二宮町議会 2017-03-25
平成29年第1回(3月)定例会(第25日目) 本文
次に、執行者へ委員から参考質疑がありました。
委員「マイナンバーの扱い方については、どのように円滑に進めるか。また、郵送方法はどのように考えているか。」執行者「法令に基づいた中で運用していく。郵送方法については、普通郵便を検討している。」委員「普通郵便のセキュリティ面はどうか。」執行者「郵便局は郵便法に基づいて対応しており、普通郵便でも表札がなかったり、住所・地番が1つでも違っているものは戻されている。」委員「マイナンバーをアスタリスクにしている自治体もあるというが、考えられるか。また費用的にはどうか。」執行者「相当な費用がかかるというだけで、詳細はわからない。」委員「普通郵便と簡易書留ではどのくらい料金が異なるか。」執行者「普通郵便は1通205円、特定記録だと365円、簡易書留だと515円程度になる。平成28年度の発送件数は4,512件で61万8,750円、特定記録になると約1.8倍、簡易書留だと約2.5倍となると考えられる。」
以上で質疑を終了し、意見交換・討論に入りましたが、意見交換・討論ともになく、平成29年陳情第1号を採決したところ、挙手多数により不採択と決定いたしました。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
8:
◯議長【
二見泰弘君】 ただいまの委員長の報告に対する質疑に入ります。
(「なし」との声あり)
9:
◯議長【
二見泰弘君】 質疑なしと認めます。
これより討論に入ります。
10:
◯議長【
二見泰弘君】 渡辺議員。
11: ◯9番【
渡辺訓任君】 私は委員長報告に対して反対、陳情採択の立場で討論いたします。
この陳情は、町から事業者に出される市町村民税・道府県民税特別徴収額の決定・変更通知書に受給者の個人番号を記載しないことと、通知書に個人番号の記載欄を追加する省令の廃止を求める旨の国に対する意見書提出を求めるものであります。
事業者は町に対して、年末に給与の支払い報告を提出し、町は報告に基づいて町民税・県民税額を計算し、従業員から徴収する税額の通知を事業者に出すものでありますが、委員会の審議の中では、陳情者と町の立場が非常に浮き彫りになりまして、まず法定受託事務の位置づけであります。町のほうは、町民税・県民税の特別徴収に当たり、個人番号の書類への記載は国が定める法定受託事務という説明をして、法令に基づいて記載を進める必要があるとしています。
一方、陳情者のほうは、不必要な個人番号の記載は憲法第13条で定める基本的人権の1つであるプライバシーを侵す、憲法に触れる事務は実行の必要はないと説明をしています。
次に、普通郵便の信頼性とコストについてです。町のほうは書留などには大きなコストがかかり、普通郵便であっても、配達で個人番号が他人に渡る可能性は低いと説明する一方、陳情者のほうは普通郵便利用による番号漏洩のリスクはあるとの認識を示しています。
また、東京都内では自治体が個人番号を不記載とするケースが増えているとの説明もありました。私は特別徴収額の通知について、個人番号を住民税特別徴収額の通知書に記載することのメリットは事業者にもなく、番号の届け出をしていなかった納税者にとっては、秘密の漏洩以外の何物でもないわけであります。
そもそも必要のない個人番号の記載、これに手間とお金をかけてする必要はないわけで、大体、番号通知カードの送達については簡易書留で行い、個人番号カードを配布するために職員が休日にも窓口で対応するなど、慎重を期しておきながら、企業向けの通知を平気で普通郵便で出すというのはおかしなことであると考えます。
このことは、個人番号制度自体に賛成・反対を問わず、賛同いただけるものかと思います。皆さんのご賛同をよろしくお願いいたします。
12:
◯議長【
二見泰弘君】 二宮議員。
13: ◯4番【
二宮節子君】 私は陳情第1号「平成29年度からの特別徴収税額の決定・変更通知書に受給者の個人番号を記載する件についての陳情」について、不採択とする委員長報告に賛成の立場で討論いたします。
マイナンバー、いわゆる個人番号は社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるもので、さらに行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤でもあります。マイナンバー制度は導入されて1年ほどが経過していますが、交付率はセキュリティでの不安があり、低迷しているものの、都道府県別に見ると、神奈川県は10.4%と最も高く、将来にわたり必要不可欠であることは確かです。個人番号カードのICカード内にはプライバシー性の高い個人情報は記載されないことと、安全・安心の面では一括管理ではなく、分散管理をして、29年から情報提供記録開示システム、いわゆるマイナンバーポータルを稼働させてセキュリティの強化をすることになっております。
マイナポータルの機能の詳細は、マイナンバーを含む自分の個人情報を、いつ、だれが、なぜ提供したのか、確認できる機能のほか、次の機能が入る予定です。
1.行政機関などが持っている自分の個人情報の内容を確認できる機能。
2.行政機関などから一人一人に合った行政サービスなどのお知らせが来る機能。
3.行政機関などへの手続を電子的に1度で済ませることができる機能。
以上のことから、マイナンバー制度の反対の前提で提出された本陳情は、委員長報告の不採択が妥当であると判断し、賛成といたします。
14:
◯議長【
二見泰弘君】 露木議員。
15: ◯7番【
露木佳代君】 私は陳情第1号に対する委員長報告に反対、陳情に賛成の立場で討論いたします。
賛成理由は至ってシンプルでございます。1つ目は、今回、該当となる書類にマイナンバーを記載する意味がないこと。2つ目は、このままだと厳重に扱うべき番号が書いた書類を、二宮町は普通郵便で送ってしまう状況にあること。3つ目は、マイナンバーを雇用主に伝えないという人のプライバシーを行政側が侵害することです。
陳情に反対する方にはぜひ思い出していただきたい。国はマイナンバーが漏洩しないように情報を厳重に扱うと言っておりませんでしたでしょうか。この議案はマイナンバー制度の是非を問うものではありません。本来、法定受託事務をどう行うべきなのかという議論であると私は考えております。マイナンバーを記載しない、または一部をアスタリスクで表示すると決めた自治体が多数あります。特別郵便などで送付するための財源措置ができないこと。普通郵便で送付して、情報が漏洩した場合の責任を負えないという理由からです。二宮町もしっかりと考えていただきたいと思います。マイナンバーは厳密に管理されるから大丈夫なのだとおっしゃっていた方々にぜひご賛同いただけたらと思います。
16:
◯議長【
二見泰弘君】 柳川議員。
17: ◯12番【柳川駅司君】 陳情第1号の「平成29年度からの特別徴収税額の決定・変更通知書に受給者の個人番号を記載する件についての陳情」について反対し、委員長報告に賛成の立場で討論いたします。
私は総務建設経済常任委員会において、賛成の立場を主張しましたが、勉強不足の面もありまして、そもそもマイナンバー制度とは何であるかを確認しました。これは皆様もご承知のとおり、行政手続に関する特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、いわゆる番号法であります。
この目的は、税、社会保障制度の行政分野における公正な給付と負担を図ること、諸手続において、同一の内容の情報提供を求めることを避け、国民の負担を軽減すること。行政運営の効率化と国民の利便性を向上することなどが上げられております。
今回の税額通知書の個人番号の記載は、番号法第19条第1号に基づくもので、事業者と行政間で番号を確認し合うことで、番号法の目的であります適正、的確な課税につながると言えます。
よって、委員長報告にもありますが、町は法に基づいた中で運用すべきと判断するものです。確かに国民が不安に陥っている現状はありますが、これらの不安につきましては、セキュリティの強化を進め、マイナンバー制度の確立に向けて、粛々と進めていきたいことを要望します。
以上のことから、委員長の報告に賛成をいたします。
18:
◯議長【
二見泰弘君】 これをもって討論を終結いたします。
これより平成29年陳情第1号を採決いたします。本件に対する委員長の報告は不採択であります。本件を委員長の報告のとおり不採択とすることに賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
19:
◯議長【
二見泰弘君】 起立多数であります。よって、本件は委員長の報告のとおり不採択と決しました。
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日程第2 平成29年
陳情第2号 神奈川県が立案中の「葛川水系河川整備計画」
についての陳情審査について
日程第3 意見書案
第 1 号 神奈川県が立案中の「葛川水系河川整備計画」につい
ての意見書の提出について
20:
◯議長【
二見泰弘君】 お諮りいたします。日程第2「神奈川県が立案中の『葛川水系河川整備計画』についての陳情審査について」平成29年陳情第2号、日程第3「神奈川県が立案中の『葛川水系河川整備計画』についての意見書の提出について」意見書案第1号を一括議題といたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
(「異議なし」との声あり)
21:
◯議長【
二見泰弘君】 ご異議なしと認めます。よって、一括議題といたします。
22:
◯議長【
二見泰弘君】 職員をして朗読させます。
23:
◯職員【
椎野文彦君】 (朗 読)
24:
◯議長【
二見泰弘君】 委員長の報告を求めます。
25:
