平成26年第444回 6月定例会 第444回
高知市議会定例会会議録第3
号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第3号 平成26年6月18日(水曜日)午前10時開議第1 市第83号 平成26年度高知市一般会計補正予算 市第84号 平成26年度高知市
母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計補正予算 市第85号 高知市特別会計設置条例の一部を改正する条例議案 市第86号 高知市税条例等の一部を改正する条例議案 市第87号 高知市特定教育・保育施設及び
特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例制定議案 市第88号 高知市
幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準を定める条例制定議案 市第89号 高知市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例制定議案 市第90号 高知市
児童福祉施設最低基準条例の一部を改正する条例議案 市第91号 高知市火災予防条例の一部を改正する条例議案 市第92号
高知市立旭保育園改築工事請負契約締結議案 市第93号
水槽付消防ポンプ自動車購入契約締結議案 市第94号
常備消防ポンプ自動車購入契約締結議案 市第95号
常備消防ポンプ自動車購入契約締結議案 市第96号 訴訟の提起について 市第97号 調停の申立てについて 市第98号 新
図書館等複合施設整備業務委託契約の一部変更議案 ──────────────── 本日の会議に付した事件日程第1 市第83号議案から市第98号議案まで ──────────────── 出席議員1番 長尾 和明君 2番 門田権四郎君3番 近森 正久君 4番 細木 良君5番 はた 愛君 6番 田鍋 剛君7番 川村 貞夫君 8番 下本 文雄君9番 下元 博司君 10番 深瀬 裕彦君11番 竹内千賀子君 12番 上田貢太郎君13番 岡田 泰司君 14番 江口 善子君15番 岡崎 豊君 16番 近藤 強君17番 戸田 二郎君 18番 浜口 卓也君19番 清水おさむ君 20番 平田 文彦君21番 氏原 嗣志君 22番 和田 勝美君23番 寺内 憲資君 24番 高橋 正志君25番 土居ひさし君 26番 竹村 邦夫君27番 水口 晴雄君 28番 西森 美和君29番 高木 妙君 30番 福島 明君31番 浜川総一郎君 32番 中澤はま子君33番 山根 堂宏君 ──────────────── 説明のため出席した者 市長 岡崎 誠也君 副市長 吉岡 章君 副市長 中嶋 重光君 総務部長 森田 惠介君 財務部長 古味 勉君 市民協働部長 坂本 導昭君 健康福祉部長 村岡 晃君 こども未来部長 山川 瑞代君 環境部長 黒田 直稔君 商工観光部長 中澤 慎二君 農林水産部長 本山 幸一君 都市建設部長 山本 頼男君 教育委員長 谷 智子君 教育長 松原 和廣君
上下水道事業管理者 明神 公平君 防災対策部長 下元 俊彦君 消防局長 蒲原 利明君 監査委員 宮本 光教君 財政課長 近森 象太君 ──────────────── 事務局職員出席者 事務局長 藤原 哲君 事務局次長 弘田 充秋君 庶務課長 前田 敦夫君 議事調査課長 山崎 敬造君 庶務課長補佐 谷村 守敏君
議事調査課長補佐池 堤君 議事調査課主幹 井本 和久君 秘書係長 上村 妙子君 議事係長 広松 康児君 調査係長 宮村 裕子君 書記 中須賀広典君 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 午前10時0分開議
○議長(山根堂宏君) これより本日の会議を開きます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~
△日程第1 市第83号議案から市第98号議案まで
○議長(山根堂宏君) 日程第1,市第83号議案から市第98号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 近藤強議員。 〔近藤強君登壇〕
◆(近藤強君) おはようございます。市民クラブの近藤強でございます。今議会厳正なる抽せんのもと,トップバッターで質問させていただきます。よろしくお願いしたいと思います。 まず,市長の政治姿勢として,近々閣議決定されようとしています
集団的自衛権行使容認に伴う解釈憲法改正についてお伺いいたします。 昨年の6月議会において,安倍内閣発足半年を振り返り,安倍総理の危うさと,民主国家日本の総理としての資質の問題を指摘してきました。 当初安倍総理は,憲法改正が容易にできるようにと,憲法第96条の発議要件を変更しようともくろんでいましたが,厳しい批判を受けると解釈改憲へと突き進んでいるのが現状であります。 どうもこの間の安倍総理の言動を見るにつれ,総理は立憲主義,国民主権,民主主義の考えは持ち合わせていないのでは。絶対安定多数の議席をもらえば,独裁的大統領にでもなったつもりではないかと思わざるを得ません。 先日,テレビのインタビューを受けていた海部俊樹元総理は,二十数年前の湾岸戦争のときにブッシュ大統領から,旗を見せろと言われたが,憲法9条があるからできませんときっぱりと断ったと話され,現在の政権の動きに対し,国民の声を無視して突っ走っていることに危うさを感じるとも話されておりました。まさしく立憲主義に基づく政治家としての対応であったと考えます。 血を流さなければ,西側諸国の仲間入りができない,アメリカの要請に応えられないと国民の理解を得ようとしておりますが,血を流さないように,国民の命と財産を守るためにとるべき方法は幾らでもあると考えます。 このような中,地元テレビ局制作の3本の高知県に関係した神風特攻隊のDVDを見る機会がありました。見られた方もおいでるかと思いますが,そのうちの一本で2010年に放映されました「最初の特攻,最後の特攻」の一部を紹介させていただきます。 昭和19年10月25日に最初の特攻が
フィリピンレイテ島沖で行われ,海軍兵学校出身の関行男大尉らの敷島隊の突入が特攻史で最初の特攻と言われておりますが,実際はその3時間前に黒潮町出身の
宮川正一等飛行兵曹(18歳)の突入が最初であり,当時の日本海軍が海軍兵学校出身のエリート大尉が率いる敷島隊とすることで演出効果を狙って華々しく宣伝したものでありました。 また,最後の特攻は,昭和20年8月15日特攻出撃をし,11時30分に撃墜された
中内理一等飛行兵曹(仁淀川町長者出身),13時30分に撃墜された
弘光正治一等飛行兵曹(土佐山田町繁藤出身)であり,終戦の日,戦争の終わりを告げる玉音放送の後に突入していったことに,直前まで一緒にいた戦友からは,戦争が終わることはわかっていながら助けられなかった。なぜ攻撃中止命令を出さなかったのかと語られていました。 この特攻により陸軍1,689名,海軍4,156名,合わせて5,845名,うち高知県関係52名もの若者の命が奪われたにもかかわらず,海軍では特攻を発案した大西中将を含めた3名,陸軍では1名が責任をとっただけであります。 さらに,俺たちも後から行くからと特攻隊員を送り出した上官たちは,誰ひとりとして後を追う者はなく,戦後は階級に合わせた軍人恩給でのほほんとした生活を歩んできたことは言うまでもありません。 私の亡くなった父も,終戦間近まで海軍の特攻基地であった鹿屋航空隊に所属しており,8月9日長崎原爆投下の3日後に長崎に入り,後処理に従事していたようですが,生前父から聞いた話の中で,「軍隊は将校,士官でないといかん」「特攻攻撃を見送ったが,操縦は上手な飛行兵なのに,編隊離陸時に他機と衝突して何機も墜落する。何でだろう」と言っていた話を特に覚えております。 このことについては,皆さんの推察にお任せしますが,このように現在の安倍総理の無責任な言動は,当時の軍隊の上層部をほうふつさせるものであり,国民の命を守るのではなく,この国を危険な方向へ大きくかじをとろうとしております。 総理の言う戦後レジームからの脱却は,非民主的な戦前の体制に逆戻りさせようとしており,彼の経済政策とあわせて考えると,一部の人のために多数が犠牲となるのはやむを得ないとする新保守主義の考え方が基本的にあると考えますが,市長の御所見をお聞きいたします。 次に,平成26年度の重要施策として取り組まれます
桂浜公園整備構想検討事業に関連してお聞きいたします。 本事業は,桂浜公園は松林に囲まれた美しい砂浜を初め,
県立坂本龍馬記念館,龍馬像,浦戸城址などがあり,年間を通じて龍馬ファンや観光客が訪れる,本市を代表する観光地であります。 公園整備から30年以上が経過しており,最近では滞在期間が短縮傾向にあり,観光客が行ってみたい,また来たいと思っていただけるような桂浜公園の魅力向上を図るため,桂浜公園の現状調査や課題などを整理し,再整備計画の策定を行うとして取り組まれます。 特に,滞在時間が短くなっている傾向は,関係者にとって大きな悩みとなっており,観光客からは滞在時間の割に駐車場代が高いとの不満の声も出されております。 言うまでもなく,産業基盤の脆弱な高知市,高知県にとっては,観光産業,観光振興が重要な経済対策となっております。 しかしながら,全国的な観光地である桂浜でも,龍馬像を見て,海辺を散策し,1時間以内で次の目的地に向かっているのが実態であります。 滞在時間の長短と経済効果は大きく関係していることから,桂浜公園整備に当たっては,いかに滞在時間を延ばす政策が打ち出せるかどうかにかかっていると考えます。 そこで,地元要望でもある桂浜と浦戸城址(龍馬記念館)を往復できるゴンドラもしくはリフトを設置してはいかがでしょうか。場所の選定はしなければなりませんが,設置のメリットとして,坂本龍馬記念館の別館建設が決定したが,龍馬像と浜周辺エリアが結びつくことで回遊性が向上する。 空中から桂浜全体,太平洋を一望でき,異なった視点から自然を満喫できる。 高齢者,幼児の上りおりの負荷が軽減し,移動が容易となる。
南海トラフ地震発生時の観光客を津波被害から守るための緊急避難手段としての活用ができる。 さらに,ゴンドラもしくはリフトは有料にし,観光客に不評の駐車場は無料にする。 以上,松山城でのリフト運行の例も踏まえて提案し,今後の
桂浜公園整備構想検討事業の中で案件の一つとして御議論いただきたいですが,市長の御所見をお伺いいたします。 次に,
南海トラフ地震対策に関連してお聞きいたします。
南海トラフ地震対策として,自主防災組織の結成率の向上に取り組まれておりますが,このことで地域における共助の重要性に対する認識が強化され,防災,とりわけ発災時における啓蒙・啓発活動を地域住民で取り組まれることで成果が上がってきております。 また,要援護者名簿による共助など,自主防災組織,町内会に課せられるニーズや課題も多くなってきております。 ただ,現実問題としましては,実際に地震,津波災害が発生したときにどれくらいの救助活動,共助活動ができるかであります。 地域のかなめである町内会の単位をとりましても,広い地域と多くの世帯数を抱えており,高齢化率の高い中,共助の力がどこまで発揮できるのか,大きな不安感を抱くところであります。 当然,建物の崩壊などもあり,活動できる範囲も限られ,居住地の路地か,よくて1つ隣の路地へ行くのが限界となるのではと思うところであります。 阪神・淡路大震災時においては,建物の崩壊による救出者の大部分は,隣近所の住民による救出であったことは周知のところであります。 このようなことからすれば,共助でもある自主防災組織,町内会での活動も限界があり,究極的には隣近所の力にかかっていると言わざるを得ません。自助,共助,公助とあわせて,近所を加えることが求められており,隣近所の力を頼るなら,一住民として隣近所とのつき合いを日常的に行っていく必要があることは言わずもがなであります。 このことについて,
南海トラフ地震対策として,市民の心構えとして啓蒙,啓発していくことが重要であると考えますが,市長の御所見をお伺いいたします。 次に,県交通,土佐電鉄の統合問題についてお聞きいたします。 暴力団問題に始まり,土電社長の辞任を経て,10月の新会社設立に向けて大きく動き出した両社の統合問題であります。 車社会になってしまった高知県の状況下で,2社の事業者が存在することの厳しさは,誰の目からしても明らかであり,長年の課題であった両社の統合については,歓迎をするところであります。 過去何度か統合の機運が高まった時期もありましたが,越えなければならない垣根が存在したことから頓挫し,長期間放置されてきた問題でもありました。 今回は県の主導,英断でもって大きく動き出したことは,一定の評価はするものでありますが,10月新会社設立は余りにも拙速な取り組みであるとの感は否めません。 他の民間事業者からは,公的補助を受けながら事業運営を行い,最後は公的支援,金融機関からの債権放棄かとの声も聞かれております。 公共交通,公共交通を守るとの名のもとに公的支援を行うものでありますが,県民,市民の中にどれぐらい公共交通に対する意識があるでしょうか。鶏と卵の話ではありませんが,都会と違って車社会になってしまった高知県の実態であります。 利用客の増が再建策の主要な柱であることは言うまでもありませんが,現状出されている利用促進,増収対策案は今まででも取り組めたものであり,最終的には県民の皆さんの御理解と御協力をお願いするにとどまっており,将来の再建に危うさを感じるところでもあります。 県の英断は評価するものでありますが,県主導による短時間での取り組みのため,県民,市民の声,利用者の声,両社の社員,事業者,各自治体の本音が十分に反映されているとは思えません。 特に,再建に向けての大きな鍵は,利用者の増であることは言うまでもなく,まず公共交通,公共交通を守ることの問いかけを行うとともに,将来を見据えた公共交通の定義づけの議論が必要であると考えます。 現状を見るにつれ,両社の統合,再編のみが目的化された議論になっていることに危惧するところであります。 現在の車社会において,公共交通,公共交通を守るとは何なのか,県民,市民を巻き込んで議論し,その延長線での再構築を具体的に進めていくことが求められていると考えます。 3億5,000万円の出資金負担,補助金の負担増が引き続き行われることが予想される状況下で,公共交通を守るの建前論議だけでは過去の繰り返しになると考えますが,市長の御所見をお伺いします。 両社の関係者からは,これまで事業者は何もせず手をこまねいていたということではなく,中心商店街の衰退や大手百貨店の撤退,少子・高齢化などの構造的な原因によって,施策の大半が功を奏さなかった。経営を好転させる増収策を見出すことは非常に困難な状況にあり,事業計画3年目での黒字化に向けての難易度は極めて高いと言わざるを得ないとの声も聞かれ,高知市においては利便性向上のための,いわゆるハード面などの整備について,さらに踏み込んだ検討を要請されております。 要望の1つは,交通結節点となる中央バスターミナルの整備についてであります。 土電の
はりまや橋バスターミナルが廃止になって以降,中心地におけるバスの発着場がなくなり,バス利用客,とりわけ観光客にとっては分散したバス停の所在すらわかりづらく,不便この上ない状況にあります。 市内中心地におけるバスターミナルの設置によって人の動きが集中し,周辺が活性化する可能性も予想され,また現存する
はりまや橋観光バスターミナルについても,現在の終点から起点に変更させることにより有効に活用させる。そのためにも課題であった八幡通り電停の新設も検討をお願いしたい。 要望の2つとして,新市役所前のバス寄せの設置であります。 新庁舎建てかえに向け,さまざまな具体策の策定に取り組まれておりますが,新庁舎前にバスの二,三台程度が停車できるバス停の設置を検討していただきたい。 現在,夕方のラッシュ時に,県庁前を始発とするバスが時間待機のために県民文化ホール前で待機しており,これらのバスを庁舎前で発着させることで余分な待機時間などを省くことができ,利便性の向上に向け,市役所前をミニバスターミナルとする新たな活用策を検討されることをお願いしたい。できれば,屋根の設置により,雨の日の移動もスムーズにできればと考えるが,この2点について市長の御所見をお伺いいたします。 次に,南海トラフ地震などに伴う浸水対策についてお聞きいたします。 昨年の12月議会で,日赤病院の移転問題に関連して,長期浸水対策についてお聞きしました。 昨年11月に行われた尾崎知事と高知県市長会との協議の中で,岡崎市長から,排水ポンプの耐震補強を進めているが,できるだけ止水を早くしないと水をくみ出せないとして,堤防などの早期耐震化を要望。尾崎知事からは,江ノ口川と鏡川に挟まれた中心市街地地域を最優先エリアとして,河川と湾岸堤防の耐震補強を進めており,2015年度には完了させたいとの答弁がなされたとのことでありました。 昨年の12月議会では,日赤病院の移転に関連して浸水対策に触れただけになっておりましたが,高知市内の浸水問題は,地震の揺れによる建物崩壊により,家屋,家財の下敷きになったところへ,浸水による溺死被害が発生することが想定されており,その被害は津波被害に匹敵するのだとも言われております。 現時点では尾崎知事は,鏡川と江ノ口川間の中心市街地の浸水対策を2015年度に完了させたいとしておりますが,より多くの高知市民の命と財産を守り,長期浸水による都市機能の麻痺を防ぐためにも,早期の河川と海岸堤防の耐震対策を強く求めるものであります。 これについては,
南海トラフ地震対策特別措置法に基づき,高知市が推進地域及び特別強化地域に指定されたことにより,国土強靱化基本法に基づき,国の施策を十分活用しながら取り組みをさらに加速化していくこととなったことから,長期浸水対策の実現の可能性が非常に高まったのではと考えられます。 先月の高知県と
国土交通省四国地方整備局の発表によると,高知港における地震・津波防護の対策方針として,湾口部の可動式は取り入れないことを決定し,防波堤と防波堤を組み合わせた多重防護,三重防護策を行う方針が示されました。 今後は,平成26年度予算に計上された国の調査を活用し,高知港海岸の地震・津波対策にかかわる整備計画案を策定することとなっており,策定に向けて先日計画方針が公表されたところであります。 ぜひ整備計画案策定に当たっては,
南海トラフ地震対策として,高知市民にとって最重要課題である浸水対策のエリア拡大と早期実現に向けた方針を取り入れるべきと考えますが,市長の御所見をお伺いします。 先日,建設環境委員会で江ノ
口雨水貯留管築造工事の現場を視察しました。地下15メートル,直径3メートル50センチメートルの貯留管を目の当たりにすると,大きな安心感と期待感を抱けたところでもあります。 この江ノ
口雨水貯留管築造工事は,平成22年10月3日に発生した豪雨により,高知駅周辺,宝町周辺が浸水し,特に区画整理事業直後の高知駅周辺が浸水したことに対する反省から行われているものであり,昨今の異常気象に伴うゲリラ豪雨に,この貯留管は大きな役目を果たすものではと期待をするところであります。 掘削が始まってから7カ月がたちますが,この間現場においては,鉄道高架事業の仮設のH鋼や場所打ちくいなどの予想もしなかった残存物に行き当たり,撤去に数カ月を要したことや比島山のかたい岩盤を掘削していかなければならない状況からしても,まだまだ厳しい工事になろうかと推察いたしますが,現在工事費ベースの進捗率は約60%で,比島交通公園付近まで掘削しているとお聞きしておりますが,今後のシールド工事完了の見通しをお聞きいたします。 また,下水道工事については,過去の痛ましい推進工事の事故からも教訓にすることがあろうかと思われます。この現場では,掘削中,メタンガスの発生などが考えられるとお聞きしておりますが,発注者や受注者において安全対策をされていることがあれば,お聞きいたします。 あわせて,この貯留管の耐震対策はどのようにされているのかもお聞きいたします。 最後に,上下水道事業についてお伺いいたします。 本年3月末の通常国会において,水循環基本法が成立しました。この法律は,健全な水循環の維持,回復のための政策を包括的に推進することなどを目的とするもので,超党派の議員提案により全会一致で立法化されております。立法化の背景には,これまで地下水を含む水施策について,土台となる理念や方向性を定める法律が存在しなかったことがあります。 21世紀が水の世紀とされ,地下水の枯渇や温暖化に伴う異常気象などで世界各地で水をめぐる紛争が危惧されるほか,国内においても外国資本による水源地を含む森林の買収が相次いだことで,地下水が奪われるのではとの懸念が,自治体の間にも広がっております。国民のライフラインとして,必要不可欠な水資源の保全に政府と自治体が一体となって取り組んでいただきたいと思います。 折しも,高知市は本年度から上水道事業と下水道事業の組織統合を図り,上下水道局が発足しました。新しい組織には,この基本法の理念に基づいて,水環境についての施策を一括して取り組まれることを期待しております。 そこで,この水循環基本法への御認識とともに,局として水循環施策についてどのように取り組まれるのか。 また,下水道事業の企業会計への移行や組織統合に伴う課題があったと思いますが,統合後の上下水道局の現状と評価についてもお聞きいたします。 以上で,第1問とさせていただきます。
○議長(山根堂宏君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) おはようございます。 段々の御質問に順次お答えを申し上げます。 まず,最初の御質問でございます集団的自衛権に関連する安倍総理の考え方についての御質問にお答えを申し上げます。 政府の憲法解釈を担ってまいりました内閣法制局のこれまでの見解では,日本においても国連憲章第51条に基づく集団的自衛権を持ってはいるが,日本国憲法の第9条の歯どめによって行使することはできないということが従前の内閣法制局の見解でございます。 安倍政権のもとでは,この憲法第9条の解釈を変更して,集団的自衛権の行使を容認しようとしていますが,解釈改憲に対する反対意見も強くあります。 高知新聞が行いました県内の首長の賛否のアンケートにおきましても,解釈改憲に反対する首長は,私を含めまして20名となっておりまして,平和憲法の解釈改憲については,疑問を強く持っているところでございます。 解釈改憲は,やはり無理がございまして,その読み方によっては,時の政権次第で解釈が変わることもあります。国家権力を縛る立憲主義が一番の憲法の基本でありますので,拙速な議論で強引に決めることには反対であります。 一方で,最近の中国の尖閣諸島周辺での領海侵犯や北朝鮮の弾道ミサイルの開発など,日本の平和に対します脅威に対処し,世界の平和を守ることは,我が国にとりましても重要な課題であり,こうした課題にどのように対応すべきかにつきましては,国会において民意を踏まえた丁寧な議論を時間をかけて進めていただきたいというのが私の考え方でございます。 続きまして,桂浜公園の再整備に関する御提案にお答えを申し上げます。 桂浜公園につきましては,御指摘もありましたように有料駐車場や土産品店などのサービスエリアを初め水族館など,施設整備から既に30年が経過をしておりまして,施設の老朽化や近年多様化します観光客のニーズにも十分に対応できていない状況が見られ,滞在時間もだんだん短くなってきております。 このため,今月中に公募プロポーザルによりまして,桂浜の再整備の基本構想案策定のための委託業者を今月中にプロポーザルで選定をするということにしております。 また,来月下旬には観光業界や有識者,市民の方々などで構成をします検討委員会を立ち上げまして,課題事項の整理や今後の桂浜のあり方などにつきまして委員の皆様からの御意見,また議会からの御意見もいただきながら,年度内には桂浜公園の再整備の基本構想を策定してまいりたいと考えております。 御質問でございます松山城の例でございましたが,桂浜と浦戸城址を結ぶゴンドラやリフトの検討についての御提案でございますが,松山城の場合は,松山城の本丸はかなり高い位置にございまして,132メートルの山頂にあり,その8合目付近まで,昭和30年に設置をされました定員46名のロープウエーと,昭和41年に設置をされました定員1名のリフトが併設をされておられます。それぞれ所要時間は3分と6分ということになっておりまして,往復で料金は510円ということになっております。 御提案のありました桂浜への例えばゴンドラやリフトを設置する場合,高齢者の方々,また子供さんの上りおりの負担軽減などは図られますけれども,南海トラフの地震発生時のさまざまな揺れを考えますと,想定されます震度6強,または震度7という強い揺れの後,安全点検の必要性や強い余震も考えられますので,そういうことを考えますと,やっぱり活用は少し難しいのではないかというふうに考えております。 なお,坂本龍馬記念館におけます新館の建設や国民宿舎の建つ山頂の関係等の地元要望等もございますので,検討委員会の委員の方々には,この件も含めまして御意見を賜ってまいりたいと考えております。 続きまして,防災関連で御質問いただきました,自助,共助,公助に近所を加えるという御質問にお答えを申し上げます。 南海トラフ地震が発生をした場合に,災害の規模が大きければ大きいほど,被災者の数というものは当然増大してまいりますし,その一方で,警察や消防などの公的機関,市の活動部隊も含めましてでございますが,関係機関も被害を受ける確率が多くなりますので,災害対応に不可欠な人員の確保や防災資機材の確保はできなくなるおそれも強くあると認識をしております。 その結果,防災関係機関の職員が地域に入って被災者の方々の救助や救出を行う救急,また応急対策活動等が極めて困難な状況になるということも当然考えられます。 また,西日本一帯にわたりまして広域災害が発生した場合には,この救助や救出活動が本格化するまでに相当の時間を要するということも当然想定をされます。 災害時において,御近所同士が避難活動等を促す声がけや被災直後の迅速な行動によります救助・救出活動,また素早い初期消火の活動など,被害防止のためにはやはり御近所の力と,また地域の力ということは非常に重要であると考えております。 住民の方々の意識も非常に高まっておりまして,また議会の皆様方にも町内会活動などに活発にかかわっていただいておりますが,自分たちの町は自分たちで守るという意識とその行動が,地域を災害から守るために非常に有効な手段でございまして,被災後の避難所生活におきましても,地域の皆様方が支え合うことが大きな力となりましたことは,阪神・淡路大震災,また3年前の東日本大震災でも実証されております。 こうした,いわゆる近所を含めた共助を地域で育むためには,日ごろからの地域の暮らしに根差したコミュニティ活動や,御近所のつき合いというものが非常に大事になるというふうに考えております。 国も御近所のそれぞれの共助の力ということには,最近力を入れ始めておりますので,我々もそのコミュニティの再構築を初め,その地域の力というものを大切にした防災の意識づくりや地域の活性化につなげてまいりたいと考えておりますので,議会としても御支援賜りますようにお願いを申し上げたいと思います。 続きまして,土電,県交通にかかわります公共交通の再構築に関する御質問にお答えを申し上げます。 まず,今後の方針でございますけれども,去る4月28日に開催されました第6回の公共交通の再構築の検討会におきまして,路線バスの公共交通を取り巻く厳しい状況を勘案し,将来にわたって持続可能な公共交通を構築するために,土電,そして県交通,両社の統合が最善の方策であるというスキーム案が,この4月28日に検討会に示されております。 この再構築のスキーム案では,事業者に対しては経営責任と,そして株主責任の明確化,取引金融機関に対しましては,約26億円から28億円の債権放棄,我々の各自治体に対しましては,新会社設立に向けまして総額10億円の出資を求め,私的整理によります既存会社の特別清算を行い,会社を分割することによって経営統合により,本年10月1日から新会社の設立を目指すスキームでございます。 高知市としましては,市民の皆様方の日常生活や地域の雇用の地域経済への波及なども総合的に勘案しまして,行政として新会社に対する出資金の支出は必要であると判断したところでございます。 公共交通維持のための行政によります,いわゆる赤字路線への補助金の支出につきましては,今後も継続してそれぞれのルールにのっとり支出をしていく必要があると考えております。 新会社の事業の再生計画の中では,現行の補助制度で試算した場合,路線バスの運行補助に要する経費や管理部門を中心とした経費の抑制や路線の重複の解消による運行の効率化などにより,単独で事業をそれぞれ継続する場合に比べまして,5年後には年間約6,000万円程度抑制されるということの試算も出されておられますので,経営統合による効果が一定見込まれているところでございます。 あわせまして,新会社には安定した経営基盤の確立に向けて,バス系統の番号化などの利便性の向上策や安心,安全のための設備投資等による潜在需要の掘り起こしなど,あらゆる増収対策に取り組んでいただき,コスト削減の実施とあわせまして,事業者としての最大の努力を行っていただく必要があると考えます。 今後,新会社の設立後,これは今の既存会社の株主総会が終わった後,解散が決まった後ということになりますが,新会社の設立後には,株主として3カ月に1回のモニタリングに参画をしまして,事業再生の達成状況等を十分に見定めながら,市民の視点に立って,株主として言うべきことは新会社にもしっかりと意見を申し上げ,市民サービスの向上はもとより,できるだけ早期の黒字化,有利子負債の適正化,実態債務超過の解消という私的整理ガイドラインの指針に沿った経営安定が早期に図られるよう,実効性の確保に株主としても努めてまいらなければならないと考えているところです。 あわせまして,バスターミナルに関する御質問にお答えを申し上げます。 本市の現在のバス系統のほとんどのルートにつきましては,多くの利用者の方々が集中をしてきております高知駅,はりまや橋,県庁前の区間を経由する形態となっておりますが,現在この場所での例えばバスターミナルの用地の取得というものは,行政にしても民間にしても困難であるということがありまして,バスターミナルの骨格としましては,ターミナル機能は高知駅北口に区画整理によりまして確保しまして,高知駅北口を中心として運行しております。 また,はりまや橋周辺につきましては,交差点の,いわゆる4つの方向にバス停を分散することによりまして,補完的な機能を確保しているところでございます。 中心部のバスターミナルの設置,これは市役所前も含めてでございますが,本格的なものになるということになりますと,一定の広さの土地を確保することが必要となりますので,例えば用地買収による財政負担等が大きな課題になります。 将来にわたって持続可能な公共交通の構築を図る中で,路面電車とバスとのすみ分けなどによる効率的な都市内の交通の形成,またコンパクトシティーによるまちづくりなどのあり方を踏まえまして,例えば新しいバスターミナルをもう一つ中心部に設けるということに関しましては,やはり財源の問題や用地取得の問題が非常に課題となりますので,実現可能かどうか,財源も含めまして,なお関係機関等とも検討してまいりたいと考えております。 続きまして,防災対策の長期浸水対策エリアの早期整備に関する御質問にお答えを申し上げます。 昨年11月の尾崎県知事と高知県市長会との意見交換,また協議の場というものがございまして,我々も長期浸水対策は意見を申し上げております。 尾崎知事からは,高知市の長期浸水対策に係ります河川,また湾岸の堤防の耐震補強等については,順位づけがございまして,まず第1順位の最優先エリアが,江ノ口川と鏡川に挟まれた中心市街地を最優先エリアとされておりまして,平成27年度までにこの第1優先エリアの工事を完成させたいという発言をいただいております。 この計画につきましては,本年の5月21日に開催されました県,市の連携会議においても,優先度1のエリアとして設定をされ,平成27年度中の整備完了を目指す取り組みが現在進められています。 あわせて,御質問にもございました耐震補強対策等の優先順位につきまして,江ノ口川と久万川に挟まれました江ノ口地区,下知地区,また舟入川と下田川,介良川に囲まれました高須地区,潮江地区,この3地区が優先度2となっておりまして,この優先度2の整備期間につきましては,平成28年度から34年度までとなっておりまして,これ以外のその他の長期浸水地区の整備予定につきましては,35年から39年度までの予定となっております。 また,御質問にあります国,県によります高知港における地震津波防護の対策検討会議における対策方針につきましては,高知新港の防波堤,また浦戸湾の外縁部,湾口部の防波堤や防潮堤,浦戸湾の内部の護岸等の補強,改良を行うことによりまして,津波からの防護を重層的に行う三重防護の考え方に基づきまして,高知港の外港,内港,防災・減災対策を行うこととしておりまして,本年度から2カ年で整備計画案を策定することとなっております。 このうち県の所管となります浦戸湾の内縁部の護岸対策強化により,河川堤防等が地震発生時にも機能が維持されるということが非常に重要でございまして,浸水を抑制することが早期の排水にもつながっていくということでございますので,県に対しましては,可能な限り前倒しにより事業計画を着実に実施をしていただきたいとの要望を行っているところでございます。 この検討会議につきましては,本市の防災対策部と都市建設部の職員も参画をしておりますので,高知市の意向を十分に伝えながら,長期浸水対策の重要な課題であります河川堤防等の耐震補強対策の早期実現について,先ほど申し上げました2カ年の整備計画案にも反映をしていただくように国,県とも協議をしてまいりたいと考えております。 その他の御質問につきましては,各担当部局長等からお答えを申し上げます。
