高知市議会 > 2013-06-19 >
06月19日-04号

  • "市当局"(/)
ツイート シェア
  1. 高知市議会 2013-06-19
    06月19日-04号


    取得元: 高知市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-28
    平成25年第438回 6月定例会 第438回高知市議会定例会会議録第4号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第4号 平成25年6月19日(水曜日)午前10時開議第1 市第66号 平成25年度高知市一般会計補正予算 市第67号 公聴会参加者等費用弁償条例の一部を改正する条例議案 市第68号 高知市職員給与条例の一部を改正する条例議案 市第69号 高知市税条例の一部を改正する条例議案 市第70号 高知市手数料並びに延滞金条例の一部を改正する条例議案 市第71号 ヨネッツこうち条例の一部を改正する条例議案 市第72号 高知市中央卸売市場業務条例の一部を改正する条例議案 市第73号 高知市道路占用料徴収条例の一部を改正する条例議案 市第74号 高知市道路の構造の技術的基準及び道路に設ける道路標識の寸法を定める条例の一部を改正する条例議案 市第75号 高知市火災予防条例の一部を改正する条例議案 市第76号 高知市水道企業職員の給与の種類及び基準を定める条例の一部を改正する条例議案 市第77号 高知市国民健康保険条例の一部を改正する条例についての市長専決処分の承認議案 市第78号 新市まちづくり計画の一部変更に関する議案 市第79号 新市まちづくり計画の一部変更に関する議案 市第80号 市道路線の廃止に関する議案 市第81号 土地取得議案 市第82号 常備消防ポンプ自動車購入契約締結議案 市第83号 南部1号汚水幹線管渠築造工事(24-1)請負契約の一部変更議案 市第84号 調停の申立てについて  ────────────────  本日の会議に付した事件日程第1 市第66号議案から市第84号議案まで  ────────────────  出席議員1番 長尾 和明君  2番 門田権四郎君3番 近森 正久君  4番 細木  良君5番 はた  愛君  6番 田鍋  剛君7番 川村 貞夫君  8番 下本 文雄君9番 下元 博司君  10番 深瀬 裕彦君11番 竹内千賀子君  12番 上田貢太郎君13番 岡田 泰司君  14番 江口 善子君15番 岡崎  豊君  16番 近藤  強君17番 戸田 二郎君  18番 浜口 卓也君19番 清水おさむ君  20番 平田 文彦君21番 氏原 嗣志君  22番 和田 勝美君23番 寺内 憲資君  24番 高橋 正志君25番 土居ひさし君  26番 竹村 邦夫君27番 水口 晴雄君  28番 西森 美和君29番 高木  妙君  30番 福島  明君31番 浜川総一郎君  32番 中澤はま子君33番 山根 堂宏君  ────────────────  説明のため出席した者      市長      岡崎 誠也君      副市長     吉岡  章君      副市長     中嶋 重光君      総務部長    森田 惠介君      財務部長    古味  勉君      市民協働部長  坂本 導昭君      健康福祉部長  舛田 郁男君      健康福祉部理事 堀川 俊一君      環境部長    黒田 直稔君      商工観光部長  中澤 慎二君      農林水産部長  本山 幸一君      都市建設部長  海治甲太郎君      教育委員長   門田佐智子君      教育長     松原 和廣君      水道事業管理者 明神 公平君      防災対策部長  下元 俊彦君      消防局長    蒲原 利明君      監査委員    宮本 光教君      財政課長    近森 象太君  ────────────────  事務局職員出席者      事務局長    関  文雄君      事務局次長   弘田 充秋君      庶務課長    前田 敦夫君      議事調査課長  山崎 敬造君      庶務課長補佐  谷村 守敏君      議事調査課長補佐池   堤君      議事調査課主幹 尾崎 美世君      秘書係長    上村 妙子君      議事係長    広松 康児君      調査係長    宮村 裕子君      書記      中須賀広典君  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午前10時0分開議 ○議長(山根堂宏君) これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 市第66号議案から市第84号議案まで ○議長(山根堂宏君) 日程第1,市第66号議案から市第84号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 川村貞夫議員。  〔川村貞夫君登壇〕 ◆(川村貞夫君) おはようございます。 市民の皆様,新こうち未来の川村貞夫です。6月定例会における個人質問の時間をいただきましたので,今回は総括方式で質問をさせていただきますので,執行部の御答弁は簡潔にわかりやすくお願いいたします。 さて,山の木々が緑を濃くする中で,夏鳥の代表格のホトトギスが我が世の春を謳歌しています。ホトトギスは,てっぺんかけたか,てっぺんかけたかと,1日に808声鳴くと言われておりますが,この鳥は大変珍しい習性を持っております。 野の鳥は,この時期に2つのことに一生懸命であります。その一つは,餌をとることであります。そしてもう一つは,子育てをすることであります。 餌をとることは,欠かすことのできない仕事でございますから,それぞれの餌場を持つわけでございますが,子育てとなるといろんな方法があることが知られています。ホトトギスは,自分は巣をつくらず,また我が子に餌を与えて育てることもしません。それならどのようにして子孫をふやすかということでございますが,自分の卵をほかの鳥の巣に産みつける方法で子育てをするのであります。これを托卵と言います。 ホトトギスの卵は,主にウグイスの巣に産みつけられます。卵の大きさは違いますが,チョコレート色の卵で,ウグイスの卵とよく似ています。卵からかえったホトトギスのひなはウグイスに育てられ,巣立ちをしていきます。巣立ち前のホトトギスのひなは,ウグイスよりもずっと大きな体になりますが,当のウグイスは自分の子供としてしっかり育てるのです。 まるでことしカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した是枝監督の「そして父になる」以上の愛情を注ぎ,自立するまでの間,しっかり育てるのでございます。鳥の世界のアウトソーシングも,ここまでいくと立派なものでございます。 ホトトギスを例に出しましたが,春から夏にかけては本当に自然界の営みは見事といいますか,大変おもしろく,興味の尽きない光景が随所にあらわれます。 ところで,人口の減少が続く高知県は,「高知県は一つの大家族やき」というキャッチコピーのもと,移住政策に大きくかじを切ろうとしています。 この移住政策の背景には,高知県の人口の減少傾向が全国に先んじて10年以上も前から始まり,このまま推移すると,7年後の2020年には70万人を割り込み,2030年には,現在の76万人から15万人減の61万5,000人になるという予測があります。高知県の過疎地域では,既に御承知のように,限界集落という言葉の発祥の地となっています。 そこで,具体的に質問しますが,今日の人口動態から見て,高知県及び高知市はどのような形で人口が減っているのか,その推移を10年単位で御説明ください。 この人口予測をさらに詳しく見ると,人口減には自然減と社会減があります。自然減は,御承知のように,未婚の男女が多いことや晩婚化が影響しています。つまり,非婚であったり,結婚をしても子供を産む期間が男女とも短くなっており,せいぜいで子供は2人までとなるわけです。 高知市での子育て支援のさまざまな政策をとってきておりますが,若い男女の出会いの場を持つとか,結婚へ向けて男女の背中を押すといった仕組みづくりが施策の中で必要ではないかと思いますが,御所見をお伺いいたします。 次に,社会減を食いとめる,また社会増へ転換を図るためには,県外からの移住が考えられますが,中山間地域での空き家のあっせん事業を進めるために,まずデータとして空き家バンクを作成していることもその手だての一つだろうと思いますが,現時点での空き家に対する取り組みの進捗状況や課題についてお答えください。 高知県が移住・流入人口の拡大を図っていこうとする姿勢が鮮明になってきていますが,高知市はこの課題について今後どのような取り組みをしていこうとしているのか,お尋ねをいたします。 私は,中山間地域では空き家の利活用も重要だと思いますが,旧村当時は村営住宅を建てて貸すこともしてきましたが,合併後,高知市になった時点で村民住宅は建設がやまっているし,空き家が出てきて入居募集となったとしても,若者を優先する方法はとれず,一律に募集をかけています。そして,それも所得制限やら何やらで,地域に元気を呼び込むような手だてはできていないのが現状であります。 それではミニ宅地開発をして宅地を造成するかとなると,各課が敬遠して,これもなかなか進まない状況であります。担当課の所掌事務規定が,宅地造成に取り組むことができるようになっていない。コンプライアンスからいえば,出るくいにすら職員はなれないわけでございます。 このように宅地開発などができない規則や規定の中で,地域振興課としての大きな業務ができていくのでしょうか。入り口部分で縛りがあるわけですが,規則や規定の改正を含め,総務部長の御見解をお伺いいたします。 若者は所得が少ないかもしれませんが,行動力があります。したがって,安くでき上がった宅地を若者に提供するとなると,少しばかり市街地に遠くても中山間地域で住みたいと考えている人は少なからずいると考えます。 また,子供ができて,保育園や幼稚園,小学校に通うことになっても,全然,公共施設を増設したりする必要がありません。現状は,どの施設も定員割れですから,少々の人口増は全く問題ないのです。 過疎対策事業として宅地開発をするつもりはないのか,お伺いをいたします。 6月3日には,ことしもホタルの学校が久礼野公民館で開催されました。3月市議会でほたる条例が改正された後を受けて,高知市の小川での蛍が最も保護されている場所として,鏡川の最上流部の久礼野での勉強会と観察会が開催されました。 6月14日の高知新聞には,こうした活動とともに,来る22日に県下の蛍ネットワークの結成に向けて取り組みを進めているという報道がされましたが,蛍のような身近な昆虫を保護する動きは大いに歓迎すべきであります。 私は,議会で環境問題をさまざまな角度から取り上げて質問をしていますが,今議会は,蛍のこと,鏡川の魚族のこと,ミツバチのこと,そしてけものへんに里と書いてタヌキと読みますが,里山の代表的な動物のタヌキのことなどについて質問をさせていただきます。 まず,蛍ですが,ゲンジボタルとヘイケボタルは,幼虫のとき水中で暮らします。したがって,清流のバロメーターとなる昆虫であります。しかも,完全変態と言いますが,卵から幼虫となり,さなぎをつくり,成虫となることから,それぞれの場面で蛍の生育に里山の環境が適合していなければ,数は減ってきます。 一番心配されることは,さなぎをつくる際に土の中に潜り込み,土繭をつくるのですが,小川や河川の周囲がコンクリートで固められてしまうと,土の中に潜り込めないわけでございます。蛍の保護をこうした観点からも考えていくと,環境部だけでなく関係部局が連携,協調しなければなりません。 小さな河川工事を数多く手がけることの多い農林水産部長は,こうした点でどのようにお考えなのか,お尋ねをいたします。 次に,成虫となって飛び交う蛍はほとんどがオスで,メスは草むらでじっとオスを待つのですが,このときにみずからが発光する光が求愛の伝達手段となるわけで,蛍にとって街路灯などの光が大変邪魔になります。 これについて,生息地を保護する観点からも,どのような設置基準で街路灯を設けているのか,市民協働部長にお伺いします。 次に,鏡川の魚族のことについて質問をいたします。 ことし,鏡川漁業協同組合は放流事業をしておりますが,夏の風物詩ともなっているアユ漁がことしも始まりましたが,早春からこのアユの放流を初め,アメゴ,ウナギ,モクズガニなどを放流してきております。高知市は,放流事業だけでなく,鏡川の清流を保全することによって,天然アユ100万匹が遡上する鏡川を目指しています。 現状は一体どれくらいの天然アユが遡上しているのか,環境部長にお尋ねをいたします。この数値については,鏡ダムから上流の陸封アユと海から遡上するアユに分けて御説明をしてください。 遡上するアユについては,障害となる施設としてダムや堰があります。県内の主要河川の堰には,魚の遡上のために魚道がついていますが,破損や埋没などにより魚類の遡上が困難か不可能なものが9割を超えていることが,県が西日本科学研究所に委託した調査からもわかっております。また,高知新聞でも,ことし,魚道に問題があるとする報道がありました。 鏡川には現在3カ所の転倒堰に魚道が設置されていますが,魚道としての機能が十分に果たされているのか,また効果についてどうなのか,環境部長にお考えをお尋ねいたします。 次に,里山を代表する昆虫として,近年,急減しておりますミツバチについて質問をさせていただきます。 ミツバチは,その体型から考えて,なぜ飛ぶことができるのか,昆虫界の七不思議の一つでありますが,最近,西洋ミツバチはいるが日本ミツバチは激減しております。 さらに,このミツバチの飼育については,ことし1月に養蜂振興法が改正されておりますが,この制度改正の点について,農林水産部長に概要の御説明を求めます。 昔は,田んぼにはレンゲが生え,このレンゲはマメ科植物でございますから,根に根粒菌がつくことで地力を高める効果があり,お百姓さんは必ず育ててきましたが,このことがミツバチにとっては大変貴重な蜜源となったわけであります。 最近は,こうした花が少なくなり,菜種油をとることも少なくなってきたことによって,アブラナ科の菜の花も少なくなっております。また,山にはケンポナシに代表される蜜源の木も減ってきております。そうしたことから,ミツバチの生育環境だけでなく,蜜源となる草花や樹木の花が非常に少なくなってきているのであります。 巣箱は多くても,肝心のミツバチがいなくなってきた,その原因や今後の養蜂に対する市の考えを農林水産部長並びに環境部長にお伺いいたします。 次に,里山を代表する動物として,タヌキについて質問をいたします。 里山のけものの調査をしていることがあれば,どの場所でいつどのような形で調査し,その実態はどうであったのか,環境部長に説明を求めます。 タヌキは非常に清潔な動物でございますが,最近,里山に出てくるタヌキは,疥癬という皮膚病にかかることが少なくないと言われております。高知市での状況について,環境部長にお尋ねをいたします。 また,犬の病気と言われておりますジステンパーについても,わかってる範囲でお答えください。 私は,里山の動物,昆虫,鳥や両生類などが人間とともに仲よくすんできたことが,環境問題を考える中で基本であると思っております。また,そのことは,鏡川にすむ水生動物や魚族についても同じであります。多様な生物がすむ環境がいかに保全されるかということが,人間社会の健全さを保つバロメーターになるからであります。 いざというときには,鏡川の水は市民の命を守ることにならなければなりません。いつでも飲めるような状態で悠久の流れが保証されていることこそが重要であります。そのためには,多様な生き物がすむ河川環境を保全していくことが,現代を生きる我々の務めであります。 ところで,皆さんはタヌキのお江戸参りということを知っているでしょうか。タヌキは,用を足す場所が決まっております。つまり,トイレの場所が決まっているのです。したがって,江戸に向かったタヌキは用を足すために戻ってくる,また江戸へ向かって出発してもまた戻ってくる,したがっていつまでたっても目的を達成できないことをタヌキのお江戸参りと言うのでございますが,どうか環境都市を標榜する高知市の環境政策がタヌキのお江戸参りにならないようにしていただきたいと考えます。 次に,都市緑化について質問をさせていただきますが,この問題についても,私は今後もたびたび取り上げてまいります。それは,今後の市政の重要な柱にしなければならないと考えているからでございます。 よさこい60周年で,電車通りや高知駅からはりまや橋の間での踊りを実施したらどうかという意見もありましたが,私は無理だと考えます。よさこいの演舞場でも,升形演舞場は最も苛酷な場所の一つでございます。それは,アーケードが狭く,街路樹がないために,比較的道路幅の広い道路の地熱が直接,踊り子を襲うからであります。 私は市議になって,他都市の街路樹を会派の議員とともに視察し,直接担当者に景観づくりや植栽されている街路樹の保護のあり方について説明を受けるなどして調査をしてきておりますが,高知市は公共施設の外構工事や街路の景観にもう少し知恵や情熱を傾ける必要があると考えます。 電線の地中化工事が済んでいるのですから,中心部の街路樹は,大きく成長するケヤキやクスノキ,桜であってよいと考えます。殊にこれからは市民の高齢化が進み,それと同時にヒートアイランド現象がさらに進みます。そうした点を想定すればなおさら,街路樹や都市緑化は必要不可欠な市政の重要な施策となるはずであります。国道,県道,市道と管理者は違いますが,この問題で連携した取り組みが要るところでございます。 まず,都市建設部長に,都市緑化や街路樹の植樹について関係機関との連携をとるお考えはないのか,お尋ねをいたします。 追手筋が大きなクスノキで覆われ,非常に景観もよいし,風が通り,気温や騒音を和らげていることを見ると,市内の各所にこうした街路樹を長い目で育てていくまちづくりの理念といいますか,基本的な姿勢が重要になります。 街路樹の場合は,長年にわたって育てていかなければ大きくなりません。植えてから数年で見事になったということにならないわけでございます。したがって,初めからどのような樹種をどのように植栽していくかについて十分な論議を積み上げ,守り育てなければなりません。 高知市には,全国に誇れる牧野植物園があり,高知県と韓国全羅南道観光・文化交流協定10周年でも見られたように,高知市の庭園業者はレベルの高い知識と技術を有しておりますので,こうした方々の意見も聞きながら,もう少し精力的に街路樹や公共施設の緑化を進めるように取り組んでほしいところでございますが,市長の御認識をお伺いいたします。 街路樹ではありませんが,鴨部の鏡川の土手に1本のセンダンがあります。そして,毎年美しいピンクの花をつけることから,桜センダンとして多くの市民の方々が見に来ています。 しかし,この下は町内のごみの集積場所になっているのです。せっかくの場所ですし,珍しい木ですから,花見をしたり写真を撮ったりしても,ごみの集積が景観を損ねております。 環境部は,こうしたことにもしっかりと配慮していく必要があると考えますが,御見解をお伺いいたします。 ことしは,よさこい60周年ということで,よさこい情報交流館も設置され,市長の強い思いの中で,よさこいサミットも開催されました。 しかし,このサミットは,内容はよかったのでございますが,参加者がもう少し多かったらと思いました。市議の参加者は数人でございました。高知を代表する観光イベントというより,高知の文化,大きな観光資源でもあるわけでございますから,よさこい情報交流館の設置前にあれほど論議が盛り上がったのに,議員の参加が極めて少なかったのは,意識がなかったのではなく,連絡が不十分であったのではないでしょうか。 ところで,よさこい情報交流館はかなりの人気スポットになっているようですが,運営面で設置前に心配されたことと,開館後の問題点にはどのようなものがあるのか,商工観光部長にお尋ねをいたします。 さて,前段申し上げましたが,よさこいサミットでは,全国各地のよさこい踊りをまちおこしの大きなイベントとして採用してきた全国各地の代表の方々に参加していただき,語り合っていただいたわけでございますが,岡崎市長はよさこいサミットについて,どのような評価をされたのか,お伺いいたします。 京都龍馬よさこいの代表である京都霊山護国神社の神主,木村隆比古さんが,ことしは全国各地のよさこい祭りに,ありがとう,よさこい高知60周年を冠したパンフレットやチラシをつくったらどうかという,よさこい本場の高知を盛り上げる提案がなされ,早速,高知ではこの案を採用し,ロゴも作成したようでございますが,この利用方法や全国へ向けての発信,さらにはことし60回大会に向けてどのように使っていくのか,お尋ねをいたします。 既に開催されました北海道のYOSAKOIソーラン祭りでの実態はどうであったのかも,あわせてお答えください。 私は,よさこい情報交流館で欠けているものは,海外で実施されているよさこい祭りの掲示がないということでございます。フランスのニースへ踊り子を派遣したことが大きな節目となり,さらにインドネシアや台湾などもよさこい踊りが浸透してきております。 海外での踊りの普及と,それぞれの都市でアレンジしながら定着を図ることによって,高知のよさこいをリオのカーニバルに匹敵するくらいに盛り上げていくことができないかと考えますが,市長の大風呂敷での御答弁をお願いいたします。 昨年度から鏡,土佐山地区で始まったデマンドタクシー制度についてお伺いをいたします。 デマンドタクシーの試験運行中に住民から出された意見はどのようなものがあったのか,また住民からの意見,要望に加えて,試行中に出てきた課題を本格運行でどのように取り入れていくのか,市民協働部長にお尋ねをいたします。 デマンド交通については,平成23年度に高知市交通基本計画が策定され,立派な製本までできました。この本であります。 将来像を「人とまちをつなぎ,環境を守りにぎわいをうむ高知の交通」として,公共交通の利用促進を初め,自転車の利用促進,バリアフリーの推進,違法駐車や放置自転車の対策など30項目を超える交通政策を実施計画に盛り込んでいます。中山間地域については,デマンドタクシーの要望が高くなってきているのです。 私は,今後,過疎バスからデマンドタクシーへという流れをさらに拡大させることが重要であると考えますが,市民協働部長の御認識をお伺いいたします。 以上で,第1問とさせていただきます。 ○議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) おはようございます。 