平成31年第468回 3月定例会 第468回
高知市議会定例会会議録第2
号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号 平成31年3月6日(水曜日)午前10時開議第1 市第1号 平成31年度高知市一般会計予算 市第2号 平成31年度高知市
卸売市場事業特別会計予算 市第3号 平成31年度高知市
国民健康保険事業特別会計予算 市第4号 平成31年度高知市
収益事業特別会計予算 市第5号 平成31年度高知市
駐車場事業特別会計予算 市第6号 平成31年度高知市
国民宿舎運営事業特別会計予算 市第7号 平成31年度高知市
産業立地推進事業特別会計予算 市第8号 平成31年度高知市
土地区画整理事業清算金特別会計予算 市第9号 平成31年度高知市
へき地診療所事業特別会計予算 市第10号 平成31年度高知市
農業集落排水事業特別会計予算 市第11号 平成31年度高知市
母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算 市第12号 平成31年度高知市
介護保険事業特別会計予算 市第13号 平成31年度高知市
後期高齢者医療事業特別会計予算 市第14号 平成31年度高知市
水道事業会計予算 市第15号 平成31年度高知市
公共下水道事業会計予算 市第16号 平成30年度高知市
一般会計補正予算 市第17号 平成30年度高知市
国民健康保険事業特別会計補正予算 市第18号 平成30年度高知市
収益事業特別会計補正予算 市第19号 平成30年度高知市
国民宿舎運営事業特別会計補正予算 市第20号 平成30年度高知市
産業立地推進事業特別会計補正予算 市第21号 平成30年度高知市
農業集落排水事業特別会計補正予算 市第22号 平成30年度高知市
水道事業会計補正予算 市第23号 平成30年度高知市
公共下水道事業会計補正予算 市第24号 消費税法等の改正に伴う関係条例の整備に関する条例制定議案 市第25号 高知市報酬並びに費用弁償条例の一部を改正する条例議案 市第26号 高知市長等の給与,旅費等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第27号 補助金等の交付に関する条例の一部を改正する条例議案 市第28号 高知市財産条例の一部を改正する条例議案 市第29号 高知市
春野農業用水送水施設等保全基金条例を廃止する条例制定議案 市第30号 高知市人権尊重の
まちづくり条例制定議案 市第31号 高知市災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第32号 高知市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第33号 高知市
放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第34号 高知市
幼保連携型認定こども園以外の認定こども園の認定の要件を定める条例制定議案 市第35号 高知市
国民健康保険条例の一部を改正する条例議案 市第36号 高知市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第37号 高知市国民宿舎条例の一部を改正する条例議案 市第38号 高知市
中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例議案 市第39号 高知市
公設水産地方卸売市場業務条例の一部を改正する条例議案 市第40号 高知市人・
農地プラン検討委員会条例の一部を改正する条例議案 市第41号 高知市
道路占用料徴収条例の一部を改正する条例議案 市第42号 高知市
河川法施行条例の一部を改正する条例議案 市第43号 高知市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例議案 市第44号 高知市水道事業及び
公共下水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第45号 高知市水道布設工事に係る監督者の配置及び資格基準並びに
水道技術管理者の資格基準に関する条例の一部を改正する条例議案 市第46号 相互救済事業の委託について 市第47号
包括外部監査契約締結議案 市第48号 市道路線の廃止に関する議案 市第49号 市道路線の認定に関する議案 市第50号 高知市新
庁舎オフィス家具区分1
一般職員用机購入契約締結議案 市第51号 高知市新
庁舎オフィス家具区分2
スチール書庫等購入契約締結議案 市第52号 高知市新
庁舎オフィス家具区分3
一般職員用椅子購入契約締結議案 市第53号 高知市新
庁舎オフィス家具区分4
カウンター購入契約締結議案 市第54号 高知市新
庁舎オフィス家具区分5
会議椅子購入契約締結議案 市第55号 高知市新
庁舎オフィス家具区分6
会議テーブル購入契約締結議案 市第56号 高知市新
庁舎オフィス家具区分7
軽量棚等購入契約締結議案 市第57号 高知市新
庁舎建設工事請負契約の一部変更議案 市第58号 高知市新
庁舎建設電気設備工事請負契約の一部変更議案 市第59号 調停の申立てについて ──────────────── 本日の会議に付した事件日程第1 市第1号議案から市第59号議案まで ──────────────── 出席議員1番 浜口佳寿子君 2番 岡崎 邦子君3番 近森 正久君 4番 迫 哲郎君5番 深瀬 裕彦君 6番 長尾 和明君7番 氏原 嗣志君 8番 細木 良君9番 はた 愛君 10番 田鍋 剛君11番 竹内千賀子君 13番 下本 文雄君14番 下元 博司君 15番 岡田 泰司君16番 岡崎 豊君 17番 近藤 強君18番 大久保尊司君 19番 伊藤 弘幸君20番 吉永 哲也君 21番 浜口 卓也君22番 寺内 憲資君 23番 清水おさむ君24番 平田 文彦君 25番 川村 貞夫君26番 西森 美和君 27番 高木 妙君28番 和田 勝美君 29番 竹村 邦夫君30番 戸田 二郎君 31番 福島 明君32番 山根 堂宏君 34番 中澤はま子君 ──────────────── 欠席議員12番 浜田 拓君 ──────────────── 説明のため出席した者 市長 岡崎 誠也君 副市長 吉岡 章君 副市長 中澤 慎二君 総務部長 大野 正貴君 財務部長 橋本 和明君 市民協働部長 谷脇 禎哉君 健康福祉部長 村岡 晃君
こども未来部長 山川 瑞代君 環境部長 宮村 一郎君 商工観光部長 松村 和明君 農林水産部長 高橋 尚裕君 都市建設部長 門吉 直人君 教育長 山本 正篤君
上下水道事業管理者 山本三四年君 防災対策部長 黒田 直稔君 消防局長 高井 祐介君 監査委員 藤原 敏君 財政課長 澤村 素志君 ────────────────
事務局職員出席者 事務局長 藤原 哲君 事務局次長 池畠 正敏君 事務局参事 山崎 敬造君 庶務課長補佐 谷村 守敏君
議事調査課長補佐広松 康児君
議事調査課管理主幹 竹村 博和君
事務局法務担当専門官 弘田 充秋君 秘書係長 西成 雅江君 議事係長 中須賀広典君 調査係長 田村 章代君 書記 川村 浩之君
~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時0分開会
○議長(高木妙君) これより本日の会議を開きます。
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○議長(高木妙君) この際去る3月2日御逝去されました故水口晴雄議員の御冥福をお祈りいたしまして,黙祷をささげたいと思いますので,全員御起立をお願いいたします。 黙祷。 〔全員黙祷〕
○議長(高木妙君) 黙祷を終わります。御着席をお願いいたします。 この際故水口晴雄議員に対する弔意を表するため,近藤強議員から発言を求められておりますので,これを許します。 近藤強議員。 〔近藤強君登壇〕
◆(近藤強君) おはようございます。市民クラブの近藤強でございます。 私はここに皆さんのお許しをいただいて,去る3月2日に急逝されました故水口晴雄議員のみたまに対し,謹んで哀悼の言葉を述べさせていただきます。 水口議員は一昨年に健康を害された後も,治療を行いながら,持ち前の明るさと気力で議員活動に取り組んでこられました。亡くなられる前日に3月定例会が開会いたしましたが,当日には
都市再生調査特別委員会の委員長として,凛とした立ち姿で中間報告をなされました。 その翌日の突然の御他界,私どもは今なお信じがたく,まことに痛恨のきわみであり,哀惜の念を禁じ得ません。 私と水口議員とは,平成7年初当選した唯一の同期であります。初当選以来24年間,市民の幸せを第一にという思いで,ともに議会での活動を取り組んできました。また,地元の江ノ口地区では,お互い保護司として保護更生や地域活動にも取り組んでまいりました。 今期で勇退され,治療に専念されるとお聞きしていたやさきの訃報であり,今議会では質問も予定され,6期24年間の締めくくりとして,今後の市政への思いと皆さんにお礼とお別れの挨拶もしたかったのではと思うと,返す返すも残念でなりません。 水口議員は,武蔵大学卒業後,民間企業に勤務した後,中心商店街で家業に従事されました。 その傍ら,
商店街振興組合連合会青年部副部長や
商工会議所青年部理事を歴任されるなど,中心市街地の活性化に精力的に取り組んでおられ,平成7年4月
市議会議員選挙に初当選され,今日に至るまですぐれた政治手腕を発揮され,市勢の発展に大きく貢献されました。 この間,高知市監査委員,
総務常任委員長,
厚生常任委員長,
議会運営委員長,
都市再生調査特別委員会の委員長などの要職を歴任され,平成22年6月には第108代市議会議長に就任され,議長として円満な議会運営と議会改革に尽力されました。 特に,未曽有の被害となりました
東日本大震災発生時には,本市では3月議会開会中で,代表者会議を開催し,議長として災害支援を初め議会対応に手腕を発揮されました。 また,水口議員は,市政の裏方,真世話人として,市民目線で人に寄り添い,市民一人一人の声を敏感に反応し,その声を市政に確実に反映させていく行動力を伴った心優しい方でありました。 特に,中心市街地の活性化については,初当選直後の平成7年5月,
高知市立小中学校規模問題検討委員会の設置から始まり,平成25年3月の追手前小学校の閉校,そして今年度はオーテピアの開館など,母校追手前小学校の行く末を心から憂慮されるとともに,中心市街地のにぎわいを取り戻すべく情熱を傾けた方でありました。 水口議員のこれまでの市政にささげた情熱と幾多の御功績は,必ずや長く後世に語り継がれるものと信じてやみません。 終わりに臨みまして,本市の繁栄と発展のため,自身を顧みず,情熱と信念を持って貢献されました御功績をたたえ,限りない感謝を送るとともに,安らかなとわの眠りをお祈り申し上げ,哀悼の言葉といたします。
○議長(高木妙君) この際岡崎市長から発言を求められておりますので,これを許します。 岡崎市長。 〔岡崎誠也君登壇〕
◎市長(岡崎誠也君) 高知市議会のお許しを得まして,故水口晴雄議員さんの御霊前に謹んで哀悼の辞をささげます。 開会日の翌日に水口議員さんの突然の訃報に接し,大変驚きますとともに,御逝去を悼む多くの方々が深い悲しみに包まれています。体調がすぐれないということで心配をしておりましたが,3月1日の3月議会開会日には,体調がすぐれない中でも,
都市再生調査特別委員会の委員長として最後まで真摯に職務を全うされておられました。 そのお姿を間近で拝見しながら,病気からの回復を祈っておりましたので,執行部としても大変残念であり,悲しみを痛感しております。 水口議員さんは,平成7年4月の
高知市議会議員選挙において初当選を果たされて以来,6期24年間にわたり,市勢の発展のために御活躍をいただきました。 その御功績は多大なものがあり,平成22年には第108代
高知市議会議長も務められるなど,多岐にわたり御尽力いただきましたことに厚く感謝を申し上げます。 水口議員さんが初当選をされました後,まず最初に取り組まれましたのは,安全対策としての中央公園への交番の設置や中心部の4つの小学校の学校規模,この問題に対する検討,また生涯よさこい祭りの振興にも御尽力いただき,それぞれの地域課題の解決に向けて積極的に取り組んでいただきました。 その後も98豪雨で防災対策という課題を改めて再認識をされまして,浸水対策や震災対策等の災害に強いまちづくりに積極的に御尽力を賜り,中心市街地の発展や定住人口の増大にも多大なる御貢献をいただいております。 特にこの間,御自身の母校でもありました追手前小学校と新堀小学校との統廃合という非常に困難な課題に御尽力を賜り,地元の皆様方の御意見を取りまとめていただきまして,追手前小学校統合後の跡地に,全国初の県立図書館,市立図書館の合築施設など,
オーテピア複合施設の開設をすることができましたことなど,中心商店街,また中心市街地の活性化に多大なる御尽力を賜り,執行部としても深く感謝を申し上げます。 ここに改めまして,水口晴雄議員さんのお人柄をしのび,心からの御冥福をお祈り申し上げ,御家族の皆様方に対しまして哀悼の意を表し,追悼の言葉とさせていただきます。長い間ありがとうございました。
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△日程第1 市第1号議案から市第59号議案まで
○議長(高木妙君) 日程第1,市第1号議案から市第59号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。
竹内千賀子議員。 〔竹内千賀子君登壇〕
◆(竹内千賀子君) おはようございます。市民クラブの竹内千賀子でございます。私見も交えながら代表質問をさせていただきます。 その前に,先ほど近藤議員,岡崎市長から水口晴雄議員の御逝去を悼み,追悼の言葉がございましたが,1日の開会日,この場で
都市再生調査特別委員会の報告をされたお姿が思い出されてなりません。6期24年間の御活躍に敬意を表しますとともに,心から御冥福をお祈り申し上げます。 それでは,質問に入ります。 さて,岡崎市長は2003年11月に就任され,早いもので4期16年目も半ば近くとなりました。この間,就任時の最大の課題であった財政再建,鏡,土佐山,春野との合併,子育て支援の充実,生活困窮者への支援,
中学校給食センターの整備,そして喫緊の課題である
南海トラフ地震対策の加速化,人口減少問題の克服に向けた地方創生の推進等々,にぎわいと暮らし安心・安全のまちづくりに向け精力的に取り組んでこられました。 今議会開会日には,市立学校の
空調整備事業請負締結議案も可決,承認をされました。しかしながら一方では,新図書館西敷地の利活用については仕切り直しということになりました。 そこで,今期4期目の取り組みについて,岡崎市長御自身の総括をお伺いいたします。 さらに,市長の任期も残すところ半年余りとなりました。既に2人の方が市長選挙に立候補の表明をされておりますが,岡崎市長の5期目への思いをお聞きしたいと思います。 それでは,2019年度当初予算と財政健全化について質問をいたします。 まず,2019年度当初予算についてお聞きします。 本市においては,厳しい財政状況が続く中,2019年度当初予算は,喫緊の対応が求められる
南海トラフ地震対策と人口減少問題の克服に向けた地方創生の取り組み強化を2本柱に編成しています。 市税や交付税など歳入の増加が見込めない中,少子・高齢化への対応に伴う扶助費の伸びや高水準で償還が続く公債費など,消費的経費は年々増加が見込まれ,厳しい財政運営が求められています。 一方,国においては,本年10月1日から消費税率の引き上げを行うとともに,あわせて幼児教育・保育の無償化を実施し,さらに低所得者や子育て世帯の消費に与える影響を緩和し,地域における消費を喚起,下支えする観点から,
プレミアム付商品券の発行なども実施される予定となっています。 また,2018年7月豪雨を初めとする近年の自然災害を踏まえ,重要インフラが自然災害時にその機能を維持できるよう,平時から万全の備えを行うことが必要で,その対策が急務になっているとして,防災・減災,国土強靱化のための3カ年緊急対策を閣議決定し,7兆円程度の事業規模を見込み,速やかに着手すべきものについては,2018年度第2次補正予算により対応するとし,さらに2019年度,2020年度の当初予算の臨時,特別の措置を活用することとするとされています。 このような国の動向等も踏まえ,厳しい財政状況が続く中で編成された2019年度一般会計予算の概要と,編成においてめり張りをつけられた部分についてお聞きします。 次に,今後の財政見通しについてお聞きします。 新年度の一般会計予算では,財政調整基金から20億3,000万円,減債基金から8億5,000万円の繰り入れを計上しており,これらの繰り入れがなければ収支均衡が図れない厳しい状況となっています。 2022年度までの5カ年の収支見通しでは,昨年度に示された159億円の収支不足からすると42億円改善したものの,117億円の収支不足が見込まれる非常に厳しいものであります。 本市では,これまでにも何度か財政危機が訪れ,その都度財政健全化に向けた計画を策定し,さまざまな行政改革の取り組みを実施し,財政再建を果たしてきましたが,今回の財政危機の要因をどのように分析しているのかをお聞きします。 また,財政健全化に向けては,徴収率の向上などの歳入確保とともに,事務事業の見直しなどの徹底した歳出の削減が必要となります。市民サービスを低下させず,そして新たな市民負担を求めずに財政健全化を果たすため,どのような収支改善を実施するか。新たに策定する
財政健全化プランの詳細は常任委員会で報告があると聞いていますが,財政健全化に向けた手法とともに,財政破綻をさせないという市長の強い決意をお聞きします。 次に,新
食肉センター整備事業についてお伺いをします。 既に高知市議会では,一部事務組合と食肉公社による事業運営は廃止するという2016年11月の高知
県広域食肉センターの今後のあり方に関する答申を受け,2017年6月議会で
食肉センターあり方検討委員会の答申の実行を求める決議をし,同年7月高知県
広域食肉センター事務組合議会でも同様の廃止決議が行われてきました。まだ1年と半年余りしかたっていないので,お互いに記憶に新しいところです。 そして,これらのことはいずれも,
県内食肉センターは処理頭数が少ないことから,2カ所に分散することの非効率性や競争の激化が予想される四国内のほかの食肉センターとの競合を踏まえ,2カ所から1カ所に整理統合し,屠畜事業の競争力を強化しようとすることが必要との一貫した考えになっています。 事務組合議会の廃止決議では,県内の家畜飼養頭数の減少に伴って屠畜頭数も減少し,屠畜事業を担う高知県中央食肉公社の経営が悪化してきたことから,事務組合を構成する28市町村の財政的負担により経営を支えてきたこと。 また,高知県
広域食肉センター設置当時と比べ,食肉の流通環境は改善し,全国的にも屠畜事業の高機能化,高衛生化や食肉流通の広域化が一層進展するなど,現施設は老朽化に伴いその役割を終えてきたことなどを論じつつ,結論として,現在議論されている県内屠畜業の競争力強化策が実施に至るまでは,
県広域食肉センターでの屠畜事業の継続に努めるとともに,同強化策が実施された暁には,現食肉センターの屠畜施設を速やかに廃止することを決議するとしています。 ここで言う競争力強化策とは,四万十
市営食肉センターとの一本化のことを指し示していると理解しますが,市長の見解を伺います。 今議会前,我が市民クラブも高知県を中心に2回の説明を受けました。まさに40年余り前,現高知
県広域食肉センターが高知県からの強い指導のもと県主導で設立されましたが,それをほうふつさせるような印象を受けました。 幾つか疑問点がありますのでお尋ねいたします。 新食肉センターの全体計画で黒字化させるとなっていますが,豚肉や鳥肉の卸売でわずかな利益を出す計画で,県内屠畜事業の競争力強化にはとてもつながっていないと思います。単に試算上の黒字を算定しているようにも見えます。 そもそも施設整備に対する8割に上る費用を行政が補助金として負担し,本来計上されるべき施設の減価償却費が圧縮され,会計上は補助金額の減価償却費が計上されないなど,疑問です。 また,施設整備の8割を除く2割をJAグループの貸し付けで賄い,その貸付利息を費用計上し,元金を含めて回収するとしています。 その上,発生の蓋然性は相当低いとしながらも,激甚災害や法定伝染病の不可抗力の場合には,行政の赤字負担も想定され,公営,民営化と何ら変わりはありません。 実質的に行政丸抱えの新食肉センターという批判にどう答えるのか,市長の見解をお聞きいたします。 昨年の12月議会で,
イニシャルコストを負担するに至った判断の理由について答弁されています。大久保議員に対する答弁ですが,3つ上げています。 第1に,知事みずからが強い決意で高知県がJA等と新会社を立ち上げ,新食肉センターの運営を担う。運営経費については,天災や伝染病発生等の不可抗力によるものを除き,市町村に負担を求めないこと。 第2に,新センター整備の負担の考え方は,肉用牛の飼育頭数割と人口割の2つの基準を設けている。肉用牛の生産農家が極めて少ない一方で,高知市は食肉消費量が多い。その点が配慮された負担案になっていること。 第3に,食肉センターは,流通加工業者や小売業者など関連事業者も多く,食肉を提供する飲食業まで含めると,高知市において消費者,関連事業者がかかわる事業であり,裾野が広いことと答弁されています。 しかしながら,さきに上げた高知
県広域食肉センターの今後のあり方に関する答申,また高知
県広域食肉センターにおける屠畜施設の廃止決議では,流通の必要性から,屠畜部分は廃止するものの,食肉流通機能は出荷団体による運営と経営責任のもとに継続するとしており,高知市における消費に対する流通機能を十分配慮した上で,変化する環境を踏まえた経済的な視点から県内屠畜事業の競争力強化が必要と,廃止決議に至ったものであります。 つまり12月議会における
イニシャルコストを負担する3点の判断理由は,あり方に関する答申にも廃止決議にも応えておらず,運営負担の軽減や高知市が一大消費地であることを理由とすることは,答申,廃止決議と矛盾しています。 高知県
広域食肉センター事務組合管理者でもある市長の明快な答弁を求めます。 現食肉センターにおける教訓として,組合議会や県,市町村の核心を避けるような議論,甘い収支・集荷見通し,販売・量販体制の不備等がありました。そのためにも,前段申し上げた競争力強化が極めて重要ですが,県を中心にした2回の説明ではそこが見えてきません。 市長は,この新食肉センターが県内屠畜事業の競争力の強化につながると考えておられるのか,競争力強化に絞って所見をお尋ねいたします。 次に,
地域包括支援センター再編強化について伺います。 団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年問題に代表されるような超高齢化社会におけるさまざまな課題に対応し,身近な地域での社会資源等を活用した支援体制を構築するため,現在ある5カ所1分室の
地域高齢者支援センターを14カ所の
