高齢化社会を迎えますます深刻な問題が浮上しております。それは看護婦さんに代表される看護職員の不足です。全国で看護婦、准看護婦、保健婦などは八十万人いますが、約五万人不足しているのが実態のようです。厚生省は三年後は九十三万人が必要だと試算しています。なぜこんなに急増するかと申しますと、人口の高齢化が進むことが最大の理由と言われています。白衣の天使という言葉があるほど看護婦はすてきな職業でしたのに、今は、きつい、汚い、危険の三K職場の代表と言われるほどです。それどころか最近では、給料が安い、休暇がとれない、結婚ができない、子供が産めないなど加えて七K、八Kの職場であると呼ばれています。人の命を守るとうとい職業なのに、なぜこんな呼ばわれ方をなされなければならないのでしょうか。七K、八K職場と言われる主な原因に夜勤勤務の多さがあるようです。一月に八回も九回も夜勤勤務があるなど、特殊な職業とはいえ、法的にはどうなっているのかと言いたくなります。
熊本市内の看護婦さんの実態が知りたくて、五月初めから病院を回りまして実態をお聞きする機会を持ちました。本市に直接関係のあるという意味で、市民病院の実態を例に看護婦をめぐる諸問題を考えてみたいと思います。
なお、今回の私の調査に当たりましては、市民病院の看護婦さんを初め職員の方々に資料を提供していただくなど、快く対応してもらいましたことをまずここに感謝いたします。
さて、看護婦さんたちの労働実態ですが、市民病院でも夜勤勤務を伴う状態は過重労働ではないかというのが第一印象でした。お話では毎年二十名ほど新規採用しているとのことですが、現実には十二、三人は結婚などで退職しておられるようですし、これに加え育児休業をとられている人もあるようです。この結果、二十数名の看護婦が不足している状態と聞きました。市民病院を総括されている
保健衛生局長はこの実態をどのように考えておられ、どのような対応をされるおつもりなのか、お聞かせください。今後の改善計画でも結構です。
と同時に
企画調整局長にもお尋ねいたします。
市民病院サイドはお一人でもお二人でも看護婦さんをお願いしたいという要望を私のところへ持ってこられておりますので、よろしくお願いいたします。
ところで、先ごろ看護婦さんの労働条件の厳しさを象徴することがありました。
熊本市民病院ではありませんが、福井市のある病院の看護婦さんが急死した事件がありまして、その両親が裁判所に、月五回も宿直させるなど労働条件による過労が原因だと訴えたのです。いわゆる過労死ではないかということです。
そこでお聞きします。
熊本市民病院でもこのような過労が原因と見られる看護婦さん方の死亡例や病気にかかった人はいらっしゃらないでしょうか。もしおられなくても、このような調査をなさったことがおありでしょうか。厳しい労働条件の割には給与面の手当が十分でないから看護婦のなり手が少ないのが現実のようです。市民病院の給与実態もお教えください。
〔
保健衛生局長 工藤 磐君 登壇〕
◎
保健衛生局長(工藤磐君) 市民病院の看護婦問題についての御質問にお答えいたします。
熊本市民病院は県下の
基幹総合病院として、市民から期待される
高度先進医療を軸としたヒューマンな医療の提供を目指し、全職員一体となって鋭意努力しているところでございます。
御質問の看護職員につきましては、患者に最良の医療が提供できますよう毎年増員を図っているところでございますが、お産休暇や育児休暇、あるいは
結婚退職等で時期的に不足する事態も生じております。そのようなときには、患者への
看護サービスに支障を来さないよう臨時職員を確保することにより対応をいたしているところでございます。今後とも
看護サービスの一層の充実を図るため、看護職員の具体的な待遇改善に取り組みますとともに、一人でも多く看護婦さんが確保できますように関係部局の御理解を得ながら努力を重ねてまいりたいと思います。
二点目の過労死の件でございますけれども、これまで過労死あるいは過労で病気となって入院したという事例についての報告は受けておりません。調査については、具体的な調査はしておりませんが、今後検討させていただきます。
それから給与については、看護婦の給与は一般職の
職員給料表を適用いたしております。正看の初任給は一般職の中級を適用ということでございます。
〔
市長公室長 岩本洋一君 登壇〕
◎
市長公室長(岩本洋一君) 市民病院の看護婦の確保につきまして北口議員にお答えいたします。
自治体病院は住民の健康と生命を支える拠点として期待と信頼も大きく、
医療サービスの向上が常に要求されているところでございます。この市民病院で働く職員の中でも、看護婦は医者とともに直接患者と接し医療の根幹を担うものであり、精神的負担、深夜勤務等々、その労働環境は非常に厳しいものであるということを十分認識しているところでございます。
〔議長退席、副議長着席〕
したがいまして、これまで、看護婦の確保については最大限の努力を払い逐次拡充を図ってきたところでございます。患者に対する奉仕の精神あふれるすぐれた人材の確保に努め、
高齢化社会に対応できる
医療サービスの拡充を図るという視点から、他の部門との均衡を考慮しながら今後十分努力をいたしてまいりたいと存じます。
〔六番 北口和皇君 登壇〕
◆六番(北口和皇君) 公室長、条例案を調べさせていただきました。
市長事務部局が三千九百六十六人ということでしたね。鹿児島の条例というのは
看護婦条例は別になっております。そういったところで検討いただければと思います。なかなか難しいことだとは思いますけれども、現場の生々しい声を、一人でも二人でもということでございます。何とかよろしくお願いいたします。
病院で夜勤しておられる実態を市民病院で拝見させていただきました。皆様方の大事な命を預かる仕事です。本当に一生懸命働いておられて感心いたしました。と同時に、何とかしてあげないとという気持ちに駆られたのです。民間病院の模範になるよう公立病院が率先して改善してほしいと思います。
看護婦問題の最後に、将来の医療は現場を──看護婦、看護士を養成する
熊本市立看護学校の設置を要望いたしたいと思います。
鹿児島市には市立の
高等看護学校がございます。熊本県内でもそこの卒業生が多く働いておられると聞いております。宮崎にも四年制の看護学校がございます。厚生省に問い合わせて、
大西孝雄総務審議官のお話を伺いました。
厚生省人事問題研究所の将来推計によれば、六十五歳以上の人口の割合は、一九九〇年の一二・一%が二〇〇〇年に一六・九%、二〇一〇年には二一・一%になり、
