平成28年第457回 9月定例会 第457回
高知市議会定例会会議録第2
号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第2号 平成28年9月13日(火曜日)午前10時開議第1市第127号 平成28年度高知市
一般会計補正予算市第128号 平成28年度高知市
卸売市場事業特別会計補正予算市第129号 平成28年度高知市
収益事業特別会計補正予算市第130号 平成28年度高知市
駐車場事業特別会計補正予算市第131号 平成28年度高知市
国民宿舎運営事業特別会計補正予算市第132号 平成28年度高知市
産業立地推進事業特別会計補正予算市第133号 平成28年度高知市
水道事業会計補正予算市第134号 高知市議会議員及び高知市長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例議案市第135号 高知市個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の一部を改正する条例議案市第136号
高知市立高等学校授業料等に関する条例の一部を改正する条例議案市第137号 高知市水道事業等及び公共下水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例議案市第138号 高知市給水条例の一部を改正する条例議案市第139号 高知市水道布設工事に係る監督者の配置及び資格基準並びに水道技術管理者の資格基準に関する条例の一部を改正する条例議案市第140号 土地処分議案市第141号
仁ノ排水機場築造工事請負契約締結議案市第142号
横浜小学校屋内運動場改築工事請負契約締結議案市第143号 支払督促の申立てについて市第144号 調停の申立てについて市第145号 平成27年度高知市
水道事業会計利益の処分に関する議案市第146号 決算の認定議案市第147号 決算の認定議案市第148号 決算の認定議案 ──────────────── 本日の会議に付した事件日程第1 市第127号議案から市第148号議案まで ──────────────── 出席議員1番 浜口佳寿子君 2番 岡崎 邦子君3番 近森 正久君 4番 迫 哲郎君5番 深瀬 裕彦君 6番 長尾 和明君7番 氏原 嗣志君 8番 細木 良君9番 はた 愛君 10番 田鍋 剛君11番 竹内千賀子君 12番 浜田 拓君13番 下本 文雄君 14番 下元 博司君15番 岡田 泰司君 16番 岡崎 豊君17番 近藤 強君 18番 大久保尊司君19番 伊藤 弘幸君 20番 吉永 哲也君21番 浜口 卓也君 22番 寺内 憲資君23番 清水おさむ君 24番 平田 文彦君25番 川村 貞夫君 26番 西森 美和君27番 高木 妙君 28番 和田 勝美君29番 竹村 邦夫君 30番 戸田 二郎君31番 福島 明君 32番 山根 堂宏君33番 水口 晴雄君 34番 中澤はま子君 ──────────────── 説明のため出席した者 市長 岡崎 誠也君 副市長 吉岡 章君 副市長 井上 哲郎君 総務部長 山本 正篤君 財務部長 弘瀬 優君 市民協働部長 神崎 修君 健康福祉部長 村岡 晃君 こども未来部長 山川 瑞代君 環境部長 黒田 直稔君 商工観光部長 中澤 慎二君 農林水産部長 長岡 諭君 都市建設部長 清水 博君 教育長 横田 寿生君
上下水道事業管理者 海治甲太郎君 防災対策部長 門吉 直人君 消防局長 宮脇 良平君 監査委員 藤原 敏君 財政課長 林 充君 ────────────────
事務局職員出席者 事務局長 藤原 哲君 事務局次長 弘田 充秋君 庶務課長 前田 敦夫君 議事調査課長 山崎 敬造君 庶務課長補佐 谷村 守敏君
議事調査課長補佐 広松 康児君
議事調査課管理主幹 竹村 博和君 秘書係長 西成 雅江君 議事係長 中須賀広典君 調査係長 田村 章代君 書記 山崎 文絵君 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時0分開議
○議長(竹村邦夫君) これより本日の会議を開きます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~
△日程第1 市第127号議案から市第148号議案まで
○議長(竹村邦夫君) 日程第1,市第127号議案から市第148号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 福島明議員。 〔福島明君登壇〕
◆(福島明君) 皆さんおはようございます。新こうち未来の福島です。第457回
高知市議会定例会に当たり,私見,要望も交え質問させていただきます。 6月定例会以降,この3カ月間は,我が国においては,さまざまな出来事や事件が発生し,本年度の十大ニュースが集約されたような期間でもありました。 第24回参議院選挙から始まって東京都知事選挙。相模原市知的障害者施設,津久井やまゆり園での殺傷事件,ここでは19名のとうとい命が奪われました。 イチローの大リーグで3,000本安打。元横綱千代の富士が,がんのため61歳で死去。天皇陛下,生前退位の意向,及び象徴としてのお務めについて,ビデオメッセージの形で国民に発表。リオ五輪での日本のメダルラッシュ。
スマートフォン向けゲーム,ポケモンGOの配信が日本で開始。伊方原発3号機の再稼働。SMAPの解散。台風10号による岩手・北海道豪雨。そして最後に広島東洋カープの25年ぶりの優勝と,テレビの前にくぎづけで,暑い,熱い,長い,永い夏でした。 そこでまず,6月参議院選挙についてであります。 今回の選挙の結果,憲法改正に賛同する改憲勢力が3分の2を占め,このことにより,数の上では憲法改正が可能となります。 市長は7月の定例会見で,改憲には国民的議論が欠かせないと指摘されていますが,改めて御所見をお聞かせください。
○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) おはようございます。 7月10日に行われました参議院議員選挙の結果を見ますと,いわゆる憲法改正に前向きな勢力が,国会発議に必要な3分の2の議席を衆議院に続きまして確保したと報道されておりますけれども,それぞれの政党の考え方の違いが相当ありますので,改正案の合意に至るかどうかという点については,不明なところがあります。 当然,憲法は国会だけのものではなく,国民一人一人の日常生活にも深くかかわっている基本法律ですので,国民的議論が不可欠となります。 衆議院及び参議院ごとに,それぞれ憲法審査会が設置されておりますので,引き続き国会における議論を注視してまいりますが,憲法改正については政党ごとにさまざまなお考えがありますので,改正草案をまとめるのは相当に難しいと予想されます。 また,国民投票は憲法の個別の条文ごとにそれぞれ投票が必要だという議論もございます。 最終的には,国民投票が必要でありますので,基本的人権を初め安全保障の課題も含めまして,国民一人一人の生活に直接かかわる問題であり,国民的な議論が欠かせないと考えますので,政府におかれましては,国民の不安や懸念に正面から向き合い,丁寧な説明を行った上で,十分な時間をかけて審議を尽くしていくことを強く求めてまいりたいと考えております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) 国民の多くは,いまだ憲法への理解に乏しく,国民的議論とはほど遠いものが現実であります。 また,1票の格差を是正するため,高知・徳島,鳥取・島根の合区が初めて導入されましたが,候補者がいなかった高知県で45.52%と,全都道府県で最低を記録,高知市でも国政選挙では最低の40.29%を記録するなど,懸念されていたことが現実となりました。 市長は全国市長会の副会長として,地方の意見が国政に確実に反映できますよう,選挙制度の改善に向けて,頑張っていただきたいと存じます。 また,10代の投票率が全国最低になったことに対しても,本定例会の市長説明要旨で述べられた高知市子ども模擬議会などを継続的に行い,投票率の向上を図っていただくよう要望いたします。 次に,7月には,舛添要一氏の辞職に伴う東京都知事選挙が行われ,テレビ,新聞,週刊誌等多くのマスコミをにぎわせた結果,小池百合子さんが当選されました。東京都では女性の知事は初めてということで,今後の手腕に注目したいと存じます。 ところで,最近の傾向として,日本に限らず,海外でも女性の指導者が誕生しています。最近では,台湾の蔡英文総統が誕生,イギリスでも
テリーザ・メイ首相,ミャンマーでは,大統領ではありませんが,国家顧問として実質の指導者,アウン・サン・スーチーさん,韓国の朴槿恵大統領,ドイツのメルケル首相,その他多くの女性指導者が誕生しています。 我が国においては現在,女性知事は北海道,山形の2名で,小池さんが3人目となります。これが市になりますと,現在,仙台市,横浜市,三鷹市,尼崎市,宝塚市,倉敷市など,17市が女性の市長さんとなっております。 アベノミクスの3本の矢,成長戦略の中で,女性が輝く日本ということで,幾つかの具体的政策目標を掲げていますが,小池知事,蔡英文総統,メイ首相,そして恐らくアメリカではクリントンさんが初の女性大統領として誕生するのではないかと思われますが,このことは日本のこれからの女性が社会進出していく上で大いに刺激となり,期待されますが,市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) アベノミクスの最初の3本の矢の中に含まれておりますけれども,女性が輝く日本の具体的な政策の目標として,社会のあらゆる分野で,2020年までに指導的地位にある女性が占める割合を30%程度にするという目標が掲げられております。 昨今の急速な少子・高齢化の進展や国民のニーズの多様化などを背景としまして,社会経済情勢の変化に対応できる活力ある社会を実現していくためには,これまで以上に各分野にわたり女性の活躍が広がっていくものと認識をしております。 女性の社会進出を推進していくためには,女性の職業生活へのサポート的な子育て支援や介護支援の拡充が必要になるとともに,男性も女性も誰もがその意思によって生き方を選択していけるように,例えば現状の長時間労働等の働き方を見直し,ワーク・ライフ・バランスの実現が重要であると考えておりまして,社会認識面や人材の育成など,各方面からの継続的な取り組みが重要になると考えております。 国におきましては,今月2日に内閣府に,安倍総理が本部長になっておりますが,働き方改革実現推進室を立ち上げまして,三六協定を初めとする長時間労働の見直しにも着手をすると報道されています。 国際的な比較データがございますが,男女の格差をはかる指数である,
ジェンダー・ギャップ指数と言われておりますけれども,この指数は,経済,教育,政治,保健の4つの分野でデータをとりまして,相対的な評価ができるようになっておりますけれども,2015年のデータで145カ国中,日本の場合は101位となっておりまして,諸外国に比べまして,まだまだ男女の格差は大きく,根本的な意識改革が必要な状況であると言えます。 ヒラリー・
クリントン大統領候補もよく演説の中でも使っておりますけれども,女性の活躍を妨げると言われている,ガラスの天井という言葉がございまして,このガラスの天井をいかにして乗り越えていくかということが,それぞれの皆様方が努力されておられるところでございます。 指導的地位につかれておられます女性の皆様には,男女共同参画社会の進展にそれぞれいろんな意味で効果が期待されるところでございます。 今後,国における,例えば長時間労働の見直しの動向等にも十分留意をしながら,私たちもできる限りの取り組みを推進してまいりたいと考えております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) 続きまして,高齢者対策について,何点かお聞きしたいと思います。 最近,葬式が非常に多いように感じます。斎場がとれなくて,葬儀まで亡くなってから数日もかかることもあります。また,斎場で霊柩車が数台並んだ光景を見かけたこともありました。そして,新聞の死亡広告欄を見る限りにおいては,85歳から95歳の方が多いように感じます。 そこで,お聞きしますが,ここ1年間に本市で亡くなられた方の年齢について,60歳以上を5歳単位で市民協働部長にお聞きいたします。 また,出生数,死亡数についても,お聞かせください。
○議長(竹村邦夫君)
神崎市民協働部長。
◎市民協働部長(神崎修君) 平成27年9月1日から28年8月31日までの1年間で申し上げます。 まず,60歳以上でお亡くなりになられた方の5歳階級ごとの内訳でございます。 60歳から64歳までが121名。65歳から69歳が270名。70歳から74歳が311名。75歳から79歳が376名。80歳から84歳が606名。85歳から89歳が730名。90歳から94歳が597名。95歳から99歳が285名。100歳以上の方が84名の合計3,380名となっております。 また,全体の死亡者数は3,608名で,同時期の出生数は2,582名となっておりまして,差し引き1,026名の人口自然減となっております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) 少子・高齢化の中の高齢化の波が押し寄せているあかしであります。 また,国内でも生まれた日本人の赤ちゃんは,前年を4,000人上回る100万8,000人でしたが,死亡数は130万2,000人と,戦後最多を更新しており,人口減少は続いています。 一方で,最近発表された2015年の日本人の平均寿命は,男が80.79歳,女が87.05歳となっています。いずれも過去最高を更新しています。これは1つには日本の医療レベルがどんどん高くなっていることが上げられますが,80歳未満の死亡数は増加しておらず,増加しているのは80歳以上の高齢者の世代のみであります。 これはすなわち治せる病気は,医療により治しているということで,医療ではどうしようもない老衰や寿命で亡くなる人が増加しているために,死亡数がふえているということになります。 老衰や寿命は病気でしょうか。老衰とは年老いて死ぬことで,死因が外傷や病気などではなく,自然に亡くなったことを言い,死亡診断書では自然死に分類されるとお聞きしています。寿命や老衰が病気であれば入院治療が必要ですが,病気でなければ入院治療は不必要と考えます。 96歳の方が緊急入院して心臓の手術を受けた場合,医療費は400万円かかったという実例があります。医療費の多くは保険でカバーできますが,結局は市民が負担していることになります。 こういった実態に対して,旧市民病院や
高知医療センターの現場で長く勤務された経歴をお持ちの健康福祉部長はどのように思われるのかお聞かせください。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 老衰,いわゆる自然死の方は近年増加傾向となっており,人口動態の統計によりますと,本市でも平成26年は死因の4%を占め,5年前からは倍増しています。 老衰死とは,明確な定義はありませんが,生物学,医学的には,老化に伴って細胞や組織の機能が低下をし,直接の死因となる病を持たず,老いによる身体機能の低下で死を迎えるものです。 共通する特徴としては,自然な体重減少など,食べる機能が低下をすることで,それが身体全体の機能低下を来しているとも言われております。 一方,患者の体の負担の少ない手術法や手術後の回復を助けるリハビリなど,医療の進歩とともに,高齢の方が心臓病やがんの手術を受ける事例や,栄養がとれなくなった場合に胃ろうなどの延命治療を行う事例が増加をしています。 高齢者の皆さんの体の状態は,90代,100歳でもお元気で自立している方など,お一人お一人が大きく違っていますので,例えば90代後半の方であっても,高齢者の方が心臓病やがんの手術を受けることについて問題があると言い切れるものではないと考えております。 一方,近年の老衰死の増加は,最期まで徹底した治療を行うよりも,自然な死を受け入れるという考え方の広がりが背景にあると見られますが,誰もが最期まで自分らしく生きて,そして死んでいきたいと願うのは共通ではないかと考えています。 一昨年,策定をいたしました高知市
高齢者保健福祉計画の中で,私たち一人一人に高齢になったときの暮らし方に関する選択と心構えが求められる時代ということを盛り込みました。 医療技術の進展によって,命を延ばすさまざまな治療法が生まれ,そのことが逆に家族や本人を悩ませることになっている現状がありますが,自分らしい人生の最期をどのように迎えるか,行政がその考え方を押しつけられるものではありませんが,私たちも含め,一人一人が自分の最期の迎え方を真剣に考える時代になっているものと考えております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) 近年,日本では8割以上の人が病院で亡くなり,がんの方に限れば,9割以上の方が病院で亡くなっています。自宅や施設などの住みなれた場所で亡くなるのは1割程度で,昔は当たり前に行われていた自宅でのみとりが,今の日本ではなくなってしまいました。 世界の病院でのみとり率は,フランスが58.1%,スウェーデンが42%,発展途上国やアジアの国々,米国でもはるかに低い状況です。 つまり日本は世界一の高齢化率,世界一の病院でのみとり率の高さが,現在の日本の医療の大きな特徴で,医療費の増大にも影響しています。 このことに対しての健康福祉部長の思いをお聞かせください。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 御質問のとおり,日本の病院での死亡の割合は世界の国と比較をしても極めて高く,在宅死は,先日の新聞報道にもありましたように,12.7%と横ばい,やや老人施設での死亡が増加をしている傾向にあります。 もう既に10年ほど前のことになりますが,
高知医療センターでの勤務経験から申し上げますと,その当時から医療現場関係者からは,延命をすべきか判断に迷う事例があるとの声を聞きました。 自発呼吸ができなくなれば,人工呼吸器をつける。自分の口で食べることができなくなったら,胃に穴をあけ,チューブで栄養を入れる胃ろうなど経管栄養にする。そのことで結果的には命は守られますが,本当に患者さんにとって最善の選択であったかという問題です。 病院死の割合が高いと,こうした延命治療などによって結果的に医療費を押し上げていることも事実です。 そのため,医療センターでは当時から,
特別養護老人ホームなど老人福祉施設に長期に入院されている方などについては,急変した場合の延命治療を行うかどうか,御家族,御本人に事前に確認しておいていただくよう施設側にもお願いをしておりました。 日本においては,みとりの場所は自宅でという希望と現実のギャップが大きい現状ではありますが,その背景には,家族の介護の負担や在宅医療の不足などの要因があるものと考えます。 最近では,入所系の老人福祉施設での,みとりも増加をしてきておりますが,まだまだ少ないのも事実です。 今後は,在宅医療の充実や
特別養護老人ホームなど入所系の施設でのみとりを推進していくことが必要ではないかと考えております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) これからますます少子・高齢化社会に拍車がかかり,出生数は第2次ベビーブームの200万人から100万人に減少し,高齢者がふえ,生まれる人口より亡くなる人口が多くなり,2025年からは人口は極端に減少し,産業,経済,教育を支える人がいなくなります。 すなわち日本国家を支える人口がなくなると言われています。医療においても,患者はふえるが,それを支える医療者も医療施設も減少し,国民医療費など社会保障費が急増することになります。 今こそ国民の一人一人がこのことを自覚し,行動に移さなければならない時期だとつくづく感じます。 さて,県別1人当たりの医療費総額では,高知県が37万9,000円,全国第1位。最低は埼玉の24万8,000円,また県民1人当たりの実績医療費(
国保プラス後期高齢者)も61.2万円と,これも第1位。最低は千葉の39万円となっています。 そこで,お聞きしますが,どうして高知県は1人当たりの医療費が高いのか,健康福祉部長,お答えください。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 地域によって医療費が高くなる主な要因は,1つには受療率の高さ,2つ目には入院期間の長さ,疾病構造の違いといったものが考えられます。 高知県は全国に比べ10年早く高齢化が進んでいると言われており,平成26年のデータでは,高齢化率が秋田県に次ぐ全国第2位で,32.2%と非常に高く,高齢になりますと受療率も高くなりますので,後期高齢者の医療費のうち,特に入院医療費が全体の医療費を押し上げている状況にあります。 また,高知県では,人口10万人当たりの病院数が17.6となっておりまして,全国平均の6.7の2.6倍で全国第1位となっています。 病床数も全国平均の2倍を超え,全国第1位で,簡単に受診をしやすい,入院をしやすい環境にあることも要因と考えられます。 さらには,医療機関が高知市内に集中していることで,中山間部などでは,通院が困難な状況もありまして,長期入院につながることや,家庭での看護や介護ができないなど,家庭力が弱いことも影響していると思われます。 このほか,平成23年度の
厚生労働省患者調査から見ますと,人口10万人当たりの生活習慣病による入院患者数が全国平均を大きく上回っておりまして,脳梗塞が約2.2倍,高血圧性疾患が約4.3倍,糖尿病疾患が約2.3倍で,3疾病全て全国第1位となっている状況がありますので,こういった要因により高知県の1人当たり医療費が高くなっているものと考えております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) 私の誕生したのは昭和22年,この昭和22年から24年生まれの方々は団塊の世代と言われております。戦後のベビーブームで人口も多く,日本の高度成長とともに生きてきたのでありますが,日本の復興,復旧,そして日本の高度成長に貢献してきた世代と言っても過言ではありません。 その団塊の世代が全員75歳となる2025年に向けて,日本の医療・介護制度が大きく変わろうとしています。それには国の形,そして地方の形を変えていこうとする動きが感じられ,地方へのコントロールが強まっています。 私も来年1月には70歳を迎えます。体のほうはまだまだ元気で,来月倉敷市で開催されます中
四国古希チーム軟式野球大会の高知県のメンバーに選抜され,大会に向け,練習に余念がありません。 しかし,この年になると誰でも健康や医療,介護に不安を感じるようになってきます。やはり頼りになるのは自治体であり,自治体が主導する途切れのない医療・介護体制づくりを推しはかっていただきたいと存じます。 さて,G7先進諸国の投入する公的医療費を比べてみますと,以前はイギリスが最低でありましたが,90年代後半のブレア政権の時代に,日本より下の最低水準ではまずいということで,日本より多く公的医療費を投入,一気に日本より上に行って,日本が先進国の中では,一番お金を出していない国となっています。さらにプラス,最高の自己負担割合でもあります。 さて,今の日本の現状は,昨年の日経新聞によりますと,医療費が40兆円突破というような記事が掲載されていましたが,これは国の財政規模からいうと,国家予算の約43%となり,これは大変だということになりますが,具体的に言うと,これは保険料とか自己負担のお金を含めての40兆円で,40兆円の中の38.6%で,実質国の負担というのは16兆円弱ということになります。 15年前の推計だと,ことしは既に120兆円になると推計されていました。厚生労働省は,医療費がかかるぞ,かかるぞ,だからみんな医療費を抑えよ,そこに協力してね,医療現場の人たちも頑張ってねというふうに言ってきました。 日本では,1980年代の頭から公的医療費の抑制が行われきて,現在で三十五,六年となっております。 また,国民健康保険も,何で市町村の財政が厳しくなるかというと,この80年代からの政策によるものでした。 国の政策として,1つ目に,各都道府県で地域医療構想を策定しています。また,策定中のところもあります。これも新たな公的医療抑制ということです。 そして2つ目に,各市町村で,自治体で地域包括ケアを構築しなさいということが提起されています。 この2つが両輪となって,医療介護の形を変えるという方針が出ています。 そこで,国民健康保険制度の都道府県広域化,地域医療構想における病床削減,地域包括ケアシステムの構築の3点を中心にお聞きしたいと思います。 まず,その前に,臨時福祉給付金について,お伺いいたします。 臨時福祉給付金というのが毎年続いています。臨時福祉給付金,2014年で2,400万人,これは政府が認める貧困者の数だと思います。住民税非課税の住民が対象です。 さらに,生活保護利用者数が全国では200万人,これを合わすと2,600万人が貧困状態であるというのが今の実情であります。 ちなみに,OECDのデータでは,日本の貧困率というのは十六,七%です。 政府が政策として打ち出して,これを利用している2,600万人,大体6人に1人です。ほぼOECDの相対的貧困率と同じ数になります。これは日本に生活している6人に1人は貧困状態であるということになります。 日本の貧困というのは,生活保護の200万人というレベルでなく,もっとたくさんいることが実態です。だから,物が売れないし,買えないし,老後が不安である,子供のことが不安になります。なので,貧困ということについては他人事ではないと考えます。 そこで,お聞きしますが,本市における臨時福祉給付金対象者及び生活保護者の数,全体に占める率を健康福祉部長,お聞かせください。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 平成28年度臨時福祉給付金の支給対象者は,本市では約8万人を見込んでおりまして,高知市人口に占める割合は24%となっております。 また,生活保護受給者数は,本年8月末時点で1万2,420人となっておりまして,全体に占める割合は,パーセントで申し上げますと3.7%となっております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) 全国平均よりかなり高いように思います。この数を聞いても,地域において医療保障や介護保障をつくる必要があるというふうにつくづく感じます。 日本の社会保障の予算の90%が社会保険に使われております。日本における社会保険とは,医療保険,年金保険,雇用保険,労災保険,介護保険の5つがあります。 最も新しいのが介護保険で,2000年4月からスタートしました。年金保険の改革は既に行われましたが,今回改革の対象となっているのが医療保険と介護保険であります。 介護保険はもともと医療保険から出ているもので,出身地は同じであります。1980年代から医療の費用を抑えるということを行ってきました。 当時の厚生省の吉村さんという方が,医療費亡国論という本を出版し,有名になりましたが,高齢化によって医療費がこれからどんどんふえ,医療技術も高度化してくるから,やがて国家財政を圧迫し,医療費によって国が滅ぼされるということが書かれていました。 そして,そのあたりから医療費抑制策がとられてきました。介護保険ができたのも医療費抑制策からであります。 ところで一方,厚生労働省は平成20年度版厚生白書で,経済政策と社会保障は分断するどころか直結しており,社会保障は無駄ではない。社会保障には経済波及効果がある。地域経済に対して地域消費購買力を上げ,地域の人たちの雇用をつくり出す。医療だとか介護だとか福祉,これらにお金を使うことは経済波及効果,雇用誘発効果がある。公共事業なども含めて,ほかのどの産業よりも効果があると述べられています。 このことにつきまして,市長の御所見をお伺いいたします。