◯議長【
二見泰弘君】 野地議員。
〔8番・
総務建設経済常任委員長(
野地洋正君)登壇〕
26: ◯8番・
総務建設経済常任委員長【
野地洋正君】 総務建設経済常任委員会の委員長報告を申し上げます。
去る2月28日の本会議において、本委員会に付託されました「神奈川県が立案中の『葛川水系河川整備計画』についての陳情」平成29年陳情第2号を議題として、3月1日、第一委員会室において委員会を開催いたしました。
出席者は委員全員、都市部長、都市整備課長、道路班長、及び傍聴議員でした。
提出者から説明ののち、直ちに質疑に入りました。概要は次のとおりです。
委員「洪水対策という点と環境と風景が三位一体となり、同時進行してもいいと理解するが、間違いないか。」陳情者「それでよい。本格的に子どもたちが遊べるようなため池や広場ができたらよいとも思うが、現実的ではない。洪水対策と遊歩道などは矛盾するものではない。」委員「県の事業だが、県へ陳情を提出したか。また大磯町、中井町へも同様の陳情を出したほうが有効であると思うが、いかがか。」陳情者「県の平塚土木事務所には話をした。また、大磯町、中井町と連携すれば影響力が増すと思うが、情報を11月に知ったこともあり、時間的に厳しく、また他町へはどういう立場で陳情できるか不明点も多く、今回は見送った。整備計画は二宮町に対しても意見を求められるとのことから、まずは二宮町議会に陳情した。二宮・大磯・中井の3町で組織される葛川サミットとの連携も有効と考える。」
次に、執行者側へ委員から参考質疑がありました。
委員「町も具体的な案が出てくれば動くと思うが、まだおりてきていないか。」執行者「現在、県が整備計画の原案を作成し、国と協議している。その協議が終わったのち、県民へのパブリックコメントと町への意見紹介を随時行っていくと聞いている。」委員「実現するには、町との打ち合わせ段階で、早めに要望を出していくことが大切だと思う。早期に情報を入手し、話を進めたらよいと思うが、いかがか。また、町としてこの陳情に協力する場合、県に働きかける手段はあるか。」執行者「町への意見照会しか手法がない。原案も国との協議中ということで、見せてもらえないのが現状である。」
以上で質疑を終了し、意見交換・討論に入りましたが、意見交換・討論ともになく、平成29年陳情第2号を採決したところ、挙手全員により採択と決定いたしました。
次に、意見書の作成について諮ったところ、正副委員長一任となりました。お手元に配付のとおりです。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
27:
◯議長【
二見泰弘君】 ただいまの委員長の報告に対する質疑に入ります。
(「なし」との声あり)
28:
◯議長【
二見泰弘君】 質疑なしと認めます。
これより討論に入ります。
29:
◯議長【
二見泰弘君】 渡辺議員。
30: ◯9番【
渡辺訓任君】 私は委員長報告に賛成、陳情採択の立場で討論をいたします。
葛川は二宮町の景観や生活に大切な役割を果たしていることは論を待ちません。一方、流域での大雨の際には洪水の危険性があり、防災の観点からの改修も必須であり、町だけではなく、県に対してはさまざまな働きかけがされてきたところであると認識をしています。
陳情者の指摘するように、葛川の整備を洪水対策のみで終わらせるのではなく、未来への贈り物として、多面的な機能を実現することが必要と考えます。陳情者は親水化の内容として、魚道の設置、遊歩道の整備などを上げておられますが、近隣の例でも、湿生地の保全、芝生や公園の設置など、状況に応じての整備がされているようです。既に上流である中井町では遊歩道や公園が整備されており、バードウォッチングを含めた自然観察の1つの拠点となっています。
一方、中井町に設置されたメガソーラーによる影響に対する心配も町民の間にあることから、委員会で論議をされましたように、葛川流域の大磯町、中井町とも一貫した取り組みを進めることが重要であると考えます。健康づくり、生物多様性の保全など、二宮町の大きな目的の達成に向けても、葛川の整備を進めることはまさに町民の切望するところであると思います。ぜひこの陳情の意図を、町においても今後の計画づくりと実施について生かしていただくよう求めつつ、討論といたします。
31:
◯議長【
二見泰弘君】 これをもって討論を終結いたします。
これより平成29年陳情第2号を採決いたします。本件に対する委員長の報告は採択であります。本件を委員長の報告のとおり採択とすることに賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
32:
◯議長【
二見泰弘君】 起立全員であります。よって、本件は報告のとおり採択と決しました。
これより意見書案第1号を採決いたします。本案を原案のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
33:
◯議長【
二見泰弘君】 起立全員であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
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日程第 4 議案第11号
議案第12号
議案第13号
議案第14号
議案第15号 平成29年度予算審査について
34:
◯議長【
二見泰弘君】 日程第4「平成29年度予算審査について」町長提出議案第11号、第12号、第13号、第14号、第15号を一括議題といたします。
35:
◯議長【
二見泰弘君】 職員をして朗読させます。
36:
◯職員【
椎野文彦君】 (朗 読)
37:
◯議長【
二見泰弘君】 委員長の報告を求めます。
38:
◯議長【
二見泰弘君】 小笠原議員。
〔1番・予算審査特別委員長(小笠原陶子君)登壇〕
39: ◯1番・予算審査特別委員長【小笠原陶子君】 平成29年度予算審査特別委員会は、本
定例会第9日目の3月8日に付託を受けました。「平成29年度二宮町一般会計予算」町長提出議案第11号、「平成29年度二宮町国民健康保険特別会計予算」町長提出議案第12号、「平成29年度二宮町後期高齢者医療特別会計予算」町長提出議案第13号、「平成29年度二宮町介護保険特別会計予算」町長提出議案第14号、「平成29年度二宮町下水道事業特別会計予算」町長提出議案第15号を平成29年3月14日、15日、16日、21日、22日の5日間にわたり、第一委員会において町長、副町長、教育長、各部長、以下担当職員の出席を求め、慎重審議いたしました。
委員会審査では細部にわたり活発なる質疑応答を行うとともに、現地視察も行い、審査終了後、一括討論を行いました。
採決の結果、町長提出議案第11号、第12号、第13号については賛成多数、第14号、第15号については全会一致で原案のとおり可決すべきものと決定し、次の審査意見を提出するものであります。
平成29年度予算審査意見
1.庁舎及び駅前町民会館の再配置については、早期に結論を出し、速やかに実施
されたい。
2.シティプロモーション事業については、公共媒体の活用を念頭に置き、移住・
交流・体験イベントなど、魅力的な企画を全庁体制で実施されたい。
3.コミュニティスクール導入に当たっては、学校及び地域の方々が納得し、積極
的に協力できる形で実施されたい。
4.新規就農者のためにも、有害鳥獣のすみかとなる遊休荒廃農地の解消に向けた
対策をさらに強化されたい。
5.地域の「通いの場」づくりについては、スムーズに進むよう、きめ細やかに支
援されたい。
6.保育士の人材確保については、あらゆる手段を検討し、育成に力を入れられた
い。
7.各種団体への補助金については、積算根拠を見直し、円滑な団体運営を図られ
たい。
8.再生可能エネルギー導入の支援策については、方向性、指針を明確にされたい。
以上でございます。
ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。
40:
◯議長【
二見泰弘君】 ただいまの委員長の報告に対する一括質疑に入ります。
(「なし」との声あり)
41:
◯議長【
二見泰弘君】 質疑なしと認めます。
これより一括討論に入ります。
42:
◯議長【
二見泰弘君】 渡辺議員。
43: ◯9番【
渡辺訓任君】 私は日本共産党議員として、予算案について一括して討論をさせていただきます。
町長提出議案第11号「平成29年度二宮町一般会計予算」、議案第12号「平成29年度二宮町国民健康保険特別会計予算」、議案第13号「平成29年度二宮町後期高齢者医療特別会計予算」については反対、議案第14号「平成29年度二宮町介護保険特別会計予算」、議案第15号「平成29年度二宮町下水道事業特別会計予算」については賛成をするものです。
議案第11号「二宮町一般会計予算」についてです。
国民の間、そして地方と都市の間、すべてに格差が広がっていると多くの方が感じております。神奈川県においても、地理的には相模川を境にして人口の動きが異なる。二宮町においては人口減少が進んでおり、本当にまちづくりをどうするかが問われている状況であります。
そんな中で、平成29年度予算につきましては、予算規模を前年度比0.7%減にとどめ、ずっと住みやすいまちづくりを掲げる中、災害に強く、利便性の高いまちづくりに1,475万円、子育てを楽しめる環境づくりに4,737万円、健康づくり・未病改善事業の推進に1,954万円、学習環境の整備などに2,569万円、消防・救急活動体制の強化に9,240万円を予算化、総額を76億7,600万円としています。
公共施設再配置・町有地有効活用実施計画の策定には1,000万円が充てられています。これらの施設を町民のために生かしていくためには、今後、人口が減っても、福祉・教育・文化・防災を支えることのまちづくりの方向性、そしてその方向性にマッチした施設配置について、町民の合意を丁寧につくっていくことが必要であります。
