高知市議会 2019-09-18
09月18日-03号
令和 元年第472回 9月定例会 第472回
高知市議会定例会会議録第3
号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第3号 令和元年9月18日(水曜日)午前10時開議第1 市第 89号 令和元年度高知市一般会計補正予算 市第 90号 令和元年度高知市
収益事業特別会計補正予算 市第 91号 令和元年度高知市
駐車場事業特別会計補正予算 市第 92号 令和元年度高知市
産業立地推進事業特別会計補正予算 市第 93号 高知市報酬並びに費用弁償条例の一部を改正する条例議案 市第 94号 高知市職員給与条例等の一部を改正する条例議案 市第 95号 高知市職員等旅費条例の一部を改正する条例議案 市第 96号 高知市職員特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例議案 市第 97号 高知市職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例議案 市第 98号 補助金等の交付に関する条例の一部を改正する条例議案 市第 99号 高知市手数料並びに延滞金条例の一部を改正する条例議案 市第100号 高知市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第101号 高知市
老人福祉センター条例の一部を改正する条例議案 市第102号 高知市誠和園条例を廃止する条例制定議案 市第103号 高知市
指定障害福祉サービスの事業等の人員,設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案 市第104号 高知市
障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第105号 高知市
指定障害児通所支援の事業等の人員,設備及び運営に関する基準等を定める条例制定議案 市第106号 高知市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第107号 高知市子ども・
子育て支援法施行条例の一部を改正する条例議案 市第108号 高知市特定教育・保育施設及び
特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第109号 高知市
幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第110号 高知市
指定居宅サービス等の事業の人員,設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案 市第111号 高知市
指定地域密着型サービスの事業の人員,設備及び運営に関する基準等を定める条例の一部を改正する条例議案 市第112号 高知市消防手数料条例の一部を改正する条例議案 市第113号 高知市消防団員の定員,任免,給与,服務等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第114号
高知市立幼稚園保育料徴収条例の一部を改正する条例議案 市第115号 高知市上下水道企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第116号 高知市給水条例の一部を改正する条例議案 市第117号 旭駅
周辺地区都市再生住宅(第二期棟)
新築工事請負契約締結議案 市第118号
陸上競技場トラック等改良工事請負契約締結議案 市第119号
指定避難所配備用携帯トイレ処理セット購入契約締結議案 市第120号 非
常備小型動力消防ポンプ積載車購入契約締結議案 市第121号 調停の申立てについて 市第122号 平成30年度高知市水道事業会計利益の処分に関する議案 市第123号 決算の認定議案 市第124号 決算の認定議案 市第125号 決算の認定議案 ──────────────── 本日の会議に付した事件日程第1 市第89号議案から市第125号議案まで ──────────────── 出席議員1番 島崎 保臣君 2番 甲木 良作君3番 木村 亘君 4番 細木 良君5番 浜口佳寿子君 6番 神岡 俊輔君7番 岡崎 邦子君 8番 迫 哲郎君9番 はた 愛君 10番 深瀬 裕彦君11番 長尾 和明君 12番 田鍋 剛君13番 下本 文雄君 14番 下元 博司君15番 岡崎 豊君 16番 近藤 強君17番 戸田 二郎君 18番 横山 公大君19番 高橋 裕忠君 20番 海治甲太郎君21番 吉永 哲也君 22番 清水おさむ君23番 大久保尊司君 24番 伊藤 弘幸君25番 氏原 嗣志君 26番 平田 文彦君27番 和田 勝美君 28番 西森 美和君29番 寺内 憲資君 30番 川村 貞夫君31番 竹村 邦夫君 32番 福島 明君33番 山根 堂宏君 34番 高木 妙君 ──────────────── 説明のため出席した者 市長 岡崎 誠也君 副市長 吉岡 章君 副市長 中澤 慎二君 総務部長 大野 正貴君 財務部長 橋本 和明君 市民協働部長 谷脇 禎哉君 健康福祉部長 村岡 晃君 こども未来部長 山川 瑞代君 環境部長 宮村 一郎君 商工観光部長 森田 洋介君 農林水産部長 高橋 尚裕君 都市建設部長 林 日出夫君 教育長 山本 正篤君
上下水道事業管理者 山本三四年君 防災対策部長 松村 和明君 消防局長 本山 和平君 監査委員 藤原 敏君 財政課長 澤村 素志君 ────────────────
事務局職員出席者 事務局長 藤原 哲君 事務局次長 池畠 正敏君 事務局参事 山崎 敬造君 庶務課長補佐 谷村 守敏君
議事調査課長補佐広松 康児君
議事調査課法務担当管理主幹 竹村 博和君
議事調査課管理主幹 中須賀広典君 秘書係長 西 理恵君 調査係長 田村 章代君
議会庶務担当調整官 松下 智子君 書記 川村 浩之君 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時0分開議
○議長(田鍋剛君) これより本日の会議を開きます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~
△日程第1 市第89号議案から市第125号議案まで
○議長(田鍋剛君) 日程第1,市第89号議案から市第125号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 岡崎邦子議員。 〔岡崎邦子君登壇〕
◆(岡崎邦子君) おはようございます。市民クラブの岡崎邦子です。私見を交えながら個人質問をさせていただきます。 まず最初に,秦中央保育園と秦ふれあいセンターについて。 2017年,2018年,そして今回3回目の質問でやっと総論から各論に入ります。秦中央保育園は昭和49年に建築をされ,旧耐震基準の老朽木造施設であり,地域の宝である子供たちを守るためにも新築移転を急がなければなりません。 2018年,合築の実現を夢見て陳情書も提出をしましたが不採択になっています。 市内でも例のない隣接する保育園とふれあいセンター,この2つを地域の拠点として何とかよいものにという思いで
秦中央保育園移転対策会を発足させ,早速要望を取りまとめ,市へ提出をしています。 保育園の早期開園とふれあいセンター機能を低下させないよう,最大限の配慮を要望するものです。 2019年1月末,設計業者が決まり,基本設計に着手,具体的に動き出しました。 こども未来部長にお伺いします。 そんな中,5月24日,こども未来部のほうから2021年4月開園が秋に変更という説明がありました。 変更の主な理由と今後のスケジュールを改めてお伺いします。
○議長(田鍋剛君)
山川こども未来部長。
◎こども未来部長(山川瑞代君) 開園予定時期が変更となり,一日も早い開園を望んでおられる関係の皆様には御迷惑をおかけしております。 移転改築する秦中央保育園は,秦ふれあいセンターと隣接することで連携し,それぞれの機能を高めていくという特徴を有しており,従来の保育園設計よりもさらに高度な設計技術が必要であると判断し,設計業者の選定方法を
公募型プロポーザル方式にしたことで業者選定に時間を要し,設計着手がおくれました。 あわせて,都市計画法の開発協議に想定以上の時間を要したことなどから,令和3年度当初の開園予定が約6カ月おくれ,秋ごろの開園予定となったものです。 今後のスケジュールにつきましては,今年度内に実施設計,開発設計,地質調査等を完了し,令和2年度に開発工事に着手の後,秋には園舎建築工事の着工を予定しております。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) スピード感を持ってお願いいたします。 2018年の12月議会で,共有スペースについて市のイメージを伺ったところ,山川部長は,両方が使用できる多機能トイレや保育時間外では地域住民も使用できる遊戯室の設置,また施設外では駐車台数の増加,保育のない日にはイベント広場として活用するとのかなり具体的な答弁がありました。 そして,この7月24日,関係部局,地元が一堂に集まり,設計事務所から説明を伺いました。 そこで一番焦点になったのは,遊戯室,ホールです。
秦中央保育園保護者会からはもちろん,少しでも広い遊戯室をというのが念願であり,地元の方たちが一番楽しみにしている共有スペースでもあります。 説明では,現センター2階の会議室と広さは同じぐらい,大人用の机や椅子の設備は置けず,高齢者の方たちのためのエレベーター設置もなく,中からも外からも階段での上がりおりとなっています。 これでは気軽に保育園の遊戯室をお借りしようというわけにはいきません。再度の検討をお願いしました。現段階では,その可能性を鋭意努力検討中とお聞きをしています。期待をしているところです。 いよいよ2020年から工事も始まります。その際のふれあいセンターへの影響について伺います。 まず,センター入り口のキュービクルなどの撤去作業,進入路の整備のための工事から着手していくと思うのですが,センターを開館したまま進めることができるのでしょうか,市民協働部長にお伺いします。 休館もやむなしなら,代替施設の確保が不可欠です。そして,何より保育園とセンターの工事をどうリンクさせていくのかなど,かなり綿密なスケジュール管理が必要になってきます。 現段階ではお答えは難しいと思いますが,大枠での御説明をお願いします。
○議長(田鍋剛君) 谷脇市民協働部長。
◎市民協働部長(谷脇禎哉君) 秦中央保育園と秦ふれあいセンターの整備工事につきましては,現在設計の途中で,工程等について詳細な調整ができる段階にはなく,ふれあいセンターの業務への影響につきましても,はっきりしたことを申し上げることはできませんが,休館等が必要になれば当然御利用をいただいている地域の皆様の活動や地域の行事にも影響が及ぶことは承知をしております。 したがいまして,整備に係る期間を通してセンターの利用に何らかの影響が生じる場合には,早い段階から地域の皆様と情報を共有しながら,私ども調整を図ってまいりたいと考えております。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) 御答弁にもありました,なおセンター側とは早い段階で確実な調整を行い,混乱のないよう,重ねて要望しておきます。 また,地元から提出した要望項目に対しても,今後誠意のある回答をお願いしておきます。 最後に,ふれあいセンターの位置づけと役割について,お伺いします。 市長は開会日の市長説明の中で,高知市型共生社会の実現を掲げています。その実現のために地域において気軽に相談できる窓口の設置など,地域力のさらなる強化を図りと述べています。 どの地域も,そして秦を例にとれば,今だけ,金だけ,自分だけ,そうじゃない方たちのおかげでこの地域が守られています。町内会,民生委員などなど,その方たちが一番の地元の相談窓口です。 地域力のさらなる強化というのであれば,市職員がそんな地元の方たちと伴走し,支え,支援していくという意識づくりもしっかりお願いをしておきます。 市長にお伺いします。 地元地域の調整役,まとめ役,地域にとってはなくてはならない扇のかなめ役を担っているふれあいセンターの位置づけと役割についての認識をお伺いします。 その上で,市長の目指す高知市型共生社会のイメージを,お聞かせください。
○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) ふれあいセンターにつきましては,地域におけるさまざまな市民活動の拠点としまして,町内会の活動や住民の方々同士の交流,またグループ,サークルなどの学習,集会等の場として御利用をいただいておりまして,御質問の秦地域におかれましては,秦2025,いわゆる2025年問題の検討委員会を立ち上げられ,住民の皆様が主体的に地域課題の解決に向けた取り組みを進めていく活動拠点として積極的に御活用いただいておりまして,感謝を申し上げます。 こうした市民の方々の自主的な地域活動を通じて市民相互の交流が深まっていくことにより,連帯感にあふれた心触れ合う豊かな地域社会の形成や,市民文化としての意識の向上,社会教育の振興につながっておりまして,ふれあいセンターはそういう意味でかなめの役割を果たしていることに,感謝を申し上げます。 高知市型の共生社会のイメージですけれども,ことしからスタートしました第2期の
地域福祉活動推進計画,こういう計画がございますが,先ほどの秦2025年問題検討委員会の活動など,各地域にはさまざまな地域福祉の活動を支える団体があり,これを地域の社会資源として捉えまして,地域の宝を生かしたつながりのあるまちづくりをキーワードにして,福祉でまちづくりというものをキーワードで取り組みを進めることとしております。 また,これらの取り組みにつきましては,各地域の歴史,文化,また地域の町の成り立ち,文化,社会資源の状況など,地域特性を踏まえた取り組みが重要になります。 ふれあいセンター等を初めとして,地域の高齢者の方々,また障害がある方,子供さんなど,各分野の相談窓口や医療,介護等のサービス事業者など,地域にはさまざまな団体がおられますので,これらの団体が地域の皆様とともに地域を支え,地域をよくしたいという思いを共有しながら,私どもも誰ひとり取り残さない地域づくり,こういうものを目指しておりますので,こういうものを目指しながら高知市型の共生社会につなげていきたいと考えているところでございます。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) 秦中央保育園とふれあいセンターは,さまざまな課題を抱えながら,いろいろと協議をしながら今に至っています。早期開園,そして北部の拠点であるふれあいセンター,あわせてよろしくお願いをいたします。 続きまして,
会計年度任用職員制度について,お伺いをいたします。 私自身も児童クラブで支援員を20年間やっておりました。非常勤特別職という身分にいました。居心地の悪い身分の中で一生懸命働いてきました。今も後輩たちが一生懸命働いています。その面で本当に今回の
会計年度任用職員制度については注視をしているところです。 2017年
地方公務員法改正法が成立をしまして,いよいよ2020年度から4月からの
会計年度任用職員制度の施行がもう待ったなしの半年後に迫っています。全国の自治体の正規職員の数は,1994年の328万人をピークにこの20年間で55万人も削減をされています。 ちなみに,高知市は1994年3,242人から2016年には2,723人と,519人減っています。市民サービスを維持するために非正規をふやさざるを得なかったわけです。 その結果,臨時・非常勤職員が全国どの自治体でも今や3分の1を占め,公共サービスの最前線で大事な仕事を任され働いています。その3分の1の非正規の大方は女性です。 法の不備ゆえに
官製ワーキングプアと言わざるを得ない処遇,正規同様の仕事をしながら一向に改善されない労働条件など,昨年12月議会でもその実態を指摘したところです。
会計年度任用職員制度が高知市で働く全ての非正規の皆さんの働き方改革の一歩になるよう願って,質問に入ります。 総務部長にお伺いします。 まず最初に,
会計年度任用職員制度の趣旨,そして主な中身を確認しておきたいと思います。簡潔にお願いをいたします。
○議長(田鍋剛君) 大野総務部長。
◎総務部長(大野正貴君)
会計年度任用職員制度が設けられました趣旨としましては,地方公務員の臨時・非常勤職員につきまして,労働者性が高く,本来の任用趣旨に沿わない運用が見られたということから,特別職の任用及び臨時的任用の適正化を図る一方で,一般職の
会計年度任用職員を創設しまして,任用等の明確なルールづくりを行おうというものでございます。 また,処遇面におきましては,期末手当の支給が可能となるなど,本制度改正は同一労働同一賃金の実現に向けて前進をさせるものでありまして,常勤職員との不合理な待遇差の解消に取り組むことが求められているものでございます。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) 現在,高知市は正規職員定数が2,860人,臨時職員が約1,200人,非常勤職員が約380人を雇用しています。臨時・非常勤職員の職種は90を超え,さまざまな公共サービスを市民の皆様に提供しています。 これら全ての職種を網羅,改正法の趣旨を踏まえつつ,高知市全体として整合性のとれた制度設計を目指していくのは大変な作業だと思います。 昨年12月9日,第1回目の市労連交渉を皮切りに,総務部が精力的に動いているとお聞きをしています。 総務部長にお伺いします。 どこからどのように着手をしてきたのか,制度設計の基本的な考え方,そして方向性,進捗状況をお伺いします。
○議長(田鍋剛君) 大野総務部長。
◎総務部長(大野正貴君) 昨年12月の第1回目の交渉では,職員労働組合からの要求に対しまして,原則国のマニュアルに沿った執行部からの案をお示しいたしましたが,参加をされておりました職員の皆様からは,臨時・非常勤職員の勤務の実態などについてお伺いをすることができ,それぞれの職ごとにどういった役割を担っていただいているのか,詳しい分析とその職責がしっかりと処遇等に反映される制度設計が必要であると判断をしたところでございます。 このことから,各職場のヒアリングなどによりまして,詳細な勤務の実態などを把握するとともに,職員労働組合との事務折衝を重ねまして,国の基本的な考え方,またほかの市等との均衡を踏まえた上ではございますけれども,特に任用や賃金に関しましては,本市の臨時・非常勤職員の勤務実態に沿った独自の制度設計を行いまして,そのほか休暇制度等もあわせまして職員労働組合に提案をさせていただいたところでございます。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) 昨年12月,1回目の交渉というのは,従来の交渉の枠を超えて組織化を進めてきた臨時,非常勤の組合員と
放課後児童支援労組,競輪・競馬労組が加わり,総勢220人の交渉団で臨んだと聞いております。 当事者を入れての交渉,これは当然といえば当然ではありますが,私はそこに市労連と当局の本気度を見,高く評価をしています。 総務部長に重ねてお伺いします。 2回目の交渉は7月10日,6時間を超える大激論の末,妥結をしたとのこと。
会計年度任用職員制度の骨格となる任用,賃金における大枠の中の主要項目3点をお伺いします。 また,今後のスケジュール等もあわせてお聞きします。
○議長(田鍋剛君) 大野総務部長。
◎総務部長(大野正貴君) まず,1点目でございますが,給与の格付と再度の任用に関するものとなってございます。
会計年度任用職員制度におきましては,その給与を決定する場合,当該職員の勤務と類似する職務に従事する常勤職員に適用される給料表及びその職務の級を基本として決定することとされております。 本市におきましては,行政職給料表について申し上げますと,1級から3級までが一般職員に適用されておりまして,4級となりますと係長級にも適用されるものとなってございます。
会計年度任用職員のうち,職の専門性や業務の難易度が高く,また業務の継続性が重視をされる職については,一般職員に適用される3級までの格付を可能とすることで,その職責がしっかりと処遇に反映される制度としております。 また,こういった職につきましては,再度の任用を行う場合,人事考課による能力の実証をしっかりと行うことで,公募によらない任用を可能とし,安定的な行政サービスが提供できる制度としました。 次に,2点目としましては,職務経験の給与への反映に関するものとなっております。
会計年度任用職員制度におきましては,職務の内容や責任に変更がなくても,職務上必要となる知識,技術及び職務経験を考慮して給与を決定することはあり得るとされてございます。 今回,労働組合と妥結した内容は,本市での同一職種の勤務経験について,パートタイム勤務であっても勤務時間が一定以上のものについては,常勤職員の昇給と同様に加算を行おうとしたものであり,継続的な就労確保につながるものと考えております。 最後に,3点目でございますが,地方自治法の改正によりまして,支給が可能となりました期末手当に関するものとなっております。 先ほども申し上げましたとおり,期末手当の支給が可能となったことは,同一労働同一賃金の位置づけに向けまして大きく前進をさせるものであり,今回の制度改正の中でも最も重要なものであるとの考えから,
会計年度任用職員に支給する期末手当につきましては,一定時間以上の勤務に従事をしておられます職員等を対象としておりますものの,常勤職員と同様の支給月数とすることにいたしました。 この
会計年度任用職員制度の骨格となります任用並びに賃金に関する主要項目3点について申し上げましたが,本年7月の組合交渉において妥結した内容をもとに,現在それぞれおのおのの職について給与制度の詳細を個別に協議をいただいておるところでございます。 今月中には,
会計年度任用職員の休暇制度等について,職員労働組合との交渉を行うことを予定しておりますので,できるだけ早期に制度を確定させるとともに庁内への周知も図りまして,本年12月議会には必要な条例等をお諮りしたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) 詳細をありがとうございました。 既に個別の協議に入っているとのこと,十把一からげでなく,一つ一つの職種に丁寧に向き合っていただきたいと思います。 高知市が独自性を加味してつくり上げた大枠の制度を,この90余りの個別の職種に公平にどう反映していくのか,処遇改善というのは任用,賃金にとどまらず,休暇や福利厚生の制度などがそろって初めて,安心して働ける現場になります。 全国,あるいは高知県下の取り組みの状況が気になるところですが,どこもなかなか進んでいないようです。他市町村は高知市の制度設計の様子見というところが多く,今高知市が注目の的となっているようです。 そこで,大事なのは,先ほどからも出ています市労連と高知市の立ち位置です。市労連のほうは国のマニュアルどおりでなく,法のすき間を埋めるつもりで,法の範囲内で高知市独自の考え方を持って対応しなければ処遇改善につながらないと強く指摘をしています。 一方,高知市として大野総務部長は制度設計に当たっては,国の考え方から逸脱することがないよう求められており,県や他都市との均衡を図る必要がある。しかしながら,これまでの交渉,協議の中での声を重く受けとめ,同一労働同一賃金の考え方をもとに一定本市の独自性を持った制度を提示したいと,当初からすっきりと前向きな態度を表明していただいております。 法の範囲内で高知市の独自性がどこまで出せるか,労使がしっかり向き合ってフィフティー・フィフティーの議論をし,ベストな落ちつきどころを模索する。その労使の姿勢に対し,今回の,今の答弁にも感じられますが,繰り返しになりますが,その姿勢に対して高く評価をし,今後,期待もしているところです。 そして次,市長にお伺いいたします。 高知市が構築した制度設計,今後確実に実施するには財源の裏づけが不可欠です。岡崎市長には,さらなる全国市長会での発言,発信をお願いいたします。 そこで,国の財政見込み,高知市の予算措置の考え方をお伺いします。
○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君)
会計年度任用職員でございますけれども,福祉現場などを初めとして,高知市でもさまざまな職員の皆様方が非常勤として非常に活躍をいただいておりますので,その点を感謝しております。 今回は法律に基づきます
会計年度任用職員に移行するわけでございますので,国の財政措置を非常に注視をしておりましたが,先月30日から総務省から公表されました,令和2年度の予算の仮試算におきまして,この
会計年度任用職員に係ります財源措置等につきましては,予算編成の過程で,令和2年度の予算編成の過程で必要な検討を行うということで,事実上先送りをされておられますので,中身が非常に不透明であります。 そのため,今後国の予算編成が本格化します年末にかけまして,予算編成過程での国の情報を広く収集するなど,国の動向に十分留意し,私は今四国市長会の会長を預かっておりますので,四国市長会の会長として国に対して適切な財源措置を強く求めてまいりますし,全国市長会からも同じ強い要請が出てくるものと想定をしております。 令和2年度の予算編成に向けまして,本制度の趣旨を十分に踏まえながら,対象となります個々の職種の業務量を適切に見積もった上で,その人員を確保するための必要な予算措置を確保したいと考えておりますので,国のしっかりした財源措置の裏打ちを,強く求めてまいりたいと考えています。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) 絵に描いた餅にならないように,趣旨はいいけれども,財源がないということのないように,しっかりと市長,お願いをいたします。 総務部長に伺います。 2020年4月,いよいよ
会計年度任用職員制度がスタートします。今後ずっと固定化していくことが前提となるのでしょうか,ますます市民ニーズが多様化し,専門性も求められ,新たな状況,新たな課題も出てくると思います。 正規化すべきは正規化するということを大前提に,
会計年度任用職員の雇用の安定,処遇の改善を図るためにも制度の見直しは適宜行っていくことが必要だと思いますが,その点についての見解をお伺いします。
○議長(田鍋剛君) 大野総務部長。
◎総務部長(大野正貴君) 御質問をいただきましたとおり,今後市民ニーズの多様化に伴いまして,高い専門性を求められるようなこともあると考えております。 今後の運営におきましては,任期の定めのない常勤職員での対応が原則でございますので,限られた人員をうまく配置していくことがまずは必要であると考えています。 しかしながら,専門性を有し,難易度の高い業務に従事をいただく
会計年度任用職員もおられますので,求められる専門性や業務の難易度に変更があるような場合は,処遇の改善も当然に必要となると考えております。 また,国の非常勤職員に関する制度が見直しをされるような場合も,常勤職員同様に
会計年度任用職員につきましても,適正な制度の見直しが必要であると考えております。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) 先ほども言いましたように,高知市をみんなが注視をしております。しっかりと,よろしくお願いいたします。
会計年度任用職員に移行する臨時・非常勤の皆さんが納得をし,高知市で働くことに希望が持てるように,最後まで汗をかいていただくよう,高知市には強く重ねて要望しておきます。 続きまして,ちょっと順番が変わっているかと思いますが,放射線のホントと放射線副読本に関してお伺いいたします。 まず初めに,放射線のホントに触れておこうと思います。 このパンフレットは,風評払拭,リスクコミュニケーション強化戦略として復興庁が作成をし,そして2018年3月から公表,配付されたものです。この文書は原文のまま御紹介したいので,ちょっと長くなりますが,読ませていただきます。 あれから7年。未曽有の大震災と原子力災害から7年の月日がたち,被害に遭った地域も,徐々に復興が進んできました。しかし,今なお新たな被害も発生をしています。それは,偏見,差別や風評被害です。 福島から避難してきた人間からは放射線がうつる,そういった知識不足からいじめに遭う子がいます。東京電力福島第一原子力発電所の近くに住んでいたので,将来元気な赤ちゃんが産めないのではないか,そういった思い込みから悩んでいる女の子がいます。福島の食べ物は汚染されているから食べない,そういった誤解から苦しんでいる農家の方がいます。 でも,そんな人々を苦しめているのは放射線そのものではなく,知識不足から来る思い込みや誤解です。復興支援に行けなくても,苦しんでいる人たちの力になれる方法があります。それは知ることです。 正しい情報を知り,自分の頭で考え,そして行動する。それこそが子供たちの明るい未来を築くための方法だと,私たちは信じています。 まず,この冊子に目を通してみてください。そして,機会があれば福島を訪れ,食べ物を味わい,地元の方と言葉を交わしてみてください。きっと,想像以上の笑顔が,皆さんを迎えてくれるはずです。さあ,次の未来へ,御一緒に。 これは復興庁が出した放射線のホントの前書きです。 そして,その後,2011年に福島原発事故の10月ですけれども,文科省研究開発局が予算2億円をかけて初版,放射線副読本をつくり,全国の小・中・高,公民館に配付をしています。 2014年2月に改訂版を出し,4年後,2018年9月には再改訂版をつくり,全国の小・中・高,教育委員会へ直接送っています。 教育長にお伺いします。 教育長,ごらんになっていますでしょうか。
○議長(田鍋剛君) 山本教育長。
