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03月14日-05号

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  1. 高知市議会 2008-03-14
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    平成20年第407回 3月定例会 第407回高知市議会定例会会議録第5号━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第5号 平成20年3月14日(金曜日)午前10時開議第1 市第1号 平成20年度高知市一般会計予算 市第2号 平成20年度高知市下水道事業特別会計予算 市第3号 平成20年度高知市中央卸売市場事業特別会計予算 市第4号 平成20年度高知市国民健康保険事業特別会計予算 市第5号 平成20年度高知市老人医療事業特別会計予算 市第6号 平成20年度高知市収益事業特別会計予算 市第7号 平成20年度高知市駐車場事業特別会計予算 市第8号 平成20年度高知市国民宿舎運営事業特別会計予算 市第9号 平成20年度高知市産業立地推進事業特別会計予算 市第10号 平成20年度高知市へき地診療所事業特別会計予算 市第11号 平成20年度高知市農業集落排水事業特別会計予算 市第12号 平成20年度高知市住宅新築資金等貸付事業特別会計予算 市第13号 平成20年度高知市母子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算 市第14号 平成20年度高知市介護保険事業特別会計予算 市第15号 平成20年度高知市後期高齢者医療事業特別会計予算 市第16号 平成20年度高知市水道事業会計予算 市第17号 平成19年度高知市一般会計補正予算 市第18号 平成19年度高知市下水道事業特別会計補正予算 市第19号 平成19年度高知市国民健康保険事業特別会計補正予算 市第20号 平成19年度高知市老人医療事業特別会計補正予算 市第21号 平成19年度高知市水道事業会計補正予算 市第22号 高知市事務分掌条例の一部を改正する条例議案 市第23号 高知市特別会計設置条例の一部を改正する条例議案 市第24号 高知市報酬並びに費用弁償条例の一部を改正する条例議案 市第25号 高知市消防本部及び消防署の設置等に関する条例の一部を改正する条例議案 市第26号 高知市駐車場条例の一部を改正する条例議案 市第27号 はりまや橋観光バスターミナル条例制定議案 市第28号 高知広域都市計画事業弥右衛門土地区画整理事業施行規程に関する条例の一部を改正する条例議案 市第29号 高知市団地下水道条例の一部を改正する条例議案 市第30号 高知市手数料並びに延滞金条例の一部を改正する条例議案 市第31号 高知市斎場条例の一部を改正する条例議案 市第32号 高知市介護保険事業運営基金条例の一部を改正する条例議案 市第33号 高知市土佐山へき地診療所条例の一部を改正する条例議案 市第34号 高知市立保育所条例の一部を改正する条例議案 市第35号 高知市福祉医療費助成条例の一部を改正する条例議案 市第36号 高知市土佐山健康交流センター条例を廃止する条例制定議案 市第37号 高知市春野地区心身障害児福祉年金条例を廃止する条例制定議案 市第38号 高知市国民健康保険条例の一部を改正する条例議案 市第39号 高知市後期高齢者医療に関する条例制定議案 市第40号 高知市介護保険条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例議案 市第41号 高知市廃棄物処理施設整備基金条例制定議案 市第42号 高知市運動場条例等の一部を改正する条例議案 市第43号 こうち人づくり広域連合規約の一部変更に関する議案 市第44号 高知県広域食肉センター事務組合規約の一部変更に関する議案 市第45号 高知県後期高齢者医療広域連合を組織する地方公共団体の数の減少に関する議案 市第46号 包括外部監査契約締結議案 市第47号 指定管理者の指定に関する議案 市第48号 指定管理者の指定に関する議案 市第49号 市道路線の廃止に関する議案 市第50号 市道路線の認定に関する議案 市第51号 町の区域及び町の名称の変更に関する議案 市第52号 町の区域の変更及び字の廃止に関する議案 市第53号 集会所の譲与に関する議案 市第54号 不動産取得議案 市第55号 高知市種崎地区津波避難センター(仮称)新築工事請負契約締結議案 市第56号 江ノ口コミュニティプラザ(仮称)新築工事請負契約締結議案 市第57号 下知・田渕統合保育園改築工事請負契約締結議案 市第58号 総合あんしんセンター(仮称)建設工事請負契約締結議案 市第59号 総合あんしんセンター(仮称)建設電気設備工事請負契約締結議案 市第60号 総合あんしんセンター(仮称)建設空調設備工事請負契約締結議案 市第61号 総合あんしんセンター(仮称)建設給排水衛生設備工事請負契約締結議案 市第62号 北部汚水幹線管渠築造工事請負契約締結議案 市第63号 調停の申立てについて  ────────────────  本日の会議に付した事件日程第1 市第1号議案から市第63号議案まで  ────────────────  出席議員1番 細木  良君  2番 はた  愛君3番 深瀬 裕彦君  4番 長尾 和明君5番 迫  哲郎君  6番 林  昭子君7番 岡崎 邦子君  8番 浜田 りえ君9番 竹内千賀子君  10番 川村 貞夫君11番 下本 文雄君  12番 下元 博司君13番 田鍋  剛君  14番 岡崎  豊君15番 土居ひさし君  16番 上田貢太郎君17番 岡田 泰司君  18番 江口 善子君19番 浜田  拓君  20番 近藤  強君21番 浜辺 影一君  22番 今西  清君23番 西森 美和君  24番 高木  妙君25番 平田 文彦君  26番 野村 栄一君27番 氏原 嗣志君  28番 高橋 正志君29番 山根 堂宏君  30番 和田 勝美君31番 竹村 邦夫君  32番 吉永 哲也君33番 戸田 二郎君  34番 寺内 憲資君35番 中野 城久君  36番 水口 晴雄君37番 西村 和也君  38番 岡崎洋一郎君39番 島崎 利幸君  40番 吉田 哲男君41番 岡村 康良君  42番 福島  明君43番 浜川総一郎君  44番 中澤はま子君  ────────────────  説明のため出席した者      市長      岡崎 誠也君      副市長     山下  司君      副市長     長崎 豊彦君      企画財政部長  澤本 義博君      総務部長    吉岡  章君      市民生活部長  吉田  充君      健康福祉部長  堀川 俊一君      環境部長    柴  英豊君      商工観光部長  高橋 政明君      農林水産部長  田村 年生君      都市整備部副部長小松  貢君      建設下水道部長 海治甲太郎君      教育委員長   澤田 智惠君      教育長     吉川 明男君      水道事業管理者 木藤 善治君      副会計管理者  中平 廣子君      消防局長    山中 次男君      監査委員    川添裕一郎君      財政課長    中澤 慎二君  ────────────────  事務局職員出席者      事務局長    川田 隆生君      事務局次長   関  文雄君      庶務課長    柏井  博君      議事調査課長  澤田 尚人君      庶務課長補佐  古屋野雄作君      法務担当主幹  宮崎 益幸君      秘書係長    濱田 美穂君      議事係長    前田 敦夫君      委員会係長   尾崎 美世君      調査係長    山崎 敬造君      書記      藤原 直人君  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午前10時0分開会 ○議長(岡崎洋一郎君) これより本日の会議を開きます。  ~~~~~~~~~~~~~~~~ △日程第1 市第1号議案から市第63号議案まで ○議長(岡崎洋一郎君) 日程第1,市第1号議案から市第63号議案までを一括議題といたします。 これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がありますので,順次発言を許します。 長尾和明議員。  〔長尾和明君登壇〕 ◆(長尾和明君) おはようございます。 市民クラブの長尾和明でございます。通告に従いまして順次質問させていただきます。 まず初めに,市長の政治姿勢をお伺いします。 危機的と言われている本市の財政状況は一体何が原因でこのような状況になったのか,犯人捜しではありませんが,一定市民に説明する必要性があると考えます。私は,小泉構造改革という美名に隠れた地方切り捨て改革,三位一体改革は,本市に直接また間接的にボディーブロー的な打撃として,すべての事業の見直しを余儀なくされていることも事実であります。また,市町村合併の半強制による合併特例債というお金をちらつかせ,合併促進についての賛否は別としても一定の課題も残ったと思います。旧市にとっても,また土佐山,鏡,そして春野の市民にも真の意味で合併してよかったと思っていただける市民合意の確立こそが緊急な対策であると思います。 数年前に先輩から,高知市政は全国的に自慢できる高知方式の施策が幾つもあることを聞いたことがあります。福祉を中心にさまざまな施策や他都市に先駆けての条例や上乗せや横乗せなどにより,市民生活を守ることが数々あったようです。現在,このような全国に自慢ができることがあればお教えください。 土佐山,鏡,春野と合併した今,全国に発信できる絶好のチャンス到来であります。山あり,海あり,町あり,そして35万人の人ありの都市であります。東京や大阪では,高知と聞くと台風などの暗いイメージが多く語られることがあります。財政が厳しい状況で生き延びていくために,市民の英知や職員の創意などによって高知ならではの行政施策を展開することで,昔日の高知を取り戻すことを提案します。また,新しい県知事にも,県の役割として県の都市政策をしっかり担ってもらうよう働きかけ,一体となった県民,市民の幸せ,高知方式を実現してほしいと思っています。 具体的には,環境都市宣言が理想であると私は思っています。7月の北海道で行われる主要国会議でも環境がメーンテーマでもあります。鏡川などの自然は他都市にない都市河川であり,桂浜の自然美や歴史的な高知城など,いつまでも残すべきものだと思います。ぜひとも環境をテーマとした民間と行政が一体となった組織を設立して,高知方式として発信することが重要と考えます。この町で恋をし,結婚をして子供を産み育て,そしておばあさんになりたいと思える自然や心の美しいまちづくりを環境で願いたいものです。 そこで,市長にお伺いしますが,私は三位一体ばらばら改革で地方を切り捨て,社会福祉や社会保障を中心にセーフティーネット社会を破壊してきたのではと考えますが,三位一体改革の総括として,本市の財政状況を財政のオーソリティーの立場から,この改革が本市にどのような影響があったのか,お聞きします。 また,積極的な投資,特に箱物建設を行った結果も大きな財政負担,とりわけ起債の返還が重くのしかかっていると思います。地域総合整備事業債が有利で将来の負担も少ないなどの積極的な財政出動が現在や将来の市民に幸せをもたらしたのか,このこともあわせてお答え願いたいと思います。 次に,南海地震についてお伺いします。議会のたびに南海地震について取り上げられているので,重複するところもありますが,質問させていただきます。 まず最初に,南海地震の想定される被害,特に死傷者など人的被害について質問させていただきます。 30年以内に50%という高い確率で発生すると言われている南海地震への備えは,ハード,ソフト両面よりさまざまな対策がなされてきております。特にこの財政難の折,コストパフォーマンス的にも有効な対策を考え,大切な市民の命と財産を守るための施策を継続的に進めていく必要があると思います。特に地震という目に見えない敵を相手にするのですから,担当の方々は大変苦労されていると思います。 私は昨年,中越と中越沖地震の視察に行ってまいりましたが,揺れによって倒壊した家屋や陥没した道路,がけが崩れてしまってライフラインが寸断され孤立してしまった集落,仮設住宅でやむなく暮らしている方々の姿を見てまいりました。何年か,あるいは何十年か先に高知もこのような状況が予想されると思うと,地震への備えの大切さを再認識させられました。 そこで,本市における対策についてですが,高知県による第2次高知県地震対策基礎調査によりますと,最悪の場合,県下全体で8万1,000棟の家屋全壊,8万5,000棟の家屋半壊,そして冬の夕方発生した場合,1万4,000棟の家屋が全焼するとされています。また,高知県全域で9,000名を超える方々が命を失い,1万名を超える負傷者が見込まれています。この高知市では3,300名の死亡者,負傷者も6,000名程度と考えられております。高知県での死亡原因のうち,7割が津波によると考えられ,揺れ,つまり家屋倒壊などによって命を失う方々は約2割程度と予想されているようです。揺れによる被害よりも津波による被害の方が多いと見られ,春野町との合併により太平洋に面した沿岸部がふえ,津波対策がますます重要になると考えます。 そこで,お伺いします。この被害想定,特に死傷者数についてどのように思われるか,お聞きします。 次に,住宅の耐震対策についてお伺いします。 家庭内で家具の転倒防止など備えを実際に行っている世帯は,地震対策先進県と言われている静岡県の約5割に対し,高知県では2割程度と隣の徳島県よりも低く,高知市においても低い水準と思われます。近年起こった地震で負傷された方の原因は,3割から5割以上の方々が家具類の転倒,落下により負傷しています。能登半島地震では7割以上が家屋内での負傷との報告もなされております。また,阪神・淡路大震災の震度7の地域では,住宅の全半壊を免れたにもかかわらず,全体の約6割の家屋で家具が転倒し,家屋全体に散乱したという報告もあります。しかも,ただ倒れるだけでなく,食器棚などは扉が開いて中の食器が散乱し,重い冷蔵庫やピアノは移動してしまい,テレビや電子レンジが飛ぶといった,日常では考えられない現象も確認されています。震度6を超える揺れが100秒も続いて,家具が倒れたりガラスが飛んできたりしてけがをします。やっとのこと外に逃げて,間もなく襲ってくる津波から高いところに逃げるにも,負傷した体では高台まで避難することができるはずがありません。もちろん,家屋が倒壊し,身動きがとれなくなって家屋内に取り残され,津波に襲われてしまう最悪のケースを防ぐための家屋の耐震化も必要であります。 そこで,お聞きしますが,家具の転倒防止対策についてどのような啓発活動を進めていくのか,お伺いいたします。 次に,自主防災についてお伺いします。 南海地震や風水害,火災等への備えに,住民による自主防災的な取り組みは大変大事であります。阪神・淡路大震災では,消防や警察などのレスキューに救われた命より,住民相互の助け合いによって救われた方々が多く,9割以上の方々がそうした地域の助け合いによって救助されたとの報告があります。また,南海地震のような大規模,広範囲な災害では,消防や警察など公務員の人たちも被災者となり,救助が行き届かないことが想定されます。特に少子・高齢化が進み,高齢者や独居世帯がふえる高知市では,いわゆる災害弱者,要援護者への災害時におけるケアが重要となります。 しかし,地域の自主防災の取り組みにおいて,そういった一番ケアの必要なふだんから見守りが必要な方々の情報が個人情報保護法により地域へ出さない,地域が持てないのが現状だと思います。そういった方々を地域で守っていこうとする場合は,文書を作成し,一軒一軒説明に回り,先方よりよろしくお願いしますという,いわゆる手挙げ方式をとるしかなく,そのことが真剣に地域を自分たちで守ろうとする方々の人的,時間的,物理的な負担となっています。また,いざ何かが起こった場合,行政の持つ情報と地域が持つ情報が合致しないため,住民の安否確認や被災状況の把握に支障を来すものと考えます。 そこで,お聞きしますが,自主防災組織などの地域安全を進めている組織への要援護者などの情報の扱い方など,メンタルで難しい問題ですが,どのように考えているか,お聞かせください。 次に,緊急地震速報の活用についてお伺いします。 緊急地震速報の配信が一般家庭向けに始まりました。特に南海地震などの震源が遠い地震では,本震が到達する約15秒から20秒前に地震が来ることが伝えられ,その間に列車を停止させたり生産システムを安全にとめたり,電力や水道,公共交通といったライフライン関係や大きな生産工場を持つ企業を中心に導入検討を行っております。しかし,一般家庭ではその配信を受けるためのコスト面などから,なかなか進んでおりません。地震が来るのが15秒前にわかっていたら,安全な場所に逃げたり,火を消したり,身を守るために大変役に立つシステムであり,減災に向けた大変に有効なシステムと考えます。住民に向けた配信をサポートするため,市として補助金等の考えはあるのか,また公共施設,学校などへの導入予定はあるのか,お伺いします。 次に,下水道行政についてお伺いします。 高知市は,北に四国山脈が連なり,南に黒潮が流れるなど,地形,気象などの自然的な条件から,台風の襲来や短時間での集中豪雨がたびたび起こるため,平成以降の年間平均降雨量は約2,600ミリと,全国平均の1,700ミリを大きく上回っている状況です。また,市内を分断するように7つの河川が流れ,ゼロメートル地帯が7平方キロメートルにも及ぶなどの条件が重なり,過去から災害,特に浸水との戦いであったとお伺いしております。このため,高知市の下水道事業は戦後間もなく着手し,これまで特に雨水対策に多大な努力をされたことは,市民の皆様にもある一定の評価をいただいていると考えます。 しかしながら,まだ整備されていない地域や整備の完了している中心市街地の排水能力増強など,さまざまな課題があろうと思います。市民にとりまして,特に浸水対策,防災対策等が緊急の課題であり,今後の雨水対策の進め方についてお伺いします。 次に,公共下水道の汚水対策についてお伺いします。 汚水対策につきましては,公共用水域の水質保全や衛生的で快適な生活環境を確保するために,高知市でも順次進められていると思います。我が国の平均的な下水道普及率は,平成18年度末で70.5%と言われておりますが,高知市では49.1%となっており,全国と比べてもまだまだ頑張る必要があろうかと思います。巨額の投資が必要な下水道につきましては,国からも下水道未普及解消クイックプロジェクトが提案されるなど,早期に事業効果を発揮する必要があると考えます。 そこで,高知市の下水道普及率につきまして,この10年間でどのように推移しているか,また認可区域内の整備率はどれくらいで,今後どのように整備されるのか,お伺いします。 下水道の最後に,公共下水道は独立採算で経営することが通常の姿であると考えます。また,他都市においては,特別会計から企業会計への移行や上水道との統合など,組織の合理化が図られております。高知市では,厳しい財政状況の中,徹底した行政改革に取り組んでおりますが,下水道部局と水道局との統合など視野に入れて,今後のあり方について高知市で検討を要する事項であり,行財政改革が急がれている中で避けて通れない改革であると思いますが,市長の考えをお伺いします。 次に,道路特定財源についてお伺いします。 道路特定財源制度の問題が国政の焦点となっております。私は,民主党の提出した案に賛成の立場でお伺いします。 まず,市長にお伺いしますが,道路特定財源についてどのようなお考えか,お聞かせください。 道路特定財源については,市民の意識も一般財源化を多くの市民が支持していることは各種世論調査でも明らかになっております。一般財源化することによって,福祉や医療など幅広く市民福祉向上のための財源とする民主党案にどのような御見解を持っているのか,あわせてお聞かせください。 まさに地方分権が叫ばれて久しいわけでありますが,道路特定財源を一般財源化することによって地方分権の突破口になると思います。中央政府の思うままに地方をコントロールする現在の仕組みや制度を根底から打ち破るためにも,ぜひとも一般財源化が必要と考えます。必要な道路は一般財源化することによって促進できる可能性もさらに大きくなると思います。 次に,公共交通についてお伺いいたします。 高知駅の新駅舎の完成,また高架事業によって中心部の踏切が解消され,南北の交通渋滞が随分解消されました。高知駅周辺を中心に大きく町並みが変化すると思います。特に心配なことは,中心商店街,帯屋町や京町,大橋通りなどへの影響がさらに大きくなることも予想されます。高知市の政策誘導は一極中心でいくのか,もしくは二眼レフの都市形態でいくのかが問われています。 そこで,土佐電鉄の電車をイオン高知まで延伸させることも提案されているところですが,この電車の延伸について高知市としての見解をお伺いいたします。 路面電車は公害が少なく,安全で安心して乗車できる市民の交通手段として,もっともっと利用できるようにするべきであると考えます。同時に,県内のバスは土佐電鉄と県交通の2社で市民の交通手段を守っている公共交通機関としての役割を担っているわけですが,少子・高齢化,人口減少社会において,2社体制ではなく統合することによって,合理的で市民の利便をさらに増すダイヤに組みかえることも今こそ考えるべきであると思います。県交通と土佐電鉄の競合している路線では,2台,3台と連続して運行されている場合があり,乗車率も少なく,空気を運んでいることもよく見かけます。公共交通は今後とも市民の大切な交通手段であり,持続可能な経営も要求されております。 そこで,補助金として税金を投入している高知市として,公共交通機関を利用する市民のニーズと利便性を考えたときに,現状の競合する路線をどのようにするのか,御見解をお伺いします。 次に,中央卸売市場についてお伺いします。市民の台所,いや,県民の台所として大きな役割を担ってきた中央卸売市場について若干お伺いします。 お聞きすると,取引額が大幅に減少しているようでありますが,過去10年間でどのくらいの取引の減少があったのか,部門別にお示しください。そして,減少した原因は何か,今後の対策としてどのように考えているのか,将来計画を含めて展望をお聞かせください。 私は,中央卸売市場の持つ意味,役割は大変重要であると考えます。零細な商店などの命綱的な要素もあり,漁業者や農家にとっても非常に大切なことも当然であり,とりわけ消費者が新鮮で安心で安全な食料を求めている昨今,中央卸売市場が疲弊することはさまざまな影響が出現するのではないかと考えます。先般も新聞紙上に家賃の滞納が大きく報道されておりましたが,このことは重要な意味を持っている現象ではないかと思います。対策や対応だけでなく,抜本的な解決方法,つまり消費者である市民の食品の安心と安全を確保するとともに,抜本的な対策で市民生活を守ることを前提とした中央卸売市場のあり方について,協議会とか専門家などによりじっくりと中央卸売市場の将来像を検討することも必要ではないでしょうか。 次に,教育問題についてお伺いします。 ある月刊誌に東京の公立中学校の教員が投稿した文章があります。「教室に流れる二つの空気」という題です。読ませていただきます。教室に流れる2つの空気,すなわち子供たちは何よりも学力をつけなければならないとする空気と,学力以上に生活する力をつけなければならないとする空気である。文部科学省が,これまでの戦後教育が学力偏重に陥っていたとの反省から,学力一辺倒でない生きる力をつける教育,つまりゆとり教育へと大きくかじを切ったのがつい数年前であった。しかし,周知のように,OECD,経済協力開発機構による義務教育終了段階の15歳児を対象とした学習到達度調査,PISA2003が,日本の生徒たちの学習到達度は順位を下げたと報告して以来,文部科学省,関係者の間でゆとり教育を掲げた学習指導要領に対する厳しい揺り戻しが起きたのである。問題は,この順位の結果を分析し,日本の教育の一体どこがどのように問題なのかを厳密に問うことなく,前回より順位が下がったのをまるで待っていたかのようにわき起こったゆとり教育否定の大合唱であった。そして,その力は,ゆとり教育を盛り込んだ学習指導要領が全面実施される前に,既にそれを否定する力となって働き,その結果,指導要領の一部手直しが始まったのである。その後,日本の公教育は,ゆとり教育を掲げた理念など見る影もなく,学力偏重主義の道へと逆戻りし始めた。単に逆戻りしただけではない。以前より一層露骨に学力偏重の風が教室の中を吹き始めたのであるという文章であります。 さて,文部科学省は2月15日に小中学校の学習指導要領の改訂案を発表しました。内容は,現行のゆとり教育から学力低下を意識し,授業時間をふやすことや道徳教育などを重視する内容になっています。さきに読みました文章と学習指導要領改訂案に対する教育長の感想をお聞かせください。 また,2009年度から算数,数学,理科が先行実施されますが,これへの対応についてお伺いします。 最後に,植木枝盛旧邸保存についてお伺いします。 県外から観光で来られた方や本市に転入された方から,高知市は碑ばかりで,高知城以外は本物がないという言葉をよく聞きます。これは62年前の高知空襲,61年前の南海地震により失われたものもあると思います。 そうした折,桜馬場に,今や解体一歩手前の植木枝盛旧邸宅があります。中須賀に生まれた植木枝盛は,明治12年ごろから亡くなる明治25年まで13年余りにわたり,この旧邸宅で自由民権運動思想家として,板垣退助,馬場辰猪,中江兆民なども並ぶとも思われる活動をこの桜馬場旧邸宅にその痕跡を残しております。 本県に残る3大建議としては,大政奉還のもととなった坂本龍馬の船中八策,福岡孝悌の五箇条の御誓文,そして植木枝盛による東洋大日本国国憲按と思われます。特に,この植木枝盛の東洋大日本国国憲按は我が国の平和国憲法のベースとなっていることは周知の事実であり,植木枝盛がこれを書き上げた桜馬場の旧邸宅は民権闘士の間では自由城と呼ばれています。藩政時代より残る高知城を含む本物の城郭としては,国宝4城,重要文化財8城の合計12城残されているが,自由城は全国でここ桜馬場にしか残されていません。 この文化財的価値の高さは,中内県政の終わりのころにも県議会でも論議されていますが,最近では平成10年にも県,市当局でも再検討され,やがて近い将来解体の折には,執筆した部屋を自由民権記念館へ移設するということで内定していたようですが,このような施設はその場所で息吹を感ずる場所にあってこそ価値があるのだと思います。 重要文化財並びに県・市有形文化財としては,明治11年建築ということで比較的新しく,文化財としての価値弱し,保存状態も普通との診断結果が平成10年に高知県,そして高知市も全く同じ文で下されています。それから10年たち,老朽化の進行は著しく,特に建物裏側は倒壊寸前であり,配電面でも火災等のおそれがあり,再考のときに来ているのではないでしょうか。このような形で本物が消えゆくのは実に忍びありません。地権者,建物所有者の了解を賜りつつ史跡化を図り,史跡等購入費,国庫補助金と民間よりの浄財で用地の公有地化と建物の緊急修復,保全を図っていただけないでしょうか。財政の苦しいときではありますが,今こそ民間の英知も踏まえ,車の両輪により,二つとない文化財を後世へ残していただきたいと思います。 きのうまでの質問と重複した部分が若干ありますが,御答弁の方よろしくお願いします。 ○議長(岡崎洋一郎君) 岡崎市長。  〔市長岡崎誠也君登壇〕 ◎市長(岡崎誠也君) おはようございます。 幾つか御質問いただきましたので,順次御質問にお答えを申し上げます。 まず最初に,高知市政の全国に誇れるべき施策についての御質問をいただきました。 幾つかあるわけでございますが,まず観光関連からいいますと,先日までの御質問の中にもそれぞれございましたが,全国的なブランドとしましては,よさこい,龍馬,日曜市,そして桂浜,高知城などが全国ブランドの観光の資源だと思っております。