秦野市議会 2023-10-10
令和5年第3回定例月会議(第3号・一般質問) 本文 開催日: 2023-10-10
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前 8時59分 開議
◯横山むらさき議長【45頁】 ただいまの出席議員は24人全員の出席を得ております。
これより令和5年9月秦野市議会第3回定例月会議第22日目の会議を開きます。
本日の議事日程は
タブレット端末に掲載した日程のとおりであります。
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日程第1 一般質問
2
◯横山むらさき議長【45頁】 日程第1 「一般質問」を行います。
一般質問は、
発言通告一覧表に従い、順次質問を行います。
福森真司議員。
〔
福森真司議員登壇〕
3 ◯13番
福森真司議員【45頁】 おはようございます。創和会・市民クラブの福森真司でございます。お許しをいただき、一般質問を行わせていただきます。
それでは、まず、大項目の1、防災・減災対策について、お伺いさせていただきます。
近年、激甚化、頻発化する豪雨により、全国各地で甚大な被害が発生しております。特にこの時期は、秋雨前線の影響や台風の接近等を原因として、狭い範囲で数時間にわたって豪雨となり、このような局地的な大雨は、短時間のうちに、建物の浸水や道路冠水といった洪水被害が発生する危険が高まり、河川の氾濫や土砂災害なども引き起こしております。また、次々と発生した積乱雲により、線状に延びる強い降水域が数時間にわたり、ほぼ同じ場所に停滞し大雨をもたらす線状降水帯は、近年、災害発生の危険度の高まりにつながるものとして、社会に浸透しつつあります。
このように、時間の経過とともに刻々と状況が変わる風水害におきまして、気象情報に加えて、リアルタイムな防災情報の取得が重要となります。先日の決算総括質疑におきまして、高橋市長は、災害発生時の市民一人一人に合った避難行動を支援するため、災害情報や防災情報をウェブ上で公開する
総合防災情報システムの運用を昨年7月1日から開始し、誰一人取り残さない防災対策を推進すると、力強く御答弁をいただきました。
そこで、再度質問をさせていただきます。誰一人取り残さないためには、
デジタルデバイド対策を含め、これからも多くの方にこのシステムを広く周知、啓発していく必要があると思いますが、その取組はどのようか、お伺いさせていただきます。
次に、大項目の2、
ゼロカーボンシティの実現に向けた市内事業者の取組について、お伺いさせていただきます。
令和5年6月第2回定例月会議におきまして、地域の産業を支える市内事業者が世界的な潮流である
カーボンニュートラルへの取組、とりわけ、
サプライチェーン全体としての対応も求められ始めているところについて、本市における事業者向けの取組の現状を一般質問させていただきました。
その中で、本市におきましては、令和4年度より施行されました秦野市
地球温暖化対策実行計画に基づき、SDGsや環境・社会・ガバナンスの視点を取り入れて判断するESG投資への対応も視野に、脱炭素経営の潮流に取り残されることなく、持続可能な発展と成長を目指すため、また、事業者間の情報交流、共有を図る場となるようはだの脱
酸素コンソーシアムを設立されました。
そして、本市担当課が事務局として運営に携わり、さらには、本市としても、一事業者として参画していく旨の御答弁をいただきました。
カーボンニュートラルに関しましては、
アフターコロナの取組として、これまで以上に加速する可能性がある一方、事業経営との結びつき、関連性に対する認識、情報そのものが不足していること等に起因いたしまして、どういった視点から取り組めばよいか分からないといった、戸惑いにつながっている事業者が数多くいらっしゃいます。このことは、
コンソーシアムだけに限らず、産業分野に関わる事業者の方々からも同様の意見が上がっているとも聞いております。
そこで、こうした事業者の実情を踏まえまして、6月に設立したはだの脱
酸素コンソーシアムの運営状況はどのようか、お伺いさせていただきます。
二次質問以降につきましては、質問者席にて行わせていただきます。よろしくお願いします。
〔
福森真司議員降壇〕
4
◯横山むらさき議長【46頁】
くらし安心部長。
5
◯五味田直史くらし安心部長【46頁】 私からは、御質問の第1点目、防災・減災対策について、お答えさせていただきます。
避難所の開設や被害の情報をウェブ上で公開する
総合防災情報システムは、災害発生時の市民一人一人に合った避難行動の支援を目的に、昨年7月1日から運用を開始しております。また、本年8月1日からは、気象庁の雨雲の動きをシステムの地図上に重ね合わせる機能を新たに追加いたしました。機能の追加により、現時点から1時間先の雨雲の動きを
スマートフォンや
タブレット端末から把握することができるようになり、局地的豪雨や線状降水帯の発生に対して、避難のタイミングや雨の降りやみの予測に役立つなど、機能強化に努めました。
総合防災情報システムの周知、啓発についてでございますが、本年6月に、自治会長や防災役員等を対象とした
防災指導員等研修会においてチラシの配付を行うとともに、啓発ブースを設け、実際にシステム画面をモニターで確認できるようにしました。また、9月に実施しました
総合防災訓練では、防災訓練用として、疑似的に避難所の状況や避難状況等をシステム上に掲載するとともに、システムの操作方法の確認を
地域訓練メニューの1つとして追加することで、市民の方がシステムに触れる機会を設けました。このような啓発効果もございまして、防災訓練当日は、約1,500アクセスを記録し、徐々にですが、市民の認知度も向上しているものと考えております。
また、
デジタルデバイド対策として、高齢者や
スマートフォンの操作が不慣れな方などを対象とした、やさしい防災講座を昨年から引き続き、今年度も開催を予定しております。本年3月には、
市議会総務常任委員会から、防災意識の高揚に向けた提言として、「いつ来てもおかしくない災害に備え、防災意識を高めるため各年齢層、全ジェンダーにマッチした防災情報の提供を行うこと」との提言もいただいております。
引き続き、研修会や防災訓練を通して、システムの認知度を向上させるとともに、操作方法の案内に努めてまいります。
以上です。
6
◯横山むらさき議長【46頁】 環境産業部長。
7
◯岩渕哲朗環境産業部長【46頁】 私からは、御質問の2、
ゼロカーボンシティの実現に向けた市内事業者の取組について、お答えいたします。
はだの脱
炭素コンソーシアムの運営状況についてですが、本年6月2日に、設立総会と第1回目の定例協議会を開催いたしました。そこでは、先進事例の発表をはじめ、脱炭素の取組への理解を深めることを目的に、参画事業者間の意見交換や
ワークショップを実施し、悩みや課題の共有を図ることができました。
また、定例協議会の開催に合わせて実施した
アンケート形式によるヒアリングでは、実施内容については、事業者間の意見・情報交換を求める御意見が多く出されました。
また、感想としては、「異業種の取組や温度感を知ることができた」との気づきがあったり、実施内容と一部重複しますが、「もう少し意見交換の時間が必要だった」、「具体的な効果策等を紹介してほしい」などの改善・提案事項も挙げられております。
そのほか、
秦野商工会議所の
工業部会正副部会長会議や市長との役員懇談会において、
カーボンニュートラルに係る財政的支援や、国等の補助申請に当たっての支援といった御要望をいただいております。
これらの御意見や御要望を踏まえて、
コンソーシアムの運営に携わっていただいている10社のイニシアチブ・パートナーとのミーティングを経て、9月15日に第2回定例協議会を開催いたしました。そこでは、第1回目で共有された悩みや意見をまとめ、深掘りすることにより、理解をさらに深め、課題の把握につながるよう、何より参画事業者が主体性を持って、脱炭素に対する絵姿を描き始められるよう、
ワークショップを中心とした内容で実施いたしました。
また、地域の範となる事業所を目指す市役所も脱炭素への取組を事例発表し、率先垂範を示していくことで、
コンソーシアムが有益な情報、新たな気づきを提供する場として機能していくよう、引き続き、試行錯誤を重ねながら、内容の充実を図っていきたいと思います。
なお、9月末現在における参画事業者の数は、設立総会時の35者から42者となっておりまして、参画者数を増やしていくことはもちろんのこと、業種の幅についても広げていきたいと考えております。
以上でございます。
8
◯横山むらさき議長【47頁】
福森真司議員。
9 ◯13番
福森真司議員【47頁】 それぞれ御答弁いただきまして、ありがとうございました。それでは、まず、防災・減災対策について、二次質問を行わせていただきます。
ただいまの御答弁に、
デジタルデバイド対策といたしまして、御高齢の方や
スマートフォンの操作が不慣れな方などを対象とした、やさしい防災講座を昨年に続き、今年度につきましても開催を予定されているとのことでございますが、私も昨年は、公民館で開催されました講座に
オブザーバー参加をさせていただきました。御参加いただいていました、特にシニア世代の方々が、熱心に受講されていらっしゃり、関心の高さを感じたところでもございます。
また、何よりも、そこに携わっていただいております市の職員、スタッフの皆様が丁寧に分かりやすく説明していただいているからこそであったのではないかとも思うところでございます。
さらには、出前講座ということで、地域の自治会からの要請にも、土日にもかかわらず、御対応いただいているということで、この場をお借りして感謝を申し上げるところでございます。
さて、現行の
総合防災情報システムでございますが、雨雲の予想データが新たに追加されたということで、避難のタイミングや雨の降りやみなども自分で判断できるようになり、より安全で確実な避難行動の支援につながるのではないかと期待をしております。このシステムは、以前、私も御紹介させていただきましたが、市内の事業者が市と協働で開発したものでございまして、まさに
メードイン秦野ではないかというところでもございます。
先日も、広島県東広島市議会の方々が行政視察に訪問されたと聞いておりますし、さらには、この10月、11月におきましても、幾つかの議会などから視察の依頼が来ていると伺っております。ぜひ、このようなすばらしい秦野の技術を全国に広めていただき、本市のPRにも役立てていただきたいと思います。
すばらしいシステムだからこそですが、いかに上手に活用できるかがより早い情報提供となり、安全・安心につながるわけでございます。リアルタイムに災害情報を提供していくためには、操作する側、要するに、市の職員の研修や関係各課との連携も必要と思いますが、その取組についてどのようか、お伺いさせていただきます。
10
◯横山むらさき議長【48頁】
くらし安心部長。
11
◯五味田直史くらし安心部長【48頁】 再度の御質問にお答えいたします。
総合防災情報システムを活用した職員の操作研修や庁内各課との連携についてでございますが、建設部や上下水道局、消防本部、さらに、
災害対策本部に従事する職員や、避難所運営を担う地区配備隊などを対象に、毎年、防災課職員が講師となり、災害状況や避難所における避難者数の入力、被害箇所の画像の添付方法など、操作研修会を実施しております。
また、本年5月に実施した
災害対策本部設営訓練では、システムを活用して、被害状況を想定した災害対応の
シミュレーション訓練を行いました。さらに、本年9月の防災訓練では、市内23か所の広域避難場所において、地区配備隊が避難所の開設状況や参集人数等をシステムに入力する訓練を行いました。
こうした研修会や庁内連携に基づいた訓練により、地震や風水害だけでなく、火山噴火など、様々な災害においても、市民に対する必要な情報提供と職員間の情報共有を迅速に行う、スピード感のある体制づくりに努めてまいりたいと考えております。
以上です。
12
◯横山むらさき議長【48頁】
福森真司議員。
13 ◯13番
福森真司議員【48頁】 ありがとうございました。
災害の被害が大きくなればなるほどでございますけれども、部署を越えました全庁的な連携が重要になると考えるところでございます。統率のとれました指揮体制は、被害を最小限にとどめるとともに、迅速に情報提供をされることで、市民の皆様の安全・安心につながると思いますので、ぜひ今、
くらし安心部長がおっしゃったように、継続していただいて、訓練を実施していただきながら、さらなる連携強化に努めていただけたらと思うところでございます。
さて、最近は、想定外という最大規模の災害に備えた対応が求められております。先般、市内に新たに開院する医療法人から、災害時の協定について相談をいただきまして、現在、市と医療法人との橋渡しをしながら、協定締結に向けて協議を進めております。そういった中で、大規模な災害が発生すると、当然、職員も被災者となるわけでございまして、自治体の機能につきましても一時的に低下します。その状況で、様々な応急・復旧活動を迅速に遂行することは、極めて難しいと思うところでございます。
そのような状況を考えますと、民間事業者や自治体間での応援体制を充実させていく必要があると思いますが、現在の災害時におけます応援協定の締結状況や今年度の協定締結の取組はどのようか、再度お伺いさせていただきます。
14
◯横山むらさき議長【48頁】
くらし安心部長。
15
◯五味田直史くらし安心部長【48頁】 再度の御質問にお答えいたします。
まず初めに、災害協定の締結状況について、お答えいたします。
災害協定につきましては、施設の使用や食料品等の物資供給をはじめ、救助・救出活動のほか、復旧・復興に向けた土木工事、他自治体との相互応援など、本年9月1日現在で131件の締結をしております。協定を締結している企業等とは、毎年、緊急連絡先や効率的な応援要請の手順等を確認しております。
次に、今年度の新たな協定の状況についてですが、5月に、
新晃工業株式会社と冷暖房器具の物資提供に係る協定を締結しました。6月には、
株式会社ダイナム神奈川秦野店と地震や風水害の発災時に車中泊やテント泊を希望する方の避難場所として、屋根つきの駐車場やトイレ、水道施設等の利用に関する協定を締結いたしました。
また、自治体間における相互応援協定については、平成8年に、大規模災害時における相互応援に関する協定書を既に締結しておりますが、
都心南部直下地震や富士山の噴火による火山灰の被害等を想定し、本年7月に、厚木市、伊勢原市、愛川町、清川村及び本市で締結した県央やまなみ地域における広域連携の強化に関する協定において、協定内容を見直しすることとしております。災害時の応援協定について、
市議会総務常任委員会からの提言の1つとして、民間事業者からの応援体制の充実を図ることも提言をいただいております。
引き続き、激甚化する自然災害に迅速かつ効率的に対応するため、効果的な協定を1件でも多く締結するとともに、協定を締結している企業等に対し、定期的な
情報伝達訓練や
総合防災訓練への訓練参加等を通じた顔の見える関係の構築、必要に応じて協定の見直しを進めてまいりたいと考えております。
以上です。
16
◯横山むらさき議長【49頁】
福森真司議員。
17 ◯13番
福森真司議員【49頁】 ありがとうございました。
