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09月17日-05号

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  1. 高知市議会 2020-09-17
    09月17日-05号


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    令和 2年第479回 9月定例会 第479回高知市議会定例会会議録第5号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第5号 令和2年9月17日(木曜日)午前10時開議第1  市第103号 令和2年度高知市一般会計補正予算 市第104号 令和2年度高知市国民健康保険事業特別会計補正予算 市第105号 令和2年度高知市収益事業特別会計補正予算 市第106号 令和2年度高知市国民宿舎運営事業特別会計補正予算 市第107号 令和2年度高知市水道事業会計補正予算 市第108号 令和2年度高知市公共下水道事業会計補正予算 市第109号 高知市立学校の学校医,学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例議案 市第110号 高知市印鑑条例の一部を改正する条例議案 市第111号 高知市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例及び高知市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例議案 市第112号 高知市公設水産地方卸売市場条例の一部を改正する条例についての市長専決処分の承認議案 市第113号 秦中央保育園新築工事及び秦ふれあいセンター改修工事請負契約締結議案 市第114号 (令和2年度)令和元年度漁強化第1-1号春野漁港施設機能強化工事外1件請負契約締結議案 市第115号 (仮称)高知布師田団地の共同開発に係る団地整備業務委託契約締結議案 市第116号 訴訟の提起について 市第117号 調停の申立てについて 市第118号 令和元年度高知市水道事業会計利益の処分に関する議案 市第119号 決算の認定議案 市第120号 決算の認定議案 市第121号 決算の認定議案  ────────────────  本日の会議に付した事件日程第1 市第103号議案から市第121号議案まで  ────────────────  出席議員1番 浜口佳寿子君  2番 島崎 保臣君3番 甲木 良作君  4番 木村  亘君5番 神岡 俊輔君  6番 迫  哲郎君7番 はた  愛君  8番 細木  良君9番 岡崎 邦子君  10番 深瀬 裕彦君11番 長尾 和明君  12番 下本 文雄君13番 下元 博司君  14番 田鍋  剛君15番 岡崎  豊君  16番 近藤  強君17番 戸田 二郎君  18番 高橋 裕忠君19番 海治甲太郎君  20番 横山 公大君21番 大久保尊司君  22番 伊藤 弘幸君23番 氏原 嗣志君  24番 吉永 哲也君25番 清水おさむ君  26番 平田 文彦君27番 西森 美和君  28番 寺内 憲資君29番 川村 貞夫君  30番 和田 勝美君31番 竹村 邦夫君  32番 福島  明君33番 山根 堂宏君  34番 高木  妙君  ────────────────  説明のため出席した者      市長      岡崎 誠也君      副市長     松島  研君      副市長     中澤 慎二君      総務部長    森田 洋介君      防災対策部長  松村 和明君      財務部長    橋本 和明君      市民協働部長  谷脇 禎哉君      健康福祉部長  大野 正貴君      こども未来部長 山崎 英隆君      環境部長    今西 剛也君      商工観光部長  楠本  太君      農林水産部長  島津  卓君      都市建設部長  岡崎  晃君      教育長     山本 正篤君      上下水道事業管理者              山本三四年君      消防局長    本山 和平君      監査委員    細川 哲也君      財政課長    大北  新君  ────────────────  事務局職員出席者      事務局長    藤原  哲君      事務局次長   山崎 敬造君      庶務課長    谷村 守敏君      庶務課長補佐  田村 章代君      議事調査課長補佐              竹村 博和君      議事調査課管理主幹              中須賀広典君      秘書係長    西  理恵君      議事係長    池上 弘倫君      議事調査課主幹 森 美樹子君      議会庶務担当調整官              松下 智子君      書記      伊藤 剛大君  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午前10時0分開議 ○議長(田鍋剛君) これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 市第103号議案から市第121号議案まで ○議長(田鍋剛君) 日程第1,市第103号議案から市第121号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 神岡俊輔議員。  〔神岡俊輔君登壇〕 ◆(神岡俊輔君) おはようございます。社民党,市民クラブの神岡俊輔でございます。 最初に,令和2年7月豪雨により甚大な被害を受けた九州地方に,再び今月6日から7日にかけ,非常に強い勢力を保ったまま台風10号が九州地方に接近し,広く西日本に被害をもたらしました。 この災害によりお亡くなりになられた方々,被害を受けられた方々に対しまして,心よりお悔やみとお見舞いを申し上げ,一日も早い復興をお祈りいたします。 また,最近,再び拡大傾向にある新型コロナウイルスによる感染症対策につきまして,岡崎市長を先頭に,日々,最前線で取り組んでおられる担当部局,保健所,医療センター及び消防局の皆様方に,心より敬意を表します。 それでは,通告に基づき質問に入らせていただきます。 最初に,高知市強靱化計画についてお尋ねします。 国は平成25年12月に,強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法を公布,施行し,翌年6月には国土強靱化基本計画が策定され,これを受け本市でも,国や県と一体となり本計画を推進すべく,27年4月に高知市強靱化計画・第1期計画が策定されております。 本計画は,国土強靱化基本法第13条に基づき,本市の様々な分野の計画等の指針となるものであり,高知市総合計画,高知市地域防災計画など,他の計画の上位に位置づけられるアンブレラ計画とされております。 その後,国の基本計画の見直しなどもあり,本年3月には,高知市強靱化計画・第2期計画を策定し,さらなる強靱な地域づくりを始めたばかりでございます。 対象とする災害と被害想定は,風水害と南海トラフ地震,それによる長期浸水被害です。 この第2期計画では,8つの事前に備えるべき目標とその目標達成に向け,29の起きてはならない最悪の事態を設定し,その事態回避に向け,現在の脆弱性を評価するとしています。 さて,8つの目標と29の最悪の事態と大変項目が多いですので,質問を絞って行いたいと思います。 まず,8つの事前に備えるべき目標のうち,制御不能な二次災害を発生させないとの目標の中で,地震火災,津波火災による市街地の延焼拡大が起きてはならない最悪の事態の一つとして位置づけられております。 これへの脆弱性の評価結果は,大規模な市街地火災や津波火災に対する消火体制の整備が必要との結果が出ております。 これを受け,強靱化の推進方針では,大規模な市街地火災や津波火災に対する活動能力を高めるため,消防の体制,装備資機材や訓練環境の充実・強化,通信基盤の高度化を図るとともに,必要な消火体制を検討する。また,消防団の定数確保や自主防災組織の資機材整備などの地域の防災力を高める取組を推進するとの方針が示されております。 中でも,今回は,大規模な市街地火災や津波火災への本市の対応について,お聞きいたします。 市街地火災といえば,平成7年1月17日の阪神・淡路大震災での神戸市を,また津波火災といえば,23年3月11日の東日本大震災での気仙沼市を思い浮かべるのではないでしょうか。 平成23年の東日本大震災での地震火災,津波火災の事例を見ると,火災現場周辺から必要な消火用水を確保することができず,何百メートルもの距離を延々とホースを延ばし,消火用の水を取ることが可能な海や河川などから長距離送水を余儀なくされ,結果的に,消火が可能になるまでに相当な時間を費やしたことや,ようやく消火を始めたとしても,津波警報などで度々消火作業を中断し,現場を退避しなければならなかったり,また日没などで,消火途中でも火災現場から引き揚げざるを得なかったりということも多々あったようです。 重要なのは,この延々と何百メートルも延ばしたホースは,撤収をしないことが往々にしてあります。 理由は,途中で消火を中断した火災現場では,燃え残った火から再び燃え出す,いわゆる再燃する可能性が高く,後でその消火作業のため,再びホースを延長する労力を省くため,あえて延長したホースは,そのまま現場に残すことが多いからです。 また,地震や津波火災現場では,壊れた家屋やトタン板,看板等,様々な瓦礫の散乱する上をやむを得ずホースを延長しなければならないこともあります。 高圧で送水している消火作業中,鋭利な瓦礫でホースが破裂し,交換のため消火作業を中断することも多かったという報告もありました。 また,現場に残したホースが火災の再燃,拡大により,燃えてしまったという報告もあり,そうなると,破損したホースは使用不能となり,現地で捨てになります。 このように地震火災,津波火災では,消火用ホースは,消耗品として考えなければなりません。 南海トラフ地震では,耐震化が完了していない水道配管の消火栓は,多くが使えない可能性が高く,また津波により水没してしまう消火栓も多く見込まれます。 そのため,海や河川,用水路等の自然水利や耐震性防火水槽などからの長距離送水を強いられることになり,結果,大量の消火用ホースが必要になります。 ここからは,私が独自に調べた本市のデータや,現役時の経験を基にお話をいたします。 消防ポンプ車が海や河川などから水を取る場合,1台が延長できるホースの数は,条件がよい場合で27本,ホースは1本20メートルですので,540メートルが限度と考えますが,実際の現場活動では,何か所もの曲がりによるホース内部の摩擦損失が発生しますので,ホース20本,400メートルが限度と考える必要があります。 消防局には,ポンプ積載車両が現在28台ありますので,送水に使用する中継用の65ミリメートルホースは,28台掛ける20本で,単純に560本必要となります。 また,ほかにも人による運搬が可能な可搬式の小型ポンプも18台あります。これは能力が消防自動車ポンプより劣りますので,1台につき5本,100メートル延長できるとして,90本必要になります。 したがって,主に長距離の中継送水に使用される65ミリメートルホースは,合計650本必要となりますが,現在,消防局が保有する65ミリメートルホースは508本であり,現状では142本不足しております。 消防局の大規模災害時消防活動マニュアル地震災害応急対策では,冒頭,活動方針として,火災対応優先の原則が示されており,初動時に全組織力を挙げ消火活動に着手することを原則とするとしております。 発災直後は,4つある本署の救急隊を除く全職員を消火活動に振り向けるとしています。これは,火災を消せるノウハウや機材を持つ組織は,消防以外にないからです。 東日本大震災時,気仙沼市では,多くの市民が津波から避難した公共施設に,その後,周囲から火災が迫る中,籠城を余儀なくされたケースや,石巻市では住民が一時避難していた学校の校舎から別の避難所へ2次避難した後に,最初の避難場所である学校の校舎が火災で全焼したという事例も報告されております。 こうした有事の際,消防士や消防団員さんもおり,消防車もあるのに,ホース不足で火が消せないという事態は,何としても避けなければなりません。 そこで,岡崎市長にお伺いします。 現在,避難所や津波避難ビルなどには,避難後に必要な物資が順次備蓄され,充実してきていますが,消防のホースについても,単なる消防の備品として考えるのではなく,備蓄食料や段ボールベッドなどと同じく,震災後の市民の命と安全を守るため,必要不可欠な備蓄物資として位置づけるお考えはないのか,御所見をお伺いします。 また,これに関連し,消防局長にお伺いします。 私が消防での現役時代にも,消防ホースの廃棄については,明らかな破損でもない限り,目視での廃棄の判断は非常に困難で,実際には水を通し,一定の圧力をかけなければ,修理か廃棄かを決めることはできませんでした。 メーカーは,未使用の状態でおおむね10年,使用した状態で六,七年としていますが,消防局として,現在のホース定数の考え方や管理の現状,今後の地震火災,津波火災への対策や,それに伴う必要装備の投入について,どのようにお考えか,御所見をお伺いします。 次に,新型コロナウイルスの救急隊員への感染防止対策についてお伺いします。 先月末,高知医療センターの医師や看護師らが,新型コロナウイルスに感染したことが明らかになりました。 この医師らは,他の病院から移送されるコロナ感染の疑いのある患者であったことから,あらかじめ新型コロナに対応する装備を着用していたにもかかわらず,感染してしまったのですが,救急出動についても同様の危険が潜んでおります。 最近の市中における無症状のコロナ感染者の増加に伴い,救急隊員は感染防護のため,率先して全事案にマスクや手袋はもちろんのこと,感染防護衣の上下も着用し,出動しているとお聞きいたしました。 この暑さの中,現場の救急隊員には,精神的にも肉体的にも大変な御負担をおかけしていることと思います。 今後,こうした対応を長期に続けておりますと,当然,感染防護のための装備類も不足してくることが予想されますので,事前に十分な量の装備の確保が必要になってくると思いますが,今後の対応について,消防局長の御所見をお伺いします。 関連した次の質問に移ります。 さきに述べたように,救急現場では,日々細心の注意を払い,新型コロナウイルス感染防止対策を実施しており,現在まで一人の感染者も出しておりません。日々のリスクを考えると,本当に頭の下がる思いです。 しかしながら,全国に目をやりますと,7月には山梨県の甲府地区消防本部南消防署で,20代の男性署員のコロナ感染が判明しました。 この署員は,発症前後にも勤務をしており,濃厚接触者の同僚や知人の感染も明らかになっております。感染経路は不明だということです。 この署員の感染が判明した直後,保健所では全署員117人の聞き取り調査をし,濃厚接触者とは別に,体調不良を訴えた職員のPCR検査もしたということですが,無症状の署員の検査はしなかったということです。 この対応に,同じ山梨県内の消防本部で働く救急隊員は,無症状でも感染している場合があり,不安な署員もいたはず。安心して働くためにも,全員のPCR検査をしてほしかったと訴えております。 同じ7月に救急隊員の感染が判明した兵庫県姫路市では,隊員が勤める消防署の70人全員のPCR検査をしたということで,姫路市広報課は,市民に安心して119番をしてもらうため,市長が判断したとしています。 そこで,岡崎市長にお伺いします。 今後,本市救急隊員あるいは消防隊員にコロナ感染者が発生した場合,市民が119番通報をためらうことがないよう,検査体制を含めた消防への信頼体制維持のため,どのような対応が必要だとお考えか,御所見をお伺いします。 次に,大規模盛土造成地の地盤調査についてお伺いします。 国土交通省は,地震や大雨で地滑りの危険が指摘される住宅用の大規模盛土造成地について,地盤が安全かどうかの調査を2022年度末までに完成させる方針だとしています。 大規模盛土造成地とは,谷埋め盛土,いわゆる谷を埋め立てた造成宅地で,盛土の面積が3,000平方メートル以上のものと,腹付け盛土,これは傾斜地に盛土した造成宅地で,盛土前の地盤,いわゆる地山の傾斜が20度以上,かつ盛土の高さが5メートル以上のものが該当するとしており,本市では谷埋め盛土が232か所,腹付け盛土が156か所あると公表しています。 東日本大震災,熊本地震,北海道胆振東部地震などでは,盛土造成地において滑動崩落,いわゆる地滑り等の宅地被害が多数発生しております。 東日本大震災では,岩手,宮城,福島,茨城,栃木,千葉,埼玉の各県で宅地被害が発生し,中でも仙台市は,約5,000件の宅地被害が発生しております。 また,熊本地震では,熊本県内で約1万5,000件の宅地被害が発生し,小規模な宅地擁壁の被害も多数発生しております。 北海道胆振東部地震では,札幌市など4市町で局所的に甚大な宅地被害が発生をしております。 国土交通省では,東日本大震災で滑動崩落の被害を受けた宅地の多くは,1970年代,昭和45年以前に造成されたものであり,宅地造成等規制法等の改正により,技術基準を強化した2006年,平成18年以降に造成された宅地においては被害が発生していないことを踏まえ,既存の造成宅地について,第1段階として,大規模盛土造成地の位置と規模を把握し,第2段階でボーリング調査などによる現地調査で安全性の確認を行い,それを踏まえて第3段階では,危険性が高い箇所の滑動崩落防止工事などの予防対策を早急に進める必要があるとしています。 本市は,第1段階の大規模盛土造成地マップの公表は終わっていますが,国土交通省による本年3月時点での都道府県別の造成年代調査実施状況によると,令和元年度までに都道府県内にある調査対象市区町村の調査の完了率がゼロ%なのは,北から青森,山形,東京,奈良,高知,鹿児島の6都県であります。 こうした大規模盛土造成地の地震時の危険性が明らかになっている以上,本市としても,次の第2段階である盛土造成地の安全性の把握へと早急に進む必要があります。 このことについて,今後の本事業の進め方について,本市としてどのようにお考えか,都市建設部長の御所見をお伺いします。 次に,環境行政についてお伺いします。 今年7月1日からレジ袋の有料化が全国一律で開始されましたが,レジ袋はプラスチックごみの中で2%から4%ほどとされ,レジ袋だけでは根本的な解決にはならないとの意見もありますが,消費者の環境意識を高める意義は大きいと言えるのではないでしょうか。私も最近は,かばんや車に使い回しのレジ袋を常備するよう意識するようになりました。 さて,年々深刻さを増す海洋プラスチックごみ問題ですが,本年6月,ショッキングな研究報告がありました。 人間が1年間に体内に取り込むプラスチックの量は,推定約250グラムに及ぶとされ,それは世界中の人々が,毎週クレジットカード1枚分に相当する約5グラムのマイクロプラスチックを摂取していると指摘した研究報告です。 マイクロプラスチックとは,海に流れ出たプラスチックごみが波や紫外線などにより,5ミリメートル以下の細かい粒子に砕かれたもので,それを海洋生物が餌と間違えて食べてしまい,食物連鎖で最終的には人間の口に入ることになります。 この報告によると,目に見えないほど微小なプラスチック粒子が水道水やボトル入りの飲料から採取されているほか,貝やビール,塩からも検出されたとしております。 このマイクロプラスチックは,人体への悪影響も懸念されており,国民の健康問題として,見過ごせない課題となっております。 国連によると,毎年800万トン以上のプラスチックごみが海洋に流れ込んでおり,その総量は既に1億5,000万トンを超えると言われております。 2050年には,地球上に生息する魚の重量をプラスチックごみの重量が上回るとも予測されており,早急な対策が必要だとされました。 この問題は,国際社会でも大きく問題視され,2019年6月に大阪市で開催されたG20サミットでは,2050年までに新たな海洋プラスチックごみによる汚染をゼロにする目標を掲げた,大阪ブルー・オーシャン・ビジョンを各国首脳が共有したことも記憶に新しいところです。 2018年,日本で発生したプラスチックごみは,891万トンとされ,84%は有効利用されたとしておりますが,そのうち焼却による熱利用としてサーマルリサイクルされたものが56%だとしておりますが,このサーマルリサイクルは,焼却の際,二酸化炭素を発生させるので,国際的にはリサイクルとはみなされておりません。結果,国内で資源として再利用されたのは,僅か18%程度であります。 また,最近の研究では,大気中にもプラスチック汚染の影響があるとされており,早稲田大学の研究によると,富士山の山頂でも,ポリプロピレンなどのプラスチック粒子が確認されたとしております。 この大気中のプラスチックごみを吸い込むと,肺にとどまり,アスベストのように作用し,がんを発生させたり,腫瘍を発生させたりするなど,人体への悪影響が考えられるとしております。 これらの課題に対し,既に独自の対策に乗り出す自治体も増えております。お隣の徳島県の上勝町では,プラスチックごみを削減するため,飲食店や商店での個売り,量り売りを推進し,油やしょうゆ,米,お茶だけでなく,刺身やカレーまで数量を指定して買うことができるとのことです。 また,容器を持参して買物をするとポイントがたまり,ポイントを使って生活用品などとの交換もできる仕組みを導入するなど,ユニークな工夫がされ,海外から取材が来るほど注目を集めております。 また,神奈川県鎌倉市が取り組んでいるのは,ペットボトル飲料の削減のため,市内の公共施設に給水スポットとして,ウオータースタンドを設置するという新しい試みで,本年2月から市内の公共施設を中心に,最大50台程度の設置を目指しているとのことで,これにより市民や観光客にペットボトル飲料ではなく,マイボトルの利用を呼びかけております。 鎌倉市は2018年10月に,かまくらプラごみゼロ宣言も行っており,2019年からは,庁舎内の自販機でのペットボトル飲料の扱いをやめ,アルミ缶や紙コップの商品に変更しております。 担当課のごみ減量対策課にお聞きすると,入札の仕様を変更し,缶入り飲料や紙コップ飲料に指定した際,当初は手を挙げる業者がいないのではないかと危惧したそうですが,業者も努力をしてくれ,この心配は杞憂だったそうです。 