組織というふうなものじゃないんだから、独自性をぜひ持ってくれとずっと申し上げてきました。この問題についても、ぜひ市立2校は市教委が独自性を持って、私たちはこれでやるんだというふうな形の意見を持ってほしいというふうに要望しておきます。
○
佐々木俊和 委員長 田辺委員の方から基本認識を一致しようということでありました。
◆田辺正信 委員 委員長、いいですか。もう言いません。委員長の方にお願い。これは言い出したら、物すごい切りがないんで言わないんで、向こうのデータを認識合わせるという必要があるんで、また言いましたけれども、前回はマイチャレンジの問題でありましたけれども、あと、皆さん方にお諮りですけど、この問題は非常に大きいんですね。ですから、委員会か何かいろいろ委員長の方で御考慮いただければと思いますが。
○
佐々木俊和 委員長 スケジュール的なやつをちょっと報告できますか。
◎堀川治城 教育次長 県立高等学校の入学者選抜についてというもののまとめが出ましたのが本年の3月でございます。それ以降、高等学校の検討委員会というのがあるんですけれども、熊本市がそこに入っているというわけではございません。その検討委員会は開かれておりませんので、その報告を受けて、現在、県教委そのほか、いろいろ検討をなさっているというふうに推察をいたします。これが、じゃ、いつその方向が見えるかと、正式な決定は、来年の6月には県の教育委員会会議にかけて公表するという見通しですが、それ以前にも検討委員会が開かれますので、その辺のところは情報としてはあるかもしれませんけれども、また先の話でございますので、12月、恐らく3月もまだ発表になってないだろうと思われます。
現在まとめで述べているのは前期入学試験に関してでございまして、後期入学試験に関してはまだ決められてない。校区については特に決められてないというような状況です。まとめを出してありますけれども、これがそのまま、学区の決め方についてもどんなふうになるのか、まとめどおりになるのかどうか、いろんな声が、現在、今、先生からもお話をお聞きしまして、あるわけでございますので、その辺は時間をかけて県の方で今検討を進めていくというふうに考えております。
12月のときに情報がございましたら、この席でまた御報告をいたしたいと思います。
○
佐々木俊和 委員長 今報告ありましたように、検討会議の方がまだ開催中ということで、情報をいただいて、開催があった時点で報告いただくという場面があれば、そこでまた論議をしていただくということで、当面は12月議会ということでさせていただくと。検討会が開かれれば、そこら辺でまた判断をさせていただくということでようございますか。
ほかに質疑ありますか。
◆田辺正信 委員 きょうはたくさんありましてですね。前回から申し上げておりまして、これもお願いというか調査です。特に、今は心の問題、今度の本会議の中でもたくさんございました。私も古川先生も柔道で、私も古川先生から教えてもらった方ですが、特にそういったこだわりがあります。中学校は立派な武道館が今できています。カリキュラムも柔道と剣道の選択制になっています。それで再三にわたって指導者の配置の問題を申し上げてまいりました。現在の各中学校への人的配置、どうされてるのか。これはもう後日でも結構です。
それと、もう一つは、そういう人材を登録されてる方々にお願いをしたいということでもあります。実際その部分がどれだけいらっしゃるのか、こういった人的な問題について、まず調査をお願いしておきたいと思います。
あわせて、道徳の問題があります。これは道徳の時間があるやにお聞きしていますが、この内容の問題が、一つはやはり我々としてもどうなってるのかなという気持ちが率直にあります。しかし、この内容については、教育委員会としてカリキュラムに基づいてやられているという部分もあると思いますけれども、その結果としてどうなのかなという気がします。ですから、これについても後日、内容についていろいろ詳しく御説明いただけたらなという気がしているところです。
あわせて申し上げますと、その範となります先生方の問題も私どもからしても考えるべきではないかなと思います。せんだって、私もある学校に行きまして、チラシのお願いをしました。正門でぴしっと背広を着て対応されている方もおられました。ジャージを着てあいさつされてる方もおられました。この辺が皆さん考えられて、いかが思われるかありますけれども、範をちゃんと示すという意味からも、先生方のそういった服装の問題を含めて、変な話ですけれども、私は考える時期に来ているんではないかなという気がします。教師と子供の立場というものもはっきりすることも、ある意味では必要ではないか。特に、朝、服装の指導を先生方がされます。ジャージを着てて子供の指導をするという、そのときに子供たちがどういうふうにそれを受けとめてるのか、客観的に見ていると、そういう気が私もします。これは今まで論議された経過もありますから、後で、これについても、よろしかったら御説明をいただけたらと思います。これはここでのコメントは要りません。
それを含めて、特に今皆さん方で今後この道徳教育のことについて、どのように推し進めようとされているのか、この分については次回まで、よければお考え方をお聞かせいただければと、このように思います。コメントは要りません。
◆嶋田幾雄 委員 きょうはもう一つ、範があったんで持ってまいりましたが、私ごとになって大変恐縮ですが、結婚して37年、子供は2人おりますが、若いころは子供で夫婦げんかばっかりしておりました。子供がそれぞれ結婚して独立をしてしまうと、残されたのは夫婦2人だけ。そばには家内だけしかいない。いつの間にか寡黙だった私も家内と会話をするようになりました。
そういう流れの中で男女共生参画社会、これは非常に、私みたいな、どっちかというと亭主関白的な男にとっては、本当に富山の薬売りから薬をいただいたようなありがたいお話だと、まじめに思っています。国も男女共同参画基本法をつくられて、それなりに熊本市も立派な冊子で「熊本市男女共同参画プラン」、これはここの担当ですね、非常にこれを読ませていただいて、こういう社会になっていったらいいなと思う反面、ただ1点だけ、この中に隠された一面がちょっと心配な部分がいっぱいある。ジェンダーフリー。確かにジェンダーフリーという言葉は、私もなじみがないんですけれども、非常に両極端な話を聞くと、片一方では非常に耳ざわりがいいし、片一方ではこれはえらいことになるなということになってきてる。
