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09月12日-02号

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  1. 高知市議会 2017-09-12
    09月12日-02号


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    平成29年第461回 9月定例会 第461回高知市議会定例会会議録第2号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第2号 平成29年9月12日(火曜日)午前10時開議第1 市第 94号 平成29年度高知市一般会計補正予算 市第 95号 平成29年度高知市卸売市場事業特別会計補正予算 市第 96号 平成29年度高知市収益事業特別会計補正予算 市第 97号 平成29年度高知市駐車場事業特別会計補正予算 市第 98号 平成29年度高知市国民宿舎運営事業特別会計補正予算 市第 99号 平成29年度高知市介護保険事業特別会計補正予算 市第100号 高知市報酬並びに費用弁償条例の一部を改正する条例議案 市第101号 高知市立点字図書館条例の一部を改正する条例議案 市第102号 高知市障害者計画等推進協議会条例の一部を改正する条例議案 市第103号 高知市介護保険条例の一部を改正する条例議案 市第104号 高知市特別用途地区内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例議案 市第105号 高知市都市公園条例の一部を改正する条例議案 市第106号 高知市都市公園条例の一部を改正する条例議案 市第107号 高知市団地下水道条例の一部を改正する条例議案 市第108号 高知市消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第109号 高知市立市民図書館条例の一部を改正する条例議案 市第110号 高知みらい科学館条例制定議案 市第111号 高知市立学校給食センター条例の一部を改正する条例議案 市第112号 高知市春野郷土資料館条例の一部を改正する条例議案 市第113号 高知市下水道条例の一部を改正する条例議案 市第114号 高知県立図書館高知市立市民図書館の合築により整備する図書館の共通業務に係る連携協約の締結に関する議案 市第115号 高知県立図書館に係る事務の受託に関する議案 市第116号 指定避難所配備用携帯トイレ処理セット購入契約締結議案 市第117号 学校給食用食器購入契約締結議案 市第118号 学校給食用食缶類購入契約締結議案 市第119号 給食配送車購入契約締結議案 市第120号 水槽付消防ポンプ自動車購入契約締結議案 市第121号 (仮称)高知一宮団地の共同開発に係る団地整備業務(その2)委託契約の一部変更議案 市第122号 支払督促の申立てについて 市第123号 調停の申立てについて 市第124号 平成28年度高知市水道事業会計利益の処分に関する議案 市第125号 決算の認定議案 市第126号 決算の認定議案 市第127号 決算の認定議案  ────────────────  本日の会議に付した事件日程第1 市第94号議案から市第127号議案まで  ────────────────  出席議員1番 浜口佳寿子君  2番 岡崎 邦子君3番 近森 正久君  4番 迫  哲郎君5番 深瀬 裕彦君  6番 長尾 和明君7番 氏原 嗣志君  8番 細木  良君9番 はた  愛君  10番 田鍋  剛君11番 竹内千賀子君  12番 浜田  拓君13番 下本 文雄君  14番 下元 博司君15番 岡田 泰司君  16番 岡崎  豊君17番 近藤  強君  18番 大久保尊司君19番 伊藤 弘幸君  20番 吉永 哲也君21番 浜口 卓也君  22番 寺内 憲資君23番 清水おさむ君  24番 平田 文彦君25番 川村 貞夫君  26番 西森 美和君27番 高木  妙君  28番 和田 勝美君29番 竹村 邦夫君  30番 戸田 二郎君31番 福島  明君  32番 山根 堂宏君34番 中澤はま子君  欠席議員33番 水口 晴雄君  ────────────────  説明のため出席した者      市長      岡崎 誠也君      副市長     吉岡  章君      副市長     中澤 慎二君      総務部長    弘瀬  優君      財務部長    橋本 和明君      市民協働部長  神崎  修君      健康福祉部長  村岡  晃君      こども未来部長 山川 瑞代君      環境部長    山本 正篤君      商工観光部長  松村 和明君      農林水産部長  長岡  諭君      都市建設部長  門吉 直人君      教育長     横田 寿生君      上下水道事業管理者              海治甲太郎君      防災対策部長  黒田 直稔君      消防局長    高井 祐介君      監査委員    藤原  敏君      財政課長    林   充君  ────────────────  事務局職員出席者      事務局長    藤原  哲君      事務局次長   池畠 正敏君      庶務課長    前田 敦夫君      庶務課長補佐  谷村 守敏君      議事調査課長補佐              広松 康児君      議事調査課管理主幹              竹村 博和君      秘書係長    西成 雅江君      議事係長    中須賀広典君      調査係長    田村 章代君      書記      野々宮千夏君  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午前10時0分開会 ○議長(高木妙君) これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 市第94号議案から市第127号議案まで ○議長(高木妙君) 日程第1,市第94号議案から市第127号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 はた愛議員。  〔はた愛君登壇〕 ◆(はた愛君) おはようございます。日本共産党のはた愛でございます。通告に従いまして個人質問をさせていただきます。 まず,愛宕中学校の隣に大規模パチンコ店ができる問題について伺います。 現在,愛宕中学校の西隣,相模町でパチンコ店の新築工事が進められています。敷地面積4,838平米,建物の面積は2,929平米,延べ床面積8,359平米,高さ約18メートル,地上5階,この工事計画はことし7月25日付で建築確認されていますが,問題なのは県条例に反する整備計画となっていると思われる点です。 そもそもパチンコ店の整備は,高知県風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例で,学校の敷地の周囲25メートル内での設置は禁止と規定をされています。 しかし,今回の整備計画は,境界線が明らかに25メートル内にあります。 まず,都市建設部長に伺いますが,建築確認された整備図面では境界線と学校の距離は何メートルあるのかお聞きいたします。 ○議長(高木妙君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) 民間の指定確認検査機関より報告のありました建築確認の概要書の配置図によりますと,パチンコ店の敷地東側の境界は学校の敷地西側から約8メーターの距離となっています。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 明らかに市も認める条例違反のおそれのある状況です。今回の問題で,この県条例に反する可能性があるということを部としていつ知ったのか。 また,知った時点で県など関係機関に対し連絡や助言などの対応をされたのか,その点について都市建設部長に伺います。 ○議長(高木妙君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) パチンコ店建設の計画自体を知ったのは,中高層建築物の指導要綱に基づく標識設置届を受け付けた平成29年6月26日になります。その後,平成29年7月25日付で民間の検査機関において建築基準法に基づく建築確認済証の交付を行った旨の報告を受けております。 建築基準法では,審査対象法令等について建築基準関係規定が明記されておりまして,建築物を建築する際の敷地,構造,または建築設備に関する法律,消防法,駐車場法,下水道法,水道法などが主な関係規定となっています。 一方,いわゆる風営法や旅館業法などによる営業の許可に関することについては,建築基準関係規定とはなっておらず,風営法に関しましては高知県公安委員会が許可の権限を有しております。 したがいまして,本市では,申請された建築物が風営法に基づく県条例違反になるのかならないのかの判断はできませんので,高知県への連絡等の対応は行っておりません。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 風営法に関しての許可権限,また判断の権限が県にあるということであっても,市民のあらゆる暮らしの権限にかかわって,市民の暮らしを守るための条例なわけで,それを逸脱しているおそれがわかっておきながら,県に言わなければどこがとめられるというのでしょうかという怒りにもなるのですけれども,この今の仕組みでいうと,建物が建つまでとめられないと。 そういう仕組み自体が私は問題がある,矛盾があると思いますが,その点について部長はどうお感じなのかお聞きをいたします。 ○議長(高木妙君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) 先ほども申しましたように,建築基準法につきましては,建築物の建築関係規定に適合しているかどうかというものを確認するためのものでございます。 その建物がどういった形で営業を許可されるかということはその確認の範囲外になりますので,その点につきましては風営法に基づきます高知県公安委員会の許可の判断を待たなければならないと考えております。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 私が聞いているのは,この問題で県条例に反するのではないかというふうに思ったのかどうか,部としては思わなかったのでしょうか。 ○議長(高木妙君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) 先ほども申しましたように,県条例に違反になるのかならないのかの判断は高知市ではできませんので,仮に県条例に違反する可能性があることに気づいた場合でも,県ではなく,申請者に対する助言をするといった形になると考えております。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。
    ◆(はた愛君) 申請者に対して助言はされたのでしょうか。 ○議長(高木妙君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) 助言はしておりません。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 一番最初に聞きました25メートルという規制ラインを超えて建設確認が出されているということを部としては知ったわけですけれども,その時点で条例を逸脱するおそれがあるという認識があるのかどうか,再度お聞きをいたします。 ○議長(高木妙君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) 何度も申し上げますが,風営法に関します営業の許可につきましては,判断等は高知県公安委員会が許可権限を持っておりますので,私どもはその点につきましては,わからないといった点でございます。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 権限の所在を聞いているのではなくて,建築確認申請ができたときに県条例に逸脱するおそれがある物件ではないかということに気づいたのかどうか。 気づいたのであれば,県,また施工者にきちんと助言や協議をする,そういうことをなぜ高知市ができなかったのかということを思います。 今の仕組み上,建物ができてからの風営申請法ということになっていますので,このままいけば大規模なパチンコ店,また学校との距離,たった8メートルしかない,25メートルの規制を割った状態での建築が許されてしまうと。そのことに対して,市は何もできないと。そういうことでいいのかどうかというのが問われると思います。 市町村のレベルでも,こういう問題を放置しない,そういう取り組みをしている自治体が幾つかございます。 担当課に調べてもいただきましたけれども,例えば鎌倉市も同じように風営法に基づく県条例があります。その下に鎌倉市としての条例をつくって,どういうふうにしているかというと,従来型の保育所,学校,図書館,病院,市が指定する戦跡,史跡,そういったものの周囲200メートル,商業地域では周囲50メートル,そういうところにはパチンコ店等そういう風俗営業のお店は建てさせないという条例をつくっています。 市が条例をつくることによって,そういう問題をチェックしていく,そういう歯どめになっているかと思いますが,部長としてはこの条例をどう評価されているでしょうか。 ○議長(高木妙君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) 鎌倉市などのように,県条例を超えて制限を強化するといった形の条例を制定している都市というものがあるということは聞いております。 一方で県条例を超えた市条例が法律違反ということで,裁判で負けたといった事例も確認をしているところでありますので,高知市としましては,県条例の範囲内でやっていくのが適切ではないかと考えているところでございます。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 県条例の範囲内でも,現実にこの愛宕中学校西側の建設は市としてはとめられないじゃないですか。だから,市町村レベルでこういったチェックをする,規制をするということが必要ではないかということを提案させていただきます。 これは風営法に基づく県条例の適正化基準に反する不適格な状況であると思われますので,県の判断がどうか,それが問われてきます。 特に判断は県警の公安委員会が担っているわけですが,県警からいただいた資料では,警察庁が発行する風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律等の解釈運用基準という文書があります。 その中で,営業所とは何か,何を指すのかということが述べられています。客室のほか,専ら当該事業の用に供する調理室,クローク,廊下,洗面所,従業者の更衣室等を構成する建物,その他の施設のことをいい,駐車場,庭等であっても,社会通念上,当該建物と一体と見られ,専ら当該営業の用に供される施設であれば営業所に含まれるものと解すると書かれています。 現在,建築確認されている計画の現状は,警察庁の運用解釈の社会通念上,一体に当たるというふうに思われます。 この条例,そもそも学校の環境を守るための条例ですので,市教委にお伺いをいたしたいと思いますが,この現状,この現場を確認されたのかどうか,教育長に伺います。 ○議長(高木妙君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 愛宕中学校西側の市道に隣接した用地では,昭和63年から本年までパチンコ店の営業がございましたが,現在建物は取り壊され,更地になっているものと承知いたしております。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 先ほども説明しましたけれども,大規模なパチンコ店ができるということについて教育上の観点からどう思われているのか,教育長の認識を伺います。 ○議長(高木妙君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 学校は,住居地域や近隣商業地域など,それぞれに異なる環境の中に立地しておりまして,このため児童・生徒が学校での生活を健やかに過ごす上で一定水準の環境を整えることは大切であり,そうしたことのために,いわゆる風営法などによる規制が設けられているものと考えております。 したがいまして,これらの法令等が遵守されている範囲におきましては,学校が立地する上での適切な環境が保たれているということになろうかと考えております。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 教育長も認められたように,環境を守るためには一定の規制が要ると。この県条例はそもそもどういう目的でつくられたのか。それは子供たちの生活の場,学校環境を守るためにつくられました。 現在の世論,社会の実態からいえば,県条例の25メートル規制というのは昭和59年から変わっておらず,十分とは言えませんが,最低でもこのルールを守ることが行政,企業に課せられた責任です。当然,条例を守ってもらわなければなりません。 地元町内会や愛宕中学校PTAからも企業に対し説明会を開くよう申し入れが出されているようですが,企業側は,今は説明できないという回答です。建築確認をとりながら,住民には説明できないという姿勢に不信と怒りの声が広がっている状況です。 市教委には,住民や学校,PTAの不安の声に向き合っていただきたい。その上で,県に現状確認を求めると同時に,県と当該企業に対して条例遵守と説明を果たすようきちんと申し入れを行ってほしいと思いますが,教育長の所見をお聞きします。 ○議長(高木妙君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) パチンコ店を初めとする風俗営業を行おうとする者は,いわゆる風営法の規定に基づき,公安委員会に営業の許可を受ける必要がございます。同法は,善良な風俗と清浄な風俗環境を保持することを目的としており,学校や図書館,児童福祉施設等の周辺から一定の範囲内においては風俗営業を行うことを許可しないことが定められております。 建築が計画されておりますパチンコ店につきましては,建築確認の審査を経て,本年7月25日に確認済みとなったことは把握しておりますけれども,現時点におきまして風俗営業に関連する法令や条例,規則等に適合するものかどうかといった判断材料となるものを持ち合わせておりません。 教育委員会といたしましては,高知県公安委員会において,法令に基づき適切に判断されるものと考えております。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 公安委員会が適切な判断をするだろうということですけれども,また不適切だと言い切れる資料がない,材料がないということを言われておりますが,情報公開をかければ,どういった建築物が建ったのか,建っていたのか,またそれを県警がどういうふうな根拠で認めてきたのか,そういった行政の公文書がありますので,それを見ていただいたら不適切な状況であるという一つの資料というものが出てくるかと思います。 例えば昭和63年にも,以前同じところにパチンコ店さんが建っておりましたけれども,そのとき高知県の公安委員会がどういう条件でパチンコ店を認めたのか,そういう記録が残っております。 許可の条件という記述がありますけれども,そこには営業所の東及び南側に駐車場を拡張しないことと,それが前回の建っていたパチンコ店営業許可条件です。 それと今回出されている整備計画,これは当時の許可判断からしても,その東側である駐車場,また南側にある駐車場,これを含めての整備計画,取り込んだ形での整備計画になっております。 明らかに前回の許可条件すら守れていない状況があるわけですけれども,こういったことを都市建設部としてもやっぱり把握をした上で,県,市に対して助言をするべきではないか。 教育委員会だけではなくて,都市建設部としても助言ができないかというふうに思いますけれども,部長の所見はいかがでしょうか。 ○議長(高木妙君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) 現在出されております敷地の計画をどのように事業者さんがやっていくかということは,建築確認書は何もわかっておりません。 東側の敷地がどういった形で利用できるかということ,利用されるかということが今回営業許可に当たっての重大な判断材料になるのではないかと思いますが,その点については,私どもはわかりませんので,今の時点では申し上げることができないということでございます。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 行政が資料を振りかえれば,あらゆる情報というか,そういう資料は出てくると思いますので,やっぱり高知市としてもしっかり地域住民の声だとか学校の不安に思う状況,そういうことに対してしっかり向き合っていただきたい。 さっきも紹介しましたけれど,企業側は高知市に対して建築確認を出していても,市民に対しては何ら説明ができないという回答ですので,そういう姿勢も含めていいのかどうか,県任せでいいのかどうかも部でしっかりと討議していただきたいと思います。 次,就学援助の入学前支給について伺います。 就学援助の入学前支給については,6月議会,公明党の寺内議員,市民クラブの岡崎邦子議員からも実施を求める質問があり,教育長は,中学校においては平成31年3月の実施を目指したいと前向きな答弁をしましたが,小学校の入学予定者については課題があるとのことで,具体的目標が示されませんでした。 しかし,文科省はその後,3月31日付で,平成29年度要保護児童・生徒援助費補助金についてという通知を出し,新入学児童・生徒学用品費等の単価の引き上げと,援助を必要とする時期に速やかな支給が行えるよう交付金要綱を改定して,市町村には適切な対応をとるよう求めています。 具体的な内容は,中学校等だけでなく,小学校等についても入学前を対象として国庫補助の対象にできるものとしています。 しかし,市教委は,新入学児童・生徒学用品等の単価の引き上げのめども示していませんし,また小学校の入学予定者もまだ実施対象とは示していません。それぞれ早急に示していただきたいですが,教育長の所見をお聞きいたします。 ○議長(高木妙君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 新入学学用品費につきましては,本年6月市議会定例会におきまして,公明党寺内議員からの御質問に御答弁を申し上げましたとおりでございまして,平成30年度の新入学児童・生徒を対象に増額の見直しをいたしました単価での支給を基本に,今後,予算査定に臨んでまいりたいと考えております。 一方,新小学1年生に対する新入学学用品費の入学前支給につきましては,世帯の状況を把握している学校を窓口とし,学校長が意見を添えての申請としておりますことや,本市の就学援助システムが学齢児童を登載した学齢簿を基本としたものとなっておりますことなどから,当面は実施が難しいと考えております。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 何度もこの問題は議論になって,困難になっている課題を解消していくということをやっていただきたいということをこの間も伝えてきました。 特に小学校入学予定者,この点については国も補助金を想定して国庫補助するという通知をわざわざ出しているわけで,それに市町村が手を挙げないというのはどういうものかなと思います。 事務的な課題,これを繰り返し答弁されてきていますが,最初の質問は昨年の12月ですから,あれから約10カ月,1年がたとうとしています。 どのような検討が内部でされてきたのかと疑いたくなりますが,先ほども紹介したように,国も小学校入学前を国庫補助の対象とするとしていますし,新たな対応となる入学予定者,これも名簿がないとか,そういうことを言われておりますけれども,現状でも,入学後に申請を受け付け,審査をして,その申請数を見れば,一定どれぐらいの件数,前倒しで審査の準備が要るかということは想定ができると思います。 例えば平成28年度の1年生の申請数は711件,そのうちの認定数は699件だというふうにお聞きをしておりますので,入学後行っていたやり方を切りかえてやっていくと。認定の審査の業務を新たにふやすのではなくて,1年生の分を前倒しするだけなので,多くの経費がかかるとは思いません。 それは実施をしている他都市の事例からも明らかです。高知市が言う新たに発生する事務処理,それに係る例えば費用について,前倒しをした場合,幾ら費用がかかるというふうに考えているのか,教育長にお聞きをいたします。 ○議長(高木妙君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 新小学1年生に対する入学前支給を仮に実施するといたしますと,まずは,先ほど申し上げましたようなさまざまな課題を解決しなければなりません。申請から審査決定に至るまでの実務について再構築の必要がございます。 本市におけますこうした課題につきましては,全国的にも共通した課題のようでございまして,現在のところ小学校入学前の支給を実施している自治体は,中核市48市の中では2市にとどまっているという状況にございます。 就学援助における審査方法や決定につきましては,自治体ごとに異なる部分がございますし,場合によりますと,機械的に判定すればよいというようなことをお聞きすることもございますが,本市におきましては,世帯の状況に合わせ,できる限り正確に判定を行うことを基本としているところでございます。 以上のような事情がございますので,新たに生ずるであろう経費の試算ということはできておりませんけれども,まずは新中学1年生への入学前支給に取り組む中で,検討すべき課題の整理に当たってまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 中核市では2市やっているというところしか調べてないのでしょうか。全国にはいろんな市町村があります。 当然,高知市と同じように受給率も高い市町村があるわけですけれども,同規模の自治体だけではなく,全国の自治体の調査をするべきと思いますが,この間されているのかどうかお伺いをいたします。 ○議長(高木妙君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 自治体の規模がほぼ同程度ということで,中核市に限って今のところ調査をしております。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 中核市だけにこだわる理由はないと思います。先進的な取り組みをしている自治体,小中あわせてやっている自治体は,もう既に中核市だけに絞らなかったら165自治体あるというふうに言われています。全国では156自治体で小学校もやられていると。 ことしからは奈半利町が小学校も進めていくというような動きがございますので,県内の市町村も当然調べていくということが必要だと思いますが,今後のそういう他都市の状況を調べた上での進め方,その点について教育長の決意をお聞かせください。 ○議長(高木妙君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 他都市の事例については,また今後も検討してまいりますけれども,共通した課題となっている部分につきましては,やはり同規模の自治体のほうが共通するものが多うございます。 そうしたところの解決方法などを検討しながら進めていきたいと思っておりますし,先ほど来申し上げておりますように,当面は新中学生に対する入学前の支給に取り組む中で,課題の洗い出し等を検討していきたいと考えております。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) この問題は,規模というよりも仕組みの問題で,最初の答弁にあったように,どこの自治体も仕組みの問題で共通課題があるということですので,あえて同規模自治体の状況に合わせるということではなくて,幅広く研究をしていただきたいと要望しておきます。 現在,その認定審査業務が5月末ごろには前年度所得による新規分の審査を行い,10月には世帯変更や現年度所得の審査を行い,その後また2月ごろには継続のためにといって,世帯変更や現年度所得の審査,合計3回年間行っているということですが,結局新規の申請以外,同じ年度の所得の審査をほか2回も行っているわけです。 学校現場の事務のお仕事をされている皆さんに意見を伺いましたら,この制度の判断基準は世帯の所得であって,前年度の世帯所得がわかる時点であること,あと入学予定者への対応を行うこと,これを考えても,前年度の所得がわかる7月以降であれば審査は1回で済むだろうと。 そのために高知市の規則さえ見直せば十分入学予定者も対応できるというのが現場の皆さんの声です。 業務の効率化の点では意味ある指摘だと思いますが,審査業務のあり方,またその時期について改善の検討ができないか,教育長に伺います。 ○議長(高木妙君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 本市におけます認定申請の審査業務といたしましては,毎年新年度となります4月に新小学1年生や高知市に転入される方,また新たに認定を受けようとされる方に対して行う新規判定と,従前から認定を受けていた方に対して10月以降も引き続き支給するために必要な継続判定がございます。 また,これらの認定を受けられた方が翌年度も引き続き認定を受けるための別の継続判定もあり,年に合計で3回の判定を実施いたしております。 具体的に申し上げますと,新たに認定を受けようとされる方が毎年約1,500名ほどおられますけれども,こうした方々に対しましては,4月から5月にかけまして申請を受け付け,6月の所得決定後に順次判定を行っております。 これによりまして,判定後のできるだけ早い時期にということで,7月には決定通知と支給ができるように努めているところでございます。 また,10月以降の支給に必要となる継続判定についてでございますが,前年度から継続して認定を受けておられる方,約5,000名の方々につきましては,6月の所得決定後に順次判定を行いまして,10月には決定通知を行うようにしております。 