缶入り飲料は,一度開けると閉められないのが欠点でしたが,スクリューキャップのアルミ缶の登場で,その弱点を克服し,プラスチックごみ削減を追い風に,アルミ缶の国内消費は増大しており,そのリサイクル率も9割を超し,利便性と環境性を兼ね備えた容器として見直されております。 民間企業の富士通も,昨年いっぱいで社内の自販機1,500台でペットボトル飲料の販売を終了し,今年3月までに国内のグループ会社でも対応を終えるとのことで,これにより年間700万本のペットボトルが削減可能だとのことです。 さて,近年は,このように官民が先進的に取り組む事例も見受けられるようになってきました。 そこで,本市の取組ですが,環境部が水質や自然環境の保全に向けた取組や,よさこいエコライフチャレンジなど,様々な事業をされております。 それぞれに成果が上がっていることと思いますが,さきに述べたように,環境保全や健康保持の観点から,プラスチックごみ削減のため,本市もまずは,ペットボトル飲料の削減対策を行ってはどうかと思いますが,今後の本市の取組として,どのようにお考えか,環境部長にお伺いします。 また,この本庁舎や総合あんしんセンター教育委員会所管の体育施設,また本市の指定管理者の運営する施設などの自動販売機でのペットボトル飲料の取扱いを禁止し,アルミ缶や紙コップなどの飲料を取り扱うよう,まずは,この本庁舎にある自動販売機から取り組んでみてはどうでしょうか。 また,その他の施設についても,入札の際や契約更新の際に,契約内容を変更するなどの取組ができないものか,財務部長にお伺いします。 以上で,第1問を終わります。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) おはようございます。段々の御質問をいただきましたので,私のほうからは,消防に関する御質問にお答えを申し上げます。 まず,消防ホース等ですけれども,高知県が平成25年に公表しました南海トラフ地震の被害想定は,幾つかの分野に分かれております。 この中での火災ですけれども,被害の最大値の条件がございまして,時間帯によって幾つかシミュレーションがありますので,冬場の夕方の18時,一番火を使っている時間帯ということで設定をしますと,高知市内におけます火災による約6,700棟の家屋の焼失と700人の死者が発生することが想定をされておりますので,火災による被害を限りなくゼロに近づけるため,消防体制の強化というのが非常に重要になると考えます。 高知市におきましては,2011年の東日本大震災を教訓といたしまして,それぞれ常備消防,非常備消防ともに,消防署所の再編が重要であるということを改めて認識をいたしまして,再編計画をつくりまして,常備消防では中央消防署等の移転の整備,また各地域に屯所がありますので,浸水エリアからの高台への屯所の移設の改築。また,老朽化した屯所につきましては,順次改築ということで整備を進めてまいりました。 ハード整備では,かなり整備がされてまいりました。このときに合わせまして,必要な最新の消防隊員もしくは消防団が使います装備品を整備しながら,消防力を飛躍的に強化をさせてまいりました。 南海トラフ地震が近づきつつありますので,また近年は台風災害や豪雨災害も頻発しておりますので,この消防団,そして常備消防が使います装備品につきましては,ソフト面の強化を図る必要があると考えております。 先ほどの消防ホース,これは大丈夫かという御質問だと受け取りましたが,消防ホースをはじめとします必要な装備,また車両,資機材等の確保を順次図ってまいりたいと考えております。 続きまして,消防職員の新型コロナウイルスの対策等について,御質問にお答えを申し上げます。 消防署員につきましては,それぞれ感染のリスクがある中で,非常に緊張感を持って真摯に対応していただいておりますことに,感謝を申し上げたいと思います。 消防局では,令和2年2月,消防庁からの通知がございまして,これは新しい通知ですけれども,新型コロナウイルス感染症に係る消防機関における対応についてという通知がございましたので,これを受けまして,感染症に関する知識と対応策を正しく理解した上で,感染防止対策を徹底して行い,万一職員が感染した場合でも,その影響範囲を最小限にとどめて,業務を継続することができるような対応方針を事前に定めています。 一つの事例ですけれども,例えば隔日勤務者の場合は3部制をしいておりますが,これを4部制に組み替えたり,例えば日勤の方々につきましては,分散勤務。例えば,午前,午後に分けるとか,分散の勤務。また,消毒のための庁舎を閉鎖して消毒するという,仮にそういう場合には,待機場所の変更等など,そういうことを想定して対応方針を決めております。 消防職員から仮に感染者が発生した場合には,所管の保健所,これは高知市保健所とは限りませんので,所管保健所の調査により,濃厚接触者と判断された職員に加えまして,健康観察者と判断され,発熱または呼吸器等の障害のある職員がPCR検査の対象者となります。 その検査結果によりまして,消防署内での勤務状況等を考慮しまして,さらに検査対象を広げるかどうか,この時点で検討するということになります。 いずれにしましても,救急業務,また消防業務は,日常的に住民の皆様と密接に接する活動範囲となりますので,住民の皆様方に不安を与えることがないように,先ほどの感染防止衣,衣服ですけれども,感染防止衣等の着用の徹底や,救急車内の消毒の実施など,事前の高知市消防局における感染疑い傷病者への対応手順,こういうものもありますので,これに基づいた適切な感染防止対策をさらに徹底をしてまいりたいと考えております。 その他の御質問につきましては,各担当部局長等からお答えを申し上げます。 ○議長(田鍋剛君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 本庁舎の自動販売機におけるペットボトル飲料の取扱いについてお答えします。 本庁舎などに設置しております自動販売機に関しましては,平成26年度以降,一般競争入札により設置事業者を決定し,5年間を基本として契約を締結しております。 入札の際には,施設の用途や利用者の状況に応じた商品を販売するため,缶,ペットボトル,紙コップなど容器の指定や,一部の施設ではスポーツ飲料を必須とするなどの条件により入札を行っており,ペットボトル飲料の販売を取りやめた場合,販売本数に影響し,設置事業者の収益が見込めなくなる可能性があるため,契約期間途中での条件変更は難しいものと考えております。 しかしながら,次回,令和6年度に本庁舎の自動販売機設置に係る入札を実施いたします際には,他の自治体や飲料業界の取組状況を考慮しながら,ペットボトル飲料の取扱いも含めまして,環境への配慮について検討してまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 今西環境部長。 ◎環境部長(今西剛也君) プラスチックごみ削減のためのペットボトル飲料の削減対策に関する御質問にお答えいたします。 まず,素材としてのプラスチックは,軽くて強い,さびたり腐食したりしない,透明感があり,着色が容易,大量生産がしやすいなどの特性や,製造コストが安価なことから,我々の生活に利便性と恩恵をもたらした素材であり,数多くの製品に用いられています。 一方で,不要物となったものにつきましては,スチールやアルミなどの金属素材と比べ有効利用される割合が低く,御質問にもありましたように,不適正な処理などにより,様々な形で大量のプラスチックごみが海洋へ流出するなど,地球規模での環境汚染が懸念されております。 このような状況の中,国におきましては,昨年5月にプラスチック資源循環戦略が策定され,2030年までにプラスチック製容器包装の6割をリユース,リサイクルすることや,ワンウエーのプラスチックの削減を25%にするなどを目標に掲げ,プラスチック資源の循環を進めていくこととしています。 これらを受けまして,御紹介いただきました事例をはじめ,レジ袋の有料化やペットボトル飲料におけるプラスチックラベルの廃止,技術開発に基づく再生材や紙,バイオプラスチック等の再生可能資源への適切な代替の促進など,プラスチック製品の不必要な使用の削減の動きが進んでいるところです。 このような取組に加え,実際にプラスチック製品を利用する消費者のライフスタイルや企業活動において,より環境を意識した行動に変容していくことが,プラスチックごみの削減に対して重要であると考えており,御提案のありました庁舎等の自動販売機におけるペットボトル飲料の削減対策は,その一つの方策として意義のあるものと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎都市建設部長。 ◎都市建設部長(岡崎晃君) 大規模盛土造成中の地盤調査についてお答えいたします。 本市の地盤調査の進捗状況につきましては,大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドラインに沿って,対象地の優先度評価を行う二次スクリーニング計画の基礎資料となる造成年代調査を現在実施しておるところであり,本年度末までに調査を完了し,完了率は100%となる見込みでございます。 なお,国が実施しております大規模盛土造成地防災対策検討会では,令和4年度までに二次スクリーニング計画の作成を完了することとなっておりますが,本市のように対象となる造成地の数が多い場合は,立地適正化計画における居住誘導区域内を優先的に計画策定することも可能であると示されております。 このことから,本市におきましては,まず令和4年度までに,居住誘導区域におきまして,二次スクリーニング計画を策定し,その後,盛土造成地の安全性の把握に向けての二次スクリーニングへ移行してまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 本山消防局長。 ◎消防局長(本山和平君) まず,消防ホースに関する御質問にお答えします。 消防ホースにつきましては,維持管理の観点などから,車両ごとに定数を定め,消防車両に必要数を積載しているほか,予備ホースを各消防庁舎などに保管しまして,各種の火災に備えております。 御質問のとおり,地震などの大規模な災害が発生しますと,常備消防だけの資機材では十分とは言えませんが,非常備消防も含めますと,対応可能な消防ホースなどの資機材を保有しておりますので,破損等による不足分は順次補充するなど,適正に管理をしてまいります。 また,今後の地震火災,津波火災への対策につきましては,平成30年に高知県からがれき等拡散シミュレーションが公表されましたので,消防局では,津波火災対策検討会を設置し,本年度末までに津波火災対策実施計画を策定することとしておりまして,津波火災の被害を少なくしていくための体制,資機材,防御戦術などの総合的な対策の検討を進めているところでございます。 今後は各署におきまして,地震火災及び津波火災の防御計画を策定することとしておりまして,これらの計画に基づいた訓練などによりまして,検証を重ね,装備品等を含めまして必要な対策を行うなど,より実効性の高い対策を構築してまいりたいと考えております。 続きまして,救急隊員の感染防護についての御質問にお答えいたします。 救急活動における感染防止は,救急隊員はもとより,消防職員全員が常に万全の防護体制を確保することとしておりまして,防護装備に関しましては,常時2か月分を保有することとしております。 これまで感染防止衣が不足することはありませんでしたが,世界的に需要が高まりましたマスクや消毒用アルコールなどにつきましては,発注から入荷まで多くの日数がかかり,確保に苦慮する場面もございました。 こうしたことから,感染防止衣をはじめとする感染防止用資器材につきましては,今後のさらなる感染拡大を見据え,備蓄を含めた必要数の調達を進め,流通が停止した場合でも,救急隊員が安心して活動できるための体制を確保してまいります。 ○議長(田鍋剛君) 神岡俊輔議員。 ◆(神岡俊輔君) 岡崎市長はじめ,それぞれの担当部局長の御答弁ありがとうございました。 これから私の意見として述べさせていただきますので,答弁の必要はございません。 本市の強靱化計画についてですけれども,今回は地震火災,津波火災に的を絞って,質問をさせていただきました。 繰り返しになりますが,この強靱化計画・第2期計画では,大規模な市街地火災,津波火災に対する消火体制の整備が必要との方向性も示されておりますので,さらなる消火体制の充実・強化にも,新たな視点での取組を要望したいと思います。 また,今月8日,全国の消防職員を対象に,オンラインによる新型コロナウイルスの影響を尋ねたアンケート調査が行われ,2,204人から回答を得た結果が発表されました。 それによりますと,半数を超える職員が消毒などに時間がかかり,次の出動に支障が出たと答え,また救急活動中に感染するかもしれない,家族に感染させるのではないかと不安を感じると答えた職員が,約9割にも上ったとのことです。 さらに,感染の不安を感じながらの活動が長期間にわたった場合,離職したり心が折れてしまうケースがあるとしており,医療現場だけでなく,救急現場にも支援の必要があると結論づけ,危険手当の拡充や救急車の適正利用の周知を促し,隊員の負担を減らす必要があるとしております。 また,海洋プラスチックごみ問題につきましても,今までプラスチックごみを受け入れてきた中国や東南アジア諸国は,輸入規制を強化する方針が明らかであることから,国内に処理できないプラスチックごみがたまってくるとの危機感もあります。 しかしながら,既にペットボトル飲料の廃止に取組始めた自治体もございます。 市役所が率先することで,レジ袋有料化とともに,事業所や市民の環境意識向上に寄与することが期待できますので,積極的な取組をお願いいたしまして,時間が結構余っていますけれども,私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。  〔島崎保臣君登壇〕 ◆(島崎保臣君) おはようございます。日本共産党の島崎保臣です。通告に従い,質問を行います。 事業者支援給付金は,約7億8,000万円の予算を投じた高知市独自のコロナ対策であり,我々も制度の創設を歓迎したところです。 しかし,9月10日時点で申請が1,062件,給付は877件,給付総額は約1億2,600万円,執行率16.7%。事業としての進捗は,決して順調ではありません。 市長は,申請を広げるために,もっと周知を強化したいと言っていますが,これまでも地元紙への広告掲載やあかるいまちでの広報に努めてきたわけで,単にさらなる周知の強化というだけでは,恐らく申請は広がらないだろうと思われます。 それに,本当に必要とされている制度であれば,事業者の皆さんの間で口コミでどんどんと広がっていくはずです。 当初,この給付金は広く,薄くというコンセプトで制度設計がなされるとともに,財源に限りがあるという理由で,市税の滞納がないことや,個人事業主は,高知市在住者に限るなどの住所要件が課されました。 しかし,申請が始まって3か月が経過した今の到達点からすると,もっと事業者の皆さんの期待に応えるよう,制度そのものを改善,拡充することが必要ではないでしょうか。 そこで,まずは給付金額の引上げについて質問を行います。 給付金には上限が設定をされていますが,実際の給付額はどうなっているかというと,給付済みの877件中,上限を下回った給付額は個人事業主で10件,法人で1件であり,申請された事業者のほとんどが,上限額で給付をされています。 つまり,売上げの減少額というのは,上限を上回る規模だったということです。個人事業主10万円,中小法人20万円,この給付では,事業者の皆さんの苦境をカバーできていないと言わざるを得ません。 そこで,本事業の給付金額の上限を引き上げる考えはないか,商工観光部長にお聞きします。 ○議長(田鍋剛君) 楠本商工観光部長。
    ◎商工観光部長(楠本太君) 現在の予算執行率16.7%から見ますと,今後の執行見込額を加えましても,一定の不用が生じるものと推測されます。 今後,給付金事業の予算不用見込額に対応する地方創生臨時交付金につきましては,交付金の上限額を引き上げるのではなく,コロナ禍における市民や事業者等への新たな需要に対する支援策の財源として,幅広く活用したいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) 給付金の上限を引き上げる考えはないというお答えでした。なかなか厳しいと思いますが,次に給付対象を拡大するという点についても質問させていただきます。 6月議会でこの点を取り上げた,はた議員の質問に対して,商工観光部長は,財源が限られていると答弁をしました。 しかし,先ほども答弁にありましたとおり,このままでは,大幅な不用額も発生する見込みとなっています。そうであれば,財源に限りがあると言って,対象を絞る必要も,もはやないのではないでしょうか。 そもそも今年の経営悪化は,ほとんどがコロナに起因をするものであり,コロナ対策というのは,通常の支援の考え方を超えて行うものだと思います。 例えば,昨年までの市税の滞納がある事業者については,対象外とする。滞納要件が設けられている点,この点では,これまでも税を滞納してしまうほど厳しい状況にあった事業者の皆さんですから,当然余力がない,コロナのマイナスの影響をもろに受けてしまうと言えます。 納税してこられた事業者の皆さんとの公平性の問題についても考えなくてはなりませんが,何も滞納している税金の分を棒引きしろと言っているわけではありません。 コロナの状況下で受けたマイナスの影響については,しっかりと支援をして事業を持続していただき,やがてコロナ禍から抜けた暁には,ちゃんと納税してもらえるようになればいい,このようには考えられないでしょうか。 何より国の持続化給付金は,国税に関する滞納要件を課してはおりません。給付額や限度額設定については,国の制度を基本にしたと言いながら,滞納要件を特別につけるというのは,国よりも高知市のほうが,地元業者に冷たい姿勢だと言われても仕方ありません。 また,国の新たな事業者向け制度として,家賃支援給付金も始まりました。この制度は,持続化給付金の対象業者以外にも,3か月連続で30%から50%未満の売上げが減少した事業者も支給対象となります。 この条件なら,高知市の事業者支援給付金の対象業者の中にも利用できる事業者があるわけですが,市税を滞納していると,高知市の制度は使えないということになってしまいます。 同じ状況下で,国は助けてくれるのに,高知市は助けてくれない。高知市で長年苦しみながらも営業を続けてきた事業者に対して,この冷たい姿勢は改めるべきだと考えます。 また,住所要件についても,考え方の大本が問われています。高知市に出店し,街のにぎわい,地域のにぎわいを形づくっているのは,決して高知市民だけではありません。 高知市のにぎわいを維持し,発展させていく上では,高知市外から出店されている方々も欠かせない存在です。 高知市のお金だから,市民以外には使わない,そんな器の小さいことを言っている状況ではありません。何よりこの事業で守るべきは,高知市のにぎわいではありませんか。 何も高知市に無関係のほかの自治体で暮らしている方を支援するというわけではなく,高知市のにぎわいの一角を担っている事業者の方々を支援するということですから,市民の理解も得られるはずです。 改めてお聞きしますが,税金の滞納要件,個人事業主の住居要件など,申請のハードルとなる条件を緩和する考えはないか,商工観光部長にお聞きします。 ○議長(田鍋剛君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) 新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって,今年度に課税されます市民税や資産税等の納付が困難な場合には,納税猶予の特例制度が設けられており,本給付金事業では,この納税猶予の申請をされておられる方は市税の滞納とはみなさず,給付金の申請ができる運用をしております。 また,本給付金事業は,本市に納税をいただいている市民の方の事業支援を基本としておりますことから,個人事業者の場合は,本市の住民基本台帳に記録されている者を支給対象としており,こういった要件につきましても,変更することは考えておりません。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) 大変残念な答弁だったと思います。 今後の周知についても,上限額の引上げであったり,あるいは対象要件の拡大,こういったことをやれば,わざわざ宣伝費を払って広告しなくても,地元のメディアなどもきっとこぞって報道してくれて,抜群の宣伝効果もあったと思いますが,なかなか厳しいような御答弁でした。 自治体ごとにきめ細やかなコロナ対策をという趣旨で創設された地方創生臨時交付金について,アートアクアリウム展には,国から下りてきたお金だからと,3億7,500万円を積極的に活用する一方で,事業者支援給付金については,財源に限りがあるなどなど,消極的に対象者を絞っていく。同じ交付金を財源としながら,この姿勢に矛盾を感じるのは,私だけではないはずです。 また,地方創生臨時交付金は,使い切れなかったとしても,国庫へ返す必要はなく,来年度へ積み残しもできると言われてはおりますが,今日,明日を懸命にしのぎながらやっている事業者の皆さんもいるわけです。 制度がうまく機能していない,事業者の皆さんのニーズとずれている,こうしたことが今,到達点から見えてくるわけですから,ほかの事業への金額の振替ということも含め,早く事業者の皆さんに支援が届くよう,見直すべきところは思い切って見直すことを強く求めて,次の質問へ移ります。 次の質問は,先ほども触れましたが,今回の臨時交付金を使って行われる,アートアクアリウム展についてお聞きをいたします。 7月の議会では,予算承認後,観光協会と開催事業者との間で速やかに契約を行うと答弁がされていますが,現在の契約の状況を商工観光部長にお聞きします。 ○議長(田鍋剛君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) 本年7月臨時会におきまして,関連予算をお認めいただきましたので,事業の主催者となる高知市観光協会と契約の相手方におきまして,速やかに契約に係る協議を開始したとお聞きしております。 