そういう中で、熊本市の男女共同参画プランの中にもジェンダーフリーという言葉が入ってる。教育の世界でもこれは一体どうするべきなのかということ、男女混合名簿であるとか、いろいろ、もう枚挙をしなくてもいいと思いますけれども、きのうの新聞でしたか、うちの孫が、女の子だけれども男の子と一緒に走らされて、いつも早い早いと思ってたら1等になれなかったといって、熊日の新聞に投書が載ってましたけれども、やはり男性と女性の感性、特性というのは違うんじゃないですか。また、それが違わなければおもしろくないんじゃないですか。女性は美しいから男がほれるんですよ。優しい心遣いがあるから、男が持たない優しい心遣いがあるから、女性に引かれるんですね。女性の方は僕はよくわかりませんけれども。
そういう社会からいきますと、僕は、共生するということは、ただジェンダーフリーの精神だけでこれが推し進められるとするならば大変なことになるんじゃないかなという危惧を持ちます。そのために、今議会、うちの満永議員でしたか、ちょっとさわりだけやってもらったんですけれども、これは今後、きょう結論を出すわけじゃないし、今後これはずっと見ていかなければならない、チェックしていかなければならない項目の一つだと思うから、あえて申し上げてるんですが、熊本市はジェンダーフリーの丸々そっくりじゃないんでしょうな。そこのところをちょっと聞きたいんじゃけれども。何でもジェンダーフリーでいきますとおっしゃるのか、おっしゃらないのか、そこによって、内容によりますわ。まず市民生活局から、その後、教育委員会へ。
◎宮本朋子 男女共生推進課長 今、ジェンダーフリーという言葉なんですけれども、これも本当に両極端にとらえてらっしゃる方たちがいらっしゃいます。片や、画一的に、男性、女性の性別を排除するんだ、男女の性を排除するんだという考え方の方もいらっしゃいますし、片方では、社会的、文化的につくられた性別、これを解消するということで進めてる、活動されてる方たちもいらっしゃいます。
それで、熊本市としましては、このジェンダーフリーという言葉自体、プランの方にはちょっと言葉を書かせていただきましたけれども、その後、国の方からも、去年の参議院の内閣委員会の中でジェンダーフリーという公式的な概念について御質問があっておりますけれども、国の方でも公式的な概念というのは今の時点では示すことはされておりません。それで、熊本市もこれを受けまして、じゃ、どうすればいいかということで話をしましたけれども、いろいろな考え方のある中で、公式的な概念のない言葉については、できるだけ使用しない方がいいんじゃないかというようなことで、ジェンダーフリーという言葉自体は今後使わない方向でいけたらなというふうに思ってます。
ただ、熊本市として今後進めていく中では、性別にかかわりがなく、その人の個性、能力、これが十分に発揮できるような、そういう社会づくりというものを目指して進めていきたいというふうに思っております。
◆嶋田幾雄 委員 安心しました。したがって、鹿児島県議会みたいに条例をつくらなくてもいいだろうと、今思っています。教育委員会はないんでしょうね、教育の中では。
◎江口哲郎 人権教育指導室長 ジェンダーフリーという言葉でございますけど、教育委員会としましては、基本的にこの言葉については使わないということで、これまでも来ておりますし、また今後もそのような考え方で参りたいと考えております。あくまでもその子らしさ、その子のよさといいますか、そういうことを十分発揮できるような、そういう男女平等の教育を推進していこうと考えております。
◆嶋田幾雄 委員 本当に安堵いたしました。それで終わります。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑ありませんか。
◆廣瀬賜代 委員 1つ、すいません、ちょっと戻ってしまうんですが、発達障害児の問題で、ちょっと私のお尋ねの仕方が悪かったんでしょう、お返事をいただいてなかった問題がありましたので、お尋ねをし直します。
ADHDなんかの場合、問題行動のある子供たちがいる教室に、今サポート要員が派遣されてるというふうに伺っておりますが、そういう制度ありましたよね。それで、どういう方がそのサポート要員として動いてらっしゃるのか、どのような配置の仕方になってるのかを教えてください。この方たちが多分発達障害の子供たちの最前線を担うことになると思いますので、ちょっと気になります。
◎堀洋一 学務課長 先生、今お尋ねの制度は学級支援員という制度でございます。現在、緊急雇用対策の予算を活用いたしまして、15名の学級支援員を30校に配置しております。この皆さんは臨時職員として雇用しておりますが、全員、いわゆる教職の資格をお持ちの方を任用させていただいております。任用に当たりまして、学期の初め2日間と学期の中途1日間、都合3日間研修を受けていただきながら、運営困難な学級の支援をしていただいておるという状況でございます。
◆廣瀬賜代 委員 ありがとうごさいました。教職の資格を持ってる方なら一安心かなという感じがしますけど、養護教諭の資格を持ってる人だったら、さらに安心かなというような感じがいたします。本当に自閉症の子供たちというのは、扱い方一つで、とても社会性を身につけることもできれば、あるいは社会の中に溶け込めなくなるとか、療育というのが、その点でとてもキーワードでありますし、可能性の大きなところと言われておりますんで、ぜひこの方たちにもそのあたりの対応を十分やっていただけるようにお願いをいたします。
続きまして、一般質問の中で予告をしておりました学校図書館の問題につきましてお尋ねをさせていただきたいと思いますけれども、あのとき学校図書館検討委員会というものを御提案させていただきまして、現時点では考えてないというお返事をいただきました。それにつきまして、あの問題は、実は私と、それから市教委の皆さんの間では、もう五、六年前からやりとりをやってきた、私は学校図書館を考える会という市民運動の一員としてでしたけれども、その中でやってきたことなんですね。