◎教育長(山本正篤君) 議員さんからの問い合わせを受け,8月下旬ごろに拝見をさせていただきました。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) 市長はごらんになってますでしょうか。
○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 今回の質問の事項があるということで,拝見をさせていただいております。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) この放射線副読本というのは,学校がもし高知市でも配付していれば,子供さんと一緒に見られた保護者の方がおいでると思います。 いずれにしても,市民の皆さん,そして今この議場にいる皆さん,ぜひ一度手にとってごらんになっていただきたいと思っています。お断りするまでもなく,私は放射線に関しては専門家ではありませんが,えっ,本当と思う箇所が幾つもあります。 例えば一番びっくりしたのは,5ページ,なお,万一服や体に放射性物質がついても洗い流すことができますと書かれています。 11ページには,原発からの放射線の影響を受けた人や放射線による小児がんの治療を受けた人から生まれた子供たちを対象とした調査においては,人が放射線を受けた影響がその人の子供に伝わるという遺伝性影響を示す根拠はこれまでに見つかっていません。 これは小学生の副読本です。漢字に全部ルビが振ってあります。一度読んだくらいでは意味がわかりません。 最初に御紹介したこの放射線のホントは質問形式で,例えば,放射線は人から人にうつるのか。放射線はうつりません。 放射線の影響は生まれてくる子供や孫に遺伝するのか。遺伝しません。 このシンプル過ぎるQアンドAも,私はいかがなものかというふうに思っているところです。 また,12ページでは,福島原発が出した放射線の量は,1986年チェルノブイリ原子力発電所の事故で放射された放射性物質の量の7分の1ですと書いています。 そして,文科省が再改訂版で特に力を入れているのが,風評被害や差別,いじめに関するところです。 実際の被害ばかりでなく,中身をちょっと読んでみます。 原子力発電所の事故による影響を受けたに違いないという根拠のない思い込みから生じる風評によっても,農業,漁業,観光業などに大きな被害がありました。また,周辺に住んでいた人が放射線を出すようになるという間違った差別やいじめも起こりました。 被災した子供たちや避難している子供たちはつらい思いをしています。偏見による差別やいじめをすることは,決して許されるものではありません。 そのとおりだと思います。 そして16ページ,コラムで考えてみよう。 原子力発電所の事故が日本全国の電気の使用に影響を与えたのはなぜだろう。原子力発電については,大都市で使われる電気を遠く離れたところで発電するという地域と地域の協力関係があります。 関東地方で使う電気の3割は福島の原子力発電所でつくられていました。事故の後,全国の原子力発電所が運転をとめたことに伴い,会社や家庭で使う量を減らすことになりました。そのため,みんなが節電,節電のことを考えるようになりました。 私自身は先ほども言ったように専門家でもありませんけれども,もちろん全て否定するつもりもありませんが,焦点はそこですかと思うわけです。 なお,2018年再改訂版には,事故が起きた1号機の吹き飛んだ原子炉建屋の写真,思い出してください。広域的な汚染地図も消えています。そして,何と汚染という言葉も消えています。何より福島の方たちの生の声が一言も入っていない。そのことだけつけ加えておきます。 教育長にお伺いします。 一部分だけの紹介ですが,一読なさったということですので,お伺いいたします。 この副読本,子供たちに伝えるべきことが伝わる内容の副読本と思われましたか,御感想を一言,お願いいたします。
○議長(田鍋剛君) 山本教育長。
◎教育長(山本正篤君) 本冊子は主に放射能の科学的な知識に関する内容と,原子力発電所の事故や復興に向けた取り組みが記載をされておりますが,その内容につきましては,国の立場や施策に沿って作成されたものであると感じております。 また,本冊子の内容に誤りがあるわけではなく,科学的な知識や復興への歩み等について気づいたり考えたりすることにつながるものと考えますが,学校で活用する際には,児童・生徒が本冊子をそのまま読むだけではなく,学習の目的や児童・生徒の実態等に応じて,教員が必要な説明を加えながら取り扱うことが望ましいものと認識をしております。 あわせまして,本冊子には原子力発電所の事故により避難した人へのいじめについて,いかなる理由があっても決して許されないことに言及する内容や,福島県の子供の体験をもとにした読み物資料も掲載されております。 そうした読み物資料を通して児童・生徒が相手の立場に立ったり,自分の気持ちに向き合ったりして,差別やいじめについて考えることは大切であると考えております。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) Iおんなの新聞にこんな記事が出ていました。始まりは野洲市議の一般質問,滋賀県野洲市教育委員会,文科省放射線副読本回収という見出しです。 本年3月議会で田中陽介という議員が質問をしています。 日本は世界で一番厳しい基準を定めているとして,日本の平時の基準と諸外国の緊急時の基準を並べて載せている。副読本はしかも文科省から直接学校へ送付しているが,各学校でどのような対応をしたのでしょうか。この取り扱いについて,教育委員会として一定の方針は持たないのでしょうかというものです。 野洲市教育長はこう答弁しています。 教育委員会としては全く知らないところでありまして,各学校に委ねています。文科省からの配布であり,国民の税金が使われていることもあり,捨てることもできず,苦慮していることだが,文科省からの指示はないので,何もしていません。授業に使うかということに関しては少し問題があるのかと思っていますので,また指示は出したいと思っています。 野洲市長はこう述べています。 議場で初めて知り,早速目を通しました。4年前の教育委員会制度の改正で教育に対する市長の責任が強化された立場からすると,内容及び配付の手続で気がかりな点がある。庁内会議の中では,国から来ている者だから大丈夫という考えは危険です。市が関与するならば,検証した上で市民,児童・生徒,保護者に責任持って行う必要があると述べています。 さらに定例の記者会見では,被害は大きく,まだまだ大変な状況にいる方もおられる中,これでいいのだろうか。国際的に見ても,放射線,原子力の課題はまだまだ慎重に扱うべきだと思うと言及をしています。 京都新聞によりますと,野洲市教育委員会は,内容を精査した上で回収を決め,保護者に文書を送り,回収の協力を求めたそうです。 教育長に,高知市の状況をお伺いします。 野洲市教育長の答弁では,文科省から何もなかったということでしたが,実際送りますというお知らせや活用については一切なかったのでしょうか。 届いた時点で高知市内の学校から配付や活用についての問い合わせはどうだったのでしょうか。 問い合わせに対して,どのように対応なさったのでしょうか。 副読本に関しては,学校判断とお聞きもしていますが,授業に活用したところもあったのでしょうか,まとめてお聞きをいたします。
○議長(田鍋剛君) 山本教育長。
◎教育長(山本正篤君) 本冊子につきましては,教育委員会に対して平成30年6月に文部科学省から高知県教育委員会を通じて,各学校へ同年9月以降に配付をする予定であるとの連絡がございました。そして,30年10月には文部科学省から直接各学校及び教育委員会に対して本冊子が配付され,あわせて指導の一助として活用を依頼する文書の送付がございました。 なお,本冊子の配付や活用につきましては,各学校から教育委員会への問い合わせはこれまでにはございません。 また,本冊子の活用につきましては,例えば小学校では5年社会科の生活環境や資源エネルギーに関する学習,6年の防災学習や理科の電気の特性と利用に関する学習において,教員が授業を考える際の参考資料として活用した学校はございました。 中学校では,3年理科の放射線を扱う学習において,授業の中で教科書とあわせて本冊子を使用した学校がございました。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) 小学校では9月に各教科の新しい教科書選定も終わって,新指導要領に沿ってカリキュラム編成をしていくという時期に入るとお聞きをしました。放射線に関する教育というのも入っています。 小学校4年生の社会科では,飲料水,電気,ガスを供給する事業を学ぶとあります。また,中学3年生では日常生活や社会を関連づけながら,人間は水力,火力,原子力,太陽光などからエネルギーを得ていることを知るとともに,エネルギー資源の有効な利用が大切であることを認識すること,放射線にも触れることというふうにされていました。 教育長にお伺いいたします。 この放射線副読本の扱いを高知市はどうするのか,学校カリキュラムの中で放射線にどう触れていくのか,見解をお伺いします。
○議長(田鍋剛君) 山本教育長。
◎教育長(山本正篤君) 本冊子は放射線の科学的な知識だけでなく,復興に向けた歩みやいじめの防止など,関連する幅広い内容が取り扱われており,それらの内容は新学習指導要領解説総則編の現代的な諸課題に関する教科等横断的な教育内容に示されております。放射線に関する教育に含まれるものと考えております。 放射線に関する教育に含まれる指導内容につきましては,小学校の社会科,中学校の理科や保健体育,小中学校の道徳科等において扱うことが参考として示されております。 これらの学習を行う際,本冊子を資料の一つとして扱うことも考えられますが,教育課程の編成と実施は,地域や学校及び児童・生徒の実態に即して,各学校により判断されるものでございます。 教育委員会といたしましては,各学校の判断を尊重しつつ,授業で活用する際には,さきに御紹介をいただいた復興庁発行の冊子,朗読いただいた部分でございますけれども,放射線のホントの冒頭部分の内容を踏まえた対応をしていただきたいと考えております。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) この副読本を使うか使わないか学校判断ということですが,かなり慎重さが要ると思いますし,先生たちにもやっぱりそこのところの研修とか勉強というのが必要ではないか。先生のおっしゃったことを子供たちはそれを信じるわけですので,そこのところを重々お願いしておきます。 教育で求められているのは,知識を教え,歴史を伝え,同時に自分で考え判断する力をつけていくことではないかと思っています。しかし,今国はもちろんメディアも,事件や災害を追うばかりで,3・11も伝えるべきことを伝えず,触れないまま復興にかき消されてしまいそうです。 うつりません,遺伝しませんと声高に子供たちに言うことが本当にいじめをなくすことにつながるのでしょうか。 今福島では復興,オリンピックは話題になっても,被曝の話はできない。これは福島の方の一言です。事故後,一般の被曝限度である年間1ミリシーベルトという今までの基準を年間20ミリシーベルトとし,帰還を促している日本です。これは,私は許されないことだと思っています。 放射線副読本から抜け落ちて語られていない事実を学校で先生たちが子供たちに少しでも伝えていただきたいと,そんな思いで今回質問をしています。 最後に一言,市長の見解をお伺いします。
○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 福島の原発につきましては,非常に大きな教訓を残したというふうに認識をしております。この冊子をそれぞれ私も読みまして,改めて放射線のさまざまな技術的,また科学的な知識ということを得ることはできました。 一方で,この冊子を子供さんたちが手にしたときに,議員さんが先ほどおっしゃられたとおりに,そこに書かれておられます文脈と文章との間を埋める言葉が必要ではないかというふうにも考えました。 子供たちの実態を一番把握しているのは学校でもありますので,本冊子の活用方法につきましては,各学校の子供さんたちの実態や各地域の実情に応じて,各学校において判断されるというふうに聞いております。 学校や地域での学習を通して,またこの冊子の中で足らない部分,そういう部分につきましては,先生方が補足をしたり,いろんな知識を,また先生たちが研究をしたりした上で,この副読本を有効に活用していくということは必要であり,また子供さんたちには災害による困難を乗り越えて生きていくために必要な力,先ほど議員さんもおっしゃられたとおり,自分で考える力というものをつけていってほしいということを願っているところでございます。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) 市内の各学校のこれは副読本というのはどうしても使わなければいけないということでもないし,校長判断ということでもありますが,やはり大事なことですので,一度,これは要望ですけれども,先生たちが集まってどうするかという,そういう機会もぜひつくっていただきたいと思います。現場では大変困っていると思いますので,よろしくお願いをいたします。 最後になりますけれども,外国人児童に対する日本語指導の現状と課題について。 子供たちへの投資は,未来への投資です。教育委員会の役割というのは,高知市の小中学校の児童・生徒の学びをしっかり保障していくことにあります。外国人児童もしかりです。 教育にかかわる質問の願いはただ一つ,教室で授業がわからず,ぽつんとひとりぼっちの子がいないようにということです。個人質問で私見を交えながら,今までも就学援助,先生の多忙化,ICTの状況,学校図書館の充実,チャレンジ塾の拡充,道徳の教科化,そして昨年6月には猛暑の前段6月議会で,早急なエアコン設置を求めました。 今回の質問は,6月議会での浜口佳寿子議員と重なるところもあろうかと思いますが,よろしくお願いをいたします。 1990年,もうかなり前ですけれども,出入国管理及び難民認定法が改正をされまして,日系人を含む外国人の滞在日数がふえ,当然一緒にやってくる子供たちも増加をし,その子供たちの日本語教育という新たな問題が出てきています。 文部科学省は,平成26年に日本語指導が必要な児童・生徒の受け入れ状況に関する調査を実施しています。 教育長にお伺いします。 まず,高知市の小中学校へ日本語指導が必要な児童・生徒が在籍をし始めたのはいつごろからなのでしょうか。 その後の増加の経過もお伺いいたします。
○議長(田鍋剛君) 山本教育長。
◎教育長(山本正篤君) 教育研究所の平成11年度の研究集録によりますと,高知市で昭和54年に中国帰国子女に対して,日本の生活習慣や日本語の習得を中心とした指導をスタートし,帰国児童・生徒数は平成2年までは増加傾向にございましたけれども,その後は減少傾向となっていることが報告をされております。 また,教育研究所では平成14年度から帰国児童生徒補助員による日本語指導が必要な児童・生徒への支援を行っておりますが,21年度から30年度までの10年間については,おおむね10名弱で推移をしておりまして,大きな変動は見られておりません。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) ちなみに公立学校,小・中・高・特別支援学校に在籍する日本語指導が必要な外国人児童・生徒数の割合というのは,平成16年に7万345人,うち1万9,678人,28%。そして10年後の平成26年には7万3,289人のうち39.8%と,この10年で28%から40%へふえています。また,同じく日本国籍の児童・生徒数は,平成16年には3,137人,26年には7,897人と2倍になっています。 教育長にお伺いします。市内4校に日本語指導教員が配置されているとお聞きをしました。 市内4校の日本語指導が必要な児童・生徒数などの内訳,また取り組みでの特徴的なことがあれば,簡潔にお伺いします。
○議長(田鍋剛君) 山本教育長。
◎教育長(山本正篤君) 本市の学校において日本語指導が必要な児童・生徒数は,小学校が3校で計10名,中学校が1校で3名となっております。 日本語指導を必要とする状況はさまざまでございますが,例えば児童・生徒の中には幼少期を外国で過ごし,その後帰国したことで日本語指導を必要とするケースなどもございます。 基本的な指導・支援方法といたしましては,どの学校も学習言語の理解や獲得のため,日本語指導担当教員が授業に入り込んで個別指導・支援を行うとともに,学習内容によっては別室対応による支援を行う場合もございます。 特徴的な取り組みといたしましては,学校全体で中国の文化を理解するための国際理解教育として授業を行う学校や,日本語指導教員が対象児童・生徒の保護者と学校とのパイプ役となり,相談支援を行うケースがございます。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) 夏休みの後半ですけれども,4校のうちの2つ,鴨田小と潮江南小へお邪魔をしてきました。 鴨田小は日本で生まれ日本で育った児童は,先ほどもおっしゃったように日常会話は大丈夫だけれど,授業中使われる学習言語の理解やコミュニケーションも,少し複雑になると課題がありとのことでした。 そのため,日本語指導教員と担任だけに任せず,児童,担任を支える支援会を毎週木曜日に開き,また保護者との信頼関係をつくり,サポートもしていっていますとのこと。 教師としての力量も問われ,学校のチームワークが不可欠であり,私は改めて先生って大変な仕事だと実感をしたところです。 潮江南小学校は,1990年,教育研究所が潮江地区に移転,それにあわせて中国帰国者も多く居住し,廊下や玄関に中国語と日本語と英語の果物パネルが並んでいて,中国との交流を学校全体で大切に育ててきた様子が伝わってきました。来年からは小学校英語が入ってきますのでと,残念そうに校長先生がおっしゃっていました。 さて,4校以外は在籍しているのに日本語指導教員の配置がないという現状があります。 教育長にお伺いします。 教員配置のない児童・生徒の支援を教育研究所が受け持っていますが,その人員体制,平成30年度,31年度の支援対象の生徒・児童の実態,またどのような形で支援をしているのかをお伺いします。 実際のところ,その体制で十分なのかどうか,現状での課題についてもお伺いします。
○議長(田鍋剛君) 山本教育長。
◎教育長(山本正篤君) 教育研究所における日本語指導は,児童・生徒の在籍校を訪問して支援する帰国・外国人児童生徒支援補助員が1名,また毎週水曜日午後2時から6時に開催する日本語教室で指導する日本語指導員として2名が配置されておりまして,合計3名体制で当たっております。 まず,帰国・外国人児童生徒支援補助員は毎年募集し,単年の雇用で初期の日本語未習得の児童・生徒に対し,児童・生徒の在籍校で学校の様子や日本語習得状況に応じて別室での個別指導を行い,昨年度は7名の児童・生徒の日本語指導を7校で行いました。また,本年度は9月11日現在で5校に対して5名を行っております。 次に,日本語指導員は専門的に日本語指導を学ばれて,経験豊富な方と日本語指導担当教員として長らく経験を積まれてきた方で,毎年同じ方に委嘱をしております。 日本語教室の支援対象は,日本語指導を必要とし,教育研究所が保護者から依頼を受けている児童・生徒で,日本語,各教科,日本の文化,風習などについて,指導や支援を行っています。 帰国・外国人児童生徒支援補助員や日本語指導員が実際に支援した児童・生徒は,平成30年度が16人,本年度が9月11日現在で13人で,母国語はそれぞれ8カ国語,7カ国語と,数年前と比べると多様化をしてきております。 課題といたしましては,母国語は多岐に及ぶことにより,子供と母国語でやりとりが十分にできないケースがあることや,急な帰国や来日により日本語指導が必要な子供が一時的にふえた際に,1人当たりの支援訪問の回数が少なくなったり,継続的な支援が途切れたりすることが上げられます。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) 教育研究所の体制をお聞きいたしました。先ほど出ましたけれども,外国籍児童・生徒の母語というのは,その方が国籍を持つ国の公用語ですけれど,ポルトガル語が29.9%,中国語が20.7%,フィリピン語,スペイン語,ベトナム語,英語,韓国・朝鮮語というふうになっています。なかなか多岐にわたっているということで,大変だという感じがします。 教育長がおっしゃったように,日本語指導員が2名と,それと帰国・外国人児童生徒支援補助員の3名体制です。おっしゃったように,日本語指導員のお一人というのは,長年潮江南小で中国残留孤児の子供たちを支援してきたベテランの先生です。そして,もう一人も,専門の経験豊かな先生です。 そして,教員配置のない学校,これは帰国・外国人児童生徒支援補助員という名称ですけれども,本当にかけ持ちで指導している方,15年ぐらいの外国経験を持ち,そして数カ国語が話せる方です。 お会いをしてきました。これ以上ない最強の3人の方が全力で頑張ってくださっています。 けれども,この体制では限界があると,悔しそうにおっしゃっていました。これからふえるであろうニーズにしっかり対応できるように,体制強化と人材育成が不可欠なことは言うまでもありません。 日本語指導員の配置増とその先生たちの研修体制,また教育研究所の人員増,そして言語がたくさんありますので,通訳の人材バンクなどもできればいいのではと思います。 教育長に伺います。2020年4月,日本語指導が必要な子供たちがこの高知市内の小中学校で授業中言葉がわからずにぽつんと座っている姿がないように,教育委員会としてしっかり体制を整え,汗をかいていただきたいというふうに思います。 御所見を伺います。
○議長(田鍋剛君) 山本教育長。
◎教育長(山本正篤君) 各学校におきましては,日々全ての児童・生徒が安心して学べるよう,さまざまな工夫や配慮を行っており,それは外国人児童・生徒に対しても同様でございます。 日本語指導が必要な児童・生徒が在籍する学校では,学級担任がタブレットを用いて母語に訳したものを見せたり,振り仮名を振ったり,別室での個別支援を行ったりと,日々さまざまな工夫を重ねながら,目の前の子供たちを第一に考えた教育実践に当たっております。 ただ,外国人児童・生徒への対応につきましては,全国的な課題でもございます。7月の高知県都市教育長協議会において,各市教委でも対応に苦慮しているということで話題になりまして,高知県都市教育長協議会の総意として,日本語指導担当教員の増員について,県教育委員会に対して要望をいたしたところでございます。 あわせて,日本語指導が必要な児童・生徒の帰国・来日時が重なることによる増加などに対してはどのように対応することがよいのか,先進的な取り組みなども参考にしながら検討してまいりたいと考えております。
○議長(田鍋剛君) 岡崎邦子議員。
◆(岡崎邦子君) それぞれに御答弁をありがとうございました。 地元秦のこと,そして今高知市で働く非常勤の方たちのこと,教育にかかわっては放射線副読本,そして先ほどの日本語指導が必要な子供たちのことを質問させていただきました。第2問はありません。 最後に,敗戦から74年たちました。私たちはなぜ戦争になったのか,誰が起こしたのか,どう終わったのか,その歴史をしっかり学んできたでしょうか,伝えてきたでしょうか。 原発もしかりです。事故はなぜ起こったのか,天災なのか,人災なのか,今後54基を廃炉にするとしても,途方もない年月がかかり,次世代へそのツケを回すことは必至です。 今伝えなければ3・11はたちまち風化をしてしまいます。えっ,そんなに危険で大変なもの,どうして教えてくれなかったのかと言われたら,今私たち大人は返す言葉もありません。 教育現場もしかりです。放射線副読本に語られていないこと,怒りや不安や悲しみ,そして本当に原発事故の事実を子供たちや若者,次世代の人たちに私たち大人が,そして先生たちが責任を持って伝えていかなければと,改めて思っています。 そして,この福島第一原発事故というのは,8年6カ月たった現在もなお,原子力非常事態宣言は出されたままです。そして,しかも誰ひとり責任をとっていません。東電元幹部3人はそろって無罪を主張しています。 福島第一原発事故をめぐって業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力旧経営陣3名の方,あした19日,東京地裁で判決が言い渡されます。しっかり注視をしていきたいと思っています。 以上で,質問を終わります。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。 〔高木妙君登壇〕
◆(高木妙君) 公明党の高木妙でございます。第472回市議会定例会において,通告に従い,一問一答方式で個人質問をさせていただきます。 約2年半ぶりの登壇となりました。この間,静観して,遅々として進まない事柄を中心に質問をさせていただきますので,明快な答弁をよろしくお願いをいたします。 初めに,環境問題と地域の安全対策について,入明立体交差側道の高欄塗装に関してお伺いをいたします。 平成26年に地域の皆様から全長650メートルの入明立体交差の側道の手すりの塗装の安全対策について御要望をいただき,28年度,29年度の予算で約100メートル区間の塗装を行っていただきました。 当初の協議では,年次計画を立て,毎年度工事延長を図っていくとのお約束でありましたが,平成30年度の塗装工事は実施されておりません。 なぜできなかったのか,その理由について,都市建設部長にお伺いいたします。
○議長(田鍋剛君) 林都市建設部長。
◎都市建設部長(林日出夫君) 入明立体交差側道の高欄の塗装の塗りかえにつきましては,平成28年度と29年度の2カ年施行を行ってまいりましたが,30年3月,環境省よりポリ塩化ビフェニールを含有する塗膜の処分期間内の早期処理について通知がありました。 ポリ塩化ビフェニールとは,略してPCBと呼ばれる人体に悪影響を及ぼす化学物質でございまして,通知の内容は国土交通省が行った実態調査の結果,昭和40年代に施工された橋梁や排水機場等,公共施設の塗装についてPCBを含有した塗料の使用が明らかになり,処理対応を早期に行うよう通知されました。 入明の立体交差側道の高欄につきましては,昭和46年3月に完成しておりますので,この通知を受け,PCBを含んだ塗料が使用されている可能性が高いと判断し,処理対応についての検討が必要なことから,平成30年度は工事発注を見合わせたものでございます。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 入明立体交差の側道の高欄については,昭和46年3月施工でPCBを含んだ塗料が使用されている可能性があるので一旦工事を中断したということでありました。 それでは,環境部長にお伺いをいたします。 その問題となりますPCBとはどのようなもので,除去に関する国からの通達と,そして本市の現在の取り組み,人体への影響,処理方法などについて,いま一度詳細に説明をお願いいたします。
○議長(田鍋剛君) 宮村環境部長。
◎環境部長(宮村一郎君) PCBは化学的に安定している,熱により分解しにくい,絶縁性がよいなどの性質を持っており,その特性から,電気機器の絶縁油や熱交換器の熱媒体,耐水性塗料など,さまざまな用途で利用されてきました。 一方で,脂肪に解けやすいという性質から,慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し,さまざまな症状を引き起こすことがわかってきまして,昭和43年に食用油の製造過程において熱媒体として使用されたPCBが混入し健康被害が発生したカネミ油症事件などにより,PCBによる汚染が問題となったことから,47年以降,製造は行われておりません。 その後,国において長きにわたり処理体制の検討を行ってまいりましたが,平成13年にポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法が制定され,それ以降はこの法律をもとにPCBの処理が進められることとなりました。 本市のPCBの処理の取り組みでございますが,平成24年度より適正処理に着手し,市が所管,管理する施設について,順次調査を行うとともに適正処理を進めてまいりましたが,国から新たに橋梁や排水機場における塗料についても調査をするよう指示があり,現在それぞれの所管部署と連携し,調査を行っているところです。 あわせて,平成27年度から市内の事業者の方などが保有するPCB廃棄物等に関する掘り起こし調査にも着手をし,該当機器の所有が判明した場合には,その適正処理について指導,啓発を進めています。 処分方法に関しましては,PCB廃棄物の重量に占める割合が,0.5%を超えるものを高濃度,それ以下のものを低濃度と分類し,それぞれ処理すべき時期や処理方法が法令等によって異なっており,高知県内で排出される高濃度に該当するものは,原則として令和2年度末までに国が100%出資した事業所において,また低濃度のものは令和8年度末までに,国が認定した無害化処理施設においてそれぞれ処理することとなっております。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 環境部長からは,現在高知市が新たな国の調査対象として上げられた橋梁や排水機場について調べているということと,それらの処理については高濃度については令和2年,低濃度PCBについては令和8年度内に処分をしていくという,そういうお話をいただいたと思います。 それでは,PCB廃棄物の期限内処理を目指し高知市で取り組んでいる調査箇所と,その調査結果が出る時期について,都市建設部長にお伺いいたします。
○議長(田鍋剛君) 林都市建設部長。