この2回の判定により認定となられた方が翌年度も引き続き認定を受けるために必要となる継続判定を1月から3月にかけて行っておりますけれども,これは次の4月1日時点において,その世帯の状況に変更がないことを前提として審査を行っているものでございます。 制度本来の趣旨としましては,世帯に変更があれば,その都度保護者からの申請により認定,却下等の決定をしなければなりませんが,世帯状況に変更が生じた場合の再申請につきましては,保護者の皆様や学校に対して周知はしておりますものの,現実的には世帯変更に伴う再申請はほとんど行われていない状況にございます。 こうしたことから,本来支給を必要とする方の決定を速やかに行うと同時に,支給の必要のない方への認定を取りやめることも必要であり,現状における審査の方法が今のところ公平で合理的な方法であると考えております。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) これまで高知市の規則上,4月1日から認定を受け付けるということになっていますので,どうしても入学後に審査をすると。これがこれからは中学校も小学校も入学前に審査をして3月に支給をするということを国ができるとしました。 ほかの市町村はどうやっているかというと,高知市が今,2月ごろ,継続のためにやっているその調査の時期に新入学の方たちを,新規の方たちを同じく調査をするので,今新規分ということで5月末ごろやっているそういった調査が減るだろうと,そういう事務効率ができるのではないかと,それをやっていただきたいというのが現場の皆さんの思いですので,この点は制度を改善するときに現場の声を聞いていただいて,効率化をさらに進めていただきたいと思います。 次に,放課後児童クラブの待機児童解消について伺います。 放課後児童クラブの利用者は9月1日付時点で3,837名,クラブ数は85カ所となり,年々ふえている状況です。働きながら子育てをする多くの保護者にとって,なくてはならない事業であり,支援の必要な子供たちにどう保障していくのか,行政の責任が重たく問われる分野となっています。 高知市においても,放課後児童クラブは保育と同じく,毎年待機児童が発生し,保護者たちから,安心して働けないとの声が寄せられています。 また,利用料の値上げが行われ,現在1人当たり月8,100円です。生活保護世帯と非課税世帯は無料,就学援助世帯は2分の1負担とする減免制度がありますが,生活保護世帯の所得と約1.3倍しか違わない就学援助世帯でも毎月4,050円払うことが求められ,本当に大変な状況です。 子ども食堂で出会ったある母子家庭の兄弟のお母さんは,放課後児童クラブは諦めたと話していました。行かせたいけれど,申請すら諦めている世帯,潜在的待機児童が明らかに存在しています。その数は,料金引き上げ後に増大していることは簡単に想像できます。 また,申請をしても入れない。特に夏休みなどの長期間子供を見てくれる家族や親戚がいない世帯はたちまち困ります。仕事すらできないという新たな問題を生んでいます。 早急に解消していくことが必要ですが,年度当初の待機児童数は全体で89人,うち1年生から3年生までの低学年が25人,高学年が64人いたとのことですが,そこで,待機児童がわかった後の対応についてお聞きをいたします。 夏休み前までに解消できなかった待機児童数と,そのうちの1年生から3年生の低学年の数はどれだけあったのか,こども未来部長にお聞きをいたします。 ○議長(高木妙君) 山川こども未来部長。 ◎こども未来部長(山川瑞代君) 放課後児童クラブの夏休み前直近の待機状況ですが,7月1日時点で4,014人の児童が入会をしており,待機となっている児童は72名で,そのうち低学年では19名となっております。 5月1日時点との比較では,待機児童数は17名の減少,低学年では6名の減少となっております。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) なかなか解消できていないということがわかりますが,最近は慢性的に待機児童が生まれているという声をよく地域で聞きます。 この慢性的な待機児童,そういう学校はどこなのか,また解消ができない要因は何なのか,その点についてこども未来部長にお聞きをいたします。 ○議長(高木妙君) 山川こども未来部長。 ◎こども未来部長(山川瑞代君) 待機の状況につきましては,各年度入会申し込みの状況にもよりますが,本年度夏休み明けの9月1日現在でも待機のある小学校は主に横内小学校,初月小学校,はりまや橋小学校です。 放課後児童クラブの入会に当たりましては,低学年の待機児童を出さないことを基本に取り組んでおり,想定を超える入会申込者数となった場合は,それに対応するため,申込締め切りから3月末までの2カ月間の短期間で新たに余裕教室等の借用など,施設面において教育委員会や学校に協力をお願いしながら,児童クラブ開設に向けまして,子供たちを安全に受け入れできるよう環境を整えて対応しております。 子供たちの安全確保の観点や公共施設マネジメントの考え方などから,本市の開設する放課後児童クラブについては,これまで学校施設内での整備を行ってまいりましたが,施設内では児童クラブのスペースが確保できない学校もありますので,待機児童の完全な解消には至っていないところです。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) こども未来部ができて4年以上たって,この待機児童問題,最大の課題ということで,常に努力をされてきたと思います。努力していきますと答弁がこの間ずっとあったわけですけれども,それでも解消ができない。 場所の確保は,先ほど学校の名前も3校上がりましたけれども,具体的に確保が必要になっているところというのはもう焦点がわかっていると思いますので,どう進めていくかというのが今後問われると思います。 その点では,これまでのような校内に限定するのではない弾力的な確保策,そういうものを多面的に検討していきたいと,そういうのも6月議会で答弁をされています。 それでも,この夏休み前,待機児童が慢性的に解消されない。どうやったら解消するのかというのを多くの市民が願っているわけですが,特に名前が上がりました慢性的な待機児童が発生している横内小,初月小,はりまや橋小,この3校について具体的な解決策をお示しいただきたい。 その上で進めていくべきだと思いますが,こども未来部長にお聞きをいたします。 ○議長(高木妙君) 山川こども未来部長。 ◎こども未来部長(山川瑞代君) 待機のある学校につきましては,施設面において限りもあり,新しい児童クラブの開設に至っていないところですので,学校施設外での児童クラブの開設についても検討を進める必要があると考えています。 具体的には,横内小学校については,今年度増設した1クラブにより,一定ニーズを充足する見込みであると考えております。 初月小,はりまや橋小学校については,次年度以降の入会申し込みの状況にもよりますが,学校施設外での児童クラブの開設が必要であると考えており,今後,短期的な視点,中期的な視点を持ちながら適地の調査に取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 学校内にこだわることなく,早期に解消していくために開設が必要というふうな明言がありましたけれども,例えば初月小学校のすぐ隣にはふれあいセンターもありますが,同じ隣に消防屯所がありました。 この初月消防屯所は12月をもって近くに新築移転をします。 その後,この公用地,建物,どうするのかというのが地域を含めた議論になっていくわけですけれども,待機児童が発生していて,その用地確保に困っているというこども未来部のそういった思いをぜひ関係部署にも伝えていただいて,また地域も含めた協議をしていくことで,初月小においてはこういった公用地,公の施設の新たな活用によって解消が早期に図れるのではないかというふうに期待をするのですが,今後の協議を進めていただきたいですけれども,部長の御意見をお聞かせください。 ○議長(高木妙君) 山川こども未来部長。 ◎こども未来部長(山川瑞代君) 初月小学校につきましては,御提案の内容も考慮の上,今後適地の調査に取り組んでまいります。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) ぜひ地域の皆さんの声を聞きながら進めていただきたいと強く要望しておきます。 今年度,国のほうも放課後児童クラブ待機児童解消のためにということで,運営補助基準額の増額,また人員確保のための処遇改善,これは1人当たり年間12万円から37万円程度の増額を行っております。 このことは,以前より市町村の負担を軽くしたと思います。なので,その分,市としてもできる手だてを考えていただきたい。 例えば,市ができることとしては減免制度の拡充などがありますが,今後どう取り組んでいくのか,その点について,こども未来部長の考えをお聞きいたします。 ○議長(高木妙君) 山川こども未来部長。 ◎こども未来部長(山川瑞代君) 現在の減免制度につきましては,生活保護世帯や市町村民税非課税世帯では全額免除,就学援助受給世帯では半額免除としているところですが,そのあり方について他都市の状況等も踏まえながら,これまで継続して研究してまいりました。 例えば,兄弟姉妹で同時入会の場合の2人目以降の減免では,平成28年度の調査において,減免割合はさまざまですが,中核市48市のうち半数の24市が実施している状況です。 こども未来部としましては,減免制度の財源は一般財源となることから,限られた財源の中で,子供の貧困への対策としての低所得世帯への減免の拡大や,少子化対策でもある多子軽減など,より広い視野を持って減免制度を構築していく必要があると考えております。 減免事由や減免割合などによる費用や効果を十分に検討し,具体的な内容がまとまり次第,財務部等とも協議してまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 具体的に財務部と協議していきたいというのは新しい答弁だと思いますので,ぜひ協議をしていただきたい。 質問ではございませんが,要望として市長に,こういった国の財源が確保され,そのことによって,今まで市が持ち出していた,お金だけじゃなくて,市があらゆる形で持ち出していた負担が減ると,そういうことが生まれていますので,その分をやっぱり子供たちに返していく。 例えば,この事業であれば,割引制度へ返していくということをぜひとも進めていただきたい,その点を強く要望しておきます。 次に,介護保険と総合事業について伺います。 介護保険制度がスタートをして16年,高知市でも保険料が毎回値上げを続け,現在の保険料は月平均5,491円となっています。来年度から第7期が始まりますので,現在はその計画に備え,保険料の試算なども含めた協議が行われているところです。 高齢化の中では,給付費,つまり支出がふえることは重々承知をしていますが,地域を回り,市民の皆さんの暮らしの実態を見れば,これ以上の値上げは避けるべきとまず訴えておきます。 値上げとなれば介護サービスの抑制と介護地獄をふやすだけです。当初の目的である介護の社会化は,この16年で進んだとは思えませんし,進んだのは自己責任論による自己負担だと思います。それはなぜか。介護保険法にある給付費の負担割合,これが,被保険者が半分出すことになっているからです。 これから先必ず来ると言われている超高齢社会のピークは2025年から2040年ごろまで続くと言われています。 この先,高齢化がわかっていながら被保険者負担の割合を半分とする現状の仕組みは,今後必ず保険料が上がることを意味します。高齢者の暮らしから見れば,年金が下がり続けており,これ以上の値上げに耐えられるはずはありません。 このままでは,介護制度が維持されても,その前に被保険者や高齢者の暮らしが崩壊する,そういう危機的状況だと思います。 今の介護保険料が既に高いという認識があるのかどうか,市長に所見を伺います。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 介護保険につきましては,核家族化や少子・高齢化の進展に伴いまして単身高齢者の数もふえていますし,また高齢者の方だけの世帯も増加したことを踏まえまして,介護を社会保険制度の中でカバーしていこうということで創設されまして18年がたちました。 この間,高齢化の進展による要介護者の急激な増加によりまして給付額が増加をしてきておりまして,平成12年度の制度開始時の3兆6,000億円から比較すると,現在約3倍の10兆円を超える事業規模になってきております。 保険料については,この介護創設時の基準額が全国平均で2,911円でスタートしたものが,現在第6期の,これは全国平均ですけれども,基準額で5,514円の平均額となっております。 高知市の保険料基準額は,先ほど御指摘いただいたとおり5,491円となっておりますが,制度創設時の保険料3,108円でございましたので,1.8倍近くになっていますので,現況の高齢者の皆様方の生活を取り巻く厳しい環境を踏まえますと,特に低所得の方々を中心にして介護保険料の負担感は増してきているということを認識しております。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 本当に年金が減る中でのこういった保険料の引き上げ,介護保険料だけではなく,あらゆる公共料金,利用料がふえている状況ですので,本当に高齢者の負担というのは重たくなっていると思います。 根本的にこの制度,先ほども言いましたけれど,公費の負担割合,ここが大きな問題だと思います。 この点について,公費の負担割合をふやしていくことを含めたさらなる財源の確保,こういったことを市長会等からも国に対して強く申し入れていただきたい。この点については,7月3日に申し入れされているということなので,引き続き頑張っていただきたいと思います。 介護保険事業の中には,介護予防の観点から位置づけられた地域支援事業の総合事業があり,高知市では昨年の10月からスタートをしました。 そもそも国の狙いは,ふえ続ける介護予算を抑制させるためで,これまでの認定基準も厳しくし,要支援1,2の方は介護保険から外し,医者の診断のない総合事業に置きかえていくとしました。そして,その総合事業を国ではなくて市町村の責任で行わすとしています。 ある自治体では,ケアプランのあり方が国の狙いどおりに変えられたために,介護認定者に卒業と言って総合事業に回す,そういう保険外しが行われ,高齢者から悲鳴のような声があるといいます。 行政が認定等の線引きを変えておきながら,突然卒業と言われ,サービス支援が後退をしたり自己負担がふえたりしている状況は本当に許されません。 先日,厚労省が発表した資料では,2016年は総合事業への移行で介護サービスの利用が減ったと報告をし,介護外しとなった事実を認めざるを得ない状況です。具体的な数字でいうと,高齢化が進んでいるにもかかわらず,介護利用者の数は前年度と比べて3.8%減,約6万人も減り,介護保険制度開始以来,初めて減少に転じたとしています。 これは介護の給付サービスを剥がすようなものであり,保険あってサービスなしの推進です。 日本共産党としても国に対して強く批判し,改善を求めてきたところですが,国はさらに介護の利用者の負担の3割化を来年8月に行おうとしていますし,ことしの8月からは高額介護サービス費の負担の上限額が3万7,200円から4万4,400円へ7,200円の引き上げを行いました。 サービス利用の抑制につながっていくことは目に見えています。将来には要介護2以下も総合事業へ,またケアプランの有料化なども狙われているところです。 市民への影響をどう抑えていくのか,高知市でできることはないのかという点で,高知市の方針が切れ目のない地域支援事業,総合事業を行っていくとしていますが,受け皿の体制面やサービス水準が後退しないような取り組みが十分かどうか,改めて検証が必要です。 そこで,総合事業の利用実態についてお聞きをするということでしたけれども,お聞きをしたら,総合事業の利用状況は,介護認定者だった方で総合事業に移行した方,この移行者というのは125名で,そのうちサービスを維持するとしたら自己負担はふえるかどうか。 この点についてはふえないというのが現場の回答ですけれども,こういった移行前の水準を将来においても落とさない,維持をさせていくということが高知市の果たすべき将来においての責任だと思いますが,後退させないという決意を健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 総合事業につきましては,昨年10月から実施をしておりますが,チェックリストを利用された方が先ほど御質問にあったような数になっておりますけれど,基本的には通所介護,訪問介護は総合事業に全員が移行していくということになります。 現在は,その通所介護,訪問サービスについては,専門的なサービスが必要な方についてはこれまでどおり事業所による訪問・通所サービスを利用されております。 御指摘の総合事業・地域支援事業には国の給付費の上限額が定められていますので,対象者の増加などにより,それを上回る給付費の伸びがあった場合には,報酬体系の見直しや自己負担額のあり方についても検討しなくてはならない状況となります。 本市としては,できるだけ高齢者の皆さん自身がいきいき百歳体操などの健康づくりに参加をしていただくとともに,いわゆる健康寿命,介護などを必要としない自立した生活を送ることができる期間を延ばしていただくことで給付費の増加を抑えていきながら,給付費が上限額を上回ることなく必要なサービス水準が維持できるよう取り組んでいきたいと考えています。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) 利用者がふえれば報酬の見直しもやむなしということだという答弁だと思いますが,やっぱり総合事業は一般会計が入れられる事業であるということは国も認めておりますので,その点については,利用者がふえたからといって暮らしの厳しい高齢者の皆さんにはね返すというようなことは避けていただきたい。強く要望しておきます。 あと,地域支援事業など,連絡,相談の受け付け機能を果たしている高齢者支援センター,そういったところの体制強化は急ぐ必要があると思いますが,その点について今後の取り組みを健康福祉部長にお聞きいたします。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 本市では現在,東西南北と春野の各圏域にセンターを5カ所,旭の分室の合計6カ所設置をしております。 高齢化の進展に伴い,相談件数は平成24年の6,782件から28年度には1万3,720件と2倍に達して,28年度の要支援者の方のケアプランの作成件数も3万8,427件と大きく増加をして,約半数は居宅介護支援事業所に委託をしている状況です。 これまでの介護保険法等の改正の中で,それぞれ地域における自助や互助の取り組みの促進,多様な主体による多様なサービスの確保や介護予防の推進,保険給付の適正化など,多様な役割が高齢者支援センターには求められています。 一方,現在の高齢者支援センターの対象となる高齢者の数は,春野の約5,000人を除き,1万7,000人から3万人となっておりまして,地域特性に応じたきめ細やかな対応が十分とは言い切れない状況にありますので,御指摘の切れ目のない地域支援を行うためにも,今後のセンターのあり方を見直す必要があると考えております。 単身高齢者や高齢夫婦世帯だけではなく,複合的な課題を抱えた世帯など,制度の適用では解決できない住民ニーズもふえていますので,地域の住民の皆さんが自主的に参加をし,お互いに気遣い支え合う仕組みや,住民みずから地域課題を把握してその解決を目指す地域力を高める取り組みなどを支援しつつ,地域の包括的ケアシステムを構築していく必要があります。 そのため,今後平成30年度から第7期の高齢者保健福祉計画の時期となりますが,この中でセンターの増設に加え,センター間の総合調整機能や人材育成,虐待事案への指導,助言等に特化をした機能を持つ基幹的なセンターを設置する必要もあると考えておりますので,高齢者支援センター運営協議会などの意見も踏まえながら具体的な検討を進めてまいります。 ○議長(高木妙君) はた愛議員。 ◆(はた愛君) さらに基幹的なセンターの必要性を認められて,進めていきたいということですので,ぜひこれからふえる高齢者の相談に応えられる体制を整えていただきたいと要望しておきます。 もう総合事業においても,介護保険料においても,高齢者,そしてその家族の負担はもう限界という状況です。そんな中で,国はどんどん負担をふやしているわけですけれども,介護保険はそもそも社会保障の制度である以上,本来必要な支援が経済的理由で受けられないというようなことがあってはならない。 その点について市長に認識をお聞きしたいということでしたが,時間がないので,受けられないというようなことがあってはならないと思いますので,最大限高知市も努力をしていただきたいと思います。 特に行政は社会保障事業を一般的な保険原理に当てはめて,受益者負担だとか公平性など,そういうことを言って,公費の負担割合,公費の割合を減らしてきたというのがこれまでの動きです。 しかし,介護保険は強制的に加入させられる制度です。年金から天引きされているように,嫌だと言えないわけですから,低所得の方の存在を無視してはならないという点で,ぜひ低所得者の方の対応を進めていただきたいと思います。 こういった国の流れは許さない立場で,国に対してしっかり物を言っていただきたいと思いますし,市においても特に現場の皆さんの声を大事にすること,あと高齢者の皆さんの暮らしを本気で支えることができる事業,そういった体制にしていただきたい,そのことを強く要望いたしまして,全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。  〔氏原嗣志君登壇〕 ◆(氏原嗣志君) 新こうち未来の氏原でございます。よろしくお願いを申し上げます。 この夏も猛暑でありました。先日,針木の梨専門農家の方とお話しする機会がございました。この暑さは大変です。この暑さがどのように梨に影響するかが心配です。影響が出れば,4年続けて収穫への打撃になりますと,心配をしたお顔でございました。 また,この状況下でありましたならば,高齢農家は作付面積の縮小や作付品目の変更なども考えないといけないといったような深刻なお話もお聞きをいたしました。 自然の猛威は,地球温暖化の世界的な問題となっています。人間としていま一度向き合い,声を大きくしてこの問題に問いかけなくてはなりません。この暑さで,この高知でも,ここまで培った,先ほどのお話でございますが,新高梨の伝統に陰りが出てきたと言っても過言ではないと思います。 話が変わりまして,私ごとになりますけれども,寂しいことがございます。今月に入って春野庁舎の解体工事が始まりました。けさも前を通り,見てまいりましたが,遮断防壁の中では庁舎の面影はございませんでした。 地方自治にかかわって50年,約40年間職員として,町長として通った旧役場庁舎がなくなったことは,言葉では言いあらわせない私のその思いと,また一方では多くの町民が選択をした高知市との合併の約5年間の論議の場でございました。そんなことを思いながら,この議場に出していただき,発言をさせていただいておるという,何とも言えない心境であるからであります。 もう一つ,報道等もございますが,あすからえひめ国体の水泳飛び込み競技がここ高知市春野町春野総合運動公園で行われます。既にカヌー競技は本山で始まっていますが,あすから春野総合運動公園の水泳競技場で公式練習が始まり,15日からは本大会となります。 何を言いたいかでありますが,このえひめ国体に私ども春野地域もボランティアとして,1日平均約40人が応援をいたします。5日間で延べ人数200人がお手伝いをするのであります。町内会が中心となりまして,17地区町内会自治会に,また町内各種団体にお願いをいたしてきました。まさに住民力,地域力を発揮する部分でございます。 前段が,長くなりましたけれども,これより質問に入ります。市長説明の中にもあった部分もございますので,その点につきましてはお許しをください。 まず最初に,市長の政治姿勢でございます。 まず最初に,桂浜道の駅構想についてであります。 大変失礼な言い方になりますが,いまだに変なうわさが消えておりません。協力地権者の撤退がなされ,行き場を失った構想になったと思います。説明にもありましたように,南部地域の振興策について新たな協議会を立ち上げ,その作業が始まった。シフトを切りかえての取り組みがなされておると思います。 そんな中で,調査費の補助金への処理の問題,その対応,現在の南部地域の振興策の対応について,その取り組み状況についてお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 道の駅構想ですけれども,段々,本会議でも申し上げてまいりましたが,国土交通省所管の官民連携基盤整備調査事業費を活用し,いわゆる可能性調査を行ったものでございます。 当事業につきましては,民間の投資や事業活動等に合わせて,行政による必要な基盤整備を一体的に行うことで,地域の特性や強みを生かし,特色ある地域の発展を図ることを目的とし,基盤整備の構想段階から事業実施段階への円滑な移行を支援するための制度ということに補助金はなっております。 その内容としては,地域の経済や観光振興,また地域の防災力向上等のための事業化の可能性調査,さらには実証実験を含む検討調査など,幅広い活用が補助金として活用となっております。 この調査事業の活用につきましては,地域の衰退が懸念されております長浜,御畳瀬,浦戸地域において,地域全体の振興策を検討するために,道の駅事業の可能性についての基礎的な調査検討を行ったものでありますので,この調査については適正な補助金の活用がなされたものと考えております。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) いま一度お聞きをいたしますけれど,この受けた補助金の制度はまだ生きておるというふうに考えていいでしょうか。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) その返還が必要かどうかという御趣旨の御質問かどうかよくわかりませんが,この補助金を返すということは考えておりませんし,返す必要はないというふうに考えております。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) 返すことを考えてないという中で,これまた失礼なお尋ねになるかもわかりませんが,この構想についての事業の方向,その判断といったことを考えると,道の駅構想そのものが私はもう終わっておるというふうに思うわけですが,事業断念の発言といった言葉はございません。 私は,ここに至っては市長みずからが市長の姿勢としてはっきりと道の駅構想,いわゆる振興策は別として,この部分については断念をするといったようなことも決断してもいいのではないかということを思うところでございます。 事態の収拾,混乱を終わらせるために,幕引きとなるようなこともあってもいいのではないかということでございますが,その思いを,市長,お聞かせください。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) この道の駅構想の可能性調査につきましては,私どもの説明不足ということもありまして,地域や,またさまざまな関連団体を混乱させたことについては,大変申しわけなかったと思っております。 ただ,一貫して地域の御意見として,長浜,御畳瀬,浦戸の振興策はぜひ考えていただきたいということは強く要請を受けております。 こういう要請を踏まえまして,去る8月16日に長浜,御畳瀬,浦戸の活性化の協議会の設立準備会を得まして,今月の4日に新しい協議会のメンバーを地元でも御推薦をいただきまして,活性化協議会が9月4日に立ち上がったところでもございます。 現状は,この9月4日の第1回目の会につきましては,特にこれからの人口推計,長浜,御畳瀬,浦戸がいかに人口が現実に減っていくかという状況等のデータを踏まえて,現状の御説明を申し上げさせていただきましたけれども,今後地元からのいろんな御提言をぜひいただきたいという会を立ち上げたところでございます。 基本的には,この活性化協議会におきまして,さまざまな御提案が出てくるものというふうに考えておりますので,活性化協議会の中では,ゼロベースからの協議とさせていただきたいと考えているところでございます。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) 市長の言われるとおり,地域の振興,南部の振興策,これはもう絶対やらなくてはならないというふうに思います。そのことは反対するものではございませんけれども,やはり道の駅とリンクさすような内容のものは,私はやっぱりここでひとつ軌道修正すべきであるということでお尋ねをいたしました。 地域振興あるいは南部に対する取り組みについては,さらに取り組みをしていただくようにお願いをしておきます。 次に,図書館西隣の市有地の有効活用についてであります。 重ねてお尋ねをするようになりますけれども,先日も高知新聞の報道もありました。私自身,この問題についての市の取り組みはいまだに疑問を感じておることから,あえていま一度質問をさせていただきたいと思います。 市民アンケートの結果や有識者による検討会の報告結果,私は重ねて言わせていただきますけれども,市民の求める方向はただ一つであると思います。総合行政の中で市長の立場は,各方面からの意見や要望を聞かなくてはなりません。あらゆる検討の結果の答えもみずからが導かなければなりません。そのことは苦しいことでありますし,苦渋の選択も必要であるというふうに思います。 しかし,大方の市民の声を無視した場合の結果は,行政不信となり,反論以外何物でもありません。 私はこの問題について,あらゆる機会を通じ,西敷地の活用について市民の皆さんの声を,私の意見に触れずにお尋ねをしております。 その大半,大方の意見は,市民の皆さんのものとして活用できるもので残してほしい,そういう結果の内容であろうというふうに判断をしております。 そこで,お聞きをいたしますが,追手前小学校と新堀小学校との統合,とりわけ追手前小学校の皆さんとの説明会や意見交換会などの場があったと思います。 その中で,PTAや保護者会,地域の皆さん方の声は土地の有効活用部分での意見もあったと思いますが,そういった中の内容が報告できれば,教育長にお願いをいたします。 ○議長(高木妙君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 追手前小学校と新堀小学校の合併統合に関しましては,平成19年度と20年度におきまして,新堀小学校並びに追手前小学校のPTAや校区の町内会連合会,また新堀小,追手前小,教育委員会の3者による打合会等におきまして,多くの方々から御意見や御要望をいただいたところでございます。 今回,改めまして,当時のこうした説明会等の議事録を確認いたしましたが,追手前小学校の跡地の利活用に関する意見や提言等に関する記述については,内容を確認することができませんでした。 具体的な御要望といたしましては,追手前小学校の記念碑やソテツ,説明板等を移植,設置するということがございましたので,現在建設中の新図書館等複合施設オーテピアの北西の追手筋側を追手前小学校のメモリアルスペースとして整備を進めておりますけれども,跡地の利活用ということにつきましては,議事録からは具体的な要望を確認することはできなかったという状況でございます。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) どうもありがとうございました。 地域との話し合いの中では,そういう確認事項が見えないというところでございますけれども,私どもの会派は,やはり市民の声を大事にしてほしい,広場機能といったような内容でお願いをしておりますので,そういったところでの部分では,やはり重ねてそういうことは思うところでございます。 新聞にもございましたとおり,プロポーザルによる提言の受け付けが始まりました。そういった先ほど来のお話,お願いをした内容を踏まえて,いま一度時間を置いて市民の皆さんの意見を聞くための場をこしらえるため,凍結をしたらと思いますが,お考えを商工観光部長にお尋ねいたします。 ○議長(高木妙君) 松村商工観光部長