要するに、何が言いたいかといいますと、あの問題はもうちょっと図書館に詳しい人の知恵を学校図書館運営の中に入れてくれないかということなんですね。私どもは大概いろんなこと、注文ばかり言ってきましたんで、一体学校図書館事業というのをどういうふうに評価してるんだというふうにおっしゃりたいかもしれませんけれども、これは大変に高く評価をしております。今、全国的にもこういう形で、5時間の臨時職員という形ですけれども、全校に専任の人がいるというのは、本当に全国的に注目を集めるような、大変すばらしい制度だということはもちろん重々知っておりまして、よくここまで持ってきてくださったと、これについては、私たち考える会のメンバーも、私自身も大変感謝をしているところです。
ただ、そこで、なぜいろいろ御注文を申し上げるかといいますと、せっかくここまでできた制度にもうちょっと一工夫をすることで、さらに同じ予算で多少の手間がふえるぐらいのところで、さらに結果が充実できるというふうに思いますもんで、うるさく思われているなと思いながらも、何度か似たような御提案をしてきたんですね。それこそ、いろいろな面で勉強しながら検討していただいてるんだと思います。その辺については御信頼申し上げますけれども、ただ、市教委の皆さんは行政職のプロであり、それからまた教員としてもプロではあられても、司書の経験を持っている方、司書として1館の図書館を経営した経験がある方というのが多分いらっしゃらないと思うんですね。
そこに対して、私たちが申してたのは、40年司書を現場で務め、さらに30年間学校図書館関係のことを研究してきた人間がおりますので、その知恵をかりてくれというお話だったんですね。それによりますと、今の雇用体制の中で、今の人員の中でもさらに子供たちにとって、よい結果が出せるような図書館がつくれるということでずっと御提案を申し上げてきたわけです。今回の検討委員会につきましては考えてないというのは、実に正確な多分お答えだったろうと。どうもうまく検討のテーブルにのってなかったような感触がありましたので、これは今後の課題として検討していただいた上で、再度お返事をというふうに思うんですけれども。
先ほど、
現代美術館の副館長さんから御報告がありました。あれを聞いて、私は実は、美術館というのは設立の段階でちょっといろいろ不透明なことがうわさをされておりましたので、あれができることに対しては大反対だったんですけれども、実際にこの間見に行きまして、とてもよくできた施設だもんですから、これはもう反対はできないなということで、今は賛成派、擁護派の方に回っている者なんですけれども、あそこがあれだけの成功をしているのは、やはり南嶌さんという、その道のプロを持ってきて、その人に存分に働いていただいてるというところがあると思うんですね。
この学校図書館問題もそれと同じなのだということを申し上げたいんですが、そこがどうしても今までは通じてこなかった。これをどうやってわかっていただいたらいいのかなというふうに思うんですけれども、とりあえず私たちは子供にとって最善の利益になるような、今の許されている環境、条件の中で最もいい図書館をつくるにはどうしたらいいかということで市民なりの知恵を出させていただきたいというふうに申し上げてきたつもりなんですね。そのあたりについて、これはもしかすると永山教育長と2人だけの場所で話すべきことなのかもしれませんけれども、とりあえず、こういう思いでやっておりますということでお返事をいただきたいと存じます。
◎永山博 教育長 本会議でも答弁いたしましたけれども、私どももこの学校図書館につきましては平成11年、廣瀬先生とはたしか7年ごろからなんですけれども、本格的には11年から取り組んできている。そして、今、じゃ、すべて終わってるかというと、まだ今進行中のものもございます。そしてまた、学校の図書館の活用につきましても、今どんどん、どんどん活用していただきつつあるわけですね。
今回御提案いただきました検討委員会につきましては、もう少し今のところをさせていただく中で、私は、いろんな課題があるかもしれませんし、その出た段階でいろんな専門の方々のお知恵を拝借しなければ、必要であればその段階で考えてもいいんじゃないかと。せっかく今進めている、整備からいきますと、大体終息に近い状態なんですけれども、もう少し今の状態を続けさせていただきたい。そういう中で、いろいろと活用を図ったり、あるいは司書教諭も平成15年度から発令されておりますので、その辺と今の司書業務補助員の方々との連携、その辺ももう少し見させていただく中で、いろんな課題も出てくるかもしれません。そのときに、そういう専門的な検討委員会が必要ということになれば、その段階で考えてもいいんじゃないかと、少しスタンスが違うのかもしれませんけれども、私の方はそのように考えているということでございます。
◆廣瀬賜代 委員 このあたりで、物の見事に認識がずれとるなという感じなんですけれども、私は、今、頑張っていただいてるにもかかわらず、努力にもかかわらず、たくさんの課題があると思います。それを、例えば風邪引いたのと同じように、ほっておけば治る問題かといいますと、そうではない。むしろ時期を逸すれば悪化していくようなことも中にはあるだろうということで、大体皆さん、問題があれば医者にかかるのは早い目にというふうに思われると思うんですが、そういう意味で、アドバイスについて今取り入れたからといって、例えば今のことを全部ひっくり返して、また一から積み直しですとか、そういう検討はもちろんないだろうと。このあたりがだれを持ってくるかによって、そちらの信頼度というのがまた違うのかもしれませんけれども、私たち、あの御提案の意図としては、こういうところをちょっとこうすればよくなりますというところの提案をさせていただく検討会というふうに考えていたんですね。
本当いいますと、司書というものの置き方、その制度的なものもいろいろな面で検討が必要、その件につきましては、教育長がおっしゃるように、司書教諭との相関の関係もありますので、あと1年、あるいは1年半ですか、様子を見てからということもあり得るかもしれませんけれども、例えばもうずっと言ってまいりました研修内容が今のままではどうにも不十分に見えますという点などにつきましては、早々に始めても別に悪くはないことではなかろうというふうに思うんですね。どういうふうに御理解いただいてるのかわかりませんが、むやみやたらにかき回そうというつもりでこういうことを言ってるつもりはないんですが、そのあたりがどうも、私の物の言い方が多少きついとか、よくないところがあるのかもしれませんけれども、ただ、とにかく学校図書館を、今与えられてる、とても日本の中では恵まれた形で与えられてる条件の中で、さらにベストへ持っていくにはどうするかというところで、ぜひ私たちも力を出させていただきたいというところなんですね。この辺につきましては、まだ、今から、お互いの信頼感の問題もあると思いますので、お話をさせていただきたいと思います。
