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09月15日-03号

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  1. 高知市議会 2020-09-15
    09月15日-03号


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    令和 2年第479回 9月定例会 第479回高知市議会定例会会議録第3号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第3号 令和2年9月15日(火曜日)午前10時開議第1  市第103号 令和2年度高知市一般会計補正予算 市第104号 令和2年度高知市国民健康保険事業特別会計補正予算 市第105号 令和2年度高知市収益事業特別会計補正予算 市第106号 令和2年度高知市国民宿舎運営事業特別会計補正予算 市第107号 令和2年度高知市水道事業会計補正予算 市第108号 令和2年度高知市公共下水道事業会計補正予算 市第109号 高知市立学校の学校医,学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例議案 市第110号 高知市印鑑条例の一部を改正する条例議案 市第111号 高知市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例及び高知市指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例議案 市第112号 高知市公設水産地方卸売市場条例の一部を改正する条例についての市長専決処分の承認議案 市第113号 秦中央保育園新築工事及び秦ふれあいセンター改修工事請負契約締結議案 市第114号 (令和2年度)令和元年度漁強化第1-1号春野漁港施設機能強化工事外1件請負契約締結議案 市第115号 (仮称)高知布師田団地の共同開発に係る団地整備業務委託契約締結議案 市第116号 訴訟の提起について 市第117号 調停の申立てについて 市第118号 令和元年度高知市水道事業会計利益の処分に関する議案 市第119号 決算の認定議案 市第120号 決算の認定議案 市第121号 決算の認定議案  ────────────────  本日の会議に付した事件日程第1 市第103号議案から市第121号議案まで  ────────────────  出席議員1番 浜口佳寿子君  2番 島崎 保臣君3番 甲木 良作君  4番 木村  亘君5番 神岡 俊輔君  6番 迫  哲郎君7番 はた  愛君  8番 細木  良君9番 岡崎 邦子君  10番 深瀬 裕彦君11番 長尾 和明君  12番 下本 文雄君13番 下元 博司君  14番 田鍋  剛君15番 岡崎  豊君  16番 近藤  強君17番 戸田 二郎君  18番 高橋 裕忠君19番 海治甲太郎君  20番 横山 公大君21番 大久保尊司君  22番 伊藤 弘幸君23番 氏原 嗣志君  24番 吉永 哲也君25番 清水おさむ君  26番 平田 文彦君27番 西森 美和君  28番 寺内 憲資君29番 川村 貞夫君  30番 和田 勝美君31番 竹村 邦夫君  32番 福島  明君33番 山根 堂宏君  34番 高木  妙君  ────────────────  説明のため出席した者      市長      岡崎 誠也君      副市長     松島  研君      副市長     中澤 慎二君      総務部長    森田 洋介君      防災対策部長  松村 和明君      財務部長    橋本 和明君      市民協働部長  谷脇 禎哉君      健康福祉部長  大野 正貴君      こども未来部長 山崎 英隆君      環境部長    今西 剛也君      商工観光部長  楠本  太君      農林水産部長  島津  卓君      都市建設部長  岡崎  晃君      教育長     山本 正篤君      上下水道事業管理者              山本三四年君      消防局長    本山 和平君      監査委員    細川 哲也君      財政課長    大北  新君  ────────────────  事務局職員出席者      事務局長    藤原  哲君      事務局次長   山崎 敬造君      庶務課長    谷村 守敏君      庶務課長補佐  田村 章代君      議事調査課長補佐              竹村 博和君      議事調査課管理主幹              中須賀広典君      秘書係長    西  理恵君      議事係長    池上 弘倫君      議事調査課主幹 森 美樹子君      議会庶務担当調整官              松下 智子君      書記      伊藤 剛大君  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午前10時0分開議 ○議長(田鍋剛君) これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 市第103号議案から市第121号議案まで ○議長(田鍋剛君) 日程第1,市第103号議案から市第121号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 川村貞夫議員。  〔川村貞夫君登壇〕 ◆(川村貞夫君) おはようございます。市民の皆様,新こうち未来の川村貞夫です。 台風の襲来が心配されるシーズンとなりました。9月6日には,台風10号が九州の西側をかすめて通過し,停電が各所で発生するなどの被害が報道されました。地球温暖化の影響で頻発する自然の猛威に苦しめられています。 今年も梅雨の時期,7月4日から九州・熊本県にかかった線状降水帯によって大雨が降り続き,一級河川の球磨川が,盆地である人吉市周辺,下流部の八代市で堤防が決壊したことで,多くの犠牲者が出ました。 日本三大急流と呼ばれている球磨川ですから,上流域に降った雨が洪水となって一気に襲い,避難に遅れが生じたことが背景にあるようです。 犠牲となられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに,被災された方々のお見舞いを申し上げます。 高知市を貫流します鏡川は,球磨川と違って県が管理します二級河川ですが,標高1,177メーターの工石山から31キロメートルの間に海抜ゼロメートルに一気に下る川は,球磨川以上に急流でありますから,堤防の決壊などには,十分注意を払わなければなりません。 ところで,中国,香港では,国家保安が適用される事態となり,日本でもおなじみの周庭さんが逮捕されるという不穏な動きが見られました。 翌日には保釈されたようでございますが,香港は高知市にとって,よそごととは思えない身近な都市であることから,大変気がかりであります。 日本香港協会が設立され,関係が密接であるだけに,今回の国家保安の行く末には心配するところです。 中国政府としては,一国二制度とはいえ,香港を自由にしておくと,中国共産党の支配のたがが緩むことで,台湾やウイグル,チベットなどの独立運動に発展するおそれがあるということでしょうか。 自由で民主的な考えの国とは違った形での治安や治国の在り方に心が痛みます。言論が圧殺され,人権が無視されることほど怖いものはありませんから,香港の動向は,今後も注視していかなければならないと考えます。 今年7月から,高知市の副市長に総務省から松島研さんをお迎えしております。松島副市長は,総務省では情報通信のキャリア官僚として,全国自治体のデジタル化や通信の高速化の課題に最前線で,精力的に取り組んでこられた方だとお伺いしております。 さらに,総務省では,現高知県知事の浜田省司さんが課長職として勤務されていたときに,課長補佐として御一緒に仕事をされていたという経歴からしても,本市にとっては得難い最良の方をお迎えできたと歓迎するところであります。 早速7月17日の臨時会において,中山間地域への光ファイバー敷設による,高知市高度情報通信環境整備促進事業に取りかかられました。長年,光ファイバーの整備を求めてきた私といたしましては,欣喜雀躍の境地であります。 7月の臨時会では議案審議だけでしたから,9月議会では,松島副市長に通信情報基盤整備,行政のデジタル化について,何点か質問させていただきます。 投影をお願いします。 ところで,私は,今議会,質問するに当たって,「決定版 5G 2030年への活用戦略」という本を読みました。この本でございます。著者は総務省の片桐広逸さんです。 同じ総務省の方が書かれていますが,松島副市長は,どのような評価をされているのか,まずお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 松島副市長。 ◎副市長(松島研君) おはようございます。 様々御質問いただきましたので,順にお答えします。 御紹介のありました「決定版 5G 2030年への活用戦略」の著者である片桐広逸氏でございますけれども,平成4年に当時の郵政省に入省されておりますので,私とは年次的に6つ上の先輩に当たるということになってございます。 こちらの「決定版 5G 2030年への活用戦略」ということでございますけれども,先生も御覧になったと思うんですけれども,この本の注釈にも,筆者の個人的見解を含んでおり,必ずしも筆者の所属する総務省の意思を代表しているものとは限りませんとの記載があるとおり,5Gの担当課長ではない片桐氏が,あくまで個人の見解として書かれたものであるというふうに承知してございます。 なお,私もざっと読ませていただきましたが,今御説明させていただいた性格の本でございますので,中身につきましての詳細な具体的論評というのは避けさせていただきますけれども,一般的に申し上げれば,5Gについて知見を得たい方にとられましては,一定程度有益なものじゃないかという印象を持っているところでございます。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 我が国は,新型コロナウイルスを契機といたしまして,一段とデジタル社会へのアクセルを踏み込んでいます。 政府の2020骨太方針にも,行政のデジタル化が中心課題として取り上げられました。 私の記憶に間違いなければ,森内閣のときにIT国家戦略を標榜し,取り組もうとしたのでございますが,首相自身がITをイットと読んでいたことから,力が入らなかったのでしょう。これまた失われた20年になってしまいました。 新型コロナウイルス対策として,全国民に一律10万円を支給しようとする特別定額給付金が国民の手に渡るまでに時間がかかったという反省もあることから,先進国並みの行政のスピード化を図ろうとしていることも背景にありそうでございますが,私は,今回の行政のデジタル化への波に,高知市は決して乗り遅れることなく,しっかりと捉えてほしいと考えます。 そして,高速・大容量の情報通信社会の実現によって,市民の価値観や生活様式まで大きく変わるチャンスとしなければならないと考えます。 英語にはリープフロッグという言葉があるようですが,まさにカエルが大跳躍する様子を捉えた言葉であります。 ドイツやアメリカがイギリスの蒸気機関を経ずに一足飛びに電気社会に突入したように,また中国では固定電話の時代を経ることなく携帯電話に一足飛びに突入したように,高知市の中山間地域では,高速・大容量の通信情報が可能となる時代に一足飛びに突入することになるわけですから,大いに期待が湧くところであります。 そこで,質問ですが,中山間地域における5Gのエリア整備に当たってのハード面での課題について,松島副市長にお聞きをいたします。 ○議長(田鍋剛君) 松島副市長。 ◎副市長(松島研君) ただいまの御質問につきましては,7月の臨時議会におきまして詳しく答弁させていただいておりますので,今回はポイントを絞ってお答えさせていただきます。 5Gに関しましては,先生の御案内のとおり,使用する周波数の帯域の特性上,4Gと比べまして電波の飛ぶ距離というのが短うございます。 そしてまた,建物などに遮られやすいという性質がありますので,サービスを行き渡らせるためには,一般論で申し上げますと,現在の4G以上に基地局と言われるものを増設する必要がございます。 そのため,単なる基地局の増設というのがコストの増加につながるということに加えまして,工事にも一定の期間を要するということでございますので,既存の4Gの設備をいかに活用して,コストを抑えつつ,速やかに5Gのエリア展開を図っていくのかが課題になるということでございます。 そんな中,国におきましても,本年度に創設された5G投資促進税制によりまして,携帯電話会社各社によります5Gの基地局整備の前倒しを推進するなど,そういった対策によりまして,迅速なエリア展開というのを推進しているというところでございます。 一方で,ハード面での対策としましては,これも前回御紹介しましたけれども,4G用の周波数の電波を5Gに使用可能とする既存バンドのNR化,ニューレディオと言いますけれども,NR化がありまして,その技術的要件につきまして,本年3月に総務省の審議会に情報通信審議会というものがあります。 そこから答申を受けたことを踏まえまして,総務省として関係する省令ですとか告示,こういったものの改正作業に入っておったわけですけれども,去る8月27日,最近ですけれども,公布,施行ということでございますので,今後,既存の4G基地局を活用して,5Gのエリア展開というのが加速することが期待されるというところでございます。 また,鏡,土佐山地区にとりましては,ローカル5Gを含めます5Gというものが,現在,整備を進めております各世帯向けの光ファイバー整備と併せまして,中山間地域の課題解決,活性化のためにも必要なインフラだろうというふうに認識してございまして,5Gの早期展開に向けまして,関係機関と連携しながら,引き続き必要な対応を行ってまいりたいというふうに考えてございます。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 行政のデジタル化でスピード感のある行政執行のためには,サポートする本人確認の面での正確さや迅速化が図られなければなりません。そのためのマイナンバーカードの普及は,欠かせないものと私は考えます。 9月からマイナポイント制度が始まっておりますので,この際,交付促進を行政のデジタル化と並行して加速化しなければならないと考えますが,その具体的な方策をお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 松島副市長。 ◎副市長(松島研君) マイナンバー制度でございますけれども,公平,公正な課税,そして社会保障負担,給付の公平化,効率化のために導入された個人番号,マイナンバーそのものと,マイナンバーカード,そしてマイナポータルという3つの新たな社会インフラで構成されているところでございます。 一昨年の1月に,デジタル・ガバメント実行計画というものが決定されたんですけれども,そこではデジタル技術を活用した新たな行政サービス等について検討が進められております。 このデジタル・ガバメントを進めるためには,ICチップによって公的個人認証用の符号,こういったものを用いた電子的な本人確認ができるマイナンバーカードの普及が必要不可欠であると,そういった意味で,マイナンバーカードは,まさにデジタル社会の基盤となる社会インフラであるというふうに考えてございます。 翻って,高知市の本年8月末現在のマイナンバーカードの交付実績でございますけれども,約4万5,000枚,交付率にして約13.7%という状況でございますけれども,御案内のとおり,国による特別定額給付金ですとか,あと御紹介がありましたマイナポイント事業,こういった実施もありますので,マイナンバーカードの交付申請というのも増加している傾向にございます。 そのため,交付窓口,特に中央窓口センターが大変混雑して,待ち時間も増加しましたので,マイナンバーカードの交付窓口の増設,そしてマイナポイント設定窓口の新設,こういった各種事務フローの見直しを行ったところでございまして,その結果として,最大待ち時間が,3割から4割ぐらい減少とするということで,一定の効果が上がっておるというところでございます。 今後でございますけれども,平日に受け取りに来ることができない市民の方々に対しては,休日の交付の窓口というのを来月から開設しようと考えております。 また,窓口での申請時に本人確認を行うことによりまして,マイナンバーカードの交付を窓口じゃなくて郵送で代替する,こういったことを含めまして,住民の皆様の利便性の向上について,適宜対応してまいりたいというふうに考えてございます。 いずれにしましても,今般のコロナ禍も相まって,行政におけるデジタル化の効用と必要性に対する認識というのは高まっているものと感じてございます。 これまで住民基本台帳システムなどの基幹業務システムの再構築と併せまして,令和7年度頃を考えておりました住民票ですとか印鑑証明書のコンビニ交付サービス,こういったものにつきましても導入時期の前倒しを検討します。 来年3月から始まる予定でございます健康保険証としての活用をはじめまして,日常生活における具体的なマイナンバーカードの利用方法ですとか,メリットというのも市民の方々に分かりやすく広報して,マイキーIDの設定などの支援に加えまして,マイナンバーカード出張申請受付ですとか,来庁者への申請勧奨,窓口での申請手続支援の実施,そういったことを行うことによりまして,マイナンバーカードの一層の普及について進めてまいりたいと考えてございます。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) デジタル社会では,アナログ社会と違って,我が国独特の判こ文化が,どのように変化するかも注目しなければなりません。 判こを支える社会的な役割に印鑑証明という行政の役割がありますが,デジタル社会では,判こに代わるものとして,どのようなものが考えられるのか,松島副市長に御見解をお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 松島副市長。 ◎副市長(松島研君) 今般のコロナの拡大を受けまして,テレワークというのは,急速に広がっているということは御案内のとおりと思います。 その中の課題といたしまして,企業の契約とか,行政手続などにおきまして,これは制度,慣行によって続いてきたということはあるんですけれど,書面ですとか,押印,対面作業,こういったものが妨げになり得るということが,各方面から指摘されてきているところでございます。 そのような状況におきまして,本年7月8日でございますけれども,内閣府と規制改革推進会議と,あとは4経済団体によりまして,書面と押印と対面を原則とした制度・慣行・意識の抜本的な見直しに向けた共同宣言というのが出されておりまして,官民一丸となって,デジタル技術の積極活用によります行政手続や,ビジネス様式の再構築に係る取組を推進するということが宣言されております。 また,これも御案内と思いますけれども,本年7月17日に閣議決定されました骨太の方針でございますけれども,その中におきましても,書面,押印,対面,こういったものを前提とした我が国の制度・慣行を見直すんだと,実際に足を運ばなくても手続ができるというリモート社会の実現に向けた取組を推進することが掲げられております。 全ての行政手続を対象に,原則として書面,押印,対面を不要として,デジタルで完結するように見直しを進めるとともに,押印については,法的な考え方の整理を通じまして,民民間の商慣行などにつきましても,官民一体となって見直しを推進するというふうにされてございます。 こうしたことから,今後,インターネットなどを通じた電子商取引ですとか,電子申請というのが急速に拡大していくということが見込まれるわけでございます。 従来の文書における押印とか印鑑証明,こういったものに代えまして,デジタルの場合には,契約とか申請の内容などのデジタル情報の作成者が,契約者の当事者であるとか申請者の本人であるということを確認して,内容の改ざんを防ぐ手段というのが必要になりまして,これに当たるものが電子署名であったり,電子証明書と言われるものになります。 なお,この電子署名によります取引などにつきましては,電子署名と言いまして,電子署名及び認証業務に関する法律というのがあるんですけれども,そういった規定に基づきまして,電子署名が本人によって施された場合には,紙の契約書に署名または押印した場合と同様に,真正な成立を推定することが明記されているというところでございます。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員