    商工観光部長(松村和明君) 新図書館西敷地の利活用につきましては,平成23年の中心市街地活性化基本計画検討委員会の専門部会におきまして,利活用の方向性についての中間報告をいただいた後,28年2月には7名の外部有識者等で構成されました利活用検討委員会を設置し,西敷地にふさわしい導入機能を御検討いただき,市民の皆様のアンケートも踏まえた検討結果を報告いただきました。 この報告では,西敷地への導入機能としてふさわしいと考えられる11機能をAからCの3段階に評価したものとなっており,特にA評価でありました広場機能や,家族で訪れて子供が安全に遊ぶことができる機能などの4機能の評価は僅差で,市民アンケートでもいずれも高い支持を得たものでございました。 このような過程を経て導き出されました検討結果は,市民のさまざまな御意見をより反映されたものと受けとめております。 また,今月8日に当該事業の公募型プロポーザルの公示を行ったところでございまして,本年度内には事業実施候補者の選定を行い,その事業内容等については議会の御意見もいただいた上で,事業実施候補者と基本協定を締結してまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) あえてこの問題に触れさせていただいたのは,確信はないのですけれど,余りにも変なうわさが多過ぎます。そういったことを考えると,市長,いま一度本当に市民の皆さんのお声を聞いてください。それをお願いしておきたいと思います。 次に,せっかく提案しながら,一歩譲っての提案をさせていただきたいと思います。この場によさこい交流館と踊りの広場を提案したいと思います。 よさこい交流館と広場,よさこい踊りが見られる広場,図書館,高知みらい科学館を見に来た老若男女の市民の皆さん,永国寺キャンパスの学生たちのイベント,すばらしい交流の場ができると思いますが,いかがでございましょうか,お聞きをいたします。 ○議長(高木妙君) 松村商工観光部長。 ◎商工観光部長(松村和明君) 西敷地は,よさこい祭りのメーン会場であります追手筋に隣接し,御質問にございました新図書館の開館や永国寺キャンパスの開校による学生の増加に加え,日曜市やひろめ市場,高知城歴史博物館など,市民や観光客がたくさん訪れ,交流が生まれるエリアに位置しておりますことから,御提案のよさこい交流館と踊りの広場も,その立地特性に合った提案ではないかと考えております。 基本方針におきましては,A評価機能として,日曜市やよさこい祭りを充実・発展させるための機能や広場機能が入っており,公募型プロポーザルにおきまして,質問議員さんの御提案に沿うような事業提案もいただく可能性もございますので,その際は選定委員の皆様に評価していただくことになると考えております。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) 話題をかえまして,次へ移らせていただきます。 私ども高知市町内会連合会は来年30年に創立30周年を迎えます。一昨日も実行委員会それぞれの部会が開かれました。 頭を悩ますのは,記念誌発行の財源対策であります。既に町内会連合会要望として市長にお願いもいたしておりますが,重ねて財源支援をお願いするものでございます。 私どもも,単に要望だけでなしに,単一町内会,地区協議会等での取り組みはやりますが,市域の事業者,企業者の皆さんへの芳志のお願いもできるいっぱいするつもりでございますので,よろしくお願い申し上げたいところでございます。 またあわせて,記念式典も開催をいたしますので,当日の記念講演の講師の先生の招聘,講師謝金等についても御配慮をお願いしたいと思いますが,市民協働部長にお聞きをいたします。 ○議長(高木妙君) 神崎市民協働部長。 ◎市民協働部長(神崎修君) 高知市町内会連合会につきましては,御質問にもございましたとおり,来年創立30周年を迎えられるということで,これまで防災や福祉活動を初め,安心・安全なまちづくり等に取り組んでいただき,市政に対しましても多大な御貢献をいただいておりますことに心から感謝を申し上げます。 また,各町内会並びに町内会連合会の運営に携わってこられた役員の方々を初め,多くの皆様方に敬意を表するところでございます。 創立30周年の記念事業に関しましては,昨年の町内会連合会の方々と市長との懇談会におきましても,さまざまな事業を検討されているとお聞きしております。 記念誌の発行につきましては,これまでの経過を振り返り,これからの活動につなげていくとともに,次の世代に受け継いでいくためにも大変意味のあることと認識をしており,本市といたしましても,その費用に対し支援が行えるよう,来年度予算を要求してまいりたいと考えております。 また,記念講演につきましても,今後の活動にとって有意義なものとなりますよう,テーマや講師の人選,費用面の支援も含めまして,町内会連合会の方々と御相談してまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) ありがとうございます。何とぞよろしくお願いいたします。この議場には各地区町内会の会長さんもたくさんおりますので,御配慮のほどをお願いいたします。 次に,障害者対策等を受けまして,新庁舎への障害者施設常設展示場についてお願いをしたいと思います。 窓からは新庁舎の建設のつち音も聞こえ,くい打ち等の作業が毎日のように見てとれます。平成31年の完成が待ち遠しく思うところでございますが,新庁舎の各部局等の配置等についての素案もできていると思います。 そこで,お願いでございますが,新庁舎の1階正面玄関付近に障害者の皆さんの施設の作品等の展示,販売のできる常設スペースの確保をお願いしたいのであります。総務部長にお考えをお聞きいたします。 ○議長(高木妙君) 弘瀬総務部長。 ◎総務部長(弘瀬優君) 新庁舎につきましては,平成31年秋ごろの供用開始を目指し,現在建設工事を進めております。 この新庁舎には,1階の正面玄関横にさまざまな利用を想定した多目的室を設置し,また正面玄関から市民の皆様が利用される窓口まで続く広い市民ロビーを設けることとしております。 現在,この空間につきましては,効率的で満足度の高い市民サービスを提供できるように,また市民の皆様にとってわかりやすく利用しやすい窓口部門のレイアウトや効率的な窓口カウンターまでの動線,また居心地のよい待ち合いスペース等の配置など,さまざまな視点での調整を現在進めております。 このため,多目的室の具体的な運用方法や市民ロビーの活用方法につきましては,こうした調整を踏まえた上で,どのような利用が可能であるか検討してまいりたいと考えております。 御質問にあります障害者施設の皆さんの作品等の展示,販売の常設スペースの確保につきましては,本市といたしましても,障害のある方の社会参加や就労支援などの必要性を認識しておりますが,新庁舎での庁舎管理のあり方など,さまざまな課題について整理する必要もございます。 今後,他都市の事例や関連部署との協議も踏まえ,新庁舎への展示・販売スペースの設置等の可能性について検討してまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) どうもありがとうございました。 先般,我が会派で埼玉県のある市を訪問いたしました。玄関で障害者の皆さんの作品の展示,販売を行っていました。代表者の方にお尋ねしますと,常設ではありません。その都度使用許可をいただいてやっておりますと。しかし,隣の町では積極的にそのスペースを確保しての活動ができており,大変うらやましい,そんなお話でございました。 また,各常任委員会等でも,市の新庁舎建設の視察を行ったところでございますが,ある市では,常設のスペースを確保されておるといったようなお返事も聞いた自治体もございました。 一方で,各自治体によって障害者の皆さんへの対応に差があることも知ってまいりました。どうか本市においては,より積極的な御英断をお願いするところでございます。 次に,難病対策についてお尋ねをいたします。 高知医療センターの初期の難病問題についての理念,目的についてお尋ねしたいと思います。 私は,難病に関して余りにも何も知らなかったことに気づきました。医療費助成対象疾病,指定難病というようでございますが,約300以上の疾病があることを,恥ずかしながら知ったところでございます。 先般,私の知り合いより相談がございました。その方は,難病という病気を持った方でございますが,そのお尋ねの内容は,高知医療センターの難病対応について疑問を持たれた方であります。 がん等の高度医療への対応はより具体的な取り組みがなされていますが,難病への取り組みが医療センターでは置き去りになっているのではないかとの指摘でございます。 また,医療センター発足時には,この難病対策についても動きがあり,ちゃんとした理念を持った丁寧な説明もあったようなお話も聞きました。ここに至ってその取り組みと対応について不親切きわまりないとの重ねての憤慨した指摘でございました。 本市もかかわる医療センターでございます。その経過,対応のお考えを健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 高知県立中央病院と高知市立市民病院を統合する際,高知医療センターでは高度な診療機能を背景に,難病医療についても,当時中央病院において多くの難病患者さんを診療していた状況も踏まえまして,神経内科的難病,内科的難病,整形外科的難病を中心に診療機能を整備するとされておりました。 難病対策については,都道府県がおおむね2次医療圏ごとに1カ所,高度な難病患者の受け入れ等の役割を担う難病医療拠点病院を指定することになっていますが,現在は高知大学医学部附属病院がこの役割を担っています。 あわせて,その拠点病院等との要請により協力対応を行う難病医療協力病院を指定し,2次医療圏ごとに病院や診療所が指定をされているところです。 現在,高知医療センターは,このいずれの役割も担っておりませんが,統合時の役割を考えますと,難病に対する診療機能の充実は大変重要な課題であると考えています。 平成28年3月に高知医療センターが策定をいたしました32年度までの計画期間といたします高知医療センター経営計画においても,救急医療や周産期母子医療,がんセンター機能などに加えまして,難病など県内で不足している医療に積極的に関与し,不足医療を埋める役割を果たしていくとされております。 こうした役割を積極的に果たしていくことができますよう,本市としても難病医療の充実に向け支援をしてまいりたいと考えております。 なお,患者さんへの対応につきましては,医療センターが抱えております,医療の主人公は患者さんという基本理念にのっとり,これからも患者さんの声に耳を傾け,寄り添いながら丁寧な対応に取り組んでいただきたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) お話のとおり,そういう理念があるということもお聞きをいたしましたので,今後についても経営会議等,市長部局のほうからも積極的な発言をお願いしたいというふうに思います。 その方より,一度行ってみなさいというふうなお話がございまして,先般,駅裏にありますこうち難病相談支援センターに行きました。代表の方を初めスタッフの皆さんのその姿勢に触れることができました。また,高知県,本市の状況についてもお聞きをいたしましたところでございます。 本市のこのセンターとのかかわり,本市がどのような支援ができているのかを健康福祉部長にお聞きをいたします。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) こうち難病相談支援センターにつきましては,平成27年4月に高知県が開設をしたもので,難病患者さんやその御家族の相談,各種制度の説明,各種学習会,患者交流会やピアカウンセラーの育成,就労に関する相談や助言などの幅広い業務を行っています。 特に高知県難病団体連絡協議会が運営を受託しておりますことから,患者さんと同じ立場の方が運営に携わっていることが大きな特徴と言えます。 一方,本市では難病専任の保健師と,平成27年6月から難病相談支援員,本年度からは理学療法士を保健所に配置をして,医療費助成の新規申請受け付け時の面接や個別訪問により,難病患者とその御家族の療養相談に応じるとともに,必要な場合は嘱託の専門医による訪問診療も実施をしているほか,ケアマネジャーやホームヘルパーを対象とした難病学習会や,代表的な難病でありますALS,いわゆる筋萎縮性側索硬化症の患者さん家族交流会を開催しているところです。 こうち難病相談支援センターとはセンター開設当時から連携を密にしておりまして,具体的には,保健所で受けた相談のうち,就労に関する相談などはセンターを紹介し,つなげるほか,センターの方から保健所に紹介を逆に受ける場合もございます。 また,個別支援での連携だけではなく,保健所で実施をしていない病気の交流会について要望があった場合には,交流の機会をつくっていただくよう調整をお願いしたり,保健所で実施をしている交流会にセンターの御協力をいただくなど,事業実施においても連携をしております。 今後も,それぞれの特徴を生かした連携を行うことにより,難病対策を充実させていきたいと考えています。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) ありがとうございました。連携,密にしているという言葉を聞いて安心いたしました。さらにお願いをいたします。 4番目に,用地交渉に物申すといったような仰々しいタイトルをつけさせていただきましたが,大変お世話さまになっている皆さん方に大変失礼な言葉を言わなくてはなりません。そのことは高知市の事業に対する用地交渉のあり方であります。 用地交渉の難しさは私自身も十分わかっておるつもりであります。しかし,今回の春野地域の事業に関し,用地交渉のあり方について疑問と不満があるからであります。 議員諸侯もわかっていただいているように,用地が済めばその大方は成功したと言われています。高知市のやり方はこうじゃと言えば,何をと言いたくなる事態で発言をさせていただいております。 夏入り口に担当の方が来られ,達成率85%でこの事業を終局したい,そんなお話が1つありました。 もう一つは,ある地権者の方から,高知市から用地の境界の立会を求められた,連絡が来たという私への問いかけであります。私が思うのが,そのいずれも事業展開の前段であります用地協議がなされていないように思うところからこの発言になりました。 私が言いたいのは,いわゆる出発点であります事業に関する説明不足,関係者に対する配慮があったのか。市独自で動いておるように思います。それから,地元議員や各種委員にもお話がない。 また一方では,人を頼りにしない姿勢などなど,行き詰まった用地交渉に市職員以外の力を求めずして事業の成功はないと私が考えておるからであります。 せっかく採択登載していただいた事業が部分的にできなくなることは,事業が終わるだけのことでは済まされません。このことについて申すのであります。 旧春野が取り組んできたことを押しつけるつもりはございませんけれども,先ほど言ったことが少しでもあればまた違った力のものも出てきたかもわかりません。残念でなりません。 所管する中澤副市長にこの私の提起についてお考えをお聞きしたいと思います。 ○議長(高木妙君) 中澤副市長。 ◎副市長(中澤慎二君) 本市では,新市まちづくり計画など各行政計画に基づき,社会基盤整備や産業振興などさまざまな事業を推進しており,今年度,春野地区では春野広域農道整備事業や仁ノ地区排水路整備事業などに関係地権者の皆様に御協力をいただきながら取り組んでいるところです。 こうした事業を行う場合,一般的に関係する地区の皆様を対象として全体事業の説明会を開催するとともに,関係地権者の方々に対しましては個別に説明を行って,事業の趣旨に御賛同いただけるよう心がけながら交渉も行っております。 用地交渉では,相続登記がなされていない土地なども多く,関係地権者が相当数おられる場合があるなど,それぞれ状況も異なることから,全員の御協力をいただくためには,地権者の御意向や個人情報の保護などに配慮しつつ慎重に進めていく必要があります。 用地交渉において,一部の地権者の方と合意に至らずに,結果的に事業が当初計画の100%を達成することができなくなり,地域住民の皆様の御期待に十分添えない場合もあります。 本市としましては,地権者の方々に対する積極的なアプローチと丁寧な説明に努めるとともに,市議会の議員の皆様や地元の諸事情に詳しい方々にも事業の説明や御意見等を賜りながら今後取り組んでまいりますので,御理解いただきますようお願いを申し上げます。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) そのとおりだと思いますけれども,私が言いたいのは,一般的な事業と違うということであります。合併時に結んだ新市まちづくり計画に登載された事業,すなわち旧春野町民と高知市が約束していただいた大きな事業であるということであります。 ですから,地域や地元が知らずして事業を終わらすことがいいのかということであります。そのことを言いたいのであります。本当に一生懸命職員の皆さんはやっていただいておると思いますけれども,いわゆる終局部分での着地点がおかしいというところを指摘させていただいておるところでございます。 また一方では,非常に農林関係で,耕地関係で職員に対する損害賠償といったような内容のものもございましたし,職員さん自体が萎縮しておるのではないかといったことも私自身思うところでございます。 残された期間,いま一度事業取り組みについてさらなる努力をお願いいたしまして,この問題を終わります。よろしくお願いいたします。 続いて,農業問題でございます。 耕作放棄地問題については,何度となくその対策をお願いしました。一種農地・優良農地群においても,耕作者の高齢化等により,つくらないのではなく,つくる人がいないのであります。過去の問答の中では,集落営農等の手法で取り組んでいきますとお答えがございました。 その取り組みの成果を数値でお示しください。農林水産部長にお聞きをいたします。 ○議長(高木妙君) 長岡農林水産部長。 ◎農林水産部長(長岡諭君) 本市では,耕作放棄地の解消のための手法としまして,集落営農組織の育成や活動支援,担い手への農地集積の推進,国の中山間地域等直接支払制度の活用を通じた条件不利地域における農地の維持管理活動への支援を行っております。 その具体的成果の一例を申し上げますと,高須,介良地区の2つの組織が共同利用機械による農作業受託等を行っておりまして,平成28年度には水稲の収穫作業で約25ヘクタール,トラクターによる耕起作業で約27ヘクタールの活動実績がございます。 また七ツ淵地区ではタケノコ,四方竹の共同加工を約130トン行うなど,それぞれの地域課題に応じた組織を設立し,活動を行っております。 本市における集落営農組織の設立数は現在,旧高知市区域で4組織,鏡区域で1組織,土佐山区域で4組織の計9組織と年々増加をしておりまして,また複数の農業集落において新たな組織の立ち上げを検討しているところでございます。 今後におきましても,高知農業改良普及所やJA等の関係機関と連携をとりながら,引き続き集落営農組織の育成や支援を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) 集落営農の組織の数値のお話を聞きましたけれども,余り進んでおるようには私は感じておりません。実態が,東部地区のお話がございましたけれども,南部地域や朝倉地域といったところの課題取り組みが私はないように思います。 本当に優良農地がつくらずに放置されておる面積が多いのです。農業委員会の農地パトロール等に同行するわけですけれども,本当につくる人がいないといったところへ行き当たります。ですから,過去にもお願い,提言したように,市の職員さんの人数では限界があるのですよ。 ですから,農協組織と連携してやはり積極的にもう少し動かないとこの問題は解決しません。やはり地域を知り,耕作者や地権者を知っておる地元のJA,そういったところに積極的に働きかけをしていただきたいのであります。 現在,農業公社による賃貸等の取り組みについて,一定評価はいたしておりますが,私は欠落部分があると思います。 すなわち借ることはできても,その後は貸す側があって初めて成立するのであって,積極的に農業公社が取り組んでおるように思いませんし,その耕作者の掘り起こしについてもさらに努力が必要であるというふうに考えております。 すなわち貸す側,借る側の信頼ある制度をつくる,いわゆるJA組織等の皆さんの力をかりて,地権者が耕作する者の掘り起こしができないでしょうか。お考えを農林水産部長にお聞きをいたします。 ○議長(高木妙君) 長岡農林水産部長。 ◎農林水産部長(長岡諭君) 耕作者がいない農地を所有者から農地中間管理機構が借り受けまして,経営規模拡大を目指そうとする担い手農業者などへ貸し付ける農地中間管理事業につきましては,本県では公益財団法人高知県農業公社が機構としての指定を受けまして取り組みを進めております。 本市域における農地中間管理事業の平成28年度実績といたしましては,農地の借り受け希望面積は23.8ヘクタールでございましたが,借り受け希望者に貸し付けが実際に実施された面積は7.3ヘクタールと,農地の出し手や貸付農地が大幅に不足している状況とお聞きしております。 一方で,高齢化が進む農村集落におきましては,農地を貸したいが適当な耕作者がいないという農地所有者のお悩みをよく耳にするところでございます。 こうした農地を貸したいという所有者が潜在的に存在するということが考えられる一方で,農地集積バンク等に貸付農地の情報が上がってこないというギャップは,所有者が農地を貸すに当たって,受け手となる耕作者がどのような作物の栽培を希望しているのか,隣接農地に迷惑をかけることはないか,地域共同活動等に協力的であるか,賃貸料を滞りなく払ってくれるのか,貸し付けの期間満了時には円満に農地を返却してくれるかなど,受け手が信頼の置ける耕作者であるかということを重要視されていることが影響しているものと思われます。 このようなことから,高知県農業公社では高知農業改良普及所に高知市担当のコーディネーターを配置するとともに,地元農業者2名を農地活用サポーターに委嘱するなど,農地中間管理事業においての周知や農地の貸借に関する意向の把握に努めるための体制を整備し,事業の推進に取り組んでおります。 本市といたしましても同公社と連携し,今後も農地のマッチングに努めてまいります。 また,高知市の農業委員会では,改正農業委員会法に基づきまして32名の農地利用最適化推進員が新たに委嘱されまして,担い手への農地の利用集積,集約化や耕作放棄地の発生防止・解消,新規参入の促進などに取り組んでいただくことになっております。 今後は本市の農地利用最適化を推進する上で中心的役割を担っていただけるものと御期待をしておるところでございます。 本市といたしましても,御指摘のありましたJAや農業委員,農地利用最適化推進員の皆様と連携を図りながら,農業者の高齢化や後継者不足,耕作放棄地対策など,地域が抱える人と農地の課題解決に向けて取り組んでまいりたいと考えますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) まだまだこの問題については議論をしたいのですが,時間の関係上ここまでにさせていただきます。 防災対応についてお聞きをいたします。 今,私どもの地区では,公民館避難所マニュアルを地域の皆さんと真剣に向き合い作成をいたしております。防災対策の職員の皆さん,連日の取り組みに頭が下がる思いをいたしておりますが,本当にこの場をおかりしてお礼を申し上げたいと思います。 そこで,先般の全国一斉の訓練の実施に際し,幾つかの課題があったと報道がございました。特に防災行政無線のふぐあいは,市民にとって不安そのものであろうと思います。 今回の教訓を生かし,今後は万全を期する意味から,その取り組みについてお示しをください。 また,津波,自然災害でなしに,北朝鮮のミサイル対応についてもその取り組みについてお聞きをいたします。防災対策部長にお願いいたします。 ○議長(高木妙君) 黒田防災対策部長。 ◎防災対策部長(黒田直稔君) 8月18日に実施されました北朝鮮による弾道ミサイル発射に係る全国瞬時警報システム,いわゆるJアラートでございますが,情報伝達訓練の際,春野地域に設置しています87基のアナログ式の固定系防災行政無線からの訓練放送が流れなかったトラブルが生じました。 春野地域の皆様を初め,市民の皆様方に多大な御不安と御迷惑をおかけしましたことを深くおわび申し上げます。大変申しわけございませんでした。 トラブルのありました日に,直ちに機器メーカーに連絡をとり,調査した結果,原因は,あんしんセンターに設置されていますJアラート設備からの信号を受けて自動起動しましたデジタル防災行政無線操作卓から春野の庁舎内にありますアナログ防災行政無線操作卓に送られる起動信号と春野地域で流れる時報の起動信号のタイミングがほぼ同時であったため,Jアラートの信号を優先させる動作ができなかったことが判明いたしました。 この対策としまして,Jアラートによりアナログ式の防災行政無線が自動起動した場合,春野地域で定時放送が流れている状態であっても,必ずJアラート放送が優先して流れるようにプログラムを既に改修したところでございます。 この改修によりまして,Jアラートを受けた後,5秒の間隔が生じて防災行政無線は自動起動することとなりますが,今後のデジタル化整備によりまして,この5秒の間隔も解消可能ですので,春野地域を初めとする残ったアナログ式の防災行政無線のデジタル化整備に向け,できる限り前倒しをして早期に整備できるよう取り組んでまいります。 また,9月3日に開催された南海中学校区一斉避難訓練におきましても,校区内のデジタル防災行政無線のスピーカー設備のうち,事前に放送指定していた20カ所全てにおいて,前日の周知放送及び当日の訓練放送が流れなかったトラブルが発生いたしました。 この件につきましても,南海中学校の皆様並びに地域の住民の皆様方に多大な御迷惑をおかけしましたことを深くおわび申し上げます。 トラブルが発生した当日に調査を行いました結果,無線送受信装置のソフトウエアのプログラム欠陥が原因と判明いたしました。この対策として,既にプログラムを改修したところでございます。 今後の対策としまして,複数職員によるチェック体制の徹底や無音放送による事前の検証,また実際の音声との確認を行うなど,必ず防災行政無線が起動するように,再発防止に向けた対策を徹底し,万全を期してまいります。 次に,ことしになり,我が国に向けての北朝鮮による弾道ミサイル発射が繰り返されておりますことから,本市におきましても,万が一の事態に備えるため,本年4月に弾道ミサイル落下時の避難行動について,本市のホームページに内閣官房の国民保護ポータルサイトの情報を掲載いたしました。 あわせて,ポータルサイトへアクセスできるようにし,市民の皆様方への周知を図っております。 また,先月9日には北朝鮮が,高知県の上空を通過し,グアム沖へ弾道ミサイルを発射する計画を表明したことを受けまして,本市では高知市国民保護計画に基づき,Jアラートによる情報伝達があった場合や落下物等があった場合など,おのおのの局面に応じた職員の参集体制を確認するとともに,その際の職員の対応事項等について周知をしております。 今後につきましても,引き続き北朝鮮の動向に注視しながら,国,県と連携し,万が一の事態に備えて,ミサイルが発射された場合に市民の皆様方が適切な避難行動がとれるよう周知を図るとともに,一連の流れを意識できるよう,訓練に向けましても県と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) 市民の安全のためにひとつよろしくお願いをいたします。 次に,市民協働,部局間の連携についてお尋ねをいたします。 この議場の中でも各部局間の連携に関する指摘の質問戦もあったと思います。ちょうど各常任委員会が施策の行政評価を所管ごとに作業をいたしておりますが,我が総務常任委員会もその取り組みをいたしました。 抽出した4つの施策の評価に対する意見や取りまとめの中には,部局間の緊密な連携が必要であるといったような指摘もいたしたところであります。例えば消防団員の確保についても,町内会の力をかることも大事であろうといったような内容であります。 そこで,市民協働部の役割が出てくるものと考えますが,指摘された,議会の中でも御答弁があったと思いますが,さらにその取り組みを強化していただきたいのであります。 市民協働部の取り組みについて,その役をこなす調整役が必要と考えますが,市民協働部長にお尋ねをいたします。 ○議長(高木妙君) 神崎市民協働部長。 ◎市民協働部長(神崎修君) 本市の各部局が所管し,地域の皆様と協力しながら実施する事業は年々増加傾向にあり,また複雑化する一方で,地域側の担い手となる方は限られており,町内会長を初め地域の皆様にはさまざまな分野の事業に対して横断的に御協力をいただいておりますことに感謝を申し上げます。 