今年度作成された実施計画策定方針は、将来に向けての総量抑制と民間活力導入が強調されるだけで、町民要望が伝わってきません。
一般会計からの国民健康保険特別会計への法定外繰り入れを計画していません。国民健康保険税については、次年度より1世帯平均で9%の保険税引き上げをすることになりましたが、今でさえ高過ぎて払えないという中で、そのことで国保運営の不足額について、税額に大きく転嫁することになったことは残念であります。
今、町の暮らしを支える人材の確保も切実な問題になっています。今も各保育所はぎりぎりのところで保育児の受け入れをしていただいているという認識です。
一方、待機児はなくならない。さらに保育児の受け入れを増やそうとすれば、保育士がネックになって進まないということを伺っています。施政方針、予算説明でも保育士の確保・育成については触れられていません。介護人材についても同様で、介護人材育成事業を介護保険特別会計へ移して減額するなど、それらの人材の育成と確保を優先課題としては位置づけられていません。町単独での事業化が難しい上に、近隣の自治体との競争にさらされる中ですが、子ども・子育て支援と住みやすいまちづくりの一環としての取り組みを支える予算化を引き続き求めるものであります。
未病センターについては、未病という言葉が難しく、健康維持管理に合うのか。子育て世代包括支援センターは助産師、もしくは保健師の方を常時配置するということで評価するのですが、内容は母子保健事業と訪問支援事業をあわせたものであります。包括支援というと、保育所や学童保育のことまでカバーするのか。そういったこともあって、わかりにくい印象がありますが、国・県の施策を活用することは本当に重要だと考えますが、町の取り組みとして十分消化し、町民のだれもがわかりやすく、利用しやすい形にすることが必要と考えます。
開発事業における手続、及び基準に関する条例の制定、住民参画によるコミュニティバスの見直し運行、学童保育の公設公営化、中里第一架道橋の改修、耐震診断・改修・住宅リフォーム制度の継続、広域ごみ処理の推進、小・中学校の特別教室へのエアコンの設置、消防体制の整備、再生可能エネルギーにかかわる研究など、町民のさまざまな要求に根ざした施策が盛り込まれている点は大いに評価し、期待するところであります。
しかしながら、本予算案が国保会計への繰り出しを含めて、子育て世代や高齢者を町が主体性を持ってがっちり守っていくという、そういう姿勢が感じられないことは残念であります。今後、これらの取り組みの強化を求めつつ、反対をいたします。
次に、議案第12号「国民健康保険特別会計」です。
国民健康保険は、社会保険に加入できない町民の受け皿であります。本予算は世帯当たり平均で9%の引き上げを含むものでしたが、今回の税額引き上げに関して、見直しや緩和策がとられませんでした。今回の保険税改定で、世帯人員一人一人に税額がかかる均等割も引き上げられるため、子どものいる世帯では、1人当たり3,000円の負担増となるなど、大きな負担を求めることになります。国保加入世帯の暮らしを一層窮屈にし、町の景気にも影を落とす可能性があります。来年度から県で一本化するのは、あくまでも財政運営であり、税率の決定や事業は町国保に委ねられています。現在でも4割の世帯が何らかの軽減を受けるという制度自体、問題がありますが、応能・応益割合の変更も含めて、制度自体の見直しも引き続き求めてまいります。本予算案に対しては反対をいたします。
議案第13号「高齢者医療特別会計」についてです。上限があるとはいえ、高齢者にも1割から3割の自己負担を求める制度であります。もともとお年寄りいじめと言って差し支えない制度なんですが、この4月からは、さらに低所得者や被用者保険の扶養家族から移された加入者の皆さんの軽減率を下げることによる、保険料負担の引き上げが予定されています。また、さらに町が運営に対して関与できる部分はわずかですし、後期高齢者医療制度に対して支援を行うため、社会保険運営に対して悪い影響を与えています。この制度の廃止を求めつつ、本予算には反対をいたします。
議案第14号「介護保険事業特別会計」についてです。
今回の介護保険特別会計については、4月からの総合事業のスタートに伴う保険給付から、訪問・通所・生活支援サービスへの事業化、通いの場の設置、地域支援事業の体制づくりと考えます。総合事業は要支援者を介護保険の給付対象から外すもので、町として、現段階でこれまでどおりのサービスを提供すると、この方針を評価いたします。
一方で、サービスの質を下げ、安上がりに済ませることにつながりかねない可能性もあり、サービスの質については、引き続きの維持向上を求めるものであります。
介護人材育成については、一般会計から介護保険に移管されました。前年より減額をされていますが、予算を維持、取り組みの継続・拡大について期待をしつつ、本会計予算案については賛成をいたします。
議案第15号「下水道事業特別会計」についてです。下水道利用料金の負担感も重いものです。歳出の中で、公債費が閉める割合が大きい本会計では、公債費をどう扱うかが、利用料の設定に大きく影響すると考えます。町債残高のピークとなる平成32年度が近づいており、将来、負担の平準化などの手法により、既存下水道の改修・長寿命化などについても、これ以上の利用料改定をすることのない事業展開へつなぐことを求めつつ、賛成をいたします。
以上、各予算に対する討論といたします。
44:
◯議長【
二見泰弘君】 前田議員。
45: ◯2番【前田憲一郎君】 私は町長提出議案第11号「平成29年度二宮町一般会計予算」、議案第12号「平成29年度二宮町国民健康保険特別会計予算」、議案第13号「平成29年度二宮町後期高齢者医療特別会計予算」、議案第14号「平成29年度二宮町介護保険特別会計予算」、議案第15号「平成29年度二宮町下水道事業特別会計予算」に対し、予算書、予算説明書等をいただき、予算説明事項、及び平成28年度補正予算、平成27年度の決算書と照らし合わせながら、私なりに勉強した時点では、町立小・中学校5校のエアコン設置工事にかかる経費、その他教育費の減など、内容等に賛成できかねる疑問点、不信な点が幾つかございましたが、総括質疑をさせていただいた質問事項に対する答弁内容、予算審査特別委員会におきまして、私も含め、各委員より予定時間を大幅に超え、各課に対し、さまざまな角度より根本的なところにまで多岐にわたり踏み込んだ質問を行い、丁寧なる説明、解説をいただき、この答弁内容をかんがみますと、予算編成に対して、町長並びに行政側の苦慮に苦慮を重ね合わせた結果の予算編成であるということを理解することができましたので、賛成の立場から討論させていただきます。
平成29年度予算は、平成28年度に比べ、町税収が一層減少する見込みの、引き続き厳しい財政状況に置かれている中、すべての事業を検証され、査定におきましても、一件査定方式をとり、徹底した合理化策を講じ、予算編成方針にのっとり、第5次二宮町総合計画中期基本計画の2年目となることから、前期基本計画期間中の行政評価結果、並びに二宮町総合戦略の方向性、第4次二宮町行政改革大綱を踏まえ、各事業の内容についても留意された内容となり、適切な積算根拠と財源見通しを備えた予算編成になっており、町に課せられた町民に対する重責を果たすべく、多岐にわたり気配りされた予算であるとの印象を強く受けました。
ただ1点、予算編成過程の公表につきましては、平成28年度の公表より進んだものの、まだまだ町民にとっては不満の残る、透明性のある公表とは言い切れない内容であったかと思いますが、来年度はできる限り、一層透明性のある内容で公表されるということでしたので、期待してまいりたいと思います。
まず、一般会計予算ですが、総額76億7,600万円となり、前年度と比較し5,400万円の減となり、歳入では地方譲与税、自動車重量譲与税、地方揮発油譲与税が減となるものの、地方交付税、地方特例交付金などの増収を見込んだ一方、町税では個人税、軽自動車税は微増しますが、法人税、固定資産税、町たばこ税が減収になるなどのことから、0.7%の減となっています。町税のうち、滞納繰越分につきましては、昨年に引き続き徴収体制の強化により、滞納繰越額が昨年にも増して縮減されるなど、職員の方々の努力の賜物であると評価いたすところであります。今後のさらなる成果に期待します。
自主財源の確保につきましては、地方自治体といたしまして自立性確保にとりまして必要不可欠であると思いますので、今後は増収が見込まれますよう対策を一層強化していただきたい。
依存財源につきましては、町債が昨年度に比べ増になっていることにつきましては危惧いたしますが、適切な予算編成として捉え、評価いたします。
続いて、歳出ですが、第5次総合計画及び総合戦略にかかる施策、プロジェクトにのっとり、既存事業はもとより、新規事業も多数盛り込まれ、基本目標1「安心な暮らしを守り、住み続けられる地域をつくる」については、公共施設再配置・町有地有効利活用実施計画の策定、未病センターの設置、学校規模の適正化、学校施設のあり方の検討などが。
基本目標2「二宮の強みを活かした魅力ある暮らしを提案し、新しい人の流れをつくる」では、空き家等対策計画の策定、小中一貫教育の導入についてなどが。
基本目標3「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえ、子育てを楽しめる環境をつくる」では、子育て世代包括支援センターの設置、学童保育所の運営主体の民間学童保育所への援助などが。
基本目標4「二宮町で安心して働き、仕事を生み出しやすい環境をつくる」では、総合支援事業計画の策定、JOYカードを活用した健康づくり・未病改善事業の推進事業などが実施され、その他、重点施策事業としても、地域公共交通システムの見直し、中里第一架動橋の改修、新地方公会計システムの更新などの事業が新たに展開される。この中で、公共施設再配置・町有地有効利活用実施計画の策定がありますが、これは将来の二宮町の命運を左右するものなので、慎重なる審議を重ね、策定していただきたい。
