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平成14年第 4回定例会−12月13日-02号
平成14年第 4回定例会−12月13日-02号

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  1. 熊本市議会 2002-12-13
    平成14年第 4回定例会−12月13日-02号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    平成14年第 4回定例会−12月13日-02号平成14年第 4回定例会  平成14年12月13日(金曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第2号                         │ │ 平成14年12月13日(金曜)午前10時開議              │ │ 第  1 質問                             │ └─────────────────────────────────────┘                            午前10時01分 開議 ○宮原政一 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ──────────────────────────── ○宮原政一 議長  日程第1「質問」を行います。  順次発言を許します。鈴木弘議員。          〔20番 鈴木弘議員 登壇 拍手〕 ◆鈴木弘 議員  皆さんおはようございます。公明党の鈴木弘です。  さて、私たち公明党市議団は、去る10月15日に105項目にわたる予算編成に関する要望を行いました。  その冒頭趣旨で我が党は、「行財政改革は本市の至上課題でありますが、その基本的な考えは、徹底した熊本市の施策やシステムを見直すことによって財源を捻出し、少子高齢社会への備えとして、福祉の充実を図り、財政の健全化を図ることが基本であります。この考えに立てば、財政健全化は市民の犠牲の上に財源不足を賄おうとするものではなく、福祉、教育、環境といった未来に残すべき財産をさらに充実させながら、制度疲労を起こしているすべての施策、システムの再構築を図るべきであります。」という考え方を示しました。  この考え方は私の一貫した主張でもあり、これまでの私の提案を精査しながら、新市長に基本的な考え方を含め質問をしたいと思います。基本的には市長に答弁を求めますが、これまでの経緯や詳細など執行部担当者に答弁をいただいても結構です。毎回質問項目が多く、早口になりがちですが、お昼過ぎの終了を目指していきます。  また、本格的な予算編成は春以降を検討されているようですので、具体的に答弁できないことも十分理解していますので、その方向性だけは十分見えるような要領を得た答弁をお願いします。  それでは、質問に入ります。
     周辺町との合併と政令都市移行について、基本的な考え方を市長にお尋ねします。  この問題について、公明党は、特措法の期限である平成17年3月までに、政令都市の人口要件などをクリアできる周辺町との合併を目指していくこと。また合併交渉の相手としては、住民発議など具体的に本市との合併を望む声が上がった周辺町を対象として交渉を行うとの立場をとっています。  今後の展開として、住民投票が周辺町でなされていくと思われますが、そうした中、周辺町の中から熊本市は借金が多いからとの声を聞くことがあります。ここでは詳細を省きますが、こうした声は熊本市の公債費比率(借金の割合)などが高いことによります。  この問題は、前三角市長が平成7年に、それまでのやみ借金と言われかねなかった開発公社の負債(借金)を処理するため、本市地方債で約200億円で穴埋めをしたことによるところが多く、その処理も平成15年にはようやく完了し、今後の財政運営次第では、5年後ぐらいには19%台に改善できるところまで来ていることなどを示していくことが重要ですし、それ以上にそれぞれの町とどのようなまちづくりができるのかを示していくことではないでしょうか。  そこで、お尋ねいたします。  まず、政令都市指定を目指すのかどうか。  次に、政令都市指定を目指すのであれば、その前提となる周辺町との合併を、17年3月までを目指すのかどうか。  3点目に、交渉相手の対象をどこの自治体と考えているのか。  4点目に、合併に向けて今どのようなことが重要であると考え、今後どのように推進していかれるのか、お尋ねをいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  鈴木議員にお答えいたします。  私の提案理由の中で述べさせていただきましたとおり、都市機能の充実した活気あふれる政令指定都市の実現は、私の市政運営の3つの柱の1つでございます。  私は、政令指定都市は、現行の地方自治制度上最も自治が保障された制度であり、権限や財源の移譲も行われることから、市民の皆様の参加による日本一住みやすく活力あるまちづくりを推進するため、また熊本県全域を牽引していくためにも、政令指定都市へ移行すべきであると考えております。  これまでの市議会及び特別委員会で御検討いただいているところでもあり、今後も市議会の御意見を賜りながら、政令指定都市移行に向け全力で取り組んでまいる所存でございます。  さて、本市が政令指定都市に移行するためには、合併特例法に定めます平成17年3月までに周辺自治体の複数の町と合併を行う必要がございます。もちろん合併につきましては、合併する自治体それぞれの住民の合意が必要であることは言うまでもございません。したがいまして、住民合意の上、法の定める期限までに合併を進めてまいりたいと考えております。  次に、合併の対象先についてでございます。  本市の周辺町では、現在、住民発議による本市との合併協議会の設置請求や、町による住民アンケート調査などいろいろな動きがございます。これらの動向を注意深く見守りながら、まずは住民発議が行われている町や、アンケート調査で本市が上位に位置した町を念頭に置きながら取り組んでまいりたいと考えております。  次に、合併に向けて、今何が重要で、今後どのように推進するのかとのお尋ねでございます。  私といたしましては、最も重要なことは、市民や周辺町の住民の皆様への積極的な情報の提供であり、また本市と周辺町との信頼関係の確立であると考えております。  今後、住民説明会、市政だより、市のホームページ、新聞やテレビ等の報道等、あらゆる機会をとらえて正確な情報の提供を行うとともに、私自身周辺町に出向き意見を交換したいと考えております。  将来の熊本市がますます発展してまいりますためにも、今後とも政令指定都市への移行については、市民の皆様や市議会の御理解を得ながら積極的に取り組んでまいる所存でございます。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  政令都市については、今後、住民説明会や広報等で正確な情報提供を行い、市長自身も周辺町に出向き意見交換をするとのこと。  このほかに、ぜひとも熊本市民や本市の各団体への積極的な働きかけを求めるとともに、特別委員会でも提案いたしましたが、パブリックコメントを段階を見て導入されることを提案しておきます。  次に、行財政改革と本市の構造改革についてお尋ねをします。  傍聴の皆さんには聞きなれない言葉が多いため、できるだけ平易な言葉を使いますが、私の能力不足のためわかりにくいときはお許しを願います。  さて市長は、住民参加と情報公開をうたい熊本市長になりました。これらの具体的な取り組みとして、一つには事業の優先順位をつけるための政策評価行政評価制度導入をうたっています。  私も同じく、事業の客観的な優先順位の決定が必要であると機会あるごとに主張をし、その方策として、まずは企業会計システムの導入を提案してきました。つまり貸借対照表バランスシート)と、企業の損益計算書に当たるサービス形成勘定の導入です。  それまでの行政の会計システムは、歳入と歳出、つまりお金の入りと出だけを計上、集計した決算書のみが作成されていたため、税金などを使って整備された資産(財産)の内容や、将来返さなければならない負債(借金)や、返済しないでよい正味資産(財産)の状況がわからない状況でしたが、これが平成13年度からのバランスシートの導入でわかるようになり、さらに過去と比較したり、類似都市と比較することにより本市の財政状況を分析することが可能になりました。  もう一つの行政コスト計算書とは、市役所は道路とか公園とか、いろいろな施設をつくる以外の、例えば証明書の発行や福祉サービス、ごみ処理など形に残らない市民サービスなどを行っていますが、これらについても直接払われる経費以外に間接的な経費などすべての経費を加えて、行政サービスの内容や効率性などを明らかにするものです。これも13年度から作成、公表されました。  残念なことに、この行政コスト計算書は、私の提案してきた内容までにはなっていません。私の主張は市民サービス項目ごとの詳細な総コスト(経費)計算です。今研究がなされているようです。できる限り早期の実施を要望しておきます。  次に提案してきたのが行政評価制度の導入です。  この行政評価制度は、まだ内容がまちまちで、手法も多種多様なのが現状で、熊本県で見ると94市町村のうち2カ所のみで導入されているにすぎません。  本市でも新総合計画から導入し、毎年の実施計画の中で400余りの事業について、事業目的と目標値の設定、さらには成果指標が示されています。また、本年度から行政評価実施要綱が定められ、事務事業評価に試行錯誤しながら取り組みを始めています。  しかしその内容を見ると、まだまだ改善すべき点が多いと指摘せざるを得ません。個々の指摘は省きますが、目標値も本来の事業目的を示すものとなっていないものも多く、成果指標も達成度や効率、効果を示すものになっていないものが多く見受けられます。  さらに問題なのは、なぜ行政評価制度を導入するのかということが徹底されていないためか、事業の成果を求めることに意識が向き、本来のPDCA(計画、実行、評価、改善)というサイクルがなされていません。  このため、結果を踏まえ今後どのように生かしていくのか、またどう改善していくのか、ましてや事業の存続、廃止といったことが判断できるようなものにはなっていないのが現状です。  本市での取り組みは始まったばかりであり、担当者は何でこんなことをやらされるんだといった同僚からの冷たい視線を、あるときは受けながら試行錯誤してきたことも十分理解していますが、ぜひとも費用対効果(使われた費用に対する効果)や、市民、社会ニーズに対する満足度など可能な限りの客観的で正確なランクづけができ、当初の目的である事業の優先順位づけができるよう早急に改善をすべきであると考えています。  そこで、本市の行財政改革構造改革についての基本的な考え方についてお尋ねをします。  また、行政評価制度については、まず当初の目的である事業の優先順位づけができるよう早急な改善を行う考えはあるのか、またその方向性を考えていれば示していただきたい。  2点目に、現段階での本市行政評価制度は、施策評価(政策を実現するための具体的な対策の評価)が中心になっていますが、ぜひとも政策評価にも適用すべきであると考えますがどうか。  3点目に、内部評価のほかに第三者機関による評価を行うべきであると考えるがどうか。  4点目に、それらをすべて公開すべきであると考えるがどうか。  以上の点についてお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  今、鈴木議員からお尋ねのありました行財政改革と本市の構造改革に関しまして、私の考え方をまず申し上げます。  10年後の新幹線の開通、政令指定都市への移行問題など、まさに本市は大きな転換期を迎えており、極めて重要な時期であるという認識を持っております。  このような中、選挙期間中を通じまして、市民の皆様の思いとして最も強く感じましたのが、市政刷新に対する期待の大きさでございました。  これまで本市におきましては、第5次総合計画における行政評価制度の導入、行政改革プログラム中期財政計画の策定と推進、事務刷新会議の設置など、これまでさまざまな取り組みがなされております。  しかしながら、今、市民が求めておりますものは、これまで以上にダイナミックで迅速な改革であり、そして政策決定プロセスや推進の状況、さらにはその結果を広く公開することでございます。  一方では、市民の方々に対しましても、新しい熊本市づくりに積極的な参加を求め、行政と市民の緊張感あるパートナーシップを確立していくこともまた市政の構造改革の原点である、そう考えております。  そこで、私としましては、まずは日ごろからの職員との対話を通じて、市民の視点に立った顧客志向の行政サービスへと意識改革を進めていきたいと考えております。  その上で、市民から信頼される開かれた市政の実現に向け、行政評価に基づく優先順位の明確化や、パブリックコメントパブリックインボルブメントなどによる市民の市政への参画機会の拡充、政策決定における透明性の確保、さらにはNPOなどとの連携、民間委託や民営化の検討など、官民の役割分担に基づく市役所改革と、官民の協働によるまちづくりに全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。  今後は、私なりに研究、検証を行った後、具体的な改革に着手してまいりたいと考えております。          〔福島靖正副市長 登壇〕 ◎福島靖正 副市長  行政評価制度の御質問につきましては、私の方からお答えさせていただきます。  議員御案内のとおり、本市では本年度から要綱を定め行政評価を行っており、成果指標の設定、費用対効果を見るための人件費を含む事業費の算出、さらには事業成果の検討、課題の抽出と改善方向の検証など、事業単位で実施しているところでございます。  現在行っております行政評価は、成果と課題及び効率性を明らかにすることにより、事務事業の改善とより効率的な運営に資することを目的としたものであり、本制度の導入により、従来の単なる予算執行から顧客志向、成果主義への転換、市民への説明責任に対する意識づけ等について、少しずつ市役所内部に浸透してきたところであります。  しかしながら、実施していく中では、職員研修の不足を初め幾つかの課題が明らかになったところであり、また今後は、事業そのものの可否や優先順位づけができ得るよう、さらに改善していく必要があると認識しております。  