それぞれこの資源を生かすために,よさこい全国大会や龍馬の生まれたまち記念館,また日曜市のいろんな観光振興施策などを図っているところでございまして,そういうものをさらに磨き上げていかなければならないと考えているところでございます。 また,先ほども少し植木枝盛の関係の御質問をいただきましたが,少し地味ではございますが,やはり自由民権運動を後世に伝えるという意味での自由民権記念館は,日本の中でも非常に特色のある歴史博物館でございまして,高知のすぐれたいろんな活動に対して,それを顕彰するという意味でも私たちの誇れる施策であると考えているところでございます。近年,憲法草案ということがメディアにも取り上げられておりますので,植木枝盛を初めとします憲法制定に向けました自由民権運動,これも私たちの誇れる施策であるというふうに考えております。 また,漫画も,非常に多くの漫画家を輩出しておりますので,横山隆一記念まんが館を初めといたしまして,かるぽーとでも行われておりますが,民間の皆様方が中心となって行われております漫画祭りの「まんさい」等,いろんな注目されるべき取り組みもございますので,漫画文化の発信というものも高知市の施策の大きな一つであると考えております。 健康福祉分野では,本市のつくり出しましたいきいき百歳体操,これは堀川部長さんを初めとします市の職員の方々で考案をした体操でございますが,大変な今ブームになっておりまして,現在市内で約170カ所以上で実施をされておりますので,20年度に向けましては,これをさらに拡大して200カ所以上まで広げていこうという取り組みをしております。また,これは県内だけにとどまらず,県外でも大きなブームになっておりまして,いきいき百歳体操の全国大会も高知で開催をしているところでございます。また,第二弾として,健康のためには口が第一でございますので,かみかみ百歳体操というのを第二弾でつくり上げておりますので,これも現在市内で約90カ所ぐらいまで広がってきております。昨今は,韓国からもこの視察がございまして,日本で言うと国立衛生研究所のような韓国の公的なチームが高知にも滞在をし,市内のそれぞれの教室活動を視察研修されていったところでございまして,全国的な広がりを見せつつあるところでございます。 また,環境関連では,ごみの分別,減量等の取り組みも非常に歴史がございまして,岩波文庫でも高知市のごみの分別収集につきまして出版されたという経緯がございます。また,浦戸湾・七河川一斉清掃,また全国に先駆けてのいろんなコミュニティ計画の策定など,全国に誇るべきいろんな施策を展開をしてまいったところでございます。 これからも,いろんな意味で全国発信できるような環境の問題,また都市部と中山間が共存共栄する,いわゆるスタンダードモデルの形成など,そういう政策にも力点を入れながら政策づくりを進めてまいりたいと思っております。 次に,三位一体改革の総括等につきまして御質問をいただきました。1つお断りをしておきますが,決して財政のオーソリティーではございませんので,その点はお断りをしておきます。 国の三位一体改革の非常に大きな影響の中では,交付税改革の中で5兆1,000億が削減をされたということが地方には大打撃となっておりまして,私たちの高知市でもこのことにより非常な財政危機に陥っているところでございます。三位一体の中で国庫補助負担金と税源移譲につきましては,高知市を見ましたら大体21億円補助金が削減をされ,税源移譲としてふえておりますので,この部分では差し引きはプラス・マイナス・ゼロでございますが,交付税につきましては臨時財政対策債分,これも交付税措置なんですが,これを加えますと平成18年度までで合計で約27億円の交付税が削減をされておりますので,そのことで大変厳しい財政運営を強いられているというところでございます。 また近年,私たちも交付税の基準財政需要額の積み上げというものが非常に重要だと考えておりますので,全国市長会の中でも,高知市の職員もワーキングチームに送り込んで,どういう乖離が今出ておるかということをそれぞれ項目別に調べているところでございます。一例を挙げますと,生活保護費や税源移譲にありました児童扶養手当などでそれぞれ各年度ごとに2億から5億円程度の超過負担が生じてきておりまして,これを全国で積み上げますと,生活保護費と児童扶養手当等で数百億という規模になる見込みでございまして,こういう点を改善をしていただかなければならないということを強く今総務省に対して申し入れを始めているところでございます。 関連しまして,いわゆる地総債,地域総合整備事業債の活用ということが御質問に出てまいりました。地総債につきましては,これまでも交付税措置が有利であるということで,それぞれ活用してきたところでございますが,例えばこの起債を活用しまして整備をしたものには,五台山や大津,御畳瀬のそれぞれの地区センター,また自由民権記念館,各地域の保健福祉センター,そして福寿園,また質問にもございましたかるぽーとやくろしおアリーナなどの国体施設等の整備がございます。現在,かるぽーとや国体施設等の整備関係の公債費がそれぞれ増大をしてきておりますので,そのことが財政を圧迫をしているという認識は持っているところでございます。 ただ,これらの施設整備につきましては,住民ニーズが高いものをそれぞれ整備をしてきておりまして,活用もかなりされております。例えばかるぽーとは年間約56万人の方々が入場されております。また,国体施設の整備をしました東部総合運動場の利用者は年間で約26万人に上るなど,非常に施設の利用率は高いものがありますので,やはりそれだけ住民ニーズが高いものを整備をしたというところがございますので,御理解を賜りたいと思います。 次に,震災関連につきまして御質問をいただきました。 まず,南海地震の被害想定でございますが,高知市での死者の見込み数は,最悪で3,300人余り,また負傷者も約5,700人に上ると想定をされておりまして,昭和の南海地震の被害を上回る想定がされているところでございまして,いかにして市民の皆様方の命と財産を守っていくかということが私たちの重要な使命でございます。このうち,死者数の約7割は津波によるものと見込まれておりますので,津波による被害が想定をされます各地域で緊急避難対策をいかにとっていくかということが喫緊の課題となっております。また,春野町との合併によりまして海岸線の長さも約2倍になっております。引き続き,防災意識の啓発や自主防災組織の組織率の引き上げ,また沿岸部におけます避難経路の整備や市街地におけますこういう津波の来ることが想定されます地域の中で,民間ビルを含めまして避難ビルの指定を早期にすることなど,いろんな対策をとっていかなければならないと考えております。 また,阪神・淡路大震災後のいろんなアンケート調査や行政の調査を見てみますと,倒壊家屋の中から助け出されました人々の,そのほとんどは御近所の方に助け出されたり引っ張り出されたりということで人命が助かっております。ということは,やはり近隣の皆様方の発生時の助け合いがいかに重要かということが阪神・淡路大震災で既に経験をされておりますので,そのことも広く広報をしていく必要があろうかと思います。 もう一点は,家屋の倒壊と家具の転倒防止ということも御質問いただきましたが,そのことに対します対応と,やはり旭地区のように面的に非常に災害に弱い地域につきましては,早急に都市の再整備に入ってまいらなければならないと考えておりますので,旭地域の人々の命と財産を守るということを目標として,平成23年度には事業着手に向けてまいりたいと思っておりますので,その準備を進めてまいりたいと思います。 次に,下水道事業会計等につきまして御指摘を受けました。 下水道事業の運営につきましては,平成18年度の包括外部監査におきましても,総括意見の中で,企業会計への移行についてという御指摘も受けておりまして,この研究を進めてまいらなければならないという状況になっております。ただ,企業会計に移行するということになりますと,現在下水道施設のそれぞれ資産価値の判断等を企業会計に乗せていく作業がございますので,そういう研究をまずしていかなければなりませんので,平成20年度からそういう財務的な面の研究を始めてまいりたいと思っております。 また,御提案がございました水道局と下水道部門との組織的な統合につきましては,お互いの事業間の連携の強化や人員の効率的な配置,業務の合理化を図るという観点から,検討すべき課題であると認識をしております。例えば,現在水道料金と下水道使用料の徴収を一元化しているところでございますが,組織を統合するということになりますと,上水道,下水道相互の技術力が補完できること,また上水道,下水道のそれぞれの接続工事の相談や審査,検査等の手続等が場合によりましたら1カ所で済ませることができるなど,市民サービスの向上につなげ,また効率的な事務執行ができるという可能性もございます。 したがいまして,平成21年度から実施を予定しております組織機構の大幅な見直しの検討の中で,水道局と下水道部門とのあり方,これは統合という選択肢も一つの課題として検討していく必要があろうかと思いますが,それぞれのこれからのあり方というものを論議をしていかなければなりませんので,まず庁内での論議を始めたいと思っております。 次に,道路特定財源についてお答えを申し上げます。 本県は非常に中山間が多いということもございまして,また国道などの基幹道路が今1本しかないという地域が非常に多うございますので,中山間を初めとしてそれぞれ集落と集落を結ぶ道路が1本しかないという状況など,災害にも非常に弱い地域でございますので,道路特定財源によります道路の進捗率を上げていくということはまだまだ必要だと考えているところでございます。 また,本議会でも申し上げましたとおり,道路特定財源は区画整理事業等の財源にも充てられておりますので,これから例えば旭地域のまちづくりに入っていくためには,道路特定財源から交付をされますまちづくり交付金,この交付というものは欠かせないというふうに考えているところでございます。 民主党の案に対します見解を求められておりますが,民主党案では,まず道路特定財源を一般財源化することにより地方の自主財源とするということで,地域が主体的に決定をするということが織り込まれております。地方分権推進の考え方は理解できるものでございますが,現時点では財源の担保をする,いわゆる担保性というものが十分かどうかということについては,まだ少し疑問があるところでございますので,その財源の担保ができているかどうかという点で心配もあるところでございます。 また,一般財源としてそれぞれ全地域に交付をされるということになりますと,薄く広くということも想定されるわけでございますので,本県のように道路整備がおくれている地域にこれまでのように配分されるかどうかという不安もございます。暫定税率が仮に廃止をされた場合,高知市での影響額は平成20年度ベースで11億円余りの減額ということになりますし,道路特定財源すべてが廃止をされた場合には,この約2倍に当たります24億円余りの財源がなくなるということでございますので,やはりこの財源を一般財源に振りかえるということにつきましては,その財源の担保がいかにして確立をされたものになるかどうかというのがポイントだというふうに見ているところでございます。 なお,国会でその点につきましては今活発な論議が行われておりますので,そこを注視をしてまいりたいと思っております。 最後に,中央卸売市場の御質問にお答えを申し上げます。 お尋ねの中央卸売市場の取扱高の推移でございますが,平成3年度は全体で約490億円ありました。ここがピークでございまして,平成8年度の461億円から10年後の平成18年度には333億円まで減少してきておりまして,この10年間でトータルで128億円減少し,約28%の大幅な減少ということになっております。 また,部門別の取扱高の状況につきましては,青果部において平成8年度に約200億円であったものが10年後の18年度には162億円となっておりまして,10年間で38億円,約19%の減。また,水産物の部門では,平成8年度に261億円であったものが平成18年度には171億円にまで減少し,10年間で約90億円,約35%の減少ということで,大変厳しい状況となっております。 この減少傾向は全国的なものでありますが,その要因といたしまして,市場での主な取扱品目でございます魚や野菜の消費量が減少してきていること。また近年,農協等の直販所が,高知市内もそうでございますが,急速に増加をしていること。また,スーパーなどの大型量販店と生産農家との直接契約が増加をしておること。インターネット販売等の増加など,今日の食料品関係の流通分野の形態に大きな変化があることが,全体的に中央卸売市場の衰退につながってきているという分析がされております。 このような中で,高知市中央卸売市場におきましては,市場の活性化策について検討するため,平成18年度に市場協会の中に市場活性化検討委員会を設置をし,現在市場のPRや食育の推進に関する取り組みを進めてきているところでございます。さらに,市場関係者の方々だけではなくて,市場外部の有識者の御意見をお聞きをします市場開設運営協議会におきましても,今後の市場のあり方について御意見をお伺いをしているところでございます。 今,市場のいろんな流れの中では,2つの大きな流れが起きておりまして,中央卸売市場としてそのまま存続をしていく流れと,もう少し規制が緩やかな地方卸売市場に転換をしていく流れがあっているところでございます。ただ,中央卸売市場から地方卸売市場に転換をした先例市もございますが,まだ十分な検証ができていないという状況でございますので,まずそういう先進的に地方卸売市場に転換をした市のその後の状況などをしっかりと見きわめていく必要がございます。 目標期限としましては,平成23年度末を一定のいろんな見直しの期限と今我々想定をしておりますので,平成23年度末を目標に今後高知市中央卸売市場を中央卸売市場として存続させていくのか,もしくは分野によっては地方卸売市場に転換していくのかを方針を持ってまいらなければなりませんので,他市の状況等も情報収集しながら,さらに検討を進めてまいりますので,またよろしくお願いを申し上げます。 その他の御質問につきましては,各担当部局長等からお答えを申し上げます。 ○議長(岡崎洋一郎君) 吉岡総務部長。  〔総務部長吉岡章君登壇〕 ◎総務部長(吉岡章君) 震災対策についての質問をいただきましたので,順次お答えいたします。 まず,家具の転倒防止対策のための啓発活動についてでございますが,震度6以上の強い揺れから命を守るためには,家屋の耐震改修とともに,比較的手軽にでき,被害軽減に大きな効果があります家具の転倒防止対策が大変重要だと考えております。転倒防止の必要性については,現在中央窓口センターや各ふれあいセンター等への南海地震情報コーナーの設置や地区防災フェア等でのパネル展示のほか,あかるいまちへの掲載や各地域での講習会などの機会を通じ周知を図っているところでございますが,今後とも継続して取り組んでまいりたいと,このように考えております。 また,自主防災組織などが地域において家具転倒防止対策に取り組む場合は,必要な資機材の購入や専門家の派遣に対する補助制度の活用とともに,今後は専用工具の貸し出しや,防災対策課に登録しております専門知識を持った方,これは防災まちづくり塾を卒業された方で防災対策人と呼んでおりますけども,そういう方々の派遣等,地域からの要望に応じた対応を行ってまいりたいと,そのように考えております。 次に,緊急地震速報の活用についてでございますけれども,地震発生後の自主避難等に大変有効であります緊急地震速報は,現在住民の方に向けた配信として,NHKのテレビ,ラジオを初め,民放放送事業者においても配信されております。また,携帯電話のサービスにおいても,一部の企業で無料で配信が開始されております。一方,インターネットを利用できる方には,月額500円前後の配信料によりまして,パソコンに音声と表示による配信が行われるサービスのほか,専用機器を購入し,月額配信料2,000円前後になりますけれども,配信を受けられるサービスも開始されていると聞いております。 こうしたことから,配信サポートへの補助につきましては,現在大変厳しい財政状況でございますので,企業等の今後の配信サービスの動向等を注視し,検討していく必要があると考えておりますので,御理解のほどよろしくお願いいたします。 次に,緊急地震速報の公共施設や学校等への導入についてでございますけれども,緊急地震速報の伝達形式としては,さきに述べましたインターネットを利用するものと,消防庁のJ-ALERT,全国瞬時警報システムでございますけれども,これを利用するものの2つの形式がございます。1つ目のインターネット形式では,緊急地震速報で得られた情報を各施設の放送設備を活用して伝達することになりますが,例えば学校等の公共施設80施設で試算してみますと,初期投資費用が約5,000万円,年間のランニングコストが約600万円と高額になりますことから,今後関係部局と慎重な協議が必要であると考えております。また,J-ALERTを利用した場合は,本市の固定系防災行政無線を活用して伝達することになりますが,同無線の活用につきましては,現時点ではタイムラグ等の問題がございます。前回,吉田議員さんの御質問にもお答えいたしましたけど,このタイムラグ等の課題がありますので,これを解決するためには無線のデジタル化が必要でございます。現在策定中の防災行政無線システム再構築基本設計をもとに,さらに研究,検討してまいりたいと考えておりますので,御理解のほどよろしくお願いします。 以上でございます。 ○議長(岡崎洋一郎君) 堀川健康福祉部長。  〔健康福祉部長堀川俊一君登壇〕 ◎健康福祉部長(堀川俊一君) 南海地震など大規模災害発生の際に必要となる要援護者情報の取り扱いにつきまして御質問をいただきましたので,お答えいたします。 健康福祉部におきましては,次期南海地震を想定し,高齢者や障害者など被災時に何らかの支援が必要となる方への対応策につきまして,昨年度から部内に災害時要援護者対策検討部会を設置し,浦戸地区及び種崎地区をモデル地区としてさまざまな試験的な取り組みを行いながら検討を進めております。 その中で,避難に当たって実際に支援が必要となる高齢者の方にも御参加をいただき,避難訓練を実施いたしましたが,津波の第一波が到達すると想定される時間の中では,1人の支援者が1人の要介護者を誘導することで精いっぱいの状況でありました。このような事例を見ましても,大規模災害が発生し,多くの要援護者の支援が必要となった場合,自主防災組織の役員や民生委員,児童委員など特定の方のみでは手が足りなくなる事態が想定されることから,近所同士で声をかけ合い,互いに助け合いながら避難を行っていくような仕組みを構築しておくことが大変重要になってくるものと考えております。 モデル地区では,自主防災組織のメンバーが支援が必要と思われる方のお宅に出向き,要援護者の情報を把握する作業を進めておりますが,同意を得られた方につきましては,自主防災組織から向こう三軒両隣の範囲にお住まいの方にその情報をお伝えし,近所に住む要援護者の方々の状況を把握していただく予定となっております。行政が把握する個人情報を近所の方々にまで提供することにはさまざまな課題がありますが,こうした工夫により要援護者の方の生の情報が実際の支援役となる近所の方に伝わることで,いざというときには大変効果を発揮するとともに,日ごろの地域での見守りや助け合いの関係づくりの促進にもつながるものと考えております。 このモデル地区での取り組み事例につきましては,冊子としてまとめ,市内の全自主防災組織にお配りし,参考としていただく予定をしております。こうした情報の把握,伝達作業は,効果が大きい反面,御質問にもありましたように,関係者の方々に御負担がかかるという懸念もありますので,全市的な展開につきまして,今後とも関係の方々の御意見等を広くお聞きしながら,効果的な避難支援や個人情報の共有のあり方の研究を行ってまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(岡崎洋一郎君) 小松都市整備部副部長。  〔都市整備部副部長小松貢君登壇〕 ◎都市整備部副部長(小松貢君) 公共交通に関する御質問に順次お答えいたします。 まず,土佐電鉄の電車の延伸についての御質問でございますが,質問議員さんの御指摘のとおり,鉄道高架事業の完成によりまして南北交通の渋滞が緩和をされまして,車の流れが変わり,また高知駅周辺のまちづくりも進み,新たなにぎわいが創出されつつあります。 一極中心でいくのか,二眼レフでいくのかが問われているとのことでございますが,イオンにしろ,また高知駅周辺にしろ,町がにぎわうことは市民にとって望ましいことであると考えております。しかしながら中心市街地は,高知市はもとより高知県の政治,経済,文化等の核であり,中心市街地の再生を図ることが35万都市高知の発展,さらには高知県全体の浮揚につながるものと考えております。 高知駅周辺の新たなにぎわいにつきましては,高知駅とはりまや橋を結ぶはりまや通りを軸に中心市街地との回遊性を強化し,一体的な発展を目指す必要があると考えており,現在高知駅前広場の整備や拠点街区の整備が進められているところでございます。 御質問の電車をイオン高知まで延伸することにつきましては,平成12年から14年にかけまして,県,市による公共交通プロジェクトチームを編成し,公共交通に関するさまざまな調査,検討の過程の中で,延伸に係る初期投資や交通事業者の採算性などから,困難であるとの考え方が示されておりますので,御理解をいただきたいと思います。 次に,競合する路線をどのようにするのかとの御質問にお答えをいたします。 高知県の公共交通利用者は,昭和30年代後半をピークに一貫して減少し続けております。バス路線の縮小や廃止あるいは便数の削減などの見直しがこれまで行われてきております。しかし一方では,バス路線が利用者の見込める電車通りに集中し,御質問にもありましたように,バスが数台連なって通過する光景が見られております。 高知市におきましては,さまざまな公共交通機関がそれぞれの特性を生かしながら機能的に連携していくことがこれからのあり方ではないかと考えております。現在,高知駅北口にバスターミナルを整備しておりますが,このバスターミナルの完成にあわせてバス路線の再編成を行うことにより,高知駅を拠点とした鉄道,路面電車,バスが連携した市民にとって利便性の高い公共交通を目指して取り組んでまいりたいと考えております。 また,バス路線の競合に関連をいたしまして,土電と県交通の統合につきましても御質問をいただきましたが,平成13年に一元化の協議が中断した経過から,当面一元化の協議の再開は難しい状況にあると思われますが,人口が減少する中で,将来にわたって公共交通を維持していくためには,バス事業の一元化は大きな課題であると認識をしております。今後,状況を見て関係機関に働きかけてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(岡崎洋一郎君) 海治建設下水道部長。  〔建設下水道部長海治甲太郎君登壇〕 ◎建設下水道部長(海治甲太郎君) 下水道行政につきまして順次お答えいたします。 まず,今後の雨水対策の進め方についてでございますが,本市の公共下水道の雨水対策は,昭和23年の戦災復興事業の一環として着手して以降,台風や豪雨災害を教訓に,昭和54年に整備水準を時間降雨強度77ミリに見直し,施設整備を進めております。現在は,98高知豪雨で甚大な被害を受けました大津地区や長浜地区で雨水幹線管渠やポンプ場の整備を行っております。 ただ,早い時期に事業着手し,現在の整備水準に比べて低い下知,江ノ口地区などの旧市街地や土地利用が進んでおります地区などでは,近年短時間の集中的な降雨により一時的に道路冠水が見られます。このため,今後の雨水対策は,現在進めております事業に一定のめどが立ち次第,これらの地区につきまして河川事業などとの連携も視野に入れ,検討を進めてまいりたいと考えております。 次に,過去10年間の下水道普及率の推移についてでありますが,平成8年度末は35.8%,平成18年度末は49.1%であり,年平均約1.3%程度で推移をしており,10年間で13.3%の進捗となっております。 次に,事業認可区域の下水道整備率についてでありますが,予定処理区域3,295ヘクタールのうち,平成18年度末には2,401ヘクタールの整備が完了し,整備率は約73%となっております。 最後に,今後の整備についてでありますが,財政再建を進める中,下水道予算も大変厳しい状況であります。下水道は,都市の装置として公共水域の水質保全や生活環境の改善とともに,浸水防除という重要な役割を担っておりますことから,なお一層のコスト縮減に努めるとともに,費用対効果から優先順位を決め,効率的で効果的な事業進捗を図り,現在の認可区域につきましては平成25年度末の完了を目指して進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(岡崎洋一郎君) 吉川教育長。  〔教育長吉川明男君登壇〕 ◎教育長(吉川明男君) 教育行政に関する御質問にお答えをいたします。 まず,学力偏重を懸念する投稿と学習指導要領の改訂案に対する感想についてでございます。 質問議員さんからは,投稿された方は東京都の公立中学校に勤務される教員の方のようでございますが,この投稿の内容は,最近我が国の学校教育の方向性がどうもゆとり教育から一転して学力偏重に変わってきておると,そのことを危惧すると,そういう投稿の御紹介がございました。投稿の中では,学力と生活する力を対比的に述べられている感が私はいたしたところでございますが,学力は生活する力の基盤になるとも考えられますし,子供たちが何より将来の人生をたくましく生きていくためには,いずれの力も必須のものではないかと,そのように考えます。学校教育においてしっかりした学力をつけ,生活する力,すなわち生きる力と言いかえができますが,これをはぐくむことは子供たちの先の人生のために不可欠のことではないかと,そのように考えております。 次期の学習指導要領でございますが,授業時数の増加を初め理数教育の充実,小学校の英語活動など言語活動の充実,道徳教育の充実などが上げられております。いろいろございますけれども,最大の特徴は,生きる力をはぐくむという基本理念は変えないと,その基本理念を変えずに,子供たちが学習にじっくりと取り組める時間を確保するという考え方をより明確にしたことであると考えております。この生きる力をはぐくむという理念を実現するためには,教員が子供たちと向き合う時間を十分に確保することが何より必要であると考えております。そういうことでございますので,教職員定数の改善,外部人材の活用,地域全体で学校を支援する体制構築が必要だと考えます。 ともかく,高知市の子供は高知市が責任を持って育てていかなければなりません。私どもは,時代の流れや国の動向を見据えながらも,本市の特性や子供たちの実態をしっかりと踏まえた学校教育を全力で推進してまいりたいと,そのように考えております。 次に,平成21年度から先行実施をされる算数,数学,理科への対応についてお答えをいたします。 今回の改訂によりまして,授業時数は算数,数学で約18%,理科は23%の大幅増となります。これに伴って学習内容も増加いたしますが,その分量はただいま申し上げた時数の増加に比べて少な目となっておりますので,これまで十分とは言えなかった観察,実験,レポートの作成,論述などを行う時間を確保し,算数,数学,理科に対する学習意欲の高揚に努めてまいりたいと考えております。 また,授業時数の増加に対応するためには数学,理科の教員の増員が不可欠でございますので,県教委に必要な教員確保を要請してまいります。 さらに,今後の学習指導要領の改訂に備えまして,高知市では来年度,事務局職員,校長会,現場教員で構成する教育課程等検討委員会,これは仮称でございますけれども,これを設置することとしておりまして,新しい学習指導要領の対応,授業時数の確保,小学校の英語,2学期制の導入等について総合的に検討してまいります。 最後に,植木枝盛旧邸の保存について御質問をいただきました。 この旧邸につきましては,長年市民の皆様から保存を求める声をいただいております。御紹介もございましたけれども,この旧邸には植木枝盛が東洋大日本国国憲按を起草した部屋が残っておりまして,歴史的に貴重な建築物であることは十分に承知をいたしております。 これまで史跡指定について検討してまいりましたが,所有者の方からは,土地の活用が制限されるので,土地の購入を前提としてなら史跡指定に同意するとの条件が示されております。また,国の補助金を受ける場合も国の史跡指定が必要となるわけでございますが,この国の史跡指定を受けた場合も,その土地購入金額の2割を本市が負担することとなります。また,建物の補修,復元につきましては,その半額が市の負担となりますので,現在の本市の財政上ではこの土地を買い上げて建物を補修,復元することはなかなか困難であると,そのように考えております。御理解を賜りたいと思います。 さらに,別のことでございますけれども,この植木枝盛旧邸には現在,この旧邸を借りて住んでおられる方がおられます。その方は,お聞きしてみますと,今のところ転居する意思がないと,そういうことを表明されているとのことでございます。質問議員さんも述べられましたが,所有者の方とは,建物の老朽化が進み,取り壊されることになった段階で,この貴重な書斎部分を本市に無償で譲渡し,自由民権記念館に移転,保存すると,そこは頑張ってまいりたいと私ども思っておるところでございますので,その辺確認もできておりますので,ぜひとも御理解をお願いいたします。 以上です。 ○議長(岡崎洋一郎君) 長尾和明議員。  〔長尾和明君登壇〕 ◆(長尾和明君) 御答弁ありがとうございました。 2点ほど要望させてもらいます。 まず,南海地震の死傷者の想定ですが,2004年の新潟県中越地震では46名の死者に対して重軽傷者合わせて4,800名,死者数の100倍です。特に,家屋倒壊など地震本来の揺れに伴う原因以外で,地震によるストレスとかショック,避難生活による持病の悪化などによる2次的な死亡原因も多くあるようですので,そちらの対策もよろしくお願いいたします。 そして,もう一点は下水道の方ですが,認可区域の約3,300ヘクタールが平成25年度の完了と御答弁いただきました。残りの整備についてはまだ相当年数がかかると思われます。今では合併浄化槽の機能も向上しているとお伺いしておりますので,下水道と浄化槽との役割分担を含め,検討をしていただきたいと思います。 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(岡崎洋一郎君) 深瀬裕彦議員。  〔深瀬裕彦君登壇〕