○議長(山根堂宏君) 明神
上下水道事業管理者。
◎
上下水道事業管理者(明神公平君) 上下水道事業に関する御質問に順次お答え申し上げます。 まず,江ノ
口雨水貯留管築造工事に関連しまして申し上げます。 このシールド工事の完了の見通しについてでございますけれども,御質問のように,以前に行われておりますJR土讃線の立体交差事業に伴い施工されました仮設構造物の場所打ちぐい2本やH形鋼6本などの障害物がありまして,この撤去作業に約3カ月半の期間を要しましたが,4月半ばには完了し,現在掘削を再開しており,比島山の岩盤部を掘進作業中ということでございます。 比島山でも,当初の地質調査で把握いたしました岩質より約20倍程度も硬質の岩盤が確認されておりまして,シールド機のビットの破損や摩耗も激しく,日進量も当初予定の20%程度と,工程的にもおくれが生じておりますが,現場ではこれまでのおくれを取り戻すよう昼夜努力をしておりまして,予想外の障害物などトラブルがなければ,来年1月末にはシールドの掘進作業を完了する予定となっております。 次に,現場の安全対策についてでございますが,本市朝倉地区での下水道事故を踏まえまして設置いたしました高知市下水道工事事故再発防止検討委員会で検討,報告されました再発防止策,そして平成24年2月の岡山県水島コンビナートのシールドトンネル工事の事故を受けまして,国土交通省において設置をされましたシールドトンネル施工技術安全向上協議会の中間報告で公表されましたシールド工事の技術基準にのっとりまして安全対策を行っております。 また,当現場の施工で最も注意を要しますメタンガス等の可燃ガス対策といたしましては,発注段階からガス発生時の着火源をなくすため,防爆仕様のシールド機の採用や換気設備の機能強化など対策を行うとともに,受注者側におきましても,地下水や溶存した可燃性ガスの侵入を防ぐため,シールド機後端部の性能強化やシールド機内の換気性能の強化のためのエアカーテンの設置など,機器の重装備化に加えまして,シールドトンネル内からの避難訓練など,安全対策を実施しております。 いずれにいたしましても,公共工事の安全対策につきましては,発注者と受注者が連携を図りまして,二度と事故を繰り返さない決意で取り組んでまいります。 次に,貯留管の耐震対策でございますけれども,この貯留管は,北江ノ口排水分区140ヘクタールの広い区域を受け持ちますので,管渠の耐震設計におきましては重要な管渠等といたしまして,兵庫県南部地震相当のレベル2の地震動に対しましても,流下機能を確保するよう設計を行っております。 なお,さきの東日本大震災におきましても,本工事のような地中深いシールド工法による管渠におきましては,大きな被害は報告されておりませんので,この貯留管の耐震性も確保されるものと考えております。 続きまして,水循環基本法への認識や施策,上下水道の組織統合後の現状等につきましてお答え申し上げます。 まず,水循環基本法の制定では,初めて水が国民共有の貴重な財産と法的に位置づけられておりまして,政府におきましては水循環基本計画の策定を義務づけられるとともに,内閣に水循環政策本部を設置しまして,さらに国や地方公共団体などが一体となり施策を推進するということになっております。 このため複数の水系を原水といたしまして,取水に関連する調整が常に課題となるような本市のような事業体にとりましては,立法化は大変意義のあるものと認識をしております。 現在,法施行を前に内閣官房に水循環政策本部事務局設立準備室が設置された段階でございますが,私ども上下水道局といたしましても,環境と共生する水循環,これを取り組み方針としておりますので,この法律にうたわれておりますように,国や県,事業体,事業者や市民の皆様方と連携を図りながら事業展開を進めたいと考えております。 次に,上下水道の組織統合後の現状等でございますけれども,この組織統合に際しましては,やはり下水道事業の企業会計への移行が最大の課題であり,この調整に時間を要しましたが,会計処理方式や資産関係など,でき得る限りの事前調整を行ったこと,また統合後は管理部門でございます企画総務課や営業管理課におきまして,職員間で緊密に連携をとり合ったことなどから,現在のところ順調に会計事務が実施をされております。 市長部局と旧水道局の事務処理方法の相違など,若干調整に時間を要することはございますが,おおむねスムーズな統合が図れたものと考えております。 以上でございます。
○議長(山根堂宏君) 近藤強議員。
◆(近藤強君) それぞれ御答弁ありがとうございます。 第2問をさせていただきます。 解釈改憲の関係ですが,特攻隊を例に出してちょっと質問をさせていただきましたが,決して特攻隊を英雄視する立場ではありません。異国の地で野たれ死にのように死んでいった一兵卒も特攻死も,また空襲で逃げ惑いながら亡くなっていった国民も,同じ一つの命であるとの認識であるという思いで発言させていただいたことをつけ加えさせていただきたいと思います。 先ほど自分の父親の話をいたしましたが,実は長崎へ原爆投下後3日後に行きまして,部隊の皆さんは被爆者手帳を申請してもらったようなんですが,父親が死んだ後聞かされた話では,うちの父親だけ被爆者手帳の申請をしなかったという話は死んだ後聞かされたんですが,それだけかなと思っていたんですが,最近,新聞報道で被爆者の子供の中に白血病の発生率が高いという報道がされまして,実は私の妹も14年前に41歳で急性白血病で一人娘を残して亡くなりました。そういった意味では,やはり関係があったのかなと改めて思うところでありますし,やっぱり戦争の悲惨というのを身近に感じているところでございます。 現在,自公で与党協議の中で議論がされているようですが,そもそも集団的自衛権は,他国同士の戦争に無条件で参加をしていく,参戦をしていくものである。そのことを考えれば,戦争の放棄と海外派兵を禁じております憲法9条に違反することは言うまでもなく,海外派兵を前提にしてどこまで認めるかなどの協議はナンセンスきわまりない,解釈改憲などはあり得ないというふうに思っています。 国民主権,立憲主義を全く理解せず,無視し続ける安倍政権は,民主国家日本のトップリーダーとしての資質を含めて全くふさわしくない人物であることを改めて指摘をしておきたいと思います。 次に,県交通,土電統合問題ですが,それぞれの事業者の厳しい経営状況から統合を急がれたともお聞きしておりますが,急がれる余り,統合のみが目的化してしまっているという感は否めません。3年後の黒字は,誰が考えても厳しい。統合により重複部分の簡素化などにより多少のスケールメリットはあるものの,経営の合理化は既に限界に達しており,残る道はもう利用者増による増収対策にかかっていると言えます。 現在,検討会で提示されている増収対策案では,多くは望めません。一段と進んできた車社会の中で,どのようにして利用客の増を図っていくのか,本当に至難のわざではないかと考えております。10億円の出資をした大株主として収支改善を新会社に押しつけても,何の改善にもなりません。補助金の垂れ流しになるのではとも危惧しているところでもあります。 吉岡副市長は,沿線の12市町村で今後,新会社の経営や地域課題を協議する場を設けるように呼びかけていくというふうに考えを示されておりますが,ぜひ今後県民,市民,利用者を巻き込んだ協議の場を設定することによって,しっかりとした増収対策が図られるよう要望をしておきたいと思います。 最後に,南海地震対策で近所ということを言わせていただきましたが,市民協働部を中心にあかるいまちなどを通じて,やはり近所の力というものも啓蒙していただきたいという思いでもありますが,現実問題として近所も厳しいんです。 どう見たって30年後は,自分自身らも含めて老老介護やないけれど,周りが年寄りばかりになって,年寄り同士で救助をし合うという,大変厳しい状況になろうかというふうに思いますので,やっぱりそのことも十分認識した今後の南海地震対策というのを描いていただきたい,計画していただきたいと思います。 そのことをお願いいたしまして,私の全ての質問とさせていただきます。
○議長(山根堂宏君) 細木良議員。 〔細木良君登壇〕
◆(細木良君) 日本共産党細木でございます。市議団が3年に1度実施をしている高知市政・市民のアンケートの返信が1,200通を超え,市民の切実な悲鳴のような声が連日控室に届いています。その声を紹介しながら,通告に従い質問を行います。 まず,市長の政治姿勢について。 集団的自衛権について伺います。 世論調査でも国民の過半数が反対しているものを,安倍首相は国民を置き去りに,国会の議論もまともにせず,平和の党との密室協議にのみ力を割き,今国会会期内に閣議決定をしようとしゃにむに突き進んでいます。 個別的自衛権で解決できるものを荒唐無稽なケースを示して情緒的にあおったり,基準や限定を示したり,昔の判決や政府見解を無理やり引っ張ってきていますが,結局のところは,ノーベル平和賞の候補にもなっている憲法9条を形骸化,死文化させる,この集団的自衛権行使は,アメリカのために戦争すること,これに尽き,戦後の日本の国のあり方を180度転換するものです。 自分自身戦場に決して行くことのない石破幹事長は,集団的自衛権を行使するようになれば,自衛隊が他国民のために血を流すことになるかもしれないと述べています。 この通販生活の最新号では,集団的自衛権の国民投票特集を組み,6人の論者の一人,漫画家の弘兼憲史氏は,不幸にも自衛隊員が命を落とすことになるかもしれないけれど,仕方ありませんと言い放っています。日本の若者に血を流す貢献をさせる,日本を殺し殺される国にする暴走を許すわけにはいきません。 14日,9条改憲論者で有名な憲法学者の小林節氏は,高知市で開かれた講演の中で,日本のような大国が,戦後70年近く一人の戦死者も出さず,一人の外国人を殺すことのなかったのは9条があったから。今となって9条のよさに気づいたと話されていました。 戦争放棄の国から戦争する国へ,この大転換を解釈改憲で行うことは,国民投票での憲法改正は困難と考え,ぼろが出ないうちに,それも国民がワールドカップに注目しているうちにやってしまおうなど,こそくのきわみであり,立憲主義を破壊するものです。 集団的自衛権行使を容認するのか。また,安倍政権による解釈改憲による行使容認について,市長に伺います。 次に,大飯原発の差しとめ判決について伺います。 5月21日,福井地裁において,関西電力大飯原発の再稼働差しとめ判決が出されました。原発が抱える根本的な危険を司法が認めた画期的判決であり,司法の良心は生きていたと,多くの市民が高く評価しています。今回の判決には4つの意義があります。 第1は,憲法で保障された人格権を最優先にしていることです。判決は,人の命を基礎とする人格権は憲法上の権利で,日本の法律ではこれを超える価値をほかに見出すことができないと宣言。この大原則に立って,原発再稼働にストップをかけました。人格権の範囲は250キロメートルとされ,この図のように,伊方原発から高知県はすっぽりと入っています。 第2は,ほかの技術とは異なる原発の本質的な危険性を繰り返し強調していることです。判決は,原発について,一旦発生した事故は時の経過に従って拡大していくという性質を持つと述べ,原発は他の技術にない異質の危険があると指摘をしてきたこと。 第3は,原発安全神話に対し,厳しい断罪を下したことです。判決は,この10年足らずに4つの原発で,想定した地震動を超える地震が5回も到来した事実を示し,想定される最大の地震の揺れが大飯原発に到来しないとの関電側の主張は,本質的な危険について余りにも楽観的と言わざるを得ないと指摘しています。 第4に,国民の命よりもコストを優先する考え方をきっぱりと退けたことです。判決は,住民らの人格権と電力の安定供給やコスト問題をてんびんにかけた関電側の議論を法的に許されないと強調。国富の喪失とは,運転停止による貿易赤字ではなく,豊かな国土とそこに国民が根をおろして生活していることを失うことだと強調しました。 被告である電力会社は,原発稼働がCO2排出削減に資すると主張しているが,福島原発事故は我が国始まって以来最大の環境汚染であり,原発の運転継続の根拠とすることは甚だしく筋違いだとした今回の判決は,大飯原発に限らない,全ての日本の原発に当てはまることだと言え,松山地裁で行われている伊方原発運転差しとめ訴訟にも大きな影響を与えることは必至です。 福井地裁の画期的判決の受けとめについて,市長に伺います。 次に,公共交通問題について。 中央地域の公共交通再構築スキーム案が示されました。公共交通の重要性を考えれば,新会社に対する本市の出資金支出約3億5,000万円は少ない金額ではありませんが,やむを得ないと判断するものです。 出資するに当たり,これまでの補助金のあり方については,県庁前で補助金を積んで,はりまや橋でおろし,桟橋の車庫には空で帰ってくるとやゆされることもありますが,本市の果たすべき役割について,これまでの補助金と銀行の融資状況など,各社の経営状況をもっと明らかにすること,今後は経営面で積極的に参画すべきと考えますが,どうか伺います。 再構築会議ではバス便の減便が報道されたこともあり,交通不便地域に住む住民の方から不安の声が寄せられ,地域にスーパーや病院がない五台山地域で聞き取りますと,中心部で買い物をしても,帰るバスが1時間に一本もない状況で,夏場などは買った豆腐が家に帰ったら湯豆腐になっていると,笑うに笑えない状況だと聞かせていただきました。 市民アンケートでも,土電,県交通は市民の足です。特に車を持たない人,老人には大切です。県,市,民間でよい方法を考えてください。料金の値上げはこれ以上しないでくださいとの声が寄せられています。 新会社発足を機に,市民にとって便利で安く快適に移動できる交通権の保障,公共交通を自治体が提供しなくてはなりません。 毎月実施されている通勤ノーカーデーの520運動,市長も実践されていることとは思いますが,市長の公共交通に対する現状認識と市民の交通権を守る決意を伺います。 公共交通をめぐる情勢では,全ての人が健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要な憲法に基づく交通権の保障が規定されていないなどの問題点はあるものの,昨年12月4日,交通政策基本法が公布,施行され,国は現在基本計画の策定中です。 それに続いて,ことし2月に改正された地域公共交通活性化再生法では,まちづくりなどと一体化した地域公共交通網の再編整備,地方自治体の権限強化,住民の移動手段の確保,地域の活性化を目指す方向等が示され,地域公共交通総合連携計画を地域公共交通網形成計画に改正し,その上で路線の再編等の事業を行う場合は,区域内の公共交通事業者等の同意を得て,地域公共交通再編実施計画を作成,国に申請することができるとあります。 こうした国の動きを受け,高知市交通基本計画,そのアクションプランである地域公共交通総合連携計画をそれぞれどのように見直していくのか。まちづくりの観点を含め,検討委員でもある吉岡副市長に伺います。 計画見直しをする際には,他県で取り組まれているような公共交通利用パネルディスカッションや公共交通利用を進める県民会議をつくるなど,住民参画の場づくりをぜひお願いしたいと思います。 次に,地域交通に関する行政の責務を認識し,地域公共交通をデザインできる能力を持った担当者の育成,交通政策課の人的体制強化をすべきと考えるが,どうか伺います。 あわせて,環境,福祉,まちづくり,観光などの分野を含む横断的な公共交通に関する庁内プロジェクトチームを発足させてはどうかと思いますが,伺います。 新会社の事業計画が提案をされていますが,今までの延長線上のようで,新味に乏しいと感じます。そもそも人口減イコール利用者減,売上高減の計画でよいのか。例えば500円,ワンコインで,切符1枚で中央圏域全て移動可能など,定時性,等間隔,低価格,乗り継ぎ改善など利用者視点での改善について,諸外国や国内の先進事例を参考に,思い切った再構築を望むものです。 参考までに,岡山の両備バスの小嶋社長によるエコ公共交通大国おかやま構想を御紹介しますが,商店街の活性化,観光振興,健康福祉増進,環境を柱に路面電車の延伸,架線レス,超低床車両,充電式車両,電気やLNGの新世代バスの導入,一人乗りマイカーの市内乗り入れ規制などが提案されています。 私は,2010年12月に交通基本条例制定を求める質問を行いました。当時全国に先駆けて福岡市が条例を制定していましたが,その後石川,新潟,熊本,奈良など全国の自治体で交通まちづくり基本条例が急速に広がっており,昨年9月には四国で初めてとなる高松市公共交通利用促進条例が制定をされています。 条例制定は,自治体の進めるまちづくりと交通政策が明確になり,市民,議会に説明責任を果たすことができる。交通事業者にとっては行政方針が明確になることで,中長期的な事業計画が策定でき,行政と一体となった事業運営が可能になる。市民は条例に基づき,政策の立案,策定に参加し,市民みずから政策実現のための行動ができ,住民自治に基づくまちづくりが推進されるなどの意義があります。 再構築の時期に合わせ,公共交通基本条例を制定すべきでないか,改めて伺います。 次に,国民健康保険について伺います。 私たち市議団は,今回の引き上げを深刻に受けとめ,2回の市民対象国保学習会を開催し,この月末には市議が手分けをして市内7カ所で国保なんでも相談会を開催する予定です。 3月議会では,国保会計の収支不足について,基金の枯渇,市民に対し平均5,000円の引き上げが示されましたが,料率決定を受け,医療分平均4,509円の引き上げとなりました。 夫婦と子供の3人世帯のモデルケースでざっと試算をしますと,昨年比で約1万5,000円もの引き上げのケースにもなると試算をしましたが,今回の引き上げでの最大引き上げモデルと所得に占める割合は幾らになっているのか伺います。 平均引き上げ額が減った要因として,国からの交付金増,収納率向上,医療費伸び分の鈍化などと説明を受けましたが,当初の昨年度決算見込み形式収支6.8億円の赤字が4.9億円の黒字に,実質収支10.5億円が2.9億円の赤字と,見込みから大幅に7億円以上も改善をされています。こうした予測は困難だったとのことですが,平均4,509円もの値上げを回避できながら,大幅値上げされた市民はたまったものではありません。 国保運営協議会意見書は,被保険者の保険料負担は限界に達しており,安易な保険料引き上げはできる限り抑制するよう求め,市民の理解を得られるよう,事前の周知を行い,国保財政の状況とあわせて十分な説明を行わなければならないとしています。 あかるいまちだけでは全く不十分です。運営協議会の意見に基づいた保険料引き上げ地域説明会を開催すべきと考えるが,どのような方法でいつから実施するのか伺います。 市民の暮らしは収入がふえない中,消費税が4月に増税され,2カ月余りがたちました。消費税は英語でコンサンプション・タックスというようですが,コンサンプションには消耗という意味もあります。まさに,市民は物価値上がりにより疲弊し,消耗し続けています。 市民アンケートでも,国民年金だけでは食べていけない。この先どうして生きていけばよいか,毎日考えて,夜中も目が覚めます。国保料が高い。これ以上値上げしないでほしいなどの意見がたくさん寄せられています。 収支改善を受け,またこれまで繰り入れてこなかった一般財源をせめて投入し,払える保険料に設定することが,市としてとるべき緊急の施策ではないのか。 市民アンケートで20代子育て世帯の方から,国保加入者だが,負担が重過ぎる。消費税も上がり,保育料も国保料も上がるので,何のために働いているのかわからないとの声も届いています。 独自減免制度の復活や子育て世帯への新たな軽減制度をつくるべきと考えるが,どうか伺います。 今回の保険料引き上げのもう一つの背景が,2017年度に移管予定の国保制度の広域化で,それまでに赤字を解消しなければならないとするものです。現在,国と地方3団体が国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議が行われ,財政上の構造問題と解決法,都道府県と市町村の役割分担などが話し合われ,7月に中間取りまとめが出される予定です。 広域化のこれまでの大義名分は,小規模自治体の国保財政が脆弱であり,スケールメリットを高め,保険料を統一するとのことであったものが,医療供給体制の県単位化により,医療費の削減を図るために医療費を出す側の保険者も県にするという発想に大きく変質しています。 こうした動きも受け,今月2日,全国知事会は声明を発表,国保の被保険者の負担が限界に近づいていることを改めて認識し,抜本的な財政基盤強化の具体策を一刻も早く提示するよう,強く要請すると,高過ぎる国保の保険料について公費投入の大幅増を求めるとともに,国が構造問題解決への道筋を明確に示さずに,都道府県と市町村の役割分担についての議論のみを進めようとする場合には,協議から離脱すると警告しています。この間の情勢を踏まえ,国保の広域化について市長の見解を伺います。 次に,南海地震対策について。 地元紙が,「技術職不足,防災におくれ」として,2013年度当初予算に計上された3基の避難タワー,101本の避難路が年度内に一件も発注できなかったことを報じました。行き過ぎた人員削減を進めてきたこと,また学校耐震化も文科省から異例と言える直接指導や,2012年度から始まった県の支援制度にも敏感に反応しなかったことなど,防災事業に対する姿勢のツケが回ってきたことは明らかです。 私たちは,もともと高知市は人的経費が効率的であり,過剰な職員削減は,専門性の低下など,市民サービス低下につながると繰り返し指摘してきました。 再雇用や民間の定年後の職員を期限つきで採用するなど,対応を急ぐべきではないか。本市の対応と現状について伺います。 東日本大震災で84名のとうとい命が失われた石巻大川小学校の事故検証委員会の委員でもある東北福祉大の数見隆生教授らのグループが,南海トラフ大地震で被害が予想される本県を含む7県の小中学校防災状況についてアンケート調査を行っています。 報告の中では,学校は地域の行政機関,消防団,住民と日ごろから交流を持ち,被災時の確認や合意づくりを徹底すること,子供を主体にした防災教育が求められるが,そのためにも教師自身が防災教育の意識を高め,指導能力を磨くことが必要と指摘しています。 本市でも,教職員の防災士養成が進んでいますが,教職員防災士の連絡協議会などを結成し,スキルアップを図っていただきたいと思います。 ことし4月に宮城県教職員組合が作成した学校の防災チェックシートは,県内3,815名の教職員からのアンケートに基づき,3・11での犠牲と困難の中から引き出された教訓と課題をまとめ,学校教育にかかわる全国全ての皆さんに伝え残したいとの思いで作成をされたものです。 このようなチェックシートの活用や命を守る防災教育に対する思いを谷教育委員長に伺います。 陸上自衛隊第14旅団が南海トラフ地震に対する防災訓練として,今月1日から9日にかけて,高知市内を含む県内各地で取り組んだ南海レスキューについて,市民に対して訓練内容がほとんど周知されておらず,住民から不安の声が上がっています。 高知市への事前の訓練情報提供はあったのか。また,住民への訓練周知状況や今後の安全確保について伺います。 次に,中学校給食について。 共産党市議団も構成団体となっている,平和と生活を守る高知市民の会が取り組んでいる中学校給食の実施を求める要望署名が累計1万筆を超え,今議会開会日の13日,教育長に提出いたしました。 3月議会に第1次集約として1,153筆を提出後,地元新聞の「学校給食後進県高知の現場から」連載などで関心が急速に高まったことも受け,子育てサークルを初めJAや園芸連,商店街や量販店,医療関係者など団体の協力もあり,わずか3カ月で9,000筆を突破,まだまだ集まってきている状況です。 私も,何度かスーパー前での署名行動に参加しましたが,署名待ちの市民が並ぶ光景を初めて見ました。そのことからも,いかに切実な要望ということがわかると思います。 中学校給食を求める1万筆を超える市民の思いを,市長はどう受けとめられているのか伺います。 中学校給食実施のための内部検討の状況について伺う予定でしたが,教育長からは,3月議会から進捗はないとのことで質問を割愛させていただき,改めて今後質問いたします。 次に,子育て支援について。 今議会,母子及び寡婦福祉法の一部改正により,貸付金制度に新たに父子家庭が加わり,貸付金の増額補正が提案されています。関係課に問い合わせますと,母子にあって父子にない制度はほとんどなくなったと聞きました。大いに歓迎するものです。 本市では現在,父子家庭が約1,000世帯ということですが,父子家庭の友人や知人に聞きますと,「制度について知らなかった」「子供が小さいころ病気にかかると,仕事をすぐには休めず,預け先に苦労した」「子供の医療費免除の所得制限をなくしてほしい」「妻を昨年亡くしたが,遺族年金支給の条件を緩和してほしい」「子供が10歳,父親だけで仕事を抱え,いろいろ面倒見て大変です。子供の年齢が小さい人はさらに大変だと思います。行政のほうから声をかけてあげて,いろいろ支援をしてあげてほしいです」などの切実な声を聞きましたが,「この苦労を誰かに聞いてほしかった」との訴えに,母子家庭同様,父子家庭の大変さを痛感しました。 子供支援,子育て支援のこども未来部もスタートしました。気軽に何でも相談できるひとり親家庭のワンストップの窓口開設や制度周知の徹底などが必要と考えますがどうか。 次に,父親の育児参加について伺います。 今年度発行されている本市の母子手帳を見せていただきました。名前も親子健康手帳となり,中学校卒業まで我が子の成長を記録でき,内容的にも非常に充実していると感じました。 この母子手帳の父親版である父子手帳を発行する自治体がふえています。12都県で発行,帯広市,横浜市,奈良市,和歌山市,高松市などで市町村で発行するケースもあり,その内容も新米パパを応援する情報についてイラストを多用し,地域性も盛り込んだユニークな内容となっています。これは奈良市の分です。 配付については,母子手帳の交付時に渡すことが多いようですが,パソコン管理やスマホのアプリの形もあるようです。父親の育児参加のきっかけとなる高知市版の父子手帳,イクメン手帳をつくってみてはどうかと考えますが,所見を伺います。 次に,臨時職員の福利厚生について伺います。 本市の臨時職員は1,000人近く雇用されていますが,健診など福利厚生面での現状についてお聞きします。 臨時職員対象の健診は5年前に中止され,それにかわるものとして協会けんぽの生活習慣予防健診を活用するよう紹介されていますが,直近の受診状況によると,対象職員約700名のうち56名の受診にとどまっています。一般健診の自己負担費用が7,000円ほどかかり,オプションを追加するたびに高額となりますので,費用面の問題もあるかもしれませんが,雇用時の周知不足もあるのではないかと思われます。 また,雇い入れ時には,結核検診と診断書提出が義務づけられており,平均5,000円の費用負担を臨時職員が支払っています。ちなみに,県は自己負担ゼロです。通勤費も,1日わずか220円の定額支給など,正職員との待遇面での格差は大きく,同じ職場で働く仲間である臨時職員さんに対して,健康管理での費用負担の軽減を含む処遇改善を強く求めるものです。 臨時職員への健康管理について,今後の改善方向を示していただきたいと思います。 高齢化の進展で,高齢者が安心して住み続けられるまちづくりを進める課題,市道編入について伺います。 市民アンケートで,未舗装の私道で高齢者が転倒し,けがをした。高知市道に編入して舗装してほしいとの声が寄せられ,早速現地に伺いました。 市道編入募集は,4次の編入事業が2年前に行われましたが,次の第5次は10年以上先で,予定はわからないとのことでした。 この間の整備率については,3次編入分が52%にとどまっており,4次の整備はまだまだ先の状況となっています。 予算の増額や体制拡充により,防災上の観点で避難路に指定すべきものや通学路として活用されているところを優先的に整備するなど,整備率向上の方針を持つべきと考えますが,どうか伺います。 以上で,1問を終わります。