具体的には、現在の400を超える事務事業を、措置事務や施設管理運営事業など効率的改善を図るべきものと、道路整備など市民ニーズや総合的な施策の観点から優先順位を明確にするものとに分類し、特に優先順位を明確にするものについては、市民ニーズや費用対効果などの評価項目を設定し、内部評価とともに第三者機関による客観的な評価により、事業の是非や優先順位を検討する仕組みを構築する必要があるということでございます。  今後、このような方向でさらなる調査研究を進め、優先順位づけができるような行政評価制度を構築してまいる所存であります。  また、行政評価の対象として政策レベルまで適用すべきとのことでございますが、現要綱でも政策、施策レベルでの行政評価の実施を規定しております。しかしながら、政策や施策レベルでの効果を検証するためには、一定期間事業を実施した上でないとできないものであり、毎年度は事務事業評価を行いながら、一定期間経過した後、その効果を踏まえ、政策レベルでの行政評価も実施したいと考えております。  さらに、これらの評価結果等については、市民への説明責任を果たす意味から広く公開してまいりたいと考えております。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  行政評価制度について、第三者機関による客観的な評価の導入や、今後事業の可否や優先順位づけができるようさらに改善していくとのこと、また結果については、市民への説明責任を果たすため広く公開をしていくとの答弁がありました。前進と思います。期待をしておきます。  なお、事業の可否判断方法として、私はサンセット方式の導入を提案してきました。これは期間を設定し、それまでの間に実施できなかった事業については基本的には消滅するというものです。一考の価値があります。検討を要望しておきます。  続きまして私は、行政を経営(マネジメント)という側面でとらえていくことが重要であると主張してきました。この行政経営行政内部で見ると、大きく2つに分けることができます。その1つが政策の立案とこれに連動した予算執行の経営であり、2つ目が現在の施策や事業の経営です。  このほかに重要なのが外部マネジメント(経営)です。この外部経営には、パブリックコメント(PC)制度やパブリックインボルブメント(PI)、または審議会、広報機能、それから住民投票などを挙げることができ、これらすべては市民との協働の推進につながる経営手法です。  私はこれまでPCやPI制度の導入を主張し、PCは本年4月から導入が図られ、PIもコミュニティーセンター建設での住民設計などに取り組まれてきました。  ここでPC、PIを少しだけ説明をしておきます。  パブリックコメントは、基本的な計画や条例などを立案する場合に、これらの案の趣旨や内容を公表し、市民から出された意見を考慮して意思決定を行う方法です。  またPI(パブリックインボルブメント)は、公共事業などを行う場合に、設計段階から住民に参加をしてもらう方法で、従来の行政からの公共事業の提案に対する住民側からの反対運動という構図を解消する行政手法です。  ともに市政への市民参加と、行政の説明責任の履行により、公正で民主的で開かれた市政を実現する重要な制度です。やはりこれらも導入が始まったばかりであり、さらなる充実、拡大が必要と考えていますが、市長も計画段階からの住民参加の促進をうたわれています。  そこで、お尋ねいたします。  まずは、住民参加の促進手段としてPCやPI手法の充実、拡大を図られるのか。  2点目に、導入対象は、私は、市電の延伸問題や交通問題、さらには政令指定都市問題など本市の重要施策にも導入を図るべきであると考えますが、どう思うのか。  さらに積極的な手法を取り入れたい施策があればお聞かせください。  次に、予算編成のあり方についてお尋ねをいたします。  でき得る限り未来の子供たちに借金を残さず、その上で市民サービスの向上、充実をさせていくのか。今、行政が問われている喫緊の課題であります。  本市の予算構成を14年度当初予算で見ると、一般会計では総額2,165億円。このうち人件費、扶助費、さらには借金の返済や経常的な諸経費、そのほかに国民健康保険など削減できない繰出金があり、これらを差し引くと551億円が残ります。つまり、この551億円で道路や新幹線の建設といった投資的事業や、さらにはごみ収集といった市民サービス事業などのソフト事業を行わなければなりません。  さて熊本市では、12年度から試行的に予算編成における重点政策の立案を行うサマーレビューの導入を図ってまいりました。7月中旬に行われることからサマーとついているのですが、導入そのものは大きな前進であり高く評価をしてまいりましたが、私の見る限りでは各局の要望にとどまっており、ここで財務状態を参考にしながら、全庁的な重点政策の検証と立案の場になっていないような気がします。  そこで、お尋ねいたします。  まずは、サマーレビューについてどのように考えるのか。  2点目に、サマーレビューで立案された重点政策案を庁議内容としてホームページに掲載をし、さきに述べたパブリックコメント制度を導入されてはどうか。  3点目に、市長は、来年3月の当初予算では義務的経費を計上し、その後に政策的経費を計上していきたいと述べているようですが、今から事業の優先順位を決定するシステムをしっかりと構築し、年度の重要政策が早い段階で公開できるシステムを16年度予算の編成から実行する考えはあるのか、お尋ねいたします。  行財政改革と本市の構造改革の最後に、本市の外郭団体の改革とPFIについてお尋ねをいたします。  これまで私は、本市の構造改革の必要性から、民間活力の導入を訴え、その具体的な方法として民間委託やPFIの導入を主張してまいりました。  さて、本市の外郭団体には、地方自治法に定める出資率50%以上の法人や、設立当初から本市が関与をし、本市と関係の深い法人数で見ても17団体あります。  この外郭団体の改革を目指し、平成12年度より外郭団体等調整委員会が設置され、まずは資質向上のための研修を行い、現在、各団体の諸問題を解決するためのヒヤリングや検討が始まったと伺っています。せっかく始まった検討です。具体的な取り組みが望まれます。  特に団体の職員は、これまで事業設置目的の実現に向け、それぞれが必死の努力をしてきたと思います。そうした中、社会情勢の大きな変化が起こり、今後のことを大変不安視されている方も多いと聞きます。どのような事業の改革がなされ、身分などもどのようになっていくのか、そうした不安にこたえるためにも、きちっとした部署で、しっかりとした検討と取り組みが必要と考えています。  また、民間活力の導入という観点からPFIの導入を主張してきました。このPFIとは、英国のサッチャー政権時代に萌芽となる動きが始まりました。小さな政府を志向するサッチャー政権は、国営企業の民営化、通信、ガス、水道といった当時の典型的な公共事業の丸ごとを民間企業に委託する外注化を徹底いたしました。そしてメイジャー政権誕生後に一気に加速されたのがPFIです。  このPFIで行われた事業には、ファザカーリー刑務所カーリスル病院、鉄道延長、学生寮、博物館などがあります。実際イギリスにも調査に行ってまいりました。いずれにしろ、このPFIは民間のノウハウを活用して、高い行政サービスをより効率的に提供する手段として、取り入れ方次第では大変効果のある方法と考えています。市長も本市の構造改革のために民間活力の活用をうたわれています。  そこで、お尋ねいたします。  まず、本市外郭団体の改革のために、きちっとした組織の立ち上げと、しっかりとした検討と取り組みをされるのか。  2点目に、PFIに対する考え方と、具体的にどの分野でPFIの導入を考えられるのか、お聞かせください。          〔福島靖正副市長 登壇〕 ◎福島靖正 副市長  まず、1点目のパブリックコメントパブリックインボルブメントについてお答えいたします。  パブリックコメント制度につきましては、本年度から本市でも導入をしており、今回、地域保健医療計画文化振興計画、高齢者・介護保険計画についても実施することとしております。  また、パブリックインボルブメントにつきましても、環境基本計画健康くまもと21の策定や、地域コミュニティーセンターや公園など、地域施設の整備などでもモデル的に実施してきたところであります。  これらの制度は、計画段階からの住民参加を促進する手法として非常に有効なものであり、今後パブリックコメント制度の周知徹底を図るとともに、市民が意見を出しやすいようさらなる改善を進め、またパブリックインボルブメントについても、さまざまな分野で積極的に取り入れていきたいと考えております。
     また、市電延伸や都市交通問題、さらには合併、政令指定都市移行問題等は、新世紀の本市の将来を左右する重要な課題であることから、これらの手法を含め、積極的な情報提供を行いながら、幅広い市民意見を拝聴する機会を設けてまいりたいと存じます。  次に、サマーレビューについてお答えいたします。  サマーレビューについては、次年度の重点事業や施策に対する基本的な方向性を定めるため平成12年度から実施しているものであり、早い段階で次年度予算に対する基本方向を明らかにすることで、より計画的で効率的な予算編成に大きな効果をもたらしております。  今後、さらなる計画的な予算編成に向け、政策決定システムの改善に取り組んでいかなければならないと考えており、例えばサマーレビューの前提として、次年度予算規模等の大枠を示し、これを踏まえて次年度の主要な公共事業の事業量や新規事業の優先順位、事業規模等の方向性を示していくようなことなどを検討してまいりたいと存じます。  また、サマーレビューをより効果的に進めるために、事前の事務レベルでの政策検討会議を行うことなども必要ではないかと考えております。  加えて、議員御指摘のとおり、政策決定過程における透明性を確保する上で、次年度の市政運営の基本方向等について早い段階で広く市民に公開し、意見を拝聴することも非常に重要な視点であり、あわせて検討してまいりたいと存じます。  今後、開かれた政策決定システムのもとで予算編成を行うことができるよう、早急に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、外郭団体とPFIのうち、PFIに関しまして私の方からお答えをいたします。  PFIは、公共施設の整備、維持管理、運営等を民間の資金や能力を活用し効率的、効果的に行うものでありますが、現在、福岡市のごみ焼却熱を利用した地元還元施設の建設、運営、管理など、九州内で3件の事例があり、導入する自治体は年々増加しております。  本市ではこれまで、熊本開発研究センターの呼びかけによる研究会や、コンサルタント業者による説明会などを通じて基礎的な調査や研究を行ってまいりました。  PFIの手法は、行政の効率的な運営を進めていく上で非常に有効な手段であると認識しており、今後、公共施設の整備や管理運営に当たっては、このような手法により民間活力の導入を積極的に図ってまいりたいと考えております。  しかしながら、導入効果であるバリュー・フォー・マネーの実現には一定以上の事業規模が必要であり、今後十分な調査検討を行った上で、どのような事業に導入すべきか判断してまいりたいと考えております。          〔古川康総務局長 登壇〕 ◎古川康 総務局長  外郭団体の改革を進めるための組織の立ち上げとその取り組みにつきまして、私の方から答弁させていただきます。  外郭団体の改革に関しましては、庁内の関係課で組織しております内部組織でございますが、外郭団体等調整委員会でこれまで種々取り組んでまいりました。本年度実施いたしました各団体からのヒアリングで把握されました課題等をまず整理した上で、各団体の設立目的や現在の事業内容、経営状況、さらには公益法人としての組織のあり方、民間との役割分担等を多面的に再検討し、抜本的な見直しを行っていく必要があると考えております。  また、この改革を進めていくに当たっては、それぞれの団体の所管課が個々別々に判断し実施するというのではなく、全庁的に統一した客観的な方針や基準にのっとった見直しが必要と考えております。  そのためには、見直しの方針や全体計画、基準等を策定し、各団体や所管課との十分な協議を重ねながら調整し推進していく体制を確立する必要があることから、今後、その機能や所管についても行政組織の中により明確に位置づけていく必要があります。  このような組織体制やその機能につきましては、行財政改革行政評価等の自治体の経営体制のあり方と密接にかかわるものでありますので、具体的には行政運営システム全体の見直しの中であわせて検討してまいりたいと考えております。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  今、ちゃんとやれよという声も飛んでおりましたが、自治体経営にPCやPIがさらに導入されるとのこと。  また、サマーレビューでは、年度予算規模等の大枠を決め、その上で主要公共事業の事業量、新規事業の優先順位や事業規模などを示せるものにしていき、事前に政策検討会議を設けるとのこと。次年度政策運営の基本方向等を早い段階でまた市民に公表し、意見の聴取を行うとのことです。  さらに、PFIの導入については検討を行っていただけるということでありますし、外郭団体の改革については、見直しの方針や全体計画、基準等の策定、そして各団体との十分な協議と調整を行うための組織の立ち上げを考えていると示されました。しっかりと取り組みをお願いしたいと思います。  次に、子供たちの健やかな育成のための施策についてお尋ねをいたします。  私はこれまで、未来を担う子供たちのための対策について、いろいろな質問や提案を行ってまいりました。その中には、実現できたもの、現在調査中のものなどさまざまです。これらを整理しながらお尋ねをいたします。  まず乳幼児対策として、新生児聴覚検査(聞こえの検査)のマススクリーニングの実施です。マススクリーニングのスクリーニングとは検査のことで、マスとはすべての子供たちを対象にすることです。  先駆的な取り組みをしている岡山県の倉敷成人病センター、かなりや学園などでの調査を通して、全出生児を対象とした検査体制の確立と療育体制の充実を提案いたしました。  子供の言語活動は2歳ごろから始まりますが、聴覚、聞くことは初期からあります。このため難聴を早く発見し、早くから適切に対応すれば言語をより多く習得できます。早期発見、早期療育体制の確立が求められています。  この提案を受け、13年度から早期発見と早期療育について検討を行う専門医や療育施設などとの協議会が立ち上がり、これと並行して、障害児療育事業の入り口事業として、湖東町にこども発達相談窓口が開設され、さらに交通局跡地などでの療育、相談事業の充実に向けた検討がなされていると聞き及んでおります。  