○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 国民健康保険,そして通常の健康保険を含めて国民皆保険という制度が創立をされておられまして,国民健康保険からいいますと半世紀が過ぎておりますので,世界各国を見ましても,これだけ国民皆保険が進んでいる国はないので,そういう意味ではかなり充実してきていると考えております。 先ほどの経済関係でございますが,高知市の統計を1つ見てまいりますと,平成26年の経済センサス基礎調査,各産業別の調査がございます。 この産業別の事業所数,そして従業者数を見てみますと,よく傾向がわかりますが,平成21年と26年で比較をしますが,建設業と医療・福祉関係で比較をしますと,まず建設業でございますが,21年と26年を比較しますと,事業所数で,この5年間で139の事業所がなくなっております。 一方で,医療・福祉関係の事業所数を見ますと,この5年間で193の事業所が新たに創設をされておりますので,増加ということになっております。 また,これを従業者数で見てみますと,建設業関連の従業者数は平成21年と26年の比較では,約1,233人が減少しております。 一方で,医療・福祉業のこの5年の間では,4,608人が増加となっておりますので,建設業から医療・福祉関係へ経済的には非常にシフトしているというふうに統計上も見られますので,高知市の産業から見ましても医療・福祉は重要な産業だというふうに言うことができます。 特に,近年は高齢化の進展がございまして,医療・介護・福祉にそれぞれ属しております事業所の方々の雇用が,それぞれ逼迫をしておりますので,有効求人倍率を見ますと,ことしの7月時点の有効求人倍率は,医療・介護・福祉に関する全職種で,これは医療・介護・福祉に関する職種ですが,1.36倍ということになっておりますので,有効求人倍率の底上げにもつながってきております。 従業者の増加や経済波及効果につきましては,それぞれこのように非常に受け皿ということになっておりますけれども,やはりバランスが重要でございますので,医療の提供サービスの水準と保険料負担のバランスということが,今後とも非常に大きな課題ということになりますので,そういう分野に私も国の関係で非常に多くかかわっておりますので,今後とも,そのバランスの状況というのは,しっかりと見てまいりたいと考えております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) 続きまして,国民健康保険について,お聞きいたします。 2018年からは,診療報酬と介護報酬が4月に同時改定,都道府県の第3期医療費適正化計画も同時に作成されることになります。 これはさらに医療費をコントロールしていこうという意図が見受けられます。新たな医療費抑制政策が始まろうとしていますが,医療機関,自治体,地域住民がこのことを詳しく知らないのが現状です。 公的医療保険を通じて,皆保険制度を堅持していくことは絶対守らなければなりません。皆保険体制の堅持には国保への支援が必要であります。岡崎市長の努力のかいもあって,昨年から市町村に対して1,700億円が投入されています。 そこで,お聞きします。この1,700億円の市町村への配分の割合はどのようにして決められるのかお聞かせください。 また,本市への配分の額はどのくらいか,健康福祉部長,お聞かせください。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 平成27年度から新たに拡充をされました保険者支援制度は,低所得者が多い市町村の財政基盤を強化するためのもので,その配分方法については,1人当たりの平均保険料算定額に保険料7割,5割,2割の軽減対象となります被保険者数の一定割合を掛けた合計で配分をされます。 例えば,保険料7割軽減の場合は15%程度の金額が算入されるということになりますが,本市には約4.4億円の交付がなされております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) 全国知事会の試算では,中小企業,その家族で構成する協会けんぽと同じ負担にするには1兆円が必要と言われていますが,それだけ国保は被保険者の負担が厳しいものがあります。 さらに,自治体の負担も厳しいので,市長には国民健康保険中央会会長として,さらに頑張っていただきたいと存じます。 続きまして,国保の都道府県単位化について,お聞きします。 国保の都道府県単位化は,市長の頑張りもあって,2018年4月から国保の都道府県単位化がスタートします。 市町村が今までどおり国保を運営し,そこに都道府県も加わるということになります。ポイントは,都道府県が医療費を管理することです。今まで市町村が毎年かかる医療費を推計し,医療費を集めるための保険料率を決め,保険料を徴収するという3つの役割を担ってきました。 2018年からは,県が集めるお金を決めます。これを納付金というそうですが,これまで使った医療費の実績,所得水準といったものに鑑み,各市町村の納付金の額を決定します。 市町村が保険料率を決め,それを徴収します。そして,納付金を上納するというか,納付します。納付金は100%でなければなりません。課せられた金額の全額です。 そこで,お聞きしますが,毎年本市の収納率は100%には達していませんが,本市の収納率はどのくらいか。 また,決められた納付金に達しない場合,どのようになるのか,健康福祉部長,お聞かせください。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 平成27年度の現年分の収納率は90.2%で,26年度と比較をしますと0.39%上昇しております。 次に,県で決められました納付金については,収納不足等により不足が生じた場合でも,市町村の責任で納付しなくてはなりません。 そのため,市町村においては,見込み収納率を勘案した賦課額を設定し,徴収に努めるとともに,もし仮に不足をした場合には,県に設けます財政安定化基金の貸し付けを受けるなどの対応で支払うこととなります。 ただ,この貸し付けを受けた場合でも,市町村は原則3年間で償還をすることとなりますので,翌年度以降での収納が必要となってまいります。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) 結局は医療費抑制に努めなければならないということになります。 そのために,自治体は健康づくり,余り病院にかからないようにしましょうといった政策が重要となります。 国保の都道府県単位化,名前だけ見ると,市町村はやらなくてもいいというふうに見えますが,もともとは市町村からの要望で,これだけ厳しい国保の運営というものは大きな都道府県単位でやってもらったほうがいいんだということで要望を出していました。 都道府県単位と言いながら,2018年以降は現実は市町村の仕事が今以上に厳しくなるのではないかと想定できますが,健康福祉部長の御所見をお聞かせください。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 国民健康保険につきましては,現在,全国約1,700の保険者が運営をしていますが,特にその中の4分の1は被保険者が3,000人未満の小規模な保険者となっていますので,給付費の増加等のリスク対応や財政運営の責任を都道府県が担う今回の国保改革は大きなメリットがあるものと考えています。 市町村においては,平成30年度以降もこれまでどおり資格管理や保険料の徴収,保険給付,保健事業等を担うこととなりますので,業務内容に大きな変化はございません。 一方,都道府県単位化に伴い,被保険者の負担軽減につながる高額療養費の多数回該当の引き継ぎの新たな事務も発生しますので,一部では事務量が増加することも考えられます。 特に,保険者努力支援制度によって,特定健診を初めとした健康づくりや医療費適正化の取り組みなどが新たに評価をされることになりますので,市町村の役割として,ますます重要になってくるものと考えております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) 今後,本市から県に対して,もととなるデータを提供することになり,県から市町村で集める納付金のシミュレーション,それと目安になる保険料率が示されることになります。 本市での保険料,財政負担がどのようになるかがわかることになります。 そこで,これをできるだけ早く公表すべきと思いますが,健康福祉部長の御所見をお聞かせください。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 都道府県単位化に伴います県における標準保険料率につきましては,この秋,国において算定システムが示され,仮計算が行われる予定となっています。 この保険料率の算定に当たりましては,都道府県が医療給付費の見込みを立て,医療費水準について各市町村の年齢格差の調整を行った後,医療費水準を納付金にどこまで反映をさせるかの調整や被保険者の所得水準の格差をどこまで反映させるかの調整を行うこととなります。 この医療費の水準や所得水準は各市町村によって大きく異なりますので,これらの調整係数をどのように設定するかによって,市町村の保険料水準に大きく影響が出ることが考えられます。 保険料水準が大きく変わる場合には,激変緩和措置もありますので,その活用も必要かどうかという判断も必要となってまいります。 こうしたことから,まずは県と各市町村の間で事務的な協議を進め,最終的には各首長さんを含めた協議によりまして,保険料率の設定の考え方について,市町村間の合意を得ることが重要と考えています。 その上で,被保険者の皆さんや議会の皆さんに,どのタイミングでお示しをできるか検討しながら,取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) 従来,市町村の国保運営委員会というものがありますが,新しく国保運営協議会が県にもできるようですが,メンバーはどのようなメンバーになるか,お聞かせください。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 都道府県に設置をいたします国民健康保険運営協議会のメンバーにつきましては,平成28年1月に厚生労働省国民健康保険課長から通知がありまして,まず国民健康保険の被保険者を代表する委員,国民健康保険の保険医または保険薬剤師を代表する委員,学識経験者等の公益を代表する委員及び被用者保険等保険者を代表する委員で構成されることとされておりまして,基本的には本市の運営協議会と同様のメンバーとなっています。 今後,県におきましては,条例制定や定数,委員構成について,具体的な検討を進めるというふうに伺っております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) 少し質問が多いので,飛ばさせていただきまして,続きまして地域医療構想について,お伺いいたします。 最近,2025年問題,2025年体制とよく言われますが,団塊の世代の方が後期高齢者になる年であります。 ここから医療費と介護費がさらにのしかかってくるので,2025年の病床数等について対策を講ずるというのが2025年問題,2025年体制と言われるものです。 少子・高齢化や人口のアンバランスの問題などは,以前からわかっていたことですが,これまで体制づくりを進めることができませんでした。 何回か,ベッド数を削減するといっても,これまで完全に実現したことは一度もありません。今回は国保の医療費削減策と連動しています。市町村で行っていた国保を県が医療費を管理していく仕組みと,一方で医療サービスの量も調整していこうとしています。 これまで診療報酬を減らすなど政策が行われてきましたが,新しい仕組みが始まることになります。 現在,一般病床と療養病床がありますが,それを高度急性期,急性期,回復期,慢性期と4つの医療機能にベッドを分け,最大20万ベッドを減らそうとしています。 そこで,お聞きしますが,必要なベッド数は何をもとに出されるのか,また中央圏域での病床数の適正化について,健康福祉部長の見解をお聞かせください。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 高知県の地域医療構想案における医療機能ごとの2025年の必要病床数につきましては,人口構成,医療提供体制,療養病床実態調査等を踏まえまして,国の示す計算方法により計算をした推計値でございます。 この結果を見ますと,高知市が含まれる香南市から土佐市までの中央医療圏域の必要病床数は,全体では約8,800床となりまして,2015年に各病院から報告を受けました病床機能報告による約1万2,300床と比較をしますと,3,500床少ない推計となっています。 医療機能別に見ますと,急性期及び慢性期では,必要病床数が現状よりも約2,000床以上少なく,回復期では1,000床以上多くなっています。 この必要ベッド数は,将来のあるべき医療提供体制を検討するための方向性を示すもので,病床の削減目標を示したものではありませんが,今後,病床適正化に向けた取り組みといたしまして,圏域ごとに地域医療構想調整会議を開催することとなっておりますので,県を含む関係団体等と協議を行うことにより,2025年に向けた病床の機能分化や在宅医療等の提供体制の整備を行い,持続可能な日常的な医療を各地域でつくり上げていくことが重要であると考えています。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) では,ベッド数を減らすということは,高齢者福祉施設をふやすとか,在宅医療の受け皿が必要となりますが,その受け皿についても,健康福祉部長,お聞かせください。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 現在の療養病床の転換先につきましては,本市の岡崎市長もメンバーとなっています国の社会保障審議会・療養病床のあり方に関する特別部会で検討が行われておりまして,利用者や経営者にとっても負担の少ない形で,転換がスムーズにいくような新たな類型ができるよう要望していく必要があると考えております。 また,
特別養護老人ホームや老人保健施設等の介護保険施設の整備につきましては,この療養病床の転換の動向等も見ながら,来年度策定をします第7期の介護保険事業計画の中で具体的に検討を進めてまいります。 また,在宅医療の推進につきましては,国においても,その必要性は認識をされており,介護保険法改正の中で,平成30年度までに全ての市町村で在宅医療・介護連携推進事業を実施することとされており,本市においても取り組みを開始したところです。 また,在宅医療の推進では,訪問診療に携わる医療機関が重要となりますので,県において医療機関向けに訪問診療導入研修を実施し,その必要性の周知,啓発を図っております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) ベッド数を減らすと言われても,病院の経営にもかかわる問題であります。高齢者がふえるのにベッド数を減らすことは,非常に危険な状態を招くことになります。 実際は行き場がなく,そして地域に帰っていっても受け皿がありません。また,お金や人の問題もあります。そういった実態から,ベッド数を減らすと言っても,それは困難なことです。 また,せんだって掲載された50歳から住みたい地方ランキングで,高知市は医療と介護に余力があるということで2位になっており,今後の本市の移住政策にも影響があるのではないかと思いますし,また地方創生どころではないと懸念するところでもあります。 それでは,最後に地域包括ケアシステムについて,お聞きします。 医療から介護へ,そして入院,施設から在宅,地域へ,地域包括ケアシステムの中身が最近では広範囲につくり出されようとしています。 地域包括ケアは,もともと介護とか医療から出されてきた患者さんとか利用者を地域住民が受けとめるという体制づくりとして出てきました。 本来は,医療とか介護とか自宅をそれぞれ行き来できる概念として出てきましたもので,もともとの概念に近い形でどれだけ進めることができるか,そこがポイントになると思います。 地域包括ケアは,地域で受けとめるというだけでは概念としては狭くなります。医療,すなわち病院とか高齢者の介護施設あるいは介護サービス,そして自宅での生活,在宅医療を含めた大きな概念として捉えて,その概念を地域でどれだけ実行できるかというのがポイントになります。 そこで,何点かお聞きします。 本市での地域包括ケアシステム構築に向けての関連事業の進捗状況について,お聞かせください。 また,本市では地域包括センターを何カ所程度設置の予定か,健康福祉部長,お答えください。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 地域包括ケアシステムの構築に向けまして,国においては,介護保険サービスの介護予防事業の総合事業への移行と地域支援事業の取り組みの強化を進めています。 本市におきましては,本年10月から介護予防の強化と高齢者の日常生活の支援を目的に,要支援認定者への訪問介護と通所介護を介護予防・日常生活支援総合事業に移行することとし,あかるいまち等で市民の皆様への周知を図っております。 また,新たにシルバー人材センターによる生活援助に限定をしました訪問型サービスを実施することとしています。 次に,地域支援事業では,認知症初期集中支援チームを2チーム設置し,医療や介護サービスの必要性があるにもかかわらず,治療やサービスの導入に至っていない方への早期診断,早期対応の取り組みを進めています。 本年8月末時点で,86件の事案に対応し,33件については6カ月の支援期間が終了し,介護サービスや医療サービスにつなげることで,住みなれた地域で生活を送れるよう対応したところでございます。 また,介護予防の強化や認知症高齢者への対応を通じて,個別の課題の解決だけではなく,地域の専門職等からの助言によりますケアマネジメントの質の向上を行う地域ケア会議を昨年12月から高齢者支援センターで定期的に開催をしています。 地域ケア会議では,例えば入浴ができずに困っている,外出手段がないなどの個別課題を把握し,課題解決につなげるとともに,あわせて地域づくりに向けた協議を行っております。 こうした地域課題に対応していくためにも,ボランティアやNPO,民間企業,社会福祉法人,協同組合など,地域にある多様な主体による協議の場を設置し,多様な生活支援サービスを充実していくことが必要と考えておりまして,本年8月には,この協議会を設置いたしまして,本格的な協議を開始しました。 今月からは,生活支援を行っている団体へのコーディネート業務を行う地域支え合い推進員を2名配置し,この取り組みも支援をしていくこととしています。 次に,地域包括支援センターの設置に関する御質問にお答えをします。 本市では,地域包括支援センター,本市では高齢者支援センターと呼んでおりますが,東西南北と春野の5カ所と旭の1分室,それに17の出張所を配置しております。 近年,高齢者数の増加に加え,認知症高齢者あるいは虐待事案等への対応など,困難事例の増加,要支援認定者へのケアプラン作成件数も増加をしておりまして,年々業務量はふえている実態にございます。 国の考え方は,おおむね高齢者6,000人に1カ所とされていますが,本市では1センター当たりの高齢者数が春野の約5,000人を除き,3万人から1万7,000人と,現在の配置数では地域特性に応じたきめ細やかな対応が十分とは言い切れない状況にあります。 このため,今後,センターに求められる機能を十分に発揮するためにも,平成30年度からの次期
高齢者保健福祉計画の策定に当たって,センターの増設や出張所機能の見直しなどを具体的に検討していく必要があると考えております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) 全国的に地域支援センターというのは中学校単位というふうにも言われておりますので,ぜひその点を御考慮いただきたいと思います。 地域包括ケアシステム会議に,介護の方だけとか,地域包括支援センターの職員の集まりだけとか,医師会に任せるとか,それだけでは意味がないので,もっと広範囲で在宅介護の医療も含めて,自治体が引っ張っていく必要があると思います。 また,医師会との連携は大変重要な問題です。医師会への仕掛けはどのように行われているのかも,健康福祉部長,お聞かせください。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 御質問のように,地域包括ケアシステムを構築する上で,在宅医療が果たす役割は非常に大きく,医師会との連携が不可欠であると認識をしています。 このため,本年6月からは,高知市医師会に御協力をいただきまして,在宅医療と介護を結びつけるコーディネート機関である在宅医療介護支援センターを開設しまして,受け皿となる医療機関や事業所など地域の社会資源の把握に努め,要介護者の方がスムーズに在宅生活に移行できる仕組みづくりに取り組んでいただいております。 また,来年度からの運用を目指しまして,介護が必要な方がスムーズに入退院し,在宅生活に移れるよう,入退院調整ルールや情報提供ツールの作成を予定しておりまして,医師会と連携を図りながら,各医療機関等と十分協議を重ね取り組むこととしています。 また,このほかにも医師会が主催し,東西南北の各地域で開催されています地域医療カンファレンスには,それぞれの地域の医療機関,介護や福祉の事業所,関係者の皆さんが参加をして,各地域における地域包括ケアシステムの構築に向けた議論が積極的になされています。 これまでも本市から何度か,こういった地域包括ケアシステムの構築について,御報告もしておりますが,本年7月には,北部地域医療カンファレンスに参加をし,高知市における地域包括ケアシステムの構築について周知し,さらに連携を深めたところでございます。 このカンファレンスには,北部地域で200名ほどの皆さんが参加をしていただきまして,そういった意味では地域の中での取り組み,議論も積極的,活発になってきているものと考えています。 今後も,高知市医師会とはより一層の連携を図りながら,取り組みを進めてまいりたいと考えています。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) ドクターの中には,何で在宅医療なんかやらないといけないのかとか,みとりとかは専門のドクターに任せよというふうに考えている方も結構多いようにお聞きしております。 全体として,どういう方向を向いていくかということをつくっていかなければなりませんが,そこは自治体がしっかりとリードしていただきたいと思います。 グループワークとかアンケートをとるなど,いろんなことにチャレンジして,ドクターの参加の雰囲気づくりをすることが必要だと考えます。 最後に,訪問看護師の現状について,健康福祉部長,お聞かせください。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 訪問看護師の現状につきましては,平成26年12月時点の厚生労働省への衛生行政報告によりますと,高知県全体の65歳以上,高齢者人口10万人当たりの訪問看護従事者数は77.5人で,全国平均の98.1人を下回っており,また訪問看護ステーションは高知県全体で66ステーション,勤務する看護師は211名となっています。 高知市におきましては,訪問看護ステーションが33ステーション,104名の方が勤務をしている現状でございます。 高齢化の進展により,医療サービスや介護サービスでの訪問看護師の需要がますます求められますことから,高知県においては,平成27年度から高知県立大学に人材育成の講座を設けることによりまして,31年度までに84名の訪問看護師育成を目指すなど,訪問看護提供体制の強化に向けた取り組みを行っておりますので,県とも連携をして,この取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○議長(竹村邦夫君) 福島明議員。
◆(福島明君) 市民の間には,医療と介護は遠のいてしまうのではないかという不安が高まっています。国の政策には,量を減らそうとか費用を抑えようとかといったことを感じます。一方通行でなく,途切れのないケアを地域でつくっていただきたいというふうに思います。 最後に,今,医療介護では,川上から川下へとよく言われますが,川上というのは医療の追い出し,地域医療構想というのはこの川上の計画です。地域で入院できるベッド数をコントロールしていこうとしています。そうすると,患者さん,利用者さんを川に流すことになります。 これまでだったら,川下というところで介護保険というサービスがあって,受けとめるということをやっていたのですが,介護保険でも要支援1の人を介護保険から外すなどして,介護保険の公的抑制をしようとしています。このようにだんだん厳しくなってしまって,海まで流されることになってきました。 そこで,今,起きているのは,この前NHKスペシャルで放映していましたが,介護殺人とか介護自殺といったことが起きています。 このことは,市町村の受けとめ方と体制づくりというものが非常に重要になってくると思います。川上のところには自治体はなかなか物を言えない状況にあります。川上から川下へ一方通行な状況を地域包括ケアで受けとめ,途切れのない状況をつくらなければならないと思います。 厚生労働省は,地域でどれだけのものができるか,それは地域にお任せしますと言っており,地域包括ケアの中身については格差が生じると言われています。 国は,社会保障は自己責任と助け合いであると各市民や住民に言っているだけでなく,自治体レベルに対しても言っております。地域で関係者が集まって頑張って考えてねと言っています。 集まる素地のないところはさんざんな中身になると思います。そこで放置しておくと厳しい中身になってしまいます。まさに地方自治の力が試されることになります。 以上で,質問を終わらせていただきます。
○議長(竹村邦夫君) 伊藤弘幸議員。 〔伊藤弘幸君登壇〕
◆(伊藤弘幸君) 皆さんおはようございます。公明党の伊藤弘幸でございます。第457回