次に、特別会計ですが、総額79億3,140万3,000円、前年比1.9%の増となり、国民健康保険特別会計は税率の改定等もあり、3.2%増となりました。
国民健康保険税の増は痛い限りでございますが、国民健康保険特別会計の実情を見ますと、保険給付費の増大が見込まれ、この形態を維持していくためには、やむを得ないことだと判断します。
その中で、保険普及事業として「データヘルス計画」策定が新たに設けられ、これまでの保健事業への振り返りや、データの分析により、健康課題の把握や効果的な事業の実施方法等を見定めて、町の特性もあわせた展開を進め、医療費抑制を目指していくなど、特定健診事業等も一層強化されてきたことに対し、評価します。
後期高齢者医療特別会計は2.3%の増となり、前年に引き続き健康保持・増進事業、保健指導、健康診査が一層充実し、疾病の予防、早期発見、改善指導に取り組む姿勢が顕著に見られ、目の前の医療費のみならず、将来の医療費抑制にも積極的に取り組んでおり、後期高齢者急増傾向の中、その効果が期待できる予算であると考えます。
介護保険特別会計においては、介護予防生活支援事業やケアマネージメント事業が加わり、介護予防普及啓発事業の脳いきいき講座、ころばん塾、カラオケ体操など、事業が充実し、地域での包括的支援事業も推し進められるなど、各事業の展開に期待します。
下水道事業特別会計につきましては、引き続き公共下水道への接続勧奨に努められており、平成29年度は釜野・百合が丘一丁目地区の枝線整備を行い、公共下水道区域を拡大することで、生活排水の河川への流入を減少し、水質改善を見込むなど、生活環境の改善、公共水域の水質保全を目指す計画的推進が図られていることを評価いたします。
以上、議案第11号「平成29年度一般会計予算」、並びに議案第12号「平成29年度国民健康保険特別会計予算」、議案第13号「平成29年度後期高齢者医療特別会計予算」、議案第14号「平成29年度介護保険特別会計予算」、議案第15号「平成29年度下水道事業特別会計予算」の4特別会計予算につきまして、少ない予算の中、着実に事業推進を図ろうとする予算であると認め、また将来への備えについても十分配慮された予算であると判断いたしましたので、賛成の討論とさせていただきます。
46:
◯議長【
二見泰弘君】 露木議員。
47: ◯7番【
露木佳代君】 私は議案第11号「二宮町一般会計予算」と議案第12号「国民健康保険特別会計予算」に反対、議案第13号、第14号、第15号の3特別会計予算に賛成の立場で討論いたします。
まず、一般会計です。私は今回、実は予算審査が始まる前の総括質疑と一般質問の2つのある答弁を聞き、町の姿勢に疑問を感じまして、予算に反対することになるかもしれないというふうに感じました。
まず、1つ目、野地議員の総括質疑で、公共施設再配置・町有地有効活用等検討委員会に町長が出席しないのかと問うたときのことです。町長は検討委員会にはさまざまな分野で、それぞれの立場から多角的なご意見をいただいているというふうにおっしゃいました。そして、それとは別に、次に実施計画をつくっていくために、トップダウンではなくて、周りの方々のご意見をしっかりと聞いていくというように続きました。今のままでは委員会の議論が実施計画につながりません。それとは別に実施計画をつくるとおっしゃったので、もともとつなげる予定がなかったのかどうかまではわかりませんでしたが、いずれにしましても、委員から重要な意見が出ましても、それに的確な回答が職員のほうから出ていなかったというふうに私は感じました。最終決定権のある町長がいなければ議論が深まりません。参加できるようにしたいという答弁がなかったのが非常に残念でした。
委員の方や町民からいただく声は、エネルギーそのものでありまして、そのエネルギーが役立った、まちづくりにつながったという実感を委員や町民が持てなかったら、その人たちの気持ちはまちづくりから、町から離れていきます。町民意見をもらうというのは、それほど大きなことだと私は考えております。
予算審査の中でも、例えば墓地等経営許可権限移譲の検討の中でも、町民意見を聞くというお話がありましたし、ほかの事業でも町民ワークショップやアンケートをとるための予算組みもありましたが、単に町民の意見を聞くだけであるならば、その予算に賛成することはできません。
2つ目は、善波議員の一般質問の中で、耐震化されていない非常に危険な状態にある駅前町民会館を閉鎖しないのかと問うたとき、使っている方がいるので急にはできないと答弁されました。1年半前の平成27年9月議会におきましても、同じ答弁がございました。人の生死にかかわる、そして町の責任として大変大きなことに対して、1年半前と同じ答弁を今していていいのでしょうか。その2つのことに、町政のさまざまな問題点があらわれていると感じ、その後の予算審査を傍聴してまいりました。
さて、平成29年度の予算は特別に大きな新しいことがあるわけでも、何かが廃止になるということでもございませんが、財政が厳しいとはいえ、町をつくりたい、立て直したいという強い姿勢、ビジョンが見えてこないという不安で満ちたものになっておりました。
町長はじめ、大切な町の職員が働くこの庁舎、平成27年、28年には公共施設再配置・町有地有効活用に関する調査委託や支援業務委託等で約2,000万円がつぎ込まれているのに、いまだに耐震するか、建てかえるかという議論をしています。
さらに今年度、庁舎整備手法調査委託料と公共施設再配置・町有地有効活用事業でおよそ1,500万円も計上されております。この特殊な形をした庁舎は耐震すると、職員が業務を行うスペースがかなり減ることがわかっております。例えば町民センターや教育委員会、保健センターなど、耐震がされぬまま老朽化が進む施設が数多くあり、業務の集約化はいつまでたってもできません。耐震化工事といっても、それだけの工事では済みませんし、結局は多額をかけた暫定的な措置になるのではないでしょか。
庁舎については、子育て世代に徹底的に優しい町にするとか、健康に関する事業はすべて参加費を無料して健康第一のまちづくりを進めるとか、コンパクトシティ化を徹底するとか、何かしらの軸足を決めれば、まずは庁舎ありき、まずは学校ありきと、おのずと何の施設を中心に考えていくべきなのか、見えてくるはずです。
しかし、複合化のキーとなり得る庁舎や学校をほかの施設と切り離して検討するのは、問題を難しくするだけです。また、公共施設への投資可能額は、これまで64億円と試算していたのにもかかわらず、今年度、策定する方針案では、その額が倍以上の143億円になりました。一気に倍になったことで、混乱も起きます。これは検討委員会でも疑問視されました。
以上のように、町のビジョンが見えない中で、このまま公共施設や町有地の検討を進めていくのは、お金、時間、エネルギーのロスを感じざるを得ません。町民の落胆も大きいのではないでしょうか。
さて、次に、業務委託についてです。毎年、計上されている項目ではございますが、来年度の予算でも調査委託料というのが幾つも出てまいります。委託しないで実施できるのではないか、町のことを業者に任せていいのかと、これまで議会でも繰り返し声を上げてまいりましたが、ほとんどの課で専門性が必要なために委託しますという説明を受けました。専門的な知識が必要とは思えない委託料もありまして、何度目かの改定になる計画策定委託料などは、まちづくりの観点から言えば、委託せずに、職員がそのスキルを身につけ、課題を掘り下げて議論し、それをつくり上げれば、本当に役に立つ、町独自のものができると考えます。
公共施設や町有地に関する委託料に関しましては、先ほど述べましたように、具体的なビジョンが見えていないということで、時間ばかりが流れ、委託料の予算計上がいつまでも続くことを危惧しております。
それらの委託料は、総額すると約2,000万円ほどになりますが、私は職員がやることで大きな経費の削減を求めているのではありません。自前でやるための研修に積極的に参加したり、知識がある方、情報にあかるい方など、専門家を役場に常駐させてともに取り組むなど、お金は使うべきところには使って当然と考えております。
そして、もう1つ、吾妻山のローラー滑り台のことです。私は議員になってから、予算・決算審査のたびに、使用料の無料化を訴え、一般質問においても、たびたび触れてまいりました。吾妻山のローラー滑り台は高校生以上は1回100円の使用料がかかりますが、有料で設置しているところは近隣では聞いたことがございません。子育て世代にも、孫と遊ぶおじいちゃん・おばあちゃん世代にも、大変衝撃的なことなのであります。これは財政に非常に苦しい町であるということや、二宮町に移住の可能性もあり得る町外の子育て世代の人たちに対して、優しくない町だということをアピールしているようなもので、使用料収入の80万円をどうするかという小さな問題ではございません。町の姿勢をあらわす本当に大きな問題なのです。
また、昨年12月議会の一般質問では、新しい財源確保をする考えが必要だというふうに訴えましたが、そのときのご答弁どおり、新しい財源確保の挑戦は見えてはきませんでした。学童の公設公営による保護者負担軽減や小・中学校の今後のあり方など、細かい部分を見ていけば、賛成すべき予算、期待したい部分は多々あります。
しかし、村田町政3年目となった来年度予算には、残念ながら大きなビジョン、具体的な町のあり方が見えてきませんでした。ビジョンを明確にし、スピード感を持って動く、町民の声を決して無駄にしない町政を期待し、平成29年度一般会計予算は反対させていただきます。