    ◆(深瀬裕彦君) 先月の高知市議会議員増員選挙で春野から選出されました市民クラブの深瀬裕彦と申します。市民の皆様,議員の皆様,執行部の皆様,どうかよろしくお願いいたします。 質問に先立ちまして,少し時間をいただきたいと思います。 去る2月22日に,昨年12月まで春野町議会議員を務められておりました岡村道夫さんが御逝去をなさいました。自分のことより人の世話をすることに使命感を持って行動されてきた方で,大変残念に思います。今議会,市第48号で指定管理者の指定に関する議案が提案されていますが,この高知市春野西諸木公会堂の運営に関して中心となって活動されてきた方でもあります。この場をおかりしまして,謹んで哀悼の意をあらわし,御冥福をお祈りいたします。 それでは,通告に従いまして質問をさせていただきます。 まず,まちづくりについてお伺いします。 今議会の冒頭の市長説明によりますと,鏡,土佐山地域においては,平成20年度から本格的にコミュニティ計画づくりに着手するとのことでした。一方,春野地域においては,20年度中にまちづくりトークを開催し,市民と意見交換するとのことでした。旧高知市では,何かにつけ小学校区を単位とすることが多いですが,春野地域は学校統合が早くから進んでおり,東,西の2校しか小学校はありません。このため,小学校区は地域も広く,校区の中でも地域の特性が異なっています。一方,今の自治会は,春野町合併前の旧村単位で大体形成していますので,春野の住民もなじんでいますし,課題も共有しやすいし,話もしやすいと思われます。このようなことから,まちづくりトークを開催するならば自治会単位で開催されることが望ましいと思いますが,春野地域におけるまちづくりトークについて,その開催単位や時期など,どのような計画なのかお聞きします。 また,このような取り組みを通して,合併により編入された地域に市長みずからが出向いて,住民,あえて市民と言わずに住民と言いますけれども,春野で市民と言っても自分たちのことという意識はまだ余りないように思われます。住民と直接話す機会を持つことには意義があると思いますが,ただ聞くだけではもったいないと思います。今議会冒頭の市長説明では,今後のまちづくりに住民の意見を生かしていきたいということが述べられました。当然その内容を議事録として残し,課題事項があれば関係部署に伝え,検討の指示をされるものと思われますが,まちづくりトークの内容をどのように今後のまちづくりに生かしていくのか,心づもりをお聞かせください。 まちづくりトークなどの結果を踏まえ,春野地域においてもコミュニティ計画策定に向かっていくものと思いますが,春野地域に限らず,今後高知市としてどのようにコミュニティ計画を策定していくのか,そのスケジュールをお示しください。 旧春野町では,平成15,16年度において各自治会単位でまちづくり協議会を立ち上げ,それぞれ協議してつくったまちづくり計画案やまちづくり協議会での協議内容の報告書を春野町に提出しています。これらは地域により温度差はあるものの,地域の課題を知る上で重要な資料でありますので,まちづくりトークに臨まれる際には参考にしていただきたいと思います。この中には,市街化調整区域の見直しに言及している地域も幾つかあります。高知市・春野町合併協議会の席で,どの地区からも市街化調整区域を外せという意見が出なかったと報告されておりますけれども,決してそうではないということはおわかりいただけるものと思います。 新市まちづくり計画の中で,春野地域は田園地域ゾーンと位置づけられており,土地利用については,無秩序な開発を抑制し,農地の保全や農業の振興に努めるとともに,身近にある緑の空間として自然環境との調和を図ります。また,人口の減少と高齢化が進んでいる集落においては,地域の特性に応じ良好な居住環境の確保と適正な土地利用を図りながら,活力のある地域づくりにつながる取り組みを進めますと書かれてあります。 南ケ丘以外は人口の減少と高齢化が進んでいると思われますが,この人口の減少と高齢化が進んでいる集落とは一体どこを想定し,適正な土地利用とは一体どのようなものを想定しているのか。市街化調整区域の見直しを視野に入れた記述なのか,あわせて伺います。 さて,中山間地域における振興策について調査,審議する機関として,高知市中山間地域振興審議会がつくられています。合併協議によって新市まちづくり計画がつくられ,今後10年間でハード事業33億円,ソフト事業3億円,合わせて36億円の新市まちづくり事業が予定されています。 本の読み方にもいろいろあって,積ん読というのがあるのは御存じでしょうか。これは広辞苑にも載っております。本を読まずに積んでおくだけというものですが,新市まちづくり計画がそうならないためには,計画の進行管理を適切にすることが必要です。 中山間地域同様に,春野地域においても産業の振興及び地域の活性化や新市まちづくり計画に関する事項を調査,審議する機関が必要と思われます。春野地域振興課が設置されてはおりますが,農林水産部の所管であり,基本的には農業振興を所管する部署ですので,十分な対処ができないと思います。 そこで,仮称ですが春野地域振興審議会を設置する考えはありませんか,伺います。 次に,防災行政無線のことについて伺います。12日の江口議員さんの質問と重なる部分がありますが,地元の声としてお聞きいただきたいと思います。 合併前の春野では,火災が発生したときには防災行政無線を通じて消防団員を招集するとともに,火事の発生を知らせる放送が流されていました。合併後,その活用がされなくなって,芳原で起こった火事をきっかけに,多くの春野地域の住民から不満と不安の声が上がっています。近くで火事があっても付近の住民が気づくのが遅かった,気がついておれば助け出せたかもしれないという方もおります。消防団の招集についても,携帯メールが届かないということも起こっていると聞いております。火事が発生しているにもかかわらず出動できなかった場合には,地域の人に顔向けできないと思っている団員もいます。 防災行政無線は,消防団員の招集のためだけにあるのではなく,住民に火災などを知らせるとともに,住民の共助を間接的に促す役割を持っていたのだと改めて気づかされました。南海地震に備え,住民の共助が重要と言いながら,その活動を減退させるようなことは避けなければならないと考えます。そのために,従来春野地域で行われていた防災行政無線の活用方法に戻してもらいたいと強く願っています。これについて消防局長は,関係機関と協議する旨の答弁をされましたが,どのような対応を考えられているか,改めて伺います。 小学校の下校時刻には,今から小学生が下校しますので地域の方は見守ってくださいという放送も流されていました。この小学校の下校の放送については,新聞報道によりますと,新学期から再開されるとのことで喜ばしい限りです。地域で子供を守り育てていこうという機運ができつつあった芽を摘んでしまうのかと危惧しておりました。関係者の御努力に感謝を申し上げます。 放送を再開しますと,中には,うるさいという電話もあろうかと思いますが,めげることなく,子供たちのためということで理解を求め,説得していただきたいと思います。 昨年来,春野町内を回らせていただきましたが,火災の放送や下校の放送がなくなってよかったという方は一人もおらず,異口同音に,何とかならんか,どうしてやめたがという再開を熱望する声ばかりであったということをお伝えしておきます。 無線に関して,消防団に配備されている消防車の無線について伺います。 合併前は,仁淀消防と消防団が直接無線のやりとりができていましたが,高知市消防局との周波数の違いにより,春野出張所と消防団の消防車の無線の交信が不可能となっています。小電力の無線を配備し,現場での無線通信には支障ないとのことです。しかし,台風時の仁淀川堤防の水位警戒や大災害の場合など,どうしても消防団の力をかりなければならない場面も出てくると思います。その際には無線交信などで現場と消防局との情報交換ができることが必要と思いますが,どのように情報のやりとりをするおつもりか,伺います。 また,春野地域の市道で消防のタンク車が通れない箇所が47カ所,ポンプ車が通れない箇所が16カ所あると聞いています。春野地域だけでなく,土佐山,鏡,旧高知市の中にもこのような地域がまだまだたくさんあると思います。高知駅周辺,弥右衛門,潮江西部の区画整理などの大きな事業も終息に向かっていますが,今後は地域の生活道の整備,充実が求められると思います。このような事業は,地場の建設業者が下請でなく自分の勘定で仕事ができる機会をふやすことになり,地域でお金が回ることで,効果はわずかかもしれませんが,景気対策にもつながると思います。計画的にこのような箇所の解消を行うべきと考えますが,いかがでしょうか。 次に,一般廃棄物処理手数料のことについて伺います。 春野地域の一般廃棄物は,平成24年度末まで土佐市の北原クリーンセンターで焼却されることになっています。このため,春野地域だけ市の指定袋を購入し,それにごみを入れて出さなければなりません。大袋1枚につき50円です。このうち,製造原価と頒布に要する費用を除いて32円20銭が一般廃棄物手数料と考えられます。平成24年度末まで継続されますので,これを負担し続けなければなりません。大袋2枚を1週間に使用するとして,平成20年1月から平成25年3月までの負担は,32.2円掛ける2枚掛ける272週とすると約1万7,517円となります。春野地域以外はこの負担がなく,著しく公平を欠くと思いますが,どうでしょうか。 平成18年5月27日の合併協議会では,原則として手数料は高知市のものに統一するとしながら,一般廃棄物処理手数料は次回に協議するとしています。その次回というのは6月30日です。その合併協議会では,有料で収集処理しているので,一部事務組合脱退までは現行どおりという事務局の説明のみで,有料か無料かという議論は全く行われておりません。まことに不十分だと思います。指定袋での収集が必要なら,袋の製造原価と頒布に要する費用の実費で販売して,一般廃棄物処理手数料は無料にすべきと思いますが,どうでしょうか。 宇賀の清掃工場の廃棄物処理費用や起債償還には一般財源が充てられていると思います。当然,春野地域の住民も負担することになります。北原クリーンセンターで別途処理する必要があるから,春野地域の住民だけが一般廃棄物処理手数料を負担しなければならないという理屈は成り立たないと思います。 次に,旧春野町が3分の1の権利を有し,高知市に引き継がれた温泉について伺います。これも12日の江口議員さんの質問にありましたが,重ねてお伺いします。 はるのの湯ですが,現在70歳以上の春野の住民は無料で入浴することができています。しかし,4月以降は無料で入浴することができないということが温泉を経営する会社から利用者に告げられています。この会社と旧春野町との覚書では,春野町の高齢者及び障害者がはるのの湯を利用するときは入浴料を割引することが明記されております。合併に伴い高知市に権利が引き継がれましたので,春野地域限定では無料の扱いがしにくいし,高知市全体に拡大するとなれば減収が見込まれ,それもできないという状況のようです。 また,シャワーなどに使用する水は市の水道を使用しており,その水道料が合併によりはね上がって,しかも燃料の重油も高騰しており,経営的には苦しいとのことでした。この会社には,春野町は過去のいきさつから固定資産税の減免の措置をとってきたようです。その減免措置もなくなるというと,水道や燃料費と合わせて三重の苦しみを味わうことになり,経営の意欲も失せてくるのではないでしょうか。 はるのの湯は,セレッソ大阪の定宿であり,入り込み客も県内の施設でも上位にランクされているような施設であると聞いておりまして,本市の観光振興にも寄与していると思われます。 70歳以上の利用者の料金について何らかの措置をお願いするのか,会社の方針にゆだねるのか,また従来行ってきた固定資産税の減免をどうするのか,この点について今後どういう方向で交渉に臨まれるか,伺います。 道後温泉には,浴場に温泉を引き込み,リウマチ科,内科,整形外科やリハビリテーション科を開設している病院があります。一つの構想としてお聞きいただければと思いますが,キャンプに来る野球やサッカーのプロ選手は,故障があると高知キャンプに参加せずに,どこかよその地で治療をしているようです。そこで,このような選手の受け皿として,温泉を利用してリハビリなどを行う病院をはるのの湯の近くに誘致してはどうかと思います。キャンプシーズンに限らず,故障した有名なスポーツ選手が滞在すれば,取材のマスコミ関係者の宿泊も期待でき,ニュースにもなり宣伝効果も高いと思います。温泉の使用料を病院からもらえば,はるのの湯も市も幾ばくかの収入になります。このようなことが考えられないか,御所見を伺います。 最後に,窓口業務について伺います。 現在,春野庁舎に保険医療課の国保担当の窓口が置かれていますが,これは3月末までで,4月以降は引き揚げるということになっています。高額医療の払い戻しなどの医療関係の手続は,取得,喪失の手続を除き,4月以降は本庁に行かなくてはならなくなります。このことを危惧されている方がいます。医療関係の手続は,体が健康な方がなされるのではなく,何らかの病気を抱えている方がされることを考えれば,できるだけ近くで労力がかからないようにすべきと思います。市役所に通いなれた私でも,車で本庁に来るとなると,駐車場のことや車の運転に神経を使うこともあり,少しちゅうちょするわけですが,ましてほとんどお城下に来る機会がない方は推して知るべしであります。 春野の窓口を存続させ,春野地域に限らず高知市の南部地域の方に利用していただくことも一つの方法と思います。各課ぎりぎりの人員配置ということを考慮すれば,春野庁舎の窓口の存続が難しいことはある程度理解せねばならないと思います。しかしながら,前春野町長は,合併後も住民が春野庁舎に来て空振りにならないような措置をとってもらうと繰り返し議会でも答弁されました。この議場に議員としておられるわけですが,国保の医療関係の手続について,前町長に恥をかかせないような対応ができないものか,伺います。 簡単にできるとは思いませんけれども,春野地域に限らず,各窓口センターや健康福祉センターなどでこの手続ができれば,どれだけ楽かわかりません。合理化といった切る仕事ばかりが行政改革ではないと思います。地方自治法第2条第14項には,地方公共団体は,その事務を処理するに当たっては,住民の福祉の増進に努めるとともに,最少の経費で最大の効果を上げるようにしなければならないと規定されています。住民サービスを向上させる手だてを考え,最小の経費でそれを実行に移す,これも重要な行政改革の一つだと思います。 住民サービスを低下させ,その言いわけやおわびに追われることは,職員にとって何よりも苦痛であります。このようなことばかりでは,職員の仕事に対するモチベーションが低下し,覇気のない職場がふえるようになってしまいます。戸籍も住民票も印鑑証明も国保も,税の証明はもちろん,いろんなことができる窓口を目指し,すべてに通じた職員を計画的に養成するといったことも考えたらいかがでしょうか,御所見を伺います。 以上で第1問を終わりますが,私への答弁につきましては,顔を立てるとか,そういう配慮は一切要りませんので,できないものはできないと,違うところは違うと遠慮なくおっしゃっていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(岡崎洋一郎君) 岡崎市長。  〔市長岡崎誠也君登壇〕 ◎市長(岡崎誠也君) 深瀬議員さんは,春野地域と高知市のかけ橋になるということを強く訴えられ,今回御当選されまして大変おめでとうございます。地域の発展のために今後ともの御協力と御指導を賜りたいと思いますので,よろしくお願いを申し上げます。 まず,私の方からは,春野地域でのまちづくりトークの開催,新市まちづくり計画,そして春野地域の振興審議会等につきましてお答えを申し上げたいと思います。 まず最初に,春野地域におけますまちづくりトークについてでございますが,少し鏡と土佐山地域の合併後の事例を申し上げますが,鏡村,土佐山村とは17年1月1日に合併をいたしまして,まちづくりトークにつきましては,その合併をしました17年の11月からスタートをし,18年1月にかけて両地域で4回ずつ計8回実施をしたところでございます。中山間地域でございますので,住民の皆様方がその場所に参加してくるということにつきましては,道路事情も余りよくないということもございまして,住民の皆様方の利便性を考えまして,旧の小学校校区の単位ごとの公民館等で開催をしたところでございます。 春野地域におきましても,まちづくりトークを開催する予定でございますが,まず私たちも春野地域のそれぞれの地域の課題を整理をし,そして研究する必要がございますので,旧春野町出身の職員の皆様方からの御意見,またそれぞれの地域の課題や問題また実情等について,お聞きをする時間も要りますので,それらをお聞きをし,行政課題を整理した上で,恐らく会場は公民館もしくは各学校等の教育関係施設ということになろうかと思いますが,5回から6回程度の開催になろうかと考えているところでございます。 開催時期につきましては,先ほど申し上げましたとおり,春野地域のそれぞれの課題事項を少し整理する必要がございますので,新年度の後半あたりからスタートするということを想定しておりまして,スケジュール調整をしつつあるところでございます。 また,春野地域でまちづくりトークの開催が順次できますと,それぞれの地域からいろんな御意見や御提案をいただくと思いますので,鏡,土佐山両地域でのまちづくりトークと同様に,その出てまいりました御意見や御要望等を取りまとめ,その後市の対応結果につきましてもそれぞれの地域にお返しをしながら,今後の春野地域の政策づくりの参考にしていく必要があろうかと思います。 また,中長期にわたります御意見もいただくものというふうに想定がされますので,これら中長期にわたります地域の御意見につきましては,これから策定予定のございます総合計画等の中にも参考にさせていただきながら,また旧春野町では平成16年に春野町うるおいのあるまちづくり計画が提言をされ,また計画が策定されておりますので,これらの提言や春野町の計画も参考にさせていただきながら,今後地域の発展に向けた政策づくりにつなげてまいりたいと思っておりますので,よろしくお願いを申し上げます。 また,地域から選出されておりますお二人の議員さんとも十分に御相談をさせていただきながら,まちづくりトークを進めさせていただきたいと思っておりますので,よろしくお願いを申し上げます。 次に,合併に伴います新市まちづくり計画の中で,人口減少と高齢化が進んでいる集落という記述に関する御質問をいただきました。 春野地域全体の人口の推移を見てみますと,概数でございますが,昭和60年当時の町の人口が約1万6,000人,そして現在の春野地域の人口が約1万6,500人ということで,約500人ほど人口が増加をしております。現在の人口1万6,500人のうち,新設されました南ケ丘団地の人口が約3,000人ということでございますので,そのことを差し引きますと,それ以外の区域全体では2,500人ほど減少しているということがうかがえます。各集落ごとに人口の増減は当然あると思いますが,南ケ丘団地と平和団地を除きますと,それぞれの集落におけます人口は相対的に減少しているという傾向が見受けられ,少子・高齢化も同様に進んでいるものと思われるところでございます。 新市まちづくり計画のこの記述につきましては,特定の集落,地域を意図したということではございませんので,全体として総論を記述をしたというふうに御理解を賜りたいと思いますので,よろしくお願いを申し上げます。 また,この計画の中で土地利用に関する記述につきまして御質問をいただきました。 この中で記述がございます春野地域を田園地域ゾーンとして自然環境との調和を図りつつ,農業振興の視点から土地利用を図っていくということは,この計画のベースのところでございますので,合併後直ちに市街化調整区域の見直しに入るということを言及したものではございません。 なお,新年度に入りまして国土利用計画の見直しや次期総合計画の策定などを進めていく中で,当然に春野地域を含めた高知市全体の土地利用のあり方と,春野地域もどういう形で振興するかという意味でのグランドデザインを描いていかなければなりませんので,土地利用計画も含めまして広域的な視点から検討を加え,計画を策定をしてまいりたいと思っております。 最後になりますが,春野地域振興審議会を設置をしないかという御質問をいただきました。 17年1月1日以後,土佐山,鏡との合併のまちづくりの中では,中山間地域という独特の文化と中山間のコミュニティのあり方,社会環境など,都市部と非常に異なる部分がございましたので,中山間地域の振興をいかに図っていくかという観点で,中山間地域振興審議会を立ち上げ,また貴重な御意見をいただいているところでございます。 春野地域におきましては,先ほど申し上げましたそれぞれの地域でのまちづくりトークにおきまして,まず御意見をいただくということがスタートになろうかと思っております。それぞれの地域から活発な御意見をいただくものと考えておりますので,その御意見等を踏まえながら,そういう振興審議会の立ち上げが必要かどうかということを判断をしてまいりたいと思いますので,まずはまちづくりトークの準備を進め,各地域に私たちも入らせていただきたいと思っておりますので,よろしくお願いを申し上げたいと思います。 その他の御質問につきましては,各担当部局長等からお答えを申し上げます。 ○議長(岡崎洋一郎君) 澤本企画財政部長。  〔企画財政部長澤本義博君登壇〕 ◎企画財政部長(澤本義博君) 温泉と窓口業務に関する御質問にお答えをいたします。 まず,はるのの湯についてでございますが,固定資産税の減免につきましては,既に御答弁もさせていただいていますが,法令等に該当する根拠のないことから,地方税法及び市税条例に基づきまして,減免のない課税をしていかざるを得ないものと考えております。 また,相手方にはこのことを事前にお伝えすることといたしておりますが,その際に,御質問にございました今後の70歳以上の利用料につきましてもあわせて御相談をしてまいりたいと考えております。 温泉を利用したリハビリを行う病院をはるのの湯の近くに誘致してはとの御提案をいただきました。御提案をいただきました構想が実現をいたしまして,利用者もふえる状況が生まれますと,地域振興にとりましてもすばらしいことだと思います。貴重な御提案をいただきましたので,今後そうした誘致が可能かどうかにつきまして,関係部局も交えまして検討いたしまして,可能であればはるのの湯とも協議をしてまいりたいと考えております。 次に,春野庁舎におけます窓口サービスについてですが,国保の医療関係手続につきましては,本年度内は旧春野町の制度が継続適用されますことから,経過措置といたしまして春野庁舎で医療関係業務を継続しておりますが,4月からは新市での統一した制度の取り扱いとなります。国保業務につきましては,制度の専門性から専任の体制が必要と考えておりますが,人員体制の制約から,本庁と春野庁舎,複数の専管窓口の設置は困難な状況でございますので,御理解をいただきますようよろしくお願いをいたします。 最後に,各種の事務あるいは相談等に対応できる,いわゆる総合窓口についての御質問もいただきました。 各種の窓口サービスを連携をいたしまして,一つの窓口で多くの手続が完結をする窓口機能の総合化,いわゆるワンストップ行政の充実につきましては,本市の行革にも定めておりまして,市民サービスの向上につながる重要課題と考えております。 一方で,それぞれの制度が非常に複雑化をしておりまして,専門的対応が必要となっておりまして,多くのサービスについて一つの窓口で対応することが困難な状況もございますが,御提案をいただきました多くの窓口業務に精通をした職員の計画的養成や業務のマニュアル化,部署間での連携強化などの組織運営上の工夫について検討をいたすとともに,関連する業務の集約化や組織の統合などによる機構改革によって対応できないかどうかについても,今後検討を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(岡崎洋一郎君) 吉田市民生活部長。  〔市民生活部長吉田充君登壇〕 ◎市民生活部長(吉田充君) 春野地域を含めたコミュニティ計画策定のスケジュールについての御質問にお答えをいたします。 本市におきましては,平成5年度からおおむね小学校区を単位とし,鏡,土佐山地区を含めました38地区を対象として地区ごとのコミュニティ計画の策定,推進に取り組んできたところでございまして,現在26地区におきましてコミュニティ計画が策定されております。先ほど春野地域の小学校区のお話もございましたが,仮に春野地域を2つの地区と考えますと,全市で合計40地区が計画策定の対象地区となります。 現在,鏡地区,土佐山地区のコミュニティ計画を策定するために,庁内でまちづくりに意欲のある旧村職員10名をまちづくりパートナーとして組織し,準備を進めるとともに両地区の住民の方々に計画策定への参加の呼びかけを行っているところでございます。 今後,両地区においてコミュニティ計画策定市民会議を立ち上げ,地域でのアンケート調査なども実施しながら,これからのまちづくりやコミュニティ活動等について御論議をいただき,約1年程度をかけまして計画案をまとめてまいりたいと考えております。 