令和 5年 第3回定例会(9 月) 令和5年第3回
土佐市議会定例会会議録(第2号)令和5年9月11日第3回
土佐市議会定例会が
土佐市議会議場に招集された。1
出席議員は次のとおりである。 1番 大森 陽子 2番 村上 信夫 3番 森田 邦明 4番 山脇 義英 5番 池 宗二郎 6番 宇賀 裕生 7番 所 紀光 8番 野村 昌枝 9番 浜田 太蔵10番 田村 隆彦 11番 田原 計男 12番 糸矢 幸吉14番 中田 勝利 15番 三本 富士夫2 欠席議員は次のとおりである。 な し3
地方自治法第121条の規定により説明のため会議に出席した者は次のとおりである。市 長 板原 啓文 副 市 長 田中 和徳教 育 長 安岡 健二総 務 課 長 片山 淳哉 企 画 財政課長 合田 聖子防 災 対策課長 広沢 章郎 税 務 課 長 横田 琢也市 民 課 長 尾崎 友紀 戸 波 総合市民 田村 真一 セ ン
ター所長USAくろしお 松岡 章彦 建 設 課 長 有藤 芳生セ ン ター所長兼 水 産 課 長
建設課波介川・ 関 祐介 都 市 環境課長 下村 哲水 資 源 対 策担 当 参 事福 祉 事務所長 合田 尚洋 北 原 クリーン 嶋崎 貴子 セ ン
ター所長健康づくり課長 岡林 輝 長 寿 政策課長 田中
祐児子育て支援課長 横山 理恵 産 業 振興課長 矢野 康孝会 計 管 理 者 西原 正人 生 涯 学習課長 中平 勝也兼 会 計 課 長学 校 教育課長 井上 夕起子 学 校 給 食 高橋 修一 セ ン
ター所長水道局業務課長 千頭 良弐 消 防 長 横川 宏二病院事業副管理者 横川 克也 病 院 局事務長 吉永
健太選挙管理委員会 岡林 常雅委 員 長4 本会の書記は次のとおりである。議 会 事務局長 小松 和加
議会事務局次長 田原
央子議会事務局主査 渡辺 美穂5 議事日程 令和5年9月11日(月曜日)午前10時開議 第1 議案第2号から第11号まで、報告第1号、認定第1号から第12号まで (議案に対する質疑並びに一般質問) 開議 午前10時 0分
○議長(
森田邦明君) ただいまより、本日の会議を開きます。 現在の
出席議員数14名、よって会議は成立いたしました。 日程第1、議案第2号から第11号まで、報告第1号、認定第1号から第12号まで、以上23件を一括議題といたします。 これより議案に対する質疑並びに一般質問を行います。 通告順に従いまして、順次発言を許します。 14番
中田勝利君。
◆14番議員(
中田勝利君) おはようございます。14番
中田勝利でございます。 議長からの質問の許可がありましたので、
通告どおりに質問をさせていただきます。 「教育長の任期中の課題について」を質問いたします。 7月から新しく任命になりました
安岡教育長に、自身の所信等々様々お伺いいたしたいところでありますが、教育長は教員の経験もございますし、以前は
学校教育課長として土佐市の教育現場もよく理解されておると思います。議場においては、一般質問の答弁もされておりました。そのことを踏まえて質問をさせていただきます。 現在では土佐市のみならず教育の現場は、物質的にはおおむね高められたと言えるのではないでしょうか。教室への
エアコン設備及び
タブレット使用の授業や給食等の整備などがあります。が、しかし、その反面、教員の働き方改革の遅れや不登校・いじめ問題、老朽化した
学校建て替え、
学校統合問題等々多く挙げられます。 そこで質問をいたします。 1点目、平成27年度から
教育委員会の
教育委員長は、教育長と一本化され
教育委員長はなくなりました。教育長が
教育行政の責任者としてのリーダーシップが高まったと言われております。この教育長は市長が任命いたしますが、この
教育委員会制度改革についての考えをお伺いいたします。 2点目、昨年12月に私が
高岡中学校建て替えについて、元教育長に質問いたしました答弁に、年度末には
高岡中学校の建て替えに係る内容を含んだ土佐市
小中学校適正配置計画を策定する予定で、その時点である程度詳細な計画を示したいと答弁がありました。具体的に
高岡中学校の
建て替え計画をお伺いいたします。 3点目、
土佐市内の
学校統合について、市民の皆さんにどのような形で周知をされているのか。 4点目、このたび教育長の重責を担い、土佐市民と児童生徒に向けての様々な思いと自身の決意もお伺いいたします。
○議長(
森田邦明君)
安岡教育長。
◎教育長(安岡健二君) おはようございます。答弁の前に、この7月より議員の皆様の同意を得まして、教育長を拝命しました安岡と申します。微力ではございますけれども、一生懸命頑張らせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いしたいと思います。 (拍 手) それでは、答弁をさせていただきます。
中田議員さんからいただいた
教育委員会制度改革についての御質問に、お答えいたします。 議員さんの御指摘のとおり、
地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正に伴い、平成27年度より
教育委員会制度が改正されました。この改正により、従前の
教育行政の事務の統括者としての教育長、委員会の主催者としての
教育委員長といった位置づけにあったものが整理され、教育長は「
教育委員会の会務を総理し、
教育委員会を代表する」と規定されることにより、
教育行政の第一義的な責任者が教育長であることが示されました。 しかしながら、
教育委員会は引き続き合議体の執行機関であることは変わりなく、教育長が
教育委員会の意思決定に基づき、事務をつかさどる立場にあることは
従前どおりとなっております。 併せて
教育委員の任期は4年、教育長の任期は3年と規定されていることや、
教育委員定数の3分の1以上からの会議の招集の請求や、教育長が委任された事務の管理・執行状況の報告義務に関する規定が設けられていることから、
教育委員の任期中に、教育長の職務遂行に係る
チェック機能はむしろ強化されたと考えます。 一方、首長と
教育委員会が協議を行う場として、
総合教育会議を設けるよう規定されたことや、首長が
教育行政に連帯して責任を果たせる体制を構築するため、教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱の策定が規定されたことにより、学校の耐震化や統廃合、総合的な教育対策に係る予算や条例等、首長の有する権限に係る事項の目標や方針について、
教育委員会の意向がより反映できる体制が構築されたと考えております。 次に、2点目の
高岡中学校の
建て替え計画についての御質問に、お答えします。
中田議員も御承知のとおり、
小中学校の統廃合については、令和元年度に
土佐市立保育所・
小中学校統廃合等検討委員会を設置し、土佐市における
小中学校の適正規模、人数を定めることなど4点に係る意見書をいただき、令和2年11月に
土佐市立保育所・
小中学校統廃合等審議会を設置し、1、望ましい
教育環境を提供するための
小中学校の適正な規模について。2、今後の
土佐市立保育所・
小中学校の統廃合について。3、統廃合となる場合の地域の実情を踏まえた支援策について、の3点について審議会に諮問いたしました。その後、計10回の審議を経た後、令和4年3月に
土佐市立保育所・
小中学校の適正規模及び統廃合についての答申をいただいております。 土佐市
教育委員会では、この答申書に示された考え方を尊重し、令和5年3月に
土佐市立小中学校適正配置計画を策定したところでございます。 御質問のありました
高岡中学校の建て替えについても、本計画に盛り込んでおり、昭和35年に建築され築60年以上経過している
高岡中学校の改築を前提として、
土佐南中学校、
高岡中学校、
戸波中学校を1校に統合する計画といたしております。 あくまでも計画としてではございますが、現段階では令和10年度改築、移転に向け、まずは保護者の方々に丁寧な説明を行った上で、現
高岡中学校の敷地内に新校舎を建築することとし、設計業務を令和6年夏頃から令和7年夏頃までの期間に終了し、令和7年秋から令和9年春までを施工期間とし、令和10年4月より新校舎で開校できるようにと考えております。 次に、3点目の
土佐市内の
学校統合について、市民の皆さんにどのような形で周知しているのかについての御質問に、お答えします。 児童生徒にとって望ましい
教育環境や
学校運営面も含め、地域の歴史や文化、
地域コミュニティーの形成に果たす学校の役割は大きく、統合によるメリットやデメリットを保護者の方々や地域の方々に丁寧に御説明し、一定の同意を得ることは統廃合を進めていく上で必要不可欠な事項であると捉えております。 このため、まずは各学校の保護者の方々を対象とし、説明を行うよう計画しております。既に中学校については、
小中学校の保護者を対象とし、8月22日(火)に
土佐南中学校区、8月23日(水)には
戸波中学校区、そして8月30日(水)には
高岡中学校区を対象とした説明会を実施いたしました。また、小学校については、この秋より各小学校の保護者を対象とし実施する予定としております。 今のところ市民全体を対象とした説明会は予定しておりませんが、保護者を対象とした説明会を行う中でいただいた様々な御意見に対し、今後の対応や方向性について協議した結果をお伝えするなどしながら、丁寧な説明に努めてまいりたいと考えております。 また、地域の方々に対しましては、保護者の皆様からいただいた御意見や対応策を整理した内容を、
ホームページや広報等を通して周知してまいりたいと考えております。 なお、
適正配置計画については、既に
ホームページにも掲載しており、市民の方々がいつでも閲覧できる環境を整えております。 最後に、4点目の土佐市民と児童生徒に向けての様々な思いと自身の決意についての御質問に、お答えします。 私は、これまで40年間、
中学校現場や
教育行政の場で務めてまいりました。この間、土佐市民の方々や保護者、多くの先輩また同僚に支えられ、何とか全うできたと感謝しております。土佐市の教育を取り巻く現状を見てみますと、学力問題や不登校問題、教員の働き方改革、そして統合問題と課題は山積している状況にあります。私は、これまでの学校現場や
教育行政に携わってきた経験をもとに、教育長としての職務を通し、これら一つ一つの課題に真摯に向き合いながら、これまでの手法や方法だけでなく、場合によっては、課題の解決や改善に向けた新たな取組も検討し、実行してまいりたいと考えております。そして子供たちの無限の可能性を信じ、土佐市の未来や将来の社会を力強く生き抜いていける、知・徳・体、
コミュニケーション力等のバランスの取れた人間力を高めることができるよう、学校長や関係機関と連携を図りながら、課題の解決や改善に向け取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
森田邦明君)
中田勝利君の1問目2回目の質問を許します。
◆14番議員(
中田勝利君) 2回目の質問です。 4点について答弁をいただきました。少なくとも
小中学校統合答申は、今、各地区で説明会を行っているということです。大切なのは、その説明会での御意見や御要望はどのような事柄なのか。各地域にとっても、
学校統廃合は
学校関係者、児童生徒、父兄のみではなく、地域の方の意見も大事にしてまいりたいものです。各地区での説明会はどのようでしたか。統合になる
学校建設物等は、今後どうなるのかなどの話はなかったのか。説明会での反応や状況をお伺いいたします。 次に、
計画スケジュールでは、令和5年から令和9年までに、
高岡中学校改築が第1期計画がグラフで表わされており、その後、令和10年から中学校の統合が開始されるように計画されておりますが、令和5年度中に
高岡中学校改築に本当に取りかかれるのか。 この2点についてお伺いいたします。
○議長(
森田邦明君)
安岡教育長。
◎教育長(安岡健二君)
中田議員さんからいただいた2回目の御質問のうち、各地区での説明会での反応や状況についての御質問に、お答えします。 中学校区を対象とした説明会については、当初5月を予定しておりましたが、予期せぬ
公共施設等への
爆破予告等もあり、2度にわたり延期し、この8月に3中学校区において中学校の統合に特化した説明会を実施いたしました。 説明会に来られた方々は、各校区とも人数は少ない状況でありましたが、主に小学校の保護者の方に御参加いただき、多くの御意見をいただけたと思います。 いただいた御意見としましては、議員御指摘の改築場所についてどこを予定しているかといった内容に加え、統合となった場合、制服等の購入に係る御質問や統合前の
高岡中学校への転入学の可否に係る御質問、あるいは登下校時や休日の部活動に参加するためのバスの運行に係る御質問など、統合を前提とした場合に、保護者の立場から危惧される御意見が主なものであったと思います。 しかしながら、なぜ統合する必要があるか等、
統合そのものに対して批判的な御意見は、今回の説明会ではありませんでした。 次に、
中田議員さんからいただいた2回目の御質問のうち、令和5年度中に
高岡中学校改築に本当に取りかかれるのかについての御質問に、お答えします。 令和10年度に改築、移転を行うためには、設計業務を令和6年夏頃から実施する必要がございます。このため令和5年度については、中学校の統合と移転、改築に向けた周知の期間とし、説明会等でいただいた御意見に対して、一定の方向性を示すための期間として位置づけ、計画の
スケジュールに示したものです。 今後も丁寧な説明を行うとともに、いただいた意見に対する具体の対応策をお示しし、
計画どおり進めていけるよう努めてまいりたいと考えておりますので、議員におかれましては御理解と御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。 以上でございます。
○議長(
森田邦明君)
中田勝利君の1問目3回目の質問を許します。
◆14番議員(
中田勝利君) 3回目です。 当然のことではありますが、まず、物事には計画を立て、そして
計画どおりに進めていくのが最善ではありますが、全てにおいてそれが可能かというと、現実はそのように甘いものではなく、思わぬ出来事で予定を変更せざるを得ないこともございます。 どちらにしろ
高岡中学校改築は、
安岡教育長の任期中に取りかからねばならないと思われますので、教育長の改築への思いを最後にお聞かせいただき、質問を終わります。
○議長(
森田邦明君)
安岡教育長。
◎教育長(安岡健二君)
中田議員さんからいただいた3回目の御質問に、お答えします。
土佐市内3中学校が一つの中学校に統合すると、本市における中学校は1校のみとなります。このため
統合中学校に対する市民の皆様や保護者の皆様の思いや願い、そして期待は大きいものがあると思います。 その思いや期待に応えることができるよう、可能な限り教育施設の充実が図れるよう努めるとともに、統合によるメリットが最大限に発揮できるよう努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
森田邦明君)
中田勝利君の2問目の質問を許します。
◆14番議員(
中田勝利君) 2問目の質問をいたします。 「
投票率向上について」を質問いたします。 この関連の一般質問は、私が議員になってから5回目ほどでありましょうか、全国においても土佐市においても、選挙が実施されるたび投票率がほぼ下がっており、よほどの話題性のある選挙がない限り低調ぎみになっております。しかし、そうであるならば、より一層の投票率を上げていく努力と工夫をしなければならないと思われます。 投票において、現在では期日前投票があり、公示・告示の次の日から投票日の前日まで、全国各地の都道府県・市町村で実施されております。ちなみに期日前投票が始まったのは、平成15年12月からで20年ほどになります。現在では、全国の市町村で期日前投票は増えており、当日投票所は減少しているのが現状であります。 土佐市においても、以前は元気で1人で投票所に出かけていた方が、家族の方の助けがないと出歩けない状況で、本人は投票所に行きたいが、市外にいる家族が投票日に来れない場合は行けなかったという方もございました。このような方にとっては、期日前投票は、
市会議員選挙であれば告示日の次の日から、月曜から土曜日まで家族に連れて行ってもらえる日が投票日となるわけであります。 土佐市も高齢化が今後増えていくのは当然のことと思われます。確かに
選挙投票は、日本では強制できないことでありますが、行きたい人が行けない状況は、
投票環境を変えることによって改善できると思われます。 以前、私が
提案的質問をさせていただいた、
投票はがきの裏に期日前投票の宣誓書を印刷とか、商業施設での期日前投票を実施するなど、
投票環境を改善していただいておりますが、選挙は主権者である国民が国の代表を選ぶ。市民がその自治体の代表や声を届ける議員を選ぶ民主主義の根幹である以上、投票率の低さを看過してはならないと思います。投票しやすい環境、投票機会の向上は、非常に重要な取組であると言えます。 そこで質問をいたします。
選挙管理委員会の仕事は、選挙を無事、無事故で終えることや一人でも多くの市民に投票していただくため、今後どういった施策をお考えか、
選挙管理委員長にお尋ねいたします。
○議長(
森田邦明君)
岡林選挙管理委員会委員長。
◎
選挙管理委員会委員長(岡林常雅君) おはようございます。私、土佐市
選挙管理委員会の委員長を務めております岡林常雅と申します。よろしくお願いいたします。
中田議員さんの、一人でも多くの市民に投票していただくために、どういった施策を考えるかについて、お答えします。 まず、近年行われた選挙の投票率についてでございますが、
衆議院議員総選挙では、平成26年は46.81%、令和3年は59.65%と上昇しておりますが、
高知県議会議員選挙では、平成27年は55.94%、令和5年は35.32%に、
土佐市議会議員選挙では、平成30年は58.77%、令和4年は51.28%となっており、選挙の種類にもよりますが、全体的に減少してきております。 一方で、期日前投票につきましては、
衆議院議員選挙では、平成26年は21%、令和3年は35%、
高知県議会議員選挙では、平成27年は20%、令和5年は35%、
