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平成10年第 3回定例会−09月10日-04号
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  1. 熊本市議会 1998-09-10
    平成10年第 3回定例会−09月10日-04号


    取得元: 熊本市議会公式サイト
    最終取得日: 2022-11-22
    平成10年第 3回定例会−09月10日-04号平成10年第 3回定例会   平成十年九月十日(木曜)   議 事 日 程 第四号   平成十年九月十日(木曜)午前十時開議   第 一 質 問                  午前十時三分 開議 ○主海偉佐雄 議長  ただいまより本日の会議を開きます。      ───────────────── ○主海偉佐雄 議長  日程第一「質問」を行います。順次発言を許します。下川寛議員。        〔十四番 下川寛議員 登壇 拍手〕 ◆下川寛 議員  おはようございます。平成クラブの下川寛でございます。  まずもって、今定例会におきまして質問の機会をいただきました先輩並びに同僚議員に心から感謝申し上げる次第でございます。  私も今回で、当選以来八回目の登壇となるわけでございますが、八回目ともなりますとだんだん横着になってまいりまして、自分なりに質問のスタイルというものを決めつつあるわけですが、前回ぐらいからそういった流れの中で、質問の前にテーマをお話しするようにしております。  今回の質問のテーマは、時代変化への迅速かつ効率的な対応というふうに決めさせていただいておりますが、二十一世紀に向けた、二十世紀の世紀末を迎え、個人の価値観、それからさまざまな社会の枠組みが変化をしようとしております。そういった多様化する価値観に、また市民のニーズに的確にこたえながら、効率的な行財政運営をするというふうな内容にテーマを絞りまして本日お尋ねを進めさせていただきたいと思うわけでございます。  質問の方も効率的に行ってまいりますので、御答弁の方も効率的かつ明快にいただきますようお願いをいたしまして、早速質問に入らせていただきます。  まずは一点目としまして、行財政の効率的運用に伴う本市の管理体制についてということで数点お尋ねを進めてまいりたいと思います。  まずは外部監査のことに関しましてお尋ねをいたしたいと存じます。  本年地方自治法の改正によりまして、来年の四月から中核市におきましては外部監査というものが義務づけをされたわけでございます。これは、監査の独立性を確保するとともに、市民からの信頼性を高めるという趣旨で、弁護士、公認会計士、その他監査業務に精通した人と、議会の承認を得た外部監査契約をして自治体の監査を委託するというような内容でございますが、時期の迫ったこの問題にどう本市は取り組んでいかれるのかをお尋ねいたしたいと思います。
     また監査の話で関連してお尋ねをしたいと思いますが、先日来、熊本市の外郭団体の経営状況の報告を議案の中で拝見をしておりました。外郭団体につきましては、本定例会におきましても連日議論があっておるわけですが、私なりにその経営状況の報告、財務諸表を見まして感想を、思ったことを若干お話しいたしますと、やはり今議論であっているとおり、本市からの出向職員が問題なのではないかと思うわけでございます。  外郭団体は、財団法人、社団法人その他公益法人が大半を占めるわけですけれども、本市から職員が出向して、そのノウハウを指導することによりまして、行政的に会計状態を指導する。行政の会計と公益法人の会計というのはおのずと会計法による処理が違うわけでございますけれども、ひどい団体になりますと、次期収支繰越金がゼロというような団体もございます。  これがどういった意味を持つかといいますと、次期繰越収支差額金がないということは、その公益法人の総会が開かれるまで人件費も水光熱費も出せない。電気もつけず、水も出さず、職員の給料もない状態で仕事をしなければならないというようなことになるわけでございます。  その他、どうバランスシートを見ましても、経営が破綻して熊本市の補助金に頼るしかない、自立できないような団体が大変多いわけでございます。そういうことから考えますと、非常に会計が不適当だという感が否めないわけでございます。  監査の話に関連しまして、この外郭団体の会計処理、または経営指導を公認会計士に委託をして適正な運用を図るべきではないかと思いますので、これについても御所見をお伺いしたいと思います。  二点目としまして、情報公開に伴います文書の保管、これについてお尋ねをしたいと思います。  情報公開条例が制定をされますと、文書の開示請求というものが頻繁に出てくることが予想されるわけでございます。現在、国におきましては、そういったことに対応できるように文書の電子化の保存というものが完了しておるわけでございますが、現在本市の状況を見てみますと、法の規定があるとはいえ、旧態依然とした保管方法がとられております。  私も職員時代に経験があるわけでございますが、何年前のこの決裁文書を出せと言われたときに、作業服に着がえまして倉庫の中に飛び込んで、丸一日がかりでほこりまみれになって文書を探した。それでもどこに文書があるかわからないというような状況もあったわけでございます。  保管に関しましては本市でもいろいろな対策がとられているかと思いますが、最近若干法の解釈が変わって、電子化による文書保管ができるようになったとも聞き及んでおります。災害時の安全対策、また保管倉庫の場所不足というものに対応できる電子化による文書の保管、保全、これをすれば、開示請求があった場合にも速やかに文書の開示ができるということに対応するためにこれができないか御意見を賜りたいと思います。  また、続きまして、固定資産評価の問題に関してお尋ねをいたします。  固定資産評価は、御存じのとおり地方自治法の規定によりまして、評価員さんが現在評価を決めておられるわけでございます。皆さん御存じのとおり、自治省におきましても、固定資産税の評価を実勢価格に近づけるとのもと、平成七年でしたか、評価がえが行われたわけでございまして、それ以前の評価よりかなり評価額が上がりまして、現在、不況下におきましては過剰負担とも言えるような固定資産税の課税があっているわけでございます。  ただ、過剰負担とは言いましても、それだけの土地を持っている上での税負担というのはやむを得ない話でございまして、納付するのが当然の義務と言うべきものでございますが、若干の実例をお話ししながらお尋ねをしたいと思うわけでございます。  先日、ある市民の方とお話をしておりました折に、国道沿いの角地、これの土地の評価と自分がその近くに持っている国道から五十メーター入り込んだ小さな自宅用地の評価額がほとんど変わらない。実勢価格が大きく違うのにどうしてこのように評価額が変わらないような状況が起こるのだというような話もいただきました。  現在、日本全国におきまして不動産の実勢価格というのは大きく二極化が進んでおると言われております。隣同士にある土地であっても、片や収益が上がるようなきちんとした地形の土地ならば売買の実勢価格は高く、その隣にあっても、地形が悪ければ実勢価格は低いというような状態があちこちで見られるわけでございます。実勢価格に近づけるといいながら、そういった面的な一律の評価がなされていることに納得のいかない市民の方も多数いらっしゃるわけでございます。  右肩上がりの経済の時代ならば、そういった面的一律評価ということで大きな問題は生じなかったかと思いますが、経済が沈滞化し、不動産の実勢価格が大きく変わった現在、今までのような評価では不公平感があるのは否めない問題ではないかと思います。  これにつきましてアメリカの事例を若干お話しいたしますと、アメリカでは、固定資産評価に当たりまして一筆ごとに土地の鑑定評価を専門家に依頼して、評価に対して不服があった市民からはデータの開示請求を受けて、きちんとした理由のもとにこういう評価になっているのだというデータを開示するようになって、市民の不公平感、不満というものを解消しているわけでございます。  この事例を、地方税法の規定がある我が国にそのまま持ってくることはできないとは思いますが、鑑定評価を委託したデータをそのまま評価に使うのではなく、生データではなく、評価員が評価を決める際の参考にするということはできるのではないかと思います。  今後の情報公開ということを前提にしたときに、固定資産の評価においてもしっかりした理論武装を熊本市ではとる必要があると思いますが、こういった固定資産評価に対する鑑定評価の委託ということができないものか、あわせてお尋ねをいたします。        〔松村紀代一企画調整局長 登壇〕 ◎松村紀代一 企画調整局長  一点だけ私の方からお答えを申し上げます。  お尋ねの外部監査制度につきましては、議員御案内のとおり、中核市には平成十一年度からの導入が義務づけられておりますので、本市におきましても、制度導入に向けて執行体制を早急に整える必要があろうと認識をいたしております。  しかしながら、この外部監査制度が地方自治体にとりましては初めての制度でございますので、熊本県を初め他の自治体におきましてもいまだ具体的な取り組みが進んでいないのが現状でございます。自治省からの詳しい事務説明もつい先般の八月末になされたばかりでございます。  したがいまして、来年四月の導入に向けまして、これから早速作業を進めてまいりたいと考えておりますが、下川議員より御提案の外郭団体に対する監査と外部監査人公認会計士を選任するという件につきましても、その趣旨を十分踏まえまして、各自治体の対応等も見きわめながら、その作業の中で検討させていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。        〔野田晃之総務局長 登壇〕 ◎野田晃之 総務局長  私からは、文書保管の電子化の問題、固定資産評価の問題、二点についてお答えを申し上げます。  情報公開の時代を迎え、市民の皆様からの開示請求に速やかにこたえるとともに、また、正確、迅速な事務執行の上からも適切な文書管理が必要不可欠であると存じております。  しかしながら、近年の文書量の増大傾向に伴い、庁舎内文書庫の収容能力が徐々に限界に近づきつつあるため、本市といたしましては、これまでにも文書のA判化などによる文書量の削減とともに、文書管理方法の改善といたしまして、ファイリングシステムの導入や、一部の部局ではございますが光ディスクマイクロフィルム化に取り組んでまいりました。  しかしながら、光ディスク方式には法的な証拠力が認められない、導入経費が高額であるなど、文書管理の電子化には解決すべきさまざまな課題がございました。  このような中、法的な証拠力を認める範囲を拡大した、いわゆる新民事訴訟法がことし一月に改正施行されましたが、これによって電子化された文書が証拠力を有するのかを見きわめるとともに、この実現化に向けてはどのくらいの経費が必要なのか、実現した場合にはどのくらいの新たなスペースが生み出せるのかを具体的に試算するほか、迅速な検索方法、災害時の安全対策面などについても個々具体的に検証してみたいと考えているところでございます。  次に、固定資産評価の問題についてお答えを申し上げます。  近年のバブル景気並びにその後の景気低迷に伴い、短期間のうちに資産価値が大きく変動する現状にあり、今まで以上に適正な時価による課税の実現が求められております。  このような現状にかんがみ、本来、固定資産評価は原則として三年ごとの基準年度にのみ見直す制度がとられているところでありますが、平成六年度より、公的土地評価の均衡化の観点から不動産鑑定評価を活用することとなり、平成九年度からは、不動産鑑定評価後においても地価下落が認められる場合には、基準年度に限らず毎年度時点修正を行うことができることとされたものであります。  本市では、制度改正のあった平成六年度より直ちに不動産鑑定を導入し、平成九年度には鑑定評価地点数を四百地点増加させ二千地点とし、その後の地価下落状況につきましても評価に反映させるべく、平成九年度、平成十年度と毎年度時点修正を行っております。  また、本市独自の取り組みといたしまして、平成六年度から、正確かつ迅速な課税客体の現況把握を目的とした固定資産現況調査事業と、土地評価の基本である路線価の均衡化を図ることを目的とした土地評価システム事業を業務委託により実施し、さらには、納税者に課税内容をチェックしていただき、納税者の御理解を深めていただくために、平成九年度より課税内訳書の送付並びに路線価の公開を実施いたしております。  今後の課題といたしまして、国においては、よりよい評価制度の実現に向け毎年度評価がえを実施する等、将来の固定資産評価について検討がなされているやに聞き及んでおります。  本市といたしましても、時代の変化に即応する固定資産評価の質の向上を図るため、さきに述べました二つの事業の強化、推進とともに、事業により得られた成果をもとに、職員の実地調査等により収集された課税情報を、課税客体の位置図である地番家屋現況図上にあらわすことができる税務地図情報システムを柱に、家屋調査の効率化を図るための家屋評価システム、評価がえ後の状況等をシミュレーションできる評価がえ事務支援システム等の導入を検討し、適正な評価、適正な時価の実現に向けさらに努力してまいりたいと存じます。        〔十四番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  今お答えをいただいたわけでございますが、外部監査の件につきましては、その会計上の性格、それから法的知識云々と、種々の問題を考えますと、法に明文化した規定のある弁護士さんまたは公認会計士さんしか適当ではないのではないかと考えるわけでございます。  来年に向けて議会の方にも契約案件が提出をされると思いますが、その際はぜひ、そういった約束の中から指名をしていただきまして、適正な外部監査が執行されますようにお願いをいたしておきたいと思います。  また、各自治体の対応を見られるということですが、余り私は好きな言葉ではありません。全国二番目の規模を持つ都市としましては、よそに先んじてやる、他都市の状況の調査など必要ないというのが持論でございますが、この場合は新しい制度でございますので、対応を見きわめていただいても結構でございます。ただ、いいところだけをぜひ見ていただくようにお願いをいたしたいと思います。  それから文書の保管の問題ですが、今回初めて質問したわけではございません。かなり前から言い続けているわけでございます。ただ、最近になりまして、答弁にありました法の改正により道が開けてきたのではないかと思います。安全対策の面、それから保存場所の面、かなり有効な問題だと思います。個々具体的に検証されるということでしたが、やってみたいというお話ではなく、ぜひやっていただきたいと思いますので、主体性を持ってしっかりとやっていただきたいと思います。  それから、固定資産評価の件ですが、現在実施されております現況調査、二千地点ですか、これでは数が少ないのではないかと思うわけでございます。答弁の中にありました、さまざまなシステムで適正評価というものが確保できれば、市民の不公平感もなく、問題はないのではないかと思いますが、不動産屋の私から考えますと、まだ疑問があるわけでございます。  今後もこの問題は続けて取り組んでいきたいと思いますので、市民の信用を失墜せずに、不公平感のない評価の運用というものをよろしくお願いいたしたいと思います。  続きまして、効率的調達と予算の効率的活用についてということで数点お尋ねを進めてまいりたいと思います。  まず一番目に、調達関係についてお尋ねをいたします。  先日といいますか、八月でございますが、山梨におきまして内容と性能、それから価格が同程度のものならば、環境に優しい物品を優先して調達するという調達方法が実施されました。これは、現在、たくさんそういったデータベースが出ているうちのグリーン調達ネットワークというもののデータベースを活用して調達をされたわけでございます。  本市も環境保全都市宣言をやっている以上、こういった調達方法について取り組んでいく必要があるのではないかと思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  また同じく調達に関しまして、アメリカの事例をちょっとお話をさせていただきたいと思いますが、用語として日本全国ではまだオーソライズされた用語ではありませんので、勝手な命名をさせていただいておりますが、アカデミック調達とでも言うべき制度がございます。これは教育関連のものに物品を納入する場合、原価割れとでも言うべき超破格値で納入をするような制度でございます。  例えば学校で使う備品、学校関係の建設、これについては利益は度外視した納入を企業がやっているわけでございまして、今全世界的に言われております企業のメセナとかフィランソロピーという社会貢献的な意思のもとに実行されているわけでございます。  教育関連にそういった納入をすることは、利益を確保しなくても将来の顧客を確保することでございますし、全体的な教育レベルが上がれば、これが一番の社会貢献になるという考えのもとに行われていると聞き及んでおります。  こういった調達方法を本市でも採用できないものかと思うわけでございます。本市でも、教育県熊本と言われた県都所在地でありながら教育の低迷が言われる中で、また企業と教育との連携、企業の社会貢献を誘発する意味からでも、制度をつくるか、または指導していく必要があるのではないかと思いますが、お考えを伺いたいと思います。  また調達関係に関しましてもう一点、本市の予算書の内容を見てみますと、物品調達に関しましてリースというものがかなり活用されているわけでございます。  その金額を見てみますと、私ら企業人から考えますと、とんでもないような値段がついているわけでございまして、若干の例をお話ししますと、例えばパソコン、今量販店に行きますと一台十万円程度で購入ができるわけでございますが、本市の予算書によるリースの総金額をはじいてみますと百万円を超えるような事例も多々見受けられ、これまでも苦言を呈してきたわけでございます。  リースを活用するメリットというのは、商業法人におきましては経費に算入ができるですとか、償却の問題で税制的な面がかなり有利な点があるわけでございます。しかし、行政におきましては、税制面の有利さを考える必要もなく、トータルコストだけを考えればいいわけでございまして、トータルコストを考えたときに、行政がリースを活用するというのは非常に納得のいかない面があるわけでございます。購入されてはいかがかと思いますが、今後の対応についてお聞かせいただきたいと思います。  続きまして、調達という話からはちょっと外れてまいりますが、公共建築物の建築に当たっての用地の問題でお尋ねをいたしたいと思います。  現在、市民から、市民が使うための公共建築物の建設の要求というものがかなり多く上がっているわけでございます。例えば、コミュニティーセンターにしましても、ほとんど全市内から要望が上がっているのではないかと思いますが、現在の財政難の状況の中、一カ所ないし二カ所しか一年間に建設ができない状況にあります。  この内容を分析してみますと、土地を取得するということが基本的なスタンスでありますので、用地費がその予算の中にかなりの割合を占めているわけでございます。  ところが、これの解消について考えておりましたら、先日、美術館の建設その他で地上権の活用ですとか、そういった用地を取得しない方式というのが既に本市の一部でも実現をいたしておるわけでございます。定期借地権制度も運用を開始されている今、建物の種別によりましては土地を取得する必要もなく、借地、そういったものを活用しながら効率的に予算を執行して市民のニーズを満たす必要があるのではないかと思いますが、今後の公共建築物の建設に関しまして、そういった用地の借地の活用ができないかお考えを賜りたいと存じます。  それから、この項の最後といたしまして、公共工事の発注に関しましてお尋ねをいたします。  現在、経済の沈滞によります影響か、連日新聞紙上で談合情報というものがにぎわいを見せております。行政としては公平かつ公正に執行していると言われましても、民間ではいろいろなうわさがあることも仄聞をするわけでございますが、市民からの信頼を失墜する大きな原因となっているわけでございます。  それでは、どのようにしたらこの市民からの信用の失墜というものを解消できるのかということで考えてみましたときに、いっそのこと、公共工事の発注に関します価格、予算、その他を事前公表してはいかがかと思うわけでございます。そして、事前公表をするとともに、その価格で、そのランクで合う業者さんには手を挙げていただいて、抽せんで発注をしたらどうかと思うわけです。  公平かつ平等、また公正による透明感を高めるということにつきましては、これ以上のものはないと確信をしてお尋ねするわけでございますが、これをするに当たりましては、単なる価格の事前公表ということではなしに、やはり適正な価格、業者の利益も確保した、どこから見てもおかしくない価格での事前公表ということに加えまして、業者のクラスのきちんとした見直しというものを前提条件にして実行する必要があるのではないかと思います。  抽せんに当たりましても、ここ近年、パソコンを利用しました抽せんのソフトなども既に実用化段階に入っておりまして、抽せんにおける人間の作為の入る余地のないソフトウエアなども開発をされているわけでございます。  全国に先んじてこういう制度を実行すれば、公平かつ公正、平等ということだけでなく、熊本方式とでも言えるような透明性の高い行政の執行ができるのではないかと思いますし、今後の情報開示ということを考えたときに、どこから求められても、きちんとした明確な理由の立つ理論武装ができるのではないかと思いますので、これに対するお考えも賜りたいと存じます。        〔野田晃之総務局長 登壇〕 ◎野田晃之 総務局長  まず、調達関連のお尋ねからお答えを申し上げます。  物品購入に際しまして、グリーン購入ネットワークのデータを参考に、環境保護物品に限り調達する方法を採用してはどうかという御提案だと存じますが、環境保護に関するデータベースは、議員の触れられましたグリーン購入ネットワークを含め多数存在いたしているようであります。  環境問題に対しては、現在、本市としても積極的に取り組んでいるところでございますが、御指摘の物品購入選定に当たっては、物品の性能、価格、アフターサービス等の条件に加え、メーカーからの公平な物品の調達も絡み、グリーン購入ネットワークのデータを参考とすることは可能かと存じますが、このデータだけを選定の基準とすることは現時点では難しいのではないかと考えております。  しかしながら、本市は環境保全都市を宣言し、さまざまな施策を展開しているところでもあり、議員御指摘の環境保護物品の調達導入につきましては今後とも努力してまいりたいと存じております。  次に、教育機関の物品購入については、特別に低価格で納入するよう物品販売業者を指導できないかというお尋ねだと存じます。  アメリカにおきましては、確かに教育関連への納入は低価格なアカデミック価格でなされていると聞き及んでおります。しかしながら日本におきましては、いまだ社会的通念にまでは至っていないのが現状かと存じますし、メーカー側特別価格納入に対するコンセンサスが必要であろうと存じます。  このような方式が可能かどうか非常に難しい問題でございますが、企業サイドの考え方を承ってまいりたいと考えております。  調達関係での最後に、物品の調達方法についてお答えします。  物品調達にはリース方式、購入方式があるわけでございますが、いずれも長所短所がございますので、今後は、議員御指摘の趣旨も踏まえまして、リース、購入いずれの方式がより適した物品なのか、さらに予算的な面から見たより効率的な契約のあり方等について見直してまいりたいと存じます。  次に、公共用建築物に借地を活用したらどうかというお尋ねでございますが、この問題につきましては、財政運営の効率化の視点から過去においても御提案をいただいたところでございます。  本市におきましては、現在、一部の市営住宅においてこの手法により運用を行っており、また、ただいまお触れになりましたように美術館建設におきましても、地上権と底地権の併用による借地で事業の推進を図ることといたしております。  この手法につきましては、土地の取得に比べて、事業実施年度において一度に多額の資金を必要とせずに利用目的を達成できるという大きなメリットがあります反面、土地所有者に契約を更新しない正当な事由がある場合には、借地権としての存続期間が限定される場合もあり、事業の永続性等について検討すべき課題もございます。  今後、事業部局から要求があった段階で、それぞれの事業におきまして、この手法の活用について、個別的、具体的に十分協議、検討してまいりたいと、このように考えているところでございます。        