こうしたことから,春野地区を含めました未策定の12地区につきましては,鏡,土佐山両地区のコミュニティ計画が策定された後,各地区の状況や住民の皆様の意識の高まり,また事務局体制等をも踏まえながら,順次着手してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(岡崎洋一郎君) 柴環境部長。  〔環境部長柴英豊君登壇〕 ◎環境部長(柴英豊君) 春野町との合併についての御質問の中で,春野町のごみ袋については,袋の製造原価と頒布に要する費用の実費で販売し,一般廃棄物処理手数料は無料にすべきではないかとの御質問にお答えいたします。 御質問の件につきましては,平成18年6月30日に開催されました第8回高知市・春野町合併協議会におきまして協議され,春野町の燃やせるごみの指定袋での収集方法,収集場所及び収集回数は,一部事務組合を脱退する平成24年度までは現行のとおりとし,脱退後の平成25年度から高知市の制度に統一するとの案が示され,協議の結果,原案どおり承認されております。 また,このことにつきましては,平成18年8月1日発行の高知市・春野町合併協議会だより第5号に協議の結果として掲載し,春野町の住民の皆様にお知らせをしてきたところでございます。 また,平成18年7月10日から8月6日にかけ,春野町内の全地区の住民の皆様を対象としました合併意見交換会を開催し,16地区で延べ398名の御出席をいただき,合併後のごみ収集の変更点を初めとします,御質問にございました燃やせるごみの指定袋での収集はこれまでどおりであることなどを御説明させていただき,一定の御理解をいただけたものと考えておりますので,よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(岡崎洋一郎君) 海治建設下水道部長。  〔建設下水道部長海治甲太郎君登壇〕 ◎建設下水道部長(海治甲太郎君) 消防車が通れない市道の解消を計画的に行うべきとの御質問にお答えいたします。 現在,認定市道は8,710路線,総延長1,898キロメートルとなっております。このうち,幅員4メーター未満の狭小な生活道路は,現在春野地域につきまして台帳整理を行っており,推定となりますが,全延長の約3割から4割程度になることが予想されております。 このような幅員4メーター未満の狭小な生活道路には消防車が通れない箇所や車同士がすれ違いできない箇所もあり,市民が安全で安心して暮らすためにも道路改良が望まれます。しかしながら,これらすべての路線での道路改良工事は,確かに建設業者への景気対策としては有効であるかもしれませんが,財政的には困難であります。このため,本市では,緊急車両等の通行確保を目的として,部分改良によりその効果が顕著となる箇所を整備する緊急防災事業や道路用地の寄附により整備を行う市単道路改良事業などで取り組んでいるところでございます。 市民の皆様から御要望をお受けします狭隘な道路の改良につきましては,予算も限られており部分的な改良となりますが,現地調査を行い,緊急性を判断し,優先順位をつけ,計画的な取り組みを進めてまいります。よろしくお願いします。 ○議長(岡崎洋一郎君) 山中消防局長。  〔消防局長山中次男君登壇〕 ◎消防局長(山中次男君) 消防行政に関する御質問をいただきましたので,お答えいたします。 本年1月の合併以降,春野地区の消防分団への出動指令は,これまでの防災行政無線によるサイレンの吹鳴から,旧高知市において平成12年度から運用しております消防緊急通信指令システムに変更を行いました。合併後,春野地区の各消防分団を招集いたしました火災が8件発生しておりますが,団員の皆様の出動率は90%前後と非常に高く,合併前と同等の水準で推移をしておりまして,新たなシステムも一定定着しつつあるものと考えております。 御質問の合併前に実施しておりました防災行政無線を活用しての火災発生場所等の放送につきましては,先日の江口議員の御質問にもお答えいたしましたとおり,災害情報を含めた情報の共有化は,地域のコミュニティの強化にもつながっていくものと認識しておりまして,放送の再開に向けた具体的な協議を関係部局と行ってまいりたいと考えております。 次に,消防団の無線機についてでございますが,現在消防局が使用いたしております無線の周波数は,火災などの災害時に消防団員招集用に使用するサイレン吹鳴用のものと,情報指令課が統制する災害活動用の2種類の消防波で消防業務の全体を運用しております。このうち情報指令課が統制する災害活動用消防波を使用した無線機を常備消防全体の部隊車両に搭載して災害活動に対応しており,また各分団の車両にはこの消防無線傍受の専用受令機を搭載し,運用を行っております。本市では,1年間で救急出動が約1万4,000件,火災出動が約160件,救助出動が約80件程度発生し,これらの事案に対してすべて情報指令課が無線統制を行っております。 こうした状況のもと,災害事案が同時発生することも多くあり,消防団を含めた全車両に無線機を搭載しますと,無線のふくそう等の弊害が発生し,災害対応に支障が出ることが予測されます。こうした弊害を防止するため,平成9年度から消防用無線機とは別に,管轄人口30万人以上の都市に認められております署活系無線機を各消防隊を初め各消防分団にもそれぞれ2台を配備しており,個々の現場において相互に送受信が可能な体制で運用しております。 御指摘のとおり,大規模災害時の対応につきましては,地域の消防団や他の防災機関との連携,協力を得ながらの活動は必要不可欠であり,現在でも風水害等の出動も含め,常備消防と消防団が連携した体制をとっており,署活系無線機を活用することによりまして,現場活動における情報の共有も図れていると考えております。 今後におきましても,本市全消防分団で現状の体制を継続いたしますとともに,将来整備が必要となります消防救急無線のデジタル化も見据えながら,最も効果的な運用体制について検討してまいりたいと考えております。 ○議長(岡崎洋一郎君) この際暫時休憩いたします。  午前11時58分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後1時0分再開 ○副議長(浜田拓君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 深瀬裕彦議員。  〔深瀬裕彦君登壇〕 ◆(深瀬裕彦君) 2問目を行わせていただきます。 まず,コミュニティ計画についてですけれども,春野地域は自治会組織がしっかりしている地域が多く,自主防災組織の組織率も高く,まちづくりのことに関心を持ち,地域をリードできる人材も各地域に多くおります。コミュニティ計画を策定する土壌はでき上がっていると思いますので,あとはその種をまくのを待っている状態だと思いますので,一日も早く種をまいてほしいと思います。市長の任期中には着手できるように計画を練っていただくよう要望しておきます。 続きまして,防災行政無線の活用についてですけれども,前向きな御回答をいただきましてありがとうございました。よろしくお願いいたします。 それから,消防団配備の消防車の無線の件ですけれども,無線のデジタル化に合わせて消防団の考えも聞きながら整備を図っていくようにお願いいたします。 一般廃棄物処理手数料の無料化についてですけれども,合併協議で合意に達し,協定書を取り交わしている,そういうことは百も承知しております。一定住民に理解が得られたという答弁でございましたけれども,その説明会の席上,不公平ではないかというような意見も出されたものです。決して理解が得られたとは考えておりません。同じ市民でありながら春野地域だけが負担を強いられるのは平等でないと思います。負担の公平,平等ということについての見解をいま一度お尋ねします。 温泉の件ですけれども,できるだけ無料を継続する方向で交渉してほしいと思います。でなければ,覚書にあるように,割引してもらうようにするべきだと思います。難しい交渉になると思いますけれども,よろしくお願いいたします。 窓口業務について,国保の医療の窓口ですけれども,窓口設置が無理ならば,せめて書類を預かるように,そういう手だてがとれないものか,その対応ができないものか,お聞きします。 生活道整備という点ですけれども,先ほど御答弁の中で,緊急防災事業あるいは市単道路改良事業の御紹介がありましたが,どうしたら生活道整備ができるか,制度的なものや高知市の基本的な考え方を春野地域,特に自治会に知ってもらう必要があると思います。その手だてを講じていただくよう要望いたします。 以上で,第2問を終わります。 ○副議長(浜田拓君) 澤本企画財政部長。  〔企画財政部長澤本義博君登壇〕 ◎企画財政部長(澤本義博君) 窓口業務について再度の御質問をいただきましたので,お答えをいたします。 国保につきましては,医療関係の手続につきましては先ほど御答弁もさせていただいたところでございますが,御質問のありました書類等の預かりにつきましては,専門性もございますので,対応について所管と今後協議をさせていただきたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○副議長(浜田拓君) 柴環境部長。  〔環境部長柴英豊君登壇〕 ◎環境部長(柴英豊君) 一般廃棄物の処理手数料のことにつきまして2問をいただきましたので,お答えいたします。 先ほど御説明申し上げましたように,春野町と高知市との合併に当たりましては,1市2制度をどうしてもとらざるを得ないという状況がございました。その中で,春野町の皆様には燃えるごみについての御負担をしていただくことがどうかということも十分議論をしてまいりましたけども,先ほど申しました合併協議会の中でそのことを提案しながら御承認をいただいております。このことにつきましては,その協議会の中で協議いただき決定されたものでございますので,このところは御理解いただきたいというふうに思います。 以上でございます。 ○副議長(浜田拓君) 深瀬裕彦議員。  〔深瀬裕彦君登壇〕 ◆(深瀬裕彦君) 一般廃棄物の処理手数料についてですけれども,この点については平行線だと思います。 今回,20年度予算で,歳入予算として一般廃棄物処理手数料が計上されております。予算案については賛否を問われるわけですけれども,たとえ仮に賛成ということになりましても,一般廃棄物手数料の徴収については承知をしていないということを申し添えまして,第3問を終わりたいと思います。 ○副議長(浜田拓君) 川村貞夫議員。  〔川村貞夫君登壇〕 ◆(川村貞夫君) 市民の皆様,市議会清流クラブの川村貞夫であります。第407回高知市議会定例会において個人質問の時間をいただきましたので,平成の合併で2度にわたり変貌してきました高知市の行く末を展望しながら,岡崎市長の所信表明も踏まえながら,環境問題や地域づくり,まちづくりを中心に質問させていただきますので,明快な御答弁をお願いいたします。 まず,ことし1月1日をもって合併をしました旧春野町の増員選挙におきまして見事当選を果たされました氏原嗣志さん,深瀬裕彦さん,まことにおめでとうございます。紆余曲折の道のりと難産の合併であっただけに,町民の方々も今はほっとした安堵の気持ちであろうかと存じます。合併の旗頭として頑張ってこられました前町長の氏原さん,元高知市の職員として同僚,仲間も多い前町議の深瀬さんの今後の高知市議会での御活躍をお祈り申し上げます。 さて,春野町といえば,藩政時代に野中兼山が開いた農業用水路のおかげで里山の開墾が進み,多くの田畑が開拓されました。近年,さらにこれらの農用地の基盤整備も進み,近代的な圃場として整備され,一層価値あるものになってきています。合併の記念誌にもありますように,土佐のデンマークとして,その名声を欲しいままにしてきたところであります。合併後もぜひ美しい田園がいつまでも保存されますよう,私たちもその土地利用については,園芸農業の振興地域としての確たる位置づけをし,むやみに農用地を工業用地や宅地開発等に転用すべきでないと考えます。しっかりとした縛りを入れる必要があります。 そこで質問ですが,今後の旧春野町における土地利用計画は基本的にどのように考えられているのか,岡崎市長にお伺いいたします。 さて,ことし大変ショッキングな事件が隣町で発生いたしました。子供が同居の大人の暴力によって死に至ったのです。未然に防ぐことができなかったことが一番悔やまれます。それにしても,昨今の家族間でのこうした事件の多さにはいささか気がめいります。貧しいながらも家族が仲よく暮らしていた,かつての日本の家庭生活は一体どこに行ったのでしょう。わずか50年ほどの間に,家庭が持っていた多くの機能を失ってきました。出産や育児,しつけや教育,おばあちゃんの知恵としての漬物とかおみそなどの保存食,伝統食,民間薬を使う保健機能もありました。葬儀も結婚披露も家庭で行う人は今ではほとんどいなくなりました。家庭が持っていた機能をそれぞれの専門機関にゆだねたといえば聞こえがいいのですが,家庭もアウトソーシングが進み過ぎたようでございます。日曜日の朝御飯も近くのファミレスでとるとあっては,一体どこまで家庭の機能は縮小するのでしょうか。 ちょっとこの図をごらんください。家庭が持っておった多くの機能をわずかこの50年くらいの間に失ってきたわけでございます。50年ほど前は大家族でありましたし,職住が接近をしておりました。そこには家族主義という主義があったと思います。そして,おふくろの味,おばあちゃんの知恵というのがありました。そして,何よりもおじいちゃん,おばあちゃんのひざには孫がおりました。こういった大きな機能があった日本の家庭でございますが,かつて日本を占領,統治したアメリカが日本を骨抜きにするためにとった政策の一つが大家族制度の解体でありました。大家族の中では統制がとれていたわけでございますが,核家族になってそれをだんだんと失ってくるわけでございます。 先ほども申し上げましたが,それぞれの機関に家庭の機能をアウトソーシングしていく。当然家庭は核家族になりましたし,消費の単位に家庭はなってきました。そこで,個人主義が中心になってまいるわけでございます。こういった考えの中で,戦後の高度成長の中で住宅産業はどんどん発展をし,個人の個々の部屋をつくるという仕組みになってきたわけでございます。そして,縁側がサッシに変わっていく,そういうことで隣近所とはさ知らぬ関係に陥っていくわけでございます。 福田首相は200年の住宅を提唱されていますが,これも家族のきずなをベースにしないままでは大きな問題があろうかと思います。どんどんと失ってきた福祉関係のものも,施設福祉から在宅福祉へと,こういう転換を厚生労働省は国民に訴えたわけでございますが,この流れとは全く逆行するものであろうかと思います。 そこで質問ですが,家庭の機能がこれだけ縮小してきた今日の状況にあっては,もっともっと高知市には有料の老人福祉施設が必要ではないかと考えます。また,こうした家庭の機能を補完するようにしていかなければ,今日の状況に対応できないんではないかと考えるところでございます。待ったなしに訪れる超高齢化の時代を見通した取り組みを健康福祉部長にお伺いいたします。 次に,後期高齢者医療制度についてでありますが,今まで家庭の保険料や医療費は主に世帯主が支払ってきました。ところが,現在導入前から余り評判の高くない後期高齢者医療制度は,この流れを断ち切るものになるのではないでしょうか。75歳になると自動的に高齢者はこの制度に加入しなければなりませんから,我が家でも年老いた高齢者の保険料を本人が支払うことになり,さらに医療費の自己負担分も払うとなると,家族間のきずなの分断になります。これでは日本の家庭風土の面から考えますと,何だか変だなあと考え込んでしまいます。健康福祉部長の後期高齢者医療制度についての率直な御感想をお聞かせください。 次に,教育機能の問題です。いや,それ以前の問題として生存に関する問題であります。 児童虐待がこれほど続発してよいものでしょうか。食べ物自体を与えない。しつけと称して暴力を振るい,死に至らしめる。児童相談所の職員は施設にいて相談を受けるだけではいけません,家庭の中に入り込まなければなりませんと識者は言っていますが,これでは先が思いやられます。しかし,現実は,そうでもしない限り,未然にこの種の事件を防ぐことはできそうにありません。安易に見ていてはならないと考えますが,教育長のお考えをお聞かせください。 現在,どこの家庭にも教育機能が残っておりますが,これらの機能を補完するためには,教育委員会としてどのような手だてが必要であるとお考えなのか,そのことについて御所見をお伺いいたします。 家庭の機能でも教育機能は最後の最後まで家庭が死守すべきものと考えている私は,教育のセーフティーネットは家庭にあると堂々と述べたいところですが,これとてなかなか難しい。教育長は,さまざまな形で学校に持ち込まれる家庭での教育課題をどのようにさばいているのか,現場の実態と今後の対応についてお伺いいたします。 これだけ家庭の機能が喪失された中で,しつけや家庭教育機能の回復について教育長はどのようにお考えなのか,お伺いをするところでございます。 いずれにいたしましても,大家族から核家族になってくる中で家庭の危機が生まれていることを私たちは看過すべきでないと考えます。 次に,財政問題に移ります。 最近,高知市の財政状況もバランスシートで作成し,公表するようになってきました。したがって,資産はどのようにして形成されているのかという点から,少し図を使いながら説明させていただきたいと思います。 簡単に言えば,バランスシートでは資産の形成は負債プラス資本であります。これは地域の資産であろうと高知市の資産であろうと民間会社の資産であろうと同じでございます。しかし,この資産がどのような内容で形成されているかについては相当の差が出てまいります。自己資本での資産形成ならそれほど問題はありませんが,負債に頼っての資産形成となると,将来にツケを回したという点で問題となるのであります。つまり,言うなれば負債は他力であり,資本が自力となるからであります。例えば我が家を新築したとして考えてみてください。新築した家は資産でありますが,手に入れた手段として定期預金を崩した部分は自力の資本になります。住宅ローンを組んだ場合にはそれが他力になります。その比率を言っておるわけでございます。起債を次々と起こして資産をふやしたとしても,やがてその返済に四苦八苦しなければならないからでございます。 そういった意味で高知市の財政力指数は,自己資本力を示す指標として特に注目しなければならないところでございます。それだけに,高知市の場合,自力の部分である自己資本の充実が肝要となります。結論から申し上げますと,自力を増強しない限り,地域も市も明るい未来はないということであります。それでは,この自力をどういった形で蓄え,どういったことで賄っていくかということが極めて重要になるわけでございます。また,この自己資本の部分につきましては,心の部分も含まれてくると私は考えております。つまり,気持ち,情熱,士気,そういったものが含まれるわけでございます。 昨年,高知市消防団の鏡分団は県の消防操法大会小型ポンプの部で見事優勝することができました。配属された消防車が2台とも新しくなったことを思うと,何としても立派な成績を残してほしいと私は考えておりました。幾ら消防自動車というハードの部分が新品となっても,ソフトの部分で対応できなければ問題であるからでございます。 そこで,消防局長にお伺いいたします。 高知市が初めて操法の全国大会に出場することになったわけですから,この全国大会への意気込みと対応の仕方についてお考えをお聞かせください。 また,消防施設を更新することと利用を十分にすることがアンバランスであってはいけないわけでございますので,こうした点での御所見をあわせてお伺いいたします。 自己資本をどのようにふやすかについては,どの地方自治体も大変気がけておる点でございます。寄附の部分も重要でございますし,今議会課題になっておりますふるさと納税もここに上がってくるわけでございます。さらに,企業のCSR活動も含まれてまいると思います。そして,ボランティア活動とかNPOの活動,さらに住民の気持ちの問題,職員の心の問題,これが含まれてくると思います。当然,コミュニティ意識もこれに入ってくると考えるわけでございます。 そういった視点で考えていくと,中心市街地の活性化もお任せの論議でなく,自分たちがコミュニティをどのように形成しながら取り組んでいくかということが極めて重要であります。アソシエーションがあってもコミュニティがなく,ゲゼルシャフトがあってもゲマインシャフトがないようではまちづくりは成功しません。自分たちのこととして課題や情報を共有することから進めるべきだと考えますが,この点で中心市街地におけるまちづくりは弱いように私の目に映ります。担当部長の忌憚のないお考えをお聞かせください。 さて,昨年11月25日の同時選挙におきまして,知事には尾崎正直さんが,市長には岡崎誠也さんが見事当選をされました。私はこの選挙戦の真っただ中で,尾崎,岡崎2人がタッグを組んで戦っている姿がこれからの県,市の連携につながると感じたところでございます。お互いに当選後も相互に訪問し,緊密に連携をとっていこうという姿勢は高く評価されてよいことだと考えます。 さて,私たちは県会議員と県下の市町村議員が連携してエコ議連を結成し,環境問題,中でも地球温暖化の元凶だと言われております二酸化炭素,すなわちCO2の削減について検討,協議を積んでおりますが,私は岡崎市長のOと尾崎知事のOと両者を合わせてO2になると考えております。O2は酸素であります。CO2は削減しなければなりませんが,O2の酸素はまき散らしてほしいと考えます。植物は炭酸ガスを吸収して酸素を出す。この植物の光合成という作用があるからこそ,私たち人間の生存が可能なわけです。岡崎市長は尾崎知事と連携して環境問題に積極的に取り組み,酸素の供給をどんどん進めてほしいと考えます。 ところで,昔から四里四方とか身土不二とかという言葉があります。今日の表現に変えると地産地消ということだろうと思います。中国から輸入した冷凍ギョーザが農薬入りだったという大変大きな事件が発生しました。私は,日本の政治が食に関しては完全に間違っていると考えています。それは食糧については我が国の安全保障の問題からだけでなく,日常的に消費する食糧の輸送時における二酸化炭素をどれだけまき散らしているということを考え合わせなければならないからでございます。単にコスト面から見て,海外に依存する方が有利だという経済の側面のみで我が国の食糧自給率を落としてしまってよいものでしょうか。 フランスの大統領であったド・ゴールは,国民の食糧を自給できない国は独立国家と呼べないと看破しています。自給率がわずか39%の日本は,もはや独立した国家ではないのです。 市長は,地産地消のCMにも登場していますが,フードマイレージの観点からも地産地消はもっと積極的に推し進める必要があると考えます。新年度の重点施策としても掲げられています食による健康づくり支援について,食育推進計画を健康づくり課,学事課,農業水産課の3課連携で取り組む計画でありますが,推進条例をつくり,しっかりとした食育推進計画を策定するつもりかどうか,市長にお考えをお伺いいたします。 特に,食べるということは愛情と深くかかわっておりますので,大切に取り扱っていただきたいと思います。 加えて,北環状線の万々には,鏡地域の直販所,鏡村の店が改築され,あす新装オープンいたします。市民の皆さんの御愛顧により,議会,執行部の皆さん方の深い御理解のもとに改築されたものでございます。改めて感謝申し上げます。 直販所は地産地消の重要な部分を担っておりますので,市長の思いもあわせてお伺いします。 さて,私たちの移動の手段としてマイカーの実態を抜きには考えられませんが,近ごろマイカーに対する考え方も少しずつ変化してきたように思います。公共交通機関である土佐電気鉄道がパークアンドライド事業を進めており,この呼びかけに賛同する市民の方々もふえてきています。路面電車の停留所近くにマイカーを駐車し,混雑する中心部にはマイカーの乗り入れを自粛する。これによってCO2の削減に協力し,環境に優しいまちづくりを市民が率先する。今日の公共交通機関の利用者の掘り起こしと環境に優しい市民生活の両方を満足させるものであり,大いに歓迎されなければなりません。高知市が環境に負荷を与えるだけでなく,こうした取り組みが随所に出てくることが望まれます。 このような取り組みに対して岡崎市長はどのような御見解をお持ちでしょうか,お伺いいたします。 また,パークアンドライド事業を利用する市役所職員に対する助成のあり方も検討する必要があろうかと思います。そこで,総務部長に,パークアンドライド事業を利用する市役所職員に対する交通費支弁のあり方についてどのように考えているのか,お尋ねいたします。 次に,最近の岡崎市長の発言を聞いておりますと,合併効果と申しましょうか,大変環境面で自信のある発言や提言が多くなってきた印象を持つのは私ばかりでないと考えます。今まででしたら,高知市は環境に対して負荷を与え続けていることから,何か申しわけないという気持ちであったかもしれませんが,最近は中山間部の広大な森林資源が地球環境に対しても大きな役割を果たしている観点や,清流鏡川を水源地から河口までそのすべてを市域におさめるということから,環境面で貢献できるなど,環境分野で市長が胸の張れることが多くなった実態が市長に自信を芽生えさせているものと考えます。その自信は大いにアピールしてもらいたいものと考えます。 そこで質問ですが,今後高知市の売り物は環境だということではないかと思います。昨年,環境白書で高知市が大きく取り上げられました。このことは,中核市の中でも優位性があると環境省も考えていることのあらわれでございます。ないものねだりをしても始まりせんので,環境こそ高知市の売り物であると考え,市長はこの売り物である環境を今後どのように生かしていこうと考えられているのか,お尋ねいたします。 私は,高知市は今こそ21世紀に向かって環境面で大きくアピールする時期に来ていると考えております。国を挙げて,いや,地球規模での温暖化が議論されている中で,環境に優しい都市を目指すことが高知市の新しい展開だと考えます。地域再生や中心市街地の活性化,観光面での活力をと多面的な取り組みが求められている高知市であるだけに,今こそその大きなくくりを環境に求めるべきであると考えます。市民生活まで浸透しなければならない課題でありますが,ぜひしっかりとした方向づけの中で市政の発展を期さなければならないと考えます。 そのためには,水担当の専門職員も配置してきた高知市に,空気専門の担当職員を配置することなども最も今日的な課題であると考えます。岡崎市長の御見解をお伺いいたしまして,第1問とさせていただきます。 ○副議長(浜田拓君) 岡崎市長。  〔市長岡崎誠也君登壇〕 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問をいただきましたので,順次お答えを申し上げます。 まず,合併に関しまして,今後の春野地域におけます土地利用の考え方につきまして御質問いただきました。 春野地域は,合併後のまちづくりを進める基本方針として新市まちづくり計画を定めておりますが,その計画の中で大部分を自然地域と田園地域というゾーンで位置づけをしております。この位置づけのゾーンにつきましては,農地の保全や自然環境との調和に努め,地域の産業を生かした活力ある地域づくりを進めていくと,そういう意味での土地利用を進めていくという方針を立てておりまして,優良な農地や集落,自然環境を一体的に保全すべき地域と考えているところでございます。 農業振興地域整備計画につきましては,旧の高知市域と春野地域の一体化に向けた計画の見直しに来年度着手をする予定でございますが,農地とこれまでの農業を振興する観点を引き継ぐということになろうかと思っております。 土地利用の観点から,引き続き市街化調整区域,または,いわゆる農振と呼ばれています農業振興地域がベースになろうかと思いますが,基本はやはり無秩序な開発等を抑え,農地や地域集落,自然環境を保全するということが基本スタンスになろうかと思っております。 いずれにしましても,来年度から調査,検討を予定をしております国土利用計画また総合計画,都市計画マスタープランの変更作業がございますので,その中で春野地域の土地利用上の課題を整理をし,見直しの必要性につきまして,広域の観点も織り込みながら総合的な検討をしていく予定でございますので,よろしくお願いを申し上げます。 