土佐市議会議員選挙では、平成30年は26%、令和4年は30%とそれぞれの選挙で上昇しており、期日前投票が定着していることがうかがえます。 このように期日前投票の投票率は上昇したものの、議員御指摘のとおり全体の投票率については減少している状況でございます。この
投票率減少は、当然のことながら私どもも危機感を抱いておりまして、これまでの
中田議員さんをはじめ、皆様からいただきました御意見も参考に、平成24年には
入場整理券の裏面に期日前投票の宣誓書を印刷し、このはがきを自宅などで事前に記入していただいた上で持参していただければ、スムーズに期日前投票ができるように改善したほか、令和3年からは投票日の前日のみではありますが、
市内量販店に期日前投票所を設置するなど、
投票率向上に向けた取組を行ってきたところでございますが、これらの取組も
投票率向上の特効薬となり得ていないのが現状でございます。 私
ども選挙管理委員会といたしましては、選挙期間中に滞りなく事務執行できることと併せまして、投票率を向上させることは大変重要な責務と考えております。 今後におきましては、議員御指摘の期日前投票所の在り方を検討するなど、有権者の利便性の向上や投票しやすい環境整備のほか、将来を担う若者の投票率が低いことから、
教育機関等と連携し出前授業を継続して行うなど、投票率の向上につながる取組を実施してまいりたいと考えておりますので、御理解、御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
○議長(
森田邦明君)
中田勝利君の2問目2回目の質問を許します。
◆14番議員(
中田勝利君) 2回目の質問です。 鹿児島県日置市の
選挙管理委員会では、選挙支援カードなるものを作成し、投票所や期日前投票所で、係員が代わりに
投票用紙に記入する制度や、支援が必要な方で口頭による申出が難しい場合などに使用するものを利用できることや、38か所あった当日投票所を38か所から8か所に集約し、一方で、期日前投票への支援を強化したそうです。このほか投票日当日に
入場整理券に記載されている投票所以外でも、投票できるという仕組みを整備しております。さらに
コミュニティバスや
乗合タクシーの
無料乗車券を、この入場券に印字して配布し、投票所への移動で使えるようにしております。かなり思い切った施策と思われますが、なかなか選挙に行きにくい人たちに向けて、各地域に出向いて一人でも多くの市民に投票してもらおうと、そのような覚悟の表れのように思われます。 土佐市においても、予算的に難しいのであれば、当日の投票所を減らしても、宇佐地域や戸波地域にも期日前投票所を設置すべきではないかと考えますし、いの町のようにワゴン車に投票箱を積み込み、時間差で投票地域を回るなど考えてもいいのではないかと思います。答弁を求めます。
○議長(
森田邦明君)
岡林選挙管理委員会委員長。
◎
選挙管理委員会委員長(岡林常雅君)
中田議員さんの2回目の質問に、お答え申し上げます。 まず、代理投票については、投票所や期日前投票所で
投票用紙に記入する際、候補者の氏名を紙に書いたものなど持参しても構わない旨の説明を行っております。 次に、議員御紹介の投票日当日に、
入場整理券に記載されている以外の投票所で投票できる投票所の設置につきましては、二重
投票防止の観点から全ての投票所を結ぶ
ネットワークの構築が必要となり、多額の費用がかかる等、多くの解決すべき課題もございます。 また、宇佐地区や戸波地区への期日前投票所の増設についてでございますが、議員御承知のとおり、令和3年の
衆議院議員総選挙から、
市内量販店に新たに期日前投票所を設け、当該選挙で526人、令和5年度の
高知県議会議員選挙では442人が投票され、1日に400人を超える投票があり、その効果を感じているところでございます。しかしながら、宇佐地区や戸波地区への設置については、先ほどの
共通投票所の課題とも重なりますが、二重
投票防止のための
ネットワークの構築、
投票所スペースの安定的な確保、投票、
投票用紙の保管場所の確保、増設のために係る多額の費用等、これにつきましても多くの解決すべき課題がございます。 次に、当日の投票所の集約についてでございますが、期日前投票が浸透してきたものの、主に高齢者の方々を中心に、住み慣れた地域で投票したい。なるべく近くで投票したい等の意見もございまして、当日の投票所を集約した上で期日前投票を強化することについては、より慎重な検討が必要であると考えております。 いずれにいたしましても、投票率の向上は全国的な課題でございますが、本市におきましては、一人でも多くの方に気兼ねなく投票してもらうため、量販店での期日前投票日数の増加や複数箇所での開設について、
中田議員御紹介の事例や
先進地事例などを参考に、引き続き検討してまいりたいと考えておりますので御理解、御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
○議長(
森田邦明君)
中田勝利君の2問目3回目の質問を許します。
◆14番議員(
中田勝利君) 3回目です。 ともあれ、各市町村では工夫を凝らし知恵を出し合い、
投票率向上に力を入れているようです。土佐市は、土佐市に合った施策で
投票率向上に力を注いでいただきたいことをお願いいたしまして、質問を終了いたします。ありがとうございました。
○議長(
森田邦明君) 以上で、14番
中田勝利君の質問を終結いたします。 暫時休憩いたします。 休憩 午前10時35分 正場 午前10時35分
○議長(
森田邦明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 続きまして、7番所紀光君の発言を許します。
◆7番議員(所紀光君) おはようございます。7番所紀光でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして質問をさせていただきます。 私は、議員として過去5回の一般質問の場で、様々な質問をさせていただきました。その幾つかの質問の中で、私の思いが最も強い一丁目一番地は、本市の厳しい財政状況の中、いかにして自主財源を確保していくかでございます。何か新しいことにチャレンジをしようとする際に、常に財源が厳しい状況にあるという回答が返ってくることに対し、私はとてもやりきれない気持ちになります。 長期的なスパンで考えなければならない移住者の促進や企業の誘致などによる税収アップも、もちろん大事なことではございますが、短期的なスパンで劇的に税収アップを見込めるふるさと納税については、本市として好調に推移している今こそが、さらなる飛躍への勝負どころでもあると私は考えております。前回質問の後追いの意味も含め、今回も質問をさせていただきたいと思います。 それでは、ふるさと納税の1回目でございます。 先日、2022年のふるさと納税制度に基づく自治体への寄附総額の発表があり、日本全国の合計が、前年比1,352億円増の9,654億円でございました。2023年には1兆円を超す市場となる公算が大きいと言われております。 1兆円ということは、3割を返礼品と考えると3,000億円の売上げの恩恵を全国各地の企業が受けているわけでございます。そして制度の特性もあり、この利益率の高い売上げは、とてもありがたい売上げと言えます。そして、この1兆円市場はまだまだ伸び代があり、当面は続きそうな気配でございます。 また、高知県全体においても寄附額が増加しており、148億円に達しております。 本市におきましても、本年度の目標額7億5,000万円に向けて、ここまでは順調に推移していると思われます。 そんな中、ふるさと納税制度のルールが10月から変更になります。地場産品としての該当するのかどうか曖昧な返礼品が増えてきているため、基準を厳しくするというものであり、また、集めた寄附の多くを過剰に経費に回している自治体もあることから、その改善を図るものでございます。 基本的に寄附額の50%以下が経費になるように定められておりますが、経費の範囲が曖昧だったこともあり、経費に該当するはずのものを、別の名目として経費以外の処理をすることで、返礼品や納税金額にお得感を出している自治体も多く見られており、このことに対しルールを厳格化する形となります。全国各地の自治体が、ふるさと納税に対する寄附額の増加を図るために、ルールを都合のよい方向に自己解釈し運営を行っている現状が問題となっているようでございます。 そこで、所管課長にお伺いいたします。次の3点の質問にお答えください。 一つ目、10月から行われるルールの改正について、本市において修正すべき箇所はございますか。また、これによる寄附額への影響はございますか。二つ目、本市においては、5月から6月にかけて新居地区観光交流施設の騒動を受け、SNS上で土佐市のふるさと納税には寄附をしないという運動にまで発展しておりましたが、それらの影響は実際にどうであり、本年度の目標額への達成見込みはどのような状況でしょうか。三つ目、今後さらに寄附額を伸ばしていくためには、何をしなければならないとお考えでしょうか、お聞かせください。
○議長(
森田邦明君) 矢野産業振興課長。
◎産業振興課長(矢野康孝君) おはようございます。所議員さんからいただきました「ふるさと納税について」の御質問に、お答え申し上げます。 1点目の10月からのルール改正及び寄附額への影響についてでございますが、所議員さん御指摘のとおり、制度改正により10月からふるさと納税制度の見直しが行われる予定となっております。改正内容といたしましては、ふるさと納税に係る地場産品基準及び募集適正基準の改正となっております。 まず、地場産品基準についてでございますが、ふるさと納税制度において自治体が提供する返礼品につきましては、総務大臣が定める基準を満たす必要があり、自治体の区域内で生産・加工・製造または提供されるサービスでなければなりません。 返礼品として人気のあるお肉やお米の中には、海外や県外から仕入れたお肉・お米を自治体内で熟成・精米したものもあり、これらの返礼品については、地場産品基準への適合性に疑義があるとして、原材料が当該自治体と同一の都道府県内産であるものに限定されることとなりました。本市におきましては、地場産品基準の改正に伴い、見直しが必要となる返礼品の取扱いはございません。 次に、募集適正基準についてでございますが、ふるさと納税では、返礼品の調達費用や返礼品の送付に係る費用、返礼品等に係る情報をポータルサイトに掲載するための費用といった寄附金の募集に要する経費を、寄附金の50%以下にする必要がございました。しかしながら、寄附金に係る受領証の発行事務に要する費用、ワンストップ特例に係る申請書の受付事務に要する費用といった寄附金を受領した後に発生する事務に係る経費や、ふるさと納税以外の業務も兼務している職員の人件費については、募集適正基準に含まれておりませんでした。 今回の改正により、今まで募集適正基準に含まれていなかった経費も含めて寄附金の50%以下にする必要があるため、経費削減や寄附金額を引き上げるなど対策の必要が生じております。 しかしながら、寄附金額を引き上げた場合、寄附額が減少する可能性もございますので、影響が最小限になるよう努めなければなりません。 また、10月の制度改正までに駆け込みでの寄附が想定されますので、機会を逃すことがないよう寄附金額増が見込める効果的なタイミングに、メールマガジンなどの宣伝広告を行うなど、リピーター確保へとつながる対策を充実させ、集客力向上を図ってまいりたいと考えております。 続きまして、2点目の新居地区観光交流施設に関する問題による影響、目標額の達成見込みにつきまして、お答え申し上げます。 令和5年4月から8月末までの寄附金額につきましては、前年同月と比較して213%となっておりまして、令和5年度の目標金額である7億5,000万円に向けて、順調に推移しているところです。また、ふるさと納税寄附額への影響についてでございますが、SNSによる拡散がございました5月単月で見ましても、前年同月と比較して172%となっておりまして、その影響はないものと考えております。一方、8月単月で見ますと、前年同月と比較して274%となっており、10月の制度改正前の駆け込みによる寄附が一定含まれているものと考えております。 ふるさと納税の繁忙期と言われる10月から12月は、制度改正後となっており、例年どおりの寄附が見込めない可能性もございますので、先ほども申し上げましたが、制度改正による影響が最小限となるように努めてまいりますので、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。 3点目の今後さらに寄附額を伸ばしていくためには、何をしなければならないのかとの御質問につきましては、産業振興課では、これまで三つのポイントをもって寄附額を伸ばす取組を行っております。 一つ目は、ふるさと納税のポータルサイトを増やすことでございます。ふるさと納税のポータルサイトは、多くの寄附者の皆さんの入り口となるものです。その間口を広く構え、ポータルサイトを閲覧者の目に留まる機会をつくるという意味で、効果が期待できるポータルサイトを増やしてまいります。本市におきましても、今年度に入って3件増やし、現在は8サイトに出店しておりますが、今後も情報を収集しながらサイト数を増やしてまいります。 二つ目は、出展品目を増やすことでございます。御寄附いただく方につきましては、老若男女、単身者から家族がいる方、住所が北海道から沖縄までと多様ですので、それぞれ御寄附いただく方のニーズにお応えできるように、食品から日用品まで幅広く品目を充実させること。また、同一品目でも容量違いや定期便など、選択肢を多く準備することを大切に努めているところでございます。品目を多く準備することは、令和3年度に経験いたしました、本市を代表する農作物の不作により大きく寄附額を落とした教訓からも、寄附額を維持するためのリスクマネジメントになり得ると考えております。 三つ目は、リピーターの確保でございます。ふるさと納税では、新たな寄附者の獲得はもちろん大切でございますが、寄附を多く集めている自治体の多くは、6割程度がリピーターであるというデータがございます。本市では、昨年度から御寄附いただく方が増加しておりますので、その方々にリピーターとして再度御寄附いただけるように、今後は定期的にメールマガジンを配信することで市の情報を発信し、引き続き土佐市を応援してもらえるように取り組んでまいります。議員におかれましては御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○議長(
森田邦明君) 所紀光君の1問目2回目の質問を許します。
◆7番議員(所紀光君) 矢野課長、御答弁いただきありがとうございました。 一つ目のルール改正については、特に問題がないとのこと。二つ目の新居地区観光交流施設の騒動による影響も特になく、目標金額に向けて順調に推移しているとのこと。三つ目の今後の対策につきましては、単純にネット通販ビジネスにおいて、重要と言われている手法をどれだけ重ねていけるかということでございました。 このたびの騒動における影響はさほど受けなかったようでございますが、たった一つの言動で一夜にして好転したり転落したりするのが、ネット通販ビジネスの怖いところでございます。十分に御認識の上、さらなる高みを目指し頑張っていただきたいと思います。 それでは、2回目の質問に移ります。 8月18日の高知新聞に掲載されておりましたが、ふるさと納税において寄附金の具体的な使い道と目標金額を示した上で支援を募る、ふるさと納税型クラウドファンディングが高知県内でも急速に伸びているようでございます。現行のふるさと納税の制度については、返礼品ビジネスとも言われており、本来の制度の趣旨と照らし合わせると若干のずれが生じているように思います。もちろん返礼品が動くことで、地域に産業が育ち、経済が活性化している面もあるのですが、返礼品目当ての寄附になってしまうと、消費者は損得勘定で寄附先を選定することになりがちです。本来でしたら、被災地への支援や自治体の政策に感銘を受けて応援するなどの寄附行為が、ふるさと納税の従来の趣旨であったかのように思います。 そんな中、寄附金の具体的な使い道と目標金額が示されているふるさと納税型クラウドファンディングは、本来の趣旨により近い形と言えるのではないでしょうか。そして、このシステムはどのような取組を表題に掲げ、いかに納税者の共感を得ながら応援したいと思っていただけるか。つまり募集のかけ方が大変重要であるため、市職員の腕の見せどころでもある、そんな制度かと思います。 もし仮にクラウドファンディングを活用する場合、納税者に対して共感や応援を得やすいキーワード、これが大きく分けて三つあると私は考えております。 まず、土佐市ならではのローカル感があふれているということが大前提となりますが、一つ目は、本市の魅力を存分に発信できる観光事業、そして二つ目は、語り継がれるべく伝統や文化、そして三つ目が、守られるべく環境や資源の保護、この三つのキーワードには寄附が募りやすいと考えております。 そして、これらのキーワードに関する要望や提案が、市民や