こうした中で,地域の皆様方の御負担を軽減するとともに,事業を効果的,効率的に進めていくためには,行政側から情報発信する場合においても,地域側からの情報を受け取る場合におきましても,御指摘のとおり,関係部局間で必要な情報を正確に共有し,横断的に連携をしながら取り組むことが重要であると考えております。 そのための取り組みとして,特に町内会の皆様に関係する各部局等の事業に関する情報を1冊にまとめました高知市まちづくりガイドを毎年町内会長の皆様を中心にお配りするとともに,町内会等への文書の発送や会議の開催等につきましても,関係部局におきましてできる限り調整をいたしておりますが,まだまだ不十分な状況であると認識をしております。 また,調整役担当職員の配置につきましては,現在複数部局の対応が必要な地域課題を中心に協議する庁内横断組織といたしまして,各部局の副部長及び次長による地域課題検討会議を設置しており,その座長には市民協働部の副部長が当たるとともに,地域コミュニティ推進課が事務局を担当しております。 複数の部局にかかわる多くの情報の集約と適切な取り扱いは組織としての対応が必要と考えており,地域課題検討会議を継続的に運営し,活用することで,御指摘をいただきました課題を含めて庁内の情報共有や部局間の連携を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) やはり市民と町内会等との連携が大事である中での取り組みをお願いしておきます。 最後になりますが,アジサイの花への対応であります。 ことしもあじさい祭り,市長も毎年おいでをいただき,感謝をいたしております。しかしながら,アジサイの花は例年どおり花に艶がなく,みすぼらしいあじさい街道であったのではないかと思います。 一昨日,実行委員会の反省会に地域町内会の一員として呼ばれました。その反省会は,春野高校生のプレゼンから始まり,それぞれの団体からの意見発表であります。それぞれの発表の一部にはいずれも,花がみすぼらしい,ふぞろい,そんな言葉で,小生は非常に恥ずかしい思いをいたしました。 こんなに地域が頑張り,市も手を差し伸べていただき,手入れをしていただいているにもかかわらず,外から来られる方々の声は,こんなことでは来ることもない,春野のアジサイはどこへ行ったのか,そんな声であります。 市長みずからこの席でアジサイ再生の約束をしていただきました。1年半が過ぎました。大変失礼ですが,その成果は先ほどの声であります。 いま一度,アジサイに対するてこ入れをお願いしたいのであります。市長,お願いをいたします。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 春野のあじさい街道につきましては,歩道の舗装などによりまして生育の環境が悪化をしておりまして,樹木の勢いの衰えが目立ってきております。春野町のあじさい街道は非常に幅広く知られておりまして,やはりかつての美しい姿を取り戻したいとも考えております。 平成28年度,あじさい街道の5.5キロメートルの全域に枝葉の弱小化や,また生育不良が認められましたので,アジサイの苗を854本新たに補植をいたしました。 平成29年度からは,あじさい街道の再生の計画に基づき,モデル地区を定めまして,アジサイの生育状況を検証し,各地域へと順次展開したいと考えております。 苗の成長や根の活着など,その効果があらわれるのに2年から3年ぐらい必要であるということを聞いておりますので,生育の環境を見守っている状況でありますが,そういう声が非常に強くなっております。 地元の皆様方とまた御協力をいただいて,春野町のアジサイの復活ということを我々もハード,ソフト両面で進めていきたいと思いますので,また御支援をお願い申し上げたいと思います。 ○議長(高木妙君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) ありがとうございます。春野の有名な菊の森が高齢化を迎えてなくなりました。 春野の名物の一つでありますあじさい街道復活についてよろしくお願いをいたしまして,失礼な発言があったかもわかりませんが,お許しをいただき,全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(高木妙君) この際暫時休憩いたします。  午前11時59分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後1時0分再開 ○副議長(平田文彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 西森美和議員。  〔西森美和君登壇〕 ◆(西森美和君) 公明党の西森美和でございます。第461回高知市議会定例会において,私見を交え質問を行います。 まず,学校施設の空調整備についてお聞きをしたいと思います。 先日,この議場で行われましたこうち志議会では,城北中学校から選出された議員が生徒総会の総意をもって質問に立ち,エアコンの普及率や気温の上昇,またアンケート結果などからデータを分析し,大変説得力のある提案をされましたので,質問と答弁の内容を踏まえまして,そのバトンを受け取ってまいりたいと思います。 教育長はこの議会の中で,財源の確保が大きなネックになっているとの御答弁をされましたが,これは本市に限らず全国が抱える共通の課題であります。 しかし,それをクリアしてでも,乗り越えてでも教育環境を整備しなくてはならないと,導入が進んでいるのがエアコン整備におけるPFI手法であります。 民間の資金や技術を活用して行うPFI事業では,従来型の公共事業やリース方式よりも事業費を抑えることができる,それが特徴であります。 また,平成27年には内閣府から通知が出されておりまして,多様なPPP/PFI手法の導入を優先的に検討するための指針では,人口20万人以上の地方公共団体,事業費が総額10億円以上の公共施設整備事業,単年度の事業費が1億円以上の公共施設整備事業等について,従来型の手法と比較をして,積極的に検討するように促されております。 そこで,本市でのPPP,PFIの導入は現在どのように協議をされているのか,その進捗状況について,総務部長にお伺いをいたします。 ○副議長(平田文彦君) 弘瀬総務部長。 ◎総務部長(弘瀬優君) 本市の公共施設等の整備等におけるPPP/PFI手法導入の検討に向けた取り組みといたしましては,庁内関係部署等にPPP/PFI制度の趣旨や期待される効果などを理解していただくとともに,一定規模以上の公共施設等整備事業については,PPP/PFI手法と従来型手法を比較検討することなどを規定した民間資金等の活用による高知市公共施設等の整備等の手法に関する導入検討規程案及びそのガイドライン案の策定を行い,先月21日の行財政改革・新庁舎整備調査特別委員会において,報告をさせていただいたところであり,現在,今月中の施行に向け,決裁等最終の調整を行っております。 また,行政の立場から本市と高知県,有識者として大学関係者並びに地元の民間事業者,金融機関等の代表者が参加した高知県・高知市PPP/PFI地域プラットフォームを立ち上げ,今月4日にキックオフ会議を行い,地域におけるPPP/PFI手法のノウハウの共有,習得及び関係者間のネットワークの構築を図ることを確認し,今後の具体的な案件形成の際に御意見を伺ってまいりたいと考えております。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 総務部長から,本市でも一定のルールづくりが図られて,早期の導入に向けて準備が進められているという御答弁でありました。 平成28年12月議会で,PFI手法の導入を提案いたしました我が会派の山根堂宏議員への答弁では,教育長から先行事例を調査,分析し,事業手法の構築,事業スケジュールの検討や課題整理などに取り組んでいきたい。 また,できるだけ早期に中学校の普通教室や特別教室の空調設備の整備に着手することができるように,平成29年度の当初予算への議論を深めてまいりたいとありますので,まず中学校の未整備の教室353教室を整備した場合,どれぐらいの予算規模になるのかお示しをいただくとともに,議論の進捗状況をお伺いしたいと思います。 また,小学校835教室の場合の試算についても,お伺いをいたします。 ○副議長(平田文彦君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 学校への空調設備の設置につきましては,現在のところ設置が進んでおります他都市の先進事例の調査,研究や,財務部財産政策課との協議を行いながら,実現可能な方法について,検討している段階でございます。 具体的には,中学校,義務教育学校の合計19校に先行して設置することを考えておりまして,先ごろ少し見直しをいたしました最新の試算によりますと,19校に空調設備を設置する場合の費用は,概算で機器の設置に約7億9,000万円,さらに電力会社から送られてくる高圧の電気を学校内で使用できる低圧の電気に変換するための施設である受変電設備等の改修費用に約5億3,000万円が必要になる見込みとなっております。 一方,小学校に空調設備を設置する場合の費用は,概算では機器の設置に約18億7,000万円が必要になると見込んでおりますが,受変電設備等の改修につきましては,今のところ試算には至っておりません。 いずれにいたしましても,あくまでも現時点での概算の試算ということでございますので,整備手法など詳細が固まってまいりますと,これら以外の必要な経費についても,見積もりを持つことができるものと考えているところでございます。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 教育長から試算,予算規模においてもお示しをいただいたところでありますが,相当な財源が必要になるということでありまして,低廉で良質な公共サービスを提供するためにどういった手法が必要であるか,この議論がこれから大変重要になろうかと思います。 先日,エアコン整備における松山市でのPFI事業を調査してまいりました。松山市では,契約事業期間を2017年3月から2030年3月と定め,新設する小中学校の1,996教室分の施工を約2年間で完了した後,13年間にわたり維持管理を行うということでありました。 そのうち27中学校につきましては,先行して実施をされまして,事業実施からわずか数カ月間で松山市の全中学生は快適な教室で夏休み明けから勉強に励んでいるということであります。 ここでPFIのメリットを整理いたしますと,第1にコストの縮減。松山市では実際に約18%の削減効果があり,その効果はスケールメリットによって大きくなっております。 では,工期についてはどうか。通常ならば約10年かかるところを2年間で整備が完了するため,工期が大幅に短縮をされます。 さらには,既存のエアコンについてもPFI事業者が一括して維持管理をするため,迅速な保守対応が可能となります。 松山市では,1時間以内の現地対応や2時間以内の原因掌握及び予防保全対策が盛り込まれております。 また,エアコン整備のPFI事業は,地元企業の参画が容易になることも大きなメリットであります。松山市では,四国電力と四国ガスが連合を組み,地元企業を含む計10社が出資をする特別目的会社SPCを設立,さらには稼働時間が短い学校設備を考慮しまして,ガスと電気をベストミックスして運営費用を抑えていることも大変参考になりました。 そして,設計,施工,維持管理に係る職員の事務作業が軽減できるのも行政にとっては大きな利点であります。 従来型の直接施工では,行政が業務ごとに仕様を定め,年度ごとに発注するのに対して,PFI手法では設計,施工,維持管理までを一括して民間事業者に委ねることができ,要求水準を満たすことを条件に細かな手法は問わない,いわゆる性能発注方式に加え,長期契約であるため事務手続が簡素化されます。 岡崎市長にお伺いをしたいと思います。市長はマニフェストで,まず中学校への空調整備を公約とされております。先進自治体の例にあるように,メリットも大変大きいPFI事業を高知市の公立学校のエアコン整備の導入の手法として活用し,一日も早い子供たちへの教育環境の改善を求めるものでありますが,お考えをお聞きいたします。 ○副議長(平田文彦君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 先ほども設置率がございましたが,全国的な小中学校の設置率,普通教室ですけれども,普通教室と特別教室と合わせた場合ですが,全国平均で41.7%に比べまして,現在の本市の設置率が平成28年12月の数字ですが,21.6%ということで,半分ぐらいしかできていないということがございます。 四国3市の現況を見ますと,高松市では平成22年及び23年度に直接施行方式で既に実施をし,整備を完了しております。 松山市は,先ほどおっしゃられたとおり,PFI方式で着手したというふうに聞いております。 徳島市は,直接施行方式で平成29年度から着手し,整備を進めるというふうにお聞きをしております。 教育委員会からは,現状は教育委員会もよくわかっておりますので,平成29年度当初予算の編成時に空調設備に向けました調査費等の予算要求はございましたけれども,現在,御承知のとおり,2カ所で給食センターの建設の整備を行っておりますし,大規模改修工事,またICT機器の整備など,優先して進めていかなければならない事業がありましたので,29年度当初の予算計上は見送っているところでもございます。 今後につきましては,庁内の関係課が連携をしまして,先ほどのPFI方式の導入の可能性も含めて,幅広く検討を重ねてまいりたいと考えております。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 教育長も市長も,やはり学校の環境整備については本当にほかの首長に比べて深い思い入れがあることだろうと思います。 財源の面で大変クリアしなくてはならないハードルがあろうかと思いますが,あらゆる手法を検討していただきまして,中学校のみと言わず,小学校にもスケールメリットを生かして,どうか早期の整備をお願いしておきたいと思います。 次に,浸水対策について,お伺いをいたします。 平成26年より地域の皆様とともにこの浸水対策について,継続して取り組みを進めてまいりましたが,ようやく各エリアについて方向性が見えてまいりました。 これまでの議会質問を踏まえて,質問をさせていただきます。 まず,9月4日に開催をされました高知市街地浸水対策調整会議で本市から提示をしました紅水川の北岸と南岸エリアの内水排除の対策について,お示しをいただきたいと思います。 ○副議長(平田文彦君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) 紅水川の北岸と南岸の浸水対策につきましては,9月4日に第3回高知市街地浸水対策調整会議を開催し,平成26年8月の豪雨で浸水被害を受けた地区につきまして,県,市によるこれまでの対策の経過や今後の予定などについて,協議を行いました。 県からは,久万川及び紅水川への対策についての進捗報告があり,本市からは,秦地区のシキボウ跡地周辺や本宮町周辺の対策について,進捗状況の報告を行っております。 御質問の紅水川北岸,南岸の対策につきましては,これまでに検討した対策案について協議を行い,今後の内水対策としましては,北岸の初月地区は上下水道局が公共下水道事業により対策を行い,南岸の小高坂地区については都市建設部により対策を行うこととしております。 具体的な対策案につきましては,10月中旬以降,順次,県,市合同で地元の皆様へ説明を行う予定としており,御意見,御要望をお伺いしながら,早期の事業化に向けて,取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 北側と南側それぞれ課題を昨年の9月議会で提案をいたしまして,北側は上下水道局が,南側は都市建設部が所管をされるということであります。 今,余り具体的なお話がありませんでしたが,私が入手をいたしました調整会議の資料で紹介をさせていただきますと,紅水川の北と南ということで,4つ水門があります。 ここは紅水川の水位が上がってまいりますと,逆流を防ぐために閉じられてしまいますので,これがやはり内水氾濫を起こしてしまっているということもありましたので,この4つの水門の中のいずれかに,これからゲートポンプといいますか,それを設置する方向であるということが示されていると思います。 また,南側につきましては,先ほど都市建設部長からお話がありました南万々排水機場につきましては,引き続き都市建設部で所管をしていただいて,77ミリ対応にしていただくという方向性で間違いはないと思います。 10月から,住民の皆様と意見交換,さまざまな御要望をしっかり受けていただけるということで,地元の戸田議員とも力を合わせまして,しっかり取り組んでまいりたいと考えております。 けれど,私はここで申し上げたいのが,市から提案をさせていただきました内水排除の対策,一定積み上げてくださった議論が見えると思いますが,何よりも大事なのは,県の久万川,そして紅水川の水位を下げるための取り組みであると思いますので,ここの前提が,門戸が開かれない限り,幾ら市が予算を投入したとしても効果がないということが起きてしまいますので,そういったことが起きないように,この場をおかりしてではありますが,県への対応を強く求めておきたいと思います。 そして,私が今回の会議の結果で最も懸念をしたのは,県の先行する河川対策によってさらに浸水のリスクが高まる西久万地区の対策について資料には記述がないということであります。 西久万地区における内水排除の対策について,再度,進捗状況をお伺いしたいと思います。 ○副議長(平田文彦君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) 西久万地区の浸水対策を検討する上では,内水の放流先であります久万川の水位低下や堤防の改修が前提となりますことから,これまでも県に対して要望をしてきたところでございます。 現在,県では久万川の水位低下に向けた調査業務を行っているとのことであり,その調査結果等を踏まえまして,今後,検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 6月議会で強く求めておりました内水排除としてのポンプのこのエリアの新設については,市としては調整会議で,どこまでテーブルに載せていただいたのでしょうか。 ○副議長(平田文彦君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) 西久万地区につきましては,内水の放流先である久万川の水位が高いといった問題がございますので,さきに申し上げましたとおり,浸水対策を検討する上では,久万川の水位低下,堤防の改修が前提となりますことから,調整会議の中で,具体的な対策の提案まではできていない状況でございます。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) さまざまな対策を上流のほうから,県は河川の対策を行っておりますので,西久万地区というのは内水排除のポンプもできない,そしてリスクが高まった。これほどタイムラグがある取り組みでいいのか。 公共事業によってリスクが高まったということをもっと県と市は重く受けとめていただかなくてはならないと思いますので,このことに関しては都市建設部長,調整会議が開かれていない期間であったとしても,特に県のほうには強く要望をしていただきたいと思います。その上でポンプの新設は早急に検討していくべきであると思います。 また,同じく6月議会では,秦の排水分区にある一ツ橋町,三園町の排水機場のポンプの能力の向上を求めてまいりましたが,洗い出した課題のポイントは,久万川への放流について,県との調整が必要であったという点でありました。 一ツ橋町,三園町について,どのような協議が行われたのか,また今後の方向性についてお伺いをいたします。 ○副議長(平田文彦君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) 一ツ橋町,三園町につきましては,河川水路課所管の一ツ橋排水機場が秦排水分区の下水道を補完するために設置をしておりますので,今後,放流先である久万川の水位低下の状況や秦排水分区の下水道事業による整備状況も検証しながら,ポンプの排水能力の増強について関係機関とともに検討を進めてまいりたいと考えております。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 部長のほうから御答弁をいただきました一ツ橋町と三園町につきましては,今回の浸水対策の調整会議の資料にもしっかりと明記をされておりました。 これから県と市で協議が進んでいくかと思います。であるならば,先ほどの西久万地区の問題ですが,浸水のリスクが高まった西久万地区について,まだ明確な方向性がないにしても,ここが課題であるということを何らかの形で明記をしていただくことが私は必要ではなかったかと思っております。つけ加えておきたいと思います。 また,この地域は一ツ橋,三園町については,98豪雨の直後,排水機場が設置をされたものの,その能力は著しく低く,その後も慢性的な浸水に悩まされてきたところであります。 一方,この秋には北消防署が完成し,高知赤十字病院が建設される拠点エリアにつながる北部の主要道路が緊急時に迂回せざるを得ないとは,全市民の皆様にとってこれほどの不利益があるのかと感じているところであります。 今後,検討されていく施設は,住民の皆様の御意見をお聞きしながら丁寧に進めていただくよう強く求めるところであります。 早い段階で,一ツ橋町,三園町の住民の皆様にも御協力をいただきまして,浸水実態の現地調査や意見交換の場を持つことを提案したいと思いますが,御所見をお伺いいたします。 ○副議長(平田文彦君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) 地域の皆様とともに現地を回り,御意見をお伺いすることは,今後の浸水対策に生かす上でも大変有意義であることから,関係機関とも調整し,対応してまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) わかりました。一度設置をされたポンプが周りと比べて,8トンということで物すごく能力が低いということは,次の対策がどのようになっていくのか,大変心配の声もあると思いますので,そこは上下水道局と,それから都市建設部と連携を図っていただきまして,現地調査を綿密に行っていただきたいと思います。 次に,ごみの清掃ボランティアと行政との協働について,お伺いをしたいと思います。 私は,先ほどのエアコン設備に対するPFI手法の導入を初め,これから超高齢化社会を市民の皆様による多様な主体で担うための体制整備を求めてまいりましたが,この2つに共通することは,公共サービスの担い手は必ずしも行政だけではないということであります。 これから大事なのは,行政が住民の皆様や民間事業者の皆様の手法やお力をおかりしながら,いかに公共サービスを充実していくのか,今,求められているのは行政自身の意識変革であると思います。 そんな折,ボランティアで中心市街地を清掃されている団体の皆様と活動をともにする機会をいただきました。 中央公園を初め,周辺の道路のたばこのポイ捨てやごみの清掃に積極的に取り組んでくださっている団体の方々であります。 毎日の清掃とともに,月に1度の清掃活動が定着をしておりますが,多いときには,驚くことに約200キログラムのごみが集められることがあるそうであります。 行政に回収に来てもらいたいと再三要望されたそうでありますが,今の高知市の体制では,ボランティア活動は最後までボランティアで行っていただくというのが,基本的なルールであるというのであります。 一方,高知市は,公園の愛護会やシルバー人材センターの清掃業務の委託,地域の清掃活動など,行政主導で行われている清掃活動については,行政の車両を積極的に用いて収集活動を行っております。 補助金を出しているから,最後まで行政の責任であるという考え方も一定理解できますが,随分アンバランスだなと率直に感じているところです。 これだけ多くのごみを目の前にして,最後まで責任を持つのがボランティアだということは,少し考えさせられるものがありました。 まずはその量の多さであります。これだけのごみがあふれている高知市は,そもそも行政サービスが行き届いていると言えるのでしょうか。観光都市を目指し,またよさこい祭りを世界ブランドにしていこうとしている足元では,たばこの吸い殻やごみが山積している。 また逆に,これだけ丁寧な清掃作業を,仕様書をつけて行政側から依頼したとすると,どれだけの行政コストに匹敵をするのか。 市民の皆様の町をきれいにしたいという自発的な活動のおかげで,中心市街地の美しさが保たれているという現実を高知市は真摯に受けとめるべきであると思います。 そこでまず,市長にお伺いします。これから公共サービスのあり方,またボランティア団体と行政との協働について,どのようなお考えをお持ちでしょうか。 ○副議長(平田文彦君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 本市では平成15年に市民と行政のパートナーシップのまちづくり条例を制定いたしまして,それぞれ役割分担を明確にしながら,協働してまちづくり活動に取り組むという基本方針を持っております。 それぞれ大きい事業でいいますと,浦戸湾・七河川一斉清掃や,また早朝の一斉清掃など,地元も非常に積極的に御協力をいただき,また議員の方々にも多く参加をいただいておりまして,感謝を申し上げるところでもございます。 最近,さまざまな分野において,ボランティア活動や市民活動に実質的に参加されます市民の皆様方もふえておられまして,また毎朝散歩をされている方々も大変おられますが,多くの方々がごみも一緒に拾っていただいておりますので,非常にそういう協力的な関係を我々も大切にしていかなければならないと考えております。 市民と行政がお互い対等な立場で協力,連携し,役割や責務を自覚するとともに,誰でもが参加しやすい,そういう環境づくりが大切だというふうに認識をしておりますので,今後,さらに地域の活性化や発展につながっていく手法というものを考えていく必要があるというふうに考えます。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 市長はボランティア活動を含めて市民の皆様との協働がこれからますます重要であるという認識をお持ちであるということがよくわかりました。 ボランティアでの清掃活動も,少量のごみでありましたら,それぞれが対応するということもできると思いますが,これほど大量のごみが出てきている実態と,そしてその処分まで,その団体がやるべきである,個人がやるべきであるということに対して,私は少しバックアップ体制が必要ではないかということを提案申し上げたいと思います。 そして,この清掃活動でのごみの収集で難しいとされる点は,例えば中央公園内のごみはみどり課であり,道路に落ちていたごみは道路管理課であり,たちまち収集をするとなりますと,どこで拾われたごみなのかということが行政サイドでは大変重要であるとのことであります。 担当課としては,このことが非常に悩ましい点であることはよくわかりましたが,それは縦割り行政ゆえの枝葉の課題にすぎないと私は感じております。 まず,みどり課を所管する都市建設部長にお伺いをしたいと思います。市民の皆様の清掃活動について,どのような認識をお持ちでしょうか。 ○副議長(平田文彦君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) みどり課が担当しております公園や緑地等につきましては,現在700カ所余りのうち443カ所に公園愛護会を結成していただき,市民の皆様に清掃や除草,樹木の剪定などの公園愛護活動に取り組んでいただいております。 また,ことしの春先のことでございますが,追手筋にあります追手前公園におきまして,周辺の事業者のものと見られるごみが大量に不法投棄され,ごみを撤去してもまたすぐ捨てられるというような状況に大変苦慮しておりました。 その際に,市民の皆様によるプランターの設置や花の植えかえなど,公園を花で飾る活動を自発的に行っていただき,それ以来ごみが捨てられることがほとんどなくなり,きれいな公園を取り戻すことができました。 この活動を行っていただきました皆様に心より感謝を申し上げます。 このように,公園の管理に関しましては,公園愛護会の皆様を初め,公園や緑地等の清掃に取り組んでいただいているボランティアの皆様の協力によるところが非常に大きいものと感じております。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 現在,本市においては多くの市民の皆様のお力添えによりまして,環境美化運動が進められておりまして,先ほどの追手前公園の紹介につきましても,まさに市民力のお力添えのおかげであると思います。特に環境分野においては,特に協働の取り組みは欠かせないものであると思います。 さらに申し上げますと,こうした住民力をもっともっと引き出していくべきではないかと考えております。 そのための協働体制をどう構築をしていくのか,これこそが根本の課題ではないか,そのように考えております。 そこで,環境行政を所管する環境部長にお伺いをいたします。 ボランティア活動において,大量のごみが集められた場合,それを行政が収集することについて,具体的にどのような課題があるのか,お示しをいただきたいと思います。 ○副議長(平田文彦君) 山本環境部長。 ◎環境部長(山本正篤君) ごみの収集を行う場合,環境業務課の業務になると思いますけれども,環境業務課では,定員適正化計画に基づきまして,通常の家庭ごみの収集業務を必要最小限の人員・車両体制で行っております。 その中で,町内会活動の一環として一斉清掃で集められたごみにつきましては,環境業務課に実施日を連絡していただき,町内会に一時保管をお願いした上で,実施から1週間以内をめどに,通常業務を調整しながら個別に収集をさせていただいております。 また,環境美化活動に取り組まれております多数のボランティア団体が収集したごみにつきましては,お住まいの地域のごみステーションへの排出のほか,清掃工場などの処理施設へ直接搬入いただくなど,排出につきましても御協力をいただいているところでございます。 ボランティアごみの個別収集の対応を行う場合,公平性の観点から,既に活動いただいておりますこれらの多くの団体についての対応が望ましいとも考えております。 ボランティアごみは休日に回収されることが多く,そのためには収集を行う環境業務課のみならず,ごみを受け入れる清掃工場や最終処分場を含めて休日の収集体制の構築が必要となりまして,このための人員,予算の確保において,大きな課題があるものと考えております。