地域包括支援センターとして再編強化するための費用が2019年度予算に計上されています。 計画では,2019年度と2020年度の2カ年で
地域高齢者支援センターを再編強化するとともに,新たに直営の基幹包括支援センターを設置して,各
地域包括支援センターの公平・中立性,統一性を確保するとしています。 2019年度は,このうち東部と北部の
地域高齢者支援センター担当圏域において,7カ所の
地域包括支援センターの設置を目指すこととされています。うち1カ所は直営で,6カ所は公募により受託法人を選定するとのことです。
地域包括支援センター運営委託費は2,000万円を見込んでおります。
地域包括支援センターの運営体制,公募の方式,スケジュールについて伺います。 新年度に入ってからの受託法人の公募ということ,また2019年度は東部と北部だけで,残りは2020年度に委託開始ということで,平年度ベースの運営委託料が計上されているわけではないと思いますので,全ての
地域包括支援センター再編が完了し,新しい体制での運営が始まる年度において運営委託費は合計で幾らになるのか。標準的な人員体制で委託した場合に,1カ所当たり幾らの運営委託費を考えているのか。また,その財源をどう確保するのかお示しください。 次に,
地域包括支援センター再編強化後の基幹包括支援センター,
地域包括支援センターの業務内容について伺います。 現状は,東部,西部,南部,北部,春野の
地域高齢者支援センターに西部
地域高齢者支援センター旭分室,北部
地域高齢者支援センター土佐山出張所を直営で経営し,民間委託により
地域高齢者支援センター出張所が16カ所で運営されています。 この現状から,どういう業務について,どう再編強化がされていくのか,再編強化の狙いとあわせてお答えください。 次に,民間委託により運営されている地域高齢者出張所16カ所への対応について伺います。 再編強化の計画では,この出張所を廃止して,
地域包括支援センター14カ所を大街単位で設置するとのことです。 昨年9月27日に開催された
地域高齢者支援センター運営協議会の資料によりますと,民間委託の16出張所に職員さんが24名雇用されているようです。 出張所の廃止に伴い,現在出張所運営を受託している法人が
地域包括支援センターを受託しない場合に,この職員の皆さん方は失業してしまうのか。出張所を運営する民間法人の職員として別の部署に配置転換することができるのかどうなのか,心配されるところです。この点についてどう考えるのか伺います。 また,高知市は,
地域包括支援センターに保健師,社会福祉士,主任ケアマネの3職種を配置することができることを委託の条件に考えているようですが,現在出張所を受託している法人が
地域包括支援センターに手を挙げて委託された場合に,現在勤務している職員さんが必要な資格がなければ,受託法人は継続しても職員さんがそのまま従事できなくなるのではないかと危惧されますが,この点についてはどうかお答えください。 この質問の最後に,
地域包括支援センター再編強化のための体制移行期間中の業務について伺います。 この再編強化については,2019年度と2020年度の2年間をかける計画が示されました。このため,新しい体制が完全に整うまでは,市内には
地域包括支援センターがカバーする地域と現在の
地域高齢者支援センター,
地域高齢者支援センター出張所がカバーする地域とが混在することになります。 さきにお尋ねしたように,
地域包括支援センターと現在の
地域高齢者支援センターの業務内容も異なるようになるので,利用する市民や関係機関に混乱が生じることがないのか心配されますが,どう考えるのか伺います。 仮に混乱が生じるおそれがあるとするならば,混乱が起こらないようにどのように対処されるのか伺います。 次に,保育行政について,子ども・子育て支援体制を中心に伺います。 最近,年が明けてしばらくすると,新聞やテレビなどマスコミをにぎわすのが待機児童の問題です。 3年前に,保育園落ちたのブログが反響を呼びましたが,各自治体から保護者への入所可否の通知が毎年1月下旬から2月上旬となっていますので,その時期になると,SNSによる情報発信を受け,マスコミ報道という繰り返しになっています。 今,日本は,人口減少の中で少子化という大きな課題を抱えていますが,保育所や児童クラブへの需要はふえ続けています。 この背景には,核家族化の進展,地域のつながりの希薄化,共働き家庭の増加,兄弟姉妹の数の減少など,子育て家庭や子供の育ちをめぐる環境が大きく変化したということがあります。 また,内閣府が2014年度に実施した結婚・家族形成に関する意識調査では,子育てに対する不安要素として,経済的問題や仕事と子育ての両立,子育てそのものへの不安が高くなっています。 こうした状況の中で,2015年度から開始された子ども・子育て支援新制度は,保護者が子育ての第一義的責任を有することを前提としつつ,社会環境の変化を踏まえ,地域や社会が保護者に寄り添い,子育てに対する負担や不安,孤立感を和らげることを通じて,保護者が子供と向き合える環境を整え,子供たちのよりよい育ちを実現するという崇高な理念のもと始まった制度ですが,現実はどうでしょうか。 子育て支援で最も大切なことは,子供たちの視点に立ち,全ての子供たちの健やかな育ちを目指した施策を実施することだと思いますが,小手先の制度創設と改正に終わっているようにしか見えないのは私だけでしょうか。 そこで,市長に伺いますが,この間実施してきた子ども・子育て支援新制度について,どのように評価しているのか,率直な感想をお聞かせください。 次に,10月から実施する幼児教育・保育の無償化に関連して伺います。 まず,無償化の財源について,一連の流れは省かせていただきますが,政府は市町村に事前の協議もなく,大きな財政負担を伴う事業の実施を一方的に求めてきたため,全国市長会や町村会が子供たちの命を預かる現場の立場から,経費の全額を国が負担すること,幼児教育の質の確保,向上策を講じることなどを政府に求めることとなりました。 こうした国による地方への負担の一方的な押しつけは二度と起こさないようにすべきと考えますが,政府の対応について市長の御所見を伺います。 次に,今回の無償化ですが,無償化より先に待機児童対策が先という保護者の意見が特に都市部で多いのが実情です。子育て中の家庭や,結婚してそろそろ子供をと考えている家庭にとって,フルタイムで共働きしなければならない場合,仕事に復帰する際には保育園に預けるという選択肢が大半だと思います。 言い過ぎかもしれませんが,育児休暇の終盤に保育園に入れるかどうか,不安の中で保護者が過ごすことは,その不安感が子供に伝わり,悪影響を及ぼすことになります。 本市においては,2011年度から待機児童ゼロ計画,2013年度から待機児童解消加速化計画を策定し,定員の拡大を図っておりますし,1,2歳児の利用率が全国より大幅に高い状況を踏まえた待機児童対策を実施していますので,全体としては大きな問題になっていませんが,一人一人の保護者にとって入園できるか否かは大問題です。 そこで,
こども未来部長に伺います。 昨年3月定例会での同会派の田鍋議員の質問に対して,2021年4月には待機児童が解消する計画と答えています。 解消するとは答えずに,解消する計画とお答えになりましたが,計画どおりに進んでいるのかどうか,あわせて2019年度と2020年度の見込みについて年齢別にお示しください。 無償化に伴い,1,2歳児の入園希望が多くなり,待機児童の解消が計画どおりに進まないことを懸念しての質問ですので,そのことを踏まえた答弁をお願いいたします。 次に,少子化に伴う保育園の今後のあり方について伺います。 保育行政では待機児童の問題ばかりがクローズアップされますが,人口減少が著しい過疎地域では,かなり前から少子化が深刻化し,定員割れによって幼稚園や保育園の統廃合が行われています。 地域社会から教育・保育施設が消えることにより,子育て環境の悪化が少子化に拍車をかけるという悪循環に陥っています。本市ではこうした状況に陥ることはないと思いますが,周辺部において統廃合や分園化が起こっていることも事実です。 そこで,全ての子供の健やかな成長を保障するという視点から,本市における今後の保育園のあり方について青写真を描いておく必要があると考えますが,市長の御所見を伺います。 次に,子供をめぐる人権侵害について伺います。 ことし1月26日,千葉県野田市の小学4年生,10歳の女の子が虐待によって死亡した事件は,発覚後毎日のように報道されますが,事件に至った経過や真相がわかってくればくるほど心が痛みます。 政府はこの事件を受け,保護者による体罰の禁止を明記し,弁護士の配置など,児童相談所の機能を強化する方向で,今国会で児童虐待防止法と児童福祉法の改正を目指すとしています。 1990年代から子供の虐待が社会問題化し,1994年に子どもの権利条約を批准,2000年5月に児童虐待の防止等に関する法律が成立,11月に施行となりました。2007年の2回目の改正では,児童の安全確保のための立入調査,保護者に対する面接・通信制限等の強化が行われました。 親権の行使に関する配慮等の第14条では,児童のしつけに際して,民法820条の規定による監護及び教育に必要な範囲を超えて当該児童を懲戒してはならず,当該児童の親権の適正な行使に配慮しなければならないと明記されていますが,懲戒権を否定してはいません。 2011年の民法改正時にも,親権者の懲戒権が議論されましたが,改正では,第820条に,子の利益のためにという文言をつけ加え,第822条は,親権を行う者は,第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができるとしました。 2015年から2016年度の統計によりますと,虐待による死亡事件は年間50件を超え,1週間に1人の割合で子供が命を奪われています。 しかも,死に至らしめた加害者の70%から80%が実母,実父です。加害の理由のほとんどがしつけだと,虐待を正当化しています。 また,虐待で命を失ったのは,抵抗するすべも誰かに訴えることも不可能な3歳児以下が多く,その中でもゼロ歳児が圧倒的に多くを占めています。 まず,市長にお伺いします。 この親権者の懲戒権について,どのような見解をお持ちでしょうか。 2017年度の全国の児童相談所における児童虐待対応件数は13万3,778件で,年々増加の一途をたどっています。 虐待防止法の制定以来,社会に周知と関心が高まり,家庭内のことに干渉できず,潜在化していたものがあらわれてきたという側面もあると思います。 高知県では,2017年度の児童相談所における虐待相談件数は453件,虐待と認定し,対応した件数は326件で,前年度より増加しています。 高知においても,2008年2月に南国市の小学5年生の男の子,2014年12月に香南市の3歳の女の子,2015年10月にはわずか10カ月の乳児の命が虐待により奪われた事件があったことは記憶に新しいと思います。 野田市の場合もそうであったように,いずれも事件が起きる以前から児童相談所や関係機関が関与し,児童福祉施設へ措置した経緯もある要保護児童でした。どこかのタイミングで救える命ではなかったのかと,今もって思います。 2014年の事件後,高知県・高知市児童虐待検証委員会では,事件発生に至るまでの間における関係機関による対応等,数回に及ぶ聞き取りの調査の実施と検証委員会を開催し,2015年6月に今後取り組むべき課題の指摘,課題解決に向けた取り組みの方向性や改善点などを提言として報告書の取りまとめを行いました。 内容は御存じですので繰り返しませんが,児童相談所はもとより,2007年に設置した高知市要保護児童対策地域協議会のあり方についても指摘があり,庁内の関係機関においては,リスク要因を的確に捉え,時期を逃さず適切なケース支援につなげるよう,人任せではなく,それぞれが率先して,高知市の子供は自分たちが守るという強い意志を持って児童虐待防止に取り組む必要があるとの進言がありました。生後10カ月の乳児が死亡したのは,その取りまとめが行われたわずか4カ月後でした。 高知県の326件のうち,高知市の対応件数は何件なのでしょうか。子供の命が危ぶまれるケースはないのでしょうか。 また,野田市のような事件があったときには,対岸の火事ではなく,それを教訓として,関係機関が取り組みの点検強化等について意思統一することが必要だと思いますが,そのようなことは行われているのでしょうか,お伺いをいたします。 児童虐待は,困難や問題を抱える家庭の事情に起因する場合がほとんどだと言われており,解決は非常に難しいことは重々承知しておりますが,今回の事件を教訓とするなら,何はともあれ子供を人権侵害から守り,命を守る。そのために危機感を持って行動することが求められているのではないでしょうか。 そのためには,さきの提言をしっかりと受けとめ,体制を強化し,二度と高知市から虐待死を出さないという市長の決意が何よりも必要だと考えますが,市長の見解をお伺いします。 また,いじめ,不登校なども深刻な子供の人権侵害です。2011年10月の大津市立中学2年生の男子生徒の自殺をめぐる訴訟で,大津地裁は2月19日,いじめが自殺の主な原因と認めました。 西岡裁判長は,元同級生2人が自殺を予見できたとも指摘するなど,判決の理由を口頭で説明する異例の対応をした等の報道がありました。弁護団は,いじめ被害の救済に司法が大きくかじを切った判断だと評価しています。 提訴から7年,国にいじめ対策を要望し,いじめの被害家族を支援するため全国を駆け回ってきた父親は,いじめで命を絶つ子供を一人でもなくしてほしい。そのために闘うことは私に託された息子の最後のメッセージだと思うようになったと語っています。 この男子生徒の自殺を契機に,2013年9月にいじめ防止対策推進法が施行されたわけですが,虐待と同じく,いじめも一向に減りません。2017年度の文科省の調査結果では,小・中・高・特別支援学校で前年度より9万1,235件増の41万4,378件で過去最多を更新。特に小学校低学年が多い傾向にあります。 また,不登校も小中学生は1万348人増の14万4,000人余り,高校生は1,078人増の4万9,643人で,不登校の割合はそれぞれ1.5%,自殺した児童・生徒数は学校からの報告では5人増の250人であったとしています。 教育委員会では,調査結果の詳細を把握されていると存じます。高知県においても,小学校では前年度より552件増の1,266件,小・中・高・特別支援学校合計で726件増の2,042件のいじめが認知されています。 まず,以上のようないじめの現状に対してどのような見解をお持ちなのか。また,これまでにも生徒指導スーパーバイザーの派遣やスクールカウンセラーを配置し,子供を守るための取り組みがされてきましたが,これまでの成果,今後の取り組みについて,教育長に伺います。 そして,教職員の働き方改革が課題となっている中,今議会で学校教員の働き方改革推進委員会委員報酬,部活動外部指導員配置事業,教員業務支援員配置事業が提案されています。 働き方改革プランを策定し,2019年度から実施するとのことです。その成果目標,事業効果に大いに期待する一方,虐待もいじめも気づいてやれる近い位置にいる教職員が子供と向き合うことによって,子供との信頼関係が築かれ,子供の人権が侵されることのない学校づくりに期待をしています。 教員業務支援員は増員して16名,小中合わせて16校に,部活動指導員を増員して中学校に10名配置するとのことですが,具体的にどのように配置するのか,また今回の配置によって見込まれる効果をお伺いします。 次に,高知市人権尊重のまちづくり条例議案に関連して幾つかお伺いをいたします。 2016年に,障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律,本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みの推進に関する法律,部落差別の解消の推進に関する法律の差別解消3法が相次いで施行されて早くも2年余りが経過しました。 法制定後も在特会によるヘイトデモが行われ,さらに顔の見えないネット上には,部落差別に限らず,無責任きわまりない間違った情報や悪質な人権侵害の書き込みが蔓延しています。 最近では2017年4月に京都市の街頭で,またもや在特会の元幹部が朝鮮学校に対するヘイトスピーチを行い,さらにはその様子を動画でネット上にアップした事件で,京都地検は昨年4月20日,在特会の元幹部を名誉毀損罪で起訴しました。ヘイトスピーチには,これまで侮辱罪の適用例があるものの,より重い名誉毀損罪の適用は初めてのことです。 この事件にかかわった谷文彰弁護士は,京都第一法律事務所のホームページで,今回名誉毀損罪が適用されたのは,ヘイトスピーチ対策法の成立と,それに至るまでの多くの自治体や警察庁,国連等の動き,成立後の各自治体での条例等の制定に向けた動き,そして社会全体の意識の変化などが背景にある。今回の事件を契機として法規制はどのようにあるべきかといった議論が進むことを願ってやまない旨の発信をしております。 また,テレビや新聞でも報道がありましたが,昨年上旬,川崎市の在日韓国人の男子中学生を実名で匿名ブログで誹謗中傷したとして,川崎簡易裁判所が昨年12月に大分市の男性に対して侮辱罪で科料9,000円の略式命令を下し,今年1月に確定しました。 男子中学生は,ブログに書かれたひどいヘイトスピーチを見たときの恐怖やショックを忘れることはできない。祖母と同じ世代の人が自分にこんなひどいことをしたということもショックです。今後はインターネットでも実生活でも,もう二度と人を差別しないでほしいと語っています。 弁護団は,ネット上の匿名者によるヘイトスピーチが侮辱罪で処罰されたのは初めてと,裁判所の判断を評価する一方で,今回適用された侮辱罪で被疑者の男性に下されたのは科料9,000円の略式命令。非常に軽過ぎる。しかし,2016年に施行されたヘイトスピーチ対策法は理念法にすぎず,罰則がないため,今回のような手段をとるしかないとコメントしています。 また,発信者の特定に至るまでの手続の煩雑さやネット上からの完全な削除が難しいこと。さらに,侮辱罪がヘイトクライムを想定してしないことを進言。被害者に丸投げである現状や,相手が不特定多数であると手段がないことに触れ,ヘイトスピーチに関する早急な法整備,捜査体制整備が必要であるとしています。 さらには,沖縄県石垣市で自営業を営む在日韓国人の男性に対して,ネットの匿名掲示板で民族差別をあおるヘイトスピーチの書き込みをしたとして,沖縄県内の男性2人が名誉毀損の罪でことし1月に略式起訴され,同月,石垣簡易裁判所は男性2人にそれぞれ10万円の略式命令を出しました。この事件もネット上の匿名によるヘイトスピーチで,名誉毀損罪が適用されたのは初めてだと思います。 この事件を受けて,龍谷大学の金尚均教授は,差別解消に向けた施策を国の責務とするヘイトスピーチ対策法が2016年に施行され,立件の下支えになっている。捜査当局は今後も積極的に対応すべきだと指摘しています。 これらの人権侵害事件については,調査により犯人が特定され,侮辱罪,名誉毀損が適用されたわけですが,これらの事件について市長はどのような見解をお持ちでしょうか,お伺いいたします。 このような民族差別,さきに述べた子供の虐待はもとより,沖縄やアイヌの問題,高齢者,障害者の虐待,DV,セクハラ,LGBT等々,さまざまな人権課題を論議しているさなか,今議会において高知市人権尊重のまちづくり条例議案が提出されました。 まず,この条例議案の提案に至った市長の率直なお考えを伺います。 部落差別解消推進法の制定以後,全国の自治体ではだんだんと人権に関する条例の制定,または改定,検討が行われています。 私が知る限り,新たに制定されたのは兵庫県たつの市,加東市,愛知県の津島市,宮崎県の日向市,えびの市,東京都の国立市,高知県では去年の12月に土佐市で制定されました。 改定されたのは,福岡県の小郡市,飯塚市,大分県の豊後大野市,豊後高田市,九重町,玖珠町,熊本県の菊池市などです。 その中で,昨年12月21日の市議会で全会一致で可決し,ことし4月1日から施行される国立市人権を尊重し多様性を認め合う平和なまちづくり基本条例を紹介したいと思います。 この条例は,部落差別に特化しているものではありません。前文には,ところどころ割愛しますが,2000年6月に国立市平和都市宣言を行い,全ての施策の根幹に人権と平和の尊重を掲げ,全ての人を社会的孤立や排除から守り,社会の一員として包み支え合うことを基本としたまちづくりを推進してきたこと。 最近では,さきの差別解消3法が制定され,地方自治体においても地域の実情に応じた差別解消を推進するためのさらなる取り組みが求められていることなどを述べた上で,人権とは,全ての人が生まれながらにして持つ固有の権利であり,誰もが自分らしく生きる権利を保障されている。人は誰もが一人一人異なる存在であることから,ソーシャルインクルージョンの理念のもと,お互いの多様性を認め合うことにより個人の人権を尊重していかなければならない。 また,今もなお人種,皮膚の色,民族,国籍,信条,性別,性的指向,性自認,障害,疾病,職業,年齢,被差別部落出身,その他経歴等を理由とした不当な差別や暴力等の人権侵害が存在し,日常の暮らしの脅威となっている。 また,一人一人の多様性に対する無理解と無関心に起因して争いや衝突が生じている。そして,この人権侵害や争い等については,誰もが無意識的に,または間接的に当事者となる可能性を持つなどとうたっています。 各条文は,前文の理念が生かされた細やかな条文となっており,第9条の基本方針の策定に当たっては,その第3項に,人権救済及び相談支援の体制に関することを定めることとしており,第11条で実態調査の実施,第12条の人権救済のための措置では,市は地域の実情に応じて国等の関係行政機関及び市民等と連携し,不当な差別の解消を初めとする人権救済のために必要な措置を講ずるものとすると明記しています。 高知市の条例案には,この実態調査の実施と人権救済のための措置はありませんが,実態調査の実施は推進法にも規定されていることでもあり,どんな問題でもその背景や実態を知らずに解決することはできません。また,相談支援は相談者を救済することが目的ではないのでしょうか。この2項目についてのお考えを伺います。 また,条例案の全ての人の人権が尊重される社会を実現するという目的達成に向けては,行政,市民,事業者が一体となって取り組まなくてはなりません。まずは,全庁を挙げての人権意識を高める取り組みが不可欠だろうと考えます。 差別をしない,させない,見過ごさないという職員の人権意識が培われている,いないによって,人権が尊重される社会を実現する取り組みは大きく違ってくると思います。 各課長を人権研修推進員として人権研修が行われているとのことですが,形骸化することなく意見が飛び交うような研修をしていただきたいと願います。 研修に対する考え方,またこれまでの研修の成果などについてお聞かせください。 次に,高知市人権尊重のまちづくり条例議案が提出されたのを契機に,同性パートナーシップ制度の導入を真剣に検討していただきたいと考えます。 せんだって公営住宅の入居についての相談がありました。その人は,胸を切除し,男性ホルモンを投与し,見た目も心も男性として生きている性的マイノリティーの一人です。裁判所に申請して下の名前も男に変更いたしました。住民票も変更した名前で登録されていますが,性別は女のままです。現行では他人であるパートナーとは公営住宅に入居することはできません。 私は,養子縁組をして公営住宅で暮らしていたカップルともおつき合いがありました。もう2人ともお亡くなりになられましたが,違和感はありませんでした。いろんな人がいて当たり前だと思っています。けれども,正直,今回の相談を受けるまで真剣に考えることはありませんでした。 家族とも同居はできず,高い家賃に悩んだあげくの相談だったのにと,悶々としていたとき,LGBTと言える社会にの見出しで,御自身もゲイであることを公言している日本文学研究者のロバート・キャンベルさんの高知での講演の記事が目に飛び込んできました。 また,2月14日には8都道府県13組の同性カップルが,同性婚を認めないのは違憲として国を一斉提訴しました。長く困難な闘いになるであろうことを覚悟しての提訴だと思います。 日本にはLGBTの当事者が約7から10%いるとされています。昨年9月1日現在の人口で14人に1人の割合になりますが,多くの当事者がLGBTであることを言えずにいる現実がうかがえます。私たちはこの現実を素直に受け入れるべきだと思います。 多様性を尊重し,個々の違いに価値を見出す社会の実現を目指す時代であることはもう数年前から課題とされ,文科省も性同一性障害に係る児童・生徒に対するきめ細やかな対応の実施等について,学校や教育委員会の支援等を2015年4月に通達しています。当事者はもとより,偏見や差別をなくするための情報発信や企業,行政の取り組みも始まっています。 国の制度がなくても,全国の自治体では同性パートナーシップ制度が徐々に広がっていることは御存じだと思います。2015年11月1日からの世田谷区,渋谷区を初めとして,ことし2月施行の千葉市など12の自治体で施行されています。 中でも,2015年に同性カップルを結婚した夫婦と認め,公営住宅への入居を認めた渋谷区を含む7つほどの自治体,中核市では那覇市で公営住宅への入居も可能としています。パートナーシップ証明書を取得するための申請自体がカミングアウトをすることなので,ハードルも高く,証明書を取得したカップルは約350組ほどだそうです。決して多いとは言えません。 高知市においても,高知市人権尊重のまちづくり条例案の理念に基づき,同性パートナーシップ制度を導入されることを強く要望いたしますが,市長のお考えをお伺いします。 また,制度があるなしにかかわらず,さまざま申請書等に業務上不必要な性別の記載を廃止する配慮が必要なのではないでしょうか。性別の記載を見直している自治体もありますが,高知市での対応はどうなっているのか伺います。 対応されていないのであれば,検討されるべきだと思いますが,吉岡副市長にお尋ねをいたしまして,以上,1問といたします。