段々の御質問に順次お答えを申し上げます。 まず最初に,過疎対策としての宅地開発等の御質問にお答えを申し上げます。 移住促進を図っていくためには,住居の確保というものが当然重要になりますこと,また特に,平野部が少ない中山間地域におきましては,住居を確保するための具体的な施策の展開ということも考えていかなければなりません。 そうしたことから,高知市では,まず中山間地域に点在をします空き家を地域資源の一つとして捉え,空き家調査を実施し,居住可能な住居につきましては,所有者の方々の御協力を得まして空き家情報バンク制度に登録をし,移住を希望される方々に対して御紹介をしているところでございます。 また,この中山間の各地域には,公共施設としての遊休施設等も現在あるわけでございまして,こういう公共的な遊休の施設につきましては,施設の有効活用を図る観点から,移住を希望する方々の例えば短期滞在型の居住施設として転用できないかどうかということで,短期の滞在施設が実際に整備できますと,それぞれの地域の特色を知っていただくこともできますので,移住の意思をさらに強めていただくという入り口にもなるということでございまして,遊休の公共施設が転用できないかどうかにつきまして現在,具体的に検討しているところでございます。 高知市としては,移住者のための住居を確保するために,まずはこれらの空き家情報や公共的な遊休施設の再利用をまず優先的に整備をしたいと考えているところでございます。 これらの状況を見てまいりますが,さらに今後の移住者の状況等によりましては,既存の市有地等を利用した移住,定住のための施策の検討も行っていくということを考えておりますので,まずは先ほど言いました空き家や遊休施設の転用というものをやろうということで今検討しておりますので,御理解を賜りたいと思います。 続きまして,街路樹や公共施設の緑化の推進についての御質問にお答えを申し上げます。 高知市では,高知市緑の基本計画を作成しておりまして,当時の市街化区域におけます緑化率が12%でございましたので,これを緑化率30%を目標に引き上げていくということで,豊かな緑を育てていくことを目標としております。 この計画では,目標が「ひろがる緑いきいきわが街」を基本理念としておりまして,20年間の計画となっておりますが,最終年度が平成27年度となっております。 今後,新しい計画を策定していく必要がございますので,平成28年度からは新計画に移行する予定でございますので,この策定作業の中でも数値目標などをさらに具体的に検討していく必要がございます。 御質問でも御紹介いただきましたとおり,追手筋のクスノキの並木につきましては,日本の街路樹の百景にも選ばれるほどすばらしいものであり,こうした緑化による景観づくりをさらに広げられるように努力をしていかなければならないと考えております。 そのためには,街路や施設ごとの適切な樹種の選定に始まりまして,日常的な剪定等の維持管理といった長期的視点での議論を踏まえた体系的な新たな計画づくりも不可欠でございます。こうした計画を策定していく過程におきましては,御指摘いただきましたように,専門家の方々の助言,指導をいただくことも大切だと考えております。 少し話題がかわりますが,ことし4月20日から韓国の全羅南道におきまして,国際庭園博覧会が開催をされまして,世界各国からさまざまな庭園が出展をされております。 この国際庭園博覧会の中に,高知県と佐賀県からも日本庭園を出展しております。特に,高知から出展しました日本庭園につきましては,枯山水様式で,石と砂利を中心に太平洋や鯨を表現しておりまして,入場者の数も多く,評判も上々であったとお聞きをしております。 こういうふうに非常にレベルも高い高知県内の造園業者の方々を初め,多くの専門家の方々が高知にはおられます。造園業協会や樹木医の医会等の皆様方とは,さまざまなイベント等も共同開催をしておりますが,今後より一層,そういう皆様方の専門的なノウハウを生かした形で計画づくりを進めていく必要があると考えております。 平成28年度から新しい計画をスタートさせなければいけないということもございますので,来年度,26年度から次期計画の作業に入っていく必要がございますので,県内のこうしたすぐれた造園業の方々や専門家の方々の御意見を26年度からいただきながら,次期計画の策定作業に入ってまいりたいと考えております。 続きまして,よさこい関連の御質問にお答えを申し上げます。 まず,よさこいサミットでございますが,高知でこの60回大会を記念いたしまして,よさこい情報交流館のオープニングに合わせまして4月27日に開催をしたところでございまして,議会を初め多くの皆様方に御参加を賜ったこと,感謝申し上げるところでございます。 全国でさまざまなよさこいの祭りが展開をされておられまして,200カ所以上開催されているというふうに言われております。ただ,各主催者を集めました,このようなよさこいサミットは今回,実は初めてでございまして,我々は60回記念を全国に再度知らしめるという必要もございまして,皆様方にお集まりをいただいたところでございます。 このサミットの開催の冒頭では,よさこい全国大会,ことしで第15回目を迎えますが,第1回目から審査委員長を務めていただいておりますペギー葉山さんに「ブラボー!よさこい祭り」というテーマで御講演をいただき,ユーモアを交えた非常におもしろいテーマで御講演をいただきまして,非常に好評でございました。ペギーさんにも盛り上げていただきましたことを感謝申し上げるところでございます。 その後の各祭りの主催者のリレートークでは,北から申し上げますと,札幌のYOSAKOIソーラン祭り,東北の仙台みちのくYOSAKOIまつり,東京の原宿表参道元氣祭スーパーよさこい,名古屋のにっぽんど真ん中祭り,京都の龍馬よさこい,そして九州の佐世保市のYOSAKOIさせぼ祭りからそれぞれの代表の方々をお招きいたしまして,高知からはよさこい祭振興会の青木会長と私も参加させていただきまして,「よさこいの発展と未来」というテーマでさまざまな意見交換を行ったところでございます。 率直に申し上げまして,参加をさせていただきまして,私自身も大変意義あるサミットであると思いましたし,中身も相当おもしろかったというのが私の実感でございます。 それぞれの主催者の方々からは,本家よさこい祭りが60回記念を迎えるということで,多くの祝福の言葉もいただいております。それぞれの主催者の方々には当然御苦労もございますし,例えば何か新しいことをやりたいという思いもございますので,地元とのつながりや次の世代への祭りの継承ということも含めまして,大変有意義な論議ができたと思っております。 昭和29年に高知で産声を上げました,よさこい祭りが全国各地に散らばりまして,しかもしっかりと根づいているということに,私たちも大変うれしく思ったところでございます。 会の結びに,よさこいのサミット宣言を行いまして,参加者全員で,今後のそれぞれのよさこいの発展を祈念し,さらに交流を誓うという宣言を行ったところで,今後ともの交流を深めてまいりたいと考えているところでございます。 よさこい祭りの第60回記念の大会についてでございますが,昭和29年の第1回目では,踊り子は750名,21団体しかおりませんでした。 この60年の間に日本を代表する祭りに発展することができましたことは,各チームそれぞれの地区の競演場の皆様方,そして支えていただきました観客の皆様方のお力が大きいというふうに考えておりまして,感謝申し上げるところでございます。 よさこい鳴子踊りですが,最近は海外が減っておりますが,まず海外へ進出したのは昭和47年,第19回大会のときでございまして,フランスのニースのカーニバルへ出演をしておりまして,荒谷深雪さんがつくられましたサンバ調のよさこい鳴子踊りが大好評であったというところが第1回目でございました。 このニースでの海外披露をきっかけとしまして,その後,ドイツやアメリカのハワイなどで開催されましたジャパンウイークなどを初め,海外でよさこいを披露しております。 現在では,インドネシアのスラバヤ市,ここも,インドネシアのスラバヤ市自体にも100チームを超えるチームがございますし,また最近ではベトナムのハノイで桜祭り,タイのバンコク,アフリカのガーナ,それぞれ広がってきておりまして,それぞれ地元のチームも相当多くでき上がってきているところでございます。 また,去る4月28日には,東京にございますドリーム夜さ来いがニューヨークで演舞を披露しておりますし,さまざま踊りに関しては,上海また香港等でも踊りを行っております。 高知市としましても,よさこい祭り60回記念を契機としまして,拠点がございませんでしたので,よさこい情報交流館におきまして,まず拠点をつくり上げ,全国のよさこいを紹介しておりますが,御意見をいただきましたとおり海外の部分がまだ紹介が少ないということもございますので,今後そのことも検討してまいりたいと思っております。 全国そして世界各地にもこのよさこいの輪が広がっておりますので,ある意味このよさこいを通じた地域おこしということにつきまして,さらに我々も盛り上げてまいりたいと考えているところでございます。 本来的に言いますと,海外チームを招聘できれば一番いいんですが,なかなか経費の関係,そしてスポンサーの関係がございますので,スポンサーがうまくつけば海外チームを招致するということも当然想定の中には入っておりますが,なかなかスポンサーがあらわれないということもございますので,なお今後とも考えていきたいというふうに思います。 その他の御質問の項目につきましては,副市長及び各担当部局長等からお答えを申し上げます。 ○議長(山根堂宏君) 中嶋副市長。 ◎副市長(中嶋重光君) それでは,移住,定住についての高知市の取り組みについて御質問がございましたので,お答えしたいと思います。 今後の人口推計で予測されました人口減少と少子・高齢化がこのまま進みますと,社会保障費の増大であるとか労働力の不足,地域の活力低下,さらには税収の大幅減など,各方面に大きな影響を及ぼすこととなり,特に過疎化が進んでいます中山間地域におきましては,コミュニティの維持そのものに深刻な影響を及ぼすことが懸念されています。 そうしたことから,高知県では,第2期産業振興計画において,移住促進を新たな柱に位置づけるとともに,先ごろは,御紹介もありましたとおり,高知の強みの一つである人の温かさをアピールするために,本県を大きな家族に見立てたコンセプトコピーとして,高知家を大々的に打ち出すなど,県内各市町村との連携のもと移住促進に力を注いでいる状況でございます。 高知市といたしましても,こうした動きに乗りまして,移住促進は将来のまちづくりにおいて,非常に重要な取り組みであると認識しております。先月には,庁内の関係部局の職員で構成される移住促進検討プロジェクトチームを発足しまして,現在,住宅の確保対策でありますとか移住される方の雇用の仕組みづくりなど,移住促進に向けた具体的な施策の検討を重ねているところでございます。 6月5日には,三菱総研のこういったシニアの移住促進の専門家の方を招いて,プロジェクトチーム内でブレーンストーミングなどを行いまして,高知の強みとか弱みの分析や移住に際しての課題抽出を行っております。また,今後は国内の先進地の視察も行っていく予定としております。 このプロジェクトチームにおきましては,この秋には具体的な施策の方向性を取りまとめる予定としておりまして,実現可能な施策につきましては来年度予算に反映させるとともに,また岡崎市長のほうが高知県移住推進協議会の副会長となっておりますので,県ともしっかり連携を図りながら,スピード感を持って移住促進に向けた本格的な施策展開をスタートさせてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(山根堂宏君) 森田総務部長。 ◎総務部長(森田惠介君) まず,高知県及び高知市の今後の人口推計につきましての御質問にお答えをいたします。 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が本年3月に公表いたしました,日本の地域別将来推計人口によりますと,本県の人口は2020年には約69万3,000人,2030年には約61万6,000人,2040年には約53万7,000人と減少の一途をたどることとなり,2010年の76万4,000人と比較をいたしますと,2040年には人口が約3割減少するとともに,高齢化率は4割を超え,逆に15歳未満の年少人口は1割を下回るなど,深刻な数値が示されております。 本市の人口につきましても,県と同様に人口減少と少子・高齢化が一層進展しており,2020年には約32万5,000人,2030年には約29万9,000人,2040年には約26万9,000人にまで減少することとなり,2010年の34万3,000人と比較をいたしますと,2040年には人口が2割以上減少するとともに,高齢化率は4割近くまで上昇し,逆に年少人口は県人口と同様に1割を切るという予測が示されております。 次に,結婚へ向けて男女の背中を押す仕組みづくりが必要ではないかという御質問でございますが,今後の人口減少社会に対応していくためには,移住促進や産業振興等によりまして人口の社会増を図っていくだけではなく,少子化対策等により人口の自然減の割合を抑制していく取り組みも必要となってまいります。 そのため,本市におきましては,子育て支援の取り組みを進めていくとともに,結婚を促していく取り組みといたしまして,全ての方が対象ではございませんが,農業者の後継者対策の一環といたしまして,農協が主催をされております青年男女の交流事業に対して支援を行っているところでございます。 また,県内では,県が主体となりまして,結婚を望む独身男女の出会いのきっかけづくりを応援する婚活サポーターの設置や交流イベントの開催,出会いの場をコーディネートする団体への補助等,さまざまな取り組みを進めてこられております。 こうした状況から,今後につきましては,県事業とのタイアップについても検討していくなど県市連携のもとで,独身男女の出会いを促進する取り組みを進めていくとともに,子育て支援策の一層の拡充を図りながら,少子化対策を進めていく必要があると考えているところでございます。 次に,地域振興課の業務規定に関する御質問にお答えをいたします。 各部署の所管業務の内容につきましては,高知市事務分掌条例及び事務分掌規則で定めております。鏡地域振興課,土佐山地域振興課につきましては,平成22年度の組織再編に合わせまして,両地域の前線基地的な役割を果たし,各種の地域振興策に主体的に取り組んでいけるように,地域等の振興施策に関することを業務の一つとして明記をしているところでございます。 したがいまして,鏡,土佐山の各地域の振興に資するものであれば,現在の条例,規則上におきましても,地域振興課が業務を担っていくことは可能であると認識をしているところでございます。 一方,しかしながら,中山間地域における課題はさまざまな分野にまたがりますことから,庁内の横断的な取り組みが必要でございまして,本年度に地域課題の解決に向け,総合的に協議するために,新たに副部長で構成し設置をいたしました地域課題検討会議等も活用しながら,より一層の庁内連携のもとで地域の活性化に取り組んでまいりたいと考えておりますので,どうかよろしくお願いをいたします。 以上でございます。 ○議長(山根堂宏君) 坂本市民協働部長。 ◎市民協働部長(坂本導昭君) 市民協働に関しましての御質問に順次お答えします。 まず,蛍の生息地保護の観点からの街路灯の設置基準についてでございますが,市内に設置されております街路灯につきましては,道路や公園,住宅団地内など,それぞれの設置場所や目的に応じて管理者が異なっております。 その中で,いわゆる防犯灯の設置及び管理は,各町内会や自治会の皆さんに担っていただいておりまして,現在,設置基準等について特に定めたものはございませんが,各町内会等で一定,防犯面や安全面等を考慮され,合意の上で設置されているものと認識しております。 蛍の生息地の保護との関係についても御提言いただきましたので,今後,各町内会等から防犯灯設置についての御相談等がございましたら,ほたる条例を所管します環境部との連携も図りながら,現地等も確認するなどし,必要に応じたアドバイス等を行ってまいりたいと考えております。 次に,鏡,土佐山地域におけるデマンド交通についてですが,同地域のデマンド型乗り合いタクシーは,昨年10月から実証運行を開始しまして,地区説明会や全世帯アンケート等で乗り合いタクシーに関する御意見等をいただいております。 まず,利用された方のよかった御意見としましては,自宅近くまで運行してくれること,天候を気にせずに外出できるようになったといった御意見をいただいております。 一方で,改善してほしい御意見としましては,乗りかえポイント以外でも乗りおりできるようにしてほしい。運行の本数,時間を見直してほしい。特に土佐山地域ではエリアごとに乗りかえポイントが異なりますので,どちらのエリアへも行けるようにしてほしいといった御意見をいただいております。 こういった御意見を踏まえまして,本年10月からの本格運行では,路線バスと結節する乗りかえポイント以外にも,郵便局や公的施設でも乗りおりできるようにいたしました。 また,運行便数については,鏡地域では旧市内に行く便を1便追加し,土佐山地域では土佐山庁舎へ接続する便を地域内運行便とし,円行寺下バス停へ接続する便を地域外接続便として,エリア内の行き来を見直し,両便とも利用ができることとしております。 運行時間も,実際の利用実態に合わせまして,旧市内に行く便は主に午前中に,また地域へお帰りになる便は午後に運行するように設定いたしております。 さらに,地域の方に親しみを持って御利用いただけるよう,愛称の募集も行い,鏡地域では愛あい号,土佐山地域ではかわせみ号として運行することとしておりまして,今後とも地域の皆様や交通事業者と協働して,地域のニーズに即した地域交通となるよう取り組んでまいりたいと考えております。 最後に,デマンド交通の今後の拡大についてですが,電車,路線バスやデマンドを含めたタクシーなどの公共交通機関には,それぞれ強みや弱みがございますので,将来の持続的な地域公共交通の確保に向けては,これらの交通機関が相互に補完しながら,地域の特色や実情,そこに住んでおられる住民のニーズに合った仕組みの構築を図ることが重要であると考えております。 そうしたことから,今後,デマンド型の地域公共交通の拡大につきましては,基本的な考え方やその方法について,地域住民の方々との協議を初めとしまして,交通事業者や関係機関との協議,他都市の事例研究などを行い,議会でも御論議をいただきながら,地域の実情に合わせて対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(山根堂宏君) 黒田環境部長。 ◎環境部長(黒田直稔君) 環境行政に関しての御質問に順次お答えいたします。 まず,天然アユの遡上に関する御質問ですが,高知市では平成18年度から,鏡川におけるアユの遡上調査を実施しております。 この平成18年度調査では,アユ総生息数22.8万尾のうち16.6万尾が海から遡上する天然アユであることが推定されております。その後の天然アユの遡上調査の実績ですが,19年度15.6万尾,20年度16.1万尾,21年度29.7万尾,22年度20万尾,23年度は調査情報がなく,24年度38.1万尾と推移しております。 一方,ダム上流の陸封アユにつきましては,平成22年の解禁直前,6月下旬における生息尾数は約19.7万尾,23年では約8.4万尾となっております。 このように,年度によってはアユの減少が見られるわけですが,その原因につきましては,はっきりとわかっていないところもありますので,仔魚,これはアユの子供の魚でありますが,仔魚の流下状況調査等を関係機関とも連携して実施することにより原因を分析してまいりたいと考えております。 次に,鏡川の3カ所の転倒堰,廓中堰,鏡川堰,江の口・鴨田堰,この3カ所に設置されている魚道に関する御質問ですが,新聞報道で,県内魚道9割機能せずとのことでありましたが,この内容につきまして調査元の高知県内水面漁業センターに問い合わせしましたところ,先ほどの鏡川の3カ所の転倒堰に設置されている魚道につきましてはその調査対象には入っていないとのことでありました。 一方,本市が鏡川で実施している遡上調査におきましては,平成19年度以降,3カ所の堰いずれも顕著な遡上障害は起こっていないことがデータ分析で示されております。 しかしながら,この調査はアユの遡上に限ったものでありまして,他の魚類等を含めた機能調査につきましては,現在,高知県土木事務所が調査中と聞いておりますので,その報告結果を注視しながら,さらに分析を進めてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても,近年,全国の各河川では,魚類の多様な生態系を重視し,対象魚類等が遡上しやすい魚道を構築するため,魚道改善事業が進められている状況にありますので,今後とも魚道の設置効果につきまして関係機関とも連携しながら調査,検証し,検証の中で遡上障害が見られるようでしたら,河川管理者等に対しまして改善に向けた要請も行ってまいりたいと考えております。 次に,ミツバチの生育環境や減少に関しての御質問ですが,大きな要因としましては,蜜源植物としてのレンゲが化学肥料の普及等に伴い水田に植えられなくなったことなど,蜜源植物が減少したことがまず考えられます。 また,飼育されているミツバチが突然大量に姿を消す現象として蜂群崩壊症候群が諸外国で確認されており,日本でも同様の事例が報告されておりますが,高知県ではこうした事例は確認されておりません。 この現象の原因につきましては,まだ十分解明されておりませんが,最近の新聞報道によりますと,国内外で広く使用されている農薬の影響がミツバチの大量死や大量失踪に関連しているのではないかという金沢大学の研究チームの指摘が出されているとのことでございます。 いずれにいたしましても,環境部としましては,他部局と連携しながら,生物多様性保全をより重視した里山の保全,整備をより多くの市民の方々の協力のもとに進めるとともに,環境学習等を通じて豊かな自然環境の大切さの啓発に努めていくことが重要であると考えております。 次に,里山のけものの調査に関する御質問ですが,環境部では平成12年度に,高知市里山保全条例に基づき里山保全地区の指定候補地を決定する際に一定の調査を実施しており,地質,樹林地の植生状況,昆虫生息地としての可能性,歴史,文化,景観等を主な調査項目としておりますが,タヌキ,ハクビシン等の里山のけものの調査は項目に入っておらず,実施しておりません。 