◎都市建設部長(林日出夫君) 都市建設部が所管する施設のうち,この調査対象となった施設といたしましては,道路施設では76橋の鋼橋と入明立体交差側道の高欄,河川施設では4排水機場内にある設備がございます。 これらの調査対象のうち,本年度は23橋の鋼橋と入明立体交差側道の高欄及び4排水機場の設備について調査を完了する予定でございまして,調査結果の時期としましては,道路施設は本年11月に,河川施設は本年度末を予定しております。 また,残る53橋の鋼橋につきましては,令和2年度の調査完了に向け取り組んでまいります。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 都市建設部長にもう一度お尋ねしますが,道路関係については11月に結果が出るということでしたが,入明の立体交差の高欄についても11月に結果が出るという認識でよろしいでしょうか。
○議長(田鍋剛君) 林都市建設部長。
◎都市建設部長(林日出夫君) そのとおりでございます。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) ありがとうございました。 PCB廃棄物に係る調査費は,令和元年の当初予算に迅速に計上していただきました。今後は入明立体交差の側道を初めとする橋梁や排水機場などの,PCB廃棄物処理に関する費用や塗装工事費など,多額の予算が必要になります。それらの予算確保は本市全体で考えていかなければならないことは重々承知の上でお伺いをいたします。 入明立体交差側道付近は,通勤,通学など交通量が多いところですので,延長550メートルの高欄の塗装工事または撤去,新設を早急に行わなければなりません。 先ほどの御答弁では,調査結果が出るのは11月ごろとのことで,詳細のわからない中での質問となり,大変恐縮ではございますけれども,PCB調査結果の後に想定される工事スケジュールや,周知のための住民説明会の開催,予算計上などを求め,岡崎市長にお伺いをいたします。
○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 先ほど部局からも説明がありましたとおり,ある意味工事途中で国からのいろんな通知があったということで,一回中断しているという現状でございます。 現在11月1日までの予定で,先ほどありましたとおり,PCB等が含有されているかどうかという,その調査の結果が出ますので,その報告を待っているところです。 今回の調査結果によりまして,仮にPCBが検出された場合には,PCBが入っているか入っていないかによりまして事業費が相当違いますので,PCBが検出された場合には処理費が高額であることに伴い,事業費が増大をいたしますので,市議会に御報告を申し上げますとともに,その処理の方法や工事のスケジュール等について,地元説明会を行ってまいりたいと考えております。 なお,PCB特別措置法の処理期限,先ほども出ましたが,8年度末,令和9年の3月末というのが期限になっていますので,順次この結果を受けて工事工程を組みながら,工事を着実に進めてまいりたいと考えております。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) どうかよろしくお願いをいたします。 忘れもしません,現在整備中の弥右衛門公園でも約1万4,000トンの産業廃棄物の鉱滓が野積みをされ,弥右衛門公園の地域の皆様とその撤去の願いを提出したのが2009年でございました。 やっと公園の完成も見えてきました。あのとき同様に,住民の皆様に健康被害が出ないように,有害とされる産業廃棄物の撤去は慎重かつ迅速に着手をし,安全な地域対策が行われることを求めまして,次の質問に移ります。 動物愛護行政についてお伺いをいたします。 質問の前に,本市の動物保護活動の中心的な存在として献身的に取り組んでこられた岩戸一代さんが本年7月にお亡くなりになられました。ここに深く哀悼の意を表し,心より御冥福をお祈りいたします。 生前,この子たちを幸せになれるように頑張ってよと,きっぱりとした口調で御指導してくださったことを胸に,以下,質問を行いますので,明快な御答弁をよろしくお願いをいたします。 初めに,地域猫活動について伺います。 平成30年度当初予算で36万円で始まった地域猫活動,今議会でも補正予算が組まれていることに感謝を申し上げます。 改めまして,地域猫活動とはどのような活動をするのでしょうか。猫によるトラブルを抱えた地域の皆様が,これは取り組まなければならないと思われるように,その活動の目的や方法について,御説明ください。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 地域猫活動は,飼い主不明の猫によるふん害や鳴き声などの騒音などが社会問題化しており,こうした猫の不妊・去勢手術により繁殖を防ぎ,猫の自然減による被害や苦情の低減を図るとともに,不幸にして失われる命を防ぐという動物愛護の視点,並びに地域の住民が協力して行う環境美化を図る活動です。 猫は繁殖力も強く,そのまま放置をしていても減ることはありませんので,時間はかかりますが,適正な管理によって数を減少していく方法しかありません。 また,この取り組みに当たっては,住民が話し合いを重ね,ルールをつくり,協力をして行動する必要があります。地域のつながりの希薄化が言われていますが,猫に起因するさまざまなトラブルを地域住民で解決をすることで,地域の課題解決力の向上を図り,猫をキーワードとしたまちづくり,地域づくりにつながる活動です。 このような取り組みが結果として,困ったときにお互いに助け合える,つながりのある地域,住んでいてよかったと思える地域づくりになるものと考えておりますので,猫でお困りの地域の方々は積極的に取り組んでいただきたいと考えています。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) よく詳細な説明をしていただきまして,ありがとうございました。 そして,それに加えてこの活動は行政と地域とボランティアさん,獣医師さんの4者が欠けることなく協力して活動しなければ,猫によるトラブルを解決させることはできません。 ですから,行政は市民への啓発や財源の確保とともに,地域やボランティアさんが猫の確保や不妊手術がスムーズにできるよう仕組みを構築する,そして支援することが最も大切であると私は考えております。 そこで,昨年の地域猫活動を振り返り,ハードルの高かった部分の改善を求め,お伺いをいたします。 まず,本市の地域猫活動補助金は,交付決定後,活動実績の報告書を提出し,審査を受けての完了払いになっています。 活動推進の中心者にとって負担の大きい完了払いを,概算払いに見直すことはできないものか,お伺いをいたします。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) この補助制度の構築に当たりましては,先進事例を参考にいたしました。その中では,年度途中の中止,あるいは廃止の例もあるとお聞きをしましたので,制度の維持,継続を図る観点から,実績払いとしたところでございます。 一方で,補助申請をされる団体には,地域の住民,ボランティアさんで構成される任意団体もあり,費用を立てかえる資金力もない実態にあるとの声もお聞きをしております。 この制度は,何よりも住民の皆さんにとって活動しやすいものとして活用いただくこと,地域の猫問題の解決につなげていくことが重要と考えております。 事業の目的が達成されたかどうかという検証も必要となりますので,整理すべき問題もありますが,補助金支給方法も含め,負担軽減策を検討してまいりたいと考えております。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 先ほどの御答弁では,部長は町内会の資金力の厳しさ等々の御承知をいただいた上で,補助金制度の整合性を見て,慎重な御答弁をされたと思います。 岡崎市長にお伺いをしたいと思います。 地域猫活動の補助金は上限12万円です。この活動では実際にお金を動かさなくては不妊手術も行えないし,餌代も出せません。これを誰かが立てかえるとなると,個人への負担が生じ,本来の目的が達せられないことにもなります。 重なりますが,地域猫活動は飼い主のいない猫の繁殖を抑え,現在生息している猫を処分せずに共生をしていく,ともに人と動物が共生をしていく手法であり,TNRを初め,毎回の餌やり,そして餌の片づけ,ふんの管理,子猫の譲渡先探しまで,地域の皆様とともに取り組む息の長い取り組みとなっております。 高知市の補助金等交付基準によりますと,補助対象事業の性質上,概算払いによらなければ補助金の交付の目的を達成できないなどの特別な事情がある場合には,完了払いによらず,概算払いにより交付することができるものとするとなっております。 まさに個人への負担が生じ,地域猫活動ができなくなることは,補助金交付の目的を達しない特別な事情に当たると私は思います。 完了払いを概算払いに改善するという,明確な答弁を市長にいただきたいのでございますが,再度お伺いをいたします。
○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 補助金の支給のやり方,手法につきましては,財政当局や,また出納課ですけれども,会計管理者等と協議をしながらこれまでも決めておりますので,12万円と,上限ではございますけれども,その負担が大変だということは各団体からもお話を聞くときもございますので,概算払いが可能かどうかということを,具体的に関係各課と協議をしてまいりたいと思います。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 今後の協議について注視をしておきますので,どうかこの地域猫活動が継続できるような御判断をお願いしたいと思います。 もう一つの課題は,地域猫の手術には動物病院への予約が必要で,せっかく捕獲ができても,その日の手術の対応ができない事態が発生をすることです。そのためにも,行政獣医師による猫の不妊手術が行える体制を整えることが大切であると私は考えます。 幸いに,本市には臨床経験のある獣医師も在籍し,診療所登録もできていることから,関係機関と連携し,飼い主のいない猫の手術に職務として立ち会い,実習経験を積む機会を設けることは,今後のセンター運営に大きな戦力になることは間違いありません。 そこで,センター建設を控え,大規模な投資はできなくても,行政獣医師の専門性が生かされる手術の実施や研修体制を構築することができないものか,岡崎市長にお伺いをいたします。
○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) センターにつきましては,さまざまな協議をしておりますけれども,動物愛護センターが整備をされた暁には,先ほどの御質問のように行政獣医師によります不妊去勢手術が実施をできる環境が整えられるということが望ましいものと考えております。 ただ,そのためにはその役割を果たせるように事前に準備をしておかなければならないことでございますので,幾つか課題もございます。 あんしんセンターの小動物の一時預かり所は,診療所として登録はしておりますけれども,施設が狭隘で感染予防などの対策も十分にとられておらず,手術の実施などは現在のところ想定がされていない施設となっております。 また,獣医師の研修でございますけれども,保健所としても取り組んでおります業務のスキルを高め,能力を発揮する内容の受講機会もありますけれども,それ以外の研修につきましては,なかなか機会がないというのが現状でございます。 既に職員の方々がみずから自己研修を目的として研修に参加されている実態もあると聞いておりますが,全体として保健所の業務との整理,また勤務の調整など,課題となるべき事項もございますので,今後御指摘の内容も踏まえまして,動物愛護センターの建設を見越した,御指摘のような研修の実施に向けて,検討をしてまいりたいと考えております。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 私がこれまで視察をしてまいりました広島市なんかにおきましても,地域猫の登録をした団体に対しての行政の手術を無料で行っておりました。 もちろん,センターが建設されたら,そのような施設も高知市でもつくっていかれるとは思いますけれども,先ほどの御答弁にもありましたように,その準備段階として考えていかなければならないことは多々あると思います。 この獣医師さんたちが自己啓発のために自分の時間を割いて参加するだけではなく,研修対象として,職務として臨めるような環境をつくっていただきたいことを要望しておきます。 私は先日,高知県獣医師会小動物部会が行う飼い主のいない猫の手術を見学させていただきました。獣医師さんたちは,日ごろの診療とは分離をして,動物病院を提供し,休日を返上して取り組んでくださっておりますので,かなりの御負担を感じているところです。 近い将来,高知市でも行政獣医師の専門性を生かした手術が可能となるよう,しっかりと準備を整えていただきますよう,再度お願いをしておきます。 次に,高知県は地域猫活動事業を行っておりません。また,猫の不妊手術助成は雌猫に限って実施をされております。なぜこのような取り組みになっているのか,センター建設をともに行っていこうとする高知市の御所見をお伺いいたします。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 昨年度,高知県では各市町村が地域猫活動を行うための啓発用の補助を用意しておりましたが,利用は1町のみと伺っております。 利用ができなかった背景には,事業実施をする際の住民合意に至る難しさがあったとお聞きをしております。 そのため,高知県では本年度は各市町村の地域猫活動につなげるステップの1段階として,市町村が決める特定区域での一斉不妊手術の補助を行政と地域住民,ボランティアの協働実施で始めておられます。 補助対象を雌猫に限るという理由につきましては,限られた予算の中で効果的に事業を進めるためと伺っているところです。 本市では,いわゆる飼い主不明の猫対策では,より効果を確実にするために雄雌両方の手術が必要と考えて取り組んでおりますが,地域猫活動は猫をふやさないだけではなく,住民合意の形成過程に培われるコミュニティの再構築,地域での活動継続への期待など,地域共生の取り組みが本来の役割であると考えておりますので,そういう立場から進めているものでございます。 今回,動物愛護法の改正によりまして,保健所設置市以外の全ての市町村においても,動物愛護担当の設置が努力義務とされましたので,今後高知県内においてもこういう取り組みを進めていく市町村がふえ,住民の理解が高まっていくことを期待しているところでございます。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 御答弁をいただきました。私も同じ思いがあります。高知県の一斉不妊手術の取り組みも,大変な効果はあると思います。 しかし,地域猫活動は,先ほども御説明をいただきましたように,猫の繁殖を制限するものだけではありません。猫による地域の困り事を解決し,町内の環境美化にも通じるコミュニティを形成していくという,思わぬ効果が期待できるすばらしい活動なのです。 高知県から事前に聴取をした,できない理由こそ,まさに地域猫の取り組みによって解決できる事柄なのにと,私は残念でなりませんでした。 本年6月公布された改正動物愛護管理法第37条の3には,動物愛護管理担当職員の位置づけの明確化が上げられ,本市以外の市町村の設置に対し,努力義務となっております。さきの部長の答弁のとおりであります。 まさに地域住民との対面で最前線での取り組みを行わなくして,動物愛護施策の展開はできてこないことから,例えばれんけいこうちの枠組みなどで高知市のノウハウを伝えるアドバイザー派遣を行ってでも推進をするべきだと申し上げておきます。 まさに地域共生の取り組みとも言えるこの地域猫活動一つをとっても,見解の相違があることがわかりました。これから一緒にセンター運営を行っていく高知県と高知市の事業展開が気になる一点でもあります。 次に,(仮称)こうち動物愛護センターの整備についてお伺いをいたします。 平成30年3月に(仮称)こうち動物愛護センター整備基本構想が公表されました。本来ならば,30年度当初予算で基本・実施設計へと進んで当然でありますが,何の進展もない中で,本年7月12日の建通新聞で,災害時に動物救護対策の拠点となる動物愛護センターの設置に向けては,設置候補場所選定の協議を進め,第3・四半期から設計などに着手をするとしたとの1面トップ記事で紹介をされました。 まさに寝耳に水の発表でありますが,ここまで具体的な記事が掲載されるとは,まことに喜ばしいことであると私は歓迎をしております。 この記事の根拠となっている事柄,今後のスケジュールなども含め,現在の動きについて,吉岡副市長に詳細な説明を求めます。
○議長(田鍋剛君) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡章君) 建通新聞記事は,高知県の南海トラフ地震対策推進本部会議で示された2019年度から2021年度までの3カ年の第4期行動計画の中で,災害時動物救護体制の充実の取り組み目標として,救護の拠点としての動物愛護センターの設置スケジュールを掲載したものが,そのまま報道されたものとお聞きをしております。 このスケジュールは,平成30年度末の協議状況に基づくもので,2019年度に基本設計,2020年度に実施設計,2021年度に建設工事と,最短の場合を想定したスケジュールとなっている,あくまでも仮定のものです。 今後のスケジュールですが,現時点で候補地の選定に至っておらず,公表できる段階ではありませんが,今後候補地が公表できる環境が整いましたら,実態に応じたスケジュールを改めて県と協議し,公表したいと考えております。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 副市長に再度お伺いします。 現在公表できる段階ではないものを建通新聞が掲載したということは,この記者の勇み足であったということでしょうか。
○議長(田鍋剛君) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡章君) 県に確認をしたところ,先ほども申しましたように,県の南海トラフ地震対策推進本部会議の中で,現在協議をしているスケジュールを掲載したものと聞いております。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 答弁にはなっていないように思いますが,再度お聞きします。文中には設置候補場所選定の協議を進めという言葉もあります。 高知県健康政策部食品・衛生課にお聞きをしたところによりますと,私はこの今回の質問をする前に,高知県,そして高知市の動物愛護に対する考え方を文書で回答を求めて調査をいたしました。 そのときにお聞きしたことによりますと,基本構想をもとにして,県,市で絞り込みを行っているとの回答でしたけれども,候補地の選定はどの段階までできているのか,お伺いをいたします。
○議長(田鍋剛君) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡章君) 現時点では,高知県の説明のとおり,基本構想にある立地条件に極力近いものの中から,周辺環境の調査や絞り込みに向けた調整を行っているところでございまして,まだ公表できる段階にはありません。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) まだ公表できる段階ではないということでありますが,副市長,もう一問お尋ねいたします。 今公表できる段階ではないということは,それは,県,市の担当レベルの協議であるからと受け取ってよろしいでしょうか。
○議長(田鍋剛君) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡章君) 県,市の担当レベルもそうですけれども,候補地の先ほど申しましたように立地条件に極力近いものを選定している段階でして,それが地元の合意とか関係者の方との調整もこれから必要でございますので,そういうことも踏まえて,まだ公表できる段階ではないというふうに考えております。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 一旦この建通新聞の記事については,ここでおきます。 次に,基本構想が固まったのに,なぜ進まないのでしょう。どんな課題があるのか,吉岡副市長にお伺いいたします。
○議長(田鍋剛君) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡章君) まず,マスコミ報道等も踏まえ,一般的に小動物管理センターのイメージが定着しており,愛護センターが迷惑施設という印象となってしまっていることが候補地選定のハードルの一つとなっていることもあり,事前の調整を十分に行っていないなど,事業がうまく進まないことがあると考えられます。 また,動物愛護等もさまざまな考え方がありますので,愛護センターに求める役割や機能など,基本理念に係る運営面においては,県と市の行政権能の違い及びそこからもたらされる実務上の差,基礎自治体である市と市町村を取りまとめる立場にある県との立場の違いにより,整理すべき課題も多くあるのが現状であります。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 今,吉岡副市長は,その御答弁を要約いたしますと,僣越でありますけれども,啓発の問題であったり,運営機能の問題である,そうしたことを取り上げられたと思います。 私はこの用地の建設が進まない理由は3つあると思っています。 まず1点目は,先ほど副市長もおっしゃられました運営上の問題,2点目は先ほどあった用地の問題,3点目は啓発の問題があると思っておりますので,ここで少し課題について,整理をしていきたいと思います。 (仮称)こうち動物愛護センターの運営機能について,お伺いをいたします。 オーテピア図書館建設のような合築,機能分担の判断を持ち合わせておられるのか,詳しくお伺いをいたします。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 先ほどの副市長の答弁にもありましたように,高知県のほうでは動物の管理行政は,基本的に各保健所で行っておりますが,愛護行政は本課で行うという,大枠で維持をするというふうに伺っておりますので,高知市とは行政権能が違っており,それぞれ立場が違っていることが背景にはございます。 したがいまして,こうした行政権能,役割が違うために愛護センターの運営上,同一にできない部分はどうしても発生をいたしますので,県,市がどのような役割を担い,センターを運営するのかを,現在,担当部署間で協議を行っているところでございます。 一方,他県においては御指摘のような合築,機能分担で運営をしているところもあるとお聞きをしておりますが,愛護行政については市民,県民の理解と協働を得ながら実施をすることが必要であることから,できる限り方向性の共有を図り,連携してセンターが運営できるよう,今後も協議を継続してまいりたいと考えています。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) とても曖昧な御答弁をいただきました。私は高知県に問い合わせをいたしますと,高知県は建物は合同整備を行う予定ですが,運営に対しては機能分離を考えているという御答弁でした。 先ほどの部長の御答弁をもっとわかりやすく言っていただきますと,建物は合築するけれども機能は分離すると,そのようなお考えであるのか,建物は合築する,そしてまた機能も一緒にやっていきたいという前提なのか,確認をさせてください。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 基本的には,建物については合築を考えております。 その中で県と役割の違いというのもありますので,当然,県のほうは高知市を除く市町村が担当区域になりますので,例えば収容スペースについては県のスペースと高知のスペースを別にするということになってまいりますので,役割というのが建物の中でも違ってくるというふうに考えています。 先ほど運営面についての御質問もございましたが,図書館のような分離方式でそれぞれ運営をしていくのか,例えば医療センターのように,県,市一緒になって運営をしていくのか,そのあたりについては現在調整を図っているというところでございます。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 今後の実施設計の重要な部分になっていくと思いますので,この後のことをしっかり県と市の担当の中で協議をしていただき,整合性のある,誰もが喜ぶ施設をつくっていただきたいと思います。 また,運営についてもう一問いたします。 基本構想には,センター建設に当たっては,収容動物の譲渡推進の拠点との考え方が盛り込まれております。一口に譲渡を推進するといっても,それは解決しなければならない課題があります。 処分ゼロをどこまで目指すのか,命に向き合う姿勢は,県,市ともに同じなのか,民間シェルターとの連携や支援を行うことが前提となっているかなど,現段階の考え方が高知県と一致をしているのか,具体的かつ明確にお答えください。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 本市では収容スペースの拡張や収容日数の延長などにより,譲渡の機会の拡大に努め,動物の命をつなぎ,できるだけ殺処分ゼロに近づけるよう,さまざまな努力を行い,今後も継続をしていかなければならないと考えております。 一方で,行政には動物から人への危害を防止する,公衆衛生上の責任もあることから,適切な対応が必要と考えているところです。 基本的な姿勢については,高知県も同様と考えておりますが,例えば収容等に当たっては,動物愛護の取り組みの中で言われております動物福祉の視点も重要と考えておりますので,これらの考え方については同じ立場で命と向き合いながら,県と連携をして対応してまいりたいと考えています。 また,民間との連携や支援については,スキルやノウハウ,マンパワーなど,行政のみで完結をすることは難しい分野であることから,積極的に連携,支援に取り組むべきと考えているところです。 基本構想の中でも,個人や団体,企業等,お互いを尊重し,さまざまな主体との協働がうたわれていますが,動物愛護に対する取り組みや考え方はさまざまございますので,特定のボランティアや団体に偏った形での連携は避けなければならないと考えておりまして,そうした面での調整は,今後も継続をして図ってまいりたいと考えています。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 運営上の課題について2つお聞きをしてまいりました。わかったことは,建物は合築で行っていく,しかし機能については考えなければならないところがあるというところでございます。 そして,命に向き合う思いも少し違うようにも私は捉えます。 このことは今後の実施設計にも大きくかかわってきますので,どこまでも処分ゼロにこだわるならば,保護した動物の譲渡先が見つかるまでセンターで保護動物の面倒を見なくてはならないし,大きなシェルターを建設してもあだたぬものとなってきます。行政だけでは限界があると思います。 また,高知市では民間シェルターとの連携は慎重姿勢のように受け取りました。高知県では譲渡ボランティア制度を設け,民間シェルターの役割も担っていただいているとの認識でした。 これまでお尋ねしてきましたように,センター整備に当たっては,意見が分かれることの多い動物愛護政策で,無限にある課題を解決せねばなりません。まだまだ時間のかかる問題があるように思います。 しかしながら,センター建設はこれまで不十分であった動物愛護の取り組みを抜本的に充実させるだけではなく,災害時にも動物救護対策の拠点としての機能を持ち合わせていることになっているため,慎重な議論は必要ですが,悠長に先延ばしできるものでもありません。 私の掲げる課題の2,用地の問題です。基本構想には,1つ,津波浸水地域以外で。 2つ,全県からアクセス及び災害時の受援を考慮し,県中央部に。 3つ,動物の鳴き声等に配慮し,住宅地から一定の距離がある場所に。 4,来訪者の利便性を考慮し,公共交通機関が利用可能な場所に。 5,幼稚園,保育所,学校,福祉施設等の遠足,課外学習等にも利用できること。 6,子供からお年寄りまで立ち寄りやすいイメージの外観,利用しやすい環境。 7,災害発生時に動物救護や物資集積所として活用できるスペースと,7つの整備の基本条件があります。 この要件にかなう県,市の所有する土地で適地となる候補地があるか,なければ購入してでも建設をするのか,また事前防災対策の進捗により被害想定が変わった場合,浸水地域でも候補地とするのか,お尋ねをいたします。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 高知市内の県,市が所有をする公有地への設置の方向で検討しておりましたが,御質問のような用地選定の条件を全て満たす土地がなかったことから,その中から優先度の高い項目,特に津波浸水地域ではないということなどを満たす場所を選抜いたしまして,現在絞り込みを行っているところであり,民間からの購入については現時点では考えておりません。 被害想定が変わった場合,例えば浦戸湾の三重防護の完成により,現在の浸水地域内の土地でも候補になり得るかもしれませんが,工事の完成時期等,今後の計画スパンを考慮いたしますと,現時点では整備の目標との関係からも,現実的ではないというふうに考えています。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 先ほどの高知市の御答弁では,7つの基本条件に全て見合う適地を探すのは困難であった。しかし,条件に合う民有地を購入する予定もない。なので,津波浸水地域以外など,条件の中で最優先,優先度が高いところを検討しているという,そういう御答弁でありました。 高知県にお伺いをしました。高知県では,高知市内の県,市の公有地の設置を検討しておりますが,残念ながらその中には基本構想の整備の基本条件の7つの条件を全て満たす設置可能な場所はありませんでした。 また,現時点で土地の新たな購入については検討しておりませんと,同じ御答弁をいただきました。 2016年8月30日付の高知新聞には,尾崎県知事と岡崎市長が県市連携会議の場で,動物愛護センターを共同設置する方針で一致したと伝えられました。あれから丸3年,まだ適地は見つかっておりません。 岡崎市長,今全国各地で建設をされている動物愛護センターは,交通の利便性の高い町なかに整備をされることが主流となっております。 高松市も市内に設置し,京都市もまさかと思われるような利便性の高い町なかに公園と併設をして整備をされております。 担当課がこれほど苦労して探してもなかなか決まらない,7つの条件に全て合う候補地がないとの結論が出たにもかかわらず,民有地を購入する意思もないとは,愛護センター建設に消極的で,やらないと言っているのに等しいと思われます。 なぜ民有地に目を向けられないか,それは担当課レベルでの協議であるからではないでしょうか。 私のもとには,行政職員こそ動物愛護センターへの間違った認識,迷惑施設だの,そうした偏見を改めるべきとの厳しい声や,愛護センター整備への正しい理解を求める意見が届いております。 また,県,市の財産を見直し,目的を変更して活用することもありではないかとの御意見もいただいているところです。 例えば,民間利用を目指しているところ,丸ノ内庁舎の借地,高知市の救護施設も県の学校用地も活用できるかもしれません。都市公園法も改正されましたので,城西公園の一角を活用することも可能ではないでしょうか。 ここまで候補地を挙げると,あそこは丸々に使うし,まさかこんな一等地にと,皆さんの胸のうちが聞こえてきます。私もそうでした。 そこを払拭して,まさに発想の転換をせずして適地は見つかりません。担当課だけではなく,財政課,管財課も含め庁内連携で検討をすること,高知市も高知県にも,しかと要望をしておきます。 動物行政,最後の質問の質問ですが,この用地の決まらない要因の一つに,動物愛護センター整備に関する十分な啓発ができていないという,先ほどの副市長の御答弁にもありました。私も同感であります。 今,諸外国の動物愛護施策の柱は,動物の福祉を考え,5つの自由に配慮をした制度への理解が求められております。 そのような中で,高知県,高知市はどのようなセンターの整備を考え,なぜ建設をするのか,県民,市民の皆様は動物愛護についてどのように捉えられておられるのか,世界の動物愛護政策の変化などについても学べる機会が必要だと思います。 そこで,シンポジウムの開催を提案いたします。あわせて,建設への目途についてもさきの用地選定に係る庁内連携についても,岡崎市長の御決意と見解をお伺いいたします。