○議長(山根堂宏君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問に順次お答えを申し上げたいと思います。 まず,集団的自衛権,また解釈改憲につきまして御質問いただきましたので,一括してこの件に関してはお答えを申し上げます。 憲法第9条では,武力放棄による戦争の放棄をうたっておりますので,政府の憲法解釈を担ってきた内閣法制局のこれまでの見解は,平和憲法の理念のもと,他国に加えられた武力攻撃を阻止することを内容とする集団的自衛権の行使については,必要最小限度の範疇を超えるものであって,憲法上許されないと言わざるを得ないというのが,従前の内閣法制局の見解でございまして,国会におきましても,その答弁内容を従前から容認をしてきた経過があります。 自衛権行使の必要最小限度の範囲というものも,それぞれ国会の論議の中で絞り込まれておりまして,歴代内閣による自衛権と憲法との関係の整理につきましては,憲法第9条の本質としての3要件,我が国に対する急迫不正の侵害があること,これを排除するためにほかに適当な手段がないこと,必要最小限度の実力の行使にとどまること,この3要件を満たしている場合に限るというのが,これまでの国会論議でそれぞれ見解が示されてきたところでございます。 本来行使が容認できないとされてまいりました集団的自衛権を無理に解釈変更によって容認するということは,立憲主義の否定になりかねないということでございまして,解釈で変更するべきものではないというふうに考えております。 一方,北朝鮮による核開発や中国の軍備状況が進んできておりまして,アジアの安全保障の環境が厳しさを増しており,テロやサイバー攻撃など,国境を越えた脅威も広がっておりますので,個別的自衛権だけでの対応には限界もあるものと考えます。 集団的自衛権の行使につきましては,安全保障に最低限必要な行使の適用範囲が,従来から守られてきました,先ほど申し上げました3要件の範疇におさまるかどうかを個々の事例によって専門的にじっくりと検討していただき,国会を中心に十分な時間をかけて議論を尽くし,民意を反映していただく必要があるものと考えております。 続きまして,大飯原発の差しとめ判決についての御質問にお答えを申し上げます。 5月21日の福井地方裁判所の判決では,地震対策に構造的欠陥があるとしまして,大飯原発の3号機,4号機の運転を差しとめる画期的な判決が出されました。 この判決で,樋口裁判長は基準値の震動,これは耐震設計の目安となります地震の揺れの基準値の震動でございますが,これを超える地震が来ない根拠はない。また,基準値に満たない地震であっても,原子炉を冷やします機能の喪失によって,重大事故が生じ得るとした上で,関西電力が示した安全技術や設備については万全ではなく,楽観的な見通しのもとで初めて成り立つ脆弱なものということまで言い切っております。 行政手続上の適否にとどまってきましたこれまでの原発訴訟の判決内容に比べまして,実質的な安全性の有無の判断にまで鋭く踏み込み,人の命と経済性をてんびんにかけることは許されないと断じまして,東京電力福島第一原発事故を踏まえた訴訟に正面から向き合った裁判官の凛とした姿勢が読み取れる画期的な判決となっておりまして,正直私自身も驚きました。 最高裁におきましては,2012年1月に開きました,これは最高裁がそれぞれ開いたものでございますが,原発訴訟の特別研究会には,全国から裁判官が参加をしまして,福島原発事故を踏まえ,放射能汚染の広がりや安全審査の想定事項など,従来の判断の枠組みを再点検する必要があるといったそれぞれの裁判官からの意見,また専門的な知見への対応策として,学識経験を持つ第三者に深く掘り下げた解釈,分析を求める,いわゆる鑑定の活用など,審理改革のいわゆる改革の必要性を指摘する裁判官の意見が相次いだと聞いております。 そういった取り組みや今回の判決によりまして,これまでは原告敗訴が続いてきました原発訴訟の流れが変わる可能性もありますので,司法におけるこれからの判断,また原子力規制委員会における安全審査等の動向には十分に注視をしてまいりたいと考えております。 続きまして,公共交通に関します御質問にお答えを申し上げます。 公共交通の現状認識につきましては,路面電車につきましては,ほぼ収支の均衡が図られておりますが,路線バスは非常に厳しい状況にございまして,土電,県交通とも,県,市,それぞれ市町村の補助金を受け入れましても,なお年間赤字が出るなど,路線バスを取り巻く環境が非常に厳しい状況にございます。 平成19年の少し古い数字ではございますが,高知都市圏プロジェクトチーム調査報告書によりまして,交通手段の利用状況を調査したデータがございますが,少し古いデータではございますが,路線バスと路面電車を交通手段として活用している割合につきましては,全体の割合の2%にとどまっております。 今後,バス系統の番号化や使い勝手のよい路線の整備,新たな低床バスの導入など,利用者の利便性向上策によりまして,いかにして潜在的な需要を掘り起こすかということが重要でございまして,事業者には利用者をふやすための最大限の努力を行っていただく必要がございます。 将来にわたり持続可能な公共交通を構築するためには,安定的な経営基盤の確立が必須条件となりますので,適正なサービス水準の維持とあわせまして,費用対効果の観点によりますバランスのよい運営というものを行っていただく必要があるというふうに考えております。 今後,重複路線の整理や鉄道,軌道,これは電車ですが,鉄道や電車や自転車などを含めました,よく使われる言葉ですが,交通手段のベストミックス,こういうものを構築しながら,市民の方々の移動手段を確実に守っていく必要があると考えます。 中央地域におきましては,通勤や通学の手段,また高齢者の方々は病院に行く手段ということも非常に多うございますが,路線バス,また路面電車に合わせまして年間約1,000万人の皆様が公共交通を利用している現状がありますので,万が一にも公共交通がとまるということはあってはなりませんので,強い決意を持って再構築の実現に取り組んでまいります。市議会におかれましても,御支援を賜りますようにお願いを申し上げたいと思います。 続きまして,中学校給食の実現を求めます署名についての市長の思いということでございますが,まず職務権限を少し整理をさせていただきますが,中学校給食を実施するかどうかということの判断につきましては,市長の権限ではなくて教育委員会の権限ということに法律上なっております。市長は,予算の提案権を持っております。市長自身が決定する権限は持ち合わせていないということでございます。 今回の中学校給食の実施を求める署名につきましては,1万人を超えます方々からの思いが短期間で集まっておりますので,御要望の重さというものを私自身も感じております。 一方,これまでも議会答弁でも申し上げておりますが,現在教育委員会の現場におきましては,学校施設の耐震化工事を優先化して取り組んでおります。まだ工事が32棟残っておりまして,平成27年度から29年度までの3年間で32棟の校舎等の耐震化を計画しておりますので,現在学校給食をすぐに開始をできる状況では,財政上ございません。 中学校給食の実施につきましては,給食施設としてのハード施設について多額な投資的経費がかかる予定でございますので,この試算を行いながら,毎年必要となります運営経費についても必要でございますので,これらの試算を含めまして,それぞれの課題を整理しながら資料を提供しながら,議会も含めまして議論をいただく必要があるものと考えております。 最後になりますが,国民健康保険の都道府県単位化に関する御意見にお答えを申し上げます。 国民健康保険の見直しにつきましては,地方公共団体の意見を十分に踏まえながら検討を進めるということが,国もそういう認識がございまして,厚生労働省と我々地方との協議の場におきまして,私も入っておりますが,国保の基盤強化協議会が本年1月から再開をしまして,国民健康保険の財政上の構造問題の分析とその課題解決に向けました具体案,そして国民健康保険の運営に関する業務に係る都道府県と市町村の役割分担,この2点を中心に今協議を進めておりまして,少し作業がおくれぎみではございますが,本年7月をめどに中間的な取りまとめを目指しております。 今回の都道府県の単位化の運営につきましては,御指摘にありましたとおり,いわゆる町村国保が非常に逼迫をしておりますので,小規模自治体の逼迫した状況,また都道府県の保険料格差もありますし,都道府県の県内の保険料の格差という問題もございます。それぞれ国保の構造問題の,特に財政問題を国からの支援を強化させながら,課題解決を図っていきたいということで,それぞれ協議を進めております。 また,国民会議の報告書にもありますように,地域における医療提供体制に係ります責任の主体は都道府県でございますが,この医療提供体制に係ります,責任の主体である都道府県と国民健康保険に係る財政運営の責任をそれぞれ主体を合わせるという意味で,地域医療の提供水準と標準的な保険料の設定というものを総合的に検討していくということが,今国が目指している方向性でもございます。 全国知事会につきましては,我々もそうなんですが,財政上の構造問題の解決に向けまして,具体的な道筋を早急に示していただきたいということは,市長会も強く求めております。 全国知事会につきましては,財政問題を示さなければ議論は進めないということで,先ほどの少し意見もありましたように,脱退というものは,これは事務方が申したものでございますが,事務方からは脱退という話も出たというふうに聞いております。 ただ,国保に関連しまして,全国知事会,全国市長会,また全国の市議会議長会,こういう地方六団体が共同で安倍総理に今月11日に提出をしました国保に関します要望書の中でも,知事会も国保の財源強化のための共同歩調を市長会とともにとっておりますので,現在すぐ離脱をするということではございません。 国民健康保険の都道府県単位の運営につきましては,今後の国保運営を持続可能なものにするためにも,我々は避けて通れない課題であるというふうに考えております。 社会保障制度の国民会議,また政府におきましても,平成29年度をめどに都道府県国保化を図るということになっておりまして,来年の通常国会に関連法案を提出するというスケジュールになっております。 一番大事なのは,逼迫しております国保の財政に国の財政支援を手厚く入れるということが,それぞれ地方側が強く求めているところでございますので,そのことによりまして,国保の保険料を過重に市民の方々にお願いすることがないようにということを我々も強く求めているところでございますので,その点につきましては,なお厚生労働省を含めまして国にも強く求めてまいりたいと考えております。 その他の御質問につきましては,副市長及び各担当部局長等からお答えを申し上げます。
○議長(山根堂宏君) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡章君) 私のほうからは,公共交通に関しまして,高知市交通基本計画及び高知市地域公共交通総合連携計画の見直しにつきましてお答えをいたします。 地域公共交通をめぐる国の動きとしましては,本年5月14日に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の改正案が国会で成立しました。 その改正の趣旨としましては,民間事業者に任せきりであった従来の枠組みから脱却し,地方公共団体が先頭に立って関係者との合意のもとで,地域戦略と一体で持続可能な地域公共交通ネットワークサービスを形成することが重要という考え方のもとに,地域の公共交通の維持等を図っていこうとするものであります。 このような国の動きに先行するような形で,現在県や関係市町村,関係事業者等と公共交通の再構築に取り組んでいるところでございます。 本市の公共交通政策の柱となります高知市交通基本計画につきましては,本市の交通全般を包括するマスタープランとして位置づけたものでございまして,今回の法律改正や公共交通の再編にも適応する内容となっておりますことから,現時点で見直しについては考えておりません。 一方で,高知市地域公共交通総合連携計画につきましては,その根拠となる法が改正されましたことから,持続可能な地域公共交通網の形成に資する地域公共交通の活性化及び再生を推進するための計画を市町村だけでなく,今回は都道府県とも共同して計画を策定することができることとなっております。 そのため,今後の県内の公共交通再構築の動向も踏まえながら,県や周辺市町村との連携のもとに,やはり今後のまちづくりにおける広域的な公共交通のあり方や,やはり交通弱者の高齢者や障害者等,公共交通の利用者の視点も重視しながら,広域にわたる計画策定の必要性とその取り組みについて今後検討を進めてまいりたいと考えております。
○議長(山根堂宏君) 森田総務部長。
◎総務部長(森田惠介君) 臨時職員の福利厚生に関連します御質問にお答えをいたします。 臨時職員の健康診断につきましては,法的に事業主に課せられております健康診断の実施義務がないことや,その代替措置といたしまして,医療保険者であります協会けんぽが実施をする生活習慣病の予防健診を受診することができるため,廃止をしたものでございます。 なお,当該健診の制度の御案内や申込手続につきましては,年度当初に各所属長に対しまして,臨時職員の皆さんに周知するようお願いをしておりますが,御指摘にもございましたとおり,まだまだ受診者が少ない状況でございますので,より多くの臨時職員の皆さんに受診いただくよう,さらに周知徹底を図りながら,受診者増加につなげてまいりたいと考えております。 また,雇用時に提出をいただいております胸部レントゲンの費用負担を初めとしまして,臨時職員の皆さんの処遇につきましては多くの課題があるというふうに認識をしておりますので,健康診断の費用負担,方法なども含めまして,県や他都市等の状況を調査の上,早急に検討する必要があるというふうに考えております。 続きまして,技術職員の不足に対します御質問にお答えをいたします。 本市技術職員の採用に際しましては,毎年定年退職者などの状況を踏まえ,職種ごとの採用募集人数を決定しておりまして,これまでは新規採用者の一定の確保はできておりました。 これは採用募集人数に対しまして,受験者数が多いときでは10倍を超えるなど,相当数の受験者がおいでたわけですが,昨年度の採用試験では,特に土木職の受験者数が大幅に落ち込み,最終的に予定しておりました新規採用者が確保できなかったことによりまして,技術系職員の欠員が発生をしたものでございます。 こうしたことから,技術職員の採用につきましては,通常の採用試験に加えまして,30歳の,いわゆる即戦力となる技術職に限定をした採用試験を本年度から通年で募集を行いますとともに,都市建設部の協力も得ながら,県内の大学,高専,高校を訪問し,本市の採用試験の御案内を直接各就職担当者に行うなど,より多くの人材に受験をしていただけますよう努めているところでございます。 また一方で,本年度末に定年退職をされる職員に対しましても,再任用職員といたしまして,技術の継承や後進の育成等の面で多くの職員の皆様にお力をおかりしたいと考えておりまして,現在全職員の希望を順次伺っておるところでございます。 いずれにいたしましても,技術職員の不足につきましては,全国的にも東日本大震災からの復興や東京オリンピックなどの需要増に伴いまして憂慮されておる状況でございますことから,本市といたしましても,より一層の人材確保に向け,今後とも努力をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(山根堂宏君) 坂本市民協働部長。
◎市民協働部長(坂本導昭君) 公共交通の再構築に関する御質問に順次お答えします。 まず,会社各社の経営状況についての御質問でございますが,公共交通に関しまして,本市が交付した各社への補助金につきましては,毎年度実績報告等により,使途が適正であるか等の確認をし交付するとともに,過去からの交付金額につきましても,年度ごとに統計的に整理し,情報公開できるようにしております。 一方で,各社の金融機関からの融資状況等詳細につきましては,私企業と取引金融機関の関係であり,企業情報や金融機関の取引情報を行政として詳細に求め把握することには,一定法的にも困難な面がございます。 次に,経営面への参画についてのお尋ねでございますが,6月27日に予定しております株主総会の結果を受けてのこととなりますが,今後議会で新会社への出資がお認めいただけた場合を前提としまして,株式の35%を所有する株主となりますので,出資者である行政としてどのような形で経営に参画していくことが可能か,県等とも協議してまいらなければならないと考えておりますが,経営者の職務権限と経営責任の明確化の観点から,一義的には経営はあくまでも経営陣で責任を持って行っていただく必要があるものと考えております。 次に,地域公共交通に関して,人材の育成や体制強化についての御質問でございますが,将来にわたって持続可能な公共交通の構築を図るためには,先ほど市長が申し上げました交通手段のベストミックスを図るとともに,南海トラフの地震対策や地域福祉,町なか居住などによるコンパクトシティーのまちづくりの観点など,本市の地域特性や行政課題を組み合わせ,総合的な都市内交通の形成を図ることが重要となると考えておりまして,専門知識を有する人材の育成は急務であると考えております。 一方で,本市の行政計画や交通基本法を初めとする交通諸法令の習得,また地域の皆様,警察など関係機関とのネットワークづくりには一定の時間を要するとともに,交通政策課の職員は公共交通,交通安全に関する業務も行っております。 そうしたことから,今後一層重要な役割を担う公共交通政策の十分な施策展開を図っていくためには,職員研修や専門研修を活用した職員のスキルアップに努めるとともに,体制の強化や育成期間に配慮した人事異動サイクルにつきまして,総務部と協議してまいります。 次に,庁内プロジェクトチームについての御質問でございますが,県や関係市町村におきまして,新会社への出資が可能となった場合には,今後のスケジュールとしまして,10月1日に向けて新会社で国に対する事業継承や事業再編計画の認定手続を実質3カ月で行う必要がございます。 その際には,県や本市も加わりまして,新会社設立委員会にメンバーとして参画し,社名や役員構成などの重要事項を協議,決定していくなどの取り組みに協力,支援していくことが必要となってまいります。 また,今後のさらなる公共交通の利活用につきましては,観光や教育など,各種行政施策との関係もありますことから,まずは庁内での横の連携も図りながら,幅広く意見調整に努めてまいりたいと考えております。 最後に,公共交通基本条例に関しましての御質問にお答えします。 現在,国においては交通政策基本法を公布,施行し,地方公共団体を中心とした公共交通のネットワークを整備することが重要と位置づけるとともに,それを支援するための制度設計を検討されているとお聞きしています。 本市においては,こうした国の制度等の進捗状況について,県等とも連携しながら,積極的な情報収集に努め,利用可能なメニューは迅速に導入を図るとともに,持続可能な公共交通の構築に向けた新会社の設立という大きな目標への取り組みをまずは着実に進めてまいりたいと考えておりますが,御提案もいただきましたので,今後あわせて先進市の事例等の研究も行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(山根堂宏君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 国民健康保険の御質問に順次お答えをいたします。 まず,保険料率の改定に伴う引き上げモデル等の影響についてでございますが,今回の保険料の引き上げは,後期高齢者支援金と介護納付金の賦課限度額のそれぞれ2万円の引き上げと,医療分の保険料率の所得割,世帯割,均等割の改定を行ったもので,それぞれ限度額に達する世帯では最高4万円の引き上げとなります。 限度額に達しない場合でも,国保料は世帯の被保険者数が多いほど,また所得水準が高ければ,保険料が高くなる仕組みとなっておりますので,また世帯に介護保険料の対象者がおられるかどうかで保険料率は変わってまいります。 今回の改定に伴います限度額に達しない世帯の引き上げ額の大きな事例としては,所得が500万円を超え,介護保険料が対象となる単身世帯で医療分で2万990円,介護分で1万7,560円となっており,合計3万8,550円の引き上げ額となっております。 この世帯の所得に占める保険料の割合は,医療分の年間保険料が64万3,900円となりまして,所得の12.78%,介護分13万7,560円を加えますと,保険料の合計は78万1,460円 となりまして,所得の15.6%となっております。 続きまして,保険料引き上げに係る地域説明会の御質問にお答えをいたします。 本年2月に開催をされました国保運営協議会の意見書におきましては,事前の周知を行い,国保財政の状況とあわせて十分な説明を行わなければならないとの御意見をいただいております。 このため,被保険者の方々には,納付書が届く前に新たな負担増を御理解いただくため,地元のマスコミを通じた報道のほか,あかるいまち5月号において保険料改定のお知らせと題して,国保財政の状況と平成26年度以降の国保財源の確保のために,一般会計からの繰り入れとあわせて保険料を引き上げることをお知らせいたしまして,さらにあかるいまち6月号では,新たな保険料率及び保険料軽減制度の見直しに関する広報を行ってまいりました。 今月12日に保険料の納付書等を発送いたしましたが,現在のところ大きな混乱はなく,被保険者の皆様にも御理解をいただけているのではないかと判断をしております。窓口に来られた方々や電話による問い合わせ等についても,丁寧な説明を心がけ対応しておりますので,御質問をいただきました地域説明会を実施することは考えておりませんので,御理解をいただきますようお願いをいたします。 最後に,保険料軽減制度の創設に関する御質問にお答えをいたします。 平成25年度の決算見込みでは,昨年末時点の医療給付費の伸びが対前年度比5.12%と非常に高い水準で推移をしておりましたが,25年度末には年間平均で4.4%の伸びに低下をし,給付費が減少しております。 また,国や県の調整交付金が前年度より増額配分されたことによりまして,あわせて収納努力によりまして,保険料収入が1億円増加したことなど,複数の要因によりまして形式収支の改善が見込まれる状況となっております。 しかし,形式収支の中には,前年度からの繰越金や基金の取り崩し額も含まれておりますので,それらを除く国保会計の実質収支は2.9億円の赤字となっておりまして,本年度も収支赤字となる見通しでございます。 御質問いただきました新たな保険料軽減制度を実施する場合には,その財源が必要となりますが,赤字運営となる国保会計の状況の中で実施することは困難と考えております。 一方,これまで御説明をしてきましたように,国においては,今年度から保険料の応益負担である平等割,均等割に係る5割軽減,2割軽減の適用基準を拡大し,これによりまして新たな軽減対象世帯は2,642世帯ふえまして,合計1万2,314世帯がこの軽減を受けております。7割軽減を含めますと,3万592世帯が軽減対象となっております。 国民健康保険の保険料負担につきましては,御指摘のように保険料負担が重いといった問題や保険者によります保険料の格差の是正や低所得者の皆さんに対する支援策の充実が全国共通の課題として解決を図るべき問題でありますので,平成29年度を目途とした国保の都道府県単位化に向けまして,国保の基盤強化の議論の中でさらに充実が図られるように,引き続き国に対して要望してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(山根堂宏君) 山川こども未来部長。
◎こども未来部長(山川瑞代君) ひとり親家庭のワンストップ窓口と制度周知についての御質問にお答えいたします。 現在高知市では,子育て給付課に母子自立支援員を2名配置して,ひとり親家庭における子育てや生活上のさまざまな悩みについて相談を受け,内容に応じて助言や指導を行っております。平成25年度は,延べ件数で母子世帯2,391件,父子世帯30件の相談がありました。 中でも,母子,父子ともに相談件数の多い就業相談につきましては,高知県と共同で実施している母子家庭等就業・自立支援センター事業なども利用しながら,個々の実情に応じた就業をアドバイスしております。 その他経済的な困窮を主要因とする相談では,福祉事務所につないだり,また子育てに関するさまざまな相談についても,こども未来部各課と連携をとって対応しているところです。 本市では,本年10月から施行される母子及び寡婦福祉法の一部改正に伴い,父子福祉資金貸付事業の開始を予定しており,これに伴って本市のひとり親家庭施策において,母子家庭と父子家庭の違いはなくなることになります。 これらの制度を含めて,ひとり親家庭への支援策を広報紙やホームページを初めさまざまな場面を活用し周知を図りまして,父子家庭の方にも相談しやすい体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 次に,父子手帳,イクメン手帳についてお答えします。 御質問にあります父子手帳,イクメン手帳では,妊娠,出産,育児についての基礎知識や子育てについて,夫として,父親としての視点で説明,記載されているものが多く,男性による子育て参加を推進し,支援する内容となっています。 高知市におきましては,父子手帳,イクメン手帳の作成,配付はいたしておりませんが,親子健康手帳交付の際には,子育て中のお母さん,お父さんの役に立てるようにと,子育て応援ブックや乳児家庭全戸訪問事業の際などには,子育ての情報冊子として,こうちし子育てガイドぱむをお配りし,育児や子育てに活用していただいております。 このように子育て応援ブックや子育てガイドぱむを独自に作成し,子育て支援を行っているところでございますが,今後改訂の際には,男性の視点を踏まえた内容も加え,見直しを行ってまいりたいと考えております。
○議長(山根堂宏君) 山本都市建設部長。
◎都市建設部長(山本頼男君) 市道編入の御質問にお答えします。 これまでに市道編入されました道路は,第4次編入分を除き,延べ180.7キロメートルでございまして,平成25年度末の整備率は,第3次編入分の52%を含め,91.1%となっています。第4次編入道路の整備を進めるためにも,第3次編入道路を早期に整備をする必要がございます。 このようなことから,道路整備を行うに当たりましては,状況により全てを全面改修するのではなく,通行の安全を優先した部分的な整備手法を取り入れるなど,予算の範囲内でできるだけ多くの道路整備に努めています。 今後につきましても,予算の確保に努めるとともに,避難路,通学路の位置づけや現状の緊急性を判断しながら順次整備を進め,整備率の向上を図ってまいります。
○議長(山根堂宏君) 谷教育委員長。