市長も県議時代に、本県の難聴幼児通園施設ひばり学園を調査されたと聞いています。早期発見、早期療育の重要性は十分理解されていると考えています。  そこで、お尋ねいたします。  全新生児を対象とした聴覚検査体制の実施についてどう思われるのか。  2点目に、難聴児を含む障害児の相談、療育事業をどのように進めていかれるのか、具体的なものがあればお答えをください。  続けてお尋ねいたします。  子供たちの健やかな育成のために欠かせない事業として、乳幼児の未就学児までの医療費の無料化があります。公明党はこれまでも未就学児までの無料化を提案してまいりました。  そうした中、前市長時代に2回の改善が行われ、現在では約12億4,000万円で、5歳未満児(ただし4歳児は歯科のみ)までの拡大が図られてまいりました。また国の健康保険法の改正に伴い、乳幼児の医療費負担が引き下げられました。これを原資としてさらに助成事業を拡大できないかと考えています。  さて小泉総理は、その演説で待機児童ゼロ作戦を打ち出され、少子化対策臨時特例交付金などが対策費として交付されました。少子化対策臨時特例交付金は私たち公明党が主張をし実現をさせてまいりました。小泉首相は発言について、公明党さんの政策をそっくりそのまま使用させていただいたと述べていますが、公明党が待機児童ゼロ戦略として主張してきたものであります。  これを受け本市でも、保育園での待機児童、これは保育園に入園を希望していても、定員を超えるため入園できない児童のことですが、この解消のための事業が進められてきました。その結果、かなりの待機児童の解消がなされてきています。しかし完全に解消された状態とはなっておらず、希望した園に入れず、遠方に入園している潜在的待機児童を加えると、まだまだかなりの待機児童がいると思います。この解決のために、地域によっては新たな保育園の認可も必要になってきているのではないでしょうか。  また、保護者から見れば認可も無認可保育園も同じであります。子供を預けるという点では関係ありません。このほかにも、教育行政の管轄である幼稚園との関係など、保育行政の新たな転換点に来ています。  このほか、児童虐待防止対策の充実も1期生のときから訴えてまいりました。国連で子どもの権利条約が採択をされ、我が国でも94年に国会で批准、発効されました。  虐待は生後間もない子供から中学生まで急激にふえていること。身体的虐待だけでなく、心理的、性的虐待へとエスカレートしていること。その背景には、経済的理由などのほかに、子育て困難症候群という新たな問題があること。さらにはスチューデント・アパシー、ピーターパン症候群、清潔シンドローム、アダルト・チルドレンといった、次の親となる青少年の中に子育て困難症候群の予備軍とも言える現代病が忍び込んでいることなどを指摘をし、虐待防止対策の充実を求めてきました。  当時の答弁としては、児童相談所が県または政令指定都市にしか持てないことから、関係部局との協議の場を設け、何ができるか検討していくとのことでした。  本市は、ようやく政令指定都市を目指せるところまで参りました。政令指定都市になれば児童相談所も持てることになります。虐待はしたくないのにしてしまっているケースが大変多いのが現状ではないでしょうか。子育てのストレスからの解放や心のケアなどその対策は多種多様です。  その準備とノウハウを蓄積することも含め、防止システムの構築や通報体制など多くの施策を検討すべきであります。そして、その拠点となる児童サポートセンターを設置すべき段階に来ているのではないでしょうか。  そこで、お尋ねいたします。  乳幼児医療費の無料化を未就学児まで拡大する考えはあるのか。  2点目に、特に健康保険法が改正され、新たな原資を得る可能性があります。県がその分を助成から引き揚げることのないようまずはしっかりと交渉され、段階的にでも、入院と歯科のみ未就学まで延長するとか、入院のみ延長するとかという考えはあるのか、お聞かせください。  3点目に、待機児童解消のために新たな保育園認可の可能性と、認可、無認可保育園と幼稚園といった乳幼児施設の支援のあり方をどのように考えるのか。  4点目に、児童虐待防止対策の充実と、それらの対策の拠点となる児童サポートセンターを設置する考えはあるのか、お尋ねをいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  子供たちの健やかな育成に関する考えと、そのほか難聴児対策、乳幼児医療費、待機児童解消、児童虐待防止など何点かの御質問をいただいておりますけれども、私は、公約として次世代にまで責任の持てる新しい熊本市を築くことを市民の皆様にお約束しているところでございます。  この中で子育て支援につきましては、平成15年度に行います熊本市子どもプランの見直しの中で、さまざまな家庭環境に対応するために、仕事と育児の両立の支援や家庭での子育ての悩みの解消を図るため、保育所待機児童の解消や地域での子育て支援についての施策に取り組んでまいる所存でございます。  子供たちの健やかな育成を実現するためには、本当の意味で子供の視点に立つことが重要であり、子供の視点によるこれらの施策の実施を初め、あらゆる施策の展開に全力を傾注することが必要であると考えております。  個々具体的な御質問につきましては、健康福祉局長の方からお答え申し上げます。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  子供たちの健やかな育成について、御質問にお答えいたします。  まず、全新生児を対象とした聴覚検査でございます。  新生児の聴覚検査は、難聴児の早期発見とその後の療育のために大変重要なことでございます。平成12年度から一部の都道府県や政令指定都市においてはマススクリーニングが試行的に実施されております。  本市では、療育システム検討会議の中で、熊本県ひばり園の園長先生より熊本県の聴覚障害児の現状について説明を受けたところであり、また、熊本大学医学部を事務局とする熊本県新生児聴覚スクリーニング推進協議会の中でもスクリーニングシステムが検討されているところでございます。  現在、市内37の産婦人科医療機関のうち、4カ所の公的病院と10カ所の産婦人科開業医には検査機器が導入され、自己負担で検査が実施されている状況であります。現在支援策を模索中でありまして、今後、国や県の動向を見ながら検討してまいりたいと考えております。  次に、難聴児を含めた障害児の相談療育事業でございます。  先天的に何らかの障害を持つ子供さんや、後天的に何らかの障害を有するに至った子供さんが、一人の人間としての一生を全うするために、成長を助け、自立を支援し、生活の質の向上を図り、最終的には社会全体のノーマライゼーションの確立を目指すことが療育の理念だと言われております。  本市におきましては、本年5月に社会福祉審議会から療育に関する答申をいただき、これと並行して、庁内における療育システム検討会議の報告をまとめ、現在、療育システムの構築作業に着手しております。  これらの答申、報告を踏まえ、中核的機能を有する施設を設置して、社会福祉施設、医療、教育機関等の社会資源を有機的に結びつけるネットワークシステムを構築し、療育事業を推進してまいりたいと考えております。  次に、乳幼児医療費の無料化についての御質問でございます。  議員御案内のとおり、乳幼児医療費の自己負担分の助成制度につきましては、昭和48年度にゼロ歳児の医療費補助を開始して以来、順次対象年齢を引き上げてきたところでございます。  この制度は、乳幼児の健全な育成を促進することが目的であり、少子化対策の一環としてとらえまして、御質問の対象年齢の拡大につきましては今後検討してまいりたいと存じます。  続きまして、待機児童解消のための新たな保育園認可と乳幼児施設の支援についてでございます。  待機児童の解消につきましては、これまで認可保育園の定員増や定員の弾力化等により対応してきたところでございます。その結果、平成14年4月時点の待機児童は47人と、前年に比べかなり減少してはおります。  しかしながら、議員御指摘のとおり、潜在的な需要も考えますと、今後も引き続き重要な課題であると認識しております。  お尋ねの待機児童解消のための新たな保育所の認可につきましては、将来の保育需要や保育所の地域バランスの問題など総合的に勘案し対応してまいりたいと考えます。  認可外保育施設に対する支援につきましては、従来から園児の賠償保険及び職員の研修に対して行ってきているところでございます。  本年10月に改正されました児童福祉法で、一定の条件を満たす認可外保育施設は届け出が義務づけられました。この届け出に基づきまして、現在実地調査を行っておりまして、より詳しい実態が把握できるようになってまいりました。  これからの支援につきましては、認可外保育施設が果たしている一定の役割にかんがみ、実態を把握した上で必要な支援を検討してまいりたいと考えます。  最後に、児童虐待防止対策の充実と児童サポートセンターの設置についてでございます。  最近の子育て環境の変化を受けて、児童虐待は全国的に年々増加傾向にあります。 熊本市におきましても例外ではなく、憂慮すべき問題と受けとめ、平成12年10月、内外30の関係機関から成る熊本市児童虐待防止ネットワーク連絡会を設置し、連携を強化しながら児童虐待の防止に取り組んでいるところでございます。  本市での平成13年度の発生件数の約7割はこのネットワーク関係機関からの連絡でありまして、事例検討会などもタイムリーに開催して支援体制の強化を図っているところであります。特に児童虐待は早期発見、早期対応が大切であり、地域に密着したきめ細かい相談、支援を実施する必要がございます。  今後は、さらに関係職員の資質向上に努めるとともに、よりきめの細かいサポート体制の構築を目指す中で、議員御提案の児童サポートセンター的な機能につきましても検討してまいりたいと考えております。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  新生児を対象とした聴覚検査の実施と、難聴児を含む障害児の相談、療育事業の充実は、前に進もうという意思は感じ取れました。  聞こえのことですけれども、2歳から言葉が大体始まりますが、耳の方は、聞こえの方はゼロ歳からあると言われており、早ければ早いほど言語の習得ができると話をいたしましたけれども、調査をした中では、すぐに発見がされた場合、通常の子供の半分近くまで言葉を習得できるとの話がありました。早期発見、早期療養が望まれます。  また、乳幼児医療費の無料化を少子化対策の一環として拡大を検討されるとのことであります。できれば来年度から入院と歯科からでも拡大されることを希望しておきます。  保育園については、認可外の調査を今行っておりますが、ぜひとも急いでいただいて、認可外の支援を考えるとのことでございますので、よろしくお願いをしたい。また認可について、新たな認可、または東京で行われている認証保育園というのも参考になるのではないかと考えております。  児童虐待防止ネットワーク連絡会議は、我が党の提案もあって設置をされました。児童虐待は根絶するとの決意で臨む必要があります。その拠点となる児童サポートセンターが一日も早く実現できるよう私も努力をしてまいりたいと考えております。  次に、きめ細やかな教育環境の推進についてお尋ねをいたします。  未来の子供たちの健全育成には、きめ細やかな教育環境の推進が重要になります。市長は今議会に30人学級のための調査費を計上されています。昨年3月に成立した法律等の一部改正によって、国が定める学級編制の標準である40人を下回る特例基準を県教育委員会の判断で設定できるようになりました。  市長も県議会で質問されましたが、特例基準を設ける考えは県から出てまいりませんでした。教職員の増員を県と話し合いでしか実現できない本市でも、県とも話をしてまいりましたが、県は40人の基準を緩和する考えはありません。  そうした中、本市でも少しでもきめ細やかな教育環境を実現するため、TT(チームティーチング)など少人数授業を推進してまいりました。  ここで、1学級当たり21人から33人編制を実施する計画の山形県の例を紹介をいたします。その取り組みは2つに大別されます。1つは学級の子供の数を減らす少人数学級、もう一つが教師の数をふやして行う少人数授業であります。  少人数学級では、1つの学年に34人以上の学級が2学級以上あるとき、その学年の学級を1学級ふやし、1つの学級の児童の数を21人から33人とすることであります。  少人数授業では、中学校の全学年と、小学校で34人以上の学級が1学級だけの学年では、学級の数はふやしませんが教師の数をふやし、複数の教師が手分けをしてきめ細やかな指導を行うとしています。  この先生をふやすことで、2つの学級を課題別に3つの学習グループに分けたり、1つの学級を2つの学習グループに分けたり、さらには、本市でも既に導入をしていますが、1つの学級を2人の教師で指導する体制などをとることができます。参考になると考えています。  私の正直な感想を言えば、教育立県と豪語する県の対応としてはいささか消極的過ぎると感じています。教職員を独自に採用する権限を持たない中核市以下の市町村にとっては県の対応が大変重要になります。県議出身の市長には県との交渉を大いに期待をしたいと思います。  少人数学級にしても、少人数授業にしても、その基本はきめ細やかな教育環境の整備にあります。このきめ細やかな教育環境整備の一環として、私は障害児教育の充実を機会あるごとに訴えてまいりました。その一つがLD(学習障害児)教育です。  私が初めて学習障害児について取り上げたのが平成9年6月。知的発達におくれはないが、聞いたり、話したり、書くことなど特定の表現や習得などに困難を示す児童であり、一般で言う学習不振児とか、多動性児童とは区別されるとのこと。また、このLD児は2%から5%の範囲で存在する可能性があること。LD児の99%が通常学級であること。このため教員への啓発が大変重要であることなどを指摘し、素早い対応を求めました。  この質問に対し、当時の後藤教育長は、前副市長でありますが、大変貴重な意見と前置きした上で、教育委員会も教育現場もほとんど認識していなかったことを認め対策に着手されました。  以来、実態調査の実施で学習障害児ではと思われる児童が何と500名程度いることや、外部識者を入れた研究会の立ち上げ、教員への研修の実施、啓蒙、さらには全国に先駆けたパンフレットの作成など、対策事業を推進していただきました。非に気づき対策事業を推進してきたことに感謝をいたします。しかしこれらは今始まったばかりだと考えています。  このほかにも、平成10年に固定の特殊学級と通級教室の充実を求めました。これも残念なことに、指摘した事項を余り掌握されていなかったのが現状でした。しかし担当職員は私の指摘を素直に認め、その後積極的に対応してくれています。  その結果、固定の特殊学級については、1人でも希望があれば設置する基準に転換が図られ、県との協議を重ねながら粘り強く教員の配置をかち取っています。通級教室については思った以上の進展はまだあっておりません。  この通級教室は、情緒、言語、難聴児を中心としており、私が指摘をしてきた学習障害児も含まれると考えています。また、難聴児のための聞こえの教室の保護者の方から、担当教師が異動によってかわるたびに子供たちがゼロからスタートしなければならない危険性があり、教員研修の充実などの要望がありました。早速担当部局に検討をお願いし、ことしの夏以降教育センターで2回の研修が実施されたと聞いております。これもまだ緒についたばかりであります。通級教室のさらなる充実が喫緊の課題と考えています。