老人ブームの世代となります。それに比べ若い人たちが十年後には現在の七五%に減り、二十年後には六〇%に減る中で、
看護婦確保は大変です。昨年度から始まりました
高齢者保健福祉推進十カ年戦略で訪問看護や
老人保健施設がふえるから、新たに五万人が必要になると言っておられました。また
高等看護学校は現在三年制ですが、さらに研究──
内容レベルアップの四年
制専門学校に推進されるお考えのようでした。
そうして考えてみますと、宮崎、鹿児島は将来の展望をなさっておられるわけですが、本市でもいかがでしょうか。若い世代の人口が今後十年間で二五%も減る現状を認識して、老人介護や福祉を専門家だけの仕事としないで、学校教育の中で介護の実践を義務づけたり、企業が介護休暇や
ボランティア休暇を導入するなど国民総参加の
福祉システムを築く必要があると考えます。
それで提案ですが、家庭介護への依存が強まることを踏まえ、介護に関する専門的な知識、技術の育成といった介護のスペシャリストを養成するための科を併設し、一般の皆様にも家族のために聴講できるようにしたらいかがかと思います。市長初め議員各位並びに執行部の皆様に至るまで、必ずや自分たちの身に降りかかる避けては通れないことです。病気をして心細い気持ちのときは医者が神様に見え、看護婦さんはまさに白衣の天使です。私も含め皆様とともに将来のビジョンを考えてみたいと思います。
保健衛生局長、いかがでしょうか。
〔
保健衛生局長 工藤 磐君 登壇〕
◎
保健衛生局長(工藤磐君)
市立介護看護専門学校の設置についてお答えいたします。
議員御案内のとおり、看護職員の需要は、
育児休業制度の徹底、週四十時間制の浸透、夜勤体制の改善など、看護職員の待遇改善や
老人訪問看護事業の推進によりまして今後ますます増加するものと思われます。こうした事情を背景に、現在国会に看護婦等の人材確保の促進に関する法律が提案され成立する見通しでございます。本市としましてはこの法の趣旨に沿って、今後国の指導に基づき、熊本県や熊本県看護協会と連携をとりながら看護の重要性に対する市民の関心と理解を深め、看護業務に対する
社会的評価の向上、促進等に取り組んでまいる所存でございます。議員御提案の
市立介護看護専門学校の設置につきましては、将来へ向かっての課題とさせていただきたいと思います。
〔六番 北口和皇君 登壇〕
◆六番(北口和皇君) 将来に向けたビジョンを提案させていただいたところではございますけれども、これは必ずや訪れる大変な状態でございますので、皆さんとともに考えてまいりたいと思います。
先ほど、十一時二十分現在、十二時までに質問を終わらせてくださいということでしたのでこれだけの原稿を用意させていただいたのですけれども、先ほどの、緊急動議の内容について御説明をいただきたいと思います。
○副議長(西田続君) 北口議員に申し上げます。
本職に対する御質問でございますが、議員に対する質問はできませんので御了承願います。
〔六番 北口和皇君 登壇〕
◆六番(北口和皇君) もう一度申し上げます。
緊急動議の内容について。緊急動議から既に十五時間近く経過しておりますが、このような長時間、中断の理由は何か、その間にどのようなことが行われたのか、御説明いただきたいと思います。
〔副議長退席、議長着席〕
議長が無理でございましたら、議長からの御説明なり執行部の方にあっておると思いますので、関係部局の方、お願いいたします。佐藤局長。
○議長(嶋田幾雄君) 再度にわたる本職に対するお尋ねでございますが、本
市議会会議規則第五十一条の規定によりまして、本職は答弁はできないことになっております。
ただ、北口議員の質問の内容につきまして逐次団長会議を開催させていただきまして、その経過につきましては、
北口議員所属の
自由クラブの白石団長から逐一御報告があっているものと思っております。以上でございます。
〔六番 北口和皇君 登壇〕
◆六番(北口和皇君) 「議会はいいかげん」という発言について、私自身の発言ではなくて、私の問題について日々御心配いただいている皆様から頻繁に出されておりましたので、そのように申し上げたまでです。私自身は、もちろん私が所属している市議会がいいかげんであるなんて考えているわけではありません。
私の問題でいろいろ御努力いただいたことは感謝いたしております。しかしながら私が、県議会からの誠意ある回答がなかった段階で議長に市議会のさらなる対応をお願いしたにもかかわらず、結果的にお取り上げいただけず早期解決はできなかった。そのために告訴手続を踏まざるを得なかったことについて大変残念に思っております。
私自身の問題はともかくとしましても、第二、第三の被害発生を防止するための市議会のこれまでの対応に問題がなかったかどうか、私を含めて議員自身が検討すべきではないかと思っております。その趣旨で質問させていただいたのですが、私の言葉不足が御理解いただけなかったことは極めて残念であります。私の質問をもう一度お読みになればわかりますが、何ら謝罪しなければならない点はございません。またそういう問題でもないと思います。
質問時間は議員のためではございません。市民のためでございます。市民の抱えている問題をくみ上げて解決のために努力するというのが議員の務めであり、そのための質問時間であります。そのような貴重な質問をなぜ途中で中断させられ、これほど長い時間ストップさせられなければならなかったことか、私には全くわけがわかりません。
緊急動議を出された大石議員初め、これに賛成された皆様のお考えをぜひ伺いたいと思います。
○議長(嶋田幾雄君) 再度本職より申し上げますが、議員に対する質疑は会議規則第五十一条の規定によりましてできませんので、御了承をお願いいたします。
〔六番 北口和皇君 登壇〕
◆六番(北口和皇君) 長時間の御清聴、まことにありがとうございました。皆様に感謝申し上げ質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
──────────────────
○議長(嶋田幾雄君) この際、議事の都合により暫時休憩いたします。
午前六時二十五分 休憩
───────────
午前八時五十五分 再開
○議長(嶋田幾雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
──────────────────
○議長(嶋田幾雄君) ただいま島永慶孝君外六人から、会議規則第七十七条第一項の規定により、
議員北口和皇君に対する懲罰の動議が提出されました。