なお,昨年度に里山保全モデル事業の一環として,春野町南ケ丘団地で環境学習会を開催しており,その際に,団地北の市有林に無人定点カメラを設置し夜行性動物を撮影したところ,イノシシ,アナグマ,野ウサギ,ハクビシン,タヌキなどさまざまな種が確認されております。 次に,タヌキの疥癬症及び犬ジステンパーに関する御質問ですが,タヌキの疥癬症は,センコウヒゼンダニの寄生により毛が抜け落ち,象のような皮膚になる病気で,脱水や細菌などの二次感染により死亡に至ることが多い病気であるとのことでございます。 アニマルランドでは,高知県より委託を受けて,高知県内の傷病野生鳥獣の保護治療事業を行っており,年間200から250件の保護を受け入れる中で,タヌキについては毎年20頭前後が保護されている状況でございます。こうした中で,疥癬症については,昨年までの5年間で1頭の事例があり,また今年度については現時点で1頭の事例がございます。 近年,国内においては,関東,東北地方などで広く蔓延している状態のようでございますが,高知市での発生数は非常に少ない状況でございます。 また,犬ジステンパーは,イヌ科動物を初め多くの食肉目に発症例が見られ,発熱,元気消失呼吸器症状,神経症状を呈し死亡に至る,非常に病原性の高い病気とされております。 高知市内において,平成17年10月から翌年にかけてタヌキの衰弱・死亡例が多発したことから,アニマルランドと市の環境保全課は,高知県中央家畜保健衛生所などと連携して検査したところ,犬ジステンパーの感染によるものであることが判明しましたが,現在においてはタヌキ等の感染例の報告はほとんどありませんし,また人への感染のおそれもないとのことでございます。 最後に,鴨部の桜センダンの根元に設置されている資源不燃物ステーションが景観を損ねているのではないかとの御質問ですが,ごみ集積所は周囲の皆様にとって衛生的で快適な日常生活を維持するのに必要不可欠なものとして設置されておりまして,その設置場所は,家庭から排出されるごみを安全に,かつ効率的に収集できるように,地域の地理的条件や地域にお住まいの皆様のさまざまな御意見や御提案を集約した上で決定しております。 当該資源不燃物ステーションは,地域の事情により一度移転した経緯もございまして,再度の移転は,移転先の選定等で困難な状況があるものと考えております。 一方では,御指摘をいただいた課題等もございますので,資源不燃物ステーションの管理者を初め地域の方々ともども,ごみの集積場所が景観を損ねないように,集積場所やその周辺の清潔の保持に向け,適切な啓発や指導に努めてまいりますので,御理解を賜りたいと思います。 以上でございます。 ○議長(山根堂宏君) 中澤商工観光部長。 ◎商工観光部長(中澤慎二君) よさこいに関する御質問にお答えいたします。 まず,高知よさこい情報交流館についてでありますが,4月27日のオープン以来,多くの観光客や市民,県民の皆様に御入館をいただき,6月16日までの入館者数は,約1万7,000人となりました。 同館のオープン前は,施設の手狭さや変則的な間取りなどについて御心配や御指摘を賜りましたが,スペースを拡大するとともに,よさこい鳴子踊り体感コーナーや鳴子づくり体験コーナーなどの機能を追加し,より魅力ある施設としてオープンできましたことに加え,地元商店街の皆様の御協力もあり,大勢の皆様方に御入館いただけたものと感謝をいたしております。 開館後におきましては,館内スタッフからの提案や来館された方々からの御意見などを参考に,可能なところから改善に努めてきておりますが,トイレの入り口の狭さやスロープの高低差などの課題も生じております。 今後は,市内でのよさこい演舞のスケジュールや全国で開催されるよさこいの日程などの情報発信,館内での特色ある企画展の開催,新たな映像の制作など,ソフト面でのさらなる充実にも取り組むとともに,旅行エージェント等と連携しながら,全国へよさこい発祥の地高知をPRし,新たな入館者だけでなくリピーターとして何度も御入館いただける施設としての魅力アップに努めてまいります。 次に,ありがとう高知よさこい祭り60周年のロゴマークに関する御質問にお答えします。 このロゴマークは,全国各地のよさこいで制作されるパンフレットやポスター,ホームページ等へ掲載して,60回を迎える高知のよさこい祭りを祝福しようと,よさこいサミットにおいて京都,龍馬よさこいの木村様より御提案をいただいたものであり,よさこいを題材にした漫画「ナツメキッ!!」の作者七島佳那さんの御厚意により,無償でデザインを制作していただいたものでございます。 本市では,多くの方々に御利用いただきたく,ホームページから直接ロゴマークがダウンロードできるようにいたしております。 既に,6月5日から9日にかけて開催されました第22回YOSAKOIソーラン祭りの公式ガイドブックにロゴマークが掲載されておりますし,この祭りに北海道積丹町との合同チームで参加した香美市の地方車にもロゴマークを使用していただきました。 また,8月23日から25日に開催される名古屋市のにっぽんど真ん中祭りや,7月末から8月初旬に開催される和歌山県のおどるんや~紀州よさこい祭り~でも,ロゴマークの使用を決定していただいており,全国各地で高知の60周年を祝福していただく機運の高まりに大変感謝をいたしております。 以上でございます。 ○議長(山根堂宏君) 本山農林水産部長。 ◎農林水産部長(本山幸一君) 中山間地域における空き家に対する取り組みの状況や課題についてお答えいたします。 中山間地域において移住,定住を促進する取り組みとしまして,昨年5月から7月にかけて土佐山地域で空き家の調査を行い,8月から空き家情報バンクと空き家改修事業費補助金の2つの制度を設けて運用を始めております。本年度は,鏡地域で空き家調査の実施を予定しております。 この土佐山地域では,地域内に点在する空き家36軒について調査を行い,住居として利用可能な27軒のうち,空き家情報バンクに登録いただける可能性のある15軒の所有者と交渉を行いました。 その結果,空き家情報バンクに2軒の登録をいただいております。また,これまで12件の利用希望登録があり,そのうち3世帯の方を現地に御案内しましたが,残念ながらまだ成約に至っておりません。 この取り組みの中で,現状が空き家であっても,倉庫や週末の農作業に利用していたり,先祖から受け継いだ大切な財産を他人に貸すこと自体に抵抗があるなどの理由もあって,空き家の登録につながっていないことが課題の一つと考えております。 中山間地域では今後も空き家がふえていくことが予想されるため,移住,定住を促進し地域を活性化していく上でも,地域の方々にも御協力いただきながら,空き家の所有者に対して粘り強く空き家の提供についてのアプローチを行ってまいりたいと考えております。 次に,河川工事と蛍の保護との関連や,どのような工法を考えているかとの質問でございます。 本市におきましても,都市化や宅地開発等の影響により,蛍などの生物の生息・育成環境の悪化が懸念されております。 河川工事においては,自然再生推進法の制定や河川法の改正に伴い,新たな事業の目的に河川環境の保全が位置づけられるなど,従来の洪水からの安全性を確保した上で,河川が本来有している生物の良好な生育環境の保全を両立させる多自然川づくりが国や県により推進されております。 このことから,今後も関係部署や地元の方々とも連携し,蛍などの生態系に配慮した川づくりに努めてまいりたいと考えております。 次に,養蜂振興法の改正についてでございます。 これまで飼育の届け出が不要であった養蜂愛好家が増加したことや,蜜源の減少などにより巣箱設置をめぐるトラブルが増加していること等を踏まえ,昨年6月に改正され,本年1月から施行されました。 その主な改正点につきましては,これまで養蜂業者に限定されていた知事への届け出義務を見直し,一部の養蜂愛好家にも拡大したことや,ミツバチ飼育者に対する衛生的な飼養管理などに適正管理を図るための規定,蜜源となる植物の保護及び増殖に関する規定が盛り込まれております。 この法改正に伴い,所管する高知県におきましても,ミツバチの飼育の届け出手続や届け出義務等について規定した同法施行細則を本年1月1日から施行し,業以外で飼育する者も,野生のミツバチの飼育を行う場合等の一部を除き,届け出が必要となったとお聞きしております。 次に,ミツバチの生育環境や蜜源となる草花の減少についてですが,御質問にありましたように,人工林の増加による花木の減少や,化学肥料の普及に伴い水田にレンゲ等が植えられなくなるなど,蜜源の減少によりミツバチの生育環境が悪化していると考えております。 県下では,養蜂業者が,蜂蜜の採取のほか,ナスやシシトウなど施設園芸作物等の受粉用として農家に貸し出しております。また,業以外の趣味等で養蜂されている方も多数おいでます。 そうしたことから,蜜源植物の保護,増殖など,改正養蜂振興法の趣旨を踏まえた取り組みが求められておりますが,農林水産部におきましては,レンゲ等を活用した有機農業や農薬使用量の低減を図るなどの環境保全型農業を推進しておりますので,そうした中でミツバチなどの生物の生育環境の向上に配慮していきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(山根堂宏君) 海治都市建設部長
    都市建設部長(海治甲太郎君) 都市緑化や街路の植樹について,関係機関との連携につきまして,御質問いただきました。 街路樹は,道路や町の景観をよくするだけでなく,夏には木陰をつくり日差しを和らげ,自然の潤いを提供するとともに,ヒートアイランド現象の緩和など,環境面におきましても大変重要な役割を担っております。 その一方で,道路管理者には,樹種によっては落ち葉の舞い込みや害虫の発生などによる御意見,御要望を多くいただいております。 本市の緑化,植樹についての連携につきましては,これまでにも国,県に加え,樹木医や造園関係者などによる検討会を開催し,御意見をいただいてきた経過がございます。 平成26年度には緑の基本計画の策定を予定しておりますことから,道路植栽の維持管理を含めまして,都市緑化や街路の植樹のあり方について,今後とも国,県等関係機関や造園業に携わる専門家の方々の御意見をいただくよう連携を深めてまいりたいと考えております。 ○議長(山根堂宏君) 川村貞夫議員。 ◆(川村貞夫君) それぞれ御答弁いただきまして,まことにありがとうございます。時間をちょっとオーバーいたしましたが,ちょっと要望をしておきたいと思います。 先ほど,副部長の活躍の場として地域課題検討会を持っていくということで,ぜひ充実をしていただきたいというように思います。 鏡川の魚道の件につきましては,今後とも漁協とも十分話し合いながら改善策を検討していただきたいというように思います。 ミツバチの問題ですが,その原因は,先ほども答弁で農薬という話もありましたが,ネオニコチノイド系の農薬にあると言われておりますので,関係部局では今後も注視をしていただきたいというように思います。 里山が見直されてきております。津波避難場所としての里山,私たちの生活環境のバロメーターとしての多様な生き物のすむ里山,そして子供たちの野外体験のフィールドなどとして見直されてきておりますので,これも副部長の地域課題検討会の中で十分連携をとって,保護や活用について検討していただきたい。 街路樹の件でございますが,景観10年,風景100年,風土1,000年という言葉がありますが,長い目で取り組んでほしいというように思います。 大変時間を延長してのことになりましたが,以上をもちまして今議会における私の質問の全てを終わります。ありがとうございました。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。  〔寺内憲資君登壇〕 ◆(寺内憲資君) 公明党の寺内憲資です。発言通告に従い,私見を交え,一問一答方式により質問を行います。 まず最初に,生活保護行政について伺います。 本議会には,予算議案として生活困窮者自立促進支援事業費2,500万円が計上され,生活困窮者自立促進支援モデル事業が計画されています。 この事業は,現在,国で審議されている生活困窮者自立支援法により平成27年度から新たに設置が義務づけられる相談窓口等を先取りして実行しようとするもので,全国に前例がなく,走りながら考えることとなりますが,今後,全国の模範,モデルケースとなられるよう頑張っていただくことを期待しております。 一方,本市の福祉事務所は,平成23年度から,高知公共職業安定所,ハローワークと協定を結び,就労支援チームを編成し,生活保護者を就労に結びつける「福祉から就労」支援事業を行ってきました。 新たに始める生活困窮者自立促進支援モデル事業は,「福祉から就労」支援事業も含めた包括的事業として実施することもできますが,「福祉から就労」支援事業を含めるのかどうか,健康福祉部長に伺います。 ○議長(山根堂宏君) 舛田健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(舛田郁男君) 生活困窮者自立促進支援モデル事業につきましては,さまざまな要因から生活困窮状態に至ったものの,生活保護法の適用を受ける前段で自立支援策を講じ,生活困窮状態からの脱却を図っていこうとする事業です。 また,御質問のありました「福祉から就労」支援事業は,平成25年3月29日付厚生労働省通知によりまして,生活保護の適用を前提とした事業として,生活保護受給者等就労自立促進事業へ移行をしております。したがいまして,それぞれの別建てで運用していくこととなります。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 今の健康福祉部長の説明では,平成23年度から実施している「福祉から就労」支援事業と,新たに始める生活困窮者自立促進支援事業は,独立してそれぞれ行っていくという説明でした。 平成23年度からハローワークと協定を結び実施してきた「福祉から就労」支援事業は,生活困窮者自立促進支援モデル事業と密接な関係にあり,その意味からも,「福祉から就労」支援事業は重要な事業であります。 私は,これまで2年間,市とハローワークの間で行ってきた「福祉から就労」支援事業は余り連携が図れておらず,改善の余地を感じています。 まずは市とハローワークが十分に連携を図り,「福祉から就労」支援事業を軌道に乗せないと,ハローワーク等多くの関係機関と連携を図る必要がある生活困窮者自立促進支援モデル事業を成功させることはできないと考えております。 そこで,「福祉から就労」支援事業の2年間の検証が大事であると考え,私なりに「福祉から就労」支援事業の課題と対策について調査を行いました。その結果,生活保護者が就労に結びつかない課題として,次の7点がありました。 1つ,阻害要因が多く採用になりにくい。ここで言う阻害の原因とは,学歴,年齢,病気,障害,マナー不足,交通手段がなく応募に行けない,通勤できない。 2つ,ハローワークの一般求人では受け皿がなく,採用が困難。特に平成24年夏以降,生活保護者に対する採用拒否傾向が顕著となっている。 3つ,医師の診断と採用基準に大きなずれがある。医師は就労可能と判断しても,いつ倒れるかわからない人を事業者は雇用しない。 4つ,ハローワークで押印──印を押すことで求職活動とするケースワーカーの考え方。就労意欲が全くない高齢者や弱者の方が,ハローワークに証明活動のために押印をもらいに来ている。 5つ,就労中間準備プランがない。面接を受ける,就労する,この前段階のマナー不足が顕著である。 6つ,面接不参加,採用辞退,短期退職等に伴う求職取り消し,苦情が多い。 7つ,刑余者の受け皿がなく,就労支援ができない。以上,7つの課題がありました。 これらに対する健康福祉部長の見解を伺います。 ○議長(山根堂宏君) 舛田健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(舛田郁男君) 御指摘にございましたように,就労への支援を進めている生活保護受給者の中には,本人を取り巻く人間関係などから就労に至っていない事例や,障害や病気のある方,社会への適応力に問題のある方,それから質問にございましたように学歴,資格等,さまざまな就労阻害要因を抱えたケースがございます。 さらに,就労意欲の問題であったり,就労経験もなく就労の前段階からの支援が必要な方も多く,ハローワークにつなげても就労につながらないケースなど,雇用と就労支援のミスマッチも多くあるのが実態でございまして,御指摘のあった点も含めまして,なかなか就労に結びつかない要因となっているものと考えております。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 健康福祉部長,今まとめていただいて,先ほどの分を答弁いただきましたけども,生活保護者を就労に結びつけるためには,福祉事務所とハローワーク双方が課せられた役目を果たすことが重要と考えています。 福祉事務所としては,ただ生活保護法第27条を盾にハローワークに追い立て,丸投げするのではなく,生活保護者に就労意欲,就労の意思をしっかり持たせることが重要であり,それが役目です。 この点を踏まえ,さきに申し上げた問題点に対する対策を提言させていただきます。 1,本市の臨時職の求人に生活保護者枠を設ける。これは他市の前例もあります。 2,面接時の服装を貸与する。面接用スーツを貸与している例もあります。 3,就労意欲を高めるため,激励,励まし就労準備プログラムを作成する。 4,生活保護者対象のセミナーの開催。現在,本市で行っているパワーアップセミナーの生活保護者版のセミナーを設ける。 5,若年受給者対策として,本市で行っているパワーアップセミナーに枠を設け,誘導する。 6,就労意欲のある方には,交通手段としてバイクの提供を行う。 7,心理カウンセリングのフローチャートを作成する。これは,高知市保健所が活用されておらず,市の健康づくり課へ誘導する流れをつくることです。 以上,7点を提言しますが,市長の見解を伺います。 ○議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 具体的な御提言をいただきましたので,お答えを申し上げます。 生活保護受給者の方々の就労自立支援の取り組みにつきましては,できるだけハローワークと緊密な連携をとりながら対応もしているところでございまして,ハローワークのほうもかなり御支援もいただいております。 生活保護受給者の方々には,それぞれのケースに応じましたそれぞれの事情があることもございますので,個々のケースに応じた対応が必要となってまいります。 それぞれの対象者の方々に一定の就労についてのスキルがある場合には,既存の支援メニューを活用することとしておりまして,例えばハローワーク等が実施をする各種就労支援に関しますセミナーにつきましても,御本人の同意を得て参加をしてもらっているケースもございます。 また,場合によっては,心因的な要因が就労阻害要因となっている方々もございますので,こういう心因的な要因が阻害要因になっている方々につきましては,保健所の保健師等との連携も密にしながら,随時,支援を行っているところでもございます。 就労支援のメニューや課題の対応につきましては,法改正予定でございますが,法改正によりまして就労活動促進費も新たに創設されるということもございますので,そうした制度も活用しながら,今回御提言いただきました,それぞれのこのメニューにつきまして,対象者の方々の実態に即した支援メニューや支援計画を策定し,自立に向けた効果的な支援を検討し,進めてまいりたいと考えております。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 市長,提言もしましたので,ぜひ今言っていただいたように参考にもしていただきたいと思いますので,その点はよろしくお願いいたします。 私は,生活保護者を就労に結びつけるための役割は,福祉事務所は就労意欲を持たせること,ハローワークは就労能力を持たせることであり,この役目の連携が重要だと考えています。生活困窮者自立促進支援モデル事業を成功させるためにも,ハローワークと十分連携がとれた「福祉から就労」支援事業の実行を要望しておきます。 次に,防災対策について伺います。 生活保護行政では国の動きを先取りしていましたが,防災対策についても国の動きを先取りしていただきたいことから,国のほうで法改正が進んでいる災害対策基本法について伺います。 東日本大震災から得た教訓を生かし,本年4月12日,災害対策を強化する災害対策基本法改正案が閣議決定され,昨日17日に国会で成立しました。 その改正の一つに,災害弱者,災害時要援護者対策の強化があります。その内容は,病気を持っている有病者や高齢者,障害者など避難に支援が必要な人の名簿,災害時要援護者名簿の作成が市町村に義務づけられました。 市町村が作成した災害時要援護者名簿は,本人の同意を得た上で,消防や民生委員,自主防災組織,自治会など関係支援機関にあらかじめ情報を提供することができます。また,災害が発生した場合には,同意がなくても必要な個人情報を提供できることとなります。 災害時には,自力で避難できない要援護者が犠牲になる割合が高いことから,国は現行の制度でも,災害発生時における高齢者などの避難支援の指針となる災害時要援護者の避難支援ガイドラインに基づき,災害時要援護者名簿の作成を市町村に求めていました。 ところが,これまでは作成が義務づけられていなかったため,作成している自治体は6割程度にとどまり,個人情報保護を理由に名簿作成をためらう自治体があったことから,今回,国が個人情報保護法との関係を整理し,明確な指針を示す改正内容となったものです。 高知県下における災害時要援護者名簿の作成状況を調査したところ,34市町村中19市町村で完成しておりましたが,高知市はまだでした。 本市においても,現行制度でも高齢者や障害者など災害弱者を守るために作成が求められている災害時要援護者名簿はどこまでできているのか,進捗状況を健康福祉部長に伺います。 あわせて,要援護者の推定数と名簿の完成時期もお聞かせください。 ○議長(山根堂宏君) 舛田健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(舛田郁男君) 災害時要援護者となり得る方につきましては,担当各課において情報を有しておりまして,そのうち要介護の認定を受けている方や障害者の方の情報につきましては,災害時要援護者支援システムにおきまして一元的に管理をいたしておりますが,現時点では,要援護者全体を網羅した名簿の作成はできてございません。 また,名簿作成に当たりましては,要介護や障害程度区分の形式要件のみではなくて,実際の避難行動の際に支援の必要な方を把握する必要がございます。 