平成七年度
決算審査意見書を見てみますと、財政上の能力や財政構造の弾力性を判断するため、
普通会計ベースで
財政力指数、
経常一般財源比率、
経常収支比率、
公債費比率について分析、年度比較を行った結果と、市債、
債務負担行為額、
財政調整基金について詳細に述べられています。現在の財政が非常に厳しい状況にあることがわかります。
例えば、まず決算収支の中でも、実質収支に示される黒字または赤字は
地方公共団体の財政運営の状況を判断する重要なポイントであり、おおむね三ないし五%程度が望ましいとされています。熊本市の
実質収支比率を平成五年、六年、七年と見てみますと、五年が〇・六、六年が〇・五、七年が〇・九、
類似都市平均値──類似都市とは新潟、金沢、姫路、尼崎、静岡等十九都市です。中核市がほとんど含まれております。平成五年が二・八、平成六年が二・六、平成七年度が二・六になっております。
次に
財政力指数を見てみますと、
財政力指数は
地方公共団体の財政力の強弱を示す指数で、一に近いほど財政力が強いと見ることができ、一を超える団体は
普通交付税の不交付団体であります。本市は、平成五年が〇・六七九、六年が〇・六七一、七年が〇・六七八。類似都市が、五年が〇・九七〇、六年が〇・九五八、七年が〇・九五六になっております。
次に
経常収支比率。この数値が高いほど余剰財源が少なく、当該団体の硬直化が進んでいると言える。一般的に、都市においては七五%程度におさまることが望ましいが、八〇%を超える場合にはその財政構造は弾力性を失いつつあると。その数値が本市では、平成五年が七九・八、六年が八二・七、七年が八三・二になっております。類似都市は、平成五年が七七・九、六年が八四・一、七年が八三・八になっております。
次に
公債費比率。通常、財政構造の健全性が脅かされないためには
公債費比率が一〇%を超えないことが望ましく、一五%を超えれば将来
財政硬直化を招くおそれがあり、
財政運営上注意が必要とされています。本市では、平成五年が一七・一、六年が一七・七、七年が一八・三。類似都市が、五年が一二・四、六年が一三・四、七年が一三・四になっております。
この
公債費比率に一部補正を加えたものが
地方債許可制限比率で、この数値が過去三年度間の平均で二〇%以上になると地方債の発行の許可が一部制限されるとなっております。熊本の場合が、平成五年が一三・九、六年が一三・九、七年が一四・三。類似都市が、五年が一〇・〇、六年が一〇・三、七年が一〇・六になっております。
最後に、市債及び
財政調整基金を見てみますと、市債現在高は、平成五年が二千百五十四億七千九百万円余り、六年が二千三百四億三千五百万円余り、七年が二千七百二十九億一千五百万円余りとなっております。
逆に、
財政調整基金残高は、五年が九十四億八千三百万円余り、六年が五十三億八千百万円余り、七年が四十五億一千二百万円余りと、だんだん減っている状況になっております。
市民一人当たりの市債額を計算してみますと、平成七年が四十二万九千八百六十四円となっており、類似都市より十三万一千五百二十二円高い数値になっております。
どれをとっても市財政は厳しいものになっております。総務局長、平成八年度はどのような状態になっているのでしょうか、明快に数値で答えていただきたいと思います。
また現状をどのように認識されているのでしょうか、お伺いいたします。
次に、長年
代表監査委員として市の財政を見てこられました
服部代表監査委員にも率直な感想をお尋ねいたします。
〔
三角保之市長 登壇〕
◎三角保之 市長 島田議員にお答えをいたします。
財政状況等々お述べをいただき、私が平成六年十二月に就任をいたしまして二年と十カ月たったわけでありますけれども、大変やりにくい状況だったろうというふうなお話をいただき、こういった中で、どういう思いでやってきたか、あるいは今後の市政運営についての考えということであったかと思います。
お説のとおりに、
社会経済情勢は大変変化をいたしておりまして、
バブル崩壊の前に、大概の方々が、このような経済状況が来るというふうなことは余り思ってもいなかったのじゃなかろうかというふうに思います。
私どもの税務担当の者にいろいろ状況を尋ねてみましても、このように税収の落ち込みが長く続くとは思わなかったというふうな答えが返ってくるわけでありまして、大方の方々がそういう見込みであったものですから、決して見間違いがあったというふうに私は思ってないところであります。
そのように、財政が豊かであったときに、市民のために、
市民サービスのためにというふうなハードの面でお金を使っていくということは大変大事なことでもありますし、先人たちの、そういったような時期に市政を運営をし、施設等々についてもお金をつぎ込んでいったという面について大変私は敬意を表するものの一人であります。
そういった中で、このような経済状況の変化に伴い、今の状況においては、借金を二割返していかなければならないと。これは、現在私どもが担当をしていく上では当然のことであるわけでございまして、今までの財政状況に対するツケの支払いということになっていくわけでありますけれども、このツケをいかに早く返していくか、そしてまた、このツケを返しながらも、市民生活に支障がないようなことでまた債務をつくっていくというふうなことに対して、そのバランスを考えていかなければならない時期でありまして、私に課せられたこの二年十カ月は、そういう意味では、
バランス感覚の中で市政を守っていくというふうな形の中で、ソフトの面に力を入れて来たつもりであります。
今後、この市政運営につきましては──きょうもラジオで、
南九州財務局管轄の中で、上位二十社の企業が、昨年に比べて一五%の落ち込みというふうに発表がされておりました。この数年で税増収が考えられるということはなかなか難しいことではなかろうかというふうに思っておりますが、市政は片時もとまるわけにはまいりません。
そういうことで、私が掲げておりました市政運営の根幹と申しますか、「安全で健やかな
まちづくり」「心のかよう
まちづくり」「生きがいを感じる
まちづくり」「豊かな感性を育む
まちづくり」、一番最初は、やはり安全で健やかな、防災面とか医療、福祉の面とかいうものについては力を注いでいかなければならない。「心のかよう
まちづくり」、人間関係が常に良好である。また四番目の「豊かな感性を育む
まちづくり」、この問題については、やはり行き着く先は教育でございまして、教育の面については惜しむことなく金を使っておかなければならんというふうな思いをしておるところであります。
そういう面からいきますと、当然税の増収を図るためには、経済効果を考えながら、幾らこれが経済振興に役立つか、その辺のバランスを考えて投資もしておかなきゃならんというふうな思いをいたしておりまして、まずハード面に力を注いでまいりたいと。そして、計画を立てながら、借金を返しながら、債務をつくってでもやるべきことはやっていかなきゃならんというふうに思っておるところでございます。
何はともあれ、すべての市民の皆さん方が熊本市に住んでよかったと幸せを感じられるような
まちづくりに向かって、今後とも懸命に頑張ってまいる所存でございますので、議員各位の御支援を心からお願い申し上げます。
〔野田晃之総務局長 登壇〕
◎野田晃之 総務局長 平成八年度の決算状況についてのお尋ねでございます。
平成八年度の決算分析については、現在、
地方財政状況調査を県を通し国に報告いたしているところであります。また、その内容については、去る八月末に監査委員に提出し、ただいまその審査をお願いいたしているところでございます。
このような状況でありますが、現段階での数値を申し上げますと、一般会計で、歳入総額約二千二百十七億六千三百万円、歳出総額約二千百九十四億五千八百万円、この
歳入歳出差し引き額から翌年度へ繰り越すべき財源を控除した実質収支は約七億六千三百万円の黒字となっております。
また、議員御指摘の
各種財政指標等でございますが、
実質収支比率は〇・七%、
財政力指数は〇・六七、
経常収支比率は八九・三%。なお、同比率は減税補填債を本来の一般財源として試算しますと八五・二%となります。
公債費比率二一・九%、
起債制限比率一五・三%、市債現在高約二千九百四十一億二千五百万円、
債務負担行為額約三百八十七億二千百万円、
財政調整基金現在高約二十八億七千百万円という状況であります。
この決算を踏まえた
本市財政状況についての認識でございますが、ただいま申し上げました
各種財政指標等の数値にあらわれておりますとおり、まことに厳しい状況にあると考えております。特に
公債費比率は、平成七年度の
開発公社清算の際借り入れした市債の元金償還が始まったこともあり、二〇%を超える数値となりました。
ここで、
公債費比率と
起債制限比率の違いについて若干申し上げさせていただきますと、
公債費比率は、公債費がどの程度後年度の財政負担になるか計数的に見る一つの指標であり、これが直接的に
起債借り入れの制限等に結びつくものではなく、
公債費比率の算式に、
地域総合整備事業債等、償還時に交付税に算入される公債費の額を控除し算出する
起債制限比率が実質的な起債制限を判断する指標となっております。
また、その他の指標につきましても、その水準の低下が見られるところでございまして、議員各位並びに市民各位に御心配をおかけし、まことに申しわけなく存じているところでございます。
今後の財政運営におきましては、これら数値の改善を含め、全庁挙げてその健全化に真摯に取り組まなければならないと考えているところでございます。
〔
服部公雄代表監査委員 登壇〕
◎服部公雄
代表監査委員 現在の財政状況についての感想ということでございますが、感想と申しますと、無責任な第三者が適当な論評を加えるというようなことで、ちょっとそぐわないかと思いますが、どのように認識をしているかということでお答えを申し上げます。