○議長(高木妙君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問いただきました。質問項目が多岐にわたっておりますので,少しお時間をいただきまして順次お答えを申し上げます。 まず,私の4期目の総括等についてお答えを申し上げます。 平成15年11月に多くの市民の皆様方からの御支援により初当選をさせていただき,これまで市民の皆様方の命と財産を守ることを強く意識しながら市政を担わさせていただいてきております。この間,議員の皆様方や多くの皆様方に御支援,御協力を賜りましたことを感謝しております。 平成27年11月から4期目が始まっておりますので,それまでに道筋をつけることができました財政再建と,関係をより強化することができました県市連携をベースにしまして,にぎわいと暮らし安心のまちづくりを目標に掲げ,
南海トラフ地震対策,また地方創生の取り組み強化,これを2本柱にして,4期目でさまざまな政策を全庁的に取り組んできております。 少し具体で申し上げますが,ハード整備では,喫緊の南海トラフ地震の対策に向けまして,まず基盤整備として新庁舎の建設,北消防署の整備や現在建築中の中央消防署の整備,また津波避難施設の整備や学校,保育所施設の耐震化など,市民の皆様の命を守るためのハード整備がかなり完成をしてきております。 また,高知市政の長年の課題でありました中学校給食の完全実施に向けた給食センターの完成,また4期目当初では実現困難だと思っておりました全ての小学校,中学校等の教室への空調設備の整備,そして県市連携に基づく新産業団地の整備など,着実に進めることができております。 ソフト面では,子供医療費助成の小学校6年生までの拡大,生活困窮者の方々の自立支援の充実,また中山間地域等でのデマンド型の乗り合いタクシーの拡充など,市民の皆様の暮らしをサポートするまちづくりを多岐にわたり進めてまいりました。 特に県市連携の大きな成果としましては,昨年7月24日にオープンしました全国初の県市合築によりますオーテピアの整備,また非常に観光が伸びておりますので,「志国高知 幕末維新博」の成功,大型外国客船の誘致などの観光振興は非常に成果が上がっております。また,2段階移住を核としました移住促進の分野でも,県と連携を密にしまして,一定の成果が上がってきております。 4期目におけますこの県市連携の成果の一つに,県下の33市町村全域,そして高知県と協定を結び,れんけいこうち広域都市圏が形成をしておりまして,本市は中心都市としてリーダーシップを発揮し,人口減少の克服,れんけいこうち広域都市圏の経済の活性化など,新たな一歩を踏み出すことができております。 4期目の中では,公約の中で掲げておりました道の駅構想や仁井田の産業団地の整備など,実施できなかったものも一部ございますが,おおむね事業の完了や事業着手に至っているものと考えております。 4期目の最後となっておりますことしですけれども,平成31年度の予算審議もお願いしておりますが,御承知のとおり,平成の時代が終わりを迎え,新たな時代の幕あけとなります。人口減少が非常に厳しい状況となっておりますので,待ったなしの対応が求められる状況にありますので,地方創生等につきまして,全庁的に一丸となって市政運営に当たってまいりたいと考えております。 なお,私自身の5期目の対応につきましては,支持者の皆様方や後援会の皆様と御相談申し上げ,その方向性を今後決めてまいりたいと考えております。 続きまして,国の動向も踏まえました平成31年度の一般会計予算の概要と編成について,めり張り等を踏まえた御質問にお答えを申し上げます。 平成31年度当初予算のテーマを次代へつなぐ共生と安心のまちづくり,このことをテーマといたしました。引き続き,
南海トラフ地震対策と少子化・高齢化に向けました地方創生の取り組みの強化,これを2本柱にして予算を編成しております。
南海トラフ地震対策では,ハード事業ではかなり事業量が進捗によって減少してきておりますが,ハード,ソフトを合わせますと
南海トラフ地震対策に143億4,000万円余りを計上しております。地方創生の取り組みでは,子育て支援策の事業量が増大をしておりますので,この部分で330億5,000万円余り,産業振興で42億2,000万円余り,れんけいこうち広域都市圏で2億4,000万円余り,移住・定住の促進で,一部重複もありますが,約8,000万円を計上しております。 予算編成に当たりましては,財政がかなり硬直化してまいりましたので,有利な財源の確保を前提としまして,国におけます国土強靱化のための3カ年の緊急対策を活用して,3月補正予算にも一部前倒しをしております。 また,県もそうですが,単独事業として実施ができるようになりました緊急自然災害防止対策事業債,これが補正予算から活用できるようになりましたので,積極的に活用しております。 また,緊急防災・減災事業債,これまで消防署所,また屯所等に活用しましたが,平成32年,2020年度まで延長されましたので,防災行政無線や消防ポンプの自動車整備などに活用しております。 また,公共施設の適正管理推進事業債につきましても,施設の長寿命化や適正管理を目指して事業債も積極的に活用しております。 投資的経費全般で見ますと,中須賀の土地区画整理事業,また下島町の都市再生住宅の整備,高知駅秦南町線の街路事業,また潮江市民図書館の耐震補強工事によるいわゆるコミュニティ施設の活用,また浦戸地区におきましては,浦戸地区に新たな避難路の整備,また旧浦戸小学校跡地に備蓄施設を整備するなどの予算を計上しております。 継続費としまして最終年度を迎えています新庁舎の建設事業や中央消防署の建設事業など,一定の進捗が見られますので,全体としましては予算が減少してきておりまして,対前年度当初で言いますと81億円余り減少しておりますが,それでも投資的事業等につきましては158億6,000万円余りの投資額ということになっております。 一方で,消費的経費につきましては,対前年度当初比で約23億円増となっておりまして,消費的な経費については1,321億3,000万円余りということになっております。 増額の主な要因としましては,
プレミアム付商品券の発行,また事務の軽減を図るための行政経営基幹業務システムの整備,またことしは選挙が5件ありますので,選挙などの物件費などがふえてきております。 また,幼児教育・保育の無償化がさらに進んでまいりますので,運営費の増加,また介護,訓練等給付増によりまして扶助費が4億5,000万円余りの増加ということになっております。 将来を見据えましためり張りをつけた部分としましては,投資事業を抑制しながら公債費を減額する方針となっておりますが,一方で住民の皆様方の非常に御要望が強い生活密着型の市道の改良や舗装,また河川の改修などにつきましては,対前年度当初比で約3,200万円増額をしているところでございます。 公共施設の修繕予算につきましては,これまで余り予算をつけることができておりませんでしたが,これからの長寿命化を見据えまして,対前年度当初比で5,700万円余りを増額しております。 また,次代へつなぐ共生と安心のまちづくりをテーマとしましたので,各地域に非常にふえてまいりました高齢者の支援,障害者の支援,子育て等の支援,こういう情報を一元化するためのシステムの構築を目指すということにしています。 また,生活保護を受給されておられます単身高齢者の見守りの施策,また胃がん検診等では胃カメラの内視鏡検査,この対象者を50歳以上の全ての方に拡大をしております。 以上,ソフト対策につきましても,めり張りのきいた予算編成に努めてきたところでございます。 また,将来の財政の健全化に向けた決意という御質問にお答えを申し上げます。 高知市は,本来的に言うと,法人税が非常に少ないということで,基礎的な財源が不足をしていますので,交付税や起債などに依存する割合が高いということで,国の制度改正,また好景気,不景気の景気の動向に非常に大きく影響を受ける構造となっております。 こうした背景のもとで,社会保障費を初めとする扶助費はさらに増加していることは確実でございますので,引き続き歳入の掘り起こしを行うなど自主財源の確保とともに,将来の公債費を抑制する財政構造を構築していく必要があると考えています。 今般お示しします
財政健全化プランにつきましては,2022年度までの5カ年で約117億円の収支不足が見込まれておりますので,それを解消する手だてとしまして,まず歳入の確保では,市税等の徴収率の向上や債権管理の徹底,クラウドファンディングの活用,ふるさと納税などの推進を行いたいと考えております。 また,使用料,手数料につきましては,一定の見直しをしたいと考えておりまして,遊休財産の売却なども考えていきたいと思っております。 歳出の削減につきましては,事務事業の見直しは相当進んできておりますので,事務事業のさらなる見直しとあわせまして,他会計への繰出金の見直し,また公共施設等適正管理推進事業債をさらに進めながら,長寿命化に努めながら管理的経費を抑え込んでいきたいと考えております。 また,長期にわたります起債の金利の見直しや償還期間の適正化なども平成31年度に改めて図るということにしております。 これらの取り組みによりまして5カ年の収支改善を図るとともに,実質公債費比率,将来負担比率,経常収支比率のうちの中で公債費分の比率などについて,高知市独自の目標値を設定いたしまして,今後の投資的な事業の平準化や先送りの判断にも,参考としてこれらの指標を使っていきたいと考えておりますので,毎年度ローリングをしていきたいと考えているところでございます。 続きまして,新食肉センターに関します御質問に順次お答えを申し上げます。 平成29年7月のいわゆる高知県
広域食肉センター事務組合議会での屠畜施設の廃止決議に示されました,まず競争力の強化策についてお答えを申し上げます。 平成28年2月に高知
県広域食肉センター事務組合が立ち上げました高知県広域
食肉センターあり方検討委員会からは,現センターを存続させる場合の施設の老朽化,また高度な衛生化への対応には,多額の費用負担が前提となる建てかえが必要となりますので,現在の枠組みによります一部事務組合と食肉公社による事業運営は廃止とし,食肉流通機能につきましては,出荷団体による運営と経営責任のもとで継続するという内容の答申を平成28年11月14日にいただいております。 この答申を受けまして,平成29年1月に,この一部事務組合を構成します各市町村の首長の総会を開催いたしまして,現食肉センター廃止の方向性,また県内の屠畜事業の競争力強化策などについて議論し,競争力の強化策では,四万十市への一本化も一つの選択肢であるということから,平成29年3月には私自身が四万十市長とお会いをして協議をしております。 また,平成29年5月には,四万十市を含む県内8市5町の食肉担当課のほか,高知県,全農こうち,中央食肉事業協同組合などの関係者にもお集まりをいただきまして,県内屠畜事業の競争力強化の勉強会を開催し,議論を重ねたところです。 並行して高知県でも動きがありまして,高知県におきましては,高知県の畜産業の振興のために中央部におけます食肉センターは必要不可欠な施設であり,県内に存続すべきだと,こういう立場で平成28年11月10日に高知県新食肉センター整備検討会が立ち上げられ,30年2月までに7回の検討会を開催し,新食肉センター整備の基本方針への意見を取りまとめられております。 御質問の平成29年7月3日開催の一部組合の臨時議会での廃止決議の文案の内容を見てみますと,現在議論されております県内屠畜事業の競争力強化策と記載をされておりますので,当時の一部事務組合での議論や整備検討会の検討内容などを踏まえた内容での決議という認識を持っております。 次に,実質的に行政丸抱えの新食肉センターではないかという御質問にお答えを申し上げます。 食肉センターの経営につきましては,屠畜事業単独での採算性は低く,部分肉の加工や卸売なども手がけ,屠畜以外の利益と合わせて屠畜事業の赤字を賄う形で運営している場合が全国的に多いと認識をしております。 今回の新食肉センターの運営を担う新会社につきましては,出荷団体であります高知県農業協同組合を中心とするJAグループが現在実施をしております豚肉や鳥肉の卸売などの事業も取り込みながら,加工や流通で得ました利益で屠畜事業に係ります赤字を賄うスキームとなっていることから,県内の民間資本による屠畜施設と同様の運営メリットが発揮される県外の民間施設による屠畜施設と同様の運営のメリットが発揮される形態であると考えます。 次に,施設整備につきましては,新会社が一括して整備を行いますが,その施設整備については,公衆衛生や安全・安心な食肉の提供といった,いわゆる公共的な観点から,屠畜情報に基づく公共性の高い屠畜事業を行う施設部分と,屠畜解体後に枝肉の競りや部分肉加工,卸売などの事業を行う施設部分とに区分され,屠畜施設については高知県と関係市町村で負担をするということになっております。 また,加工・流通施設につきましては,JAグループ等が負担するスキームとなっており,市町村からの負担金を含む県補助金については,新会社の会計上の処理としては,補助金を受けて固定資産を取得する際によく見受けられます,いわゆる圧縮記帳,会計上の事務のやり方ですが,圧縮記帳を行うという説明を県から受けております。 JAグループ等が負担します屠畜事業以外の加工・流通部分につきましては,昨年末の県からの説明では,負担の方法が親会社から新会社への貸し付けであるということが示されています。 貸し付けという手法が整備費への負担として適当かどうかという投げかけを高知県及びJAグループに対して行っておりましたが,両者からは,JAグループの貸付相当額を寄附金として新会社に支出した場合には多額の法人税が課税されることになるため,現行の資金調達スキームの中で貸し付けが最善の方法であるとの説明を受けております。 今回の新センターの整備については,畜産振興とともに,食肉の安全な供給を行う公共財であるという観点から事業が進められているものであり,行政と民間とで施設の役割に応じた負担を行い整備するものであり,運営については,高知県とJAとで出資,設立する新会社が効率的な経営に努めることにより屠畜事業で生じる赤字を補い,運営面においては負担を行政が行わないとされていますので,行政丸抱えだというふうには考えていないところでございます。 次に,高知県やJAとが整備を進めようとする新食肉センターの
イニシャルコストを高知市が負担する理由については,先ほどの一般事務組合におけます答申や廃止決議と矛盾するのではないかという御質問にお答えを申し上げます。 高知県広域
食肉センターあり方検討委員会から頂戴をいたしました今後のあり方に関する答申では,老朽化による施設の建てかえなど多額の財政負担が見込まれる一方で,現行の枠組みでの屠畜事業の継続は経営の改善が見通せないことから,市町村の財政負担での屠畜事業をこれ以上行うことはできないという判断のもとで,廃止すべきとの御意見をいただき,平成29年7月の廃止決議につきましてもこの答申を踏まえたものだと認識をしております。 また,この答申内容には,畜産振興と食肉流通の安定性にできる限り支障がないように対策を講じること。また,屠畜事業が現行の一部事務組合,食肉公社方式から,いわゆるプレーヤーをかえて屠畜から流通までを一貫して経営する立場の民間事業者があらわれることを期待するとの意見もあわせて付記されて表記されているところでございます。 この答申や廃止決議につきましては,現行におけます食肉センターのあり方についての方向性を示していただいたものであり,センター廃止後の県内屠畜事業の競争力強化策が行政や食肉事業関係者,畜産農家等の理解を踏まえながら進められていることを否定するものではないというふうに組合管理者としても考えておりますので,昨年12月の高知市議会での私の答弁につきましても,このことを前提といたしまして高知市長の立場として考え方を述べたものでございます。 次に,新食肉センターが県内屠畜事業の競争力の強化につながると考えているのかどうかという御質問にお答えを申し上げます。 今回,高知県は高知県内の2カ所で食肉センターの整備を行う計画を示しており,この計画では,県内における牛や豚の産地を考慮し,高知市に建設する食肉センターは牛がメーン,四万十市に建設する食肉センターは豚がメーンで屠畜を行うこととし,事業領域の違いにより共存共栄し,畜産振興を図ることとされています。 高知市に建設されます新食肉センターにつきましては,本県固有の肉用品種である土佐あかうしを中心に,県内外の肉用牛の屠畜を行うという計画であり,土佐あかうしにつきましては,国内の他の和牛種との差別化を進めております。 近年,うまみ成分にすぐれた土佐あかうしにつきましては,都市部からの引き合いも多く,現在,引き合いがあります流通側の需要であります800頭に対しまして,平成29年度の供給の実績は405頭ということになっておりまして,生産が需要に追いついていない状況にあり,高知県では新センターの整備と並行して,担い手の確保,また畜舎の整備を初め,土佐あかうしの増頭計画を具体的に定めています。 また,四万十市の新食肉センターは,整備検討委員会を立ち上げて検討を進めており,昨年12月に取りまとめた基本計画案では,屠畜場と部分肉加工場が一体化した衛生管理が徹底できる施設として,運営主体は第三セクターの株式会社が担い,畜産業と食肉加工業の6次産業化を目指しておりまして,県内産の豚を新センターで一手に処理することが県内産の豚肉の付加価値の向上に寄与することを目指しております。 また一方で,食肉衛生法の一部を改正する法律が公布され,今後数年以内にこの内容が施行される予定であります。 施行されますと,この際にはHACCP対応が義務化をされるということになりますので,牛と豚の屠畜を行う場合には2つのラインを完全に分離をして整備をする必要に迫られ,整備費や整備後の人件費等が割高になる可能性があります。 以上のことから,今回の県内2カ所における食肉センターの整備については,それぞれの産地の状況を踏まえ,事業領域を区分して高知県産業振興計画にも基づいた事業であることから,県内屠畜事業の競争力強化につながる計画だと認識をしております。 続きまして,子ども・子育て支援に関連します一連の御質問にお答えを申し上げます。 子ども・子育ての支援の新制度につきましては,非常に複雑でございますので,平成26年にこども未来部を立ち上げまして準備に万全を期したところでございます。 平成18年ごろに制度化されました,例えば認定こども園につきましては,当時なかなか普及が進まない状況にございました。この新しい制度に乗りました認定こども園の状況を見ますと,今年度までに私学助成を受けております幼稚園の14園につきましては,新制度におけます認定こども園に14園が移行しております。 また,認可外保育施設につきましては,平成23年度からの支援事業による移行準備の結果,認定外保育施設のうち7園が認定こども園となっております。 合わせまして,今年度当初で認定こども園は21園となっておりまして,5歳児までの子供が2,614人在籍をしております。 また,課題であります3歳未満児が対象の地域型の保育事業では,小規模保育事業を中心に普及が進み,今年度当初では地域型の保育事業は14事業所,128人が在籍をしております。このように,量の確保につきましては,新制度によります効果が発揮されていると考えます。 また,課題である1歳児,2歳児の施設利用率を見ますと,平成26年度,1歳児,2歳児の利用率は54.7%でしたけれども,今年度当初はこれが72.9%,5年間で18.2ポイント利用率が上がっておりますので,仮にこの新システムがなければ受け入れが困難であったという認識を持っております。 次に,教育,保育の質の向上につきましては,例えば民間職員の処遇改善が進められておりまして,平成24年と平成30年の賃金を比較してみますと,賃金の改善率が12%改善されておりまして,技能,経験による月額4万円の処遇改善加算が措置されております。 ただ,この対象となる職員については,特定の職員に限るということに一方なっておりますので,こういう課題が残っておりますが,処遇改善は一定進んできていると考えております。 教育,保育の質の向上には,その職員の改善,給与以外に職員の配置基準,また職員の働き方改革など,まだまだ多くの課題が残っておりますので,また積極的に国に対しては意見を申し上げていきたいと考えているところでございます。 今後とも,子供と家庭,そして教育,保育の現場を第一に円滑な対応を進めてまいりたいと考えています。 