             〔議長退席、副議長着席〕  これらを踏まえ、お尋ねをいたします。  公明党は少数化教室として20人から25人の教室を求めました。この考えに対し、松垣教育委員長は個人的見解として、少数化教室を極めて重要かつ有効な措置としてとらえた上で、児童・生徒の数が少なければ少ないほど担任のきめ細やかな学習指導が行われること。また、子供の性格や能力を見きわめ、個性を伸ばす教育が期待されると、その理由を述べました。  その上で、少数化教育の実現を教育改革の万能薬であるかのように見てしまってはならないとも指摘をされています。その理由として、小学校で多くの場合1人の教師が全教科を担当する建前が今なお堅持されていること。中学校ではクラス担任は1人が原則になっていることを挙げています。  また、教育の効果を高めるためには、児童・生徒の少数化と対応して教師の多数化を進めるべきであるとも指摘をしております。さまざまな分野からの職業人、専門家などの社会人特別講師を非常勤の形で登用することも重要であると指摘をしています。  さらにチームティーチングの教育、すなわち英語や数学などで行われている2人の教師による授業方式を高く評価し、この方式の可能な限りの拡大と、子供の学力や学習への取り組み、努力、協調性や粘り強さなど、いわゆる人物評価をクラス担任が1人で行う現行制度を、複数担任制の導入で意欲的に検討することの重要性も述べられていました。  そこでまず、少人数学級、少人数教室についての考えを聞かせてください。  2点目に、LD(障害児)教育については、これからが始まりと考えていますが、いかがでしょうか。  3点目に、障害児が通常学級で学べる体制の整備と強化、特に通級指導の充実が喫緊の課題として取り組まれる考えはあるのか、お尋ねをいたします。  関連として、公明党市議団は、予算要望として、このほか児童育成クラブの内容充実と設置促進、いじめ、不登校対策の強化、教育相談の充実を含めた新教育センターの建設促進、新図書館構想の推進などを要望しています。  これらについては、それぞれ所属委員会でしっかりと議論していきますが、特にいじめ、不登校対策の強化として、全国に先駆けて熊本大学の協力を得て実施をしたユアフレンド制度は各地から視察に訪れるほど好評で、この事業の立ち上げに際し、前教育長が、いじめ、不登校は根絶できるとの強い信念で事業に着手したいと述べて推進されたことに大変感謝をしています。さらなる充実を要望しておきます。  また、児童育成クラブの内容充実と設置促進及び新図書館構想について、現在の検討状況をお尋ねいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいまきめ細やかな教育環境の推進についてお尋ねがございました。  私の方からは、山形県の例ですとか、前教育委員長の発言を例にして、御質問なさいました少人数学級と少人数授業の考え方についてお答えをさせていただきます。  私は、少人数学級も少人数授業も、基本的には子供たち一人一人に目を向け、個に応じたきめ細やかな教育を推進する上で極めて効果的な手法であると考えております。  本市ではこれまで、議員お触れになりましたけれども、4年生非常勤講師派遣を初め、チームティーチング、複数指導体制など、これまでの学級の枠にとらわれない少人数授業を推進してきたところであります。これは国の方針に沿ったものでありまして、県の学級編制の基準を尊重した現実的な対応であると理解をしております。  一方、今回調査費を計上いたしました30人学級、つまり少人数学級につきましては私の公約の大きな柱の一つでもありますので、最優先課題として今後進めていきたいと思っております。  そこで、今年度はまず、少人数学級を実践している先進都市を調査するとともに、市民への情報提供と意向聴取、アンケート調査を行いたいと思っております。そして県との協議を進め、同意が得られれば平成15年度にはモデル校を設置したいと思っております。  また、具体的な方策等を審議するために公募委員を交えた検討委員会の立ち上げも考えております。この検討委員会では、少人数授業についても意見を聴取し、30人学級との併用の可能性等についても論議をしていただきたいと考えております。          〔永山博教育長職務代理者 登壇〕 ◎永山博 教育長職務代理者  3点についてのお尋ねでございます。順次お答えをしてまいります。  まず、1点目のLD(障害児)教育についてでございます。  議員御案内のとおり学習障害児(LD児)は、知的発達におくれはなく、読んだり、書いたり、計算したりなど、特定なものの学習に困難を示す子供たちです。  教育委員会といたしましては、鈴木議員を初め議会からの御提言もあり、学習障害児調査研究委員会の成果を生かし「学習障害(LD)児の理解推進のために」を作成し、小中学校の教職員一人一人へ配付いたしたところでございます。  本年7月には、本研修資料を活用し、通常学級担任等約120人を対象に研修会を実施し、学習障害児の定義や具体的対応について研修を行い、理解啓発を図ったところでございます。  しかし学習障害児は、子供一人一人の状態が異なり、その状態の把握や具体的指導について困難な面があります。議員御指摘のとおり、本研修資料を新しい出発点として、今後とも学習障害についてすべての教職員の理解を深め、適切な対応ができるよう資質を高めてまいります。  また、LDを初め障害児のサポート体制についても、管理職を中心とした指導体制の確立を図り、学級支援員の活用等、一人一人の状況に応じた支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の障害児が通常学級で学べる体制の整備、強化、特に通級指導教室の充実についてお答えをいたします。  通常の学級での学習におおむね参加でき、一部特別な指導を必要とする児童・生徒のニーズにこたえるため、言語、難聴、情緒通級指導教室を、小中学校合わせて9校に25教室開設しており、本年5月1日現在、およそ230人の児童・生徒が通級しております。大半は指導を受けるため、他校から保護者に付き添われて通級しております。このようなことから、平成12年度に言語通級指導教室を3校、平成14年度にも難聴通級指導教室を1校新設いたしたところであります。  議員御指摘の通級指導教室の充実につきましては、県費教員の加配が必要でありますので、本市における児童・生徒の通級の実態、保護者の意向、学校の実情等を県教委に御理解いただき、教室の増設を図ってまいりたいと思います。  さらに、教育は教師の資質、力量に左右される点が大きく、特に通級指導教室担当教師の資質向上を図るとともに、通級する児童・生徒の在籍学級担任の理解がなければ指導の効果が半減いたしますので、一層の研修の充実に努めてまいりたいと考えております。  最後に、3点目の新図書館構想についてのお尋ねでございます。  本年9月に、有識者や各界各層の代表者9名から成る熊本市図書館検討委員会を設置いたしまして、本市にふさわしい図書館のあり方や基本的機能等について御検討をいただいております。  検討状況につきましては、現在までに9月下旬に第1回目を、11月上旬に先進地視察を、12月上旬に第2回目の検討委員会を開催いたしております。  第1回の検討委員会におきましては、検討委員会設置の趣旨及び市立図書館の現状の説明を行い、第2回目の検討委員会では、視察いたしました仙台市、青森市の図書館の状況についての報告や、本市図書館の視察説明を行ったところでございます。  次回の検討委員会からは、社会の変化に対応した図書館のあり方やその機能、さらには現在の市立図書館の活用も視野に入れ、新しい図書館の必要性について具体的に御検討をお願いしたいと考えており、平成15年度のできるだけ早い時期に基本的な構想を取りまとめていただきたいと思っております。          〔源寧生市民生活局長 登壇〕 ◎源寧生 市民生活局長  私の方からは、児童育成クラブの検討状況についてお答えいたします。  現在、児童育成クラブの内容充実につきまして、本年7月に庁内11の課から成ります検討会議を立ち上げ、個々の課題について協議を重ねてまいりました。平日の開設時間の延長、春、夏、冬休み期間の開設日や土曜日の開設時間の拡大、指導員の配置拡充、施設整備等に関する課題につきまして検討を加えますとともに、中核市並びに九州の県庁所在地の市の調査を行ったところでございます。  さらに、より具体的な保護者等の要望や考え方を把握するために、小学校1年生かに4年生までの保護者や児童育成クラブ指導員等を対象に近々アンケート調査を実施する予定でございます。  なお、障害を持つ児童につきましては、本年度4年生までの受け入れを実施いたしました。  平成14年度中にはこれらの調査検討を踏まえまして、児童育成クラブのあり方の概要をまとめ、より適切な運営に努めてまいりたいと存じます。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  少人数教室については、公募委員を含む検討委員会を立ち上げるとのことです。基本はきめ細やかな環境整備です。少人数教室と少人数授業など幅広い議論を期待したいと思います。特にこういった教育問題は、県費加配など県の対応が大変重要になります。しっかりと県と交渉を行っていただきたいと思いますし、今持ち上がっている政令市への移行、これになりますと県とは離れてやっていけると、こういう大きな利点もあるのではないかと考えております。  LDを初め障害児のサポート、通級教室の充実については、これからも取り上げてまいります。  児童育成クラブの充実については、アンケートを近々実施されるとのこと。かぎっ子対策から子供たちをはぐくむ事業への転換を期待し、幅広い議論を望みます。  人と環境にやさしい都市を目指して、数点にわたりお尋ねをいたします。  今、健康で文化的な都市生活を維持するために、交通負荷が少なく人と環境にやさしい総合交通体系が求められています。これまでの提案を整理しながら、基本的には公共交通網を中心にお尋ねをしてまいります。  まず、路面電車と熊本電鉄を基幹交通に位置づけ、LRT交通網の整備として、結節の強化を提案してまいりました。このほか結節強化では、新水前寺駅でJRと路面電車の結節強化策が具体的に進み始めていますし、上熊本駅、藤崎宮駅など路面電車と熊本電鉄との結節の強化を主張してまいりました。特に上熊本駅では、思い切って相互乗り入れを提案してまいりました。それは、現在走っている熊本電鉄も市電同様に基幹交通と位置づけられるからで、そのために電鉄車両のLRV化が必要となります。  LRVとは低床電車のことで、ステップの段差をなくした車両のことです。導入を議会で質問したとき、当時運輸省はLRVの導入をまだ認めておらず、当時の交通局長が工夫と交渉を行い、97年に日本で初めてLRVが導入されました。その努力に今でも感謝をしています。以来、国内各都市から多くの視察があり、広島電鉄、名鉄岐阜市内線、東急世田谷線でも導入され、路面電車イコールLRVの時代を迎えています。  欧米で導入されているLRT交通システムは、細かくは省きますが、環境への悪影響を排除する手段であり、移動手段のバリアフリーの代表であり、景観にもすぐれ、定時制の確保された大量輸送機関と位置づけられています。この意味で、私は路面電車の延伸とあわせ、熊本電鉄のLRV化と相互乗り入れは大変重要であり、ぜひとも実現すべきであると考えますが、いかがでしょうか。  日本初の先駆的導入を図った熊本市のLRV(低床電車)は、本当の意味でその機能が生かされていません。その原因は、相互乗り入れ、延伸、そして電停の本格的改良がなされていないからです。  低床電車は、段差少なく乗れる以外に音も静かで、実は時速70キロという高速運転ができ、登坂性能(坂を登る性能)8%と急坂に強い車両で、箱根登山鉄道と同等の能力を有しています。  このことから、本市での基幹交通としては最適であると考えており、車両編成も3両が望ましい車両となっています。このため、現在の電停の抜本的な改良を提案、副市長をトップとする検討委員会が立ち上がりました。  このほか公共交通網の整備として、バスの共同運行の早期実施を提案してまいりました。バスは基幹交通と連動しながら、市民の日常生活を支える公共交通と位置づけています。  今バスに求められているのは、定時制の確保、高い走行性、そしてわかりやすく利用しやすいバス路線網の整備と考えています。このためこれまでバスレーンの強化、バス優先システム、パーク・アンド・ライドなどあらゆる提案を行ってまいりましたが、根本的にはバスの共同運行しかないと提案を繰り返してまいりました。  バス事業は走行環境の悪化により乗客が減少し、大変厳しい状況に追い込まれています。このままではバスが都市からなくなるとの危機感から、群馬県館林市の事例を紹介いたしました。また欧米で採用されているPSO(パブリックサービスオブリゲーション)の考え方を再三にわたり提案してまいりました。  少しだけ紹介をいたしますと、この群馬県館林市は、自家用車を優先し、バスを廃止してしまった結果、まちが廃れてしまい、バスの復権運動が起こっている事例であります。PSOとは、公共交通の整備を福祉と同様にとらえ、助成などを含め重要政策として積極的にかかわっていく考え方です。  特にバスの共同運行に関しては、民間事業者の考え方や本市が交通局を抱えていること、県や警察の協力が欠かせないことなどから、考え方には賛同してもらえるものの、検討に向けての積極的な答弁はありませんでした。  また、これにあわせ、基幹交通の整備と、それを補完するバス網の整備を目指した共同運行の実現を図るための検討委員会の設置も再三にわたり求めてまいりましたが、これも残念ながら積極的な答弁はありませんでした。  