○議長(嶋田幾雄君) この際、本件を本日の日程に追加することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
○議長(嶋田幾雄君) 起立多数、よって、本件を本日の日程に追加することに決定いたしました。
○議長(嶋田幾雄君) それでは、
議員北口和皇君に対する懲罰の動議を議題といたします。
北口和皇君は
地方自治法第百十七条の規定により除斥されますので、暫時御退場願います。
○議長(嶋田幾雄君) 本動議の提出者より趣旨説明をお願いいたします。
〔四十九番 島永慶孝君 登壇 拍手〕
◆四十九番(島永慶孝君) おはようございます。
私も、昭和五十年の三月議会に登壇のお許しを得ましたそれ以来でございます。また図らずも、きょうこのような趣旨の説明をすることは本員にとりましても不本意でございますが、私
ども提案者を代表いたしまして趣旨の説明をさせていただきます。
昨日の
北口和皇議員のセクハラ問題に関する質問において、「議会はいいかげんというイメージを残したこの問題一つきちんと対応できなくて何が議会ですか。」とか、「市議会で見殺しにしないでくださいと議長にお願いしたところでございますが、しかし結局、結果は、再協議の席では議長より本人からこのような要望があったという発言は一切なく、声明文で終結。ここで私は二度目の人権侵害を受けたわけです。」とか、「議会に対応能力がなかったことです。」「声明文だけの決着に終わった。」「全く期待外れの結果と終わってしまいました。」「そのほとんどに議会のいいかげんさにあきれるばかりですという文が必ずついております。」等の不穏当な発言がありましたので、団長会議においてその取り扱いを協議し、発言者みずからその取り消しと陳謝をされるよう
所属会派団長を通じて説得がなされましたが、いずれも拒否され、本人よりの取り消し、陳謝ということが無理であるならば、議長発言によってそれらを処理するような方法ではいかがとの代案も示されたのでありますが、これさえも受け入れられないとの回答がなされました。
このように、不穏当な発言に対して全く反省の態度が見られず、しかも議会の信頼を損なうようなこれらの発言は許しがたく、懲罰に値すると判断し、本案を提出するものであります。何とぞ御賛同賜りますようお願い申し上げ趣旨説明といたします。終わります。(拍手)
○議長(嶋田幾雄君) 提出者の趣旨説明は終わりました。
本動議に対し質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(嶋田幾雄君) 質疑なしと認めます。
懲罰の動議については、会議規則第七十八条の規定により、討論を用いないで委員会に付託するかどうかを決めなければならないと規定されております。
よって、お諮りいたします。
本動議を
懲罰特別委員会に付託することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
○議長(嶋田幾雄君) 起立多数、よって、本動議を
懲罰特別委員会に付託することに決定いたしました。
○議長(嶋田幾雄君) それでは、
懲罰特別委員会の定数並びに委員についてお諮りいたします。
委員会の定数は十四人
委員は
河村寅麿君 田尻清輝君 諸熊文雄君 江藤正行君
荒木哲美君 宮原正一君 鈴木昌彦君 上村恵一君
村上裕人君 家入安弘君 亀井省治君 中沢 誠君
田尻武男君 村山義雄君
以上のとおり決定することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
○議長(嶋田幾雄君) 起立多数、よって、ただいま指名いたしました十四人の諸君を
懲罰特別委員に選任することに決定いたしました。
──────────────────
○議長(嶋田幾雄君) この際、議事の都合により暫時休憩いたします。午前十時に再開いたします。
午前九時 一分 休憩
──────────
午前十時 二分 再開
○議長(嶋田幾雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
──────────────────
○議長(嶋田幾雄君) 休憩中開催の
懲罰特別委員会において正副
委員長互選の結果、委員長に田尻武男君、副委員長に亀井省治君が当選されました。
以上、御報告いたします。
──────────────────
○議長(嶋田幾雄君) 質問を続行いたします。伊形寛治君。
〔三十四番 伊形寛治君 登壇 拍手〕
◆三十四番(伊形寛治君) おはようございます。自由民主党の伊形でございます。
平成四年第二回定例会において、このように登壇の機会を与えていただきました先輩議員並びに同僚議員に対し、まずもって感謝を申し上げます。本議会の最後の質問でもございますし、議員各位大変お疲れのこととは存じますが、しばらくの間御清聴をいただき、また市長初め執行部におかれましては簡明なる御答弁をよろしくお願い申し上げます。
早速質問させていただきたいと存じますが、その前に、今般の本市と
ドイツ国ハイデルベルク市との
友好都市締結につきまして、関係各位に敬意と感謝の意を表したいと存じます。
去る五月、田尻市長、嶋田議長を先頭に、本市の代表団が
ハイデルベルク市を訪問され、めでたく同市との
友好都市締結がなされましたことは皆様御承知のとおりであります。市長を初め関係各位のこれまでの御尽力と御努力に対し心より敬意をあらわしますとともに、歴史と伝統に輝く
ハイデルベルク市と友好都市になれましたことを熊本市民として大変誇りに思う次第であります。
ハイデルベルク市とは昭和三十九年以来長きにわたり友好関係が続けられてきたところでありますが、ここに来て急速に機運が高まりましたのは、市制百周年における
歴史都市サミット、そしてそれに続く
水資源会議など、本市の地下水を初めとした環境問題への積極的な取り組みが高く評価されたたまものと推察するものであります。
このたびは平和と環境に対する共同責任の認識を精神とする
友好都市締結がなされ、地球規模で環境問題への関心が高まる中、歴史と伝統に輝く両市が認識を一にし、情報を交換しながらその取り組みを進めることになりましたことは、まことに有意義かつ時宜を得たものと思われます。今後の成果に大きく期待しますとともに、重ねて関係各位に対し敬意を表する次第であります。
では、本題の質問に移りたいと存じます。
最初は環境問題についてであります。
市長におかれましては、昭和六十三年、全国に先駆けて
環境基本条例を制定されるなど、これまでも環境問題に対しましては積極的に取り組んでこられたところであります。そしてまたこのたびは、先ほど申しましたとおり、