地域コミュニティーからの声として寄せられた場合には、積極的にクラウドファンディングの活用も検討すべきであると私は考えております。 ただし、一点御注意をいただきたいのは、ふだんから行政がやるべき仕事内容を、そのまま単にクラウドファンディングに落とし込んでも、納税者の共感はなかなか得られません。よって、未来に向けたストーリー性のある取組に、これらに対して前向きな活用を検討していただきたいと思います。 少々、提案型の質問となってしまいましたが、本市としても、ぜひクラウドファンディングのような新しい納税制度も活用しながら、少しでも寄附額アップを目指していただきたいというのが私の思いでございます。 そして、ここからは、ふるさと納税の使い道について言及してまいりたいと思います。 先日、久々に宇佐地区で行われた大鍋まつりや港まつり、そして高岡地区で行われた大綱まつりに参加してまいりました。それぞれのイベントでは、市民の皆さんが待ち望んでいたかのような大盛況で、とにかく笑顔があふれ、市民の皆さんにとても大きな活力を与えていたように思われます。 そんな中、今年度のこれらのお祭りに対する土佐市からの助成金は、各お祭りに対してそれぞれ55万円ずつだと伺っております。他の市町村のイベントと比較しても、もう少し手厚くしてもよいのではないでしょうか。 港まつりにおける運営の内情を申し上げますと、とにかくレンタル備品から警備費まで、全ての価格が以前よりもかなり高騰しており、そんな中、実行委員のメンバーは、決して景気がよくないこの状況下で寄附集めに回り、コロナ前に開催したとき以上の寄附金を頑張って集めてきております。また、実行委員のメンバーに運営の負担が集中し過ぎないような、持続可能なイベントの運営体制を目指そうとすると、その部分でも当然経費が加算されてまいります。 先ほど挙げた本市の三つのお祭りに限らず、その他のイベントも含め、助成する金額を少し見直してもよいのではないでしょうか。もちろん本市独自でイベントに対する助成金を手厚く支給することも結構ですが、このようなイベントこそ、ふるさと納税からの寄附金を十分に活用できるのではないでしょうか。 長年行われてきたこれらのお祭りは、土佐市にゆかりがある人もそうでない人もきっと応援してくれるであろう、先ほど申し上げた三つのキーワード、観光、伝統や文化、環境や資源の保護、これらの全てに当てはまる貴重な土佐市の財産であると言えます。 そして、本市の貴重な財産ということで言うと、アサリの再生事業についても、三つのキーワード全てに当てはまる、多くの方が応援してくれる事業と言えるのではないでしょうか。 アサリの再生事業については、国や県の助成金が減っている中で、本市としてふるさと納税を活用することは、一つの活路にもなると考えております。この事業については、クラウドファンディングに落とし込むということもありかもしれません。 先日、配付された令和4年度のふるさと納税の運用状況についての資料を拝見しました。令和4年度は3万8,587名の方が、それぞれの考えに合った事業区分に思いを託し寄附をされております。その寄附金は、一旦、土佐市まごころ応援基金へ移され、その後、事業で使い切らなかった余剰金は、積立てとして繰り越されていると伺っております。決して積み立てることが悪いわけではございません。ふるさと納税に関しては、本市としても投資的経費も使いながら、順調に寄附額を伸ばしてきた経緯がございます。そういった意味でも、この寄附金の使い道に関して、ぜひチャレンジ的な投資的経費にも、積極的に御活用いただきたいというのが私の思いでございます。 そこで、市長にお伺いいたします。 1点目、ふるさと納税型クラウドファンディングについて、ぜひやらない手はないと私は考えますが、市長のお考えはいかがでしょうか。また、行うとすればどのような活用法をお考えでしょうか。二つ目、ふるさと納税の活用も含めたイベントに対する助成金の拡充についてどのようにお考えでしょうか。三つ目、アサリの再生事業におけるふるさと納税の活用については、どのようにお考えでしょうか。そして、四つ目、ふるさと納税の積極的な投資的経費への活用について、市長のお考えをお聞かせください。
○議長(
森田邦明君) 板原市長。
◎市長(板原啓文君) 所議員さんからいただきましたふるさと納税型クラウドファンディングの活用方法についての御質問に、お答え申し上げます。 所議員さん御提案の、ふるさと納税型クラウドファンディングは、特定の事業を支援するクラウドファンディングをふるさと納税の仕組みの中で行うもので、県内でも2022年度、県をはじめ4市町村で11件の事業がこの仕組みで行われております。中でも、最も多くの寄附金を集めた芸西村の特徴は、村が主体となって行う事業の支援ではなく、村が公募して選定した民間事業者の活動を支援しているものでございます。 このような新たな仕組みでのふるさと納税の手法も、今後、本市におきましても研究をし、他市町村の実例に学び、検討していかなければならないと考えております。 一方、現行のふるさと納税制度の充実も必要と考えております。本市
ホームページのふるさと納税に関するページには、ふるさとの美しい自然を守りながら市勢発展のため、応援と御協力をと掲載させていただいております。その言葉の意味には、昔の記憶のままの自然豊かなとさしを願う想い、友と笑い汗を流した学び舎への感謝の想い、生まれ育ったまちを災害から守りたい想いなど、御寄附いただいたお一人お一人のふるさと土佐市への想いを、市勢発展のため大切に使わせていただく誓いの言葉でもございます。 現在、本市へふるさと納税にて御寄附いただく際には、七つの事業区分から寄附金の使途を御選択いただき、寄附者の御意向に沿った事業へ活用させていただいております。 多くの御寄附をいただいております寄附者の御意向を大切に、また所議員さんから御提案のありました、未来に向けたストーリー性のある取組も含め、本市ふるさと寄付条例の目的である、活力ある地域社会の実現に向けて取り組んでまいりますので、御理解賜りますようお願い申し上げます。 次に、イベントに対する助成金の拡充について、お答えをいたします。 様々なイベントを開催することで、市内外からの誘客をはじめ、
地域コミュニティーの結束を高めるなどの効果が見込めるため、市がイベントへの助成を行うことは、地域活性化に貢献する重要な取組であると理解をしております。 本年度に入り大鍋まつり、大綱まつりや港まつりなどイベントが復活しており、多くの皆さんに御来場いただき、その様子を拝見して大変うれしく感じたところでございます。改めまして、イベント実行委員会の皆様への御尽力に敬意を表しますとともに、御参加いただいた皆様に感謝を申し上げます。 今後におきましても、10月1日に開催予定のとさ健康フェスタや11月3日開催の産業祭など、本年度から新たに開催するイベントもございますので、議員各位をはじめ、市内外から多くの方に御参加いただけるよう、市といたしましてもPRをしてまいりたいと考えております。 各イベントへの具体的な助成内容につきましては、イベントの特性や地域のニーズ、その目的や効果により助成額の検討を行っておりますが、人口減少などにより、同じ規模のイベントを維持するだけでも難しい時代となってきております。 厳しい財政状況ではありますが、イベント費用を助成することにより、市全体の活性化や文化の継承につながっていくことから、まずは多くの土佐市ファンを獲得し、ふるさと納税を増やすよう取り組んでまいります。ふるさと納税を活用し、土佐市の伝統的なイベントが50年、100年と続くイベントとなるよう取り組んでまいりますので、議員各位におかれましては御理解賜りますようお願い申し上げます。 次に、アサリの再生事業におけるふるさと納税の活用について、お答え申し上げます。 アサリの再生事業は、本市における重要な施策であり、枯渇した宇佐のアサリという高いブランド力のある水産資源を取り戻すことにより生まれる効果は、漁業関係者の所得向上のみならず、本市の魅力ある観光資源ともなり宇佐地区の発展に大きく寄与することから、将来的な宇佐のまちづくりにおいても欠かせないものとなります。 本市といたしましては、平成21年から宇佐地区協議会が、天皇洲において行っている被せ網の設置・交換によるアサリ稚貝の沈着促進、アカエイ等による食害からの保護といった取組を支援しているところでございます。 また、宇佐地区協議会は、次の段階として、堆肥化促進剤を使用し底質改善を行い、沈着したアサリ稚貝の成育促進にも取り組みたいと考えているとのことでございます。 今後の予定としましては、宇佐地区協議会には、取組により成育したアサリを活用し、アサリの販売や潮干狩り体験等が実施可能となる組織にステップアップしていただき、国等からの補助金では対応が困難な事業内容につきましては、ふるさと納税を有効活用して支援をしてまいりたいと考えております。 次に、積極的な投資的経費への活用につきましては、今後予定しております統合保育園の整備や
高岡中学校改築などにおいて、有効に活用していきたいと考えております。 本市におきましては、ふるさと納税の寄附金は、活力ある地域社会を実現するため、また、災害に強いまちづくりや豊かな自然環境保全、
教育環境・人づくり、福祉・健康づくり、産業・経済・観光づくりに関する事業などの財源として活用しております。所議員さんがおっしゃられるとおり、本市の厳しい財政状況におきましては、ふるさと納税は市の様々な施策を実現するための手段として重要な役割を果たす制度であると認識をしております。 しかしながら、一方で、その収入はあくまでもその年度にどのくらいの寄附が集まったかという臨時的、一時的なもので、恒久的・安定的な財源ではなく、財源としては不安定であるため、毎年経常的に必要な事業に充当するということではなく、基本的には、一旦は基金に積み立て、このような収入の性質を理解した上で、寄附者の意向に沿った形で使用していきたいと考えておりますので、議員各位におかれましては御理解賜りますようお願い申し上げます。 以上でございます。
○議長(
森田邦明君) 所紀光君の1問目3回目の質問を許します。
◆7番議員(所紀光君) 市長、御答弁いただきありがとうございました。 一つ目のふるさと納税型クラウドファンディングに関しては、本市ならではの特徴ある提案がある場合には、ぜひ御活用いただきたいと思います。そして大事なことは、こういった制度の活用もきっかけにしながら、ふるさと納税全体を盛り上げていくっていうことが重要だと思いますので、引き続きさらなる高みを目指して頑張っていただきたいと思います。 二つ目と三つ目のイベントに対する助成と、アサリの再生事業に対する助成については、私の思いが一定程度御理解いただけたように感じます。限られた財源の中でのやりくりです。あれもこれもというわけにはまいりませんが、しっかり吟味しながら御検討いただけたらと思います。 そして、四つ目の積極的な投資的経費への活用につきまして、先ほど例題に挙げていただきました統合保育園の整備や
高岡中学校の改築などは、関連する事業内でのお話になりますので、その他の事業区分におきましても、十分に吟味しながら御検討いただきたいと思います。 私の思いは、ふるさと納税による寄附金で、大それたチャレンジ的な大冒険をしてほしいということを申し上げているわけではございません。今まで本市の財政上なかなか優先して回すことができなかった投資的経費の部分に、少しでも多く活用されたらという思いで質問をさせていただきました。ぜひ積極的な御活用をお願いしたいと思います。 それと、最後に少し補足ですが、本市の
ホームページのトップページから、ふるさと納税に関する入り口がとても分かりにくいように感じます。入り口が分かりやすいように、見せ方の改善をお願いしたいと思います。特にクラウドファンディング型や企業版ふるさと納税への入り口が分かりにくいと、機会損失にもつながります。こういったささいなことがとても重要だと思われますので、どうぞよろしくお願いいたします。 以上で、1問目の質問を終了いたします。
○議長(
森田邦明君) ただいま、7番所紀光君の質問続行中ではございますが、ここで10分間休憩いたします。 休憩 午前11時15分 正場 午前11時25分
○議長(
森田邦明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 所紀光君の2問目の質問を許します。
◆7番議員(所紀光君) 2問目の質問は、「火葬場の整備実現について」でございます。 火葬場の整備につきましては、もともと市長の公約にも挙がっており、東日本大震災での火葬をめぐる混乱や、新型コロナウイルスが蔓延した際の火葬の順番待ちの大渋滞の状況を踏まえますと、特に必要性が増している施設の一つであるかと思います。 8月27日の高知新聞で、日本全国での広域火葬計画において、最後に残っていた福島県が策定をしたことで、47都道府県の全ての計画が出そろったという記事がございました。被災地の中だけで行う火葬へ対しての対応については限界があり、これによって周辺自治体との連携機能が高まったことになります。 とはいえ、本市においては南海トラフ地震の発生による家屋の倒壊だけでなく、津波による甚大な被害が想定されている地域であり、周辺自治体との連携だけでは、心もとないと言えるのではないでしょうか。 さらに厚生労働省の人口動態統計によりますと、年間の死亡者数が、近年は毎年戦後最高を更新している状況であり、今後も当面の間、増え続けることが安易に予測できます。 そういった状況の中、板原市長は危機感を持たれ、何としてでも本市管理の火葬場を整備したいと思われたのではないでしょうか。私自身も全く同じ思いでございます。 高知県内には14か所の火葬場があり、市町村内または連携での設置も含め、自前の火葬場がないのは6市町村のみでございます。本市といの町、日高村、大川村、大月町、三原村の6市町村でございます。そんな中、本市としても単独で整備する方法の模索や、また、広域設置を目指しながら近隣の自治体との協議を行ったりはしているが、それぞれ自治体の実情の違いもあり、実現へのハードルの高さを実感していると伺っております。 令和2年の6月議会において、糸矢議員の火葬場整備の進捗状況における質問に対し、市長は、その必要性は十分認識しており、安易に諦めることなく、粘り強く調査、研究、検討を重ね、具体化に向け取り組まなければならないと考えていると御発言されており、まずは行政が一定の可能性を見いだすとも言及されておりました。 その後、令和4年の9月議会では、再度、糸矢議員からの同じく進捗状況を伺う質問に対し、現在のところ方向性を見いだすところにまで至っていない。昨年度に火葬場を持たない日高村、いの町と火葬場建設にかかわる勉強会を開催し、課題について、検討や意見交換会を行った。引き続き勉強会を行い、現状の課題などを共有しながら、火葬場建設の方向性を見いだせるよう進めていると御答弁がございました。 この課題においては、今お話ししたやり取りのところだけでも3年以上が経過しており、遡りますと7年前から同じような答弁のやり取りが続いているように感じられます。 長い年月が経過しておりますが、何か具体化されたことはございますでしょうか。また、行政として一定の可能性を見いだすことはできたのでしょうか。水面下では一定程度進んでいて、我々に情報がおりてきてない部分もあるかもしれませんが、この火葬場の整備に対する進捗状況が停滞しているように私には見受けられます。 東日本大震災において、亡くなられた方々の火葬が追いつかないことから、不本意ながら致し方なく仮埋葬という形の土葬が行われてきた現状、土葬から亡きがらを引き上げた際は、遺族ととても御対面できるような保存状態ではなかった、そんな現状を目の当たりにしながら、板原市長におきましても過去の教訓を生かし、危機感を持って自前の火葬場の整備を、何としてでも実現させなければならないという思いであったかと思います。 残された遺族が安らかな気持ちで御遺体と接することができる、最期のお別れの場をしっかりと提供することは、行政の重要な役目でもあると考えております。 そして、板原市長は次期市長選への立候補を表明されており、後援会の今後の考え方を示したリーフレットにも、火葬場の整備実現が明記されております。 そこで、市長にお伺いいたします。改めて板原市長が思われる火葬場の必要性についてお聞かせください。
○議長(
森田邦明君) 板原市長。
◎市長(板原啓文君) 所議員さんからいただきました火葬場整備実現についての御質問に、お答え申し上げます。 火葬場につきましては、大規模災害時の大きな心配事項でもある点もさることながら、市民誰しもが必ず必要となる施設でありながら、本市にないために一部助成制度はあるものの、他団体の市民の皆さんよりも多くの御負担をいただいている現状があること。また、議員さんおっしゃられましたとおり、高知県内におきましても、多くの市町村が整備済みとなっており、その必要性は高いものと認識をしております。しかしながら、財源の問題であるとか、また、建設場所の選定、広域実施の検討など多くの課題がある中で、まだまだ調査検討の域を脱しておらず、議員各位にお示しできる方向性は、いまだ見いだせていないのが現状でございます。 以上でございます。
○議長(
森田邦明君) 所紀光君の2問目2回目の質問を許します。
◆7番議員(所紀光君) 板原市長、御答弁いただきありがとうございました。 以前と変わらない火葬場整備への強い思いを
確認させていただきました。そして御答弁いただきましたその他の内容の部分につきましては、7年前とさほど変わっていないように感じられます。今後、ここからどのように進めていくのか。このことが最も重要でございます。 それでは、2回目の質問に移ります。 火葬場の整備のような財政負担の大きい施設は、財政状況が厳しい本市において、コスト面から見ても優先順位が低くなりがちです。そして整備への取組を進めていく中で、問題を解決することが困難な高い壁にぶつかった際には、さらに優先順位が下がることも予測されます。 今すぐに必要でないということも事実かもしれませんが、近い将来、本市管理の火葬場がない状況では、十分な対応ができなくなるということも事実でございます。ましてや南海トラフ地震が明日にでも発生する可能性がゼロではないということを考えますと、火葬場の整備は喫緊の課題であると考え、今すぐにでも取り組むべき大切な施策の一つであると考えます。 市長におきましては、本市に対する危機感を持った形で、火葬場の整備を公約に挙げられたと思いますので、この取組に関する進め方についても、危機感を持った動きが求められるのではないでしょうか。この取組に対する時間の猶予はございません。そして、課題の多い事案に対しては、一つ一つ問題を解決しながら進まないことには、次にやるべき目標が定まりません。一つの問題に対し解決への期限も設定しながら、一歩ずつ次のステップへ進めていくことが重要でございます。また、こういった課題の多い取組に対し、方針を明確にし、めどをつけながらやり遂げていくということが、市長の唱えておられる改革や成長という部分にもつながるのではないでしょうか。 そこで、市長にお伺いいたします。 火葬場の整備に向けた粘り強い調査や研究、検討を行う時間は十分にあったかと思います。その経過も含め今後の方向性や計画を、次の六つの質問に沿った形で、具体的かつ明確に示していただきたいと思います。 一つ目、近隣の自治体と連携しながら、広域設置での火葬場が実現できる可能性はあるのでしょうか。二つ目、もし広域設置に向けて近隣の自治体との調整が進まない場合、さらに粘り強く交渉を行うことで、道が開ける可能性があるのでしょうか。三つ目、また、その可能性が少ない中、粘り強い交渉を行うとしたら、どれぐらいの期間をめどに交渉を続けるつもりでしょうか。四つ目、その交渉も難航し広域設置での路線が完全に消えた場合、本市での単独の設置は目指せるのでしょうか。五つ目、単独の設置を目指す際に、使用地の確保や費用を捻出できる可能性はあるのでしょうか。最後、六つ目、火葬場については、広域での設置か単独での設置の二択以外の選択肢はないと思います。これらの全ての問題の解決には、どれぐらいの期間を要するとお考えでしょうか。 これらのことが明確にできてこそ、前に進めることが可能になると考えます。公約に挙げられている取組であれば、なおさらのことだと思います。 以上につきまして、答弁をお願いいたします。