一部の地域で,災害時要援護者支援地域活動モデル事業として,地域の自主防災組織等による主体的な活動を軸としました要援護者台帳の作成支援を行っておりますけれども,全市域への拡大につきましては一定時間を要することから,現在のところ未定となっております。 次に,要援護者の推定数でございますけれども,要援護者の明確な定義づけはありませんけれども,要介護2以上の高齢者や重度の身体障害者,知的障害者の方で約1万8,000人程度,これに精神障害者や病弱者,妊婦の方,先ほど申し上げました避難行動の際に支援が必要な方を加えますと,さらに増加するものと考えられます。名簿の完成時期につきましては,今のところ未定でございます。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 今の部長の答弁で,モデル地区を中心に今名簿の作成ということで,私が調査して確認しておるのは,まず種崎,それから浦戸,調査を終えて,今,潮江のほうに入ってモデル地区として調査をしていってると。 現況としたら,まだ形の部分であって,つくり終えまで全然できてないと。で,要援護者の推定数が1万8,000人で,名簿の完成時期,今の時点では未定という現況ですね。 今,進捗状況を聞きましたが,健康福祉部として,義務づけとなる災害時要援護者名簿の作成に向けた現在の人員体制をどのように考えているのか,健康福祉部長に伺います。 ○議長(山根堂宏君) 舛田健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(舛田郁男君) 現在,災害時要援護者支援に関する活動につきましては,主に障がい福祉課において行っております。 今回予定されております災害対策基本法の改正では,災害発生時にみずから避難することが困難であって支援を要する方の把握に努め,名簿を作成するよう義務化しておりますので,支援を要する方の把握には相当の業務量と費用が発生するのではないかというふうに考えております。 また,作成に当たりましては,所管課も多岐にわたる要支援者を定期的に把握する仕組みづくりの検討や,作成した名簿をどのように活用し提供するのかといった課題もありますので,現在の体制では十分な対応ができる状況とはなっていないと考えております。 そのため,早急に庁内で課題を整理しながら,人員体制も含め,今後の名簿作成の進め方を検討していく必要があると考えております。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 今の部長の答弁を聞いておると,今はあくまでモデル地区であって,その分を調査していってる状態,実情,高知市全体を網羅する体制づくりまでは至っていないと。予算的な分も,また人員的な分も今後の課題というような形と聞き取れました。 部長,その中で,前段でありました災害時要援護者支援システムが非常に有効に活用できると思うんです。 業務の効率化と人手不足を補うために,平成23年度に健康福祉部が重点施策として500万円をかけ,高知市独自の災害時要援護者支援システムを構築しました。同システムは,災害時要援護者名簿の作成に大いに貢献しているものと思っております。 災害時要援護者名簿の作成に災害時要援護者支援システムをどのように活用して人員不足を補っているのか,健康福祉部長に伺います。 ○議長(山根堂宏君) 舛田健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(舛田郁男君) 要介護認定や障害程度区分等で把握できる災害時要援護者と考えられる方の情報については,それぞれの所管部署で作成したデータを取りまとめまして災害時要援護者支援システムに取り込むことで,効率的に一元的に管理ができております。 しかしながら,このシステムの運用のみでは,今後のこの要援護者名簿の作成に必要な人員を補うことはできないというふうに考えております。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) システムの話をするんで,ちょっとわかりにくくなると思うんで,健康福祉部長,再度情報として確認をとらせてもらいます。 健康福祉部は,部内で保有する要援護者情報として,障害者情報,介護認定情報,難病情報,妊産婦情報,それから幼児情報等に関するそれぞれの情報を持っています。 それと,今,住民基本台帳を災害時要援護者支援システムで一元管理すれば,データの上になりますが,要援護者リスト,台帳をリスト上はつくることはできます。この要援護者リストは,発災直後の安否確認にも活用できることとなります。 ここで何を言いたいかというと,あくまで今の健康福祉部が持っている情報,市民協働部が持っている住民基本台帳,これをリンクさせることによって,システムとしてコンピュータ上の中で,その要援護者の情報のリストをつくることができる,台帳をつくることができると。 健康福祉部長,この台帳をもとにですね,今,国のほうでは災害時要援護者の避難支援ガイドラインをつくっております。これにのっとって,関係機関共有方式,同意方式,手上げ方式により災害時要援護者名簿はつくられていってます。 だから,大もとのこのデータというのは,前段でも言ったように,重点施策として500万円をかけて災害時要援護者支援システムを導入したんですから,今,健康福祉部が持っている情報と市民協働部が持っている住基台帳のデータを一元管理することは私は重要やと思っておりますので,その点は要望しておきますので,今後の一つの作業の糧としていただきたいと思います。 今,言いましたけども,そのデータをもとに国のほうでは指針をつくって,災害時要援護者の避難支援ガイドラインをつくっています。 その中で3つの方式を言われていて,それで名簿をつくっていきますが,関係機関共有方式とは,要援護者の同意がなくても地方公共団体の保有する個人情報をもとに作成する方式です。同意方式とは,要援護者に直接働きかけて同意を得た上で登録する方式です。手上げ方式とは,要援護者のうち登録希望者から情報を収集する方式です。 災害時要援護者名簿を既に作成している自治体は,個人情報をもとに作成する関係機関共有方式により名簿を作成させています。 南海トラフ巨大地震への対応が急がれる本市にあって,国の指針によるどの方式を活用して災害時要援護者名簿の作成作業を行っているのか,再度,健康福祉部長に伺います。 ○議長(山根堂宏君) 舛田健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(舛田郁男君) これまでに実施をいたしましたモデル事業では,まず対象エリア内の全戸配布でアンケート調査を行いまして,支援が必要と考えている方と支援ができる方を手上げ方式により把握をしております。 その後,支援が必要と手の上がった方の自宅等を個別訪問して,生活状況や支援に関する聞き取り調査を行いまして,その際に情報共有や隣近所への情報提供について同意いただく同意方式により,本人の意向を把握してきております。 今後の本市の要援護者名簿の作成に当たりましては,1つの方式に限定せずに,やはり関係機関共有方式,それから手上げ方式,同意方式を組み合わせながら,今後つくっていかなければならないのではないかと考えております。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 市長,お聞きのとおり,今,高知市の災害時要援護者名簿はモデル地区において,同意方式を中心に手上げ方式も取り入れて行っているとのことでした。 中核市であり高齢化率の高い本市の場合,同意方式と手上げ方式による現状の人員体制では,要援護者名簿の作成に多大な時間を要し,先ほども答弁でありましたように,完成時期は未定との健康福祉部長の答弁もありました。 災害時要援護者名簿の作成が義務化された以上,名簿作成には防災対策,地域コミュニティも関係することから,人員体制を強化した健康福祉部,防災対策部,市民協働部から成る横断的な組織,災害時要援護者名簿作成チームが必要ではないかと考えます。 また,人員体制の強化ができないのであれば,先ほど健康福祉部長からありましたけども,他の先進市同様,3つを取り入れるんじゃなく,まず関係機関共有方式に軸を置いて行っていくことが大事だと思います。 さらに,市の業務を補完する高知市社会福祉協議会と連携して人員体制の強化を図るなど,名簿作成作業の加速化を図る手だてを打つ必要があると考えますが,市長の見解を伺います。 ○議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 御指摘いただいておりますとおり,今回,法律改正がございましたので,支援者名簿の作成というものが義務化されますので,作業は急がなければいけません。 それともう一点,我々が注意をしておかなければなりませんのは,名簿作成と同時に,現実にその地域を含めまして,救助ができるかどうかという,その仕組みづくりもあわせて具体的に検討しておかないと,名簿があっても支援ができないということになりかねないので,その仕組み自体もあわせて十分に検討していく必要があろうかと思います。 具体的には,名簿作成につきましては,先ほど部長が答弁しましたとおり,3方式を組み合わせて,急いで作業を進めていかなければならないということでございますので,作業チームの編成も含めて検討していかなければならないと考えております。 それぞれ例えば名簿作成をした上で,現実に地域としてどのような方々が支援をすることができるのかということも含めて,防災対策部とも十分協議をしながら進めていかなければなりませんし,御指摘いただきましたとおり,地域におけます例えば地区社協や市社協,町内会,そして民児協や自主防災組織,こういう団体もそれぞれ絡んできますので,どこまでの方々に名簿を出すかどうかということも十分検討しておかなければなりません。 先ほど御指摘いただきましたとおり,それぞれの部局のそれぞれの,恐らくワーキングチームといった形になろうかと思いますが,その点も含めまして検討していきたいというふうに思います。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) ぜひ市長,組織づくり等検討していただいて,お願いをしたいと思います。 その中で,先ほど市長の答弁にありました災害時要援護者名簿により有効に動く組織をつくるためには,個人情報が壁になっていると思います。 しかし,この個人情報は,国の指針,災害時要援護者の避難支援ガイドライン,こちらのほうです。この中に紹介されてるんですけれども,福祉目的で入手した個人情報を本人の同意を得ずに避難支援のために利用することや,避難支援に直接かかわる民生委員や自主防災組織等に提供することについて,要援護者との関係では,基本的に明らかに本人の利益になるときであると示されており,行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律第8条の利用及び提供の制限に当たらないと解されています。 したがって,個人情報保護法に過剰反応を起こすことなく,弱者である要援護者の命を守る観点から,災害時要援護者名簿の作成に取り組んでいただくことを要望しておきます。 今回の災害対策基本法の改正では,東日本大震災の教訓を受け,災害による住宅などの被害状況を示す罹災証明を自治体が速やかに発行することが明記されました。 罹災証明は,住宅が全壊や大規模半壊など著しい被害を受けた世帯に対し,最大300万円が支給される被災者生活再建支援金を受ける際に必要となる証明書です。 東日本大震災の被災自治体では,罹災証明書を発行する職員が不足したため手続がスムーズに進まず,被災者の生活再建がおくれてしまったことから,自治体に罹災証明の速やかな発行を求める改正となったものです。 本市としては,罹災証明を速やかに発行できる事前の備えとして,阪神・淡路大震災で活躍した被災者支援システムを導入しておりますが,被害者の生活再建に大きく影響する罹災証明書を速やかに発行するシステムの環境整備ができているのかどうか,健康福祉部長に伺います。 ○議長(山根堂宏君) 舛田健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(舛田郁男君) 被災者支援システムにつきましては,庁内のイントラネットによりまして,ID,パスワードにより全職員がログイン可能にはなっておりまして,高知市民の住基データを活用した罹災証明の発行は可能となっておりますけれども,現時点では本格的な運用となっておらず,発行できる職員が限られておりますので,今後,関係職員への研修を随時行っていきながら,有事の際に即時対応できるようにしてまいりたいと考えております。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 健康福祉部長,今,有事の際に即時対応できる状態にはないとのことでしたので,ここでちょっと整理をさせていただきます。 これまで公明党議員団は,市長に対して,罹災証明の速やかな発行にも大いに寄与する被災者支援システムの導入を強く要望し,平成23年9月に導入されました。 しかし,導入された被災者支援システムを有効に活用できる情報のデータベース化の環境整備すらなされていなかったことから,宝の持ち腐れ状態にあり,第432回定例会において我が会派,山根議員が代表質問により,被災者支援システムの有効活用に関してただしたところ,市長から重要な次の答弁がありました。 被災者支援システムは,非常に重要な役割を果たさなければいけないというふうに考えておりまして,住民基本台帳や避難所におけます人々の情報をあらかじめデータベース化しておきまして,罹災証明の発行をスムーズにすることや,避難所ごとの避難者の方々の入所,退所等の管理,こういうデータをスムーズに行うためにも,被災者支援システムが重要な役割を果たすと考えております。 今後,システムの具体的な活用の検討とともに,被災者支援を中心的に行います健康福祉部を初め,関係各部局でさまざまな支援の検討が本格化してまいりますので,各部局の連携,調整を図るための体制のあり方について,各部局と協議をしていく必要がございますので,プロジェクトチームの立ち上げにつきましても検討していく必要があると考えておりますとの前向きな答弁でありました。 その後の状況を確認すると,防災対策部は,ノートパソコンに住民基本台帳をデータベース化した被災者支援システムをサーバーとして準備し,いつでも健康福祉部等の現場が使える状態にしていました。 しかし,実動部隊の健康福祉部においては,限られた一部の職員しか使用できない試行的運用となっており,被災者支援システムの本格運用には至っていませんでした。これでは,防災対策部が直ちに使える状態にしているにもかかわらず,有事の際,使える状態にありません。 市長,このような状態で,市長が言う被災者支援システムが重要な役割を果たす状態にあると言えるでしょうか。市長の見解を伺います。 また,各部局が被災者支援システムを有効に活用していくために,市長が検討の必要があると答弁しているプロジェクトチームの立ち上げをどのように進めているのか,市長に伺います。 ○議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 現在,各部局におきましては,それぞれの部局ごとの地域防災計画の見直しと,そしてBCPの詳細な計画づくりを進めております。 この検討の中で,各部局の課題や,そして情報の共有,そしてバックアップ,そういうことも含めてBCP計画の中でも,それぞれ今検討を進めているところでございます。 御指摘いただいたとおり,現況では被災者支援システムの機能が十分に活用できる状況にはまだなっていないというふうにも考えておりまして,これらのBCP計画の策定の中でも,この被災者支援システムとの連動や,このシステムに関します勉強会等を開催し,それぞれの運用方法の周知徹底を図っていく必要があると考えております。 そのために,全体としてこのシステムの運用に係ります実務担当者を中心とします,いわゆるワーキンググループというものを有効に動かすようにしていかなければならないというふうに考えておりますので,ワーキンググループを有効に機能させるということを観点として,そういうチームの立ち上げを急いでまいりたいと思います。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 市長,前向きな答弁いただきました。ぜひ被災者支援システムを,ワーキングチーム等もつくっていただいて,有事の際にしっかり使えるものにしていただきたいと思います。 先ほど紹介した山根議員の代表質問に対する市長答弁をまさに実行しているのが徳島市であるので,ここで紹介させていただきます。 本年5月,我が会派は徳島市に視察に行ってまいりましたが,徳島市は,被災者支援システムに住基データを入れ,庁内横断的に被災者情報を一元管理することで,罹災証明書の発行や義援金の給付,救援物資の配付など,被災者の要望に迅速に応えることができるように被災者支援システムを整備し,現在60台の端末機が被災者支援に当たる19課に配備され,常時使用できる状態となっていました。 また,各部局が連携を図り,被災者支援システムを最大限有効に活用できるように,徳島市地震対策検討会議の中に,庁内19課から成る被災者支援システム部会を編成し,被災者支援システムの操作マニュアルの整備や,大規模災害を想定しての被災者支援システムを活用した訓練を計画していました。 さらには,被災者支援システムを職員が理解し,操作運用ができるように,被災者支援システム全国サポートセンター長を市に招き,講演会や操作説明会を開催し,職員の操作能力向上を図っていました。 高知市議会としても,昨年11月6日に南海地震対策調査特別委員会で,被災者支援システムの運用開発先,西宮市情報センターを行政視察し,被災者支援システムがいかに南海地震等大規模災害に役立つ重要な災害支援システムであるかを確認してきました。 そのことから,第437回定例会の南海地震対策調査特別委員会中間報告では,被災者支援システムを本市のソフト面からの南海地震対策の最重要項目の一つと位置づけ,西宮市情報センター長を招聘しての関連部署の職員を対象とした庁内横断的な研修の開催等,被災者支援システムの本格運用に向けた積極的な取り組みを提言したところでもあります。 そこで,市長に伺います。 本市として,今後どのように被災者支援システムの本格運用に向けた取り組みを行っていくつもりなのか,その取り組みを伺います。 ○議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 各課のBCP計画とも連動して有機的に動かさなければいけないというふうに考えているところでございます。 御指摘もいただきました被災者支援システムの運営を行っております西宮市の情報センター長のお話でございますが,健康福祉部や市民協働部のシステム運用に関します各課を対象とした研修会でございますが,7月中にも開催をしたいと考えておりまして,日程調整をしているところでございます。 この研修で学んだそれぞれのシステムの活用や運用方法等を十分吟味をしながら,それぞれのBCP計画の有効な機能と連動させてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 被災者支援システムは,東日本大震災の復興に大いに貢献し,現在,南海トラフ巨大地震が想定される自治体を中心に,全国850の自治体で活用されています。市長,今度こそ,高知市民の命と財産を守るために,被災者支援システムの本格運用を本気で行っていただくことを強く要望しておきます。 東日本大震災を受け,南海トラフ巨大地震による国,県の被害想定も発表され,発災時に市民の命と財産を守るために動き働く市役所職員が,けがなく災害対策本部に参集できるか,職員の安否確認が重要さを増してきました。 職員の安否確認は,市の業務継続計画,BCPにも関係する重要事項であります。本市はまだ使用しておりませんが,先進自治体や災害拠点病院などでは職員の安否確認にインターネットの利用を活用したメールでの安否確認情報システムを使用しており,現在,高知県においても準備段階にあります。 本市の業務継続計画,BCPにも大きく影響する職員の安否確認をどのような方法で行っていくつもりなのか,災害対策本部長の任にある市長に伺います。 ○議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 職員の安否確認につきましては,その招集体制や防災対策を組む上でも非常に重要でございまして,高知市の地域防災計画では,震度6弱以上の地震が発生した場合には,男性女性かかわりなく全職員があらかじめ定められた参集場所に参集することを義務づけております。 この職員の参集状況につきましては,総合防災情報システムにつきましては各自が入力することによって確認できるようになっておりますが,現時点では,例えば避難所によっては総合防災情報システムが使用できない場所もありますので,全ての職員の安否状況を確実に把握するシステムとはなっておりません。 御質問にもありましたように,現在,高知県では,安否情報システムが危機管理部の職員だけの中で運用しておりますけれども,これを全庁に拡充する予定もあるというふうにお伺いをしております。 今後,県が整備するこのシステムや,例えば民間企業のNTT関連につきましては全職員に対して安否確認のメールが来るようになっておりますので,そういうシステムの内容も含めまして検証し,本市の安否確認方法につきましては,総務部そして防災対策部を含めまして連携して,具体的に検討してまいりたいと考えております。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 現在,本市は,業務継続計画,BCPを策定中であります。私は,職員の安否確認はBCPの根幹をなす重要事項であると考えておりますので,早急に先進地を調査していただき,安否確認情報システムの使用の可否の判断をしていただくことを要望しておきます。 安否確認情報システムは,災害時の安否確認だけでなく,緊急連絡等も確実にとれる,安価で使いやすい,カスタマイズ費用もかからないシステムを地元業者も開発しています。 そこで,高知県が産業振興計画でも力を入れている防災関連産業の振興について伺います。 現在,県は,高知県の企業がつくった防災関連製品の認定制度を設け,メード・イン・高知の防災関連製品,技術として県内外に発信しており,多くの高知市内企業の製品,技術も県内外に発信されています。 県の支援により東京ビッグサイト等での防災展示会に出展している多くの高知市内企業から,次の意見をいただいております。県外関係者が高知の防災製品を高く評価してくれるものの,商談成立前に決まって聞かれるのが,地元自治体で使われていますかであり,使われていないばかりに商談成立に至らないケースが非常に多い。