それぞれいろいろな地域の企業が応援してくださるということは、本当に心強いところでございますし、特に、大規模災害が発生しますと、市におきましては、被災者支援のための応急対応に加えて、災害時にも継続すべき通常業務を行うなど、業務が増大するわけでございます。そのような場合に備えまして、災害協定の締結を進められていると思いますが、実際、東日本大震災におきましては、災害時応援協定がスムーズに機能しなかったケースも見られております。協定の実効性確保が課題となっていたところでもございますので、本市におきましても、計画的に協定の締結や見直しを図っているとのことでございますが、ぜひ物的支援もさることながら、人的支援など、あらゆる場面を想定した効果的な協定を進めていただきたいと思います。
また、本年3月に行いました、市議会からの政策提言も踏まえた取組を進めていただいているということでございます。今後も引き続き、産官民が三位一体となり、連携した体制の構築に努めていただくことを要望させていただきまして、この質問を終わらせていただきます。
続きまして、
ゼロカーボンシティの実現に向けた市内事業者の取組について、再度の質問をさせていただきます。
はだの脱
炭素コンソーシアム設立総会に続きまして、第2回定例協議会にも、会派の小山田議員、また、関心を持っている議員と共にオブザーバーとして参加をさせていただきました。
会議では、業種の枠にとらわれることなく、また、事務局の思いが詰まった進行のおかげで、活発な意見交換が展開されておりました。その状況を拝見させていただきますと、このような場が本当に参加されている事業者にとりまして、必要な場であったのだと改めて認識をさせていただいたところでございます。
また、御答弁の中で、「参画事業者が主体性を持って、脱炭素に対する絵姿を描き始められるよう」とございましたが、この姿勢こそが今後の取組を推進していく上で、とても重要になってくるものと考えます。まさに、人ごとから自分ごとへの意識、そして、行動の転換でございます。
これに関連しまして、
コンソーシアムの事務局はもとより、旗振り役、牽引役を担っております秦野市役所による事例発表は、その姿勢を体現する取組であることに加えまして、私自身も製造業に携わる一人として、大変興味深く聴講させていただいたところでございます。
そこで、改めて、今回の事例発表に至った背景、そして、目的、取組の成果はどのようか、お伺いさせていただきます。
18
◯横山むらさき議長【50頁】 上下水道局長。
19
◯小林勝上下水道局長【50頁】 再度の御質問についてですが、はだの脱
炭素コンソーシアムにおいて事例発表を行いました、
浄水管理センター消費エネルギー診断に係る取組についてのことでありますので、事業を所管いたします私からお答えさせていただきます。
下水道は、住環境の改善、河川や海の水質保全などの役割を担っており、市民の皆様が衛生的で快適な暮らしを実現するため、欠かすことができない大切な施設であり、24時間365日、一日も休むことなく稼働している施設でございます。
現在、秦野市の
浄水管理センターで処理している汚水量は、日平均で約3万1,000立方メートル、小学校のプールに換算しますと、大体100杯分の量になります。この汚水を処理する施設としては、砂や石、大きなごみを沈殿させ、除去する沈砂池、細かい汚れをゆっくり沈め、うわ水を次の処理工程へ送る最初沈殿池、微生物の活動により汚れを除去する反応タンク、反応タンクで汚れを食べた微生物をゆっくり沈殿させる最終沈殿池、そして、最後に、塩素で消毒・滅菌し、きれいな水にして川へ放流する消毒施設があります。
このように、市民の皆様などから排出された汚水をきれいな水にするためには、幾つもの工程を経て処理しております。その処理工程の中で、我々が気づいていない省エネの運転方法があるのではないかということで、昨年度、
消費エネルギーの診断を委託しました。委託の結果、処理場の省エネには、運転管理による方法と、省エネ機器の導入による方法の2種類の提案があり、本年4月から、実際に
消費エネルギーの削減に取り組んでおります。
まず、運転管理による方法ですが、先ほど御説明しました処理工程の1つに、反応タンクでの処理がございます。この反応タンクの中には、物すごい数の微生物が入っておりまして、汚水の中の有機物を食べて、自分の体を重くすることによって下に沈み、汚水をきれいにする仕組みとなっております。イメージ的には、お味噌汁も時間がたつと味噌が下に沈み、うわ水が透き通ってくるのと同じような感じだと思っていただければと思います。
そして、この微生物の働きを活性化させるために、ブロアーという大きな送風機を使って、反応タンクに空気を送る必要があります。このブロアーは24時間365日稼働しておりますので、処理場施設の中では、電気消費量が最も多い施設であります。
そこで、今回、このブロアーの運転方法の見直しを行いました。具体的には、これまで1時間当たり5,500立方メートルの空気を送っておりましたが、流入する汚水量に対し、時間ごとに5,000から5,400立方メートルまで空気の送風量を下げるなど、細かく制御することで、電気使用量の削減を図りました。
成果につきましては、本年4月から8月までの実績になりますが、昨年8月までと比較して、電気使用量は約4万3,000キロワットの削減となりました。CO2に換算しますと、月平均で約3.9トン、5か月間総量にしまして約20トンの削減となり、削減率は約4.3%となっております。
また、もう一つの省エネ機器の導入につきましては、現時点では、耐用年数に満たない高額な設備を更新することになりますので、更新時期が来たタイミングで、国の補助金を活用しながら計画的に更新することとしております。
最後に、上下水道局におけるその他の取組としましては、東京電力エナジーパートナー株式会社で実施しております再生可能エネルギーメニューの1つに、石油や天然ガスなどを使用せず、非化石燃料で発電した電気を供給するグリーンベーシックプランというメニューがございます。今年度からこのプランにより、水道施設の金井場配水場につきましては全量、
浄水管理センターにおいては、全使用量の10%程度の電力を調達することで、CO2の削減に努めているところでございます。
以上でございます。
20
◯横山むらさき議長【51頁】
福森真司議員。
21 ◯13番
福森真司議員【51頁】 ありがとうございます。
約4万3,000キロワットのCO2の削減につきましては、月平均で約3.9トン、総量にしまして約20トンの削減ということでございまして、本当にすばらしい成果を出していただいているところでございます。また、引き続き、お願いしたいところでございます。
御答弁にもございました、事例発表の中で、何度となくお伺いさせていただきましたが、まさに積小為大でございまして、この取組が着実に成果につながっていると実感させていただいているところでございます。
また、
浄水管理センターのように、大規模な施設ゆえ、大がかりな改修等に着手しづらい状況にあることが推測できるものの、そうした状況下におきましても、その積小為大な取組、まさにこつこつと取り組んで、目を向けていただいて、しっかりと成果を上げられていることが実績となりますし、また、この
コンソーシアムに参画されている事業者の参考にもなってくるのではないかと思います。
また、最後に御紹介がございました、非化石証書付き電力の購入、いわゆる再エネ電力への切替えでございますが、これによりまして、二酸化炭素排出量の削減手法につきましても、社会情勢の変革によって生み出されたれっきとした選択肢の1つでありますし、意識次第によりましては、実践しやすい取組になるのではないかと思うところでございます。
以前の一般質問で意見・要望をさせていただきましたが、上下水道設備は、先ほどもありました24時間365日稼働されているわけでございます。当然、日頃のメンテナンスにより設備の保全が保たれているわけでございますが、プラントのメンテナンスに携わっていただいているのはプラントメーカーの対応で行われていると思います。メーカーの対応ということは、当然、協力会社をはじめ、携われている事業者によりましては、他市や県外から来られる方も多くいらっしゃると拝察するところでございます。機械や材料の横持ち費用、特に、排出ガス等を考えますと、秦野市内にも技術を持った事業者は多くございますし、特に加工品等につきましては、作れないものはないのではないかと、その辺の技術があると私は思っております。予備品の製作やメンテナンスにつきましても、ぜひ市内事業者にお願いすることで、さらなるコストダウンにもつながると思います。もっと言えば、排出ガスの削減にもなると思いますので、ぜひ御検討をいただければと思います。
このように、これまでの意識や思考を見直しながら、新たな形に変えて取り組んでいくこと、そして、変化に即応できる企業体制を培っていくことが、脱酸素社会と協調し、発展していく姿として求められているのではないかと思うところでございます。
そこで、はだの脱
炭素コンソーシアムの設立から定例協議会の運営までを通じまして、参画されている事業者の脱炭素経営に対する意識の変化はどのようか、あるいは、変化を促すためにどのようなことが必要なのか、今後の展望を含めて、お伺いさせていただきます。
22
◯横山むらさき議長【52頁】 環境産業部長。
23
◯岩渕哲朗環境産業部長【52頁】 事業者の意識の変化、そのために必要なこと、今後の展望、この3つの質問に対して、お答えいたします。
まず、参画事業者の脱炭素経営に対する意識の変化でございます。脱炭素を単に目的化することなく、手段として捉え、設備投資の検討や改善につなぎ始めているほか、会社全体を巻き込んだり、企業間で連携することの重要性を再認識するなど、第1回、第2回と会議を重ねるにつれ、徐々にではございますが、社会の潮流を意識した変化が起こっているということを実感しております。
次に、こうした変化を促し、より加速させていくための取組ですが、刻一刻と提供、刷新されていく国内外の動向や取組を事業者が意欲的に、かつ、それぞれの実情に即した効果的な運用につなげることができるポータルサイト等の立ち上げが必要ではないかと考えております。事業者同士が脱炭素を切り口に切磋琢磨できる環境をつくることにより、脱炭素経営はもとより、脱炭素社会の構築にも大きく寄与するツールになり得るという強い期待を持っております。
最後に、今後の展望ですが、
コンソーシアムの中で新たな約束事として、これまでのみんなごとに加え、脱炭素への取組は何をすればいい、何を始めればいいのか分からないといった待ちの姿勢ではなく、何々を始めるにはどうすればいい、何々を詳しく知りたいといった自発的な姿勢、第一歩を踏み出した姿勢に変えていくことを共通認識させていただきました。
そこで、アンケート結果やイニシアチブ・パートナーとの協議を踏まえて、年内には脱炭素を楽しみながら、分かりやすく学ぶ機会として、セミナーを開催いたします。そして、年度末には、これまでの取組のおさらい、集大成として、参画事業者の「みんなで、形作る」ことをテーマに、
コンソーシアムとしての目標設定や年次計画などを取りまとめていければと考えております。
しかし、一方で、参画事業者それぞれに理解度やスピード感、取組の位置づけ等に温度差があることも事実です。
コンソーシアムの事務局である市としましては、こうした懸念を1つずつ解消するとともに、
コンソーシアムの土台づくりや底上げを図っていくため、急いては事を仕損じることを十分に念頭に入れ、それぞれの実情に寄り添いながら、着実にその責務を果たしてまいります。
以上でございます。
24
◯横山むらさき議長【52頁】
福森真司議員。
25 ◯13番
福森真司議員【52頁】 ありがとうございました。
立ち上げ総会から今回第2回と、また、次に第3回とあるところでございますけれども、参加されている、お付き合いのある事業者にお伺いさせていただきますと、今まで何をしたらいいか分からないと思ったところは当然あったと思うのですが、これに参加をさせていただいたからこそ、いろいろなことが見えてきたという御意見もいただいていたところでもございますので、また、第3回には私も参加させていただきながら、勉強させていただけたらと思うところでございます。
最後に、意見・要望とさせていただきたいと思います。現在、地域を支える事業者を取り巻く環境が厳しさを増しております。そのような中で、さらに世界的な潮流といたしまして、
カーボンニュートラルへの対応が求められていることは、周知の事実でございます。
2022年7月の経済産業省の公表資料によりますと、中小企業の温室効果ガスの排出量は、1.2億トンから2.5億トンへと推計されまして、日本全体の排出量のうち1割から2割弱を占めていると言われております。近年では、
サプライチェーン全体で
カーボンニュートラルを目指すグローバル企業が増えまして、海外の取引先から脱酸素化の方針への準拠を求められている企業もあると伺っております。
そういった中で、
サプライチェーン全体の中で何をしたらいいか分からないといったところは、当然出てくるところでもございますけれども、しかし、市内事業者の中には、どうやって対応したらいいか、取引にどう影響していくのか分からない。いまだに具体的な方策を検討しなければならないと感じつつも、何から始めていいか分からない、そのような声を多く聞くところでもございます。
こうした状況は、全国的な傾向でございます。経済産業省によりますと、その背景には、
カーボンニュートラルに関する取組事例などの情報が乏しい、社内で対応に必要な人材がいない、新たな設備投資が難しいといった課題があるためと分析されているところでございます。そのようなことを踏まえまして、市内事業者が
カーボンニュートラルに取り組み、競争力の向上や経営力の強化につなげていくことができるよう支援が必要と考え、これまで質問をさせていただき、意見・要望をさせていただいたところでございます。
また、先般6月の一般質問におきましてもお伝えさせていただきましたが、中小企業を取り巻く環境につきましては、依然と厳しさを増す中でもございます。コロナ禍で打撃を受けた中小企業に対する実質無利子・無担保のゼロゼロ融資につきましては、企業の倒産を防ぎ、経済の下支えに貢献してきたところでございますが、その反面、事業継続のために借り入れたゼロゼロ融資の返済がこの夏以降にピークを迎えまして、さらに、物価高の追い打ちを受けて返済が滞り、事業の継続を断念せざるを得ない企業が増加するおそれがあることも、事実として認識しなければならないとお話をさせていただいたところでございます。
そして、直近の発表でございますが、本年8月に、これは負債1億円以上でございますが、神奈川県内の倒産した会社の負債総額は、前年度比75%増の95億3,700万円だったとされております。そのうち、負債が10億円以上の大型倒産が2件ありまして、これが全体を押し上げているわけでございますが、大型倒産につきましては、この8月までに既に8件となっている状況でございます。倒産の増勢は、コロナ禍で借り入れた融資の返済の本格化に加えまして、物価の高騰が追い打ちをかけているためで、物価高に起因する倒産が右肩上がりとなっていることは、間違いございません。まして、コスト上昇分を価格転嫁しづらい業種の倒産が目立っている。そして、さらには人手不足が重なって、深刻化していると発表されております。
ポストコロナの環境変化に対応できない中小企業を中心に、増勢は続くとされております。そのような状況下でも、市内の事業者は生き残りをかけて、製品、商品の質や技術力、そして、生産性を向上させるために日々努力を続けております。地域を支えてくださる企業は、これまで本当に自助努力で頑張ってきたところでもございます。今後、事業者、行政、そして、市民の皆様のさらなる連携が必要ではないかと思います。
