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09月16日-04号

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  1. 高知市議会 2020-09-16
    09月16日-04号


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    令和 2年第479回 9月定例会 第479回高知市議会定例会会議録第4号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第4号 令和2年9月16日(水曜日)午前10時開議第1  市第103号 令和2年度高知市一般会計補正予算 市第104号 令和2年度高知市国民健康保険事業特別会計補正予算 市第105号 令和2年度高知市収益事業特別会計補正予算 市第106号 令和2年度高知市国民宿舎運営事業特別会計補正予算 市第107号 令和2年度高知市水道事業会計補正予算 市第108号 令和2年度高知市公共下水道事業会計補正予算 市第109号 高知市立学校の学校医,学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例議案 市第110号 高知市印鑑条例の一部を改正する条例議案 市第111号 高知市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例及び高知市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例議案 市第112号 高知市公設水産地方卸売市場条例の一部を改正する条例についての市長専決処分の承認議案 市第113号 秦中央保育園新築工事及び秦ふれあいセンター改修工事請負契約締結議案 市第114号 (令和2年度)令和元年度漁強化第1-1号春野漁港施設機能強化工事外1件請負契約締結議案 市第115号 (仮称)高知布師田団地の共同開発に係る団地整備業務委託契約締結議案 市第116号 訴訟の提起について 市第117号 調停の申立てについて 市第118号 令和元年度高知市水道事業会計利益の処分に関する議案 市第119号 決算の認定議案 市第120号 決算の認定議案 市第121号 決算の認定議案  ────────────────  本日の会議に付した事件日程第1 市第103号議案から市第121号議案まで  ────────────────  出席議員1番 浜口佳寿子君  2番 島崎 保臣君3番 甲木 良作君  4番 木村  亘君5番 神岡 俊輔君  6番 迫  哲郎君7番 はた  愛君  8番 細木  良君9番 岡崎 邦子君  10番 深瀬 裕彦君11番 長尾 和明君  12番 下本 文雄君13番 下元 博司君  14番 田鍋  剛君15番 岡崎  豊君  16番 近藤  強君17番 戸田 二郎君  18番 高橋 裕忠君19番 海治甲太郎君  20番 横山 公大君21番 大久保尊司君  22番 伊藤 弘幸君23番 氏原 嗣志君  24番 吉永 哲也君25番 清水おさむ君  26番 平田 文彦君27番 西森 美和君  28番 寺内 憲資君29番 川村 貞夫君  30番 和田 勝美君31番 竹村 邦夫君  32番 福島  明君33番 山根 堂宏君  34番 高木  妙君  ────────────────  説明のため出席した者      市長      岡崎 誠也君      副市長     松島  研君      副市長     中澤 慎二君      総務部長    森田 洋介君      防災対策部長  松村 和明君      財務部長    橋本 和明君      市民協働部長  谷脇 禎哉君      健康福祉部長  大野 正貴君      こども未来部長 山崎 英隆君      環境部長    今西 剛也君      商工観光部長  楠本  太君      農林水産部長  島津  卓君      都市建設部長  岡崎  晃君      教育長     山本 正篤君      上下水道事業管理者              山本三四年君      消防局長    本山 和平君      監査委員    細川 哲也君      財政課長    大北  新君  ────────────────  事務局職員出席者      事務局長    藤原  哲君      事務局次長   山崎 敬造君      庶務課長    谷村 守敏君      庶務課長補佐  田村 章代君      議事調査課長補佐              竹村 博和君      議事調査課管理主幹              中須賀広典君      秘書係長    西  理恵君      議事係長    池上 弘倫君      議事調査課主幹 森 美樹子君      議会庶務担当調整官              松下 智子君      書記      伊藤 剛大君  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午前10時0分開議 ○議長(田鍋剛君) これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 市第103号議案から市第121号議案まで ○議長(田鍋剛君) 日程第1,市第103号議案から市第121号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 岡崎豊議員。  〔岡崎豊君登壇〕 ◆(岡崎豊君) おはようございます。市民クラブの岡崎豊です。 第479回高知市議会9月定例会におきまして,個人質問を行います。私見も交えておりますが,よろしくお願いします。 発言通告書のほうにおきましては,議会での議論の在り方についてを最初にお聞きするようにしておりますけれども,今回の質問のまとめとして,最後にお聞きするようにしたいと思いますので,この点は御了承をお願いします。 それではまず,市長の政治姿勢についてお伺いをいたします。 虚偽有印公文書作成被疑事件不起訴処分の総括についてお聞きをいたします。 この6月17日に,虚偽有印公文書作成被疑事件不起訴処分の最終判断が出ました。 この質問を行う前に,岡山大学の紀要第17号から,印象に残った部分をまず御紹介をしておきたいと思います。 こちらの文章です。憲法に基礎を置く現代民主主義自治体にあっては,行政活動,役務の公平,平等で継続的,安定的で,しかも効率的で責任ある提供を通じて,行政に対する住民の信頼確保が重要な課題となると記されております。 それでは,この被疑事件の最終処分につきましては,市長は,最終的な判断が出た時点で総括をしたいと述べておられます。それに基づきまして,お聞きをいたしたいと思います。 事の詳細につきましては,これまで市長からも説明がありましたので省略をいたしますが,高知検察審査会の決議文を再度御紹介をしておきたいと思います。 決議文では,第1に,平成26年3月7日付でマスタープラン作成に関して起案及び決裁が完了した旨の内容虚偽の公文書である起案書1通を作成したこと。第2に,市民の情報開示請求に対して,前記起案書が真正に作成した公文書であるかのように装い,28年3月10日に同起案書の写しを請求人に交付したとしてあります。 このことは,さきの3月議会の代表質問でも述べましたように,高知市役所が行政として信頼するに値するかどうかを問うている,そして説明責任が問われているものと思います。 当時の文書管理規程の不備を問題にしているのではなく,明らかにすべきことは,職員研修などを通じて文書管理の徹底をしなければならない原因は何なのか。 起案書の作成に当たって,法務担当から出されたという3案の内容。そして,いつ,どのような理由で決裁文書が作成されていないことが分かったのか。誰が事後に決裁文書の作成を指示したのか。事後に決裁文書を作成した理由は何なのか。誰が決裁文書を回したのかなど,この事実関係を明らかにした市長の総括をお聞きいたしたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) おはようございます。 都市計画マスタープランに係る,先ほどの虚偽有印公文書作成被疑事件についてお答えを申し上げます。 当該決裁文書につきましては,都市計画のマスタープランの策定に係る最終的な意思決定を記録する決裁文書を作成していなかったため,マスタープラン策定委員会からの最終報告を受けて,私がその最終報告の内容について承認をいたしました平成26年3月7日を意思決定日として作成したものでありますが,その理由などを明記していなかったため,あたかもプラン作成時に起案した文書であるかのような誤解を招き,当該文書に係る意思決定の有効性に疑念を抱かせる結果となったことについて,組織として深く反省をしております。 この決裁文書作成の経緯ですけれども,平成27年12月に市民の方から,長浜・浦戸地区の道の駅事業計画についてという公開質問状が提出され,市長,副市長を含めて担当部署で回答案を協議,確認する中で,都市計画マスタープランの策定に係る意思決定を証する決裁文書の作成が抜かっていることが判明をいたしました。 決裁文書の取扱いについては,担当部署との協議の場において,事後とはなるものの,重要な計画であるため,後日検証できるように作成しておく必要があるとの共通認識があり,担当課が法務担当部局に確認して,決裁を作成したものでございます。 後日の担当課と法務担当の協議では,法務担当から担当課に対しまして,先ほどの3案ですが,次の3点が考えられるとの意見があり,1点目は決裁文書を作成しない。2点目が判明時点の職員で合議,決裁をする。3点目が意思決定当時の職員で合議,決裁をするという,この3案が示されました。 1点目の決裁文書を作成しない案につきましては,文書主義の原則に反するため除外することとし,2点目のこのことが判明した時点における職員で合議,決裁をする案については,意思決定の権限に関与していない職員が合議,決裁欄に印を押すことになり,意思決定の有効性に疑義が生ずることから,この2点目も除外することとし,3点目の意思決定当時における権限を持つ職員で合議,決裁をすることとなりました。 その後,平成28年9月21日付で刑事告発がなされ,警察,検察当局の捜査が行われたものでございます。 本被疑事件につきましては,2度にわたりまして,それぞれ異なる検察官の下で,検察当局が十分に精査した上で,改めて不起訴処分が下されたものであり,我々の主張が認められた結果となりましたが,当時の文書管理規程には,事後に決裁文書を作成することに当たっての記載方式が定められていなかったことなど,文書管理規程等の課題が明らかになりました。 そのため,本件の告発事例の反省を踏まえまして,平成29年4月に文書法制課を新設するとともに,高知市文書管理規程の改正を行いまして,事後決裁となった場合には,その理由を明らかにすることなど,文書の作成事務の適正化を図りまして,全庁的に周知徹底したところであり,今後とも意思決定過程におけます文書主義の徹底を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 今回初めて,内容が少しですが,明らかになったと思いますが,ちょっと感想です。 法務担当のほうに,この件に関して相談したということで,あたかも責任の一部が法務のほうにあるような印象を受けたということは,お伝えしておきたいと思います。 本来,市民から請求があった時点での状況としては,今3案あった中で,作成をしないではなしに,作成していなかったことをまずお知らせするべきではなかったか。 行政の手続にミスがあったことを素直に認めた上で,次の案として,次善の策としてやるべきではなかったかと思いますが,この点につきまして,市長はどうお考えでしょうか。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) それぞれその当時につきましては,いろいろ協議を何回か重ねておりますけれども,いずれにしても取るべき決裁を取っていなかったということで,事後にどういう意思決定がなされたかということが分からなくなりますので,決裁は当然取らなければいけないという観点でございました。 それをどういうふうな回答にするかということにつきましては,その回答内容の全文までは,ちょっと今手元にありませんので承知をしておりませんけれども,その部分につきまして,我々がいつの時点でそれを明らかにするかという点については,反省すべき点もあったというふうに思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 今,法務から示された3案というのはありましたけれども,質問の中で私のほうは,いつ,どのような理由で,これは少し触れられましたけれども,次の誰が事後に決裁文書の作成を指示したのか。 また,事後に決裁文書を作成した理由,これは先ほどありました。そして,決裁文書を回したのは一体誰なのかという,こういう点につきまして答弁が抜かっていたように思います。 組織としての総括ということで議会答弁もありましたので,この点につきまして,再度市長のほうにお伺いをいたしたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 先ほどお答えした中にも少し入っておりましたけれども,決裁文書が抜かっていたということが分かった時点でその出席者全員が,その決裁は当然取らなければいけないという共通認識に立っておりました。 それは市長,副市長共にそういう発言をしましたし,そこにおりました皆が,決裁は当然要るという認識を持っておりました。 それで,その時点では,どういう決裁の手法があるかということは,当然,法制の意見を聞かなければいけないので,私のほうからだったと思いますけれども,法制担当部門と十分協議して,どういう決裁の手法にするのかというのは,よく協議するようにという指示をいたしました。 その後,主管部局と法制当局が,多分これは1回じゃないと思いますが,協議をいたしまして,先ほどの3点に伴いまして,最終的に3番目の当時の決裁権限を持つ職員の方々が決裁をし,合議をするということになったところでございます。 これにつきましては,当然,その決裁文書については全て公表しまして,証拠書類としても出しておりますので,それに基づいて審査がなされたということでございます。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 今,出席者全員,市長,副市長を含めて幹部職員の皆さん方だと思うんですけれども,出席者全員で協議をしたというお話がありました。 その上で,市長が法制と主管部局の間で十分協議をするようにということで,当然,この最終責任につきましては市長にあると思いますけれども,その点につきまして御認識はどうでしょうか。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 決裁文書につきましては,最終決裁権者が,当然,責任を持つということになっておりますので,これは市長決裁のみならず,丙決裁であれば部長までですけれども,最終決裁権者がその責任を負うということになっております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。
    ◆(岡崎豊君) 今回,この事情聴取におきましては,19名もの職員の皆さんが被疑者として取調べを受けております。 また,その中でも,取調べを受けたということで,体調を崩した職員もいるとお伺いをいたしております。 今,るる市長のほうから説明がありました。口頭での説明,総括ということでありましょうけれども,今の口頭での発言をもって総括とするのか,あるいは再度文書でもって公表して,それを総括とするのか,この点につきましてお伺いいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 最終的には,高知市の最終の総括ですので,文書をもって公表したいというふうに考えます。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 今,文書でということでお話がありました。 その中で,再度市長のほうにはお願いをしたいんですけれども,今の口頭の答弁におきましては,どのような理由で,あるいは経過,そして誰が,この決裁文書の書換えをするように指示した最終責任者であるのか,発案者は誰なのかという点が,非常に分かりにくい説明であったと思います。 その点につきまして,文書での十分な回答を求めるものでありますけれども,この点につきまして市長のお考えをお伺いします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 私のほうから再度申し上げておきますけれども,この決裁文書は,書換えをしたものではございません。 もともと取らなければいけない決裁が抜かっていたので,それを後日に証するために取ったということでございますので,その主張は検察当局にも認められているという認識を持っております。 そういう判断があって行いましたので,文書の中でも,そういう経過につきましては明らかにしながら,またどこかの時点で公表していきたいというふうに思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 先ほど言い間違いで,書換えというような言葉を使ったようですので,この点につきましては申し訳ございません,訂正をさせていただきます。 これらにつきましては,再度,今市長がおっしゃったことを十分に記載をされまして,後々また議会からの検証に耐えられる分につきまして,総括とするように強く要望をしておきます。 それでは次に,よさこい祭りに関してお聞きをいたします。 昨日の夕刊を御覧になった方もいらっしゃると思うんですけれども,これまでに書かれた高知新聞での過去のニュースが出ております。 たまたまですけれども,平成29年,2017年9月15日,よさこい生みの親の武政英策氏が生まれた,生誕110周年という記事が載っておりました。ちょうどタイミング的には,いいタイミングだったというふうに思います。 改めて,武政英策氏の高知県内をくまなく歩いて,それぞれの民謡あるいは童歌,そうしたことを収集して,それがよさこい祭りの鳴子踊りの歌につながったということを改めて感じたところです。 本当に私たちの高知の宝,よさこいの宝として,武政英策さんの音楽あるいは資料を大切にしていきたいと思います。 それでは,質問のほうに入ります。 今年の夏は,新型コロナウイルス感染症の拡大を考慮いたしまして,祭りが始まって以来,初めて中止となりました。 炎天下に多くの踊り子が汗を流しながら笑顔で踊り,多くの市民がそれを楽しみにして応援をする。毎年,当たり前のようにそこにあった日常が,突然なくなってしまった。 てんてこ舞や「き・ら・り」の創設に関わり,またてんてこ舞で子供と一緒に踊り子として参加してきた者としては,ぽっかりと空白の時間ができたような,そんな平べったい夏を過ごしたという思いがいたしております。 しかし,祭りは中止となりましたが,よさこい8(エイト)の皆さんやみんなでよさこいの皆さんが,踊りをネット配信するなど,新しいよさこい祭りの形を模索する動きもあり,新たな可能性も感じております。 高知市民の祭りとして始まったよさこい祭りです。これまでの歴史を踏まえ,よさこい祭りへの市長の思いをお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) よさこい祭りにつきましては,昭和29年に,高知商工会議所をはじめとします関係の皆様の御尽力によりまして,当時のですけれども,市議会の本会議場におきまして,当時の中島議長を祭主に立てまして,市民の健康と繁栄を祈願する市民祭として誕生いたしました。 この市民の健康と繁栄を願う市民祭としてスタートしましたよさこいが,残念ながらコロナのために中止となり,全国各地のよさこいのファンの方々も非常に残念な思いをされておられます。 今年の夏は,演舞はございませんでしたけれども,祭り本番の前後には,よさこい8(エイト)の方々,またみんなでよさこいプロジェクトの皆様方によります,ネットでのよさこいの動画配信が行われるなど,よさこいの本番はありませんでしたけれども,様々な取組が行われましたことに感謝し,そのことを心強く思っております。 全国各地でよさこい祭りをはじめとします様々な祭りが中止になっておりますが,今後,踊り子や例えば観客の観覧のソーシャルディスタンスの確保など,克服すべき課題が再開に向かって多くありますので,例えば,全国各地の著名な祭りの開催時におけます感染症対策,特にお客様の観覧の仕方,こういうものについて情報収集を図りながら,祭りの主催者であります,よさこい祭振興会と来年の開催に向けて協議を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ありがとうございました。 今,市長の答弁にありましたように,第1回目のよさこい祭り開会に当たって,この本会議場で市民祭として,その当時の議長を祭主として市民祭が執り行われた。非常に意義のある重たい事実だと思います。 これも市長のほうにつきましては,いろんな取材等におきまして,あるいは市長自身の発言として,このよさこいにつきましては,高知の文化あるいは風土に根差したものというふうにお話をする機会があったと思います。 少し市長の思いますよさこいが高知の風土になっているという点,この点につきまして,ちょっと思いをお聞かせいただけませんでしょうか。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) よさこいに関しましては,やっぱり一番大事なのは,いろんな制約をあまりかけないというところが重要でして,よさこいに関しても,よさこいの1小節を入れる,また鳴子を持つという以外は,細かい縛りは行っておりません。 そういうところが全国また世界でも受け入れられていたものだというふうに考えておりますので,もともと高知の風土に根づいたところから発祥してきたというふうに思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) よさこい祭りが始まりまして60年余りとなります。