〔齊藤聰建設局長 登壇〕 ◎齊藤聰 建設局長  公共工事発注へのPC抽せん機導入についてお答えを申し上げます。  予定価格の公表につきましては、建設省の諮問機関であります中央建設業審議会の本年二月の建議の中に、談合等の不正入札防止等を目的に入札契約手続の透明性向上策として盛り込まれており、建設省では直轄工事において本年四月から事後公表がなされております。  また、都道府県及び政令指定都市等につきましても、国に相前後して設計金額や予定価格等を事後あるいは事前に公表する自治体が徐々に増加をしております。  さらに、国において本年四月から導入されました予定価格の事後公表につきましては、実施後間もないにもかかわらず、予定価格そのものの事前公表のあり方の検討を始めるという状況になっております。  本市では、既に積算の根拠となります数量の公開や土木工事に関しては資材単価の公表を実施するなど情報の開示に努め、業者の真摯な見積もりが円滑に行われる条件の整備に努めてまいりました。そのことにより、業界におきましても適正な見積もりが可能になっているものと理解をいたしておりますので、今後はなお一層の条件整備を図ってまいりたいと考えております。  したがいまして、本市としましては、国の取り組み状況の把握と分析を通じ、事後公表のみならず事前公表をも視野に入れて、予定価格公表実施の是非等について慎重に検討してまいりたいと考えております。  また、議員御提案のPC抽せん機という方法につきましては、談合等の不正入札防止の観点から有効な一つの方法であるかと考えられます。これまでも他自治体でくじ引きによる入札業者の絞り込み等種々の工夫がなされております。  今回御提案の本格的なPC抽せん機によります業者の選定は他の自治体でもいまだ実施されていないようですが、御提案の趣旨を受け、他自治体のさまざまな方法の状況等をも注視しつつ、今後の研究課題とさせていただきたいと考えております。        〔十四番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  調達関係につきましては、御答弁にありましたとおり、グリーン調達につきましては当然それのみでできるものでもないというのはよく認識をしているわけでございます。ただ、アカデミック納入とでも言うべきものとあわせまして今後必ず必要になってくるものではないかと思いますので、しっかりと取りかかりの行動を開始していただきたいと思うわけでございます。  また、リースの問題につきましては、買いかえの内部事情が絡んでいるとも聞き及んでおります。例えば買いかえのときに、お宅はあるじゃないかということで、なかなか財政の方からの予算査定が通らないという話も耳にするわけでございます。  その辺も考え合わせますと、行政でリースを使う明確な理由というものがさして見当たらないと思うわけでございますが、トータルコストということの認識をしっかり持っていただいて、その辺の根本的な認識をひとつこれから変えていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。  それから、借地の活用の問題につきましては、大変にありがたいと思っております。以前から質問をさせていただいておりましたが、これでやっと軌道に乗りかかってきたかなと思っております。  事業部局が要求を出してくる時点に当たりましては、事業部局でも、当然その借地が適当な建物かどうかというのは検討して要求を上げてくると確信をいたしておりますので、その辺を御理解の上、有効に活用していただきたいと思いますし、またさっと頭に浮かびます事例などにつきましても、コミュニティーセンターなどについては、例えば五十年というような借地期間があれば、建物も契約期間が切れるころには朽ち果てまして、それだけ使えれば本望じゃないかと思うわけでございます。  市民生活局長さんにもその辺のところはよく御理解をいただきまして、今後事業部局でも検討を進めていただきますようにお願いをいたしたいと思います。  それから、公共工事の発注に関しましては、本市でも、今の御答弁にありましたとおりかなりの情報開示をされているようでございます。そこまでされているならば、例えば事前公表をするといったときにでも簡単に移れそうな気もするわけでございます。  あくまで公共工事の持つ経済浮揚効果というものを維持しながら市民の信頼を高めるという効果は大変に大きいものがあると思いますので、単なる課題とか検討とか言わずに、条件整備のできる研究をされて、実施に向けて考えていただきたいと思います。  質問通告の三番目といたしまして、市民経済の活性化とその促進についてということで四点ほどお尋ねをいたしたいと思うわけです。  まず一点目としまして、コンビニエンスストアへの委託の関連でお尋ねをいたしたいと思います。  国におきまして、国民年金保険の納入がコンビニエンスストアでできるようにということで検討が始められたという報道があっておりましたが、東京二十三区では、それらの納入だけでなく、水道料金、電話料金その他の徴収もあっておりまして、先日見てまいりましたら、一メーターぐらいの幅の機械でしょうか、たくさんのボタンが並んでいて、店員さんに納付書を渡すことなく機械で納入ができるようなシステムが既に稼働しておりました。  また、それに関連して三鷹市とか市川市を見てきたわけですが、各種証明の自動交付機というものがあったり、また市川市におきましては、コンビニで住民票の配達システムと言いますか、コンビニで住民票が受け取られるようなシステムが稼働しておりまして、市民から好評を博していたわけでございます。
     現在若い者を中心に生活時間帯が夜にシフトをするような状況にありまして、納付の利便性、それから窓口業務の効率化というものを考えたとき、また過当競争に陥っておりますコンビニの活性化、ひいては市民生活、市民経済の活性化というものを考え合わせたときに、コンビニにこういった業務を委託してはいかがかと思うわけでございます。  当然、委託する場合におきましては、単なる住民票とかいうだけではなく、税を含めた各種証明、それから、市営住宅家賃を初めとする各種市への納入ということを委託すれば利便性も高くなり、両面の利益があると思うわけでございますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  二点目としまして、準市道とでも言うべき問題でお尋ねをいたします。  私もこの議場で過去二回準市道と言いますか、市道に引き継げない道路の市への引き継ぎということをお尋ねを進めてまいりました。その質問の中で、市道認定基準を大幅に緩和していただきましたことには、当局の決断に大変敬意を表しますとともに感謝いたしますし、市民の方々の間からも大変ありがたいという声を聞いておるわけでございます。  ただ、依然として引き継ぎができない道路が残っているわけでございまして、それに対するトラブル。若干の例をお話しいたしますれば、例えば開発行為でつくりました道路で、市道に引き継ぐまでの間に私道路というような扱いを受けて銀行ローンがおりない、そういったような事例もよく耳にしているわけでございます。  これは市民経済の圧迫にほかならないわけでございますが、これをどうにか解消しなければならないと思いまして、先日岐阜市の方に調査に行ってまいりましたら、岐阜市の方では開発行為におきまして、都市計画法の三十二条協議で市が管理するとなった道路につきましては、道路法による市道認定の告示が出るまでの間、市道に準じたものとして市の方で管理をされておりました。  これには当然の理由がございまして、過去かなり詳しくお話をしておりますので詳しい説明は省きますが、都市計画法の三十九条、四十条、これの規定によりまして、開発行為の場合、工事完了の翌日からその財産は市に帰属をして、管理も市に帰属をするわけでございます。  これまでのお話の中では、道路の権原の取得ができないということでかなり否定をされておったわけでございますが、この都市計画法の規定をそのままとれば財産的にも市に帰属をするわけでございますから、権原が取れるということで市道に準じた扱いができるのではないかと思います。  よく答弁の中で耳にします、他都市の実例を調査しながらという話を裏づけをとってきたわけでございますが、他都市でも既にやっている制度でございますので、本市でもこれを制度化して、法の運用と現在の市の不整合という問題についての問題解決を図るべきではないかと思うわけでございます。そういった管理ができないものか、この場で再度お尋ねをしたいと思います。        〔松村紀代一企画調整局長 登壇〕 ◎松村紀代一 企画調整局長  一点だけ私の方から御答弁申し上げます。  公金の徴収や証明書類の受け渡し業務などを、コンビニエンスストアいわゆるコンビニへ委託できないかというお尋ねでございますが、全庁にまたがる問題でございますので、お許しをいただいて私の方から総括してお答えを申し上げます。  まず、社会保険料や水道使用料などの公金払い込みについてでございます。  本市ではこれまで、金融機関や郵便局での口座振替の利用拡大に力を入れてきたところでございます。現在口座振替の利用状況は水道料金で九割近くに達しております。その他につきましては平均して約四割から五割になっておりますが、引き続き利用促進に努めてまいりたいと考えております。  しかし今後は、コンビニでの支払いが、水道料金について、東京都を初め主要都市で既に実施され、また、議員御案内のとおり国におきましても国民年金保険料について利用方針を打ち出すなど、新しい払込方法として検討の必要性があろうかと認識をいたしております。        〔議長退席、副議長着席〕  次に、住民票等の交付についてでございますが、既に松戸市、市川市など数市において実施がされておるのでございます。交付の際、申請人が本人であるかの確認が不十分であるなど、法的問題が幾つか指摘されていることや、近年全国的に普及しております証明書自動交付機の導入との兼ね合いの問題等、整理すべき点があることも事実であります。  いずれにいたしましても、市民の皆さんの利便性が高まるとともに、徴収率の向上にもつながるなど利点も多いわけでございますので、今後関係各課の協議の場を設け、できるだけ早い時期に結論が出せますように努めてまいりたいと考えております。        〔齊藤聰建設局長 登壇〕 ◎齊藤聰 建設局長  道路問題についてお答えをいたします。  ただいま岐阜市の取り組みを踏まえてお尋ねをいただきましたが、下川議員の日ごろからの道路問題に対する御熱意に心から敬意を表する次第でございます。  開発行為に伴う道路の帰属についてでございますが、開発行為は、都市の健全な発展と秩序ある整備を進める目的から都市計画法で定められており、その施設計画の中で、道路は公共施設として位置づけられております。  この道路の取り扱いにつきましてはただいま議員お述べになりましたように、公共施設管理者との協議を経て完了公告の翌日に当該管理者に帰属することとなっております。  本市におきましては、従来、開発道路は、私道などその他の道路の引き継ぎと同様に、市道認定告示後に本市に帰属する取り扱いを行っていたところでございます。  しかしながら、御指摘のように、今日、土地についての権利関係の複雑化を考慮いたしますと、都市計画法の趣旨に沿って速やかに市に帰属させることが、より一層の市民サービスの向上につながるものと判断し、今後事務手続を改善させていただきたいと存じます。        〔十四番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  ありがとうございます。前後いたしますけれども、準市道とも言うべき開発道路の引き継ぎの問題につきましては大変な御英断をいただいたというふうに解釈しまして、心から感謝申し上げる次第でございます。  私も職員時代に経験がございますけれども、従前の手続では、市道にもらうべく寄附の印鑑をもらいに行ったら、既に会社が倒産して、なかったとか、会社を整理される寸前に滑り込んでやっと印鑑をもらったとかいう経験がございまして、市民の方々に迷惑をかける一歩手前だったとかいうこともあったわけでございますが、今回早急に事務手続を改善していただけるということで、都市計画法との不整合の問題も含めて解決していくのではないかと心から感謝申し上げる次第でございます。  後は一日も早く事務手続を正式に改めていただきまして、きちんとした制度として運用されまして市民経済の圧迫を解放していただきたいということをお願いしておきたいと思います。  それから、コンビニへの委託の問題につきましては、確かにクリアすべき条件は多いということは理解をいたしております。関係課も多岐にわたりますが、積極的に早い時期で検討されまして結論を出していただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。  続きまして、同じ項の中で二点、経済関連についてお尋ねをいたします。  まずは、中心市街地の整備についての考え方をお尋ねしたいと思います。  けさの新聞報道にもあっておりましたが、中心市街地で八割が売り上げが減じたという深刻な報道でございました。この中心市街地につきましては、本市の八割の方が第三次産業に従事しておられるわけですが、その八割の方が就労する関係の中心地として本市の顔と言うべき場所ではないかと思っております。  ただ、いろんな場所で、予算書の中で比較をいたしますと、就労人口比とお金のかかり方、予算の執行というものが大変なアンバランスを起こしているような気がして危惧をするわけでございますが、漁港整備、農業振興、確かに大事な問題でございますが、それに比べると中心商店街の振興策、そこにかかるお金というものが大変低いのではないかということが常々疑問であるわけでございます。  現在各地で商店街の振興策がとられまして、先般、大店立地法、活性化法、改正都市計画法などの法改正もございまして、商店街ルネサンスと言われている今、大変なチャンスではないかと思う次第でございます。  今般、議会の中で補正予算も計上されておりますが、どのように中心商店街の整備について考えていかれるのでしょうか。  若干の事例を、私なりの考えをお話しいたしますと、例えば空き店舗が出た、そういうときに、この中心商店街の性格を考えましたときに、若者を中心とした文化と情報の発進の基地ではないかと思う場合もございます。例えばその空き店舗で、市民のためのミニコミュニティーと言いますか、自分なりの趣味の発表の場であるとか、商店街におきます憩いの場としてのポケットパークとしての活用なども考えられるのではないかと思っておりますが、この中心商店街の整備への考え方をお聞かせいただきたいと思います。  それから、経済関係のもう一点でございますが、現在企業の誘致活動というものを本市でも熱心に展開をしていらっしゃいます。ただ、その中で疑問に思う点が若干あるわけですが、どんなに一生懸命企業を誘致しようとしても、現在のところ企業に対する優遇策と言いますか、企業側へのメリットが与えられていないわけでございます。  本市も、あえて市長のお考えで大阪事務所を残して企業誘致に取り組んでいらっしゃるわけですが、私も企業人として、例えば自分が大阪商人になって考えたときに、熊本市から、ぜひ熊本に来てくださいと言われましたら、「あんたんとこ行って何かいいことあんの」と必ず聞くのではないかと思います。そのときに、「いや、何もいいことがありませんけれども、熱意だけはありますから来てください。」では、絶対企業人は動かないのではないでしょうか。  優遇策と言いますと、既に全国的に税の優遇ですとか環境整備という優遇策がとられているわけでございますが、前回の質問の中でもお話ししましたグローカルと言いますか、今や地方が直接世界を相手にできる時代ということなどを考えますと、例えば情報通信のインフラ整備と、それを企業のメリットとして与えるということも十分な優遇策になるのではないかと思います。  土地の高い、人件費の高い中央にいなくても、熊本という、日本で南の端と言うと怒られますけれども、そういう場所にあっても直接世界と商売ができるんだ。安い人件費、安い立地で、今までの商売と全然変わらないというのは企業人から考えると大きなメリットではないかと思うわけでございます。  このような企業誘致に関します優遇策につきましてどのようにお考えか、あわせて市長に決意を含めたお考えをお伺いしたいと存じます。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  下川議員にお答えをいたします。  御案内のように、本市中心市街地は、多くの人が集い、憩い、交流し、情報、文化を発進する暮らしの広場であるとともに、中小小売、サービス業の経営活動の舞台であります。  また、中心市街地は、議員が申されますように、若者を中心として新しい文化やライフスタイルを生み出す土壌でありますが、今後の高齢社会の進展を考慮いたしますと、若者ばかりでなく高齢者の皆さん方、またその方々の活動も支援する一大コミュニティー拠点として育てていかなければならないと考えております。  現在、数多くの都市では、空き店舗等による中心市街地の空洞化ないし衰退が進行し、都市そのものが活力を喪失していく現象が顕著にあらわれつつあります。  これらを未然に防止し、今後とも、中心市街地が都市の中心としてにぎわいと活力を保ちながら、若者たち等を魅了する質の高い文化、情報発信基地として変貌を遂げますよう、その整備に取り組む所存であります。  その具体的な事業メニューは、今年度策定する中心市街地活性化基本計画の中で重点プロジェクトとして位置づけていくことにいたしておりますが、基本的方針といたしましては、市街地再開発や道路、交通網整備等を推進する一方、ファッション産業等の都市型産業の育成や個性的な商店街づくりに重点的に取り組みたいと考えております。  せんだって、初めて商店街の店を守る女性の皆様方と懇談会をさせていただきました。大変すばらしい御意見をちょうだいいたしまして、そしてまた、お互い話し合いの中で、今後進むべき道、そういったようなものも私どもで把握をしながら策定の中に取り入れていきたい。  また、あるまちづくり委員会等では、空き店舗を活用しながら、お店屋ごっことかいろいろな取り組みをしておりまして、さくらカードを使ってその商店街に来ていただきたいというキャッチフレーズでいろいろな事業の展開もしているまちづくり委員会もございます。  今後市といたしましても、そのようなまちづくり委員会あるいは商店街振興会、いろんな方々と御相談をしながら活力をみなぎらせていくように努力をしてまいりたいと考えております。  次に、企業誘致についてお答えをいたします。  第一回定例会でも申し上げましたように、地域外需要も取り込める製造業等の「ものづくり産業」を活性化することで、今後本市の産業構造の転換を図っていく必要があると考えているところであります。  そのためには、既存の製造業等の活性化と並行して、産業の高度化、雇用の創出、並びに市民所得の向上に資する大変有効な施策である企業誘致に積極的に取り組むべきであると考えております。  現在、本年四月に新設いたしました担当部署で、本市の企業立地環境を十分考慮しながら、今後、本市経済の発展に寄与する産業を立地させるためにはどのような施策が必要か検討をさせておりますが、議員の御質問にありますような特色ある優遇制度がぜひとも必要であると思っているところであります。  この優遇制度の内容といたしましては、立地促進のための助成、人材の確保、雇用の創出等の支援策を考えているところであります。  昭和六十年の当初でございましたが、県の大阪事務所の企業誘致担当者が足を使って懸命に企業を訪問しておりました。その際、細かい数字は定かでございませんけれども、その足代という形で三万円しか予算がついてなかったことがございまして、それでは、いかに熊本を宣伝するかというパンフレットもない、いろいろな物産の見本もないということじゃだめだということで、議会の皆さん方とお諮りをして、その企業誘致費用を少し伸ばしていただいたことがございます。  その企業誘致の担当の大変な努力によりまして、その後大阪から、幾つかの会社から問い合わせがあり、実際進出をしてこられたところもあります。  そうした中で、誘致企業との懇談を重ねておりましたときに、ある誘致企業の会社が、せっかく熊本に来たけれども、来るときにはいろいろお話があったが、来た後余り手だてがないんだという話がございました。  特に私が記憶いたしております中では、電線を地中に埋設する場合に、昔は非常に困難をいたしておりました。フレキシブルパイプというものが開発をされまして、それを埋めてその中に入れれば簡単に施工できるという代物でございまして、その会社の方が、せっかく熊本に来て製造しても、熊本県内の公共事業の仕様書の中にそれが使っていいと載っていないという話がありましたときに、があんと来まして、それからいろいろ研究をいたしまして、やはり企業誘致した会社のアフターケアというものが大変必要だと。それが市民総ぐるみで企業誘致した会社に応援をしていくということになれば、その口コミでまたほかの会社に必ずそれが伝わるということを非常に強く印象づけられたことがございます。  そういったような意味では、今一番不況の時期、会社がそれぞれ困っている時期にお訪ねをして、そして、その会社が少し力がついたときには必ず熊本に行くのだというふうな営業の仕方をしておかなければならないなということをつくづく考えているところでございます。  そういう中で、議員がおっしゃいました全般的な優遇制度もいろいろ考え合わせながら、それらを盛り込んだ条例案を、早ければ次回の定例会に御提案申し上げたいと考えているところであります。  東京、大阪の両事務所におきましても、現在研修に研修を重ねながら積極的に、不況の中で、そういった企業に、みずからも痛みを感じながら回って御相談に乗っていただきたいという旨、指示しておりまして、近い将来必ずやそういった効果が出てくるものと期待をいたしておりますので、議会といたしましても御協力、御支援を賜りますようお願いを申し上げたいと存じます。        〔十四番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  中心商店街につきましては、やはり本当、都市の顔であります。それと同時に、先ほどは触れませんでしたけれども、郊外店舗に押されてというお話もよく耳にするわけですが、大手のナショナルチェーン、そういった郊外に展開をするような大手の経営不振というものが今深刻になってきておりますし、どこででも買えるものを売る郊外店舗というものは、高度成長の時代には合っておりましたが、今の低成長の時代には合わない。いずれ経営が破綻すると言われております。  こちらの方も、経営不振で退店をされますと都市の活性化が損なわれますので、手をかけていく必要はあると思いますが、それとニーズの反するものを支えていくのがやはり中心商店街の活性化のやり方であろうと思います。  個性ある品物を扱う商店、それから単なる商店への支援だけでなく、人を集めるようなインフラの整備というものが大変大事ではないかと思うわけでございます。  市長におかれましては、そういった懇談なども通じて、実際にニーズを吸い上げていらっしゃいますので、今も眼鏡を外した答弁の中で決意をお伺いしたと理解をいたしますので、今後もよろしくお願いいたしたいと思います。  それから、企業誘致の優遇策の件でございますが、やはり本当に都市の力をつけるには大事な問題でございます。早ければ十二月の定例会に条例案を提出していただくということでございますけれども、問題は本当に内容でございまして、よそで既にとってあるような優遇策では競争力も魅力も乏しいわけでございます。  今市長がおっしゃいましたようなアフターケア、大変大事な問題であると思いますし、それ以外にも思い切った内容、また企業人から見て本当に魅力のある、行ってみたいと思うような内容、そういうことを付加していただきまして、また早急に、先ほどの中心商店街のように企業人からのリサーチを行っていただきまして、実体経済に即した内容での優遇策をつけていただきますようにお願いをいたしておきたいと思います。  お尋ねの、通告の四項目目といたしまして、市民経済を圧迫する交通対策ということで二点お尋ねをいたしたいと思います。  まず一点目に、都市計画道路の関連でお尋ねをいたしたいと思います。  まずお尋ねの前に、私の所見を若干述べさせていただきますならば、この都市計画道路の建設事業というものは、近年取りざたされております公共事業の抑制論の中に含まれるものではないと思う次第でございます。  やはり、都市のパイを大きくして、都市の発展に耐え得るだけのインフラを整備するという意味合いで、他の公共事業と一線を画す必要のあるものであると思うわけでございます。  当然、他の財政運用の面と一緒にしまして、それに関する投資を惜しんではならないものと確信をいたしまして、それを前提にお話をさせていただきたいと思うわけでございます。  ただ、この都市計画道路につきましては、事業の完了までの期間が非常に長くかかっているのは既に御案内のとおりでございます。