◎教育委員長(谷智子君) 命を守る防災教育推進のためにチェックシート活用や防災教育にかける思いをとの御質問をいただきました。 御紹介いただきました学校の防災チェックシートは,東日本大震災の犠牲や困難の中から導き出された大変貴重で価値のあるチェックシートです。本市の防災教育におきましても,ぜひとも参考にさせていただきたいと考えております。 私は,この3月まで愛宕中学校に6年間勤務しておりました。その間,総合的な学習の時間を初め,全ての教育活動を通じて防災教育に取り組んでまいりました。 防災教育でまず大事にしたいのは,災害時にいつ,どこにいても,どのような状況にあっても,自分の命を自分で守るために適切に判断し,主体的に行動できる力を身につけた子供の育成であります。 そのために,地域住民を対象とした防災1,000人アンケート調査を実施し,その分析をもとにきずなカードを作成したり,あたご防災新聞を発行するなど,探求的な活動を積極的に取り入れました。 結果として,子供が命の大切さ,学ぶ喜びを実感し,学習意欲や学力の向上につながりました。 また,子供たち,教職員,地域住民が合同で毎年避難訓練を行っておりまして,日ごろから子供や教職員が地域住民と交流,連携することを通して,学校が地域防災の拠点となることを目指してきました。このような取り組みにより,校区全体の防災意識が高まり,校区の自主防災組織の拡大にもつながりました。 こうした私の経験をもとに考えますと,防災教育は単に防災教育にとどまらず,子供たちの生きる力や確かな学力を育むことにつながるとともに,地域の一層の活力向上や発展につながる重要な取り組みであると考えております。
○議長(山根堂宏君) 下元防災対策部長。
◎防災対策部長(下元俊彦君) 南海レスキューに関する御質問にお答えいたします。 陸上自衛隊第14旅団による南海トラフ地震を想定した訓練,南海レスキューにつきましては,四国,近畿地方におきまして,今月1日から11日までの間に実施され,本市では6月2日から3日にかけて,針木運動公園と鏡地区の城ノ平運動公園で災害発生後の初動時の派遣部隊訓練が実施されました。 この訓練の実施につきましては,4月末に高知県危機管理・防災課から防災対策部に情報提供がありました。また,訓練の実施場所となりました両施設の所管には,5月中旬に陸上自衛隊から施設の利用許可の申請が提出されております。 その後,5月末に県危機管理・防災課から,訓練の規模が変更になる可能性が出てきたので,訓練に関して住民の皆様から問い合わせがあった場合は,県につなぐようにとの連絡をいただきました。 今回の訓練についての市民の皆様からの問い合わせはございませんでしたが,本市ではこれまでヘリコプターの離着陸訓練等の大規模訓練を市の施設で実施する場合は,地域住民の皆様にお知らせをしてきた経過もございますので,今後は今回のような訓練につきましても,県と連携しながら,周知等について協議を行い,住民の皆様への情報提供を図っていきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(山根堂宏君) 細木良議員。
◆(細木良君) 2問を行います。 1つ目は,中学校給食についてです。 1万筆の署名提出時の教育長の懇談で出された,運動にかかわっている看護学生の話では,昼食はヨーグルト1個の友達がいて,友達同士が心配して弁当を分け合うこともたびたびあったと紹介をされました。子供にこんなつらい思いをさせている状況を一刻も放置してはならず,大人の責任で解決しなくてはならないと感じたところです。 また,子どもの権利条約は日本で批准され,ことしは20年の節目の年です。本市の学校給食実施状況は,条約第2条の差別禁止,第3条の児童の最善利益,第6条の生命生存,発達権利の条文に照らし合わせても,子供の権利を侵害している状態であることは明らかです。 2月県議会だよりが,先日新聞の折り込みに入っていました。その中の総務委員会報告で執行部は,財政的に苦しいのはどこの市町村も同じであるが,政策の優先順位の問題と考えており,市町村に対し,今後も働きかけていくとの答弁があり,委員からは,給食の問題を教育の問題として,県市連携の中でも取り上げてほしいとの意見があったと書いてありました。 また,今月食育月間ということで,市役所玄関前でパネル展示が行われています。学校における食育を推進する上で重要な役割を担う学校給食のあり方について研究,協議を行い,あわせて学校給食関係者の資質向上を図る目的で全国学校給食研究協議大会がことし山口市で行われて,来年の第66回大会は高知市を会場に全国から約1,000人が来場される予定です。食育の観点でも,実施が本当に望まれていると思います。 市長の答弁では,権限についてのお話もありました。松原教育長は,愛宕中学校時代に御飯を食べれない中学生の生徒さんに対して,おにぎりをつくってくるなどの本当に温かい対応をされてこられましたので,またこの間の議会の答弁でもありますように,学校給食についてはやる気満々だと私たちは考えています。 そこで,やはり決断は,予算についての権限を持つ市長だと考えるところです。仮に,来年度実施に向けて何らかのアクションを新年度するというのであれば,9月議会でせめて方向性を示してほしいと思います。また,実施率16.8%を一気に100%実施するのは困難かもしれませんので,段階的にでも中学校給食を実施するように,ここに強く要望しておきます。 中学校給食実施は,地域で署名を懸命に集めてくれた市民,そしてきょう雨の中,たくさん傍聴に来ていただいた皆さんの切なる思いですので,どうぞよろしくお願いします。 2つ目に,国保の問題についてお伺いしますが,声明については,山田知事名でしっかりとこの離脱という文字があります。全国市長会,また国保の会長さんということで,岡崎市長には知事会とも歩調を合わせて,強い姿勢で国に求めていってほしいと思います。 引き上げ額は15.6%という所得に占める割合ということが報告をされました。全国平均は10%ですので,本当に高い,限界をはるかに超える引き上げ額だと思います。 全日本民医連が行った昨年度の無保険による死亡事例調査では,本県の3件を含む56件が報告をされています。民医連の患者さんの全国シェアは1%であり,軽く見積もっても5,000人以上で,氷山の一角とも言われています。今回の値上げは,こうした状況をさらに加速するものだと思います。その認識はあるのか,市長に伺います。 また,値上げの説明会についてはいかんということになりましたが,市民から要望があっても,そういう説明会を実施しないのかするのか,それについてお答えをお願いします。 また,こども未来部が発足しましたが,これを機に,これからの高知を担う子供たちに対して,子供の権利が保障され,尊重され,高知は子育てしやすい環境に大きく変わったねと言われるよう期待を持っています。 所管の事務事業の遂行だけではなく,給食実施や子供の医療費助成のさらなる拡充を初め,高知市の全ての施策が子供にとってどうなのか,検証,発信する部署であってほしいと思います。こども未来部のスタートに当たって,山川部長の決意を伺います。 2問を終わります。
○議長(山根堂宏君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 第2問のうち,国保に関する御質問にお答えを申し上げます。 先ほど私のほう,また部長のほうからもお答え申し上げましたが,国保の財政は高知市につきましても,今年度赤字見込みということにもなっておりまして,非常に逼迫しております。 ただ,段々の御質問をいただいておりますように,市民の皆様方の御負担の限度というものも,かなり限度に近づきつつあるという認識を持っておりますので,我々も非常に苦悩しながら,平均5,000円のお願いということをしているところでもございます。 やはり,国費の拡充ということが一番大事でございまして,国民健康保険について新たに2,200億円の国費を入れるということ自体は決まっておりますが,平成26年度当初で500億円しか入っておりません。1,700億円はまだ入っておりませんので,まずは国が約束した2,200億円を入れるということを確実に実施していただきながら,保険料抑制をしていくというのが一番急がれることでございます。 御指摘いただきましたように,無保険になって,いろんな市民の方々に重大な障害が発生しないようにという点につきましては,十分気をつけて運営をしていかなければならないと考えております。 また,国保につきましては,5月号の広報,6月号の広報にも詳細を載せてございますので,個別各地域を回って説明会ということは考えておりません。むしろ委員会とか議会が本来の場でございますので,各地域を回るということは考えておりませんけれども,個別にそれぞれもっと詳細を聞きたいというお問い合わせにつきましては,担当部局で判断をして,それへ行くか行かないかということをまた判断してまいりたいというふうに思っております。 残りの御質問には,担当部局長からお答えを申し上げます。
○議長(山根堂宏君) 山川こども未来部長。
◎こども未来部長(山川瑞代君) こども未来部発足に当たっての決意をということでございますが,こども未来部として,子ども・子育てに関する業務を一元的に取り扱うこととなり,こども未来部に所属しております各課におきましては,それぞれの専門性が向上し,互いに思いやり,部内の連携が一層強まったというふうに思っています。 妊娠,出産,子育て,さまざまなライフステージにおいてきめ細やかな,切れ目のない子育て支援に関するサービスを実施していきたいと思っています。 新しい部において,職員一同,真っさらな気持ちで考えることで新たな発想が生まれ,それを子供たちのための充実した施策展開につなげてまいりたいと考えております。
○議長(山根堂宏君) 細木良議員。
◆(細木良君) 最後,質問でありませんが,個別的自衛権について市長から,個別的自衛権では,もう限界が来ているというような答弁もありましたが,ここまでなら大丈夫という集団的自衛権の線引きは本当に難しいし,そういうのはあり得ないと思います。 立憲主義を破壊して,集団的自衛権に前のめりに進んでいく安倍政権,本当に危険なこの政権については,即刻退陣を求めていきたいと思いますし,憲法9条をしっかりと生かしながら進めていくことこそが,積極的平和主義だと私たちは考えています。 以上で,私の全質問を終わります。
○議長(山根堂宏君) この際暫時休憩いたします。 午後0時5分休憩 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 午後0時59分再開
○副議長(和田勝美君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 寺内憲資議員。 〔寺内憲資君登壇〕
◆(寺内憲資君) 公明党の寺内憲資です。発言通告に従い,私見を交え,一問一答方式により質問を行います。 まず最初に,商工振興策について伺います。 現在,国は負のデフレ状態が20年間続いたことから,デフレからの脱却,アベノミクスにより景気回復を図っております。 地元企業は,このアベノミクス効果をただ待つのみではなく,行政独自の商工振興策にも大いに期待をしているところであります。 そのような中,現在高知県と高知市が連携して推進している商工振興策の一つに防災産業の育成があります。 私も,この防災産業の育成に関し,平成25年第438回6月定例会の個人質問において,地元企業の防災産業の育成,地産外商支援の観点から,防災関連製品の新たな公的調達制度の創設を市長に要望させていただきました。 市長からは,高知県で認定を受けている市内業者を対象に,高知市として新事業分野開拓者として認定し,防災関連製品を市として随意契約の方法によって購入する制度を実施したい。さらに,高知市独自の認定も必要だと考えるので,例えば高知県の認定にならない方々についても,高知市として独自に認定できる制度をつくりたいとの大変前向きな答弁をいただきました。 そこで,市長に伺います。 地元企業の防災産業の育成の観点から,どのような防災関連製品の新たな公的調達制度を創設したのか,その内容をお聞きします。
○副議長(和田勝美君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 防災関連製品の利活用につきましては,先ほども御質問がありましたとおり,市民の皆様方の命や生活を守るということだけでなく,製品の販路を拡大することによりまして,地域の防災関連産業の育成にもつながりますことから,高知市では昨年度から高知県知事の認定を受けました防災関連製品を随意契約の方法で購入する公的調達制度を実施しております。 また,昨年度の末には,製品の調達範囲をさらに拡大するために,高知県知事の認定には至らないものの,高知県防災関連産業交流会長の認定を受けた製品等について,各部署から調達希望があった製品を市が認定し,随意契約で購入できるように新たな調達制度を整備し,制度上の拡充を図ったところでございます。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 今の市長の答弁により,高知市として地元企業の防災産業の育成,新製品の市場への普及拡大の支援策として,金額に関係なく,高額であっても防災関連製品を競争入札によらず,随意契約により市が購入する制度がしっかりできていることがわかりました。 制度ができていても,職員が制度を知っているか,購入できる防災関連製品を知っているか,このことが重要となってきます。 そこで,商工振興を担当する中嶋副市長に伺います。 防災関連製品の新たな公的調達制度は,防災を担当する防災対策部に限られたものではなく,役所全体,全ての部局が活用できる制度です。 地方自治法では,市が購入できる随意契約額は80万円以下と定められており,80万円を超える物品は競争入札により購入することとなります。 しかし,防災関連製品の新たな公的調達制度が策定されたことにより,80万円を超える防災関連製品であっても,競争入札によることなく,随意契約により購入することができるようになりました。 これは地方自治法施行令第167条の2第4号に基づく随意契約であることから,4号随契と呼ばれています。 この4号随契を全庁的に有効に活用するには,管理職だけが理解するのではなく,担当者を初め職員全員が十分に認識しないと,制度を有効に活用することはできません。 せっかく商工振興につながる制度を担当部署が策定しても,全庁的に職員の認識が乏しく,有効に活用されなければ,制度の意味はありません。 策定した防災関連製品の新たな公的調達制度を全庁的に職員が十分認識しているのか,中嶋副市長に伺います。
○副議長(和田勝美君) 中嶋副市長。
◎副市長(中嶋重光君) 防災関連製品の新たな公的調達制度の職員への周知につきましては,庁内LANの活用や昨年の7月,10月,11月の総務課長会などを通じて全職員に行ってまいりました。 また,昨年の11月には,市内の防災関連企業だけでなく,県の防災関連産業交流会に所属している県内の防災関連企業にも呼びかけ,あんしんセンターで職員向けの製品説明会を実施しております。 この説明会には,市職員や地域の自主防災組織の方々を含む371名の方に参加いただきましたが,実際に製品を見ながら企業の担当者の説明を聞くことにより,防災関連製品への認識を深めることができ,大変有意義な会になったと考えております。 この新たな調達制度はまだスタートが切られたばかりでございまして,職員の認識もまだ不十分な点がございますことから,本年度も引き続き職員への周知を継続してまいりますとともに,職員向けの製品説明会につきましても,昨年の反省点などを踏まえ,本年度はより効果的なものにしていきたいと考えております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 今,中嶋副市長から答弁をいただきましたけれども,制度ができていても,職員が制度を知っているか,購入できる防災関連製品を知っているか,このことが重要であります。 中嶋副市長の答弁では,高知市職員等に対する防災製品の説明会に371名が参加して非常に有意義に実施され,ことしも引き続き行うということでしたので,そういった説明会については,ぜひ多くの職員の方が参加できるような体制をつくっていただいて,よろしくお願いしたいと思います。 また,県が作成しています高知県防災関連登録製品のカタログを知らない職員が多いのが現状です。これは県が策定してくれている分なんですけれども,ぜひ県のカタログも活用していただいて,職員に広く周知を図っていただくことを要望しておきます。 4号随契で購入できる,この防災関連製品の新たな公的調達制度は,見方を変えれば,商工振興策の一環として,行政があえてえこひいきをして地元企業を伸ばす制度であります。したがって,職員は,これまでの考え方を切りかえる必要があります。 この行政が地元企業をえこひいきして,地域活性化につなげる地域経済政策にエコノミックガーデニングという地域経済活性化手法があります。 このエコノミックガーデニングは,1980年代後半に人口4万人ほどのアメリカコロラド州リトルトン市で初めて実施され,15年間で雇用2倍,税収3倍を実現したことで注目を集める政策で,現在全米に広がりを見せ,日本では静岡県藤枝市,徳島県鳴門市などで導入準備が進められています。 エコノミックガーデニングとは,中小企業支援策で,地域を一つの庭と見立てたときに,どうすればきれいな花が咲くように地元の企業が繁栄していくかというガーデニングのことで,そのために行政や商工会議所,銀行などが連携しながら地元の中小企業が活用しやすく成長できるようなビジネス環境をつくるための施策を展開していくもので,行政は大義のある施策によりえこひいきも行います。 エコノミックガーデニングの勉強会は,昨年11月13日にエコノミックガーデニング研究の第一人者である拓殖大学山本教授を高知市に招き,高知県中小企業家同友会が開催しております。このエコノミックガーデニングの勉強会には,高知市の商工観光部副部長も参加しておりました。 私は,今後防災産業をエコノミックガーデニングにつないでいくことができると考えていますが,エコノミックガーデニングに対する高知市の考え方とあわせて,中嶋副市長の見解を伺います。
○副議長(和田勝美君) 中嶋副市長。
◎副市長(中嶋重光君) エコノミックガーデニングとは,外部から企業を誘致するのではなく,内発型の発展,つまり地域で成長意欲がある企業の芽を,おっしゃるとおりえこひいきをしてでも,自治体や経済団体,金融機関,あるいは大学等が連携して,手間暇をかけて育てていくことと認識しております。 その要件としては,経営者等のメンターとなる老舗企業や地域に根差した地元の金融機関との連携,あるいはマーケット情報の中小企業への提供でありますとか,中小企業の製品の情報の発信を協力していくこと,また発展段階に応じた支援事業,各種補助事業のコーディネートが必要とされておりまして,経営者間の交流が非常に活発で,四国銀行と高知銀行を初めとする有力な地域金融機関が存在する本市におきましては,こういったエコノミックガーデニングによる産業政策といったものは,社会経済的な土壌を有すると考えております。 国におきましても,今月中に新成長戦略を取りまとめる予定としておりますが,ベンチャーと大企業との出会いの場づくりでありますとか,政府調達における入札に参加しやすい環境の整備について取り組むことを打ち出しております。 平成25年度補正予算で経済対策が打たれまして,景気が大分上向いてきておりますが,それを本格軌道に乗せていくためには,新たな産業というのをどんどん興していかないといけないということは共通の認識だと思って おりますので,本市としましても,経済基盤の弱い本県において,固有のすぐれた技術を持つ,やる気のある防災企業を行政や地域の経済団体などが連携して支援し,育成する仕組みをしっかり構築してまいりたいと考えております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 今,高知県で進める防災産業は,昨年6,000万円であったものが,ことし既に10億7,000万円の実績を上げています。 今後さらに,防災産業を発展させるには,高知県と高知市の連携は欠かせません。防災産業を初め高知市の商工振興のためにも,エコノミックガーデニングを調査,研究していただき,高知市にエコノミックガーデニングを取り入れていただくことを要望しておきます。 高知市は,策定した防災関連製品の新たな公的調達制度を活用して,これまでどのような防災関連製品を購入しているのか,購入実績を商工観光部長に伺います。
○副議長(和田勝美君) 中澤商工観光部長。
◎商工観光部長(中澤慎二君) 昨年度の実績でありますが,防災対策部と健康福祉部が備蓄用の毛布を購入しておりまして,その内訳といたしまして,防災対策部が1,000枚で約200万円,健康福祉部が1,390枚で約280万円という状況でございます。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 今,部長から,制度ができて購入の実績を聞きましたけれども,毛布だけでした。実績が少ないように感じます。 防災関連製品の新たな公的調達制度の根拠となる高知市新商品生産による新事業分野開拓者認定事業実施要綱では,認定対象者を第2条で定めています。 認定対象者は,高知市において新製品を生産し,開発した者で,高知県防災関連産業交流会長の認定を受けた者,または高知県知事の認定を受けた者で,県の認定の日から1年間経過していない者となっています。 ここに高知県が2014年2月に作成した高知県防災関連産業交流会の認定を受けた高知県防災関連登録製品のカタログがあります。これを見ながら,製品を抜粋して検討状況を確認させていただきます。 カタログの最初のページに,自治体,学校,幼稚園,保育園への推奨製品として,メール送信システムの安否確認ソリューションがあります。この送信システムは20万円と安価で,しかもカスタマイズ料が要りません。市職員の安否確認や生徒,園児を預かる学校,保育園と保護者との連絡網として活用できる防災関連製品ですが,十分購入する価値はあると思います。 カタログの35ページには,折り畳み式防災ボートが紹介されています。この折り畳み式防災ボートは,平常時は防災用品等を収納できる保管庫として活用もできます。現在,高知市は指定した民間津波避難ビルに膨張式ゴムボートを支給していますが,支給するボートを膨張式ゴムボートに限定せず,この折り畳み式防災ボートとの選択肢による価値は十分あると思います。 カタログの43ページには,雨水貯留飲料水造水装置,防災王が紹介されています。避難所等において,無動力で生活用水の確保ができ,災害時はもちろんのこと,日ごろから使える防災用品です。平成26年5月1日から雨水の利用の推進に関する法律も施行されたことから,今後避難所等において十分購入する価値はあると思います。 カタログの46ページには,循環式水洗トイレ,リサイくるんが紹介されています。トイレで使用された汚水をクリーンな水に変え,トイレの洗浄水として再利用する循環式トイレで移送設置型であるため,液状化などで傾いてもすぐに復旧する,災害に強い防災トイレです。避難場所となる学校や公園に設置する価値は十分あると思います。 以上,高知県が策定した高知県防災関連登録製品のカタログを見ながら,抜粋して一部の製品を紹介しましたが,紹介した防災関連製品に対する見解を中嶋副市長に伺います。
○副議長(和田勝美君) 中嶋副市長。
◎副市長(中嶋重光君) 地域防災の大切さは,日常生活における災害への備え,また被災時にいかにして逃げるか,被災後の生活の回復といったことが重要になると考えております。 このような視点から,先ほど質問にございました製品に関しましては,これらの重要性を十分満たしている製品として高い評価ができると考えております。 特に,最後に御紹介いただいた,リサイくるんにつきましては,昨年私も潮江中学校に設置されているものを拝見させていただきましたが,循環水のほうは無臭であり,また無色でございましたし,1日400人使用で2カ月清掃不要ということで,ランニングコストの面でも非常に安いということで,品質面,性能面,コスト面でも非常に高い評価ができるかなあと思っております。その他の製品につきましても,同じような感じがしております。 災害に備えて,各部署が防災関連製品の必要性をさらに認識し,公的調達制度を活用した製品の普及に努めることは,行政として大切なことであり,地域の防災産業の育成にも大きな役割を果たすものと期待しておるところでございます。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 副市長の見解のほうは,防災製品について高い評価をいただきました。職員のほうにも,いろんな意味で浸透をまた図っていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 行政が防災対策を行う場合は,地域防災対策総合補助金や津波避難対策補助金など,国の補助金が活用できます。 市として新たな公的調達制度を活用して防災関連製品を購入する際には,補助金が活用できるのか,できるとすればその補助率を伺います。
○副議長(和田勝美君) 下元防災対策部長。
◎防災対策部長(下元俊彦君) 市が防災資機材,これはその中には防災関連製品も含むわけでございますが,防災資機材を購入する場合に活用できます県の補助制度としましては,高知県地域防災対策総合補助金,これは補助率2分の1となっております。また,津波避難対策推進事業費補助金,これは補助率が3分の2となっておりますが,この2つの補助制度が活用できるということになっております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 今,部長のほうからは,2つの補助率の話があって,2分の1と3分の2ということで,私のほうは防災関連製品を購入する場合にこれを活用ということで,この防災関連製品を購入した場合も2分の1の補助率の分と3分の2の補助率で購入できる分があるということになるでしょうか,部長,そのあたりはいかがでしょう。
○副議長(和田勝美君) 下元防災対策部長。
◎防災対策部長(下元俊彦君) 先ほど申し上げましたように,補助率2分の1と3分の2という分が2つございますけれども,それは対象となる事業の内容で違ってきております。 3分の2となりますのは,主に津波避難対策に係るものでございまして,これは津波救命艇,これは県のほうで用品的なもの,品物特定みたいな形になっておりますので,それで申し上げますと,津波救命艇でありますとか,自動の鍵の解錠装置といったものが3分の2のほうでございます。 2分の1というふうになっておりますのは,津波ということではなくて防災対策上の資機材でございまして,浄水の装置でありますとか,投光器でありますとか発電機,こういったものが2分の1の補助という形になっております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) ということは,部長,今2種類の補助金があって,3分の2と2分の1がありますけれど,実情,今公的調達制度に伴って高知市が購入する場合に使えるとしたら2分の1の分で,防災製品,今部長,こちらのほうです。カタログも紹介しましたけれど,この分は津波の対策に使うというよりも,地域の防災対策ですから,主が2分の1の分ばかりと考えたらよろしいでしょうか。
○副議長(和田勝美君) 下元防災対策部長。
◎防災対策部長(下元俊彦君) 済いません,ちょっと説明が不十分で申しわけございません。 先ほど申し上げました浄水装置というのは,そのカタログに載っております,御説明もございました,例えば防災王とかといったものは一つの浄水器で対象というふうに考えてもよろしいかと思っております。 それで,津波救命艇というものがございますけれども,それはそのカタログに載っております,まんぼうというのがございます。これは救命艇という位置づけになっております。こちらのほうにつきましては,3分の2の補助という形で,製品,目的によって違ってくるという形になっております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 今の部長の説明で理解できました。 防災産業の促進には,民間事業者等の購入が欠かせません。 民間事業者等が防災関連製品を購入する際に補助金が活用できるケース,福祉避難所に指定されている場合や幼稚園,保育所等が該当すると考えますが,民間が防災関連製品を購入する際に補助金を活用できるケースを伺います。
○副議長(和田勝美君) 下元防災対策部長。
◎防災対策部長(下元俊彦君) 御質問にございました福祉避難所に指定されております福祉事業所が防災資機材等を整備する場合につきましては,120万円を上限とする補助制度が設けられております。これは市の補助制度というふうな形になっておると思います。 それで,もう一つの幼稚園でありますとか民間の保育所等が資機材を購入すると,そうしたときにつきましては,一部補助の対象となる。補助加算という形になってくるわけですけれども,運営費等に対する補助加算だと思いますが,加算があるというケースはございますけれども,防災関連製品を購入する場合の端的な補助制度というものは,現在のところないというふうに伺っております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 今,部長のほうで,福祉避難所には120万円以下の補助があるということでしたので,その答弁からすると,福祉避難所では国の補助金も活用できるのですから,今福祉避難所に指定された場合は市からの支給品が与えられていますけれども,福祉避難所が支給品以外の防災製品を必要な場合には,補助金の枠内でその必要な防災製品を購入できると判断しますが,そのことについての見解を伺います。
○副議長(和田勝美君) 下元防災対策部長。