○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 段々議論をいただきましたとおり,動物愛護センターのあり方,また動物愛護そのもののあり方につきましても,ここ数年でいろんな御意見,また新聞での連載等もございましたので,さまざまな考え方やまた先進的な事例も新聞報道等で随分紹介をされてまいりました。 動物愛護センターの整備に当たりましては,県,市のトップ会談でも議論になっておりまして,県市合同で専門家や有識者によります基本構想検討委員会を設置しまして,先ほど御紹介をいただきましたとおり,平成30年3月,基本構想という形で,こういうものですけれども,取りまとめられまして,パブリックコメントを実施してきているところでございます。 さまざまな御意見をいただいておりますので,その後の県,市の協議結果などを踏まえまして,今後の基本計画,基本設計など,策定作業に進むということになっております。 動物愛護,それぞれいろんな考え方がありますので,やはり市民,県民の理解をさらに深めながら,また全国的に先進事例がどういうものかということも知っていただくということが必要な時点に来ているというふうに考えております。 御質問にあります,市民,県民のさらに動物愛護の理解を深めるためのシンポジウムの開催ということも有効であるというふうに考えておりますので,そういう場の設定につきましては,やはり,県,市で理解をした上で進めていく必要がありますので,県,市,またそれぞれ協議をして,シンポジウムの開催に向けまして,協議をしていきたいと考えております。 さまざま,御意見がありますし,また一番のポイントは,やはり場所をどこにするかということが一番のポイントであり,基本的にはやっぱり公有地,それぞれ県,市の公有地の中でいかに工夫ができるかというところが一つのベースになろうかというふうに思いますので,なお場所につきましても,その協議を詰めてまいりたいと考えております。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) ありがとうございます。どうかよろしくお願いをいたします。 私の時間,10分になりました。教育行政について何点かお伺いをいたします。 通告4問をさせていただきましたけれども,時間が限られておりますので,初めに4,学習障害や不登校児童の支援となるよう,民間活力の活用について,教育長にお伺いをしたいと思います。 平成28年12月には,義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律が制定し,フリースクール等に関する検討会議の報告書をもとに,29年3月には文部科学省より不登校児童による学校以外の場での学習等に対する支援の充実についての通知がされました。 国ではこの間,3年間のモデル事業の取り組みを総括し,民間活用の重要性を発信しております。 それによると,全国約15%の教育委員会が不登校児童・生徒の支援に当たり,民間団体や施設と連携しているにもかかわらず,高知市ではフリースクールへのリサーチすら行っておりませんでした。 また,約60の教育委員会等で,不登校児童・生徒が学校外の機関等に通うために経済支援を行っております。 本市でも,学校には行けないけれども,学びを求め校長裁量による出席扱いにより進学を志す生徒がいるにもかかわらず,民間の活用を取り入れない高知市教育委員会の取り組みを,いま一度考察をしていただきたいと思います。 本市におけるフリースクールとの連携やその支援について,今後どのように取り組んでいかれるのか,前向きな取り組みを求め,教育長にお伺いいたします。
○議長(田鍋剛君) 山本教育長。
◎教育長(山本正篤君) 本市におきましては,不登校の子供の居場所として教育研究所内に教育支援センターを設置し,小学生や中学生のほか,義務教育修了後の卒業生のための支援を行い,不登校の子供の社会的自立を目指してまいります。 その一方,御指摘をいただきましたように,学校以外のさまざまな場で学習を支援するに当たって,フリースクールなどの民間団体の果たす役割が今後ますます大きくなっていくと考えております。 現在,教育委員会において学校との連携が確認できている民間のフリースクールは1施設ございまして,先日そのフリースクールの代表の方と教育研究所の担当が,フリースクールにおける学習や学校との連携状況を確認いたしますとともに,行政機関との連携における課題等について,話し合いを行ってまいりました。 教育委員会といたしましては,不登校児童・生徒が民間のフリースクールやICTを活用した学習活動など,学校以外の場で学習をしている状況の把握に努め,評価や指導要録における出席扱いなどに正しく反映されるよう努めてまいりたいと考えております。 加えて,さまざまな理由により不登校となる児童・生徒に対して,多様な居場所を確保することは有効な支援となりますので,子供たちの社会的自立を支援するという共通の目的を有しているフリースクール等との連携の必要性は,今後ますます高まってくるものとも考えております。 教育委員会といたしましては,国の補助制度についても研究しながら,子供たちへの支援がさらに充実するよう,フリースクール等との連携や支援のあり方について,具体的にフリースクール等と協議をしてまいりたいと考えております。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) ありがとうございます。先ほど御答弁にもありましたように,文部科学省では不登校児童への多様で適切な教育の確保を重要として,不登校児童に対する支援推進事業として,令和2年度にはさらに充実した取り組みができるよう,準備中だとお聞きをしております。 明年は高知市でもこれらの事業を活用して,さらに充実した支援ができるよう求めておきます。 次に2,健康福祉部長にお伺いいたします。 発達障害による特別支援教育は,早期発見とその支援方法,保護者との連携が重要で,支援を必要としている児童・生徒に寄り添える対応が最も重要であることは申し上げるまでもありません。 私たち公明党は,これまでも子ども発達支援センターの設置やサポートファイルの活用,5歳児健診の必要性など,早期診断により必要な支援が時を逃さずに受けられる重要性を提案し,保護者へのフォローの重要性についても提案をしてまいりました。 執行機関の皆様には,ささいなように思われるかもしれませんが,自立支援医療受給者証更新の手続の案内を,令和2年3月をもって終了するとの高知市の案内は,行政の必置事務ではないにしろ,遺憾であります。 発達障害のある子供たちの確かなる支援が将来につながり,当事者の未来を開くためにも,自立支援医療受給者証更新の手続の継続的な支援を求め,お伺いをいたします。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 自立支援医療費,いわゆる精神通院の医療につきましては,支給認定事務を保健所で申請を受理し,県に進達をするということで行っております。現在5,823人が受給をされており,1年に1回の更新手続,2年に1回の診断書の提出が必要となっています。 有効期限の3カ月前には,更新手続が可能となっておりますが,大半は医療機関のほうで実施をして,残る方については御自身等で実施をしていただいているところです。 これまで御質問のように通知をしてきておりましたけれど,対象者の選び方等に公平性に欠けるところもございましたので,基本的には御本人で申請をしていただく必要があるということで,今回見直しをしたところでございます。 ただ一方で,支援の必要な方ということもございますので,また有効期限内に更新手続が行われた場合のデメリットということも発生をいたしますので,これまでどおりの通知の仕方とはなりませんけれど,更新手続が抜かることを防ぐために,来年度以降も有効期限前に医療機関の協力を得られない方等については,申請の案内の手続を送付するということで対応いたしますので,今回の通知によって御心配と御不安を与えました皆さんには,心からおわびを申し上げます。
○議長(田鍋剛君) 高木妙議員。
◆(高木妙君) 当事者の方にとりまして不利益にならないような対応を求めておきたいと思います。 残り3分となりました。この4月の改選まで議長職にありまして,なかなか登壇をする機会がございませんでした。この任期の間,皆様には大変お世話になりましたことを,改めてこの場をおかりし,感謝を申し上げます。 そして,田鍋議長,寺内副議長には目前に迫ってまいりました全国市議会議長会フォーラムin高知の開催に当たり,何かと重責を担われて御苦労もおありでしょうが,全国から集われる2,300人の議員の皆様に学びと思い出を築いていただける大会となりますようお願いをいたしまして,私の質問を終わります。ありがとうございました。
○議長(田鍋剛君) この際暫時休憩いたします。 午前11時54分休憩 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 午後1時0分再開
○副議長(寺内憲資君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 福島明議員。 〔福島明君登壇〕
◆(福島明君) 都市整備行政について,まず屋外広告物についてお聞きいたします。 保守・中道クラブの福島でございます。通告に従い,順次,意見,提案,要望も交えながら質問をさせていただきます。 先週9月10日の屋外広告物の日に行政機関や屋外広告業団体,警察,電柱等管理者など約60人が参加し,一斉除去作業が行われました。対象は高知市屋外広告物条例に違反して電柱やガードレール,街路樹等に取りつけられていた張り紙,張り札,広告旗,立て看板などあったとお聞きしています。 しかし,今回の一斉除去は容易に除去できる広告物ばかりで,現実には固定された自立式看板の中に簡単に除去できないかなりの数の違反広告物があるとお聞きしています。 本市の担当者は,9月10日のテレビのニュースの中で,条例の認識や広告物の許可事務手続,安全性など,そういったものの認識を高めていただければと思いますと語っていました。 屋外広告物で自立式看板の許可申請について,高さ4メートル以下のものは都市計画課,4メートルを超えるものについては都市計画課と建築基準法が適用されるので建築指導課にも確認申請をするようになっています。これは大きな看板が倒壊すると大事故につながるため,構造計算をする必要があるからです。 8月15日早朝,台風10号が西日本を縦断していきましたが,本市には幸い大した被害がなかったのですが,高須新町4丁目では,高さ7メートルの柱の上に設置していた縦5メートル,横3.6メートルの巨大看板が強風を受け,隣接する建物の駐車場に落下いたしました。 真夜中から早朝の時間帯に落下したものと見られますが,これが日中ですと大惨事になった可能性もあります。高知市屋外広告物の手引を見てみますと,申請から許可まで大変丁寧な流れが掲載されていますが,特に許可された広告物について,許可証を張るようになっております。 この落下した看板に許可証を張られていたかどうか,都市建設部長にお伺いいたします。
○副議長(寺内憲資君) 林都市建設部長。
◎都市建設部長(林日出夫君) 当該広告物につきましては,昭和58年に設置をされておりまして,平成18年に除却届が提出されるまでは適正に更新手続が行われておりましたが,平成18年以降は許可手続は行われておりませんので,許可証は張られておりません。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) 人的被害がなくても,もしくは駐車場にいる車に当たれば,事故として警察も現場検証をすることになります。 市として持ち主に対し,検証また指導等を行ったかどうか,都市建設部長にお伺いいたします。
○副議長(寺内憲資君) 林都市建設部長。
◎都市建設部長(林日出夫君) 当該広告物につきましては,台風10号による落下の情報を受け,当日担当課の職員が現地確認を実施しましたが,関係者には会えなかったため,後日関係者と面談を行いました。 面談の内容としましては,これまでの状況を聞き取り,無許可物件であること,許可の必要性,他都市の事故事例及び責任の所在等について説明し,是正するように指導を行いました。 なお,当該広告物の撤去や今後の設置予定につきましては,昨日にも連絡をとりましたが,未定であるため,早急に検討し,報告をするように指導しております。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) 私は6年前,平成25年の9月議会においてもこの問題を取り上げています。 そこでは,私は違反広告物に対しステッカーを張ってはどうかと提案しています。 その後,違反広告物への警告は行っているか,都市建設部長,お答えください。
○副議長(寺内憲資君) 林都市建設部長。
◎都市建設部長(林日出夫君) 違反が疑われる広告物につきましては,平成28年度から職員による調査を実施しておりますが,調査対象の多さに加え,許可基準の高さや幅,表示面積の確認が困難なため,調査に時間を要しております。 今年度から調査内容を精査し,広告物に表示されている店舗等,広告主へ通知文書を送付し,適正な手続をとるように指導をすることとしておりました。 今後は路線ごとの調査の完了と同時に,スピード感を持って指導をしてまいります。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) もしこのような巨大看板が落下して死者が出るような大惨事になった場合,一体誰の責任になりますか,都市建設部長,お答えください。
○副議長(寺内憲資君) 林都市建設部長。
◎都市建設部長(林日出夫君) 事故が発生した場合の責任につきましては,平成27年に札幌市で起きた飲食店の看板落下による人身事故の判例によりますと,施設の維持管理責任者の立場にあった副店長が有罪となっております。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) 私は広告物を製作した作業者の責任も重いと思います。 持ち主に届け出のない違反広告物であることを知らさず,違反と知りながらその行為を続けることは犯罪にも匹敵するものであり,これには何らかのペナルティーを科すべきだと思いますが,都市建設部長の御所見をお聞かせください。
○副議長(寺内憲資君) 林都市建設部長。
◎都市建設部長(林日出夫君) 御質問のように,持ち主に広告物設置の許可が必要であることを伝えず,無許可で設置することの業者責任は重いと考えており,これまでも高知県屋外広告美術協同組合との会合やイベント等の場におきまして,許可申請及び点検の必要性等について啓発しており,今後も継続して取り組んでまいります。 なお,違反が疑われる広告物につきましては,広告物に表示されている店舗等へ通知文書を送付し,適正な手続をとるよう指導することとしております。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) 協会に入会されていない方もたくさんおると思いますけれども,届けを出した看板は3年ごとの安全点検が義務づけられています。 しかし,広告主がない,無地の看板には何年経過しようが安全点検の案内や指導がなされていませんので,安全上問題があると思いますが,都市建設部長の御所見をお聞かせください。
○副議長(寺内憲資君) 林都市建設部長。
◎都市建設部長(林日出夫君) 無地の看板は屋外広告物に該当しないことから,本市から安全点検に関する指導を行うことはできませんが,施設等の維持管理につきましては,施設の所有者や施設の維持管理責任者に義務がありますので,今後とも除却届が出された機会を利用するなど,点検や維持管理の必要性等の啓発活動に継続して取り組んでまいります。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) いずれにいたしましても,問題は1つ目に,申請のみで済むので,実体は高さが4メートルを超えるものであっても,わずかな違いを隠して都市計画課だけの届け出で済ます。 2つ目に,申請しないで黙って建ててしまう。このことは一日で建てることができることが可能なので,行政はそのことを簡単に把握できない。 そして3つ目に,縦割り行政の弊害で,都市計画課と建築指導課は同じフロアで隣同士なのに,十分連携がとれていないといったことが指摘されます。 コンプライアンスを遵守する正直者はばかを見る。不公平感がある行政運営であってはならないと思います。行政指導が厳しくなければ,逆に甘く見られて違反物がどんどんふえることは間違いありません。いや,現実にふえています。 ここにその広告物の写真があります。個別に見せることはできませんけれども,まことこれはひどい看板であります。 市長と林部長には,事前にお渡ししてありますけれども,この一つは,条例で50平米以内と決められているのが,それ以上の大きい看板が掲げられておりますし,もう一つには4メートル以上の看板が6つ並べられておりますけれども,それが全部道路の擁壁にとめられて,コンクリートで固めるのではなくて,とめられて掲げられております。 これなんかは即のけてもらわんといかんのではないかということを私は思いますけれども,個人的には。 ぜひこういった現状をもう一度しっかりとつかんでいただきたいというふうに思いますし,そこで私は3つの提案をいたしたいと思います。 1つに,違反広告物に対し違反であると表示した目立ったステッカーを張り,適切な指導を行う。指導に従わない場合は,9月10日に剥いでのけたように,同じように撤去する。 2つ目に,広告物製作業者へのモラルの徹底,違反が続くようであれば,何らかのペナルティーを科す。条例には登録業者に指導,罰金,登録取り消しまでのペナルティーを科すと明記されています。 3つ目に,情報の収集,なかなか少ない人数でその情報を収集するということはできないと思いますけれども,課の係員をふやすとか,そしてパトロールの強化,また同業者からの情報を入手すると,そういったことも考えられます。 これらも含めて今後の屋外広告物行政をどのように進めていくのか,市長にお聞きいたします。
○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 御紹介をいただきましたように,本年8月15日早朝に台風10号の強風により,高須方面で看板の落下事故が起きまして,早朝であり人通りが少なかったこと等もあり,幸いにも人的被害がなかったものの,御指摘のありましたように,一歩間違えれば重大な事故となっておりましたので,直ちに現場の調査に職員を派遣して,原因を調査したところです。 以前から質問議員さんからの御指摘をいただいておりますので,担当課において違反が疑われる広告物の現地調査を進めております。 現地調査の結果,指導が必要な物件につきましては,南国バイパスや土佐道路等の幹線道路沿いの広告物から,順次当該広告主に対して適正な手続をとるよう通知文書を送付することとしており,今般のような事故が発生しないように,適正な指導強化をしてまいりたいと考えております。 広告物につきましては,許可の要,不要を問わず,事故防止のためには定期的に安全点検を行うことが重要であることから,国や県,また業界であります高知県屋外広告美術協同組合とも連携し,的確な管理とあわせまして,指導も含めて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) せんだって台風15号,これが関東の各地で暴風被害をもたらせておりますけれども,電柱が倒れるぐらいでしたから,多くの看板も倒れたというふうに思います。 これは千葉県で10メートルを超す看板が,ラーメン屋さんの看板が倒れたとか,鎌倉市では商店街のアーチ,升形商店街にありますような,ああいう商店街の入り口にありますアーチが倒壊したという記事も載っておりました。 また,私が平成25年9月の質問に対しまして,当時の都市整備部長は,違反広告物については,継続的な普及,啓発を強化するとともに,適切な指導をしてまいりますが,是正の努力が見られないものにつきましては,屋外広告物条例に基づき違反の表示等,法的な措置も検討してまいりたいと考えております。 また,屋外広告物に対する職員の意識の高揚,連携の強化,屋外広告物の市の事業の改革の検討など,実効性のある取り組みを進め,違法な広告物を掲出させない,違法物件を是正されるよう屋外広告物行政に努めてまいりますので,御理解をお願いいたしますというすばらしいお答えをいただいておりました。 これから5年たつんですけれども,全然進歩がない,むしろ後退しているということであります。これはやはりやる気なし,意欲なし,熱意なしということでありますので,ぜひこれを,力を合わせてこの問題を解決していただきたいと思います。 以上で,この件につきましての質問を終わらせていただきます。 続きまして,財政問題についてお聞きいたします。 9月は決算議会とも言われ,各部局の決算の審議が行われます。決算が確定するのは,5月末と言われています。私は自治体にとって大事なのは予算であると思います。 企業との違いは,企業は利益を出すということが社会的な役割でありますから,決算のほうが大事であります。予算で幾らいいものができても,決算で赤字ということになればアウトです。 自治体は利益を出すことで運営しているものではありません。利益を出すことはある意味簡単です。黒字にするのは簡単です。どうすればいいのかというと,何もしなければよいのです。何もしなくても税金は入ってくるので,黒字になりますが,企業は何かをしなければお金が入ってきません。 自治体は市民の税金を使って市民の広い意味での福祉を向上させる,生活水準を向上させるというのが自治体の役割であります。そのお金の配分を決めるのが予算であります。 決算は,それがちゃんと使われているかというところを見ます。災害時で突発的な歳出もありますが,決算議会のところから翌年の予算編成の作業というところが始まっています。 自治体の部局は,国の各省庁の仕組みに合わせてつくられています。その動きを見ながら,各自治体の部署も来年度どうしようかということを考えていると思います。1月に国の予算が決まって,そのもとで2月に自治体の予算が編成されるということになり,ここが重要なところで,自治体がどう差配するかによって住民の暮らしが変わってきます。 決算でのチェックも大事ですが,予算編成がどのように進んでいくのか,そのためには国の大きな方向を見ていくということが重要であります。 日本は比較的安定した国ですから,毎年変わるということはありませんが,大体こういう方向になっていくということがわかると思います。そこを押さえながら決算議会に臨むことが大事であります。それが次年度の予算に反映していきますので,行政にチェックをかけることが重要です。 お金がないというのは,現在の自治体の姿で,お金があるときはどこへどれだけふやすかということを考えればよかったので,それほど問題ではなかったのですが,全体として実質的に減っていっています。 その意味は,財源がふえてもそれ以上に必要経費の伸びが大きく,何が一番大きいといいますと,社会保障関係の伸びが大きいわけで,それに見合った財源がふえていっていません。 そういった中で,全体として住民の福祉をどうやって守り,ふやしていくかということは,大変難しいことだと思います。ふえているときと違ったことを取り組んでいかなければなりませんが,そのときにはどうしても財政の知識が要ります。 ところが,財政というのが一番わかりにくいもので,私も正直なところわからないことがたくさんあります。 議員を志した人の中で財政を何とかしたという方は珍しく,ほとんどいないと言ってもいいぐらいですが,6月の議会では新人議員さんが全員登壇いたしましたが,それぞれ福祉をよくしたいとか,教育をよくしたいとか,町を活性化したいとか,そういった具体的な思いを持っていられる方が大部分であると思います。 財政というのは,どちらかというと,その手段になります。ところが,行政当局から出てくる資料の中で漢字というか,言葉が特に難しいので,実態は簡単ですが,ぜひこの9月の決算議会で勉強していただきたいと思います。 通常の自治体の赤字,黒字というのは,実質収支というところで判断しますが,本来一番注目しなければならないところは,実質単年度収支であります。 ところが,歳入決算のところに基金を取り崩して入れているという場合もあります。家計に例えると,毎月30万円の給料で運営していた。ずっと30万円の給料だった。プラス・マイナス・ゼロで収支は均衡していた。 ところが,次の月にお父さんの給料が減らされた。20万円になって10万円減らされた。預金があるから預金を取り崩して10万円入れた。これでも収支は合っていることになります。これでいうと,実質収支はゼロです。黒字も赤字もない状態です。でも,預金を取り崩したらだめということです。 預金の取り崩しが反映されていないわけで,基金の取り崩しを反映しているのが実質単年度収支であり,財政調整基金を取り崩しても,収入として入れてはいけないということになっているので,その年度における本当の収支を見ることができます。 平成29年度,1,718の市町村のうち,28年度の実質収支が赤字となっている自治体はありませんでしたが,29年度は3団体が赤字となっています。 決算が赤字となりますと,赤字予算は組めませんので,次年度予算は歳出を大幅に削らなければなりません。また,実質単年度収支を見てみますと,平成28年度から12団体ふえて1,020の団体が赤字となっています。 この多さを知って私は驚きましたが,国の地方交付税の縮減や臨時財政対策債等の影響を受け,地方の自治体の財政運営が厳しくなっていることを再認識いたしました。 ただ,実質単年度収支がずっと黒字である必要はなく,赤字と黒字を繰り返していけば全然問題ないようですが,実質単年度収支がずっと赤字で続くということは,どんどん貯金を減らしていくということを意味しますので,これは問題です。 新潟市では,2018年度の財政見通しで,119億円の財源不足が発生しました。これは突然出てきました。 その兆候はなかったのかということを調べてみますと,まず黒字か赤字か,2006年から2016年まで歳入歳出がほとんど変わらず,若干黒字が続いていました。また,一般会計と特別会計に分けてみても,歳入が歳出を上回っており,何の問題もありません。 それがよく見ると,歳入の繰越基金の中に基金が取り崩され組み込まれていました。その額40億円,100億円,60億円,60億円,毎年のように基金が取り崩されていました。 基金の状況を見てみますと,財政調整基金,2007年に179億円あったものが2016年には36億円,何と5分の1まで減少しています。収支が不足しており,改善がなされていないということです。 新潟市の実質収支と実質単年度収支を見てみますと,実質収支はずっと黒字ですが,基金の繰り入れをカウントしなかった実質単年度収支を見ると,2014年から20億円,40億円,60億円と毎年何十億円という赤字を出しています。 それを埋め合わすために基金を入れています。基金がなくなったら終わりです。家計でも預金がなくなったら家計は成り立ちません。早く手を打っておけばよかったのですが,それをやっていなかった。ですから,突然119億円足らなくなったということになったのです。地方自治体全体として財政状況は悪くなってきています。 そこで,我々がきちっとチェックをすることが大事です。本当は財政当局というか,行政がきちんとやらなければならないし,行政も力量をつけることも必要ですが,首長さんが俺は絶対これをやるぞということになってくると,削りたくても削れないことになります。そうすると,にっちもさっちもいかなくなって,こうなります。議会もそれをチェックする必要があります。 そこで,新潟市を他山の石として,何点かお聞きいたします。 まず,令和元年度当初予算で繰入金41億6,315万円のうち,基金はどのくらいか,財務部長にお聞きします。 また,基金の内訳についてもお聞かせください。
