また監査の話で関連してお尋ねをしたいと思いますが、先日来、熊本市の
外郭団体の経営状況の報告を議案の中で拝見をしておりました。
外郭団体につきましては、本定例会におきましても連日議論があっておるわけですが、私なりにその経営状況の報告、財務諸表を見まして感想を、思ったことを若干お話しいたしますと、やはり今議論であっているとおり、本市からの出向職員が問題なのではないかと思うわけでございます。
外郭団体は、財団法人、社団法人その他公益法人が大半を占めるわけですけれども、本市から職員が出向して、そのノウハウを指導することによりまして、行政的に会計状態を指導する。行政の会計と公益法人の会計というのはおのずと会計法による処理が違うわけでございますけれども、ひどい団体になりますと、
次期収支繰越金がゼロというような団体もございます。
これがどういった意味を持つかといいますと、
次期繰越収支差額金がないということは、その公益法人の総会が開かれるまで人件費も水光熱費も出せない。電気もつけず、水も出さず、職員の給料もない状態で仕事をしなければならないというようなことになるわけでございます。
その他、どうバランスシートを見ましても、経営が破綻して熊本市の補助金に頼るしかない、自立できないような団体が大変多いわけでございます。そういうことから考えますと、非常に会計が不適当だという感が否めないわけでございます。
監査の話に関連しまして、この
外郭団体の会計処理、または経営指導を
公認会計士に委託をして適正な運用を図るべきではないかと思いますので、これについても御所見をお伺いしたいと思います。
二点目としまして、
情報公開に伴います文書の保管、これについてお尋ねをしたいと思います。
情報公開条例が制定をされますと、文書の
開示請求というものが頻繁に出てくることが予想されるわけでございます。現在、国におきましては、そういったことに対応できるように文書の電子化の保存というものが完了しておるわけでございますが、現在本市の状況を見てみますと、法の規定があるとはいえ、旧態依然とした保管方法がとられております。
私も職員時代に経験があるわけでございますが、何年前のこの決裁文書を出せと言われたときに、作業服に着がえまして倉庫の中に飛び込んで、丸一日がかりで
ほこりまみれになって文書を探した。それでもどこに文書があるかわからないというような状況もあったわけでございます。
保管に関しましては本市でもいろいろな対策がとられているかと思いますが、最近若干法の解釈が変わって、電子化による
文書保管ができるようになったとも聞き及んでおります。災害時の安全対策、また保管倉庫の場所不足というものに対応できる電子化による文書の保管、保全、これをすれば、
開示請求があった場合にも速やかに文書の開示ができるということに対応するためにこれができないか御意見を賜りたいと思います。
また、続きまして、
固定資産評価の問題に関してお尋ねをいたします。
固定資産評価は、御存じのとおり
地方自治法の規定によりまして、評価員さんが現在評価を決めておられるわけでございます。
皆さん御存じのとおり、自治省におきましても、
固定資産税の評価を
実勢価格に近づけるとのもと、平成七年でしたか、評価がえが行われたわけでございまして、それ以前の評価よりかなり評価額が上がりまして、現在、不況下におきましては過剰負担とも言えるような
固定資産税の課税があっているわけでございます。
ただ、過剰負担とは言いましても、それだけの土地を持っている上での税負担というのはやむを得ない話でございまして、納付するのが当然の義務と言うべきものでございますが、若干の実例をお話ししながらお尋ねをしたいと思うわけでございます。
先日、ある市民の方とお話をしておりました折に、国道沿いの角地、これの土地の評価と自分がその近くに持っている国道から五十メーター入り込んだ小さな自宅用地の評価額がほとんど変わらない。
実勢価格が大きく違うのにどうしてこのように評価額が変わらないような状況が起こるのだというような話もいただきました。
現在、日本全国におきまして不動産の
実勢価格というのは大きく二極化が進んでおると言われております。隣同士にある土地であっても、片や収益が上がるようなきちんとした地形の土地ならば売買の
実勢価格は高く、その隣にあっても、地形が悪ければ
実勢価格は低いというような状態があちこちで見られるわけでございます。
実勢価格に近づけるといいながら、そういった面的な一律の評価がなされていることに納得のいかない市民の方も多数いらっしゃるわけでございます。
右肩上がりの経済の時代ならば、そういった面的一律評価ということで大きな問題は生じなかったかと思いますが、経済が沈滞化し、不動産の
実勢価格が大きく変わった現在、今までのような評価では
不公平感があるのは否めない問題ではないかと思います。
これにつきましてアメリカの事例を若干お話しいたしますと、アメリカでは、
固定資産評価に当たりまして一筆ごとに土地の
鑑定評価を専門家に依頼して、評価に対して不服があった市民からはデータの
開示請求を受けて、きちんとした理由のもとにこういう評価になっているのだというデータを開示するようになって、市民の
不公平感、不満というものを解消しているわけでございます。
この事例を、地方税法の規定がある我が国にそのまま持ってくることはできないとは思いますが、
鑑定評価を委託したデータをそのまま評価に使うのではなく、生データではなく、評価員が評価を決める際の参考にするということはできるのではないかと思います。
今後の
情報公開ということを前提にしたときに、固定資産の評価においてもしっかりした理論武装を熊本市ではとる必要があると思いますが、こういった
固定資産評価に対する
鑑定評価の委託ということができないものか、あわせてお尋ねをいたします。
〔松村紀代一
企画調整局長 登壇〕
◎松村紀代一
企画調整局長 一点だけ私の方からお答えを申し上げます。
お尋ねの
外部監査制度につきましては、議員御案内のとおり、中核市には平成十一年度からの導入が義務づけられておりますので、本市におきましても、制度導入に向けて執行体制を早急に整える必要があろうと認識をいたしております。
しかしながら、この
外部監査制度が地方自治体にとりましては初めての制度でございますので、熊本県を初め他の自治体におきましてもいまだ具体的な取り組みが進んでいないのが現状でございます。自治省からの詳しい事務説明もつい先般の八月末になされたばかりでございます。
