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平成10年第 4回定例会−12月16日-05号
平成10年第 4回定例会−12月16日-05号

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  1. 熊本市議会 1998-12-16
    平成10年第 4回定例会−12月16日-05号


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    最終取得日: 2022-11-22
    平成10年第 4回定例会−12月16日-05号平成10年第 4回定例会   平成十年十二月十六日(水曜) ────────────────────────────────────────────────   議 事 日 程 第五号   平成十年十二月十六日(水曜)午前十時開議   第一 質 問   第二 議第二七三号 監査委員の選任同意について   第三 議第一八五号 平成九年度熊本市産院会計決算について   第四 議第一八六号 同       市民病院会計決算について   第五 議第一八七号 同       酒類製造事業会計決算について   第六 議第一八八号 同       水道事業会計決算について   第七 議第一八九号 同       交通事業会計決算について ────────────────────────────────────────────────                  午前十時三分 開議 ○中沢誠 副議長  ただいまより本日の会議を開きます。      ───────────────── ○中沢誠 副議長  日程第一「質問」を行います。中松健児議員の発言を許します。        〔九番 中松健児議員 登壇 拍手〕 ◆中松健児 議員  おはようございます。社会民主クラブの中松です。
     三角市長、二期目の御当選おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。各議員さんの質問に対する御答弁を拝聴しながら、市政運営に対する意気込みを感じ心強く思っております。  しかし現在の状況は、長引く不況と景気の低迷、財政の大幅な赤字、山積する事業推進と難題ばかりですが、真の市民のための施策は何かを熟慮し、決断、実行されますようにお願いいたします。二期目の市長の施策に期待いたしております。  ただ、その施策に対しましては、私たちの会派は、是は是、非は非として明確に対応し、市民生活向上のため全力を尽くしたいと思います。  今回の質問では、当初、三角市長二期目の抱負、市政の重要施策、財政問題等を質問の柱にしたいと考えておりましたが、しんがりではこれらの問題は重複することとなるだろうと思いまして、少子化対策、教育問題を中心に質問いたします。市長以下執行部の皆様の明快な御答弁をお願いいたします。  それでは、通告に従いまして質問に入ります。  教育問題について質問いたします。  文部省の中央教育審議会は、九六年七月に、これまでのような知識注入型の教育から、生きる力をはぐくむ教育に転換していくという方向を示し、この方針を実現するため、「教育課程の基準の改善」についての答申を出し、これを受けて文部省は十一月に学習指導要領案を出されました。  二〇〇二年に学校五日制の完全実施(当初予定より一年繰り上げ)と、それに向けた授業内容の基礎、基本を重視した、授業内容の三割程度の削減と、総合的な学習を設けることを提言しています。  総合的な学習というのは、これまでのような教科ごとの縦割りにこだわらないで、各教科にまたがった指導をして、子供たちのみずから考える力をつけようというものです。  また、教育課程審議会の答申に、基準の改定に当たって、各学校が創意工夫を生かし、特色ある教育、学校づくりを進めることを提言しています。このことは、今までの全国一律、県内一律の教育課程を、各学校がその地域の児童・生徒の実態に応じて独特の教育や学校づくりをしてほしいということです。  かつては、指導要領を超えて教師の独自カリキュラムで指導をした教師、例えば教科書を補助教材として取り扱い、主としてプリント等で指導した教師は、指導要領の法的拘束制を盾に、逸脱したとして処分の対象となったことを思えば隔世の感です。教師の独創性が阻害されては個性ある子供たちは育ちません。  余談ですが、かつて第一高等女学校で新しい教育(ドルトンプラン)が試行され、自由な学校の雰囲気の中で授業がなされた。そのときの卒業生が一番の人材を輩出したと言われています。  従来のような授業の一こまが四十五分や五十分とした一律の教育課程を、その学校の実態に応じて三十分授業であったり、ある科目をある季節に集中して一つの科目としてよいというように、授業時間数を一年間をトータルとして考える新しい試行を提言しています。  ある講演会で、二十五分を一こまとしてカリキュラムを編成し、一週間ごとに授業時間の組みかえを行い、生徒は教科単位に移動、一定の効果を上げているという、中教審答申の前取りをしたような実践報告を聞きました。  現在の中学校一こま五十分、年間三十五週確保するという総時間数を年間で確保して、そのやり方は各学校独自で編成するというものです。  この発想の原点は、子供たちに多くの自由時間を生み出し、遊びや子供のやりたいことを保障したいということで、職員が教育課程の大幅な組みかえをしたものです。当然、保護者、地域、行政は戸惑ったそうですが、職員の気持ちを校長や教育委員会が受けとめ、困難なことを克服したという実践報告です。  学校の裁量範囲が広がり、新しい学校づくりをすることは、教師にとっても、よく勉強し、意識改革が求められます。  現在のような文部省、県教委の意向をうかがって、管下の学校を監督するような教育行政のあり方が変わることを求めていますし、現場の校長も、市教委の意向をうかがっていれば学校の運営ができたことが、学校が地域の実情に合った創意ある学校づくりが求められる中で、校長の資質が問われます。  中教審で校長のリーダーシップを高めることを求めていますが、学校づくりのため、職員の意思を尊重し、そのリーダーシップを求めるもので、決して校長の意思だけで学校を動かそうというものではありません。  教育委員会も、従来の文部省の方針を伝達、指導していくという立場から、各学校が創意工夫した学校づくりをするために、財政面を初めとして支援していくことだと、教育委員会の役割が変わっていることです。  また現場では、校長が変われば学校が変わるということも言われています。校長の資質、任命権者の責任が問われます。  そこで教育長にお伺いします。  一、中教審答申、それを受けての学習指導要領の改訂というように一連の教育改革案が出されました。三十人学級実現等の財源を必要とすることは見送っている等の問題点はありますが、子供たちに豊かな心を育てるということでは一定の評価はできます。中教審答申の柱である心を育てる教育をどう受けとめ、どう取り組むおつもりか。  二、今回の一連の中教審答申で教育行政のあり方を問うていますが、市教育委員会の役割はどうあるべきと認識されているか。また、学校をどのような方向に持っていくのがよいとお考えか。校長のリーダーシップが問われますが、現在の任用制度でよいのか、教育長にお尋ねいたします。        〔後藤勝介教育長 登壇〕 ◎後藤勝介 教育長  中松議員にお答えを申し上げたいと思います。  ただいまいろんな御指摘をいただきました。私どもも、中教審の答申案を見ながら、今後、一体どのように対応していけばいいのかと、いろいろ内部でも議論をしておるところでございますが、なかなかこうだという結論を出しにくい状況でございます。したがいまして、多分すれ違いの御答弁になるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。  まず、今回の中教審答申の柱であります心を育てる教育について、どう受けとめどう取り組むかという点でございます。  ナイフによる殺傷事件、いじめによる自殺、幼児虐待、金属バット殺人事件、子供買春、不登校十万人突破、喫煙の低年齢化底なし、これは、思いつくままに申し上げましたが、この二年間で全国に伝えられましたニュースの見出しでございます。  このほかにもいろいろなことがありますが、このような異常な事態を背景としまして、本年六月の中教審答申は、ストレス社会の中で生きる子供たちに豊かな人間性が育っていないという認識から、我が国の将来に危機感を持ってなされたものだと思います。  しかし、このような子供たちの状況は現在の大人社会の反映であり、私たち大人自身が真摯にみずからのあり方を省みるべき問題としてとらえなければならないと思います。  子供の心の教育を充実させるためには、大人社会の反省に立って、家庭における育児やしつけ、地域社会におけるさまざまな活動、学校における道徳教育等の取り組みなどについて見直し取り組んでいく必要があると思います。  教育委員会といたしましては、現在実施しております家庭教育推進事業の充実や、地域社会と学校が連携した各種事業をさらに拡充しますとともに、現在作成中の青少年育成プランの活用も図りながら、子供たちが友達との遊びの中で、いわゆる生きる力を身につける機会や場の提供に努めていきたいと考えております。  また学校では、道徳教育を初め、導入が予定されております総合的な学習時間の活用をしながら、心を育てる場としての機能を十分発揮できるように努めてまいりたいと思います。  次に、教育改革に関連をいたしまして、教育行政のあり方という点で三点お答えをしたいと思います。  現在、心の教育の充実や、個性を伸ばし多様な選択のできる学校制度の実現などの視点から教育改革が進められ、日本の教育は大きく変わろうとしております。  そのような中、ただいま御指摘のように、本年九月に中教審から「今後の地方教育行政の在り方について」の答申が出され、創立五十周年を迎えました教育委員会制度の見直しも提言されたところでございます。  そこで、教育委員会の役割はどうあるべきかという点でございます。  一つには、これまで全国一律に教育水準の維持を図ってきた教育行政を見直し、市の独自性を持った施策の推進を図ることであると思います。  また二つ目には、学校の自主性と自律性を高める方向で教育委員会と学校との関係を見直し、学校の自主的な取り組みを教育委員会は支援することだと思います。  そのことで、画一化された教育ではなく、子供や地域の実情に合わせて、みずからの判断で学校づくりができるようになり、子供の個性を生かした教育が実現されるものと考えられます。本市教育委員会におきましても、校長への権限の委譲や、事務の効率化を進めますために、現在学校管理運営規則の見直しを検討しているところでございます。  さらに三点目に、これからの教育は学校だけで行うのではなく、家庭での教育を見直すとともに、地域全体で子育てを支援していくことが求められております。そのための地域コミュニティーの育成や連携を促進するための組織づくりも今後の教育委員会の役割であろうと考えております。  次に、学校をどのような方向に持っていくのかという点でございます。  まず一つには、子供の個性を伸ばし、豊かな心をはぐくむための学校みずからの創意工夫による特色ある学校づくりであると思います。  その実現には、校長を初め教職員一人一人の意識の変革が必要であり、教職員の持っている力を最大限に発揮し、組織的、一体的に課題に取り組めるような体制づくりも必要と考えます。  二つ目としては、開かれた学校づくりであると思います。教育を学校だけではなく地域全体で行うためには、学校が専門的教育機関として、保護者や地域住民の信頼を確保していくことが必要であります。  そのためには、学校が方針などを保護者や地域の方々に十分説明したり、地域の人材を活用するなど、交流を促進しながら一層開かれた学校づくりを進める必要があると考えます。  三点目に、校長の任用についてという点でございました。  御指摘のように、校長のリーダーシップは今後の学校づくりの大きなかぎになると思います。  これまでも、校長のリーダーシップの有無は問われてまいりましたが、校長の裁量が拡大され、特色ある学校づくりが求められます中では、地域住民や保護者はもちろん、教職員にも信頼されることが必要であり、また学校の教育課題の解決に向けて、しっかりした見識と使命感に裏打ちされた責任感と意欲に満ちた人材が求められると思います。  今後、すぐれた人材の確保に向け任用の方法などを検討していくことが必要であると考えております。        〔九番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  誠意ある積極的な御答弁、ありがとうございました。  子供の教育は学校教育だけで担うものではありません。家庭や地域での教育力の回復と、保護者の意識改革、さらに経済主義、学歴主義にかかわる大学、高校入試制度の改革などの問題が大きく横たわっていますが、現在の学校の文部省を頂点とする中央集権的な管理体制が、学校や教師の自由な活動を阻害している面があります。  このようなことから、教育委員会の役割が重大です。学校内の風通しをよくし、学校と教育委員会のパイプが信頼関係で結ばれた学校づくりをされますようお願いいたしまして、次の質問に進みます。  二〇〇二年から実施される総合学習、完全学校五日制と、地域活動の活性化という視点での取り組みについてお伺いします。  このことについては田尻議員より、今後の取り組みについて質問されていますので、私は補強ということで質問をいたします。  まず、総合学習の取り組みについてです。  このことについては、手引書などを作成したいと答弁されています。ぜひ進めていただきたいと思います。  総合学習は、現状の詰め込み、暗記中心の教育を打破する上からも画期的なことであると思います。しかし、教育現場の教師にとって今まで経験していないことであり、戸惑いや負担増等の不安もあります。手引書等の作成は大きな示唆を与えてくれるものと思います。  そこでお尋ねします。  一点目、総合学習の手引書等の完成めどはいつごろですか。どのような計画になっていますか。また、その体制づくりと研修など、どのようにお考えでしょうか。  二点目、総合学習の実践に当たっては、多くの研究資料、施設設備の充実、校内外への研修等の学校への財政面を初めとする支援が必要ですが、予算面ではどのようにお考えですか。  