ハイデルベルク市と環境問題を基本精神とする友好都市を締結されましたし、これを見越してか、先般行われました組織の見直しでは、
環境保全局を新設し、組織の充実強化を図っておられます。さらに、
厚生省所管の
生活環境審議会の委員として、環境行政については市政のみならず国政の場においても活躍されているところであります。市長のこのような従来にも増して意欲的な姿勢を目の当たりにするにつけ、今さらながら頭の下がる思いであります。
申すまでもなく本市は、例えば清冽で豊富な地下水や金峰山や立田山などの緑といった豊かな自然、さらには熊本城や水前寺に代表される多くの歴史的、文化的遺産など実に良好な環境を有しております。このような本市のすぐれた環境を大切に保全し、これを将来の市民に継承していくことは、言い古された感じがしますが、まさに現在生きている我々に課せられた使命であると思います。
中でも、六十三万市民の生活用水のほとんどを担っている地下水は、世界に類例のない市民の財産であります。しかしながらこの地下水についても、近年の都市化の進展等の中で湧水量が減少したり、また
化学物質等による汚染が発見されるなど、量の面、質の面、いずれにおいても危機が顕在化しておりますことは御承知のとおりであります。このようなことから、
環境保全局の新設にあわせ
保健衛生研究所の拡充強化が図られました。また、去る六月一日開かれました国土庁の
地方懇談会の席でも、市長は国土行政の中での
地下水保全について意見を述べられたと聞いております。
先ほど来申し上げておりますように、田尻市長はとりわけ環境問題については特段の力を注いでおられるところでありますが、今後も
地下水保全を初めとしたこの環境問題にどのように取り組んでいかれるのか、その基本姿勢をまずお伺いしたいと存じます。
〔市長 田尻靖幹君 登壇〕
◎市長(田尻靖幹君) 伊形議員にお答えをいたしたいと思います。先ほどは
ハイデルベルク市との友好協定につきまして大変過分のお言葉をちょうだいいたしまして、まことにありがたく、また伊形議員初め議員各位の御支援のもとにこのようにドイツが誇る世界的な
ハイデルベルク市と我が熊本市が友好関係になりましたこと、心から御礼を申し上げる次第でございます。
この
ハイデルベルク市との縁のまさに取り結びと申しますか、環境問題であります。御指摘のとおりでありまして、今日環境問題は、我が熊本市のみならず全世界の都市が共通してこの環境問題に対して全力を挙げて取り組んでいきたいと、こういう願望があるわけでございまして、大気の汚染、あるいはまた地下水の汚濁、廃棄物の増加、こういう身近な問題から、あるいは酸性雨、温暖化などの問題につきましては地球的な規模でいろいろと論議が出ているわけでありまして、これが対応はまさに急務であると、このように認識をいたしているところでございます。
そこでただいま伊形議員御指摘のように、我が熊本市は全国に先駆けまして昭和六十三年に熊本市
環境基本条例を制定いたしました。これはむしろ議会におきまして満場一致ということでございまして、歴史的な環境あるいは生活的な環境、自然環境をもっと大事にしていこうと、このような議会の深い御理解の上に立っての条例の制定でございます。そういたしまして昨年の二月一日に我が熊本市は念願の四町合併が実現をいたしまして、いよいよ新しい時代を目指して新熊本を建設していこうと、この構想の中に環境問題を市政の重要な課題として掲げているわけでありまして、去る四月一日には
環境保全局を新設いたしまして積極的な環境行政の展開を強力に図ってまいりたいと、このように考えているところでございます。
また、地下水部門の強化等を含めまして、特に環境に関する研究機能体制を図っていこうと、こういうことでただいま研究所の準備を進めているところでございます。私は先般ドイツの
ハイデルベルク市に参りまして、平和と環境保護に対する国際的な共同責任と、こういう考えの中で
友好都市締結調印を果たしたわけでございまして、嶋田議長さんともどもにまことに劇的な調印式に臨んだわけでございます。今後私ども、この
ハイデルベルク市はもちろんでありますけれども、サンアントニオ市、あるいは桂林市、特に環境問題に全力を挙げて取り組んでおりますこの世界的なそれぞれの国の代表都市と一体となりまして、環境保全につきまして国際的な貢献に努力をしていきたいと、このように考える次第でございます。
なお、伊形議員お触れになりました先般の国土庁の
地方懇談会におきましては、地下水の保全につきまして、私は地下水の公水と、こういう法的な位置づけ、あるいは地下水涵養のための広域的な土地利用、こういう問題につきまして強く要望いたしましたところ、国土庁におきましてもこの問題には前向きで取り組んでいきたいと、このようなお答えをいただいたわけでございます。私どもは今後、歴史と伝統に輝くこのふるさと熊本を、さらに環境保全ということによりまして、あるいはまた環境調和型の社会形成、こういう立派な町につくり上げていきたいと決意を新たにいたしているところでございます。
〔三十四番 伊形寛治君 登壇〕
◆三十四番(伊形寛治君) ただいまは田尻市長より環境問題に対するまことに力強い御答弁を賜りました。市長の卓越したリーダーシップのもと、環境行政においては本市が他都市の範となるような積極的な取り組みを期待するものであります。
そこで次は、同じく環境問題に関しまして若干具体的なことについてお尋ねしたいと存じます。
今日、地球的規模で環境の危機が大きく叫ばれております中、今月三日から十四日まで、ブラジルのリオデジャネイロにおいて国連環境開発会議が開催されておりますことは皆様御承知のとおりであります。そもそもこの国際会議は、地球環境に対する人類のルールづくりを討議する画期的な会議であり、今回のブラジル会議には大統領や首相といった各国の最高責任者の参加も多いと聞いております。このことは、今や地球環境問題が世界の政治のリーダーたちにとって共通の関心事であるとともに、国際政治の中枢に迫ってきているあらわれでもあると推察されます。私も政治に携わっている者の一人として、この会議の成功を心から祈念するものであります。
ところで、十八世紀に端を発しました産業革命は大きな技術革新をもたらし、以来、二百年以上にわたって経済活動は急速に拡大してまいりました。その結果、私たちは大量の物資に支えられた豊かな生活を営むことができるようになりましたが、その一方で、私たちの身の回りの環境も徐々に損なわれてきたところであります。