したがいまして、来年四月の導入に向けまして、これから早速作業を進めてまいりたいと考えておりますが、下川議員より御提案の
外郭団体に対する監査と
外部監査人に
公認会計士を選任するという件につきましても、その趣旨を十分踏まえまして、各自治体の対応等も見きわめながら、その作業の中で検討させていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。
〔野田晃之
総務局長 登壇〕
◎野田晃之
総務局長 私からは、
文書保管の電子化の問題、
固定資産評価の問題、二点についてお答えを申し上げます。
情報公開の時代を迎え、市民の皆様からの
開示請求に速やかにこたえるとともに、また、正確、迅速な事務執行の上からも適切な
文書管理が必要不可欠であると存じております。
しかしながら、近年の文書量の増大傾向に伴い、
庁舎内文書庫の収容能力が徐々に限界に近づきつつあるため、本市といたしましては、これまでにも文書のA判化などによる文書量の削減とともに、
文書管理方法の改善といたしまして、
ファイリングシステムの導入や、一部の部局ではございますが
光ディスクや
マイクロフィルム化に取り組んでまいりました。
しかしながら、
光ディスク方式には法的な証拠力が認められない、導入経費が高額であるなど、
文書管理の電子化には解決すべきさまざまな課題がございました。
このような中、法的な証拠力を認める範囲を拡大した、いわゆる新
民事訴訟法がことし一月に改正施行されましたが、これによって電子化された文書が証拠力を有するのかを見きわめるとともに、この実現化に向けてはどのくらいの経費が必要なのか、実現した場合にはどのくらいの新たなスペースが生み出せるのかを具体的に試算するほか、迅速な検索方法、災害時の
安全対策面などについても個々具体的に検証してみたいと考えているところでございます。
次に、
固定資産評価の問題についてお答えを申し上げます。
近年の
バブル景気並びにその後の景気低迷に伴い、短期間のうちに資産価値が大きく変動する現状にあり、今まで以上に適正な時価による課税の実現が求められております。
このような現状にかんがみ、本来、
固定資産評価は原則として三年ごとの基準年度にのみ見直す制度がとられているところでありますが、平成六年度より、
公的土地評価の均衡化の観点から
不動産鑑定評価を活用することとなり、平成九年度からは、
不動産鑑定評価後においても地価下落が認められる場合には、基準年度に限らず毎
年度時点修正を行うことができることとされたものであります。
本市では、制度改正のあった平成六年度より直ちに
不動産鑑定を導入し、平成九年度には
鑑定評価地点数を四百地点増加させ二千地点とし、その後の
地価下落状況につきましても評価に反映させるべく、平成九年度、平成十年度と毎
年度時点修正を行っております。
また、本市独自の取り組みといたしまして、平成六年度から、正確かつ迅速な課税客体の現況把握を目的とした
固定資産現況調査事業と、土地評価の基本である路線価の均衡化を図ることを目的とした
土地評価システム事業を業務委託により実施し、さらには、納税者に課税内容をチェックしていただき、納税者の御理解を深めていただくために、平成九年度より
課税内訳書の送付並びに路線価の公開を実施いたしております。
今後の課題といたしまして、国においては、よりよい
評価制度の実現に向け毎年度評価がえを実施する等、将来の
固定資産評価について検討がなされているやに聞き及んでおります。
本市といたしましても、時代の変化に即応する
固定資産評価の質の向上を図るため、さきに述べました二つの事業の強化、推進とともに、事業により得られた成果をもとに、職員の
実地調査等により収集された課税情報を、課税客体の位置図である
地番家屋現況図上にあらわすことができる
税務地図情報システムを柱に、家屋調査の効率化を図るための
家屋評価システム、評価がえ後の状況等をシミュレーションできる評価がえ
事務支援システム等の導入を検討し、適正な評価、適正な時価の実現に向けさらに努力してまいりたいと存じます。
〔十四番
下川寛議員 登壇〕
◆下川寛 議員 今お答えをいただいたわけでございますが、
外部監査の件につきましては、その会計上の性格、それから
法的知識云々と、種々の問題を考えますと、法に明文化した規定のある弁護士さんまたは
公認会計士さんしか適当ではないのではないかと考えるわけでございます。
来年に向けて議会の方にも契約案件が提出をされると思いますが、その際はぜひ、そういった約束の中から指名をしていただきまして、適正な
外部監査が執行されますようにお願いをいたしておきたいと思います。
また、各自治体の対応を見られるということですが、余り私は好きな言葉ではありません。全国二番目の規模を持つ都市としましては、よそに先んじてやる、他都市の状況の調査など必要ないというのが持論でございますが、この場合は新しい制度でございますので、対応を見きわめていただいても結構でございます。ただ、いいところだけをぜひ見ていただくようにお願いをいたしたいと思います。
それから文書の保管の問題ですが、今回初めて質問したわけではございません。かなり前から言い続けているわけでございます。ただ、最近になりまして、答弁にありました法の改正により道が開けてきたのではないかと思います。安全対策の面、それから保存場所の面、かなり有効な問題だと思います。個々具体的に検証されるということでしたが、やってみたいというお話ではなく、ぜひやっていただきたいと思いますので、主体性を持ってしっかりとやっていただきたいと思います。
それから、
固定資産評価の件ですが、現在実施されております現況調査、二千地点ですか、これでは数が少ないのではないかと思うわけでございます。答弁の中にありました、さまざまなシステムで適正評価というものが確保できれば、市民の
不公平感もなく、問題はないのではないかと思いますが、不動産屋の私から考えますと、まだ疑問があるわけでございます。
今後もこの問題は続けて取り組んでいきたいと思いますので、市民の信用を失墜せずに、
不公平感のない評価の運用というものをよろしくお願いいたしたいと思います。
続きまして、
効率的調達と予算の
効率的活用についてということで数点お尋ねを進めてまいりたいと思います。
まず一番目に、
調達関係についてお尋ねをいたします。