◎防災対策部長(下元俊彦君) 御質問のとおり,制度の金額内であれば,補助の申請はできます。ただ,今全体的に防災製品に関するそういった用品といいますか,資機材につきましては,それぞれその必要性等々について,一件一件という形になろうかと思いますけれども,この審査をしている部分がございますので,そこら辺は担当部局と協議をしていただく必要があろうかというふうに考えております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) そしたら,民間の分については,福祉避難所は120万円,それ以外の幼稚園,保育所については一部の補助はあるけれども,それは担当部局に随時聞いていく,確認をしていくということですね。福祉避難所についても,120万円の枠があっても,それについては健康福祉部等が所管の部分でもあるので,その部局とも連携をとっていくということが必要ということですね。わかりました。 市長に伺います。 創設した防災関連製品の新たな公的調達制度の活用状況,購入実績を市長としてどのように評価されているのか,これまでの答弁を聞いての市長の見解を伺います。
○副議長(和田勝美君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) この本会議場でも,高知市の一つの政策として防災関連産業を育てていきたいということは何回か答弁でも申し上げさせていただきました。県市連携のもとでも,地場企業として防災関連産業を育成していきましょうということは,知事ともたびたび立ち上げの段階からお話もさせていただきました。 それを受けまして,県内のそれぞれの関連企業が非常に英知と努力を注ぎ込まれて完成した製品がたくさんできておりまして,防災関連の地場産等で非常にいろんなフェアを行っておりますけれども,初年度と比べますと,格段に製品は広がってきております。 私も興味もありますので,何回かいろんな商品を見せていただいたことがありますが,当初からいうと格段に製品の数はふえてきております。 先ほど御紹介いただきましたとおり,高知県防災関連産業交流会の会員企業におけます,全体でございますが,平成25年度の防災関連製品の売り上げにつきましては,短期間ですけれども,10億円を超えてきておりますので,非常に順調に広がってきているというのが印象でございますし,またいい商品でありましたら,その商品を持って全国的に売り込みに行けますので,売り込みの手伝いは行政の職員もできますので,そういう意味で立ち上げは非常に順調にいっているのではないかという認識を受けております。 もう一点でございますが,先ほど例えば高知市の購入実績を聞かれましたけれども,高知市としての購入実績はまだ低いというふうに考えておりまして,ちょっと予算の関係もございますけれども,それぞれの部局がまず商品をしっかり知っていただくということが重要だというふうに考えております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 商品の購入のほうは,市長からありましたけれども,高知県が力を入れている防災産業を発展させるには,防災関連企業の大半が所在する高知市の頑張りが不可欠です。 私は,市として地元防災関連企業の地産外商戦略を実行する上からも,まずは防災関連製品の新たな公的調達制度を積極的に活用し,購入実績を上げるべきだと考えていますので,そのことを市長に要望しておきます。 次に,民間企業支援について伺います。 現在,厚生労働省の民間企業支援策として,雇用の拡大と処遇の改善に取り組む企業等を支援する事業に,地域人づくり事業があります。 この地域人づくり事業について,支援内容と市としての取り組みを商工観光部長に伺います。
○副議長(和田勝美君) 中澤商工観光部長。
◎商工観光部長(中澤慎二君) 地域人づくり事業は,国の平成25年度補正予算に伴い積み増しされた緊急雇用創出事業臨時特例基金を原資としまして,県や市町村等が地域の実情に応じた多様な人づくりを支援するための事業を民間企業等に委託して実施するもので,地域の求職者の就職に向けた支援である雇用拡大プロセスと在職者に対する処遇改善に向けた支援の処遇改善プロセスから成っております。 雇用拡大プロセスは,未就職卒業者や結婚,出産による離職から再就職を希望する女性求職者等の失業者に対して,地域の企業等で就職するために必要な知識,技術を習得させるための人材育成を行う事業でございます。 また,処遇改善プロセスは,地域の企業が売上増加や販路拡大などを図ることにより,在職者の給与向上や正規雇用の促進といった処遇の改善を目指す場合に支援を行うものであります。 本市におきましては本年度,1億円を当初予算でいただいておりますが,その中で雇用拡大プロセスにつきましては,一般公募に先立ちまして,庁内各課から事業の募集を行ったところ,現在2件の事業提案がなされています。 また,本事業につきましては,県がチラシや新聞広告等で広く周知を行っていることなどもあり,既に本市にも数件の御相談をいただいております。このことから,処遇改善プロセスについてはこの7月に,雇用拡大プロセスについては8月に,それぞれ一般公募を行いまして,本事業の円滑な推進を図っていくこととしております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 今,部長のほうから答弁をいただきましたけれども,部長が言われていた地域人づくり事業のパンフレットを私もいただいていますけれど,市のほうにも置いています。こちらのほうにとりに来れば,この内容も,これでしっかりと先ほどの説明がわかるということにもなります。 今,地域人づくり事業の内容を聞かせていただきました。答弁では,雇用拡大プロセスと処遇改善プロセスともに庁内募集と一般公募により事業の委託先を決めるとの答弁でした。 市からの委託事業ではありますが,雇用拡大プロセスについては,1人当たり上限480万円まで出る事業です。 民間企業,NPO法人,公益法人,その他の法人,法人以外の団体,個人事業主までもが対象となることから,雇用拡大や処遇改善に取り組む企業等にとってはチャンスが生まれ,委託先に選ばれれば,経営的にも大変助かるうれしい事業であります。 そこで,商工観光部長に伺います。 市として掲げている目標値,雇用拡大プロセスによる雇用目標数と,処遇改善プロセスによる処遇改善目標数を伺います。あわせて,一般公募の方法と委託先の選定方法を伺います。
○副議長(和田勝美君) 中澤商工観光部長。
◎商工観光部長(中澤慎二君) 本事業の予算1億円のうち約7割を雇用拡大プロセス,約3割を処遇改善プロセスに充当したいと考えておりまして,雇用拡大プロセスにおきましては,国が定める人件費の目安が雇用1人当たり240万円となっていることから,その他の事業費を含め,1人当たりの事業費の平均を約350万円と想定し,約20名の雇用を目標としております。 一般公募につきましては,8月に実施を予定しており,同月の広報あかるいまちやホームページで公募を行い,8月上旬には事業説明会も開催する予定としております。 一方,処遇改善プロセスについては,改善を支援する企業1社当たりの委託金額の目安が120万円でありますことから,20社程度に委託し,在職者の処遇改善を行っていただきたいと考えております。 こちらの一般公募につきましては,7月に実施を予定しておりますので,同月の広報あかるいまちやホームページで同じく公募を行い,7月8日に事前説明会を開催することとしております。 なお,委託先の選定方法については,両プロセスとも企業診断の専門家に提案事業等の分析を行っていただき,その結果を踏まえ,審査会において委託事業の選定を行うこととしております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 今,部長から目標値のほう,雇用拡大プロセスについては雇用目標数20名,処遇改善プロセスについては処遇改善会社20社ということが答弁でありました。ぜひ目標値ですので,これに向けて頑張っていただきたいと思います。 市長に伺います。 地域人づくり事業は,国の事業であります。職員が頑張った自治体が地域を元気にすることができます。 高知市の場合の頑張り度は,先ほど答弁にあった,市として掲げている目標値をクリアできるかどうかにかかっています。 地域人づくり事業の予算を県に確認したところ,国から雇用拡大10億円,処遇改善6億円の予算が来ているそうです。そのうち,県下市町村への募集により,雇用拡大は7億円分の申し込みがあり,現在3億8,000万円分が決定しているそうです。ちなみに,高知市は,県の募集に応募はしていません。 民間に大きなチャンスを与えることができるこの地域人づくり事業を最大限活用するには,今市としてやれることを全てやり尽くすことが,高知市を元気にする民間企業支援策だと考えますが,市長の見解を伺います。
○副議長(和田勝美君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 段々御議論いただいておりますとおり,地域の実情に応じた創意工夫を生かしました,この地域人づくり事業につきましては,県市協議のもとで予算も確保しながら準備を進めているところでございます。 平成25年度から起業支援型雇用創造事業と同じように,国費を活用した本事業に取り組んでおりまして,本市の雇用環境の改善を図るとともに,地元企業の商品開発や創意工夫を促進しまして,また販路を拡大していくということで非常に効果があるというふうに考えております。 地域人づくり事業はもちろんのこと,さまざまな国の有利な制度につきまして,民間企業等の方々にも御活用していただけるように,本市としてもできるだけの予算化を図りながら,さらに産業の振興につなげてまいりたいと考えておりますので,所管部局とそれぞれ協議しながら,どれだけの予算が確保できるかということもこれから具体で詰めてまいりたいというふうに考えます。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) また,市全体で頑張っていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 最初の商工観光部長の冒頭の答弁で,庁内募集の結果が2件とのことでしたけれども,県のほうに確認したところ,市町村に対する地域人づくり事業の募集は,毎月中旬に受け付けを行うとのことなので,市の庁内募集も,今後継続的に続けていただくことを要望しておきます。 地域人づくり事業は,国の交付金を財源とした市からの委託事業でありました。同様に国の交付金を財源として,現在,起業支援型地域雇用創造事業により,13の事業が高知市の委託事業として行われています。 この13の事業の分野は,製造業,観光業,教育・学習支援業,医療・福祉など幅広い分野に及んでいます。本事業は,緊急経済対策の一つとして緊急雇用創出事業を拡充し創設されたもので,あくまで雇用を主体としていますが,事業の中には障がい福祉課が所管する事業,発達障害者就労支援センター事業などのように,本来行政が担わなければならない公益性の高い事業も含まれています。 この障がい福祉課が所管する事業,発達障害者就労支援センター事業の内容と委託期間を健康福祉部長に伺います。
○副議長(和田勝美君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 発達障害者就労支援センターの事業内容につきましては,大人の発達障害のある方々が,悩みや体験談等を通じて交流できるサロンの運営や社会における生活力を身につけることや仲間づくりなどの社会生活向上プログラムに基づく取り組みを行うことで,社会生活への適応力の向上や就職活動への支援を行っております。また,御本人や御家族等からの相談支援など,新規雇用者3名を含めた5名のスタッフで実施をしております。 期間につきましては,平成25年11月11日から平成26年11月10日までの1年間となっております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 今,健康福祉部長の答弁では,発達障害者就労支援センター事業がことしの11月10日をもって委託が終了するとのことでした。 発達障害者就労支援センターは,先月,5月28日の地元新聞でも大きく掲載され,その業務内容が紹介されたことから,問い合わせが殺到し,余りにも多い利用者の受け入れに苦慮しています。 私も,発達障害者就労支援センターを視察してきましたが,同センターは,発達障害を持つ方に対し,専門知識を持ったスタッフが,各人の障害特性に合わせて適切な支援を行い,ひきこもりや未就労といった状況の改善を目指す発達障害者専用の支援サロンでした。 市が委託している発達障害者就労支援センター事業の利用状況を健康福祉部長に伺います。
○副議長(和田勝美君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 発達障害者就労支援センター事業の利用状況でございますが,平成26年1月の開所後,電話や来所による相談件数は,1月が27件,以後2月が44件,3月が101件,4月が136件,5月が140件と増加をしておりまして,延べ450件余りとなっております。 また,交流サロンには現在20名の方が利用登録を行い,多いときには8名ほどの方が利用されております。交流サロンを利用し,仲間づくりを行いながら,社会生活向上プログラムに基づく就職活動に向けた面接練習やパソコン,調理などの社会生活を身につけるための支援メニューを利用されております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 現在,高知県では,児童の発達障害は療育福祉センター等で対応していますが,大人の発達障害のケア対応はごくわずかです。 顕著になっている大人の発達障害支援を,今後行政としてどうしていくのかは課題であります。 そのような中,市として委託事業であっても,大人の発達障害のケアに携わっているこの事業は高く評価されるべきことであります。 そこで,健康福祉部長に伺います。 委託事業である発達障害者就労支援センター事業がことしの11月10日で終了することが決まっている中,今後高知市として大人の発達障害者の社会参加について,どのような考えを持って取り組んでいくつもりなのか,健康福祉部長に伺います。
○副議長(和田勝美君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 大人の方の発達障害の社会参加の課題ですが,例えば一般的な大人の発達障害の特徴として,コミュニケーションがうまく図れない,整理整頓が苦手で書類の整理ができない,仕事のミスが多い,時間が守れないなどといったことが挙げられます。 発達障害の特性によるものであるとの認識がないまま成人をされた方が,社会に出ても受け入れられず,離職を繰り返すなどの実態がございます。 また,その御家族の方も,発達障害への十分な理解がされないまま悩み,次第と社会的なつながりが途絶えるなどの問題を抱えておりますので,これらの方々への支援は,社会的にも大きな問題となっております。 発達障害の方の社会参加に当たりましては,発達障害の特性や認識を当事者の方やその家族がきちんと理解をするとともに,受け入れる事業者など周囲の方々の理解を深めることで,一人でも多くの方々が再就職や地域社会の中で自立をした生活が営める社会にしていくことが必要と考えております。 本市としても,大人の発達障害がある方々に対し,専門機関である療育福祉センターや関係機関などと連携を図り,支援に取り組んでまいりたいと考えております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 今,部長のほうから支援のほうの話がありましたけれど,療育福祉センターは児童主体としてどうしてもやっているんで,大人のほうについては厳しいところがあろうかと思うんです。 発達障害者就労支援センターにかわるものとして地域活動支援センターが考えられますが,地域活動支援センターを発達障害者の方はほとんど利用していません。 理由は,地域活動支援センターにいろんな障害の方が集まると,かみ合わず,トラブルのもとになるからです。 現に,既存の地域活動支援センターでは,精神障害者の一環として支援は行っていますが,発達障害者に特化した支援は行っていません。 発達障害者支援の先進地である神戸市は,18歳以上の発達障害者のみに対応する地域活動支援センター(発達型)を設置し,発達障害者に対する居場所の提供,社会適応訓練,相談支援,家族支援を行っています。 神戸市のように,発達障害者交流サロンを続けられるよき事例,模範があるのですから,高知市としても,大人の発達障害支援サロンの維持と次のステップを探る体制づくりを確立すべきであると考えます。 そのためにも,まずは委託が終了する発達障害者就労支援センター事業を何らかの形で継続すべきだと考えますが,健康福祉部長の見解を伺います。
○副議長(和田勝美君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 当該事業につきましては,当事者の皆さんやその家族の方々の声に耳を傾け,相談に応じたり,また当事者同士の交流によりまして,御自身の障害を受け入れ,理解し合える仲間づくりや社会生活向上プログラムを通じて社会性を身につけ,自信や意欲を取り戻し,再就職等の社会復帰につながるなど,大変重要な事業であると考えております。 一方,本事業の採択に当たりましては,委託期間終了後の事業の継続性につきましても,事業者の方からの提案を受けておりますので,当該事業に係る今後の方針や事業者の意向につきましてお伺いする必要があると考えております。 事業者の方からの今後の方針や意向,これまでの取り組みの成果を踏まえまして,事業の検証を行いながら,御質問にありました地域活動支援センターに特化した形態なども含めまして,発達障害者の方々への支援が今後どのような形で可能か,検討してまいりたいと考えております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 今,部長のほうに,発達障害者就労支援センターの継続を求める質問を私はしましたけれども,前向きではありますけれども,財源も伴うんで,なかなか答弁としてめり張りのある分でなかったので,市長のほうに確認をさせていただきたいと思います。 市長は,市が委託している発達障害者就労支援センター事業をどのように評価しているのか,まずこの点を確認させてください。
○副議長(和田勝美君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) さきに担当部長が答弁申し上げましたとおり,非常に重要な機能になっているという認識を持っております。ただ,先ほどの答弁の中でもありましたとおり,期限がそれぞれ設定されておられますので,期限が切れた後,どのように継続をしていくかということが大きな課題であると認識をしております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 市長,私は発達障害者就労支援事業は,公益性が高く,専門性に秀でてなければ,受託できない事業であると思っています。したがって,この事業を委託できる団体が高知市にあるということは,ある面,誇りにすべきことだと考えています。 高知市も高知県も,大人の発達障害への対応は,ほとんどできていません。そのような中,市が委託している発達障害者就労支援事業の利用者は,現在どんどんふえている現況にあります。 利用ニーズが高く,就労までつなげる可能性もある利用者が現在利用しているこの事業を,仮にもう財源がここで終わりだからということで,財源がないからと時限的に切り捨てることができるでしょうか。 神戸市のような模範事例もあるのですから,高知市も大人の発達障害支援に特化して真剣に向き合うときが来ていると思っています。委託が終了する発達障害者就労支援センター事業を何らかの形で継続すべきだと考えますが,市長の見解を再度お伺いします。
○副議長(和田勝美君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 我々も所管部局が申し上げましたとおり,その必要性は十分に認識をしております。 ただ,それぞれ財源,また例えば補助金等の問題も整理しなければなりませんので,継続をするためにはどういう形で例えば支援ができるかということは,予算も含めて議会とも御相談しなければなりませんので,また財源も含めまして庁内でも検討し,そして議会とも御相談申し上げたいというふうに思います。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 市長の答弁で,事業の重要性は高く認識していただけていますので,その前向きな検討をぜひ行っていただくことを要望しておきます。 次に,保育・幼稚園行政について伺います。 本事業に子ども・子育て支援新制度の関連条例制定議案が提出されていますが,この子ども・子育て支援新制度の認定こども園についてお聞きします。 先月,5月22日付の新聞報道では,政府が来年度に導入する新たな子育て支援制度で,幼稚園,保育園などの施設に支払う公定価格の仮単価が示されていました。内容は,消費税増税分から充てる7,000億円の追加財源を使って加算する方針等が示されていました。 ところが,翌日の報道では,支援制度で普及を図るとしていた認定こども園について,公定価格で優遇しない方針を示したとあります。そして,このことによって,幼稚園などからの移行が進むかは未知数となったと報道されました。 これまでは多くの幼稚園が来年4月の認定こども園の移行を目指していましたが,この報道によってかなり混乱しているように聞きます。特に,安心こども基金を活用して施設拡充等を実現しようとしている幼稚園が,この報道によってペースダウンせざるを得なくなっています。 まさに,国の施策に翻弄されているわけですが,ここは認定こども園を目指している幼稚園が困らないように,施設工事完了後の認定こども園の移行を二,三年は待つといった太っ腹な姿勢が大切だと思います。でなければ,工事のおくれや人材不足を理由に,オープンがおくれるという幼稚園が続出する危険性が出てきます。 つまり幼稚園にしてみれば,優遇されることを当てにしていたのに,急にはしごを外されたような状況になったわけです。 ここは高知市がじっくりと構えて,工事等の補助金,安心こども基金はしっかりと出す。あとの認定こども園の移行は,3年以内であればオーケーというぐらいの姿勢を示してやってはいかがでしょうか。そうでなければ,脱落する幼稚園が出てきます。また,幼稚園経営を圧迫することにつながります。この点について,担当部長であるこども未来部長の見解を伺います。
○副議長(和田勝美君) 山川こども未来部長。
◎こども未来部長(山川瑞代君) 本事業は,国が県に造成いたしました安心こども基金を活用しており,国の安心こども基金管理運営要領では,施設整備事業終了後に認定こども園の基準を満たした上で,認定を受けることを補助条件としております。条件を満たさない場合は,補助金の返還を命ずることとされています。 御質問にございますように,子ども・子育て支援新制度については,現時点においても不確定な要素がたくさんあり,幼稚園の運営法人は新制度での施設運営に関する判断が難しい状況にあることは認識しております。 本事業につきましては,これから申請を受ける予定でございますので,申請の相談のときには,新制度に関する最新情報を提供し,補助条件等について十分に説明の上,進めてまいりたいと考えております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 平成26年度に安心こども基金を活用して施設拡充を行い,認定こども園に移行予定の幼稚園は7園あると聞いています。認定こども園について,公定価格で優遇しないことになると,これは大問題です。市としても,認定こども園に移行する幼稚園側に立った行政対応を強く求めておきます。 さて,岡崎市長は,ことしから高知市の保育園に通う子供たちの第2子保育料を無料にするという大英断を下されました。働くお母さんにとっては,最高の贈り物だと思います。 一方,幼稚園に通う子供たちへの支援策は,どのようになっているのでしょうか。 国の方針では,第2子の子供たちの保育料を半額にするとの報道がありましたが,残り半分を高知市が保障してやってはいかがでしょうか。保育園であっても幼稚園であっても,高知市の子供たちに変わりはありません。 国による幼児教育の無償化が実現するまでの間,高知市が保育園,幼稚園への支援の足並みをそろえてやることが大切だと思いますが,市長の見解を伺います。
○副議長(和田勝美君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 国におきます動きでございますが,幼稚園の,いわゆる就園奨励金を含めまして段階的にということが言われておりますので,国のほうも一挙に,例えば幼稚園の料金が無料化というところまでいかないようにそれぞれ報道でも出ております。 子ども・子育て支援新制度が平成27年4月1日から本格施行ということになりますので,高知市におけます特定教育,また保育施設の保育料につきましては,国の基準額を限度として高知市が定めるということにされております。 御質問にあります特定教育,また保育施設全体におけます第2子の保育料,これは先ほどの御質問の幼稚園以外の部分もありますので,認可,無認可のところの部分をどうするかというところもありますので,第2子保育料の軽減につきましては,現在保育所と幼稚園の間では,国において制度が違うという部分がございます。 第1子の捉え方が,例えば就学前なのか,就学を含むのか,それぞれいろんな制度上のちょっと違いもありますので,今年度末までに考え方を担当部局で整理をいたしまして,平成26年度中にその方針を決定してまいりたいというふうに考えております。 なお,一定の考え方がまとまりましたら,議会にも御意見をお伺いしながら,最終決定をしてまいりたいと考えております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 国の方針では,第2子の子供の保育料の半額分は国が負担する方針です。残りの半額分は,県が4分の1,市が4分の1の負担と聞いております。保育園であっても幼稚園であっても,高知市の子供たちに変わりはありません。保育園,幼稚園への支援の足並みをそろえてやることが大切だと思いますので,市長のほうで県とも交渉していただき,幼稚園にも保育園同様,市長の大英断が下されますことを強く強く要望しておきます。 最後に,山の遊歩道整備について伺います。 市民の身近な山として,長く親しまれてきた筆山と皿ケ峰,高見山。 筆山は都市計画公園と位置づけられ,皿ケ峰,高見山周辺の一帯の山は鷲尾山県立自然公園として指定され,遊歩道が設けられています。 遊歩道の利用目的は,散策,体力強化,ピクニック,自然観察,墓所・史跡めぐりなどさまざまです。 さらに今,健康志向も相まって,筆山から皿ケ峰,高見山に登られる市民の方,特に高齢者の利用が急速にふえていますが,この現状を市として把握しているのでしょうか,伺います。
○副議長(和田勝美君) 坂本市民協働部長。
◎市民協働部長(坂本導昭君) 筆山や皿ケ峰,高見山は高知の中心部に位置し,市街地に近いことや標高100メートル程度の山であることから,手軽に登山することができます。 また,その頂からは高知市内を一望できることや,皿ケ峰には草花の希少種もあることから,高齢者を初め多くの市民の方々が健康増進や自然学習などに利用されており,遠くは県外からもウオーキングに来られる方もおられると伺っております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 今,答弁があったように,多くの方が活用しています。筆山から皿ケ峰,高見山は市民の利用目的が多岐にわたることから,市の所管もみどり課,耕地課,環境保全課,教育委員会など多くにまたがり,さらには高齢者の利用増を考えたとき,病気,介護予防の観点から健康福祉部も関係してきます。 そのような中,現在高知市は筆山から高見山,孕の山にかけて防災対策部の所管で津波避難路整備が行われています。 一方,所管が多くにまたがる筆山から皿ケ峰,高見山にかけての遊歩道整備は,どこが所管で整備を担当しているのか伺います。
○副議長(和田勝美君) 黒田環境部長。
◎環境部長(黒田直稔君) 筆山から皿ケ峰,高見山にかけての遊歩道につきましては,途中で複数のルートに分かれている箇所があり,その中には農道等が存在しております。また,周辺には市有墓地が数多く点在しておりますことから,一部においては墓参道としての役割も担っている状況にあり,遊歩道の一体的な整備ということになりますと,市の所管部署間の横断的な調整が必要になってくるものと考えております。 このような中で,今後整備に向けての所管窓口ですが,皿ケ峰一帯は鷲尾山県立自然公園として,自然の風景地を保護するということなどを目的として指定されており,周辺には貴重な生物種の存在も見られ,市民の皆様に親しまれていること,また周辺には市有墓地が点在しているという状況などを総合的に勘案しまして,当面の窓口としては環境部において調整してまいりたいと考えております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 津波避難路整備は,潮江地区の津波避難計画に基づくもので,防災対策部の所管で,スピードを持って整備が行われています。 ところが,高齢者等の利用がふえているにもかかわらず,筆山から皿ケ峰,高見山に設けられた遊歩道整備は,所管が多いためか,整備が進んでいません。 皿ケ峰については,これまで議会でも里山保全地区指定の要望がなされているところであります。 そこで,環境部長に伺います。 防災対策部が津波避難路を整備しているこのときに,関係部局が集まり,津波避難路と連動して遊歩道整備を行い,さらには里山の指定や遊歩道整備計画を検討すべきだと考えますが,環境部長の見解を伺います。
○副議長(和田勝美君) 黒田環境部長。