○議長(
森田邦明君) 板原市長。
◎市長(板原啓文君) 所議員さんから再度いただきました御質問に、お答え申し上げます。 まず、広域での火葬場整備の実現可能性に関する1点目と2点目の御質問に関しましては、これまで近隣自治体に対し、私からも非公式とはなりますが打診を行っている経過もございまして、本年度も担当所管が打合せに伺ったとの報告は受けておりますが、現状においては、これまでと変わらず、実情の違いから広域整備の可能性は実感できるレベルに達していないと考えております。しかしながら、広域での火葬場整備は双方の住民福祉の向上につながるため、引き続き可能性を模索していきたいと考えております。 また、3点目は、どれくらいの期間をめどに打診を続けていくのか。4点目は、広域での設置可能性がなくなった場合、本市独自設置の検討も行うのかとの御質問でございますが、広域もしくは単独での設置検討は同時に行っていく必要があると考えており、また、5点目の御質問である単独設置の場合の設置場所や必要予算のめどもその検討、判断材料の一つであると考えております。 担当所管からは県内の火葬場情報の収集やメーカーヒアリング等を行い、資料作成を改めて行っているとの報告も受けておりますが、しかしながら、火葬場整備につきましては、一般的
公共施設等の整備とは異なり、立地周辺住民の皆さんの理解を得る取組の大変さなど大変デリケートな事業であり、必然的にボタンの掛け違いにならないための慎重さが、円滑な進展にとって重要でございます。 6点目に、検討期間のめどについての御質問もございましたが、現状において明確にお答えすることは困難でございます。当然、私の次期公約にも位置づけるつもりではございますし、次の機会をいただけるのであれば、その期間中において一定の方向性を見いだせるよう邁進してまいる所存でございます。議員さんにおかれましては御理解賜りますようお願い申し上げます。
○議長(
森田邦明君) 所紀光君の2問目3回目の質問を許します。
◆7番議員(所紀光君) 市長、御答弁いただきありがとうございました。 今日この場で全ての回答が出そろうとも思っておりませんが、一定の期限を定めた形で、目標に向かって進むことは大変重要なことでございます。一歩でも前に進めていただきながら、今後、その進捗状況について、我々議員にも経過報告をいただきたいというふうに思っております。 私は、仕事をする上でよく行っている
確認作業がございます。今から1年前を振り返り、昨年の状況と今年の状況を見比べ、変化した内容を口に出して言うことができるかどうか、自問自答をする作業でございます。そして、この1年間での変化を口に出して言えない場合は、1年で何も進化や成長してないという判断を私は下します。こういったことを意識しながら仕事をするだけでも、仕事の進みが随分変わるものでございます。 ぜひ火葬場の整備につきましては、停滞することなく少しでも前に進み続けていただけるようお願いを申し上げまして、2問目の質問を終了いたします。
○議長(
森田邦明君) 以上で、7番所紀光君の質問を終結いたします。 昼食のため、午後1時まで休憩いたします。 休憩 午前11時46分 正場 午後 1時 0分
○議長(
森田邦明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 続きまして、6番宇賀裕生君の発言を許します。
◆6番議員(宇賀裕生君) こんにちは。6番宇賀裕生でございます。議長の発言の許しをいただきましたので、通告書に従い質問をいたします。 私、今回は農地法、農業経営基盤強化促進法の改正法に伴う本市の取組について伺うものでございます。2023年、本年の4月より農地法が改正されまして、農地の取得に対し下限面積要件が撤廃することとなりました。このことによりまして、今後、本市農業政策をいかに進めていくかを問うものでございます。 そもそも今までの農地法におきましては、耕作者自らが農地を所有することを最も適当としまして、耕作者の地位と安定、農業生産力の増進を図ることを目的に1952年に制定しております。 戦後間もない1946年頃から始まりました農地改革では、176万戸の地主から、在村地主の1ヘクタールを超える小作地を国が強制買収しまして、さらに自作農の農地保有も、都道府県は3ヘクタール、北海道は12ヘクタールと上限に制限しまして、買収した農地を小作農へ売り渡しました。 その結果、自作農が全国で475万戸と自作農が新たに誕生しまして、農地法はこの成果を固定するために、農地の譲渡や貸借などの権利移動、転用について制限を設けたものです。下限面積もその一つだと思います。 その後、1961年の農業基本法が制定されまして、農業の近代化、都市勤労者との所得均衡を目的に規模拡大を推奨するために、自作農の土地の保有制限の上限面積が1970年に撤廃されております。 そして1990年以降になりますと、高齢化による農村農業の担い手不足や遊休農地の増加が顕著になってまいりました。今はさらに顕著になっておりますが、1993年、農業経営基盤強化促進法が制定されまして、利用権の設定による農地の貸借が定着しまして、農地の流動化が活発になり、担い手への農地集積が進むことになっております。 2000年になりますと、政府は国際競争力のある大規模経営への方針と、耕作放棄地の増加を背景に、一般企業の農業参入が段階的に認められるようになりまして、2009年にはリース方式による企業の参入が全国どこでも可能になってきました。 このときと同時におきまして、都道府県は50アール、北海道は2ヘクタールとされた下限面積を市町村の農業委員会が別段の面積といたしまして、特例的に変更するようになってきました。ちなみに土佐市は40アールでありましたが。 この2023年4月より人・農地プランを改め、地域計画を市町村に求める農業経営基盤強化促進法の改正法が施行され、高齢者や人口減に伴う農家の減少と耕作放棄地の拡大が懸念されておりますが、地域計画を定めた法改正とともに、農地取得の下限面積の要件が撤廃することとなっております。 様々な時代背景の下、農地に関しての取扱いが変わってまいりました。この改正法による土佐市の地域計画はどのような方向で策定されまして、今後、市農業政策はどのような形で進めていくかを、産業振興課長に問うものでございます。
○議長(
森田邦明君) 矢野産業振興課長。
◎産業振興課長(矢野康孝君) 宇賀議員さんからいただきました農地法、農業経営基盤強化促進法の改正に伴う取組について、お答え申し上げます。 農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律が、令和5年4月1日に施行されたことに伴い、農地法の一部が改正され、農地取得時における下限面積要件が廃止されました。法改正の理由といたしましては、農業者の減少・高齢化が加速化する中にあっては、認定農業者等の担い手だけではなく、経営規模の大小にかかわらず、意欲を持って農業に新規参入する方々を地域内外から取り込むことが重要であり、農地等の利用を促進する観点等から、下限面積要件を廃止したとされています。 また、地域農業の将来の在り方を示した地域計画につきましても、農業経営基盤強化促進法の一部を改正する法律に基づき法定化されることとなりました。地域計画の前身となる人・農地プランは、平成24年度に国が事業をスタートさせ、高齢化や農業の担い手不足が心配される中、地域や集落の話合いに基づき、5年後、10年後の地域内の農業において、中心的な役割を果たすことが見込まれる農業者と、当該地域における農業の在り方などを明確化することが目的とされ、本市におきましても、令和3年度から令和4年度にかけまして、市内8地区におきまして人・農地プランを策定いたしました。 この人・農地プランをさらに進める計画が地域計画であり、地域の農業者や関係者が話し合って、将来の農地利用の姿を明確化する地域計画を市町村が定め、それを実行するべく、地域内外から農地の受け手を幅広く確保しつつ、農地中間管理事業を活用した農地の集積・集約化など農地利用の最適化を進めることとなりました。 地域計画は、10年後の将来の農業の在り方や、誰がどの農地を利用していくかを、1筆ごとに定めた目標地図を含む農地活用の未来設計図を作成する計画であり、本市におきましては、宇佐、新居、高石、高岡、蓮池、波介、北原、戸波の8地区で策定を予定しております。 現在の進捗状況といたしましては、8地区のうち新居地区と宇佐地区において業務を進めておりまして、うち新居地区を本市のモデル地区として選定し、農業委員会の地元委員さんの御協力をいただきながら先行して取り組んでいるところです。 また、並行して地区の農地の所有者と耕作者の情報を1筆ごとに整理を進めており、10月をめどに農業経営や農地利用について、意向アンケート調査を行うこととしております。その後、意向アンケート調査の結果を集計いたしまして、地区ごとに地域での話合いの場を持ち、10年後にその地区の農地をどのようにしていくのかを目標地図として作成し、地域計画の素案を作成していくこととしております。 農地法改正に伴う下限面積要件の撤廃は、取得後の農地の適正利用や短期での転用など懸念される点も多くございます。 一方、小規模であっても農地を取得しやすくすることで、家庭菜園や小規模な農園など、市民の多様な農業への関心の高まりに対応し、農地の利用方法や経営形態の選択肢を広げることも期待されております。 地域内外から農地の受け手を幅広く確保することで、新たな担い手の確保や耕作放棄地の減少など、本市の農業施策における課題解決へと導くことができるよう、地域計画の策定を進めてまいりますので、議員におかれましては御理解、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
○議長(
森田邦明君) 宇賀裕生君の1問目2回目の質問を許します。
◆6番議員(宇賀裕生君) どうも御答弁ありがとうございました。 この下限面積の撤廃において、確かに耕作者の方、先ほど言いました家庭菜園の方とかいろいろな方が増え、耕作放棄地も減少するかもしれません。しかし、小面積の借地や売買が増えることで、違法転用や相続後の新たな遊休農地の農地化などの不安要素も心配されるところではございますが、適正な農地利用の指導をお願いをいたしまして、私の1問目の質問を終わります。
○議長(
森田邦明君) 宇賀裕生君の2問目の質問を許します。
◆6番議員(宇賀裕生君) 2問目の質問を行います。「農業生産費高騰に伴う支援について」ということで、農業生産費の高騰に伴う支援について伺います。 土佐市の基幹産業の一つであります農業におきまして、依然高騰する生産費、生産物への価格転嫁が進まない現状、自助努力だけでは農業所得が確保できない大変厳しい現状になっております。 国の支援である燃油価格高騰対策につきましても、価格の上昇に伴い生産者の負担が増え、農業所得が確保できていっておりません。そして、また、農業生産に欠かせない肥料、農薬におきましては、昨年、約44%ほど価格が上昇しましたが、今年この秋からも、その価格が下がることなく推移しているのが現状でございます。 また、その原因であります国際情勢の不安定化は今さらなお続き、先行きが見通せない状況にあります。しかし、この国の支援におきましては、9月で終了予定でありました燃油価格激変緩和事業補助金が、支援策として継続することが決定しておりますし、土佐市としても、この3月に奨励金措置を議会決議しまして、農家の方へ支援に取り組んでいただきました。産地を守ることこそが食の安全保障につながります。農業振興を大切にしておられる板原市長の見解をお聞きいたします。
○議長(
森田邦明君) 板原市長。
◎市長(板原啓文君) 宇賀議員さんからいただきました「農業生産費高騰に伴う支援について」の御質問に、お答え申し上げます。 本年8月29日に政府与党は、9月末までとしていた電気料金と都市ガス料金の激変緩和措置と高騰するガソリン価格への補助について、年末まで延長する方向で調整に入ったと報道がされました。 様々な要因によって招かれた物価高は、石油や電力などエネルギー関連分野への国費投入など、国による軽減策が実施されてはおりますが、本市の基幹産業である1次産業のみならず、企業の経済活動の低下や市民生活に今なお影響が続いております。 令和5年8月30日に農林水産省から公表されました、令和5年7月の農業生産資材価格指数は、令和2年を100とした場合に120.9ポイントとなっており、世界的な穀物需要の増加やエネルギー価格の上昇に加え、長引くロシアによるウクライナ侵略等の影響により、肥料、飼料、光熱動力費、建築資材等に係る費用が高止まりの状況となっております。 一方、農産物の価格変動を示す農産物価格指数は、同じく令和2年を100とした場合に、総合指数は104.0ポイントと横ばいでありますが、本市の主要作目であるきゅうりは87.7ポイント、ピーマンは83.5ポイント、生姜は77.8ポイントと軒並み下がっており、生産者である農業者等が、生産資材の値上がりを価格に転嫁できていない実態が数字として表れております。 宇賀議員さんは特に御存じのとおり、国・県におきましても、農業者等への支援として、これまで肥料・燃油高騰対策または施設園芸セーフティネット構築事業などの緩和支援を行っているところでございます。 本市におきましても、昨年度に農業用資材等の高騰の影響を受けている農業者等を支援するため、農産物の販売金額に応じて、3万円から15万円の助成金を交付する土佐市農業用資材等高騰対策支援事業を実施し、個人、法人合わせて408の経営体に対し、4,975万円の給付を行ってまいりました。 引き続き本年度におきましても、本市の農業経営を積極的に行う農業者等を支援するため、必要な奨励措置を講じることで、本市の基幹産業である農業の振興及び雇用機会の拡大を図ることを目的に、令和5年度に限り農業振興奨励金の対象者と交付額の拡充を行うこととしています。 具体的には、所有する農業用償却資産に対して、令和5年度に固定資産税が課された全ての農業者等を対象とし、農業用償却資産に課された固定資産税相当額を交付する内容となっております。このことにより農業用ハウス本体のみならず、燃油削減に効果的なヒートポンプや、水や肥料を効率的に利用するための環境制御装置など、環境負荷軽減を目的に施設投資をされました農業用償却資産も含め、奨励金の対象となっておりまして、農業用資材や燃油高騰に対する支援へとつながるものと考えております。 いずれにいたしましても、燃油や農業資材等の高騰が今後も続くこととなれば、農業者数の減少や新規就農者の減少につながりかねない事態であると心配をいたしております。また、御質問の課題以外にも、今、本市農業の基幹作目に訪れている厳しい現状など、農業を取り巻く情勢は厳しさを増しており、今後におきましても国や県と連携をしながら、農業者等への影響を軽減する取組、基幹産業の維持発展に努めてまいりますので、議員さんにおかれましては御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○議長(
森田邦明君) 宇賀裕生君の2問目2回目の質問を許します。
◆6番議員(宇賀裕生君) どうも市長、答弁ありがとうございました。 引き続きというか、これからも先もまた支援をいただけるというような形の心強い返事もいただきました。最近の新聞におきましても、他市町村も支援に対する対策、予算なども、記事を目にするところでございます。農家の方は精いっぱい頑張って生産を継続しておりますし、引き続き手厚い御支援をお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○議長(
森田邦明君) 以上で、6番宇賀裕生君の質問を終結いたします。 続きまして、5番池宗二郎君の発言を許します。
◆5番議員(池宗二郎君) 議席番号5番池宗二郎です。議長の許可をいただきましたので質問をいたします。私からの質問は、宇佐地区から横浪半島の観光資源・インフラ整備についてでございます。 竜地区にある三陽荘さんが、既存建物南側にグランピング施設を新たに4棟整備し、先月よりオープンいたしました。また、横浪半島の須崎市との境に、高知市に本社を構える株式会社ダイセイさんが空き別荘をリノベーションし、1棟貸しの宿泊施設を整備をしております。宇佐大橋の麓の西村水産さんが、現在、来春のオープンに向け店舗を改装中でございます。コロナ禍を経て地元企業や他市の企業も自ら投資をし、また、国や県の事業も活用し、魅力ある地域づくりに専念しております。 お隣の須崎市では、市が大規模なキャンプ施設を整備し、キャンプ用品メーカーとタイアップしにぎわっておりますし、海上アクティビティ施設コモドウラノウチを整備し、横浪半島が魅力ある観光資源として価値を高めております。 そういった他市の投資と比べると、本市は観光やにぎわいに対する行政が行うハード整備や、バックアップが少ないのではと感じることがございます。私は宇佐地区から横浪半島は、観光資源として大いにポテンシャルを持った場所であると考えております。観光協会さんも観光庁の補助金を活用し、今年、大型客船で新港に寄港するツーリストをターゲットとしたサイクルツーリズム事業を企画するなど、宇佐地区や半島を使った新たなイベントの企画もしていると伺っております。 また、半島の多くは須崎市であり、連携を取ることも非常に重要だと考えております。半島を観光資源として活用する中で、ハードの整備も必要ではないでしょうか。国指定天然記念物の横浪メランジュが見られる五色ノ浜へ下りる遊歩道は、現在、崖崩れにより下りられなくなっておりますが、復旧の計画やめどは立っていますか。また、崩落の影響が県道に及ぶ可能性があるように見えますが、調査や県への要請などは行われていますか。 以上、担当課長に伺います。