先日といいますか、八月でございますが、山梨におきまして内容と性能、それから価格が同程度のものならば、環境に優しい物品を優先して調達するという
調達方法が実施されました。これは、現在、たくさんそういった
データベースが出ているうちの
グリーン調達ネットワークというものの
データベースを活用して調達をされたわけでございます。
本市も
環境保全都市宣言をやっている以上、こういった
調達方法について取り組んでいく必要があるのではないかと思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
また同じく調達に関しまして、アメリカの事例をちょっとお話をさせていただきたいと思いますが、用語として日本全国ではまだオーソライズされた用語ではありませんので、勝手な命名をさせていただいておりますが、
アカデミック調達とでも言うべき制度がございます。これは教育関連のものに物品を納入する場合、原価割れとでも言うべき超破格値で納入をするような制度でございます。
例えば学校で使う備品、学校関係の建設、これについては利益は度外視した納入を企業がやっているわけでございまして、今全世界的に言われております企業のメセナとかフィランソロピーという社会貢献的な意思のもとに実行されているわけでございます。
教育関連にそういった納入をすることは、利益を確保しなくても将来の顧客を確保することでございますし、全体的な
教育レベルが上がれば、これが一番の社会貢献になるという考えのもとに行われていると聞き及んでおります。
こういった
調達方法を本市でも採用できないものかと思うわけでございます。本市でも、教育県熊本と言われた県都所在地でありながら教育の低迷が言われる中で、また企業と教育との連携、企業の社会貢献を誘発する意味からでも、制度をつくるか、または指導していく必要があるのではないかと思いますが、お考えを伺いたいと思います。
また
調達関係に関しましてもう一点、本市の予算書の内容を見てみますと、
物品調達に関しましてリースというものがかなり活用されているわけでございます。
その金額を見てみますと、私ら企業人から考えますと、とんでもないような値段がついているわけでございまして、若干の例をお話ししますと、例えばパソコン、今量販店に行きますと一台十万円程度で購入ができるわけでございますが、本市の予算書によるリースの総金額をはじいてみますと百万円を超えるような事例も多々見受けられ、これまでも苦言を呈してきたわけでございます。
リースを活用するメリットというのは、商業法人におきましては経費に算入ができるですとか、償却の問題で税制的な面がかなり有利な点があるわけでございます。しかし、行政におきましては、税制面の有利さを考える必要もなく、
トータルコストだけを考えればいいわけでございまして、
トータルコストを考えたときに、行政がリースを活用するというのは非常に納得のいかない面があるわけでございます。購入されてはいかがかと思いますが、今後の対応についてお聞かせいただきたいと思います。
続きまして、調達という話からはちょっと外れてまいりますが、
公共建築物の建築に当たっての用地の問題でお尋ねをいたしたいと思います。
現在、市民から、市民が使うための
公共建築物の建設の要求というものがかなり多く上がっているわけでございます。例えば、
コミュニティーセンターにしましても、ほとんど全市内から要望が上がっているのではないかと思いますが、現在の財政難の状況の中、一カ所ないし二カ所しか一年間に建設ができない状況にあります。
この内容を分析してみますと、土地を取得するということが基本的なスタンスでありますので、用地費がその予算の中にかなりの割合を占めているわけでございます。
ところが、これの解消について考えておりましたら、先日、美術館の建設その他で地上権の活用ですとか、そういった用地を取得しない方式というのが既に本市の一部でも実現をいたしておるわけでございます。
定期借地権制度も運用を開始されている今、建物の種別によりましては土地を取得する必要もなく、借地、そういったものを活用しながら効率的に予算を執行して市民のニーズを満たす必要があるのではないかと思いますが、今後の
公共建築物の建設に関しまして、そういった用地の借地の活用ができないかお考えを賜りたいと存じます。
それから、この項の最後といたしまして、公共工事の発注に関しましてお尋ねをいたします。
現在、経済の沈滞によります影響か、連日新聞紙上で談合情報というものがにぎわいを見せております。行政としては公平かつ公正に執行していると言われましても、民間ではいろいろなうわさがあることも仄聞をするわけでございますが、市民からの信頼を失墜する大きな原因となっているわけでございます。
それでは、どのようにしたらこの市民からの信用の失墜というものを解消できるのかということで考えてみましたときに、いっそのこと、公共工事の発注に関します価格、予算、その他を事前公表してはいかがかと思うわけでございます。そして、事前公表をするとともに、その価格で、そのランクで合う業者さんには手を挙げていただいて、抽せんで発注をしたらどうかと思うわけです。
公平かつ平等、また公正による透明感を高めるということにつきましては、これ以上のものはないと確信をしてお尋ねするわけでございますが、これをするに当たりましては、単なる価格の事前公表ということではなしに、やはり適正な価格、業者の利益も確保した、どこから見てもおかしくない価格での事前公表ということに加えまして、業者のクラスのきちんとした見直しというものを前提条件にして実行する必要があるのではないかと思います。
抽せんに当たりましても、ここ近年、パソコンを利用しました抽せんのソフトなども既に
実用化段階に入っておりまして、抽せんにおける人間の作為の入る余地のないソフトウエアなども開発をされているわけでございます。
全国に先んじてこういう制度を実行すれば、公平かつ公正、平等ということだけでなく、熊本方式とでも言えるような透明性の高い行政の執行ができるのではないかと思いますし、今後の情報開示ということを考えたときに、どこから求められても、きちんとした明確な理由の立つ理論武装ができるのではないかと思いますので、これに対するお考えも賜りたいと存じます。
〔野田晃之
総務局長 登壇〕
◎野田晃之
総務局長 まず、調達関連のお尋ねからお答えを申し上げます。
物品購入に際しまして、
グリーン購入ネットワークのデータを参考に、
環境保護物品に限り調達する方法を採用してはどうかという御提案だと存じますが、環境保護に関する