高知市議会定例会において,通告に従い,総括方式で,私見及び要望と提案を交え,質問をさせていただきます。 この7月26日に,神奈川県相模原市の知的障害者施設津久井やまゆり園で入所者が刃物で次々と襲われ,19人が死亡し,26人が重軽傷を負った事件は,余りにも凄惨で衝撃でありました。 職員体制の薄い時間帯を突き,抵抗できない知的障害のある人を狙った計画的かつ凶悪で残忍な犯行であり,到底許すことができません。 このような事件の異常性と重大性を深く受けとめ,犠牲者とその御家族に心から追悼の意をあらわしたいと思います。 初めに,障害者施設の防犯対策について,お伺いします。 逮捕された元職員の容疑者は,警察によると,障害者なんていなくなればいいと言ったと報道されました。強い偏見,差別感情がうかがえます。容疑者の主張は余りにも身勝手で許されるはずがありません。また,19人もの死者は,刃物を使った殺人事件では戦後最悪ということで,テレビ報道などを通じて全国に衝撃が走りました。 事件の捜査が進むにつれて,その実態が少しずつ明らかになり,障害者総勢470名を抹殺する,これはこの事件の5カ月前のことし2月15日,容疑者が衆議院議長公邸に持参した手紙には,やまゆり園など2施設で入所者を殺害するという内容の作戦が書かれていました。 警察によると,翌16日に手紙の内容をやまゆり園に口頭で伝えたということですが,私信であり,容疑者とやまゆり園の雇用関係に影響することも考慮して,やまゆり園に手紙は見せなかったということです。 また,やまゆり園では,利用者に危害を加えるというまでの危機意識がなかったと言い,受けとめ方には温度差があったということです。 警察は,夜間に周辺パトロールを開始。18日にはやまゆり園から,容疑者を面接した結果次第では解雇する,どんな行動をするかわからないと連絡を受け,19日の面接でも,抹殺,安楽死といった言動があり,警察はやまゆり園内で容疑者を保護し,容疑者は市内の病院に緊急措置入院。 3月2日,他人を傷つけるおそれがなくなったという医師の判断のもとに,市は退院を決めました。 ここでも,市は個人情報だとして,退院をやまゆり園にも警察にも伝えませんでした。また,入院中にも容疑者の尿から大麻の陽性反応が出たが,市は大麻取締法では使用に関する明確な罰則規定がないことを理由に警察に通報していませんでした。 容疑者は,退院後,別の自治体で家族と同居することになっていたが,実際は市内の実家に1人で暮らしていました。 市によると,市内に居住先があれば,本人や家族が希望する場合に,退院後も支援を続けるが,退院後の通院状況などを確認する義務はなく,今回も追跡していなかったということです。 退院した容疑者の車をやまゆり園の職員が偶然見かけたことから,やまゆり園は警察署に相談し,防犯カメラ16台を園内に設置した。しかし,入所者やその家族に対しては,カメラを設置した背景については説明しておらず,またカメラの映像を常時監視する体制もとっていなかったようです。 今回の容疑者の犯行は,死角となっていた裏手から施設に侵入し,職員の両手を結束バンドで縛り,居室を連れ回し,入所者の障害の程度を確認して殺傷したということ。しかし,居室に設置されている集音マイクによって,職員が異変に気づいたということです。 経過を見る限り,予兆はあったと思われます。しかし,防ぐことはできませんでした。警察のほか,相模原市ややまゆり園の対応は適切であったのかどうか,一連の経過を見ると,情報共有の難しさが浮かび上がってきます。措置入院制度や退院後の支援体制についても,一層の検証が必要となってきます。 襲われた障害者施設と同様の施設は全国各地に存在します。地域に開かれた施設という理想と
防犯体制の強化との兼ね合いは難しい課題ですが,警備のあり方や警察との連携についても,検討を重ね,防犯対策に万全を期してもらいたいと思います。 また,精神障害者への差別や偏見が広がることは絶対にあってはなりません。目指すところは,障害の有無にかかわらず,誰もが互いに個性を尊重し合う共生社会であります。 また,精神障害者と犯罪を短絡的に結びつけることもあってはなりません。再発防止策が精神障害者を社会から排除の方向へ進めば,時計を後戻りさせることにつながります。私たちは事件の教訓を学び,安全,安心な社会をつくり続けなければなりません。 そこで,本市における障害者施設を初め,高齢者の介護福祉施設などの防犯対策について,お伺いします。 本市の措置入院制度や退院後の支援体制の現状と課題について,お伺いします。 4月から施行されている障害者差別解消法の取り組みとあわせて,障害のある人もない人も尊重し合う共生社会について,お伺いします。 次に,観光振興についてお伺いします。 政府は8月24日に閣議決定された2016年度第2次補正予算案に,大型クルーズ船に対応した港湾整備が盛り込まれました。 クルーズ船で入国した外国人観光客は,年々ふえ続けています。昨年は,前年比2.7倍の112万人に急増しており,当初の見通しより5年も早く100万人を突破しました。 クルーズ船市場は今後も成長が期待できることから,大型クルーズ船を受け入れる環境整備を急ぐことは,政府が2020年の目標とする外国人観光客4,000万人の実現に大きく寄与するに違いありません。 高知市において,近年,外国客船の寄港が増加し,乗船客数も2,000人規模に大型化し,寄港数も来年の3月末までに予約及び仮予約が27隻と,さきの3月議会で岡崎市長より説明があり,県市連携で一括外部委託し,受け入れ体制の充実を図ると言われていましたが,今議会定例会にて,9月補正予算案の中で,当初予算要求時を大幅に上回る寄港数,35隻を予定とされております。 クルーズ船のさらなる誘致と寄港の定着化に向け,県市連携して取り組むとのことですが,そこで今後の予定と寄港の定着化に向け,どのような働きかけを行っているのか,また多言語の通訳の増員,ボランティアなどの呼びかけ状況をお聞かせください。 本市らしいイベントなどの受け入れ体制について,お考えをお伺いします。 訪日外国人客の消費行動調査によれば,有名な観光地や免税店のある都市部に人気が集中しており,インバウンド消費の恩恵はまだまだ地方まで行き渡っておりません。 先月末に,松山市の観光地を視察した折に思ったことは,道路の整備や土産店など,観光客に対し案内やおもてなしが徹底しており,観光案内所に多言語のパンフレット,6カ国語が置かれておりました。 そこで,本市での観光スポットで来場者20万人を超えたよさこい交流館も含め,観光案内所の設置を提案するものですが,御所見をお伺いします。 また,7日の地元紙に,とさでん交通の売上高,計画どおり推移と載っておりましたが,点検会議の4月から6月の実績報告による事業再生計画に対する進捗率は,電車27%,バス26%,旅行業者などを含む全社の売上高も14億5,800万円,進捗率26%と,計画どおり推移していると載っております。 理由は,軽油単価が安かったことに加え,外国客船の寄港増加などで貸し切りバス事業が好調だったことが要因とのことでした。 本市も株主として,県市連携で外国客船の客などに向けた電車利用や,そのほか外国人客に対して電停,バス停などへの多言語観光案内板設置など,一工夫して公共交通を少しでも多く利用し,お客をふやす観光土佐の計画について,お伺いします。 先日の地元紙に,高知市の街路市を元気にと掲載されており,紹介すると,観光スポットの一つとして街路市があります。 火曜市,木曜市,金曜市,日曜市と,300年以上の歴史が続いております。出店者の高齢化や後継者不足が深刻で,街路市の出店登録者数が1999年の延べ943人から2016年度には553人まで減少し,これ以上減ると歯どめがきかなくなると危機感を募らせ,若手出店者らが昨秋より青年団結成の計画を進め,今月の6日に結成しました。 魅力があれば人は来てくれるし,後継者もふえると話しています。今後,街路市の出店者や商品を紹介するサイトの開設やイメージキャラクターの考案などを取り組んでいくとありました。 新聞報道による担当課のコメントでは,街路市全体のために活動していただければ,先行きは明るいとの期待の声ですが,本市の今後において,具体的なかかわりについて,お示しください。 続いて,水道事業についてお伺いします。 初めに,日本の水道水は,硬水が多い欧米と異なり,飲みやすい軟水がほとんどです。しかも,水道水の検査項目は51に上り,その厳格な基準によって高い安全性が確保されており,世界でもトップレベルの水道技術を誇る日本は世界からも高く評価されています。 この世界に誇れる水道インフラがまさに今,危機的状況に陥っています。日本の水道管の多くは1970年から80年代に整備され,既に40年以上が過ぎており,各地で水道管の老朽化が進んでいます。 老朽化した水道管のうち,1年間で取りかえられるのは0.7%程度にとどまっているのが実情です。このため,上水道の管路事故は毎年2万5,000件に達し,各家庭などの蛇口につながる給水管の事故は25万件にも上ります。 本市では,南海トラフ地震対策において,送水幹線二重化事業が進んでおりますが,今後の課題である水道事業の管路老朽化布設がえ対策を急がなくてはなりません。 老朽管は軟弱な地盤の道路や交通量が多い道路などに使われていますと,古くなった曲管やT字管継ぎ手などが耐え切れなくなり,時に大規模な漏水が起こります。このことは本市でも同様の状態であると考えられます。 現在,耐用年数を超えた老朽管路総延長はどのぐらいあるのか,お示しください。 あわせて,布設がえを進めるとすると,総事業経費と工事期間はどれぐらい要するか,お示しください。 さて,水道インフラが老朽化すれば,水道管にさびが発生し,鉄さびなどによって蛇口から赤水や濁水が出ることがあります。 たとえ蛇口に浄水器を取りつけても,水道水を使用できなくなるため,水道管の老朽化対策は待ったなしです。 ここで,安全な水質確保について,御所見をお示しください。 安全で安心なおいしい水を売り物としている本市であります。緊急的な漏水修繕箇所については,順次修繕を行う事後対応型となっていますが,このままであれば老朽水道管が増大します。 本市は,予防保全の観点から,高知市水道事業アセットマネジメント計画や高知市水道事業南海地震対策基本計画に基づき,計画的な管路の布設がえを進める必要があります。 ここで,布設がえの進捗と整備計画の概要をお示しください。 続いて,先般,
上下水道事業管理者より説明がございました。水需要の低迷から収益が年々減少傾向にあり,厳しい経営状況が予測されております。経営改善に向けた取り組みを進めるとともに,サービスの向上に努め,市民に信頼される水道事業を目指すと言われました。 そこで,日夜頑張っておられる職員について,お伺いします。 設備会社の技術者と水道工事について懇談をする機会があり,職員に必要な資格を習得しても水道技術につながっていないのが現状との話でした。 南海トラフ地震や大規模災害などの水道事故が発生したときなどは,水道技術を有する設備業者や職員が重要になってきます。 上下水道局として,技能と知識を有した技術者の養成について,お伺いします。 南海トラフ地震及び災害対策について,お伺いします。 初めに,去る8月30日に台風10号が東北に上陸し,岩手県や北海道に甚大な被害を出しました。 かつてないほどの豪雨が町を襲い,とうとい人命を奪い,そのほかに行方不明者やけが人を出しました。謹んで御冥福をお祈り申し上げます。また,一日も早い復旧作業が進みますようにお祈りいたします。 先月末に南海地震等災害対策調査特別委員会で報告があった平成28年度高知市防災意識調査について,お伺いします。 市民5,000人を対象に調査を実施し,2,218人で44.4%の回答でありました。市民の意識は高いものの,回答率が低い結果が出ているのではないかと思います。 ここで,調査について周知方法が適正であったのか,御所見をお伺いします。 調査結果報告書によると,南海トラフ地震が発生した場合,どのような被害が最も危険だと考えるかについて,津波と答えている人が82.7%,次いで,住宅倒壊が72.6%で,ライフラインの切断が56%,家具の転倒が53.7%と,これら半数以上の人が危険と感じているとの結果でした。 さらに,南海トラフ地震発生時に想定されている長期浸水被害を知っているかの回答は,はいと答えた方が57.4%で,いいえの回答が40.9%を上回っています。厳しい回答が出ました。 また,自宅が長期浸水被害の想定エリア地域内か外かを知っているかについて,エリア内とする回答が77.8%で,割合が高く,知らないとの回答が14.5%で,エリア内と回答された方の長期浸水被害の想定エリア外への避難が困難な場合に,救助関係機関へのSOSの発信方法を考えているのか,回答は,いいえとする回答が75.1%と,はいの22.8%を大きく上回っています。 このことから,SOSの発信方法について理解が深まるような周知が必要だと考えますが,御所見をお伺いします。 近年,広島県広島市の土砂災害や関東・東北豪雨で洪水被害に見舞われた鬼怒川流域の茨城県常総市と,5年前に氾濫した肱川流域の愛媛県大洲市やことしの台風10号の被害に見舞われた岩手県や北海道,また全国でゲリラ豪雨の被害など,異常気象が発生しています。 ついては,長期浸水地域においての浸水被害対策の現状をお示しください。 以上で,第1問を終わります。
○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問をいただきまして,私からは観光関連の御質問にお答えを申し上げます。 まず,客船の寄港誘致及びいろんなパンフレット等の多言語化等の対応についての御質問にお答えを申し上げます。 これまでの大型客船の誘致の活動でございますが,まず高知市の港湾につきましては県の所管施設ということもございまして,客船や貨物船,自衛艦,研究船などの高知港への寄港誘致につきましては,県と,そして高知市が連携して誘致活動に取り組んでまいります。 私どもも,それぞれ単独で動く場合もございますし,県と一緒になって動いてきたこともございます。 県を中心とした主な寄港誘致のそれぞれの対外的な活動としましては,日本にあります船会社や国内にあります外国船の代理店企業などを訪問し,寄港の誘致活動を行っております。 また,県では昨年度,アメリカのフロリダ州のマイアミで開催されました世界最大級のクルーズコンベンションに日本ブースの一員として県が参加をし,海外の主要な船会社や船舶代理店に対しまして,高知港のPRを展開しております。 このほか,日本船,いわゆる邦船ですが,3社の関係者を県が招聘をしまして,高知市におきましては高知市側が高知城や桂浜を初めとします市内観光地のPRに努めたほか,オプショナルツアーの提案なども高知県と高知市が連携して実施をしてきております。 外国客船の寄港の増加につきましては,外国船社,船会社ですが,船会社による中国,上海などを発着拠点とするアジアクルーズの積極的な展開など,さまざまな背景がありますが,ある外国の船会社におけます国内の港の入港後の評価ランキングというのがございまして,どこがよかったかというのを事後評価の形でランキングをとっております。 高知港につきましては,長崎港に続く第2位に位置づけられておりますので,県,市が連携した,これまでの寄港誘致活動や寄港時におけるおもてなしの対応等が,こういう評価をいただいてきているというふうに考えております。 特に,これまでアジアから非常に多くの客船を受け入れてきております,福岡の博多港がもうこれ以上船が入れないという状況になっておりますので,本市としましては,今後とも県と連携して,こうした取り組みを着実に推進することによって,寄港の定着化につなげてまいりたいと考えております。 課題といたしまして,本日の新聞報道でも載っておりますけれども,外国客船が着きました場合に,客船自体が外国のゾーンとなりますので,そこからお客様が出てくるときに,税関,また入国管理,検疫を行うという必要がございまして,現在は船内で行っておりますが,例えば4,000人以上になりますと,非常に混雑をしております。 そういうこともございまして,きょうの新聞で報道されておられますように,やはりターミナル機能ということが新港の中にも必要だという認識を我々も持っておりまして,県ではターミナル施設の整備ということで動き出すというふうに聞いておりますので,情報交換をしながら,我々もこのターミナル機能の充実に県市連携で取り組んでまいりたいと考えております。 また,多言語通訳の増員やボランティアの呼びかけの状況でございますけれども,今年度,外国客船寄港時における観光案内やおもてなし,通訳等の受け入れ体制の構築につきましては,県市共同で,大きなメーンのものは民間企業に委託をしてきております。 岸壁でのおもてなしでは,当初最大で4名の外国語対応のスタッフを配置することで対応できるのではないかというふうに感じておりましたけれども,実際に乗客数が4,000名を超えるような最大級の客船の寄港がありましたので,最大8名の配置を行ってきております。 また,町なかでのおもてなしもそれぞれございまして,はりまや橋の観光バスターミナル,商店街のアーケードの中,ひろめ市場,高知城などの各こういうスポットにつきましては,8月23日に来高しましたクァンタム・オブ・ザ・シーズの場合には,英語で5名,中国語で10名の15名で対応しております。 8月29日に来高しましたダイヤモンド・プリンセスでは,英語8名の通訳スタッフが対応に当たっております。 また,町なかでもNPOやボランティア活動が非常に積極的に対応に協力していただいておりますが,来高します外国人のそれぞれの利便性向上だけではなくて,例えば学生のボランティア等が参加をするということもだんだんふえてきておりますので,学生ボランティアが参加した場合には,英語教育の推進やコミュニケーション能力の向上など,それぞれの相乗効果が期待できますので,今後,こういう形での拡充施策ということも研究をしてまいりたいと考えております。 続きまして,いわゆる高知らしいイベントなどによる受け入れ体制という御質問に引き続きお答えを申し上げます。 客船の寄港時,また離岸,離れていくときのそれぞれのイベント等につきましては,民間の御協力もいただきながら,高知らしさを実感できるような内容をできるだけ選定をして受け入れを図ってきております。 それぞれ初めて船が入ってくる,初めての入港時の船の場合には,歓迎演奏などのほか,歓迎セレモニーを開催し,高知市からはいつも大鳴子の盾の記念品を船長にお送りしておりまして,大変好評をいただいております。 また,着岸時の体験型交流イベントとしましては,土佐和紙のちぎり絵の体験や,お店にも協力していただきまして,芸者さんたちによります,土佐のお座敷遊びの体験,ユズや文旦などの高知県の特産のオイルを使用しましたキャンドルづくりの体験,また長宗我部の鉄砲隊のよろい武者との記念撮影などを実施してきておりまして,非常に好評をいただいております。 また,試食ですけれども,ヤマモモの和菓子やぼうしパン,トマトやアイスクリンなどの県産品の振る舞いもしておりまして,非常に喜ばれております。 市内中心部におけますおもてなしでは,よさいこい鳴子踊り,また土佐和紙を使いました折り紙の教室や,非常に外国人に人気のあります新聞バッグ,新聞によるバッグづくりの体験,またひやしあめの振る舞い,またキャラクターの縫いぐるみでのお出迎えなど,高知市らしさを印象づけるイベントも実施をしております。 また,船が出ていく出航の際にも,和太鼓の演奏のほか,よさこいチームなどの踊り,また離岸する際にペギー葉山さんの南国土佐をあとにしてを流しながら,少ないときでも30名以上が見送りしておりますし,多いときには200名を超える市民の方々や関係者がお見送りをしておりまして,こういうところが先ほどの長崎に続く評価というところにつながっているというふうに感想を持っております。 今後とも,県市連携のもとで,より効果的な情報発信を行いながら,高い評価を継続していただけるように取り組みをしてまいりたいと考えております。 続きまして,観光案内所に関する御質問にお答えを申し上げます。 外国人観光客,また国内からの観光客も非常にふえてきておりまして,外国人向けには高知市の観光案内所としまして,桂浜公園のほか,駅前のとさてらすや高知城の高知市の観光案内などがございまして,いずれも多言語のパンフレット等も取りそろえております。 駅前のとさてらすにつきましては,日本政府観光局の認定の案内所になりますけれども,外国人観光客案内所,高知県「i」案内所ということで設置をしておりまして,英語圏だけではなくて,フランス語等の外国人観光客への観光案内にも対応できるスタッフをそろえております。 今年度から,大型客船が非常にふえてきておりますので,それぞれの着岸の岸壁や高知新港,また中心市街地を結びますシャトルバスの市街地側の発着場となっております,はりまや橋の観光バスターミナルなどにそれぞれ臨時の観光案内所をその都度開設をしておりまして,多言語パンフレットの配布や英語,中国語が話せるボランティアスタッフなどをこの臨時の観光案内所に配置をしております。 よさこい情報交流館におきましても,こういう客船が着いたときにかなりお客さんが入ってまいりますので,外国語版の各種の観光パンフレットをよさこい情報交流館の入り口にも配置をし,必要な外国語が使えるスタッフも配置をしております。 今後とも増加してまいりますので,さらなる高知市の独自のおもてなしの充実を図ってまいりたいと考えておりますので,県市連携のもとで評価の高いおもてなしができるように我々も努力をしてまいりたいと考えております。 その他の御質問の項目につきましては,副市長及び各担当部局長等からお答えを申し上げます。
○議長(竹村邦夫君) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡章君) 私からは,2点の御質問をいただきましたので,順次お答えします。 まず最初に,4月から施行されている障害者差別解消法の取り組みとあわせて,障害のある人もない人も尊重し合う共生社会について御質問をいただきました。 今回の相模原の事件に関しまして,お亡くなりになられました入所者の方々の御冥福をお祈りいたしますとともに,御遺族の皆様に対しまして,心よりお悔やみを申し上げます。 また,負傷された皆様方には,お見舞いを申し上げますとともに,一日も早い回復を願っております。 障害があるということをもって,その命と尊厳が踏みにじられるような思想は,同じ人間として決して認められるものではなく,その残酷な行為も断じて許すことはできません。 今回の事件を受け,施設の防犯対策の強化が急がれますが,一方では社会全体における障害や障害のある方に対する理解促進も重要であり,国においては,全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目的に,この4月から障害者差別解消法が施行されております。 障害者差別解消法によって,行政機関においては対応要領を制定することとなりましたので,本市においても,本年4月に,職員対応要領を制定し,職員に対し周知を行うとともに,研修を通して職員の意識を高めるべく取り組みを進めているところでございます。 また,本市の障害者計画の基本方針でも,全ての人が共生できる地域社会の実現を掲げ,市民の皆さんへの障害への理解,啓発や,手話言語条例の制定や新点字図書館の建設など,障害のある方に対するさまざまな施策を実施しております。 障害のある方々の地域生活を進める地域移行の促進も課題となっておりますので,今後につきましても,障害の有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いながら,全ての人が共生できる地域社会の実現,障害のある方の命と尊厳が守られる社会の実現を目指し取り組んでまいります。 次に,電停やバス停などの多言語案内等による公共交通の利用客をふやす方策についての御質問をいただきました。 現在,外国人観光者に対する電停やバス停の多言語案内は,高知駅前の電停では英語表示をしておりますが,他の場所では実施をしておりませんことから,とさでん交通においては,現在のバス停や電停への多言語案内の検討をされているとお聞きをしております。 また,本市では,大型クルーズ客船の利用者が多く訪れる高知市中心部の観光案内として,英語,中国語,台湾語,韓国語の4種類のこうちまっぷを本年4月に作成し,はりまや橋観光バスターミナルなどの主要施設に用意をしております。 このリーフレットでは,路面電車沿線の観光施設の紹介とともに,路面電車への乗り方なども説明をしており,こうしたものを有効に活用していただけるようにすることなど,関係機関等とも連携を図りながら,インバウンド観光の振興とともに,外国人客の皆様の公共交通の利用促進にもつなげてまいりたいと考えております。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 障害者施設等の防犯対策などについての質問に順次お答えをいたします。 障害者や高齢者施設などの防犯対策につきましては,今回の事件を受け,国が発出をした通知に基づき,夜間の施錠確認など外部からの侵入防止策の実施や緊急時の警察,消防への通報体制の構築など,各施設に改めて周知を図ったところでございます。 各施設におきましても,この通知を受けまして,可能な対策を検討していただいているところではありますが,施設側から個別に相談を受けた場合には,丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。 また,国においては,現在,防犯対策に関するガイドラインを検討されておりまして,秋ごろまでにまとまる方針と聞いております。 ガイドライン作成後は,その内容に基づき,各施設において,早急に具体策を検討していただくことになりますが,入所者の特性や規模,立地条件といった環境が,個々の施設によって違いがありますので,課題もさまざまとなりますことから,国や県とも連携をし,状況に応じた指導や支援を行ってまいりたいと考えています。 次に,本市の措置入院制度や退院後の支援体制の現状と課題について,お答えをいたします。 措置入院とは,精神保健福祉法に基づき,警察官や一般市民の方などが精神障害のために自身を傷つけたり他人に害を及ぼすおそれがありそうだと認められる方を発見した場合,最寄りの保健所に通報等があり,都道府県知事は調査の上,必要があると認めるときは,指定医による診断を行い,その結果,その方が精神障害者で,かつその精神障害のために自身を傷つけ,または他人に害を及ぼすおそれがあると認めたときに,行政が命令をして強制的に入院をさせることができる制度です。 措置入院後は,その精神障害のために自身を傷つけ,または他人に害を及ぼすおそれがないと認めるに至ったときは,直ちにその方を退院させなければならないと規定をされており,この場合には,あらかじめ入院をさせている精神科病院または指定病院の管理者の意見を聞くこととされています。 これらの措置入院に係る事務は都道府県の法定受託事務となっていますが,本市では平成22年4月に高知県から移譲を受け,実施をしています。 事務の実施に当たっては,人権への配慮と法令遵守を基本としておりまして,また高知県からの指導,助言も得ながら,適切に事務をとり行っているところでございます。 退院後の支援としましては,保健所職員が御本人の状況に応じて,特に医療機関との連携を密にするとともに,そのほかの関係機関とも連携をして,家庭訪問などを行うことによって,回復への支援を実施しています。 ただ,退院後の支援については,精神保健福祉法に規定がなく,強制力がありませんので,御本人や御家族の了解が得られない場合には,強制的にかかわることができず,限界があるのも現状となっています。 今後も,人権尊重と法令遵守に努め,国や県からの指導,助言にのっとって,措置入院に係る事務や退院後の支援を適切に実施してまいりたいと考えています。
○議長(竹村邦夫君) 中澤商工観光部長。
◎商工観光部長(中澤慎二君) 先日,新聞報道のありました街路市青年団の結成についての御質問にお答えします。 このたびの青年団結成につきましては,日曜市を初めとする街路市全体を元気にしたいという思いを持つ青年出店者より,本年度に入ってから,たびたび相談を受ける中で,活動の方向性や内容,団体設立の手順などについてアドバイスをするなど,その主体性を尊重しながらも,ともに歩んできた経過がありますので,結成に至ったことは喜ばしく感じています。 先日9月6日の結成式には賛同する出店者約20名が集まり,今後の街路市の活性化を目的に,街路市関連行事の開催や安全・防犯・防災活動の実施,美化清掃等の環境活動などを幅広く行うことが決められました。 本市としましては,街路市の活性化と出店者の高齢化が大きな課題となっている中で,若者を中心に既存の出店者組合の枠を超えて,さまざまな活動を行おうとする青年団が将来にわたって継続的に活動を展開し,発展していけるよう,現在の4出店者組合や大学生による街路市サポートグループSMSなど,関係団体の皆様とともに活動への支援を行ってまいります。
○議長(竹村邦夫君) 海治
上下水道事業管理者。
◎