そして、何よりも、このゼロカーボンへの取組がさらに中小企業の経営を圧迫させないためにも、先ほども環境産業部長から御答弁いただきました、みんなごととしてとらえて、この
コンソーシアムの機会を情報共有し、参考にしていただけるよう、引き続き、お願いしたいと思います。
また、御答弁にもございましたが、ポータルサイトのようなプラットフォームが構築できれば、事業の協業、マッチング等によるビジネスチャンスを大きく広げる可能性があると思います。さらに、先進的、積極的に取り組んでいる事業者を紹介していただくなどしていただければ、脱炭素を入り口とした相互の展開と成長につなげていってもらえれば、市内企業のPRとしてもつながるのではないかと思うところでもございます。
引き続き、2030年の46%削減目標、2050年の
カーボンニュートラルの実現に向けまして、非常に長く険しい道のりではございますが、この
コンソーシアムが、特に、参画されている事業者の脱酸素担当者の皆様にとって、そして、次世代におけます脱酸素施策の意思決定層にとりまして、心のよりどころとなり、みんなごとを広めていく原動力となりますよう期待をさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
26
◯横山むらさき議長【54頁】 以上で、
福森真司議員の一般質問を終わります。
暫時休憩します。
午前 9時42分 休憩
─────────────────────────────────────────────
午前 9時52分 再開
27
◯横山むらさき議長【54頁】 再開いたします。
休憩前に引き続き、「一般質問」を行います。
高橋文雄議員。
〔高橋文雄議員登壇〕
28 ◯21番高橋文雄議員【54頁】 おはようございます。志政会の高橋文雄です。3項目の質問をいたしますので、よろしくお願いいたします。
大きな項目の1点目であります、関東大震災100年を経過しての防災対策についてをお伺いいたします。
今年は、1923年に発生した関東大震災から100年の節目を迎えました。関東大震災は、相模湾北西部を震源地としてマグニチュード7.9を記録し、東京、神奈川などでは震度6を観測したほか、北海道道南から中国・四国地方にかけて広い範囲で震度5から1を観測しています。なお、当時の震度階級は震度ゼロから6までの7階級のため、記録では震度6とされていますが、家屋の倒壊状況から、相模湾沿岸地域や房総半島南端では、現在の震度7相当の揺れであったと推定されているとのことです。
また、この地震により、全半壊や焼失などの被災を受けた住宅は約37万棟に上り、死者・
行方不明者は10万5,000人に及ぶなど、甚大な被害をもたらしました。本市においても、本町地区の大規模な火災をはじめ、東、北、西、上地区では土砂災害、大根・鶴巻地区では、地震の揺れによる土砂災害や家屋倒壊など、市内全域での住宅被害は、全壊1,490棟、半壊2,640棟、全焼233棟で、人的被害は死者171人、
行方不明者10人、負傷者135人となるなど、大きな被害を受けました。また、南地区では、渋沢丘陵の一部が崩れて谷川をせき止め、現在の震生湖が誕生しましたが、この地震の際に、学校帰りの2人の児童が犠牲となり、その供養塔は、今も秦野盆地を背に丘の上に立っています。
こうした大災害による被害を軽減するには、平時から私たち一人一人が危機認識を持ち、いざというときの備えをしっかり整えていくことが重要です。関東大震災100年を経過した今、市民に対する災害を風化させない防災対策の取組はどのようか、お伺いいたします。
次に、大きな項目の2点目、秦野駅北口周辺のまちづくりについて。
秦野駅北口周辺のにぎわい創造につきましては、令和5年度の施政方針において、小田急線4駅周辺のにぎわい創造プロジェクトとして、各駅の魅力あるにぎわいを創造するため、駅周辺市街地における「歩いて楽しい、歩いて暮らせるまちづくり」を推進し、特に、秦野駅北口周辺においては、低未利用地や道路空間での社会実験による検証を踏まえた実行計画の策定を進めるとされています。
そのような中で、今年7月には、秦野駅北口周辺まちづくりビジョン案として、パブリックコメントが実施され、私自身、幾つか意見を上げさせていただきました。小田急線4駅の中でも秦野駅は中心駅となりますが、ビジョンを拝見しますと、秦野駅北口周辺地区における人口減少や鉄道利用者数の減少、空き店舗や低未利用地の課題など、急激な社会情勢の変化を含め、まちの将来に向けて対応していかなければならない課題が多いと感じています。
このような中でも、まちの魅力として秦野名水や歴史、まちに関わる人々の活動などを挙げ、地域性を生かしながら、その魅力を引き出し、将来像を描いていくということが示されていました。にぎわい創造の取組としましては、まだ始まったばかりであり、まず、ビジョンを策定した上で、具体的な内容を示されていくものだと思いますが、ビジョンの将来像のイメージを示すからには、ビジョンは将来に向けたまちづくりの基礎となるものであり、今後を左右する大変重要なものであると思います。
そこで伺いますが、秦野駅北口周辺まちづくりビジョン策定に向けたこれまでの経過、そして、現在の進捗状況についてはどのようでしょうか。また、ビジョンで示されている対象範囲について、ビジョンは、地区の現状分析や過去の取組を踏まえて、区域を6つのゾーンに分け、それぞれのゾーンについて過去、現在を踏まえて、未来の方向性として20年後のまちのイメージが示されています。このゾーン分けでは、6つのゾーンのうち、5つのゾーンは、秦野駅から水無川を渡った商業区域を主な対象としていますが、直近の秦野駅周辺については、北口駅前広場の記録はあるものの、広場以外の小田急線の線路沿いについては、特に言及がありません。どのような考えでビジョンの対象区域ゾーンを設定されたのか、お伺いいたします。
次に、大きな項目の3点目、市の花・なでしこについてでございます。
これについては何回か質問してきているわけでございまして、もういろいろな問題が解決できたようでございますので、ぜひそれを実施していただくということが大事なものですから、最終的な気持ちで今回も取り上げてみました。
なでしこは、日当たりがよい草原や河原などに自生し、ピンクの可憐な花をつけるのが特徴で、古くは万葉集の歌にも詠まれるなど、秋の七草の1つとしても数えられる身近な草花であり、昭和47年4月に市の花に制定されました。
そこで、質問ですが、令和5年3月の一般質問において、なでしこの普及について努めていただくよう要望しましたが、原種のなでしこの普及について、今年の状況はどのようか、お伺いいたします。
あとは、質問者席で質問いたしますので、よろしくお願いいたします。
〔高橋文雄議員降壇〕
29
◯横山むらさき議長【55頁】
くらし安心部長。
30
◯五味田直史くらし安心部長【55頁】 私からは、御質問の1点目、関東大震災100年を経過しての防災対策について、お答えいたします。
災害を風化させない防災対策の取組についてですが、関東大震災100年の節目を迎えるに当たり、本年2月に文化会館において、横浜地方気象台職員による「関東大震災」をテーマとした防災講演会を開催し、約700人の参加をいただき、市民の防災意識の向上に努めました。
関東大震災では、死者・
行方不明者約10万5,000人のうち、9割弱の約9万2,000人が地震直後に起きた火災に巻き込まれて亡くなった教訓を踏まえ、9月に実施しました
総合防災訓練では、全ての広域避難場所に消防団を派遣し、水消火器を使用した初期消火訓練や搬送訓練、心肺蘇生訓練を行うなど、地域防災力の充実強化に努めました。
また、防災課では、関東大震災による本市の大火や土砂崩れの被害状況、供養塔や貴重な体験談等をまとめた冊子を作成いたしました。
総合防災訓練の
地域訓練メニューの1つとして、「関東大震災を振り返る」を新たに設定し、大規模災害を過去から学び、その教訓を今後に生かすため、この冊子を活用したほか、来るべき災害に備える大切さを学ぶ資料として、教育委員会を通じて、小・中学校や幼稚園、こども園の教職員に配付いたしました。
さらに、本年9月1日号の広報はだのでは、災害特集ページを設けて、関東大震災の被害の記録と合わせて、先進的な自助・共助の取組事例や災害に役立つ情報を掲載いたしました。
今後も、関東大震災の記憶を風化させず、命を守る行動をしっかりと引き継げるよう、防災・減災対策を推進してまいります。
以上です。
31
◯横山むらさき議長【56頁】 はだの魅力づくり担当部長。
32 ◯磯崎篤はだの魅力づくり担当部長【56頁】 私からは、御質問の2、秦野駅北口周辺のまちづくりについて、お答えいたします。
まず、1点目の秦野駅北口周辺まちづくりビジョン策定の経過と、現在の進捗状況でございますが、秦野駅北口周辺のまちづくりを含めた、小田急線4駅のにぎわい創造に取り組むに当たりまして、令和3年12月に、「歩いて楽しい、歩いて暮らせるまちづくり」に向け、小田急4駅にぎわい創造に向けた中心市街地活性化推進方針を策定いたしまして、各駅の特性を生かしたまちづくりを推進することといたしました。
そうした中で、秦野駅北口周辺につきましては、拡幅事業が進む県道705号の開通が、県により令和8年度末と示されたことから、まちの将来像を共有するためのビジョンの策定に最優先で取り組んできたところでございます。
ビジョンの検討に当たり、まず、市民の皆さんの機運を醸成するため、昨年8月にキックオフシンポジウムを開催いたしまして、秦野駅北口周辺のまちづくりを本格的に進めることを広く周知した上で、地域で暮らす方々や商店街、地域に関連のある企業、まちづくりに関心のある大学生などでにぎわい創造検討懇話会を組織いたしまして、秦野駅北口周辺の特徴や課題を整理しながら、まちの将来像についてのイメージをつくってまいりました。
さらに、学識経験者や商工会議所、農協、地域住民や商業者、交通事業者など、関連する団体の代表者に加え、両副市長や関係する部長らによる秦野駅北口周辺にぎわいのあるまちづくり協議会を組織いたしまして、懇話会等での意見について、実現に向けた可能性や持続性を高めるための協議を行ってまいりました。
ビジョンの策定に向けた進捗でございますが、パブリックコメントを本年7月16日から8月15日までの期間で実施し、高橋議員をはじめ、市議会議員の皆様のほか、多くの方々から意見をいただきまして、これから検討を進めてまいります。これらの御意見や提案を踏まえ、ビジョンの内容を再検討いたしまして、近く開催予定の秦野駅北口周辺にぎわいのあるまちづくり協議会にお諮りいたしまして、公表するといった手続を予定しております。
次に、2点目のビジョンにおける対象範囲につきましては、ただいま映しましたスクリーンにございます拡幅事業が進む県道705号を中心とし、拡幅による影響が大きいエリアに対象を絞ることで、生活拠点として総合的に中心市街地のまちづくりを進め、将来に向けた変化を生み出していくことに重点を置き、範囲を設定したものでございます。
この対象エリアを、「人が集まり交流が生まれる場所としての県道705号沿道の活用」、「景観を生かした水無川や湧水の活用」、「歩いて楽しいまちの回遊性の向上」といった意見を取り入れながら、スクリーンにありますように、左上から、県道704号沿いゾーン、水無川沿いゾーン、秦野駅周辺ゾーン、右側に移りまして、片町通り・花みずき通り沿いゾーン、生活道路(路地沿い)ゾーン、県道705号沿いゾーンという、それぞれ特徴のある6つのゾーンに分け、それぞれのゾーンの持つポテンシャルと課題を見極めながら、ビジョンにおいて将来の方向性をお示ししたものでございます。
以上でございます。
33
◯横山むらさき議長【57頁】 環境産業部長。
34
◯岩渕哲朗環境産業部長【57頁】 私からは、御質問の3、市の花・なでしこについて、お答えいたします。
これまで、昨年6月議会と、本年3月議会において、なでしこの研究や普及に取り組まれていることを踏まえ、その経過や苗作りについて御質問をいただきましたが、今回、原種の普及の現状についてお答えいたします。
原種のなでしこは、昭和30年代までは市内の至るところで群生していたようですが、環境の変化や人為的影響等により、衰退、絶滅の危機にさらされているため、積極的にその普及に取り組んでおります。これまでも公共施設などに定植し、株の増加を図ってきましたが、原種の種が不足したため、近年は、市民への配布を一時中断し、公共施設に協力を呼びかけ、株の増加を図り、一定量の原種の種を確保することができました。
そこで、今年度は、行政提案型協働事業として、NPO法人にもお手伝いいただき、苗作りを行ったところでございます。その結果、3年ぶりに、本年6月の環境月間に合わせて、約3,000株を配布することができましたが、個人からだけではなく、市内企業や自治会からの問合せもあり、関心度が高くなっていることを実感しております。
また、公共施設では、今年度も名古木にある環境資源センターにおいて、本年3月頃に種まきをし、乾燥に注意しながら水やりを行い、6月にセンター内の緑地帯に定植させ、7月には多くの花を咲かせることができたため、資源物や粗大ごみの自己搬入などに来られた多くの市民の方にそれらを御覧いただくことができました。
以上でございます。
35
◯横山むらさき議長【57頁】 高橋文雄議員。
36 ◯21番高橋文雄議員【57頁】 それぞれ、ありがとうございました。
まず、1問目の関東大震災についてでございますけれども、関東大震災の教訓を生かして、今年度の
総合防災訓練では、水消火器を使用した初期消火訓練を実施するなど、火災への対応については非常に重要であると考えます。被害軽減への一助として、今後も市民の方々に広く啓発していただければと思います。
さて、関東大震災では、旧秦野町と周辺6村の約5,700戸のうち、約4,100戸が全半壊し、233戸が全焼したとされています。特に被害が大きかったのは、本町四ツ角周辺と聞いております。現在では、商店や住宅などが多く建ち並んでいる地域であります。このような住宅密集地における関東大震災を教訓としたまちづくりはどのようか、お伺いします。
また、発生当時、台風が日本海側を進んでおり、この強風が被害の拡大につながったものと言われております。近年では、平成28年12月22日に、新潟県糸魚川市の木造建物が密集した地域で大規模火災が発生し、強風により大きな被害となりました。強風下における住宅が密集する地域への防火対策に関する取組についてはどのようか、お伺いいたします。
37
◯横山むらさき議長【57頁】 都市部長。
38 ◯高垣秀一都市部長【57頁】 私からは、本町四ツ角周辺の住宅密集市街地におけるまちづくりについて、お答えしたいと思います。
本町四ツ角周辺地区は、平成15年に、地震時等において大規模な火災の可能性があり、重点的に改善すべき密集市街地として、国土交通省が公表した、全国で約8,000ヘクタールの中にその一部が含まれていましたが、その後、建築物の建て替え等による耐震性や防火性の向上、道路空間の創出などから、当該密集市街地には該当しなくなりまして、平成24年の国の公表からは外れています。
現状の防火対策ですけれども、都市計画法において、市街地における火災の危険を防除するための地域を指定しておりまして、本町四ツ角周辺の秦野駅に近い商業地域は、防火地域に指定しております。その商業地域の周辺の近隣商業地域や、その近隣商業地域の周辺の住居系の地域は、準防火地域にしておりまして、このエリア内の建物は、用途や大きさなどに応じて耐火性能が確保されますので、火災の延焼防止につながっています。