市長も県議時代に、公共交通網の整備について具体的提案をされています。その提案内容を見ると、手前勝手ではありますが、かなり多くの点で共通する考えのように思っております。  そこで、お尋ねをいたします。  まず、路面電車と熊本電鉄を本市の基幹交通ととらえ、LRV(低床電車)化と相互乗り入れ、さらには市電の延伸を積極的に推進する考えはあるのか。  また、バスについては、基幹交通を補完するものであると述べてきました。具体的には基幹バスと支線バスに分け、ゾーンバスシステムをつくり、通常のバスでは運行できない地域では小型バスや乗り合いタクシーの運行が望まれ、そのために共同運行の検討が喫緊の課題となっていると認識を示しました。  この共同運行には、運輸連合による方法やPFIを導入した方法などが考えられます。  そこで2点目に、バスの共同運行を積極的に実現される考えはあるのか。  3点目に、基幹交通の整備とそれを補完するバス網の整備を目指した共同運行の実現を図るための検討委員会を設置する考えはあるのか。思い切って共同運行の実現に絞って検討会を立ち上げる方法もあると思いますが、どうでしょうか。  4点目には、これらの検討に当たり、さきに述べたPSOという考え方を導入する考えはあるのか、お尋ねをいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  人と環境にやさしい都市を目指してということで、公共交通に関しまして4点質問をいただきました。今、議員からもお話がございましたように、健康で文化的な都市生活を維持するために、今ある交通体系の活用と、交通負荷が少なく、人と環境にやさしい総合交通体系が求められているということに対しましては、私も全く同感でございます。  まず、1点目の市電のLRV(低床電車化)については、バリアフリーやユニバーサルデザインの観点から、高齢者、障害者や子供を初め、すべての人に利用しやすい車両の提供が必要であると認識をしております。  上熊本駅における熊本電鉄との相互乗り入れにつきましては、市議会の都市活性化対策特別委員会におきまして論議され、一日の乗り継ぎ利用者が少なく時期尚早とされたところであり、早期の実現は困難な状況でございます。  しかしながら、結節機能の強化につきましては、平成13年5月に都市交通マスタープランの中で提案されており、JR鹿児島本線連続立体化事業にあわせて取り組んでまいりたいと考えております。  また、市電の延伸につきましては、先ほど述べました都市交通マスタープランの一つの施策として提案されておりまして、現在、国、県、県警、市及び各交通事業者で構成しております熊本都市圏交通円滑化総合対策部会におきまして、九州新幹線開業予定のおおむね10年後までに取り組むべき事業を都市交通アクションプログラムとして策定中であります。その中で、市電の延伸ルートの絞り込みを行っており、本市の都市的発展や交通問題への対応から、市電の路線延伸は重要な課題と考えております。  今後、都市交通アクションプログラムを尊重しながら、関係機関の理解、協力を図りつつ、費用対効果の検証など実現化に向けた検討、研究に努めてまいりたいと考えております。  続きまして、2点目のバスの共同運行の積極的推進についてでございますけれども、公共交通機関の利便性向上は総合交通体系の大きな柱の一つであると認識しており、中でもバスは主要な公共交通機関として重要な働きをしているものであると考えております。  ただ、これまでバス交通につきましては、さまざまな活性化策が実施されてきましたものの、利用者数は依然として減少傾向が続いておりますのが現状であり、今後は共同運行を含めたバス網の再編についても取り組む必要があると認識をしております。  したがいまして、本市といたしましてもバス交通の現状を十分分析し、市民の足を守り、利用者の利便性の向上を図るという観点から、市民の意見を取り入れながら、バス事業者の理解と協力を求め、主体的に検討を進めてまいりたいと考えております。  3点目のバスの共同運行の実現を図るための検討委員会の設置に関しましては、まずはバス網の再編の検討を行う組織について、関係機関、例えばバス事業者間の協議の組織である社団法人熊本県バス協会などと相談しながら、その立ち上げについては取り組んでまいりたいと考えております。  4点目のPSOにつきましては、市民の日常生活に欠かすことができないサービス提供が公共の責務であるという考え方でございます。この考え方を公共交通に適用することにつきましては既に海外におきまして取り入れられているところでございます。  しかしながら、欧米型のPSOを導入するには、我が国の現行制度では問題点も多く、新たな概念でのスキームが必要であるとともに、税金を投入することに対する市民のコンセンサス形成も不可欠でございます。そこで、まずは広く市民に対して、公共交通機関の果たす役割などを今後も積極的にPRしてまいりたいと考えております。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  交通問題についてお伺いをしました。本市の基幹交通を検討するときに、まず大事なのは車両のLRV(低床電車)化を外すことはできません。それも3両編成による高速運転が求められます。もちろん市街地では逆にゆっくりとまちに調和しながらの運行が求められます。  上熊本での相互乗り入れは、現状の利用状況であり、LRV化と延伸が図られれば状況は一変するのではないかと考えています。  共同運行を含むバス網の再編は、今御答弁がございましたけれども、1つは本市が主体的に進めていくということでございますし、バス協会と話し合いながら、特にバス網の再編については協議の場を設けていくという答弁がありました。まだまだこれからの検討となると思いますけれども、大変厳しい現状の中で、どう市民の足を守り、まちの活性化を図り、そして事業者の生き残りのためにも、事業者の協力は得られるのではないかと私は考えております。私も微力ながら側面からしっかりと応援をしてまいりたいと考えております。  PSOについては、今後もしっかりと議論をしてまいりますが、この共同運行等を考えるときに、市民のしっかりとした理解を得なければならない。その意味で、この問題提起をこれからも続けてまいりたいというふうに考えております。  関連として、さくらカード事業についてお尋ねをいたします。  平成7年、老人等福祉回数券のフリーパス化の提案を行いました。このときの質問のきっかけは、実は私がまだ議員でないころ、障害者の方と話し合う機会がありました。筆談を通じての対話でしたが、障害者の社会参加を進めるために回数券方式を充実できないかという話で、場所は熊本市桜木方面で、まだ冬の寒い夜の対話でした。  その後議員となった初質問でこの問題を提案しました。これに対し当時の野田市民局長は、回数券方式からカード方式への転換は斬新な話とした上で、かねてからの懸案となっていた無料パス券の問題の解決につながるため、大いに研究し、事業者と協議し、協力をお願いして多年の懸案の解決のために努めると答弁。翌日の新聞でも積極答弁の文字が躍りました。  その後、具体的な方策が事業者とも検討され、翌8年3月に準備経費を計上。前市長の敬老の日から始めたいとの熱い思いから、その年の9月から待望のさくらカード事業が始まりました。以来、事業者の大変な協力をいただきながら、いろいろな改善を行い、今では本市での重要政策と定着をしています。   名称も数通りが検討されました。今覚えているところでも「いきいきカード」と「さくらカード」。当時担当課長からこれらの名称を聞き、初めてこの相談を受けた場所が桜木であったことから「さくらカード」に決まるといいですねと言ったことを覚えています。  また事業の準備段階で、1つに不正防止のためにも写真を添付すること。2つ目に乗降状況を正確に把握すること。3つ目にプリペイドカードなどカード化を行うこと。4つ目に一定のスキームを持つことの4点のアドバイスを行ってまいりました。写真の添付は、当初人権問題を気にして実施されませんでしたが、案の定後日実施となりました。残り3つはいまだ実施されていません。  このさくらカードは大変好評で、事業者の予想を上回る利用がなされていますし、今、本市との合併問題で住民発議がなされた町では、合併を望む理由の一つとして挙がるほどです。そして余りにも好評なことから、委託料を上げるか、一部利用者負担の話が上がりました。このことについて本年3月、維持継続させるとの立場から、事業者にかつて在籍した一人として検証と提案を行いました。  その骨子は、事業者の多大な協力で維持できていることに感謝しつつ、元気な高齢者対策は21世紀の最重要施策であること。運賃計算に当たっては、交通弱者であり、長期利用者であることから割引として5割程度が妥当であること。また、乗客が減少し、事業者の台所が大変厳しい中で大事なことは、さくらカードとは別に、さきに述べたPSOの考え方を導入し、公共交通を福祉事業ととらえる助成制度など本格的な体制が必要であること。  また、一部負担として利用者に一律100円徴収をすることは不平等であることや、払いたい人に払ってもらうのは差別を生むことになること。その上で、市や事業者に感謝する気持ちから一部負担してもよいという考えを持っている方も多いことから、カード発行時に振込用紙を配布し、後日振り込んでもらい、基金としてバス活性化事業に使ってはどうかと提案をいたしました。  そして最後に、一律負担がないような無料継続での永続的な解決方法を探るべきであると主張いたしました。  3月の質問から9カ月がたちました。一律負担がないような無料継続での永続的な解決方法を探られたのでしょうか。この機会に無料継続での永続可能な具体的な提案を行いたいと思います。  いろいろな混乱が起こる原因は、実は事業実施段階で私がアドバイスをしてきた項目が実施されていないことによると考えています。  もう一度そのときの項目を示しますと、1つに不正防止のために写真を添付。2つに乗車状況の正確な把握。3つ目にプリペイドカードなどカード化。4つ目に一定のスキームを持つことです。1つ目の写真の添付は実施済みになりました。
     事業が実施される前、プリペイドカード業者に確認をいたしました。カードにはエンコードというものがあり、どこから乗り、どこでおりたかを記憶できます。また写真も刷ることができるとのことでありました。このことは実施前に執行部にも伝え、そのための予算も検討されたようですが、しかしながら実際には採用されませんでした。もしこのとき採用されていれば、今の混乱はなかったのではと考えると残念でなりません。  正確な乗りおりの情報がとれるということは、正確な運賃が計算できるということです。そのデータをベースに、4つ目の一定のスキーム、つまり弱者対策、福祉対策としての割引の考え方を勘案し、どこまで事業者に協力をお願いするのか。きちっとした枠組み(スキーム)を確立すべきであります。この枠組みが決まれば、利用状況の変化に合わせ十分検討が可能になると確信をしています。  乗客がふえているとの主張と、委託料だからという主張がかみ合わず、本当の意味での実態がわからないまま市民に一部負担を求めるのでは市民不在と言えます。もし周辺町との合併が成立した場合、その地域の部分はどう考えるのでしょうか。また実際の利用者が減った場合はどうされるのでしょうか。利用者の実態がわかるシステムの構築が急務であります。  そこで、お尋ねをいたします。  市長は、さくらカード事業は存続させるが、見直しも必要ではないかとの考えを持っているとも聞いています。まず、さくらカードは存続させるのか。  2点目には、事業者と話し合い、利用の実態を把握するシステムを構築される考えはあるのか。  3点目に、一定のスキーム、つまり弱者対策、福祉対策としての割引の考え方を勘案し、どこまで事業者に協力をお願いするのか。きちっとしたスキーム(枠組み)を確立した基本合意書を作成すべきであると考えますが、いかがでしょうか。先が見えれば事業者も十分協力いただけると確信をしています。  4点目に、一部負担を求める見直しは、今はよくても利用の抑制策となり、本来の趣旨を損ねかねないと思いますが、いかがでしょうか。  以上、お伺いをいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいまさくらカード事業につきまして何点か御質問をいただきました。  さくらカード事業は、議員御案内のとおり平成8年度に開始をされまして、本年度で6年目を迎えております。本年10月末で6万5,000人の高齢者や障害者の方がさくらカードを持たれているところでございます。また、先般の意識調査の結果におきましても、約8割の方が事業の継続を希望しておられ、私としましても継続を前提として考えております。  さくらカード事業のあり方について、いろいろな御論議をいただいているところでございますけれども、今後、この事業が円滑に運営できるよう、現在、県バス協会と検討プロジェクトを設け協議を進めているところでございます。  その中で、議員御提案のきちんと利用者を把握する意味での利用実態調査や、障害をお持ちの方たちへの配慮などにつきましても協議をされているところでございます。  特に、利用実態調査につきましては、各バス事業者の協力を得ながらぜひ実施していきたいと考えております。その調査を踏まえまして、先ほどいろいろな御指摘がございましたけれども、それに加えまして幅広い視点からの御論議をいただき、今後のさくらカード事業につきましてはよりよい方向性を見出していきたいと考えております。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  多くの方から、市長が交代したのでさくらカードはなくなるのでしょうかとの問い合わせを私のところにも寄せられています。今継続されるとの答弁を聞いて安心されている方が多いのではないでしょうか。  また、根本は利用実態がわかるということを主張し、それに向け利用実態調査をされると御答弁いただきました。基本データがあっての話し合いとなると思います。その利用実態はOD調査を行うべきであると提案をしておきます。OD調査というのは、起点から終点、どこで乗り、どこでおりたかを調べる調査のことを指します。これがわかれば正確な運賃が判明いたします。紹介したようにプリペイドカードを使ってのOD調査も可能なことをつけ加えておきます。  次に、共生と共助社会についてお尋ねをしてまいります。  まず、自然との共生との観点から、環境問題についてお尋ねをいたします。  この夏にアフリカ・ヨハネスブルクで開発・環境サミットが開催をされました。