上下水道事業管理者(海治甲太郎君) 水道事業につきまして,4点の御質問をいただきましたので,順次お答えさせていただきます。 まず,上水道の耐用年数を超えた老朽管路の総延長でございます。 本市の上水道の管路総延長は,平成27年度末でおよそ1,500キロメートルとなっており,そのうち法定耐用年数の40年を超えたものは約470キロメートルで31%となっております。 また,40年の法定耐用年数を超える管路延長470キロメートルを更新した場合の総事業費と工事期間でございます。 総事業費は570億円程度。工事期間としましては40年程度が見込まれております。 本市では,平成25年度に策定しました高知市水道事業アセットマネジメント推進計画において,全国的な管路の健全度を参考に,想定耐用年数を法定耐用年数の1.5倍の60年,昭和52年以降につきましては,ポリエチレンスリーブを装着しておりまして,その管路の場合は2倍の80年を想定し,耐用年数としております。 機能維持のための投資経費にも制約がある中,今後,毎年15億円から20億円程度の事業費が必要となってまいりますが,投資の合理化や平準化に努めることで管路の健全度の維持に努めてまいりたいと考えております。 次に,安全な水質確保についてでございます。 本市の水道水につきましては,針木浄水場内の水質管理センターにおきまして,お客様にいつでも安全でおいしい水を安定的にお届けするための水質管理を行っております。 本市の水質管理センターは,県内行政機関では唯一,公益社団法人日本水道協会から水道GLP,水道水質検査優良試験所規範の認定を取得しておりまして,高い技術力と信頼性が保証されております。 水質検査におきましては,水道法で定められております濁度,一般細菌,大腸菌,重金属類やトリハロメタンなど51項目の水質基準項目はもとより,農薬類を初めとする水質管理上留意すべき項目として定められております水質管理目標設定項目や,その他水源や浄水の水質を把握するために必要となります項目についても,年度ごとに水質検査計画を策定し取り組んでいるところでございます。 御質問にございました赤水や濁水対策の原因としましては,創設時,1925年でございますけれども,それから1960年代に布設しました無ライニング鋳鉄管などの老朽化が主な原因と考えられますことから,現在,無ライニング鋳鉄管の布設がえなどにも計画的に取り組んでおりまして,今後も安全でおいしい水を安心して御利用いただけるよう努めてまいりたいと考えております。 次に,老朽管路の布設がえの進捗状況と整備計画の概要でございます。 老朽管路の布設がえにつきましては,アセットマネジメント推進計画や南海地震対策基本計画において,災害時拠点病院や避難所など重要施設への送配水管の耐震化などとともに,基幹管路の布設がえを優先的に取り組んでおります。 口径150ミリメートル以上の基幹管路の布設がえの進捗状況は,平成28年度末で30.1%が見込まれており,水道事業基本計画2007年,水道ビジョンの目標としております28年度末の耐震化率30%は達成できる見込みとなっております。 今後,老朽管路の布設がえや施設の耐震化などの財源確保が求められる一方で,人口減少や節水機器の普及に伴い,年々,有収水量は減少しておりますことから,整備計画の策定に当たりましては,人口減少に伴う水需要予測をもとにダウンサイジング等,投資の合理化や経営の効率化なども検討し,経営戦略も反映し,安全でおいしい水を安定的にお届けできるよう取り組んでまいりたいと考えております。 最後に,上下水道局として技能と知識を有した技術者の養成でございます。 水道事業において,長期的に安定したサービスを提供するためには,平時のみならず,災害時の早期復旧を支える人材育成や技術継承が重要であると考えております。 そのため,職員に対しましては,日常業務を通じ,ベテランや中堅職員が若手職員に技術指導を行い,現場の技術力向上に努めるとともに,公益社団法人日本水道協会が主催します配水管工技能講習会への参加などの外部研修や,先進都市への職員派遣によりまして,独自技術や知識の習得に努めております。 今後とも,上下水道局の職員には,ライフライン事業者として常に危機管理意識を持ち,必要な技術や知識とともに,新たな技術力の取得にも努め,市民に信頼される技術者として養成してまいりたいと考えております。
○議長(竹村邦夫君) 門吉防災対策部長。
◎防災対策部長(門吉直人君) 南海トラフ地震発生後の長期浸水対策について,御質問をいただきました。 初めに,防災意識調査の周知方法に関してお答えいたします。 御質問にもございましたが,今回実施いたしました防災意識調査は,調査項目について,事前に長期浸水地域の自主防災組織の方々の意見を聞くなど,一定の調整を行った後,下知,江ノ口,潮江,高須地区に居住されている20歳以上の市民約6万2,000人の中から,5,000人を対象に実施いたしまして,44.4%の2,218人の方から回答をいただきました。 無作為に抽出しました対象者に調査回答用紙を直接郵送する方式を採用したことから,一般向けの周知については特に行っていませんが,回収率につきましては,本市で実施しました平成27年度市民意識調査の38%など,他の郵送調査に比べると若干高いものとなっています。 この調査を受けた市民の方からは,防災を考えるいい機会になった,改めて準備が足りないと感じたといった御意見をいただいており,調査に参加いただくことが防災意識の向上にもつながってまいりますので,今後,このような調査を実施する際には,できるだけ多くの皆さんの御回答をいただけるよう,内容や周知方法について工夫してまいりたいと考えています。 次に,SOSの発信方法について,お答えいたします。 御承知のように,本市では,南海トラフ地震発生時には,浦戸湾周辺での地盤沈下とその後の津波の流入により,最悪の場合,約2,650ヘクタールが長期にわたり浸水し,約15万人が孤立すると想定されていることから,孤立者からのSOSの発信方法について,2つの手段の確立を目指しております。 1つ目は,原始的な方法となりますが,紙に避難者数や傷病者数を書いて,上空の航空機等に向けて情報発信する手段で,これについては,今年度中に津波避難ビルへの配備を完了したいと考えており,最終調整を行っております。 2つ目は,本議会に補正予算案を計上していますが,スマートフォンを使用し,電子的に避難者数などを集計できるシステムで,迅速確実な救助,救出につなげるため,電話回線やインターネット回線が機能しない最悪の場合でも,情報の収集が可能なものの整備を目指しています。 また,御指摘をいただきましたとおり,これらの情報発信につきましては,市民の皆様への周知が重要となりますことから,あかるいまちやホームページを初め,さまざまな方法で周知を図っていきたいと考えております。 最後に,長期浸水被害対策の現状について,お答えいたします。 本市では,関東・東北豪雨やゲリラ豪雨などの洪水被害に加えまして,先ほどもお答えいたしましたが,浦戸湾周辺で地盤沈下に伴い,海水面より低い地域が発生し,津波により浸水が長時間続くことが想定されています。 このため,津波避難ビル等に取り残され,一定期間孤立した状態になる多くの方々の救助・救出対策を推進する必要があり,今年度から,救助,救出のための孤立者の状況把握対策を進めています。 また,高齢者や障害者など避難される方々が重い飲料水まで携帯することには無理がありますことから,命をつなぐ対策としまして,本年度から3カ年計画で津波避難ビルへ飲料水の備蓄を進めています。 さらに,ハード面では,排水対策としまして,排水機場の耐震化,耐水化を進めますとともに,今年度から国の事業採択となりました高知港海岸整備事業,いわゆる三重防護も国,県において実施いただけることとなりました。 この三重防護の対策は,発生頻度の高い津波に対しては,津波の浸入を防ぐことができ,最大クラスの津波に対しては,津波の流入量を抑える効果があることから,非常に有効な長期浸水対策になると考えています。 今後とも,津波からの浸水を抑制し,浸水被害を早期に解消するためのハード対策を着実に推進しますとともに,孤立した避難者に対する救助,救出を含めたソフト対策の充実を図ってまいります。 以上でございます。
○議長(竹村邦夫君) 伊藤弘幸議員。
◆(伊藤弘幸君) どうも各部局長,また市長を初め副市長,御答弁をありがとうございました。 観光面については,いよいよ来年,再来年と,全国,全世界から観光客をこの土佐に呼ぶためにも,全力で,私も応援してまいりたいと思いますし,大成功させてまいりたいと思います。 あと水道事業についても,今後,また御質問をさせていただきます。今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。 以上で,終わります。
○議長(竹村邦夫君) この際暫時休憩いたします。 午前11時58分休憩 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 午後1時0分再開
○副議長(長尾和明君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 平田文彦議員。 〔平田文彦君登壇〕
◆(平田文彦君) 新風クラブの平田文彦でございます。第457回
高知市議会定例会に当たり,意見,提言等を交えて質問をいたします。 最初に,市長の政治姿勢について,お伺いをいたします。 さて,先月3日に発足した安倍改造内閣で,高知県選出の衆議院議員山本有二氏が農林水産大臣に就任をいたしました。 本県のように中山間地域が大半を占め,耕作面積も狭い零細農家が多い地域では,全国一律の施策では効果的な農業振興を図ることが難しいですが,そうした実情に詳しい山本大臣ですので,農林水産業の新たな施策展開に大いに期待していますし,これまでの経験を踏まえ,その実力を遺憾なく発揮していただくことを願っております。 また,山本大臣は就任会見の中で,夢ある農業へのきっかけづくりに携わることができればと考えている旨の発言をされておりました。 農業というのは,第1次産業全体を指していると私は理解をしておりますので,これまでのような国の施策待ち,補助事業待ちの姿勢ではなく,農林水産業に携わる方々が将来に展望を持てる施策を打ち出し,山本大臣を通じて,農林水産省を動かすような取り組みを行ってもらいたいと思います。 この点について,市長の御所見を伺います。御自身の思いでも結構ですので,こういった施策を国に提案したいというものがありましたら,お示しをください。 次に,南海地震対策についてお伺いします。 本年4月に発生した熊本地震では,マグニチュード6.5,最大震度7を観測した前震,このときはこの地震が本震であるということを疑う余地はなかったわけでございますが,その28時間後に,本震となるマグニチュード7.3の大地震が発生し,再び最大震度7を観測しました。 短期間に2度の大きな地震が起こったことで,犠牲者を増大させるとともに,家屋の倒壊被害も甚大なものとなりました。 テレビに映される現地の様子から,2度の大きな地震によって,災害時に市民の安全,安心をリードすべき存在である行政が混乱していたようにうかがえましたが,このことによって,災害対応が後手後手に回ったことは大きな反省とすべきと考えます。 次期南海トラフ地震では,行政職員の誰もが経験したことのない状態での災害対応となるわけですので,今回の熊本地震を教訓に,組織としての対応力に加え,職員一人一人の対応力を高めておく必要があります。 組織及び職員個々の災害対応力について,現状をどのように捉えているのか,今後,どのように取り組むのか,お伺いをいたします。 また,6月定例会の提案理由説明で市長が触れられていた避難勧告や避難指示の発令と解除のタイミングの検討は南海トラフ地震だけでなく,台風や集中豪雨の際にも迫られる内容です。その判断は非常に難しいかと思いますが,今後に向けて改めて検討しなければなりません。 そこで,避難勧告等の発令と解除のタイミングについて,熊本地震の発令状況を踏まえて,今後,どのように生かすのか,市長の所見を伺います。 次に,避難所運営ですが,熊本地震でも要配慮者への対応が大きな課題となりました。 平成25年に改正された災害対策基本法では,高齢者や障害者の方などを要配慮者と定義し,国や地方公共団体は災害の発生や拡大を予防し,要配慮者に対する防災上必要な措置を実施しなければならないと定められております。 必要な措置とは,例えば認知症の高齢者であれば,災害が起こったこと自体を理解できないケースも想定されますので,避難開始からの支援が考えられますし,聴覚障害者であれば音声の情報は伝わりませんので,情報伝達をどのように支援していくかなど,支援ニーズに応じた対策を検討しておく必要があります。 当然こういった支援を行政だけで行うことはできませんので,関係団体や医療機関,地域などと連携し,要配慮者がどこにいて,どんなニーズを必要としているのか,お世話をする方々の有無も含めて,一人一人の情報を集約し,関係者で共有しておかなければなりません。 現在,進めている避難行動要支援者名簿に基づく個別計画の作成がこれに当たるかと思いますが,平成26年度から,種崎と北高見で取り組みを開始して2年,この間,事業は思うように進まなかったと感じていますが,今年度から防災対策部に所管を移したことで,事業の進捗が図られることを期待しております。 そこで,伺いたいのは,そうした取り組みで助かった命をどのようにつないでいくかです。 災害時の要配慮者には,助かった命をつなぐ対策として,福祉避難所の整備が欠かせません。現在,33施設,約4,000人が収容できるようにしていますが,この中には浸水エリアも含まれておりますので,必要数に至っていないのが現状だと思います。 本市の状況から,市外への広域指定も行う必要があると考えますが,今後,どのように福祉避難所の指定を拡大していくのか,お聞かせください。 また,今後の高齢社会の進行を考えますと,福祉避難所の拡充だけでなく,要配慮者対策については,さまざまな視点から検討し,対応策を練っておく必要があります。 その中で,認知症の方についてですが,今年度から取り組む認知症初期集中支援チーム,それから認知症カフェの拡充,認知症サポーター養成講座など,こういった健康福祉部での取り組みそのものが,日々の地域福祉の向上になるとともに,非常時の防災対策全体の充実にもつながりますので,執行部には災害時に支援が必要とされる方々を意識した対策を進めていただきたいと思います。 そこで,熊本地震では,本市の保健師も多くの方々が被災地支援の活動を行ったと伺っておりますが,保健師の視点を通して見えてきた要配慮者対策の課題について,お聞かせをください。 また,大きな災害では,指定された避難所以外の場所に市民が自然発生的に集まり,その場でお互いに助け合いながら,避難生活を送ることが見受けられますので,こうした避難者への配慮も必要であります。 今回の熊本地震では,避難所に指定されていなかった大学が,独自に避難所を開設した事例がありました。 この大学は,発災直後から地域住民や学生が大学のグラウンドに集まってきたため,平成19年度に設立した施設を避難所として開放することに踏み切ったわけですが,単に施設を開放するだけでなく,社会福祉学部の教授を中心に医療体制を整備し,学生ボランティアも配置するなど,避難所としてきちっと運営する覚悟を決めての開設だったと伺っております。 さらに,避難所開設後は,社会福祉学部の強みを生かし,災害弱者へのサポートという視点から,定期的に避難者への声かけを行い,何人かの専門医療の必要な方については,医療機関につなぐことも行っております。 こうした活動の背景には,同大学が日ごろから地域と密接にかかわり合いながら,地域貢献を行ってきたことがあります。 この大学に限らず,近年,各大学は地域貢献に積極的ですが,これは県内の大学にも言えることです。 高知大学の地域連携推進センターの取り組みや地域協働学部の設立,また県立大学は,域学共生の理念のもと,学生と教職員が地域住民とともに地域の課題解決に取り組んでいますし,学生と地域が連携した取り組みも広がっております。 私は,ここに行政がもっと積極的な姿勢を見せてもらいたいと思い,これまでも空き家対策や地域活動など大学との連携を強化すべきと訴えてきましたが,まだまだ取り組みが弱いように感じております。 そこで,学生を巻き込んだ大学との連携について,これまでどのような取り組みを行ってきたのか,今後,どのように取り組んでいかれるのか,具体例を挙げてお答えをください。 次に,平成25年9月議会において質問させていただきました自衛隊との連携についてです。 当時の総務部長から,自衛隊のOBの方や現役自衛官の方を本市職員として採用することによりまして,その専門的な知識や経験を本市の防災対策等に生かしていただくことは非常に有効であるというふうに認識をしていますとの答弁をいただいております。しかし,いまだに実現に至っていないことは残念であります。 以前にも紹介させていただきましたが,県では防災指導官,香南市では防災対策官として採用されている実績もございますので,有事の際,人命救助や緊急物資の輸送等が迅速に行われるためにも,中心的な役割を担っていただく自衛隊との連携が重要となってくる中で,再度質問させていただきます。 本市においても自衛隊OBを採用し,自衛隊との連絡による実効性の高い地震対策を進めていくお考えはあるのか,ないのか,お伺いをいたします。 次に,子育て支援について伺います。 核家族化の進行や地域のつながりの希薄化などにより,子育てに悩みや不安を抱え,地域から孤立した子育て家庭がふえております。 これらの課題に対応するため,本市では地域子育て支援センター等を開設するなど,子育て家庭に対して切れ目ない支援を行い,子育て環境の充実を図っています。 しかし,初めての子育てでは,特に乳児期には不安だらけの中で子供に接しなければなりません。不安感を少しでも取り除き,子育て家庭を孤立させないよう,身近な地域に顔見知りをふやしていく場をつくることが重要です。 そこで,今年度の重点施策に掲げている高知市版ネウボラ関連事業の中で,子育てサークル・集いの場支援事業について,現在の進捗状況と今後の予定をお聞きします。 こうした取り組みとあわせて,子育て世代が安心して外出できる環境を整備することも大切です。 例えば,商店街の中に,人目を気にせず授乳できるスペースや容易におむつがえができるベビーシートなどがあれば,乳児期の子供と一緒に安心して買い物に出かけることができますし,子育てに優しい環境づくりの推進は,社会全体で子育てを支援するという意識の醸成にもつながります。 この取り組みの一つとして,赤ちゃんの駅の整備があります。赤ちゃんの駅というのは,人目を気にせず授乳できるスペースがあること,容易におむつがえができるベビーシートなどが設けられていることの両方または一方を満たし,衛生面の配慮がなされた安心して気軽に利用できる施設です。 この事業に取り組んでいる防府市を本年5月に視察してまいりました。防府市では平成24年度から赤ちゃんの駅の整備に取り組んでいまして,27年度末で34施設を整備済みで,40施設までふやす目標を持っているということでありました。 公共施設や病院等では限りがありますので,民間事業者の協力が不可欠で,民間事業者に対しては,授乳用椅子や仕切りパーティション,おむつ交換台などの購入費用について,1事業者当たり20万円を上限の補助制度を設けています。 子育て家庭の負担軽減と同時に,活動範囲が少しでも広がり自由度が高まるという点で,本市においても導入を検討してはどうかと考えます。 特に,中心市街地にこういった施設があれば,来街者の増加にもつながると思います。高知大丸や帯屋町チェントロには,事業者の自助努力で授乳スペースやおむつ交換ができるスペースがあるようですが,行政と民間事業者が協力して防府市のような事業に取り組むことは,社会全体で子育て家庭を支援する意識を醸成することにもつながります。 そこで,本市において,こういった事業を実施することはできないのかを伺います。 また,高知県では,買い物など外出中の小さな子供連れの親子を支援するため,おむつがえのスペース,授乳スペースの提供だけでなく,粉ミルク用のお湯の提供やトイレ等にベビーキープの設置といった,さまざまなサービスを行っている店舗や施設をこうち子育て応援の店として登録する事業に取り組んでいます。 登録店には,店頭に張るステッカーを配付し,わかりやすくするとともに,こうち子育て応援の店ガイドブックを作成し,各事業所や市町村窓口に配布するなど,利用対象者に広報しております。 また,登録できる店舗や施設についても,随時募集しており,最新情報は高知県のホームページから検索できるようになっております。 現在,登録されているのは,平成28年3月発行のガイドブックで,県内全体で518の店舗や施設,そのうち本市はコンビニを除くと132の店舗や施設となっています。 一方,平成27年度に高知県が実施した,出会いから結婚,子育てまでの切れ目ない支援のための県民意識調査によりますと,このガイドブックの存在を知らないが83.5%と高く,逆に,利用したことがあるがわずか1.6%と,残念ながら取り組みの存在が知られておらず,ほとんど利用されていない結果となっております。 また,県内の親子で出かけられる遊び場についても,高知県内遊び場マップを作成し,高知市では,わんぱーくこうちや県立牧野植物園など,授乳できるスペースやおむつがえのための設備を紹介しています。 そこで,伺いますが,県から市町村に対して,どのような役割を求められているのか。 また,高知市として積極的に県のバックアップをすべきと考えますが,御所見をお聞かせください。 次に,決算の認定議案に関連して,未収金について伺います。 本市の平成27年度決算の未収金額は,66億728万円余りで,26年度との比較では,約3億円減少しており,26年度に債権管理室を設置し,市民負担の公平性確保や財政基盤強化のため,全庁的な債権管理の体制強化に努めるとともに,債権管理基本方針や債権管理条例の制定など,未収債権の効果的かつ効率的な縮減に向けた具体的な取り組みを実施してきた結果が少しずつあらわれているのではないかと考えます。 しかし,全体としては,改善されている債権管理ですけれども,個別に見れば,まだまだ課題のある債権も存在します。 例えば,健康福祉部の生活保護費返還金や教育委員会の奨学資金貸付金返還金については,こうした取り組みにもかかわらず未収金額がふえております。 これらの債権については,回収が困難であることも一定理解しますが,払える資力がありながら払わない方については,市民負担の公平性の観点から,給与の差し押さえなど法的措置も必要であると考えます。 また,本市が平成26年8月に定めた債権管理基本方針の中で,債権管理の課題として,専門職員の不足,債権管理への認識不足,回収ノウハウの不足,統一的な処理基準の未整備の4点を掲げていますが,厳しく言えば,債権回収に向けて行うべき事務を怠ってきたことも,未収債権の増加につながったと言えます。 今後は,不必要な未収債権を発生させないため,組織的に取り組むことが必要ですが,債権管理室を設置して以降,債権管理基本方針に掲げた課題にどのように取り組んできたのか伺います。 また,平成27年度の予算執行方針では,自主財源の確保が重要であることから,市有財産の売り払いや貸し付け,新エネルギー関連の歳入確保を進めるとともに,未収金の解消に努め,適正な収入の確保に特段の努力を払うこととしており,特に市税,国保料,住宅使用料,保育料,占用料等の収入については,外部監査報告を踏まえた賦課の客体を正確に捕捉するとともに,予算に定めた徴収率を上回るためのあらゆる方策を講じ,徴収率引き上げに向け最大限の努力を払うこととしております。 そこで,伺いますが,どのような努力が行われたのか,お聞きをいたします。 次に,インバウンド観光についてお伺いします。 訪日外国人旅行者数は,国の取り組みもあり,近年右肩上がりで増加し,平成27年度は対前年比147%の1,974万人が我が国を訪れております。 また,旅行形態が団体旅行から個人旅行へ変化してきており,その訪日外国人旅行者の目的地も,従前の東京,京都,大阪などといった大都市や有名観光地のみでなく,新たな訪問先として地方都市に目を向けられている状況があります。 そのため,各地方自治体は,訪日外国人旅行者の受け入れのため,さまざまな施策を展開してきており,本市においても,高知県と連携した取り組みにより,一定の成果を出していることは認識しております。 しかしながら,直近の3年間の本市への外国人旅行者の宿泊者数を見てみますと,平成25年は1万2,481人泊,26年は1万3,032人泊,27年は1万7,623人泊と,増加傾向にはありますが,全国的な状況と比べるとまだまだ少ない状況です。 そこで,伺いますが,本市として外国人旅行者をふやしていくためには,どのようなことがより効果的と考えているのか。 また,今後の取り組みも含めて,お聞かせください。 次に,外国人旅行者の受け入れ体制についてです。 外国人旅行者を単に受け入れるだけでなく,本市を訪れていただいた皆さんに楽しんでいただき,また訪れたいと思っていただくために,受け入れ体制の整備が重要だと考えます。 これまで官民が連携し,観光パンフレットの多言語化やWi-Fi環境の整備,免税一括カウンターの整備等を進めており,徐々に受け入れ体制が整備されてきておりますが,町中を見てみますと,まだまだサインの多言語化が十分でないと感じます。 外国人旅行者の皆さんが目的地へスムーズに移動ができ,また目的地で快適に過ごしていただくために,サインの多言語化の受け入れ体制の整備を今以上に積極的に進めなければならないと考えますが,どのように進めていくのか,お伺いします。 次に,外国客船についてです。 国の観光立国実現に向けたアクションプログラムで,クルーズ船による外国人入国者数を100万人とする目標としておりましたが,2015年に111万6,000人となり,5年前倒しで実現しております。 外国客船の我が国への寄港の増加は,和食が世界的に脚光を浴びたことや外国船社による中国を発着地点としたアジアクルーズの積極的な展開等,さまざまな要因があると考えられます。 そのような中,本市においても外国客船の寄港は,平成27年度に3隻であったものが,28年度は予約を含め25隻と,8倍強もの増加となっております。 外国客船が寄港すれば,乗客,乗員の皆さんが数十台から,大きい客船なら100台を超えるバスに乗りかえ,観光地や中心市街地等へ足を運んでいただき,飲食やショッピングを楽しまれており,地域経済の活性化にもつながっています。 高知新港のある私の住む三里において,寄港した日は土産物店を初めとした小売店の売り上げが大きくなるという声をお聞きしていますし,町に活気をもたらしてくれております。 来年度以降も多くの外国客船に寄港していただくために,観光地や中心市街地はもとより,客船が着岸する港でも,ハード面,ソフト面ともに受け入れ体制の整備,充実が必要となってくると考えます。 高知新港は県の管理ということは理解しておりますが,今後,港での受け入れ体制の整備を,県と連携し,どのように進めていくお考えがあるのか,お伺いをいたします。 以上で,1問を終わります。