○副議長(寺内憲資君) 橋本財務部長。
◎財務部長(橋本和明君) 繰入金予算41億6,315万円のうち,基金繰入金は41億5,833万9,000円で,その内訳は財政調整基金が20億3,000万円,減債基金が8億5,000万円,その他特定目的基金では,額の大きなものとしまして,地域振興基金の5億3,742万円,新しいまちづくり基金の2億6,445万8,000円などとなっております。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) 先ほど申しましたように,実質収支は財政調整基金の繰り入れをカウントするが,実質単年度収支は財政調整基金からの繰り入れをカウントしないことであります。 そこで,お聞きします。本市では,平成10年度以降,15年度と28年度に実質単年度収支が10億円を超える赤字となっています。 その要因と,財政調整基金を幾ら取り崩したのか,財務部長にお聞きします。
○副議長(寺内憲資君) 橋本財務部長。
◎財務部長(橋本和明君) 平成15年度は実質収支は1億900万円余りの黒字となっていますが,景気低迷の影響による税収の落ち込みなどから,歳出予算の一部を執行停止するとともに,決算対策として15億円の財政調整基金を取り崩しましたことから,実質単年度収支は18億6,000万円余りの赤字となりました。 また,平成28年度は実質収支は2億8,000万円余りの黒字となっておりますが,地方消費税交付金が前年度比較で6億2,000万円余り減となる中,普通交付税,臨時財政対策債も大きく減少したことなどにより,9億5,000万円の財政調整基金を取り崩し,実質単年度収支は14億1,000万円余りの赤字となっております。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) 本市の基金には,財政調整基金,減債基金のほか,そのほか特定目的基金では合併関係基金,災害対策基金などがあります。 基金はいざというときのためのものですから,それは有効に活用していただきたいと思っております。特に財政調整基金は普通預金のようなものですから,臨機応変に活用していただきたいと思います。ただ,新潟のようなことになれば,基金が枯渇してしまって予算が組めない状況にもなります。 今後の高知市財政健全化プランでは,2018年度から2022年度の5年間で117億円の収支不足が見込まれていますが,基金の活用をどのようにしていくのか,その推移を残高とともに,財政部長にお聞きします。
○副議長(寺内憲資君) 橋本財務部長。
◎財務部長(橋本和明君) 財政健全化プランでは,5年間での収支不足117億円の解消策のうち,基金の活用で44億2,000万円を想定しておりますが,昨日の迫議員への答弁で申し上げましたように,プラン初年度の平成30年度決算において,実質約9億円の収支改善が図られ,その分基金の取り崩しを回避できましたので,今後の想定活用額は35億2,000万円となります。 この結果と本年7月の決算積み立てを踏まえた上での決算対策に活用する財政調整基金と減債基金の残高の推移ですが,平成30年度末から令和4年度末までそれぞれ46億9,000万円余り,38億円余り,28億7,000万円余り,21億4,000万円余り,14億1,000万円余りと減少していく見込みとなっております。 このような厳しい見通しではありますが,予算編成過程や予算執行段階におけます歳入確保や歳出削減等の取り組みを徹底することによって,基金の取り崩しを極力減らしつつ,可能な限り積み立てを行っていくことで,将来への備えとなる基金を少しでも残してまいりたいと考えております。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) 本市の起債残高は,平成30年度末でどのぐらいあるのか,また起債残高の利率の内訳はどうか,さらに30年度の決算で公債費の中に利子はどの程度含まれているか,財務部長にお聞きします。
○副議長(寺内憲資君) 橋本財務部長。
◎財務部長(橋本和明君) 平成30年度末の一般会計の起債残高は2,018億4,600万円余りで,利率別で見ますと,4%台が4,800万円余り,3%台が1億1,000万円余り,2%台が71億円余り,1%台が396億9,000万円余り,1%未満が1,548億8,000万円余りとなっており,2%未満が全体の96.4%,1%未満が76.7%となっております。 また,平成30年度の一般会計決算での公債費は185億7,000万円余りで,このうち利子は14億8,000万円余りとなっております。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) 今政府のほうがゼロ金利政策というか,そういったものをやっておりますけれども,これが利息が上がってくると非常に心配なところがありまして,もしそのあたりをちょっとお聞きしたいんですけれども,実質公債費比率を見てみますと,3カ年平均で14.8%,単年度では14.5%となっております。 先ほども申し上げましたように,現在は我が国はゼロ金利政策を継続中で,本市の金利負担もそれほど軽減されていると言っていいと思いますけれども,今後のことはどうなるかわかりません。 もし金利が今より1%上がった場合,実質公債費比率に与える影響はどのようになるのか,財務部長にお聞きいたします。 そして,1%上がった金利の負担についても,金額でお示しいただきたいと思います。
○副議長(寺内憲資君) 橋本財務部長。
◎財務部長(橋本和明君) 実質公債費比率の算定につきましては,分子が元利償還金,分母が標準財政規模というものが大きな要素となってまいりますが,このほかにも公債費に充当されます特定財源や算入される基準財政需要額を控除するなど,変動要素が多くありますので,不確定な数値となりますので,正確な試算は困難ではあります。 そのため,大まかな試算となりますが,まず一般会計の平成30年度末の地方債の残高2,018億円余りの1%が20億1,800万円余りとなりますので,金利が1%上がった場合に負担増となる大体の金額としましては,20億1,800万円と考えることができます。 次に,実質公債費比率に与える影響は,これも大まかな試算となりますが,負担増となる20億1,800万円から平成30年度一般会計決算において公債費に算入された基準財政需要額の割合であります51.6%を用いて算出しました基準財政需要額10億4,100万円を控除しました残りの9億7,700万円を分子とし,30年度の算定の分母659億円で割りますと,約1.5%となりますので,金利1%当たりの実質公債費比率への影響は約1.5%であるというふうに考えております。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) 実質公債費比率が16%以内になるということで,イエローカードの18%まではいきませんけれど,まだ金利が上がる可能性もありますので,そこは慎重にしていきただきたいというように思います。 それでは次に,平成30年度の経常収支比率は98.4%,29年度の96.3%より少し悪くなって財政の硬直化が進んでいます。 その要因について,財務部長にお聞かせいただきたいと思います。
○副議長(寺内憲資君) 橋本財務部長。
◎財務部長(橋本和明君) 平成30年度の経常収支比率は,前年度に比べまして2.1ポイント悪化し,98.4%となりました。 その要因としましては,オーテピアの開設や人事院勧告等に伴い人件費で0.5ポイントの増。 扶助費では,平成29年度の特殊要因として,民間保育所や認定こども園運営費負担金において,国費や県費の追加交付が6億2,000万円余りあったことで,下がっていたものが今回復元されたというふうなことで,0.7ポイントの増加。 物件費では給食センターやオーテピアのオープンに伴い0.4ポイントの増となったというふうなことがございます。 これらのほか,国の地方財政状況調査作成要領の見直しに伴いまして,これまで投資的経費に計上しておりました工事費等の一部を経常経費であります維持補修費へ振りかえたことによりまして,0.7ポイントの増というふうになったことも要因の一つでございます。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) 新潟市はこのように財政不足になったのは,やはり1番目に公債費が物すごくふえたということでありまして,2番目がやはり扶助費,そういったものの増大,3番目が投資的経費の増大ということでありますので,やや似ているところもあるのではないかなというふうに思いますので,ぜひ財政運営は慎重にお願いしたいというふうに思います。 それでは次に,一般財源総額について質問をいたします。 財政に関して,自治体の歳入を家計に例えたり,こちらにありますペットボトルに例えたりするとわかりやすいと申しますが,本日はペットボトルを持ってきましたので,これを使いながら質問をさせていただきたいと思います。 このペットボトルの大きさがいわゆる自治体の標準的な支出を示しております。自治体によってペットボトルの大きさが違うわけでございまして,きょうはこれを高知市といたします。ちょっと小さいところですと,これぐらいのペットボトルの大きさ,まだ大きいところもあると思うんですけれども。 ここに入っているのがお茶であります。お茶がこれ,税金であります。小さいところも税金がこのぐらい入っていますけれども,これを埋めるのが地方交付税でありまして,これは本当に初歩的ななんですけれども,それがないと,この地方交付税がないと標準的なサービスができないと,だから日本国中,このお茶が少ないところも地方交付税が埋まって標準的なサービスができるということで,日本のどこに住んでも標準的なサービスが受けられるようになっております。 それを実現するのが地方交付税でございますけれども,よく議会でも地方交付税がちゃんと来ているかどうか議論をされておりますが,ここまで埋まらないと標準的な支出を削っていかなければなりません。 現実大変厳しい状況となっておりますが,一般財源は主として今言いましたように,地方税と地方交付税から成り立っています。定義は,使い道は自由であります。したがって,財政当局が一番関心のあるところはこのペットボトルの中のお茶ということになります。 一方,国庫支出金と地方債から成る特定財源は,定義がありまして,使い道が決まっています。しかし,一般財源がなければ特定財源は入ってこない。 例えば10億円の道路をつくるには,通常2分の1です。ですから,5億円は国庫補助金,国庫支出金,補助金ということになりまして,残りの5億円は起債や一般財源の負担が必要になるということです。ですから,一般財源がなければ補助金も入ってこないということであります。 地方債に対しても同様でありまして,その事業に対して100%認めてくれると,借金を認めるということはありません。災害時とか過疎債は別にして,充当できる借金の割合というものは決められておりますので,それが地方債の充当率と言われるものです。 したがって,充当率が70%でも30%は一般財源がないとその地方債が受けれないということでございます。 国では,平成31年度予算の中で地方が人づくり革命の実現や地方創生の推進,防災・減災対策等に取り組みつつ,財政運営を行うことができるよう,地方交付税等の一般財源総額について,30年度,0.6兆円上回る額を確保したという説明がありましたが,毎年このような一般財源を確保したというのが国の説明です。しかし,豊かな自治体の水準超経費を除くと,4,000億円しかふえません。 社会保障の経費がふえていますので,地方交付税の一般財源総額は実質的にはふえていないのが現状ではないかと思われますが,一般財源総額に対する市長の御所見を,お聞きしたいと思います。
○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 全体合わせまして地方財政計画というところの計画に組み込まれていますが,地方財政計画,令和元年度の分の地方財政計画ですが,前年度を6,000億円上回る一般財源の総額が確保されましたが,この内訳を見ますと,地方税が7,000億円,1.9%増加ということになっております。 また,地方交付税と交付税の振りかわりの臨時財政対策債と合わせました本来の地方交付税は,2.8%の減,5,000億円の減ということになっております。 これは不交付団体を初めとする税収の豊かな自治体が税収が伸びておりますので,その部分で総額が伸びてきておりますけれども,通常の本市のような市では税収が伸びておりませんので,一般財源が確保されない可能性があるということになります。 個々の地方交付税の算定も気をつけて見ていかなければなりませんが,特にこの10月1日から社会保障関係の子ども・子育ての仕組みの制度が大きく変わりますので,今年度分はちょっと例外的に地方負担は国が見るということになっております。 来年以降,交付税で措置をされるということですけれども,実際どのくらいきちっと算定されて入っているかということは,来年度さらに詳細に分析をしていかなければなりませんし,交付税が足らないという事態はよくありますので,そういうことを含めて令和2年のさまざまな交付税の算定の結果ということは重視をしていかなければならないと考えております。 また,一般財源総額のみならず,地方単独事業は相当我々も行っておりますので,地方単独事業で行いました,財政需要が的確に地方財政計画の中に組み込まれているかどうかということも,結果的には重要になりますので,そこもあわせてしっかりと分析をしていきたいと考えます。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) ありがとうございました。続きまして,臨時財政対策債についてお聞きします。 臨時財政対策債は,平成13年度以降,地方の財源不足を補うものとして発行されてきました。臨時財政対策債は,地方債に含まれますが,一般財源に組み込まれますので,自由に使える財源でもあります。 先ほど述べましたように,税金の足らない分を埋めるのが地方交付税ですが,国もお金がないから地方交付税だけでは全部埋まらないので,足らない分を金融機関から借金して埋めておいてくれ,後年度その借金は国が返すからというのが臨時財政対策債です。 本当にその借金が返ってきているのかという議論がよくありますが,実際は一般財源総額がほとんどふえない中で,自治体の基準財政需要額の中に臨時財政対策償還分が入れ込まれていますので,住民へのサービスは変わらないのに,実際はお金がふえていないというのが現状です。社会保障費の増加に加えて臨時財政対策債の返済分がふえていることからも,本市は財政が厳しくなってきています。 そこで,何点かお聞きいたします。 本市の臨時財政対策債の残高は年々増加する傾向にありますが,その推移について財務部長にお聞きします。また,臨時財政対策債の償還は,何年かについてもお聞かせください。
○副議長(寺内憲資君) 橋本財務部長。
◎財務部長(橋本和明君) 臨時財政対策債につきましては,本市では制度が創設された平成13年度に14億4,000万円余りを発行して以降,毎年発行しておりまして,合併をした旧鏡村,土佐山村,春野町分も含め20年度末の残高は261億1,000万円余りでしたが,30年度末では624億5,000万円余りと,これまで年々増加をしてきております。 また,過去には償還年限ですが,15年償還もありましたけれども,現在発行しておる臨時財政対策債の償還期間は20年で,元金償還は3年据え置きとなっております。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) そうしますと,毎年臨時財政対策債の償還分がふえてくるわけですから,それがだんだん基準財政需要額を押し上げていくというか,基準財政収入額を圧迫するようになるので,その分住民のサービスに影響を及ぼすのではないかと考えますけれども,行財政にどのような影響を及ぼしているのか,財務部長にお聞きします。
○副議長(寺内憲資君) 橋本財務部長。
◎財務部長(橋本和明君) 本市で最初に臨時財政対策債を発行した平成13年度の翌年度から利子1,700万円余りの償還が始まりましたが,以降毎年度発行したことに伴いまして償還額はふえ続け,30年度は元金37億7,700万円余り,利子3億2,500万円余りの合計41億200万円余りまで増加をしております。 一方,臨時財政対策債の償還額につきましては,全額普通交付税の基準財政需要額に理論算入されることとなっておりまして,平成30年度の算入額は41億4,800万円余りとなっておりますので,この点では財政収支に与える影響はほとんどないというふうに考えております。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) 次に,臨時財政対策債の元利償還金は,臨時財政対策債の発行の有無にかかわらず,全額後年度に基準財政需要額に算入されることになっています。 この場合,ペットボトルが大きくなるということになるかどうか,お聞かせください。
○副議長(寺内憲資君) 橋本財務部長。
◎財務部長(橋本和明君) 臨時財政対策債の元金償還金以外の全ての歳出が変わらないというふうに仮定をしました場合には,臨時財政対策債の発行可能額に基づき算出した理論上の元利償還金を地方財政計画に計上することになりますので,その分基準財政需要額に反映されるということになりますから,ペットボトルは大きくなると考えます。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) 臨時財政対策債を発行しないということは,一般財源が減るということになり,その分住民サービスの水準を落とすことになります。 ここの判断が非常に難しくなりますが,全国の地方債の発行状況を見てみますと,臨時財政対策債が40%近くにもなり,地方債では一番多くなっております。 そこで最後に,市長の臨時財政対策債についての御所見をお伺いいたします。
○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 本来的に言いますと,地方交付税の原資となります財源がないために,臨時財政対策債という起債で地方交付税を分割して支払っているというのが実態でございます。 ということは,実質的にはその臨時財政対策債というものではなくて,きちっと各市町村に現金で交付税として配るというのが本来の方法でありますので,そのことは知事会,市長会ともその本則的なことは常に申し上げているところでございます。 また,交付団体におきまして,先ほど基準財政需要額の中での算定のルールを財務部長が御説明申し上げましたが,実質的な負担はないということにはなっておりますが,やはり,かつそういいながら,いろんなところで影響が出ますので,本来的に言うと,交付税で配るべきものでもございます。 国におきまして,令和元年度の骨太の方針の中でも,臨時財政対策債の発行額の圧縮,さらにはその臨時財政対策債などの債務の償還に取り組み,財政の健全化につながる方針が示されております。 ただ,気をつけておかなければならないのは,交付税自体に削減の動きもありますので,そのことは断固はねのけていかなければいけないと考えております。 一般財源総額が据え置かれる中で,社会保障関係費,年々増加していきますので,大体5,000億円から6,000億円さらに増加していく予定ですので,国におきましても歳出の改革を地方に求めているところであり,今後交付税の中でも特に包括算定と言われている部分が削減することも考えられます。 やはり全体のバランスを見ながら交付税が削減されないように,国の国税の,交付税のもとになっています法定率の引き上げとあわせまして,地方一般財源のさらなる拡充について,全国市長会としても強く国に働きかけていく必要があると考えますので,また市議会議長会としましても,その支援をお願いしたいと考えております。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) 国が地方交付税を決める場合は,まず総額を決めて,地方はこのペットボトルを積み上げていくんですけれども,その総額をペットボトルへ詰め込んでいって,単価を落として,全部今までそういうやり方ですので,私は来年,子ども・子育ての2,300億円ですか,それに
会計年度任用職員,これも交付税で返ってくると思いますけれども,このペットボトルの大きさは変えずに,そこへ詰めていくのではないかと。 市長会とか六団体へ要望するのなら要望するでいいんですけれども,やはり本市としてそういう財政の論議を深めていってほしいというふうに思います。 最後になると思いますけれども,今後の財政政策につきまして,市長にお聞きしたいと思います。 今後,国の予算がどのように動いていって,自治体はどのような影響を受けるのだろうか。近年の地方歳出の推移を見てみますと,民生費がふえていますし,これだけがと言ってもいいほど伸びています。民生費には,主として生活保護,児童福祉費,老人福祉費,社会福祉費の4つがあります。 全部が国の補助金であればよいのですが,一般財源の負担がどんどんふえています。国の民生費の推移を見ると,ここ10年で1.5倍近くまで伸びています。 かつて1990年代の中ごろまでは,公共事業がすごく多かったので,財政危機だとか,無駄な公共事業をやり過ぎだとか言われたこともありましたが,今はそのような時代ではありません。全く変わりました。土木費も少しふえていますが,防災,減災の関係の取り組みがふえているというものであります。 公共事業の経費というものは,一時的なものであり,つくりました,終わりということになります。公共事業は箱物も含めて地方債,ほとんど借金で行います。 自治体の歳出というのは,借金のときは一切かかっていません。人から借りたお金を回しているだけですから,自治体の負担は何もありません。 自治体の負担はどこで起こっているかというと,借金の返済です。毎年の借金の返済です。これが公債費です。 土木事業がふえていくということは,公債費がどんどんふえていくことになります。公債費は削れません。民生費もどんどんふえていきますので,これからは経常的な支出の部分がどんどんふえてくるわけです。 これからの経費というのは,一般財源となりますので,一般財源がふえていかないと国がふやしてくれないと,ますます自治体の財政がしんどくなってきます。 先ほど新潟市の例を挙げて質問をいたしましたが,私はこのまま行けば,新潟市のようになるのでないかと心配しています。 松尾市長時代に松尾さんに,こんなに借金して大丈夫ですかと尋ねたことがありますが,松尾前市長さんは,財政のプロだから大丈夫です。将来交付税で返ってきますと言われましたが,結局当時の小泉首相の三位一体改革の中で本市が財政難になったことを思い出しました。 そこで最後に,今後の財政政策に対する市長の思いを,お聞かせいただきたいと思います。
○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 平成15年,松尾市長から引き継ぎまして,市長に就任をさせていただいたときが,ちょうど財政危機の状況でございまして,三位一体改革で5兆円という交付税の削減がありまして,その直撃を受けた当時でございました。 その後,職員数を,団塊の世代の退職と合わせて実質400名近く削減をして,単年度の人件費で約30億円を生み出しましたので,それで何とか回復をしたというのが,当時の財政再建のできた背景でございます。 近年,やはり扶助費が伸びておりますので,従前の高齢者福祉ではなくて,近年の扶助費の伸びは,最近の国の動向を受けました子育ての支援,また生活保護関連,これで扶助費の全体の約8割を占めておりますので,この部分では非常に単独事業,生活保護を除きますと,高知市の単独事業が多い部分でもございますので,一般財源総額をいかに確保していくかということが大きな課題になります。 国のほうがこの10月1日から,国としての子育て関係の幼児教育の無償化が始まりますので,一定振りかえは可能だというふうに考えますが,それでも全額が振りかわるということではございませんので,慎重な財政運営を今後ともしていかなければならないということは変わりはございません。 もう一つの公債費ですけれども,公債費は起債の借り入れ調整をいたしまして,投資事業の抑制などによりまして,起債残高につきましては,先ほどの交付税の振りかわり分を除きますと,ピーク時からしますと,起債残高は半減はできておりますけれども,近年の南海トラフ地震対策を加速化した結果に基づいて,今残高が再びふえてきております。 今後の事業の調整によりまして,今後の起債発行の抑制,そして公債費負担の低減を次の目標にしておりますので、いずれにしましても,慎重に,かつ予算としてはめり張りをつけた予算編成に努めていかなければいけないと考えております。 予算のめり張りのつけ方につきましては,なお議会の御意見も参考にしながら,どういう部分に重点化していくかということは,私たちも意見を聞きながら予算配分をしていきたいと考えております。
○副議長(寺内憲資君) 福島明議員。
◆(福島明君) 予定の質問項目がまだ残っておりましたけれども,次回を楽しみに,以上で終わります。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。 〔はた愛君登壇〕
◆(はた愛君) 日本共産党のはた愛でございます。通告に従い,個人質問をさせていただきます。 まず初めに,市長の政治姿勢について伺います。 市議会開会日冒頭,市長は4期16年の市長就任後の取り組みと各分野の報告,議案についての提案理由を述べられましたが,市民の立場から見れば,重大な変化となっている消費税と教育について,問題認識が感じられない市長説明でしたので,幾つかお伺いをいたします。 まず,消費税です。10%増税に伴う市民負担は甚大であり,前回も8%へ増税が行われた後,市内の幾つもの事業所が廃業に追い込まれ,空き店舗は拡大し,雇用の面でも労働基準法違反の賃金の未払いや長時間労働が多発し,多くの市民,労働者が苦しんできました。 今回さらにインボイス制度を導入とあわせ,10%への引き上げが行われれば,その影響ははかり知れません。 ある商店街の店主の方は,定率減税やポイント還元があり,対応するため新しいレジを購入したが,補助金があっても30万円の負担になると嘆いていました。生き残りをかけて皆さん,必死にやりくりをされていますが,生活破綻と紙一重の状況です。 消費税増税によって市民にどのような影響があるとお考えか,それに対する市の対策はあるのか,市長にお伺いをいたします。
○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 前回の消費税5%から8%に引き上げたときに,大きな景気後退がございましたので,今般国また各団体ともに,消費税の引き上げに伴います影響をできるだけ小さくしていこうということが,今回の中ではさまざまな対策がとられているところでございます。 消費税率の引き上げにつきましては,社会保障制度の持続可能性のために,一定その財源の確保としては必要やむを得ないというふうに考えております。 一方で,個人消費の落ち込みや,また地域経済に悪影響を及ぼすこと,またよくこの議場でも言われますように低所得者の方々に対します逆進性もございますので,その緩和策の実施,また地域経済の活性化などの対策を進めて,消費税の引き上げに伴う影響をできるだけ小さくしていかなければいけないと考えております。 国の計算では,マクロの部分でしか出ておりませんけれども,消費税の2%の引き上げに伴いまして,マクロですけれども,軽減税率の導入によります負担軽減分,8%の据え置き分が1兆1,000億円程度あるということですので,その部分を除いた国民負担の増加による影響というものは,5兆2,000億円と見込まれております。 また,消費税の引き上げに伴いまして,幼児教育を無償化する,また新たな社会保障の充実の拡充などの支援がありますので,その部分で3兆2,000億円が充てられるということで,差し引きですけれども,経済への影響が約2兆円程度に抑制をするということが表明をされております。 また,消費税引き上げに伴いますさまざまな景気対策としまして,プレミアム付商品券,またポイント還元等によりまして2兆3,000億円を措置するということで,景気の腰折れの回避を目指しているところであり,高知市におきましても,プレミアム付商品券の発行等を予定しております。 ただ,恐らくさまざまな低所得者の皆様方に対します影響,また市民生活にかかわります影響,こういうものがあるというふうに思いますので,なお注意深く見てまいりたいと考えております。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。