次に,地産地消関係の御質問をいただきました。 御質問にもございましたように,日本の食糧自給率はカロリーベースで39%にまで落ち込んできておりまして,先進国を見ましても最低の水準となっているところでございます。午前中の御質問でも少しお答え申し上げましたが,農産物に対します消費者のニーズの変化や,また子供さんの食べ物が変わりつつあるということも要因でございますが,一番の大きな要因は,安価な輸入農産物が国内の農業経営を圧迫をしてきているということがその背景にあると思います。食糧の輸入量と,そしてその輸送距離で算出をされますフードマイレージという考え方がありますが,そのフードマイレージにつきましても,先進国の中でも特にこの数値が高くなってきておりまして,温室効果ガスの増加など環境に負荷をかけている状況となっているわけでございます。 地産地消の推進につきましては,知事と私もコマーシャルでも訴えておりますが,移送距離が短いほどCO2の排出が少ないということにもつながってまいりますので,食糧自給率の向上という観点と,さらにCO2の削減という観点からも,そのことを訴えているところでございます。地産地消には二通りの側面がございまして,地域の生産を促すという意味と,地域で生産された農作物を安心,安全の観点から身近なところで消費をしようという2つの側面を持っているわけでございまして,地産地消と移送距離が短い,そして環境にも優しいということを訴えさせていただいているところでございます。 地産地消推進の基本計画につきましては,18年3月に庁内の報告を受けておりまして,これをさらに,20年度に改めて地産地消推進計画というものを策定をいたしまして,実践をしてまいりたいと思っているところでございます。 次に,万々にございます鏡むらの店,改築中でございましたが,あした8時にオープンをするということでございまして,関係者の皆様方に心からお喜びを申し上げます。 この鏡むらの店万々店でございますが,平成7年に開店をされまして,鏡村直販店組合の皆様が大変御努力をされておりまして,年間で約1億3,000万売り上げているという人気店でございまして,手狭になったということで今回改築をされるわけでございます。この直販店につきましては,鏡地域での新鮮な野菜を初めとしますいろんな特産品が売られておりまして,市民の皆様方に大変喜ばれているところでございますが,今回改築によりまして,新しいお店では2階部分に調理設備を設けた部屋も構えられており,鏡地域での特産物を2階で調理実習的に行われるということも聞いておりまして,そういう意味でも地産地消の拡大につながっていくものと期待をされるわけでございます。今後ともの御発展をお祈りするところでございます。 次に,パークアンドライドにつきまして御質問をいただきました。 パークアンドライドにつきましては,御質問の中でも御紹介がございましたが,平成12年度から公共交通機関の利用促進とCO2の削減という二面性から取り組んでおりまして,現在美術館通り,ここは162台構えてございます。そして,一宮の高架道路下でございますが,ここに214台構えてありますので,両方合わせまして376台が構えられているわけでございますが,さらにことし2月から供用が開始をされております鏡川橋の駐車場,ここが85台ということで,私たちの土地開発公社の土地を利用するところもございますが,公共交通機関との連携をとりながら,パークアンドライドを実施をしてきているところでございまして,今後ともさらに関係機関とも連携をしながら積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 次に,環境がこれからの高知の売り物になるという御質問をいただきました。 御紹介いただきましたように,特に環境省が高知県,そして非常にコンパクトな高知市ということにここ数年注目をしてくれておりまして,環境省の予算でいろんな環境調査もかなり実施をされてきているところでございます。そういう調査に基づきまして,平成18年版の環境白書で4ページにわたりまして高知市の特集が組まれておりまして,この中では運輸旅客部門の年間1人当たりの二酸化炭素の排出量を前橋市と比較をしまして,高知市が1人当たり年間0.87トンに対しまして前橋市が1人当たり年間1.21トンでございますので,高知市が前橋市と比べまして約4割少ないというデータが取り上げられているところでございます。これは前橋市の市街地がかなり拡散的になっておりまして,自動車での移送の依存度が非常に高いというのが一つの要因で,これに対しまして高知市は市街地がもともとコンパクトで,しかも路面電車が東西南北を縦横に走っていること,また集約型の都市構造となっておりまして,自転車通勤も多いということが全体として二酸化炭素の排出を低く抑えるということに結びついていることが白書の中で特集をされているところでございます。 御質問にありましたように,平成17年1月1日に土佐山,鏡地域とも合併をし,非常に広大な緑の区域が入ってまいりました。また,本年1月の春野町との合併によりまして田園地域も入ってまいりましたので,自給,自立の可能性が高い都市となったという認識を持っておりますし,地産地消をさらに進めることができる大きな要因が整ってまいりました。 本年度,環境省の予算で,高知市の一つの取り組みとして,これは土電の電車とバス,そして県交通バス,共通のカードで全部乗れるシステムを導入するというものが,県から要望を上げて補助事業として採択をされております。市民の皆様方も1枚のカードで,しかも現金がなくても乗れるということで,非常に利便性が高まるということを期待をしておりますが,このこと自体も公共交通機関の利用を高めることによってCO2の排出抑制につながるということが期待をされるわけでございますので,そのことも県とも共同で進めてまいりたいと思っているところでございます。 やはり環境というものは,全国にもいろんな意味で発信ができる,そういう環境都市高知ということが私たちのこれからの大きな柱にもなってまいりますので,国の大きないろんな意味での政策もさらに取り入れながら進めてまいりたいと思っておりますので,よろしくお願いを申し上げます。 その他の御質問の項目につきましては,各担当部局長等からお答えを申し上げます。 ○副議長(浜田拓君) 吉岡総務部長。  〔総務部長吉岡章君登壇〕 ◎総務部長(吉岡章君) パークアンドライド事業を利用する市職員に対する交通費支弁のあり方についてどのように考えるかという御質問をいただきました。 このパークアンドライド事業を利用している職員の通勤手当につきましては,これまで既に一宮や高須地区でのパークアンドライド事業を利用している職員に対しまして,高知市の職員給与条例並びに通勤手当に関する規則に基づきまして,定期代の実費等の支給をしているところであります。 ただ,このパークアンドライド事業は,交通渋滞の緩和とともに二酸化炭素の排出量の抑制により環境負荷の低減にもつながる取り組みでもありますことから,本市の自家用車により通勤している職員に対しまして,この事業の趣旨を理解していただき,少しでも多くの職員の方々に利用していただくように,庁議や総務課長会等を通じまして周知を図っているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(浜田拓君) 堀川健康福祉部長。  〔健康福祉部長堀川俊一君登壇〕 ◎健康福祉部長(堀川俊一君) 健康福祉行政に関する御質問に順次お答えいたします。 最初に,超高齢化の時代を見通し,有料の老人福祉施設がもっと必要ではないかとの御質問にお答えします。 有料の老人福祉施設の代表的なものに有料老人ホームがございます。平成18年4月1日から,入居する高齢者の人数にかかわらず,老人を入居させ,入浴,排せつもしくは食事の介護,食事の提供,洗濯,掃除等の家事,または健康管理等の供与をする施設すべてが有料老人ホームとなり,都道府県知事への届け出が必要となっております。 平成20年2月1日現在,高知市には10カ所の有料老人ホームがあり,定員の合計は343人となっております。近年,次々と開設されており,10カ所中9カ所が過去3年以内の開設となっております。 さらに,介護保険の在宅サービスの利用を前提とした高齢者向け住宅も最近急速にふえています。介護保険施設の利用が重度者に限定されてくる状況の中,独居の要介護高齢者を在宅で支えるには,在宅サービスやケアマネジャーの質の向上はもちろんですが,このような施設がますます重要になってくるものと考えております。 また,低所得で介護度の重い高齢者のために,特別養護老人ホームの整備も検討していく必要があると考えており,療養病床再編の動きも注視しながら,来年度の第4期介護保険事業計画策定の中でその必要性について論議してまいります。 次に,後期高齢者医療制度についての率直な感想をとの御質問にお答えいたします。 御質問にありましたように,戦前の大家族から戦後の高度成長期に若者が都会に出て,そこで結婚をすることで核家族となり,そして最近では必ずしも結婚しない若者やひとり暮らしの高齢者の増加で,一人世帯中心へと家族の形態は大きく変わってきております。それにつれて,核家族世帯の必要に応じて拡大されてきた福祉や社会保障制度も,現在は家族を単位としたものから個人を単位とした制度への移行期に当たっており,今回の後期高齢者医療制度で高齢者一人一人に保険料が課せられたのも,その流れの中でのことではないかと思います。 現在の老人医療制度の各保険者が負担する拠出金制度は,実際の保険者の医療費負担との乖離が余りにも大きくなっていることから,既に限界に来ており,今回の後期高齢者医療制度の都道府県単位で運営し,各保険者に被保険者当たり同一額の支援金の負担を求める保険財政制度は一定評価できると考えますが,一方でこの制度には課題も多いと考えております。保険料が県単位で決定され,各都道府県の所得の差は調整交付金で補正されるものの,医療費の差が考慮されないため,本県のように医療費の高い県では,1人当たりの所得が低いにもかかわらず保険料が高くなっております。少なくとも,現在県で策定中の医療費適正化計画の目標年次である5年後までは,国保と同様に医療費の差が調整交付金で補正されるよう,今後も国に要望し続けなければならないと考えております。 また,国,県,市町村の負担を5割で固定し,高齢化の進展に伴い各保険者の支援金の割合を減らし,後期高齢者の保険料負担の割合をふやすことが決められていますが,これでは今後,たとえ1人当たりの医療費がふえなくても2年ごとに保険料が引き上げられることになります。各保険者の支援金で賄えない部分は国費の増加で対応するように求めていかなければならないと考えております。 最後に,地産地消の取り組みにかかわって食育推進計画についての御質問をいただきましたので,お答えします。 平成20年度末に策定を予定しております高知市食育推進計画は,国の食育基本法,食育推進基本計画に基づき市町村ごとに作成するものとして,本年2月に計画策定協議会を発足し,協議を開始しました。この間,数年前から庁内食育連絡会を設けて食育に関する情報交換を行い,また平成18年からは庁内横断組織として,健康づくり課,学事課,農業水産課等11課14名から成る食育推進計画策定準備委員会を設置し検討してきたところです。今後におきましても,協議会と準備委員会の事務局を持つ健康福祉部と農林水産部,教育委員会等関係部局との情報交換を密に行いながら,市政の各分野にわたる総合的な推進計画となりますように努めてまいりたいと考えております。 なお,御質問の食育推進に当たり条例をつくって挑む考えはないかとのことですが,計画を実施していく中で制定の必要性が生じてまいりましたら,その時点で検討したいと考えておりますので,御理解を賜りたいと思います。 以上でございます。 ○副議長(浜田拓君) 柴環境部長。  〔環境部長柴英豊君登壇〕 ◎環境部長(柴英豊君) 環境都市への展望の中で,空気に関する担当職員の配置をしてはどうかとの御質問をいただきました。 まず,御質問の中に出てまいりました水担当専門職員のことでございますが,この職員につきましては,鏡,土佐山との合併によりまして鏡川が源流から河口まで本市に包括されたことや,新鏡川清流保全基本計画策定及び同実施計画の推進のために専属職員として配置したところでございます。 御質問の空気担当職員とは,地球温暖化対策を想定されてのことではないかと考えておりますが,地球温暖化対策は我が国の喫緊の課題であり,今国会に提出されております改正地球温暖化対策の推進に関する法律では,中核市にも地球温暖化対策地域推進計画の策定が義務づけられる予定でございます。 専門の担当職員の配置は,人員削減を実施している中でございますので困難と考えておりますが,環境部には既に,特に環境保全課になりますけども,水環境や大気環境についての専門職員を配置しておりますので,そうした専門職員の知見を生かし,実効性のある高知市版地球温暖化対策地域推進計画を策定するとともに,着実な成果を上げてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(浜田拓君) 高橋商工観光部長。  〔商工観光部長高橋政明君登壇〕 ◎商工観光部長(高橋政明君) 課題や情報の共有やコミュニティの形成の観点から,中心市街地活性化の取り組みについての考え方を御質問いただきましたので,お答え申し上げます。 本市の中心商店街におきましては,昭和28年に帯屋町2丁目と大橋通りで大型アーケードの設置にいち早く取り組むとともに,中央公園での集客イベントの開催など,ハード,ソフト両面にわたって町の活性化を図るためさまざまな取り組みが行われております。また,平成12年には,中心商店街の商業振興を目的とした民間のまちづくり組織として高知TMOが設立され,商店街組合や関係機関との連携を密にしながら活性化に向けた取り組みも行われてまいりました。 しかしながら,モータリゼーションの急速な拡大や現在の社会経済情勢の目まぐるしい変化など,そうした関係者の方々の御努力をはるかに超える逆風が全国の中心市街地を揺るがしているのではないかと考えております。そうした中で,中心市街地の活性化に向けて取り組んでいくためには,中心市街地を取り巻くさまざまな課題や情報の共有化を図ることが重要であり,そのためには関係者の方々の組織的で主体的な取り組みが必要になるのではないかと思っております。 改正中心市街地活性化法では,TMO組織にかわって,地域の実情に精通した住民の方々やNPO法人,商業者の方々等が中心となって構成される中心市街地活性化協議会が設置されることが必要となりますし,国の指導指針でも,地域ぐるみの取り組み状況も中心市街地活性化計画認定の重要な要素となっておりますので,御指摘いただきました視点も踏まえて,地元関係者の皆様方と協議してまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○副議長(浜田拓君) 吉川教育長。  〔教育長吉川明男君登壇〕 ◎教育長(吉川明男君) 家庭教育に関する2つの御質問をいただきましたので,お答えいたします。 まず,家庭教育の機能を補完するために教育委員会としてどのような手だてが必要かとの御質問をいただきました。 質問議員さんからは,さまざまな観点からでございましたが,現在の家庭のありようや問題点について貴重な御指摘をいただきました。 子供たちをめぐるさまざまな問題の背景には,家庭における教育力の低下傾向が,すべてではございませんけれども,確かに関係していると考えます。家庭教育は本来,親の責任においてなされるものだと考えますが,昨今本市におきましても,養育を当該の家庭にゆだねることができないとまで思われる事例が生じているところでございます。 こうした中で,家庭教育の機能を補完するために最も有効な手だてといたしましては,地域のお力をおかりすることがある,そのように考えております。子供は地域の宝と申しますが,地域の教育力を高めていくことにより,地域ぐるみで子供たちの成長を見守り,子供たちに社会性,規範意識,道徳意識を身につけさせることができるのではないかと考えます。 既に本市では,地域の子は地域が守り育てるとして,地域ぐるみでさまざまな活動に意欲的に取り組んでいただいている地域も相当数ございまして,議員さんの中にはこうした活動に深くかかわっている方もおられまして,心から感謝いたしております。まことにありがとうございます。 しかしながら,何分にも本市は広域で多くの人口を擁していることから,すべての地域の教育力を一気に高めていくことはなかなか困難でございます。そこで本市では,全市的な地域における教育力の向上を目指してまして,開かれた学校づくり推進委員会と高知市の子どもと教育を考える会等の取り組みを行ってきております。 まず,学校ごとに設置された開かれた学校づくり推進委員会でございますが,この委員会では,学校,保護者,地域が一体となって,例えばあいさつ運動,清掃活動,ボランティア活動などを行いまして,地域ぐるみの活動を展開しておるところでございます。 また,教育委員会が設置しております高知市の子どもと教育を考える会では,町内会連合会,青少年育成協議会,民生委員児童委員協議会連合会,小中学校PTA連合会,子ども会連合会,地区補導委員等の代表の方々に参加いただきまして,学校,家庭,地域社会の役割や相互の連携のあり方について協議を深めております。各団体では,この協議の内容を持ち帰られ,それぞれの活動に生かしていただいておるところでございます。 しかしながら,本市約2万5,000人のお子さんをお預かりしておりますが,その子供たちの中には,極めて残念ながら家庭の役割がほとんど果たせていないと思われる御家庭がございます。愛情が注がれず,日々の衣食住が保障されない生活の中で,子供が将来に夢を持ち健やかに成長していくことは,これはなかなか難しいことであると考えております。こうした厳しい事例につきましては,学校や教育委員会の対応だけでは,その改善を図っていくことは事実上困難でございますので,福祉関係部局,児童相談所,民生委員等との連携のもとで精いっぱいの対応を行っているところでございます。 次に,学校に持ち込まれる家庭教育の課題にどのように対応していくかについてお答え申し上げます。 昨今の家庭における教育力の低下は,学校現場にもさまざまな形でさまざまな影響を及ぼしてきておると思っております。家庭における養育が不十分であるために,少し具体例を申し上げますが,始業までに登校できない子供,洗顔や身だしなみが十分でない子供,朝食をとっていないため授業に集中できない子供,保護者の育児不安等が原因で情緒が不安定となり,友人とのトラブルが絶えない子供など,学習や人間関係に困難を来している子供たちが年々増加しているとの印象を持っております。 各学校では,日々の子供たちの様子の変化に気を配り,気になることがあれば本人から事情を聞いたり家庭訪問をしたりするなど,できるだけ手厚い対応がなされるように努めております。登校できない子には朝教員が家庭へ迎えに行ったり,朝食をとっていない子供には牛乳を飲ませたりお握りを食べさせている学校もございます。中には,学校の対応の限界を超えていると思われる深刻な家庭状況に置かれている子供や,ひどい場合には虐待が疑われるような厳しい事例もございます。児童虐待のおそれがある子供を発見した場合には,学校の努力だけでは改善は難しく,今議会でもお答えいたしておりますとおり,関係機関との連携のもとで対応しているところでございます。 こうした中で,これも今議会でお答えいたしましたが,来年度は学校だけの努力では改善が困難な家庭に対する支援を行いますスクールソーシャルワーカーを教育研究所と中学校3校に配置し,関係機関と連携しながら家庭環境を改善していく取り組みに着手いたします。さらに,これは主に学校に対して理不尽,無理難題の要請,要望が持ち込まれるような事例に対応するものでございますが,来年度臨床心理士,医師,教員OB等で組織する学校サポートチームも立ち上げまして,対応が困難である事案について具体的な解決策を協議するとともに,事案によりましては弁護士の指導,助言を仰ぎながら学校に対する支援を行ってまいります。 いずれにいたしましても,家庭の教育機能の回復のためには,学校だけの働きかけではその改善は難しく,関係機関との連携を密にし,支援体制の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。また,PTAや保護者への啓発にこれも努めますとともに,地域ぐるみの子育て支援策につきましてもさらなる充実に努めてまいる所存でございます。 以上でございます。 ○副議長(浜田拓君) 山中消防局長。  〔消防局長山中次男君登壇〕 ◎消防局長(山中次男君) 消防ポンプ操法全国大会への出場について御質問をいただきました。 高知市消防団は,土佐山,鏡地区に引き続き,本年1月の春野地区との合併によりまして,1団本部32分団13部,総団員数803名という組織に拡大をいたしております。本年10月には東京都で開催されます第21回全国消防操法大会小型ポンプ操法の部に,県代表として本市の消防分団としては初めて出場される鏡消防分団は,昭和5年に鏡村私設消防組として組織されて以来,地域防災のかなめとして,昼夜を分かたずさまざまな災害に立ち向かい,地域の安心,安全の確保に大きく貢献されております。 この消防ポンプ操法につきましては,消防活動の基本となります訓練礼式,現場活動要領が盛り込まれた最も重要な基本訓練でありまして,鏡消防分団は高知市との合併の直前である平成16年,第19回の全国大会にも県代表として出場され,同じく小型ポンプ操法の部で見事に優勝され,日本一という輝かしい実績を残されております。2度目の全国制覇を目指し,既に訓練を開始されたとお聞きしておりますが,消防局といたしましても,操法訓練に際しましては指導教官の派遣等を行ってまいりたいと考えております。 また,先日開催されました高知市消防団幹部会におきましても,高知市消防団の代表として出場される鏡消防分団に対し,消防局とも連携しながら可能な限りの支援を行う旨意思統一が図られておりますので,全国大会での御活躍を心よりお祈り申し上げます。 今後,30年以内に50%の確率で発生が予想されます南海地震への対応等,市民の皆様の安心,安全に寄せる関心は極めて高くなっており,消防・防災体制の充実・強化は重要課題の一つとなっておりますが,その中でも消防団の充実・強化は地域防災対応力強化の観点からも不可欠なものであります。 地震災害や台風等によります風水害など,被害が広域に及ぶ災害に対しましては,常備消防だけでは限界があり,地域の状況を熟知され,動員力や即時対応力にすぐれた消防団の皆様の協力はなくてはならないものでありまして,厳しい財政状況下ではありますが,地域の防災拠点ともなります消防分団屯所の建てかえや車両の更新等にも可能な限り努めなければならないと考えております。 同時に,みずからの地域はみずからで守るという崇高な精神に基づき活動をいただいております消防団員の皆様のその精神や災害対応力を次の世代に引き継いでいくことも,私どもの重要な使命であると認識しておりまして,今後におきましても消防団の皆様とのより一層の連携強化を図ってまいりたいと考えております。 ○副議長(浜田拓君) 川村貞夫議員。  〔川村貞夫君登壇〕 ◆(川村貞夫君) それぞれの質問にお答えいただきましてまことにありがとうございました。 合併後の旧春野町の土地利用につきましては,さまざまな御意見があると思います。しかし,しっかりとした考え方の中で取り組まないと取り返しのつかないことになりますので,慎重の上にも慎重に考えて取り組んでほしいと思います。 次に,家庭の機能の問題でございますが,これだけ機能を喪失をしてまいりますと,なかなか立ち直ることは難しいと思いますが,福田首相は200年住宅というハード面で提唱されておりますが,岡崎市長は3世代同居の家族を推奨されたらどうでしょうか。おばあちゃんやおじいちゃんのひざに孫を帰す,そのことが教育やしつけの面あるいは文化の伝承,そういったものでも改善が図られると思いますので,ひとつ御感想をお聞かせください。 それから,高知市の財政問題でございますが,高知市のホームページのバナー広告とかあかるいまちへの広告,あるいは今回予算になっておりますはりまや橋観光バスターミナルの看板の広告収入,それからさらに12月議会で吉田議員からも提案がありました寄附条例,それから今問題になっておりますふるさと納税のこと,松山市なんかは市のホームページでもこの辺を積極的にアピールしておりますが,このことについては中野議員の代表質問でもお答えがありましたので割愛しますが,いずれにしても高知市の営業力が問われることでございますので,自己資本の充実につながるさまざまな手だては遅滞なく打っていただきたいというふうに思います。 それから,環境面でございますが,12月議会で上田貢太郎議員の質問に答えまして,私は観光市長であると言い切っていただきましたが,私はぜひ環境市長でもあると答えていただきたいと思います。そして,環境面で低炭素の都市をつくっていく,まちづくりに強い意志で実践していくという決意を述べていただきたいし,そのことが市民と協働する形でのカーボンダイエットとかカーボンオフセットにつながるものと考えますので,ひとつよろしくお願い申し上げます。 最後に,先日の浜辺議員の質問で,予算で際立って公共事業の大幅減があると,これに対してその影響を問うたわけでございますが,そのときに企画財政部長が,公共事業の削減なんかによって土木,建設事業者の倒産などを踏まえて,このような状況は十分認識しております。平成18年度から導入されました実質公債費比率が,ピークと想定されます平成二十四,五年には25%を超えてしまうおそれがありますと,こういうようなことで,これを絶対避けなけりゃならんというふうに答えたわけでございますが,私はこの25%という数字を聞いた途端に,じんま疹が出る思いがいたしまして,あのとき超えると言っていたではないかと後々言うための小出しの答弁であってほしくないというように考えますので,この数字については慎重の上にも慎重に答えていただきたいというふうに思います。正確に読みましたら,25%を超えてしまうおそれがそのままにしておったらあるということで,絶対に避けなけりゃならんという答弁でございますので,矛盾はないとは思いますけれども,この実質公債費比率25%というのは大変重要な数字でございますので,慎重の上にも慎重に答えていただきたいというふうに思います。 以上で,私の全質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(浜田拓君) 岡崎市長。  〔市長岡崎誠也君登壇〕 ◎市長(岡崎誠也君) 第2問をいただきましたので,お答えを申し上げます。 まず,3世代同居の家庭をというのを推奨されてはどうかという御質問をいただきました。 かつて,御質問の中にもございましたが,多くの家庭の中にはおじいちゃん,おばあちゃんがおり,そして両親がおり,そして子供さんがおるという3世代同居ということが日本の一般的なところでもあったという時期もございましたが,やはり最近では家庭もいろんな意味で多様化をしてきておりますし,富山とか東北地域で3世代同居が多い,大家族制がまだ保たれておりますのは,やはり冬場の雪おろしという生活環境の中で,同居をしないと雪おろしができないという状況があるわけでございまして,そういう気候,風土の関係もあるものというふうに思っております。大体,核家族化の傾向は高知県や高知市でも非常に高うございますが,鹿児島とかそういうところも非常に高いというふうに聞いておりますので,そういう気候,風土の関係もあるのではないかというふうに思っております。 やはりお母さん方も子育ての孤立化ということが少しずつ顕著になりつつありますので,特にお母さん方が子育ての中で一人で悩まないようにできるだけカバーをしていく必要がございます。そのために,できるだけ身近なところで子育ての相談ができる,また保育園に子供さんが入っていなくても,近くの保育園で子育ての相談ができるということが大変重要でございますので,子育ての相談業務の拡大と拡充をこれまでも進めてきたところでございますが,そういうサポートをしていく必要があるのではないかと思います。 