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平成 7年第 3回定例会-09月12日-04号
平成 7年第 3回定例会−09月12日-04号

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  1. 熊本市議会 1995-09-12
    平成 7年第 3回定例会−09月12日-04号


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    最終取得日: 2021-06-30
    平成 7年第 3回定例会-09月12日-04号平成 7年第 3回定例会   平成七年九月十二日(火曜)   議 事 日 程 第四号   平成七年九月十二日(火曜)午前十時開議   第 一 質 問                  午前十時三分 開議 ○議長(荒木哲美君) ただいまより本日の会議を開きます。      ───────────────── ○議長(荒木哲美君) 日程第一「質問」を行います。順次発言を許します。中松健児君。        〔九番 中松健児君 登壇 拍手〕 ◆九番(中松健児君) おはようございます。社会党・民主クラブの中松健児です。議員なりたて早々の一年生議員であります私に、質問の機会を与えていただきましたことに心から感謝申し上げます。  厳しい猛暑であった夏も、九月の声とともに朝夕はしのぎやすく感じるころとなりました。議員各位及び執行部の皆様には元気に、張り切って本会議に御出席のことと思います。  私は三十四年間、高校の教師として教育現場で子供たちと生活をともにしてまいりました。昨年八月末日付で退職いたしましたが、教員として最後のあいさつの中で、「自分に納得のいく人生を送れるように、常に前向きに考え行動したい。」と、気持ちの一端を述べましたのがついきのうのようです。  私は、教育現場にいたという経験を大事にしながらも、一市民、一議員という立場から、市政にかかわる諸問題について質問し、問題提起を図りたいと思っています。ややもすれば、的外れなことや既に解決済みなことなどあるかと思いますが、御容赦いただきたいと思います。  私は、立候補するに当たりまして、教育と福祉の充実、さらに市の活性化を訴えてまいりました。今回の一般質問ではこれらの問題を中心に質問いたしたいと思います。よろしくお願いいたします。  ただいまより質問を行います。  まず初めに、教育問題についてお伺いします。  戦後五十年を迎え、本市でも平和都市宣言や記念式典が挙行され、五十年の意味を問い直し、次の五十年に向けての決意を新たにしているところですが、戦後の教育の流れを若干振り返りながら教育について考えてみたいと思います。
     戦後、日本は民主主義国家として出発しました。その民主主義国家の根幹をなす教育は戦前のそれとは大きく変わり、その理念は憲法及び教育基本法に明記されております。その趣旨は、明治以来の中央集権的な教育制度を改め、地方分権化と教育の国家からの独立と自由を目指すものでした。当時の教育委員は公選制であり、市民の直接選挙で選ばれていました。予算の提案権も教育委員会にあったことからしてもうかがい知ることができます。一人一人の価値や人格形成を大切にする、すなわち個性を大事にする民主的な教育と国家の実現という目標を掲げ、戦前の国家主義教育から個人を尊重する教育への転換がなされました。  しかし、日本が米ソの冷戦体制に組み込まれ、政治も教育も時代の流れの中に振り回されるようになります。政治は中央集権化が進み、教育は国家統制を受けるようになります。教育委員会制度も公選制から任命制に変わり、教育の自治と独立という理念も、国家機構が中央統制を強める政治的な流れの中で、教育も無縁のものでなく、その指導内容はもちろんのこと、教科書の選定、校舎の建設、教員の身分や給与に至るすべての面で中央統制が強化され今日に至っています。  しかし、戦後五十年間世界の政治の枠組みであった米ソの冷戦体制が、ソ連邦崩壊とともに終わりを告げ、新たな世界秩序に向けた新しい時代を迎えようとしています。日本も世界の動きとともに、政治、経済、教育などあらゆる面で大きな時代の変革の波にさらされ、社会構造の根本的な問い直しが迫られています。二十一世紀に向けたよりよい改革が図られるべき重要な時期であり、知恵が求められていると言っても過言ではありません。  政界再編、産業の空洞化、オウム教に代表される社会不安、人口の少子化と高齢化、いじめ、不登校等の教育問題など、連日新聞紙上をにぎわわせています。特に、二十一世紀に向かう日本が世界に類を見ない速さでいや応なく直面する少子化、高齢化は、日本の社会構造に大きな変化をもたらすことであり、私たちは今こそ英知を結集し、人間本位の社会実現に向けた社会構造をつくり上げることが急がれます。  このように、社会システムの大きな変革が求められているときに、教育においても問い直しが行われるのは当然のことであり、将来に禍根を残さないように問題点を論議し、教育改革が進められなければなりません。  日本の学校教育は、これまでに義務教育はほぼ一〇〇%達成し、高校進学率九五%以上、高等教育機関への進学率六〇%以上に達するなど、他の国に例を見ない高学歴者の量的拡大をしました。しかし、反面では病理的とも言える教育荒廃の現状を露呈しています。国民の間にも学歴主義の横行、受験戦争、偏差値偏重と点数による輪切り教育など、人間性より点数重視の傾向に疑問を投げかけています。  これらの弊害が、具体的に、学校現場ではいじめ、荒れ、不登校などの憂慮すべき事柄が多発しています。これらの現象は、子供自身や親、学校だけの責任にするべきものではなく、現代社会のひずみを反映したものであり、日本の社会構造や教育のあり方に警告を発しているとも言え、私たちはこの現実を真摯に受けとめ改善に向けて努力することが大切です。  教育現場に勤務していた者として感じますのは、多過ぎる教科内容、消化できずに無気力と学習意欲をなくす子供の増加、親の子供のしつけに対する自信のなさ、過度の学校への期待、保護者や地域の教育力の低下、多様化する価値観、日常的な雑務や子供の対応に追われる先生たち、先生同士の連帯感の希薄さ、さらに追いうちをかける管理体制の強化など、学校を取り巻く環境は子供たちにとっても、先生たちにとっても、ますます楽しくない学校になりつつあると言っても過言ではありません。  これらのことが複合していじめ、不登校などの社会的にも問題となっている病理的現象を生み出していると言えます。これらの問題に対して、カウンセラーの派遣、相談室の設置、各級機関との連携強化などの対策が講じられていますが、対症療法的な対応であるとしか言えず、抜本的な解決策は見出し得ないでいます。社会や教育の構造にメスを入れて抜本的な改革を行うことが求められています。  そこで、教育委員長にお尋ねします。今まで述べましたように、日本社会は大きな構造改革が迫られ、教育のあり方も問い直されています。このような社会の変革期の中で、教育のあるべき方向性とでも言いましょうか、教育の理念なり教育観、さらに教育行政のあり方などお聞かせください。        〔教育委員長 大橋綾子君 登壇〕 ◎教育委員長(大橋綾子君) 中松議員に教育及び教育行政のあり方に関する見解についてお答え申し上げます。  今日我が国の社会は大きく変動しておりますが、この変化に対応して二十一世紀を展望した教育のあり方が強く問われておりますとともに、いじめを初めとするさまざまな教育上の課題に直面しておりますことは、議員の三十四年にわたる貴重な御経験に基づく御指摘のとおりでございます。  私の教育に対する基本的な考え方は、教育基本法の精神にのっとりまして、中立性、安定性、継続性を確保し、時代の進展に対応し得る教育改革やさまざまな改善方策を強力に推進していくことを根本にしております。  次に、教育行政のあり方につきましては、熊本市の特性を踏まえながら、学校教育の充実や生涯学習体制を整備し、さらに市民のニーズの多様化や教育問題に迅速に対応する体制を強化し、教育委員会の活性化を図ることが重要であると考えております。  本市教育委員会はこのような方針に基づきまして、二十一世紀を担う人づくりを再重点課題といたしまして、子供たちが心豊かにたくましく育つような学校教育の充実や環境づくり、それから生涯学習の推進に鋭意努力中でございます。その具体策として、例えばさきの文部省通達に先んじまして実施いたしましたいじめの総点検を初め、学校、家庭、地域と連携して実施する心豊かな学校生活確立推進事業など、熊本市独自の教育、事業を推進し、成果を上げておりますとともに、学力の充実の面では、新学力観に基づいた授業づくりを展開いたしているところでございます。  本市教育委員会は、全国に誇り得る熊本の教育の構築に向けまして、教育の本質に根差し、時代に先んじた施策を今後も展開してまいる所存でございます。議員各位の御理解と御支援を切にお願い申し上げる次第でございます。        〔九番 中松健児君 登壇〕 ◆九番(中松健児君) 教育委員長の前向きで積極的なお考えを拝聴し、救われた気持ちです。国家百年の計は教育にあると言われています。目先にとらわれることなく、大きな視野に立って教育行政を推進されますようお願いいたします。  次の質問に移ります。  先月、文部省による平成六年度の学校基本調査が発表され、その中で、全体の児童・生徒数が減少する中で、小中学生の登校拒否者が過去最大の数に達したことが報告されています。熊本市の実態も全国の動きと大きな差はないかと思われます。今、学校においては登校拒否者増加というだけにとどまらず、いじめや自殺、校内暴力、万引きや窃盗、飲酒、喫煙、不純異性交遊等の非行、さらに保健室登校や無気力な授業への参加など、枚挙にいとまがありません。教師側にも、子供たちへの暴力行為、無気力で形式的な授業と権威主義、自己中心的な子供たちへの指導などが指摘されています。これらを生み出している原因は多岐にわたり、その解決に向けて、学校現場、行政は試行錯誤の連続ですが、学校で起こるさまざまな子供たちの行動に対して、教師や行政は積極的に予防し解決していかねばならない義務と責任があります。  私は以前、県下で一番荒れていたと言われる高校に八年間勤務いたしました。この学校が荒れているとは知らずに赴任したのですが、着任早々から厳しい対応を迫られ、当時今までの教員経験二十年は何だったのかと自問自答しながら、体を張って生徒にかかわったことを思い出します。  振り返ってみますと、この学校での経験が教師としての視野を広め、自分なりに成長させられたのだなあと実感しています。荒れた子供たちとの対応の厳しさは、直接かかわった者しかわかりません。まさに毎日が闘いと言っても過言ではありません。この学校の正常化に向けて、職員、保護者、地域の人が一丸となって取り組み、現在では学力も向上し、地域の評価も高まり、志願者も増加しています。私は、子供たちとのかかわりの中で、教育とは何か、教師は何をなすべきかを身をもって学んだような気持ちです。学校や教師の権威がいかに無力なものか、最後に人を動かすのは子供と先生の心の触れ合い、信頼関係であると痛感いたしました。教師は意識的か無意識のうちか、権威の中に安住しがちですが、子供たちとともにあるのだということを常に自覚し、日々の教育活動に当たらなければいけないと思っています。教師は理屈より行動です。山本五十六という連合艦隊長官が「やってみせ、言って聞かせ、させてみせ、褒めてやらねば人は動かじ、学ぶは真似ぶに通ず」と述べていますが、まさに人間教育の至言だと思っております。  子供たちは大人の常識を超えた行動をしますが、基本的には学校で楽しく過ごしたいと思っています。この単純な気持ちを大人である私たちがこたえきれないでいると言えます。そのためには、保護者、教職員、行政が主体的に障害を取り除く努力が必要です。特に子供たちと直接かかわっている教職員はその責任が重大です。子供たちは学校から逃げ始める何らかのシグナルを発します。その第一の兆候は、授業がわからない、授業がおもしろくないと思うこの時点からが要注意です。子供たちは、授業がわかりたい、向上したいという気持ちを持っているのですから、この時点における適切な指導やかかわりが大切です。学力不振が学習意欲を失わせ、無気力を呼び、非行や学校拒否という悪循環となっている面があります。  先生方は何が問題かを十分把握されて毎日の教育実践をされているとは思いますが、今実践している教育活動が万全であるというわけではありませんので、常に反省しながら、さらに質の高い教育実践を行うことが大切です。行政も現場の声に耳を傾け強く支援していく必要があります。  私は学力不振児をなくし、基礎学力をつけるためにどうすればよいかということで校内で徹底的に論議し、先生個人はもちろん、組織的に対応する体制ができれば、子供たちも学校も変わっていくと思います。具体的には、毎日の授業の工夫、個別指導、家庭との連携、教師相互の連帯と経験交流など、学校で実践できるものは実行するという努力を重ねていくうちに、子供たちとの心の交流、信頼関係も強固なものとなり、子供たちにとっても楽しい学校に変質し、不登校、非行、荒れなどの防止に寄与すると思います。  また管理職や行政は、先生方が教育活動に専念できるように学校の体制の条件整備が必要です。例えば毎日の雑務排除と環境整備、職員間の意思の疎通と相互理解、職員が意欲を持って働ける自由な雰囲気の醸成と組織の活性化、職員の適正配置と研修の保障など、子供たちに全力を注げる学校現場をつくることが必要です。  一つの組織をリードし施策を推進していくためには、管理職の人間としてのリーダーシップと資質が問われます。子供たちのことを中心に据え、みずからが率先して活動し、職員から人間として信頼される人材がリーダーシップをとれば大きく学校も変わると思います。今までに学校現場の実態を述べながら、先生方のやる意欲の醸成、管理職の指導性、行政のあり方など申しました。  ここで教育長にお尋ねします。  一点目は、学力不振児や登校拒否などの子供たちに対して、先生方、学校、または行政がどのような具体的取り組みをしておられるのか。  二点目は、管理職の資質はどうあるべきか、また実際に管理職の任用はどうなっているか。  以上二点について御答弁をお願いします。        〔教育長 後藤勝介君 登壇〕 ◎教育長(後藤勝介君) 中松議員にお答えを申し上げます。  大変すばらしい御意見をお伺いしまして、答弁することにいささかちゅうちょを感じておりますが、お許しをいただきたいと思います。  まず、学力不振児や不登校児童・生徒への指導、あるいはこのような子供たちをなくすためにはどうすればよいのかという点についてお答えを申し上げます。  学力不振児と申しますか、学習のおくれがちな児童・生徒に対しましては、各学校におきまして個人的にかかわり合いながら指導したり、日程表の工夫を行うことによりまして個人指導の時間を確保するなどの配慮を行っております。  また不登校の児童・生徒につきましては、早期発見、早期治療に努め、家庭訪問や電話などで常に連絡をとり、子供の悩みや心の動きを温かく受けとめる努力を重ねております。このほか、教育センターにおきましても、個別や小集団での適応指導やメンタルフレンドの派遣による訪問指導などを行っております。  現在、以上のような対応を行っておりますが、このような子供たちをなくすためには、児童・生徒が喜んで登校し、教師との温かな信頼関係のもとで楽しく学習できる学校生活を確立することが急務であると考えております。そのためには、わかる授業を行うことが第一であり、各学校においてそのような授業の実践に日々努力しているところでございます。  具体的には、児童・生徒同士が教え合い、励まし合うことができる温かな学級集団づくりに努めますとともに、個別学習やグループ学習など指導方法の工夫改善に努めております。今後とも各学校において、わかりたいと思う子供の心に寄り添うような教育指導を行い、児童・生徒と教師との触れ合いを深め、教育相談体制を充実していくことが学力の向上、ひいてはいじめや不登校などの生徒指導の諸問題の解決にもつながっていくものと考えております。教育委員会といたしましても、校長会や各種研修会等を通しましてさらに努力をしてまいりたいと考えております。  次に、管理職の資質はどうあるべきか、また管理職の任用はどのようにされているのかという点についてお答えを申し上げます。  ただいま議員から詳しくお触れになりましたように、社会がさまざまな変化をします中で、子供たちも大きく変わっているのが現状でございます。