    ◆(川村貞夫君) もう既に次の答えに一部入っていただいておりますが,デジタル社会では,会議とか契約がオンラインで一般的になろうとするわけでございますから,押印とか,印鑑といったものの手続が大きく変わってくるということは理解できるわけでございます。 並行しまして,電子認証制度が重要になってまいりますが,この問題はセキュリティーの課題と表裏一体で取り組まなければならないと考えますが,セキュリティーの課題につきまして,松島副市長の御見解をお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 松島副市長。 ◎副市長(松島研君) さきの質問でお答えしましたとおり,デジタル社会におきましては,判こによる押印に代わるものが電子署名でございまして,その電子署名を行うための電子証明書を,個人や法人の厳格な確認を経て発行するという制度が電子認証制度ということになっております。 個人が利用する電子証明書につきましては,電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律,ちょっと長いんですけれど,こういった法律に基づきまして,地方公共団体情報システム機構公的個人認証サービスというものを提供してございます。 市区町村の窓口で厳格な本人確認を受けた上で,マイナンバーカードに格納するという形で発行を受けることができると。そして,個人が電子証明書を用いて,行政機関等にオンライン申請を行うことになるということでございます。 また,今度は法人でございますけれども,法人が利用する電子証明書につきましては,今度は法務省になるんですが,法務省が管轄する登記所が商業登記に基づき提供します,商業登記に基づく電子認証制度というものがございます。 登記所が発行する紙の印鑑証明書,資格証明書によって確認している本人性,法人格の存在,代表権限の存在の電子的な証明といたしまして,法人の登記情報に基づきます電子認証登記所の登記官が電子証明書を発行してございまして,法人はこの電子証明書を用いて,行政機関等へのオンライン申請や電子契約を行うことが可能になるということでございます。 デジタル社会におきましては,電子契約や電子申請等において,その情報が本人によって作成されたものであること,また改ざんされていないことを確認するための手段が,電子認証制度に基づき発行された電子証明書による電子署名となるわけでございます。 この仕組みにつきましては,個人や法人が判こや印鑑証明と同様に,マイナンバーカードなどの記録媒体に格納されました自己の電子証明書と,それを使って電子署名を行う際のパスワードを適正管理していることが前提となりますので,関係する団体,国,自治体も含めてだと思いますけれど,折に触れて,この電子証明書などの適正な管理の重要性につきまして,周知を行っていくことも重要であるというふうに考えてございます。 なお,去る,先月27日だと思うんですけれど,電子認証サービスの規格があるんですけれど,そういったものの共通化を検討すべく,NEC,富士通,日立製作所を含めまして,民間の14社が連携したデジタルトラスト協議会というものが設立されたところでございますので,そういった活動を含めて,注視してまいりたいと考えてございます。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 詳しく御答弁いただきましたが,行政のデジタル化が進み,マイナンバー制度の個人情報が預金口座や国民健康保険証とも連動し,さらに運転免許証ともつながることになりますと,今以上に個人情報の保護が行政に求められることは必至であります。 しかも,クラウド化が進んでいる中では,データの保護とともに,1か所だけでなく,多様な保存の必要性が重要となりますが,この点をどのようにお考えなのか,お聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 松島副市長。 ◎副市長(松島研君) マイナンバー制度でございますけれども,創設時から,マイナンバーを含む個人情報の漏えいですとか,不正利用に対する懸念というのが指摘されていたこともありまして,制度,システム,そういったものの両面から個人情報保護のための徹底した措置が講じられているというふうに承知してございます。 特に,個人情報の管理につきましては,各行政機関が保有する個人情報を,国がマイナンバーでひもづけて,特定の機関に集約して一元管理するということではなくて,制度開始前と同様に,個人情報は各行政機関が保有して,他の機関の個人情報が必要になったときには,国が整備した情報提供ネットワークシステムを利用して,情報の連携を行うということで,分散管理という形が取られているということでございます。 このため,現在,国のほうで検討されておりますマイナンバーと例えば預金口座のひもづけ,今後,こういったことを含めまして,さらに多くの個人情報というものがマイナンバーとひもづけられて,管理されることになったとしましても,結論から申しますと,特定の機関に個人情報が集約されるということはございませんので,マイナンバーにひもづけられた個人情報は一括して漏えいするとか,不正にアクセスすると,そういうことは起こり得ないということでございます。 また,地方自治体におきましては,近年,国が推進する情報システムの標準化,またその情報システムを導入する際のクラウドサービスの利用を原則とするということで,クラウド・バイ・デフォルトと言うんですけれども,そういった方向性に沿いまして,情報システムを庁内で保有するという形態から,民間事業者がデータセンターで運用するシステムを利用する形態ということで移行が進んでいるということでございます。 高知市におきましても,昨年7月に策定しました高知市情報システム最適化計画においては,住民基本台帳システムなどの基幹業務システムの再構築に当たりまして,クラウドサービスの利用を方針に掲げまして,現在,取組を進めているところでございます。 こうした流れによりまして,自治体が保有する情報というのが,庁舎内とか,クラウドサービスを運用する民間事業者のデータセンターなど,様々な場所で保管されることになります。 特に,クラウドサービスの利用につきましては,外部からのアクセスや改ざんなどのリスクも一定程度存在するわけなんですけれども,これにつきましては,法令ですとか,国が定めるガイドラインなどに沿って万全の情報セキュリティー対策を講じることによりまして,引き続き情報の適切な管理に努めてまいりたいと考えてございます。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) ありがとうございました。 行政のデジタル化では,多くの情報の共有化を図るためには,スピード化や正確さが要求されてきます。 そこで登場するのが,ブロックチェーンという考え方であろうと思われます。公文書の改ざん問題が,国ではとやかく言われておりますが,ブロックチェーンで,こうした問題はなくすることができるとお考えでしょうか。 ○議長(田鍋剛君) 松島副市長。 ◎副市長(松島研君) 大変難しい御質問をいただきました。 ブロックチェーンとは,いわゆる分散型台帳と言われるものでございますけれども,これは分散型ネットワークを構成する複数のコンピューターに,これもまた難しいんですが,マイニングと呼ばれます暗号技術を組み合わせて,データを同期して記録します。 さらに,一定期間に蓄積されたデータを1つのブロックにまとめて,さらに複数のブロックをコンピューター同士で検証し合いながら正しい情報を鎖,だからチェーンと言うんですけれども,チェーンのようにつないで蓄積,管理する仕組みということで,非常に難しい仕組みなんですけれども,いわゆるビットコインをはじめとする仮想通貨にも用いられている基盤技術になってございます。 国においては,行政文書の電子的管理についての基本的な方針というのを定めておりまして,今後,作成,取得する行政文書につきましては,電子媒体を正本,原本とすることを原則としまして,行政文書の作成,取得から,移管,廃棄までを一貫して電子化するという本格的な電子管理を目指すこととしております。 具体的な実現の手段につきましては,改ざんの防止も含めまして,どのような技術が有効なのかということにつきましても,現在,検討を進めているというふうに承知してございますので,そういった動向も注視してまいりたいと考えてございます。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 高知市がデジタル行政に大きくかじを切り,行政のスピード化を図るとなると,市民の評価も高まるものと考えますが,そのためには,整備される光ファイバー網のハードをどのように利用するかというソフト面での課題が多く出てまいります。 そして,情報通信の新しい仕組みを使い切ることで,地方の活性化や地方創生に大きく踏み込まなければなりません。 少し例を挙げて考えてみますと,市民生活の安全,安心を支えているもののうち,世界に誇れるものとして,私は警察の交番制度と保健師制度があると考えております。 それぞれの地域に駐在しながら,住民の暮らしを安全面から支えるわけですが,今回は保健師に特化して考えてみます。 今,保健師さんは大変多忙であります。それは,駐在保健師さんが,地域に内在する各種の業務をこなさなければならないからであります。 新型コロナウイルスなどの感染症や公衆衛生,妊婦のお世話や高齢者の見守りといった多様な業務が,少ない保健師にのしかかっているのでございます。 そこで,私は保健師の肩の荷を少しでも楽にさせる方法として,5Gとセンサーを組み合わせると,独り暮らしや高齢者世帯の安否確認のための仕組みづくりが,これから始まります5Gの時代には可能となると考えます。 光ファイバー網を行政が補助金を出して民間事業者が敷設すれば,あとは市民がどのように利用するか見てみようという待ちの行政でなく,公共機関が率先して利用促進に取り組む必要があると考えます。 その一例として,保健師の業務と5Gを結びつけて考えたわけでございますが,IoTの時代を迎えると,さらに多様なことが考えられると思います。 そこで,質問ですが,将来的な5Gの展開を見据えて,今回の光ファイバー網の整備を契機として,中山間地域におけるICTの活用策の創出を,地域のニーズを吸い上げながら,行政と地域が一体となって検討していくことが重要となると考えますが,岡崎市長のお考えをお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々お話が出ておりますように,このコロナの影響を受けまして,デジタル化,またデジタル社会というのは一気に進もうとしております。 その中でも特に,先ほど御指摘もいただいたような健康情報というものも,これからデータの蓄積に入っていく予定で,例えば我々も乳幼児健診から子供さんの健康情報を持っています。 そして,残念ながら,小中学校へ行きますと文科省のデータになり,そちらへ移っていきますので,一元化で一本化されていないです。また,文科省のデータというのは,卒業したら何年かで全部廃棄されてしまうので,子供たちのデータは,卒業後,全て廃棄になっていますので,残念ながらデータがつながっていないとか,こういう問題があります。 それを一本につなげていこうということも今後一定出てきますので,そうしますと40歳からの成人の健診,また高齢者の健診までデータが全てつながっていくので,保健師としても非常に有効に使えることを我々も考えておりますし,国もそういうことを考えております。 鏡,土佐山地区の光ファイバーの整備につきましては,現在,総務省のほうで補助申請の審査に入っておりまして,全国からの申請を踏まえて,高知市からの分も今審査中になっております。 今後,このブロードバンドの情報通信基盤を活用しまして,御指摘のありましたように,様々な活用が期待をできますので,8月に事前調査のため,鏡地区,土佐山地区の各地区長の方々や,地域にお住まいの方々の一部ではありますが,ヒアリングの方式によりまして,ブロードバンドが入ってきたら,どういうことを期待するかという御意見等をお聞きしております。 主な御意見としまして,新たな日常に不可欠な生活インフラとしての光ファイバーが整備されますと,市内の中心部との情報の格差が解消される。これは地元の方々の悲願でもありました。 この期待と同時に,高齢化の進行が市内中心部より,かなり早く進んでいる中山間において,先ほどもありました高齢者の方々が安心して暮らしていける地域づくりに資する,そういう利活用ができると。 また,最近,台風,集中豪雨が非常に多いですので,特に中山間では市内以上に非常に豪雨になりますので,中山間におけますICTを活用しました減災,また防災対策の拡充,こういうことも期待をされております。 また,かなり農業分野でも使われておりますし,これから林業で使われる可能性もありますので,そういうことに非常に期待をしているという多くの御意見をいただいております。 これは意見の一環ですので,これからICTの利活用について地域のニーズ,意見を取りまとめて集約をしていく必要がありますので,今後,行政と地域が一体となって検討していくための組織を立ち上げて,これらの御意見を具現化していくことにつなげて,そして中山間の活性化に資する,このことにつなげていきたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 投影をお願いします。 御答弁いただきましたが,愛媛県では,もう既にデジタルトランスフォーメーションを積極的に推進しようとして取り組んでおります。 これは県のことでございますので,市は直接関係ないかもしれませんが,高知市でも,昨日の横山公大議員からも触れられましたが,やはり,行政のデジタル化に向けて積極的に室や課を設けて取り組んでいくことが大事になってこようと思いますので,この問題につきましては,県市共通の課題として,今後取り組んでいただきますようにお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。 新型コロナウイルスによって,棚ぼたのように学校教育にも大きな変化が起きております。GIGAスクール構想でございますが,補正予算でも加速され,さらに各家庭での高速・大容量の通信が可能となると,オンライン教育が一般的になり,欠席児童・生徒への働きかけや不登校の児童・生徒に対する教育の在り方も大きく変化します。 そこで,教育長に質問でございますが,従来は,GIGAスクール構想として学校内でのWi-Fi環境整備やタブレット等によるデジタル教育を校内で推進しようとしておりましたが,今後は,コロナのような感染症などで長期の休校となる場合の対応もできやすくなると思いますが,教育長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) GIGAスクール構想の実現と合わせまして,新型コロナウイルス感染症対策等の緊急時における臨時休業において,児童・生徒の学びを保障していくことが課題であると考えております。 これまでは,学びを止めない方法としては,学習プリントを配布することが主な手段でございました。 今後におきましては,臨時休業中にタブレット端末を持ち帰ることによりまして,学習教材のデータの送信や,オンライン授業等の実施による家庭学習も可能となるものと考えております。 現時点におきましては,家庭のWi-Fiなど通信環境が課題であることから,学習教材や授業動画等のコンテンツを収めたSDカードをタブレット端末に装備して,家庭学習を支援することとしております。 本市において,商業高校におけるオンライン授業のような事例も含めまして,他県,他都市の状況も参考にしながら,緊急時の臨時休業期間における児童・生徒の学びの保障及びICTの新たな活用等,有効な対策について,調査,研究してまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 学校行事への連絡や教育面での相談事業にも積極的に活用できるのが,5Gの時代における教育だろうと考えますが,アナログとデジタルの二項対立でなく,それぞれのよさを取り入れた深みのある教育が保障されなければなりません。 そのための取組をどのようにお考えなのか,教育長にお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) GIGAスクール構想の実現が目指すものの一つとして,これまで先人が築き,蓄積されてきた教育実践に最先端のICTとのベストミックスを図ることが示されております。 また,学習指導要領解説においては,学校のICT環境整備とICTを活用した学習活動の充実が明記されております。 本市では,環境整備のめどがほぼつきましたことから,今後はICTを活用した教育活動のスタンダード化の取組が必要であると考えております。 児童・生徒のタブレット端末を利用した個別学習では,児童・生徒一人一人の理解度に応じた個別学習を進めることが可能であるとともに,児童・生徒の学習状況を教員が確認しながら,適切な学習支援が可能となります。 また,課題や目的に応じて,インターネットを利用して調べ学習を進めていくことで,興味,関心のある話題や内容に,記事や動画等の様々な情報を主体的に収集,整理,分析する学習活動など,探求のプロセスにおける様々な場面において,これまで以上に学習を深めることが期待されております。 これらのICTを活用することで得られる利点を,これまでの本市の教員が築き上げてきた教育実践と組み合わせていくことで,より深みのある教育が実現するとともに,さらにその過程で,ICTの活用を得意とする若手教員とベテラン教員が協議していく中で,お互いの資質,能力の向上につながる相乗効果も期待できるものと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 今書店でベストセラーになっております「還暦からの底力」という立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんの本を読みますと,旅と人と書物を大事にする生きざまがうかがえます。 教育の中では,特にバーチャルの世界だけでなく,リアリティーの世界が織りなすことが重要と考えますが,体験重視の教育をどのように保障するかについても,この際,教育長にお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 教育におけるICTの活用につきましては,本年6月に文部科学省から出されました教育の情報化に関する手引におきまして,単にICT機器を指導に取り入れれば,教科等の指導が充実するわけではないことにも留意する必要があると示されております。 議員さんから紹介いただきました「還暦からの底力」の中で,著者の出口治明さんは,いろんな人に出会い,いろんな本を読み,いろんなところに出かけていって刺激を受けたら,たくさんの学びが得られると述べられておりまして,実際に様々な場所に行き,様々な人やものに出会い,直接接したり触れたりする体験活動の重要性を訴えられております。 こうした体験活動が,子供たちが五感を通して対象を知り,思考を活性化させ,学ぶことへの意欲を生み出すことにもつながる学びであることから,教育委員会といたしましても,ICTの活用を進めていく今後の学校教育においても,変わらず大切にしていくべきものであると考えております。 本市におきましては,本年度は昨年度よりも2校多い17校が,自然豊かな場所へ実際に行って,県内の森林環境の豊かさやすばらしさを子供たちに気づかせたり,森林環境を生かした自然体験活動を通し,生きる力を育んだりする実践に取り組んでおります。 教育委員会といたしましては,学校におけるICTの活用とともに,こうした体験活動の充実につきましても,引き続き支援してまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) ITの世界はドッグイヤーと言われます。犬の年齢は人間の5倍以上の速さで進むと言われておりますが,4Gの時代から5Gの時代への移り目にいる私たちですが,タブレットも携帯電話もすぐに陳腐化してしまいます。そのための更新の費用もかかりますが,これは覚悟しなければならない課題でもあります。 ところで,犬,猫のことについて質問をいたします。 再選されました東京都知事の小池百合子さんが,犬,猫の殺処分をゼロにするという選挙公約を4年前の選挙で掲げました。 東京では,家族の一員となっている犬や猫の現状を考えて,知事自身が生涯飼育をさらに推し進めようとしたものと考えます。 高知市も,県と一緒になって平成30年度に愛護センターの基本構想を策定しております。 しかし,愛護センターができたとしても,むやみに犬や猫が子供を増やさないように,不妊や去勢の手術も継続して行う必要があります。 また,今年度は動物愛護の制度も拡充され,併せて,県市合同でのシンポジウムも開催しようとしております。 こうしたことを踏まえまして,何点か質問をいたします。 現状,小動物管理センターでは,年間どの程度の家庭で飼えなくなった犬猫の受入れをし,新たな家庭にこうした犬,猫を譲渡しているのか,現状をお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 直近3年間で高知市におけます家庭で飼えなくなった犬,猫の引取り数でございますけれども,まず平成29年度は犬が11頭,猫が1匹,30年度に犬1頭,猫はゼロ匹でございました。令和元年度になりまして,犬が3頭,猫1匹となっておりまして,全て新しい飼い主,またはボランティアのほうに譲渡をされております。 犬,猫の飼い主からの引取り数のうち,身寄りのない高齢者の死亡によるものは,平成30年度に犬1頭,令和元年度に犬2頭と猫1匹でございました。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 思ったより数が少なくなってきておる現状でございます。 高齢化が進む中で,特に猫が飼われているようでございますが,高齢者にとっては,猫がいるために,本人が入院もままならないと考えている人も少なくないと聞きます。 そのことを健康福祉部長は,どのように把握されているのか,お聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) 猫を飼育する高齢者の把握につきましては,犬と違いまして登録制ではございませんので,市内全体の数値は把握できておりませんけれども,猫の飼育に関する支援の実績といたしましては,高齢者の皆様の生活全般の御相談に対応いたします地域包括支援センターにおきまして,昨年度からの継続分と合わせまして,19件の支援を行っているところでございます。 相談の内容でございますが,入院や施設に入所をする際に,ペットをどうしたらよいかといった相談,また多頭飼育などによりまして,適正な管理が困難となったなどの御相談が多く寄せられておる状況でございます。 