○議長(
森田邦明君) 矢野産業振興課長。
◎産業振興課長(矢野康孝君) 池議員さんからいただきました五色ノ浜連絡道の復旧の見通しにつきまして、お答えいたします。 五色ノ浜連絡道は、令和4年7月5日の豪雨により、風化したのり面の亀裂に雨水が大量に流れ込んだことから、一部の土砂が崩落したため、連絡道の一部が埋没したものと考察しております。 現地を
確認いたしますと、崩落したのり面の上部には、亀裂が多く不安定な状態が見受けられるため、再度のり面が崩落する可能性も否めない状況であります。復旧方法といたしましては、土地所有者様の承諾とともに、当該地が横浪県立自然公園内であることから、県担当所管課との協議が前提ではございますが、再度のり面が崩落したとしても影響が少ない場所に新たな通路を整備する施工方法を基本に考えております。概算工事費といたしましては、測量設計を含め500万円ほどの工事費が必要と算出しているところでございます。五色ノ浜を含め横浪メランジュを学術研究の場として訪れる方も多く、できるだけ早い復旧に向け取り組んでまいりたいと考えております。 また、県道に影響が及ぶ可能性につきましては、高知県中央西土木事務所に現地を
確認いただいております。中央西土木事務所の見解といたしましては、現時点においては県道への影響はないとの御報告をいただいているところです。 議員さんにおかれましては御理解賜りますようお願い申し上げます。
○議長(
森田邦明君) 池宗二郎君の2回目の質問を許します。
◆5番議員(池宗二郎君) 御答弁ありがとうございました。 とりあえず県道への影響は現状ではないということですので安心することができます。500万円という少なくない費用がかかるようですが、周辺の宿泊施設が増えたことによって、観光客の目に留まる機会が今後多くなることが予想されますので、できるだけ早期の復旧をお願いしたいと思います。 また、現状、横浪半島は上水道が整備されておらず、住居等を造るには非常にハードルが高い場所です。先ほど申し上げた空き別荘の宿泊施設もリノベーションを計画した際、上水道がないことが大きなハードルであったと伺いました。飲料水は別で用意をし、生活用水は地域の方の協力を得ながら、谷からポンプで引く形で確保したと伺っております。既に住んでいる方々も長年、水の問題に頭を抱えていらっしゃいますし、市への相談や協議も幾度となく行ってきております。 横浪地区の土佐市側全域をカバーできる水道設備の整備は、莫大な予算がかかることなどから、現状、難しいことは重々承知はいたしておりますが、何か解決策はないかと私自身、思案もいたしております。庁内でも数年にわたり、水道管の行き届いていない地区の調査や研究をしていただいてきた中で、3年前に土佐市小規模水道施設費補助要綱が創設されました。それにより、ようやく改修工事ができたと助かったり、ひとときの安堵をされた小規模水道組合は多かったのではないかと思います。 しかしながら、小規模水道施設費補助要綱は、3分の2補助で上限金額が100万円であり、年間予算も同額です。それらのことからか、補助要綱ができてから3年、横浪半島の水問題は現実として進展をいたしておりません。そして、この問題は横浪地域の問題だけではなく、市内には水道管が通っておらず、小規模水道施設費補助要綱を活用し、飲用水として使用している地域もございます。 土佐市に暮らす市民へ安心・安全な水を提供することは、市民の命を守る上でも大切なことです。また人口減少により利用世帯数が減ることが予測される小規模水道組合などが、突発的な設備の故障が起きた際、迅速な対応ができるように、また、できるだけ
土佐市内の住みたい場所に住める環境を整えるためにも、幅広い視点を持った柔軟な発想で予算額の拡充や、より利便性の高い要綱への改定などを御検討いただけないでしょうか。市長に伺います。
○議長(
森田邦明君) 板原市長。
◎市長(板原啓文君) 池議員さんからいただきました御質問に、お答えを申し上げます。 宇佐町竜滝ノ下地区にあります別荘地の生活用水につきましては、以前から住民組織の代表者様から御相談があり、その間、関係所管において対応や協議をしてきたところでございます。 議員さんお示しのとおり、今回の横浪地域、またそれ以外の地理的な条件等により、通常の上水道の整備が行き届けられない小集落等において、生活用水の確保、公衆衛生の向上、生活環境の改善を図ることを目的とした、土佐市小規模水道施設費補助金を令和2年5月に市独自の制度として創設したもので、現在まで鳴川、平岩地区内において活用していただいております。 御質問の内容でございますが、まず、自然災害等により被災した場合などにおきましては、給水袋による一時的対応など、できる限りの支援をさせていただきますので、そのような事案があった場合、早急に所管に御相談いただければと存じます。 また、予算の拡充や要綱の改定につきましては、現在のところ今日までの実績を考え、見直すところまでには至っておりませんが、今後のニーズやその他の情勢、また、その他事業も含めまして、総合的に判断していきたいと存じますので御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
○議長(
森田邦明君) 池宗二郎君の3回目の質問を許します。
◆5番議員(池宗二郎君) 自然災害などでは対応していただけるということですが、小規模水道施設には突発的にポンプが壊れたら、たちまち明日から生活が困難になるというようなことも重々考えられることでございますので、そういった部分にも対応できるような形へぜひお考えいただきたいと思います。 横浪半島の水問題に関しては、簡単に解決できる問題ではないと僕も思いはいたしますけども、長い間悩んでいる方々もいらっしゃいますので、今後もしっかり向き合い対応をいただきますようお願いを申し上げまして、私の質問を終えます。
○議長(
森田邦明君) 以上で、5番池宗二郎君の質問を終結いたします。 続きまして、4番山脇義英君の発言を許します。
◆4番議員(山脇義英君) 4番絆みらい土佐の山脇義英でございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い質問させていただきます。 1問目「自殺予防と農福連携について」でございます。 私は先月8月3日に安芸市で開催されました、農福連携高知県サミットに知人と参加してまいりました。安芸市の取組で感銘を受けたことがあります。それは今から10年ほど前の安芸福祉保健所管内は高知県内で最も自殺死亡率が高く、多くの生きづらさを抱えた方々がおられていました。今はその方々を救うべく、年に3回自殺予防
ネットワーク会議が行われております。その会議には県と安芸市の行政はもちろん、地元の美容室、不動産屋、保護観察所、薬剤師会、女性相談所、学校の先生、警察、JA、ハローワーク、病院、消防、民生委員、社協、包括支援センター、弁護士、司法書士、高知地検、断酒会、人権擁護委員、職安、法テラスなど様々な業種の方々が垣根を越えて意見交換をし、まちを挙げて生きづらさを抱えた方々に手を差し伸べられております。そのほかにも農福連携研究会や自立支援協議会、就労支援専門部会なども立ち上げ、先ほど申しましたような様々な業種の方々が連携して日々意見交換をされ、住民の生活向上支援の取組をされています。 実例になりますが、安芸市のある部署に、もう死にたいと言う方が来られた際、担当所管ではなかったにもかかわらず、たらい回しされることなく、すぐさま官民が連携し一つ一つの不安要素を取り除いていった結果、その方は自殺から免れることができて、立ち直ることができました。その方は気持ちが落ちていく中で、死にたいと思うようになってしまい、いのちの電話に電話して親身になって話は聞いてもらえたそうですが、問題の解決にまでは至らなかったそうです。その御夫婦の現在の仕事は、誰もが幸せになる農福連携と地域共生社会を目指す、こうち絆ファーム代表理事の北村さんに雇用していただいて、ナスの栽培のお手伝いをされています。また、アルコール依存症とギャンブル依存症は、福祉保健所と専門医と断酒会の指導で克服され、債務超過においては、法テラスが整理を手伝われて何とかなったと伺いました。 サミットには、その当事者の御夫婦が登壇されて、実体験を発言してくださいました。今ではその御夫婦は、救われたことを忘れない、今度は僕が助けたいとおっしゃっておりました。また、別のケースでは、安芸病院にお金の悩みが相談された方にも、この
ネットワークの取組がその方を迅速に救ったそうです。そんな取組の一つ一つの積み重ねが、今の安芸市の自殺死亡率の劇的な低下につながったのです。 土佐市にも生活に行き詰まり、または障害や精神疾患を抱え、生きづらさを感じて命を絶ってしまう方がいるのではないでしょうか。決して失ってはいけない命を守るため、官民が連携した部会や広い
ネットワークが土佐市にも必要ではないでしょうか。 ここで本市の自殺率の推移、自殺の理由、特徴及び取られている対策や本市の取組を、岡林健康づくり課長にお伺いいたします。
○議長(
森田邦明君) 岡林健康づくり課長。
◎健康づくり課長(岡林輝君) 健康づくり課岡林です。山脇議員さんからいただきました御質問に、お答え申し上げます。 まず、自殺率やその理由、特徴などのプロファイルにつきましては、毎年秋から冬頃にかけまして、厚生労働省から情報提供があることから、直近の情報といたしましては、平成29年から令和3年の5か年間となります。この間の土佐市の自殺者の数は合計で19人で、男女の内訳は、男性13人、女性6人となっており、年平均自殺死亡数は3.8人、自殺死亡率、これは10万人当たりの死亡者数でございますが、14.0となっております。なお、全国の自殺死亡率は16.3、高知県は17.3となっており、本市は全国、高知県と比べると低い状態で推移しております。 5年間の年代別では、男性では40歳代、60歳代、女性は60歳代、70歳代で多く、本市としては、高齢者の割合が全国と比べても高くなっています。自殺死亡者の特徴といたしまして、最も多かったのが女性60歳以上、無職で家族と同居の方が4人、次いで男性60歳以上、無職で家族との同居の方が3人となっています。また、理由といたしましては様々でありますが、代表的と考えられる経路として、身体疾患があり病気を苦にしてうつ状態になり自殺に至った場合や、失業もしくは退職による生活苦に加え、介護の悩み、疲れや身体疾患により自殺に至る場合が多い傾向にありました。 自殺者の特性を全国と比較しますと、男性では40歳から59歳有職独居の割合が全国と比べ高くなっております。女性では60歳以上有職独居の割合が高くなっています。 次に、本市における対策と取組につきましては、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指し、総合的かつ計画的に推進するために、平成31年3月に第1期いのち支える土佐市自殺対策推進計画を策定しております。この計画の計画期間は、令和5年度までの5年間としており、昨年度に一部変更を行い、現在、関係機関等と連携し取組を進めているところでございます。 この計画策定に当たりましては、本市の自殺実態や市民意識調査を踏まえ、国の自殺総合対策大綱に掲げられている基本方針にのっとり、主に七つの施策を自殺対策7本柱として、地域における
ネットワークの強化、自殺対策を支える人材育成、住民や各職場への啓発と周知、生きることの促進要因への支援、児童生徒の「SOSの出し方に関する教育」の取組、高齢者への支援の強化、生活困窮者・無職者・失業者への支援の強化を掲げ、全庁的な事業の棚卸しと7本柱との関連を整理した上で、各所管課において取り組んでいます。 なお、本計画につきましては、本年度が計画期間最終年度となっていることから、現在、第2期いのち支える土佐市自殺対策推進計画の策定に向け、市民の意識調査を実施しております。 また、本市の特徴にもあるように、有職者の方が多い状況を踏まえ、働く方への支援を強化する観点から、具体的な事業を整理する作業部会に、JA高知県とさし営農経済センターや土佐市商工会に参画していただくこととしており、今後は意識調査結果や作業部会の検討を踏まえ、自殺対策推進協議会において、計画策定を行っていくこととしています。 今後は、山脇議員の御質問にもございました、失ってはいけない命を守るため官民が連携した自殺対策推進協議会、作業部会や関係機関など
ネットワークを活用し自殺対策に取り組んでまいりたいと存じますので、議員におかれましては御理解賜りますようお願い申し上げます。
○議長(
森田邦明君) 山脇義英君の1問目2回目の質問を許します。
◆4番議員(山脇義英君) 御答弁ありがとうございました。 細やかな施策を土佐市もしてくださっていることが、岡林課長の答弁で分かりましたけれども、とはいえ年間3.8人の方が、土佐市の市民の方が命を絶っているということでもありますし、安芸市と比べてもやはり
ネットワークがですね、民間の
ネットワーク、もしくは高知地検とか様々な警察とか、そういうところの連携がまだまだ土佐市には不十分だと思いますので、重々一生懸命やってくださっている、もう本当に一人の命も失わないようにやっていただいていることをすごく、お話もさせていただいたところもありましたけれども、さらにさらに命を支える取組を進めていただきますようお願いいたします。 2回目でございます。 先ほどの続きになりますが、農福連携高知県サミットでは、高知県安芸農業振興センターの職員の方から様々な説明があり、安芸管内9市町村の安芸市、室戸市、東洋町、奈半利町、田野町、安田町、北川村、馬路村、芸西村の今の状況は、施設野菜の生産高が減少しているそうで、農林業センサスのデータによると、2010年から2020年の10年間で、施設野菜の農業経営体数が半数以下に減少し、そのうちの半数が65歳以上と高齢化が進んでいます。 皆さん御存じのとおり、安芸地区はナスの栽培がメインでして、高知県全体の数字ですが、ナスの作付面積の推移は、平成27年から何と東京ドーム6個分も減少しております。それにもかかわらず出荷量はそこまで急激に減ってはおりません。なぜなら増収技術を導入しており、例えば植物の光合成に必要不可欠な二酸化炭素量を上げて、作物の生産性を向上させる技術や、農福連携によって何とか出荷量を維持できているというような状況だそうです。しかし、今後は人口が減少することは避けれませんし、何もせずにいるとナスの産地が消えていくのではないかという危機感を持たれております。また、農福連携は農業だけにとどまらず、他の分野にも可能性があるのではないかということで、水産業と連携した水福連携ですとか、林業と連携した林福連携ですとか、仏教とコラボした仏福連携など○福連携といった感じで、いろいろなコラボが安芸市から生まれていっています。 1回目の質問で触れました自殺予防
ネットワーク会議、農福連携研究会や自立支援協議会、就労支援専門部会などの官民連携した取組によって副産物が生まれました。それが厚労省に全国で最も先進的と評されている安芸市の農福連携です。 障害者支援施設を簡単に説明しますが、障害と一般的に言われている中には、知的障害や精神障害、身体障害などが様々な種類が存在します。生まれたときには障害をもっていなくとも、不慮の事故や病気などで突如障害をもってしまう方もいらっしゃいます。障害者支援施設とは、そういった障害者の方のうち常時介護を必要とする方で、18歳以上を対象とした入居型の施設のことを言いますが、その施設を利用されている方をここでは利用者さんと言います。 農業と福祉の連携は、障害者や生きづらさを抱えた方が農業分野での活躍を通じ、自信や生きがいを持って、社会参画を実現していく取組であり、就労と生きがいを創出するだけではなく、就業人口の減少や高齢化が進み荒廃地が増えている農業分野において、新たな働き手の確保につながるものです。 様々な農福連携の取組が1972年から始まったと言われておりますが、その成り立ちは、特別支援学校を卒業した生徒さんたちの働き口がないという課題を解決するために、学校が農地を借りて事業体を立ち上げ、生徒や卒業生たちと農業を始めたのが最初の形態だったと言われております。 福祉の現場の事情としては、現在、障害者は全国で970万人の方がおられますが、その中で仕事ができる年齢層、いわゆる生産年齢人口に当たる377万人の障害者のうち、企業等で就労している方が約100万人、また、就労支援施設で働かれている方が、約40万人いらっしゃると言われております。ということは、仕事ができる年齢層である377万人から140万人を引くと、約200数十万人もの方々が仕事ができる年齢層にもかかわらずに、実際には仕事に就けていないということであります。 そのほかにも、うつ病、統合失調症などの精神疾患を抱えていたり、今の社会に生きづらさを抱えていたり、軽度の発達障害などで家に引き籠もっている人を含むと、さらに多くの人材が埋もれてしまっているのです。 今は農福連携等推進ビジョンというものが取りまとめられていますが、これは令和元年6月に農福連携等推進会議という政府の組織で推進されているビジョンです。全国各地には様々な形態の農福連携の取組が約4,000事業体あると言われておりますけれども、このビジョンの取りまとめでは、ここ5年くらいの間に農福連携に取り組む主体を、新しく3,000事業体つくっていこうということが提言されています。 私は、昨年の6月30日に土佐市で農福連携をされています知人に案内され、波介地区にあります社会福祉法人土佐厚生会障害者支援施設とさと土佐苑デイサービスセンターの隣に併設しております、障害者就労施設カトレアに視察に行ってまいりました。 カトレアさんの作業場に入ると、施設の職員さんはもちろん利用者さんたちが大変気持ちのいい挨拶をしてくださり、生き生きと集中して作業をされておられました。日によって入荷する農産物は様々なようですが、私が視察させていただいた日は、オクラをチップ状にカットして乾燥機にかける作業や、ピーマンの大きさを仕分けて袋詰めをしたり、特に目を引いたのは、二、三センチくらいの乾燥イワシを、頭と内臓とその他の部分に分解して仕分ける超繊細な作業をスピーディーに集中してこつこつと実施されていました。そのあとには、もう1か所、土佐市消防署の東隣にあります、つくし作業所にも視察させていただきましたが、そちらでは、取れたてのオクラを小さな網袋に規格に合わせて詰められておりました。 施設の職員の方に、農福連携が始まってから利用者さんの変化や感想をお伺いいたしました。私の知人が、福祉が求める利用者が活躍できる場として、農業をマッチングさせてくれたおかげで、地域農業を支えれるだけでなく居場所ができたことによって、とてもポジティブになった。仲間と共に汗を流す喜びを知った。一人一人が自分に合った作業で生き生きと働けて精神がとても安定した。また、作業内容がジャストマッチすると、健常な人以上の能力を発揮する利用者さんがいると伺いました。 私はこのことを聞いて、たとえ障害をもって生まれたとしても、たとえ事故や病気で障害をもったとしても、農業と福祉が連携すれば、その方たちが活躍できる社会の実現ができるのではないかと大変期待を膨らませております。 ただ、ここには様々な問題があり、例えば農福連携自体がまだまだ土佐市の住民の皆様に知られていないことや、知っていても良さは分かるんだけどどうやって取り組めばいいのか分からないなど、まだ啓蒙活動ができておらず、本市では始まったばかりですので、スタートラインにやっと立ったという感じでございます。 今はまず市の職員の皆様に農福連携を深く知っていただきたいのと、地域農業の発展や生きがいを失われた方々の、マンパワーの可能性に注目していただきたいのです。 今年5月8日からはコロナ感染症が5類になり、国内旅行の増加に加え、多くの外国人観光客が訪日するようになりました。あらゆる業界がコロナ禍での人員削減などの反動により、人手不足を叫ぶようになりましたが、昨今、政府の政策は、外国に人材を求めることを見聞きいたします。それも大切なことです。大事ですが、その前に、いま一度目の前に社会の一員として活躍したい、汗をかいて働きたい我が国の貴重な人々がいることに気がつくべきだと強く思います。そして、この取組を継続していけば、土佐市の大きな力となり地域づくりになるのではないでしょうか。 ここでお伺いいたします。現在まで、本市として農福連携に携わられたことがありますか。また、本市の福祉サイドと農業サイドの課題と農福連携に対しての所見を、合田福祉事務所長と矢野産業振興課長にお伺いいたします。