これは92年のブラジル・リオデジャネイロでの国連環境開発会議で採択をされた、持続可能な開発のための行動計画であるアジェンダ21の検証と、新たな行動計画策定のためのサミットであります。  20世紀、私たちは大量生産、大量消費、大量廃棄を続けながら、今日の豊かな社会を築いてまいりました。しかし一方で地球温暖化など地球規模の環境問題の解決が喫緊の課題となっています。  こうした中、本市はいち早く環境保全都市宣言の採択や、CO2の20%削減を打ち出すなど積極的に環境問題に取り組んでまいりました。  また、さきに本市で開催し成功裏に終了した国際環境都市会議くまもと2002は、12年9月に環境保全都市宣言5周年を契機に、友好都市や姉妹都市と地球規模での環境を守る都市間会議を開催してはどうかと我が党が提案。  これに対し前市長は、第1回目のミニ世界会議を桂林でという提案もしていたが、環境保全都市宣言から5年目ということで、でき得るならば熊本市の方で走ってみたいとの趣旨の答弁を行い、以来直接本人が各国に働きかけ、議会でも議論を重ねていただいて実現をしたものです。  この会議の意義は、熊本市が地球環境保全都市としてスタートを切るための扉をあけたと位置づけることができ、今後どのように恒常的な展開をしていくのかが問われることになります。  さて環境問題では、これまでもいろいろな角度から提案や質問を行ってまいりました。例えば、住民参加と環境教育の立場からリサイクルリーダーバンクの創設、県市共同の熊本地域地下水総合調査の実態、環境基金の一本化、環境保全融資制度の創設、白川中流域の水田や広葉樹林での地下水の涵養対策の強化などです。  地下水は本市が世界に誇れる重要な自然資源です。しかしこの地下水の収支が悪化をしており、このまま推移すれば重大な危機に瀕する可能性も指摘をされています。  もし地下水が枯渇するようなことになれば、住民生活、生態系など環境面での影響はもとより、代替水源確保のための莫大な行政負担が起こることは明らかで、地下水保全対策のより積極的な取り組みが求められています。  特にこれまで指摘してきたように、広葉樹林や白川中流域での水田による地下水涵養は保全対策の骨格をなすものと考えています。  話は変わりますが、市長は環境会計について触れられています。熊本市は国際環境 都市会議を前にISO14001を取得し、市役所内での環境負荷のマネジメント(管理)が始まりました。これを受け、私も次は環境会計の研究が必要と考えていました。  十分御存じとは思いますが、概要を紹介しておきます。  環境会計とは、欧米では10年前から先進企業で取り組まれ、日本では企業を主体に99年ごろから導入され始めている環境対策の費用対効果をあらわす方法です。  例えば1例を挙げますと、1億円を使ってリサイクルを導入したとした場合、その結果リサイクル品の売り上げや廃棄物の処理費用が減少し、結果として2億円の削減がなされたとすると1億円の黒字ということに環境会計ではなります。  このように環境会計は、どのように最小の環境経費で最大の効果を上げたかを示す方法で、ISOの環境に負荷(悪影響)を及ぼさないよう管理、工夫する手法と区別することができます。  残念ながら、その内容を見ると費用項目は環境庁によってガイドラインが示されているものの、効果項目は検討段階で、試行錯誤が行われているのが現状です。  しかしながら民間環境研究機関によっては、熊本市が既に導入したISOと連動させた環境会計や、今後企業などで進むであろうLCA(ライフサイクルアセスメント)と連動した環境会計の研究や提案がなされており、時代の趨勢としてまずは企業を中心に導入が進むことは明らかであります。  特に日本で開発された環境会計は欧米との大きな違いがあり、環境報告書による情報開示といった外部報告が主流になっております。このことから環境対策を市民に理解してもらう手段として有効であり、今から研究を始めるということは大変有用であるというのが私の考えです。  これを踏まえ、お尋ねをしてまいります。  まず、10月末に本市で開催された国際環境都市会議を新たな出発点とした、環境都市くまもとを今後どのように世界に発信していくのか。  2点目に、第1回の県市共同熊本地域地下水総合調査開始から10年が過ぎました。これは以前にも別な形で調査が2回行われております。担当職員と意見交換をしていて興味を持つ発言がありました。その方は、人の健康を保つためには検査が必要です。県市共同による地下水調査はこれと同じですと。そのとおりだと思います。ぜひとも第2回県市共同による地下水総合調査を実施していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  3点目に、地下水の涵養対策として、白川中流域での水田による涵養は、公明党でもその実態を視察しましたが、大変有効と考えています。具体的に推進するために対策室なりを設置するなどして積極的な対応を望みますが、いかがでしょうか。  4点目に、環境会計の導入についてどのように考えるのか、お答えください。  なお関連として、これまで提案をしてきたリサイクルリーダーバンクの創設、環境基金の一本化、環境保全融資制度の創設のほか、鉛の溶解による健康被害を防止するための啓蒙と、抜本対策としての鉛給水管の計画的な布設がえを要望をしておきます。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいま共生と共助社会を目指してということで、4点につきまして御質問をいただきました。私の方からは地下水に関連しました2点につきましてお答えをさせていただきます。  まず、県市共同の熊本地域地下水総合調査につきましては、水の国勢調査ともいうべき重要な調査であるという認識をいたしております。  地下水に関する事業は広域的な対応が必要でありまして、これまで県市共同で各種施策を展開しております。このような経緯も踏まえまして、県と調査実施に向けた協議を行ってまいりたいというふうに考えております。  次に、地下水涵養対策についてお答えをさせていただきます。  白川中流域の水田は、その特殊な地質のため、熊本地域の地下水涵養に大きく寄与していると認識しておりまして、この地域の涵養策に取り組む必要があると考えております。  また、地下水涵養対策は、全庁的に協議しながら実施する必要があることから、既に福島副市長をトップにしまして、企画、環境、経済、水道など関係部局で構成します庁内会議を設置しておりまして、本年度末をめどに今後の方向性を取りまとめることにしております。このように全庁的な連携体制のもと、積極的に地下水涵養対策に努めてまいる所存でございます。          〔大橋道雄環境保全局長 登壇〕 ◎大橋道雄 環境保全局長  私の方から、環境保全都市くまもとの世界への発信及び環境会計の導入の2点についてお答えをいたします。  まず、国際環境都市会議以降の環境保全都市くまもとの世界への発信についてでございます。  本年10月に開催をいたしました本会議は、おかげをもちまして世界17カ国、73の都市及び機関、団体などから、熊本市民を含め延べ3,000人以上の参加をいただきました。環境保全都市としての熊本を国の内外に大きくアピールすることができたというふうに思っております。  今後、この本会議で採択されました宣言に基づきまして、水やエネルギーなど資源の有効利用に関する施策に積極的に取り組みますとともに、途上国都市との技術や政策面での人的交流など率先して国際協力を進めてまいる所存でございます。  さらに、本年4月に設立をされました市民、事業者、行政などから成りますエコパートナーくまもとを核といたしまして、買い物袋持参運動や環境学習など、市民とのパートナーシップを重視した環境保全対策を進めまして、このような取り組みを国の内外に発信してまいりたいと考えておるところでございます。  また、本市の取り組みのみならず、この会議に参加いただきました各都市の環境保全の取り組み状況についても把握をいたしまして、世界400を超える自治体とネットワークし、本会議にも御協力をいただきました国際環境自治体協議会と連携をいたしまして情報の発信に努め、会議のホスト都市としての役割と責任を果たしてまいりたいと思っております。  このようなことを通じまして、熊本宣言が名実ともに世界の自治体等に持続的に発信され、必ずや環境保全都市くまもとのアピールにつながるものと考える次第でございます。  次に、環境会計の導入についてでございます。  環境会計は、近年、企業等におきまして導入が始まった比較的新しい手法でございまして、環境保全コストの管理や環境保全対策の費用対効果を具体的に評価できる方法であると認識をいたしております。  自治体におきましても、環境施策の有効性の把握や市民に対します説明責任を確保するための重要なツールになるものと思われます。  ただ一方で、現時点におきましては、自治体における導入例は少ないようでございまして、全庁的に取り組んでおりますのは横須賀市、岩手県でございまして、ほかには東京都水道局など企業会計部門の単独での取り組みが数件という状況でございます。  本市といたしましては、先般認証取得いたしましたISO14001を適切に運用する中で、そのシステムとの効果的な連携を視野に入れながら調査研究を進めていきたいと考えております。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  地下水の健康診断を10年に一度は実施すべきと考えています。実はこの問題について県は消極的とも聞いております。ぜひとも積極的に働きかけ、県市共同の総合実態調査が行われるようよろしくお願いをいたします。  また、白川中流域の水田での地下水涵養対策は、既に設置されている副市長をトップとした連絡会議の中で年内にはプランをまとめていただけるとのことでありますので、大変期待をしておきます。  我が党でも、国際環境都市会議を契機とした環境保全都市くまもとの構築に向け全力で取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  環境会計についてはしっかり研究、勉強をしていただきたいと思います。  続けて質問してまいりたいと思います。  ことし3月の質問で、神戸市の竹中さんの主催する社会福祉法人プロップ・ステーションの活動と考え方を通じて、チャレンジドという言葉があることを紹介し、J・F・ケネディの言葉にあるように「すべての障害者を納税者にしたい」との思いから、障害者の自立支援の重要性と、国の支援もあり新たな取り組みとして始まりつつあるジョブコーチの育成と支援体制の確立を訴えました。  チャレンジドとは、挑戦、すなわちチャレンジすべき課題や使命、あるいはチャンスを与えられた人を指し、ハンディキャップにかわる呼び方です。またジョブコーチとは、障害者と一緒に職場に入り、障害者が1人で作業ができるまでの手助けや障害者と事業者との心のかけ橋となる支援員のことを言います。現在、熊本障害者職業センターで11名のジョブコーチが活躍をしています。  過日の報道で、東京世田谷でのダウン症の方たちが、菓子職人を目指して輝く自立の道を歩く姿が紹介をされていました。いろいろな団体の方たちが、小規模作業所の運営などを通じてチャレンジドと社会の接点を模索し続けています。その苦労に頭が下がる思いです。  さきに提案をしたジョブコーチの育成と支援体制の確立とあわせ、チャレンジドも輝く共生社会のため、就労支援のための総合的な対策を構築する考えはあるのか、お尋ねをいたします。  続けて、提案を1つ行っておきたいと思います。  それは地域通貨エコマネーの導入であります。恐らく初めての提案になると思いますので、少し詳しく提案しておきます。  このエコマネーとは、最近話題の地域通貨を指します。これは1980年初めにアメリカのエドガー・カーン氏、この方は弁護士でありますけれども、この方によって考案をされました。名称はタイムダラーと言っています。また日本では、1997年に国際大学加藤教授によってエコマネーとして提唱されました。  この地域通貨に興味を持ったのは、その理念の中に「この世の中に役に立たない人はいない」ということがうたわれていたからです。システムとしては、例えば会員1人が1時間を1点とした場合に、それを会員間で交換するもので、私が別な会員の例えば庭掃除を1時間すれば、相手から1点がもらえます。自分の1点と足すと2点ということになり、この2点を使って別の会員からパソコンを2時間教えてもらうといったぐあいに、だれの1時間も平等であるという考え方です。  この結果、地域で埋もれている人のパワーを掘り起こし、地域の再構築につながる可能性を秘めています。  このように助け合いの輪づくりでもある地域通貨運動は、特に都市部において、失われつつある共同体意識や連帯感を回復させる効用が認められ、地域経済の活性化にもつながる要素を持っていると考えています。  また、我が党の提唱で実現をした地域振興券は、国民経済の活性化に一役買ったわけですが、これに対して地域通貨は期限なしの地域振興券とも言えます。ただしその違いは、地域振興券が法定通貨、いわゆるお金の裏づけが必要であったのに対し、法定通貨の裏づけなしに活用できる点にあります。裏づけは会員相互の善意ということになります。さらに地域通貨の活用で、助けてもらう方も助ける方も、気兼ねなしにサービスの交換ができるという特徴も持っています。  そこで、お尋ねいたします。  まず、地域通貨を導入すれば、これまでにない助け合いの輪づくりができます。つまり共助社会の構築に役立つと考えますが、導入される考えはあるのでしょうか。ぜひとも導入に向け、検討する部署を立ち上げるなどスタートすべきであると考えますが、いかがでしょうか。  2点目に、その方法として大事な点は、行政が住民にまず呼びかけ、地域通貨を活用した本市らしいシステムをつくり、次に大事な点は軌道に乗った段階で住民主導に移して、市は側面から支援していくことが望ましいと考えていますが、あわせて考え方をお聞かせください。          〔田中亮子健康福祉局長 登壇〕 ◎田中亮子 健康福祉局長  障害者の就労支援についてお答えいたします。  本年4月からジョブコーチ事業がスタートし、国の外郭団体である熊本障害者職業センターでは、11名のジョブコーチがこれまでに障害のある方30名に対して職場と仕事に適応するための定着指導を行い、そのうち19名の方については当初計画の指導を終了し、現在は職場定着を目的としたジョブコーチの定期的な職場訪問によるフォローアップが行われていると伺っております。本市でも、まずはこの制度について広報啓発を行うという形で支援をしてまいりたいと考えております。  