協議に当たりましては,新型コロナウイルス感染症の拡大状況により,事業を中止せざるを得ない場合も想定し,事業中断時の精算方法などを中心に,相手方の顧問弁護士も踏まえて協議を行ったとお聞きしておりまして,今月3日に契約を締結しております。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) 今月3日に契約が締結をされたということです。コロナの感染が収束していない中で,本当に開催することができるのでしょうか。 市の事業である水のふるさとフェスティバルは6月の開催を見送って,9月以降の実施を検討してきましたが,先行き不透明であること,会場確保が困難であるということで,今年の開催を断念しました。 さらに,アートアクアリウム展と同時期となる来年2月の龍馬マラソン,これは高知市も実行委員として参加をしていますが,これも安全確保が困難という理由で中止が決定しました。 また,先日は11月のゴルフ,カシオワールドオープンも中止が決定をされたと報道がありました。その理由の一つは,来場者の半数が県外客だというものです。 アートアクアリウム展も,まさに多数の県外からの来場者を見込んだイベントとなっています。本当に大丈夫でしょうか。 7月議会では,契約の解除,つまり中止もされると答弁もあり,先ほどの答弁でも,契約の内容にもそういったことが盛り込まれていると思いますが,改めて商工観光部長にお聞きをいたします。 中止にする場合の判断は,何を基準に,いつ頃判断されるのでしょうか。 ○議長(田鍋剛君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) アートアクアリウム展は,本年12月からの開催を目指し,準備を進めているところでございますが,政府からイベント開催の自粛要請が出た場合や,高知県が発出するガイドラインに基づき,開催の是非を検討していくこととなります。 高知県が本年8月12日に更新したガイドラインによれば,県内の1週間の新規感染者数や最大確保病床の占有率など,6つの指標に基づき,5段階に設定されたステージを総合的に判断していくこととしており,イベントについては,4段階目に深刻な状況を示す特別警戒となった場合に,開催の再検討を行うこととなっております。 国の基本的対処方針や県のガイドラインにつきましては,新型コロナウイルス感染症の拡大状況に合わせ,適宜更新されておりますので,情報収集に努めながら,適切に判断してまいります。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) 御答弁では,政府や県のガイドラインということはありましたが,高知市独自としての判断がないという点が大変気がかりです。 また,判断する時期についても,なかなか直近の状況ということで判断するわけですので,後の質問にも関わってきますが,早めの判断というのは,本当に難しいものだと思います。 次に,開催費用や中止となった場合の金銭的な処理,精算方法について確認します。 開催費用については,高知市が3億7,500万円を負担することになっています。 しかし,例えば過去に行われたチームラボなどは民間主導のイベントであり,事業費1億4,000万円に対して,県や市が2,000万円ずつ補助金を出すような形で関わっていました。 一方,アートアクアリウム展は,先月,東京の日本橋にて常設展がスタートしましたが,それまでは大阪,京都,名古屋,熊本,金沢などで巡回展も行っていました。 そこで,お聞きしますが,過去のアートアクアリウム展で,開催費用を自治体が全額負担をした事例はあるのか,商工観光部長にお聞きします。 ○議長(田鍋剛君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) アートアクアリウム展は,大都市圏を中心に全国各地で開催されており,地元テレビ局などが主催者となり,行政は主催者となっていない事例がほとんどでありますことから,公費による支出は確認できませんでした。 (仮称)アートアクアリウム展高知は,新型コロナウイルス感染症の影響で,深刻な影響を受けた観光業における需要を回復させ,その効果を関連産業に波及させることにより,本市経済の復興を目指すことを目的としておりますことから,観光協会が主催者として事業を実施しようとするものであり,入場料収入で賄うことができない費用について,国の臨時交付金を活用しようとするものです。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) 公費で支出した事例はないという御答弁でした。まさに,今回は自治体丸抱えで興行する。 もちろん,入場料収入から入ってくる分があるということではありますが,過去のアートアクアリウム展,相手方さんのこれまでの実績に照らしても,異質なものだと言わなければなりません。 また,行政の立場としても,チームラボに関する2019年3月議会でのやり取りの中で,当時の商工観光部長が,全国的に著名な団体を誘致するには多額の経費が発生することから,高知市単独での実施は難しいという考えを述べており,高知市としても異質の道に足を踏み出すものだと言わなければなりません。 中止になった場合の金銭的処理について,お聞きをいたします。 成立した契約の上では,中止の場合の金銭的処理について,どのように規定されているか,商工観光部長お答えください。 ○議長(田鍋剛君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) 感染症の流行に伴う国の活動自粛要請など,自己の合理的な支配が及ばない事由により,アートアクアリウム展を開催できなくなった場合における契約上の取決めは,事業の主催者である高知市観光協会及び契約の相手方の双方が,契約の解除を申し出ることが可能となっており,解除に伴う損害につきましては,賠償を求めないこととなっております。 この契約解除による途中終了時の委託料の取扱いについては,既に履行した委託業務や,中止にかかる広報や展示物の撤去に要する費用などについて,内容を精査した上で精算を行うこととしております。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) これまでに議会で示された開催費用の見積りでは,公演費1億6,750万円,その中に企画費という,これは言わば相手方の利益に相当するものですが,6,600万円が含まれています。 中止となった場合には,こういった部分について,どこまで支払わなければならないのか。先ほどかかった分についてはということでしたが,重ねて商工観光部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) 御質問にございました公演費や企画費につきましても,事業開催に向ける様々な経費が発生することから,その内容を精査の上,精算が必要な経費と判断された場合は,精算対象となります。 ただし,精算に当たっては,開催日から遡り1か月単位で精算金額の上限を契約書に定めておりますので,無条件に全額を支払う契約とはしておりません。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) 1か月単位で上限の設定ということもありましたが,実際に中止となる場合の判断というのは,まさにコロナの感染が,どのようになっていくかによってくるわけで,なかなか1か月単位で中止の判断ができるかというところには,大変疑問も残るものです。 契約の内容については,また私たちのほうでもしっかりと調べて,聞くべきところについては聞いていきたいと思います。 少し角度を変えて質問します。もし幸いにして,コロナの感染状況が悪化せず,無事にイベントの開催にまでこぎ着けたとして,果たして,そのイベントが本当に成功するかという点で質問を行います。 つまり,このイベントがコロナによって落ち込んだ経済を復活させるだけの効果があるのかという点です。 書画カメラをお願いします。 今映っているものは,「天空のアクアリウム ソラキン」という金魚の展示企画です。これは四国水族館がオープンした香川県宇多津町で,本年3月からゴールドタワー最上階の常設展として行われているものです。 アートアクアリウム展は,四国初開催であり,四国内から多くの観光客が呼び込める,こうした触れ込みとなっていますが,既に金魚を使ったアクアリウム展というものは,四国内で開催をされているわけです。 書画カメラ,終わってください。 ゴールドタワーでのソラキンとは,今回の高知で行おうとしているものは,事業者が異なるわけで,今回誘致するアートアクアリウム展が,四国初開催であることは間違いありません。 しかし,類似企画が既に四国内で行われているという点について,本事業の誘致を検討する段階で把握をされていたのか,商工観光部長にお聞きします。 ○議長(田鍋剛君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) 御質問にございました香川県宇多津町のゴールドタワーで開催されている「天空のアクアリウム ソラキン」は,ゴールドタワーの展望階に設置された水槽に,金魚を中心とした3,333匹が遊泳し,瀬戸内海の眺望とともに鑑賞するイベントで,本年3月20日から開催されています。 アートアクアリウム展を企画する段階におきまして,ソラキンの開催は把握をしておりませんでしたが,金魚を使うという点は同じであるものの,演出方法は異なっておりまして,アートアクアリウム展は,来場者の累計が1,000万人を超える知名度の高いイベントであることや,四国で初開催となることから,四国内を中心に来場があるものと想定しております。 ソラキンも大変すばらしいイベントとなっておりますので,四国内で金魚をテーマとした展覧会が複数開催されることにより,相乗効果が生まれ,相互の来場者が増加することを期待しております。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) 相乗効果というふうに本当になるのかどうかは,非常に疑問の残るところです。 アートアクアリウム展1,000万人動員ということで,大変集客効果があるというふうなことも,答弁の中でおっしゃられているわけです。 ただ,今回の企画展を誘致するに当たって,7月の議会の中で委員会の質疑でも少し触れましたけれども,市はこの事業にゴーサインを出す根拠として,経済効果があるということを述べ,その根拠となる数字は直近のイベント,チームラボの実績を基に推計をしています。 しかし,イベントの性質の違いを考慮せず,そのまま実績を当てはめることで,アクアリウム展の実施が有効だと思わせるような数字の当てはめになっているように思えてなりません。 チームラボは,17時30分から21時30分まで開催される夜間イベントでした。当然,県外や県内郡部からお越しになられた来場者の方々は宿泊を伴うことも多く,ナイトタイムエコノミーにつながってきたことは事実です。 ところが,今計画されているアートアクアリウム展は,朝10時から夜の8時,20時までの開催とされています。 そうすると,日中に入場した方はもちろん,最終で入場した方も四国内なら8時終了ですから,宿泊施設に帰ることができる時間帯です。 もちろん,宿泊される方がゼロだというつもりはありませんし,ほかのものと併せて行くことで,高知に泊まっていただく,そういったこともあり得ると思いますが,そうはいっても,夜間イベントだったチームラボの実績をそのまま踏襲できるとも思えません。 アクアリウム展の費用対効果を推計する際に,この辺りの事情を加味して丁寧に推計をする必要があると思わなかったのか,商工観光部長にお聞きします。 ○議長(田鍋剛君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) アートアクアリウム展は,新型コロナウイルス感染症の影響で著しく落ち込んだ観光需要を回復させ,その効果を関連産業に波及させることにより,本市経済の回復を図ることを目的に開催するとしております。 このイベントによって生じた経済効果の検証につきましては,来場者へのアンケート調査なども行いながら,分析する必要があると考えておりますが,事業開催前におきまして,一定の条件に基づく試算を行っております。 試算に当たっては,昨年度まで実施いたしましたチームラボ高知城光の祭におけるアンケート結果を使用しておりまして,全国的な知名度を持つ,類似の大規模イベントとして,本市が唯一保有するエビデンスとなりますので,試算条件として活用したものでございます。 アートアクアリウム展は,夜間だけでなく,日中も開催されるため,中心商店街の回遊性の向上や消費拡大につながるものと考えており,アートアクアリウム展の開催による効果が,関連産業に波及することを期待しております。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) なぜそのまま当てはめたのかという点については,あまり正面から御答弁をいただけなかったように思います。 もちろん,推計ということですので,細かくなぜそうなるのか,その保証はということについては,突っ込んだことは言えないかもしれませんが,やはり唯一のエビデンスだとしても,イベントの性質の違い,こういったところを考慮すべきではなかったかということは強く思います。 アートアクアリウム展について,さらに別の角度から質問を行います。今度は人権の観点からの質問です。 アートアクアリウム展は,コンセプトの一つに,江戸の花街,こうしたものが挙げられ,代表する作品も花魁,超・花魁,大奥という三部作もあります。 花魁の説明では,金魚鉢が江戸の遊郭を表現し,金魚は花魁とそれを目指す女たちだとされています。 総じて,花街や花魁といったものを肯定的に美の象徴として位置づけ,そのイメージを金魚に投影して鑑賞するのが,このアートアクアリウム展です。 ちなみに,先ほど紹介したソラキン,このコンセプトは生命の誕生というもので,宇宙や地球を表現する水槽などに金魚を泳がせるものです。同じ金魚を用いたアートであっても,そこにどんなテーマ,イメージを持たせるかで,印象は大きく変わってきます。 そこで,市長にお聞きします。 市長は,花街や花魁といったものに,どのような認識を持たれているか,お答えください。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) アートアクアリウム展ですけれども,江戸時代に生まれた粋の文化を金魚とのコラボレーションで表現し,観客にその美しさを五感で体験してもらうとともに,日本ならではの美意識や和の心を国内外に発信することで,多様性の尊重や平和への祈りに貢献するというのが企業側のコンセプトでございまして,このコンセプトの下に企画され,例えば文化庁が開催する日本博においても,日本の文化を国内外に発信する事業の一つとして,この事業が紹介されています。 今回は,こうした集客力のある事業としまして,他市での開催実績を踏まえた上で,高知市の観光のオフシーズンに実施をすることで,コロナで非常に落ち込んでおります本市,また本市周辺を含めまして,観光振興と地域経済の活性化を図るために開催をする予定をしたものです。 個々の作品には,それぞれテーマがあり,花魁は,その華やかさや,きらびやかさをイメージした,単にきれいだということだけではなくて,その裏にあります,はかなさ,もしくは悲しみをも感じさせる作品ということではないかと思います。 作品のモチーフや表現の方法に対する受け止めは,御覧になられた人それぞれだと思いますが,見る人一人一人が様々な思いを持つことができる,そういうアート作品展としての魅力があるというふうに考えております。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) 認識ということでお聞きをしましたが,作品そのものへの評価ということ以上に,私は遊郭であったり,花魁であったり,そういったものに対する認識ということでお聞きをしたわけです。 作品の中でも,はかなさといったことにも触れているというのがありましたけれども,ここの作品で言われている,はかなさというのは,あくまで美を際立たせるための要素ということになっているわけです。 しかし,実態としてどうだったかということでいえば,花魁というのは,借金のカタに売られた女性,つまり人身売買です。 そして,花街や遊郭というのは,いわゆる売春街です。身売りされるのは幼い女の子が多く,客を取るために厳しい教育を受け,お客を取れるようになった後も,性病や客との心中のリスク,こういったものにさらされながら仕事をこなすことを求められてきました。 お客さんと向き合うときは,確かに,きらびやかに着飾っていたでしょうけれども,その裏側では想像を絶する苦しみを強いられていた,これが花街や花魁の実態だったということが,各種の史料からも読み解けるわけです。 過去のことだからということで済ませていいものではありませんし,性の売買が禁じられている現代においては,かつての歴史的事柄だとしても,それを無批判に全肯定するのではなく,批判的に検証,考察する姿勢も重要だと言わなければなりません。 特に,今回のアートアクアリウム展は,契約主体こそ観光協会ということになっていますが,高知市が誘致を進め,金銭的にも高知市が負担をする,ほぼ公的行事と言えるものですから,高知市の認識,考え方,人権感覚も問われてくるわけです。市長に,もう一度御答弁をいただきたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 花魁とか花街に関しましては,そういう歴史的な背景があるということは承知をしております。 ただ,全体のコンセプトがアートとして組み上げられておりますし,文化庁におきましての日本博等でも,こういうコンセプトで紹介をされておられますので,それを含めまして,我々は実施をすることを企画しておりますので,それをもって中止ということにはしないという考え方です。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) 文化庁のことも出されましたが,この人権に関するものというのは,固定的に決まっているものではなくて,やはり社会の発展の中でどんどんとその捉え方,考え方が発展をしてきているわけです。 過去にこうだったから,これからも問題ないということではなくて,やはり今,現在進行形で起きている様々な性暴力の問題,そういったものにも照らしながら,この企画展を問題意識を持って捉えている市民がいるということは,重ねて申し上げておきたいと思います。 なぜ,ここまでアートアクアリウム展にこだわって取り上げてきたかというと,やはり感染収束が見えない中で,開催できる保証がない大型イベントに3億7,500万円投じるということ。そして,開催までこぎ着けたとしても,コロナ禍でのイベントとして成功する見通しが,極めて曖昧だということなどから見て,コロナ対策である臨時交付金を使うに値する事業なのかという点で,大きな疑問が残っていたからです。 次の質問へと移ります。 お城下に泊まろうキャンペーンについて質問を予定しておりましたが,先日の横山議員への答弁で,成果についても語られ,今後についても,国のGoToトラベル終了後を見据えて検討していくという旨の前向きな御答弁だったというふうに受け止めています。 私も同じ視点で質問を用意しておりましたので,ここでの質問は割愛をさせていただきます。 次に,西敷地について質問を行います。 先日,戸田議員への質問の答弁で,今後のスケジュールについては,来月から本格始動,新図書館西敷地利活用事業者選定支援業務の事業実施者の選定に取りかかり,来年1月からサウンディング型市場調査を開始し,来年上半期には,事業提案の公募をスタートさせたいとの見通しが示されました。 しかし,今年の冬にかけてコロナの感染状況,社会情勢がどうなるかは見通せません。 もし,これ以上手続が遅れるということになってしまえば,スケジュールは,ますますタイトになってきます。 それでも事業ありきの姿勢を崩さないのであれば,事業着手に間に合わせるためという理由で,市民への情報周知期間などが削られてしまわないかということを危惧しています。 西敷地の利活用は,2023年度末を期限とする第2期中心市街地活性化基本計画に登載された事業だということを市長は繰り返し強調されますが,そもそも想定されていなかった,この大変なコロナ禍といったものに見舞われている現状で,建物建設という道筋は,事業者にとっても手を挙げづらい,まさに出口のない,袋小路のようなものではないかと思います。 市長には,今のこの状況に鑑みて,ぜひ立ち止まる勇気を持っていただきたいと思います。 ここで,書画カメラをお願いします。 この写真は,現在のオーテピア,そして西敷地の写真です。ここで写真を入れ替えます。 この写真は,我が会派の細木議員が,西敷地の写真と芝生の写真を組み合わせて作成したものです。 かつて高層ビル計画があったときには,市民説明会で西敷地にビルが建つイメージ図も出されました。 市長はそれを見て,いい建物が建つなあと思ったのかもしれませんが,私はあれを見たときに,こんな圧迫感のあるものを西敷地に建ててはいけないという思いを持ったものです。 市長は,今改めてこの芝生の写真を見て,どういう印象を持たれるでしょうか。私は,ゆとりを持った空間,緑の空間というのは,心を癒やす豊かさを持っており,こんな西敷地にしたいなあという思いを持つものです。 書画カメラを終えてください。 アフターコロナの社会を考える上で,広場の価値に改めて光が当たっています。 6月にオープンした弥右衛門公園では,家族連れが多く訪れ,子供たちが芝生の上を元気いっぱい走り回っている姿を目にします。 また,屋外であること,密を避けることが観光分野でも新たな魅力として浮上しているわけですから,西敷地も隣接するオーテピア,ひろめ市場,日曜市を訪れる,またよさこい祭りを訪れる方々が,距離を取って過ごせる場としての役割も重要になってきていると思います。 今朝の報道ですけれども,国土交通省のほうで,来月10月から新しい生活様式に対応したまちづくりに向け,有識者検討会を設置するという報道がありました。 詳細は分かりませんが,住宅地の中心地域にサテライトオフィスを設けやすくしたり,あるいは3密回避で広場や公園を有効活用したりする方策を探るとのことです。 