〔三角保之市長 登壇〕
◎三角保之 市長 二十一世紀の福祉の基本的な考え方ということでお答えをいたしたいと存じます。
戦後の社会福祉の仕組みは、戦後の傷痍軍人や戦災孤児が社会にあふれる時代に出発していることは皆様御案内のとおりであります。
これまでは、いわゆる措置という制度にもあらわれていますが、上から下への恩恵的な福祉という形をとってきました。国民の所得水準等に伴い、福祉に求められる役割も、市民がサービスを選択するという対等な立場に基づいた福祉、そして、所得の多寡を問わず、サービスを必要とするすべての人にとっての福祉へと変わっていくものと考えておりまして、今まさに転換期にあるというふうに思っておるところであります。
今日の発展した経済社会においては、各人がおのおのの生活に応じ、みずからの責任で維持することが基本であり、福祉は個人の力のみでは対応できない場合の
バックアップ機能としての役割であることを明確にしていくことが求められており、基礎的、基盤的なニーズについては公的に対応するとともに、それを超える多様なニーズには民間が対応するなど、公私の役割分担を明確にすることが課題であると受けとめております。
このような時代の流れに対応していくためには、自助とか公助とかだけでなく、ともに助け合い支え合うといった共助の精神がこれからの福祉にとって最も大事ではないかと思っております。
だれもが社会あるいは人様のおかげで生きているわけでありまして、それだけに人様にお返しをするという支え合う心を忘れてはならないのではないかと強く感じるところであります。
地域においても、家庭においても、愛情に基づいたともに生きる共生の関係がこれからの市民生活の基本でなければならないと思っております。
今日の急激な少子高齢社会の進展の中で、二十一世紀は高齢者の世紀とも言われております。増嵩する一方の医療費、年金、介護費用の負担という課題はありますが、国民の知恵と汗を結集し、豊かで活力ある社会にしていかなければならないと思う次第であります。
私も、市政の柱として「全ての市民が幸せであると感じられる都市」の実現を掲げ、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
そのために、一つには、健康を実感できる「安全で健やかなまちづくり」、二つには、豊かな人間関係のある「心のかようまちづくり」、第三は、仕事や活動を通して「生きがいを感じるまちづくり」、第四には、美しいものに感動できる「豊かな感性を育むまちづくり」であります。これらの条件に留意して予算を編成した次第であります。
私どもは幸い、ドイツはハイデルベルク、アメリカはサンアントニオという福祉先進都市であるところと姉妹提携をさせていただいております。
昨今、民間サイド、あるいは青少年における
ボランティア研修等々にも行っていただいたところでございますけれども、やはり私どもにない共助の精神というものが非常に生きておるというふうなレポートもいただいております。
今後とも、そういった先進都市を見習いながら、共助というふうな福祉の精神、こういうものを二十一世紀に求めていきたいと考えておりますので、議員各位の御支援、御理解をよろしくお願い申し上げたいと思います。
〔三十番 磯道文徳議員 登壇〕
◆磯道文徳 議員 共助の精神、まさにそのとおりだと思います。仏教用語でございますが、自他という言葉もございます。自分さえよければという世の中ではなく、ともにというのが今後二十一世紀に向かって必要なことじゃないかと思います。
福祉問題について伺います。
我が党は先月、浜四津代表代行、
介護保険対策本部長が二月十七日宮下厚生大臣に、介護保険制度の安定運営確保に関する申し入れを行いました。一日前の二月十六日には、二〇〇〇年四月スタートの介護保険制度が現場で混乱しないよう緊急提言をしたところです。
介護保険制度について現在平成十二年の制度導入に向け準備が進められているところでありますが、市町村、医療、保健、福祉等の関係者の間には、制度の内容が明らかになるにつれ、保険料が当初の基準額を大幅に上回る市町村が多くなると見込まれること、認定基準の分野では、認定結果について利用者に対する説明が極めて困難であること、また介護基盤の整備状況に関する不安が解消されていないこと等々、数多くの問題が指摘されており、制度発足時の混乱を危惧する声が強くなっております。
もとより我が党は、介護は
社会保険システムに本来なじまないとの考えから介護保険法案に反対してきましたが、現場における混乱を看過できないため、党内に
介護保険対策本部を設置し、実態調査やヒアリング、シンポジウムなどの活動を展開し、安定運営確保のための課題を探ってきたところです。
ここで、緊急提言の内容を一部紹介させていただきたいと思います。
まず保険料問題の対応といたしまして、現在、厚生省が示している保険料算定のためのワークシートによると、市町村によっては当初基準額として示された二千五百円を相当上回るところが出てきており、当該市町村が苦慮しているところです。中には六千円、八千円に上る高額が想定される市町村もあります。
この点については、後期高齢者比率や第一号被保険者の所得水準による格差是正のための十分な財政調整を行うことは当然として、特に市町村の裁量の外にある療養型病床群等の病床数の格差を原因とする保険料のアップについては、別途財源を確保の上特別調整を行うべきであります。
二つ目として低所得者対策の充実。
保険料の減免、
高額介護サービス費の支給など、低所得者対策の財源については、原則的には保険料給付の負担割合に応じて第一号被保険者、第二号被保険者、国、都道府県、市町村で分担することとされていますが、全国的には第一号被保険者の七六%が住民税非課税と見込まれる現状では、法定外の市町村負担が出る可能性も考えられます。全国の実態に応じて国において応分の財源支援を行うべきであります。
保険料基準の弾力化については、低所得者対策強化の観点から、市町村に対する指導等十分な対応を行うべきであります。
高額介護サービス費の水準は、
老齢福祉年金受給者等の生活実態や長期間継続するという介護サービスの特性を踏まえた無理のない水準とすべきであります。
三点目といたしまして、認定基準の見直しについて。
現在までの試行的実施に使用された認定基準に対しては多くの問題点が指摘されています。要介護認定は制度の根幹であり、被保険者の納得が得られる公正公平なものとすべきであります。特に市町村や
ケアマネージャー等の現場の関係者が、認定結果について住民に対して責任ある説明ができるものでなければなりません。市町村等の現場の意見を十分に把握の上、認定基準及び判定システムの改善を早急に行うべきであります。
四点目に、家族介護の取り扱いについて。
家族介護の取り扱いについては省令案において原則禁止とされていますが、家庭における介護の実態を勘案の上、市町村や利用者の選択制として、ホームヘルパーの養成研修受講等を一定の条件として給付対象とする。家族介護関連の費用にのみ使用できるバウチャー制を導入する。介護保険料を軽減する等々の検討を行うべきであります。
五番目に、適切な介護報酬の設定。
居宅サービスの介護報酬設定を訴えておりますが、居宅サービスの場合、施設整備のおくれなどにより高額の費用が必要となるケースが想定されます。このときには現状に応じ必要な経費を担保すべきであり、いわゆる特養の措置費を上限とするような限度額の設定は行うべきではありません。現行措置費の水準を超えることが想定されることから、必要な経費を積み上げるべきであります。
ホームヘルプ事業に対する財政支援。
介護報酬の設定に当たっては、身体介護を重視するだけでなく、相談、話し相手といった業務の重要性も考慮の上、移動に要する時間や運営管理費等も含まれたものとし、NPOやシルバー産業、ボランティアなどの広範な参入を促進すべきであります。
特別養護老人ホームにかかわる介護報酬の設定。
現在の
特別養護老人ホームの運営は定員五十名程度では
スケールメリットが働かず、経営に苦慮している実態があります。
特別養護老人ホームの介護報酬設定に当たっては、現行の直接処遇職員の最低基準を見直すとともに、五十名定員でも経営が成り立つものとする必要があります。また、現行の措置制度における入院時の三カ月経過措置に準ずる取り扱いを行うべきであります。
地域差の算入。
サービス提供の際に移動に時間が多くとられる離島や中山間地域、豪雪地帯への加算など、地域の特性に見合った介護報酬に設定する必要があります。
NPO等によるデイサービス、配食・移送サービス等の保険適用。
NPO等によるデイサービス、配食・移送サービス、小規模施設等、きめ細かな介護サービスの提供は地域ケアの重要な部門であります。これらのサービスも市町村の特別給付として保険適用の対象とすべきであります。
六番目の大きな柱としまして
在宅介護支援センターの位置づけ。
在宅介護支援センターは、介護保険制度における
ケアマネジメントのほか、保険以外のサービスを含む地域の
保健福祉サービス全体の相談・調整の役割や、
ケアマネージャーなど
在宅サービス担当者をバックアップする役割を担うことが期待され、今後は施設付置型や行政サービス型だけではなく、独立して家庭介護ニーズにこたえていく方式も重要となります。したがって、
介護保険制度導入後においても、こうした機能を支える補助制度の確保が必要であります。
七番目の大きな柱としまして
介護支援専門員の専門性の向上。
お年寄りのニーズに合った介護サービスを計画し、供給する過程においては、
介護支援専門員の専門性を高め、住民の信頼にこたえることが最も重要であります。そのため、
介護支援専門員の養成や、認定過程に現場の声が十分反映されるよう認定試験などの事務を民間にゆだねることを検討するとともに、専門職としての倫理綱領の作成と遵守を義務づけるべきであります。
八番目に、民間事業者の育成・東洋医術の活用。
介護サービスを支える事業者について、特に制度導入時において民間やNPO等が参入しやすい指定基準と柔軟な介護報酬の設定を行うべきであります。また、社会福祉協議会や小規模事業者の
サービス事業従事にかかわる資金運用が可能となるような対策を講ずるべきであります。
さらに、
ケアマネージャーの受験対象とされた
鍼灸マッサージ師や柔道整復師等の東洋医術の活用について、全国的には福祉現場で相当活用されている実態を勘案の上、利用者へのサービス向上や費用対効果の観点からも、介護保険に関連する事業において、その積極的な活用を図るべきであります。そのために、
リハビリテーションサービスにかかわる指定基準等の医療職に
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師を明記するよう検討すべきであります。
九番目に、特養ホーム旧措置入所者に対する五年間の経過措置について。
特別養護老人ホーム入所者に係る五年間の経過措置は、介護の必要の程度により介護報酬が設定されるため、要介護認定の結果、比較的軽度となった場合は、実際には退所を迫られることになりかねません。そのため、旧措置入所者の
介護サービス費にかかわる
介護保険施行法第十三条第四項の厚生大臣が定める基準は、暫定措置の趣旨を踏まえ、できるだけ現行措置費等の水準に設定すべきであります。
十番目に、介護保険の基盤整備及び認定漏れ対策といたしまして、今後の介護基盤の整備については、ゴールドプラン以降の整備目標の考え方を明確にした上で、いわゆる