大家族制に戻れるかどうかにつきましては,先ほどの少し若い方々の結婚観,非婚とか晩婚とか言われておりますが,そういう結婚観とも関係しますので,まずは御両親もしくはお母さん方が孤立化をしないという対策をきめ細やかにやっていくべきではないかと思っておりますので,その面の取り組みを進めてまいりたいと思っております。 また,自称観光市長でございますが,環境でもという御質問がございました。 環境関連では,これまでも本市も独自の政策をそれぞれとってまいりましたし,また御質問にありましたように,今回成立をすると思うんですが,今国会で審議をされております地球温暖化対策の推進に関する法律の改正案の中で,中核市としても二酸化炭素の削減計画を,これは具体的な数値目標を示した計画を策定をしなければならないということが義務づけられてまいりますので,さらに本市の環境政策というものに非常に大きな柱を立てていかなければならないというふうに思っておりますので,そのことを踏まえまして環境政策もさらに進めてまいりたいと思いますので,よろしくお願いを申し上げます。 以上でございます。 ○副議長(浜田拓君) 西森美和議員。  〔西森美和君登壇〕 ◆(西森美和君) 公明党の西森美和でございます。第407回高知市議会定例会におきまして,私見も交え個人質問をさせていただきます。 まず初めに,観光行政についてお伺いをいたします。 本年3月1日より花・人・土佐であい博が開幕し,明年2月1日まで高知県全域を舞台に100を超えるイベントが県内各地で展開される予定になっております。今回のであい博は,これまでのような大型のパビリオンを持たない新しい発想の博覧会であると思います。 昨今,博覧会を従来の箱物に頼らず,持続性のある,かつ発展性のあるものにしていこうとする流れは全国的にもあり,平成18年に開催された「長崎さるく博」もその一つに挙げられます。日本で初めの町歩き博覧会であったこの「さるく博」は,観光客の皆様に長崎市民と直接触れ合いながら町を歩いてもらおうというコンセプトで,グラバー園など会場イベントを初めタイアップイベントを盛り込んだもので,開催期間212日間で前年を6.7%上回る355万人が訪れ,その結果,1次から3次波及効果を含めた総合効果は865億円に上ったとの調査結果が出ておりました。 同じく,今回のであい博も,今ある地域資源,観光資源を生かし,また磨き直して次につながる価値を生み出していくという点において,本年の取り組みいかんによっては大きな経済効果を生み出す可能性があると思われます。 そこで,市長にお伺いをいたします。 高知市には,もてなしの心と食というどこにも負けない市民の皆様と共有する財産がありますが,もてなしの心,また土佐流のおもてなしについて市長はどのようなお考えをお持ちでしょうか,お伺いをいたします。 今回の高知市での既存のイベントには高知城花回廊や海洋堂の宝島がありますが,昨年好評を博した高知城花回廊への本年度の取り組みに関しましては,先日の中野議員の代表質問での答弁にありましたように,昨年のPR不足の反省を踏まえ,積極的なPRに取り組んでいただいているようでございますが,気になるのは,継続事業であるとともに昨年以上のPRをしていくにもかかわらず,本年の集客目標が昨年と同様くらいでは,目標値として少し弱いのではないかと率直に感じます。この点について御所見をお伺いいたします。 また,さらに5月1日には,はりまや橋の観光バスターミナルが新しくオープンいたします。空港連絡バスや高速バスの停留所として,また県外観光バスの駐車場も兼ね備えておりますので,4月26日から8月31日まで開催される海洋堂の宝島への呼び込み効果や中心商店街の活性化に大いに期待できるのではないかと考えます。 そこで,県外から到着されるバスの駐車場の規模や運営方法,観光バス会社へのPRなどの方法について取り組みをお伺いいたします。重ねて,県外からバスで到着された観光客の皆様の受け皿については,どういった体制が考えられているのか。例えば観光案内所の設置なども効果的であると思いますが,その取り組みについてお伺いをしたいと思います。 また,本市が単なる通過点とならないよう,市内で宿泊していただき,観光していただくために,どのような検討がなされているのか,お伺いをいたします。 また,県の基本方針の中には,交流人口拡大の仕組みの確立とノウハウの蓄積等を行うために,単年度だけではなく,3カ年の事業継続を目指すとありますので,明年以降には近隣県との連携なども視野に入れていただきまして,さらなる誘致効果を上げる取り組みとなるよう高知市から県にもぜひ要望をしていただきたいと思いますが,この点に関して市長の所見をお伺いをいたします。 続いて,健康福祉政策について何点かにわたって質問をさせていただきます。 まず,妊産婦無料健診の拡充についてでございますが,昨年の9月議会で我が会派の高木妙議員の質問に対して執行部より,平成20年4月より現行の2回から5回に拡充するとの答弁がありました。また,代表質問での市長答弁でも説明をいただいたところでございます。今回の拡充がこれから子供を産み育てたいと思う皆様にとってどれほどの朗報であるかと大変喜んでおります。 他の自治体では,適用対象として拡充月の時点で妊娠をされている方すべてを対象としている例もありますので,本市におきましても,4月以降に妊娠をされた妊産婦の方に限定して拡充するなどということはないかと思われますが,拡充の適用範囲をどのように考えておられるのか,御所見をお伺いしたいと思います。重ねて,対象者への周知の方法や今後のスケジュールについてもお伺いをいたします。 次に,乳幼児全戸訪問事業についてお伺いをいたします。 高知市では,これまでにもあかちゃんパークやよちよちランド,育児相談など,お母さんの育児不安を解消するための取り組みが進められてまいりました。そして,本年新たに始まったのが,生後4カ月までの乳児のいる御家庭をすべて訪問するという事業でございます。公募によって選ばれ任命された25人の訪問員の皆様を初め担当部局の皆様には,さまざまな御苦労をおかけいたしますが,何とぞよろしくお願いを申し上げます。 赤ちゃんを産んだ後,産後のうつや育児への不安からストレスを抱えるお母さんは少なくありません。これまでの自宅への訪問ケアに関しましては,お母さん本人が希望し,母子健康手帳の別冊に附属している赤ちゃん誕生はがきを投函して訪問を受けるといったものがありました。訪問してくださった保健師さんにいろんな話を聞いてもらい,アドバイスをいただく中で,心が軽くなり,勇気づけられたお母さんはたくさんおられます。しかし,あくまでも希望されるお宅を対象としたものでありましたので,本当に支援の必要な御家庭に十分手を差し伸べてこれたかどうかという点では,残念な部分があったかもしれません。 高知市におきましては,虐待を受ける時期のうち,乳幼児期が58%と過半数を超えるとの現状を踏まえ,早期発見,早期対応が特に重要で,乳幼児の虐待を未然に防ぐという意味においても,本年1月からの全戸訪問は極めて大きな意義があると思います。 そこで,何点か質問ですが,まず高知市では,この全戸訪問事業を赤ちゃん誕生おめでとう訪問と命名をされました。これは本市独自のネーミングでございますが,そこにはどういう思いが込められているのか,命名の経緯についてお聞かせいただきたいと思います。あわせて,今後どのような事業を目指していかれるのかについてもお伺いをいたします。 今回の事業は,希望者以外の方にも訪問をいたしますので,これまでにない課題が出てくることが予想されます。訪問員さんのフォローアップ体制や研修など取り組みについてもお伺いをしたいと思います。 また,25人の訪問員さんで月250件の訪問をされるそうでございますが,訪問後の問題解決に当たっては,どのように連携をされ取り組まれるお考えか,お聞かせをいただきたいと思います。 次に,近年増加している発達障害と5歳児健診の実施についてお伺いをいたします。 平成17年4月1日に施行された発達障害者支援法には,国,都道府県,市町村の役割として,発達障害児に対して発達障害の症状の発現後できるだけ早期に発達支援を行うことが重要であることから,発達障害の早期発見のために必要な措置を講ずることと定められております。この発達障害の早期発見の時期はおおむね5歳ぐらいがよいとされていることから,鳥取県や栃木県,香川県の東かがわ市や三木町でも5歳児健診が既に実施をされております。 先日,平成18年から実施をされている香川県三木町に視察に行ってまいりました。三木町では,医師会会長や保育士,教育関係者らによって構成される健康づくり推進協議会において,平成17年に5歳児健診への強い要請を受け,軽度発達障害の早期発見を大きな目的の一つとして5歳児健診を導入し,健診後の就学に向けての支援を各療育機関とも連携を図りながら丁寧に進めておりました。 一方,本市はといいますと,母子保健法第12条及び第13条の定めによりまして,ゼロ歳児,1歳10カ月児,3歳児の健診が実施をされておりますが,3歳児健診の後は,残念ながら就学時健診まで健診の機会がありません。鳥取大学の小児神経学の小枝達也教授も,就学時健診で発達のおくれが見つかったとしても,十分な対応ができないまま就学してしまう可能性がある。3歳では差が目立たず,親が納得しにくい。5歳がちょうどいい健診の時期であるともおっしゃっておられます。 そこで,本市におきましても,一日も早い5歳児健診の実施をお願いするところでございますが,この点に関して御所見をお伺いいたします。 また,三木町では,生活習慣病の予防として食生活指導,また就寝,起床時間やテレビ,ビデオ等の視聴時間など生活習慣全般の指導も行い,あわせて食育や小児の弱視の早期発見のための視力検査も実施をしておりました。生活のリズムや食生活への指導を盛り込むことは本市にとりましても大変重要であると考えますが,この点についても御所見をお伺いいたします。 次に,食育について質問をいたします。 昨今の中国のギョーザ問題を通して,安全なものを選ぶ力,また食糧自給率や地産地消など,食育の観点から見直されるべき課題が大きくクローズアップをされております。平成17年7月に施行された食育基本法では,食を通じて赤ちゃんから高齢者まですべての人が健康で幸福な人生を送れるようにと,広く国民的運動として取り組んでいくものとしております。 食育には3つの柱があります。1つ目は,安心,安全な食を選ぶ力を養うこと,2つ目は,食事のマナーを身につけること,3つ目には,地球環境について考えるといったグローバルな視点も含まれております。 先日,これらの目標を見事に実践している食育実践発表会に参加してまいりました。ここでは五台山小学校,土佐山小学校,一宮小学校,介良小学校,横内小学校,行川中学校の市内の6学校から特色のある発表があり,子供たちの視点で食のあり方を考えるといった,発想豊かなすばらしい内容の発表会でございました。特に学校と地域が一体になって取り組んでいること,日常生活の中で食文化や地産地消を考えるきっかけになっていること,また,自分たちの健康は自分たちで守るんだとの言葉に象徴されるように,子供たちの自主性をはぐくむ各学校の食育への取り組みに大変感銘を受けて帰ってまいりました。そして,子供たちが家庭や地域に与える触発の力はとても大きいと実感をいたしました。 その発表の中に,子供たちがつくった地域の野菜の歌を元気いっぱいに発表する場面がありました。地元でとれた野菜を大切に思う心が伝わってくるすばらしい内容のものでしたので,少し歌詞を紹介させていただきたいと思います。介良イチゴの歌では,春になると介良の町はイチゴの甘い香りであふれてくることや,ジャムのつくり方など歌っておりましたし,また大根の歌では,大根がぐんぐんぐんとたくましく育っていく様子とともに,調理方法や栄養価についてもこういうふうに歌詞にありました。おでんにサラダ,酢の物,たくあん,おみそ汁,どんな料理にも合うんだよ。大根食べて元気。また,ビタミン,鉄分,植物繊維にカルシウム,栄養たっぷりあるんだよ。大根食べて元気と,子供たちが元気いっぱい歌っておりました。そして,収穫された大根が栄養満点の干し大根になり,みんなでいっぱい食べようと,元気な踊りとともに披露をしてくれました。 ここで皆様にこの子供たちの生の歌声を本当はお聞かせしたいのですが,それができないのが非常に残念でございます。けれども,歌には力があります。地元高知の子供たちの歌ならなおさらではないでしょうか。野菜嫌いの子供たちや就学前の乳幼児,そして成人にも地元の野菜をいっぱい食べて元気になろうというそのメッセージ性は高いものがあると思います。 そこで,こういった子供たちの手づくりの歌を地産地消の取り組みの一つとして,校内活動だけにとどめず,市内全域の学校や高知市内のスーパーや八百屋さんでも流してもみてはどうかと提案いたしたいと思いますが,いかがでしょうか,御所見をお伺いいたします。また,こんなにも具体的で体験に即した食育の実践や発表の機会については,全市の小学校が公平に与えられることが望ましいと考えますが,御所見をお伺いいたします。 さらに,こういった学校での取り組みは継続が何より大事だと思われますが,継続をしていくに当たっての課題などについてお伺いをいたします。 折しも,高知市においても食育推進計画を平成20年度内に策定することになり,夏には市民の皆様を対象としたアンケートが実施されることになっております。高知市の今後の食育の取り組みのために大変意義のあるものと思われますので,このアンケートの実施時期及び概要についてお伺いをいたします。 最後に,教育行政についてお伺いをいたします。 まず,高知市の学力向上についての取り組みでございますが,私も多くの市民の皆様から,高知では私立の学校でないと学力に差が出るのはなぜか,経済的にも厳しい県だからこそ,公立の学校でもしっかりと学力が身につくようにしてもらいたいなど,高知の学力アップに対する御要望をたくさんちょうだいしております。尾崎県知事も教育と環境に力を入れると力強く表明をされておりますし,昨年の学力テストの結果を受けまして,教育委員会を初め各学校の関係者の皆様が,今必死になって取り組もうとしてくださっていることに市民の皆様も大変期待をされていることと思います。 今議会での質問に対し,既に教育長より授業の改善を初め家庭学習の充実への取り組み,またその具体的な成果についても報告がありましたので,重複する点については割愛をさせていただきますが,家庭学習においては,点検,返却といった生徒と先生とのキャッチボールが何より大切になりますし,魅力ある授業への取り組みなど,今後現場の先生方に求められるものも必然的に多くなってくるかと思われます。 そこで,現実的な先生方への支援やバックアップの体制が十分確立されるよう望みたいと思います。教育長からも授業改革元年との言葉もありましたので,20年度をスタートといたしまして,全力を挙げて取り組んでいただきますようお願いを申し上げます。 続いて,子供たちの健康管理について質問をいたします。 昨年は大変猛暑で,各地で熱中症により病院に搬送されるというニュースが相次ぎ,不幸にも命を落とされた方もおられました。全国の学校現場でも,運動会や体育祭の時期に重なり,練習期間も含めて運動場にテントを設置したり,水分,塩分の補給の体制や,ある学校ではスポーツドリンクを常設するなどの緊急の対策がとられました。 ちょうど高知市の中学校でも9月15日を中心に体育祭が開催される予定でございましたので,学校の熱中症対策は大丈夫なのかとの市民の方から心配の声をいただきまして,地元ではありましたが,公立中学校3校の練習風景を見学し,その対策について伺ってまいりました。どの学校も,校長先生を初め各先生方また地域の皆様の協力をいただきながら,工夫して取り組んでくださっておりました。 本年もまた暑くなることが予想されますので,高知市の子供たちの中で熱中症の被害を絶対に出さないための対策として教育長の御所見をお伺いいたします。あわせて,中学校での養護教諭の熱中症対策への取り組みについてもお聞かせください。 また,小学校には栄養教諭もおられますが,子供たちの健康管理への取り組みについてお伺いをいたします。 以上で,第1問を終わります。 ○副議長(浜田拓君) 岡崎市長。  〔市長岡崎誠也君登壇〕 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問をいただきましたので,私の方からは観光関連と,そして食育の実践発表会に関しましてお答えを申し上げます。 まず,一連の観光の御質問の中で,最初にもてなしの心,また土佐流のおもてなしに関する見解ということで御質問をいただきました。 昨年7月,週刊ダイヤモンドという雑誌がございますが,旅行に行く方々が旅行先を選ぶときに何を重視をしていくかということが約5,000人のサンプルをとって発表されておりますが,まず1番目がやっぱり食べ物でございます。2番目が自然環境,3番目が宿泊施設や温泉などのゆっくりと過ごせる環境という,こういう順番になっておりまして,まずは味覚といやしを求めるという回答が多くなっております。 これらの3つの要素は観光でも非常に大きな要素とはなりますが,ただ観光も非常に多様化をしてきておりますので,これだけでは観光客の皆様方の満足にはつながらない部分もあるというところがまた少し難しいところであろうかと思います。旅行の魅力というものにつきましては,御質問にもありましたように,この3要素プラス旅行先での人々との触れ合いということが大きな要素になろうかと思います。いろんなところへ旅行されたときに,その地域の地元の人々との触れ合いや,例えばいろんな飲食の場で会ったときのいろんな一言,そういうときの話とかということがすごく印象に残るというのが,私も経験上そうでございますので,やはり人々との触れ合いというところがもう一つの大きな要素であるというふうに感じております。 そういう意味では,この四国にはこういう触れ合いの一番の原点でございますお接待の心というものが,四国4県には共通してあるというふうに認識をしているところでございますが,リクルートの「じゃらん」の調査の中で,昨年8月に各県のおもてなし度をサンプル数約1万集めてきたものがございます。この地域の地元の方々のいわゆるおもてなしの心を感じたのはどこかということで,これはホスピタリティーとか言われておりますが,第1位が沖縄でございます。2番目が鹿児島,3番目が青森,そして4番目が高知ということになっておりまして,高知もなかなか高い評価をいただいているところでございますが,このことだけに満足せずに,このことをさらに磨いていくことが非常に重要ではないかと思っております。 花・人・土佐であい博が始まりましたし,3月1日からは土佐の「おきゃく」という催しも開催をされているところでございますが,やはり高知には食また自然,観光,いろんな資源がございます。私は常々申し上げておりますが,最大の資源はやっぱり高知の人々だというふうに思っておりますので,そのこともあわせまして高知の力強い売りになると思っております。 高知に来られる,例えばいろんな支店の関係の,転勤族と言われる方々が高知を離れるときにすっかり高知ファンになっておるのは,高知の人々が非常にフレンドリーで,また温かいというところがあると思います。必ずリピーターになって帰ってきていただくというのは高知の特色でございます。残念ながら,日帰りではそのことがよくわかっていただけません。そのことは非常に残念でございますが,よくわかっていただきますと必ず高知のファンになっていただくということが一つの高知の特色で,また魅力でもございますので,そのことをさらに磨いていかなければならないと思っております。 また,高知市がこれから単なる観光の通過点とならないように,どういう形で戦略を練っていくかという御質問もいただきました。 高速道路は四国8の字ルートのネットワークが延びつつありますので,瀬戸大橋や明石大橋が開通以来,高速道路の整備によりまして観光客の流れと移動時間も非常に速くなってきておりまして,桂浜なんかの滞在も非常に短くなっております。できるだけ高知市の中央部付近でお客様をとどまらす,もしくはとどまっていただくという工夫が必要でございますし,できれば宿泊をしていただくという工夫が必要でございます。そういうために,夜の観光イベントというものも重要でございますので,先ほどの高知城花回廊も特に夜に集中して全体の事業を入れるということで,今回20年度予算の中で開催をする予定としておるところでございます。 もう一つは,やはり観光のエージェントの皆様方との連携ということが重要でございまして,特に大手エージェントの方々との連携を強めるということが量的なものを伸ばしてまいります。20年度,JTBが「日本の旬」というのを4月1日から9月30日の間,全国のJTB支店で四国キャンペーンを行う予定になっておりまして,6カ月にわたりまして「新しい風,四国への旅,四国キャンペーン」ということで,これは全支店で四国を売っていただけるということになっておりますので,こういうエージェントとの連携というものも非常に大切であると考えているところでございます。 少し心配しておりますのは,高速道路が西へ延びるほど,全国ブランドであります四万十川への移動というところへお客様が多分流れていくと思いますので,高知市内でとどまっていただくということを考えていかなければなりませんし,そのためには,合併して河口が入ってまいりました仁淀川流域の,いろんな意味でのこのすばらしい仁淀川を生かす取り組みというものも一つのポイントになろうかと思います。清流度では四万十川に負けておりませんので,仁淀川の売り込みにつきましてはいろんな可能性があると前々から思っておりますので,その仕組みを早くつくっていかなければならないと感じているところでございます。 もう一つ,国の動きとしましては,いわゆる観光圏域でございますが,観光圏の圏は圏域の圏でございますが,観光圏整備促進法という法律が今現在国会に出されております。これはどういうものかと申し上げますと,旅館やホテルなど宿泊施設のある地域,これは高知市や松山市のようなところですが,その地域を核として自然や名所などの観光資源のある近隣の複数エリアを一体的に観光圏として整備し,国内外の訪問客が2泊以上滞在する観光の促進を図るということがこの新しい法律の特徴でございます。既に松山市はこのことに向かっていろんな意味で動いておりますので,私たちも観光圏整備実施計画というものを検討して,これは国の認定を受ける作業が必要でございますので,そのための検討を早急に進めなければいけないというふうに思っております。そのことを含めて,先ほどの民間のエージェントの皆様方との協力,そして地域資源を生かすことと,こういう新しい法律に基づきます観光振興をさらに図ってまいりたいと思っております。 またあわせまして,近隣の4県との連携につきまして御質問をいただきました。 まず,四国の4県の中では,これまでも四国のお遍路,それと四国霊場の世界遺産の登録を目指しまして,四国の4県が共同しました四国観光立県推進協議会というものが立ち上がっておりまして,4県がそれぞれ出資をしまして4県共同の観光の誘客を進めているところでございます。 また,市の方では,それぞれ4県の県庁所在地4市が連携しまして,四国四市観光誘致促進協議会というものを組織をしておりまして,これも連携を図っているところでございます。お四国遍路やそれぞれ4県でお祭りがございますので,そういうお祭りの連携,またであい博のような形でのイベントの連携など,四国の4市と4県が連携をしながら誘客に努めているところでございます。 またもう一つ,これから新たにやらなければいけないと思っておりますのは,最近松山は,飛行機の松山-韓国便というのがありますので,最近は韓国のツアーが道後温泉に非常に入ってきております。ただ,道後温泉へ入ってきております韓国ツアーの団体の皆様方がほとんど高知へ来てないという状況がございますので,これを何とか高知へ引っ張ってくるという努力が要ると思います。野球の関係では,私たちの市営球場にSKワイバーンスが1カ月近くキャンプをされておりますし,そういう意味でも韓国のこういうプロ野球,優勝しておりますので,皆様方との連携も強くなってきておりますので,そういう道後へ入ってこられます韓国ツアーの方々を高知に引っ張ってくるその仕掛けをしなければならないと思っております。ゴルフも非常に大好きだというふうに聞いておりますので,高知県内のゴルフツアーとはセットにできる可能性がありますので,これもいろんな意味でエージェントの力をかりながら推進をしていかなければならないと思っております。 最後になりますが,教育の実践発表会についての御質問にお答えを申し上げます。 食育と,それから地産地消関係の関心が非常に高くなっておりまして,この間開かれました食育実践発表会,先ほど御質問の中にもございましたが,第3回目でございますが,約700名の御参加があっておりまして,議員の皆様方も御参加を賜りましてありがとうございました。大変好評を得ておりまして,御参加いただきました皆様方に厚くお礼を申し上げます。 御紹介いただきました歌が,本年度研究指定校でございました介良小学校のイチゴの歌が出てまいりました。介良小学校では2曲歌をつくっているそうでございますが,このほか土佐山小学校で1つ,それと一宮小学校で1つ,現在4曲できておるというふうに聞いておりまして,今教育委員会がCD化に向けた作業をしておりますので,CDができ上がりましたら,先ほど御提案もいただきましたような県内の量販店とか,また地域のいろんな催しの場でそれを活用していただくということもできるのではないかと思います。なお教育委員会とも連携をしながら,食育と地産地消というところともつなげてまいりたいと思います。 その他の項目につきましては,各関係部局長等からお答えを申し上げます。 以上でございます。 ○副議長(浜田拓君) 堀川健康福祉部長。  〔健康福祉部長堀川俊一君登壇〕 ◎健康福祉部長(堀川俊一君) 健康福祉行政に関する御質問に順次お答えいたします。 最初に,妊婦一般健康診査についての御質問にお答えします。 妊婦一般健康診査の公費負担につきましては,お話のように平成20年度より2回から5回に拡充することとしております。この拡充は,妊娠,出産に係る経済的な不安の軽減や積極的な妊婦健診の受診を図るために実施するものでありまして,適用範囲は平成20年4月1日時点で妊娠中の方すべてを対象とすることにしております。 市民への周知方法ですが,まず平成19年度中に既に旧制度の受診票をお渡ししている方のうち,出産予定日が平成20年4月1日以降の方には,新しい受診票を個別に送付する準備を進めております。また,広報あかるいまちの4月号,5月号に妊婦健診の制度変更に関する記事を掲載するとともに,関係する産科医療機関に制度改正の説明文書を送付する予定にしております。 次に,赤ちゃん誕生おめでとう訪問に関する御質問にお答えします。 事業名を赤ちゃん誕生おめでとう訪問としましたのは,この事業が母親の勇気づけとなり,あなたの子供の誕生を心から喜んでいます,そして子育てを私たちが地域がみんなで応援していきますというメッセージが伝わってほしいという気持ちがあってのことです。 今後の事業展開につきましては,訪問のみに終わらず,訪問から得られた情報を通して,不安を抱えながら母親だけで子育てをしているといった地域の中での子育ての課題を明確にし,関係機関と連携しながら子育て支援の仕組みをつくっていきたいと考えております。 対象の家庭を実際に訪問する者は,看護師,保健師,助産師いずれかの資格を有する方を公募し,赤ちゃん誕生おめでとう訪問員として委嘱しておりまして,5日間の事前研修を実施した後,訪問活動を開始しております。 また,訪問員のフォロー体制につきましては,訪問によって得られた情報を共有していくことが重要だと考え,訪問受け渡しミーティングを月2回定期的に行っております。このミーティングでは,健康づくり課の地区担当保健師が訪問員から報告を受けるようにしています。また,毎回全体会を30分程度行い,訪問で困ったこと,気づいたことの共有や意見交換,あるいは訪問時に役立つ新たな情報の提供を行っております。今後,この場を活用して事例検討や研修等を行い,訪問員のサポートとともに訪問の質の向上に努めてまいります。 訪問によって把握しました問題につきましては,訪問員と保健師が話し合い,支援の方向性を検討することにしております。