ただ、一つだけ申し上げておきますが、九州大会とか、図書館の全国大会なんかも熊本に来ておりますように、全国的に本当に注目されてるんですね。この熊本市がどのような図書館をつくり、どのような人の置き方で、どのような学校図書館をつくっていくかというのが、いわば岡山を追い越して、全国モデルになる可能性がある。だからこそ、いいものを、余り多くない予算ででも、どこまでいいものがつくれるかというところをぜひ見せてほしい。もしくは、うちがいいかげんなつくり方みたいな形になってしまいますと、ほかの自治体へも及ぼす影響がとても大きいということをぜひ自覚していただいて、とにかくベストを尽くすというところで、ぜひぜひぜひお考えをいただきたいと思います。今のところベストを尽くしてないとは申しません。申しませんが、ただ、まだ本当に図書館のことをわかってはいない、せいぜいセミプロ程度の考え方でやっていただいているところがあって、そこがもったいないなと思う次第です。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑ありませんか。
◆田辺正信 委員 次に、校区の町内会への支援の関係についてお伺いをいたしたいと思います。小さい話のようですけれども、非常に大変な話なんですね。
1つ目は、町内会加入率、熊本市の場合どういった数字になってますでしょう。
◎杉原青史郎 地域づくり推進課長 加入率でございますが、平成5年度に、10年前でございますが、87.88%でございましたものが、実は年々微増しております、熊本の場合は。それで本年度は89.44%となっております。
◆田辺正信 委員 微増してるということですから、傾向としては努力をされてるのかなと思いますけれども、努力されてるのは各自治会の会長さんだと。ただ、それにしても10件に1件は町内会に入っておられないという状況だと思うんですね。ここは今いろいろな意味で、私は問題になってるんだと思います。例えば、ごみ出しの問題にしてもそうなんですけれども、これは各町内で今減量美化推進という制度があるのかどうかですけれども、かなり前にできた制度なんですけれども、その方を中心としながら、こういったごみ問題、ごみの後の処理の問題を含めて対応をされています。ただ、これも委員会は別ですけれども、権限が何もないもんですから、ここでもトラブルが発生をしているというようなお話もお聞きします。
ただ、きょうはそういう意味じゃなくて、自治会長さんたちが一番お困りなのは、この入っておられない方の扱いです。実際勧誘に行かれても入られない。そのことが自治会そのものの運営にいろんな意味で問題をもたらしてるということなんですね。これはもう各議員の皆さん方もいろいろこの関係についてはお聞きになってる分もあろうかと思うんですけれども。私どもは基本的にはいろんな権利の問題ありますから、強制にはなかなか加入というのは難しいのかなという気もしますが、ただ、これから地域のコミュニティをつくっていく、いろんな意味で行政の意思を隅々まで周知を図っていく、こういういろんなことから考えましても、100%により近い加入というものが望ましいんではないかなという気がしているところです。ですから、このことについて、基本的にどのようにお考えになっているのか、まずお伺いいたします。
◎杉原青史郎 地域づくり推進課長 確かに委員がおっしゃられましたように、自治会の役割というものが非常に、今の時代の流れの中では、大きな役割を果たすように、また期待もされているところです。特に行政のパートナーのいわゆる地域が中心としてその存在というのがますますクローズアップされてくるんではないかなというふうに思ってます。
現在720の町内自治会というのが熊本市にはございます。その中で非常に活発に活動しているところ、あるいはそうでないところ、いろいろございますけれども、少なくとも校区単位で、活発に活動してないところでも校区単位で参加されているとか、いろんなケースがございますので、そういう状況でございます。
加入していない世帯、いわゆる10%というのは2万6,000世帯に相当するわけでございますけれども、これをさらに分析してみますと、例えば1軒当たり2世帯住宅というのも結構多うございます。それで2万6,000世帯というのは、戸数でカウントいたしますと、もっと加入率は高くなってくるのかなということも考えておるわけです。
加入しない原因は何なのかと言いますれば、1つには、学生も世帯を持っております。そういうところがありまして、いわゆる学生アパート、さらにはマンションが建設されたときに、建設時で、例えばオーナーの方に自治会長さんが行く機会を失したということで、後になって、入ってくれというのは非常に難しくなったとか、そういう事例もございますけれども、そのほか転勤の多い社宅、そういうところもなかなか入っていただけないところがあるようです。
さらに、入会しない方の中には、変な信念を持っておられる方がおられまして、自治会に世話にならないから入会しないというふうな方もいらっしゃるようでございますけれども、私どもは、いわゆる目に見えないところで自治会に対しては大変お世話になっているということをそういう方々は知らないということであろうかと思います。
先般、本会議の中でブロークンウインドウズという理論をちょっと御紹介いただきましたけれども、いわゆるごみステーションがきれいに清掃してなければ、いわゆる汚いままであれば、ごみためになってしまう。しかし、そういうものを自治会の役員さん方は清掃したり、あるいは班を割り当てて、いろんな形できれいにされてます。また、防犯灯の問題もしかりでございまして、防犯灯がなければ犯罪を誘発したり、そういうふうなことも考えられますし、自治会の役割というのを住民に知らせる必要があるというふうに思っております。
そこで、私どもは先般、自治会加入促進ということで、市政だよりに2ページで自治会に加入しましょうという記事を載せていただきましたけれども、そのほか、先ほど午前中のお話にもありましたけれども、加入を呼びかけるにしても、広報、広告、そういったものを通じまして、自治会が今何をしている、そして今後どのような役割を担っていくのかという、いわゆる自治会の重要性について、もう少し市民にいろんな形で訴えていきたいというふうに考えます。