地産外商戦略を進めるのであれば,高知市としてもこの点を真剣に考えてほしいとの意見です。 そこで,市長に伺います。 県は,高知県防災関連製品を受注するために,モデル発注制度や,平成24年度から始まった新たな公的調達制度,新事業分野開拓者認定制度があります。 本市としても,地元企業の防災産業の育成,地産外商支援の観点からも,防災関連製品の新たな公的調達制度を創設すべきだと考えますが,市長の見解を伺います。 ○議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 防災関連産業を含めまして,新事業分野開拓者認定制度につきましては,自治法の改正もございまして,随意契約として契約が可能ということになりまして,高知県におきましても昨年12月に制度が策定をされております。 高知市におきましても,この県の制度認定の仕組みや,中核市の事例等を参考にしまして,現在,このやり方につきまして関係部局で協議をしておりまして,7月中には制度をスタートさせる予定となっております。 当面,その内容につきましては,高知県で認定を受けている市内事業者を対象としまして,庁内から認定の要望があった事業者を新事業分野開拓者と高知市でも認定をし,その認定事業者の方々が生産する防災関連製品を高知市が随意契約の方法によって購入する制度をまず実施したいと考えています。 ただ,高知市独自での認定も必要だと考えておりますので,例えば県の認定にならない方々につきましても,高知市につきましても独自認定もできる制度をつくりたいと思っておりまして,これは本年の秋ごろをめどに,高知市でも独自に認定できるように,審査会の設置や公募要領等を制定しまして,新商品がいい商品であれば我々も認定をした上で随意契約を行っていくということが可能になるように検討しておりますので,まずは県と合わせた形で制度をスタートし,本年の秋ごろからは独自認定も行えるように制度を構築してまいりたいと考えております。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 今の市長の答弁でいくと,公的調達制度をまず7月中にスタートさせたいと。この場合には,県が今,既に認定制度を持っていますので,県で認定できた製品については高知市もそれにあわせて公的調達制度の7月の分へのせていく。 さらに,市独自の防災製品の認定作業を行う仕組みをつくって,高知市でも独自につくり上げた分をこの秋にその制度を拡充させてその分ものせていくということで,県に認定されたものは,それがそのまま県と市の連携,高知市の分でも使えると。新たに,県では認定されていなくても高知市独自の分ができるということで私は整理しましたけど,それで市長,よろしいでしょうか,もう一度お願いいたします。 ○議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 今御指摘いただいたとおりのやり方で実施をしたいというふうに考えております。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) ぜひ市長,7月,秋ということを期待しておりますので,よろしくお願いいたします。 高知市の南海トラフ巨大地震による国,県の被害想定は,厳しい結果でありました。他方,高知市は,過去多くの災害に立ち向かい培った知識と経験があり,逆にこの知識と経験を防災産業として全国に発信するチャンスでもあります。 先ほど市長の答弁にもありました4号随意契約を活用することになりますが,本市が4号随意契約を行う場合には,今後,要綱の制定や会計規則の改正等も必要となってきますので,スピード感を持って作業に当たっていただき,早急なる制度の創設を要望して,次の質問に移らせていただきます。 最後に,地籍調査について伺います。 南海トラフ巨大地震に備える意味からも,地籍調査は重要さを増しております。地籍調査事業費の補助率は,国50%,県25%,市25%でありますが,市負担分の8割が特別交付税措置をされますから,市の実質負担分は5%と,本市にとっては負担が少なく,土地家屋調査士や測量士等の雇用にもつながるありがたい事業であります。 高知市が行う地籍調査に対し,調査を実施した長浜地区の住民の方から次のような不満の声が寄せられていますので紹介します。 その方は,今回の地籍調査により,所有していた土地の面積が地籍調査前より随分減ってしまったにもかかわらず,固定資産税は従来のまま課税され払っている。土地は減り,固定資産税はそのまま,おかしいのではないかと,地籍調査に不満を持っていますので,地籍調査について確認をさせていただきます。 現在行っている地籍調査では,登記済みの土地測量時に使用した測量機器より最新の測量機器を使う等の理由から,法務局に登記している個人の土地面積に増減が発生します。 そこで,市民協働部長に伺います。 この土地面積への増減が発生するケースと理由をわかりやすく説明してください。 また,これまでの地籍調査により,個人の土地で発生した増減の値,最大の面積増と面積減もあわせてお聞かせください。 ○議長(山根堂宏君) 坂本市民協働部長。 ◎市民協働部長(坂本導昭君) 地籍調査で土地の面積の増減が発生するケースについてですが,これには大きく2つの要因が考えられます。 1つには,土地登記簿面積の多くは明治初期の地租改正事業による測量結果がそのまま登記簿面積となっており,当時は縄等で測量され,測量技術が大変未熟であったため,登記簿面積と現在の測量結果に大きな乖離が生じたものと推測されます。 2つには,その後,実測測量された土地であっても,測量方法や測量機器の精度の差によるケースでございます。現在,実施しております地籍調査は,最新の測量機器によりミリメートル単位まではかることができますので,面積の増減が生じることとなります。 また,個人土地での最大の面積の増減の値についてでございますが,これまでに地籍調査が終了した土地は約9万2,000筆ございます。 これら実施しました地区の中で,最も伸び率の大きい御畳瀬地区を例に申し上げますと,個人の最大面積増は,山林で約2.51倍の1,970平方メートルの増加,宅地で約2.14倍の90.90平方メートルの増加,一方,最大の面積減は,宅地で約0.77倍となっており,40.22平方メートルの減少となっておりますが,それぞれ面積の大きいものから小さいもの,また地域の特性,地目によっても増減幅は異なってまいります。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 今,部長の答弁で,御畳瀬地区を例に答弁がありました。個人の土地で発生した1筆当たりの増減値,最大の面積増減率は,山林で2.51倍,宅地で2.14倍,最大の面積減少率は,宅地で0.77倍とのことでした。土地所有者にとって,この増減率は固定資産税にも大きく影響してくることから,地籍調査前に増減率が起きることを理解しておくことが重要となってきます。 そこで,市民協働部長に伺います。 地籍調査は1筆ごとに所有者の方の境界認定が必要なことから,所有者の立ち会いの協力が不可欠であります。この立ち会いの協力を求めるときに,事前に土地の増減が発生することを丁寧に説明しているのかどうか,伺います。 ○議長(山根堂宏君) 坂本市民協働部長。 ◎市民協働部長(坂本導昭君) 地籍調査事業の地元説明会についてでございますが,土地所有者の方々への説明会につきましては,5回の開催を基本としまして,説明会には,地籍調査のパンフレット等を同封の上,御案内をいたしております。 また,説明会では,現在の法務局の土地登記簿の経緯や,かつての測量精度が低かったために,現在での技術水準での実測と公簿面積に増減が生じることとあわせまして,事業全体のスケジュールや法務局での登記変更までの手順につきまして,資料等を活用しながら丁寧な説明を心がけ取り組んでおりますが,なお御指摘もいただきましたので,今後,さらに工夫もいたしまして,十分に土地所有者の方々に御理解をいただけるよう,一層の周知に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 今,丁寧な説明をしている旨の答弁でしたが,私が紹介した不満を抱いている住民の方は,事前に土地の増減についての説明はなかったとのことでした。 地籍調査終了後の調査結果を見て,自己所有の土地面積が減ったことに気づき,その後の市職員の説明により納得したものの,土地面積が減っているにもかかわらず,本市が長浜地区全体の地籍調査を終了するまで法務局への登記変更を行わないため,従来の固定資産税を調査が終了するまでの5年間払い続けなければならないことに矛盾を感じていました。 このケースを逆に見た場合,地籍調査により土地の面積がふえた人は,市が法務局への登記変更を完了するまで従来の固定資産税のままでよく,得した感があり,言われるように何か矛盾を感じます。 そこで,課税権を持つ市長に伺います。 税の公平性の観点から,この矛盾をどのように考えるか,市長の見解を伺います。 ○議長(山根堂宏君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 地籍調査でございますが,調査の実施開始から法務局の登記簿が書きかえられるまでの間につきましては,県の認証や国の承認などさまざまな手続がございまして,御指摘いただいたとおり,おおむね3年から4年の期間を要するということになっております。 例えば,この地籍調査業務が登記までに非常に時間がかかるということで,個人で申請するということも法的には可能でございますが,個人で申請しますとその経費が個人負担ということになりますので,実際には個人負担が相当なものになりますので,実際的には難しいと考えております。 現在,地籍調査は年間で3,500筆から4,000筆を対象に実施をしておりますので,先ほどいただいたような課題もございますので,業務の内容の見直しや,また一定のめどが立った時点で早期に県や国の認証請求を行いまして,できるだけ早く法務局の登記に反映するということの促進を図ってまいりたいというふうに思っております。 住民の皆さん方には,できるだけ税の公平性の確保につきましても早目に対応が可能となるように努力しておりますけれども,やはり登記までの時間がどうしてもかかるということが課題であるという認識をしておりますので,なお検討してまいりたいと考えております。 ○議長(山根堂宏君) 寺内憲資議員。 ◆(寺内憲資君) 地籍調査は,税の適正な課税に役立つ事業でもあります。税の公平性の観点から,可能な限り早期に国,県への認証請求を行い,法務局の登記に反映させていただくことを要望して,私の全質問を終わります。どうもありがとうございました。 ○議長(山根堂宏君) この際暫時休憩いたします。  午後0時8分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後0時59分再開 ○副議長(竹村邦夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 氏原嗣志議員。  〔氏原嗣志君登壇〕 ◆(氏原嗣志君) 新こうち未来の氏原嗣志でございます。第438回市議会定例会におきまして,個人質問の機会をいただきました。通告により,私見,要望等を交え,質問に入ります。よろしくお願いをいたします。 ことしの梅雨は,現在まで空梅雨で,春野の風物詩でありますアジサイもいま一つ色合いに艶がありません。何か寂しく,訪れた方たちの声も評価が余りよくないようでございます。みどり課の皆さんや春野高校の生徒さんたちが頑張ってお世話をしていただいておりますが,来年に向けては,喜んでいただくような取り組みもしなければなりません。 一方では,春野庁舎近くの六條八幡宮に咲くアジサイは見事なものでございます。多くのお客様の感嘆の声を聞くと,地元の者としてうれしい限りでございます。市長も,第26回を迎えます,あじさいまつりにおいでをいただき,お客様や多くの皆さんに親しく御挨拶をいただきました。まことにありがとうございました。議場の皆さんも,ぜひ一度おいでをいただきたいと思います。 それでは,質問に入ります。 まず最初に,土電問題であります。 私どもが小さいころは,公共交通の花形は,県交通のバスを赤バス,土電のバスを青バスといった呼び方で,憧れたものでした。私どもの西部地域は県交通の交通範囲でしたので,高知市内に来ないと,青バスに出会う,乗ることもありませんでした。小学校での遠足で青バスが来ると,物珍しさで喜んだものでございました。 このように,県交通,土電は,県民,市民に親しまれた存在であろうと思います。そのことを思うと,今回の問題は残念であります。本市におきましても,総務常任委員会を通じ,その対応方について随時,報告を受け,議論をいたしております。 県民,市民の公共交通という足を確保する面での重要性に対し,今日までの状況等について,市長としてどのように思われているのかをお聞かせください。 また,土電におきましては第三者委員会を立ち上げ,この問題について解決の方向性を見出そうとしております。先日の新聞報道では,今期の株主総会に向けての記事がございました。元会長,社長を除いて現経営陣が残るような対応の仕方の記事でありました。そのような対応で県民,市民に納得がされるのか,私は疑問に思います。 企業の人事問題を論ずべきではないと思いますが,一般的には経営陣の刷新,企業体質の抜本的な改善等が賛意を得られる唯一の道だと私は思います。このことについて,県都高知市長として異議を唱えることはないでしょうか,お聞きをいたします。 また,多くの市民が思っているのが,今日的な公共交通としての存続は両者の合併だと思います。そのことを思っている方たちは少なからずおられると思います。そのことは,将来にわたって県内の優良企業として存続を願っておるからであります。県政の大きな問題を解決するには,中心的な方がおられ,その命題に知事等が動き解決をしてきた話を聞いたことがあります。 この両者の合併問題について,市長としてキーパーソンになられたらと思いますが,お考えをお聞きいたします。 次に,国政選挙の区割りについて御見解をお聞かせください。 0増5減法案が通過すれば,衆議院選挙の区割りが確定をされます。鏡川を境に西と東に高知市を分割させることが想定されます。市域が分割されるのは問題であろうと思いますが,難しい問題だと思います。 市長は,問題がある中で仕方なしの容認の姿勢ではないかと思いますが,いま一度お考えをお聞かせください。 現状でも1区と2区があるわけですから,違和感はないものと思いますが,今まで支持をしてきた候補者が変わることにより,選挙への関心度が下がることを心配いたしております。 次に,農業施策についてお尋ねいたします。 常々私は,国が進めております重要農政施策について,高知市農業になじまないを訴えてまいりました。現在,取り組んでいます幾つかについて,その進捗とその進め方について,意見を交え,お聞きをいたします。 本年度,仕上げなくてはならない,人・農地プランの計画作業が多く残っているようですが,現状の把握をどのように取り押さえ,また問題点があるならば何なのか,まずお聞きをいたします。 昨年度,私どもの地域での取り組みに参加をさせていただきました。その中で,斬新的なものとなっているかどうかを疑問に感じておるからであります。 例えば,農地等の集積等については,圃場整備が進んでいるところは進めやすいものになりますが,圃場整備ができてないところには,計画を立てる以前の問題,例えば圃場の区画整理,集団化,用水,排水路の整備,農道の整備等といったインフラへの注文が先になりました。 また,新規就農対策にしても,農業を経営されている方の後継者であればそれなりの道筋が開かれると思いますが,経験のない方が新規に参入するということになれば,農地の確保,資金の問題,1年間を通じ農業で生活費が出るのかどうかであります。就農資金150万円,最長5年間がもらえるにしても,設備資金への問題,施設の設置確保の問題など,そんな心配がございます。 次に,本年度に戸別補償制度が変わり,経営所得安定対策事業になるようですが,昨年度の戸別補償制度の実績はどうなのか,それぞれの対策,交付金等の本市の取り組み状況についてお聞きをいたします。 先般,国会審議をたまたま見ていますと,この戸別補償制度の質問戦を聞きました。民主党の先生が現政権に,この制度の取り組みを批判するといったような内容でした。民主党政権の中で進められた戸別補償制度を批判するといった構図,何ともおかしな画面を見たところでございます。その答えに安倍総理は,あなたたちのつくった負の部分をやっているんですといったような答弁を聞きました。 この制度も次期には変わるとのことですが,農家はこの制度に翻弄されるようにしか見えません。中でも集落営農の法人化等への支援制度の活用はどうなっているか,わかりましたらお聞かせください。 また,以前にもお聞きをしましたが,人・農地プランを加えたそれぞれの対策について,本市農業にマッチしているのかどうか,中嶋副市長に率直な御意見をお聞きいたします。 水田,畑作について,戦略作物が拡大しないのは,麦,ソバや豆類に魅力がないからではないかと思います。米にかわる優良作物が見当たらない,一方では施設野菜を1年間通じての栽培形態では,作業の手間のかかるものに目が向かない,結果,農地の管理のなれている米になる,そんな現実だと思います。 次に,耕作放棄地対策についてお聞きをいたします。 さきの議会でもこの問題についてお聞きをいたしました。集落営農等の手法でやっているとの答えでございましたが,一部進んでいるところにはいいにしても,全市的に広がっていないのが心配であります。 高齢を迎える,農地を管理できなくなる世代は,少しの農地を持っていても,その農地の管理をどのようにしたらよいのか考える時期に来ております。信頼をして貸借ができ,安心して耕作をしてもらう,そんな仕組みが必要だと思います。 ですから,待ちではなしに,全市に広げるよう積極的に取り組んでもらいたいものであります。その役割を担うのは,農協であり農業委員さんであると思いますが,市行政が後押しすることをぜひお願いしたいのであります。 農地の貸借等について安心して任せる,そんな心配があるとすれば市役所が中へ入ってきてくれる,だから安心,そんな面での一押しが必要と感じるからであります。 また,耕作放棄地に対応できる人たちがおります。施設野菜の経営をやめられた農業者,兼業農家の米作の経験がある方たちがおられます。耕作放棄地,農地管理を受け合う米作だけの集団,集落営農組織をつくれば,その役割を果たすものと考えます。その支援,助言をするのが市の役割だと私は思います。 中国地方での話を聞いたことがあります。25町から30町歩の経営であれば米作で食べられるとのことでありました。しかし,TPPの問題が現在はありますが。 米にかわる優良品目がない以上,農地の管理面では水稲しかないと思いますが,お考えがあればお聞きをいたします。 以上,幾つかの対策について,私見も含めて取り組みをお聞きいたしました。一つ一つの対策も,強力な取り組みによりその解決ができますが,いずれもその取り組みが十分できない,達成度に届かないといった感があります。事業推進のため,障害等を解決しないと一歩前に進まない現実もあります。 そこで,農業,農村を総合的に対策を講じる考えはできないでしょうか。農水予算を獲得し,農業,農村の総合整備対策をお考えいただけないでしょうか。 農地の保全,農業用施設の整備,農地の集積,担い手対策,耕作放棄地対策,有害鳥獣対策,営農集落への誘導等々,いろんな対策が総合的に地域的に改善できれば,解決へと結びつきます。 例えば田鍋議員さんがお世話をし,大変心配しておられる稲生の塩害対策をとってみますと,塩害除去事業と,かんがい対策事業をあわせて導入し,それに加え,農地の保全,農道,用水,排水路の整備等の事業を導入し,地域を総合的に整備をしていく。 また,私のところでは,仁ノ地区の排水対策についても,新市まちづくり計画とあわせて,圃場整備,農道,幹線排水路,用水路の整備,かんがい対策,赤線,青線の確定など,総合的に解決ができると思います。 また,中山間地域でも,農業農村総合整備事業を導入することにより,課題の解決へと結びつくと思います。 大型補助金を導入することにより,農業,農村の課題を解決していただきたいと思いますが,お考えをお聞きいたします。 次に,竹バイオマス事業についてお聞きをいたします。 春野の時代より引き継いでいただきました竹バイオマス事業がどうなっているかであります。事業者がなくなり頓挫をしたようですが,その取り組みに悔いが残るとしか映りません。 事業の推進はもちろんでありますが,出発点の精神の一つに,竹の繁茂により里山が崩壊してきている,その解決策として竹の除去と里山再生,燃油の代替対策等々いろんなことを思い,その事業の推進を図ってきました。竹事業に取り組むために立ち上げた春野地区の里山再生委員会はどうなるんでしょうか。 一向に進まない現状に,いら立たしく見守ってきましたが,現下の状況はどのようになっているか,お聞かせください。 現計画は見守っていくにしても,いつも話題に出る竹の有効活用はできませんでしょうか。これもまたいつも出されます,竹が新エネルギー推進という意味で十分生かされないか,お考えがあればお聞かせください。 次に,高齢者対策についてお聞きをいたします。 私への相談内容も,福祉関係も多くなりつつあります。職員の皆さんに大変親切に御指導いただいております。心からの感謝を申し上げます。 しかし一方では,なかなか期待どおりにならないこともたくさんあります。今回,要介護度3の方で医療で入院されている方が,退院を通告されました。次の施設を探しなさいと言われたそうであります。 どこに相談したらよいかわからない,そんな相談でございましたので,高齢者支援センターへ行き相談するも,いま一つ踏み込んだ指導がいただけませんでした。1枚の事業所の一覧表のペーパーを手渡され,この中から相談をしてくださいとのことでした。病院に見放され,市役所では探してくれない,どのようにしたらよいのでしょうか。 もう一方は,要介護度5の方でございますが,認知型グループホームを退去しなくてはならなく,現在,介護入院の形で病院に入院をしております。病院からは,次の施設を探し,申し込みをしておいてくださいとの話を受けております。次に行くのは特養等の施設になりますが,現状では100人以上の待ちの施設ばかりであります。どのようにしたらよいのでしょうか。 要介護度3以下の方々の行く施設,要介護度4以上の方々の施設,条件が整えば簡単でしょうが,現下では困難な状況にあります。医療と介護のはざまにおられる方々の救済策をどのように高知市は考えておられるのかをお教え願います。 