都市計画道路の計画線上にある土地につきましては、建物を建築するに当たりましても木造二階建てまでというような法の規制がかかっておりまして、事業が短い期間で完了するならば何も問題はないのではないかと思います。  しかし現在でも、道路によりましては既に二十数年を経過した上に、さらにこれから事業完了までの期間が二十数年はかかるのではないかと言われる中にありまして、それだけの法規制がかかっていることは市民経済の圧迫にほかならないのではないかと思う次第でございます。  そこで、いろいろその市民経済の圧迫を解消するような方策を考えてみますと、例えば土地の所有者からの同意書、誓約書的なものが取られれば、移転補償の際には、木造二階建ての移転補償費で構いませんというような内容でも取れれば、その誓約書に基づいて、現在ある木造二階建てまでという規制を緩和してあげてはいかがかと思うわけでございます。  先日の法の改正により木造三階の建築も認められたわけでございますが、法の整合がとれていない今、それすらも計画線上にある土地では建てられないと。これは大きな市民経済の損失であるのではないかと思うわけでございます。  そのような法の規制の緩和ということとあわせまして、全体的な都市計画道路の道路網というものを眺めてみますと、非常に制定時とは不必要な道路もあるのではないかという感がするわけでございます。  先日パーソントリップ調査も行われましたが、そのパーソントリップ調査の結果をもとにして、大胆な道路のネット網ということの理論武装のできたネット論を構築されまして、都市計画道路の事業完了のない道路につきましては計画の見直しをすることも必要ではないかと思いますが、これについてのお考えを賜りたいと存じます。  交通対策の二点目、パーク・アンド・ライドの拠点についてお尋ねをいたします。  交通渋滞が市民経済を圧迫しているというのはどなたも異論のないところではないかと思いますが、この交通問題につきまして、私の所属します平成クラブでは、昨年一年間、会派全体で勉強会、それから討議を重ねまして、会派としての意見書といいますか、提言書を作成いたしました。その中に、重要な課題として、交通渋滞の解消の中で、このパーク・アンド・ライドの拠点づくりというものを取り上げているわけでございます。  パーク・アンド・ライドにつきましては、鉄軌道による高速移動体系の中でしか機能しないのではないかという意見があるのは十分承知をした上で出した提言でございますが、熊本市におきまして、高速移動体系の鉄軌道を使うというのは場所的に非常に限定をされまして、全市的な渋滞の緩和にはならないのではないかと思うわけでございます。  その場合、パーク・アンド・バスライドということで機能させなければいけないわけでございますけれども、やはり乗りかえ拠点になります駐車場並びに高速性の確保という観点から考えますと、バスに乗りかえるだけのメリットが利用者の方にとってはないのではないかと。それでは、パーク・アンド・バスライドの施策を施行しましても実際には機能しないということがあるのではないかと思います。  そこで、その乗りかえ拠点につきまして一つの案を立てております。乗りかえ拠点に車をとめさせる、そこで乗りかえるメリットを与えるために、例えば地域にあります買い回り商店街、これの衰退が言われている現在、その買い回り商店街と協力をして、再開発ビル的な共同店舗つきの駐車場を乗りかえ拠点とすると。  メリットは何かといいますと、そこに朝車をとめた人が、例えば夕方帰るまでの間に車にメモを挟んでおけば、商店街の方から晩のおかずの指定されたものを車にお届けしておきますとか、そういうふうなメリットがないと乗りかえ拠点としての機能がないのではないかと思うわけでございます。  交通渋滞の解消のみならず、買い回り商店街の振興対策、また経済の活性化にもつながりますそういう案に関しましてどのようにお考えになられるかお伺いをいたしたいと思います。        〔田尻紘都市整備局長 登壇〕 ◎田尻紘 都市整備局長  下川議員に二点につきましてお答えをいたします。  都市計画決定されました道路区域内におきまして建築がなされる場合、都市計画法第五十四条により、建物の階数が二階以下、地階を有しないこと、また主な構造が木造、鉄骨づくり、コンクリートブロックづくり、その他これらに類するものということで、道路区域内の皆様にはお願いをいたしているところであります。  議員の御提言は、昨今の社会経済情勢の変化等を踏まえ、この基準の運用について、今後は柔軟な対応が必要ではないかとの御趣旨かと思います。  このことにつきましては、国より、法の運用に当たり、単に事業施行までに長期を要することのみをもって許可基準の緩和を行うことは適切ではないとの考えが示されておりますし、また、これまでに多くの方々に遵守していただいております経緯もございますので、御提言の趣旨は十分理解いたしますが、極めて慎重に取り扱うべき重要な問題であると考えております。  また、都市計画道路は都市圏のネットワークを形成しておりますことから、延長や道路構造等において一部変更を行うことはありますが、計画道路の路線変更もしくは廃止については、当該道路の位置づけが大幅に変更されるなどの特段の理由がない限り大変困難なものであると考えます。  とは申せ、昨年来景気が停滞する中、地域経済の発展のためにもより一層の道路整備が必要不可欠な状況にあります。特に都市計画道路は都市の骨格を形成します基本的施設となりますことから、常に将来の都市づくりを見据えた取り組みが必要でありますので、厳しい財政状況下ではございますが、議会の御理解を賜りながら道路整備予算の確保に努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いを申し上げます。  次に、パーク・アンド・ライド拠点づくりと民活導入についてお答えをいたします。  議員御案内のように、パーク・アンド・ライドシステムは近年、地球温暖化防止や交通渋滞緩和の解決策の一つとして注目されている手法であります。  そこで、本市におきましても、平成八年度と九年度におきましてパーク・アンド・ライドシステムを試行したところであります。  この二回の試行実験によりまして、本格実施に当たりましては、駐車場の確保は当然のことながら、それ以外にも、あらかじめ予想されていたことではありますが、一点目としまして公共交通機関の所要時間の短縮、二点目が右折レーン新設などの交差点改良、三点目としまして交通問題の解決に対して市民みずからが参画していくという意識の向上、四点目としましてマイカー交通を抑制するための交通規制、五点目としまして利用料金の低廉化などであり、これらの課題をあわせて一体的に解決していく必要があることがより一層明確になりました。
     議員御提案の民間活力を導入したパーク・アンド・ライド拠点づくりは、新たな駐車場用地の取得が困難な状況の中で、本格実施に向けた前提条件であります駐車場の確保のための有効な手法と考えられます。  したがいまして、駐車場用地の確保手法につきましては、貴重な御意見として今後の参考とさせていただきたいと思います。        〔十四番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  今御答弁いただきましたが、都市計画道路の規制の緩和につきましては、国からそういう考えが提示されているということでございましたけれども、これは大変無責任な国の考え方であると思うわけでございます。  地方には地方の実情がございますし、地方分権の世であります現在、国の一律的な政策に頼るだけではなく、地方の実情に合った政策をとることが大変必要ではないかと確信をするわけでございます。  ただ、そういった政策をとるに当たりまして、どうしてもその政策がとれないということであれば、市民経済の圧迫を解放するために国に予算を大きく請求しまして、直ちに事業完了ができるような方策をとるべきではないかと思うわけでございます。  どちらの政策をとられるかはお任せをいたしたいと思いますが、市長さんには、どちらかの政策をとっていただきまして市民経済の圧迫を解放していただきますようにお願いをいたしたいと思います。  それから、パーク・アンド・ライドの拠点づくりにつきましては、私ども平成クラブの会派全員で一生懸命知恵を絞って出した案でございます。参考にしていただきまして、しっかりとした交通対策を一日も早く立てていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。  五番目としまして、市民の健康で文化的な生活の確保についてということでお尋ねをいたします。  ちょっと時間が押してまいりましたので、簡潔に要点のみお尋ねをさせていただきたいと思います。  最近日帰り手術というものが全国各地で実施をされるようになってまいりました。日帰り手術で医療費が抑制できるだけではなく、空きベッドを確保して、高度医療をより多くの人に提供させるということが可能になってくるわけでございます。  将来、医療費の定額制が導入されるというふうにも聞き及んでおりますけれども、質を落とさずに医療コストを下げるという意味合いからも非常に有効な手段ではないかと思うわけでございます。  市民病院におきまして、両面の意味から、この日帰り手術というものを導入されてはいかがかと思うわけでございますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  また、この医療コストというのを逆の方向から考えましたときに、レセプトの問題がございまして、最近、東京の方である会社のデータを見させていただきましたところ、二百万枚のレセプトを専門の民間会社に外注審査を委託したところ、六億円程度の差し戻し審査要求というのがございまして、そのうち、きちんと再審をいたしましたら二億円程度が払い戻しになったケースがあるというデータを見ることができました。  現在、本市で国保で扱いますレセプトにつきましても、こういった外注審査を活用するなどして適正な審査を行えば、億単位の保険料が払い戻しになることもあるのではないかと思いますが、この審査を委託されるなり何なりで適正な運用を図られるお考えはないかお伺いをいたしたいと思います。  それからもう一点、NPOの問題でお尋ねをいたします。  NPO(ノン・プロフィッツ・オーガナイザー)というものが世間をにぎわわせましたといいますか、法案が成立をしまして、今認識が広がりつつあるところでございます。NPOというと何かまだわかりにくい部分もあるのですが、民間非営利の団体で、独自の、特別な社会目的を持って活動する団体というふうな定義づけがあるようでございますが、このNPOに関しまして今市民権が与えられようとしております。  このNPO法への対応というものは本市ではどういうふうに考えていかれるかお尋ねをしたいと思います。  ボランティア相談窓口というものが今市民交流サロンの中に設けられまして懸命な活動を続けていらっしゃいますけれども、ボランティアということとNPOとはちょっと質が違うようでございまして、単にボランティアだけではなく独自の社会目的で活動するということから、任意団体の枠の中にあるそのNPO団体を正式なNPO団体として自立させ運用させていくというような支援を考えるべきであろうと思います。  先日、鎌倉市長の講演内容を映したものを見る機会がありましたが、鎌倉市では、市税関係の優遇措置だけではなくNPOセンターなどへの設立の支援をしまして、市民の手による社会奉仕という活動を支援する政策を全国の中では一番多くとられているようでございます。  本市におきましても、NPOの自立への支援だけではなく、そういったNPOセンターの設立ということに向けて取り組んでいくべきではないかと思うわけでございますが、このNPOへの支援につきましてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。        〔工藤磐保健衛生局長 登壇〕 ◎工藤磐 保健衛生局長  下川議員にお答えいたします。  近年の著しい医療の進歩の中で、患者さんの体に負担の少ない腹腔鏡下手術などの手術方法が開発され、日帰り手術が可能となってまいりました。  その技術を導入してベッドの稼働率を上げ、より多くの市民に高度医療を提供すべきではないかとのお尋ねでございます。  熊本市民病院では、残念ながら現在のところ限られた疾患にしか対応ができておりません。  この日帰り手術を行うには、日帰り手術ができる疾患であること、手術後の合併症の心配がないこと、患者さんが希望すること、患者さん及び家族の方が医師、看護婦等の説明を理解し協力していただけること、生活自立上、大きな問題がないことなどの条件が整うことが必要でありますが、この日帰り手術は、医療コスト面のメリットも大きく、また、より多くの患者さんの要望にこたえるためにも、今後医療技術者のレベルアップに努め、難度の高い日帰り手術ができるように努力してまいりたいと存じます。        〔市原敏郎市民生活局長 登壇〕 ◎市原敏郎 市民生活局長  お答え申し上げます。  国民健康保険のレセプト審査につきましては、審査機関である国民健康保険団体連合会において内容審査を行いますが、各市におきましてはさらに資格点検と内容点検を実施いたしております。  議員御指摘のレセプト審査につきましては外部委託の方法もございますが、現在、本市におきましては、資格点検につきましては電算を活用した国保加入者の資格チェック、また内容点検につきましては独自に専門の点検嘱託員によりレセプト請求点数の誤りや重複請求などの点検を実施いたしております。  この点検により、平成九年度におきまして、国保が三億八千万円、老人医療が五億九千万円余の医療費の過誤調整を行ったところであります。  厚生省の発表によりますと、平成八年度の全国平均の国保被保険者一人当たりの医療費二十万八千円に対する費用効果は二千七円となっており、本市は二千百四十九円となっており、全国平均を上回っております。プラス効果が出ております。  今後とも、医療費適正化のためさらに努力をしてまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。        〔小山和夫市長室長 登壇〕 ◎小山和夫 市長室長  NPOへの対応についてお答え申し上げます。  ただいま議員の御発言にもございましたボランティア活動推進コーナーでございますが、本年七月に市民交流サロンの中に設置いたしまして、個人や団体のボランティア活動の支援に取り組み始めたところでございます。  このコーナーでは、現在のところボランティアの募集やこれに伴う養成講座の開催などについての情報を収集し、市民の方々に提供するとともに、ボランティアに関する相談やボランティアの登録、紹介を行っており、またグループの交流の場としても利用していただいているところであります。  NPO法への対応につきましても、このボランティア活動推進コーナーにおきまして、法人としての認証を受けようとする団体を含め、各種団体に対しNPOに関するさまざまな情報を提供するとともに、相談に対応してまいりたいと存じます。  また、NPOの活動に対する支援についてでございますけれども、今後、本市のまちづくりの中でNPOは重要な役割を担うと期待されていると存じますし、NPO法に基づく法人のみならず、その他の団体の自主的な活動に対する支援策を検討していく必要があると存じます。  ただ、支援方法につきましては、議員も御指摘がございましたように、税制上の優遇措置あるいはNPOセンターの設立などさまざまな対応が考えられるところでございますが、今後、国、県、あるいは関係団体の対応を踏まえ、関係部局と調整を図り、NPOの活動がさらに活発となるよう環境整備に努めてまいりたいと存じます。        〔十四番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  日帰り手術につきましては、確かに技術の蓄積というものが必要でありますので、即刻できるとは思っておりません。ただし、市民の健康と生命を守るために必ず将来必要になると確信するわけでございますので、今からしっかりと技術を蓄積して努力していっていただきたいと思うわけでございます。  またレセプトの審査につきましては、きちんとした審査ができるならばわざわざお金をかけて外注する必要はないわけでございます。内容が適正であって、適正な支出であれば問題はないわけでございますが、今後、外注審査あたりの方策も含めまして、一層の効率的かつ適正な運用ということをお願いいたしておきたいと思います。  またNPOの問題につきましては、まずは交流サロンにおきましてしっかりと相談に応じていただきたいと思います。  ただ質問の調査段階で感じましたことは、NPOの概念と、その認識というものが、一般市民、また本市内部ですら全体には行き渡っていないということを感じたわけでございます。この場をきっかけとしてしっかりと認識して取り組んでいただきたいと思います。  ただし、税の控除とか、市のシステムによりますところは別としても、本来このNPOへの対応といいますか、NPOの運用というものは民間の間で支援して活動していくべきものであるという認識を私も持っております。  ただ、そこでの行政の役割と言いますか、ここでその役割をお尋ねした本意といいますものは、民間が例えばマンション型財団などをつくってNPOの相互支援というものができるような最初のシステムの取っかかりを行政の方で支援していただきたいというのが本意でございます。  行政がそこら辺の指導をしっかりとやっていただきまして、社会全体で取り組めるような枠づくりのきっかけの作業に取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  質問通告の六番目、快適な市民生活のための環境対策についてということで四点お尋ねをいたします。  まずは、ゼロエミッション社会に関しましてお尋ねいたします。  本市の環境保全都市宣言の中に循環型社会の構築ということが挙げられておりますが、最近そういったことの概念としまして、ゼロエミッション社会という概念が出てきております。  これは、あるところでは不要なものがあるところでは必要になって、そういった循環をさせることにより廃棄物を抑制するという概念でございますけれども、ゼロということが不可能というわけで、ローエミッションとかミニマムエミッションというような言葉も使われているわけでございます。  本市では、この循環型社会、ゼロエミッションの社会を構築するためにどのような事業を行っていかれるのか。また、今後それを推進して、本当のゼロエミッション社会を構築するためにどのようなシステムづくりを推進されて、実現に向けての努力をされるのかお考えを賜りたいと存じます。  その廃棄物に関しまして、パソコンのリサイクルとしての学校への寄附のシステムができたらいかがかと思うわけでございます。  パソコンにつきましては先日ウインドーズ'98、その前のウインドーズ'95の効果によりまして大量に販売がなされまして、二〇〇二年には、この寿命の来たパソコンの廃棄が問題になると言われておるわけでございます。  現在のところは中古パソコンとして非常に安い値段で流通をしているわけでございますが、値崩れを起こして廃棄されるパソコンがふえて社会問題になるのではないかと言われる中にありまして、その廃棄対策というものは今のうちから考えておく必要があるのではないかと思います。  ただ、そこでの廃棄対策ということを考えておりました折に、文部省の通達というものが非常に気になったわけでございます。文部省の意向によりまして、各学校へのパソコンの導入というものが言われておりますが、やはり各自治体での予算不足などでなかなか進まないのが現状でございます。  ただ文部省側は、学校に必ずパソコンを配置するということで、現在インターネットに接続する学校用のドメインなどの各種条件整備が進んでおりますけれども、これを実現するために廃パソコンを利用してはいかがかと思うわけでございます。  先日も国連の方が、一千六百台の中古パソコンを再利用のためにということで寄附を行っておりますが、この廃パソコンと学校への導入という両面の解決のために中古のパソコンを学校へ寄附するというシステムをつくってはいかがかと思いますので、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  続きまして、北部町での環境汚染といいますか、埋蔵物の問題についてお尋ねをいたします。  先日週刊誌並びに新聞あたりの報道にございましたが、全国五十四カ所におきまして一九七一年に林野庁の枯れ葉剤が埋設をされたという内容の報道があっておりました。中には通達どおりの適正な処理が行われずに埋蔵した地区がありまして、ダイオキシンの流出事故があったところもあるというふうな内容でございましたが、その埋設箇所に本市の北部町が記載をされておりました。  この北部町は本市の水脈の上流にもなりますし、環境に対する影響、または流出の事故というものが懸念されるわけでございますが、埋設された事実関係と環境影響調査については本市では行われているのか、行われているとすればその内容についてお聞かせをいただきたいと思います。  環境問題の最後の一点としまして、先日のO157騒ぎをきっかけとしまして、初流水といいますか、水道を利用する前に五分程度水を出しておくことということが、文部省より学校給食センターなどを中心に通達があっております。これについては昨年の議会におきましても、補正予算の中で一億九千万円程度だったと記憶いたしますが、水道代の増額補正を組んだ経緯もございます。  ただ、このお金の問題で予算を圧迫するということだけではなく、本市の清冽な地下水をその初流水で出しっぱなしにするのは、水資源の問題からして非常にもったいないのではないかという気がいたしまして、私もその水道システムの問題をちょっと眺めてみますと、本市のシステムではその五分間の初流水は必要ないのではないかという感がいたしております。この問題については環境部局並びに水道局におかれましては、しっかりと研究をして水資源の節約に努めていただきたいと思うわけでございます。  ただ、そういった形での地下水のむだ遣いとも言うべき問題を考えますと、やはり雑用水、例えば車を洗ったり、庭にまく水については河川水などの表流水を利用してはどうかという感覚がぬぐえません。  以前もこの問題についてお尋ねをしたことがございますが、その際は検討いたしますというお答えをいただいておりました。その検討結果についてはどうなったかお聞かせをいただきたいと思います。        〔澤田幸男環境保全局長 登壇〕 ◎澤田幸男 環境保全局長  下川議員にお答えいたします。  快適な市民生活のための環境対策について四点のお尋ねでございます。  まず、議員御提言のゼロエミッションは、産業活動における環境負荷を提言する新しい産業システムとして近年注目されているものでございます。  本市におきましては、平成七年九月に、市議会の全会一致の御賛同を得て実施いたしました「環境保全都市宣言」において、今後の都市づくりの基本方向といたしまして、環境負荷をかけない循環型社会を構築していくことといたしております。  平成九年三月には、本宣言の実現に向け、十年後のリサイクル率の三倍増を計画目標といたしました「熊本市ごみ処理基本計画」を策定し、本年度からは、週一回の古紙回収やペットボトルの分別回収など、収集体制を大幅に変更して家庭ごみのリサイクルの推進を図っているところでございます。  さらに、事業者に対しましては、平成八年度に、環境管理監査システムについてISOの考え方を取り入れました熊本市版のガイドラインを策定し、平成九年度からはモデル事業所を指定し、環境負荷の少ない事業活動について実践活動を推進しているところでございます。  現在、このモデル事業所において、事業活動で生じる廃棄物でありますペットボトルを使った制服の作成、また、ホテルにおいての使い捨て歯ブラシなどのサービスの停止など、独自の取り組みが進められております。  本市といたしましては、今後とも、環境に優しい事業活動に対する指導、支援活動などにつきまして積極的に推進するなど、ゼロエミッション社会、いわゆる循環型社会の構築に向け、市民、事業者、行政が一体となった取り組みを進めてまいる所存でございます。  二点目の学校へのパソコンの寄附についてでございますが、御案内のようにパソコンの発展は日進月歩でございます。世代交代が急速に行われておりまして、企業におきましては三、四年で機種の交換が行われており、その都度、多量のパソコンが廃棄される結果となっております。  しかし、これらの廃棄パソコンはほとんど中古パソコンとして、また故障したパソコンは交換部品として、中古パソコン市場に流通しているのが現状のようでございます。そのため、市内の金属回収業者で処分されている廃棄パソコンの量は少なく、月に数台程度と聞いております。  