ペットに関する御相談は,高齢者の皆様が身体状態や生活状況等の悪化によりまして,ペットの管理が困難な状況となってから寄せられるケースが大半でございますので,ペットの飼育に関して,潜在的に不安を持たれている御高齢の方の割合は,ほかにも相当数いるというふうに認識をしております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 次に,高知市が計画されております防災計画には,飼っている犬や猫との同行避難の観点がないように感じます。 発災時に避難する場所に犬や猫を連れていくと,犬,猫のアレルギーの人や,鳴き声やトイレ等を当然好まない避難者もいるわけで,同行避難がトラブルを引き起こすことは,目に見えております。 そこで,防災対策部長に,犬や猫との同行避難をどのように考えているのか,お考えをお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 松村防災対策部長。 ◎防災対策部長(松村和明君) 過去の災害では,避難が必要な方がペットを連れての避難をためらい,被害に遭われた事例も発生しております。 また,ペットと飼い主が離れ離れになり,発災後にペットを探し,保護するために多大な労力を要したことや,放浪動物が人に危害を加えるなど,様々な問題が発生しております。 これらの事態を防ぐために,災害時にペットと一緒に避難場所や避難所へ安全に避難すること,いわゆるペットとの同行避難が求められておりますので,本市においても,災害時には,ペットとの同行避難を市民の皆様に呼びかけており,あかるいまち10月号では,特集記事を掲載する予定となっております。 一方で,避難施設では,大勢の避難者の皆様が同一空間で滞在することとなり,動物が苦手な方やアレルギーをお持ちの方などもおりますので,本市では,原則としてペットの室内の持込みは禁止しております。 本市地域防災計画の避難所運営においては,各避難所の運営マニュアルで,避難者の滞在スペースとは別に,ペットの専用スペースを一定確保することとしておりますが,そのスペースが確保できない施設もございます。 県,市で整備を計画しております動物愛護センターにおいては,基本構想で逸走した動物の保護や,避難所等で収容できない動物を収容する救護所の役割も担うこととなっております。 災害から人命を守るため,ペットを飼われている皆様におかれましては,日頃から災害種別に応じたペットとの同行避難の準備をしていただくとともに,危険が迫っている場合には,ためらうことなくペットとの同行避難を行っていただく必要があります。 動物愛護センターの整備により,災害時の飼い主の支援等が増えることで,飼い主の皆様の安心感も高まり,より適切な避難につながるものと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 今御答弁があったように,いざ火急のときに,市街地に広い空間があることは,仮設住宅などの建設用地として確保できるため,大変重要なことと思います。 そこで,避難する人のことを考えますと,犬や猫も一緒に避難してくることが,今日の避難場所では大事な視点であると考えられるようになってきました。 そのため,こうした避難場所に家族の一員として位置づけられている犬,猫の愛護センターが,一足先に整備されることは重要なことと考えますが,中澤副市長はどのようにお考えでしょうか。 ○議長(田鍋剛君) 中澤副市長。 ◎副市長(中澤慎二君) 豪雨などの自然災害では,人命を守るための避難行動をちゅうちょなく取っていただくため,ペットを連れて同行避難するよう推奨されています。 しかし,実際には,動物を係留する場所すら確保できない場合も多く,避難時の課題にもなっています。 東日本大震災の例では,NPOなどによる複数の動物救護所が設置されました。また,平成30年の西日本豪雨の際には,岡山県総社市が,獣医師会,ペットのしつけの専門家,保健所,動物愛護センターなどと連携し,ペット同伴避難所を開設し,26世帯が利用され,後の報告書で,被災者の精神的な安定やペットの健康維持にもつながったと評価をされています。 このような事例からも,本市におきましても,今後は民間団体の方々の御協力も不可欠だと考えております。 現在,本市の南海トラフ地震応急期機能配置計画でも愛護動物の救護場所を計画しておりまして,県,市で整備を目指している動物愛護センターが,災害対応を行う上で愛護動物の救護,支援の拠点となる重要な役割を担う予定となっております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 愛護センターは,犬や猫の生涯飼育を進める際には欠かすことのできない施設でありますし,県と市が役割を担って,共同で建設しようというところまではいっておりますので,ぜひ早急に建設することについて,岡崎市長の御決断をお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々議論が進んでおりますように,動物愛護センターにつきましては,様々な機能を付加するということによりまして,様々な支援にもつながるというふうに考えております。 動物愛護センターにつきましては,高知県との連携協議におきまして,共同設置をする方向ということで相互に認識をしておりますけれども,実務面での調整や,また一番課題になっていますのは用地の選定でございまして,用地の確保が難しく,当初の想定より遅くなっている,遅延している状況でございます。 今年度の県市連携協議におきましても,副知事と副市長の間で,かなり詳細を詰めていただいておりますが,課題はあるが,引き続き実現に向けて取り組むことを進めることを相互に確認をしているところです。 選定場所をどこにするかが一番の課題であり,基本的には,県または市の公有地の中でいかにして工夫ができるかというところが一つのポイントになりますので,具体的な内容等について,県との協議を詰めながら,早期の開設を目指してまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) ぜひお願いをいたします。 最後に,都市公園の整備についてお考えをお聞きしたいと思います。 それは,高齢化が進んでまいりますと,どうしてもベンチや椅子,さらには一時の雨をしのぐ,あずまや的な設備が必要だと私は考えているところでございます。 公園が,従来は子供たちが自由に遊び,自転車の乗り初めの子供の練習場所として使われることも多かったのでございますが,今は高齢者の寄り合う和みの場所として使われるようになってきました。 そのため,市民の中で公園にあずまやのような施設が欲しいという要望が多くなってきておりますが,都市建設部長のお考えをお聞きいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎都市建設部長。 ◎都市建設部長(岡崎晃君) 公園の整備につきましては,これまで子供たちが遊ぶことを主体として遊具の設置などを中心に進められてきましたが,少子・高齢化が進む中,公園の利用形態にも変化が見られ,市民の皆様のレクリエーションや憩いの場所として,小さな子供から高齢者の方々まで,幅広い年齢層の皆様に利用していただけることを目指して,取組を進めております。 このため,近年整備を行いました竹島公園や弥右衛門公園等につきましても,地元の皆様方によるワークショップでの御意見を参考にし,子供たちが遊ぶ遊具のほか,高齢者の方々が健康維持を図るための健康遊具の設置や,憩いの場所として,あずまややベンチを設置しております。 今後も,地域や公園を利用される皆様のニーズに沿った,幅広い年齢層に利用していただける公園整備に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) 残された時間が少なくなりましたので,都市公園の機能につきまして,桂浜の整備について観光客の移動手段を問おうと思っておりましたが,時間がありませんので,今回は置きたいと思います。 コロナ禍の影響下で,市民の生活は大きく変わってきております。外出を控えることが要請され,巣籠もり状況になってきました。 こうしたときを的確に捉えて活動している企業家が,高知市内にはおるわけでございまして,今年,コロナ禍で3人の方が著述されました本を読むことができました。 投影お願いします。 1冊目は,技研製作所の北村精男社長の「国土崩壊」という本でございます。続いて,第一コンサルタンツの右城猛社長さんの「夢を追い求めて」という本でございます。そして,3冊目が,「新高知県で儲かる会社を創る本」という戦略,戦術の本でございました。 ピンチをチャンスに変換できる能力を備えた大変な方々であります。ぜひ本の出版とともに,生声での講話を聞きたいものでございます。そして,その機会を求めまして,私の全質問を終わります。御答弁ありがとうございました。 ○議長(田鍋剛君) 戸田二郎議員。  〔戸田二郎君登壇〕 ◆(戸田二郎君) 新こうち未来,自由民主党の戸田二郎でございます。 今議会,どうしても政局について,いろいろと申し上げたいのでございますが,質問項目から考えて,あまり時間がないみたいでございましたので,第479回高知市議会定例会,直ちに質問に入ります。 まずは,市長の政治姿勢からであります。 緊張高まる中国や韓国との諸問題について触れておきたいと思います。 まずは,韓国,徴用工訴訟で賠償を命じた韓国最高裁の判決を尊重するとして,日本企業の資産を差し押さえ,現金化へと突き進む韓国。1965年の日韓請求権協定と,そして2015年の日韓合意の締結で解決済みにもかかわらず,国家間の約束すら守れない従軍慰安婦問題。 8月末の期限は過ぎて,維持されたものの,韓国外務省は,韓国はいつでも協定を破棄できると言っているGSOMIA。韓国政府の対日批判の急先鋒がWTOの事務局長選挙に出馬をしまして,日本にも支援をしろと,そういう厚顔無恥ぶり。 韓国艦船による自衛隊機へのレーダー照射事件を,ことごとくうそをつく韓国。日本製品の不買運動をしながら,日本の高級外車を何台も所有している文在寅氏の側近たち。親日とされる人たちの墓まで壊そうとする韓国,そういう国が今の韓国であります。 文在寅大統領の政治スタンスが,ここに来て大統領支持率が30%台,そして不支持が50%を超え,文在寅政権が崩壊とまで報じられているように,我が国にとっても,最悪の政権と言っても過言ではありません。 究極は,何といっても韓国平昌にある私立の植物園内に設置された像であります。慰安婦少女像に安倍総理が土下座をして謝罪する像で,これはメディア向けの広報文では,謝罪する安倍像という名称でありました。 しかしながら,国内外からの批判の高まりから,園長は,あれは安倍総理を特定して作ったものではないと,そういうふうに言い出す始末であります。 他国の代表者の写真や他国の国旗を引き裂いたり,燃やしたりする韓国。私たち日本国民は,こんなことはしません。市長の見解を求めます。 次は,中国です。 米中の貿易戦争は,エスカレートするばかりであります。ウイグル問題,南シナ海や東シナ海での無秩序な領有権主張,香港の国家安全維持による強制統治。香港の人々の自由を奪う行為は,世界の主要各国が厳しい目を向けておりまして,また行動に移しつつある現実がございます。 また,国交のないチェコの上院議長の訪問団が台湾を訪れ,台湾を支持する,中国の圧力には屈しないというふうな姿勢をアピールしたことに,これまた中国が猛反発。チェコへの報復を警告したことに,これまたEU諸国が中国を大きく非難するなど,中国は孤立への道を突き進んでいるようにも見えます。 南シナ海での領有権騒動は,ベトナムやフィリピンも黙ってはいません。そして,中国の都合のいい一帯一路構想は,金の力で,まるで高利貸しのように諸国を苦しめている事実。 サンゴ礁を埋め立てて人工島まで造り,軍事基地化を進める暴挙は,アメリカの怒りを買い,航行の自由作戦と称してアメリカの主要空母を派遣するなど,緊張が一層高まっております。 我が国の沖縄県尖閣諸島へは,4か月以上にもわたって連日のように公船を送り込む行為。事もあろうに,我が日本国の尖閣に,中国の領海に入ってくるなと言い出し,日本漁船を追い回す行為などなど,ひどいものであります。 これは,元はと言えば尖閣周辺の石油資源にあります。今や石油輸入大国に転じている中国は,なりふり構わず尖閣を我が物にしようとしているのであります。 また,チャイナウイルスによって世界の感染者2,800万人超え,90万人を超える死者数。このパンデミックで,世界中が最悪の事態に陥っております。 そんな中国の習近平国家主席を国賓として迎える準備までしていた日本政府のふがいなさ。連立の公明党もはっきりとノーを言わないふがいなさ。安倍首相の辞任と国民感情,さらにはコロナで事実上ない話とは思いますが,何と情けない話ではありませんか。政府はしっかりせよと私は言いたいものであります。 市長も私と同じ考えをお持ちと思いますので,市長の率直な中国観をお聞きしたい。その上で,習近平は国賓にあらずと力強く市長に述べていただきたい。 通告の2番,新型コロナウイルス感染症に関して,国民宿舎,そして教育行政について申し上げます。 新型コロナウイルスの感染拡大で戦後最悪と言われる我が国のGDPは,年率換算で28%減,前期から何と40兆円も減少すると言われております。 そして,経済のV字回復も期待できませんし,本市も来年度予算編成が本格化いたしますが,御多分に漏れず,税収の落ち込みは必至であります。 そこで,コロナ関連で議題となっております,国民宿舎運営事業特別会計繰出金,並びに国民宿舎特別会計運営継続支援金支給事業について,簡潔に申し上げます。 この件は,今議会に先立ち,議案の説明を受けましたが,私たち会派では悩ましい問題と捉えております。 今回の補正額4,371万6,000円は,当然ながら新型コロナウイルス感染症の影響で,大幅な減収となった指定管理者に対しての支援金であります。 収入がなければ,どこかで運転資金を工面しなければなりません。当たり前のことであります。 私は,ある市民の方にこの話をしたら,赤字が出ても高知市が何とかしてくれるからいいなあ,コロナ倒産は絶対にあり得ないなと,そう言われました。改めて民間の厳しさを感じた次第であります。 国民宿舎桂浜荘は,5年間の指定管理であります。今回の4,300万円余りの支援金,本市事務方の担当職員の皆さんの苦労も痛いほど理解できます。この方法でしかないことも承知しているつもりです。 しかし,今回の支援金で終わりとは思えません。市民感情を考えれば,本議案に素直に賛成できない複雑な思いがあることも事実であります。 市長にお聞きします。 もともと経営が思わしくないこの施設を,この機に大胆な対策,そのお考えを持っていないのか,お答えをいただきたい。 コロナ関連で,教育行政,学校対応について申し上げます。 学校現場での新型コロナウイルス感染は,大勢の児童・生徒の集団でありますから,クラスター化しやすいと言われていただけに,心配をしていたものでありますが,現時点で感染例はあるものの,大事には至っていないのは幸いであります。 さきの学校休業で夏休みを短縮するなど,何とか授業時数を確保してきただけに,今後の感染拡大には,最大限の注意を要することは言うまでもありません。 元気で多感な子供たちにとっては,窮屈な学校生活を強いられるわけでありますが,教育長は,今まででありましたら,校長会を招集して学校に下ろす流れで意思統一を図っていたと思いますが,今はどのように学校対応をしているのか,まずお答えをいただきたいと思います。 今後,秋から冬へと感染リスクが増す季節に向かうわけであります。いずれにしても,学校での感染拡大は,子供たちの教育の機会を奪うわけでありますから,経済損失とはまた違った大切なものを失うことの重大さを認識しなければなりません。 学校現場の気の緩みが気がかりでありますので,教育長のお考え,そして今後の対策をお聞きしたい。 次は,修学旅行についてであります。 子供たちにとって思い出づくりでもある修学旅行は,とても大切な行事であることは言うまでもありません。 しかし,このたびの新型コロナウイルス感染症を考えれば,悩ましい問題であるはずであります。 秋に多い修学旅行は,9月頃から大体11月頃にかけて実施する学校がほとんどではないでしょうか。既に中止を決めた学校もあると聞いておりますが,それらの実情をお聞きしたい。 修学旅行において,感染者を出さずに無事に終えて当たり前,万が一,子供たちが感染でもしたことを考えれば,学校経営を預かる学校長にも判断の限界があるはずでございます。 各学校の地域性や自主性も理解できますが,コロナの影響に関しては,修学旅行に限らず,様々な学校行事も実施,未実施には差があるようですが,これで本当によいのでありましょうか。 教育委員会として,どのような指導をしてきたのか。また,どのような対応をお考えなのか,お答えをいただきたいと思います。 通告3,文化プラザ長寿命化整備事業について申し上げます。 平成13年の竣工から僅か18年で,舞台設備や建物の劣化等で40億円もの改修費がかかることに大変驚きました。新聞報道で知った何人もの市民の方からも同様の御意見をいただきました。 私は,まだまだこの先,お金がかかり,全部で115億円もの改修費が要る。その説明をすると,これまたびっくり仰天であります。 築後40年以上の県民文化ホールは,2010年5月から1年2か月の長期休館を伴う耐震補強工事も含めた大規模改修を行っておりますが,その費用は19億円ということであります。 190億円で完成したかるぽ一とに115億円は,あまりにも高額過ぎると思いますが,これは,つまり建設当初から,設計段階から決まっていたことなのか。少なくても私たち議会には,説明がなかったと思いますので,答えていただきたい。 関連で,かつて過去に大揺れに揺れた,そして見送りになった土佐橋高架歩道は,今のかるぽ一との2階部分に接続する設計になっております。 しかし,先日,これを聞いたらあまり関係ないと言いました。もしかしたら,これも影響があるのかなと私は思っておりましたが,なかったのでよしとします。 そして,25億円の事業費で土佐橋の高架歩道を予定もしておりましたが,バスターミナルに取って代わっております。これを補助金絡みで質問をしようと思いましたが,大体分かりましたので,質問は省略いたします。 通告の最後,4番目です。就任後初の定例会となりました松島副市長への質問を何かしないと悪いかなという思いから,思い立ちましての質問であります。 実は,過日,松島副市長には,ここが問題なのでと,ちょっと注意されまして,ここを土佐弁といいますか,土佐弁混じりでIT戦略について御教授いただきました。本当にありがとうございました。 しかし,ただ難しかったです。そのITについてその続きと思いましたが,川村議員も先ほど何か分かりにくい質問をしておりましたけれど,私は釈迦に説法という私なりの判断から,通告のとおりの新図書館西敷地の質問に変更させていただきました。 松島副市長には,これまでの私たち西敷地に対する活動の経緯を少し簡単に説明しておきます。 私たち新こうち未来は,かねてより新図書館西敷地の利活用策は,一貫して誰もが憩え,そして集い,利用できる緑地広場を求めてまいりました。 なぜかと言いますと,追手前小学校の移転統合という,とても大きな犠牲の下にできた尊い文教の地を,半世紀もの長きにわたる借地権で,市民の手の届かない利用はすべきではないという思いからでありました。 前期,私たちの会派は5人の会派でありましたが,市長選挙出馬のために任期満了で辞した者1名,昨春の統一地方選挙改選後に他の会派に移った者1名,その結果,今は僅か3名の弱小会派でありますが,前期は5人全員が街頭に出て,マイクを握り,署名活動を行い,多くの市民の方々にも頑張れよと,頑張ってくれよと,そう励まされて,署名約8,500人の市民の切実な声を市長に届けました。 そして,毎議会,この本会議で議論もしてきましたし,6年間,政策要望として提言し続けてきた経緯がございます。 そこで,松島副市長にまずお聞きしたいのは,総務省の在職中に,本市の西敷地問題を耳にしたことがあったでしょうか,まず伺っておきます。 東京豊島区南池袋公園の芝生公園は,長めの芝で,感触がとても心地のよい,ふかふかであります。多くの人がくつろいでいる理想の姿が,大都市のど真ん中にありました。 国土交通省では,広場が街なかの回遊の拠点となり,街全体ににぎわい創出が波及することが期待できるとして,手引きまで公開をしております。 松島副市長には,誠に申し訳ありませんが,本市の副市長としてではなくて,隣にいる市長への気遣いもなしに,国目線で本市新図書館西敷地の利活用策について語っていただきたいと思います。 今度は市長です。 西敷地利活用事業の再公募に向けて,本年4月からでありましたか,予定していたサウンディング型市場調査をはじめとする一連の手続作業を新型コロナウイルス感染症の影響を理由に延期しましたが,もういいかげんに無駄な調査費などは使わずに,永遠の延期,そして多くの市民が望む構想の撤回,緑地広場へとかじを切ってはいかがか。あわせて,見直したスケジュールをお聞きしたいと思います。 以上,第1問といたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問をいただきましたので,順次お答えを申し上げます。 まず,日韓関係についてお答えを申し上げます。 日本と韓国の関係につきましては,御質問にもありましたが,日本の植民地支配の歴史や従軍慰安婦問題など,様々な歴史的な背景もありまして,両国の冷静な協議が重要になると考えます。 近年では,韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた徴用工の判決,日本では輸出管理の優遇措置国から韓国を外す日本の措置の発動,韓国はその対抗措置としまして軍事情報包括保護協定,GSOMIAですけれども,この破棄にまで言及するということで,外交問題から安全保障問題にまで発展をしておりまして,双方非難の応酬であり,過去最悪の状況が続いてきておりまして,非常に懸念をしております。 