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 環境部長から大変厳しい御答弁であったと思います。 今の行政の体制の中で,今の枠組みの中で考えますと,やはりこれまで都市建設部とも環境部とも意見交換をしてまいりましたが,同じような答えで堂々めぐりになってしまうと思います。 けれど,これから公のサービスを市民の皆様と協働していくために,一つのルールづくりが検討されてもいいのではないかと私は考えております。 私は,このボランティアに関して,こういった力を市民の皆様のエンパワーメントといいますか,引き出していく力というのは行政の大きな役割ではないかと思うのです。 ちょっと角度が違うかもしれませんが,一緒に作業をしていたある方が,この清掃活動はある意味自己満足,自分の満足なんだとおっしゃいました。 けれど,私は哲学のある言葉だと思いました。人のために,社会のために動けば,自分の前も明らかになる,そして自分の心も満たされていくということ,このことを実感された方の言葉であったからです。 過去の大震災の後,みずからも被災をされながら,周りの方のために動いた方は,御自身が受けた心の傷が和らいでいたという研究結果があるのは,そういう深い意味合いがあるからではないでしょうか。 これから人口減少や少子・高齢化の進展,南海トラフ地震対策などを見据えますと,そういった心ある方々を私はサーチライトを当ててでも探し出さなくてはならない。そして,しっかりバックアップをしていかなくてはならないと思っております。その入り口として,今回のことは実はとても大事なことのように思えます。 最後に,市長にお伺いをしたいと思います。市民の皆様がボランティアで集めた大量のごみを行政が収集することについて,何とか関係部署が連携して改善策を検討することができないものか,御所見をお伺いします。 ○副議長(平田文彦君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) ボランティアの皆様方には,定期的にやっていただいているケースも多いので,非常に感謝をしております。 ボランティア団体による清掃活動の相談があった場合には,まずは民間団体において清掃計画を立てる際に,近隣の可燃ごみステーションへ排出いただければ,次の収集日に収集するという場合や,また直接清掃工場に搬入する場合もありますので,その場合は手数料を免除するとか,行政として協力できることにつきましては,できるだけの協力をするということにはなっております。 また,御要望がありますような大量のごみの排出量が予想されるなど,ボランティア団体みずからでは排出が困難な事例という場合も確かにありますので,そういう判断をした場合に,個別の事例ごとに,副部長級の職員で構成します地域課題検討会議,これ定期的にやっておりますので,地域課題検討会議等におきまして,行政も検討しますけれども,例えば他のボランティア等との連携も含めて協議を行い,課題解決の方策について,これはケース・バイ・ケースということになろうかと思いますが,事例ごとに検討を行っていくということになります。 また,この地域課題検討会議の中でも,これ事例ごとのケース・バイ・ケースになりますが,検討し,また解決方法があれば,それに向かって調整していくということも,検討してまいりたいというふうに考えます。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 今まで課長とやりとりをしていく中では,もう課長の判断では,やはり部局を越えての横断的な取り組みになりますので,判断が難しいということも私は一定理解をしながら対応してまいりました。 今,市長から,課題解決の会議でしっかり検討していただく,個別のケースごとに検討していただけるという,私にとっては大変一歩前進をした答弁をいただきましたので,ぜひともその会議でしっかり検討していただきまして,市長のおっしゃる,住民の皆様,ボランティア団体との協働体制づくりを整えていただくよう強くお願いを申し上げまして,次の質問に移りたいと思います。 次に,歴史と文化のまちづくりについて,お伺いをさせていただきます。 先日,第2回はりまや町一宮線まちづくり協議会が開催をされ,県から第3の案として,歴史や生物の多様性に配慮した案が新たに提示をされました。 予想を上回るパブリックコメントが寄せられ,冒頭,県からは,道路をつくるかつくらないかという二者択一ではなく,共生する案を提示できなかったことを反省する旨の率直な言葉が述べられました。 一方,これまでの県の常任委員会等での答弁を振り返ってみますと,高知市に対して,高知市のまちづくりの観点から具体的な取り組みを進めていただく必要があるとの表現がたびたび出てまいりました。 道路整備は県事業なので,高知市は発言をする立場にないという考え方もあったかもしれませんが,反面,県には本来高知市が担うべきまちづくりに先走って関与はできないというジレンマが同時にあったのではないかと推察をするところであります。 本年,協議会の設置によって,一定の方向性が出されることを踏まえますと,いよいよまちづくりを本格的に考えていかなくてはならない段階に入りますので,本市としてのまちづくりに対する考え方の方向性をしっかりまとめて参画をしていただくよう求めたいと思います。 そこでまず,本市の都市計画の最上位にある高知市都市計画マスタープランに立ち戻って考えてみたいと思います。 本市では,中央地区のまちづくりの方向性として,城下町の風情を感じるにぎわいのまちという構想が示されており,基本方針には,県都の中心にふさわしい,歴史と文化を感じさせる風格あるまちづくりとあります。その本市の基本的な方向性を踏まえまして,以下質問をさせていただきます。 高知城下の風景に思いをはせますとき,平成24年に高知市史編さん委員会の皆様が6年間の調査研究の成果をまとめて出版をしてくださったこの,描かれた高知市には,お城下の当時の様子が詳しく書かれておりまして,大変参考になりました。 例えばこれは天保元年高知の図という地図でありますが,天保元年といいますと1830年,将軍でいいますと第12代家慶将軍だったと思います。ペリーの来航が1853年ですので,それからさかのぼること23年前の高知城下の地図であります。 お城を中心に,北には江ノ口川,そして南側には鏡川,当時は潮江川と言ったそうでありますが,浦戸湾から入ってくる水運のお堀が縦に横にと縦横に走った水郷都市というのがこの地図からもわかると思います。 また,上士,上級の武士が住んでいたと言われております郭中については,北,南の川に挟まれて,東のほうはどこかといいますと,堀詰から北に向かって使者屋橋,と土橋,廿代橋,この外堀がちょうど東側の境目になっているそうであります。 また,西側はどうなっているかといいますと,升形の西側の南北の外堀,それから土堤,これで覆われているというのが当時の地図であったようであります。 当時,お堀というのは上士と下士を隔てた精神的にも大きな掘であったんだなということがよくわかると思います。 他の藩に比べて厳しい身分制度のもとで育った環境が,坂本龍馬や幕末の志士たちを新しい時代へと向かわせたバックボーンになったことも町の構造から読み取ることができると,城下の歴史に詳しい方から教えていただきました。 歴史や文化を学ぶということは,先人たちがこの地で生きてきた痕跡から思想や価値観がどのように形成されてきたのかを知ることであり,それが私たちのDNAに組み込まれていることを発見することではないかと思います。 けれど,この高知の城下のお堀の面影を残すものは本当に少なくなってしまいました。清掃工場からの廃液によりまして,江ノ口川から新堀川,そして浦戸湾へと汚染が進み,人々が水辺から遠ざかってしまったことが残念でなりません。 そんな中,希少動植物とともに,当時の雰囲気を辛うじて残している場所が新堀川であり,高知市の掲げる城下町の風情を感じる貴重な場所ではないかと思っております。 この城下町の風情を感じるまちづくりという本市のビジョンに照らし,新堀川はどのような位置づけになるのでしょうか,岡崎市長にお伺いをいたします。 ○副議長(平田文彦君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 高知市のまちづくりの中におきましても,城下町の風情を感じるまちづくりというビジョンを掲げております。 新堀川につきましては,高知城下に残されたお堀であるとともに,近くに横堀公園がございますので,横堀公園周辺には武市半平太の道場跡,また西郷が土佐へ2回来ておりますけれども,そのときに泊まった,木屋橋と言われていますが,木屋家の跡などもありまして,歴史を感じられる場所であると認識をしております。 現在,高知市からも検討委員会の委員を出しておりますが,高知県において実施をしております,はりまや町一宮線まちづくり協議会の議論の中で,パブリックコメント等の意見を踏まえ,石積み等を再利用した整備や希少動物の生息にも考慮した工法が検討されるなど,環境面でも配慮された計画が提案されておられますので,私どもも高知市の都市計画のマスタープランにおける中央地域の将来ビジョンである,城下町の風情を感じるまちの実現につながる計画になるものと考えております。 今後も,高知県と意見交換もしながら,協力して環境と歴史を感じさせるいわゆる魅力あるまちづくりを進めてまいりたいと思いますが,横堀公園の親水公園化というところの提言も出されておりますので,横堀公園をリニューアル整備ということも含めて検討していく必要がありますので,それもあわせて検討してまいりたいというふうに考えます。
    ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) これから本市の役割であるまちづくりに大きくスポットが当たってまいると思います。 現在,本市では第2期中心市街地活性化基本計画の策定を行っておりますが,この中では,西側に比べて東側のにぎわいの創出が以前から課題となっていることを考えますと,今回のまちづくりと連動して,今後,包括的に計画に盛り込むことも可能ではないかと思います。 しかし,にぎわいづくりの根本は,そこに住んでよかったと住民の皆様が感じておられるかどうかであります。また,未来に何を残したいまちなのか,その視点が何よりも大事であると思います。 その意味からも,今回の協議会で一定の提言がまとめられつつある中,本市のまちづくりの協議が同時進行で進められ,さらに発展していくような体制づくりが必要であるかと考えますが,地域コミュニティという観点から,歴史やまちづくりを住民の皆様とどのように協議をしていかれるおつもりなのか,副市長の御所見をお伺いいたします。 ○副議長(平田文彦君) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡章君) はりまや町一宮線まちづくり協議会では,はりまや工区の整備計画を中心に,関連する新堀川や横堀公園も含めて,生物の多様性にも配慮した整備方針についても提案が出されたとお聞きしておりまして,本市としましても,ソフト面から整備後の具体的な取り組みに向けた検討が必要と考えております。 はりまや町一宮線の周辺地域は,江戸時代の城下町の一部である北街や新街などに当たり,絵金や中江兆民らが誕生した地域であることや,鉄砲町や材木町などの江戸時代の旧町名が現在の町内会の名称にも使われるなど,地域の歴史に愛着を持って生活をされている市民の皆様が多くおいでになります。 また,中心商店街やかるぽーと,はりまや橋バスターミナルなどにも近く,中心市街地活性化基本計画の計画区域にも一部が含まれており,利便性が非常に高い地域である上に,観光面でも注目すべき特徴をあわせ持っていると考えています。 さらには,この地域は新堀小学校と追手前小学校の統合により開校したはりまや橋小学校の校区に当たり,地域コミュニティを支える町内会や交通安全,防災,福祉を初め,子育てやスポーツなどさまざまな分野の数多くの各種団体が地域で活動もされております。 このように,はりまや町一宮線と地域の特性を考えますと,特にソフト面でのまちづくりにつきましては,今後,県とも連携をし,地域コミュニティを初め,地域の歴史や文化,観光など多様な視点からの検討と協議が必要と考えており,関係する多くの皆様にも御参加いただきながら,地域の特性を生かしたまちづくりに向けて,取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 御答弁をいただきました。 風格のある城下町をどのように残していくのかということは,住民の皆様にさまざまなお考えがあろうかと思います。 本市では,そういった住民の皆様のさまざまなお考えをしっかりと吸い上げていただくこと,そして本年末に出される協議会の最終的な提言,どのような形になるかはまだ未定でありますが,本市としてのまちづくり,市民の皆様との協働でしっかり取り組んでいただくことを切にお願いをしたいと思います。 これからも県の動向を注視しながら,この結論を待ちたいと思っておりますが,1つ朗報をお知らせしたいと思います。 地形や風景から歴史をひもとく人気番組である,ブラタモリの高知版が9月30日に放送されることになったそうであります。 独特の切り口が大変示唆に富んでいる番組でありますが,私たちが当たり前であると思っていた町並みから何を読み取ることができるのか。今まで本市になかったまちづくりのヒントが隠されているのではないかと大変楽しみにしております。 そして,PRによりますと,三里のほうから,そして高知城,この町も歩いてタモリさんが回られたと聞いておりますので,どんなお話が飛び出すのか,また風情のある高知城,このまちづくりにこれからどのような提言を,高知市としてやっていけばいいのかということを,私自身もしっかり考えてまいりたいと思います。 それでは,次に移りたいと思います。生活支援体制整備事業について,お伺いをいたします。 先日,土佐市の取り組みについて,視察を行ってまいりました。県と連携を図っているさわやか福祉財団の講師の方をお招きしての2回目の勉強会でありました。 現在,高知県下では生活支援体制整備事業の制度の理解を深めるとともに,担い手の育成のために勉強会や,また活動が積極的に行われているところであります。 高知市では,まずこの制度の理解をするための市民向けのフォーラムの開催について,今後のスケジュールをお伺いしたいと思います。 ○副議長(平田文彦君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 生活支援体制整備事業は,地域で活動しているさまざまな団体の参画を得て,協議体を組織し,生活支援や介護予防サービス体制整備に向けて,多様な主体のネットワーク化を図ることで,情報共有や連携,協働を図り,人と人,人と組織,組織と組織をつなぎ,地域住民の主体的な活動や地域における助け合い活動を実現するとともに,資源開発を行おうとするもので,福祉の視点からの地域づくりとも言えます。 市民の皆様の中から,新たな人材を発掘し,担い手を育成することも大変重要なことですし,現在それぞれのところで活動している,さまざまな地域の団体の中から,新たな活動の場として,生活支援体制整備につながる人材を確保することも重要と考えております。 今年度は大規模なものにはなりませんが,協議体を構成し得る団体や市民の方を対象とした研修会等を年度内には開催したいと考えています。 対象を市民に広げた市民向けのフォーラムといった形については,今後の協議体の議論を踏まえながら,委員の皆様の御意見も踏まえて検討を進めてまいります。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 高知市全体を第1層,生活圏域を第2層として,行政も多様な主体の一員として参画をする。第2層の協議体や生活支援コーディネーターの体制づくりを求めたことに対して,6月議会では,部長より具体的なスケジュールを検討していきたいとの御答弁でありましたので,第2層は具体的にどのように検討されているのか,お伺いをしたいと思います。 ○副議長(平田文彦君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 第2層のあり方につきましては,国のガイドラインにおいては,日常生活圏域,例えば中学校区域等で地域のニーズや資源の見える化,地縁組織など,多様な主体への働きかけ,関係者のネットワーク化,目指す地域の姿や方向性の共有,担い手の養成やサービスの開発など,そういった機能が進められる区域というふうに示されています。 他の自治体の取り組み状況を見ましても,区域の設定は各自治体の実情に応じてさまざまで,行政区の単位であったり,学校区など,また合併前の市町村の単位など,対象エリアや対象人口も大きく違っている現状でございます。 本市における地域住民の主体的な活動や地域における助け合い活動を実現するための第2層のあり方につきましては,本市の現状を鑑みますと,高齢者支援センターを中心とした行政職員の関与が不可欠であること。地域福祉活動を推進する高知市社会福祉協議会との連携が重要であること。 また,既にNPO法人や民間団体など,地域内で生活支援やまちづくりを実践している団体が存在することなどを考慮した圏域設定とすることとしています。 具体的には,現在,市内の東西南北,春野に設置をしています各高齢者支援センターの圏域を第2層と位置づけまして,毎月開催しております地域ケア会議において,市社協の地域福祉コーディネーターや地域のケアマネさん,出張所の職員や薬剤師などの専門職の皆さん,また民生委員さんやさまざまな支援活動に取り組まれている市民の方などに参加をしていただき,地域課題の検討を行うことで,既存の組織や集まりなどの社会資源を活用した形を中心として進めていきたいと考えています。 一方,高齢者支援センターの圏域は,午前中の答弁でも申し上げましたように,エリアも広く,対象人口も多いという状況もございますので,見直しも検討しておりまして,その際には,あわせて2層のエリアも小さな単位につくっていきたいと考えています。 あわせて,市民協働部のほうでは,地域内連携協議会の設置も進めていますので,可能なところは小学校区単位でこういった生活支援体制を進めていくということも重要ではないかと考えておりますので,最終的な目標の形としては,小学校区での議論が進んでいくということが望ましいのではないかと考えています。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 第2層についてのお考えをお示しいただいたところでありますが,高齢者支援センターを拠点にということが前提であったと思います。 この第2層の検討というのは,どこで協議をされているんでしょうか。 ○副議長(平田文彦君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 基本的には健康福祉部内で議論をしております。 この生活支援体制整備事業の推進に当たって,アドバイスをいただきましたさわやか福祉財団の方からも,第2層のエリアにつきましては,目標とすべき完成図を描きながら,行政が主体的に判断をすべき問題であるという御指摘も踏まえまして,部内で検討を重ねてきた結果でございます。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 国のほうでは,平成30年3月を目指して,さっき部長がおっしゃったように,現在進行形の形であったとしても,進捗管理がしっかりできるということがゴールであったと思います。 けれど,私は,高知市におきましては,もう随分と前からこの協議が進んでおりましたので,本来でありましたら,第2層の方向性というのは,行政も構成員の一員でありますので,第1層の協議体の中でしっかり検討されるべきものではなかったかと思っております。 そして,これまで体制整備事業については,何度も提案を図ってまいりましたが,なかなか進まない理由の一つに,横断的な組織がないということが上げられると思います。 言うまでもなく,この事業は地域包括ケアシステムの構築を図り,高齢者だけではなく,子供たちや障害者を含めた地域共生型の社会をつくるための基盤づくりであります。 本格的な取り組みが必要であることを考えますと,高齢者支援課だけでは限界があるのではないかと考えております。 そこで,地域包括ケアシステムの推進を図るために,担当課の新設について,市長の御所見をお伺いしたいと思います。 ○副議長(平田文彦君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 地域包括ケアだけではありませんけれども,平成29年2月7日,厚生労働省が最近よく使う言葉ですが,我が事・丸ごと地域共生社会の実現本部というのが厚生労働省の中にもございます。 当面の計画の改革行程の中で,平成31年度以降の検討課題として,制度のあり方も含む地域課題の解決力の強化のための体制の全国的な整備のための支援の方策,また保健・福祉行政の横断的な包括支援のあり方などの制度見直しなどを31年度以降位置づけております。 また,非常に課題が広くなってきておりまして,本年7月に開催されました国の地域力強化検討会の最終取りまとめにおきまして,地域の課題を丸ごと受けとめるためには,制度の枠組みだけを見るのではなくて,地域のさまざまな困り事のみならず,御本人や世帯の暮らしと仕事を丸ごと支えていくこと,それを地域づくりとして行っていくこと,こういうものが今後の福祉施策の中で非常に重要になるという提言も本年7月にまとめられております。 ちょっと我々は心配しておりますが,厚生労働省の仕事よりもっと幅広い範疇で地域の我が事丸ごとを押さえていこうという流れになってきております。 そういう意味で,おっしゃられますとおり,健康福祉部だけの問題ではだんだんなくなりつつありますので,どういう組織を組んでいくかというのはこれから非常に大きな課題になろうかというふうに思っております。 当面は,まだ国の方向性もはっきり確定したものではございませんので,まずは全庁的に横断的な課題を検討し協議をするという意味で,本部組織,本部長は多分私になると思いますが,本部組織の設置というものを検討していく必要があるのではないかというふうに考えております。 ちょっと広がり過ぎているので,逆にちょっと心配しておりますが,地域課題を全部受け入れをして,その解決に向かって全庁的に取り組むという,国がそういう考え方になってまいりましたので,今後,そういうものができるかどうかの検討もしていかなければなりませんので,当面そういう検討をしていく必要もありますので,多分私が本部長になるということになると思いますが,そういう本部組織を全庁的にまず設けながら,調整をしていく必要が出てくるのではないかと考えております。 今回,社会福祉法の改正によりまして,地域福祉の活動計画の制度改正も行われますので,来年度がこの地域福祉活動計画の改定の協議の時期となっておりますので,こうした国の全体の流れも受けながら,全庁的な本部調整機能をどういう形で持たし込んでいくかということを,具体的に検討に入りたいというふうに考えております。 ○副議長(平田文彦君) 西森美和議員。 ◆(西森美和君) 本部組織を立ち上げていただくということでありましたので,今後市長を中心に全庁を挙げて体制を確立していけれるようにしっかり取り組んでいただきたいと思います。 最後になりましたが,先日まちづくりの協議会に参加をさせていただきまして,ある委員の方が,まちづくりの方向性が見えないということで質問をされておりました。 これは道路整備の協議会ではないか,そういった御指摘に対して,私はそのとおりであると率直に感想を持ちました。 ですから,地元の住民の皆様,そしてこれからのまちづくりをどのようにしていくのかということを高知市としてはしっかり協議会と同時進行で,両輪として取り組んでもらいたい,そのことを強く提案を申し上げまして,全質問を終わりたいと思います。 ○副議長(平田文彦君) 近藤強議員。  〔近藤強君登壇〕 ◆(近藤強君) 市民クラブの近藤強です。通告に従いまして,総括方式で順次御質問させていただきたいと思います。 まず,食肉センターに関してお聞きをいたします。 高知県広域食肉センターは当初,県内の基幹となる食肉センターを目指し,県が中心となり,当時の45市町村が一部事務組合を設立し,昭和55年に設置されております。 現在,その食肉センターは経営状態が悪化し,資金繰りも苦しい状況が続き,毎年市町村から数千万円の赤字補填をしなければならない状態が続いておりますが,その要因は,県内畜産農家の減少に伴う屠畜数の減少にあることは明白であります。 屠畜数の減少が屠畜事業経営に大きく影響し,事業が継続できなくなっている状況は,高知県だけでなく,全国的にも同様であり,各地で都道府県が中心となり,食肉センターの整理統合が進んでおります。 このような状況の中,全国的にも屠畜数が少ない高知県において,食肉センターの経営が苦しくなることは以前からわかっていたことでもあります。 平成5年には,肉用牛の飼養頭数は1万頭を超えていましたが,平成28年には,その半数の5,000頭余りとなっています。 豚についても,平成5年には,8万頭を超えていたのが,平成28年には,2万8,000頭余りとなっており,今後の状況を考えてみても,飼養頭数の大幅な増を期待することは難しく,経営改善が難しい状況では,食肉センターについてはもっと早く廃止の判断をし,県が中心となって整理統合をすべきであったと考えます。 この点でいえば,四万十市営との統合については,過去にもその機会はありながら,具体的な議論はないままであったわけですが,今回の四万十市営との一本化の議論は千載一遇の好機であり,逃してはならないと考えます。 四万十市営食肉センターは,高知広域食肉センターより古く,老朽化が進んでいるともお聞きしますが,他県の畜産を受け入れることで処理頭数を確保し,安定した経営をしております。 市長は3月に四万十市を訪問し,四万十市長とも面談されているとお聞きしておりますが,四万十市営食肉センターの経営や今後の建てかえの状況について,どのように把握されたのかお聞きいたします。 一方で,県はこのような状況の中で,引き続き県内2カ所の食肉センターを基本に,中央部に食肉センターを設置しようとしていますが,このことに対する本市の基本的な考え方はどうであるのかお聞きいたします。 市議会は6月議会で,食肉センターのあり方について,廃止の方向を決議しました。その後開催された高知県広域食肉センター事務組合議会でも,全員賛成で,本市議会と同様に廃止決議を行ってきました。 他市町村も本市議会と同様の考え方ではないかと思いますが,一部事務組合の構成市町村の考えはどのようなものなのか,お聞きいたします。 県の新食肉センター整備検討会はまだ答申を出していないにもかかわらず,県は8月末に行われた県市連携会議で本市に対し,食肉センターは公共財として必要不可欠な施設だとして協力を求めてきております。 現在の広域食肉センターが設置された経過としては,市町村負担による食肉センターを県主導のもと設立してきましたが,結果として経営は行き詰まり,赤字負担のそのほとんどは市町村が背負ってきました。 今回は本市議会だけでなく,一部事務組合議会も市町村による一部事務組合設置の食肉センターの廃止を決定していることからも,食肉センターの整備を再度検討していくことは矛盾しているのではないかと考えますが,市長の御所見をお伺いします。 食肉センター事務組合を構成する市町村は設立以来,多額の財政負担を行ってきております。 また,今後の状況を経済性,市場性,将来性の観点から検討し,それらを踏まえ,事務組合議会は廃止決議を行っております。 このことは尊重すべきであり,無視することはできないと考えます。事務組合の廃止決議について,事務組合の管理者である市長のお考えをお聞きいたします。 この食肉センターの問題は,単純に現在の状況だけで判断するのではなく,また本市だけで判断するものではありません。40年先の状況や他市町村の考え方も十分考慮しなければならない問題であり,加えて40年前に食肉センターが設置されたときの状況と,その後今日までの経過を踏まえ,同じことを繰り返さないとの強い信念が必要であります。 これまで市長は,広域食肉センター事務組合の管理者としてリーダーシップを発揮してこられました。 今後とも,一部事務組合のリーダーとして,また市町村の旗頭として,だめなものはだめであるとはっきりと言わなければなりません。 食肉センターの問題について,市町村の意見を踏まえ,県内全域を見たとき,高知県に必要な食肉センターのあり方について,市長の御所見をお聞きいたします。 次に,防災対策に関して何点かお聞きいたします。 南海トラフ地震対策は,浦戸湾三重防護による浸水対策と木造住宅の耐震化が確実に進捗すれば,基本的には地震,津波による直接的な犠牲者の数を確実に抑えていくことができるとの認識に至っております。 一方,市長は本年度から,地震による長期浸水が想定されている下知,江ノ口,潮江,高須地区において,南海トラフ地震長期浸水エリアにおける避難対策をテーマに,市民との意見交換を行うため,市長と語ろう会を実施されるとお聞きしております。 本市の場合,南海地震発生時には最大1.7メートル程度地盤が沈降することにより,さまざまな都市機能が集中する市街地の広範囲が長期間浸水すると想定されており,この長期浸水エリアの人口は12万人に上ることから,この地域における確実な避難対策は大きな課題となっております。 現状では,最大規模の被害想定では,潮位が下がったとしても,浸水区域外に避難できない約6万人をボートで救助する必要があるとのことです。 これらの孤立する避難者の適切な救助のためには,改めて課題を整理し,対策を再検証する必要があると考えます。 例えば,緊急避難場所には3日間の支援物資を配備する計画となっておりますが,6万人を3日間で救出できるとは到底思われません。 また,浸水地域から浸水していない地域の避難場所に避難する場合,地震発生後から数日後になることから,ほぼ満杯状態になっている市内の避難場所に移動することは困難であり,市外の広域避難になるのではとの不安もあります。 そこで,現在の長期浸水地域における避難対策と救助・救出の現状と課題について,お聞きいたします。 また,平成28年度に事業を開始され,16年間の工期予定で実施されている浦戸湾三重防護が完成すると,長期浸水地域の被害はどのようになるのかもお聞きいたします。 次に,災害時等に発せられるエリアメールについて,お聞きいたします。 本年も台風や集中豪雨による大規模災害が発生しております。7月5日から福岡,大分県など九州北部を襲った記録的な豪雨では,整備がおくれた中小河川が氾濫,また大規模な土砂崩れも発生したことから,人的被害は死者,行方不明者が40名以上に上り,住宅被害も全半壊130棟以上となるなど,行政の対応が追いつかないほどの被害が出たところであります。 