しかしながら、議員御指摘のように、今後廃棄パソコンの量はますます増加していくものと考えられ、再使用できる中古パソコンでも、将来は廃棄物として処分されることも想定されておりますことから、議員御提案の廃棄パソコンの寄附につきましては、学校等で再活用が図られれば、リサイクルの観点、経費の節減などからも有効な方法であると考えております。  今後、使用できる廃棄パソコンの排出者に対します啓発と再活用の方法について関係機関との協議が必要であろうと考えております。  次に、旧北部町枯れ葉剤埋蔵の件でございますが、議員御指摘のとおり、ダイオキシンを含む除草剤が旧北部町を含む県内国有林内三カ所に埋設されておりますことを昨年八月新聞報道で知りました。早速熊本営林局及び熊本営林事務所を訪ね、除草剤の処分状況、埋設箇所の管理状況について確認いたしたところでございます。  まず、除草剤の処分状況につきましては、熊本営林署が昭和四十六年十一月五日付林野庁通達を受けまして、四十七年五月、旧北部町に所在する国有林内に、一千二百九十五キログラムの除草剤をコンクリートで固め、ビニールシートで包み埋設処分したということでございます。  次に、埋設箇所の管理状況につきましては、国が設置しました専門家によります検討委員会が、除草剤埋設箇所から周囲への移動を認められなかったとの結論を出しておるところでございます。  最後に、安全性の確認でございますが、冒頭にも申しましたとおり、関係機関へ出向くとともに、現地の確認調査を実施しましたところ、現地の状況は、表流水が集まるような場所ではなく、また近くには沢や人家もなく、林野庁通達に基づき適正に管理されており、日常生活面や地下水に対しましても特に問題があるというような状況下にはないと判断いたしました。  しかしながら、問題の重要性にかんがみ、本市といたしましては、今後も引き続き営林局に対し管理の徹底はもちろんのこと、的確な情報の提供を強く求めておるところでございます。  最後に、地下水保全対策としての表流水を雑用水へ利活用する件でございます。  議員御提案の、使用目的に応じて水資源を利用していくことは、熊本地域の地下水を保全する上で最大の懸案でもあります。水収支の不均衡を解消する手だてとして具体的な提案でもございます。  そこで、種々検討いたしておりますが、表流水の雑用水への利活用を図る上では、水利権の問題や施設建設費など解決すべき多くの課題がございます。このようなことから、現時点での表流水の利活用は難しいと判断し、現在可能な方法として、雨水や下水道処理水を利活用していくことといたしております。  このような中、平成九年度から、屋根に降りました雨水を不用になった浄化槽に貯留し、散水や洗車などに活用するための助成制度を開始いたしております。  また、今後の施策の展開といたしましては、さらなる雨水の利用促進や下水道処理水の活用の具体化に向け、関係部局の協力を得ながら積極的に進めてまいりたいと考えております。        〔十四番 下川寛議員 登壇〕 ◆下川寛 議員  四点、たくさん質問をしたわけでございますけれども、まずゼロエミッション社会といいますか、単純に廃棄物を出さないということだけではないのではないかと思います。この社会を本当に構築していくためには、企業間での、一方の廃棄物を一方で原材料にするとかいう、そういった企業連携というものが大変に必要であると言われているわけでございます。そういった面での企業の集団化や総合的なもののフローというものを考えるために、そのための対策とシステムづくりというものもあわせてしっかりと進めていただきたいと思います。  また、パソコンの学校への寄附ということにつきましては、まだパソコンが家電リサイクル法の対象品目となっておりませんので、将来的に非常に問題を残すことも想定をされております。できれば今のうちにシステムをつくっていただきたいと思うわけでございます。  ただ、答弁にありました関係部局というのは教育委員会のことであろうと思うわけでございますが、パソコンの機種が違うから、キーボードが違うから指導がしにくいからちょっとねというような話を耳にすることもあるわけでございますけれども、文部省が推進しております本意といいますのは、とにかく現在の単なる道具として子供たちにパソコンになれさせる、そして例えばインターネットなどにつないで、現在の情報化の時代に対応できるということが本筋であると聞き及んでおります。  そういった意味で、単純にパソコンになれれば問題は解決するわけでございますので、その辺をよく教育長さんにも御理解の上、協議を受けていただきたいと思うわけでございます。  また、北部町の枯れ葉剤の問題につきましては、安全が確認されていればそれで私らは何も言うところはないわけでございます。ただ、今後も引き続き定期的な監視等を行っていただきまして、環境に影響のない状態での監視をお願いいたしたいと思います。  それから、表流水の利用の問題につきましては一応検討はされているようでございます。ただ、施設建設費などは、民間の大規模開発などを利用すれば、市が出さなくてもできるようなところはあるのではないかと思います。本市の清冽な地下水を、不必要なこと、飲むこと以外に使うということについてやはり釈然としない面もございますが、水利権云々などの問題を言いますと、そこで検討もとまってしまうわけでございます。  実現可能なことを探って努力されているのは認めますけれども、現代には整合のとれないようなさまざまな権利とか、法の規制を撤廃する努力をするということも大変大事なことであると思いますので、行政の今後の姿勢として肝に銘じていただきたいと思います。  質問の最後に一点だけ要望を申し上げたいと思います。  生ごみ処理機のモデル地区指定というのが本年の事業の中に挙げられているわけでございます。生ごみ処理につきましては以前私も、ディスポーザーという、生ごみを処理施設に持っていかずにそのまま粉砕して下水道に流すシステムについてお尋ねをして、検討するという答弁をもらっておりましたけれども、時代の流れとともに、そういったディスポーザーよりもっといい機械ができてきたわけでございますので、それを採用していただくことについては何ら異存はございません。
     ただ、そのモデル地区を指定されるに当たりまして、聞くところによりますと、団地等の五十戸程度でモデル地区指定をされるようなお話も聞き及んでおりますが、モデル地区に指定をしても実際活用していただかなければ何の意味もないわけでございます。  地元の話で大変恐縮でございますが、私どもの尾ノ上におきまして「みどり会」とか「さくら会」とかいう御婦人方の会がございまして、コンポスターについても数十台を購入されて、毎回熱心にボカシづくりによる堆肥化、それから暇なときには集まられて廃油石けんづくり、また、洋服のはぎれを利用した、再利用での小物づくりをして、独居老人家庭などに慰問に行かれるなど、本当に熱心にリサイクル、環境問題ということに取り組んでいらっしゃる団体もございます。  会員数全体で言いますと数百名に上りますので、ぜひそういった熱心に活動していらっしゃるところに対してモデル地区の指定をしていただければ効果のほどがより発揮できると思いますので、一度お考えをいただきたいと要望をいたすものでございます。  大変に時間が迫ってまいりましたが、このほか福祉と教育の問題は所管委員会に所属をしておりますので、そちらの方で行わせていただきたいと思います。  本日は答弁の中で、かなり検討するというような答弁をいただいておりますが、検討するというのはやらないという意思表示であるという話も聞いたことがございます。検討すると言われたからには、本当に検討して報告をしていただきたいと思うわけでございます。  今議会の中でも、以前の検討結果はどうだったかとこの場で質問される議員さんの話もよく耳にするわけでございますが、私らがここに立つ時間というのは限られております。きちんとした検討後の報告があれば私らがここでまた再度聞くこともないわけでございまして、私たちにむだな時間を使わせないように報告をいただきますように、この場をおかりしてお願いをいたしておきたいと思います。  また、本日いろいろ提案を交えてお尋ねをしたわけでございますけれども、本日に限らず、私個人の質問のスタンスとしまして、お尋ねをするに当たっては必ず自分でベストと確信をした事例を挙げながらお尋ねをすることとしております。  ただ、ゼネラリストを自認する悲しさでございますけれども、その提案案件がスペシャリストから見れば必ずしもベストとはいえないという部分もあるかと思います。  ただ、往々にしまして素人の考えがプロの気がつかない妙案であったりするわけですけれども、本日のこの質問もそういういい方向に転ぶ議論のきっかけとなりまして、今後の本市が不公平感のない、またどこから見ても事業に対する理論武装のしっかりできた先進的なまちであることを切実に希望しますとともに、ぜひ私も二十一世紀にもこのまちのお手伝いができることをお誓いいたしまして、質問を終了いたします。長時間の御清聴まことにありがとうございました。(拍手)      ───────────────── ○中沢誠 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後二時に再開いたします。               午後十一時五十五分 休憩               ────────────               午後 二時  二分 再開 ○主海偉佐雄 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。      ───────────────── ○主海偉佐雄 議長  質問を続行いたします。重松孝文議員。        〔七番 重松孝文議員 登壇 拍手〕 ◆重松孝文 議員  日本共産党の重松孝文です。三角市長とまみえる最後の質問の機会になるかもしれませんので、今回は市長への質問を中心にしてまいりたいと思います。眼鏡を外して本音で答弁していただきますようお願いいたします。  それでは、通告しました質問の順序を一部変更いたしまして、順次質問してまいりますので、よろしくお願いいたします。  まず、三角市長の基本姿勢にかかわる問題で二点お尋ねをいたします。  一つは、情報公開条例実施に当たっての姿勢であります。  先般、熊本地裁におきまして判決が下されました。県の条例をめぐる争いではありましたが、条例施行を目前にしております本市にとりましてもよそごとでは済まされない中身になっております。  十月一日から実施されます本市の情報公開条例は、知る権利、原則開示を明記するなど積極的な面も持っておりますが、非公開の対象が行政の裁量に任されている範囲が広くなっております。さきの熊本地裁の判決に照らして見ますと、改善を求められていると考えられます。  そこでお尋ねいたしますが、三角市長は先般の熊本地裁の判決をどのように受けとめられたのでしょうか。この判決は、懇談会の相手が公務員であっても民間人であっても、職名も氏名も公開にすべきだと明快な判決を下しました。この判決の水準と、第一回定例会での三角市長の答弁には随分乖離があるようであります。  知る権利に基づく情報公開条例の活用は行政への信頼の回復で市民の参加協力を得るのか、それとも行政への不信を強めるのか、その分水嶺となっているのです。  全国的にも、高知県政への信頼の高まりと、我が福島県知事への批判の高まりの差を見ればよくおわかりだと思います。三角市長はどちらの道を選択するのでしょうか。  第一回定例会後の判決でもあり、十月一日の条例施行直前の判決でもあります。いや応なしに態度決定が迫られることになると思いますが、この判決に十分耐え得るものを目指すつもりでありましょうか。それとも、それに不服として控訴した県と同じような立場に立っているのでしょうか。四年間で随分懇談もしていると思いますので、これまでのことも振り返りながら、個別具体的に明らかにしていただきたいと思います。  二点目は、消費税減税についてのお尋ねであります。  今日の不況の原因についてはこれまでも種々論議してまいりましたので繰り返すことはやめますが、小渕内閣のもとで打開の道が見えないだけでなく、ますます深刻の度を加えております。これまで持ちこたえてきた中堅企業でさえも、いつつぶれてもおかしくないと言われる状況となっております。  一方、世界の経済もかつてない深刻な事態に直面しております。こうした中、国政のレベルでは、消費税減税への決断と銀行の負担を原則とする不良債権処理が一刻の猶予もできない事態となっております。国民の消費税減税を求める声は日に日に大きくなるばかりです。  最近では、経済の専門家だけでなく、あの消費税増税論者であります中曽根元総理まで、消費税減税で景気刺激をすべきではないか、このように発言するようになりました。IMFも日本政府に消費税減税を求めております。そうです。実体経済を上向きにさせるにはもうそれしか残されていないのです。  恒久的減税などと言って、国民の八割、九割が増税、一部の高額所得者だけが減税になるようなごまかしの減税をやっても、消費が伸びるどころか一層冷え込むだけであります。  市長も、今回補正予算で計上した景気対策くらいではシュンとも言わないということはおわかりだと思います。今こそ、国民の苦しみを一番身近なところで肌で感じている自治体の長がはっきり物を言うべきだと思います。  新潟県の上越市長は、これまでかたくなに拒否していましたが、最近、「今の景気に大変不安を持っている。消費税にさわらないともう立ち行かなくなるのではないか。」とこう言って、さらに「国の方から引き下げるとは言いにくいだろうから、地方から声を上げていく必要がある。」こういう見解を発表しております。  そこで市長にお尋ねいたします。三角市長、あなたは政府に対して、熊本市民を代表して「消費税減税を急げ」と主張するつもりはありませんか。ぜひはっきりと言ってほしいと思います。いかがでしょうか。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  ただいまは重松議員より、今回で最後だという判決を下していただきましたので、それを頭に入れ、心して答弁を申し上げたいというふうに思います。  いよいよ十月一日には情報公開条例を施行する運びとなりました。現在、その施行に向けて、窓口の開設を初め市民の皆さんへのPR等、諸般の準備を行っているところでございます。  情報公開条例への私の基本的な考えでございますが、三月議会でもお答えをいたしましたとおり、条例前文にもございますように、市政は市民の厳粛な信託に基づくものであり、市政の運営状況は、主権者たる市民の皆様に十分に説明される必要があると考えております。  情報公開制度は、この説明責任を十分に果たし、市民と市政の信頼関係をさらに強め、市民が主体のまちづくりに大いに寄与するものであると認識しております。  情報公開に関しましては、既にこれまでも最高裁判例を初め多くの判例があるところでございます。各自治体の情報公開条例は、その基本的な精神は共通しておりますが、規定の仕方は多様でありまして、類似の事案であっても異なる判断となるところもあり得るところでございます。  議員御指摘の、先般の熊本地裁判決につきましても、これらの判例の一つとして厳粛に受けとめるとともに、現在控訴中のようでございますので、その推移につきましても注意深く見守りたいと考えております。  次に、懇談会の相手方の公開についてのお尋ねでございます。  一口に懇談会と申しましても、御承知のとおりさまざまなものがあるわけでございまして、原則開示としつつ、個人のプライバシーも最大限に保護しようとする条例の趣旨に沿いながら解釈、運用を行うつもりでございます。  原則的には、本市の職員は、職、氏名とも開示、相手方が公務員の場合は職を開示し、民間人の場合は職、氏名とも不開示とすると考えております。  なお、条例には公益上の理由による裁量的開示の規定も設けておりますので、この規定の適用につきましても厳正に検討してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、本年三月に御可決いただきました条例の趣旨に沿いまして制度の運用に努めてまいりたいと思いますので、よろしく御理解をいただきますようお願いをいたします。  次に、消費税減税についてのお尋ねでございます。  経済対策としての消費税減税を国に対して要望してはどうかというお尋ねであります。  現在の我が国の経済情勢は、個人消費の停滞、企業倒産の増大、雇用情勢の悪化など極めて深刻な状況にあります。国においては、このような経済状況から、景気対策を最優先課題として総合経済対策を施行するとともに、我が国経済再生のため、金融システムの抜本的な見直しや本年度中の二次補正予算の編成と、新年度予算におけるこの補正予算を活用しての十五カ月予算の編成、さらには恒久的な減税の実施を柱とし、我が国経済の再生に取り組む方針を明らかにいたしております。  この中の減税につきましては、我が国の将来を見据え、より望ましい税制の構築に向け抜本的な改正を目指すもので、六兆円を上回る規模で実施されることが示されており、その具体的内容については現在国において検討がなされているところでございます。  このような状況の中での消費税減税についての御指摘でありますけれども、この問題は、直接税と間接税の割合をどうするかという問題を含む、我が国の税体系全体にかかわる国政レベルの問題であると認識をいたしております。  減税はさきにも申し上げましたように、国の減税が地方税減に大変な影響を与えておりますし、その旨特別な措置を国の方に訴えてきたところでございますけれども、そのように地方自治体の財源につきましてもマイナス面があるならばプラス面を考えていかなければならないと。そういうことで、国税において財源のプラス、マイナスを十分考慮して物を申していかなければならないというふうに考えておるところでありまして、マイナス面だけの要望という形ではなかなか通っていかないというふうに思います。  私ども地方から見た国のプラス要因というふうなことを十分検討していきながら、この減税についての要望は図っていかなければならないというふうに考えておるところでございまして、その問題については、市長会等々で分科会をつくって今きめ細やかに検討中でございまして、そういう形で、いずれ結論が出ましたならば市長会として国に申し入れをしていくつもりであります。        〔七番 重松孝文議員 登壇〕 ◆重松孝文 議員  市長の情報公開条例に対する態度、非常に残念であります。先般の地裁の判決についてはほとんどまともに受けとめている態度ではありません。やはり、今県民から批判を受けております福島知事とほとんど変わらない水準だということを実感いたしました。この水準で十月から始まる条例施行に本当に十分にたえることができるのでありましょうか、大変心配いたしております。  また、消費税についてははっきり申されませんでしたが、今本当に大変な状況になっていることをやはり市長はよくおわかりになっていない、そのことを改めて痛感したところであります。ここで議論はまた繰り返しませんけれども、ぜひそこのところをしっかり今後とも見ていただきたいと思います。  続きまして、行政改革と市職員の特権制度の見直し問題について、市長のお考えを示していただきたいと思います。  私は今問題になっておりますいわゆる芸能ショー「市職員家族の集い」あるいは退職に関連してのやみ昇給、休暇など一連の問題についての市長の態度表明、記者会見の内容などを聞きまして、市長としての見識のなさ、責任逃れの態度に愕然といたしました。  この問題が明らかになってから、市長は、私は知らなかったという趣旨のことを最初に言われております。そして記者会見でもそのことを聞かれて弁明に終始しております。本当に知っていたのか、知らなかったのか、それはまさに内心の問題ですから、市長自身にしかわからないことであります。  しかし、本来、だれよりも知り得る立場にいたこと、そしてだれよりも知っておくべきであったこと、このことについては市長も否定ができないはずであります。ですから、幹部職員初め市職員の目にも、そして市民の目にも、市長が知らなかったと発言したことは極めて不自然、異様にしか映っていないのです。  市長、あなたが知らなかったと言えば、その後どういうことになりますか。結局、知っていたのはだれか、知っていて市長に伝えなかったのはだれかとなるではありませんか。まさに市長一人がいい子になって、責任逃れを最初にしてしまったということ以外の何物でもありません。そして幹部職員が悪者になってしまいます。まさに逆立ちだと思います。  私は三年半余り、この議会の場から市長の言動を見ておりまして少しは評価できる部分もあると考えておりましたが、この知らなかったという発言を聞いて、市長としての評価は全くゼロになりました。  この発言の意味を市長はまだよくわかっておられないようであります。記者会見で「今後は決裁権を持つ幹部職員と私の気持ちを一体化して、市民のおとがめをいただかないよう任せられるようにしたい」このように答えておりますが、要するに決裁権を持つ幹部職員が悪かったということ、自分と一体化していなかったから幹部からきちんと報告がなされなかった、また一体化していなかったから任せられなかったと、ここでも責任逃れしているではありませんか。決裁権者との関係を言う前に、市長自身の責任をはっきりさせることが先決であります。  毎年査定を行い、「芸能ショー」でも三年も主催者としてのあいさつを繰り返しておきながら、このことに問題があるのではないかと、なぜ少しでも気づかなかったのか、みずからの非をまず反省するのが長としての責任であります。もう四年目であります。「知らなかった」などという言いわけが通用しないことなど、普通に考えればわかることであります。  結局、市長、あなたに知らなかったと言わせたのは自己保身以外の何物でもありません。また幹部職員を信頼していないからにほかなりません。市長としてはそれだけで失格だと思います。市長が幹部職員を信頼せずに、国や県から幹部の移入人事を行ったことのツケが回ってきたのではないかと思います。なぜ一番責任がある市長が、知らなかったなどと責任転嫁をしようとしたのですか、はっきりしてください。  このことをあいまいにすれば、あなたがこれからされようとしております特権的制度の全庁的洗い出しに職員の、本当の意味での理解と協力は得られないと思います。  私がこれだけ厳しく言うのは、いまだに本当の意味で市長に反省がないと感じるからであります。一連の問題の解決に当たって、「社会経済情勢に見合ったものにしなければならない」と述べていますが、本当にその程度の認識で済ますつもりでありましょうか。  なぜ、これほど市民からの批判が強いのか全くわかっておられない。「社会経済情勢」などと人ごとみたいに言わないでもらいたいと思います。それだけでは、これだけ大きな怒りになるはずがありません。率直に言わせていただきます。  市民の怒りが大きいのは第一に、今進められております行政改革が逆立ちをしているからであります。行革元年といって最初に手をつけたことは何でしょうか。使用料、手数料の一斉大幅引き上げではなかったですか。その後も、下水道料金、保育料、固定資産税等々、まさに国の消費税、医療費値上げなど、九兆円負担増に追い打ちをかけるような値上げ攻勢をしてきたではありませんか。  しかも、その最大の理由が「お金が足りない」「受益者負担」でありました。この時期、一番お金が足りなくて悲鳴を上げていたのは、あなたが守らなければならない市民だったのではありませんか。これだけ市民に負担を求めながら、内部に目を向けて不当な支出がないかどうか、むだ遣いがないかどうか、まともな見直しをしてこなかったからではありませんか。  市長が、行革のスタートに当たって、まず内部の改革に目を向けておれば、今回の問題にも当然気づいたはずでありますし、幹部職員もそれに沿った報告をしたはずであります。内部問題はそこそこにして市民には冷たい、この態度に市民が怒りを持つのは当然であります。  行革との関連で言えばもう一つあります。敬老祝い金を勝手に商品に変えてしまい、さくらカードも、市外に出るときは一たん市の外れでおりなければ通用しないようにしてしまわれました。  敬老祝い金を品物に変えるに当たって、高齢者の意見を少しでも聞いたでしょうか。何一つ聞かず突然カタログを送りつけて「どれか選びなさい」と、まさに市が恵んでやっているという横柄な態度であります。どれほど高齢者の心を傷つけたと思っているのでしょうか。  福祉を五十年前、百年前の救貧制度、恩恵制度に引き戻してしまわれました。新聞等にも「周りのみんなも祝い金で果物や甘い物を買うのを楽しみにしていたんです。年寄りの声も聞かずにいきなり品物に変えるというのはどういうものでしょう。」こういった声が相次いで寄せられております。  さくらカードもそうであります。山鹿の温泉や、市外の「こころの病院」などに出かけているお年寄りが、市の外れで一たんおりて、また乗りかえているところを、市長、見たことがありますか。おりるときにカードを見せながら「済みません、済みません」と何度も言いながら、また同じバスあるいは次のバスを待って、また「済みません」と言って乗ってきているではありませんか。  