そのような中で、方向を誤らないように、広く明確な教育的識見を持つ管理職が求められております。その管理職の資質について、一つには、学校組織と運営を機能させる力強いリーダーシップを発揮し、責任感を持ち、判断力、決断力にすぐれ、危機管理能力を持つことが必要であると思いますし、また一つには、学校教育の基盤は教職員相互間に深い信頼と尊敬の念が通い合うことであり、あるときは教師の先輩として、また最高責任者として恥じない豊かな人間性を身につけ、同僚や児童・生徒や保護者の信頼にこたえることが肝要であると思います。そのためには、まず管理職みずからが教育者としての人格を磨くことが大切ではないかと考えております。  なお、管理職の任用につきましては、県教育委員会の異動方針にありますように、人物、教育的識見、学校経営の能力、指導などに配慮しながら実施しているところでございます。これからも県教育委員会と協調して、児童・生徒があすも行きたいというような学校づくりに努力してまいりたいと考えております。        〔九番 中松健児君 登壇〕 ◆九番(中松健児君) 教育長の前向きで子供を愛する気持ちをお聞きしありがたく思っております。先ほども申しましたように、教育は国民の一番期待することです。ぜひ教育行政を子供たちの立場に立って推進されるようにお願いします。また学校現場を預かる管理職は、管理者としてよりも教育者であるという自覚を持って学校運営をされるように御指導をいただきたいと思いますし、教育的視点を大切にする人格、識見ともに豊かな人を県に管理職として具申されるように重ねて要望します。  また学校現場の実態を把握されるに当たっては、管理職からの報告だけではなく、直接子供の指導に当たっておられる現場の先生の声を聞く機会を設けてほしいということも要望しておきます。  次の質問に移ります。  七月中旬、慶徳小学校校舎落成式に出席させていただき、その折に施設設備を見学してまいりました。広々とした空間、近代技術を駆使した施設設備、さらに社会教育の場としての機能を持つ諸施設など、従来の学校建築の常識を超えたユニークな校舎など、学校も変わりつつあるなと実感しました。学校建築といえば、今までは、どちらかと言えば安っぽくて最小必要限度の施設設備しか建築されなかったのが、行政も学校建築に国の基準を超えた施設設備にお金を注ぐようになった点を評価しながらも、既存の学校との格差、さらに、新校舎建築費捻出のため既存の施設の改善費が抑制されているのではないかと懸念もしました。しかし今や学校は地域とかけ離れた存在ではなく、生涯教育の一環として位置づけられ、地域のスポーツ、文化、福祉の拠点としての役割を担う場として脚光を浴びています。慶徳小学校が地域のコミュニティーセンターとしての機能を持ち、将来の方向性を示すモデルケースとして建設されたものと理解しています。  文部省も学校開放の方向を示しています。新設、既設を問わず、学校の施設設備の開放に向けて人的、物的な条件整備を図ることが肝要です。学校開放に対する教育委員会の考え方についてお聞かせください。  次に、学校建築についてですが、昭和三十年代からのベビーブーム時代に集中的に建設された小中学校の校舎や体育館が全国的に建てかえの時期に来ていると思われます。教育委員会としても十分に認識され、その建てかえ計画を策定してあるかと思います。そこで、熊本市の現状とこれらの学校の建てかえ計画についてお知らせいただきたいと思います。なお、校舎等の建てかえに当たって、次の二点について要望します。  一点は、阪神・淡路大震災における教訓として、地域防災の拠点として学校の果たした役割は大きなものがありました。地域防災の視点と耐震性を高めた建てかえを進めていただきたい。  二点目は、近い将来学校がスポーツ、文化、生涯学習の場として地域の中心的な役割を担うという観点に立ち、計画段階から地域住民や学校現場の意見を取り入れるような組織をつくり、地域の声が反映するようにしていただきたい。二点の要望をしましたが、教育長のお考えを聞かせてもらえれば幸いです。  次に、新設学校と既存の学校との施設設備の格差の是正です。  学校の建てかえのため既存の学校の改善が放置されたり削減されたりしますと、施設設備にさらに大きな格差が生じます。多くの学校において施設設備改善の要望があります。例えば校舎の床の張りかえ、便所の改善、水道管の取りかえ、子供や職員の机、いすの老朽化による買いかえ、事務機器やAV設備の購入等の施設設備の改善要望です。これらの施設設備の改善要望をどの程度把握し、要望にどのようにこたえようとしておられるのか、お尋ねします。  さらに、学校の運営費、特に旅費についてお尋ねします。  先生方にとって研修や経験交流は子供の指導にとって不可欠であり、かつ重要なことです。狭い枠の中での自己研修だけでは先生の資質向上になりませんし、ひいては子供たちにとって大きな不幸です。例えば不登校の子供にかかわるに当たって、先生方はその子供の置かれた立場や背景、児童心理学や医学的な側面、今までの教育経験など総合的に判断しながら子供にとってよい方策を見出す努力をするわけですが、やはり先生の経験や学識的な深さなどが要求されます。  しかし、そのための研究会や各種の研修講座への出席は厳しく制限されており、県外への研修に至ってはほとんどないと言われています。教員は研修こそ基本であるわけですが、旅費の予算が少ないために研修の機会が与えられないのは問題であります。各校に配分される旅費の大半は、行政主催の会議、子供の引率、管理職の出張などに多くを使われ、一般の先生方への旅費は少額であるのが現実です。ぜひ研修旅費等について一考していただきたいと思います。  また、中体連等で優秀な成績をおさめ、その活躍は喜ばしいのですが、県外への遠征のため、支出が一般の先生方の旅費を圧迫するとも言われています。これらの特別支出に対する何らかの措置ができないかと思います。御検討ください。  何点かについて質問しましたが、教育長の御答弁をお願いします。        〔教育長 後藤勝介君 登壇〕 ◎教育長(後藤勝介君) それでは、ただいまの質問について順次お答えを申し上げます。  まず学校の建設についてどのように考えているのかということでございますが、基本的には児童・生徒数の増加に伴います新設校の開設、あるいは老朽化が進んでおります校舎等の改築を進めながら教育環境の整備を進める必要があると考えております。そういう中で、ただいまお話がございましたとおり、昭和三十年代のベービーブームに対応して建設されました校舎や体育館が建てかえの時期を迎えておりまして、大変頭の痛い問題でもございます。この改築に当たりましては財源の確保というのが大きな課題になるわけでございますが、そのためには国の補助事業に乗せるということが一つの大きな要因でございます。この国の補助事業としての採択基準を見てみますと、鉄筋コンクリートづくりの校舎では建築後六十年、鉄骨づくりの体育館は建築後四十年の経過年数が必要とされております。  したがいまして、教育委員会といたしましては、国の基準に沿いまして計画的に施設の改築を図っているところでございますが、その間の校舎の保全につきましては、必要性及び緊急性の高い学校から大規模改造事業を活用し、校舎のリフレッシュに努めているところでございます。ただいま地震対策あるいは地域との関連を含めまして改築に当たってのさまざまな御提案をいただきましたが、その趣旨を十分踏まえながら計画の推進に努めてまいりたいと考えております。  次に、新設校と既設校との施設面での格差是正についてお答えを申し上げます。  確かに、新設校と比べまして、既設校の施設は年数がたちました分だけ格差が生じておりますことは現実でございます。したがいまして、先ほど述べました大規模改造事業あるいは改築事業を進めまして、その格差是正に努めているところでございます。  また、その他の施設設備及び備品等の改善要望につきましては、学校からの申請によります現地調査や定期的な学校訪問等により、学校側の意見を拝聴しながらその対応を図っているところでございます。今後とも十分配慮してまいりたいと思います。  いずれにいたしましても、子供たちがよりよい教育環境で伸び伸びと学校生活が送れますよう努力してまいりたいと考えております。  次に、教職員の研修旅費、あるいは部活動引率旅費等の拡充についてお答えを申し上げます。  最近の教育課題解決のためには何よりも教職員の資質の向上が急務であると考えますので、そのための各種研修の充実に努めているところでございますが、その中で学校を一歩離れた研修、例えば県外での、あるいは国外での長期、短期の研修は教職員の資質の向上に特に役立つものと思われます。しかしながら、ただいまお話がございましたとおり、学校の現場におきましては旅費の執行に苦慮されているのが実態でございます。  教職員の研修旅費等につきましては基本的には県の負担によるべきだと思いますが、熊本市といたしましては市単独の予算措置を行いまして、国内での長期、短期の研修あるいは国外への派遣研修に取り組んでいるところでございます。今後より多くの教職員に研修の機会を与えますために、また部活動のさらなる推進を図りますため、旅費の確保について県に対し要望してまいりたいと考えております。        〔九番 中松健児君 登壇〕 ◆九番(中松健児君) 校舎等の改築に当たっては膨大な財源を必要といたしますので、十分長期的な展望に立って早目に計画を策定され遺漏のないように増改築等が進められますように希望いたします。  私は、施設設備費や旅費等に絞って予算の増額を質問いたしましたが、ほかに一般需用費、図書費、学校教材費、学校運営費など全般的に不足しております。保護者からの援助で学校運営が補完されている面も多く、父母負担軽減の立場からも、厳しい財政状況とは思いますが、公費を増額されるようにお願いいたします。  なお、このほかの学校現場にかかわる問題については常任委員会で質問させていただきます。  次に、第二教育センター建設について提案いたします。  学校五日制の進行、多様化する学校など、社会は大きく変革しています。教師も時代の変革に対応するために研修や経験交流等の研さんを深める必要があります。そのためには研修の拠点となる場が必要です。現在の教育センターは余りにも敷地も狭く、施設設備も不足しています。急速な技術革新と社会変革が進行する中で、学校教育の中身も変わり、子供への指導も多様化し、教師の大学での学習内容や経験や勘だけでは変革に対応できません。そのためには視聴覚やマルチメディアの施設設備、理科や家庭科のための実験、学習室の設置、研究活動に必要な資料や専門書の整備、各種の研修講座の開設など、その機能を充実させ、教師が自主的に自由に研修する場としての研修センター、さらに生涯教育の一環として一般の人の利用できる社会教育センターとしての機能の充実、また将来熊本市が政令指定都市として発展するに対応するための施設など、将来を展望した研修センター建設構想です。  教育長にお尋ねします。一点目は教員の研修のあり方について、今も言われましたが、基本的にどのようにお考えなのか。  二点目は、行政として教員の研修を推進し、どのように保障しようとされるのか。学校では、研修に出ようとしても出張の機会が制限されます。そういう意味の保障をどうされようとするのか。  第三点目は、第二教育センター建設構想についての教育長のお考え、以上三点について御答弁をお願いします。        〔教育長 後藤勝介君 登壇〕 ◎教育長(後藤勝介君) 教育の問題についてお答えをさせていただきます。まず順序が先生の御質問と若干変化するかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。  まず、教職員の研修の件でございますが、今おっしゃいましたとおり、時代の変革に対応できる資質を養うための研修をしなければならないと私どもも考えております。そのために教育委員会といたしましては、校長、教頭を初め教職員を対象といたしました合宿研修や、長期、短期の県外、海外研修などを行っておりますほか、教育センターにおきましては学校教育関係講座、コンピューター研修講座、学校・社会教育連携研修講座などを年間計画を立てながら実施をいたしております。今後もこの充実に努めながら、そしてまた先生方がこの研修に参加しやすいような方法を考えていかなければならないと考えております。  それから、第二教育センターの建設についてでございますが、御承知のとおり現在の教育センターは昭和六十二年に開設されまして以来九年目を迎えております。しかしながら議員御指摘のとおり、敷地が狭いこと、四町合併によります教職員の増加、新学習指導要領の実施に伴います研修内容の多様化、教育相談の量の増大などによりまして施設設備機能などの面で不備を来し始めております。したがいまして、二十一世紀を展望しますときに、新たな需要に対応する教育センターの建設を検討する時期に来ているのではないかと考えております。ただいまの御提案を踏まえながら、また今後市議会の御意見を十分お伺いしながら検討してまいりたいと考えております。        〔九番 中松健児君 登壇〕 ◆九番(中松健児君) 教育委員長、教育長には、教育の理念から子供たちへの指導のあり方、学校建築や運営費にかかわる公費の増額、管理職の任用と資質、教員の研修と第二教育センター建設など幅広く質問いたしましたところ、いずれの質問にも前向きに丁寧に御答弁いただき感謝申し上げます。  今日ほど、学校内外で多発する子供たちの諸問題に対し国民は憂慮し、学校教育のあり方を含め、人間教育のあり方が問われている時期はありません。教育委員会としてもこの現実を厳しく受けとめ、真に子供の立場に立つ教育行政を推進されるようにお願いいたします。  次に福祉問題の質問に移ります。  我が国が急速に高齢化社会に移行しつつあることは、現時点で高齢化率一四%を超え、二〇二〇年には二三・六%となり、国民の四人に一人は高齢者になるというのは厚生省の人口動態調査統計が示しています。高齢化の進展は日本社会のさまざまな分野に影響を与え、社会、経済全体を大きく変えることは確かです。今こそ私たちは、高齢化社会にふさわしい社会システムの構築に向けて英知を結集し、実働に取り組む重要な時期と言えます。  総理府が八月に発表した国民生活に関する世論調査の結果でも、政府への要望の第一は「医療、福祉、年金の充実」が五五%という高率を示し、関心の高さを示しています。福祉の充実は国民的課題です。福祉問題について政府は、長寿、福祉社会に向けての福祉ビジョンを示しています。その中で二十一世紀高齢化社会を悲観的にとらえるのではなく、現実を直視して前向きの視点で諸施策を実行するように提言しています。  三角市長におかれましても高齢化率がピークに達する二〇二〇年には八十歳となられるわけですが、高齢化する社会をどのように受けとめ、政府の推進しようとする諸施策に対する市長の考えや熊本市の福祉政策の進め方など、市長の所信といいますか決意のほどをお伺いします。        〔市長 三角保之君 登壇〕 ◎市長(三角保之君) 高齢者の福祉についてのお尋ねの中で、福祉政策に取り組む市長の考え方ということでございましたけれども、福祉問題全体ということになりますと大変幅の広いきめ細やかな考え方を申さねばなりませんので、高齢者福祉を中心にということで少し考え方を述べさせていただきたいと存じます。  急速な少子化、高齢化が進む中、労働力人口の減少や若年世代の負担の増加など、さまざまな問題が指摘され、二十一世紀には社会経済全体の活力が低下するのではといった懸念の声もあるようでございますが、私は、高齢化が活力に結びつく社会の実現に向けて、社会経済全体のシステムを高齢社会にふさわしいものにつくりかえていくことが重要であろうかと考えておるところでございます。  今各町内を見てみましても、自治会あるいは社会福祉協議会、防犯協会、青少年健全育成協議会等々の役員をしていただいております方々もほとんど大先輩の方々ばっかりでありまして、今までの経験あるいは公を思う気持ちの豊かさからこのボランティアが成立をしておるというふうに思うわけでございます。  そういった中で、きのうもテレビに出ておりましたが、伝承遊びというふうなことでありましたけれども、大先輩方が子供たちに指導していただくその遊びの中で、あの子供たちの生き生きとした目、そしてまた自然の中からつくり出される日本の古来の伝承遊び、そういったことを次の時代に継承していただくのはやはり高齢者の皆さん方であります。  その高齢者の皆様方がお持ちのお力を社会の活力として十二分に生かしていただかなければならないと思うわけでありまして、高齢者の皆さん方が元気である限り、働き、楽しみ、いわゆる生涯現役というふうな言葉を私は使わせていただきたいと思うわけでございますけれども、社会に御貢献いただける体制づくりと、自立が困難になった場合に、行政のみならず地域近隣を含めた社会全体で支援し、サポートしていく体制づくり、いわゆる地域福祉体制の充実が必要でなかろうかというふうに思うわけであります。  まず、高齢者の方々がいつまでも働くことができ、その多様で自由なパワーを最大限に発揮していけるようにすること、そのためにはあらゆる人間活動の源泉である健康を維持していくことが不可欠であると思います。若いころからの健康づくりや保健医療サービスの充実を通じて生涯にわたる健康を確保し、そうした健康の土台の上に仕事の確保や社会文化活動の拠点づくりといった、豊かで生きがいに満ちた生活のための環境づくりを進めていかなければならないと考えております。  そして、こうした高齢者の健康や仕事、生きがいといったことと同時に、老後の最大の不安は寝たきりや痴呆となったときの介護の問題であります。自立困難となった場合に、生活を支え得る介護サービスの基盤整備といったことも大きな政策課題であろうと思うわけであります。  今後、老人保健福祉計画の推進により、二十四時間ホームヘルプの実現を初めとして、在宅、施設を通じた介護サービスの拡充を図るとともに、地域住民の方々が主体となった地域福祉活動を積極的にバックアップし、いわゆる社会的弱者と言われる人たちが、地域の支え合いの中で一人の人間として人権を尊重され、安心して生き生きと暮らしていけるまちづくりを推進していきたいと考えておるところでございます。  言うまでもなく、福祉社会はひとり行政のみで実現できるものではありません。私は常々、家庭の延長に地域があり、地域の先に都市があると申し上げてまいりましたが、家庭のきずなを大切にして、この家庭を核として、お互いに助け合い支え合う地域社会を築いていくこと、このことこそが都市化の進展の中で希薄化してしまった地域コミュニティーの復権につながるものであると思うわけでございます。