◆田辺正信 委員 今御説明があったことについては、これはほとんど皆さん方御承知のことばかりだと思います。ただ、その上でこの加入をめぐって、自治会長さんと新しく来られた方、またこれまで長く加入されていなかった方への対応とか、いろんな面で、これはけんか一歩手前になるぐらいのトラブルというのがあるんですね。自治会長さんは、自分たちは誠心誠意、会に入ってほしいということで努力されてるんですけれども、悲しからずや、その支えがない。法的な裏づけもない。ただ、地域の関係で自治会長という、これは自主的な組織ですから、その役割として一生懸命そういうことをやられてるわけですね。自治会費なんかも各校区によって200円、300円ということで違いますけれども、自治会費を集めながら校区の運営をされているというような状況にあろうかと思います。
ただ、先ほど申し上げましたように、市役所にこういうことがあって、協力していただけないんで、どうにかならないかということでお話があったとしても、役所としてそういうことに対して答えが返ってこないというのが今の実情ではないかと思うんですね。ですから、こういった問題に対して、いつまでも放置をするというのは、これは自治会長さんになり手がいないということではありませんけれども、自治会長さんにそういう負担を押しつけたままに熊本市の事業をお願いをしていかざるを得ないという状況が続いて、自治会長さんの負担はますます増すばかりではないかなという気がするわけです。ですから、この辺について、私はすっきりさせるべきではないかという考えを持つわけですけれども、このことについてはどのようにお考えでしょうか。
◎杉原青史郎 地域づくり推進課長 ちょっと難しい質問でございまして、自治会の加入につきまして、私どもも、例えば自治会に入らなければ、いろんな情報がもらえないのかとか、いろんな電話の苦情もありますし、またインターネットを使って、いろんな苦情も受けておるわけですけれども、その際自治会に入っていただくことによって、そういうサービスも受けられますというお電話を差し上げたり、あるいは自治会長に連絡をさせていただいたり、苦情を受けた方の住所等に連絡をさせていただいたり、あるいはまたインターネットを通じて来られた方については、特に熊本市役所のホームページの紹介をしたり、いろんな形で、市政だより等の中にも、先ほど申し上げましたような加入促進の話もありましたので、自治会がどういう仕事をしているかということをPRさせていただこうと思っております。それに、自治会だよりという小冊子をつくっておりますので、それも広範に公募して、そして加入促進に努めたいと考えております。
それから、ちょっと私言いたかったのですが、90%の組織率といいますと、全国的に見ますと、非常に高い方でございまして、何とか熊本市の自治会長さん方もよく頑張っているなという考えを持っています。ですから、田辺委員が言われるように、さらにまた数%でも高く掲げまして、自治会あるいは行政が一体となって努力してまいりたいと思います。
◆田辺正信 委員 ここではもうこれ以上聞いても、それ以上の答えは返ってこないと思います。それで、私どもが飽託4町合併したときに、これは皆さん御承知のとおり、飽託4町の場合は嘱託のね、区長さんは。手当をいただいて、仕事として、各地区の方々に連絡の周知なり、いろんな事業をされておったという。それが飽託4町が合併になりまして、今度は自治会長さんという、権限も何もないわけですね。そういう意味での矛盾も直接感じられてる方々もおられるんではないかなという気がいたします。
ですから、自治会長さんを行政としてどう位置づけるのかという問題もあろうかと思うんですけれども、そういう問題に対する対策をどうとっていくのか。そこら辺をもう少し深く掘り下げた論議が必要ではないかなという気がしますけれども、そこまでいかなくても条例で決めてしまいたいということであれば別ですけれども、そのことについて、いかがですか。
◎中山通晴
市民生活局長 今のところは自治会連合会については町内会がありまして、連合会は校区連合会までで、全市のはございません。自治会の加入促進のことにつきましては、杉原課長の方から詳しく御説明申し上げましたけれども、加入率につきましては、他都市の状況から比べましてもいい状況で、加入をされない世帯については、それぞれに考え方があって、自主組織でございますので、強制的な分はございませんので、加入がなかなか伸びないという状況もございますけど、自治会長さんが御苦労されている実情は、常に窓口になっている地域づくり推進課も承知しておりますので、自治会長さんの御相談には十分こたえながら、自治会長さんの活動を支援していく形で、今後もそういう自治会組織の、これは非常に重要な地域活動の中心になる組織でございますので、今後とも自治会活動を行政も一体となって推進していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
◆田辺正信 委員 そういうことであれば、なおさらのこと、校区連合会の方々のそういった悩みにこたえていくための検討の場というのは何らかの形でつくっていただいたらどうかなと思います。特に、先ほども出てました。非常に犯罪が多発しております。防犯、それと、これは今市民生活局でまちづくり、こういった地域の基本的な部分で今一生懸命活動されてるのが自治会です。幾ら自主的な組織といえども、これを抜きにしては、今の熊本の行政は考えられないんではないかなというふうに思っています。ですから、そういったところの声を一つ一つお聞きしながらこたえていく。抜本的な解決にはなかなかほど遠いかもしれませんけれども、そういった姿勢が必要ではないかと思うわけです。
そこで、最初に申し上げましたように、お互いにそういう問題を論議する場というのを考えていただいたらどうか。方法は当然市民生活局の方で考えていただく問題でありますからお任せいたしますけれども、このことについては次回ぐらいまで、ここで即答というのはなかなか難しいでしょうから、ぜひ考えていただければと思います。
◎杉原青史郎 地域づくり推進課長 今の御質問でございますけれども、私ども、平成12年、13年と地域のいわゆる町内会の研修会あたりを開催いたしまして、七百数十団体の会長さん方との意見交換、そしていろんな方たちにも話をしてきたわけですけれども、連合会の話が出ましたが、これはことしの1月からでございましたけれども、他都市研修を行いまして、北九州に70名程度の自治会連合会長さんをお連れいたしまして、向こうの自治会の連合会との交流を図るとともに、今後、地域のあり方というのがどういうふうに進めるべきかと、いろんな形での研修会をさせていただきました。