さくらカードを使うことが、何か悪いことのように思わせてしまう仕組みになっております。せっかくの福祉制度がお年寄りの気持ちをずたずたにしております。一番大事なときに双方向の対話が欠落しているからであります。  こうして行政改革の名のもとに、財政的にも、また気持ちの上でも市民に大きな負担をかけながら、一方で芸能ショーは税金丸抱え、こんな仕打ちに怒りを持たない方がおかしいのです。  第二は、市長が市民の暮らしの実態を真剣に把握しようとしてこなかったから、市民の感覚からずれてしまい、社会経済情勢云々と弁解せざるを得なくなったのであります。  私の前回の質問で、市民がどんなに厳しい生活と経営状態にあるか、日々の暮らしに追われている姿を具体的に例を挙げながらどう思っているのかをお聞きしましたが、そのとき市長あなたは、アンケート調査の例を引きながら、「市民は大方今の生活に満足していると思う。」こういう見当外れの答弁をされました。  それが今になって、社会経済情勢などと言うこと自体が無責任だと思います。堺屋太一氏が「国民への消費税など九兆円の負担増は橋本内閣の失政」と批判をしておりますが、あなたのやったこともまさに失政だったのです。このことに何一つ反省がないのであります。  橋本政権と自民党は、この問題で国民的批判を浴びて退陣に追い込まれたのです。要するに、市長自身が市民の生活感覚からずれていたこと、行政改革が逆立ちしていたこと、したがって、幹部職員にもそれが伝わってしまったのです。そのことが今回指摘されるまで気づかなかった最大の要因だと言えます。  市長が掲げた双方向の対話が、一番大もとでなされていなかったことを何よりも雄弁に物語っているではありませんか。であれば、単に特権制度の見直しにとどめることなく、四年間の市政全般にわたり、本当に市民の立場に立って、誤りがなかったか、みずからに問うてみることから始めるべきであります。  そこでお尋ねをいたします。なぜ知らなかったと発言されたのですか。また、なぜ指摘されるまで市長自身が気づかなかった原因は何だったと認識されているのでしょうか、はっきりさせていただきたいと思います。  続いて、見直しの中身について一、二お尋ねいたします。  見直しを始める前提は、まず市長が、市民に対しても、職員に対しても率直におわびすることから始めるべきであります。そうでなければ、職員からも協力は得られずに、魂が入らない表面的なものとなってしまうことは間違いありません。  まず基本的な考え方ですが、市の職員は市民全体に奉仕する公務員であると同時に、労働者として労働条件の向上等を求める権利も持っております。  ところが今回政府は、人事院勧告に見られますように、五十五歳昇給ストップなどの攻撃をかけてきております。こうした不当な攻撃に対しては毅然と対処すると同時に、市民の納得が得られる改革が求められていると思います。  具体的な問題では、まず幹部の特権から手をつけて範を示すこと、できることはすぐにでも改善する、この二点が重要だと考えます。その点で、局長級の皆さんの定年退職後の再就職先を市長が世話してやるなどの悪弊はやめるべきではないでしょうか。  その行く先が、外郭団体であったり、第三セクターであったり、いわゆる天下り的発想であります。高級官僚の天下りとは少し違うと思いますが、再就職先は理事長とか、館長とか、トップばかりであります。職員や市民から見れば特権としか映らないのではないでしょうか。その下で働く人もやりづらいと言っております。すぐにでも改善できることではないでしょうか。  もう一つ避けて通れない問題として議会の問題があります。この点をあいまいにすれば職員にも示しがつかないと思います。高過ぎる費用弁償や、議会雇用職員の会派への派遣問題、あるいは一定の改善はなされましたが、議員の野球、ソフトボール大会への公費支出、海外視察や市政調査費の使途等々、この際に、市民の理解が得られるのかどうか、大いに議会でも論議をしていく必要があると考えます。  以上、基本的問題ばかりですので、市長の答弁を求めます。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  重松議員の御質問にお答えをいたします。  昨日亀井議員の御質問にもお答え申し上げましたように、本市職員の勤務条件及び福利厚生事業のあり方につきましては、国や他の地方公共団体等との均衡を図ることはもとより、常に市民の視点に立って制度のあり方を考えるべきと考えております。  これまでの勤務条件の変遷を見てみますと、退職手当の削減や給与水準の引き下げなど、それなりの改善努力が払われているところであります。  例えば、国との給与水準を比較するための指数でありますラスパイレス指数にいたしましても、以前はかなり高いという印象を持っておりましたが、私の市長就任当時一〇四・五と相当程度低下いたしており、現在他の中核市と比較いたしましても、かなり低い方のグループに属しているのが実態であります。  しかしながら、今回御指摘を受けました制度等が残っていたことも事実であり、これらは速やかに適正化すべきものと存じております。
     さらには、これまで私が見過ごしていた適当でない制度、事業がないか総点検するよう全局に指示をしており、見直しが必要なものにつきましては逐次改善、是正することにより、市民の皆様の御理解が得られるようにしてまいりたいと存じております。  次に、OB職員の活用についてお答えをいたします。  我が国に急速に到来しつつある高齢化社会を目前にして、官、民問わず高齢者の再雇用システムの整備が急務となっておりますことは議員御案内のとおりであります。  このようなことから、本市におきましても在職中に培った知識、能力、経験を退職後も役立ててもらいたいとの考えで、全庁的に管理職、非管理職を問わずOB職員の積極的活用に取り組んでいるところであります。  なお、議員はこれを天下りと表現されておりますが、一般的には、天下りという言葉からは極めて待遇が恵まれているというイメージがありますが、本市ではそのようなものではなく、報酬も低く設定しているところであります。  したがいまして、今後とも行革大綱に掲げておりますように、OB職員を、働く意欲と能力に応じ、適材適所の原則に従い、さまざまな分野で活用してまいりたいと考えております。        〔七番 重松孝文議員 登壇〕 ◆重松孝文 議員  大変残念であります。知らなかったという発言問題では何一つ答えておられませんでした。一番肝心な問題であります。  また、いわゆる幹部職員の、これは括弧つきでありますが、天下り的な問題、これは私実際に、なぜこういうことを言うかといいますと、確かに給料は三分の一程度に下がります。大変御苦労があると思います。しかし、局長級はいわゆるトップに、そして部長級はその下に、一般職員はまたその下にと給料の差も違いますし、部署も違う、こういうやり方を問題にしているのです。  そういうことで、実際に本当に力を持っている人がそういう働きをさせられているのか、大変疑問に思うことがたくさんあります。そういう点で、ぜひこれは改善を求めたいと思います。  今述べられましたような市長の認識では、見直しも小手先だけのものになってしまう心配をいたしました。市長は今度の市長選挙の中で多くの市民と直接対話をされると思いますので、その中で市民がどう思っているのか、どれほど苦しんでいるのか、そしてなぜ今回このように怒りを持ったのか、しっかりとその目と耳で確かめていただきたい、このことを強く要望いたしまして、次の質問に入ります。  緊急の景気対策問題であります。  政府に対しまして、消費税減税と、銀行の責任による速やかな不良債権処理と貸し渋りの中止を求めるとともに、地方自治体としてなすべきことはすべて行う姿勢が求められております。  今、市民の声を聞きますと、「仕事がなくてどうしようもない」「売り上げが半分になった」「国保料さえ払えなくなった」「保育料を払うために借金をした」「子供に進学をあきらめてもらった」等々、本当に切実であります。  経営難と借金を苦にした自殺も後を絶ちません。熊本市の場合、もともと他都市と比べて市民所得は最低ランクで、生活保護世帯の割合が一番高い、借金と自己破産は一番多い、税の納入率は一番低い等々、市民生活の水準自体が相対的に極めて低いという状況の中で、今回の大不況の直撃を受けているのですから本当に深刻であります。  ですから、景気対策としても、仕事をふやすこと、雇用の機会をふやすこと、資金の手当てをすること、そして税負担を軽くし、市民の懐を暖めること、福祉施策を充実させること、このように他都市以上に総合的対策が緊急に求められていると思います。  そうした視点で見るとき、今回の景気対策予算はどの程度の効果があるのでしょうか。仕事をふやすという点では、今回一定の工夫がされ、ゼネコン向け中心ではなく地元中小の土木、建設を中心に、それに関連した分野に一定の効果があるように配慮していることは否定をいたしません。  しかし、最近の専門家の産業連関表を使っての研究では、公共事業よりも福祉に投資した方が波及効果が大きいということが明らかにされています。  例えば、全国的規模で、同じ百億円を公共事業と福祉に使った場合、経済波及効果は、公共事業の場合が二・八倍、福祉の場合が二・七倍でほとんど差がなく、これを雇用効果で見た場合、公共事業が二千七十人、福祉は二千九百五十人となり、福祉の方がはるかに効果が大きいという研究結果が出ております。市内だけに適用すれば少々効果は薄くなるかもしれませんが、傾向は同じであります。  従来は、福祉はばらまき、公共事業は景気対策の決め手と言われ、福祉を削って公共投資に重点が置かれてきましたが、もうそろそろ転換すべきときに来ていると思います。  しかし今回の予算を見る限り従来型の発想から余り出ておりません。一般、特別会計を合わせますと、土木部門が約五十八億円、民生、教育、農林水産合わせても約十億円しかありません。  今重要なことは、景気、雇用対策と市民福祉の向上、それと財政再建を成り立つようにすることであります。そのためには、福祉への投資割合をふやし、公共事業の投資先も福祉、教育部門に重点化するということが必要ではないでしょうか。  以上の立場から、緊急性のあるものに限って次の事業が優先できないのかお尋ねをいたします。できないのであればその理由を明らかにしてください。  一つは、築後二十年、三十年以上たって、建てかえ、大規模改修を要する保育園、老人ホーム、母子寮、市立産院等の保健福祉施設、あるいは大規模改修の必要な学校もまだほんの一部しか手がついておりません。市営住宅の畳がえや手すりの設置などの要望も大変切実であります。今のようなテンポでは何十年かかるかわかりません。こういう機会にこそおくれを取り戻すべきではないでしょうか。  二番目は、就学前医療費の無料化であります。お金がないから子供を病院に連れていけない、こういう事態は絶対に防がなくてはなりません。県議会でも請願が採択されましたが、当面せめて三歳児まで無料にして、歯科に関しては就学前までにすべきではないでしょうか。事業費が幾ら必要かも含めて、どうされるのかお答えください。  三つ目は、奨学金制度の充実と就学援助制度の徹底であります。不況による家庭の経済的困難を理由に中途退学を余儀なくされている高校生、大学生が急増しております。幾つかの私立高校の校長先生にお聞きしますと、中途退学者の半数以上が不況の原因だと言われております。家族を含め当事者の無念さを思うとき胸が痛みます。  国も対応を始めようとしておりますが、市としても給付額と対象を広げ、無利子の貸し付けも含め対応すべきではないでしょうか。そして、年度初めだけでなく中途でも適用できるように改善すべきだと思います。  なお、就学援助制度の普及については、年度途中からでも支給できるよう周知する方法を検討できないでしょうか。  第四に、国保料、保育料、国民年金、市営住宅家賃の減免なども不況の実態に則して行い、減免制度があることをもっと周知徹底すべきであります。  なお、保育料については前回大幅に引き上げをいたしましたが、引き下げの検討こそ求められております。検討されるつもりはないのでしょうか。  五番目に、以上の点も含め、全庁的に不況対策の横断的組織体制をつくって、相談から対策まで行うようにすべきではないでしょうか。関係局長からの答弁をいただきたいと思います。  続いて、景気対策に関連いたしまして、融資問題と商店街活性化についてもお尋ねをいたします。  不況対策特別融資については、先日の答弁で当分の間継続するということ、しかも利子を下げる、枠を広げる、こういうことを言われましたので、ぜひこれは徹底をして一刻も早く実施をお願いしておきます。  私からは二点のお尋ねをいたします。  一つは、信用保証協会の保証が得られず、また銀行が貸し渋って融資をしない事業所に対して、市が直接融資する無担保無保証の融資制度が創設できないのか検討していただきたいということであります。  既に東京では区の段階で始まっております。例えば江戸川区では、今月七日から、もうスタートしたはずでありますが、限度額五百万円、年利一・五%で、融資の条件は、中小企業診断士の診断の結果を踏まえて区が決定し、区が直接貸し出すことになっております。実情に最も適した極めて有効な制度だと確信をいたします。遅くとも十二月定例会には提案できるようにしていただけないでしょうか。  もう一つは、失業している人やUターンをして帰ってきた人などが、個人であるいは集団で新しく事業を始めたいという意欲を持っているときに、それを支援する創業者支援融資制度を創設していただきたいのです。ぜひ急いで御検討いただき、これも次の定例会に御提案いただければ幸いだと思います。  次に、商店街活性化問題であります。  政府は大店法を廃止し、都市計画法の一部改正、大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法の三点セットによる中心商店街活性化策を進めようとしております。これでは、大型店の郊外への出店をやめさせることはできませんが、都市計画の中にどのように位置づけていくのか、これまで以上に自治体の責任は重要になってまいります。どういう方向で検討を進めているのか明らかにしてください。  なお、中心商店街の皆さん方から、「固定資産税が高過ぎる。評価はどんどん下がっても税額は年々上がる。どうしても納得できない。」こういう声がたくさん寄せられておりますが、当然だと思います。ぜひ国に対して固定資産税の減税を要求していただくとともに、市独自でできる都市計画税の減免も検討すべきではないでしょうか。  政府は今、主として中心街にだけ目を向けておりますが、市としてはすべての商店街への支援を強化すべきだと思います。全国的にも注目すべき成果を上げている商店街が幾つか紹介されていますが、そこには大いに参考にすべきものが少なくありません。  いろいろ調べてみますと、地域密着・福祉型、そして観光・交流型、あるいは歴史・文化型などが特徴的であります。共通しているのは、まちづくりの中にしっかりと位置づけていること、情報化を進めていることであります。  ただ、観光・交流型や歴史・文化型は条件がそろうところがそんなに多くありません。その点、地域密着・福祉型はやる気さえあればどこででも可能でありますし、これからの商店街のあるべき方向を示しているように思えてなりません。  その代表として京都市西新道錦会商店街が雑誌等でもよく取り上げられるようになりました。情報化と高齢化社会をキーワードにしてさまざまな取り組みを展開しております。高齢者を中心とする地域のお客さんとファクスネットを結び、「エプロンカード」というICカードを導入して、配達したときもその場で決済でき、現金が要らないために高齢者や障害者からも大変喜ばれております。  このファクスネットは、地域の情報交換、生活ネットにも活用されております。地域のボランティアの協力も得て、商店街を基地にして高齢者への弁当づくり、配達も始まっております。そして今は、ホームヘルパー基地、訪問看護ステーションの基地、デイケアネットをつくる準備もしているようであります。  大型店の郊外出店が地域と商店街をつぶし、高齢者と子供たちにとって暮らしにくい地域となっている中で、学ぶべきことは少なくないと思います。  中心街だけでなく、市内のすべての商店街に地域密着・福祉型を中心に、そこそこの特色も生かしながら商店街づくりが進められるように、専門家も派遣して最大限のソフト、ハードの支援をすべきときではないでしょうか。  市としてはどのような方向で検討しているのか、商店街の実態も明らかにして対策の内容を示してください。この点は経済振興局長に答弁をお願いいたします。        〔野田晃之総務局長 登壇〕 ◎野田晃之 総務局長  私から二点につきましてお答えを申し上げます。  第一点は、築後二十年から三十年を経過した福祉施設あるいは学校施設等の大規模改造を景気対策として実施してはどうかというお尋ねでございます。  今回、九月補正予算には経済対策として総額六十八億七千万円を計上いたしたところであり、このうち国庫補助事業が四十六億五千万円、地方単独事業は二十二億二千万円となっております。  現下の厳しい財政状況下、財政的な対応にはおのずと限界もあり、御指摘の保育所や学校施設の大規模改造等に取り組むに当たっては、これまでも国庫補助事業を活用し計画的に整備を進めさせていただいているところでございます。  小中学校の校舎修理や公営住宅の畳がえにつきましては決して十分ではないかもしれませんが、今回単独事業として措置をさせていただいております。  もう一点、固定資産の税負担の問題についてお答えを申し上げます。  議員御指摘のように、近年の景気低迷に伴い、納税者、特に地価下落の激しい商業地域に資産をお持ちの方々から、評価は下がるのに税額は年々上がるという御意見をいただいているところでございます。  このような状況を生じておりますのは、固定資産税の現行制度上、評価額と税額の基礎となる課税標準額との間に大きな格差があるためであり、国におきましても、評価がえのたびに税負担の緩和策等につきまして制度改正が行われているところでございますが、納税者から寄せられました貴重な御意見につきましては、機会あるごとに国、県等の関係機関に対しお伝えしてまいりたいと考えております。  また、都市計画税につきましては、都市基盤整備に欠かせぬ税であり、本市の場合、他都市と比較いたしましても低い税率である〇・二%を採用しておりますことを御理解いただきたいと存じます。        〔市原敏郎市民生活局長 登壇〕 ◎市原敏郎 市民生活局長  お答えを申し上げます。市民生活局に関連します質問二点であったかと思います。  まず、就学前医療費の無料化についてでございますが、現在、乳幼児の医療費の無料化につきましては、三歳未満児の医療費と四歳未満児の歯科医療費を無料化いたしております。  これに要する経費は約九億六千万でございますが、四歳未満児まで及び歯科について就学前まで引き上げた場合、新たな事業費として、一歳引き上げ分が二億、歯科就学前までが六千七百万、合わせて約二億六千万程度が必要になろうかと思います。  このようにかなりの財源を伴う医療費の助成でございますので、その対象年齢をさらに引き上げることにつきましては大変困難な状況でございます。御了承をいただきたいと思います。  次に、保育料の引き下げの検討についてでございますが、保育園の保育料につきましては、応能負担の原則に加え応益負担の考え方が新たに導入をされたことは御案内のとおりでございます。熊本市の保育料の改定につきましても、この考え方を基本に、たしか十八年ぶりであったかと思います、改定を実施させていただいたところであります。  その結果、保育料全体として国の基準額の約三割が軽減となっており、階層区分別では、負担感の大きい中間所得層を軽減し、高額所得層については応分の負担をお願いしたところであります。  今後は、国の改定に準じて軽減措置を含む保育料の改定に取り組んでまいりたいと考えます。        〔後藤勝介教育長 登壇〕 ◎後藤勝介 教育長  私の方からは、奨学金制度の充実、修学資金貸付制度の創設、さらには就学援助制度の年度途中からの適用についてお答えをしたいと思います。  熊本市の育英奨学金制度は、能力があるにもかかわらず、経済的な理由で就学困難な高等学校の生徒を対象に、昭和四十三年度よりスタートし、平成九年度までに三千三百十六名に奨学金を支給してまいりました。給付金額も数年ごとに見直しておりますが、昨年度も、授業料など生徒を取り巻く状況の変化に対応して約一一%の増額を行いますとともに、受給要件についてもその見直しを図ったところでございます。  今後とも、社会経済情勢の変化を見きわめながら、受給要件や給付金額の適正化に努めてまいりたいと考えております。  また、修学資金貸付制度の創設や年度中途の適用についてでございますが、現在、社会福祉協議会等におきまして修学資金の貸し付けを行っておられますし、各学校に授業料減免の制度もございますので、これらの制度の利用状況や他の奨学金制度の不況対策の動向等を見ながら検討してみたいと思います。  次に、就学援助制度の年度中途における適用の件でございますが、御質問の趣旨を踏まえまして、真に経済的な理由で就学困難な児童・生徒が、家庭の経済状況の急変に際し、年度中途においても申請が可能であることも含めまして、校長会や民生委員児童委員会等を通じて、保護者への周知徹底を図ってまいりたいと思います。        〔松村紀代一企画調整局長 登壇〕 ◎松村紀代一 企画調整局長  不況対策のために全庁的な横断的組織体制をつくってはというお尋ねに対しまして、私の方からお答えいたします。  今日の長期にわたる不況は市民生活に深刻な影響を及ぼしておりますが、本市といたしましても、この不況から市民の暮らしを守るため全庁を挙げてその対策に努めているところであります。  具体的に申しますと、金融・経営相談といった経済対策はもとより、公共投資における中小零細企業に配慮した工事の発注、あるいは市民生活に直結する教育・福祉分野での減免措置などの支援策を講じておるわけでございます。  これらの取り組みは、現在、関係課を窓口といたしまして対応しているわけでございますが、これは、不況対策をとるべき分野、あるいはその対象者が大変幅広く、また市民一人一人の要望には個々具体的かつ専門的な対応が必要であるからであります。  したがいまして、議員から不況対策の全庁的な横断的組織体制をつくってはとの御提案でありますが、まずは、市民の相談窓口となります市民交流サロンや福祉総合相談課と連携して、先ほど申しました各種支援策の積極的な活用を市民の方々に周知、啓発してまいりますとともに、関係各課相互の連携もさらに深めていくことで、相談から対策まで一貫した対応ができる体制の充実を図ってまいりたいと考えております。        〔坂田憲一経済振興局長 登壇〕 ◎坂田憲一 経済振興局長  重松議員にお答えいたします。  まず、無担保無保証人融資制度についてでございますが、議員御案内のように、一部の自治体において独自の直接貸し出しの無担保無保証人の融資制度が始められておりますが、この制度は実施されたばかりで、債権管理をどのようにするのか、また金融関係を経由した貸し出しになるのかどうか、そのあたりの詳細がつかめておりません。したがいまして、今後の推移を見きわめていく必要があろうかと思います。  次に、創業者支援についてでございますが、長引く不況を反映し、企業倒産やリストラによる雇用不安は一段と深刻さを増しており、再就職も極めて厳しい局面にあるものと認識をいたしております。  このような中で、国におきましては、新規雇用者の受け皿といたしまして、創業者を支援するための融資制度の創設や事業経験のないサラリーマン失業者が開業する場合の助成金支給をただいま検討している状況にあります。  本市といたしましても、現在既に一般開業資金融資制度や起業家に技術、財務等の助言を行うアドバイザー制度を実施しておりますが、創業者支援策の重要性は十分認識をいたしておりますので、今後、この充実に向けて検討してまいりたいと考えております。  次に、中心商店街活性化を都市計画の中にどのように位置づけるかということでございますが、大店法につきましては、現行法が廃止され、それにかわり二〇〇〇年六月に大規模小売店舗立地法いわゆる大店立地法でございますけれども、この施行が予定されております。  この法改正の趣旨を十分に勘案し、本市にとっての商業配置はどうあるべきか、特に大型店と中小小売業者との共存共栄を図るにはどのような用途地域の設定が望ましいのか等々について調査研究をし、それを踏まえて関係部局とともに検討してまいりたいと思っております。  次に、地域密着・福祉型ソフト施策の展開についてお答えいたします。  議員御案内のとおり、本市の商店街を取り巻く環境は依然として厳しいものがあり、本市といたしましてもこれまで、商店街実態調査や商店街の方々との懇談会を通して商店街の実態把握に努める一方、商店街が実施するソフト事業に対する支援策あるいは巡回指導等、きめ細やかな対応を図ってきたところでございます。  議員の御質問の中にもありましたように、全国の商店街の中でも、ファクスインターネットなどの情報機器やその活用、商店街を基地といたしました高齢化社会に対応した取り組みなどがされておりますが、本市といたしましても、これら商店街の事例を参考にしながら、地域コミュニティーの場としての商店街が、社会の変化や地域特性を反映した、より魅力的で実効性のある事業に取り組めるよう、さらに支援をしてまいりたいと考えております。        〔七番 重松孝文議員 登壇〕 ◆重松孝文 議員  ちょっと、皆さんの答弁は何か暗い答弁でございまして、もっと元気を出して答弁をしていただきたいと思います。  一つ一つについては申しません。部分的には一定の努力があることは見受けられますが、お金が少しでもかかる問題については全く消極的、そういう感じを受けました。  そしてまだ、全庁挙げて、市民と中小企業者の危機を救うために一体となって進めるという気迫が感じられません。市長にも幹部職員にも、今の不況の深刻さを肌で感じてほしいと思います。  お金がなくて病院に行くのさえ我慢している市民がどんな思いでいるのか。手形決済の日を前に借金で走り回っている事業者の苦悩、子供にだけは犠牲を押しつけてはならないと辛抱している姿、市役所の中にいただけでは決してわかりません。  市税を初め各種手数料などを滞納している御家庭を、市民局だけでなく全庁的に、幹部みずから訪問して見ていただきたいと思います。そして、市政に対する要望をしっかりと受けとめていただきたいと思うのです。  そうすれば、私が質問した趣旨も少しは理解できると思いますし、「そのうち検討」ではなくて、直ちにやらなければならない事業だということもおわかりいただけると思います。  消費税の減税抜きに景気回復しないこともはっきりとわかると思います。もはや今の不況対策に関しては、従来型の発想や進め方では通用しなくなっているのです。市役所は市民に役に立つところ、市民の最後のよりどころであります。ぜひとも全庁挙げて景気対策に当たられることを心より要望して次の質問に入ります。  福祉、教育を市政の中心に据える問題であります。  まず教育問題から入りたいと思います。  今子供の置かれている状況が明らかになればなるほど、子どもの権利条約を生かすことがますます重要になっていることを痛感いたします。