今総務局長が申しましたように、八年度の決算を今週から審査に入ったばかりでございまして、具体的に分析した数値は持ち合わせておりません。したがいまして、わかりやすいように、昭和六十年度、それから十年たった昨年の平成七年度、こういう二つの年度を比較しながら御説明申し上げたいと思います。
今総務局長の方から
二つ財政指標が報告されたわけですが、一つは
経常収支比率、一つは
公債費比率ということでございます。
経常収支比率というのは財政のゆとりを示す比率でございまして、これが高いほどゆとりがないということでございます。平成七年度が八三・二、その十年前の昭和六十年度が七九・七、今のお話ですと平成八年度は八九・三ということでございます。
これは、一般財源のうち、例えば平成六年度で申しますと八割が経常経費に食われてしまうと。したがって、政策的にいろいろ考えて投資をする、使う財源といういうのは二割しかないということですね。それが今の話で、平成八年度は八九・三ということは、約九割になった。政策的に充当する財源というのが二分の一だったと、こういうことを示しておるわけでございます。したがって、それだけ財政にゆとりがなくなったということですね。
それから
公債費比率でございますが、これが昭和六十年度が一五%、平成七年度が一八・三、今のお話で平成八年度は二一・九%と。非常にこの十年で伸びておるということは、この十年間起債の借り入れがあったということでございます。
バブルというのが平成に入りまして二年あるいは三年の初めにはじけたわけです。この低迷が続いておるわけですが、国は景気浮揚として公共投資の拡大をした。それに呼応して市も拡大したわけですが、本市は特に単独事業を中心に事業の拡大を図った。その事業の拡大の財源はいわゆる起債であり、
財政調整基金の取り崩しだということです。だから、その当時の財政運営のツケが現在顕在化してきていると、こういう認識をいたしております。
ただ、こういう財政指標は一朝一夕には改善できないわけでございまして、今後、中長期的な視野に立った財政運営をそこに望むものでございます。
具体的には、やはり行政改革の推進、事務事業の見直し、あるいは事業のプライオリティー(優先順位)、こういったものを十分考えた事業の選別、こういうことをしなければならないなと、このように考えております。
〔二十番
島田俊六議員 登壇〕
◆島田俊六 議員
代表監査委員より詳しく状況を教えていただきました。総務局長より答弁がありました平成八年度と七年度を比較してみますと、
実質収支比率はマイナス〇・二ポイントになっております。これは数値が下がれば財政運営が厳しくなることを示しています。
財政力指数はマイナス〇・〇〇八ですから、大体横ばいになっております。
経常収支比率は六・一ポイント、これは高い数値で上昇しております。
公債費比率は三・八ポイントと大きく伸び、今発表がありましたように二一・九%にもなっております。
起債制限比率は一・〇ポイント上昇。市債現在高は二百十二億円余り膨れ上がっております。逆に
財政調整基金は十六億四千万円余り少なくなっております。
また、一人当たりの
地方債残高は四十六万八百七十三円で、平成七年度より三万一千円余り増になっております。平成八年度の実質収支は七億六千三百万円黒字となっておりますが、一方では、
財政調整基金から十六億四千万円余り取り崩しをしていることになっております。市民一人当たりの借金も三万二千円ぐらい多くなっているというのが、平成七年、平成八年度という二つの年度を見たときに言えるのではないでしょうか。
このように、どれ一つとっても厳しいというか最悪の状態になっていると思います。
ここで、平成五年、六年、七年度の決算意見書の最後の部分、平成五年は、「今後は不透明な景気動向のなかで、減税等に伴う市税の伸び悩み等も予想されるため、
各種事業施策の優先順位を峻別し、中長期的な視点に立って、効率的な
行財政運営をより一層望むものである。」と言っています。
平成六年度は、「財政環境が景気の低迷を受けて税収の動向が一段と厳しいなかで、本市の財政構造は新規の行政需要に即応し得るような弾力性を有しているとは言えない状態にあり、このようななかで、市民の身近な社会資本の整備、高齢化社会への対応など重用施策を実施するためには、大胆な事務事業の見直しを含め、限られた財源の重点的、効率的な配分と
中長期的視点に立った節度ある
行財政運営、早急な
財政健全化に取り組まれるよう望むものである。」 平成七年度は、「財政再建への取り組みは評価するものの、地方債現在高の増嵩等、ますます厳しい財政状況の中で社会構造の変化に柔軟に対応して行かなければならないことを考えると、その前途は険しく、多難なものである。従前にも増して大胆な事務事業の見直しを行い、不要不急の事業を廃止、抑制し、重点的、効率的な財源配分を図り、
財政健全化を進め、
中長期的視点に立った
行財政運営を望むものである。」と言っております。
平成八年度は、今
服部代表監査委員が答弁されたとおりであります。
もう四年前から、
中長期的視点に立った
行財政運営が望まれていました。これは監査からの警告ではなかったかと思うのです。
本市の行革を推進するのはもちろん、財政再建五カ年、十カ年計画を立て、それを議会にも、全市民にも、全職員にも公表し、御理解と御協力をお願いし、強力なリーダーシップで推進する以外にこの厳しい財政再建はできないのではないでしょうか、総務局長の所見を聞かせていただきたいと思います。
このように厳しい財政状況の中で、田尻市政から引き継いだ事業、また新しい事業の推進が計画されているものを申し上げますと、企画調整局の美術館建設。教育委員会の新図書館、新
教育センター、市立二校の建てかえ。保健衛生局の熊本保健所の建設、熊本産院の建てかえ、斎場建設の推進、墓地公園の拡張。経済振興局の金峰山・
有明海沿岸観光開発の推進、
水産技術センター、
都市農業技術センターの建設、
食品工業団地フードパル熊本の支援、熊本港背後地整備。都市局の
下水道整備建設、
西部浄化センターの建設、熊本駅前再開発、北バイパス、
西回りバイパスの建設。建設局の大井手川
新屋敷リバーサイド建設。交通局の
上熊本基地の建設等々、どれも大きな財源が要るものばかりです。このプロジェクトの中から三点。
交通局の
上熊本電車基地の現在の問題点と今後の取り組み。
二点目が、
食品工業団地が十一月オープンする予定になっておりますが、問題点と取り組みについて。
三点目が、先ほど市長が、教育にはどんどんお金を使わなければならないと言われていましたが、私が最優先で建設してほしいのが新
教育センターであります。どんな時代になっても教育が一番大切で、その中枢的存在が
教育センターであります。その建設はどのようになっているのでしょうか。
以上三点、各局長にお尋ねいたします。
三角市長に現在の市の財源を踏まえてのお尋ねをいたします。
交通局の
上熊本電車基地のおくれも、高度な政治判断が要求されているのではないでしょうか。三角市長は、
熊本経済同友会で、熊本駅周辺整備、熊本城整備、
都市ゾーン交通整備、
総合防災公園建設等々、九項目を発表されていますが、これが事業の優先順位なのでしょうか。これだけ厳しい財政状況の中で事業を推進するためには、優先順位を明確にするとともに、高度な政治判断が求められています。
三角市長の見解を伺いたいと思います。
〔野田晃之総務局長 登壇〕
◎野田晃之 総務局長
財政状況改善のため中期の
財政見通しを明らかにすべきではないかというお尋ねでございます。
今日、国、地方を通じ、その財政状況は極めて深刻な状況にあり、国においてはこのような状況を踏まえ、
財政構造改革を強力に推進することといたしております。特に平成十年度予算の編成に当たっては、従来までのシーリングを廃止し、新たに
主要経費ごとに上限を定めるキャップ制を導入し、その中で、公共事業については七%削減を打ち出すなど、厳しい姿勢を示しているところでございます。
このような中で本市におきましても、先ほどお答え申し上げましたとおり、まことに厳しい
財政状況下にあり、今後は
行政改革大綱推進プログラムの着実な推進はもとより、
各種財政指標等の改善に留意しつつ、財政の健全化に向けできる限りの努力を重ねなければならないと考えております。
そこで、議員御指摘の
中期財政見通しについてでございますが、私
ども都市自治体が中期財政の見通しを作成しようとする場合、特に歳入の大宗を占める市税、
地方交付税等の見通しが非常に立てにくいという現状にございます。
すなわち、これらの歳入が景気の動向等で大きく変動することはもちろんでございますが、より以上に、これらの歳入の根拠となります地方税法、
地方交付税法が、毎年国レベルの税制改革、
地方財政計画等によって決定、変更されるという実情にあり、その動向が
都市自治体の主体的意思によって決定されるものではないということが一つの大きな要因となっております。
しかしながら、本市の財政運営を行うに当たり、私どもといたしても中長期の
財政見通しの必要性は十分認識いたしており、内部的には、一定の仮定のもとではございますが、中期的な試算をいたし、
予算編成作業にそれを活用いたしているところでございます。
この試算につきましては、先ほど申し上げました要因等もあり、変動要素を多く含むものであって、かつ
随時見直し変更を行うべきものでございますが、これを公表いたしますと、それが固定的な見通しであると受け取られる可能性もありますので、現段階では直ちに公表することは控えさせていただきたいと存じます。
なお、現段階での試算を踏まえ、今後の財政運営について申し上げますと、今後の市税、
地方交付税については、現在の景気の動向等を考慮すると多くは期待できない状況にあり、一方、歳出面では、今後