そして今日、環境問題がこのまま推移するならば、自然の生態系のみならず私たち人間そのものの存在すら危ぶまれると言われております。かかる事態に対するためには、これまでの大量生産、大量消費といった社会のシステムそのものを大きく見直して、環境保全型社会を形成していく必要があると考えるものであります。すなわち、限りある資源の有効利用を図るための社会システムを形成しなければならないわけでありますが、ここで私はその有効な手段の一つとしてリサイクルが挙げられると思うのであります。今までも一部のグループ等におきましてリサイクル運動が展開されてきましたが、要領を得ないためか、いまひとつ盛り上がりに欠けていた感じがいたします。しかしながら、今般の組織の見直しで環境企画課内にリサイクル推進室が新設されたところであり、今後はリサイクル運動が一層活発化していくものと大きな期待を抱いているところであります。
そこで
環境保全局長にお尋ねでありますが、今後リサイクルに関する施策を推進するに当たってどのような基本方針で臨まれるのか、まずお聞かせ願いたいと存じます。
と同時に、いかなる施策を実施するに際しましても、基本的にはそれに関する市民の意識が重要であります。市民が環境問題の重要性を十二分に認識し、環境に配慮した行動をとることにより初めてその効果があらわれるものであり、そのためには市民に対する的確な情報の提供など積極的な啓発が必要であると考えます。
そこで二つ目として、この啓発活動をどのように進めていかれるのか、あわせてお尋ねするものであります。
〔
環境保全局長 後藤勝介君 登壇〕
◎
環境保全局長(後藤勝介君) 環境問題に関連いたしまして私の方から二点お答えを申し上げます。まずリサイクル推進に当たっての基本方針についてでございます。
ただいま議員より御説明がございましたように、今回の機構改革によりまして環境企画課内にリサイクル推進室が設置されました。今後、この組織をフルに活用しながらリサイクルに関します諸施策に取り組んでまいりたいと考えております。
そこでその基本的な考え方でございますが、今日の環境問題の原因の一つとして大量消費、大量廃棄型の社会システムがあると言われております。その結果として資源の枯渇、環境の汚染、廃棄物の増大といったような環境問題が生じているわけでございます。そこで今後は安易に物は廃棄せず、再使用、再生利用を第一に考え、新たな資源の投入をできるだけ抑えて自然界に戻す廃棄物の量を最小限とし、その際には環境を汚染しないような形にするいわゆる循環型社会の形成が求められております。
したがいまして本市の今後の施策の方向としましては、国や県におきます対応と協調しながら、生産、流通、消費、廃棄、再生の各分野に対しまして、役割や協力分担の方向づけ、情報の普及などの基盤づくりを行っていく必要があると考えております。具体的には、例えば生産者につきましては生産過程における資源の再使用や再生利用の促進、リサイクルしやすい商品の開発、再生資源の積極的使用などがあると思います。流通業者につきましてはトレーや牛乳パックなどの容器の回収や再生利用、リサイクル製品の積極的PRや販売、簡易包装の徹底などが考えられます。消費者につきましては、資源回収運動の推進、不用品の相互交換、再生資源を使用した商品の積極的購買などがあると考えられます。また回収、再生業者につきましては、回収取り扱い品目の拡大、経営基盤の安定化などが考えられます。このようなことを推進するための施策を実施していきたいと考えておりますが、いずれの施策を行うにしましてもいろいろ解決しなければならない問題があると考えております。今後市議会の御意見を十分承りながら対処してまいりたいと考えております。
それから次に、リサイクルに関連をいたしまして啓発活動をどう進めていくかという点でございます。
ただいまも伊形議員から御指摘がございましたように、環境問題の解決を図りますためには市民の皆様方の御理解と御協力をいただくことが不可欠であると考えております。特にリサイクルにつきましては、今日の環境問題と資源の消費との関係をはっきりと認識していただくことが極めて重要であり、その認識があってこそリサイクル活動の活性化が期待できるものと考えております。そのため啓発活動には特に力を入れていきたいと考えておりますが、具体的には、現在不用品の市民間の仲介制度として実施いたしておりますリサイクルインフォメーションくまもとを通じての啓発活動、さらにはパンフレットや副読本の作成、集団回収運動の育成などを積極的に行いますとともに、特に本年度は九月に、
ハイデルベルク市長の来熊を機会に実施を予定しております環境フェアにおきましてもリサイクルの必要性を啓発してまいりたいと考えております。
〔三十四番 伊形寛治君 登壇〕
◆三十四番(伊形寛治君) 環境問題につきましては昨今極めて関心が高まっておりますが、その対象とするところは幅広く、しかも奥深いものであります。今後の積極的な取り組みを御期待申し上げ、次に質問通告の順序を一部変更しまして、精神薄弱児・者の福祉対策についてお尋ねいたします。
まず最初に私見を若干述べさせていただいた上で、当局の基本的な考え方をお伺いしたいと存じます。
私は前回、平成二年十二月十二日の本会議の質問で、一つに、義務教育就学前児童への対応、二つに、義務教育終了後または養護学校高等部卒業後の社会参加への対策、三つに、高齢などで働けなくなった後の余生の過ごし方、この三点について質問させていただきました。自来、市当局におかれましては積極的な取り組みを進めていただいているところであり、心より感謝を申し上げる次第であります。ただ、対象者及び保護者の方々の切なる願いもあり、これらのことについての積極的かつ継続的な取り組みを重ねてお願い申し上げますとともに、本日は新たに具体的な問題を提起させていただきたいと存じます。
まず、精神薄弱児・者の福祉対策では、障害発生に対する予防対策が重要なことは論を待たないところでありますが、現実には本市においても年々およそ百人、対象者が増加しております。ちなみに、平成四年三月末現在で、熊本市の精神薄弱児・者数は二千三百九十四人となっております。しかし、保護者の方々の心情としては、我が子が障害者であることを認めたくない、何とかして治したいとの願いが強く、表にあらわれないところで頑張っておられる実態を考慮しますと、対象者はさらに多くなるものと考えられます。全国的には二一%の療育手帳不所持者ありとの調査があります。
そこで、精神薄弱児・者の福祉対策に関して、障害発生から社会参加までの一貫したシステムの確立と施設の運用、整備についてお尋ねしたいと存じます。