スーパーゴールドプランとして早期に策定し、その財源を明確にすべきであります。
現に
ホームヘルプサービスやデイサービスを受けている高齢者であって、要介護認定で、自立・要支援とされる人への対策が急務であります。これらの高齢者への対策として、平成十年度から
高齢者在宅生活支援事業が実施されておりますが、市町村のニーズを十分調査し、必要な予算額を確保すべきであります。平成十一年度予算案に計上された百億円では実態に対応できない。今後、大幅に増額すべきであります。
十一番目の大きな柱としまして、若年障害者問題への対応。
十五の特定疾病については、四十歳以上六十五歳未満の第二号被保険者でも介護保険給付の対象とされておりますが、この場合、重度障害者の既存のサービス水準を確保するとともに、利用者負担の増加につながらないよう配慮する必要があります。
その他の若年障害者問題については、今後の見直しまでの間において、重度障害者の介護サービスのあり方を十分検討し、積極的な拡充を図るべきであります。
十二番目に、介護保険制度への住民参加に対する支援。
介護保険サービス全般について、住民、利用者の視点から、個人の尊厳やサービスの自己選択、自己決定権など、市町村が住民と市町村の主体性の確立を目指して制定する
介護福祉サービス条例や、良質な介護サービスを受ける住民の権利を守るための
福祉オンブズマン設置に係る条例等の制定に対し、その内容の把握、支援を積極的に行うべきであります。
以上、国民の皆さんが安心して介護を受けられるよう提言を行い、国に実行を求めました。本市においても十二年四月の実施に向け今年秋からの認定作業の準備が進んでいるものと思います。
しかし、今までに述べましたように、さまざまな不明な部分、不安な部分が数多くあります。現段階での不安に対する対策、そして対応、特に保険料、認定漏れの方のフォロー等々、本市で現在検討されている部分をお示しいただければと思います。
また、本市で一昨年から実施しています
住宅改造費助成制度ですが、介護保険が実施になると廃止になるのではとの心配も市民の皆様の間にあります。住宅の改造は在宅にての介護の支援にもつながっていくものですので、ぜひ存続すべきと思いますが、どのようになされるのかお伺いいたします。
もう一点、新年度において、明飽苑施設整備の地質調査と実施設計が予算化されています。平成十二年度からの介護保険のスタートに伴い施設入所の方々も多く予想されます。
また、本市の
養護老人ホーム、
特別養護老人ホームの待機者数は減少の傾向にはまだほど遠いものと思われます。ぜひ、明飽苑の移転改築に伴い、
特別養護老人ホームを併設していただきたいのですが、お考えをお伺いいたします。
また、
明飽苑建設予定地の長寿の里、さらには明生園のある花園地域を福祉の拠点施設へと機能強化されてはいかがと提案するものです。
介護保険の不安をぶっ飛ばすようなお考えを期待いたします。
〔
市原敏郎市民生活局長 登壇〕
◎市原敏郎 市民生活局長 磯道議員にお答えを申し上げます。
介護保険に関係の点、それから住宅改造助成、それに明飽苑等々約八点ほどの御質問であったかと思います。
まず第一点目、保険料の額に関する不安の問題でございます。
昨日もお答えを申し上げましたとおり、現時点では具体的な保険料試算は行っておりません。
保険料の額は、高齢者の割合やサービス水準によって市町村ごとに異なりますが、議員も先ほど述べられましたように、国がモデル的な都市を例に、幾通りかの条件設定で保険料がどう変わるかを試算した資料によりますと、施設、中でも特に療養型病床群が多くなれば保険料は相対的に高くなるという結果が出ております。
そこで、国としても療養型病床群の病床数をどうするかについては大きな課題であろうととらえられており、現在その基本的方針を検討中と伺っております。
本市は御案内のとおり、全国でも療養型病床群が多い類型に属しますので、その推移も見ながら、今後国から詳細な算定方法が示されるのを受けて、新年度のできるだけ早い時期に試算を行い、お示しをしたいと考えております。
次に、二点目の低所得者対策についてであります。
六十五歳以上の高齢者の方の保険料は所得に応じて五段階で設定され、低所得者の方々については最高五割まで軽減されることになっております。
また
高額サービス費については、低所得者の方々に対してはその限度額が低く設定されることになっておりますが、現時点ではまだ国から具体的な額は示されておりません。
本市といたしましても、低所得者の方々にとって自己負担額ができるだけ無理のないものとされるとともに、その財源が保険料や自治体の負担として転嫁されないような配慮を期待いたしております。
次に、三点目といたしまして認定基準の問題でございます。
今年度のモデル事業の中で、コンピューターの一次判定に疑問のケースが多々あったことは事実であります。国でもこの結果を踏まえ、年度内にも一次判定ソフトの改善を行うとともに、その判定基準の内容をわかりやすく公開する予定としておりますので、本市でもこれを受けて、市民の方々への周知、広報を図ってまいります。
次に、家族介護についてであります。
保険創設に当たっていろいろの議論がなされた結果、現金は支払わないこととなっております。しかしながら、これまでの介護の実態は家族介護が中心であったことは事実でありますし、これからも家族による介護を望む高齢者は依然として数多く存在し、また介護を担っていくのも多くは配偶者等の家族であると思われます。
こういった点に着目されて具体的に御提案をいただきましたが、現金支給に消極的な意見と積極的な意見の中で議論が統一されていない現状におきましては、広範な議論に注目するとともに、国を初めとして関係者の動向を見守っていきたいと存じます。
認定漏れについてであります。
現に
ホームヘルプサービスやデイサービスを受けている高齢者が要介護認定で自立とされた場合が想定をされます。昨日もお答えをいたしましたとおり、これまでの高齢者に対する
保健福祉サービスをすべて介護保険でカバーするわけではありません。高齢者施策の全体の体系の中で、いわゆる元気で健康な高齢者対策との関連も考慮して、これから検討を加えたいと考えます。いずれにしましても、介護保険移行に伴う大きな課題であると思います。
以上が介護保険についてのお答えでありますが、保険導入を目前にしている今日、いずれの問題も早く結論を出し、高齢者を初めとする住民の方々へお知らせをしていかなければならない事項であろうかと思います。本市といたしましても、全国市長会などを通じて、国を初めとする関係機関へ働きかけてまいりたいと思います。
次に、
住宅改造費助成制度についてお答えを申し上げます。
この事業の目的は、御案内のとおり、介護が必要になったとき、在宅で、できる限り自分の力で生活をしていただくことで、御本人はもとより、介護する人も肉体的な負担の解消が図られるよう要援護高齢者に対し支援を行うものであります。
今まで入浴やトイレに行くときなど家族やヘルパーさんの介護が必要であった方が、この制度を利用することにより、住まいの障害をできるだけ少なくすることで自分の力で生活が可能となり、家族の介護負担の解消、さらにはヘルパーの派遣に伴う費用の軽減、ひいては介護費用の抑制につながることが期待できます。
当助成制度は、平成十二年度からスタートいたします介護保険制度の中にも住宅改修費として
サービスメニューに取り入れられる予定でありますが、若干この助成制度とは異なる面がございます。現段階におきまして介護保険の詳しい内容が明確化されておりませんが、介護保険の費用を抑制し補完するという点で極めて重要な制度であろうと考えます。
今後、
介護保険事業計画、これから策定を予定しております新
老人保健福祉計画の中で十分に検討してまいりたいと考えます。
次に、議員御案内にありました
養護老人ホーム明飽苑の移転改築に際し
特別養護老人ホームを併設してはとの御質問でございます。
近年、
養護老人ホームの入居者の高齢化が進み、
特別養護老人ホームへ申請される方が年々増加の傾向にございます。また、
特別養護老人ホームを希望しても入居できない方が相当数いらっしゃるという現状において、
特別養護老人ホームの施設が不足をしており、なお一層施設の整備が必要であろうと、このように考えております。
ついては、長寿の里への移転改築を計画しております明飽苑の施設整備にあわせて
特別養護老人ホームの併設ができないか早急に検討を開始いたしたいと考えます。
最後に、明飽苑の建設予定地の長寿の里、及び明生園のある花園地区を福祉の拠点施設へ機能強化されてはとの議員の御提案についてお答え申し上げます。
これからの
高齢者福祉施策には、寝たきりにならない、させないための予防対策を初め、介護費用の抑制等を考慮し、長い高齢期を住みなれた地域で、いかに豊かに元気に暮らしていけるかが最大のテーマであろうと考えております。
そのために、高齢者の生きがい対策を初め、健康づくり、デイサービスなどの
在宅福祉サービスの強化、子供たちと高齢者が触れ合っていく
世代間交流事業等が重要な施策となってまいると考えます。
明生園に関しましては、昨年十二月の落水議員の御質問にも、全市的な構想のもとで、それぞれの地域に何を整備していく必要があるか等を検討させていただく旨、このようにお答えをさせていただいております。
いずれにいたしましても、今後、平成十二年度に向け、新
老人保健福祉計画並びに
介護保険事業計画を策定する中で積極的に検討してまいりたいと考えます。
〔三十番 磯道文徳議員 登壇〕
◆磯道文徳 議員 介護保険に関しては国の対応待ちという状況は理解しておりますが、何せ情報量が非常に少ない現状でございます。情報が入り次第十分なPRを市民の方々にお願いしたいと思います。
答弁にありましたが、現に
ホームヘルプサービスやデイサービスを受けている高齢者が認定漏れ、いわゆる介護は不要となった場合を想定して、駒ケ根市は、行き場がなくなる可能性のあるデイサービス利用者を対象に、本年度より市内の集会施設などを巡回して受け入れの場を設ける出張方式のサテライト・デイサービス事業を試行するそうでございます。
市の出張方式は、公民館などを会場にして施設の職員を派遣し、公衆浴場の利用も検討し、サービス内容をデイサービス施設に近づけたいというふうな考えだそうです。本市においても、福祉の後退にならぬようその都度研究、対応をお願いしておきます。
また、住宅改造費助成についてはぜひとも存続の方向での検討を強く要望しておきます。
さらに、特養の併設についてもさまざまな問題をクリアせねばならないことは十分承知しておりますが、これもぜひ併設の方向への検討をお願いしておきたいと思います。
次に、教育問題に移らせていただきます。
中高一貫教育の導入についてお尋ねいたします。
ゆとりある学校生活の中で、個性を十分に伸ばすことなどをねらいといたしました中高一貫教育の導入が注目されて久しいのでありますが、ようやく重い腰を上げた国は、九八年度に各都道府県でモデル校を指定し、九九年度から本格的にスタートさせることを決めております。中高一貫教育は、国、私立の中・高校で幅広く行われています。本市においても私立の七校が既に行っています。
特色といたしましては、一番目に、高校受験の影響を受けずにゆとりある安定的な学校生活が送れる。二番目に、計画的、継続的な教育指導が可能である。三番目に、生徒を継続的に把握できることから、個性を伸ばしたり、すぐれた才能の発見ができる。四番目に、異なった年齢の集団活動で、社会性や豊かな人間性をより育成できるなどが挙げられております。