◆(はた愛君) 軽減分を含めたら5兆円が2兆円になると,そういうことを言われますけれども,今回の消費税増税というのはインボイス制度と合わせた増税ということで,このインボイスの問題は消費税導入以来,最悪の制度というふうに言われております。 財務省のほうも,このインボイスによる影響,単なる2%分上がった,軽減税率分が考慮されたということだけではなくて,今回最悪の制度と言われているインボイスの影響について答弁をしておりますが,全国で約161万規模の中小企業,小規模の事業者が廃業に追い込まれるおそれがあると,この161万の小規模事業者が新たに毎年ですけれども,15万4,000円の消費税負担が課せられてくるということを国も認めています。 単純に8%分が10%に上がった,軽減税率があるから少しましだという話ではなくて,今回の消費税増税というものは,インボイス制度も含めれば史上最悪と言われております。 高知市の中小企業の占める割合,そして免税業者,今回,今まで1,000万円未満の売上高の事業所,免税してもらっていた事業所が圧倒的なんですけれども,高知市もそういう事業所がたくさんあるのですが,そういったところがインボイス制度によって増税をこうむると。 例えば養鶏場の方が今回,売り上げが600万円近い事業所ですけれども,免税業者から課税業者に移ることで,大体年間32万円を超える増税になります。 大工さん,600万円台の売り上げの大工さんの場合は,年間38万円を超える消費税分が課せられると。 クリーニングを営んでいる大体年間400万円の売上高の事業所の場合,約11万円を超える消費税が,インボイスによって,免税業者ではなくなることによって,大きな負担が出てくると。 こういった重大なインボイス制度を含んだ今回の消費税増税ですので,単純に今までと同じような認識や対応では,市民の暮らしは守れないというふうに私は思いますが,市長に改めて,インボイスも含めた影響,これをどのように思っているのか,お伺いをいたします。
○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 御指摘のインボイスの新たな導入に伴いますこれまで一定の非課税,また課税点の部分の見直しということに関しての影響につきましては,その試算につきましてはまだできておりませんけれども,一定の影響があるというふうに認識をしておりますので,今後の影響につきましては注視をしていきたいと考えます。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。
◆(はた愛君) 影響,一定あるということですので,試算を財務省も影響を出しておりますので,当然高知市においても免税業者への影響というのを調査の上,しっかりと対応していただきたい。 自治体は国の単なる下請機関ではありませんので,やっぱり言うべきことはしっかりと言っていただいて,守るべきところは何なのかということを十分議論した上で,しっかりと,この史上最悪と言われるインボイス制度に対応をしていただきたいと,強く要望しておきます。 次に,教育についてです。市長説明では,学力向上推進室が教員の指導力向上や授業改善に役立っており,さらに子供たちの学力向上を図ることとし,また全国一斉学力テストの成績が下がったことを問題だとして,改善策を進めると述べられましたが,テスト主義的な傾向や慢性的な教員不足の学校現場で何が起きているか,いじめ,不登校,教員の病気による退職の急増です。 教員の欠員は,今もなお毎年のように改善されず,9月1日時点では2名欠員がありました。ほかには特別支援学校を市内に県とともに整備をするということも急がれる状況ですし,もっと提起すべき,もっと取り組むべき課題,報告があるのではないでしょうか。 教育とは保障されるべき基礎学力が身につき,その上で成績も上がる,何といっても,子供たちが楽しい,おもしろいと学校で学ぶことに意欲が持てる環境づくりこそ重要で,目指すべきです。 近年深刻さが増しているいじめ,不登校問題に対して,市長はどう考えられているのか,また学力テスト万能論に覆われているとしか言いようがない市教委の状況の中で,いま一度全ての学力テストのあり方を総括することも必要なことだと思います。そうした上で,新たな改革を教育委員会とともに進めることが大事と思います。 子供たちのいじめ,不登校,そういった状況から,これからの教育はどう進んでいく必要があるとお考えか,市長にお伺いをいたします。
○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 高知県の教育委員会とともに高知市の教育委員会が分析をしておりますが,残念ながら高知市の学力のテストの結果というものは,高知県の平均をも相当下回っておりますので,そこは我々も対策が急務だという認識を持っております。 学力につきましては,子供たちが今後社会で生き,社会を支えていく上でいろんな進路選択をする際に,学力が原因となりまして自分たちの夢や目標を諦めざるを得ないような状況にならないように,このさまざまな調査結果によられて得られました子供たちの強み,もしくは弱みを把握した上で,子供たちへの個別の指導に活用していくということが肝要であるというふうに考えております。 また,いじめ,不登校に関しましては,いじめにつきましては,いつでも,どこでも,誰にも起こり得るということと認識をし,対処していく姿勢が重要であると考えております。 また,不登校に関しましても,最近またふえてきておりますので,子供たちが学校や社会から孤立をしてしまうことがないように,学校,関係機関,また地域,また家庭への支援を含めて非常に重要になると考えております。 法律も変わりまして,総合教育会議ということが,市長を交えてこの会議の中で意見交換をするということが,法改正にのっとってできるようになりましたので,教育委員さんとともに議論をしておりますし,高知県との教育にかかわる連携会議の場でも,個別支援の重要性についても相互に確認をしたところでもございます。 これからまだ時代は技術革新のもとで,Society5.0というふうに言われるように,情報化の時代に向かって進んでおりますので,そういう中で子供たちがそれぞれしっかりと対応していけるように,また一人の子供たちが孤立もしないようにというところが,我々大人としての重要な使命でございますので,一人一人の支援をしっかりとして行ってまいりたいと考えております。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。
◆(はた愛君) 当然,一人一人を大切にする教育環境ということに力を尽くしていただきたいのは,当然の思いですけれども,ここで私が聞きたかったのは,学力テストというものが導入をされて以来,いじめの急増だとか,不登校の新たなまた増加とか,そういった影響があらわれていると,そのことについては国連の指摘を含めて,またいろんな事例を示して委員会とも質疑をしてきたわけです。 こういった行き過ぎた学力テスト万能論的な幾つも同じようなテストを繰り返すということで,競争管理というもので子供も先生も追われると。自分がどう成長したかということよりも,テストの点数が伸びたのかというような基準によって評価をされている。 それが子供たちにとったら自分の成長ではなく,過度な競争,プレッシャーになって学力不振を誘発するというような状況があると思います。 だからこそ,この学力テストを10年,全国版をやり,県版をやり,そして高知市の独自の到達度調査もやって,それほどやる必要があるのか,子供たちの今の置かれている状況,学校の多忙化の状況の中で,それが本当に学力に結びつくのかということを,いま一度総括をする,それが必要だと思います。 そのことについて答弁がなかったので,もう一度お伺いをいたします。
○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) これまでの学力テストを通じまして,高知県そして高知市の子供たちの弱い点,弱点が相当見えてまいりました。 1つは応用問題とか,そして文章の読み取りが不十分であるとか,そういうできていない部分がかなり明確になりましたので,そのできていない部分をいかにしてカバーをしていくかというところを,教育委員会でも重点的に指導をしていくということになっておりますので,そういう意味で一定の総括を踏まえた上で,次のステップへ向かっていくということの,今ステージに入っておりますので,そのことを確認しながらいきたいと考えております。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。
◆(はた愛君) 一定の総括という言葉が出ましたけれども,高知市市長部局はしきりにこの間,PDCAサイクルということで,事業をやったことについては検証して,事業効果を新たに生み出していくというやり方をとってきましたので,なぜそれが教育委員会の学力テストではできないのかということで,改めて検証と総括の上の新たな改革を進めていただきたいと要望しておきます。 次に,高齢者の補聴器助成について質問をいたします。 市内でよく聞く意見には,耳が遠くなり日常の会話さえ困っているが,補聴器が高くて買えない。周りに迷惑をかけるので外に出ることを控えている。通販で安いものを買ったが,結局雑音がひどくて使わずにいる。年金が少ないので働きたいが,難聴を理由に仕事を解雇,不採用になった。電話も聞こえないので全てにつらい。本当は両耳とも使用したほうがよいと言われましたが,余りに高額なので片耳だけにしました。 また,補聴器を草刈り中に落としたり,犬にかじられたり,再度買うとなると,また10万円,20万円と費用がかかるため,我慢するしかないなど,いろんな声が寄せられてきました。 結果的に,補聴器がないことで家族や地域ともコミュニケーションが十分にとれず,言うた,知らんなど,トラブルにもなっています。 高齢者を取り巻く難聴の状況については,国際医療福祉大学の神崎仁教授は,著書,補聴器の必要な人,不要な人の中で,70代男性では23.7%,女性では10.6%,80代男性では36.5%,女性では28.8%の人が難聴者だと指摘をし,その原因は動脈硬化による血流障害にあるとされています。さらに,ストレスや睡眠不足,騒音,運動不足なども原因になると言います。 また,難聴になると家族や友人との会話が少なくなり,会合出席や外出の機会が減り,コミュニケーション障害が起こるとされ,そういう中では認知機能も低下をするそうです。 厚労省も平成24年3月の介護マニュアルの改訂版で,高齢者のひきこもりの要因に聴覚低下を上げています。 このような状況からも,補聴器は高齢者の生活に欠かせない存在となっています。 補聴器の使用が高齢者のひきこもりや認知機能の低下を予防すること,介護や医療の負担を軽減することにもつながると思いますが,補聴器のさらなる普及の重要性について,健康福祉部長の御所見をお聞きします。
○副議長(寺内憲資君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 2015年に策定をされました認知症施策推進総合戦略,いわゆる新オレンジプランですが,難聴は高血圧や糖尿病,喫煙などとともに認知症の発症につながる危険因子の一つとして認識をされていますが,難聴の補正を行うことによる認知症予防効果を立証するエビデンスについては,まだ十分に確立をされていない状況です。 国におきましても,難聴の補正を行うことによる認知症予防効果を立証するエビデンスの確立のため,聴覚障害の補正による認知症機能低下の予防効果を検証するための研究を2018年から3カ年の計画で進めている途上でございます。 そのような状況の中で,本市独自で介護や医療等への影響について,具体的な効果を試算することは困難と考えています。 ただ一方で,御質問のように難聴によるコミュニケーション障害から,認知機能の低下の予防につながる可能性が高い社会参加の場へ,そういう,ちゅうちょする,参加意欲が低下をしてしまい,その結果,ひきこもり状態に陥ってしまうということは,容易に想像ができますので,補聴器は難聴の高齢者の生活には欠かせないものと考えています。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。
◆(はた愛君) 当然聞こえないことが聞こえるようになるということは,本当に安心した生活を保障する一つだと思います。 ただ,その補聴器が使われにくいということについてお伺いをしたいと思いますが,補聴器の保有率の割合は,日本は欧米に比べても低く,国レベルでも大きな課題となっています。 日本補聴器工業会の調査では,イギリスでは47.6%に対し,日本は14.4%と極端に低い保有率です。 なぜ補聴器が普及しにくいか,最大の原因は費用が高いことにあると思います。補聴器は保険対象外のため,非常に高くなります。 市内でお聞きをした価格の相場は,片耳7万円から15万円。難聴の度合いが重度化するにつれ,価格も上がると言われており,高齢者の中には低年金,預貯金も少なく,補聴器を買うことを諦めている世帯が少なくありません。 また,現状の制度では18歳以上の難聴者への支援は,障害者手帳を持っており,両耳70デシベル以上でないと聞こえないという聴覚障害が認定された方のみです。 その場合,生活保護世帯や住民税非課税世帯は自己負担なし,課税世帯は自己負担1割で補聴器の購入ができますが,70デシベル以上というのは難聴基準でいうと,高度難聴で,近くにいる人の話を聞き取ることができず,耳元で大声で話しかけられないといけない状態です。 また,90デシベル以上は重度難聴で,工事現場の騒音や電車の通過音,車のクラクションといった音に近い音が聞こえない状態です。補助対象外となっている軽度難聴は,30デシベルから50デシベル未満で,会話が聞き取りにくくなったかなと感じるくらいのレベルです。 また,中度難聴とは,50デシベル以上70デシベル未満で,できるだけ近くで話をしてもらわないと聞こえない。テレビのボリュームを大きくしないと聞こえない。周囲の人が何を話しているのかわからないといった状態だと言われています。 市内の専門機関の方によると,40デシベル以上聞こえない場合は,一般の会社でも補聴器を勧めているようです。しかし,軽度,中度の場合は,何も支援がない状況です。 つまり,加齢によって難聴が30デシベル以上70デシベル未満の方は全額自己負担であり,高額な購入費が必要となります。 高知市の場合は,住民税非課税世帯の70歳代の人口は約2万6,000人,80代で約1万6,000人です。国際医療福祉大学の研究で明らかになった難聴者の出現率は,70歳代で平均17.1%,80歳代で平均32.6%,この数字で試算をすると,高知市では住民税非課税世帯70代の約4,400人,80代では約5,200人程度が軽度を含む難聴者ではないかと思われますが,現状のこの制度をどれだけの方が利用できているでしょうか。 現在,障害者手帳を有する場合で,補助制度を利用している70代の方,80代の方,それぞれ市内では何人なのか,実績数を健康福祉部長にお聞きをします。
○副議長(寺内憲資君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 障害者手帳を有する方の補聴器の支給や修繕により,平成30年度に補装具支給事業を利用された70代の方は45人,80歳代の方は57人となっています。そのうち,新規の支給につきましては43人となっております。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。
◆(はた愛君) 新規の申請が43件ということで,実際70代の方,非課税世帯で難聴ではないかと思われる方4,400人,80代で5,200人,そういった方がいらっしゃるにもかかわらず,この障害者手帳で70デシベル以上という線引きとなると43人しか使えていないと。非常に現行制度はハードルが高く,圧倒的多数の方が自己責任で対応しているというわけです。 社会参加は人権であり,日常生活を支える意味からも,高齢者の経済実態に合わせた制度改善,新たな支援に取り組んでいくことが急がれると思います。 今や社会問題として議論がされておりますが,ことしの3月,参議院財政金融委員会の国会質疑で日本共産党は,加齢性難聴者に対する補聴器の助成制度創設に向けた研究を国に求め,厚労省審議官は,補聴器を用いた聴覚障害の補正による認知機能低下の予防効果を検証するため研究を進めると答弁をし,麻生太郎財務大臣も,やらなければならない必要な問題と,明確に答弁をしました。これは非常に大事な動きだと思います。 また,地方議会からも,国に補聴器購入費用の助成を求める意見書を採択する動きがふえています。 衆議院事務局の集計では,27議会が意見書を採択しており,その中には高知県議会,香美市議会があります。 高知市議会では,前回の6月議会に日本共産党市議団から補聴器助成の制度創設を求める意見書が提案されましたが,賛成者少数ということで否決となり,全国的な流れからは高知市議会はおくれた状態にあると言わざるを得ません。 改めて思うのは,補聴器があれば家族や地域とともに,はつらつと,自分らしく,自立した生活が今以上にできるということです。社会的,人権的にも,また医療・介護費用の負担軽減の面でも,大きな波及効果がある補聴器助成は,もっと使える制度にしていくべきだと思います。 高知市からも,国や県に対して市町村が補聴器助成を積極的に取り組めるように,財源支援を求める声も,あらゆる機会を通じて上げてほしいと思いますが,市長の今後の対応をお聞きいたします。
○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 先ほど御紹介がありました,参議院の財政金融委員会での補聴器補助に関する質疑の後,6月18日に内閣官房長官を議長とします認知症施策推進関係閣僚会議において,2025年までを期間とする認知症施策推進大綱が取りまとめられています。 基本的には,認知症は誰もがなり得るものであり,多くの人にとって身近なものであるという考え方がベースになっています。 ただ,現在のところ認知症の発症や,また進行の仕組みの解明が不十分であり,根治的な完全な治療や予防法が十分に確立されていない状況にもあります。 特に,例えば運動不足,運動や難聴等の危険因子に対します予防の解明研究を今後進めるということで,今年度ですけれども,認知症の予防に関するエビデンスの収集分析を行い,2025年の早い段階でこのエビデンスを整理した活動の手引を作成し,全国展開へつなげていくということが表明をされています。 難聴の方々の日常生活のしづらさや,また社会参加の意欲の減退などが推察されますので,さらに高齢化が進む中で,認知症の予防対策としての難聴への対策ということが重要な課題であると考えております。 認知症発症の危険因子の一つとされます難聴を補正する補聴器助成に関しては,本年6月の全国市長会の総会の中でも,障害者施策に関する提言の中で,案件として上程をしておりまして,軽度,中程度等の難聴者の補聴器購入を補装用具の支給制度で対応するよう見直しをすることを,本年6月の全国市長会でも議案として上げておりまして,決議をされておられますので,国に対してもこのことを積極的に働きかけてまいりたいと考えます。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。
◆(はた愛君) 国に対して,市長会を通じて補装具としての支援ということですけれども,もっと市町村が実態に合わせた取り組みができるような助成支援ということも含めて,国に対して強く求めていただきたいと思います。 こういった,国もやらなければならないということで研究も含めて進めておりますが,既に市町村レベルで補聴器助成を単独で行っている自治体もございます。既に20の自治体で,両耳70デシベル以上,障害者手帳を持っているという今の条件がなくても,購入に対する助成を制度化しています。 例えば北海道北見市では,70歳以上,住民税非課税世帯で両耳40デシベル以上聞こえない方にポケット型の現物給付を行っています。 また,千葉県船橋市では,65歳以上の所得税非課税世帯に2万円の助成,また,浦安市では,65歳以上であれば所得税制限や難聴レベルも問わず,一律3万5,000円の補助を行っています。 東京都では9つの区が助成制度があり,墨田区では65歳以上の住民税非課税世帯で50デシベル以上聞こえない方に2万円の助成を行っています。 高知市でも70デシベル以下の場合,また,低所得者に配慮した基準で補聴器の助成制度創設ができないか,取り組んでいただけないかと思いますが,健康福祉部長にお聞きをいたします。
○副議長(寺内憲資君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 補聴器購入の助成制度に取り組んでいる自治体は,全国的には増加をしておりますが,まだまだ少数にとどまっています。 助成の対象を広げるということになりますと費用もかかりますので,さまざまな議論もありますように,一般財源の確保が必要となりますので,なかなか課題が多いというふうに認識をしております。 先ほど市長の答弁にもありましたように,ことしの全国市長会においても,こういった軽度や中等度の難聴者の方に対する補聴器の購入について,国の施策として対応するよう見直すことを国に提言をしておりますので,これらの動きを踏まえながら,国に対して,しっかりと意見を申し上げていきたいと思っています。 全国的に高齢化が進展をして高齢者が増加をしていく中で,補聴器を認知症予防に資するものとして普及をしていくということは,全国的な課題となっておりますので,国のほうでしっかりと対応していただくことが必要ではないかと考えているところでございます。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。
◆(はた愛君) 独自の助成制度は費用がかかると,本来国がやるべきではないかという答弁かと思いますけれども,先ほど国や県に対して財源支援を言うべきではないかということについて,市長自身は,重要なことで,全国市長会の議題にも上がっているということで,機会を通じて声を上げるというふうに言われております。 市長が国や県に対して意見を上げると言っているわけですから,当然,部の仕事として実態を把握するという実態調査,どこまでかということはありますけれども,やっぱり実態を一定把握するということが必要だと思いますが,その点,できないかどうか,再度,健康福祉部長にお聞きをいたします。
○副議長(寺内憲資君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 御質問にもありますように,障害者手帳の基準となりますのは難聴のレベルが70デシベル以上ということになりますけれど,そういった以下の方について,実際にどの程度高知市においでるかというのは,個々の高齢者の皆さんが全員診断を受けないとわからないという状況もありますので,全国的な国の調査結果というのもまた見ていきながら,対応を考えていきたいと思っています。 ただ,御指摘のように難聴の問題というのがやはり,認知症の機能だとか高齢者の皆さんの生活にとって大変重要な課題であるということについては認識はできますので,そういった面からの意見については,しっかりと国に対しても申し上げていきたいと思っています。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。
◆(はた愛君) 高知市でも介護の認定ということをしておりますし,いろんなフィルターがあるというふうに見れば,高知市の実態ということも一定つかめると。 その上で必要性をより国や県に言っていただきたい。根拠なしに言うということはもったいないと思いますので,ぜひ健康福祉部においては,この高齢者の置かれている難聴の実態,これをよりつかんでいただいて,市長と一緒に声を上げていただきたいと要望しておきます。 次に,安全な再生エネルギーの地産地消について伺います。 まず,台風15号で千葉県などでは停電により熱中症で亡くなる方も確認されています。お悔やみを申し上げるとともに,改めて電力の分散化,安全な再生可能エネルギーの地産地消化の必要性が示された災害だと痛感するところです。 それでは,質問に入ります。2016年から国によって電力の小売が全面自由化をされましたが,当時の3月市議会で,4月から始まる電力の自由化は,自治体が主体となって新電力の立ち上げや,さらに再生可能エネルギーの地産地消化を進めていける可能性があり,新エネビジョンの見直しも含め,市の積極的な取り組みを求めました。 その後,2017年12月市議会で岡崎市長は,新しい新エネビジョンを策定する中で,地産地消型のスマートエネルギー都市をテーマに掲げておりますので,将来的には原発に依存しないエネルギーの構築を目指していかなければならないと答弁をし,翌年,2018年6月には改定されたビジョンが示されました。 課題となる電力使用量全体に占める新エネルギーの自給率を,2030年度までに23%へと引き上げていくと位置づけられました。評価できる変化だと思います。 電力の自由化から3年がたち,全国での広がり,再生エネルギーの需要の面からも大きな変化があります。再生可能エネルギーを活用する新電力会社の立ち上げが各地で生まれ,自治体による新電力への参入も,今や全国で約40カ所となっています。 民間も含め,新たに再生エネルギーの地産地消化を始めた,そういった新電力に対して,既存の大手電力会社が圧力をかける事態が少なからず生まれています。 新会社による再生エネルギーの供給のよさは,原発に依存しない安全な電力であるということと,料金が安いというメリットがあります。 そのことで顧客の獲得競争が生まれ,この間電力料金の値上げを正当化してきた既存電力会社が値下げに踏み切り,利用者にはありがたい変化ですが,新電力会社にとっては顧客の変動,減少などで,不安定な経営に陥る事態もあると聞きます。 一方で,原発エネルギーを使わない新電力の価値が評価をされ,新たな産業に発展し,利益を地域に循環させているところもあります。 そこで,エネルギージャーナリスト,日本再生可能エネルギー総合研究所代表北村和也氏の調査報告を紹介したいと思います。 新電力は不健全なビジネスか,福島電力の破綻が意味することと題する報告書には,重要なのは今後新電力がどこへ向かうのかということである。 既に小売電気事業を進めている事業者にとってもそうであるが,新たに参入を考えている地域など,民間事業者や自治体にとって,今目の前で起きている新電力の淘汰は大きな関心事であるはずである。 今後,小売電気事業は,大都市を中心とした各地に手を伸ばしていく大手のエネルギー会社などが進める新電力と,自治体を含む地域に基盤を持った地域電力に二分化していくと考える。 現在,圧倒的に全国版の大手新電力がシェアを持っている。しかし,その顧客へのアピールは,価格や附帯の実利サービスが中心である。 一方,地域新電力の売りは,地元密着性である。全国的な新電力の顧客は価格で結びついているので,より安い価格になびきやすい。 顧客をとったりとられたりということが既に頻繁に起きている。 一方,地域性で結びつく結びつきは価格に左右されにくく,契約が長く続く傾向が見え始めていると,現実的なリスクと可能性を分析されています。 例えば関東,東北エリアでは,県域を越えた自治体が連携して,再生エネルギーによる産業振興を進める取り組みが始まりました。 内容は,電力の消費量が大きい都市,横浜市と東北の12市町村が再生エネルギーに関する連携協定を結び,お互いが脱炭素社会を地域の経済振興とともに目指すというものです。 横浜市の場合は,青森,岩手,福島などの12の自治体が生み出した電力を消費する都市として協定を締結していますが,その背景は何か。 横浜市の林市長が記者会見で示した資料からわかることは,パリ協定のもと,今世紀後半の脱炭素化に向けて世界は動いており,再生エネルギーを調達できる環境があるかどうかが企業立地の競争力や地域経済にも影響を及ぼす時代になる。 2050年を見据え,徹底した省エネと市域で消費するエネルギーを再生可能エネルギーに転換することが必要という明確な認識のもと,協定を結んだということです。 高知市もビジョンの示すとおり低炭素社会を目指しているわけですが,パリ協定の意義と,再生エネルギーが調達できる環境づくり,この重要性についてどう認識されているのか,市長にお聞きをいたします。
○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 地球温暖化につきましては,世界的な認識が高くなってきており,2015年にCOP21においてパリ協定が採択をされました。 全ての国の参加,温室効果ガスの削減目標の5年ごとの提出,更新などが新たな枠組みに反映をされておられまして,新しいステージに入ったと考えております。 日本におきましても,温室効果ガスの排出量を2013年度比で2030年度末までに26%削減することを約束草案として国連に提出し,パリ協定を批准しております。 高知市におきましても,高知市地球温暖化対策地域推進実行計画や平成30年6月の先ほどの新エネルギービジョンの改定版に基づいてさまざまな取り組みを進めております。 特に温室効果ガスの排出量の削減の方策の一つであります新エネルギービジョンの改定版では,新エネルギーをつくるとしまして,太陽光,バイオマス,また小水力の発電及び熱利用を創出することをテーマに施策を進めているところでもございます。 これにつきましては,だんだんお話がありましたとおり,地域のさまざまな主体の協働と連携が大きな推進力ということになります。それぞれ土佐山,鏡の上流でも小水力発電の準備がされているというふうに聞いておりますので,さまざまな支援も行ってまいりたいと考えております。 高知市におきましても,支援制度の検討や調査研究を実施し,新エネルギーを率先的に導入して,この新エネルギーに関する情報提供にまた我々も支援をして,広く知っていただきながら,エネルギーの転換を進めていきたいと考えているところでございます。 今後とも国の動きもあろうかと思いますので,国の動きを注視しながら,温室効果ガスの排出を,それぞれさまざまな民生部門を含めまして,抑制をしていきたいと考えています。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。