また,7月21日,南鳥島近海で発生した台風5号は,太平洋上を迷走し,8月4日には奄美大島付近で停滞した後,北上,一時は九州南部から瀬戸内へ抜けるという,本市にとって最悪のコースをとるとの予想もされましたが,幸いにも高知市の沖を通り,室戸岬付近を通過し,近畿地方に上陸しました。 本市では8月6日の日曜日から水防本部を設置し,台風の上陸に備える中で,同日午後4時には災害時の避難指示や勧告,津波警報などを携帯電話に送る緊急速報メール,いわゆるエリアメールを使用して,避難準備,高齢者等避難開始が市内全域に伝達されたところであります。 エリアメールは,災害に関する情報を伝えられる,いわば行政と市民の間の命綱とも言えるツールとなっておりますが,一方で市内全域となることから,市民の皆さんに正確に伝えないと大混乱を起こしてしまうことになりかねません。 そこで,お聞きしますが,エリアメールの避難勧告などの情報提供に関する基準はあるのかお聞きします。 エリアメールに関連して,8月16日の新聞報道で,本市を含む25市町をモデルにエリアメールの配信範囲を2018年度から細分化する,携帯電話会社のシステム改修費900万円は各自治体が負担との記事が掲載されておりました。 どうも総務省消防庁が検討されていたようですが,現在は市町村の全域に一斉送信しているが,面積の広い自治体は地形,気象条件によって危険度に差が出るため,警戒が必要な地域だけに情報が伝わり,避難時の混乱が防げるとして,エリアメールの細分化,ピンポイントでの情報伝達へと移行しようとするもののようであります。 しかしながら,細分化することにより配信ミスや遅延といったトラブルも想定されており,本市のような地形からすれば,ピンポイントで細分化するよりも,市内の状況,情報を共有化するほうがより重要だと考えますが,エリアメールの細分化に対する御所見をお聞きいたします。 次に,はりまや町一宮線について,お聞きいたします。 はりまや町一宮線は,平成23年3月に産業道路からはりまや橋小学校までの区間で4車線整備が完了しておりますが,残る南側の電車通りまでが現在も未整備のまま残されている状況であります。 この道路は,江ノ口地区と電車通りを南北に結ぶ幹線道路で,整備が完了しますと国道32号線のはりまや通りの渋滞緩和が図られ,中心部における回遊性が強化されることから,中心市街地活性化へ向けた新たなまちづくりの展開も期待されています。 現状としましては,はりまや橋小学校より北側が4車線整備されたことにより,交通量が増加しており,南進する際に電車通りでの渋滞が以前より増していることを実感していますので,早期の事業完了を望むものであります。 また,地元住民からも未整備区間の速やかな事業着手が県,市に対して要望されています。 現在,高知県がはりまや町一宮線まちづくり協議会を設立し,道路整備のあり方について協議しているとお聞きしております。 そこで,副市長に質問ですが,高知市として,交通,産業振興の面から,本路線の必要性についてお聞きいたします。 また,私個人としましては,はりまや町一宮線は必要であると考えており,早期に事業再開をしていただきたいと考えておりますが,はりまや町一宮線まちづくり協議会の論議の中で,環境に配慮し,中止してほしいとの意見や,新堀川を現状のまま残してほしいなどの反対意見も出ているとお聞きしておりますので,今後は,高知市として周辺の環境にも配慮したまちづくり案を示し,高知県と連携し,道路整備について理解していただくことが必要であると考えます。 そこで,都市建設部長にお聞きします。 道路整備は県が施工していますが,新堀川及び隣接する横堀公園は高知市所管であることから,高知市としてどういった環境に配慮したまちづくり案があるのかお聞きいたします。 次に,7月4日に高知県に上陸した台風3号への対応に関連して,教育委員会の危機管理について,お伺いいたします。 この台風3号は,7月4日朝に九州に上陸後,同日の昼から夕方にかけて高知県を縦断しましたが,幸いにも小型でスピードが速かったこともあり,大した被害は出ませんでした。 3日の夜の時点で,台風の中心が高知市に接近するとの予想も出されており,4日の朝からは多くの高知市民は台風の襲来に備えておりました。 しかしながら,高知市の小中学校には休校や早退の動きが全く見られなかったことから,教育委員会に問い合わせをしたところ,現在校長会を行っているとの返答があり,私は唖然としたところであります。 前日の時点で,4日には台風の中心が高知県高知市に最接近するとの予想がなされている中,のんきに校長会を開催して,学校現場において,台風への対応をすべきときに学校現場に校長が不在となる状況になっていたのです。 結局,校長会は早々に切り上げられたことから,無理して開催する意味もなかったと思われますが,この校長会の開催が台風への対応における小中学校の判断を鈍らせ,その後台風が最接近し,最も風雨の強い時間帯に児童・生徒を帰宅させることにつながったと言えます。 実際にはそれぞれの学校現場の判断により,台風直撃中に早退連絡を保護者にした学校,台風が過ぎるのを待って児童を帰宅させた学校と,それぞれの地域事情を加味した対応となったようです。 そもそも,何よりも児童・生徒の安全確保を優先しなければならない教育委員会が,このような状況下で,校長会をなぜ開催したのか。学校現場から中止,延期の声は出なかったのか,大きな疑問を持っております。ともすれば児童・生徒の安全よりも学校用務を優先させたと言われても仕方ないのではないでしょうか。 今回の事例は,東日本大震災における大川小学校の悲劇を彷彿とさせ,あのとうとい命を代償に得た教訓が生かされていないと思うと残念でなりません。 私も南海地震等災害対策調査特別委員会の視察で2度大川小学校を訪れました。震災後1年目に訪れた際,校庭を整地している1台の重機の傍らで若い母親が何かを探すように作業をじっと見詰めていた姿を忘れることはできません。 大川小学校の悲劇は,御存じのとおり,地震時校長が不在であったため,児童,教職員が校庭に集合したまま待機し続け,避難の判断がおくれたため,84名の児童,教職員が犠牲となったものでありました。 このことは教育委員会,学校現場は大切な児童・生徒の命を預かっているということを常日ごろから念頭に置き,何よりも児童・生徒の安全確保を最優先すべきであるとの貴重な教訓であったはずだったと考えます。 残念ながら,今回の出来事はこの教訓が全く生かされていないのではないでしょうか。校長会の開催を優先したことにより,児童・生徒の安全確保が後回しにされたことは,教育委員会の危機管理力そのものが疑われる事態だと考えますが,御所見をお聞きします。 最後に,下水道使用料の改定について,お聞きします。 今議会には,高知市下水道条例の一部を改正する条例議案,すなわち下水道使用料の改定議案が提案されていますが,まず高知市の公共下水道のこれまでの取り組み状況について,お聞きいたします。 このたびの下水道使用料の改定は,市民の暮らしに直接かかわる問題であり,慎重にならざるを得ません。 平成21年4月以来,9年間使用料の見直しがされてこなかったのはなぜなのか。経営状況はどうなのかなど,今回の下水道使用料改定の理由について,お聞きいたします。 下水道事業の経営改善化については,平成27年,28年の2カ年をかけ,高知市上下水道事業経営審議会で審議してこられ,本年3月に答申をいただいたと聞いております。 また,平成28年包括外部監査でも意見をいただいているようですが,それぞれどのような内容であったのか,お聞きいたします。 下水道経営の改善のためには,単に下水道使用料の改定による収支改善を図っていくのではなく,執行部による経費削減などに向けた不断の経営努力も問われます。 料金改定について,市民に理解を得る上でもこのようなことは重要だと考えますが,今後下水道事業にどのように取り組んでいくのか,お考えをお聞かせください。 使用料が値上げされれば,市民生活に影響が出てくるのは明らかです。今回,平均改定率で16%になると聞いておりますが,一般家庭の改定率でどの程度の値上げになるのか。また,料金の改定表では,基本料金と1立方メートルから10立方メートルという使用量の少ないところの改定率が高くなっております。 どうしてこのような料金改定になっているのか。また,今回の改定では使用者にどのように配慮されたのかお伺いいたします。 繰り返しになりますが,市民生活や企業活動に及ぼす影響を考慮すると,下水道料金の値上げについては慎重にならざるを得ません。改定の趣旨,内容を市民に理解していただくためにも明快な答弁をお願いいたします。 以上で,第1問とさせていただきます。 ○副議長(平田文彦君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問いただきましたので,私からは食肉センターを中心にお答えをさせていただきます。段々の御質問いただきましたので,順次お答えを申し上げます。 まず,四万十の市営の食肉センターの経営や今後の建てかえの状況についての御質問にお答えを申し上げます。 御質問の中でもありましたように,本年3月に,私と当時の井上副市長とで四万十市を訪問した際に,高知市の食肉センターと同様に,四万十市でも過去には処理頭数の減少が要因となりまして,厳しい経営状況に陥ったものの,出荷団体や流通企業と協力し合って,出荷から販売まで一体となりました経営努力に取り組んでこられた結果,現在,四万十市の市営食肉センターは黒字経営となっていると伺っております。 一方で,四万十市営のこのセンターにおきましても,昭和40年代に設置された施設の老朽化が進んでおりまして,施設の建てかえが急務になっていることに加えまして,今後の食肉センターの運営に必要不可欠となりますHACCPの導入に向けて,先月整備に向けた意見交換会が関係者によって行われたというふうに聞いております。 この意見交換会では,生産地の増頭計画を受けまして,豚換算でございますが,年間処理頭数を現行の9万6,000頭から,四万十市の新食肉センターが整備された後の15年後には15万頭にまで規模を拡大する目標処理頭数の計画が示されたとお聞きをしております。 このように,全国的にも畜産の飼養頭数が減少していく中で,四国内におけます屠畜事業においても競争の激化が予想される中で,四万十市では集荷量をさらに増強し,競争力を強化することで生き残りを図ろうとしているということがうかがわれました。 次に,県の考え方に対します,高知市の基本的な考え方についてという御質問にお答えを申し上げます。 屠畜事業の安定した運営のためには,一定の処理頭数の確保が当然必要になってまいります。 県内畜産の飼養頭数の減少が進む中で,現在,高知県の産業振興計画に基づきまして,高知県や関係団体等におきまして,肉用牛の生産基盤の強化や養豚等の生産・加工・販売体制の強化に取り組んでいるところですけれども,全体としまして処理頭数の確保は非常に厳しい状況にもあるということが予想されます。 四国の地域内においても,他の屠畜場が施設更新を行う時期を迎えてきておりますので,またこれに合わせまして,先行してHACCP対応や,いわゆるハラル等の対応の施設整備が進んできていること等を踏まえますと,県内2カ所の食肉センター整備については,採算面を含めまして,慎重に対応していく必要があるという認識を持っております。 次に,新食肉センターの整備の検討と,いわゆる廃止決議が矛盾しているのではないかという御質問がありましたので,その点についてお答えを申し上げます。 高知市議会の方々,また高知県広域食肉センター事務組合議会におきまして,現在の食肉センターの廃止に向けた決議をいただいたところでございますが,廃止に当たりましては,県内屠畜事業の競争力強化策が実施されることが前提とされており,県内屠畜場の統合のほか,新食肉センターを整備することもその方策の一つであろうかと考えております。 御質問にありましたとおり,先月開催されました県市の連携会議の中で,県主導の新食肉センターの整備について,尾崎高知県知事から,高知市に対し協力を求めるお話をいただきました。 私からは,現食肉センターについて,一部事務組合方式で構成市町村と連携して運営をしてまいりましたけれども,財政負担が非常に多くなり,断念せざるを得ない状況であり,新食肉センターの整備に当たっては,収支見込み等の詳細な課題検討がなされる必要があるという旨を申し上げたところでもございます。 高知市からも,整備検討委員会に中澤副市長が参加をしておりますので,現食肉センターを運営してきたこれまでの経緯を踏まえまして,高知市としての意見を中澤副市長は委員として申し上げていくという予定になっております。 続きまして,事務組合の廃止決議について,管理者としての立場を踏まえて,考えを聞くという御質問にお答えを申し上げたいと思います。 屠畜施設の廃止決議につきましては,一部事務組合議会の,議会の機関の意思決定として全会一致で可決されておりますので,高知市を初め関係市町村についても,この廃止決議の意味につきましては御理解いただいているものと考えており,管理者としても非常に重く受けとめ,一部事務組合方式による食肉センターの運営については,廃止せざるを得ないということを考えております。 続きまして,市町村の意見も踏まえまして,圏域全体を見たときに,高知県に必要な食肉センターのあり方についてどう思うかという御質問にお答えを申し上げます。 高知県内の牛や豚の飼養頭数については,昭和60年ごろがピークでございましたが,その後,減少の一途をたどっておりまして,この影響を受けて,現在,2つある食肉センターでは,県内産の家畜の処理だけでは経営を維持できず,例えば四万十市の市営の食肉センターでは,徳島県から肉用牛を受け入れ,愛媛県からは豚を搬入して屠畜の処理をしております。 また,高知県の中央のこの広域食肉センターにおきましては,主に九州方面から肉用牛を集荷しているにもかかわらず,平成28年度,昨年度の施設の稼働率は17.9%しか稼働しておりませんので,厳しい赤字経営が続いております。 このほか,民間施設であります徳島県や愛媛県に民間経営の食肉センターがございますが,さらに施設の規模拡大を図る動きもございますので,将来四国内において,県域を越えた家畜の積極的な集荷活動が予想されることから,より長期的に安定した経営が行え,また県内の畜産振興にも寄与することができる食肉センターが必要になるものと考えております。 経営の安定化には,まずは処理頭数を確保し,その後の流通先を確保することが必要であり,集荷と販売の2つの能力を兼ね備えた民間事業者の力も求められてくるというふうに考えます。 また,減少傾向にあります県内の人口や,また飼養頭数の推計を考慮しますと,現食肉センターの廃止方針の判断に至りました,3点ございますが,経済性,市場性,将来性の視点や,新たな整備に向けて論議がスタートしました四万十市の市営食肉センターの今後の状況など,幅広い視点で高知県に必要な食肉センターのあり方について,引き続き十分な議論を深めていく必要があるものと考えております。 その他の御質問につきましては,副市長及び関係部局長等からお答えを申し上げます。 ○副議長(平田文彦君) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡章君) はりまや町一宮線について,交通,産業振興の面から本路線の必要性についてのお尋ねにお答えいたします。 まず,交通政策面でございます。 街路事業が完成することにより,増加する交通量にも対応できる4車線道路が完成しますと,課題となっております国道32号との交差点,木屋橋付近でございますが,この渋滞の緩和が大いに期待されるところでございます。 また,当該未整備区間では,現在通学路安全プログラムに基づく合同点検で危険箇所に指定されている場所もあり,歩行者や自転車がすれ違う際には,車道通行も余儀なくされるという非常に危険な状態がありますので,広い歩道が整備されることにより,これらの課題が解消され,はりまや橋小学校へ通学している児童を初め,誰もが安心して通行できるようになるものと考えております。 次に,産業振興面でございます。 はりまや町一宮線が完成しますと,国道32号はりまや通りの交通量が一定減少すると想定されますことから,高知駅からはりまや橋までの区間において,活力やにぎわいを創出するイベントの開催など,新たな利活用が考えられます。 本路線の整備が完了しますと,まちなか居住の促進や都市の魅力の向上,回遊性の向上等が期待されるなど,中心市街地東部の活性化に大きく寄与するものと考えております。 また,現在も市内にある史跡などを観光ガイドとともに歩くまち歩き,土佐っ歩では,本路線については,半平太コース,はりまや橋お楽しみコースのルート上になっており,歩道及び公園などが整備されることにより,観光客の安全が確保できるとともに,都市として魅力づくりや風格も増すものと考えております。 現在行われておりますはりまや町一宮線まちづくり協議会において,事業の早期再開を願う意見がある一方,新堀川の現状維持を訴える意見もありますが,本市としましては,本路線については安全性や防災,産業振興等のさまざまな面において,重要な幹線路線だと考えており,生物の多様性にも配慮した整備方針のもと,早期の事業再開を望むものであります。 ○副議長(平田文彦君) 長岡農林水産部長。 ◎農林水産部長(長岡諭君) 高知県広域食肉センター事務組合の構成市町村の考えについての御質問にお答えします。 これまで事務組合を構成する大半の市町村を訪問し,その御意見を伺ってまいりました中では,共通して畜産振興に配慮した意見が多かったものの,食肉センターに対する赤字補填については否定的な意見が多く,また施設の更新についても,その財政負担に関しまして消極的な意見を伺っております。 食肉センターの今後の方針につきましては,高知県広域食肉センターあり方検討委員会の答申に示されておりますとおり,現在の一部事務組合方式による運営については,廃止もやむを得ない状況であると十分認識するとともに,畜産振興に配慮した他の方法も検討する必要性があるとの意見もお聞きしているところです。 今後も引き続き,勉強会等を通じて,県内屠畜事業の競争力強化に向けた協議を行うなど,構成市町村の御意見を伺ってまいりたいと考えております。 ○副議長(平田文彦君) 門吉都市建設部長。 ◎都市建設部長(門吉直人君) はりまや町一宮線の環境に配慮したまちづくり案について,お答えいたします。 道路整備及び新堀川整備等につきましては,現在,はりまや町一宮線まちづくり協議会の中で検討されていますが,先日行われました第2回のまちづくり協議会では,第1回協議会やパブリックコメントで得られた意見をもとに,安全面や環境面に配慮した新しい案が示され,委員の多くの方の賛同を得られたと聞いています。 高知県から示されました案の中で,環境面への配慮としましては,道路構造を見直すことにより,現在より水辺環境をふやすことや,横堀公園の一部を掘り込み,昔ながらの石積みを復元することにより,新たな干潟を創出するなどが示されています。 また,協議会の中で委員の方から,干潟の勾配について,シオマネキの別の生息地を参考にして整備したほうがよいといった内容や,コアマモの移殖手法について提案がなされるなど,よりよい生育環境をつくるための意見も出されています。 このような御意見を参考としながら,今後の整備計画に当たりましては,県が行う干潟創出のための横堀公園の一部掘り込み等に合わせまして,武市半平太道場跡の石碑再配置や道路植栽を含む周辺環境と統一のとれた樹種を選定するなど,環境及び景観に配慮した案を市民の皆様にお示しをし,整備についての御理解をいただけるよう努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(平田文彦君) 横田教育長。 ◎教育長(横田寿生君) 教育委員会の危機管理について,御質問をいただきましたので,お答え申し上げます。 本年7月4日に,台風3号が四国を横断いたしました。教育委員会におきましては,この台風による本市への影響につきまして,台風発生時から情報を収集し,特に前日の夜及び当日の早朝においては,台風の進路や速度,風雨の状況等を高知地方気象台からの情報を随時得ながら,状況判断をしておりました。 7月3日の時点において,台風3号は高知市からまだ遠い位置にあり,4日朝に九州北部へ上陸すると予想されておりました。 また,この台風3号は進行速度が非常に速く,高知市に接近した場合においても,その影響を受けるのは,4日の昼ごろの時間帯であり,児童・生徒の下校時刻である午後3時ごろには通過してしまうという情報がございました。 こうした情報から,児童・生徒の登校時刻である4日の午前8時前後においては,台風の影響による風,雨等の影響はほとんどなく,児童・生徒の登校においては通常の登校が可能であると,7月3日の午後8時の時点で判断をいたしました。 昨今の気象予報の精度は高度なものがございまして,予報どおり4日朝の登校時間帯においては,風雨はほとんどなく,また下校時刻である午後3時ごろには,台風は通過して風雨も急激におさまり,通常の登下校が可能な状況でございました。 学校は,災害時において避難所となるなど,児童・生徒の安全・安心が確保できる場所でございます。 台風の接近により風雨が強まる中を児童・生徒が下校すること,また自宅において子供だけで不安な時間を過ごすことも少なくない状況を考えましても,今回の台風の特徴を考慮すれば,一旦登校した場合は通常の教育活動を行いながら,台風が通過するのを待ち,安全を確認した上で,下校することが最善であると考えたところでございます。 当日の校長会の開催についてでございます。 教育委員会といたしましては,前日の夜の時点で,校長会役員と協議を行い,議題の一部を変更すること,学校長が独自の判断を行うに当たっての情報交換の場を設けることなど,安全管理に配慮した会の運営を確認の上,開催を決定いたしております。 会の中において,同一校区や近隣の学校長が情報を交換し,協議を行うことで,児童・生徒の安全・安心の確保において,各学校や地域の状況に応じた,より適切な判断を行うことができるのではないかと考えたところでございます。 今回,多くの学校では,台風による影響がない時点での登下校となりましたが,校区の状況等から総合的に判断し,給食後に児童を下校させる措置をとった小学校が複数ございまして,地域によっては,下校中に強い雨に遭遇した児童があったとの報告を受けております。 今後,安全管理につきましては,不測の事態も十分に想定しながら,常に児童・生徒の安全・安心を第一とした教育行政を推進してまいりますので,御理解と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。 ○副議長(平田文彦君) 海治上下水道事業管理者。 ◎上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 下水道使用料の改定につきまして5点の御質問をいただきましたので,順次お答えさせていただきます。 まず,本市の公共下水道事業の汚水事業の取り組みと現状についてでございます。 汚水事業につきましては,生活環境の改善と公共用水域の水質保全に加え,健全な水循環を確保する上で大きな役割を担っており,本市においては,昭和44年下知下水処理場西側施設の供用開始以降,昭和57年に潮江下水処理場,昭和58年に下知下水処理場の東側施設,昭和62年には瀬戸下水処理場の供用を順次開始してまいりました。 また,平成2年には,県の浦戸湾東部流域下水道事業による高須浄化センターが供用を開始し,本市の東部地域と南国市,香美市3市の汚水を広域的に処理しております。 この結果,公共下水道事業につきましては,全体計画面積4,746ヘクタールのうち61.5%の約2,919ヘクタールの整備を行い,平成28年度末の処理区域内人口は19万6,610人と,人口普及率は59.2%となっております。 また,このような下水道の普及に伴い,その経費は,独立採算制の原則のもと,下水道使用者の皆様に下水道使用料として御負担をお願いしております。 下水道使用料につきましては,経営状況や社会情勢などを勘案しながら,おおむね3年から5年間隔の使用料改定をめどに,平成12年に平均改定率15.8%,平成17年に16.1%,平成21年に20.5%の改定をお願いしてまいりました。 次に,平成21年4月以降,9年間使用料の改定を行わなかった理由及び現在の経営状況や今回の使用料の改定理由でございます。 前回,平成21年4月の使用料改定以降,下水道事業につきましては,厳しさを増す経営環境を踏まえ,経営の計画性や透明性の向上を図り,経営基盤を強化するために,26年4月に企業会計へ移行することとし,下水道の膨大な資産調査や評価などを進めてまいりました。 また,企業会計に移行しますと,使用料改定は賃金ベースから減価償却費などの経費を計上した損益ベースとなり,精度の高い財務諸表等を作成し,企業の経営状況や資産等を正確に把握しなければならないことや,経営の健全化に向けた経営方針を策定する必要があると考えまして,平成27年度から開催しました高知市上下水道事業経営審議会の答申も踏まえた使用料改定が必要であると判断した経緯があり,本年度に使用料改定をお願いすることとなったものでございます。 現状の下水道事業の経営状況につきましては,これまでも建設コストの縮減など,投資の合理化や企業債利息の低減など,経営の効率化に努めてまいりましたが,企業会計移行後,損益計算において毎年赤字が継続し,汚水事業では平成28年度末の累積赤字が14億7,000万円余りとなっております。 今後,人口減少や節水型社会への移行などに伴い,収益の減少が見込まれる中,施設の老朽化による改築,更新など,適正な維持管理や南海地震対策などの災害対策にも取り組む必要がございます。 今後の収支推計におきましては,年間2億円から4億円程度の赤字の継続が見込まれ,10年後の2026年度には,約43億5,000万円の累積赤字が予測されております。 経営見通しは大変厳しく,早期の経営改善が必要となっております。このため,今議会におきまして,平均改定率16%の下水道使用料の改定を提案させていただいた次第でございます。 次に,今後の下水道事業の見通しを踏まえた高知市上下水道事業経営審議会の答申や,平成28年度包括外部監査の意見でございます。 まず上下水道事業経営審議会からは,汚水事業においては,赤字の継続が想定されることから,経営改善に向けて早期に使用料改定を検討し,累積赤字を解消する必要があるとされ,水洗化率についても,収益の確保には利用者の増加が最も効果的であることから,グループ接続助成金制度などを活用し,水洗化率の向上に努めることなどの答申をいただいております。 また,平成28年度の包括外部監査でも,現在も赤字が継続していることを勘案すると,できるだけ早い時期に使用料の値上げを実施し,赤字を解消する必要があるという御意見であり,また使用料体系については,基本料金の値上げを含めた料金の値上げが必要という御意見と,四国の県庁所在地の中で,逓増割合,すなわち料金の最大単価と最少単価の割合が大きく,大口需要者への負担が大きくなっていることから,逓増度の緩和により,大口需要者の負担を緩和し,競争力向上や高知市への移転を促進することが望まれるという意見に加え,現在のような過度な逓増料金制を続けることには問題があり,10立米までの使用料についても,引き上げを同時に実施することが望まれるなど御意見をいただいた次第でございます。 本市としましては,このような経営審議会の答申や包括外部監査の意見を参考に,このたび上下水道事業の中長期の経営の基本計画となります経営戦略案を策定させていただいたところでございます。 この経営戦略案にお示ししましたが,今後の下水道事業の取り組みについてでございます。 まずは,投資経費の削減としまして,今後の汚水整備により,水洗化人口の増加が見込まれますが,将来の人口減少も見据えた適正な施設整備の設定や,水再生センターの維持管理面などにおいては,積極的に民間の技術力や創意工夫などを活用することとしており,工事においても,新技術や低コスト工法の導入などを検討し,徹底した経費の削減に努めてまいりたいと考えております。 また,収益の確保として,従来の接続助成金制度の活用とともに,昨年度に創設しましたグループ接続助成金の活用による早期接続に向け,より効果的な取り組みを検討するなど,水洗化率の向上を最優先課題として取り組み,長期的に安定した下水道経営を目指してまいりたいと考えております。 なお,市民の皆様には,年4回発行しております,広報すいどうや上下水道のイベントなど,さまざまな機会を通じまして,水道事業とともに下水道事業の必要性や経営状況など,子供から高齢者まで幅広く市民の皆様にお知らせし,両事業について御理解をいただけるよう取り組んでまいりたいと考えております。 最後に,今議会に提案しております下水道使用料の改定の内容でございます。 下水道使用料改定の基本的な考え方としましては,経営審議会の答申や包括外部監査の意見も踏まえまして,基本料金も含めた使用料体系の見直しを行うとともに,負担の公平性を考慮し,使用料の逓増度,すなわち最高単価と最低単価の割合の見直しなどを行っております。 具体的な内容につきましては,人口減少が見込まれる中,将来的に安定した経営を目指すためには,使用料に占める基本料金の割合を引き上げる必要があると考えておりますが,小口需要者の負担が大きくなりますことから,基本料金の割合は現状の30%程度を維持し,税抜きで900円から1,030円の改定をお願いしております。 次に,小口需要者が対象となります1立米から10立米の単価につきましては,平成17年4月の改定におきまして,基本料金に10立米までの基本水量を含んだものを廃止し,新たに設定したものでございまして,その際,小口需要者の大幅な負担増となることを抑制するため,1立米から10立米の単価を税抜きで8円と設定し,平成21年4月の改定では,10円とした経過がございますが,この単価は類似都市の調査では,尼崎市を除き全国でも最も低い単価となっております。 これまでの経過や小口需要者への配慮について,慎重に検討させていただきましたが,経営の健全化のためには,全ての使用者に御負担をお願いすることとなります1立米から10立米の単価の改定が必要となっております。 また,次の水量区分,11立米から20立米の単価136円とは単価差も大きく,公平性なども考慮して,今回,税抜きで10円から27円に改定をお願いするものでございます。 なお,今回の改定では,平均改定率が16%となっておりますが,一般的な御家庭の平均使用水量の月20立米の使用料は,税込みで現在の2,548円から2,894円に,346円のアップの13.6%の改定となりました。 また,何かと出費がかさむ子育てや介護世帯などの複数人世帯の多い月20立米から50立米までの改定率は,11.6%から13.6%と,平均改定率より低くなるように配慮してまいりました。 