年度内に一定の取りまとめを行うというふうになっていますので,今後とも注目もしていきたいと思いますが,市長にお聞きをいたします。 新型コロナウイルス感染症という大きな出来事を受け,密を避ける新しい生活様式など,社会全体でこれまでの在り方,考え方からの大転換が求められています。 西敷地についても,旧来の施設整備,建物建設にこだわるのではなく,市民が広々と使い,憩い,安心して集まれる緑の広場として活用する,そういった整備へと踏み出す考えはないかお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) それぞれ土地の利用形態,また都市の機能の分担ということがありますので,例えば弥右衛門公園なんかは長い年月がかかりましたけれども,都市公園という位置づけで公園整備をしております。 この西敷地ですけれども,商業エリアに属しておりますので,やはり土地の高度利用というところからスタートしておりますので,その西敷地の利活用の事業のこれまでの経過を踏まえた上で,我々はこの企画を進めているところでございます。 現在,新型コロナウイルス感染症による影響を考慮しまして,スケジュールを半年程度遅らせましたけれども,先ほど御紹介いただいたように,10月から本格始動するように予定をしておりますので,それぞれまた議会での御意見等を踏まえながら進んでいきたいと思いますが,基本的には西敷地利活用事業基本方針というものを定めておりますので,その利用方針に基づいて計画を進めていきたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) この問題については,何としても我々は,最後まで広場の整備を求めて,様々な角度から取り上げていくということを改めて申し上げて,次の質問へと移ります。 次は,6月議会で提起をした学生への支援についてです。 市長からは,その中で災害備蓄食の提供については検討するとの御答弁をいただきました。 私も8月に高知大学の学生向け食料支援の現場を見させていただきましたが,夏休みにもかかわらず,多くの学生が支援を求めてきていました。 また,食料支援に取り組む方々を取り上げたテレビ番組もローカル局で放送され,話題を呼びました。食料支援もいまだに切実な要求だと感じています。 そこで,市長に食料提供の検討状況についてお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 新型コロナウイルスの社会的な影響が様々な分野に及んでおりまして,大学生をはじめとする学生の皆様方にも様々な影響が及んでおります。 御紹介もいただいたように,高知大学など各大学等で学生への支援,もしくは様々な授業料の免除等の手続等が行われておりますが,食料支援につきましても,関係団体が行っておりますけれども,御支援をいただいております関係者の皆様に感謝を申し上げます。 先ほどの御質問ですけれども,高知市におきましては,南海トラフ地震等で備蓄をしております食料品がございまして,大体5年が保存期限というものが多いですので,平成27年度から避難所に備蓄をしている食料品などにつきまして,保存期間が残り少なくなりました食料の備蓄品を市民の皆様への防災意識の啓発,もしくは地域福祉活動等を行う団体等へ提供することなど,これまでも有効に活用してきております。 今年度につきましては,平成27年度に購入をしました備蓄品のうち,賞味期限といいますか,保存期限が近づいてきているものがございますので,買換えに伴いますアルファ化米,また飲料水を提供できるようになることから,本年8月末をめどに備蓄品を供給する仕組みづくりの検討を進めてまいりました。 今後,新たに備蓄をしますことになるアルファ化米等の納入が確定をいたしましたら,入替えをすることになりますので,これまで備蓄をしていたアルファ化米につきましては,申請をいただいた団体等の方々にも提供させていただくこととしております。 保存期間が残り少なくなりました災害時用の備蓄品につきましては,地元の議員さんはじめ,多くの自主防災組織等の防災訓練等でもこれを出してきておりますので,地域の防災訓練,また学校での防災学習など,市民の皆様の防災意識の啓発用としても活用してきています。 特に,今年度は大きな影響をコロナで受けておりますので,経済的にお困りになっておられます市民の皆様も支援をしていく必要があると考えておりますので,今後,例えば学生の皆様へ食材を提供しているこども食堂食材応援隊をはじめ,また地域の福祉活動を担う団体等に対しましても,災害時のこの備蓄品の提供について,その情報の周知を図っていきたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) 前向きに動いていきそうだということは分かりました。食料は本当に生きる基本ですから,そこをしっかりと支えていく,そういった点で,今,食料支援に取り組んでおられる皆様方の活動にも,私も深い敬意を表するとともに,学生の皆さんには,何とか今のこの状況の中でも,負けることなく学生生活を続けていただく。そして,政治は,そのための支援をしていくということが大事だということを改めて強調したいと思います。 次に,特別定額給付金について質問を行います。 特別定額給付金は,4月27日時点での住民登録に基づいて給付対象が確定します。その後,高知市では,6月11日に申請書を郵送し,9月11日で締切りを迎えました。9日時点での高知市の給付率は,98.7%であると報告されています。 ただ,4月28日以降に亡くなられた単身世帯の方は,給付が受けられないという問題が発生をしました。特別定額給付金室によれば,高知市では9月3日時点でそういった方が,200人該当するということを聞いています。 単身世帯といっても,天涯孤独というわけではなく,世帯を分けた家族がいる場合もあります。 また,申請書の発送のタイミングは自治体によって,ばらつきがあります。6月11日よりも早い自治体もあったわけです。 そうすると,4月28日以降に亡くなった方は,住んでいる自治体によって給付金を受け取れたり,受け取れなかったりしたということになってしまいます。 こういった点について,我々大変な矛盾を感じるわけですけれども,この点について高知市の考え方,またこの間,国への働きかけなどの対応も取っていただいたと聞いておりますので,松島副市長に御答弁いただきたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 松島副市長。 ◎副市長(松島研君) お答えいたします。 単身世帯で基準日以降にお亡くなりになった方の取扱いにつきましては,国のQ&A集とその補足説明によりますと,特別定額給付金というものの性格ですけれども,家計への支援,こういったものを行うものであるということで,あくまでも世帯を単位に給付されるものであるということでございます。 当該世帯主が単身者である場合には,そもそも給付する世帯が消滅するということでございますので,実務上,給付事務が発生しないことになるという考え方でございます。 この件に関しまして,ほかの自治体では,給付できるように国に変更を求める要望書を出したりとか,あとは自らの一般財源で給付するなど,少数ではあるんですけれども,自治体独自の動きがあったということは承知してございます。 また,質問議員さんの会派からも御要望いただいたということもありまして,私のほうで8月の頭になるんですけれども,総務省を訪問いたしまして,この給付金の取扱いの変更ができないかということを,いま一度確認をいたしました。 総務省の考え方ということで,責任者から回答いただいたんですけれども,この総務省の考え方は,制度の運用開始から首尾一貫していたということでございます。そういうことでございますので,先ほど御紹介した制度の趣旨上,変更は困難であるという見解をいただいたところでございます。 高知市といたしましては,全国一律に給付する特別定額給付金制度というのが,国の制度運用にのっとって,事業を実施すべきであるというふうに考えている次第でございます。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) 副市長にも御尽力いただきましたが,やはり国のほうは制度を決めた以上は,それを変えていくというのは,なかなか難しいものがあるのかなあというふうにも思います。 しかし,やはりこうしたコロナ対応は,一人一人の住民に最も身近なところで実態をよく分かっているのは基礎自治体だと思いますので,その声をしっかりと国のほうは聞いて,変えるべきところは変える,こういった姿勢も持っていただくことが重要だと思います。 次に,給付率98.7%,これは高い数字だと思いますが,一方で本当に一人一人の手元に渡ったかというと,そうではない事態が生まれています。 特別定額給付金は,1人10万円ということが,ポスターにもはっきりと書かれています。しかし,実際には,世帯主が申請をし,世帯主の口座へまとめて送金されることになっています。 結果として,全国で起きているのは,世帯主からその世帯の中の家族に対して,給付金が渡っていないという問題です。 私も市内のある女性から,世帯主は夫になっている。申請したのかどうかも教えてくれなかった。私の分はどうなっちゅうと聞いて,ようやく口座には入っちゅうけど,家のこともせないかんき,おまえには渡さんと言われたと,こういう話もありました。 特別定額給付金が,世帯主からその家族に渡っていないという問題について,総務部長,制度の趣旨も含めて改めて御答弁お願いします。 ○議長(田鍋剛君) 森田総務部長。 ◎総務部長(森田洋介君) 特別定額給付金給付事業実施要領によりますと,事業目的としては,簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うとありまして,申請権者及び受給権者は,その者の属する世帯の世帯主であることが定められております。 市民の皆様の置かれている状況は様々だと思いますので,明確にお答えを申し上げることは難しい面がございますが,やはり十分に御家庭内で話し合っていただきまして,制度の趣旨にありますように,家計にとって,どうすることが最良であるのかということをお考えいただければと思っております。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) コロナ禍で外出自粛などが呼びかけられ,そういった中でDVの被害も増加をしている,こういったことも指摘されています。 DVは,単に直接的な暴力や暴言だけを指すものではありません。パートナーが受け取るべきお金を渡さない,これはDVの類型の一つ,経済的DVに当たります。 ですから,家庭内のことだからとか,個人間のことだからということで片づけてしまわずに,ジェンダー平等,一人一人の尊厳の問題として被害に泣き寝入りしないために,また加害者にもならないために,折に触れて,行政からしっかりとしたメッセージを発信していくことが重要だということを重ねて申し上げておきます。 次の質問に移ります。 高知市は,2021年1月10日に成人式を行うことを公表していますが,コロナ禍での成人式については,感染防止の措置を含め,全国どこの自治体も大変頭を悩ませているところだと思います。 私のほうでもいろいろ調べてみましたが,これまで一回に全員が集まっていたものを,集まる場所を分けたり,あるいは回数を増やしたりといったことで取り組まれている自治体も数多くありました。 中学校区単位で集まる場所を変える,そういった工夫もされておられるという様々な情報が,今上がっています。 そこで,教育長にお聞きをいたします。 高知市としては,次の成人式について,感染防止対策のどのような点に注意をし,どのような形態で開催しようとしているのか,今の検討の状況をお答えください。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 令和3年度の成人式は,例年どおり,成人の日の前日の日曜日に当たる1月10日の開催を予定いたしております。 本市には,毎年3,200人程度,新成人となられる方がおいでます。そのうち2,200人から2,400人程度が成人式に参加をいただいておりまして,新成人にとって人生の節目を記念する大切な行事であるというふうに考えております。 これまでの成人式では,県民体育館の1階,2階,全体を使用し,3,000席を設けて新成人が一堂に会して,午前中に開催をいたしておりました。 令和3年度の成人式においては,会場内の密閉,密集,密接,いわゆる3密を避ける観点から,会場内の座席配置の間隔を広く取ることを検討いたしましたが,新成人を一度に入場させると,3密の回避が難しいと判断し,新成人を大街を基本として,2つのグループに分け,午前の部と午後の部の2部制で開催する方向で検討をいたしております。 あわせて,式の内容につきましても,感染拡大防止の観点から,これまでは市歌を参加者全員で斉唱していたものを,CDを流す方式に変更するなど,見直しを検討いたしております。 成人式は,新成人を含め,非常に多くの方が関わる事業でございますので,新成人にはマスクの着用や接触確認アプリのインストール,手指消毒などを呼びかけながら,入場の際には検温チェックなどの対策を行うことや,入場口付近の密集緩和を図るため,入場レーンを設置し,新成人が十分に距離を取りながら入場できるようにするなど,細心の注意を払いながら開催の準備を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) 今年の成人式も,私も市議会議員として来賓として呼んでいただき,参加もさせていただきましたけれども,本当に新成人の皆さんは,人生の節目という日に晴れ姿というようなことで集まって,その場で再会した友達とも交流を深める,そういったことで本当に華やかな一日だったというふうに思っております。 それがこのコロナの下で,本当にこれまでと在り方が大きく変わるということで,もちろん感染拡大を招いてはいけない,そういった大前提に立ちつつも,ぜひ知恵と力を合わせて新成人たちの門出を祝う,そういった形で式が開催できるよう,私たちとしても協力をしていきたいと考えています。 最後の質問です。 屋台の問題についてお聞きをいたします。 高知の貴重な観光資源でもある屋台について,6月議会では,現在地での継続には課題が多い。移転を要請することについて検討していく必要がある。7月上旬にプロジェクトチームの検討委員会を開催すると答弁がされていました。その後,7月6日付の地元紙で,移転の報道が出ました。 報道によれば,市は6日までに一定の猶予期間を設けた上で移転を求める方針を固めたと。移転先は中心市街地の公有地を想定,本年度末までに移転先の候補地や営業に関するルールを決めたいとしていると報じられました。 コロナ禍にも見舞われている屋台の当事者の皆さんからは,これからどうなっていくのかという不安の声,また行政と報道のギャップによる不信の声も聞こえてきておりますので,改めて都市建設部長に,今の高知市の検討の状況についてお話をいただきたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎都市建設部長。 ◎都市建設部長(岡崎晃君) 屋台対策につきましては,本年7月9日に高知市屋台施策検討プロジェクトチームを設置し,第1回の会議を開催いたしました。 会議では,プロジェクトチームを設置した目的や道路,公園などの公共用地で屋台営業を行う場合の課題や,今後の進め方について協議を行いました。 現在の状況といたしましては,中心市街地の道路や公園などの公共用地から複数の候補地を抽出するとともに,福岡市や呉市の配置基準を参考に,各所管課において,屋台を設置した場合の課題や配置基準などの考え方について,意見集約を図っておるところでございます。 ○議長(田鍋剛君) 島崎保臣議員。 ◆(島崎保臣君) 今検討中のこともあり,なかなか突っ込んだ話はしにくいとは思いますが,ぜひ当事者の皆さんが置き去りになることがないように,行政としても,しっかりと当事者の皆さんと歩調を合わせながら,検討を進めていただきたいと思います。 質問は全て終わりとなりますが,西敷地の関係で副市長が先日も紹介された安城市のアンフォーレといったものについて,私もホームページで見てみましたが,もう書画カメラは使いませんけれども,非常に開放的な建物と広場空間をうまくミックスをしたものだというふうに見えます。 これは高知でいえばどうなるかというと,もう既に建物はオーテピアがあるのではないかと。アンフォーレについても図書情報館という位置づけ,また公的なホール,これも全部オーテピアには既に備わっている。 もちろん,商業施設とかといったものは入っていませんし,子育て支援に関する部署,そういったものもないわけですけれども,必ずしもそれはオーテピアのほかに,もう一個建物を建てて,隅っこに広場を造る,そういうふうなものでなくてもいいはずです。 やはり,西敷地は,オーテピアと連動して広場として整備をしていただきたいということを重ねて申し上げて,私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(田鍋剛君) この際暫時休憩いたします。  午前11時40分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後0時59分再開 ○副議長(吉永哲也君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 高木妙議員。  〔高木妙君登壇〕 ◆(高木妙君) 公明党の高木妙でございます。第479回市議会定例会に当たり,一問一答方式により個人質問をさせていただきます。 なお,通告いたしました県市連携につきましては,次回とさせていただきます。 初めに,技術部門向上のための職員配置とその育成について,お伺いをいたします。 本市の技術系職員の皆様方には,日頃より多種多様な困難な事案にも真摯に対応していただき,誠に感謝を申し上げます。 先日,企業,団体の皆様から,本市職員の技術力に対する課題やコミュニケーション能力,判断力などについて疑問視する御意見とともに,これまで職員が積み上げてこられた業務の継承ができていないのではないかと危惧するお声をいただきました。このことは,本市のみならず,多くの自治体で課題となっているようです。 その原因は,建設,土木,電気,港湾,防災など幅広い分野で急速な技術革新が進み,新しい基準や高度な技術が求められながらも,習熟のいとまがない。また,実務経験に関係なく,現場対応に出向き,多忙を極める中で,基本設計や施工の入札業務から施設操作や維持管理作業など,一手に引き受けなくてはならない。 さらには,行政が新しい取組に保守的で,専門性を進化させる提案などを受け入れる余地がないなどとの要因が上げられました。 本市の実態に即し,市長が課題と感じておられることがあれば,お示し願います。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 技術職員の技術力に関する課題ですけれども,高知市では事務職,技術職等を問わず,ベテラン職員の退職に伴いまして,それぞれ新規職員の採用を図っておりますが,組織の新陳代謝が進むことによりまして,特に職員数の少ない技術職の分野におきましては,若手職員への技術の継承が大きな課題となっております。 現場の最前線での活躍や若手職員の育成を図ることとなる,本来であれば30代から40代前半の中堅の職員が少ないこと,また技術職場全体を通しまして,技術の継承と技術力の向上に取り組んでいくことが必要ですけれども,非常に忙しいというところも課題だというふうに思います。 技術職員の人材育成につきましては,日常業務を通じまして実践的な知識やノウハウを学ぶ,いわゆるOJTを行いながら,新任の技術職員の方々や若手技術職員を対象に,内部研修などに取り組んでおります。 また,専門的な機関への派遣研修も重要ですので,高知県建設技術公社や全国建設研修センター,こういうところが実施をします新任の土木技術職員の研修や,実務経験の少ない若手職員から専門的な知識を学ぶ中堅職員が受講する研修に合わせまして,23講座,延べ47名が参加をして,職務に必要な知識の習得に取り組んでおります。 ただ,先ほど御指摘もありましたように,技術関係のイノベーション,技術の革新が非常に速いスピードで進んでいますので,まだまだ課題が多いという認識を持っております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 同じ御認識を持っていただきました。 そこで,高知市でもそれぞれ,るる研修の派遣等々に取り組んでいただいておりますけれども,そうした高度な技術が求められる,躍進をする,この業界にあって公共建築や一般土木,防災対策における都市整備など,地方自治体が抱える職員の技術力向上をとにかく急がなければならないと私は考えます。 そのためにも,高知市職員の組織の中にも技術的全般の業務を横断して,総合的かつ専門的に対応できる特別なポストの配置は急務であると考えます。市長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 特別なポストの配置という御質問ですが,他の自治体において高度な専門的な知識の経験,また優れた識見を有する方を特定の任期付職員として任用しているケースもございます。 例えば,他県ですけれども,県や民間企業などの専門的な知識を有する方を任期付職員としたポストに採用することで,即戦力の確保が可能となるほか,現場での経験が豊富な職員の採用によるOJTを通じました,若手職員の育成にも,その効果が期待できるということで採用されている事例もあります。 人材育成面につきましては,例えば埼玉県富士見市におきましては,専門性の追求よりも先輩職員の指導や業務を担う中で学ぶ,職場研修を重視して,定年退職等に伴い,若手職員との入れ替わりが進んでおります土木技術系の職員の中で,先輩職員を内部講師としました研修会を勤務時間外に開催をしている,こういう事例もございます。 高知市においては,再任用の職員が,これまでに培ってきました専門知識や経験を若手職員へ継承するとともに,指導能力を十分生かせる人事配置に努めているところですけれども,富士見市の事例は,再任用職員のスキルを人材育成により有効に活用した事例の一つだというふうに考えております。 