文部省は、九九年度から本格的にスタートさせる公立校の中高一貫教育をスムーズに導入できるように、各都道府県にモデル校を指定し、カリキュラムに一貫性を持たせるなど、具体的な連携方法を模索する方針を打ち出しています。
これを受けて全国では、宮城県、三重県などが導入の意思を示し、多くの自治体が検討組織を設けるなど前向きに検討中であります。
そこできょうは、成果が注目されている先進地を紹介したいと思います。
宮崎県立五ヶ瀬中学・高校の場合は、大自然の中で豊かな人間性あふれる人づくりを目指しております。公立校としては全国初の全寮制中高一貫教育校として、中学生百二十人、高校生百二十人で、一昨年三月、一期生四十二人が母校を巣立ち、全員が進学を希望、うち九〇%が国公立を含む大学に進んでいます。
五ヶ瀬中学・高校は、県のフォレストピア構想(森林理想郷)に基づき、九四年四月に開校。六年間の一貫教育の中で、二十一世紀を担う豊かな人間づくりを教育方針に据えております。
高校受験や詰め込み式の教育から子供たちを解放し、教師と生徒が一体となって、自然の中で個性重視の人間教育を行っています。
授業には、地域の歴史、自然を集中的に体験学習する独自科目を新設し、農作業や町内でのホームステイなどの地域住民との交流、野外調査研究、森林や水資源などの環境科学、天文観測など、魅力的なカリキュラムがいっぱいです。文部省の自然環境を生かした特色ある教育の研究開発学校に指定され、中高一貫導入のモデルにもなっています。
また、年齢差のある中高生がまじってのクラブ活動、寮生活などは、その人間的な触れ合いを通して大きな教育効果を生んでいます。
一方、公立中学校と高校が連携して、地域の特色を生かした教育環境づくりを進めているのが高知県であります。
同県は、教師の相互派遣、合同クラブ活動、郷土学習を三つの柱にした全国初の「中高連携教育事業」を九六年度からスタートさせ、中高の垣根を超えた「地域の子どもを地域で育てる」というユニークな取り組みが注目されています。
中高連携が実施されている指定地域は現在六地域あります。教科活動における教師の相互派遣は、各地域の県立高校を中心に周辺の中学校が連携する形で実施し、授業は中高二人の教師が協力し合って進めており、生徒の疑問にきめ細かく対応できることや指導の継続性を保てることなどが大きなメリットを生み、習熟度別授業も可能になります。同県本山町の嶺北高校では、欠点者の激減、優秀者の増加など、学力向上の成果が着実にあらわれています。
また、地域の一般社会人をインストラクターに招いた中高合同の日常的なクラブ活動や合宿が行われるほか、地域の特色を生かした郷土学習会の実施など、豊かな人間性をはぐくむための取り組みが進められ、地域活性化への期待も膨らんでいます。
今も教育現場では、偏差値重視や受験競争の激化によるストレスが子供を取り巻く環境を荒廃させています。
そこで、来年度から、各自治体の判断でも中学校と高校を一つにした一貫教育が実施できることになっていますが、本市では導入に対してどのように考えているのか基本姿勢を教育長にお伺いいたします。
次に、市立両高等学校の活性化についてお尋ねいたします。
現在さまざまな分野での国際化や情報化の進展とともに、産業、経済のソフト化、サービス化など、社会は大きく変化しています。また、科学技術の発達や技術革新などによって、企業等が求める知識や技術も専門化、高度化しております。
一方、高等学校への進学率は九六%を超え、生徒の適性、能力や学習ニーズは多様化し、普通科のみならず専門学科においても進学を希望する者が増加しつつあるなど、高等学校教育の内容の転換が求められております。
このような中で、社会の要請や生徒の学習ニーズに対応した新しい学科、コースの設置など、さまざまな教育内容の見直しや充実が全国の高等学校で行われております。
本県においても、県立高校において総合学科の設置や社会福祉科等への改編、また私立高校では学科改編や中高一貫教育、男女共学制への移行など、さまざまな改革が実施されているところです。
市立両高等学校の活性化については、平成六年十一月に設置された活性化検討委員会において、社会情勢の変化に対応する教育のあり方、望まれる教師像、魅力ある学校環境づくりの三点について検討され、平成九年二月に提言がなされております。
その後、活性化の具体的方策について、教育委員会、学校で検討を続けているとのことでありますが、今後高等学校の活性化についてどのように進めていかれるのか。特に、長年の懸案であります両高等学校の校舎等の改修については来年度予算に基本計画策定の予算が計上されておりますが、実施期間を含め、どのような計画で進めようと考えておられるのかお尋ねいたします。
引き続き学校図書についてお尋ねいたします。
今回提案されております平成十一年度当初予算案の中で、小中学校の図書充実経費が大幅に増額されておりますことは市長の大英断であろうと敬意を表するものであります。そして、一日も早く図書の充実が実現するよう期待するものです。
先日、ある新聞記事の中に、「乳幼児のころからビデオを長時間見せる親がふえ、子供たちに喜怒哀楽の表情が乏しくなっている。」ということが載っておりました。
共働きなどで家事をする時間の少ない親が、子守りがわりにビデオを見せる例や、情緒が豊かになるようにと名曲ビデオを一日五時間見せたり、生後四カ月から英語のビデオ教材を見せたりした例もあるということで、一日のビデオ視聴時間が二時間以上あった子供十六人中十人が教室において心配な行動をし、また遊びが限られている、友達関係が持てないなどの共通点があったそうです。
これはまさに、現在問題となっています突然キレる子供や不登校の要因とも言えるものではないでしょうか。
小さいころから一方的に同じ映像を与えられ続けたため、自分の意思を働かせたり、好奇心を持つような心が育たなかったのではないかとの分析がありましたが、まさにそのとおりではないかと思いました。
昔は、ひなたぼっこをしながらおばあちゃんのひざの上で昔話を聞いたり、布団の中で、母親に本を読んでもらいながら空想の夢見心地の中で眠りについたというような思い出は多くの皆さんがお持ちであろうと思います。
情報を直接映像として与えてしまうと、確かに多くの情報を与えることができ、物知りにはなるかも知れません。しかし、何も考える必要もなく、この主人公はどんな人なんだろう、どんな表情をしているんだろうと想像したりする必要もないのであります。
しかし、話として耳から伝えたり、本を読むという形で活字として情報を与えますと、その場の情景や、登場人物の心の動きなどを想像し、わくわくどきどきしながら自分のペースで読み進めることができるのであります。
そのことで大いに夢や創造性をはぐくみ、調和のとれた人間へと成長していくことができますし、今の子供たちにはまさにそのことが必要なのではなかろうかと思います。心の教育の重要性が叫ばれる今日、小中学校において本に親しむことは何よりも効果的であり、優先すべきことではないでしょうか。
今回の予算案では図書購入費が、中学校で一校百三十万円、小学校で一校九十万円と大幅に増額されており、図書の充実が図られますことは、必ずや子供たちによい効果があらわれるものと期待しております。
そこで質問です。
まず一点目に、蔵書数の増加に対して本の整理などが必要になると思いますが、どのように対応されるのかお聞かせいただきたいと思います。
二点目は、蔵書数の充実に合わせてどのような本を購入していくのかということが大きな課題となりますが、図書の購入に関してどういう取り組みをされるのかお聞かせいただきたいと思います。
三点目に、蔵書数が大幅に増加しても子供たちが読まなければ何にもなりません。子供たちが喜んで図書室に足を運び、夢中になって本を読むような状態になってほしいものです。学校によってはPTAが、昼休みの時間とかを利用し、ボランティアで本の読み聞かせをしているところもあるそうですが、今後、子供たちが本に親しむようにするためにどのような指導をしていこうとしているのか、以上三点について教育長にお答え願いたいと思います。
引き続き、学校施設の整備、特に校舎の外壁改修について質問いたします。
新聞等で報じられ、既に御承知のことかと存じますが、昨年十二月の画図小学校渡り廊下の外壁モルタル落下事故は、幸いにも人身事故とはならず、私としても安の胸をなでおろした次第です。しかし、安全であるべき学校の中でこのような事故が生じたという事実はまことに憂慮すべきことであります。
また、先日の新聞報道等によりますと、事故後の調査で早急に改修を要する箇所が二百カ所ほどあると報道されており、保護者の皆様の不安ははかり知れないものがあります。
このようなことはあってはならぬことであり、一刻も早く危険箇所の改善を実施すべきではないかと思います。
この落下事故の原因は、主に施設の経年劣化によるものと教育委員会では発表しておりますが、確かに現在の校舎は、昭和四十年代後半からの児童・生徒急増時代に建設されたものが数多くあり、築後二十年から三十年以上経過しているようです。
若干その当時の建築工法等について説明させていただきますと、当時の建築工法としては、本体の型枠の精度上、外壁の仕上げとしてモルタルを使用しておりましたが、この工法は一般的に用いられた工法でありました。
このモルタルは砂とセメントで構成されたもので、コンクリートほどの強度がないため、どうしてもコンクリートよりも早く劣化が生じてまいります。
このようなことから、昭和六十年度以降は、鉄筋コンクリートづくりの建物の仕上げをコンクリート打ちっ放しに切りかえたと聞き及んでおります。
いずれにしても、モルタルの強度が劣るということが判明していたわけですので、施設の安全性及び保全性を考慮した場合、より的確な営繕計画を立て、早期の改修なり補修を行う必要があったのではないでしょうか。
そこでお尋ねいたします。
昭和六十年度以前に建設した校舎外壁改修について、これまでどのように取り組んできたのか。また、今回の事故調査で劣化が予想より早まっているようですが、今後の方策等の改修計画について教育長の答弁をお願いいたします。
外壁落下に関連して引き続きお尋ねいたします。
今や市域内に百団地、管理戸数約一万二千戸を抱えた市営住宅であります。さきにひさしの落下事故等がありましたが、その建物の構造は、木造、ブロック造を初め中高層と種々混在しておりますが、この市営住宅の建物の中にも、昭和四、五十年代に建てられた楠団地を初め、外壁がモルタル塗りとなっているものが相当数あると思うのですが、それらの外壁落下防止の対策はこれまでどのように取り組まれてきたのかお尋ねいたします。
また、学校、市営住宅以外にも、市庁舎を初め各市民センターや、乳幼児が通う保育園など多くの建物がありますが、それらの建物の維持管理についてはどのように取り組んでおられるのか。また、外壁がモルタル塗りの建物の調査などの取り組みについても関係局長にお尋ねをいたします。
〔後藤勝介教育長 登壇〕
◎後藤勝介 教育長 私の方からは教育の問題についてお答えをさせていただきます。
まず、中高一貫教育の導入についてどう考えるかという点でございます。
ただいま磯道議員より各県の取り組み等について詳しく御紹介がございましたが、私どもも、生徒がゆとりを持って学校生活を送れることや、六年間を通して計画的、継続的な教育指導が展開できるなどの利点を生かした中高一貫教育は意義があるものと考えております。