その問題の内容によりまして,地域の子育てサークルや母子保健福祉サービスなどにつなげることや,必要な方には保健師の継続的な訪問を実施するなどの支援を行っていきたいと考えております。 次に,発達障害のスクリーニングに関する御質問にお答えします。 本市では,1歳10カ月健診あるいは3歳児健診で発達障害の疑いが認められた児を早期に適切な療育環境につながるように他機関との連携に努めているところです。また,健診事業だけでなく,発達の気になる乳幼児を対象にたんぽぽ相談やすこやか相談といった相談事業を実施し,専門医師や心理士など専門スタッフが対応しております。 軽度発達障害につきましては,保育園,幼稚園や学齢児の集団生活の場でその問題点が指摘される場合があるということで,5歳児健診の実施についての御提言をいただきました。 しかしながら,この軽度発達障害に関しましては,単独で一時的な健診の場で発見することの困難も予想され,むしろ集団生活の中で見ていくということの方が重要ではないかと考えております。5歳児になりますと,ほとんどの子供さんは保育園や幼稚園へ就園されております。集団生活の中で子供の発達状態を観察していただき,心配のある方について本市の発達相談事業や療育福祉センターなどの専門機関につなげていただくことがより効果的であると考えております。 なお,本市における軽度発達障害のある方の早期療育体制の整備につきましては,今後も保育所や幼稚園,療育関係機関等と検討して充実を図らなければならないと考えております。 また,就学前までに生活リズムや食生活など基本的な生活習慣を培うことは大変重要であり,保育所保育指針,幼稚園教育要領においても目標の一つに上げられております。本市としましても,現在食育推進計画を策定中であり,基本的な生活習慣をはぐくむ環境づくりに今後とも取り組んでいきたいと考えております。 最後に,食育に関する市民アンケート調査についての御質問にお答えします。 このアンケートは,食育推進計画に盛り込みます推進項目に対する目標値設定の資料とするため,食育や健康についての市民意識を調査するものであります。 調査対象としては,保育園,幼稚園,小学校,中学校の生徒や保護者,また年代別に抽出した市民合わせて約1万人を想定しております。調査項目は高知市食育推進計画策定協議会で検討していただきますが,食育に関心を持っている人の割合や朝食を必ず食べる児童・生徒の割合等の国や県の計画推進項目に本市独自の項目も加える予定です。実施時期につきましては,平成20年6月ごろを予定しております。 以上でございます。 ○副議長(浜田拓君) この際暫時休憩いたします。  午後2時59分休憩  ~~~~~~~~~~~~~~~~  午後3時15分再開 ○議長(岡崎洋一郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 高橋商工観光部長。  〔商工観光部長高橋政明君登壇〕 ◎商工観光部長(高橋政明君) 高知城花回廊の集客目標に関する御質問をいただきました。 この件につきましては,一昨日,公明党の中野議員さんの代表質問に対しまして,昨年同様の約5万8,000人を見込んでいる旨のお答えをさせていただきましたが,理由等について説明が少し不足しておりましたので,改めてお答えいたします。 集客目標を昨年並みに設定しました理由は3点ございまして,1点目は,一昨年の大河ドラマ「功名が辻」の放送によって高知城に対する全国的な関心度が高く,昨年の春先にはまだ功名が辻の余韻が残っており,一定の集客が見込めましたこと。また,2点目は,開設時期をゴールデンウイークから4月上旬に変更したこと。3点目には,昨年は昼の部,夜の部に分けて開催していましたが,ことしは昼の部を取りやめたことなどがあります。高知城の入館者を比較しますと,大河ドラマ放送前年の平成17年4月には1万5,000人余りであったものが,昨年4月ではその1.5倍を超える2万3,000人でありましたが,ことしの2月には平成17年同月の1.2倍程度にとどまっております。 開催時期の変更につきましては,ゴールデンウイーク期間は一年じゅうで最も観光客の方々の動きが活発な時期でありますので,春休みの最後の週末という観光客の誘致面で効果の高い時期に変更して,年間を通じた観光客の増加をねらったものであります。 また,昼の部の廃止につきましては,昨年の実績から観光客の方々の夜の部の評価が昼の部を圧倒的に上回っておりましたことから,夜の部を充実させて夜の高知城の魅力をより味わっていただくためのものであります。 集客目標の達成に向けて,今後とも観光業界の方々などと連携しながら花回廊のPRに取り組み,目標を上回る実績を上げるように努力してまいりたいと考えておりますので,御理解いただきますようお願いいたします。 ○議長(岡崎洋一郎君) 小松都市整備部副部長。  〔都市整備部副部長小松貢君登壇〕 ◎都市整備部副部長(小松貢君) はりまや橋観光バスターミナルの御質問について順次お答えいたします。 まず,バスターミナルの駐車場の規模や運営方法についてでございますが,この施設は観光バスの駐車場として5台分,観光バスの停留所として3台分を確保したほか,高速バス,空港連絡バスの停留所,待合ロビー,トイレ,駐輪施設等を備えた利便性の高い施設となっております。 施設の運営につきましては,20年度は業務委託による管理,運営を行いまして,21年度にはその実績を踏まえて指定管理者制度へ移行したいと考えております。 また,観光バス会社へのPRにつきましては,県内外の観光バス事業者や旅行代理店にパンフレットを送付し利用を呼びかけるとともに,本市のホームページも活用して幅広く周知に努めてまいりたいと考えております。 次に,県外からの観光客の皆様の受け皿についてですが,県外からの観光客の皆様には,施設内に設置をいたします観光案内板や観光パンフレットによりまして情報提供を行うこととしておりますが,さらに花・人・土佐であい博やよさこい祭りなどの大きなイベントへの対応として,臨時の観光案内についても今後検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(岡崎洋一郎君) 吉川教育長。  〔教育長吉川明男君登壇〕 ◎教育長(吉川明男君) 教育行政に関する御質問にお答えをいたします。 先ほど市長からお答えがございました食育実践発表会に関連いたしまして,まずこうした実践や発表は全市の小学校で行ってはどうかとの御質問をいただいております。 この食育実践発表会でございますが,教育委員会と学校給食会が食育や地場産品活用に重点的に取り組む学校を指定いたしまして,その取り組みの成果を発表する場として開催しているものでございます。この指定は原則単年度としておりまして,既に中学校では19校中11校,小学校では43校中18校が指定を受けております。それぞれの学校では,指定が終了した後も地域の方々や関係機関の方々の御協力により,その取り組みを継続しております。ここが重要であると考えております。今後もこの事業を継続し,すべての小学校に発表の機会が与えられるよう取り組んでまいります。 次に,こうした取り組みを継続するに当たっての課題について御質問をいただきました。 これまで指定した各学校では,保護者や地域の生産者等の皆さんの御協力を賜りながら,大変意欲的な取り組みを行ってきておりまして,こうした取り組みを将来にわたって継続していくことが結果的に全市的に望ましい食育が展開されていくことになると確信いたしております。本事業を継続していくためには,まずは子供たちの学習の成果をより多くの市民の皆様に知っていただくことが重要でございますので,今後その広報に力を入れてまいります。また,保護者の方々を初め地域の皆様や関係機関,団体の皆様の御協力と御支援がなければこの事業の継続は難しいと,そう考えておりますので,今後ともさまざまな場面を通じてお願いをしてまいります。 次に,学校における熱中症対策についてお答えいたします。 各学校では,養護教諭の役割について御質問ございましたが,この養護教諭が中心となりまして教職員に熱中症の予防法や,万が一発生した場合の対応について理解させるとともに,子供たちを対象に熱中症予防教室を開催したり,校内放送や学校だより等による啓発を行っております。 体育祭等の行事の際には長時間直射日光にさらさないよう,早い時期からテントを設営し,天候により屋内で練習を行ったり,救急時に備え,塩や氷,スポーツ飲料等を準備している学校もございます。中学校におきましては,特に体育系の部活動において熱中症の発生が心配されておりますので,部ごとにスポーツ飲料やタオル等を準備したり,気温が高い場合もございますので,そのときには活動を制限し,さまざまな場面で休息と水分補給,これを徹底するようにしております。 このように,現在本市では各学校の実情に応じて対策をとっておりますが,熱中症は予防できる疾病でございますので,そのようにとらえ,今後もさらに学校医等の御協力もいただきながらその対策を徹底してまいります。 最後に,栄養教諭の取り組みについて御質問をいただきました。 国における栄養教諭制度は,平成17年度に導入されたものでございまして,県内ではこれまで15名の栄養教諭が配置されております。本市におきましては,おくれましたけれども,本年度初めて大津小学校に1名の栄養教諭が配置されまして,給食の時間を初め家庭科,保健体育科などの関連教科や特別活動の時間において食に関する指導を行っております。また,親子料理教室,給食試食会の実施に加えまして,保護者,子供たち対象の食育に関するアンケートの実施,親子で食育の目標を考える特色ある実践を展開し,その成果を保護者や地域に発信することで,保護者への啓発や地域との連携も確実に深まってきております。 子供たちが将来にわたって健康な生活を送るためには,学校給食を生きた教材として指導を行うとともに,教科指導等において食に関する指導をさらに充実させていくことが大切であると考えておりまして,今後とも県教育委員会に対して本市への栄養教諭の増員を要望してまいります。 以上でございます。 ○議長(岡崎洋一郎君) 西森美和議員。  〔西森美和君登壇〕 ◆(西森美和君) 妊産婦無料健診の適用範囲と,また本市児童作成の4曲のCD化につきましては,御配慮のある御答弁をいただきました。よろしくお願いいたします。 続いて第2問は,要望になろうかと思いますが,まず5歳児健診についてでございますが,子供にとっても親にとっても大切なことは,やはり健診後の支援体制の充実であると思います。それとともに,今5歳児健診が全国で広がりつつあるのは,早期発見には適切な健診の時期を選ぶことが大事だということからではないかと思います。落ちつきがないとか,友達とうまくかかわれないなどの行動を3歳児健診ではなかなか発見をされないまま,集団生活が始まって保育士の方とか幼稚園の教諭の方から突然保護者に投げかけられたとしても,受けとめられずにそのまま就学を迎えてしまうことになれば,子供たちの状況を悪化させてしまうことになるのではないかと心配をいたします。その意味においても,高知市での5歳児健診の実施を前向きに検討していただくように要望をしておきます。 また,子供たちの歌のCDにつきましては,子供たちの野菜嫌いが治るように,また市内のあちらこちらで子供たちの歌がこれから聞こえてくるのを楽しみにしております。どうかよろしくお願いいたします。 先ほど執行部の御答弁の中に勇気づけという言葉がありました。これはエンパワーメントという言葉になりますが,これからの時代のキーワードになる言葉だと思います。ほんの少し後押しをしてもらうだけで力が発揮できることはたくさんあると思います。 今議会で家庭学習の習慣や食育などさまざまな教育課題の現状を目の当たりにいたしますと,一人の親としてどう子供にかかわっていくのかということを考えさせられます。それは子供にとって最初の教師は親であるからです。先日,地域のふれあいセンターで開催されましたよちよちランドで,娘との共通の宝物になるだろうと思う1冊の絵本をいただきました。絵本は子供の生きる力を引き出すと言われます。また,学ぶ力の源でもあろうかと思います。親子で新しい世界に触れる喜びを味わいながら,娘への子育て支援とともに親育てもしていただいているのではないかとふと感じたことでございました。 公明党では,少子社会トータルプランを作成し,読み聞かせ運動や社会全体で子育てを応援する仕組みづくりを進めてまいりました。親子の触れ合いを大切にしながら,お父さん,お母さんが子供の成長とともに御自身の成長も喜べるような子育て支援の充実に,また虐待などの悲劇が起こらない社会を目指してこれからも力を尽くしていくことを市民の皆様にお約束をいたしまして,私の全質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(岡崎洋一郎君) 和田勝美議員。  〔和田勝美君登壇〕 ◆(和田勝美君) 代表質問で相当質疑がなされましたし,元気な西森議員の後,非常にやりにくいですけれども,本日最後の質問でございますのでさせていただきたいと思います。 新風クラブの和田勝美でございます。第407回高知市議会定例会において機会を得ましたので,質問をさせていただきます。 まず最初に,平成20年度予算について,予算は市長の政策が反映されたものであると同時に,公約を計画的に実現していくことを市民に示す行政の設計書であります。市長は2期目の初年度に当たる平成20年度予算を提案されたところでありますが,この件に対し質問をいたしたいと思います。 平成14年6月に国庫補助金廃止と税源移譲,交付税改革を一体として推進する三位一体改革により,全国の自治体は極めて厳しい行政運営を強いられており,本市も同様であります。平成19年度から平成21年度までの190億円の収支不足のうち,平成20年度は64億円と推計されております。市民生活を守るため,平成19年3月に高知市財政再建推進プランが策定をされました。このプランは,起債発行の抑制と実質公債費比率の低減を目指しています。さらに,平成19年3月に高知市行政改革第2次実施計画が策定され,現在重点的な取り組みとして事務事業の抜本的な改革,事務プロセスの改善,アウトソーシングの推進の3点が取り上げられて,その作業が進んでおりますが,これらのことから平成20年度予算編成において各部局の苦労は大変なものであったと思われます。 本市のように,財源の多くを交付税,補助金,起債等国費に依存し,自主財源の少ない状況の中,さらに細部においては国の法令や制度の改正による地方税法や地方交付税法,補助金,負担金の率の変化は直接本市の財源確保に大きな影響を及ぼすものであります。財源不足があってはなりません。平成20年度予算案が将来への基本構想や,さきに述べました高知市財政再建推進プランに沿った整合性のある予算案なのか,十分内容を検討したいと思います。 特に,編成作業の過程において,国,県の動向によりやむを得ず政策推進の修正を余儀なくされたものがあるとするならばお答えいただくとともに,今後の対応についてお伺いをいたします。 次に,高知市行政改革第2次実施計画によりアウトソーシングの推進について,50項目を上げて実施に向け取り組んでいるところでありますが,内容は民営化や指定管理者制度,そして民間委託等となっているが,アウトソーシング実施後において今まで同様の事業に対する国,県の補助金,交付金が担保できるのか,お伺いをいたします。 次に,地方自治体の行政運営は国の政策により大きく左右をされます。国の地方に対する行政方針や国家予算について,その動向を把握し,情報収集をし,本市行政施策に反映をさすために,県東京事務所への派遣の人材の強化を図るべきと思います。県においては,知事の強いリーダーシップのもと,その方向にあります。このことに対する市長の考えをお伺いをいたしたいと思います。 平成20年度当初予算についてでありますが,中でも投資的予算は過去5年間10%台を確保しておりましたが,平成20年度予算において初めて10%を切りました。ここで農業行政について質問をいたしたいと思います。 我が国の農業は,農地の減少や耕作放棄地の増加,農業従事者の高齢化が進行しており,農業構造の脆弱化が進むとともに,食糧自給率は主要国の中で最低水準となっています。農地について見ますと,耕地面積は昭和36年の609万ヘクタールをピークに減少し続け,平成18年には467万ヘクタールまで減少する一方,平成7年には24万ヘクタールであった耕作放棄地は平成17年には39万ヘクタールまで増加をしております。農業生産基盤の弱体化が顕著であります。また,農家戸数は,昭和25年の618万戸をピークに減少し続け,平成17年には285万戸まで減少しています。農業就業人口も昭和35年の1,454万人をピークに減少し続け,平成19年は312万人まで減少しており,そのうち約6割が65歳以上の高齢者となっており,担い手,後継者の問題も含めて深刻な状態となっています。その結果,農業総産出額は昭和59年の1,172兆円をピークに減少傾向になり,平成17年は849兆円まで減少するとともに,食糧自給率は昭和40年度の73%から平成18年度には39%まで低下をしております。 一方,2006年の国連人口統計によりますと,1950年に25億人だった世界人口は2050年には92億人と推計されるなど,発展途上国を中心とする地球人口の爆発的な増加による食糧危機が懸念をされております。このように,世界の食糧需給が中長期的に逼迫する可能性が指摘されているにもかかわらず,日本の食糧自給率は主要先進国と比べても最低の水準となっており,食糧安全保障の確保が求められる中,国民生活に不可欠な食糧を安定的に供給する重要な役割を担う国内農業の弱体化が懸念される状態となっております。 このような危機的な状況の中で,農業の担い手を育成,確保し,その経営の安定を図る観点から,農地の利用集積,優良農地の確保,耕作放棄地の発生防止等の課題に対処するため,農地政策の再構築が重要と考えております。 このような状況下,高知市は本年1月1日に春野町と合併,人口35万人の新高知市が誕生いたしました。これまでの都市部と中山間地域に施設園芸の春野地区が加わり,新市の農業を取り巻く環境は大きく変わろうとしており,平成17年度策定の第10次高知市農業基本計画を早期に見直し,これらに対応した農業が魅力とやりがいのあるものとなるよう,農業経営の将来に向けた発展目標を明らかにすることが重要となっております。 旧春野町と合併による高知市農業基本計画の見直しと本市農業の振興策についてお伺いをいたします。 次に,平成20年度の農林水産業費予算は全体の1.3%の約17億7,900万となっておりますが,今後の中山間地域の活性化,そして振興のため,厳しい予算ではありますが,その投資効果に期待をするものであります。 平成20年度予算編成方針の重点施策の中で,農林水産業の活性化において鏡,土佐山地域を初めとする中山間地域や合併後の春野地区を含む広域的な地産地消ネットワークの構築など,農林水産業の活性化のための施策を展開することとなっています。このことはまさしく,県都である本市が農林業振興に積極的に計画性を持って施策を展開していかなければならない時期を迎えたと思います。 そこで,地産地消についてお伺いをいたします。 地産地消推進については,健康福祉部,教育委員会,農林水産部がそれぞれ関係する分野において取り組みがなされておりますが,平成20年度においては地産地消推進計画の策定が予定されております。このことは今後の地産地消の普及,推進に大きな役割を果たすものと思われます。推進計画策定までのスケジュールと協議会の構成内容についてお伺いをいたします。 次に,毎年農業委員会では,市内17カ所で移動農業委員会を開催し,農家の方から出された貴重な意見,要望をもとに市長建議を実施しております。これらの意見,要望をもとに昨年10月,農業用水の確保や排水対策,小規模農家や高齢者農家に対するきめ細やかな支援策などの建議項目5項目,国,県への要望3項目,市への要望4項目が市長に対し建議書として提出をされました。これらの建議,要望は,地区ごとの地理的条件や土地利用形態などに対応したさまざまな農業生産に起因したものであり,本市農業の発展のためには地域の実情に即した早期改善が望まれるところであります。 そこで,平成20年度予算編成に当たりどのように生かされたのか,お伺いします。また,国,県への要望はどうなされたのか,お聞きをいたしたいと思います。 中山間地域の活性化は,ともすれば農林業の振興のみにとらわれがちでありますが,産業の振興はもとより,福祉や教育等すべての生活の安定,安心が保障されなければなりません。 そこで,アウトソーシングの対象となっております土佐山へき地診療所について指定管理者制度の条例案が提出されておりますが,今後の対応についてお伺いをいたします。 次に,昨年6月議会において質問いたしました土佐寒蘭センターの今後についてお伺いをいたしたいと思います。 担当部局において,地元の意見や要望に基づきセンターの活用計画を立て,県と協議をするとの話を聞いておりますが,現在の進捗状況についてお伺いをいたしたいと思います。 次に,消防行政について御質問いたしたいと思います。 消防団の任務は,災害や火災等不測の事態から市民の生命,財産を守ることにあります。今後想定されている南海地震や市街地の拡大に伴う広域化により,消防組織の充実,整備は重要課題であります。現在,高知市消防団は32分団で,団員数は平成20年1月1日現在で条例定数900名のうち実員は803名となっており,約100名が定数欠員の状況にあります。 そこで,何点か御質問いたしますが,まず団員の確保についてであります。 非常勤消防団員となりますと,日常は自分自身の仕事を持っているわけであり,緊急時の非常招集がかかればすぐに出動しなければなりません。そのとき,自営業の団員はともかくとして,企業や団体等他の職業の場合支障が多いと思われます。今後,団員の確保について,企業経営者や団体役員の理解と協力が不可欠でありますが,その現状と今後の対応をお伺いします。 次に,施設設備についてですが,消防団屯所でありますが,昭和46年11月に建築をされました小高坂屯所に始まり,平成19年6月建築の上街屯所に至るまでさまざまでありますが,特に昭和56年の建築基準法,耐震基準改正までに建築をされました小高坂,朝倉,江ノ口,浦戸,長浜,布師田,初月については,年次計画を立てて取り組むべきと思いますが,今後の分団屯所の整備計画についてお伺いをいたします。 さらに,平成17年に合併したときに策定をされました新市まちづくり計画において,平成22年度から事業予定の北部地域への仮称北消防署の設置は,江ノ口出張所との関係もあると思われますが,用地確保とあわせて今後の整備計画をお伺いをいたします。 次に,団員に対する処遇についてでありますが,これは身分,団員報酬,公務災害,退職報償金,出動手当などがありますが,中でも報酬について,副分団長から団員に至るまでの年額報酬を国の基準に合わすべきではないか,また公務災害補償条例は他都市の条例と比較してどんな状況かをお伺いいたしたいと思います。 次に,団員の招集方法ですが,鏡,土佐山地区においては,サイレン招集と同時に個人の携帯電話にメールにより災害情報を流しておりますが,中山間地域においては地理的に集落が点在しており,サイレンが聞こえない課題があります。将来に向け,瞬時にして団員招集がかけられるために,消防団緊急伝達システムであるサイレンを増設すべきであると思うが,今後の計画について執行部の考えをお伺いしたいと思います。 さらに,今後においては自主防災組織との連携が大事であるが,現在合併後の自主防災組織は322団体で全体の39%となっております。消防団の訓練や自主防災組織の活動にはより密接にかかわり,市民の安全,安心に努めるべきであるが,消防としての取り組みをお伺いをいたします。 次に,消防広域化についてでありますが,平成18年6月に消防組織法の一部改正により,平成19年度までに県において消防広域化推進計画を策定する方針が示され,これを受けて県は高知県消防広域化推進検討委員会を設置をし,県内15消防本部を1本部に統合する素案が示されております。このことは本市が県都であることや,現在消防に関する専門的な職員を配備しているのは高知市のみであること,また県下の地理的条件等を見ても,仮に1本部となり,本市が消防本部となっても,国の掲げる消防広域化方針には余りにも課題が多いと思われるが,執行部の現在の考えをお伺いいたします。 次に,市町村合併について質問いたしたいと思います。 本市は,平成17年1月に旧鏡村,旧土佐山村と合併し,さらに本年1月に旧春野町と合併をいたしました。それぞれ法定合併協議会で合意を得た内容に基づいた新市まちづくり計画に沿って新高知市の発展に取り組んでいるところであります。 そこで,今後の市町村合併でありますが,昨年3月に高知県市町村合併推進構想が示されております。広い県土の大半が中山間地域である中,人口が集中している本市は県人口の約4割を占めております。今後,長期的に見て望ましい市町村の将来像として,2022年から2030年ごろを想定して県内を6つの基礎自治体に合併,再編することが望ましいと発表されております。まず,現在の合併新法期限内に嶺北4町村─本山町,大豊町,土佐町,大川村でありますが,合併をし,その後に本市との合併が示されております。 本県でも合併が進み,現在34市町村となりましたが,結果を見ますと,近隣市町村との合併は実現をしましたが,さまざまな事情により合併が実現できなかった市町村があったことも事実であり,小規模な町村が多く残る結果となりました。合併が進んでも,中山間地域においては過疎と高齢化が進み,限界集落も増加し,社会生活を推進することも難しくなっており,田畑の荒廃が進み,国土の保全においても大変な問題となっております。 この現状の中で,中核都市である本市の果たす役割は多大なものがあると考えます。今後においても,地方分権の進展や地方自治体を取り巻く財政危機は厳しさを増すものと思われます。 市長は常々,南四国をリードする高知市を目指すと言われておりますが,この合併推進構想について高知市の取り組み方,そして今後の対応についてどのように考えるのか,市長の現時点での率直なお考えをお伺いいたしたいと思います。 以上で,1問を終わります。 ○議長(岡崎洋一郎君) 岡崎市長。  〔市長岡崎誠也君登壇〕 ◎市長(岡崎誠也君) 段々の御質問をいただきましたので,順次お答えを申し上げます。 まず,高知県東京事務所に関連した御質問にお答えを申し上げます。 高知市の東京事務所の過去の経過につきましては,平成5年の高知市東京事務所設置以来,関係省庁との連絡,調整や情報収集などに当たってまいりましたが,この間にいろんなIT関連での情報等の取得がふえ,また各省庁の予算等もホームページ上でそのまま発表されるということもございましたので,そういういろんな新しい要素を加味をいたしまして,高知市東京事務所は平成15年度末で一回閉めたところでございます。 ただ,高知県とも連携した情報収集が必要でございますので,その翌年の平成16年度から高知県東京事務所の方に高知市の職員を派遣をいたしまして,高知県東京事務所の業務とあわせまして各中央省庁との連携や情報収集に努めているところでございまして,県とともに商工観光関係の企業回りや,また各中央省庁の情報収集などに努めているところでございます。 新しい高知県の尾崎知事は,県政浮揚のためには高知県東京事務所の機能を大幅に充実をさせたいということを常々申されておりますので,高知県東京事務所につきましては,3月9日に内幸町の事務所に引っ越しをされまして,新年度からは8人増員をして総勢21人の体制で新たに4月1日からスタートするということをお聞きをしております。 高知県東京事務所の担うべき役割は,やはり国とのいろんな情報交換を早目早目に対応すること。また,これまでも御質問が出ましたように,国の新しいさまざまなメニューとか,そしてモデル事業とか,省庁ごとに新しいものがたくさん出されてきておりますので,そういうものをできるだけ早くとるということで非常に重要な役割を担うということになろうかと思います。 私たちも県,市の連携というものがさらに重要になりますので,引き続き高知県東京事務所に高知市からも職員を派遣し,連携強化に努めながら情報収集を早目にとる,そして予算対応を早目にしていくということをさらに進めてまいりたいと思いますので,よろしくお願いを申し上げます。 