次に、国民健康保険特別会計ですが、保険税の引き上げがございました。今回、値上げをせざる得ない状況に至った背景は理解しておりますが、税を算定をするための所得割、資産割、均等割、平等割の要件を県内の他市町村と比較してみたときに、やはり一人一人に均等にかかる均等割の額に工夫の余地はなかったのかと疑問を持ちました。医療分、後期医療分、特に介護支援の額に関しては多額になっており、私が比較したものですと、改正後の二宮町は県下で最も高い金額となってしまいます。算定方法を工夫できる部分があったのではないかと考え、議案第3号にも反対しましたが、同じ理由でこの予算にも反対いたします。
その他、3特別会計は妥当と考え賛成いたします。
以上です。
48:
◯議長【
二見泰弘君】 桑原議員。
49: ◯3番【桑原英俊君】 私は町長提出議案第11号「平成29年度二宮町一般会計予算」、議案第12号「平成29年度二宮町国民健康保険特別会計予算」、議案第13号「平成29年度二宮町後期高齢者医療特別会計予算」、議案第14号「平成29年度二宮町介護保険特別会計予算」、議案第15号「平成29年度二宮町下水道事業特別会計予算」に対し、賛成の立場から討論させていただきます。
平成29年度の予算全体の印象は、将来に向けた計画策定、点検、調査などをキーワードとした事業を盛り込み、町に課せられた重責を果たすべく、将来へのさまざまな布石を打ち、ずっと住み続けたいまちづくりを実現するため、細やかにさまざまな、見直しを行った予算であるとの印象を受けました。
また、公表された編成過程の状況を見れば、町税収入が停滞するなど、引き続き厳しい財政状況おける予算編成であることがわかり、担当は相当苦心されたのではないかと推察するところです。
さて、初めに、平成29年度二宮町一般会計予算を見ていきますと、総額は76万7,600万円となり、前年度と比較してマイナス0.7%となりました。歳入の自主財源のうち、町税は軽自動車税が前年比で11.8%の増加を見込んだものの、町民税、固定資産税、及びたばこ税は減収を見込み、町税全体では前年を0.1%下回ることとなりました。
しかし、その中にあっても、町税の滞納繰越分については、6.2%の増収を見込まれており、近年、着々と整えてきた徴収体制の強化によるところが大きく、引き続き努力していただくことを期待します。
また、町税以外の使用料及び手数料などの自主財源は、地方自治体の自立性向上や政策的な予算を執行していく上で必要不可欠でありますので、増収が見込めるさまざまな対策に鋭意取り組まれることを期待します。
依存財源については、経済状況の停滞などの影響から、配当割交付金は地方消費税交付金などに落ち込みが見えます。その一方で、地方交付税については、前年比1.2%の増加を見込み、最大限の予算を計上されたものと思います。
国庫支出金並びに県支出金については、予算化した歳出事業に大きく影響されるとはいえ、中里第一架動橋長寿命化修繕工事に代表されるような補助対策事業について、制度に基づき、国庫補助金並びに県補助金を見込むなど、適切に予算を計上しているものと認められます。
また、町債については前年比で2.5%増加し、中でも臨時財政対策債は前年より7,000万円増加しており、財源確保の厳しさがにじみ出ているものと理解しました。
しかし、前年のとおり、返済額を上回らないよう、借入額を抑制している点は地方債残高の適切な管理に前向きな姿勢として捉え、町の将来にとって有益な姿勢として評価したいと思います。
続いて、歳出です。性質別の消費的経費を見ますと、前年比で2.3%の減となりました。その原因の大半は、平成28年度当初予算に計上されていた扶助費のうち、臨時福祉給付金等給付事業の1億1,400万円余りの予算全部が減となったところです。
しかし、依然として扶助費は歳出総額の19%近くを占めており、自立支援給付などの福祉サービスについて今後の動向を的確に捉え、サービス維持に努められることと期待しています。また、消費的経費のうち、物件費や補助費等などを抑え、予算編成の中で工夫された点がかいま見え、評価したいと思います。
その他には、維持扶助費が前年比で10.2%の伸びを示したところ、公共施設の老朽化が進み、その対策に適切に向かい合っている証であると認め、評価します。
投資的経費は前年比3%の伸びがあり、防災行政無線操作卓更新工事、消防ポンプ自動車購入事業、小・中学校の特別教室へのエアコン設置工事など、町民生活に直結し、さまざまな課題解消に向けた予算を盛り込んでいるものと思います。今後も引き続き町民の要望にこたえ、着実にまちづくりを進めていただきたいと思います。
その他では、特別会計に対する繰出金が全体で2.6%増加していますが、医療、介護、下水道の各事業が安定的に運営されるものであり、やむを得ないものと理解しています。
次に、個別の事業について、総合戦略に沿って見ていきますと、基本目標1「安心なくらしを守り、住み続けられる地域をつくる」においては、私は何よりも公共施設再配置・町有地有効活用実施計画の策定について注目をしています。町内に多数ある公共施設に関する今後の更新問題は、町民一人一人が向き合わなければならない現実の問題です。町が問題意識を持ち、将来の公共施設のあり方について前向きに検討を進める姿勢は大いに評価すべきものであると思っています。
基本目標2「二宮町の強みを活かした魅力あるくらしを提案し、新しい人の流れをつくる」においては、引き続きシティプロモーションに注力され、二宮町の魅力の発信と掘り起こしを継続していただきたいと期待しています。コミュニティスクール導入に向けた準備と小中一貫教育の導入についての検討などは、児童・生徒の教育環境に少なからず影響を及ぼすものであり、また町民の期待も大きいことを認識した上で、問題意識を持って取り組んでおり、評価したいと思います。
基本目標3「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえ、子育てを楽しめる環境をつくる」では、学童保育所の運営主体の変更により、子育て世代の町民の負担が軽減され、子育て環境の向上が図られることとなり、また町の魅力アップにも貢献するすばらしい判断であり、大いに評価したいと思います。
基本目標4「二宮町で安心して働き、仕事を生み出しやすい環境をつくる」では、予算は少額ですが、JOYカードを活用した健康づくり・未病改善事業の推進について注目しています。これまでなかったJOYカードを活用した新たな試みである点はもちろんですが、組織横断的に各課が協調し、それぞれの事業について相乗効果を狙っている点は、今後のさらなる展開に期待が持てる取り組みであると思います。
その他の重点施策では、交通環境と防災対策の向上における中里第一架道橋長寿命化修繕工事、通学路環境の整備、橋りょう定期点検委託が予定されており、町民の実生活に直結した重要なインフラについて予防・保全的な対策を行うものであり、安全・安心のため、老朽化や更新問題にしっかりと取り組まれているものと評価したいと思います。
戦略的行政運営では、第5次二宮町総合計画の後期基本計画の策定に着手し、今後のまちづくりを計画的に推進することとなっています。町の計画の基本となるものであり、町民や議会の意見なども取り込み、よりよいまちづくり目指していただきたい。
また、地方公会計制度の統一基準化に伴う新地方公会計システムの更新も予定されており、着実に税務諸表を作成していただくとともに、従前にも増して、わかりやすいものとしていただけるよう期待します。
次に、特別会計です。国民健康保険医療特別会計においては、引き続き特定健診委託料及び健康診査委託を実施し、疾病の予防、早期発見、改善指導に積極的に取り組んでいます。特に国民健康保険では「データヘルス計画」を策定されているので、これを機に、町民の疾病などの傾向を細かく緻密にすることで、より効果的な保健指導ができ、将来の医療費抑制効果が期待できる取り組みであると評価します。
また、医療給付費については、高齢化や医療の高度化などにより、一般会計からの繰出金が増加することが懸念されます。自然増加分はやむを得ないにしても、今まで以上に医療の動向には注意を払っていただき、安定的な会計運営に努めてください。
介護保険特別会計には、介護給付費の落ち着きが見えるものの、将来的には高齢化により増加することが予想されます。例年に引き続き、滞納予防事業に積極的に取り組む町の姿勢は、会計の安定的な運営に寄与するのとして評価します。
また、新年度から始まる「通いの場」については、急激な介護給付費の増加を予防し、町民が参加しやすく、より効果的な取り組みとなるよう、その手法などについて研究していただくことを期待しています。
下水道事業特別会計については、来年度予定する釜野地区と百合が丘一丁目地区の枝線工事について、着実に下水道整備を促進する予算であり、計画的に整備推進を図ろうとしている点について評価します。また、引き続き公共下水道への接続勧奨に努めていただき、接続率が向上することを希望します。
以上、議案第11号「平成29年度二宮町一般会計予算」、並びに議案第12号から第15号までの4特別会計予算については、着実にまちづくりを推進し、町の未来を的確に捉えた予算であると認められ、加えて将来への備えについても十分に配慮された予算であると判断しましたので、賛成とさせていただきます。
以上です。
50:
◯議長【
二見泰弘君】 暫時休憩いたします。休憩後の会議は午後2時35分から始めます。
午後2時22分 休憩
────────────────────────────────
午後2時35分 再開
51:
◯議長【
二見泰弘君】 休憩前に引き続き会議を開きます。
52:
◯議長【
二見泰弘君】 野地議員。
53: ◯8番【
野地洋正君】 平成29年度予算案について、一括して討論いたします。
私は町長提出議案第11号「平成29年度二宮町一般会計予算」に反対、町長提出議案第12号から第15号までの4特別会計予算には賛成の立場で討論いたします。