これは二月七日の読売新聞の記事でございましたけれども、読売新聞社が一月に実施されました「中高一貫校をどう思うか」という全国世論調査によりますと、「ゆとりを持った教育ができるので望ましい」という人が六〇%、「大学受験のエリート校になるおそれがあるので望ましくない」という人が三一%あったようでございます。このように、この問題につきましてはいろんな意見があることも事実でございます。
御承知のように、文部省は中高一貫教育の公立校での実施を推進しますために、平成十一年度に「中高一貫教育推進会議」を設置しますとともに、本年度から実施しております「中高一貫教育実践研究」について実践協力委嘱校を拡充することとしております。
また熊本県におきましても、教育委員会に本年一月、事務レベルの検討委員会を設置し研究を始められているようでございます。
今後、本市といたしましては、教育改革の流れでもあります中高一貫教育について議会を初め広く各界の御意見を承りますとともに、実施校や研究委嘱校の成果や状況等を調査し、国、県の動向を見定めながら、研究、調査をしてまいりたいと考えております。
次に、市立両高校の活性化の問題、校舎の改修の見込み等についてお答えをしたいと思います。
市立両高等学校の活性化につきましては、平成九年二月に活性化検討委員会より答申をいただきました提言に基づきまして、これまで教育内容について両高校と調査研究を進めてきたところでございます。
その中で、両高校の学科内容につきましては、国際化に対応したコース、生徒の適性、能力や特技に対応したコース、また、多様な進路目標に対応するコースの設置などについて検討しているところでございます。
また、コースのねらいやカリキュラムの具体的な内容につきましても他県の実施校を中心に調査してまいりましたが、それぞれ教育課程につきまして研究を進めているところでございます。
そこで、御質問の今後の取り組みについてでございます。
まず学科に関しましては、カリキュラムに応じた指導計画や教科書等の検討、効果的な指導方法の導入などについて調査研究をしてまいりたいと考えております。
それぞれ調査研究をいたしました内容をもとに、その後各学校と協議し、両高校の学科編成など教育内容の全体計画をまとめたいと思っております。計画案がまとまりましたら、その内容につきまして議会に御報告を申し上げたいと考えております。
また、学科編成に伴います人材の確保につきましては、必要となります教科教員の県立高校との定期的な交流につきまして、県教育委員会とルール化を協議してまいりたいと考えております。
また、職員の実践的な指導力を養成しますために研修の充実を図らなければならないと思っております。
次に校舎の改築の問題でございますが、長年の懸案でございました改築につきまして、本年度当初予算に改築のための基本計画策定の予算を計上させていただいております。
教育委員会といたしましては、まず関係職員で施設検討プロジェクトチームをつくり検討を始めたいと考えております。
大まかなスケジュールといたしましては、平成十一年度中に基本構想等の基本計画をつくり、施行につきましては第一次と第二次に分けて取り組んでまいりたいと考えております。
事業には相当の経費を要しますので、財政事情等も考慮しなければなりませんが、全体といたしましては、これはあくまでも現時点の想定でございますけれども、全体事業には七、八年を要するものと考えております。今後とも、いろいろ議会の御指導をいただきながら取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
三点目に、学校図書の充実についてお答えをしたいと思います。
ただいま御指摘がございましたとおり、学校図書館の充実は、現在の児童・生徒の現状や、学習指導要領の改訂に伴います新教育課程の中で大変重要な課題であると認識しております。
そこでまず一点目の図書整理についてでございますが、通常、図書館主任を中心に実施しておりますが、学校図書館閉館中の夏期休業中には約三週間程度、図書整理のための臨時職員を雇用し図書の整理を行っております。
なお、平成七年度に開始いたしました図書館司書のモデル配置事業も新年度引き続き実施することにしておりますが、平成十五年度より導入が予定されております司書教諭配置についての国、県の動向を見ながら、さらに努力をしてまいりたいと考えております。
今回お願いしております大幅な図書予算の増額を御承認いただきますと、各学校において約一千冊程度の図書を新たに選定、購入する必要があります。そのため、図書館主任や図書館司書のみではなく、教職員全体の協力体制やPTAの皆様方の御協力等をお願いするなど、学校が一体となって取り組むことが大事であろうと考えております。
次に二点目の、本の購入に際しどのように取り組むかという点でございます。
現在学校では、本を購入します際に、図書館主任を中心に、図書館司書や児童会、生徒会の図書委員会が相談して購入する本を選定いたしております。
その際、子供たちから、読みたい本のアンケート調査を実施したり、学習に必要な本を職員に調査したりして、利用度の高い本や価値のある本の購入に努めております。
また、学校によりましては、図書委員の子供たちと職員が直接書店に出向き、実際本を手に取って選んでいるところもございます。
このような取り組みを行っておりますが、今回の大幅な予算の増額に伴います購入がスムーズにまいりますように、教育委員会といたしましては、学校の図書館主任等をメンバーとします学校図書館蔵書充実研究会を発足させまして、読書センター、学習センターとしての図書館の機能を高める観点から参考図書を研究しているところでございます。
その中で、図書選定の参考になる資料を五月までに作成し、各学校に提供したいと考えております。
三点目に、本に親しむための指導についてお答えをしたいと思います。
子供たちが本への親しみを持つためには早い時期からのきっかけづくりが重要であると思います。特に、家庭や学校において親や教師が子供に読み聞かせを行うなど、一緒に本に親しむことが大切であります。
学校におきましては、読み聞かせのほか、教師が子供とともに本に親しむ全校一斉読書の時間の設定、教科の調べ学習での図書館利用、新しい本やおもしろい本の紹介など、さまざまな工夫を行っております。
また、御承知のとおり、子ども文化会館や市立図書館におきましても、事業内容として子供たちへの読み聞かせを取り入れているところでございます。
このようなソフト面での対応のほかに、子供が本に親しむためには学校図書館の施設面での整備も大切であると考えております。
これまでにも、一部の学校で、図書室をできるだけ学校の中心部に配置したり、ぬくもりのある木を多く用いたり、一部を和室にしたりするなどの方法を取り入れておりますが、今後も、大規模改造事業を実施しますときや余裕教室が出ましたときなど、いろいろな機会をとらえまして学校図書館の整備を図ってまいりたいと考えております。
人格形成をしていく上で読書は子供たちに多大な影響を与え、欠かせないものであります。今後とも、すべての子供たちが本とのすばらしい出会いができますように、学校の主体的な読書指導を今まで以上に物心両面から支援してまいりたいと考えております。
最後に、学校校舎の外壁落下の件についてお答えをいたしたいと思います。
ただいまお話もございましたが、昨年十二月、画図小学校で発生しました校舎外壁の剥落につきましては、議員の皆様方を初め、保護者、学校関係者、地域住民の皆様方に大変御心配をおかけいたしました。大変申しわけなく思っております。
教育委員会といたしましては、このことを重大に受けとめまして、早速、全校に施設の安全管理についての徹底を図るように通知を行いますとともに、一月より目視や打診による緊急調査を実施したところでございます。
これまで、外壁の改修は調査に基づきまして優先順位の高い方から順次実施してまいりましたが、そのもとになります調査は昭和六十二年度から二年で行ったものでございました。
このたびの外壁剥落は前回の調査から相当の期間がたつ中での出来事でありましたので、今回改めて緊急調査を行ったところでございます。その結果を緊急度に応じまして三つのランクに分類し対応を計画しているところでございます。
まず、部分的に剥離もしくはその傾向が見られ、なるべく早い時期の対応が必要なものをAランクとし、本年度と来年度の二カ年で改修し、また、今すぐ危険というわけではないものの、近い将来において剥離が発生してくると思われるものをBランクとし、平成十二年度と平成十三年度の二カ年で改修したいと考えております。そして、現時点では異常は見られないものの、今後の経年劣化に注視していく必要があるものをCランクとして、平成十四年度以降おおむね五カ年程度で取り組んでまいりたいと計画したところでございます。
今後、最大限の注意を払いながら、児童・生徒はもちろん、保護者の方々にも安心していただけるように万全を期してまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
〔齊藤聰建設局長 登壇〕
◎齊藤聰 建設局長 私からは、市営住宅と市の公共建築物の安全管理についてお答えを申し上げます。
本市における学校、公営住宅を含む公共施設は、昭和四十年に四十二万平方メートルであったものが、昭和五十六年には約百万平方メートルを超え、現在ではおよそ二百万平方メートルと急激な増加を見ております。
そのうち、学校を除く公営住宅と一般公共施設は、それぞれ約三分の一の六十万平方メートル程度となっております。
議員お尋ねの市営住宅の外壁改修の取り組みにつきましては、対象となります外壁がモルタル塗りの建物は昭和五十五年以前に建設されたもので、その数は百七十四棟ほどでございます。これらの建物につきましては、昭和五十九年度から順次外壁改修工事を進めてまいりましたが、特に平成三年度からは建設省の補助対象事業となり、平成四年、五年度に大々的な改修工事の進捗を見て、平成七年度には一応の改修工事を終了いたしております。
一般公共施設につきましては、近年、資源の有効活用や環境保全の意味からも、施設建設の時代から、適正な維持管理のもとに長く使っていこうとする保全重視の時代へと移行しつつあります。
本市でもこの考えのもとに、平成八年度に新たに施設保全課を建築課、設備課から分離独立させ施設管理の適正化を図るとともに、現在計画的な保全方式の導入に向けた施設保全台帳の作成に着手したところでございます。
このような中、外壁調査につきましては、一般公共施設においても、昭和五十五年以前の建築物を中心に、特にモルタル塗りやタイル張りのタイプのものについて、簡易ではありますが、目視あるいは打診による調査を行い、必要なものについてはさらに本格的な調査につないでいるところであります。
これまで、調査結果を受けて、市民センター、保育園など改修事業を実施し、一部完成した施設もございますが、特に外壁の落下事故ともなりますと人命にかかわる重大な問題でありますだけに、これからも積極的な調査を行いますとともに、改修工事を実施していく必要があると考えております。
〔三十番 磯道文徳議員 登壇〕
◆磯道文徳 議員 中高一貫教育については実施校等の状況など調査をしていくとのことでございます。国、県との連携も十分とっていただきながら今後進めていただければと思います。
市立両高の施設改善も施設検討プロジェクトチームをつくられるとのことです。子供たちのためにもすばらしい教育環境を一日も早く整備していただきたいものでございます。