本市の技術系の職員,土木,建築,また非常に人手不足となっております電気設備工事,こういうところでも,まだまだ課題が多いと思っておりますので,様々な手法を研究しながら,技術力の向上につなげてまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 市長から他都市の事例をひもときながら,特定任期付職員等の任用についての言及がございました。高知市でも様々な工夫をした取組をされておられることは承知をしております。 さらに,本市にいま一度,こうした特定任期付職員の配置を行って,取組をしていただきたいところでありますが,もう一度御所見をお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) そういう適任の方が,我々の高知市に来ていただけるかどうかという点もありますので,今後とも情報収集や,また他都市の制度の状況ということを研究してまいりたいというように思います。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) どうかよろしくお願いをいたします。また,新しい機構改革等々のお話がなければ進んでいかないと思いますので,そこは市長の範疇のことでありますので,どうかよろしくお願いをいたします。 それでは,次の質問に移りたいと思います。 次に,新型コロナ感染症対策と支援について,初めにインフルエンザ接種助成についてお伺いをいたします。 市長公約により,高知市子どもインフルエンザ予防接種費用助成制度が開始をされます。まず,その概要についてお伺いをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山崎こども未来部長。 ◎こども未来部長(山崎英隆君) 子供のインフルエンザ予防接種の一部助成については,令和2年度当初予算の新規事業でありまして,現在,高知市医師会を中心とする医療機関の皆様の御協力をいただきながら,10月からの事業開始に向け,最終準備を進めているところです。 対象は,1歳から中学3年生まで,助成金額は1回当たり1,000円,13歳未満は2回までの助成となりまして,助成方法は本市と事前に契約を結んだ医療機関での代理受領ということになりますので,医療機関窓口での申請によりまして,接種1回当たり1,000円が接種費用から控除されます。 新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザは,発熱等の症状が類似しておりまして,本年度はインフルエンザワクチンの需要が高まる可能性がありますので,国はインフルエンザ予防接種について,9月11日の厚生労働省感染症対策推進本部の事務連絡におきまして,優先的な接種対象者,それからその接種時期を示しております。 国が示す優先的な接種対象者とその時期は,まず10月1日からは65歳以上の方など,予防接種法の定期接種対象者とされておりまして,次に10月26日から医療従事者や基礎疾患を有する方,妊婦,それから子供ですが,生後6か月から小学2年生までの子供を優先するとされています。 なお,本市の中学3年生までのインフルエンザ予防接種の一部助成については,国が示す優先的な接種対象者や接種時期に配慮しながら,予定どおり実施をいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 御答弁ありがとうございました。今年はその接種時期に一定の目安が設けられておりますけれども,この接種助成は予定どおり行っていただくということで,子育て世代の御家庭にとりましては,負担軽減と子供の命を守る大きな安心につながる助成だと歓迎をするものです。 そこで,現在がコロナ感染の危機感がある特別なときだからこそ,受験や就職活動を行う高校3年生まで助成対象を拡大することを提案するものですが,実施しようとすると,追加予算はどの程度必要なのかお伺いをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山崎こども未来部長。 ◎こども未来部長(山崎英隆君) 令和2年4月1日時点の本市の15歳から17歳までの住民基本台帳人口8,991人でございます。 それを基に当初予算の計上に用いた接種率55%により試算をしますと,扶助費本体としては約500万円,これに事務費として審査支払手数料が約40万円必要となります。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) ただいまの御答弁は,合わせて540万円程度ということでありました。岡崎市長,幸いにもコロナ対策関連の予備費がございます。 これこそ,市長公約に上乗せをして実施をされてはと市長の御英断を望み,お伺いをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 御提案の高校3年生までの助成対象の拡大につきましては,10月の事業実施を目前に控える中で,制度の再構築が必要となり,高知市医師会をはじめとします関係機関との再度の協議なども必要になりますので,一定の時間を要すると考えられ,さらに,既に中学校3年生までの制度として周知徹底を図っていますので,この点に加えまして,もう一回の周知方法も課題などがあります。 一方で,高校生たちの活動状況を見ますと,当然,部活動もありますし,場合によったら県外との試合というように,他の年代と比べて活動範囲が広く,新型コロナウイルスの感染リスクが比較的高い,他県の地域へ訪れる機会も多いというふうに考えられますので,インフルエンザの予防接種を行うことにより,医療機関を受診するケースを抑制することで,感染症対策には一定の効果があるものと考えております。 今年度に限りましてですけれども,新型コロナウイルス感染症の拡大防止という特殊な状況に今年度ありますので,先ほどの臨時交付金等の財源の活用を含めまして,実現の可能性について検討をしてまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 今年度に限り実現の可能性を検討していただけるという,大変前向きな御答弁をいただきました。市長のさらなる御英断に感謝を申し上げます。 それでは,コロナ支援2点目は,国民宿舎桂浜荘運営継続支援についてお伺いをいたします。 今議会には,国民宿舎運営継続支援金支給事業費補正4,371万6,000円が計上されています。この運営継続費は,本市が独自で支援する宿泊事業者に対する給付金と,あまりに格差があるとの立場から質問をさせていただきます。 まず,商工観光部長にお伺いします。 これまで高知市が宿泊事業者に行ってきた高知市宿泊事業継続支援給付金は,上限を2,500万円とするものです。桂浜荘をその計算式に当てはめて試算をすると,幾らになりますか。 ○副議長(吉永哲也君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) 宿泊事業継続支援給付金につきましては,客室数と宿泊定員により給付金を算出しておりまして,桂浜荘に適用して試算いたしますと,給付金額は1,192万5,000円となります。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 桂浜荘に当てはめると,1,192万5,000円ということでした。宿泊事業者さんへの給付は,最大でも2,500万円です。 したがって,桂浜荘はこの上限をも超えて約4,300万円の支給ということですので,その最大値と比較しても,1,800万円ほど多く運営継続費が見込まれているということになります。これが私の思う格差の一つです。 では,なぜ高知市は桂浜荘に4,300万円強を支援するのでしょうか。 その根拠と判断理由について,またどの財源を用いていくのかについて,これまでの経過を御承知の中澤副市長にお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 中澤副市長。 ◎副市長(中澤慎二君) 桂浜荘にかかわらず,指定管理施設において生じました,新型コロナウイルス感染症の影響につきましては,指定管理に係る協定を締結した時点において,想定することができない不測の事態に当たると判断しております。 こうしたことから,指定管理者との協定における不可抗力,天災・暴動等による履行不可能に該当すると認定し,収入の減少に対する支援を実施することについて,令和元年度分につきましては,今年の3月3日付で,2年度分につきましては4月3日と7月2日付で総務部長,財務部長の連名で庁内に通知を行っております。 桂浜荘につきましては,指定管理者と締結しました基本協定書の第23条で,不可抗力による損失等が生じた場合は,その内容を本市に書面で通知することとなっており,本市は通知に対しまして,不可抗力の判定と費用負担や義務の免除等を決定することが定められておりますので,さきの通知を根拠としまして,不可抗力の認定を行い,費用の負担と事務の免除について,指定管理者と協議をしたものであります。 なお,財源につきましては,国の臨時交付金を全額充当することといたしております。
    ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) ただいま御答弁いただきましたように,まず判定理由は協定にある想定することができない不測の事態に当たるということで,この総務部長,財務部長通知により,桂浜荘の場合は,その他の指定管理者との協議により試算をしたという御答弁でありました。 中澤副市長は触れられませんでしたけれども,私がこれまで御説明をいただいた中に,その協議の基になる収支は,平成28年度の桂浜荘の実績を用いたということを伺っております。 そこで,私はその平成28年度が基になるというところに整合性を見いだせません。例えば,その理由は,国の持続化給付金の算定式に使われるのは,対前年同月比であります。 たとえ前年の収支がどのような状況にあったとしても,持続化給付金を申請するならば,この基準で計算しなければ認められません。 桂浜荘の平成28年度の収支実績を用いたということの商工観光部のお考えはそれでしょうけれども,私は前年同月比の考え方を用いるべきだと思います。 そこで,楠本商工観光部長,令和元年の収支を用いて運営継続費を試算すると,幾らになりますか。 ○副議長(吉永哲也君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) 今回,令和2年度上半期の支援額の算定は,その8月,9月分の比較想定は,収支の差の比較といたしまして,これまでに本市が不可抗力を認定していない直近年度であります平成28年度をベースとして,4,371万6,000円を補正計上させていただきました。 これを仮に令和元年度をベースとして算定しますと,上半期分となりますが,支援金額は3,821万1,000円と想定され,その差額は550万5,000円となります。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) つまり,平成28年度を用いたほうが,550万5,000円ほど運営継続費が多く支給をされるということで,根拠年度を選択できるという,民間の皆さんはできませんので,ここで桂浜荘は選択できるという格差の2つ目が発生をいたします。 また,宿泊事業者さんへの支援は,9月8日時点で給付予定を含め6億9,000万円とお聞きしております。この財源を再び予算化することは,私は大変難しいように感じますが,ところが高知市が桂浜荘に行う支援は,この通達によりますと,令和2年2月25日から3年3月31日までが対象期間となっておりますので,今後,下期の支援も行われるということです。 楠本商工観光部長,突然ですが,試算できますか。難しいですよね,大丈夫ですか。 ○副議長(吉永哲也君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) 上半期は,今回補正計上で金額を想定して上げさせていただいておりますが,下半期につきましても,この8月,9月の想定は,現在の市内の全てのと言いますか,組合に加入されている方のデータ,宿泊の稼働率と言いますか,今予約が入っている状況を鑑みて,8月,9月分も想定してございますが,コロナの影響の状況が今後どうなるかということもございますし,今後10月から来年の3月までの半年,下半期については,現段階ではなかなか想定される状況をつくり得る状態じゃないと思っております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 下期において支援はあるけれども,その金額は推計できないという,そういう御答弁だったと思います。ここで支援の機会がもう一つあるということが,格差の3つ目となります。 最後に,これらの継続支援費は,地方創生臨時交付金を充当するということですけれども,さきの質問戦でも商工観光部のコロナ対策支援事業など,不用が出た場合は,補正予算を立てて新たな支援を望むお声もありましたように,この財源は公が運営するものを優先的に支援するのではなく,コロナ禍で営業が厳しい事業者にも,公平に分配されないといけないものであると私は考えております。 以上,4点の格差を考えると,私にはコロナ禍の影響により,やむなく廃業に追い込まれる方々のため息をつくような心の声が聞こえてまいります。 次に,指定管理者制度について,いま一度押さえておきたいと思いますので,御説明願います。 また,あわせて,現一般財団法人高知市桂浜公園観光開発公社が,桂浜荘の指定管理者になった経緯と協定内容についてもお示し願います。 ○副議長(吉永哲也君) 中澤副市長。 ◎副市長(中澤慎二君) 指定管理者制度は,多様化する住民ニーズに効果的,効率的に対応するために,公の施設の管理に民間のノウハウを導入することによりまして,住民サービスの向上と経費の縮減などを目的といたしております。 桂浜荘につきましては,平成18年度から指定管理者制度を導入しておりまして,23年度までは指定管理者に桂浜公園観光開発公社を指定するとともに,桂浜荘の利用料金等の収入を全額本市の歳入に受け入れ,その運営に係る経費は指定管理料として支払う方式を採用しておりました。 平成24年度からは,指定管理者の選考を公募に変更するとともに,利用料金制度を導入いたしましたけれども,1社だけ応募のあった桂浜公園観光開発公社を指定いたしております。 なお,御質問にありましたように,平成20年度に公益法人制度改革関連3法が成立いたしまして,桂浜公園観光開発公社は,公益認定の基準となります公益目的事業費率50%以上という基準を満たしていなかったことから,24年度に公益財団法人から一般財団法人に移行をいたしております。 令和元年度に実施いたしました2年度から5年間の桂浜荘の指定管理者の公募には,2社が応募され,指定管理者審査委員会における審査の結果,同公社が指定候補に選定されまして,指定管理者となっております。 令和元年度の公募時には,同公社から本市の仕様書に基づく毎年度の納付金2,000万円に加えまして,2年度と3年度は売上げの1.79%,4年度から6年度までは売上げの2.1%を納付する提案がございましたので,この内容で指定管理者とは基本協定を締結いたしております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 御答弁もありましたように,指定管理者制度というのは,公の施設管理に民間のノウハウを導入することにより,住民サービスの向上と経費の縮減を図っていくという国の制度改革によって行ったものです。 また,これまでの経緯を御紹介していただきましたけれども,その運営は指定管理料,委託料を支払うこれまでの制度から,このたびは利用料金制になり,納付料を納めなければならない形態になっているということでありました。つまり,営業により利益を上げて協定に基づく納付をしなければならないというわけです。 私は,桂浜荘を運営する指定管理者の営業が,コロナの影響で厳しい状態であるということは,重々承知の上で申し上げております。指定管理者に対する支援は,自治体の判断によることであることも承知をしております。 しかしながら,その支援協議は指定管理者の役目を果たそうとする営業努力の上に成り立ち,行政との協力を行っていくことが前提であると考えております。 高知市が直営職員を派遣して公社が運営していたときのような委託料制の慣習が残っているような姿は,改めるべきであると感じています。 私たち公明党市議団は,宿毛リゾート椰子の湯で施設整備,食,景観,職員の対応などを調査してまいりました。 また,議会事務局を通してコロナ禍支援について,減収補填や支援金の拠出,休業補償,納付金の減免などの対応について調査しました結果,宿毛市からは指定管理者から要請等がないため,特段検討していないが,要望がなされた場合は,随時検討したいと考えているとの御回答をいただきました。 また,指定管理者との契約内容について,令和2年度協定において,コロナウイルス感染症の影響を受け,元年度協定から変更した点について調査しましたところ,変更点はないとの御回答でありました。 商工観光部長,市長,両副市長,どのように思われますか。高知市は昨年12月,厳選な選定の下,令和2年から向こう5年間の指定管理者として一般財団法人高知市桂浜公園観光開発公社を選定し,2年4月1日に向こう5年間の協定を結んだようであります。 この間,指定管理者納付金など減額措置がたくさんありました。私の覚えている限り,2020年5月臨時議会には,あろうことか前回の指定管理料納付金868万3,000円の納付猶予を含む高知市国民宿舎運営事業特別会計補正予算が議決され,この9月にはコロナ禍中による協定書の不測の事態と認定し,指定管理者納付金の減免1,128万7,000円,前指定管理者時代に残る納付金868万3,000円を1年間納付猶予するために,2年度から元年度へ繰上げ充用1,388万1,000円の補正が出されています。 このように高知市は,本市のみならず,国内,国外を問わず,有名で大切な桂浜の観光地を,桂浜荘の運営をこれまでも大きく支えてきた,このように私は思います。 市長にお伺いいたします。 コロナ禍中において,新しい生活様式の下,新しい社会の在り方,新しい経営努力が,どの分野でも知恵を絞り,模索されているところです。 しかしながら,国民宿舎桂浜荘が提案している団体利用の企画商品頼みの営業は,まだまだコロナ収束が見られない中では,よほどの転機と斬新な取組がない限り,協定どおりの指定管理者納付金を納付することは見込めないと思います。 そうなれば,高知市の厳しい財政状況の中で,財政健全化における収支の均衡を図るために,一般会計からの繰り出しや営業支援をし続けなければならず,これでは指定管理者導入の目的にも反します。 国民宿舎桂浜荘の今後の運営の見通しについて,高知市はどのように考えておられるのか。指定管理者としての責任をどのように求めていかれるのか,岡崎市長にお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々議論がありましたとおり,桂浜荘につきましては,感染症の影響を受けまして,利用者が今激減しておりまして,令和2年4月から7月までの宿泊につきましては,マイナスの92.2%,また宴会も非常に減っていますので,宴会やレストランなどを含めますと,全体の利用者数を見ましても,マイナスの95.5%と非常に厳しい状況となっております。 桂浜荘につきましては,一部洋室に改造したところもありますけれども,基本的には和室が多く,施設の構造上からも,団体旅行やスポーツ合宿等をターゲットとした誘客になっておりますので,それぞれ客足の戻りが遅いのではないかということも想定され,厳しい経営環境に置かれていることを懸念しております。 宿泊業につきましては,桂浜荘のみならず,多くの宿泊業の皆様方が,まだ厳しい経営にさらされておりますけれども,コロナ禍におけます地方公共団体が,この桂浜荘のような休養の宿泊施設の運営を継続する意義,また雇用の確保などの観点も踏まえて,総合的に検討を進めていく必要性があると考えます。 指定管理者につきましては,先ほどの納付猶予の話も出ましたが,今回,新型コロナウイルス感染症の影響に対し,必要な支援を実施いたしますので,一層の経営改善を促すとともに,協定に基づく納付金や納付期限を猶予しました令和元年度の納付金の納付義務については,適正に履行するように求めてまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 市長から2つの重要な視点の御答弁がありました。高知市が施設管理者として公費を投じながら宿泊施設を運営する難しさ,指定管理者の協定に基づく納付義務を指定管理者は履行してほしい。行政の長として,重い発言だと受け止めておきます。 高知市も議会も指定管理者側も,現実を直視し,正しく考えていかなくてはならないと思いました。 指定管理者である一般財団法人高知市桂浜公園観光開発公社においては,厳しいコロナ禍中にあっても,高知市の旅館,ホテル,観光産業の模範となるような営業展開をお願いいたします。 このたびの国民宿舎運営継続支援金補正4,371万6,000円については,本日のそれぞれの御答弁を踏まえまして,経済文教常任委員会で深く議論をさせていただきたいと思います。 それでは,次の質問に移ります。 医療的ケアの支援とレスパイト事業について伺います。 県,市の財源で行うレスパイト事業を高知市はどのように取り組んでいかれるのか。また,これまで保護者の強い要望のあった,もう一つのレスパイト事業,高知医療センターに医療型のレスパイト事業を望む多くの声があったとお聞きしておりますので,高知市としてどのように対応されるのか。医療センターで協議されたことも併せて,全てお答えください。 ○副議長(吉永哲也君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 在宅レスパイト事業でございますが,医療的ケアが必要な障害児及び障害者の方が,医療,障害,介護といった各種サービスの提供を受けてもなお,御家族によります医療的ケアが必要な場合に,看護師が御自宅に出向きまして,家族の方に代わって医療的ケアを行うということで,御家族の介護負担を軽減し,一時的に休息を取っていただくということを目的としております。 