韓国内におきましても,現在の政治や他国に対する思いから過激な行動に出る人々も現れており,治安の悪化により韓国で生活をされております,日本人の方々や日系企業などにも悪影響が及ぶことを危惧しております。 本市におきましては,木浦の母と慕われます田内千鶴子さんの御縁で,木浦市と長い間の友好交流がございまして,積み重ねてきました人々の信頼関係もありますので,日韓関係の悪化によりまして影響を及ぼすことがないよう,今後,両国政府には,冷静な対応をしていただくことを望みたいと思います。 次に,中国の関連での御質問にお答えを申し上げます。 質問議員さんと同じ考え方には立っておりませんけれども,日本と中国は非常に長い歴史の交流があり,特に文化や経済面で緊密な関係にあるものと認識をしております。 特に,高知市におきましては,今年で友好都市提携35周年を迎えます蕪湖市との深い交流がございまして,昭和60年,1985年から提携を結んでおりまして,蕪湖市を訪問しますと,非常に熱烈な歓迎を受けてきておりまして,これまでも両市は良好な友好関係を継続してきております。 こうした友好関係を基に,5月中旬には蕪湖市の関係者及び蕪湖市の企業様のほうから,新型コロナウイルス感染拡大防止に役立ててほしいということで,高知市に対してマスク4,000枚を頂いておりまして,お互いの友情を改めて感じたところです。 今年は35周年ということで訪問をする予定でしたけれども,このコロナ禍で延期ということになっております。 一方で,御質問にもあったように,近年,中国の覇権主義ですけれども,中国船が尖閣諸島沖での航行を活発化させたり,香港での国家安全維持を制定させたり,国際社会において,中国に厳しい目が向けられていることなど,懸念する点もございます。 どなたを国賓として迎えるかどうかは,政府の決定事項ですので,そのことの発言は控えさせていただきますけれども,これまで長い年月をかけて積み上げてきました両国の関係を壊すことがないように,両国政府には,冷静な対応をしていただきたいということを強く望みたいと思います。 続きまして,国民宿舎桂浜荘に関する御質問にお答えを申し上げます。 桂浜荘をはじめとします指定管理の施設につきましては,その運営を指定管理者に委ねておりますけれども,高知市は施設の設置者としまして責任を負う立場にありますので,今回の新型コロナウイルス感染症による利用者減の影響をそれぞれ施設の全ての指定管理施設が受けております。 それぞれ締結をしております指定管理の基本協定の中にある不可抗力の天災・暴動等による履行不可能,この条項に該当するものとして認定をいたしまして,令和2年度中を期間としまして,それぞれの指定管理者への運営支援を実施するという決定をしております。 桂浜荘に関しましては,令和6年度で国民宿舎運営事業特別会計の累積赤字が解消する見込みでありましたので,6年度までに国民宿舎の在り方を検討することとしておりましたが,新型コロナウイルス感染症の影響によりまして,当分の間,官民共に宿泊施設の運営は非常に厳しい状況が続くものと想定されますので,今後の桂浜荘の在り方については,施設の管理者として,様々な角度からの検討を行ってまいりたいと考えております。 最後になりますが,西敷地の利活用事業についての御質問にお答えを申し上げます。 西敷地の利活用事業につきましては,新型コロナウイルス感染症によります影響を考慮する必要がありますので,当初の計画,本年度スケジュールを半年間程度遅らせまして,10月から本格始動することを予定しております。 新図書館西敷地利活用事業基本方針に基づく事業実施の方針については,変更する予定はございません。 今後のスケジュールとしましては,サウンディング型市場調査をはじめ,事業実施に係る一連の業務の支援を行っていただくための西敷地利活用事業者選定支援業務の事業実施者の選定後,令和3年1月からサウンディング型市場調査を開始いたしまして,民間事業者との意見交換などを踏まえた上で,事業実施方針や募集要領の策定を行い,3年度上半期には,事業提案の公募をスタートさせたいと考えております。 引き続き,第2期中心市街地活性化基本計画の最終年度が令和4年度ということになっておりますので,これが順調にいきましたら,4年度中の事業の着工を目指しまして,議会にもその都度適宜,御説明を申し上げながら,御意見をいただいて,事業を進めてまいりたいと考えているところでございます。 その他の御質問につきましては,副市長及び各担当部局長からお答えを申し上げます。 ○議長(田鍋剛君) 松島副市長。 ◎副市長(松島研君) 私からは,新図書館西敷地の利活用事業についての御質問について順次お答えをいたします。 まず初めに,この西敷地の利活用事業につきまして,総務省で在職中に知っていたかということでございますが,結論から申しますと,在職中は存じ上げておりませんでした。 ですが,着任後に所管事項説明の一環で,担当部局から説明をしていただきまして,その結果として,この事業というものは,質問議員さんからもありましたように,追手前小学校の卒業生の皆様,関係者の皆様の御理解の下,実現しました。 平成25年だと思うんですけれど,追手前小学校と新堀小学校の統合により生まれました本市の中心市街地内の貴重な公有財産の有効活用といった観点と,高知市の中心市街地の活性化を図っていく上で重要な事業であるというふうに認識しているところでございます。 続きまして,西敷地の利活用策についてお答えをいたします。 質問議員さんから御紹介いただきました豊島区の南池袋公園でございますけれども,これにつきましては,地域への愛着を他者と共有できる第三の場所,いわゆるサード・プレイスということらしいんですけれど,こういった理念に基づいた公園整備事業であると伺っておりまして,また国土交通省からは,立地,空間特性などを踏まえた広場づくりの方向性に関する手引も示されているものと承知してございます。 しかしながら,本事業については,公園整備という位置づけではなくて,新図書館西敷地利活用事業基本方針に基づきまして,貸付けによります公的不動産の民間活用によりまして,中心市街地の活性化に寄与する複合的な機能を有する施設を立体的に整備しまして,もって土地の高度利用を図ろうとするものでございますので,これは国の役人的に申し上げると,御紹介いただいた南池袋公園のものとは,事業の趣旨及び目的が異なるものということでございます。 公的不動産の民間活用という考え方につきまして,政府におきましては,平成25年に策定されたPPP,PFI,こういった抜本改革,アクションプランということに端を発する公共施設の整備,維持管理,運営と,こういった各段階において民間の資金,経営能力,技術的能力を最大限活用する取組の一つの手法であるというふうに承知してございます。 公的不動産の民間活用につきましては,財政状況の健全化が求められる地方自治体におきましては,人口減少や地方創生に向けた取組にも注力しながら,老朽化した公共施設の集約,再編,地域活性化やまちづくりのために,資産を有効活用するという目的において,有効な手段であるというふうに認識してございます。 そういった意味では,ほかの自治体におきましても,中心市街地拠点整備事業として,たしか2017年だと思うんですけれども,愛知県の安城市でアンフォーレという愛称施設があるんですけれど,それが整備されたりですとか,あとは官民の連携手法を取り入れて実施されました岡山市の出石小学校跡地整備事業をはじめとしまして,全国的にも例が多くあるというふうに承知してございます。 西敷地のこの事業につきましては,平成19年から継続して民間の有識者の方々,そして市民の代表者の方々に入っていただきまして,中心市街地活性化基本計画検討委員会,また新図書館西敷地利活用検討委員会,こういったことなどで基本的な事業方針,こういったものを検討してまいっております。 また,平成28年には,約3,000人を対象とした市民アンケートを実施しまして,その結果を踏まえまして,新図書館西敷地利活用基本方針を策定されまして,昨年は,さらに高知市町内会連合会の役員の皆様,中心市街地に立地する高校や大学の学生の方,生徒の方とも意見交換会を実施して,それらの意見を踏まえまして,基本方針の改訂版を策定したものというふうに承知してございます。 そういったことでございますので,現状としましては,これまでいただいております多くの市民の皆様からの御意見,御提案を基に,本市が主体となって実施しようとする事業の具体的な方向性を議会の皆様,市民の皆様にお示しして,事業を実現するというフェーズにあるというふうに考えてございます。 したがいまして,先ほど市長からも申し上げましたが,今後,事業者から意見や提案などをお伺いするというサウンディング型市場調査を経まして,これまで市民の皆様からいただいている御意見,御提案,こういったものを含め十分に検討した上で,本事業の実施方針を策定して,公的不動産の民間活用によります,中心市街地の活性化に寄与する事業として実現してまいりたいというふうに,このように考えてございます。 ○議長(田鍋剛君) 山本教育長。 ◎教育長(山本正篤君) 教育行政に関わって御質問をいただきましたので,順次お答えをいたします。 まず,新型コロナウイルス感染症に対する,校長会における対応と学校現場での気がかりな点についてお答えをいたします。 新型コロナウイルス感染症に対する対応につきましては,本年3月に全国一斉の臨時休業が求められた際には,臨時に校長会を2回開催し,臨時休業に向けての対応や感染防止対策等について情報共有を行いました。 また,本年度再度の臨時休業の際にも,必要に応じて臨時に校長会を開催いたしまして,児童・生徒の学びの保障や段階的な学校再開へ向けた手だて等について,情報共有を行っております。 学校においては,新型コロナウイルス感染症については,換気や消毒作業など日常の取組はもちろんのこと,給食時の配膳や食事中のルールを紹介する動画を作成するなど,高い危機感を持って対応をいただいております。 また,新型コロナウイルスについては,まだ不明な点も多く,学校ではその対応に苦慮していることもございますので,教育委員会では,国や保健所から得た最新の情報を迅速に提供することに努めております。 今後につきましても,教育委員会と学校が危機意識や緊張感といったものをしっかり共有し,校長会を通じて各学校との情報共有を行いながら,新型コロナウイルスに対応してまいりたいと考えております。 次に,修学旅行の実施等の実情についてお答えいたします。 9月10日時点の状況といたしまして,中止を決定した学校が11校ございます。そのうち7校が春から秋へ変更を検討した上で,中止を判断したものでございます。 そのほか,高知市立小・中・義務教育学校の約4割の学校が,春から秋,秋から年末など,日程を大きく変更している状況ですが,今月16日には,安全対策を適切に講じて,小学校4校が,四国内など近隣地域へ旅行先を変更した上で修学旅行を実施する予定となっております。 中止を決定した学校につきましては,行き先や経由地の感染状況でありますとか,保護者の意向等を踏まえて慎重に討論,協議した結果,その判断に至っているものでございますけれども,文部科学省から令和2年7月28日付の文書で,修学旅行は県内の日帰りも可能であるということが示されておりましたので,これに沿った形で再度実施する方法について検討されているともお聞きをしているところでございます。 次に,新型コロナウイルス感染症の影響による学校行事の取扱いについて,お尋ねがございましたのでお答えいたします。 教育委員会といたしましては,学校における基本的な感染症対策と充実した学びを継続するために,文部科学省が示しております学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル,学校の新しい生活様式を基に,本市の感染状況及び各学校の状況を踏まえ,子供たちの健やかな学びの保障を目指すよう,学校への指導,助言を行ってまいりました。 学校で行える行事を含めた教育活動には,それぞれ目的や意義がございます。コロナ禍におきましても,学校教育活動は,子供たちが学びの楽しさを実感し,記憶に残る学校生活を送るために大切な学習の機会でございますことから,学校が各教育活動の目的達成のために,感染症対策を講じつつ,学習内容や活動内容を工夫し,可能な限り各教科等の学習や行事,教育活動に取り組んでいただきたいというふうに考えております。 多くの学校が内容を短縮,精選しながらも,従来の方法とは異なることになるかもしれませんけれども,各行事の目的が達成され,子供たちの学びが実現されるよう,行事等を実施する方向で検討を進めているというふうにも聞いております。 今後につきましても,コロナ禍において,学校行事等も含めた学校教育活動における学校の悩みや相談に対しましては,情報の提供でありますとか,感染症対策に係る物的支援,教科の充実に向けた指導主事による訪問指導など,学校現場を支援継続してまいりたいというふうに考えております。 最後に,文化プラザ長寿命化整備事業についてお答えをいたします。 本施設の建設当初から,今回の改修費用が決まっていたのかということにつきましては,施設の建設時点では,長期修繕計画を策定しておりませんでしたので,今回の改修費用が見込まれていたものではございません。 教育委員会といたしましては,本施設が平成13年の竣工から年数が経過し,その間,必要な改修工事について繰り返し予算要求を行うものの,認められず,施設随所に不具合が生じておりましたことから,竣工から20年目に当たる令和4年度から施設を全面休館し,不具合の生じていた大ホールの舞台設備や屋上防水などを中心に,不具合の生じていた部分,休館しないと施工できない部分などの大規模改修を計画いたしておりました。 しかし,舞台設備の改修だけでも10億円を超えることが確実であったことから,10億円を超える事業の実施に当たっては,漫然と従来の方式を採用することなく,民間資金や活力の導入について検討するという民間資金等の活用による高知市公共施設等の整備等の手法に関する導入検討の方針に沿って,官民連携による様々な可能性を調査,把握するために,サウンディング型市場調査を平成30年度に実施し,令和元年度に劣化度調査及び整備基本計画策定委託業務を実施いたしました。 その中では,効率的に改修を実施するためには,初回の改修費用が約90億円超というふうに算出されましたことから,本市の財政状況を考慮しますと実施不可能と判断し,現在実施中の改修事業者選定支援業務におきまして,改修の優先順位の整理及び機能不全までは起こらない内容について先送りするなど,可能な範囲で工事費用の平準化を行い,40億円まで圧縮したものでございます。 この平準化した長寿命化整備計画をはじめとした事業実施方針につきましては,本年8月17日,経済文教常任委員会を開催していただきまして,報告をさせていただいたところでございます。 また,本計画における20年間の総事業費約115億円につきましては,高知市公共施設長期保全計画等に定められる耐用年数に基づき,予防保全の考え方により改修を行った場合に必要となる費用を算出しているものでございます。 このため,実際の改修に当たりましては,施設点検結果などから対象部位の現状を把握した上で,改修をぎりぎりまで遅らす方向で改修時期を調整することで,さらに平準化を検討するなど,財政負担の軽減を図りながら,安定した施設の維持管理に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(田鍋剛君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) 松島副市長,大変申し訳なかったです。来た早々にこんな質問をして,あの答えしか返ってこないということは想定済みでございまして,市長への気遣いもありますでしょう。 また,南池袋公園のことは参考までに言わせていただいただけで,公園としてということではなくて,市長への気遣いもよく感じ取れました。ありがとうございました。 そこで,これはルール違反のような質問をしたわけでございますが,市長が目指す西敷地の方向というものは,私たちは市長にとって大きな汚点というふうに捉えておりまして,残念でならないわけであります。 松島副市長はまだ就任後,日が浅いんですが,とにかくさえた頭の持ち主でございますから,この地方自治体としての高知市をどのように見ておられるのか。 それと本市の幹部職員や市民対応に従事する職員の仕事ぶりをどのように見ておられるのか。いいものはいい,悪いものは悪いとはっきり,もしお構いなかったら,後で簡潔にお答えをいただきたいと思います。 かるぽーとの件ですが,先ほど御答弁いただきました。仮に,2,000万円で建てた一般住宅に置き換えたとしたら,住宅ローンが終わるまでに,維持費とは別に1,200万円ぐらいの改修費が要る。この割合でかるぽーとに置き換えると,あまりにも高額過ぎると思うわけであります。 私は,先日,高知市町内会連合会の役員の方,これははっきり言って副会長さんですけども,道路が傷んでも,水路が傷んでも,除草をお願いしても,予算がないを理由に,なかなか聞き入れてもらえん。一方で,40億円も使って改修するのかと,大変なお叱りを受けました。 ちょっと脱線するかも分かりませんが,この議会では,毎年のように生活密着型予算の増額を要望し続けてきましたし,本市の財政が厳しいことは分かっております。しかし,市民の声にもう少し応えるべきであります。 かるぽーとはこれまで18年間,これらのランニングも含めた経費,そして40億円も含めた18年間の合計。知りたいのは,そして先ほど言われた,さらに20年間で総額115億円を想定しているということですが,少しお分かりであったらその115億円,ランニングも含めた総額を示していただきたい。 あわせて,市長には,先ほどの市民の声の答弁を求めておきます。 桂浜荘の件に関しては,市長,私は先ほど第1問では,直球では言いませんでした。確かに累積赤字も解消間近というお答えがあったんですが,先日,市長は法的にどのような方法,先ほどの答弁でもそうでしたけれども,何があるのか検討が必要という旨のことだったと思います。 指定管理契約は残り4年近くあるし,赤字もあるし,それを承知の上で,早い話,このコロナを機に桂浜荘の経営に終止符を打ってはいかがかということを申し上げたわけでございまして,市長,何か言いたいことがあったら,もう一度お答えをいただきたいと思います。 様々申し上げましたが,昨日の私たち自由民主党の総裁選挙は,予想どおりの菅官房長官が圧勝でございまして,高知県も与えられた3票のうちの1票が菅さんに行ったということで,今後,大いに期待をしたいと思いますし,皆さんも期待をしていただきたいと思います。 その一方で,合流新党の149人でしたか,新しいスタートとは言いますけれども,党名も代表者も同じ。さらには,最悪であった旧民主党政権の主要なメンバーも大勢結集しておりまして,あまり新鮮味もありませんし,政策面でも違う共産党などとも野党共闘で総選挙を戦おうとしている旧態依然のスタイルは,果たして国民の支持が得られるでしょうか。 少なくとも私は支持いたしません。様々これ以上言うと,いろいろきな臭い話になりますので言いませんが,以上第2問といたしますが,お答えをよろしくお願いいたします。 ○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 第2問をいただきましたので,私のほうから2点お答えを申し上げます。 まず,かるぽーとですけれども,実際に我々も試算をしまして,本当にこれだけかかるのかということで,改修コストが非常に大きいということに大変驚いたところです。 一つの反省としまして,かるぽーとは建設から18年程度になりますけれども,この18年の間,かるぽーとの施設修繕費などの経費につきましては,大体2億円程度しか入れておりませず,あとは全部査定でカットということになっておりまして,それが積み上がってきたということもありまして,現在,今回精査したものだけでも,改修経費が40億円ということになっております。 また,今後ですけれども,この改修が済んだ後,予防保全を含めました,今後の20年の改修費用につきましては,試算の段階ですけれども,75億円程度かかるという試算もありますので,専門的な御意見,第三者的な御意見を専門家からもらおうと思っていますが,専門的な意見も踏まえまして,この金額を圧縮して精査をしていかなければならないと考えております。 また,ランニングコストの御質問がありましたので,開設以来18年間,これは人件費を入れてですけれども,18年間の人件費,光熱水費,設備の点検費用などの管理運営費など総額で約47億円程度かかっております。今後20年程度も,同じ算定でいきますと同規模になろうかというふうに考えております。 関連して,生活密着予算の増額確保もままならない中での非常に大きな改修費ということになりました。 生活密着費につきましては,議会からの御要望,地域からの御要望も非常に強いということもございまして,道路関係につきましては平成28年度以降,また最近では河川関係の御要望が増えていますので,河川関係につきましては翌年の29年度以降,毎年予算を増額してきております。 かるぽーとは非常に大規模な改修ということで金額がかさんできておりますけれども,18年間の中で,財務部によりますと,先ほど教育長が少し言っていましたけれども,かるぽーとの予算につきましては,改修経費30億円ぐらいを査定によってカットしてきたという話も聞いておりますので,今般の40億円はどうしてもやらないといけない部分,これは安全性に関わりますので,その部分をやらなければいけないということで御理解をお願い申し上げたいと思います。 なお,今後につきましては,できるだけ圧縮していくための専門的な御意見を第三者からいただきたいというふうに考えております。 2点目の桂浜荘ですけれども,国民宿舎桂浜荘の営業の停止ということを考えたらどうかという御質問にお答えを申し上げます。 