○副議長(長尾和明君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問に順次お答えを申し上げます。 まず,山本農林水産大臣の就任に関する御質問にお答えを申し上げます。 本県出身の山本有二第60代農林水産大臣におかれましては,大臣御就任おめでとうございます。 これまで自由民主党の農林水産業・地域の活力創造本部長,また金融担当大臣,衆議院の予算委員長などの要職を歴任されてこられまして,豊富な御経験を生かし,我が国の農林水産行政のトップとして,今後難しい交渉となりますTPP関連対策や平成30年から予定されています平成30年産の米の生産調整の見直しなどの農政課題において,強力なリーダーシップを発揮していただけるものと期待をしております。 これから難しい局面を迎えますTPP関連の課題につきましては,新たな影響を受けることとなります農林水産業に対して,国内対策の制度創設や農業改革等について,これまで以上に施策の充実を図っていただきたいと考えております。 農業施策につきましては,毎年,農業委員会からも建議をいただいておりますので,農業や農村を維持していく,国土の保全のためにも,また食料の自給率向上のためにも,農業委員会からの建議等も生かしながら,農林水産省にも陳情を行っていく必要があると考えております。 現在の国の農業政策には,さまざまな補助制度がありますけれども,本県のような,山地や中山間が大部分を占め,条件不利地が多い農地におきましては,農地の集約化も思うように進まない状況にあり,東日本と西日本では随分と対策が違うというふうに認識をしております。 現在の農林水産省の集約化の考え方は,どちらかというと東日本の農地に適したような形で動いておりますので,西日本が使いやすいような補助制度となることを,今後とも要望していかなければいけないというふうに考えております。 高知市におけます農業生産では,平野部を中心とするキュウリやショウガ,トマト等の施設野菜の生産が盛んであることに加えまして,グロリオサやユリ等の花卉の生産も強みであり,いずれも県内屈指の生産量となっています。 また,先般は春野町の篤農家の方が新たに品種改良された単為結果性ナス,生産者の手間が非常に省ける新しい品種のナスですけれども,この春野の新品種のナスにつきましても,私と山本大臣と別々に新しい品種の命名をさせていただいたところでもございます。 高知市の強みが生かせるような分野におけます有望品種の新種の開発や,また中山間におけるユズの生産拡大,農業生産施設の維持,強化など,それぞれ課題は多いところでもございますが,使いやすい補助制度というものを強く要望してまいりたいと考えております。 また,喫緊の課題として,担い手の不足が非常に大きな課題となっておりますので,担い手の育成策と指導者へのさらなる支援なども要請をしていきたいと考えております。 水産業を見ますと,本県,本市では沖ウルメやメヒカリ,ドロメなど,地理的条件に合わせた漁法を伝統的に行っておりますけれども,やはり後継者不足ということで,現場の方々は非常に困っておりますので,担い手の支援ということも要請をしていく必要があろうかと思っております。 いずれにいたしましても,高知県の農業の実情は大変よくおわかりの大臣でございますので,今後とも現場からの意見を大臣にしっかりと届けながら,新しい施策の充実を図っていただくことを要請してまいりたいと考えております。 続きまして,熊本の地震を受けました,避難勧告の発令と解除のタイミング等の御質問にお答えを申し上げます。 避難勧告等の発令と解除につきましては,特に,解除のタイミングが難しいということもございますので,昨年度,避難勧告等の判断・伝達マニュアルを策定いたしまして,これは災害の種別によって分けていますが,水害,土砂災害,高潮災害,津波災害の4種類の種類ごとに基準を整理し,早目早目の発令を基本としながら,必要な区域に適切なタイミングで勧告等を行うということとしております。 水害の基準で申し上げますと,河川の水位が氾濫危険水位を超過した場合で,その後においても,さらに水位の上昇が見込まれる場合に避難勧告を発令することとしております。タイムラインというものも考えております。 また,その解除につきましては,河川の水位が氾濫危険水位を下回るとともに,その水位の低下傾向が顕著であり,上流域での降雨がほとんどない場合に解除していくというふうに具体的な決め方をしております。 台風を初めとする水害の情報につきましては,河川ごとの避難の的確な指示を行うためのタイムラインというものを国等もつくり始めていますので,そのタイムラインに基づきまして,国,県,市と足並みをそろえて,的確な情報を住民の方々に発信していく必要があり,今年度は仁淀川の避難のためのタイムラインを,国と協議しながら策定をしてまいりたいと考えております。 なお,地震災害につきましては,いつ発生するかの予測が現時点ではできませんので,被害の程度もお一人お一人によって違ってまいりますので,どういうタイミングで避難勧告をするかどうかということについては,地震災害については,判断基準の設定は行っておりませんけれども,熊本地震のように地震の後の例えば大雨等による影響等で,土砂災害の危険性が高まった場合には,当然,避難勧告や避難指示をエリアを決めて出していく必要があります。 また,熊本の場合に特に難しかったのは,本震が来たと思われていた後に,28時間後にもう一回震度7の大きい揺れが来たということでございまして,一旦自宅に帰った方々がお亡くなりになるという痛ましい状況が発生をしております。 南海地震発生後においても,非常に大きな揺れが続くことが想定されますので,現場や関係機関からの情報を迅速に収集,分析をしながら,避難勧告の発令など,的確な情報発信を通じて,適切な避難行動が図られるようにしてまいりたいと考えております。 また,解除のときも十分その安全性を確保した上で,解除を行うということが肝要であると考えております。 そのためには,避難された方々が自宅に帰れるかどうかについての建物の危険度判定,またその建物が建っております用地の応急危険度の判定などを早急に実施できる体制の確保や,一定期間を避難所で過ごすことのできる体制づくりなどをさらに進めていく必要があると考えております。 また,議会等の御意見を賜りながら,それぞれ着実に進めてまいりたいと考えております。 最後になりますが,インバウンド観光に関する御質問にお答えを申し上げます。 午前中にもお答え申し上げましたけれども,本県を訪れます外国人観光客の数は着実に増加しておりまして,昨年の日本を訪れました訪日外国人客数は1,900万人を超える中で,ただ四国の入り込みはまだまだ小さくて,全国の割合で言うと,四国への入り込みは1%にも満たないという数字の状況でございまして,四国4県で共同しながら,外国からの観光誘致ということも必要だというふうに考えております。 これまで外国人の旅行者の方々は,東京や箱根,富士山,名古屋,京都,大阪といったいわゆるゴールデンルートの団体客が主力でございましたけれども,最近では団体旅行から個人旅行へのシフトがずっと広がってきておりますとともに,これら以外の地方都市へのニーズも高まってきておりまして,個人旅行もかなりお客様がふえるようになってきております。 今後の対応策としましては,観光客の誘致につながります,例えば台湾のように一定の国を想定した上で,本市の魅力である自然や文化,食など,より効果的に情報発信をしていくとともに,高知に来られました外国の方々に,また高知に来てみたいと思っていただけるような観光商品やサービスの充実ということが重要になると考えております。 今年度,高知市からも台湾に,11月に観光誘致のPRに行くということで,今,準備をしておりますが,そのほか,観光ホームページの多言語化や外国人向けの観光PRツール等の制作等を行うこととしております。 高知県におきましては,外国人向けの観光サイトでございますが,「VISIT KOCHI JAPAN」を開設するとともに,国内外での旅行博,商談会でのプロモーション等に取り組まれておりまして,県市連携でもさらに取り組みを進めてまいりたいと思っております。 また,午前中に,さまざまな御質問をいただきましたように,多言語のパンフレットや,またまだまだ整備が余りされていないWi-Fiのスポットとういうものの整備を進めてまいりたいと考えております。 今後,四国全体での観光の情報発信ということも考慮しながら,魅力のある観光商品の開発にも取り組んでまいりたいと考えております。 その他の御質問につきましては,各担当部局長等からお答えを申し上げます。
○副議長(長尾和明君) 山本総務部長。
◎総務部長(山本正篤君) 自衛隊OBの採用に関する御質問にお答えをいたします。 本市の防災対応能力を向上させていくためには,防災,危機管理に精通した人材の確保が重要であり,現役時代にさまざまな防災訓練や災害派遣活動を経験し,豊富な知識を有している自衛隊OBの方を本市の職員としてお迎えすることは非常に有効であると考えております。 本市において,自衛隊OBの方を採用した際には,市全体の訓練計画の策定支援及び長期浸水地域での救助・救出計画の策定並びに自衛隊を初めとした消防,警察などの救助関係機関との連絡調整業務を担っていただくとともに,地域における避難訓練の指導,そしてフィールドワークに参加をしていただくことを想定しております。 このため,現在,退職自衛官の窓口となります自衛隊高知地方協力本部に対しまして,本市で想定している業務内容をお伝えした上で,人選をお願いしておりまして,候補者の推薦をいただきましたら,面接を行いながら具体的な雇用条件並びに任用時期等について協議を行いまして,早期の採用を目指してまいりたいと考えております。
○副議長(長尾和明君) 弘瀬財務部長。
◎財務部長(弘瀬優君) 債権管理室を設置して以降,債権管理基本方針に掲げた課題にどのように取り組んできたのかという御質問にお答え申し上げます。 御質問のとおり,債権管理の課題として,専門職員の不足,債権管理への認識不足,回収ノウハウの不足,統一的な処理基準の未整備の4件の課題に対しまして,まず最初に統一的な処理基準を整備すべく,高知市の債権管理について,市長等の責務,強制執行,徴収停止,債権放棄などについて,一般的な基準,その他必要な事項を定めました高知市債権管理条例と同施行規則の制定に取り組み,実際の事務の流れを詳細に説明した高知市債権管理マニュアルを作成いたしました。 それらをもとに,債権管理室が各所管課に対して,定期的なヒアリングや随時の助言などを行い,各所管課は実際の債権回収に向けた取り組みを数多く経験する中で,回収ノウハウの不足は補われ,適正な債権管理を行うことの意義や必要性を徐々に認識されていっているものと考えております。 専門で従事する職員の不足につきましては,債権管理室が窓口対応や自宅訪問などの支援,強制執行へ向けて,裁判所への提出書類のアドバイスなどにより,債権所管課の担当者が専門性を身につけるための支援も行っており,課題は一定克服されつつあると考えております。 次に,未収金の徴収率引き上げに向け,どのような努力が行われたのかという御質問について,お答え申し上げます。 本市における未収金につきましては,今まで多くの所管課において,債権回収に関する具体的な目標数値の設定や方策等を盛り込んだ事業計画を策定しておりませんでした。 そういった状況を解消すべく,平成27年度からの取り組みといたしまして,未収金を所管する全ての部署に債権回収に向けた目標金額の設定や具体的な徴収方法等の方策を含む年間計画の作成に取り組んでいただいております。 また,財務部長を委員長といたしまして,高知市収納対策推進会議を新たに立ち上げ,各所管課長に参加いただき,年間4回開催し,各所管課が策定した年間計画の内容や目標数値に対する進捗状況等を報告していただくとともに,財務部からも適宜,助言などを行いながら,各部局が徴収率向上に取り組んでいただいた結果,未収金額の対前年度比約3億円の削減につながったものと考えております。
○副議長(長尾和明君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 福祉避難所等の御質問に順次お答えをいたします。 福祉避難所でございますが,本市の指定状況は,御質問にもありましたように,本市が所管する公共施設8施設と
特別養護老人ホームや介護老人保健施設など高齢者支援施設等の25の民間施設と協定を締結し,現在,合計で33施設を指定しております。 また,福祉避難所ではありませんが,本年3月,高知市旅館ホテル協同組合と締結をいたしました大規模災害時における避難所としての施設の使用及び救援物資の提供に関する協定に基づきまして,高齢者や妊婦の皆さんなど要配慮者について,同組合加盟の宿泊施設を避難所として利用できるようお願いをしているところでございます。 本市におきましては,長期浸水の課題もあり,避難者の数が多くなること,また避難生活が長期化することも想定されていますので,配慮が必要な方々に対する福祉避難所の重要性は,特に重要な課題となってまいります。 御指摘のとおり,既に指定をしている施設の中には,長期浸水区域に含まれる施設もありますので,今後も指定の促進を図っていかなければならないと考えており,現在,複数の施設と協定締結に向け,協議を継続しております。 一方で,福祉避難所の運営に当たりましては,専門性の必要なこともありますので,支援者の確保が課題ということや,広域的に避難をする場合の移送の手段など,多くの課題も上げられております。 これらの課題解決が必要となり,福祉避難所に関する県市連携協議の中でも,まずは指定の促進と運営に当たっての機能強化を図る必要があるとされていますので,これらの取り組みを進めるとともに,その中で,それぞれの課題の洗い出しを行いながら,周辺市町村との連携のあり方や広域的な避難の仕組みづくりについても協議をしてまいりたいと考えております。 次に,熊本地震における保健師活動から見えてきた課題についてお答えをいたします。 高知県の保健師活動チームの一員として,本市の保健師が5月15日から21日までの間,熊本県南阿蘇村に派遣を行っています。 活動内容については,庁内の研修等でも報告をしてもらったところですが,派遣が1カ月を経過した時期であったことや,活動場所も福祉避難所ではなく一般の避難所であったことから,要配慮者対策に限ったものではありませんが,幾つかの課題が報告をされています。 保健活動全般については,村としての判断や方針が支援チームに十分伝わってこなかったということで,活動方針など被災自治体が判断,決定をし,支援チームに伝える指揮命令系統が不十分であったことが報告をされています。 また,避難所運営についても,責任者が不明確で,本市が派遣をした保健師なんかの活動で得た要配慮者の健康情報や心のケアや歯科等の他の健康支援チームの情報の集約を誰が行うかなどの役割が明確になっておらず,どこまで避難所職員に伝えてよいか迷ったということもありまして,役割分担や責任者の明確化も課題として上げられています。 次に,避難所の食生活の面では,被災1カ月目の時点でも,ほとんどの避難所がお弁当ということで,一部ボランティアによる炊き出しが行われていたということですが,栄養バランスは十分とは言えず,特に高齢者など,おかゆなどやわらかいものでないと食べられない避難者にとっては,お弁当の御飯がかたくて食べられないといった方もおいでたようです。 乳幼児についても同様で,支援物資に離乳食やおかゆ,介護食があれば利用するといった状況で,個別の細やかな対応までには至っていなかったというところでございます。 また,このほかにも,膝が悪く和式トイレが使えない方が,和式トイレしかない建物でずっと避難生活をされているケースもあり,配慮の必要な方への支援は十分でなかったことも報告をされています。 全体的な印象といたしましては,自治体における災害対応のマニュアル作成,それに基づく訓練など,事前対策が十分であったのかどうかというところが考えられまして,いざというときに,職員がどういった対応をすべきかということも不十分であったのではないかというふうに考えております。 本市としては,今回の熊本地震における保健師活動から見えてきた課題をもとに,平常時の準備であったり,被災時にどういった対応をすべきかという検討を十分に行いながら,各種マニュアルの充実やマニュアルに基づく実践的な訓練など,熊本地震の災害教訓を十分に生かした,本市の避難対策,要配慮者対策に取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(長尾和明君) 山川こども未来部長。
◎こども未来部長(山川瑞代君) 子育て支援に関し,まず子育てサークル・集いの場支援事業の進捗状況等について,お答えいたします。 この事業は,地域の中で子育て支援を目的とした,多世代交流の子育て集いの場を設置し,子育て世帯のより身近な環境で顔見知りをふやし,子育て世帯の孤立化を防ぎ,多様な子育てを支援する仕組みづくりを推進するものです。 この集いの場としましては,地域の民生委員児童委員協議会や社会福祉協議会等の皆様方が,自主的に運営していただいております子育てサロンがあります。 子育てサロンは,高須や秦を初め,現在,市内9カ所で行われており,このうち2カ所は本年度に新設されたものです。 将来的には,各小学校区に少なくても1カ所以上の多世代が交流する子育て集いの場の設置を目指しており,その形態は,子育てサロン以外にも高齢者の活動をベースにした交流の場や親子を対象とした活動を行っている子育てサークルなど,さまざまな形態を想定して取り組んでいます。 引き続き,高知市社会福祉協議会や民生委員,児童委員の皆様などと情報共有し,地域の皆様の御協力をいただきながら推進してまいりたいと考えております。 次に,赤ちゃんの駅事業に関する御質問にお答えいたします。 赤ちゃんの駅は,板橋区の区立保育園の保育士が外出した保護者が困っている様子を見て,区の公共施設に自由に使える赤ちゃんのスペースの設置を提案したのが始まりとお聞きしています。 その後,公共だけでなく,民間におきましても,可能な範囲ですぐに取り組める子育て支援策として取り組みが進んでいます。 各自治体での取り組み内容につきましてもさまざまで,パーティション等により区切られた授乳またはおむつがえの場を提供することのできる店を赤ちゃんの駅として認定し,自治体のホームページ等で市民に広報するところや,防府市のように,授乳やおむつがえのスペースを新たに整備する民間の商業施設等に対し,一定金額を補助する自治体もございます。 ただ,こういった補助を行っている市町村は全国的にも少ない状況となっています。 高知県におきましては,施設整備に対する補助は行っておりませんが,御紹介いただきましたように,割引サービスやおむつがえスペースの提供といった,さまざまな店舗ごとのサービスを表記した,こうち子育て応援の店ガイドブックを作成し,各事業所や市町村窓口に広く配布することにより,小さな子供連れの親子が買い物など,商店街などに外出をしやすくする取り組みを進めています。 本市におきましても,高知県の先進的な取り組みや他都市の状況などから,施設整備に対する補助制度の実施は予定しておりませんが,高知県のガイドブックで示されているように,現在でも市内の多くの店で授乳やおむつがえのスペースなどが整備されておりますので,これを広く周知することが重要だと考えます。 高知県とさらに連携し,こうした店舗をふやしていくとともに,こうち子育て応援の店を市窓口やホームページ,地域子育て支援センターなどで広報し,市民への認知度を高めていくことで,子育て家庭にとって安心して暮らすことのできるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
○副議長(長尾和明君) 中澤商工観光部長。
◎商工観光部長(中澤慎二君) インバウンド観光に関する御質問にお答えします。 まず,サイン等の多言語化についての御質問です。 これまで市内14カ所の歴史の道案内看板や中心街の誘導表示,また市内マップ,龍馬の生まれたまち記念館及び高知よさこい情報交流館の多言語化などに取り組んでまいりました。 しかしながら,本県を訪れた外国人観光客を対象としたアンケートでは,英語表示がなく,目的地にたどり着くのが難しかった,英語の解説がなかったなどの外国語表示等に関する案内機能の充実を望む御意見をいただいているところです。 観光案内などのサイン等の多言語化は,外国人観光客に本市での滞在を快適で安心,安全に楽しんでいただくために必要であると考えておりますが,整備には県や市などの行政だけでなく,宿泊施設や商店街など民間のさまざまな関係者とともに実施していく必要がありますので,それぞれ御理解を賜りながら連携して取り組んでまいりたいと考えております。 次に,外国客船の港での受け入れ体制に関する御質問にお答えします。 高知新港における客船等の受け入れについては,港湾整備などのハード対策と,寄港時におけるおもてなし対応などのソフト対策に取り組んでまいりました。 まず,ハード対策につきましては,これまでも国,県,市が連携して,堤防や岸壁などの整備を進めてきており,平成26年度に水深11メートルと12メートルで供用開始した高知新港の7-3岸壁,7-4岸壁では,昨年度に大型客船用の係船柱などを整備したことから,本年度,数多くの大型客船の寄港にもつながっているものと考えております。 本年度も6月下旬に,大型客船の寄港に対応できるバスヤードを整備し,年度末までには新たなトイレ棟も完成する予定となっております。 また,平成29年度以降の課題と考えていました客船ターミナルの整備につきましては,現在,県において検討がなされておりますが,具体化いたしますと,本市としましても連携して取り組んでまいります。 次に,ソフト面では,本年度から県,市が民間企業に委託し,客船寄港時の観光案内や特産品などの物販,振る舞い,中心市街地へのシャトルバスの運行,体験型の文化交流や岸壁の装飾などのおもてなし対策を実施しております。 中でも,土佐和紙のちぎり絵体験や芸者さんによる土佐のお座敷遊び体験のほか,この8月12日のよさこい祭り全国大会当日に寄港しました船に対しましては,本番そのままのよさこい踊りを披露するなど,昨年までにはなかった新たなおもてなしメニューを数多く実施し,船会社や乗船客の皆様から好評をいただきました。 今後も引き続き,ソフト対策の充実として,市民,県民を挙げてのおもてなし対応の拡大など,県,市,関係機関が連携して取り組んでまいります。
○副議長(長尾和明君) 門吉防災対策部長。
◎防災対策部長(門吉直人君) 南海地震対策について,御質問いただきました。 まず初めに,組織及び職員個々の災害対応力について,お答えいたします。 次の南海トラフ地震は,最大クラスの場合,最大で震度7に及ぶ強い揺れが3分間程度続いた後,最大では16メートルの津波が襲来し,浦戸湾周辺の多くの地域で地盤沈下による長期浸水が起こると想定されています。 御質問にございますとおり,職員が経験したことのない大規模な災害への対応力が必要となります。 現在,本市では災害対策本部の災害対応力向上を図るため,実践的なロールプレイング方式による図上訓練等を行うとともに,初動活動マニュアルの作成や研修などを通じて,職員一人一人の災害への意識啓発や対応力を高めるための取り組みを行っているところです。 また,地震発生後においても,本市で実施しなければならない業務を高いレベルで継続できる組織体制を確立するために,本年度,部局別の対策を含む高知市南海トラフ地震対策業務継続計画を策定いたしました。 今後は,毎年度,防災訓練等を通じて内容を検証するとともに,職員への周知を図り,より実践的なものにしていかなければならないと考えております。 ことし4月に発生しました熊本地震では,震度7の揺れが短期間に2度起こるなど,想定されていなかった事態が発生したため,熊本県内の多くの市町村が災害対策本部の初動体制におくれが生じ,避難所運営や支援物資受け入れなどのその後の災害対応に混乱が生じました。 応急対策活動の混乱は,復旧,復興や住民の生活再建のおくれにつながってまいりますので,今後とも速やかな情報収集や現場への指示,関連機関との連携など,より具体的な災害対応を見据えた訓練を実施し,組織及び職員の災害対応力の向上に努めてまいります。 次に,大学と連携した取り組みについて,お答えします。 本市では,ボランティア活動の一環として,家具転倒防止器具の取りつけ支援や啓発,地域での防災イベントにおける子供向けの防災コーナーの開設,また市民とつくる防災フォーラムでは避難所運営ゲーム,HUGの運営をしていただくなど,大学生と協働した取り組みを行ってきました。 今年度から新たな方策として,自主防災組織の活動活性化や地域防災活動の担い手の育成を図るため,県内大学の防災サークルなどが会員として参加する一般社団法人防災活動支援センターに対し,その活動の一部を支援する高知市地域防災活動担い手支援事業を創設いたしました。 この事業を活用して,7月には江ノ口小学校区で開催された防災イベントでは,大学生12名が派遣され,子供や高齢者までの幅広い多くの地域の皆様の参加があり,防災意識の啓発や新たな自主防災組織結成の契機になるなどの成果が見られました。 今年度はさらに,潮江中学校区及び防災連合組織が設立されたばかりの江陽小学校区の防災イベントなどに大学生が派遣される予定です。 今後,今年度の取り組みを検証しつつ,地域防災活動の担い手不足の解消や自主防災組織の結成,活性化に向けて,大学等と連携し,若い力の活用につなげてまいりたいと考えています。
○副議長(長尾和明君) 平田文彦議員。
◆(平田文彦君) それぞれ御答弁をいただきました。 それでは,2問を行いたいと思います。 最初に,農業施策についてです。 市長の答弁にもございましたが,毎年,市長建議として農業委員会より国,県に対して,本市農業のさらなる発展と課題解決に向けて,食料自給率の向上,また農業者の年金の保険料の補助の対象者拡大とか,実現に向けての要望が出されております。 ぜひ,山本代議士が大臣になった今,今まで以上の国,県への働きかけを要望しておきたいと思います。 次に,インバウンド観光に関連して申し上げます。 実は,高知新港にほど近い場所に,高知市唯一の海水浴場である,種崎の海水浴場と県立の千松公園があります。このエリアでは,海水浴を楽しむことはもちろんのこと,地域の夏祭りとかコンサートの開催もあり,地域ではとても大切な場所となっております。 今夏,実は海水浴場の来客の中に,客船のお客様も来られておりました。外国人の方が来られて,シャワールームということで取りつけさせていただいたシャワールームを使った後に,実はチップを出されまして,そこでおった者がちょっと困惑したという話もありましたが,高知新港への客船寄港が増加して,にぎわいをもたらしてくれている今,今こそ県市連携して,ぜひこのエリアの利活用促進について,地域の活性化につなげていきたいと思いますので,またこのことを要望しておきます。 また,防災で大学を巻き込んだということで,実は三里にも県立大学のイケあいということがありまして,そこの学生さん,今,卒業されましたが,消防団に現役で入られた方が,たしか2名だったかな,と思うんですが,それとか地域の運動会,今度また種崎地区で認知症のカフェをやるようになっていますが,そのときにもイケあいの学生,それとまた井上副市長もまた出場していただけるということで,ギリギリダンサーズということで,またよろしくお願いをいたしたいと思います。 それと,自衛隊のOBの採用,本当に前向きなお答えをいただきました。ありがとうございました。ぜひ実現に向け,よろしくお願いしたいと思います。 以上で,質問を全て終わります。
○副議長(長尾和明君) 竹内千賀子議員。 〔竹内千賀子君登壇〕