御質問にありました人材面でございますが,先日の協議会におきまして,訪問介護ステーションに所属をされている委員の方から,なかなか現状で手いっぱいであること等の意見が出されておりましたが,高知県のほうで県立大学の健康長寿センターにおきまして,医療的ケア児の在宅看護を行う,訪問看護師の育成に取り組んでいるともお聞きをしております。 今後とも,こういった取組に関しましては,県市連携で進めていきたいと考えております。 また,医療センターとの協議でございます。医療的ケア児にも対応可能な医療型短期入所サービスの提供に係る医療センターとの協議でございますが,医療型短期入居サービスというのが,障害者総合支援法に基づきまして,短期入所事業所の指定を取った医療機関にしか提供できないものとなってございます。 医療機関におきましては,障害福祉サービスとして,医療型短期入所で対応する場合と,まさに医療が必要であり,入院で対応する場合がありますけれども,この医療型短期入所で対応する場合は,空床利用が基本となります。 したがいまして,御利用されたい日時に利用ができない場合が発生してしまうといったことや,急性期医療と同一のフロアで運用を行う必要があると。そのため看護体制,診療報酬,障害福祉サービスの報酬との乖離などが大きな課題として上げられます。 こういった課題はありますものの,医療的なケアの必要なお子さんの保護者の皆様方のお声としまして,レスパイト事業の充実が求められておりまして,とりわけ医療機関でのショートステイにつきましては,切実な御要望であると受け止めておりますので,本市といたしましても,高知医療センターと今後も具体的に協議を進めてまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 健康福祉部長のほうから,本市としても,具体的に協議を進めていくとの力強い御答弁をいただきました。 岡崎市長にお願いをしておきます。重症児を抱える保護者の皆様から,行政によって制度が違い,そのことによって生き抜ける命と亡くなる命があるのは,親としてつら過ぎると悲痛な思いをお伺いいたしました。 どうか医療センターでのレスパイト事業が構築されますよう,実現するまで市長も担当者の皆様も取り組んでいただきたいことを切に切にお願いをしておきます。 それでは,次の質問に移りたいと思います。 次に,高知市文化プラザかるぽーと長寿命化計画についてお伺いをいたします。 高知市の文化振興の拠点として,長年の市民からの願いから建設をされた高知市文化プラザかるぽーとが開館して18年を迎え,長寿命化整備事業に係る継続費の設定として,総額40億円に関する議案が提案をされております。 このことについては,8月26日の地元紙でも取り上げられましたので,賛否両論の御意見をいただいております。私もいま一度この時代を振り返ってみました。 かるぽーとが建設される前,高知県には昭和51年に建設された県民文化ホールが,唯一のホールとして存在をしておりました。 その後,昭和59年に土佐清水市,平成2年に須崎市立文化会館,5年に県立美術館,8年2月に春野町文化ホール,同8月に野市ふれあいセンター,こうした高知市以外の周辺のところで施設整備が進んでいきました。 そうする中で,県都高知市に文化施設がないと悔しい思いをしながら,高知市に文化施設を望んでおられる方々の思いをよくよく知っている者の一人として,この設備の安全対策を図り,長寿命化により市民の文化の牙城,地域コミュニティの場所,防災拠点としてこれまで以上に守っていきたいと,私はそういう立場であります。 その上で,私たちは市民の方々の率直な御意見に対し,高知市の財産を守り,そのための将来負担の在り方は適切なのか。市民の皆様に正しい情報をお伝えするためにも質問をさせていただきますので,教育長どうかよろしくお願いをいたします。 時間が限られております。まず,8月17日に開催されました経済文教常任委員会には,高知市文化プラザ長寿命化整備計画が示されました。 その資料の中で,高知市は教育委員会の意見として,財政状況が短期間で劇的に改善することは考えづらいから,今後の文化プラザの全体の在り方を検討する時期が来ていると思われると御説明がありましたところ,委員の見解が大きく分かれるとお見受けをいたしましたので,教育委員会の真意のほどをお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 高知市文化プラザは,施設の建設を求める市民の方々の要望に応えて,関係市民団体と延べ88回にわたるワークショップを重ねながら,市民の文化芸術活動の鑑賞,発表,交流の場として,市民の方が利用しやすいことを第一に設計され,平成14年4月に開館いたしました。 しかし,開館から18年を経過し,電気,空調,給排水衛生設備や舞台機構,照明,音響設備などの経年劣化によりまして,大規模な施設更新が喫緊の課題となり,令和元年度には,効率的,効果的な発注を図るため,整備箇所を特定する劣化度調査や諸条件から事業費規模等を整理し,整備計画を策定いたしました。 その中で,今回の改修を含めて令和24年度までに必要な修繕費用は約115億円を要する見込みとなり,その後も建物の耐用年数が来る60年目までの20年程度のスパンで同規模の修繕が必要になるとの調査報告がございました。 ホール,ギャラリー,まんが館,公民館の複合施設で,本市文化の中枢を担う施設であります,かるぽーとを現在の機能,規模のまま維持し続けていくためには,今後も多額の維持経費が必要になることが判明いたしましたが,人口減少や高齢化が進む本市において,将来の税収の減少等も含めて,財政的に不安な要素がございます。 また,本市の文化施設,特にホールを取り巻く状況は,かるぽーと建設当時とは異なり,先ほど御紹介もいただきましたけれども,合併により収容人数500人規模の春野文化ホールピアステージが加わり,ホール機能を持つ施設を複数所有する状況となっております。 市民の要望を受け,市民と協議をしながら190億円をかけて建設したかるぽーとは,耐用年数である60年は使用する必要がございますが,文化を取り巻く施設環境の変化を加味しながら,ホール機能の精選や規模の検討を,また高知市内の文化施設の役割分担等について検討することは,今後必要となるかるぽーとの維持管理費の予算化において,その必要性を説明していく上では欠かすことができないと判断したものでございます。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 先ほどの教育長の御答弁は,私とは分かれるところです。長寿命化の計画を出しながら,これから先の話が,何も具体的なものができていないことを想定しながら,2つの方向で進んでいくという,ここはちょっと納得ができません。 書画カメラをお願いいたします。 最初に少し触れましたけれども,高知市文化プラザかるぽーとの建設の経緯について,これまでの歴史をひもとき,詳細な説明を求めるとともに,この施設の果たす役割について,教育長の御認識をお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 1980年代半ば,高知市では鉄道高架に伴う高知駅周辺の再整備とともに,はりまや橋から九反田周辺にかけての中心市街地再開発が重要な課題となり,中でも九反田周辺については,当時,市営駐車場であった敷地の高度利用が検討されてまいりました。 また,当時は市内で市民が芸術文化を鑑賞し,発表する市民の交流の場として必要な一定規模を有するホールやギャラリーは,県立の高知県民文化ホールと高知県立美術館しかなく,市民が利用しやすい文化施設の建設が求められておりました。 文化施設の建設を求める市民の運動から,平成6年9月,市議会の場で市営九反田駐車場用地に市単独で総合的な文化施設を整備する方向性を打ち出したことにより,実現の方向に向けて動き出したものでございます。 平成7年から9年10月までの間に市民ギャラリーを作る会,市展ギャラリー基本構想委員会,新文化ホール建設期成会,高知から世界に発信できる劇場を創る会,横山隆一記念館設立委員会など,関係する市民団体の方々と延べ88回にわたるワークショップを重ねながら,8年度基本設計,9年度実施設計,10年4月には総事業費190億円で,10年から13年度の継続費を設定しまして,13年10月に建設工事竣工,14年4月に開館をいたしました。 現在,文化プラザかるぽーとのホールやギャラリーでは,演劇や音楽の鑑賞の場,また市民文化活動の発表の場として,中央公民館では,夏季大学に代表されますように,生涯学習の場として,広く市民の方に活用されております。 残念ながら,今年は新型コロナウイルス感染症対策のため,オンラインでの開催となってしまいましたが,まんが甲子園やまんさいなどがかるぽーとで開催されており,漫画文化の聖地であり,さらに全国に発信していかなければならないと考えております。 また,芸術文化の拠点としてだけではなく,文化プラザのある九反田は,南海トラフ地震における津波浸水区域であるため,発災時には2,000人余りの方を収容できる津波避難ビル兼指定避難所に指定されており,防災拠点として重要な位置づけにあると考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) ただいま書画カメラでかるぽーとの全容,正面を映していただいております。教育長には,これまでの建設の経過,市民運動の在り方,市民の皆さんが運動されてきたこと等々を紹介していただきました。 そしてまた,このかるぽーとの機能についても,文化の拠点のみならず,先ほど触れましたけれども,南街約2,000人の方が避難する,そういった施設であります。 子供たちは音楽会をここで行っておりますし,公民館活動はすごい活動を,頻繁に発表会を行っておりますし,そんなに簡単にほかの施設と統合し,今後の検討をしていく,そういう施設ではないと私は思っております。 書画カメラを終わってください。 今議会に提案されるまでには,教育委員会は,様々な過程を踏んで検討されてきたと思います。 どのような経過を踏み,長寿命化の判断に至ったのか。なぜ,この9月議会に継続費の設定をしなければならないのか,時間的な拘束があるのか,そうした判断の根拠を明確にお示し願いたいと思います。 ○副議長(吉永哲也君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 平成13年の竣工から年数が経過し,施設の随所に不具合が生じておりましたことから,30年5月の一部庁議におきまして,施設の大規模修繕を実施することを決定し,県民文化ホールとの利用調整の関係上,令和4年度から5年6月まで全面休館とすることといたしました。 しかし,舞台設備の改修だけでも10億円を超えることが確実であったことから,10億円を超える事業の実施に当たっては,漫然と従来の方法を採用することなく,民間資金や活力の導入について検討するという,民間資金等の活用による高知市公共施設等の整備等の手法に関する導入検討の方針,これに沿って官民連携による様々な可能性を調査,把握するために,平成30年度にサウンディング型市場調査を実施し,令和元年度に劣化度調査及び整備基本計画策定委託業務を実施いたしました。 その中では,効率的な改修を実施するためには,初回の改修費用が約90億円とされておりましたことから,本市の財政状況からでは,そのままの実施は不可能と判断し,現在委託中の改修事業者選定支援業務において,改修の優先順位の整理及び機能不全までは起こらない改修については先送りするなど,工事費用の平準化を行い,40億円まで圧縮をしたものでございます。 決定している休館期間からスケジュールを逆算いたしますと,令和2年度中に業者選定をしなければ,設計施工に間に合わないこと。また,現時点では3年度末に終了予定となっておりますが,交付税措置率の高い有利な地方債であります公共施設等適正管理推進事業債,これを活用するために,2年度からの継続費を設定しようとするものでございます。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 先ほど教育長から多額の費用がかかるので,この施設の改修に有利な公共施設等適正管理推進事業債の活用を見込み,この議会に提案をされたというお話がありました。 この事業債ですけれども,これはこの議会でも様々な議論が出てまいりまして,財源の延長を求めるように私も思います。 劇場,音楽堂等の活性化に関する法律第6条には国の役割が,第7条には地方公共団体の役割,第8条には関係者の相互の連携及び協力が,第9条には国及び地方公共団体は,この法律の目的を達成するために必要な助言,情報の提供,財政上,金融上及び税制上の措置,その他の措置を講ずるように努めるものとするとあります。 市長におかれましては,この公共施設等適正管理推進事業債は期限がありますけれども,延長がされるようにしっかり提案をして,要望していっていただきたいと思います。 これまで施設のかるぽーとの建設経過等々のお話を伺いました。しかしながら,これほどの40億円になるまでには,高知市の財政上の理由があったと思います。 これから先は財務部にお伺いをしたいと思いますけれども,これまで所管課が施設の改修に要求してきた額と,査定により減額された額,積み残しとなっている総額についてお示しください。 ○副議長(吉永哲也君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 施設の供用開始から令和2年度までに施設の改修費用として予算要求がありました総額は,異なる年度で同じ内容の予算要求がありましたので,一部重複する分もありますが,約36億2,000万円となります。 一方,令和元年度までに予算措置をした額が約2億4,000万円,2年度当初予算が3億5,000万円ですので,その差引きが査定により減額となった額で,累計で約30億3,000万円となります。 先ほど申し上げましたように,一部重複はありますが,この30億円余りを積み残し額と考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 所管課は,このかるぽーとの長寿命化を,早くから改修を執り行っていこうと要求をしたんだけれども,高知市の財政事情により,累計で約30億円積み残っていたというものであります。 では,このたびの改修費40億円に占める舞台関係費の割合は,いかほどになりますか。 ○副議長(吉永哲也君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 本施設の改修費40億円に占める舞台関係の割合につきましては,昨年度に実施しました劣化度調査及び整備基本計画策定業務を基に策定した長期修繕計画によりますと,約50%程度となっております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 40億円に対して50%と理解をいたしました。私は,これはこれほどかかると思います。このように想定できます。 なぜかといいますと,私は春野町文化ホールで裏方の一人として舞台照明,機械操作,そうしたステージハンガー等々の舞台転換に対する経験があります。 そうしたところから,舞台上のその上の危険性,そしてまたつり物,ハンガーの荷重のかけ方であったり,いろんなところで裏方の方は,命の危険と相対しながらお仕事をされておられます。 そしてまた,現在,LED化であったり,電気のデジタル化であったり,最新の技術がないと興行が打てない,そうしたこともありますので,貸し館業を主とするホールであるならば,貸し館に資する施設にすることが大切であります。 そしてまた,そこで働く人の命を守る,そうした取組も必要でありますので,この施設改修費に約半分かかるというところは,納得をするものであります。 また,あわせて,財務部長にお伺いいたします。 文化施設かるぽーととほぼ同時期に建設された,りょうまスタジアム,清掃工場などの施設改修と修繕費の総額,長寿命化に関するお考えについてお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 平成13年度から令和元年度までの19年間で,りょうまスタジアムに投じました施設改修費用は,陸上競技場トラック改修や競輪競技用バンク修繕などで10億6,000万円余りとなっております。 また,同期間において清掃工場に投入しました施設改修費用は,ボイラー・タービン整備工事などで58億3,000万円余りとなっております。 それぞれの施設の長寿命化につきましては,平成25年に国から示されましたインフラ長寿命化基本計画に基づきまして,りょうまスタジアムは27年度に高知市公園施設長寿命化計画で,そして清掃工場は,29年度に清掃工場長寿命化整備事業による改修計画を策定しております。 これらの計画におきましては,予防保全を計画的に実施することで,施設を良好な状況に保つとともに,より長期間使用することによって,財政負担を軽減しながら施設を維持することを目的としておりますので,計画の趣旨を踏まえながらも,実際の改修に当たりましては,財政状況に照らしつつ実施してまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 同時期に建てられた公共施設でも,りょうまスタジアムにおいては約10億6,000万円,そしてまた清掃工場においては58億3,000万円等々を投入しながら,メンテナンスを行ってきたというお話がございました。 この後,るるバルコニーのこと,1階出入口の改修等々,改修の部分についてお伺いをする予定でありましたけれども,そこは委員会の審議といたします。 私は一つだけお話ししたいのは,このバルコニーの改修は,個人的には必要ないと思っております。大変危険なところではありますけれども,あのバルコニーを使わないで空席にしておくことのほうがいいと思います。 なぜかといいますと,ステージ半分以上が見えない,あの席をどのように改修するか。それは専門の方がやられることでありましょうけれども,改修することによって,ホール内の環境が変わってまいります。 演奏者への音の返り,ここの残響は1.7秒から1.9秒ということになっておりますので,サントリーホールなんかは2秒以上ありますけれども,こうしたこのホールの特性を壊さないような,そういう改修ができるのであれば,バルコニーの改修もありかもしれませんけれども,改修しないことも一つの選択肢であるということを申し述べておきます。 最後に,市長にお伺いをいたします。 段々教育長のお話にもありましたけれども,私と相違するところがありますが,この継続費設定議案が出されたことにより,現在,県,高知市の中でも上がっていないような議論が附属として上がってくることは,論外であります。 190億円も投資して建設した先人の思いのある高知市の文化の牙城を解体するなどと,よもやあり得ないと私は思っておりますが,市長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) それぞれの市民の思いが詰まりましたかるぽーと,また市議会におきましても,当時の自民党の高岡議員さんはじめ,たくさんの皆様方が御努力によりまして,このかるぽーとが完成をしております。 年間45万人の方々の御利用もありますし,広く市民の皆様方に活用していただいております文化の拠点ということでございますので,一定の改修費はかかりますけれども,教育長が申し上げましたとおり,耐用年数全体で60年というのが法定の耐用年数ですので,まだ40年使えるわけですので,その耐用年数をできるだけ有効に使うということで,今回の改修費を想定しております。 ただ,将来的には,その後ですけれども,例えばコンサートホールを県,市でどうするか,こういうことについては,またどこかで県との議論が必要になっていくのではないかというふうには考えています。 ○副議長(吉永哲也君) 高木妙議員。 ◆(高木妙君) 市長に御答弁をいただきました。市民の思いによって建設された,こうした市民の文化財産,こうしたところを今後どうするかというところは,市民とともに,市民も巻き込んで一緒に考えていっていきたいと思っております。 今回の議案につきましては,本日,るるいただいた御答弁を基に,経済文教常任委員会で,また審議を深めていきたいと思います。 以上で,私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。  〔下元博司君登壇〕 ◆(下元博司君) 日本共産党の下元博司です。通告に従いまして,漸次質問に入っていきたいと思います。 まず,土地保全条例について質問をしていきたいと思います。 平成29年の3月議会で岡崎市長は,土地保全条例の運用改定への対応や違反指導の強化を図るため,新たに開発指導室を設置するなど,重点課題への体制強化を図ると答弁をいたしました。 その後,平成29年5月1日には,土地保全条例違反造成行為事務処理要領を施行しています。 この事務処理要領は,違法行為等に係る事務の適正かつ合理的な運用を図ることを目的に,違反造成行為等に関する処理は,迅速かつ正確に行うとともに,厳正な態度で臨まなければならないと規定をしています。 措置命令に従わず,著しく悪質なものについては,警察署長に告発を行うことを明確にしています。 現行土地保全条例には,違反者に対する罰則規定があります。違反造成行為事務処理要領がないと,この罰則規定の適用はできないのか。また,違反造成行為事務処理要領を制定した理由と,事務処理要領に基づく告発までの流れを都市建設部長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎都市建設部長。 ◎都市建設部長(岡崎晃君) 高知市土地保全条例第14条以下の罰則の適用につきましては,高知市土地保全条例違反造成行為事務処理要領の規定にかかわらず,手続を進めることは可能でございます。 同要領につきましては,平成29年度の土地保全条例改正に併せて,違反造成行為等に係る事務処理の明確化を図るために定めたものでございます。 また,違反造成行為等が発覚した場合には,現地調査,造成主への事情聴取後に行政指導を行いますが,行政指導に応じない場合は,再度指導を行い,聴聞を実施し,その後,措置命令,告発に至ることとなります。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 事務の明確化も図っていくということです。高知市は小松の沼の埋立てで,今年の3月2日,造成行為の是正についてという行政指導文書を造成事業者に送達をしています。 