◎環境部長(黒田直稔君) 皿ケ峰一帯につきましては,市の所管部署が多岐にわたっているところでありますが,市民の皆様に親しまれている遊歩道等の一体的な整備がどのような形で進めることができるのか,県及び市の関係部局とも連携し,方向性を検討してまいりたいと考えております。 また,皿ケ峰一帯の里山保全地区の指定につきましては,以前に指定が可能かどうか,里山保全審議会等に諮った経過がありますが,市街化調整区域でありますことから,市街化区域の指定を優先すべきとの御意見により,見送った経緯がございます。 皿ケ峰一帯は,鷲尾山県立自然公園の一部でありますことから,県立自然公園条例により工作物の建築や土地の形状変更等につきまして,知事の許可が必要であるなど,一定の開発抑制が図られている地域でありますが,御指摘の防災対策部の津波避難路整備などが進められている状況なども勘案しながら,新たな視点の可能性に向け,今後幅広く検討してまいりたいと考えております。
○副議長(和田勝美君) 寺内憲資議員。
◆(寺内憲資君) 市民に親しまれる身近な山,筆山から皿ケ峰,高見山です。今多くの市民の方が利用され,遊歩道の安全対策が求められていますので,環境部長,窓口が環境部ということですので,ぜひ今後整備等の検討を要望しておきますので,よろしくお願いいたします。 以上で,私の全質問を終わります。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。 〔門田権四郎君登壇〕
◆(門田権四郎君) 市民クラブの門田権四郎でございます。第444回市議会定例会に当たり,通告に沿って質問をさせていただきます。 今,憲法が危ないという先輩たちの声がよく寄せられています。 その一つに,マスコミ報道のあった,土電が護憲広告拒否という報道の件がありました。守ろう平和憲法と車体で呼びかける広告を土佐電鉄が拒否し,2006年から続いていた護憲広告がことしは実現しませんでした。 憲法を守ろうという広告のどこが悪いのでしょうか。マスコミ報道では,護憲という政治的広告を載せていいのかとする電話やメールが,匿名を含めてそれぞれ数本届いたため,今回はそれを考慮して,政治的主張と捉えられかねないと判断したとのことです。 憲法学者の田島泰彦氏の言葉をかりれば,「はだしのゲン」の閲覧制限に見られるように,反対意見や差しさわりのある言論を避ける空気が社会に広がっている。言論の場をどんどん狭め,民主社会が本来持つ言論の自由や多様性が失われており,今回の事例もその一つではないか。憲法問題は,全主権者が考えるべき重要なテーマ。政治的という全てを包み込むような言葉や中立性という曖昧な概念のみで言論の自由を排除することは避けるべきだ。広告でもフェアなルールをつくった上で,それぞれの主張を伝える方向を目指すことが大事だと言っています。 また,平和憲法ネットワーク高知代表は,憲法擁護は当たり前の主張。何をもって政治的主張というのか。平和主義の憲法を守ろうという広告をこれまで認めてきたのに,それを変えること自体が政治的判断ではないかと言っています。 私も,憲法を守ろうというのは当たり前のことだと思いますが,市長はどう思われますか,お伺いいたします。
○副議長(和田勝美君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 先ほど御質問にもありましたとおり,憲法第9条を守ろうと2006年から路面電車の車体護憲広告を続けてきた平和憲法号が,ことしから廃止をされたという経過がございました。 集団的自衛権,個別的自衛権,そして護憲,改憲,最近では立憲という言葉もそれぞれ出てきておりますが,国民お一人お一人を守り,そして時の政権を縛るというのが憲法の一番大事なところでございますので,御質問にありましたとおり,国民の方々お一人お一人,それぞれ自分自身の問題として考えていくということが一番大事な点だというふうに考えております。 また,さまざまな,例えば全国紙,また地方紙を見ましても,意見広告というものがたくさんございます。全国紙で全国に配られている中で,例えば護憲を意見広告で出される場合もありますし,改憲を意見広告で出される場合もありますので,その土電の今回の護憲の広告をやめたということにつきましては,私たちも少し違和感があったところでもございます。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) もう一つ,今先輩たちと顔を合わすたびに言われますのが,憲法解釈変更による集団的自衛権の行使についてです。 2002年から2004年に内閣法制局長官をされました秋山収氏によりますと,憲法解釈を変えること自体は否定しないが,条文からかけ離れ,歯どめがなくなるような変更は認めてはならない。集団的自衛権の行使容認はそうした変更に当たると言っています。 集団的自衛権に関する従来の政府見解は,今まで諸先輩が言われましたが,憲法9条のもとにおいて容認されている自衛権の行使は,我が国を防衛するため必要最小限度にとどめるべきと解しており,集団的自衛権を行使することは,その範囲を超えるものであって,憲法上許されないというのが歴代内閣の答弁でした。 憲法9条のもとでは,集団的自衛権は許されないというのが今日までの政府の一貫した憲法解釈です。これを一内閣の判断で簡単に変えてしまうというのは,憲法の規定に反する法律などは,効力を有しないと定める憲法第98条,国務大臣や国会議員などの憲法尊重擁護義務を定める憲法第99条に違反します。すなわち,憲法は政治権力を縛るものだとする立憲主義に明確に反します。 選挙に勝てば数の力で押し切って,何でもできるという専制君主みたいな安倍政権の言動や思い上がりは,立憲・明文憲法では許されない言動ですが,こういう意見には一切耳をかさずに突き進んでいます。 日本国憲法は,立憲・明文憲法ですので,憲法を変えたいのであれば,堂々とここをこのような理由でこのように変えたいんだと,国民にしっかり知らせた上で判断をしてもらい,国民投票で審判を仰ぎ,堂々と変えるべきだと私は思います。 また,教育も,国民にとって危なくなってきています。 安倍首相は,第1次政権時に教育基本法を変え,今回はいじめなどを切り口にして,道徳を今までの教科ではなく,領域から特別な教科と位置づけ,一人一人の尊厳や民主主義の大切さを教え,身につけてもらうのではなく,公共の精神や規範意識を持った国家の秩序に従う人づくりを目指そうと,教科書を使用する教科化を目指しています。国の思うような人づくりのできる教科化です。 さらに,国家や地方公共団体の首長の意見を教育に反映するために,現在の教育行政の政治的中立を取っ払い,今の教育委員長と教育長の権限を一元化した新教育長のポストを設け,首長に任命権を付与しようとしています。 このことは,極端に言いますと,首長がかわれば,そのたびごとに教育方針が目まぐるしく変わるということになり,国民や子供たちは大いに困惑をします。 政治の教育への介入にほかならないと考えますが,市長はいかがお思いですか,お伺いいたします。
○副議長(和田勝美君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 地方教育行政法でございますけれども,今月の13日にこの改正法案が成立をいたしまして,首長におけます教育の権限は,御指摘のとおり,確かに高まったという内容となっております。 この背景には,御承知のとおり,全国でさまざまございました,例えばいじめ,重大な事件に対応します,例えば教育委員会の混乱,こういうものがあったのは事実であるというふうに考えております。 一方では,今回の改正法案の中で,例えば首長と教育委員会の委員長,そして教育長,どういうバランスで最終立法するかということが非常に大きな論議がございました。 その中に任期の問題もございました。任期につきましては,例えば新教育長ということになっておりますけれども,新教育長の議論の中には,国会でも2年制,3年制,4年制,それぞれ各会派によって議論がございました。 最終的には,新教育長については,任期3年ということになりましたが,首長の任期が4年ということになっておりますので,例えば首長の任期4年中に1回は首長が任命できるというところをとったというのが,最終的に3年ということになったところでもございます。 それで,やはりバランスが非常に重要だというふうに考えておりまして,例えば教育長の任命権は首長の任命ということになりましたので,教育長の任命権自身は首長が持ったわけでございますが,政治が教育行政に過度に介入することのないように,相互のバランスをとるための制度設計が一定なされたということがございます。 それぞれの権限や役割を十分に認識をいたしまして,それぞれ当事者意識を持ちながら,例えば教育委員会におきましては,最終権限を持ちます,教育におけます執行機関として最終的に教育委員会は残りましたので,教科書の採択や教職員などの人事につきましては,引き続き教育委員会の専管事項というふうに残っておりますので,責任と権限が首長に一極に集中しないようにという形が,最後の出口の決着ということになっております。 私たち首長や教育委員会に与えられております,それぞれの権限や役割分担を十分に認識をしながら,当事者意識を相互に持ち,大事なのはお互いに信頼関係を大切に持ち続けるということが大事だと思いますが,情報交換と連携を密にしながら,子供たちのために相互の立場から,子供たちが主人公であるということを忘れずに,それぞれの権限で対応していくということが重要だというふうに考えております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) ぜひ今後ともいい関係を築いていっていただきたいというふうに思います。 しかし,私はこのような制度にしていくということについては,やっぱり横暴と言わざるを得ないというふうに思います。こういったことができるのは,衆参両議院で何があっても過半数以上で乗り切ることができる,そういう数の部分で国会議員数を得たがため,そういうふうに思います。心の底では,今こそ数の力を利用して,自分たちの考え方を押し通そうとする,その数の力による横暴だというふうに私は考えます。 そして,今また,集団的自衛権の行使ができるのかどうかの問題ではなく,限定的行使の範囲に論議が集中をしておりますが,そういうふうにしてうまく国民の目をそらしていますけれども,自民党がつくった憲法改正草案についても大きな問題がありますが,それにもかかわらず,中身の議論には至っておりません。 そこで,改めて憲法改正草案の問題点を,国民,市民の皆様には知っていただき,よく考えて議論を重ね,しっかりと結論を出していただきたいと思います。 問題点は,天皇の元首化や国防軍の設置,緊急権条項,基本的人権の永久不可侵宣言の削除,愛国心の規定や地方自治の保障から中央集権体制への移行など,現憲法と比較しますと,国民主権が天皇をいただく国になり,国民の権利や自由は束縛されたり後退をします。国民に対する義務はたくさんふえていきます。 最近は集団的自衛権に関する報道はふえていますが,マスコミは今こそもっと憲法について国民がしっかり学び,しっかり判断をし,国民のための国家とはどのような国づくりなのかを考えることができる環境づくりや報道をすべきだと思います。このことをマスコミにお願いをし,この件はおきたいと思います。 次に,教育委員長が新しく谷教育委員長にかわられましたので,敬意を表して質問させていただきたいと思います。 私自身は,一番大事なことだと思っていますが,将来を担っていく高知市の子供たちをどのような子供たちに育てたいのかを,まずもってお伺いをします。 大いに語ってくださいと言いますと,この後の質問ができなくなるほど熱く語られても困りますので,目指す子供像と現状分析,課題解決に向けた取り組みくらいにまとめていただくとありがたいです。教育委員長,よろしくお願いします。
○副議長(和田勝美君) 谷教育委員長。
◎教育委員長(谷智子君) 議員さんのおっしゃるとおり,将来を担う本市の子供たちをどのような子供に育てたいか,その目標をしっかり持つことが大変重要だと思います。 子供たちには,私たちのふるさと高知を愛し,時代を先取りして広く世界に目を向けて行動する土佐の先人の生き方に学びながら,個人の尊厳を重んじ,真理と正義を希求する,心豊かな人間性と創造性を備えた人間に育ってほしいと考えております。 そのためには,子供たちが主体的に学び続けながら,自分の将来に夢と希望を持ち,自信や勇気を持ってこれからの変化の激しい社会をたくましく生き抜いていける,志ある人づくりが必要と考えます。 子供たちの現状を見ますと,学力面では基礎学力の定着については一定の成果が出ていますが,学んだ知識を活用して自分で考える力を育てることが課題であると認識しています。子供たちが人生のさまざまな場面で判断するとき,こうした力が財産になると思っております。 生徒指導面では,一部にさまざまな悩みや不安を抱え,まだやる気を十分発揮できていない子供たちがいます。自己存在感や達成感を持たせるための教育が必要であると考えます。 土佐の先人のように志を持ち,どんな困難にもみずから未来を切り開いていくことのできる人材育成を目指して,高知らしい教育を進めていきたいと考えています。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) ありがとうございました。 子供たちが自分の将来に夢と希望を持ち,自信や勇気を持って生きていくことは,本当に大切なことだと思います。ぜひよろしくお願いいたします。 そこで,教育委員長さんは,この3月まで現役の中学校の校長として勤務されてきた実績がおありですので,中学校での学校経営と子供たちへの学力・進路保障でどのようなことを重点的に教職員やPTAに訴え,実践をされてこられたのか。教育新聞にも何回か載っておりましたが,改めて教育委員長にお伺いいたします。
○副議長(和田勝美君) 谷教育委員長。
◎教育委員長(谷智子君) 中学校は義務教育の最終段階であり,個々の生徒の学力や進路を保障するために重要な時期でございます。勉強面はもちろんのこと,スポーツや芸術などの分野で夢や目標を持って邁進する生徒や個性豊かな生徒がたくさんおりました。 私は,公立中学校の校長としてやりがいを感じながら,特に次の3点に重点を置いて取り組んでまいりました。 まず1つ目は,校長の教育ビジョンを教職員,保護者,地域の方々に明確に示すことでございます。 年度当初の3日間は,教育ビジョンを掲げ,学校教育方針や最重要課題について,教職員と集中して協議いたしました。その際進路指導や学力向上などの目標を明らかにし,それを達成させるためのプロセスを具体的に示して共通理解を図りました。 また,教職員の思いを聞き,明るく前向きな職場づくりに努め,教育のプロとしての力量を組織的に高めることに力を入れてまいりました。 2つ目は,生徒の学力向上や進路保障を小学校と中学校の9カ年のスパンで考え,小学校と一緒に取り組んだことでございます。 小学校の教職員が,小学校段階で身につけるべき学力をしっかりと指導して中学校へつなぐことを初め,小中学校の学習内容の系統性や中学校卒業時の出口のイメージを小中学校の教職員が互いに意識して取り組むことを重視いたしました。 3つ目は,学校の情報の公開や保護者,地域と連携して生徒を見守り育てる風土づくりを行ったことでございます。 基本的な生活習慣や家庭学習の定着など,保護者の協力をいただいたことや地域の宝として生徒を大事に支えてくださった地域の方々の活動や御協力に心から感謝しております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) ありがとうございました。 子供たちの個性を大切にし,進路を保障するために,まずは年度初めの3日間が勝負と,ビジョンを明確に掲げ,年度初めだからこそ校長がリーダーシップを発揮して学校経営方針,学校の最重要課題について協議をする。その際目標とする成果を明らかにして共通理解を図ることや達成するためのプロセスを具体的に示すことが大事だとおっしゃっていますが,そのとおりだと思います。 さらに,実践効率を上げるために,職場を穏やかで,管理職に対しても意見が言いやすい職場づくりを心がけてこられたということもわかり,さすがにすばらしい経営力だと感心させられました。 今度は,教育委員長として,その力をフルに発揮していただき,高知市の子供たちの学力の向上,進路保障に御尽力いただくことをお願いしておきたいと思います。 さて,今,高知市教育委員会は,全国学力・学習状況調査の学力の到達目標を,中学校は全国平均,小学校は全国の105%と定めて取り組んでいると思います。 その本市の取り組みが,教育ジャーナル7月号,これですけれど,ここにもう1面トップで紹介をされていますが,特集がんばれ公立校,子どもも教師も,保護者も行政もやればできるを実感。報われ始めた高知市の学力向上への努力ということで,高知市という固有名詞を上げて評価をいただいております。 そして,その中で,こういう言葉がありますが,まるで奇跡の地でも訪れるかのように,全国からたくさんの視察の人々が訪れたとのすばらしい褒め言葉も見つけました。本当にうれしい限りです。奇跡の地ですよ,教育長。 そこで,現場,教育委員会を代表して,教育長に一言感想をいただきたいと思います。教育長,よろしくお願いします。
○副議長(和田勝美君) 松原教育長。
◎教育長(松原和廣君) ただいま紹介していただきました教育ジャーナル,本当に奇跡の地ということで,恥ずかしいようなうれしいような,本当に過分な評価とはいえ,正直,我々担当する者としてはうれしい思いがしております。 平成19年から始まりました全国学力・学習状況調査は,先ほどもありましたように,当初は小学校は全国平均レベル,そして中学校はかなり厳しい状況からのスタートということになろうかと思います。 それが平成25年度の調査では,小学校は全国のトップレベル,そして中学校は全国平均レベルにもう少しというところまで到達したというふうなことでございます。 これはこれまでの本市の学力向上対策が間違っていなかったんではないかということで,我々はその問題については大きな自信となっておるところでございます。 子供たちにしっかりとした学力を身につけさせることは,すなわち子供一人一人に将来に対して夢や希望を持たせ,そして自信や勇気を持って生きることにつながってまいりますし,また貧困の連鎖を断ち切ることにもつながってまいります。 また,高知にたくさん視察に訪れたということは,小中学校が同じベクトルで学力向上対策を講じてきたこと,また広く保護者や地域の方々と一体となって,この学力向上対策の取り組みをしてきたこと,そして県教委,そして市教委がともに力を合わせ,また他の部局とも垣根を越えて連携したこと,こういった一体となった取り組みが評価されたのではないかというふうに私は思います。 現在,推進しております学力向上対策第2ステージでは,この学力向上対策と生徒指導対策を両輪とした総合的な学力対策を講じてまいりたいというふうに思います。 今回の教育ジャーナルの記事は,子供たちはもとよりですけれども,学校にとっても我々行政にとっても,大きな自信と勇気を与えていただいたというふうなことで,これからもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) 今後ともぜひよろしくお願いいたしたいと思います。 話は戻りますが,私も会派の視察などで東京の品川区や文京区の視察をさせていただきましたが,小中の連携や保・幼・小の連携のうまくいっているところは,確実に成績は上昇し,全国平均を上回ってきています。 そこで,お伺いいたしますが,保・幼・小の連携については,2013年度より8地区の推進地区を設定し,取り組みを始めたと思いますが,その8地区の取り組みの内容及び成果と課題について教育長にお伺いします。
○副議長(和田勝美君) 松原教育長。
◎教育長(松原和廣君) 8推進地区の取り組みでございますけれども,各地域の実態,あるいはその校区ならではの取り組みというふうなことになろうかと思いますが,人をつなぐ,組織をつなぐ,教育をつなぐ,こういったつなぐ教育が一定成果を出してきているのではないかというふうに思います。 例えば,推進地区のつなぐ取り組みの一端を述べてみたいと思うんですけれども,例えば春に園児と児童が地域での田植えを一緒に体験したり,あるいは秋にはともに収穫を楽しみ,冬にはそれを一緒になって食べる,こういった取り組みを各校区で行っておりますし,また園児と小学生が一緒に遊ぶ機会をふやしたり,また教職員が保・幼・小の連携のあり方について学ぶような合同の研修会を開催したり,そして1年生の授業を保・幼の教職員が参観して,接続期のカリキュラムについて協議を行ったりというふうなことで,日常的にこういった取り組みが行われているということでございます。 こういった取り組みは,幼児教育と小学校の滑らかな確実な接続を図る取り組みだというふうなことで,我々は高く評価しているわけでございます。 その成果として,こうした取り組みを通して,子供たちの小学校生活へのスムーズな適応を生み出して,不登校とか,あるいは学校嫌いというふうなものをなくするような,そういった取り組みにつながっているというふうに思っております。 一方,課題といたしましては,いかにしてこの8推進地区の取り組みを全市にどう広げていくのかということが大きな課題ということになろうかと思いますが,今後とも我々は現場に足を運びながら,園と学校をつなぐための支援とか助言なんかも含めて,続けてまいりたいと思っております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) 改めてお伺いいたしますけれども,2011年度には小1プロブレム,入学後の児童が,環境の変化に戸惑い,落ちついて教員の話を聞けずに騒いだり,教室を動き回るなどして授業が成立をしない状態が数カ月にわたって続く状態をいうんですが,市内小学校42校中8校,約19%で起きていたとの報告がありました。 その後,2012年度には12%,2013年度には10%と推移しているとお伺いをいたしましたが,このように推移をしてきた要素として,どのようなことをお考えなのか,教育長にお伺いいたします。
○副議長(和田勝美君) 松原教育長。
◎教育長(松原和廣君) 先ほどもお答えしましたように,やはり小学校と保育所,あるいは幼稚園において,人をつなぐ,組織をつなぐ,教育をつなぐといった連携の大切さが相互に理解をされて,スムーズな移行がなされてきたのではないかというふうに我々は分析をいたしております。 しかしながら,この小1プロブレムの発生の原因は複合的でありまして,条件がそろえば,どこの学校にもこういった問題は起こり得る問題だろうというふうに思って,我々は危機感を持っております。 これまでの我々の研究調査では,その小1プロブレムの発生として4月,5月,そして10月に発生するケースが多くなっております。我々としては,次なる10月に備えて,この小1プロブレムを予防する観点から,授業改善とか学級経営の充実を図っていきたいというふうに思っております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) 本市の保・幼・小の連携の取り組みにつきましても,なかなかよい評価をいただいておりまして,これまた教育ジャーナルの2014年6月号,これなんですが,これにも掲載をされています。全ての小学校で保・幼・小の連携に取り組む姿勢が出されたということはすばらしいことだと思いますので,ぜひ今後ともすばらしい成果が出ることを期待しておきたいと思います。 しかし,推進地域だけでなく,市内全小学校で取り組むことになりますと,課題も出てこようと思います。今,現在進行形で取り組まれているとは思いますが,現在の課題について,なければよいのですけれども,あれば,どのようなことが課題となっているのか,また本年度以降の計画についても教育長にお伺いいたします。
○副議長(和田勝美君) 松原教育長。
◎教育長(松原和廣君) 高知市で保・幼・小の連携を全市的に広げていくためには,すなわち小学校41校を拠点としつつ,公立,私立を含めて100を超える保育所,幼稚園と,本当に網の目のようなネットワークをつくっていく必要がございます。 その中で高知市は,1つの小学校に約20くらいの保育所と幼稚園等がございまして,そこから入学してくる場合もございまして,小学校と保育所が隣接して日常的に交流できるような,そういう地域とは異なる難しさが高知市にはあるということをまず御理解いただきたいと思います。 こうした環境にある高知市にとって,小学校と保育所,幼稚園等の連携が一朝一夕には進まない要因ではありますが,これは大きな課題であると同時に,場合によっては,モデル地区は実際は連携ができているということは,そこに連携ができる可能性も十分あるという状況でございます。 そうした状況の中で,本年度以降の計画ですが,これまではなぜ連携が必要なのかということの共通理解,共通認識に力点を置いた事業を展開してきたわけでありますけれども,これからは小学校入学前のアプローチカリキュラムの普及など,具体的な取り組みを通して,高知市独自の形をつくっていきたいというふうに思っております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) 現在の8校から市内全校に広めていくということについては,就学前教育班が今2名の人員配置だと思いますが,これだけでは大変だろうというふうに思いますので,その部署だけで特に多忙にならないような配慮をお願いしておきたいというふうに思います。 幼児教育と学校教育との接続期のこの重要性,これに対する理解が子供たちの育ちに携わる大人の側にもっともっと浸透していき,周りを巻き込んで地域ぐるみの子育て,地域ぐるみの教育につながっていけばよいと思います。 そこで,そのような教育環境の実現を目指すコミュニティスクールの現状について,現在何校で取り組みを行い,学校運営協議会委員の構成や権限はどのようになっているのか,教育長にお伺いいたします。
○副議長(和田勝美君) 松原教育長。
◎教育長(松原和廣君) 高知市では,現在,今年4月から5つの小中学校において,学校運営協議会を設置しまして,コミュニティスクール化の取り組みをスタートさせました。 その委員の構成でございますが,市の規則に基づきまして,地域住民,そして配置校の校長,教職員,学識経験者,教育委員会が適当であると認める者ということになっておりまして,教育委員会が全ての委員を委嘱するようになっております。 また,学校運営協議会の権限につきましては,学校長が作成する教育目標や学校経営計画,教育課程や組織編制を承認,そして設置校の運営にかかわる事項について,教育委員会や校長に対して意見を述べるということ,そして配置校の教職員の人事に関する事項について,教育委員会に意見を述べるというふうなものが職務内容となっております。 このうち教職員の人事に関する意見については,特定の教職員個人の人事に関する具体的な意見は除くということになっております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) ありがとうございました。 コミュニティスクールの推進についての今後の方針について,教育長にお伺いをいたします。
○副議長(和田勝美君) 松原教育長。
◎教育長(松原和廣君) 本市のコミュニティスクールでございますが,本年度,先ほども言いましたように,指定したばかりですので,今後の方向性については,まだまだ取り組みを進めていかなければならないというふうに思います。 しかしながら,学校の現状やこれからの学校の姿というものを考えますとき,今や子供の教育は学校だけではもう担っていくことはできないというふうなことを思いますし,むしろこれからの子供の教育は,やはり地域全体で学校を支え,課題を解決し,子供たちのよりよい成長のために協働する仕組みが必要だというふうな観点から,我々はできれば,こういった5つの指定校の実践を踏まえて,それを検証しながら,全市にこれを広げていきたいという考え方を持っております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) ありがとうございました。 次に,同じコミュニティでも地域コミュニティの再構築についてお伺いをします。 私自身は,2011年12月議会で質問させていただきましたが,そのときには,モデル地区として浦戸,江ノ口,布師田の3地区で取り組んでいるということと,2012年度中に新たに6地区を目標に地域内連携協議会の設置を要請する予定とお伺いをいたしましたが,まずはモデル地区の成果を上げている取り組みを市民協働部長にお伺いいたします。
○副議長(和田勝美君) 坂本市民協働部長。
◎市民協働部長(坂本導昭君) 平成23年度に,地域コミュニティ再構築のモデル地区として,布師田,浦戸,江ノ口の3地区を指定し,地域内連携協議会設立に向けて取り組みを進めてまいりました。 その中で布師田地区では,これまで布師田ふれあい広場の管理や通学路の危険箇所改修に取り組んでこられた,布師田の未来を考える会と自助,共助,公助の観点から本市が協議を重ねた結果,平成24年からこの会を地域内連携協議会として認定し,課題の整理やその方向性などについて地域内の連携を図っていただいております。 また,浦戸地区では,平成25年に浦戸地域内連携協議会が設立され,浦戸音頭のCD作成や徳島県の漁村集落の視察等の活動を通じて,地域の活性化に取り組んでいただいております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) 次に,6地区を目標に地域内連携協議会の設置を予定していましたが,その後の取り組み状況及び設置状況について市民協働部長にお伺いいたします。
○副議長(和田勝美君) 坂本市民協働部長。