今回の幼児教育・保育の無償化に対します政府の対応についての御質問についてお答えを申し上げます。 国におきましても,平成26年度から段階的に無償化を実施してきておりますが,高知市では国にさらに先行して,同時入所の場合の第2子の無償化など,積極的に政策を進めてまいってきたところでもございます。 今回,国は平成29年12月に新しい経済政策パッケージ,また平成30年の経済財政運営と改革の基本方針2018で閣議決定を行いましたが,この決定については地方への十分な説明がないままに制度設計を行ったために,国と地方の関係で混乱が生じました。 閣議決定後,直ちに国と地方の協議の開催を全国市長会とも強く求め,その開催された場で国に対して,まず財源の確保などを強く訴えまして,かなり紛糾しましたが,国においても,初年度の地方負担については国が全額で確保すること,また後年度の地方負担につきましても,交付税の中の基準財政需要額に全額を算入して,地方分としては交付税で全額を賄うということで決着がついたところでございます。 幼児教育・保育の無償化については,子ども・子育て支援法の法改正が現在の通常国会でまだ議論されております。法案が通らないと制度設計はおりてきませんので,まだ具体はわからないところはありますが,今後の細かい制度設計にも十分注視をしながら,今後とも国に対して意見を申し上げていきます。 また,これまでの保育のあり方,また今後の保育園のあり方についての御質問にお答えを申し上げます。 平成10年にすこやか安心エンゼルプラン,こういう計画を立て,平成17年にすくすくとさっこ21という計画を立て,平成27年3月に子ども・子育て支援事業計画へとつないできておりまして,現在の子ども・子育て支援事業計画につきましては,2019年度が最終年度となっておりますので,2020年度から2024年度までが次期の第2期の計画になりますので,現在ニーズ調査を行いまして結果を分析しているところでございます。 就学前の児童全体の人口は減少してきておりますが,やっぱり地域差がありまして,例えば保育ニーズにつきましては,北部地域,西部地域でニーズが増加をし,沿岸部ではニーズが減少しているという地域的な偏在が進んでまいりました。 また,待機児童に対応できる定員の拡大が必要な施設がある一方で,定員割れをしている施設もありますので,このことが課題だと認識をしております。 高知市の2020年度から始まります第2期計画の策定に当たりましては,人口推計データ,また子供さんと家庭,保育・教育現場の視点を持ち,短期的には待機児童解消,また長期的には少子化におけます地域の教育,保育の安定性と継続性,こういう視点を持ちながら計画を具体的に検討してまいりたいと考えております。 続きまして,子供さんをめぐります人権侵害,特に親権者の懲戒権についての御質問にお答えを申し上げます。 御指摘のように,平成23年の民法改正におきまして,民法第820条に子の利益のためにという文言が書き加えられまして,この第820条を第822条が準用しておりますので,親権者の懲戒権の行使は子の利益のためになされる監護,いわゆる監督の監護ですが,監護及び教育に必要な範囲内に限られることが明示をされています。 この改正につきましては,一定前進したとは考えられますが,法律上は,子の監護及び教育に必要な範囲内であれば体罰の使用を認めるとも読み込めるということにもなります。 体罰の定義につきましては,子供さんに対します児童福祉の観点から,やっぱり体罰は望ましいものではないと考えております。虐待をした多くの親の方々のいわゆる釈明については,しつけのつもりだったという釈明が一番多いということでございますが,親権者の懲戒権が児童虐待を正当化する根拠として使われることは決してあってはならないことだと考えております。 しつけと称する体罰が子供さんの健やかな成長を妨げているばかりか,子供さんの心身の発達にも非常に大きな影響を及ぼしているということから,全ての子供さんが健やかに成長できるまちづくりをさらに進めていきたいと考えております。 政府におきましても,現在議論されておりますが,この通常国会におきまして児童福祉法の改正を今国会に提案する準備をしているということがありますので,今後とも懲戒権のあり方については我々も注視をしてまいりたいと考えます。 続きまして,虐待の関係で,二度と高知市から虐待死を出さないという決意についての御質問にお答えを申し上げます。 高知市におきましては,平成27年6月,先ほど御指摘のありましたような非常に痛ましい事件がございました。現在,こういうリスクについての取りこぼしがないようにということで,関係部局で月1回の連絡会を行っております。 現在,全ての子供さん,家庭,妊産婦に対して在宅支援の業務全般につきまして支援策を今後とも強化していこうということになっておりまして,子ども家庭総合支援拠点としての体制整備に向けた準備を進めています。 高知市の子供さんは,大人の責任で守っていくというのは,我々大人の非常に重要な責任でございますので,虐待のない社会づくりに向けてさらに全庁的に進んでまいりたいと考えております。 続きまして,人権尊重のまちづくり条例につきまして,お答えを申し上げます。 先ほど2件の人権侵害に対します,判決の内容が御紹介されました。いずれも名誉毀損罪や侮辱罪で裁判所が改めて判断を下したということでございまして,やはりそれぞれの差別を禁じました3法,このことに対します運用が裁判所でも具体的になされ始めたものと考えております。 インターネット上の手軽さ,また匿名性を悪用しました中傷やさまざまな差別の事象,また特定の個人のプライバシーに関します無断の掲載など,さまざまな課題が非常に多くありますので,今回の判決は,このヘイトスピーチなどは許されないということを明確に出したものと考えております。 司法が厳格な姿勢を示すとともに,行政として啓発や相談体制の充実を図っていくことが,市民の皆様方一人一人の人権に対する意識を高め,ヘイトスピーチを初めとする理不尽な差別を受けることがなく,誰もが安心して暮らせる社会にこの条例がつながっていくことを期待しているところでございます。 司法が厳格な姿勢を示しましたので,今後とも我々もこの判例をよく分析をしながら,また条例の運営についての議論を深めていきたいと思いますので,今般の3月議会の議論を十分に我々も踏まえてまいりたいと考えております。 この条例提案に至りました市長としての思いということでございますが,御質問の中でも紹介されておられました,近年人権を取り巻く環境が非常に変化をしてきておりますので,例えば性的マイノリティーの方々への差別,また外国人への差別,またインターネットを利用した誹謗中傷の数々など,非常に多くの課題があると考えております。 平成28年に3つの法律が制定をされましたので,高知市におきましてもさまざまなこういう不当な差別や偏見を解消しまして,人権に関するさまざまな市民の啓発もさらに広めていきたいという思いでこの条例案を策定し,本議会にお諮りをしたものでございます。 本条例案では,高知市におけます基本理念を定め,市の責務,市民,事業者の皆様方の役割を明らかにするとともに,人権を尊重する意識の高揚や差別解消に向けた人権施策の効果的な推進に向けて,基本計画を策定することや審議会を設置することなどを規定しております。 条例の制定を契機といたしまして,一人一人がかけがえのない存在であるということを改めて認識をしていただいて,人権が尊重される社会の実現に取り組んでまいりたいと思います。 最後になりますが,同姓のパートナーシップ制度の導入についての御質問にお答えを申し上げます。 御紹介がありましたとおり,同性カップルの場合には,さまざまな事務手続ができないということが課題になっております。渋谷の事例は有名でございますが,現時点で12自治体が制度化し,これまで約350組がこの制度を利用されたというふうに聞いております。 ただ,御紹介もありましたように,申請すること自体がカミングアウトに当然つながるということになりますので,ハードルが高いという当事者の方々の意見もあります。また,法的拘束力がありませんので,まだまだ限界があるというのが認識でございます。 高知市としまして,現在直ちにパートナーシップ制度を導入するということは現時点では考えておりませんが,LGBTの方々の人権課題の解消につきましては重要な課題でありますので,来年度から高知市人権教育・啓発推進基本計画の見直し作業に来年度入りますので,この中で市の職員の方々にもアンケートをとっておりますので,それを踏まえながらLGBTの人権課題の解消に向けた幅広い手だてを具体的に検討してまいりたいと考えております。 その他の御質問につきましては,副市長及び担当部局長等からお答えを申し上げます。
○議長(高木妙君) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡章君) 私のほうからは,各種申請書における性別欄の記載についての御質問にお答えを申し上げます。 平成15年に,性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が施行され,本市におきましては平成17年度に,中央窓口センターにおいて申請書等の性別欄について,法令等の規定がなく,本市の判断で削除の決定が可能であり,かつ事務処理に著しい支障を及ぼさないものを対象に見直しを検討し,印鑑登録関係書類から性別の記載を削除した経過があります。 県下では昨年度,香南市において性別欄の必要性を検討されたとお聞きしておりますし,全国的にも性的少数者の方々の人権を擁護する観点から,申請書類における性別欄の見直しを初め,性的少数者の方々をサポートするための行政のガイドラインや対応指針を作成するなどの取り組みが広がっております。 近年では,オリンピック憲章において,撤廃すべき差別の中に性的指向が盛り込まれ,2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおいては,多様性と調和を基本コンセプトに共生社会を育む契機とすることが決定されるなど,LGBTの権利保護は全世界の共通認識とされており,本市といたしましても今後の人権行政における重要な課題であることから,取り組みの強化が必要だと認識をしているところでございます。 そのため,本年度は各部局から推薦された職員で構成する高知市男女共同参画推進本部部局推進員会において,性の多様性について知る,学ぶ,考えるをテーマに,性の多様性について学ぶことにより,性的少数者の方々に対する理解を深め,庁内での意識啓発を図るとともに,行政としての課題を発見することを目的とした活動を行いました。 その研究成果につきましては,先日本部会議で報告を受けたばかりですが,社会的な理解がまだまだ深まっておらず,国や自治体等行政の取り組みも始まったばかりの現状において,当事者の方々が社会生活のさまざまな場面で困難や悩み,生きづらさを抱え暮らしておられることを改めて感じたところでございます。 また,報告の中では,推進員の皆さんから具体的な取り組みの提案もいただきましたので,今後は行政として取り組むべき事項を整理した上で,本市としての方針を取りまとめ,具体的な施策の検討を進めてまいりたいと考えており,御指摘をいただきました性別欄の見直しにつきましても,全庁的な取り組みを検討してまいりたいと考えております。
○議長(高木妙君) 大野総務部長。
◎総務部長(大野正貴君) 人権研修について御質問いただきましたので,お答えをいたします。 本市の職員研修では,高知市人権教育・啓発推進基本計画に基づきまして,所属長を人権研修推進員として位置づけ,全ての職員を対象に理解と認識を深めることを目指しております。 特に,平成30年度の研修におきましては,高知県人権啓発センターから講師をお招きし,部落差別の解消の推進に関する法律の制定に至るまでの経過と同和問題に関する専門的な見地からの御講義をいただきまして,受講した所属長からは,問題点が整理をされており,認識を新たにしたとの意見や,非常にわかりやすかったとの感想が寄せられており,効果を実感しているところでございます。 また,この研修を受講した後に,各所属長が職場人権研修を実施しておりますが,臨時職員も含め3,695名が参加しており,全般的に同和問題を研修テーマに設定して参加者同士の意見交換を行うなどし,認識を深めたところでございます。 言うまでもなく,行政のあらゆる施策の根底には人権尊重の理念が必要でございまして,お互いが相手のことを思いやり,大切にするという姿勢を持つことが重要でありますので,研修の機会を通じて気づきを与え,業務を遂行する中で人権意識を高めていくための取り組みとして,今後も専門機関の協力もいただきながら,こうした職員研修を継続的に行っていくことで理解を深めてまいりたいと考えております。
○議長(高木妙君) 橋本財務部長。
◎財務部長(橋本和明君) 今回の財政危機の要因について御質問いただきましたので,お答えをいたします。 平成16年度に95.8%まで上昇しておりました経常収支比率は,財政健全化の取り組みによりまして平成22年度には90.0%にまで減少しましたが,近年少子・高齢化等に伴います扶助費や補助費,繰出金が増加により,再び上昇し,平成29年度には96.3%となるなど,再び財政構造の硬直化が進んでいる状況となっております。 この経常収支比率の上昇により,投資的経費に充当できる一般財源が少なくなり,起債の発行や基金の取り崩しに頼らざるを得ない状況が続きます中,近年は喫緊の課題であります
南海トラフ地震対策としてのハード整備に集中的に取り組んできました結果,再び起債残高や公債費負担が増加をするとともに,基金の残高も減少しているという状況になっております。 また,収入面におきまして,本市は基幹産業にも乏しく,地価も低い状況でありまして,基礎的な税収が少ないという税財政基盤の中,近年市税は伸び悩みますとともに,国の方針で地方一般財源の総額が据え置かれているということもありまして,扶助費の伸びほどに地方財政計画の総額も伸びず,結果として本市の地方交付税が目減りをしているというふうな状況がございます。 今回の財政危機の要因としましては,これらが複合的に重なり,影響しているということで,分析をしているところでございます。
○議長(高木妙君) 谷脇市民協働部長。
◎市民協働部長(谷脇禎哉君) 高知市人権尊重のまちづくり条例の制定議案に関しまして,実態調査や相談,支援体制についての御質問をいただきましたので,お答えいたします。 不当な差別や偏見をなくしていくための取り組みを進める上で,その背景や実態を知ることは大変重要になってくると考えております。 そのため,本条例案におきましては,第8条第2項で,市長は,差別を解消するために,必要に応じて調査を行い,指導及び助言を行うことができると規定し,差別や人権侵害が疑われる事案につきまして,必要に応じて調査を行い,対応を講じることとしているところでございます。 一方,それぞれの人権課題におきましては,それぞれ異なった実情があり,表面にあらわれてこないような差別や偏見の実態,本当のありさまを明らかにできるような調査方法があるのかなど,調査の実施にはさまざまな課題もございます。 したがいまして,御質問の実態調査につきましては,今後の国の取り組みや先進都市における事例も参考にさせていただきながら,具体的な検討を行ってまいりたいと考えております。 なお,平成31年度には市民を対象とした人権意識調査の実施を予定しており,その調査結果や,本条例に基づく審議会での御意見も踏まえながら,人権施策に関する基本的計画を策定し,具体的施策の展開を図ってまいりたいと考えております。 また,人権侵害が疑われる事案や差別事象が起こった場合等の救済措置につきましては,これまでも法務局や県などの関係行政機関と連携し,事実関係の調査や当事者,関係者に対する援助等必要な措置を講じてまいりました。 今後におきましても,本条例に基づき,救済の入り口となる相談体制の充実はもちろんのこと,その後の当事者,関係者の方の支援を行うフォロー体制についても充実を図り,人権侵害による被害の予防と回復に向けた的確,適切な対応に努めてまいりたいと,このように考えております。
○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君)
地域包括支援センターの再編強化の御質問に順次お答えをいたします。 センターの運営体制は,国の基準によりまして,高齢者人口6,000人当たりに保健師,社会福祉士,主任介護支援専門員の3職種1名ずつを配置することとされており,さらに高齢者人口が約2,000人ふえるごとにいずれかの職種を1名増員することとなっておりますので,この考え方に基づき体制を確保してまいります。 次に,事業者の選定に当たりましては,実施する業務内容等を示した募集要領を策定した上で,新年度に入りましたら早い段階で公募型のプロポーザル方式により行うこととしており,7月末をめどに新たな事業者を選定して,8月以降に業務マニュアル等の研修,半年程度の引き継ぎ期間を経て,来年2月にそれぞれの地域でのセンター運営を開始する予定としております。 次に,
地域包括支援センターの運営費用や財源の質問にお答えをいたします。 1カ所当たりの
地域包括支援センターの配置基準は,先ほど申しましたように3名であり,標準的な体制の場合,運営委託費は1カ所当たり人件費,事務費を合わせまして3名で年間1,800万円を見込んでおります。高齢者人口が2,000人ふえますと,4名体制あるいは5名体制といった委託先もありますので,センターの本格稼働後の運営委託費は12カ所の委託事業所で約2億7,600万円程度が必要と考えています。 一方で,直営で運営する基幹包括支援センター等の業務もありますので,全体では年間約6億円余りが必要となると考えています。 財源としては,介護保険法の地域支援事業の交付金を活用して,負担割合は国が38.5%,都道府県が19.25%,市町村が19.25%,65歳以上の1号被保険者の方の保険料が23%充当されます。 次に,センターの業務再編強化の狙いについての御質問でございますが,現在
地域高齢者支援センターでは,介護予防支援ケアマネジメント,総合相談,権利擁護,高齢者虐待対応などの業務を行っております。 高齢者人口の増加に伴い,現在のセンターでは年々増加するさまざまな相談や多岐にわたる業務に適切に対応できない状況も生じてきているところです。 一方で,市内には14カ所の出張所がありますが,地域支援事業の要綱によりまして,業務内容が初期の相談と地域の介護予防活動支援業務に限定をされておりますので,センターを増設し,より高齢者の皆さんに身近な地域で幅広く業務に対応できるように見直しを図ることとしたものです。 国では,これからの超高齢化社会を迎えるに当たり,介護予防や健康づくりを一体的に実施すること,高齢者の皆さんを含めてそれぞれの支え合いの仕組みをつくっていくということを推進することを目指しています。 今回の再編強化で関係者の皆さんが集いやすく,協議しやすい生活圏域に設定をすることで,地域課題の一層の掘り起こしと早期解決に向けた課題解決が図られるものと考えているところです。 次に,出張所職員の今後の処遇に関する御質問にお答えをいたします。 今回の見直しに当たりましては,それぞれの出張所を運営する法人を訪問して何度か意見交換を行ってまいりました。 その際には,現在在籍をしている職員の処遇についても意見交換を行っていますが,意見の中では,現在の地域とのつながりを継続していきたいといった御意見や,これまでの経験を生かして法人内での配置転換を考えたいなどの御意見をいただいております。
地域包括支援センターの業務の委託に当たっては,それぞれの出張所の法人の方針によりまして,応募しないことも考えられますが,新たな
地域包括支援センターの受託者とならない場合であっても,出張所で経験した業務がそれぞれの医療法人や社会福祉法人が行います医療・介護の連携や地域共生社会の実現に向けた取り組みの中で大きく寄与するものではないかと考えておりますので,どのような法人においても必要とされる人材として,これまでの経験を生かし,力が発揮できる部署への配置をお願いしてまいりたいと考えています。 次に,職員の必要な資格についての御質問ですが,先ほど申し上げましたように,保健師,社会福祉士,主任介護支援専門員の有資格者が必要となっておりますが,それぞれ規定によりまして,どうしても確保できない場合には,それに準ずるものの確保で構わないというふうになっておりますので,そうした職員の配置についても柔軟に対応してまいりたいと考えています。 最後に,センター再編に伴う混乱や対処の方法についての御質問でございます。 センターの再編は,基本的には一斉に実施をすることが望ましいと考えておりますが,それぞれ適切に地域とのかかわりを持ちながら業務を遂行していくためにも,2年間に分けて再編することが望ましいと判断をしたところでございます。 移行期間中は,東部・北部圏域と西部・南部圏域で体制が異なる状況となるため,御指摘のとおり,市民の皆さんや利用者の皆さんに混乱が生じる可能性があることは理解をしております。 現在,現センターの出張所の相談の多くが関係機関からの相談になっておりますことから,新たに受託をする法人が決定をした際には居宅介護支援事業所や医療機関,民生委員,児童委員の皆様など関係機関への事前の説明会を開催するなど,周知を徹底してまいります。 また,あかるいまち等の広報紙への掲載や市民の皆様への出前講座等によりましても周知を図ることとしております。 またあわせて,今回のセンター再編に当たりましては,高齢者に限らず,包括的な相談にも対応することを目指しておりますので,移行期間中に市民の皆様から寄せられました相談については適切に関係部署につなぎ,市民の皆さん,相談者の皆さんに混乱や御迷惑をおかけしないように取り組んでまいります。
○議長(高木妙君) 山川
こども未来部長。
◎
こども未来部長(山川瑞代君) 待機児童対策に関しまして,国に提出している子育て安心プラン実施計画についてお答えいたします。 本計画は,平成30年度からの3カ年を実施期間として,施設改修等に伴う定員拡大による待機児童の解消を見込んでいるものでございます。 この計画について国の採択を受けることで,施設整備事業における国庫補助率のかさ上げを受け,厳しい財政状況の中,有利な財源を確保した上で待機児童対策を推進しているところでございます。 平成31年4月1日時点の待機児童数を,ゼロ歳児8名,1,2歳児24名,3歳以上児0名と推計し,2020年4月1日以降にこれが解消されると見込んでおりますが,平成31年度の保育施設入所申し込みに係る2次募集の結果がまだ出ておりませんので,現時点では待機児童の状況は不明ですが,定員の空き状況を公表するなどし,保護者への入所案内に努めているところでございます。 また,今回の無償化の対象が主に3歳以上児であることや,現時点で1,2歳児のおよそ7割が既に保育所等の施設を利用していること,既に同時入所第2子以降を無償化していることなどから,今回の無償化による待機児童への大きな影響はないものと考えています。 次に,児童虐待に関してお答えいたします。 平成29年度に高知県内の2カ所の児童相談所が虐待認定した対応件数は326件と報告されており,中央児童相談所が対応した高知市の虐待件数は179件となっています。 また,これとは別に平成29年度に高知市子ども家庭支援センターが虐待認定し,対応した件数は151件です。 虐待により子供の生命や安全が脅かされていると判断されるケースについては,児童福祉法の規定により,児童相談所に送致の手続をとることとしており,送致を受けた児童相談所が子供の一時保護や施設入所の措置をとるなどし,子供の安全を確保しています。 子ども家庭支援センターでは,本年1月に発生した千葉県野田市の虐待死亡事案を受けて,本市で継続支援中の全ての虐待ケースについて,緊急の安全確認を行っています。 対象となる子供への面接や所属機関への聞き取り調査等を行い,子供の状況把握を行うとともに,必要に応じて支援方針や各機関の役割分担などの見直しを行うなどしています。 本市におきましては,子供にかかわる全ての関係機関が子供の生命と安全を守ることを最優先に置きながら,子供や保護者に寄り添う共通認識を持って業務に取り組むことで児童虐待の防止につなげてまいります。