○議長(
森田邦明君) 合田福祉事務所長。
◎福祉事務所長(合田尚洋君) 福祉事務所合田です。山脇議員さんからいただきました農福連携に関する御質問、福祉分野につきまして、お答えを申し上げます。 令和4年10月の社会保障審議会障害者部会資料によりますと、障害者は全人口の約9.2%、約1,160万人にのぼると推計され、平成23年度版障害者白書で発表された6%、約742万人と比べても年々増加しており、障害者が地域で安心して自立した生活を送っていくために、一人一人が日々の暮らしの中で抱えているニーズや課題にきめ細かく対応し、必要に応じて適切な障害福祉サービス等に結びつける支援は、ますます重要性を増していると言われております。 こうした状況下、近年、障害者など生活に何かしらの不安を抱えている方々への支援策として、自立支援や障害訓練、ハローワークでの障害者雇用など、既に様々な形でのサポート体制は整ってきてはおりますが、まだまだ十分な状況ではなく、さらなる取組が必要だとも言われております。 また、令和元年6月に発信されました農福連携等推進ビジョンでは、農福連携を、農業分野における障害者の活躍促進の取組にとどまらず、ユニバーサルな取組として、農業だけでなく様々な産業に分野を広げるとともに、高齢者、生活困窮者、ひきこもりの状態にある者等の就労や社会参画支援、犯罪・非行をした者の立ち直り支援等にも対象を広げ、捉え直すことも重要であると明記され、新たな価値への期待が込められている農福連携等は、地域共生社会の実現に向けた有効な施策の一つと言われております。 福祉事務所としましても、御質問の農福連携等の取組は、地域共生社会の実現に向けた有効な施策であると認識しておりますことから、現在、農福連携に関係する市産業振興課、県中央西農業振興センター、JA、障害者の事業所等、関係機関と共に勉強会・研修会を行っております。 御紹介のありました、カトレアやつくし作業所につきましては、通常の事業所に雇用されることが困難な障害のある人が、生産活動等を通じて訓練等を行う場でありまして、その他市内の就労継続支援事業所においても作業受託型の農福連携等が行われております。また、その他の法人等においても直接雇用型での障害者雇用もなされております。 福祉事務所としましては、農福連携等がさらに推進されることにより、障害者等の社会参加が促進されると期待しているところでございます。議員におかれましては、引き続いて御支援、御協力を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
○議長(
森田邦明君) 矢野産業振興課長。
◎産業振興課長(矢野康孝君) 山脇議員さんからいただきました農福連携に関する御質問のうち、農業分野につきまして、お答え申し上げます。 農林水産省が推進する農福連携の取組は、障害者等が農業分野での活躍を通じて、農業経営の発展とともに障害者の自信や生きがいを創出し、社会参画を実現する取組とされております。 本市におきましても、令和3年3月に高知県中央西農業振興センター、JA高知県とさし営農経済センター、市福祉事務所、現在の産業振興課の前身である市農林業振興課が参画し、土佐市農業労働力確保プロジェクトチーム農福連携部会を設立しております。 これまでの部会の取組といたしましては、農福連携の取組を行っておられます、JA土佐くろしお農協さんのミョウガ出荷作業を視察するなど、勉強会や研修会を重ね、さらには実際に施設利用者の方々に、収穫や出荷場での荷造り体験を行っていただき、障害者の方々が作業可能な内容について実践研修を行うなど、本市での農福連携の可能性について研さんを重ねてまいりました。 今年度におきましては、JA高知県とさし営農経済センターを中心に、農福連携部会において、今後、労働力不足が懸念されるJA高知県集出荷場での出荷作業への農福連携による労働力確保に向け、具体的に協議を進めているところでございます。 産業振興課といたしましては、農福連携に取り組むことで、障害者等の就労や生きがいづくりの場を生み出すだけでなく、担い手不足や高齢化が進む農業分野において、新たな働き手の確保につながるものとその可能性に期待しているところでございます。 今後におきましても、高知県中央西農業振興センター、JA高知県とさし営農経済センターをはじめ、関係機関と連携しながら、引き続き農福連携を含めた働き手の確保について取り組んでまいりたいと考えておりますので、議員におかれましては御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
○議長(
森田邦明君) 山脇義英君の1問目3回目の質問を許します。
◆4番議員(山脇義英君) 答弁を本当にありがとうございました。 もう既に農福連携に向けて、行政の皆様にも推進していただいているということが分かって、本当に大変心強う存じます。また、障害をもたれた方、それから発達障害など、それとか、生きがいを失われた方々を含めると、やはりこれ9.2%の障害をおもちの方にプラスすると、やっぱり1割強の方々のマンパワーの可能性にまず気づいていただきたい。それと、これから農福連携はこの土佐市においてもどんどんほっといても広がっていくとは思いますけれども、やはりスピード感を持って、この戦力そして生きがいを皆さんに持っていただいて、働きがいを持っていただいて、マンパワーになっていくことを強く思います。 そして、もっともの肝は、やはり安芸市さんを見て感じたことですけど、県との連携です。高知県庁には物すごくエキスパートな職員さんがいらっしゃいます。全ての所管がそうとは限りませんけれども、その方と土佐市もぜひ連携をしていただいて、推進していただきたいと思います。 今回、私が紹介しました安芸市の取組は、厚生労働省がモデル地区として認定しており、全国に先駆けた官民様々な組織の連携は生きづらさを抱えた方々のSOSをまち全体で受け止め、人の人生をよい方向に変えています。 農福連携は本市でも確実に広がっています。せっかく高知県の身近なまちに、日本一と言えます農福連携モデル地区がありますので、まずは県に協力を仰いで、同じ目線、目標に向かい、誰もが幸せになれる地域づくりになることに取り組んでいただきますようお願いを申し上げまして、この質問を終わります。
○議長(
森田邦明君) ただいま、4番山脇義英君の質問続行中でございますが、ここで10分間休憩いたします。 休憩 午後 1時58分 正場 午後 2時 7分
○議長(
森田邦明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 山脇義英君の2問目の質問を許します。
◆4番議員(山脇義英君) 2問目の質問です。2問目は、「猫に関する社会問題について」でございます。6月議会に引き続き、今回も猫に関する社会問題についてを質問させていただきます。 その前に一つお礼を言いたいことがございます。それは、広報土佐に早速猫の飼育方法、餌やりなどのマナーについてと、ねこねこくらぶのような動物愛護ボランティア団体への理解の周知を掲載していただいたことにあります。下村都市環境課長の迅速な対応に心から感謝を申し上げます。 それでは、本題に移らさせていただきます。 今回の質問の要望内容を先に申し上げますと、動物愛護ボランティア団体に補助金制度を設けていただきたいことと、避妊去勢手術代を振込ではなくチケット制にしていただきたいことでございます。 まず、一つ目のボランティア団体への補助金制度についてですが、6月にも申し上げたことではありますが、猫の繁殖力はすさまじく、猫ですがねずみ算式に増えていきます。一般的に猫を保護するには、シェルターと言われる猫の感染症などを防ぐための部屋が複数要りますが、本市のボランティア団体ねこねこくらぶは、メンバーの方が自宅のガレージと部屋を複数提供してくださっており、現在、シェルター費用は発生しておりません。 猫を保護して里親とのマッチングには、皆さんが想像されている以上に高額な費用がかかります。野良猫が産んだ子猫は、人家の倉庫などの劣悪な環境下で暮らしているケースが多く、がりがりに痩せていて、ほとんどが猫風邪を引いていたり真菌だったり、ノミ・ダニやお腹に虫がいるのでさらに治療しなければなりませんし、入退院を繰り返す子猫は、譲渡会に出るまでに3か月以上もかかり、場合によっては亡くなる子もいます。なぜなら猫の世界には、猫の白血病やエイズなどのウイルスや病気が蔓延しているからなのです。 ねこねこくらぶでは、管理方法として、通常は保護してから1か月間はケージなどで一匹一匹を隔離し、免疫期間を経て健康チェックをし、再度1か月後に感染症のチェックを行い、全てをクリアした猫のみが譲渡会にデビューさせるなど、念には念を入れられています。では金額は幾らかかっているのかを見ていきます。 まず、保護してすぐに受診し、ノミ・ダニの駆虫に2,000円、虫の種類によっては、後日さらに駆虫費用が500円から1,500円かかります。便検査に1,000円、ウイルスの血液検査に4,500円、猫の白血病やエイズに感染していれば譲渡はできない個体であり、感染がない猫たちからは隔離して保護しなければなりません。そして健康的に800グラムくらいになれば、ワクチン接種1回目に3,500円から5,500円、一月あけてワクチン接種2回目3,500円から5,500円、強制ではありませんが不妊去勢手術に1万円から2万円、マイクロチップ挿入に3,500円から5,500円、以上の対応と費用がかかります。 このように里親さんに一生育ててもらうには、野外から保護した猫をそのまま譲渡というわけにはいかないのです。ねこねこくらぶのメンバーさんたちが、猫が生まれた地域の方からよく言われる言葉が、どうせすぐにおらんなるき手術しなくていい、外猫だから知ったこっちゃない、ではなく、せっかくこの世に生まれた命なのに、苦しむだけのむごい連鎖を一代限りで食い止めるため、また、動物愛護の観点からもぜひ協力してもらいたいものです。そして出産を繰り返した母猫の体はぼろぼろです。 かかる費用はそのほかにも猫たちに必要な餌とペットシーツ、捕獲器は4,000円くらいのものが30台と、猫専用の安全な捕獲器は、1台1万2,000円もするタイプを2台実費で購入されています。 また、子猫を保護しても、その中の1匹でも大きな病気をもっていたら、一気に数十万円の医療費が発生する場合があり、その場合のお金は持ち出しになっています。そのため募金・寄附を募ったりバザーなどに出店されて、その収益を使って保護猫活動を継続できるように必死に努力されています。 皆様お分かりいただけたかと思いますが、1匹の猫を保護して里親に出すまでには、これほどの労力と費用がかかるのです。動物愛護ボランティア団体は全国各地に存在していますが、どこのボランティアさんも猫の命と人間のよりよい住環境のために、労力とお金をささげてくださっているのです。そんな状況を見るに見かねて、地域猫支援事業の中に、動物愛護団体支援補助金制度を設けた自治体がたくさんあり、今、さらに増えております。 群馬県では、市内で活躍する動物愛護団体を支援し、その力を生かしてペットの飼い主の皆様に、動物愛護に関する知識の普及と近隣に迷惑とならない飼い方、しつけ方などの普及活動に対し支援補助をしています。そのほかにも、東松山市も地域猫活動を実施する団体を募集し補助金を交付しています。対象団体の条件は、1、運営規約、会則等を有し、複数名以上で構成されていること。2、市内に事務所の拠点があること。3、政治活動及び宗教活動並びに営利を目的としないこと。4、地域猫活動を3年以上継続して行うことができるとされています。 そして、お隣高知市でも、地域でTNRをして管理する活動が町内で広がっており、市に登録した団体は、2018年度の3団体から、現在は24団体へと拡大しております。高知市が補助を始めてから登録された地域猫は4,345匹、昨年度は943匹と過去最多だったそうです。さらに高知市は、町内会などの登録団体に、捕獲器の貸出しや手術への補助を行っているそうです。 財源には限りがあることは重々存じ上げております。しかしながら手弁当だけではなく、私財をなげうって地域猫活動をしてくださる団体があるのですから、動物愛護団体への支援の公募を検討していただけないでしょうか。 また、猫の去勢避妊手術費用の補助は大変ありがたいと好評ですが、使い勝手が悪いというお声をいただいております。1人の方が1年間に申請できる飼い猫の数は、上限2匹まで、野良猫は上限5匹となっており、例えば近所の野良猫が一度に8匹出産したケースでは、家族や友人、知人の協力を経て申請せざるを得ません。 その場合、まず都市環境課に申請書を提出をした後に、動物病院で猫の去勢避妊手術をし、その費用の全額を現金で支払います。そして、再度、都市環境課にその領収書のコピーではなく、原本を提出しなくてはならず、補助金を超えた金額の領収書も申請者の手元に残りません。また、補助金が後日振り込まれるため、8匹の場合は複数人それぞれの口座に振り込まれます。この一連の流れは申請者の負担になっています。補助金をチケット制にしてくだされば、立替金額も少なくなる上に、わざわざ銀行に引き出しに行く手間も減ります。どうか後日振込からチケット制への変更も御検討をお願い申し上げます。下村都市環境課長にお伺いいたします。
○議長(
森田邦明君) 下村都市環境課長。
◎都市環境課長(下村哲君) 都市環境課下村です。山脇議員さんからいただきました御質問に、お答えを申し上げます。 まず、1点目の動物愛護ボランティア団体への補助金制度の創設についてでございますが、議員さんがおっしゃられましたとおり、ボランティア団体のねこねこくらぶさんからも活動には多額の費用を要していることを伺っております。 御質問の野良猫の問題につきましては、地域の環境保全のみならず動物愛護の観点からも大きな問題となっており、なおかつ早期の取組が効果的であると考えております。この問題を解決に導いていくためには、発生する野良猫の減少を図ることが最も効果的であることから、地域猫活動への支援及び広報について、本年10月に開催される高知県市長会議への、県に対する要望事項として提出しており、また、市での広報活動も継続し、市民啓発を続けてまいります。 ボランティア団体への支援に関しましては、他市町村の成功事例を参考に、どういった支援が効果的であるか、財源も含めて支援方法を検討させていただきたいと考えておりますので、議員におかれましては御理解賜りますようお願い申し上げます。 次に、2点目の本市が行っている、土佐市猫の不妊・去勢手術費用助成金の交付方法についてでございますが、議員さんがおっしゃられましたとおり、現在、地域猫への手術費用助成に関しましては、年度ごとに1団体当たり原則5匹までの扱いとしております。 地域猫への補助につきましては、令和3年度から実施をしておりますが、当初、申請匹数の制限は設けていなかったところ、団体への補助匹数に偏りが見られたため、多くの団体に実施していただけるよう、令和4年度から制限を設けた取扱いとしております。 また、助成金へのチケット制導入に関しましては、現在チケット制にて助成金の交付を行っている高知県の制度について、県薬務衛生課に聞き取りを行ったところ、実施に当たっては、チケットの取りまとめを高知県獣医師会や動物病院などに委託しており、1匹当たりの単位で委託料を支払っているとのことでございました。 よって、助成金でのチケット制導入に関しましては、メリットとして助成対象者の一時立替金がなくなりますが、一方で、事業者への委託料が生じることから、同額の予算で事業実施を行った場合、助成金に使用できる予算が減少することとなるデメリットもございます。いずれにいたしましても、助成金事業の実施方法につきましても、引き続き、よりよい方法を検討してまいりますので、議員におかれましては御理解賜りますようお願い申し上げます。
○議長(
森田邦明君) 山脇義英君の2問目2回目の質問を許します。