◆(はた愛君) COP21の2030年度までに26%カットしていくということは,言いかえれば26%分の再生可能エネルギーを生み出す,そういった努力が世界に求められているということですので,当然パリ協定のもと,意義を踏まえて政府も動くだろうと思いますけれども,その土台になっている地方自治体がどういう取り組みで進んでいくかということが改めて問われます。 市長のほうから,土佐山の小水力について支援をすると明確な答弁がありましたので,またそれをきっかけに,いろんなところの取り組みが推進していけるようにお願いをしたいと思います。 再生エネルギーが調達ができる環境というのは,単純に温暖化に貢献するということだけではなくて,今や電気自動車とかあらゆる電気製品が再生可能エネルギーによって生み出され,そういったエネルギーを使って使用されるということに向かっていますので,そういった企業誘致の視点,産業のこれからを見たときにも,そういった再生エネルギーが調達できる環境が高知市にあるかどうかも問われてきます。 県と高知市がこれからどういう役割を果たしていけるかも問われているところですが,高知市の新エネビジョンの計画の中では,新エネルギーの発電自給率,2030年度には23%を目指すとされていますが,現状は何%まで進んだのか。 一方で高知市の地理的,資源的条件,再生エネルギーを生み出すポテンシャル,可能性はどれだけあるのか,目標値をどこまで伸ばせるのかと思いますが,環境部長にお聞きをいたします。
○副議長(寺内憲資君) 宮村環境部長。
◎環境部長(宮村一郎君) 新エネルギーの発電自給率の最新の実績となる2017年度では19%となっております。 再生可能エネルギーを生み出すポテンシャルでございますが,本市は全国的にも日照時間が長く,降水量や木質資源が多いなど,エネルギー源としての有利な条件などが整っていると言えます。 新エネルギーの発電自給力を現在の目標値である23%からどこまで伸ばせるかにつきましては,新エネルギーの導入は事業としての適否が国の政策や技術革新に大きく左右されることから,地理的条件や資源の状況のみから判断することはできませんが,2010年度では3%であった新エネルギー発電自給率が2017年度は先ほど申しました19%と増加していること,また今後売電を目的としない自家消費型の住宅や事業所用の太陽光発電の導入の拡大も見込まれ,さらには来年から発電開始予定の高須浄化センターにおけるバイオマス発電の実施などにより,具体的な数字では申し上げられませんが,新エネルギーによる発電自給率の向上が可能ではないかと考えております。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。
◆(はた愛君) ぜひその今続けている努力をさらに強めていただいて,頑張っていただきたいと思いますが,このポテンシャル,可能性があるかというところについて,再度環境部長に聞きたいですけれども,可能性がないわけではないけれども,何%までかということははっきり言えないと。 ただ,高知市のように都市計画,開発が進んで,都市として熟してきたこういった都市部の場合は,新たに風力,水力,太陽光をやろうとすると環境破壊という負のリスクも背負いますので,こういった既に熟した都市部において再生可能エネルギーを生み出すポテンシャルというのは郡部の地域,他都市と比べたら厳しいのではないかと思います。 その可能性について,厳しさが,環境負荷を抑えるという点を踏まえれば,高知市は厳しいのではないかと思うけれども,部長はどうお考えでしょうか。
○副議長(寺内憲資君) 宮村環境部長。
◎環境部長(宮村一郎君) 新エネルギービジョンに出しております目標値というのは,分母が市内の消費電力量,分子が新エネルギー発電量ということになっておりまして,この新エネルギー発電量につきましては,太陽光発電,それから小水力発電,それからバイオマス発電というこの3つが大きな柱となっております。 その中で,都市部ということでこれからのポテンシャルを考えますと,やはり太陽光発電が今後伸ばす理由になってくるのではないかというふうに考えております。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。
◆(はた愛君) 高知市は太陽光に可能性があるということですけれども,この間も質問をしてきましたけれども,大規模なメガソーラーによる環境破壊,こういったことも想定をされると。 そういったことを一定制御しながら,どういうふうに再生エネルギーを活用できる都市をつくっていくかというところでは,横浜市のような取り組みも一つの例ではないかと思います。 今いろんな形で原発に依存しないエネルギーの供給が始まっていますが,やはり新たな雇用や収益が地域内で循環していくような,地域密着型を軸とした再生エネルギーの地産地消化が重要だと思います。 県内でも自治体同士が連携した新電力の動きもありますが,県内で一番電気量を消費している高知市が,再生エネルギーの消費地として広域的に連携し,電力の地産地消化に貢献していくこともポテンシャルが厳しい,環境負荷を考えれば厳しいという条件の中では考えられるのでないかと。そのことは今の新エネビジョンの方向性とも合致をするのではないかと思います。 地産地消化を進めながら,地域経済や雇用に資する取り組みを今後真剣に研究ができないかと思いますが,市長の考えをお聞きいたします。
○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 先ほど申し上げたとおり,高知市におきましても2010年で3%であったものが,今19%まで伸びてきております。 2016年4月に独占的に電気を供給していた一般家庭向けなどの電力市場が開放されたところでございます。いわゆる新電力会社が独自の調達及び供給が可能となりましたので,利用者のニーズによりましたら100%再生可能エネルギーの選択をすることもできるようになりました。 高知市におけます電気需要につきましても相当のボリュームがありますので,本市におきましてもこの電力市場の開放を受けまして,2016年9月から公共施設の電力の一括入札を行っております。 その際には,例えば電力を発電するためにどれだけの二酸化炭素を出したかどうかを推しはかります排出係数を契約の条件として結ぶことにより,温室効果ガスの排出が少ない新電力会社と契約を結んできておりまして,あわせまして経費の節減も行ってきているところでもございます。 今地域密着型の新しい仕組みで,例えば福岡県のみやま,また鳥取県の米子を初め,全国で40社ぐらいがそれぞれの地方自治体とも連携をしながら,新電力での設立に向けた動きもあってきております。 一方で,発送電分離の動きが2020年から始まってまいります。これまで発電,送電を一つの会社が行っていましたけれども,2020年から電力会社も発電部門と送電部門を分離しければならなくなりました。 このことによりまして,新電力も含めて,送電線を借り受けるということになりますので,さまざまな制度変更がありますので,そこを注視していかなければいけないと考えております。 いずれにしましても,やはりエネルギーの地産地消ということは目指していかなければなりませんので,今後とも国の動きも留意をしながら,民間事業者の今後の新たな起業ということも,我々も注視をしてまいりたいと考えております。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。
◆(はた愛君) 国の動きということを注視するということですけれども,ぜひ注視するだけではなくて,やっぱり個々の地域の資源の分析,またそういった環境負荷を抑えながらの地産地消化,また再生エネルギーが使える環境づくり,どうしていくのかということの分析調査というのも,高知市独自としてやっていくということが必要だと思いますので,その点は環境部に求めておきたいと思います。 最後に,国民宿舎桂浜荘について伺います。 桂浜荘は,都市計画公園用地に立地し,歴史的な景勝地に存在する公有財産です。 公益性が優先される施設として公設公営でスタートしましたが,赤字解消が求められる中,財政的な効率性や民間のノウハウの活用といった観点などから,指定管理事業者に運営が委託をされてきました。 平成23年,前回の指定管理の公募の際には,高知市は地域の経済振興の視点を優先して,市の規定に従い,高知市内に主たる営業所,本店,本社を有し,旅館業法第2条の規定によるホテル営業または旅館業法の許可を受けており現在も類似の宿泊施設の営業を行っていることとして,実質市内業者に制限した募集を行いました。 議会もその意義を認めてきたわけですが,ことしの6月市議会経済文教委員会に報告があったのは,桂浜荘の指定管理事業の応募要件を市内業者から県外業者を含めるということにしていきたいという報告でした。 県外業者を認めていきたいという前提にどんな考えがあるのでしょうか。 この間約28億円の改築費を投入し,それに対し一般会計を18億円も入れてきました。次の委託の5年でその債務が解消される状況になったと思います。 しかし,その5年後には公共施設マネジメント計画に基づく大規模な修繕費用が新たにかかってきます。当然続けるのかどうするのか,判断が問われてきます。 桂浜公園の再整備計画全体にもかかわってくる問題ですので,桂浜荘の将来についてどうしていきたいのか,どういう取り組みの中で判断をいつ出すのか,市長にお伺いをいたします。
○副議長(寺内憲資君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 桂浜荘ですけれども,平成22年から財政健全化計画に基づき一般会計の繰り入れを行った結果,今年度末ですけれども,累積赤字が2億7,000万円まで減少する見込みです。 御指摘がありましたとおり,建築後24年が経過をして老朽化が進んでおりますので,令和6年度には施設改修の積み残し分を含めまして約8億7,000万円程度の施設改修の費用が見込まれております。 このために,次期指定期間であります令和2年度からの5年間,累積赤字の解消も考慮しながら,指定管理の公募の見直しということに入っております。 桂浜公園の再開発による周辺部でのにぎわいの創出状況を見きわめまして,改めて桂浜荘の将来像を決定することが適切であると判断をしまして,次期指定期間の終了する令和6年度までに市議会の御意見もお伺いしながら,桂浜荘の将来に向けた方針を最終的には決定をしてまいりたいと考えております。
○副議長(寺内憲資君) はた愛議員。
◆(はた愛君) 桂浜荘の指定管理は,現在公募が行われております。 10月には選定評価も行われますので,特に県内産業の育成だとか地域内で経済が循環する,そういった長期的視点で選定評価に臨まれたいと思いますけれども,商工観光部長の認識をお聞きいたします。
○副議長(寺内憲資君) 森田商工観光部長。
◎商工観光部長(森田洋介君) 今回の桂浜荘の指定管理者の公募におきましては,前回の公募において現指定管理者以外から応募がなかったこと,また本年1月に実施しましたサウンディング調査においても市内事業者の参加は2社のみであったことなどから,平成28年4月に策定されました高知市指定管理者選定手続ガイドラインの規定に基づき,本市に本社,本店,支社または営業所等を設置していることを条件として募集を行ったものでございます。 御質問の中にもありましたように,地元企業の育成の視点というのは重要であり,商工観光部といたしましても,日ごろからさまざまな施策を展開し,そうした取り組みを進めているところでございますが,今回の公募におきましては競争性の確保等,ガイドラインに示された考え方に沿った対応といたしましたので,御理解を賜りたいと思っております。 なお,ガイドラインでは,本社,本店等主たる事務所は市内に設置をしているかという点が採点基準の標準例として示されておりますので,地元企業育成等の視点から,こうした基準も取り入れながら,事業者の選定を行ってまいります。
◆(はた愛君) 以上で,終わります。
○副議長(寺内憲資君) この際暫時休憩いたします。 午後2時54分休憩 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 午後3時10分再開
○議長(田鍋剛君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 深瀬裕彦議員。 〔深瀬裕彦君登壇〕
◆(深瀬裕彦君) 市民クラブの深瀬でございます。皆様お疲れのところ,いましばらくおつき合いをいただきたいと思います。 早速,誠和園の移管について質問に入らせていただきます。 高知市誠和園は,社会福祉法人秦ダイヤライフ福祉会に運営を移管され,本市横浜から一宮南町に移転し,今月9月20日,あさってから救護施設誠和園としてオープンすることとなっています。現在の入所者の方々が引っ越すのは9月25日と伺いました。 少し懸念されることがありますので,質問をさせていただきます。 ことし3月の予算決算常任委員会厚生分科会において,誠和園の運営移管に関して執行部から説明がありました。 それによりますと,4月から9月までの間に順次法人の人員を構えるペースに合わせて,施設長,事務職,現場の養護員,栄養士,看護師,それぞれ適宜現場へおいでてもらって,事務の詳細について引き継ぎをするとともに,実際に新誠和園を利用される利用者の皆さんと顔なじみの関係になっていただくことにより,新しい誠和園に円滑に移行できるということで,今回法人から派遣をしていただく職員に対する人件費の補助を上げさせていただいておりますとのことです。 まず,法人の職員さんの派遣に係るこの人件費に係る補助金の交付に当たって,どのような計画で申請されたのか,健康福祉部長に伺います。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 民営化に伴う移管先法人への円滑な業務を引き継ぐために,本年度制定をしました高知市誠和園の民営化に伴う引継ぎ及び合同生活扶助実施事業費補助金交付要綱に従いまして,施設長以下,各月,各職種ごとの派遣人員,派遣見込み時間等に係る計画の申請がなされております。 具体的には,現場の養護員としては7月から1名,8月からは計9名,9月からは計24名の派遣を受け,勤務時間も順次ふやし,利用者との信頼関係の構築や,個々の特性に応じた支援につなげる内容となっておりました。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 今説明をいただいたんですけれども,その移管先法人の計画のうち,現場の養護員さんの人数,勤務時間及び日数や時期はどういう計画だったのか,済みません,再度お願いいたします。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 同計画におきましては,養護員の数は総勢で25人を予定しておりまして,7月に1名,8月に計8名,残りを9月に採用する予定で,引き継ぎの計画時間は,7月が延べ60時間,8月は延べ1,112時間,9月は開園日までの19日間で868時間を見込んで,引き継ぎ及び合同での生活扶助を順次実施をしていく計画としておりました。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 計画ではかなり長い時間を費やして引き継ぎを行うというような計画だったようですけれども,これまでの引き継ぎ作業で,特に利用者の方々の処遇にかかわる移管先の現場の職員さんに,十分な経験を積んでいただけたのかどうか,健康福祉部長に伺います。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 本年7月から施設長を初め,事務職,看護師,栄養士など,それぞれの職種の引き継ぎを開始しましたが,介護職のうち生活相談員につきましては,採用計画が予定どおり進まなかったということもありまして,少しおくれております。 7月には1名,それから8月以降の採用計画がおくれたことから,順次受け入れをしておりますが,8月に3人,9月には9人ということになっております。 移管法人のほうでは,ハローワークや高知新聞,ホームページなどにも求人情報を掲載して職員の確保に努めてまいりましたが,全国的な介護業界での募集の応募が少なく,全体として採用がおくれたというところでございます。 当初計画をした時間数には及びませんが,それぞれ引き継ぎをされた職員さんは介護施設等での勤務の経験もあり,合同での生活扶助により利用者の身体状況や病状の把握,コミュニケーションを図っていただいておりますので,信頼構築など十分な経験を積んでいただいたものと考えております。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) そうは言っていただいたんですけれども,直接処遇にかかわる職員さんとは十分な引き継ぎの時間が持てなかったと,現誠和園の現場から危惧をする声が上がっていると聞いておりますが,先ほどもおっしゃられたとは思うんですけれど,その原因について,移管先法人と協議をされていると思いますので,再度事情を説明してください。健康福祉部長にお願いいたします。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 先ほど答弁をいたしましたように,介護職の職員さんとは十分な時間が確保できているというふうに考えておりますが,もともとの計画からすれば採用計画どおり職員の確保ができなかったこともありまして,全体の数量的には不十分だと感じています。 誠和園また本市のほうからは,移管先の法人の誠和園の準備室に対しまして,募集や採用を早めるよう要請をするとともに,法人の本部長や人事担当者の方に対しても要請を行いまして,採用予定についても8月以降毎月確認を行ってきましたが,なかなか人員を確保できない状況が続いておりました。 法人につきましては,法人内の人事異動も含めまして,新規採用に向けた努力をしておりましたが,先ほどの答弁とは重なりますが,業界全体の雇用環境が非常に厳しい状況もありまして,採用についてはおくれぎみとなったものでございます。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 業界の雇用環境というのは本当に厳しいというのもテレビなんかでも報道されておって,外国人の方を法人同士が職員養成のために呼んで養成をしたものの,資格を取った途端に都会へ出られるとかというようなテレビ番組もあったりして,厳しいというのは私もわかっておりますけれども。 ところで,新誠和園の設置及び運営に係る法人事業者の選定に当たっては,2法人が募集に応じ,それぞれに提案をし,審査の上,社会福祉法人秦ダイヤライフ福祉会に決定されたものですが,事業開始に当たって,提案どおりの内容で運営ができる人員や体制の確保ができているのかどうか,健康福祉部長に伺います。 また,これまでの移管に伴う進行管理はどのように行い,どのような指導を行ってきたのか,法人の対応についてどう評価しているのか,あわせて伺います。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 新しい誠和園の職員数につきましては,近年の介護分野の人手不足,求人に対する応募も極めて低調であること,昨日の答弁でも申し上げましたように,全国的には求人倍率は4.33倍,高知県においても2.7倍と非常に高い状況でございますので,こうした傾向が背景となっております。 当初提出をされました整備計画では,定員70名の計算で算定をした職員数で提案がされておりますけれど,その職員数には達していないため,改めて採用計画をもとに採用状況を確認していくこととしております。 事業開始時には定員には達していないものの,厚生労働省の局長通知にある保護施設職員職種別配置基準表に示す配置数は十分に満たしておりますので,利用者の対応も含め問題なく運営ができることと考えております。 移管に係る進行管理につきましては,平成29年7月から定期的に法人,誠和園,福祉管理課との間で運営移管協議会を開催しまして,施設整備や利用者の情報提供,通所者との面談状況など協議を重ね,円滑な移管に向け必要な助言や指示を行いながら,それぞれの進捗状況を確認してまいりました。 この中での法人の対応につきましては,疑義が生ずればすぐに詳細を確認するため,例えば電話だけではなく,積極的に来庁されて,直接面談を行いながら丁寧な聞き取り調査を行うなど,真摯で誠実な対応をしていただいたものと認識をしております。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 秦ダイヤライフ福祉会のホームページの救護施設誠和園のサイトには職員配置が掲載されておりまして,事務員の人数2,これは募集中,それから指導員23,募集中,機能訓練指導員1,募集中,介助員臨時職員募集中とあります。 先ほどおっしゃられたように厚生労働省の基準は満たしておるかもしれませんけれども,場合によったら職員が雇用できておって,ホームページの修正おくれというのも考えられますけれども,本当に大丈夫なのでしょうか。 これはプロポーザルで職員を何人配置してというようなことで選定をされてきているわけなので,このダイヤライフ福祉会のホームページにはその人数で配置をしますという計画があって,それについての情報を出していると思うので,本来でしたら先ほど言ったような職員の人数に対して募集中というのは,本来あってはならないような状態なのではないかと思います。プロポーザルの内容のとおりの運営をする義務があると思われます。 それができないということであれば,これは債務不履行ということになって,問題ではないかと思いますが,今後当然プロポーザルの内容どおりの職員配置,指導をしていかなければならないと思いますけれども,今後どのように対処をしていくお考えなのか,健康福祉部長にお伺いいたします。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 御指摘のとおり,プロポーザル提案で提案をされた職員数については,しっかりと遵守をしていただくということが基本であるというふうに考えております。 定員70名で施設認可を行っておりますので,当初の想定の段階ではこの定員どおり70名が入所者として移転した場合にも利用開始をしていくということを想定しておりましたが,移転時にはこの70名の定員を満たしていないという状況も勘案をいたしまして,提案をされた内容の人員からすれば不足をしておりますけれど,そうした状況を認めたという状況でございます。 一方で提案された内容をしっかり遵守をするということも必要でございますので,12月に向けた採用計画というのを提出していただいて,今後法人において新たな採用と,また採用できない場合には法人内の人事異動を含め,しっかりと基準に基づく人員を確保していただくように要請をしているところでございますので,その進捗をしっかりと管理をしてまいります。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) しっかり対応をしていただきたいと思います。 次に,現誠和園の職員さんの人事について伺いたいと思います。 施設がなくなるので,人事異動の発令があると思います。9月30日をもって誠和園の閉園と聞いていますので,10月1日からは現誠和園の職員さんはそれぞれ異動の発令があり,新しい部署に異動することとなりますが,基本的な考え方を総務部長に伺います。
○議長(田鍋剛君) 大野総務部長。
◎総務部長(大野正貴君) 誠和園には現在事務職員6名,養護員9名,社会福祉士2名,看護師1名,栄養士1名,合計で19名の職員を配置しております。 養護員さんの中には誠和園での勤務が10年を超えている職員さんも複数おりまして,そうした職員さんはこれまで従事してきた業務がなくなるといったことについて,大変大きな不安を抱いておられるものと考えております。 総務部といたしましては,なれた環境から新たな環境に変わることの負担をできるだけ軽減を図るため,健康福祉部や職員組合との連携を図り,協議を進める中で,本人との面談を通じて,今後の勤務先についての希望をお聞きしているところです。 養護員の皆さんからは,健康福祉部内など,希望する部署へ配置をしてほしいというお声をお聞きしております。 こうした現在の誠和園の職員さんからの意向を尊重しながら,これまで培ってきた技術や経験を生かしていただきまして,より市民サービスの向上に資するよう配置先を決定することとしております。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 十分な配慮をお願いしておきます。私も市の職員でしたので,いろいろ職場は変わらせていただきましたけれども,なかなかちょっと,しんどかったときもありますので,そこら辺の配慮はやっぱり,自分に合う仕事,そうでない仕事というものがあると思うので,そこは十分に配慮をしてあげてほしいと思います。 誠和園を閉園で,直接処遇にかかわる直営の施設がなくなることとなりますが,養護員さんはどう処遇されるのか伺います。 また,仮に養護員さんを介護認定調査員のような事務的な仕事をする職場に配置した場合や,調理員や用務員などの職場に配置した場合には,適切な研修などスムーズな移行ができるようなサポートが必要と考えますが,何か手だては考えられていますか,総務部長にあわせて伺います。
○議長(田鍋剛君) 大野総務部長。
◎総務部長(大野正貴君) 誠和園の養護員さんが新たな配置先での業務にスムーズに移行していただくためには,先ほども申し上げましたが,御本人の得意とする業務や役割に力を発揮していただくような配置を行うことが,大変重要であると考えております。 このため,総務部と健康福祉部では,養護員さんがどういった業務に従事をしたいのか,御自身の意思を示していただくために,誠和園以外の養護員さんが従事をしておられる重立った業務について勉強をしていただく機会を設けまして,理解を深めていただいたところでございます。 また,養護員さんお一人お一人から,時期を変えて複数回ヒアリングを実施するなど,丁寧に対応させていただき,養護員さんの意向をしっかりとお聞きをしているところです。 現在,高知市におきまして養護員さんに御活躍をいただいております部署は,介護保険課や障がい福祉課など誠和園以外に5部署ございますので,そうした部署を中心に,その他の労務職への従事についても,適材適所の観点から配置を決定していくこととしております。 また,10月1日からの新たな業務になれるまでの期間は,職場でのさまざまな配慮や適切なOJTを行っていくことが重要であると考えております。 それぞれの職場では人事異動のたびに新しい仲間を受け入れ,経験がなかった職員さんについて,職務を通じた人材育成に努めております。 こうしたこととあわせて,養護員さん御自身に積極的な技術,知識の習得に努めていただくことで,スムーズな移行につながるものと期待をしております。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) ありがとうございます。適切な配慮をこれまでしてきていただいているのかなという感じは受けておりますので,今後もよろしくお願いいたします。 現誠和園の残務整理も必要かと思いますけれども,これについてはどのような体制でされるおつもりか,総務部長にお伺いいたします。
○議長(田鍋剛君) 大野総務部長。
◎総務部長(大野正貴君) 誠和園が閉園した後でございますが,一定期間,一部の職員を残務整理のために配置をすることを考えております。 残務整理に必要となる期間につきましては,誠和園からの要望,また健康福祉部との協議を踏まえて,今後において適切に決定をしてまいりたいと考えております。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 続きまして,利用者の方ですけれども,現誠和園には近くに住んで通所をされている利用者の方がおられるとお聞きしております。 新誠和園に通所するには,交通機関を利用して通所するか,新施設の近くに引っ越すか,送迎してもらうかという方法をとらなければ利用できなくなると思われます。 通所をされている現利用者の方々にはどう対応されるのか,健康福祉部長に伺います。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 誠和園の通所事業の利用者は,潮江周辺にお住まいの方が多く,施設が一宮南町に移りますと通園に支障が出ることが考えられます。 そのため,移管先法人の通所事業の計画では,利用を希望される方の送迎ルートなどを十分に検討した上で,当面は送迎を実施し,通園をサポートする予定となっています。 また,福祉事務所としては,今後通所事業利用者の通園の状況やそれぞれの身体状況などを確認,考慮をいたしまして,引っ越し等の対応が必要になってくる可能性もございますので,その場合には適切に対応してまいりたいと考えています。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 生活保護の制度ですので,ケースワーカーの方も十分にかかわっていただいて,それぞれ適切な対応をしていただきたいと思います。 また,利用者の中には,近くの漁師さんのところで漁網のごみを取る仕事に従事して,漁師さんたちからも頼りにされているともお聞きしておりますが,施設の移転で仕事をしてもらえなくなることに懸念をされているとのことですが,どう対処をしようと考えられているのか,健康福祉部長に伺います。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 御質問の作業は漁業用の網の補修や清掃を行うもので,横浜漁協で実施をしておりまして,誠和園では網繰り作業と称しております。 この前行われました閉園式のときにも,この網繰り作業をしている漁業者の方もおいでてまして,継続していただきたいという要望があったところでございます。 誠和園から徒歩やこれまで自転車で利用者が通って実施をしておりましたことから,施設が一宮南町に移転をしますと自力で通うということが難しくなってまいります。 そのため,移管先法人ではじかに漁港に出向き,現地での要望などを確認しており,網繰り作業を継続していきたいという考えでございますので,現在午前中に行われている作業を,例えば午後に変更するなど,それぞれ工夫をしながら実施ができるように,その際には送迎するなど,実施の継続に向けて検討をしていただいているというふうにお聞きをしております。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 現在,利用者も漁師の方も双方が得をしているというか,支え合っていっているので,これはやっぱり継続して続けていけるような配慮を,ぜひともお願いしたいと思います。 私も,先ほど言いましたように高知市の職員として従事しておりましたけれども,在職中,高齢者対策課に勤務していた際に特別養護老人ホームの新設が相次いだ時期がありました。 新設の民間老人ホームには1日に五,六人ずつの入所をしてもらっていたにもかかわらず,職員もなれず,トラブルが発生したことを当時の入所の担当職員から聞いた覚えがあります。 このことから,新誠和園へ一挙に全員が引っ越して,全くトラブルがなく直ちに運営ができるとは考えにくいところです。 今回の社会福祉法人への移管が目前に迫っている中で,移管までの期間と移管直後に移管元の高知市として,取り得る限りの手だてを講じる必要があると考えますが,健康福祉部長にお考えを伺います。