     そうした中で本年六月、国連・子どもの権利委員会から日本政府に対して、異例の厳しい勧告が二十二項目にわたってなされました。この勧告をどれだけ真剣に受けとめることができるかどうかが問われております。  特に重要な指摘は、「児童が高度に競争的な教育制度のストレスにさらされていること、及びその結果として余暇、運動、休息の時間が欠如していることにより発達障害にさらされていることについて懸念する。さらに、登校拒否の事例がかなりの数に上ることを懸念する」として、「高度に競争的な教育制度、並びにそれが児童の身体的及び精神的健康に与える否定的な影響にかんがみ、過度なストレス及び登校拒否を予防し、これと闘うために適切な措置をとるよう勧告する」闘えとまで指摘をしております。なお、適切な措置をとる上で重視されているのは、休息と余暇、遊び、そして文化的生活への権利であります。  この勧告にありますように、どこに子供たちの発達障害があらわれているのか、十分に検討すべきだと思います。子供の体と健康に関する調査が、文部省初め民間教育機関等で毎年行われておりますが、その報告書等を見て発達障害が起きていることを痛感させられました。  今の子供たちはすぐ疲れを訴えたり、感情のコントロールができにくい、いわゆるキレやすい子供がふえていると言われておりますが、これは大脳前頭葉の未発達とも関連があると言われております。この大脳前頭葉の活動が強まるには、幼児期やギャングエイジ期に、子供が夢中になって全身を使って遊ぶことが欠かせないということもはっきりしてまいりました。  また児童の体力、運動能力調査によれば、全国的には体力はある程度あるが、運動能力の低下が著しい、育児や介護などに必要な背筋力が低下しているという問題が指摘をされております。  ところが、調べてみますと、熊本市は全国と比較してもさらに落ち込んでいるのです。小学校の時点では余り差がないのでありますが、中学校になると特にひどいのが背筋力であります。全国平均より約十一キロ下回っています。  背筋力を体重で割った数字、背筋力指数いわゆる腰の力とも言われていますが、子育てに必要なのが自分と子供の体重を支えるために一・五、介護に必要なのが自分ともう一人を支えるために二・〇と言われております。  ところが、熊本市の中学生を見てみますと、一年生女子で一・〇九、三年生女子でも一・二二しかありません。要するに介護どころか育児さえもできない基礎体力に女子中学生が置かれているという実態であります。  そのほかにも、夜型がふえて生活リズムが狂っている子供が多くなっていること、アレルギーや肥満とやせ過ぎ、視力の急速な低下、十人中九人が虫歯という問題も大変心配されております。心の障害については種々指摘されておりますので、改めて言うまでもありません。  こうした子供の心と体の発達障害を解決するためには、子供たちがほっとできる場所、思い切り遊べる場所と時間を保障する。そして親も教師も、子供も、地域の方も一緒に活動できるようにすることが求められていると考えます。  具体的に幾つか提案をいたしますので、やる気があるのかどうかお答えをいただきたいと思います。  一つは学校での居場所の問題であります。  子供たちが一番ほっとでき解放されるところは図書館と保健室だと言っています。しかし、図書館は専任の司書がいなければその役割が果たせないことは既にはっきりしております。現在試行的に配置されていますが、そろそろ全校配置すべき時期に来ていると思います。全校配置のためには約九千万円あればできるとのことでありますので、ぜひ実現に踏み切っていただきたいと思います。  また蔵書数は標準冊数に比して半分以下となっており、最初に中核市となった十二市の中で最低であります。しかも相当開きのある最低であります。子供たちの要望も聞いて本もそろえて、図書館を夢をはぐくむ場所にできないものでしょうか。  私自身も中学校時代には図書館通いをして、図書館にある大多数の本、特に伝記ものは全部読んでしまいました。野口英世からベーブ・ルース、リンカーンに至るまで本当にわくわくして読んだことを今でも思い出します。そして読み終えるたびに、「こんな人になりたい」とくるくる変わるので、母も苦笑いをしておりましたが、本当に楽しい会話ができたことを今でも覚えております。夢を与えてもらったのが図書館でありました。  地域での子供の居場所も重要であります。  この点では、あの神戸市須磨区の少年事件で揺れた兵庫県教育委員会の挑戦に学びたいと思います。  昨日も古川議員から少し紹介されましたが、あの忌まわしい事件を起こした少年と同じ中学二年生を対象に、一週間「授業も塾もクラブも一切なし」、生徒がみずから選んで好きなことに存分に挑戦できる「トライやる・ウイーク」というものを設けて、ことし十一月実施に向けて準備に入っているそうであります。  例えば、畑を耕し、魚をとり、木の枝打ちをするもよし、工場や事務所、店で働くもよし、芸術家のもとで陶芸に励み、絵をかくもよし、病院や福祉施設でボランティアするもよし、しかもこれは親や教師がおぜん立ては一切いたしません。すべて子供が小グループで自主的に企画をして、それに地域の人たちや家庭が要請があれば協力をする、こういう仕組みになっております。  実際にはさまざまな障害や困難があるとは思いますが、県教育長さんはこう言っております。「生徒、家庭、地域、学校のそれぞれが変わるきっかけにしたい。ゆとりがなく、受験に追われる中学教育に風穴をあけたい」と抱負を語っております。まさに、この教育長の言われるとおりだと思います。  実際にこれが成功すれば、これから、地域、学校、家庭がどのように協力していけばよいかきっと見えてくると思います。いわゆる「透明なボク」もいなくなり、お互いの顔が見える地域、学校になるのではないでしょうか。  熊本市でも、このような大胆な何かが変わる、こういった期待が持てる取り組みを本格的にする気持ちはないのでしょうか。子供たちが伸び伸びと心と体を解放でき、教師も地域の方々にも大きな協力が得られると思います。  現在の教育委員長と教育長のコンビなら必ずできると確信いたしております。教育長も随分ストレスがたまっておられるようですので、このような大きな事業に思い切って取り組んではいかがでしょうか。ぜひ実現をしていただきたいと思います。  そして、こうした大胆な取り組みをすれば、おのずと見えてくると思いますが、地域に子供の居場所、児童館、あるいは地域青少年センターのようなものをすべての小学校区につくることは計画的に進められないでしょうか。いつまでも子供たちをゲーセンやカラオケ、コンビニだけに任せておくわけにはいかないと思います。お金がないとは言わせません。  これまで教育費をどれだけ犠牲にしてきましたか。昭和六十年代は教育費は大体歳出の一五%を占めていました。ところが、平成六年度以降一二%に、とうとう平成十年度は一〇%台となりました。このうち国体プール関係を除けば、三角市長になってから、平成七年一〇・二%、平成八年一一・一%、平成九年は何と九・四%、本年は今回の補正を含めても九・八%です。その間、公債費の歳出に占める割合は、一〇・二%から一七・一%とウナギ登りになり、借金のツケが全部教育費に回されたということを事実が証明しております。  私は本日はグラフに書いて持ってまいりました。ぜひ市長に目で見てほしいと思うのですが、この赤が公債費であります。黒が教育費であります。平成七年以降逆転いたしました。そして公債費が右肩上がり、逆に教育費は右下がりであります。これが実際に今の教育費の実態であります。このことをしっかりと受けとめていただきたいと思います。  家庭ではこんなことは絶対にいたしません。親はどんなに辛抱しても子供にかかる費用だけは最優先するではありませんか。それが親心であります。三角市長は家庭の問題を強調する割には本当の親心がわかっているのでしょうか。教育費を犠牲にしてきた問題をどう考えているのか、今後どのように改善する気があるのかお答えをいただきたいと思います。この点は三角市長に御答弁をお願いします。  続いて、介護と福祉についてもお尋ねいたします。  介護保険に関連した問題ではこれまでも多方面にわたって質問もあっていますので、今回は低所得層への対策と介護手当に限ってお尋ねいたします。  まず徴収にかかわって、低所得の皆さんにどのように対応されるのかということであります。国保の滞納者が今でも一万七千世帯、また国民年金はもっと深刻であります。法定免除と申請免除並びに未納を合わせますと何と四九%、四万八千七百人が未納であります。今免除を受けている人は将来は二、三万円程度の年金しか受け取れません。未納の方は無年金になる可能性も大きいのです。医療給付に必要な国保さえ滞納しているものが介護保険を納入できる見通しは全くありません。介護保険料は熊本市では一人当たり三千円を超すのではないかと予測をされております。低所得世帯にとっては国保料よりも介護保険料の方が高くなる結果になります。二号被保険者の介護保険料は国保と一緒に上乗せして一緒に請求するのですからなおさら困難となってしまいます。しかし、介護保険は滞納すればペナルティーがあり、介護さえ受けられなくなります。  そうした中で法第百四十二条では減免制度を設けることができるようになっていますが、今の見込みでは、国が省令で定める減免基準は「災害等の場合に限る」となりそうであります。しかし、国保と同じように、低所得者のための減免制度を設ける必要がどうしてもあるのではないでしょうか。  そこでお尋ねいたします。介護保険料は大体一人当たりどの程度になるのでしょうか。減免はどのような基準と方法で行う計画でしょうか。  もう一つは、低所得者、少ない年金暮らしの高齢者が、いざ介護を受けるときにどうなるかという問題であります。県保険医協会が中心になって行った調査によりますと、熊本市では現在、介護を受けているものの四五%が年金五万円以下ということになっております。また、年金受給者の半分が五万円以下となっております。今後もこの割合には余り変化はないと思われます。  ところが、介護認定を受けてもこの程度の年金では介護サービスは受けられません。要介護で一番軽度の認定を受け、在宅介護サービスを受ける場合でも、今無料の方でも一万四千円から一万六千円の自己負担が求められることになります。まして最も重いと認定をされれば二万三千円ないし二万九千円の自己負担であります。五万円以下の年金でぎりぎりの生活をしている者がどうして支払うことができるでありましょうか。  まして施設介護の場合はもっと深刻であります。特別養護老人ホームに入所して施設サービスを受ける場合、一カ月当たり単価二十九万円となっており、自己負担は一割の二万九千円であります。それに食費の負担、そして日常生活費も合わせますとほぼ六万円が必要になると、どの資料も算定をいたしております。六万ないし十万以下の年金ではそもそも認定されても入所さえできないのであります。  そして現在入所している方はもっと深刻になります。五万円以下の低所得の方が半数近く今特別養護老人ホームに入所しております。この方たちは追い出されることになってしまいます。もちろん、五年間は猶予期間があるそうでありますが、その後は何の保障もありません。しかし、こうして皆さん追い出されても帰るところはないのです。ほとんどの方が借家ももう契約を解除してしまっております。  こうした低所得者が、介護サービスから除外されないようにするためにどのようなことを今検討しているのでしょうか。  次に介護手当の問題でありますが、全国はもちろん、県内でも介護手当の導入が進んでおります。今県下十一市の中でまだ介護手当を支給していないのは熊本市を含め三市だけとなりました。私たちが繰り返し要求してまいりましたが、検討課題となったまま棚上げをされております。  しかし、介護保険が導入されますと、ますますこの矛盾が拡大をしてまいります。家族が介護のために仕事をやめても、介護保険からは何の手当も支給されないのです。長い間保険料を納めても出ないのであります。  県保険医協会の調査によりますと、現在介護している家庭で家族手当の支給を望んでいるものが五六%もあり、希望する額は、三万ないし五万円が一八%、七万ないし十万円も一八%、十万円以上も一八%となっております。介護世帯の生活がいかに困窮しているか、よくおわかりだと思います。  今回の調査ではこうした生活費、介護手当にかかわる問題も調査対象としているのでしょうか。また、この際、介護手当導入の計画はあるのでしょうか、お尋ねいたします。  最後に、福祉に関する問題でもう一点お尋ねいたします。  さくらカードの利用に関し、市内発着に限ってしか使用できないように改悪されていた問題で、改善の努力をされるとの態度を表明されました。私どもは何度も改善の要求をしてまいりましたが、遅きに失したとの思いであります。一刻も早く改善されるように強く要望しておきます。  お尋ねしたい点の一つは敬老祝い金の問題であります。  昨日の時点で、対象者二万四千四百五十名に対し、申請した方は二万一千四百五十二名です。このままでは約三千名が祝い品を受け取られないことになります。この点で私が問題だと思うのは、事前にきちんとした説明がなされていないことであります。  通知書を見てみましたが、祝い金にかえて品物にするとは説明がされておりません。八十歳以上の方でもあり、受け取る側にも、「祝い金に加えて祝い品が支給される」と思った人、あるいは「祝い品の申請をしなければ祝い金が振り込まれる」と思っている人などいろいろいらっしゃいます。これは明らかに行政側の過失であります。  なぜ未申請の人が残されていると考えているのか、今後未申請の人にどう対応されるのか明らかにしてください。  また、来年度以降どうされるのかという問題についても、肝心の高齢者ときちんと双方向の対話をすることが求められています。高齢者の意見をしっかりと聞いて対策を練っていただきたいと思います。  同様に、国保保険証未交付世帯が約三千三百世帯、二割軽減の対象世帯で申請していない世帯が一千二百二十八世帯も残されている問題も重大です。こうした問題も放置せずに、きちんと解決できるかどうかが福祉行政に魂がこもっているかどうかを示すものです。ぜひこういった点でも解決をしていただきたいと思います。  以上、関係局長に答弁を求めます。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  教育予算の問題についてのお尋ねであります。  この教育予算につきましては毎回議会からもいろいろ御指摘をいただいているところでございます。先ほど重松議員が教育に対する考え方をるる述べられましたけれども、この件につきましては私も全く同感でございます。  いろんな事業にぶち当たってまいりましても、結局教育というところに当たらずにはいられないわけでございまして、今お話しになりました居場所の問題、図書室の整備の問題、あるいは家庭、地域、学校連携の問題、まさしく今そこが大変な問題になるわけでございます。  整備の面につきましては私も全く同じ考え方でございますので、教育委員会と図りながら充実の方向に、早くやりたいというふうに思います。  そこで、教育費そのものにつきましてはハードな部門とソフトな部門がございまして、教育費のハードな中でも施設整備と機器整備という二通りのハードな整備があるわけでございまして、機器整備の面につきましては直接教育と大変関係がございまして、私どもも、社会情勢の変化に伴いまして、そういった教育機器の整備については極力力を入れていかなければならないというふうに思います。  施設整備の問題につきましても、これは国の補助制度もございまして、一つ一つ要望申し上げておりますけれども、大規模改修あるいは全面改修、そしてまた小規模改修、こういうものについては早い機会に逐次取り組んでおるつもりでありますけれども、今のお説の中ではこれは教育費から一応度外視したという形に考えていきますと、ソフト事業でありますが、このソフト事業の中でも、私が就任をいたしまして今表を見せていただいたわけでありますけれども、公債費と教育費が逆転をしておると、しかもだんだん差が開いておるという事実は私も認めておりますし、そういった中で、一つは総額という問題についても一千五百億の一般会計の中で占める割合、あるいは二千億のときの占める割合というのは金額的にどうなっていくのかなというふうなことも考えていかなければならないというふうに思います。  ソフト事業の中でも、就任いたしましてから、心豊かな学校生活確立推進事業、あるいは中学校区さわやか推進事業、地域教育活性化推進事業、地域に開かれた幼稚園づくり、地域ふれあい活性化事業、あるいは家庭教育推進事業。  また交流事業といたしましては、九州都市中学生交流大会、あるいは長崎平和祈念交流事業、福井との小学生の交流、子ども議会、あるいは国際、国内交流事業の中では高校生の中国との交流、青少年のハイデルベルク、あるいは中学生のハイデルベルクとのスポーツ交流、高校生のアメリカとのスポーツ交流、いろいろそういうもの。  それともう一つは勤労体験学習事業というふうな形で小学校三十七校、中学校二校を田畑を借り上げまして、そのような勤労学習を体験させているというふうな事業を展開させていただいたところでございますけれども、この全体の事業といたしましても金額的にはそのようにたくさんかかっているという事業でございませんで、金額の面からはなかなかあらわれなかったわけであります。  しかし、ソフト事業にいたしましても平成三年を一〇〇といたしますと、私の就任いたしました時期に、このソフト事業の面だけでございますけれども、一一二、現在は一二五といったぐあいに徐々に伸びているところでございます。  今後も、先ほどの教育論と申しますか、そういうものの中で、それについて整備をしていかなければならない、あるいはまたソフト事業として展開していかなければならないものにつきましては責任を持って推進をしていきたいというふうに考えております。        〔後藤勝介教育長 登壇〕 ◎後藤勝介 教育長  子供の居場所づくりという視点から三点お尋ねがありましたので、お答えをしたいと思います。  まず学校図書館の充実という点でございます。学校図書館が人間形成や情操を養う上で重要な役割を担っているということは私どもも強く認識をしております。  平成七年度から開始しました司書のモデル配置校の報告の中にも、図書に興味のある子供だけではなく、教室に居場所のない子供たちが集まって本を読んでいる事例があるようでございます。このような調査結果を踏まえまして、本年度よりモデル配置校を十校から十五校へ拡充いたしております。  図書館本来の機能であります学習センター、読書センターとしての活用だけではなく、いじめなどの心の悩みを抱える子供たちのオアシス的な活用が図れますよう環境の整備を進め、子供のニーズに沿った蔵書の充実に努めますとともに、司書配置校の拡充についても検討してまいりたいと思います。  次に、「トライやる・ウイーク」のような取り組みについてどうだというお尋ねにお答えをしたいと思います。  ただいま重松議員から詳しく御紹介がございましたが、熊本市におきましても、このような大げさな例ではございませんが取り組みが行われておるところがございます。それは竜南中学校でございますが、進路指導の一環としまして職場体験を実施しております。  これは、中学校からお願いをいたしまして、近場の印刷屋さん、あるいはガソリンスタンド、それから老人ホーム、幼稚園、あるいは熊本市の消防局、あるいは動植物園などで体験をすることを行っております。その中で仕事の辛さや楽しさがわかったと子供たちにも好評で、受け入れの側からも中学生とのつながりを喜ばれている感想が多かったと学校から聞いております。  そういう意味で、ただいま御紹介がございました神戸の「トライやる・ウイーク」が十一月に実施されるようでございますので、その実施状況等につきましても十分調査をさせていただきたいと思います。  今子供たちに本当に必要なことは何なのかということが問われている時代でもございます。今後、そのような観点から、子供たちの生きる力を育てる新たな取り組みを検討してまいりたいと考えております。  さらに、校区での子供の居場所の整備という点でございます。  この件に関しましては本議会でも何度か御答弁を申し上げておりますが、現在、青少年問題協議会の青少年健全育成プラン策定専門委員会に、二十一世紀を展望した青少年健全育成のあり方についての提言をまとめていただいているところでございます。この専門委員会でも、自主的で主体的な青少年活動の推進を目指した青少年活動拠点施設等の整備と充実という課題を設けて検討をしていただいております。  また同時に、施設以外にも休耕田や空き地、公園などの活用、さらには子供たちが喜んで集まるようなプログラムの開発や地域の指導者確保、子ども会等の少年団体の支援などについて、さまざまな角度から検討を続けていただいております。  教育委員会といたしましても、専門委員会の中での論議や提言内容も参考としながら、地域の子供たちの活動拠点となるような場づくりや機会づくりを積極的に進めてまいりたいと考えております。        〔市原敏郎市民生活局長 登壇〕 ◎市原敏郎 市民生活局長  お答えを申し上げます。  まず、介護保険の保険料の額についてであります。  現在、市内の要介護者の数やその程度、介護サービスの利用意向などを把握するための高齢者実態調査を実施している段階であり、現時点では保険料の額を算定することは甚だ困難でございます。  今後、この実態調査を踏まえまして、介護保険の給付対象となるサービスの種類ごとの必要量の見込み、さらには、介護保険の事業費の見込みなどを明らかにする介護保険事業計画を作成し、この計画をベースに保険料を算定してまいりたいと思います。  次に、減免についてでございます。  まず、保険料の額は所得段階別に設定され、住民税非課税世帯等については、保険料の額そのものが最高五割まで軽減されることになっており、低所得者に配慮したものであろうかと考えます。  また、先ほど議員もお述べになりましたが、法第百四十二条により、市町村は条例で定めるところにより特別の理由がある者に対しては保険料を減免することができるとされております。これは現在、国はその特別な理由としては、災害等の場合に限定し、一般的な低所得を理由とした減免規定を設けることは不適当との指導が来ております。  次に、現在施設等のサービスを受けている低所得者への対策でございます。  まず、特別養護老人ホームの入所者につきましては、先ほど議員も御指摘のとおり、当面五年間は暫定措置として、そのまま入所を継続することができ、しかも、利用者負担額についても減免することになっております。  このほか、介護サービス全般に関する制度としては、サービス費用の一割の自己負担額が一定額を超える場合には高額介護サービス費を支給することになっておりますが、特に低所得者についてはその限度額を低く設定したり、また、食事の標準負担額も軽減するなど、低所得者の負担が過重とならないための配慮が種々なされております。  また、生活保護受給者の方については、保険料及び利用負担額のいずれも扶助費に加算されることになっております。現時点では、例えば高額サービス費の限度額等まだ細かい基準が示されておりません。細目につきましては、国の政省令等の状況を見ながら検討を進めてまいりますが、いずれにしても、低所得者の方が介護のサービスから除外されるようなことのないよう十分な対策を今後とも国に働きかけたいと存じます。  次に、介護手当について導入してはどうかとの御質問であります。  御家族に寝たきりや痴呆のお年寄りがおられる場合、議員御指摘のとおり、介護に当たられる御家族は精神的、経済的負担を強いられ、その御苦労は大変なものであろうと思います。  このような家族の介護につきましては、介護負担の軽減を図ることを視点として、老人保健福祉計画を目標に、ホームヘルプサービスなどの在宅サービスの充実や特別養護老人ホームなどの施設整備など介護基盤の整備を図ってまいりました。  介護手当は、寝たきりなどで自力で在宅生活を送れない高齢者を介護される方に対する長期にわたる高額の手当と考えられます。これからの介護は、個人の責任において行うものでなく、社会全体で支え合うべきものであり、そのような意味から介護保険が導入されようとしております。  この介護保険が導入されますと、福祉に対する考え方や負担割合、給付内容など、今までの福祉制度が大きく変化をしてまいろうかと思います。  今後とも、これまでの介護基盤の整備を積極的に進めてまいりますことは申し上げるまでもありませんが、介護手当の導入は、社会全体の介護システムとしての介護保険制度の推移を見守り、検討してまいりたいと考えております。  次に、敬老祝い金についてでございます。  御承知のとおり、今年度から、従来の敬老祝い金を祝い品に変更し、現在その作業を進めさせていただいております。  議員御指摘のとおり約三千人の方がまだ申請をされておりません。今年度が祝い品に変更して初めてということで、十分周知をされていない面もあろうかと思っておりますが、この皆様方に対しましても、今年度中に申請されますとお届けをするようにいたしております。  また、今後の申請状況を見ながら、まだ申請されていない方に対しては十分周知を図ってまいりたいと考えております。        〔七番 重松孝文議員 登壇〕 ◆重松孝文 議員  教育問題では、考え方ではほぼ一致するという市長の答弁でありました。そうであるなら、本当に教育は意識的にやるべきことをやらなければどんどん先送りされる。特に財政的にはどんどん後景に退けられる。それがこの間の推移になっております。