三点目、完全学校週五日制への対応についてですが、平成四年九月から月一回の学校週五日制が導入され、平成七年から月二回実施となりました。この学校五日制実施に当たっては、平成七年の調査によりますと、子供たちは、家でゆっくり休んだり、テレビを見たり、ゲームをしたり、そういう過ごし方が大半です。忙しい学校生活の中で、休養やゆとりができて、それなりに効果を上げていると言えます。  しかし、子供同士でボランティア活動に出かけたり、日ごろできないことなどを行ったり、子供同士での遊びがふえたりといった積極的な行動がなされてはいないようです。  月四回の休日となりますと、学校、家庭、地域が連携をとり、子供たちが参加したくなるような活動を多く設定したり、施設の整備も必要だと考えます。学校完全五日制に向けて委員会としてどのような方策をお考えか、教育長にお尋ねいたします。  次に、教育予算についてお尋ねします。  市長は、今回の選挙中にも、議会答弁でも、教育が大事であると述べておられますが、その割にはなかなか予算に反映されていないように思います。本市の教育費を見ますと、平成十年度で、国体経費二十六億円を含め約二百二十三億円、一般会計に占める割合が一〇・七%となっております。  私たちの会派で鹿児島に研修に出かけたのですが、その人口五十四万人の鹿児島市の場合、教育費二百十二億円で、一般会計に占める割合が一一・二%となっています。熊本市の教育費で、国体関係費を差し引きますと二百億円弱であり、率にして九・四%、鹿児島市より大幅に低額低率です。  私たちが、市内小中学校に司書配置を強く要望していますが、現在熊本市の場合、臨採を小中学校十五校、しかも五時間勤務が大多数という状態ですが、鹿児島市は小中学校全校に司書を配置しています。このこと一つとっても、鹿児島市の教育に取り組む姿勢が熊本市との違いを感じます。  教育は人なりと言われていますように、人的整備が大切です。教育委員会に聞きますと、市長や財政当局を弁護してか、熊本市はソフト面での事業推進を図っていると言われますが、ソフト面は従来どおり努力され、今後は人的整備やハード面にも力を入れていただき、ソフト、ハード両面から積極的に子供たちの教育環境整備に取り組んでいただきたいと思います。  また、学校環境整備はもちろん、地域や家庭環境整備も、子供たちの健全育成の視点からも大事なことです。ぜひ来年度予算に当たって、せめて鹿児島市並みの教育予算を組んでほしいと思います。  教育予算についてお尋ねします。  市長の持論であります教育が大事であるという意向、さらに現状の教育予算にかんがみて、来年度の教育予算をどのようにお考えか、総務局長にお尋ねします。  さらに、教育予算の中身にかかわって二点についてお尋ねします。  現在、小中学校に試行として小学校八校、中学校七校、その勤務形態は八時間勤務と五時間勤務の二形態となっています。岡山市は全校配置、鹿児島市は年間二百万円の人件費助成の、PTA雇用による全校配置がなされています。  また、今後、総合学習が導入されますと、資料収集、研究のための図書の充実は大切ですが、現在のような学校の蔵書数、予算では大幅に不足します。  そこで、学校図書館にかかわってお尋ねします。  本年より実施された五時間勤務司書の配置されている学校の状況と、従来の一日勤務司書の配置されている学校の状況、十一年以降の司書配置の計画、図書予算、さらに図書館を子供の居場所、触れ合いの場として改造できないかお尋ねします。  次に、市立二校の高等学校の改築について質問を予定しておりましたが、昨日の北口議員の質問に、市長から前向きの回答が出ていますので、要望に切りかえます。  熊本市立高等学校活性化検討委員会の提言を受けて、現在、教育委員会と市立二高が改革に向けての努力をされています。この計画案は、学科編成等、高校の中身が大きく変わるようです。このことについては十分当該校の意見を聞いて、新しい高校づくりをしてほしいと思います。  このようにソフト面での改革は進行中ですが、ハード面での校舎改築は今回の提言でのセットとなっています。このことを認識されて、新しいニーズにこたえる学習環境の整備充実をしてほしいと思います。  熊本市は多くの事業計画があり、これらの事業の中で埋没しかねないかと懸念しておりましたが、三角市長の答弁を聞き安いたしております。改築に向けて鋭意努力されますように要望をします。        〔後藤勝介教育長 登壇〕 ◎後藤勝介 教育長  教育の問題に引き続きお答えを申し上げたいと思います。  まず、二〇〇二年に向けた教育の取り組みに関連いたしまして、総合学習導入に向けた体制づくりと研究について、完全学校週五日制への対応についてでございます。  教育委員会といたしましては、中教審答申の趣旨を十分に踏まえまして、三年後に迫りました二〇〇二年に向けて、子供たちに生きる力をはぐくむことを基本として、具体的な対応策を早急に講じてまいりたいと考えております。  そこでまず、総合的な学習の時間の導入に向けた体制づくりについてでございます。  まず一点目は手引書の作成についてでございます。  総合的な学習の時間につきましては、教師の創造性や自主性が問われますとともに、何をどのように指導していったらよいのか不安と戸惑いを抱えているのが現状でございます。  そこでまず来年度は、総合的な学習のねらいや進め方に関する手引書を作成したいと思います。さらに平成十二年度にはモデル的な学習活動のプラン集をつくり、十三年度には授業実践の事例集を作成し全教師に配付したいと考えております。  また指導体制づくりにつきましては、学校、PTA、教育委員会で構成します総合的な学習推進委員会を設置し、本格的な導入に当たって直面する問題の解決に向けて研究を深めてまいりたいと思います。  さらに、家庭や地域の方々に御理解と御協力をいただくためのパンフレットを作成、配布し、学校、家庭、地域が連携した体制づくりにも努めてまいりたいと考えております。  なお、教師の研修につきましては、研究委嘱校を設け、総合的な学習の担当者などの研修会を実施し、情報提供に努めますとともに、各学校の悩みや不安を吸い上げ、その解決を図る場としていきたいと思います。  二点目の教育予算の面でございます。  子供たちが総合的な学習を進めていく上で必要となります教材や学習用具、教師の研究資料等の整備を中心としてかなりの経費が必要になるのではないかと考えており、現在検討を行っているところでございます。  次に、完全学校週五日制に向けての方策についてでございます。  この件では、学校での学校週五日制の意義や休日の過ごし方の指導等とあわせまして、地域における子供たちの活動を支援する環境づくりや、喜んで参加したくなるようなプログラムの開発が重要であると考えております。現在、本市では青少年育成プランを作成しておりますが、本年度末には答申をいただくことになっております。  その中には、自主的で主体的な青少年活動の推進のための活動拠点施設の整備充実、魅力ある社会参加や自然体験事業の開発、さまざまな活動プログラムへの参画促進のための青少年の意見を生かすシステムづくり、青少年活動への情報提供と指導助言、人材の確保、充実と地域組織の活性化のための青少年指導者の養成などの基本的な方向が示されることになっております。この提言等も十分に活用しながら対応してまいりたいと思います。  二〇〇二年まであと三年しかございませんが、完全学校週五日制の円滑な実施ができますように、学校、家庭、地域社会の連携を強化しながら取り組んでまいりたいと考えております。
     次に、学校図書司書の件についてお答えしたいと思います。  現在モデル配置として実施をいたしております。平成七年から取り組みましたが、本年度は十五校にふやし、その効果等について調査を行っております。  そのうち、一日五時間配置の司書配置校につきましては、前年度と比べまして来館者がすべての学校で増加し、最大四倍、図書の貸出数もすべての学校で増加し、最大四・二倍となるなど顕著な変化が見られております。さらに、授業での利用機会の増大や、PTA図書部会との連携強化、また問題を抱えた子供の安らぎの場となるなど、さまざまな効果があらわれているようでございます。  一方、一日配置校につきましても、各学校におきましてさまざまな取り組みが行われ、図書館の授業利用の増大はもちろんのこと、児童・生徒の読書習慣の定着や図書委員会の活性化、さらには保健室登校の子供がよく利用し喜んで本を借りている姿が見られるなど、前年に引き続き着実に実績を積み重ねております。  御指摘のとおり、総合的な学習時間の導入等により、学校の図書館は、児童・生徒の調べ学習等におきます資料収集や教師の教材研究等のためにますますその重要度が増すと考えております。  したがいまして、国において平成十五年度より導入が検討されております司書教諭の配置の状況等も見守りながら、今後その充実に向け一層の努力をしてまいりたいと考えております。  なお、図書購入費につきましては、今後、計画的な充実のためにさらに努力をしてまいりたいと思います。        〔野田晃之総務局長 登壇〕 ◎野田晃之 総務局長  新年度の教育予算というお尋ねについてお答えを申し上げます。  昨日の答弁でも申し上げましたが、二十一世紀に向け、将来を担う子供たちの教育や、長寿社会にあっての生涯教育など、教育はまことに重要であり、人づくりは都市の発展に欠かせない極めて重要な課題であると認識をいたしております。  したがいまして、厳しい財政状況にはございますが、教育予算については、今後の予算編成の中でできるだけ配慮してまいりたいと存じております。        〔九番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  御答弁ありがとうございました。  教育にはお金がかかりますし、使われているお金が、建造物のように市民に見えにくい面がありますが、将来を背負って立つ子供たちのために使われるのには市民は理解を示してくれると信じます。  借金返済には教育費を上回る支出がなされ、しかも歳出の構成比は民生費、土木費、公債費に次いで第四位であります。ぜひ鹿児島市並みに比率を高めてほしいと、教育長及び市長に強く要望し、次の質問に入ります。  熊本市の将来ビジョンについてですが、一般質問について当初、市長の二期目の抱負、財政問題、雇用対策、新マスタープラン等について主たる質問要旨と考えていましたが、同じ趣旨での質問、答弁がなされていますので、視点を変えて、熊本市の将来ビジョンについてお尋ねします。  熊本市は平成八年中核市の指定を受け、九州の拠点都市としての基盤整備が進められています。今後、政令都市を目指しての整備がなされるだろうと思いますが、明確な方針が決定したものではありません。  政令都市になりますと、県の権限、機能である都市計画、児童福祉、労働行政、市内の国道、県道の管理、小中学校教員の任免権等が市に移り、また財政面でも、地方交付税、交付金、支出金の基準が変更され増額となったり、財源の移譲もあり、県並みの権限、機能を持つようになると言われています。  当然歳出面の支出増となりますが、市民生活に密着した事業やニーズにもこたえられる部分もふえ、施策に幅が広がります。人口は約二倍の福岡市が財政規模は三倍であり、政令都市のメリットがあると言えます。  熊本市の持つ地政学的観点、歴史的な背景からしても、九州の拠点都市の条件を備えています。自治機能を高めることにより、各種の制度上の特典も活用できて、思い切った政策、事業展開ができて、このことが政治、経済、文化などの飛躍につながり、市民生活向上に寄与すると期待できます。  反面、人口規模や事務量の増大、行財政の拡大、都市機能の拡大に伴う諸問題が派生します。したがって、現在の都市機能での充実を図るべきという議論もあります。  現在のマスタープランや諸施策を見ますと、将来像が見えないままの都市基盤整備がなされているような気もいたします。この将来ビジョンによって、行政区画や、それに伴う行政施設や権限、また交通、港湾等の諸事業推進の仕方も変わってくるはずです。五十年、百年先を展望した施策がなされることが大切です。  そこでお尋ねします。  現在策定中のマスタープランは、将来ビジョンをどのような視点に置いて策定されようとしているのか。  二点目、北九州市が鉄冷えのまちから脱し、新しい機能づくりを目指して、学術研究都市の構想が本格的に動き出そうとしています。産、官、学の連携を強め、地場産業の技術の高度化と新たな産業の創出、雇用の拡大、さらに将来アジア進出の拠点とする取り組みです。  熊本市の将来の飛躍が期待できる構想を新マスタープラン作成とかかわって考えるべきだと思いますが、以上二点について企画調整局長にお尋ねします。        〔松村紀代一企画調整局長 登壇〕 ◎松村紀代一 企画調整局長  本市の将来ビジョンと新総合計画について、政令指定都市への思いも込めての御質問にお答えを申し上げます。  一昨年、本市は中核市へ移行し、地方分権の推進に向け、中核市にふさわしい力と市民サービスの一層の向上に努めてまいりたいと考えているところでございます。  また議員も申されましたように、政令都市には多くの長所もある反面、検討しなければならない課題も多いことから、次のステップとして今後も引き続き検討、研究させていただきたいと思います。  次に、十年程度を計画期間といたします総合計画の策定と、その数歩先を見通した都市づくりの普遍的理念、いわゆる本市の将来ビジョンについてのお尋ねであるかと思います。  過去から現在、現在から未来へとつながる都市の将来を考えますとき、議員が申されました超長期的ビジョンを論議することが確かに重要かと存じます。  そこで今、新総合計画の策定に取りかかったところでございますが、各界各層の御意見をお伺いすることを第一の方針といたしまして、例えば市民意識調査を初め、本市ゆかりの各界の方々へのアンケート、あるいは市民論文や小中高校生の作文募集などを行い、各方面からの御意見の収集に努めているところでございます。  このような中から、今後取り組むべき施策はもとより、本市の二十一世紀の将来像や長期ビジョンを示唆するものが見えてくるのではないかと期待をいたしております。  したがいまして今後は、幅広い市民の皆様の御意見をもとに、来年度設置を予定いたしております基本構想審議会や議会とも十分御相談をしながら、議員仰せの将来のビジョンをも含めた論議を深めてまいりたいと考えております。  今後とも、中松議員を初め議員各位の御指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。        