◆4番議員(山脇義英君) 答弁ありがとうございました。 委託料が減ってしまうと申しますか、病院に対しての委託料が発生してしまう結果、補助金額が減ってしまうということですよね。そうなっては本末転倒ではありますけれども、通告には書いておりませんでしたけれども、やはり領収書のコピーで受け取るようにしてさしあげてほしいというのを、ちょっと通告には挙げていませんでした。実際には、やっぱりかかった経費、実費の分の領収書がやはり必要にはなりますので、その辺もいま一度その立て替えた分に対しての対策を練っていただきたいです。 2回目ですけれども、ねこねこくらぶは地域密着型TNR活動団体です。毎月第3木曜日に四万十市から、にじのはしスペイクリニックの獣医師が、本市でTNR去勢避妊手術をしてくださっております。8月17日には私も視察させていただきましたが、当日は朝8時半に獣医師が移動手術車で来られ、手術開始からTNR全てが終わったのは夜8時にまでなりました。ねこねこくらぶのメンバーも、常に3人が張りついて手術を行う猫の体重を量ったり、手術依頼書への記載、手術器具の洗浄、手術を終えた猫のケアなどをされています。そのほかにも、もちろん会計のほうもあります。それでも人手が足らないので、手術の日だけのボランティアさんが、おのおのの許す時間帯に数名お手伝いで入ってくれておられました。 でも実は手術の当日よりも、一番大変なのは野良猫の捕獲です。天候に左右され賢い猫はなかなか捕獲器に入ってくれませんし、昼間捕獲できればいいのですが、夜行性という習性に合わせて、ねこねこくらぶさんたちが、19時から遅いときは深夜2時ぐらいまで野良猫の捕獲に走り回られています。 四万十市では、野良猫問題をまちの環境美観事業の一環として捉えて、市役所の大変目立つ駐車スペースを、にじのはしスペイクリニックに貸し出して、毎月TNRをされています。また、須崎市でも、10月から須崎公民館の駐車場の一角でTNRをされるそうです。獣医師の先生がおっしゃっておりましたが、効果的に繁殖制限を行うには、同じ場所で期間を空けずにTNRを継続することが必要であり、回数を重ねることで住民の皆さんの意識に浸透すれば、やがては苦しむだけの一生を送る猫がいなくなります。 本市において、公の場所の貸出しとなれば、住民の皆様の理解を得なくてはなりませんので、すぐにとはいかないかもしれませんが、どうぞ前向きな検討をお願いいたします。 再度、下村都市環境課長の所見をお伺いいたします。
○議長(
森田邦明君) 下村都市環境課長。
◎都市環境課長(下村哲君) 山脇議員さんから再度いただきました御質問に、お答えを申し上げます。 不妊・去勢手術場所としての市有地使用に関しましては、市民啓発への有効な手法であり、調整が可能であると考えておりますので、議員におかれましては御理解賜りますようお願い申し上げます
○議長(
森田邦明君) 山脇義英君の2問目3回目の質問を許します。
◆4番議員(山脇義英君) ありがとうございます。こんなに前向きな答弁をいただけるとは思っていなかったので、本当にうれしく存じます。ありがとうございます。 令和4年度、高知県では284頭の猫の殺処分を行いました。その全てが生まれて間もない子猫であり、県の施設では飼育が困難であるなどの理由から、やむを得ず殺処分しています。殺処分数は平成22年度の4,409匹からすると、かなりの減少傾向にありますが、完全なる殺処分ゼロを目指すためには、まだまだ取組が必要です。 昨年度は高知市、現在は高知県がクラウドファンディングとふるさと納税を活用して、避妊去勢手術に対する助成金を拡充し、より多くの猫に手術を受けられるように寄附を募っております。人と猫が共に暮らしていくためには、本市もあらゆる施策を講じなければなりません。ありがたいことに、今はねこねこくらぶさんが毎日のように市民の方々と猫の情報を交換されて、活動してくださっておりますが、行政との連携なくして続けていくのは不可能です。どうか引き続きボランティア団体への御理解と御支援をお願いを申し上げまして、この質問を終わります。
○議長(
森田邦明君) 山脇義英君の3問目の質問を許します。
◆4番議員(山脇義英君) 3問目です。 「教育現場の問題について」。今、教育現場は非常に厳しい環境にあり、とりわけ長時間過密労働と人員不足は深刻なものです。既に子供たちの
教育環境や安全に支障を来しかねない状態になっています。 そこで、これからの高知県の教育を担っていく、若手教職員と市町村議会議員、県議会議員とが、子供にもっといいことを大柱にして、学校現場の状況を共有し改善していくことを目的とした団体が、先月8月20日に発足いたしました。私も実行委員を拝命し若い教員の方々と意見交換をしてまいりました。 名古屋大学の調査によると、公立
小中学校の教員の1か月の平均残業時間は、小学校で98時間、中学校で114時間にのぼり、過労死ラインの2倍の160時間以上に及ぶ教員も1割以上いたといいます。長時間労働の問題は、教員が心身ともに疲弊していくだけではなく、子供たちに対する教育の質の低下が生み出されていると言われております。実は、先生方の本音は、自分が納得のできた授業ができていない。時間とメンタルに余裕があれば、もっといい授業ができる自信があるのにとおっしゃっておりました。 また、先生方が口を合わせておっしゃられていたのが、学校ではトイレに行く時間もないし、自宅に帰っても夜遅くまで次の日の授業の準備と、丸付け、教材の研究に費やされています。 教員をさらに苦しめているのが、1972年に施行された時代遅れの法律、給特法です。教員の仕事の特殊性を考慮して、給与の4%を基本給に上乗せするかわりに、残業代や休日勤務手当を支給しないとした法律です。しかし、この4%は1970年代当時の1か月の残業時間であるたった8時間を反映させた数字であり、仕事が複雑化し残業時間が増加した現在とは大きくかけ離れています。 今、学校現場は少なく限られた予算の中で、定額働かせ放題という言葉があちらこちらで聞こえてきております。残業という概念がないがゆえに、どれだけ働いても時間管理されない。あるいは、それが残業代とならないなど、先生たちの自己犠牲が当たり前な働き方が、何十年にもわたって続いてきました。 ここでお伺いいたしますが、本市の
小中学校の教諭の配置と勤務実態の現状、そして、精神疾患などが原因で1か月以上の病気休暇、休職者数を、井上
学校教育課長にお伺いいたします。
○議長(
森田邦明君) 井上
学校教育課長。
◎
学校教育課長(井上夕起子君) 山脇議員から私にいただきました御質問に、お答えいたします。
小中学校の教員の配置定数は、各校の学級数により決定されております。例えば新居小学校の例を挙げますと、通常の学級数は3、それに対応する教員数は4人、二つの特別支援学級担任を加え、合計6人の配置となります。この6人の中には校長と教頭が含まれます。 一方、
高岡中学校では、学級数10に対して配置教員数は18人、40人学級を35人学級にする県の事業を受けているため学級数が1増となり、特別支援学級の数を加算すると教員数は23人となります。そこに国や県の加配教員が加えられ、本年度の教員数は31名となっております。
高岡中学校の場合、加配教員の配置はあるものの学級数が多い分、教科担任の授業の持ち時間は、1人当たり20時間を超えております。近年、県下的に教員が不足しているため、配置される加配教員数は年々減少しております。 次に、教員の勤務実態についてお答えいたします。教員が校内に在校している時間から、所定の勤務時間を除いた時間を在校等時間と定義をし、個人の校務分掌業務を遂行するため、自主的に学校に在籍している時間及び土日や祝日などに校務として行っている業務にかかった時間を合わせてカウントをしております。 この在校等時間につきましては、令和2年4月に定めた土佐市
小中学校の教育職員の勤務時間の上限等に関する方針の中で、教員の業務量の適切な管理を行うため、1か月の在校等時間の合計時間の上限を45時間とし、1年間の合計を360時間と定めております。
土佐市内の
小中学校では、校務支援システムにて出退勤時間を管理しており、学期ごとに月別の在校等時間の合計を校長から報告していただております。それには休日等の部活動に係る時間も含み、時間外勤務として集計をしております。それによりますと、令和元年4月の小学校の時間外勤務の平均は51時間20分、中学校の平均は66時間51分でした。令和5年度の4月の小学校の平均は44時間53分、中学校は57時間となっており、多少の時間縮小が見られました。 しかし、令和5年4月の個人の時間外勤務を見ると、1か月の合計が80時間以上となる教員が15名おり、教員の長時間勤務については、現在のところ改善したとは言いがたいと考えます。 お尋ねの
小中学校の教員で、精神疾患等が原因で1か月以上の病気休暇及び病気休職となった教職員数は、令和元年度から現在までの期間で10名となっております。 以上でございます。
○議長(
森田邦明君) 山脇義英君の3問目2回目の質問を許します。
◆4番議員(山脇義英君) 答弁ありがとうございました。 全国平均からすると少ないようにも見えますけれども、これが全て可視化できるとは私は思えません。それと80時間を超えた教職員の方が、15名いらっしゃったという事実もございます。このことはやはり、話変わりますけど、この前の7月29日の新聞にも載っておりましたけれども、教員、精神疾患での離職、過去最多ということで、全国ですけれども、文部科学省が前回調査、18年度より171名増えて、定年退職とかの離職者を除いた数字から言うと、メンタルヘルスなどの原因によって、休職された方が過去最多ということでございます。離職される方も多いということなので、これは様々な対策を今後も講じていかなければならないことだと強く思います。 2回目に入りますけれども、1回目の質問の際に申し上げました、教員と議員の集いでヒアリングした小学校からの要望が4点ございます。 1、持続可能な学校現場を共につくっていくこと。2、充て指導主事を学校現場に配置転換し充足率を上げること。3、県や各市町村において、余剰時数の調査(時数と内容)を行い、学校主体で削減を進めること。4、教員定数の増加を目指し、義務標準法の改正や教員増に必要な予算の確保の意見書を提出でした。 そして、中学校からの要望は、1、学校が必ずしも行う必要のない業務は、社会体育や専門機関に移管していくこと。2、部活動の支援員の配置を推進していき、大会等への生徒の引率権限を付与すること。3、教員定数改善や二種免許状の取得を促進し、免許外指導の解消を図ること。4、特別支援学級担任への免許法認定講習の受講を促し、特別支援免許の保有率を向上させ、特別支援学級の教育の質を保障していくこと。5、タテ持ちは教材研究の負担が多いため、担当授業時数18こま以上となる場合は加配を実施することなど、ほかにも様々な意見と要望をいただきました。 私といたしましては、小学校からの要望、4の教員定数の増加を目指し、義務標準法の改定や教員増に必要な予算の確保の意見書を、土佐市議会12月定例会において県と国に提出したいと考えております。 学校現場では、子供たちの学力向上と健やかな成長のために、先生たちは必死に頑張ってくださっております。また、学校教育課と市
教育委員会の皆様もしかりです。しかし、市町村の
教育委員会では、権限が及ばないことが多いと承知しておりますが、このままでは先生たちも浮かばれませんし、何より子供たちの将来を考えたなら、教育現場の改革を急いで実行しなければなりません。 今まさに国及び県からの支援が必要と考えますが、本市として教諭の処遇改善と人手不足の人員要求はされておりますか。また、教員のメンタルヘルスケアはどのような対策をされていますか。要望に対する所見も含めて、教育長にお伺いいたします。
○議長(
森田邦明君)
安岡教育長。
◎教育長(安岡健二君) 山脇議員からの御質問に、お答えします。 高知県内の
小中学校では、教員が様々な理由で長期の休みを取らざるを得なくなったとき、県下的な教員不足から、すぐに講師の配置ができないことがございます。本市でもここ数年、代替教員が配置できない状況があり、独自で講師を探して配置に至ったこともございました。 教員定数が国の法律改正により増員されることになると、例えば
高岡中学校では、1人当たりの授業の持ち時間が軽減されることになりますが、配置する教員数を確保するためには、併せて教員になりたい若者を育成していく必要があると考えます。 教員の働き方改革が問われ始め数年が経過し、一定の改善が図られてまいりました。しかしながら、学校では学力向上や不登校対応、特別な支援の必要な児童生徒への対応、タブレット端末の利活用等様々な課題があり、学校は限られた教員数で課題解決に向け取り組んでおりますが、今後も働き方改革を進めていくためには、まだまだ工夫が必要であると考えております。 また、人員配置につきましては、土佐市
教育委員会としましては、高知県
教育委員会へ高知県市町村教育長会議を通して、教員確保についての要望を再三お願いしております。教員が不足する状況ではありますが、教員の負担を軽減するためにも、引き続き要望は挙げていきたいと考えております。また、教員の処遇改善につきましても、議員御指摘のとおり、必要な予算措置をしていただけるよう、働きかけていただけると大変ありがたいです。 メンタルによる病休者をできるだけ出さないよう、学校では教職員組織の横のつながりを強化し、特に若年教員については、メンター制度を活用し、学校全体で育成するような取組を継続しております。 あわせて、令和4年度から学校の職員にもストレスチェックを行い、高ストレスと診断された職員には、産業医の面接へとつなげるよう校長会で周知を図るとともに、抱えているストレスが少しでも緩和するよう、周囲の職員からの支援もお願いしているところでございます。 何より先生方の日々の取組が充実することと同時に、職員一人一人がワークライフバランスの取れた生活が送れるような仕組みが必要であると考えておりますので、議員におかれましては御理解のほどよろしくお願いいたします。
○議長(
森田邦明君) 山脇義英君の3問目3回目の質問を許します。
◆4番議員(山脇義英君) 教育長ありがとうございました。何度も何度も県の
教育委員会への要望をしていただいていることをお伺いして、本当に感謝申し上げます。 全国で最も過酷な教員は、時給換算すると600円を切ってる方もいらっしゃいます。そして時間もなくて婚期を逃されかねないというか、本当に実際逃されている方たちはもう恋愛する時間もありません。それの上に給与が安いとなると、本当に先生方希望が持てないところであります。 何としても私も給特法ですね、これを国が改定していただかなければ、もう地方では手も足も出しようがないと思います。そういう部分でも、私の仲間の高知県中の市町村議員が、今、組織をやっと立ち上げたところでありますので、まずは市町村議員から県へ挙げます。そして県の県議さんたちにも国へ挙げていただいて、これがやがて全国の市町村議員と、そして今日、県のそれぞれの
教育委員会にも浸透して、国へみんなの力で挙げていって、そして、その処遇ですね、先生方の処遇の改善と、人手不足の人員要求がかなえていただけるような環境づくりに、我々議員も一生懸命要望してまいりますので、引き続き土佐市においても、できることできないことあろうかと存じますけれども、できる限りのこと、そしてメンタルヘルスについてですね、やっぱりメンタルですね、メンタルトレーニングと言いますかね、鼓舞する部分も、今、大谷翔平選手とかも、メンタルのトレーナーとかがついているか分かんないですけど、高校生時代に大谷翔平選手をメンタルで支えた方たちがいらっしゃいます。そういう部分でも今は支えていただいて、気持ちを酌んでいただいてあげて、そして先生に成り手ができるように我々も頑張ってまいりますので、共に汗をかいていただけますことをお願いを申し上げまして、この質問を終わります。
○議長(
森田邦明君) 山脇義英君の4問目の質問を許します。
◆4番議員(山脇義英君) 4問目です。 4問目は、「学校給食について」でございます。令和3年5月に農林水産省は、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現するみどりの食料システム戦略を策定されました。2050年に向けた長期的なビジョンであり、化学農薬や化学肥料の使用量を低減するなどして、有機農業を日本の全耕地面積の25%に当たる100万ヘクタールにまで拡大するという数字を提示されました。現在は有機農業に対して、様々な補助金制度を国は創設しております。 そんな中、7月22日に高知オーガニック議員連盟の発足総会が開催され、高知県内の市町村議員27名が集まり、私もその中の1名として参加してまいりました。その際の基調講演では、世界の事例に見る学校給食の近未来と題し、ヨーロッパ諸国、特にイタリアでの長い生活経験のある作家の島村菜津先生から、海外から見た日本の子供たちに、安全で旬の味を食べてもらう取組について講話いただきました。 オーガニック農法、有機農業とは、化学農薬や化学肥料、除草剤、環境ホルモンや遺伝子組換え技術を避け、自然本来の力を生かしながら作物を育てる農法のことで、現在、日本の有機農地の割合はたったの0.5%です。今、日本の子供たちが尿検査をすると、グリホサート、ネオニコチノイド、フィプロニルという農薬成分が検出されています。この農薬はあまり人体に影響がないとして、一般的に使われているものですが、長期残留、細胞浸透が優れており、完全に安全ではないと指摘する学者もいます。 また、先月の8月27日にはNPO法人トサシカケNITARI主催の、土佐市民協働大学なぜ地方から女性がいなくなるのかという講演がつなーでで開催されました。講師は2001年から2021年まで兵庫県豊岡市で市長をされておられました中貝宗治さんに登壇いただいて、豊岡市と土佐市の男女、年齢別人口などを比較しながら、豊岡市の様々な取組の成功事例などをお伺いいたしました。 中でも、30年の長きにわたり取り組まれているコウノトリ野生復帰事業は、一度絶滅したコウノトリを野生として再び復活させるために、どうしても農地の無農薬、減農薬化が必要だったとおっしゃっておりました。その副産物がブランド米のコウノトリ育むお米です。その農法は、まんまコウノトリ育む農法と呼ばれています。秋の田んぼにはカエルやドジョウなどのコウノトリの餌となる生き物のために、化学肥料などは一切使わず堆肥や米ぬかなどを散布しており、冬も田んぼに水を張って生命を育み、無農薬、減農薬での米作りを可能とされています。丹精込めて育てられたお米ですので、安全でおいしいと沖縄県では学校給食などで年間357トンも消費され、さらにはアメリカ、香港、オーストラリア、ドバイ、シンガポール、スイス、フランス、オランダ、スウェーデンと9か国に輸出されています。 この取組に影響を受けて完全オーガニック給食を提供され、オーガニックのまちとして全国的にも有名になり、移住者が急増しているのが千葉県いすみ市です。また、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなどはオーガニック先進国と言われていますが、それらの国に次ぎアジアでもオーガニック市場が急速に増えていっております。 現在の土佐市は、地産地消の取組を強化され、地元の農家さんを大切にされており、すばらしい連携です。 長々と話しましたが、私は微量の農薬を使う慣行農業を否定するわけではなく、むしろ有機栽培は一つの手段であり、目的化してはいけないと思います。なぜなら慣行農業は長い歴史があり、量販店などの規格に合わせたり、生産性を上げ収益を上げるためには必要な農法です。何より現場の生産者の方々が幸福でないと農業が持続できないからです。現実的には、すぐに完全オーガニック給食とまではいかないと思いますが、少しずつ学校給食に使う食材を農家さんに頼んで、無農薬や減農薬農法で作っていただける取組を推進していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。高橋学校給食センター長にお伺いいたします。