この間に,北海道のYOSAKOIソーラン祭りや名古屋のにっぽんど真ん中祭り,津市の安濃津よさこい等,学生や若者を中心としたよさこい祭りが始まっております。 このほかにも各地でよさこいを冠とした祭りが開催され,その踊り子の数は全国で200万人とも言われております。 自分たちの足元のアスファルトを掘り起こすと唯一無二のものが見えてくる。それを発信する祭りにしたいという郷土を思う気持ちを持った関係者や踊り子,観客に支えられて発展しています。 海外に目を向けますと,29の国や地域で踊られております。海外への拡大を目指して,高知県は平成28年度からよさこいアンバサダー制度を始め,現在では7か国23名の方が任命され,よさこいの輪を広げております。 2020よさこいで応援プロジェクト実行委員会に全国92団体が加盟し,全国にネットワークがつながりました。 東京オリンピックパラリンピックは延期となりましたが,よさこい祭りは,次の発展の体制が出来上がったと思います。 これからよさこい祭りが,どのような発展を望んでおられるのか,市長に御所見をお伺いいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 全国のよさこい団体の代表者の皆様とは,日頃から交流を深めておりますけれども,2020年東京オリンピックパラリンピックの開会式,閉会式におけますよさこい鳴子踊りの披露を目指し結成をしました,2020よさこいで応援プロジェクト実行委員会には,37の都道府県から92の団体が参加をしておりまして,県,市でこの交流の輪をさらに強めているところでございます。 オリンピックパラリンピックの開催に備えまして,いわゆるプレ大会ですけれども,本年7月におきまして東京でよさこいのすばらしさを世界に発信をするプレミアムよさこいin東京2020の開催を予定しておりましたが,この開催には外国からのメディアもたくさん呼ぶということにしておりましたが,残念ながら本番のオリンピックが延期されましたので,今年は開催を中止いたしました。 来年のプレミアムよさこいの開催につきましては,今後,実行委員会で議論していくことになっておりますが,よさこいが持つ集客力,またすばらしいパワーを国内外に発信していくために,強力なツールとなりますので,こうした強みを生かしながら全国のこの団体との交流の議論を深めて,来年はぜひこのプレミアムよさこいの開催をしたいというふうに考えておりますので,そのことの準備をしていきたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) だんだんと世界的な踊りになっているように感じますが,規模が大きくなればなるほど,また関係者が多くなるほど十分にかがんで,自分たちの足元をしっかりとしなければならないというふうに思うところであります。 高知のよさこい祭りも年々進化し,発展してきております。音楽の種類や踊りの内容も多種多様かつ躍動感にあふれ,まさに競い合う競演という表現が,ぴったりと当てはまります。 その一方で,正調に関心を持つチームも増える傾向にありまして,前夜祭では,オープニングに正調踊りが,多くの踊り子によりまして披露されました。 にっぽんど真ん中祭りを全国でも有数の規模に育てた水野孝一氏は,よさこい祭りには正調踊りという型がある。それがあるからこそ,よさこい鳴子踊りができたと思うと述べ,またよさこい祭りの包容力,寛容さに怖さすら感じます。どこまで進化するのか分からないと述べております。 また,YOSAKOIソーラン祭りを立ち上げました長谷川岳さんは,高知にはキャパシティーの広さがあると言い,鳴子踊りの生みの親,故武政英策氏の祭りは民衆の心の躍動。どんなに変化しても構わないという言葉を引用して,御自身の感じるよさこい祭りの原点の由来を述べておりました。 私たちは,武政英策氏や浜口八郎氏など,よさこい祭りの創設に関わった方々の足跡をたどり,その功績を顕彰しなければならないと思います。それが初めてよさこいのない夏を過ごした意義だと思います。 よさこい祭りは日本中に広がり,さらに世界に広がろうとしています。こうした状況の中で,私はよさこい祭りの発祥の地として,高知市の価値や位置づけが高まってくると期待をしておりますし,求められる役割も大きくなってくると考えております。 イノベーションは,歴史に学ぶことから始まるとも言われております。これから迎える70回や100回の記念行事も念頭に,さらに発展,進化するために,よさこい祭りの発祥の地として,よさこい祭りの何を守り,育て,何を発信しなければならないとお考えか,市長にお伺いをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 100回記念大会に向けて,まずは着実に近づきつつあります70回の記念大会,そしてその後80回記念大会と,それぞれ節目の大会を順番に成功させていくことが重要であると考えております。 高知で発祥しましたよさこいは,国内にとどまらず,現在,県の御努力もありまして世界中に広がりを見せてきておりますが,基本的なルールは,先ほど申し上げました鳴子を持って前進する,よさこい節の1小節を入れるということで,できるだけチームの個性を生かして自由に表現できるということが,よさこいの強みであると考えております。 先ほども御紹介いただいたように,我々は正調よさこいという原点の踊りを持っておりますので,高知の強みは,いつでも原点に戻れるというところが強みだと考えております。 ソーランの場合は,こういう原点の踊りがありませんので,戻っていくベースの踊りがないというのが,一つの課題であるという認識を持っております。 よさこいの何を守り,育て,発信していくべきかにつきましては,当然,様々な視点があると思いますが,その中で特に武政英策さんの御功績をたたえながら正調踊りの発祥の起源,5流派が作り上げておりますけれども,発祥の起源,またよさこい節の誕生といった,よさこいのルーツを後世につないでいく取組が,この中でも掲げられるものと考えております。 我々はよさこい情報交流館を運営しておりますので,よさこいのルーツを時々紹介する必要があるということで,平成30年度と令和元年度には,よさこいの当時の初期の写真や鳴子など,貴重な資料を募集,展示する企画展を開催し,原点としてのよさこい祭りを,できるだけ幅広い方々に知っていただくような取組も実施をしてきております。 こうした取組を通じまして,よさこいのルーツを後世につなげていくことにより,現在のコロナ禍を乗り切り,よさこい祭りが70回記念大会,そして来るべき80回記念大会へと着実にそれぞれ成功させていかなければいけないという思いを今強くしております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ありがとうございました。 今,市長のほうからよさこいのルーツというお言葉がありました。また,よさこい情報交流館では,写真とか鳴子だとかというようなお話がありましたけれども,冒頭お話をしました武政英策さんは,たくさんの音符または収集をしたそれぞれの童歌,あるいは民謡などが収集されております。 こうした貴重な資料,また武政さんの交友関係,あるいはどういう言葉を残したか。また,浜口八郎さんの交友関係の中で,よさこいにどう関わって,どう応援しながらよさこい祭りを守り立てていったか。そういう物として残っているもの,あるいは口伝として残っているもの,こうしたところもこのルーツの中に含まれなければいけないというふうに思います。 大変貴重な資料が,今かるぽーとのほうにもありますが,こうしたツールの使い方あるいは保存,継承,そうしたことの意義を高めることが,市長がおっしゃったこのルーツというところにつながってくると思います。 いま一つお聞きをいたしますが,今残っている,残されている,あるいはお預かりしております資料について,どういうふうにお考えか。 また,武政英策さんあるいは浜口八郎さんの残された言葉,あるいはどういう役割を果たしてきたかということの保存等につきましての意義,あるいはその必要性につきましての市長のお考えをお聞きしたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 私も観光課長のときに武政英策さんのお宅を訪問いたしまして,その当時は宗安寺にありましたけれども,奥様とずっとお話をし,武政英策様のもの,そして奥様がお持ちの一弦琴などをその御自宅で拝見したことがございます。 その後,武政英策さんがお持ちになっておりました貴重な楽譜ですが,そういうものを御縁がありまして,かるぽーとのほうでお預かりをするということができておりまして,現在,かるぽーとのほうでは資料整理ということで保存をしております。 ただ,おっしゃられたような,例えば大々的な顕彰するようなものとか,そういうものがまだできておりませんので,資料整理をきちっとすれば,例えば,これを広く見ていただくようなそういう機会も当然設けなければいけないので,常設にはならないかもしれませんけれども,また機会を捉えて,そういうものを多くの方々に見ていただきたいというものは,作り上げていかなければいけないというふうに思っています。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 今,市長自身が武政英策さんの奥さんにお会いしたというお話がありました。そういう身近な奥さんにお会いして,武政英策さんの人となり,あるいはよさこいにかける思い,そういう交わした言葉とかを記録していくという,それ自体もよさこいのルーツとして非常に大事なことではないかと思います。 当時からもう60年余りたちまして,当時関係をした方,よさこいの発祥を御存じの方も大多数亡くなったり,あるいは御高齢になったりとかしておりますので,その口伝としての記録,保存というのが本当に急務になっております。 ぜひともこれから日本中,世界中に発展するよさこい祭りであるならばこそ,発祥の地としての高知の役割として,そのルーツを確認するために,そういう伝承,あるいはお預かりしているものの保存,活用,整理等につきましては,ぜひとも前向きにやっていただきたいと思います。 ちょっとこの点につきまして,再度ですけども,市長の考えをお伺いしたいと思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 武政英策さんにつきましては,非常によさこいとしての功労も大きいんですけれども,非常に偉大な音楽家でございます。 当時この高知に帰ってこられてからですけれども,高知でいろんな伝承の歌,例えば子供さんが歌っている歌とか,農作業で特定の地域の地元で歌っていたものとか,また中山間でも非常に多くの歌が当時はございましたので,それはもともと譜面がなかったんですけれども,全部譜面に起こしています。 音楽家ですので,直接聞いてすぐ譜面にすることができるので,譜面に起こしていますので,そういう意味でも非常に偉大な音楽家であるということを我々も認識をしておりますので,そういうことを含めて,常設というわけにはいきませんけれども,何か企画展とか,そういうものをまたいろいろ企画はしていく必要があるというふうには思います。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ありがとうございました。ぜひともルーツ,これについては大切にしていただきたいと思います。 次に,令和元年度決算につきまして何点かお聞きをいたします。 決算内容を見てみますと,歳入合計は約2,009億円で,歳出合計は約1,998億円であり,その差額は約11億6,000万円となり,実質収支は約4億円となりました。 決算対策として,財政調整基金を3億円,減債基金を7億5,000万円,合計10億5,000万円の基金を取り崩していますので,何とか均衡を保ったように見えます。 ところが,実質単年度収支を見ますと,3億6,630万円のマイナスとなっております。これは,平成28年度決算で14億1,161万4,000円のマイナスを計上して以来となります。 6月議会で令和元年度の決算見込みの質問に対しまして,財務部長は約4億円の黒字が見込まれますとの答弁をしておりますが,そんな悠長なことを言っている状況ではないと,このように感じるところです。 決算の特徴的な点といたしまして,大型事業が終了したこと等によりまして,残高が令和元年度に89億円余りのほか,当面公債費は減少しますが,予算編成時から基金を取り崩さなければならないことにより,財政調整基金の2年度末残高は28億3,000万円余り,決算対策に使える減債基金は11億9,000万円余りと激減すること。経常収支比率は97.8%と高止まりの状態にあり,硬直化した財政構造となっております。 まず,令和元年度の決算状況をどのように分析し,評価するのか,財務部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 令和元年度の決算では,新型コロナウイルスによる影響は限定的でありましたものの,財政調整基金を3億円,減債基金を7億5,000万円,合わせて10億5,000万円を取り崩しましたことによりまして,4億円程度の実質収支黒字を何とか達成いたしましたが,前年度の黒字や基金の取崩しなどを含まない実質単年度収支は,先ほど御質問でありましたように,3億6,000万円余りの赤字となるなど,厳しい内容になっております。 加えて,この基金の繰入れにより,決算対策として活用できる財政調整的な基金の残高は,現時点で約19億円と,非常に少なくなっておりますので,基金を取り崩して収支均衡を図る手法も限界に近づいてきております。 また,経常収支比率につきましては,分子となる経常経費へ充当する一般財源が,扶助費や物件費などで増加をしたものの,分母となる歳入経常一般財源におきまして,税収や普通交付税等が一定伸びたことにより約6億円増加をしたため,対前年比0.6ポイント減となる97.8%へと若干数値は改善しましたが,依然として財政構造は硬直した状況が続いております。 今後におきましては,令和元年度に実施をいたしました420億円規模の縁故債の借換えによりまして,一定期間公債費の減少が見込まれますが,高齢化の進展に伴い扶助費の増加が続くことや,会計年度任用職員制度の導入等による人件費の増加が見込まれます上に,新型コロナウイルスによる影響が加わることを考えますと,プランの達成も困難になると予想されますので,収支見通しの見直しを適宜行いながら,健全化に向けた一層の取組の強化を図っていかなければならないものと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ぜひとも慎重な財政運営をお願いしたいと思います。 次に,財政健全化比率を見ますと,実質公債費率は14.2%と,若干低くなっております。 ところが,将来負担比率は前年度165.9%であったものが180.2%と,急激に悪化をいたしております。 これは,さきに述べましたように,大型事業が終了したこと等によりまして,起債残高が増加したことが要因の一つに上げられるものと思います。 経常収支比率が高止まりしていることと併せて考えると,税収以上の投資的事業を行ってきたのではないかと思われます。 この決算から見て取れる課題の一つとして,公債費負担の軽減が上げられると思います。起債残高等の将来負担額の軽減が,今後の財政運営のポイントになると考えます。 この決算より,今後の一般会計の起債残高と公債費の予想と予算編成上の課題,これにつきまして財務部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 令和元年度では起債の償還が進み,公債費が減少したことなどによりまして,実質公債費比率は14.2%となり,対前年度比で0.4ポイント改善しました一方,新庁舎建設などの投資事業の財源として多額の起債を発行しましたことから,将来負担比率は180.2%となり,対前年度比で14.3ポイント悪化しました。 また,一般会計の起債残高は,新庁舎や新図書館等の大型事業が完了しましたので,令和元年度末をピークに減少し,公債費につきましても縁故債の借換え効果などにより,一定期間減少することが見込まれますが,新年度の予算編成に合わせ,来年度からの第1次実施計画に基づく公債費シミュレーションを行いまして,慎重な財政運営に努めてまいります。 次に,来年度の予算編成に向けた課題としましては,本市でのSDGsや高知市型共生社会の実現に向けた施策や新型コロナウイルス対策経費を着実に反映させるとともに,一般財源をはじめとする歳入を的確に見込んだ上で,身の丈に合った歳出予算とし,収支の均衡を図っていく必要があります。 歳入の柱となる市税収入では,新型コロナウイルスの地域経済への影響により,個人市民税や法人市民税などで課税額そのものが減少することや,国の経済対策により,事業用家屋や償却資産に係る固定資産税の軽減措置等が予定されており,幅広い税目で減収となることが想定されております。 この市税の減収に対しましては,一定普通交付税などで補填されるとともに,国の経済対策に伴う固定資産税の減収に対しましても,特別交付金により全額補填されることとなっておりますが,現時点では,これらの影響の全体像を把握するには至っておらず,来年度の歳入総額を的確に見込むことは,これまで以上に困難と考えております。 加えて,国の新年度予算編成のスケジュールが全体的に先送りになっておりますので,地方財政計画の策定等をはじめとする国政の動向に留意し,国の経済対策や新たな地方財政措置に関する情報収集に努めながら,一般財源を的確に見込んだ上で,コロナウイルス対策を含む市民や事業者の皆様を積極的に支援するための予算編成に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ありがとうございます。 御存じのように,本市は都市計画税を徴収せず,その代替として固定資産税の超過税率を適用して徴収しております。 しかし,身の丈以上の無理な投資的事業を行ってきた,そして行いつつあるというところを危惧するところであります。 つまり,投資的事業の平準化や先送りにより起債発行額を抑制し,将来負担額を軽減しなければ,財政運営ができなくなるおそれがあります。 これからの投資事業で財源確保や緊急性等を総合的に検討して,平準化や先送りが可能である具体的な事業名と推計される金額を財務部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 今後の投資事業につきましては,現在,今年度末の高知市総合計画後期基本計画の策定に向けた作業と併せまして,令和3年度から5年度を計画期間とする第1次実施計画に登載する事業に係る全庁的な調査を行っているところでありますので,平準化や先送りを検討する具体的な投資事業等を現時点でお答えすることはできないところであります。 しかしながら,御指摘のように,公債費負担の軽減が今後の財政運営の重要なポイントとなりますので,現在取り組んでいる高知市財政健全化プランに掲げました投資事業の平準化,先送りの考えを踏まえまして,この第1次実施計画事業調査の結果から公債費負担を的確に推計した上で,実質公債費比率や将来負担比率の推移とプランに掲げる目標値との整合性を図りながら,登載事業及びその事業費を精査してまいります。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 今の高知市財政健全化プランにおきましては,今財務部長がおっしゃったように,初めて数値計画で目標を掲げております。 ぜひともそのプランに沿った財政運営を行いまして,健全な財政運営に努めていただきたいと思います。お願いします。 この都市計画税相当額を投資的経費に使わなかった場合,あるいは都市計画税を徴収していた場合,本市の財政状況はどのような姿になっていると推計されるか,これにつきまして財務部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 仮定の話といたしまして,令和元年度決算に基づく試算でお答えをいたします。 まず,都市計画税相当額,すなわち固定資産税の超過税率0.1%分の財源を投資的経費に使わなかった場合についてですが,超過税率見合いは公債費にも充当されておりますので,その全額が一般財源と想定をいたしますと,単純にその見合い約13億4,000万円の支出が減り,実質収支が同額プラスとなりますので,決算対策として10億5,000万円余りの財政調整基金等を取り崩すことなく,6億9,000万円程度の黒字決算となるものであります。 次に,都市計画税を徴収していた場合ですが,都市計画税の徴収の有無は普通交付税の算定に影響しませんので,都市計画税を標準税率の0.3%で課税をし,固定資産税の超過課税をしない場合,固定資産税の超過課税率分の減収と差引きをした約19億7,000万円収入が増加をし,先ほどと同様に決算対策としての財政調整基金を取り崩すことなく13億2,000万円程度の黒字決算となります。 いずれの場合におきましても,決算対策基金を取り崩さずに多くの黒字を確保することができ,今後想定される収支不足も解消されるなど,本市の財政状況は,現状よりはるかに改善することになります。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) この行政サービスを受けるに当たって,市民の側としての負担,そして受益の問題,このバランスは非常に大事だと思います。 すぐにどうこうということではないんですけれども,やはりこういった状況を含めた上で今の財政状況にあるということは,執行部の皆さん,また議会側,市民の皆さんのほうにも御理解をいただきたいと思います。 その中で,市民として何を要望しながら,何を負担していくかという議論も併せて必要だと思います。 次に,新型コロナウイルス関係のほうの質問に移ります。 本市におけます新型コロナウイルスの感染は,本年2月下旬に確認されて以降,現在も少数ながら続いている状態です。 当初は過敏過ぎると思われる反応や,感染した方が自殺をしたとのデマ情報が拡散されるなど,誹謗中傷が横行をいたしておりました。 そうした中で,市内の保育園で感染者が出ました。そのときには,「がんばれ,かもだほいくえん」と書かれた手作りの応援旗がかけられたとの報道があり,心温まる思いがいたしました。 また,残念なことですけれども,障害者入所施設でも感染者が発生をいたしました。