また、図書の蔵書については、学校現場でも、また子供たちにとっても本当にすばらしいことだと思います。願わくは、司書の配置ができていない各学校においては、蔵書のチェックとか購入時のアドバイスなどのために、短期間でも結構ですから、アルバイト等配置できないものか、要望しておきたいと思います。
校舎の改修につきまして、緊急度に応じて対応していくとのことでございます。二度とないよう早急な対応をお願いしておきます。
また、市営住宅、その他市の建物についてもさらなる管理体制の強化をとられるようお願いしておきます。
次に、環境問題について伺います。
市民の皆様方の分別収集の意識が高揚し徹底され、資源ごみの収集が総量で平成七年度一万二千五百六トン、八年度が一万三千九百七十五トン、九年度一万六千九百七十八トンと増加し、循環型社会への理解が深まる中、一方、家庭ごみ、事業系ごみともに、焼却処理は、家庭ごみ、七年度十四万二千九百三十八トン、八年度十四万六千百五十二トン、九年度十四万八千四トン、事業系ごみ、七年度十二万一千三百六十七トン、八年度十二万九千九百十一トン、九年度十三万七千八百三十一トンと増加の傾向にあるのも厳しい現実の問題です。
環境事業部でも、ダイエット一〇〇キャンペーンなどでごみ減量を図っておられることについては十分理解するものです。その中での新年度新たに家庭用生ごみ処理機購入への助成は焼却ごみ減量へつながればと期待する事業だと思います。四百万円の当初予算になっていますが、希望者が多い場合は即対応できる措置をお願いしておきたいと思います。
さて、先般、このごみの最終処分場の扇田環境センターを見学させていただきました。昭和五十九年からの埋立開始から十五年が経過し、埋め立てもかなり進んでおります。
今年度には埋立容量の約八〇%、百十五万立方メートルが埋め立てられることになります。現在も毎日八十五台ものダンプカーやトラックがごみを満載にして埋め立てに来ているそうです。
ごみ減量・リサイクルの推進のため、平成十年の一月にごみ処理手数料がそれまでのトン当たり四千円から七千円に、さらに、ことしの一月には一万円に引き上げられています。四千円当時は百四十台もの搬入があっていたとのことでしたので、景気の低迷という要因もあるでしょうが、百四十台から八十五台という数字は、かなりの埋め立てごみの減量につながっていると思います。しかし、それでも平成十四年度には現埋立処分場は満杯になるとのことです。
そこで、現在、次期最終処分場の計画が進んでおります。十一年度当初予算で、その用地取得費及び工事用道路の整備費、実施設計費が計上されております。仄聞するところでは、環境汚染を引き起こさないような対策を講ずるとのことですが、市民の不安をなくすためにも、どのような対策かお伺いいたします。
また、総事業費は約百三十七億円で、埋立期間は平成十五年度から二十九年度までの十五年間とのことですが、ごみの排出量がこのまま推移すると、さらに新たな埋立処分場が必要になるわけで、さきの台風のようなことがあれば埋立期間はなお短くなりかねません。次の処分場を今から心配せねばならない状況です。
そこで、ごみを減量化するには今一番必要なことは何なのかを真剣に考え、そのすべてを行動に移すべきだと思います。
ごみの減量は市民の協力なしではできないのですから、まずは意識の高揚を図っていくべきと考えます。現在市内の小学校四年生に環境教育の副読本が配られ、工場見学等を通して学習しています。扇田環境センターも平成六年度は十一校だった見学校が、十年度は三十六校に増加し、ごみ処理施設の見学バスツアーも年十二回実施されるなど四千人を超える見学者があるそうです。
埋立地の現状を目の当たりにした見学者は、一様にごみの減量と分別の重要性を感じて帰られるそうです。百聞は一見にしかずです。研修施設の設備等の拡充を図るなどして、もっと多くの市民の方々に見ていただき、実態を知ってもらうよう努める必要があると思います。
次期最終処分場の今後の建設計画と、ごみ減量の市民への啓発等もあわせて局長のお考えをお伺いいたします。
引き続き環境問題について伺います。
二酸化炭素削減問題については昨年我が党の西議員が詳しく伺ったところですので、ここでは省かせていただきますが、市長の答弁に「地球市民の一員として地球環境の保全に対する責任を果たすべく熊本市民CO2二〇%削減宣言の登録制度を設ける。」とありました。早速昨年九月十七日からCO2削減宣言登録制度がスタートしております。私も自分にできることからと、おくればせながら先月、十一項目についての実践を宣言させていただきました。
市民CO2削減宣言の加入者数のその後の状況と、今後の展開はどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
またもう一点、ダイオキシン対策については新年度予算にも計上してあるようですが、ダイオキシン対策についての取り組みはどのような考えで、どのように進めていかれるのか、あわせてお尋ねいたします。
〔澤田幸男環境保全局長 登壇〕
◎澤田幸男 環境保全局長 磯道議員にお答え申し上げます。環境問題についての三点の御質問でございます。
まず、次期最終処分場の建設計画と市民啓発の充実についてでございます。
議員御案内のとおり、次期最終処分場の総事業費は百三十七億円、埋立期間は平成十五年度から二十九年度までの約十五年間を予定しております。
新年度は工事用道路の建設に着手し、その後、コンクリートダムや排水処理施設、防災調整池などを順次整備し、十四年度末には竣工の予定でございます。
環境保全対策といたしましては、幾重もの障壁により汚水が地下に浸透しないような多重の遮水構造を設けるのはもちろんのことでございますが、有害物質を含む環境工場のばいじんをセメントで固めて埋めるなどの埋立方法を行うこと、さらに土壌、大気、水質のダイオキシンなどの定期的な監視を行い、その結果を公表するなどして、市民の皆様に不安のないような対応を図ってまいりたいと考えております。
ところで、議員御指摘になりましたように、ごみの排出がこのまま推移いたしますと、さらに新たな処分場が必要となるわけでございますので、ごみの減量がやはり最重要な課題であると認識いたしております。
特にごみの減量や分別の意識が小さいころから定着することや、あるいは自分の出したごみがどのように処理されているかを直接自分の目で見るということがごみの減量につながっていくものと考えます。
そこで、今後は、議員も御指摘のように、より多くの小学生や一般の市民の皆様に施設を見学していただけるよう関係部局との連携を図り、施設見学やバスツアーの充実、さらには地域に出向きましての出前情報プラザの開設や、次期最終処分場にも啓発の拠点となる研修施設等の整備を図ってまいる所存でございます。
第二点のCO2削減問題につきまして、削減宣言の登録状況と今後の展開についてでございます。
議員も申されましたように、本市では、地球温暖化の主要因である二酸化炭素の総排出量の約八割が市民の日常生活に起因していることから、市民一人一人の温暖化防止に対する意識の高揚を図るとともに、日常生活での実践活動をさらに推進するため、昨年九月から「市民CO2二〇%削減宣言」の登録制度を開始したところでございます。
まず、削減宣言の登録状況につきましては、二月末現在で約七千五百人の登録を見ております。引き続きまして、三月末までの目標でございます登録者一万人の達成に向けて力を注いでまいりたいと存じます。
次に、今後の展開についてであります。
このように多くの市民の皆様に登録いただきましたので、これを契機に実践行動をぜひとも継続していただき、さらに宣言された皆様が核となってそれぞれの家庭や職場などへ実践活動の輪を広げていただきたいと考えており、新年度予算では削減宣言のフォローアップ事業経費を計上いたしております。
具体的には、登録者の二割の方々にアンケート調査を行いまして実践状況を検証するとともに、実践活動と削減効果等を分析した上で、ユニークな事例を含めた日常生活での「実践行動指針」を作成し、市民の皆様へ実践行動の定着を図っていきたいと考えております。
また、CO2削減は行政、市民、事業所が一体となって取り組むことが不可欠でありますので、新年度は、店舗や事務所など事業所を対象として、省エネや経済走行、ごみ減量・リサイクル、簡易包装などを柱とする「事業所CO2二〇%削減宣言」もあわせて実施し、全市的なCO2削減に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
第三点のダイオキシン類対策についてでございます。
ダイオキシン類問題につきましては、先般の所沢市での問題を契機に、これまで以上に大きな社会問題となってきており、早速、国においては、ダイオキシン関係閣僚会議が設置され、年度内に総合対策を盛り込んだ基本指針を策定するということが決められたようでございます。
本市におきましても、ダイオキシン類問題への対応を環境行政における重点施策の一つと位置づけ、昨年六月にダイオキシン類対策推進会議を設置いたしました。この会議の中で市が取り組むべき基本的な考え方を示し、現在全庁的な取り組みを推進いたしておるところでございます。
議員お尋ねの新年度のダイオキシン類対策の取り組みにつきましては、まず本市の実態を把握し、正確かつわかりやすい情報を市民の皆様に提供することが不可欠であると認識いたしております。
そこで新年度は、十年度に環境庁が熊本市で実施しました調査結果を踏まえ、本市の大気の状況を把握するために、大気四地点とその周辺の土壌等についての環境調査を重点的に実施することにいたしております。
また、その調査結果につきましては適宜公表するなどの積極的な情報提供に努めていきたいと考えております。
いずれにいたしましても、国の動向をも見きわめながら可能な限りのダイオキシン類抑制策を推進し、この問題に対する市民の皆様の不安解消はもちろんのこと、健康被害の未然防止につなげてまいりたいと考えております。
〔三十番 磯道文徳議員 登壇〕
◆磯道文徳 議員 環境問題、特にごみについては市民の協力が不可欠な要件でございます。子供のころからの教育はもちろんのこと、大人の教育についても、各局と連携をとっていただきながら進めていただきたいと思います。
市長が出前交流サロンの場で訴えてこられた、ごみが減らなければ新たな工場に四百億かかる、埋立地まで考えると百五十億から二百億円の上乗せになるという結果になってしまいますので、ぜひリサイクル・ごみ減量の施策を十分にお願いしておきたいと思います。
CO2削減宣言も熊本市から全国へ展開できるよう──今年は国体の年でもあります。電光掲示板などを活用して環境都市熊本のPRもあわせて検討いただければと思います。
暗い、不安という世の中にあってこそ、市民に安心と希望を与えていくのが行政の使命ではないかと思います。三角市長を核に全職員の団結に期待し質問を終わります。長時間の御清聴ありがとうございました。(拍手)
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○中沢誠 副議長 この際、議事の都合により休憩いたします。
午後二時に再開いたします。
午前十一時二十二分 休憩
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午後 二時 二分 再開
○主海偉佐雄 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────
○主海偉佐雄 議長 質問を続行いたします。益田牧子議員。
〔二十七番 益田牧子議員 登壇 拍手〕
