ツイート シェア
  1. 川崎市議会 2018-07-26
    平成30年  7月文教委員会-07月26日-01号


    取得元: 川崎市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-05-06
    平成30年  7月文教委員会-07月26日-01号平成30年 7月文教委員会 文教委員会記録 平成30年7月26日(木)  午前10時00分開会                午後 2時33分閉会 場所:605会議室 出席委員:片柳 進委員長、松井孝至副委員長、鏑木茂哉、松原成文、末永 直、      本間賢次郎、花輪孝一、山田晴彦、石田和子、岩隈千尋、月本琢也各委員 欠席委員:なし 出席説明員:(こども未来局)袖山こども未来局長、橋本総務部長、野神子育て推進部長、        佐藤庶務課長、阿部企画課長、大田幼児教育担当課長       (市民文化局)鈴木市民文化局長、石川市民生活部長、和田市民文化振興室長、        青山庶務課長、永石市民文化振興室担当課長       (教育委員会)渡邊教育長、小椋教育次長、野本総務部長、        古内教育環境整備推進室長、森庶務課長、藤田学事課長、        松井教育環境整備推進室担当課長濱野指導課担当課長辻健康教育課担当課長       (まちづくり局)関山建築指導課長 日 程 1 陳情の審査      (こども未来局)
        (1)陳情第112号 国に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情     (2)陳情第113号 神奈川県に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情     2 所管事務の調査(報告)      (市民文化局)     (1)浮世絵等の活用に向けた基本計画について      (教育委員会)     (2)学校ブロック塀等の現地調査結果について     3 その他                午前10時00分開会 ○片柳進 委員長 ただいまから文教委員会を開会いたします。  お手元のタブレット端末をごらんください。本日の日程は、文教委員会日程のとおりです。よろしくお願いいたします。  初めに、こども未来局関係の陳情の審査として「陳情第112号 国に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情」及び「陳情第113号 神奈川県に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情」の陳情2件の審査に入ります。  2件はいずれも私学助成の拡充を求める内容が含まれておりますので、2件を一括して審査いたしたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。                 ( 異議なし ) ○片柳進 委員長 それでは、2件を一括して審査いたします。  なお、関係理事者として、教育委員会事務局から、藤田学事課長、濱野指導課担当課長が出席しておりますので、よろしくお願いいたします。  次に、事務局に陳情文を朗読していただきます。 ◎大原 書記 (陳情第112号、陳情第113号朗読) ○片柳進 委員長 傍聴の申し出がございますので、許可することに御異議ありませんでしょうか。                 ( 異議なし ) ○片柳進 委員長 それでは、傍聴を許可します。                 ( 傍聴者入室 ) ○片柳進 委員長 次に、理事者から説明をお願いいたします。 ◎袖山 こども未来局長 おはようございます。「陳情第112号 国に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情」及び「陳情第113号 神奈川県に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情」につきまして阿部企画課長から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。 ◎阿部 企画課長 それでは、陳情2件につきまして「陳情第112号 国に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情」及び「陳情第113号 神奈川県に私学助成の拡充を求める意見書の提出を求める陳情」につきまして御説明いたしますので、お手元の端末の1-(1)、(2)「陳情第112号及び陳情第113号(資料)」のファイルをお開きください。  画面の表紙、文教委員会資料を1枚おめくりいただきまして、2ページの資料1、川崎市内中学校・高等学校の生徒数及び行政体制をごらんください。初めに私立学校でございますが、設置認可や運営指導、各種助成につきましては、神奈川県福祉子どもみらい局子どもみらい部私学振興課が所管しております。川崎市内には中学校6校と高等学校6校の私立学校があり、平成29年5月1日現在ではございますが、中学校の生徒数3,942人のうち市内在住は1,005人で、全生徒の25.5%、また、高等学校の生徒数6,266人のうち市内在住は1,610人で、全生徒の25.7%となっております。  次に県立学校でございますが、神奈川県教育委員会が設置、運営管理を行っております。川崎市内の県立高等学校全日制は14校で、生徒数1万2,414人のうち川崎市立中学校出身者は9,554人で、全生徒数の77.0%となっております。  次に川崎市立学校でございますが、川崎市教育委員会が設置、運営管理を行っております。川崎市立中学校は52校で、生徒数2万9,265人のうち市内在住は2万9,208人で、全生徒数の99.8%、川崎市立高等学校全日制は5校で、生徒数3,735人のうち川崎市立中学校出身者は3,143人で、全生徒数の84.1%となっております。  1枚おめくりをいただきまして、資料2の私学助成の概要をごらんください。1の私学助成の基本でございますが、国の考えでは、私立学校は、我が国の学校教育の発展にとって、質、量両面にわたり重要な役割を果たしており、建学の精神に基づく個性豊かな活動を積極的に展開するものとしております。  この重要な役割を考慮し、私立学校法におきましては、教育の振興上必要があると認められる場合には、別に法律に定めるところにより、学校法人に対して助成することができるものと規定されております。また、助成について定める私立学校振興助成法におきましては、私学助成は、教育条件の維持向上や修学上の経済的負担の軽減、経営の健全性の向上など、私立学校の健全な発達に資するものとされております。  国及び地方公共団体の主な施策として、1つ目に、経常的経費に対する補助を中心とした助成事業、2つ目に貸付事業、3つ目に学校法人が一般からの寄附金を募集することを容易にするための措置等、必要な税制上の優遇措置が行われております。  次に、2の私立高等学校等に対する助成の財源等でございますが、国は、私学に対する経常的経費助成費を国庫補助金等で財源措置し、所管庁である都道府県へ交付した上で、都道府県が主体となって経常費等の助成を学校法人等に実施しております。また、川崎市などの市町村におきましては、国や県のように助成することができるとなっております。  1枚おめくりいただきまして、資料3の国の私立学校経常費助成費予算をごらんください。私学助成の中心である1の私立高等学校等経常費助成費補助につきましては、私立学校等の教育条件の向上や保護者負担の軽減を図るため、所管庁である都道府県が行う私立高等学校等への経常費助成費に対して国が補助するものでございまして、2の事業を含むトータルの平成30年度の予算額は1,033億6,400万円となっております。  1枚おめくりいただきまして、資料4の神奈川県私立学校助成関係予算をごらんください。1の経常費補助でございますが、県が実施する私立学校の経常費経費に対する助成でございまして、平成30年度の予算額は、高等学校、中学校、小学校など、7区分の合計で433億6,641万3,000円となっております。その他の事業につきましては後ほど御参照いただければと存じます。  1枚おめくりをいただきまして、資料5の神奈川県のパンフレット、私立学校に通う児童・生徒と保護者の皆様へをごらんください。左下に平成30年度の私学助成予算の内訳がございますが、予算総額は590億9,693万円で、うち私立学校経常費補助金の高等学校分は202億1,000万円で、平成29年度と比較しますと約1億3,114万円の増となっております。右側は内訳となっております。  1枚おめくりをいただきまして、資料6の神奈川県の高等学校生徒に対する支援施策をごらんください。1の高等学校等就学支援金は国からの補助金を財源とする授業料補助制度です。2から6までは県単独の事業で、3の神奈川県私立高等学校等生徒学費補助金につきましては1の授業料補助の上乗せ制度でございます。以上が国及び神奈川県の私学助成の主な内容でございます。  1枚おめくりをいただきまして、資料7上段の川崎市私立中学校及び高等学校助成関係予算をごらんください。川崎市におきましても、私学教育振興の観点から助成事業を実施しており、事業内容といたしましては、市内に設置しております私立中学校6校及び高等学校6校に対し、教職員等への研修に係る経費及び教材教具等の購入に要する経費に対し、その一部を助成しているものでございます。また、下段は川崎市高等学校奨学金についての表でございます。いずれも市単独事業として行っているところでございます。  1枚おめくりをいただきまして、資料8の公私立学校等児童・生徒数をごらんください。1の神奈川県内につきましては、私立の幼稚園は平成27年度からの子ども・子育て支援新制度の開始に伴い、下段の幼保連携型認定こども園への移行もございますが、減少傾向、また、小学校、中学校につきましては同じく減少傾向で、高等学校につきましてはほぼ横ばいで推移しております。2の川崎市内につきましては、私立の幼稚園は神奈川県と同様に減少傾向で、小学校は増加傾向、中学校及び高等学校はほぼ横ばいで推移をしております。  なお、平成29年度の川崎市内における私立学校の児童生徒の割合でございますが、幼稚園及び幼保連携型認定こども園は100%、小学校は2.1%、中学校は11.7%、高等学校は26%となっております。  1枚おめくりいただきまして、資料9の公立中学校卒業者の進路状況をごらんください。この資料は、特に高等学校教育では私学の役割が高まることから、公立中学校卒業者の進路状況をお示ししたものでございます。1の神奈川県内では、平成28年度の卒業者総数は6万9,996人であり、全日制高等学校には全体の90.5%の6万3,334人が進学しております。また、2の川崎市内では、平成28年度の卒業者総数は9,770人で、全日制高等学校には全体の90.0%の8,791人が進学しております。  なお、本市におきましては、表の中段になりますが、県外私立への進学の割合が21.1%であり、県内私立の11.2%と比較して大きくなっております。  1枚おめくりをいただきまして、資料10の都道府県別私立学校経常費補助単価(平成29年度)をごらんください。この資料は、日本私立中学高等学校連合会が調査し、取りまとめを行っているものでございます。神奈川県を太枠で囲んでおりまして、高等学校から幼稚園まで全ての種別で順位は低い状況ではありますが、平成28年度と比較しますと、高等学校では5,299円、中学校では6,012円、小学校では5,768円、幼稚園は7,693円とそれぞれ増額をしております。  1枚おめくりいただきまして、資料11の高等学校(全日制・定時制)都道府県別学校数をごらんください。この資料は文部科学省の資料でございまして、網かけをしているのが神奈川県でございまして、平成29年度の私立高校は78校で、東京都237校、大阪府96校に続き、3番目に多い状況でございます。  1枚おめくりいただきまして、資料12の私立高等学校(全日制)の授業料等について(平成25年度~平成29年度)をごらんください。こちらも文部科学省の資料ですが、生徒1人当たりの平均額について取りまとめられたものとなっておりまして、上段左側の小さな表が全国平均で、下段の表が都道府県別となっており、神奈川県には右側欄外に黒丸印をつけております。これから申し上げるそれぞれの数字を太枠で囲んでおりますが、平成29年度につきましては、授業料のみを比較しますと、上の表、全国平均は39万6,313円のところ、下の表、都道府県別では、大阪府の57万6,194円が最高額で、神奈川県は44万1,193円となっており、京都府、鹿児島県、東京都、長野県に次ぐ6番目の金額でございます。また、授業料に施設整備費等を含めますと、全国平均は16万9,611円を足して56万5,924円となり、都道府県別では福井県の81万5,575円が最高額で、神奈川県は70万194円となっており、京都府、岡山県に次ぎ4番目の金額でございます。  1枚おめくりをいただきまして、資料13でございますが、平成30年度国の施策・制度・予算に関する提案(個別的提案)として、神奈川県が国へ提出したものでございます。経常費助成費補助金にかかわる内容を含み、10項目を提案しております。  1枚おめくりをいただきまして、資料14の神奈川県のパンフレット、私立高等学校等の学費支援制度のご案内でございますが、平成30年度に補助対象が拡大し、年収590万円未満の世帯で授業料が実質無償化された補助制度につきまして、所得区分に応じた補助金額などが記載されております。このパンフレットを6枚おめくりいただきまして、21ページの資料15、図表でみる教育:OECDインディケータ2017年版の抜粋でございますが、2枚目の四角で囲んだ一番下の点をごらんいただきますと、日本は多くのOECD加盟国と同様に、小学校から高校等までの教育機関に対する支出の多くは公的資金で賄われております。しかしながら、大学などの高等教育段階になると、公財政支出の割合はOECD加盟国平均の半分になるとのことです。資料の説明は以上でございます。  最後に陳情についてでございますが、私立学校につきましては神奈川県が所管し、設置認可や運営指導を行っておりまして、各種助成につきましては、国が所轄庁である都道府県へ交付した上で、都道府県が主体となって経常費等の助成を学校法人等に実施しているところでございます。本市におきましては実務はございませんので、今後につきましても国や県の動向を注視してまいりたいと存じます。  説明は以上でございます。 ○片柳進 委員長 説明は以上のとおりです。ただいまの説明につきまして、質問等がございましたらお願いいたします。また、意見・要望等がございましたら、あわせてお願いいたします。 ◆鏑木茂哉 委員 ちょっと質問したいんですけれども、公立高等学校の受け入れ人数と実際に高校に入るべき人数との差というのはどのような現状なんですか。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 神奈川県の公立高等学校の志願の状況なんですけれども、県全体で、今回の受験に関しまして1.20倍という倍率になっております。ただ、御存じのとおり1.6~1.7倍ある学校もあれば、1.0倍を切ってしまう学校もありますので、おおむね妥当なキャパシティだと考えております。 ◆鏑木茂哉 委員 今、県下で言いましたけれども、じゃ、ここ川崎に関して県立、川崎市立の高等学校がありますけれども、その数字というのもありますか。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 川崎市内の県立高校なんですけれども、全て1倍を超えている状態です。県立多摩高校の1.8倍が最大であります。市立高校普通科におきましてはいずれも1.1倍を超えておりまして、今年度でいいますと高津高校の1.4倍というのが最高の数値となっております。 ◆鏑木茂哉 委員 さらにそれを細かく言うと、受験の応募をしてきたわけですよね。それのあれが1.何倍という数字になるわけですけれども、その応募してきた人の数字の中にあるのは、川崎市外の人も入った中での倍率ということになりますよね。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 そのとおりです。県立に関しましては県内が全て学区になっておりますので、県内から自由に受験できます。川崎市立の高校も、専門学科につきましては県内どこからでも受験できますし、普通科につきましても定員の8%は市外から受け入れることができますので、受験生は県内いろいろなところからいらっしゃる形になっています。 ◆鏑木茂哉 委員 きょうのいろいろな資料の中で私立の建学の精神というのは本当によくわかりますし、日本を発展させた有為な人材を育成する大きな要素だったというのはわかるんですけれども、高校が義務教育化する中で、高校に行く人がどんどん多くなっている。しかし、もう昭和の終わりから平成の初めにかけて、とりわけ公立に行くためには、まず中学校がもう私立へ行かないといけないという傾向にだんだんあったと思うんですけれども、そこら辺の事情というのは御存じでしょうか。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 済みません、その辺は捉えておりません。 ◆鏑木茂哉 委員 私の知る限り、昭和から平成のああいう状況の中で、県立や公立の高等学校に行くのはむしろ滑りどめみたいで、落ちたら、しようがないから公立に行くけれども、今の学校の荒れ方を見たり、ああいう状況を見ると、やっぱり公立ではなくて私立に行かせようというのは、下手すると中学校からそういう傾向にずっとあったんですけれども、それが今30年ぐらいたった中で、そういう傾向というのはいまだにあるのかどうかなということをお聞きしようと思ったんですけれども、やっぱりわかりませんか。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 状況は公立のほうも改善はされています。神奈川県の場合、大変私立の学校も多くて、ランクで言うのは失礼なんですけれども、上のところもあれば、セーフティネットではないんですけれども、学び直し等、対応してくださる学校もありますので、一概に私立に落ちたら公立というわけではないと思います。公立もそれぞれの学校で特色を出しておりますので、第1希望公立の生徒さんもたくさんいらっしゃいます。 ◆鏑木茂哉 委員 そうした中で、今回の陳情をいろいろ読み込みますと、私立にどんどん行きなさいよという環境をさらに助長するという言葉を使うと、何かおかしいですけれども、そのようなことも含めてやるみたいで、なおさら、税金の投入なりなんなりを含めて、そういう環境をつくりなさいよというふうに感じるところがなきにしもあらずなので、やはり公立高校、公立中学校を含めて、学校のよさ。今おっしゃったようにそれぞれの学校の特色を生かしてということを思うと、私は公立の中学校なり、高校なりで結構な生徒、子ども、児童が公立の学校の範囲でおさまるやに思うんです。そんなことも考えながら、そういうことを含めて、改めてその先に、あとは私立の助成制度のあれはどうだろうかと考えるような環境がまず必要かなと私は思うんですけれども、この陳情を出した人の趣旨からすれば、そういうのは関係なく、公立も同じようにということなんだと思うんです。ただ、私は、私たちの税金でやっているのと、あと、地方自治体によっても人口に対する学校の数のあり方、私立のあり方、公立のあり方というのはまちまちだと思うんです。そういう意味では、神奈川県は結構数が多いのかなと思いますけれども、ほかの自治体と比べての神奈川県の現状というのはどうなんでしょうか。 ◎阿部 企画課長 私立学校の設置数につきましては先ほど資料11でお示しし、神奈川県は東京と大阪に次いで3番目に多いというところで、これは非常にそういう形であろうかと思います。 ◆鏑木茂哉 委員 神奈川県は特に人口が多いから、なおさらそのようなところにもあるんだと思うんですけれども、何でも国平均だ、何だというと、自治体の状況も含めて精査しながらの平均というのではなくて、ぱっと数字上の平均ですから、私は一様に何でも平均だからと言えないんですけども、そうしたそれぞれの自治体の事情もあると思いますし、30年ぐらい前からのいろいろな傾向も含めて考えると、まだまだもうちょっと考えながら進めていってもいいのかなと思います。このような思いで……。 ◆石田和子 委員 資料9について教えていただきたいんですけれども、これは公立中学校卒業者の進路状況を出していますけれども、下の川崎市内のところでちょっとお聞きしたいんですけれども、これは進路状況の表なんですけれども、一方で、中学校を卒業するに当たって進路希望というのを当然とっていって、その進路希望の状況についてお聞きをしたいと思っているんです。例えば全日制高等学校は、進路状況としては90%、定時制高等学校は3.5%、その他の一番下段は6.5%で、この3つ合わせると100%になるんだと思うんですけども、一方で、進路希望はどうだったのかというのをそれぞれ教えていただけますでしょうか。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 済みません、具体的な進路希望の数字は出せないんですけれども、定時制に合格、行かれた344人なんですけれども、県内の割合では、積極的理由の生徒さんが73.9%、消極的理由18.1%、その他8%と聞いております。恐らくというか、消極的理由18.1%の多くが、全日制を希望していたが、合格できなかったという生徒さんになっております。 ◆石田和子 委員 私が聞いたのは定時制に絞ってということではなくて、全日制の高等学校の進路状況は90.0%になっていますけれども、進路希望についてはここは何%だったんですか。次に、定時制高等学校の進路状況は3.5%ですけれども、進路希望の段階では何%ですか。一番下のところも同じような趣旨でお聞きをしているんですけれども。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 済みません、進路希望の段階での調査は手元にありません。 ◆石田和子 委員 手元にないということですけれども、それだと質疑のしようがないということですけれども、質疑に当たって私は、教育委員会は当然調査をして臨んできているだろうと思ってお聞きしているんです。それは後で数字を示していただきたいと思います。  先ほど一番最初にお答えになった定時制高等学校でのことを説明されていましたけれども、そこをもう一度説明していただけますか。積極的だとかという部分なんですが、そこをもう一度説明していただけますか。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 先に調査のほうなんですけれども、進路希望調査は年に数回行われております。中学校の段階で3年になってすぐ、夏休み前、あと11月、直前という形で行っております。希望の中には、当然第1希望どこどこ、第2希望どこどこというような形になっておりまして、どの数字をというのは後で御指摘いただければと思います。  もう一つの定時制のほうの御説明をもう一度いたします。定時制に入学された生徒さんのうちの消極的理由の18.1%の具体的な数字、公立全日制を希望していたが、学力的に難しかったという方、その中の11%、公立全日制を希望していたが、合格せず、私立全日制は経済的に難しかったという方が2.6%、公立全日制が経済的に厳しかったという理由が1%、私立全日制が経済的に厳しかった1.1%、私立全日制を希望していたが、学力的に難しかった1.1%、私立全日制を希望していたが、経済的に難しく、公立全日制を受けたが、不合格になった0.6%、全日制進学を希望していたが、人とのかかわり方(友人関係などで難しかった)2%となっております。 ◆石田和子 委員 それだけ項目別に細かく、定時制への進路状況になった人に対して、私立の全日制を希望していたけれども、学力で定時制を希望したとか、公立全日制を希望していたけれども、学費等の関係、経済的な理由で定時制だとかということで、そこまで詳しくきょう述べておられるわけですから、一番最初に私が聞いたことに答えられないということは、私の一昨年の質疑の中では、当時の教育委員会がちゃんと答えていらっしゃるわけです。進路状況はこうだけれども、進路希望のときは何%でしたということで、それぞれ全日制も、定時制も、その他のところも答えていたわけです。そういう進路希望に関して、実際は進路状況としてこうなっているんだということで、公立高校の進路希望が90.0%よりも多くあったんですけれども、実際はこうなっている。私立への進路状況が32.3%になっていますけれども、進路希望の段階ではもっと少なかったということはパーセンテージで答えていただいていたわけです。  そのときに出てきていたのが、当初は学費負担の少ない公立を希望していたんだけれども、合格できなくて、私立に回っていくという実態がそのパーセンテージの中でも出ていたわけですよ。だから、そこを私は今回、2本の陳情の質疑に当たって、まずそこを確認したかったので、こういう質問をしたんです。