〔九番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  御答弁ありがとうございました。  都市計画は、中央政府の範疇内での計画でなく、都市の特性を生かした、五十年百年先を展望した都市像を考えて進めるべきものと思います。私自身が熊本市の未来の都市像が描けないでいます。また、熊本市を飛躍させる起爆剤の構想も大切です。非常に難しいことでしょうが、ぜひ取り組む課題だと思います。中期計画策定に当たって、長期的視野に立ったマスタープランの作成をお願いし、次の質問に移ります。  少子化問題にかかわって質問します。  我が国は、二〇二五年には四人に一人は高齢者と言われる超高齢化社会が到来することは統計資料が示しています。また、このまま推移すると、日本の総人口は現在より三割近く減少するとも予測されています。この大きな要因の一つとして少子化が考えられます。  高齢化対策については、新ゴールドプランを柱とする各種のプランが策定され、ハード、ソフト両面からの、完全とまでは言えないまでも、以前とは比較にならないほどの施策が行政を中心に進められ、民間も事業推進に大きく寄与しようとしています。少子化対策は、将来の日本のあり方を考える上で重要な問題として位置づけられながらも、具体的な施策が乏しいというのが現状です。  少子化の原因と現状を見ますと、我が国の一人の女性が一生の間に産む子供の数、いわゆる合計特殊出生率について見ますと、昭和五十年は一・九一であったのが、平成九年には一・三九となり、出生数は、昭和五十年には百九十万人の子供が生まれたのが、六十年には百四十三万人、平成九年には百十九万人しか生まれなかったという事実はまさに少子化の実態を示しています。  人口を維持するのに必要な水準である二・〇八を大きく下回り、このことが将来の日本に、政治、経済、社会、文化に深刻な影響を与えるのは必至です。昭和五十年以降、少子化現象が指摘されながら具体的な施策が欠けていたと言わざるを得ません。  少子化の原因として、若年層の晩婚化、未婚化、ライフスタイルの変化、子育て環境の不備など、さまざまな要因が考えられますが、その要因を分析し、的確な対応がなされなければ日本は衰退へと向かわざるを得ないこととなります。  行政は、若者が安心して子供が産める環境づくり、社会経済システムの再構築、諸制度の見直し、社会や企業の積極的な支援策などの対策を講じる責任があると痛切に感じます。  国や自治体も、児童福祉法の改正、エンゼルプランの策定、児童手当の支給拡大などの施策がなされてはいますが、少子化対策の決め手とはなっていません。  新聞社の世論調査でも、未婚者の九割が「結婚するつもり」と答えており、「一生結婚するつもりはない。」と答えたのは六%弱であり、結婚意欲はあるものの、その実現はさまざまの理由でおくれて未婚者をふやし、また結婚のおくれが夫婦の希望子供数を少なくすることにもなります。  また、夫婦が子供を産み育てる際の負担についての問いでは、「教育費が重い。」「進学やしつけなどの気苦労が多い。」その中には「学校でのいじめ、不登校が心配」と具体的に書いてあったとも指摘されています。「仕事と子育ての両立が難しい。」と訴えています。  この問題解決のための有効な対策が講じられることが少子化対策の決め手と言えます。憲法で義務教育費は無償とするとしていますが、女性が基本的に子育てと労働の選択ができる条件整備がなされた上で、働く女性労働者の乳幼児保育料は原則無料とするぐらいの思い切った施策をすべきだと考えます。  次の二点についてお伺いします。  市長は少子化問題をどのようにとらえ対応されようとしているのか、基本的なお考えをお聞かせください。  二点目、現在、少子化対策をどのように考え、具体的にどのように進めておられるのか、市民生活局、教育委員会にお尋ねいたします。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  中松議員にお答えをいたします。冒頭に、二期目の市政をお預かりするに当たり御激励をいただき、大変ありがたく、感謝を申し上げます。  この二十年間選挙をしてまいりましたが、社会民主クラブから初めて御推薦をいただきまして、先ほどの是は是、非は非というふうなお言葉が大変印象に残っておりまして、今後ともよろしく御指導いただきたいというふうに思います。  少子化に対する基本的な考え方ということでございますけれども、これほど頭の痛いことはないわけでございます。議員お述べになりましたように、どこのデータにも出ておりますけれども、やっぱり労働力の低下、あるいは経済面への影響というのは大変大きなものがあるというふうに思いますし、生活水準への影響、こういうものは国民所得に占めます公的負担、いわゆる国民負担率というものが、二〇二五年には五〇%から五六%に上昇するというふうに言われております。現役世代の手取りが大変少なくなるということでございまして、非常に頭の痛い問題でございます。  社会面への影響というものは、二、三日前にテレビであっておりました山江村の話でありますけれども、子供二人に先生が二人という学校がございまして、いろんな教科の中で――これは、分校問題のときにもいろいろありましたけれども、球技、いわゆる野球とかサッカーとか、そういうものが全然できない、大変な問題だということでございまして、チームワークという面について、教育が平等にできないのではないかというふうな問題が随分ございまして、そういう面での社会面への影響等々が考えられるわけであります。  昔は八人兄弟、十人兄弟と兄弟がおられて、ほったらかしとったって育つと、かえって強くなると、社会に出たときに筋金が入っているというお話をよく聞くわけであります。一人二人というのは大変ひ弱というふうな話がございまして、これは、トラブル解決能力を親が与えないという面もあろうかもしれませんけれども、こういう大変な問題が考えられるわけであります。  第一次ベビーブームの昭和二十三年には、年間に二百七十万人程度生まれておった。先ほど平成九年のお話をされましたけれども、これが平成八年には百二十万人にまで減ったということでございまして、議員お述べになりましたように、未婚、晩婚というのが大変進んでおるという状況でございます。  このようなことから、国におきましては平成六年にいわゆるエンゼルプランを策定いたしまして、少子化社会への対応を進めてきておりますけれども、本市におきましても、だれもが安心して子供を産み、楽しく育てることができるとともに、子供自身が健やかに成長できる社会をつくっていくために、今後の子育て支援の基本方向と重点施策を示した「くまもと市こどもプラン」を策定したところでございます。  このプランは、少子化への対応と子供の健全育成を二つの課題としてとらえ、今後、おおむね十年間を目途に、子供の健やかな成長のための細やかな支援という理念を具体化するためさまざまな施策を展開していくこととしておるところであります。  さらに今後の施策を展開していく上で、子供中心、家庭の重視、あるいは地域ぐるみ、この三点を基本原理として、保育サービスの拡充、家庭での子育て支援の充実、母子保健医療体制の充実等々を柱として重点施策を推進していくこととしておるところであります。  いずれにいたしましても、少子化の進行は、高齢化の進展と相まって、本市にとりましても大変大きな課題であると認識しておるところでございまして、来るべき二十一世紀を担う子供たちのためにも、策定いたしましたくまもと市こどもプランの着実な実行に鋭意努めてまいりたいというふうに考えております。  また、二期目の市政につきまして、しんがりになったからということで――本当はいろいろお聞きになり御注文もあったんじゃなかろうかと思うわけでございますけれども、大変お世話になりましたので、少しばかりかてて加えます。  二期目を信頼しておるというふうなお言葉もございまして、大変感激をしたところでございます。中松議員はかねてより、教育問題、現場で随分な御経験を積んでおられるわけでございまして、大変熱心に教育問題に取り組んでおられることに敬意を表するわけであります。  そういった中で、特に先ほど質問のありました司書につきましては、国といたしましても平成十五年に各学校に配置するという方針が決定されているということは、やっぱり国が必要だと認めておるというふうに思うわけでありまして、教育長も申しましたように、それまでにはそういう体制をより以上に進めておかなきゃならんなという思いをいたしております。  教育予算の問題であります。  この辺も随分頭を痛めておったわけであります。環境整備はもとよりでありますけれども、教育そのものに対する必要な施策、経費、そういったような面を十分に煮詰めておるところでございまして、新年度の予算につきましてはある程度、一〇〇%とはいきませんけれども、御満足をいただけるような方向で進めておるところであります。  図書につきまして御質問がございました。  まあ鹿児島市が一〇〇%とすると、私どもの市は五八%か九%でと、教育長申し上げましたが、前から自分の家にある図書で、小学校、中学校に必要とされるようなものがあるかというふうに思うのです。これは、こういうものを寄贈していいかな、悪いかなという心配もありますけれども、そういうリストアップをして、少し御寄附をいただこうかなと。  そしてまた、PTAあるいはPTAOB、あるいは私どもの八十校区におります職員から成る図書をふやそう委員会なるものをつくりながら、例えば今家庭内に眠っている図書、あるいはバザー等々で益金が出た場合、あるいは卒業記念を何か残そうと、ちょっと多目に図書をと。  そしてまた教育委員会にもお願いをしておるわけですけれども、図書基金なるものを創設したらどうかというふうな話もしております。まず、すぐできるような努力からさせていただきながら、また鹿児島市に見習って図書予算もちゃんとつけていくというふうに私自身思っておりますので、今後、さきに述べましたような点につきましては、議員各位、御協力、御支援をちょうだいいたしたいというふうに思っておるところでございます。        〔市原敏郎市民生活局長 登壇〕 ◎市原敏郎 市民生活局長  中松議員にお答え申し上げます。  少子化に対する考え方と具体策をということであったかと思います。  少子化の問題は次世代にとりましても大変重要な課題であると認識をいたしております。先ほど市長からも申し上げましたように「くまもと市こどもプラン」の中で種々施策を盛り込んでおります。  主なものを申し上げますと、まず保育サービスの拡充として、保育所の定員の弾力化、延長保育サービスの充実、障害児保育の充実、子育てにかかる費用の軽減等を掲げるとともに、家庭での子育て支援の充実として、地域子育て支援センターの整備、保育所の地域開放、相談指導の促進などを進めることといたしております。  また、乳幼児期は人格形成の基礎をなす重要な時期でありますので、人権を大切にする心を育てる保育の推進を初め、心の保育もより積極的に推進してまいりたいと考えております。  このほか、他の局にも関係いたしますが、母子の健康管理の問題、遊び場などの整備、家庭教育の充実、職場環境の整備、子育て支援の人づくり、組織づくり等々、総合的に取り組むことによって、子供を産みたいと思っておられる方が安心して産むことができ、また楽しく子育てができる社会づくりに努めたいと思います。        〔後藤勝介教育長 登壇〕 ◎後藤勝介 教育長  少子化対策について、教育委員会でどう取り組んでおるかということでございますので、私の方からは、教育が担う主要な課題として、特に子育ての相談、支援、あるいは青少年の健全育成という視点からお答えをさせていただきたいと思います。  まず、子育て相談体制の充実ということでございます。  教育委員会におきましては、各公民館におきまして、現在子育て中の親、またはこれから子供を持とうとする若い世代を対象とした講座を開催いたしますとともに、幼稚園におきましても若いお母さん方を対象として子育て相談を行っております。また、教育センターや子ども文化会館におきましても相談を行っておりますが、今後さらに充実してまいりたいと思います。  さらに、現在各学校に整備しておりますカウンセラー室の活用もさらに促進してまいりたいと思います。  なお、子育て相談の内容も多岐にわたっておりますことから、今後は保健や福祉などの関係部署との連携を図り、多様な相談に対応できるシステムづくりを考えていかなければならないとも考えております。  次に、子育て支援のための施設の充実という点でございます。  教育委員会の所管施設としましては、子ども文化会館のほかに小学校六十一校に開設しております児童育成クラブが大きな役割を果たしております。しかし、この児童育成クラブは設置目的から極めて限定的な運営となっておりますので、今後、運営のあり方も検討を要するのではないかと考えております。  このほか、福祉部門における児童館など、目的を同じくする施設もたくさんございますので、総合的な視点から考えていく必要があると考えております。  三点目として、子供たちの健全育成という側面がございます。  子供たちが社会性やたくましさを身につけるための遊びや体験活動の機会づくり、居場所づくりは教育施策の柱でもございます。  したがいまして今後は、子供たちが安心して楽しく遊ぶことができるような居場所として、学校も含め、公民館や公共施設の工夫改善、または街角のスポットや空き地、広場などの居場所の開拓に民間の協力も求めていく必要があるのではないかと考えております。  教育委員会といたしましては以上のように考えておりますが、いずれにしましても、少子社会の到来によって社会のあり方が根底から変わることが予想されます中、この問題は決して将来の問題ではなく、また他人の問題でもなく、今を生きる自分たち自身の問題であるという認識を社会共通のものとし、社会のシステムや意識の変革をしなければならないと強く感じているところでございます。        〔九番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  御答弁ありがとうございました。  市長の教育、そして福祉、少子化に対する深い思いと認識をお聞きいたしまして意を強くいたしております。特に、学校図書館を充実させる視点での総務局長を上回る御答弁をいただきまして感謝いたしております。  少子化問題は、多様化する価値観、ライフスタイル、労働環境、住宅政策、税制や各種の手当支給、雇用問題等、政府の施策に依拠する部分が多いことは事実ですが、自治体独自の施策も多いと思います。市長の思いが具体的な形であらわれるように御努力をお願いします。  市民生活局も、くまもと市こどもプランを策定されて、乳幼児期の子育て環境整備に本格的に取り組まれていることを評価いたしますが、課題も多くあり、さまざまなニーズにこたえるサービスを提供されるよう頑張ってください。  次に、具体的な子育ての環境づくりについてお尋ねします。  現在、労働者の四割は女性労働者と言われています。女性の社会進出なくしては現在の日本の経済発展はあり得なかったでしょうし、今後もあり得ないと思います。したがって、女性の社会進出は時代の要請であり、女性は家事、育児という旧来の社会通念から脱却し、就業も人生の選択肢としてライフワークとして定着し始めました。