桂浜荘の在り方につきましては,第1問でもお答えを申し上げましたけれども,今後,このコロナの影響を官民共に受けていますので,様々な角度から検討する必要があると考えております。 高知市は桂浜荘の設置者としまして,新型コロナウイルス感染症の影響下におきまして,これは都市公園の中に設置をしておりますので,誰でも建てられるということではございませんので,地方公共団体が休養宿泊施設を運営する意義や運営を継続した場合の財政負担など,詳細に検討していく必要があると考えております。 営業停止すべきということですけれども,仮に営業を停止しますと,直ちに雇用の喪失に直結をいたしますので,様々な条件を多角的に検証し,総合的な判断によって,その方向性を検討していく必要があると考えます。 ○議長(田鍋剛君) 松島副市長。 ◎副市長(松島研君) 地方自治体としての高知市をどのように見ているのかと,また,職員の仕事ぶりについてはどうかということで御質問をいただきましたので,お答えをいたします。 就任以降でございますけれども,コロナの感染拡大ということで様々な影響をされまして,また市民生活の安定を図ると,緊急かつ臨機応変な対応が必要だと。また,先日の台風による危機管理対応,こういったもろもろがあったわけですけれども,こういったことと並行しまして,厳しい財政状況の中で,高知市が抱えるいろんな政策課題につきましても,各担当部局の皆さん方から詳しく状況を聞き取りながら,まさに膝詰めで議論をさせていただいているところでございます。 質問議員さんが御指摘の新図書館西敷地利活用事業に限らず,地方自治体として取り組むべき様々な事業の推進に当たりましては,本市の持ち得るポテンシャルを最大限に引き出していくことが重要であるというふうに考えております。 とりわけ,今年はコロナの拡大に伴います社会経済活動の自粛といった影響が表面化してきておりますので,自治体運営の観点からも,来年度以降の状況についても,引き続き注視していかなければならないということでございます。 また,このような中で,高知市の職員の皆さんの多くが住まわれているところは,高知市内でございますので,こうした様々な影響を日々の暮らしの中で感じながら,自身が暮らす自治体の運営についても,自ら携わっておられるということであります。 高知市の職員の総数ということでございますけれど,欠員その他ありますけれども,約2,700人とお伺いしております。 そういった意味では,職員の方々一人一人をまだ十分に知悉しているわけではありませんけれども,少なくともこれまで様々なやり取りをさせていただいた範囲におきましては,地に足のついた仕事ができていると。 または正直まだできていないという方もいらっしゃるかもしれないですけれど,それでも地に足がつくように頑張ろうということで努力されていると,こういった様子を拝見しておりますので,基礎自治体に勤務する地方公務員の強みというものを改めて実感しているということでございます。 国や県はもとより,議会や市民の皆様に対しましても,地方自治体としての本市の置かれた状況というのを明確に説明して,正しい理解を得るためにも,地方公務員としての皮膚感覚といったものを生かしながら,事実に基づく政策立案をしていくことが必要だというふうに考えております。 そういった意味におきましては,幹部職員はもとより,実際に実務に携わっておられる担当の方々も含めて,何度も申し上げておりますけれども,客観的な証拠,根拠を基にした政策の立案に加えまして,効果的,効率的な実行に向けた能力と経験値,こういったものを高めていくことができるように,私もできる限り力を尽くしてまいりたいというふうに考えてございます。 ○議長(田鍋剛君) 戸田二郎議員。 ◆(戸田二郎君) どうもありがとうございました。 市長,先ほど言われたかるぽーとの件,18年間で47億円ぐらいのランニング経費がかかったということだったんですが,47億円かかった。年割り額でしたら,今回の事業で,一番大きいのは令和4年頃ですか。その40億円を含めたら,20年間ぐらいで約90億円ということの理解でよろしいですか。 そういう建築後,竣工後約20年間で90億円ぐらいの経費も含めてお金が要ったというあの施設。ともすれば,かつての亡くなられた松尾市政を箱物行政ということで批判をする市民の方もいるやにお聞きもしましたし,そんなことを言ってしまえば,松尾さんが浮かばれないと私は思いますので,言動には注意しなければいけないと思います。 その当時の財政を担当したのは市長でしたか。同罪とは言いませんけれども,市長もブレーキをかけることなく,この施設が竣工したわけでございました。できたものは仕方がないので,けれどお金の要らんように努力をしていかなければいけないと思います。 以上で,全質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(田鍋剛君) この際暫時休憩いたします。  午後0時1分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後0時59分再開 ○副議長(吉永哲也君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 長尾和明議員。  〔長尾和明君登壇〕 ◆(長尾和明君) 市民クラブの長尾和明でございます。通告に従いまして,順次質問させていただきます。 まず初めに,市長の政治姿勢について質問いたします。 まずは,コロナ禍で見えた地方自治であります。 御承知のとおり,第1次地方分権改革によって,国と地方は,上下,主従から対等,協力の関係に変わり,国が自治体を従わせようとするには,いわゆる関与法定主義でありますが,法令等の根拠が必要になります。 改正新型インフルエンザ等対策特別措置においても,国からの通知は助言の類いでありますから,本来ならそれを聞いてもよいし,従わない場合でも不利益を与えてはならないと,法律上はそのようになっています。 特措法にはない特定警戒都道府県という概念をつくったり,知事の権限である外出自粛や休業要請に対して,国に協議の上で行うとの通知を発出したことなど,国と地方の役割分担が,ゆがめられたとは申しませんが,対等,協力であるべき国と地方の関係に悪影響を及ぼさないか,私は大変危惧をしております。 今後も,未知のウイルスによって国民の健康,命が脅かされる状況が発生することがあろうかと思いますが,そういった状況下において,地方分権という観点から,国と地方の関係はどのような形が望ましいか,市長の御所見をお伺いいたします。 安倍総理が体調悪化を理由に辞任いたしました。潰瘍性大腸炎という難病が再発されたようですが,同様の病気で苦しむ人たちのためにも,一日も早い回復と,一議員として活躍されることを願っております。 安倍政権ですが,8年近い長期政権でもたらされたものは何か。レガシーとして国民に意義あるものが残されたのか。そのような検証は国政の場で行っていただくとして,安倍政権は,地方自治にどのようなレガシーを残したのか,高知市政との関わりに絞って,市長の御所見をお伺いします。 次に,公園の管理についてお伺いします。 市内にある公園は,大小合わせると約820か所,合計約180ヘクタールもの広さがあり,開発緑地での公園整備,最近では弥右衛門公園の整備等により,公園は年々増加しております。 都市公園など大規模公園は,ふだんは地域の憩いの場として,また大規模災害など有事の際には,地域の復興活動の拠点となるなど必要不可欠であり,被災時には広く使える状況を保てるように維持する必要があると思いますが,近年できていない公園が非常に多くあるように感じております。 財政再建の中で維持管理にかかる予算が大きく削られ,すべき維持管理ができてこなかったことが,原因の一つに上げられると思います。 例えば,樹木の剪定作業は,適正な高さ,管理しやすい高さ,はしご程度で行えるような高さから大きくならないように適度な剪定をする必要がありますが,現状は大きく育ち過ぎ,高所作業車が必要になってしまい,市で高所作業車を所有して高所剪定することもできず,適正な管理ができず,周辺の柵に被害を及ぼしたり,隣接する住宅に悪影響を与え,そのまま管理を怠り,放置すると強風で倒れるおそれがあり,道路通行の妨げや,最悪の場合,人身事故や周辺家屋へ被害が及ぶようになることも懸念されております。 このままでは,本当に必要となる有事の際に倒木で使用できない,倒木による交通障害で,緊急車両等が現地にたどり着けないといったことが起こることとなります。 高くなり過ぎた木は高所作業車での作業ということで,高所作業としても費用的にもなかなか手入れができないので,放置される状況がさらに続くこととなります。 どこかで断ち切って,ちゃんとした整備が必要となりますが,近年の予算を見てみると,維持管理に関する予算は十分ではありません。 緊急事態に公園が危害を及ぼすことのないよう,適正に利用できるような維持管理を求めますが,都市建設部長にお伺いします。 また,公園の樹木は,地域住民の寄附木の植栽や無許可の植栽によって,計画より樹木数が増えることも多々あると思います。 寄附の場合は,配置等を市が示して管理できるようにしていると思いますが,無許可の植栽は,危険な場所や通行の妨げになるような植栽がされていることもあると思います。 寄附木であっても桜が多く剪定が難しくなることや,記念樹として位置づけられると,大きくなり過ぎても植え替えができないなど,支障になる場合も多いのではないかと思います。 寄附木の取扱いやその後の管理方法について,寄附者と取決めができているのか。また,無許可での植栽の伐採などは,どのような対応をしているのか,都市建設部長にお伺いいたします。 次に,公園内の遊具について。 遊具は,子供が公園内で遊びながら過ごす,また遊びの中で運動能力の向上も図ることができ,公園には重要なものでありますが,使い方を誤ったり,管理ができていないと凶器にもなり得ます。 そこで,遊具の状況について都市建設部長にお伺いします。 遊具にも耐用年数があると思いますが,耐用年数を超えて利用している遊具がどれぐらいあるのか。 その中でも,適正に管理して,基本的に安全と判断して使用を続けているものもあれば,危険かもしれないが予算がなくて措置ができていないもの,危険と判断して使用中止にして立入禁止としているものの数をお示しください。 遊具は,近年の事故などにより,年々設置の基準が厳しくなっていると聞いています。子供は大人の思いも寄らないことをし,思いも寄らない事故につながることがあります。 それが公園遊具で発生した結果,遊具の設置基準が厳しくなってきているものだと思いますので,できる限り現在の基準に適合するようにしなければ,いずれ事故につながる危険性を放置していることになります。 設置基準が更新されたことで不適格となってしまった遊具で,改修できていない遊具がどのくらいあるのかをお伺いします。 次に,先ほど約820か所,合計約180ヘクタールの公園があることを申し上げましたが,これらの公園の中には,土地を市が所有せず借地している公園があります。 この借地公園は,借地料がかかり,長期で見ると経費負担が大きい上,どれだけ適正に整備をしても,借地契約の更新の際に地権者から土地の返却を求められると,それまでの苦労の全てが無駄になるなど,不確定要素が多いことが問題であります。 それぞれ借地公園について,時期を決めて,土地を購入するか,土地を購入できない公園については廃止を検討すべきと考えますが,今後,どのように借地公園を取り扱うおつもりか,市長にお伺いします。 公園の最後に,ポケットパークについてお伺いします。 道路事業や区画整理事業による余り地を公園にしたようなポケットパークが,市内至るところにあります。 中には,個人の駐車場として使われているもの,個人の庭のようになってしまっているところなど,公的な公園とは思えない管理ができていないものがあります。 旭の区画整理事業により,余り地を先行で公売したと聞きましたが,その状況について,売れた土地のその後の利用や先行で売ったことによる効果について,都市建設部長にお伺いします。 次に,老老介護について質問いたします。 介護保険制度は,2000年の施行から20年が経過しました。この間,本保険制度を利用することによって,多くの国民や高齢者が助けられてきたことは,大多数が認めることと思います。 この介護保険制度は,国民の保険料と税金によって,基本的に全国統一の制度として運営されており,高知市においても3年に1度の見直しを行いながら,市民の介護ニーズに応えてきました。 そこで,お伺いしますが,介護保険の財政状況について,現在ではどのように推移しているのか,お答えください。また,介護保険の制度上の問題点や課題があれば,お示しください。 私は,急速に進む超高齢化社会と少子化に現状で十分に対応できるのか,心配でなりません。 今,市民から要望が非常に多いのは特養ですが,その特養に入れない。一日も早く入所したいが,3年,いや4年待ちと言われていることもよく聞きます。高齢者,特に認知症の高齢者を抱えた御家庭では,悲痛な叫びで入所を希望しております。 本題の老老介護についてですが,言うまでもなく,高齢者が高齢者を介護しているということですが,厚労省の2019年の国民生活基礎調査によると,同居人が介護している世帯のうち,介護をする人もされる人も65歳以上の老老介護が6割に上り,そのうち33%は共に75歳以上であったと報告されています。 さらに,要介護者と介護者が共に認知症である認認介護もあるということです。 高知市においても,老老介護と認認介護について市民から多くの声,とりわけ悲痛な叫びが聞かれます。 高齢の介護者は心身の不調を抱えがちで,精神的,体力的な負担は重く,共倒れリスクが高く,社会問題として,介護疲れで行き詰まり,殺人事件も発生し,事件として悲しく報道されています。 そこで,高知市の現状について,老老介護と認認介護の詳細な実態を説明していただきたいと思います。 介護保険制度を利用すれば,少ない自己負担で入浴や食事などの様々なサービスが用意されていることは御承知のとおりですが,制度を利用されない家庭がある事実があるようですが,高知市の実情はどのようになっているのかも併せてお答えください。 高齢者の虐待についても,調査によると,約3割が介護保険サービスを受けていなかったことが報告されております。 このことは,家のことを知られたくない,自分たちで何とかやっていけると考え,利用をためらう人も多いと言われていることの裏返しではないでしょうか。 しかし,ヘルパーさんら外部の目から,ごみがたまっているとか,日常生活の問題などから,介護者の体調変化に気づきやすくなることも指摘されています。 老老介護などは,緊急を要する課題であると思いますが,このことの解決のためには,ヘルパーの増員など支援の重層的な対策が求められるという識者からの提言もありますが,高知市の対策や対応など特徴的なことについて,特に高知市の介護行政は,全国的に高い評価を受けてきましたので,現状も併せて説明をお願いいたします。 次に,火災に関して,火災後の対応を伺います。 火災件数は,この10年の推移を見ると,増減はありますが,減少傾向にあると言えます。特に,昨年は出火原因で多くなっていた放火が減少していますので,ゼロを目指して,放火を未然に防ぐ環境づくりなどの啓発に努めていただきたいと思います。 しかし,一たび火災が発生すれば,当該住家の市民は,たちまち住む場所に困り,火災後には様々な手続を行わなければなりません。 消防局では,消火後,どのような手続が必要なのかを一覧にしたチラシを罹災した市民に渡していただいておりますが,長年親しんだ住居を失い,正常な判断を欠く状態の中で,手続は多岐にわたっています。 個人の財産に関する保険等の手続は,自ら行わなければならないでしょうが,可能な範囲はワンストップで手続の支援ができないかと考えます。 新庁舎の建設を機におくやみ窓口を設置し,家族を亡くした御遺族に寄り添った対応をしていますが,火災に罹災した市民にも,同様のワンストップでの対応を行っていただきたいと思いますが,これは健康福祉部長にお伺いします。 また,家を失って一番困るのは,住む場所です。二,三日であれば,親戚や知人等のお世話になれるでしょうが,全焼あるいは半焼の住居を再建するには,一定の期間を要します。住宅再建までの間,入居時に期間を定めて,何とか市営住宅への入居ができないものかと考えますが,都市建設部長の御所見をお伺いします。 次に,避難所運営についてお伺いします。 過去最強クラスと言われ,非常に強い台風として接近し,九州を中心に大きな被害を出した先日の台風10号では,特別警戒級の台風に発達する可能性があり,2019年に関東地方に大きな被害を引き起こした台風15号より強く,被害も大きくなる可能性があるとして,早い段階から準備や避難への呼びかけが行われ,高知市でも6日の16時に23か所の避難所が開設されました。 高知市では,倒木や停電などの被害にとどまり,人的な被害はありませんでしたが,九州地方では,命を落とされた方や100名近くのけが人も報告されました。 お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに,被災された方々にお見舞い申し上げ,一日も早い復興を心より祈念いたします。 さて,今回の台風では,新型コロナウイルスの感染が始まって初めて避難所が開設され,コロナと生活を共にする新しい生活スタイルでの災害避難が行われました。 それによって,九州では新型コロナウイルスの感染防止対策との兼ね合いで,避難所での定員オーバーが相次ぎ,増設に追われるなど新たな課題も浮かび上がりました。 3密を防ぐため,囲いを設けたり,定員を約半分や4割程度に減らしたため,福岡市では222か所の避難所を用意したが,9か所が満員になり,6日の夜に27か所を新たに開放。長崎市では260か所,定員2万7,000人の避難所を設け,1万2,000人余りの利用でしたので,全体では余裕がありましたが,希望が殺到した49か所が満員になったとのことです。 また,台風の接近が予想される地域では,ホテルの予約が殺到し,特別警報級まで発達するという台風への警戒に加え,新型コロナウイルスへの感染を心配して避難所を避けている動きがあったようです。 熊本市や長崎市などの宿泊施設では,ホテルの客室の満室が相次ぎ,関係者も経験したことがないと驚いていたと聞きます。 避難所に多くの人が密集すると,新型コロナウイルス感染が広がるリスクがあります。これから避難所以外にも,親戚・知人宅,ホテル,在宅避難など,様々な避難先に分散して避難することが大切です。 特に,新型コロナの感染拡大で災害時などの避難の方法として,3密を避けた車中泊への関心が広まっています。 NPO法人環境防災総合政策研究機構,環境・防災研究所の調査によりますと,新型コロナで避難行動が変わると答えた人のうち,約42%が車中泊避難をすると回答。実際の避難時に,車中泊を選ぶ人が一定数想定されております。 窮屈な姿勢で血管内に血栓ができ,呼吸困難などを伴うエコノミークラス症候群などを招く懸念や,移動中に洪水に巻き込まれる危険性もあり,車中泊を勧めることはできないかもしれませんが,ニーズがある以上,現実的な支援や受入れ体制を考えるべきだと考えます。 特に高知市では,南海トラフ地震発生のおそれが高まったときに出される臨時情報が出た場合など,津波浸水区域外に車で避難するという選択は,多くの方が考えている選択肢だと思います。 高知市の避難所開設及び運営に関して,車中泊をどのように捉え,支援体制を進めていくのかお伺いします。 これで第1問を終わります。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問をいただきましたので,順次お答えを申し上げます。 まず最初に,地方分権に関する国と地方との関係に関する御質問にお答えを申し上げます。 長い歴史がございますけれども,地方分権改革は,平成5年の衆議院,参議院両院におけます地方分権の推進に関する決議以降,27年間が経過をし,この間,一定の前進はあったというふうに認識をしております。 従前の国と地方の自治体の関係は,どうしても上下,主従のように見られましたけれども,対等,協力の関係に変わりつつあるものと考えております。 平成26年6月に地方分権改革の今後の進むべき方向を示します,個性を活かし自立した地方をつくるという報告が取りまとめられ,地方の発意,いわゆる意見を言う発意ですが,それと多様性が重視される提案募集の方式,また権限移譲に対して,どういう権限を受け持つかという手挙げ方式などが導入され,地方の取組を国に積極的に政策を提言していく,こういう手法が取られてくるようになりまして,現実に国としましても,地方の意見に耳を傾けるようになってまいりました。 また,民主党政権の時代には,さらに地方分権より一歩先に行きました地域主権ということが主張されましたけれども,残念ながら実現には至りませんでした。 国と地方が人口減少に対する危機感を共有しながら,各地域がそれぞれの特徴を生かした自律的かつ持続的な社会を創生できるよう,まち・ひと・しごと創生が成立をいたしまして,平成27年から地方創生を本腰を入れて推進しております。 まだまだ課題が多いというふうに認識をしておりますが,基本的には,住民自治に重点を置いたまちづくりが進んできているというふうに感じております。 新型コロナの影響を受けまして,人々の生活の仕方,また新しい生活様式も変わってくるというふうに思いますので,現状では国の積極的な財政出動の下に,スピード感を持った対応が図られていくべきだというふうに考えております。 分権におきましては,ずうっと一貫して申し上げております地方財政の強化は,まだまだ道が遠いという認識を持っておりますけれども,地方の意見が大分国に対して通りやすくなったという一定の成果はあるというふうに考えております。 今後とも,東京一極集中の是正に向けて,ますます地方で生活する方々は基本的に増えてくると思いますので,権限移譲も一定進むことを期待しておりますので,今後とも全国市長会等を通じまして,地方からの意見を国に対して,しっかりと申し上げておきたいというふうに考えております。 