○議長(高木妙君) 山本教育長。
◎教育長(山本正篤君) 教育行政に関する御質問をいただきましたので,順次お答えをいたします。 まず,いじめの現状に関しての御質問でございますが,いじめを原因として子供たちのとうとい命が失われているという厳しい現実につきましては,教育委員会といたしましても非常に心を痛めているところでございます。 また,昨今の社会情勢を踏まえると,もはや学校教育だけでは対応が困難な状況であり,家庭,地域,関係機関との連携体制の強化とそれぞれの役割の明確化が喫緊の課題であると認識をしております。 本市のいじめへの取り組みといたしましては,いじめはどの子にもどの学校でも起こり得るとの認識のもと,各学校にはいじめの積極的認知の徹底を指示しており,現在認知件数が増加している状況にございます。 これは国からの通知でも,いじめを初期段階のものも含めて積極的に認知し,その解消に向けた取り組みのスタートラインに立っていると肯定的に評価しておりますので,今後この取り組みをより強固なものにしていく必要があると考えております。 また,教育委員会では,生徒指導スーパーバイザー6名を配置し,各校の定期訪問に加え,学校からの要請に応じて児童・生徒指導委員会等に出席し,いじめ等に対して具体的な対応方法についても助言を行っており,いじめについて初期段階での対応に至ったケースや,少年補導センターの自立支援教室などに早期につながったケースもございます。 さらに,平成30年度から新たに教育委員会内に心の教育アドバイザーとして臨床心理士1名を配置し,特に心理面からの見立てに基づき,福祉や医療機関等につなぎ,助言を行っているところでございます。 また,虐待や不登校支援,人間関係の改善など多岐にわたって対応するスクールカウンセラー24名を全60校に,学校カウンセラー16名を50校に配置しておりまして,その相談人数及び相談件数は年々増加しております。 多様化,複雑化する社会情勢の中,かけがえのない存在である児童・生徒の人権が守られ,子供たち一人一人が個性を輝かせ,居場所を感じられる社会の実現に向け,今後も関係機関との連携を図りながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に,学校業務支援員,部活動指導員の具体的な配置方法と見込まれる効果について御質問がございました。 教員業務支援員は,平成29年度から学校現場における業務改善加速事業において,当初のモデル校であった中学校3校に1名ずつ配置いたしました。 本年度は,そのモデル校を当該中学校区の小学校に拡大して10校を指定し,1名ずつ配置をいたしました。 来年度はさらに16名に拡充し,その配置につきましては,より効果的な配置ができるよう,人事異動の状況などを考慮しながら総合的に判断してまいりたいと考えております。 また,部活動指導員につきましては,本年度はモデル校1校に3名を配置しておりましたけれども,来年度は10名に増員し,その配置につきましては,学校からの希望に基づき配置を決定したいと考えております。 いずれの支援員,指導員も配置の趣旨を十分に踏まえた活用をし,教員の業務を支援することで関係教職員の業務量の軽減を目的としており,印刷,文書配付等の業務の軽減で大変効果を上げているとモデル校から報告を受けており,業務改善のための即効性があるとモデル校からは評価をされております。 業務量が削減されることで教職員の勤務時間の短縮はもとより,教職員が子供たちに向き合う時間をこれまで以上に確保でき,これにより教育の質の向上につながるものと期待をしております。
○議長(高木妙君)
竹内千賀子議員。 〔竹内千賀子君登壇〕
◆(竹内千賀子君) お昼も過ぎまして申しわけありません。それぞれに御答弁をありがとうございました。2問は行いませんけれども,本日が私の最後の質問となりますので,思いとお礼とを述べさせていただきたいと思います。 私は常々,私たちの先人が厳しい差別と迫害の中,人の世の熱と光を求めて,この際我々のうちより人間を尊敬することによってみずから解放せんとする者の集団運動を起こせるはむしろ必然であると,1922年3月3日に創立した水平社の精神,歴史,そしてこれまでの先輩たちの血のにじむような苦労を決して忘れることなく,社会的に弱い立場に置かれている人たちの生存権を守るということを信条に日々の活動をしてまいりました。けれども,決して十分なものではなく,今もって反省することしばしばでございます。 また,被差別の立場から,議員質問におきましても,就職や結婚時に悪用された部落地名総鑑や戸籍などの不正取得事件など,繰り返し被差別部落出身者への身元調査事件が発生してきたこと,さらには鳥取ループ・示現社による全国部落調査復刻版がインターネット上で今もって垂れ流され続けている現状を訴え続けてまいりました。 鳥取ループ・示現社との裁判は継続中でございますが,必ず彼らの人間の尊厳を冒涜する行為が裁かれる日が来ると信じています。 今議会で高知市人権尊重のまちづくり条例議案が提案されましたことは,私たちが切望していたことでもあり,高く評価をいたしております。 よもや反対される方はいないと思います。この議案が承認され,絵に描いた餅ではなく,全ての人の人権が尊重される社会を実現する実効ある条例となることを願ってやみません。 今議会でも,総合計画に基づき,南海地震対策,地方創生の取り組み強化を柱に59件の議案が提出されていますが,全ての政策の根幹には人権があるということを忘れることなく,市民の生活を守るために励んでほしいと願います。 3期12年間,岡崎市長を初め執行部の皆様並びに職員の皆様,市民クラブを初め議員の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。4月の選挙の御健闘を祈念いたしております。 そして何よりも,この間私を支えていただきました多くの皆様に心から感謝を申し上げて,私の最後の質問といたします。ありがとうございました。
○議長(高木妙君) この際暫時休憩いたします。 午後0時14分休憩
~~~~~~~~~~~~~~~~ 午後1時0分再開
○副議長(清水おさむ君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 和田勝美議員。 〔和田勝美君登壇〕
◆(和田勝美君) 新風クラブの和田勝美でございます。第468回定例議会において,会派を代表しまして質問をいたします。 質問に入ります前に,先日御逝去されました我が会派の水口晴雄議員でありますが,先輩議員として御指導をいただいたのに,残念でなりません。 平成7年5月に高知市議会議員となり,今議会まで連続6期務めるとともに,平成22年には第108代
高知市議会議長となり,柔軟な議会運営に努められました。在職中は,市民の皆様,市長を初め職員の皆様,同僚議員の皆様には大変お世話になりました。故人に成りかわりまして私からお礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。 それでは,質問に入りたいと思います。 市長の政治姿勢として,今後のまちづくりのあり方について,お伺いをいたします。 平成30年度も,早いもので,残すところわずかとなりました。本年5月には平成の時代が幕を閉じ,新たな時代が始まります。平成の30年間を振り返りますと,社会の体制や価値観が世界的に大きく変わった激動の30年であったと思います。 世界に目を向けると,ベルリンの壁が崩壊し,冷戦が終結する一方,湾岸戦争やアメリカ同時多発テロ事件に端を発するイラク戦争など,各地で紛争が絶えず,国内に目を転じましても,山一證券など大手金融機関の経営破綻やリーマン・ショック,そして地下鉄サリン事件のような我が国の経済,社会を揺るがす大事件が起き,また阪神大震災,東日本大震災,熊本地震等の大きな自然災害にも見舞われました。 そして,高知市では,市制100周年と同時に平成の時代をスタートし,横山市長から松尾市長,そして岡崎市長へと引き継がれる中で,平成10年には中核市移行に伴い,市としての権能を拡大するとともに,平成17年に鏡村,土佐山村,20年には春野町と合併し,中山間地域,田園都市,都市部がバランスよく調和した県都高知市が形成されました。 さらに,昨年4月には,本市が中心となり県内34市町村が連携協約を締結し,れんけいこうち広域都市圏を形成することで,県全体の牽引役としての新たな一歩を踏み出したところです。 平成15年11月から市政を担われた岡崎市長は,この間の時代背景を受け,南海地震に備えた防災対策,
雇用対策や産業の活性化,社会福祉の充実,教育,文化の振興,行財政改革の推進など,市民の暮らしに視点を置いたにぎわいと暮らし,安全,安心のまちづくりを力強く進めてこられました。 この間の岡崎市長の堅実な行政手腕によるさまざまな功績はすばらしいものであると考えますが,ことし迎える新しい時代は,にぎわいと安心に加えて,市民の一人一人が夢と希望を持って暮すことができる高知市にしていただきたいと考えております。 新たな時代の幕あけを迎えるに当たり,今後の高知市のまちづくりをどのように進められるお考えなのか,市長にお伺いをします。 次に,高知市総合計画について,お伺いします。 総合計画は,まちづくりの理念や将来の都市像,施策の大綱に基づく政策,施策を定めたもので,行政の進むべき未来の方向性を示す羅針盤とも言える最上位計画であり,都市発展の方向と将来ビジョンを示す長期的な計画である基本構想,基本構想実現の方策を示す中期的な計画である基本計画,基本計画達成の方策を示す短期的な計画である実施計画で構成されております。 平成23年に策定された2011高知市総合計画では,その基本構想の中で,森・里・海と人の環,自由と創造の共生都市高知を将来の都市像と定め,明るさとにぎわいに満ちた,元気あふれる高知市を築くとの長期ビジョンが示されております。 その後,策定以降の社会経済情勢の変化や国の制度改正に適切に対応していくために,計画期間を10年と定めた基本計画の折り返しとなる平成28年度に,高知市強靱化計画を踏まえた見直しや,高知市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略との整合を図ることを主な内容とする基本計画を中心とする見直しが行われました。 平成28年度の見直し以降,この間我が国を含め世界を取り巻く状況は加速度的に変化のスピードを増してきているところです。 このような社会情勢の変化に対応していくことは必要不可欠であることは言うまでもありませんが,都市の進むべき方向性や目指すべき都市像など,本市のまちづくりの方針の根幹部分については,まちづくりの継続性の観点からも,時代の大きな変化の中においても,一定どっしりと構え,貫いていくことも必要であると考えます。 そこで,お伺いいたしますが,次の総合計画の策定の考え方,また社会情勢を踏まえた本市の重点課題をどのように捉え,この中に盛り込んでいくのか,策定スケジュールも含め,市長のお考えをお伺いします。 続いて,人口減少問題についてお伺いします。 本市のことし1月1日現在の推計人口は33万1,064人と,1年前の33万3,178人と比較して2,109人減少しております。この内訳を見ますと,死亡による自然減が689人,転出による社会減が1,420人となっており,自然動態,社会動態の両面で本市の人口が減少していることがわかります。 平成25年と平成30年までの過去5年間の人口動態の状況を見ますと,出生数は420人減少する反面,死亡数は242人増加しており,自然減が拡大する傾向が見受けられます。 一方,社会動態については,20から24歳の年代の転出超過に歯どめがかかっておらず,拡大している状況であり,若い世代を中心とする転出超過の抑制と,出生数の増加が大きな課題であることがわかります。 本市では,平成27年度に人口の将来展望と2060年の人口目標28万人を示した高知市まち・ひと・しごと創生人口ビジョンと,その実現に向けた5カ年戦略である高知市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定されております。 現行の総合戦略は,平成31年度が計画最終年度となっておりますが,次の総合戦略では,人口減少に改善が見られない現状の人口動態をしっかりと分析した上で,実効性のある施策展開が求められると考えます。 そこで,現状の本市の人口動態の状況をどう受けとめておられるのか,また,その実態を踏まえた次の総合戦略の策定に向けた市長のお考えを,お伺いします。 次に,財政課題について伺います。 現在,国会で審議中の新年度予算案で税収見積もりなどの基礎となる平成31年度の経済見通しも公表されています。それによると,国内総生産GDPの成長率を物価変動の影響を除いた実質で1.3%程度,家計の実感に近い名目では2.4%程度としており,いずれも30年度予算編成時の見通しを上回っており,国内需要を中心に景気回復が続くと見立てています。 また,10月に消費税率を10%に引き上げても,軽減税率制度の導入効果によって,GDPの過半を占める個人消費を下支えし,増税の影響を抑え込めるとのシナリオを描いているようです。 これら経済の好調を背景に,地方財政計画においても一般財源総額を過去最高の62兆7,000億円,地方交付税は16兆2,000億円と,前年度を上回るとともに,地方が求めていた臨時財政対策債の発行額を前年度比7,000億円減らして3兆3,000億円としたことは一定評価したいと考えます。 一方,自然災害が多発し,南海トラフ地震の脅威が迫り,本市が注目していた公共事業費については,前年度比15.6%増の6兆9,099億円を計上しており,例年に増して防災・減災対策や老朽化が進んでいる橋やトンネルなどの修繕,堤防などの河川施設修繕に配分される予定と報道されています。 本市のニーズとも合致すると思われる平成31年度政府予算案,その中でも特に地方関係分野についてどのように評価をしているのか,お伺いしたいと思います。 次に,新風クラブの予算要望の最初に掲げている項目について伺います。 地方都市である本市の税収見積もりは政府のそれとは相当異なるものと思いますが,税外収入も含め歳入の確保にいかに取り組まれるおつもりか,お伺いしたいと思います。 次に,積極予算となった政府の公共事業費に呼応した本市のインフラ補修・整備事業について,住民の皆様から届いた御要望を我が会派が代弁して市長に提言させていただいた優先継続事業や生活密着型事業などの予算確保が実現できたのか,具体事例を示し,その状況を御説明いただきたいと思います。 次に,
財政健全化プランについて伺います。 昨年3月定例会で地方債残高や将来負担比率など,ストックの数字の減少を見て,財政が確実に改善しているとの議論がありましたが,毎年度のフロー,歳入歳出の状況から見ると,我々はそのような楽観論にはとても賛同はできません。 総務省のホームページで公表されている決算カードに経常収支比率があります。これは人件費や扶助費のように毎年経常的に支出する費用を税収など経常的に入ってくる財源で割った比率で,本市の平成28年度決算の数値は99.1%となっています。 続く平成29年度は少し改善はしていますが,財政の硬直化が甚だしい状態です。加えて,分母の経常財源から臨時財政対策債などの借金を除くと,何と105.1%になります。 この数値を見ると,財政破綻をした夕張市のように,私たち議員や職員,そして市民の皆様にも痛みが伴う思い切った経常費用の削減が必要と言えますが,現実的にはそれを先送りするため,借金を財源にせざるを得ない状況が続いているのであります。この厳しい現実を市民の代表である私たち議会は直視しなければなりません。 昨年11月,新年度予算編成に当たり,我が会派が生活密着型予算の確保などを市長に強く要請する一方で,オーテピア西敷地の高度利用の推進を念頭に,遊休市有地の売却や有効活用など,あらゆる手段で歳入増を図ることを要望したのは,慢性的自主財源不足という厳しい現実から目を背けてはならないという問題意識がありました。 果たして今回,市長が示された
財政健全化プランでは,先ほど申した痛みを伴う思い切った経常費用の削減に手をつけているのか,任期まで残り8カ月となった市長の財政健全化に向けた覚悟とともにお伺いをいたしたいと思います。 次に,平成31年度一般会計予算案の中で具体的に動き出した新
食肉センター整備事業について,お伺いをいたします。 昭和55年以降,本市は関係28市町村で構成する高知
県広域食肉センター事務組合を通じて高知中央食肉センターの設置,管理を行い,また同施設を運営する一般社団法人高知県中央食肉公社の出資者として,本県の食肉加工業の発展に寄与をしてきました。 しかし,同センターの事業運営は,創業当初から計画どおりの屠畜頭数が確保できず,公費で赤字を負担しないという当初の合意はほごにされ,結果,長年にわたって多額の税金が投入されてきました。 言うまでもなく,これは本議会の議決に基づき執行されたものであったことから,自戒の念を抱き続けてきた本市議会は,ついに平成29年6月,現体制による屠畜事業の廃止を求める決議を行ったのであります。 その一方で,高知県は高知県新食肉センター整備検討会や高知県新食肉センター整備推進協議会において,中央部における食肉加工施設の必要性を訴え,みずからも出資する新たな経営主体によって事業を継続する計画を示されました。 そして,昨年末,老朽化した現施設を建てかえ整備するための実施設計費用について,現行の事務組合を構成する28市町村にその負担を求めてきたのであります。 平成31年度予算案には,県の求めに応じて新食肉センター実施設計費用の本市負担金が計上されていますが,高知県新食肉センター整備検討会による新食肉センター整備の基本方針への意見が昨年3月7日に公表された以降の約1年間,県民,市民や市町村議会に対してオープンにされた検討資料が極めて少ない中で,市長,執行部は本議会でのこれまでの議論を踏まえ,県やJA等関係者とどのような協議を行ってきたのか,具体的には県の提案に対してどのような問題点を指摘し,どのような解決策を共有して当該予算の計上に至ったのか,詳細な説明を求めたいと思います。 次に,防災対策について,お伺いいたします。 南海トラフ地震発生の脅威に真正面から向き合って,さまざまな取り組みを連携して進めている本県,本市でありますが,そのような状況の中で昨年6月に政府の地震調査委員会は,最新の今後30年以内に震度6弱以上の地震に見舞われる確率を公表しました。 本市においては75%と高まってきている状況にあり,南海トラフ地震の最悪の想定では,阪神・淡路大震災や熊本地震で発生した最大震度7という強い揺れが場所によっては3分以上も続くとともに,東日本大震災で発生したような高い津波が見込まれています。 さらには,断層の動きによる地盤自体の沈降が最大2メートル程度予想されており,津波によって浸水した中心市街地では,津波が引いた後でも長期浸水が想定される最大クラスの被害想定については,既に周知されているとおりです。 こうした中で新たな課題として急浮上してきたのが,南海トラフ地震に関する情報,いわゆる臨時ですが,以降は臨時情報と申し上げますが,その対応です。 これは気象庁が既に平成29年11月から制度運用しており,関東から九州に至る東海・南海・東南海の南海トラフ沿いで大地震につながるような異常な現象が観測され,平常時よりも大地震発生の危険度が高まった際に発表されるとのことです。 現在,国は,有識者で構成する政府の中央防災会議の作業部会の報告に基づいて,臨時情報が出された場合の自治体や企業等がとるべき行動のガイドラインづくりを進めているところです。 本年度中の策定を目指しており,その後国のガイドラインを踏まえ,南海トラフ沿岸部に位置する自治体は,具体的な防災対策に関する計画づくりを平成31年度中に行うこととされております。 地震の対応は突発対応が基本でありますので,仮に大地震の発生が高まったとする臨時情報が出されたとしても,突発対応を基本に,これまで自助,共助,公助の仕組みの中で養ってきた防災の取り組みを行えばよいのですが,実際に大地震が発生しておらず,日常生活の継続が可能な中で,どこまで防災対策をすればいいのか,市民生活を送る上では重大な問題が生じてまいります。 そこでまず,お伺いします。 臨時情報に関しては,これまで新聞報道もなされてきておりますが,政府の見解として地震の予知は不可能とする中で,どういった経緯でこのような制度運営がなされているのか。 また,臨時情報のもととなる異常な現象の観測とは具体的にどういったケースを示しているのか。 加えて,臨時情報が出た場合に行政や企業,市民がとるべき具体的な行動はどのようなものなのか。 まだ国においてガイドラインづくりの議論や作業がなされている最中とは思いますが,現時点における高知県全体も含めた取り組みの状況をわかりやすくお示しください。 また,臨時情報は大地震が起きるかもしれないということですから,空振りに終わってしまうことも十分にあり得るわけです。ある意味,不確実な情報でもって社会全体の動きに制約がかかってしまうわけです。市民生活に及ぼす影響ははかり知れないと思いますが,住民の命にはかえられません。 状況によっては,全高知市民に対して避難勧告を出すといった切迫した場面も想定されるわけです。そういったときに,避難を希望する膨大な数の市民を収容する避難所の開設が短時間のうちに可能になるのでしょうか。 そこでまず,大規模災害時における住民避難に関して,臨時情報に基づく住民避難情報の発令も含めて,現状はどういった対応を市としてとるようになっているのかをお伺いします。 また,避難する住民の中には,避難行動要支援者を初めとする要配慮者の方々がいます。こうした方々を一般の方と同じ避難スペースに押し込むことは適切ではないと考えます。要配慮者の状態に応じた設備とスペースなど,専用の居住環境が必要になってくるものと思われます。 本市における要配慮者に対する災害時の専用の避難スペースの確保に向けた取り組みの現状について,お伺いをいたしますとともに,環境整備の進捗状況が芳しくないのであれば,臨時情報への対応も含め,今後どのような取り組みを本市として考えているのか,お伺いをいたしたいと思います。 災害時における要配慮者,特に避難行動要支援者への取り組みは,少なくとも地域における防災と福祉,そしてコミュニティにかかわってくる課題だと捉えられます。 