次に,農業関係の農業基本計画の見直しと高知市の農業振興についての御質問にお答えを申し上げます。 平成17年度に第10次高知市農業基本計画を策定をし,実施期間は5年間ということになっておりましたので,本来は21年度末をもって22年度から新しい計画を策定ということになっておりましたが,1月1日の春野町との合併によりまして高知県の中で高知市が占める農業関係の位置が大きく変わってまいりましたので,現在この基本計画の見直しが早急に必要な状況となっているわけでございます。 そのため,平成20年度から現行の第10次農業基本計画を見直し,そのためにはこれまでの成果と,まだ残されております課題,また1月1日の合併によりまして新たに生じてきました諸課題の整理に着手をし,審議会を立ち上げて協議を重ねていく必要があると考えているところでございますので,作業に入ってまいりたいと思っております。 農業の振興策でございますが,この農業基本計画が一つの大きな柱になりますが,春野地域を含めました新たなビジョンと政策,また農業対策につきましては,今後農業関係の振興の審議会で御意見をいただきながら,地産地消や環境保全型農業の推進,いろんな商工業との連携によります食品加工の1.5次産業の開発,そして現在国会において論議されております商業,工業,農業との連携に関する法律のさまざまな政策の転換などを組み合わせながら,新しい視点を持って新しい農業基本計画を策定をしてまいりたいと思いますので,その都度都度議会にも御報告を申し上げながら,策定に関しましての御意見を賜りたいと思いますので,よろしくお願いを申し上げます。 次に,土佐山へき地診療所の指定管理の問題につきましてお尋ねをいただきました。 土佐山へき地診療所につきましては,昭和38年3月に開設をされまして以来45年間の長きにわたりまして,土佐山地区の唯一の医療機関として医療の確保や健康管理を担っていただいておりまして,地域住民の方々に大きな安心感をもたらしてきました大切な施設と,また機能を持っているものでございます。特に,独自の住民健診によります疾病の早期発見,早期治療への貢献や介護予防への取り組みなど,元気で自立をする高齢者の方々の多い地域づくりに多大な役割を果たしてこられたと認識をしております。 現在,この診療所にはドクターがお一人,看護師がお一人のほか,臨時の看護師さん,そして医療事務職の計4名の体制で運営をされているところでございます。しかしながら,最近では,土佐山だけではございませんが,僻地医療のスタッフの確保が全国的に非常に困難な状況となってきておりまして,土佐山地域も同様に,スタッフの確保に大変苦労しているところでございます。このため,これからも将来にわたりまして地域住民の皆様方の命と健康を守り,安心して暮らしていただくために,診療体制の維持を最大の目的としまして指定管理を導入をしようとするものであり,その指定管理先は独立行政法人高知大学を想定をしているところでございます。 この理由としまして,独立行政法人高知大学の医学部に今年度家庭医療学講座という講座が新たに設置をされましたが,この講座に僻地診療を通じて医学生が地域医療を学ぶための候補地をこれまで探しておりましたので,土佐山とこのことをつなげながら,高知大学の家庭医療学講座の意向と,そして本市の土佐山へき地診療所の継続の希望が合致をするということがこのたびできたものでございます。 今後,高知大学と具体的な協議を行いまして,協定内容を詰めながら,平成20年度内の早い時期をめどに指定管理の導入を目指してまいりたいと思っております。このことによりまして安定的な医療の提供が受けれるものと期待するところでございますので,なお高知大学との連携を強めてまいりたいと思いますので,よろしくお願いを申し上げます。 次に,昨年の3月に示されました高知県の市町村合併推進構想に関する御質問にお答えを申し上げたいと思います。 高知県の市町村合併推進構想の中では,だれもがどこでも安心して暮らせるそういう地域づくりを高知の望ましい将来像に掲げられておりまして,基礎自治体の姿や基礎自治体と県との役割分担,広域行政のあり方等に触れられ,最後に望ましい市町村の組み合わせが示されておりまして,高知市は高知・嶺北のブロックに含まれているところでございます。 昨年5月には前橋本県知事が県内6カ所で,これからの市町村のあり方・県のあり方というテーマで市町村合併構想への理解を求める説明会を県内で開催をされ,また昨年11月には高知県市町村合併推進審議会で国保や消防,教育委員会などの広域行政化が論議をされたとお聞きをしております。また,新しい尾崎知事も県議会の12月定例会におきまして,市町村合併を基本的に推進をしていく旨を答弁されているところでございます。 この高知市と嶺北4カ町村との合併に関します意見でございますが,私自身のまだ個人としての意見でございますが,こういう重責を担わせていただいておるときに住民の皆様方の命と財産を守れるかというのが,いつも私の最優先の判断でございまして,いわゆる危機管理のときにいかにして住民の皆様方のまず命が守れるかというところが私としての一番の判断がそこにあります。そういう意味で言いますと,災害などの本当に緊急対応の危機管理のときに,嶺北4カ町村まで住民の皆様方の命が守れるかどうかという点につきましては,私自身はまだまだ多くの課題があるという認識を持っておりまして,そういう意味では嶺北4カ町村と高知市との合併はまだ難しいという認識を持っているところでございます。 ただ,全体として道州制の論議が進み,そして県内のいろんな市町村の存続をかけた合併という大きな視点で,これから本格的にさらに論議をされてくる中で,県都としての役割をどう担っていくかというところが課題になります。私自身は先ほどの危機管理上,嶺北4カ町村までなかなか責任を持った対応はできないという認識を持っておりますが,そのことはまた別にして,高知市と嶺北4カ町村との関係が県内全体から見てどうなるかというところをさらに深く論議と検討をしていく必要があるものと考えておりますので,今後の県の論議と,またそういう場があれば論議をさらに深めてまいりたいと思いますので,御理解を賜りたいと思います。 その他の御質問につきましては,各担当部局長等からお答えを申し上げます。 ○議長(岡崎洋一郎君) 澤本企画財政部長。  〔企画財政部長澤本義博君登壇〕 ◎企画財政部長(澤本義博君) 予算に関する2つの御質問にお答えをいたします。 まず,平成20年度予算の編成におきまして,国,県の動向によりやむを得ず施策の修正を余儀なくされたものがあるかとの御質問についてでございますが,御質問の趣旨に該当するかどうかは少し疑問もございますが,2つの事例を申し上げます。 1つは,放課後児童クラブの運営でございます。平成22年度からの適用となりますが,年間250日以上同クラブの開設を行わない場合は国の補助対象外とされる制度改正が本年度に行われておりまして,平成21年度まで経過措置が設けられております。本市では,これまで同クラブを各小学校におきまして年間240日程度開設をいたしておりましたが,新年度から250日に拡大をすることといたしまして,これに伴いまして放課後児童指導員の報酬月額をこれまでの19万8,100円以内から20万5,400円以内に変更させていただきたいと考えております。開設日数の拡大によりまして放課後児童指導員の報酬等は増加をいたしますが,国の補助基準額が増額されますことから,事業費全体では一般財源を200万円程度削減できる見込みでございます。 2つ目は,乳幼児健康支援一時預かり事業,いわゆる病後児保育でございますが,本年度までは次世代交付金として事業費の約半分が国から予算措置をされておりました。この事業が来年度から補助金化されまして,補助率3分の1となります。差額分につきましては交付税措置があるとのことですから,年間で200万ないし300万円程度一般財源の持ち出しが増加するのではないかと考えております。 国や県の補助制度の見直しによりましては,市町村は少なからず財政面で影響を受けますので,かわりの財源措置がされない場合は,市長会等を通じまして申し入れを行っておりますが,県に対しましては担当者同士による協議,場合によりトップ会談,そういったものを通じて対応していくのがより効果的な場合もあると考えております。 次に,アウトソーシング後におきまして国あるいは県の補助金や交付金が担保されるのかについてでございますが,指定管理者制度の導入や業務委託によりアウトソーシングいたします事務事業につきましては,あくまで事業主体は本市であることに変わりはございませんので,国,県の補助金,交付金に影響は出ないものと考えておりますが,民営化を想定をいたしております事務事業につきましては,事業主体が社会福祉法人等に移ることになりますので,国,県の補助金などがどうなるのかについて精査が必要となります。 今回,アウトソーシング推進計画では,知的障害者福祉施設と一部の保育園につきまして民営化を想定をいたしておりますが,この両施設につきましては,民営施設に対しましても施設の建設や事業の運営につきまして国,県の補助制度がございますので,民営化によって国,県等から補助金などが得られないといった状況にはならないと判断をいたしております。 以上でございます。 ○議長(岡崎洋一郎君) 田村農林水産部長。  〔農林水産部長田村年生君登壇〕 ◎農林水産部長(田村年生君) 農業行政に関連いたしまして幾つか御質問をいただきましたので,順次お答えいたします。 まず最初に,地産地消推進計画の策定スケジュールと協議会の構成についてお答えいたします。 本市では,平成18年3月に庁内関係職員で構成する地産地消推進検討委員会より地産地消推進基本構想の提案を受けました。この基本構想では,地産地消を推進するための基本的な考え方として,これまでの流通構造である生産,流通,消費のほか,新たに交流と循環など総合的な取り組みについて検討を行い,それらが互いに関連,連携し合いながら,豊かな食が実現できる町を目指すこととしております。 計画策定に係る協議会の構成員につきましては,生産,流通などそれぞれに関係します市民の方々や関係機関,団体の関係者など約10名程度を想定いたしております。 また,策定スケジュールにつきましては,四半期ごとに協議会を開催するとともに,密接に関連いたします高知市食育推進計画の策定作業とも整合性を図りながら,年度内に策定してまいりたいと考えております。 次に,平成20年度予算編成に当たり,高知市農業委員会建議がどのように生かされたのかという御質問でございますが,平成19年10月22日に高知市農業委員会から本市の新年度予算編成時に合わせ,平成20年度における農業施策並びに農業予算に関する建議をいただきました。今回の建議は,農業用水の確保及び排水対策,孟宗竹除去対策,防災協力農地の制度化,小規模農家や高齢者農家に対する支援,農作物残渣の処理費の軽減策の5つの建議事項のほか,国,県や市への要望事項で構成され,その内容には予算や人員を必要とする事項も多く,予算編成に当たりましては関係部局に対して建議内容の周知を図り,その実現や解決に努めております。 いただきました建議の各部局での対応につきましては,東部地域の施設園芸での排水対策など取り組みが可能なものにつきましては,予算計上して今議会に提出させていただきましたが,今後引き続き検討の必要な項目もございます。詳細な回答につきましては,今議会終了後なるだけ早い時期に農業委員会へ提出したいと考えております。 また,国,県への要望につきましては,例年春と秋に行われる高知県市長会等の場を通じて要望を行い,国に要望するものにつきましては全国市長会へ提出して働きかけを行っており,今回の建議に係る国への要望につきましても,来月行われる高知県市長会に提出するよう準備をしております。 最後に,旧県立土佐寒蘭センターについてお答えをいたします。 昨年の6月議会におきまして,旧寒蘭センターの市としての活用等について建物の所有者であります県と協議を図っていくことをお答えいたしました。質問議員さんには,旧寒蘭センターにつきまして常日ごろより地域の要望などを初め活用方法などについて貴重な御意見をいただき,感謝をいたしているところでございます。 旧寒蘭センターの活用方法についてでございますが,昨年から庁内外で関係者と検討,協議を行ってまいりまして,約1,200平方メートルのバリアフリーの多目的ホールを中心とした建物と,それを囲む約6ヘクタールの保安林は壮観で貴重な財産であり,市民の憩いの場,中山間地域の農業振興の場,都市と農村の交流の場,地域の情報発信の場など,中山間地域の拠点施設となる公の施設として地域振興のために有効な利活用を図ってまいらなければならないと考えております。 本市といたしましては,この施設の利活用につきまして県担当部局と協議を進めておりまして,来年度の早い時期に方向性を固めてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(岡崎洋一郎君) 山中消防局長。  〔消防局長山中次男君登壇〕 ◎消防局長(山中次男君) 消防行政に関する御質問をいただきましたので,順次お答えいたします。 まず,消防団員の確保に関しまして,企業関係者等の協力体制についての現状と今後の対応でございますが,来るべき南海大地震やさまざまな災害に対応していくためには,常備消防の充実・強化とともに,要員の動員力や即時の対応力にすぐれ,昼夜を問わず献身的に活動いただいております消防団の体制強化も不可欠なものであると認識しております。 しかしながら,昭和20年代のピーク時には200万人を超えておりました全国の団員数も,その後は減少の一途をたどっておりまして,平成19年4月現在の団員数は約89万人となっております。御質問にもございましたとおり,本市の消防団員数も定数900人に対し本年2月1日現在の実員数は803名で,その充足率は89.3%になっております。 一方,消防団員の職業形態も大きく変化をしておりまして,以前におきましては比較的自営業や農業を営んでおられる方々が多数を占めておりましたが,社会構造の変化に伴い,昭和40年代には全国の団員数に占める会社員の比率が26.5%であったものが平成19年4月現在では69.7%にまで上昇しており,本市におきましても約半数の団員が会社員となっております。 こうした背景の中,団員確保を図っていくには,御指摘にもございましたとおり,事業所等の一層の御理解,御協力が必要となりますことから,今後におきましては企業や事業所等を直接訪問させていただき,協力体制の推進に努めるとともに,現行の消防団員に加えまして,大規模災害時に活動する団員や予防,広報分野で活動する団員等,いわゆる機能別団員につきましても検討してまいりたいと考えております。 次に,消防分団屯所の整備計画についてでございますが,前段にも述べましたとおり,大規模な災害を想定した場合,常備消防の充実・強化とともに,地域の防災拠点ともなります消防分団屯所の耐震化は市民の皆様の安全,安心を確保するためにも重要な課題と位置づけております。 平成16年度から,昭和56年の建築基準法,いわゆる新耐震基準以前に建築された消防屯所を建築年の古いものから順次建てかえの計画を立て,これまでに新耐震基準以前の五台山分団,三里分団吹井部,上街分団屯所を整備いたしてまいりました。 現在,建てかえ整備を必要とする消防屯所は,小高坂,朝倉など旧市内に7カ所,また春野町との合併に伴い新たに春野中・東・南分団の3カ所が加わり,計10カ所になっておりまして,早急な整備が必要と考えておりますが,厳しい財政事情でございますので,今後も関係部局と協議を重ねまして,地域のバランスなどを踏まえた建てかえ計画の見直し等も行いながら整備に努めてまいりたいと考えております。 次に,平成11年度に策定いたしました高知市消防整備計画の中の大きな柱の一つであります仮称北消防署の整備につきましては,現在の中消防署機能と含めた形で平成18年度には新設することとしておりましたが,御質問にもございますように,高知市新財政健全化計画,新市まちづくり計画の中で協議し,平成22年度からの事業に見直しをいたしました。 現在,北部地域は中消防署江ノ口出張所の管轄になっておりますことから,鏡,土佐山地区との合併に伴い拡大いたしました本市の北部地区にも対応できる防災拠点として,仮称北消防署の早期整備は重要な課題であり,平成20年度から策定に入ります高知市総合計画にも重要課題として位置づけをするとともに,現行の高知市消防整備計画の見直しを実施する中で,その整合性も図りながら,高知市全体の消防力が均衡かつ適正に配備されるよう努めてまいりたいと考えております。 次に,消防団員の処遇についてでございますが,消防団員の皆様には団員活動の労に報いるため,年額の報酬のほかに水火災や訓練等の活動に従事された場合の出動手当等が支給されるようになっております。団員の年額報酬につきましては,各市町村によりましてさまざまではございますが,本市の場合,地方交付税の算定基準によります7つの階級別金額と比較いたしますと,御指摘にもございましたとおり,団員から副分団長までの4階級で下回った額となっております。しかしながら,四国3市や中核市と比較いたしますと,階級ごとに多少のばらつきがございますものの,全体的にはおおむね中位程度の水準となっております。今後におきましても,社会情勢や他都市の水準を十分見きわめながら対応してまいりたいと考えております。 また,本市の消防団員等公務災害補償条例につきましては,他都市と同様に非常勤消防団員等に係る損害補償の基準を定める政令に従い定めておりますので,補償額につきましては差異は生じておりません。 次に,鏡,土佐山地区の消防団員招集用の無線サイレンについてでございますが,平成19年3月議会におきまして補正予算の御承認をいただき,本年1月に旧高知市と同等の設備が設置され,運用を開始したところでございますが,完成までに相当の時間を要し,地域の皆様には大変御不便と御迷惑をおかけしたところでございます。 御質問のように,地域の地形的条件等によりサイレンの音が聞こえない地域は旧高知市においても一部ございますが,すべての消防団員にサイレン吹鳴が判別できるように増設するには多額な経費負担が必要となりまして,現状では非常に困難な状況でございます。そのため,消防団緊急伝達システムには,サイレン吹鳴とほぼ同時に補完的な災害情報メールによる携帯電話への通知を関係分団員へ送信するシステムを導入し,サイレン招集とあわせて運用しておりますので,御理解をお願いしたいと考えております。 また,消防団の訓練や自主防災組織の活動には密接な連携が必要であり,現在実施しております消防分団と消防署所との連携訓練,南海大地震などの大規模災害を想定し,初動時における地域活動の拠点となる分団屯所に順次配備中の簡易救助用資機材などを使用した自主防災組織との訓練など,年間を通じまして防災対策課,消防団,消防署所が連携して実施しておりまして,今後もこうした取り組みを継続することによりまして,より一層の連携強化を図ってまいりたいと考えております。 最後に,消防の広域化に関する御質問についてでございますが,昨年4月に設置されました高知県消防広域化推進検討委員会では,昨年末に推進計画素案が策定され,本年2月には県の担当部長より概要の説明をいただきました。素案では,6ブロック案,3ブロック案,1ブロック案の3パターンで比較,検討した結果,人的メリットが最も大きく,幅広い人員活用案など弾力的な組織運営が可能となり,広域化の効果が最も高くなるという観点から,1ブロック案を目指すべきとの内容になっております。 平成20年度には,広域後の消防行政の円滑な運営を確保するための基本方針等を盛り込んだ広域消防運営計画を,広域化対象市町村により策定を行うとのスケジュールであるとお聞きしております。この広域消防運営計画の策定には高知市消防局も参画いたしますが,これまでの市議会での御質問にもお答えしてまいりましたとおり,1本部体制での広域化の実施に当たりましては多くの課題があると考えております。広域化を実現することによりまして現場要員の確保が可能となるのか,管轄エリアの見直し等により災害現場への到着時間の短縮が可能になるのか,また高機能通信指令システムの導入等,多額の初期投資や維持管理経費をどう負担していくかといった課題や問題点を,この広域消防運営計画の策定段階で一つ一つの案件ごとに議論を深めてまいらなければならないと考えております。 高知市消防局といたしましても,県内一の消防力を有していると同時に,県内消防のリーダー的な役回りを果たしてまいりましたこれまでの経過も十分踏まえまして,よりよい方向性を見出してまいりたいと考えております。 ○議長(岡崎洋一郎君) 和田勝美議員。  〔和田勝美君登壇〕 ◆(和田勝美君) それぞれ御答弁をいただき,ありがとうございました。再度質問いたしたいと思いますが,現時点では答えられないということについては結構ですので,よろしくお願いをしたいと思います。 アウトソーシング実施後において,今まで同様の事業に対する国,県の補助金,交付金が担保できるかと質問いたしましたが,先ほどのお答えの中で担保できるというお答えでございますが,私が心配しましたのは,いわゆる地方交付税算定基準の中で,例えば保育園を民営化していく,外へ出していく,そうした場合に保育所数とか,あるいは職員数とかで地方交付税の算定に非常に支障が出てくるんではないかと危惧をしたところでございますが,事業主体が市であるということで,その影響はないということであろうかと思います。 次に,東京事務所の充実について質問をいたしました。現在は高知県東京事務所へ本市の職員が出向しているとのことでありますが,非常に県は尾崎知事になってから東京事務所を充実するということをしきりに言われておりますし,実際その方向で動いております。 皆さん御承知のとおり,現在地方に対して比較的目が向けられ始めたといいますか,今まで非常に厳しい状況でございましたが,地方に対して風が吹き出したかなという中で,やはり東京,中央の情報というものをいかに的確に素早く入れるか,市長もお答えの中で話がありましたが,それが一番私は大事だと思います。例としましては,現在国が進めております地方応援プログラム,この中には随分といろんなメニューがあるわけなんですが,そういったものが本市の現在の状況にマッチをしておるものについては即座に情報を入れる,そういうことが最も肝要であろうと思います。 先ほど答弁の中にありましたように,県は21名というふうな話もありましたが,ここへ市の職員が1人行って何をするかと,こんなこともありますよと連絡だけでいいのかどうかということもありますので,今後は県の動向にも合わせて,市もこれには力を入れ,しっかりと中央の情報が入れれる,そして東京事務所において一定の判断ができる,自分で決裁といいますか判断ができる職員の配置,これが私は最も大事ではないかなと思いますので,ただ職員を出向させておりますよということではなくして,本市の状況を加味しながら判断ができる,せめて副部長クラスを出向さすべきではないかと思いますので,この辺について市長のお考えをお伺いしたいと思います。 続きまして,質問ではありませんが,僻地診療所においては,高齢化が進む中,中山間地域において医療が保障されることは大変喜ばしいことであります。担当部局の努力に改めて敬意と感謝を申し上げたいと思います。 お答えはありましたが,これは初めての試みといいますか,また行政というか政治の世界なんですが,縦割り行政の垣根を超えて,これは細部にわたり協議をしていただきまして,住民に安心と希望の持てる診療所として充実,整備を図っていただきたいと思います。 次に,消防行政についてでありますが,御答弁をいただきましたが,再度質問をいたしたいと思います。 私自身も旧村当時,14年間余り消防団員としてお世話になったことから,消防行政には少なからずとも思いがあるところでございます。ちなみに,現在の山中局長は,私が消防学校入校当時の教官でございました。 そこで,消防施設整備計画についてでありますが,この北消防署については過去において相当な質疑がなされております。平成14年3月定例会で水口晴雄議員,同じく吉良富彦議員,そして平成15年3月定例会で浜川総一郎議員,さらには鏡村,土佐山村との合併後の平成18年9月定例会で岡田泰司議員,平成19年12月定例会においては中澤はま子議員が代表質問においてそれぞれ質問をして,北消防署の必要性,そして執行部からは今後の対応について議論をした経過があります。 このことからも,北消防署の整備が本市の喫緊の重要課題であることが見受けられます。平成17年,鏡,土佐山と合併したことによる合併特例債充当予定事業において,先ほど答弁がありましたが,消防施設整備事業費として約29億円が見込まれております。この中で,消防署新築事業として合併特例債事業の後期に当たる平成22年度から平成26年度において建設事業費20億2,500万円余り,合併特例債の充当費が19億2,400万円となっておりますが,本市の厳しい財政状況において,こういった大型事業については合併効果を最大に生かすべきと思います。 そこで,再度質問いたしますが,先ほど御答弁がありましたけれども,県下全域を対象とした総合的な防災センターを北消防署の整備とあわせて検討するという答弁があっております。その後,このことの進捗状況について御答弁ができればお伺いをしたいと思います。 これで,時間は残りましたけれども,私の最後の質問といたします。どうもありがとうございました。 ○議長(岡崎洋一郎君) 岡崎市長。  〔市長岡崎誠也君登壇〕 ◎市長(岡崎誠也君) 私の方からは,県東京事務所への派遣の関係を申し上げます。 高知県は,先ほど御質問にもございましたように,尾崎新知事のもとで県の事務所の体制を強化するということで,新しい事務所に引っ越すわけでございますが,8名増員して21名体制で始めるということでございます。県からは2名,実は派遣の要請があったところでございますが,段々の御質問に出ておりますように,職員の削減というところで,私どもの方が2名出すことができなかったというのが20年度当初の予定でございます。 ただ,いろいろ御質問いただいておりますとおり,東京事務所の役割というのは4月からさらに機能を増すというふうに思っておりますので,御質問の趣旨を十分踏まえて,4月からは1名の体制でございますが,なお内部で調整と検討を加えてまいりたいと思います。少しお時間をいただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。 その他の御質問には担当局長からお答えを申し上げます。 ○議長(岡崎洋一郎君) 山中消防局長。  〔消防局長山中次男君登壇〕 ◎消防局長(山中次男君) 和田議員に20年前の消防学校の教官のことを覚えていただきまして,まことにありがとうございます。団の幹部課程で入校されておりましたが,本当に覚えていただいてありがとうございます。 第2問をいただきましたので,北消防署の整備とあわせましたその後の進捗状況についてお答えいたします。 県が計画しております防災センターの建設場所として有力な候補地の一つであります旧シキボウ跡地への早期着工とあわせまして,南海大地震等の大規模災害時における県との連携等を図る目的から,同施設への北消防署併設をさまざまな機会をとらえまして要望を行ってまいりました。しかしながら,現状におきましては,防災センターの建設はその設置場所や建設時期につきましても詳細は未定であるとお聞きしております。 今後につきましては,先ほども申し上げたとおり,平成20年度より策定に着手いたします高知市総合計画と見直しを予定しております高知市消防整備計画との整合性を図りながら,県の担当部局との協議も継続してまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(岡崎洋一郎君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(岡崎洋一郎君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて延会することに決定いたしました。 3月17日午前10時再開いたします。 本日はこれにて延会いたします。  午後4時34分延会...