次に,ねんりんピックの成功を願ってお聞きをいたします。 この10月のねんりんピックは,すぐ参ります。万全を期しての準備をしておられると思いますが,現在の取り組み状況と成功に向けての決意をお聞かせください。 私ども春野地区町内会連合会も,積極的に応援をしていくことを確認しております。お手伝いをしてまいりますので,どうかお申しつけください。 そういう意味におきまして,私ども市民に対し何を期待するのか,積極的な役割を担う場面があるのか,思うところをお聞かせください。 以上,1問といたします。 ○副議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問をいただきましたので,私のほうからは土電の問題と選挙の区割りの問題につきまして答弁を申し上げたいと思います。 まず最初に,土佐電気鉄道の問題についてでございますが,今日までの状況についての認識でございますが,土佐電気鉄道株式会社につきましては,いわゆる電車の現役では最も古い明治37年に路面電車の運行開始をされて以来,今日まで100年以上にわたりまして,県民,市民の皆様に土電の愛称で親しまれ,電車やバスなどが多くの県民,市民に利用されております,県内の重要な公共交通機関であります。 そういう中で,去る3月22日,新聞報道で表面化をしました前任の経営者によります,元暴力団組長らとの関係を誇示した発言につきましては,県民,市民を挙げまして,市議会,また行政としても暴力団排除に取り組んでいるさなか,公共性が非常に高い公共交通の事業にかかわる企業のトップとして,この発言はまことに残念でございますし,その発言は遺憾でございます。 その後,同社の会長,社長が辞任をされまして,社内の調査委員会による報告書が4月中旬に公表されましたけれども,その報告内容については,事実確認の調査範囲が限定的であることや,第三者による評価が必要なことから,高知市としても県と同様に外部委員による追加調査の要請を土電に対して行ったところです。 同社に対します路面電車や路線バスの運行に関します,平成24年度の予算,そして25年度の予算がございましたので,24年度分の補助金につきましては議会へも御説明を申し上げまして,先月末までの出納閉鎖に間に合うように条件つきで執行したところでございます。 同社につきましては,5月16日に,弁護士や公認会計士,行政経験者,また学識経験者によります,外部調査委員会が設置をされまして,事実関係の調査と検証を行っており,公共交通事業者としてのコンプライアンスの確立とコーポレートガバナンスの実現のための第三者からの提言を受ける予定となっております。 高知市としては,こうした外部調査委員会での真相究明と提言等に基づいて,同社の社内改革等の最終報告を受けまして,県とも協議をし,議会からの御意見もいただいて,今後の方針を決定してまいりたいと考えております。 続きまして,いわゆる土佐電気鉄道の経営の体制についての御質問でございますが,今回の問題に関しましては,既に同社の前任の経営者のトップ2人が辞任をされており,またこれに伴いまして,今月27日に株主総会が開催をされるとお聞きをしております。 それぞれ外部委員会におけます徹底的な審査,究明がなされているところでございますので,その外部委員会におきます真相究明,この動向を注視しますとともに,この27日の株主総会でどういう体制がとられるかということも注視をし,市民の皆様の交通手段としての公共交通の確保ということを前提としながら,必要な対応を図ってまいりたいと考えているところでございます。 次に,土佐電気鉄道と高知県交通,主にバスの合併の問題に関して,御質問にお答えを申し上げたいと思います。 この両社のバス事業の統合につきましては,過去からさまざまな議論がされてきた経緯がございまして,古くには平成6年に高知県が主体となりまして具体的な協議が進められてきましたけれども,いわゆる新会社設立のための資金調達の問題などから,13年にこの話は頓挫したというふうにお聞きをしております。 それぞれバス事業につきましては,広域の市町村をまたがった路線を走っておりますので,基本的には県の広域行政の所管に入るという認識を持っております。 最近では,平成22年から2カ年にわたって議論されました高知県公共交通経営対策検討委員会の中で,バス事業に関して,競合や複雑さ等を解消することによって効率化や利用の抵抗感の低減を図る必要があるという提言がこの委員会からなされております。 また昨年7月には,県議会の公共交通調査特別委員会報告書の中で,バス事業は利用しやすいバス路線の再編を着実に実行すること,また将来にわたって公共交通を維持するために,交通事業者,金融機関,行政,バス事業,電車事業の特性をそれぞれ生かした形での県内の公共交通のあり方の議論をさらに深めることが望ましいということで,総合的にまだ検討を加えていく必要があるという報告が出されております。 今後,これまでの提言や報告内容等を踏まえ,高知県を初め関係市町村,高知市も含まれますけれども,それぞれの市町村をバス路線がつながっておりますので,そこを含めまして路線バスの再編や効率化,また公共交通のあり方について整理,検討していく必要があるというふうに考えております。 今後,高知県や市町村の行政,県議会,市議会におけますそれぞれの議論,また住民の皆様方の公共交通に対しますニーズがございますので,さらにこのバスの統合につきましては議論を深めていくことが必要だと考えております。 続きまして,国政選挙の区割りについての御質問にお答えを申し上げます。 現在,高知県を含めました5県,福井,山梨,徳島,佐賀,高知,この5県でございますが,定数を3から2に減らして,17都県42選挙区で区割りを変更する内容を盛り込んだ公職選挙法改正法案,幾つもありますが,いわゆる0増5減法案でございますが,国会で審議が始まっているところでございます。 区割り問題につきましては,当初は各選挙区の人口格差は2倍未満とすることや,公職選挙法の趣旨を踏まえまして,同一市町村は原則として分割しないという基準で検討されておりましたが,結果的には高知県の区割りは東西型の分割となり,御指摘のとおり,鏡川と浦戸湾を結ぶ線を境に高知市が分割をされる案となっています。 高知市を一括してお預かりをしている市長という立場から見ますと,基本的には高知市を分割することは当然反対でございますけれども,県人口の45%が高知市に集中をしていますので,もし高知市単独の選挙区ということになりますと,高知市以外の選挙区が非常に東西に長い,また人口バランスのアンバランスな選挙区ということが生じますので,知事のほうもそういう形で意見を出され,最終的には東西の分割はやむを得ないものという形で返事をさせていただいたところでございます。 次期衆議院選挙のときには,市民の皆様方に当然戸惑いがあるというふうに考えますし,場所によりましたら,選挙の場所,いわゆる選挙の投票場所でございますが,投票場所の調整も必要になる場合もございますので,国や県に対しましては,県民,市民への周知徹底をお願いしますとともに,高知市としましても,市民の皆様方に混乱を生じないように,あかるいまち等を活用し,また投票所等につきましては選管のほうで十分検討しながら,それを決定していきたいと考えているところでございます。 その他の御質問につきましては,副市長及び各担当部局長等からお答えを申し上げます。 ○副議長(竹村邦夫君) 中嶋副市長。 ◎副市長(中嶋重光君) 国の主な農業政策のそれぞれの対策について,高知市の農業にマッチしているのかどうかという御質問にお答えします。 まず,人・農地プランですが,これは昨年度,国において創設された制度ですが,現在,高知市では,介良沖ノ丸,それから春野弘岡下大小路の2地区を先行して策定しているところでございます。 平成25年度,今年度はこれを高知市全域で策定していく予定としていますが,プラン策定により地域の中心的な経営体を位置づけることで,今後,農地の利用集積が促進され,持続的で力強い農業の実現につながるものと考えております。 ただ一方で,高知市のように田園地域から中山間地域まで多種多様な農業が行われている状況では,プランの区域によっては,担い手への集約が可能かどうか,この点が課題となることが予想されます。 さらに,条件不利地とされております中山間地域では,そもそも農地の集積自体が厳しい地域であり,プランを策定したからといって,すぐにその効果が出るのか,心配な面があると考えています。 次に,経営所得安定対策事業ですが,所得補償額を算定するために必要とされる標準的な生産費や販売価格等の基準が全国一律に定められております。 本県のように中山間地域が多く小規模な農家が多い地域では,米の生産費は全国平均よりも高いことになっておりますので,本県農業者の所得が十分補償されていないといったような問題が指摘されております。 このため,本市のこの制度に対する加入状況についても非常に低い状況が続いておりますので,このような問題が影響しているのではないかと思われます。 最後に,集落営農の法人化支援制度ですが,高知市では,国の定義による集落営農組織が法人化を行った事例は今のところございません。制度の活用には至っていないという状況でございます。 率直に申し上げて,国のメニューに基づく事業は,基本的に全国一律の制度となっておりまして,比較的均一化された大規模農業を前提に制度設計がされていると思われます。基本的にこういったものについては,高知市には余りなじまないものも結構ありまして,加入率も低く,実績も少なくなっているものと考えております。 政府は6月14日,先週の金曜日の閣議で骨太の方針,それから成長戦略,規制・制度改革の計画を閣議決定しております。 成長戦略では,経営所得安定対策の見直し,新たな直接支払制度の創設の検討を行うことや,農地集積の割合を現状の5割から8割に高めるとの目標を設定し,政策の一つとして農地中間管理機構,農地集積バンクを各都道府県に整備をし,基盤整備も行いながら団地的に集約して,担い手に貸し付けるといった内容を発表されております。 このようなことから,これまでの施策については,制度的な変更や動向の把握に努めるとともに,より地域の実情に即した制度へと改善されるよう,今後も国に対して働きかけてまいりたいと考えております。 ○副議長(竹村邦夫君) 舛田健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(舛田郁男君) 医療と介護のはざまにおられる方の地域高齢者支援センターでの対応,それからねんりんピックにつきまして御答弁申し上げます。 御案内のとおり,地域高齢者支援センターは,高齢者の総合相談窓口として,市内を東部,西部,南部,北部の4圏域に分けて,地域の高齢者や御家族からの御相談に対応しております。 近年の高齢化の進展や認知症高齢者の増加等に伴いまして,権利擁護や虐待防止支援等の緊急を要する困難な相談事案が増加し,相談に来られる方,お一人お一人に十分な時間をかけられない状況が出てきておりまして,体制面でも課題となっています。 現状では,施設入所を御希望される高齢者や,その御家族から御相談を受けた場合,その方の身体状況や認知度などを勘案して,どの程度の介護サービスが必要であるか,また経済的にはどのぐらいの御負担が可能であるか,それから今後の医療機関とのかかわりはどの程度必要になるのかなどをお聞きしながら,その方が御利用可能な施設の一覧をお渡ししています。 介護施設等の御利用につきましては,行政からの措置ではなくて,施設と利用者との契約でございますので,最終的には御利用される御本人と御家族が判断される内容とはなりますけれども,御相談に来られた市民の皆様の不安を少しでも軽減でき,施設入所につながるよう,相談者の立場に立って相談,支援に努めてまいりますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。 次に,10月に開催いたします,ねんりんピックよさこい高知2013に向けての現在の取り組み状況や市民の皆さんにお願いする役割について説明いたします。 ねんりんピックは,60歳以上の方々が参加をされますスポーツや文化の交流大会として,全国から選手や関係者約1万人が来られ,高知市では県下24種目のうち9種目を開催することとなっております。 9種目の交流大会につきましては,現在,全国から各種目の参加チームを募集しておりまして,来月中旬には確定する見込みとなっております。 運営面に関しましては,6月1日付で職員の兼務や併任発令を行い,各種目ごとの実施本部体制を強化いたしますとともに,各種目の競技団体の役員や関係者の皆様の協力を得まして,順調に準備を進めている状況です。 多くの参加者の皆さんを市民を挙げて温かく歓迎し,心のこもったおもてなしをするとともに,世代や地域を超えて交流の輪を広げるため,市民の皆さんには多くの方にボランティアとして参加していただき,各大会会場やイベント会場での協力をお願いしたいと考えております。 そのため,5月には,高知市社会福祉協議会に業務委託をし,ボランティアセンターを立ち上げていただき,7月から募集を開始することとしております。ボランティア活動の内容は,各大会会場での受け付けや案内,また会場内の清掃やドリンクコーナーでの湯茶接待,振る舞い鍋の提供や試合の応援など多岐にわたるものとなっておりますので,市民の皆さんの積極的な申し込みをお願いするものでございます。 また,この大会は,世代間交流も一つのテーマになっておりますので,高校生の方々にもボランティアの一員や競技補助員として参加していただくようお願いをしているところでございます。 10月26日の本大会まであと129日,4カ月余りとなりましたので,市民の皆様のおもてなしの機運を盛り上げ,大会の成功に向けて取り組んでまいります。 以上です。 ○副議長(竹村邦夫君) 本山農林水産部長。 ◎農林水産部長(本山幸一君) 農業施策について幾つかの御質問をいただきましたので,順次お答えいたします。 まず,人・農地プランについての御質問でございます。 人・農地プランは,昨年度,国において創設された制度であり,高齢化や後継者不足,耕作放棄地の増加など,地域の抱える,人と農地の問題を解決するための未来の設計図として,地域,集落ごとに作成しているもので,地域において何が課題で何が必要であるのかなどを,地域の話し合いの中で実情把握を行い,昨年度,介良沖ノ丸と春野弘岡下大小路の2地区を先行して策定しております。 本年度は,プラン策定の最終年度として,高知市農協,高知春野農協の支所等を区域とする高知市全域で策定していく予定としております。 これまでの取り組みの中で,本市においては,基盤整備が進んでいない狭隘な農地や田畑が混在,分散していることなどから,土地条件の改善が行われないままでの農地集積や,さらに兼業農家や自給的農家との連携による利用集積についてなどが課題となっております。 今後,各地の説明会等を通して地域の実情把握を行い,それぞれの地域課題の解決に向けたプラン策定に努めてまいりたいと考えております。 次に,経営所得安定対策事業の昨年度の実績についてお答えいたします。 まず,米の直接支払交付金ですが,この交付金は,米の生産数量目標に従って生産を行い,標準的な生産費と販売価格の差額を交付するもので,参加人数は244人,前年度から28人減少,全農家数に占める加入率は約5.6%となっております。また,交付金額は,2,056万円で,前年度から702万5,000円減少しております。 次に,水田活用の所得補償交付金ですが,この交付金は,水田で戦略作物や地域振興作物を栽培した場合に交付されるもので,参加人数は698人,前年度から26人の減少,加入率は16.1%となっています。また,交付金額は5,216万7,000円で,前年度から723万6,000円減少しております。 そのほかに,麦,大豆,ソバなどを対象とする畑作物の所得補償交付金につきましては,ほとんど参加が見られておりません。 本制度は,全国一律の制度であるため,例えば,米の所得補償については生産調整への参加など一定の条件が課せられていること,また畑作物の対策についても,気候や圃場条件などから対象作物が本市に向かないことなどから,本市での制度化には進んでおりません。 次に,集落営農の法人化への支援制度の活用についてでございます。 集落営農は,集落を単位として,農業生産過程における一部または全部について共同化,統一化に関する合意のもとに実施される営農を言い,現在,高知市でこの活動を行っている集落営農組織は7組織ございます。これらの組織は法人化されていないことから,現在のところ,この制度の活用には至っておりません。 次に,耕作放棄地対策についての御質問でございます。 耕作放棄地対策は,耕作放棄地の発生を未然に防ぐ取り組みと,発生した耕作放棄地を再生していく取り組みを組み合わせながら,農地を守り,食料の安定的な供給につなげていくことが重要となります。 御質問にございます水稲につきましては,機械化や栽培技術等が一定確立されているため,農業機械を保有していれば他の作物と比べて労力負担が少なく栽培ができること,さらに栽培面積の拡大が比較的容易であることから,耕作放棄地解消のための有効な手段の一つであると考えます。 しかし,本市では,春野でのトマトやキュウリ,新ショウガ,中山間地域でのユズや四方竹,有機農作物,東部地域での稲作など,地域の特性を生かしてさまざまな農業が展開されており,それぞれの地域に適した栽培品目において耕作放棄地の解消が行われることが,本市の農業を振興していく上で,より望ましい形であると考えております。 次に,大型補助金の導入による農業,農村の課題解決に向けての御質問でございます。 高知市の農業は,東部の水田地域,沿岸部の砂畑地域,仁淀川水系の平たん地域,山地においては北部の中山間地域と南部の里山地域に分けられ,それぞれの地域の特性に応じたさまざまな農業が行われております。 本市ではこれまで,土地改良事業や構造改善事業,農業集落排水事業などさまざまな農業・農村振興に関する事業を導入し,農業振興を図ってまいりました。 しかしながら,本市においても全国同様に,農業者の高齢化,担い手不足による作付面積や生産量の減少,都市化の進展に伴う優良農地の減少,過疎化や高齢化により集落を維持することが困難な中山間の状況など,農業を取り巻く環境は極めて厳しい状況にあります。 このような状況に対し,農業,農村を守っていくためには,意欲と能力のある担い手や集落営農組織の育成が大きな課題となっており,農業経営支援策の活用を周知していくとともに,必要な支援措置を行っていかなくてはならないと考えております。 また,人・農地プランの策定に当たり,各地域での意見を聞く機会もありますので,地域の課題解決に向けて,既存の支援制度等と照らし合わせ検討を行うとともに,新しい国の施策の動向も注視しながら,高知市の実態に合った農業施策について,国,県の補助事業を活用し,実施してまいりたいと考えております。 次に,竹バイオマス事業の現下の状況についてでございます。 本市では,春野町の合併時に重点施策として引き継いだ竹バイオマス事業を進めるため,平成21年7月に新たに高知市バイオマスタウン構想を公表し,ベンチャー企業を主たるプレーヤーとして本格的に竹バイオマス事業の推進に向けて取り組んでまいりましたが,具体的な事業の実施に当たり,資金調達の問題等から,現在まで当事業の具体化には至っておりません。 また,平成24年2月に地元企業より新たに提案がありました竹バイオマス事業計画につきましては,高知市バイオマスタウン構想に基づくものとしては十分な計画となっておりませんでしたが,竹の利活用など里山の再生という観点から協力できる要素もあり,今後,内容を協議していくこととしておりましたが,その後,当該企業の繁忙等から,事業実施の進展は見られておりません。 このような状況から,竹バイオマス事業の進展は困難な状況が続いておりますが,引き続き情報収集に努めてまいりたいと考えております。 次に,竹の有効活用についてでございます。 本市では,竹の利活用の観点から,第2期高知県産業振興計画の地域アクションプランにおいて,県産竹材を用いた新規分野への製品展開を項目に掲げ,高知県産の竹を使用した竹集成材等の製造技術を生かした新製品の製造を行い,地域経済の発展と雇用の拡大を図ることとしております。 現在,市内の企業が県産竹材を用いた自動車ハンドル等の製造を行い,今後も事業の拡大が予定されているとお聞きしております。本市といたしましても,雇用の拡大や地域経済の活性化が期待されることから,本プランの実現に向けて支援を行っていくこととしております。 今後,これらの取り組みが進めば,竹の利活用の拡大を図れることから,荒廃竹林の減少や里山再生にもつながっていくものと考えております。 また,新エネルギーの推進につきましては,県の進める産業成長戦略の中で,新エネルギーを産業振興に生かす取り組み方針として,木質バイオマスエネルギーの利用促進が掲げられ,木質バイオマスボイラーの普及拡大,改良及び低コスト化に取り組むこととなっておりますことから,今後も竹資材のバイオマスエネルギーの利活用について情報収集に努めてまいります。 いずれにいたしましても,竹を地域の有効資源として利活用を図り,産業振興や環境対策,里山の再生につなげることは大変重要でございますので,県と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(竹村邦夫君) 氏原嗣志議員。 ◆(氏原嗣志君) どうもありがとうございました。 それぞれ御答弁をいただきました。特に農業農村整備事業の中身については,中嶋副市長が言われた内容のとおりだというふうに私も思います。 ですから,かねがね市長にもお願いしておりますが,機会あるごとにその制度の改正については,ひとつよろしく改善方について国のほうへ押し上げていただきたいというふうに思います。 質問ではございませんが,残された時間の中で意見なり考え方を述べさせていただき,終わらせていただきたいと思います。 農業・農村政策についての見解は,皆さんお聞きしたとおりでございます。現在,取り組んでおられる対策のそれぞれの項目については,十分ではないことも御認識していただいたと思います。そういう中で,農業農村整備の総合事業をこの際入れてほしいというのが私のお願いの趣旨でございます。 幸いにいたしまして,人・農地プランの地元への説明会等へも入ってまいりますので,いわゆる単一メニューの消化だけではなしに,地域に合った,また農業者の望んでおる施策,そういったものが農業農村整備事業にあるはずでございますので,そういったことを真摯に議論をしていただいて,一朝一夕ではいかんと思います。2年,3年かけてその取り組みができればというふうに思います。どうかよろしくお願いしたいと思います。 