当該法人の理事長の判断で施設名を公表。施設では,感染予防に細心の注意を払い,保護者の皆様を含む関係者の皆さんが,これほどまでに徹底しているのかと言われるほどの予防策を講じておりましたけれども,感染は発生してしまいました。 施設名を公表したことで,一方的な誹謗中傷がされるのではないかと,少なからず心配をいたしておりました。 ところが,こうした厳しい状況の施設に向けられましたのは,「頑張れあじさい園」との励ましの言葉を添えた2本の応援旗でした。 そして,励ましや気遣い,職員の労をねぎらう多くの電話があり,とてもうれしかったとおっしゃっておりました。 先日,理事長にお会いして,当時の状況などをお聞きする機会がありました。そのとき開口一番,今回の行政の対応に感謝しているという意外とも思える言葉がありました。 聞けば,感染が発生した場合を想定して,事前に行政と協議を重ねてきた内容に沿った対応を取ってくれたというものでした。 また,県外の同様の施設関係者からは,他県の事例と比べてもよい対応だ,また夢の国のような対応だとも言われたとのことでした。こうした対応をしてくれましたことに,私のほうからもお礼を申し上げたいと思います。 しかしながら,幾つかの重要な課題もお聞きをいたしましたので,私見を交えながら質問を行います。 まず,障害のある人が感染した場合の対応です。感染症の治療は,基本は入院です。今回は,高知医療センターの医師と看護師,そしてあじさい園が連携をして治療することができました。 しかし,一度に大勢の感染者が出れば,指定病院に入院できない場合も想定されます。障害のある人の場合,その特性によりまして家庭や宿泊療養施設の利用が困難であり,入院しての治療が優先されます。 そのため,指定医療機関の病床数の増加や宿泊療養施設の柔軟な運用等をする必要があると思いますが,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 高知県におかれまして,県内の新型コロナウイルス対策の入院調整の役割を担っていただいております。 これまでに指定医療機関2か所と入院協力医療機関11か所におきまして,最大で192床を確保されておりまして,今後も200床程度の確保を目指すとお聞きをしております。 障害のある方,また精神疾患のある方が入院をされます場合には,通常の2倍から3倍の看護体制が必要となりますので,医療スタッフの人員体制から確保している病床数が全て活用できないという課題も生じております。 今回の障害者施設によるクラスター発生の事例につきましては,入所者は全て高知医療センターで受入れをしていただきまして,入院中の治療に当たっては,医療センターと施設側で患者さんの障害特性等について,情報共有が円滑に行われたものと考えておりますけれども,障害のある方また精神疾患のある方が感染した場合を想定した,さらなる医療体制の強化は急務であると認識をしてございます。 入院患者の受入れ体制を充実させる一方で,今後の感染状況によっては,軽症者等につきましては,宿泊施設や自宅で療養していただくといったことも想定されますことから,県におかれましては,高知医療センターの滞在施設であります,やまももに加えまして,さらなる宿泊療養施設を調整中であるともお聞きをしております。 本市といたしましても,保健所と障害担当課等との密な連携はもとより,県とも役割分担の下,情報共有をしながら施設の感染予防対策の施策,また感染拡大の防止に向けまして,引き続き迅速かつ的確な調査,検査を実施してまいります。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) これまで障害者,高齢者の通所系の施設で,本当に幸いなことですけれども,感染者の発生は報告されておりません。 しかし,通所系の施設は日常生活の延長線上にあり,どんなに予防策を講じても,感染のリスクは常にあります。 通所施設がクラスターとなった場合,濃厚接触者の特定と追跡調査,感染者とその家族の治療等の問題,施設運営等,多くの課題や問題が想定されますが,本市としての対応につきまして,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) まず,高知市保健所の体制面でございますけれども,通所施設でクラスターが発生した場合は,感染拡大を早期に封じ込めるために,保健所において,濃厚接触者の特定などの積極的な疫学調査を迅速に行う必要がございます。 患者さんの急増によりまして,濃厚接触者を特定するための聞き取り調査,また検体採取等の受診調整,さらに感染者の入院のための医療機関の調整等を並行して行う必要がありまして,一度に多くの業務が発生することとなります。 現在,この新型コロナウイルス対策のための体制強化としましては,保健師を2名と事務職1名を4月から配置しまして対応しているところでございますけれども,クラスターの発生等により,さらに支援が必要となるといった場合には,保健所内の別の課の職員が,検体搬送また電話対応等の業務の一部を担うなど,保健所内や庁内での応援体制を取りながら,柔軟に対応ができる体制をしいているところでございます。 一方の感染者が発生した通所施設側でございますけれども,濃厚接触者に対するPCRの検査結果が判明するまでの一定期間は閉鎖をしていただく必要がありますが,その後は保健所からの指示や助言等を受けながら必要な消毒等を行うとともに,利用者の皆様の十分な健康状態への留意をお願いしながら,サービス提供を継続していただくこととなります。 現在,高知県におきまして福祉施設の相互協力により,クラスター発生により職員の不足が生じた事業所に対しましては,別施設から職員を派遣するスキームを検討中とお伺いしておりますけれども,本市としましても,利用者の皆様や施設関係者の方の不安や御要望に可能な限り寄り添いながら,早期の感染拡大の封じ込め,そして患者の皆様の治療が円滑に運ぶよう,庁内はもとより,県,関係機関と連携して対応してまいります。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 高知市内には,現在,85か所の共同生活援助施設,いわゆるグループホームがありまして,約500名の方が利用して地域生活を営んでおります。 グループホームの設置主体は医療法人や社会福祉法人,NPO等の法人格を持った団体でありますが,それぞれその規模や機能も異なっております。 グループホームにつきましては,少人数で共同生活を行っているので,1人が感染すると,全員に感染が広がるリスクが非常に高くなってまいります。 治療の方法につきましても,入所施設利用者の場合と異なる点もありますが,感染した場合の処遇の方針につきまして,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) グループホームにおいて感染者が発生した場合も,基本的には入所施設と同様に,入院をしていただくということが望ましいとは考えますけれども,病床数が限られている中で感染者が急激に増大した場合には,全ての感染者に入院医療を提供することが困難となるケースも想定をされます。 感染が拡大した場合に,高齢者や基礎疾患を有する方など重症化リスクが高い方の入院を優先する必要がございますので,国におかれましては,症状のない方や症状の軽い方については,自宅や都道府県が用意する宿泊施設において安静,療養することができるとされております。 今後の感染状況によりましては,こうした対策を取る必要も出てくることが想定されますので,グループホーム内で療養する場合における施設の人員体制,そして施設内の生活空間等の区分の方法,また利用者の基礎疾患や施設と医療機関との連携体制等の状況を基に,よりよい対策の構築に向けまして,県や関係事業者と協議をしてまいります。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) ありがとうございました。 非常に人的な支援が必要な対応になると思いますので,その辺りは円滑にできますように重ねてお願いいたします。 時間も迫ってまいりました。あと一つか二つぐらいの質問になると思います。 書画カメラは使いませんので,すみません。 高知市におきましては,基幹産業が少ないと思いますけれども,世界レベルの企業や全国レベルの企業も存在しており,高知市を支えてくれております。 高知市の平成30年度の工業統計調査結果を見ますと,製造品出荷額等は合計で1,751億円余りであります。 このうち津波被害が心配されます江ノ口,下知,潮江,高須,三里,長浜等々の浸水想定区域の製造品出荷額は1,598億円余りで,全体の92%を占めているという状況です。 この被害状況につきまして,想定はされておらないようですけれども,先日,石巻市の被害状況を職員の方を通じまして調べていただきました。まずそれを御紹介しておきたいと思います。 石巻市統計書,令和2年3月発行によりますと,震災前後における事業所数の推移,製造業が平成22年度410事業所,これが23年度203事業所と,50%減少。 また,震災前後におけます出荷額総額の推移としましては,製造業22年度につきましては3,671億円が,23年度では1,376億円,62.5%も減少しております。また,市税等も非常に影響を受けております。 こうした状況で,高知市のほうも非常に被害について心配されるところであります。 また,企業のほうの震災対策としてBCPもありますけれども,まず何よりも企業自体の存続を図っていくことが必要であります。 質問を途中飛ばしますが,最後のほうの質問をお伺いします。 企業は市外に転出をすると,税収だけでなく産業自体の衰退につながります。移転等を検討している企業を含めまして,事業の継続のために,土地利用計画等の柔軟な対応を含めた支援が必要と思いますけれども,この点につきまして,最後市長にお伺いいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 津波浸水等で企業のBCPを含めましてですけれども,昨日の議論とも少し関連しますけれども,本市の市街化区域につきましては,約7割がハザードエリアとなっておりまして,移転希望が非常に多いという状況もあります。 そのことを踏まえて,現在,産業団地の整備の新しい工事に入る予定になっておりますけれども,市街化調整区域への移転を含めましていろいろ御相談もあっておりますが,昨日の議論にも関連しますけれども,いわゆる使いにくいというお話を議会からも,また事業者の皆様からも御意見をいただいております。 それぞれ規制また目的に応じました制限はありますけれども,本市の産業の衰退につながってはいけませんので,企業の特に市外への転出を防ぐということが重要ですので,現在,浸水エリアから調整区域へ移転する場合の基準の見直し,これについては具体的に協議をしているところです。 今後も地域の実情や特性に応じた土地利用を図りながら,産業団地の整備を着実に進めるとともに,柔軟な対応がどこまで図れるかというところも議会の御意見をいただきながら,対応していきたいというふうに考えております。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎豊議員。 ◆(岡崎豊君) 御答弁ありがとうございました。 今回はいろいろと質問させていただきました。やはり,何よりも市民の皆さんの幸せのために高知市議会があり,高知市政があると思います。どうぞ,その視点をお忘れなく取り組んでいただきたいと思います。 また,よさこい祭りにつきましては,これから大きく羽ばたこうとしています。再度これまでの資料また伝言等々を含めまして,ルーツを十分に守っていただきますよう,重ねてお願いいたします。 以上で終わります。 ○議長(田鍋剛君) 伊藤弘幸議員。  〔伊藤弘幸君登壇〕 ◆(伊藤弘幸君) 公明党の伊藤弘幸でございます。第479回高知市議会定例会におきまして,通告に従って総括方式で,提言及び私見を交え質問を行います。 大規模災害及び高齢者の事前避難について。 近年,大規模地震,大規模風水害,台風と,想定を超える災害が頻発しております。これらの大規模災害に対して,現場の正確な情報を共有し,正確な判断の下で適切に対応することが重要であります。 さきの令和2年7月豪雨では,九州の熊本県球磨村の特別養護老人ホーム千寿園で,14人の方が犠牲になられました。ここ数年,大雨や台風によって,入所施設での高齢者の犠牲者が増えている傾向が見受けられます。 近くは2016年の台風10号により,岩手県岩泉町の高齢者施設が浸水し,入所者9名全員が亡くなる悲惨な災害が起きています。 国は,2017年に岩泉町の災害より水防法を改正し,特別養護老人ホームや病院などに避難先や移送手段を定めました避難確保計画を作成し,計画に基づく避難訓練の実施を義務づけています。 特別養護老人ホームや病院,その他施設などの避難先,移送手段などを定めた本市の避難確保計画作成の進捗状況と訓練の状況についてお聞きします。 千寿園でも避難確保計画を作成し,訓練を行ってきましたが,それでも多くの犠牲者が発生しました。ともすれば判断を行うときには,その場の条件をはらむ問題が発生し,判断が鈍るなど様々な要素が含まれます。 球磨村が警戒レベル3の避難準備・高齢者等避難開始を発令した段階で避難を始めていれば,少しは軽減されていたのではないかと,福祉防災学の学識経験者が語っています。 避難を開始するタイミングは非常に重要でありますが,また一般的に逃げたけれども,結局浸水しなかったといった空振りを恐れたり,避難して体調を崩す人が出るかもしれないと懸念したりして避難しないことで,より危険な状況に陥ってしまいます。 危機感を持って避難行動を始めるためには,防災に対して,物事を正確に理解する必要があると言われています。 洪水ハザードマップを日頃から確認して,脅威を感じて被害を避けるために各自が何をすべきか自覚し,繰り返しの訓練で避難に対する自信を持つことが大切です。 避難確保計画を作成している要配慮者利用施設において,適切な避難が実施されるために,施設管理者が継続して避難訓練を実施していくことはもちろんのことですが,防災の専門組織である防災対策部としても,適宜施設に対して指導や助言をしていく必要があるのではないかと考えますが,防災対策部長のお考えをお聞きします。 避難行動要支援者対策について。 さきの7月豪雨災害で亡くなった方の多くは,65歳以上の高齢者でありました。 また,東日本大震災の被害を調べてみると,在宅ケアが広がっている地域ほど,亡くなった高齢者や障害のある方の割合が高かったそうです。 2018年の西日本豪雨では,岡山県倉敷市真備町で逃げ遅れて自宅で亡くなった高齢者や障害者が目立ちました。 高齢社会に入り,介護が必要な人を施設だけでは収容できなくなり,在宅ケアが広がっています。平時のシステムはよいが,災害時にヘルパーや介助者が駆けつけることができなく,孤立してしまいます。 内閣府は,先月に災害時に自力避難が困難な高齢者や障害者の逃げ遅れを防ぐために,全国の市町村に対し,ケアマネジャーなどの福祉職との連携を強化し,一人一人の避難方法を事前に決めておく,個別計画を作成するよう促しております。 個別計画は,対象者の避難ルートや避難場所,手助けする支援者の氏名を明記するなど,一人一人の心身の状況を考慮することが特徴だと言っています。 そういった日常的に高齢者などのケアに当たっている専門知識を持つ福祉職が,個別計画作成に関与すれば効果的と考えられています。 現在,高知市はモデル地区を設定し,モデル地区における本市の部局間での連携や町内会,自主防災連合組織との高齢者や障害者に対する取組と要配慮者である乳幼児や妊婦を含めた支援対策及び要支援者名簿作成の進捗状況をお聞きします。 要支援者名簿作成に当たっては,平成26年からスタートいたしました。スタートしてから6年以上の間に,亡くなられたり引っ越しされた方もおいでるのではないでしょうか。この件については,住民基本台帳を基にデータ化していると承知しています。 本市が把握している要支援者名簿のデータが迅速に,校区の自主防災連合組織などの現場に情報が反映されているのか。また,要支援者名簿の保管されている場所の一元化についてお聞きします。 また,平成26年度から避難行動要支援者対策について高知市の取り組む中に,地域からは,件数が多くて時間がかかる,障害者や病気に関する知識がなく不安,支援がなかなか決まらない,体の状況の変化が大きいなどといった声が上がっている。こうした現場の課題を吸い上げて,現場に戻すのが行政の役目と思います。 高知市はモデル地区を設定し,要支援者対策を進めていますが,迫りくる南海トラフ巨大地震に備え,今後の要支援者対策の進め方を市長にお伺いします。 自転車安全対策について。 平成30年3月定例会より,自転車乗車時のヘルメットの着用の必要性を訴えてまいりました。 この数年において,市長をはじめ教育委員会や関係者の御努力により,児童・生徒の命を守るため,登下校時におけるヘルメット着用の推進に関わる協議会を設けていただき,心より感謝申し上げます。 今年の前半は,残念ながら新型コロナウイルス感染拡大で学校の授業が休校となり,3密を避けるために,ヘルメット着用の推進に関わる協議会も開催ができませんでした。 今後は,一日でも早くヘルメット着用を推進していただき,安心して生徒が登下校できるよう,よろしくお願いいたします。 高知県では,1月から7月末までの間,自転車による交通事故件数が162件で,死者4人,負傷者155人に上っております。 また,本市の1月より7月末までの自転車による交通事故が131件で,死者1人,負傷者127人に上り,自転車事故の大半は,この高知市が占めております。 ここで,今年1月から7月まで本市の児童・生徒による自転車乗車時の事故件数をお聞きします。 この結果から見て,子供や大人も自転車の乗車時には,ヘルメット着用が喫緊の課題であります。より一層ヘルメットの着用の周知とヘルメットで命を守る機運を高めることが必要であります。 多くの人が自然にヘルメットを着用することで,死亡・重傷事故を減らし,より楽しく安全な自転車社会をつくりたいと活動を続ける市民団体の自転車ヘルメット委員会が,7月に実施した全国47都道府県のほぼ1万人を対象とした実態調査の結果,自転車ヘルメットの着用率は全国平均で11.2%,1位は愛媛県の29%であります。2位は長崎県26%,3位は鳥取県の18%であります。 道路交通法第63条の11により,保護者が着用させる努力義務のある13歳未満の着用率は63.1%で,このルールを知っている保護者は32%にとどまっています。 子供がヘルメットを着用していない場合で,ルールを知らなかった保護者がこれを知ると,その68%は子供に着用させたいと意識が変わると言われています。 また,自転車乗車中の死亡事故の半数以上で頭部損傷が原因であることを知っている人は36%で,ヘルメットが死亡・重傷事故となるリスクを減らすことを知っている人は71%だったそうです。 ヘルメット非着用で,これらの事実を初めて知った20%ほどが,ヘルメットをかぶろうと意識が変わるそうです。 先月,新聞には,18歳以下の自転車利用者にヘルメット着用を促す高知県自転車条例の浸透に向けて,高知南警察署の企画による県内の中高生や大人約110名が,県教育委員会の協力の下,自転車に乗るときのヘルメットの重要性を学ぶ講演が開かれるとの記事がありました。 内容は,事故に遭った子供さんと保護者による講演がされ,自転車事故による脳損傷者の7割近くの方が亡くなるそうであり,そのほかにも高次脳機能障害などの後遺症が残るおそれを指摘しておられました。 このことから見ても,ヘルメットの必要性を感じます。事故に遭った子供さんがヘルメットの必要性を語り,自分の命をより大切にする選択をしてほしいと強く呼びかけていました。 講演後,参加された生徒たちは,ヘルメット着用率の低さや対策を議論し,1人だけ浮くのは嫌。校則で義務づけてほしいなどの意見を交わしたそうであります。 また,高校生は,自分もまさかのことが起きるかもしれないと,恐怖と実感が湧いた。生徒会として,全校で自転車の乗り方を見直す機会をつくりたいと話をしていたそうです。 生徒たちは,自分の命は自分で守る必要性をよく知っています。昨年,知人より耳にした話は,中学生のときにヘルメットを着用していたが,高校生になって登下校時にヘルメットを着用していたところ,心ない言葉を投げかけられ,その後着用しなくなったとの話を聞きました。 また,最近,孫がヘルメットの着用をしていたことで,上級生より嫌な思いをするような言葉を投げかけられ,着用しなくなったとの話も聞きました。 このように,ヘルメット着用に関して心ない言葉もある中,学校では交通ルールや交通マナー,そして自転車乗車時には,ヘルメット着用の必要性をどのように生徒に教えているのか,お聞きします。 教育委員会に対して,かねてからヘルメットの着用を校則で定める質問を続ける中,答弁は,生徒や保護者が自らその必要性を実感して着用するようになることが重要であり,こうした取組が広がっていくことによって,交通安全の意識が高まり,安全確保につながっていくものと考えております。 校則などにより生徒に義務づけをすることよりも,生徒や保護者がよく話合いをし,生徒の内面的な自覚を促していくことが重要であり,生徒が納得して自主的に着用するよう,丁寧な学校の取組が必要であると感じております。 また,ヘルメット着用が定着していくには,ヘルメット着用を含め,交通ルールの遵守や自転車乗車時のマナーの向上について,生徒自らがその必要性を実感し,行動に移せることが何よりも重要であると考えております。 そして,生徒と保護者がよく話し合い,生徒が納得して自主的に着用するようになることが,通学時を含め生徒の日常生活における自転車乗車時のヘルメット着用が当たり前である状況につながるものと考えます。 このような答弁では,いつまでたってもヘルメット着用につながらないかと思います。保護者の代表である高知市PTA連合会の会長さんや事務局の方々との意見交換を交わしたところ,高知市にも毎年,小中学校のヘルメット着用の要望書を提出しているお話をお聞きし,回答は議会答弁と全く同じであります。 ヘルメット着用を校則に明記するなど,期待が保護者にとってどれだけ大きいものか。少なくとも自転車通学やクラブ活動を認める学校には,ヘルメットの着用をルール化する必要があるとの御意見でありました。 