その内容は,市は水面から21メートルまでの盛土確認をしているけれども,さらにかさ上げが行われた,こういった状況になり,平成25年頃から届出以上に造成区域が拡大し始めたので,事業者に定期的に行政指導を行ってきた。 しかし,現時点では造成区域の縮小や土砂量の減少を全く確認できていないため,早期に届出内容どおりの造成工事にするか,計画変更する場合は,技術的基準を満たす設計にし,現在の盛土の安全性の確認をする必要があるとして,今後の是正に向けた事業者の考え,これを今年の3月末までに書面による報告を求めています。ところが,報告がなかったようです。 その後,4月30日に再び行政指導の是正指導書を送達しています。再度の行政指導は,今後は土砂搬入を中止し,届出内容に適合した造成となるよう,土砂の搬出,盛土形状の修正作業に早急着手することなどを措置し,計画工程表を作成し,6月30日までに書面で提出することを求めています。 ところが,これも提出がありません。このため,市は7月17日付で再指導,是正指導書を送達しました。再度指導し,これも8月末までに書面にて提出を求めています。今回は提出があったようですが,その是正指導に基づく報告,その内容を都市建設部長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎都市建設部長。 ◎都市建設部長(岡崎晃君) 本年7月17日付で行政指導の再指導文書を発出し,8月3日付で造成主より回答書が提出されましたが,書類等に不備がありまして,8月28日に再提出され,受理をしております。 回答書の内容といたしましては,造成区域の変更届を提出すること,及び造成区域変更後に盛土の修正作業を行う内容となっております。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 一定の是正もしていく,そういった変更も含めてしていくという内容が示されているようです。 ところで,現地には今も土砂が搬入をされています。聞くところによると,これまでに公共残土,公共事業の残土も搬入されたという話も聞いていますけれども,そのことについてはいかがでしょうか,都市建設部長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎都市建設部長。 ◎都市建設部長(岡崎晃君) 本市が発注しております公共事業につきましては,当該土地へ残土の搬入を行わないように指導を徹底しておる状況でございます。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 高知市の残土は入っていないかもしれませんけれど,高知市外の残土の搬入も地元の方々は確認をしているようです。 そういった点についても,しっかりチェックをし,該当する自治体に対し申入れができるのであれば,ぜひそういった申入れもしてほしいということを強くお願いをしておきたいと思います。 岡崎市長は,昨年6月議会で現行の土地保全条例について,制定されたときの経過,その時代背景もあるので,十分な規制ができていない条例という認識を示しています。 環境破壊や乱開発の観点から,埋立て等の規制を行う条例の改正,もしくは新しい条例の制定になるかもしれないけれど,他都市の先進事例も参考にしながら,土地保全審査会で具体的な検討をしたいと答弁をしています。 その後の検討の経過と内容,今後の改正に向けた行程がどのようになっているのか,都市建設部長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎都市建設部長。 ◎都市建設部長(岡崎晃君) 令和元年6月議会以降,土地保全審査会の庁内協議におきまして,現行の土地保全条例の強化につきまして検討を行っております。 土地保全審査会での協議内容としましては,工事期間の制限と罰則の強化の2点につきまして,運用上の問題などを整理しながら,関係機関との協議を進めているところでございます。 一方で,造成高さの制限等,官民境界確定及び周辺同意への義務づけにつきましては,財産権の侵害や,他法令の許可基準との整合性が図れないなど,多くの課題があると考えられます。 今後のスケジュールといたしましては,年内を目途に改正案を作成の上,令和3年3月議会に条例改正案を上程したいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 来年の3月にはということですので,ぜひお願いしたいと思います。 ただ,規制的なところを強めていくというのは,私は必要ではないかと思っています。 以前,中山間地などを中心に,高齢化がだんだん進んでいます。後継ぎもいない,管理ができない,そういった農地,山林が増えています。そうした土地を新聞の折り込みチラシで御覧になったと思いますけれど,貸してくださいとか売ってください,こういったチラシが頻繁に入っています。こういったことで,今後そうした管理ができない土地が手放されて,残土処理場になっていく,そういった可能性がある,私はそのことを訴えました。 環境保全や災害防止の観点からも,後手にならない行政の対応を強く求めておきたいと思います。 次に,公共施設等の管理についてに移ります。 書画カメラをお願いします。 間もなく映ると思いますけれど,この画像ですけれど,ある墓地内の市有地にある樹木です。御覧のように,だんだん大きくなって根が張り,広がり,墓地の境界壁が壊されています。墓石が傾いています。全体の木の大きさは,こういうふうな大きさです。 書画カメラ,ありがとうございました。 こういった事例,市にはいろんな公共施設があったり,道路の管理不足で,瑕疵で被害を与えた場合には,損害保険で対応しているようですけれど,先ほどの樹木のようなものについては,損害賠償の対象にはならないようです。 こういった損害保険の対象にならない樹木などが,市民の財産を侵した,壊した,このことに対してやはり保険が利かなくても,補償,賠償していかなければいけないと思います。 特に予算がないからということで,なかなか対応できない状況もあるようですが,こうした事例に対する予算,金がないから賠償を待ってくれというわけにはいかんと思いますので,予算措置がどういうふうになるのか,財務部長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 一般的に本市の行為や不作為が民法上の不法行為や国家賠償法の規定に該当し,高知市のほうに法的責任がある場合には,その賠償額が200万円を超える場合には議会の議決を経て,また200万円以下の場合には市長専決処分により賠償をすることになりますし,法律上の損害賠償責任がある場合には,既定予算がないことは理由にはなりませんので,予算流用や予備費での対応も検討し,なお不足するという場合には,補正予算を計上することになるものでございます。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) ありがとうございました。法的な賠償責任がある場合は,保険が利かなければ予算を措置すると。補正や流用や,そういったことで対応するということですので,こうした事例がある場合は,担当課については,財務部としっかり協議をして,速やかな賠償措置を取っていただくようにお願いしたいと思います。 書画カメラ,またお願いします。 この写真は道路の写真です。8月から高知市もサポカー補助金を開始しました。65歳以上の市民が,車線逸脱警報装置や衝突被害軽減ブレーキ機能などを含む4機能のある自動車を購入した場合には,3万円の補助金を交付しています。 応募が多い場合は抽せんになるようですけれど,国も安全運転のサポート車の導入促進をするということで,高齢運転者の安全対策を行うことを目的に,こうした装置を搭載した自動車に補助金を交付しています。 ところが,御覧のように,道路の外側線やセンターラインが,薄くなったり見えなくなっている道路が目立っているところです。これではせっかく車線逸脱警報装置の機能がついていても,機能が発揮できない,そういったことになってまいります。 書画カメラ,ありがとうございました。 市や国がせっかく推進しているサポカーの安全装置の機能が発揮できるように,外側線を含めた道路管理が必要だと思いますけれど,都市建設部長のお考えをお聞きいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎都市建設部長。 ◎都市建設部長(岡崎晃君) 路面標示につきましては,道路管理者が設置する外側線やセンターラインなどと,公安委員会が設置する横断歩道などにより,交通の流れを整え,誘導して,円滑な交通と安全を確保するための交通安全施設でございます。 路面標示の更新につきましては,財源として交通安全対策特別交付金を活用し,実施しておりますが,年々交付金が減少傾向となっておりますことから,近年は市民の皆様から要望の多い生活道路に対し,優先的に予算を配分しております。 今後も限られた予算の中ではありますが,安全運転サポート車の普及も見据えた維持管理を行うなど,市民の交通安全の確保に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) せっかく,特に高齢者の安全運転に寄与しようということですから,しっかりとした対応をお願いしたいと思います。 また,横断歩道も公安委員会の所管にはなりますけれど,横断歩道が消えている場所も多々見受けられます。 これでは運転している方からも,大変危険だという,そういった声も届けられていますので,先ほど都市建設部長が言われたように,路面標示,それぞれの道路管理者や公安委員会の管轄に分かれていますけれど,交通安全の観点からも,そういった関係機関との連携もしっかり取っていただきたいと思います。そのことをお願いしておきたいと思います。 書画カメラをお願いしたいと思います。 この画像は,市中心部の歩道の状況です。70歳代の女性が,この歩道の跳ね上がったタイルにつまずいて転倒しています。痛みが引かないので,受診したところが骨折をして全治1か月,そういった診断が下っています。 この女性は市に損害賠償を求める,その意思はないようですけれど,こういった状態を放置していれば,同様の事故が起こる可能性があると,だから早く修繕してほしいという訴えがありました。 たまたま知り合いの女性でしたので,私に出会った彼女がこの状況を訴え,私はすぐ道路管理課のほうへも報告をしたところです。 これは約2センチメートルほど上がっているんですけれど,全体はこういった状況で,この部分が浮き上がったところです。 書画カメラ,ありがとうございました。 それで,道路の管理です。穴が空いたり,こうした欠損場所が多々あると思うんです。道路等のこうした欠陥場所をルック・アンド・チェックする取組としてLC運動,このことについて少し前になりますけれど,平成13年9月議会で,その当時の安岡保議員が質問をしています。そして,当時の木村重來市民生活部長が答えています。 LC運動というのは,職員が通勤途上,または日常生活の中で道路,交通安全施設などの公共施設の安全面で気がついた点を報告することで,安全で快適なまちづくりを進めるとともに,市民の立場に立った問題意識の高揚,市民サービスの向上を図ることを目的に,職員による点検運動で,現在も継続しているけれども,対応は必ずしも十分でない。今後,この運動の趣旨を全庁的に再度徹底,充実を図っていきたい,このように答弁をしています。 職員の協力で道路の管理,欠損場所を発見し,管理をしっかりしていくという取組だったと思います。 こうした道路等の公共施設の損傷等の把握体制,LC運動は続いているのかどうなのか,そのことについて都市建設部長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎都市建設部長。 ◎都市建設部長(岡崎晃君) 道路などの公共施設の破損等の把握につきましては,トンネル,門型標識,市道橋を対象に,5年に1回の法定点検を実施しておりまして,その他の道路施設につきましては,日常の道路パトロールや市民の皆様からの通報により,多少の段差や陥没,側溝蓋のがたつきや道路落下物など,異状箇所の発見に努めております。 さらに,令和2年7月からは,道路異常箇所の情報提供依頼につきまして,本市ホームページに掲載し,市民の皆様にも御協力をいただきながら情報収集を行っております。 また,ルック・アンド・チェック運動の名称は,現在は使用しておりませんが,本市職員から通勤途中や勤務中に発見した道路異状の情報を収集するようにしており,庁内の情報端末を通じて昨年度は4回,本年度はこれまでに4回周知を行っております。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 長尾議員も道路や公園遊具の管理の問題で質問をされていますし,市民の日常生活の中で公共施設の管理が十分できていない,そのために事故があったりしては大変だと思いますので,しっかり取組をしてもらいたいと思います。 このLC運動というのは,安岡保議員が市民生活課長のときに,たしか制度としてつくった運動であったように記憶をしています。それから,高橋議員も6月議会で相模原市のスマホを使った情報提供の話をしています。 この相模原市の制度は,スマホアプリを活用して,市民からの道路の破損や亀裂箇所を通報するシステム「パッ!撮るん。」という名称のようです。パトロールということを何かもじった用語です。 相模原市は,このスマホのカメラで壊れている箇所の写真を撮影して,メールで市に送信をすることで,大規模な修繕にならなければ,通報を受けてから二,三日で対応できる。 以前だと大きな穴との通報を受けても,実際にどれほどの大きさなのか,個人差があって分かりにくく,どのような対策が必要かすぐに判断できないこともあったけれど,このアプリでは画像と位置情報があり,迅速な対応につながっている。こういったことをおっしゃっています。 こうしたアプリの採用,活用なども含めて実効のある仕組みをぜひ研究していただきたいと,お願いをいたします。 次に,生活保護行政についてお聞きをしてまいります。 全国で今コロナ禍の下,生活保護の申請,利用が増大をしているようですけれど,高知市の生活保護の申請数というのは,昨年1月から7月は554件で,今年の同期間は468件と逆に減少をしています。健康福祉部長は,この減少している要因をどのように捉えられているのかお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 御紹介いただきましたとおり,コロナ禍によりまして,都市部をはじめ,全国的には申請数が急増しておりますけれども,本市の生活保護の申請状況に関しましては,現状では,ほとんど影響が見られていないといった状況でございます。 一方,社会福祉協議会のほうが申請窓口になっております,第2のセーフティーネットと呼ばれます貸付制度でございますが,緊急小口資金が3月25日から,そして総合支援資金及び住居確保給付金が4月20日から申請の受付を開始しておりますけれども,こちらのほうは本市の人口当たりの申請件数は,全国的にも上位のほうに位置づけております。 こうした小口資金や貸付金等の対象要件や期間が特例的に拡大をされておりますとともに,居住家賃を一定の基準で補填する住居確保給付金につきましても,対象要件が緩和されておりまして,生活にお困りの方々の支援に着実につながっているということが要因であると考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 私は,市社協の給付の状況について資料をいただきました。かなり高い申請になっているということは確認をしています。 こうした方々が生活保護のほうへこれから申請になってくるという状況が,生まれてくるんじゃないかと思います。 そうした全国的な増加の中で,厚生労働省は3月10日,4月7日及び5月26日,そしてさきの9月11日,4回にわたってコロナ感染症防止に関連して,生活保護業務における対応について通知を出しています。 1つは,適切な保護の実施として,保護の申請権を侵害しないことはもとより,侵害していると疑われるような行為も厳に慎むこと。2つ目として,速やかな保護決定について,食費等を欠く状態が放置されることのないよう,可能な限り速やかな保護決定に努められたい。この通知を4回にわたって出しています。 新型コロナ関連による生活困窮者と,そうでない困窮者もおいでるわけですけれど,生活保護の申請から決定に至る扱いで異なる点はないと思いますが,この点,健康福祉部長に確認をしたいと思います。 ○副議長(吉永哲也君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 生活保護法に,すべての国民は,この法律の定める要件を満たす限り,この法律による保護を,無差別平等に受けることができると明記をされておられますとおり,本市におきましても,この生活保護法を遵守しまして,生活困窮の理由にかかわらず,保護の相談や申請から決定に至るまで同様の取扱いを行っております。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) コロナ関連であろうがなかろうが,生活に困窮していれば,取扱いは同じになるというのは,当然だと思います。 先ほど言いましたように,厚生労働省も4回にわたって速やかな保護決定を求めているところです。生活保護に関する実態調査結果に基づく勧告というのが,平成26年8月,総務省から出されています。 これによると,保護申請の処理期限について,保護の実施期間は生活保護法第24条第3項において,保護の申請があった日から14日以内,14日というのは法定期限ということですけれど,14日以内に保護の要否等を決定し,申請者に対して書面で通知をしなければならないとされているけれど,特別な理由がある場合は,これを保護の申請のあった日から30日まで延ばすことができるとされています。 ただし,この場合は,保護の要否等を決定した書面に処理が遅延した,遅れた理由を明示することになっています。 これら法定期限や延長期限として設定されている日数は,昭和25年以降,生活保護法が制定されて以降,見直しがされていません。法定期間14日を超えた場合は,遅延理由書を出さなければなりません。 高知市の生活保護の状況です。申請から決定までの期間,昨年の1月から7月は,申請554件に対し,開始決定436件,そのうち14日以内の決定が211件,全体の48.3%になります。 今年の1月から7月は,申請が468件,開始決定が391件で,そのうち14日以内の決定が246件,62.9%となっています。 昨年に比べて2週間以内,法定期限内に決定が下せている割合が伸びています。改善がされています。ただし,今年でも三十七,八%の14日を超えている決定も生まれているわけです。 法定期限の14日以内に決定できなかった申請者に,間違いなくこの遅延理由の通知が届けられているのか,その現状を健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 御質問のとおり,14日を超えた場合には,生活保護法の24条第3項に基づきます保護決定通知書の中に,その理由を付してお送りをしてございます。 14日を超えた主な理由としましては,関係機関調査並びに資産調査,及び扶養義務者等の調査等に日数を要したということが主な要因でございますけれども,いずれにしましても,緊急に生活費が必要であると判断される場合には,つなぎ資金として貸付けを行いまして,その後,保護の受給が決定して保護費の支払いをするときに相殺をするという運用としております。 今後におきましても,速やかな保護の決定に努めてまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 市のほうも,平成29年度の包括外部監査が実施した生活保護事務について,結果報告書と意見が出されています。 その内容は,開始決定の場合にも法定期間が遵守されるべきことは当然であるけれども,開始決定の場合は,法定期間を徒過して,過ぎて決定がなされたとしても,扶助の支給は申請日に遡ります。だから,決定の遅延が経済的にはカバーされます。 これに対して,却下決定が法定期間を徒過する,過ぎた場合は先が見通せない不安定な状況が長期間継続した挙げ句の不支給決定になるので,申請者に与えた遅延の不利益は何らカバーされない。この点が留意されるべきだと考える。法定期間徒過を招かないよう,組織的な取組がなされるべきだという指摘がされています。 生活保護に関する実態調査結果に基づく勧告や監査の報告,意見にどのように対応してきたのか。また,今後の組織的な取組,対応にどう取り組んでいくのかを市長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 平成26年8月には,総務省が厚生労働省に対しまして,生活保護に関する実態調査結果に基づく勧告を行い,保護申請処理の迅速かつ的確な実施について,保護の実施機関に対して指導,助言を行うなどの措置を講ずるよう求めております。 また,先ほどの高知市の包括外部監査ですけれども,先ほど御紹介もいただきましたが,開始決定判断の進捗状況を福祉課において管理把握し,当該ケースワーカーに注意喚起するよう組織的な取組がなされるべきものという御指摘をいただいております。 こうした経過を踏まえまして,福祉事務所としまして,生活保護の決定に係る法定期限の遵守につきまして,平成30年度高知市福祉事務所実施方針の中に掲げておりまして,ケースワーカーに対する法定期限内処理の周知の徹底,査察指導員及び管理職による進捗管理の徹底など,組織的な事業計画を策定し,現在もこれに沿った運用を継続しているところです。 また,体制の問題もありますので,令和2年度からは査察指導員を2名増員し,保護係も14係から16係に拡大するなど,組織的な体制の強化も図っております。 今後におきましては,コロナ禍の状況の下で,我々も生活保護申請が増えるのではないかというふうに危惧をしておりましたが,現状は,貸付金で何とか過ごしているという状況が見受けられます。 コロナで非常に多くの分野に影響が出ておりますので,その窮状を考慮しまして,保護の申請から決定までを可能な限り迅速に行うために,申請書の受理日から14日を経過する可能性がある場合のチェックリストを基にしまして,管理監督者が実態把握を行うなど,不安定な状況が長期化しないように,また長期化している方に対しては,不利益が生じることがないように,適正な進捗管理を行ってまいりたいと思います。