一般会計です。総合戦略基本方針にのっとり、「にのみやLife」全国展開シティプロモーション事業として、移住・交流・体験イベント企画や、健康づくり・未病改善事業と商店連合協同組合JOYカードとの連携活用を試行させるなど、将来に向け、大きな夢と期待が膨らむ新規事業への挑戦、また学童保育を事業者委託による運営にシフトさせ、保護者の負担軽減はもとより、要望していました3つの学童が二宮町の学童保育として、児童・保護者・支援者が統一したサービスを、昨年とほぼ変わらぬ予算で提供できるように準備した点、さらには民間学童保育施設への補助金を開始し、歴史ある二宮町の学童保育を現在の町民ニーズにこたえ、大きな改革を目指すなど、総合戦略を着実に実行しようとるすチャレンジ精神が随所に見受けられる予算案であり、その点については大変評価できるところであります。
しかし、将来のまちづくり、人の流れ、財政再建につながる大変重要となる公共施設再配置・町有地有効活用等検討事業については、牛歩のごとくなかなか進まず、お金と時間が浪費されるのではないかと思えます。この部分については、どうしても納得がいきません。
私は間違いなく、町が変わる大きな事業と認識しており、この2年、一般質問3回、総括質疑でも2回、計5回この問題に触れ、要望してまいりました。にもかかわらず、28年度策定されました公共施設再配置・町有地有効活用実施計画策定方針案は、2,004万5,000円もの税金を要するにもかかわらず、改善は図られず、結果は懸念したとおりであり、失望いたしました。
そして、29年度、その方針をもとに、計画作成のための支援委託料、現在の庁舎の現状と課題、庁舎整備に求められる機能・規模・事業手法等について調査を行うとされる庁舎整備手法調査委託料、そして助言を求めるだけの検討委員会、この3つの事業に合計1,475万4,000円もの、これもまた税金ですが、教育環境、道路整備等々、他の予算を削ってまで計画を進めようとしています。
議員の皆様にお伺いしますが、本当に納得されたのでしょうか。今後、143億円かけられるであろう一大事業に対し、これではさすがに納得はできませんし、先ほど報告されました予算審査特別委員会の審査意見においても、庁舎及び駅前町民会館の再配置については、早期に結論を出し、速やかに実施されたいと要望されています。
加えて、以下8つの疑問点をお聞きください。
1.検討委員会で指摘したとおり、時間がなく、十分な議論もされないまま承認に至った。開催回数も少なく、軽視されているように思われます。しっかりと委員会で議論してほしいが、年4回の助言機関にすぎない。
2.800万円の予算をかけ行われている6施設の現況調査の内容も加味して作成されるはずであったと思うが、調査報告書はいまだ開示されていない。それにもかかわらず、方針案はまとめられ、パブリックコメントは既に終了している。
3.整備計画短期10年はまだしも、中期を40年後と捉える点、そして短期10年の削減目標が全体の2%だけとは驚きであり、実効性に疑いを感じ、形式的にしか見えない。
4.現庁舎を耐震補強した場合、14億円。ただし動線は確保できない。町有地への移転で18億円、この場所での建てかえで21億円と、概算ではあるが言われている中、方向性を明確にせず、29年度、庁舎整備手法委託料として470万円を計上するのは無駄ではないか。
5.再配置整備を早期に進めなければならない理由としては、防災対策面はもちろんのこと、今後、さらに歳入減が予想されることから、施設の廃止・複合化等、結果的には最終削減となり、財政的にも有効と考える。
6.耐震性に一番問題があるとされる駅前町民会館については、安全性の対策が何も行われず継続使用、結論は先送りとされた。
7.29年度の計画策定に対する支援委託事業は996万4,000円とほぼ1,000万円を見込んでいるにもかかわらず、入札か随意契約かの問いには明言を避け、このまま安易に計画が進んでしまうのではないかという懸念が払拭できない。
8.64億円と試算されていた公共施設への投資可能額が、今回の方針案で143億円と2倍以上に膨らんだ。この積算根拠が十分理解されたとは思えない。これらが杞憂に終わり、来年度、策定される計画がすばらしきものとなることをもちろん期待しておりますが、現段階で納得できない以上、責任を果たすためにも賛同しかねます。
したがいまして、平成29年度一般会計予算には反対をいたします。
続いて、4特別会計ですが、国民健康保険特別会計は健全な資金運用、介護保険特別会計は地域の通いの場づくりへの丁寧な支援・対応を求め、賛成といたします。
また、後期高齢者医療、下水道事業の両特別会計についても妥当と考え、賛成いたします。
以上、ご賛同のほど、よろしくお願い申し上げます。
54:
◯議長【
二見泰弘君】 善波議員。
55: ◯6番【善波宣雄君】 私は町長提出議案第11号から第15号の平成29年度二宮町一般会計、また国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計、下水道事業特別会計の各予算について賛成の立場で討論いたします。
平成29年度の予算は、平成28年度に比べ、歳入が一層減少する見込みの中、すべての事業を検証され、査定においても、一件査定方式をとり、徹底した合理化策を講じ、予算編成方針にのっとり、第5次二宮町総合計画中期基本計画の2年目となり、前期基本計画期間中の行政評価結果、第4次二宮町行政改革大綱を踏まえ、各事業の内容についても留意された内容となり、適切な積算根拠と財源見通しを備えた予算編成になっていると思います。
まず、一般会計ですが、総額76億7,600万円となり、前年と比較すると5,400万円減となり、歳入では地方交付税、地方特例交付金等の増収を見込んだ一方、町税では法人税、固定資産税、使用料などが減収されるなど、0.75%減となっています。
町税のうち、滞納繰越分につきましては、昨年に引き続き徴収体制の強化により、滞納繰越金額が昨年に増して縮減されたことなど、評価するところもありますが、今後さらなる成果に期待いたします。
自主財源の確保につきましては、地方自治体といたしまして、自立性確保となり、必要不可欠であると思いますので、今後は増収が見込まれるような対策を一層強化していただきたいと思います。
依存財源につきましては、町債が昨年に比べ増になっていることについては危惧いたしますが、適切な予算編成として評価いたします。
続いて、歳出ですが、第5次総合計画及び総合戦略にかかる施策、プロジェクトにのっとり、既存事業はもとより、新規事業も多数盛り込まれ、基本目標1「安心なくらしを守り、住み続けられる地域をつくる」については、公共施設再配置・町有地有効活用実施計画の策定、公園・広場の充実と、適切な管理運営による公園統廃合計画策定などの事業です。
続いて、目標2「二宮町の強みを活かした魅力あるくらしを提案し、新しい人の流れをつくる」では、空き家対策等計画の策定、コミュニティスクールの導入の準備についての検討などの事業があります。
基本目標3では「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえ、子育てを楽しめる環境をつくる」では、子育て世代包括支援センターの設置、学童保育所の運営主体の民間学童保育所への援助事業などがあります。
基本目標4では「二宮町で安心して働き、仕事を生み出しやすい環境をつくる」では、創業支援事業計画の策定、JOYカードを活用した健康づくり・未病改善事業の推進などが実施され、その他の重点施策事業として、地域公共交通システムの見直し、中里第一架動橋の改修、新地方公会計システムの更新などの事業が新たに展開されます。
公共施設再配置・町有地有効活用実施計画の策定は、今後のまちづくりにも大きな影響を及ぼすものなので、慎重なる審議を重ね、作成していただきたいと思います。
また、一般質問いたしました老朽化・耐震性にも問題のある役場庁舎、駅前町民会館に対して、調査委託費を計上し、29年度中に調査結果をもとに方向を示し、スピード感を持って課題解決することを期待いたします。
次に、特別会計ですが、総額79億3,140万3,000円、前年比1.9%増となり、国民健康保険特別会計は税率の改定等もあり、3.2%増になり、保健普及事業として「データヘルス計画」作成が新たに設けられ、特定健康事業も一層強化されてきたことを評価いたします。
後期高齢者医療特別会計は2.3%増となり、前年に引き続き、保健指導、健康診査が充実し、疾病の予防、早期発見、改善指導に取り組む姿勢が見られ、目の前の医療費のみならず、将来の医療費抑制にも取り組んでおり、後期高齢者急増傾向の中、その効果が期待できる予算であると考えます。
介護保険特別会計においても、介護予防、生活支援事業やケアマネージメント事業が加わり、包括支援事業も推し進められることなど、各事業に期待いたします。
下水道事業特別会計については、引き続き公共下水道の接続勧奨に努力していただきたいと思います。
以上、議案第11号「平成29年度二宮町一般会計予算」、並びに議案第12号から15号までの4特別会計予算につきまして、少ない予算の中、着実に事業推進を図ろうとする予算であると認め、また将来への備えについても十分配慮された予算であると判断いたしましたので、賛成の討論とさせていただきます。
56:
◯議長【
二見泰弘君】 添田議員。
57: ◯13番【添田孝司君】 私は町長提出議案第11号「平成29年度二宮町一般会計予算」に反対、町長提出議案第12号、13号、14号、15号、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、並びに下水道事業の各特別会計予算に賛成の立場で討論いたします。
一般会計予算を見ますと、各事業とも、ここ数年とおおむね変わりません。右肩上がりで課題を抱えない状況であれば、毎年、繰り返す予算も町民に理解を得られるでしょうが、人口減少傾向、かつ少子・高齢化に直面する住宅地として位置づけられる二宮町には、大幅な独自のまちづくりを目指した見直しが必要ではないでしょうか。