何人かの中学校長や高知市PTA連合会の会長からも,子供たちへの意識づけには,子供たちだけの話合いの場をつくる必要性の話も出ました。 ここで提案ですが,生徒が納得して自主的に着用を自覚する場を提供し,中・高の生徒会代表による自転車のマナーと命を守るヘルメットの着用をテーマに,生徒たちによるサミットを開催してはどうでしょうか,教育長にお伺いいたします。 今年度から高知南署に赴任された交通課長と意見交換すると,高知県内の学校では,当たり前のようにヘルメットを着用しているのに,高知市のヘルメット着用に関する意識の低さに驚いていました。 このことから,校長先生の全面協力の下で,今年5月に県立南・中高の生徒たちによるヘルメット着用のパレードを実施したと聞きました。今後も警察署として要請があれば,積極的に高知市に協力したいとの話でした。 また,自転車ヘルメット委員会からは,7月の実態調査の結果を自治体が装着率アップを目標とするキャンペーンを展開するなど,意識向上に活用してもらえればとのことです。 また,先月の新聞に記事が掲載されました高知南警察署での取組を各地域などと連携を取りながら,可能な限り子供たちに自転車乗車時にヘルメット着用の重要性を学ぶ講演を開催することなどが必要と考えますが,教育長にお伺いいたします。 ヘルメット着用に向けて購入状況を見てみると,着用人数では令和元年度は233人,2年8月24日時点では545人と増えています。 また,ヘルメット申請状況を見ると,令和元年度は申請数1,182で,購入数は500,購入率42.3%です。2年度の最新では,申請数は576,購入数129,購入率22.4%と低くなっております。 補助金申請も1月で本年の締切りになります。前述の高知市PTA連合会の広報紙では,ヘルメット購入助成金について周知をされております。 また,その中に,制度に参画されている自転車店の店主さんは,助成開始時は購入者が多かったものの,最近は少なく,問題は着用しようと買っても,周囲の着用が少なければ,次第にかぶらなくなることもあり得ます。少しでもヘルメット着用者が増えることが,次の購入者につながるとの内容でありました。 非常に申請数と購入数が低い状況です。教育委員会として最終年度の令和3年度に向けて,申請数と購入数を伸ばして,ヘルメット着用率を上げる取組をお聞きします。 次に,居住安定確保支援事業について伺います。 本事業は,平成31年度から重点施策として実施している事業で,事業内容は,生活保護受給者のうち,親族や地域社会から孤立した単身高齢者や,自ら適切に家賃の納付が行えず滞納を繰り返す人に対して,定期連絡による日常生活の見守りを行いながら,住宅費の代理納付を行う制度で,多忙となっているケースワーカーの負担軽減にもつながる事業であると大いに期待をしていました。 本会議の決算認定議案でもあることから,この事業効果を確認させていただきます。 当時,事業の導入に際して,健康福祉部長からは,現在,生活保護受給者の代理納付は,市営住宅入居者に対する部分実施となっており,実施世帯数は全体の約15%にとどまっています。本事業により新たに800世帯を支援することで,全国平均が22%の中,高知市として25%まで引き上げるとの説明でありました。 そこで,健康福祉部長に伺います。事業を開始した平成31年度から令和2年8月までの居住安定確保支援事業の実績,利用者数を各年度の各月ごとにお聞かせください。 また,達成目標の25%に対する現在の値をお聞かせください。 以上で,第1問を終了いたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問をいただきましたが,私のほうからは,避難行動の要支援者の対策に関する御質問にお答えを申し上げます。 避難行動の要支援者対策につきましては,災害対策基本法において,災害からの避難の確保を図るために,特に支援を必要とされる方々の名簿を作成し,本人同意を得た上で,消防機関,県の警察,民生委員,社会福祉協議会,自主防災組織など避難支援等関係者に名簿の情報を提供するということになっております。 高知市では,本年度内に38全ての小学校区単位の自主防災組織連合会とこの名簿の提供に関する協定の締結の完了を本年度内に済ませたいということで,今協議を進めているところでございます。 協定の締結後は,この名簿を活用した日頃からの見守りや訓練,個別計画の作成につなげ,地域の中でお互いに顔の見える関係を構築していただき,地域防災力の向上につなげていくことを期待しております。 個別計画の作成につきましては,災害時に要支援者の方々の避難支援等の実効性を高めるためでありますが,令和2年,今年ですが,2月1日現在で要支援者の方約3万8,000人おられますけれども,この中で計画作成済みの方は1,087名,割合にしまして2.8%にとどまっておりまして,昨年度から庁内の関係者によりますプロジェクトチームを立ち上げまして,当該事業の推進に当たっての課題,問題点,また今後の取組の方針について検討してまいりました。 この中で,御質問にもありましたように,件数が多くて時間がかかる,あるいは,その障害や病気に関する知識がなく不安など,地域の皆様からいただいた様々な課題を整理し,その対応策としまして,日頃から要支援者の方々と関係を築いております居宅介護支援事業所の方々,また指定相談支援事業所のケアマネ等の専門職の方々と地域の支援者が連携できる体制が必要であるとの結論に至っております。 そこで,今年度からですけれども,津波到達時間が早いと想定されておられます御畳瀬,春野,十津,種崎,この4つの地域をモデル地区といたしまして,各事業所と行政,また社会福祉協議会などの関係機関が一体となった新しい取組を現在模索をしながら構築をしつつあるところです。 このモデル地区の取組では,地域内の支援者同士の方々,また支援者と要支援者との顔の見える関係づくりが進んでおりまして,地域と行政,関係機関同士の連携が深まり,御同意をいただいた方につきましては,個別計画の作成も進んできていますので,今後はこの取組を沿岸部の他の地区へも拡大するとともに,最終的には市域全地域への展開を進めていきたいと考えているところでございます。 その他の御質問につきましては,各担当部局長等からお答えを申し上げます。 ○議長(田鍋剛君) 松村防災対策部長。 ◎防災対策部長(松村和明君) 防災対策に関する御質問に順次お答えします。 まず,避難確保計画作成等の進捗状況についてお答えします。 近年の豪雨災害では,社会福祉施設が浸水し,亡くなられる方も多数おられるなど,災害リスクの高い区域に立地する要配慮者利用施設における避難対策の重要性が改めて認識され,平成29年には水防法及び土砂災害防止法が改正され,浸水想定区域や土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設の管理者等は,利用者の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため,避難確保計画の作成及び避難訓練の実施が義務づけされております。 さらに,市町村が浸水想定区域内等にある要配慮者利用施設を指定し,市町村地域防災計画に定めることとされています。 現在,本市地域防災計画で洪水浸水想定区域内と位置づけられた要配慮者利用施設は127施設となっており,このうち121施設で避難確保計画が作成されております。 また,土砂災害警戒区域内と位置づけられた要配慮者利用施設は111施設となっており,このうち106施設では,避難確保計画が作成されております。 また,避難訓練の実施状況につきましては,避難確保計画の作成と併せて,避難確保計画の実効性を高めるために,計画に基づいた避難訓練の実施も義務づけられておりますので,計画を作成している施設において,取組が進められております。 次に,避難確保計画の実効性の確保に関してお答えします。 要配慮者利用施設において適切な避難が実施されるには,災害の状況に応じて施設管理者が主体性を持って状況判断を行い,避難時期や避難方法を決断し,実行していかなければなりません。 避難確保計画は,施設管理者の状況判断及び避難方法等の決定をサポートするものであり,施設管理者は計画の内容を日頃から理解しておくことに加え,災害時の状況を想定し,実際に考え,行動してみる,いわゆる避難訓練を行い,施設管理者としての適切な判断力を養い,災害に備えておく必要があります。 また,避難確保計画は,要配慮者利用施設の施設管理者のみならず,施設職員など施設に関わる方を対象とした計画であることから,一人一人が災害時に対応すべき事項を理解し,それぞれの立場で避難についてあらかじめ考え,準備しておき,施設利用者が災害時に速やかに避難できるよう,避難訓練等を通じて,日頃から計画に基づいた災害への備えを進めておくことが,避難確保計画の実効性を高めるためには重要となります。 本市といたしましては,まず現在対象となっている全施設が避難確保計画を作成し,計画に基づいて避難訓練を行っていくことを目指して,提出された避難確保計画を確認し,項目や必要事項のチェックだけではなく,例えば,よりよい避難のタイミングや避難場所等に対する助言を行うなどの取組を引き続き進めてまいります。 あわせて,施設管理者及び施設職員などそれぞれが,避難確保計画を踏まえた上で,主体性を持って適切な避難行動が取れるように,高知県や施設所管課とも連携し,説明会など様々な機会を捉えて,さらなる周知を図ってまいります。 次に,避難行動要支援者対策に関する御質問にお答えします。 この取組を推進するためには,事業を所管する防災対策部と要支援者御本人やケアマネジャー等の専門職と日頃から関わりのある健康福祉部や社会福祉協議会との連携が必要不可欠ですので,本年度から防災対策部に保健師資格を持った職員を雇用し,専門的な視点を持って庁内や関係機関と連携強化を図りながら,個別計画作成のモデル事業として,沿岸地域の御畳瀬,春野,十津,種崎地区において,個別計画作成の推進に向けた新しい仕組みを構築して取り組んでおります。 このモデル地区では,健康福祉部や支援のノウハウを有する高知市社会福祉協議会の担当職員などと緊密に連携し,地域の説明会や要支援者を把握するための支え合いマップづくり,さらには個別計画作成について,各所属で役割分担を行い,地域の自主防災組織や町内会の御協力も得ながら,一体となった取組を進めております。 乳幼児や妊婦の方々は,本市の避難行動要支援者の要件に該当しておりませんが,モデル地区では要支援者名簿に記載されていない方であっても,支援が必要と考えられる方については,地域の支援者自らが積極的に把握を行い,災害時の支援に検討している事例もございますので,こうした地域主体による取組の中で支援の在り方を検討してまいりたいと考えております。 モデル地区での要支援者の個別計画の作成の状況でございますが,本年9月15日現在でモデル地区の要支援者数は275名で,このうち個別計画作成済みが春野地区で20名となっておりまして,他のモデル地区でも鋭意取組を進めております。 最後に,避難行動要支援者名簿のデータと保管場所に関する御質問にお答えします。 避難行動要支援者名簿につきましては,災害対策基本法に基づき,関係課が保有する住民基本台帳や介護保険,障害者手帳などの情報について,本市の個人情報保護条例で定められた目的外利用により,防災対策部が集約して名簿を作成しております。 名簿の更新作業は,関係課において日々更新されるデータを集約し,3か月ごとに年間4回のデータの更新作業を行うとともに,新たに要支援者名簿の対象となられた方につきましては,年度の下半期に同意確認を行っております。 この名簿を各自主防災組織連合会等の支援団体に対して,年1回年度初めに更新して提供するとともに,個別計画作成に取り組むモデル地区におきましては,さらに直近にデータ更新した名簿を提供して,活動を進めていただいております。 また,要支援者名簿の保管につきましては,名簿情報の適切な管理のため,管理者を各団体の中で特定しておくことや,できる限り施錠可能な場所で保管していただく必要があり,多くは自主防災組織の代表者等に保管していただいておりますが,地域によっては,自主防災組織連合会全体の名簿を1か所に保管するなど,地域の実情によって異なっております。 なお,発災時における要支援者の円滑な避難や安否確認,日頃の見守りのためには,名簿の適切な管理が必要であり,名簿保管場所や管理方法の検討が重要と考えますので,地域の実情を踏まえた保管場所や管理方法の決定について,引き続き支援をしてまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 居住安定確保支援事業,いわゆる家賃の代理納付制度でございますが,これにつきまして御質問にお答えをいたします。 家賃をお支払いしております生活保護世帯のうち,代理納付により家賃を支払っている世帯は,御質問にありましたとおり,全国平均で約22%でございます。 本市では,約8,000世帯に対しまして,公営住宅に係る代理納付が約1,000件,そして既に行っておりました金銭管理支援業務として,生活保護を受けている方で金銭管理ができない方につきまして家賃の代理納付を既に行っていた事例が200件,合わせて約1,200件で推移しておりまして,事業開始前は全体の約15%の実施にとどまっておりました。 そのため,単身の高齢世帯や家賃の滞納が繰り返される対象世帯を約800件と推計をいたしまして,令和元年10月から3年3月までの1年半を契約期間としまして公募型のプロポーザルで業者選定の上,家賃に充てるべき住宅扶助費を直接貸主に代理納付をする制度として,各地区担当のケースワーカーが対象世帯を訪問して,制度の説明と利用勧奨を図ってまいりました。 しかしながら,生活保護費から家賃相当額を預かることに本人同意が必要であること,また貸主の口座が高知市の指定金融機関でございます四国銀行高知市役所支店以外の場合には,別途に手数料がかかりまして,受け取る生活保護費がその分目減りをしてしまうといったこともありまして,実績が上がるまで時間がかかっておりましたが,訪問などの取組を強化したことなどによりまして,3月には216件の利用開始となってございます。 その後,新年度からは4月に287件,5月が306件,6月は324件,7月が328件,8月には345件と,着実に利用実績を伸ばすことができておりまして,保護世帯全体に占める代理納付の割合は,8月末現在で約17.1%となってございます。 全国平均を上回る高い目標でございます25%を達成するには,800世帯全てを実施する必要がありますが,ケースワーカーの負担軽減にも資する事業であると認識をしておりますので,引き続き,利用実績の増加に向けまして,丁寧な説明と利用勧奨に取り組んでまいります。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 自転車乗車時の安全対策について,順次お答えをいたします。 まず,児童・生徒による自転車乗車時の事故件数についてでございます。 高知県警本部から聞き取った情報によりますと,令和2年1月から7月までに,高知市内で発生した児童・生徒による自転車乗車中の事故件数は56件でございまして,その内訳は,小学生7件,中学生21件,高校生28件となっております。 この件数には,高知市立学校の児童・生徒以外に,国立,県立,私立学校の児童・生徒や,高知市外在住の方が高知市内で事故に遭った件数も含まれております。 次に,学校での指導や取組についてでございます。 まず,各学校では,毎年,校区交通安全会議や交通安全指導員,警察などの関係機関の協力を得まして,交通安全教室を行っております。 内容といたしましては,ヘルメットの重要性についての講話でありますとか,高知県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例についての説明,そして中学生を対象に,ヘルメット着用,非着用での衝撃の違いを実験したDVDの視聴を行っております。 また,本市で開催しました登下校時のヘルメット着用の推進に係る協議会を通じまして,ヘルメット着用の啓発ポスターとチラシを作成し,ポスターは各学校へ,チラシは市内全児童・生徒へ配付し,ヘルメット着用を呼びかけているところでございます。 質問議員さんからのお話もございましたが,ヘルメットを着用していて嫌な思いをする生徒がいたことについては,非常に残念であるというふうに感じております。 ヘルメットを着用することが自身の命を守るという視点,そして,生徒一人一人の命は,家族や友人にとってかけがえのない命であるといった視点,この両面から声がけを続けていくことが大切であると考えておりますので,指導の方向性につきまして,各学校と情報共有を図ってまいりたいと考えております。 次に,ヘルメット着用をテーマにした,生徒たちによるサミットの開催についての御提案をいただきました。 本年2月1日に開催されました,中学校生徒会代表による高知市中学校生徒会交流会におきまして,昨年10月に本市立中学校と義務教育学校の全生徒を対象に実施をいたしましたヘルメット着用に関するアンケート結果を基に,各学校の代表が四,五名のグループで意見交換を行い,さらにグループごとに発表が行われるなど,多様な意見を全体で共有するという取組を行いました。 この会では,生徒たちは各学校のヘルメット着用についての現状でありますとか,着用を向上するための取組について意見交流をする中で,生徒自身が自らのこととして,ヘルメット着用の必要性を改めて考え,ある学校の代表からは,生徒会で全校にヘルメット着用の呼びかけや,自分たちから手本を示していきたいといったヘルメット着用促進に向けた意見が出されたというふうに聞いております。 このようなことから,本年度の高知市中学校生徒会交流会においては,昨年度からの取組をさらに進め,質問議員さんから御提案いただきましたサミットのように,自転車の安全対策に重点を置き,ヘルメット着用の必要性に関する講演を設け,その後,生徒同士が主体的に意見交流を行うという形で実施することが有効と考えますので,主催団体と協議をしてまいりたいと考えております。 次に,自転車乗車時のヘルメット着用の重要性について学ぶ講演会の開催について,御質問がございました。 高知南警察署により行われました「命を守るヘルメット!講演会」のように,子供たちが保護者や地域の皆様と交通安全について考えたり,学んだりすることは,有効であると考えます。 このため,教育委員会といたしましては,今後,登下校時のヘルメット着用の推進に係る協議会の委員として参加していただいておりますPTA連合会や校区交通安全会議,警察,くらし・交通安全課などの関係者の方々と各学校やPTAによる講演会の実施について,支援体制などを確認,整理した上で,その内容を各学校及びPTAに通知し,まずは学校単位での開催に向けて,支援体制の構築を行ってまいりたいと考えております。 最後に,申請数と購入数を伸ばして,ヘルメット着用率を上げる取組についてお答えいたします。 令和2年8月25日に開催されました登下校時におけるヘルメット着用の推進に関わる協議会の中では,学校の取組として,部活動を活用した啓発を行っている青柳中学校や,自転車通学の許可の際にヘルメットの着用を条件としている三里中学校など,ヘルメット着用推進に向けて効果が出ている取組が紹介され,他の学校でもこうした事例を参考に高知市全体で取組を推進していくという意見が出されました。 教育委員会といたしましては,学校のこのような取組を支援したいと考えておりまして,具体的には,高知地区中学校体育連盟に対して,大会参加時に自転車で移動する場合には,ヘルメットの着用を推奨することについて申入れを行っていきたいと考えております。 また,ヘルメット購入費助成事業の申請,購入が進まない要因の把握と併せまして,保護者への啓発を図ることを目的に,ヘルメット着用に関する保護者向けアンケートを計画いたしております。 本アンケートの実施をきっかけに,学校において参観日や保護者面談などを活用し,学校,生徒,保護者が一堂に会してヘルメット着用に関する話合いの場を持つことで,ヘルメット着用促進に向けて何が課題となっているのか,そしてどうすればその課題を克服し,ヘルメット着用が進むのか。また,そのためには学校,生徒,保護者が果たすべき役割について,一緒に考える機会をつくることができればというふうに考えております。 ヘルメット着用の推進を図るためには,子供自身と保護者が,そして地域が,自分の命を守るためには,ヘルメットをかぶらなければならないという意識を持つことが大切でございますことから,教育委員会といたしましても,地域や家庭との連携を図りながら,今後も継続して取組を進めてまいります。 ○議長(田鍋剛君) 伊藤弘幸議員。 ◆(伊藤弘幸君) それぞれの答弁ありがとうございました。 それでは,第2問目を行います。 先ほど防災対策部長からも前向きな答弁もございまして,この支援者名簿というのは大変重要なものでありまして,これをその地域の防災,学校校区の防災組織に保管していただく。また,片やふれあいセンターに保管をしていただく。 そういう中で大変重要なものでありますので,やはりこのことについては,本市としてもしっかりと保管ができる場所に。そういう中で指定避難所となっている,ふれあいセンターが一番いいのではないかと思います。 そういうことで,今後検討していただいて進めていただけるように,よろしくお願いします。 当初質問をするように予定をしておりましたけれども,防災対策部長より若干前向きの答弁もございましたので,この件については割愛させていただきます。 先ほどございました健康福祉部からの答弁ですけれども,この居住安定確保支援事業でございますが,各月ごとの居住安定確保支援事業の実績の答弁を先ほどいただいたところでありますが,事業を開始した令和元年10月から2年2月まではゼロでございましたものが,突然,この平成31年度の3月に216件も上がっています。 多忙なケースワーカーさんたちの負担軽減にもつながる事業ということでスタートしたわけでありますが,この事業スタート時からの実績は上がっている。この数字は上がっておりますが,実績の上がり方には,何か不自然さを私も感じたところであります。どうしてこのような実績となったのか,健康福祉部長にお伺いします。 また,令和2年度の実績は毎月上がっていますが,件数がこの4月から8月までの中で少しずつ下がっている,下降ぎみでありますが,このままでは目標の800世帯に達しないのではないかと心配しております。 