続きまして,安倍政権の長期政権が終わることになりました。平成24年12月の第2次の政権の発足以降,第2次ですけれども,7年8か月という最長の在職日数を重ねられた安倍総理に対しましては,非常にお疲れさまでしたとお声をかけたいと思います。 長期政権を担ってまいりました基本のベースにつきましては,やはり経済の再生,アベノミクスですけれども,様々な評価がありますけれども,一定の経済の再生の効果はあったと認識をしております。 株価で見ますと,第2次の安倍政権が発足した当時ですけれども,日経の平均株価は1万円前後でしたけれども,平成30年後半あたりには2万4,000円前後まで回復をしておりますし,また当時非常に円高でしたけれども,日本の輸出産業の振興のために円安にシフトさせ,為替も安定させたということも功績はあったというふうに思います。 高知市におきましては,一番顕著に表れたのは有効求人倍率でございまして,平成26年,青森,高知,沖縄は0.6ぐらいでしたけれども,高知県も25年には0.66でした。 これが,令和元年度では1.31まで高知県全体で上がってきておりますし,高知市だけを取りますと1.6ぐらいまで上がりましたので,そういう意味で効果がデータとして非常に顕著に出たのは,有効求人倍率の改善というふうに思っております。 また,この第2次安倍政権の発足は,尾崎知事の第2期目に当たりまして,高知県産業振興計画と非常にマッチしましたので,そういう意味で,人口減少下の中での高知県の経済成長モデルというものは,尾崎知事の産業振興計画と高知市のアクションプランなどの連携がうまくいきましたので,そういう意味で一定の効果はあったというふうに思っております。 ただ,よく言われます可処分所得などの実質賃金指数ですけれども,賃金の変動率を表す実質賃金指数の推移を見ますと,そんなに変動しておらず,家計への影響も含めて,市民の皆様の生活には実感として結びつかなかったということで,企業が非常に収益を上げて,個人所得の向上につながっていなかったということもあるので,富の分配がうまくいっていなかったという認識を持っております。 まだまだ課題が残っていると思いますけれども,一定の成果はあったというふうに評価はしているところでございます。 続きまして,借地の公園に関する御質問にお答えを申し上げます。 御質問の中でも御紹介をいただきましたけれども,国や県などの公有地を借地しているものもございますが,民有地を無償で借地をして公園にしているもの等が6か所,有償で地代を払っている部分ですけれども,そういう借地で3か所の借地公園があります。 借地公園を整備する場合には,一定のエリア,何メートル四方かということを基準として設けています。 その周辺に公園が実際にないのかどうかということを調べながら,公園のないエリアについては,子供さんが安心して遊べる場所や憩いの場所,また大概こういうところは地元からの強い要望がありますので,地元からの御要望を受けまして,借り上げできそうな地権者の御協力を得て開設をしたものでございます。 それぞれの借地公園では,例えば地元の夏祭りや,また最近では,よく防災訓練等を開催しております。 また,御質問がありましたように,清掃や除草などの公園愛護活動を地元として積極的に取り組んでいただくことにより,それぞれの活性化につながっていくということに感謝を申し上げます。 地域の皆様が公園に愛着を持っていただいておりまして,公園の空白エリアを解消している側面もありますので,本市としましても,引き続き借地公園として存続をさせたいと考えておりますけれども,例えば親御さんがお亡くなりになったときに相続の問題が出ますので,そういうときに借地公園を返してくださいとかというお話は時々あるという状況です。 仮に,借地公園の地権者の方から土地の返還,また買取りの申出があった場合につきましては,例えば,地権者の方に御理解を願うように努めております。 いろんなケースがありますけれども,どうしてもその借地公園としての継続が困難な場合には,契約を解除して公園がなくなる場合,もしくは用地を取得する場合,これはケース・バイ・ケースなんですが,状況に応じて判断をしてきておりますので,地元の御意見も踏まえて,ケース・バイ・ケースで判断をしていくということになると考えます。 その他の御質問につきましては,各担当部局長等からお答えを申し上げます。 ○副議長(吉永哲也君) 松村防災対策部長。 ◎防災対策部長(松村和明君) 避難所運営に係る車中泊に関する御質問にお答えします。 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表される前には,南海トラフの東側で地震が発生し,本市においても大きな揺れと大津波警報が発表されることが想定されており,津波から命を守るために,津波が想定される地域におられる方々は,高台などへ速やかに避難しなければなりません。 地震発生から数時間後に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合には,本市で定めております事前避難対象地域に避難勧告を発令いたしますので,その地域にお住まいの方々や自主避難される方々のために,津波の浸水想定区域外にある避難所を開設することとしております。 高台等に避難された方々は,臨時情報が発表された後も,津波警報が解除されるまで避難場所にとどまり,津波警報解除後に避難所等へ移動することとなりますが,臨時情報による避難は,発災前の避難であることから,御質問いただきましたように,車で避難所へ避難される方々も想定されますので,一定駐車スペースがある小学校や中学校を避難所として開設することとしております。 車で避難された方々につきましても,車中泊では,エコノミークラス症候群や,暑い時期には熱中症になる危険性が高いことなど幾つかの課題があることから,行政といたしましては,できるだけ避難所の中で避難生活をしていただきたいと考えております。 しかしながら,プライバシー確保の観点等から,車中泊を選択される方々も一定数おられることは想定しておく必要がございます。 本年6月以降,防災啓発団体・高知防災プロジェクトが行っている車中泊を想定した避難訓練に本市の防災担当職員も参加し,健康課題等の対応や受入れ対応などを実際に体験することができ,参考になる知見を得ることができたと考えております。 新型コロナウイルスの感染が懸念をされている現状では,現実的に車中泊を選択される方々が多くなると想定されることから,車中泊の方々の具体的な支援方法や受入れ体制につきましては,現在,研究,検討を進めているところでございまして,早期に支援方法等を確立してまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 大野健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(大野正貴君) まず,介護保険の財政状況と制度上の課題についてお答えをいたします。 介護保険の財政状況の推移でございますが,高齢者の尊厳の保持と自立支援というものを基本理念といたしまして,平成12年度に制度を創設して以来,高齢化の進展,またサービス提供体制の整備によりまして,制度開始時には約3.6兆円でありました介護費用は,右肩上がりで推移をしておりまして,30年度には約10.1兆円と,20年足らずで約3倍に膨らんできておる状況でございます。 一方,制度の課題等でございますが,御案内のとおり,介護保険制度は公費と保険料によって賄われておりまして,介護費用が増加しますと,当然,保険料負担も増えるという仕組みでございますので,本市では,平成12年度から14年度までの第1期の期間において,月当たり3,108円で設定しておりました保険料の基準額が,現在の7期におきましては,5,680円まで1.8倍と,こちらは増加をしてきております。 今後も,団塊の世代が75歳となります2025年問題,さらに現役世代が急減するステージとなる,いわゆる2040年問題を見据えまして,限られた年金収入の中から御負担をいただいております,65歳以上の第1号被保険者の皆様と,制度を支えておられます現役世代の皆様との負担の在り方を含めまして,制度自体をどのように担保していくかということが,最大の課題であると認識をしております。 現在,国の社会保障審議会の専門部会におきましても,第8期の介護保険制度が議論されておりますところでございますが,高知市としましても,こうした国の動向を注視しながら,可能な限り低所得者の皆様に配慮した保険料設定を行いまして,持続可能な制度運用に努めてまいりたいと考えています。 続きまして,本市の老老介護と認認介護の実態についてですが,まず御高齢の御夫婦などがお互いを介護する,いわゆる老老介護でございますが,令和2年8月末時点で,お独り世帯を除く65歳以上の方で構成された約1万8,600世帯のうち,在宅で1人でも要介護認定,これは要支援の1から要介護5になりますけれども,これを受けている世帯が市内全体で約3,600世帯,単身を除く高齢世帯の2割を占めておる状況でございます。 さらに状況が進み,認知症の高齢者が認知症の高齢者を介護する,いわゆる認認介護は先ほど申し上げました老老介護の3,600世帯の中で,世帯員全てが認知度の判定指数である日常生活自立度において,Ⅱaといった判定以上の世帯でございますけれども,こういう世帯が市内で約140世帯ということとなっております。 このⅡaにつきましては,日常生活に支障を来すような行動等があっても,誰かが注意をしておれば自立可能な状況ということになっておりますが,対象となっております世帯は,既に通所介護など介護保険のサービスを利用されておりまして,近くに住む御家族や地域の支援などを受けながら,在宅生活を送っておられる状況でございます。 また,制度を利用されない方の実情でございますが,令和2年6月末時点で,要介護状態でありながら介護サービスを利用していない方は約5,000人,全体の4分の1,25%となっております。 これらの方は,日常生活がほぼ自立している方や医療機関に入院している方など,今のところ,介護サービスを必要としていない方,また家族が介護されている方などでございますが,今は元気で健康上の問題がなくても,やがて生活の中で困り事が増えまして,何らかの支援が必要となる可能性も当然出てくると考えておりますので,安心して在宅生活を続けていくためにも,ぜひお近くの地域包括支援センターのほうに御相談をいただければと考えております。 次に,老老介護,ネグレクトなどに対する本市の現状,対応についての質問にお答えをいたします。 介護サービスを利用している方は,担当のケアマネ,ヘルパーなどのモニタリングによって地域包括支援センター等に相談があれば,高齢者虐待防止に基づきまして介入することができますが,こうしたサービスを利用されていない家庭につきましては,ネグレクト状態,重篤な介護放棄の状態で発見される場合も少なくありません。 本市におきましても,令和元年度では虐待通報が96件ございまして,そのうち49件を虐待と認定して,地域包括支援センターで対応しておりますが,特に介護放棄,経済的虐待の件数が増加している状況でございます。 虐待を受けられた方につきましては,認知症の発症等で自分でSOSを発信することができないといった場合が多くございまして,地域の皆様や民生委員さん,または病院や薬局など,地域の社会資源の方からの情報提供が極めて重要と考えておりますので,高知市社会福祉協議会において,令和元年11月からは,地域の薬局や福祉施設に,ほおっちょけん相談窓口を開設いたしまして,住民からのよろず相談をお受けしているところでございます。 さらに,地域からの様々な御相談に対しましては,きめ細やかな支援を提供するために,高齢者支援センターと出張所の体制を14の地域包括支援センターとして,昨年度,今年度の2か年で充実・強化を図ってまいりました中で,住民の方から直接相談を受けて,介護サービスにつながったという事例も増えてきておりますので,先ほど申し上げました社協とも連携しながら,一層高齢者の状況把握に努めていきたいと考えております。 最後になりますけれども,火災に罹災した市民に対するワンストップ対応についての御質問にお答えをいたします。 火災が発生した場合,健康福祉部の対応としましては,まず消防局から連絡を第一・第二福祉課が受けまして,ケースワーカーが直接罹災された市民をお訪ねしまして,世帯員の安全,現場の被災状況の確認をするとともに,当面のお住まいなどに問題がないかお聞きして,状況に応じて行き先の御案内を行っているところでございます。 紹介にありましたとおり,火災に遭われた方に対する様々な支援制度,また相談窓口を取りまとめた一覧を消防局のほうで作成して,罹災した市民の方々にはお配りをしております。 具体的に,罹災証明書の発行のほか,火災により生じたごみの処理に関すること,火災損害の程度により利用できる国民健康保険や介護保険,市・県民税や固定資産税の税の減免の相談,また社会福祉協議会で行っている貸付金や見舞金等の制度のほか,市営住宅や水道関係の相談についてお知らせするものとなってございます。 こうした複数の窓口にまたがります支援制度の相談,手続につきまして,ワンストップ化することができれば,確かに大幅な市民サービスの向上につながるものと認識をしておりますけれども,罹災された方の御家族,御親族の構成,また身体,ほかに保有する資産の状況などによりまして,対応がケース・バイ・ケースとなってきますので,なかなかワンストップでの対応は課題が多いと考えております。 しかしながら,火災の被害に遭われた方に対しましては,迅速な支援が必要となりますので,対応する部内の職員に対しまして,被災者に寄り添い,親身となった対応となるように心がけるとともに,庁内の各支援窓口との連携,協力の下,抜かりなく各種の支援策につなげていければと考えております。 地域共生社会の実現を目指しまして,断らない相談窓口,適切な窓口につなぐといったことを全庁的な取組とすることを目指しておりますので,健康福祉部としましても,庁内組織等を活用しまして,各部局に罹災した市民に対する支援の在り方についての協力を提供してまいります。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎都市建設部長。 ◎都市建設部長(岡崎晃君) 公園管理についての御質問に順次お答えいたします。 初めに,適正な公園樹木の維持管理についてでございますが,公園樹木の維持管理は,修景や周辺の環境に配慮した適正な樹木や樹高を維持するため,木の種類に合わせた剪定を定期的に行い,公園全体の樹木の配置状況や将来の状況変化を考慮し,計画的に実施することが望ましいと考えております。 しかしながら,本市の公園樹木は,開園から期間が経過し,老木化や大きく成長したものが多数あるため,御質問のとおり,倒木のおそれや維持管理には,高所作業車の使用が必要になるなど,維持管理費を圧迫する結果にもなっております。 このため,今後も日頃から樹木の配置や生育状況の把握に努め,災害時の危険度を考慮した計画的な維持管理を行うため,委託先であります高知市都市整備公社と維持管理手法の再検討を行うなど,適切な維持管理に努めてまいります。 次に,寄附をいただきました樹木と無許可の植栽につきましてお答えいたします。 寄附の申出をいただきました樹木につきましては,現地の状況を確認した上で,将来的な枝の張り出しなどによる周辺環境や公園内の施設への影響を考慮し,植樹が可能と判断した場合に採納をお受けしており,管理につきましては他の樹木と同様に,本市において行っております。 また,無許可の植栽につきましては,原因者に撤去を求めるものでございますが,現状といたしましては,原因者を特定することが困難でありまして,その場合には警告を行った上で,期限までに撤去をされないときには,やむを得ず本市が撤去を行っております。 次に,耐用年数を超える遊具につきましてお答えいたします。 本市の公園には約2,000基の遊具を設置しておりますが,遊具の種類や構造によって耐用年数が異なりますので,耐用年数を超えて利用している遊具の数は把握できておりませんが,国土交通省の指針に基づく年1回の定期点検を実施することで,全ての遊具の状態を確認し,安全性を判断しております。 昨年度行いました定期点検では,利用はできるが,更新することが望ましいと判断された遊具が22基,安全上危険と判断され,使用を中止した遊具が7基,撤去を行った遊具が1基となっております。 次に,設置基準が更新され,不適格となった遊具につきましてお答えいたします。 遊具の安全確保に関する基準は,平成14年3月に都市公園における遊具の安全確保に関する指針が国土交通省より示され,20年8月に改訂版,その後,26年6月に公園をより一層安全で楽しい遊び場としていくため,現在の基準,改訂第2版が示されております。 前回の基準から改訂された点といたしましては,運動能力やバランス能力が要求される遊具の設置面に,落下高さに応じた衝撃吸収素材を設置することが義務づけられたことなど,安全に利用していただくための基準が追記されております。 本市では,指針が示された平成14年3月以前に設置された遊具も多数ありますことから,26年6月の改訂に伴い不適格となった遊具数を特定することはできておりませんが,同じく昨年度行いました定期点検では,衝撃吸収素材に関するものが4基,安全領域不足や指の挟み込みなどに関するものが106基,現在の基準に不適格であると診断をされております。 次に,区画整理事業における余剰地についてお答えいたします。 区画整理事業における余剰地につきましては,換地計画を作成する際に,道路で囲まれた区域,いわゆる街区に収めることが困難な場合に生じる用地であり,市有地として配置をしております。 下島土地区画整理事業での余剰地につきましては,全体で6画地ございまして,これまで3画地を売却し,残る3画地は今後,事業化を予定しております下島西地区での活用を計画しております。 売却しました3画地のうち,2画地は隣接権利者が購入し,建物敷地として一体利用されており,残る1画地につきましては,単独で利用可能でありますことから,地区外の方が購入され,現時点におきましては更地でございます。 また,先行して売却することによりまして,購入者が建物の敷地として一体利用が可能となること,また本市といたしましても管理コストの削減,未利用地の解消,固定資産税の増収等の効果が見込まれるものと考えております。 最後に,火災罹災者の市営住宅への入居についての御質問にお答えいたします。 公営住宅は,公営住宅により,住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し,または転貸することにより,国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的に整備されており,通常の場合は,公募により入居していただくことになっております。 一方で,火災や公営住宅建替事業による公営住宅の除却等により住宅を失った方などに対し,所得条件など一定の条件を満たす必要はありますが,公募によらず,入居が可能となる特定入居制度がございます。 この制度は,申請書を提出いただいた後,所得や資産の要件などの資格審査を行い,要件を満たした場合,申請から2週間ほどで入居が可能となるものでございますが,御質問の住宅再建までの一時的な入居につきましては,公営住宅本来の趣旨と異なる目的外使用となりますことから,本市におきましては,実施するに至っておりません。 しかしながら,他都市におきましては,一時的に入居が可能な制度を実施しておる自治体もございますことから,今後は,先進地の動向など情報収集を行いますとともに,実施方法や課題等について研究をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 長尾和明議員。 ◆(長尾和明君) それぞれ御答弁ありがとうございました。 市営住宅の件ですが,研究していただけるということですので,ぜひ浜松市とか,ほかにもそういった例があります。 地方自治の第238条の4に基づき,行政財産の目的外使用許可によって収入基準等の入居資格,要件を問わずに緊急入居として取扱いをしているという例もありますので,ぜひ御検討,御研究をお願いしたいと思います。 それと,公園ですが,子供の遊具に特化した公園とか,たくさんの遊具が並んで,遊具で埋め尽くされた公園もあれば,広場に特化した広場のみの公園,柵を高くしてボール遊びに特化した公園など,それぞれの地域や利用者の特徴に合わせた特色のある公園づくりはできないものでしょうか。 みんなが使える公園,みんなが使いにくい公園,誰もが使わない公園となっていませんか。 遊具が壊れた際に,似たような遊具をただ漫然と造るのではなく,特化によって市民が利用したくなる公園に向けた整備ができるよう,これからの公園整備に向けた計画策定をお願いしたいと思います。 第2問をさせていただきます。 法的な縛りのない,どう見ても市が管理する必要があるとは思えない道路事業や区画整理事業による余り地をポケットパークにしたような公園は,売却することで管理費の軽減と収入の増加が見込めるものではありませんか。 先ほど答弁もありましたが,地域での必要性を適正に判断した上で公園を廃止し,売却に踏み切ることが,少ない予算で災害時には必要不可欠となる公園の維持管理を適正に行うためにも必要と考えますが,再度岡崎市長の考えをお伺いします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 最近では,弥右衛門公園のように地域,また子供たちにも非常に喜ばれるような公園の整備ができたところです。 御質問の各地元にありますそれぞれの小さな公園,ポケットパークのようなものですけれども,様々な事業によって生み出された余り地のようなものをポケットパークに転用して利用しているものでございまして,それぞれ地域によって利用の状況が大分異なってきております。 