そういう傾向、今いっぱい項目を述べたので、全部書き取れませんでしたけれども、確かにそういう項目も言われていたので、そういう実態はあるのかなと思って聞いておりましたけれども、その辺のところを確認させてください。一つの原因として、私立の学費の負担が大きいので、私立に行きたいけれども、公立を選んで入った。もう一方で、学費負担の少ない公立を希望していたけれども、合格できなくて、私立に回っていく実態があるという、その辺のところを1点確認させてください。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 済みません、調査いたしたいと思いますので、データ等を調べたいと思います。お時間をいただきたいと思います。 ○片柳進 委員長 濱野課長、データ以外にも既に教育委員会の中で聞き取っているようなことなどでそうしたことがあれば教えてほしいという趣旨だと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 済みません、私が先ほど定時制のほうでお答えしたのは、定時制に合格した生徒に動向調査をかけておりまして、そこのデータから出しております。全日制に受かった子に関しましてはその調査をかけておりませんので、昨年、どう答えたのかはわからないんですけれども。 ◆石田和子 委員 それでは、改めて、進路希望の段階でどうだったかというのは、先ほど多分夏休み前にとったり、11月にもとったり、最終的な希望はいつとるんですか。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 12月の段階でとるものです。 ◆石田和子 委員 そうしたら、最初の段階と12月の段階のところを後で資料請求で、進路希望の状況を、ここにある川崎市内の1つずつについて表をお示しいただきたいと思いますけれども、よろしくお願いいたします。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 公立希望とか私立希望等の数字は出せるかと思うんですけれども、恐らく理由に関してまでは学校も把握はしていないかと思いますので、調査はちょっと……。 ◆石田和子 委員 理由は聞いておりません。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 わかりました。 ○片柳進 委員長 それで今、資料請求がありましたので、今の趣旨に沿ってお願いいたします。 ◆石田和子 委員 今回OECDの関係の資料も出していただいているし、資料的にはかなり充実して出していただいているなというのが率直な感想なんですけれども、今の質問に対しての資料というか、すぐお答えがなかったというのは、冒頭で考えてきた確認ができなかったのはとても残念です。資料を後で出していただければ明確にできると思うんですけれども、そういう傾向があるということは、私は1つは言わせていただきたいと思います。  資料12でお聞きしたいんですけれども、授業料、入学料、施設整備費等で小計を出して、計を出していますけれども、施設整備費のことについて陳情の中で触れられておりましたけれども、47都道府県の中で施設整備費に対して独自に補助している県を教えていただけますでしょうか。 ◎阿部 企画課長 済みません、全ての都道府県で施設整備の補助があるかどうかまでは調べができておりません。申しわけございません。一部でございますが、京都府におきましては、府の補助金というものを各校で授業料・施設整備費等という形での助成制度となっております。大阪府におきましては同じように、府の助成金というものが各校で授業料・施設整備費等となっております。埼玉県におきましては県の補助金として3種類という設定で、1つが授業料、1つが施設整備等、1つが入学金という3項目になっております。東京都におきましては、都の補助金というのは授業料というくくりになっておりますので、京都、大阪、埼玉は施設整備費が入っているという形になります。神奈川県の場合は、県の補助金としては授業料と入学金の2項目となっております。 ◆石田和子 委員 それは47都道府県全部を調べていただいた結果ではなくて、抜粋した高額のところを言っていただいているのかなと思うんですけども、京都府や大阪府、埼玉県、東京都ということで説明をしていただいたわけですけれども、4つの都府県のほかにも施設整備費を県単独で補助を出しているというところはあると捉えていてよろしいんですか。 ◎阿部 企画課長 そのように捉えているということです。 ◆石田和子 委員 幾つあるというのは捉えていますか。 ◎阿部 企画課長 済みません、数字では捉えておりません。 ◆石田和子 委員 わかりました。  隣の入学料のことについてなんですけれども、先ほど埼玉県は入学料も県単で補助しているという説明がありましたけれども、この入学料についても47都道府県の中で補助をしている自治体というのはあるんでしょうか。 ◎阿部 企画課長 入学料の部分につきましても全部を調べてはございませんが、調べた範囲の中ではほとんどのところが入学料の部分も補助を出しているという形。神奈川県におきましては、先ほどパンフレットにございましたように10万円という形で扱っています。 ◆石田和子 委員 神奈川県は入学料10万円補助を出しているんですか。 ◎阿部 企画課長 そうでございます。 ◆石田和子 委員 わかりました。入学料についても、さっき述べた京都府とか大阪府は、施設整備費とともに入学料も県単で補助を出しているということでした。やっぱり先ほども説明のときに言われておりましたけれども、授業料については6番目に高いんだということと、施設整備費についても――ここは何番目と言いましたっけ。ちょっとメモをとり切れなかったんですが。 ◎阿部 企画課長 済みません。施設整備費については順番とか、先ほど御説明はしておらないです。 ◆石田和子 委員 先ほど説明されたのは(A)足す(C)の小計で4番目という説明があったと思うんですけれども、神奈川県の場合は生徒1人当たりの授業料の平均値はかなり高いということだと思うんです。  もう一つ、さっきはちょっと説明がなかったので教えていただきたいなと思ったのは資料5なんですけれども、資料5の右側のところ、とても小さくて、私の視力ではなかなか厳しいんですけれども、私立高等学校等生徒学費補助金とありまして、区分1、2、3、4までは合計すると43万2,000円ですか、補助を出しているということだと思うんです。これは年額だと思うんですけれども、先ほどの12ページのところと比較をしても、授業料は神奈川県の場合は44万1,193円です。そうすると、この1、2、3、4の区分は43万2,000円まで補助を出しているということですけれども、この補助の43万2,000円というのは、授業料だけの補助で43万2,000円なんでしょうか。その辺を教えていただけますか。 ◎阿部 企画課長 済みません、そこは正確には資料5からはわからないところでありますが、15ページの資料14、パンフレットでは、委員おっしゃるように43万2,000円という学費支援でありますので、中身としては授業料の補助というスタンスであろうというふうに想像はしているところでございます。
    ◆石田和子 委員 わかりました。ありがとうございます。そうすると、区分5のところは19万3,200円ですか。そして授業料44万1,193円から引き算すると相当額が授業料負担になっていくということと、あわせて、施設整備費と合計をすると、学校に納めるのが70万194円というのが神奈川県ですから、この額を基準に考えると、私立高等学校生徒学費補助は、生活保護の方も含めて、かなりの自己負担をするということがこの表で明らかになっていると思うんですけれども、そういう捉え方でよろしいんですね。 ◎阿部 企画課長 表の見方はそれで正しいものでございます。 ◆石田和子 委員 わかりました。神奈川県はいろいろな授業料、入学料、施設整備費の合計がかなり高額で、(A)と(C)と足したところは全国で4番目ということで、入学料を合わせたらどうなっていくのかなと思うんですけれども、入学料も合わせた(A)(B)(C)を足したものは全国で何番目かというのはわかりますか。 ◎阿部 企画課長 済みません、確認はしておらなかったのでございますが……。 ◆石田和子 委員 ざっと見たところ一番高いんですか。東京が90万8,000円で……。 ◎阿部 企画課長 福井県よりは下というのは、済みません、ぱっと見てわかったのですが……。 ◆石田和子 委員 いずれにしても、生活的にもとても高額な1人当たりの学校に納めるお金の平均値だということであります。それで、県のほうもこうやって学費補助は行ってはいて、大分これは増額されてきているのかなと思うんですけれども、実態はやはり大変な授業料並びに施設整備費等の負担になろうかなと思います。  資料10は都道府県別私立学校経常費補助単価(平成29年度)ということで、全国47都道府県の高等学校、中学校、小学校、幼稚園ということで、かなり下ですよね。高校は45番目、中学校45番目で、小学校35番目で、幼稚園は46番目ということで、先ほど幾らかずつはふえていますよということで御説明はいただいてはいるんですけれども、やはり先ほどの1人当たりの平均値についてもかなり高いところであるにもかかわらず、補助単価がとても低いということについては県に対しても、私立学校の教育の果たす役割というのは、冒頭説明のあったように大変大きいものであると思いますし、子どもたちが学びたいということで選んで行くわけですので、ぜひそういったところへの進学が可能になるような体制というのは非常に必要であるのかなと思いますので、そこはひとつ強調させていただきたいと思います。  とりあえず結構です。 ◆月本琢也 委員 今回、経常費補助単価の話とかが資料添付されたりとかしているんですけれども、経常費ですから、各学校の先生方、教職員の人件費とか、そういった部分が大きいのかなと思います。本市でも今年度教育委員会さんで教職員の勤務実態調査をやられていますけれども、教職員、それぞれの学校で特色があって、先ほどの答弁の中でも、公立校でも、県立の学校でもそれぞれ特色があるということで御答弁をいただいているんですが、私立、公立それぞれの学校で特色がある中で、今、働き方改革の問題もあって、勤務実態調査というのを私立ではやられているのか、お伺いしたいと思います。 ◎阿部 企画課長 済みません、教育委員会さんではやられていないということで、私立学校の教職員の調査はされておらないです。 ◆月本琢也 委員 ありがとうございます。実は経常費の問題が今回取り上げられている中で大きく書かれているんですが、私立の学校の経常費の中における人件費の占める割合というのはどれぐらいなのかというのと、教職員1人当たりの人件費が公立校と比較してどれぐらい違うのかというところはおわかりでしょうか。 ◎阿部 企画課長 済みません、その比較はわからないです。 ◆月本琢也 委員 ありがとうございます。恐らく各学校法人さんごとでやられていることと、私立が成功している例なのかも、多分これはこれから比較していかないとわからないのかなというところもあって、実際この経常費補助単価を各都道府県で比較して、高いか、安いかで比較するという一方的な数字というのが一つなのかなと思うんですが、むしろその実態として、人の数が足りないとか、あるいは特色のある教育をしているんだけれども、私立は特色があって、効果が出ているんだけれども、これだけの負担がどうしてもかかっているというようなデータとか数字が付随して出てくるような……。この資料を拝見した限りでは神奈川県は結構大変だよという数字は見せていただいているんですけれども、実態としてどういった部分が、例えば私立のほうが人件費の面でサービス残業的なものが非常に多い傾向、強いとか、あるいは施設整備費なんかはどうしてもお金がかかってくるところだと思うんですけれども、特に経常費に関して教員の負担が私立は公立に比べて非常に高いとか、そのような傾向とかが読み取れる、あるいは要望とか……。これは市の所管ではないので、県に上がっているかどうかというところも含めてなんですが、その辺について伺ったことがあるかどうか。こども未来局さんか、教育委員会さんか、わからないですけれども、わかれば教えていただければと思います。 ◎藤田 教育委員会学事課長 学事課そのものの所管ではございませんので、明確なことをお伝えすることはできかねますけれども、公立高校につきましては、先ほども勤務実態調査等で教育委員さんにも御報告させていただいているところではございますが、私立学校につきましての調査というのは教育委員会では行っておりませんし、経常費等につきましても特段調べはございません。 ◆月本琢也 委員 ありがとうございます。なかなか難しい問題だなと思うのは、本市の場合、私立の学校に通われる方が、さっきのデータでも、県内の私立に通うよりも、むしろ県外のほうに通う子のほうが多いので、一概に何を比較するのかというのは非常に難しいところだとは思うんですけれども、実際にこういった経常費の数字が出てきてしまうと、じゃ、その学校の経営としてはどうなのかとか、あるいは働き方改革の問題でこれだけ出てきて、充実した教育環境を整備していく上で、教員がどのように働いて、どのように学校として効果を残していっているのかというところは、私も今の段階だと何とも申し上げられないですし、市でこの陳情を審査するに当たって、どうしても情報として県が所管していることが多いので、今はもし御存じであればという形で聞いていたものですから、川崎市として持っている情報の実情は理解をさせていただきましたが、川崎市では勤務実態調査もしてますので、できれば市内の、例えば私立校とかも今後ヒアリングをしていただいて、市内の学校としての比較とか、今後ある程度調査の中でしていただければ、市内の公立校の先生方の勤務の実態と私立校との比較もすれば、教育環境の充実にはつながるのかなと思いますので、今回の陳情の趣旨とは少し離れる部分もあるんですけれども、ぜひそのあたりは市としても検討していただきたいと思います。以上です。 ◆本間賢次郎 委員 御説明ありがとうございます。私は実は幼稚園から大学まで全部私学だったんです。今思うとよく親は出してくれたなとつくづく思うんですけれども、そういう面から、親を初め、今、私学に通わせている親御さんの方々の気持ちを思えば、こうした陳情の内容というのは助かるんだろうなと思うんですが、ただ、やはり財源ですとか、いろいろなことを考えていくと、無責任にこうだ、ああだというふうになかなか言えないというもどかしさも個人的にはありながら、1度ちょっと伺いたいんですけれども、行政として公教育と私学の教育の違いというのはどのように捉えていらっしゃるんですか。 ◎藤田 教育委員会学事課長 御趣旨に沿う御回答になるかどうかはわかりかねますけれども、公立高校については、やはり市の中で目的にしている施策の中で学校教育が求める姿、理念等がありますので、そちらをして要して、地域の中で育んでいく教育を重要視していくものになっていこうかと思っております。私立学校につきましてはそれぞれの建学の精神等ございますので、それに見合った形で希望されていらっしゃる方が受験されて、その中で最後まで、卒業を目指して進学等、進んでいくものと認識しております。 ◆本間賢次郎 委員 ありがとうございます。まさしく今おっしゃっていただいたことを望んでおりまして、何でこういう質問を今したかといいますと、以前に比べて、高校に限らずですけれども、公立の取り組み方の枠が広がってきていると感じているんですね。私自身が通っていたときは、公立ではできなかったことが私学でできている。でも、今大人になって、いろいろなところに伺って、公立に通っている方々というか、公立に通っているお子さんを持っている方のお話を伺ったりですとか、また、公立の学校の取り組みを見たりすると、自分自身が子どものとき、公立に通っていた友達は、あれができない、これができないと言っていたことが随分できるようになっているんだなと感じることがあるんです。このようになっていったときに、じゃ、私学と公立の違いというのは今どこにあるんだろうかと悩むときがといいますか、考えさせられるときがあります。私学は、特に神奈川県は私学発祥の地というふうに言っている中で、私学が非常に頑張っている現状もありますし、旧制中学のときから地域に根差して、地域の将来の担い手となっていく人材を育ててきた公教育の学校がある、これが切磋琢磨してきたのが私は神奈川県の教育の歴史だと思っているんです。  しかし、今、公教育と私学で、どちらがどちらなのかわからないというのは、正直言ってこれは、教育界全体として見たときにプラスになるか、マイナスになるかというのが非常にあやふやに感じられる。私自身は正直言って、私学にとっても、公立にとっても、今の現状が本当にいいのかなと考えさせられるんですが、今の現状について、私学の経営状況も含めて、教育の仕方も含めて、行政としてどのように考えていらっしゃるのか伺いたいんです。今の公立は昔に比べて随分とできる幅が広がってきた。越境入学ですとかも、昔に比べると随分としやすくなったような印象があるんですけれども、そういったことも含めて、今の公教育、公立学校のやっていることと私学のやっていることのバランスをどのように捉えていらっしゃるのか、1度伺いたいんですが。 ◎藤田 教育委員会学事課長 学事課長の立場として申し上げることはなかなか難しい御質問でもあるかと思いますけれども、先ほども申し上げましたけれども、公立高校を含め、公立にはそれぞれの存在意義がある中で、やはり地域と密着をして、各市の中で公教育を育んでいきたいという思いがあるかと思います。私立の場合は、どうしても建学、理想の精神が個々の私立の学校の中、単独で行われている部分が強いかと思いますので、もしかすると、そこに差別化があろうかというふうに認識をしているところでございます。 ◆本間賢次郎 委員 どのあたりで差別化のアクセントがついているのか、ウエートが置かれているのかというのは私学の中でもいろいろあったりしますので、公教育と私学の差別化がどの辺にあるのかなというのが、まだ何とも曖昧なところがあるんですけれども、例えば今から五十数年前は能力別授業というのが差別だと言われていた時代なんですね。例えば1つの試験をやったときに、80点以上通る子たちでクラスを構成する、50点から80点の間の子たちでクラスを構成する、それ以下の点数の子たちでクラスを構成する、それぞれの理解度に合わせて指導することは差別だと五十数年前は言われていた。しかし、最近では、いや、それは本当の意味で逆に平等ではないかと。多くの私立、私学でそれを導入するようになって、中には公教育の中でもそういうカリキュラムに近いものを導入しているところもあるわけですけれども、そのように私学だからこそできた教育システムというのが公教育でもできるようになってきた。私自身としては、これはいいことだと思うんですね。しかし、それによって、教育システムとして最も差別化できていたところが、今ではもうできなくなってきている。  そのことを考えていったときに、先日とある親御さんが、うちは2人子どもがいて、2人とも私学に通っているんだけれども、イメージとして3人分の学費を出しているとおっしゃったんです。それは何でですかと言ったら、私学に通わせていても、税金を払っているから、公立学校に通っている子たちの授業料も出しているんだと。それを聞いたときに、最初は納税は義務だからなと一瞬は思ったんですけれども、感覚としてはそれに近いものがある。せっかく私学に、建学の精神に賛同して子どもを送った。しかし、見ず知らずの子たちの分も実は面倒を見ているのよ。面倒見ているという言い方ではなかったですけれども、そういう印象を今持たれてしまっているというのは何となく残念な気持ちがするんです。私学に通っている子どもを持つ御家庭に対して、自分の子どもを私学に通わせてよかったと思えているのかというと、経済的な面でいうと、なかなかそうは感じ取られていない。また、公教育がこれだけ幅が広がってきたことによって、進学先のこととかを考えたときに私学のほうがやっぱりいいのかなとか、そういったことを思われて、私学に通わせているという御家庭もあるかと思うんですけれども、この辺の差別化ができていないと、建学の精神に賛同したとはいっても、やっていることがそんなに変わらないのであれば、何だったんだろうなと。これは私学も努力をしなければいけないお話なんですが、やはり公教育の本来ある姿とは何なのか、その中で公教育にできないことを私学がやり、そして、その私学が生み出した新たなシステムのようなものを行政というか、公教育がまたそれを生かしていく。そういったことを考えていったときに、これから先も恐らくこういう流れはずっと続くと思うんですね。だからこそ、この差別化というのは私は重要だと思っていまして、ぜひとも公立らしいといいますか、公立と私学の差別というか、違いをいま一度整理をしていく必要がある。  ちょっと取りとめもないお話になってしまって申しわけないんですが、そういった観点から考えたときに、今回、私学に通わせている親御さんに、2人分私学に通わせているんだけれども、3人分の学費を出しているような感覚なのよねという気持ちにさせないためにも、何か手助けになるといいますか、そういったものができないか、ちょっともやもやした気持ちで今いるわけでございます。本当に取りとめもないお話で申しわけないんですけども、公立ではなくて、私学に通わせているということに対して、通わせてよかったなと経済的にも思えるような支えが必要かと思うので、ぜひともその辺については前向きに御検討いただきたいと思っております。 ◎藤田 教育委員会学事課長 私立学校に通う生徒、保護者の方に対しましても、できる限り保護者の経済的負担を軽減していくことは必要だとは認識しているところでございます。教育委員会で行っている事業といたしましては、それほど大きな額を支給することはできないですけれども、川崎市独自の高校奨学金制度というのを設置しておりまして、公立高校、私立高校、学年別に対してそれぞれ支援をしているところでございますので、そういった取り組みを通じて、私立に通う御家庭にもできる限り軽減できるような取り組みを続けていきたいと思っております。資料につきましては、資料8ページの下になりますけれども、川崎市高等学校奨学金で概要を記載させておりますので、御参照いただければと思います。 ◆本間賢次郎 委員 ありがとうございます。済みません、ちょっと曖昧な質問にもかかわらず、お答えいただきましてありがとうございます。今、川崎市の取り組みについては、例えば川崎市に住んでいて横浜市の私学に通うという方でも、これは利用できるんですか。それとも川崎市内の私学だけですか。 ◎藤田 教育委員会学事課長 8ページ下の資料にございますけれども、川崎市高等学校奨学金の支給概要・要件等といたしましては、①に記載がございますとおり、市内在住が要件になっておりますので、川崎市内に在住されている方であれば進学先は特段問わない制度になっております。 ◆本間賢次郎 委員 ありがとうございます。私は実は横浜市内の私学に通っていたんですけれども、この奨学金は経済的な上限とか、もちろんあるんですよね。 ◎藤田 教育委員会学事課長 概要につきましては、②以下にございますけれども、前年度の全履修科目の評定等、③の前年の世帯の総所得額が、一定の基準等までが概要になるかと思います。 ◆本間賢次郎 委員 もちろんこういう経済的な所得の制限がきちんとあるということはわかりました。  ちなみに、特待生のお子さんですとか、そういったときによくお話に出るんですけれども、何らかの分野で秀でた成績を残している。例えば、学業優秀ですとか、スポーツ優秀ですとか、そういった子どもの御家庭に対しての補助とかはあったりするんですか。 ◎藤田 教育委員会学事課長 こちらの高等学校奨学金制度については、今委員が御指摘いただいたスポーツに秀でているような要件で認めているような制度ではございません。 ◆本間賢次郎 委員 ありがとうございます。わかりました。やはりこうした奨学金とかによって救われる方は当然いらっしゃるかと思います。また、どうしても所得に一定の制限などを設けないと、無責任に何でもかんでもお金を出しますというわけにはいかないことも重々承知していますので、こうした制度を利用して学びたいと思う人が、学びたいところで学べるような環境づくりに引き続き取り組んでいただきますようにお願いをいたしまして、終わります。 ◆岩隈千尋 委員 幾つか伺っていきたいんですけれども、資料14の神奈川県のことしから始まりました学費支援ですね。私立高校の授業料が実質無償化についてなんですけれども、これはことしから始まった話ですけれども、どれぐらいの生徒が人数的に活用していて、わかれば川崎市内のお子さんたちがどれぐらいこれを活用されているのか、把握していらっしゃいますか。 ◎阿部 企画課長 申しわけありません。その数字はまだ県でわからないというか、そこまでの数字は押さえてはおらないところです。15ページの資料14になりますが、1枚おめくりいただきまして、16ページで昨年との違いというところでいいますと、昨年までは区分2の年収の目安として約250万円未満が実質無償化だったものが、平成30年度からは区分4の同年収の目安約590万円未満が対象になったというところですので、単純にこの6区分が人数も6等分というわけではないというところはございますが、済みません、細かい人数はわからないです。 ◆岩隈千尋 委員 足した人数がわからないという理由は何かあるんですか。4月からは始まって、5、6、7月と3カ月ぐらいだからかな。というのも、当然のことながら、今年度から始まっているんだから、昨年度に予算立てしているわけでしょう。そうすると、ある程度の概算は当然計上しているわけであって、どれぐらいの人が対象者になっているのかなぐらいはわからないんですか。 ◎阿部 企画課長 新聞記事のレベルの情報ではございますが、県の私学振興課によると、県内の私学に通う生徒は約7万人、今回該当するのは約1万4,000人で、生活保護世帯などを含めると4分の1近い生徒の授業料が無償となる見込みという記事はございます。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。じゃ、この4分の1の中に川崎市内にお住まいの方も含んでいるということで、きょういろいろ質疑がある中で、皆さん方からまだ調べていないこととか、私も今回の陳情審査をするに当たって、我々だって過去3年間分ぐらいの審議。これは毎年出ている案件ですから、読んでくるわけですよ。そういったときに、少なくとも昨年とか一昨年あった情報、質疑があった内容を答えられないとか、当然新しく更新されているデータとかもあると思うので、そういったものについてはきちんと精査しておいてください。特に教育委員会のほう、お願いします。よく教育委員会は私立の話となると、我々は知りません、関係ありませんというような答弁が結構返ってくるんですよ。それではだめですから。やはりきちんと情報の精査というのはやっておいていただきたいと思います。  私学のことに関しましては、我々各会派ですごく、昨年の秋にありました総選挙のときに、高校の授業料のことも含めていろいろと話題、課題にはなったわけです。その中で、とりわけ公明党さんもいらっしゃるわけなんですけれども、代表の方が都道府県単位で差異があっては、まさにきょうの資料に書かれていることですけれども、差異があってはよろしくない、実質無償化も含めてやっていきたいというようなお話もあって、それを受けて総理大臣自身が、もうこの件については進めるよというところまで結構出ているお話ですね。2020年ぐらいからもう具体的に、じゃ、生保世帯の子どもたちは無償化するとか、そこまで消費税の増税に合わせてとか、ある程度進んでいきますよ的な、いわゆる方向性というのがある程度示されているわけなんですね。その中で皆さん方、我々と違って行政ですから、国ともいろいろ意見交換なり、県とも意見、情報交換する中で、その辺の方向性、動向というのはどのように把握をされているのか、教えてください。 ◎阿部 企画課長 今回の陳情審査に当たりまして県にいろいろお話を伺った部分もございますが、とりあえず、県としての最終的な方向を見据える中でも、まず今年度、平成30年度というところでは助成額を一定ふやしていったという部分と、あと国に対しても、経常費補助をきちんと2分の1出してくださいということを含めた10個の提案をしている中で、ある決まった年になって一気にゴールするというのではなくて、そこに向かって徐々にやっていければというようなことは申しておりました。 ◆岩隈千尋 委員 具体的な施策の内容とか制度設計についてはこれからかもしれませんが、さきにお話をしたように、方向性としては、どちらかというと、拡充をしていき、それこそ総理大臣がお話しされていたように子は国の宝だということであったりとか、親の所得格差によって教育に格差が生まれてはだめだというところは共通の認識であると思いますので、我々は今の段階で具体的な施策の内容についてはわかりませんけれども、やはり国、そして県の動向であったりの情報については、また適宜委員会等々に報告をしていただきたいと思います。  結構です。 ◆松原成文 委員 資料9の川崎市内のその他(高等専門学校、通信制、就職者等)が635人という数字になっておりますけれども、それぞれの数字はわかりますか。わかったら後で教えてください。  その他(高等専門学校、通信制、就職者等)の人たちに対して、川崎市としては、何かそういった援助、補助は出ているんでしょうか。 ◎藤田 教育委員会学事課長 先ほど御説明申し上げた高等学校奨学金制度の中には、高等専門学校が入っておりますので、そちらで支援は実施しております。 ◆松原成文 委員 聞いたのは、その他(高等専門学校、通信制、就職者等)――就職も含めてですよ。 ◎藤田 教育委員会学事課長 申しわけございません。就職については特段支援策というのは学事課では実施はしておりません。 ◆松原成文 委員 わかりました。同じ子どもというか、同い年なんですね。一方では、いろいろな事情によって私学へ行く、公立へ行く、通信、あるいはまた専門学校、家庭の事情によってどうしても就職しなければいけない、中には進んで就職したいという子どももあろうかと思います。社会に出て、自分でお金を稼ぐという子どもに対して何もありませんということで済むのか。同じ年に、同じ年代で中学を卒業した子どもに対してある程度、やはり何らかのそれなりの支援というのも必要かなと私自身は思っております。それは家庭の事情だとか、そういう人に対しても支援はたくさんあろうかと思いますけれども、就職をするという子どもの立場の中で、ほかのところは学校教育法だ、何だかんだというふうにありますけれども、そういったことについて何もないのはちょっと寂しいなというか、川崎市として何か独自な取り組みをしてもいいのかなと。そんな思いもしておりましたので、ちょっと話をさせていただきました。  それで、OECDの中で支出が少ない、OECD加盟国の中で最低ぐらいだというようなことでありました。金額が少ないのはわかりましたけれども、OECDの中での日本の学力というのはどのくらいになるんですか。OECDへの拠出金は少ないかもわからないけれども、PISAか何かの調査によると、少なからず日本の子どもたちの学力というのは、以前はちょっと低かったけれども、ここのところは盛り返して、世界的にも上位になっているというふうに認識しておるんですが、その辺はどうでしょうか。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 おっしゃるとおりでありまして、きめ細やかな指導ということで、習熟度別なり、教科によって特性に応じた、考えて答えを出すという授業に取り組んでいますので、効果は少なからず上がってきていると考えております。 ◆松原成文 委員 わかりました。  それで、陳情第112号、陳情第113号、両方とも最後に「貴議会に対して、憲法、教育基本法、子どもの権利条約の理念に基づいて」となっております。憲法、教育基本法についてもある程度理解できるんですが、「子どもの権利条約の理念に基づいて」というと、基づいた対応はしていないということで理解してよろしいんでしょうか、この陳情文につきましては。陳情文の中を見ると「憲法、教育基本法、子どもの権利条約の理念に基づいて、私学助成の一層の充実を図るように、上記の項目について陳情いたします」ということなんだけれども、川崎市としては、例えば子どもの権利条約の理念に基づいた取り組みはしていないのかということなんです。 ◎阿部 企画課長 子どもの権利条約の理念に基づいて、本市におきましては川崎市子どもの権利条例を制定して、各種取り組んでいるところでございます。私学助成という部分に限った項目ですとか、そういうものはございませんが、教育を受ける権利、それは憲法や教育基本法にある子どもの受ける権利の一つという大きな枠の中で、基づいた授業は行っていると認識しているところでございます。 ◆松原成文 委員 子どもの権利条約と子どもの権利条例の関係を説明してください。 ◎阿部 企画課長 子どもの権利条約に基づいて、平成11年に川崎市子どもの権利条例を制定したものでございます。 ◆松原成文 委員 子どもの権利条約の大きな目的は何なんですか。それの目的に沿って、川崎市の子どもの権利条例が制定されたと理解してよろしいんでしょうか。 ◎阿部 企画課長 そこまでは、私、わからないところで、申しわけございません。後ほどというか、所管がきょうはおりませんので、そこはきちんと確認して御説明させていただければと思います。 ◆松原成文 委員 わかりました。私は子どもの権利条約と川崎市子どもの権利条例のつながりについては、ちょっと違うのではないのかなという認識を持っておりますので指摘をさせていただきたい。これはそれぞれの会派、お立場の中で考えがあろうかと思いますけれども、私としてはちょっと理念が違うのかなという思いもしております。  もう一つなんですが、先ほど進路希望ということがありましたけれども、そのことについて、例えば県の公立学校と私立学校の調整というのは毎年どのように行われているんですか。人数の割り振りとまでは言いませんけれども、志望状況の数等々については県との中で私立と公立についてはどのような検討がされているんですか。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 毎年、神奈川県公私立高等学校協議会が3回行われまして、卒業生の人数等を見ながら検討いたしまして、最終的に設置者会議というもので決定しております。それぞれが先ほどの説明にもありました公私立の役割に基づき、公立としましては生徒の希望と適性に応じて多様な選択ができる、私学では建学の精神に基づく特色あるということをメーンにいたしまして、それぞれが目標数値。何%というのではなくて、それぞれが目標定員を設置するという形でお互いに検討し合いながら、公立と私立の定員を策定しております。 ◆松原成文 委員 先ほどの資料の数字を見ると、神奈川県の公私の別と川崎市の公私の別は、川崎市は私立の率が3割ぐらい、3人に1人は私立と高くなっていますよね。それはいいんです。わかりました。そうすると、例えば神奈川県内で定員募集に満たない私立学校もあるということなんですか。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 私立のほうもあれは出ております。済みません、数は確認できておりませんけれども、公立も私立も定員を割ってしまう学校は出ておりますし、大幅に定員を超えている――公立の場合は合格はできませんけれども、私立は少しは多く採っているという話は聞いております。 ◆松原成文 委員 そうすると、神奈川県内の私立の中で定員に満たない学校はゼロではなくて、学校の数は把握していないけれども、間違いなくあるよという答弁だったと思うんですが、それでよろしいんですか。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 そのとおりです。 ◆松原成文 委員 そうすると、定員に満たないということは、経営上非常に厳しい状況であろうかと思いますけれども、定員に満たないまま授業が始まるということについて、経営上どうなんですかというか、非常に厳しいと思うんですけれども、そういう予算措置があって、予算に満たない金額しか来ない学校については、県なり国なりが何かそういった支援、援助をするということなんですか。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 済みません。先ほどお叱りを受けた私立のことを知らないという現状なので、現在把握しておりません。申しわけありません。 ◆松原成文 委員 わかりました。  それと、よく私立のほうで、学校の学債を一口1万円なり、幾らかで買っていただきたいというようなこと。これは希望者で、全員ではないんですけれども、学校によっては、入学した生徒については、少なからず一口、二口は学債を買ってくださいというような話を聞くこともあるんですけれども、そういった状況については――私立だからわかりませんね。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 済みません。 ◆松原成文 委員 じゃ、わからないということがわかりました。全国の大学についても、地方へ行くと経営状況が厳しいとか、いろいろなことも聞いておりますし、私立の経営。ここに大学の8割が私立だというようなことも書いてありますけども、そういったことについて、先ほど岩隈委員からもお話がありましたけれども、国がこれからどのような対応をしていくかということも見ていかなければいけないですし、幼稚園の無償化ですとか、高等学校無償化、大学までの無償化等、いろいろなことも出てきているということで、その辺もしっかりと注視していきたいなと思っております。  以上です。ありがとうございます。 ○片柳進 委員長 濱野課長、先ほどのその他の内訳については見つかったでしょうか。 ◎濱野 教育委員会指導課担当課長 平成28年度卒業者の分になります。通信制高等学校が342名、専修学校高等科進学者が8名、専修学校の一般が11名、就職者24名、あとは小さい数字なので、あとはその他ということにさせていただきたいと思います。 ◆松原成文 委員 わかりました。 ◆花輪孝一 委員 もう大分時間がたっていますので、先ほど来、県とか国の権限とか所管という部分でなかなか厳しいんですけれども、最初に申し上げておきますが、先ほど来お話が出ているように今、国とか県ではさまざまな議論というか、方向性を打ち出されていて、まさに教育費の負担軽減という部分については、私どもとしても本当に力強く、これからも推進していきたいということが大前提となっておりますので、それをまず表明したいと思います。  その上で、川崎市としての取り組みで、やはりもう少し充実しなければいけないのではないかなという部分があるので、先ほど御説明いただいたんですが、資料7に、これはこども未来局の所管と教育委員会の所管があるわけで、これについて、先に奨学金、教育委員会さんのほうから聞きたいんですけれども、川崎市では高等学校奨学金というのはもうかなり前からやっていて、金額等については充実をしているようにも思いますが、いわゆる概要、要件が、要するに5段階評価の3.5以上という、この辺のところ。やはり学業が優秀でない限りは、なかなかこの奨学金をもらえないというような形が1つと、今お子さんの中では、スポーツならスポーツに秀でているとかいろいろな特色等もあるので、概要・要件等の見直しであるとか、全体の奨学金等々、国やあるいは県独自に高等学校なんかではさまざま奨学金等もあるんですけれども、そういうものを見合わせながら、もう少しこれは拡充していかなければならないと思うんですけれども、まず1つは、今掲げられた名称の奨学金が何人ぐらいの方に給付をされているのか、その予算がどのぐらいなのか、また、その辺の推移も、わかる範囲で結構ですので、まずそれを伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◎藤田 教育委員会学事課長 まず、委員御指摘がありました予算状況等におきましては、直近のデータから申し上げますと、平成30年度で5,767万6,000円の予算額となっております。前年度、平成29年度に関しましては5,561万9,000円、平成28年度につきましては5,310万9,000円、直近3年のデータとしてはそのようになっております。  引き続き、直近3年の応募者数につきましては、奨学金制度については今、入学支度金というものと学年資金という2本立てで行っておりますが、入学支度金につきましては、平成28年度、応募が239名ありまして、採用を166名、平成29年度につきましては応募が244名に対し採用が224名、平成30年度につきましては応募が248名に対して、採用が218名となっております。  引き続き学年資金に関しましては、平成28年度で970名の応募がございまして、採用が561名、平成29年度につきましては967名の応募につきまして、採用が780名、平成30年度につきましては915名の応募に対して、採用が750名となっております。 ◆花輪孝一 委員 あと、今申し上げたように、要件というのは変わっていないですよね。要するに、例えばの話ですけれども、学校推薦でこの子は本当にスポーツに秀でていて、非常に優秀な生徒であるとか、あるいは生徒会活動をやったり、いろいろなボランティア活動をやったりして、3.5はないけれども、特に推薦したいというようなものがあったとしますよね。そういうものは要件の中に入っていないという認識でよろしいでしょうか。やはり3.5は必ず必要だよという認識でよろしいでしょうか。 ◎藤田 教育委員会学事課長 奨学金制度については、平成26年度に見直しを行ったものを1度実施しておりまして、さらに、平成28年度にも制度改正を行って、順次よくなるようには見直しをしているところでございます。ただ、委員おっしゃられるように、スポーツに秀でているというようなところでの基準を今現在は入れておりませんので、そういった方については3.5という基準を超過している中で認められるということになっております。ただ、これにつきましては、今、本市で考えている奨学金制度の中では、学業成績が優秀で、性向が善良である者という認識がありますので、やはり一定程度の成績要件というのは必要であると今現在は考えているところでございます。 ◆花輪孝一 委員 これは当然この場でいい悪いの議論ではないと思います。繰り返しになりますけれども、大事なのは、ちょっと言い方を気をつけなければいけないんだけれども、私学助成の拡充というのは、私の記憶が正しければもう20年ぐらい前。つまり私どもが議員になったぐらいのときから、市町村から県に向けていろいろな要望等を出して、最初は大阪だったか、東京だったか、はっきりしないんですけれども、たしか大阪のように記憶しているんですが、そこで拡充をしていって、直近では東京都で大幅に改善をされたという部分で、神奈川でも今るる説明いただいたような形で改善してきたんですけれども、やはり一番の大きなポイントは、助成制度もさることながら、やはり父母負担というか、保護者負担の軽減ということに一番大きなウエートがあるので、今回こども未来局さんの所管の中学に関する補助金等々については、あえて質問はしませんけれども、数字がふえていない。あと、対象者がどうしても限られてしまうという部分では、もちろん一定の予算枠があるのはいたし方ないんですけれども、やはりこれらはしっかりと国とか、県とかの動向を見ながら、川崎市独自としてもさらに充実させていくということについては、ぜひお願いしたいと思いますので、そういう要望ということで申し上げておきます。 ◆山田晴彦 委員 1点だけ。今、花輪委員からお話があった件に関連する奨学金の話ですけれども、公募については、1つ前の先ほどの例では248名に対して採用が218名という話で、基準としては3.5以上という中での選考なんでしょうけれども、各学校から上がってきますね。そうしたときの選考基準というのはあくまでも数値的な、例えば皆さん全部が3.5はクリアした上で、4.7だとか、4.3だとかという中で、足切りと言っては失礼ですけれども、定員枠の中に定めるという考え方なんですか。それとも学校とか地域によって、ある程度の枠を決めてやるような話なんでしょうか。選定方法だけお聞きしたい。 ◎藤田 教育委員会学事課長 平成25年度までにつきましては、350人程度という定員枠が設けられていた中で奨学金制度を実施してまいりました。いろいろな方の御意見等を踏まえまして、やはり保護者負担をできる限り軽減していきたいという趣旨のもとで、教育委員会としても見直しを図りまして、今の制度をつくったところではございますけれども、前までは予算の上限がございましたので、その予算上限に見合う形で、3.5という基準が存在していたにもかかわらず、実際は3.6とか、3.7とかというような、その中でも高位の成績をおさめている方を選抜せざるを得ないような状況でございましたので、そのことについて関連局等も交えて制度を見直しまして、今現在は3.5という基準があれば、その他要件を満たしていれば採用というような形になっております。今、応募と採用の中で数字が異なっているという御指摘につきましては、成績要件が足りないで応募してきた方というよりも、基準の額で要件に見合う所得制限についてひっかかってしまって、支給されないような現状の方が多いと認識しているところでございます。 ◆山田晴彦 委員 理解いたしました。  あとはもう申し上げませんが、川崎のことを考えると、これは、県、国の話であって、先ほど他の委員からも指摘をしていただいたりしておりますのであれですが、特に川崎の特徴というのは神奈川県内の私学だけではなくて、東京が多いということは先ほど示していただいたとおりでありますので、その辺のあり方について今後とも国とか、国のほうもしっかりと対応を考えているようでございますので、しっかりとその辺は注視していくことが大事なんだろうなと思いますので、これは意見とさせていただきたいと思います。 ○片柳進 委員長 ほかに質疑、意見・要望等がなければ取り扱いに入りたいと思います。陳情第112号及び陳情第113号は、国及び県に対して意見書の提出を願うものでございますので、取り扱いにつきましてはこの点も含めまして御意見をお願いしたいと思います。 ◆末永直 委員 公立を希望する方、また、私立を希望する方、そして、滑りどめといいますか、あらゆる方々、生徒さんに学びの機会を尊重し、選択の幅を狭めない環境づくり、多様な選択を認めるような環境づくりは非常に必要だと考えております。本陳情内容は大いに理解できるところではございますが、同じ会派の鏑木委員も申したとおり、私立へ行く環境を助長しかねないおそれもございます。また、国の方向性等も示されていく中で、さらに他都市の状況等もよく調査研究を進めていく必要もあると受けとめさせていただきました。  よって、我が会派としましては継続審査でお願いしたいところでございます。よろしくお願いします。 ○片柳進 委員長 公明党さん。 ◆花輪孝一 委員 こちらの陳情2件につきましては私学助成の拡充をということでございますけれども、観点は違うんですけれども、やはり教育負担の軽減というものを私どもとしても強く今、働きかけているところで、国でも県でも大きくその辺の流れがあるということでございますので、やはりその辺のことを注視するということがメーンになると思います。したがって、取り扱いとしては継続でお願いをしたいのと、意見書の提出という部分については、現時点においては国、県で盛んに働きかけをしているというか、検討しているようでございますので、意見書の提出はしないということでお願いをしたいと思います。 ○片柳進 委員長 済みません、花輪委員、陳情第112号、陳情第113号ともに継続ということでいいですか。 ◆花輪孝一 委員 はい。 ○片柳進 委員長 済みません、自民党さん、末永委員もどちらとも……。 ◆末永直 委員 同じく意見書の提出もしないということで……。 ○片柳進 委員長 それでどちらも継続ということでよろしいですね。  それでは共産党。 ◆石田和子 委員 質疑の中でも、さまざま神奈川県、川崎市の私学に学ぶ児童生徒数や1人当たりの保護者の方々が払う平均の金額なども出された中で、やはり本当に充実をしていく方向性をきちんと持っていくことが非常に重要だと思うんです。私立学校の役割のところでも、量、質ともに重要な役割を私学が持っているということと、私立学校振興助成法の中でも経済的負担の軽減ということが明確に条文の中にあるわけです。そこに鑑みても、今国がそういう方向性を検討しているという状況があるわけですけれども、やはり議会としては、国や県に意見書をしっかりと提出していくという方向性が一歩前に進める私たちとしての重要な態度だろうなと思いますので、両方とも意見書を提出して、態度としては採択でお願いしたいと思います。 ○片柳進 委員長 じゃ、みらいさん。 ◆岩隈千尋 委員 国ではある程度施策の方向性が決まっている中で、先ほどの繰り返しになりますけれども、非課税世帯に対しては無償、年収350万円ぐらいの世帯については年間35万円、590万円以下については25万円を2020年までに支給すると、もうそこまで数字が出ているわけですから。そうすると、おのずと意見書を出すことに関しては何らそのハードルは、我々の会派はないと思っておりますので、これについては、県、国両方ともに意見書は要望させていただくということで、採択でお願いしたいということです。