○議長(
森田邦明君) 高橋学校給食センター所長。
◎学校給食センター所長(高橋修一君) 給食センター高橋でございます。山脇議員さんからいただきました御質問に、お答え申し上げます。 学校給食に使用する食材を無農薬や減農薬農法で作っていただくよう農家の皆様に働きかけていただきたいという御提案でございます。 土佐市におきましては、安全・安心な学校給食提供のために、食材の選定については十分配慮をして行っているところでございます。 学校給食で使用しますお米は、平成18年度から土佐市産の岩戸米を一部導入し、現在では全て岩戸米を使用しております。岩戸米は農林水産省が示している特別栽培農産物に適用されており、地域の慣行レベルである高知県農産物栽培慣行基準と比較し、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量も50%以下で栽培をされており、全国でも高い評価を得ている高品質なブランド米でございます。 さらに、土佐市産の野菜を納入していただいているとさし旬物クラブにおいても、JAの指導の下、減農薬に積極的に取り組んでいただいております。 議員御指摘のオーガニック農法の食材につきましては、近年、市場規模が伸びてはきているものの価格が大幅に高額であるとともに、生産業者が限られており、学校給食に必要な1,800食を超える食材を、安定供給できる業者の確保が現状では困難となっております。 また、オーガニック農法は無農薬栽培でありますので、虫等もつきやすくなると言われており、食材に付着した異物等を処理するための下処理時間が大幅にかかること等が想定され、学校給食への適用には今後、研究を要する課題が多いと考えております。 しかしながら、山脇議員さん御指摘の千葉県いすみ市では、自然と共生する里づくりの一環として、学校給食に地元農家により生産された有機米を活用し、地域とのつながりを深め環境保全型の農業の推進や、100%有機米の学校給食の提供に努められていることは、学ぶべき点も多いと考えております。 給食センターといたしましては、今後も関係機関と協議しながら、土佐市の子供たちに安全・安心な学校給食の提供に努めてまいりたいと考えておりますので、山脇議員さんにおかれましては御理解、御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
○議長(
森田邦明君) 山脇義英君の4問目2回目の質問を許します。
◆4番議員(山脇義英君) 答弁ありがとうございました。 岩戸米50%以下の減農薬、そして旬物クラブさんも減農薬で既にやってくださっているということを聞いて大変ありがたく存じます。1,800食の安定供給ということもございますので、一遍にはできないことと思いますけど、やはり有機農法の野菜は、虫がつくとか穴が開いたりするって言いますけど、実際に虫が食べたくなる野菜ていう裏返しもあります。そういう意味でも、子供たちの食べるもんですので、またですね、1回目にも申し上げましたけれども、国は欧米諸国のオーガニック食品の需要の拡大を受けて、2050年までに我が国の有機農地を現在の50倍、現在の50倍の100万ヘクタールにすると提言されております。そして、あらゆる補助金を出して有機農業に転換できるような下支えもしてくだってますし、いすみ市などの事例見ますと、やはり既存の農家さんというよりかは、新規就農された方のオーガニック化がやはり大半だということで、既存でやられている方にお声がけしてやっていくっていうのは、いきなり有機農法というよりかは、もう減農薬化をお願いするしかないと思います。また、中国などは、欧米諸国にオーガニック野菜を物すごく輸出して外貨を稼いでおります。 我が国においても、これからはそういった国の施策で、オーガニック野菜を海外へ輸出できるようにすることも大事ですし、それから食料の自給率、そして、もっと言うと子供たちが食べるもんです。成長期の子供が体を成形する大切な時期に、より自然の力にあふれた学校給食で、健やかに子供たちに成長していただくために少しずつ減農、そして有機農法に向けて推進しいただきますようにお願いを申し上げまして、私の全ての質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(
森田邦明君) 以上で、4番山脇義英君の質問を終結いたします。 ここで10分間休憩いたします。 休憩 午後 2時55分 正場 午後 3時 5分
○議長(
森田邦明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 続きまして、8番野村昌枝さんの発言を許します。
◆8番議員(野村昌枝君) 議長の許可がありましたので、通告順に従いまして質問いたします。1番の教育長さんの質問は、中田さんとちょっとダブっている点もあるかも分かりませんけどお許しください。 じゃあ1問目、長年の学校現場、
教育行政の経験を活かし、土佐市の教育に対する所感を聞きます。 新しい教育長の就任を受け、教育長の教育に対する深い思いと情熱を感じることができます。長年の
教育行政と学校現場での経験を通じて、子供たちの未来を真剣に考え、教育の質と効果を高めるための取組を続けてこられました。私たちもその熱意とビジョンに共感し、土佐市の教育課題が多くても、新しい時代の教育を築いていかなければと新たに思うところでございます。長年の
教育行政と学校現場の豊かな経験を通じて、教育に対する所感をお伺いします。
○議長(
森田邦明君)
安岡教育長。
◎教育長(安岡健二君) 野村議員さんからいただきました御質問に、お答えします。 私は、中学校の教育現場や県教委、あるいは市教委等の
教育行政を含めまして40年の教員生活を終えた後、議員の皆様の同意をいただき、この7月から教育長として赴任いたしました。 この間、全てが順風満帆であったとは言い難く、山あり谷ありの40年間でございました。昭和、平成、令和と時代が変わる中、社会も変わり将来の社会を力強く生き抜いていくため、子供たちに求められる力も変わってまいりました。それに応じ、総合的な学習の時間の創設や、道徳や小学校外国語科の教科化など時代の流れに応じ、求められる教育内容も変遷し、タブレットを活用した個別最適な学びの提供など、教育の手法も大きく変わりつつあります。 おそらく情報化が著しく進歩し続けている現状の下、教育活動を通して子供たちに求められる力や育てたい力は、今後も時代の流れに応じ変化し続けるものと考えます。しかしながら、どのように社会が変わろうとも、私たちは子供たちに教育という活動を通して、AIや機械では置き換わることができない主体性や思考力、道徳心あるいは実行力などの人ならではの能力や感性を育てていかなくてはならないと考えております。 不易と流行という言葉があります。不易とは、いつまでも変わらないもの、また、流行とは、変化し続けるものを意味します。私は、この職を通して教育会における不易の課題、以前から課題として挙げられている学力問題や不登校問題、人権課題など、また、流行である課題、情報化社会に対応したICTの活用能力や社会に開かれた教育課程の創造など、こういった不易と流行に係る一つ一つの課題に対して微力ながら真摯に取り組み、40年間教育現場で育てていただいた恩返しの意味でも、土佐市の教育全体が一歩でも前進できるよう、学校長や諸機関と連携を図りながら、一つ一つの教育課題の解決や改善に向け、取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(
森田邦明君) 野村昌枝さんの1問目2回目の質問を許します。
◆8番議員(野村昌枝君) 御答弁ありがとうございました。 教育一筋に40年間、お疲れ様でございました。御答弁にありました不易と流行の教育、いい概念ですね。私、これ共感で大好きです。松尾芭蕉が奥の細道の旅をする中で体得した、不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず、本当にいい概念で共感しております。教育の中でぜひよろしくお願いします。 教育会の不易の課題、学力問題や不登校問題、人権問題、土佐市は特に不登校問題にいろいろ課題がありますけれども、大事な子供たちが不登校で、もう一生を立ち行かなくなるようなことがないように、不登校にぜひ多様化を尊重しながら取り組んでいただきたいと思います。 今から本当に流行である課題、情報化社会に対応した、情報通信技術の活用能力や社会に開かれた教育課程の創造、私は一口で言いますけれども、ずうっと勉強していると、とても深い意味があるんだなっていうふうに尊敬いたしております。その課題に取り組んでいただけるように御答弁をいただきました。土佐市教育の前進に期待いたします。未来のある子供たちも、本当に今からの厳しい社会を生きる力をしっかりと育んでいただけるようにお願いいたしまして、この質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(
森田邦明君) 野村昌枝さんの2問目の質問を許します。
◆8番議員(野村昌枝君) 2問目の質問をいたします。「新型コロナウイルス5類移行後の土佐市民病院の現況・運営について」質問いたします。 政府は5月8日に新型コロナの感染法上の位置づけを5類に引き下げ、患者の医療費を原則自己負担とするなど、対応を徐々に通常の体制に近づけてきました。感染者の把握方法は、全ての医療機関から報告を受ける全数把握から、一部の医療機関からの報告を受ける定数把握に変更されました。患者や医療供給体制への急激な負担増加を避けるために一部の支援を継続し、病床確保料は9月末までは半額となり、その後については、夏の感染状況を踏まえ、9月中旬までに感染症部会などで議論し正式決定を目指すということで、10月からはどうなるのか分からない状況で心配しております。 高知県内新型コロナウイルス感染症は8月27日、1週間に44医療機関874人、1医療機関当たり19.86人とやや減少も、引き続き感染症対策をと県は公表されており、医療の現場では厳しい状況が続いております。高知市の元私は中央病院でいらっしゃった先生のところによく訪ねていくんですけど、医療機関の医師は、全医療機関が診てないので負荷がかかるところは大変、今までは入院も保健所の調整があったが、なくなり、入院をお願いしても受け入れられずに困っている状況です。医師会からも来年3月まで何とか支援のお願いを要請はしていると、本当に使命感に燃えて医療を支えている様子が伺えました。土佐市民病院の現況についてお伺いいたします。 また、新興感染症対応に係る医療計画を策定され、令和6年4月施行に向け、県と医療機関との間の病床確保の協定締結に向け、医療政策課は調査中です。土佐市民病院は、県に対してどういう回答を出されますか。また、今後の運営についてお伺いいたします。
○議長(
森田邦明君) 横川病院事業副管理者。
◎病院事業副管理者(横川克也君) 病院局の横川です。野村議員さんからいただきました御質問に、お答え申し上げます。 まず、現況について申しますと、感染症法上の5類移行後初期には、コロナ感染の入院患者も少数で推移し、7月に入った頃には、徐々に一般入院患者に回復の兆しが見えてきたかと思われましたが、8月に入りますと、昨年の夏を思い起こすように感染者が激増し、病棟では大規模なクラスターが発生いたしました。それにより入退院の停止や予定手術の延期、発熱外来にも連日多くの患者が来院する中、職員の感染による出勤停止者も一時は20名に達するなど、医療体制が逼迫する大変厳しい状況となりました。一度コロナが流行し始めますと、病床稼働率の回復努力も一瞬で吹き飛んでしまう反面、感染が落ち着いてきても、一般患者数はなかなか回復しないという、これまでと全く同じ形態を繰り返しております。なお、先週末時点ではコロナの入院患者は7名、職員の欠員者数も10名を下回るなど、徐々に落ち着いてきましたが、継続して万全の感染拡大予防対策に努めております。 次に、経営状況でございますが、病床確保料の期間が9月末までは延長されたものの、補助金の減額と空床確保補償エリアの縮小によって収入は大きく悪化し、今年度の病院経営は多額の損失が見込まれており、それらは今議会の補正予算書として提案させていただいております。なお、10月以降の病床確保料等補助事業の延長と充実につきましては、医師会をはじめ自治体病院協議会としても要望しているところですが、感染分類など法律が変わった以上は、難しいものと受け止め、これまでの経験を生かした創意工夫で、損失を最小限に食いとどめられるよう、感染症の対応と一般診療の両立に努力したいと考えています。 続きまして、新興感染症への対応について、お答えいたします。 次年度から計画されています改正感染症法の概要と趣旨を端的に申しますと、今般の新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、都道府県が各医療機関に医療提供体制への要請を行うに当たっては、従前のように危機発生後に医療機関と交渉して確保するのではなく、事前の協議・協定により、あらかじめ担当することを約束してもらうというもので、特に公立・公的医療機関等に対しましては、その役割を義務化する仕組みを整備しているものです。また、それは今年度中に策定、提出を求められています公立病院経営強化プランでも、大きな課題として掲げられています。 なお、協定に当たりましては、支援額のイメージが示されており、それによりますと感染症医療の提供を行った月の診療報酬額が、感染症流行前の同月の診療報酬を下回った場合、その差額部分を補填するとされておりますので、今もなおコロナの影響を受け、常態的に減少している患者数と診療報酬の増収回復が、より重要となってまいります。 その上で当院ができる対応としましては、新興感染症の流行初期の段階で5床、流行期で10床の病床確保を想定しておりますが、可能な限りは他の医療機関の動向
確認、また、当院の損益分岐点や採算性も精査しながら、高知県としっかり協議して、適切な判断をしたいと考えております。議員におかれましては御理解と、今後ともの御支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○議長(
森田邦明君) 野村昌枝さんの2問目2回目の質問を許します。
◆8番議員(野村昌枝君) 2回目の質問をいたします。 新型コロナウイルス5類移行後の土佐市民病院の現況と運営について、御答弁ありがとうございました。現況につきましては感染法上の5類移行につきましても、医療の現場では万全の感染拡大予防対策に努められ、想像以上の実態であることがよく分かりました。8月には昨年の夏を思い起こすような感染者が激増しクラスターが発生し、それにより入退院の停止や予定手術の延期など、発熱外来職員の感染など厳しい状況であります。 高知市のある医療機関の先生も指摘されたように、コロナ受入れ病院や外来は負荷が多く、全医療機関で診療されてないという現実を訴えておりました。5類移行後の感染者数、10月以降の病床確保料など、補助事業の延長など国の動向が気になるところです。 新感染症への対応につきましては、概要と趣旨について説明をいただきました。当院ができる対応は、新興感染症の流行初期の段階で5床、流行期で10床の病床を確保を想定している。ほかの医療機関の動向と当院の損益分岐点や採算性を精査しながら、高知県としっかり協議しながら適切な判断をという答弁内容で、今から難しい選択となります。けれども私は本当に、今までの市民病院は公的病院とはいえ、本当県下でも受入れの病棟数がすごく多かって、今ね、大変な状況で、それを回復するために、今、本当に皆さんの、ほかの病院よりももっともっとの苦労なさって、元に戻そうとしているっていうのが分かりますので、ぜひですね、あまりたくさんというか受けるのをね、使命を感じて受けるのはいいんですけれども、そういった国の動向でさっと変えられてしまうと、もう病院のスタッフもみんなね、大変な状況になりますので、その辺は踏まえまして、あまり多く、多くとは、そんなことは言われませんけど、無理のない数値でぜひやっていただきたいとお願いしておきます。 感染分類など法律が変わった以上、これまでの経験を生かした創意工夫で損失を最小限にとどめられるよう、感染症の対応と一般診療の両立に努力をという、使命感に燃えた力強い答弁でありました。 私は先日、県の医療政策課の課長補佐と話した時に、なかなか見通しは今から、補助の見通しは難しいですよと言っていましたけど、8月のコロナの状況によったら、また、元に少しは延長される可能性もあるかとは思いながら、市民病院は、でもうちは非常に今大変で苦労してますよって言いましたら、市民病院は今まで自治体病院の中でも、赤字でなく健全な運営をされてた経験があるので、それをもとにやれば絶対大丈夫ですからっていう他人事のような、この現場の苦労がお分かりですかと思いながらお話をしたことでございました。 経済の発展も大事ですが、命を守る医療現場の声にもね、耳を傾けた政策を願います。国の動向を注視しながら、微力ですが応援していますので、しっかりとよろしくお願いいたします。 これで、この質問を終わります。