◆益田牧子 議員 日本共産党の益田牧子でございます。
この不況を何とかしてほしい、もうむだ遣いはやめてほしい、このような暮らし、福祉、教育の充実を願う市民の皆さんの声を届けて一般質問を行いますので、三角市長初め市当局の皆さんの明確な御答弁をお願いいたします。
三角市長は国の平成十一年度当初予算について、さきに成立した平成十年度第三次補正予算という考え方のもと、景気対策を最優先に編成されている。特に公共事業については対前年度一〇・四%の増と大幅な伸びを設定して、第三次補正予算と合わせ三〇%を超える伸びを確保するなど、景気回復に重点を置いた姿となっている。新年度の地方財政計画は昨年のマイナス基調から一転、景気回復に配慮した姿になっている。総じて国、地方ともども厳しい財政状況下にあるものの、現下の景気低迷からの脱却を最優先する積極的な姿予算だと大変な評価をされています。果たしてそうでしょうか。
日本経済は消費不況の激化と財政危機という二重の危機に直面しています。ところが、小渕内閣の予算案は全く逆の方向を向いたものとなっています。
第一に、国民の大多数に減税という名の増税を押しつけ、ただでさえ落ち込んでいる国民の所得を奪って消費不況を一段と激化させようとしています。
第二に、財政構造改革法の凍結を言うものの、年金の賃金スライドの停止や老人医療の患者負担の値上げなど、社会保障の改悪はそのまま強行しています。本市でも児童扶養手当の所得制限を受け、受給停止となった世帯が受給者の一割、五百世帯を超えています。これでは、国民の将来不安を増幅し、消費を萎縮させるだけです。
第三には、ゼネコン型公共事業については規制を取り払って大幅に増額するなど、財政の浪費を一層拡大しようとしていることです。景気が回復軌道に乗った段階で財政について考えるなどと、財政危機を野放しにする無責任な態度となっています。
日本共産党は、家計の消費を温めることを何よりも優先させ、消費税を三%に戻すこと、社会保障を充実させて将来への不安を取り除くこと、その方向でこそ不況を打開し、財政を立て直す道筋が開けると主張し奮闘しているところです。
三角市長に対しまして私ども日本共産党市議団は、地方自治体の魂である住民の安全、健康、福祉を守る立場から予算編成についての申し入れをしてまいりました。特にむだ遣いのツケが暮らし、福祉、教育分野に回されていることを指摘し、改善を求めてまいりました。
新年度予算には学校図書費の増額や危険校舎の緊急改修、市営住宅改修、畳がえの増額、ダイオキシン類の調査、心身障害児通園事業、市民会館エレベーター設置など、一定の市民の要求を反映したものとなっていますが、全体として国の予算へ右へ倣えの公共工事優先の予算となっています。
一年は十二カ月と決まっているのに、国の第三次補正をそっくり組み入れ補正予算を四十一億円も積み増しています。いわゆる十五カ月予算と昨年当初との比較では、土木費四十三億の増などで、歳出合計では六・四%もの伸び、公債費も三・三%増の三百六十九億となっています。
教育費もいつになく力を入れ、前年比一一・六%の伸び、国体施設費、市立美術館費を除くと一四・一%増とのことです。教育長を初めとした教育委員会の皆さんの御努力は認めますが、それにしても教育費は公債費の六割、前年同様です。中核市の中で教育予算よりも借金返済、公債費の方が一・五倍という自治体がほかにあるのでしょうか。
財政危機を招いた反省のなさが色濃く出ている新年度予算と言わなければなりません。ですから、予算の方向も景気対策では従来型の公共事業中心で、財政再建を半ば放棄した予算、市民に対してもサービスの切り捨てや負担増を求めるものとなっています。
そこで三角市長に改めて、本市財政状況をどう認識されているのか、とりわけ財政危機の原因についてのお考えをお伺いしたいと思います。
あわせて、平和都市宣言をしている自治体の長として、ガイドライン法案についてお尋ねをいたします。
ガイドラインを英字紙「ジャパンタイムズ」はずばり戦争マニュアル(手引)だと報じました。ガイドライン法案とはまさに、アメリカの戦争に日本が参加する戦争法案です。
憲法九条は、戦争はしない、戦力は持たないという二つのことを決めています。これまで政府は、自衛のためならといって自衛隊をつくり、九条の戦力は持たないという原則を踏みにじってきました。しかし、戦争はしないという原則を踏みにじることはできませんでした。
ところが今度は、自衛隊を海外でのアメリカの戦争に参加させ、戦争はしないの原則までひっくり返そうとしています。
政府は、日本がやるのは後方支援だ、戦争ではないと言っています。しかし、武器、弾薬、兵員の輸送についても、燃料の補給、武器の整備、修理にしても、どれも皆国際法で戦争行為とされているものばかりです。しかも、こんな危険なことに自治体や民間人まで動員しようとしています。
全国百八十余りの議会からも政府に対しての反対の決議が上げられています。住民の安全、生命を守る立場からガイドライン法案にきっぱり反対の立場を表明すべきだと考えますが、三角市長の見解をお示しください。
〔三角保之市長 登壇〕
◎三角保之 市長 財政問題についてたびたび御心配の質問をいただいておるところでございますけれども、本年度は特に、財政再建計画を立てましたものを二年間先延ばしにしていただきたいという本会議での御承認を得たところでございまして、多くの市民の皆様方が、こういった不況だからこそ財政を豊かにしていただきたい、そういう願いの中での訴えでございますので、そういう形の予算を組ませていただいたところでございます。
初めてと言っていいくらい、何か一部評価をいただいたようでございますけれども、財政再建を二年間先延ばしにしたというふうなことについては、これから七年間先を見て、開発公社の問題等々につきましても終結をいたすことでもございますし、必ずや延ばした先行きはきちんとしたものになっていくと我々は見ておるところでございます。
そしてまた、分母をふやすというふうなことについていろいろ市長会を通じながら訴えてきたところでもございますし、今回も国としてはたばこ税の問題、また特例交付金等々につきましても新設をしてきたと。今後も分母をふやして「出ずるを制す」というか、景気対策を考えながら、あらゆる行革に対応しながら財政問題については考えていきたいというふうに思っております。
また、ガイドラインについてのお話でありますけれども、平和な社会の実現は人類の普遍の願いであるというふうに思います。人として、自分の国あるいは自分の国民が平和でしかも安心して暮らしていくということは当然のことでありますし、私どもも平成七年七月に戦後五十周年を機に「平和都市宣言」を行い、平和のとうとさを訴えてまいったところであります。
私は、国がやる防衛の問題につきましても、一人一人の日本人がやっていることでありますので、この件については信頼をして見守っていきたいというふうに思っております。
また、地方自治体を預かる者としては、熊本という都市と熊本市民一人一人を守ることに全力をもって当たっていきたいというふうに思っておりますし、そういう状況の中で、国に訴えていかなければならない問題についてはきちんと訴えていきたいというふうに思っております。
〔二十七番 益田牧子議員 登壇〕
本当に福祉の心を生かしていくというふうなことになりますと、そういう障害を持つ方々がどう安心をして過ごせるまちをつくっていくのか。市がつくりました障害者プランの中で、療育センターというのは大きな柱になって、ここがまずスタートで、例えば障害児保育をされているところにも、そこから手を差し伸べますというふうなことがうたわれているわけですから、そういうところはこれからどうしていくのかというプランもきちんとお示しをいただきたいと思います。
また、これは決算委員会の中でも指摘をしたわけですけれども、大江荘、旧母子寮なんですけれども、こちらも行ってまいりまして、本当にこれまた何とかならないのかなというふうな思いをいたしました。かつては大江荘につきましても、六畳一間のところを一緒にして六畳二間にするとかいうふうなことで改善の歩みが確かにあったようですけれども、学生寮でもこんなところはないんじゃないかなと私は思いました。といいますのも、六畳一間のところあり六畳二間のところありというふうなことで、十八世帯の方が生活をされているわけです。炊事場が一カ所あってそれぞれの流し台は違うというふうなことですけれども、共同の流し台になっておりますし、おふろも交代交代に入らなければならない。
特に何とかしなければと思いましたのは、共同のおトイレになっているということで、小さいお子さんが、例えば夜でもおトイレに行ったりするときに、廊下の、少し風が入ったりするところもありましたし、そういうところを通っておトイレに行かなければならないと、こういうふうなことを放置していいのだろうかという思いを大変私は強くしたわけです。
一定の前進があったから、ことしは土木費よりも福祉の予算の割合が多くなったからというふうなことで、私は、それでは福祉は結構ですと言うわけにはいかないわけです。
きょうも、療育センターの一日も早い実現をというふうなことで頑張っていらっしゃる方も傍聴にも来られておりますし、おいでにはなっておりませんけれども、今大江荘に入っていらっしゃる方々にかわりまして、これはぜひ三角市長に改善に向けての前向きな姿勢を示していただきたいと思いますので、二点にわたってお尋ねをします。
〔三角保之市長 登壇〕
◎三角保之 市長 今のお話を聞いておりまして、土木費を非常に強調されるわけでありますけれども、土木費の中にも福祉に関連のあるものに使ったことは大変数多くあるのです。
足立のお話もされました。私も足立は随分研究しに行ってまいったのですけれども、確かに議員と同じ会派の市長さんが生まれられました。二年数カ月、助役、収入役、教育長、決まりませんでした。区役所の方々の大変な訴えがありまして、結局土木の当初予算が議会で承認されないものですから、とうとうああいうことになりまして、いいか悪いかいろんな判断がございまして、ほかの皆さん方も調べに行っていただくと大変参考になると思います。
療育センターにつきましては、私がこちらに来てから私が言い出した話でありまして、それに問題がいろいろついてきて、大変私は立腹したところがあったのです。
だけど私の経験、あるいは障害者という思いの中から、竹原議員にるる私の思いをお答えをさせていただいたところでございます。そういう意味をもって多くの市民の皆さんから御意見をいただこうということで、中央社会福祉審議会の中に療育センター専門部会をつくっていただいていろいろ中間報告もいただきましたけれども、私の最初の思いというのは──松橋療護園を自分も建設を担当させていただきました。
そういうふうなことでぜひ熊本市にも、松橋療護園みたいなことでなくてもいいからという発想が最初の発想であったわけですので、中央社会福祉審議会専門部会の中で中間報告でまとめていただいた分はいち早くやろうということで、いろいろ企画いたしましたらその本体が流れてまいりまして、今回市民病院の一角にということにさせていただきました。
四月一日に人員の配置を済ませます。そして研修を重ねてスタートさせていただこうと、相談をしたいと思っておりますし、相談だけでは済まない分野もありまして、もっと細かくやっていくために近々最終答申をいただくことになっておりまして、そのようなことに沿ってやりたい。
大江荘につきましては、私も現地も見させていただきました。この問題につきましては、根本的に児童福祉法が改正になりましていろいろ考えさせられるところがございます。関係の部局長に総合的分野から検討をいたさせます。