本事業は重点施策でもあります。この事業予算は平成31年度565万2,000円,令和2年度1,134万2,000円を議会として認めているところでありますが,ケースワーカーの負担軽減にもつながることです。 費用対効果の面からも福祉事務所として,どのように取り組んでいるのか,健康福祉部長にお伺いをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 居住安定確保支援事業につきまして,第2問をいただきましたので,お答えをいたします。 先ほども申し上げましたとおり,本事業は令和元年10月に委託業者との間で契約締結をいたしまして,福祉事務所内で業務運営マニュアルを整備した上で,各地区担当のケースワーカーが対象世帯を順次訪問し,制度の御説明と利用勧奨を行うといった形で事業開始をしております。 担当ケースワーカーが個別に利用勧奨をする中で,高齢世帯においては,例えば安否確認と併せて,家主が集金に行くといったルールができていたもの,また既に自動送金システムを利用しているといった勧奨を行っても,マニュアルどおりに制度利用につながらない事例も多くございました。 特に,住宅扶助を不正に流用しまして家賃の滞納を繰り返すといった世帯等につきましては,相手方に対しまして制度への理解,また同意を得ることの期間を要することなど,件数に反映されるのに一定の時間を要したものと考えております。 一方,対象件数が伸びてございます本年4月以降の運用におきましては,少し遡りますけれども,平成18年3月に厚生労働省から最初の通知が来ております。 これは住宅扶助の代理納付に係る留意事項についてといった通知でございますが,これが今年の3月に,家賃等を滞納している被保護者については,この制度を積極的に活用されたいといった文面が,原則,代理納付を適用されたいと,一歩踏み込んだ改正がなされたことも受けまして,既存の世帯はもちろんですけれども,新規の保護開始時にも一定数を占めております,家賃滞納世帯等への制度利用を確実に行いまして,より適正な住宅扶助につなげることとしております。 また,この事業の費用対効果でございますが,4分の3の国庫補助財源がございまして,平成31年度から,先ほど申し上げましたプロポにより選定しました委託業者と契約しているところですけれども,この1年半の契約に係る実質の市の負担額は,委託料の4分の1ですから424万円となっております。 これによりまして得る効果といたしましては,住居の貸主からケースワーカーに寄せられる苦情相談,またそれに伴う被保護者への訪問指導の軽減が一定図れていること。さらには,生活保護受給者の家賃を確実に貸主に支払うことが担保されるといったことなどから,25%という高い目標には届いてございませんが,一定の成果は評価できるものと考えております。 今後とも継続して適正な住宅扶助の支給とケースワーカーの負担軽減に向けまして,目標に向けて粘り強く取り組んでまいります。 ○議長(田鍋剛君) 伊藤弘幸議員。 ◆(伊藤弘幸君) どうもありがとうございました。 先ほど答弁をいただいた居住安定確保支援事業については,第2問で質問させていただいて,答弁もいただいたところですけれども,この件については,また厚生常任委員会等で。また要支援者名簿のデータの件についても,常任委員会のほうで,ともに今後深掘りさせていただいて進めていきたいと,こう思っておりますので,よろしくお願いいたします。 以上で,私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(田鍋剛君) この際暫時休憩いたします。  午前11時54分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後0時59分再開 ○副議長(吉永哲也君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 はた愛議員。  〔はた愛君登壇〕 ◆(はた愛君) 日本共産党のはた愛でございます。個人質問を行います。 まず初めに,コロナによる医療崩壊を回避するための対策を求めて,質問をいたします。 インフルエンザ予防接種について,まず伺います。 国は先日,コロナ禍の医療,介護等福祉機関で,コロナとインフルエンザの同時発生という混乱を防ぐために,高齢者や医療従事者などの優先順位を示し,インフルエンザの予防接種の要請を全国都道府県に行いました。 発生する自己負担についても,国が責任を持つべきと思いますが,市長の認識と国への対応をまずお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) まず,コロナ禍の中での今年の例年のインフルエンザがどうなるかということが注目されていますが,まず今年の例年のインフルエンザのワクチンの量ですけれども,最大で約6,356万人分と,過去5年間で最も多い量を今ストックしている状況にあります。 本市としても,新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの流行とが重なることが懸念される中で,ワクチン不足等の状況も予測されますので,全国市長会から9月9日に,特に厚生労働省等に関しまして緊急の要請をしたところです。 3点ありまして,1点目,国の責任において,ワクチンの安定供給の対策を講じること。2点目がワクチン供給の逼迫等により混乱が生じることがないよう,優先的な接種対象者等の需要を勘案した,地域ごとのワクチンの供給策を早急に検討すること,いわゆる県別にという意味です。3点目が,本年のインフルエンザ予防接種の特殊性を十分勘案し,国の主導的な役割の下で,必要な対策を講じること,これは財源も含めてという意味です。この3点を緊急要請しております。 インフルエンザの予防接種の自己負担につきましては,予防接種法によります法の規定がありまして,それに基づきますと,重症化しやすいとされます65歳以上の高齢者や60歳から64歳までの方については,心臓,腎臓,呼吸器の機能障害がある方などを対象としまして,この部分につきましては公費で負担をしておりまして,県内の委託医療機関において,10月1日から1人1,100円の自己負担で接種ができることになっております。 一方,それ以外の方々につきましてですけれども,予防接種法では,その全額が自己負担となりますが,その中では,例えば日本感染症学会が優先的に接種すべき対象者として推奨しております医療従事者,基礎疾患を有する方等が,この自己負担の中にも含まれている状況です。 国民の命を守り,必要な医療体制を確保するためにも,重症化しやすい高齢者や,優先的な接種対象者とされます医療従事者等については,希望される方が接種の機会を逃すことのないよう,国の責任において,必要な措置が講じられるべき必要があるものだというふうに考えております。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 全国民に対して,どう責任を果たすかということで,昨日の閣議決定でコロナ対策に対する追加の補正予算,予備費から1.6兆円の予算が組まれるということが決定したようですけれども,その中にインフルエンザ予防接種に対する自己負担の軽減策,これに対する財政措置というところは,国は明確にしておりません。 やはり自治体が頑張っていくというところに立たないと,インフルエンザとコロナが同時発生をして,医療崩壊に陥るというリスクを高めますので,高知市にはぜひ頑張っていただきたいと思います。 国がしない場合,急ぐ事態ですので,高知市の独自の負担軽減措置を行うべきではないかと思いますが,市長の判断をお聞きいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) インフルエンザですけれども,予防接種法でそれぞれ接種の義務とか任意の接種とかが,かなりきめ細かく決められておりまして,またどういう予防接種が必要か,それが任意接種の場合は基本的に自己負担となりますので,内容が全て決められています。 インフルエンザは,特に定期接種の対象となる65歳以上の高齢者や,先ほどの基礎疾患のある方の重症化リスクが高く,今年は新型コロナウイルスの感染症と同時に発生する可能性もありますので,地方側がどこまでそれを支援していくかということは,県,市ともに一つの課題であるというふうに考えております。 高知市では,このコロナとは別でしたけれども,今年度当初予算に1歳から中学校3年生までのお子さんを対象としまして,議会からの御要望等もありましたので,一部助成をする制度を既に本年度から実施をするということにしておりますけれども,それぞれ対象者の方々に定期の接種の券を送る必要があるので,10月1日からというような,そういう準備が半年ぐらいかかりますので,今年度後半からということになっております。 既に本年度から一定のそういう支援を行うことになっておりますが,定期接種の対象となります65歳以上の高齢者につきましては,広域化の予防接種としまして,高知県下で一律に委託契約されている状況にあります。 県下で統一の料金とする対応が必要になりますので,高知県と具体的な協議を行っているところでございまして,高知県のほうでも,また9月議会の中で何らかの発表をされるというふうにも聞いております。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 市長がおっしゃられたように,子育て世帯への負担軽減ということで,この間もインフルエンザの予防接種の負担軽減を今年の当初予算にも入れられて進められていると。 その点は大変評価をしているんですけれども,当初想定していなかった医療崩壊という緊急事態という情勢ですので,ここは国待ち,県待ちではなくて,高知市独自でも特段の配慮をしていただきたいと思います。 全国の自治体を見ましたら,もう既に9月市議会定例会で予算を決めている自治体もあります。 例えば,千葉市,新宿区,岡山市,延岡市などはもう既に市独自で,区独自で予防接種を全市民対象に行うと。また,リスクのある方を選んで行うということで,独自の取組をやっていますので,ぜひ研究していただいて,早急に手だてを取っていただきたいと強く要望しておきます。 次に,新たなPCR検査体制についてもお伺いをします。 県は県内の医療機関に検査協力を求め,民間の検査会社に直接依頼をする方法を増やすことで,検査体制の強化を図るとしています。 9月10日現在で県内で85か所,そのうち市内では37か所の医療機関が,新型コロナウイルスの検査機関として公表されています。 この新しい検査体制によって,検査する機能はどう改善するのか,健康福祉部長にお聞きをします。 ○副議長(吉永哲也君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 新型コロナウイルス感染症の検体採取ですが,これまで県内では21か所,高知市内では7か所の帰国者・接触者外来の限られた医療機関での実施となっておりました。 御紹介いただきましたように,このたび検査協力医療機関として公表された9月14日時点では,県内で93,市内では41まで増えてきております。 この各医療機関の1日当たりの検体採取数でございますが,医療機関の規模,体制等により異なりますが,検体採取のできる医療機関としましては,市内では約6倍に増えたということになっておりまして,こうした医療機関にPCR検査を担っていただくということで,県の衛生環境研究所でのPCR検査は,今後,主に濃厚接触者を中心に行うことが可能となります。 この県の衛生環境研究所では,現在,1日当たり最大216件の検査が可能となっておりますけれども,本市の検査のバックアップ体制として,PCR検査機器を今後導入する予定でございまして,合わせますと1日当たり最大264件の検査が可能となるということで,検査体制は着実に充実をしていくものと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 全体を見ても,また高知市保健所の体制を見ても,大幅に処理検体数を増やすことができるという状況になりますので,それをどういうふうに最大限感染予防に生かすかということが問われていると思います。 協力医療機関ができましたので,高知県は,新型コロナウイルス感染拡大防止事業費補助金交付要綱を定め,支援を行うとしていますが,内容は消毒への支援とか医療従事者への感染予防対策,またコロナ疑いの患者とほかの患者が混在しないような動線確保のための支援であって,医療機関が協力することによる風評被害だとか,それに伴う減収に対する支援はありません。 PCR検査協力の以前に,医療機関は既に減収をして,職員にもボーナスを出せないという厳しい状況があります。 例えば,長野県では,8月3日,自治体病院を持つ17の市や町の首長が,損失補填に対する支援を求めた要望書を県に出しています。自治体病院ですら大変な状況であり,民間病院も含め協力医療機関を支えていくということが急がれていると思います。 高知市においても,災害時と同様に,前年度の診療報酬の概算要求を今回も認めることなど,新型コロナ感染症の受入れに伴う損失補填にも補助をしていくことが必要な状況だと思いますが,その認識と対応を健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 御紹介いただきました診療報酬の概算請求につきましては,台風災害等によります診療録の滅失などの場合に概算による請求が行われております。 長野県の自治体病院を持つ17市町が,長野県知事に対して提出した要望書でございますが,急速に悪化しております各自治体病院の経営状況を懸念されまして,損失補填の仕組みの創設について要望を取りまとめたものとお聞きをしております。 先日,清水議員さんに市長からもお答えをしましたけれども,県内でも同様に,新型コロナウイルスの感染拡大に伴いまして,感染患者の受入れを行っております,高知医療センターの医業収益が大幅に落ち込んでおりますので,高知県新型コロナウイルス感染症対策事業費補助金のほか,各種の県補助金を活用しまして,病院運営の安定化を図ることとしております。 しかしながら,この補助金につきましては,感染症の指定医療機関や入院協力医療機関,そして疑い患者の受入れ協力医療機関を対象としたものでございますので,感染症患者を直接受け入れることのない医療機関等で活用することができません。 また,感染症患者の受入れの有無にかかわらず,風評被害や受診抑制に伴います医業収益の落ち込み分につきましては,現在活用できる県補助金では十分に賄うことは困難な状況でございます。 昨日,政府によりまして,今年度予算の予備費で新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる医療機関に対する新たな支援策が閣議決定をされておりますが,一方,直接感染患者の診療を行わない医療機関等に対する広範な支援策につきましては,今回は見送られております。 受診控えによる医療機関の経営状況の悪化につきましては,政府のほうでも問題視がされておりまして,引き続き直接診療を行わない医療機関を含めた幅広い経営支援策につきまして,協議を継続するとお聞きをしております。 また,現在,県におきましても,検査協力医療機関に対する新たな支援策のほうも検討しているとお聞きをしておりますので,本市としましても動向を注視してまいります。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 国も具体的に財源措置をしなかったと。県のほうの制度でも民間の医療機関の減収補填というのは,現状ではできないと。高知市もできないということを言われるんですけれども,全日本民医連の調査では,昨年との比較で3割の病院が,こういう医療危機である中で,ボーナスを引き下げなければならない。また,冬季のボーナスも出すことができないと,アンケートに答えているそうです。 現状のままだと,本当に病院がなくなってしまう。受入れすら,連携すらできなくなるというようなことになってしまいますので,この点については,当然,県に対しても国に対しても,高知市から積極的な働きかけをしていくことが大事だと思いますが,この間の協議の経過も含めて,市長にコメントをお願いいたします。
    ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 当然,現状は国も把握をしております。特に,対前年のレセプト,レセプトは大体1か月遅れで出てきますので,それでどのくらい去年と比べて減っているかというのが,一般病院,それと歯科,別々に比較をしておりますので,影響が出ていないところもありますけれど,基本的には2割ぐらい落ち込んでおりました。 また,歯科のほうも結構影響が大きくて,心配していましたけれど,一定戻ってきています。80%ぐらいでしたけれども,今は90%ぐらい戻ってきて,歯科のほうも戻ってきている状況があります。 それで,例えば医療機関で夏のボーナスを支給しなければいけないので,資金ショートになることを避けるという意味で,例えば国保中央会では,国保分に限ってですけれども,概算払いをしました。それは,ボーナスの資金手当てに充てるための概算払いをやっております。 また,各県の国保連合会では,現在,医療関係者に支援金が行きますが,あれは我々市町村は全然タッチしていないので,厚生労働省から直接依頼がありまして,各都道府県の国保連合会でその事務をやるということになっていますので,その事務を今やっています。 基本的には今戻りつつありますけれども,まだ影響があるので,貸付金は制度としてあるんですけれど,まだまだちょっと課題は残っているという状況です。 国に対しては十分働きかけをしておりますので,国は現状を承知しております。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 次に,医療,介護,障害者,保育施設などでの社会的PCR検査について伺います。 政府は8月28日に,新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組を発表しました。 感染が多数発生している地域での医療機関や高齢者施設などに勤務する方や,入院・入所者全員を対象に,一斉及び定期的な検査を都道府県に要請することを盛り込みました。 この間の自治体によるPCR検査の拡充をめぐっては,国は地域関係者の幅広い行政検査を可能とする一方で,実施するかは自治体任せ,費用も自治体負担としてきました。そのことが,検査の拡充が広がらない要因として指摘をされてきました。 今回は,可能であるから要請するとしたことは一歩前進ですが,当然,そのための財政措置が必要です。全国知事会は8月8日に緊急提言を発表し,国の負担による行政検査を求めています。 高知市では,8月,知的障害者施設でクラスターが発生,記者会見がありました。施設側は,3密回避,消毒,検温,マスク着用,体調管理と把握,それを強化し,感染予防を徹底していた。それでもウイルスは入ってきたと話されています。 施設側が悔やまれていたのは,PCR検査が遅れたという点です。当初6人の入所者が次々と発熱したとき,施設側が新型コロナではないかと尋ねたが,医師が軽い熱中症と判断したことによりPCR検査にならず,結果,入所者と職員,その家族を合わせて21名が感染し,1人が死亡するという事態となりました。 記者会見で施設理事長は,検査にたどり着けず,もどかしかった。クラスター化を防ぐために,早期発見のシステムをつくってほしいと話されていました。 この意見は非常に大事な指摘だと思います。この教訓をこれからの拡充された検査体制の中にどう生かしていくのか,本気度が問われていると思います。 あじさい園などの教訓から見ても,クラスター化や重症化を回避,低減させるための社会的PCR検査ができる環境整備が必要だと思いますが,保健所を持つ市として,危機対策本部長でもある市長の御所見をお聞きいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) あじさい園につきましては,段々お話が出ておりますように,施設側もかなりの対策を取っている中で発生をいたしましたので,その点を非常に注意して,我々も記者会見の発表を行いました。 記者会見の席上,マスコミの各記者の方々からは,例えば医師の判断だけで行うのはおかしいのではないかとか,医師の判断が遅れたのではないかとかという意見,質問が大分出ておりましたけれども,基本的には,最初に診察をします医師の医療的な見地に基づいて判断するということになっていますので,医師の判断が優先します。 そこの中身まではちょっと立ち入れなくなっているので,それはベースとしてはそういうものだということはありますけれども,ただ全体としてちょっと遅れたという印象はありますので,医師会の中で,それについては,それぞれまた意見を出し合っているということだと思います。 全国的には,例えば世田谷区ですけれども,一定公費負担でPCR検査を行うということが発表されましたが,実は世田谷区は人口94万人おります。100万人近い特別区です。 その中で感染の疑いのある有症者,また濃厚接触者の検査のほかに,介護や保育所等の接触を避けられない,いわゆるエッセンシャルワーカーですが,従事者に対して社会的なPCR検査を実施するということにしておりまして,対象約2万3,000人をやるというふうに発表されました。経費が約4億円かかるということになっております。 また,千代田区でも一定絞りながらやるということになっております。 この議論は記者会見でもよく言われますけれども,ただ感染リスクの低い方まで全て行いますと,偽陽性,本当は陽性ではないのに偽陽性の確率も高くなることはもちろんですけれども,検査された方は陰性でありましても,検査を受けた限りは,2週間の外出の自粛を求めることになっていますので,社会的な制約がかかります。 ある意味,高知県独自のやり方ではありますけれども,濃厚接触者とされた方は無症状でもやるということなんですが,それを原則としておりまして,我々は全てに広げるということを想定はしておりません。 