     しかし現実は、女性の労働力を安く、都合よく使いたいという思惑や従前の種々の慣習で、育児は女性の役割として押しつけられている面が大であり、社会進出を中途半端にしているとも言えます。  現在、子育ての環境整備は法的にさまざまな施策が講じられていますが、家庭や企業における固定的な男女の役割分担といった意識や制度、仕事を優先させる企業の雇用慣行などが働く女性に負担を強いています。これらの問題点を少しでも取り除き、子育ての環境整備を図ることが社会全体の責務であると考えます。  子育て支援には多くの施策がなされていますが、ここでは、乳幼児期の子供を持つ家庭の子育て支援策についてお尋ねします。  平成十年度から、保育園の入園は措置制度から選択制度となり、行政の役割もサービスを提供するというように大きく変わっています。保育園の制度変更に伴っての問題点や課題、また待機者がいると聞きますが、その対応をどうされているかお伺いします。  二点、くまもと市こどもプランが策定されましたが、関係者の御努力に対し感謝いたします。  その中で、具体的な施策や事業を各年度ごとに計画し、進捗状況を確認し、見直しを行うとしています。重点施策は五年としていますが、その進捗状況はどうなっているか。  保育園を核とする事業は年次計画がありますが、地域での環境整備や職場環境整備対策についての問題点や方向性は示されていますが、具体的な施策や事業計画がいま一つ見えません。今後、具体的な事業推進計画を出されるのかお尋ねします。  各種の施策や事業は保育所、幼稚園等を核として推進される計画となっています。事業が円滑に推進されるためには、そこで働く職員の人的整備、職員の労働条件の改善、研修の充実など、働く人の問題が大きな要素であると考えます。  これらの問題をどのように進められているのか、現状と今後の進め方についてお伺いします。  三点、働く女性に対しては保育園などの施設がありますが、在宅の保育者に対してはどのような子育て支援策をなされているのか。  以上、三点について市民生活局長にお尋ねします。  次に、子育て支援のための労働環境の整備についてお伺いします。  働く女性にとって育児休業制度の充実は大きな課題です。この制度が社会的に定着すれば、夫婦にとって産みたいという希望者がふえ、少子化対策の一つの決め手になると思います。  国民生活白書に、育児休業の企業別導入状況が出ていますが、三十人以上の事業所規模の総計で六〇・八%が就業規則等に規定されています。規模別で見ますと、五百人以上の大規模事業所では九七・一%、三十人以上百人未満の事業所においては五五・四%となり、五割強にとどまっています。三十人未満の零細企業に関する統計はなく、これらの事業所が調査対象に含まれればさらに低率になると思われます。  育児休業制度が導入されている事業所でも、使用者や管理職の対応の仕方、職場のとりにくい環境、休業中の実質無給等の問題があり、取得率は女性が四割程度と低く、また、この制度は性別にかかわりなく取得できますが、男性は〇・一六%で、〇%に近い状態です。小規模事業所の制度導入と職場環境の改善、男性の取得率向上等が推進されることが少子化対策の一つの施策と言えます。労働環境の整備は子育て支援の大きな柱です。  その中で、育児休業制度にかかわってお尋ねします。  熊本市内の事業所への制度導入と、取得の実態の状況と取得向上対策についてお尋ねします。  二点目、仕事と子育てを両立し得る労働環境は、育児休業制度や職場保育所の設置等のシステムの確立とともに職場の意識改革が必要です。授乳時間、フレックスタイムの導入など支援策を実施している事業所もありますが、職場によっては導入されなかったり、導入されていても行使しにくい状況にあったりしています。  特に男性が、育児のための年休行使さえできなく、会社に長時間いることが仕事熱心だと評価され、帰宅しにくい等の問題があり、改善が必要です。そのためには事業所の理解と協力が必要ですが、企業に対する啓発、指導をどのようにされているか。また、育児のため退職し、再就職のため中途採用は大事ですが、実態と今後の展望について市民生活局長にお伺いします。  次に、子供の小学校入学後の支援策についてお尋ねします。  共働き夫婦にとって、子供の小学校入学後の生活については大きな問題です。小学校に入学しますと、午後は放課です。この放課後の子供に対する支援策が重要です。  このため各小学校内に児童育成クラブが設置されています。このことについては鈴木議員よりの質問で、実態等について答弁が出ていますので、私は要望に変えたいと思います。  現在の児童育成クラブは小学校内に設置されていますが、全校には設置されていません。希望者の実態に即して、規定の希望者数に達しなくても保護者の希望にこたえられるように考慮してください。  また、子供たちが帰宅後に、児童館、公民館、幼稚園等の施設を利用した児童育成クラブの事業推進について考えてください。  以上二点について要望しまして、次の質問に移ります。  楽しい学校づくりについてお尋ねします。  夫婦が子供を産み育てる際の負担についてのアンケートの結果を当初述べましたが、子育て、特に子供のしつけや進路についての気苦労や不安が子供を産むのをちゅうちょしている、特に学校でのいじめ、不登校、荒れなどの問題に対しての対応が不安であると述べています。  子供の養育に不安を持つ女性が多いのも、現在学校で起きているいじめ、不登校、荒れと非行、暴力、自己抑制力に欠けた犯罪、さらに自殺というように社会問題化している中で、子育てで悩むより、夫婦だけの生活をエンジョイする道を選択する家庭がふえつつあります。  学校教育に対する信頼を回復することも少子化対策の大きな柱です。文部省も中教審答申を受けて教育改革を進めようとしています。生きる力をつける、ゆとりを持たせるなどのソフト面での事業推進を図っていますが、学歴主義を助長する大学入試の改善や、三十人学級の実現等の基本的な部分が欠落しているのが残念です。  現在学校で問題になっている不登校や、登校はするが教室には入室できない生徒等、心にかかわるケアを必要とする生徒の増加です。  現在、各学校には県費の養護教諭が一名配置されていますが、養護教諭の複数配置とか、カウンセラー的な職員の配置とかの、各学校の実情に応じた、いわゆる評価に直接関与しない職員を配置すれば、学級担任は担任業務に専念でき、少しでも子供たちに配慮した教育ができると思います。  地域には帰宅後の子供たちの居場所はほとんど皆無です。そのためには学校で自由に過ごせる場や施設を提供する。そのために、空き教室、図書館等を改善して、子供同士の触れ合いの機会を持てるようにしてほしいと思います。  子供にとって楽しく、親にとって安心して通わせる学校づくりを、ソフト、ハード面、人的配置など、今後どのようにしようとお考えかお伺いいたします。        〔市原敏郎市民生活局長 登壇〕 ◎市原敏郎 市民生活局長  中松議員にお答え申し上げます。  少子化対策に関連いたしまして、子供が産める環境づくり、つまり子育て支援、それから保育園の制度が変わりましたので、その課題、待機者への対応、エンゼルプランについて重要施策の進捗状況、地域での環境整備、職場環境整備、それから人的問題で労働条件、研修等々多岐にわたる御質問でございました。  保育園の制度変更に伴う課題といたしましては、本市においては従来より、保育園の入園に際しては保護者の希望を最優先しており、現在の選択制と実質的に変わらない取り扱いを実施してまいりましたので、特に問題は生じておりません。  なお、待機者でありますが、この受け入れが可能となるよう、既存の保育所の施設整備を促進するよう対処してまいりたいと考えております。  次に、本年四月にスタートさせております「くまもと市こどもプラン」でありますが、これに盛り込んでおります保育サービスの現状と将来目標にお答えいたします。  延長保育については、平成十年度から各保育園の自主事業となっておりまして、本年度は四十一園、十一年度は四十五園で実施をする予定であります。  次に乳児保育であります。公私立を問わず、本市ではほとんどの保育園でゼロ歳児の受け入れを行っております。  また一時的保育につきましては、平成十年度において六園で実施しておりますが、新年度では八園への拡充を計画いたしております。  また、子育て支援センターについても三園体制から新年度には一カ所ふやす予定であります。  その他につきましては、計画の初年度でもございますので、今後の整備計画の中で順次取り入れてまいりたいと考えております。  また、地域での環境整備や職場環境整備対策についてでありますが、労働環境の整備が子育て支援の重要な柱であるというのは議員御指摘のとおりで、全く同感であります。  そこで、男性も女性も働くことが普通になった現在、仕事も家庭も充実した生活を営むことができる働きやすい職場づくりを進めるために欠かせない、先ほどお述べになりました育児休業制度や育児・介護費用助成金など、各種の支援制度の普及啓発のため国等を通じて働きかけていくとともに、保育所等で働く職員の労働条件の改善などにも努めたいと思っております。  プランの推進のためには職員の人的整備等が重要ではとのお尋ねでありますが、全くそのとおりで、この施策が円滑に進められるためにも保育所等で働く人の問題が重要であると、そのように思います。  そこで、人的な充実を図るため市単独で補助を実施いたしておりますし、専任の研修担当も配置し、多様なニーズに対応できる職員の育成に努めております。  いずれにいたしましても一番肝心なことは、子育て支援の基本的なことと申しますのは、本市のこどもプランにも記しておりますように、子供の利益の最大限の尊重であろうと、子供を第一に考えることであろうと考えます。        〔後藤勝介教育長 登壇〕 ◎後藤勝介 教育長  私の方からは、楽しい学校づくりという点でお答えをしたいと思います。  ただいまお話もございましたけれども、現在学校で起きておりますいじめや不登校等の問題が、ある意味では少子化の原因の一つになっておるのではないかと考えられます。したがいまして、その対応にも努力しなければならないと思います。  現在学校では、子供が満足感や成就感を得られるわかりやすい授業や、あすが待ち遠しくなるような学校生活の展開に取り組んでおります。  また、子供たちが企画しつくり上げる運動会やキャンプなど、魅力ある行事を実施し、好ましい人間関係づくりに努めますとともに、老人ホーム慰問や地域の清掃活動などに取り組むことによって、人に役立つ存在であることを子供たちが実感できるように努力しているところでございます。  しかしながら、一人一人の教師がきめ細かく子供たちへの声かけや励ましができていなかったり、子供たち同士の触れ合いができていないところもございます。したがいまして、子供たちの交流の場を多くしますとともに、子供と教師との間の人間的なきずなを強め、学校に自分の居場所をつくり、楽しいところにしていかなければならないと思います。  学校を単なる知識伝達の場だけでなく、人間的に触れ合える人格形成の場に変えていく試みが、保護者の信頼を回復し、子育ての不安を解消する少子化対策の一つになるのではないかと思います。  今後とも、子供と教師と保護者の信頼関係を深めますとともに、子供たちが楽しい生活を過ごせますように、御提案がございましたような余裕教室の有効的な利用や図書室の充実等を図り、子供同士の心の触れ合いの場としての整備を推進してまいりたいと思います。  また、人的配置につきましては、子供たちの不安やストレスを和らげ解消しますために、小中学校へのスクールカウンセラーの配置に加えまして、本年十月から中学校三十四校に心の教室相談員を配置し、心のケアを図る取り組みを始めたところでございます。その成果を見ながら、養護教諭の複数配置を含めまして、県教委とも協議をしてまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、保護者が安心して学校へ子供たちを通わせることができるような楽しい学校づくりについて、ソフト面、ハード面、人的配置など総合的に検討してまいりたいと考えております。        〔九番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  三角市長、市民生活局長、教育長には誠意を持って御答弁いただきありがとうございました。  少子化対策についての基本的な考え方、女性が子供を産みたいと思う環境づくりのための乳幼児期の施策、小学校入学後の施策、さらに労働環境整備と多岐にわたって質問しました。  価値観が多様化し、ライフスタイルが変わっていく中で、少子化対策は決め手に欠く面がありますが、少なくとも子育てに係っての不安を少しでも解消し、希望が持てる産みやすい環境づくりは、将来の日本の進み方を大きく左右することですので、政府、地方自治体を問わず推進すべき重要な課題だと思います。真剣に取り組んでいただくように強く要望いたしまして次の質問に移ります。  それでは、退職者の再任用制度について質問します。  人事院は、国家公務員を定年(原則六十歳)退職した人のうち、意欲と能力ある人を再雇用する新しい再任用制度の導入を求める意見を出しています。  これを受けて政府は、国家公務員法を改正する法案を検討中と聞いております。自治省も、地方公務員にもこの制度を適用するために、地方公務員法の改正を準備すると思われます。  この新制度の導入は、二〇〇一年から公的年金の支給開始年齢が現行の六十歳から六十五歳に引き上げられるための措置ですが、無年金状態となる退職者にとってぜひ実施されることが大切です。  公務員が制度的に整備されますと、民間企業への牽引的役割を果たします。ともすれば公務員はいいなという感覚がありますが、全体の基準を引き上げるためには、時代の要請にこたえるべく施策は必要です。このことが次第に平準化し、全体のレベルアップにもなります。