     確かにソフト事業がいろいろ模索され実践されたことは認めます。しかし今、教育分野でいろんな関係者に聞いてみるときに、これをしてほしい、あれをしてほしいというのがたくさんあります。それがどんどん先送りされる。そういう事態が今の教育費の低下からあらわれてきている。そこをぜひしっかりと見ていただきたいと思います。  もちろん、先ほどグラフを示しましたが、公債費の目的別歳出に占める割合がどんどん右肩上がりになった。この赤線のグラフは確かに三角市長には責任はありません。これは多分前任者のむだ遣いのツケが回ってきたという側面であります。  しかし実際に、三角市長になってから教育費がふえたのか、これまた実質額でもふえていないのです。そして割合では減ってきている、これが実態であります。ぜひ、教育にかける思いを実際に財政面でも実施をしていただくように強く要望しておきます。  また、教育長に関しては、お金がかかる問題ではなかなか前向きの答弁がありません。ぜひもっとこれは、市長に対して強く要望していただきたいと思います。兵庫県教委のあの実践についてはしっかりと、今からでも担当者を何人か研修に送り込んで、どういう過程であれが準備され、今実践されようとしているのか、また実施される場面でも、子供たちがその過程でどう変わったのか、担当者に直接見ていただいて、そして本市でもそれに学んで実施をする。そういう取り組みをしていただきたいと思います。  また福祉の分野では、三千人の方が未申請になっている。この問題はまさに行政の責任でもありますので、今言われましたように今年度中に一人残らず、祝い品という形ではありますが、これが必ず届けられるように御努力をお願いしたいと思います。  介護問題では、第一次調査がほぼ集約されたという段階ですので、なかなかまだ実態がわからない点も多々あると思いますが、るるありましたように、いかにして今の低所得者の皆さんに負担がかからないようにするのか、そしてだれもが安心して受けられるようにするのか、このことが特別に大事になってくると思います。  特にこの介護保険サービスは、いわゆる自助努力、私情に任せるという面が前面に出てきますので、そういう中でふるい落とされる方がたくさんふえてまいります。それをそうしないようにするのがまさに行政の責任だと思います。  そういう点では、今から調査した上で、その結果どうなるのかと、計画を立てる段階でぜひ住民の皆さんにもしっかりと内容をお知らせして、そして住民参加で介護保険の計画をつくっていく、こういう努力をしていただきたいと思います。  それでは、次の質問に入らせていただきます。  都市づくりのあり方の問題であります。この点では市長にお聞きをいたします。  三角市政の総合計画づくりが今前倒しで進められようとしております。市長がこの間幾つか大きく打ち出してきた大型のプロジェクトもございます。熊本駅周辺副都心構想、中心市街地再開発、熊本城完全復元、そして総合防災公園構想など検討がされております。  従前の構想は棚上げして、新規分だけを中心にするものでないことはこれまでの議会答弁でも明らかにされております。例えば総額二千億円の坪井川リバーウオーク構想なども生きているようであります。  ところで、三角市長はいつも答弁に困ると四つの幸せの条件でつじつまを合わせようとされますが、この四つの条件、これは全国どこの都市でも当てはまるものであり、熊本市らしい都市政策の条件ではありません。もちろんこの四つの条件が大事であることは否定するものではありません。  そういった中で、突然市長の思いつきで浮かび上がってくる構想は、全体的な都市づくりとの関連がはっきりしませんし、ましてや財政的裏づけは何もないのです。  なぜそうなるのでしょうか。それは、これまでの基本構想のどこに問題があったのかについて何一つ明らかにされていないこと、さらには、財政をとことん破綻させてきた原因についても、景気対策、社会資本整備のために必要であったと開き直るだけで、これまた何一つ反省がなされていないからであります。  九州の雄都を目指してきたにもかかわらず、結果はどうでありましょうか。市民所得は最低水準、市民は膨大な借金で破産者続出、福祉や教育でも、隣の鹿児島と比べてもかなり低い水準にとどまっております。しかも市の財政まで危機に陥れてしまいました。  三角市長は、新たな構想を立てる以前に、これまでの基本構想とその実施状況を踏まえて、どのように総括しているのかをまずはっきりさせるべきではないでしょうか。その見解をぜひ求めたいと思います。  もちろん私も、この間の実施計画に基づく実施、部分的には評価できる事業もありました。しかし、全体としては行き詰まったことははっきりしております。ここから教訓を引き出さなければ前に進めないのではありませんか。  新たに打ち出している構想が市民の願いにこたえるものかどうかも見ておきたいと思います。熊本駅副都心構想、そして中心市街地再開発が今後の目玉となっているようであります。  これは結局のところ、都心、そして副都心、さらには郊外の三拠点で開発競争を行うことになり、地域は連鎖的な都市開発に巻き込まれてきます。いや応なしに土地の高度利用が第一義的要求となり、都市は絶えざる変動のもとに置かれることにならざるを得ません。その結果、都心にも副都心にも業務と商業の集積が中心となり、人はどんどん郊外へと移動させられていくことになります。  農村からの人口移動が進み、今でも疲弊している中山間地の過疎化を一層促進する役割を果たすことになると思います。また、この三つの拠点の中間にある商店街や地域は大きな痛手を受けることになる可能性が大きいのです。  さらに、こうした事業は必然的に都市間、地域間競争とならざるを得ませんが、駅周辺の開発が一段落つくころには熊本市の人口もピークを過ぎると予測をされております。全体としては、商圏の拡大が望めない成熟型都市の時代に入っていくことになりますので、どこかが敗北衰退していくことになるのは理の当然であります。であれば、結局、むなしいコストを浪費して市の財政を破綻させただけということになるのではないでしょうか。  深く考えるまでもなく、熊本市の場合、駅周辺を副都心として位置づけること自体に無理があるのです。そのことを一番よく知っているのが百戦錬磨の県外大手資本であります。だから彼らは、駅周辺には余り魅力を感じないために目を向けようとはしないではありませんか。  私も頭から開発がだめと言っているわけではありません。副都心などという過大な位置づけをして過大な投資をする。そして開発を進めることが、一番大事にしなければならない地域を破壊し、県市の財政も破綻させることになるからであります。下手をすると膨大な投資をして駅周辺、ゴーストタウンとなりかねないと思います。実際に、そういうところも全国に次々と今生まれているではありませんか。  しかも、駅前開発というと、全国どこも似たり寄ったりのものになってしまっております。皆さんも視察の際にも感じることではないでしょうか。そうではなくて、熊本の場合は、駅前を熊本市の玄関口にふさわしく適切な大きさ、規模にして、「ああ、さすがに熊本、森と水の都だな」そう思える程度の開発でいいではありませんか。熊本らしさをつくり出すために知恵を集めることが今大事であります。住民が主人公であります。  副員三十メートルもある東西道路を真ん中に通して地域住民を追い出す必要もありません。土地の高度利用も最小限でいいと思います。地域の皆さんの合意で一歩一歩住みやすい地域にしていくことこそ求められております。  また一方、中心市街地再開発も、公共交通問題の解決がおくれたまま三地域の拠点開発に引き込まれますと、勝ち抜ける見通しはここもありません。それでなくても郊外型がシェアを拡大しているときに、駅周辺と分散すれば大きな痛手をこうむる心配さえあります。  今上通一帯で、修復型路地裏文化とも言うべき静かなブームが起きておりますが、これを踏みつぶすような高度利用型開発は推進すべきではありません。中心街の魅力は、お城を中心にした景観と文化の香りを高くする以外にないと思います。  実際に平成七年度に市街地再開発課が中心になって、上通一帯の地域の皆さんとの対話を重ねてまとめた「中心市街地総合再生基本計画」では、他都市に見られない熊本の中心商業地の魅力として四点挙げております。  一つは、熊本城からの眺望によって阿蘇などの自然が感じられること。二つ目には、市民の憩いの広場としての熊本城と、その周辺の文化交流の場。三つ目は、城下町時代のままの町割りに沿った路地裏ネットワークとユニークな小店舗。四つ目が、住宅の混在による生活感のあるまちのたたずまいを挙げておられます。まさにそのとおりであります。これを生かすことこそ、今中心商店街の発展に欠かせないものであります。  ところが、三角市長は何を勘違いしたのでしょうか。他都市にない中心街のこの魅力を踏みつぶすかのように、景観条例と景観指針を事実上ないものにしてしまいました。そして中心街を地下トンネルでつなぐような構想を発表したり、そういう検討も始めているようであります。  新聞には、この地下トンネルの問題については六百億円程度と発表されておりましたが、私自身専門家にお聞きしましたら、現場のこの熊本市の地価状況も考慮すれば一千五百億円前後はかかるとの話でありました。事業効果は薄く、財政破綻は目に見えております。  このほか、大型事業として三百ないし四百億円程度かかると言われる総合防災公園、当面五十億円で、完全復元には一千億円を超える熊本城完全復元、国の事業ではありますが、熊本市の大きな負担を伴う一千数百億円規模の御船七滝ダムなどがメジロ押しであります。  総合防災公園もあったに越したことはありませんが、これを優先すれば、地域の皆さんの願いであります、緊急自動車が通れない狭い道路の拡幅、木造住宅密集地の火災対策、身近な避難場所、公園の整備などの課題が先延ばしになってしまいます。この三つの点は、市が行った都市マスタープラン策定のための調査で、住民自身が防災対策で最優先してほしいと挙げている課題であります。  また消防力の基準から見て、はしご車の充足率が四五%となっており、六台も不足をしております。これを解決することとあわせて、消防五署体制こそが急がれているのではありませんか。  また、これだけ大規模な防災基地は熊本市では使いこなせません。その目的や規模からいっても、一地方都市でつくるべきものではなく、県か国のレベルでつくり、数県にまたがって、あるいは数都市にまたがって活用できるものとすべきであります。  御船七滝ダムもつくってしまえば地下水対策がおざなりになってしまいます。県と市でやるべきことをきちんとやれば、子々孫々まで地下水で熊本市は生きていけるのです。またそれが現代に生きる私たちの最大の務めだと思います。毎年のように七滝ダムの陳情をいたしておりますが、建設省のダム好きにつき合うことはありません。きっぱりと、もう必要ないと言うべきであります。  三角市長は、前市政から引き継いだ開発に加えて、これだけの大型開発をして、熊本市をどんな都市にしようとしているのでしょうか。またそれとの関連で、将来の人口の変動及び経済の見通しをどのように分析して今の計画を進めようとしているのでしょうか。  さらには、財政の裏づけはどうなっているのでしょうか。今明らかにされている財政健全化計画自体、公債費比率が何とか二〇%を超えないようにするのに精いっぱいであります。健全と言われるのは一〇%であります。それとはほど遠い計画となっている中で、これだけの大型事業を進めても、高齢化社会に対応する福祉の充実、二十一世紀を担う子供たちのための予算は十分確保できるのでありましょうか。これからの都市づくりも含めて市長の答弁を求めます。        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  ただいまは議員より、いつもにも増して厳しいお話を承ったわけでありますが、私は市長就任以来、「まちづくりの主役は市民である」を身上にして、多くの意見やお考えを最大限に市政に反映し、また議会の御理解をいただきながら、時代に適応する諸政策を展開してきたところであります。  そういう意味では、議員が申されますことをお伺いいたしておりますと、市民の願いに逆行しているというふうに受けとめられますけれども、大変残念であります。その辺はかなり私と考え方が違うようであります。  議員御指摘の事業、例えば熊本駅周辺の整備でありますが、この事業は、本市の発展を展望するとき、ぜひともなし遂げなければならない重要事業として、議会を初め大半の市民の方々にも御理解をいただいていると信じております。  確かにいまだ理解をいただけない方もおられますが、その方々にも今後きめ細かく御説明を申し上げ、お話し合いをしながら、御理解をいただけるよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。  また、中心部の再開発におきましても、都市の活性化あるいは熊本の顔づくりという意味からも極めて重要な事業であり、これらについても、地元を初め経済界の多くの方々の御理解や御要望も踏まえ取り組んでいるものであります。  先ほど申し述べられました中のいろいろな事業につきましても、このように経済が低迷している中で、やはり人としてのあるいは都市としての夢を持っていかなければならないというのも私たちに課せられた一つの務めではないかなという思いもいたしております。  中心市街地のトンネルの問題とか、お城の問題。お城につきましては既に七百数件の寄附の申し入れもあっておりまして、県外からも大変な期待をかけていただいておるところでございますし、今度の五つの復元計画につきましても、国にも大変な力を入れていただいておりまして、国の補助金もついたわけでございます。今お話がありましたような大変な数値の中でこれをいち早く追っかけていくということではございませんで、一つ一つの夢を力に応じてやっていくというふうなことを発表したところでございます。  しかしお城の問題につきましては、当初、十年ずつ刻みで三十年は考えておった最初の十年間、でき得れば五つか六つできるかなという思いをいたしておりましたが、文化庁の方でも大変な力の入れようでございますし、また住民の皆さん方の期待がかなり大きゅうございまして、もしかしますと二〇〇七年までには九つぐらいの復元が可能かなと。しかも市のお金というものはそれほどたくさん使わないで済むなという試算をいたしているところであります。  お述べになりました中心市街地のトンネルの問題につきましては、いろいろな交通体系との連携もございます。将来の私どものこの市が、先ほどお述べになりました城下町そのものでそのまま残っていいかというふうに考えた場合に、確かに残していく場所もありましょうし、残すより、地形に応じながら一つ一つ変革をしていかなければならないというところもあるのではないかなという思いもいたしております。  今景観の問題の中で、やはり大都心というところではほとんど昔の景観が見られないということがありますけれども、今の交通処理をしていくために、どうしても四百年前の体系、二百年前の体系、地形ということではまかりならんという場合も出てまいります。  今後とも、都市の計画、まちづくりにつきましては、近い時期、あるいは中、長、将来、夢というふうなことをちゃんと分けながら、市民の皆さん方とのお話し合いの中で最大公約数を取りながら進んでいかなければならないというふうに思います。  いずれにいたしましても、これまでの市政運営に当たっては、大方の市民の皆さんや議会の御理解の上で進めてきたと確信をいたしております。今後とも、市民主体の開かれた行政に努めていくことに何ら変わりはないというふうに自分自身申し上げておきたいと思います。        〔七番 重松孝文議員 登壇〕 ◆重松孝文 議員  この熊本の都市像、これからどうしていくのか、本当はこの問題だけで今度の質問をしたかったぐらいの問題でありますが、まだ市長と十分かみ合っておりません。これは今後の課題として、もっと全体像を明らかにしながら論議をしてまいりたいと思います。  市民の思いと、市長のいろいろやられていることが、私はますます隔たりが大きくなっているように感じております。市民のほとんどは大都市熊本は望んでおりません。今全国で大型開発中心の都市づくりは破綻をしつつあります。地域の生活圏で、安全と健康、福祉、そして教育の充実を進めて、お互いの顔が見える地域のネットワーク、そして周辺の農村や農業との共生型の都市づくり、そして成長型時代にふさわしい都市づくりを目指していくべきだと思います。  この点では今後大いに論争していきたいと思いますが、総合計画づくりが今始まっております。この点も、今市長が言われましたように、市民が参加してその計画ができる、そういう形にぜひしていただかなければなりません。  最後の質問に入らせていただきます。市立美術館の問題であります。  私は率直に言って、今のまま美術館づくりが進めば、市民から「この程度の美術館を、そんなにお金をかけてつくる必要があったのか。」こういった批判にさらされるのは間違いないと思います。ですから、私ども市議団として、白紙に戻して、市民的論議を求める申し入れをしたところであります。三角市長におかれましても、その趣旨をしっかり受けとめていただきたいと思います。  私自身、今ほど文化事業が大事になっているときはないと考えております。感受性豊かな時期にある青少年が退廃的な文化の影響を受ける一方で、詰め込み教育と受験競争に追われる毎日であります。この時期にすばらしい文化に接し、創造活動に参加できれば、どんなに豊かな心が育つことでしょうか。また日々の仕事と借金返済などに追われている大人の世界でも、豊かな文化に浸ることのできる時間と場所、そして財政的余裕が求められています。  しかし、長年すばらしい音楽鑑賞活動を続けてこられたオフィス・ムジカが経営困難に陥り、その後を引き継いでいる事業も、今、中止するか、続けるべきか厳しい局面に立たされているというのがこの熊本における文化の実態であります。大変残念でなりません。  例えばピカソを愛し、ベートーベンを愛し、すぐれた映画や舞台に感動する、こんなひとときが月に一度くらいは欲しいものであります。そのことがひいては、思いやりにあふれた社会を築くことにもなると確信をいたします。  特に市立美術館というものは文化振興発信の中核となるべきものであり、その市の文化のレベルを示すものでもあります。だからこそ、市民の総意を集め、だれもが納得できるものにしなければならないと考えております。  しかも、三角市長にとって、前任者からの引き継ぎの事業ではなく、みずからの判断を下した事実上の最初の大型建設事業であります。したがって、この問題を通じて、市長の事業の進め方が検証されることにもなると思います。  そう思うだけに、まだまだ市民的論議も、議会での審議も極めて不十分、しかも中間答申自身もまだ煮詰まっておらず、学芸員などの人的体制、作品の収集もこれからという段階であります。  ところが、再開発ビルのスケジュールに合わせて、しゃにむにこの秋ごろから実施設計に入るという話を耳にしております。もしそれが本当であれば、再開発優先、常識外れの逆立ちした事業とのそしりを受けるでありましょう。  二十一世紀の熊本の文化のメッカとなるものをつくろうというのに、なぜそんなに拙速に事を運ぶ必要があるのでしょうか。経過についても、内容についても、疑問に思うことばかりですので、幾つかお尋ねをいたします。  まず市長に伺いたいことは四点であります。さすが文化人三角と言われる答弁を期待しております。  一つは、検討委員会の中間答申についての受けとめ方であります。  市長は中間答申を受けた直後のテレビインタビューに応じて、「ホーム美術館で、全国お宝市のようなものができればいいですね。」こういった趣旨のことも言われております。ホーム美術館とは一体どのようなものと考えているのでしょうか。また、現代美術とはどのようなものと考えているのでしょうか。熊本市民にとって、なぜ現代美術が必要と考えたのかも含めて明らかにしてください。  なお、この現代美術館とホーム美術館とはどういう関連になるのか。三浦洋一先生の話を聞いてもさっぱりわかりませんので、中間答申を受けた立場で、市長の口から御説明をいただきたいと思います。  二点目は、井手宣通記念館構想から市立総合美術館に方向転換したのは市長の決断と思いますが、その時期と理由を明らかにしてください。  市長は議会からのさまざまな要求に対して、いつも決まってお金がないといって拒否をしておりました。ところが、七億円の事業計画が八十億円近い事業に転換した理由がいまだに私は納得できません。そして、この転換に当たって基本構想の十分な審議が必要だったと思いますが、なぜしなかったのでしょうか。  どこの美術館であっても、公的な中心的美術館については、この基本構想の段階を最も重視をして、時間をかけて双方向の対話を積み上げております。双方向の対話を掲げた市長が、一番それが求められている時期に放棄したのはなぜでしょうか。  また、構想が固まって初めて場所の選定に入るのが常識であります。まともな検討もなく決めているために、あちこちで要らぬうわさが立てられているのです。はっきりしていただきたいと思います。  そして、以上の問題点とあわせて考えるとき、療育センターの機能と規模の大幅な縮小、これは市民、わけても障害者をお持ちの御家庭の理解は到底得られないと思います。  私も、どちらを先につくれと言うつもりはありません。どちらも必要だと思います。しかし、実施計画にさえなかった市立美術館が十分な審議もなく十倍に膨らむ一方で、長年論議してきて実を結ぶ直前になっていた療育センターの方は、母子保健計画の中でも、障害者基本計画の中でも、総合通園センターをつくるとなっていたのに、一番強い要望であります訓練機能も通園機能もない、申しわけ程度のものをつくるというのでは余りにもひどいと思います。  少なくとも私は、私自身さえこのことは納得させることができません。悶々とした思いであります。だれもが納得できる明確な説明がこの点については必要だと思います。  三点目は、文化振興事業の中で、なぜ美術館を最優先事業としたのでしょうか、その理由を明らかにしていただきたいと思います。  文化振興課が平成六年から三年かけて行った調査結果を見てみますと、市民の一番強い要望は多目的ホールであり、創造活動に対する具体的な支援をしてほしいということでありました。この調査結果をどのような目的で行い、またその結果をどう受けとめてこの市立美術館建設を優先することになったのでしょうか。  