まず第一に、障害が発生し発見されましたら、その時点からその対象者に対する治療、教育、保護、さらには社会参加までの各人ごとのリハビリテーションプログラムが設定、提示され、そして一連の流れとして適時に適切な専門的助言や指導が得られるような機構、または体制の整備ができないものかと常々痛感しているところであります。もちろん、それぞれの部門では真摯な取り組みと努力が十分なされております。しかし対象者にとっては、治療から社会参加までの過程でそれぞれに連携がとられていないため何度も戸惑いが生じ、適切な措置が得られないまま効果あるリハビリができなかったといった実例が数多くあります。
このような例を見るにつけ、例えば障害者総合福祉センター的な一連の流れを統括する機構、体制の整備を急がなければならないと、その思いを強くする次第であります。ただ、このような機構、体制は一朝一夕にでき上がるものではありません。
そこで、次善の策というわけではありませんが、療育、教育、福祉、労働などの障害児・者に関係する機関が、お互いに率直かつ具体的に協議し、その結果、対象者が無理なく社会参加できる、そのようなシステムができないものかと思います。
一例として、私自身、精神薄弱児・者の施設運営や企業経営の中で、対象者の方々と長年接してきた経験から申しますと、学校も保護者も概して必要以上に就職を急がれる感があります。しかし、対象者の方々が安心して無理なく社会生活に参加できるようになるためには、さまざまな訓練がなお残されている場合が多いわけであります。精神薄弱児・者の就職率が平成三年六月一日現在〇・〇六%(一万人に六人)にすぎないことに示されているように、せっかく就職しても長続きしないのが実情であります。申すまでもなく、それぞれの分野では精いっぱい努力されているのであります。
そこでこのそれぞれの努力を全体としてさらに実りあるものにするためには、先ほど申し上げましたような胸襟を開いて話し合う場、またはシステムの確立を切に願うものであります。
第二に、施設の運用と整備についてであります。
まず施設の運用についてでありますが、ここで現状を紹介しますと、現在施設を利用している人が就職したものの途中で失敗した場合、再びもとの施設に帰りたいと思っても、施設の定員の関係で帰れない場合がほとんどであります。このようなことから、現実問題として保護者ともども就職をためらう例が数多く見られます。もし施設定員の一割程度の枠内であれば、就職等が失敗してももとの出身施設に復帰できるといった取り扱いができますならば、対象者は安心して就職への道を選ぶことができるものと思われます。市単独ででも、このような弾力的な運用を実施していただければと考える次第であります。
また、精神薄弱児・者の方々が、少々時間はかかるとしても、的確に社会参加の道を歩み安定した社会生活を送るためには、小規模作業所、福祉工場、通勤寮、福祉ホーム、グループホーム等、いわゆる社会復帰施設の整備が不可欠であります。と同時に、高齢の精神薄弱者対策につきましても、平穏に余生が全うできる施設等の整備をぜひお願いするものであります。
親亡き後の対象者の行く末を心配される保護者の方々の心情の切実さを考えますとき、高齢の精神薄弱者の対策は極めて重要な課題であります。現在のところ、ただいま申し上げました社会復帰施設や高齢者施設の整備は必ずしも十分とは言えないところであり、今後その整備促進を期待するものであります。
以上、るる私見を述べてきたところでありますが、もとよりこれらの施策が市のみでできるわけではありません。当然、国や県の意向も絡んでまいりますが、この精神薄弱児・者の問題は福祉対策の中でも極めて重要な課題であると思います。
つきましては、市としてこの件に関し、今後どのように対応していかれるのか、その基本的な考え方をお伺いするものであります。
〔市民局長 野田雅水君 登壇〕
◎市民局長(野田雅水君) 伊形議員にお答えを申し上げます。
議員御自身の長きにわたります社会福祉事業の実践を通しましての御質問でございます。御質問は三点あろうかと存じます。
まず第一点は、障害の発生から社会参加までのトータル的なシステムづくりのお尋ねでございます。
この問題につきましては、本市福祉センター希望荘におきまして一つの試みがございます。といいますのは、この希望荘では昨年の九月からふれあい相談所を開設いたしまして、法律、医学、福祉、労働、教育の各分野の専門家二十三名の方々にボランティアによって参画いただきまして、障害者の皆様方のさまざまな相談をお受けいただいております。そして最後には、一つ一つケースをひもときながら、全員で協議をなさいまして解決を図っていこうと、こういうシステムでございます。御利用いただいた方から大変喜ばれているところでございます。今後、こうした試みを基盤といたしまして、議員御提言の趣旨に沿うよう努力をしてまいりたいと存じます。
次に、施設の弾力的な運用のお尋ねでございます。
障害者の方が一たん就職をいたしますと、何らかの理由で再び施設入所を希望いたしましても、措置制度の仕組み等との関係からいたしましてなかなかもとの施設へ戻れないのが──ただいま議員御指摘のような現状でございます。したがいまして今後、施設に入所しておられる障害者の方が安心して就職に挑戦できるような方策を国にも相談を申し上げながら研究してまいりたいと存じます。
次に、施設整備についてのお尋ねでございます。
精神薄弱児・者の関連施設は現在市内に十七カ所に及んでおりまして、この中には本市が設置いたしましたはなぞの学苑、平成学園の二つの施設も含まれるわけでございますが、いずれもこの二つの施設は通所更正施設でありながら重度障害者対策に目を向けました施設でございまして、懸命に指導訓練に励む障害者の皆さんと、自立生活を願っておられる保護者の方と、そして施設の職員とが一体となりまして、社会的自立に向けての努力がなされておるところでございます。
これからの精神薄弱者福祉が目指すものは、障害者の方々の社会的自立と社会参加を図ることにあると存じますが、議員が申されますように、社会参加の道を開くための社会復帰施設や高齢精神障害者支援対策が大変重要になってくるものと存じます。今後とも御指摘の趣旨を十分踏まえまして、基本計画、実施計画に沿いながら、そしてまた精神薄弱者の保護者の方々が少しでも安心していただけるように心がけながら精神薄弱者福祉問題と取り組んでまいりたいと存じます。
〔三十四番 伊形寛治君 登壇〕