    ○片柳進 委員長 月本委員。 ◆月本琢也 委員 私は先ほどの質疑の中で経常費の話なんかも、実態としてどういった形になっているのかというのが、少しまだ情報としてオープンになってきていないのかなというところもありますし、学費の負担軽減というのは当然やっていくべきですし、先ほど来、国でも方針としては出てきていると。  ただ、我々基礎自治体として意見書を上げたりしていく上では、もう少しその実態を知った上で、きょうのやりとりの中でも県が情報を持っていらっしゃる、あるいは県でも実は持っていなかったりということもたくさんありましたので、もう少し具体的なものを提案できる状況になってから意見書は出すべきなのかなというところもありますので、私としては意見書は提出せずに、両方とも継続審査でお願いしたいと思います。 ○片柳進 委員長 確認いたします。まず、自民党さんが両方継続で、意見書は出さない。公明党さんも両方継続で、意見書は出さない。共産党は両方採択で、意見書を出す。みらいさんも両方採択で、意見書を出す。月本委員が両方継続で、意見書は出さないということでよろしいでしょうか。                 ( 異議なし ) ○片柳進 委員長 じゃ、まず意見書につきましては、陳情第112号及び陳情第113号について、いずれも意見が一致しませんでしたので、委員会として提出には至らないものでございます。  次に、陳情第112号、陳情第113号についてですけれども、継続審査との意見と、採択との意見がそれぞれございますが、継続審議が先議となりますので、まず継続審査について陳情第112号、陳情第113号について、あわせてお諮りいたします。  陳情第112号、陳情第113号につきまして、ともに継続審査とすることに賛成の委員の挙手を願います。                 ( 賛成多数 ) ○片柳進 委員長 挙手多数です。よって、本件につきましては継続審査といたします。  傍聴者の方、審査は以上のとおりでございます。御退席ください。お疲れさまでございました。                 ( 傍聴者退室 ) ○片柳進 委員長 ここで理事者の交代をお願いいたします。                 ( 理事者交代 )         ───────────────────────── ○片柳進 委員長 ここで10分間の休憩としたいと思いますが、よろしいでしょうか。                 ( 異議なし ) ○片柳進 委員長 それでは、10分間休憩いたします。                午後 0時00分休憩                午後 0時10分再開 ○片柳進 委員長 会議を再開いたします。  次に、市民文化局関係の所管事務の調査として「浮世絵等の活用に向けた基本計画について」の報告を受けます。  それでは、理事者の方、よろしくお願いいたします。 ◎鈴木 市民文化局長 所管事務の報告といたしまして、「浮世絵等の活用に向けた基本計画」について、担当課長から御説明いたします。よろしくお願いいたします。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 それでは、浮世絵等の活用に向けた基本計画について御説明させていただきます。  2-(1)-1「浮世絵等の活用に向けた基本計画について(表紙)」というPDFファイルをお開きください。  御用意させていただきました資料でございますが、資料1で「浮世絵等の活用に向けた基本計画の概要」、資料2で「浮世絵等の活用に向けた基本計画」の本編、参考資料としまして、以前机上配付させていただきました「浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)に関する意見募集の実施結果について」となっております。  概要版で御説明させていただきますので、2-(1)-2「浮世絵等の活用に向けた基本計画の概要版(資料1)」というPDFファイルをお開きください。  1ページ目の「1 基本計画の策定に当たって」といたしまして、これまでの経緯として、平成28年9月に貴重な文化資源である浮世絵を展示されていた川崎・砂子の里資料館が休館し、翌年8月、同館を運営してきました公益社団法人川崎・砂子の里資料館から、所有作品の有効活用の検討について市に対して正式な依頼があり、市として行った調査の結果に基づき、ことし4月に基本方針(案)を取りまとめ、パブリックコメント手続を経た上で、6月に基本方針を策定いたしました。  なお、パブリックコメントにおきましては、10通、20件の御意見を頂戴し、浮世絵の活用に対する期待や候補地に関する御意見のほか、事業運営に関する御意見が寄せられたところでございます。このたびの基本計画につきましては、基本方針でお示した方向性に基づき、整備計画や展示、運営に関する計画、事業費等についての整理を行い、策定したものでございます。  6月に策定いたしました基本方針におきましては、「活用コンセプト」として、この浮世絵の展示事業について、「“歴史×文化×芸術”による新しいエリアの創造」、「浮世絵という世界に誇る川崎ならではの“歴史×文化×芸術”資源を活用し、様々な地域・世代をつなぐ新たなにぎわい創出プロジェクト」と位置づけ、ごらんの4つの「活用の方向性」を打ち出しております。  次に、「2 計画予定場所」でございますが、基本方針においてお示ししたとおり、川崎駅前タワー・リバーク3階の文化財団事務室跡スペースとするものでございます。  中ほど川崎駅周辺地区の現況図のとおり、北口通路と直結しており、資料右側のタワー・リバーク3階概略図のとおり、美術ギャラリー「アートガーデンかわさき」と同一のフロアに約150平米の特別展示室として整備するものでございます。  資料左下、選定理由といたしましては、1点目として、150平米の規模が確保でき、55から60枚程度のシリーズ作品を一度に展示することが可能であり、2点目として、アートガーデンの展示室を活用することで、体感・体験など、企画が可能となることに加え、3点目として、そのアートガーデンにお越しになる年間4万人の方の誘客が期待できること、4点目として、駅北口の「かわさき きたテラス」との連携による効果的な誘客や、東海道かわさき宿交流館との回遊性が期待できること、5点目として、京急川崎駅からも至近であるため訪日外国人などの誘客が期待できること、6点目として、既存施設の利用を妨げることなく整備可能となるため、開設時期の観点から東京2020大会を契機とした効果的な誘客が期待できることを挙げてございます。  次に、右のページの「3 整備計画について」でございますが、(1)展示環境の考え方といたしまして、額装された浮世絵を1列で壁にかけて55枚以上展示し、一筆書きで回れるシンプルな動線、可動壁を設置することで柔軟なレイアウトを可能としたいと考えております。  (2)展示設備の水準といたしまして、空調設備につきましては、作品保護の観点から、温度、湿度を適切に管理できる空調設備を整備し、照明設備につきましても、LED照明を設置したいと考えております。消火設備につきましては、既存消火設備を活用し、作品への影響に配慮した運用を図ってまいります。展示施設につきましては、掛け軸等を展示するのぞきケースやハイケースを設置したいと考えております。  (3)作業環境といたしまして、作業スペースや展示用額の保管スペースを確保したいと考えております。  (4)配置機能及び動線計画といたしまして、3階フロアの入り口から、受付を通り、一筆書きで回っていただき、最後は物販コーナーでお土産などを購入いただけるよう、スムーズな動線を確保したいと考えております。  (5)意匠の考え方といたしまして、和の空間を創出するとともに、特別展示室への誘引効果やSNS発信を意識した廊下壁面等の演出についても、工夫してまいりたいと考えております。  次に、2ページ目をごらんください。  「4 事業スキームについて」でございますが、初めに1つ目の●でございますけれども、川崎市と社団法人との間で締結した基本合意に基づき、おおむね20年間にわたり、展示に必要な浮世絵作品を無償で借用し、市が整備する展示環境において運営事業者が展示を行うものといたします。  2つ目の●ですが、アートガーデンは、市の文化行政の一翼を担う文化財団に普通財産として貸し付けを行うことで、文化財団の自主的な企画展の開催や、文化活動を支える市民の交流、創作活動の発表の拠点として有料貸し出しを行うなど、文化振興に資する取り組みを行ってきておりますので、特別展示室となる文化財団事務室跡スペースにつきましても同様の運用が適当であることから、引き続き普通財産の貸し付けとするものでございます。  3つ目の●ですが、事業運営者は、アートガーデンを安定的・効果的に運営してきました文化財団による一体的な管理を通じ、フロア全体の効率的かつ効果的な運営が期待でき、さらなる文化振興機能の強化の推進にもつながることから、川崎市文化財団といたします。  次に、「5 展示計画について」といたしまして、浮世絵の特性に配慮しながら、コレクションを最大限に活用し、国内外から注目を集める企画を実施してまいります。  具体的には、4週間から5週間を1つのサイクルとして、企画テーマに沿った50点から60点程度をその都度借用して展示し、特定のジャンルや時代に偏らないコレクションの特性を生かし、著名な作品に加え、郷土性に満ちた作品を展示し、歴史、背景などを学べるような企画を実施してまいります。また、アートガーデンの展示室を活用することで、市民や国内外からの来訪者からも喜ばれる体験・体感イベント等の実施も検討してまいります。  次に、「6 運営計画について」でございますが、特別展示室はアートガーデンと一体的な管理を行うことでフロア全体の効率的かつ効果的な運営が期待でき、駅から直結という立地特性を最大限に生かすことで、高い事業採算性を目指したいと考えております。そのため、事業運営者といたします川崎市文化財団におきましては、事業計画書を策定し、本市と文化財団との間で協定を締結することを予定しております。  事業計画書に求める事項としましては、開館日や開館時間を初めとした運営方針を初め、人員の配置、展示事業の企画、広報計画などといった基本的な事項に加え、効率的な収支計画や歳入確保策など、高い採算性を目指す上で必要となる取り組みの考え方などの事項を想定しており、文化財団において検討の上、提出していただきたいと考えております。  他の施設との連携及び誘客への取組といたしましては、東海道かわさき宿交流館や市民ミュージアムなど、さまざまな観点で連携できる可能性がございますので、施設間の回遊性につなげてまいります。  物販といたしましては、物販コーナーを運営し、関連グッズや図録の販売を想定しており、その歳入を運営事業費に充ててまいりたいと考えております。  想定される開館日、開館時間といたしましては、他の類似施設を参考に、開館日につきましては月曜日及び年末年始を除く毎日、開館時間につきましては午後7時までとするなど、駅直結という利便性を踏まえ、仕事帰りに立ち寄っていただけるような時間の設定も想定しております。  想定される人員体制といたしましては、専門員の配置、特別展示室とアートガーデンの一体的な管理運営に対応する体制の構築を想定しており、具体的な体制につきましては文化財団の事業計画書によるものといたします。  次に、3ページ目をごらんください。  「7 事業費について」といたしまして、本事業は、市が整備した特別展示室を文化財団が管理運営するスキームであることから、整備事業費は市が負担するものといたします。運営事業費につきましては、賃料相当分の補助金を除き、入館料等の収入により賄うことを原則といたします。ただし、展示環境の修繕に係る費用につきましては市が負担するものといたします。  「1)整備事業費について」でございますが、空調、消火設備、既存施設の解体工事等の施設改修に要する費用、展示環境の整備に必要となる展示制作等に要する費用を合わせまして、整備事業費といたしまして1億円程度を想定してございます。  「2)運営事業費について」でございますが、浮世絵の専門員や施設運営に係る人件費、広報やグッズ等の製作費、作品運搬等の事業費、保守点検等の施設費を合わせた運営事業費といたしまして2,310万円程度と想定してございます。  「3)入館料について」でございますが、初めに、他館等での入館料の設定を参考にいたしまして、グラフでお示ししたとおり、入館料と展示作品の点数がおおむね比例することがおわかりいただけるかと存じます。  右手1つ目の●入館料の考え方でございますが、この特別展示室につきましては、運営事業費を原則入館料等の収入により賄えるよう、適切な入館料を設定したいと考えており、この展示室におきましては、55点から60点程度を予定しておりますので、他館を参考にいたしますと300円から500円程度が相当であると見ております。  次に、2つ目の●目標入館者数といたしまして、施設規模が類似する美術館等を参考に検討いたしました。藤澤浮世絵館は、藤沢市の辻堂駅徒歩5分にございまして、入館料無料で、約4万人の来館者でございます。太田記念美術館は、原宿駅から徒歩5分にございまして、入館料は一般が700円または1,000円で、約8万人の来館者でございます。このたびの特別展示室につきましては、川崎駅から直結で徒歩1分の好立地にあり、東京2020大会によるインバウンド効果も見込まれることから、年間6万人を目標としたいと考えております。  次に、「4)想定収入」といたしまして、先ほど御説明した入館料に加え、売店でのグッズの売り上げにつきましては、公表されております博物館でのミュージアムショップに関する調査結果を踏まえ、購入割合を入館者の10%、客単価を500円程度と想定し、図録につきましても、他館からの聞き取りを参考に、購入割合を5%、客単価を1,000円から2,000円程度と想定してございます。  次に、「5)川崎市ふるさと応援寄付金の考え方について」といたしまして、ふるさと応援寄附金のメニューに浮世絵事業を追加し、いただいた寄附を本事業の拡充やサービス向上に活用させていただきたいと考えております。  次に、「6)運営事業費の収支シミュレーション」といたしまして、ここまで御説明いたしました入館料の考え方や目標入館者数、想定収入を踏まえ、記載の条件で仮定した場合、下の表のとおりとなりまして、想定される運営事業費約2,310万円を賄うことが可能となると想定してございます。また、入館料等の歳入に加え、ふるさと応援寄附金としていただいた寄附金を有効活用し、事業の拡充等による入館者の満足度向上や入館者数の増加につなげてまいりたいと考えております。  「8 今後のスケジュール」でございますが、9月議会に必要な予算の補正予算議案を提出させていただき、議決をいただきましたら、速やかに展示制作及び施設改修に着手し、来年12月までに開設したいと考えております。  また、参考としておつけしてございます基本計画の本編、資料2と「浮世絵等の活用に向けた基本方針(案)に関する意見募集の実施結果について」参考資料につきましては、後ほど御参照いただければと存じます。  説明は以上でございます。 ○片柳進 委員長 説明は以上のとおりです。  ただいまの説明について御質問等がございましたらお願いいたします。 ◆末永直 委員 御説明ありがとうございました。  ちょっと驚いたのは、果たしてどれぐらいの人が年間パスポートを登録して、買って、入るのかなと疑問に思ったんですけれども、そういう試算みたいなものはあるんですか。また、ほかの藤澤浮世絵館とか太田記念美術館等でも年間パスポートとかはあるんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今お尋ねの他館の実績は、済みません、1回調べたことがあるんですが、今ちょっと後ろで調べさせていますので。太田記念美術館は年間パスポート――たしか年間会費制と言ったか――がございまして、たしか数百人ほどの登録者がいるというふうに伺っております。済みません、今手間取っておりますので、後ほど出てまいりましたらお答えさせていただきます。 ◆末永直 委員 後ほど教えていただけたらと思います。  実際、年間パスポートは紙を印刷するわけじゃないですか。印刷費と比べて実際年間パスポートを買う人が少なかったら赤字になるのかなみたいな感じがするんですけれども、そこら辺の自信のほどはいかがでしょうか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 済みません。ちょっとまだどれだけの数字が上がるかということも含めて、先ほど御説明した文化財団に事業計画書を出させていきたいという中に、歳入確保策に年間パスポートの発行などのリピーター確保対策という形で入れさせていただいていますので、文化財団にぜひ工夫の余地を与えて、さまざまな検討をしていただきたいと思っています。例えば年間パスポートに物としてお金をかける必要は逆に言うとないかもしれませんので、ある意味どういう形でこの施設にプレミアをつけて、年間何回来ていただければ逆にお客様から見たら元が取れるぞということの工夫が大事だと思っていますので、そのあたりは総合的に文化財団に考えていただいて、その後、協定に向けては一緒に考えていきたいと考えております。 ◆末永直 委員 ありがとうございます。わかりました。  あともう1点です。東京2020大会に向けてのインバウンド施策ということで、川崎駅をおりてからアートガーデンかわさきまでの動線、例えば駅の構内等、もろもろに何かPRの広告グッズ等を展示したりして、うまいこと誘導するような、そういった取り組みというのはいかがでしょう。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 まずは北口に出ていただきたいと思っていますので、そこのところは一工夫必要だと思いますが、まず北口に出ていただければ、まさに「かわさき きたテラス」がございまして、そこで少なくとも場所をお尋ねいただければ、本当にすぐ、1回階段をおりていただくのですが、そのおりたところに2階部分でリバークビルと直結した入り口がございまして、そこでエスカレーターでまた3階に上がると、目の前がアートガーデンかわさきという場所になりますから、まずは「かわさき きたテラス」をキーにして、やっぱりこの場所を訪ねていただくということが1つです。  今申し上げた2階部分におりたところに、ちょっと今、スペースが実は壁にあって、そこをうまくこのギャラリーの場所を示す何かしらの看板のようなものの設置に向けて、検討、調整していきたいと思っております。 ◆末永直 委員 非常にそれはいいですね。PRできると思います。  文化財団の方針等にもよるんですけれども、これはちょっとできるかどうか、要望ですけれども、浮世絵カフェみたいなことと絡めて観光施策とも絡めて、どういう形でやれるのかはちょっと検討だと思うんですけれども、そういうもので若い層も取り込んで、浮世絵に接していただけるような感じになればいいのかなというふうに個人的には思いまして、少しだけ要望させていただきます。 ○片柳進 委員長 はい、ありがとうございました。  先ほどの年間パスポートのほうは大丈夫でしょうか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 済みません、資料はあったんですが、今ちょっと表紙だけ持ってきているようでして、もう1回ちょっと調べさせていただいて、場合によっては、済みません、委員会終了後になるかもしれませんが、お答えさせていただきたいと。申しわけございません。 ○片柳進 委員長 では、資料請求ということでよろしいでしょうか。 ◆末永直 委員 はい。 ○片柳進 委員長 では、資料のほうを、準備をよろしくお願いいたします。 ◆本間賢次郎 委員 御説明ありがとうございます。  まず、「意匠の考え方」ということで、特別展示室への誘引効果や来館者によるSNS発信を意識した廊下壁面等を演出ということであるんですが、Wi-Fi設備はどうされますか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 現状のところ想定していないというか、予算上の見込みとしては入れてございませんが、やはり外国人観光客の方はWi-Fiが使えるかどうかで施設を選ぶというのもよく聞いていますので、設置というか、どのようにできるかを含めて、これからちょっと研究検討させていただいて、施設整備につながるような形にしていければと思っております。 ◆本間賢次郎 委員 ぜひ、やはりSNSで発信をする中で、文字だけではなくて画像ですとか動画をアップしてもらうというのが大きいので、ましてや浮世絵はやっぱり見て感動するものですから、そういうことを考えると、ネット上に画像や動画をアップすると、それなりにデータ量を食ってしまうので、Wi-Fiがあるということは、こういった発信を安心してできるということになると思うので、ぜひともそれは前向きに御検討いただきたいと思います。  そして、順を追って伺ってまいりますが、四、五週間を1つのサイクルにして、企画テーマに沿った展示ということなんですけれども、これは運営をする文化財団の計画によるかと思うんですけれども、ぜひこれは単純に浮世絵についての知識があるだけではなくて、演出についても知識のあるスタッフが必要ではないかと思ってはいるんですが、その辺についてはどういうふうに今のところ打ち合わせとかをされているのでしょうか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 演出というのは、つまり、ただ単にお見せするだけではなくて、何かしらを感じてもらうとか、見せ方とか、そういったことだと思いますが、その受けとめを前提にお答えしますと、確かに今のところ、文化財団は美術に関して相当得意というものではないので、今後いろいろ学ぶべきところがあるかと思います。  例えば、浮世絵に関する助言をいただけるような方と調整しながら、この展示に資する演出の方法とかそういったものを情報としていただきながら、うまく展示をよく見せる手法について学ばせていただきたいと、そのように思っています。 ◆本間賢次郎 委員 ぜひ、ただ単純に並べてみて、はい、四、五週間たったので、次の絵ですというだけだと、いずれ飽きがきてしまうので、やはり、同じ絵を見ても隣にある絵が違うことによって、ああ、なるほど、こういう側面もあった、歴史的背景があったんだなというのがわかっていただけるようになるかと思うので、ぜひともその辺の知識もある方をスタッフとして入れていただけるような検討は必要かと思っております。  そして、東海道かわさき宿交流館との回遊性、連携ということもあるかと思うんですけれども、恐らく駅から近いのがこちらの展示室のほうなので、展示を見て、当時の時代の体験をする場所が交流館になるかと思うんです。その辺の、2つの施設が一緒に同じ企画をやるということは十分想定されているんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 おっしゃるとおりでして、まずはこちらで浮世絵を見ていただいて、場合によっては東海道の何かを見ていただく、そういうことは当然あると思います。それを見ていただいて、逆に東海道かわさき宿交流館のほうではなかなか浮世絵そのものを見せるという環境にはない部分がありますから、東海道に関する知識を得ていただける場所はそちらですよということを例えばこちらの美術館側でお知らせをして、両方とも回っていただける仕組みといったものを考えていきたい思います。 ◆本間賢次郎 委員 ぜひともその辺は、せっかく東海道かわさき宿交流館と展示室の関係性というものも冒頭に挙げられていますので、ぜひ有効にお互いの施設が活用されるように、また関心を高めていただけるように取り組んでいただきたいと思います。  それで、外国からの観光客の方への対応についてなんですけれども、通訳とかは配置される御予定でしょうか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今のところ、通訳という名称での職種を置く予定はございませんが、確かに外国人の方が来たときに言葉が通じないと、通じるものがなかなか通じなくなるという課題はございますので、まずは今工夫したいことの一つとしては、最大限作品の名前を書く、キャプションと呼びますけれども、あちらを最低限英語で表記するなどして、まずはそこから入る。その次には、作品の理解とか、浮世絵の歴史やその相当深い、ディープなところを御説明するところにつきましては今後の課題になろうかなと思います。例えば、実は日本民家園でも行っていますけれども、何かスマホのアプリを使って通訳できるような仕組みもあるようですので、そういうICTの技術を使った、外国人に伝える手法といったものを考えていきたいと思っています。 ◆本間賢次郎 委員 ぜひ、外国の方が来ていただいたときに、絵だけを見て、きれいだなと思っただけで帰ってもらうのではもったいないので、この絵はどういう背景があったのかとか、当時日本はどういう文化だったのかとわかっていただけるようにするためにも、通訳だと人件費がかかってしまうとかいろんな課題もあるかと思いますけれども、そのアプリですとか、もしくは電光掲示板みたいなものがあってボタンを押すと、そこに英語がわあっと出てくるとか、中国語が出てくるとか、そういったこともいろいろ、施設面での対応といった形は御検討いただきたいと思っております。  それで、今せっかくアプリのお話が出たので、提案なんですけれども、先ほど年間パスポートの件が末永委員からありましたが、若い方の場合は、むしろ、パスポードをカードとかよりもスマホで何かダウンロードできれば、それをぱっと見せれば入れるみたいな形にしていただいたほうが、若い人にとってはいいのかなと思いますので、その辺の御検討もあわせてお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 さまざまな手法が考えられる中で、やはり若者にどのように来ていただけるかというのは1つの課題というか、目標にしなければいけない世代だと思いますので、最近の方はスマホをいろいろ使われていますので、そういった手法も検討していきたいと思っています。