○議長(田鍋剛君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 本年9月25日に利用者の方の新施設への引っ越しを予定しておりますが,引っ越しまでの期間につきましては,誠和園の職員が入居者の皆さんとしっかり連携をとりながら準備を整えてまいりたいというふうに考えています。 また,引っ越しの当日には利用者を交えて本市と移管先法人の職員が合同,協力をして,荷ほどきや荷物の確認,整理,また預かり金品の受け渡しなどを予定しております。 特に誠和園自体は居住の場,生活の場となっておりますので,荷物等の確認については十分注意をしてまいりたいと思っています。 また,9月26日以降月末までは,新誠和園へ何名かの職員が出向き,移管先法人が円滑に運営できるように協力,支援をすることとしております。 10月1日以降は,引き継ぎ業務で誠和園に来られた方に加えまして,現誠和園で働いております臨時職員3名の方も移管先法人のほうに採用される予定となっておりますので,法人において対応は可能というふうに考えておりますが,御指摘のようにさまざま入居者との対応など課題も発生することが想定をされますので,法人のほうからの具体的な支援の要請等があれば,本市としても積極的に支援をしてまいりたいと考えています。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 何か事故があってからでは遅いので,やっぱり先を見越して丁寧な対応ができるように,高知市としても十分な配慮をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。 それでは,この件は終わりまして,まちづくりと都市計画について,お伺いをしていきます。 市街化調整区域の開発許可制度の運用弾力化が実施され,空き家となった合法な住宅を賃貸住宅に用途変更することを可能とする基準を策定し,令和元年5月1日から運用を開始しています。 従来から規制緩和を求めておりました立場からは,好ましいものと,まずは歓迎したいと思います。とりあえず一歩前進というところです。 さて,ことし5月に長浜・御畳瀬・浦戸地域活性化協議会から,歴史や風土を活かす,住む人・訪れる人に笑顔があふれるまちをめざしてと題する提案書が提出されました。 この地域には市街化調整区域も一部含まれているところですが,長浜地区では,地域住民が集え,観光客も誘致できる拠点を整備し,にぎわいと交流の場づくりを目指すとして,地区の農産物を生かした直販所,飲食店の設置が構想され,御畳瀬地区では,にぎわいと交流の拠点づくりとして,空き家の活用,一時滞在者の休憩スペース,住民の憩いの場,お遍路宿,お接待所,学生の下宿,移住者への賃貸を構想し,浦戸地区では,グルメ商品の開発とグルメストリートの設置など,この地区における提案への取り組みを企画立案する場として,小規模多機能交流施設をつくりたいと構想しています。 地域の方々からのこの提案が,仮に市街化調整区域で実施をしたいということになれば,現行の都市計画制度上,行政が行う以外に実現が困難なものがあるのではないかと思いますが,都市建設部長の見解を伺います。
○議長(田鍋剛君) 林都市建設部長。
◎都市建設部長(林日出夫君) 御質問のとおり,長浜・御畳瀬・浦戸地区の地域活性化協議会から提案書が提出をされておりますが,立地場所や建築物の用途,規模等の具体的な計画は明らかにされておりません。 したがいまして,現時点では市街化調整区域での一般的な建築物等の規制として,都市計画法第29条に規定する許可不要である建築物や,同法第34条各号に規定する建築物しか建築することはできないと考えております。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 条文の紹介があったので,具体的に何ができないとかというのがはっきりわからないんですけれども,構想の中には,例えばお遍路宿とか,小規模多機能交流施設とかというところでは,なかなか市街化調整区域内では難しいのではないかという感じなんですが,そういう感じでしょうかね。はい。 次に,5月から始まった開発許可制度の運用弾力化について,現在までの運用の状況を都市建設部長に伺います。
○議長(田鍋剛君) 林都市建設部長。
◎都市建設部長(林日出夫君) 適正に使用された自己用住宅を賃貸住宅とする用途変更につきましては,現在のところ許可した事例はなく,具体的に相談されたケースもございません。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 残念ながら,知られていないというのも原因の一つかと思いますし,まだ数カ月の状態ですので相談もないということでしょうけれども,今後とりあえず規制緩和ということですので,ある一定の広報というものをやっていただけたらと思います。 次に,現在の運用では,開発許可の手続を踏まなければ,市街化調整区域では空き家を賃貸住宅に用途変更できないわけですが,現状では,空き家は知らずに無許可で賃貸されている事例もあるのではないかと思いますが,実態は把握されていますか。 また,許可なく空き家を賃貸住宅にしている事例があった場合には,どのような対応をとっておられるのか,都市建設部長に伺います。
○議長(田鍋剛君) 林都市建設部長。
◎都市建設部長(林日出夫君) 賃貸住宅への用途変更につきましては実態が把握できておりませんが,都市計画法の手続がとられず用途変更を行うなど,違反行為が確認された場合は,法に適合するよう是正指導を行うこととなります。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 実態がつかめていないということなので,なかなかそれを指導するというのはまずないのではないかと思いますけれども,市街化調整区域の制度自体で,自分の家があいたから誰かに貸そうとかというのは普通の発想なのではないかと思うんですが,それが違法と思う人のほうが少ないのではないかと思うんですが,そこらあたりはやっぱりきちんと,こういう制度なんですよという広報もしていかなければいけなかったのかと思いますけれども。 山形市では,山形市都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例を制定して,開発許可の運用をしており,行政視察をさせていただいた折に伺ったところでは,条例に合致しておれば開発許可は要らない運用をしているとのことでした。 このように条例化を考えていただきたいところですが,市長のお考えを伺います。
○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 少し調べてみましたが,山形市の将来人口ビジョンの策定におきまして,出生率や人口の移動率,転出超過率を改善するために,仙台市と結びます,仙台と山形を結ぶ仙山線や幹線道路を整備することなど,交通基盤を強化することによりまして,2050年には約5万人の人口の増加を目標とする方針を立てております。 この目標を達成するために,市街化調整区域内で条例により指定をされた区域においては,合法的に建築された戸建て住宅を賃貸住宅へ用途変更する場合に限り,開発許可は不要とされています。 一方で,条例によって指定された区域以外の区域において自己居住用の住宅を賃貸住宅へ用途変更を行う場合は,条例に基づいて都市計画法の許可を必要としておりまして,この人口ビジョンをもとにして,市街化調整区域において政策的に人口増を図る区域を条例で指定し,その区域内に限って手続を簡便化しているものでございます。 高知市におきましては,この人口の考え方等が違いますので,まちづくりの方針が少し異なっておりますので,高知市につきましては市街化調整区域につきましては一定の制約を加えているということでもございます。 なお,高知市におけます賃貸住宅への用途変更につきましては,合法的な既存の建築物について,建築主にやむを得ない事情がある場合に,既存集落のコミュニティの維持を目的として自己居住用の住宅を賃貸住宅へ用途変更することを認め,開発審査会の議を得て許可を行うこととしております。 今後,この内容についての実績を積み重ねることによりまして,例えばこの実績が積み上がってきましたら,開発審査会の議を得ることなく随時許可ができるよう,手続の合理化及び迅速化についても検討できるのではないかというふうに考えています。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 実績の積み上げというお話もありましたけれども,ことしの5月からの市街化調整区域の開発許可制度の運用弾力化に際して,国の開発許可制度運用指針が平成28年に改正されたにもかかわらず,福祉増進に必要なグループホーム等や観光振興のために必要な宿泊,飲食等を提供する施設については,具体的に市街化調整区域で建築する必要性が方針及び計画等により確認できないとして,これらの施設については規制緩和の対象から外されていますが,まだ市の計画にはなっていないものの,さきの長浜・御畳瀬・浦戸地域活性化協議会の提案書にもこのような施設の設置が構想されています。 どの市街化調整区域でも同様の発想をすることと思います。ですから,要望や相談があってから規制を緩和するのではなく,先手先手の都市計画での誘導策を打ち出してほしいと切に願います。 岡崎市長にはぜひとも市長選挙の公約に入れていただきたいと思いますが,お考えをいただいたらと思います。 次に,観光標語についてお伺いしたいと思います。 県庁前に観光標語とおぼしき看板が設置をされたことがありますが,その標語には,ありがとう内助の妻と土佐めぐりと書かれてありました。昨年見たときに気になっていたところ,ことしも設置をされたことから質問をさせていただきます。 まず,この看板の設置者は誰か教えてください。商工観光部長にお願いいたします。
○議長(田鍋剛君) 森田商工観光部長。
◎商工観光部長(森田洋介君) 県庁前交差点の南東部に設置をされております観光標語の看板につきましては,昭和30年ごろに高知市観光協会が設置をしたものでございます。 この看板は,各種全国大会開催時の歓迎看板として利用するとともに,全国大会の看板を取り外したときには,その内側にあります高知市観光協会が選考した観光標語が掲示をされるようになっており,現在の標語は平成17年度に選考されたものとなっております。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 先ほど標語を使用するに至った経緯も述べていただきましたが,平成17年に標語が選定をされたということですけれども,この標語の内容について,市民協働部長に感想をお聞きしたいと思います。
○議長(田鍋剛君) 谷脇市民協働部長。
◎市民協働部長(谷脇禎哉君) 御紹介のあった標語につきましては,高知にゆかりのある山内一豊と千代の夫婦のエピソードを連想させつつ,お互いに支え合い,助け合いながら苦楽をともにしてきた御夫婦が仲よく土佐路をめぐる様子を想像させる,そんな作品であると思いますが,一方で内助の妻という表現につきましては,家庭内での固定的な役割分担意識と結びつくおそれがあり,男女共同参画社会づくりという観点からしますと配慮すべき点があると,そのように感じます。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 続きまして,この標語は高知への観光客の誘致を狙ったものと思われますが,どれほどの効果があると見込んでおられるのか,商工観光部長に伺います。
○議長(田鍋剛君) 森田商工観光部長。
◎商工観光部長(森田洋介君) 標語につきましては,高知市観光協会が南国土佐観光開きに合わせ毎年公募を行い,選考をしておりましたが,平成17年度を最後に募集事業は終了しております。 このため,平成18年度以降,標語の看板の更新をされておらず,各種全国大会の歓迎看板が掲示されない期間はこの標語が掲示されているものでございます。 その効果ということでございますが,観光標語の掲示を始めたころの経過については詳しくわかりませんが,御指摘の標語にかかわらず,観光客や市民の方々の目に触れる場所への掲示ということで,高知を訪れた観光客の方々に対しましては,高知のイメージを深め,高知のリピーターになっていただけるなどの目的や効果が,また地元の皆様に対しましては,標語を目にされることにより地元の観光資源やイメージの共有が図れ,地元地域を挙げてのおもてなしの向上等につながるなどの目的や効果があるのではないかと考えております。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 先ほど紹介をしていただきましたけれども,この標語の書かれた看板について,高知市あるいは高知市観光協会に対して何らかの反応とか評判というのが寄せられておりますでしょうか。 御紹介をいただけたらと思います。商工観光部長にお願いします。
○議長(田鍋剛君) 森田商工観光部長。
◎商工観光部長(森田洋介君) 高知市観光協会に確認をしましたところ,御指摘の標語が掲示されましてから10年以上経過しておりますが,これまで把握をしております限り,特段の批判等は寄せられておらず,本市においても同様でございます。 しかしながら,昨今の男女共同参画の理念を踏まえますと,適切な表現ではなく,観光客や市民の皆様に不快な印象を与えてしまう可能性がありますので,設置をしました高知市観光協会と今後の取り扱いにつきまして,協議をさせていただきたいと考えております。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 今どき内助の功とか専業主婦の妻を持つ男性目線の標語は時代錯誤と思います。消防団の表彰にも以前は内助表彰というのがありましたけれど,今は家族功労賞に変わっております。そうですね。以前から使い続けているならば消費期限切れと言わざるを得ません。 高知市においては,男女がともに輝く高知市男女共同参画条例が平成17年4月に施行されています。その第10条には,何人も,公衆に表示する情報において,性別における固定的な役割分担及び男女間の暴力を助長するような表現並びに過度の性的な表現を行わないよう配慮しなければならないとあります。 功名が辻を意識してつくられた標語ではないかとは思うんですが,それが放映されたのが平成18年1月ですので,男女共同参画条例がその当時はもう既に施行されていたもので,そういう状況下といえども標語としてはふさわしいものではなかったのかと思います。この標語はお蔵入りにしていただければと思います。 次に,指定管理者制度の運用について伺います。 まず,一般的な指定管理者制度のリスク分担に関する運用について伺います。 公の施設を指定管理者を指定して管理させる場合に協定を締結することとなりますが,その協定書には,リスク分担を明らかにするため,高知市と指定管理者のどちらがそれを負担するかが示されています。 その中で問題となるのが,施設,設備等の修繕に関する費用の負担です。第三者の行為,経年劣化等による施設,設備の損傷等で小規模なもの,高知市の場合は大体10万円未満になっていると思いますけれども,小規模なものは指定管理者が負担するとなっていると思いますが,大規模なもの,10万円以上はどのような協定となっているのか,総務部長に伺います。
○議長(田鍋剛君) 大野総務部長。
◎総務部長(大野正貴君) 施設修繕の主体につきましては,経年劣化等による修繕のうち,御質問にありましたとおり大規模なものは市側の負担としておりまして,小規模なものは指定管理者の負担とするリスク分担表のモデルを庁内の電子掲示板で示しておりまして,施設ごとに指定管理者による管理開始前に締結する基本協定とあわせて合意をしているところでございます。 リスク分担の基準額につきましては,施設の規模や老朽度等がそれぞれで異なりますことから一律には定めておらず,指定管理者が対応する範囲として100万円未満としている施設がある一方で,10万円未満を指定管理者の負担としている施設もございます。 この金額の設定につきましては,施設の規模や状況等を総合的に判断をして決めておりまして,例えば文化プラザかるぽーとや春野文化ホールピアステージでは100万円,土佐山へき地診療所や東部健康福祉センターなどは10万円を基準額として定めているところでございます。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 施設の規模によってそれは大小が出てくるとは思いますけれども,ただその基準の額で大規模なものとなった場合に,指定管理者による指定管理を行っている施設で大規模な修繕で高知市が負担する必要がある場合には,すぐに対応できる予算措置ができているのかどうか,財務部長にお伺いします。
○議長(田鍋剛君) 橋本財務部長。
◎財務部長(橋本和明君) 市が所有する施設の修繕につきましては,指定管理者制度で運用している施設も含め,各施設所管課からの予算要求に対して,施設や修繕が必要な部位の重要度,劣化ぐあい,また修繕を行わなかった場合のリスクなどの観点から優先順位づけを行い,緊急性や必要性が高いものから予算化をする修繕一括査定を平成29年度から実施をしております。 この修繕一括査定は公共施設のマネジメントの考え方により導入したもので,初年度の平成29年度当初予算の約3億5,000万円から令和元年度には約5億6,000万円にまで拡大しており,施設の安全性や機能性の確保に効果があらわれているものと考えております。 また,本年度からは当初予算で想定できなかった緊急的な修繕が発生した際に部局の枠を超えた対応を行うため,公共施設保全事業費としまして1,000万円を確保しており,その財源には公共施設マネジメント基金を充てることといたしました。 さらに,これらの予算で対応できないものにつきましては,その緊急度や必要性に応じまして,補正予算や予備費での対応を検討することになります。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 大規模なもので高知市が負担すべきものについてはある程度の配慮ができているのかなとは思いますけれども,ただ各担当課の施設管理の担当者からすると,予算がないとかというて思う場合もあるんではないかと,自分の昔の感覚ではそういう感じなので,そうですけれども,そういう制度になっているのであれば遠慮なしに財務部へ相談をして,きちんと修繕ができているということであればいいと思いますけれど。 続いて,指定管理料の算定の際に,施設,設備の修繕に関する費用について,年間に必要な額を見積もってこれに含めるようにしているのかどうか,総務部長に伺います。
○議長(田鍋剛君) 大野総務部長。
◎総務部長(大野正貴君) 指定管理料の算定に当たりましては,御質問をいただいております修繕費や人件費,光熱水費等の一般的な積算項目を盛り込んだ指定管理料積算表を参考様式として定めてございます。 特に修繕費の積算でございますが,不確定要素が多い費目となりますので,一般的には過去3年間の修繕費用の実績等をもとに,施設の現状を踏まえて算定することとしております。 なお,市が設定します指定管理期間における指定管理料は,事業者等が指定管理者に応募する際の重要な判断資料となりますことから,指定管理料の総額を参考価格として設定し,公表をすることとしております。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 指定管理料を算定する際には一応修繕に要るであろう価格も含めて算定をしているということのようですけれども,ただその,施設によっては老朽化が結構進んでいって,建物だけではなくて,機械,備品なんかでも1カ所壊れればまた次が壊れたとか,それでも10万円未満だから指定管理を受けているほうが負担をしなければならないということになると,大変な負担になると思います。 けれど,そういう協定なので,指定管理を受けているほうは負担をしていかなければならないということで,やはりそれがその経営を圧迫していくわけで,やっぱりこの修繕費というのはある一定何か,一定の額を超えたときには配慮をするような,そういう基準というか取り決めがないとちょっと困るという法人も出てくるのではないかと思います。 先ほど算定の際に指定管理料にその修繕費を算入しているということなのでいいですけれども,本来でしたら指定管理料のうちの第三者の行為とか,経年劣化による施設,設備の損傷は,規模の大小にかかわらず,高知市が負担すべきものではないかと考えますが,総務部長,いかがでしょうか。
○議長(田鍋剛君) 大野総務部長。
◎総務部長(大野正貴君) 先ほども申し上げましたけれども,指定管理料はそれまでの修繕実績等を踏まえた金額を含んで算定をしております。 それぞれの施設の状況に応じて,一定規模が小さい修繕であれば指定管理者が自身のノウハウや経験等を生かして修繕を実施することにより,迅速かつ経費も少なくて済む場合がございますので,市民サービスの面で有効であると考えております。 一方で指定管理者にとって過大なリスク分担となってしまったら,御質問のとおり施設の管理そのものが困難となってしまいますので,そうした状況に陥らないよう,指定管理者の体制また財務状況等といった個別事情を踏まえて,リスク分担のあり方を改善していくよう,指定管理者と施設所管課の双方で協議を行うことが重要であると認識をしています。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) 協議をしていくということなんですけれども,一つの事例としては,協議をしても配慮されないということでは全然解決になりませんので,そこらあたりはやはりきちんと対応していただきたいと思います。 実際の例としてですけれども,高知市春野デコの里は指定管理者に管理をお願いしておりますが,運営しているNPO法人が施設,設備の修繕などに費用を要し,平成30年度には人件費を削って対処せざるを得ない状況になったとお聞きしています。 財務状況を見せていただきましたが,無駄遣いをしているわけでもなく,人件費も抑え,ぎりぎりの人員で運営しているNPO法人ですが,場合によっては指定管理を返上せざるを得ないとまで考える現状はまことに遺憾です。 施設側は利用料を値上げしてしのごうとしましたが,高知市のなごやか宅老事業の位置づけがあるため,ほかの施設と歩調を合わせる必要があり,それも高知市からの同意が得られず,断念したようです。 おまけに高知市監査委員の監査の指摘で,利用者の安全確保のため人員増を迫られている状況から運営費の増加が見込まれ,法人は苦境に立たされております。 この施設は,旧春野町時代から多くの利用者に親しまれ,介護予防の役割に加え,近年では要介護状態の利用者も受け入れ,要介護度の進行を食いとめるなど,春野地域にはなくてはならない施設であります。 何とか運営が継続できるような対応をとっていただきたいと思いますが,市長にお考えを伺います。
○議長(田鍋剛君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 春野デコの里ですけれども,私も御案内を受けまして訪問させていただいたこともございます。地域になくてはならない施設だということを,訪問したときにもそのことを感じたところでもございます。 近年の事業の運営面では,少し御紹介もありましたけれども,利用者が年々増加をしておりまして,遠方から通われる方,また要支援から要介護までの幅広い支援に要する経費が増加をし,その経費が増加をしたことによって安定的な経営が困難な状況になったということで,利用者負担の上限額の引き上げについても御要望があったようですけれども,他の団体との均衡を考慮して,このときは引き上げを見送ったというふうに聞いております。 利用者負担の上限額につきましては,平成11年度の宅老事業の開始以降,現行の水準に据え置かれておりますが,社会状況の変化や消費税の引き上げ,また最賃の引き上げなど人件費支出の増加など,さらなる事業経費の増嵩ということも想定をされています。 今後におきましても,高齢者の通う場の確保や介護予防の拠点であります春野デコの里を初めとします宅老事業の存続は,我々も重要であると考えておりますので,来年度以降の指定管理料,また利用者負担の上限の見直しについて具体的な検討を行い,安定的な事業の運営の確保に向けて支援をしてまいりたいと考えております。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。
◆(深瀬裕彦君) ぜひとも運営が続けていけるような対応をとってほしいと思います。 特に春野デコの里というのは,それだけで条例がつくられております。春野デコの里条例,それに基づく指定管理でありますので,ほかのなごやか宅老とはちょっと性質が違うのかと思いますので,特に利用料を統一しなければならないとかということではなくて,ほかとは違った運用というのも考えていただきたいと思います。 それから,送迎もついていますので,ほかのところは送迎はないので,当然経費も余計かかりますので,利用料を少しよけいただいてもいいのではないかと思いますので,そこら辺の配慮をよろしくお願いいたします。 次に,春野漁港の活性化整備についてお伺いします。 ことし3月の定例会で新市まちづくり計画に登載されております春野漁港活性化整備について私が質問しましたところ,農林水産部長からは,今後におきまして,まずは災害に強い漁港整備に努めるとともに,地域漁協や漁業者等との意見交換を行いながら,漁港施設の有効な活用策につきまして,研究そして調査を行うなど,新市まちづくり計画の実現に向けまして取り組んでまいりたいと考えておりますとの答弁をいただいたところですが,その後の進捗状況について,農林水産部長に伺います。
○議長(田鍋剛君) 高橋農林水産部長。
◎農林水産部長(高橋尚裕君) 御紹介のございましたとおり,懸案となっておりました春野漁港の活性化につきましては,県内漁港における漁港用地の利活用状況を調査,研究を行っていく中で,室戸岬漁港及び安芸漁港用地で青ノリの陸上養殖を行っている事例がございました。 早速,安芸漁港の視察を行いましたところ,春野漁港におきましても同様の事業を行うことが可能ではないかと考えて,事業を展開されています合同会社シーベジタブルに状況を伺いますと,同事業者も春野漁港の用地につきまして大変関心をお持ちであったことから,本年4月から春野町漁業協同組合も交えまして,事業の実現に向けて協議を重ねてまいりました。 その後,6月には養殖事業に必要となる地下海水のボーリング調査を行った結果,良質な地下海水の取水が可能となりましたことから,事業着手や操業形態につきまして,春野町漁協及びシーベジタブル社の間で話し合いが行われまして,8月10日に開催をされました春野町漁協理事会におきまして,シーベジタブル社が正式に漁協の准組合員として承認をされ,春野町漁協として青ノリの養殖事業を行うことが決定をされております。 本市におきましても,陸上養殖事業を円滑に導入するため,8月20日には地元に対する事業説明会を春野町漁協と共同で開催をいたしまして,地域住民の皆様に御理解をいただくとともに,事業開始に必要な用地の整地や施設整備に関する占用許可等を行い,9月1日から施設整備工事に着手をしておりまして,本年11月から操業を開始し,1カ月後の11月末には初出荷が予定をされております。
○議長(田鍋剛君) 深瀬裕彦議員。短くまとめてください。
◆(深瀬裕彦君) ありがとうございました。かなり事業としては進んでいるように思います。期待をしておりますので,どうかよろしくお願いいたします。 以上で,私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。 ~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(田鍋剛君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ,延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(田鍋剛君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて延会することに決定いたしました。 9月19日午前10時再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。 午後4時9分延会...