昨日,閣議決定された中身に,国からは感染した場合に重症化のリスクが高い高齢者や持病のある方を対象にして,一応限定ではありますが,市町村がPCRの検査をした場合の半額を助成するスキームというのが,昨日の閣議決定の中で入っているように聞いておりますが,まだちょっと詳細が分析されていないので,この中身を分析しながら,県と連携をして対応を検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 国も半分というところですけれども,財政措置をするということですので,しっかりこれについては,市の負担もありますけれども,大事なことですので,確実に進めていただきたいと要望しておきます。 次に,熱中症対策について伺います。 高知市消防局の報告では,今年の6月から8月15日までの熱中症の発症は93件です。昨年同時期との比較では,昨年の発症が109件で,今年のほうが少ないのですが,内容の違いに注目をしてほしいです。 年齢別で見ると,75歳以上での発症割合が昨年は31%でしたが,今年は44%へと増加に転じ,症状の程度では,昨年は軽症者が94%で,今年の軽症者は68%に減りましたが,問題なのは重症の手前である中等症が5%から今年は31%へと増加をし,重症化傾向にあるという点です。 また,屋内作業の労働者の熱中症者は,3名から7名に増加しています。一方で,学校にエアコンが整備されたことから,教育機関の熱中症者は7名から3名に半減しました。これはエアコン整備の効果が現れたものだと考えます。 このように,高齢化,重症化,屋内での増加,見逃してはならない変化が起きています。温暖化が年々深刻化する中,実態に合う対策が急がれると思いますが,現状は十分だと言えるでしょうか。 例えば,群馬県前橋市では,コロナで外出できない声に応えて,高齢者世帯にエアコン購入助成を行っています。今年の7月から上限10万円の助成事業を始めました。 前橋市の職員さんに経緯を伺うと,医師会からも高齢者世帯にエアコンの支援ができないかというお願いが寄せられていたことや,コロナにより,お年寄りの多くが外出もできない状況にあることから,独自財源で支援をすることを決定したそうです。条件は,65歳以上の非課税世帯でエアコンがないということが対象です。 高知市でもこのような事例も参考に,これから先の温暖化も見据えて,エアコン代や電気代への支援の検討を始めるときではないかと思いますが,健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 例年6月から8月にかけてが,熱中症が非常に急増してくる時期でございますけれども,高齢者が熱中症にかかった場合,若年層や壮年層に比べますと重症化リスクも当然高まりますので,高齢者の皆様への熱中症対策は,非常に重要であると考えております。 一方,熱中症対策におきまして,エアコン設置は効果的なものと,もちろん認識しておりますけれども,高齢者の方々のよろずのお困り事をお受けします地域包括支援センターには,エアコンがなく,設置は経済的にも厳しいといった御相談は,現時点では寄せられておりません。 また,御紹介いただきました前橋市ですけれども,新型コロナによるステイホーム対策としまして,エアコン設置への新たな支援策を開始しております。 現在,中核市は60近くありますけれども,単独でエアコンの助成事業を実施しているのは,現在,前橋市1市ということに加えまして,高知市の厳しい財政状況では,市単独による助成事業の創設は,非常にハードルが高いと考えております。 一方で,自宅にエアコン設備が設置されているにもかかわらず,高齢者御自身が使用を我慢したり,適切に利用されていないこと,また気温の上昇により失われた塩分や水分を十分に補給ができていないことにより,熱中症に陥るといったことは非常に問題でありまして,正しいエアコンの使用方法につきまして,広く啓発することが大切でございます。 1900年以降,総じて平均気温は上昇する傾向が続いておりまして,8月の平均気温を見ましても,平成30年度から3年連続で28度以上を記録するなど,厳しい状況下にございますので,高齢者に熱中症予防に関する正しい知識,また対策について積極的な周知を行いまして,夏の厳しい時期を健やかに過ごしていただくことができるよう努めてまいります。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 費用的にも難しいということですけれども,前橋市は上限10万円で,実際7月から現時点で申請書が出ているのが五十数件ということで,補正予算でこの制度ができたそうです。 当初は20件分,200万円しか予算を組んでいなかったけれども,結果的に50件ぐらいあったということで,予算は500万円ぐらいです。 本当にエアコンがなくて,買えなくて困っているという,限られていますけれども,一番そういう苦しいところに手を打つということをやっていますので,そんなに大きい規模ではなくて,本当に困っている方が借金をせずに,体調管理ができるような手だてを高知市も取って,研究していただきたいと要望しておきます。 次に,産業道路に設置された浸水対策の貯留管について伺います。 産業道路の下に設置している貯留管から水柱やマンホールの蓋が外れるという事態が,繰り返し起きています。 書画カメラお願いします。 この写真は,7月24日朝9時前,入明立体交差点の北側にありますコスモのガソリンスタンドのある道路上,産業道路から雨水が大噴出をした写真です。 写真を撮った方の許可を得て載せていますけれども,動画でも見られるようになっていますが,本当に動画で見ていただいたら危険性というか,大変な状況がもっとリアルに分かると思います。本当にガソリンスタンドの屋根近くまで吹き上がっている状況です。 それと,これが先ほどの吹き上がった水柱から200メートルぐらい東側へ進んだこれも交差点,四差路です。車も人も通る歩道の上にあるということが分かります。横断歩道の上にありますが,そのマンホールが外れていると,地元住民が警察に通報して,警官が安全確保をして,その後,市の職員が駆けつけてくださったというところの写真です。 書画カメラありがとうございました。 この貯留管は,一昨年前にできたばかりで,宝町から弥右衛門公園までの約2.7キロメートル,産業道路の地下に直径3.5メートルで,貯留総量は2万6,400トン,25メートルプールで約70杯分です。約50億円で建設,設置されました。 今回の事態について,担当する上下水道局からは,豪雨が原因で空気の逃げ道がなく,その圧力で噴出したのではないか。また,別の箇所で,動くはずのないマンホールの蓋が外れた。貯留管には新たに9か所マンホールをつけたが,そのうちの6か所で雨水の噴出が確認できた。全国的な課題にもなっている現象で,対策手法が確立されていない状況ですが,他都市の事例も収集しながら,噴出の低減策を検討していきたいとの報告を受けました。 当時の噴出前直近1時間の時間雨量は,県庁設置の雨量計では78ミリメートル,比島にある気象台の雨量計では63.5ミリメートルでした。高知市では珍しくない規模の降雨量です。それでも,できてから繰り返し,今回だけではなくて昨年もですけれども,こういうことが起きていると。 どうして繰り返し起きるのか,そもそも構造的に問題があるのではないかと,地域の皆さんも心配をしています。 供用開始後の実態と併せて,今回はどのような調査がされ,空気圧はどれだけかかっていたのか。また,今後の対策のめどは立っているのか,上下水道事業管理者にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(山本三四年君) 江ノ口雨水貯留管は,平成29年度末に全面供用を開始しておりますが,今回のような雨水の噴出につきましては,令和元年10月3日に,地元住民からの通報により初めて認識をしております。 それ以降は,強い降雨に合わせて本市職員が巡視を行い,状況確認に努めていたことから,7月24日の雨水の噴出が発生したときには,現地でその状況を確認するとともに,周辺のマンホール1か所で蓋のずれを確認できたため,通行車両に対する安全措置を取っております。 御質問をいただきました空気圧につきましては,推定することが困難でありますが,電話による通報や周辺住民への聞き取りの情報収集を行い,雨水の噴出が確認をされた計6か所のマンホールでは,同様の事象が発生していることも懸念されたため,周辺のマンホールも含め,直ちに点検実施を行い,異常がないことを確認しております。 また,御指摘の水柱につきましては,貯留管から空気を排出するためのマンホールの格子蓋などで,排気が雨水を巻き上げて交通に支障が生じておりますことから,雨水の噴出があった6か所につきましては,車両の通行に危険を及ぼすような水柱の発生を防止するために,早急に排気口の追加や排気場所の変更などの対策を行っていくこととします。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 今回の現象について,空気圧,どれだけの圧力がかかってしまったのかということについては,分からないということですけれども,その点は非常に問題を感じます。 どういうことが起きたのかということが,科学的に検証されないで確かな手だてというのは取れるのかと,住民は納得できないと思います。 まず,認識として上下水道事業管理者に聞きたいんですけれども,マンホールから水があふれることは,可能性としてはあるケースかもしれませんけれども,先ほど写真で映したような,あんな規模で水が噴き上がることだとか,横断歩道上の外れないはずのマンホールが外れるということは,私はあってはならない現象だと思いますが,まずその点の認識をお聞きいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(山本三四年君) 御指摘の車道で雨水が噴出するとか,蓋が外れるということがあってはいけませんので,対策としましては,歩道側の安全なところに排気口を設けながら,車道については,それがないように今後対策をしていきたいと思っています。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) あってはならないことが起きているということなんですけれども,そもそものことで,高知市民にとったら,そんなに目立つほどの珍しい豪雨ではなかったという状況ですので,設計だとか工事のときに,こういう圧力がかかることをどれだけの降雨量,何ミリメートルを想定して大丈夫だということで造ったのか。 その降雨量何ミリメートルを想定したのか,その点を上下水道事業管理者にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(山本三四年君) 御指摘の貯留管につきましては,1時間当たり計画降雨強度77ミリメートルの降雨を想定し,設計,工事を行っております。 今回発生した現象につきましては,大量の雨水が貯留管に急激に流入したことから,貯留管内で圧縮された空気が,分水施設に流れ込む雨水を巻き上げながら,一気に排出されたものであると考えております。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 設計して1年半,2年もたたずしてこういう事態が起きると。高知市だけではないですので,書画カメラお願いします。 全国でも同じような貯留管からの噴出事故が起きております。これは高知市と同じ今年の7月,高知市は24日でしたけれども,岐阜市は7月8日に豪雨が発生して,地下に設置されていた貯留槽から雨水が同じように噴出して,ちょうど市道上にいたワゴン車が,人を3人乗せたまま吹っ飛ぶという事故があったそうです。 岐阜市の担当職員さんにお聞きをしましたら,当然,車両また身体への影響もあっていますので,そういう賠償費用,あと工事を修繕する費用は,多額の費用がかかってくるだろうということを言われておりました。 噴出事故がこういうふうに各自治体で起きて,高知市は幸い,人身的な事故につながってはいないですけれども,いつつながってもおかしくない道路の交差点で,また横断歩道上というような事態でしたので,大変なわけですけれども,その改善費用というのも各市町村,自治体が見てきたわけです。 そもそも安全性とか品質を保証するための安全基準が,この事業にはちゃんとあるのかと疑ってしまいますけれども,その点について,上下水道事業管理者にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(山本三四年君) 貯留管から雨水の噴出防止に関する安全基準につきましては,水の流れと異なり,空気の動きを予想することは難しく,貯留施設や分水施設の構造,また雨水の流入量や降雨条件など複合的な要素があるため,全国一律の基準は設けられていないのが現状でございます。 一方,マンホール蓋の安全基準につきましては,平成11年に旧建設省が設置をした下水道マンホール緊急対策委員会で取りまとめられた,下水道マンホール安全対策の手引き案に基づき,蓋の耐圧力や開口面積などを本市の仕様として定めております。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 貯留管については,全国的に調査をしても,国に調べても,明確な基準がないということが答弁で分かりましたけれども,この貯留管事業というのは,国が自治体に勧めてきた事業,工法です。 こういった事故が繰り返し全国的に起きているのは,重大な問題です。安全基準の確立だとか,現在起きている不具合に対する修繕費用も,当然,国に責任を果たしてもらう必要があると思いますが,その点の認識と国への対応を上下水道事業管理者にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(山本三四年君) 雨水貯留管は,浸水対策の手法の一つとして推奨されているもので,本市でも1時間30ミリメートルを超えるような降雨で度々浸水被害が発生をしておりました北江ノ口地区で初めて採用いたしましたが,平成29年度末の供用開始以降にあった1時間70ミリメートル前後の降雨でも浸水被害の報告はなく,その効果を発揮しているところでございます。 今回の雨水噴出対策につきましては,貯留管方式の採用や雨水を取り込むための施設の詳細な構造などを本市で検討し,決定したものでございますので,対策についても,本市で早急に進めてまいりたいと考えております。 また,今回のケースは国への報告が必要な事故には該当いたしませんが,一歩間違えれば,通行車両に危険を及ぼす事態となる可能性があったことから,他都市で同様の事態が発生することを防止するためにも,本市の事例を国に情報提供してまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 基本的には市で決めたので対応するということですけれども,例えばよくある自動車なんかは,不具合があちこちで起き出したらリコール,そういう対象になって,検査対象に国もしなければならないと思います。 同じように,この新しい貯留管工法もあちこちでこういう人身事故,そうでなくても大きな事故になっているわけですので,しっかりと言っていただきたい。 それと,空気圧が分からないというような状態では,手だてが十分かということも担保できないと思います。 なので,当然,高知市で対応するなら,市として専門家も入れた事故検証をしていただきたいと思いますが,その点について上下水道事業管理者にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(山本三四年君) 市単独でこの空気圧のメカニズムを解明するのは,なかなか難しいだろうというふうに思いますので,県を通じて国のほうに情報提供をしながら一緒に考えていきたいというふうに考えております。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) ぜひ事故の検証を専門家も入れてしっかりとやっていただきたい。国に対しては,このままこういうことが続いていけば,今は事故という扱いですけれども,リコールと同じような事件になるのではないかと。 それだけ全国で困っているという状況ですので,高知市もその被害を受けている。 この事業を導入したことによって,こういう目に遭っているわけですので,市民を守る立場で,国や県にしっかりと調査協力も求めていただきたいと要望しておきます。 次に,新庁舎3階の議会棟の雨漏りについて伺います。 書画カメラお願いします。 議員の皆さんは見られていたかと思いますが,このできたばかりの本庁舎の雨漏りについて,こういう事態がありました。 その工事瑕疵の原因と今後の対応についてお聞きをしたいと思いますが,契約の瑕疵担保責任条項に基づいて,現在は施工企業の責任で修繕工事が行われたとのことですが,そもそも引渡し後,たった半年のこの本庁舎が雨漏りするという自体が,重大な問題ではないかと思います。 2年という瑕疵担保期間が切れて,すぐに同じような不具合が起きるのではないかという心配は,今回の施工実態からも拭えない事実となっています。このままだと,修繕費用は税金だという点も多くの市民が問題視をしています。 契約上の瑕疵担保責任期間は,2年を過ぎれば,通常,市側が費用を負担しなければなりませんが,本来は庁舎工事を請け負った企業である大成建設や大旺建設のJV企業体が,工事瑕疵に対する説明責任や調査,改善工事の責任を負います。 契約上,瑕疵担保期間は2年とされていますが,住宅等の建築物は一般的に公共建築であっても,瑕疵担保期間は基本10年とされています。 品質保証は庁舎であれ住宅であれ,同等だと考えてもおかしくありません。その点を考慮した契約を結ぶことも法律上はできることであり,今後も同類の工事瑕疵による不具合があった場合は,その修繕費用の負担について,企業に責任を求めることも法律上も可能です。 市は発注者として施工企業に対し,今後発生する不具合のリスクが高い部分について,負担の在り方の協議を求めるという姿勢を示すべきだと思いますが,市長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 新庁舎におきまして,供用開始して半年後の本年7月6日及び10日の強い雨によりまして,議会棟の排煙,煙を出す排煙ですが,トップライト及び笠木のジョイント部分から雨漏りが発生をしたというふうに聞きまして,大変驚きました。 雨漏りの原因につきましては,調査の結果,いずれの箇所も屋上部分のシーリングの施工不良によるものであることが判明し,瑕疵担保責任に基づく受注者側の補修対応により,雨漏りを解消しております。 工事の瑕疵担保の期間ですけれども,全国的にばらつきがあるということではなくて,標準約款,標準的な契約によって定められておりまして,公共工事標準請負契約約款,これは全国的に使っているものですが,約款である請負契約書において,コンクリート造の建物の場合は2年,ただし瑕疵が受注者の故意または重過失により生じた場合は10年となっているほか,外壁の防水に関しましては,特記仕様書において,原則10年ということになっております。 今後も大雨や台風等の際には,雨漏りの発生等について特に注視し,外壁防水には含まれておりませんが,排煙トップライト部分等で,再度同じ原因による雨漏りが生じた場合には,受注者に責任を持って対応してもらう協議を進めております。 また,特記仕様書に基づいて,1年目及び2年目に工事全般についての瑕疵及び損耗,いわゆる減り方ですが,損耗に関する調査を行うこととしておりますので,建物全体をしっかりと点検調査し,瑕疵の早期発見を図り,不良箇所については,受注者による適正な改善や補修を要請してまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) リスクの高い部分は協議をしているということですので,しっかりと施工企業の責任を求めて協議していただきたいと要望しておきます。 今回のこの雨漏りですけれども,昨日の戸田市議も言われておりましたけれども,議場のマイクが壊れるだとか,あと今議会は,かるぽーとの修繕費用が4年間で40億円も計上されて,今後20年先の修繕費用を見積もれば,115億円規模だと言われています。 このことから分かるように,箱物には莫大な維持管理費がかかってきます。だからこそ,この庁舎の維持管理,修繕も適宜その実態を公表して,検証もしながら適切な管理をしていくことを強く求めておきたいと思います。 次に,コロナ禍の学校での学習権について伺います。 教育問題では,今コロナによって学校休業期間が2か月あり,それを踏まえてどう学習を進めるか,学校現場では,大変な苦労があるとお聞きをしています。 授業時間数確保のために授業づくりに苦慮しているとか,どこを削るか,これでいいのか,削ることにいつも悩んでいるという先生の声だとか,マスクで子供たちの表情が分かりづらいというような声もあります。 また,市教委が行った調査では,運動会,音楽会,文化・芸術などの通常行事の時期の変更や規模の縮小,中止が行われ,夏休みの短縮や1学期の中間テストも取りやめる。学期末懇談は夏休みに変更して実施をしたり,また1週間当たりの授業時間を1時間増やして,7時限目を設けるというようなことも行われてきました。明らかに過密スケジュールとなっています。 子供たちの状況については,8月,市民団体の中で,今年度に入学した1年生のお母さんから,初めての学校生活に慣れる時間も十分になく,子供に聞くと,疲れた,学校が楽しくないと言われたという声もありました。 詰め込み状況だと言わざるを得ません。これが仕方ないことではなくて,行政側がそうさせているというところに,今回は問題を感じます。 特に,中止となったはずの全国一斉学力テスト,市教委は学校への提案という通知を出して,各学校の判断で行うということに結果なりました。今,コロナ禍で優先されるべき教育環境とは何でしょうかという声が,あちこちから聞かれています。 5月15日の文科省の通知は,言いませんが,どういう趣旨かというと,無理な行事の見直しや詰め込み授業は避けることというふうにされております。けれども,今の高知市の学校現場の実態とは乖離をしていると。 今は詰め込みになっているという状況ですので,この実態との乖離,通知と実態との乖離について,教育長はどう認識しているのか,お聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 教育委員会といたしましても,子供たち一人一人の学びの保障を優先しつつ,学校行事なども含めた学校教育ならではの学びを大事にしながら,児童・生徒や教職員に過度の負担となることがないよう,教育課程の編成等について学校への助言,支援等を行っているところでございます。 