行政改革大綱にある削減努力を行ったとしても、義務的経費でございます公債費、扶助費等の増嵩がやむを得ないなど厳しい状況が続くものと見込んでおります。
したがいまして、
起債制限比率等各種財政指標の数値に留意し今後の財政運営を考えますと、例えば、
普通建設事業については、ここ数年単独事業の縮減を行いつつも、一方で大型事業の推進もあり、総額的には縮小された姿とはなっておりませんでしたが、今後は、補助、単独を問わず思い切った縮減に取り組む必要があると考えておりますので、議員各位の御理解、御支援をお願い申し上げます。
〔
行徳健次交通事業管理者 登壇〕
◎行徳健次
交通事業管理者 上熊本電車車両基地の問題につきましてお答えをいたします。
議員御承知のとおり、
上熊本電車車両基地は、一般会計との複合施設として
上熊本ターミナルビル計画が検討されてきた経緯がございます。現在のところ、
福祉関係施設の整備計画案で引き続き検討いただいております。
交通局といたしましては、種々制約もありますが、
車両基地用地を高度利用することによる収入も念頭に置いておりますし、本市の北の玄関口であり、JR上熊本駅、熊本電鉄、そしてバスとの交通結節点でもありますことから、電車基地だけの整備にとどまらず、地域の活性化につながる施設として整備する必要があるのではないかと考えているわけでございます。
したがいまして、現在のところ、車両基地は、公共施設との複合施設として整備することを基本方針に取り組んでいるところでございます。
御承知のように、老朽化が著しい現状と、基地用地を購入して五年目を迎えており、また企業債の元金償還も始まっておりますので、今後、一般会計での検討の行方を踏まえつつ、基地の整備計画の一日も早い実現に向け取り組んでまいる所存でございます。議員各位の御支援をよろしくお願い申し上げたいと思います。
〔坂田憲一経済振興局長 登壇〕
◎坂田憲一 経済振興局長
食品工業団地の件につきまして島田議員にお答えを申し上げます。
現在、協同組合フードパル熊本は、十一月上旬の落成に向けまして工事その他最後の準備を鋭意進めているところでございます。
現在、協同組合十二社におきましては、新しい時代にふさわしい地域中小企業として精いっぱいの決断と努力を続ける中、自社の経営計画のほか、工房村、あるいは朝市、さらには大型レストランなど、にぎわう施設づくりを共同事業として取り組まれております。
しかしながら、議員御指摘のとおり、企業用地十万四千七百平米のうち約五万平米分がまだ入居企業未決定になっており、このことにつきましては、本来的には組合が残余を負担すべき事柄でございますが、先ほど述べましたように、共同事業に加えまして、これらを組合に負担させることは、組合自身の負担能力を超え、今後の組合運営に大きな支障を及ぼすことが予想されます。
したがいまして、財政事情大変厳しい時期ではございますが、未決定企業用地のうち貢地区約二万九千平米を市の企業誘致ゾーンとして位置づけ、一時これを取得することによりまして、協同組合への支援を検討させていただきたいと考えております。
今後の入居企業の見通しにつきましては、現在二社と具体的な交渉中でございますが、これが決定いたしますと七〇%の充足率となります。今後も引き続き、事業団、協同組合と協議をしながら、平成十年度中を目標に、全区画入居決定ができますよう精いっぱいの努力をしていきたいと考えております。
議員各位の温かい御理解、御支援をいただき、全国でもユニークな地域中小企業の躍進の舞台として、ぜひとも実現しなければならないと考えておるところでございます。よろしくお願い申し上げます。
〔後藤勝介教育長 登壇〕
◎後藤勝介 教育長 私の方からは、
教育センターの改築と申しますか、取り組み状況について御報告をさせていただきます。
現在の
教育センターは昭和六十二年に建設をいたしましたが、大変特色のある施設として現在まで活用させていただきました。しかし、いじめや不登校等の相談等が増加します中で、メンタルフレンド、フレンドリー、スクールアドバイザー等の事業を開始したりしておりまして、部屋の数が足りなくなり、あるいはまた設備面で不足が生じてきているのが現状でございます。
そういう中で昨年、教育委員会内にプロジェクトチームを設置しまして、
教育センターの現状と課題、さらに新
教育センターの機能等について検討を重ねているところでございます。現在、生涯学習も含めた教育の総合的施設、及び教育の中枢センターというとらえ方も視野に入れまして、新
教育センターの基本理念について検討を行っているところでございます。
しかし、建設後まだ十年しか経過していないという点、ただいまもお話がございましたが、建設財源をどう確保するかという点などについていろいろ困難な問題を抱えております。
しかしながら、きのうからいろいろ答弁があっておりますように、日本には人材という資源しかないと私も考えております。そういう意味では、今こそ教育をどうするかということが問われていると思います。そういう視点に立ちながら、今後もこの
教育センターをどうするかということについて検討を重ねてまいりたいと考えております。
〔
三角保之市長 登壇〕
◎三角保之 市長 本市が抱えておりますプロジェクトのあり方についてのお尋ねでございますが、このことにつきましては、総合計画に基づき既に着手をしているプロジェクトを初め、超高齢化社会の到来を目前に控え、将来に備えた事業、あるいは本市のさらなる発展に向けて策定中のものなど、数多くの事業を抱えていることは議員御指摘のとおりであります。
しかしながら、これらの中には、近年の
社会経済情勢の急変により、その事業規模あるいは手法等において社会ニーズと乖離するものもあり、また、先ほど申し上げましたように、極めて厳しい財政状況の中、これらすべてのプロジェクトを総花的に実施していくことは困難な局面を迎えているのも事実であります。
このようなことから、何よりもまず、行政改革の実行により、新しい時代に迅速、的確に対応するスリムな行財政システムの再構築と職員の意識改革を図り、徹底した行政運営の効率化による歳出の抑制と、自主財源も含め安定した歳入確保に努めていかなければならないと考えております。
なお具体的には、プロジェクトを初め、あらゆる事務事業につきまして、財政の健全運営を基本に、不要不急な事業の廃止、延期はもとより、費用対効果、将来性等について十分吟味の上優先順位をつけ、より効率的、計画的な市政運営に努めてまいりたいと考えている次第であります。
先ほど議員お述べになりました二十項目に上るプロジェクトチームでありますけれども、やや完成に近づいたものが五つあるわけでありまして、進行中のもの、可能性があるものについても三つぐらいあるところでございますので、先ほど申し上げましたように、状況を考えながら計画的に取り組んでまいりたいと思います。
また、九つの項目について指示した点につき御質問がございましたけれども、この問題は、財政難というようなものを見据えながら計画をしたものでございまして、一つは欠かせないもの、あるいは行革に適応した問題、あるいは長期的展望に立たざるを得ない問題、あるいは夢を追っかける問題というふうなものもございまして、この九項目につきましては、そのような形で内部プロジェクトをつくりながら指示しておるところであります。
例えば駅前開発等々につきましては、県との合意ができたところで、すぐというわけにはいきませんから、長期計画施行というふうな形の中で取り組んでいかなければならない問題と。防災計画とかリサイクル社会とか、こういったものにつきましては即対応していかなければならないと。水資源につきましては、この地下水におきましてもやはりそう長々とあるものではございませんし、そういう問題については、中水道計画等において、多目的ダムに参画をしながら三十年後の水源の問題についても計画を立てていかなければならんと、長期にわたって計画を立てていかなければならない問題もございまして、そういう問題を九項目指示をしたところでございます。
施設の計画につきましても、やはり、今これはやっていかなければならん、これはもう今の時代にそぐわないというようなものにつきましてはやっぱり合併してやらんといかん。そしてまた、どんどんつくりましても管理に大変困るわけでありまして、そういう施設管理整備計画等々もその九つの中に入っておるところでございます。
事業計画に再考が必要なプロジェクト等につきましては、次期総合計画の策定作業の中で、時代に対応した見直しに取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
〔二十番
島田俊六議員 登壇〕
また、一方の家庭ごみにつきましても、十年度から、もえるごみの収集は週三回から二回に変更し、リサイクルできる古紙の分別徹底のため、古紙の収集は現在の月二回から週一回にふやし、また容器包装リサイクル法に基づくペットボトルの分別収集を行うなど、リサイクルしやすい環境を整備してまいる所存でございます。
また、平成十二年度からは、ダイオキシン類の発生抑制などの環境保全や資源保護の両面からプラスチック容器等の分別収集を実施する予定であり、ごみの減量やリサイクルの推進に向けた短期、中期の取り組みを、ごみ処理基本計画に基づき積極的に行ってまいりたいと考えております。
また学校ごみにつきましてのお尋ねでありますが、本市が直接収集いたしますごみは本来家庭ごみのみでありますが、市立の学校の焼却炉が撤廃ということになれば、その焼却ごみの収集につきましてはできる限り協力してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、学校ごみの減量対策や排出量の実態調査が行われるようでありますので、その時点で教育委員会と協議を進めてまいりたいと考えます。