また、地震による建物倒壊等の対策ですけれども、この地区に限った制度ではございませんが、昭和56年5月以前の旧耐震基準で建てられた住宅所有者に対して、耐震診断、補強設計及び耐震改修工事に対する補助制度の周知・啓発によりまして、耐震改修も進んでおります。また、個々の将来計画によりまして、建物の除却や建て替えも進んでおります。
令和4年3月に秦野市耐震改修促進計画を改訂しましたけれども、改定時の住居系の耐震化率は89.5%、現在は、0.2ポイント上昇しまして、89.7%となっており、着実にこうした耐震性の向上を図り、災害に強いまちづくりに努めてまいります。
以上です。
39
◯横山むらさき議長【58頁】 消防長。
40 ◯杉田佳一消防長【58頁】 私からは、御質問にございました、強風下における住宅密集地の防火対策について、お答えいたします。
議員の御紹介のとおり、平成28年12月22日に新潟県糸魚川市で木造建物が密集した地域で、大規模火災が発生し、大きな被害が出たことは記憶に新しいところであります。この火災を受け、総務省消防庁では、地域の住宅密集地における警防体制等の方向性を示したことから、本市消防本部では、当時の火災状況を検証した上で、今後、取り組むべき消防体制の充実強化について検討を行いました。
本市は、市街地の不燃・準不燃化が進みつつありますが、火災が発生し、新潟県糸魚川市のように、強風下の気象条件の要因が重なれば、大規模な市街地火災へと発展し、現有消防力を大きく超える危険性があります。そのような火災に対し、火災発生が危惧される状況下への事前対策と、火災発生時の消防部隊の活動要領について定めた、秦野市消防署強風下における火災防御計画を令和2年度に策定しております。
この計画の内容について一部説明させていただきますと、まず、対象としている各地域の建物状況や救助・避難誘導対策及び活動重点項目を消防活動計画として示し、職員一人一人に共通認識を持たせております。
次に、強風下における具体的な態勢としましては、巡回広報を強化し、事前に消防資機材の増強を行うほか、勤務者以外の消防職員は、その所在を明らかにして非常招集に対応できる体制を整え、有事の際に備えております。その他、最悪の事態を想定しておくことも必要でありますので、火災が発生し、本市の消防力を上回る延焼拡大が予想される場合は、神奈川県下消防相互応援協定等の計画に基づく応援要請を迅速に行うことを定め、消防力が最大限の効果を発揮できるよう、本計画を整備しております。
また、住宅防火対策の取組としては、火災を早期に発見できる住宅用火災警報器の普及促進と、初期消火の重要性を高めるため、家庭防火クラブ等の研修会を通じて、普及啓発を推進しております。
今後も、防火対策の推進と消防体制全般の充実強化を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
41
◯横山むらさき議長【59頁】 高橋文雄議員。
42 ◯21番高橋文雄議員【59頁】 ありがとうございます。いろいろ地域の制度的なものをいろいろ管理してきて、大変その辺は安心できると思います。
また、今、消防長のほうから答弁がありました中でも、初期消火という大事な言葉は、いつの時期でも言われるわけでございますけれども、ぜひそういうものを徹底させていただきたいと思います。
ちょうどこの一般質問について、はだの歴史博物館に資料がないか調べに行ったら、「関東大震災から100年 あの日から忘れずにその日に備える」とか、震生湖の100周年の式典の資料とか、あるいは、「関東大震災、その時秦野では。」ではということで、本町四ツ角周辺の焼け跡とか、大分資料がありまして、これを見ますと、その当時の被害状況の全貌というのは割合とよく分かって、こういう資料もいいなと感じておりました。
いずれにしても、住宅の耐震診断等の補助制度や住宅用火災警報器の給付事業など、市民に寄り添った支援は、災害の被害軽減において非常に効果的な制度ですので、引き続き、推進していただきたいと思います。また、切迫性の高い南海トラフ巨大地震や首都直下地震といった、大きな被害をもたらす地震は、発生を予知することも、被害を食い止めることもできません。ただし、災害の教訓として生かし、防災対策に取り組むことにより、安全に暮らす準備をすることはできます。関東大震災からちょうど100年、市民全員が住み続けられるまちづくりのために何が必要なのかを考えるいい機会です。引き続き、過去の災害を風化させない防災・減災対策を進めていただくよう、お願いします。
そして、さらなる取組を要望して、この質問を終わります。ありがとうございました。
次に、秦野駅北口周辺のまちづくりについて、先ほどの答弁にて、にぎわい創造検討懇話会で対象範囲に対して上がった意見の中では、景観を生かした水無川や湧水の活用などがあり、こういった意見を取り入れながら、ビジョンづくりを進めたとありました。確かに、ビジョンでは、水無川沿いゾーンとして、河岸の景観を楽しむ取組が挙げられていたり、名水をキーワードとするなど、本市の資源として名水が重要な要素となっていることが分かります。
本市には、北方に神奈川の屋根と言われる丹沢山塊を仰ぎ、南方に渋沢丘陵が東西に走る、県内で唯一の典型的な盆地となっています。ビジョンの対象範囲においても、秦野盆地がもたらす名水百選の1つになった湧水群を代表する弘法の清水や秦野駅北口広場のまほろばの泉などがありますが、これらの湧水は、観光資源や学術資源としても大変重要なものです。秦野駅北口周辺まちづくりビジョンでは、弘法の清水などの具体的な記載はありませんが、本市が誇る地域資源である秦野名水まちづくりの観点でどのように活用していくつもりなのか、お伺いいたします。
43
◯横山むらさき議長【59頁】 はだの魅力づくり担当部長。
44 ◯磯崎篤はだの魅力づくり担当部長【59頁】 秦野駅北口周辺まちづくりビジョンにおける秦野名水の活用について、お答えいたします。
秦野名水の活用につきましては、ビジョンの中で、具体的な湧水や関連施設についての記載はしておりませんが、懇話会等で実施いたしました
ワークショップの場では、名水に対する様々な意見や活用のアイデアが挙げられておりました。地域の方々をはじめ、市民の皆様にとって、秦野名水が地域資源として誇れるものであるという認識が強いことから、ビジョンにおける地域全体の将来像を「名水と歴史がつなげる未来 しなやかな街なか暮らし」と掲げ、地域の歴史とともに、名水をまちづくりの重要な要素と位置づけております。
今後、ビジョンの実現に向けた具体的な事業を進めていく中では、全国屈指の森林観光都市を目指す本市の玄関口として、丹沢からつながる緑の中に育まれ、人が集まり、様々な活動が活発に行われるまちの中に、憩いや安らぎを与える潤いのスポットとして、名水を活用していきたいと考えております。
以上でございます。
45
◯横山むらさき議長【60頁】 高橋文雄議員。
46 ◯21番高橋文雄議員【60頁】 ありがとうございました。
丹沢山塊や渋沢丘陵といった、自然、森林に恵まれた山地の麓の都市というイメージの秦野は、秦野盆地湧水群として名水百選にも選ばれ、また、おいしい水が第1位にも選ばれて盆地の地下には、豊かな地下水を蓄える天然の水がめを持つ名水の里でもあります。
ちょうど御答弁の中で、全国屈指の森林観光都市という言葉が出ておりましたけれども、確かに、この近辺ではそうですが、全国的に見れば、もっと森林都市らしいまちが多いわけです。したがって、やはり日本一というのは名水でございますので、それをメインに強力に推進していくのがいいと思いますので、ぜひその辺もお考えいただきたいと思います。
この秦野市の誇る湧水群は、市民や来訪者が気軽に楽しめるように、秦野駅北口周辺地区のみならず、小田急線4駅それぞれの駅前に水場を整備してほしいと思います。特に、秦野盆地の水ですけれども、丹沢塔ノ岳のほうから流れてくる水というのは、大体本町地区で飲料水として使われていますので、その水を使うのは大変効果的だと思います。
秦野駅の私の住んでいる辺りは、大分県水が回ってきているもので、大分塩素の匂いが強かったり、結構別の匂いがしたりもしますので、きれいな、いい水をぜひ有効的に使っていただきたいと思います。
一つ、秦野駅北口の湧水でございますけれども、これは飲めるという人もいるし、飲めないと言う人もいるし、この辺は、市民のほうに徹底をしてPRしていただきたいと思います。
以上でこの質問は終わります。
それから、市の花・なでしこについてでありますけれども、これは大分市のほうでも取り組んでいただきまして、先ほども普及状況について御答弁いただきました。
今年は、3,000株を市民等に配布するとともに、公共施設において定植を図られたということでございます。私も、市から分けてもらったなでしこの種を発芽させて、庭の畑で育てています。今までいろいろな研究をして、種を取るための花を刈り取るタイミングや、株を大きく育てる刈り込み方などを記録しています。ぜひ市においても、これらの成果を活用していただきたいと思います。
市では、これまで環境月間に苗を配布し、普及に努めているということですが、まだ市内においてなでしこを見かける状況になっていないのではないかと思います。そこで、今後、なでしこのさらなる普及についてどのように考えているのか、お伺いいたしたいと思います。
47
◯横山むらさき議長【60頁】 環境産業部長。
48
◯岩渕哲朗環境産業部長【60頁】 なでしこのさらなる普及について、お答えいたします。
平成27年度から苗の配布を始め、一時中断した時期はありましたが、来年度以降も、6月の環境月間に合わせて実施していきたいと考えております。
また、今年度、苗を配布している際に、複数の方から種から育てたほうが愛着が湧くという御意見をいただきました。そこで、来年度は、苗を配布する前の4月には、種の配布をしていきたいと考えております。
発芽させるには、土の表面を乾かさないようにするなど、気をつけなければいけないことがありますので、これまで議員の研究から得られた知見やアドバイスを参考に、育て方のチラシを作成し、併せて配布していきたいと考えております。
さらに、なでしこの普及につきましては、PRも重要であると認識しております。先ほどお答えした環境資源センターでの取組を継続しつつ、来年度は、市庁舎前のせせらぎの一部に、なでしこの定植を図り、より身近に感じていただけるような取組を進めていきたいと考えております。
みどりの基本計画においても、身近なまちの緑を育てていくことを位置づけております。市の花・なでしこの普及を通じて、緑を大切にする心を育み、緑化思想や自然保護意識の高揚につなげてまいります。
以上でございます。
49
◯横山むらさき議長【61頁】 高橋文雄議員。
50 ◯21番高橋文雄議員【61頁】 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いします。
育て方については、私のホームページのほうに掲載しておきましたので、時間がありましたら、ちょっとのぞいていただければありがたいと思います。
そのことについて一番大事なことは、なでしこを1年、2年育てて、図鑑でも二年草という表現が随分あるのですよ。確かに、2年たって満開に咲いたら、種はできますが、木は全部枯れてしまって、終わりになってしまうのです。それを防ぐために、やはり2年目、3年目のときに、花が咲き始めて、実をつけ始めて、感じとして2分の1ぐらい受精したら、さやが太くなりますから、その時期に半分ぐらいになったら、途中で2分の1か3分の1を残して刈り取ってしまうと、根元の栄養成長の部分が残っているわけで、そうすると、それがぐんぐん伸びてきて、また、来年咲くようになります。
だから、植物や動物はそうですけれども、栄養成長から生殖成長に移るわけですが、生殖成長に移って、その時期にまだ栄養成長を残しておいて、栄養成長の部分をカットしてやると、また、栄養成長が繁茂してくるという状況でございますので、その繰り返しをやると、毎年、咲いていくということで、今うちで4年目になりまして、来年咲くような状況になっておりますけれども、4年、5年、確かに続くと思うのです。そこまでいかなくても、3年ぐらいはもたせられると思います。
私がやった経験ですと、種も粒が小さいのですけれども、それを普通にまきますと、大体100%発芽しますので、そうはいっても、90%は駄目になるものがあるかもしれませんが、95%と言っておきますけれども、95%ぐらいは苗の状況で成長して、配布するような状況になりますので、ぜひ大勢の方にやっていただければありがたいと思います。
それで、種まき、育苗、移植して苗を育てる。それから、鉢に植えるとか、あるいは、庭へ植えるとか、そういう段階を経るわけですけれども、そのようにやってもらって、うちで昨年10月にまいたものが、12月に開花をして、それで刈り取ったら、栄養成長という繁茂する部分がどんどん伸びてきて、今年7月に種取りをやりました。それが大体600本ぐらいの苗を植えましたけれども、まだ全体を計量していませんが、20万粒か30万粒ぐらいの種は取れていますから、それを市民の人に分けてもらって、1,000粒ぐらいをまいてもらえば、相当多くの人に配布できて、苗も相当できますので、ぜひそのようにお願いしたいと思います。
それで、まく時期でございますけれども、市内では今年3月にまいて、6月に配布という報告がありましたけれども、確かに、その時期は育ちやすいのですが、3月頃に行くと、もう成長が早いので、気温が高くて雨もあるし、1週間も置くとすぐに伸びてしまって、なかなか扱いにくくなります。扱いやすいのは、今頃まいて、トンネルか何かで防寒をして、冬を越す。そうすると、2月あたりにポットへ移すような時期になりますので、その頃だと、10日置いても、1週間置いても、そんなに動かないからいいのですけれども、そうすると、3月の末か4月の初めには配布ができるようになりますから、やはり植物のほうに合わせて配布の時期も考えてもらうのがいいと思います。
以上申し上げまして、よろしくお願いいたします。
それから、震生湖のことで、1つ言い忘れましたけれども、震生湖は1923年9月1日に関東大震災があって、それからできたわけでございますが、私が1934年生まれで、関東大震災の10年半ぐらい後に生まれているわけです。したがって、小学4、5年生ぐらいのときには、震生湖へ遊びに行ったりしていましたので、その頃の状況を思い出してみましたけれども、1つ太鼓橋辺りの予定地の辺でございますが、あの辺は小さい湖と大きい湖がつながっていて、十分歩いて渡れるような状況でございます。だから、15年ぐらいたったときには、まだ水が十分たまらなかったのか。
確かに、あそこはボートを浮かべるために、相当深く掘っているわけで、今は相当深いわけですけれども、そのようなことで、あの頃はまだ十分に歩けていました。それから、次に行ったときには、一本橋を渡ったり、2本の丸太が縛ってあって、それを橋にしたとか、そんな状況でした。それから、元のゴルフ練習場の上の市道の際にフェンスがずっと張ってありましたけれども、あの下はちょうど崖地になっていて、全く草や木が出ていなかったです。それから、湖面には樹木の枯れたものが水面から上に出ていて、水のたまった中に木の枝がずっとありました。それから、五、六年たったら、子供が泳いだりするときに衣服や何かが絡むからということで、木を切って整理をしたという話を聞きました。