また、町長も一から見直し、20年後、30年後を見据えたまちづくりと平素おっしゃられているところであります。本予算案では、合計2,000万円を超える予算がまちづくりの根幹となる計画の作成や支援という明細でコンサルタントに委託され、他人に委ねられています。
さらには、どれかとは申しませんが、最近、作成された計画には、議員間や委員会等の委員にも不評なものがあります。各計画は中・長期のまちづくりの設計図であり、他人に委託するのではなく、町民と町職員がともにつくり上げる仕組みが必要ではないでしょうか。計画作成には専門性を要するというのが理由のようですが、過去の計画を見る限り、職員が取得できない専門性はないと思われます。
また、それは本予算審査特別会計でも重点的に質疑されていた職員研修にも関係するものです。職員を計画作成という職務・職責を通して、職能が得られるように育成することは、戦略的職員研修とも言え、町民の理解を得られるものであると思います。
次に、二宮町公共施設再配置・町有地有効活用に関する予算です。庁舎整備手法調査委託料が計上されています。耐震補強や移転等を調査するということであります。庁舎の建てかえは現財政状況を勘案すれば、困難であると判断されているようであるので、複合化を前提とした移設・更新はないという前提に基づいた、またはそれに重点を置いていない調査であると思われます。
しかし、二宮町公共施設再配置・町有地有効活用実施計画策定方針では、平成30年から平成72年までに公共施設への投資可能額は143億円、年平均3.3億円と示されており、補助金や地方交付税算入等を含め、移設・更新案を排除するのは時期尚早ではないかと思います。いずれにしても、答弁による説明が不明確であり、議員間でも調査内容や目的の理解が一致していません。まだまだ調査の必要性や内容には議論が必要であると思います。
県・国は、少子化対策や社会保障費増大緩和に向け、さまざまな政策を出しています。それに沿って、町は独自のまちづくりが求められています。本予算でも、国・県の意向で幾つかの事業が新設・変更されていますが、町自身の将来像が示されず、ゴールに向けた過程の中で、各事業の位置づけが明確ではありません。
例えば、子育て世代包括支援事業が国・県の意向で新設されましたが、単に以前からある母子保健事業と訪問支援事業をまとめて置きかえたもので、子育て世代包括支援事業がどのように派生し、将来像となるのか説明がありません。町民はこの名称から多くのことを期待・想像するでしょが、同じ方向を向くことはできないのではないでしょうか。子ども育成課所管ではなく、健康づくり課所管であることも混乱しそうです。
国の意向に沿った事業としてもう1つ、公会計制度に関してです。保守を目的とした毎年の経常経費に加え、新たな基準に対応するための費用が約290万円計上されています。町はこの制度に基づいた財務諸表を平成16年より作成していますが、活用したことがありせん。資産管理の基準、指標づくりや資産戦略策定に有効であり、減価償却費を加えた行政コストを示すことで、各公共施設のフルコストでの説明が可能です。現在、町民意見の聴取を終え、まさに出されようとしている二宮町公共施設再配置・町有地有効活用実施計画策定方針にも使われておりません。使われないで、毎年、経費のみ発生しています。
以上のように、国・県の政策に町は振り回されているだけで、それら政策に沿った独自の将来像が描けていないように思われます。
最後に、予算の精度について述べさせていただきます。本
定例会におきまして、平成28年度予算の補正予算として、入札結果として50%を上回る大幅な減額、また光熱水費においても、合計1,300万円以上の減額が出されました。平成29年度予算においても、同様に高額過ぎると思われる工事費や光熱費について、予算審査特別委員会で質疑されました。節約による減額は重要ですが、見積り不正確での高額予算計上は必要な事業への予算計上を阻害します。予算精度を高めていただきたいと思います。
平成29年度予算町長施政方針のキーワードは選択と集中、中長期的視点、未来につながる政策の推進であろうと思います。一から見直しを当初から掲げられているにもかかわらず、キーワード実践が本予算からも見られず、私は一般会計予算に反対いたします。
国民健康保険特別会計です。国民健康保険条例の一部を改正する条例の賛成討論でも述べましたが、当特別会計の財政状況が逼迫していることは理解しています。間接的には健康づくり推進で、また直接的にはレセプト分析による重複受診や頻回受診の抑制、さらにはジェネリック医薬品使用推進等で財政改善努力を要望し、賛成いたします。
後期高齢者医療特別会計は賛成いたします。
介護保険特別会計では、地域包括ケアシステム構築に向け、介護予防事業において、さまざまな事業に変わっています。しかし、まだ途上とは思われますが、全体像を把握できる事業内容ではありません。今後はだれもが容易に理解できる全体像を示していただき、町民皆で議論しながら二宮町の地域包括ケアシステムが構築されることを期待いたしまして、賛成といたします。
下水道事業特別会計です。町債残高のピークを平成32年度に迎えるに当たり、財政状況はさらに悪化することが予想されます。改善には接続率向上以外にはありません。接続率向上への実効ある施策を要望し、賛成といたします。
以上で、私の討論といたしたいと思います。
58:
◯議長【
二見泰弘君】 一石議員。
59: ◯10番【一石洋子君】 私は町長提出議案第11号「平成29年度二宮町一般会計予算」に賛成、議案第12号「平成29年度二宮町国民健康保険特別会計予算」に反対、以下、13号から15号まで賛成の立場で討論させていただきます。
一般会計ですが、確かに公共施設再配置計画につきましては、あたかも今後の人口の激減にすくんで、今後の合併を念頭に様子見をしているかのような、今のセクションの持続のみを憂えているとしか私にも見えないような状況です。
町民は傍観者として、このまま見せかけの安心・安全に包まれ、衰退していくことを望んでいるでしょうか。公共施設再配置検討委員会の町民の参加者の皆様、声をそろえてこの二宮町がどのような町を目指すかをはっきり示してほしいと言われておりました。
私は、二宮町はこの町という規模、凝縮力の強い一体性を活かした先進的な実験をするべきと考えております。目的は町民の幸福追求であり、全国的な課題である子どもや若者を生き生きと力づけ、応援する仕組みづくりであり、また、それを構築する知恵とエネルギーを、世界に類のない超高齢化により生まれた人生最後の十数年の実りある時間を多世代ぐるみの社会参加のまちづくりに活かすことだと思っております。
それは、1つには、農業の活性化にもつながらなければならないと考えております。なぜならば、農は命の育成と同義であると確信するからです。子どもを育てることと同義であるとも思っております。第一に掲げることは、グローカルな大問題につながり、コミットしなければいけないと思います。
総括質疑で二宮町の教育について、町長がグローカルな人材を育てたいとの発言をいただきました。最近のニュースで、愛子様のすぐれた平和に関する作文が報道されまして、おそらく世界に向けて発信されることと思います。世界の方々の情に訴える効果、いかばかりであるかと考えております。
二宮町には「ガラスのうさぎ」というレジェンド、ストーリーがございますが、この町の中学生の子どもたちの声はこの正々と広がる太平洋の向こうに発信されることはないのでしょか。
今年度予算には、各小学校の生徒たちの自然体験の場が、野外キャンプが盛り込まれておりまして、民設民営の放課後児童クラブ、そして公設公営の委託につきましても支援が進化しまして、一定の評価をしております。
しかしながら、全国的に広がる格差による各家庭状況の疲弊に影響される子どもたちへのケアは、就学支援などの施策はあるものの、学習支援、そして放課後の支援について旧態依然としており、施策・効果ともに評価できるものではありません。
また、明らかに増えている不登校生徒対策については重点施策となっておりましたが、スクールソーシャルワーカーが入るものの、やはり各課の連携、それから自然体験や社会的居場所づくりなどの大きな動きがなければ、到底解決できないと考えております。
むしろ二宮町は全国的な傾向に対して、諦めている様相があると感じます。この町でできることはこの程度だという行政の態度が町民の心をなえさせると思われます。
凝縮力の強い先進的な実験のためには、町独自の出色の行政と住民とのコミュニケーション能力を開発しなければならないと考えます。市民派の町長として期待されて選出されました村田町長、町民参加、行政参加のビジョンのアナウンスがあまりにも弱いと感じます。
また、それ以上に、だからこそ私は、一方的にこの予算に反対することが効果的でないと思うのですが、議会の事業効果につきまして、大変な課題を感じるところです。むしろこの出色のコミュニケーション能力、この町独自のその力を担わなければならないのは議会ではないか。議論するべき場はもはや議場ではなく、地域であると感じるのです。人材は豊かきわまりない町だと思います。
一色小学校区地域再生協議会の取り組みは、だからこそ大きな評価をいたします。また、これから地域で展開されます通い場づくりは、さらなる議論を巻き起こすべきと思います。そもそも国家的な研究の成果として、上から降ってきた施策であり、本質的な成果は、この町のイノベーションとして全町のこととして立ち上がらなければ、成果が出ないことであります。今回、この議会で予算計上されました一般会計の意義ある施策が、この町のコミュニケーション能力の育成とパラレルで行われますことを決意、そうした決意を持って、この予算に賛成いたします。
それから、国民健康保険特別会計につきましては、現状の制度の根本的な問題提起と町民の合意形成がないままの大幅な値上げであることから反対いたします。