◆三十四番(伊形寛治君) ただいまは精神薄弱児・者の福祉対策について御答弁いただきましたが、障害者福祉について総じて申しますならば、国際障害者年の理念であります障害者の完全参加と平等は永遠のテーマであります。また、福祉長期行動計画は最終年になりましたが、まだ道半ばであります。市におかれましては、さらに独自の障害者福祉長期行動計画の継続により、なお一層の理念の浸透を図られることを期待するものであります。
引き続き、社会資本整備の観点から道路網の整備と西南部地区の開発についてお尋ねいたします。
ところで、先月の初めごろだったと思いますが、新聞に本年度の通商白書の記事が載っておりました。それによりますと、日本の産業界の高い供給能力が、これまで生活の豊かさを高める方向で十分機能していなかったことを指摘した上で、現在の国際競争力が続くうちに、欧米先進国に比べ見劣りする上下水道、公園、高速道路など、いわゆる社会資本の整備を推進する必要があるといったようなことが報じられておりました。建設白書ならともかく、通商白書においてすらこのような報告がなされる中、熊本市においてもなお一層の活性化はもとより、近い将来政令市を目指す上においても、この社会資本の整備に全力を挙げていかなければならないことは今さら論を待たないところであります。
ただ、社会資本と申しましてもその内容は多岐にわたっておりますので、今日はポイントを絞りまして、まず第一に都市計画道路の整備についてお尋ねいたしたいと存じます。
昨今、都市交通問題に対する市民の関心が高まっているためと思われますが、例えば豊肥本線と熊本電鉄を結ぶといった、いわゆる鉄道の環状化構想や、LRT──軽快電車とも言うようですが、これを中心とした公共交通機関網の整備など、いろいろな提言や提案が出されております。私も、これらの構想については鉄道系の公共輸送機関を強化していくためにも十分検討する価値があると思っております。しかしながらその一方で、本市における公共交通機関の主体はやはり路線バスであると思われます。となれば、増加する一方の自動車交通に対処していくためにも、都市交通問題を解決していく上での基本は何といっても都市計画道路の整備であると言わざるを得ません。現在、本市では五十二路線、百九十六キロメートルが計画決定され、約五五%が整備されているところであります。
道路は単に人や自動車の通行に供するだけでなく、上下水道や電線、あるいは通信といった公共施設の収容、災害時の避難路、火災の延焼防止など多様な機能を有しております。また、道路の整備は都市の活力の面的な拡大をもたらすものでもあります。御承知のとおり、昨年二月の四町との合併により本市の市域は格段に広がりました。この拡大した市域を十分生かした都市づくりを推進していく上からも道路の整備は欠かすことができないものであります。
城下町の名残からか、一点集中型でしかも九州の動脈である国道三号が市街地を縦断しているといった、他に余り例を見ない本市の特異な道路形態を考えますとき、新熊本構想に掲げられました二環状八放射を骨格とする道路網の形成、中でも外環状の整備に全力を傾注していただきたい、かように思う次第であります。
現在、外環状を形成する道路のうち東バイパスは既に完成しておりますが、残りの北バイパスについては国が、また野口清水線、通称西バイパスについては市でそれぞれ工事が進められております。この三本のバイパスがつながれば、まさに六十万都市にふさわしい道路網になると、その早期完成を切望している次第であります。
ただ西バイパスにつきましては、自然環境保全の観点から一部において建設反対の動きがありますことは御承知のとおりであります。もとより、私も本市の貴重な自然は保護していかなければならないと思っておりますが、だからといって、道路の建設を初めとしたすべての開発がだめであるとは思っておりません。本市では昭和六十三年、良好な環境の維持形成を図るため、町づくりの憲法とも言うべき
環境基本条例が制定されました。その基本理念は、環境を守るためには何もしないといった消極的なものではなく、開発に当たっても環境との調和に十分配慮していくという積極的なものであると理解しております。開発と保全を二律背反的にとらえずに、その接点を求めていくことが大切でありますし、またそれは可能であると確信している次第であります。
そこでお尋ねであります。第一に、都市計画道路の必要性については今までるる申し述べてきたところでありますが、都市が健全な発展を遂げていくには、当然都市の規模に応じた道路の延長、言いかえれば単位面積当たりの都市計画道路の必要量があろうかと存じますが、一般的にそれはどのくらい必要と言われているのか。またそのような中にあって、本市は現在どの程度整備されているのか、まずお尋ねをいたします。
第二には西バイパスについてでありますが、市はこれまでどのような対応をしてきたのか、また今後はどう対応していくのかについてお尋ねする予定でしたが、これにつきましては、昨日田尻議員の質問で詳しい答弁がございましたので、ここでの答弁は不要とします。今後、事業推進に向けたなお一層の御努力を期待したいと存じます。
ただ、同じ西バイパスについてでありますが、同路線は今のところ北の方に向けて整備されておりますが、現在未着手となっている新土河原町から野口町までの整備の見通しはいかがでしょうか。さきの都市計画道路の必要量とあわせお尋ねをいたします。
それと、これは都市計画道路とは関係ありませんが、交通問題の一環として熊本港に関してお尋ねします。
現在、熊本港ではフェリーの発着施設が整備中であります。これまで海運に恵まれていなかった本市にとりましては、まだまだ本格的な開港とまではいきませんが、フェリー就航という第一歩をいよいよ踏み出しますことはまことに喜ばしいことであります。つきましては、このフェリーの就航時期についてお聞かせ願いたいと存じます。
〔都市局長 本田吉継君 登壇〕
◎都市局長(本田吉継君) 伊形議員にお答えいたします。都市づくりにおいて都市計画道路はどのくらい必要かとのお尋ねでございます。
健康で文化的な都市生活と機能的な都市活動を確保する上で望ましい幹線道路、補助幹線道路のネットワーク密度は、一キロ平方メートル当たり住居系地域で四キロメートル、商業系地域で五から七キロメートル、工業系地域で一から二キロメートルの整備が必要とされております。これらを平均いたしますと長期的に見て三・五キロメーターでございます。
これに対しまして本市におきましては一・六五キロメートルとなっておりまして、今後新たな道路計画が必要であると考えております。