それから、この写真にもありますけれども、湖岸については、大体関東ローム層の赤土が出ていて、これは秦野市のほうでございますが、滑って入ってしまうような感じの場所で、友達と泳ぎに行ったけれども、下は冷たい水で、気持ちよくない水で、すぐに出てきました。そんな生々しい爪痕というか、そういうものはまだ分かるような状況でございました。大分私も古くなっていますから、古いことはよく分かっているのですけれども、そんな状況であったことを報告だけして、今回の一般質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
51
◯横山むらさき議長【62頁】 以上で、高橋文雄議員の一般質問を終わります。
暫時休憩いたします。
午前10時38分 休憩
─────────────────────────────────────────────
午前10時48分 再開
52
◯横山むらさき議長【62頁】 再開いたします。
休憩前に引き続き、「一般質問」を行います。
桑原昌之議員。
〔桑原昌之議員登壇〕
53 ◯7番桑原昌之議員【62頁】 皆様、こんにちは。ともにつくる秦野、桑原昌之と申します。
まずは、8月の市議会議員選挙におきまして、多くの皆様からの御支援をいただき、今、こうして議場へ立たせていただいていますことを感謝いたします。本当にありがとうございます。市民の皆様、議員の仲間の皆様、そして、執行部の皆様、若輩者ではございますが、魂を込めてこれから務めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、教育の現状について、少しお話をさせていただき、質問に入らせていただきます。私たちを取り巻く世界では、簡単には解決できない多くの課題が山積しています。世界各地で紛争は絶えません。そして、気候変動によると言われる災害も多発し、世の中には閉塞感もあるということがあります。未来にも大きな不安を抱えるこの状況、さて、皆さんどうしましょう。
そうはいっても、人類は、どのような困難な時代にあっても、何とか知恵を絞って、難局を乗り越えてまいりました。生命をつないで、先人の生き抜く力はしっかりとリレーされて、今、こうして私たちも生きているわけです。しかし、こういう未曽有の様々な諸課題がある中で、子供たちにしっかりと未来を託すことができるのか、それは私たち大人、ここにいる皆さん、そして、今、中継を見てくださっている皆さんを含め、みんなでしっかりと考えていかなければいけない問題だと思っております。しっかりと子供たちに胸を張って、希望の未来を手渡すチャレンジをしようではありませんか。
そこで、今日は、大きく3つの質問をさせていただきます。
まず1つ目が、地域とともにある学校づくりについて、2つ目が、いじめ・不登校対策について、3つ目が学力向上の推進について、一つ一つ質問をさせていただきますが、終わってみたら、セットで考えていただけるとすごくありがたいと思っております。
さて、私たちは、今、お話ししたように、ついつい世界へと目を向けがちなのですけれども、身近な地域は、今、どのような状況でしょうか、ちょっと考えてみてください。地域社会は、その昔からお寺や神社が中心になっていたり、あるいは、城郭、お城のあるところでしたらば、お城を中心に、それから、商人の町でしたらば、町家を中心に成り立ってきたわけです。
そういう中で、学校が明治の学制発布になって、もう150年を超えてくるという状況があります。そういう中で、学校も地域社会の中心として機能を担ってきた歴史が150年もあるということです。学校というのは、子供たちが学ぶだけではなく、防災拠点でもあり、それから、スポーツや音楽、芸術活動などの文化の拠点にもなる、とても重要な施設だということは、皆さんも御承知だと思います。学校は地域の公共財でもあります。地域のみんな、子供、保護者、教職員、地域住民でしっかりと守り、これからも育てていくことが重要だと私は考えております。
そこで、本市として、地域の公共財としての学校の役割について、どのように考えているのかをお伺いします。
2つ目は、いじめ・不登校対策についてです。いじめ・不登校対策は、本当に喫緊の課題と言われていて、先日もいろいろ課題が出てきていました。
先日の報道では、いじめ・不登校問題に関しては喫緊の課題ということで、2022年度に認知されたいじめの件数が、前年度から1割増の68万1,948件で、約69万件。過去最多と言われています。そして、不登校の子供たちも物すごい数で増えているという状況があり、深刻ないじめは923件と、本当に大変なことになっているわけですよね。
その中で、まず、いじめの問題が本市ではどのようになっているのかをお伺いしたいと思っております。
そして、いじめはどうなっているかというところで、傾向が大分以前と変わってきているという状況もありますので、そのあたりもしっかりとお尋ねしたいと思っております。いじめとセットですが、本市での不登校の状況もお伺いしていきたいと思っております。
不登校については、小・中学生は何と最多の29万9,048人ということで、約30万人もの子供たちが不登校であるということです。コロナ禍の影響があるというお話はありますけれども、これもとても大きな問題です。このあたりも、不登校の現状についてお話をお伺いしていきたいと思っております。
いろいろな課題が学校の中であるわけですが、肝腎の子供たちの学びのスタイルがどうなっているのか、それを3つ目の学力向上の推進と併せてお尋ねしたいと思います。
54
◯横山むらさき議長【64頁】 暫時休憩いたします。
午前10時55分 休憩
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午前10時56分 再開
55
◯横山むらさき議長【64頁】 再開いたします。
桑原昌之議員。
56 ◯7番桑原昌之議員【64頁】 今、質問が混ざってしまったので、3つ目の項目の一次質問のところから、また、お話をさせていただきます。大変申し訳ございませんでした。
いじめ・不登校の問題も大きな課題ですけれども、学校の中身をどのようにしていくのかということで、学力向上の推進についてということを3つ目として、お伺いいたしたいと思います。
特に、教えるから子供が自ら学ぶへということで、学びのスタイルの転換の現状についてお尋ねしていきたいと思っております。ぜひよろしくお願いいたします。
この後は、質問者席にてよろしくお願いします。
〔桑原昌之議員降壇〕
57
◯横山むらさき議長【64頁】 教育部長。
58 ◯原田真智子教育部長【64頁】 御質問にお答えいたします。
初めに、1点目、地域とともにある学校づくりについて、お答えいたします。
本市では、秦野市教育振興基本計画の基本方針2におきまして、地域とともにある学校づくりを推進することを掲げております。地域での支え合いやつながりが希薄だと言われている中で、学校が地域社会と連携を図り、一体となって子供たちの成長を支えていくことで、地域とともにある学校づくりの実現を目指しております。
具体的な取組としまして、自治会などの地域住民や保護者が参加する学校運営協議会を備えたコミュニティ・スクール制度を導入しております。学校運営協議会で様々な意見をいただくことで、地域の声を反映した教育活動につなげるとともに、共に学び、育ち合う、活力あるコミュニティーを生み出すことを推進しております。
これまでの学校での事例を2つ紹介いたします。
まず、今年度より、末広小学校や堀川小学校で進めている学校図書室の地域開放です。学校図書室は、授業時間や昼休みの児童が学校にいる時間に利用していますが、公立図書館のように、全ての時間で活用されているわけではありません。現在、教育委員会では、読書活動の推進も図っており、学校施設の利活用や児童、地域の方々との交流も狙いとして、3校での試行を進めております。
次に、震生湖誕生100周年の取組です。御承知のとおり、今年は関東大震災から100年目となり、国登録記念物の震生湖も誕生してから100年を迎えました。学区が震生湖に近い南小学校をはじめとする5校では、総合的な学習の時間に震生湖の歴史について学ぶ機会を設けました。本町小学校では、9月1日震災発生日に震生湖を訪れ、地元自治会の方から震生湖付近の崖の崩落の様子や、寺田寅彦の句碑の説明を受けました。児童たちは、地震の怖さを知るとともに、これからも震生湖を大切に守っていきたいという気持ちになったとの報告がありました。今後も、各校の主体性を生かしながら、地域とともにある学校づくりを進めてまいります。
続きまして、2点目のいじめ・不登校対策について、本市におけるいじめの現状と具体的な対応について、お答えいたします。
まず、答弁の前に、一部報道では、文部科学省より、令和4年度の児童・生徒の問題行動・不登校等に係る調査結果が公表されておりますが、神奈川県教育委員会より、神奈川県の公表は10月中旬以降という報告を受けておりますので、現時点では、令和3年度までの状況でお答えいたします。
文部科学省の調査によりますと、本市のいじめの認知件数は、令和2年度は1,188件、令和3年度は1,392件となっており、学年別で見ますと、小学1年生から3年生で全体の55.9%を占めています。
いじめの具体的内容で最も多いのは、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が全体の約半分を占め、次いで、「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」が挙げられています。
さらに、経年変化に着目しますと、「パソコンや携帯電話などで誹謗・中傷や嫌なことをされる」が平成23年度は2件でしたが、令和3年度は28件に増加しております。
いじめ事案の対応に当たって、現在のいじめ基本方針にある、いじめられた側の主観的事実に沿って対応するという理念に基づき、一つ一つ丁寧に対応していることから、認知件数の増加につながっていると分析しております。
各校においては、いじめを認知した場合は、学年、学校で情報を共有するなど、組織的に対応していますが、状況に応じて教育委員会とも連携し、教育委員会では心理の専門家も活用しながら、学校への支援、助言を行っております。
さらに、本市では15年間にわたり、いじめの未然防止を図るため、年4回、いじめを考える児童生徒委員会を開催し、各校でのいじめ撲滅運動を進めてきました。特に、第4回目には、保護者や地域とも連携し、いじめについて一緒に考えてまいりました。
続きまして、御質問の3点目、学力向上の推進について、お答えいたします。
本市では、令和3年度から、子供たち一人一人の学力の定着度合いと学習意欲の基盤となる非認知能力の関係性に着目した授業改善の取組として、学びの基盤プロジェクトを開始いたしました。導入当初は、参加を希望する5校での実施でしたが、令和4年度は8校、令和5年度は実施校が15校まで拡大しました。
本プロジェクトは、埼玉県教育委員会と協定を結び、埼玉県・鳥取県、京都府京都市など、全国16の自治体と連携しながら、学校と教育委員会で協働して、教育データの分析・検討を進め、授業改善につなげております。毎年5月に、児童・生徒一人一人の学力調査と質問紙調査を行い、9月に返送されてきた結果を基に、指導主事が参加校からの要請により、校内研究会に参加し、データ分析に合わせた授業改善の助言を行っており、今年度も、既に多くの学校から指導主事の派遣要請を受けております。
この分析に当たっては、文部科学省地方教育アドバイザーにも助言をいただいているほか、9月には、アドバイザーから御紹介いただいた鳥取県教育委員会とオンライン視察を実施し、分析結果の効果的な活用方法についての情報共有を進めてきました。
新たな学びのスタイルへの転換ですが、秦野市教育振興基本計画では、学習指導要領で求められている新たな学力の定着に向けて、子供たちの学ぶ意欲や非認知能力を育み、教育水準の改善・向上を図ることとしております。その成果指標となる、全国学力・学習状況調査の質問紙調査における「課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいたか」という質問については、肯定的に回答する児童・生徒の割合が増加しております。
成果を上げている学校に着目しますと、児童・生徒からの問いを手がかりとしながら、主体的に課題解決に取り組む学習展開や、1人1台端末を活用して、お互いの考えや情報を共有する協働的な学びなどが報告されていることからも、新たな学力観に基づいた授業改善が進んできているものと考えております。
また、全ての学習の基盤となる読解力育成の取組も進めており、一例ですが、北中学校では、読書の定着を目指した時間を新たに教育課程の中に設定し、生徒が落ち着いて読書をした後、その雰囲気の流れで授業を始めているほか、南が丘小学校では、テーマを毎回変えて、「54字の南が丘メッセージ」に全校で取り組み、文章を書くことが苦手な児童でも、自分の思いを書いたり、表現したりできる意欲につなげております。
以上でございます。
59
◯横山むらさき議長【66頁】 桑原昌之議員。
60 ◯7番桑原昌之議員【66頁】 今、3つ概要を説明していただきましたので、ここからは1つずつ質問をさせていただきたいと思います。
昔も今も、これからも、地域とともにある学校というのは本当に大事だと思っています。学区ごとの特徴を生かした教育活動も取り入れているということがよく分かりました。隣の伊勢原市に勤務しておりましたけれども、秦野市は学区が広くて、非常に特徴を持った、特色のある教育をやっているということは、聞き及んできたところです。
ただ、この中で、今、なかなか難しいのは、地域住民同士の関係が希薄となっているような状況もあって、さらに、もう随分前になりますが、大阪教育大学附属池田小学校で殺傷事件が起きた後に、学校には門がつけられ、大分学校と地域の関係性が薄れてきたということもあったかと思います。
そのような中で、これからどのように学校と地域が連携をしていくのかということで、コミュニティ・スクールについての質問をさせていただきます。
昨年度も、八尋議員のほうからいろいろお話があったかと思うのですけれども、まず、文部科学省のコミュニティ・スクールについてということで、図をスクリーンに、今、出させていただきましたが、多分、この図を基にいろいろなことを考えているのではないかということで、コミュニティ・スクールの現状と課題について、どのようになっているのかということを詳しくお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
61
◯横山むらさき議長【66頁】 教育部長。
62 ◯原田真智子教育部長【66頁】 コミュニティ・スクールの現状と課題について、お答えいたします。
コミュニティ・スクール制度は、地域とともにある学校への転換を図る有効な仕組みで、文部科学省では、平成29年に学校運営協議会設置の努力義務化を内容とする法改正を行い、全校導入に向けた動きを加速させております。
本市のコミュニティ・スクールの導入状況ですが、秦野市教育振興基本計画の中間年度となります令和5年度は、市内14校での導入を目標としてきましたが、既に19校の導入が完了しております。コミュニティ・スクールでは、学校と保護者、地域住民などが力を合わせて学校の運営に積極的に参加することが重要なため、年2回、市内全ての小・中学校を対象にコミュニティ・スクール連絡協議会を開催し、文部科学省が進める先進事例の学習会や、様々な立場の人が意見を述べることができる、よりよい会議の進め方について話し合ってきました。
こうした取組により、本市では、平成28年度に市内で最初の学校運営協議会の設置校として西中学校を指定し、それ以降、コミュニティ・スクールの導入を推進してきました。また、国の動きを見据え、小中一貫教育の観点から、小・中学校で1つの学校運営協議会を一体化して設置するなどの工夫改善を図ってきました。