また,大口需要者であります1,001立米以上の単価につきましては,税抜き312円を,350円に12.2%の改定率とし,大口需要者の方々にも利用を継続し,かつ新たな接続を促せるよう検討させていただいた次第でございます。 これらの単価設定によりまして,最高単価と最低単価の割合であります逓増度につきましても,現在の31.2から改定後は13.0に緩和することが可能となり,監査で御指摘をいただきました料金体系におきましても,負担の公平性の向上が図れるものと考えております。 いずれにしましても,下水道使用者の皆様には,使用料改定により御負担をおかけすることとなり,まことに心苦しいところでございますが,公営企業として,独立採算制の原則のもと,今後とも,なお一層の経費節減や収益の確保など,効率的な事業運営と経営の健全化に努めてまいりますので,何とぞこのたびの下水道使用料改定の御理解と御協力をいただきますようお願い申し上げる次第でございます。 以上でございます。 ○副議長(平田文彦君) 黒田防災対策部長。 ◎防災対策部長(黒田直稔君) 防災対策に関する御質問について順次お答えいたします。 まず,長期浸水対策に関しての御質問にお答えします。 長期浸水対策につきましては,平成25年3月に高知県が取りまとめた南海地震長期浸水対策検討結果に基づき,関係機関とともに対策を協議,推進しており,27年1月には高知市長期浸水対策連絡会を本市と県と共同で設立し,その対策の進捗管理を行っております。 その中でも,救助・救出対策につきましては,警察,消防,自衛隊による担当者会を別途開催し,具体的な方策を検討しておりまして,警察など救助3機関が効率的に活動できるよう,長期浸水エリアを8つのブロックに分け,それぞれ活動拠点や進出ルートを選定するとともに,救助・救出の前提として,早急に医療措置が必要な避難者の方は,エリアに限らず最優先で救助・救出に当たることなど,基本的な考え方を整理しております。 また,迅速な救助・救出のためには,孤立した避難者の情報を収集する必要がございますので,その手段の確保としまして,各津波避難ビルへ避難者情報発信のための簡易資機材の配備やスマートフォンを活用した情報伝達収集システムの構築を進めているところでございます。 さらに,長期浸水区域にお住まいの方々がより安全に避難できることに加えて,長期浸水地域内に取り残される避難者の方をできるだけ少なくすることを目指して,高知県と共同で住民避難のシミュレーションにも取り組んでおり,浸水域外に避難できるエリアの把握などの作業を進めております。 このように長期浸水対策を着実に進めておりますが,まだまだ解消しなければいけないさまざまな課題がある中で,長期浸水区域の被害状況について,住民の皆様に具体的にイメージしていただきながら,対策していくことが重要でございますので,本年10月以降に長期浸水区域で実施予定の住民の皆様との意見懇談会では,長期浸水区域内における防災対策について,御説明をさせていただくとともに,住民の皆様の御意見についても,直接お伺いし,今後の対策に生かしてまいりたいと考えております。 次に,浦戸湾三重防護に関しての御質問にお答えします。 平成28年度に事業が採択されました高知港海岸直轄海岸保全施設整備事業,いわゆる浦戸湾の三重防護が本年度から本格的に工事着手されました。 この三重防護対策では,高知新港沖防波堤の延伸などを行う第1ライン,浦戸湾湾口部の津波防波堤の整備や外縁部の防潮堤の耐震対策等を行う第2ライン,浦戸湾内部の防潮堤や胸壁等の液状化対策やかさ上げ等を行う第3ラインの海岸保全施設の整備等を順次実施することとなっております。 事業全体の完成予定は平成43年度となっておりますが,浦戸湾の三重防護対策では,防波堤の補強や整備で津波の流入量を減らし,堤防等のかさ上げ,液状化対策等によって発生頻度の高い津波,いわゆるレベル1の津波に対しては,市街地への津波の浸入を防ぎます。 一例で申し上げますと,昨年度,事業に着手した種崎外縁工区では,既設の堤防の前面に新しく堤防を構築し,背後では洗掘防止対策が実施されております。 新しい堤防は1.3メートル程度かさ上げし,高さを11.4メートルとすることとされていますが,これはレベル1津波の想定水位9.1メートルに地盤沈降予測1.9メートルを加えた高さにも対応できるようにしているものでございます。 また,最大クラスの津波,いわゆるレベル2の津波に対しましては,津波の浸入を全て防ぐことはできないものの,三重防護対策を実施することにより,越流後の堤防の倒壊が防げるため,津波の浸入をおくらせることができ,津波からの避難の時間を長く確保できるようになりますとともに,津波による浸水面積も減ることとなり,被害は大幅に軽減される減災につながっていくものと考えております。 次に,避難情報の発令に関しての御質問にお答えします。 エリアメール及び緊急速報メールは,気象庁による気象情報や市町村が発令する避難情報について,携帯電話会社の御協力により,該当エリア内の通信可能な状態の携帯電話やスマートフォンへ即時優先的にメール送信をするサービスです。 高知県内の市町村は,高知県防災情報システムを通じて携帯電話会社から該当自治体のエリア内に一斉メールが配信される仕組みとなっております。 このエリアメール及び緊急速報メールの運用に関しましては,通信事業者との利用規約に沿って行っておりまして,その利用規約には,生命にかかわる緊急性の高い情報を特定のエリアの対応端末に配信するものと定められており,配信可能な項目等は配信の手引で具体的に示されており,例えば避難勧告や避難指示,津波警報などは緊急性が高い配信情報となっております。 単なるお知らせや緊急性のないものなど,配信可能項目に該当しない情報を配信することで,住民が緊急速報メールの受信を常にオフにしてしまう可能性もあり,実際の災害時に必要な情報を受信できず,生命にかかわる危険に直面することにつながることも考えられます。 このようなことから,エリアメール及び緊急速報メールを活用し,市民の皆様方に情報を発信する場合は,発信するメッセージを十分検討した上で行うこととしております。 最後に,エリアメールの細分化に関しての御質問にお答えします。 この細分化につきましては,8月16日に新聞報道がなされました。 これは昨年度に県を通じ消防庁から要望調査があり,本市は中山間地域や中心市街地,沿岸部の地理的条件が大きく異なる3地域に分かれますことから,防災上のエリアメールについては,それぞれの地域の特性に応じたできる限り詳細な災害情報を流す必要性があると考えまして,一旦細分化を希望すると回答していたものでございます。 消防庁は昨年度,3つの自治体を対象にエリアメールの配信範囲の細分化の実証実験を行い,その結果や要望調査をもとに,平成30年度内に細分化を先行実施する18県25市町を選定し,本市も今回そのうちの一つとして選定されたものですが,事前に本市への連絡なしに報道に至ったものでございます。 エリアメールを細分化するメリットとしましては,警戒が必要な地域だけに情報をお届けすることができるため,避難地の混乱を防ぐことができると考えております。 一方で,現在運用中の高知県防災情報システムを通じた携帯電話会社への一括送信ができなくなるというデメリットがございます。 仮に導入しますと,本市独自でそれぞれの携帯電話会社に応じた入力作業が必要となり,緊急を要する避難情報の発信が遅くなるとともに,手順がふえることでミスを誘発しやすくなることも想定されますことから,実施に向けては,こうした課題に対応する仕組みの検討が必要となってまいります。 また,細分化に向けては,携帯電話会社のシステム改修に多額の負担金が必要であるとされておりますとともに,導入に向けては,さまざまな課題整理が必要ですので,今後細分化の導入を図るかどうかにつきましては,先ほどのメリット,デメリットの部分を踏まえまして,慎重に検討作業を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(平田文彦君) 近藤強議員。 ◆(近藤強君) どうも質問が多過ぎて,御答弁の時間が。ただ,私の質問時間もちょっと残っていますので,大変恐縮ですが,第2問,もう簡単にやらさせていただきたいと思います。 食肉センターの関連ですけれど,やっぱり県と市の協力,共同,県市連携会議の重要性というのは十分に理解しているつもりです。 ただ,やっぱり今までの経過としても,将来に負担を残さないためにも,しっかりとした,単なる県とのおつき合いで判断するのではなしに,無理なものは無理,だめなものはだめと,しっかりとした対応をしていただきたいと思います。 その前段には,もう市議会の了解が要るということも,県のほうにもしっかりと伝えとっていただければというふうに思います。 それと次に,エリアメールですが,先ほど御答弁をいただきました。 合併して高知市は広くなったとはいえ,やっぱり行動範囲としては,この程度の行動範囲は,我々も日常的にするわけですので,それをわざわざ細分化してピンポイントなんていう,今,入力ミスも心配されておりますけれど,それだけではなしに,我々としてはやっぱり高知市全体の情報を自分ら自身もしっかりと持っておきたいというのは当たり前のことなんです。 そのことによって,市内の動きというのも,我々も行動を警戒するところもあると思いますので,そういった意味では,今,御答弁いただいたように,今度メリット,デメリットもしっかりと議論して,慎重な議論をしていただくことをお願いしたいと思います。 次に,はりまや町一宮線ですけれど,質問で私は優しい言葉で質問させていただきましたが,高知駅再開発事業に取り組んできた地元の議員としては,本当に腹立たしいというか,怒りを持っております。 そういった意味では,はりまや町一宮線というのは再開発事業の都市計画道路の一つであると思いますが,そのことによって,区画整理とか,いろいろ減歩という痛みを伴いながら,地元住民は高知市の発展ということで協力してきたのですよ。 これが平成22年にもう駅再開発事業は竣工しているのですけれど,29年,7年もたってまだこのまま放置しているのかと。 地元の住民から,また町内会長からもやっぱりそういう声が上がっておりまして,これはもう県の怠慢じゃないかという声も出されておりますので,やはり今後いろいろ環境や景観に配慮した取り組みがされるということですので,早い段階で,はりまや町一宮線を完成してもらいたいと思います。 これがない限り,真の意味で高知駅周辺の再開発事業が竣工したとは私は思っておりませんので,一日も早い取り組みをしていただきたいし,県には,行政としてしっかりと行政手腕を発揮するように強く求めてください。よろしくお願いしたいと思います。 それと,教育委員会ですが,いろいろ情報収集に努めてきたと,だから安心だということでやってきましたと。逆でしょう。情報収集をやっていたら,こんな校長会なんか開くような気持ちにならんと思いますよ。 校長はやっぱり教育現場におって初めて,そこで児童・生徒の安全と命を守る取り組みに専念さすというのが教育委員会の立場じゃないでしょうか。 私としては,もっと児童・生徒の命を預かっているということをしっかりと認識していただきたいという思いで質問させていただきましたので,今後,危機管理能力を高める努力をしていただきたいと思います。 それと最後に,下水道の使用料の改定ですが,違う観点から言わせていただいたら,9年間料金を値上げしていなかったという大きなリスクもありますし,ちょっと違う観点から言うと,下水道料金,水道料金は2カ月に1回の請求書なんです。 ほか,電気なんかは1カ月単位で,逆に2カ月に1回になると金額が大きいように見えて,何か多額な請求をされているような認識をされるので,これはもうこういう時期にこれを直すわけには,また膨大な費用がかかるんで,それは置いときますが,南海地震対策として,現状,下水道はもう無理ですと,諦めてくださいというのが現状であるというふうに思いますけれど。 しかしながら,ずっといろんな避難所とかいろいろ見てみますと,やっぱり下水道が使えるか使えないかといったら,水や電気みたいにライフラインなんですよ。避難所生活の中で下水道が使えるか使えないか,やっぱりこれは大きな分かれ道になってくるのではないかなというふうに思います。 そういった意味では,現状を維持するだけで四苦八苦するような財政状況では困るのです。早く手を打ってもらいたい。早く地震対策に手がつけられるような,そういった下水道対策,そういうふうな南海トラフ地震対策に手がつけられるように,やっぱり財政状況も改善していただきたいということを強く要望して,全ての質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(平田文彦君) この際暫時休憩いたします。  午後3時8分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後3時20分再開 ○議長(高木妙君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 福島明議員。  〔福島明君登壇〕 ◆(福島明君) 新こうち未来の福島でございます。5人目でお疲れのところ,どうかよろしくお願いいたします。 それでは,通告に従い,私見,提言も要望も交えて質問させていただきます。 9月議会は決算議会とも言われております。議会にとって決算と予算とはどちらが大事かといえば,一般的には予算が大事だというふうに言われておりますが,議会にとっては予算のほうが,民間の企業にとっては決算が大事になります。 それは目的が違うからです。民間の企業は利益を上げるのが目的で,幾らよい予算を組んでも利益が上がらなければ,企業は発展はおろか存続すらできません。 一方,自治体は利益を上げることを目的としていません。住民から預かった税金を使って住民が求めるサービスを適切に行って,時代に合った暮らしやすい地域をつくるというのが自治体の仕事です。 そのため,一年間どのようにお金を使うのかを決めるということが非常に大事となります。決めた後は行政が執行します。決める段階が一番大事なので,3月議会が重要となってきます。 しかし,この9月も決算で大事です。決算を予算にフィードバックしなさい,あるいは予算の効果が本当にあったのか,根拠に基づく政策立案をしなさい,それを踏まえて,次の予算を決めなさいと言われていますので,決算の重要性はますます高まってきていますし,結果重視の財政運営が問われています。 そこで,お聞きしますが,自治体財政政策の効果予測,検証がきちんとなされているかお聞かせください。 また,その決算の状況をまとめたものがここにあります決算カードと言われるものです。財政課にお願いして,平成26年,27年,28年,そして厳しい時代の平成20年,それから類似都市の奈良市の決算カードをいただいておりますけれども,平成13年から総務省で公開されるようになりました決算のアウトラインを示したもので,詳しく見るには地方財政状況調査があります。 これは自治体の財政がこれまでどうなってきたか,過去からとることによって,自治体の財政のトレンドというものがわかります。 また,主な姿が見えてきたりします。形とか特徴が見えてきたりします。さらに,時系列に並べることによって,自治体の姿がよく理解できます。 もう一つは,ほかの自治体と比較することができます。この決算カードの上のほうに市町村類型と示され,高知市は1-6と掲載されており,この番号が類似団体のグループ番号です。 これで人口規模と産業構造が似通った自治体を集めています。先ほど奈良市の決算カードが大体そういった類似団体と同じ1-6になっております。 したがって,普通に考えてみますと,ほかよりも財政構造が似ていることがわかります。そういった類似団体と本市を比較して,それがよいか悪いかはわかりませんが,本市の何か特徴的なものがあるということがわかると思います。 そこで,お聞きしますが,類似中核市と比較して,本市の財政構造の特徴的なものについてお聞かせください。 また,この決算カードを見てみますと,今期決算で単年度収支が4億6,332万7,000円の赤字となっています。 財政調整基金等を9億5,000万円余り取り崩すことによって,実質単年度収支は,14億1,161万4,000円の赤字となっており,財務部長は議会初日の決算の概要説明において,この原因は地方交付税や法人市民税が大幅に減少したと述べられました。その原因についてさらに詳しくお聞かせください。 また,時系列に眺めますと,経常収支比率が平成26年度,27年度と比較して約6ポイント上がっていて,99.1%となっており,財政が硬直化していると言わざるを得ません。どこに課題があるのかお聞かせください。 さらにお聞きしますが,目的別歳出の中で,民生費が48.7%と突出しています。毎年毎年ふえていますが,そのことは民生費の中の社会福祉費なのか老人福祉費なのか児童福祉費なのか,また生活保護費なのかお聞かせください。 また,これは本市の意思でそうなっているのか。もしくは,国の制度の変化なのかについてもお聞かせください。 日本の地方財政というものはほぼ統一されています。どこの自治体に行っても,収入と支出等の構造が同じであり,制度が画一的でありますので,非常にわかりやすいということです。 日本の地方財政の特徴は,国と地方の関係が非常に密であり,逆に言うと,国との関係で地方財政が動いていると言っても過言ではありません。 したがって,国の動きを意識した財政運営が必要であります。国の動向によって,地方の財政の基数が決まってしまうという側面があります。そういう側面があるからこそ,我々国民はどこに暮らしても同じ行政サービスを受けるということができます。そういう仕組みをとっています。 そこで,お聞きしますが,国の動きと本市の財政運営のあり方について,日ごろからどのようなことに心がけているかお聞かせください。 次に,地方交付税についてお聞きします。 地方の歳出の不足分を埋め合わせているのが地方交付税であります。 財源からいうと,国税の3割ぐらいで,それは需要額と一致するものではなく,地方の不足分が大きいので,国が特別にお金を繰り入れており,2001年からは地方に臨時財政対策債といった赤字地方債の発行を認めて,それによって国の交付税の不足分を措置しています。 普通交付税を算定する上で,基準財政需要額がもとになります。基準財政需要額は,測定単位掛ける単位費用,補正係数から成り立っています。 このうち測定単位では,人口に重点を置いており,7割が人口に関連しています。いずれも人口が減ってくると基準財政需要額は減ってくることになります。 そうなりますと,税収がそのままだと交付税は減ります。人口が減るということで財政需要が減るということになりませんので,それで自治体ではいろいろ対策を講じていかなければなりませんが,国はそれを加味して基準財政需要額をふやそうとはしません。 なぜなら,国は地方に財源を支出したくないからです。地方財政計画に,地方交付税の配分についてもトップランナー方式を取り入れて全体として減らしてくるし,個別の自治体でも交付税を減らそうとしています。 厳しい財政運営が強いられますが,地方交付税,国庫支出金,地方債などが施策とどのように関連づけられているのかお聞かせください。 地方交付税の穴埋めをしているのが,先ほど言った臨時財政対策債です。 本当は国が出さなければならないものを自治体に借金させているものですが,これも地方交付税の種類とみなすことができます。 そうすると,今,物すごくふえてきています。国は臨時財政対策債について,国が認めた金額については,後で地方交付税として配分しますと言っていますが,このことは基準財政需要額をふやしますという意味です。 臨時財政対策債はどんどん借りていいのか,本当に貸してくれるのか,疑問なところがあります。 私は,全然安心してはいけないと思います。国は財政支出をふやさない,地方自治体への支出はふやさないと言っております。 恐らく,ほかを削るのではないかと考えます。ほかを削って基準財政需要額がふえないようにするのではないかと思います。 自治体にとって大事なのは,総額が大事です。総額のうち,措置されている部分が借金の返済部分になってきますから,自治体の住民サービスに向ける部分が減ってくることになります。 したがって,臨時財政対策債をどんどん発行して安心かといえば,そうではありません。私は,余り当てにしては怖いと思います。毎年毎年予算は変わっていますし,そのときの政治状況だとか力関係で決まるということが多くあります。かつて三位一体改革のときに削られた苦い経験があります。 したがって,財政運営は保守的にやっていくことが肝要だと思いますが,市長の御所見をお聞かせください。 次に,地方単独事業,すなわち補助金が入っていない一般財源による事業ですが,これは国からいうと,それだけお金が要るのかよくわからない,これについてもチェックをすると言っています。 標準的な財政支出というのは,自治体がそのお金を使って工夫して暮らしを支えています。画一的な仕組みではありません。住んでいる人も違うし,地域の特性も違うし,住民のニーズも違います。 同じことを同じようにやるのではなく,標準的なサービスがあって,その中で高齢者福祉を重視するのか,教育を重視するのか,あるいは公共事業を重視するのかがあるわけでございまして,それを住民の一番近いところに委ねるのが財政効率を高めることになります。 一般財源は,自治体がみずから使途を決定できる財源であり,財政当局の予算編成時の一番関心事です。ニーズに合った使い道をするということが重要ですが,本市での一般財源についての御所見をお聞かせください。 一方,国の政策分野で地方創生が中心になっており,財政措置もそのようになってきています。 かつて90年代の地域総合整備事業債,地総債と呼んでいましたが,この借金は有利な借金なのだから,後年度交付税で返ってくるから安心して借金してつくれ,各自治体ではたくさんの箱物をつくったわけです。それが後で手のひらを返すようになったわけです。 しかし,国はその地総債よりも今はるかに有利な交付税を措置しています。今回は国も本気モードになっています。 まちづくり特別対策事業,一般財源が25%で地方債75%,それも自治体の財政力に応じて,後年度30%から50%は交付税措置する。 公共施設の集約化,複合化については,公共施設等適正管理推進事業,集約化・複合化事業があって,これは一般財源10%,残り借金の地方債90%,後年度の交付税措置50%と,むちゃくちゃに有利と思います。基準財政額をふやしてくれるのです。 さらに一番本気モードになったのが,合併特例債事業,一般財源5%,地方債95%,後年度の交付税措置が70%。これに引かれる自治体は多いと思います。 そして,公共施設等適正管理推進事業については,今年度から長寿命化,すなわち大規模改修も認められています。施設の統廃合もいいのですが,長寿命化も今後視野に入れて事業を進めていくことが重要ではないかと思います。 そこで,お聞きしますが,地方財政政策の方向性は地方創生への重点化が強まっております。地方創生に自治体財政のあり方が一層引きずられているように思いますが,本市の地方創生への取り組みについてお聞かせください。 次に,人口減少が進むということは随分前から誰もがみんなわかっていたことなのですが,見て見ぬ振りをしていました。政治の現場でも,口にするだけで,何でそんな消極的なことを言うのかと問題になることもありました。 人口の推計は世の中に数ある推計の中でも最も精度が高いと言われております。ほぼ確実です。現に2008年から人口は減少していて,それが声高に言われ始めたのは2014年5月に日本創成会議が提言した消滅可能性都市でした。 その後,人口減少社会を克服するための施策としては,政府はその年の5月には地方自治法の改正,都市再生特別措置法の改正,6月には骨太方針2014,日本再興計画改訂2014,国土強靱化計画を発表,さらに7月には国土グランドデザイン2050,9月にはまち・ひと・しごと創生本部が立ち上げられました。 まち・ひと・しごと創生事業,すなわち地方創生,これが地方財政の中心になっています。国がとっている地方の財政対策の中心になります。これがどう動いているかということを理解しながら予算を組むことが重要です。 地方創生の大きな目標は2つです。人口減少の克服と地方経済成長,そして開会日に市長からの説明がありましたが,それに向けた基本目標が4つあります。 1に,雇用をつくりなさい。2番目に,人の流れをつくりなさい。3番目に,若い世代の結婚,出産,子育ての希望をかなえる。そして4つ目が,時代に合った地域づくり,安心な暮らしを守るとともに,地域と地域を連携するとしています。 1から3は,一部の自治体に焦点が当たっていると解釈できます。ところが,4の時代に合った地域をつくるというところは,いろんな地域があって,時代に応じて変化させることができるので,これはどこの自治体でもいけそうで,というところは地方創生の本質的なところは,こっちにあるのではないかと解釈できます。 これによって,各自治体に総合戦略をつくるように指示しています。1から3は積極戦略であり,人口減少の歯どめのための戦略でありますが,一方4について言えば,人口減少に即した戦略で,調整戦略ではと言われ,どちらかといえば縮小していく戦略です。 本年6月の骨太方針2017では,ことしから各地方団体に自助の精神で頑張れというのがあちこちで出てきます。 ことしの特徴は,確かな根拠に基づく政策立案,英語で言いますと,Evidence based policy-making。 すなわち,根拠がなかったら政策をつくるな。そんなものをつくっても国は認めんぞということでございます。これはなかなかできるようで難しく思います。根拠としては,データとか統計とかありますが,根拠に基づいた政策立案といえばいろいろあります。 また,客観的な政策をつくりなさいということですが,それには議会の役割が重要となってきます。議会がチェックするということが大事です。批判力が大事です。 行政が出してきたものを客観的なデータや証拠に基づいて,できているのかをチェックして,きちんとした政策をつくらすということが大事です。このことは非常に強まっています。 地方創生はあれよあれよという間に進んできて発展してきているように見えますが,自治体が毎年奔走させられている状況です。 しかし,私は地方創生への誘導をうまく利用することが大事だと思います。2017年には総合戦略の中間年であり,国は意欲と熱意のある地方公共団体に対しては,情報支援,人材支援,財政支援の地方創生版・三本の矢で強力に支援し,地方創生の新展開を図ることにしています。 財政の支援の矢には地方創生推進交付金,これは国庫支出金で補助率は2分の1,ほかに地方創生拠点整備交付金,まち・ひと・しごと創生事業費という項目をとっています。これらが地方の財源確保の中心になっています。 そこで,お聞きしますが,本市はこれらの国の施策にどのように応えてきたのか,実績も踏まえてお聞かせください。 2017年の調整戦略として4つの項目を掲げています。1つが,まちづくりにおける地域の連携の推進,連携中枢都市圏,定住自立圏であります。 2つ目が,日本版BID,公共の空間を民間に管理させるということです。 3つ目が,コンパクト・プラス・ネットワークの本格的推進ということで,立地適正化計画,地域公共交通網形成計画,都市のスポンジ化への対応,公的不動産の有効活用,公共公益施設の集約化,複合化が掲げられ,4番目に小さな拠点及び地域運営組織の形成となっております。 そこで,コンパクト・プラス・ネットワークについてお聞きします。 これが今の国全体で進めていく施策の中心になっているものです。市町村の立地適正化計画,これが日本版のコンパクトシティーです。 普通,コンパクトシティーというのは,広がっていくのをとめるためにつくるのですが,日本版のコンパクトシティーは,広がったものを狭めていくものです。 広がったところを縮めるということですから,周辺部は,端的に言うと,新たな人が住まなくなります。でも,人は住み続けます。そのためにはネットワークを維持することが大事だということですが,充実させるということではないと理解しています。 充実させると,真ん中に人が集まれませんから,不便にしなければなりません。住民に住みにくくしなければなりません。ネットワークというのは極めていいかげんなものだと思います。 したがって,ネットワークを充実させると真ん中に人が集まりませんから,立地適正化計画は達成できません。 目的は,真ん中に人を集めることです。コンパクトを図る上で,真ん中のところには熱心にきれいな絵も描き,財政措置もし,容積率の規制緩和もし,人口密度の高い中心部をつくってくださいということになっていますが,周辺部については何も描いていません。人がいなくなるというだけの話です。 暮らしはずっと残ります。ネットワークというだけで,実際はどう支えていくのかが全くありません。これが国のコンパクトシティー政策の一番の課題です。 しかし,ここを支えていかなければなりませんが,それを支えるためには何かの手だてが要ります。 それは行政だけではできません。真ん中へ住みに来いと言ってもそれは無理です。それを支えるために地域の人が頑張らなくてはなりません。それが国の推奨している地域運営組織であります。 どうしても真ん中ばっかりに目が行きます。大事なことは,周辺をどのようにみとっていくかということです。そこを見過ごしてはなりません。 ここへ目配せできて適正にしていけるのは,行政も含めて地域の人しかいません。コンパクトシティーは真ん中ばかりに議論が向けられていますが,周辺をどうするのか,どのようにみとっていくのか,行政と周辺住民が一緒になってどのような地域運営組織をつくっていくのか,市長の御所見をお聞きします。 同じく2017年6月の骨太方針2017では,PPP/PFIへの取り組みについても推進が強調されています。 PFIの規定というのは,2003年からできていますが,ほとんど広がっていないというのが現状です。なぜ広がっていないかというと,自治体としてのメリットが見えないところにあります。よくわかっていません。 それでも国は,人口20万以上のところは検討せよと言っています。将来的に検討しなかったら補助金も出さないと言っています。検討した結果,直営のほうがよいとなってもいいが,検討しなかったら補助金は出さないということにも触れ始めています。 最近では,人口20万人以下の市町村にも適用することを文書で言い始めています。財政負担の平準化とか言われていますが,ポイントは,借金の返済と委託料とどちらが高くなるかという問題です。原理的に言うと,委託料が高くなります。 しかし,国は実効ある優先的検討の運用,補助金採択等の際の優先的検討の要件化,未検討案件への縮小などを通じて案件形成を促進するとしていますが,医療センターの苦い経験も考慮しながら,市長のPFIについての対応についてお聞かせください。 次に,会計年度任用職員の財政への影響についてお聞きします。 平成32年度から地方公務員法,地方自治法の改正により,一般職員の非常勤職員を会計年度任用職員として期末手当の支給は可能となるようにするということが決まりました。 