データベースは、議員の触れられました
グリーン購入ネットワークを含め多数存在いたしているようであります。
環境問題に対しては、現在、本市としても積極的に取り組んでいるところでございますが、御指摘の
物品購入選定に当たっては、物品の性能、価格、
アフターサービス等の条件に加え、メーカーからの公平な物品の調達も絡み、
グリーン購入ネットワークのデータを参考とすることは可能かと存じますが、このデータだけを選定の基準とすることは現時点では難しいのではないかと考えております。
しかしながら、本市は
環境保全都市を宣言し、さまざまな施策を展開しているところでもあり、議員御指摘の
環境保護物品の調達導入につきましては今後とも努力してまいりたいと存じております。
次に、教育機関の
物品購入については、特別に低価格で納入するよう
物品販売業者を指導できないかというお尋ねだと存じます。
アメリカにおきましては、確かに教育関連への納入は低価格な
アカデミック価格でなされていると聞き及んでおります。しかしながら日本におきましては、いまだ
社会的通念にまでは至っていないのが現状かと存じますし、
メーカー側の
特別価格納入に対するコンセンサスが必要であろうと存じます。
このような方式が可能かどうか非常に難しい問題でございますが、
企業サイドの考え方を承ってまいりたいと考えております。
調達関係での最後に、物品の
調達方法についてお答えします。
物品調達には
リース方式、購入方式があるわけでございますが、いずれも長所短所がございますので、今後は、議員御指摘の趣旨も踏まえまして、リース、購入いずれの方式がより適した物品なのか、さらに予算的な面から見たより効率的な契約のあり方等について見直してまいりたいと存じます。
次に、公共用建築物に借地を活用したらどうかというお尋ねでございますが、この問題につきましては、財政運営の効率化の視点から過去においても御提案をいただいたところでございます。
本市におきましては、現在、一部の市営住宅においてこの手法により運用を行っており、また、ただいまお触れになりましたように美術館建設におきましても、地上権と底地権の併用による借地で事業の推進を図ることといたしております。
この手法につきましては、土地の取得に比べて、事業実施年度において一度に多額の資金を必要とせずに利用目的を達成できるという大きなメリットがあります反面、土地所有者に契約を更新しない正当な事由がある場合には、借地権としての存続期間が限定される場合もあり、事業の永続性等について検討すべき課題もございます。
今後、事業部局から要求があった段階で、それぞれの事業におきまして、この手法の活用について、個別的、具体的に十分協議、検討してまいりたいと、このように考えているところでございます。
〔齊藤聰建設局長 登壇〕
◎齊藤聰 建設局長 公共工事発注へのPC抽せん機導入についてお答えを申し上げます。
予定価格の公表につきましては、建設省の諮問機関であります中央建設業審議会の本年二月の建議の中に、談合等の不正入札防止等を目的に入札契約手続の透明性向上策として盛り込まれており、建設省では直轄工事において本年四月から事後公表がなされております。
また、都道府県及び政令指定都市等につきましても、国に相前後して設計金額や予定価格等を事後あるいは事前に公表する自治体が徐々に増加をしております。
さらに、国において本年四月から導入されました予定価格の事後公表につきましては、実施後間もないにもかかわらず、予定価格そのものの事前公表のあり方の検討を始めるという状況になっております。
本市では、既に積算の根拠となります数量の公開や土木工事に関しては資材単価の公表を実施するなど情報の開示に努め、業者の真摯な見積もりが円滑に行われる条件の整備に努めてまいりました。そのことにより、業界におきましても適正な見積もりが可能になっているものと理解をいたしておりますので、今後はなお一層の条件整備を図ってまいりたいと考えております。
したがいまして、本市としましては、国の取り組み状況の把握と分析を通じ、事後公表のみならず事前公表をも視野に入れて、予定価格公表実施の是非等について慎重に検討してまいりたいと考えております。
また、議員御提案のPC抽せん機という方法につきましては、談合等の不正入札防止の観点から有効な一つの方法であるかと考えられます。これまでも他自治体でくじ引きによる入札業者の絞り込み等種々の工夫がなされております。
今回御提案の本格的なPC抽せん機によります業者の選定は他の自治体でもいまだ実施されていないようですが、御提案の趣旨を受け、他自治体のさまざまな方法の状況等をも注視しつつ、今後の研究課題とさせていただきたいと考えております。
〔十四番
下川寛議員 登壇〕
◆下川寛 議員
調達関係につきましては、御答弁にありましたとおり、グリーン調達につきましては当然それのみでできるものでもないというのはよく認識をしているわけでございます。ただ、アカデミック納入とでも言うべきものとあわせまして今後必ず必要になってくるものではないかと思いますので、しっかりと取りかかりの行動を開始していただきたいと思うわけでございます。
また、リースの問題につきましては、買いかえの内部事情が絡んでいるとも聞き及んでおります。例えば買いかえのときに、お宅はあるじゃないかということで、なかなか財政の方からの予算査定が通らないという話も耳にするわけでございます。
その辺も考え合わせますと、行政でリースを使う明確な理由というものがさして見当たらないと思うわけでございますが、
トータルコストということの認識をしっかり持っていただいて、その辺の根本的な認識をひとつこれから変えていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
それから、借地の活用の問題につきましては、大変にありがたいと思っております。以前から質問をさせていただいておりましたが、これでやっと軌道に乗りかかってきたかなと思っております。
事業部局が要求を出してくる時点に当たりましては、事業部局でも、当然その借地が適当な建物かどうかというのは検討して要求を上げてくると確信をいたしておりますので、その辺を御理解の上、有効に活用していただきたいと思いますし、またさっと頭に浮かびます事例などにつきましても、
コミュニティーセンターなどについては、例えば五十年というような借地期間があれば、建物も契約期間が切れるころには朽ち果てまして、それだけ使えれば本望じゃないかと思うわけでございます。