一方、課題としましては、学校運営協議委員の人材確保や、教職員多忙化への懸念があります。そのため、本市の東海大学や上智大学短期大学部などと様々な事業を連携している関係性を生かしまして、学識経験者の人材確保に努めております。また、運営を支援する人材として、市内に3人のコミュニティ・スクールディレクターを配置しており、ディレクターは、学校運営協議会の要請に応じて、地域の方と学校をつなぐ役割を果たしております。
以上でございます。
63
◯横山むらさき議長【67頁】 桑原昌之議員。
64 ◯7番桑原昌之議員【67頁】 ありがとうございます。既に、コミュニティ・スクール導入に向けた動きが加速しているということで、少し安心をしております。
私が今、関わっている新潟県妙高市ですとか、茨城県石岡市ですとか、いろいろなところでもコミュニティ・スクールをどうしようという議論が湧き起こりながら、様々なチャレンジをしているところがございますので、ぜひいろいろなところの事例を見ていただいて、さらに進めていただきたいと思っています。
このコミュニティ・スクールは、今後、さらにどのように進んでいくのかということをお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
65
◯横山むらさき議長【67頁】 教育部長。
66 ◯原田真智子教育部長【67頁】 コミュニティ・スクールの今後について、お答えいたします。
現在、各校では、学校と地域との連携・協働の取組が進んでおります。平成28年度からコミュニティ・スクールの取組を続けている西中学校では、学校運営協議会での意見を基に、生徒が地域の方々と一緒に、災害時にも有効活用できるロケットストーブを作製し、地域の自治会に提供いたしました。
また、堀川小学校では、学校運営協議会の発案で、地域の方々が得意な分野で学校を支援する学校教育ボランティアを募集しております。昨年、小学4年生が総合的な学習の時間で、「共に生きるから命を学ぶ」をテーマに、生物や生態系について学びましたが、学校敷地内に野鳥観察ができる池を児童とボランティアが協力して作ることができました。児童からは、「命の貴さや動物のことを知ることができた」、「一緒に池を作ってとても楽しかった」、「人とのつながりの大切さも学べた」という感想があり、地域との交流で学びを深めることができました。
さらに、今月1日には、渋沢中学校で地域の高齢者を招待し、吹奏楽部が演奏を披露するなどの交流会を開催しました。演奏を終えた生徒たちは、笑顔とともに、「また、地域の方と触れ合いたい」、「絆の大切さを感じた」との感想を持ったといいます。
このような地域と学校が手を取り合い、児童・生徒に寄り添うことで、子供たちの学びや体験活動の充実、学校を核とした地域人材の活躍などの効果が生まれております。引き続き、地域との協働を推進することで、秦野市教育振興基本計画の目標である、令和7年度までに市内全ての小・中学校でコミュニティ・スクールを導入し、地域とともにある秦野らしい教育活動の充実・発展に努めてまいります。
以上でございます。
67
◯横山むらさき議長【67頁】 桑原昌之議員。
68 ◯7番桑原昌之議員【67頁】 ありがとうございます。
私は、大根小学校出身です。大根小学校もその昔、愛鳥のポスターがいつも張ってあって、本当に秦野ならではの野鳥がたくさん観察できるということで、その地域性を生かすということも本当に大事だなと思っております。
地域とともにある学校の充実というのは、何よりも子供たちが、この学校で学んでよかったなと思えることにつながると思っています。さらに、地域の素材を生かした教育活動は、やはり子供たちの興味、関心を引いて、学びもより充実するということだと思っています。
そして、何よりも子供たちが楽しんでいる姿があれば、保護者の皆さんも安心すると思いますし、各校に勤務する教職員の皆さんも、本当にこの学校に勤務できてよかったということにもつながると思います。
学校を中心として地域のヒト、モノ、コトという資源を多角的に活用して、コミュニティーとしてしっかりとデザインしていくことが重要だと思いますので、今後も、より強く地域とともにある学校づくりの推進をお願いしたいと思います。今の様子ですと、令和7年度までと言っていますが、恐らく前倒しでどんどん進めてくれるのではないかと期待しております。どうぞよろしくお願いいたします。
この質問は終わりにして、次の質問に入ります。
いじめ・不登校対策について、ありがとうございました。本市でもなかなか難しいということで、数が増えてどうしようという現場の声が多分、たくさん入ってきているのではないかと思っています。
いじめ問題への対応が本当に難しいということは、長い教育の現場経験からも理解しているつもりです。一人一人の子供を中心として、保護者、教職員のみならず、専門家などを含めて、誰か一人に責任を押しつけることなく、チームでの対応が求められると思っています。そういう体制を構築していただいているとは思うのですが、まだまだ、恐らく現場としては不十分なところがあるのかと思いますので、引き続き、拡充をお願いしていただきたいと思っております。
さらに、今は、私が子供の頃とは違って、インターネットやSNSの普及などもあって、これまでにない対応の難しさがあるということは、ここにいる皆さんも御存じのとおりだと思います。
そこで、いじめの傾向がかなり変わってきているのではないかと思うのですが、その変わっているところの内容、それから、対策について、お伺いいたします。よろしくお願いいたします。
69
◯横山むらさき議長【68頁】 教育部長。
70 ◯原田真智子教育部長【68頁】 いじめの傾向の変化と対策について、お答えいたします。
インターネットやSNS上のトラブルが増加した背景としましては、
スマートフォンの普及が挙げられます。今年2月に、内閣府より公表された青少年のインターネット利用環境実態調査によりますと、
スマートフォンを使ったインターネット利用率は、10歳以上の小学生で42.8%、中学生が78.1%となり、本市でも同様に、
スマートフォンの普及が10年前に比べて急速に進んでおります。
また、いじめの具体的内容も、インターネットやSNS上での人間関係のトラブルや、本人の了承なしに画像を他人に送るなどの事案が増えております。特に、子供たちは、デジタルネイティブと言われる世代になってきており、情報端末が身近にある生活を送っていることから、トラブルの対応に当たって保護者の確認が必要な場合も多く、学校だけでは対応が難しいケースもあります。
このような状況に対し、教育長から、未然防止が最大の対応策との考えが示されていることから、教育委員会では昨年度、新たな取組として、LINEみらい財団が開発した「活用型情報モラル教材GIGAワークブック」をベースに、本市の実情に合わせて「GIGAワークブックはだの」を作成いたしました。この教材は、児童・生徒が主体的に情報モラルについて考えるきっかけになるもので、教材の積極的な活用を図るため、LINEみらい財団から講師を招き、教員対象の研修会を開催し、改めて、1人1台端末の使い方や情報モラルについて子供たちへ、授業の中で端末を活用しながら伝えております。
特に、教育委員会では、保護者や地域と連携した取組も重要と考え、令和3年度のいじめを考える児童生徒委員会で、保護者や地域の方と一緒に、児童・生徒が「ネットいじめを防止するために」というテーマで話し合い、それぞれの世代での
スマートフォンやインターネットなどの使い方を知るとともに、ネットいじめの防止策として、メディアなどに触れない時間をつくるなどのノーメディアデーのアイデアも上がり、これは、現在の読書活動推進に向けたよむよむDAYの開始にもつながっております。
本市では、令和3年度に、1人1台端末を導入する際に、「GIGAスクール攻略リーフレット」を保護者へ配付し、子供とルールについて話し合っていただくようにお願いをしております。また、学習用端末使用同意書については、記載されている個人情報や、ルールやマナーについての内容を子供と一緒に確認した上で提出をするよう、お願いしております。また、保護者への情報モラル教育の啓発として、毎年4月に新入生の保護者を対象に、県からの携帯電話に関するリーフレットを配付しております。
そのほかにも、校内での外部講師による携帯電話教室や情報モラル教室などに保護者も参加できるように工夫している学校もあります。
今後も、新たな傾向のいじめ対応も含め、家庭とも連携した対策を強化してまいります。
以上でございます。
71
◯横山むらさき議長【69頁】 桑原昌之議員。
72 ◯7番桑原昌之議員【69頁】 ありがとうございます。
「GIGAワークブックはだの」については、先日、確認をさせていただきました。とても分かりやすい資料で、これを子供たちがしっかりと学びながら、しかも、保護者の皆さんも一緒に考えられるということで、ぜひ上手にこれからも使っていただきたいと思っております。
いじめを生まない学校づくりというのは、本当に大切なことですけれども、どうすれば子供たちにとって安心・安全の場に学校がなるのかということも、子供たち、保護者の皆様、それから、教職員の皆様、そして、地域住民の皆様と共に、積極的にどんどん対話をしていただきたいと思っています。
さて、次は、不登校について質問をさせていただきます。
不登校の小・中学生は、先ほどお話ししたように29万9,048人で、30万人に迫るということだったのですね。スクリーンに映した資料は、先ほどいじめの認知件数などの文部科学省のところなのですが、いじめもぐんと増えているのですけれども、不登校についても、線だけを見ていただけると分かるのですけれども、右肩上がりでどんどん増えているという状況があります。これは、いろいろな教育関係者と話をする中で、このままではもう止まらないだろうと。本当に喫緊の課題であるということがあります。
そこで、本市における不登校の現状というのは、日本各地とそう変わらないのかどうかも含めて、現状はどのようか、お尋ねいたします。よろしくお願いします。
73
◯横山むらさき議長【69頁】 教育部長。
74 ◯原田真智子教育部長【69頁】 本市の不登校の現状について、お答えいたします。
文部科学省の調査によりますと、本市の不登校児童数は、小・中学校合わせて、令和2年度は187人、令和3年度は236人となっており、全国の調査結果と同様に、増加傾向にあります。
また、経年変化を追ってみますと、不登校児童・生徒数は、平成23年度は140人、平成28年度は176人となっており、平成23年度から令和3年度までの10年間で、約1.7倍に増えております。
現在の不登校の要因としましては、小・中学校ともに「不安・無気力」が多く、次に、小学校では、「親子の関わり方」、中学校では「友人関係をめぐる問題」と続いております。
さらに、分析を進めますと、「発達上の課題」や「家庭環境に起因するもの」など、複合的な要因のある不登校も増加しております。そのため、不登校の対応に当たっては、学級担任だけではなく、学校管理職、学年職員、養護教諭、教育相談コーディネーターなどがチームで支援をしております。ケースによっては、保護者や家庭への支援が必要な場合もあることから、心理や福祉の専門家とも連携をとり、一人一人に寄り添った支援に努めております。
特に、令和2年度から3年度にかけては、新型感染症対策による臨時休校もあり、その影響も要因の1つであったと懸念されることから、教育委員会では最大の緊張感を持って対応しております。
以上でございます。
75
◯横山むらさき議長【70頁】 桑原昌之議員。
76 ◯7番桑原昌之議員【70頁】 ありがとうございます。
不登校の問題については、本当に多くの人たちが関心を寄せています。一筋縄では解決しません。資料を1点だけ紹介します。
暴力行為の発生件数の推移というものがあって、スクリーンに映した水色の一番上のところが小学生です。きゅんと上がっていると思うのですけれども、これも右肩上がりなのです。私は今、50代ですけれども、子供の頃は、中学生が大分暴れていたという時代がありますけれども、今、小学生が暴れるような状況がある、低年齢化しているということがあります。実は、対教師暴力というものも非常に大きな問題になっていることを承知しておいていただいた上で、さらに、この不登校の状況についてのお話をさせていただきたいと思います。
特に、新型感染症があって、学校の中で子供たち同士も触れ合いがなく、それから、教職員同士とも距離感が必要になり、いろいろなことがあって、特に休校措置もありました。コロナ禍を明けてということもあるのですけれども、コロナ禍の影響というものが本市でもいろいろあったのではないかと思いますが、これからのコロナ禍を踏まえての対策はどうしていくのかということも含めて、お伺いいたします。
77
◯横山むらさき議長【70頁】 教育部長。
78 ◯原田真智子教育部長【70頁】 すみません、先ほどの答弁の中で、訂正がございます。本市の不登校の児童・生徒数のところで、小・中学校合わせて、令和4年度と申し上げましたが、正しくは、令和2年度の間違いでございました。おわびして訂正いたします。
コロナ禍を踏まえまして、不登校の対策についてお答えいたします。
コロナ禍の影響が懸念される中、本市としましても不登校対策を強化しております。今年5月に教育研究所が旧大根幼稚園園舎に移転し、新たにはだのE-Labとして開設したことに伴い、その機能強化策の1つとして、不登校児童・生徒の支援対策の強化を挙げております。
具体的には、現在、旧上幼稚園を拠点として運用している不登校児童・生徒支援に係る訪問型個別支援教室「つばさ」の大根・鶴巻地区のサテライト教室として、支援の拡充を図っております。
また、令和3年度より、オンライン教材を活用した学習支援を行っておりますが、この教材を活用して、自分のペースで学習を進めることができ、学校復帰につながった児童・生徒の報告も受けております。
さらに、これまで教育委員会の担当だけで分析していた、各校から提出される長期欠席に関する報告書について、スクールソーシャルワーカーや学校心理士なども含めて分析を進めるなど、対策を強化しております。今年7月21日、総務省から文部科学省に対し、不登校・ひきこもりのこども支援に関する政策評価の結果が示され、不登校児童・生徒の支援に当たり、教育相談体制の整備や学校外施設の提供不足が指摘されました。
本市におきましても、緊急対策の1つとして、「教育長だより~エール~」におきまして、教育支援教室「いずみ」など、秦野の新たな学びの場について紹介しましたところ、現在5件の相談を受け、具体的な支援を進めております。
以上でございます。
79
◯横山むらさき議長【71頁】 桑原昌之議員。
80 ◯7番桑原昌之議員【71頁】 確かに、コロナ禍の影響というのは、本当に大きいのかなと思っていますので、引き続き、注視していただきたいと思います。
不登校に関わることに関して、子供たちの学びの機会の保障ということがあります。その中で、緊急的な措置として、学校外の場所を充実させるということは大事だと思うのですけれども、本来ならば、自分の足で通える学校が、一人一人の子供たちにとって安心・安全の場であることが望ましいわけですね。
そこで、最後に、不登校対策の方向性、これからどんなことを考えているのかをお伺いいたします。
81
◯横山むらさき議長【71頁】 教育部長。
82 ◯原田真智子教育部長【71頁】 今後の不登校対策の方向性について、お答えいたします。