市全体として今後どのような組織体制あるいは部局の連携体制で取り組みを進めていかれるのか,南海トラフ地震の脅威が他地域より格段に高い本市としては急務の課題だと考えますが,お伺いをいたします。 いずれにしましても,最終的な住民の避難行動の責務は当該自治体の首長にあります。国が策定するガイドラインを踏まえて自治体ごとの具体的な避難行動づくりにつなげていくわけですから,おのおのの自治体独自の事情というものも発生してくるのではないかと思いますし,大規模に避難行動を行うにしても新たに財政負担がのしかかってきます。 現在,国がガイドラインづくりをしているまさにその段階で,国に対して高知市の実情を訴え,ひいては国のガイドラインにそのことを反映させていくべきではないでしょうか。 国が一方的につくり上げる性格のものではないと思いますし,高知市としての意見を反映させていくべきではないでしょうか。 市長としての御所見を,お伺いいたします。 次に,観光振興について伺います。 観光業は本市の重要な産業であり,関連する業種も多い裾野の広い産業ですので,経済波及効果も大きなものがあります。全国の成功事例に学び,事業者との連携を密にしながら,行政としての役割をしっかりと果たさなければなりません。特にインバウンド観光の推進においては,その比重が大きくなるものと考えます。 さて,本県への観光客入り込み数は,大河ドラマ龍馬伝の放送があった平成22年に435万人と,前年から120万人の大幅増加となった後,翌年もその反動を50万人減にとどめ,平成25年からは400万人を超えた後,29年には過去最高となる440万人を記録しました。 これは幕末・明治維新150年という節目に実施した志国高知幕末維新博による新たな集客施設の建設や既存施設のリニューアルも大きかったと思いますが,地道に続けてきた観光資源の掘り起こしや磨き上げの効果があったものと私は捉えています。 また,クルーズ客船の寄港も従前は10隻以下であったのが,平成28年度からは30隻を超えており,そのうち10万トン以上の客船が半数以上,または半数近くを占めております。特にクルーズ客船の観光客による消費単価では全国の上位にあると聞いており,執行部のこれまでの取り組みに感謝を申し上げます。 現在,高知新港において新しい客船ターミナルを整備しておりますが,完成した後は観光客の滞在時間が延びると思いますが,本市における消費拡大に向け,今後どのような施策を考えているのか,御所見をお伺いします。 一方で苦戦しているのが外国人旅行者の宿泊だと思います。平成29年の訪日外国人の宿泊数は7,900万人泊余りですが,そのうち東京,大阪,名古屋といった3大都市圏が5,200万人泊余りと,全体の約65%を占めており,高知県は7万5,000人泊余り,率にすると0.1%に届いていない状況となっています。 徳島県も本県を少し上回る程度ですが,大歩危,祖谷のある三好市の平成29年は約1万9,000人泊と,多くの外国人旅行者でにぎわっています。 これは2000年に地域の5つのホテルで設立した大歩危・祖谷いってみる会が,ここでしか味わうことのできない地元食材を使った郷土料理の発掘,地域の自然景観や歴史,文化を生かしたイベントや商品開発など,この地域を売るため,さまざまな活動を行っており,中でもインバウンド営業の効果が数字となってあらわれています。 大歩危・祖谷いってみる会は,行政と共同で香港やシンガポールの富裕層にターゲットを絞り集客活動を行ってきた結果,外国人宿泊者の約50%が香港からの個人旅行となっています。 また,外国人旅行者がふえるにつれ,バス停留所の多言語化や観光施設への外国人の雇用などを行うことで,さらに外国人旅行者の誘客へとつながり,5つのホテルだけでなく,ゲストハウスや民宿への宿泊も増加したほか,タクシーや路線バスの利用も増加傾向にあるなど,経済波及効果は大きなものがあるようです。 外国人旅行者をふやすためには,温かいおもてなしにより,安心で居心地のいい旅となり,高知がすばらしい町と感じていただくことが重要です。そのためには,本市が先進地と比べて圧倒的に不足している外国人向けサイン,各所への外国語表記の看板等をまずは充実していかなければならないと考えます。 そこで,先進地の取り組みに学びながら,本市においても外国人宿泊者数の増加に向けた施策を実施すべきと考えますが,御所見をお伺いします。 また,昨年11月22日から本年1月6日まで実施したチームラボ高知城光の祭は,大人1,500円,中高生900円,小学生500円の入場料でしたが,11万人を超える来場者があったと聞いています。 観光客の少ない期間にこうしたイベントを行いながら誘客に努めることは重要と考えますが,今後どのように取り組んでいくのか,チームラボの成果とあわせてお答えをいただきたいと思います。 次に,保育園,幼稚園の待機児童解消について,お伺いいたします。 高知市では,平成30年度4月当初での待機児童数は43人であったが,10月は120人,31年1月には203人となっており,いまだに待機児童ゼロにはなっていません。 内訳で見ると,ゼロから1歳児の入所が難しいのが現状ではないかと思われます。特に年度当初と比べ,年度末になると待機児童数がふえてくる傾向にあるので,この対策等も急がれます。 市全体の定員に対する入所希望者数では定員数は足りており,待機は起こらないはずなのですが,実際はそうではありません。それは地域間の格差問題ではないかと思われます。保護者が園を選ぶ場合,家の近く,通勤途中,道筋,親,祖父,祖母の近く等,限られた範囲の希望となります。 しかし,近年,市民の住居移動が極端に激しく,その移動に園の配置が追いついていないのが現状であります。ある地域では定員割れが起き,統廃合の話もある中,一部には大幅な定員オーバー地域もあり,このミスマッチが今の保育・幼稚園の問題点であり,どのように対処して解決していくのかが大きな課題です。 新しい制度である小回りのきく小規模保育園のあり方,また保育士確保のため,さらなる処遇の改善等についても早急に対応すべきと考えるが,こども未来部としてどのように対処されようとしているのか,またどのような将来像を持っているのか,お伺いをいたします。 次に,高齢者施設への入所待ちの解消についてですが,介護が必要となり,介護認定も受けたのに入所できない高齢者が数多くいる現状があり,この解消は喫緊の課題であります。 困ったときのために介護保険料を支払ったのに利用できない,入所料が思ったより高く子供の世話になっている,待たずに入れるよう施設をふやしてほしいなど,利用者側からの意見がある一方で,もうこれ以上の介護料の引き上げは勘弁してもらいたいとの意見もあります。当たり前だと思います。 介護保険制度の発足当時,平成14年,平均3,108円だった介護保険料は,現在では5,680円となっており,これ以上の値上げはできないのではないかと思われる現状です。 制度利用者からは,低額で入所できる施設をふやしてほしいとの要望もあり,そのためには介護保険料の引き上げをせざるを得ないが,そうなると現役世代の被保険者などから反対の声が上がり,まさに板挟み状態です。 この解決策として,高知市では現行の公助による制度維持に加え,市民による互助,共助の仕組みづくり,地域ぐるみの支え合いづくりに着手したようですが,その内容について,また市民がどのようにこの仕組みをつくっていくのかを,お伺いいたしたいと思います。 福祉制度の充実とは,制度の利用率の高さ,多さを言うのか,制度を維持発展さすため日々努力して貢献,携わっている人の多さを言うのか,意見が分かれるとは思いますが,私はこの制度を支えている人,貢献している人の多さを言うのだと思います。この制度があるからこそ,安心して生活できている。何としても維持していかなければなりません。 ただ,制度を利用する人が多くなり続けたら一体どうなるのか。国の制度だからといって永久に無条件に続いていくものなのでしょうか。 高知市では,制度を利用することについては,他市と比較しても充実していると思いますが,一方,制度維持のため貢献している市民に光を当て,評価をし,ありがたいと感謝する高知市にすべきと思いますが,市長の御所見を,待機児童と高齢者の入所待ちの件も含め,お伺いをいたします。 次に,本市の学力に係る現状と課題について,質問をいたします。 先日,テレビや新聞等で土佐山学舎の子供たちの地域との連携の取り組みが広く紹介をされました。学校と地域の深いつながりの中で芽生えた地域に感謝し地域を愛する気持ちが子供たちの大きな成長につながったものであり,大変うれしく思います。多くの学校において子供たちのこうした活動が積極的に行われ,これからの社会においてたくましく生きていく力となることを願うところであります。 そうした中で,平成19年度に始まり,本年度で12回目となった全国学力・学習状況調査における本市の結果は,調査の開始当初から見ると改善の傾向にはあるものの,特に中学生では依然として全国でも下位に位置している状況です。子供たちの学力はテストの点数だけではかれるものではないが,こうした生きる力を支える基盤となるものと考えます。 本市の子供たちの学力の現状と課題への対策について,教育長にお伺いをします。 あわせて,課題解決に向けての今後の取り組みについても,お伺いをいたしたいと思います。 本市の子供たちの学力の向上は積年の課題であり,教育委員会も地道な取り組みを行ってきており,少しずつではあるが成果はあらわれていると認識しています。 今後の学力向上の取り組みについて,教育長にお伺いします。 次に,教職員の働き方について,お伺いします。 教育行政について昨今,教職員の働き方改革が話題となっています。先般,平成31年1月に中央教育審議会から教職員の働き方改革に関する答申,及び文部科学省から公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインが出されました。 本市においては,平成29年度から学校現場における業務改善加速事業が実施されており,現在高知市立学校教職員の働き方改革プランの策定に向けての準備がなされていると聞いております。 本市におけるこれまでの教職員の時間外勤務状況を含む実態等についてお聞きするとともに,今後の本市における教職員の働き方改革に関する業務改善等について,お伺いをいたします。 また,教員の業務の一つとして部活動が上げられるが,部活動による教員への負担軽減のための手だて等は考えておられるのか,お伺いをいたしたいと思います。 以上,第1問とさせていただきます。
○副議長(清水おさむ君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問をいただきましたので,順次お答えを申し上げますが,質問が多岐にわたっておりますので,少しお時間を賜りたいと思います。 平成がこの4月いっぱいでいよいよ終わりになりますが,陛下も在位30年の御挨拶の中でも申し上げておりましたけれども,この平成の30年間については,戦争がなく,平和な時代であったということを振り返っておられました。この5月からは新時代がいよいよスタートということになってまいります。 今後の高知市のまちづくりにつきまして,まず御質問をいただきました。 現在,我が国におきましては,御質問の中にもございましたが,急速な人口減少ということを各地方では迎えておりまして,厚生労働省の外郭であります人口問題研究所の推計によりますと,2040年には我が国の人口は1億1,092万人という推計が出ておりまして,2040年ごろには毎年約90万人程度が減少していくという推計になっております。 早晩高知県の人口は,多分来年,1年後には69万人台ということになっていると思いますので,毎年90万人人口が減っていくということがどのくらいの数値であるかということは御理解賜れると思います。 出生数につきましては,既に全国では100万人を切っておりまして,2040年には出生数は74万人程度まで減少するというふうに言われています。 また逆に高齢者の人口については,65歳以上の高齢者が2042年にピークを迎え,3,935万人,約4,000万人が65歳以上の高齢者になるという推計をされておられますので,特に厚生労働省は2040年の人口推計を最近前面に出して,医療や福祉,また産業などの分野ごとにさまざまな対策が必要だということを言われております。 国における検討を踏まえまして,高知市としましても,本市単独の連携だけではなくて,れんけいこうち広域都市圏に代表されます市町村の連携の枠組みをさらに十分に活用した,これまで以上の施策の展開が求められるようになるというふうにも考えております。 総務省では,各行政の事務の代行,こういうものも広域でやってはどうかということも言われ始めましたので,今後の動向には注視をしていく必要があろうかと思います。 平成31年度の予算のテーマにつきましては,次代へつなぐ共生と安心のまちづくりをテーマとしておりまして,
南海トラフ地震対策,子育て支援や産業振興,れんけいこうち広域都市圏,移住,定住などを踏まえた地方創生をもう一つの柱としております。また,こういう政策をとるためには,財政健全化の推進が基本という考え方をとっております。 高知市におきましても,また中山間地域のことを考えましても,特に若者の転出の抑制ということが非常に重要になってまいりますので,産業の振興,また定住,また移住,こういうものが今後の非常に大きな柱になっていくという想定をしております。 高知市におきまして,それぞれの世代の皆様方が将来にわたって安心と生きがいを持って暮らしていくことができる,そういう地域社会づくりというのが今後の大きなテーマになるという意味で,共生と安心のまちづくりを平成31年度スタートの中での予算のテーマとしておりますので,今後数カ年はそういうテーマで取り組んでいくことになるのではないかと考えております。 関連します総合計画の策定について,申し上げます。 総合計画につきましては,2011年の総合計画では,基本構想,これは20年ですが,また10カ年の基本計画,そして3カ年ごとの実施計画,こういう区分でさまざまな施策を進めていくということになっておりまして,基本構想は2030年度までの20年間がこの2011のときの基本構想ということになっております。 現在,この基本計画につきましては,中間点に当たります5年の節目,前半期が2020年度末をもちまして計画期間が満了となりますので,2019年度から,来年からですが,2カ年をかけまして,基本構想の後半の,5年,そして全体としての10年,そういうことに対応します後半の見直しに入るという作業に入りたいと考えております。 後期の基本計画では,南海トラフ地震と地方創生,この2本柱は変わらないというふうに考えていますけれども,新たな課題といたしまして,だんだん議場でも議論されております持続可能な開発目標,SDGsですけれども,SDGsの達成に向けた国際貢献の観点やれんけいこうち広域都市圏を踏まえた,中心都市としての,県都としての広域的な視点に立ちながら,基本構想の実現に必要となる方策を定めてまいりたいと考えております。 また,PDCAサイクルの強化と事務事業の実効性を図っていくために,これまでの事業評価に加えまして,さらに論理的な因果関係を明らかにしたロジックモデルの考え方を踏まえた施策の評価指標の見直しを図りたいと考えているところでございます。 この後期の基本計画の策定のスケジュールですけれども,2019年度中,新年度になりますが,新年度中に原案を取りまとめまして,2020年度内には外部有識者で構成します高知市総合計画審議会にお諮りをし,当然議会からも御意見を賜りたいと思っていますが,市民意識調査やパブリックコメント等を経て,2020年の12月にこの後期の基本計画を策定したいと考えております。 市議会の皆様方の各委員会,また本会議でも折り目折り目にかけまして情報を開示しながら,積極的な御意見を賜りたいと思いますので,どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。 また,人口実態を踏まえた総合戦略の策定に向けた市長の考え方ということの御質問にお答えを申し上げたいと思います。 現在定めておりますまち・ひと・しごと創生人口ビジョン,2060年,国と合わせていますけれども,目標人口につきましては28万人をキープしたいと考えております。 平成27年の直近の人口データですが,この人口データにつきましては,本市の総人口につきましては年間で約2,000人のペースで減少しております。また,最近の直近のデータでは,高知県の人口は1年間で約8,000人減少してきている非常に厳しい数字となっております。 高知市におけます出生数につきましては,近年,年間50人ペースで減少していましたが,特に平成30年には出生数が約200人,大幅な減少になっておりますので,この分析を急いでおりますが,やはり20歳から24歳を中心とした若者世代が非常に転出超過になっておりますので,そういう影響がこの30年の出生数にも出ているのではないかというふうに考えておりますが,なお詳細は分析をしてまいります。 合計特殊出生率は1.54まで上がってきましたので,高知県とともに1.6の目標値というのは見えてきましたが,残念ながら実際の子供さんの出生数は大幅に減ってきているという状況でございますので,総合戦略の中でもこの点をしっかりと分析をしまして,現在立てております仕事づくり,人の流れづくり,人づくり,まちづくり,この4つの基本目標につきまして分析をし,次の計画の検討に入りたいと考えております。 来年度につきましては,現在のまち・ひと・しごとの総合戦略が最終年度になりますので,先月15日に有識者会議を開催いたしまして,3カ年の人口動態や総合戦略の基本目標の検証結果をお示しし,さまざまな御意見をいただいて,次期改定に向けての御意見をいただき始めたところでもございます。 国や県の総合戦略の動きを注視するとともに,なお人口動態に注視をしながら,特に若い方々が移住,Uターン,こういう形で郷土に残れるようにということを今後とも織り込んでいきたいと思います。 実際に若い方々が転出をしておりますので,さきに高知大学,県立大学,高知商業高校,高知学園短期大学,こういう学生さんとさまざまな意見交換をしております。 この中で,次の総合戦略の多分テーマになると思いますが,移住などのUIJターン,結婚,出産,子育て,交流,郷土愛,そして若い世代の定住,こういうものが恐らく次の総合戦略の大きなテーマになると思いますので,なお市議会からも各分野で御意見を賜りながら,しっかりと総合戦略を策定していきたいと考えております。 続きまして,予算編成におきまして財政健全化に関する御質問にお答えを申し上げます。 今回お示しをしました2022年までの5カ年の財政収支は非常に厳しい数字が上がってきておりますが,一昨年,5カ年の収支不足が159億円ということになっておりまして,ことしの当初予算ベースに推計をし直した結果,5カ年の全体の収支不足が117億円ということでございましたが,いずれにしても厳しい財政見通しに変わりはない状況でもございます。 特にこれまで行財政改革についてはかなり切り込んでおりますので,財政再建を行う観点で見ますと,そこがなかなかもう絞り込めないような状況になっておりますので,これからの課題につきましては,やはり将来負担をいかに減らしていくかということが大きな課題となっております。 統計データ的に見ましても,公債費と扶助費を除きます経常収支比率は55.5%ということになっておりまして,これは他都市と比較しましても相当低い数値となっておりまして,行財政改革がかなりできているという数値でもございます。 今般お示しをしております財政健全化のプランの中では,例えばさまざまな徴収率の向上,クラウドファンディングなどの歳入の掘り起こしも入れてございます。 また,今後の将来負担をできるだけ軽減をしていくために,縁故債については借入利率の見直しを行っておりますとともに,起債の償還につきましては,それぞれの施設の耐用年数に応じた償還期間を設定していくということも検討しております。 単年度の公債費負担を示します実質公債費比率は減少していきますけれども,一方で起債残高など後年度に積み残る負担の将来負担比率が高くなっていきますので,高知市の独自の数値指標としまして,実質公債費比率や将来負担比率とともに経常収支比率の中での公債費分などの中長期を見据えた目標値を現在検討し,設定をしていこうということにしておりますので,またそれぞれの所管の委員会等でもお示しをし,御意見を賜ってまいりたいと考えております。 続きまして,新食肉センターの整備について御質問にお答えを申し上げます。 昨年3月に新食肉センター整備の基本方針への意見が示された後に,高知県におきましては昨年6月及び9月の県議会におきまして,新食肉センターを設置,運営する新会社の運営シミュレーションの詳細な検討を行うために新食肉センター整備推進協議会を立ち上げることや,建設予定地における地質調査,また施設の基本設計費を補正予算として計上しておりますので,その都度高知県の担当部局から説明を受けてまいりました。 昨年12月14日に高知県の農業振興部長が来庁しておりまして,新食肉センターの実施設計に係ります28市町村の市町村負担に関する説明と,平成31年度当初予算への計上についての要請がありました。 その際には新センター整備に関して高知市がその時点で抱いております懸念として,基本方針に記載をされておられました天災,伝染病発生時の不可抗力,この内容についてさらに詳細な方針,また考え方が欲しいということと,運営シミュレーションの中でのバックデータも含めました根拠の資料が欲しいということなどを申し上げました。 その後,昨年の12月25日,再度高知県から平成31年度の当初予算の計上についての依頼があり,基本設計レベルの概算整備費用や新会社の運営シミュレーション等が示されたことから,あわせまして高知市議会の議員の皆様方へも説明の場を設けていただきますようにということを県に要請をいたしました。 その後,本年1月から2月にかけまして2度の市議会会派別の勉強会,また説明会が開催をされまして,県やJA等も参加をして開催をされております。 不可抗力の必要な範囲については,激甚災害や家畜伝染病により屠畜が1年以上滞る場合に限定すること,また,高知県と各関連の28市町村とで取り交わします負担金の支払いに関する協定書の条項の中に,整備事業以外の運営赤字の費用負担については求めない旨の記載を盛り込むことなどが新たに示されたところでもございます。 このように高知市の抱いておりました新センター整備や整備後の運営についての疑問点などに対しまして,高知県やJA等からの考え方が示され,担保されたものと判断をいたしまして,新年度予算に新センター整備の実施設計に係る負担金を他の27市町村とともに計上しているものでございますので,御理解を賜りたいと思います。 続きまして,南海トラフ地震に関しての御質問に順次お答えを申し上げたいと思います。 まず,避難行動要支援者についての御質問ですが,75歳以上の高齢者のみの世帯の方,また障害をお持ちの方,また自力での避難が困難な方,こういう方々など避難行動要支援者の方々に対する支援の方法につきましては,事前の準備を進めまして迅速に避難支援等を行うことができるように,避難行動要支援者名簿の作成,また地域の支援団体等への名簿の提供が市町村に義務づけられていますので,その対応をしているところでもございます。 