市民生活局長さんにもその辺のところはよく御理解をいただきまして、今後事業部局でも検討を進めていただきますようにお願いをいたしたいと思います。
それから、公共工事の発注に関しましては、本市でも、今の御答弁にありましたとおりかなりの情報開示をされているようでございます。そこまでされているならば、例えば事前公表をするといったときにでも簡単に移れそうな気もするわけでございます。
あくまで公共工事の持つ経済浮揚効果というものを維持しながら市民の信頼を高めるという効果は大変に大きいものがあると思いますので、単なる課題とか検討とか言わずに、条件整備のできる研究をされて、実施に向けて考えていただきたいと思います。
質問通告の三番目といたしまして、市民経済の活性化とその促進についてということで四点ほどお尋ねをいたしたいと思うわけです。
まず一点目としまして、コンビニエンスストアへの委託の関連でお尋ねをいたしたいと思います。
国におきまして、国民年金保険の納入がコンビニエンスストアでできるようにということで検討が始められたという報道があっておりましたが、東京二十三区では、それらの納入だけでなく、水道料金、電話料金その他の徴収もあっておりまして、先日見てまいりましたら、一メーターぐらいの幅の機械でしょうか、たくさんのボタンが並んでいて、店員さんに納付書を渡すことなく機械で納入ができるようなシステムが既に稼働しておりました。
また、それに関連して三鷹市とか市川市を見てきたわけですが、各種証明の自動交付機というものがあったり、また市川市におきましては、コンビニで住民票の配達システムと言いますか、コンビニで住民票が受け取られるようなシステムが稼働しておりまして、市民から好評を博していたわけでございます。
ただ、そのモデル地区を指定されるに当たりまして、聞くところによりますと、団地等の五十戸程度でモデル地区指定をされるようなお話も聞き及んでおりますが、モデル地区に指定をしても実際活用していただかなければ何の意味もないわけでございます。
地元の話で大変恐縮でございますが、私どもの尾ノ上におきまして「みどり会」とか「さくら会」とかいう御婦人方の会がございまして、コンポスターについても数十台を購入されて、毎回熱心にボカシづくりによる堆肥化、それから暇なときには集まられて廃油石けんづくり、また、洋服のはぎれを利用した、再利用での小物づくりをして、独居老人家庭などに慰問に行かれるなど、本当に熱心にリサイクル、環境問題ということに取り組んでいらっしゃる団体もございます。
会員数全体で言いますと数百名に上りますので、ぜひそういった熱心に活動していらっしゃるところに対してモデル地区の指定をしていただければ効果のほどがより発揮できると思いますので、一度お考えをいただきたいと要望をいたすものでございます。
大変に時間が迫ってまいりましたが、このほか福祉と教育の問題は所管委員会に所属をしておりますので、そちらの方で行わせていただきたいと思います。
本日は答弁の中で、かなり検討するというような答弁をいただいておりますが、検討するというのはやらないという意思表示であるという話も聞いたことがございます。検討すると言われたからには、本当に検討して報告をしていただきたいと思うわけでございます。
今議会の中でも、以前の検討結果はどうだったかとこの場で質問される議員さんの話もよく耳にするわけでございますが、私らがここに立つ時間というのは限られております。きちんとした検討後の報告があれば私らがここでまた再度聞くこともないわけでございまして、私たちにむだな時間を使わせないように報告をいただきますように、この場をおかりしてお願いをいたしておきたいと思います。
また、本日いろいろ提案を交えてお尋ねをしたわけでございますけれども、本日に限らず、私個人の質問のスタンスとしまして、お尋ねをするに当たっては必ず自分でベストと確信をした事例を挙げながらお尋ねをすることとしております。
ただ、ゼネラリストを自認する悲しさでございますけれども、その提案案件がスペシャリストから見れば必ずしもベストとはいえないという部分もあるかと思います。
ただ、往々にしまして素人の考えがプロの気がつかない妙案であったりするわけですけれども、本日のこの質問もそういういい方向に転ぶ議論のきっかけとなりまして、今後の本市が
不公平感のない、またどこから見ても事業に対する理論武装のしっかりできた先進的なまちであることを切実に希望しますとともに、ぜひ私も二十一世紀にもこのまちのお手伝いができることをお誓いいたしまして、質問を終了いたします。長時間の御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
─────────────────
○中沢誠 副議長 この際、議事の都合により休憩いたします。
午後二時に再開いたします。
午後十一時五十五分 休憩
────────────
午後 二時 二分 再開
○主海偉佐雄 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────
○主海偉佐雄 議長 質問を続行いたします。重松孝文議員。
〔七番 重松孝文議員 登壇 拍手〕
◆重松孝文 議員 日本共産党の重松孝文です。三角市長とまみえる最後の質問の機会になるかもしれませんので、今回は市長への質問を中心にしてまいりたいと思います。眼鏡を外して本音で答弁していただきますようお願いいたします。
それでは、通告しました質問の順序を一部変更いたしまして、順次質問してまいりますので、よろしくお願いいたします。
まず、三角市長の基本姿勢にかかわる問題で二点お尋ねをいたします。
一つは、
情報公開条例実施に当たっての姿勢であります。
先般、熊本地裁におきまして判決が下されました。県の条例をめぐる争いではありましたが、条例施行を目前にしております本市にとりましてもよそごとでは済まされない中身になっております。
十月一日から実施されます本市の
情報公開条例は、知る権利、原則開示を明記するなど積極的な面も持っておりますが、非公開の対象が行政の裁量に任されている範囲が広くなっております。さきの熊本地裁の判決に照らして見ますと、改善を求められていると考えられます。
そこでお尋ねいたしますが、三角市長は先般の熊本地裁の判決をどのように受けとめられたのでしょうか。この判決は、懇談会の相手が公務員であっても民間人であっても、職名も氏名も公開にすべきだと明快な判決を下しました。この判決の水準と、第一回定例会での三角市長の答弁には随分乖離があるようであります。