最後に、ぽい捨て防止条例制定についてでございます。
ぽい捨て防止条例の制定につきまして調査をしてまいりますと、制定自治体では、市民の意識の改革については非常に効果が上がっておりますが、継続的な散乱防止の効果や罰則の適用等に対しましては若干の問題も抱えているようでございました。
平成十一年には熊本国体も開催されますので、現在、関係各課との連絡会議を設置したところでございます。まちの美化は、行政主導ではなく住民主導の取り組みになるであろうと考えますので、そのためにはボランティア等美化活動にかかわる市民の人材育成が必要であり、減量美化推進員の活用などとあわせまして、地元商店街、各種団体、それから飲料メーカーやたばこメーカーなどとともに美化活動を積極的に推進していきたいと考えております。
いずれにいたしましても、これらの美化活動の基本となる条例の制定に関しましては、既に中心市街地商店街等からも陳情が上がっておりますので、その時期に来ていると考えられます。市議会の御指導をいただきながら検討してまいる所存でございます。
〔二十番
島田俊六議員 登壇〕
◆島田俊六 議員 市長答弁にありましたように、熊本市はこのCO2削減については全国のどこよりも一歩前を行っているように思います。さらなる努力をお願いいたします。
大津町の汚泥の不法投棄は、基準値を下回っているからいいという、そういう言葉に迷わされてはならないと思うのです。基準値の中でどのような変化をしているかというのをぜひ見ていただきたいと思います。
この汚泥は一万トンとも二万トンとも言われております。七メートルぐらい穴を掘ったところに汚泥を入れ、上に二メートルぐらい泥をかぶせていますが、人間の目はごまかせても自然の目はごまかすことはできないのです。現在瀬田裏は草が生えていますが、草が生えていなかったり、枯れているところは汚泥が投棄された場所です。ガスで草が枯れているのです。今のところ五十八カ所見つかっているそうであります。
こんな不法投棄をするような悪徳業者は絶対に許してはなりません。このようなことを許せば、六十五万の命の水を守ることはできないからです。共和通商には、汚泥が完全に撤去されるまで見届けてまいりたいと思っています。
これからも地下水を脅かすような者が出てくるかもしれません。そのときは局長、命をかけて断じて阻止しなければなりません、熊本市民のためにも。
環境総合研究所は、市民に開かれた、そして独自の研究もぜひやっていただきたいと要望しておきます。
ごみの減量作戦も第一線の職員の方は大変御苦労されていますが、市民の皆様に理解と協力を得て、実効あるごみ減量をしていただきたいと思っております。
最後に四人の局長にお尋ねいたします。
まず工藤保健衛生局長に伺います。
一点が、白血病、再生不良性貧血の方の治療に注目されているのが臍帯血移植であります。臍帯血とは聞きなれない言葉でありますが、赤ちゃんが生まれるときのへその緒の中にある血液のことであります。
現在、白血病などは骨髄移植で除々に治るようになっておりますが、正常な骨髄の採取にはドナーの全身麻酔や数日の入院が必要になっているため、なかなか提供が受けられないことになっています。この臍帯血の採取方法は、出産後、体外に出た臍帯から採取する方法と、胎盤がおなかにある状態で採取する方法があります。
提供者が全身麻酔など受けることなく安全である。採取された臍帯血は二十四時間以内にHLA(白血球の血液型)のタイプや感染症などの血液検査をして合格したものを冷凍保存する。そして患者への治療方法は適合する臍帯血を点滴輸血する。この臍帯血は骨髄液より五倍ぐらい造血幹細胞が多いと言われています。
八月二十六日の讀賣新聞に、「九大 臍帯血移植に九州で初めて成功」と大きな見出しで掲載されていました。九州大学医学部で臍帯血を骨髄性白血病の男児に移植することに九州では初めて成功したというものです。熊本市民病院ではどう取り扱われているのでしょうか。
二点目が、本年の通常国会で最大の争点になっていました「脳死を人の死」とする臓器移植法案が可決されました。この法案は、脳死を人の死として臓器を死体から摘出することができると規定しています。摘出は、提供者本人が事前に書面で提供の意思を示し、家族が拒まないときに限るとしています。医療の最前線である市民病院でも、この脳死の問題を避けて通ることはできません。脳死の判定をどのようにされるのか局長にお伺いいたします。
次に、自転車の駐輪について二点お尋ねいたします。
一点は、熊本市営駐輪場について、一人の市民の方から、市役所に来るとき、何回かバイクで来たのですが、いつも満車で困っています。職員の方も多く自転車、バイクを置いておられると聞きまして、一般市民が利用できるスペースを確保してほしいとの要望でありました。この市営駐輪場の利便性をどうされるのかお尋ねいたします。
もう一点、放置自転車問題に対応するため、新築、増築の集客施設は条例を定め駐輪場の併設を義務づけする方向で検討されていますが、この内容と、いつまでに施行しようとされているのかお尋ねいたします。
次に、三年前のこの本会議で質問いたしました
西部浄化センターについて。
第一点が、三年前の話ですと、供用開始が平成十年ごろと言われていましたが、少しおくれているように思います。現時点での進渉状況はどのようになっているのでしょうか。
第二点は、三年前も処理水の放流が問題になっておりましたが、今議会に調査費が計上されています。今までの経緯はどのようになっているのでしょうか。都市整備局長にお尋ねいたします。
最後に、職員の研修について一点お尋ねいたします。
その研修は電話の応対です。一般民間レベルの企業並みにしてほしいというのがお尋ねであります。マニュアルをつくっても、研修会でやっても効果は余り上がっていないように思われます。第一線の現場で電話の応対ができるまで徹底して訓練してほしいのです。やさしい
まちづくりの第一歩が職員の電話の応対のレベルアップではないかと思いますが、総務局長にお尋ねいたします。
〔工藤磐保健衛生局長 登壇〕
◎工藤磐 保健衛生局長 島田議員にお答えいたします。
まず、臍帯血幹細胞移植についてでありますが、議員御案内のように、最近、臍帯血を利用した幹細胞移植が注目されてきております。これは、百㏄程度の臍帯血の中にある血液のもとになるいわゆる造血幹細胞を移植する方法で、採取量に限界があるという欠点はあるものの、ドナーの負担がないなど多くの利点があるようであります。
既にフランスやアメリカでは臍帯血バンクが設立されておりまして、我が国でも幾つかの地区で研究グループによる臍帯血保存が開始されております。今後、骨髄バンクと並行して臍帯血バンクづくりが進むものと思われます。
熊本市民病院におきましても、一九九二年に自家末梢血幹細胞移植を施行して以来、末梢血幹細胞移植を行っておりますが、今後、臍帯血幹細胞移植の治療システムの研究をするとともに、臍帯血バンクづくりへの働きかけをしてまいりたいと考えております。
次に、脳死体からの臓器移植についてでありますが、議員がお述べになりましたように、本年七月十六日に臓器の移植に関する法律が公布されまして、三カ月後の十月十六日に施行となります。このことは、心臓や肝臓などの移植を待つ多くの患者さんにとってまことに朗報でありますが、その一方で、脳死を判定して移植をする医療倫理の確立が強く求められるところであります。
この脳死体からの臓器移植についての熊本市民病院の今後の対応でありますが、当面、熊本市民病院で脳死のケースが発生し、本人の生前の意志と家族の意向から臓器提供を申し出られた場合には、脳死体を熊本大学医学部附属病院へ搬送し、そこで脳死の判定後、臓器摘出が行われ、しかるべき臓器保存手段と搬出手段がとられ、臓器移植を行う施設へ搬送されることになると考えております。
今後、法の施行に向けて情報を正確に把握し、院内における手順を具体化するなど対処していく所存であります。
〔野田晃之総務局長 登壇〕
◎野田晃之 総務局長 私からは二点のお尋ねにお答え申し上げます。
まず第一点でございますが、市役所駐輪場の待ち時間解消についてのお尋ねでございます。
来庁者及び職員の駐輪場につきましては、市自転車駐車場ほか四カ所で自転車、単車合わせて一千百五十台分を確保しているところでございます。この中で特に市自転車駐車場は七百二十台が駐輪可能でございますが、ただいま御指摘のとおり、市街地における自転車放置禁止区域の拡大等とも相まって、その利用が年々増大し、満車の状況になる場合が多く認められております。
この対策として、これまで、職員に対しては花畑別館裏駐輪場の利用を呼びかけ、また来庁者に対しましては、交通整理員を配し駐車場の案内を行い、さらに、長期放置自転車の撤去による駐輪スペースの確保等に努めてきたところでございます。
今後は、ただいまの御指摘を踏まえ、市役所駐輪場利用状況の実態調査を実施し、職員に対する指導の強化や、交通整理員による案内の徹底を行うとともに、駐輪場案内板を増設するなど、市民の皆様が利用しやすい市役所駐輪場になるよう努力してまいりたいと考えております。
第二点目の職員研修、電話の応対についてのお尋ねにお答えを申し上げます。
職員の接遇態度の向上につきましては、全職員を対象とした接遇研修やサービス・レベルアップ研修、新規採用職員研修における接遇研修などに取り組んできたところでございます。
その結果、従来に比べると職員の応対もよくなったという評価をいただいている一方、議員御指摘のとおり、まだまだ至らない面が多々ございます。特に電話応対については、顔が見えないことから誤解を招くおそれがあるので、窓口での対応以上に慎重かつ適切な対応が求められており、職場の管理監督者がこれまでにも増して指導力を発揮していかなければならないと考えております。