高知市では約3万6,000人の避難行動要支援者の方々がおられまして,名簿の提供につきまして同意の確認をとっておりますが,3万6,000人のうち2万4,000人に同意をいただいております。 この同意を得られました方々につきましては,現在支援体制等に関して協定の締結に至りました13地区の支援団体,支援主体の方々に順次名簿を提供し,避難行動要支援者御本人の具体的な避難方法等について,個別計画の策定を目指し,取り組みを進めているところでございます。 ただし,相当の人数になりますので,この個別計画策定の進捗率については現時点で4%ということで,まだまだ課題があると考えております。 こうした状況の中で,さらに名簿の提供や個別計画の策定を加速化していくためには,それぞれの日常的にかかわっている各部局や避難支援に実際にかかわっていただけます各部局,具体的には介護や障害の政策をやられている部局,また民協や社協を所管している部局,また地域コミュニティの部局など,幅広く連携をしていく必要があります。 南海トラフ地震につきましては,発生確率が75%まで高まってきましたので,本年3月末に策定予定の先ほどの臨時情報に関する国のガイドラインも踏まえながら,新年度に設立をします地域共生社会の推進に向けた全庁的な体制の整備や連携体制をさらに密にしていくために,プロジェクトチームを立ち上げまして全庁的な取り組みを構築して,さらに進めていきたいと考えております。 続きまして,臨時情報にかかわります国のガイドラインの策定について,お答えを申し上げます。 臨時情報が発表されました場合には,緊急避難場所に避難されました多くの方々が,津波警報等が解除された後に避難所へ移動し,一定期間生活を送ることが想定されますので,津波避難警報が解除された後でも,臨時情報が解除されない場合にはこういう避難所で生活されるということもありますので,避難所への移動を支援するとともに,必要となる避難所を開設し,地域の住民の皆様方と協働して避難所を運営していく必要があります。 詳細な内容につきましては,市町村の防災対策に関するガイドラインの策定が現在国のほうで進められておりますので,今月末には公表される予定でございますので,その情報を詳細とっていく必要があると考えております。 また,国のガイドラインの策定に当たりましては,これまで尾崎知事や,また青木会頭も参加しておりました中央防災会議の下部組織ですが,南海トラフ沿いの異常な現象への防災対策検討ワーキンググループ,この中に尾崎知事と青木会頭が参加をしておりますので,高知県の現状につきましてはこの場でもかなり意見を出していただいております。 この意見等を踏まえて,現在国のガイドラインが策定をされておられますので,県のほうを通じまして高知市の実情につきましてはさまざまな御意見を申し上げております。 国のガイドライン発表後,本年4月に各都道府県及び市町村の説明会が開催される予定ということが国から示されておりますので,この説明会の中でも高知市からの要望を伝えてまいりたいと考えております。 避難所の開設や運営については,当然財政的な費用もかかりますし,食事の提供など一定の財政負担は当然市町村の負担ということも想定されます。 このため,高知県におきましては,来年度に向けて市町村の防災体制を財政的に支援するということを考えてくれておりまして,南海トラフ地震事前避難対策支援事業費補助金,実際の災害になりましたら災害救助法の適用がありますが,これは事前ですので,国の法律がまだありませんので,県単で補助金を構えるということで,現在開会中の県議会にこの予算案が提案をされておりますので,今後の状況を注視してまいりたいと考えております。 これが県議会で予算をお認めいただきましたら,高知市としましてもこういう事前の避難の情報等があれば,また有効に活用させていただきたいと思いますが,なおさまざまな角度から県や国に対しても意見を申し上げていきたいと考えております。 最後になりますが,高齢者の皆様方の入所待ち等に関します御質問にお答えを申し上げます。 福祉制度につきましては,過去の歴史もございますが,戦後におきましては1950年,社会保障制度に関する勧告がもとになっておりまして,その中では相互の努力によって国民生活に欠かすことのできない社会保障制度をこれからつくり上げていくというのが1950年に出されました勧告でございます。 それにのっとりましてそれぞれ対応してきましたが,少子・高齢化,人口減少が一層進んでまいりましたので,国の方向性も随分と変化をしてまいりました。 近年につきましては,現在の世代の給付のための財源につきましては,例えば後年度の子供たちにつけ回しをするということではなくて,現在の世代で確保できるようにすること。そして,将来の社会を支える世代の負担が過大にならないようにという点が非常に強く指摘をされるようになってまいりました。 平成28年,国におきましては,地域共生社会の実現が盛り込まれまして,これまでの支え手と受け手側に区分が分かれるということではなくて,全体として地域でみんなで支え合う,そういう仕組みづくりが求められているということで,従来の福祉を超える新しいステージに入り込んだという認識を持っております。 これが地域丸ごととか最近言われている部分ですが,一言で言うと,地域共生社会の構築が始まったというふうに認識をしております。 自助,共助,公助,この仕組みによりまして地域で支えていこうということが非常に大きな課題となります。 御質問の待機児童や高齢者の入所待ちといった課題に対しましては,子育てや医療,介護など公的サービスを必要とします方々に対しまして,的確にサービスを提供するということが必要でございますので,それに対する財源を含めて,その人材の育成,またサービスの拡充,こういうことをさらに充実をさせていかなければいけないという観点でございますので,全国市長会としてもその点についてさらに国に対して意見を申し上げていきたいと考えております。 その他の御質問の項目につきましては,副市長及び各担当部局長等からお答えを申し上げます。
○副議長(清水おさむ君) 橋本財務部長。
◎財務部長(橋本和明君) まず,平成31年度政府予算案におけます地方関係分野の評価につきまして,お答えをいたします。 地方関係分野での国の平成31年度予算のポイントとしましては,1点目が,全世代型の社会保障制度の転換に向けた消費税増収分を活用した幼児教育の無償化や社会保障の充実。 2点目は,消費税率の引き上げによる経済への影響の平準化に向けた中小小売業等に関する消費者へのポイント還元や低所得,子育て世帯向け
プレミアム付商品券の発行など。 3点目は,防災・減災,国土強靱化のための3カ年緊急対策に基づく緊急対策が上げられます。 このうち,幼児教育・保育の無償化につきましては,負担のあり方につきまして国と地方の協議の場で地方から強く申し入れたこともあり,平成31年度は地方負担分を措置する子ども・子育て支援臨時交付金が,仮称でございますが,創設され,全額国費による対応となったことは評価したいと考えておりますが,現状でも副食費の取り扱いなど課題もございますことから,今後も国の動向を注視してまいります。 次に,
プレミアム付商品券の発行につきましては,消費税率の引き上げに伴う負担を軽減するとともに,地域における消費を喚起し,下支えする目的で実施されるもので,本市経済においてもその効果が期待されるところでございます。 また,防災・減災,国土強靱化のための3カ年緊急対策におきまして,地方が単独で実施する河川,治山,農業水利施設等の防災インフラの整備を推進するために,充当率100%,交付税措置70%の緊急自然災害防止対策事業債が創設されましたことは,本市財政にとりましても大変有利な財源となりますことから,新年度予算に排水機場新設改良事業や仁ノ地区排水路整備事業などに積極的に活用し,財源として8億9,000万円余りを計上したところであります。 あわせて,平成32年度まで延長されました緊急防災・減災事業債につきましても,防災行政無線整備事業や公共施設のブロック塀改修など,
南海トラフ地震対策として大変有利な財源でありますので,新年度では16億3,000万円余りを計上しております。 さらに,平成31年度は公共施設等の老朽化を初め,適正管理を推進するための公共施設等適正管理推進事業債におきまして,橋梁や都市公園施設,林道などが長寿命化事業の対象に拡充されたことも重要なポイントであり,個別施設計画等を作成し,積極的に活用してまいります。 次に,税外収入も含めた歳入確保の取り組みについての御質問にお答えします。 歳入確保の取り組みにつきましては,新たな財源として税外収入の拡大を行うことが重要と考えており,そのため,平成30年度から新たにクラウドファンディングによる財源の確保を行うとともに,土地等の財産の売却に当たり,インターネットオークションを実施したところです。 このうち,クラウドファンディングにつきましては,龍馬が泳いだ美しい鏡川を未来に残したい,鏡川の源流の森を災害に強い森へをテーマに,土佐山東川地区にあります鏡川源流の森において,密な植林で細く成長した木々全てを伐採し,根元が太く成長するよう苗木を低密度で植林するなどにより,災害に強い森に再生するという事業で,この取り組みに対しまして多くの方からの御支援をいただくことで,寄附目標額の130万円を達成し,一般財源の負担を伴うことなく事業を行うことができました。 また,土地売却におきましては,民間のインターネットオークションサイトを利用することで,これまで本市のホームページや広報紙あかるいまち等での公告では長期にわたり売れ残っていた物件の売却ができました上,予定価格より約15%増しの歳入増加となり,一定の効果がありました。 これら以外では,現在建設中の新庁舎におきまして,窓口番号案内システムや売店,食堂事業者をプロポーザル方式で選定しており,民間事業者のノウハウによる提案で市民サービスの向上と同時に,広告収入や施設の賃貸収入など,歳入の増加を図る取り組みを進めているところでございます。 来年度につきましても,これらの手法を拡大させ,さらに本市が所有する遊休資産であります土地や建物の貸し付けなども積極的に行うとともに,使用料,手数料の見直しや税等の徴収率の向上の取り組み強化,債権管理の徹底などを行い,さらなる歳入の確保に努めてまいります。 次に,新風クラブの皆様から御提言をいただきました優先継続事業や生活密着型事業などの予算確保についてですが,皆様方からは,平成31年度予算編成に向けた要望と提言におきまして,予算要望と重点課題への対応としまして,事業予算の確保で11項目の御要望をいただきました。 そのうち,まず道路,水路の修繕など,地域住民の切実な要望に対応でき得る予算では,市民の皆様の御要望に十分お応えできていない市単道路改良や道路舗装,河川水路整備,しゅんせつの生活密着型投資事業におきまして,前年度に比べ3,200万円増額し,7億8,700万円を計上しております。 また,木造住宅等の耐震化を早急かつ確実に進めるための予算では,住宅耐震化推進事業としまして7億5,000万円を計上し,木造住宅に加えまして新たに非木造住宅も対象としており,幅広く南海トラフ地震に備えてまいります。 さらに,優先的街路整備事業の早期完工のための継続費予算につきましては,街路事業全体で2億6,000万円余りを計上し,高知駅秦南町線街路整備では,県市連携で事業を進め,高知赤十字病院の5月の移転も踏まえ,本年4月中の暫定供用開始を目指しますとともに,愛宕町北久保線,愛宕町工区を初めとする街路3路線につきましては,用地取得や移転補償などで路線ごとに7,000万円余りを計上しております。 その他の御要望では,地域の飲料水供給施設への整備補助としまして,5件の申請に対応するための県補助金を活用し,1,800万円余りを計上するとともに,小中学校のICT機器の整備としましては,義務教育学校や特別支援学校も含みますが,前年度に比べ7,000万円余り増となります3億6,000万円余りを計上しましたほか,中心市街地活性化計画推進事業では,第2期基本計画に基づき,全体で12億3,000万円余りを計上し,丸ノ内緑地のリニューアルに向けた実施設計や公園にかかる木製の通路橋の詳細設計などを行うこととしております。 一方で,合併浄化槽の設置補助や有害鳥獣による被害軽減に向けた緊急対策事業につきましては,近年の実績等も考慮しまして,予算としては減額となっておりますが,必要額としましてそれぞれ2,400万円と1,500万円余りを計上しております。 以上でございます。
○副議長(清水おさむ君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 最初に,福祉避難所に関する御質問にお答えをいたします。 福祉避難所の確保の現状ですが,本年度新たに2施設との協定を締結し,本年3月1日現在で38施設,収容可能人数は4,153人となっております。 福祉避難所への資機材の配備につきましても,公立及び民間の指定済みの全施設への配備が来年度中に完了するよう新年度予算に計上しており,今後も運営訓練の実施など支援を進め,事前対策に努めてまいりたいと考えています。 御質問の要配慮者の収容人数につきましては,まだまだ不十分であると認識をしておりますので,本年度から新たな取り組みとして,関係部局の協力を得ながら,学校等の一般避難所において,高齢者,障害者,乳幼児などのそれぞれの特性に応じて必要となる専用スペースのあり方や,機能,設備,機材等について検討するためのチームを立ち上げ,現在検討を開始しております。 今後はこの検討チームでの検討状況を踏まえながら,防災対策部とも連携をし,学校等の一般避難所における専用スペース確保に向けた取り組みを進めるとともに,社会施設等の指定についても働きかけを継続し,収容人数の増加に努めてまいります。 次に,南海トラフ地震に関連する臨時情報を踏まえた対応についての御質問ですが,今後高知県において市町村の避難所設置に係る財政的負担を軽減する支援制度を設けるとお聞きをしておりますので,これらの支援策に関する情報を注視しますとともに,新年度に入りますと,国のガイドラインを踏まえて防災対策部が新たな検討会を立ち上げるというふうに伺っておりますので,その検討会の中で関係部局と連携をし,必要な検討を行ってまいりたいと考えております。 次に,高齢者の皆さんの地域ぐるみの支え合いづくりに関する御質問にお答えをいたします。 本市の高齢者数は年々増加をしておりますが,特に75歳以上の後期高齢者の伸びが大きく,2025年度には5万6,000人を超えると見込まれています。一方,介護保険給付につきましては,全国で平成12年の政府創設時は3.6兆円であったものが11兆円近くに届く規模に拡大をしており,制度を支える介護保険料の負担も,御指摘のとおり相当増加をし,支え合いの仕組みづくりが大きな課題となっています。 市長の答弁にもありましたように,現在福祉制度は従来の福祉を超える新しいステージへ入ったというふうに言われておりまして,支え手や受け手を固定しない新たな仕組みの構築が求められております。 そのため,平成30年度から3カ年を計画期間とする高知市高齢者保健福祉計画では,高齢者が住みなれた地域で生き生きと暮らし続ける仕組みである地域包括ケアシステムの構築を目指し,地域ぐるみの支え合いづくりを基本理念として取り組みを始めています。 具体的には,自助,互助,共助,公助の考え方に基づき,それぞれの役割を踏まえ,例えばいきいき百歳体操などを通じた高齢者自身の健康づくりや社会参加,また町内会やボランティア,NPO法人などの活動の情報提供や活動への参加,地域ケア会議を活用した地域課題の共有や解決策の検討,社会資源の活用に向けた情報共有の仕組みづくりを進めていくことや,また御質問にもありましたように,より地域に密着をした連携を図り,支援を強化していくために,
地域高齢者支援センターの再編強化も行うこととしております。 この間の取り組みで,例えば認知症の方や御家族を支援する認知症カフェは,平成27年度には9カ所でしたが,現在は市内で27カ所になるなど,ボランティアの方々の協力によりまして支え合いの場も広がり,高齢者の方自身も支援者となるなど,取り組みも充実をしております。 超高齢社会を迎え,市民一人一人の皆さんが高齢社会をどのように生きていくかということが問われるような時代になってまいりましたが,高齢の方も含め地域住民みずからが社会参加や健康づくりを通じて自分らしさや生きがいを見つけ,互いに支え合う地域づくりを進めていくことが必要と考えておりますので,今後も市民の皆さん,関係者の皆さんと連携をしながら取り組みを進めてまいります。
○副議長(清水おさむ君) 山川
こども未来部長。
◎
こども未来部長(山川瑞代君) 待機児童対策について,お答えいたします。 本市の待機児童対策としましては,国の事業採択を受け,国庫補助率のかさ上げにより施設整備事業の財源を確保し,施設改築等に際し,低年齢児を中心とした定員の拡大を図ってまいりました。 また,保育士確保については,少子化により養成機関の定員増が難しい中で,より多くの保育士を必要とする低年齢児の施設利用の増加により,人材確保が厳しい状況が続いておりますが,人材確保策として職員の処遇改善などに継続的に取り組んでまいりました。 この結果,平成20年度との比較では,就学前児童が2,245人減少する中で,3歳未満の施設利用児童が3,208人から4,334人と,1,126人の増加を受け入れてきた実績がございます。 しかしながら,御指摘をいただきましたとおり,待機児童が発生する一方で,保育所の定員割れが発生しており,平成30年度当初では待機児童が43人となる一方で,定員のあきが485人,待機児童の11.3倍となっています。 この原因としましては,地区別の待機児童の状況や大街別の人口推移などから,南海トラフ地震の津波浸水予測区域外となる北部や西部での保育需要の高まりであると考えております。 このような状況を踏まえ,本年度は保育需要が高い地域に限定した小規模保育事業者の公募を実施し,選考の結果,1事業者が平成31年4月1日から小規模保育事業を開設する予定であり,待機児童の解消に寄与することを期待しているところでございます。 小規模保育事業は,0歳から2歳児を対象に定員6から19人で運営する小回りのきく保育事業であり,過大な設備投資も必要としないことから,待機児童の多い年齢層や地域をピンポイントでカバーするのに適した保育事業と考えております。 今後とも人材確保の取り組みを継続していくとともに,小規模保育事業の新たな公募につきましては,今年度の事業効果を検証の上,待機児童の状況や,現在ニーズ調査を実施しております第2期子ども・子育て支援事業計画による保育ニーズの予測に基づき,幼児教育・保育の無償化に伴う保育ニーズの動向にも注意しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○副議長(清水おさむ君) 松村商工観光部長。
◎商工観光部長(松村和明君) クルーズ客船観光客の消費拡大に向けた取り組みについての御質問にお答えします。 昨年度,高知新港を訪れたクルーズ客船は40隻に上り,約10万人の観光客の皆様が高知を訪れられましたが,そのうち外国人観光客は9割弱を占めており,インバウンド対策の推進により消費拡大を図ることは非常に重要な取り組みとなっております。 今月29日には高知新港で客船ターミナルの運用が開始されますが,これまで船内等で行われていました入国手続をターミナルで実施することによりまして,1時間程度の審査手続の短縮が見込まれ,その分観光する時間が延びることから,1人当たりの消費額の拡大が期待されるところです。 本市におきましても,このターミナルの開設を好機と捉え,外国人観光客の皆様に快適に高知でお過ごしいただくことで,消費拡大につなげる取り組みを進めていくこととしておりますが,外国人観光客へのアンケート調査では,インバウンド対策で望まれる項目として,言葉の壁の解消に最も多く御意見が寄せられています。 こうしたことから,外国語に対応した観光案内所を外国人観光客が多く集まるひろめ市場近辺のアーケード内に今月29日にオープンさせることとしております。 この観光案内所では,全県的な多言語マップに加え,中心商店街の多言語マップを作成することとしており,外国語に対応できるスタッフがその多言語マップを使って外国人観光客にわかりやすく説明することにより,中心商店街での回遊をふやし,消費拡大につなげていきたいと考えております。 また,今月1日より,人工知能のAIを活用し,観光客のスマートフォンで閲覧することができる多言語による観光案内システムを稼働させております。 このシステムでは,民間のグルメサイトなどと連携し,お店の情報提供や予約にまでつなげる仕組みを構築しており,こうした取り組みによる消費喚起にも期待をしているところでございます。 外国人観光客の消費拡大に向けた取り組みについて,これら行政の取り組みと中心商店街など民間の方々の取り組みが複合的に実施されることにより,より高い効果を生むものと考えており,民間の事業者の方々との連携を深めながら取り組みを進めてまいります。 次に,外国人宿泊者数の増加に向けた取り組みについての御質問にお答えします。 観光庁の統計によりますと,本県を訪れた外国人観光客のうち,宿泊を伴う観光客の推移は,平成25年に延べ2万4,820人泊であったものが,4年後の29年には延べ7万5,410人泊と約3倍に急増しており,全国伸び率の約2.4倍と比べますと伸びてはいるものの,総数では全国45位にとどまっており,宿泊を伴う外国人観光客の誘致は大きな課題となっています。 御紹介をいただきました大歩危・祖谷いってみる会は,徳島県三好市のホテル5社が中心となり2000年に設立された団体で,大歩危祖谷温泉郷というネーミングにより,温泉地としてのブランド化を進めるとともに,東祖谷集合集落における古民家民泊など,秘境という地域特性の発信に当たり,ターゲットとする国や地域を絞って効果的に海外に発信したことにより,外国人の誘客増に成功しております。 こうした先進事例において,ターゲットを絞ったプロモーションを行うことで誘客につながった事例が多く見受けられることから,本市におきましても,本県で宿泊する外国人観光客が多い国や地域にターゲットを絞った取り組みが効果的であると考え,本県に宿泊する外国人観光客のうち全体の約3割を占め,最も多い台湾にターゲットを絞った取り組みを進めております。 具体的には,平成28年度より台湾高雄市で開催されております物産展において観光プロモーションを実施しており,昨年は市長にも台湾の旅行エージェントを直接訪問していただき,トップセールスを実施していただいたところです。 また,台湾では,旅行先の情報をSNSで取得する傾向が強く,台湾の日本トラベルガイドにおいて月間の利用者が約120万人,フェイスブックファンが約65万人と最大規模のSNSとなるラーチーゴー日本を運営するジーリーメディアグループと連携し,本市の魅力を発信する取り組みを開始したところでございます。 来年度はこの取り組みをさらに拡大し,れんけいこうち広域都市圏の取り組みの中で,県内全市町村を対象としたPRについても展開していくこととしております。 こうしたプロモーション活動を行いながら,これまで行ってきた外国人向けのサイン整備の充実や観光案内所の開設,観光案内システムの稼働といったきめ細やかな受け入れ態勢の整備を進めていくことで,外国人観光客が一度だけではなくまた来たいと思っていただけるような環境整備に取り組んでまいります。 最後に,チームラボイベントの成果と今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。 昨年11月22日から本年1月6日まで開催されたチームラボ高知城光の祭は,志国高知幕末維新博の特別事業として,大阪城,高田城と並び,日本3大夜城と称される高知城で実施され,46日の期間中で当初目標の4万1,400人を大きく上回る約11万2,000人が来場し,大盛況のうちに閉幕いたしました。 このイベントは,志国高知幕末維新博終盤に向けた盛り上がりを創出するとともに,開催期間の終盤は観光客の閑散期の入り口に当たるため,県外からの誘客を強く意識したイベントとなりましたが,来場者のアンケート調査によると,回答者の約半数が県外からの来場となっております。イベントの目的の一つである県外からの誘客について,成功したのではないかと考えるところです。 また,夜のイベントとなることから,夜間の経済活動として注目度が高まっておりますナイトタイムエコノミーへの効果も期待されるところですが,高知県の県外観光客入り込み動態調査報告書によると,クルーズ客船を除く平成29年の県外観光客の1人当たりの消費額は2万5,829円となっています。 このうち宿泊費は約27%に当たる6,922円,飲食費は約23%の6,003円と,宿泊と飲食に関する経費は全体の半分となっており,県外からの入り込み客が多かったことからしても,ナイトタイムエコノミーにも一定の効果があったのではないかと推測するところです。 閑散期におけるイベントの誘致につきましては,今回のように全国的にも著名な団体を継続して毎年度誘致していくことは多額の経費が発生することから,高知市単独での実施は難しいと考えるところですが,現在閑散期に行われている土佐のおきゃくや,プロ野球キャンプなどの取り組みを,SNSを活用して効果的に情報発信していくことにより,閑散期における誘客につなげていく取り組みを進めるとともに,今後はチームラボの成果を参考にナイトタイムエコノミーの視点も踏まえた取り組みも必要と考えております。 夜間イベントといたしましては,高知市では花回廊を初め,閑散期にも中央公園や高知城においてライトアップイベントが開催されており,夜間イベントの実施による滞在時間の延長や宿泊者数の増加に向けた取り組みを今後とも進めるとともに,今月29日に開催する観光案内所において,飲食店のマップづくりなどに取り組んでいくことにしており,こうした取り組みを通じてナイトタイムエコノミーの推進にも取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(清水おさむ君) 山本教育長。