知る権利に基づく
情報公開条例の活用は行政への信頼の回復で市民の参加協力を得るのか、それとも行政への不信を強めるのか、その分水嶺となっているのです。
全国的にも、高知県政への信頼の高まりと、我が福島県知事への批判の高まりの差を見ればよくおわかりだと思います。三角市長はどちらの道を選択するのでしょうか。
第一回定例会後の判決でもあり、十月一日の条例施行直前の判決でもあります。いや応なしに態度決定が迫られることになると思いますが、この判決に十分耐え得るものを目指すつもりでありましょうか。それとも、それに不服として控訴した県と同じような立場に立っているのでしょうか。四年間で随分懇談もしていると思いますので、これまでのことも振り返りながら、個別具体的に明らかにしていただきたいと思います。
二点目は、消費税減税についてのお尋ねであります。
今日の不況の原因についてはこれまでも種々論議してまいりましたので繰り返すことはやめますが、小渕内閣のもとで打開の道が見えないだけでなく、ますます深刻の度を加えております。これまで持ちこたえてきた中堅企業でさえも、いつつぶれてもおかしくないと言われる状況となっております。
一方、世界の経済もかつてない深刻な事態に直面しております。こうした中、国政のレベルでは、消費税減税への決断と銀行の負担を原則とする不良債権処理が一刻の猶予もできない事態となっております。国民の消費税減税を求める声は日に日に大きくなるばかりです。
最近では、経済の専門家だけでなく、あの消費税増税論者であります中曽根元総理まで、消費税減税で景気刺激をすべきではないか、このように発言するようになりました。IMFも日本政府に消費税減税を求めております。そうです。実体経済を上向きにさせるにはもうそれしか残されていないのです。
恒久的減税などと言って、国民の八割、九割が増税、一部の高額所得者だけが減税になるようなごまかしの減税をやっても、消費が伸びるどころか一層冷え込むだけであります。
市長も、今回補正予算で計上した景気対策くらいではシュンとも言わないということはおわかりだと思います。今こそ、国民の苦しみを一番身近なところで肌で感じている自治体の長がはっきり物を言うべきだと思います。
新潟県の上越市長は、これまでかたくなに拒否していましたが、最近、「今の景気に大変不安を持っている。消費税にさわらないともう立ち行かなくなるのではないか。」とこう言って、さらに「国の方から引き下げるとは言いにくいだろうから、地方から声を上げていく必要がある。」こういう見解を発表しております。
そこで市長にお尋ねいたします。三角市長、あなたは政府に対して、熊本市民を代表して「消費税減税を急げ」と主張するつもりはありませんか。ぜひはっきりと言ってほしいと思います。いかがでしょうか。
〔三角保之市長 登壇〕
◎三角保之 市長 ただいまは重松議員より、今回で最後だという判決を下していただきましたので、それを頭に入れ、心して答弁を申し上げたいというふうに思います。
いよいよ十月一日には
情報公開条例を施行する運びとなりました。現在、その施行に向けて、窓口の開設を初め市民の皆さんへのPR等、諸般の準備を行っているところでございます。
情報公開条例への私の基本的な考えでございますが、三月議会でもお答えをいたしましたとおり、条例前文にもございますように、市政は市民の厳粛な信託に基づくものであり、市政の運営状況は、主権者たる市民の皆様に十分に説明される必要があると考えております。
情報公開制度は、この説明責任を十分に果たし、市民と市政の信頼関係をさらに強め、市民が主体のまちづくりに大いに寄与するものであると認識しております。
情報公開に関しましては、既にこれまでも最高裁判例を初め多くの判例があるところでございます。各自治体の
情報公開条例は、その基本的な精神は共通しておりますが、規定の仕方は多様でありまして、類似の事案であっても異なる判断となるところもあり得るところでございます。
議員御指摘の、先般の熊本地裁判決につきましても、これらの判例の一つとして厳粛に受けとめるとともに、現在控訴中のようでございますので、その推移につきましても注意深く見守りたいと考えております。
次に、懇談会の相手方の公開についてのお尋ねでございます。
一口に懇談会と申しましても、御承知のとおりさまざまなものがあるわけでございまして、原則開示としつつ、個人のプライバシーも最大限に保護しようとする条例の趣旨に沿いながら解釈、運用を行うつもりでございます。
原則的には、本市の職員は、職、氏名とも開示、相手方が公務員の場合は職を開示し、民間人の場合は職、氏名とも不開示とすると考えております。
なお、条例には公益上の理由による裁量的開示の規定も設けておりますので、この規定の適用につきましても厳正に検討してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、本年三月に御可決いただきました条例の趣旨に沿いまして制度の運用に努めてまいりたいと思いますので、よろしく御理解をいただきますようお願いをいたします。
次に、消費税減税についてのお尋ねでございます。
経済対策としての消費税減税を国に対して要望してはどうかというお尋ねであります。
現在の我が国の経済情勢は、個人消費の停滞、企業倒産の増大、雇用情勢の悪化など極めて深刻な状況にあります。国においては、このような経済状況から、景気対策を最優先課題として総合経済対策を施行するとともに、我が国経済再生のため、金融システムの抜本的な見直しや本年度中の二次補正予算の編成と、新年度予算におけるこの補正予算を活用しての十五カ月予算の編成、さらには恒久的な減税の実施を柱とし、我が国経済の再生に取り組む方針を明らかにいたしております。
この中の減税につきましては、我が国の将来を見据え、より望ましい税制の構築に向け抜本的な改正を目指すもので、六兆円を上回る規模で実施されることが示されており、その具体的内容については現在国において検討がなされているところでございます。
このような状況の中での消費税減税についての御指摘でありますけれども、この問題は、直接税と間接税の割合をどうするかという問題を含む、我が国の税体系全体にかかわる国政レベルの問題であると認識をいたしております。