御指摘の点につきましては、真摯に受けとめ、今後さらに接遇の基本である電話対応を中心に繰り返し訓練、指導することによって接遇向上を図ることはもとより、いま一度行政サービスの原点に立ち返って、心の通った明るい職場づくりに取り組んでまいる所存でございます。
〔市原敏郎市民生活局長 登壇〕
◎市原敏郎 市民生活局長 島田議員にお答え申し上げます。
現在市内中心部の放置自転車は約三千台と見込まれ、その多くが商店街周辺に集中し、人や車の通行を妨げております。
このため、放置自転車の移動保管や駐輪指導などの対策を講じているところでありますが、受け皿である駐輪場は、市中心部では市営四カ所、民営四カ所の計八カ所ありますものの、支障を来しており、放置自転車対策を進めていく上で駐輪場の整備が不可欠であります。
放置自転車対策の一つといたしまして駐輪場義務付け条例が必要ではないかとの御質問でありますが、御指摘の条例は、自転車利用者が多く集まる特定の施設を新築または増築する場合、施設側に駐輪場の設置を義務づけようとするものであり、私どもも駐輪場整備の有効な施策であると考えておりまして、現在調査研究を進めているところであります。
今後、自転車駐車対策等協議会を初め各方面の御意見をお聞きしながら、条例制定の検討を進めてまいりたいと考えます。
〔田尻紘都市整備局長 登壇〕
◎田尻紘 都市整備局長 島田議員に、
西部浄化センターに関するお尋ねにお答えをいたします。
西部浄化センターは、熊本市の西南部地区を受け持ちます全体計画区域面積二千二百三十六ヘクタールで、一日当たり処理水量は七万八千二百立米の処理場として整備を進めております。当面、一日当たり約二万立米の処理を目指しまして、平成二年度より整備に着手し、現在進捗率は約七〇%となっております。
当浄化センターは有明海に面しておりますことから、その放流に当たりましては、海域放流ということもあり、漁場への影響も考えられますので、九州大学の小林名誉教授、水産大学の鬼頭教授、熊本市七漁業協同組合の組合長、熊本県漁業協同組合連合会、熊本県、熊本市の水産、農林、下水道の関係者で構成します検討委員会を平成八年に設置しまして、潮流、栄養塩類、淡水の漁場への影響などについてさまざまな角度から検討が重ねられております。
これまでの検討結果と、周辺農区から要望があっております農業用水などへの処理水再利用を考慮した放流管の調査設計費を今議会に計上させていただいております。供用開始につきましては、速やかな供用開始ができるよう努力を重ねてまいります。
〔二十番
島田俊六議員 登壇〕
◆島田俊六 議員 今回我が党から、臍帯血バンク設立の意見書を提出しております。議員の皆様の御賛同をよろしくお願いします。
本日は、長時間にわたり御清聴いただいた議員各位に心から御礼申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
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○中沢誠 副議長 この際、議事の都合により休憩いたします。
午後二時に再開いたします。
午前十一時四十七分 休憩
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午後 二時 二分 再開
○主海偉佐雄 議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
─────────────────
○主海偉佐雄 議長 質問を続行いたします。古川泰三議員。
〔十一番 古川泰三議員 登壇 拍手〕
◆古川泰三 議員 自由民主党熊本市議団の古川泰三であります。
平成九年九月九日、第三回定例議会に登壇の機会を与えていただき感謝を申し上げまして、大変枚数が多うございますので、早速質問に入ります。市長初め執行部の明快なる御答弁をお願い申し上げます。
まず、行政改革についてでありますが、この問題につきましては、今日までいろいろと論じられてまいりました。
さきの三月の第一回定例会において、三角市長が、本市行政改革に取り組まれる決意の中で、「今年度が行政改革の元年である」と、こういうふうに位置づけられておりますし、なおかつ、この行政改革は、本市の戦後五十年の歴史の中でまさしく最大の変革とも言える取り組みでございますので、ここで改めて市長のお考えを賜りたいと、こういうふうに思うわけであります。
さて、連日の報道でも論じられているとおり、国においては、いわゆる橋本行革が、総理の強いリーダーシップのもと、ダイナミックに進められていることは既に御案内のとおりであります。
二十一世紀のスタートである二〇〇一年を目標とした国の省庁再編、あるいは各種規制の緩和、さらには国から地方への機関委任事務を廃止しようという地方分権など、いずれをとりましても、我が国が長年にわたって培ってきた行政のあり方を根本から覆す大改革であります。
この根底には、国と地方を合わせて四百四十二兆円を超え解決のめどさえつかない累積債務の問題、さらには、ここまで至った官僚主導型の国政への危機感などもろもろのものが考えられますが、ただ一つ確かなのは、国民がこぞってこの改革に期待をしているということでございます。
しかしながら、この中の地方分権一つをとってみましても、昨年末に民間のPHP総合研究所が全国の自治体を対象にしたアンケート調査によりますと、「国からの地方分権を受け入れる能力がある」と回答した自治体は全体のわずか九・一%しかないなど、まだまだ前提条件が熟していないものもあり、今後の論議と熟成とを待たねばならないものもございますが、橋本総理のもと、着実に国の行政改革が進められていくことを大いに期待するものでございます。
さて、今後の国と地方との新しい関係を築こうとするこれらの国の行政改革の一方、本市においては、例えば、今後の高齢化社会に呼応した保健、福祉、医療の連携した総合的サービスの構築、この件につきましては、昨年六月の定例会におきまして質問をさせていただいたわけでありますが、さらに、真近に迫った平成十一年の国民体育大会の開催や、九州新幹線を主軸とした駅周辺整備、あるいは鹿児島本線高架化などの県市一体となった重要事業など、今後の
社会経済情勢の変化に的確に対応していくために、膨大な経費と人員とを必要とする喫緊の課題が山積みをしておるわけであります。
その一方、本市財政の現状は、歳入の根幹をなす市税収入の伸び悩みや、公債費、人件費等の義務的経費の増嵩など、依然として厳しい状況にあることは各位御案内のとおりでございます。
しかしながら、たとえこのような状況にあっても、市長が常々申されている「心のかよったわかりやすい市政」の実現を目指していくためには、今後とも、真に市民が望まれるサービスを提供しつつ、山積みする重要事業を滞りなく推進していかなければならないわけであります。
そのためにも、本市行財政システムの全般にわたっての総点検を行い、英断を持って、今後必要とする事務事業に対して必要な財源と人員を生み出していくことがまずもって必要でございますし、また、見直しに当たっては、市民の方々が今何を求めているかを常に見きわめつつ、費用対効果などを総合的に考えるなど、全庁を挙げて取り組んでいくことが必要である、こういうふうに考えるものでございます。
さて、これらの数々の取り組みの集大成として、昨年九月、熊本市
行政改革大綱が策定され、さらにこの五月、大綱の実施計画となる推進プログラムが作成されました。内容については皆さん御案内のとおりであります。したがって、今まさに期が熟し、これからは実行のときであるということは論をまたないわけであります。
そこで、行政改革の実現に向けての意気込みといいますか、この行政改革を通じて、目指すべき本市の将来の展望、このことを市長にお尋ねをするわけであります。
なお、先般、課長以上に、熊本市における行革の本意はここにあるんだ、こういうふうに訓示をされたと聞き及んでおりますが、このこともあわせて御答弁をお願い申し上げます。
〔
三角保之市長 登壇〕
◎三角保之 市長 古川議員の行政改革についてのお尋ねにお答えをいたします。
議員各位御案内のとおり、この三日、国の行政改革会議の中間報告が出され、この中で省庁を大幅に再編することがうたわれております。
この省庁再編に当たっては今後の論議を待たねばなりませんが、まずもって国の本来の仕事は何かとともに、地方が何を担うべきかが問われるべきであり、その結果として、地方に権限が移譲され、これからの国と地方との新しい関係が築かれるものであると考えております。
このように、国の行政改革に呼応し、地方分権の受け皿としての地方の行政改革が強く求められておりますが、私は、地方における行政改革とは、決してこれにとどまることなく、常に住民の方々とのかかわりの中にあって、あるいは都市としての個性ある発展を図るために、地方ごとの、いわば自主的な行政改革があると考えておるところであります。
本市の場合を考えてみましても、議員お説のとおり、たとえ厳しい財政状況の中にあっても、これからの高齢化社会に即した保健と福祉の連携したサービスの構築や、市勢発展のための幾多の重要事業にも取り組んでいかなければならないなど、熊本市なりの行政改革を必要とする背景がございます。
私が、行政改革として真に求めるところは、今大きく変わりつつある社会にあって、今後とも市民の方々と手を携えて市政を築いていくことであります。
そのためにも、まずは、第一線に立つ職員が常に市民の視点で考えるという意識への改革が必要であります。この意識改革をもとにすべての事務事業を総点検し、今後の時代変化に的確に対応できる市政を目指すものでございまして、これを本市行政改革の基本的方向として
行政改革大綱にうたったところであり、この意を込めて、去る九月一日に市役所全部の課長を集め、私の考え方を申し伝えたところでございます。