児童・生徒にとって学校が魅力的な場所であることが、いじめ防止、不登校の未然防止にもつながると考えております。不登校の一番の要因である不安・無気力については、学習の遅れも大きな要因の1つと考えられ、児童・生徒にとってより分かる楽しい授業を行うことが、不登校問題の改善には重要であると見ております。
そのためには、児童・生徒の学習意欲を高め、現在の学習指導要領が目指す主体的・対話的で深い学びにつながる授業を行うことが大切であると考え、児童・生徒一人一人の学びを充実させる取組を行っております。
また、本市では、近年、自制心ややり抜く力、自己効力感や自己肯定感といった力を非認知能力と捉え、学びを支える基盤となる力として重要視する、学びの基盤プロジェクトにも取り組んでおります。
こうした取組をさらに強化するため、今年6月には、発達心理学の第一人者となる法政大学渡辺弥生教授を講師に招き、非認知能力について研修会を行い、授業、保育の場面でどのように捉えたらよいか、学ぶ機会を設けました。
さらに、民間企業と連携した新たな学びプロジェクトとして、9月から、子供の感情力と社会性を楽しみながら育てる日本初のオンライン教材「みらいグロース」を今年度、試験的に広畑小学校で導入しております。
一方、多文化共生型の社会を構築するために、インクルーシブの視点も重要だと考え、8月に実施した教育研究発表会において、東京都国立市とフルインクルーシブ教育の実現に関する連携協定を締結した、東京大学の小国喜弘教授をパネリストに迎えて、パネルディスカッションを行いました。フルインクルーシブ教育とは、全ての時間、地域の学校で、共に安心して学ぶことが保障される教育という話を聞き、理解を深めました。
今後も引き続き、児童・生徒一人一人を大切にした魅力ある学校づくりを進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
83
◯横山むらさき議長【72頁】 桑原昌之議員。
84 ◯7番桑原昌之議員【72頁】 ありがとうございます。
今の答弁の中で、児童・生徒にとって学校が魅力的な場所であることが、いじめ防止・不登校の未然防止にもつながる。そして、児童・生徒にとってより分かる楽しい授業を行うことが不登校問題の改善には重要である。そのためには、児童・生徒の学習意欲を高め、現在の学習指導要領が目指す主体的・対話的で深い学びにつながる授業を行うことが大切であると考え、児童・生徒一人一人の学びを充実させる取組を行っておりますということでしたが、恐らく現場では、まだまだ道半ばで、チャレンジをして悪戦苦闘をしている教職員の皆さん、子供たち、そして、保護者の皆さんの顔が思い浮かびます。ありがとうございます。
そこに関わるところで、最後の学力向上の推進についてに移らせていただきます。
資料を用意させていただきました。スクリーンを御覧ください。石川県加賀市の学校教育ビジョンの絵です。イラストを見ていただくといいと思うのですけれども、これがこれからの学校の新たなスタイルだと、石川県加賀市としては学校教育ビジョンを掲げて、今、一生懸命全力で取り組んでいるという報告があります。
これをぱっと見て、何だこれ、だらしがないではないかとか、いろいろなことを考えるかなと思うのですけれども、学習空間をどのようにつくっていくのかということが重要視されているという資料です。
ここも、実は、発達障害だとか、特異な才能だとか、それから、家庭の文化資本だとか、いろいろと状況がある中で、子供たちは、そもそも一人一人背景が違う子供たちが集まっていて、それぞれの興味・関心も違う。本当に様々な子供たちがいるということがあります。
そこで、文部科学省としても、教えるから、子供が自ら学ぶへの学びのスタイルに転換をしましょうということで、新しい学習指導要領の下に、各学校でカリキュラム編成をしてくださっていると思います。
そこで、本市の教えるから新しい学びのところで、ずっとやってきたわけですが、今、いろいろチャレンジをしていて、本当に学校の先生たちもそれぞれが頑張ってくださっていると思うのですけれども、実際問題、現状はどうなのかということと、そして、課題を今、どのように認識されているのかをお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
85
◯横山むらさき議長【72頁】 教育部長。
86 ◯原田真智子教育部長【72頁】 学力向上の推進におきまして、現状と課題について、お答えいたします。
教職員が主体的に取り組んでいくための時間を確保する働き方改革を進めることはもちろん、学ぶことは進化するという視点で、新たな学力観や今、求められる児童・生徒の学びの姿について、教職員の意識改革をさらに進める必要があると捉えております。
これを踏まえまして、先月末には、市内の小・中学校教職員を対象とした全国学力・学習状況調査研究推進連絡会を開催いたしました。具体的には、現在の学習指導要領が求めている学びの姿について、成果を上げている学校の管理職と教職員がパネリストとなったパネルディスカッションや、参加者同士のグループ協議を通して好事例の共有を図りました。参加者からは、「今、求められている学びのスタイルにどう転換していくかが分かった」、「他校の分析を参考に、日々の教育活動を充実させていきたい」といった感想が寄せられており、今後も、働き方改革と教職員の意識改革という2つの課題に取り組みながら、学力向上施策を進めてまいりたいと思います。
以上でございます。
87
◯横山むらさき議長【73頁】 桑原昌之議員。
88 ◯7番桑原昌之議員【73頁】 ありがとうございます。
本当に大変だと思うのです。実際に、現場のことがなかなか市民の皆さんにも見えていないのではないかと思っています。子供たちも苦しいのですけれども、先生たちも苦しいのではないかということを本当に実感しています。
昨年度まで伊勢原市の学校におりましたけれども、夏休みが明けて、子供たちが来なくなるだけではなくて、先生が来なくなってしまう事例もあるわけです。非常に大変なことが各地で起こっていて、教員採用の課題もいろいろありますので、ぜひ皆さんで知恵を出し合って、進めていただきたいと思っているところです。
多くの教職員が、自らの個性を生かして教育実践に取り組むということが何よりも大事だと思っています。誰かの教育実践をマニュアルのように持ち込んでも、大抵はうまくいかないのですね。というのは、目の前にいる子供たちは違うのですよね。例えば、私も本を出していますけれども、私の目の前にいる子供たちと、今、関わっている子供たちは違うので、私の本を読んで、そのまま教室でやろうと思っても、うまくいくわけはないのです。しっかりとマインドセットだけ学んでいただいて、先生方がチャレンジしやすい環境も1つポイントかと思っています。
参考までに、非認知能力を伸ばすために避けたい大人の行動というものがあります。1、いらいらしたり、声を荒げたりしない。2、子供が失敗しないよう先回りするのを避ける。3、誰かと比較しない。今、この3つの項目が教室で行われていないか、確認もぜひしていただきたいと思っています。とにかく新しいことに取り組む際には、大きな抵抗があるのは分かっています。そして、今の教員採用の課題としては教員の年齢層もいびつなのですよね。採用10年目までの先生が5割を超えてくるような学校が全国各地で出てきていて、真ん中がいないと。非常に教育力が難しい状況もあります。
ということで、いろいろあるわけですけれども、今、秦野市では、新たな学びのスタイルの構築を一生懸命やっていただいていると思います。一方で、新たな学びを試行するがゆえに、先生方の多忙化はなかなか解消されていかないということがあると思いますが、新たな学びのスタイルの構築と多忙化解消との両立について、今後の方向性はどのように考えているのか、お伺いいたします。
89
◯横山むらさき議長【73頁】 教育部長。
90 ◯原田真智子教育部長【73頁】 教職員の多忙化解消との両立と今後の方向性について、お答えいたします。
現在、教職員の多忙化解消が急務となっており、本市においても、令和3年に作成した秦野市学校業務改善推進方針の下、スクール・サポート・スタッフの全校配置や、学校給食費公会計化などの具体的な施策に取り組んでおります。さらに、教職員が児童・生徒と向き合う時間の確保と新たな学びのスタイル構築に向けて、これまで、1校1人としていた研修参加体制を見直して希望制としているほか、より多くの教職員が移動時間なく研修を受けられるよう、オンラインでの研修参加体制を整える取組を進めております。
今後の方向性としましては、11月に文部科学省地方教育アドバイザーを講師とし、学びの基盤プロジェクトを軸とした授業力向上の取組についての研修会を実施する予定で、授業改善を進めている教職員が参加し、そこで学んだことをそれぞれの学校に還元して、全校に広めてまいります。
今後も様々な機会を活用して、教職員や児童・生徒、保護者の声を大切にしながら、学力向上施策に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
91
◯横山むらさき議長【74頁】 桑原昌之議員。
92 ◯7番桑原昌之議員【74頁】 ありがとうございます。
先生方の研修体制については、研修、研修というと、さらに忙しくなってしまうので、緩やかに進めていただきたいと思うのですけれども、先生方一人一人の個性が生きる教育活動ができる現場にぜひしていただきたいと切に願っております。
3つの大きな質問をさせていただきました。まとめで、意見と要望をさせていただきたいと思っております。
まず、地域とともにある学校ということで、学校のことは何となく知っているけれども、地域の住民の皆さんが、学校に入りたくても入れないような状況があったり、あるいは、学校としても、変に入ってこられると難しいこともあったりとか、いろいろ気を遣うことがあるかと思います。ですが、やはりこういう時代ですので、地域の皆様、秦野市には16万人もいるので、いろいろな知恵とか、いろいろな技術を持っている方がいらっしゃいます。そういう方々の知恵をお借りしながら、学校をしっかりとつくっていくことが、学校がもっと楽しくなる上ではすごく重要な点ではないかと思いますので、私の場合は、「じんざい」というと、「人」の「財産」の「財」という言葉をよく使わせていただくのですけれども、本当に財産としての、秦野市民の皆さんの力をぜひ学校も借りていただきたいと思っています。
先ほども申し上げましたように、いじめ・不登校の問題は、なかなか解消されないと思います。簡単ではないです。大人の世界でもいろいろぐちゃぐちゃとあるわけですよ、SNSとかでも。そういう中で、それを見た子供たちがまねをするに決まっているわけです。そういう中で、そうではなくて、どうやって子供たちの世界をしっかりとつくっていくのかということも、我々大人もしっかり考えなければいけない。保護者の皆さんも、学校がどうのこうのではない、やはり当事者意識を持っていただく。子供たちも自分の学校は自分でつくるという当事者意識を持つということが、やがて民主的な世界がつくられることの1つかなと思っています。
そして、新たな学びのスタイルは、今、実は、全国各地でいろいろな公立の学校であれ、私立の学校であれ、それから、インターナショナルスクールであれ、フリースクールであれ、チャレンジをしています。子供たち一人一人にとって、どのような学びの場が最適なのかということを一生懸命考えながら、それぞれの地域性を背景にチャレンジしています。ぜひ多くの事例を参考にしていただいて、皆さんで秦野の教育をしっかりと議論して、いいまちにしていければ、本当にまちづくりとか、いろいろなことにも全て大きないい影響を与えられると思いますので、皆さんも教育に興味・関心を持っていただきたいということを切に願って、私からの質問を終わります。
ありがとうございました。
93
◯横山むらさき議長【74頁】 以上で、桑原昌之議員の一般質問を終わります。
暫時休憩いたします。
午前11時40分 休憩
─────────────────────────────────────────────
午後 0時58分 再開
94
◯横山むらさき議長【74頁】 再開いたします。
休憩前に引き続き、「一般質問」を行います。
今井実議員。
〔今井 実議員登壇〕
95 ◯17番今井実議員【75頁】 それでは、午後一で始めさせていただきます。
志政会の今井実でございます。ただいま議長より発言の許可をいただきましたので、発言通告に従いまして、一般質問を行います。
まず、大きな項目1番目の自治会加入と協働の在り方について。
本年6月の第2回定例月会議での八尋議員への答弁で、
くらし安心部長は、令和2年度に実施された自治会に対する市民アンケートの結果について、平成31年度のウェブアンケートとほぼ同様の結果であったと答弁をされています。つまり、自治会に加入しない主な理由の1番目は、「役員をやりたくない」で56%、2番目は、「加入するメリットを感じない」で51%、そして、3番目が「加入しなくても困らない」の41%ということであり、その要因、背景については、役員の負担が大きいから、また、自治会の活動に関心がないからといった分析をしていますとのことでありました。
また、自治会加入率について、令和5年度についてはまだ報告をいただいていない自治会があるので、そのような自治会には令和4年度の加入世帯数で算出をしたところ、56.98%であり、年々減少している状況とのことでありました。このことは、昨年5月22日付のタウンニュースでも、本市の加入率が59.8%であったことから、僅か1年間で3%も減少したという状況でございます。
こういう状況に対しまして、市も手をこまねいているわけではなく、市内転入者に対する不動産事業者の協力や、戸籍住民課での転入届時のしおり配布、自治会加入促進ハンドブックの作成や、一軒一声運動、また、先進市として自治会SNS「いちのいち」の導入等々、あらゆる取組をされてきたところであります。
私が思うに、加入率が上がらない、減り続ける一番の要因は、やはり
くらし安心部長の答弁にもありますように、役員の負担が大きい、忙しいということだと思います。それは、一般の市民の方々よりも、役員をやっておられるほとんどの方がそうおっしゃっている。つまり、一般市民の方々は、自治会役員のそういった声を聞く、また、そうした姿を見ているから入りたがらない、役員だけはやりたくないということになりまして、ますます役員の成り手は固定化し、高齢化する、こういうことだと思います。
今、市が積極的に推進している「いちのいち」をはじめとしたデジタル自治会の推進も、役員や会員間での情報の閲覧や共有など、一定程度の役員の負担軽減につながるものとは思いますが、令和2年第3回定例会で、自治会は、人と人とのつながりによる地域の助け合い、あるいは、課題解決に大きな役割を果たし、市と地域の協働のまちづくりの中心を担っているが、いわゆるデジタル自治会は、そうした直接的な人とのつながりがなく、また、情報通信技術の活用が苦手な方への対応、なりすまし、また、誹謗中傷への対策等を講じる必要があると
くらし安心部長が答弁されたように、自治会が地域のコミュニティーの核であるということを考えますと、デジタル自治会の推進には限界があるだろうと思っているところであります。
そこで、お伺いしたいのですが、最近、市民と協働といった言葉がよく使われますが、それと同時に、自治会の負担がだんだん増しているように感じます。自治会がやってくれるからではなく、また、地域差が生じないように、そして、ここまでは市が、ここは地元にといった形で、すみ分けが必要ではないかと感じていますが、御見解をお伺いいたします。