また、チャレンジドにつきましては、本年10月に熊本県が中心となってチャレンジド・テレワークプロジェクトを発足させ事業展開を始めておりまして、チャレンジドに対する関心が高まりつつあるところでございます。  議員御案内のチャレンジドも、輝く共生社会のため、就労支援の総合的対策の構築につきましては、現在策定作業を進めております新障害者プランの中でも重要施策の一つとして取り上げ、策定委員の皆様にいろいろな視点から御論議をいただきたいと考えております。          〔源寧生市民生活局長 登壇〕 ◎源寧生 市民生活局長  地域通貨の導入についてお答え申し上げます。  地域通貨がボランティア活動の促進というだけではなく、自分もだれかに助けられているというお互いの支え合いを支援し、人と人との関係づくりを築く役割を果たすための有効なツールであるということは共通の認識でございます。したがいまして、この通貨を上手に流通させ、その効果を最大限に発揮させるためには、それをサポートあるいはコーディネートできるNPO等の重要な役割が必要かと存じます。  行政といたしましては、市民の主体性を尊重しながら支援していく体制が大事であり、まずは職員がこの地域通貨についての必要な知識を集積し、その上で市民への情報提供を行い相談を受けるなどの対応が必要と考えます。  いずれにしましても、地域通貨がボランティア活動や地域活動への参加促進、コミュニティーづくりの一助になるという可能性を持っているということから、市民と行政とが協力して取り組むことができますよう、まずは地域通貨について研究に取り組まさせていただきたいと存じます。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  時間も押してまいりましたので、最後の質問にしたいと思っております。  ジョブコーチ、またチャレンジドについてしっかりと支援をお願いしたいと思いますし、地域通貨については、まずは勉強からというところで取り組みを始めていただければというふうに思っております。  熊本市らしい文化芸術振興と経済振興についてお尋ねをします。  政令都市の指定を目指す本市にとって、本市らしい文化芸術の振興と、本市らしい経済振興の視点は大変重要になります。  文化芸術振興については、本年3月に基本的な考え方を提案いたしました。
     その内容は、まず全国邦楽コンクール、芸術文化出張講座など、本市独自の文化芸術振興が起きつつあることを指摘した上で、俳句大会の国際部門の充実、文化芸術都市宣言や文化芸術振興条例の制定、さらには文化芸術振興戦略の策定、(仮称)文化芸術サポートセンターの設置、そして文化芸術を資金面で支える手段としての文化芸術振興基金の創設と、子供たちにより親しんでもらうため、美術館など本市文化施設の常設展入場料の無料化を提案いたしました。  これらのうち、俳句大会については国際俳句大会として充実され、文化芸術行動計画も策定中であり、子供たちの入場料無料化が実現いたしました。  また、文化芸術サポートセンターの設置については富山市と福岡市を視察してまいりましたが、アマチュアや学生が1時間単位で大変安価な使用料で利用できる練習室が数多く整備されており、古典から現代音楽やアートまで多種多様な利用がなされており、文化芸術振興にかける思いを感じてきました。練習、情報交換、育成などができるようなソフト重視の文化芸術サポートセンターが設置できればと改めて考えています。  そこで、これらの提案についてどのように思われるのか、また文化芸術振興についてどのように考えているのか、お尋ねいたします。  次に、経済振興策についてお尋ねいたします。  私は大学卒業まで東京で生まれ育ち、その後初めて熊本に来ました。そのような目で見るときの熊本市の特徴は、広大な平野を持っていること、都市のすぐそばに自然が存在していること、地方都市としては中心市街地が集積されていること、また、熊本城に象徴される歴史と伝統を実感できる都市ということであります。  今、世界が、地球環境を守るため持続可能な発展を模索していると指摘いたしました。こうした観点から見ると、本市はそれを実現できる好条件を持っていると思います。しかしこれら好条件が生かされてはいません。  例えば、中心市街地で見ても、上通り、下通り、サンロード新市街という長大なアーケードがあり、それに各通りがつながっているのにもかかわらず、それぞれのゾーンの役割がまだ分担も含め明確になっておらず、その上で一体性を持つという姿にはなっていません。逆に言えば、工夫次第で幾らでも発展できる要素を持っているとも言えます。  例えば思い切って、これまでの提案になっておりますが、トランジットモール(まちを歩行者と交通機関だけの空間とするゆとりの空間)にしてみるのも一つの方法ですし、また文化や芸術をはぐくみ、憩いの場としての公共空地、少しは進んでおりますが公共空地の面的整備。いずれにしろ、総合的な中心市街地の活性化対策が望まれます。  そこで、お尋ねをいたします。  中心市街地の活性化についてどのように考えているのか。また、総合的な活性化策の策定が急がれます。どのようになっているのでしょうか。  経済振興に関連をして数点お伺いします。  本市には、若者と起業家(新たな事業を起こす人々)対策が少ないように思われてなりません。これまでも提案してきましたが、SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)の支援やチャレンジオフィス設置などを含む起業家支援センターを設置されてはいかがでしょうか。また、視察した大阪市の創業支援センターが運営をしている、起業家などへの相談から支援までを行う「あきないえーど」といった充実したソフト事業も必要と考えています。  このほかに、若者就業サポートセンターを設置し、就職のあっせんだけではなく、就業前のアドバイスや就業後の支援など、総合的に若者が意欲と希望を持って就労できる支援体制をつくるべきと考えています。  また、これまで何度も提案をしてきましたが、本県には定期観光バスがありません。不況と旅行客がパック型から自由、少数化になったことから乗客が減り廃止されました。  そこで提案してきているのが、仙台市や鹿児島市で運行している、主要観光地や主要ポイントを30分間隔程度で運行するループ(循環)バスの運行です。どこを視察に行っても利用客が多く、少人数グループが自由に見たいポイントを観光しています。一度はルートの検討までされましたが、実現に至っていません。  そこで、再度提案をしておきます。熊本駅、熊本城──熊本城については思い切ってどこでも乗れるフリー乗降とします。そして市内主要観光地や主要公共施設などを回る循環バスを運行されてはいかがでしょうか。思い切って、現在熊本城を走っている2台に都心循環バス4台を加えてはどうでしょうか、お尋ねをいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいま熊本らしい文化芸術振興と経済振興についてお尋ねがございました。その中で、私の方からは経済振興につきまして、その中でも中心市街地の活性化についての考え方についてお答えをさせていただきます。  昨年末から本年にかけまして、本市に拠点を置く壽屋、ニコニコ堂の相次ぐ破綻や、熊本岩田屋の撤退問題は、本市の流通業界のみならず経済界全体に大きな波紋を投げかけ、中心市街地の衰退にもつながる大きな問題として、多くの市民、県民に衝撃を与えたところでございます。  そして、14万人にも上る百貨店存続要望の署名が示したものは、都市のシンボルであります百貨店を失うことにより、熊本の都市としての活力が損なわれることを危惧した市民の方々の心情のあらわれではないかと思っております。  幸い、熊本岩田屋の後継百貨店も関係者の御尽力によりまして開店に向け順調に推移をしており、また地域流通経済研究所の調査におきましては2つの再開発事業等が評価され、本市の中心市街地の魅力が再確認されているという報道もなされているところでございます。  中心市街地の活性化のために、本市では平成11年に策定されました中心市街地活性化基本計画に基づく事業を初め、今日まで社会資本の整備、公共交通体系、熊本城との連携、民間によるまちづくり機関であります熊本TMOの活用など、さまざまな取り組みがなされてきているところでありますが、私は今日ほど市民の方々が、中心市街地を含めた都市のあり方に関心を持たれている時代はなかったのではないか、そう考えております。  このようなことから、中心市街地の活性化策につきましては、これまでの取り組みを踏まえながら、商店街を初めといたしまして、多くの方々との対話を重ね、知恵を出し合い活性化策を実行に移していきたいと考えております。          〔源寧生市民生活局長 登壇〕 ◎源寧生 市民生活局長  文化芸術の振興についてお答え申し上げます。  文化芸術の振興は、新たな需要や高い付加価値を生み出し、経済活動にも大きな影響を与え、地域の発展に寄与するものと認識しているところでございます。  現在、本市の中長期的な将来を見据えた文化振興施策を推進するために熊本市文化振興計画の策定を進めており、来年3月末策定をめどに、今月末にパブリックコメントを求め、市民の皆様の御意見を伺うことにし、より実効性の高いものにしたいと考えております。  お尋ねの文化振興施策の推進につきましては、練習、育成、情報交換ができる活動の場として、ただいま議員から文化芸術サポートセンターについての御提案をいただきましたが、まずはだれもが身近な場所で気軽に文化活動に参加できるよう公共施設の有効活用を図ることから取り組むとともに、文化情報の収集と発信並びにその活動情報の交換の場の創出にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  これまで、全国邦楽コンクール、草枕国際俳句大会などを通して観光振興にも寄与してきたところでございますが、今後も宮本武蔵などをテーマに、地域の特性を生かした文化振興に努めてまいりたいと思います。  本市の長い歴史に培われた文化を継承、発展させるとともに、市民一人一人が積極的な文化活動を展開し、新たな熊本の文化創造のために施策を進めてまいりたいと存じます。          〔三嶋輝男経済振興局長 登壇〕 ◎三嶋輝男 経済振興局長  新規創業、就業に関する支援体制についてお答えいたします。  起業家支援は大変重要な課題であり、本市としましても、これまで起業化アドバイザー制度や起業家育成塾、起業化支援融資制度等に取り組み、さらに本年度からはチャレンジオフィス制度等支援策の充実を図ってきたところでございます。  企業や新規創業を志す方々にこれらの施策をより積極的に活用していただくために、今後はIT等を活用し、わかりやすく総合的に各種情報の提供ができるよう努めていきたいと考えております。  また、御提案いただきました起業家支援のためのハード、ソフトの支援体制等、さらなる支援策につきましても、企業の要望、ニーズ等を十分お聞きしながら対応していきたいと考えております。  次に、若者の就業支援体制についてでございます。  若年者の有効求人倍率は依然厳しい数字を示しており、また就職しても早期に離職する人が多く、職業意識の低下も顕著になっております。  これらに対応するため、国においては学生職業相談室を熊本市を初め全国7カ所に設置し、さらに来年度、フリーターを対象とした若年者キャリア形成支援コーナーを全国20カ所程度設置すること等が検討されていると聞いております。  本市といたしましても、在学中の就職指導の支援、高校の進路指導教諭と企業との意見交換会等を通しまして、職業意識の啓発や職業訓練を積極的に実施しているところであり、今後とも国の施策も踏まえながら、関係機関と連携し対応を図ってまいりたいと考えております。  次に、観光のための循環バスの運行についてお答えいたします。  議員御提案の件は、観光客に重立った観光スポットを手軽に楽しんでいただき、さらには、熊本城はもとより周辺観光の活性化の視点からも大変意義あるものと認識いたしております。  御承知のとおり、熊本城はその復元整備に鋭意取り組んでおり、また平成15年NHK大河ドラマ「武蔵」の放映による熊本城への観光客の増加。さらには熊本駅観光案内所での利用者アンケートにおきましても、熊本城及び周辺施設への観光目的が最も多いという結果が出ております。  このようなことから、当面は現在運行している熊本城周遊バスを活用することとし、熊本駅と熊本城、熊本城と中心市街地へのつなぎを視野に入れた熊本城周遊バスの熊本駅までの路線延伸やバス停の見直しを検討してまいりたいと存じます。  また、他の観光施設への周回や、都心循環ゆうゆうバスとの連携につきましては、今後の課題として関係者と研究を行ってまいりたいと考えております。          〔20番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  12時を過ぎて大変申しわけありません。  以上で私の質問を終了いたします。最初に考えた項目の3分の2程度しか質問できなかったような気がしておりますが、これからも議会の場で提案や主張を積極的に行っていきたいと考えております。  毎回のことですが、質問の前1週間ほどはほとんど市役所に泊り込みになります。熊本弁で「すかばれとる」という顔になっておりますけれども、市民のために何ができるのか、このことを問い続けながら質問をつくり続けてまいりたいと思っています。稚拙な表現やわかりにくい表現も多かったと思いますが、努力することをここにお誓いをし、終了します。  傍聴の皆様、そして先輩、同僚の皆様の御清聴に心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)       ──────────────────────────── ○奧田光弘 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                            午後 0時18分 休憩                            ───────────                            午後 2時01分 再開 ○宮原政一 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○宮原政一 議長  質問を続行いたします。上野美恵子議員。          〔6番 上野美恵子議員 登壇 拍手〕 ◆上野美恵子 議員  日本共産党の上野美恵子でございます。  今12月議会は、市政刷新の流れが始まって、多くの市民が熱い視線を注いでいる議会でございます。私にとりましては議員1期目の総決算となる議会です。