今、ヨーロッパ、アメリカなどの行政改革を見てみますと、特に私どもが友好姉妹都市関係を結んでおりますヴェーバー市長はかなり大胆な行政改革を進めておりまして、例えば各課がやっている仕事を、市長と請負契約の中でやったらどうかというふうなことがございまして、その結果、相当数職員を減らしておると。そういうことになれば人事課とか財政課とか要らないというふうなことをヴェーバー市長は述べておりまして、そういう思い切った行政改革を進めていかなければならんと、切り口を変えていっていただきたいという旨をお願いしたところでございます。
ややもすると、行政改革イコール節約、人減らしと、このことだけに限られておるようなニュアンスがいたしておりますけれども、私たち市町村を預かる地方行政といたしましてはそこにサービスが加わってまいりまして、サービスとの反比例関係等もございまして、なかなか国の思うような行政改革はなし遂げ得ないと私どもは思っております。
ところで、市民の方々が自分の市と思っていただけるような、そういう意識改革の中から伴ってくる行政改革を進めていかなければならないという思いをいたしておりますので、そのことを課長全員に伝えたところでございますけれども、六千七百人おる中の第一線級で現場を持っております課長が二百人強ぐらいでございましたけれども、それぞれが管理部門の課長、あるいは事業部門にいたしましても福祉部門に携わる者、それぞれの分野の中でまだまだ考え方が少し異なっておりまして、今後全庁的意識の統一と切り口を変えていくという面につきましては、私が先頭になって全力投球をしながら進めていかなければならんというふうに思っておるところであります。
また、市民の皆様方にあっても、行政改革の役割分担についても御理解をいただき、いつの時代にあっても市民と行政とがともに支え合う関係を築き上げることが大切であると考えております。
これが私が常々申し上げている「心のかよったわかりやすい市政」であり、この実現に向けて本市行政改革を推進し、実現することが、本市の二十一世紀の展望へとつながっていくものと考え、本年度を行革元年として積極的に取り組んでいく覚悟でございますので、議員各位のさらなる御理解と御支援をお願い申し上げます。
〔十一番 古川泰三議員 登壇〕
◆古川泰三 議員 行革に対する市長の意気込みというものがわかったわけでありますけれども、原点は
市民サービスの向上のための行政改革である、そのためには、ちょっと大げさでありますけれども、多少血を流すこともやむを得ない、こういう心境であろうと御推察いたしました。市長さん、そういうふうに理解してよろしゅうございますでしょうか。──うなずいておられますから、そのとおりというふうなことで理解をいたします。橋本総理は行革については火だるまになってやるんだということでありましたから、私は市長さんには血まみれになっていっちょう頑張ってもらいたい、こういうふうにお願いをするわけであります。
次に、熊本駅周辺地域整備についてのお尋ねでございます。
現在、国土審議会計画部会におきまして、二十一世紀を展望した次期国土政策の長期ビジョンの策定作業が進められておりますが、その中で、本市を中枢拠点都市圏と位置づけ、各都市圏の規模、特性に応じた機能整備を重点的に推進するとの検討報告がなされております。
このように、今や人口六十五万人を擁する熊本市は、県勢を牽引するのみならず、九州の中枢を担う都市としてさらなる飛躍が期待されているところであります。
そのためには、活力ある都市活動を支える都市基盤である道路、港湾、あるいは駅等の交通インフラ整備の必要性が叫ばれているところであります。このような中で、新たな広域高速交通基盤としての九州新幹線の建設や、JR鹿児島本線高架化を初めとする駅周辺の整備は、二十一世紀の県、市の浮揚に欠かせない最重点事業として、早急に実現する必要があるとだれもが認識をしているものであります。
しかしながら、御存じのように、当該整備事業は昭和四十年代に整備構想が策定されて以来遅々として整備が進まず、はや三十年の歳月が経過してしまったのであります。なかなか整備が進まなかった要因といたしましては、新幹線熊本駅を含む九州新幹線鹿児島ルートの建設スケージュールが不透明であったことや、駅周辺地域の立地環境が背後地に乏しい、商圏人口も少ない、経済界の積極的な参画が得られなかった、あるいは大店法の規制緩和に伴い出店コストの安い郊外への大型店の進出が増加し、従来の駅前開発を主導してきた大型店の参画が期待できなくなったことなどなどが挙げられますが、県市行政側の、何が何でもやり遂げるぞと、こういう覚悟が示されなかったのもその要因の一つであろうと思うわけであります。
このように推移してきました駅周辺地域整備を取り巻く最近の状況は大変明るい兆しが見られます。昨年十二月には、この整備事業実現のかぎを握る九州新幹線鹿児島ルートの船小屋-新八代間が新規着工区間に決定をされました。また、本年度の国庫補助調査として、九州新幹線と三位一体で進めるべき鹿児島本線の高架事業や、最重点事業の一つである駅周辺の土地区画整理事業の調査採択や、さらには七月二十八日、県市間で「JR鹿児島本線等鉄道高架及び熊本駅周辺等の整備に関する協定」が締結されまして、事業実現に向けて大きな第一歩が踏み出されたところであります。
この協定は、駅周辺地域の整備方針を公表するとともに、九州新幹線の熊本駅開業時までに鹿児島本線高架事業や、土地区画整理事業、駅前広場整備、及び東西連絡道路整備など、駅周辺整備に関する主要事業が完了するよう事業主体と役割分担等を明確にし、県市が一致協力していくことを確認するために締結されたと、こういうふうに聞き及んでいるところでありますが、県市が本腰を入れて駅周辺整備に対して力を合わせ、計画的、総合的に取り組んでいくという不退転の決意を内外に表明をされたと、こういうふうに理解をいたしているものであります。
この協定締結によりまして、これまで必ずしも一枚岩とは申せなかった県市の関係が、駅周辺整備という大目標の達成に向けてかたく結ばれ、二十一世紀の熊本の発展に欠かせない壮大な事業の礎が築かれましたことはまことに喜ばしい限りであります。三角市長を初め関係当局の御尽力に対しまして深く敬意を表する次第であります。
いよいよ熊本の未来を開く駅周辺整備が現実のものとして具体的に動き出すことに深い感慨を覚えるところでありますが、これらの事業は総事業費二千億円にも及ぶ大事業であると想定されており、一方では、莫大な事業費の捻出や地元経済界等の理解と協力をいかにして求めていくかなどの課題が山積みいたしているわけであります。
まだ現時点では駅周辺整備の基本方針が公表されたにすぎませんが、今後、個々の事業ごとに具体的な事業手法や、事業範囲の決定が行われていくことになろうかと思いますが、地域住民の方々や経済界に対しまして、駅周辺整備の具体的事業の展開方法や
まちづくりの必要性を訴えるとともに、官民一体となった
まちづくりへの機運を盛り上げ、いかにして事業への理解と積極的な参画を求めていくかが重要になってくるものと考えます。
特に、西口駅前広場や都市計画道路等の公共施設用地を生み出す駅周辺の土地区画整理事業は、既成市街地における大変困難な事業であります。事業計画策定に当たっては、熊本の発展のためという錦の御旗で押し流すことなく、個々の住民の意向を可能な限り尊重し、計画協議に十分な時間をかけて進めていく必要があると思うものであります。
そこで、都市整備局長にお尋ねをいたします。
まず、第一点目として、今後、駅周辺整備を進めるに当たって、具体的にどのような事業から取り組まれるのか。また、特に、熊本市が経験したことのない既成市街地における駅周辺の土地区画整理事業に対して、どのような手順で取り組んでいかれるのか、あわせてお尋ねをしたいと思います。
次に、二点目でありますけれども、このような壮大な事業を推進するためには県市の強力な連携が必要であり、福井駅周辺に見られるような県市合同事務所の設置が待たれるところでありますが、この合同事務所の設置についてはどのような所見をお持ちなのかお答えいただきたいと思います。
また、三点目は、地域住民、経済界の駅周辺整備に対する参画が不可欠でありますが、今後どのようにして駅周辺の
まちづくりの機運を盛り上げ、地域住民、経済界への協力要請と参画を求めていかれるのか。
以上三点につきまして御答弁をいただきたいと存じます。
〔田尻紘都市整備局長 登壇〕
◎田尻紘 都市整備局長 古川議員にお答をいたします。
まず、一点目の熊本駅周辺整備にどのような事業から取り組むかでございますが、去る七月二十八日に締結をいたしました県市協定に基づき、現在準備組合が設立されております東A地区の再開発事業の早期立ち上げを目指して積極的に支援をしていきたいと考えております。
このため、同地区内にあります郵政省所有の鉄道郵便局跡地について本年末までに購入を終え、市も権利者として再開発事業に参画するとともに、このための公共施設について庁内関係各課で検討しているところであります。
また、これに加え、鹿児島本線等の鉄道高架事業の採択に向けた取り組みと、鉄道の東西での
まちづくりに欠かすことのできない駅西側を中心とする土地区画整理事業の立ち上げを図っていきたいと考えております。
次に、この区画整理に対する取り組み姿勢についてですが、この事業は、議員が申されましたように、本市が経験したことのない難しい事業であると認識しております。
熊本の陸の玄関口であり、六十五万都市にふさわしい熊本駅周辺整備を進めるためには、駅周辺の道路網や駅前広場の整備が必要であります。特に西側一帯については、東西連絡道路や西口広場等の基幹的都市施設とあわせて、地区内道路、公園等を一体的に整備し、宅地の形状を整えることで都市環境や防災上の向上を図ることが必要であります。このため、熊本の将来を見据え、地区住民と十分な話し合いを行いながら、その実現に向けて邁進する覚悟でございます。