その後、また先般8月末にも5ブロックに分けまして、自治会連合会の研修会を行いまして、地域の組織について、あるいは自治会の組織あるいは行政との連携についてということに関しまして十分研修会、意見交流会を行っております。そして、年に2回程度これは行っているということで進めております。
◆田辺正信 委員 研修等について努力をされてるということは重々わかります。ただ、私が申し上げたのは、それとはまた角度を変えて申し上げましたので、私の気持ちからしますと、即答できるという部分ではないと思います。ですから、これは全体の問題でもございますし、これからの各地域の自治会等の運営、非常に大事になってまいりますので、特にそのことについてお考えいただきまして、事務局までつくれとは言いませんので、いろんなふわっとした形かどうか別にしても御努力をいただきたいと思います。よございますか。
◎中山通晴
市民生活局長 12月までに十分検討させていただきたいと思います。
○
佐々木俊和 委員長 私の方から、この問題はずっと言ってきてますけれども、言うなれば、行政が自治会をどう位置づけるのかというのが今後の対応の仕方、変わってくると思うんですよ。だから、その位置づけ方をちゃんと明確にしておくということが1点だと思います。
過度の自治会に権限を移譲するというのは、非常にいろんな弊害も出てくるかと思いますけれども、今の状況の中では、ある程度法的な、社会的な位置づけ、権限、財源の移譲まで含めて検討する課題じゃなかろうかと。
それから、もう一つは、今度の行革でも論議されてるかもわかりませんけれども、市政だよりの各戸配布がありますよね。あれの配布料が随分と自治会の運営費に充てられてやってるという、そこら辺の問題でまだ実施ができてませんけれども、ここら辺の財源とのかかわり。で、自治会というのは町内自治会だけの話じゃないとですよね。自治会費の中で各種団体、社協だったり、防犯協会だったり、体協だったり、消防団だったり、来年度からは交通安全協会だって全部町内会の拠出金でそれぞれの各種団体が運用しているという実態があるわけです。
ですから、この自治会組織をどう位置づけるかというのは、非常に熊本市の行政にとっても大きな影響があると思いますので、ここら辺は、そういった意味で田辺さんがおっしゃいましたので、ぴしっと検討をしていただいて結論を出す。先ほど言いましたように、市政だよりの各戸配布料の問題と、これだけじゃなくて、自治会にはいろんな文書が、配布をしてくれ、回覧をしてくれということで、熊本市の文書委託、正式な文書も回ってきます。ここら辺との兼ね合いも出てまいりますので、非常に、市民が直接行政の情報をどうしていくのか、連絡をどうしていくのかという問題にもかかわってきます。ぜひそこら辺は検討を早急にしていただきたいと思います。
◎中山通晴
市民生活局長 委員長も田辺委員の方からもありましたように、非常に重要な問題と認識しております。12月でお答えしますというのは、どういうふうな考え方で今後進めるかというようなことを少し検討したいということで、これを組み立てていくのには、かなりの年数がいるかなと思っております。自治会の方とも協議をしていって組み立て、今、委員長の方から財源の問題とかも出ましたけど、そういうこと、文書配布委託のこととかも含めますと、自治会との協議が必要になってまいりますので、できるだけ早く解決することだとは思いますけど、少しの時間を、何年かの時間を要して進めていくことかとは認識しております。12月までにどういう基本的な考え方をするかということについて、どこまでできるかわかりませんけど、その時点でまた検討の状況についてお話をさせていただきたいと思います。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑はありませんか。
◆古川泰三 委員 お願いになりますけれども、市立両校のことですが、千原台も、必由館、特に必由館は今回、甲子園に出場する、これは大変な快挙であります。なかなか甲子園に出ることはできない。しかも10年目にして得たわけですね。すごいことでありますね。来年はぜひ千原台に出てほしいというふうに思っておりますけれども。教育環境の整備ということで、実は千原台のことですけれども、野球部の生徒たちが非常に遠いところから自転車で来ているわけですね、交通の便が悪い、バスの便が悪いということで。
例えば河内からとか、あるいは天明からとか、非常に遠いところから、飽田も、中島も、小島も、松尾もそうですけれども、西の方から来ている。彼らが帰るころにはもう9時、10時になるわけですね。野球終わってからね。もちろん、必由館もそういうような形のものがあるというふうに思いますけれども、私は今がチャンスだと思うんですよ。学校がつくられているということで、千原台の方も平成18年から校舎をつくるというようなことで、ぜひそういうふうなスポーツの振興のためにも学校の寮をつくってほしい。これは前々からずっと思ってたんですけれども、なかなか言う機会がありませんでした。寮が必要なんですね。勉強をする時間がもうないんです。ハンドボールが非常に強いです。駅伝も強いです。帰ってから勉強をやる、なかなか厳しいですね。今はハンドボールにしても、駅伝にしても、監督の先生がそういう子供を自宅に下宿をさせながら、奥さんあたりも大変だと思いますけれども、そういうようなことも現実にあるわけですね。したがって、ぜひ、ひとつ寮をつくってほしいということ、今がチャンスであるということですね。
それからもう一つは、4年ぐらい前でしたかね、お願いをしたことがありますけれども、校長官舎が市立両校ないんですよ。したがって、なかなか校長先生と職員の意思の疎通がとれない。我々も現場におったときは、社会科準備室にもおるわけですね。それぞれ商業科、あるいは実践とか、いろんな形で職員室にはおらんわけです。だから、非常に、それぞれ先生たちが一丸となるという意思の疎通ができるというのがないんですね。校長官舎をつくっていただきますと、いろいろ問題を抱えてる先生がおった場合に、校長先生がちょっと家へ寄らんかというようなことで、こういうことを言っていいかどうかわからんばってんが、一杯飲むとかね。いやいや、これが本当に大事なんですよね。本音が打ち明けられるというふうな形で、うまいぐあいいくというふうなことですね。