     いろいろ申し上げましたけれども、高齢者に対する大きな二つの体制づくり、このことは先ほど中松議員が教育の問題の中で取り上げておられましたように、やはり今現在の労働人口と言いますか、労働をしておるいわゆる第一次定年までの労働力の方々、そして労働力予備軍と申しますか、学生の方々、幼児、子供たちの高齢者に対する尊敬のまなざし、そしてまたこの社会を築いていただいた感謝の心、そういった心の教育というふうなものも必要になってくるかというふうに思いまして、私どもといたしましても環境、福祉教育についての独自の学校でのあり方について新年度に予算を組ませていただいたところでございます。  また、地域に活躍をしておられます青少年健全育成協議会におきまして、地域社会の中でやはり高齢者に対する心遣い、高齢者だけじゃなくて自分以外の人への心遣い、そういった意味での教育が大変大事になってくるかというふうに思いまして、心の涵養というふうなことに力を入れておるところでございます。そして、公約をいたしております人情味あふれる心豊かなまちづくりの実現に向けて邁進をしていくつもりでございます。        〔九番 中松健児君 登壇〕 ◆九番(中松健児君) 福祉政策推進にかかわって市長の強い決意のほどをお聞きいたしまして安堵いたしております。市長の決意が具体的にどのような結果を生み出すか今後の施策を見守っていきたいと思います。政治家の実績は、いろいろの経過はありますが、結果しか評価しません。ぜひ、福祉の三角市長であったと言われるように強力に推進していただきたいと思います。  次の質問に移ります。  老人保健福祉計画が平成六年度から実働に入りました。この計画の概要を見ますと、平成十一年を目標年度と定め、平成八年には推進計画の進捗状況の点検と見直しが計画されています。重点目標として、一、在宅サービスの拡充、二、保健福祉施設の拡充、三、総合的なサービス提供体制の確保、四、痴呆性老人のためのサービス、五、生きがいと健康づくりの五点を挙げ、それぞれの目標に向けての諸政策が提起されています。計画は立派なものをつくったが、計画倒れになったとならないように腰を据えて行政も議会も取り組むことが肝要です。  現在、高齢者を取り巻く環境を考えてみますと、核家族の進行や女性の社会進出により、家庭内の看護力が大幅に低下し、かつてのような高齢者が在宅で家族にみとられながら死を迎えた時代とは一変し、在宅で老後を過ごし死を迎えることが非常に厳しい状況になっています。現在の状況を眺めてみますと、大幅な生活水準の向上や医学の進歩により、国民の半数以上が八十歳以上を迎える状況の中で、高齢者の急増、介護期間の長期化、核家族化と介護者の高齢化、住宅事情の悪化など、かつて家族が介護してきた状況とは量的にも質的にも大きく変わり、今では公的な援助なしには家族が破壊しかねないような事態も起こり得る深刻な状況さえ生まれています。  平成六年度から実施されている老人保健福祉計画の中心も、高齢者の介護問題に対する諸施策にあると考えます。二年目に入りました老人保健福祉計画に基づく諸施策の進捗状況についてお尋ねします。        〔議長退席、副議長着席〕  在宅介護の三本柱と言われますホームヘルプサービス、デイサービス、ショートステイの進捗状況を見ますと、平成四年度からの資料によりますと、年度ごとにその絶対数が増加し、サービスが向上しているのは数字の上で判断できます。しかし平成六年度から老人福祉計画が推進されるようになった割には平年度並みの進捗しか示していません。今のような進捗の割合でいきますと、目標年度の十一年度には目標に達しないのではないかと危惧をしております。現在の進捗状況で、目標達成の見込みがあるのかどうか、また老人保健福祉計画が実働に入った平成六年度から、平年度に比べて福祉予算がどのような伸びを示したのか、市民局長にお尋ねします。        〔市民局長 野田雅水君 登壇〕 ◎市民局長(野田雅水君) 中松議員にお答えを申し上げます。  お尋ねの老人保健福祉計画は二年目を迎えております。まず進捗状況でございますが、限られた財源の中で懸命に努力をいたしているところでございます。老人保健福祉計画の五つの重点施策に照らしながら進捗状況について御説明をしたいと思います。なお、老人保健福祉計画のもととなりましたのは、平成四年度に実施いたしました基礎調査でございますので、以下、平成四年度の数値との比較で申し上げたいと存じます。  第一点は、在宅福祉サービス拡充との関連でございます。  まずホームヘルプにつきましては、ヘルパーの実数が百十七人から平成六年度には百四十二人と相なりまして、また利用時間も六万九千三百二十時間から十二万三百八十六時間に達しました。その結果といたしまして、ホームヘルプの待機者がなくなっております。デイサービスにつきましては、延べ利用者数が二万九千十五人から五万四千六百七十三人に上昇いたしました。またショートステイは百三十床から百八十九床に増床をいたしております。  第二点は施設の拡充との関連でございます。  特別養護老人ホームは九カ所から二カ所ふえまして十一カ所と相なりまして、現在なお二カ所建設中でございます。また、デイサービスセンターは五カ所ふえまして十四カ所になったわけでございますが、この増設の五カ所のうち三カ所は南部、東部、秋津の市の施設でございまして、さらに本年度中に三カ所ふえる見込みでございますが、うち一カ所は西里老人デイサービスセンターでございまして、議会終了後の今月二十二日落成式を待つばかりでございます。なおまた、本市独自の在宅福祉センターや地域福祉コミュニティーセンターにつきましても順次増設に取り組んでいるところでございます。  第三点は、総合的なサービス提供体制との関連でございますが、このサービス提供の重要な役割を担います在宅介護支援センターが十カ所から十七カ所にふえまして、本年度中に二十一カ所になる見込みでございます。また平成四年四月に設立いたしました福祉公社ヒューマンライフにつきましては、昨年十月法人化をいたしまして体制の強化を図ったところでございます。  第四点は、痴呆性老人対策との関連でございます。これは民間にお願いしてのことでございますが、今までなかった痴呆性老人専用のE型のデイサービスセンターが二カ所でき上がっております。  第五点の元気老人対策につきましては、昨日牛嶋議員にお答えしましたように、これからの課題でございます。  以上、進捗状況について申し上げたところでございますが、最後に目標達成についてでございます。  去る議会におきまして下川議員にお答えしましたように、目標の実現のためには、最小の経費で最大の効果を上げる努力が必要かと思いますが、財源の確保と人材の確保と相まちまして、創意工夫も肝要かと存じております。例えば第一には民間の活用、第二には近隣市町村との連携による広域的な取り組み、第三には元気老人対策を推進することによりましての介護ニーズの軽減、第四には既存施設の活用でございます。例えば昨今子供の数が減っておりますが、定員割れした保育所の活用等も一方策ではなかろうかと思っております。現に東部の一保育所におきましては本年十月から老人デイサービスセンターの開設が予定されているところでございます。  いろいろ申し上げましたが、このようなことを組み入れながら目標達成に努力をしてまいります。        〔九番 中松健児君 登壇〕 ◆九番(中松健児君) 市民局長には丁寧な御答弁をいただきありがとうございました。平成八年度には見直しが行われますが、福祉問題は国民的課題であり、熊本市に住んでいるがために他都市に比較してサービスの提供が少ないとか、受けられないなどとならないように、最低の目標達成に向けて鋭意努力されるように再度お願いいたします。  次の質問に移ります。  私は、特別養護老人ホームを初め在宅介護センター、デイサービスセンター、保健センター等の施設を訪問させていただきました。その中で感じた点や職員との語り合いの中での現状の問題点、今後の課題などについてお尋ねします。  前にも述べましたように、我が国が急速に高齢化社会に進む中で、どうしても社会福祉施設で老後を過ごさざるを得ない高齢者が増加するのも当然のことです。在宅福祉サービスも少しずつ充実し、将来への明るい展望も見えつつありますが、まだまだ不十分であり、国民も将来の展望に不安を持っています。  現在一番心待ちし、また切実な願いとなっているのが特別養護老人ホームの整備ではないかと思います。特別養護老人ホームへの待機者は四百名以上あり、よくて二、三年、悪ければ十年近くも待たないと入所できない状態で、さらに年ごとに入所希望者は増加の傾向にあります。ベッド数は年ごとに増加してはいますが、施設の数はどちらかと言えば横ばいの状態であり、余り改善されていません。  老人保健福祉計画では、施設サービスは在宅サービスの補完的な位置づけのようになっていますが、施設の絶対数不足は歴然としており、改善の必要があります。これらの施設は民間に依拠しており、民間任せでは施設の確保が計画どおりに推進されるか危ぶまれます。県内の市町村の中では公立の特別養護老人ホームもありますが、熊本市にはありません。市が主体的に進めるためには市立のホーム建設を進める必要があると思います。今の状態ですと待機者は増加し続けます。特別養護老人ホーム待機者解消について市民局長の御見解をお願いします。  これからの高齢者福祉対策は、現在、老人ホームの役割を老人病院が担っている現実を改め、保健、医療、福祉の連携を図りながら、それぞれのニーズに対応したサービスの提供をするというのが基本方向であり、特に在宅介護を中心に据えたサービスの展開を施策の骨格としています。また高齢者も家族の者に介護を受けながら最期をみとってもらい死を迎えるのを希望する者が多数であり、自然の形でもあります。  しかし現実には、在宅介護にかかわる問題は大きな困難点があります。毎日の食事、入浴、排せつ、家族の時間的拘束、介護期間の長さ、介護者の高齢化、介護のための離職など、家族の身体的、精神的、または経済的負担は大変なものです。現在日本の家庭の大部分は、大なり小なり家族の犠牲の上に在宅介護が成り立っており、家族での介護が困難な状況に追い込まれて初めて施設に入所したり老人病院に入院しているのが現実です。  しかし近い将来、多くの家庭で、家族だけによる在宅介護は困難な状況になると思えます。それだけに公的機関が在宅介護サービスの条件整備を強力に推進していくのが急務です。行政は高齢化政策の基本方向を明確にし、国民に早い機会に情宣しておくことも大切であり、国民合意のもとに政策を強力に推進することが肝要です。  在宅介護サービスの三本柱の充実を軸に、保健婦、看護婦の訪問看護、これらを支える地域介護支援センターをブロックごとに設立し、在宅介護を推進していく計画であり推進しつつありますが、これらの推進状況は量的にも質的にも向上しているというのは喜ばしいことです。しかし熊本市の平成六年度の統計では、ホームヘルパー百四十二名、デイサービスセンター十三カ所、ショートステイ専用ベッド数百八十三となり、数年前まではこれらのサービスを受けられなかったことを思えば、福祉サービスが一定の前進をしていると言えます。  在宅福祉サービスの中核はホームヘルプサービスですので、この事業の充実を図る視点から、現状における問題点を、施設で働く現場の人の意見を代弁しながら指摘したいと思います。  在宅介護サービスの進め方として、現場で働く人の意見は大体次のようでした。地域別に在宅介護を必要とする家庭を把握し、その家庭にどのようなサービスが適切かを専門家と担当の保健婦やホームヘルパーで判断し、そのサービスを提供する段取りを策定する保健婦や看護婦、ホームヘルパーが適宜訪問する体制をとる、在宅介護にかかわっては給食サービスが大切であるので、給食センターから給食が運ばれるシステムを確立する、家族の状況に変化があるときは、保健婦やヘルパー等の現地のスタッフが病院入院や施設入所を介護支援センター等の調整機関に連絡し必要な措置をとる、以上のようなシステムが地域の中で確立すると、老人病院に入院している人を在宅介護で対応できる。  大体の概略を述べましたが、現場で働く人たちの考えと行政が推進しようとしている在宅介護の方向性と大体一致すると思われます。そのためには克服すべき課題が幾つもあります。ホームヘルパーや看護職員の派遣が必要なときにいつでも派遣できるようにするとか、医療と保健と福祉の連携を強化し、調整する機関への人的集中等が必要であります。また給食サービスをする給食センターの設立または業者委託も在宅介護サービスを進める上で不可欠です。  以上述べましたような在宅介護の具体的な進め方についての現場の考え方に対し、市民局長の御見解をお聞かせください。  当面の取り組みとして現在ホームヘルパー派遣は週二回までと限定されていますが、必要なときに必要な回数だけ派遣できるような体制はできないか、また家庭でサービスを受けたい時間帯は夕方であったり夜間であったりするケースが多くありますので、二十四時間サービス体制をとれないか、本市でも検討中かと思いますが、その検討内容や問題点、さらに実施のめどについてお聞かせください。  これらの事業を展開していく上で、ホームヘルパー等の量の確保を図ることも大切ですが、同時に、介護にかかわる専門的な知識と、介護人としてのやさしさ、幅広い教養、高い倫理観、さらに経験交流などの現任者の研修がまた大切であります。ホームヘルパーとしての資格要件や現任研修はどのようにしておられるかお尋ねします。もし実施しておられなければ、ぜひ現任者の研修をされるように要望します。  長期的には、介護にかかわる専門職員の養成は大切な課題ですが、現在ホームヘルパーとして最低どのような資格を必要として採用しようとされているか、御検討しておられるならばお知らせください。  私見ですが、これらの人材を養成する機関として、市立高校に福祉科を設けてはどうかとも個人的には考えています。  私が専門性とか資格とかについてお伺いするのは、職務の重要性とか勤労意欲にかかわるからです。介護に専念するためには自信と誇りが持てるような勤務条件等のそれなりの処遇が必要です。現在ホームヘルパーさんは嘱託で一年契約であり、身分が不安定です。また職員は職務内容が変わらないのに、社会福祉協議会と福祉公社所属の二本立てであり、将来一本化した方がよいのではないかとも思われます。今後在宅介護者が増加し、ホームヘルパーの役割も増す中で、その身分をどのように位置づけされようとするのかお尋ねします。  