次に,高齢者対策でありますが,確かに施設と利用者の契約ということはわかります。ただ,利用する立場からすれば,何にもわからないんです。いわゆる国保と介護の仕組みさえわからない,そういった方たちが大半であろうと思います。 先日16日,高知市町内会連合会の定時総会がありました。その中で,高知市社協の吉岡会長さんが地域福祉活動推進計画の取り組みについて御講演をいただいたんですが,その話題は別ですけど,その取り組みについてのお話を聞きながら,非常に並々ならぬ熱意と意欲を感じました。まさに本当に市社協が積極的にこの地域福祉活動計画を進めようとする姿勢が見えました。どうかひとつ頑張っていただきたいという思いでエールを送らせていただいたんですが。 お話の中で,いわゆる本市の単身高齢者,数字として出ておるのが2万9,000人おられるようでございます。まだほかにもおるよといったような言い方でございましたが,そういった予備群がおるわけでございますので,市民の大半は細部にわたった御指導をやはり市の皆さんに求めておるわけですので,どうかひとつよろしくお願いしたいと思います。 私は合併協議の際に,春野市民の合併協議の中でいろんな意見や批判を受けました。しかし,高知市には県下の町村にない福祉施策,そういったものを持っておりますよと,どうか安心してくださいといったような内容で合併のお話をさせていただいたんですが,そういう意味におきまして,ひとつ今後ともよろしくお願いを申し上げます。 最後になりますが,仁ノの小松の沼の問題であります。民間業者によります残土搬入処理問題であります。 先般,自治会長,地元の関係有志の方々が市長に要請にお伺いいたしました。この問題は,春野の問題を新市に引き継いでいただいた大きな問題でありました。 合併後,搬入残土処理の状況がここ3年ぐらい顕著なものになり,地元も,窓口であります市の都市計画課とのやりとりをしてきた経過であります。 私権を侵すことのできないを盾に,一向に解決の見えない大きな問題でございます。届け出による搬入残土の処理はよいにいたしましても,その後処理ができない,相手方との交渉もできない状況だと思います。 しかし,現実は,搬入残土のかさ上げがその状態であればいいんですけれども,その状態にないことに問題があるわけでございます。届け出の計画が幾度も県道レベルまで引き下げられ,埋立地が拡大をしている現実に,地元が心配をしておる問題であります。 地元といたしましては,これ以上拡大することによって,仁ノ地域全体の排水が大きな問題として危惧するというところでございます。そんな繰り返しの市との交渉で今日を迎えておりました。 そのような状況下で,今回,議会に対しまして請願を提出いたしました。経文,建設,厚生それぞれの委員会に付託をされ,審査がなされましたが,一部採択を除き不採択となった内容は御案内のとおりでございます。 地元といたしましては,執行部の皆さんに閉ざされ,議会にも理解がいただけなかった,どこにこの窮状を訴えたらよいのかでありました。 いろいろなお願いをした請願でありましたが,要はこれ以上の残土を持ってきてほしくない,これ以上遊水地が拡大してほしくない,そういったのみのお願いを議会に対してしたわけでございますけれども,請願の審査の内容のとおりでございました。 自治会長の市長への嘆願は市役所に聞き届けていただけない,議会にも私たちの思いが通じなかった,議会は現地での私たちの声さえも質問も受ける機会もいただけなかった,そんな悲痛な挨拶がございました。 請願の審査の結果は結果として,審査過程で地元の意見を聞いてほしかった,そんな強い思いを今でも私はいたしております。 高知市農業委員会の市長建議には毎年のごとくこの問題を採択され,要望活動を出していただいておりますが,答えはいつも同じ内容であります。 しかし,何ゆえに建議に上がるかであります。それは,高知市農業委員会は地域の実情,農業,農業者の痛みをわかっていただいているから,その対策を高知市当局に講じなさい,そのように受けとめての取り扱いをしていただいておると私は思います。 皆さん方の周りにこのような事態があるとすれば,同じような思いをし,同じような行動をされると思います。そういった中身をどうかお察しいただき,今後の対応につきましても,市長,何とぞよろしくお願いを申し上げます。 また,地元の要望といたしまして,市と連絡会議を設けてほしいといったような内容のお願いもさせていただいた中身でございますが,どうか関係部局におきましては実のある内容での折衝方を切にお願いする次第でございます。 非常に失礼な言い方になりましたが,地元の意見はまさにそういうことであったというふうに理解をして,あえて議場の席で発言をさせていただきました。 以下,公園関係,有害鳥獣等につきましては次期にさせていただきまして,全ての質問,御意見を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(竹村邦夫君) 門田権四郎議員。  〔門田権四郎君登壇〕 ◆(門田権四郎君) 市民クラブの門田権四郎でございます。第438回高知市議会定例会に当たり,通告に沿って質問をさせていただきますが,今回,質問に予定していました,新しい公園にトイレの設置を,の質問は取り下げますので,よろしくお願いをいたします。 また,さきの方と質問が重複する点もあろうかと思いますが,御了承のほどよろしくお願いをします。 さて,安倍内閣は憲法改正論議を大々的に打ち出し,ことし7月の参議院選挙の公約にするとして,強い国日本とか美しい国日本,日本強靱化を訴えてきました。 そして,自主憲法の制定とか,国防軍をつくって,国土,国民を守ると,憲法改正を強く打ち出し,まずは憲法を変えやすくするために,憲法改正要件を規定している憲法第96条の各議院の3分の2以上の賛成要件を,各議院の総議員の過半数に変更するとした方針を先行させ,マスコミをにぎやかせました。 しかし,連立を組む公明党や内外からの批判,特にアメリカからの批判を受けて,強く勇ましかった憲法改正の口調がかなり弱くなってきていますし,何のために何をどう変えるのかの論議が見えてきていない,聞こえてきていないのが実態だと思います。 本当に国民にとってよい方向へ改正しようというのであれば,中身論議をしっかりしていただき,国民に見えるように,聞こえるようにして,国民にしっかり判断をしていただけるように,もっと国会論議やマスコミで提示をしていただきたいと思うところです。 そこで,自民党が2012年4月27日に,日本国憲法改正草案,以下,改正草案と言わせていただきますが,これを決定,発表していますので,御紹介をし,私の考え方も申し上げ,比較をしながら質問させていただきたいと思います。 今回の改正草案は,天皇の元首化や国防軍の設置,緊急権条項,国旗・国歌の尊重義務など,自民党が野党時代に政権から離れた自由な立場で,国民の同意や他党との同調の得やすさ等を考慮せずにつくられたため,自民党の本音を素直に反映した内容になっていると考えられます。 憲法前文は憲法の顔とも言えますが,現前文には,国際協調主義,平和的生存権など,憲法の根本理念が条文と一体となって形成されており,前文と本文は不可分一体をなしています。 その前文を,改正草案では,日本語として違和感がある,内容にも問題があるとして,前文を完全に書きかえています。その書きかえた前文に自民党の狙いがにじみ出ていると言えます。 その特徴の第1は,自主憲法であることの確認です。まず,自主的に新しい憲法として制定されることを宣言し,現憲法との継続性を断ち切ろうとしています。しかし,なぜ改正するのか,何を目的にした改正であるのかも示されていなくて,わかりません。 第2は,権力制限規範としての憲法の変質を図り,立憲主義を放棄しようとしています。現日本国憲法前文の「国政は,国民の厳粛な信託によるものであって,その権威は国民に由来し,その権力は国民の代表者がこれを行使し,その福利は国民がこれを享受する」という記述は跡形もなくなり,改正草案では,日本国は天皇をいただく国家であって,三権分立に基づいて統治されると,主語が日本国民から天皇をいただく国家に変わります。 このことは,国民を主語にした国民の信託に基づく権力行使という政治体制から,国家が自由に権力を行使する政治体制への変質を図るものであり,国家権力優先の考え方であります。 そして,憲法の目的を,よき伝統と我々の国家を末永く子孫に継承することとしており,近代立憲主義における権力制限規範としての憲法は国民統合規範に転換をされます。近代民主主義国家の憲法というより,戦前への先祖返りの憲法だと私は思っています。 第3は,平和主義の破壊です。政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意した過去の戦争への深い反省や不戦を誓う文言はすっかりなくなり,戦争の巨大な被害と加害の果てに獲得した平和憲法の理念を守ろうという決意はみじんも見られません。 さらに,全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免れ,平和のうちに生存する権利を有することを確認するという平和的生存権の規定さえも削除されています。 第4は,自由の後退です。現憲法では「わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し」と,絶対の前提としている自由が,改正草案では,自由と規律を重んじとなり,規律と並立する枕言葉と化しています。 第5は,愛国心の規定です。改正草案では,国民が国と郷土を誇りと気概を持ってみずから守ることを求めています。 第9条の改正とあわせて国を守る義務と明記すると,徴兵制について問われることとなるために,明記しなかったことは明白です。みずから守ると記していることは,国防軍とあわせて考えますと,若者は徴兵されて軍務につかなくてはならないということが明白になります。 また,第8章の地方自治について比較してみますと,戦争放棄を宣言した日本国憲法が,同時に地方自治を明確に位置づけ保障するものとなっています。このことは,二度と再び戦争をしないという国家的意思,国民合意と地方自治創設の狙いとがはっきりと結びついていることが示されています。 戦争を押しとどめられず,逆に戦争遂行体制,国家総動員体制を支えた最大の内政的条件は,旧内務省を中心に編成されました中央集権体制という官治,集権の地方支配システムであったという認識,反省に立って,戦争体制復活の芽を摘み取り,極度の集権体制にブレーキをかける地方自治の具体化が必要とされたからだと言えます。 しかし,自民党の改正草案では,住民の意思決定,住民自治への理解を欠いたものとなっています。 また,第10章の最高法規の章で,現第97条では,基本的人権の永久不可侵性を宣言した上で,憲法の最高法規性を規定し,為政者の憲法尊重擁護義務を再確認しています。これは国民主権の再確認でもあります。 これに対して,改正草案は,基本的人権の永久不可侵性に関する規定を全部削除しています。そして,憲法尊重擁護義務を逆に全ての国民に課しました。これは憲法の位置づけの驚くべき大転換であり,もはや近代憲法とは言いがたいものに転換するということを意味していると思います。 基本的人権を,人が生まれながらに持つ侵すことのできない永久の権利として保障し,国家がその権利を侵害することのないよう制限するルールが,近代立憲主義と呼ばれるものであります。そして,その遵守を求められる対象は,現憲法では「天皇又は摂政及び国務大臣,国会議員,裁判官その他の公務員」です。 しかし,自民党の改正草案では,国民の権利は公益及び公の秩序に反しない範囲で国家から与えられるものであり,憲法を遵守する義務を負うのは国民となり,公務員はこれを守らせるために国民に積極的に対抗することが義務づけられています。 私は,憲法の本質に関する重要な条文ですので絶対に削除すべきでないと思いますし,憲法尊重擁護義務を課すのは公権力を行使する者に限るべきだと思いますが,この件に関して,公権力を行使する立場の者として市長はどう思われますか,お聞きいたします。 今まで時間の関係で相当はしょりましたけれども,現憲法と自民党の改正草案を比較して,国が進もうとしている方向や国民の権利や義務について述べてきましたが,そこで市長さんは,現憲法と自民党の改正草案についてどのようなお考えをお持ちか,お聞かせください。 私は,現憲法は国民主権,戦争の放棄,基本的人権の尊重という平和主義を貫き,世界に類を見ない平和憲法だとすばらしい評価をいただいていると思っていますので,基本的に守っていくべきだと考えます。 さらに言えば,第9条で戦争の放棄をうたっているがゆえに,戦後68年もの間,戦争をしないでよかった,世界でも数少ない国であります。現憲法を変えてこなかったからこそ,国民は平和に暮らせてきたと私は思っています。 そこで,主要国における憲法改正手続と戦後の改正回数を調べてみました。各議院の3分の2以上としている国はアメリカ,ドイツ,スペイン,韓国などであり,改正の回数はアメリカが6回,ドイツは59回,スペインは2回,韓国は6回もありました。 このことは,3分の2条項を変えなくても,国民の納得がいけば国会の総意として憲法改正の同意が得られ,国民投票に付すことができるということの証明だと思います。 私も決して何が何でも現憲法を変えたらだめだということではありませんが,何のためにどこをどのように変えるのかの説明と国民的な真剣な論議が必要であると思います。 そこで,県民,市民の皆さん,特に若者の皆さんにお願いをしたいと思いますが,この7月の参議院選は,結果次第で,憲法改正による将来の国の方向をも決めてしまう大切な選挙でありますので,しっかりと各政党の候補者や目指そうとしている方向を情報収集・分析をし,特に自民党の日本国憲法改正草案はしっかり学習し分析をしていただき,投票していただきたいと思います。 自分一人くらいが投票しなくてもとか,自分の1票では何も変わらないと思っている方もいるかもしれませんが,そういう人たちの数が集まれば大きな力になっていきます。 ぜひ自分たちの暮らしに結びついている政治に関心を持っていただき,日本の国の将来,あるべき姿を,国民に与えられている貴重な選挙権を行使し,いい国をつくっていくための意思表示を投票で示していただきたいとお願いをいたしまして,憲法問題を終わりにしたいと思います。 さて次に,2012年12月の政権交代後,首相官邸に設置され,2013年1月に発足をしました教育再生実行会議ですが。 これは第2次安倍内閣における教育提言を行う諮問機関で,第1次安倍内閣が2006年に設置した教育再生会議の後継とされていますが,自民党内には教育再生実行本部もあり,文部科学省の諮問機関である中央教育審議会──以下,中教審と言います──もあります。そこで,関係者からは,屋上屋を架しただけとの声も聞こえているようです。 教育再生会議の初会合で,安倍首相は,強い日本を取り戻すため教育再生は不可欠だと挨拶し,最初のテーマを,現在,社会問題となっているいじめ,体罰問題とし,子供の命が絶たれることを繰り返してはならないと強調しました。 そして,下村文部科学大臣は,そのほかの検討課題として,教育委員会の見直し,大学のあり方の見直し,グローバル化に対応した教育,6・3・3・4制のあり方,道徳や小学校英語の教科化等をも上げています。 教育委員会制度の見直しの提言は,たった3回の審議で,それも非公開で行い,十分な検証もないままに出され,教委制度の廃止を求める日本維新の会の主張とほとんど二重写しに見えます。最初から,戦後教育の根幹である教委制度の骨抜きを狙ったとの印象も拭えません。 この提言には,日本をもう一度,国家主義,中央集権主義に変えようとする安倍流の戦後レジームからの脱却と,参院選後の政局にらみという政治的思惑が透けて見えるようです。 教育行政のトップを首長は任命,罷免できるようになり,首長,教育長が連帯して責任をとれる体制になるということですが,提言どおりになれば,教科書採択などにも首長の影響力が及び,実質的に教育への政治介入に道が開けることになります。 現在の教育委員会制度は,教育行政の民主化,一般行政からの政治的中立,地方分権の3原則から成り立っています。 教育委員会制度が教育の政治的中立性確保を掲げたのは,戦前の教育が国家主義に引きずられたことへの反省に立ってのことでありますが,この提言は,政治と一線を画す現在の教委制度の実質的な否定と言えます。 私は,教育は国の将来を担っていく主権者たる国民への投資であり,国民の将来保障でもありますので,時代に合った制度や内容に改革,改正することに異を唱えるものではありません。しかし,改正のあり方といいますか進め方について,少し考えていただきたいと思っています。 教育改革について振り返ってみますと,中教審が大胆な制度改革を打ち出し,明治,戦後に続く第3の教育改革と言われた四六答申,昭和46年の答申だからこのように呼ばれましたが,四六答申や,中曽根政権時代の臨時教育審議会答申を初め,過去に出されてきた審議会答申や有識者会議報告は数多くありますが,今回の教育再生実行会議の進め方とは違いがあります。 これまでの会議は,それぞれの時代の教育課題や教育のあり方について,国の機関,臨教審や中教審で審議をされてきましたし,委員構成も幅広く,偏ったものでなく,公教育のあり方について検討がなされてきました。 しかし,今回の再生実行会議については,一面的,一方的に決められている感があり,怖いものがあります。一面的,一方的な考え方のメンバーだけだと,国民的な論議とは言えず,時の政権の考え方を反映した答申になりやすく,押しつけ的にもなり,国民の理解を得にくい提言になると危惧をします。 私は,しっかりとした審議を,国民が理解してくれる中央教育審議会審議のように行うべきだと考えますが,市長さんはどうお考えですか,お聞きいたします。 教育委員会制度については,自民党の公約では,形骸化,名誉職化しているとして,首長が議会の同意を得て任命する常勤の教育長を教育委員会の責任者とするとしています。市長さんは,特に教育行政の一般行政からの政治的中立についてどうお考えですか,お聞かせください。 続いて,土曜授業についてお聞きしたいと思います。 学校週5日制の完全実施から10年以上が経過しましたが,新政府はこれを見直し,何らかの形で6日制の復活を検討すると言っています。 主眼は学力向上のためと言っていますが,5日制の理念や当初設定した新しい学校教育のあり方は何だったのか,うまくいっていないのであれば,なぜうまくいかなかったのかの論議を抜きにしてはいけないと思いますが,これらのことは聞こえてきません。 1990年代以降,規制緩和や新学力観とともに,生きる力の育成をキーワードにした,いわゆる総合的な学習の時間がスタートしますが,段階的に導入された5日制と対をなしています。このころ,子供を学校に任せきりだからということで,子供を学校から家庭,地域に返すと盛んに言われました。 そして,地域で活躍する人材や施設を利用したスポーツ活動,野外体験学習などが想定をされましたが,5日制で結局,子供たちが帰っていった先はどこだったのか。家庭や地域にはよう返さず,結果として塾に行く回数がふえたとか教育格差が広がったとか言われてもいますが,本当にそれだけだったのでしょうか。なぜ家庭や地域に返せなかったのでしょうか。そのことを考えてみる必要があると思います。 また,総合的な学習の時間の成功例として,自己判断力や自己肯定感が育ち,生きる力の育成ができてきたといった報告も幾つも出てきています。この分析も必要だと思います。 さらに言うと,教科学力の低下傾向が,学校の授業時数と内容の削減を主因とするのか,受験競争の緩和や価値観の変化,少子化などの複合的要因によるものなのか,いやそもそも学力とは受験学力なのか総合的な学力なのか等々,見解や意見は分かれ,一様ではありません。もっとしっかり分析をしてほしいものと思っています。 年間授業時数がふえたことや,子供の休みに子供と一緒に休めない働く親たちの要望の声の多さだけで,週6日制復活論議がされているような感がします。 過去を見ないというのではなく,かつて提起し進めようとしてきたことがなぜ言いっ放しや不調になったのか,そこにどんな欠点や盲点があったのか,しっかり分析し,判断,評価することこそが,今一番必要なことだと私は思います。 この土曜授業の復活について,他県の状況はどうなのか,県教委の考え方や市教委の考え方は,マスコミ報道がありましたが,その後の状況はどうなのかを教育長にお尋ねいたします。 次に移りますが,来年度から公的年金の支給開始年齢が引き上げられます。つまり,今年度末で退職される方から公的年金の支給が61歳からとなり,退職手当以外は無収入の期間が生まれるということです。それ以後も2年ごとに支給開始年齢が引き上げられます。 2013年3月26日,国家公務員の雇用と年金の接続について,再任用を希望する職員については再任用をすることで雇用と年金を確実に接続する等の内容が閣議決定をされました。 しかし,法令改正を行わず,当面の措置として現行の再任用制度を活用し,内閣の意思決定として任命権者が希望者を再雇用するものとしています。地方公務員においても,雇用と年金の確実な接続ができる制度の確立が急務であると考えます。 そこで,市職員の定年退職,再任用制度について,希望者全員再任用をどのように考えているのかをお聞かせいただきたいと思います。 基本的に,希望者全員再任用だと考えます。そこで,市の職員の再任用に向けての準備スケジュールについて,意向調査や審査,結果や配置のお知らせなどを総務部長にお聞きいたします。 ここからは,私のよく理解できています教職員の部分でどのように検討されているのか,今後の準備スケジュールを教育長にお尋ねいたします。 関連をいたしますが,希望者全員再任用ですので,審査はないと思いますが,どうなんでしょう。そして,2月に結果を知らせていたのですが,3月30日ごろの通常の異動発表と一緒と考えてよろしいのでしょうか,教育長にお聞きをいたします。 退職予定の先生方がいつまでも不安を抱えて子供たちの教育に当たらなくてもよいように,ぜひ早期の制度設計をお願いしておきたいと思います。 次に,再任用の方々の働き方について,どのような働き方を考えられているのですか。給与や労働条件等についても,教育長,お聞かせください。 また,聞くところによりますと,義務化ということなので,国から予算が出るものと思っていましたが,再任用も定数内であり,それより多くの雇用をする場合は県費負担となるということのようですが,定数内しか国からの予算がおりてこないとなると,来年度の新規採用者は極端に減る可能性が出てきます。 全国的にそのようなことになると,教育関係への就職を考えている学生の就職の場が極端に少なくなり,迷惑をかけることになります。そうならないように,国庫負担となるよう国に働きかけていただきたいと思いますが,教育長さん,いかがでしょうか。 