    ◆本間賢次郎 委員 あと、作品は基本的に写真は撮れないということで認識していいですか。一応、文化財は特にシャッターなどの明かりには弱いものですから、SNSとかで発信をすることも含めた中で、その辺についてはどういうふうにお考えですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 現時点は、まだ作品所有者とそういう細かなところまでのすり合わせ等は行っておりませんが、今、委員がおっしゃった作品の保護という観点からすると、少なくともフラッシュで撮るような撮り方は避けなければいけませんので、SNS映えといったものとの兼ね合いで、やっぱり総合的な判断と、あとは所有者の御意向、そういったものを含めて検討させていただきたいと思っています。 ◆本間賢次郎 委員 ぜひ、やはり作品があってこその企画だと思うので、その辺のすり合わせ、調整もしっかりしていただくようにお願いをいたします。  ふるさと応援寄附金のメニューに追加をされるということですけれども、記念品とかはいかがなのでしょうか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 これもまた文化財団で、ぜひ事業計画の中であらわしていただきたいと思っておりますけれども、今、我々のベースで考えられるのは、先ほど末永委員から御質問いただいた年間パスポートを、少なからず、返礼品としてお渡しするとか、それとセットで何かしらグッズをつけて、ある意味、よく言われる控除が2,000円でどれだけお得になれるかという感じもありますので、それに見合った返礼品にしていければと思っています。 ◆本間賢次郎 委員 私の親戚に、アメリカにもうずっと永住しているのがいるんですけれども、彼らが年に1回か2回ぐらい日本に帰ってきて、そのときのお土産に浮世絵の絵はがきみたいなカードがあったので、それを10枚ぐらい上げた。アメリカに戻ってから学生たちに――学生時代のお話なんですけれども、彼らが、学生が大学に戻って、日本で浮世絵のカードをもらったんだよといったら、あっという間にみんな持っていってしまったということですから、そういう絵はがき。今はあくまでもアメリカの話をちょっとしましたけれども、日本でも恐らくそういう絵はがきみたいなカードは関心が高いかと思いますので、それを記念品にされてもいいのかなとちょっと思ってはいたんですが、年間パスポートで検討されているのであれば、それはぜひ、寄附した方が満足のいくようなものを御用意いただきたいと思っております。 ◆月本琢也 委員 御説明ありがとうございます。  前回御報告いただいたときに、想定の整備事業費とこの運営事業費について御説明をいただいた際に、運営事業費なんかは当初3,000万円ぐらいを年間見越したものが圧縮できるだろうという予測のもとで、今回その予定よりかなり、2割以上圧縮されたのかなと。あと、整備事業費はたしか9,000万円だったのかなと、これは逆にちょっとふえてしまっているかなというところなのですけれども、それぞれの理由を伺っていいですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 では、2つお答えいたします。  まず、整備事業費につきましては、前回答弁させていただいた9,000万円程度という数字の根拠が、あくまでも他の類似の施設を参考にした平均の単価で掛け合わせさせていただいたものでございまして、このたびこちらで出させていただいた1億円という数字の内訳としては、ここの施設のある意味現状の仕様に合わせたときの整備費がどれぐらい想定できるかを事業者に見積もりをさせた数字でございます。根拠になるベースが、今回お示しした数字のほうが、より施設の状態に即した数字であるということでございましたので、個別にどこが上がったかということでなくて、ちょっと数字の出し方を変えたというか、より現実に即した形で出していただいたというものでございます。  続きまして、運営事業費につきましては、前回3,000万円とお示しさせていただいたところで、実は内容はそれほど変わっておりませんで、ただ内容の一部、賃借料を補助金で賄うとか、それだけは補助金で出させていただくという意味で、それは別立てにさせていただいて、あくまでも入館料で賄う事業費としては2,310万円の部分だということで整理した上で提示させていただいたものでございます。 ◆月本琢也 委員 ありがとうございます。  今の整備事業費については、実際やってみたらちょっと高くなってしまったなというところだったので、ここについては市が完璧に負担するところなのでちょっとふえてしまったなというところと、これから9月に補正予算として、議案として提出されていかれる意向だと思うので、今回ここの施設ベースで多分見積もりを出されているのかなと思いますので、これ以上に上がらないようにしていただきたいというところで、またしっかりと見ていただきたいと思います。  あと、今の運営事業費の賃借料はかなり減になったのかなというところなのですが、逆にこの収支のシミュレーションで、収入のほうが大体年間2,400万円ぐらいということで今回試算をされています。前回、経費は圧縮できるだろうということもあったんですが、ただ、当初の見積もりで、経費が仮に圧縮しなくてもある程度賄えるのかなというようなイメージで御説明いただいたので、この6万人とやって、グッズとかそのほかの売り上げを合計すると2,400万円と。これは逆に、2,400万円の試算ではなくて、収入は3,000万円ぐらいの試算であってほしかった。当初の見方だったらそうだったのかなと思うんですけれども、そのあたりは実際精査されていて、要は運営事業費の最低限ここを賄えるだけのところを見積もってシミュレーションを立てられたのか。それか、別に、収入のシミュレーションをほかの施設と比べてみると、やっぱり3,000万円は厳しくて、2,400万円ぐらいなのかなというところで、この辺の算出の仕方はいかがなのでしょうか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 委員おっしゃるとおりでございまして、今こちらのシミュレーション、6万人で、入館料1,800万円だという数字につきましては、あくまでも、まず6万人が目標入館者数であるということでございます。入館料につきましては、逆に、こちらの資料でいうと上でお示ししているとおり、300円から500円程度が相当での下限で計算をしてみたという中で、運営事業費として想定する2,310万円がクリアできるかどうかというシミュレーションを行ったというものでございます。こちらの作品の価値等を考えますと、場合によっては300円という設定自体がもう少し高目の設定も当然可能になろうかと考えておりますので、それを踏まえますと、委員のおっしゃった、もう少し上のレベルでの収入を確保するということにつきましても今後可能になるかなというふうには思っています。こちらについてはシミュレーションということで出させていただいているものだと御理解いただきたいと思います。 ◆月本琢也 委員 では、今この300円から500円ぐらいの間ということで、要はこれのどこが妥当かと決めていく時期ですけれども、済みません、この今後のスケジュールの中でいくと、文化財団と市とでまた決めていくのかと思うんですが、そういったものを決めていくのはどれぐらいの時期になられるんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 委員おっしゃるとおりでして、まずはこの事業計画書を来年1月ごろに出していただくという中で、大体予想としては、このぐらいの金額で設定していきたいということは出していくのかなと。  ただ、ほかの美術館の美術展でもそうなのですが、やはり個別にどういうものを見せるから幾らだという設定をするのが一般的ですので、最初から何百円という決め方は、この施設に関しては特にしないのかなということも想定されますから、あくまでも事業計画書をまず文化財団の中で検討していただいて、出していただいた上での市との協議の中で、やっぱり相当な入館料の設定の考え方を整理していくと、そのように考えております。 ◆月本琢也 委員 ありがとうございます。  そうすると、20年間貸与されるものですから、建物とか浮世絵の価値とか、その考え方もいろいろ変わってくると思うんですが、入館料の見直し等々に関しては、どれぐらいの期間は同じ金額で行きなさいみたいな縛りとかというものは今後考えられているのか。それとも、そういうものはなくて、1年に1回、ある程度自由裁量で変えられるようにするのかというのは、どうなるのでしょうか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 あくまでもそこのあたりは文化財団の自立性に任せたいなという部分がございます。まず、この施設については、先ほど来出ていますとおり、いい作品が見せられる可能性がございますので、それとあと、おっしゃったとおり、浮世絵を取り巻く環境もどんどん変わってくる可能性もありますから、一律にこの金額でというふうに決めてしまうような、例えば、公の施設のように条例で1,000円みたいな決め方をするのではなくて、ある程度幅を持って決めていくという中と、例えば1年間でこういう事業を、今年度展示会をやっていきますという中で、個別の展覧会ごとの金額の設定もあろうかと思います。それが翌年同じかどうかというのはまたちょっと違うのかなというところもありますので、ある意味ちょっと私の個人的な想定ではございますが、やっぱり年ごとの想定金額ということをある程度設定していくのかなというふうには思います。 ◆月本琢也 委員 ありがとうございます。課長の答弁とそこの部分は同意見でして、今、参考で藤沢のところとかを出されて、開館後1年で4万人とかという出し方をされていますが、やっぱり2020年のオリンピック・パラリンピックの年を経て、上に行くのか下に行くのかというのは実際、予測もつかないところですし、そこまでの利用者の方の意見とか、どう出てくるかということなので、やっぱり1年1年である程度考え方は柔軟に変更できるような形にしていただければと思いますので、ぜひよろしくお願いします。以上です。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 ちょっとよろしいでしょうか。先ほどの末永委員の御質問に対してお答えが出ました。済みません。太田記念美術館の平成29年度のパスポートの購入者が505名、年間で6,000円の会費で募って、それぐらいの人数が集まったと。505名でございます。 ◆末永直 委員 ありがとうございます。 ◆花輪孝一 委員 今の御説明の中でかなりの部分が見えてまいりまして、順調に準備が進んでいるなというふうには思います。ただ、今の月本委員の問い合わせにもあったように、運営費の収支シミュレーションという部分がやはりちょっと気になるのかなと正直言って思っています。それは、1つは、これはやってみなければわからないという部分があるかもしれませんが、入館者を6万人にしたと御説明いただいたし、また、他都市のこととかがあるのですけれども、現在このアートガーデンは約4万人という形がプラス2万人というようなことでありますけれども、2万人の方がいわゆる浮世絵の展示のために、果たして本当にふえるのかなと。ごめんなさいね。ちょっとやはりそれは全体を俯瞰して見て、入館者数の見込みが少し多く見過ぎているのかなというような見方もあると思うんです。それが1点目です。  それから、入館料を、このスペースとか他都市の状況を見て、余り高い金額にするのは確かに問題で、300円から500円というのは市民感覚からしていいかなとは思うんですけれども、私の身近な方にもこの大ファンがいるんですが、こういうことに興味関心を持っている方は、ある程度の入館料を払っても行きたいということが多いわけです。そこで、何が言いたいかというと、入館者数をもう少し少なく考えて、入館料のほうをある程度、高くしろとは言わないけれども、想定をもう少しシミュレーションで考えていただいて、そうすると、目標というか、想定に対してこんなに少なかったんだとかならないのではないかという懸念があったので、まずそれをちょっと1点お答えいただきたいと思うんですが。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 説明の中でも触れさせていただきましたが、まずは近隣の、かつその展示点数がほぼ似た施設として2つ御紹介させていただきました。それぞれ立地条件とか、入館料も無料だったり有料だったり、有料の太田記念美術館につきましては1,000円というパターンもありますので、これはやはりいろんな事情があろうかと思いますけれども、それぞれ4万人と8万人を集めていらっしゃいますので、ある意味この川崎のアートガーデンは、北口から1分で到着できるという利便性の高さと、作品の内容としても、毎日はお見せできませんけれども、五十三次が全て見られるとか、富嶽三十六景を全て見られる。はたまた川崎にゆかりのある作品もございますということからすれば、あながち、太田記念美術館と比べても劣る作品群ではないと思っていますので、あとはどれだけ周知できるかということも含めて、開館当初はやはり周知不足のところも出るかもしれませんので、そこに努めさせていただいて、まずはこの目標の6万人という数字につきましてはぜひ努力目標として掲げさせていただきたいと思っています。  そうしたときに課題になりますのは、では、どのようにということでございますが、一旦触れさせていただいたとおり、アートガーデンにお越しになる方というのは、まず美術を見たいということでお越しになった4万人でございますので、同じフロアに例えば300円から500円程度で見られる浮世絵の美術展があって、年で10回ぐらいは内容が変わりますので、そうすると、比較的そこからやはり美術のつながりでお越しいただける方はそれなりにいらっしゃるのかなということ。あとは東海道かわさき宿交流館も年で5万人いらっしゃいますので、先ほど御質問いただいた回遊性の中で、逆に東海道かわさき宿交流館からこちらに来ていただける、そういった仕組みを考えたいと思っています。  今、東海道かわさき宿交流館では、まち歩きと称して、来た方にこの辺を歩かせているんです。その歩きルートに、まさにここでおしまい的な、ここで駅に入れますという直前で、アートガーデンの浮世絵を見ていただくというパターンもあろうかと思っていますので、そうした館連携みたいな中で、比較的来ていただけそうな客層にお声がけをしていくという取り組みも考えていきたいと思っています。 ◆花輪孝一 委員 わかりました。  あと、運営事業費の関連で、グッズとか図録の売り上げみたいなことがそれぞれ300万円ずつシミュレーションされているわけです。図録はわかるんですけれども、グッズというのも、こちらに740万円「広報、グッズ・図録製作、作品運搬、保険等」という形で入っているわけですけれども、これはどのようなものを想定しているのかということです。これは非常に興味関心があるところですけれども、どういうようなことが今のところ、これは当然市が直接考えるのではなくて文化財団のほうで考えられることだと思うんですけれども、今のところの想定みたいなものについて、支障のない範囲でお答えいただければと思うんですが。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 お答えとしては、資料の2ページ目の右手の真ん中あたりに物販の記述がございます。こちらに「想定されるグッズ」といたしまして、クリアファイル、手ぬぐい、メモ帳、ガチャガチャということで、これは他館等にお尋ねすると、比較的売り上げがいいものと伺っています。とりわけ浮世絵に関しては図柄としてちょうどいいものでございますので、しかも著作権料がかからないということですから、このクリアファイルとか手ぬぐいに絵柄としてそのまま落とすことによって、そのまま買いたいという方がやはり多いようでございますので、こうしたものをちょっと工夫して、文化財団に製品化していただきたい、そのように思っております。 ◆花輪孝一 委員 わかりました。いろいろとお考えになって、ただ、我々としては、やはり当初想定していたよりも入館者が少なかったとか、変な言い方で申しわけないんだけれども。それから、やはり思わぬところにお金がかかってしまったとか、あるいはいろんなものの売り上げを期待していたんだけれども売れなかったというとまずいので、その辺のところはちゃんと他館のさまざまな情報も仕入れながら、今までもあったと思うんですけれどもね。また、実際に運営していたら新たにこういうニーズがあったとか、あるいはさまざまな問題があったという場合は、文化財団ともよく連携しながらフレキシブルな運営を行っていただきたいと思います。  あともう1点だけ、済みません。私の素朴な疑問で申しわけないんだけれども、たくさんの浮世絵があって、それぞれ貴重なものですよね。それを大体五、六十点ぐらいあそこに展示して、大体ローテーションしていくということについてはよく理解しているんですけれども、やっぱり維持管理という部分では、今みたいに暑いときとかすごく寒いとか、さまざまな状況があるんですけれども、その辺の保管という部分について今どのような計画でいるのか、予定であるのか教えていただきたいと思うんです。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 作品の保管に関しましては、今ちょうど委員が触れていただいたとおり、お借りした50から60点以外は基本的に我々の手元にはない状態でございます。その都度お借りするという形でございますので、残りの作品群につきましては、あくまでもその社団法人側の収蔵場所において適切に管理されていくというものでございますので、そこに市側がお金を投ずるということはございません。 ◆花輪孝一 委員 何か市民の一般的な感覚としては、確かに無償でお借りするかもしれないけれども、貴重なものであるがゆえに維持管理にお金がかかるのではないかと思っている方もいらっしゃったので、あえて聞かせていただきました。いずれにしても、この計画等々についてさまざまな検討を加えて具体にここまで積み上げてきたことについては、一定評価をしたいと思うんです。先ほども申し上げましたけれども、今後やっていく中でさまざまな課題というか、そういうものもあると思いますので、やはりそれらを精査しながら、絶えずいろんな複合的な要素がありますので、それらも考え合わせながら、ぜひこの事業を成功させていただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 ◆松原成文 委員 これは以前にもちょっと説明されたのかと思うんだけれども、改めて重複したら申しわけないと思うんですが、砂子の里資料館の旧の場所と今の場所の広さとか大きさの違いはどのぐらいなんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今お尋ねの旧の砂子の里資料館につきましては展示場所として80平米と伺っています。こちらが150平米を予定していますので、約倍弱というのでしょうか、そういう数字の比較になります。 ◆松原成文 委員 旧砂子の里資料館は、何回か見に行きましたけれども、年間どのくらいの方が入場というか、見学に来ていたんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 数字上は1万人という数字で公表されておりますが、開館の曜日が、前回の委員会でも御説明したとおり、日曜日と祝日、お休みということでございますので、いわゆる一般的に土日祝日にお客を呼び込もうという形ではない中での1万人だというふうに理解しております。 ◆松原成文 委員 今度新しいほうが月曜日かな、休みと。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 はい。 ◆松原成文 委員 わかりました。  それとあと、その辻堂と原宿のそれぞれの美術館だけれども、こちらの広さはどのくらいなのですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 藤澤浮世絵館につきましては845平米だと伺っています。あわせて、太田記念美術館につきましては公表値がないんですけれども、2階建てでございまして、広さは、私の感覚ですけれども、それほど大規模な施設ではないというふうに記憶しております。 ◆松原成文 委員 太田のほうは感覚でわからないので、私もわからないですけれども、わかりました。  それと、現在は仮称なんだけれども、アートガーデン特別展示室というふうに言われたら、浮世絵があるとわからないですよね。今仮称でありますけれども、正式な名称は今後どういうふうに取り決めていくんですか。これは仮称だけれども、こうなってしまうかはわからないのか。仮称ですけれども、これに決定されてしまうかもわからないということも含めて、ちょっとお答えいただけますか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 まず、現状の仮称につきましては、あくまでも積極的に現時点で名前をつけない中で、アートガーデンの一展示室の中で部屋の転用をしていくということで、この仮称でございますので、お尋ねいただいたとおり、この名称のまま行くつもりは全くございませんが、確かに浮世絵という言葉をつけなければここの施設の目的、中身がわかりませんので、恐らくそういう言葉をつけながら、名称については決めていくというふうに考えています。名称のつけ方、決め方につきましてはまだこれからですので、今後また議会に御報告する場面もあろうかと思いますので、よろしくお願いします。 ◆松原成文 委員 またそのうちネーミングライツだとかいろんなことがございますけれども、それは別として、その下に括弧で美術ギャラリー併設となっているんですけれども、浮世絵に限らないということですか。美術ギャラリー併設とはどういうことを想定されるんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今、委員のお尋ねの部分は3ページの右上の表だと思います。こちらにつきましては、2つの施設と比較する中で、例えば藤澤浮世絵館についてはテナントビルの中に単独で入っていますよと。太田記念美術館については建物自体が単独です。アートガーデンにつきましては、まさにアートガーテンの1から3の展示室が隣にあるということで、比較対象としての施設の状況をあらわすという意味でございますので、あくまでこの美術ギャラリー併設とはアートガーデンの展示室を指しているということでございます。 ◆松原成文 委員 そうすると、これから新しく開館をする浮世絵に限ってのところについては浮世絵オンリーということでよろしいですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 おっしゃるとおりでございまして、この150平米の使い道としては浮世絵を展示する場所というふうに考えてございます。 ◆松原成文 委員 それと、先ほど来入場者数、金額等々についてはお話がありまして、またグッズについても話がありましたけれども、それぞれ想定されているものがあるんですが、例えばとどろきアリーナに物品販売がありますよね。あとは藤子・F・不二雄ミュージアムですとか、あるいは岡本太郎美術館でそれぞれ物品販売がされていますけれども、どのぐらい売れているか。売れているというか、現状は、金額的な想定になっているんですか。私の知っている限り、とどろきアリーナはほとんど売れていないのではないかと思うんですけれども。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今手元にデータがないので、今お尋ねいただいたのは多分市民ミュージアムだと思います。こちらと藤子と岡本ということでございますが、今手元にデータがないものですから、調べてわかりましたらということでの資料提供でよろしいでしょうか。 ◆松原成文 委員 私が聞きたいのは、金額が幾ら売れたかということではなくて、それが俗に言う費用対効果といいますか、それだけの物品を用意する中で目標があると思うんだけれども、低ければ低いで目標達成ということになるけれども、この300万円という目標を一応出されています。その単価はちょっとわからないけれども、例えばアリーナについては、目標は幾らで、その目標が達成されているかどうかということについては、どのような状況なんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 まず、このグッズ売り上げのシミュレーションで使わせていただいた元データが、説明の中でも触れさせていただきましたが、公表されている博物館のミュージアムショップのデータでございまして、いろいろな数字がありましたけれども、ある程度中間的な数字を使わせていただいております。ですので、まずこの300万円というグッズの売り上げの根拠となる数字の背景としては、ある程度ほかの館の状態をもとにした数字出しということで御理解いただければと思っております。 ◆松原成文 委員 あくまでも、こちらで今説明をされているのは局のほうで想定して出してきた数字であって、これからの計画については相手方が数字を出してくるわけですよね。そのすり合わせをこれからするわけですよね。