すなわちボーナスを出すということになります。12カ月の給料は14.6カ月となります。これは同一労働,同一賃金でよいことだと思いますが,財政をどうするのか。 国は,地方交付税で措置すると言っていますが,一方では基準財政需要額の総額はふやさないと言っています。そうなると,ほかを削ってくると思います。住民サービスを削らなくてはならなくなってきます。 それを維持しようとすれば,正規の職員を減らして,会計年度任用職員をふやして給料の総額を抑えるとか,どんどん資産を売却するとか,統廃合して有利な起債で地方交付税を入れていくといったことにつながりかねないと思います。これはむちゃくちゃ大問題と思います。 これには国に財源をふやしてもらうしかありません。ほかを削るとか,そんなインチキなしで,そのためには今から物すごい運動を地方公共団体はやっていかなければならないと思います。市長の御所見をお聞かせください。 続いて,健康福祉行政についてお聞きします。 日本は2025年には,私も所属しております団塊の世代が75歳を超えて全員,後期高齢者となり,5人に1人が75歳という超高齢者社会を迎え,介護の総費用は年間10兆円を突破し,介護保険制度が施行された2000年の約3倍まで膨張し,その抑制が喫緊の課題となっています。 平成30年度より国民健康保険の運営が市町村から都道府県に移管され,膨らむ一方の医療費や介護費の抑制に向け,税金による公助や公的社会保険による共助のみならず,互助や自助の機能により,要介護状態となっても住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることのできる地域包括ケアシステムの構築が急がれています。 高齢者が安心して地域生活を送りながら,みずからのマンパワーを柔軟に,かつ多様に発揮して,社会参加や社会活動に取り組み,生きがいとともに,みずからの予防と他者への支援,そして地域コミュニティの再生につながるような地域包括ケアシステムを構築するためには,自治体が地域住民の自助,互助をどのように位置づけ,またその機能をシステムにどのように組み込むべきかを探っていかなければならないと考えます。 また,地域包括ケアシステムの構築には,高齢者がサービスの利用者である前に,その生活をみずから支える自助の主体,支援の担い手とならねばならず,それには高齢者自身,健康維持増進,老化遅延のための取り組みが必要不可欠と考えます。 健康日本21(第2次)では,要介護者を減らすための対策として,従来の認知症やロコモティブシンドロームの啓発に加え,低栄養の高齢者の割合を22%に減らすことが掲げられています。 高齢者の低栄養防止は各種疾病の発病リスク低減と重症化予防を促し,高齢者の生活機能維持により,骨折,転倒を予防,高齢者の健康維持増進に寄与することから,地域包括ケアシステムの生活支援,介護予防に高齢者の低栄養予防の取り組みを位置づけるべきと考えますが,健康福祉部長のお考えをお聞かせください。 最後に,厚生労働省の医療費抑制成果に応じた国保財政支援に関してお聞きします。 名古屋大学地域在宅医療学,老年科学教室の葛谷教授は,高齢者が低栄養に陥ると,免疫機能の低下,感染症リスクを高め,褥瘡,皮下脂肪の減少,骨粗鬆症,サルコペニア,筋肉量減少による身体機能低下を発症させ,虚弱,ひ弱さ,筋肉活動の低下状態につながり,転倒,骨折を介し,高齢者の要介護度の悪化,自立を阻害し,医療費,介護給付を膨大化させます。 高齢者の慢性疾患は栄養が深く関与していることから,栄養不良,低栄養の評価,低栄養リスクの早期抽出,早期医療介入が高齢者の生命予後に極めて重要であると説かれています。 これをもとに高知県黒潮町並びに田野町では,厚生労働省平成29年度医療費適正化等推進事業,高齢者の低栄養防止・重症化予防推進事業を受託し,高齢者に保険薬局の薬剤師が栄養ケア支援システムを用いた栄養状態チェックを行い,服用薬,病気,口腔機能,精神的要因による食欲不振,低栄養が生じていないか,医師,歯科医師と共同で探求し,特定健診への勧奨,健康相談による低栄養・フレイル予防により,減薬,後発医薬品への移行,生活習慣病の重症化予防の医療費抑制成果を見込んでいます。 徳島県並びに香川県では,高知県黒潮町の事業を参考に,医師,歯科医師等の医療者と食支援事業者,食品企業,食品卸,配食サービス事業者,量販店,コンビニエンスストア等を異業種連携させた,高齢者の低栄養防止コンソーシアムが立ち上がり,地域包括ケアシステムの生活支援,介護予防の立ち位置で高齢者の低栄養防止,フレイル予防による医療費抑制成果を出す仕組みづくりが進められています。 かつ高齢者の薬食同源,すなわち日ごろからバランスのとれたおいしい食事をとることで病気を予防し,治療しようとする考え方の意識が高まることで,地域の食品の農畜水産物の消費が促され,地産地消による地域経済活性化への期待が高まっています。 本市としても,国保財政支援,医療費抑制成果に供する具体的施策として,コンソーシアムの支援を検討すべきだと考えますが,健康福祉部長のお考えをお聞かせください。 以上で,1問を終わります。 ○議長(高木妙君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問をいただきましたので,順次お答えを申し上げます。 まず,財政運営の中で,厳しい状況になるということを踏まえまして,今後の財政運営は,保守的にやっていくことが肝要かという御質問にお答えを申し上げます。 高知市の財政状況につきましては,かつての危機的な財政状況は回避できたものと考えておりますが,他の中核市と比較しますと,まだまだ起債残高が多く,財政指標もよいとは言えないことから,抑制的という意味での保守的な財政運営の必要性は理解できるところでもございます。 ただ,やはりバランスが非常に難しいところで,市民の皆様の命と財産を守るための南海トラフ地震対策や人口減少問題の克服に向けました地方創生の推進の強化など,喫緊の課題につきましては,先送りできないものがございますので,財源確保を図りながら事業の進捗を進めていくことが不可欠となっています。 また,こうした状況から,例えば新庁舎や,また消防施設関連,また新しい図書館や給食センターの建設などの大型プロジェクト事業の進捗が進んできております。 この関係もありまして,この数年間は厳しい財政運営を強いられる見込みがありますので,公共施設マネジメントの推進を初めとする行財政改革を一層推進していくとともに,今後の財政収支の試算や公債費の将来推計を随時見直していきながら,将来を見通した健全な財政運営を進めていく必要があろうかと考えております。 ただ,先ほども御指摘がありましたとおり,地方交付税がかなり抑制傾向にありますので,やはり全国市長会また地方六団体を通じまして,地方交付税の財政支援の拡充ということは六団体ともに強く申し入れをしていかなければならないのではないかということを考えております。 続きまして,立地適正化の中で,周辺地域のまちづくりについての考え方についての御質問がありましたので,お答えを申し上げたいと思います。 高知市の市街地におけます人口密度につきましては,全国の類似都市と比べますと,人口密度そのものは高く,比較的コンパクトに都市が形成されている現状があります。 ただ,今後の人口減少や少子・高齢化がもたらします都市課題に対応するために,持続可能な集約型の都市構造への具体的な取り組みとしまして,昨年度,新たな考え方として高知市の立地適正化の計画を策定したところでございます。 この計画は,市街化区域の中においては,各拠点間を結ぶ基幹的な公共交通ネットワークを軸としまして,それぞれの拠点の特性に応じまして,医療や福祉,商業等の都市機能の集約化を図り,その周りに居住を誘導することで,人口維持を図りながら,効率的な都市経営が可能となるよう,コンパクト・プラス・ネットワークというまちづくりを目指そうとするものでございます。 一方,郊外であります,例えば市街化調整区域の春野地域や都市計画区域外の鏡地域や土佐山地域などについては,人口減少や少子・高齢化が顕著になっておりまして,集落機能の低下が懸念をされています。 2014年の高知市都市計画マスタープランにおいては,それぞれ田園地域ゾーン,中山間地域ゾーンとして区分しながら,豊かな自然環境の保全や活用に取り組むとともに,都市部との連携や交流を深めつつ,良好な居住環境の確保や,地域の特産を生かした農林業の振興策等について,集落の維持に努める方針を示しております。 具体的には,例えばデマンド型の乗り合いタクシーの導入などで,人々の足を確保するということを含めて,路線バスとの連携強化による持続性のある交通体系の構築に加えまして,地域内での連携協力に取り組みます地域内連携協議会を中心としましたまちづくりを進めようとしているところでもございます。 過日,久重地域におきましても,地元の皆様方の御努力によりまして,非常にいいまちづくり計画ができておりますので,さきに久重地域とも意見交換を行ったところでもございます。 今後も,このようなまちづくりを展開しつつ,暮らしに係るさまざまな課題の解決に向けた個別事案の具体化,実施については,それぞれの都市部や,また郊外部が持っておりますそれぞれの特性を生かしつつ,市民の協働の意識を持って住民の方々とともに,コンパクトでバランスのとれた都市づくりに努めていく必要があると考えております。 続きまして,PFIの対応についての御質問にお答えを申し上げます。 高知医療センターのPFI事業の関連でも御質問の中にございましたが,日本で初めての医療関係のPFIということで注目されました。 ただ,PFIの運営につきまして,一定当初設定をしておりました事業効果が上がらなかったということで,平成22年3月にPFIの契約については解約されたということになっております。 しかしながら,例えば医療センターの施設整備,建設に係りますPFIにつきましては,民間事業者の方々のノウハウが生かされた十分評価できる病院として建設されたものでありまして,一定のコストの比較でも優位に立っておりますので,PFI事業そのもの全体が否定をされたことではございません。 この医療センターでのPFI事業での教訓を生かしながら,改めまして高知市の公共施設等の整備や,また施設の運営等につきまして,PPP/PFI手法導入の検討をする際には,その導入の効果の予測やリスク管理などにつきまして,先進事例等の調査を十分に行いながら,今後とも検討していかなければならないと考えております。 最後になりますが,非常勤特別職の関連の御質問にお答え申し上げたいと思います。 地方公務員法等の改正によりまして,従来の非常勤特別職,そして各課にそれぞれ配置しています臨時職員の範囲がそれぞれ限定されることになりまして,それ以外の職については,全て新設されます会計年度任用職員に区分されるという予定になっております。 例えば,臨時職員,それぞれの職場にいろんな形で入っておりますが,臨時職員については,常勤職員に欠員を生じた場合のフルタイムの勤務に限ると。 また,任用する根拠,勤務時間設定の限定化が図られるということになっておりまして,現在,多様な任用制度による人材活用の観点から,会計年度の新しい任用職員が担う業務の分析を今,調査しておりますけれども,国から示されたマニュアルにおけます給与制度等の例示から,当然,御質問いただいたように,人件費の増加が懸念をされているところでございます。 近年の国の動向を踏まえますと,地方交付税の総額がふえる見通しが難しい状況にありまして,そういう中で,こういうふうに新たに会計年度任用職員制度によります,いわゆる同一職務同一賃金ということをはめ込みますと,当然財源が足らないということになりかねないので,非常に難しい側面があると考えております。 そのため,会計年度任用職員も含めました新たな任用制度に伴う財政需要につきましては,それぞれ課題があろうかと思いますので,地方の実態に応じて適切に地方財政計画へ反映していただくということが非常に重要でございますので,全国市長会等を通じて,国に対して,財源の確保,また財源の補填ということについて強く訴えてまいりたいと考えております。 その他の御質問につきましては,各担当部局長等から順次お答えを申し上げます。 ○議長(高木妙君) 弘瀬総務部長。 ◎総務部長(弘瀬優君) 本市の地方創生への取り組みにつきまして,国の地方創生支援策や,その支援策への本市の対応実績等につきまして,御質問いただきましたので,お答えをいたします。 国は平成27年に,まち・ひと・しごと創生長期ビジョンと総合戦略を閣議決定するとともに,地方創生の施策展開を図るため,平成26年度補正予算に計上された地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金,いわゆる地方創生先行型の1,700億円を皮切りに,平成27年度補正予算では地方創生加速化交付金として1,000億円,平成28年度の当初予算には地方創生推進交付金1,000億円,そして補正予算には地方創生拠点整備交付金900億円を計上されるなど,毎年度,地方創生版三本の矢の中の財政支援の矢として,これらの交付金が位置づけられております。 本市といたしましては,人口減少の克服に向けた取り組みを着実に推進していくことを目的として,1,地産外商,観光振興等による産業活性化と安定した雇用の創出。 2,新しい人の流れをつくる。 3,若い世代の結婚,妊娠,出産,子育ての希望を実現する,女性の活躍の場を拡大する。 4,バランスのとれた県都のまちづくりと地域間の連携により安心な暮らしを守るという4つの基本目標から成る高知市まち・ひと・しごと創生総合戦略を平成27年度に策定し,積極的に国の交付金を活用して事業を展開してまいりました。 具体的に申し上げますと,地方創生先行型交付金では,本市の総合戦略に登載予定であった先ほどの4つの基本目標に沿った32事業について,前倒しをして実施をするとともに,平成27年度補正予算の地方創生加速化交付金については,総合戦略登載事業の加速化とレベルアップを図るべく,土佐山百年構想加速化事業と,まんなか高知・広域観光加速化プロジェクトの2事業に活用いたしました。 さらに,今年度は地域経済全体の活性化につながる国際観光戦略の推進,歴史を中心とした博覧会の取り組みを通じた観光振興の2事業について,県との連携事業という形で地方創生推進交付金に採択をされております。 御質問にありましたように,今年度,総合戦略の中間年を迎え,本市における地方創生の取り組みも折り返しとなりますが,今後も地方創生に係る国の財政支援を積極的に活用しながら,人口減少の克服に向け,本市の総合戦略の着実な推進を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(高木妙君) 橋本財務部長。 ◎財務部長(橋本和明君) 財政運営に関しまして,何点か御質問をいただきましたので,順次お答えさせていただきます。 まず,財政政策の効果予測,検証についての御質問です。 地方自治体における決算は,予算に基づいて行った1年間の行政活動の成果を示すものであるとともに,財政運営のPDCAサイクルを構成し,今後の財政運営の方向性を左右する非常に重要な基礎資料であると認識しております。 そのため,本市では,決算資料などを活用して,予算編成方針や将来の収支見通しなどを作成しているところです。 具体的には,例年10月に策定している予算編成方針では,前年度の決算状況をベースに当年度上半期の実績や国,県の動向等を加味して概算要求基準額などを定めており,歳入に見合った適正な予算規模を確立するためには,各種の決算数値が欠かせない状況となっています。 決算をもとにした財政指標についても,今後の財政運営の方向性を見定める上で非常に重要な指標であり,例えば実質公債費比率が上昇した場合は,その要因を分析し,将来推計を見込みながら,投資事業の抑制や平準化を図っているところです。 また,各事業の予算査定を行う際には,前年度の決算状況等も参考に市民ニーズを推測し,投資効果と対比させながら,査定結果に反映させていくなど,さまざまな局面で決算資料を活用しているところです。 加えて,平成28年度決算からは,新公会計制度に基づく統一的な基準による財務書類を作成することとしており,来年3月議会でお示しをさせていただく予定としておりますが,全国の自治体が同じ基準で財務書類等を作成することにより,自治体間の比較が行いやすくなりますし,公共施設マネジメントへの活用も可能となってまいりますので,引き続き決算資料を十分に活用しながら健全な財政運営に努めてまいります。 次に,本市の財政構造の特徴について,類似団体の中でも権限や財政規模の近い中核市を例にお答え申し上げます。 平成28年度決算速報値による比較では,地方債の返済額の大きさを財政規模に対する割合で示しました実質公債費比率において,中核市平均の6.8%に対しまして,高知市は中核市48市の中で最も高い14.9%となっております。 また,地方債現在高など将来負担の大きさを財政規模に対する割合で示しました将来負担比率におきましては,中核市平均の50.3%に対しまして,高知市は2番目に高い162.6%となるなど,過去から浸水対策とか南海トラフ地震対策などのハード事業に重点的に取り組んできたことなどにより,地方債残高や公債費の負担割合が他都市に比べて高いことが特徴として上げられます。 それに対しまして経常経費では,経常収支比率の中の性質別の内訳におきまして,扶助費が中核市で最も高い一方で,人件費につきましては13番目,物件費につきましては4番目に低いという数値になっておりまして,本市が取り組んできました行財政改革努力の成果がこのあたりにあらわれているのではないかというふうに考えているところでございます。 次に,実質単年度収支が赤字となりました原因についてです。 今議会の開会日に決算概要で御説明を申し上げましたとおり,実質収支は2億8,000万円余りの黒字でございましたが,ここから前年度の実質収支7億4,000万円余りを差し引いた単年度収支では4億6,000万円の赤字となります。 さらに,実質的な黒字要素や赤字要素を反映させた実質単年度収支では,今回は黒字要素となります起債の繰り上げ償還や財政調整基金への積み立てができなかった一方で,赤字要素となります財政調整基金の取り崩しを9億5,000万円行ったことなどによりまして,14億円を超える大幅な赤字となっております。 この原因につきましては,御指摘のとおり,地方交付税や法人市民税が大幅に減少したことが上げられますが,そのほか地方消費税交付金が消費の落ち込み等により,対前年度決算でマイナス6億2,000万円余りの減,対予算でマイナス10億5,000万円余りの減となりましたことが大きいと考えているところでございます。 また,経常収支比率が上がったことについての課題についてです。 経常収支比率とは,自治体の財政構造の弾力性を示す比率として,人件費や扶助費,公債費等の義務的な性格を持つ経常経費に,市税や地方交付税を中心とする経常的な一般財源がどの程度充当されているかを算定するものであります。 この比率が上昇した原因としまして,算定の分子となります歳出経常経費におきましては,社会保障に係る扶助費や国保及び介護保険事業への繰出金等が増加した一方で,分母において,税収全体は少し増加いたしましたものの,地方消費税交付金や地方交付税の減少に伴い,経常経費に充当する一般財源が減少したことが上げられます。 また,近年では平成22年度の90%から毎年数ポイントずつ上昇してきており,高齢化の進捗等に伴い,扶助費などの義務的経費が増加している状況に対しまして,地方税や地方交付税など経常的な一般財源はふえておらず,年々財政の弾力性がなくなり,硬直化が進んでいる状況にあります。 今後も,こうした状況が継続していくことが見込まれますことから,経常収支比率の改善のためには,投資事業の平準化による地方債発行額の抑制ですとか,公共施設マネジメントや事務事業見直しによる経常経費の削減,自主財源の確保などが課題であると考えております。 次に,民生費増加の理由等についてです。 歳出構成比の大部分を占めております民生費につきましては,決算額としましても,近年増加傾向が続いており,対前年度比では16億3,000万円余り増加をしております。 その内訳としましては,社会福祉費で12億2,000万円余りの増,老人福祉費で1億9,000万円余りの増,児童福祉費で8億4,000万円余りの増。一方で生活保護費では6億3,000万円余りの減となっております。 これらの要因につきましては,まず社会福祉費では,国の臨時福祉給付金制度改正に伴います給付費の増により10億1,000万円余り増加したほか,障害者の介護給付,訓練等給付で事業所の新設や利用者の増加等により,4億5,000万円余り増加したことなどが上げられます。 次に,老人福祉費では,後期高齢者医療費の自然増に伴い,広域連合への負担金が2億円余り増加したこと。 児童福祉費では,本市が南海トラフ地震対策として公立・民営保育所の耐震化等に重点的に取り組んだことにより,5億7,000万円余り増加したことや,認定こども園や民間保育所の運営費で,低年齢児の入所増などの社会的要因により4億2,000万円余り増加したことなどによって,全体として民生費が増加したものと考えております。 なお,生活保護費につきましては,就労促進員による自立支援への取り組みの成果や,社会的な要因から新規相談件数が減少したことなどによる保護率の低下により減少したものでございます。 次に,国の動きと本市の財政運営のあり方に関して,どのような点を心がけているかという御質問でございます。 財政基盤が脆弱な本市のような地方都市では,地方交付税に依存する財政構造にありますことから,国の地方財政計画の動向が大きな影響を及ぼすことになります。 そのため,地方財政計画や地方交付税制度の動向につきましては,常日ごろから注視をしており,これらに関する議論の過程で,地域の実態とかけ離れている状況が見受けられましたら,全国市長会を通じて国への働きかけを行うとともに,その内容が明らかになり次第,翌年度の予算編成に反映させるなど,適切な財政運営に向けた調整を行っております。 また,財政負担の軽減を図っていくためには,国の有利な補助制度の活用や,緊急防災・減災事業などのような交付税措置の手厚い財源を確保することが非常に効果的となりますので,こうした観点から,各所管部署においても,国の動向にアンテナを張って情報収集を行いながら,国の支援策の積極的な活用を図っているところでございます。 次に,地方交付税や国庫支出金,地方債などと市の施策の関連性についてのお尋ねです。 まず地方交付税につきましては,市の施策を進めていくために必要な一般財源に大きく影響するものでありますので,地方交付税の総額が決まる毎年度の地方財政計画や地方交付税自体の制度改正などを注視し,予算編成に反映させることとしております。 また,地方交付税自体はあくまでも一般財源ではありますが,基準財政需要額に算入されることにより,地方交付税が措置される事業もありますことから,個々の施策を検討する場合に,当該施策の必要性等とあわせまして,検討の材料としているところでございます。 次に,国庫支出金及び地方債についてです。 厳しい財政状況にある本市におきましては,施策を検討する際に有利な制度を積極的に活用し,財政負担の軽減を図ることが不可欠でございます。 具体的には,国の補助・負担割合の高い事業を優先的に選択することや,国費の内示状況に合わせて,補正予算で対応するなど,常に国の動向を注視しながら,財政運営に努めているところでございます。 また,地方債につきましても,緊急防災・減災事業債が平成32年度まで延長されたことを踏まえ,喫緊の課題であります南海トラフ地震対策に集中的に取り組むなど,起債充当率,交付税算入率の高い起債を活用しているところでございます。 このように,地方交付税,国庫支出金,起債は本市の施策及び財政運営に大きく関連しており,常にこれらの状況を踏まえながら,対応しているところでございます。 最後に,一般財源についての所見をとのお尋ねでございます。 平成28年度決算における市税や地方交付税等の一般財源の総額は,地方消費税交付金や地方交付税の大幅な減少等に伴いまして,前年度から約32億円減少した,約874億円となっております。 財政運営においては,この限られた一般財源をいかに有効に活用するかが非常に重要となり,平成28年度決算では全体の約37%に当たる82億円を民生費に充当し,次いで公債費,教育費の順で多く活用しており,医療費無償化の拡充や保育料の同時入所第2子の無料化等を初めとします子育て支援や教育施策により重点的に配分している状況にございます。 この割合を決算数値と比較いたしますと,今から20年前の平成8年度も民生費の割合が最も多かったところですが,割合としては約23%と,現在より14%程度低く,次いで土木費,公債費の順で活用しており,この当時は社会福祉費のほか社会資本整備費は水害対策等にも重点的に配分していた状況となっています。 また,10年前の平成18年度では公債費が最も多く,次いで民生費,総務費の順で活用しており,当時は市民ニーズの高かったかるぽーとや,国体開催に伴う体育施設など大型建設事業の起債償還が本格化したことに伴いまして公債費の割合が高くなっていた状況にございます。 このように,限られた一般財源の活用策につきましては,その時々の市民ニーズに見合った事業に充当してきたところでございまして,今後とも,将来の見通しも踏まえながら,緊急性や重要性,地域ニーズ,費用対効果等を十分に勘案しながら,予算編成に反映してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(高木妙君) 村岡健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(村岡晃君) 高齢者の低栄養予防の取り組みに関する御質問にお答えをいたします。 本年4月,国から高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン暫定版が示され,その中では,後期高齢者の特性として,前期高齢者と比べ,加齢に伴う虚弱な状態である,いわゆるフレイルが顕著に進行するとされています。 そのため,後期高齢者医療制度における保健事業として,これまでの肥満対策に重点を置いた生活習慣病対策から,体重や筋肉量の減少を主因とした低栄養などのフレイルに着目をした対策に重点を置くとともに,生活習慣病の重症化予防にも取り組むことが重要とされました。 県内では,御質問にもありましたように,田野町や黒潮町で低栄養防止の取り組みや重症化予防の取り組みが進められているところです。 今回,国が示したガイドラインでは,全国の各後期高齢者医療広域連合で取り組むべき保健事業として示されているところです。 県では,第1期高知県後期高齢者医療広域連合保健事業実施計画を策定しまして,その中で低栄養防止の取り組みは,介護予防事業と連携をした取り組みや栄養指導の実施などが必要と掲げておりまして,田野町や黒潮町の事業効果を検証しながら,全県下的な事業展開に向けて,効果的,効率的な事業実施方法の検討を行うというふうに伺っております。 こうした県内の先駆的モデル事業の検証結果等も参考にしながら,今後,高知県後期高齢者医療広域連合とも連携をして,国の補助事業を活用した高齢者の低栄養防止,重症化予防等の推進に向けた取り組みを検討してまいりたいと考えております。 また,本市では,いきいき百歳体操や出前講座において,低栄養に関する健康教育などにより,高齢期の低栄養予防や運動などの必要性についても普及,啓発を図っています。 現在策定を進めています第7期の高齢者保健福祉計画における協議の中でも,委員の皆さんから,高齢者の皆さんの低栄養に着目した対策の必要性についても御指摘をいただいておりますので,これらの御指摘も踏まえながら,生活支援や介護予防の中で取り組める内容についても検討を進めてまいります。 次に,高齢者の低栄養防止コンソーシアムの支援についての御質問でございます。 事例で紹介されました医師や薬剤師などの医療関係者と民間の食品関係事業者,配食サービス事業者などが連携をして,高齢者の皆さんの低栄養を防止し,健康増進を目指す取り組みは,県民一人一人が立場を超えて健康づくりを進める取り組みとして大変重要なことだと考えています。 全国的には,2015年7月に経済界,医療関係団体,自治体,保険者のリーダーが手を携え,健康寿命の延伸と医療費の適正化を目的とした,先進的な予防・健康づくりの取り組みを全国に広げるため,民間主導で日本健康会議が発足をしております。 今後は,民間事業者や医療関係者など,積極的にフレイルなどの低栄養予防を進めることは,重要なことだと考えておりますので,具体的な動きがあった場合には,本市としても積極的に支援ができるよう,先進のコンソーシアムの事例研究も進めてまいります。 ○議長(高木妙君) 福島明議員。 ◆(福島明君) 時間もありませんので,要望だけ2点お願いしたいと思います。 この決算カードを見ていますと,平成26年から27年,27年から28年と地方交付税が約20億円減少しております。 先ほど市長からお話がありましたけれども,今後,国の地方財政抑制による財政再建基調はますます強まっております。 したがって,今後,人口減少時代の自治体財政運営はより一層厳しいものになるというふうに思います。地方創生への取り組みが十分できているか,結果重視の財政運営が注目されていますので,積極戦略と調整戦略のバランスをとりながら健全なる財政運営を図るよう要望いたします。 それともう一点,政府は,先ほど申し上げましたとおり,全ての自治体においてPFIの検討をやりなさいと言い始めております。 私はせんだってPFIの研修会に参加させていただきましたが,どういう事例があるかということを蓄積していかなければならないと感じました。 また,無理に財政的に優位に事を運ぼうとすると,公共施設の姿がゆがむことにもなりはしないかというふうに思っております。 ここはケース・バイ・ケースで慎重に判断すべきであると思いますし,そして検討するなら,地元企業を優先させた地域に根差したPFIであるよう要望いたしまして,全ての質問を終わります。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(高木妙君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ,延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(高木妙君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて延会することに決定いたしました。 9月13日午前10時再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。  午後4時20分延会...