以上、特別養護老人ホームの整備について、在宅介護のあり方、ホームヘルパーの二十四時間サービスの導入、そのめど、ホームヘルパーの現任者研修と今後の処遇についての四点について質問しましたが、市民局長の御見解をお願いします。        〔市民局長 野田雅水君 登壇〕 ◎市民局長(野田雅水君) お答えをいたします。高齢者福祉に関する四点のお尋ねでございます。  まず特別養護老人ホームの整備でございます。現在特別養護老人ホームは市内に七百二十床、十一の施設がございます。平成八年度にはこれが十五カ所になる予定でございまして、平成十一年度の目標量は十九施設でありますので、整備は順調に進んでいるところでございます。しかしいずれも民間の施設でございます。幸い特別養護老人ホームをつくりたいという申し込みがかなりの数に上っておりますので、この特別養護老人ホームの整備につきましては民間活用ということで御了承を賜りたいと思います。  次に、在宅福祉サービスのあり方についてお答えいたします。  在宅介護のあるべき姿といたしましては、端的に申しますと、利用者のニーズに応じたサービスの提供であると思うわけでございます。また虚弱なお年寄りの在宅での生活全体を支えると、こういうことであろうかと思います。それには医療と福祉の連携が必要でございますし、また在宅介護支援センターを中心にしたケアマネジメントの確立が肝要かと思います。  例えば、在宅のお年寄りで床ずれができている人、あるいは栄養障害により衰弱をしている人、いろいろ病気がちのお年寄りが在宅で生活されると思うのでありますけれども、そういった場合に、病院の医師の往診を受ける、生活の支援そのものはまた別建てで行うというのが従来の流れであったかと思うわけですが、これからの在宅ケアはそういうことではなくて、医療と福祉の連携のもとに、看護と介護が同時に行われることが望まれるわけでございます。地域の中で、医師や看護婦、保健婦、ヘルパー、民生委員の皆さん方が協力し合って虚弱なお年寄りの生活を支援する、このようなことがこれからの在宅福祉のあり方だと思っております。  三点目は、ホームヘルパーの二十四時間サービスの導入の見通しでございます。  現在巡回型の二十四時間サービスの導入に向けて検討を重ねているところでございます。しかし実施するにはいろいろと検討すべき課題もございます。例えば、サービスを提供する側と受ける側との相互理解、あるいは夜間に勤務するヘルパーさんの労務管理の問題、あるいはニーズ調査によりまして、ケアプログラムの作成等々いろいろあるわけでございますが、今後とも試験的にモデルサービスを実施しながら、事業の効果や問題点を十分に見定めまして本格的な導入に結びつけてまいりたいと考えております。  最後に、ホームヘルパーの資格要件等についてお答えいたします。  本年四月にも公募によりましてホームヘルパー若干名を採用したところでありますが、試験に当たりましては、ペーパーテストのほか作文や面接を重要視いたしております。その中で、ヘルパーとしての資質、人間性等を見きわめることといたしているところでございまして、評価のポイントを幾つか申し上げますと、一つには心身の健康でございます。二つ目は明朗性でございます。とりわけさわやかなあいさつと笑顔が大事であろうと思っておりますので、面接に当たりましても容姿端麗ということは二の次にいたしまして、笑顔がすばらしいかどうかをポイントにいたしているところでございます。それからまた利用者にやさしい心遣い、そしてまた福祉に対する情熱でございます。このような観点から作文や面接を通じまして評価を行っているところでございます。  現任研修につきましては積極的に行っております。勤務条件につきましては他都市の状況も勘案しながら今後とも十分努力してまいります。  最後に、社会福祉協議会のホームヘルプと福祉公社のホームヘルプが二つあるということにつきましては、これからの方向性といたしましてしかるべき時期に事業の一元化を図るべきものと考えております。        〔九番 中松健児君 登壇〕 ◆九番(中松健児君) 市民局長には具体的に今後の方向性についての考え方を示していただきありがとうございました。  在宅介護福祉サービスの中核であるホームヘルプサービスの整備充実について中心的に質問いたしましたが、ショートステイ、デイサービス、入浴サービス、給食サービス、訪問看護サービス、緊急連絡システム等多様なニーズに対応するきめ細かいサービス提供が要求されています。これらの事業についても強力に推進されますよう要望いたします。  現場の声として、在宅介護推進に当たっては福祉、保健、医療の連携の重要性が指摘され、また連携なしには推進できない実態があると述べておられます。行政の推進する事業は縦割りで推進されがちであり、横の連携プレーに欠ける面があります。特に福祉事業推進に当たっては縦と横の連携が大切であります。庁内に、事業を推進するに当たって老人福祉課を中心に各部局の担当者による連絡調整会議を持たれ、事業の円滑な推進を図る努力をされておりますが、まだまだ不十分な面もあるようです。規格、運営がスムーズに推進するために会議を定例化するとか、現場のスタッフを入れるとか、事業がよりきめ細かく推進されることを希望します。また、庁外からも広く意見を求めるという趣旨で老人保健福祉計画推進委員会が設置され、行政だけでは気づかない部分を補完し、老人福祉事業を強力に推進されようとすることに対しまして心強く感じます。今後は推進委員会の意見等も十分尊重され、より一層のきめ細かい施策が推進されるように要望します。  次に、施設やセンター等を訪問しました折に、ぜひ改善なり施策について取り入れてほしい等の要望がありましたので、庁内で御検討されるよう、これも要望します。  ホームヘルプサービス、日常生活用具給付等の費用負担について、同居家族の最も収入の多い者が負担しなければならないケース、例えば同居の孫に負担がかかるという場合に矛盾を感じるという面。特別養護老人ホームでの健康診断で、レントゲン撮影のため車いすの方を病院に連れていくのが大変である。レントゲン車のリフトカーをぜひ購入してほしい。多数ありましたが、二点だけその要望としてここに検討をされるようにお願いいたします。  今までは、医療や介護など社会的に支援を受けざるを得ない人の施策について述べてまいりましたが、支援を受けないでよいように、いつまでも健康で生きがいを持った生活ができるような社会的基盤を整備することが大切です。高齢者が目的もなく漠然と家で過ごす生活が問題であり、戸外に引き出すことが肝要です。そのためには今までの経験を活用する場や、高齢者に適する職場などの雇用の確保、ボランティアへの参加、市民センター等での趣味や教養講座、図書館、博物館等の文化施設の充実、各種の文化的な講演、健康増進センターの建設など、健康と生きがいづくりをあわせて推進し、医療機関や施設の支援を受けないでよいような環境づくりが必要です。  ある都市では高齢者に県外や外国旅行に補助金を出し、戸外に出ることを奨励しています。地域に老人憩の家等、数多く建設し、高齢者が集う場を提供することや、電車、バスの無料パス券交付等きめ細かい健康づくりの施策が望まれます。三角市長には、バス会社等に、企業としての市民への還元、サービスの意味も含め、さらに福祉政策への理解を求め、市の少額の負担で高齢者への無料パス券交付を決断していただけないものかと個人的には思っています。老人医療費の国民負担が増大する中で、健康づくりを推進することを社会福祉政策の大きな柱として位置づけることが必要です。  健康づくり、生きがいづくりについて数多くの要望事項を述べましたが、これらの事項は各部局にまたがる面が多く、質問でなく要望といたしました。今後、総合的に事業を推進される中で、施策として取り入れてほしいと思います。  それでは次に、都市計画道路の進捗状況と今後の展望についてお尋ねします。  熊本市が九州の中枢都市として名実ともに発展していくためには、社会基盤整備、特に道路網の整備は不可欠です。本市の都市計画道路は、昭和二十一年、戦後の戦災復興計画とあわせて計画され、昭和三十六年に大幅な見直しがなされ、全体の骨格が決定されました。昭和四十四年に新都市計画法が施行され、このときに再度全体の見直しがなされ、現在この計画に基づいて道路網の整備が図られています。現在、五十三路線二百一キロが都市計画道路として建設されています。  この道路計画は、市の中心部を同心円とする内環状道路と外環状道路を基軸とした道路網を整備し、国道三号や五十七号等の放射状幹線道路に連結させ車をスムーズに流す計画です。この道路網が整備された暁には現在の交通渋滞は大幅に緩和され、主要な産業基地や工場への車の流れも確保され、県外からの工場進出や観光客も誘致できる条件が整うと思われます。都市計画道路を整備することは熊本市が九州の中枢都市として発展するための必要な条件です。  熊本市の都市計画道路を点検してみますと、現在都市計画道路の整備率は他の主要都市並みの整備率と言えますが、道路網密度は一平方キロメートル当たり一・六八キロメートルであり、国の標準値三・五キロメートル、九州各県の主要都市と比較しても低い位置にあります。道路網密度が小さいということは他の都市に比して都市計画道路が少ないことを意味し、新たに都市計画道路を指定するにしても、以前に指定した計画道路が整備されないでは新しく策定することは難しくなり、市全体の道路網の整備がおくれ、ひいては社会基盤整備全体に影響します。  そのためには現在策定している都市計画道路の完成が急務です。現在、都市計画道路として指定された地域の住民は一定の規模と構造以外の改築もままならず、今後の見通しも立たずに不安でいます。このことが行政への不信ともなり、用地買収等にでも悪影響をしかねません。都市計画道路区域であると指定したならば、ある程度の将来展望を明らかにし、早急に取り組むのが社会的な常識であり責任でもあります。国庫補助や県とのかかわりについて難しい問題が横たわっていることは理解できますが、一般の人は単純にいつごろ完成するかという結果しか問いません。進展しない工事にいら立つということになります。当局のやる気によっては進行します。新しく都市計画道路として認可された国体道路の建設は着実に進行していることからしてもわかります。現在の交通渋滞解消や産業基盤整備も大きな課題であり、県と市の緊密な協力体制を確立し、強力に推進することが肝要です。また、指定された都市計画道路の整備を早急に進め、九州の中枢都市建設に向けて再見直しを実施し、新しい都市計画道路策定に当たってほしいと思います。  そこで都市局長にお尋ねします。  第一点は、市と県の都市計画道路の推進体制はどうなっているか。また、重点的にどのようなことが論議されているのか。  第二点目は、現在策定している都市計画道路の推進に当たっての問題点と今後の整備計画はどのようになっているのか。  第三点は、熊本市が飽託四町を合併したり住宅地が東部に発展したり産業基地の拠点が新たに計画されたりする中で、将来、大幅な都市計画道路の見直しを考えておられるかどうか。  都市計画道路整備について、以上三点お尋ねします。  第四点目として、私は、地元清水地区の道路について質問します。都市計画道路清水町万石麻生田線の今後の整備計画についての質問です。  清水、麻生田、武蔵ケ丘にかけては、新地、楠、武蔵ケ丘等の大規模住宅団地があり、これら団地及び周辺の住宅地から中心地に向かう通勤等の車は、自衛隊南門前の市道室園町麻生田第一号線を経由して三号線や熊大方面へと流れていきます。朝のラッシュの渋滞はひどいものです。この市道はバス道路ですが、全体的に幅員が狭く、部分的には車一台通過するのが精いっぱいという箇所もあり、さらにカーブあり坂道ありで、清水東町の東側を通る区間は両側の高台に大木が茂り、照明設備も完備されてなく、魔の道路と言われているほどです。さらに、この市道は、清水小、竜南中、北高校生の通学路でもあります。また、武蔵ケ丘団地東側には武蔵ケ丘団地の倍以上もある県営大型団地の建設が計画されているとのことです。今でさえこの市道の通過車両が多い上に、さらに大幅な車の増加が予想されます。  これらの問題を少しでも解決するために、都市計画道路清水町万石麻生田線の一日も早い全線整備が待たれるところであり、地元住民の一人として熱望するものであります。また、亀井商店街もこの都市計画道路整備と密接に関連しており、この計画道路整備の見通しがはっきりしないので振興策もままならず、店舗等の建てかえについても二の足を踏んでいると聞いております。  そこで、この都市計画道路清水町万石麻生田線について、現在の整備状況と今後の取り組みについてお尋ねします。  また、現存する市道を拡幅する形で都市計画道路の整備が計画されており、事業着手まで相当の年月を要する区域について部分的に先行買収することで対応できないか。例えば、先ほど述べました魔の道路と言われている市道室園町麻生田第一号線の旧フジフィルム現像所の前のような部分について先行的に対応できないか。  以上の四点について都市局長の御見解をお尋ねします。        〔都市局長 本田吉継君 登壇〕 ◎都市局長(本田吉継君) 中松議員にお答えいたします。四点についてのお尋ねでございます。熊本市が都市の活力や機能を高め、九州の中枢都市として発展するためには、都市計画道路の充実と早期整備が必要なことは議員御指摘のとおりでございます。  まず、御質問の都市計画道路の推進体制、つまり事業主体の役割分担についてでございますが、都市計画道路は、都市間交通など広域的な交通を処理するための主要幹線道路、主要幹線道路と結節して都市の骨格を形成する幹線道路、幹線道路と近隣住区を結ぶ補助幹線道路など、それぞれに役割がございまして、その道路の役割に応じて、国、県、市それぞれが事業主体となってその整備に取り組んでおります。その整備率は都市計画決定された総延長の約半分でございまして、今後なお一層の整備が必要でございます。  そこで、国、県、市がさらに連携を深めまして、これまで以上に整備率と事業効果を上げるために、平成六年の五月、熊本都市圏交通計画検討委員会を設置いたしております。これまで四回の委員会が開催されましたが、その委員会で現在の二環状八放射道路を骨格とする都市計画道路網のうち、今後優先的に整備しなければならない路線を抽出いたしまして、その路線を平成二十年までに完成または着手することが提案されております。  また、地域高規格道路の熊本環状道路は早急に整備することといたしまして、西側は新たな道路、東側は現在の東バイパスを規格の高い道路とすることが提案されております。今後の検討委員会の作業といたしましては、抽出いたしました路線の整備手法や整備主体、そして整備スケジュールの検討を行いまして、平成八年二月に取りまとめることにいたしております。        〔副議長退席、議長着席〕  二点目は、都市計画道路整備に当たっての問題点と今後の整備計画についてのお尋ねでございます。  事業を推進するに当たりまして最も大きな問題は、膨大な事業費と用地取得でございます。このことは、都市計画道路に限らず公共事業全般に言えることであります。用地の取得に当たりましては、用地の価格や補償費の問題もさることながら、なれ親しんだ地域から移転を余儀なくされる方々の仕事や学校の問題など難しい問題などがありまして事業を長引かせております。ともあれ都市計画道路を早急に整備いたしますためには新たな財源の確保が必要でありますが、これは国、県でも同様であります。そのため、現在、先ほど申し上げました熊本都市圏交通計画検討委員会で、限られた財源で整備効果が上がる整備計画を策定いたしておりますので、この計画に大いに期待しているところでございます。  次に、都市計画道路の見直しについてでございます。  本市の都市計画道路網は、昭和四十四年に大幅な見直しを行いまして現在その基本ができ上がっております。その後の市街地の拡大に伴いまして約三十キロメーターの新たな道路を追加いたしております。その延長は約二百一キロメーターでありますが、その配置密度は議員御指摘のとおり十分とは言えない状態でございます。  そこで、将来の都市計画道路の見直しについてでございます。  道路網全体の見直しに当たりましては、都市内はもとより、都市周辺地域から都市内へ流入する人や物の動きを把握するために、総合都市交通体系調査いわゆるパーソントリップ調査──人の動きの調査でございますが、これが必要でございます。  本市におきますこれまでの都市計画の変更は、昭和五十九年から昭和六十一年まで、当時の二市十八町一村を対象にパーソントリップ調査を行いまして、これに基づいてその変更を行ってきたものでございます。しかし、前回の調査から既に十年が経過しようとしておりまして、都市機能の集積はますます高まり、交通問題を初めとする多くの都市問題が生じてきております。また、住民の生活圏、経済圏の拡大はますます進みまして、周辺市町村からの流入はさらに伸びてきております。したがいまして、新たな総合交通体系調査が必要な時期に来ておりますので、将来の都市計画道路の見直しにつきましては、これを待って取り組むことを考えております。  次に第四点目の都市計画道路清水町万石麻生田線の整備状況と今後の取り組みについてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、当該地区には平成元年度に全線供用いたしました都市計画道路麻生田弓削線を経由いたしまして、楠、武蔵ケ丘方面から中心部に向かう車両が流入しておりまして、狭い道路と相まって、朝夕はもとより終日交通渋滞を惹起いたしております。このような状況を見ますと、お尋ねの都市計画道路清水町万石麻生田線は整備を急がなければならない路線の一つであります。  この路線は、起点を清水亀井町から終点都市計画道路麻生田弓削線に至る全長二千三百四十メーター、幅員十六メーターの本市北部住宅地区と中心部を結ぶ地区幹線道路でございます。昭和五十九年に終点の都市計画道路麻生田弓削線接続部から自衛隊北熊本駐屯地南側までの九百八十メーターの区間について事業に着手いたしまして、今日まで十一年を経過いたしております。現在、用地買収の進捗率は約九〇%でありまして、残りにつきましては、どうやら地権者の方々との話し合いがまとまる方向に向かっております。  そこで今後の取り組みでございますが、現在の事業区間の供用開始のめどが立った段階で、次の事業地となります地元の方々の意見も十分に伺って、事業に向けての調査、つまり測量とか設計に入りたいと考えております。  狭隘な部分を用地買収してはどうかというお尋ねの件でございますが、ただいま申し上げましたように次の事業計画の段階に入っておりますので、その事業化でもってそれに対応させていただきたい、このように思っているところでございます。        〔九番 中松健児君 登壇〕