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 確かに,人も査察指導員なども増やし,係も増やして,体制としてはだんだん充実の方向に向かっているかもしれませんけれど,まだ決して十分とは言えないと思います。 特に,面接相談員さん4名であったのを,6名に増やしていくという,そういった人件費の予算も以前出ていました。 ところが,実態は入れた方4人のうち,1人が退職されて,もう一人の方は職種変更でケースワーカーさんになって,2名になってしまった。それで,ケースワーカーさんですが,今1人増えて,その方がもう一人連れてきて現行4人にはなっているようです。 ただ,当初の6名にするということについては,まだ2人不足をしているという状況です。 募集してもなかなか応じてくれないという状況もあるというふうにお聞きしていますけれど,最初に言いましたように,生活保護の申請が,これからだんだん増えてくるという状況が予想されていますので,相談体制が,やはり早急に6名体制になるように頑張ってもらいたいと思います。 それと,決定ですが,2週間の法定決定期限が,だんだん68%,70%とよくはなってきています。 けれども,31日以上の決定,実はこれは昨年の1月から12月までに31日を超した分で,21件あるようです。今年の1月から7月では7件あります。 これはやはり30日を超してというのは,ちょっとひどいのではないかと思いますので,そこのところは,こんなに遅くならないような対応をしてもらわなければならないと思います。 その親族の方から電話がかかってきて,昨日決定になったということでしたけれど,この方なんかも申請から40日近くかかっている,そういった方でした。 速やかな決定にしてと,安倍前首相なんかも言っていますので,ぜひその点よろしくお願いしたいと思います。 それから,安倍前首相は,国会答弁で生活保護について,新型コロナウイルス禍の下,収入が減少したり,途絶えた方,こういった人がおいでますから,文化的な生活を送るという権利がこの方たちにもあります。だから,ためらわずに生活保護の申請をしていただきたい。様々な手段を活用して,国民の皆様に働きかけを行っていきたい,このように国会で明言をしています。 厚労省が7月16日に更新した生活を支えるための支援のご案内というリーフレットがあります。この中の生活保護制度の項目に,生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものなので,ためらわずに自治体まで御相談ください,このように新たに書き加えています。 市の生活保護についてのホームページには,残念ながら,憲法で定められた最低限度の生活保障をするという表現はありますけれど,国民の権利とか,ためらわずに申請,御相談ください,こういった内容は掲載をされていません。 安倍前首相も明言しているように,ためらわずに申請をする旨,してください,そういった内容,そしてそういった旨を高知市の生活保護のしおり,ホームページ,また新たにポスターやチラシの作成などで,あらゆる手段を活用した積極的なアピールが必要だと考えます。健康福祉部長のお考えをお聞きいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 先ほど来,申し上げておりますけれども,第2のセーフティーネットと呼ばれます貸付制度,また住居確保給付金などが適切に機能しておりますので,生活保護の申請までには至っていない方々が多い状況でございます。 しかしながら,こういった制度につきましては,申請期間や支給期間に定めがございますので,今後,社会経済情勢が改善しない場合は,生活に困窮する方への支援が途切れてしまうといった可能性も考えられます。 したがいまして,本市といたしましても,ホームページ上で保護制度の概要を分かりやすく御案内するとともに,パンフレットを本庁舎の総合窓口や各ふれあいセンター,また地域の窓口センターなどに配置をしまして,制度の広報,周知に努めてまいりました。 今後におきまして,生活保護が必要な方には,適切に福祉事務所へつないでいただくよう,特に高知市の社会福祉協議会とは連携の強化を図るとともに,御質問いただいたとおり,ためらわずに御相談をいただくという旨を盛り込むなど,最後のセーフティーネットでございます,生活保護制度に関する情報の発信に努めてまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) ホームページとか生活保護のしおりというのは,困窮されている方にはなかなか届かない,情報が届かないんじゃないかと思います。 そういう点では,ポスターなんかの活用というのは,大きな効果があると思いますので,そういった点についても,ぜひ前向きに考えていただきたい。このことを強く要望しておきます。 次に,LGBT,セクシュアルマイノリティーの対応についてお聞きをしてまいります。 平成30年9月議会で市民協働部長は,パートナーシップ条例について,当事者の方々が抱える困難や解決をしなければならない課題を理解し,行政として取り組むべき事項等を整理した上で,本市としての方針を取りまとめて,具体的な施策の検討等を進めていきたいと答弁をしています。 市長も,今議会の開会日,(仮称)高知市にじいろのまち宣言を11月に行い,多様な性の在り方を尊重し,理解の普及と性的少数者の支援に積極的に取り組むまちであることを宣言する,このように述べ,来年2月からのパートナーシップ制度の運用開始を明らかにされました。 昨年12月議会でも採択したパートナーシップ宣誓制度創設の請願が,実現の方向へ大きく歩み出したことをうれしく思います。 また,谷脇市民協働部長も,香南市では,市に関係する申請文書等,全庁的な見直しを実施しており,性的少数者の方々の人権を擁護する観点から,参考にすべき先進的な取組であると答えています。 (仮称)高知市にじいろのまち宣言によって,取り組もうとしている積極的な支援とは,どのようなものを想定しているのか。また,庁内の支援体制について,市民協働部長にお聞きをいたします。
    ○副議長(吉永哲也君) 谷脇市民協働部長。 ◎市民協働部長(谷脇禎哉君) 高知市にじいろのまち宣言に伴います具体的な取組といたしましては,まず市職員が性の多様性について正しく理解し,性的少数者に限らず,全ての人の性的指向,性自認,いわゆるSOGIに適切な配慮が行われるよう,SOGIに関する職員ガイドラインを年内に策定し,年明けからは,職員向けの研修を実施したいと考えております。 これによりまして,庁内での理解を深めながら,行政サービスにおける具体的な支援策についても,全庁的に検討してまいりたいと考えております。 加えて,性的少数者の方々が安心して相談できる専門の相談窓口の設置や,市民や事業者への啓発活動などの取組を進めていきたいと考えております。 そして,パートナーシップ制度につきましても,来年2月の導入を目指して準備を進めているところでございます。 この宣言を行うこと,そしてこうした取組姿勢を広くアピールして,性的指向,性自認に関わる生きづらさを抱える人々の安心感につなげてまいりたいと,そのように考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 支援の状況,綿密な体制になることを期待しておきたいと思います。 それから,申請書関係の性別欄の取扱いとか,また性別欄だけでなくて,当事者の方にとっては,こういったところを改善してほしいという指摘もあるんじゃないかと思います。 そうした点も含めた改善も,今後,全庁的に行っていくのか,市民協働部長,お答えください。 ○副議長(吉永哲也君) 谷脇市民協働部長。 ◎市民協働部長(谷脇禎哉君) 申請書類等における性別記載欄の削除等につきましては,昨年12月,全部署を対象に実施いたしました調査結果を基にしまして,性別欄を削除することができる,または削除することができないけれども,変更や工夫ができる,そういった申請書類のうち,直ちに対応が可能なもの,具体的に言いますと,提出書類で72件,交付書類で9件でございますが,それについては削除等を行うよう,本年7月に通知をいたしまして,現在,各課において作業を進めております。 書類の様式変更等に関しまして,条例,規則の改正や業務システムの改修を要するものにつきましても,SOGIに関する職員ガイドラインの策定後,改めて削除の作業に取りかかっていく予定をしております。 なお,ガイドラインにつきましては,性別欄の取扱いのほかにも,施設利用や災害時における対応などにつきましても記載をいたしまして,全庁統一的にSOGIの視点を踏まえた取扱いが行えるよう,改善を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) ありがとうございました。 それから,教育長にお聞きをしたいと思います。 5年前に文科省の通知がありまして,それで子供たちの服装や更衣室,トイレなどについて,どのような取組を教育委員会としてされているのか,このことをお聞きしたいと思います。 ○副議長(吉永哲也君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 令和元年度には,高知市立の小・中・義務教育・特別支援学校の人権教育主任を対象とした研修会の中で,性の多様性を知ること,さらに多様性を認め合う児童・生徒育成のために,学校でできること,授業でできることは何かについて学ぶ機会を設け,校内研修の充実を呼びかけております。 本年度はレインボースクールという事業を立ち上げ,教職員,保護者,児童・生徒が性の多様性について学ぶ研修及び授業の機会を設けました。 当事者である講師から,実体験に基づく話を聞くことで,ありのままに生きるすばらしさや,自分自身のことを含め,性の在り方,SOGIについて理解を深める機会は,多様性の意識醸成にも非常に有用と考えておりますので,今後も継続して実施をしてまいりたいと考えております。 性的マイノリティーの児童・生徒に対する学校の支援につきましては,当事者本人と話をし,本人の意向に沿う形で児童・生徒の悩みや不安に寄り添い,できる限りの支援をしていくことが重要と考えております。 学校施設面におきましては,現状では全ての学校に多目的トイレは整備されておりませんけれども,大規模改修工事を行う際には,新設について検討するなど,計画的に取り組むことで,充実を図ってまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても,性的マイノリティーの児童・生徒への対応は,校内教職員の共通理解や,チームによる支援体制を整備することは重要でございます。引き続き,性的指向,性自認をはじめとする様々な人権課題に関する教職員研修への支援や,学校への資料,情報提供などに力を入れ,どの子も自分らしく自信と誇りを持って生活できるよう,取り組んでまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) ありがとうございました。にじいろのまち宣言をされるということ,全国的にもまだこういった宣言をされる自治体は,それほど多くないんじゃないかなと思います。 そういった点では,高知市の宣言,準備をされている宣言というのは,先進的な内容になるんじゃないかと思います。 そして,せっかくこういった宣言をやるんですから,庁内外,市民に対しても,本当に多様な性が尊重し合えるまちを一緒につくっていきましょうという,高知市からの発信をぜひ積極的にお願いをしたいと思います。 次に,決裁文書のいわゆる偽造問題について質問をいたしたいと思います。 この問題について,地元紙は,これは主張か何かだったと思いますけれど,市は違法性はない,この一点張りだが,自分たちのミスを市民に分からないように取り繕うのは,隠蔽であり,市民への背信行為だろう。これが許されるなら,市はまた同じことを繰り返しかねない。行政の誠実さ,公正性が問われている。 公文書のずさんな管理は,桜を見る会の招待者名簿の扱いなど,安倍政権でも顕著に見られる。政策決定の過程を検証できる公文書をないがしろにする行政が,国,地方を問わず広がっているとしたら,もはや法治国家とは言えなくなる。岡崎市政は,いま一度決裁文書の偽造問題に向き合い,誰の発案だったのかなどの経緯について説明責任を果たしてもらいたい,このように指摘をしています。 市長は意思決定の決裁文書を作成していなかったため,マスタープラン策定委員会から最終報告の内容について承認し,最終報告を受けた平成26年3月7日を,私がその意思決定日としたと述べています。 今年の6月17日,不起訴にはなりましたけれど,市民共有の財産である公文書への信頼性が損なわれたことを重く受け止め,今回の事件を組織として総括し,文書主義を徹底すると市長はコメントをしています。 開会日と昨日の岡崎豊議員の質問にも,組織として深く反省していると述べています。私は組織としての反省は,当然必要だと思いますけれど,最も反省しなければいけないのは,市長ではないかと思います。 マスタープランの文書決裁をしなかったのは,よほど急がなければならない何かの事情があったのか。市民の皆さんも勘ぐってしまうのではないでしょうか。 私が意思決定した日が意思決定日,これは言えば,市長の意思決定が最優先され,文書決裁を私は軽視するものだと思います。 平成28年1月以降に決裁された決裁文書には,決裁当時は既に退職している職員,異動している職員を含む19名の押印があります。 当時押印しているある職員は,このように言っています。私は押していない。人事異動のとき,前の課に預けることがあるので,その判を押したのではないか。これは複数の議員の前で述べています。私だけが聞いた話ではありません。 これは一体何を意味するのか。既にトップが意思決定をしているものを,下の者は何も言えないから,形だけの判を押しておけばいい,こういった組織の緊張感の喪失の表れではないのか。これは,市長の政策決定や市政運営の手法が反映されているのではないかと私は思います。 市の基本に関わる計画等の意思決定に文書決定が抜かる,こんなことはあってはなりません。考えられません。 ほかにはないと思いますけれど,マスタープランの意思決定の文書決裁を取らなかったのは,よほど急がなければと,何かの事情があったのでしょうか。 昨日の岡崎豊議員の質問には,作成されていないことがいつ分かったのかとか,事後決裁の理由等,こういったことについては質問に一定お答えはしています。 組織としての総括と決裁文書を作成しなかった理由,また最高責任者である市長としての総括と責任,これを私は明らかにするべきだと思いますけれど,それを明らかにしなければ,市民の皆さんも職員の皆さんも,到底納得はできないと思います。 市長としての総括,責任をどう明らかにしていくのか,市長のお考えをお聞きいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 昨日の岡崎豊議員さんの質問でもお答えを申し上げましたけれども,経過から少し申し上げますが,決裁文書の作成の経緯につきましては,平成27年12月に市民の方から,長浜・浦戸地区の道の駅事業の計画についてという公開質問状が提出をされ,市長,副市長を含めて,担当部署で回答案を協議,確認する中で,都市計画マスタープランの策定に係る意思決定を証する,決裁文書の作成が抜かっていることが判明をいたしました。 その決裁文書の取扱いについては,事後とはなるものの,重要な計画であるため,後日検証できるように作成をしておく必要があると,私を含めまして,この協議に出席した全職員にも共通の認識があったことから,後日,担当課が法務担当部局において協議,確認して,決裁を作成したものでございます。 私からは,その最初の協議の時点で,決裁の取り方については,法務担当部局と十分に協議を行うようにという指示をした記憶があります。 そのことを受けて,後日の担当課と法務担当の協議では,法務担当から示されました3点でございますが,1点目,決裁文書を作成しない。2点目が判明時点の職員で合議,決裁をする。3点目が意思決定当時の職員で合議,決裁をする。この3つが示されました。 1点目,2点目はいろいろ問題と課題があるということで,3点目の意思決定当時における権限を持つ者で合議,決裁をするということになりました。 決裁日ですけれども,これは先ほど説明がありました平成26年3月7日に委員会から特別応接室で私が報告を受けておりまして,その報告を受けて私がこの計画を承認したい。これは文書がちゃんと残っていますので,この日,26年3月7日を事実上の決裁日としまして,担当課において決裁を起こしまして,最終的に私もその文書に捺印をしております。 本被疑事件につきましては,二度にわたりましてそれぞれ異なる検察官の下で,検察当局が十分に精査した上で,改めて不起訴処分が下されたものであり,我々の主張が認められた結果となりましたが,当該文書に係る意思決定の有効性に疑念を抱かせる結果となったことについては,組織的な課題として重く受け止めております。 そのため,こうした事態を二度と生じさせることがないようにということで,平成29年4月に文書法制課を新設いたしまして,組織体制を強化し,今回の事案を教訓としまして,文書管理規程の改正を行いました。 今後とも,文書作成の適正化に向けまして,職員への周知徹底を図り,意思決定過程におけます文書主義の徹底を図っていくということが,私たちの執行部に課せられました重要な責務であるというふうに考えているところです。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 決裁の経過については,昨日の岡崎豊議員の中でも同じ説明をお聞きしています。 私が問題にしているのは,決裁をどういうふうにするかという,そういう庁内の話。これもそうですけれど,市長が自分が意思決定をしたという,このことについて決裁文書も取らずに,どのようにして伝達をしていったのか,このことにも疑問を持ちます。 私も市役所の職員をしていました。大きな経験をしました。急いで決裁をしなければいけない決裁文書を持ち回りで回ろうとしたところ,担当部長が不在でした。 それで,飛び越して当時の助役のところで先に決裁をしてもらって,後で担当部長のところへ行って,すみません,部長,決裁の判をくださいと言ったら,その部長は,何で押さんといけないのかと言う。自分よりか上位の決裁権者が既に決裁しちゅうものを,何で下の俺がやらんといけない,判は押さんというふうに言われました。 当然のことだと思います。これが決裁の役割なんです。だから,市長は既に意思決定をしたと。これが通るんであれば,決裁は要らない。市長はそうやってやるということを言っているんですから。 もし決裁文書を作るんであれば,起案者は岡崎誠也,決裁は市長欄のところへ市長の判を押す,これだけでいいという,そんなことになりますよ。 市長はこの決裁をする行為,決裁文書というのをどのように捉えているんですか,ちょっとお聞きをしたいと思います。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 決裁文書につきましては,その決裁の意思決定の過程を示す,またその権限を有していた者が誰かというものを示すのが,決裁文書でありますので,当然,我々は重要な都市計画マスタープランの決裁が抜かっていたということで,後日,そのことをきちっと証明ができるようにということで,決裁文書を起こしたものでございます。 私が例えば口頭でこれを承認しておりますけれども,それをもって完全に代替ができるということではなくて,やっぱり事後にそれをきちっと残すというものが,この決裁の役割でございます。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) 文書での決裁,決裁というのは事業をやっていく,計画を立てていく上で意思決定の過程として,本当に大変大事なものなんです。それが基本計画の策定について決裁が抜かっていたというのは,本当に大きな問題なんです。組織としての問題,責任も当然あります。 けれど,最高責任者としての市長の責任がどうなのか,このことを私は一言も市長の口からは聞いていないと思います。 総括を市長はたしか文書でするというふうに,昨日の岡崎豊議員に答弁されたと思います。その総括は,どういう体制で,人員でやるのか。また,その公表する時期というのは,いつ頃を考えられているのかお聞きをします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) この被疑事件ですけれども,最終的には不起訴ということになりましたが,様々な総括をする必要があるというふうに考えておりまして,その総括の文案につきましては,今ここでの議論を踏まえて,それを一緒に書き込む必要があるというふうに思っておりますので,9月の定例会での議会の御意見と,またその論点を踏まえまして,最終の総括の文案を取りまとめていく必要があると考えております。 そのため,9月議会の終了後に,体制というのは法務担当部局を中心に,この文案の作業に入りますが,取りまとめを行いまして,10月中には,この文案が取りまとめられましたら,ホームページ等で公表をしていきたいと,今考えているところです。 ○副議長(吉永哲也君) 下元博司議員。 ◆(下元博司君) ありがとうございました。しっかりと市長の個人的,市長としての責任をその総括の中には入れていただくことをお願いして,私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(吉永哲也君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ,延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(吉永哲也君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて延会することに決定いたしました。 9月18日午前10時再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。  午後3時00分延会...