本年度中止となりました全国学力・学習状況調査の対象である小学校6年生と中学校3年生につきましては,先ほど御紹介いただきました文部科学省の5月15日付の通知における特例的な対応で対象外とされている学年でございまして,本年7月に,文部科学省から配付された調査問題の活用につきましては,子供たちの学習の定着状況を把握し,検証,改善を図るための貴重な資料となるものでございます。 御指摘の調査問題の自校採点結果の提供は,調査問題の活用において,各学校の判断で模擬的に調査を実施した学校から自校採点結果を任意で提供いただいた場合に,教育委員会において集約をしまして,教科及び設問ごとの平均正答率を教育委員会において算定し,子供たちへの指導の際の参考資料としていただくために,学校に返却をするというものでございます。 なお,学校に対しましては,市教委のかがみ文を付した上で,国,県からの通知文を全て送付をいたしておりますので,各学校では全体を把握した上で適切に御判断いただき,その結果が,今回の実施につながったものであるというふうに考えております。 このように,決して全ての学校に調査の実施を押しつけるものではなく,新型コロナウイルス感染症対策を行いながら,子供たちの学びの保障に全力で努めている学校に対しまして,子供たちの学力定着状況の把握と検証,改善のための支援の一つとして行っているものでございます。 教育委員会といたしましては,今後におきましても,学校に対して多面的な支援を行ってまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 学校が判断してやったといえども,市教委がどこを向いて仕事をしているのかと。中間テストもできないような学校で,こういうテストがあるということは,本当に方向性を見直していただきたいというふうに強く思っております。 コロナの中で学校は,さらに学校の先生たちは,毎日30分から1時間かけて消毒作業をしているというふうにお聞きをしています。 消毒作業について,教員の専門的業務に本来は支障が出ないように支援をしていく必要があると思いますが,教育長にお聞きをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 学校現場における消毒作業につきましては,教員のほか,高知市が配置しております教員補助員でありますとか学校図書館支援員,教員業務支援員などの職員も,新型コロナウイルス感染症拡大防止のために取り組んでおります。 また,学校再開に向けて準備を進めておりました本年5月には,学校用務員に対して,学校長の指示に従い,必要な施設や物品の消毒を行うよう通知をし,教員の負担軽減を図っております。 あわせて,コロナ禍における子供たちの健やかな学びを保障するために,文部科学省の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における学びの保障のための人的・物的体制整備に係る予算を活用いたしまして,新たに10名の教員業務支援員の配置を予定いたしております。 学校において,学校の衛生環境を良好に保つことは,特に新型コロナウイルス対策が必要とされる現在,児童・生徒の教育活動を支える上で欠かせない取組でございます。 今後も,学校用務員や教員業務支援員の力も合わせながら,学校全体で,1日1回以上,児童・生徒が触れることの多い共用部分の消毒を行ってまいります。 ○副議長(吉永哲也君) はた愛議員。 もう質問は駄目です。まとめてください。 ◆(はた愛君) 教育長の答弁で,教員業務支援員を10人確保されたということで,ありがたいことだと思いますが,学校現場は,お聞きをしますと,本当に人手が足らないので,通常の授業を削るということをしていると。保護者からは,そういう授業でいいのかという声もあると。 本当に板挟みの中で過密スケジュールになって困っていますので,10人といわず,本来は正規の職員さんを増やすということですので,県に対して言うことと,高知市でできるということで教員業務支援員を10人以上また増やしていく努力を求めまして,私の質問とします。 以上で終わります。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。  〔高橋裕忠君登壇〕 ◆(高橋裕忠君) 自由民主党,山嶽会の高橋裕忠です。通告に従い,質問をさせていただきます。 質問に先立ちまして申し上げます。先日,海治議員より,自由民主党の菅総裁と私が同じ大学の出身であることを御紹介いただきました。先輩どうもありがとうございました。 ほかに同大学の出身者としては,宅八郎,梨元勝,大森うたえもん,江川卓,そして江本孟紀の諸氏を先輩と仰いでおります。 したがって,自分で言うのもなんですが,今回の質問内容につきましても,一癖も二癖もあるものとなっておりますことを初めにお断りさせていただきます。 あれ,尾木ママはと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが,教育評論家の尾木直樹氏は,松島副市長の先輩でございますので,申し添えさせていただきます。 では,初めに防災対策についてお伺いします。 新型コロナウイルスの感染拡大により,各種の集会やイベントが中止または規模が縮小されるなど,市民生活にも大きな影響が出ております。 自主防災組織の行う防災訓練や学習会についても,感染拡大の防止を図りながら,地域の防災力を高めていかなければならないということで,自主防災組織の役員の方々には,試行錯誤をしながら手探りの状態で活動を行っておられることと思います。 そこで,自主防災組織の活動量や活動の内容について,どのような変化が起こっているのか,防災対策部長にお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 松村防災対策部長。 ◎防災対策部長(松村和明君) 自主防災組織の活動につきましては,これまで年度初めの4月から多くの団体が総会を開催し,活動内容を決定しておりますが,今年度は新型コロナウイルスの感染拡大により,小学校単位の自主防災組織連合会38団体のうち,23団体が総会を書面で,13団体が時期を遅らせるなどして開催し,2団体が調整中となっており,これまでの形式を変更して,今年度の活動を開始しております。 自主防災組織が行う資機材整備,学習会及び訓練などに活用できる高知市自主防災組織等育成強化事業費補助金の交付決定件数も,本年8月末時点で76件で,昨年同時点の118件から42件の減少となり,対前年度比64.4%となっております。 申請の内容も,防災資機材の整備補助は18件で,昨年度の22件と比較して少しの減少にとどまっているのに対し,資機材整備以外の学習会や防災訓練等の件数が58件で,昨年度の96件から大きく減少しております。 地域の自主防災組織の会長さんからは,感染拡大防止のため,例年実施している大規模な避難訓練を取りやめ,感染症対策を行った上で規模を縮小して,役員のみの一部で避難所の開設訓練を行う予定や,3密を避けた防災講演会の開催を検討しているといった声が届いておりまして,団体ごとに工夫して防災活動の継続を図る取組が見られます。 また,事業中止により空いた時間を活用して,日頃なかなか取り組むことができていない,組織の後継者を育てるための人材育成に力を入れている自主防災組織があるなど,今回の事態を前向きに捉え,できることを地道に模索する動きも出てきているところでございます。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございます。自主防災組織の皆様の御苦労が,よく分かりました。 日常の自主防災活動については,新型コロナウイルスの感染が心配される状況にあっても,何らかの形で継続していただくことが必要だと考えます。 日頃の防災活動の積み重ねが,災害時の要援助者の避難支援や避難所運営の円滑化につながっていくからでございます。 そこで,防災対策部長にお伺いします。 新型コロナウイルスの感染が懸念される状況の中で,地域の自主防災組織の活動継続または内容充実のために,どのような支援をしていかれるのかお示しいただきたく,よろしくお願いをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 松村防災対策部長。 ◎防災対策部長(松村和明君) このような状況下での各団体のそれぞれ工夫した取組は,他の団体の活動の参考となるため,自主防災組織連合会38団体で組織する高知市自主防災組織連絡協議会におきまして,本年も8月から東西南北のエリアごとにブロック会を順次開催し,感染症対策を実施しながら活動を行っている事例について情報共有を図っております。 感染症対策としましては,本年4月に避難所における新型コロナウイルス等感染症対応マニュアルを作成し,自主防災組織の総会などで周知し,8月の高知市自主防災組織連絡協議会のブロック会におきましても,再度周知したところでございます。 また,自主防災組織の活動内容充実のために,本年8月には,市職員の実施する講演会の内容や地域の団体と連携した訓練,地域での防災活動への補助金などをまとめた自主防災組織防災活動の手引きを作成し,自主防災組織に配付をいたしました。 自主防災組織防災活動の手引きには,活動事例の紹介のほか,講習会のメニューとして,非常持ち出し袋と備蓄品や避難所運営マニュアルをテーマとした講習会も用意しておりますので,御家庭でのマスク,手指消毒液などの備蓄の必要性や,感染症対策を踏まえた避難所開設・運営についての周知,啓発を進めることとしております。 防災を取り巻く様々な状況の変化に対し,災害への備えを進めていくために,コロナ禍にあっても,自主防災組織の活動の継続と内容の充実が図れますよう,地域の皆様と連携し,活動を支援してまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございます。引き続き御支援のほど,よろしくお願いをいたします。 次に,臨時災害放送局についてお伺いします。 災害時に高知シティエフエム株式会社と協定を結び,通常放送を中断して本市の臨時災害放送局としての放送を行っていただけることは,私の6月議会での質問でお答えいただきました。丁寧な御答弁ありがとうございました。 さて,臨時災害放送局の開設に当たり,配置,選任が必要となる無線従事者は,電波法第39条第1項,電波法施行令第3条第1項によって,第一級陸上無線技術士,第二級陸上無線技術士または第一級総合無線通信士の国家資格を有する者となります。 これに対し,昨年1月30日に電波法施行令第3条第2項が改正され,コミュニティFM放送に必要な電波従事者は,事実上,第二級陸上特殊無線技士であってもよいという政令改正がなされました。 法令上の位置づけとして第二級陸上特殊無線技士は,第一級陸上無線技術士,第二級陸上無線技術士または第一級総合無線通信士の下位の資格に当たります。 自動車の運転免許で例えると,大型免許と普通免許で運転できる車の大きさが異なるように,無線技士の資格によって発することのできる電波の種類や強さが異なってまいります。 では,この政令改正で何が問題になるのか。政令改正までは,臨時災害放送でもコミュニティFMでも,従事する無線技術者の資格が同じであったものが,コミュニティFMに従事する無線技術者の資格が引き下げられたため,第二級陸上特殊無線技士しか置いていないコミュニティFM局は,臨時災害放送局に移行しての放送ができなくなるおそれがあるということです。 そこで,防災対策部長にお伺いします。 現在,高知シティエフエムに配置されている無線従事者の資格はいかなるものであるのか。将来的に退職により当該無線従事者がいなくなり,新たに無線従事者を採用しなければならなくなった場合,臨時災害放送局に従事可能な上位無線技術者を採用する約束ができているのか,お示しいただきたく,よろしくお願いいたします。 ○議長(田鍋剛君) 松村防災対策部長。 ◎防災対策部長(松村和明君) 高知シティエフエムラジオ放送で従事する国家資格を有する無線従事者は,現在,臨時災害放送局及びコミュニティFM放送局の開設要件に該当する第一級陸上無線技術士が1人,コミュニティFM放送局の開設要件だけに該当する第二級陸上特殊無線技士が1人でございます。 高知シティエフエム放送は,これまで国家資格を有する無線従事者の配置を臨時災害放送局の開設に必要な第一級陸上無線技術士1人と第二級陸上無線技術士1人の2人体制としておりました。 現在は,第二級陸上無線技術士1人が昨年度に退職されたため,臨時災害放送局の開設に当たり,配置が必要となる無線従事者の国家資格を有する者は,現在,第一級陸上無線技術士1人となっております。 しかしながら,高知シティエフエム放送では,臨時災害放送局の開設に常に応じられるよう,今後も二級陸上無線技術士以上の国家資格を有する従事者を2人体制とする方針でございまして,次年度,新たに第二級陸上無線技術士を1人雇用する予定ということを確認しております。 御質問いただきましたとおり,コミュニティFM放送局と臨時災害放送局とでは,開設に係る無線従事者の配置基準が異なりますので,無線従事者の確保状況につきましては,今後も高知シティエフエム放送に確認してまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございました。この点は,法令上大変重要な点でございますので,引き続き対応をよろしくお願いいたします。 次に,財産政策についてお伺いします。 本議会に提出の補正予算中の高知市上下水道局本庁舎移転整備についてお伺いします。 計画によれば,令和5年度より局新庁舎が供用開始されるとのことですが,移転整備後,現在の局本庁舎及び倉庫はどのようになるのか,上下水道事業管理者にお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 山本上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(山本三四年君) 御質問の上下水道局本庁舎及び倉庫につきましては,上下水道施設としての利用計画がないため,高知市公共施設マネジメント推進本部設置規程に基づき,今後,高知市公共施設マネジメント推進本部におきまして,市としての活用方法を検討することとなっております。 市としての利活用の計画がない場合には,上下水道局といたしましては,国,県への取得希望調査や民間への売却,貸付けの検討をすることになりまして,サウンディング型市場調査の実施なども視野に入れ,資産の有効活用の観点から様々な検討をすることとなります。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございます。 現在の上下水道局の本庁舎は,電車通り沿いにあり,土佐道路からも近いという交通の利便性が大変高い場所に存在をいたします。また,建物も大きく,潮江地区のランドマーク的な建物の一つでもあります。 そして,執務に当たる170人の職員を収容できるなど,事務所機能を有する建物としては,地区の中でも大変大きな部類に入ります。通信インフラも整備されており,光ケーブルを用いた県内最速の高速通信が可能なエリアでもあります。 重要事項説明書に南海トラフ地震の長期浸水地域にあることを記載しなければならないのは残念ですが,オフィスビルとしては,相当優良な物件の部類に入るでしょう。 もし,現庁舎を解体して更地にするのであれば,民間事業者にそのままオフィスビルとして譲渡することが,市の負担が少なくて済む場合もあると考えます。 そこで,現在の局の本庁舎と敷地をそのまま民間会社に売却をし,民間会社が使用すると仮定した場合,その民間会社から徴収するべき固定資産税は,およそどのくらいの額になるのか,財務部長にお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 上下水道局本庁舎は,昭和59年に建設をされた鉄筋コンクリート造4階建て,全体床面積約4,600平方メートルで,その敷地につきましては,登記地目は宅地,登記面積は約2,800平方メートルであります。 この建物について経過年数に応じた損耗の状況による減価,土地については路線価に基づき固定資産評価額を試算し,概算ではありますが,固定資産税額を算出しましたところ,年額で建物は約460万円,土地は約530万円となり,合計で約990万円となっております。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございます。 平成28年に策定されました高知市公共施設マネジメント基本計画によれば,今後40年の間に32%の本市公共施設の延べ床面積の削減を行うことを目指していますが,しかし建物や施設が廃止された後の具体的な処分方法については,当該計画書を読んでいて私は理解することができませんでした。 財政担当職員の皆様におかれましては,議会のたびに神経をすり減らしながら,歳入を図り歳出を抑制しながら補正予算を編成されておられますことに,心より感謝を申し上げます。 であるがゆえに,長期にわたって使われない遊休土地を増やすことは,本市の固定資産税収入の機会を失うことになるほか,経済活動の低下を招き,雇用の損失と人口流出につながる可能性があるのではないかと大変心配をいたしております。 公共施設の再配置について熟慮し,行政サービスの向上につなげていくことも重要ですが,適宜適切に売却するなどして本市所有の空きビル,空き地を減らし,土地の生産性を回復させる必要があると考えますが,財務部長の見解をお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 市が所有する施設で行政目的での用途がなくなるものにつきましては,対象施設や周辺施設の現状などを分析し,集約化,複合化などを検討するとともに,庁内での他の利活用の有無について検討し,庁内組織であります高知市公共施設マネジメント推進本部などにおいて,その取扱方針を決定しております。 その上で,庁内での利活用が見込まれず,遊休資産となった場合には,国や県での利活用や民間への賃貸,売却などを検討することとなりますが,遊休資産の利活用の検討におきましては,サウンディング型市場調査の実施による民間活力の導入について検討するなど,資産の有効活用に努めております。 また,売却方針が決定したものにつきましては,郵便入札やインターネットオークションを実施することにより,歳入の確保に取り組んでおります。 これらの取組によりまして,遊休資産の民間による利活用を促進することにもつながりますし,税収の増加なども見込まれますので,今後も遊休資産の売払いも含め,資産の有効活用による歳入の確保に取り組むとともに,公共施設の再配置を適切に実施することで,安全,安心で将来にわたり持続可能な公共施設サービスの提供に努めてまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございます。速やかに対応をしていただけますように,よろしくお願いをいたします。 もともと現在の局本庁舎の所在する地域は,南海トラフ地震における津波・長期浸水の想定地域として,人口の流出や事務所の移転が進んでおります。 今回の局の本庁舎移転により,さらに人口の流出やオフィスの転出の動きに拍車をかけてしまうことも考えられます。 地域住民の皆様にとっては,長年親しんできた局本庁舎が移転するという寂しさとともに,旧南消防署庁舎に引き続き,本市の施設が移転することにより,同地域に対する本市の防災対策が手薄になってしまうのではないかという不安感を与えてしまう可能性があります。 御家族の安全や企業の事業継続を考えるときには,津波浸水・長期浸水想定地域ではない地域に住居や事業所を移転させることは,至って自然な流れであろうと思います。 しかしながら,津波・長期浸水想定地域ではない地域への人口と事業所の移動が進めば進むほど,本市の都市機能に大きなゆがみを生じることにもつながりかねません。 本議会で上程されております一般会計補正予算にあります,横内小学校教室整備事業費に見られるように,津波・長期浸水の想定外区域への新たな公共投資を行わなければならなくなる一方で,津波・長期浸水想定地域のこれまで蓄積してきた公共投資が使われず,余剰になるという無駄を生じます。結果的に,本市財政を圧迫する新たな要因となると考えられます。 市長が就任以来,大変心血を注いでこられた浦戸湾三重防護事業は,津波浸水及び長期浸水想定地域の防災力を高め,安全性を確保し,本市全体の調和の取れた発展に資するために行われているものと私は理解しております。 今回の局本庁舎移転によって,現在の局本庁舎地域をはじめとする津波・長期浸水想定地域に対する防災対策が手薄になるものではなく,むしろ長期浸水地域からの具体的な救助救出計画の策定など,さらに対策を進めていることについて,当該地域の皆様に,しっかりとしたメッセージをお伝えすることが重要だと考えますが,市長の御所見をお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 南海トラフ地震等の大規模災害時には,高知市の全部局におきまして,市民の皆様方の暮らし,また命と財産を守る,そのことをベースにしながら対策を組んでおります。 また,本市施設のBCPもしくは設備等の応急対応,復旧対策をできるだけ速やかに実施をする必要があるという観点で,今般の上下水道局の庁舎の移転ということも,その範疇での計画ということになっております。 一方で,現在の上下水道局の本庁舎ですけれども,津波避難ビルの指定をしており,地域の皆様が津波から緊急的に避難をするための施設ということにもなっておりますので,庁舎移転後につきましても,引き続き津波避難ビルとしての施設の機能を利用できるようにしておきたいということも考えております。 高知市では潮江地域をはじめとします津波の浸水想定地域にお住まいの皆様の命と財産を津波災害から守るために,平成28年度以降取り組んでおりますけれども,いわゆる三重防護,これは国と県の事業になりますが,総事業費が約900億円,1,000億円に近いような事業費になりますが,三重防護を今着々と進めております。 完成時期は,今,令和13年度の予定ですけれども,できるだけ1年でも2年でも前倒しで完成するようにということを国に働きかけております。 