    ◆九番(中松健児君) ただいま都市局長には前向きの御答弁をいただき感謝しております。一日も早く都市計画道路が整備されることを祈念しております。まちの活性化の基盤は道路網の整備にもありますので、よろしくお願いいたします。道路網の整備は、市民の気持ちとして総論賛成、各論反対と言われるように大変な苦労があると思います。誠実に対応され事業の円滑な進展を期待します。  次に福祉タクシー利用についてお尋ねします。  なお、質問通告には市道の整備についてと書いておりましたが、都市計画道路整備にかかわっての市道整備の意味でしたので、前段で質問しておりますので削除します。  障害者等の皆さんに対する福祉の一環として、タクシーの利用に対して運賃の一部を助成する制度を設けて援助しているわけですが、このようなきめ細かい配慮をしていくのが政治だと思います。この制度の充実を図る視点から質問します。  福祉タクシー利用についての基準は、一、車種により四百五十円、一千八十円、一千三百五十円の三種の利用券を一人年間三十六枚交付する。二、交付基準は身障者手帳一級、二級で所得税が非課税の者となっており、この数年年間二千三百万の予算が計上され、その執行額は予算額を上回り、利用の多さを感じますし、利用者にとっては大変ありがたいことだと感謝されています。普通のタクシー乗車では一回四百五十円の助成がなされていますが、この額は当時の初乗り料金を基礎に算出されています。事業開始後三度ほどタクシー運賃が改定され、現在初乗りは五百五十円となっておりますので、ぜひ五百円ぐらいまでに助成額を引き上げられないかと思います。  また、障害者が病院や各種の施設に出かけるわけですが、これらの方が乗降しやすい停車スペースや駐車スペースが設置してあると、他の車に迷惑をかけずにゆっくりと乗降できます。市民会館、黒髪のカルチャーセンターにはこれらのスペースが確保されています。市役所等の公的機関にぜひ整備してほしいと思います。病院、ホテル、会議場等の民間施設にも要望してほしいと考えます。  以上二点、助成額の引き上げ、乗降用の駐停車スペースの確保について市民局長の御見解をお願いします。        〔市民局長 野田雅水君 登壇〕 ◎市民局長(野田雅水君) 福祉タクシーに関する二点のお尋ねでございます。まず助成額についてお答えいたします。  現行の助成額は一回当たり四百五十円でございますが、議員仰せのとおり本年六月料金改定がございましたので、年度が改まります来年四月から所要の改定を実施してまいります。  第二点は乗りおりの際の駐車スペースの確保についてでございます。  議員申されましたように、障害者の方々が福祉タクシーを利用される際に御苦労なさいますのは乗りおりのときでございます。障害がありますので乗りおりのときに大変時間がかかりがちでございますが、そんなときに雨の日には余計にぬれたりいたします。また常に周りの人に気兼ねをされるというのが現実であろうかと思います。モラルの問題でもございまして、みんなが理解し合えばある程度解決するのではないかと思うわけでございます。したがいまして、やさしいまちづくりの展開の中で啓発活動も進めてまいりたいと思います。と同時に、スペースの確保につきましても何らかの形で実現ができますように、その方策を種々検討してまいりたいと存じます。        〔九番 中松健児君 登壇〕 ◆九番(中松健児君) ただいまは実現に向けて前向きの御答弁をいただきありがとうございました。  市民局は市政の窓口として施策も多岐にわたり、大変なことだと思います。市民のニーズにこたえ、さらなる市民生活向上のため頑張ってください。  その他の項について、市民税の超過徴収についての質問を予定しておりましたが、牛嶋議員より同趣旨の質問があっておりますので削除いたしますが、今後、二重、三重のチェック機構の強化を図り、二度とこのようなことが起こらないよう強く要望しておきます。  本日は、冒頭申しましたように、私の公約でありました教育と福祉の充実という視点から質問いたしましたところ、執行部の皆様には誠心誠意前向きの御答弁をいただき感謝いたしております。  教育や福祉の問題は、建造物や道路建設とかのように大きく市民の目に触れるでもなく多額の予算を必要とします。財政が厳しくなると一番の削減の対象となりがちです。しかし市民の一番の関心は福祉の充実であり教育への期待です。また政治の視点は、支えを必要とする人に光を与え希望を持たせることだと思います。今後とも、市民の立場に立った公平公正な市政を遂行されますようにお願いします。  また、議員の皆様には長時間にわたり、新人で要領を得ない面もありながら御清聴いただき、心から感謝申し上げます。これをもちまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)      ───────────────── ○議長(荒木哲美君) この際、議事の都合により休憩いたします。  午後二時に再開いたします。                  午後零時一分 休憩                  ─────────                  午後二時三分 再開      ───────────────── ○議長(荒木哲美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。      ───────────────── ○議長(荒木哲美君) 質問を続行いたします。坂田誠二君。        〔三番 坂田誠二君 登壇 拍手〕 ◆三番(坂田誠二君) 自由民主党熊本市議団の坂田誠二でございます。  四月の統一地方選におきまして議席を得たばかりでございますが、早速質問の機会を与えていただきました先輩議員並びに同僚議員に感謝を申し上げる次第であります。  初めての質問でございますので、ふなれな点も多々あろうかと思いますが、三角市長を初め執行部の明快な御答弁をよろしくお願い申し上げます。  それでは、通告と一部順序を変更しまして質問に入らせていただきます。  まず最初に、熊本都市圏における総合交通対策、特に幹線道路網の整備についてお尋ねいたします。  平成三年の四町合併により本市の都市規模は飛躍的に拡大し、現在では人口六十五万人を有する全国十四番目の都市へと発展し、現在、本市議会において同意議決いたしました来年四月の中核市移行に向けて着々とその準備が進められているところでございます。  中核市になりますと、県から多くの事務が移譲され、より一層市民サービスの向上が図られるとともに、市独自の個性豊かなまちづくりを進めることができるようになるのではないかと思いますので、県及び県議会の同意を得て、一日も早く正式に決定されるよう期待申しております。  さて、私は、本市が今後中核市として、あるいは県都としてさらなる発展を志向するには、どうしても広域都市圏として周辺市町村との連携を強化し、九州の中心であるという地理的特性を生かしつつ、県内の他圏域や隣県とのネットワークを広げ、福岡、北九州と並ぶ九州の拠点都市としての機能を高めていくことが必要であり、そのためには、何と申しましても都市基盤整備、特に道路網の整備を積極的に推進しなければならないと思うのであります。  生活圏、経済圏の拡大と都市機能の一極集中に伴い、周辺市町村からの人、物の流入がますます増大しつつある現在、環状道路等の整備がおくれているため慢性的な交通渋滞を引き起こし、交通事故の増加、低速走行中の排気ガスによる大気汚染、あるいはバスなどの公共交通機関の定時性が保てなくなるなどの問題が生じております。  そこで、骨格となる二環状八放射を中心とする幹線道路網及びその補完道路等の整備は、熊本市民のみならず周辺市町村の住民にとっても一日も早い完成を期待をしているところでございます。  環境問題が叫ばれる中、道路網の整備はさらなる自動車の増加を促し、環境破壊につながるのではないかという懸念の声もありますが、私は、公共交通機関の利便性を向上するためにも道路整備は不可欠であり、きちんとした道路整備がなされて初めてマイカーから公共交通機関へのシフトが実現するのではないかと考えるものであります。  また一方では、昨年十二月に、建設省の地域高規格道路の候補路線の一つに熊本都市圏環状道路が指定されました。地域高規格道路は、地域の経済や文化圏を強化するために、空港、港湾、インターチェンジなどの拠点を結ぶ幹線道路を、拡張あるいは立体交差化するなど改良し、高速道路並みの機能を持たせるものであり、実現すれば本市交通の大動脈となることは間違いなく、私も大いに期待をしているところであります。  都市圏の総合交通問題については現在、建設省、知事、市長による交通問題の検討委員会や、県、市、民間の三者が協力して、広域的に取り組むべき諸問題について論議を重ねられております熊本広域都市圏創造会議の交通部会等においても、さまざまな観点から活発な論議が繰り広げられていると伺っております。  そこでお尋ねいたしますが、二十一世紀に向けて本市がさらなる飛躍を遂げるための必須条件とも言える熊本都市圏の道路整備への取り組みについて、三角市長はどのようなお考えをお持ちかお聞かせ願いたいと思うのであります。        〔市長 三角保之君 登壇〕 ◎市長(三角保之君) 坂田議員にお答えをいたします。  去る八日の本会議におきまして先議案件として議決をしていただき、本日県議会に提案をしていただき同意を求めております中核市でございますけれども、県の同意、そしてまた国から認めていただくことができますならば来年の四月からいよいよスタートするわけであります。そうなりますと、自治権の拡大とともに、みずからの都市はみずから経営するという責任が増大をしてくるわけでございます。  このような意味におきましても議員御指摘のとおり、本市が未来をしっかりと見据えた総合的な交通政策を持つことなくしては都市の発展はないと、私も考えているところでございます。  交通とは人や物の移動でありますから、地域内を網羅する道路や電車、都市と都市を結ぶ鉄道、高速道、空港、港湾がいずれも相互に結節連絡し、安全性や定時性、さらには快適性が確保されて初めて都市交通機能と言えるものであります。  また、時代の変遷、都市の拡大発展とともに、交通機能はより高速化を求められております。例えば、九州自動車道の人吉-えびの間の開通や熊本空港の新型計器着陸装置カテゴリーⅢAの導入、あるいは熊本港においては大型高速船接岸に向けての整備が進められておりますし、本市にとって長年の念願であります九州新幹線の建設も、政、官、財、市民、県民を挙げての運動の結果、本年博多-八代間のうち熊本駅整備調整事業の起工式でスタート地点に立ったところであります。  一方、都市圏内の道路に視点を移しますと、本市の大動脈の一つであります国道三号線と国道五十七号東バイパスは、通過交通と域内交通が合流するために慢性的な渋滞が発生し、特に北部地域においては流れを分散するバイパス道路が未整備であるために渋滞は深刻な状況でありまして、定時性の確保ができないことも認識をいたしておるところであります。  そこで、このような熊本都市圏の道路交通の問題点を解決する方策を探るため、国、県、市で平成六年から熊本都市圏交通計画検討委員会を設置いたしまして、本市北部と西南部をつなぐ西環状道路の必要性等、さまざまな検討をしておるところであります。  以上のことを踏まえまして、私の総合的交通政策の考えを述べさせていただきますと、まず第一に、都心を通過せずに目的地へ到達できる外環状道路と、その環状線から都心に向かう道路を含めた八放射の幹線道路網の整備により都心へ向けての渋滞の解消を図ること。  第二に、空港、市街地、熊本駅、熊本港を連絡する高速交通機関が必要であること。  第三に、近隣市町村を含め、バス、電車等の公共交通機関網の再編により、自家用車の利用を減少させ環境保全に努めること。  第四に、歩行者、自転車が安全で安心して利用できる道路形態の整備を進めること。  最後に、すべての交通機関や交通施設が市民に安全で快適であること。  そしてまた、特に坂田議員は長年消防団活動に活躍をしておられるわけでございますけれども、その消防団員としての経験から通じて、都市域内の安全確保に対する道路網の整備というふうなことも常日ごろ訴えられているところでございますけれども、私もその点を含めて目標にしておるところでございます。  しかしながら、これらのインフラ整備には膨大な事業費と期間を要しますので、緊急を要するもの、長期的なものを区分し、一歩一歩着実に整備を進めていくことが肝要であると考えております。  議会の御理解、御支援をいただきながら、環境にやさしく、市民が使いやすい、総合的な交通体系を確立してまいる所存でございますので、よろしくお願いを申し上げます。        〔三番 坂田誠二君 登壇〕 ◆三番(坂田誠二君) 答弁、どうもありがとうございました。  三角市長の道路網の整備にかける決意を披瀝いただいたわけでございますが、本市のさらなる飛躍発展のためには都市圏交通の円滑化が不可欠であると思うのであります。今後、幹線道路網の整備に積極的に取り組んでいただきますようくれぐれもお願いいたします。  次の質問に移らせていただきます。  続きまして、新たな段階を迎えた新幹線に関する問題についてお尋ねいたします。  九州新幹線鹿児島ルート博多-八代間の整備につきましては、本年四月、整備新幹線駅整備調整事業の一環として、新幹線熊本駅に係る工事実施計画が運輸大臣認可を受けたことにより、全線整備に向けて大きな第一歩を踏み出しました。  またさらに、ありがたいことに五月三十一日、熊本駅整備調整事業起工式後の記者会見の中で、当時の亀井運輸大臣が十年以内の開通を言明されております。後任の平沼運輸大臣におかれても、整備新幹線の未着工区間については、来年をめどに全体構想を早期に固め、九年度から予算化したい、国民的要求が高い分野なので、前年を下回らないだけの事業費を確保したいとの積極的な姿勢を示されております。  このような運輸省トップの整備新幹線に対する意向を伺いますと、新幹線博多-八代間の全線整備に大きな希望の光が見えてきたと感じているところであります。これもひとえに、政、官、民一体となった新幹線誘致運動のたまものであり、これまでの関係各位の熱意あふれる取り組みに対しまして深く敬意を表する次第であります。  