現在でも、公務員退職後も嘱託などで再任用されているケースも多いと聞きます。  ここで、再任用についてお尋ねします。  一点、ここ数年の熊本市の定年退職者の再就職状況はどうなっているか。管理職、非管理職に分けてお尋ねします。  二点、定年退職者の再任用制度についてどのようにお考えか。また再任用制度実施に伴い新規採用職員が抑制される心配もありますが、再任用制度の実施と新規採用職員とのかかわりなど、どのように進めようとしておられるのか、総務局長にお尋ねします。        〔野田晃之総務局長 登壇〕 ◎野田晃之 総務局長  退職者の再任用制度につきまして三点のお尋ねでございます。  第一点の本市の定年退職者の再就職状況でございます。  過去三カ年の退職者三百六十名のうち、管理職六十五名、非管理職で九十三名が民間あるいは市役所関係等に再就職されているところでございます。  第二点の再任用制度に対する認識ということでございます。  我が国が本格的な高齢化社会を迎える中で、公務部門、民間を問わず、定年退職者の再雇用による知識、経験の活用、生きがい対策が必要になってまいりますとともに、ただいま議員からも御紹介がございましたように、年金制度が変更になるというようなこともございまして、定年退職者を対象とする新たな雇用システム導入の必要性は十分認識いたしているところでございます。  そこで、今後の取り組みといいますか、制度の導入についての考え方でございます。  ただいま議員からもお話がございましたように、国の方では関係法律の改正等を準備されているようでございます。私どもといたしましては、この内容を見きわめながら導入準備を本格化することにいたしたいと考えているところでございます。  制度の導入に向けましては、退職職員の知識、経験を生かして、どのような仕事を担当してもらうかが重要な課題の一つでございまして、場合によりましては、組織全体の人員配置の見直しを含めまして検討いたす必要もあろうかと存じております。        〔副議長退席、議長着席〕  次に、再任用の職員と新規採用職員のバランスの問題でございます。  国の場合、フルタイム勤務の再任用を行う場合には職員定数の枠内ということになっているようでございます。こういう運用でございますと新規採用が抑制されることにつながるわけでございますが、短時間勤務の制度も導入される予定となっておりますので、この制度もあわせて活用することによりまして、組織の活力の維持あるいは新陳代謝を図ることが可能ではないかと、このように考えているところでございます。  さらには、勤務条件の設定、任用の仕組みづくりなども具体的に検討してまいる必要がございます。  このように現段階では検討すべき課題が多々あるわけでございますが、今後国の動きを注視しながら、人事委員会を初め、関係部局あるいは職員団体とも協議しながら、定員の増、行政サービスの低下を招かないよう十分留意いたしまして、新たな制度の円滑な導入に取り組んでまいりたいと、このように考えております。        〔九番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  御答弁ありがとうございました。  公務員の退職者の再任用に当たっては、身分の問題、給与等の労働条件、新規採用者とのかかわり、行政改革との整合性、世論や民間の動向など、克服すべき課題が多くあると思いますが、無年金状態では、生活がかかっていますので、民間、公務員を問わず重要な問題です。国の対応など不確定要素が多いようですが、対象の職員はその動きがどうなるか心配ですので、早急に具体案を出してほしいと思います。  私は、現在、いじめ、不登校など諸問題を抱える学校に、カウンセラーや養護職員を任用し、これらの職員は定数外として、教員免許所有者にこだわらず任用される制度ができればと強く願っております。  それでは、次の質問に移ります。  窓口事務の簡素化とサービス向上についてお伺いします。  市民が各種の申請、届け出などの書類提出のため来庁するときに、まず一番は、各課のたらい回しにならないこと、事務が簡素化されていること、応対する窓口の職員が事務処理に関する精通した知識を持ち合わせ、その接遇マナーのよいことなどがあります。  また、提出書類の様式についても、市民にわかりやすく、簡便に処理できるように改善することは行政の市民へのサービスとなります。行政当局としても改善策を講じてはおられますが、市民にとっては、他市と比較してもっと改善すべき点があると耳にします。  ある市では本年より、市民の申請、届け出書類九百四十八様式についての変更と押印を廃止するとしています。以前に二百十の様式の押印を廃止されており、今回の措置で四八%は押印が不要となるそうです。例えば職員採用申込書、小中学校転学届、市営住宅収入申告書などは押印を廃止し、母子家庭医療費助成資格認定申請書等についても署名の効力を認めて、認め印を廃止するなどです。  本市において様式の変更や押印廃止などの事務簡素化の状況と、さらに支所や市民センター等に事務移管できる事項は積極的に移管できないか、今後の見直しについて、どのように考えておられるのか、お尋ねします。  二点目、住民票等の自動交付システムの導入についてです。  各地を視察した折に、窓口サービスの向上と事務の効率化のためだろうと思いますが、住民票の自動交付機を見かけます。現在熊本市では印鑑登録証で印鑑証明書が交付されますが、これも窓口を通さなければなりません。  この印鑑登録証を基本ベースとした市民カードを交付し、他の機能も付加した利用システムが導入できないか。また、カードの利用も、定時外や休日でも交付するようにすると、市民サービス向上と事務の効率化、平日の繁忙事務からの解放などにもつながると思います。  三点、職員の接遇マナー向上についてお伺いします。  市役所には各界各層の市民が出入りします。大多数は住民生活に密着する住民票、転出入届など、市民生活局にかかわる部分ですが、市民は各部局に申請、届け出、相談など、多種多様の用件で、しかも各界各層、老若男女、書類提出の経験者と未経験者というようにさまざまの方の来庁ですので、対応する職員も大変でしょうが、窓口、非窓口にかかわらず、その対応は市役所のイメージ、ひいては行政に対する信頼にもかかわりますので、接遇マナーやその処理は非常に大切です。
     銀行、デパート等の接遇態度は好感が持て見習うべき事柄が多いと思います。税務署に確定申告に出かけたことがありますが、あいさつ、説明の仕方など親切丁寧で、気持ちよく退庁した経験があります。公務員は公僕ですので、市民サービスに徹する気持ちと行動こそが市役所への信頼、親近感につながると信じます。  各種の研修はなされていると思いますが、特に接遇マナーの向上は重要だと考えます。接遇マナーに対する考え方、研修、指導をどうされているか総務局長にお伺いします。        〔松村紀代一企画調整局長 登壇〕 ◎松村紀代一 企画調整局長  私の方から一点お答えを申し上げます。  申請書等の簡素化と市民センター等への事務の移管についてでございます。  議員御指摘のように、各種の申請書等を市民にわかりやすくし、簡素な手続に改善していくことは市民サービスの向上に大いにつながることでありますので、積極的に進めてまいりたいと考えております。  このようなことから、申請書等の簡素化への取り組みといたしまして、押印の見直しにつきましては、平成六年四月に八百五十八種の申請書等のうち、各施設の使用申請書や罹災証明願等百二十六種について押印を廃止してきたところでございます。  また、現在、申請手続の簡素化を行政改革大綱推進プログラムの実施項目といたしまして、各局の主管課長で構成をいたします申請手続改善推進チームを編成いたしまして、その改善に全庁的に取り組んでいるところでございます。  具体的には、申請書等の記載事項、添付書類、押印の要否等の観点から見直しの基準を作成いたしまして、現在、各課において見直しを検討いたしているところでございます。条件が整ったものにつきましては、来年四月から順次手続の簡素化を図ってまいりたいと考えております。  次に、市民センター等への事務の移管につきましては、市民の身近なところで行政を行い、市民サービスの向上を図るという観点から、市民の利用頻度やニーズが高い事務事業については、できるだけ本庁から出先機関へ移管していくことが必要と考えております。  そこで、出先機関への事務事業の移管に当たっては、権限、予算、人員等の問題も踏まえて十分に検討してまいりたいと存じます。  また、将来の出先機関の機能についても、本市行政のあり方に深くかかわりますことから、新総合計画の策定作業の中で検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。        〔市原敏郎市民生活局長 登壇〕 ◎市原敏郎 市民生活局長  お答えを申し上げます。  住民票等の自動交付システム導入についてのお尋ねであります。  現在全国で百五十余の自治体で導入をされていると聞き及んでおります。中核市では五市、九州の県庁所在地では那覇、佐賀の二市、県内では一市二町であります。  このシステムは、先ほど議員もお述べになりましたように、窓口混雑の緩和や、夜間、休日にも証明書が発行でき、市民サービスの向上につながるものであり、本市も行政改革の一環として導入の方向で研究してまいりましたが、ただいま自治省が推進しております、住民基本台帳ネットワークシステム導入を計画中でありますので、このシステムの構築に伴うカードとの整合性や経費、事務手続の問題を含め、引き続き関係部局と協議を重ねておる次第であります。        〔野田晃之総務局長 登壇〕 ◎野田晃之 総務局長  職員のマナー向上に対する取り組み状況についてお答えを申し上げます。  接遇マナーの向上につきましては、これまでにも、全職員を対象とした接遇研修やサービス・レベルアップ研修、プレゼンテーション能力養成研修等の実施、並びに接遇リーダー養成研修や 窓口行政サービスセミナーへの派遣など、鋭意取り組んでまいったところでございます。  その結果、個々の職員レベルでは総じて接遇マナーも徐々に向上しつつあるかと存じておりますが、職場によっては依然として接遇態度に差があり問題があるのも事実であろうと存じております。  したがいまして、職員研修センターはもとより、各所属長の強いリーダーシップのもと、職場を挙げて接遇マナーの向上に取り組む必要があると考え、昨年来、職場単位で行う実践的な接遇研修に特に力を入れているところでございます。  具体的には、平成九年度に市民課、保険課、交通局の電車・バス乗務員及び公民館職員等の接遇研修、また、電話応対の基本マニュアルの作成と全課への配付、さらに本年度は、市民税課や納税課等の税務部門全体、交通局の事務部門などの接遇研修を、各課へ講師を派遣し、現場での実技指導も含めて実施をいたしているところでございます。  議員御指摘のとおり、市役所に対する市民の信頼感を高めるためには、窓口部門のみならず、全職員、全職場の基本的な接遇マナーを向上させることが肝要であると考えております。  そのような観点から、昨年度から実施いたしております、全ラインの課長、係長及び課長補佐級を対象としました職場環境づくり研修におきましても、住民との接点を重視する顧客志向、顧客満足度の向上という新しい考え方を導入し、管理監督者からの部下の育成、指導を強化しているところでございます。  今後とも、接遇マナーの向上につきましては、全庁的に取り組むべき課題として、なお一層重点的に進めてまいりたいと存じております。        〔九番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  御答弁ありがとうございました。  職員の接遇マナーの向上や事務の簡素化に取り組まれている実態をお聞きしましたが、市民からはまだ要望が強いことも事実です。来客のとき敏速に行動して、一言の「おはようございます。」「お待たせしました。」の言葉でどれだけ気持ちが和み意思疎通が図られることになるかは皆様は経験済みのことと思います。多くの人を相手にしてのことであり、マンネリ化した対応になりがちかもしれませんが、自分の仕事の意味を職員各自が自覚して行動されるようにお願いします。  ある市の職員を退職した方とお会いしたときに、自分は退職してみて初めて市民の立場で見た職員の冷たさを感じたと。自分は気がつかなかったわけですね、マンネリ化しているから。そういう部分がやはりあると思います。  例えば市電に乗ったとき、乗務員が交代されます。必ずあいさつされますね。非常に気持ちがいいですね。そういうちょっとしたことが市行政に対する信頼感を増しますので、よろしくお願いいたします。  事務の簡素化等には種々の制約がありますが、鋭意検討され、市民サービス向上に努力されるよう要望して次の質問に移ります。  環境ホルモン対策についてです。  政府は、生体の生殖、免疫機能などを阻害するおそれがあると指摘されていますダイオキシンやポリ塩化ビフェニール(PCB)など、約七十種類と言われます環境ホルモンの実態把握と調査研究を進めています。  先日の熊日新聞に、建設省と環境庁が実施した環境ホルモンの全国調査で、熊本県内の河川六地点のうち、浦川(荒尾)、白川、氷川の三地点で環境ホルモンの疑いのある七種類の化学物質が検出されたと報道されています。  これらの物質が発生すると言われる清掃工場や学校等の焼却施設については抑制、廃棄等の処置がとられましたが、発生源や種類も多岐にわたり、原因究明や効果的な対策は未確定です。しかし、現時点で疑いのある物質についての適切な対応は大切です。  環境ホルモンについて、二点についてお尋ねします。  下水道にも環境ホルモン物質が流入している疑いがあると言われています。下水道に流入する汚水と処理場を経て放流される処理水についての実態とその対策をどのようにされているか。  二点目、火葬場から排出されるダイオキシンについてですが、現行法では、ダイオキシン排出規制の対象外となっていると聞きます。火葬場は環境工場のように連続して燃焼させることが少なく、また温度が高過ぎると骨が残らないおそれがあり、ダイオキシンが発生しやすいと言われる八百度前後で燃焼されているようです。  現在建設中の火葬施設、及び現在使用中の火葬施設についてどのような対策がとられているか、関係局長にお尋ねします。        〔田尻紘都市整備局長 登壇〕 ◎田尻紘 都市整備局長  中松議員にお答えをいたします。  お尋ねの下水道における環境ホルモンの実態とその対策についてでございます。  