これに近ければ問題ないし、これ以上ならば問題ないんだけれども、これ以下ということも想定されるわけでありますので、以下とならないように今後協議していくということですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 そうですね。あくまでもこれは我々がつくったシミュレーションでございますので、まず事業計画書の中身にも書いてあるとおり、どのような企画を打ちたいのかとかも含めて、さまざま部分について文化財団側で検討して計画づくりをしていただくという中で、委員のお尋ねの、例えばの話、2,300万円の事業費がかかるようであれば、それを上回るような収入を上げるための取り組みを掲げて計画として提出していただきたいと考えております。 ◆松原成文 委員 あくまでも最終的な数字合わせにならないように、数字合わせでこのようにできますということでなくて、ちゃんとした根拠を持ってやっていただきたいということです。  それともう一つ、砂子の里資料館について、これまで年間どんな企画展が行われていたんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 また手元に資料はございませんが、やはりどうしてもテーマごとに企画を打ちますので、川崎ゆかりのテーマとか、例えば美人画といったものとか、あとは、やはり東海道五十三次が全てございますので、そういったシリーズものを全てお見せしますというような展示の仕方をされていたようでございます。 ◆松原成文 委員 やっぱり浮世絵ものが、時代によって変わってくるわけじゃなくて、あるものがもともと同じなんですから、基本的にこれからそういった企画ものについても、新しいものを企画していただくのがいいんだけれども、ある程度従来どおりのものが繰り返されるようにも懸念するんだけれども、その辺についてはどうなんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 おっしゃるとおりでして、やはり浮世絵の作品をお持ちのものをお借りして展示していくということからすると、逆に言うとかぶらないことは恐らく難しいと思います。ただ、今申し上げたとおり、企画の打ち方によっては、さまざまな横串を入れたときに違う見せ方をするとか、あと社団法人のほうでいろいろな資料を見せていただくと、今でも新規の作品を購入されているようでございますので、その新しい作品も含めた企画も打つことが可能だと思いますから、そうした形の中で魅力的な企画を検討していきたいと思っております。 ◆松原成文 委員 わかりました。  それとあと、局のほうと相手方は、次の協議はいつごろ始まるんですか。スケジュールが出ていますけれども。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 相手方というのは社団法人ということでよろしいですね。スケジュールには、今、平成30年8月に協定を締結していきたいと書かせていただいております。この中では、市と社団法人の役割分担等々をさまざまな観点で、この事業の法的な担保をとるという意味合いで協定を結んでいきたいと思っていますので、この時点で既に何回か協議を持たせていただいていますから、次の機会はもう近々あろうかと思っております。 ◆松原成文 委員 わかりました。  いずれにしても、本会議一般質問等々の中でも今までありましたけれども、なかなか理解ができていただけない部分も多々あったかと思いますけれども、全面的に皆さんの答弁で理解できたというようなことが100%あったわけではございませんから、その辺も一般市民の方々が理解できるような広報、説明をしっかりしていただいて、開館をしていただければありがたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。 ◆岩隈千尋 委員 では、幾つか伺ってまいりたいと思いますけれども、4月下旬だったかに委員会で報告があったと思うんですけれども、それから大体2カ月ちょっとたった中で、この間、社団法人との連携、協議はどれぐらい行われましたか。何回ほど行われましたか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 回数、頻度という意味でいいますと、当然、社団法人の代表理事の方ともお会いした回数は2回3回ほどございますし、あと、この社団法人のいわゆる作品を預かっているその学芸員の方とも打ち合わせの回数を何回か、ちょっとこれは定かではないんですけれども、3回か4回ほどはお会いしているかと思いますので、その程度かと思います。 ◆岩隈千尋 委員 代表理事の方の役割と学芸員の方と皆さん方がお話をする役割というのは当然違ってくると思うんですけれども、それは一緒の会議の中で会っているわけなんですか。それともばらばらで会っているわけなんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 代表理事の方とお会いするときは、我々として相手方が単独というよりは、学芸員の方が同席されている機会は多いかと思います。作品の取り扱いとかそういった部分についてのお尋ねをするときは、学芸員の方と直接お会いしますので、そこに代表理事の方が同席することは逆にないので、どちらかといいますと代表理事と学芸員の方はセット、こういうパターンのほうが多いかと思います。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。  7月の上旬ですけれども、各会派が業界団体ヒアリングをみんなやっているわけなんです。観光協会がいらっしゃったときに観光協会の会長は、御承知のとおり社団法人の代表の方ですので、また皆さん方がカウンターパートナーとしていろいろ協議されている方からも、この浮世絵についての理解をぜひともというお声は上がっていたわけなんです。そのときにちょっとお話になったのですが、例えば整備事業費等々について、当時まだ7月の上旬ですから、4月の委員会の内容程度ぐらいの資料しかないんですけれども、お話も意見交換させていただいたんですが、そのときに相手さんはそんなに行政のほうからきちんとした協議なり情報なりがいただけていないというお言葉を私はいただきました。協議がされていないということですね。例えばこういった委員会で出された資料の内容というのは、ちゃんと相手方に伝わっているんですか。社団法人側がそういうことを言っているわけですからね。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 委員会にお出しする資料は、当然行政として策定したもので、委員会が終わった後、もしくは直前ぐらいですけれども、こういう資料を出させていただきますという趣旨も含めて、たしか4月の委員会前にも御説明に上がって、当然その資料をつくる前の協議調整も含めて御説明をしてきているところでございます。  あと、今回の基本計画策定までの間も、先ほど申し上げたとおり、何度かお会いしている中で、この計画の中に書かせていただくことも含めて御説明をして、御理解をいただいて、ここまでに至っている、そういう理解でございます。 ◆岩隈千尋 委員 では、相手側と認識がかなり違うと思いますよ。私は、この代表理事の方と、皆様がカウンターパートナーとして協議された市のOBの方とお話しさせていただきましたけれども、かなりやっぱり情報の交換なり共有がされていないということをお話しされていましたので、その辺は密にしっかりととっていただきたいと思います。  次に、事業計画書のことについてですけれども、これまでの答弁の中で事業計画について、この文化財団に任せるよと、既定路線のごとく皆さん方は我々のほうに提示されているわけですけれども、文化財団には、いわゆるその学芸員等々、浮世絵に関する専門の方はないというこれまでの答弁だったと思うんです。そうしたときに、事業計画書を誰がどういうふうにして文化財団で作成されるんですか。こういった事業計画書をつくるに当たっての、いわゆる文化財団側のマンパワーなり、携わっている人間、スタッフはどれぐらいいらっしゃるんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今、財団のマンパワーとしましては、今年度――ちょっとこの話は間違いかもしれませんけれども、事業課という課を新たに設置しました。これまで財団は総務課のみだったんですけれども、事業課という課を新設して、そこで事業課長という新たな職も設置しているわけでございまして、今回の浮世絵の事業推進に向けては、今、財団の中ではその事業課長を充ててこの検討をしていくというふうに伺っております。ですので、この事業計画の策定に当たりましては、その事業課を中心にして検討していただくという形になろうかと思います。 ◆岩隈千尋 委員 では、そもそも論として、浮世絵に関する専門家がいない中で、ノウハウであったりこういった、今ここに書かれた運営方針であったりとか、先ほど各委員から議論があった収支計画であったり歳入確保策であったり、財団側がどうやってこれを提供していくんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 まず、今回文化財団として、事業運営者として決定させていただきたい趣旨の一つとしては、まず施設運営に関してはそれなりの実績とノウハウをお持ちということがありますので、今、委員のおっしゃった浮世絵展単独のノウハウという部分についてはまだ欠ける部分が1点ありますけれども、それ以外の部分につきましては、いろいろな施設を運営する中で乗り越えてきた課題もお持ちの団体でございますので、そこを踏まえて計画をつくっていただきたいと思っています。  浮世絵に関するノウハウに関しましては、現時点でないということでございますので、今、社団法人側に学芸員もいるということでございますので、当面の間は技術的な支援をいただきながらということはどうしてもなるかと思いますので、そういった形の中で事業計画を練っていただきたいと、このように思っています。 ◆岩隈千尋 委員 では、今、課長がお話をされた趣旨では、これまで培ってきたノウハウがほかの施設でやってあるから、大体こういったものについては、浮世絵館についてもつくれるよという認識なんですね。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 その認識でおりますけれども、やはり例えば歳入確保策とか、ここに書いてある効率的な収支計画、こういったことについては文化財団ももう少し頑張っていただくところがありますので、この事業計画を出していただく際に、やはり市とさまざまな意見交換をしながら、よりよい計画にしていくという場面は当然あるかと思いますので、市もかかわりながら検討、協議という形になろうかと思います。 ◆岩隈千尋 委員 非常にその辺が、各委員から収入確保策であったり、効率的な収支計画のところを心配だというお声も上がっていたわけなんですけれども、やっぱり見るのが大変なんです。皆さん方も、釈迦に説法ですけれども、東海道かわさき宿交流館にしても、年間4,000万円の指定管理料が払われているわけですよね。文化財団と観光協会のコラボでやっていますけれども、それについても、例えば羽田空港の国際線が拡張されたからといって、別に、その指定管理料で人間の数、収入の人員がふえたとか、そういったことはないですよね。大体インターネットにも載っていますけれども、ホームページを見ると、そんなに入館者数がふえているか。東海道かわさき宿交流館については大体横ばいですね。  だから、そういった意味で、やはり我々はどうしてもここの部分が非常に心配になるところですので、市の職員も今年度から派遣されていることですし、その方がどういうふうにこれにかかわっているかどうか、事業課にかかわっているかどうかわかりませんけれども、しっかりとこの辺は明確に出していただきたいと思います。  これに関連するところですけれども、このスケジュールです。先ほど課長がお話しいただいたように、スケジュールが、事業計画書の提出が来年の平成31年1月でしょう。その前に補正予算の議案を提出してお金を議会に認めてくださいという話ですよね。これは逆じゃないですか。きちんと収支採算性とかというものを我々議会に提示していただいて、それで我々は予算を認定する、決定するのが普通の感覚といいますか、普通の進め方じゃないですか。なぜこういうふうなスケジュールになっているんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 御懸念の収支の部分につきましては、まずこの3ページのシミュレーションで、300円という比較的低目の料金設定の中で、ある程度この2,400万円という金額で収支が賄えそうだというシミュレーションをしていますので、まずこれを踏まえて補正の議案提出をさせていただきたいと。仮に文化財団が事業計画をつくる際に、もっと低い計画をつくるようであれば、それは市として是正させていく形になりますので、基本はこれをベースにして、もう少し採算性のいい計画をつくっていただきたいと、このように思っております。 ◆岩隈千尋 委員 これはちょっと。だって、これはもう半年でしょう。今から7月、8、9、10、11、12、1月、財団が事業計画をつくるまで、ちょっと時間がかかり過ぎじゃないですか。もう少し短縮することなんかはできないんですか。我々だって、これを予算認定しなければいけないのでしょう。9月に議案を出されて、そのときまでに具体的な、例えば効率的な収支計画とか歳入確保、わかりませんといって、我々はどうやって予算認定をすればいいんですか。もう少しきちんと、9月に例えば採決するときとか補正が出てくるときのタイミングに合わせて出すとか、その辺は検討できないんですか。  我々はこの間、代表質問等でも言っていますよね。きちんとある程度の収支計画等々を補正予算ぐらいに合わせて出さないことには、これはよろしくないですよと。そういうことは常々お話しさせていただいたと思うんですけれども、今から半年あくというのはちょっと遅過ぎませんか。どうなんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 これから半年というのは確かに長いと言われればそのとおりかもしれません。ただ、一方で、例えば9月議会に間に合うように8月中に出せとかいうのはちょっとなかなか難しいスケジュールなので、まずは我々としましては、この計画の中での行政側がつくったシミュレーションをもとに議案審査をいただければと、このように思っております。 ◆岩隈千尋 委員 行政側がつくった資料について審査をするのだったら、何のために財団はこの事業計画書というものをつくるんですか。こっちのほうが運営しなければいけないのに、市ではなくて、こっちのほうがメーンじゃないですか。違うんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 委員のおっしゃることはもっともだと思いますが、我々とすれば、やはり議案の前提としてのシミュレーションを行政側が逆に責任を持って立てた収支が必要だと思いますので、まずはこのシミュレーションで最低限かかる運営事業費について、賄えるという数字を出させていただいたことをもって、整備に入らせていただきたいというのが現状の考えでございます。 ◆岩隈千尋 委員 現状の考えでございますではなくて、やはりこれはちょっとあき過ぎですよ。申しわけないですが、今から半年かけてやるということと、我々のいわゆるその補正議案の審査が9月にあるということがあるのであれば、それはきちんともう少し局の中でこれを持ち帰って、そこら辺は例えば足並みをそろえるとか、例えば我々が今議会の中で各委員からお話があった効率的な収支計画とか歳入確保策、ここが特にやはり問題点になっているというのであれば、ここは特出しで議会に示すとか、何らかの方法を考えないことには、行政側の資料だけで、はいはい信用してくださいと、あとは、運営は全部文化財団に任せますよとか、学芸員もいない、ノウハウも浮世絵についてはないところに任せますよというのは、これは申しわけないけれども、事業の進捗のやり方として支離滅裂ですよ。  局長、これまでいろんな、藤子・F・不二雄ミュージアム等々にもかかわってきたと思いますけれども、少なからず私の感覚では、我々議会に対して、あそこを建てたときにはある程度のそういった収支採算性も含めて出してきていただいたと思うんです。今回こういったような足並みというのは、かなりやっぱり事業の進め方としては、私はちょっとなかなか予算を、しかも認定する金額はそれこそ何百万、何千万単位ではないですからね。やっぱりある程度大きな金額になるという認識なので、これについてはもう少し局の中で議会に対して丁寧に、出せる資料であったりとか、出せる数字であったりというのは、やはりきちんと出していただくということはできませんか。 ◎鈴木 市民文化局長 御指摘のとおりだと思っております。昨年度から御説明させていただく機会を設けてきたわけですけれども、その間、事業の熟度が、これは正直にお話ししているんですけれども、思ったように上がってこなかったということがございまして、基本方針案を取りまとめるのにこの間大分時間を要してしまったということは、私としても率直な感想でございます。こういったことが、これまでの議会への報告を十分に行えなかったというふうに私自身も認識しております。そのことについては、私としても、まことに不本意であったと考えております。  このたび、基本方針に続けて基本計画を取りまとめて報告させていただいて、1回目ということになるわけですけれども、この報告を1つの足がかりにして、今後につきましては、丁寧に議会への説明をしながら進めていきたいというのが今の私の正直なところでございます。この事業の進捗ということについては、今いただいた御意見も含めて、これまでを振り返って十分でなかった点を反省しまして、取り組んでいきたいと考えておりますので、またいろいろと御意見を賜れればと思っております。  また、今、岩隈委員がおっしゃっていただいたような関連の施設の準備にも携わってきた私としても、きょうの答弁で足りないところもございましたけれども、しっかりやっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしたいと存じます。 ◆岩隈千尋 委員 はい、結構です。ちょっとスケジュール感とこの手順が、どうしても私は逆じゃないのと思うところですので、そこは皆さん方でしっかりとまた議会には丁寧な説明をお願いしたいと思います。  あと、想定される人員体制のところで展示担当員とか受付・販売員とか、作品監視員とかいうことが明記されておりますけれども、こういったものについては文化財団が全てスタッフとして雇う、雇用するという認識ですよね。
    ◎永石 市民文化振興室担当課長 委員おっしゃるとおりでございますが、今のところこの展示担当員、受付・販売員、作品監視員も、例えば正規雇用するかどうかも含めて市側が勝手に決める人事権が逆にございませんので、あくまでも我々とすると、この予算を収支計画上に載せるときに想定した内容としましては、この展示担当員につきましては正規職員を2名ほど見ようかなというふうには思っております。受付・販売員につきましては、現状でもアートガーテンの展示室の受付は委託で行っていますので、効率的、一体的な管理という意味合いからすると、この受付・販売員につきましては引き続き委託という形で検討しているところでございます。作品監視員につきましては、さまざまな情報をいただきますと、比較的学芸員を希望するような方がこういう作品監視員をボランティアでやられる機会も多いそうなので、今のところこの収支予算計画上はボランティアということで、人件費は特に積んでいない状態でございます。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。  これはちょっと確認なんですけれども、代表質問等々でも我々はお話をさせていただきますけれども、ということは、財団側はその社団法人を吸収合併するようなことはないという確認ですけれども、それはそれでよろしいですね。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 市としてそこを差配する部分でございませんが、全くそういう話は今のところ出ているものでございませんので、それぞれ別の団体として主体的にこの事業にかかわっていただく、そのように考えております。 ◆岩隈千尋 委員 わかりました。  あと、事業費についてですけれども、展示環境の修繕に係る費用については市が負担と、これは新しく出てきていると思うんですが、これまで答弁の中では、例えば燻蒸の費用であったりとかそういったものについては市が負担することはないと、社団法人側が負担をするという話でしたけれども、展示環境、修繕にかかる費用についてが市が負担ということは、いわゆるそこの展示室の部屋のハード面の整備については市が負担するということなんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 今お尋ねなのは、3ページ目の「事業費について」の②のところだと思いますが、まず、市がこちらの初期投資を出して整備をさせていただくということと、そこは多少時間がたつと修繕が必要な部分は当然出てきますので、こちらについては施設を整備した市側が責任を持って対応していきたいというものでございます。 ◆岩隈千尋 委員 では、確認ですけれども、メンテナンスとか、いわゆるその施設整備とか、文化財団がやるわけではないんですね。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 そのとおりでございます。 ◆岩隈千尋 委員 普通、委託とか指定管理のときには大体そこを担っているところがやるじゃないですか。これは何で市が負担するようになっているんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 指定管理のときの考え方は、指定管理料を市として委託料という形で支払って、その中にも修繕費を積み上げた上で対応していただいていますので、この施設につきましては、お示ししたとおり、2,300万円の収支を入館料という形で賄っていただきますけれども、そこに修繕というまた新しい一時的な経費をのせてしまうと、逆にいうと補助金を前提としないとなかなか回らない施設になってしまいます。であれば、必要な修繕については当初整備をした市側が責任を持つという形で整理をさせていただいたものでございます。 ◆岩隈千尋 委員 それは軽微、大規模にかかわらず、ハードについては市が負担するということですね。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 そのとおりでございます。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございます。  よくあるパターンなんですけれども、この間も、我々、議員を長くやっていればいろんなスキームが見えてくるわけなんですけれども、例えば文化財団が担っている事業等々に対して本市が関与している部分というのは、当然出資法人ですから、あるわけです。どれとは特定の事業はあえて言いませんけれども、いろんな事業があって、うまくいかないときには、市からの出資の補助金であったりとか財団に対する補助であったりが特定の年月だけ上乗せされたりとかというのが、決算とか予算を見ていれば、よく散見されるわけなんです。室長なんかはよく御存じかもしれませんけれども。  そうしたときに、市からいわゆるこういった浮世絵等々の新しい施設に対しては補助金等々は出すことはないということなんですけれども、では、文化財団に対してそういったところで上乗せをするということについても、市からの支出についてはないという認識でよろしいんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 委員おっしゃった部分はそのとおりでございまして、この事業に関しましては、3ページ目の左手の運営事業費について、入館料やグッズの販売等で賄っていただくということが大前提で考えております。ただ、説明中にもございましたが、ふるさと応援寄附金でいただいた御寄附につきましてはこの事業に充てていくべきでございますので、その充て方として、事業の拡充とかそういったものに使っていただく際に、原資としては寄附金を財源とした形では補助金しか多分あり得ないと思いますので、補助金という形はあり得るのかなと思っております。 ◆岩隈千尋 委員 私もこの間ずっといろいろ追っていますから、当該法人の方から、なぜかわかりませんけれども、私だけに特定にいろいろと御説明いただくんですけれども、浮世絵に対しては、当然のことながら、代表質問でもお話をいただきましたように、追い風があると。しかも、文化的な価値があるということは認識はしているんですけれども、やっぱりこの間の事業の進め方であったりとか、契約の内容であったりとかということについて、ましてや、ほかの委員からもお話が出ておりましたけれども、いわゆる収支計画、歳入確保策が、どうしても税金を使って進める事業ですので、公益性、妥当性、公平性がきちんと担保されているのかということがネックになってきますので、先ほど局長からもお話しいただきましたけれども、また適宜議会に御報告をしていただきたいと思います。結構です。 ○片柳進 委員長 先ほど末永委員から年間パスポートについての質問がありましたけれども、先ほど御回答がありましたので、資料要求はなしということでよろしいでしょうか。 ◆末永直 委員 結構です。 ○片柳進 委員長 では、そのようにお願いいたします。 ◆山田晴彦 委員 長くなりましたので1点だけお願いします。今回説明していただいて、東京2020を機にインバウンド効果を狙うということで、具体的なその広報のあり方ですけれども、例えば訪日者に対するあり方なんかはどのようなことを考えていらっしゃるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 端的にこれでということがなくて、今、観光の所管課とどのようにできるかということで意見交換をしているんですけれども、観光課も外国人への周知は非常に難しいと申していますので、この館の魅力をどう伝えるかは今後の課題だと思いますが、一つ手法として今考えているものとしては、本編のほうをごらんいただきたいんですが、資料2でございます。こちらの9ページ、説明中でも触れさせていただきましたが、SNS発信を意識したというのが、東海道かわさき宿交流館で実はもう既にやっていることなんですけれども、フォトスポットをこういうブラインドをおろすみたいな形で、これはたしか5種類ぐらいあるんですけれども、まさに浮世絵の絵柄を使っていて、ここで写真を撮っていいよという形にしています。ですので、こういう形で、できれば外国人の方に来ていただいて、どんどん発信をしていただくことによって、やはり口コミは非常に力強い広報手段でありますから、こういった形をまずはひとつとってみたいと思っています。 ◆山田晴彦 委員 先ほどの御説明の中に、まず、きたテラスに来ていただきたいというお話がありましたよね。私もそう思います。ですから、川崎に着地していただければ、そういう動線は皆さんが考えていただいたような動線にぜひなってもらいたいと思うんですけれども、やはりその前に、できるのだったらば、積極的な広報のあり方として、例えば羽田空港の動線の一部分に川崎で浮世絵をやっているよというようなものをキャッチしていただくような発信はすごく大事なのかなと。それは空港だけではないのかもしれない。港もそうかもしれませんけれども、とにかく訪日者が来たときに目にする、川崎でこういうことをやっている――訪日者は、結構、富士山に行くんだ、京都に行くんだとかというような頭はあるけれども、特に浮世絵なんていうのはすごく関心も高い内容だと思うので、どこでやっているのかといったときに、アクセスが比較的原宿よりも辻堂よりも近いところにあるということを認識させることは、すごく重要なのではないかと思うんです。その辺の広報のあり方をひとつ検討していただきたいと思います。これは費用対効果もありますから、やたらにそれを広げていけばいいという話ではないんですけれども、そんなことを。  それからもう一つは、やはり訪日者を連れてきていただけるような旅行社との関係なのだろうなと。その辺の中で、お金のかからないやり方として情報提供ができるようなことについても、しっかり検討していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 委員おっしゃるとおり、今のところは課題として出てきているということでございますので、今後どのような形でできるかということを模索させていただく中で、ちょっとお金は難しいというのはまさにおっしゃるとおりですので、逆にSNSとかお金のかからない手段といったものを発見して検討していきたいと思っております。 ◆山田晴彦 委員 ということは、とにかく体験していただいて拡散するということを主に考えているという理解でいいんですか。 ◎永石 市民文化振興室担当課長 確かに積極的な広報というのもひとつ、どのようにできるかということがありますので、限りあるお金の中でどうできるかということを含めて、そこにお金を投資する場合も当然ありますけれども、それもあくまでも文化財団でということになってしまいますので、そこについては、いわゆる費用対効果をしっかり考えてやっていただきたいと思っています。 ◆山田晴彦 委員 ぜひ、その辺に知恵を絞っていただきたいと要望させていただきます。以上です。 ○片柳進 委員長 ほかにないようでしたら、以上で「浮世絵等の活用に向けた基本計画について」を終わります。  ここで理事者の交代をお願いいたします。                 ( 理事者交代 )         ───────────────────────── ○片柳進 委員長 次に、教育委員会関係の所管事務の調査として、「学校ブロック塀等の現地調査結果について」の報告を受けます。なお、関係理事者として、まちづくり局から関山建築指導課長が出席しておりますので、御紹介いたします。  それでは、理事者の方、よろしくお願いいたします。 ◎小椋 教育次長 それでは、「学校ブロック塀等の現地調査結果について」につきまして、松井教育環境整備推進室担当課長から説明させていただきます。よろしくお願いいたします。 ◎松井 教育環境整備推進室担当課長 それでは、「学校ブロック塀等の現地調査結果について」御説明申し上げますので、ファイル2-(2)「学校ブロック塀等の現地調査結果について」をお開き願います。  資料の左上の「1 経過」でございますが、6月18日の大阪府北部を震源とする地震により、公立学校に設置されていたブロック塀が倒壊し、女子児童が犠牲となる事案が発生。これを受けまして、翌19日、市立学校全174校に対し、ブロック塀等の有無や高さについて確認し、教育委員会事務局へ20日までに報告するよう指示いたしました。  21日に、学校からの報告と教育委員会の保有する施設情報から、小学校36校、中学校19校、特別支援学校1校、高等学校1校の計57校において、現状、ブロック塀等の設置を確認し、あわせて、市立学校に対し「学校におけるブロック塀等の安全点検等について」を発出し、学校内外における児童生徒の安全確保に取り組むよう通知したところでございます。  続く22日から27日、土日を除く4日間におきまして、教育委員会事務局の学校施設を所管する教育環境整備推進室職員により、57校の現地調査を実施したところでございます。  29日には、法令への適合状況について、全市的な判定方法は検討中ではございましたが、目視調査の結果、プールの目隠しとして設置され、付近に人通りがあるといった状況が、今回の地震で倒壊したブロック塀と設置状況が類似すると判断し、南河原小学校、梶ヶ谷小学校の2校におきまして、安全対策を講じるとともに、万一の事態を想定し、同日以降の水泳学習を中止したところでございます。  その後、ブロック塀の高さのはかり方など、関係局との調整を進め、現地調査の結果を集計し、7月13日、現行の建築基準法の仕様に適合しない疑いのあるブロック塀等を有する学校といたしまして、小学校21校、中学校3校の計24校を公表したところでございます。なお、現地調査の結果、57校のうち33校では問題がなかったところでございます。  次に、関係法令を御説明いたしますので、恐れ入りますが、資料の右下の建築基準法施行令をごらんください。  ブロック塀につきましては、鉄筋が入っている補強コンクリートブロック造と入っていない組積造の2種類がございます。補強コンクリートブロック造では、高さ2.2メートルを上限とするほか、厚さや、塀の壁面から垂直に突き出した控壁などについて基準が定められています。また、高さが1.2メートル以下で規定の控壁等があれば、鉄筋が不要の組積造として基準を満たす場合もあり、この関係法令に基づき、目視で確認できる範囲で集計を行ったところでございます。  次に、資料の左下の「2 調査結果」でございますが、現行の建築基準法の仕様に適合しない疑いのあるブロック塀等を有する学校24校の内訳といたしまして、ブロック塀で高さが2.2メートルを超えるものは、浅田小学校、南河原小学校、大戸小学校、梶ヶ谷小学校、白幡台小学校、菅生小学校の6校で、これらはいずれもプール周辺の目隠しとして設置されているものでございました。その隣の欄にございます高さ2.2メートル以下、仕様を満たす控壁がないブロック塀は、殿町小学校以下の12校でございました。  次に、子どもたちがボール投げなどの的として使用している投てき板でございますが、高さ2.2メートルを超えるものが、下小田中小学校、西有馬小学校の2校にございまして、高さ2.2メートル以下で仕様を満たす控壁がないものは、幸町小学校以下の6校で確認されております。なお、ブロック塀と投てき板をどちらも有しているのが大戸小学校と幸町小学校でございます。  次に、資料の右上の「3 現在の取組状況」でございますが、これら24校では、児童生徒のほか、付近を通る方々がブロック塀等に近づかないよう掲示を行うとともに、関係機関の協力のもと、カラーコーンを配置するなどの対応を図っております。また、プールの目隠しとして設置されている浅田小学校、大戸小学校、白幡台小学校、菅生小学校につきましても、南河原小学校、梶ヶ谷小学校と同様に、安全性への配慮から水泳学習を中止しております。なお、各学校では、通学路の安全点検を実施するとともに、危険箇所が確認された場合は、児童生徒への注意喚起や震災時の対応などの安全指導を実施しております。  最後に、資料の右下の「4 今後の取組」でございますが、高さ2.2メートルを超えるブロック塀及び投てき板については、早急に撤去等を行ってまいりたいと考えております。また、高さ2.2メートル以下で仕様を満たす控壁がないブロック塀等につきましても早急に撤去等を行ってまいります。  なお、参考資料といたしまして、2枚目に「ブロック塀の「高さ」の測り方等」をお示しております。  説明は以上でございます。 ○片柳進 委員長 説明は以上のとおりです。  ただいまの説明について質問等がございましたらお願いいたします。 ◆岩隈千尋 委員 御説明ありがとうございました。  幾つか伺ってまいりたいと思うんですが、まず、この間の経過について伺いたいんです。こちらにいろいろとスケジュールは書いてはいただいているんですが、ブロック塀のことに関しては、学校現場だけではなくて、いわゆる本市が所有する公的施設全般において、いろいろと調査点検しなければいけないということで、報道発表資料や我々各議員のところにいろいろ報告があるわけですけれども、大阪府北部地震が発生してから大体1カ月ぐらいたっていますけれども、局長会議等々で関係局とどういうような協議がこれまでされてきたのか、教育次長に伺いたいと思います。 ◎小椋 教育次長 地震が発生後、関係局との関係でございますが、危機管理監を初めまちづくり局、そして教育委員会も含めて、情報交換、または協議調整をしてきたところでございます。特に動きとしては、資料にありますように、経過として、まず市立学校での事故を教育委員会としても重く捉えまして、早急にということで調査を各学校にお願いして、報告をいただくようにしました。一方で、全市的な対応という中でも、危機管理室、また危機管理監を中心に公共施設のブロック塀等の調査についても並行して行われてきたというところでございます。  今回の発表に当たりましては、学校については調査結果として一定の結果が出ましたのでお示しさせていただくとともに、公共施設につきましては、調査中ではございましたが、その時点での調査結果を総務企画局で発表したということでございます。この発表のあり方についても、先ほど説明の中でも高さのとり方とかそういうところで市としての考え方を統一するということの中でも、協議調整を関係局とも図ってまいったところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 ありがとうございました。  これは、市長とか副市長に対しては教育委員会から学校のブロック塀に対しての報告はきちんとされていますか。というのも、もうほかの自治体においては既に撤去を開始しているところもあるわけで、皆さん方の経過を見ると、当然調査していただいているのは結構なことなんですけれども、本市はほかの自治体に比べて動きが遅いように思うんです。市長、副市長にこういった件についてはどのように報告されているのか教えてください。 ◎小椋 教育次長 市長、副市長等への報告につきましても、当然、我々は対応策を考慮していく中で逐一考え方についてお示しをさせていただきながら、御確認をいただいた上で実施しておりますので、私ども教育委員会の対応については御承知をいただいているところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 どのような指示が市長、副市長からありますか。というのも、今お話をいただいたように、この案件については、まちづくり局であったりとか危機管理監、いわゆる危機管理室であったりとか、いろいろ部局に分かれているわけですよね。そうしたときに、やっぱり横串を刺す役割というのは当然必要になってくるわけで、それを刺すのが私は副市長であったり市長の役目であると思っております。そうしたときに、市長とか副市長は皆さん方に対してどういうような指示を出されていますか。 ◎小椋 教育次長 教育委員会としては、この学校ブロック塀等の調査をまず学校のほうにお願いをしたということでございますけれども、この対応につきましては、今、委員がおっしゃったとおり、やはり学校だけの問題ではなくて市全体の問題でもございますので、そういう意味では関係局と十分連携を図りながら、市としての考え方をもとに調査結果に基づく対策も講じていくようにということで、そういう意味では当然横串を刺しながら、教育委員会だけではなくて関係局と連携を図りながら、取り組むようにという指示のもとで取り組んでまいりました。 ◆岩隈千尋 委員 わかりました。  今お話をいただいたように、今後のスケジュール感等々というのもやっぱり議論にはなってくると思うんです。ここにいろいろと調査結果を出していただいていますけれども、今、市のホームページ等々を見ると、これはもう多分皆さん方は拝見されていると思うんですけれども、まちづくり局の建築指導課からこのペーパー、パンフレットが出ていて、これは自分たちでチェックもできますよという項目がある程度書かれているわけなんです。  きょう、まちづくり局の方がいらっしゃっていると思うのでちょっと聞きたいんですけれども、このパンフレットは「あなたの塀は大丈夫ですか? ブロック塀の安全点検と転倒防止対策」と書かれていて、まさにタイムリーな話なんですが、これはいつつくられて、どういうきっかけがあってつくられたのか、ちょっとお答えください。 ◎関山 まちづくり局建築指導課長 そのパンフレットにつきましては、当初は平成9年に作成され、それから改訂をされたものでございます。きっかけといたしましては、阪神・淡路大震災を受けまして、周知と注意喚起を目的につくられたパンフレットでございます。 ◆岩隈千尋 委員 21年前につくられたものなわけですけれども、こういった21年も前につくられたものがあるのに、学校現場でなぜこの、いわゆる高さ2.2メートルを超したブロック塀であったりとか、こういったものがいまだに残っているのか、ちょっと理解できないんですけれども、これは何か理由はあるんですか。 ◎古内 教育環境整備推進室長 結果として法令に適合しない2.2メートルのブロック塀が今回残っていたということで発表させていただいています。あるべき論から言えば、あるべきでないというのは重々承知をしているところでございます。  ただ、今回、ちょっと説明をさせていただきますと、この発表に至るとき、先ほどの市長は何とといったところと絡む話なんですけれども、まず、調査概要の説明をまちづくり局、総務企画局と一緒に市長に報告をいたしました。6月29日の市長会見の折に、この先行する梶ヶ谷小学校と南河原小学校において、まず詳細調査を行うべしという内容については、これはまさに市長の指示で行われています。ただ、実際にはその後調査ではなくて、現在は撤去を含め早急な対応というふうに対応が変わっています。  この間の経過が、まさに今お尋ねいただいたところなのですけれども、実はブロック塀の高さのはかり方というのが、資料にもあるんですが、ちょっとブロック塀での建て方が非常にバリエーションが多くありまして、一概にその高さを図るときにブロック塀のみの高さをもってはかることをよしとするか、今回のようにプールの場合はプールピット部分を含めて高さをとるかというのが、実は、確固たる決まり事としてなかなか示されていない。言い方を変えると、各自治体ごとに今回も恐らくは、まちまちとまでは言わないまでも、どこをはかるかについてはそれぞれの自治体が基準を定めて公表しているという経過もございました。  ということで、今回、この2.2メートルについても、より安全性を担保するためには、何もブロック塀がある1.2メートルを基準どおりととるよりは、その下に土台がある、まさに今回高槻市で非常に不幸な事件が起こったことを踏まえれば、それについては危険性を認識することの必要性に鑑みまして、このような発表になったというところでございます。  ですので、昔からこれが危険な、あるいは法令の適合にそぐわないものだという認識があれば、早急な撤去を過去に図っていた、あるいは図るべきだという御意見に対しては、そのとおりだと考えておりますが、今回のことがありまして、このような結論に至っているということを御理解いただければと思います。 ◆岩隈千尋 委員 何だかわかったようなわかっていないような説明なんですけれども、いわゆるそのはかり方の違い等々がこれまであったというような御説明かなとは思うわけなんですけれども、では、今、部長がお話をされたのであれば、ここの梶ヶ谷小学校については控壁はくっついているんですか。 ◎古内 教育環境整備推進室長 外周をぐるりとブロック塀があって、いわゆる控壁についてはございません。 ◆岩隈千尋 委員 だったら、今の説明は全然根拠がないでしょう。だって、高さをはかる云々以前に控壁がないんだから、高さの問題ではないじゃないですか。だったら、今、部長が言ったのは、御答弁と全然整合性が合わないじゃないですか。 ◎古内 教育環境整備推進室長 まさに1.2メートルというのが1つまた基準になっているんですけれども、1.2メートルで鉄筋が入っているものについては適合性があるという判断が下されるものでございます。その場合、ブロック塀のみを見ると1.2メートルの基準を満たすものではございますが、下のプールピット部分を含めると2.2メートルを超えるというところで、非常に紛れがあるというところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 わかりました。  余り生産的な議論ではないので次に移りますけれども、南河原小学校と梶ヶ谷小学校では特にやっぱりちょっと問題があるという認識があるわけなんですけれども、これについては今どういうような対応をされているわけなのか。例えば、ガードマン等々を配置されているのか、それともこちらの「現在の取組状況」に書かれているように、掲示やカラーコーンだけで注意喚起をしているのか、その辺をちょっと教えてください。 ◎古内 教育環境整備推進室長 基本的にはここに書かれている、地震発生後、先ほどのように高さ云々の基準が明らかにはなりませんでしたが、まずは近くに人が通る可能性が高いところは非常に重要と考えましたので、これが法令適合の有無云々を論ずる前に、まずは周知をして近づかないようにと。  梶ヶ谷小学校の横は公道でございますので、ここに勝手にカラーコーンを設置するというのもなかなかできないことでございます。早急に道路公園センターとの連携を図りまして、その許可を得てやっています。幸区につきましても、南河原小学校の脇は公園になっておりまして、こちらは道路公園センターのほうでカラーコーンを設置していただいているという状況でございます。あとは周知、通りかかる方がわかるように、危険性といいますか、注意喚起を促す表示をさせていただいているところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 わかりました。  今お話をさせていただきましたように、このパンフレットにしてもそうなんですけれども、学校現場でこういったハード系のことを担う職員であったりとか教職員であったりというのは、こういったものが昔から、21年前からあるわけですが、ちゃんと確認されているんですか。 ◎古内 教育環境整備推進室長 そのものを各学校で確認されているかというところについては、ちょっと大丈夫ですとは言いがたいところはありますが、学校では、月に1回の遊具ですとか非構造部材等の点検は各学校の中で計画的に行われておりますので、それに当たる担当教員も当然各学校で選任をされているというところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 非構造部材の話はよく議会でも出るのですけれども、こういったものについては、今回大阪で発生した地震の影響で、やっぱりどうしてもクローズアップされているところなので、今後はこういったパンフレット等々もありますから、現場の先生方にはしっかりと周知はしていただきたいと思います。  今お話をいただきましたけれども、今後の取り組みがやっぱり重要で、「早急に撤去等を行う」と2つ書かれていますけれども、早急に撤去等をいつまでにどのように行うのですか。 ◎松井 教育環境整備推進室担当課長 高さ2.2メートルを超えますブロック塀につきましては、年度内に実施したいという形で関係局との調整を図っているところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 年度内、遅いんじゃないですか。 ◎古内 教育環境整備推進室長 恐らく今そういう、いただけるものと期待をしていたわけではないんですけれども、実は、やはりプールの目隠しであっても学校の外周の壁を兼ねているところです。他都市の例で早急に撤去したという例も新聞等で私も確認させていただいておりますが、やはり壁には当然、これは言わずもがな、申しわけないんですけれども、外部からの侵入を防ぐという目的がございまして、取りっ放しというわけにはまいりません。それで、実は昨日も関係局で予算措置等々で担当職員が集まって今検討を進めているところでございます。  現状、まだどのような予算措置等々についてこの場で申し上げるまで詰められてはおりませんので、申しわけないんですけれども、恐らくはスチールフェンス等で原状復旧をさせていただくことになろうと思います。相当の設計と契約にかかる事務等々を含めますと、どれだけ早くても2カ月、3カ月の準備期間が必要であって、その後、施工と復旧ということになりますと、今、担当課長から説明があったように、年度内というものを視野に入れないと完全にそれが復旧をしたというところまでは行かないかなというのが現状でございます。 ◆岩隈千尋 委員 この辺は難しいところだと思うんです。地震なんて、もしかしたらきょう今この時点で起きるかもしれませんし、あした起きるかもしれませんし、そんなことはよくわからないわけで。  ただ、先ほど室長から予算措置のお話、私もこれからしようかと思っていたんですけれども、予算措置なんですよね。確かに、今、室長がお話をされたように、契約とか設計とか、いろいろやっていると、恐ろしく時間がかかるわけですよね。何のために我々のまちというのは、予備費というものがあるんですか。予備費を使ってやろうという議論というのは出ていないんですか。 ◎古内 教育環境整備推進室長 それも選択肢の一つとしては出ています。ですから、予算措置も必要で、当然のことではあるんですけれども、それと、工事に至るまでの手続についてはちょっと省略できない手続があるというところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 設計は当然時間がかかるのかもしれませんけれども、その省略できない手続、例えば契約というのは一体何なんですか。 ◎松井 教育環境整備推進室担当課長 今おっしゃられましたとおり、実施設計の期間、それから契約の手続の期間はどうしてもかかるということで考えております。 ◆岩隈千尋 委員 その辺のスケジュール感はどういうふうに、例えば民間事業者に投げるのかとかというのは、具体的なことはまだ決まっていないんですか。 ◎松井 教育環境整備推進室担当課長 実施設計につきましては、設計業者に委託する形を考えておりまして、委託をかける入札の期間、それから実施設計を行う期間、契約の期間を含めまして、おおむね12月から1月ぐらいまでかかるのではないかと、現在の調整の中では、話としては出ておる状況でございます。  実施設計、それから契約期間を含めまして、工事の開始に取りかかれる時期としましては、12月、1月ごろになるのではないかという見込みで今調整しているところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 やはりこういったものについては予備費等々の扱いもあるわけですから、本来であったら議会の議員が予備費をどうですかと勧めること自体ナンセンスな話なんですけれども、子どもたちの安心・安全ということもありますし、本来だったら私なんかは随意契約なんかは一番嫌いなタイプの契約ですけれども、そうは言っても、これはやっぱりどうしても緊急的にやらなければいけない事案だと思うわけなんです。時間がかかるようなことをやっておりますと、例えば議会を開会しますから、そういったときに補正を組んでいくのかどうか、そういったところももう議論をされているわけですか。 ◎古内 教育環境整備推進室長 補正となれば、まさに議会の御承認ということになるかと思いますが、そういった措置も含めて、昨日の段階では担当者間では検討させていただいているところでございます。 ◆岩隈千尋 委員 検討したのがきのうでしょう。地震発生から1カ月以上たっているんですよね。検討がきのうというのは、申しわけないけれども、やっぱりスピード感が遅過ぎますよ。報道発表資料でも、例えば総合教育会議ですか。教育長も出られると思うけれども、今度議論するのは働き方改革でしょう。こういったものについて、私も修学旅行の件を一般質問でもやりましたけれども、危機管理事象に対しての議論という認識が、申しわけないけれども、教育委員会は薄いのではないかとやっぱり思わざるを得ないわけです。  こういうパンフレットが21年前に出ていて、それが現場に徹底されていなかった。周知もちょっとみんな忘れていた。そういったこともあるかもしれませんけれども、やっぱりこういう事象が発生したら、いろいろさまざまな予算措置についてはメニューがあるわけですから、きのう予算措置についてお話をしましたでは、話になりませんよ。もう1カ月以上たっているわけですから、そこは暑い中皆さんが現場に行っていろいろ確認されているのを聞いているけれども、やっぱり予算措置のあり方、そして契約も含めて、きちんともう少し迅速性を持っていただきたいと思いますけれども、教育次長、どうですか。