◆(竹内千賀子君) 市民クラブの竹内千賀子でございます。諸事情がございまして,マスクをしたまま失礼をいたします。 質問に入ります前に,去る7月15日,生涯をかけて人間の尊厳を求めて闘い続けてまいりました私ども部落解放同盟高知市協の森田益子常任顧問が91歳でその生涯を閉じました。葬儀に際しまして,竹村議長を初め議員の皆様には,御丁重なる御厚志をいただきまして,まことにありがとうございました。 また,岡崎市長には,心のこもった追悼の辞をいただきました。ありがとうございました。 さらには,多くの高知市職員の皆様,職員OBの皆様に御会葬賜り,おかげさまで最期の見送りをすることができました。 森田顧問の死を悼んでいただきました全ての皆々様に心から感謝とお礼を申し上げます。ありがとうございました。 それでは,最近の人権,人間の尊厳を取り巻く社会状況について,幾つかお尋ねをいたします。 午前中,伊藤議員の質問にもございましたように,7月26日,相模原市の障害者施設で19人が刺殺され,26人が重軽傷を負わされた凄惨をきわめた事件は,日本中に大きな衝撃を与えました。 抵抗できない者を計画的に襲った容疑者の残忍な行為は,いかなる理由があっても許されることではありません。 犠牲になられた方々の恐怖,御家族,関係者の悲しみ,怒り,苦悩,心的外傷ははかり知れません。お亡くなりになられた方々の御冥福と,負傷された方々が一日も早く心身ともに回復されますようお祈り申し上げます。 事件のあった翌日に,DPI(障害者インターナショナル)日本会議は,ところどころ略して紹介いたしますが,障害者をあってはならない存在とする優生思想に基づく行為にほかならず,私たちDPI日本会議はここに強い怒りと深い悲しみを込めて,断固として優生思想と闘っていくことを改めて誓う。 近年,閉塞感が強まる中,障害者を初めとするマイノリティーに対するヘイトスピーチやヘイトクライムが引き起こされる社会状況の中で,今回の事件が起きたことを看過してはならない。 ヘイトスピーチ,ヘイトクライムを許さず,それらが引き起こされる社会状況を変革し,誰もが排除したりされたりしないインクルーシブな社会づくりを進めていくことが求められている。 私たちは,今回の事件にひるむことなく,障害者の生命と尊厳が守られ,さまざまな権利が行使できるように,インクルーシブ社会に向けた活動を一層強める決意であるとの抗議声明を出しています。 また,御自身が全盲と全聾である東大先端科学技術センターの福島智教授は,ヘイトクライムと優生思想の二重性が事件の本質の一つではないか。 ナチス・ドイツはこの思想に基づき,ユダヤ人を大量虐殺し,生きるに値しない命として知的障害者らも大量に抹殺をした。 ナチスだけの問題ではない。我が国では優生保護法が典型的だ。1996年に改正されるが,優生学的側面が完全に払拭されたとは言えない。 各国で頻発するテロはヘイトクライムで,優生思想は今も世界を覆う。これら2組の二重性を克服しない限り,私たちに未来はないだろうと語っています。 1948年に施行された優生保護法は,御存じだと思いますが,戦前の国民優生法よりひどいもので,ハンセン病や遺伝性以外の精神病なども本人の同意などなしで,不妊手術を行えるようにしました。まさに命の選別と差別を国が行うにひとしい法律でした。 1949年から1994年の間に,統計上だけでも本人の同意がないまま強制された不妊手術は1万6,500件も行われ,その70%が女性でした。 さらには,8月24日の新聞に,「福祉施設悲劇,民営化も一因」と題して,淑徳大の結城康博教授は,容疑者のような人物が福祉の現場で働いていたという事実から目を背けることもできないだろう。 川崎市の有料老人ホームで職員が高齢者をベランダから投げ落としたとされる事件も同じ構図と言えるのではないか。施設職員による虐待件数などを上げ,昨今,保育・福祉・介護現場では低賃金化に伴って深刻な人材不足と職員の資質が問われている。 しかし,その背景には,保育所や福祉施設において加速する民間委託化による経費節減の影響があることを忘れてはならない。安易な民営化が職員の質の低下につながっているという構造的な問題も見逃してはならないだろうと述べています。 また,この事件では,遺族の意向を重視し,犠牲者の匿名扱いが続いていることについて,さまざまな論議がされています。御遺族の真意は定かではありませんが,1つには,大きなショックと悲しみを受けた上に,実名を報道されると,その後どんな事態が起こるのかという不安があると思います。 そして,出自や障害を隠さず,日々苦悩し,自己との葛藤をしながら前向きに生きていく人がいる一方で,ひたすらそれらを隠して生きている人もいます。隠さなくては生きづらい差別社会が存在するからです。誰にも隠すことを責めることなどできません。責められるべきは,多様な価値を尊重しない日本の社会構造であると思います。 この事件は,社会に,行政に,また個人にも,障害者問題だけではなく,さまざまな課題を投げつけました。 そこで,お伺いいたします。 市長はこの事件に対して,どのような見解をお持ちでしょうか。 また,高知市は誠和園も民間委託をする方向ですが,この事件を受けて,行政として何をすべきか,お考えをお聞かせください。 そして,教育にも大きく関係することですので,教育長にも同じくお伺いをいたします。 次に,41年前に発覚した部落地名総監がまたもや販売されようとしています。 これは鳥取ループ・示現舎を名乗る,名前を隠すこともないのですが,Mといたします。Mが「全国部落調査 部落地名総監の原典 復刻版」と題した書籍をことし4月1日に発行,販売するという情報がインターネット上に掲載され,ネット通販のアマゾンで予約を開始したものです。 この全国部落調査は,財団法人中央融和事業協会が1935年,昭和10年ですが,に調査をし,翌年の1936年3月に刊行したもので,全国5,360カ所にも及ぶ部落の地名,間違いも多く存在しますが,世帯数,人口,主な職業,生活程度などが掲載されていることから,部落問題の基礎資料として扱われ,慎重の上にも十分な配慮が研究者の間ではなされています。 これが誰もが購入できる図書として販売されることは,部落地名総監差別事件と同様であり,しかも書店で購入されるような事態になれば,社会問題とも言える重大な人権侵犯事件です。 これまで部落問題を解決するために,国は1969年に同和対策事業特別措置法を制定し,以後33年にわたって同和地区の住環境の改善,教育の向上,職業の安定,福祉の増進,差別意識の克服などの諸事業に取り組み,一定の成果を上げてきました。 また,部落解放運動の歴史は,部落出身者に対する身元調査との闘いの歴史でもありました。実際大きな事件では,1967年の壬申戸籍事件,1975年の部落地名総鑑事件,2011年の戸籍等大量不正取得事件など,繰り返し部落出身者への差別,身元調査事件が発生してきました。 1975年に発覚した部落地名総鑑は,当時200社を超える大手企業や個人が購入し,結婚や就職時の身元調査に悪用するなど,部落差別を助長する極めて悪質な差別図書として,社会問題にまで発展しており,国会でも取り上げられた事件です。 当時の総理府総務長官は,差別を招来し,助長する悪質な差別文書だと断言し,総理府総務副長官と法務省を初め各省事務次官の連名で各都道府県知事などに宛て,住民への啓発や企業への指導を求める通達を出し,法務省は各法務局を通じて調査を行い,企業が購入した部落地名総鑑やチラシを回収し,焼却処分をするなどの対応を行いました。 この事件を教訓に,就職差別をなくするために,国は高卒者の統一応募用紙の作成や公正採用選考,人権啓発推進員の設置,企業の公正採用選考のための人権啓発研修などに取り組み,成果を上げてきました。 また,2000年には人権教育及び人権啓発の推進に関する法律を施行し,同和問題解決のための人権教育,啓発を推進し,全国の都道府県や市町村もこの法律に基づいて教育,啓発に取り組んでいます。 一方,現在でも市町村に対する同和地区の問い合わせ事件が報告されています。結婚相手が同和地区かどうか知りたい,土地を買って家を建てるつもりだが,近くに同和地区があるかどうか教えてほしい,問い合わせは電話だけではなく,役所の窓口に直接来る市民も少なくありません。 したがって,鳥取ループによる発行,販売は部落差別をよみがえらせ,助長させるものであり,長年にわたって取り組んできた解放同盟はもとより,地方自治体やその他多くの人たちの努力とその成果を台なしにする許されない行為です。 また,彼らはホームページで,全国部落調査の掲載を含む同和地区の所在地及び部落解放同盟の幹部の名前,住所,電話番号を掲載しています。 同和地区やその住民に対する差別意識が今なお根強く残っており,それを背景にした身元調査が続いている現状で,この全国部落調査復刻版の発行とホームページへの掲載は,部落差別の扇動以外の何物でもありません。 部落解放同盟中央本部は,示現舎の情報確認後,直ちにインターネット通販のアマゾンに予約販売の中止を要請,全国からの抗議もあって,アマゾンは2月10日に販売予約を中止しました。 また,大手の出版流通業者に書籍を取り扱わないように要請し,業界も取り扱わないとの回答をしました。 一方,法務省との話し合いを行い,迅速な対応を求めると同時に,個人情報保護委員会にも法的な規制を求めました。 また,3月8日には鳥取ループ・示現舎のMと直接話し合いを持ち,この販売をやめること,同和Wikiや差別情報を掲載しているホームページは閉鎖することを要請しましたが,話がかみ合わず,平行線で終わりました。 その後,Mがあくまでも出版計画を断念しないことから,4月1日の予約販売の出版差しとめと同和地区の地名リストなどをネット上に掲載したMのウエブサイトについて,横浜地裁と横浜地裁相模原支部にそれぞれ提訴し,横浜地裁は3月28日に出版や販売を禁止する仮処分を決定し,相模原支部は4月18日,サイトを削除するよう命じる仮処分を決定しました。 しかしながら,2度の仮処分決定にも全く従わず,いまだに同和Wikiで,全国部落調査・部落地名総鑑の原典と題して,全国部落調査に掲載されている同和地区の所在地,部落名等に現在の地名を加えて掲載するなど,挑発的な態度をとり続けており,全くの野放し状態にあります。 このため,4月19日解放同盟と同盟員211人が原告となり,示現舎と経営者2人を東京地裁に提訴いたしました。 弁護団は,2回の仮処分決定が速やかに裁判所から認められている。これは被告らがやっている行為が社会的に容認できないということから,速やかに仮処分の決定を出してくれたと評価している。部落差別をさらに助長,拡大させないために,本訴は重要な意味を持っていると強調しています。7月5日には第1回口頭弁論が開かれました。 今後,裁判により差別部落の所在地一覧を含むこうした部落リストは,表現の自由や出版の自由によって保護されるべき範疇を超えており,また表現の自由の濫用であって,法的保護に値しないことが証明され,彼らの行為が許されない差別行為であることが断罪されるだろうと思います。また,司法の良識が問われる裁判でもあります。 岡崎市長は今から11年前に,高知市人権教育・啓発推進基本計画を発行するに当たって,行政のあらゆる施策の根底には,人権尊重の理念が必要であり,この基本計画は国の人権施策に関する法律や計画に基づき,地方公共団体の責務を果たすべく作成したものであり,高知市の行う人権施策の基本的指針となるものと強調されています。 この事件について,同和問題を重要課題として位置づけ,問題解決のために取り組んでこられた行政の長としての見解をお伺いいたします。 また,示現舎が発信している全国部落調査には,当然ながら高知市の被差別部落も掲載されているわけですが,どのような対応をされるのでしょうか,お伺いをいたします。 去る6月9日,10日には,高知市の御協力も得て部落解放・人権西日本夏期講座が開催されました。 第2日目のA会場,オレンジホールにおいて,県内外合わせて1,100人余りが参加している中で,在日朝鮮人と被差別部落出身者に対して,差別発言が行われたことはお聞き及びだと思います。 時間がありませんので詳しいことは省きますが,あらゆる差別の撤廃と基本的人権の確立を目指す講座の場において,差別発言が行われたのは非常に残念です。 以上述べましたように,格差拡大社会が大きく進展し,新たな貧困が社会問題化しており,閉塞感が強まる中,人権が軽んじられ,人間の尊厳が脅かされる悪質な事件が多発するようになっていることから,罰則規定,差別禁止規定のある,人権侵害を救済する法整備が急がれると思います。 国は,障害者差別解消法,ヘイトスピーチ解消法,部落差別解消推進法等々,それぞれの人権課題について個別に成立,施行,または成立を目指しています。不十分な内容ではありますが,差別は社会悪という世論形成の第一歩になると思います。 一方,現代社会におきましては,少子・高齢化が進むとともに,価値観の多様化も進み,多様性を尊重するというダイバーシティー社会の実現を目指さなければならないと言われております。 多様性を尊重するということは,個々人の違いを認め,受け入れる,あるいは違いというものに価値を見つけるということですので,まさしく人権尊重と相通じることです。 個々人の違いが受け入れられるということは,その人がその人らしく暮らせるまちづくりにつながるものであり,市長が提案されております安全・安心のまちづくりにおいても,重要なポイントになるのではないかと考えます。これらのことが,行政において,人権施策を積極的に推進していかなければならない大きな意義の一つであろうと思います。 このような社会状況を考えるとき,高知市におきましても,国のように人権課題別ではなく,人権尊重の社会づくりを目指した高知市人権条例なるものが必要だと思いますが,御所見をお伺いいたします。 2009年6月時点で,県等を含め1,852の自治体中427の自治体で人権条例が制定されていますが,人権侵害救済の問題,報道の自由,言論の自由等との兼ね合いなど,クリアすべき課題も多いことから,これらのことも含めまして,制定に向けた研究,検討をしていくことが重要ではないかと思いますが,あわせて御所見をお伺いいたします。 次に,部落差別の解消の推進に関する法律案,いわゆる部落差別解消推進法案について,お伺いをいたします。 この法案につきましては,さきの通常国会において,自民,公明,民進の3党による議員立法として提案され,継続審議となっていますが,次期国会において成立する見通しとなっております。 法案は,罰則や禁止規定もなく,理念法としての位置づけになっていますが,人権救済に向けての重要な一里塚になるのではないかと期待しているところであり,国,地方を含めた行政の誠実な対応を望むものです。 法案では特に,現在もなお部落差別が存在するとともに,情報化の進展に伴って,部落差別に関する状況の変化が生じていることを踏まえとあり,部落差別が現存することを認めた上で,国及び地方公共団体の責務として,部落差別の解消に関する施策を講ずることが規定されております。 さらには,具体的施策として,部落差別に関する相談体制の充実,教育及び啓発の実施,部落差別の実態に係る調査の実施の3つが規定されており,高知市にもこれらの対応が求められると思います。 そこで,幾つか質問いたします。 まず,部落問題に関するこれまでの取り組みですが,1996年の地対協意見具申にもありますように,問題解決に向けては,住環境の整備等,一定の前進はあったものの,啓発や教育,就労といった面においては,まだまだ課題が残っているとされております。 高知市として,残された課題について,啓発,教育,就労などの課題別において,具体的にどのように把握されていますでしょうか。もし十分把握できていないということであれば,今後どのようにしていくおつもりなのかをお伺いいたします。 高知市では,同和対策関連事業の見直しが3年ごとに行われておりますが,これまでの事業を廃止するか継続するかの視点だけになっているように思います。 現在の残された課題を具体的に整理し,その課題解決に向けて,一般対策の中でどう対応していくのかといった新たな視点も必要なのではないかと感じております。 こういったことを現実の施策として企画,立案,実施していくことが,今回の法律案でも規定されている地方公共団体の責務を果たすことになるのではないかと考えますが,御所見をお伺いいたします。 特に2002年3月末の特別措置法の完全失効以降におきましては,地域における現状と課題の把握,それに基づく新たな施策展開といった面が非常に弱かったのではないかと思います。 そういった意味では,新たな法律が施行されようとしているのを契機に,これまでの施策のあり方を総括し,地域の実態と残された課題を整理するとともに,それに基づく課題解決に向けたより効果的な取り組みが必要ではないかと思いますが,御所見をお伺いいたします。 次に,市民会館についてお伺いいたします。 市民会館につきましては,これまでも格差社会がまだまだ拡大していく中で,福祉と人権のまちづくり拠点として重要な施設であり,隣保館機能として,相談支援機能や地域の実態把握に関する機能などの充実を繰り返し訴えてきたところです。 こうした中,新しい法律が施行されれば,相談体制の充実,教育,啓発,実態調査といった具体的施策を実施しなければならないことから,ますますその存在意義が高まるのではないかと思っております。 そこでまず,新たな法律案が成立することを踏まえながらも,隣保館である市民会館が市政全体において,どのような位置づけとなり,どのような役割を担っていくべきなのか,再度お伺いしておきます。 次に,隣保館としての機能強化につきましては,一人館の弱点を補いながら,地域の実態把握や相談支援の強化を図るため,朝倉の3館でモデル的に試行を行ったとお聞きしておりますが,今回の試行において判明したその効果と問題点は何であったのかをまずお伺いします。 また,判明した問題点等を解消し,機能をさらに強化していくために,どのように対応していこうとされているのか,あわせてお伺いをいたします。 地域の実態把握や相談支援を中核業務とする隣保館の運営については,人ということがキーポイントになると考えます。 国の隣保館運営費補助金の基準が人件費に対応していることからも,このことが言えるのではないでしょうか。人が重要であるということは,数はもちろんですが,質が大切であることは言うまでもありません。 最近では,同和問題に関して,その歴史や行政における経過などが十分引き継ぎされていないことなどから,同和問題の本質を理解できていない職員も多くなっています。 また,市民会館においても,一部を除いて職員の異動サイクルが早くなっていることなどから,相談支援なども含め,そのノウハウや知識などが継承,蓄積されていかない状況も見られるところです。 そこで,隣保館としての機能を十分に発揮していくために,市民会館運営に関し,人についての課題は何なのかをお伺いします。課題については,質,量の両面からお答え願います。 また,その課題に対しての解決に向けた取り組みとして,どのようなことを実施しているのか,あるいはしようとしているのかをお伺いいたします。 特に相談支援については,専門的なスキルも必要なことから,館長も含めた館職員に対する研修が重要となりますが,どのような研修をどれくらい実施しているのかをお伺いいたします。 これで,1問を終わります。
○副議長(長尾和明君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問に順次お答えを申し上げます。 まずは,去る7月15日にお亡くなりになりました,市政功労者でもございました故森田益子様のみたまに対しまして謹んで哀悼の意をささげたいと思います。 まず,御質問の1点目ですけれども,相模原市の障害者施設の殺傷事件について,お答えを申し上げます。 津久井やまゆり園での殺傷事件でございますが,被害に遭われました,また亡くなられました方々に心からの哀悼の意をささげますとともに,負傷されました方々や御家族や関係者の皆様方に改めましてお見舞いを申し上げます。 また,余り広くは報道されておられませんけれども,今回の事件の中では,同僚である職員が強制されてずっと同行しておりますので,その職員の方の精神的な苦痛も非常に大きいものがあるというふうに考えるところでございます。 そういう意味で,こういう惨劇はあってはならず,強い憤りを覚えております。 この事件自体は,今後の容疑者の取り調べ,また裁判でのさまざまな検証を待たなければいけませんけれども,このような優生思想を持っている人々が現に存在し,また社会に与える影響についても強く懸念をしているところでございます。 他者を認めず,他者を排除しようとするこのような思想は,人間の尊厳や基本的人権にかかわる重要な人権問題であると考えております。 障害者への偏見による差別問題のみならず,これからの施設のセキュリティー管理の問題など,さまざまなことを考えさせられる痛ましい事件でありまして,社会はさまざまな人々で成り立っているという現状や,また障害者の方々や子供,高齢者,女性,外国人など,それぞれの多様性があって,お互いに認め合い,支え合っているという社会が非常に重要であるということを改めて強く感じたところでもございます。 ことし4月,障害者差別解消法や5月のヘイトスピーチ対策法が成立した後に発生をした事件であり,社会へ与える影響も非常に大きなものがございますので,我々も高知市として一層の人権啓発や,また人権教育を通じて,さまざまな差別問題の解消に向けて,取り組む必要性を改めて強く決意しているところでございます。 関連しますけれども,誠和園の民間委託に関する御質問にお答えを申し上げます。 この事件を受けて,現在,民営化を進めている誠和園についての御質問についての御答弁を申し上げます。 誠和園につきましては,身体上,精神上の障害があるために,日常生活を営むことが困難な要保護者の方々の入所施設としまして,開園以来,多くの皆様方からの御支援を賜り,通所事業や居住生活訓練事業,一時入所事業など,全国に先駆けて取り組んだ事業などもございまして,地域の皆様や関係機関の御協力もいただきながら,いわゆる最後のセーフティーネットの施設としての役割を果たしてまいりました。 入居者や利用者の方々の立場に立ち,個人の尊厳と自立を重んじて取り組んできた,この歴史ある誠和園でございまして,これまで取り組んできました個人の尊厳や自立という一番大切な部分につきましては,運営主体がかわることがありましても,しっかりと引き継いでいかなければならないと考えております。 現在,民営化に向けた作業を進めているところでございますが,民営に移行した場合でも,これまで築いてまいりました誠和園の運営の理念や質を担保していくことが重要であり,事業者の選定に当たりましては,法人の経営理念及び方針が救護施設の運営者としてふさわしいものであるかどうか,しっかりと審査をしてまいりたいと考えております。 さらに,地域住民の皆様との交流や,地域に根差した活動ができるかどうか,また共生社会の実現に向けて,地域活動を行うことができるかどうかという点につきましても,事業者に求めてまいりたいと考えておりまして,救護施設に対します地域住民の皆様方の理解を深め,地域による見守りの高まりも期待ができる施設運営につながっていくという基準で,しっかりと審査をしてまいりたいと考えております。 今般の非常に胸が痛む事件を受けまして,この秋ぐらいには,救護施設を含めます障害者施設などの防犯対策について,国からガイドラインが示される予定となっております。 この国から示されるガイドライン等の状況も,さらに事業者選定の過程でも確認をしていくとともに,高知市におきましては,この救護施設の施設運営におけます指導監督の権限は高知市に残りますので,誠和園が民営化になりましても,入居者の方々が安心して生活が送れるように,我々としましても,指導監督権限を持つ行政として,しっかりとその責任を果たしてまいりたいと考えております。 次に,示現舎の部落地名総鑑の問題についての御質問にお答えを申し上げます。 昭和40年の同和対策審議会答申以来,同和問題の解決を本市の重要課題とも位置づけまして,ハード,ソフトの両面からさまざまな取り組みを推進し,この同和対策特別措置法の終了後の現在でも,人権施策の一般対策の中で,さまざまな施策を継続して取り組んでいるところでございます。 今回の部落地名総鑑の発行・販売問題は,人権侵害につながる情報ということで,過去にもこれは取りやめというところで,大変な課題になったわけでございますが,特に現時点ではネットがございますので,いろんな情報がネット上で急速に拡散していくということを考えますと,差別意識を助長するおそれがさらに高くなっているということで,長年の人権教育や人権啓発の全国の取り組みをも踏みにじる許しがたい行為であるというふうに考えております。 差別意識の問題が同和問題の残された最後の壁と言われており,この意識の問題の壁の厚さを改めて認識し,同和問題の解決に向けて,決意を新たにしているところでもございます。 御質問の全国部落調査への対応ですけれども,インターネット上での示現舎の今後の動向につきましては,当然注視をしてまいりますし,裁判の動向につきましても非常に注視をしていく必要があります。 インターネット上に氾濫をする差別的情報の課題につきましては,ネット環境の拡大によりまして,全てを直ちに遮断するということは難しい点もございますけれども,こういう情報に惑わされることのないように,一人一人が正しい知識と認識を持って,人権尊重の社会づくりを目指していくためにも,さらなる人権教育や人権啓発を一層進めていく必要があると考えております。 続きまして,関連します人権条例に関しての御質問にお答えを申し上げます。 高知市では,現在,人権条例そのものは制定しておりませんけれども,平成17年に,御質問にありました高知市人権教育・啓発推進基本計画を策定しております。 この基本計画の基本理念は,一人一人が基本的人権を享有するという社会の一員であることを認識し,人権意識を身につけ,常に相手の立場に立った行動ができる豊かな人間性を育み,人権尊重という普遍的文化の創造を目指すということをうたっております。 この基本計画では,国の定めております人権教育・啓発に関する基本計画,これは国ですけれども,これをもとにしまして,高知市で実施をする,さまざまな人権に関する施策の基本指針となっておりまして,人権尊重の社会づくりを目指すということが大きな目的となっております。 この計画を具体的に実施するための実行計画,実施計画をそれぞれつくっておりまして,昨年度に高知市人権教育・啓発推進実施計画,これが平成27年度から32年度までの6カ年計画ということになっておりますので,その具体的な計画を策定しまして,LGBTやヘイトスピーチなどの最近の人権課題も,この中で対応するということにしております。 高知市では,この基本計画と実施計画に基づきまして,いろんな場で人権教育や啓発の推進を進めていくということにしておりまして,相互の情報交換につきましては,人権施策推進本部において,全部局の連絡調整を行いながら,県や関係機関とも協議等を行って,人権にかかわる課題解決に向けた,連携の強化と情報収集に努めております。 この基本計画と,そして実施計画につきましては,県が定めております高知県人権尊重の社会づくり条例の趣旨にも沿ったものでございまして,現在,高知市単独での条例の制定というところまでは考えておりませんけれども,この臨時国会で成立が予定をされております新しい法律の制定の動きや,またその法律制定後の国の動き等の状況等を見きわめながら,情報収集に努め,より効果的な取り組みが行われるように検討してまいりたいと考えております。 なお,所管でございます法務省や厚生労働省との意見交換も十分してまいりたいというふうに考えております。 この新しい法律の中でもございますけれども,これまでの施策のあり方という関連につきまして,御質問にお答え申し上げたいと思います。 部落差別解消法案がこの臨時国会で成立,施行された場合に,高知市におけますこれまでの取り組みを総括し,人権施策推進本部におきまして,地域の実態や今後の取り組むべき課題等を整理していく必要があるというふうに考えております。 法律の中身を見ましても,過去の実施の状況や,また実態の調査等を行うという趣旨の文言が入っておりますので,そういうことを踏まえながら,課題の整理をしてまいりたいと考えております。 将来に向けました高齢化や人口減少の対応を踏まえ,差別意識の解消や,教育や就労への取り組みのあり方,相談体制の充実など,地域の実情に即した課題の解決に向けまして,この法律の内容をさらに踏まえた上での検討を進めていく必要があると認識をしております。 その他の御質問の項目につきましては,副市長及び各担当部局長等からお答えを申し上げます。