〔二十七番 益田牧子議員 登壇〕
◆益田牧子 議員 市長さんの思いを述べていただいたわけでありますけれども、市民病院の相談室のスタッフというのを大いに充実して、私はやはり福祉の分野でというのは、特に建物もそうですけれども、中心になる人の配置というのが大変重要だと思うわけです。
ですから、今度の答申がどういう形で出るのかということもありますけれども、これだけの、六十万都市の中で、ふさわしい療育センターが一日も早くできるように、スタッフの配置等につきましてもぜひ御検討いただきたいなというふうに思います。
大江荘につきましては、せめて改修、建てかえに向けた取り組みもぜひ要望したいと思います。
何も私が土木費を憎しということで言っているわけではありません。やはり本当に必要なところにはかけるべきだというふうなことで、学校の改修でありますとか、そういう福祉の施設や教育施設、住宅密着のところに大いにお金をやるべきだという立場で、大型公共事業の見直しの問題につきましても後ほど提案をしたいというふうに思っています。
午前中、公明党の磯道議員の方からもありましたけれども、これからの二十一世紀に向けた高齢化社会の基盤整備をどのように進めていくのかということが、とりわけこれからの大事な問題になるというふうに私も思っています。
それで、二〇〇〇年からスタートいたします介護保険の問題につきましてはいろんな会派の方からもおっしゃっておりますし、これは超党派でこういう基盤整備等について大いに力を合わせていきたいなというふうに思っています。
私も地元の皆さんと御一緒に地域でこの問題の勉強会、シンポジウムを行いました。百人近い皆さんに来ていただきまして、さまざまな疑問の声、どうなっているのか質問が大変出てまいりまして、皆さんの関心が大変高いというふうなことを痛感いたしました。
私ども市議団といたしまして、この介護の充実の問題につきましての提言をまとめました。ぜひ市長さんにもお目通しをいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
提言の中身を少し御紹介いたしますと、提言の中身は、重過ぎる保険料負担の解決をというところでは、国と自治体の責任で減免制度をつくること。年金月額三万円以下の高齢者については保険料も利用料も無料にすること。
高齢者の生活の実態に即した認定をというところでは、介護認定方法を家族、経済、住宅状況などを含めた複合的、総合的要素を考慮したものに改善をすること。認定審査会は、実情に沿った判断をするためにも、迅速な判断を進める上でも、市民に密着してできる体制にすること。
福祉水準の後退を防ぐためのところでは、現行福祉水準よりサービスが低下することを避けることを第一にいたしまして、現在八割の皆さんが無料で利用されておりますホームヘルパー、当面の経過措置といたしまして無料での継続をすることや、既に
特別養護老人ホームに入所されていますこのような方につきましても、引き続き利用できることを原則にすること。利用料も保険料と同じく減免措置を設けること。
介護基盤整備の充実では、八百名を超す
特別養護老人ホームの待機者をゼロにする計画に見直すこと。介護保険にはない介護手当、三百六十五日の給食サービス、住宅改造助成制度の存続をすることなどを求めているところです。
体制の面では、市の独自で実効ある福祉オンブズマン制度や苦情処理委員会をつくり、住民の不服や苦情処理が的確、迅速に行えるようにすることを求めております。
昨日、きょうと介護保険については各党の皆さんが取り上げておられますので、主な数点にわたりましてお尋ねをいたします。
第一は、
特別養護老人ホームの増設についてです。
昨年十二月現在で待機者は八百三十七名となっています。高齢者実態調査の中でも八百二十名が入所必要者数となっています。しかし、
老人保健福祉計画では、来年四月までにあと六十床しか増床計画がなく、大半の待機者がこれでは入所できないことになります。
今度からは、保険料だけは徴収されながら待機はこれまでと同じというのでは契約違反になってしまうのではないかと思います。待機者をゼロにするための増設計画についてお尋ねをいたします。
第二には、介護手当の支給、三百六十五日の給食サービスの実施についてです。
介護保険で給付をされる訪問介護時間は一ないし二時間となっています。これは家族が介護に要している時間の一五%から二〇%にすぎず、家族介護の重い負担を解消することはできません。
介護保険にはない介護手当の給付を求める声は、県保険医協会の調査で五六%、全国民主医療機関連合会の調査でも四〇%となっています。全国の二十三都道府県で介護手当が実施をされております。また、中核市では、実施をしていないところが堺市と熊本市のみになっています。
三百六十五日の給食サービス、これは実施に向けて調査もされています。今年度も残念ながら予算計上がなされていません。在宅介護を支える大事な柱としてぜひとも実施をしていただきたいと思います。
第三に財源の問題です。
国の負担は二〇〇〇年だけでも五千億円をこれで減らすことになります。国民には保険料として二兆円もの新たな負担を負わせる。市町村にも財源措置はとらずに責任だけを押しつける、この国のやり方も大変ひどいものになっています。
熊本市においては、介護保険導入に伴う公費負担の減少分はすべて介護保険実施に伴う財源に充当すべきだと考えます。岡山市ではこのお金、二十二億円と試算されています。熊本市においての軽減分につきまして試算をお示しいただきたいと思います。
〔
市原敏郎市民生活局長 登壇〕
◎市原敏郎 市民生活局長 益田議員にお答え申し上げます。
まず介護基盤の整備でございます。
平成六年度に策定いたしました
老人保健福祉計画において、在宅サービスの充実、あるいは施設整備の目標量を定め整備に努めてまいりました。いよいよ平成十一年度はその計画達成の最終年度となり、その進捗状況はおおむね順調に推移をいたしております。しかしながら、これからのさらなる高齢化や御案内の介護保険導入によって、今まで以上に介護需要がふえてくることは十分予測をされることから、現状のままでは不十分であるということは考えております。
したがいまして、この
特別養護老人ホーム等の施設整備や
ホームヘルプサービス、グループホームなど、在宅サービスの整備など介護基盤の整備につきましては、
介護保険事業計画並びにこれから進める新
老人保健福祉計画の中で必要量を定め整備を進めていかなければならないと考えております。
次に介護手当の問題でございますが、午前中の磯道議員の御質問にもお答えをいたしましたように、現金給付は行わないとなっておりますが、介護を社会全体で支える仕組みとして創設される介護保険制度の導入で、福祉に対する考え方や負担の割合、給付の内容等、今までの福祉制度が大幅に変わろうとしておりますので、介護保険制度の推移を見守りながら考えたいと考えております。
次に、給食サービスについての御質問でありますが、高齢者が健康で生きがいのある生活を送っていただくには食事も重要な要因ではなかろうかと思います。
御案内のとおり、現在給食サービスは三カ所のデイサービスセンターで毎日でも配達する生活支援型の給食サービスを実施しておりますが、市内一部での実施にとどまっているのが現状であります。今後は、この生活支援型の給食サービスが全市的に展開できるように考えてまいります。
次に、保険料のことにお答えいたします。
先般から保険料についてお答えしておりますとおり、近々国から示される試算方式に基づき、来年度のできるだけ早い時期に本市の介護費用の総額や保険料についての試算をお示ししたいと考えております。
御案内のとおり、介護保険は保健、福祉、医療の各種サービスを取り込む制度でありますが、特に老人医療から移行する訪問看護等の在宅サービスや療養型病床群等の数がどうなるかについて、現時点では不確実な要素が多いのが実情であります。
したがいまして、ただいま議員が言及されました介護保険への移行に伴う市財政負担への影響につきましても、その介護費用の試算額を踏まえた上で導入前と導入後の詳細な比較を行い御提示したいと考えております。
〔二十七番 益田牧子議員 登壇〕
◆益田牧子 議員 介護保険につきましては先ほど御紹介いたしましたように、各地でシンポジウムや学習会等が大変盛んに行われております。校区や町内単位での緻密な学習会をぜひ要望したいと思います。
また、この計画に多くの市民の皆さんの声を反映していくというふうなことが大変重要になっていると思いますので、策定委員会等も開かれておりますので、こういうふうなものも大いに公開をしていくと。また、計画の途中でありましてもぜひ市民の皆さんの御意見を聞いていく公聴会をぜひ開いていただきたいなと思います。
私は看護婦として、また保健婦として仕事をしてきた関係で、大変保健所問題ということに関心を寄せてまいりました。ことし、熊本市が健康都市宣言をいたしまして二十周年というふうな大変記念をすべき年となっています。
ところが残念なことに、私は大変憤りを持っているわけです。今論議をされております介護保険の導入というふうなことをてこにいたしまして、この四月からの機構改革、提案をされておりまして、この中で市民の皆さんの健康を守るとりでとして大変頑張ってまいりました西保健所を廃止すると、保健所を熊本保健所に一本化するというふうなことが提案をされているわけです。しかもこの提案は四月の一日から施行をするというふうなことです。
本来ならば、合併をいたしまして市域も広がり、また人口も中心部から東部へというふうなことにもなっているわけですから、東部保健センターに対して食品衛生とか環境衛生部門というのも配置をして、東保健所というふうなことが必要ですし、北部地域に対しましても、楠地域などを中心にいたしました保健センターの設置というふうなことが本来ならば提案をされてしかるべきと思うわけです。
それが今回、昨年十二月にやっと雨漏り工事の予算がつきました熊本保健所、プレハブを建てるというふうなことで西保健所の方から衛生課が行かれるというふうになっているそうですけれども、私は、大変手順も違うし、市民の皆さんのサービス低下に大きくつながるというふうに思うわけです。
機能強化をして保健福祉センターをバックアップするというふうなことでおっしゃっておりますけれども、機構改革の方のラインを見ましても全く別のラインになっているわけです。
対物だ対人だというふうなことでおっしゃったり、これまでは混然としていたものを分けるというふうなことをおっしゃいますが、例えば堺市などではO157対策などで保健所、保健婦、そういう役割というのが大変見直しをされまして──堺市でも保健所の統廃合というふうなことが出されておったわけですけれども、それを中止をすると、そういうふうな方向が出されておりますし、福岡市におきましても、ここでは医師会等の反対もあったというふうなことで、現行の七保健所体制を守っていくというふうな方向がされているわけです。
地域保健法だ、介護保険だというふうなことで、私はやはり強化の方向ではなくて一つのリストラだと思います。本当に、それのためには、強化、強化と言うのであれば体制の方はどうなのかというふうなことを人事課等に聞きますと、保健婦さんについて八人増員をするというふうなことがあるわけですけれども、各五つの保健福祉センターに一人、二人も配置できないような計画でどうして強化というふうなことが言われるのかと、大変疑問にも思うわけです。