しかしながら整備新幹線は膨大な事業費を要するプロジェクトであり、新聞等では、未着工区間の整備新幹線に対する大蔵省のガードもかなりかたいものがあると報道されております。また、北陸、東北、北海道の整備新幹線計画との競争も熾烈なものがあると伺っております。  このような中、来年に予定されている基本スキームの見直しに際して、博多-八代間が優先的に位置づけられるためには、これまで以上に誘致運動を盛り上げていくことはもちろんのこと、新幹線整備促進のため、沿線住民の合意形成に努めていくことが肝要と思われます。そのためには、これまでの新幹線県民運動本部や期成会と別に地元住民を取り込んだ推進母体をぜひとも早急につくる必要があるかと思うのであります。既に、市当局ではこのような観点から組織の立ち上げを考えておられると聞き及んでおりますが、そこで、いつ、どのようにして設立されるお考えかお尋ねいたします。  次に、新幹線に関連する熊本駅周辺のまちづくりについてお尋ねいたします。  御承知のように、新幹線は地域開発の大きな契機となる事業であり、連続立体交差事業とまちづくりとが一体となって進められなければならない事業であります。新幹線の足音がそこまで近づいてきた今、また、平成十一年の国体の陸の玄関口となることを考慮しますと、沿線開発の中でも特に副都心として位置づけられている熊本駅周辺のまちづくりをどのように進めていくかが急務の課題であると考える次第であります。  熊本駅周辺のまちづくりに関しては、過去において都市局長が、平成二年度に県市合同で策定された熊本駅周辺地域整備構想に沿って、その整備方針を答えられております。それによりますと、駅周辺を六地区に分け、それぞれに再開発や土地区画整理事業などを進めていくとのことでありますが、現状では、私どもにその姿が一向に見えてこないと感じているところであります。まちづくりの諸事業が膨大な事業費と時間を要することは理解いたしておりますが、事業を進めるに当たっては、長期的な視野に立ち、段階的に一歩ずつ進んでいくことが何よりも重要であると常々考えるものであります。  そこでお尋ねいたします。副都心として、また西南部地域の発展のため、今後どのようにして熊本駅周辺のまちづくりを推進していかれるおつもりか、以上二点について都市局長の御答弁をお願いいたします。  続いて、熊本市北部地区の幹線道路の整備計画等についてお尋ねいたします。  これまで本市の交通渋滞の解消に向けての都市交通網の整備につきましては過去に多くの先輩議員が論議を展開されておりますことから、私は、近年、市域外から特に車の流入が増大している北部地区の幹線道路に焦点を合わせてお尋ねいたします。  御案内のとおり、この地区の骨格となります国道三号は、九州北部から本市へ流入する自動車交通を一手に担っておりますことから、朝夕の通勤通学時の交通渋滞は既に限界に達しているところであります。そのため、幹線道路を避けた車が周辺の市道、農道に進入し、通学の子供たちは交通事故の危機にさらされておりますので、地域の住民は早急な渋滞緩和策を望んでいるのであります。  この国道三号の植木インターから四方寄町に至る区間につきましては特に交通量が多く、慢性的な渋滞となっておりますので、この区間のバイパスの建設が必要となり、昨年国道三号植木バイパス建設促進期成会が発足し、早期建設に向けて活動されていると聞き及んでおりますが、どのような活動をされているのかお伺いいたします。  また、四方寄町から市内中心部にかけての交通渋滞解消対策につきましては、市内中心部への通過交通を分散する必要があり、現在、建設省で国道三号北バイパスの工事を進められておりますが、四方寄町から下南部町間の全面開通にはまだまだ時間がかかると伺っております。現在の進捗状況と今後の見通しについてお聞かせください。  次に、国道三号の交通渋滞の影響を大きく受けております県道熊本鈴麦線の渋滞緩和に向け、熊本市西里校区西回り道路建設促進期成会が結成されました。平成六年二月二十一日に熊本市西回り道路建設の陳情書を市長初め関係部局に提出しておりますが、その中で市域の拡大に対応して、四方寄町から西里地区を通り西回りバイパスへ連結する新たな都市計画道路ができないかをお願いしております。  先般、七月十二日、熊本都市圏交通計画検討委員会で、通称西回りバイパスの西側に新たに外環状道路を建設する必要があると報道されておりました。私たちが陳情しておりました新たな幹線道路計画が検討されているということに住民は勇気づけられておりますが、この外環状道路がいかなるものなのか、また、その道路がどのような効果をもたらすものかをお聞かせください。  以上、北部地域の渋滞緩和に向けた新しい道路整備計画への取り組みや、今後の見通しについて三点、都市局長の御答弁をお願いいたします。        〔都市局長 本田吉継君 登壇〕 ◎都市局長(本田吉継君) 新幹線整備と熊本駅周辺のまちづくりにつきまして坂田議員にお答えいたします。  まず第一点目の、新幹線沿線地域の合意形成を図り、新幹線整備を進めていくための推進母体についてお答えいたします。  坂田議員の御質問にありましたように、新幹線整備推進のためには、新幹線を受け入れる地元の組織、これが必要でございます。したがいまして、今議会終了後にも、経済界、地域住民、JR、県、市で構成いたします鹿児島本線沿線まちづくり協議会を設立したいと、このように考えております。この協議会を設置することによりまして、現在県、市で策定中の熊本駅周辺整備及び鉄道高架化に関する基本計画に地元意見を反映させることにいたしておりますし、その計画を実現するための合意形成を図らんとするものでございます。さらに、この協議会の下部組織といたしまして、熊本駅周辺を初めといたします沿線主要地域に地域別の協議会を設けまして地域の声をきめ細かく酌み上げながら、新幹線、連続立体交差事業、面的整備を進めていくことにいたしております。  次に、熊本駅周辺のまちづくりについてであります。  本市の副都心としての熊本駅周辺の整備は喫緊の課題であります。したがいまして、本年の四月、新幹線、連続立体交差事業、面整備を担当します熊本駅周辺整備部を設置いたしました。現在この部を中心に駅周辺整備に全力を挙げて取り組んでいるところであります。本年中にはこの熊本駅周辺整備部の事務所を熊本駅前に移転いたしまして、地元の皆様と一緒になってその整備を着実に前進させたい、このように思っております。  整備スケジュールとして日程に上っておりますものを申し上げますと、駅東地区市街地再開発事業成立のかぎを握りますキーテナントの誘致活動、これらの活動が積極的に動きますようにその支援をしていきたいと思っておりますし、平成十一年の熊本国体に向けて本市の玄関口にふさわしい駅前広場、それに都市計画道路熊本駅北部線、通称熊本駅前通りでございますが、その整備がございます。さらには、連続立体交差事業と新幹線誘致に必要な駅の裏側、いわゆる西地区について土地区画整理事業の国の補助採択に向けて働きかけをすることにいたしております。  これらの事業はいずれも既成の市街地内での事業でありますので、まことに厳しい事業となりますが、地域住民の御協力をいただきながら、県と市と一体となりまして頑張ってまいります。今後とも議員各位の御支援、御協力をお願い申し上げます。  次に、北部地区の幹線道路の整備計画について三点のお尋ねでございます。  まず第一点目は、国道三号植木バイパス建設促進期成会についてであります。  熊本市を南北に縦断いたします国道三号の交通量は、昭和四十六年六月九州縦貫自動車道植木インターが供用開始になっておりますが、それとともに飛躍的に交通量が増加いたしております。特に植木インターから四方寄町にかけましては、議員御指摘のように上下各一車線の道路に一日約三万五千台もの車両が通過しておりまして、交通渋滞が慢性化いたしております。これからも増大することが予想されます交通需要への対応と、激化する交通渋滞の緩和を図るために、この区間にバイパスの建設が必要でございます。  したがいまして、平成六年六月に本市を含めまして植木町などの沿線十二市町で構成いたします植木バイパス建設促進期成会を設立したところでございます。期成会では、これまで植木バイパス建設の早期実現に向け、県選出国会議員や建設省、大蔵省など関係機関への陳情活動を行ってまいりました。今後とも、一日も早い事業着手に向けての働きかけを積極的に行ってまいりたいと考えております。  次に、国道三号北バイパスの進捗と今後の見通しについてでございます。  国道三号北バイパスはもう御存じのとおり総延長七・六キロメーターでございまして、昭和五十六年から建設省の直轄事業として四つの工区に分けて第四工区から事業が進められております。  その第四工区の東バイパスの新南部町から龍田町陳内までの一キロメーターにつきましては既に供用を開始いたしております。  続く第三工区の龍田町陳内から清水町麻生田の三・二キロメーターにつきましては、熊本国体開催時までの完成を期して事業が進められております。  第二工区の清水町麻生田から西合志町須屋までの一・六キロメーターにつきましては事業説明は既に終わっておりまして、用地買収に取りかかっておるところでございます。  最後に第一工区の西合志町須屋から四方寄町までの一・八キロメーターにつきましては、現在検討中の地域高規格道路であります熊本環状道路や国道三号植木バイパス、これも緒についたところでございますが、それとの調整が進められているところでございます。
     次に外環状道路の概要とその効果についてであります。  北部地区に広がる広大な土地は優良な農地として農業の生産性向上が図られておりますが、一方良好な居住環境に恵まれた住宅地として、さらには食品工業団地を初めとする産業基地として今後の本市発展に重要な位置を占める地域でもあります。したがいまして、その前提として幹線道路整備が必要となってまいります。  御質問の外環状道路でございますが、これは地域高規格道路の計画路線として、先生先ほどお述べになりましたように平成六年十二月に指定されたものでございます。この地域高規格道路は国において打ち出されました新しい道路計画でございまして、地域の核となる都市間を連絡したり、都市圏内を環状で結びまして、時速六十キロから八十キロの高速サービスを提供できる全線四車線以上の幹線道路であります。  この道路につきましては、平成六年から国、県、市で設置しております熊本都市圏交通計画検討委員会においてその位置づけが論議されてまいりましたが、平成七年七月、新たな外環状道路が提案されたものであります。この外環状道路は、通称西回りバイパスの西側に北部から南西部を結ぶ規格の高い道路を建設しようとするものでありまして、これが完成いたしますと、現在の都市計画道路であります西回りバイパス、これは地域を結ぶ連絡道路と位置づけることになります。  これら国道三号の植木バイパス、北バイパスそして外環状道路につきましては、今後とも早期実現に向けて関係機関などに強力に働きかけてまいりますので、議員各位の一層の御支援を賜りますようお願い申し上げます。        〔三番 坂田誠二君 登壇〕 ◆三番(坂田誠二君) ただいま建設局長さんの方から御答弁がございましたが、九州新幹線博多-八代間の整備、これと関連する熊本駅周辺整備は本市の長年の念願であり、実現に向けて関係各機関との連携を強化し、県、市、地元一体となって積極的に取り組んでいただきたいと思うのであります。  また、北部地域の幹線道路整備については、交通混雑を解消するとともに、地域住民の交通安全を確保するため積極的な事業推進を図られるようお願いいたしまして次の質問に移らせていただきます。  次に消防行政についてお尋ねいたします。  自治体消防が発足して以来やがて五十周年を迎えることになりますが、本市の消防は、その間、大洋百貨店の火災など幾多の試練と時代の変遷に対応しつつ、消防体制の整備及び消防力の充実を図り、近代的な消防として発展を遂げております。予防、警防、救急救助、いずれの分野においても市民消防として定着し、その業務活動は市民の大きな信頼を得ております。  しかしながら、都市化の進展、社会経済情勢の変化等により、災害の態様も複雑多様化、大規模化しており、こうした状況に適切に対応し、市民生活の安全を確保していくためには、諸情勢の変化に即応した消防体制の充実強化が必要であることは申すまでもありません。  例えば、未曾有の災害をもたらした本年一月の阪神・淡路大震災は、大都市の直下で発生した震度七を記録する大地震であったことから、五千五百二人に及ぶとうとい犠牲者と四万一千六百四十八人の負傷者を出し、戦後最大の被害となったことは記憶に新しいところであります。今回の阪神・淡路大震災では、大都市のほぼ全域をのみ込んだ大災害であり、また現代都市の内包する諸問題を余すところなく顕在化したものと言えましょう。その意味でも、阪神・淡路大震災の残した教訓は、今後の防災対策を確立していく上で極めて大きいものがあると言わなければなりません。地震発生後、本市では、三角市長の指示によりいち早く災害支援本部を設け、救援活動に取り組まれ、その取り組みは現地でも非常に感謝されるとともに、消防庁においても高く評価されたと聞き及んでおります。  また消防局にあっては、早速地震災害消防計画及び実働計画の見直しに取り組まれ、見直し過程の段階で全職員を対象に実働訓練を実施されるなど積極的に震災対策を実行されております。  さらに、大震災を教訓にした国の施策の一つであります緊急消防援助隊の編成についても前向きに対応されておるということで、非常に心強く感じているわけであります。しかし私は、何といっても、地震等の大規模災害時に最も信頼が置けるのは、日ごろから地域に密着した活動をし、災害発生時には災害防除の最先隊員として人命救助、初期消火活動に当たる消防団ではないかと思うのであります。  さらに、この消防団の活用とあわせ、防災関係機関相互の連携が極めて大切であり、それぞれの防災関係機関が有機的につながりを持ち、相互連携のもとに総合的に対応することが必要であろうと思うのであります。  これまでも総合防災訓練などを通じて連携を図っておられますが、これからは防災関係機関それぞれの動員力、装備力などについて事前に意見交換を行い、より現実的な災害防御活動の役割分担を行っておくことが大切であると考えるわけであります。  そこでまず一点目として、大規模災害時における消防団を初めとする防災関係機関の連携について、どのようなお考えをお持ちかお尋ねいたします。  また本市消防局は、これまで人口の増加、市域の拡大、市勢の進展とともにその規模を大きくし、現在では一局三署一分署十四出張所、職員六百三十一人を擁し防災の任に当たっておられるところであります。近年は、地域防災活動拠点施設の充実や消防職員の執務環境の改善とともに、地域住民が安心して生活ができる環境づくりを図るため署所の整備を計画的に進めておられます。  中でも、昭和五十九年四月、飽託四町の消防事務の委託に伴い建設されました飽田、天明、河内、北部出張所の増改築にも積極的に取り組んでいただいておりますことは、三角市長の防災に対する高い御見識のたまものであり、地域住民はもとより、消防関係者として深く謝意を表するところであります。  さらに熊本港の開港に伴い早速高速消防救助艇を導入し、新港分署を開設されるとともに、人口の増加や市街化が進んでいる東部方面の地域防災活動拠点施設として小山出張所を新設されるなど着実に整備を進めておられます。しかしながら、本市は今後とも着実に発展を続けることが予想されることからも、本市の消防体制、中でも地域防災活動拠点施設はこれに対応できるものでなければならないと考えます。  そこで二点目として、今後の地域防災活動拠点施設である消防署所の整備について、どのような計画で進められるのか。  以上、二点につきまして消防局長に御答弁をお願いいたします。        〔消防局長 吉原準二君 登壇〕 ◎消防局長(吉原準二君) 坂田議員に御答弁を申し上げます。その前に、一言お礼のごあいさつを申し上げさせていただきたいと思います。  坂田議員におかれましては、本市消防団第十ブロックの副団長として、三分団二十部四百六十一名の精鋭な消防団員を擁する統轄責任者として、絶えず団員の団結融和を図られ、災害現場にあっては常に陣頭指揮に当たられる等、御活躍をいただいておりますことに対しまして衷心より敬意を表する次第であります。今後ともひとつよろしくお願い申し上げます。  それでは早速御答弁申し上げます。  