減税はさきにも申し上げましたように、国の減税が地方税減に大変な影響を与えておりますし、その旨特別な措置を国の方に訴えてきたところでございますけれども、そのように地方自治体の財源につきましてもマイナス面があるならばプラス面を考えていかなければならないと。そういうことで、国税において財源のプラス、マイナスを十分考慮して物を申していかなければならないというふうに考えておるところでありまして、マイナス面だけの要望という形ではなかなか通っていかないというふうに思います。
私ども地方から見た国のプラス要因というふうなことを十分検討していきながら、この減税についての要望は図っていかなければならないというふうに考えておるところでございまして、その問題については、市長会等々で分科会をつくって今きめ細やかに検討中でございまして、そういう形で、いずれ結論が出ましたならば市長会として国に申し入れをしていくつもりであります。
〔七番 重松孝文議員 登壇〕
◆重松孝文 議員 市長の
情報公開条例に対する態度、非常に残念であります。先般の地裁の判決についてはほとんどまともに受けとめている態度ではありません。やはり、今県民から批判を受けております福島知事とほとんど変わらない水準だということを実感いたしました。この水準で十月から始まる条例施行に本当に十分にたえることができるのでありましょうか、大変心配いたしております。
また、消費税についてははっきり申されませんでしたが、今本当に大変な状況になっていることをやはり市長はよくおわかりになっていない、そのことを改めて痛感したところであります。ここで議論はまた繰り返しませんけれども、ぜひそこのところをしっかり今後とも見ていただきたいと思います。
続きまして、行政改革と市職員の特権制度の見直し問題について、市長のお考えを示していただきたいと思います。
私は今問題になっておりますいわゆる芸能ショー「市職員家族の集い」あるいは退職に関連してのやみ昇給、休暇など一連の問題についての市長の態度表明、記者会見の内容などを聞きまして、市長としての見識のなさ、責任逃れの態度に愕然といたしました。
この問題が明らかになってから、市長は、私は知らなかったという趣旨のことを最初に言われております。そして記者会見でもそのことを聞かれて弁明に終始しております。本当に知っていたのか、知らなかったのか、それはまさに内心の問題ですから、市長自身にしかわからないことであります。
しかし、本来、だれよりも知り得る立場にいたこと、そしてだれよりも知っておくべきであったこと、このことについては市長も否定ができないはずであります。ですから、幹部職員初め市職員の目にも、そして市民の目にも、市長が知らなかったと発言したことは極めて不自然、異様にしか映っていないのです。
市長、あなたが知らなかったと言えば、その後どういうことになりますか。結局、知っていたのはだれか、知っていて市長に伝えなかったのはだれかとなるではありませんか。まさに市長一人がいい子になって、責任逃れを最初にしてしまったということ以外の何物でもありません。そして幹部職員が悪者になってしまいます。まさに逆立ちだと思います。
私は三年半余り、この議会の場から市長の言動を見ておりまして少しは評価できる部分もあると考えておりましたが、この知らなかったという発言を聞いて、市長としての評価は全くゼロになりました。
この発言の意味を市長はまだよくわかっておられないようであります。記者会見で「今後は決裁権を持つ幹部職員と私の気持ちを一体化して、市民のおとがめをいただかないよう任せられるようにしたい」このように答えておりますが、要するに決裁権を持つ幹部職員が悪かったということ、自分と一体化していなかったから幹部からきちんと報告がなされなかった、また一体化していなかったから任せられなかったと、ここでも責任逃れしているではありませんか。決裁権者との関係を言う前に、市長自身の責任をはっきりさせることが先決であります。
毎年査定を行い、「芸能ショー」でも三年も主催者としてのあいさつを繰り返しておきながら、このことに問題があるのではないかと、なぜ少しでも気づかなかったのか、みずからの非をまず反省するのが長としての責任であります。もう四年目であります。「知らなかった」などという言いわけが通用しないことなど、普通に考えればわかることであります。
結局、市長、あなたに知らなかったと言わせたのは自己保身以外の何物でもありません。また幹部職員を信頼していないからにほかなりません。市長としてはそれだけで失格だと思います。市長が幹部職員を信頼せずに、国や県から幹部の移入人事を行ったことのツケが回ってきたのではないかと思います。なぜ一番責任がある市長が、知らなかったなどと責任転嫁をしようとしたのですか、はっきりしてください。
このことをあいまいにすれば、あなたがこれからされようとしております特権的制度の全庁的洗い出しに職員の、本当の意味での理解と協力は得られないと思います。
私がこれだけ厳しく言うのは、いまだに本当の意味で市長に反省がないと感じるからであります。一連の問題の解決に当たって、「社会経済情勢に見合ったものにしなければならない」と述べていますが、本当にその程度の認識で済ますつもりでありましょうか。
なぜ、これほど市民からの批判が強いのか全くわかっておられない。「社会経済情勢」などと人ごとみたいに言わないでもらいたいと思います。それだけでは、これだけ大きな怒りになるはずがありません。率直に言わせていただきます。
市民の怒りが大きいのは第一に、今進められております行政改革が逆立ちをしているからであります。行革元年といって最初に手をつけたことは何でしょうか。使用料、手数料の一斉大幅引き上げではなかったですか。その後も、下水道料金、保育料、
固定資産税等々、まさに国の消費税、医療費値上げなど、九兆円負担増に追い打ちをかけるような値上げ攻勢をしてきたではありませんか。
しかも、その最大の理由が「お金が足りない」「受益者負担」でありました。この時期、一番お金が足りなくて悲鳴を上げていたのは、あなたが守らなければならない市民だったのではありませんか。これだけ市民に負担を求めながら、内部に目を向けて不当な支出がないかどうか、むだ遣いがないかどうか、まともな見直しをしてこなかったからではありませんか。
市長が、行革のスタートに当たって、まず内部の改革に目を向けておれば、今回の問題にも当然気づいたはずでありますし、幹部職員もそれに沿った報告をしたはずであります。内部問題はそこそこにして市民には冷たい、この態度に市民が怒りを持つのは当然であります。