これが完成しますと,いわゆるレベル1,昭和21年のような通常の100年から150年に1回の地震では,津波から高知市内を守れるということを国土交通省も表明をしております。 一方で,レベル2になりますと,一定の浸水の可能性はありますけれども,住民の方々が避難できる時間を一定確保することができるということになります。 津波からの避難では,津波避難ビル等に緊急的に避難した後,長期浸水の可能性もありますので,孤立化するということも想定しますけれども,三重防護がもしなかったとした場合に想定をした救助救出計画,一番最悪の場合の救助救出計画も策定をしておりますので,潮江エリアにつきましても,孤立をした避難者の皆様を浸水エリアから可能な限り早期に助け出す,救出をしていくという計画を立てております。 上下水道局の移転に伴いまして,地域住民の皆様が,潮江地区での命と財産を守るために,防災対策が後退するのではないかという御懸念がないように,高知市が推進している取組につきまして周知を徹底しながら,住民の皆様方の様々な御意見にも耳を傾けながら,共に安心して暮らせる防災のまちづくりを進めてまいりたいということを考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございました。救助救出計画など細心の防災対策を,ぜひ住民の皆様にも一層周知していただけますように,お願いをいたしたいと思います。 次に,林業政策についてお伺いします。 書画カメラお願いします。 鏡・土佐山地域における平成29年10月の台風21号による風倒木の処理につきましては,昨年9月議会の私の質問に対し,当時の高橋農林水産部長から,森林経営管理法に基づき実施される森林経営管理制度による森林整備,または高知県が設けております高知県造林事業費補助金を活用し,被害森林整備を行う方法の2つの政策によって処理をしていく旨の御答弁をいただいております。 書画カメラありがとうございました。 この2つの方法を用いた風倒木の処理が,どこまで進んでいるのか。また,全ての風倒木の処理に何年かかる見通しなのか,農林水産部長にお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 島津農林水産部長。 ◎農林水産部長(島津卓君) 平成29年10月の台風21号により,鏡・土佐山を中心に約42ヘクタールの森林の倒木被害が発生し,これらの被害を受けました森林の整備を促進するために,高知市では,2つの方法で森林整備を進めているところです。 1つ目は,風倒木被害が発生しています森林を含め,適切な経営管理が行われていない人工林について,公的管理を行っていく森林経営管理制度による森林整備です。 現在は,風倒木被害が発生している森林を含め,間伐等の森林整備が必要な森林の調査を進めており,昨年度に現地調査を実施した鏡地区の森林約68ヘクタールについて,森林所有者の意向を確認しており,同意が得られますれば,来年度以降に間伐を行う予定となっております。 また,本年度については,鏡地区の森林約122ヘクタールについて,現地調査を実施しているところです。 2つ目は,森林環境譲与税を活用した高知市被害森林整備事業費補助金でございまして,これは高知県が設けております被害森林整備への補助金である高知県造林事業費補助金について,標準事業費の100%まで高知市がかさ上げ補助を行うことで,森林所有者の負担軽減を図ることにより,昨年度は2名の森林所有者の方が本制度を活用し,鏡横矢地区と鏡小山地区,合計2.65ヘクタールの整備を行っており,本年度も鏡小山地区で0.71ヘクタールの整備が進んでいるところです。 続きまして,風倒木の処理期間についての御質問でございますが,森林の整備については,森林所有者の財産であり,所有者自らが財産管理として森林整備を行っていただくことが原則ではありますが,被害森林の復旧については,危険性が高く作業負担が大きいことから,通常よりも手厚い公的支援の制度を設け,森林所有者の負担の軽減を図っているところです。 しかし,当制度の活用については,先ほど御質問にありましたとおり,鏡・土佐山地区における被害面積である約42ヘクタールのうち,これまでに約3.4ヘクタールの整備状況となっています。 なお,被害後3年が経過しており,風倒木が一定のバランスを保っている中での処理は非常に危険な上,作業効率が著しく低いということを森林事業体からお聞きしているところです。 このため,森林所有者の御意向等もあり,短期間での処理見通しが立てにくい状況ではありますが,水源涵養などの森林の持つ多面的な機能を発揮するためにも,被害森林の復旧は重要事項でございますので,風倒木処理に係るかかり増し経費や事務経費への支援など,被害森林の整備に向けた対策の強化を検討してまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございます。 木材価格の低迷などによりまして,木材を伐採,搬出するコストと当該木材を売却して得られる収入を差引きすると,むしろマイナスとなるなど,山林の財産価値がなくなっている場合がございます。 その結果,所有者としても財産としての山林ではなく,むしろマイナスの遺産として考えられているために,遺産相続がおざなりになり,現在の所有者が誰であるのか分からない。また,所有者が判明したとしても,隣との境が分からないため,どこからどこまで手を入れたらよいのか分からないという所有者と境界の問題が,どうしても山林には付きまとってまいります。 対策として,平成24年4月から森林の土地の所有者届出制度が創設され,令和元年度においては,鏡地区で所有者の調査が行われたとお聞きしておりますが,本市が山林の所有者をどれだけ把握しているのか,農林水産部長にお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 島津農林水産部長。 ◎農林水産部長(島津卓君) 平成23年4月の森林法の改正により,24年4月以降,森林の土地の所有者となった方は市町村への届出が必要となっており,高知市には,制度開始から本年8月末までに359件,1,905筆分の届出がございました。 また,平成28年5月の森林法の改正において,市町村が統一的な基準に基づき,森林の土地の所有者や林地の境界に関する情報などを整備,公表する林地台帳制度が創設されており,本市においては,30年4月より運用が開始されております。 本市では,これらの制度を活用し,森林所有者の情報を管理しているところですが,その中には所有者が亡くなられた後,相続登記等がなされていないと思われる森林も多く見受けられます。 御質問にございます,真の森林所有者の把握については,森林経営管理制度を円滑に進めていく上でも重要でありますので,森林の土地の所有者届出制度の周知や窓口センター等で配付しております,おくやみのしおりによる届出の案内に加えて,森林経営管理制度における森林調査時に森林の所有者の探索を併せて行っていくことで,森林所有者の把握に努めてまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございます。引き続き対応をよろしくお願いをいたします。 山林の管理には,専門の技術者がどうしても必要となってまいります。令和元年度において,高知市森林組合の技術職員の3名の方に本市より人材育成に対する支援を通じて,現場対応力を上げられたという事例があるように,執行部におかれましても,人材の確保には大変心を砕かれているようですが,近年の風水害がだんだんと強烈なものとなっていることを考えますと,新たに風倒木の被害が生じ,マンパワー不足により処理が追いつかなくなる可能性も考えておかなければならないと思います。 風倒木の処理を進めるに当たって,林業従事者及び専門技術者の確保について,どのようになっているのか,農林水産部長にお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 島津農林水産部長。 ◎農林水産部長(島津卓君) 森林整備を行う技術者の育成につきましては,本市の森林施業を担う高知市森林組合の就業開始から3年目までの新規従業者を対象に,国の制度である緑の雇用と併せ,林業に従事する上で必要な知識と技能の習得に向けた制度を設け,現在まで延べ16人に対して支援を行いました。 また,風倒木の処理など高度な技術の習得については時間を要しますことから,昨年度から就業後6年目までの従事者を対象に,同組合内での技術の習得に向けたOJT,オン・ザ・ジョブ・トレーニング研修への支援により,これまで延べ6人の従事者の技術向上に対して取組を行いました。 風倒木被害を受けた森林を含め,間伐等の森林整備に対する補助制度は,今後,これまで以上に専門技術者の確保が重要となりますので,高知市森林組合に加えて民間の林業事業体に対しましても,森林整備に係る補助制度の周知や,林業従事者の技術力の向上に向けた支援策を今後進めてまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございます。林業に携わる皆さんの人材育成も大切な論点でございますので,引き続きよろしくお願いをいたします。 風倒木の処理に関しましては,本当に多くの時間と人手のかかる地道な作業でありまして,行政として事務を進めていく職員の皆様の御苦労も並大抵のものでないと拝察をいたします。 鏡川上流の山林が荒廃をすることは,巡り巡って市街地の環境の悪化や,災害発生につながっていく重要な課題でもあります。多くの市民の皆様に風倒木の処理をはじめとする森林管理の重要性を知っていただく必要があると思いますが,この点の広報,啓発をいかに進めていくのか,農林水産部長にお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 島津農林水産部長。 ◎農林水産部長(島津卓君) 森林は木材生産のみならず水源涵養や二酸化炭素の吸収,さらに防災機能や国土保全機能など多面的な公益的機能を持ち,私たちの安全で安心な暮らしづくりを支えています。 これらの機能を継続的に発揮させるためには,健全な森林を積極的に造成し,育成することが重要であり,平成31年4月からスタートした森林経営管理制度を通じ,森林所有者の皆様に森林管理の必要性について再確認していただくとともに,これまで手入れがされていなかった森林について,一定の条件の下で市が管理等を行っていくなど,森林整備をこれまで以上に推進していく仕組みが構築されたところです。 また,森林を循環的に利活用していくためには,消費者である市民の皆様に対して,森林の重要性や木材利用の推進などを積極的にPRしていくことも重要であると考えております。 これまでに,森林環境イベントである,もくもくエコランドや,広報紙等での広報・啓発活動を行ってまいりましたが,協働の森での交流活動など,様々な機会を活用して,森林管理の重要性についての周知を県や木材関係団体等と連携しながら今後進めてまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございます。市民の皆様に山への関心をもっと持っていただきますように,活動を引き続きよろしくお願いをいたします。 次に,経済対策についてお伺いいたします。 本年度に入り,新型コロナウイルスにより影響を受けた事業所,事業主の方々へ向けて様々な支援制度や補助金制度を創設し,そして,この議会において可決,成立をさせていただきました。 かかる支援制度は予算化をすればよいというものではなく,実際に事業をされている皆様が申請をして給付を受け,そして実際に使っていただくことが,何よりも大切だと考えます。 これまで成立した本市の新型コロナウイルスに対応した支援制度,補助制度の申込み状況と予算の執行状況につきまして,商工観光部長にお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) これまでの支援制度や補助制度の執行状況につきましては,まず幅広い業種を対象とする事業者支援給付金事業では,9月10日時点で1,062件の申請があり,うち877事業者に約1億2,600万円の給付を行っております。 また,宿泊事業者を支援する宿泊事業継続支援給付金事業につきましては,9月8日時点で,給付予定も含め計68件の宿泊事業者に対しまして,約6億900万円の給付となっております。 また,市内の旅館,ホテルに宿泊する際の助成制度,お城下に泊まろうキャンペーンにつきましては,大変御好評をいただき,受付開始後2日目で,ほぼ当選者枠に達し,最終的に当選者数を6,000人から1万人に拡大するなど,7月,8月の市内での宿泊の増加につながったところでございます。 そのほか,9月1日から募集を開始しましたテイクアウト・デリバリー等業態変更支援事業費補助金とECサイト等利用促進支援事業費補助金につきましては,9月10日時点で既にそれぞれ50件,41件の申請をいただいており,特にECサイト等利用促進支援事業費補助金は,受付2日目で予算枠に達する状況となったため,予備費を充用し対応しており,非常にニーズの高い事業であると実感しております。 現在実施しておりますそれぞれの支援策が,事業者の皆様の事業の継続や販路の確保につながり,本市経済の活性化に一定の効果が発揮できるものと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございます。商工観光部長のお話にもありましたお城下に泊まろうキャンペーンや,高知市ECサイト等利用促進支援事業費補助金などは,当初の想定を超える申込みがあり,市民の皆様や事業者の方々のニーズを的確につかんでおられるなど,市民の皆様から見まして大変頼もしく映り,本市行政の信頼性を向上させるものだと思います。職員の皆様の仕事ぶりには,大変頭の下がる思いです。 そこで,市民の皆様や事業主の方々の要望や御意見を施策に反映させるために,いかなる情報収集を行っておられるのか,商工観光部長にお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) 新型コロナウイルス感染症が各業界に及ぼした影響につきましては,各種団体から様々な御要望をいただいたり,実際に現場の声をお聞きし,大変厳しい状況にあると認識しております。 このような状況を受け,本市では事業者の方々の新型コロナウイルスの感染拡大の影響や支援ニーズなどを把握し,今後の施策展開につなげることを目的としたアンケート調査を,この7月から8月にかけ市内1,474事業者を対象に実施いたしました。 アンケート項目には,影響の有無や6月の対前年同月比の売上げの増減割合,そして行政への支援策の要望などを設けておりまして,現在,詳細を分析中ですが,回答いただいた内容を業種別に分析,整理するとともに,事業者の皆様のニーズを踏まえ,今後の施策展開につなげてまいります。
    ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございました。情報分析をしていただきまして,市民の皆さん,事業者の皆さんのニーズや要望が高いものにつきましては,予算の組替えや再予算化をしていただけますように,私からも要望をさせていただきます。 次に,地域振興についてお伺いいたします。 7月の臨時議会で可決,成立しました鏡・土佐山地域の高度情報通信環境整備促進事業費補助金につきましては,住民の皆様からの期待が大変高く,当該地域を回っておりましても,一刻も早い事業の完成を望む声が多く寄せられました。 そこで,当該事業の現在の進捗状況につきまして,松島副市長にお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 松島副市長。 ◎副市長(松島研君) お答えいたします。7月の臨時議会で御承認いただきました鏡・土佐山地域への光ファイバー整備事業でございますけれども,議会閉会日の7月20日から事業実施者の募集を行いまして,8月19日にNTT西日本を事業を実施する候補者ということで選定したところでございます。 これを受けまして,NTT西日本では,総務省の高度無線環境整備推進事業,いわゆるブロードバンド補助金ですけれども,こちらに対して補助申請を行っておりまして,現在,総務省におきまして,全国からの申請を審査中であるというふうに承知しております。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございます。光ファイバーの整備によりまして,これまでインターネットの速度と容量不足のために,当該地域に移住を考えながら断念をされた市外,県外の皆様にとっては,改めて当該地域で住居を探すきっかけになるものと考えられます。 高知市空家等対策計画によれば,鏡・土佐山地区の空き家率は,それぞれ19.3%,25.7%であり,ほかの地域よりも高い割合となっております。 この空き家を私有物としてのみ捉えるのではなく,社会資本として考えるならば,有効活用を考えることも行政の責任だと考えます。 高知市中山間地域空き家情報バンク制度は,まさにこうした観点から制度化され,運用されているものであろうと思います。 当該制度は,高知市のみならず,県内,県外の中山間地域,過疎地を抱える市町村で広く行われているものですが,貸手と借手,あるいは売手と買手を引き合わせるだけで,その後の賃貸,売買条件は不動産取引の知識や経験の乏しい当事者間で決めることとなり,後々トラブルに発展する場合が見受けられます。 光ファイバー整備を一つの機会として,宅地や農地,山林の取引に精通をした宅建士,行政書士等の専門家が関わる場面を増やしていくなど,当事者をサポートする体制の整備を図り,当該制度をさらに充実させていくべきであると考えますが,農林水産部長の御所見をお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 島津農林水産部長。 ◎農林水産部長(島津卓君) 高知市中山間地域空き家情報バンク制度は,高知市の中山間地域におけます空き家の有効活用を図り,中山間地域への移住及び定住促進並びに中山間地域の活性化を目的として平成24年度に制定し,地域内にある空き家物件に関する情報を移住・定住を御希望されている方々に提供するものでございます。 貸手,借手の希望内容が合う場合は,本市職員により双方が協議する場を設定いたしますが,契約に向けた具体的な協議に当たっては,御質問にありましたように,不動産取引に精通した宅建士等の専門家からのサポートが必要であると考えております。 本市におきましては,平成24年に高知県宅地建物取引業協会と全日本不動産協会高知県本部の3者にて,移住促進に関する協定を締結し,適切な取引業者の選定を依頼し,契約時における事前説明や適正な契約を締結することにより,入居後のトラブルの防止に努めています。 今後も,協定団体の皆様に空き家に関しての管理や活用についての助言等をいただきながら,空き家情報バンク制度の充実を図ってまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございます。引き続きよろしくお願いをいたします。 最後に,地域活性化住宅についてお伺いします。 本市市営住宅条例第8条の3によりますと,同居の家族に高校生以下の子供がいなくなった場合には,地域活性化住宅は退居しなければならない旨が定められております。 当該活性化住宅の入居者は,ほかの地域から転入をされ,学校のPTA活動等を通じ,地域とも深い関わりを持った方々でもいらっしゃいます。 子供の高校卒業後も引き続き地域に残っていただくことによって,地域活動の担い手が増え,ひいては地域振興につながるものと考えます。 地域活性化住宅を退居される方が,その後も当該地域で住み続けられるための枠組みについて,農林水産部長にお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 島津農林水産部長。 ◎農林水産部長(島津卓君) 本市におきましては,現在,土佐山平石地区に新たな地域活性化住宅の整備を進めており,子育て世帯を増加させ,地域のさらなる活性化に向けた取組を進めているところでございます。 この地域活性化住宅の主な入居要件といたしましては,入居時に中学生以下であった同居するお子さんが,高校を卒業するまでとなっておりますので,御質問にありますように,高校生以下の子供さんがいなくなった場合は,退居していただくこととなります。 鏡・土佐山地域における空き家の有効活用につきましては,先ほど御説明いたしました空き家情報バンク制度の活用のほかにも,例えば土佐山地域では,地域の交流人口の拡大に取り組んでおります土佐山アカデミーの事業の中で,地域の自然や住民の魅力を感じ,独自に空き家情報を収集し,地域の空き家等を活用して移住されてきたケースも多くあります。 このように,地域活動への参画などの地域への溶け込みを通じて,お互いの信頼関係を構築することが,定住の促進には重要であると考えております。 今後,新たに地域活性化住宅にお住まいの皆様の意向も確認しながら,退居後も引き続き土佐山地域内に住んでいただけますように,地域内の空き家情報の提供など,本市の地域移住サポーターや各地区の皆様と連携を図りながら,定住支援に取り組んでまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 高橋裕忠議員。 ◆(高橋裕忠君) ありがとうございました。 以上で,私の全ての質問を終了させていただきます。 最後に,コロナ禍で大変多忙を極める中,時間を割いて私の質問に対し,真摯に答弁に関わっていただきました全ての職員の皆様に,心より感謝を申し上げまして,私の全質問を終わります。ありがとうございました。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(吉永哲也君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ,延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(吉永哲也君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて延会することに決定いたしました。 9月17日午前10時再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。  午後2時55分延会...