次に、都市計画道路野口清水線の南側の新土河原から野口町までの未整備の道路の整備見通しについてのお尋ねでございます。
この区間が整備されますと、都市計画道路近見沖新線いわゆる一般県道熊本港線と接続いたしまして、その事業効果は極めて大きいものがございます。したがいまして、当該区間の早期着手が必要であるとの県市共通の認識のもと、その整備について現在県と市で協議を行っているところでございます。
続きまして、熊本港フェリーの就航時期についてお答えいたします。
熊本港フェリー就航に必要な関連施設の発着場、それからフェリーターミナルの建設は本年夏完成を目標に進められておるところでございます。しかしながらフェリーの就航時期につきましては、雲仙・普賢岳の噴火によります安全性の問題や就航に係る免許等との関係もございまして、夏以降にずれ込むと思われます。
〔三十四番 伊形寛治君 登壇〕
◆三十四番(伊形寛治君) ありがとうございました。言うまでもなく道路の整備には膨大な事業費が必要でありますし、一方で地権者や地域住民との話し合いも必要であります。御苦労も多いと存じますが、ますますの御努力をお願いして、次に市街地の開発、とりわけ西南部地区の開発についてお尋ねいたします。
新熊本構想では、過度の集中による弊害が生じやすい一点集中型から多核的な市街地構造に転換していくとして、例えば熊本駅周辺、南熊本、水前寺、健軍、上熊本などの拠点性を高めるとされております。これに異論を挟むものではありませんが、これまで東部や北部に偏った発展をしてきた本市にとりまして、今後バランスのとれた市街地の形成を図っていくには、私は西南部地区の整備開発が極めて重要な課題であると考えております。
このような中に、旧農業試験場跡地を中心に西部第一土地区画整理事業が平成三年からスタートしました。本市では東部第一土地区画整理事業に次いで二番目の市施行であり、本事業にかける田尻市長の並み並みならぬ意気込みを感ずる次第であります。
計画では、生活道路や公園など面的な整備はもとより、JR線の高架化、新駅の設置、それに熊本港に通ずる近見沖新線、通称新港線の整備なども図られるとのことであります。中でも新幹線の導入に当たっては、在来線の高架化といった問題が避けられないことを考えますとき、本市で初めてでありますJR線の高架化は、現在機運が高まっております九州新幹線の早期建設に弾みをつけるものになるものと思われます。
また先般の組織の見直しでは、産業局に熊本港背後地整備対策室が、また都市計画課に港湾係が新しく設けられました。いずれも新設されたばかりであり、具体的な展開はこれからでありますが、まさに新港線を中心として新しい拠点づくりが始まろうとしているわけであります。二十一世紀の西南部地区の姿を頭に描きますとき、西南部の住人の一人として心弾むものを抑え切れないところであります。
とは申しながらも、元来この地区は水田を中心に今なお生産性の高い都市型農業が営まれております。冒頭の道路建設における自然環境との調和と同様、その開発に当たっては農業との調和を十分図りながら、西南部地区のみならず、本市全体の浮揚発展につながるような整備開発を推進していただきたい、かように思うのであります。
そこでまず最初のお尋ねでありますが、西部第一土地区画整理事業の進捗状況と今後の予定、それに、これについては明快な御答弁は現段階では難しいと存じますが、熊本港の背後地整備の基本方向をまず担当局長にお聞きしたいと存じます。
あわせて、先ほどは西南部地区の特性上、農業との十分な調和をお願い申し上げたところでありますが、これもまた西南部地区の開発を推進していく上で避けて通れない課題が治水対策であります。昭和二十八年の白川、昭和三十二年の坪井川、そして近年では昭和六十三年の五・三など、本市はこれまで極めて大きな水害に見舞われてきましたが、中でも西南部地区はその低湿な地形から排水条件が悪く、大きな水害はもとより、ちょっとした雨でも冠水するといった状況にあります。
このようなことから、西南部地区の排水対策につきましては、これまで国や県などに対しましてもあらゆる機会をとらえてお願いしてきたところであります。去る二月十二日と十三日には、田尻市長みずから建設大臣に陳情していただいたところでもあります。私も同席させていただいたところでありますが、その結果、白川改修の事業費が昨年は二十九億三千万円でしたが、ことしは三十二億八千万円と三億五千万円も増額されました。これはひとえに、二月の陳情のみならず、日ごろから九州治水期成同盟連合会の会長として、田尻市長が治水対策について熱心に取り組んでおられるたまものであり、薄場、上ノ郷、力合地区の白川改修協力会会長としまして心より感謝を申し上げる次第であります。
話を西南部地区、特に私が住んでおります力合地区のことに戻しますと、この力合地区の流末は天明新川であり、抜本的な排水対策は河川の改修を待たなければなりませんが、その完成には長い期間を要するところであります。
そこで私は、この力合地区の排水の一部を白川に流すことができないものかと考える次第であります。もとより、これにつきましては河川の改修計画との絡みもあって大変難しいことは承知しております。特に白川の場合は国において管理されており、本市の意向でどうにかなるというものでないことも十分わかっております。しかしながら、先ほど来申し上げておりますとおり、西部地区の開発は今後一層進展するものと思われますが、そのような中にあって、果たして排水対策はどうなるのかと、地域住民は日夜心配しているところであります。市におかれましては、この住民の切なる心情をぜひお酌み取りいただきたいと思うものであります。
つきましては田尻市長に、治水対策の基本ともなるべき白川改修についての決意のほどをお伺いするものであります。
〔都市局長 本田吉継君 登壇〕
◎都市局長(本田吉継君) 西部第一土地区画整理事業の進捗状況と今後の予定についてのお尋ねでございます。
この事業は平成七年度概成を目標に総事業費約七十億円を予定いたしまして市施行で進めております。その進捗状況は、昭和六十一年から三カ年にわたり土地区画整理事業調査を行いまして、さらに平成二年三月施行区域の都市計画決定、平成三年三月の施行条例の制定、また本年二月には都市計画道路の変更、公園三カ所の計画決定を見ております。今後の予定といたしましては、平成四年度中に事業認可を受け、土地区画整理審議会の設置、仮換地の指定、道路工事等に着手いたしまして、平成七年度の概成に向け事業の進捗を図る予定でございます。
〔市長 田尻靖幹君 登壇〕
◎市長(田尻靖幹君) 伊形議員にお答えをいたしたいと思います。