私ね、4年前に質問したときは、たしか答弁が、敷地が狭いと、千原台はね、必由館もね。実は第一高校は、合同庁舎の前を真っすぐ行きますと、第一高校がありますね。行幸橋からこう上がって、それから合同庁舎、突き当たりが校長官舎なんですよ。第一高校の敷地は非常に狭いですよ。しかも、あんな立派な校長官舎ができてる。私は西高の前をよく帰りますけれども、西校の校庭は非常に広いですね。しかし校長官舎は非常に小さいです。だから、つくろうと思えばつくれるんですよ。ぜひその2つを、今が、何回も申し上げますように、チャンスであるというようなこと、私は思いますので、ぜひそのことをお願いをしたいというふうに思いますが、教育長、いかがでございますか。
◎永山博 教育長 全然考えておりませんだったもんですから、すぐ即答というのもなかなか難しゅうございますので、今後の検討課題にさせていただきたいというふうに思います。
◆田辺正信 委員 いや、もう今、古川先生が言われたとおりで、熊本市の市立高校という枠で考えられないような状況が出てきてるということだと思います。だから、重々そのことについては御存じだと思いますので。
◎永山博 教育長 校長官舎につきまして、昔は小中学校の中にもあったんですけれども、だんだん、だんだんそういうものがなくなってきたと思います。確かに広域の中でそういった人事交流があるということで、一つの考え方としてはそういう考え方はあろうかと思いますけれども、もう少しいろんな点から検討課題とさせていただきたいと思います。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑ありませんか。
◆古川泰三 委員 ちょっと前から不思議だなというふうに思ってたわけですけれども、30人学級ですね、そのことについては大変いいことだと思いますよ。一緒に山形へ行きました。そういう結果が翌日新聞に出ました。大変すばらしい効果があったということですね。
前々からちょっと思っておったのは、実は30人学級、これは資料、第1回熊本市少人数学級に関する検討委員会の資料をもらいました。その5ページぐらいに全国の例を41校ぐらい挙げてあるわけですね。その中で35人学級が15校で、30人学級をやっているのが8校ですね。つまり半分は35人。しかし熊本は県は35人ですね。うちは30人と。30人に非常に大きな意義があるわけですね。そういうふうに思います。なぜ30人学級にしたのかというふうなことは聞きませんけれども、30人というのは非常にそれだけ意義があるというふうに思います。
私が非常に奇異に思うのは、この前、山形に行ったときもちょっと言いましたけれども、幼稚園の定員が35人になってるんです。4歳、5歳がね。現に今1園当たりが35人でやってる、ことしはどうかわかりませんよ、昨年までは楠あたりがそういう形でやっておったと思いますね。30人学級になるとき、この問題には全く触れられませんでしたか。幼稚園が35人定員なのに、まずここを減らさんといかんじゃないか。少人数にしなければいかんのじゃないかという話は出ませんでしたか。
◎永山博 教育長 その話は、私は、今までの中では出てこなかったんじゃないかなと思ってますけれども。
◆古川泰三 委員 大事なことと思うんですね。幼稚園が35人でね、小学1年生が30人というのはおかしいでしょう。だから、今後はそういう形のものについての検討というのはなされるわけですか。
◎永山博 教育長 今、少人数学級検討委員会というのがございます。そういう中で、どの程度の規模が適当かというのもそういう中で検討されるということになっておりますし、今先生おっしゃいましたような幼稚園との連携といいますか、数的にですね、そういうのも含めて検討いただくということになろうかと思います。
◆古川泰三 委員 そうすると、検討の中に今後のせていくということですか。
◎永山博 教育長 今、先生おっしゃいましたことにつきましては、そういう検討委員会の中でも、こちらの方からでも発言をするなり、検討の1項目の中に入れていただくということになろうかと思います。
◆古川泰三 委員 検討委員会の中で今まで出てこなかったというのもちょっと不思議と思うとですよね。どぎゃんでしょう。
◎永山博 教育長 今のところ3回、検討委員会の中では検討いたしておりますけれども、第3回目が実質的な審議といいますか、モデル校を見たりした中で、3回目でモデル校の状況とか、そういうものの中での話でございますので、今後の中でいろんな角度から検討される中で一つの材料として検討いただくということになるんじゃないかと思います。
◆古川泰三 委員 これはもうぜひ、さっきお話がありましたように、行革でひょっとすると公立の幼稚園がなくなるかわからんというような話も出ておりますけれども、しかし、今あるわけですから、私は矛盾すると思いますよ。ぜひ早くこれも解決してほしいと思いますし。
もう一つは、保育園ですよね。保育園も4歳、5歳児については30人なんですね。だから、こことはちょっと違うけれども、しかし子供の保育、教育には全く同じですから、ぜひそういうふうなものを含めて、今から検討していく必要というのはあらせんかと思いますけれども、どぎゃんでしょう。
◎永山博 教育長 幼稚園の、今は35人以下で編成しておりますので、その30人以下へということだと思いますけれども、その辺につきましては、いろんな角度から検討させていただきたいと思っています。
◆古川泰三 委員 違うというのが、私は、問題があると思うんですよね。そうじゃなくして、今申し上げたのは、幼稚園が35人でしょう。で、小学校が30人でしょう。したがって、私は、本来は幼稚園あたりは、4歳、5歳については20人ないし25人と思っているんです、私は。そういうものがいいんじゃないかと思ってるし、それを今から検討すると言いなはったでしょう。人数についてはわからんけれども、こういう検討委員会で検討しますということだったでしょう。だから、それだけではなくして、子供の保育、教育。私は、保育園と幼稚園はあんまり変わらんような形のものをしてると思ってますよ。だから、当該委員会じゃないけれども、保育あたり関連性があるわけだから、そういうようなところと検討して、例えば4歳、5歳の場合には30人だけれども、どうでしょうかと、そういう形のものを話し合いしませんかという形で、一緒になって話し合いをする必要がありませんかというところをお願いしたいと、今後そういうことの考えはお持ちですか。