現在、国の各省庁において、情報収集と調査研究が進められており、下水道を所管する建設省においても、全国の主な下水処理場への流入水及び放流水について、環境庁の実態調査と連携を図りつつ調査研究が進められているところでございます。  本市といたしましても、環境ホルモンの対策については重要な課題と認識しておりますことから、十月には環境ホルモン対策推進会議が設置されたところであります。下水道部といたしましても、関係部局と連携をとり慎重に対処してまいりたいと考えております。        〔工藤磐保健衛生局長 登壇〕 ◎工藤磐 保健衛生局長  火葬場のダイオキシン問題について中松議員にお答えいたします。  火葬場につきましてはダイオキシン排出規制の対象外となっていますことは、議員お述べになりましたとおりでございます。  国におきましては、平成九年度に、火葬場から排出されるダイオキシン類の実態調査を全国十カ所で行っており、その結果、ダイオキシンの排出濃度は、最も高い施設で一立方メートル当たり六・五ナノグラム、最も低い施設で〇・〇〇九九ナノグラムであります。  また、再燃焼炉の炉内温度が八百五十度C以上に保たれているもの、再燃焼炉と主燃焼炉が一対一の構造になっているものがダイオキシン排出濃度が低いという結果のようであります。  お尋ねの本市の現斎場の状況につきましては、国の調査対象施設に含まれておらず、また独自調査も実施できていないところでございます。  新斎場につきましては、議員御案内のとおり現在建設を進めているわけでございますが、その公害防止対策の概要につきましては、最新の火葬炉を設置し、再燃焼炉と主燃焼炉が一対一の構造となっており、再燃焼炉の炉内温度も八百五十度C以上に維持できるような自動制御システムを採用しております。  また、排ガス中のばいじん除去のため、高性能の電気集じん機を設置し、極力ダイオキシン濃度を低く抑える構造としております。  なお、国では今年度も調査を継続しており、その結果を踏まえて、火葬方法等のマニュアルを示す予定であります。  本市でも国のマニュアルを踏まえてダイオキシン排出の抑制に努めるとともに、確認の意味から、新斎場稼働後にはダイオキシン排出濃度の測定を行い、検証してまいる所存でございます。        〔九番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  御答弁ありがとうございました。  斎場の焼却施設は現在の法の盲点であったわけです。新焼却施設はダイオキシン対策などの措置が講じてあるようですが、埋立場等の対策も十分講じられるようにお願いします。  また、下水の処理については対策が余り進んでいないようですが、環境ホルモン物質は、生殖機能を阻害し、種の保存を脅かし、少子化の原因ともなりかねません。河川を汚染した水が海に流れ、この物質を食べた魚を人間が食べるということですから、まさに水俣病の原因そのものです。疑わしきと指摘される時点で早期対応がなされることが大切だと思います。  それでは、その他の項で一点だけ質問いたします。  バリアフリーのまちづくりについてお伺いします。  一九九九年は国連が定めた国際高齢者年です。二十世紀から二十一世紀をつなぐ重要な緊急課題であることを世界各国が認識し取り組むために設けられたものだと思います。  日本は世界各国に比べて急速に高齢化社会を迎えるため、新ゴールドプランの策定、実施、介護保険導入などで対応しようとしていますが、欧米先進国の取り組みに比べて見劣りしていることは否めない事実です。  高齢化に向けての大きな施策の一つに高齢者を社会から孤立させないこと、このことの社会的な条件整備が必要です。人間は社会的動物であり、社会との接触なしには元気で長生きができません。高齢者で病気がちの人を病院等に入院させている、いわゆる社会的入院は閉鎖社会に閉じ込めるようなもので、決して好ましいものではなく、そのためにも、政府が推進しようとする在宅介護のための条件整備は大切です。  熊本市が昨年から実施している元気老人対策としての無料パス交付事業、通称さくらカードは、家に閉じこもりがちの多くの高齢者を社会に引き出しているということで意義があり、高く評価しているものの一人です。  高齢者や障害者が自由にまちに出かけ活動できる共生社会のための条件整備はこれからの政策課題で、早急に進めなければなりません。国でもハートビル法を制定し推進していますが、決して法の趣旨にのっとった施策が推進されているとは言えません。  熊本市では、この法が制定されたときに、県と一体となって、公共施設百カ所を選定し、バリアフリー化の実態調査とそれに基づいての改善の事業を進めましたが、その進展は五〇%にとどまっていると聞いております。その後はバリアフリー化のための予算は、超低床電車、バスの購入費に充当され、公共施設の改善はほとんど進んでいません。  公共施策のバリアフリー化ばかりでなく、民間施設も改善しなければ、高齢者、障害者の活動範囲は制約されますので、民間施設のバリアフリー化のための補助制度が必要ですが、融資程度にとどまっており、それも満足いくものではなく、民間の善意に期待しているのが現状です。  私たちの生活活動の場を見てみますと、家庭内にも段差あり、二階に行けないなど、住みにくい部分がいっぱいです。道路に出ますと段差あり階段あり、高齢者等にとっては短時間では渡りにくい横断歩道、見えにくい各種の案内標識、建物に入ると、階段、自動ドア、ガラスの仕切り、便所、まだまだ移動しにくい公共交通機関等枚挙にいとまがありません。これらの改善は健常者にとっても住みやすいまちづくりとなります。  将来を見通した公共事業も必要ですが、現在のような不景気なときにこそ、地元中小企業の技術力で対応できて、住民生活に密着し、しかも景気浮揚にも即効性が期待できる事業として、バリアフリー化のための事業費を計上してほしいと思います。  国も今まで一顧だにしなかった駅のエレベーター設置等のために大幅な助成を景気対策の一環として実施したいとしています。道路、建物等のバリアフリー化のため、民間への助成、支援を含めて予算の増額をと考えます。  市長はかねて住みやすい安全なまちづくり推進をと述べておられます。今の時期こそ景気対策、雇用拡大、住みやすいまちづくりの視点でバリアフリーを推進すべきと考えます。即効性の期待できる事業を推進する建設局、市民生活局、教育委員会に、どのように推進される計画かお尋ねいたします。        〔市原敏郎市民生活局長 登壇〕 ◎市原敏郎 市民生活局長  中松議員にお答え申し上げます。  「全ての市民にやさしいまちづくり」を理念に、平成三年度に実施した公共百施設の調査結果に基づき、平成四年度から順次改良に努めてきたところでございます。  また、平成七年十月には、関係各課で構成する「熊本市やさしいまちづくり推進会議」を発足させ、市民、民間事業主への意識の啓発、指導、助言というソフト面もあわせて所管ごとに積極的に取り組んでおるところでございます。  この中で、先ほど御紹介いただきました超低床電車、ノンステップバスの導入等も図ってきたところであります。「全ての市民にやさしいまちづくり」を実現するためにこの事業を進めていかなければならないと考えております。  平成十一年度より、国においてさらに、女性や子供を含めた「すべての人にやさしいまちづくり事業」の実施が予定されておりますので、今後とも積極的に整備に取り組んでまいりたいと考えます。        〔齊藤聰建設局長 登壇〕 ◎齊藤聰 建設局長  お答えいたします。  議員お述べになりましたように、バリアフリーのまちづくりが、現在はもちろんのこと、これからの社会において大変重要で必要な施策であることは十分認識をいたしているところでございます。  そのため、これまでにも、道路通行の安全確保のための諸施策として、福祉施設周辺の道路整備を初めいろいろな交通安全施設を整備し、人に優しい道づくりを推進してきたところでございます。  また、市営住宅の分野では、高齢者等の特定目的の住戸に限ってバリアフリー仕様としていたものを、平成七年度着工分からは全住戸について、段差の解消、手すりの設置など、バリアフリーを標準仕様として整備を進めております。  また、シルバーハウジングの導入を初め、万石南団地では、本市でも初めての取り組みとして三階建ての高齢者住棟にエレベーターを設置し、優しい団地づくりを目指したところでもございます。  今後とも引き続き、市民の皆様が安心して歩ける道づくりや安心して住める住宅づくりなど、各種事業においてバリアフリーなまちづくりを念頭に置いた施策を積極的に推進してまいりたいと考えております。  なお、不況下のこの時期に、景気対策の面からもバリアフリー事業を進めるべきではないかとの御提案でございます。  今議会にも、年度内に執行可能で、景気対策としても即効性のある事業として、歩道の段差解消等の交通安全施設整備のための補正予算をお願いしているところであり、これらにつきましては御承認をいただき次第実施に移したいと考えております。        〔後藤勝介教育長 登壇〕 ◎後藤勝介 教育長  私の方からは学校施設のバリアフリー化についてお答えをしたいと思います。  学校施設につきましては、体に障害を持つ子供たちがいる学校から始めまして、現在は小中学校全校に対象を広げ、玄関のスロープ化や階段手すりの取りつけに取り組んでいるところでございます。  その整備状況でございます。  校舎の階段手すりにつきましては百十五校でほぼ終了いたしておりますが、校舎玄関のスロープ化につきましては四十五校、校舎の車いす利用のトイレにつきましては十六校と、まだ十分な状況とは言えません。  したがいまして、今後とも、障害を持つ子供たちが学校生活に支障を来さないように積極的にその整備に取り組んでまいりたいと思います。        〔九番 中松健児議員 登壇〕 ◆中松健児 議員  御答弁ありがとうございました。  十二月補正予算に、少額ですが景気対策予算が計上されています。十一年度予算に、バリアフリー推進と景気対策のための予算を計上されますようにお願いいたします。  本日は、一般質問のしんがりで、重複しないように気を使っての質問でした。特に少子化対策をメーンに質問しましたが、このことは早急に取り組むべき課題だと考えています。  三角市長初め執行部の皆様には、真摯で前向きな御答弁に感謝いたしております。また、議員の皆様、傍聴者の皆様、熱心に拝聴いただきありがとうございました。  来年は選挙の洗礼を受けますが、議員及び執行部の皆様にとってよき年となるようにお祈りして私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)      ─────────────────
    ○主海偉佐雄 議長  次に、日程第二 議第二七三号「監査委員の選任同意について」を議題といたします。        〔一部退席する者あり〕 〔議題となった案件〕 ──────────────────────────────  議第二七三号              平成十年十二月十六日提出    監査委員の選任同意について   熊本市監査委員に次の者を選任したいので同意を求める。                 熊本市長 三 角 保 之    服 部 公 雄 ────────────────────────────── ○主海偉佐雄 議長  市長の提案理由の説明を求めます。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  ただいま上程されました議第二七三号「監査委員の選任同意について」の提案理由を申し上げます。  本件は、現委員服部公雄氏が本年十二月十九日をもちまして任期満了となりますので、ここに再び同氏を本市監査委員に選任しようとするものであります。  服部氏は昭和八年の生まれで、昭和二十九年本市に入られ、勤務の傍ら、昭和三十三年熊本商科大学を卒業、以後、自治振興課長、教育委員会事務局管理部長、保健衛生局長等の要職を歴任された後、平成二年十二月からは代表監査委員として活躍しておられます。  服部氏は、その人格、識見、ともに本市監査委員として適任であると考え、選任同意をお願いする次第であります。 ○主海偉佐雄 議長  市長の提案理由の説明は終わりました。  本案に対し質疑はありませんか。        (「なし」と呼ぶ者あり) ○主海偉佐雄 議長  別に御質疑もなければ採決いたします。  本案に対し御異議はありませんか。        (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○主海偉佐雄 議長  御異議なしと認めます。  よって、本案は「同意」することに決定いたしました。      ───────────────── ○主海偉佐雄 議長  次に、日程第三ないし第七を一括議題といたします。 〔議題となった案件〕 ──────────────────────────────  日程第三 議第一八五号 平成九年度熊本市産院会計決算について  日程第四 議第一八六号 同       市民病院会計決算について  日程第五 議第一八七号 同       酒類製造事業会計決算について  日程第六 議第一八八号 同       水道事業会計決算について  日程第七 議第一八九号 同       交通事業会計決算について ────────────────────────────── ○主海偉佐雄 議長  平成九年度公営企業会計決算特別委員長の報告を求めます。             〔平成九年度公営企業会計決算特別委員長 諸熊文雄議員 登壇〕 ◎諸熊文雄 議員  平成九年度公営企業会計決算特別委員会に付託を受けました決算五件につきまして、それぞれ結論を得ましたので、審査の経過並びに結果について御報告いたします。  まず産院会計については、委員より、熊本市病院事業将来構想検討委員会の経過報告が求められたのに対して、助役を会長とする検討委員会が平成九年に設置され、これまでに計五回の会議を開催し、周産期医療における産院と市民病院の役割分担及び民間病院との連携等について論議を進めてきたところである。検討委員会の報告書もほぼまとまりつつあり、最終的には、本年十二月に開催される委員会を踏まえて市長並びに議会に報告する予定である旨の答弁がありました。  次に産院の施設問題に関して委員より、妊産婦を病棟の二階まで搬送する際に職員が担架で運んでいるとのことであるが、エレベーターを設置するなどの改善策を講じてはどうかとただされたのに対して、エレベーターの設置については関係各課を交えて検討したものの、建物の構造上、設置は難しいものと思われる。