○副議長(長尾和明君) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡章君) 人権問題について,2点の質問をいただきました。 まず最初に,啓発,教育,就労といった残された課題をどのように把握しているのか,また今後どのように対応していくのかということでございます。 平成8年の地対協意見具申において,同和問題の残された課題として,差別意識の解消,人権侵害による被害の救済等への対応,教育,就労,産業等の面でのなお存在している格差が上げられております。 本市におきましては,平成13年の特別措置法の失効後,平成14年2月に,当時の同和対策推進本部におきまして,残された課題解決に取り組み,差別や偏見のない地域社会の実現を目的とした同和対策関連事業について総括し,平成19年2月以降,人権施策推進本部において,3年ごとに同和問題における現状と課題の整理をしてきているところでございます。 御質問の啓発,教育に関する課題等につきましては,平成24年に高知県が行った人権に関する県民意識調査や高知市人権施策推進本部への差別事象の報告,そのほか最近ではインターネットなどの新たな形態で差別意識が表面化する事象などから,いまだに差別意識があると認識をしております。 こうしたことから,同和問題についての正しい認識と行動力を促すために,社会教育や学校教育の場での市民や児童・生徒への人権教育の取り組みは,依然として大変重要であるというふうに考えております。 今後も,人権施策としての人権教育,人権啓発の取り組みは,市民一人一人の人権が尊重される社会づくりを実現させるために,着実に推進していく必要があります。 また,高知市ではこれまで人権意識調査は実施してきておりませんでしたが,現在取り組んでおります高知市人権教育・啓発推進実施計画の次期改定に合わせまして,平成31年度には人権の意識調査を実施する予定としております。 次に,就労に関しましては,同和対策関連施策の見直しの際の地域の統計調査により,一定把握をしてきており,いまだ全市との比較において経済面等で低位な状態にあることから,今後も就労支援につながる取り組みを進めてまいらなければならないと考えております。 今後,啓発,教育,就労等の課題把握につきましては,部落差別解消法案の動向にも注視しながら,同法案に規定されている部落差別の実態に係る調査の指針によって,その調査方法等の具体的内容が明らかになるものと思われますことから,今後の解決に向けた取り組み等において,活用をしてまいりたいと考えております。 次に,部落差別解消法案で規定される予定の地方公共団体の責務についての御質問にお答え申し上げます。 昭和40年の同和対策審議会答申で示された,同和問題の解決は行政の責務であるとの基本認識を堅持し,行政の責務を果たすべく,現在も同和対策関連施策の見直しを実施し,残された課題の解決に向けて,人権啓発,人権教育,就労対策などの各施策に取り組んでいるところでございます。 平成17年に策定しました高知市人権教育・啓発推進基本計画におきましても,同和問題の残された課題である差別意識の解消に向けて,人権教育・啓発の取り組みを推進しております。 部落差別解消法案で規定されております地方公共団体の責務につきましては,今後の法の成立等の動向にも留意しながら,法案に定められております相談体制の充実や部落差別の実態に係る調査への対応など,国の具体的な方針も確認しながら課題の整理を行い,一般対策の中で,課題解決に向けた施策の検討を,今後,行ってまいりたいと考えております。
○副議長(長尾和明君)
神崎市民協働部長。
◎市民協働部長(神崎修君) 市民会館についての御質問にお答えをいたします。 まず,市民会館の位置づけについてでございます。 市民会館,いわゆる隣保館は,社会福祉法に基づき,隣保事業を行う社会福祉施設との位置づけがなされております。 また,厚生労働省より出されている隣保館設置運営要綱の中で,隣保館は地域社会全体の中で,福祉の向上や人権啓発の住民交流の拠点となる開かれたコミュニティセンターとして,生活上の各種相談事業や人権課題解決のための各種事業を総合的に行う施設として位置づけられ,今日に至っております。 本市の市民会館は,高知市立市民会館条例第1条において,社会福祉法に基づく事業を行い,基本的人権の尊重と人権・同和問題の速やかな解決に資するため,市民会館を設置すると規定し,国と同様の位置づけをいたしております。 これらの位置づけに基づきまして,相談事業や啓発活動を初め,住民相互の交流や支え合いに向けた,地域の実情に応じた事業等を進めていくことで,地域社会全体の中で,福祉の向上や人権啓発の住民交流の拠点としての役割を担っていくものと認識をいたしております。 次に,朝倉3館グループ化モデル事業の試行により判明した効果と問題点について,お答えをいたします。 このモデル事業は,市民会館の隣保館としての機能強化に向けて,現在の事業や体制等の課題を探り,今後の市民会館の運営に生かしていくために,本年の2月から実施をしたもので,8月下旬には朝倉3館の地元町内会等に対しまして,試行結果の報告もさせていただいたところです。 具体的には,朝倉3館での職員間の応援体制をつくり,午後の半日程度の時間に,地域内の単身高齢者世帯を中心に訪問を実施いたしました。 実際に訪問をいたしますと,生活課題を抱えている方も多く,生活支援相談センターや高齢者支援センターなどの関係機関と連携して支援につなぐことや,引き続き見守りが必要な世帯を発見することなどができ,市民会館の相談支援機能と地域の実態把握といったアウトリーチ機能の強化という面においては,効果があったものと考えております。 また,地域巡回をする中で,住民の方からも近隣住民の方の情報をいただいたり,訪問へのお手伝いをいただくなどの御協力もあり,地域の方々との信頼関係も深くなったのではないかと感じております。 一方,問題点につきましては,時間と人員に制約があることから,1日一,二件程度しか家庭訪問をすることができなかったこと,また職員の応援体制が脆弱であることや,より効果的な支援をしていくため,職員のソーシャルワーク面でのスキルの向上等が上げられます。 これらの問題点の解決のためには,現在も行っております朝倉3館グループ化モデル事業を継続し,引き続き地域巡回等を行うことで,生活課題のある世帯の把握や見守り等の支援の継続,関係支援機関等との連携強化を図っていくことが必要であるというふうに考えております。 また,朝倉3館以外の各市民会館におきましては,それぞれ状況に違いはあることも踏まえまして,モデル事業試行結果を参考にしながら,今後,人員の配置も含め,運営の効率化を検討し,隣保館としての相談機能とアウトリーチ機能の強化を図ってまいりたいというふうに考えております。 次に,市民会館運営に関し,人についての課題を質と量の両面からの御質問にお答えいたします。 先ほどのお答えと多少重複いたしますけれども,まず質に関しましては,望ましい職員の技能ということになりますが,これからの市民会館の相談機能やアウトリーチ機能の強化を考える上では,これらに適切に対応することのできるソーシャルワークに関するスキルや関係支援機関との連携を図ることのできる知識や一定の経験が必要であると考えております。 また,量の課題といたしましては,小型館においては一人体制ということで,日常は貸し館やデイサービス業務等に対応する必要がありますことから,社会調査事業のための地域巡回などが十分に行えていない状況となっております。 これらの課題解決への取り組みといたしましては,モデル事業での近隣館での応援体制や業務の見直し等の検証結果を踏まえまして,近隣館でのグループ化等,他の市民会館での運営に応用できるものはないか,検討もしてまいりたいというふうに考えております。 最後に,市民会館職員の研修についてでございます。 市民会館職員は,情報交換や研修等を行い,隣保館事業の充実を図ることを目的に高知ブロック隣保館連絡協議会という組織を結成しておりまして,毎月1回の市民会館館長会にあわせまして,高齢者福祉等の関係機関職員を講師に招いての研修会などを開催いたしております。 また,そのほか,関係機関の実施する研修会にも参加をすることなどで,研修を行っているところでございます。
○副議長(長尾和明君) 横田教育長。
◎教育長(横田寿生君) 相模原市での事件に関連し,御質問いただきましたので,お答え申し上げます。 今回の事件に接しまして大変心を痛めておりますとともに,強い憤りを覚えております。また同時に,このような事件がなぜ起きてしまったのか,二度と同じような事件が起こらないようにするためには,何を教訓として生かしていかなければならないのかが問われているのだと思っております。 今回の事件の背景には,人間の多様性を否定するという考えがあることが見てとれます。また,こうした考えが残念ながら日本の社会構造に潜在することを示唆しているものと受けとめております。 マイノリティーを排除し,その存在すらも否定するという構造は,子供たちの社会にも悪影響を与えるものです。 こうした現状は,基本的人権の尊重という最も崇高な理念が社会の閉塞感の中で,ないがしろにされてきた結果ではないかと考えます。 この事件は,一人の容疑者が起こした事件ではありますが,このような社会をつくり,多様な価値や命をとうとぶ心を彼の内面に育むことができなかった社会の一員である私たち一人一人がしっかりと受けとめなければならないと考えます。 教育には,人権が守られた明るい社会を実現させる責任と力があります。障害のある,なしということに関係なく,全ての人がともに生きる社会を実現するためにも,学校はどんな障害や病気,またさまざまな障害を持っている子供たちを排除することなく,ともに学ぶことができる場である必要がございます。 教育活動においては,子供たちがともに学びかかわる中で,人は一人一人違っていて当たり前で,その違いを知ろうと歩み寄り,尊重し合える仲間としてつながることができる取り組みや支援を進めていかなければなりません。 無知から生まれる排除や差別をなくするため,さまざまな人権課題に関して学び,考え,解決に向け行動できる力を身につけ,人権尊重の精神に徹することができる人間を育てる人権教育をこれまで以上に推進していかなければならないというふうに考えております。
○副議長(長尾和明君) 竹内千賀子議員。
◆(竹内千賀子君) それぞれお答えありがとうございました。 時間もなくなったのですが,1問で述べましたように,多くの行政,それから運動,たくさんの人々の努力と相反して,こうした公然と人権侵害が行われているというのが,今の社会であるということを認識しなければならないと私は思っております。 それから,人権条例なんですけれども,基本計画や実施計画とは違って,いわば高知市の人権に対する確固たる姿勢を紙面に示すものでもあると思うわけです。 本気で研究や制定に向けての御検討をいただきますことを重ねて要望いたしまして,私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(長尾和明君) この際暫時休憩いたします。 午後2時59分休憩 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 午後3時15分再開
○議長(竹村邦夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 清水おさむ議員。 〔清水おさむ君登壇〕
◆(清水おさむ君) 新風クラブの清水おさむでございます。 まず,防災・減災対策の推進について伺います。 東日本大震災を教訓として,平成23年度に創設された全国防災対策費及び緊急防災・減災事業債の仕組みは,おくれていた校舎耐震化や手つかずだった津波避難施設などのハード整備に適用でき,市民の生命と財産を守る対策を推進するには,非常に有効な制度となっていますが,残念ながら今年度末が期限となっています。 私たち新風クラブは,本市における地震・津波対策はいまだ道半ばとの認識のもと,緊急防災・減災事業債の制度恒久化などを趣旨とする防災・減災対策に対する財政支援の継続等を求める意見書議案を去る6月定例会に提出,同僚議員の御賛同をいただき,可決したところであり,翌7月14日,早速,私たちは県選出国会議員に高知市議会の全会一致の意思をお伝えし,協力要請を行ってきたところであります。 先月末,財務省は来年度予算の概算要求を締め切り,今後,政府内で本意見書の要望内容も含め,具体的な政策,施策が議論されていくことになります。 そこで,これまでの防災・減災ハード事業の総括と現状及び今後の課題を明らかにするとともに,緊急防災・減災事業債制度の必要性について議論したいと思います。 まず,平成23年度以降の防災・減災ハード整備事業の総括と現状及び今後の課題についてお聞きします。
○議長(竹村邦夫君) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡章君) 本市では,東日本大震災の発生以降,南海トラフ地震対策を市政における最重要課題として取り組んでまいりました。 特に,地震や地震による津波から,市民の皆様の命を守るための対策を最優先とし,津波避難施設の整備や学校施設の耐震化,消防署所の再編,新庁舎整備などのハード整備に精力的に取り組み,津波避難施設については,避難センター2棟,避難タワー9基,避難路240路線の整備が昨年度にはほぼ完了しております。 また,小中学校施設については,校舎の耐震化が昨年度末に完了し,体育館の耐震化につきましても本年度中に完了する予定であります。 緊急防災・減災事業債制度等を活用し,事業の前倒しも行いながら,スピード感を持った取り組みを進めてまいりました。 その結果,本市では地震,津波から市民の皆様の命を守るための施設や被災後の復旧・復興活動のかなめとなる施設等のハード整備については,仕上げの段階に入っていると認識をしております。 一方で,消防署所の再編を初め,上水道送水幹線二重化や斎場の火葬炉整備,公営住宅整備などについては,計画どおりに事業が進捗しているものの,完了までには一定の年数が必要とされることや,避難施設として位置づけられていない施設の耐震化や防災行政無線の整備,防災資機材等の整備なども進めていかなければならないことから,仕上げの段階に入ったとはいえ,依然として南海トラフ地震対策におけるハード対策を,今後も着実に進めていかなければならない状況にあります。 本市におきましては,これまで緊急防災・減災事業債を初め,国の社会資本整備総合交付金や県の支援制度などを活用しながら,ハード整備を進めてまいりましたから,仮にそうした支援制度がなくなりますと,順調に進めてきた事業の進捗に大きな影響を及ぼすことから,これまで以上に財源の確保が,今後,大きな課題となってまいります。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) この予算は,国全体では多いときに9,000億円を超えておりました。 もしこのまま行くと,それが来年は皆減ということになります。ただいまの御答弁のとおり,まだまだ十分とは言えないハード整備事業の財源となる緊急防災・減災事業債制度の必要性や,我々議会が意見書で指摘した制度の恒久化等について,全国市長会での議論内容も含め,市長の御所見を伺います。
○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 御質問の緊急防災・減災事業債については,東日本大震災を教訓といたしまして,津波浸水想定区域内にあります,緊急に整備が必要な防災・減災事業に対する財政措置としまして,平成23年11月に制度化されております。 この制度の概要を改めて申し上げますと,防災や減災に係ります地方単独事業に対して,充当率100%で起債を充当できるとともに,70%につきましては,後年度,地方交付税で措置されるという非常に有利な起債であり,期限つきではございますけれども,地震・津波対策を迅速かつ着実に実施していくためには,なくてはならない制度でございます。 国におきましては,東日本大震災後に創設をしました全国防災対策事業を平成28年度に廃止する予定でもございまして,この御質問の緊急防災・減災事業債につきましても,本年度限りで廃止を予定しております。 この2年で,約1兆円の防災関連の財政措置の削減をする見通しということになっておりまして,私どもが非常に憂慮する事態となっております。 このため,先ほどの6月議会でも全会一致で意見書を可決いただいております。 本市でも,制度創設の翌年度の平成24年度から全国市長会を通じまして,緊急防災・減災事業債の予算枠の増額などについて,国に毎年度要望を行ってきておりまして,今年度につきましても,来年度以降の緊急防災・減災事業債の制度の継続を現在,国に強く働きかけているところでございます。 5月23日に,国と地方の協議の場がございまして,地方六団体,これは全国市長会,全国市議会議長会もともに出席しておりますが,地方六団体の代表と国との協議の場がございまして,緊急防災・減災事業債の堅持と恒久化について要請をしております。 日本は北海道から沖縄の近海まで,地震,台風の自然災害から逃れることはできませんので,防災・減災事業債につきましては,恒久化の必要があると我々も強く認識をしておりますので,全国市長会を通じまして,現在も強く働きかけておりますが,市議会の御支援もさらに賜ってまいりたいと思いますので,どうかよろしくお願いを申し上げます。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) この要望は,国との交渉は年末までの数カ月間が勝負でございます。我々新風クラブも上京のたびに,県出身の国会議員にも接触してまいりたいと思いますので,市長のほうでもよろしくお願いをしたいと思います。 次に,平成27年度決算認定議案について伺います。 初めに,収益事業特別会計,競輪事業については,全国の競輪ファンの絶大なる御支援によって,平成27年度決算は5年連続の単年度黒字を確保するとともに,前年度比9億2,500万円余り,7.4%の増収,1億500万円余り,39.1%もの増益となっております。 その結果,累積赤字をあらわす繰り上げ充用額を前年度比3億7,400万円余り減らすことができ,累積赤字は59億7,800万円余りと,やっとやっと60億円を下回ることができました。 初当選から5年余り,本件に注目し続けた私としては,この決算は競輪事業関係者の大変な御努力の成果でもあると高く評価するとともに,敬意を表したいと思います。 累積赤字の解消に向けた道のりはまだまだ遠くはございますが,関係者の皆様には,今後ともたゆまぬ努力をお願いするところであります。 提案説明では本件について特にコメントがございませんでしたので,市長の御所見,競輪事業関係者への思い,今後の決意についてお聞きします。
○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 収益事業特別会計につきましては,御質問のとおり,平成27年度決算ベースで,約3億7,400万円の黒字ということになっておりまして,この黒字額につきましては,現在の競輪場となって以降,最高額を記録することができております。 累積赤字につきましては2種類ございまして,通常の経常的な運営による赤字と,平成14年に高知国体がございましたので,競輪場の建設費が入っておりますので,投資的経費が入っておる累積赤字ということになっております。 この累積赤字のうち,平成14年の高知国体での高知競輪場への投資的経費を除きました競輪事業の経常分の累積赤字につきましては,今回の黒字で解消するということができております。 全国的に売り上げが減少傾向にある中で,収益を上げることができましたのは,一昨年度下半期から導入しましたミッドナイト競輪を平成27年度は通年で開催をできたこと,また記念競輪やFⅠのレース等の普通開催についても目標以上の売上高を確保できたこと,また現場の努力によって,場外発売を積極的にふやしてきたこと,ガールズケイリンやモーニング競輪など,現在では一般的になりましたけれども,いち早く全国に先駆けて導入をしてきたということなどの努力が実を結んだものと考えております。 こうした成果を支えていただきましたファンの皆様や,また現場におけますそれぞれ職員や関係者の皆様方の努力にも感謝を申し上げます。 今後につきましては,ミッドナイトに参入してくる競輪場も増加し,競争が激しくなってきますし,全国的な売り上げの減少傾向はまだ続いておりますので,楽観視することはできません。 こうした中で,全国で初めてとなる取り組みでございますけれども,これまでモーニング競輪につきましては,FⅡのクラスでしかやっておりませんでしたけれども,もう一ランク上げまして,FⅠのクラスでモーニング競輪をことしの10月に開催をするということになっておりまして,全国に先駆けた取り組みということで,競輪関係者からも注目をされております。 古くからの競輪ファンはもちろんのことでございますけれども,ミッドナイト競輪を通じまして広がってまいりました,いわゆるネットユーザーという新しいお客様にも一層支持をいただけるように,インターネット放送を使った広告の掲出,広告を出すということですが,視聴者プレゼントなどの拡充など,お客様に喜んでいただけて,また売り上げにもつながるような取り組みも,今後とも進めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) たしか16年だったと思いますが,包括外部監査で,経常赤字は絶対に許されないという記述があったと思います。それが解消されたことは高く評価をしたいと思います。 私も会派の先輩議員の御指導をいただきながら,今後売り上げに協力していきたいと思います。 次に,本年3月定例会でも取り上げました高知市清掃工場廃棄物発電における余剰電力売り払い代金約1億8,000万円の未収問題について伺います。 本件については,同定例会で日本ロジテック協同組合を相手とする債権回収に関する訴訟手続議案を可決しております。 また,今定例会に上程されている平成27年度決算認定議案では,歳入の余剰電力売り払い収入の調定額は7億1,738万円ですが,決算では5億3,635万円,未収額は1億8,103万円となっております。 まず,3月定例会以降,今日までの債権回収に係る経過について,環境部長に説明を求めます。
○議長(竹村邦夫君) 黒田環境部長。
◎環境部長(黒田直稔君) 本市における本年3月定例会以降の債権回収に係る経過でございます。 まず,日本ロジテック協同組合に対し,余剰電力の売り払い料金の未納分約1億8,100万円余りと遅延損害金の支払いを求めて3月10日に議決をいただき,3月15日に高知地方裁判所に支払い請求の民事訴訟を提起しました。 4月19日に,第1回の口頭弁論が開かれる予定でしたが,その前の4月15日に日本ロジテック協同組合は東京地方裁判所に破産手続開始の申し立てを行い,即日,破産手続開始決定が出されたため,現在のところ民事訴訟は中断となっております。 また,民事訴訟とあわせまして,日本ロジテック協同組合に支払われる電気料金に係る債権の仮差し押さえの手続も行っておりまして,3月10日に高知地方裁判所に,本年2月,3月分の仮差し押さえの申し立てを行い,3月15日に確定しておりましたが,4月15日の破産手続開始決定により,現在のところ失効という形になっております。 日本ロジテック協同組合の破産手続に関しましては,負債総額は3月末現在で約163億円とのことでございまして,既に破産管財人として東京都の弁護士が選任され,現在も債権,債務等の調査が進められております。 本市は5月9日に,破産管財人と連絡をとりまして,日本ロジテック協同組合の関連会社へ資金等が流出しないよう,しっかりとした財産調査を行うことなどを要請しております。 また,本市は6月17日に,総額2億2,800万円余りの破産債権届け出書を作成し,破産管財人へ発送いたしました。 この破産債権の内訳としましては,電気料金の未納分1億8,100万円余りと破産手続開始決定までの遅延損害金420万円余り,さらに本年1月から3月の売り払い契約先変更に伴う電気料金単価の差損額4,300万円余りを加えた額となっております。 現段階におきましても,破産管財人による債権,債務の調査等が行われておりますが,9月26日には債権者集会が開催され,調査の状況報告等が行われる予定となっております。 本市としましては,債権者集会に出席しますとともに,本市と同様の状況にある他都市とも情報交換をしながら,債権回収に向けて関係する部署とも連携し,今後ともできる限りの対応を行ってまいります。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) 163億円がある,そのうち1億8,000万円ですので,ただいまの説明によると,非常に債権回収は厳しい,長期戦になるかもしれないという御認識でございました。 先ほどの平田議員の未収金の質問もありましたが,この債権の今後の管理は,どこがどのように行うのでしょうか。 また,最終的に回収不能と判断した場合の財政的な影響についても伺います。
○議長(竹村邦夫君) 黒田環境部長。
◎環境部長(黒田直稔君) 余剰電力売り払いに係る未納債権の今後の管理につきましては,事務の所管部署であります環境部の清掃工場が行ってまいりますが,これまでの債権回収に係る取り組みの中では,債権管理室など関係する部署の助言等を得ながら,連携して対応してまいりましたので,今後とも関係部署と連携して,債権者集会などに対応してまいりたいと考えております。 なお,最終的に破産管財人から各債権者に対しての配当が終了しますと,破産手続は終結をいたします。 本市に対しての配当時期や配当額といった具体的なことは現段階ではわかっておりませんが,破産手続が終了した時点で,仮に本市の未納債権が残っていたとしますと,残念ながら残りは回収不能となり,法令に従いまして不納欠損処理の事務を行う必要があるものと考えております。
○議長(竹村邦夫君) 弘瀬財務部長。
◎財務部長(弘瀬優君) 最終的に回収不能と判断した場合の財政的な影響について,お答えさせていただきます。 清掃工場の余剰電力売り払い収入につきましては,平成27年度予算額5億2,919万円に対し,入札を実施したことなどによりまして競争性が発揮され,調定額7億1,738万円と見込んでおりましたところ,収入金額5億3,635万円となったことから,歳入予算額を上回る収入はあったものの,約1億8,100万円の未収金が発生している状況となっております。 本債権における約1億8,100万円の未収金につきましては,平成27年度の決算収支へ既にその影響が織り込まれており,決算におきまして,市税や地方交付税等が予算を上回り確保できたことなどから,一般会計全体の決算として,今回の未収金の穴を埋めた形となっております。 また,本年度以降の財政収支見通し上におきましても,未収金回収による収入は見込んでおりませんので,仮に回収不能となった場合においても,財政的な影響は限定的な範囲にとどまるものと考えております。 今後につきましては,先ほど環境部長がお答えしましたように,財務部といたしましても,情報共有面で環境部と連携を図りながら,顧問弁護士や法務部門と相談した上で,可能な限り債権の回収に取り組んでまいります。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) ただいまの御答弁をお聞きしますと,毎年の決算認定議案の不納欠損欄を注意していかなければならないということであります。 それから,予算に対しては,プラスになっているということで,厳密的に言うと歳入欠陥ではないということで,不幸中の幸いといいますか,財政的な影響はほとんどないということですね。 実質的には,今後,債権の管理とか回収という問題に,この問題は移行していくのだろうと思いますが,一応私も業界人でございますので,ここであえて苦言を申し上げたいと思います。 先進諸国の中でエネルギー資源が極端に乏しい我が国のエネルギー自給率はわずか6%であり,1次エネルギーである石油やガスなどを産出国から長期的かつ安定的に確保することはもとより,国内で生産する2次エネルギーである電力の安定供給は,明治維新以降,一貫して国レベルの重要課題であり続けました。 一方で,電力事業の自由化も徐々に進められ,平成7年には独立系発電事業者による電力の卸供給事業への新規参入が認められ,平成12年からは電力小売市場への新規参入規制が撤廃され,以降段階的に需要側による,お客様側による小売会社の選択自由化が進み,本年4月からは全てのお客様に拡大されたところです。 本市は,政府が強力に進めるこれら一連の政策制度の中でプレーしていたのであり,清掃工場は,独立系発電事業者として新規参入した小売事業者に電力を卸売していたのであります。 すなわち,今回の約1億8,000万円の債権未収は,電力事業を行うプレーヤーは皆政府が認めた確かな事業体であるとの共通認識の中で起こったものであり,私は,これは事件ではなく,事故と呼んでも差し支えないと考えております。 厚生労働省は,労働災害や事故は不安全環境下で不安全行動をしている場合に起こると説明しています。 要するに赤信号で交差点に突っ込めば事故になるということなんですが,例外として,交差点内に誰もいない安全環境であれば,赤信号で交差点に突っ込んでも事故にならないのであります。 何を申し上げたいかというと,本市は民間ビジネスプレーヤーとして十分な知識も経験もなく,売電先の信用調査も行わない不安全行動をとっていましたが,売電先が信用できる相手だったので事故にはなりませんでした。 しかし,売電先を信用性不明の相手に変えた途端に不安全環境となり,事故に巻き込まれたのであります。 はっきり申し上げて,新しい市場である電力の卸売事業環境を発足早々,不安全な環境にさせた主原因は,国による新規参入小売事業者の認定制度にあったと私は考えますが,市長の御所見を伺います。