一点目の大規模災害時におきます消防団を初めとする防災関係機関の連携体制についてのお尋ねでございますが、今回の阪神・淡路大震災における教訓の一つに、防災機関の連携体制の構築がいかに重要であるか大きな課題とされております。議員ただいま御指摘のとおりでございます。本市消防局といたしましては、ただいま議員がるるお触れになりましたが、地域と最も身近に存在する消防団と日ごろから密接な連携のもと、一体的な消防活動を実施しているところでございまして、例えば五月でございましたか、初めて実施いたしました自然水利を活用した小型動力ポンプ中継消火訓練にも、早朝より三千四百人の消防団員ほとんどの方に参加をいただきまして、本業の傍ら、常備消防と一体となって献身的な活躍を、議員初め消防団員の方々に実施いただいたところでございます。  また、今回の大震災において行われましたような近隣の消防本部や県警あるいは自衛隊との連携につきましても、本市消防局では、現在締結をいたしております熊本県市町村消防相互応援協定、これに基づきまして消防の実働計画を策定し、情報収集と、それから連絡体制、あるいは消防の応援体制の編成、応援資機材等を具体的に明示をいたしまして、迅速かつ効率的な応援活動が行われるような県内全体の体制の確立が図られたところでございます。  さらに七月には、初の試みといたしまして、広域応援を円滑に行うために、県下十四消防本部を初めといたしまして、陸上自衛隊それから日本赤十字社等との連絡会議を実施いたしまして、広域応援活動方法等についても協議を行いました。今後の有事に備えた体制の整備に努めたところでございます。今後ともより実践的な訓練を通じまして、さらに連携の強化を図ってまいりたいというふうに考えております。        〔議長退席、副議長着席〕  二点目にお尋ねの地域防災活動拠点施設であります消防署所の整備についてでございますが、議員ただいま御指摘のとおり、消防署あるいは出張所は地域防災の活動拠点でございまして、今回の阪神・淡路大震災では、それぞれの地域が孤立する中で、この消防署所が、応援に参りました消防隊あるいは自衛隊、警察の前線指揮本部、あるいは負傷した住民の方々の応急救護所など、地域防災の活動拠点施設として大いに活用され、重要な役割を果たしたということでございます。  したがいまして、今後の計画といたしましては、このようなことを念頭に置きながら、本市の市勢の発展に対応すると同時に、本市の中央部を流れております白川を挟んで西北部、東南部にバランスのとれた消防力を整備するため、現在の三署体制から中央地区を中心に東西南北の五署体制に順次整備をしていく必要があるというふうに考えております。        〔三番 坂田誠二君 登壇〕 ◆三番(坂田誠二君) 消防局長さんの御答弁ありがとうございました。地域防災体制の整備に向け、消防署所の整備に積極的に取り組んでいただくということで非常に心強く思っております。今後とも積極的に事業を進めていただきますようお願いいたします。  また、消防団の日ごろの活動に対しても非常に理解のある御答弁をいただき、消防団員の一人として感謝を申し上げます。  それでは質問を続けさせていただきますが、その前に非常備消防について一点だけ要望させていただきます。  消防団は、地域における安全を確保するためには、自分たちの地域は自分たちで守るという地域連帯意識と郷土愛の精神に基づき、消防組織法に定められている公的機関であります。消防団員は通常は各自の職業に従事しながら、いざ災害が発生した場合には、消火活動のみならず水防活動、遭難の捜索救助、特に多数の動員を必要とする大規模災害時の避難誘導、災害防御活動を行うなど、その業務は極めて広範囲にわたっており、その活動は地域に一番密着したコミュニティー活動の典型であろうかと存じます。私は、消防団の幹部の一人として、その意義にかんがみ、今後なお一層消防団の育成と活性化に努力を傾注してまいる所存であります。  現在本市の消防団は、一団、七十三カ分団、百四十六部、消防団員三千四百四人、消防ポンプ車四台、小型動力ポンプ付積載車百二十二台、小型動力ポンプ六十七台を擁する全国屈指の消防団であります。これまでも三角市長の御英断により、消防団員の処遇、福利厚生、コミュニティー消防センターなど設備装備の充実を図っていただいておりますが、このことに対し心から感謝を申し上げますとともに、今後とも、常備消防と非常備消防が手を携え、一体的な連携のもと、市民生活の安全確保を図るために災害に強い安全な都市づくりを目指して一層の精進を重ねる所存であります。  ところで、平成の大合併以来五年目を迎え、旧飽託四町の消防団も名実ともに熊本市消防団として、その任務遂行に日夜の別なく防災に挺身努力しているところでありますが、旧飽託四町の非常備消防体制について触れてみますと、非常備消防としては、北部地区の消防団を初め、十二消防分団、五十四部、消防団員一千四百三十九人で、全消防団員の四二%を占めており、小型動力ポンプ付積載車五十九台、小型動力ポンプ四十台を擁し、常備消防と表裏一体となって地域防災活動を展開しているところであります。  これまでにも消防団活動の拠点施設でありますコミュニティー消防センター建設を初め、小型動力ポンプ付積載車等、装備の充実強化に鋭意取り組まれ、力強い限りでありますが、合併建設事業計画も最終年度に当たりますので、地域の実情に即したコミュニティー消防センターの建設については特段の配意をお願いしますとともに、今後も引き続き装備等の充実を進めていただきますよう強く要望しておきます。  続きまして旧四町の合併建設計画についてお尋ねいたします。  飽託四町の念願でありました歴史的大合併が平成三年二月一日実現いたしましてから早くも四年半を経過いたしました。この合併は、熊本市が百年を超える歴史の中において、周辺の町村を合併しつつ輝かしい発展を遂げてきた中で、旧飽託郡の歴史を平成三年をもって閉じることとなったものであり、私にとりましても実に感慨深いものがあります。  本市は市制施行以来、十五次にわたる飽託郡との合併によって、今日九州の中央に位置する中枢都市として大きく発展してきておりますが、さらに県都として、また九州の雄都として飛躍発展していくためには、都市機能の充実、経済の活性化等、活力あるまちづくりを進めていく必要があると考えます。  このような中にあって、飽託四町との合併により市域面積が約一・五倍に広がるとともに、有明海に臨む海岸線も約三倍に延び、北西方面は豊かな自然に恵まれ、全市的にも均衡のとれた秩序ある市街の形成が図られ、特に産業面においては広大な農地を基盤とした生産性の高い都市農業の展開、特産品を利用した産業の振興、熊本港の開港と相まった流通、生産機能の充実、さらには史跡や温泉等の豊かな資源を生かした観光開発など、今までの本市にはなかった新たな展開が期待されるところであります。だれもが住みたくなるような魅力的なふるさとであるためには、都市の活力とともに、ゆとり、潤い、安らぎなどの精神的な豊かさも同時に享受し得るようなまちづくりが必要であろうかと思います。  さて、合併建設計画は合併時に旧四町との間で策定されたものでありますが、熊本市と旧四町地域の一体化を促進し、地域の発展と住民福祉の向上を図るとともに、二十一世紀に向けた新熊本市の基礎となる都市づくりを目指したものであると考えます。合併以来、学校施設や公園、緑地の整備、上下水道の整備などの市民生活に密着した施設の建設充実は目覚ましいものがあり、地区住民も合併して本当によかったと心から喜んでおります。このことは、議員各位の御努力はもとより、執行部を中心とした市当局の皆さんが、合併建設計画の実現に積極的に取り組んでいただきましたたまものであり、厚く御礼を申し上げ、敬意を表する次第であります。  しかしながら、その一方では、合併以降の社会情勢や経済情勢の変化、住民要求の多様化などにより計画の変更を余儀なくされたり、いまだ実施に至っていない事業もあると伺っております。また市町村の合併に関する法律が改正され、国の財政措置もさらに五年間延長されたと聞き及んでおります。  そこでお尋ねいたします。本年は合併建設計画の最終年度に当たりますが、合併建設計画の未実施事業等に対して今後どのように対応していかれるのかお尋ねいたします。  次に、本市では来年四月の中核市移行に向けて着々と準備を進められているところでありますが、そのような中にあって、例えば土木行政の一つでありますが、四町地区は東西土木事業所の管理体制から切り離されており、各総合支所において対応しているのが実情であります。合併以来、地域の格差解消に努められ、一体化を進められている中で、総合支所の今後の位置づけをどう考えておられるのかあわせてお尋ねいたします。  以上二点について企画調整局長の御答弁をお願いいたします。        〔企画調整局長 竈 啓一郎君 登壇〕 ◎企画調整局長(竈啓一郎君) 合併建設計画に絡みまして、今後の未実施事業の取り扱い、それから総合支所の位置づけをどう考えるかと、二点についてのお尋ねでございます。  まず、合併建設計画につきましては、御案内のとおり、熊本市と旧飽託四町の一体化を促進し、それぞれの個性と魅力を生かしました地域の活性化並びに生活環境の整備を推進いたしますために、平成三年度から平成七年度までの五カ年間を計画期間といたしまして総額二百六十四億円の事業費をもって策定されたものでございます。既に本年度は最終年度を迎えているところでございますが、平成六年度までの四カ年間の状況を若干御紹介申し上げますと、四カ年間の計画額は二百三億四千万円であったわけでございますが、これに対しまして投資額三百六億七千万円、率にいたしますと一五〇・八%ということになっているわけでございます。  これは合併後、台風十九号を初めといたします災害がございまして、その復旧事業の実施をいたしましたこと、さらに建設計画外の事業といたしまして、市営住宅の建設、運動広場の用地取得、公園、上水道、農業基盤の整備などの住民生活に密接に関連いたします事業に取り組んでまいりました結果でございまして、投資事業費のサイドから見ますと、所期の目的に従いまして推進されてきたものと考えております。  しかしながら合併建設計画の個々の事業を申し上げますと、例えばカントリーエレベーターの建設、あるいは北部地域の道路整備など当面実施が困難な事業もあるわけでございます。また、未実施の事業といたしまして体育館建設、保育所の改築など用地取得を必要とするもの、あるいは区画整理、土地基盤整備のように地元並びに関係機関との協議を要するものがあるわけでございまして、これらの事業に対しましては今後ともさらに積極的に取り組んでいく必要があると考えているところでございます。  合併建設計画の計画期間につきましては今年度をもちまして終了するわけでございますが、完了しない事業につきましては引き続き関係部局において事業の推進に当たること、また、当面実施困難な事業につきましても、将来この条件整備が整った段階におきまして再度検討するという考え方のもとに現在作業を行っているところでございます。        〔副議長退席、議長着席〕  次に、総合支所につきましては旧飽託四町のまちづくりの中心的な役割を担うものでございまして、本年の四月の機構改革におきましては部相当の組織に拡充整備されたところでございます。今後ともこの総合支所につきましては継続存置することはもちろんでございますが、その機能の一層の充実について私どももさらに努力をしていかなければならないと考えております。ただ合併建設計画の推進並びに各総合支所間の調整を担当してまいりました新熊本振興室でございますが、こちらにつきましては、今後期間中に完了しなかった事業のアフターケアなどの関係がございまして、一部専任スタッフを残しまして解消する方向で現在検討しているところでございます。  なお、本市におきましては現在行政改革の大綱策定に取り組んでいるところでございまして、各出先機関につきましても、管理は集中、サービスは分散という基本原則に基づきまして組織体制の効率化に努めていきたいと考えております。その中で本庁と総合支所間のあり方につきましても全体的、総合的に検討していく必要があると考えているわけでございます。  今後とも、合併各町と旧市域と申しますか、熊本市の一体化に向けて私どもさらなる努力を傾注する所存でございますので、議会の御理解と御支援を切にお願い申し上げる次第でございます。        〔三番 坂田誠二君 登壇〕 ◆三番(坂田誠二君) 答弁ありがとうございました。  合併建設計画最終年度に当たる本年、未実施事業に対して、地元住民は一様に不安を抱いております。市域の均衡ある発展のためにも、計画の完全実施に向けさらなる努力をお願いいたします。  また、市全体に均等なサービスという意味では、総合支所の位置づけは重要なかぎとなりますが、どうしたら市民サービス向上につながるのか、取捨選択して地域間の不公平がなくなるよう検討を進めていただきたいと存じます。  次に、ごみ問題についてお尋ねいたします。  昨今、地球温暖化、オゾン層の破壊などの地球的規模の環境破壊が進み、地球環境の保全が重要課題の一つとしてクローズアップされております。我が国でも平成五年十一月に公布施行されました環境基本法に基づき、昨年十二月に閣議決定された環境基本計画に、自然と人間の共生、国、自治体、事業者、国民の環境保全への自主的、積極的な参加、国際的取り組みという環境政策の長期目標の冒頭に、資源やエネルギーの循環という新しい概念が掲げられております。  また、この環境基本計画では、近年の経済成長、生活レベルの向上等に伴いごみの量が増大し、埋立処分場が逼迫するといったごみ処分問題が深刻になっている現状から、特にごみリサイクル対策として、ごみのなくなる社会を目指し、できる限りごみの発生を抑制するとともに、リサイクルの推進を行うこととされております。  また、本市におきましては、本議会に環境保全都市宣言の議案が提案されておりますが、この宣言の基本的な考え方として循環型社会への転換が提唱されております。本市では具体的な取り組みとして、全国に先駆け昭和五十五年に空き瓶、空き缶の分別収集を導入され、現在では、古紙類、古着類などを加えた資源ごみの分別収集を実施されております。  また、再生資源の集団回収への助成事業、コンポスト容器購入費の助成事業、透明ごみ袋制度、減量美化推進員制度などを導入し、積極的にごみ減量・リサイクルに取り組んでおられます。特に、平成五年十月に導入されました透明ごみ袋制度については、ごみの分別が徹底されたことにより、導入前後一年間の排出量の比較で、家庭ごみのうち燃えるごみがマイナス三・六%、燃えないごみがマイナス二三・二%と減少し、逆に資源ごみがプラス四二・六%と急増するなど、ごみ減量・リサイクル推進に大いに貢献していると聞き及んでおります。  また、ごみの適正な処理を行うために、焼却処理においては、平成六年三月に約二百二十五億円の巨費を投じた東部環境工場が竣工し、今後も可燃ごみの全量焼却が可能になっております。地球環境の保全という意味からしても、ごみ減量・リサイクルの推進とともに、ごみの適正処理は環境保全の最も基本になるものであり、今後ともこのような施策を積極的に進めていただきたいと考える次第であります。  そこで、ごみ問題について三点ほどお尋ねをいたします。  まず第一点はごみの最終処分場についてであります。  本市における平成六年度のごみ処理につきましては、一般廃棄物総排出量の約三十万三千トンのうち、焼却処理が約二十五万二千トン、埋立処分が約三万八千トン、資源化量が約一万四千トンと伺っておりますが、このように排出される膨大なごみの適正処理で忘れてはならないのが最終処分場であります。本市で唯一の最終処分場であります扇田環境センターには、不燃物の埋立処分三万八千トンだけでなく、可燃ごみを焼却処理した灰が約三万八千トン埋め立てられております。  このように、ごみはいかなる中間処理過程を経ようとも、最後に行き着くところは最終処分場であります。いかにごみ減量・リサイクルが進みましても、ごみが排出される限りはこの最終処分場はなくてはならないものであります。  ところで、扇田環境センターの寿命は平成十三年度までと予測され、その後の最終処分場の建設に向けて取り組まれているようですが、具体的な計画策定までには至っていないようです。次期処分場として扇田環境センターの隣接地を候補地として考えておられるようですが、次期最終処分場の稼働開始を平成十四年度とした場合、地元住民の同意、用地交渉、さらに関連施設の建設など取り組まなければならない課題は多く、早急にその準備を進めなければ時期的にも間に合わないと思われます。  