西保健所の沿革について調べておりますと、小児麻痺が熊本でも流行したときに保健所が大変活躍されて、それを機に西保健所が誕生すると。また市場を控えているということで、市場の中に食品衛生監視所をつくると。また、熊本保健所と大いに競いながら精神障害者の方のデイケアを開設したり、また痴呆相談の窓口を西保健所が真っ先に取り組むとか、そういう形で今日まで大変頑張ってこられたわけです。
地域保健法の中でも保健所の位置づけについてはいろんな仕事の分野が述べてもあるわけです。そういうのに比べて、市町村の保健センターというのを見てまいりますと──保健所については十四項目の業務がうたわれているわけですけれども、この十八条というところでは、住民に対して健康相談、保健指導及び健康審査、その他地域福祉に関する必要な業務を行うことを目的とする施設というふうな形で大変格差があるわけです。
熊本市の場合は、強化ということであれば、本来ならば熊本市に一つしかない福祉事務所を、それを本当に地域ごとに福祉事務所を分割して、そこに介護の窓口も人も配置をすると。そしてこの保健所を強化して大いに連携をしていくというふうな方向が本来のあり方ではないかと思うわけです。今介護保険というのを見たときに、これからの高齢化社会を支えていくこの介護保険があれば大丈夫かというとそうではないわけです。
いかに寝たきりにならないか、ボケを防いでいくのか、そういうふうなことについても、公衆衛生、保健所、保健婦さんを中心にした、そういう皆さんが大いに活躍をしなければならないと、そういうふうなときに今回委員会でも十分な審議がされてもおりませんし、ましてや、昨日上村議員から質問があっておりましたけれども、熊本保健所の建てかえさえいつになるのかわからないというふうなことで、なぜそういう、市民の皆さんにも周知をしないままに四月一日から西保健所の廃止をされるのか、その点について私はこれは中止をすべきという立場でお尋ねをしていきたいと思っています。
また体制なども強化をする、強化をするとおっしゃいますけれども、具体的にどうされるのか。
それから、保健所というふうなところについてはそれぞれの運営協議会等も、これは業務規定から残念ながらすることができるという方向で決まって、今度の条例でもこの設置については提案されておるわけですけれども、本当に市民の皆さんが大いに意見を述べて参加をするということでは、こういう運営協議会を各保健センターごとにつくっていくとか、そういうふうな方向も必要ではないかなというふうに思うわけです。
この点では、保健衛生局長は西保健所の所長さんもされたというふうな経験をお持ちですから、地域の皆さんがどんな思いで保健所を見ていらっしゃるのかということもよく御存じだと思いますので、その点についてお尋ねをします。
〔工藤磐保健衛生局長 登壇〕
◎工藤磐 保健衛生局長 西保健所の件について益田議員にお答えいたします。
今議会に御審議をお願いしております保健福祉の組織の統合に関しての考え方につきましては、さきの十二月議会で鈴木弘議員の御質問にお答えしたところであり、また今議会で先日藤山議員の御質問に対し企画調整局長から答弁があったところでございます。
また、一保健所五保健福祉センター体制となった場合の保健所の役割と機能の強化につきましては、昨日上村議員の御質問にお答えしたところであります。
今回の衛生部の組織再編成案につきましては、これまでお答えしてきましたように、一つには、衛生部の組織を公衆衛生の専門的、技術的拠点として一体化することで保健所機能を強化しようとするものであり、二つには、保健福祉センターとして第一線の保健と福祉のサービスを一体化して、市民サービスの一層の向上を図ろうとするものでございます。
なお、西保健所がこれまでに行ってきた地域住民を対象とした保健サービスにつきましては原則として従来どおり実施いたしますし、さらに福祉的サービスを順次拡充しながら保健サービスと一体的に提供していくことで地域の方々の満足度が高められるようにしてまいりたいと考えているところであります。何とぞ御理解を賜りたいと存じます。
〔二十七番 益田牧子議員 登壇〕
◆益田牧子 議員 私も、保健と医療の連携というふうなことでは、医療の現場で看護婦としての仕事もしておりましたし、十分承知をいたしております。今回の措置が本当にそういうふうな立場でされてきたものかどうかというふうなことは今後検証もされると思うわけです。
しかし、市民の皆さんの多くの方が利用されるこういう施設を二月、三月議会に出して、これを四月一日から実施をするということは、周知徹底ということが議会でも問題になっておりましたけれども、こういうところこそ周知徹底をする期間が必要です。その点はやはり実施をされる現場の方々が一番困っていらっしゃることでもありますので、私も保健衛生委員会に所属をしておりますので、十分論議を尽くしたいというふうに思っています。
それから、学校の問題につきましては、午前中もこのことではあったわけですけれども、画図小学校のモルタルの壁が落下をしたことをきっかけにいたしまして、この間点検をして補修していくという方向が決まったわけですけれども、これは、当然措置をされなければならない予算というのが先送りをされてきた結果だと思うわけです。
新年度予算につきましても、六千万、七千万円ほどだったものが二億円というふうなことでありますけれども、本来ならばこういう、とりわけ子供たちの分野については増額をして──新聞報道では五カ年ほどの計画というふうなことになっておりますけれども、こういうものについては二年、三年というふうなことで、主に外壁については実施をして短縮をして、予算もその分つけていくというふうなことが大事だと思うのです。
市立高校についても、これまで党派を超えた皆さん、また保護者の方やOBの皆さんの熱意というふうなことでやっとことし施設更新の基本構想の経費が一千万円計上されたわけです。
私の子供も市立高校を卒業いたしました関係で何度か行く機会もあったわけですけれども、改めて市議団といたしまして両校の視察を行わせていただきました。本当に皆さんがよく辛抱されてきたなというふうな思いを深くいたしました。
特に市立高校では、議会でも何度も紹介されましたけれども、壁が大変ぼろぼろのところでストッパーがしてありましたし、小中学校の比ではありませんね。立入禁止のロープが至るところに張ってあったわけです。在校生の皆さんも現にそこで学んでいらっしゃるわけですから、こういうところの早急なチェック、点検、そして教育長さんもプロジェクトをつくって実施をするというふうな方向を出されましたけれども、金があるからするということじゃなくて、真っ先にこういうふうな予算をつけていくというふうなことが大事だということを、私も視察をいたしまして痛感したところです。
特にこの問題では、私ども日本共産党も衆議院の代表質問で不破委員長が取り上げましたし、特に高校の校舎の改修のことですね、予算委員会で志位書記局長が取り上げて、市立両校と同じような危険校舎の面積というのが全国で大変広がっているわけです。
そういうふうなときに、ことし九九年度から高校に対しての補助金が全面カットをされたわけです。それで、小渕首相に対しましても、なぜこういうことをするのかということで追及して、必要なところがあれば政府の責任において対処をすると、文部大臣も、調査をしさらなる努力をするというふうなことが答弁であるわけです。
熊本市においても、大変財政が困難な折、公共事業というのであれば、こういうふうな教育現場にこそ真っ先に使っていくということと、またこういう補助をカットするというふうな国のやり方に対しても、三角市長、また後藤教育長を先頭にして、復元をせよというふうな要請をすべきではないかというふうに思うわけです。
教育長に小中学校の外壁改修の短期実現について、また私も、午前中ありましたように、両校の改築ということについては最優先課題というふうに思いますので、その点について改めてお尋ねをしたいと思います。
〔後藤勝介教育長 登壇〕
◎後藤勝介 教育長 私の方から二点お答えを申し上げたいと思います。
まず、校舎外壁の改修の件でございます。
午前中の磯道議員にもお答えいたしましたとおり、画図小学校の外壁剥落事故につきましては、議員の皆様方初め関係者の皆様方に大変御心配をおかけいたしました。
早速一月から調査を行いまして、大きく三つに分けたわけでございます。
まずAランクといたしまして、部分的に剥落もしくはその傾向が見られ、なるべく早い時期に対応が必要なもの。Bランクは、今すぐ危険というわけではないが、近い将来において剥離が発生すると思われるもの。Cランクは、現時点では異常は見られないが、今後の経年劣化に注目していく必要があるものと、こういう分け方をしまして取り組みを考えているところでございます。
Aランクにつきましては十年から十一年にかけまして、Bランクにつきましては十二年から十三年にかけまして、Cランクにつきましては十四年から五カ年程度で改修したいと考えているところでございます。
このように順次計画を進めてまいりたいと思いますが、子供の安全確保は何よりも優先的な問題であるということは私どもも十分認識しておりますので、日ごろの点検を重視しながら、できるだけ早期に終了できますように努力してまいりたいと考えております。
また、市立両高校の改築の問題でございます。
今議会に基本構想等の策定の予算をお願いしております。基本構想等ができましたら大体はっきり今後のスケジュールを申し上げることができると思いますけれども、現段階では、施行計画を第一次と第二次に分けること、そしておおむね七カ年から八カ年かけて完成したいと考えております。
整備が完了しますまでは相当の期間を要しますので、既存施設の維持管理につきましては学校側と協議しながら、生徒たちが学校生活に支障を来さないように対応してまいりたいと考えております。
〔二十七番 益田牧子議員 登壇〕
◆益田牧子 議員 三角市長さん、また財政当局におかれましても、やはり真っ先にこういう教育環境の整備ということに力を注いでいただきたいというふうに思います。
私は、こういうふうに市民に密着をした公共投資を進めていく上でも、熊本市の財政が二年先送りになりましても、五カ年でも公債比率はやっと二割というふうな状況にあるわけですから、やはり今何を優先させなければならないのかという点を本当によく点検をしてチェックをしていくというふうなことが大事だと思うのです。
それで、主に市民の皆さんのアンケート等でも、私どものところにも一千通以上皆さんからお寄せをいただきまして、これから熊本市が進めようとしている駅西地区の区画整理を初めといたしました駅周辺の整備について、また上通A地区の再開発ビルの中に熊本市立美術館の建設と、こういうふうなものについて市民の皆さんの御意見というふうなのを聞いたわけです。
説明のため出席した者
市長 三角保之 助役 御厨一熊 助役 中村順行
収入役 岩本洋一 企画調整局長 松村紀代一 総務局長 野田晃之
市民生活局長 市原敏郎 保健衛生局長 工藤磐 環境保全局長 澤田幸男
経済振興局長 坂田憲一 都市整備局長 田尻紘 建設局長 齊藤聰
消防局長 道越賢 交通事業管理者 行徳健次 水道事業管理者 竈啓一郎
教育委員会委員長松垣裕 教育長 後藤勝介 人事委員会事務局長
有馬紀彦
代表監査委員 服部公雄 市長室長 小山和夫 財務部長 三嶋輝男
職務のため出席した事務局職員
事務局長 森高聖之 事務局次長 大橋舜一郎 議事課長 松本豊
議事課長補佐 山田利博...