また、階段に電動リフトを設置することも検討されているが、設置工事を行うとすれば、騒音等のため、入院患者を一時収容するプレハブ病棟を建設する必要があることなど課題も多く、今のところ男性職員四人で慎重に搬送することで対応している旨の答弁がありました。  これに対して委員より、安静を要する妊産婦を職員が担架によって搬送するのは危険であると思うので、エレベーターやリフトを設置する等の改善策をぜひ検討してもらいたい旨の要望が述べられました。  次に委員より、支出に占める人件費の割合が高いので、市民病院との人事交流を通じてスタッフの若返りを図ることにより人件費を抑制することはできないのかとただされたのに対して、平成元年度以降、職場の活性化を図る目的で、産院、市民病院間で若干名の人事異動が行われてきたものの、平成八年度以降は人事交流が行われておらず、産院におけるスタッフの平均年齢は年々上昇しているのが実情である。今後は、ベテランと若手スタッフのバランスをとることにより人件費を抑制したいと考えており、市民病院との人事交流を促進するよう人事当局に対して強く要望していきたい旨の答弁がありました。  かくして議第一八五号について採決いたしました結果、全員異議なく認定すべきものと決定いたしました。  次に市民病院会計では、まず本年五月に発生した結核の集団院内感染についての経過報告が求められた後、委員より、今後、感染防止策にどのように取り組むのかとただされたのに対して、結核は、抵抗力のなくなった高齢者の古い病巣から結核菌が排出され、看護婦や職員に感染するおそれがあるので、医療従事者のすべてにレントゲン検査を実施するとともに、患者が入院する際には、すべての診療科において胸部レントゲン写真の撮影、呼吸器疾患のある患者に対する喀たんの結核菌検査、さらに入院患者の免役機能低下者や末期患者にも同様の検査を行うなど、結核病院並みの対策を講じたいと考えている。また、昭和五十二年に院内感染対策検討委員会を設置して毎月一回会議を開催しており、今後とも結核の早期発見に努め、院内感染の防止に万全を期したい旨の答弁がありましたが、さらに委員より、  一、最近、院内感染対策検討委員会ではどのような論議をしているのか。  二、感染症は、初診時にすぐに病名が特定できずに被害が拡大する場合があるので、問診表に渡航歴の欄を設けるなどして、病名を特定する際の参考にしてはどうか。  と、それぞれただされたのに対して、  一、O157対策やMRSAについて継続的に論議しており、患者や職員も病室に入る際にはアルコール消毒を行うなど、衛生管理面を徹底するなどの指導を行っている。  二、既往歴の欄で患者には詳しく尋ねているものの徹底できない場合があるので、今後、問診表に渡航歴の欄を設けることも検討していきたい。 旨の答弁がありました。  次に委員より、薬品費が前年度に比べ減少しているのはなぜかとただされたのに対して、平成九年度に三%の薬価引き下げが実施された影響と院外処方率が上昇したことが原因と思われるとの答弁がありましたが、これに対して委員より、医薬分業の推進は理解できるものの、患者の利便性や医療費の負担増などの面もあるので、院外処方には慎重に取り組んでもらいたい旨の意見が述べられました。  次に、市民病院事業会計の経営状況について代表監査委員の見解が求められたのに対して、市民病院事業会計は、単年度欠損金で三億円、累積欠損金で十三億円となっており、非常に厳しい状況にあるものの、市民病院が県立病院的な立場であることを考えれば、十分その役割を果たしていると思う。一般会計から繰り出し基準に基づいて補助金が交付されているが、昭和六十一年に市民病院に二十億円程度の留保資金があったため、以降、企業債償還元金の三分の二の補助が打ち切られた経緯があるので、復活させるよう財政当局に意見を述べている旨の見解が示されました。これに対して委員より、公的病院の性質を考えると経営努力だけでは限界があるので、累積欠損金の抜本的解消を図る上でも、一般会計からの助成を要請してもいいのではないかとただされたのに対して、今年度から一部補助金を増額してもらっており、必要な部分については今後も財政当局に助成を要請したい旨の答弁がありました。  この件に関連して他の委員より、代表監査委員の見解に示されているように、市民病院が県立病院的な役割を果たしていることを考えれば、県に対してしかるべき補助金を要請してはどうかとただされたのに対して、市民病院にしかできない高度医療、特に新生児集中治療などについては以前から県に対して補助金を要請しているものの、いまだ実現していないので、今後も引き続き要請していきたい旨の答弁がありました。  このほか委員より、  一、看護婦が前年度に比べ五人減少している一方で臨時職員が増員されているが、現医療体制を維持するには何名の看護婦が必要と考えるか。  二、リハビリテーション科の患者が前年度と比較して減少しているのはなぜか。  三、熊本保健所に療育施設が併設されるまでの間、療育相談窓口を市民病院に設置するとのことであるが、具体的にはどのようになっているのか。  と、それぞれただされたのに対して、  一、各病院の看護婦の絶対数が不足する中、市民病院においても現在育児休業中などの看護婦が二十人程度おり、その代替分を含め臨時職員を六十人程度雇用しているのが現状である。現医療体制を維持していく上では臨時職員は不可欠であるものの、看護婦に夜勤や超勤等による負担を強いる面もあるので、今後、人事当局に看護婦の増員方を要望していきたい。  二、患者減少の要因としては、昨年九月の健康保険法の改正と病診連携の推進による影響が考えられるが、リハビリテーション科に限って言えば、整形外科と一体となって病診連携を推進した結果であると思われる。  三、療育相談窓口については、保健部門、福祉部門と具体的に協議を進め新年度には開設したい。 旨、それぞれ答弁がありました。  かくして議第一八六号について採決いたしました結果、全員異議なく認定すべきものと決定いたしました。  次に、酒類製造事業会計について申し上げます。  まず委員より、平成九年度におけるみかんブランデーの販売量が約二万本とのことであるが、現在の人員体制でどのくらい製造可能かとただされたのに対して、現在、職員三名を配置して手作業による瓶詰めを行っており、単純計算では約五万本までは製造可能と思われるが、使用している原酒が五年もの以上であり、次の原酒が熟成するまで使用量を調整しなければならないので、実際には二万本までしか製造できない旨の答弁がありました。これに対して委員より、計算上は、売り上げが今の三倍になれば収支の均衡が保てることを考えると、原酒を多目に熟成して製造量をふやしてはどうかとただされたのに対して、販売量は、マーケットの状況を十分加味して判断しなければならず、現在の経済情勢や消費者の嗜好の変化等を考慮すると、製造量をふやしても売り上げを伸ばすのは厳しいと考えている旨の答弁がありました。  次に委員より、監査審査意見書に記載してある「地方公営企業法第三条に謳われている経営の基本原則に立ち返り、抜本的かつ思い切った事業の見直しを早急に行われることを望む」という指摘事項に対してどのような姿勢で臨むのかとただされたのに対して、ここ数年の不況の影響があってか、売上高はピーク時の半分にまで落ち込んでいる。また、最近の低アルコール嗜好という時代の流れもあり、アルコール度数の高いブランデーでは景気が回復しても採算ラインの売り上げを確保するのは難しいと考えている。そこで経営改善策の一つとして、製造と販売部門を一括して民間に委譲することを模索していたが、販売部門だけでさえ受け入れ先が見つからない状況である。本事業をこのまま公営企業として継続していけば赤字は覚悟しなければならず、厳しい経営状態が続くことに変わりはないので、今後、事業の見直しを行うに当たっては、廃止を含めて検討し、来年度までには事業の方向性を明確にしていきたい旨の答弁がありました。  さらに委員より、酒類製造事業の公営企業としての適性について監査委員の見解が求められたのに対して、代表監査委員より、この種の事業においては公営企業法の全面適用ではないが、経理部門に関しては独立採算をとらなければならないと考えている旨の見解が示されました。この件に関しては、さらに委員より、監査の指摘を受けている以上、早急に事業の方向性について結論を示してもらいたい旨の意見が述べられました。  次に委員より、販売拡大策の一つとして、フードパル熊本でみかんブランデーを販売してはどうかとただされたのに対して、これまで、消費者により好まれる製品を開発するため味の改良等について鋭意取り組み、コンベンション協会等の協力を得て、各種イベント時に試飲会を開くなどしてPR活動を展開してきたところであるが、最近の傾向として、ビールやワインなど、食事をとりながら楽しむアルコールが好まれるという消費者ニーズもあり、なかなか消費者に愛好されるまでには至らず、また土産品としても、価格の面からも、なかなか定着しないのが実情である旨の答弁がありました。これに対して委員より、ブランデーは日本人の嗜好にはなじみにくいと思われるので、ウイスキーやワイン等の製品に切りかえてはどうかとただされたのに対して、酒類製造事業の免許がミカンを主原料とするブランデー・スピリッツの製造に限定されているので変更は難しい旨の答弁がありました。  次に委員より、本事業をみかんの丘構想の中でどのように位置づけていくのかとただされたのに対して、採算面を考えると公営企業としての事業の継続は難しいと思われるが、みかんブランデーを地域の特産品として販売するなど、一般会計の一事業として位置づけできないか検討していきたいと考えている旨の答弁がありましたが、委員より、みかんブランデーは旧河内町から引き継いだ事業であるので、地域の特産品として残すような方策を検討してもらいたいとの要望が述べられました。  また他の委員からは、これまで英知を絞って事業を継続してきたものの、赤字はふえる一方で、これ以上の改善策も見当たらない状況なので、事業の方向性について結論を出す時期に来ていると思われる。本市の財政状況にかんがみると、思い切って事業を廃止すべきであるとの意見が述べられました。  また他の委員からも、本事業は、生産過剰のミカンの消費拡大策としてスタートしたものであるが、現実のミカンの消費量は生産量の〇・〇一%にも満たない状況であり、所期の目的を果たしていないことを考慮すると、事業の廃止はやむを得ないと思う旨の意見が述べられるなど、事業の先行きを懸念する発言が相次ぎ、この事業が一つの曲がり角に来ていることを象徴する論議がなされた次第であります。  かくして議第一八七号について採決いたしました結果、全員異議なく認定すべきものと決定いたしました。  次に、水道事業会計について申し上げます。  まず委員より、さきの新聞で、本市の水道水の一〇%に当たる約八百九十万トンが漏水していると報じられていたが、漏水の原因は何か。また、今後、漏水防止策にどのように取り組むのかとただされたのに対して、戦後の資材不足の際に布設した古い鋳鉄管が振動や腐食によってひび割れして漏水しているのが主な原因と思われる。また、漏水防止策としては、市内の全水道管約二千五百キロメートルを三年間で一巡し、特に漏水多発地帯については毎年調査を実施して、水道管の修理や布設がえを行っているところである。平成七年度に策定した第五次拡張事業の当初の計画では、平成二十一年度までに有効率を九五%まで高めたいと考えていたが、昨年度から漏水防止対策費を約五割増額して漏水防止の強化に努めているところであり、今後はさらに事業費を増額し、当初目標の早期達成を目指したいと考えている旨の答弁がありました。  これに対して委員より、漏水は戦後に布設した古い鋳鉄管のひび割れが原因とのことであるが、古い鋳鉄管を全部布設がえすることによって目標の九五%は達成できるのかとただされたのに対しては、古い鋳鉄管は平成九年度末現在で百七十八キロメートル残っており、すべてを布設がえするには約二百億円の経費を要することとなるが、今後財源の確保に努め、目標達成に向けて努力していきたいと考えている。また、市民サービス向上の一環として取り組んでいる、直結給水を三階まで拡大する際の圧力の上昇が漏水量を増加させることも懸念されるので、今後、管理センターのシステムを拡充するなど、適正水圧を確保するための体制整備にも鋭意取り組んでいきたい旨の答弁がありました。  次に委員より、経営改善計画の一環として配水管布設がえを下水道等の他工事とあわせて実施するとのことであるが、関係部署との連携は図られているのかとただされたのに対して、配水管布設がえ工事は、国、県、市を交えて開催される道路協議会を通じて得た情報をもとに実施しているが、緊急工事等、情報がつかめない場合もあり、現在、道路の舗装打ちかえ工事にあわせて実施しているのは八割程度かと思う旨の答弁がありました。  これに対して委員より、配水管布設がえ工事と道路の舗装打ちかえ工事が別々に行われると、付近の住民には工事が何度も行われている印象を与え、行政不信にもつながりかねないので、関係部署との連携に努め、工事の効率を高めてもらいたい旨の意見が述べられました。  この件に関しては他の委員より、道路舗装後一年も経過しないうちに水道管とガス管が時期を異にして埋設されたため、何カ月間も道路舗装が仮復旧のままであり、歩行者の通行の支障になっている例もあるので、水道管等の布設後は道路舗装の完全復旧に努めるべきではないかとただされたのに対して、水道、下水道、ガス会社等で組織している埋設物連絡者協議会を通じて、埋設物の同時施行に取り組むとともに、道路舗装の早期復旧に向け関係部署に働きかけていきたい旨の答弁がありました。  かくして議第一八八号について採決いたしました結果、全員異議なく認定すべきものと決定いたしました。  次に、交通事業会計について申し上げます。  まず委員より、昨年度から取り組んでいる経営改善計画の進捗状況についてただされたのに対して、車両の買いかえに当たっては、中古バスを購入することや、来年度の運輸職職員の新規採用を見合わせることにより経費の削減を図るとともに、小峯営業所用地や上熊本車両基地用地を月決め駐車場として利用するなど、交通局用地を有効に活用することにより効率的な経営に向けて鋭意取り組んでいる旨の答弁がありました。  これに対して委員より、上熊本車両基地用地を月決め駐車場として利用する際に、パーク・アンド・ライドシステムの導入は検討したのかとただされたのに対して、交通計画課で試行したパーク・アンド・ライドの結果をもとに検討したが、十分な効果が見られず、いろいろと課題も多いようなので、現状では月決め駐車場として利用しているが、今後、研究を重ね、導入に向け検討していきたい旨の答弁がありました。  