例えば,不要になった公園を売却してはどうかという御質問だと思いますが,これらの公園につきましては,公共事業によります残地を利用した公園,また民間の例えば団地開発により帰属,所属を変えたという意味ですが,帰属を受けた公園等につきましては,都市公園としての告示をしているケースが非常に多いですので,法律の適用を受けることになります。 都市公園の一定の縛りがありますので,例えば,都市公園を廃止する場合の条件に適合するかどうかの一定の縛りがありますので,単純に売却ということについては法的な課題も多いということですので,国や県等の関係機関と協議を行い,これらの課題を整理していく必要があるというふうに考えますので,個々にそれぞれ判断していくことになろうかというふうに考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 長尾和明議員。 ◆(長尾和明君) どうもありがとうございました。課題があろうかと思いますが,またぜひ御検討もよろしくお願いいたします。 最後に意見を言います。 公園でも,建物でも,ブロック塀でも,また道路,橋梁など,全ての公共施設で事故が起こってからでは遅いと思います。 これまでの事故を見ると,違法,不適格,劣化,不適切な利用などの放置によるものが原因となっているものが,ほとんどのように思います。 何か真新しいものばかりに目を向け,新築することに力が向いていて,全てのものを長く大切にいつまでも使うといった日本人古来の精神が欠落しているように感じることがあります。 時代の流れで,新しいニーズに応える必要もありますが,まずは足元をきちんと見詰め,今ある市民の財産を大切に,適切に維持管理することが,結果,事故も未然に防ぎ,経費削減,市民の満足度の向上にもつながるのではありませんか。 民間ではリノベーション,古民家再生カフェといった古いものを逆手に取ったビジネスモデルもできています。新築が必要である場合があることも承知しておりますが,厳しい財政状況の中で,最少の経費で最大の効果を生み出せる施策の展開をお願いいたしたいと思います。 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(吉永哲也君) 海治甲太郎議員。  〔海治甲太郎君登壇〕 ◆(海治甲太郎君) 清和クラブ,自由民主党の海治甲太郎でございます。 質問に入ります前に,8月28日,安倍首相の突然の退任表明がございました。健康不安が原因ということです。安倍首相は,憲政史上最長の7年8か月の在任期間でございました。 経済成長なくして財政再建なしの下,経済再興のために進められたアベノミクス,また日本を取り巻く厳しい国際環境において,日本の国際的な存在感の向上にも大きく貢献されました。 オリンピックの準備やコロナ禍で落ち込んだ経済の立て直しなど,残された課題もたくさんございますが,これまでの御労苦に感謝を申し上げたいと思います。 昨日,14日でございますけれども,自由民主党の総裁選挙が行われ,新総裁に菅義偉氏が選ばれました。16日には臨時国会が召集され,第99代の首相に選ばれる予定でございます。 菅氏は,私や山嶽会の高橋議員と同じ法政大学の卒業でございます。一国の首相を輩出すれば,大学の建学史上初めてのこととなります。 法政大学高知県校友会も,これで大学の人気が少し上がって,来年度,多くの優秀な人材が集まるのではないかと期待もしているところでございます。 菅総裁が首相に選ばれ,安倍政権の継承とともに,新型コロナウイルス対策や地域経済の再生,これから厳しいかじ取りをすることとなると思われます。国民から信頼される国づくりを期待し,菅新総裁,令和おじさんにエールを送りたいと思います。 それでは,通告に従い,一問一答方式で質問をさせていただきます。 まず,犯罪被害者等支援についてお伺いいたします。 去る9月10日,公益社団法人全国被害者支援ネットワーク椎橋隆幸理事長と,認定特定非営利活動法人こうち被害者支援センター岡内紀雄理事長から,高知市犯罪被害者等支援条例の制定を求める要望書が,岡崎市長宛てに提出されました。 犯罪被害者やその家族等への支援は,人権に関わる問題であり,犯罪行為によって困難な状況に陥ってしまった被害者等を社会全体で支える必要がございます。 高知市も条例制定に向け取り組んでいただきたいという立場で,御質問をさせていただきます。 現実社会の人権問題,我が国の歴史的過程で形づくられた身分差別により,いろいろな差別を受ける同和問題,幼児や児童が保護者から虐待を受け,子供たちは身近な人に相談することをためらい,命を奪われることもございます。 高齢化社会において,介護する者の苦労も多く,高齢者や障害者が介護の際に受ける虐待が多くなっております。 そのような中,犯罪被害者やその家族などへの人権問題に対する社会的関心が,大きな高まりを見せております。 犯罪被害に遭う人は特別な人というわけではなく,普通に暮らしている私たち誰もが,突然,被害者になる可能性がございます。 そして,被害は直接的なものにとどまらず,被害者等の後々の生活にも及んでまいります。収入がなくなる,医療費や弁護士費用等に係る経済的負担,事件の捜査や裁判に係る精神的・時間的負担,またいわれのないうわさや中傷等によるプライバシー侵害等の,いわゆる二次的被害が原因で,元の平穏な暮らしを取り戻すことができないとお聞きしております。 県内には,犯罪被害者等の支援を行っている民間団体として,こうち被害者支援センターがあります。ボランティアの方を中心に活動されておりますが,まず私はこうち被害者支援センターの相談・支援活動のその実績に驚かされました。 昨年度,1年間で同センターが被害者等から受けた電話等の相談は614件,また被害者等からの要請によって弁護士が裁判への付添いを行うといった直接支援も323件あったとのことでございます。 それらを被害内容別に見てみますと,殺人や交通死亡事故のほか,性犯罪に関わったものが多くなっており,犯罪行為により突然家族を失ったことや,人間としての尊厳を傷つけられたことの相談が多いようでございます。 先ほど,犯罪被害者やその家族等への支援は,人権に関わる問題であると申し上げました。まさに,こうした被害者等の権利を守る,尊厳を守る,そして安心して暮らせる社会を実現する,このことが市政の取り組むべき最重要課題であると考えるからでございます。 高知市は,平成20年より,こうち被害者支援センターの運営に対し,財政的支援を行っているとお聞きしております。犯罪被害者等支援への取組の実態について,市民協働部長にお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 谷脇市民協働部長。 ◎市民協働部長(谷脇禎哉君) 犯罪被害者やその御家族の方々への支援に関しまして,本市では,御紹介がありました認定NPO法人こうち被害者支援センターに対して,負担金の拠出を通じた活動支援を行うとともに,関係する行政機関や団体で構成する高知県被害者支援連絡協力会の活動,また支援センターが実施している学習会への参加等を通じまして,犯罪被害者等の方々の個別ニーズに,適時適切な支援を提供することができるよう,関係機関及び庁内関係部署との連携を図っております。 また,犯罪被害者等支援に対する理解の増進や個人の尊厳を守り,平穏な生活に配慮する意識の醸成に向けまして,市民の皆様や職員を対象とする研修,学習会をはじめとする啓発・広報活動にも取り組んでおります。 ○副議長(吉永哲也君) 海治甲太郎議員。 ◆(海治甲太郎君) まずは,市民の皆様や職員に犯罪被害者支援の問題を知ってもらうこと,このことが大事でございます。 あかるいまちなどへの紙面を通じ,啓発・広報活動への積極的な取組をぜひお願い申し上げます。 次に,国においては,2005年4月,犯罪被害者等基本を施行し,同年12月に犯罪被害者等基本計画を策定されております。 現在は,平成28年度に策定された第3次基本計画に基づき,社会全体で犯罪被害者等を支える取組が進められております。 これまで高知県では県議会においても議論を重ね,令和2年4月1日,高知県犯罪被害者等支援条例が施行されております。 そして,今年5月に設置されました犯罪被害者等支援推進会議において,具体的な支援策について検討が進められております。 この推進会議にメンバーとして高知県市長会が入っておりますので,各市には会議での意見等について情報提供されているものと思っておりますが,そこでお伺いします。 高知市は,犯罪被害者等支援について,市町村の役割をどのように認識されているのか,市民協働部長にお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 谷脇市民協働部長。 ◎市民協働部長(谷脇禎哉君) 市町村の役割につきまして,高知県犯罪被害者等支援条例には,国,県及び民間支援団体等との役割分担を踏まえて,地域の状況に応じた犯罪被害者等の支援に関する施策を策定し,及び実施するとともに,二次被害を生じさせることのないよう十分配慮し,県が実施する犯罪被害者等の支援に関する施策に協力するものと定めております。 第一義的には,被害者等の方々が置かれている状況に応じ,そのニーズを的確に把握し,被害者等の視点に立った支援を行う,または支援につなげていくことが,住民の日常生活に直接関わっております市町村の役割であると,そのように認識をしております。 この点,各市町村には,犯罪被害者等に対する総合的対応窓口が設置されているところでもございますので,全ての部署が共通の認識を持ってサポートしていけるよう,この対応窓口の機能強化を図るとともに,県や関係機関,団体との連携をより深めて,協力して支援に取り組んでいくことが求められていると,そのように考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 海治甲太郎議員。 ◆(海治甲太郎君) 高知市にも犯罪被害者等に対する総合的窓口が設置されているということ,犯罪被害者等に寄り添った対応をするための機能強化のため,ぜひ体制づくりを今後ともお願いを申し上げておきます。 去る7月16日に,私はこうち被害者支援センターにお伺いして,田村裕理事に犯罪被害者支援の実態と自治体の役割ということについて,お話をお伺いしてまいりました。 田村理事は弁護士で,全国被害者支援ネットワーク副理事長を務められ,日頃から犯罪被害者等への支援に尽力されている方でございます。 田村理事は,民間団体でできることは一部のみで限られている。被害者が日常を取り戻すためには,家事,育児,介護への援助,就労や住居の確保,福祉・医療・保健など地域の実情に応じ,目に見える支援が必要であり,基礎自治体である市町村の役割が重要だと,こう熱く語られておりました。 しかしながら,県下34市町村の実態は,法的根拠としての犯罪被害者支援に特化した条例が皆無でございます。 民間団体との連携が十分にできないと大変残念がっておられ,条例の制定によって,基礎自治体は被害者への支援金や見舞金の給付など財政出動を求められることになるが,安心して暮らすことのできる地域社会実現のために,自治体が負担すべきコストであるとの考えで進めていただきたいと,今後の取組の拡充を期待されておりました。 また,7月27日には,2019年まで同志社大学法学部で教鞭を取られておりました川本教授に,市町村の役割について,お話をお伺いする機会をいただきました。 川本教授は,高知県犯罪被害者等支援条例の検討委員会の委員長を務められ,現在は,京都犯罪被害者支援センターで副理事長を務められております。 川本教授は,犯罪被害者の支援において一番大事なことは,被害者に寄り添うことであり,その中でも,被害者の思い,気持ちを聞くことが,市町村の役割であるとはっきりとおっしゃられました。 そして,被害者の要望も時間とともに変化し,世間も事件のことを忘れていくけれども,被害者の無念さや困難については,これをないものにしてしまうのでなく,被害者の人権の問題として,社会全体で支えていく必要があるとおっしゃられておりました。 また,近年,SNSによる誹謗中傷の問題など新しい問題も増えているが,民間では対応できない支援が必要とされる場合もあり,そうした場合には,市町村の各部署が連携して取り組む必要があると。犯罪被害者との問題は,誰にでも,いつ,どこでも起こる災害と同じ危機管理の問題として,市町村が役割を考えてほしいと,市町村への期待を述べられておりました。 このお話を聞いて,私は,犯罪被害者支援は新たな時代の人権問題として,常に危機管理意識を持って社会全体で支えていく必要があると,認識を新たにした次第でございます。 全国に徐々に広がりつつある条例制定,ぜひ高知市も条例制定に向け一歩踏み出していただきたい,そんな期待をし,高知市の今後の対応を市長にお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々お話しいただきましたように,予期せぬ犯罪に巻き込まれ,心身にダメージを受けられた方々のプライバシーや権利,利益を保護し,被害を回復しながら平穏な生活を取り戻すまでの様々な御苦労や,また困難をできるだけ軽減していくために,犯罪被害者等への理解の促進というものは非常に不可欠であり,二次被害の防止や経済的な負担の軽減といった支援も必要とされることから,全国的に犯罪被害者等の支援に特化した条例を制定する動きが始まっております。 そうした中で,高知市におきましても,質問議員さんにも同席をいただいて,先日,9月10日に関係団体の方々から,高知市犯罪被害者等支援条例の制定を求める要望書の提出をいただきました。 先ほど御紹介いただいた田村先生につきましては,暴力追放の弁護士としても全国的にも有名な先生でありまして,日頃から我々は暴力追放や,また治安の関係でも非常にお世話になっています。 高知市では,全ての人の人権を尊重される社会の実現を目指しまして,令和元年に高知市人権尊重のまちづくり条例を施行し,現在,この条例の規定に基づきまして,様々な人権課題の解決に向けて高知市が実施をすべき諸施策の方向性と具体的な施策を示す,人権施策推進基本計画の策定を現在進めているところです。 この基本計画では,これまで例えばいろんな人権問題がありますが,最後のほうでは,その他の人権問題の中の一つの課題としていた犯罪被害者等の人権を,特に取組が求められる個別の人権課題として新たに位置づけまして,今後の取組について具体的な方針を示すこととしております。 犯罪被害者等の方々が必要とする支援を十分に把握し,今,県でも検討されていますので,今後,策定されます高知県の犯罪被害者の支援に対する指針,これらの具体的な施策を見ながら,具体策を検討していくこととしております。 御質問の条例の制定につきましては,全国的にも様々な規定の仕方があろうと思いますので,例えば対象の範囲とか,どこまで支援ができるのかという支援の在り方,また相談の内容を含めまして,他市の事例をまず調査していく必要がありますので,先進都市の事例の規定の方法や,その運用の状況等を研究し,検討してまいりたいと考えます。 ○副議長(吉永哲也君) 海治甲太郎議員。 ◆(海治甲太郎君) 今後,人権施策推進基本計画を具体的に実行していくためにも,日頃から被害者に向き合う支援体制,明日の被害,不測の事態に備え,犯罪被害者等支援を継続できる条例制定というものを強く求めておきます。 次に,都市計画についてお伺いしたいと思います。 少し都市計画と離れておりましたので,これまでの議会質問と重複する質問となっておりますけれども,お許しをいただきたいと思います。 都市計画は,人口や産業の将来見通しを勘案して,産業活動の利便性や居住環境の保全を図っていくことを目的といたしております。 高知市のように自然災害によるリスクが高く,都市活動を行う市街化区域がコンパクトで,土地利用の制約がある都市においては,地域の実情や要望を踏まえ,工夫が必要であるという立場で質問をさせていただきたいと思います。 私たちの暮らしを取り巻く環境を考えますと,緊迫感が増しています南海トラフ地震,気候変動の影響と思われる九州や中部地方など日本各地で発生する集中豪雨や崖崩れなど,大規模な災害が突然襲ってまいります。 去る7日には,気象庁が特別警報級と注意を呼びかけた台風10号が,九州の西を通過しました。このたび被害を受けられました皆様に,心からお見舞いを申し上げます。 気象庁は,今後発生する台風も,これまで以上に勢力が強くなり,上陸しなくても油断できないと警告を発しております。 そのような中,高知市の周辺市町村では,国,県と連携し,住民を守るため,地域を守るため,各自治体が土地利用に知恵を出しております。 9月1日の地元新聞に,日高村条例計画,いの町も検討という見出しで,記録的な豪雨や水害が頻発する中,浸水区域で開発規制に乗り出す自治体が増えているという記事が載っておりました。 私は,昨年6月の定例会において,南国市では,地域コミュニティの維持や南海トラフ地震に備え,市街化調整区域の立地基準を定める条例を独自に定めているということを御紹介させていただきました。 また,市民クラブの深瀬議員は,平成30年3月定例会において詳細な質問をされまして,高知市周辺市町村の規制緩和の動きから,高知市に少なからず影響があることを既に指摘されております。 都市計画を開いてみますと,政令の第8条では,市街化区域には,特に溢水,湛水,津波,高潮,土砂流出,地滑り等により災害の危険が大きいと想定される地域は含めないこととなっております。 所管部署の調査によりますと,高知市の津波や洪水のハザードマップでは,市街化区域内で,その都市計画基準の要件を満足している区域が約3割と聞いております。市街化区域の3割程度の地域で,市民が暮らし産業活動など都市活動を行うことは到底できません。 反面,災害リスクが高い7割の土地に,新たに土地利用の規制を行うことは,社会的影響が大き過ぎます。 そこで,お伺いします。 都市計画の目的として,市民の暮らしの安心,安全,都市の発展を考えますと,高知市の土地利用規制も南国市やいの町,日高村のように,市独自の取組が必要と考えますが,都市建設部長にお考えをお伺いいたします。
    ○副議長(吉永哲也君) 岡崎都市建設部長。 ◎都市建設部長(岡崎晃君) 御質問にもありましたが,本市の市街化区域の約7割が,最大規模の南海トラフ地震が発生した場合の津波浸水想定区域や,昨年度,国土交通省及び高知県から示されました物部川,国分川,久万川,鏡川の想定される最大規模の洪水浸水想定区域などの災害ハザードエリアとなっております。 この災害ハザードエリアの土地利用に関しましては,本年6月,国土交通省において,近年,頻発,激甚化している自然災害に対応するため,都市再生特別措置の一部改正が行われ,立地適正化計画に定める居住誘導区域から土砂災害特別警戒区域などを原則除外することや,防災指針の記載を追加し,区域内での安全性の確保を明記することが示されました。 本市では,高知市都市計画マスタープランの将来都市構造に掲げておりますように,既存の社会基盤を活用しつつ,持続可能な集約型都市構造を目指し,まちづくりを進めておりますことから,このエリアの土地利用を規制するのではなく,活用することが必要であると考えております。 また,現在見直しを行っております高知市立地適正化計画におきましても,浦戸湾三重防護や橋梁の耐震化などの防災対策,避難路整備,緊急避難ビルの指定,自主防災組織の組織化や市民への広報活動などの安全確保を示した上で,災害ハザードエリア内での本市独自の土地利用の方向性について,検討を行う必要があると考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 海治甲太郎議員。 ◆(海治甲太郎君) 頻発,激甚化する災害,限られた土地利用のエリア,規制による制限の難しさ,これをどうバランスを取っていくのか,土地利用を進めていくのかが難しい問題だと思っております。 行政だけで考えるのでなく,多くの市民の意見を聞き,将来の土地利用の方向性をぜひ検討していただきたいと思います。 また,同新聞紙面には,規制は経済や暮らしにマイナスの影響を及ぼしかねないと注意喚起されておりました。御指摘のとおりでございます。 高知市域では,市街化区域,市街化調整区域に区分する線引き制度を採用していることや,災害リスクや地形的条件から土地利用が可能なエリアが限られていることは,先ほど御紹介させていただいたとおりでございます。 このため,昨年6月の定例会におきまして,私は,市内中小事業者の皆さんが,安心して事業が継続できる土地利用を望んでいるという声を届け,県市共同で開発を行っております高知中央産業団地や(仮称)高知布師田団地などに移転ができないかという質問をさせていただきました。 前商工観光部長は,市内中小事業者の皆様の増設計画や移転需要を把握しながら検討するとし,中小事業者の皆様においても,移転しやすい分譲方法について,共同開発者である高知県と協議を進めてまいりますという御答弁をいただいて,私は大変前向きな答弁をいただいたことに感謝を申し上げた次第でございます。 ただ,しかしながら,高知中央産業団地は約5ヘクタールを3区画に割り,既に2社に分譲されました。 この9月議会に約20億円の委託契約締結議案を提出されております,(仮称)高知布師田団地も,高知中央産業団地同様,県の産業振興計画に基づく,製造系と流通系に限定した業種で,大規模な区画割りになっております。 大変残念でなりません。経営の厳しい市内中小事業者の移転は,困難な状況になっております。 県市共同で整備に取り組んでいる団地開発,市内企業の市外への転出を抑制するとともに,企業誘致の受皿を目指すとしながらも,なぜ高知市の経済を支え,雇用を支えてきた市内中小事業者の声が届かないのか,商工観光部長にお尋ねをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 楠本商工観光部長。 ◎商工観光部長(楠本太君) (仮称)高知布師田団地につきましては,高知県と高知市による共同開発を行っており,昨年度,実施設計,用地取得,移転補償等を行い,この9月議会に共同開発に係る団地整備業務委託契約締結議案を上程しております。 高知県産業振興計画では,県市共同開発を行う場合は,開発規模は分譲面積が5ヘクタール以上で,事業用地がおおむね1.5ヘクタールが必要とされております。 また,今回共同開発を行うに当たり,地区計画で製造業及び流通業を対象業種として予定しており,一定規模以上の面積が必要であると判断し,区画割りを行っております。 このことから,現状では中小企業の移転は難しい状況となっておりますが,皆様からの高台移転への御希望もいただいておりますことから,今後の分譲状況も踏まえ,共同開発者である高知県と協議を行ってまいりたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 海治甲太郎議員。 ◆(海治甲太郎君) お聞きのとおり,分譲面積や対象業種がもう既に決定していると,大変残念なことでございます。 議会の質問趣旨も説明していただいて,継続して共同開発者である県と協議をお願いしたいと思います。 経営の厳しい中小事業者が,津波や洪水のリスクを回避し,市内で事業を継続していくために残された手段は,市街化調整区域の地区計画による土地利用でございます。 そこで,関連質問をさせていただきます。 高知市は,平成26年に市街化調整区域の地区計画策定の運用を定め,市街化調整区域においても,地区計画を活用することにより,地域の産業振興や活力の向上,また長期浸水区域からの移転が可能となっております。その後,29年にこの運用基準の見直しを行っております。 その内容は,これまでの運用基準を細かく規定するものとなっており,事業者の皆さんからは,地区計画による津波浸水エリアからの移転を期待していたが,以前より移転が難しくなったという声が上がっております。 この平成29年度に見直しをされた市街化調整区域の地区計画策定の運用基準については,市民クラブの深瀬議員が,市民への周知不足とともに,抜本的な見直しが必要であることも指摘されております。 市街化調整区域の地区計画策定の運用は,規定が細かく,活用が難しいと言われておりますが,なぜ平成29年度に見直しをしなければならなかったのか。その理由と,これまでに市民の皆様から,どのような御意見や御指摘をいただいているのか,都市建設部長にお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎都市建設部長。 ◎都市建設部長(岡崎晃君) 市街化調整区域の地区計画策定の運用につきまして,平成29年度の改定におきまして,津波浸水想定区域からの移転の場合に,基準日以前から事業を行っているもの,また3事業者以上が同時に移転することの2点の要件を追加しております。 要件を追加した理由といたしましては,1点目の基準日につきましては,県が津波浸水想定を発表した平成24年12月10日でございまして,発表以前から区域内で事業をされていた方の事業継続を支援するために設定をしたものでございます。 2点目の3事業者以上の要件につきましては,1事業者での移転を認めますと,市街化調整区域への移転が促進され,都市のスポンジ化が進行してしまう懸念があり設定いたしましたが,この要件に関しましては,事業者の皆様や議会から,移転のタイミングが事業者間で異なることから,3事業者が同時に移転することは難しく,要件の緩和を求める御意見をいただいております。 ○副議長(吉永哲也君) 海治甲太郎議員。 ◆(海治甲太郎君) 平成29年度に基準日なる項目を追加され,そして津波浸水想定を発表した以前の事業者に限定し,また3事業者という要件を設け,移転が困難になっている現状,運用の規定が細か過ぎて活用できない状況は,所管部も本意ではないはずでございます。 見直しが必要な状況ということをぜひ御認識していただきたいと思っております。 そこで,市街化調整区域の地区計画については,昨年6月の定例会におきまして,質問をさせていただいております。 そのときの答弁を振り返ってみますと,市長は,高知県や同じ都市計画区域にあります周辺の市や町との協議を行うとともに,見直しを具体的に今後とも検討してまいりたいという御答弁をいただきました。 また,前都市建設部長は,地域の産業振興や活力の向上,災害リスクの回避などの視点から,地区計画の積極的な活用と適切な運用により,地域の実情や特性に応じた土地利用の検討を進めていくこととしておりますという御答弁でございました。 コロナ禍において,一生懸命,高知市の産業や街の発展を支え,頑張っておられる中小事業者の皆さんは,災害リスクを回避し,利便性が高く,暮らしやすい高知市内で事業の継続を強く望んでおられます。 県市共同開発中の(仮称)高知布師田団地の移転の見通しが全く立たない中で,市街化調整区域の地区計画による土地利用が,中小事業者の希望をかなえる唯一の手段となります。 高知市周辺市町村の土地利用規制の緩和の動きからしましても,市街化調整区域の地区計画策定の運用基準の見直しの必要性は明らかでございます。 これまでいただいた御意見,議会の指摘を踏まえ,今後どのような方針を持って具体的に進めていくのか,市長にお伺いをいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 中小企業の皆様方をはじめ市民の皆様方には,コロナ禍の中,本市の産業振興や,また街の活性化に御協力をいただいておりますことに対しまして,感謝を申し上げます。 市内事業者の皆様が事業を継続していくために,災害リスクの少ない場所への移転を希望される中,先ほども御指摘があったように,市街化区域の約7割近くがハザードマップのエリアとなっており,移転する適地が少ないという御意見もいただいております。 移転場所の一つの手法としまして,市街化調整区域を検討する場合,また我々自治体が産業団地等を整備しまして分譲する手法,また民間の事業者の方々が,地区計画を活用しまして移転していく方法などが考えられます。 我々が産業団地を整備する場合には,地元の調整や用地の取得,また整備が完了するまで相当の期間を要しますので,業種や敷地面積等の一定の要件があり,課題もあると認識をしております。 市街化調整区域の地区計画につきましては,いろいろ御相談があったときに主管部局も御説明をしておりますけれども,これまで議会をはじめ事業者の皆様から,要件が厳しいなどの御意見をいただいております。 先ほどの,例えば3事業者が同時に移転をするというのは,なかなかタイミング的に難しいことは我々も理解できますので,細かい要件を見直す方向で検討するとともに,今後も地域の実情や特性に応じた土地利用を図り,事業者の皆様が安心して,事業継続が図れるよう施策を検討し,進めてまいりたいと考えます。 ○副議長(吉永哲也君) 海治甲太郎議員。 ◆(海治甲太郎君) ありがとうございます。 高知市の経済活動を支えている中小事業者の声に耳を傾け,高知市で継続して頑張ってもらえる,残された唯一の手段となる市街化調整区域の地区計画策定の運用,抜本的な見直しの早急な対応をお願い申し上げ,次に移りたいと思います。 少し和やかな話題とさせていただきたいと思います。公共交通のJRについてお伺いします。 9月1日の地元新聞に,JR四国運賃を値上げ,列車減便の記事が載っておりました。8月の運輸取扱収入が65%減少だったようでございます。 私は,頑張れJR四国とエールを送りながら,質問をさせていただきます。 現在,私はサイエンス・アイ新書発行の「新幹線の科学」という本を図書館からお借りしまして,新型コロナウイルス感染症が拡大する中,新幹線の車内の換気は大丈夫だろうかという疑問にとらわれまして,その疑問を解き明かそうと,新幹線の最新知識を勉強する,にわか鉄道ファンになっております。 去る7月26日,27日にかけ,高知,京都間を往復してまいりました。行程は,7月18日にデビューした2700系アンパンマン列車,土讃線特急南風を利用し,岡山まで2時間40分,岡山から京都まで新幹線でおよそ60分,計3時間40分の快適な鉄道の旅を予定しておりましたが,前日からの1時間当たり50ミリメートルの豪雨。土讃線大歩危駅から土佐山田駅間が運休となり,四国内は鉄道での移動ができなくなりました。 そのため,岡山まで高速バスを利用して行こうと考えましたが,26日当日の岡山行きの高速バスは満席状態。やむを得ず新大阪まで高速バスで5時間をかけて,初めてでございますが,行って,新大阪から新幹線に乗り換えて,目的の京都にやっと到着しました。所要時間は,合計6時間余りでございました。 帰りも大雨の影響により土讃線は運休,当日の朝やっと高速バスの予約が取れ,岡山から高知に帰ってくることができました。所要時間は,3時間35分でございます。 この快適な旅が,大変災害の多い四国には,なかなか厳しい条件となっておりまして,災害に強いと言われる高速鉄道,新幹線が必要であるということを実感した次第でございます。 まず,ここで私たち高知市民が考えなければならないのは,隣接市町村から高知市への通勤,通学や観光など交流人口の誘客手段となっております鉄道網の存続ではないでしょうか。 JR四国では,人口減少や車社会の進展等周辺環境の変化に伴い,鉄道利用者は大きく減少しております。路線全体の約75%が経年80年を超える施設など老朽化が進んでおり,設備の更新や大規模修繕が増加しているとお聞きしております。 また,大規模災害発生の際には,復旧に多額の費用を要するとともに,近年の激しい気象条件に備えた防災対策が必要となっているようでございます。 さらに,本州と四国を結ぶ本四備讃線については,開業30年が経過し,構造物,設備等の維持・更新投資が必要となることから,そのコスト負担が大きな経営課題となっているとお聞きしております。 このような状況下において,国土交通省は本年3月31日に,JR四国に対し,令和13年度までの経営自立を目指し,経営改善に向けた取組を着実に進めるよう,行政指導文書を発出しております。 また,2020年に入ってからは,さきに少し触れましたが,JR四国も新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けております。 JR四国が5月26日にリリースした情報では,今年5月1日から6日までのゴールデンウイーク期間中,瀬戸大橋線の1日当たりの利用者数は前年比8%で92%減となるなど,さらなる経営苦境に立たされているようでございます。 JR四国の社長が,会社発足以来,最大の危機的状況と述べたことが話題になりました。 高知市にとって重要な公共交通である鉄道網,この危機的なJR四国の経営状況を自治体の長として,どのように認識されているのか,市長にお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 過日,高知市内で,JR四国半井会長が,社長から会長に就任をいたしましたので,その就任の祝賀会等がございました。 明るい話題の中では,観光列車ですけれども,時代の夜明けの物語,これはクロフネとソラフネというのがありますけれども,就航いたしておりまして,今予約が取れなくて,大体2か月待ちぐらいになっています。 これは明るい話題ですけれども,ただ残念ながら暗い話題のほうが多くて,JR四国につきましては,今月4日に,本年4月期から6月期の収支状況を発表しましたが,これによりますと,先ほどの感染拡大によります列車利用の減少が響きまして,税引き後の純損益ですけれども,約28億円の赤字となっておりまして,開設以来相当の今苦境に立っているという認識を持っております。 もともとJR四国,JR北海道もそうなんですけれども,人口減少や,また高速バスが随分進んでまいりましたので,それぞれ路線が赤字でございます。 例えば,JR四国では,本州と四国を結んでおります瀬戸大橋線以外は,全て赤字ということになっておりまして,例ですけれども,高知と須崎で100円の収入を得るためにかかる必要経費につきましては,199円ほどコストがかかるという試算が出されております。 もともと旧国鉄の分割でそれぞれ各地域の列車が独立をしましたけれども,それぞれ経営状況が厳しいということで,分割をした当初に基金で一定の金利で対応するということでしたけれども,最近の様々な集中豪雨等の災害など非常に大きなダメージがありまして,非常に緊迫した状況になっているところです。 通勤,通学の運賃収入が多少持ち直しているというふうには聞いておりますけれども,観光需要や,またインバウンド観光は全然回復のめどが立っておりませんので,非常に憂慮している状況です。 高知市では,来年度に高知市交通基本計画と高知市地域公共交通計画という2つの計画の策定を予定しておりまして,この計画の中で,それぞれの交通事業者の厳しい現状や今後のコロナ禍の中の経済状況等の変化を見据えて,地域にとって最適で持続可能な公共交通体系がいかにあるべきかという議論をまとめていく方向を打ち出す予定でございます。 JR四国は,今非常に厳しい状況ですけれども,通勤,通学,また観光でもなくてはならない企業ですので,我々もその支援策というものを共にいろいろ考えていきたいというふうに考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 海治甲太郎議員。 ◆(海治甲太郎君) JR四国の経営状況も御紹介していただいたとおり,大変厳しい状況が続いておりますので,ぜひ支援をよろしくお願い申し上げます。 次に,公共交通ネットワークの将来像の骨格について,新幹線を位置づける重要性も高まっております。 先ほど6時間かかって行った京都まで105分でございます。大部分がトンネルで豪雨による運休もない,災害の心配がない四国新幹線,2021年度整備計画格上げに向けた法定調査の実施に向けて,7月31日に四国新幹線整備促進期成会と四国選出の国会議員の皆さんが,政府に要望活動を行ったとお聞きいたしました。要望書には,高知県市長会会長として,岡崎市長の名前もございました。 新幹線構想が一歩でも二歩でも進むことを,微力ながら応援をさせていただきたいと思っております。 四国の鉄道網を担うとともに,四国の魅力の向上,発信に努めていただいているJR四国,コロナ危機後の崩壊だけは阻止せねばなりません。 国土交通省の行政指導文書は,JR四国に地域関係者との十分な連携による経営改善を求めております。 今後,高知市は新幹線構想を含めた持続可能な鉄道網の確立に向け,県や他の自治体,企業ともJR四国と連携を図っていくべきと考えますが,市長のお考えをお伺いいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 四国新幹線構想ですけれども,もともと瀬戸大橋を架けた段階で,幸いにして新幹線が通れるような荷重,またそういう構造になっておりますので,可能性はあるというふうに考えております。 仮に新幹線が整備されますと,新大阪まで約1時間30分程度で行けるということですので,関西からの観光の受入れには,非常に大きな効果があるというふうに考えております。 今,大阪からの高知県内への観光の移動につきましては,県全体の約2割を占めておりますので,徳島県を抜いて第3位の位置にございますし,大量輸送が可能になりますので,観光でも非常に大きな可能性は広がるというふうに考えております。 本年7月,四国新幹線整備促進期成会につきましては,整備計画に格上げするために順番のステップがありますが,法定調査に係る予算措置をはじめとする要望活動を行っております。 また,本年2月に,四国の新幹線を考えるin高知というシンポジウム,また四国新幹線整備に伴う岡山県への波及効果の調査など,整備に向けての取組が進められています。 また,昨年10月に開催された四国における鉄道ネットワークのあり方に関する懇談会Ⅱというのがありまして,中間整理においても,四国が目指すべき公共交通ネットワークの将来像の骨格について新幹線が位置づけられております。 地元選出の国会議員さんにも非常に動いていただいておりますし,高知県の商工会議所をはじめ各経済団体も,四国の四経連と共に行動しているところでございます。 この懇談会につきましては,昨年の3月の段階で懇談会がありまして,その当時,私は四国市長会の会長というポストで出席をしておりまして,意見も述べさせていただいているところでございます。 今後,新幹線につきましては,既存の現状の鉄道をどうするかという課題はありますけれども,いずれにしましても,他の地域では全て新幹線が整備され,四国だけないという状況になるので,非常に観光的には不利になるので,やはり我々としても整備が必要だというふうに考えておりまして,四国市長会,また経済界と共に,地元選出の国会議員さんをはじめ,共に我々も働きかけをしていきたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 海治甲太郎議員。 ◆(海治甲太郎君) ぜひJR四国への援助をよろしくお願いをしたいと思います。連携をよろしくお願い申し上げます。 最後に,四国8の字ネットワークについてお伺いします。 四国8の字ネットワークは,四国4県を8の字の形で結ぶ全長810キロメートルの高規格道路ネットワークでございます。 四国8の字ネットワークの整備を促進すべきという立場でお伺いをさせていただきます。 四国に初めて高速道路が開通したのが1985年3月,日航ジャンボ機が御巣鷹の山中に墜落した事故があった年でございます。はや35年がたちました。 7月5日には,国道56号中村宿毛道路の平田ICから宿毛和田IC間7.6キロメートルが開通し,中村宿毛道路は23.2キロメートルの事業区間が全線開通しました。 四国8の字ネットワークの整備率は73%になったとお聞きしております。市長も宿毛へお帰りになるときは,その恩恵を感じているのではないかと思います。 現在,高知市に一番関係する高知東部自動車道の高知南IC周辺工事が急ピッチで進んでおり,高知ジャンクション,高知南IC,延長6.2キロメートルが9月2日につながり,今年度内の開通に向け,舗装工事,安全施設,標識工事が進められているとお聞きしております。 高規格道路ネットワークがつながれば,津波でも浸水しない災害に強い道路が形成されます。物流施設,産業団地,観光施設等へのアクセス性の向上が期待できます。 しかしながら,高知県内の高速道路の整備率は58%と,四国4県のうち最低でございます。 8月25日には,四国経済連合会会長と四国4県の知事が,四国8の字ネットワークの早期整備を求め,提言書を関係機関に提出されております。 四国は1つと言えることを目指して,県市連携を深め,四国8の字ネットワークの早期完成を目指す必要があると考えますが,市長のお考えをお聞きいたします。 ○副議長(吉永哲也君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 現在,四国8の字ネットワークにつきましては,特に今年度中ですけれども,来年の3月ぐらいになると思いますが,高知ジャンクションから高知南インターチェンジまでの区間が開通する予定となっておりまして,高知道から高知龍馬空港のインターチェンジまでがつながることで,防災対策や観光振興,経済の活性化など,様々な効果が期待できます。 関係します国交省の皆様方,また御尽力いただきました高知県内の国会議員の先生方には,この路線については大変御尽力をいただいておりまして,感謝を申し上げます。 また,御指摘のように防災面でも,高速道路は高規格道路というふうに言われていまして,非常に災害に強い,特に四国の豪雨に強いということがありますので,まさに命の道になると考えております。 観光,経済面,また災害対策におけます様々な支援等,いわゆる命の道としてのライフラインを残す。後ほど,例えば災害物資,国からプッシュ型でどんどん物資が運ばれてきますので,そういう意味でも整備は不可欠だというふうに考えております。 本年8月25日,4県の知事をはじめ四国の官民の組織でつくります四国8の字ネットワーク整備・利用促進を考える会,道路の利用を図るほうの会ですけれども,これは今代表が高知県の浜田知事になっております。 8月25日に国土交通省に赴きまして,ミッシングリンクの解消,暫定2車線区間の4車線化,アクセス道路を含めましたスマートインターチェンジの着実な整備などの提言書が出されておりますので,本市としましても,一日も早い整備に向けまして,関係市町村で組織をした同盟会と共に,国に対して働きかけていきたいと考えております。 ○副議長(吉永哲也君) 海治甲太郎議員。 ◆(海治甲太郎君) 道路はつながって初めて,その機能を発揮するものでございます。東西に長い高知県,地産地消など地域経済の活性化のためにも,早期ミッシングリンクの解消が必要でございます。 高知市が扇の要として重要な役割を担っておりますので,事業促進のための積極的活動をお願い申し上げます。 それぞれ御答弁ありがとうございました。新型コロナウイルス感染症が,いつ収束するか見通しが立たない状況で,新型コロナウイルス感染対策,一日も早い地域経済の再興など様々な課題が山積しております。 都市は生き物,常に病気にかからないように,日々の市政課題にしっかり取り組んでいただくことをお願いして,質問を終わります。ありがとうございました。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(吉永哲也君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ,延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(吉永哲也君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて延会することに決定いたしました。 9月16日午前10時再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。  午後2時52分延会...