○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 電力自由化によります国の規制緩和によりまして,小売電気事業者が年々増加してまいりましたが,新規参入に当たりましては,平成27年度までは単なる届け出制であったことから,今回の事態を招いた主な要因である事業者の財務状況など,しっかりとした審査が国においてなされないままに事業に参入できる状況にあったということがございます。 こうした状況の中で,日本ロジテック協同組合の経営破綻が発生し,本市を初め同組合と売り払い契約をしていた多くの地方自治体が多額の未納債権を抱えることになりましたが,地方自治体が個別の小売電気事業者の経営状態まで詳細に把握するのは難しい面もあったというふうに考えます。 平成28年度からは,国の制度変更が行われまして,小売電気事業者の認定制度が届け出制から登録制となり,経済産業大臣による審査が実施をされることとなりましたが,市場規模の拡大による新規参入事業者の増大に対しまして,国においても事業者の財務状況などの審査を厳格化する方向で動いております。 この登録制への移行によりまして,参入事業者の財務状況等が国において審査されるようになり,小売電気事業者の信頼性は上がりました。 国に対しましては,今後とも全国都市清掃会議などの,これは市長会が属している部分ですが,全国都市清掃会議などの関係機関を通じまして,地方自治体に対しまして小売電気事業者の財務状況等の情報提供を的確に行っていただくよう強く求めていくとともに,高知市としましても,今回のことを反省しながら,二度とこういう事態を招かないように,リスク対応等の徹底を図ってまいりたいと考えております。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) このように国の責任は私としては明らかだと思いますし,私も憤りを感じておりますが,それはそれとして,納税者の代表としては,執行部が不安全行動をとっていた責任の所在を見過ごすわけにはまいりません。 私は市長に未収額を補填せよと言うつもりもありませんし,職員の皆さんの新たな業務へのチャレンジを否定するものでもありません。事実,随意契約時と比べ,売電入札を行ったことで収入増となっていることは評価しています。 しかし,市長を初め執行部は次のことを理解していたのかという疑問が解けないのであります。 それは政府が進める経済分野の構造改革や規制緩和は自由化と自己責任が原則であって,失敗というリスクがある。新制度を活用したり,新規参入をするには相当の慎重さが必要だということであります。 売電事業を手がけた清掃工場は,収集したごみを焼却処分し,その排熱を利用して発電を行うところであります。 そこで働く職員は,プラントを稼働させるスペシャリストではありますが,民間企業相手の自由市場で電力取引を行う商売人としては全くの素人であったはずです。 年商7億円もの商売をするに当たって,このような組織対応でよかったのかどうか。そして,約1億8,000万円の未収が生じた結果責任をどうされるのか,市長の御所見を伺います。
○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 余剰電力の売却につきましては,平成13年度の清掃工場の稼働時から,当初は四国電力との随意契約による売り払いを行ってまいりましたが,電力自由化の流れが起こってまいりましたので,特定規模電気事業者,PPSと呼ばれる民間事業者の市場参入がふえてきましたので,高知市におきましては,平成22年9月から,競争見積もりによる事業者選定に移行しております。 平成25年1月からは,さらに再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度,いわゆるFIT制度の移行に伴いまして,受託可能業者がさらに増加したことから,26年度からは一般競争入札による事業者選定を行ってまいりました。 競争性を発揮した平成22年度以降,余剰電力の売り払い収入は,それまでの約1億5,000万円から年々増加し続け,FIT制度に移行した25年度からは6億円を超える大きな収入源に育ってまいりました。 これら競争性を発揮した上で,5億円以上の増収があったところでございますけれども,御指摘のように,今回のような契約相手方の突然の事業撤退や,経営破綻による未収金の発生というリスクに対応する万全の防衛策までには至っていなかったことを今回の件を受けて反省をしております。 大きな商取引上の収益源に育ってきた反面,相手方の信用調査や債権保全のための担保措置などのリスク対応措置が万全でなかったことを今回の反省点の教訓としまして,清掃工場の余剰電力売り払い収入においては,未収金を相殺でき得る担保としての契約保証金の設定や相手方の信用調査,支払い遅延の際の速やかな契約解除条項などの設定など,リスクに向けた強化策を新年度の部分から契約として実施をしてまいりたいと考えております。 日本ロジテック協同組合の対応につきましては,昨年の9月の料金から,再度の支払い遅延が生じたことから,確認書に基づき,同様の未納の債権を抱える他都市に先駆けて契約解除を行い,未収金の拡大を抑える努力を行うなど,できる限りの対応はしてきたところでございますが,破綻の直前まで支払うということを相手が約束をしながら,それを果たさなかったということについては,強い憤りも感じております。 これは事件ではなくて事故ということでの御指摘をいただきましたが,国が強力に進めます電力の自由化の中で,届け出制とはいえ,国が受理した事業者が突然破綻に至るというところまでは,高知市としましても予想はつかなかったところであり,この点は御理解を賜りたいと考えております。 高知市としましては,債権回収に向けて,同様の状況にあります他都市とも連携しながら,可能な限りの対応を,今後とも図ってまいりたいと考えております。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) 市長からは,先ほどからおわびの言葉や反省の言葉があり,民間企業との取引の際のリスク管理等にも言及がございました。 本件については,再発防止が市長としての最大の責任のとり方ということで,私のほうは認識をしたいと思います。どれぐらい取れるかはわかりませんが,しっかり債権回収に努めていただきたいと思います。 次に,食肉センターのあり方について伺います。 本市を含む28市町村で構成する一部事務組合によって管理されている高知市海老ノ丸の高知県広域食肉センターにおいて,高知県中央食肉公社が行う屠畜事業は,平成13年度に赤字に転落,以降,毎年赤字となっています。 本件については,昨年12月定例会における我が会派の代表質問に対して,関係市町村とともに具体的な方向性を速やかに協議してまいりたいと答弁があり,今回,補正予算議案も上程されていることから,その後の取り組み等について伺います。 まず,事業の現況と今後の見通しについて,農林水産部長に伺います。
○議長(竹村邦夫君) 長岡農林水産部長。
◎農林水産部長(長岡諭君) 食肉センターにおける屠畜事業の現況につきましては,全国的な飼養頭数の減少に伴いまして処理頭数も減少しており,平成28年度の大動物の処理頭数見込みは2,160頭と,18年度の3,655頭と比べ約59.1%に減少することが見込まれております。 このため,処理手数料を主な収入源とする事業収入も大幅に減少し,その赤字は,約3,700万円となると見込まれております。 今後の見通しとしましては,和子牛の取引価格は8月に過去最高値を更新した状況等を踏まえますと,全国的な飼養頭数の減少傾向は今後も続くものと思われ,処理頭数の回復は厳しいものと考えられます。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) 40%の減ということでございまして,皆様も御存じのとおり,今回,補正予算が出ておりますが,昨年の9月にも,赤字補補填,追加補填の補正予算が出ております。半年ごとで言うと,四半期連続でどんどん計画より厳しくなっているということでございます。 本市はこれまで,屠畜事業の赤字を補填するため,一般会計から一部事務組合をトンネルして同公社に運営に係る財政支援をし続けており,その額は平成13年度から27年度までの決算合計で8,626万円余り,28年度も当初予算と今回の補正予算の合計で1,521万円余りとなっており,総額で1億円を超えております。 ということは,一部事務組合と公社との契約上の関係は,業務委託と理解してよろしいのでしょうか,農林水産部長に確認します。
○議長(竹村邦夫君) 長岡農林水産部長。
◎農林水産部長(長岡諭君) 県外におきましては,このような施設では業務委託や指定管理といった方法も一般であると認識しておりますが,当食肉センターは昭和55年設置当初から,公設民営の施設であり,公社はその施設を一部事務組合から使用許可を得て屠畜事業を行うという形態を当時から現在まで継続しており,業務委託等の契約は行っておりません。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) 施設使用許可ということであります。 私どもの,これは例を言うと,体育館で民間が行う骨董市をやって,その骨董市が赤字になったら,体育館を貸したほうが赤字を補填するという,乱暴な例になりますが,そういう例にもなります。 使用許可ということですが,そうであるなら,公社の赤字を一部事務組合が,そして本市が負担しなければならない法的義務はないものと私は理解します。 では,なぜ負担しているのかということになりますが,財政支援をしている根拠と公社の構成員の中でも出資割合の多い全農高知や高知県食肉事業協同組合の負担責任と実績について,農林水産部長に伺います。
○議長(竹村邦夫君) 長岡農林水産部長。
◎農林水産部長(長岡諭君) 一部事務組合に対する市の負担金,また一部事務組合から公社に支出しております補助金は,いずれもその法的な根拠につきまして,地方自治法第232条の2の公益上必要がある場合においては,寄附または補助ができるという規定に基づき支出しているものです。 これは民間団体等が行う特定事業や活動により,本市が利益を享受できる場合で,公益上必要性が高いと判断される場合に支出される負担金,補助金に該当すると考えております。 この食肉公社が行う屠畜事業につきましては,畜産振興や食肉流通における安定性の確保という点におきまして,公益上必要性が高いという判断により,これまで負担金を支出してきております。 また,公社の構成員であります全農高知や高知県中央食肉事業協同組合については,公社に対する赤字補填として,平成13年度から19年度において合計約5,000万円の負担をいただいておりますが,その後は負担をいただいておらず,今の公社の厳しい経営状況から,今後,赤字補填の負担をいただくことにつきまして,現在この2団体と協議を進めさせていただいているところです。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) あくまでも自治法のできる規定を適用しており,2団体は平成20年からこれまで負担をしていないということでありました。 この問題が難しいのは,本市が事務組合の一員であり,公社に出資している会員でもあるという点であります。設立当初からの歴史的な経緯を全否定するものではありませんが,このような関係性は現時点では全く合理性がなく,早急な見直しが必要であると指摘しております。 議論を進めますが,昨年12月定例会で我が会派の代表質問への答弁を契機として,農林水産部内に事務局を置く高知県広域食肉センター事務組合は,本年2月からこれまで5回にわたって,あり方検討会を開催してきております。 今般のあり方検討会の議論の内容や方向性について,委員でもあります井上副市長に伺います。
○議長(竹村邦夫君) 井上副市長。
◎副市長(井上哲郎君) これまで5回のあり方検討委員会では,当食肉センターの現状,公社の運営状況,全国や県内の畜産業の動向,さらには公社経営の損益分岐点分析,建てかえによる運営シミュレーション,出荷団体による提案など,多方面から議論を行っており,委員の方々からは,食肉センターの機能について,存続と廃止の2つの選択肢について意見が出されております。 存続の立場からは,畜産業を守り,生産者と消費者を結ぶ拠点としてセンターが必要である。県外屠畜場への輸送による経費負担の増加を懸念するといった意見が出されました。 一方で,廃止の立場からは,施設を建てかえても,その後,黒字経営となる処理頭数が期待できないことや,県外屠畜場で大規模化,高機能化が進む中で,他の屠畜場を活用すべきとの意見が出されました。 また,屠畜場経営は全国的に赤字である中,民間事業者により屠畜から加工,販売まで一貫した経営が行われ,不採算部門とされる屠畜部門を販売部門の収益から補うことで収支均衡が保たれている他県の事例を見ても,現在の食肉センターの屠畜部門だけの運営による経営再建は極めて厳しいものがあるとの意見も出されました。 このような議論を踏まえ,前回の第5回目の委員会においては,施設の老朽化と赤字経営の現状から考えると,今のまま屠畜部門を存続させるのは厳しい状況であり,食肉センターの運営について,新たな体制による方向性を早期に決定すべきとの意見が多く出されたところです。 あり方検討委員会におきましては,10月に予定をしております次回の委員会におきまして,一部事務組合への答申内容を検討,取りまとめする予定となっているところでございます。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) 御答弁にはございませんでしたが,このあり方検討会は,実は過去に3回も開催されております。 平成12年,13年,15年でございますが,特に平成13年の提言で示された中長期対策の中に,ただいまの答弁にあった,屠畜,加工,流通,販売を一体経営にすべきだという同じ趣旨,内容が織り込まれていたにもかかわらず,これまでこの提言を放置し,チェックしてこなかった責任は,執行部と私たち議会の双方にあるものと考えます。 私は議会の一員として市民の皆様におわびを申し上げるしかございませんが,だからこそ今回は,執行部に,泣いて馬謖を斬る英断を求めるものであります。 すなわち,同センターでの屠畜事業を廃止し,県外施設の利用に転換してもらうことが最善だと考えますが,市長の賢明なる御所見を伺います。
○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 私は,先ほどから出てまいります一部事務組合の管理者でもありますので,高知市としましても,この一部事務組合による施設運営は限界に近づいてきているという認識を持っております。 一方で,一部事務組合を解散し,屠畜機能を廃止したとしましても,県内の食肉流通において,現在の,肉をカットした後の枝肉の市場や冷蔵保管施設等の食肉流通拠点は,高知県内の食肉の安定供給のためにも必要であることから,民間事業者による財務的な負担とその運営を前提に,流通機能も残す方法もあるというふうに考えております。 質問議員の御提案であります,これまで公社で行ってまいりました屠畜を県内外の他の施設において行うということについては,屠畜事業をめぐる経済情勢を考えますと,それぞれの市町村において,近いか遠いかということですが,地理的環境によっては選択肢の一つではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても,先ほど井上副市長が答弁をいたしました,あり方検討委員会の取りまとめが10月に行われるということになっておりますので,同報告書の内容も踏まえて,なお県とも協議した上で,一部事務組合議会で食肉センターのあり方について,一定の結論を出していきたいと考えております。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) ただいまの答弁は,ほかのステークホルダーを気遣った慎重な御答弁だったように思います。ですが,考え方は私ども新風クラブと同じ方向ではないかと勝手に理解いたします。 本議会から2名議員を出しております事務組合での議論,賢明な判断をということですので,私もそれに期待するものであります。 最後に,本日の質疑でも相当数,地域という言葉が出てまいりましたけれども,個人情報保護法及び条例が,本市が進める地域における各種共助活動の推進を阻んでいるのではないかという点について伺います。 まず,本市では,平常時における防災意識の高揚,高齢者等の孤立防止,子供の見守り,児童虐待の早期発見などに加えて,発災時の避難行動要支援者対策や避難所運営なども地域主体で行っていただこうとする取り組みを進めておりますが,地域における共助活動の必要性を行政としてどう考えているのか,まず市長に御所見を伺います。
○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 地域におけますさまざまな活動につきましては,やはり災害が近づきつつあるということもございまして,我々も非常に重要なものだというふうに考えております。 地域には,町内会を初めさまざまな団体や,また住民の方々が積極的に活動されておられますので,さまざまな団体や個人を通じて,ともに助け合う共助の考え方のもとで,場合によっては専門性を生かした活動をいただく場合もありますし,これからの見守り,担い手不足を解消する点,また災害対応,さまざまな部分が非常に重要になるというふうに考えております。 地域も,特に災害や防災については非常に協力的でございまして,また地域の中での子供さんから高齢者までの見守りにつきましても,御近所同士が気をつけていただいておりまして,非常にその点を感謝しておりますが,さらにこれから地域での共助関係については重要になるというふうに考えております。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) 今,御説明いただいた必要性については理解も共感もできますし,私たち会派メンバーだけではなく,ここにいらっしゃる議員の皆さんも何らかの形で地域活動に積極的に参画しているものと思います。 そんな中で,私は個人情報保護法令が地域コミュニティの推進に支障となっていると感じることがございます。 PTA活動におけるそれは最たるもので,地区名簿には児童名以外,保護者の名前も住所も電話も載せないでという御家庭が相当数あり,交通安全指導の旗の引き継ぎにも困っているのであります。 同様の問題は,地域とかかわりの深い部署でもあるものと思われますが,町内会や地域連携協議会を担当する市民協働部長,自主防災組織や避難行動要支援者対策を進める防災対策部長,地域福祉の推進を担当する健康福祉部長にそれぞれ,こういった事例がないか,お聞きいたします。
○議長(竹村邦夫君)
神崎市民協働部長。
◎市民協働部長(神崎修君) 御紹介をいただきました地域内連携協議会の例を申し上げますと,連携協議会の設立に向けまして,参加をお願いする各団体の代表者の方に,説明会等の御案内をする際に,そのお名前や御住所等の個人情報が必要となりました。 地域の各団体につきましては,庁内におきまして,各部局がそれぞれ所管をし,代表の方のお名前や御住所等の個人情報を管理しておりますが,その情報を庁内で共有することが個人情報保護の観点から難しく,それぞれの所管課での対応をお願いしたことから,複数の団体の代表者を兼務されている方については,団体ごとの複数の郵便物を準備し,各所管課から重複して送付するといったようなケースがございました。
○議長(竹村邦夫君) 門吉防災対策部長。
◎防災対策部長(門吉直人君) 防災対策部では,災害対策基本法に基づき,高齢者や障害者などで災害時に一人では避難が困難な避難行動要支援者について名簿の作成を行い,要支援者御本人の同意を得た上で,適切に個人情報を管理し,避難支援を行っていただける民生委員や自主防災組織等の団体に名簿情報を提供しているところです。 現在,モデル6地区において,地域の各団体に名簿情報を提供し,個別計画策定などの取り組みを行っておりますが,個人情報に関する課題は特にございません。 なお,名簿提供について同意をいただいていない方については,事前に名簿提供ができないため,地域での避難支援が現実的に困難となりますので,この点につきましては,今後の検討課題と認識しております。 また,自主防災組織につきましては,保有している個人情報のうち,代表者の住所,氏名,電話番号については,災害時等の防災用務を目的として代表者の個人情報の外部提供が必要な場合がありますので,自主防災組織等の登録に関する要綱に基づきまして,登録の申請や代表者の変更の届け出等の提出時に合わせまして,外部提供について代表者御本人から同意をいただき,地域の方からの照会に対応するなど,適切に個人情報の取り扱いを行っている状況でございます。
○議長(竹村邦夫君)
村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 地域福祉の取り組みの中では,これまで地域福祉活動の推進を図る推進協議会の議論におきましても,何度か個人情報の保護が地域福祉の取り組みの妨げになっているのではないかという御指摘もあっているところでございます。 また,民生委員,児童委員の皆さんには,高齢者の情報などをガイドラインに基づき提供しているところですが,民生委員の皆さんが地域の福祉活動を町内会などと協力して行う場合,守秘義務が強調されることにより,町内会や近隣の方から高齢者の方の情報や電話番号等の問い合わせがあっても答えることができず,何かのときに協力が得られなくなるのではないかと気がかりであるとか,情報を提供できないことで,他団体との相互協力体制がとりにくくなっているなど,不安を感じている事例などが挙げられております。 一方では,住民の皆さんが集めた情報をもとに,支え合いマップづくりに取り組まれている地域もありますが,その際には,集めた個人情報の取り扱いをどう扱ってよいものかと気にされている地区もありますことから,行政としても基本的なルールをお示しし,それぞれが,その取り扱いについて理解した上で,適正な取り扱いを行っていくことが重要と考えているところでございます。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) 御答弁のように,執行部の一部でもこの問題に意識を持たれているということがわかりました。 我々も同様の意識でございまして,地域における見守りや孤立防止支援に行政が保有する個人情報を活用するには,これはもう新たな立法対策が必要ではないかとの問題意識を持っておりました。 そこで,私たちは本年2月,東京都足立区の孤立ゼロプロジェクトを視察いたしました。 同区は,孤立ゼロプロジェクト推進に関する条例において,区長は必要と認めるときは,町内会や見守り支援員らに,住民名簿や要支援者名簿を提供することができると規定し,実際に行政から提供を受けた名簿をもとに,孤立世帯の調査活動を行った町内会等は,平成28年5月段階で415団体に上っております。 一方,本市では,南海地震発災直後の避難や救助には,地域における共助が欠かせないのですが,だからこそ平常時からの地域における見守り,支え合い活動を推進,サポートするための新たな条例制定が必要と考えますが,市長の御所見を伺います。
○議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 御指摘の足立区の孤立ゼロプロジェクト推進に関する条例につきましては,社会的な孤立の問題に対していかに対処すべきかということで検討が始まったと伺っております。 平成24年12月議会で成立をし,25年1月から施行されたこの条例の制定を契機といたしまして,例えば栃木県の栃木市など,この条例が他の都市へも影響しているということもお聞きをしております。 本条例を検討する過程で,当然,個人情報の取り扱いが非常に大きな課題ということになったわけでございますが,多くの区民にかかわりを持ってもらうために,個人情報の外部提供ルールを明文化し,広く周知する必要があるとの判断によって,条例が適正であると判断をし,条例制定を行ったというふうにお聞きをしております。 この条例化によりまして,区から提供されました住民情報によって,自治会や民生委員などがいろんな情報を地域で持ち寄って,例えば個人個人の相談相手の有無などの聞き取り調査や話し相手等の聞き取り調査などを行い,町の現状を知り,現場の支援にもつながる機会となっているというふうにもお伺いをしております。 高知市にとりましては,市の社会福祉協議会と連携をしながら,地区民協や地区社協,町内会,自治会など,地域福祉活動のそれぞれの取り組みを,現在,進めております。 条例制定に当たっては,特にこういう住民の方々や各地区の社協,民協,またそれぞれの町内会などの関係機関の皆様方の御理解が不可欠になるというふうに考えておりますので,なおこの足立区,そして先進都市の事例を研究し,検討してまいりたいというふうに考えております。
○議長(竹村邦夫君) 清水おさむ議員。
◆(清水おさむ君) 本市では,小学校区単位の地域内連携協議会の結成が進んでおります。団体間の連携はその単位が適当かと思いますが,個人を対象とした見守りや支え合いを町内会単位で復活させようとする足立区の取り組みは,視察した私たち全員が共感できるものでありました。 そこで,私たちは,個人情報保護法や条例をクリアし,通常時において一定条件のもと,市が見守り,支え合い活動を行おうとする町内会や市社協,地区社協等に高齢住民情報を提供できるようにするための立法措置が必要と考え,現在,具体的な検討に入っております。 今後,関係諸団体や執行部の御意見を伺いながら,他会派との調整を進め,できるならば議員提案での条例制定を目指してまいる所存であることを申し上げて,私の全質問を終わります。ありがとうございました。 ~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(竹村邦夫君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ,延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(竹村邦夫君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて延会することに決定いたしました。 9月14日午前10時再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。 午後4時13分延会...