次に委員より、今年度から導入が予定されている市電のカラー広告の進捗状況についてただされたのに対して、市電のカラー広告は平成七年度から検討を開始し、今年九月に熊本市屋外広告物条例の改正が行われたのを機に、現在、広告代理店十数社に設置基準等を説明し広告を募集しているところである。今後、広告審査会等の審査を経て、早ければ年内には導入したいと考えている旨の答弁がありました。  これに対して委員より、市電のカラー広告をめぐっては賛否両論あるので、広告内容が都市景観にふさわしいものかどうか事前に十分チェックしてもらいたい旨の意見が述べられました。  次に交通局の環境対策に関して委員より、排気ガス抑制のための施策として、バスの黒煙対策やハイブリッドバスの導入は検討しているのかとただされたのに対して、黒煙対策としては、昨年度から外部黒煙減少装置をバス十両に設置してテストを実施中であるが、黒煙の減少と燃費の向上などの効果が見られている。また、低公害車両としては、液化天然ガス式のバスと電気式や畜圧式などのハイブリッドバスがあるが、軽量で騒音の少ない液化天然ガスを導入している自治体もあり、今後、他都市の状況を参考にしながら導入へ向けて検討を重ねていきたい旨の答弁がありました。  さらに委員より、黒煙減少装置やハイブリッドバスの導入に当たってはどの程度の費用がかかるのかとただされたのに対して、黒煙減少装置の取りつけ費用は、バス一台当たりで約三十万から四十万円かかる。また、液化天然ガス式を導入する場合、給油装置などの附帯設備を整備しなければならず、一億五千万円程度かかる旨の答弁がありましたが、これに対して委員より、黒煙減少装置を装備したバスが従来のバスと比較して、燃費がどれくらい向上し、投資経費を何年で回収できるかを試算するとともに、その結果を公表することにより、交通局が環境対策に積極的に取り組んでいることをアピールしてもらいたい旨の意見が述べられました。  次に委員より、交通事業全体を見てみると、乗客数が伸びているにもかかわらず収入が減少しているのはなぜかとただされたのに対して、さくらカード利用による乗客数が当初見込みより大幅に増加した一方で、有料乗客数が減少しており、乗客数の伸びに応じた収入が得られないのが主な原因ではないかと考えている旨の答弁がありました。  さらに委員より、今年度のさくらカード事業委託金の各社への配分額はどのようにして決めるのかとただされたのに対して、さくらカード事業委託金の配分額は、利用実態調査票の集計結果を参考にしているものの、乗車料金単価までは把握できず、正確性に欠けるので、今後、さくらカードをプリペイド化することにより実態に応じた配分額が決定できるものと考えているが、今年度については昨年の額が基本になると思う旨の答弁がありました。  これに対して委員より、さくらカード事業委託金の配分額は、毎年調査を実施して前年度の実績をもとに決定してもらいたい。また、さくらカード事業による収益の減少分については、車両の購入などの際に一般会計に協力を要請してもらいたい旨の意見が述べられました。  この件に関しては他の委員より、さくらカードを利用するお年寄りなどは、付添人を伴う場合、その分乗客増に貢献しているし、また、昼間に外出する機会が多く、今まで利用の少なかった時間帯に乗客が増加していることを考えると、さくらカード利用による乗客数の伸びをそのまま収益の減少要因に結びつけるわけにはいかないと思う旨の意見が述べられました。  次に委員より、超低床電車の運行はワンマン対応も可能と聞いているが、今後も引き続き乗務員は二人体制で運行するのかとただされたのに対して、二両一編成の超低床電車は、朝夕のラッシュ時は満員で、乗降時の対応がワンマンでは難しいので、現在、エルパーサーを嘱託職員として採用し、乗客のガイド役や車いす利用者の乗降時の対応などを行っているところである。閑散時についてはワンマン対応も可能と思うが、乗客へのサービスを充実する上でも、今後も引き続きエルパーサーの乗務は継続したいと考えている旨の答弁がありました。  これに対して委員より、乗客へのサービスの必要性は理解できるものの、現在の経営状況にかんがみ、人件費の節減等に努めてもらいたい旨の意見が述べられました。  この件に関しては他の委員より、超低床式の電車やバスは、車いす利用者だけでなくお年寄りなどの健常者にも好評を得ており、車両数をふやしてほしいとの声をよく耳にするが、今後の導入スケジュールはどのようになっているのかとただされたのに対して、超低床電車は来年三月までにリース方式で二編成導入する予定であり、導入後は、現在の一時間三十分間隔が三十分間隔で運行できるものと考えている。理想としては、全車両が超低床電車であれば望ましいが、まずは二系統に二編成ずつ導入できるよう努力していきたい。またノンステップバスについても、財政状況の厳しい折ではあるが、福祉部に協力を要請して予算の確保に努め、導入促進に努めていきたい旨の答弁がありました。  かくして議第一八九号について採決いたしました結果、全員異議なく認定すべきものと決定いたしました。  これをもちまして、平成九年度公営企業会計決算特別委員長の報告を終わります。 ○主海偉佐雄 議長  特別委員長の報告は終わりました。  これより質疑を行います。  以上五件に対し質疑はありませんか。        (「なし」と呼ぶ者あり) ○主海偉佐雄 議長  質疑なしと認めます。
     これより採決に移りますが、議第一八八号、議第一八九号、以上二件については別途討論の通告が提出されておりますので、これを後回しにし、その他の案件について採決いたします。  それではまず、議第一八五号、議第一八六号、以上二件を一括して採決いたします。  以上二件に対する特別委員会の決定はいずれも「認定」となっております。  特別委員会の決定どおり認定することに御異議ありませんか。        (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○主海偉佐雄 議長  御異議なしと認めます。  よって、いずれも特別委員会の決定どおり確定いたしました。 ○主海偉佐雄 議長  次に、議第一八七号を採決いたします。  議第一八七号に対する特別委員会の決定は「認定」となっております。  特別委員会の決定どおり認定することに賛成の議員の起立を求めます。        〔賛成者起立〕 ○主海偉佐雄 議長  起立多数。よって、本件は特別委員会の決定どおり確定いたしました。  それでは、これより討論を行います。 議第一八八号 平成九年度熊本市水道事業会計決算について 議第一八九号 同       交通事業会計決算について  以上二件につき一括して討論を行います。  益田牧子議員より討論の通告が提出されておりますので、発言を許します。益田牧子議員。        〔二十七番 益田牧子議員 登壇〕 ◆益田牧子 議員  一九九七年度(平成九年度)水道事業会計決算並びに交通事業会計決算について、認定しない理由を述べ反対討論を行います。  まず水道事業会計決算についてですが、当年度純利益十七億九千四百九十八万円です。  水道料金の基本料金等平均四五%もの大幅値上げを行った九二年度(平成四年度)から六年連続大幅黒字となっています。九六年度までの利益は五%が減債積立金、九五%が建設改良積立金の名目で蓄積され、その総額は四十六億四百七十万円です。当期純利益と合わせて六十三億九千九百六十九万の利益剰余金、大幅黒字となっています。  市民が水道料以外で負担した工事負担金、加入金及び国庫補助金などの資本剰余金は百八十六億六千百二十一万円であり、内部蓄積総額は二百五十億六千九十万円の巨額に達しています。  市民に安価で安全でおいしい水を安定して供給するという水道事業の目的から言いましても、取り過ぎて大幅黒字となっている水道料の値下げをすべきことをこの決算は示しています。  しかも、大幅黒字の上に五%の消費税が転嫁され、市民が負担している消費税は昨年の消費税率五%への引き上げで二億五千万円の負担増となり、六億六千八百七十四万円となっています。毎日の命の水である水道料金に消費税を課税している国は、世界を見回しましてもお隣の韓国を初めほとんどありません。当年度の十八億近い黒字の三分の一で消費税をゼロにすることができます。不況緊急対策としても、多くの市民の願いにこたえ、水道料金への消費税の廃止を強く求めるものです。  水道事業会計につきまして日本共産党は従来から三つのむだとして、過大な拡張計画のむだ、漏水のむだ、財政運用のむだを指摘し、その改善を求めてまいりました。老朽配水管の更新や漏水調査等が行われていますが、中核市でも最低クラスの有収率からも積極的な漏水対策を求めるものです。  中でも過大な四拡などの拡張計画のツケが回り、性質別支出のうち、三十億六千万の支払い利息が職員給与と並んで二三%を占めています。五百億を超す企業債未償還額の中で六%以上の高金利の企業債が六割以上となり、企業債利息の八割近くを占めています。低い金利への借りかえや繰り上げ償還がなされるよう引き続いての努力を強く求めるものです。  交通事業会計については、軌道事業における超低床電車を全国に先駆けて導入したり、電停のスロープ化、上屋の設置、ノンステップバス三両の導入など乗客サービスに努め、電車、バスともに乗客増を見たことは公営交通のあり方としても今後追求されるべき方向です。  経営成績は、両事業とも赤字となり、純損失額は四億七千百五十万円となっています。この赤字の原因が、平成八年十月から実施の無料パス券の実施にあるかのような報道が一部にありましたが、委員長報告にもありましたように、さくらカードによる利用者が予想より増加したことは昼間の乗客増にもつながり、むしろ歓迎すべきことだと思います。一般会計からの繰り入れも回数券事業当時九五年度決算一億三千八百万円から、九七年度は二億一千万円と増額をしています。  むしろ問題にしなければならないのは、監査の審査意見書で指摘がされております、委員長報告でもありました上熊本車両基地用地の二十億余の購入などが企業債償還額の増加を招き、企業の体力を上回る過大資本投資となり、財政状態を著しく悪化をさせていることです。本年度企業債償還額約六億のうち一億が上熊本車両基地用地の償還高となり、利子と合わせますと一億八千万円が交通事業会計をむしばむガンともなっています。  厳しい経営環境のもとではありますが、赤字だから運賃の値上げをする、それが乗客減となる、こうした悪循環ではなく、市民サービス向上による乗客増を引き続き追求し、市民の足を守る公共交通機関としての使命を果たされるよう要望し反対討論といたします。 ○主海偉佐雄 議長  以上で討論は終わりました。  それでは、採決いたします。  議第一八八号、議第一八九号、以上二件に対する特別委員会の決定は、いずれも「認定」となっております。  特別委員会の決定どおり認定することに賛成の議員の起立を求めます。        〔賛成者起立〕 ○主海偉佐雄 議長  起立多数。よって、いずれも特別委員会の決定どおり確定いたしました。      ───────────────── ○主海偉佐雄 議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  明十七日から十二月二十一日まで五日間は休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。        (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○主海偉佐雄 議長  御異議なしと認めます。  よって、明十七日から十二月二十一日まで五日間は休会することに決定いたしました。  次会は十二月二十二日(火曜日)定刻に開きます。      ───────────────── ○主海偉佐雄 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                  午後零時四十分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり  平成十年十二月十六日  出席議員 五十一名   一番 主海偉佐雄   二番 中沢誠     三番 坂田誠二    四番 藤山英美   五番 田中誠一    六番 内田三千夫   七番 重松孝文    八番 小山久子   九番 中松健児    十番 鈴木弘    十一番 古川泰三   十二番 税所史熙  十三番 山内光昭   十四番 下川寛    十六番 竹原孝昭   十七番 北口和皇  十八番 佐々木俊和  十九番 田辺正信   二十番 島田俊六  二十一番 河村寅麿 二十二番 田尻将博  二十三番 田尻清輝  二十四番 牛嶋弘   二十五番 岡田健士 二十六番 落水清弘  二十七番 益田牧子  二十八番 大江政久  二十九番 東すみよ  三十番 磯道文徳  三十一番 江藤正行  三十二番 荒木哲美  三十三番 伊形寛治 三十四番 奧田光弘  三十五番 鈴木昌彦  三十六番 宮原正一  三十七番 諸熊文雄 三十八番 上村恵一  三十九番 西泰史    四十番 亀井省治  四十一番 中村徳生 四十三番 嶋田幾雄  四十四番 竹本勇   四十五番 田尻武男  四十六番 白石正 四十七番 矢野昭三  四十八番 島永慶孝  四十九番 村山義雄   五十番 西村建治 五十一番 大石文夫  五十二番 紫垣正良  五十三番 西野法久 説明のため出席した者 市長      三角保之   助役      御厨一熊   助役      中村順行 収入役     岩本洋一   企画調整局長  松村紀代一  総務局長    野田晃之 市民生活局長  市原敏郎   保健衛生局長  工藤磐    環境保全局長  澤田幸男 経済振興局長  坂田憲一   都市整備局長  田尻紘    建設局長    齊藤聰 消防局長    道越賢    交通事業管理者 行徳健次   水道事業管理者 竈啓一郎 教育委員会委員長松垣裕    教育長     後藤勝介   人事委員会事務局長                                       有馬紀彦 代表監査委員  服部公雄   市長室長    小山和夫   財務部長    三嶋輝男 職務のため出席した事務局職員 事務局長    森高聖之   事務局次長   大橋舜一郎  議事課長    松本豊 議事課長補佐  山田利博...