◎市民協働部長(坂本導昭君) 平成24年度に設立を目指しておりました6地区につきましては,これまで数々の協議を重ねてまいりましたが,今までの組織との相違性や活動目的等への御理解が十分にいただけていない部分があることや各団体との調整等に時間を要することなどによりまして,現時点では初月小学校区のみの設立にとどまっております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) 実は,2011年10月2日日曜日に,地域コミュニティの再構築を考えるフォーラムが,かるぽーと11階の大講義室で行われていますが,私も参加をさせていただいていました。 そのときのパネルディスカッションのコーディネーターは,帝塚山大学大学院法政策研究科の中川幾郎教授で,パネリストで岡崎誠也市長も参加をされていました。 市長の紹介文の中に,地域コミュニティを支える担い手不足が課題になる中,地域コミュニティの再構築を市の重要施策に掲げ,町内会等の地域の各団体が情報交換しながら,連携,協力を行い,それを行政も支援していく新たな地域コミュニティの仕組みづくりに着手と紹介をされていますが,目指す地域コミュニティ像はどのようにお考えなのか,改めて岡崎市長にお伺いいたします。
○副議長(和田勝美君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 全国的にも人口減少社会に入っておりますし,高知市の人口推計によりましても,今後人口は減っていくということになります。また,その原因としまして,やはり少子化,そして高齢化が進んでまいりますので,それぞれ地域の中でいろんな課題が現在でも生じてきております。 災害時におけます,それぞれの地域のつながりやきずな,そしてこれからの例えば担い手をいかに育成していくかということを含めまして,改めまして地域でのつながりという観点でのさまざまな対策が必要だというふうに考えておりまして,地域コミュニティの再構築という形で,地域でもいろんな御協議をしていただいているところでございます。 それぞれ基本的に,最終的には各小学校区単位で地域コミュニティの再構築を行いたいというふうに考えておりますが,例えば現況のそれぞれの団体の区分が小学校区のエリアと合っていないという場合もございますので,それぞれの地域での現場におきましては,そういう観点でもちょっと違和感があるということも一つの課題にもなっております。 地域でそれぞれ活動いただいております,さまざまな団体の皆様方が,お互いに一つの場所に集うことによりまして,情報交換を行うということによりましても,かなり地域は変わってくるというふうに思っております。 それぞれ地域の各団体は,議会の皆様方もかかわっておりますが,縦割りで動いていますので,それを横につなげるだけでも,例えば地域の見守りを一斉に行うことができるということもございますので,そういうものを目指しているところでもございます。 そのことが次期の南海トラフの大地震の中でも非常に生きてくるというふうに考えておりますので,非常に重要だという認識を持って精力的に協議を進めておるところでもございます。 結成の状況は,今部長が答弁しましたとおり少しおくれておりますが,最終的にやっぱり組み上げていかなければいけないというふうに考えております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) 設置状況の分析については,飛ばしたいと思います。 次に,地域コミュニティの再構築について,岡崎市長は2011年のフォーラムのときに,次のような趣旨の発言をされています。 昭和40年から50年代にはコミュニティの創成期。第2期は平成時代。市の職員も,約100名がまちづくりパートナーとして参加をしてきた。しかし,バトンタッチがうまくいかない。そこで,コミュニティの再構築を二,三年前から,今なら間に合うと考えて取り組んできたが,3・11の東日本大震災で,隣近所で助け合わないと命が助けられないと考えて,さらに必要性を感じてこの企画をしてきたとの発言がありましたが,今もそのお考えにお変わりはないのでしょうか,市長にお伺いいたします。
○副議長(和田勝美君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 3・11は,我々に非常に貴重ないろんな教えをいただいたというふうに考えております。災害時におけます地域のつながり,そして非常に長い災害後の仮設住宅での非常に厳しい生活の中,どうしてもコミュニティは崩壊をしてまいります。 災害のときにはコミュニティは3回崩壊するというふうに言われていますが,まずばらばらに避難することによってコミュニティがばらばらになります。それから,仮設住宅に入るときに抽せんになりますので,そこで一回ばらばらになります。そして,本格的な災害の恒久的な住宅ができたときに,また抽せんになりますので,またコミュニティは分割されます。 非常にそういう課題を抱えておりますので,いかにその地域のつながりをしっかりと守っていくかということは,その地域の衰退にかかわりますので,非常に重大な関心を持っておりますので,今もそのことの考え方はやっぱり変わっておりませんので,コミュニティの再構築は非常に重要だというふうに考えております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) 私も,地域コミュニティの再構築は,これからの市民生活にとっては大変重要な事項であると思っていますし,重要施策であると考えています。 なぜならば,市長もおっしゃいましたけれども,大災害のときは役所は3日間は動けないと言われています。そのときには御近所,地域での助け合い,支え合いが地域社会の安全,安心をつくり出すためには絶対に必要です。 地域コミュニティの果たすべき役割や働きには大きいものがありますので,ぜひ今後とも再構築には力を入れていっていただきたいというふうに思います。 そこで,仕組みづくりについて,現在どのようになっているのか,どのように考えているのか,改めて市民協働部長にお伺いをいたします。
○副議長(和田勝美君) 坂本市民協働部長。
◎市民協働部長(坂本導昭君) 現在,民生委員児童委員協議会や町内会連合会等の各団体の定期総会でコミュニティの再構築についての御説明をさせていただき,まず意見交換等が未実施であります18の小学校区につきまして,7月中に集中して2班体制で各小学校等におきまして,各団体等の代表者の皆様にお集まりをいただき,地域内連携協議会の取り組みに関する説明会を開催することとしております。 また,既に説明会等を済ませております19の小学校につきましては,順次意見交換会等を開催し,各地域の団体の皆様と具体的な協議を行ってまいりたいと考えております。 地域コミュニティの再構築は,各地域で活動されている多くの団体の皆様に御協力をいただき,地域の実情に合わせながら協議を進めていくことが重要ですので,説明会や意見交換会等の場でわかりやすく丁寧に説明を行い,まずは地域情報の共有化がスムーズに図れることを眼目にしまして,早期に設立いただけるよう努めてまいりたいと考えております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) 私は,小学校区を単位に再構築しようとしているものですから,地域内連携協議会のイメージ図を描かれていると思いますが,そのイメージ図の中にも学校,小学校とか中学校も入れたほうが,より機能的な計画や活動ができるんではないかというふうに思いますが,市民協働部長さんはどうお思いでしょうか,お伺いいたします。
○副議長(和田勝美君) 坂本市民協働部長。
◎市民協働部長(坂本導昭君) 子供さんたちを入れるということにつきましては,将来本市の各地域の担い手として地域を支え,発展させる大切な人材というふうに考えておりますので,この地域内連携協議会では,そうした子供さんたちの目線での地域課題の抽出も重要な視点となりますので,教育委員会とも協議,調整を図りながら,各小学校や中学校にも協議会の設立趣旨を御説明し,協議会への生徒会等からの子供たちの参加,御協力をお願いしてまいりたいというふうに考えております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) 児童・生徒の参加よりも先に,まず教職員の参加のほうをよろしくお願いしておきたいというふうに思います。 また,そのフォーラムで岡崎市長は,人づくりの支援,事業として資金の援助,3点目に子供たちの提案を事業化する仕組みづくりとの提言がありました。 こどもファンドができ上がっていますから,3点目は省いていただいて結構ですけれども,1番,2番について市民協働部長にお伺いいたします。
○副議長(和田勝美君) 坂本市民協働部長。
◎市民協働部長(坂本導昭君) まず,人づくりの支援としまして,平成23年度から地域活動に中心的に携わっていただくための地域リーダーを育成するため,実践的な内容を盛り込んだ地域リーダー養成講座を実施し,2年間で約90名の方に受講していただきました。 次に,資金の援助でございますが,まず平成22年度にモデル地区を対象とした補助金を設け,実際に活用していただいた上で,23年度からは地域内連携協議会活動費補助金を制度化して運営しております。 最後に,子供たちの提案の事業化でございますけれど,本市では平成24年度から,子供たちが自分たちのアイデアでより魅力的な町を目指して行う活動に助成を行う,こうちこどもファンドを創設しまして,2年間で18件の子供たちの活動に対して助成をしております。 以上です。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) そこで,本年度及び本年度以降に取り組む計画について,財政支援と人員配置も含めて吉岡副市長にお伺いいたします。
○副議長(和田勝美君) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡章君) 市長提言の3点についてですが,まず人づくりの支援では,先ほど部長からも答弁がありましたように,地域リーダー養成講座,そして地域コミュニティを考えるフォーラム等の取り組みを継続して実施してまいりました。 本年度,より地域リーダーのさらなるスキルアップと相互連携を目的としましたステップアップ講座を開催し,地域リーダーとして地域活動へ積極的な参加をしていただくことを目指しております。 次に,2点目の資金の援助ですが,本年度から地域内連携協議会の活動補助金制度に加え,情報収集や資料作成等会議開催の準備等に活用できる協議会の運営に係る補助金を制度化することとしております。 また,地域コミュニティの再構築に向けた人的支援としましては,現在職員の支援体制について整備,検討しておりまして,さきの議会でも答えましたけれども,地域活動応援隊制度,略称として地援隊と言っておりますが,地援隊が地域や行政の情報収集や共有化を図るとともに,活動等への支援を行ってまいりたいと考えております。 また,3点目の子供たちの提案を事業化する仕組みづくりにつきましては,現在こどもファンド事業を行っておりますが,子供たちの将来に向けてのまちづくりに対する多くのすばらしい提案も出ておりますことから,こうした提案等につきまして,事業化に向けた仕組みも今後検討してまいりたいと考えています。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) 補助金も大分充実をしてくるような予定のようですので,ぜひコミュニティ再構築について御努力をお願いしておきたいというふうに思います。 次に,時間も少なくなりましたので,機構改革で2014年度から創設をされました,こども未来部についてお伺いをいたします。 こども未来部は,子育て給付課,子ども育成課,母子保健課,保育幼稚園課,子ども家庭支援センターの5課体制でスタートしたわけですが,その中の子ども育成課に新たに配置をされました子ども育成統括主幹の担うべき職務内容について,どのような内容を考えられているのか,こども未来部長にお伺いをいたします。
○副議長(和田勝美君) 山川こども未来部長。
◎こども未来部長(山川瑞代君) 子ども育成統括主幹の配置は,こども未来部の新設に伴い,一元的に子ども・子育て施策を推進するに当たり,教育委員会や学校との連携強化を図るとともに,その専門的な知識や経験を施策に生かしていくものです。 放課後児童クラブの運営はもとより,子ども・子育て施策の円滑な推進には,教育委員会や学校との連携が重要と考えておりまして,子ども育成統括主幹が学校訪問や校長会などへ参加する中で意見交換も行い,より積極的に情報を共有することで,充実した施策展開へつなげてまいりたいと考えております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) 前議会に答弁もありましたが,放課後児童クラブを教育委員会の所管からこども未来部に移管されることとなりました。 放課後児童クラブとこども未来部の良好な接続のために子ども育成統括主幹が配置をされているわけですが,子ども育成課には,児童クラブ以外にも,教育委員会から放課後子ども教室に関することや小学校放課後学習室に関すること,在宅障害児の発達の支援に関すること,身体障害児等に関する療育の指導に関すること,ひまわり園に関すること等が地域保健課等から移管をされています。 また,保育幼稚園課も部内に設置されていますので,学校教育課との連携は必要不可欠だと思いますし,今議会で取り上げました学校教育課所管の保・幼・小の連携については,今後どのような連携を考えられているのか,こども未来部長にお伺いをいたします。
○副議長(和田勝美君) 山川こども未来部長。
◎こども未来部長(山川瑞代君) こども未来部は,子供を健やかに産み育てるために必要な子供施策を総合的に推進することとして新設されました。 子ども育成統括主幹には,子ども育成課の所管する業務を初め,部内連絡会等でこども未来部各課との情報共有を図りながら,これまでの経験とネットワークを生かし,各課の課題解決と施策展開のために力を発揮してもらいたいと考えております。 保・幼・小の連携の取り組みに関しましても,これまでも教育委員会と協議,連携しながら進めてまいりました。今後につきましても,教育委員会と目指すべき方向性を同じくして,連携をより一層密にしながら,子供たちのための切れ目のない施策展開により,幼児期と小学校との滑らかで確実な接続が図れるよう取り組んでまいります。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) 私が平成23年の12月議会でも取り上げさせていただきましたが,前回も発言をさせていただいていますが,発達障害の判定業務は,近い将来,こども未来部に移管されるほうがよいと考えます。 なぜならば,こども未来部には,子育て給付課,子ども育成課,母子保健課,保育幼稚園課,子ども家庭支援センターなどが配置をされ,所管業務を見てみますと,乳幼児から義務教育終了時までの教育以外の子供にかかわる全ての業務が網羅をされているからです。 調べてみますと,福岡県大野城市教育委員会は,本年度より発達障害やいじめ,不登校,非行など,さまざまな問題を抱える子供たちとその保護者を,幼児期から小中学校まで一貫して支援する市教育サポートセンターを開設いたしました。 臨床心理士や社会福祉士,小中学校長OBや現役教諭らで専門家チームをつくり,総勢16名のメンバーで個々の子供の情報をデータベース化し,切れ目のない支援をするとしています。 就学前から包括的に取り組む点で,国内でも珍しいと言われていますが,このような取り組みをしようとしている事例もありますので,参考にしていただき,発達障害の判定業務をどのような部署で,どのような組織立てで取り組むのが,より子供の側に立つことになるのかをお考えいただきたいと思いますが,こども未来部長にお伺いいたします。
○副議長(和田勝美君) 山川こども未来部長。
◎こども未来部長(山川瑞代君) 障害児に対する支援につきましては,子供の成長に沿った一貫した支援の確保を第一に,子育てに関する機関同士の連携が不可欠であると考えます。 障害児加配の判定業務を含めた体制につきましては,その支援を必要とする子供にとって,よりよい対応策がとれるよう,こども未来部の体制強化を図るとともに,教育委員会との連携方法につきまして,先進地事例も調査した上で検討してまいりたいと考えております。
○副議長(和田勝美君) 門田権四郎議員。
◆(門田権四郎君) 今後も,保・幼・小・中の連携は進むだろうと思いますし,発達障害についても,多くの大人のかかわりで早期発見につながるケースがふえてくるだろうと思います。 最近の傾向として増加傾向にあり,子供たちの6ないし7%の在籍率だとのことですので,1クラス換算にしますと,小学校1,2年生の30人学級規模で,2人の発達障害児が在籍をする計算になります。 子供たち個々の学びを保障するためにも,今後ともぜひ学ぶための環境整備に御尽力いただきますようお願いを申し上げ,私の全ての質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(和田勝美君) この際暫時休憩いたします。 午後2時59分休憩 ~~~~~~~~~~~~~~~~ 午後3時14分再開
○議長(山根堂宏君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 長尾和明議員。 〔長尾和明君登壇〕
◆(長尾和明君) 市民クラブの長尾和明でございます。通告に従いまして総括質問をさせていただきます。 初めに,岡崎市長の政治姿勢についてですが,午前中にも質問がありましたが,集団的自衛権の是非についてお伺いいたします。 岡崎市長の基本的なお考えは,6月3日の高知新聞で読まさせていただきました。私もほぼ同じ意見ですが,その中で気になったことを岡崎市長にお伺いいたします。 そもそも集団的自衛権とは,自国への武力攻撃がなくても,他国のために武力行使をする権利であり,憲法における集団的自衛権問題とは,日本への武力攻撃がないのに,他国のために武力行使することが,憲法上認められるか認められないかということになると思います。 高知新聞での質問は,限定的な行使に反対か賛成かを聞かれているので,あのようなことになったと思われますが,認められるか認められないかの問題であり,この二択の場合の岡崎市長のお考えをお伺いします。 また,最小不可欠とのことでしたが,岡崎市長が想定しているのはどのような場合なのかもお聞かせください。 次に,子ども・子育て支援新制度についてお伺いします。 5月26日,国の公定価格がやっと示されましたが,11にも上る加算があるなど,非常にわかりにくい制度となっています。 市内の幼稚園や保育所に対し,現状のまま残るか,認定こども園に移行するのかの意向調査が行われましたが,今回国の示した公定価格は消費税増税の税収が満年度化となる平成29年度の単価であり,27年,28年度は各年度の予算編成時に明らかにされることや,現在の市単独補助制度がどのようになるのかなど,余りにも乏しい判断材料しかない中での調査ということで迷っている園も多数あると聞きます。 そこで,質問ですが,まず第1番目に,意向調査後の動き,特に幼稚園や認定こども園は,例年9月ごろから次年度に向けての園児募集を行いますが,例年どおりのスケジュールでいけるのか。 また,保育所は毎年1月20日に募集締め切り,2月上旬から中旬に入所決定としていますが,保育所側には幼稚園や認定こども園に先に園児を確保されるので,保育園ももう少し早い時期に入所決定はできないかとの声が以前よりあり,本会議で質問させていただきましたが,その対応策についてお伺いします。 次に,予定でいけば,保育所では平成27年4月時点での在園児については,保護者が短時間を希望する場合を除いて,全て標準時間認定,つまり11時間となることが国から示されていますが,27年度新入児については,標準か短時間かの認定作業が必要となります。 先ほどお伺いしたとおり,この制度自体は非常に複雑であることから,その周知がかなり難しいことが予想されます。 そこで,市としてはどういった形で保護者に周知を考えているのか,お伺いいたします。 また,限られた期間内にゼロ歳から5歳児の各号認定を行うわけですが,特に2号,3号のお子さんの御家庭は共働き世帯がほとんどでありますが,通常時間帯だけでの受け付けでは保護者への負担が大き過ぎると思います。 その点についてと,それに対応する職員体制についても,現状では大変厳しいと思いますので,あわせてお答えいただきたいです。 3点目に,今回の新制度に向けて,高知市では全国的にもいち早く各条例の制定作業等を行い,平成27年4月からに向け準備を急がれていることは高く評価いたします。 一方で国は,例えば時間外保育事業,放課後児童健全育成事業,子育て短期支援事業,地域子育て支援事業,一時預かり事業,病児・療養児保育事業においては,いまだ単価すら発表できない状況であります。 それぞれ子育てには重要な施策でありながら,現時点で詳細が明らかになっていない状況では,果たして平成27年度からスムーズな運営ができるのか,甚だ疑問であります。 岡崎市長は,国の子ども・子育て会議のメンバーでもある尾崎知事にも,実際運営主体となる市町村代表として,そのあたりを訴える必要があると思いますが,市長にお考えをお伺いいたします。 次に,福祉対策についてお伺いします。 安倍政権は,昨年8月,ことし4月,2015年4月の3段階で,生活扶助の総額を計6.5%分減らす方針であり,この削減によって市民税や保育料,さらには最低賃金など,約40を超える制度に影響があるようですが,福祉の充実や社会保障のためという名目で消費税の増税をしておきながら,福祉を後退させることに矛盾を感じているのは私一人ではないと思います。 特に,生活に困窮したときに利用できる制度が利用できないなどということが起これば,低所得の方たちはほかの消費を削減せざるを得なくなりますが,削減しやすい費用というのは食費や衣料費など,ほかの安いものに置きかえたり,古いものが使えるなら買うのを控えることができるといった柔軟性のある費用のみであり,家賃や社会保険料などは安いものに置きかえたり,支払いを控えるなどできませんので,必然的に家計を圧迫していき,その結果,生活保護を受給するという事態になるのではないだろうかと心配しております。 過去の本会議で何人かの議員の方から,減額の影響のある制度等への質問がございましたが,私のほうからも就学援助についてお聞きします。 この制度も生活保護の基準額を参考に,それぞれの自治体が支給対象の枠を決められ,支給額の縮小が行われている自治体もあるわけですが,高知市も含め多くの自治体では就学援助の縮小を回避されたことは,弱者保護や教育機会の保障,少子・高齢化に少しでも歯どめをかけたいとの観点から大いに評価いたしますが,今後が心配です。 そこで,国に対して,新たな制度の創設など,地方に弱者保護の押しつけをやめさせるべき働きかけや提言など積極的に行うべきと考えますが,所見をお聞かせください。 次に,高齢者対策をお伺いします。 高齢者が急増し超高齢化社会が進む現状の中,市民が安心して暮らしていける地域社会を築いていく上で,高齢者に対する対策は我が国の重要な課題の一つであることは言うまでもありません。高知市もその対策に取り組み,努力していることは評価したいと思います。 しかしながら,昨今,認知症の行方不明者についての報道が相次ぐなど,これまで知られていなかった実態が表面化してきております。 警視庁が発表した全国の行方不明者の中で,認知症高齢者の数は平成24年度で9,607人,25年度は,暫定値ではありますが,1万300人と,1年間で2割近く増加しています。そして,24年度に無事保護された人が9,040人,一方残念ながら亡くなって発見された人が359人,また所在が不明のままの人が208名であり,7年間も行方不明者だった方が,NHKの報道によって7年ぶりに発見されたことも話題となりました。 また,4月に,2007年に愛知県大府市で,徘回症状がある認知症の男性が電車にはねられ死亡した事故をめぐり,JR東海が男性の遺族に損害賠償を求めた訴訟で,当時85歳,現在では91歳になる妻に約360万円の支払いを命じる判決が下されました。 このことは,家族のみで認知症の患者を24時間いつも見守ることはできず,まだ十分に社会的整備が整っていない中で起きた悲しい事故であり,私たちの認識や社会の仕組みが追いついていないのではないかと思います。 こうした事態を防ぐためにも,行方不明情報をほかの市町村や警察,医療機関や介護施設等と共有するシステムを一刻も早く整備すべきであり,さらに認知症患者が遠くまで行く前に本人を支え,捜せる地域ネットワークをつくり上げていくことが求められていると思います。 そこで,高知市の認知症対策でありますが,その対策と今後のあり方について伺っておきます。 とりわけ徘回による行方不明者や重大な事故等に巻き込まれないための対策などもあわせてお伺いいたしたいと思います。 そして,それと関連することとしまして,地域医療・介護総合確保推進法案についてお伺いします。 今回の法案は,介護保険法改正案に限れば,平成12年に介護保険制度が創設されてから2度目となる大改革案であり,この改正案が成立した場合,要支援1,2が対象となる現行の予防給付においては,市町村の地域支援事業に移行されることになります。 給付と事業ではサービス形態や活用方法が全く異なり,特に給付は国の基準で決定されますが,事業は保険者である自治体の裁量が強くなることで,全国画一的なサービスが保障されるかは未知数であると思います。 まして,サービスの担い手を地域のボランティアやNPO法人などが大きな比重を占める施策になっているようですが,超高齢化,人口減少社会が進む中,住民主体の取り組みが持続可能なのか,大変懸念しております。 さらに,要支援者における訪問介護や通所介護部分の財源の伸び率が抑制されるため,自治体の財政が苦しくなった場合,サービスを絞ることは当然予測されます。 満足なサービスを受けられず,要支援から要介護へ症状を悪化させるようなことになってしまえば本末転倒であり,なれた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるような地域づくりはとても実現できないと思っています。 そこで,質問いたします。 この法案に対して,高知市での対応は十分であるか,サービスの低下はないか,法の施行によって人材確保等も含めて万全の体制で取り組むことが可能かもあわせて御答弁をお願いしたいと思います。 次に,市有地利用と市有施設見直しについてお伺いします。 少子・高齢化や人口減少や地方財政が厳しく問われている現状の中で,市政の今後のあり方で重要なポイントの一つであろうと思われる市有地の土地利用のあり方と市有施設の見直しは,避けて通れない課題であると考えます。 まず,20年,いや30年以前に都市計画されながら手つかずのままの街路や公園なども,一日でも早く解決されなければならないことは当然でありますし,見通しもないまま放置することは市民に説明できないまでも市政の不利益であります。 高度成長期に決定された計画が,現在もそのまま生き残っていることは,時代に即している部分が少しはあるとしても,大部分は見直しをすべきことだと思います。 このことは市民の財産に規制をかけていることもあり,早急に見直しを検討すべきであると考えます。 まず,都市計画を決定されて久しい街路や公園などの見直しの意思があるか,3月議会で深瀬議員の質問にもありましたが,再度お聞きします。 続いて,市有施設の見直しについてお伺いします。 市有施設の老朽化,とりわけ高度成長期に建設された市有施設は維持管理対策が急務であり,その財政負担は増加するばかりであると思います。 総務省より公共施設のあり方,とりわけ削減について要請があっているようでありますが,私は市民にとって必要な施設はたくさんあると考えており,減らすより利用者促進が本来であるべきと思います。しかし現実は厳しい状況であり,将来をしっかり見据えての見直しは当然であると思っています。 そこで,高知市での取り組みについてでありますが,施設の見直しについてどのような状況か,伺っておきます。 次に,公契約法についてお伺いします。 平成22年9月28日,高知市議会において,公共工事における賃金確保法(公契約法)の条例制定に関する請願書が本会議で採択されました。 これは高知県建設労働組合が建設業界の技能労働者不足を指摘しており,経済不況によって仕事不足になり,建設労働者の社会保障の不備や賃金の低下を大きな原因として指摘してきています。また,とりわけ若年層の不足が目立ってきており,これは紛れもなく上記の社会保障の不備や賃金の低下が引き起こしてきた結果だと言わざるを得ない状況から,高知市に向け要請された内容です。 近況では,長引く建設不況の状況から,改善の兆しもある状況が報道されています。さらに,平成26年2月には,設計労務単価が24年度との比較では全国平均で23.1%上昇し,建設産業に働く労働者については賃金の上昇に対する期待感もあります。 また一方では,消費税増税後の建設投資については,先行き不透明な情勢であり,また長期的建設投資が好調を維持していくのかも不透明であり,高知市においても,建設現場で働く労働者の賃金にまだまだ不安を抱えている状況で,新規入職者も確保できない状況が続いています。 この現状を打開しなければ,高知市における建設業の維持が近い将来できなくなっていくことが懸念され,高知市で市直轄の建設工事があっても,県外からの建設業者参入などが大半を占めることも予想され,その中に高知市の建設労働者も働いているのかということも出てくることと思われます。とりわけこのままだと,高知市の建設業の衰退が年を追うごとに目に見えてくることだろうと予想できます。 