次に、二点目の熊本駅周辺整備に係る県市合同事務所の設置についてでありますが、これらの事業の円滑な遂行のためには県市の緊密な連携が必要不可欠であり、今後直ちに県市連絡会議を設置し、事業推進に向けた課題の整理を行うとともに、その設置時期について検討してまいりたいと考えております。
最後に、三点目の地域住民や経済界への協力要請と参画をいかに求めていくかでございますが、議員申されますように、この壮大な事業を推進するためには官民一体となった取り組みが不可欠であると認識いたしております。
このため現在、地元の自治会、企業等で構成されております熊本駅周辺地域
まちづくり協議会が中心となり、九月二十一日を皮切りに整備方針の地元説明会が予定をされております。これを踏まえ、さらに今後、地区別の勉強会等も積極的に開催し、地域住民の皆様との合意形成を進めてまいりたいと考えております。
またこの十一月に、当
まちづくり協議会を中心として商工会議所等の経済団体との共催によりまして、
まちづくりの機運を盛り上げるシンポジウム等が開催予定であります。市といたしましてもこうした動きを積極的に支援するとともに、経済界に対する具体的な参画要請につきましては、さきに述べました県市連絡会議の中で論議をし、具体的方策等について早期に明らかにしてまいりたいと考えております。
〔十一番 古川泰三議員 登壇〕
◆古川泰三 議員 駅前の周辺整備事業については、その施策といいますか実施計画を、話し合いをしながらいろんな意見を聞いたわけでありますけれども、率直に申し上げて、余りにも気宇壮大である。これは非常に難しい、大変多難であるという感を持ちました。御答弁の中にもありましたけれども、これは熊本百年の大計を見据えるんだと、そして地域住民とのコミュニケーションを図りながらその実現のために邁進するんだ、そういう覚悟ができている、こういう御答弁もございました。私ども大変期待をするものでございます。
九州新幹線が開業すれば、熊本、鹿児島県から中国・近畿間の鉄道利用客が最低でも年間百二十万人ふえる、こういう試算もされているようでございます。この事業は県民にとっても、私たち熊本市民にとっても、特に私の住む西部地域の活性化にとりましても、その恩恵は多大なものがあると想像するわけであります。
大変御苦労が伴います。これは私たちも本当にそういうふうに思っておりますけれども、一日も早く実現が図られますよう頑張っていただきたいと思います。
それでは、市長さんにまさに単刀直入にお伺いをするわけでありますが、本来は教育委員長さんにお尋ねした方がいいかもしれませんが、今日の教育の問題であります。
余りにもいろいろな問題、大きな問題が子供たちの前に立ちはだかっていると、こういうふうに思います。したがって、いじめの問題、不登校の問題、あるいは非行、自殺、校内暴力、まさに挙げればきりがありませんが、結果的にこういう形の問題があらわれていると言いますか、昔はそういう問題が本当にあったのかというと、私自身は余りなかったような、そういうふうな感じがするわけであります。
なぜこのような問題が次々と子供たちに降りかかってくるのか、市長さんからこれらのことに対しまして、その問題解決のための御助言を賜りたいと思うわけでございます。よろしくお願いを申し上げます。
〔
三角保之市長 登壇〕
◎三角保之 市長 大変単刀直入にお聞きをされましたので、私も大体簡単に答弁しなきゃならんということだったんだろうと思います。
この前もちょっとお答えをいたしましたけれども、教育問題に対する考えということで、今古川議員は助言ということでありましたけれども、私の方から助言をするということではございませんで、思いを申し述べさせていただきたいというふうに思います。
最初に岡田議員にいろいろ教育問題についての考えということは申し上げたところでございますけれども、率直に言いまして、今の子供たちは大変かわいそうだなというふうに思います。オランダの人は、身長が、男性百九十以上、女性が百八十以上で何か会をつくっているそうでありますけれども、その会が六千名を超えたと。非常に背が高い人が多いと。どういうふうなことだろうかと学者が研究いたしましたところ、大体子供のころのんびりと育っておるからというふうな結論が出たそうであります。
今見ておりますと、本当に子供たちの周り自然は消えていく。遊びというものも、グループとか縦のつながりで遊んでいくというのも見られない。親はやはり学歴偏重で、子供に対する毎日の言葉が、「勉強をせんとどぎゃんなるぞ。」とか、そういう話ばかりで、伸び伸びと育つ子供というのが本当に少なくなったような気がいたします。
いじめというふうな問題につきましても、私たちの時代にもあっておったように思います。古川議員は、聞くところによりますと随分けんかが強かったそうでありますから、いじめるというよりもいじめっ子の味方だったろうというふうに思いますけれども、そういう時代を思い起こしてみますと、随分よき時代だったなというふうに思っております。
何か事がありますと、町内ぐるみで、中学二年を筆頭としながら、小学校の低学年まで一緒になって取り組んでいくというふうな行事がたくさんあったというふうに思います。その中で、人の道あるいは楽しみ等々も随分教わってきたような感じがいたします。
そういうことで、今、その置かれた小さな社会、これは家庭と集落でありますけれども、こういった中で、どういう教育が施されているだろうかと。岡田議員に申し上げましたように、家庭教育のあり方というふうなものにかなり不信感を私は抱いておるものの一人であります。
そういう意味からしますと、子供たちの側に立って見ますと、居場所がないというふうに感じておるのじゃなかろうかなという思いがいたしておるところであります。そういう意味でも、学校の空き教室を利用しながら、家庭教育のコンサルタントというふうな事業も始めておりますし、行政といたしましても、家庭教育についての御支援をできるだけ申し上げていきたいというふうに計画を立てておるところでございます。
そういう中で、親がどうあるべきかというふうな問題になってくるわけでありますけれども、我々の時代を思い出し、親が物のない時代に自分の子供に物を与えてやらなきゃいかん、自分がなかったからいうふうな考え方で果たしていいものだろうかという思いをいたしております。
この前の議会でも申し上げましたけれども、苦労をさせてこそ、トラブルに強い子供を育成をしておかなきゃ社会の波に乗っていけないのではないかというふうな思いをいたしておるところでございまして、そういうふうな親でなくてはいけない。家庭教育の先生でないといかんというふうな思いと、それから子供たちが伸び伸びと育って、二十一世紀をいかに豊かな心を持って支えていってくれるかというふうな面を考えながら、我が子だけじゃなく向こう三軒両隣、あるいは町内すべて我が子というふうな感覚の中で育てていかなくちゃならないのじゃないかなと。そして、自分の生きざま、生き方、これは必ず後ろから子供が見ておるのだというふうなことを常に思いながら生活をしていかなければならないのじゃないかなというふうに思います。
今こそ大人が変わること、日本の二十一世紀を支える若者が自分の姿を見ておるという思いの中で生活をし、そして子供たちを育成していかなければならないのじゃないかなという気がいたしておりますので、行政に携わる私どもといたしましても、教育関係者の皆様方と、大人はいかにあるべきかという点について今後懸命に考えていかなければならないと思っておるところであります。
〔十一番 古川泰三議員 登壇〕
◆古川泰三 議員 市長さんの教育論といいますか、お伺いをいたしまして大変ありがたく思いました。
今日子供を取り巻く状況といいますか、環境といいますか、そういうふうなものが余りにも劣悪過ぎるのではないか。教育のシステム、制度、これが悪いのではないか。あるいは戦後、自由とか、平等とかあるいは権利とか、そういうことを過って教えた。したがって、自分のことだけしか考えない、そういう人が多くなったからこういう社会になったのか。いろいろと思い悩みをするわけではありますけれども、なかなか結論に達するまでには至りません。
簡単明瞭、市長が、大人が変われば子供が変わると、こういうふうにおっしゃいました。確かに私ども、生徒が悪いというふうなことを言いますと、同じような言葉を言うわけでありますけれども、教師が変わると子供が変わるとそういうことを言っておったこともありました。
しかし、今教育の問題は非常に小さいなところ、非常に大きな問題として出てきているわけでありますけれども、その問題問題に、解決をするためには、こつこつと努力をすると。そういうふうなことが必要ではないかと、こういうふうに思います。
それでは、続いて教育の問題について具体的な事例を挙げながら質問させていただきます。
まず、公立校の中高一貫教育制度についてお尋ねをいたします。
公立校としては全国唯一の中高一貫校であります宮崎県立五ヶ瀬中学校・高等学校では、地域を基盤にした体験学習などによりまして、感動と感性の教育を展開しております。
例えば、恵まれた自然の中で、星座の観察、動植物、化石調査、民謡など伝統芸能学習、ホームステイ、スキー教室など、自然体験や社会体験を通して豊かな人間性を育てるとともに、個性の発見やその伸長を重視する教育が行われております。
ことし三月に第一回の卒業生を送り出しておりますけれども、その進路状況は、親子ともどもに納得のいく進学をされたのではないかと思われる結果が出ております。ちなみに、京都大学、九州大学、筑波大学、早稲田、慶応など大変学力を必要とする大学に合格をしております。まさに知、徳、体、この三位が一体となるという今後の学校教育が理想とするものがそこにあるという感じを持ったものでありました。