次に,防災対策部長にお尋ねをいたします。 津波浸水予想地域の津波避難ビル,津波避難路の市全体の整備,進捗状況はどうなっているのか,お聞かせください。 また,潮江地区を例にとってみますと,潮江小,潮江東小,潮江南小学校の校区別に,津波避難対策としての避難ビル指定の目標達成率はどのくらいであるのか,また今後の計画についてもお聞かせください。 そして,今後,津波避難路の整備を進める上で,地主が特定できなかったり,持ち主がどこにいるのかわからなかったり,住民の力だけでは,何代も前の地権者からの地縁,血縁をたどって,現在の子孫にたどり着くには困難が伴い,これは何年たっても無理やといった諦めが出かねないとも考えますが,このような課題解決の方法について,現在,取り組んでいることや考えられていることがあればお教えください。 次に,学校の塀の耐震化についてお聞きいたします。 学校は大概,災害避難場所になっています。次の南海大震災時に,学校の塀の倒壊により人命を落とすことのないように,耐震化が必要と考えます。 今までに,学校の塀の耐震化について調査したことはあると思いますが,現在の状況と今後の耐震化計画についてお聞きいたします。 また,耐震化計画に沿って工事を行うとして,学校は地域文化の中心であり,地域コミュニティの中核でもあります。このようなことも含めて考えますと,地域の学校としての塀や校門の全体像,高さや可視化,材質などはどのように考えているのかも,教育長,お教えください。 以上で1問とします。よろしくお願いします。 ○副議長(竹村邦夫君) 岡崎市長。 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問に順次お答えを申し上げます。 私のほうからは,憲法改正と教育の中立性につきましてお答えを申し上げたいと思います。 まず,自民党の憲法改正草案についての御質問からお答えを申し上げます。 現行の日本国憲法第97条に定められています,基本的人権の永久不可侵性という規定がございますが,非常に重要な規定でございまして,今,御指摘があったとおりでございますが,国民の基本的人権を制限するようなことがあってはならないために定められていると理解しております。 例えば,憲法改正案,党によって改正案はそれぞれ異なりますけれども,憲法改正案によりまして,この第97条の規定そのものを削除するということは好ましくないのではないかというふうに考えております。 また,自民党の改正草案第102条でございますが,憲法尊重擁護義務,これはちょっとわかりにくいところもございますが,第1項で,自民党の草案の中では,「全て国民は,この憲法を尊重しなければならない」ということになっております。 憲法自体は,御承知のとおり国家権力を制限するという,重要な役割を持っておりますので,国民の権利,自由を守ることを目的としました国家の基本法でございます。 その憲法尊重擁護義務自体を国民全員に課すかどうかということにつきましては,これはちょっとわかりにくい点もございますので,国民に広く考え方を示しながら,さらに慎重に議論を重ねていく必要があるというふうに考えているところでございます。 また,この現在の憲法と全体としての自民党の憲法改正草案に関して感想なり,また意見ということでございますので,お答え申し上げます。 自民党の改正草案の中では,例えば第2章におきまして,戦争の放棄から安全保障というふうに書きかえられておりまして,第9条では,戦争の放棄はうたっておりますが,先ほど御指摘がありましたとおり,自衛隊は国防軍という形になっております。 また,第2項におきましては,自衛権の発動は妨げないということでございますが,例えば,どこまでが集団的自衛権のもとで,海外と例えば,交戦をする場合にどこまでが許容されるかという点につきましては明確になっていないということもございますので,戦後,日本が培ってきました平和主義が崩壊しかねないという懸念もございますので,平和憲法の理念というものは,例えば,条文を書きかえた上でも守っていくべきだというふうに考えているところでございます。 そして,集団的自衛権の行使につきましては,さまざまな考え方がございますが,もちろん侵略戦争で日本が侵略されたときには戦うということは,我々は当然だというふうに思っておりますが,どこまで海外での集団的自衛権の行使が許されるかということにはいろんな考え方と課題があるわけでございます。 今日の国際社会が直面する脅威につきましては,従前の冷戦時代のような国家間の紛争だけではなくて,むしろ国際テロや大量破壊兵器の拡散と,いわゆるテロも含めました形のものに形態が変わってきておりまして,最近の北朝鮮の動向なども含めまして,日本の平和に対する脅威に対して,世界の平和を守ることはもとより,国際社会はもとより,我が国にとっても,この平和を守るという観点では重大な課題というふうに考えております。 世界平和のために日本が国際貢献できる仕組みや手法につきましては,その活動の範囲も含めて,さらに国民的な憲法の論議を深めていくことが必要だというふうに考えているところでございます。 次に,教育改革に向けた国の進め方に関しまして御質問いただきました。 まず,教育再生実行会議でございますが,第2次安倍政権発足後,本年1月に,教育再生は経済再生と並ぶ最重要課題という安倍総理の強い思いで立ち上げられております。 当初より,この教育の再生会議といわゆる中教審との関係性につきましては,非常にわかりにくい構造になっておりますし,小学校,中学校等の教育現場にかかわる,いわゆる教育者の有識者という方々が含まれていないということもございまして,メンバー構成等につきましては,さまざまな意見が当然あるところでございます。 また,かなりのスピードでそれぞれの課題を今,順番にまとめ上げてきておりますので,論議が十分なのかどうかという意見もいろいろあるところでもございます。 この教育再生実行会議のメンバーの中には,高知県の尾崎知事も加わっておりますし,加戸前愛媛県知事も入っております。また,熊本県の蒲島知事等も入っておりますので,地方の教育行政の声が反映されやすい構成にはなっております。 それぞれ教育の内容につきましては,国民の方々に広く大きな影響がありますので,丁寧な論議が必要になるという認識を持っております。 現行の内閣では,この教育再生実行会議と中教審の関係につきましては,教育再生実行会議が目指すべき方向性を提言した上で,中教審はその提言にのっとって,法改正につながる部分について,さらに深掘りして議論を行うというふうに,役割分担を説明されておりますので,どちらかというと教育再生実行会議のほうで一定の方向性を定めて,その方向性をある程度,基本にしながら中教審で論議をするというふうに受け取りがされます。 ただ,これがいいか悪いかは別の問題ですが。従前のルールとは異なった手法をとっておりますので,教育再生実行会議の提言につきましては,やはり注視をし,また中教審での議論のキャッチボールがあると思いますので,注視をしていく必要があると考えております。 続きまして,教育行政の政治的中立に関する御質問をいただきました。 教育再生実行会議が本年4月15日にまとめた提言の中には,新たな地方教育行政の体制は,政治性の中立性を確保しつつ,権限と責任を明確にするため,地域の民意を代表する首長が教育行政に連帯して責任を果たせるような体制にすべきだという内容となっております。 その背景としまして,現行制度では,直接選挙で選ばれます首長との意思疎通,また連携に課題があること,また一連のいじめ問題の発生での対応に見られるような,さまざまな課題と問題がございましたので,迅速な意思決定にさまざまな課題があったということが背景にあると思います。 高知市におきましては,教育行政は我々も非常に重大だというふうに考えておりますので,毎週金曜日には教育長も交えました三役会を朝2時間程度必ず行っておりまして,教育委員会はその1週間であった出来事や問題点,そしてこれからの方向性を含めまして,毎週,教育長とも意思疎通を図っておりますので,現時点でそれぞれ情報が入らないとかという課題は感じておりませんし,現状では,高知市ではかなりバランスがとれた関係が保たれていると認識をしているところでございます。 教育再生実行会議の提言を受けまして,現在,中教審の教育制度分科会におきまして,ことしの年末をめどにしまして,教育委員会制度のあり方に関し取りまとめを行うということで審議が進んでおります。 首長と教育委員会との連携を強化していくという方向性は間違ってはないと思いますが,一方で,教育は,例えば,首長も任期制で交代しますので,首長の思想,信条によりまして,その都度,方向性が大きくぶれるということは好ましいことではないというふうに考えておりますので,教育行政の独立性というものはやっぱり担保すべきだというふうに考えております。 ただ,一連のいじめ問題への対応を見ますと,どうしても後手後手に回ったという印象がございますので,やっぱりスピーディーに首長と連携をとっていくという意味での連携の強化というものは必要だというふうに考えておりますので,今後の制度設計に係る中教審での議論につきましては注視をしてまいりたいと考えております。 その他の御質問の項目につきましては,各担当部局長等からお答えを申し上げます。 ○副議長(竹村邦夫君) 森田総務部長。 ◎総務部長(森田惠介君) 職員の再任用制度に関連します御質問にお答えをいたします。 国家公務員の雇用と年金の接続につきましては,御質問にもございましたとおり,本年度末に退職される方々から,年金の一部支給年齢が60歳から段階的に引き上げられることとなっております。 このことを受けまして,地方公務員におきましても,国家公務員の雇用と年金の接続に対する閣議決定の趣旨を基本としながら,地方の実情に応じまして必要な措置を講ずるようにと,本年3月29日付で総務副大臣から要請がなされたところでございます。 その要請の内容といたしましては,対象職員が希望すれば,基本的には年金支給年齢に達するまで再任用するものとされておりますとともに,職員全体のモチベーションの維持向上や意欲と能力のある人材を最大限活用する観点から,能力,実績に基づきます人事管理を徹底すること,再任用を希望する職員が欠格事由または分限免職事由に該当する場合には,再任用しないことなどが示されております。 本市におきましても,今回の要請等を踏まえまして,国家公務員と同様に,再任用を希望する職員は,原則,再任用をしてまいりたいと考えております。 再任用につきましての流れを少し申し上げますと,詳細はまだ少し決まっていない部分もございますが,来月7月中旬から下旬にかけまして,対象職員の方々から再任用の希望を伺いながら,その後,対象職員の方々が長年培ってこられました多様な専門的知識や経験を考慮いたしまして,最終的には年度末の3月の定期人事異動に合わせまして発令をする予定でございます。 以上でございます。 ○副議長(竹村邦夫君) 松原教育長。 ◎教育長(松原和廣君) 教育行政にかかわりまして質問をいただきましたので,順次お答えをさせていただきます。 まず,土曜授業についてのお尋ねがございました。 その土曜授業の動きについては,大きく2つあるのではないかと思っております。1つは,やはり休日となっている土曜日に授業時数の確保を目的として教育活動を実施するということでございます。2つ目は,学校週5日制の趣旨にのっとって行われる地域連携型の取り組みでございます。 1つ目の,休日となっている土曜日に授業時数確保を目的として教育活動を実施するものは,現在,16都道府県の中の一部の市区町村で試行的に実施されております。 全国に先駆けて土曜授業を実施している東京都では,土曜日に,確かな学力の定着を図る授業や研究授業の公開,児童・生徒が学習した内容を保護者や地域の方々に発表することなどが行われております。 なお,この公立学校の休業日は,学校教育法施行規則に規定され,設置者の判断で土曜日に授業が行われることになっております。しかし,教員の勤務条件などの問題があるために,月2回が限界であるという課題もございます。 2つ目の,学校週5日制の趣旨にのっとって行われる地域連携型の取り組みでございますが,学習アドバイザーなどを中心に運営し,家庭や地域と連携をいたしまして,地域で学べる場として位置づけ,実施しておるところが多いようでございます。 例えば,保護者が参加しやすいことから,防災教育に取り組んだり,読み聞かせを行ったり,体力づくりを行ったり,キャリア教育あるいは体験的な活動を地域の方々とともに実施したりしております。 香川県の東かがわ市でも,外部講師による授業を行ったりすることで,保護者や地域の方々を巻き込んだ取り組みが行われております。 次に,県教委の考え方についてのお尋ねがございました。 国の動向を注視しながら,他の都道府県の情報を集め,土曜日の授業のあり方等について検討しているというふうに伺っております。一方,本市では,授業時数の確保のために,平成21年度から,教育課程研究モデル校を指定し,長期休業中に年間5日間までの授業日を設定できるようにしております。 また,土曜授業につきましては,条件が整えば,2つ目の地域連携型での実施に向けて検討していきたいと考えております。 なお,3月18日に,文部科学省政務官を責任者とする,土曜授業に関する検討チームを立ち上げ,論議されていると聞いております。もし学校週5日制の趣旨,理念の変更をして土曜日授業を行うことになりますと,今後,中教審において,論点整理や法令改正などの措置が必要となってまいります。 次に,教育公務員の再任用に関する今後の準備スケジュールについてお尋ねがございました。 教育公務員につきましても,雇用と年金を確実に接続するため,平成26年度から新再任用制度が実施されます。教職員につきましては,任命権者が高知県教育委員会でありますことから,今後,新たな再任用制度の運用等を行うことになっております。 本制度は,各年度末,3月31日付で定年退職する職員で,1年間継続して勤務できる職員を対象とし,勤務形態といたしましては,常時勤務,いわゆるフルタイムを基本とし,例外として短時間勤務の職があるというふうに聞いております。 また,再任用に関する意向調査につきましては,既に5月に実施しておりますが,今後の準備スケジュールとしまして,再任用の希望調査や選考審査等は従来の予定よりも前倒しをして行うことになっております。 次に,再任用の審査と審査結果の発表についてのお尋ねがございました。 高知県教育委員会は,再任用に当たっては選考審査を実施する考えであり,審査結果の発表時期については,例年より前倒しをして行いたいと言っております。 次に,再任用の方々の給与や労働条件についてのお尋ねがございました。 新再任用制度によって採用となった方々の働き方や給与や労働条件等については,現時点において,従来からの再任用制度と同じになる見込みとのことでございます。 なお,短時間勤務や変則勤務といった,これまでと異なった勤務条件については,現在,検討中ということでございます。 次に,再任用制度の実施に係る予算措置について,国に対する働きかけについての御要望がございました。 県教育委員会によりますと,現段階では国の法改正も予定されていないことから,義務化に伴っての国からの予算措置はないというふうに考えておるということでございます。 また,質問議員さんの御指摘のように,本制度の実施により新規採用者が減るという懸念もございますので,市の教育委員会といたしましては,国,県のほうには要望してまいりたいというふうに思っております。 次に,学校の塀の耐震化についてのお尋ねがございました。 現在の市立の小中学校,養護学校,幼稚園における塀の状況につきましては,平成24年度に全校を対象に調査を実施いたしました。 塀の構造がコンクリートブロック製の塀が176カ所,ブロック以外のコンクリート製が142カ所,金属製フェンスが195カ所,その他,生け垣などが32カ所となっております。 現在,校舎等の耐震化整備を最優先で行っておりますことから,塀の耐震化計画を作成するまでには至っておりませんが,震災時に倒壊のおそれのあるコンクリートブロック製の塀につきましては,校舎等の耐震補強工事などの大規模改修工事の際に実施するなどしまして,順次,改築工事を実施していきたいと考えております。 また,塀の高さや材質などにつきましては,塀の改修箇所の周辺の状況にもよりますが,防犯・防災対策及び地域への開かれた学校づくり等の観点から,高さは1.5メートル以下,材質は金属製のフェンス等で整備を実施してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(竹村邦夫君) 下元防災対策部長。 ◎防災対策部長(下元俊彦君) 津波浸水予想地域の避難ビル,避難路の進捗状況等について順次お答えいたします。 まず,市全体の津波避難ビル,津波避難路の整備状況についてでございますが,津波避難ビルの指定につきましては,5月末現在で113カ所の指定を行っておりまして,避難可能人数は約10万8,000人となっております。 引き続き,関係者の御理解と御協力をいただきながら,津波避難ビルの指定を進めてまいりたいと考えております。 津波避難路の整備につきましては,6月10日時点で整備が完了したものが18路線,工事施工中あるいは工事発注手続中のものが9路線,設計委託中,設計発注手続中のものが合わせて12路線となっております。 なお,現在,五台山,高須,春野など78路線で,整備に向けた地権者の承諾をいただくことができましたため,順次,設計委託を発注していきますので,今後,整備箇所がふえてくるものと考えております。 次に,潮江地区の各小学校区における津波避難ビルの指定状況についてでございますが,5月31日現在,潮江小学校区13棟,避難可能人数8,064名,潮江東小学校区11棟,避難可能人数1万19名,潮江南小学校区3棟,避難可能人員1,465名となっておりまして,3校区合わせて27棟,1万9,548名が避難できることとなっております。 この潮江地区の3小学校区内には約2万7,000名の方が居住されておりますので,現状では約7,500名分が不足していることとなりますが,歩行が困難な方などが避難するためには,より多くの津波避難ビルがあることが望ましいと考えられますので,現在,平成25年度の目標としては200棟,200の指定を考えておりますけれども,先ほど申し上げましたようなことで,より多くの避難ビルを指定したいというところでございまして,現在のところ津波避難ビルの指定数には制限を設けずに,できるだけ多くの指定を行うという取り組みを行っております。 したがいまして,今後とも地域の皆様と連携して,津波避難ビル指定の働きかけを行い,ビルの所有者等関係者の皆様の御理解と御協力をいただきながら,指定を進めてまいりたいというふうに考えております。 最後でございますが,津波避難路整備工事を進める場合の地権者に関する課題の解決方法等についてでございますが,地権者の特定ができない場合や,相続権者が多く管理者が特定できない場合,また地図混乱地域となっているなどの問題で,地域では対応できない場合があります。 このように,地域の皆様だけでは解決できない課題につきましては,これまでも御相談をいただきました場合は,地権者や相続権者をお調べいたしまして,地域の方にお示しするなどの取り組みを行ってまいりましたが,今後もいろいろと困難な課題が出てくることが考えられますので,課題を市のほうで抽出いたしまして,土地や相続等に分類し,対策を検討するとともに,ケースによっては,それぞれの専門家に調査等を委託するなどにつきましても,今後,検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(竹村邦夫君) 門田権四郎議員。 ◆(門田権四郎君) それぞれの御答弁ありがとうございました。 続いて,第2問に入りますが,私の意見を主に申し述べたいというふうに思います。 憲法改正論議ですが,私はまだ十分に論議がされていないというふうに思っています。特に最近,マスコミもそういう方向で報道もされておりますが,最も重要なことはやっぱり変えようとする中身ですので,憲法のどこをなぜどのように変えるのか,そのことで国民の義務や権利はどうなるのかをしっかり説明する必要があると思います。その上で発議をし,国民の審判を仰ぐべきだと思います。 教育改革についてですが,先ほど市長からお聞きしましたが,いじめ問題などで教育委員会の動きが鈍いとの御指摘で,今,教育委員会制度の見直しという論議になっていますが,現在でも優秀な人材を送り,そして使命感を持ってやっていただければ解決できるといいますか,期待に応えることができるというふうに思います。 したがって,直接,首長が乗り出すのは政治介入ということになると思いますから,いじめ問題を解決できるのは,政治ではなく現場で教育だというふうに私は考えております。だから,政治は人を育てるための教育環境整備に全力を挙げて取り組むべきだというふうに私は思っています。 また,道徳を教科にするということについては,あるべき人間像について,子供たちにその達成度を数字で評価するということですから,これは一つの人間像を目的にして,それを数字で評価ということになりましたら大変なことになると思います。 また,教科書の選定も,国や地方自治体の首長の権限にすれば,教科書や教育を変えることによって子供を思いどおりにできるというふうな,何かこう傲慢さが見え隠れしているように思います。 したがって,私は,教育は政治的に中立であることが必要であり,政治が直接,教育に介入してはいけないと思っています。 今後の教育のあり方については,幅広い分野からの人材で構成をされた,国の審議会で多面的に熟議をし,目指すべき日本人の姿をしっかりと定め,世界の国々の教育環境や取り組みを参考にしながら,目指すべき日本人の育成のために,どのような教育環境と教育内容をどのようにして整備して,取り組んでいけばよいのかを,公開の場でしっかり論議をしていただきたいと思います。 以上,私の意見を申し上げ,全ての質問を終わります。ありがとうございました。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(竹村邦夫君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ延会したいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(竹村邦夫君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて延会することに決定いたしました。 6月20日午前10時再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。  午後2時49分延会...