以下、議案第13号、第14号、第15号につきましては、現段階においては妥当と判断して賛成いたします。
以上です。
60:
◯議長【
二見泰弘君】 これをもって討論を終結いたします。
これより平成29年度「二宮町一般会計予算」町長提出議案第11号を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
61:
◯議長【
二見泰弘君】 起立多数であります。よって、議案第11号は原案のとおり可決されました。
次に、「平成29年度二宮町国民健康保険特別会計予算」町長提出議案第12号を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
62:
◯議長【
二見泰弘君】 起立多数であります。よって、議案第12号は原案のとおり可決されました。
次に、「平成29年度二宮町後期高齢者医療特別会計予算」町長提出議案第13号を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
63:
◯議長【
二見泰弘君】 起立多数であります。よって、議案第13号は原案のとおり可決されました。
次に、「平成29年度二宮町介護保険特別会計予算」町長提出議案第14号を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
64:
◯議長【
二見泰弘君】 起立全員であります。よって、議案第14号は原案のとおり可決されました。
次に、「平成29年度二宮町下水道事業特別会計予算」町長提出議案第15号を採決いたします。
本案に対する委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
65:
◯議長【
二見泰弘君】 起立全員であります。よって、議案第15号は原案のとおり可決されました。
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日程第5 総務建設経済常任委員会の閉会中の継続調査について
66:
◯議長【
二見泰弘君】 日程第5「総務建設経済常任委員会の閉会中の継続調査について」を議題といたします。
67:
◯議長【
二見泰弘君】 職員をして朗読させます。
68:
◯職員【
椎野文彦君】 (朗 読)
69:
◯議長【
二見泰弘君】 お諮りいたします。
総務建設経済常任委員長から所管事務の調査について、会議規則第70条の規定により閉会中の継続調査の申し出がありました。閉会中の継続調査とすることに賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
70:
◯議長【
二見泰弘君】 起立全員であります。よって、本件は可決されました。
────────────────────────────────
日程第6 教育福祉常任委員会の閉会中の継続調査について
71:
◯議長【
二見泰弘君】 日程第6「教育福祉常任委員会の閉会中の継続調査について」を議題といたします。
72:
◯議長【
二見泰弘君】 職員をして朗読させます。
73:
◯職員【
椎野文彦君】 (朗 読)
74:
◯議長【
二見泰弘君】 委員長の報告を求めます。
75:
◯議長【
二見泰弘君】 前田議員。
〔2番・教育福祉常任委員長(前田憲一郎君)登壇〕
76: ◯2番・教育福祉常任委員長【前田憲一郎君】 教育福祉常任委員会の議会閉会中の継続調査についての報告をいたします。
調査事件 1.子どもも大人も輝く(仮称)心身きらり条例の策定について。
2.地域と学校あり方について。
1.子どもも大人も輝く(仮称)心身きらり条例の制定に向けての経過についてですが、平成28年12月26日を初めといたしまして、2月20日まで6回の勉強会を持ち、2月20日の勉強会後に委員会を開催いたしました。
委員会では条例制定についてを議題といたしまして、前文から各章、各条項等の内容について、各委員より活発な議論が展開され、引き続き調査をしていきましょうとの結論に達し、検討事項として、各項、各号の記載方法について。定義第2条の内容について。用語説明の位置づけについて等を検討していくことになりました。
2.地域と学校のあり方については、この1月26日に三鷹市、及び武蔵野市の武蔵野プレースに視察に伺い、三鷹市では市の教育施策担当課長よりコミュニティスクール、小中一貫教育の導入に至った経緯、検討委員会発足当初は地域より不安の声が上がり、理解していただくまで何回も意見交換会を重ね、理解を深めていくまでに時間を要したなどの苦労話に始まり、義務教育9年間を通したカリキュラムづくりに対して、小・中学校の教諭が合同会議を何回も積み重ねた作業過程や、多数のボランティアスタッフの方々が授業・行事にと学校運営に協力してくださっているなど、三鷹市の現状について事細やかな説明を受け、その後、質疑を行いました。
武蔵野プレースにおいては、館長より館内の説明を受けたのち、施設内を見学して回り、とても有意義な1日となりました。
以上、報告いたします。
引き続き閉会中の継続調査とすることにつきまして、1.子どもも大人も輝く(仮称)心身きらり条例の制定について。2.地域と学校のあり方について。3.事業効果の検討について。
1.社会福祉関係事業、2.学童保育所維持管理経費、3.健康づくり・未病改善事業についての3件を継続調査としたいと思います。ご審議のほどよろしくお願いいたします。
77:
◯議長【
二見泰弘君】 ただいまの委員長の報告に対する質疑に入ります。
(「なし」との声あり)
78:
◯議長【
二見泰弘君】 質疑なしと認めます。
これより討論に入ります。
(「なし」との声あり)
79:
◯議長【
二見泰弘君】 討論なしと認めます。
これより採決に入ります。教育福祉常任委員会の閉会中の継続調査について、委員長の報告のとおり決することに賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
80:
◯議長【
二見泰弘君】 起立全員であります。よって、本件は報告のとおり可決されました。
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日程第7 議会運営委員会の閉会中の継続審査について
81:
◯議長【
二見泰弘君】 日程第7「議会運営委員会の閉会中の継続審査について」を議題といたします。
議会運営委員長より、次期議会の会期日程等の議会運営に関する事項審議のため、議会運営委員会を継続審査としたい旨の申し出がありました。
賛成の議員の起立を求めます。
(賛成者起立)
82:
◯議長【
二見泰弘君】 起立全員であります。よって、本件は可決されました。
────────────────────────────────
83:
◯議長【
二見泰弘君】 これにて本
定例会に付議されました案件の審議はすべて終了いたしました。
本
定例会を閉会するに当たり、一言ご挨拶を申し上げます。
菜の花ウォッチングも大盛況のうちに終了し、現在、二宮町の桜標準木のつぼみも大分膨らんでまいりました。いよいよ桜のシーズンも間近になったようです。
現在、国会では連日、森友学園土地払い下げ問題や籠池氏の証人喚問でにぎわっています。
さて、本
定例会は予算議会と言われますが、25日間の長きにわたる議会であり、5日間の予算審査特別委員会、総括質疑4名の議員、一般質問6名の議員でした。執行者側との活発な質疑があり、丁寧な答弁をいただき、ありがとうございました。
また、議員の皆様、お疲れさまでした。
さて、今
定例会に出席されております執行者側、議会事務局に4人の退職される方がいらっしゃいます。長年のご労苦に感謝を込めて、ご紹介いたします。
初めに、政策のかじ取りと財政について大変貢献をしてまいりました安部政策総務部長です。お疲れさまでした。一言ご挨拶、お願いいたします。
84: ◯政策総務部長【安部健治君】 ご紹介いただきました安部です。本当に長い間、大変お世話になりました。ありがとうございました。(拍手)
85:
◯議長【
二見泰弘君】 続きまして、教育と福祉分野に貢献をしてきました宮川健康福祉部長です。お疲れさまでした。一言ご挨拶、お願いいたします。
86: ◯健康福祉部長【宮川康廣君】 長い間、大変お世話になりました。ありがとうございました。(拍手)
87:
◯議長【
二見泰弘君】 続きまして、消防一筋、町民の生命・財産を守っていただきました小熊消防長です。一言、ご挨拶をお願いいたします。
88: ◯消防長【小熊 朗君】 長い間、本当にありがとうございました。今後とも消防行政にご理解、ご協力をお願いいたします。(拍手)
89:
◯議長【
二見泰弘君】 最後に、スムーズな議会運営や議員に対するアドバイスをしていただきました安藤議会事務局長です。一言、ご挨拶、お願いいたします。
90: ◯議会事務局長【安藤宏孝君】 長い間、お世話になりました。ありがとうございました。(拍手)
91:
◯議長【
二見泰弘君】 皆さん、ありがとうございました。退職後も二宮町発展のためにご尽力くださいますようお願い申し上げます。長い間、本当にありがとうございました。
これをもちまして平成29年第1回二宮町議会
定例会を閉会いたします。
なお、この後、午後3時45分より議会全員協議会を第一委員会室で開催いたしますので、よろしくお願いいたします。お疲れさまでした。
午後3時25分 閉会
地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。
二宮町議会 議 長 二 見 泰 弘
署名議員 二 宮 節 子
署名議員 渡 辺 訓 任
発言が指定されていません。 © Ninomiya Town Assembly, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...