県建設労働組合組織内調査では,若年層の建設労働者不足は,組織率でも把握しており,県下3,400人の組織の平均年齢は,平成26年3月時点で59.89歳となっていて,業界の高齢化とこれに伴っての技能労働者不足が進んでいくことが浮き彫りとなっています。 また,将来,高知市で働いてもらえる若年層の県外資本への流出は,高知市の建設業界でも先ほど述べました理由から,入職者がいないからであって,建設業を他産業と比べても,賃金形態など引けをとらないようにすれば,必然と解消されていく問題であるとも考えられます。 若年労働者の不足は,何も建設業界だけではありませんが,高知市の若年層の高知市定住の意味でも,こういったことを解決していかないと,高知市民の減少傾向にも歯どめがかからなくなるように思えます。 こういったことを一つずつ解決していくために考え出したのが,公共工事における賃金確保法であり,賃金や労働条件の改善は必要不可欠であると考えます。 さらに,高知県が平成26年2月に作成した高知県建設業活性化プランでは,活性化に向けた課題で建設業者のマンパワー確保等の中で,将来にわたり建設業を支える人材の確保の中に,就業者が安心して生活していける雇用環境を上げており,建設業における活性化に向けた取り組みも始まっています。 とりわけ,若者の定住策の一つでもあり,将来の高知市のことも考えれば,重要な課題である働く場の確保という問題において,賃金や労働環境の改善は必要不可欠であると考えます。 そうした観点からも,建設工事だけではなく,他の業務等も視野に入れながら,早急に条例制定に向けた取り組みを行う必要があると思いますが,御所見をお伺いします。 次に,市営住宅の再編計画についてお伺いします。 先日公表されました市営住宅の再編計画での,世代ニーズにマッチした公営住宅供給と,それに関連して,再生エネルギーの導入と売電益の活用の可能性について質問いたします。 昨年の3月議会において,自宅に国の補助制度を活用してソーラー発電パネルを設置してみると,家族の節電意識が向上したことを報告して,1年で比較してみますと,約3万3,000円の節約につながったもので,数字になったものを見てみると,なかなかの効果があったものと改めて実感しているもので,一定導入コストはかかるものの,全国で日照量が2位という高知の特性をもっと生かすことができればと考えております。 さて,市営住宅の再編計画についてですが,これは市民の安全と安心の保持実現化を図るため,現状を踏まえて,これからの10年を何をどのように進めていくのかの方針が打ち出されているもので,市営住宅と他の一般住宅のあり方も含めた,住宅施策の今後の大きな柱の一つとなるものと捉えています。 自宅の近所には,十津の市営住宅群があり,その一部分は築後約30年を経ており,再編計画で一定期間経過後に建てかえの対象となっているため,そのことについて住民の方から相談を受けることもありますが,その内容のほとんどが,まずいつ,次にどんなになると続いて,建物も古いが,入居者の高齢化も気になる。そして,早うできんろうかとの流れになっています。 再編計画では,次の南海地震対策を念頭に,築経過年数,構造,立地場所など現状把握に基づく優先度の設定がなされ,建てかえ計画に移行していくものと認識をしております。 さきの東日本大震災で甚大な被害をこうむった宮城県石巻市では,これからのための防災対策として石巻市災害復興住宅供給計画を策定し,それに基づく石巻市災害公営住宅設計ガイドラインを設けて災害公営住宅として備えるべき姿の検討を行っており,多岐にわたる条件項目を必須事項と推奨事項とに区分した整理がなされています。 その中で必須事項として位置づけられているものに,ライフライン途絶を想定したエネルギーシステムを導入するとあり,ライフライン途絶時の安全性を確保するためや地域環境に配慮するため,共用部分に供するための太陽光発電システムを導入する。ライフライン途絶時の夜間に電力を供給するための蓄電池システムを導入するとの設定がされています。 このことは震災を経験されて,次の世代の人命と生活を守っていくためには,こうしたものは必須のものであり,それは単に公営住宅の機能保全にとどまらず,災害発生時から復興まで,地域の防災拠点として活用できることが,市民の生命と財産と生活を守ることにつながるとの信念のもとに設けられたものであり,それは被災地のとうとい教訓からのメッセージとして受け取るべきである。 そして,震災以降に幾度か東北方面を訪れ,復興状況を目の当たりにしておりますが,復興の最前線はやはり自治体であり,そこで働く職員であるということを改めて認識をしているものです。 今後,具体的な建てかえ計画の検討がなされる段階に移行していくものですが,それには整備方針の策定に始まり,予算の確保,既存制度との調整や入居者,隣接者との協議など多くの時間,手間が必要となりますが,これから高知市として取り組むに当たって,東北からの貴重なメッセージを受け取り,反映していくべきと考えています。 そうしたことから,東北方面での公営住宅の復興の方針と状況につきまして,わかる範囲で構いませんので,お伺いします。 そして,高知市としてこれからの整備計画策定に当たっての方向性について伺います。 また,再編計画では,世代ごとのニーズに適応した住宅供給の必要性にも触れられており,今後の方針について伺うとともに,そうした整備を進める上で課題整理も必要となっていくこととなるため,そのケーススタディーとして,例えば十津の市営住宅などをモデル的に整備することで,効率的な課題解決の糸口を見つけられるものではないかと考えられますが,その可能性について伺います。 そうしたものの整備を行っていく上で必要となる財源の確保の方法として,構造,強度をクリアできる場合,市営住宅の屋根部分にソーラーパネルの設置を行い,売電益の一部を財源に充当していくことができるものかどうか,お伺いします。 これについては,住宅,建築,エネルギー,財務,法務部門など多岐にわたる調整も必要と思われますが,さきに訪れた東北の自治体の職員の方からは,発災直後から今まで復興に至るまで,関係部門の密な連携がどうしても必要。それはふだんは連携していく素地がないことにはどうにもならないとの意見を聞いており,通常時からの一層の連携をしていただき,売電についての国,民間での総量枠の設定の見直しについて,公として災害に最前線で備える自治体として,関係機関に一丸となって働きかけを行っていくことを望むものでございます。 1問を終わります。
○議長(山根堂宏君) 岡崎市長。
◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問に順次お答えを申し上げます。 まず,集団的自衛権ですけれども,新聞のアンケートは賛成か反対かということでございましたが,認められるのか認められないのかという今の御質問にお答えを申し上げたいと思います。 1972年10月に,これは参議院の決算委員会でございますけれども,政府が提出をした見解では,他国に加えられた武力攻撃を阻止することを目的とする集団的自衛権の行使は憲法上許されないと言わざるを得ないということが,内閣法制局から答弁されておられますので,本来集団的自衛権の行使は容認できないというのが従来の憲法の解釈でございますので,認められるか認められないかという御質問でいいますと,現行憲法上は集団的自衛権は認められないということになります。 憲法の改正がないと認められないと考えておりますので,これを解釈の変更によって認めるということは,やはり本来のこれまでの国会答弁を大きく揺るがすものになりますので,そのことには反対をするということでございます。 続きまして,その集団的自衛権の,新聞報道でも答えました,必要最小限不可欠のものということの範囲でございますが,この質問は非常に難しい部分が入りまして,いわゆる専門的な見地でどこまで絞り込むかということになります。 一応現在の政府が出しておりますのは,少し例示を申し上げますと,米艦防護,船舶検査,ミサイルの迎撃,そしてシーレーンと言われます海上交通の機雷除去,この4分野,そしてこれはさらに8項目に分かれます。8項目は全て申し上げませんけれども,それぞれ今協議が進められておりまして,国会の中でも非常にさまざまな角度から議論がされているところでございます。 これは非常に専門的分野でございますので,私はこれは全てということではなくて,この中で国会議論等におきまして,さらに絞り込んでいく必要があるというふうに考えているところでございます。 続きまして,子ども・子育て支援新制度に関する御質問にお答えを申し上げます。 子ども・子育ての新制度につきましては,平成27年度から施行ということが決まっておりますので,現在新設のこども未来部におきまして大変忙しい作業になっておりますが,鋭意準備作業を進めているところでございます。 国の動きのほうを申し上げますと,尾崎知事も委員として参画をされております国のほうの子ども・子育て会議が,昨年4月に設置されまして以降,現在まで計15回の会議が開催されまして,新制度の実施に向けました精力的な検討が行われております。 ただ,国から出てくるさまざまな通知が非常におくれぎみでございまして,
幼保連携型認定こども園や,これは小規模の分ですが地域型保育事業の認可などに必要な各種の基準の策定,給付額の算定の基礎となります公定価格の設定など,市町村におけます準備作業に必要な事項の詳細につきましては,当初の予定よりおくれて国からその内容が順次出されている状況でございます。 もともと最初のスケジュール自体も非常にタイトなスケジュールでございましたが,国の通知が非常におくれておりますので,さらにスケジュール的には厳しいものということになっておりまして,民間保育所の経営者の方々,そして民間の幼稚園の経営者の方々も,非常に先行きがわかりにくいと,いろんな経営上判断ができないということで,いろいろな御意見もいただいておりますが,非常によくわからないというのが現状でございます。 また,時間外保育事業などの地域子ども・子育て支援事業につきましては,子ども・子育て支援事業計画について,平成27年度以降の実施内容等を記載していくということになりますので,これらの事業の補助単価等の設定につきましては,これはまだ出ておりませんので,早期に決定をしていただきたいと考えているところですが,非常におくれぎみです。 新制度の本格実施までの時間はあと半年ということになっておりますので,本市職員も参加をしております,新制度に係ります国と市町村との懇談会というのがございます。 直接,国の担当者に対しましても,この会議の中でも,できるだけ早く出していただかないと,市町村は実務ができないということはそれぞれ訴えてきております。 尾崎知事とは当然何回か月のうちに会う機会がございますので,尾崎知事もそのことはわかっておられると思いますけれども,なお次にお会いしたときにも,できるだけ4月1日からの施行に支障がないようにということは,尾崎知事にも申し上げておきたいというふうに思っております。知事自身も多分わかっておられるとは思いますが,なお申し上げておきたいというふうに思います。 続きまして,市営住宅の再整備計画につきまして,御質問にお答えを申し上げますが,本市におけます方向性に関します御質問からお答えしますが,高知市営住宅の再編計画につきましては,平成24年度に策定をしました高知市住生活基本計画の基本理念であります,市民が安全で安心して快適に暮らせる地域と環境に配慮した住まいづくりというものに基づきまして,南海トラフの巨大地震・津波被害への対策や少子・高齢化社会に対応する新しい住宅仕様などを基本方針として取り組むこととしています。 今後の市営住宅の整備計画の策定に当たりましては,この基本理念をできるだけ踏まえながら,東日本大震災の復興のためにそれぞれ考案されましたさまざまな対策も,住宅の整備の中で,これは官民でございますので,それぞれ民間のほうへもできるだけそういうものを整備していただきたいということも参考としてまいりたいというふうにも考えております。 市営住宅の再編につきましては,御指摘もいただきましたように,世代ごとのニーズに適応しました住宅の供給というものが必要になってまいります。 社会情勢や生活様式の変化がございますし,また現在でも単身世帯が非常にふえてきておりますし,これから単身世帯はさらにふえてまいりますので,単身者を受け入れるための民間の賃貸住宅もだんだん少なくなってきておりますので,公営住宅の単身者向け住宅というものの需要も高くなってきております。 ただ,やっぱり地域のバランスというものもございますので,入居者の高齢化に加えまして,例えばその自治会を運営するということも考えておかなければなりませんので,多様な世代がバランスよく入居したコミュニティというものを考えながら,住宅整備をしていく必要があろうかと思っております。 このため,今後の市営住宅の建てかえに当たりましては,高齢者の方々や障害者の方々,また子育て向けの住宅といった目的ごとに必要とされます住宅の戸数や床面積,設備の仕様などの検討を行いまして,社会情勢や入居対象者のニーズに即した団地整備を図っていく必要があると考えているところでございます。 その他の御質問には,各担当部局長等からお答えを申し上げます。
○議長(山根堂宏君) 森田総務部長。
◎総務部長(森田惠介君) 公契約条例の制定に向けた取り組みにつきましての御質問をいただきましたので,お答えをいたします。 本市では,御質問にもございましたとおり,請願の採択を受けまして,平成23年の12月議会にお諮りをして,高知市公共調達基本条例を制定し,平成24年4月1日から施行しております。 同条例は,契約におけます賃金の水準などを規定する,いわゆる公契約条例ではなく,公契約のあるべき形をお示しした理念条例ではございますが,市民福祉の向上,地域経済の健全な発展など,条例に掲げる理念の実現に向けまして,市,事業者及び市民の皆様それぞれの責務を掲げますとともに,市といたしまして理念実現のための具体的な取り組みを条例に基づき設置をしております高知市公共調達審議会の皆様からの御意見もいただきながら進めているところでございます。 そうした取り組みの一つといたしまして,本年度は賃金や社会保険の加入状況など8項目につきまして,労働基準法等の関係法令に定められた基準が守られているかを確認するため,契約相手方に状況を報告いただく仕組みをつくり,工事請負契約の一部で運用を開始することとしております。また,運用状況を検証しながら,今後におきましては,業務委託契約にも適用を拡大してまいりたいと考えております。 本市ではこのように,現行の公共調達基本条例の運用の中で,個別の施策に取り組むことによりまして,条例に掲げております理念の実現を図ってまいりたいと考えておりますので,どうかよろしくお願いいたします。
○議長(山根堂宏君) 古味財務部長。
◎財務部長(古味勉君) 市有施設の見直しということで,本市の公共施設の見直しに関する取り組み状況についての御質問をいただきましたので,お答えをいたします。 公共施設の老朽化対策が全国的な課題となっておりますが,本年4月22日付で総務省から,公共施設等の総合的かつ計画的な管理の推進についてという文書が発出をされました。 その内容は,地方公共団体に対しまして,早急に公共施設等の全体の状況を把握し,長期的な視点を持って更新,統廃合,長寿命化など計画的に行うことにより,財政負担を軽減,平準化するとともに,公共施設の最適な配置を実現することが必要であることから,速やかに公共施設等総合管理計画の策定に取り組むよう要請をするもので,あわせまして公共施設等総合管理計画策定指針も示されたところです。 本市では,この公共施設の管理に関しまして,本年3月には高知市公共施設マネジメント基本方針を策定し,安全,安心で将来にわたり持続可能な公共施設サービスを提供していくことを目的といたしまして,全庁的,総合的な観点から,公共施設の効果的かつ効率的な管理運営を進めるため,公共施設マネジメントに取り組むこととしたところです。 この基本方針に基づきまして,まず本年5月には先進都市である倉敷市から講師をお招きし,公共施設マネジメント講習会を開催したところです。 本年度につきましては,公共施設の利用状況などの現状や財政状況,人口動態などを分析し,課題を整理した公共施設白書を作成することとしておりまして,平成27年度に予定をしております高知市公共施設マネジメント基本計画の策定につなげていくこととしております。 この計画を総務省の要請する公共施設等総合管理計画に位置づけまして,公共施設の最適管理,見直しに取り組んでいくこととしております。 以上です。
○議長(山根堂宏君) 村岡健康福祉部長。
◎健康福祉部長(村岡晃君) 高齢者福祉等に関する御質問にお答えをいたします。 高知市の認知症対策の取り組みといたしましては,高齢者保健福祉計画の中で認知症の人への在宅支援を重点施策といたしまして,認知症の理解の促進,介護者への支援,本人への支援を3つの柱に取り組んでおります。 認知症の理解促進では,認知症を正しく理解し,認知症の方を地域で見守るネットワークづくりの支援として,認知症サポーター養成講座を実施いたしまして,平成25年度末で1万513人の認知症サポーターを育成しております。本年度のサポーターの養成を担うキャラバンメイトの育成講座も予定をしておりまして,なお一層のサポーター育成に努めてまいります。 また,介護者への支援として,家族の方が認知症の方の状態を悪化させないようにする,ケアについて学ぶ認知症重度化予防実践塾を開催しております。この取り組みは高知出身の漫画家くさか里樹先生の代表作「ヘルプマン」にも取り上げられておりまして,認知症予防編として掲載をされております。 また,認知症の方や介護者の方も参加をし,交流することができる認知症カフェも誕生しておりまして,今後も認知症カフェのような介護負担感の軽減を図れる居場所がふえるよう支援を考えております。 本人への支援といたしましては,住民を交えた地域ケア会議や地域づくり研修,成年後見市長申し立て等を実施しているところでございます。 次に,認知症で徘回する高齢者の方を早期保護するための取り組みにお答えをいたします。 本市では,平成8年から高齢者保護ネットワークを設置いたしまして,ファクスによる行方不明者の情報提供を福祉施設,タクシー会社,警備会社等の登録機関に一斉配信をしておりましたが,ファクス利用が時代のニーズに合わなくなってきたことなどから形骸化をし,24年3月末で一旦廃止をしております。 御指摘のように,独居高齢者や認知症高齢者人口の増加が見込まれている中で,新たな地域のネットワーク,情報提供の仕組みづくりを行うことは必要性を認識しておりまして,情報社会に見合った情報ツールを使用した仕組みの構築を図ってまいりたいと検討しているところでございます。 最後に,地域医療・介護総合確保推進法案についての御質問にお答えをいたします。 地域医療・介護総合確保推進法案は,持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として,地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するため,医療法,介護保険法等の改正案として,今国会で審議をされています。 この法案では,要支援1,2の方への給付のうち,約6割を占めております訪問介護,通所介護について介護保険給付から外し,市町村が地域の実情に応じた取り組みができるよう,介護保険制度の地域支援事業の中の新しい介護予防・日常生活支援総合事業という新総合事業として再構築をするものでございます。 現在のところ,この制度は第5期の計画からスタートをしておりますが,全国的にもなかなか事業が進んでいないという実態もございます。平成29年4月までに全ての市町村で実施をされることになっておりますが,まだ不透明なところが多いといったことが現状でございます。 新総合事業への移行に対しましては,どのように今後進めていくか,国の動向を踏まえながら,本年度第6期の高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を策定する予定となっておりますので,その中で検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(山根堂宏君) 山川こども未来部長。
◎こども未来部長(山川瑞代君) 子ども・子育て支援新制度の施行に伴う幼稚園や認定こども園の新年度園児募集に関してお答えします。 園児募集に当たって,利用者に提示する保育料について,施設型給付の対象施設には,国基準を限度として,市町村で定める保育料が適用されることとなりますが,国基準は平成27年度の予算編成過程を経て決定すると聞いております。 国は,地方自治体,事業者等の関係者が準備を進めるために,新制度の保育料のイメージとして仮の金額を示しております。 今年度実施する園児募集については,戦後初めてとも言える大きな制度改正と重なり,施設型給付の対象施設に係る保育料など,変則的な内容での募集となりますことについて,事業者の方々には御負担をおかけいたしますが,御理解をお願い申し上げます。 次に,保育所の入所手続の時期等につきましてお答えいたします。 現行制度では,保育所は児童福祉法第24条に基づき,市と保護者の契約により入所を決定していますが,幼稚園や認定こども園など,保育所以外の施設では,施設と保護者の直接契約により入園が決定することから,各施設で園児募集の時期や方法が異なっています。 平成27年度からの新制度では,児童福祉法第24条の保育の実施義務は維持されますが,保育所,幼稚園,認定こども園は,子ども・子育て支援法において,特定教育・保育施設として同じ位置づけとなり,入園に関しても本市による利用調整などの同じ手続の対象となります。 現状のように,各施設が異なる時期に園児募集を実施すると,利用調整などの場合,保護者の施設の選択肢に制限が生じる可能性があるため,園児募集の時期は一定の時期に統一して行う方法も考えられます。 しかしながら,園児募集の時期や方法については,各施設において長年運用されてきた経過があるため,施設を運営する法人と十分に協議の上,慎重な判断が必要であると考えています。 次に,子ども・子育て支援新制度の保護者への周知と手続の負担等につきましてお答えいたします。 御質問にございましたように,新制度の事務手続において保護者に最も影響があるのは,支給認定手続であると考えています。 この支給認定手続を定める子ども・子育て支援法施行規則改正案について,現在国がパブリックコメントを7月10日までの期間で実施しておりまして,手続の詳細については,規則改正後に決定することとなります。 本市では,支給認定手続について,保育所,幼稚園,認定こども園等に在籍する児童については,施設を通じて実施し,施設未入所の児童等については,本市の窓口での入所等の相談,申請時に実施する方法を検討しておりまして,この場合,保護者の事務的負担は,現在の保育所入所手続と大きく変わらないと考えています。 次に,周知方法につきましては,生徒全般に関しては,この秋に本市広報紙での特集を予定しているほか,就学前児童の保護者への周知文書送付などについて検討しておりまして,支給認定手続の詳細に関しては,国の規則改正後に手続方法や申請様式などを確定し,対象者に周知してまいります。 次に,職員体制についての御質問でございますが,本年度は子ども・子育て支援新制度への対応や幼稚園業務が教育委員会から移管されたことに伴い,職員体制を強化しており,新制度への周知や支給認定事務を実施する予定です。 しかし,新制度に係る支給認定を含む事務については,国からの情報がおくれ,明確な方法が示されない中,当初の想定を超える業務量となっていることから,既存の業務と並行しての事務作業は,現在の体制では非常に厳しい状況にあります。 今後の職員体制につきましては,新制度への対応や
既存業務に支障が起こることのないよう,人事当局と協議を行い,市民の皆様や事業者に御迷惑をかけることのない体制をつくってまいりたいと考えております。
○議長(山根堂宏君) 山本都市建設部長。
◎都市建設部長(山本頼男君) 都市計画施設と市営住宅の再編計画についての御質問に順次お答えいたします。 初めに,長期未着手の都市計画施設についてでございますが,本市の都市計画道路や公園などの都市計画施設の多くは,昭和46年10月に決定され,施設整備につきましては,これまでに大部分が完成し,本市の都市構造の骨格を形成しております。これまでに都市を取り巻く社会情勢の変化などにより,一部計画の見直しが図られてきたところでございます。 都市計画施設として位置づけられますと,土地の所有者など関係者の皆様には,土地利用面で制限を課すことになり,長期にわたり御不自由をおかけすることとなります。 このようなことから,長期未着手の都市計画施設の見直しにつきましては,高知市総合計画,高知市都市計画マスタープラン,高知都市圏の交通計画マスタープランなどで示す方針とともに,県が策定を予定しております都市計画施設の見直しのガイドラインを参考に,総合的に検討を進めてまいりたいと考えております。 次に,市営住宅の再編計画につきましての御質問にお答えいたします。 初めに,東北方面での公営住宅の復興の方針と状況について,東日本大震災発生の平成23年から本市職員を派遣しております宮城県石巻市の状況を例に御説明させていただきます。 石巻市においては,震災により住宅を失い,自力で再建が難しい方のため,平成29年度までに4,000戸の復興公営住宅を供給する計画に取り組んでいます。 この内訳といたしましては,1,900戸は県や市などの公共団体が建設し,残る2,100戸を石巻市が民間建物を買い取りや買い上げ等により調達することとされております。 これらの建物につきましては,震災後に策定されました石巻市災害公営住宅設計ガイドラインに基づき建設や整備がされており,耐震,防火及び遮音性の向上や高齢者,障害者への対応,環境問題への配慮といった方針とともに,主要な団地の共用廊下や屋上等を津波の際の一時的な避難場所とし,そのための避難経路の整備,ライフライン途絶時の電力供給や地球環境への配慮を目的とする太陽光発電や蓄電システムの導入といった,これからの市営住宅の整備を行うに当たり,大変参考になる内容となっております。 また,復興の状況といたしましては,平成26年度末までに1,500戸を整備することとなっており,現在のところ,ほぼ予定どおり進んでいるとお聞きしております。 次に,整備を進める上での手法でございますが,前段で市長からお話がありましたが,整備を進める上では,大規模地震への対応,高齢者の居住環境の確保,環境への配慮など,さまざまな課題を整理する必要がございます。 今年度から再編計画に基づき,整備を行うこととしています筆山町市営住宅と東石立町市営住宅の合併建てかえや津波浸水区域内にございます六泉寺町市営住宅の建てかえに際しましては,事前に基本計画を策定し,これらの課題整理を行うこととしており,これを将来の建てかえのモデル的なものとして今後に生かしてまいりたいと考えております。 最後に,市営住宅の屋上にソーラーパネルを設置して,その売電益を財源にできないかとの御質問でございますが,ソーラーパネルの設置につきましては,初期投資に見合う売電益や維持管理経費の積算など,費用対効果の面で検討していく必要がありますが,一方でライフライン途絶時の電力確保や環境問題への配慮といった,単なるコストに換算できない重要な側面もございます。 今後は,先進都市や県の整備状況などを参考に,災害時の市営住宅の持つべき機能と役割を整理した上で,ソーラーパネルの活用につきましても前向きに検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(山根堂宏君) 松原教育長。
◎教育長(松原和廣君) 福祉対策にかかわりまして,就学援助の問題についてお尋ねがありましたので,お答えをさせていただきたいと思います。 まず,高知市の就学援助制度は,生活保護基準とは連動しておらず,国から示されている特別支援教育就学奨励費の需要額をもとに判定しておりますので,本市の場合,生活扶助基準の引き下げの影響は出ておりません。 ことし4月15日付で国の通知におきまして,生活保護基準の引き下げによって,就学援助費等にその影響が及ぶことがないようにという方針が示されております。 しかしながら,自治体の財政状況によって,就学援助のあり方に大きな影響が出ることのないように,今後も全国都市教育長協議会とか,あるいは中核市教育長会等を通じまして,国のほうにその働きかけをしていきたいというふうに思っております。
○議長(山根堂宏君) 長尾和明議員。
◆(長尾和明君) それぞれ御答弁ありがとうございました。 集団的自衛権についての御答弁ですが,午前中の答弁も含めて岡崎市長,そのとおりだと私も思います。安心いたしました。ありがとうございました。 それと,市営住宅のソーラーパネルですが,前向きに検討してくれるということで,さきの高知新聞の記事を見ますと,土佐清水市の市営住宅ではソーラーパネルの増設ということの記事も出ておりました。そのことは一定の効果がある裏づけであろうと思いますので,ぜひ十津の市営住宅に限らずに,御検討をよろしくお願いします。 それと,市有施設の見直しについてですが,いろんな施設が出てこようかと思いますけれど,さまざまな角度から,また市民の目線,利便性を十分に配慮していただいて,検討,考慮していただきたいと思います。 以上で終わります。 ~~~~~~~~~~~~~~~~
○議長(山根堂宏君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山根堂宏君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて延会することに決定いたしました。 6月19日午前10時再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。 午後4時9分延会...