四点目は、答申はあくまで中間答申となっており、三浦委員長も、今回の答申では不十分ということを十分自覚をされて各界との対話を重ねておられます。市としても、この中間答申を尊重しながら市民的論議を起こす責任があると思います。公聴会的なもの、また市民団体等から要望が出されております公開討論会のようなものをできるだけ開いて、市民の声を幅広く聴取し対話していくというのが、双方向の対話を公約している三角市政の基本姿勢と思いますが、どうお考えでしょうか。  本日、私の控室にファクスが届いてまいりました。それによりますと、市に対して公開シンポジウムの開催要求を求める上申書であります。市民のための美術館にする会の代表と上通青年会の会長さんからその要望があす提出されるとのことであります。  こういう状況の中で、本当に多くの皆さんが、上通の地域の皆さんも含めて、この秋ごろから実施設計に入るかもしれないということをうわさで聞きまして、本当に心配をしております。  市民の皆さん、関係者の皆さん、まして美術の専門家の皆さんの声を十分聞いて、そして公開討論会、公聴会を開いて、そして最終答申まで広く論議を重ねてから、それから設計に入っても遅くないと思います。そうされるつもりはないのでしょうか、やはりうわさのとおりやるのでしょうか、明らかにしてください。  次に、美術館建設の第一線で頑張っておられる御厨助役に具体的問題で幾つかお聞きします。  一点目は、旧家庭裁判所跡は、数億円の改修費をかければ十分に井手宣通記念館・美術館として活用できるという調査結果が出ていたのに、どうして逆の結論を出したのでしょうか。またそのメンバーはだれでしょうか。  私は何度も調査報告書と土質ボーリング調査結果を読み返してみました。しかし調査グループが、この建物は全体としてすぐれた建物という結論を下して、一定の修復をすれば記念館として十分に活用できるという結論を出していたことの方が正しいように思います。どうして逆転したのか説明してください。  二点目、広さはいつの時点で決まったのでしょうか。基本構想もまともに審議されていない中で、場所だけでなく、広さまで約七千平方メートルと決まっていたのは、まさにミステリーとしか言いようがありません。議員の皆さんもきっと首をかしげていると思います。検討委員会の先生方もおかしいとは思われなかったのでしょうか。  美術館建設の天才でない限り、施設の概要や機能が決まらないのに広さを決めることはできないはずであります。せめて中間答申が出てから決まったのであればまだ理解できますが、いつの時点でだれがどういう根拠で、この七千平方メートルをちょっと超える広さを決めたのでしょうか、明らかにしてください。  三点目は、再開発ビルに美術館が入ることのデメリットはどれだけ調査、分析をしたのでしょうか。  美術館の専門家の意見を十分聞いたのでしょうか。再開発ビルに入ることを決めた時点で想定していたデメリットは何だったのでしょうか、具体的に答えてください。そしてそれはどうすることによって解決できると考えたのでしょうか。  ヨーロッパで再開発ビルの中の美術館は一つもありません。視察の際、幾つもの美術館館長にお聞きしましたところ、再開発ビルの中の美術館ではヨーロッパの価値ある作品は展示を許可されないでしょうと言っておられました。これは美術館としては致命的であります。国宝級、重要文化財だけではないのです。  四点目、答申では、「特色ある現代美術館」としているだけで、どんな特色を持つのか、何一つ明確になっていないのに、基本設計あるいは実施設計に入ることができるのでしょうか。  まともな現代美術を収集、展示しようとすれば、階高は六ないし七メートルは必要であると言われております。私も念のために、日本における代表的な現代美術館である東京都現代美術館に出かけてまいりました。展示部分の高さは一階が六メートル、二階が七メートルでした。しかも二階は天井から自然採光ができるように工夫をしてありました。  ここの学芸員の方に聞きますと、この程度の高さがないとまともな現代美術館としての役割は果たせないのではと言っておられました。ところが、基本設計を見てみますと四・五メートルとなっています。これは近代美術館に必要な高さでしかないのであります。  五点目、館長や学芸員の公募並びに収集委員会の設置が中間答申でうたわれていますが、いつごろどのような方法で行う計画でしょうか。  基本構想が十分に審議されないまま検討委員会が設置されていますので、常識的に考えれば、最終答申が出てから、それにふさわしい人と物をということになると思いますが、そのように理解してよろしいのでしょうか。  また実施設計も肝心の人と物が決まってから行われると考えるのが美術館建設の常識でありますが、そのように受けとめてよろしいのでしょうか。  最後の六点目は、箱物については予算が債務負担行為として計上されていますが、肝心の中身、収集予算はおよそどの程度と考えているのでしょうか。  大分市では箱物より中身を優先し、建設までに約五十億円かけて収集し、展示会も積極的に開催をしております。  まだまだお聞きしたい点は山ほどありますが、時間の関係上、市長に四点、助役に六点のお尋ねをいたします。
     なお、助役の持論についてはこれまでも拝聴いたしましたので、質問にだけ的確にお答えください。(笑声)        〔三角保之市長 登壇〕 ◎三角保之 市長  四点についての御質問がございました。ちょっと答弁の順序が入れ違うかもしれませんがお許しいただきたいと思います。  本年三月議会におきましても同様の趣旨の御質問を益田議員より受け、答弁をいたしましたとおり、私はかねてより市政運営におきまして、市民の皆様が幸せを感じながら生活を営むことができるようなまちづくりを進めていくことが何よりも大切であると考えております。  特に現代社会が失いつつある心のゆとりを持っていただくことが何よりも重要であると考えております。その意味で、美しいものに美しいと感動できる心をはぐくむまちづくりが最も肝要であり、心豊かな自然環境のもと、郷土の歴史や伝統が培われた文化や世界に通用する絵画や音楽といった芸術に触れ、またみずからの創作意欲を喚起させる仕掛けが今こそ必要なときではないかと考えております。  本市財政状況といたしましては、確かに大変厳しい状況の中にありますが、このような中にあっても、交通の利便性の極めて高い地域に市民の文化創造の拠点となる美術館を建設することは、大きな役割を果たすものであると考える次第であります。  また、中心市街地の空洞化が懸念される中で、再開発事業の推進により、中心市街地の活性化を図る上でも重要な事業であると考えております。  このようなことから美術館建設を行うということにしたところでございまして、先ほど、ホーム美術館、近代美術館というお話もございました。確かにお話がありましたように、家庭裁判所の跡というふうなお話で進めておられたことは、私が就任以来すぐお伺いをいたしました。  そして井手宣通画伯より、細々としたものを合わせて約一千点、大型なやつで百点、そのほかに、私が就任いたしましてからもいろいろな郷土画家の方々からたくさんの絵画をいただいたわけでございまして、保管が今されております。いただいておる美術品と申しますか、絵画を中心とする美術品はほとんど近代美術でございます。この美術品をそのまま収納させておくならば宝の持ちぐされというふうなことにもなります。  議員お話をいただきました──確かに、今市民の皆さん方の要望としては多目的ホールが一番多いわけでございまして、その多目的ホールにつきましては、地域コミュニティーセンターには必ず併設をさせていただき、利用幅から申しますと、やはりダンスも可能なような形の建設ということもありますけれども、美術品の展示というふうなことについても考慮してきたつもりでございます。  この多くの美術品を多くの皆さん方に見ていただくということのためには、一番交通の便がいいところ──三の丸をいろいろ調査をいたしてみました。あそこの場所に電車通りから歩いていく大学生というのは皆無でございました。  そういうことからいきますと、特にお買い物をする主婦の方々、あるいは小学生、中学生の皆さん方、果たしてわざわざ出向いていくのかなというふうなこともございましたし、もちろん建築家にお願いをいたしまして、老朽性、その他につきましても詳しく調査をいたしました。  そしてまたスペースの問題でございますけれども、今私どもが保管をしております美術品だけを年間、あるいは二年順繰り順繰り回して展示をするというふうな企画をいたしました際においても、バックヤードというものが随分必要になってくるわけでありまして、その点からいたしますと、かなり面積においても不足をしてくるというふうなことがいろいろ持ち上がってまいりました。  井手美術館につきましての検討は随分重ねてあったようでございまして、もちろんその検討を踏まえながらの美術館というふうなことでございますので、中心市街地スペース、そういったような問題からも大丈夫だなという思いをいたしまして、当時再開発等も──再開発があっておったから私どもが入るということじゃございませんで、この一つの美術館で再開発の規模が相当量増幅してきたと私は受けとめておるところでございます。  中身の建設費の問題につきましてもお話がございましたし、また、先日いただきました資料の中でもお調べをいただいておりましたとおりでございます。一つはこの再開発ビルを仕掛けるというふうなことも、企業的感覚の中で地方自治体にも必要でありますし、今積算をいたしますと、でき上がりました固定資産税も二億四千万ほどいただけるという状況にもなってまいります。  また、先ほどお宝市というふうなお話がございましたけれども、そういうことではございませんで、市民の方々が御自分で収集された美術品を、熊本市民の方々やらほかの方々にも、自分だけじゃなくて、見せてやってもいいじゃないかというふうな思いの方の展示をする展示場所をつくりたいという意味でございます。  そういう意味から、そこを基点として、今つくっておりますコミュニティーセンターあるいは支所、センターの増改築の中でも多目的ホールというのを設けていきたいと考えておりますので、ここを基点とした巡回展示ができないかなというようなことも思いながらやってきたところでございます。  基本構想そのものは井手美術館の中でいろいろありまして、山梨県の甲府の美術館とか、そういったいろんな日本各地の有名な美術館があります。県の美術館と私ども市町村の美術館の相違、図書館に例えては悪いのですけれども、親と言いますか、親になる図書館と子になる図書館というものがあって、うまく連携をとりながら活用している東京都の例もございますし、そういう意味から、そのような連携が保てたならばという思いをいたしております。  県の第一美術館は日本では屈指の美術館でもありますし、県立の第二美術館──図書館を改造したものでありますけれども、これも用途としては第一美術館とはかなり違ったものであります。その二つの美術館とは異なる特色あるものをというふうなことを考えておりますし、その三つの美術館を結んだアート道路というふうなものも将来考えながら、彫刻の道路というふうな形にもなれば、自然と足がいろいろな形で双方に向くんじゃないかなという思いもしておるところでございます。  最優先というふうな多目的ホールの方は逐一進めておるつもりでございますので、美術館が最優先というふうなことではございませんで、整備はしているつもりであります。  四番目の中間答申の中で、今後、いろいろ公開討論とか市民の皆さん方の御意見をというふうなことを言われましたけれども、検討委員長とも相談をいたしておりますし、公開討論会も必ずやると。そしてチャンスあるごとにそういう御意見を伺うような場も設けていくというふうなことも委員長も申されておりますし、私自身もそういう形でやらせていただきたいと思っているところであります。  つけ加えておきますけれども、中間答申というのは今日本全国の美術館の館長さんから大変な評価をいただいたということであります。        〔御厨一熊助役 登壇〕 ◎御厨一熊 助役  私に御指名でございますので……。ただ、とんとんと六点おっしゃいましたので、メモしたつもりですが、救急のメモでございますのであるいは漏れるかもしれませんが、その範囲内で、かつまた要点をというような御趣旨だったと思いますので、できるだけ端的に申し上げていきたいと思います。  家庭裁判所の問題は、市長からの御答弁もあったような事情もございます。かつまた、地理の問題と同時に非常に老朽化している。あるいは北側が石垣でございまして、その石垣が古い石垣でございましたので、地盤そのものが傾きかけているという問題。それからもう一つは、家庭裁判所の正面はいいのですが、あとの建物はほとんど木造でございます。そういう意味で、美術品の展示としては基本的に不適というような判断で断念をしたと、こういうことでございます。  それから、ランダムになりますが、収集予算についてはどう考えているかということですが、これは今後の、恐らく委員会の最終答申の中でもどの程度ということは、いわゆる専門家の方々のいろんな意見を集約しながら出てまいると思いますが、非常に専門的にレベルの高い美術館を目指すと同時に、公の美術館でございますので、あくまでも市長のおっしゃるような地域密着型の、広く利用される美術館と、こういう趣旨に沿った収集委員会を答申の中に織り込んでいただいて、予算も議会にお願い申し上げまして御検討いただく、こういうことになろうかと思います。  ちなみに現在の県立美術館の年間の収集予算は一億円、それから、これは昨年の予算と思いますが、鹿児島の市立美術館の収集予算は一億四千万円でございます。そういうものを十分に参考にしながら最終答申をいただきたいと、このように考え、また議会の方にも御審議を賜りたいと、このように考えております。  それから、再開発複合ビルの中でデメリットがあるがどうするのだということでございます。  確かにどこにつくりましても、美術館をつくった場合にいろんな形がございます。閑静な場所に美術館をつくるやり方、あるいは中心市街地につくる場合、あるいは複合でつくる場合、いろんなメリット、デメリット、それぞれあると思いますので、私どもはそのデメリットを最小限に抑える工事技術を駆使しながらメリットを生かしていくと。いわゆる公の美術館として大人から子供まで、お年寄りの方から体の御不自由な方まで、市長のおっしゃる広く開かれた美術館、人の集まりやすい、そういう親しみのある美術館というようなメリットを最大限に生かしていくような設計をお願いしたいと、このように考えております。  それから、面積がどうなんだという御質問だったと思います。  私は市の美術館としては決して大型の美術館とは考えておりません。まあ、中型かなという感じでおります。もちろん、御存じのとおり、県立美術館の本館と分館がございます。それと補完し合うような機能を持ちたい。  これはこの計画が進む時点から県立美術館の館長さん、副館長さん、あるいは学芸員の方々と密接な連携を保ちながら、お互いに補完し合う機能でやっていこうじゃないか。  例えば県立美術館の場合、非常に全国的に誇れるものとして永青文庫、あるいは今西コレクション、こういう収集をお持ちでございます。これは県立美術館の世界的にも誇れる収集だと思いますが、その一面、現代美術におきましてはそこまではないと、その辺をお互い、言うならば兄弟の美術館みたいな形で補完し合いながら進めていきたいなと、このように考えております。  したがいまして、他都市の美術館、市立美術館あたりも検討いたしまして、一万平米の案、六千平米の案、いろいろ案が出ましたが、物理的な問題も含めまして、大体七千平米前後が適当かと、美術館の担当の方から言わせるともう少し大きくという気持ちがありましたが、総合的に考えまして、そのように今のところ進めております。まだ確定ではございませんので、若干面積は動きますけれども、大体七千平米前後かと、このように私は理解いたしております。  それから、館長と学芸員の話でございますが、これも今建設委員会があっておりますので、建設委員会の最終答申の中で盛り込んで、どういうふうに館長を選ぶか、どういうふうに学芸員を選ぶか、ただ必要だというだけでなくて、どういうふうに選んでいくかということを最終答申案の中にぜひ盛り込んでいただきたいと、このように考えているわけでございますが、最終的な決定は、実は人事そのものにつきましては市長の専任権でございます。私から答弁するのは少しおこがましいと思いますが、そういう最終答申の中で一つの考え方と言いますか、そういうものを盛り込んでいただきたいなと。  私個人といたしましては、やはり館長、学芸員は力のある人を選びたいし、しかも年齢層をいろいろ幅の広い中から選んでいただいたらどうだろうかというふうに思っております。  また、館長につきましては、広く人材を求めてまいりまして、それぞれの一流の識者の中から御推薦を賜ればというふうに思っているわけでございます。  やはり何といいましても、熊本の顔の美術館に、先生のおっしゃるとおりに二十一世紀の文化を担っていくというような美術館、そういうものであってほしいと思っておりますので、やはり一流の見識を持ち、立派な人格と国際的な視野と、さらに広く内外の美術館とネットワークをとれるような人材、そういう方々の御推薦をいただきたいなというふうに、これは私の個人的な希望でございますが……。  いずれにいたしましても拙速であってはならないし、おくれてもならない、このように考えております。        〔七番 重松孝文議員 登壇〕 ◆重松孝文 議員  時間が大分遅くなりまして申しわけありません。  今の答弁聞いておりまして、これはますます心配になりました。この程度の水準で美術館をつくっていいのかというのが率直な思いであります。今後また議論していきたいと思いますけれども、もう一点、この点については予定しておりませんでしたが、肝心なことを答えてもらっておりません。どういう条件がそろったときに実施設計に入るのか、この点もう一遍助役にお願いいたします。        〔御厨一熊助役 登壇〕 ◎御厨一熊 助役  ただいま基本計画についていろいろ打ち合わせをさせていただいております。この辺の詰まりぐあいと、それから建設委員会の方から、これは委員長自身に大変御助力いただきまして、それぞれの意見を広く聞きたいということで、これは私どももそう思っておりますが、そういう御意見が集約された時点で実施計画に入りたいと、このように考えております。        〔七番 重松孝文議員 登壇〕 ◆重松孝文 議員  それでは、公開討論だとかそういうのが行われて市民の意見が十分に聴取された後に実施設計に入ると、そのように私は今受け取りました。  この問題はぜひ今後、市民的にも、また議会の中でも大いに議論していかないと、本当に今のままの美術館では大変だと私は率直に思っております。ぜひ大いに市民的議論を引き起こしてまいりたいと思います。  最後になりますが、本日は、長引く不況で苦しむ市民と同じ目線で質問をしてまいりました。特に三角市長には何度も登壇いただきましたが、改めて市政の問題点、市民の願いとはほど遠いということを私自身は感じました。部分的には一致することもありましたけれども、大局的にはどうも違うようであります。今後とも、市民が主人公の市政実現のために頑張らなければならないと決意を新たにいたします。  最後に少し──来年が私の住んでいるところにおりました横井小楠の没後百三十年の記念日を迎えます。私はこの一般質問を準備する過程で、横井小楠に関する文献を読みあさりました。今、大河ドラマ「徳川慶喜」はクライマックスを迎えつつありますが、あの幕末の騒然とした中でも、じっくりと世界を見据えた眼力、そして維新後の共和国日本に思いをはせた想像力に改めて敬服いたしました。同時に彼の思想が、亡き後にこそ本当の力が発揮され、ますます広がったことに感激をいたしました。  暗殺された直後の明治三年に、藩知事細川護久のもと実学党政権が誕生し、小楠の遺志を継いで藩政改革が行われましたが、その内容たるや当時としては日本で最も進んだ地方政治ではなかったかと思えます。  小楠の門弟第一号の徳富一敬及びまな弟子の竹崎律二郎らが藩政改革案を作成していますが、その内容は、一つは、知事の生活態度を改めること。二、農民と商人の意見を聞いて政治を行うこと。そして、権威の象徴熊本城を取り壊すこと。四、付加税など雑税を廃止すること。五、上下二院制度を取り入れた合議の政治をすること。六番目には村役人まで入札公選すること。など、画期的であります。  結果的に、お城を壊すことはできずに残されてよかったと思いますが、お城が権力的に年貢を取り立て、農民、町人を支配する象徴という側面があったことにも反省があった、このことも記憶にとどめておく必要があろうかと思います。  この改革案の中でも雑税廃止は大評判になり、九州全域に大きな影響を与えました。また、桑や茶を植え、絹織物工場をつくるなど殖産興業にも大いに力を入れ、さらに、医学校や洋学校を開校し、北里柴三郎初め日本を動かす逸材を多数輩出しております。  小楠が今生きていれば、小渕政権をしかり飛ばし、消費税を廃止するなど、庶民の暮らしを最優先し、教育、福祉に思い切って力を入れる施策を展開するのではないかと思っております。実学党政権は残念ながら三年後には政府の力でつぶされましたが、その伝統はその後も、熊本はもちろん全国で脈々と生きております。  今や世界も日本も激動の時代に入っております。小楠が過ごした沼山津の近くにいるものの一人として、小楠に思いをはせ、世界を見据えながら、明治初めの藩政改革に劣らない改革を進めるために微力を尽くしたいと決意を新たにしております。  本日は、長時間に及ぶ御清聴と御協力、ありがとうございました。これをもちまして一般質問を終了いたします。(拍手)      ───────────────── ○主海偉佐雄 議長  本日の日程はこれをもって終了いたしました。  この際、お諮りいたします。  明十一日から九月十三日まで三日間は休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。        (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○主海偉佐雄 議長  御異議なしと認めます。  よって、明十一日から九月十三日まで三日間は休会することに決定いたしました。  次会は九月十四日(月曜日)定刻に開きます。      ───────────────── ○主海偉佐雄 議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                  午後四時三十一分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり  平成十年九月十日  出席議員 五十一名   一番 主海偉佐雄   二番 中沢誠     三番 坂田誠二    四番 藤山英美   五番 田中誠一    六番 内田三千夫   七番 重松孝文    八番 小山久子   九番 中松健児    十番 鈴木弘    十一番 古川泰三   十二番 税所史熙  十三番 山内光昭   十四番 下川寛    十六番 竹原孝昭   十七番 北口和皇  十八番 佐々木俊和  十九番 田辺正信   二十番 島田俊六  二十一番 河村寅麿 二十二番 田尻将博  二十三番 田尻清輝  二十四番 牛嶋弘   二十五番 岡田健士 二十六番 落水清弘  二十七番 益田牧子  二十八番 大江政久  二十九番 東すみよ  三十番 磯道文徳  三十一番 江藤正行  三十二番 荒木哲美  三十三番 伊形寛治 三十四番 奧田光弘  三十五番 鈴木昌彦  三十六番 宮原正一  三十七番 諸熊文雄 三十八番 上村恵一  三十九番 西泰史    四十番 亀井省治  四十一番 中村徳生 四十三番 嶋田幾雄  四十四番 竹本勇   四十五番 田尻武男  四十六番 白石正 四十七番 矢野昭三  四十八番 島永慶孝  四十九番 村山義雄   五十番 西村建治 五十一番 大石文夫  五十二番 紫垣正良  五十三番 西野法久 説明のため出席した者 市長      三角保之   助役      御厨一熊   助役      中村順行 収入役     岩本洋一   企画調整局長  松村紀代一  総務局長    野田晃之 市民生活局長  市原敏郎   保健衛生局長  工藤磐    環境保全局長  澤田幸男 経済振興局長  坂田憲一   都市整備局長  田尻紘    建設局長    齊藤聰 消防局長    道越賢    交通事業管理者 行徳健次   水道事業管理者 竈啓一郎 教育委員会委員長松垣裕    教育長     後藤勝介   人事委員会事務局長
                                          有馬紀彦 代表監査委員  服部公雄   市長室長    小山和夫   財務部長    三嶋輝男 職務のため出席した事務局職員 事務局長    森高聖之   事務局次長   大橋舜一郎  議事課長    松本豊 議事課長補佐  山田利博...