そこで、平成十四年度の稼働に向け、今後どのような計画で進められるのかお尋ねいたします。  次に、扇田環境センターの跡地利用についてお尋ねいたします。  この扇田環境センターは昭和五十九年度から埋め立てが開始され、平成十三年度には埋め立てが完了するということですが、その後の跡地利用については基本的な構想もいまだ示されておりません。将来の地域環境の全体像が見えない中での現在の環境整備状況は、地元の住民の方々が満足いくものではないと思います。  そこで私は、この扇田環境センター跡地を、地域環境保全の拠点として総合的に整備してはどうかと考えます。つまり、この広大な跡地を利用して、子供たちが安心して遊べ、お年寄りがくつろげる環境整備を進めてはと思うわけであります。しかしながら、最終処分場の構造上、くいが打てないなど、建設できる建造物には制限があると伺っております。  そこで、その跡地利用の核となる建造物が建築できるように隣接農地を取得し、例えば農業公園の建設など、周辺地域と一体となった総合的な環境整備を行うことで、緑豊かな地域環境の保全を積極的に推進すべきであり、このことにより地元住民の方々の御理解も得られるのではないかと考えます。  そこで、扇田環境センター跡地を含めた今後の周辺環境整備計画について、どのように進められるのかお尋ねいたします。  次に第三点でございますが、ごみ収集回数について、旧熊本市内は燃えるごみの収集回数が週三回であるのに対し、旧飽託四町は合併前と同じく週二回収集のままであります。市内全域に公平な市民サービスを提供することは市の責務であり、地域住民のかねてからの要望であります。この燃えるごみの週三回収集への移行についてもあわせてお尋ねいたします。  以上三点につきまして環境保全局長の御答弁をお願いいたします。        〔環境保全局長 矢毛隆三君 登壇〕 ◎環境保全局長(矢毛隆三君) 坂田議員の三点の質問についてお答えいたします。  まず、第一点目の次期最終処分場の建設計画についてでございますが、議員の御指摘のように、ごみ処理問題でごみ減量・リサイクルとともに推進すべきごみの適正処理には最終処分場が不可欠の施設であり、このことから、次期最終処分場候補地を現施設の隣接地が最有力であると想定いたしまして現在建設に向けて準備を進めているところでございます。  本議会に、この次期最終処分場候補地の測量調査関係予算の計上をお願いしているところであります。今年度中には、本調査に基づいた基本計画により、地元の皆様や地権者の皆様への事業計画説明に取り組めるものと考えております。そして、地元の皆様の同意と地権者の皆様の了解が得られましたならば、来年度から詳細測量調査や地質調査などの基本設計及び環境アセスメントに着手するとともに、その測量調査結果により、地権者の皆様との用地買収交渉にも取り組んでまいりたいと考えております。そうしまして、それまでの調査結果に基づいた実施設計を行いまして、遅くとも十年度までには建設着工できればと考えておりますので、議員各位並びに地域住民の方々の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。  次に、二点目の今後の最終処分場の周辺環境整備についてであります。  第一点目にも大いに関連することでございまして、現施設の隣接地に計画しております次期最終処分場建設を地元の皆様方に御了解をしていただくためには、将来に向けた総合的環境整備計画の策定が最優先課題であります。現在の埋立完了工区については、順次ゲートボール場、ソフトボール場等のスポーツ施設の整備を進めているところでありますが、今後、地元の皆様の御意見を賜り、関係部局とも連携を図りつつ、議員御提案のように、地域環境保全の拠点としての扇田環境センター跡地利用や隣接農地の活用も含め、子供さんからお年寄りまでがくつろげる総合的な環境整備の計画策定作業を推進していく所存でございます。  次に、第三点目の収集回数の見直しについてであります。  議員の御指摘のとおり、旧飽託四町の燃えるごみ収集は、平成三年二月の合併以降も週二回のままでありますが、今年度、燃えるごみの収集日が祭日に当たっても収集を行うなど改善は続けているところでございます。今日ごみ処理全体が大きな転換期に差しかかっております。本市におきましても、循環型社会を目指し、ごみ減量・リサイクルを強力に推進するため、新たなごみ処理システムの構築に向け積極的に取り組む所存でございます。  市民の皆様に直接関係するごみの収集につきましては、ごみ減量・リサイクルのための効率的な分別収集を行うため、今後、市民の皆様の御意見を賜りながら、全市的な収集回数や収集方法の見直し等、公正性、適正性を含め総合的な検討を行ってまいりたいと存じますので、御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。        〔三番 坂田誠二君 登壇〕 ◆三番(坂田誠二君) どうもありがとうございました。  最終処分場は必要不可欠な施設であると同時に、これは迷惑施設でもあります。その建設や跡地利用については、地域住民の十分なコンセンサスを得た上で進めていただきたいと強くお願いしておきます。  次に、教育施設の整備についてお尋ねいたします。  御案内のとおり北部地区は、その環境条件の良好さに加え、特に地区東部においては温泉が湧出するなど、熊本市のベッドタウンとして人口が急増している地域であります。合併時には五千四百五十九世帯、一万七千九百五十五人であった人口も、平成七年七月末現在七千二百五十七世帯、二万二千二百七十九人を数え、その増加率は二四・一%にも及んでおります。  このような状況から、教育委員会では、人口増に伴う児童数の増加に対応した学校施設の整備に取り組んでまいられております。既に川上、西里両小学校の拡張整備、下水道化等が実施されております。また本年度は、北部東小学校の児童数増加による教室不足に対して五教室を建設中であります。教育委員会のこれらの御努力に対しましては、地元住民を代表しまして厚く感謝を申し上げる次第であります。  合併建設計画では平成六年度となっております北部東小学校の運動場の拡張整備についてはいまだ実現されておりません。不整形の運動場のため有効な活用ができないと、保護者の方々からも再三の要望があっており、教育的見地からも早急な拡張整備が必要と考えますが、その進捗状況について現在どのようになっているかお尋ねいたします。  続いて北部公民館の改修についてお尋ねいたします。  北部公民館は昭和四十年三月に建設された木造平家建てで、築後三十年以上を経過した現在、雨漏りなどの老朽化がかなり進行しております。また、近年の北部地域の人口の増加、利用者の増加に伴って手狭になっており、教室数の不足のため、一部の講座では、北部総合支所の会議室が利用されていないときに使用願を提出して開設している状況であります。北部公民館の改修は地域住民にとって以前からの念願であり、この件につきましては以前先輩議員の質問の中でも触れられており、その際教育長は、国、県の補助が得られ改築できるよう努力するとの答弁をなされております。また本年四月に、北部地区各団体の総意により三角市長にもこの件の陳情をいたしているところであります。
     北部地区は従来から社会教育には特に力を注いできたところでございますし、住民の方々も公民館を中心とした学習活動を熱心に続けてこられました。生涯教育が叫ばれる今日、そのような方々の学習意欲をそぐことのないよう、きちんとした施設整備をすることも行政の果たすべき重要な役割ではないかと考えます。  そこでお尋ねいたしますが、北部公民館の改修について、現在どのような取り組みをされておるのか、また今後どのように改修計画を進めていかれるのでしょうか。  以上二点につきましては教育長の御答弁をお願いいたします。  続きまして、道路整備についてお伺いいたします。  本市の特に北部地域の土木行政については積極的に取り組んでいただき、旧北部町ではできなかったであろう大規模事業の実施については、住民も合併の恩恵と喜んでおります。  しかし一方では、事業実施の方法について旧町時代と異なる面もあり、特に市道の拡幅改良については、合併建設計画協定締結の際の意思の確認が不十分であったため、その後の幾つかの事業に未実施が見受けられます。と申しますのも、熊本市では、主要地方道を除き通常拡幅については地権者の用地の無償提供が原則とされているためであります。総延長二千三百二十キロメートルに及ぶ市道を維持管理していく上では、その方法は現時点では最も合理的と考えます。  しかし、用地の無償提供についてはやむを得ないとしても、提供される用地の上にある工作物の撤去や原状回復についてまで地権者の負担とする現行の方法には問題点があることは否めません。用地を提供するという市民感情を考慮し、何らかの救済措置を考えるべきケースがあるのではないでしょうか。  私は、すべての市道について救済を要望するものではございません。その地域にとって、その道路の改良による経済的効果が大きい、あるいは児童の通学路として必要不可欠であるなど、多くの効果や利益が認められる道路について特別の認定制度を設け、工作物の撤去、原状回復に対する補助程度の救済措置を考えれば、市民の理解と協力も得やすく、本市の道路行政は大きく進展するものと考えます。  市道、里道整備の補助制度に準ずるものとして実施のお考えはないでしょうか、建設局長に御答弁をお願いいたします。        〔教育長 後藤勝介君 登壇〕 ◎教育長(後藤勝介君) 坂田議員に私の方からは、教育に関連をいたしまして二点お答えを申し上げます。  まず北部東小学校の運動場の拡張の問題でございます。  ただいま御指摘がございましたように、北部東小学校の運動場につきましては不整形でありますために、拡張し整形化してほしいとの要望が学校の関係者、そしてまた地域の方々から寄せられております。私どももこれに対応する必要があるわけでございますが、先ほどお話がございましたように、北部東小学校の周辺の住宅化が進みます中で、校区の人口が増加し、また小学校の児童数も増加しました中で、教室数が不足しますし、それをプレハブで対応していたという状況がございます。したがいまして私どもは、このプレハブ解消にまず対応すべきだと考えまして、本年度その事業に取り組んでおるところでございます。したがいまして、この校舎の増築状況と見合わせながら運動場の拡張にも取り組んでまいりたいと考えております。  次に北部公民館の改築についてでございます。  お話がございましたとおり、昭和四十年に国の補助を受けまして建設されたものでございまして、確かに老朽化が進んでおります。したがいまして、この公民館の改築につきましては、その財源確保のために県を通じまして国庫補助事業としての採択を要望しているところでございますが、御承知のとおり、平成三年三月に落成しております西里分館が国庫補助を受けて建設されたといういきさつもございまして、同一中学校内でさらに補助をもらうということがなかなか厳しい状況にもございます。しかしながら北部公民館は、北部地域におきます拠点としての役割もあると考えますので、その位置づけを明確にしますために、学習機能や交流、集会機能、また児童館機能の面や、施設規模の面からも総合的に検討しながら、国庫補助の確保に向けまして今後とも積極的に努力してまいりたいと考えております。        〔建設局長 齊藤 聰君 登壇〕 ◎建設局長(齊藤聰君) 道路用地の無償提供に伴う工作物の撤去、原状回復について、地権者負担の救済措置を考えてはどうかとの御質問でございます。  道路の整備につきましては、幹線道路や生活関連道路等、その道路の持つ基本的役割を踏まえ、地域社会の活性化と良好な環境、そして快適な日常生活を営むための社会資本の充実を目的として鋭意努力をいたしているところでございます。  その中で、生活関連道路で狭隘な道路が点在していることは御案内のとおりでございますが、その整備につきましては、従前より地域住民の方々の御要望の強い路線につきまして、地権者の御協力のもと、道路用地の無償提供を得ながら拡幅工事を実施してきたところでございます。  しかしながら、拡幅用地内にブロック塀や樹木等工作物が点在している場合は、その撤去、開発についての補償制度を設けていないため一部工事が実施できず地元住民の御希望に沿えなかったことも事実でございます。  したがいまして、これらの狭隘道路の解消を図るために、今後は近年の提供用地の地価高騰や車両の増加等社会情勢の変化を認識いたしまして、拡幅工事に伴う簡易な工作物の補償につきましては前向きに取り組んでまいりたいと思っておりますが、建築基準法あるいは市道認定基準等クリアしなければならない諸問題も考えられますので、十分な検討をさせていただきたいと考えております。        〔三番 坂田誠二君 登壇〕 ◆三番(坂田誠二君) どうも御答弁ありがとうございました。  北部東小学校運動場の拡張及び北部公民館の改築は地元のかねてからの要望でありますので、積極的に推進していただきたいと存じます。  また、市道拡張の際の地権者に対する救済制度については、今後検討の余地があるということでございますが、どうか実情を御賢察の上、御答弁の中にもありましたように前向きに検討をよろしくお願いいたします。  さて、今回は私にとりまして記念すべき初登壇であり、地元の問題を中心に多岐にわたって質問してまいりましたが、三角市長を初め執行部の皆様には懇切丁寧な御答弁、まことにありがとうございました。あわせて、長時間にわたり御清聴いただきました先輩議員、同僚議員各位に厚く御礼申し上げます。また、最後まで傍聴いただきました皆様方に心より感謝を申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)      ───────────────── ○議長(荒木哲美君) 本日の日程はこれをもって終了いたしました。  次会は明十三日(水曜日)定刻に開きます。      ───────────────── ○議長(荒木哲美君) では、本日はこれをもって散会いたします。                午後三時四十六分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり  平成七年九月十二日  出席議員 五十二名   一番 荒木哲美    二番 宮原正一    三番 坂田誠二    四番 藤山英美   五番 田中誠一    六番 内田三千夫   七番 重松孝文    八番 小山久子   九番 中松健児    十番 鈴木弘十    一番 古川泰三   十二番 税所史熙  十三番 山内光昭   十四番 下川寛    十五番 馬場成志   十六番 竹原孝昭  十七番 北口和皇   十八番 佐々木俊和  十九番 田辺正信   二十番 島田俊六 二十一番 河村寅麿  二十二番 田尻将博  二十三番 田尻清輝  二十四番 牛嶋弘 二十五番 岡田健士  二十六番 落水清弘  二十七番 益田牧子  二十八番 大江政久 二十九番 東すみよ   三十番 磯道文徳  三十一番 江藤正行  三十二番 主海偉佐雄 三十三番 伊形寛治  三十四番 奧田光弘  三十五番 鈴木昌彦  三十六番 諸熊文雄 三十七番 上村恵一  三十八番 西泰史   三十九番 亀井省治   四十番 中沢誠 四十一番 中村徳生  四十三番 嶋田幾雄  四十四番 竹本勇   四十五番 田尻武男 四十六番 白石正   四十七番 矢野昭三  四十八番 島永慶孝  四十九番 村山義雄  五十番 西村建治  五十一番 大石文夫  五十二番 紫垣正良  五十三番 西野法久 説明のため出席した者 市長      三角保之   助役      御厨一熊   助役      吉田紀生 収入役     中村順行   市長公室長   岩本洋一   企画調整局長  竈啓一郎 総務局長    野田晃之   市民局長    野田雅水   保健衛生局長  工藤磐 環境保全局長  矢毛隆三   産業局長    市原敏郎   中小企業局長  坂田憲一 都市局長    本田吉継   建設局長    齊藤聰    消防局長    吉原準二 交通事業管理者 谷壽夫    水道事業管理者 出田四郎   教育委員会委員長大橋綾子 教育長     後藤勝介   人事委員会事務局長      代表監査委員  服部公雄                        行徳健次 総務部長    三嶋輝男 職務のため出席した事務局職員 事務局長    田尻紘    事務局次長   岡本央    議事課長    松本豊 議事課長補佐  山田利博...