◎永山博 教育長 幼稚園につきましては、先ほども申し上げましたように、一応35人以下でやるというのが一つの基準になっておりますけれども、その辺につきまして、いろんな角度から検討していきたいということでございます。
◆古川泰三 委員 それはわかりました。だから、この件はうちではありませんということでなくて、今は30人なんですよ。だから、そういうものも含めて、例えば幼稚園が20人か25人になるならば、保育園も、ここは当該委員会じゃないけれども、そうじゃなくして、私は関係ありませんよというようなことじゃなくして、それは当然話し合う必要がありますよ、そういう子供の教育というのは共通性があるわけ。幼保一貫教育とか今叫ばれておりますから、そういう必要性があらせんかということだよ。
◎永山博 教育長 人数は別にしまして、今の幼稚園と保育園、これは公私立も含めまして幼児教育という観点からとらえていく、当然連携を十分やりながら、幼児の教育に当たっていかなければならない。小学校側から見れば、幼稚園であろうが、保育園であろうが、入ってこられるのは一緒でございますので、そういう視点から考えてまいりたいと思います。
◆古川泰三 委員 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑ありませんか。
◆田辺正信 委員 もう一言で済みます。就学前教育ということで、私も3月の定例会の中で質問いたしました。縦割り行政そのものだなという気持ちも実感したもんですから、関連で言わせていただくんですけれども、就学前教育の大事さということについて、今まで教育委員会はこれに重点的に対応され、非常に重要性を持って対応されてきた問題だと私は思っています。ですから、これは今、古川先生言われた角度から私も考えたことはなかったんですが、逆の流れからしましても、その辺は教育という立場でこの問題については重く受けとめていただきたいなと。片一方が、委員会が違う、持ち場が違うということではなくして、同じ問題ではないかなという気がいたしますんで、財政を伴う問題だと思います。ただ、正直言いまして、これから先の子育てを考えたときに、一番今問題視されていると私も認識していますんで、そのことについての認識を新たにしていただきたいなという気がします。
◎永山博 教育長 今回、例えば次世代育成推進法とか、いろんなものができております。そういう中でいきますと、当然いろいろなところと、教育委員会と、そのほかのポジションとも一緒になって、子供たちをはぐくんでいくという視点は大切だろうというふうに思っております。幼児教育につきましても、そういう視点で今後連携を図りながら進めてまいりたいと思っております。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑はありませんか。
◆廣瀬賜代 委員 先ほどの発達障害児の療育の件なんですけれども、それもやはり教育委員会の方と、それから保健福祉の方と多分タイアップして当たっていただかなくてはならない面がたくさんあると思います。そのあたり、縦割りではなくて、横のつながりもつくっていって、すべての部署で子供をすくい上げるという格好でぜひお願いをしたいと、つけ加えさせてください。
○
佐々木俊和 委員長 答弁はいいですか。廣瀬委員、いいですね。
◆廣瀬賜代 委員 はい、いいです。
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
佐々木俊和 委員長 ほかに質疑がなければ、これより採決いたします。
議第302号を可決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
佐々木俊和 委員長 御異議なしと認めます。よって、議第302号は可決すべきものと決定しました。
以上で当委員会に付託を受けました議案の審査はすべて終了いたしました。
これをもちまして、
教育市民委員会を終わります。
午後 3時27分 閉会
出席説明員
〔市民生活局〕
市民生活局長 中 山 通 晴 局次長 原 幸代子
地域振興部長 千 葉 中 首席民生審議員 佐々野 松 也
社会生活部長 堀 川 信一郎 首席民生審議員 大 田 晃
文化交流部長 元 村 信 弘 人権推進総室長 山 本 正 則
北部総合支所長 北 村 政 典 河内総合支所長 渡 辺 和 男
飽田総合支所長 出 田 二 郎 天明総合支所長 前 崎 末 喜
地域づくり推進課長杉 原 青史郎 地籍調査課長 森 廣 幸 喜
市民課長 合 志 暢 一 幸田市民センター所長
西 岡 弘 一
大江市民センター所長 生活安全課長 中 山 正 樹
角 田 重 雄
男女共生推進課長 宮 本 朋 子 青少年育成課長 木 戸 桂 介
文化振興課長 金 坂 義 徳 市民会館長 中 島 博 幸
国際交流課長 前 渕 啓 子 人権推進総室次長 國 本 秀 顕
隣保館長 福 間 眞 青少年センター所長冨 田 慶 二
〔教育委員会〕
教育長 永 山 博 教育次長 堀 川 治 城
教育総務部長 嶋 村 早 人 首席教育審議員兼総務課長
安 藤 經 孝
学校教育部長 城 重 幸 首席教育審議員 北 島 剛 房
生涯学習部長 古 川 司 郎 首席教育審議員兼文化財課長
富 田 紘 一
教育センター所長 杉 本 三 昭 図書館長 山 下 清 史
博物館長 大 橋 康 教育企画課長 廣 塚 昌 子
施設課長 境 博 明 学務課長 堀 洋 一
教職員課長 河 上 強 教育審議員 秋 山 大 路
健康教育課長 山 口 敬 三 人権教育指導室長 江 口 哲 郎
必由館高等学校長 加 藤 修 千原台高等学校長 鈴 木 幸 人
総合ビジネス専門学校長 生涯学習課長 木 村 朝 男
岡 崎 澄 雄
社会体育課長 大 塚 和 規 中央公民館長 古 閑 修
花園公民館長 國 本 和 克 子ども文化会館長 宗 心 明 博
教育センター副所長中 島 衛 図書館副館長 松 本 茂 美
博物館副館長 野 口 恒 夫 必由館高等学校事務長
坂 本 泰 三
千原台高等学校事務長
岩 永 益 夫
参考人
熊本市
現代美術館副館長
南 嶌 宏
〔議案の審査結果〕
議第 302号 「財産の取得について」……………………………………(可 決)...