    ◎小椋 教育次長 今、室長からお話がありましたが、担当所管が集まったというところでは昨日というお話でしたが、予算措置も含めて、やはり迅速に対応する案件だという認識は我々も十分持ち合わせております。そういう意味で関係局との協議調整もしっかり迅速性を持って取り組みを進めていきたいという気持ちは十分ありますので、御指摘のとおり、協議調整も速やかにできるように取り組んでまいりたいと思います。 ◆岩隈千尋 委員 学校も公共施設の一部ではないですか。危機管理監が本年度から設置をされて、危機管理の事象に対してしっかりと対応していくよということについて本市はメッセージを発信しているにもかかわらず、やっぱりこの間の1カ月以上の経過を見ておりますと、どうしても横軸の連携であるとかというのが、危機管理監は手足がないですから、具体的なブロック塀の調査云々に関してはまちづくり局がやったり、学校に関しては教育委員会がやったりということで、司令塔となるべきところが、物すごく、迅速性ということに関して私はまだまだ見えないところがあると思うので、今回予算措置のお話もさせていただきましたけれども、しっかりと、本当に一日でも早く契約等々もできる会社を選んでいただいて対応していただきたいと、これは強く要望して、終わります。 ◆石田和子 委員 関連するんですけれども、私も率直に言って、「今後の取組」のところで早急に撤去等を行うというのは当然なんですけれども、いつごろやるのかという岩隈委員の質問に対して年度内ということで、私もこれは絶対に遅過ぎると私からも強く指摘をさせていただきたいと思います。  本当にいつ地震が起こるかわからないという状況のもとで、ああいう形で犠牲者が出てしまったということで、その後調査をやった結果、ここにあるブロック塀の高さ2.2メートル超えるところとか、控壁がないところが明確にわかっているわけです。撤去を早急にやっただけでいいのかということも含めて、その後の対策もやっぱり早急にやっていかなければ外部の侵入を防ぐという役割もブロック塀は持っているということですから、そこについては本当にあらゆる可能性を全庁的に検討していただいて、やはり予備費も使ってということもありますし、補正予算も早急に組んでいただいて、そういう方向性を明確に私は出すべきだと思うんです。  昨年10月に多摩川の河川敷の被害があったときも、隣の東京なんかと比べるとやっぱり対策が本当に遅いということもあって、予備費をしっかりと使ってやるべきだということで、予備費が幾らあるのかといったらば、ちょっと愕然とするような額だったんです。教育委員会としてきちっと子どもの命、安全を最優先させるべきですから、その辺の方向性は、先ほどもお答えはしているんですけれども、再度きちっとした対応を早急に私はとるべきだと思うんですけれども、再度その辺のところを伺いたいと思います。 ◎古内 教育環境整備推進室長 まさに早急に対応を図っていますので、そういった答弁とさせていただければと思います。よろしくお願いします。 ◆石田和子 委員 補正予算なども昨年の10月の台風被害のときには議会冒頭に補正予算の提案があったわけですけれども、そういうことも含めて、全庁的にこれは緊急に協議を行って、ぜひやっていただきたいと。設計なんかについても安全の、建築基準法に基づく設計ですから、やはりやろうと思えば、本当に早急にできるはずだと私は思うんです。だから、その辺は強く要望しておきたいと思います。  あともう1点ですけれども、先ほどの答弁の中で、ブロック塀の隣が公道という言葉もありましたし、公園だというものもあったり、あとはやっぱり民地という部分も当然あるのではないかと思うんですけれども、校庭と民地の境の壁については、そこが民有地をお持ちの方との協議ということも十分していかなくてはいけないと思うんです。事は子どもの命に関連することですので、きちっと誠意を持って、早急に協議をするということも含まれてくると思うんですけれども、その辺はここに挙げられている学校の中で幾つかあるのでしょうか。 ◎古内 教育環境整備推進室長 最初に発表しました南河原小学校と梶ヶ谷小学校以外については、民有地との境になっております。 ◆石田和子 委員 民有地の境ということですから、その塀は撤去に当たっても早急な協議が必要になっていくと思うんですけれども、その辺もあわせてやっぱり早急にしっかりとした対応をぜひしていただきたいと思います。その辺はもう始めているんですか。 ◎松井 教育環境整備推進室担当課長 それにつきましては、まだこれからという状況でございます。 ◆石田和子 委員 これからということですけれども、やっぱり本当にそういった意味では万全の体制を組んで教育委員会事務局として早急な対応をぜひしていただきたいということを強く求めておきたいと思います。  それから、「現在の取組状況」のところで「通学の安全点検を実施するとともに」とありまして、これは学校だけの問題ではないと、子どもたちが通学をする道路にはブロック塀がたくさんあるのは容易に想定できるわけですから、そのときの注意喚起だとか災害時の対応などの安全指導を実施ということなのですけれども、この安全指導はどういう指導をされていくのでしょうか。 ◎辻 健康教育課担当課長 安全指導といいますのは、特に、先ほど言ったように、児童生徒に危険箇所があった場合にはそこに近寄らないであるとか、または災害時の対応として、建物、ブロック塀または窓ガラスから離れたりとか、かばんや持ち物等で頭部を保護し身を低くするなど、そのような安全指導を行っているところでございます。 ◆石田和子 委員 きちっとした安全指導をやっているのと、やっぱり手を抜いてしまったというか、今もう夏休みに入っていますけれども、そこの意識まで、なかなか子どもたちに指導が徹底できないというような、その差は、子どもたちはとっさの判断力のところで大きな違いが出てきてしまうということと、夏休み中の子どもたちの生活圏域の中にはブロック塀があるところもあるわけです。子どもたちに安全指導と同時に、さっき岩隈委員が平成9年につくられた、自分たちでチェックできますよというような川崎市の指針があるということですけれども、今回の大阪府北部を震源とする地震発生の後でそういった対策に対して、例えば民有地を持っている方からの相談を受ける窓口を設置しただとか、何らかの例えば撤去費用の補助だとかということで、このことに関する安全を最優先にしていくという意味での対策が新しく創設されたところと、従来からあるところとあると思うんですけれども、その辺の把握をまちづくり局としてどのようにされているのでしょうか。 ◎関山 まちづくり局建築指導課長 まず、先ほどの岩隈委員が示されたパンフレットにつきましては、ホームページ等で載せておりまして、一般的にその形で周知をしているところでございます。  また、相談場所としまして、今回、震災を受けたことで建設業組合等にいろいろ連携をとりまして、技術的な専門場所として相談できる窓口もパンフレットの中に追加して記載をして、ホームページ等にアップしているところでございます。 ◆石田和子 委員 川崎市においても、相談窓口について追加して掲載をしているということですか。 ◎関山 まちづくり局建築指導課長 はい、そのとおりでございます。 ◆石田和子 委員 インターネットで見たんですけれども、大阪市は、コンクリートブロック塀などに関する所有者からの相談窓口について、6月18日に発生した後で、技術的基準に関する相談窓口を開設しますということになっているんです。こういった技術的基準に関する相談窓口ということで一歩踏み込んでいると思うんですけれども、先ほど言われた川崎の相談についての場所もそうですけれども、その内容についてはそういったところまで相談を受けているということでしょうか。 ◎関山 まちづくり局建築指導課長 そのとおりでございます。パンフレットの中に建築基準法の内容を記載されているとともに、その内容についても、専門的な相談窓口として載せてありますので、委員の言われるとおりだと思っております。 ◆石田和子 委員 その辺はさっきも出ましたけれども、きちっと周知をしていくということが必要だと思いますし、今、市民の間では、あの地震を受けてブロック塀に対して関心があると思うんです。そういうときにこういう相談窓口があるということも含めて、改めて周知をしっかりと行う対策をとっていただきたいと思いますけれども、その辺はどうなのでしょうか。 ◎関山 まちづくり局建築指導課長 現在、パンフレットの在庫が不足しておりまして、今、増刷の発注をしているところでございます。それが整いましたら区役所等にも配付することを今検討しているところでございます。 ◆石田和子 委員 堺市は、やっぱりこれも新しく創設をしたというものがホームページに出ていまして、これは相談窓口ではなくて危険なブロック塀の撤去などに補助しますという補助金制度を創設したというものがあるんですけれども、川崎市もそういった方向性を私はとっていくべきではないかと思うんですけれども、その辺は見解としてはどうなのでしょうか。 ◎関山 まちづくり局建築指導課長 現在、ブロック塀の撤去につきましては、生け垣に変えるなどの場合、それと密集市街地で通路を拡幅する場合、狭隘道路でいわゆる2項道路と呼ばれている道路を拡幅する場合などの撤去については助成制度がある段階でございます。 ◆石田和子 委員 そういうことですけれども、やっぱり震災対策というか、地震対策としてのそういった対策も私は今後含めていくべきではないかなと思うんです。  例えば仙台市などは、災害に強い安全なまちづくりを目指すために公道などに面して、そこには通学路も入っていますけれども、倒壊の危険性が高く、早急に除却する必要があるブロック塀などの除却費用の一部を補助することにより、市民の震災対策を支援するものですというふうに、平成30年度事業の受け付けを開始しましたというところに出ているんですけれども、こういった方向性もぜひ全庁的にこれから検討をしていくということが必要になるのではないでしょうか。その辺の見解はいかがでしょうか。 ◎関山 まちづくり局建築指導課長 まちづくり局としては、現在ある助成に加えて新たに助成を設けるかどうかということについて、ブロック塀の改善の施策として補助というものは有効な一つの手段だと考えておりますけれども、ブロック塀を改善するということに対して、社会的な課題でもありますし、市としても何らかの検討、研究等をしていかなければならないというふうに課題としては認識している段階でございます。 ◆石田和子 委員 課題としては認識をしている、検討、研究をということですけれども、結構いろんな自治体で危険ブロック塀などの撤去奨励補助金とか、いろいろ設けている自治体が今あるわけで、西日本のああいう広域的な長時間にわたる豪雨災害も一方ではあり、いつ起こるかわからない地震対策ということもあって、ただ本当に命に直結する部分ですので、ここは本当に検討していただいて、市民の安全、命を守るという対策には万全の体制を尽くしてやっていただきたいということを意見要望で申し上げておきます。以上です。 ◆山田晴彦 委員 先ほど来出ている内容については速やかに対応していただきたいということと、やはり私も気になるのは、公的なものだけではなくて子どもの命を守るためには、通学路の安全。まして、狭隘な道路のところにブロック塀があって、そこに路側帯というか側線が引いてあるところを子どもたちが毎日通学しているということを考えると、やはり早急な点検、これは御指示をいただいておりますけれども、ぜひフィードバックして、どうだったのかということを確認していただきたいと思うんです。  それについては具体に、そういう危険なものがあるとすれば、そこをどういうふうに回避していくのかということについても、ぜひ学校側から適切な指導をやっていただくということが、徹底しましただけであると、またそういうような地震とか何かがあったときに対応し切れないのかなと思いますので、これはぜひ、要望で結構ですけれども、徹底をしていただいて、対応していただきたい。  ちょうど夏休みですので、通学路の安全マップをつくる、そういう御父兄の方たちもいらっしゃいますし、子どもたちとあわせて危険箇所はどこなのかということを再度確認するいいチャンスなのかなとも思いますので、ぜひその徹底をお願いしたいと思います。以上です。 ◆月本琢也 委員 要望なんですけれども、今回そのブロック塀でとうとい命が犠牲になって、全国的にも調査をされて、川崎市も対応しているということで、速やかな対応を求めます。  大阪府の北部地震の後、西日本の豪雨災害がありまして、今予想されている雨量を大幅に上回っている。我々も川崎市の風水害のハザードマップ、今、「備える。かわさき」のタブロイド版がちょうど配られているタイミングなのですけれども、あれで想定されているよりも、西日本の場合はたくさん降った。今回、ブロック塀の問題も、学校は安全なものだという意識の中でこういった事故が起きてしまった。逆に風水害とかのことを考えるときに、川に近い学校とかも、今想定されているハザードマップの浸水量も多分かなり高くなってくるという危険性もあります。  学校は安全な場所でなければいけないんですけれども、今、西日本豪雨レベルのようなものが来た場合に、どう対応できるかということも、学校ごとに立地によって異なってくると思います。もちろんこのブロック塀の対策も重要ですし、また別の意味でも学校はやっぱり安全でなければいけませんので、本当にこれは危機管理と連携していろいろ進めていただかなければいけない。こういったところも具体的な事故が起きる前に対応していただくことを要望させていただきます。以上です。 ◆花輪孝一 委員 まちづくり局も見えてるのでちょっと技術面も含めて伺いたいんですけれども、ブロック塀も、いわゆる控えを設けるとか、高さの制限とか、もろもろあるわけですけれども、あくまでも私どもの実感として、今まで阪神・淡路あるいは東日本、それから熊本等々も含めて、私どもの知っている範囲なんですが、ブロック塀というブロック塀は、震源地に近い、激しく揺れたところはことごとく、控壁があろうがなかろうが、鉄筋が入っていようが入っていまいが、軽量ブロックだろうが重量物ブロックだろうが、ブロック塀はことごとく、もう二、三段を残して大体が壊れている姿をまじまじと見ているわけです。特に阪神・淡路のときなんかは、神戸の災害支援ということで行かせていただいたんですけれども、本当にブロック塀がこなごなになっているような実態も見ているんです。  したがって、先ほど高さとか、控壁があるとかないとか、ごめんなさい、ちょっと乱暴な言い方で申しわけないんだけれども、そういうものがあったんですが、とにかくブロック塀は、私どもの印象、また、知っている左官屋さんなんかにもいろいろと御意見なんかを伺うと、ブロックはだめだと。一定以上積み重ねた場合は、どんなに補強しようが何をしようが、本当に震度が高いときには、揺れ方にもよるけれども、本当に弱いんだというようなお話を伺ったんです。  ごめんなさい。ちょっとお答えしづらいかもしれないけれども、基準は基準として、やっぱり好ましいものと、あるいはなるべく避けたほうがいいものがあるじゃないですか。これから教育委員会が基準に合わないものを、まず危ないものを優先してということは当然のことですが、それ以外でもやはりブロックのものは、僕なんかは実感として、なるべく撤去をして、それにかわるものをやったほうがいいのではないかなと思うんですが、技術的な側面も含めて、ちょっと専門的なお話というか、伺いたいと思うんですが、お答えとしては難しいと思うんですが。 ◎関山 まちづくり局建築指導課長 ちょっと難しい御質問でございますが、まず1つ言えることは、建築基準法という中でブロック塀の先ほど来申し上げています基準がございます。これは一定の安全性を確保するために法律が基準を設けたわけでございまして、ですから、法律の所管をしている立場からすると、法律に適合していれば安全ではないとは言えない状況なわけです。安全を守るために法律の基準を設けていまして、そこで一定の基準を持つということですので、その基準内にあるブロック塀については、安全ではないという立場はとれないということを御理解いただきたいと思います。  そういう部分は、委員が気にされているとおりも含めて、教育委員会では今回高さのとり方についても、より安全側ということもありまして、基準法の考え方を超えて、とろうということで先ほど来説明しているところもありますので、市全体として、公共施設についても高さの考え方も教育委員会の考え方と統一しておりますので、そういう部分で市として対応しているという御理解でよろしいのかなと思います。 ◆花輪孝一 委員 あともう1点は、要するに築年数ではないけれども、同じブロック塀でも――最近はブロック塀は、はっきり言って余り使っていないですね。だけれども、古くなったものは、やはり強度とかさまざまな問題があるのではないかと思うんです。建物であれば築年数とかさまざまあるじゃないですか。ところが、擁壁であるとか壁的なものは基準で基本的には、このブロック塀では何メートルとか鉄筋が入っているとか基礎がどうのこうのとあるけれども、築何年ぐらいがめどとかそういうものは定められていないですよね。  これははっきり言うと、古くなったブロックは基本的には撤去したほうがいいのではないかなという印象を率直に私は持っているんです。気持ちというのかな、実態として、怖いなと思っています。特に古くなった、老朽化したという部分、なかなか難しい、何が老朽かわからないかもしれないけれども、ちょっとその辺のところを言えたら、答えられたら答えてほしいんだけれども、技術的にどうですか。 ◎関山 まちづくり局建築指導課長 正直申し上げまして、その劣化度につきましては数値的にあらわせるものではないですので、基準も当然無い中で、それは目視でその都度見ていくしかないということです。先ほど来言われました学校については定期的に見て、劣化を随時チェックして、施設管理者側が一定程度のところで判断していかざるを得ないというのが現状だと思っています。 ◆花輪孝一 委員 これはぜひ教育次長にもお願いしたいんですけれども、やっぱり学校長の判断といっても、学校長としても、正直な話、なかなか難しいと思うんです。外見的にひびが入っているとか、明らかにこれは倒れそうだなというのだったらそれはわかるんですけれども、一見頑丈そう。特に投てき板なんかはすごく頑丈そうに見えますよね。ボールをぶつけようが何をしようが頑丈そうに見えるけれども、でも、いざ地震のときには危ないということが当然あるわけです。それらも含めて、やはりある程度教育委員会のほうで、今後の検討もあると思うんですが、まずは一番危険な基準に適合していないものは早急にやっていただく。それからあと、倒壊のおそれがあるものについても、やはり撤去してそれにかわるものを、塀なら塀で、ほかのいわゆる安全なものに変えてくというようなことを、これは要望で結構なんですけれども、ぜひ御検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。 ◆松原成文 委員 いただいた資料の写真を見まして、多分、登戸小学校については危険だから近寄るなとか何か書いてあるのではないかと思いますし、大戸小学校については、カラーコーンで中に入るなというような状況だと思います。これは対応できているのかと思いますけれども、もう一つの写真を見て、梶ヶ谷小学校が出ていますよね。これはいつ撮った写真だかわかりませんけれども、現状がこういうことで危ないですよということは理解できますけれども、早急に撤去するということも書かれておりますが、その早急というのはちょっと時間がかかるようなことも言われておりましたけれども、その対応としてまずお聞きしたいのは、ここは梶ヶ谷小学校の通学路なんですか。 ◎松井 教育環境整備推進室担当課長 通学道路の指定をされております。 ◆松原成文 委員 そうすると、児童が通る、それから、車も人も通るということであろうかと思いますけれども、撤去するまでに何か対応策はどのように考えているんですか。この場所について、例えば。 ◎松井 教育環境整備推進室担当課長 先ほどお話もさせていただきましたが、工事の開始までに時間を要するということもございますので、今、このブロック塀自体に例えばネットで覆うなどの安全対策を講じるように検討しておりまして、なるべく、それもできるだけ夏休み期間などに行うような形で今調整を図っているところでございます。 ◆松原成文 委員 まさに撤去する前に早急に対応できることがあるわけです。予備費を使うとか、それはまた別として、それを含めて、パイプで安全性を確保するとか、通学路を変更するとか、ここは危険だからちょっと遠回りでも、PTAの方が協力して通学路をほかへ回してくださいとかいうけれども、そういう対応は今どうなっていらっしゃるんですか。 ◎松井 教育環境整備推進室担当課長 この写真は調査したときの写真でございまして、現在はケージを張っております。また、カラーコーンを並べて安全対策を図っておるところでございます。あと、先ほどお話しさせていただきましたように、工事の開始までの期間につきましての暫定の措置ですけれども、より安全対策としまして、ブロック塀自体を、ネットというのは今の検討の段階ではありますが、その他の方法を含めまして安全対策を講じてまいりたいと考えております。 ◆松原成文 委員 カラーコーンで壁から2.2メートル以上離しているとか、カラーコーンはどこに置いているんですか。 ◎松井 教育環境整備推進室担当課長 このプールの擁壁の手前側に並べている状況でございます。 ◆松原成文 委員 手前の何メートルですか。 ◎松井 教育環境整備推進室担当課長 車の通行もございますので、この擁壁の近くに設置している状況でございます。 ◆松原成文 委員 要するに、危険だということは周知できるけれども、万が一の場合にそこを歩いていると非常に危ない状況になりますよねと。大阪の状況を見ても、どれだけのものが倒れてきているかというのは、ニュース写真等で見ていると、このそばにカラーコーンを立てたということは、それは必要でありますけれども、安全の網を張る、それで本当にブロックの倒壊から人が守れると思っていらっしゃいますか。 ◎松井 教育環境整備推進室担当課長 ネットを張る、ネットで覆うというのも、今、一つの検討の段階でございまして、できるだけそのブロック塀も、いざというときに少しでも揺れを抑えるなどの対策を講じたいということで今検討しているところでございます。 ◆松原成文 委員 いずれにしても早急に撤去するということが大事でありますけれども、その前にもっと安全対策もできることが早急にあると思いますから、それもすぐに検討していただいて、夏休みですから児童の安全は確保できますけれども、一般市民の方ですとか車の走行等々については非常に危険な状況であるということはしっかりと御認識をいただいておかなければいけないなと思いますので、よろしく対応していただきたいと思います。以上です。 ○片柳進 委員長 ほかにないようでしたら、以上で「学校ブロック塀等の現地調査結果について」を終わります。  ここで理事者の退室をお願いいたします。                 ( 理事者退室 )         ───────────────────────── ○片柳進 委員長 次に、その他として、今後の委員会日程につきまして御協議をお願いいたします。   協議の結果、8月23日(木)、24日(金)に開催することとした。         ───────────────────────── ○片柳進 委員長 その他、委員の皆様から何かございますでしょうか。                  ( なし ) ○片柳進 委員長 それでは、以上で本日の文教委員会を閉会いたします。                午後 2時33分閉会...