市民の皆さんの負託にこたえるべく全力投球で臨みたいと存じます。市長初め執行部の皆様の熱意ある答弁をお願いいたします。とりわけ市長には、午前中の議論をお聞きいたしまして物足りない気もいたしましたので、一歩踏み込んだ答弁をお願いいたします。  それでは、質問に入ります。  今回の市長選挙では、市政を変えてほしいという市民の意思がはっきりと示されて、市民が主人公の政治へと市政は大きく転換いたしました。市政刷新を訴えての幸山市政の誕生は、市民が主人公の新しい希望ある政治の流れが生まれたことと同時に、この熊本でも旧態依然とした利権、口きき政治が、もはや21世紀には通用しないことをはっきりと示しています。  そして、この新しい市政への転換を今多くの市民が歓迎をしています。これからオープンになる。口ききやむちゃくちゃがまかり通るのは本当に嫌だった。市民に情報が公開され、一歩開かれるのではないかと期待します。子供たちに目を向けた市政を期待したい。真摯に受けとめ、人の話を聞く態度があるので希望が持てます。また、中心商店街のある経営者が市に陳情を持っていくと、この議員に頼めばできると市の執行部から議員の名前まで挙げて言われたことに大変なショックを受けて、もう絶対に変えなければと思ったとか、ここまで具体的な声が寄せられております。  今回の投票率は49%で、2人に1人の投票ですが、そこにはそうはいっても変わらないという思いがあったと思います。しかし、結果に示されたこの大きな変化に改めて勇気づけられた方も多いのではないかと存じます。幸山市長に直接1票を投じた13万人を超える人たちの後ろには、さらに多くの期待や注目を寄せる市民がいることをしっかりと受けとめて、公約実現に向けて全力を挙げられることを強く希望したいと存じます。  市政刷新、その言葉に込められた市長の思いの真髄は、何よりも口ききやしがらみ政治を打破すること、そのことを断固たる決意と行動力で市政改革を実現することではないかと思います。  清水万石公園用地と坪井6丁目のリロケーション住宅用地の2つの事案について審査をした政治倫理審査会は、2名の議員に対してそれぞれ政治倫理違反と認定をして、辞職勧告と深い反省を求めました。あわせて市長に対しても、口ききに関する改善を求めて、この審査に当たった政治倫理審査会の竹内会長は、熊本市は外務省並みと評しました。  そこでお尋ねしますが、熊本市の口きき、しがらみ政治について市長はどのように認識をされているのでしょうか。また、それを打破し、市民が主人公の市政実現のためにどのような改革を進めようとお考えでしょうか。その確固たる決意についてお伺いしたいと存じます。市長の答弁をお願いいたします。          〔幸山政史市長 登壇〕 ◎幸山政史 市長  ただいま上野議員から、新市長の抱負の中で口きき、しがらみ政治の打破に向けた確固たる決意について質問いただきましたので、それに対してお答えをさせていただきます。  これまで提出されました土地買収に絡む住民監査請求や政治倫理審査請求などが示しておりますように、市政に対する市民の疑問や不信感はかなり強いものがあると感じております。そしてこれらの問題の根底には、これまで政策や事業が決定されていく過程が市民から見えにくかったことに最大の原因があると考えております。  そこで私としましては、何を基準に政策が決定されたのか、その過程を公開し、その中で議会や市民の意見がどのように反映されてきたのかを明らかにすることで開かれた市政運営の実現を図り、市役所に対する市民の信頼を回復してまいりたいと考えております。  その具体的な取り組みといたしましては、本年5月に出されました、先ほどお話もございましたけれども、政治倫理審査会の中で、議員からの意見、要望には組織として対応することが重要で、市民全体の奉仕者としての自覚に基づく公務員倫理の確立が喫緊の課題であるという政治倫理審査会の付記意見に基づき、事務刷新検討会議の中で、市民や議員からの要望及びその対処について、上司への報告、連絡、相談を徹底するとともに文書として残すことなどを制度化されております。今後は、この制度の基準を定め運用の徹底を図ることとしております。  このような職員の意識改革、文書の記録と情報公開の一層の推進を図るとともに、政策決定プロセスへの市民参画機会を拡充していくことで透明性の高い市政運営を実現してまいる所存でございます。  私としましては、市政の信頼回復こそがまず取り組まなければならない課題と認識しておりまして、市政刷新に全力を傾注する決意でございます。          〔6番 上野美恵子議員 登壇〕 ◆上野美恵子 議員  市長の市政運営の基本的考えの第1にございます「信頼される市政の実現」この言葉に尽きるかと存じます。  私ども日本共産党熊本市議団は、前市政のもとで唯一の野党として市政の問題点を指摘してきましたが、今回の市長選挙の中でも、市政の転換を図るため力を尽くしてまいりました。(発言する者あり)そういう立場から、むだ遣いや口ききを徹底して改めて、自治体本来の仕事である住民福祉の向上、教育優先の市政へと変える方向での改革を進めるため、市民の利益を第一に考え、一致点においては公約実現に全力を挙げるとともに、市民の利益に反すると思われる点においては大いに政策議論をし、市民的論議も行い、市民の判断を仰ぎながら市政の転換に取り組んでいく決意です。  今、多くの地方自治体が、巨大開発には巨額の税金を投入しながら、住民の暮らし、福祉を守る自治体本来の役割を投げ捨て、破綻財政には反省もなく開発会社化する事態に陥っています。  その一方で、長野県政に見られるように、本来の自治体のあり方を取り戻そうという新しい地方政治の流れも生まれつつあります。田中知事のもとでは、脱ダム宣言、土木型から福祉・環境型公共事業への転換、30人学級の実現など、県民参加の県政運営が進められています。  このほか、吉野川可動堰という環境破壊の巨大開発に反対する草の根住民運動の広がりの中で生まれた徳島県の大田県政や、非核港湾条例提案、ゆがんだ同和行政の転換などを進めた高知県の橋本県政など、住民が主人公の自治体らしさを取り戻す新しい希望ある地方政治の流れが各地で広がっています。兵庫県尼崎市の全国最年少女性市長の誕生もこの流れの一つでございます。  この間、熊本では、前市政のもとで、画図ゴルフ練習場や石神山公園用地の買収問題、清水万石の公園用地の土地転がし、坪井6丁目のリロケーション用地問題、下水道汚泥運搬の問題など、むだ遣いや議員の口きき、なれ合い、癒着構造が明らかになり、市政を私物化したような市長交際費の問題は市民の大きな批判を浴びました。市政刷新が大多数の市民の共通の思いとなったのも当然のことでございます。  それでは、改革の具体点についてお尋ねしてまいります。  初めに、情報公開とガラス張り市政への転換です。  第1に、先ほど新しい政治の流れとして御紹介いたしました長野県の田中知事は、知事室を1階に設けたり、各地で住民とともに車座集会を開くなど、常に県民と向き合った県政運営をなさっています。(発言する者あり)県下では八代の中島市長も住民懇談会に力を入れられ、住民対話型の市政運営は市民に好評を得ています。          (傍聴席より発言する者あり) ○宮原政一 議長  傍聴席で発言される方は御退場願います。 ◆上野美恵子 議員  先日の提案理由の説明でもございましたように、市民との対話を重視することを具体的な形で示していくことが重要ではないかと存じます。そのためには、だれもが気軽に市長とお会いして話しできるよう、奥まった市長室は市民が立ち寄りやすいところへと移してはどうでしょう。また、これから始められる……          (傍聴席より発言する者あり) ○宮原政一 議長  傍聴者の方に申し上げます。傍聴席からの発言は御遠慮願い、発言された方は退場願います。どうぞ。          (傍聴席より発言する者あり) ○宮原政一 議長  傍聴席からの発言は禁止されておりますので御遠慮願います。          (傍聴席より発言する者あり) ○宮原政一 議長  退場願います。          (傍聴席より発言する者あり) ○宮原政一 議長  せっかくの議員の質問でございます。傍聴席からの……。          (傍聴席より発言する者あり) ○宮原政一 議長  退場願います。          (傍聴席より発言する者あり)
    ○宮原政一 議長  まず退場を願います。          (傍聴席より発言する者あり。議場騒然)          (「休憩」と呼ぶ者あり)       ──────────────────────────── ○宮原政一 議長  この際、暫時休憩いたします。                            午後 2時15分 休憩                            ───────────                            午後 4時50分 再開 ○宮原政一 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○宮原政一 議長  この際、あらかじめ本日の会議時間を延長いたします。       ──────────────────────────── ○宮原政一 議長  この際、議事の都合により休憩いたします。                            午後 4時51分 休憩                            ───────────                            午後 6時29分 再開 ○宮原政一 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ──────────────────────────── ○宮原政一 議長  調整に手間取り、関係方面の皆様方に大変御迷惑をおかけいたしましたことを深く本職としておわび申し上げます。  この際、お諮りいたします。  本日の日程はこれにて終了し、残余については12月16日にとり行いたいと思いますが、御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○宮原政一 議長  御異議なしと認めます。  よって、さよう決定いたしました。  この際、お諮りいたします。  12月14日、15日の両日は休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。          (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○宮原政一 議長  御異議なしと認めます。  よって、12月14日、15日の両日は休会することに決定いたしました。  次会は12月16日(月曜日)定刻に開きます。       ──────────────────────────── ○宮原政一 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                            午後 6時30分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成14年12月13日 出席議員 51名       1番   宮 原 政 一        2番   奧 田 光 弘       3番   原     亨        4番   津 田 征士郎       5番   鷲 山 法 雲        6番   上 野 美恵子       7番   村 上   博        8番   小 山 久 子       9番   日和田 よしこ       10番   藤 岡 照 代      11番   坂 田 誠 二       12番   竹 原 孝 昭      13番   藤 山 英 美       14番   田 中 誠 一      15番   下 川   寛       16番   重 松 孝 文      17番   中 松 健 児       18番   家 入 安 弘      19番   佐々木 俊 和       20番   鈴 木   弘      21番   牛 嶋   弘       22番   古 川 泰 三      23番   税 所 史 熙       24番   岡 田 健 士      25番   田 尻 将 博       26番   田 尻 清 輝      27番   北 口 和 皇       28番   田 辺 正 信      29番   大 江 政 久       30番   島 田 俊 六      31番   江 藤 正 行       32番   荒 木 哲 美      33番   主 海 偉佐雄       34番   落 水 清 弘      36番   鈴 木 昌 彦       37番   益 田 牧 子      38番   上 村 恵 一       39番   磯 道 文 徳      40番   西   泰 史       41番   中 村 徳 生      43番   嶋 田 幾 雄       44番   竹 本   勇      45番   田 尻 武 男       46番   白 石   正      47番   矢 野 昭 三       48番   島 永 慶 孝      49番   村 山 義 雄       50番   大 石 文 夫      51番   紫 垣 正 良       52番   西 村 建 治      53番   亀 井 省 治 説明のため出席した者   市長       幸 山 政 史    副市長      福 島 靖 正   収入役職務代理者 河 北 丈 夫    総務局長     古 川   康   市民生活局長   源   寧 生    健康福祉局長   田 中 亮 子   環境保全局長   大 橋 道 雄    経済振興局長   三 嶋 輝 男   都市整備局長   中 原 謙 吉    建設局長     吉 崎 新 起   消防局長     岡 本   央    交通事業管理者  市 原 敏 郎   水道事業管理者  福 島 孝 司    教育委員会委員長 笠   美 雄   教育長職務代理者 永 山   博    人事委員会事務局長柳 川 彰 也   代表監査委員職務代理者         市長室長     谷 口 博 通            舞 田 邦 彦   財務部長     寺 本 敬 司 職務のため出席した事務局職員   事務局長     友 枝 佑 二    事務局次長    松 本   豊   議事課長     山 田 利 博    議事課長補佐   木 村 建 仁...