◎教育長(山本正篤君) 教育行政に関連しまして御質問をいただきましたので,順次お答えをいたします。 まず,本市の子供たちの学力の現状と課題への対策についてでございますが,平成30年の全国学力・学習状況調査の結果につきましては,小学校は全国レベルを維持しているものの,ここ数年下降傾向にあり,また中学校も調査開始当初から見れば改善傾向は見られるものの,依然として全国との差は大きく,特に数学において大きな課題が見られております。 教育委員会といたしましては,これまでの取り組みを継続,発展させる形で,新たな学力向上対策として,昨年度から4年間の学力向上アクティブプランに取り組んでおります。 この学力向上アクティブプランは,各学校の実態に応じて機能的,主体的,組織的に取り組みを実施するための支援を行うとともに,新しい学習指導要領の実施に向けての教育課程の見直しや授業づくりを行うことで,学力向上を図ってまいるものでございます。 2年目となります本年度の取り組みの重点項目の一つに,県教育委員会の協力を得まして,昨年4月に教育委員会内に設置しました学力向上推進室による学校への指導支援体制の強化が上げられます。 学力向上推進室の学力向上推進員や指導主事が学校経営の助言や若年教員の育成への支援,教員の授業づくりへの指導,助言を行うことにより,学校の組織的な学力向上への取り組みの推進や,課題解決に努めております。 昨年4月から本年2月末までの学力向上推進員及び指導主事の学校への訪問回数は,1,800回を超えておりまして,こうした活動に対して学校現場からは,指導主事が当日の授業や授業後の反省会だけでなく,授業前の教材分析や指導案づくりからかかわってもらえることは大変ありがたい。 授業改善の意識が教員の中に広がり,若年教員のグループや学年単位で主体的に授業づくりに取り組む姿勢が見られるようになった。 学力向上推進員に研究の方向性を具体的に示していただいたことで,全教員の共通理解が進み,主体的な研究推進ができている。 採用1年目の教員だけでなく,指導技術や経験等が十分でない若年教員に対して,授業づくりや子供とのかかわり方まできめ細やかな指導助言をいただくことで,学校だけでは望めない大きな成長が見られるといった成果を示す声が聞こえてきております。 こうした活動を通しまして本市の子供たちの学力向上の取り組みを推進しているところでございます。 次に,今後の学力向上の取り組みについてのお尋ねでございます。 平成31年度は,学力向上の取り組みをさらに加速させるために,学力向上推進室の主として学校運営に対して支援を行う学力向上推進員1名と,主として教員に対して指導助言を行う県教育委員会派遣の指導主事3名を増員しまして,学校経営と授業改善の両面から支援をより充実させることで,学力向上対策の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。 人的配置の充実によりまして,学校経営計画に関する助言や授業づくりに係る教材分析や指導案作成,指導主事模擬授業の実施など,学校への訪問指導をより高い機動性を持って行うことが可能となり,学校の組織的な学力向上に向けた取り組みの一層の推進が期待されます。 また,本年度の実践の成果物として,算数と数学の学習指導案等をおさめた資料集と授業映像をおさめたDVDから成る算数・数学指導実践集と,県教育委員会の学校図書館を活用した読みを鍛える拠点校授業の指定校3校の学習指導案集を作成しまして,本年度中に全ての市立学校に配付する予定でございます。 これらの資料集は,教員が日々の授業づくりのヒントとして,また校内研修等における授業改善のための資料として有効なものとなっておりまして,次年度以降におきまして指導主事等が訪問指導を行う際にも活用してまいりたいと考えております。 また,中学校の教科会への定期的なかかわりを,教科会を実施する全ての中学校の国語,社会,数学,理科,英語の5教科に拡大をし,授業の参観と振り返りを一体化させた指導助言を行うなど,教科会の質的向上を通して授業改善への意識とOJT効果の向上を図ってまいります。 今後行われます各種の学力調査の結果をもとに取り組みの効果等の検証を行う中で,さらなる内容の充実を図りながら,本市の子供たちの学力向上を図ってまいります。 次に,教職員の勤務実態と働き方改革についての御質問がございました。 まず,教職員の勤務実態について,お答えをいたします。 本年度,学校現場における授業改善加速事業の研究モデル校として,小学校7校,中学校3校を指定し,教職員の勤務状況を把握するとともに,働き方改革についての研究を進めてまいりました。 その研究モデル校における教職員の時間外業務従事時間の状況につきまして,7月,9月,10月の3カ月の平均で,小学校では44時間14分,中学校で59時間16分という状況でございました。 そのうち,45時間を超える教職員の割合は,小学校で44%,中学校で約62%であり,さらに80時間を超える教職員の割合は,小学校で9%,中学校で21%という状況でございました。 なお,研究モデル校の小学校では,特に管理職の時間外業務時間が多く,これは発達段階の初期における子供たちに対してきめ細やかな取り組みを狙いとする支援会の開催や地域との連携に関する業務等,さまざまな業務に管理職が丁寧にかかわっていることが要因ではないかと考えております。 また,中学校では,部活動の指導に当たる教職員の時間外業務が多くなっており,休日の熱心な指導や大会等への引率が要因であると考えております。 このような状況の中,高知市教育委員会といたしましては,子供たちの豊かな学びと成長のためには,教職員が心身ともに健康で生き生きとした姿で子供たちと向き合うことが重要と考えております。 このため,教職員のワーク・ライフ・バランスに対する意識の涵養を目的として,本年度有識者や保護者,教職員の代表等から成る高知市立学校教職員の働き方改革推進委員会において,委員の皆様から御意見をいただきながら,高知市立学校教職員の働き方改革プランを策定しております。 プランにおける主な取り組みといたしましては,まず学校においては,夏季休業中に連続3日以上の学校閉庁日を設定します。また,一斉退校日を月1回以上設定します。これにつきましては,時間外業務の抑制にもつながるものとして,平成33年度には週1回以上の実施となるように段階的に取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に,教育委員会の取り組みとして,学校閉庁日等において児童・生徒に係る緊急な対応等に関する保護者からの連絡は,教育委員会が窓口となり,万一の場合にも速やかに対応できるよう支援をしてまいります。 また,これまで学校の業務を支援する教員業務支援員を派遣してまいりましたけれども,配置後の効果を踏まえながら,さらに拡大していくための予算確保にも努めてまいります。 次に,統合型校務支援システムの導入でございます。このシステムの導入により,これまで手書き作業のために二度手間が発生していた,通知表や指導要録等の作成が電子化され,作業の効率化と負担軽減につながるものとなり,平成32年度からの全面運用を目指して準備を進めております。 また,教職員の働き方改革を推進するためには保護者や地域の皆様方からの御理解をいただくことも重要でございますことから,高知市広報あかるいまちを通じての広報,そしてホームページへの掲載等,さまざまな形で周知に努めてまいります。 その他の取り組みも含め,平成31年度から全市立学校一斉の働き方改革を推進してまいります。まずは,いわゆる過労死ラインを超えて働く教職員をなくすること,そして段階的に取り組みを進め,33年度には時間外業務時間が45時間を超えて働く教職員をなくすことを目標としてまいります。 最後に,部活動の負担軽減についての御質問がございました。 部活動につきましては,教職員の働き方改革のみでなく,生徒が生涯にわたって豊かなスポーツライフを実現するための資質,能力を養うことを目的として,平成30年3月にスポーツ庁から運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインが示されました。 このガイドラインでは,スポーツ医・科学の見地から,過度の練習がスポーツ障害や外傷のリスクを高めることや,トレーニングの効果を得るためには適切に休養をとることが必要であることなどが示されています。 また,高知県教育委員会からも平成30年3月に高知県運動部活動ガイドラインが策定され,これと同様の趣旨が示されております。 こうしたことから,高知市教育委員会といたしましても,適切な休養をとることが生徒にとって心身の健康を維持し,豊かなスポーツライフを送ることにつながること,また教職員にとりましても負担が軽減され,持続可能な部活動の運営につながることなど,総合的な判断を踏まえ,国,県に準じた高知市運動部活動ガイドラインを平成30年12月に策定をいたしました。 このガイドラインでは,部活動休養日は週当たり平日は少なくとも1日,土日についても少なくとも1日の合計2日以上を設けること。1日の練習時間は,平日は2時間,長期休業中や週末などの休日は3時間程度とすること。生徒に多様な経験をさせるために,ある程度長期のオフシーズンを設けることなどを基準としております。 なお,平成30年12月には文化庁から運動部活動と同様の内容の文化部活動のあり方に関する総合的なガイドラインが示されておりますので,今後高知市教育委員会といたしましても,このガイドラインに準拠しながら本市の実態に即した内容で策定をする予定でございます。
○副議長(清水おさむ君) 黒田防災対策部長。
◎防災対策部長(黒田直稔君) 南海トラフ地震に関する臨時情報に関しての御質問に順次お答えいたします。 まず,制度運用の経緯と防災対応の取り組み状況に関する御質問にお答えいたします。 平成29年9月に政府の中央防災会議幹事会におきまして,現在の科学的知見では確度の高い地震予測は困難とされましたが,地震発生の可能性が相対的に高まっている状況下で,事前の防災対応を行っていくことは重要であるとの認識から,南海トラフ沿いで大規模な地震発生につながるような異常な現象が観測された場合には,気象庁がその観測データを分析,評価し,臨時情報として発表することとなり,29年11月から既に運用が開始されております。 現段階で臨時情報の対象となる異常な現象は3ケースが想定されており,1つ目は,半割れケースという,南海トラフ沿いでマグニチュード8クラスの大規模地震が発生した場合,2つ目は,一部割れケースという,南海トラフ沿いで一回り小さなマグニチュード7クラスの地震が発生した場合,3つ目は,ゆっくり滑りケースという,観測網のひずみ計で滑り現象を観測した場合とされております。 特に1つ目の半割れケースの場合は,震源地付近を中心に非常に強い揺れと高い津波が発生し,南海トラフ沿いの全域で甚大な被害が想定されますとともに,その後の巨大地震につながる確率も他のケースより高いことから,迅速な対応が必要になると考えております。過去の事例では,1946年の昭和南海地震や,その前の1854年に発生した安政南海地震などがこの半割りケースに該当いたします。 こうした事態に対応するため,現在国においてガイドラインの策定が進められており,今月末には公表される予定となっておりますが,それまでの間の対応は,昨年11月に高知県が県内市町村の基本的な対応方針を定めております。 この県の方針の具体としましては,まず市町村の対応でございますが,津波の到達時間が短い地域の避難行動要支援者を初めとして,耐震性のない住宅や土砂災害警戒区域,いわゆるイエローゾーンに居住する住民の方々への避難の呼びかけを行うとともに,必要となる避難所を開設することなどが示されております。 また,住民や企業の皆様方には,避難情報が出た場合の避難の呼びかけに冷静に対応していただく必要がございますので,本市としましては,臨時情報に関する啓発及び広報活動を今後県とも連携して行ってまいります。 次に,臨時情報に基づく住民避難に係る現時点での本市の対応についての御質問にお答えいたします。 昨年12月の政府の中央防災会議におきまして,南海トラフ沿いでマグニチュード8クラスの大規模地震が発生した場合,いわゆる半割れケースにおきましては,住民の防災対応の基本が報告されており,沿岸域の避難を前提として,地震発生後明らかに避難が完了できない地域の住民は避難する。 地震発生後では間に合わない可能性がある地域の要配慮者は避難し,それ以外の者は準備を整え,個々の状況等に応じて自主的に避難するとされております。 このような中,高知県が示している住民避難に係る当面の対応では,市町村の具体的な対応として,全住民に対し備えの強化を呼びかけ,必要性が高いと認められる住民へ自主避難の呼びかけを行うとともに,避難者を受け入れるための準備をすることとされており,現段階でその対応期間は1週間としております。 こうしたことを踏まえ,本市における住民避難に関する具体的な対応につきましては,臨時情報が発表された場合,本市の市民の皆様に避難情報をエリアメール等で発令し,津波の到達時間が短い地域の避難行動要支援者を初めとして,避難の必要性が高いと認められる地域住民の方々に避難を呼びかけるとともに,津波の浸水区域外の小中学校を中心に避難を必要とする方々の避難所を順次開設していくこととしております。 なお,今月末に策定予定の国のガイドラインを受けまして,来年度に市町村ごとの避難行動プランを策定することとなっておりますので,今後県とも連携し,地域の実情を踏まえた実効性のある計画づくりに取り組む中で,さらに細かいところを詰めてまいります。
○副議長(清水おさむ君) 和田勝美議員。 〔和田勝美君登壇〕
◆(和田勝美君) 大変御丁寧な答弁をいただきました。ありがとうございます。 第2問を2つほどさせていただきます。 1つには,総合計画,非常に大事な高知市民の向かう方向を決める総合計画でございますので,しっかりとお願いをしたいと思いますが,1市1町2村の平成の合併をなし遂げて,新市まちづくり計画に基づいて今日まで参りました。執行部は相当な努力を重ねてまちづくりを進めていただきました。 そこで,お伺いしたいのは,合併をした1町2村,春野町,鏡,土佐山ですが,その1町2村の住民の皆さんはこの合併を,合併してよかったと思っているとお思いかをお伺いしたいと思いますが,このことにつきましては,非常に合併当時精力的にかかわっていただきました吉岡副市長に,お伺いしたいと思います。 もう一点は,財務部長にお伺いしたいと思います。 説明がありましたように,予算編成では,基金の取り崩しをしながらやっと編成ができたというふうにお伺いをいたしました。これはこの調子でいきますと,あと2年ほど予算編成したら基金がなくなるというふうになるのではなかろうかと思いますが,お答えができるなら,現在の基金残高,基金がどういう状況になっておるか。 それと,財務部長の基金というものに対する基本的な認識,考え方をお伺いしたいと思います。 この2問をお伺いしたいと思います。 それと,あとは質問ではございませんが,市長にもそれぞれ御答弁をいただきました。課題は,何といいましても,これから先は財政課題であると思いますし,今後においては厳しい財政運営が求められると思います。 そこで,今後の高知市として進むべき方向ですが,現在,この秋の市長選挙にはお二人の方が市政運営に意欲を表明しておりますが,岡崎市長はどうされるのか市民は注目しております。現職であり,任期もあと8カ月余りを残しておりますので,そのことは理解できますが,やはりお二人が意思表示をされたということは,岡崎市長も早い時期で進退について表明されることを期待しておきたいと思います。 先ほどの2問につきまして,明快な納得いく御答弁をいただきますことを期待いたしまして,私の全質問といたします。本当にありがとうございました。
○副議長(清水おさむ君) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡章君) 私のほうに第2問をいただきましたので,1町2村の合併についての受けとめでございます。 平成17年の旧鏡村,旧土佐山村との合併に引き続き,20年には旧春野町との合併を行うことで,中山間地域,都市部,田園地域を有する自然豊かな魅力のあふれるバランスのとれた高知市を実現することができたと考えておりまして,当時関係されました皆様方に感謝を申し上げたいと思います。 合併に当たりましては,それぞれの地域のさらなる発展と地域の住民福祉の向上を図るために,合併後の新しい形,新市のまちづくりの基本方針と主要な施策を示した新市まちづくり計画を策定した上で,鏡・土佐山地域では,農道や林道,橋梁の整備や学校,保育所の施設整備を,春野地域におきましては,庁舎や消防局南部分署,保育所,広域農道等の基盤整備を進めるとともに,合併に当たっての課題について,一つ一つ解決を図ってきたところでございます。 1町2村の皆様の受けとめにつきましてはさまざまあると思いますが,本市が実施しております市民意識調査の平成20年度と30年度の調査結果を比較してみますと,質問項目の中で定住意向を問う質問がありました。 合併を直接聞いたものではありませんが,10年前の平成20年度には,ずっと住み続けたい,住み続けてもよいの割合が90.7%から93.8%あったものが,30年度には95.9%から100%に向上していることからも,この間の合併後のまちづくりについては一定の評価を1町2村の方々にはいただいているものと考えております。 一方で,人口減少や少子・高齢化等の課題にも直面していることから,喫緊の課題になっておりますけれども,こうした現状も踏まえながら,今後につきましても引き続きそれぞれの地域で培われてきた歴史や伝統文化,そして豊かな自然環境に代表される地域の強みや特性を生かした産業の振興も図りながら,地域の住民の皆さんが将来にわたって安心と生きがいを持って暮らしていくことのできる地域共生社会の実現に向けた取り組みを,地域の皆様と行政の協働により今後も積極的に取り組んでまいりたいと,このように考えております。
○副議長(清水おさむ君) 橋本財務部長。
◎財務部長(橋本和明君) 基金に対する認識につきまして第2問をいただきましたので,お答えします。 平成31年度当初予算では,
南海トラフ地震対策と地方創生の取り組み強化を2本柱に編成してまいりましたが,事業費がおおむね固まった時点でなお34億円余りの財源不足が生ずる厳しい状況でございました。 そのため,既に繰り入れを予定したものも含めまして,基金繰入金として41億5,000万円余りを計上することとし,このうち繰入額の大きいものでは,財政調整基金で20億3,000万円,減債基金で8億5,000万円,地域振興基金で5億3,000万円,防災対策加速化基金と新しいまちづくり基金でそれぞれ2億6,000万円余りとなっております。 こうした繰り入れによりまして,予算ベースではありますが,平成31年度末の一般会計の基金残高は82億円余りまで減少し,その主なものの内訳としましては,財政調整基金が1億9,000万円余り,減債基金が6億3,000万円余り,地域振興基金が18億2,000万円余りと見込まれており,決算対策に使用できる財政調整基金,減債基金は合わせて1億9,000万円余りになるなど,ほぼ枯渇が見込まれております。 しかしながら,基金の中でも特に財政調整基金につきましては,経済の不況等に伴います大幅な税収の減など,年度間の財源の不均衡を調整するための基金であり,安定した財政運営におきましては欠かせない基金でありますので,常時一定の残高は必要と考えております。 また,地域振興基金を初めとする特定目的基金につきましても,それぞれ条例の趣旨に沿った内容で積み立てや取り崩しを行うことになっておりますし,その残高によりましては後年度の事業内容を左右することもありますことから,実際の取り崩しに際しましては,決算の状況も踏まえながら,慎重に判断してまいりたいと考えております。 以上です。
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○副議長(清水おさむ君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ,延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(清水おさむ君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて延会することに決定いたしました。 3月7日午前10時再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。 午後2時53分延会...