ところで、この中高一貫教育制度は、子供たちの個性をゆとりある教育の中ではぐくむことを目指すとともに、学校制度の複線化構造を進める観点から、現行教育制度にさらに加えて、選択的に導入をするというねらいがあります。
現在の教育改革の流れの中で、昭和六十年に臨教審第一次答申で六年制中等学校が提唱されて以来、既に十数年にわたって論議をされている問題であります。
そして、第十六期中教審第二次答申、さらに、この八月に文部省が示しました新教育改革プログラムにおいて、にわかに公立学校の中高一貫教育制度の導入の具体的な姿が見えてまいりました。
既に検討を開始している東京都では、十年先を見通した都立高校改善策の中に、中高一貫校を新しい学校の一つとして検討しているとのことであります。
この制度の導入に当たっては、高校受験の緩和や教育のゆとりをもたらすというプラス面がある一方、逆に、受験の低年齢化をもたらすとか、エリート教育が促進されるなど議論百出、評価が分かれているところであります。
文部省は、この中高一貫教育制度の導入に向けた条件整備を着々と進めているようですが、市教育委員会としましては、この問題にどのように取り組まれるおつもりか、市立高校、市立商業という市立の二高校を所管するものとして教育長にお尋ねをいたします。
次に、いじめ、不登校対策及び問題行動のある生徒に対する出席停止についてお尋ねをいたします。
本年に入りまして、小中学生が犠牲者となる痛ましい事件が続発いたしました。子を持つ親ばかりでなく国民に大きな不安と恐怖を与えました。特に神戸の事件では、容疑者が中学生と判明をしまして、事件の特異性もさることながら、大きな衝撃を社会に投げかけました。
このような凶悪な事件ばかりでなく、青少年の短絡的、衝動的、そして興味本位からと思われる行為、行動が社会問題化しつつあります。このような問題行動への緊急な対応とともに、いじめ、不登校問題へのさらなる対応が急務であります。
いじめの状況ですが、文部省の調査によりますと、平成七年度は、全国の小学校で二万六千六百十四件で、一校当たり一・一件、中学校では二万九千六十九件、一校当たり二・八件となっております。
熊本市では、小学校九十五件、一校当たり一・二件、中学校百三十八件、一校当たり三・七件発生をしております。平成八年度については調査中とのことでありますが、若干の減少傾向にあると伺っております。
不登校につきましては、平成八年度は、全国小中学校合わせて九万四千二百四十五人に上りまして、前年度より一千三百人ふえまして、小学校で四百人に一人、中学校で六十人に一人と、それぞれ過去最高の割合になっております。
本市におきましても、小学校七十一人、中学校四百三人の児童・生徒が該当し、深刻な状況にあるようであります。
いじめ、不登校の原因がどこにあるのか、原因はどのように絡み合っているのか、個々のケースに応じた専門的な知識と経験を有する指導者の対応が必要であります。特に不登校の生徒に関しては、十人いれば十人ともその原因が異なるわけでありまして、当然対処、指導の方法も違ってくることは御案内のとおりであります。
本年度から、託麻原小学校、出水中学校に、国の委託事業によるスクールカウンセラーとして臨床心理士が配置されていると伺っております。また熊本県では、県職員の採用とは別枠で心理判定員を採用し、諸施設へ派遣をしております。
そこで、熊本市もスクールアドバイザーの活用に加えまして、そのような専門家を採用し、市独自で心理判定員や臨床心理士を拠点校に配置をする。そしていじめや不登校で悩む子供や、その保護者及び担当しておられる先生方の相談に当たられたらいかがでしょうか、教育長にお尋ねをいたします。
次に、問題行動のある生徒に対する出席停止についてお尋ねをいたします。
平成七年度、校内における生徒の暴力行為は全国で四千六百九十三件、本市については二十八件発生をしております。校内暴力については今も昔もありましたが、今日の荒れは、複雑な家庭環境や社会的背景が要因になっているように感じます。
学校は、家庭や地域社会と異なった集団生活の中で人間形成を行う大切な場であります。しかし、どうしても学校生活になじむことができない子供たちが授業を妨害したり、物を壊したり、さらには対教師暴力まで発展することが現実の問題として起こっているわけであります。このような状況では学校の秩序は維持できない、そういうふうに思うわけであります。
学校教育法では、児童・生徒の出席停止を命ずることができると規定をしております。授業やその他の教育活動を妨げたり、施設設備の破壊等を行ったり、さらには教師に暴行を振るう子供たちに対しては出席停止等の措置を考えるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
その場合の対応について、もし出席停止の措置をした場合、どのような対応と対策が考えられるか。逆に、出席停止が現段階として無理であるとすれば、学校の秩序回復のために、教育委員会としてはその対応と対策をどうお考えか、教育長のお考えをお伺いしたいと思います。
〔後藤勝介教育長 登壇〕
◎後藤勝介 教育長 教育の問題に関連をいたしまして三点お答えを申し上げたいと思います。
まず中高一貫教育制度についてでございます。
教育改革が国の重要な課題となります中で、文部省におきましては中高一貫教育制度の導入について検討を始めますとともに、来年度から、各都道府県の実情に応じた設置形態や、教育活動のあり方について実践研究を行うための協力校を指定するようでございます。
この制度につきましては、ただいま御紹介がございましたように、プラス面、マスナス面からさまざまな論議がなされておりますし、それに加えまして、教職員の教科免許や給与の問題など、いろいろ解決しなければならない課題も多く、学校教育法を初めとする関係法令の整備も待たなければなりません。
いずれにしましても、教育制度の大きな改革であり、市民の皆様方の関心も大変高いと思われますので、今後さまざまな評価や意見が寄せられるものと考えております。教育委員会といたしましては、所管しております市立の両高校、そして三十七の中学校において、中高一貫教育の問題にどう対処するのか研究する必要性を認識いたしております。
今後、国、県の動向を見守りますとともに、市議会を初め広く意見をお伺いしながら対応してまいりたいと考えております。
次に、臨床心理士や心理判定員等の配置の問題でございます。
いじめや不登校につきましては、子供たちを取り巻く社会環境や家庭環境が変わり、親や子供の考え方、価値観が複雑多様化しております中、その原因の解明や対応が大変難しい状況にあります。
そういう中で、御指摘がございましたように、臨床心理学等の専門的な知識が今求められております。本市におきましても、本年度から国の委託事業として託麻原小学校、出水中学校の二校に、臨床心理に関して高度の専門的な知識、経験を持っておられるスクールカウンセラーを配置し、児童・生徒、保護者、教職員などの相談に当たっていただいておりますが、その効果を期待しているところでございます。
そこで、市独自に臨床心理士や心理判定員を配置してはどうかというお尋ねでございますが、この国の委託事業がまだ調査研究の段階でもございますので、その成果を見定めながら対応してまいりたいと考えております。
なお、本市におきましては、市
教育センターにスクールアドバイザーを配置し、学校へ出向いての教育相談を実施しておりますが、その中に心理学、教育学を専攻しているものを心理判定員として採用するなども今後検討してまいりたいと考えております。
また国は、来年度も学校へ配置する臨床心理士を増員すると聞いております。本市といたしましては、国や県に、さらに本市にも配置していただけるよう要望してまいりたいと考えております。
次に、問題行動のある生徒に対する出席停止についてお答えを申し上げます。
学校では、大多数の生徒たちは授業に真剣に取り組んでおります。しかし、議員御指摘のとおり、一部に授業妨害や教師に暴力を振るう生徒がいるのも事実でございます。このような生徒に対します出席停止は、これまで九州では二件、全国では、平成七年度に五十一件の事例がございますが、その効果につきましては厳しい状況であったと聞いております。法的に認められている措置ではありますが、出席停止をされた生徒の受け皿の問題などもあり、本市では今のところ難しいと考えております。
しかし、特に問題行動の多い学校につきましては、教育委員会といたしまして、生徒指導担当の指導主事をある一定期間派遣し、現場の先生方と協力しながら、これらの生徒に対応してまいる考えでございます。
問題行動のある生徒指導のためには、校長を初めすべての教職員が心を一つにして、親身になって指導を行うことができるように全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
〔十一番 古川泰三議員 登壇〕
◆古川泰三 議員 中高一貫教育については、国、県の動向を見て対応していきたいと、こういうことでありますが、熊本県は平成九年それから十年で検討をしていくとのことでありました。それから、東京都、北海道、宮城県は既に導入の方向で検討を開始いたしました。そして何よりも先ほど申し上げましたように、宮崎県立五ケ瀬中学校・高等学校という中高一貫教育の具体的な事例があるわけでありますから、今日、受験戦争とまで言われるゆがんだ状況を少しでも解決すべく、本市におかれましても検討していただくようお願いを申し上げます。
また、心理判定員については採用を検討するということでございます。市独自での臨床心理士の採用については、国が増員の見込みであるということでございますので、本市にも増員があるものと期待をしておりますが、できれば市独自で採用してほしいと、こういうふうな質問でございました。