行革との関連で言えばもう一つあります。敬老祝い金を勝手に商品に変えてしまい、さくらカードも、市外に出るときは一たん市の外れでおりなければ通用しないようにしてしまわれました。
敬老祝い金を品物に変えるに当たって、高齢者の意見を少しでも聞いたでしょうか。何一つ聞かず突然カタログを送りつけて「どれか選びなさい」と、まさに市が恵んでやっているという横柄な態度であります。どれほど高齢者の心を傷つけたと思っているのでしょうか。
福祉を五十年前、百年前の救貧制度、恩恵制度に引き戻してしまわれました。新聞等にも「周りのみんなも祝い金で果物や甘い物を買うのを楽しみにしていたんです。年寄りの声も聞かずにいきなり品物に変えるというのはどういうものでしょう。」こういった声が相次いで寄せられております。
さくらカードもそうであります。山鹿の温泉や、市外の「こころの病院」などに出かけているお年寄りが、市の外れで一たんおりて、また乗りかえているところを、市長、見たことがありますか。おりるときにカードを見せながら「済みません、済みません」と何度も言いながら、また同じバスあるいは次のバスを待って、また「済みません」と言って乗ってきているではありませんか。
さくらカードを使うことが、何か悪いことのように思わせてしまう仕組みになっております。せっかくの福祉制度がお年寄りの気持ちをずたずたにしております。一番大事なときに双方向の対話が欠落しているからであります。
こうして行政改革の名のもとに、財政的にも、また気持ちの上でも市民に大きな負担をかけながら、一方で芸能ショーは税金丸抱え、こんな仕打ちに怒りを持たない方がおかしいのです。
第二は、市長が市民の暮らしの実態を真剣に把握しようとしてこなかったから、市民の感覚からずれてしまい、社会経済情勢云々と弁解せざるを得なくなったのであります。
私の前回の質問で、市民がどんなに厳しい生活と経営状態にあるか、日々の暮らしに追われている姿を具体的に例を挙げながらどう思っているのかをお聞きしましたが、そのとき市長あなたは、アンケート調査の例を引きながら、「市民は大方今の生活に満足していると思う。」こういう見当外れの答弁をされました。
それが今になって、社会経済情勢などと言うこと自体が無責任だと思います。堺屋太一氏が「国民への消費税など九兆円の負担増は橋本内閣の失政」と批判をしておりますが、あなたのやったこともまさに失政だったのです。このことに何一つ反省がないのであります。
橋本政権と自民党は、この問題で国民的批判を浴びて退陣に追い込まれたのです。要するに、市長自身が市民の生活感覚からずれていたこと、行政改革が逆立ちしていたこと、したがって、幹部職員にもそれが伝わってしまったのです。そのことが今回指摘されるまで気づかなかった最大の要因だと言えます。
市長が掲げた双方向の対話が、一番大もとでなされていなかったことを何よりも雄弁に物語っているではありませんか。であれば、単に特権制度の見直しにとどめることなく、四年間の市政全般にわたり、本当に市民の立場に立って、誤りがなかったか、みずからに問うてみることから始めるべきであります。
そこでお尋ねをいたします。なぜ知らなかったと発言されたのですか。また、なぜ指摘されるまで市長自身が気づかなかった原因は何だったと認識されているのでしょうか、はっきりさせていただきたいと思います。
続いて、見直しの中身について一、二お尋ねいたします。
見直しを始める前提は、まず市長が、市民に対しても、職員に対しても率直におわびすることから始めるべきであります。そうでなければ、職員からも協力は得られずに、魂が入らない表面的なものとなってしまうことは間違いありません。
まず基本的な考え方ですが、市の職員は市民全体に奉仕する公務員であると同時に、労働者として労働条件の向上等を求める権利も持っております。
ところが今回政府は、人事院勧告に見られますように、五十五歳昇給ストップなどの攻撃をかけてきております。こうした不当な攻撃に対しては毅然と対処すると同時に、市民の納得が得られる改革が求められていると思います。
具体的な問題では、まず幹部の特権から手をつけて範を示すこと、できることはすぐにでも改善する、この二点が重要だと考えます。その点で、局長級の皆さんの定年退職後の再就職先を市長が世話してやるなどの悪弊はやめるべきではないでしょうか。
その行く先が、
外郭団体であったり、第三セクターであったり、いわゆる天下り的発想であります。高級官僚の天下りとは少し違うと思いますが、再就職先は理事長とか、館長とか、トップばかりであります。職員や市民から見れば特権としか映らないのではないでしょうか。その下で働く人もやりづらいと言っております。すぐにでも改善できることではないでしょうか。
もう一つ避けて通れない問題として議会の問題があります。この点をあいまいにすれば職員にも示しがつかないと思います。高過ぎる費用弁償や、議会雇用職員の会派への派遣問題、あるいは一定の改善はなされましたが、議員の野球、ソフトボール大会への公費支出、海外視察や市政調査費の使途等々、この際に、市民の理解が得られるのかどうか、大いに議会でも論議をしていく必要があると考えます。
以上、基本的問題ばかりですので、市長の答弁を求めます。
〔三角保之市長 登壇〕
◎三角保之 市長 重松議員の御質問にお答えをいたします。
昨日亀井議員の御質問にもお答え申し上げましたように、本市職員の勤務条件及び福利厚生事業のあり方につきましては、国や他の地方公共団体等との均衡を図ることはもとより、常に市民の視点に立って制度のあり方を考えるべきと考えております。
これまでの勤務条件の変遷を見てみますと、退職手当の削減や給与水準の引き下げなど、それなりの改善努力が払われているところであります。
例えば、国との給与水準を比較するための指数でありますラスパイレス指数にいたしましても、以前はかなり高いという印象を持っておりましたが、私の市長就任当時一〇四・五と相当程度低下いたしており、現在他の中核市と比較いたしましても、かなり低い方のグループに属しているのが実態であります。
しかしながら、今回御指摘を受けました制度等が残っていたことも事実であり、これらは速やかに適正化すべきものと存じております。
有馬紀彦
代表監査委員 服部公雄 市長室長 小山和夫 財務部長 三嶋輝男
職務のため出席した事務局職員
事務局長 森高聖之 事務局次長 大橋舜一郎 議事課長 松本豊
議事課長補佐 山田利博...