次に、2番目の防災訓練の在り方について、お伺いいたします。
平成29年1月25日、ハーモニーホール座間で開催されました、県央八市議会議長連絡協議会の研修会、「これからの防災・危機管理~個人の備えと組織の対応~」において、講師の山村武彦先生から、防災訓練が形骸化しているのではないか。災害はいつ来るか分からない。時間や季節を変えたり、時には予告なしでやるぐらいでないと、いざ災害というときに役に立たないというお話がありました。
今年度も、先月3日に防災訓練が実施され、地元の自治会を回ってまいりましたが、危機感、緊張感といったようなものは感じず、毎年の恒例行事といった感じでありました。
しかし、現在、世界で起きているマグニチュード6以上の地震の約2割が日本で発生していると言われ、中でも、特に被害が大きいとされている南海トラフ地震、千島海溝・日本海溝の地震、首都直下地震の発生は、30年以内に60%から70%の確率で起こると予測されています。こうした状況を受け、国も県も市も、防災に対し、万全の準備、心構えをしっかりと講じるよう、市民に求めています。また、御承知のように、大雨による想定外の大災害も毎年のように、全国において頻発をしている状況であります。
そこで、これだけ地震をはじめ、大災害の危険性が叫ばれている現在において、いざ災害発生といったときに、身を守る防災訓練の在り方について、地域性も踏まえ、また一層、現実に即した避難訓練が必要ではないかと思いますが、市のお考えはどのようか、お伺いいたします。
次に、3番目の宮永岳彦記念美術館の利活用について、お伺いいたします。
昨年11月12日に開催されました鶴巻地区の市政懇談会におきまして、「鶴巻地区のにぎわいづくりと受入れ対策」と題し、弘法の里湯の施設拡充、そして、宮永岳彦記念美術館の利活用について質問がなされたことは、昨年の第4回定例月会議で、私の一般質問で申し上げましたとおりであります。この問題につきましては、これまで何度となくお伺いしてまいりましたが、こうして、いまだに市政懇談会で取り上げられるということは、住民の皆様が地域の中で生活する中で、その様子や来訪者から直接見聞きしたことに対する率直な思いであり、市の対応や説明等に納得をされていないということではないかと思います。
また、その際の文化スポーツ部長の御答弁は、「宮永岳彦記念美術館の適切な在り方につきましては、質の高い文化芸術の提供、市民の文化芸術作品の発表の場として、ここ鶴巻に定着していると考えているところでございます。また、公共施設再配置の計画では、2046年に更新年度を迎えるとされておりますので、現時点では、移転、あるいは、改修については考えていない」ということでありました。もうやる気はないので、聞かないでくださいと、こういうことだと思うのですけれども、令和4年度の決算におきましても、宮永岳彦記念美術館の状況は、管理運営費約1,600万円に対しまして、観覧料約45万円と、約1,550万円の赤字であります。もとより、文化芸術を否定するものではありません。市民が日頃から質の高い文化芸術に触れることは、市民の豊かな感性の育成と教養・文化の向上に資するものであり、心にゆとりや潤いをもたらし、芸術活動に携わる人々の育成にもつながるものと認識をしているところであります。
しかしながら、令和4年度決算において、市税収入が前年度比約5億3,000万円増、また、臨時財政対策債の発行抑制等により、高橋市長になって初めてプライマリーバランスも6年ぶりに黒字となったものの、まちの財政力の豊かさを示す財政力指数は、市長就任の平成30年度の0.895から、令和4年度は0.795と減少の一途であります。長きにわたる景気の低迷や新型コロナウイルス感染症、また、想定以上に進行する人口減少等の影響によるものであり、こうした状況を受け、市長は、これまでの施政方針の中で、持続可能な行政運営には、自主財源の確保が重要だと。そのため、ネーミングライツ導入をはじめ、積極的に自主財源の拡充を図っていきたい。また、未収金対策の強化はもとより、地域経済の活性化や資産の有効活用などによる自主財源の確保に向け最大限努力をいたします。そして、聖域を設けない徹底した見直しによる選択と集中を一層強化し、限りある財源を真に必要な事業に分配していくと、強い決意を述べられているところでもあります。
そして、その思いは、議会においても反映されまして、はだの議会だよりに広告等を募集するなど、市を挙げて自主財源の確保に一体となって努めているところであります。
そうした厳しい財政状況の中においても、2046年度の更新年度まで、移転、改修等は考えないとのことですが、この状況があと23年続くことに対してどのようにお考えか、改めてお伺いいたします。
二次質問は、質問者席にて行います。
〔今井 実議員降壇〕
96
◯横山むらさき議長【77頁】
くらし安心部長。
97
◯五味田直史くらし安心部長【77頁】 私からは、御質問の1点目、自治会加入と協働の在り方について、2点目、防災訓練の在り方について、お答えいたします。
最初に、自治会の加入率についてでございますが、本年6月第2回定例月会議の一般質問において、まだ御報告いただいていない自治会があり、そのような自治会には、令和4年度の加入世帯数を入れて算出し、先ほど議員もおっしゃられたように、56.98%とお答えいたしました。その後、御報告をいただきまして、令和5年度における本市全体の自治会加入率は、若干増加いたしまして、57.03%となっておりますが、いずれにいたしましても、年々減少をしている状況にございます。
自治会は、地域コミュニティーの中心的な存在として、婦人会やこども会など、様々な関係団体と協力をしながら、地域の防災や防犯、環境美化や地域の見守りなど、様々な活動を支えていただいております。
市と自治会の役割のすみ分けといった御質問でございましたが、すみ分けが必要とお考えになる根底には、自治会の負担が増している現状を御心配いただいているわけですが、本市では、これまでにも自治会の負担軽減といたしまして、令和3年1月に、自治会に対して依頼をしている回覧物を月3回から2回に減らさせていただきました。また、令和4年5月に、自治会交付金の補助金申請を電子申請で行えるようにさせていただきました。さらに、本年1月から2月にかけ、全自治会長を対象にアンケート調査を実施し、人口減少・超高齢化の進展や定年年齢の引上げなどにより、役員の高齢化、担い手不足、役員等の負担増など、自治会が置かれている状況を改めて把握いたしました。
このアンケートの結果を踏まえまして、今後の市と自治会の取組をまとめ、自治会連合会にも報告をして、情報共有を図るとともに、市ホームページにも公表をしてございます。
その取組といたしまして、主に3つございますが、1つ目として、自治会が抱える役員の高齢化、担い手不足に対しまして、市では、自治会による行事の見直し事例等の情報収集を行い、自治会連合会や市ホームページ、自治会SNS「いちのいち」を通して情報提供をするとともに、若者の利用が多いSNSを活用した情報発信に取り組むことで、自治会の活動を見える化し、若者や子育て世帯の参加を促進していきます。自治会では、引き続き、行事の見直しや工夫に取り組んでいただきます。
2つ目といたしまして、役員等の負担軽減に対して、市では自治会SNS「いちのいち」の操作方法等を説明する動画を作成するなど、さらなる普及促進を図るとともに、補助金等の電子申請の対象を広げることで、回覧板や市役所窓口における手続の負担軽減を図っていきます。自治会では、これまでと同様に、「いちのいち」や電子申請の活用の拡大に取り組んでいただきます。
3つ目といたしまして、広報・情報発信に対して、市では、広報媒体を活用し、地域での顔の見える関係づくりに向けた広報や、地域の魅力ある情報発信に取り組み、転入者や未加入者への加入を促進していきます。自治会では、これまでと同様に、加入の働きかけ、一軒一声運動に取り組んでいただきます。
本市といたしましても、自治会連合会と意見交換を重ねていくとともに、自治会役員を対象としたアンケート調査や、窓口に来庁された際の御意見、また、新任自治会長研修会の講師として、職員が各地区に出向き、お話しする場もございますので、そうした様々な機会を捉えて、まずは、自治会の負担軽減に取り組んでまいります。
次に、防災訓練の在り方について、お答えいたします。
本市では、防災の日を含む防災週間に
総合防災訓練を開催しております。令和2年からの3年間は、新型感染症の影響により、大規模な訓練実施が困難であったことから、家具の固定や災害用トイレの使用方法、台風の接近による避難行動計画、いわゆるマイタイムラインの作成など、地震だけに限らず、風水害に対しても各家庭でできる訓練の内容を充実させて、防災力の強化に努めました。
本年9月に実施しました
総合防災訓練では、地区配備隊により23か所の広域避難場所全てを開設し、避難者カードの記入を含めた受付だけでなく、避難スペースを作成する段ボール間仕切りの設置訓練、便袋を使用した災害用トイレの設置や使用時の注意点など、各避難場所において共助から公助につなげる実践的な訓練を実施いたしました。
さらに、関東大震災では、多くの方が火災に巻き込まれて亡くなった教訓を踏まえ、全ての広域避難場所に消防団を派遣し、水消火器を使用した初期消火訓練や搬送訓練、心肺蘇生訓練を行うなど、広域避難場所の訓練内容を充実させることで、地域コミュニティーの活性化や地域防災力の強化に努めました。
このような訓練の追加や見直しも行い、今年度の
総合防災訓練の参加人数は、新型感染症流行前の令和元年度と比較して、1万6,117人増の3万4,237人となりました。記録として確認できる平成19年度以降、最も多くの参加人数となっており、市民の災害に対する危機意識も年々向上しているものと考えております。
今後も、地震や火災に限らず、多様化する災害に対して、実践的かつ緊張感を持った訓練が実施できるよう、訓練メニューの見直しや充実を図ってまいります。
以上です。
98
◯横山むらさき議長【78頁】 文化スポーツ部長。
99 ◯宇佐美高明文化スポーツ部長【78頁】 私からは、御質問のうち、3点目の宮永岳彦記念美術館の利活用について、お答えいたします。
宮永岳彦記念美術館は、平成13年10月に開館し、これまで常設展示室では、おおむね年2回ずつ展示替えを行い、合計41回の企画展示と7万人以上の来館者を数え、新型感染症が流行する前の令和元年度までは、毎年約3,000人の方々に宮永岳彦画伯の作品に親しんでいただいていました。新型感染症の影響で来館者数は減少しましたが、令和4年度は2,304人の方に来館いただき、新型感染症流行前の8割程度まで回復してきました。
また、美術館の市民ギャラリーでは、令和4年度は22団体、5,001人に利用いただきました。平成30年度と、新型感染症が流行する直前の令和元年度の2年間の平均の利用状況が、年間30団体、約8,800人の来館者でしたので、6割弱の回復となっております。
御承知のとおり、宮永岳彦画伯は、本市にゆかりのある画家であり、華麗なる光と影の世界と称される光と影のコントラストを生かした技法による、華やかで美しい女性像を描いた油彩画が有名です。また、幼い頃に、多くの方が使ったことがあるぺんてるクレヨンのパッケージデザインや、ロマンスカーのカラーリング、市内では、文化会館のどんちょう、小学校、幼稚園への絵画の寄贈、秦野丹沢まつりや秦野たばこ祭のポスターの制作なども手がけており、昭和54年には日本芸術院賞受賞、昭和61年には紺綬褒章を受賞されるなど、本市の文化振興に大きな貢献をされています。
次に、この場所に設置することに至った経緯でございますけれども、御遺族から本市に宮永岳彦画伯の作品及び土地の寄附申出がございました。その際、宮永岳彦画伯の作品を常設展示できる場所をつくるという負担付寄附でございましたので、平成7年3月に議会で御議決をいただき、寄附の受領がなされたものでございます。
その後、寄附の条件を履行するため、常設展示できる場所について、寄附者や宮永岳彦記念美術館を推進する議員の会等から御意見をいただく中で、寄附いただきました名古木の土地も含め、建設候補地について検討していたところ、当時、鶴巻温泉に温泉施設の建設計画があり、美術館を併設することで温泉との相乗効果につながると考え、そして、このときに関係団体とは様々な意見が交わされましたが、美術関係者や地域の自治会、商店会などからも同意を得られたため、建設したものでございます。その際、御遺族からも、寄附条件については、この建設により履行されたことを了承されております。
いずれにいたしましても、宮永岳彦記念美術館は、負担付寄附の履行など、建設の経緯を踏まえるとともに、現在では、質の高い文化芸術の提供、市民の文化芸術作品の発表の場として、鶴巻地区に定着してきておりますので、移転等については、現段階では難しいと考えております。
なお、美術作品を展示するような公共施設は、全国的に見ても収支バランスをとることが難しい状況でございます。宮永岳彦記念美術館も収支状況は厳しい状況でございますので、来館者数を増やすことについては、課題として捉えております。
昨年度末、TOKYO MXのテレビ番組「わたしの芸術劇場」において、宮永岳彦記念美術館が紹介され、急激に来館者が増えたことがございました。メディアの効果は大きいことを実感いたしましたので、テレビ、ラジオなど、効果的にPRできるよう働きかけをして、集客に努めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
100
◯横山むらさき議長【79頁】 今井実議員。
101 ◯17番今井実議員【79頁】 いろいろと御答弁、ありがとうございました。それでは、順番に再質問をしてまいりたいと思います。
一番最初の自治会の加入とすみ分けということでございます。御答弁ですと、いろいろと自治会の軽減負担にもう既に取り組んでいただいているとのことで、大変ありがたいと思っています。
また、自治会長を中心にアンケートをとられたということでございまして、自治会の状況も改めて把握をされたということでございます。そうやって御努力をされているのですけれども、やはりなかなか加入率は上がらないのが現状でありまして、令和2年6月に、先進市ということで、自治会SNSアプリ「いちのいち」を導入して、それが令和5年3月31日時点で6割の148自治会まで増えたという、大変伸び率がいいのですけれども、そんな中においても、やはり加入率が上がらないという現状でございます。
市長も令和2年度の代表質問の答弁などを見ていますと、自治会の加入促進は重要課題であり、自治会と度重なる検討を行う、また、自治会促進に関する取組指針を自治会と取りまとめ、未加入者に対する一軒一声運動や集合住宅への加入促進活動など、自治会と連携して展開していく。さらに、自治会の専門委員会において、加入に向けた様々な取組について検討すると、大変熱く語られていますけれども、むしろ、こういうことの積み重ねが逆効果といいますか、自治会が忙しくなる元になってしまっているのではないかと、大変心配をしているところでございます。
今の自治会の仕事の量を見ていますと、大変多くて、スクリーンに映した資料はうちの自治会の毎年、総会資料に載っています事業報告ですけれども、10の大項目で92の小項目があって、活動された日を見ると154日でございます。コロナ禍で29の項目が中止されているということでございますので、恐らく令和5年度あたりは、これが全部実施されて、多分活動の数も相当全体的に増えてくる。ほぼ1年中毎日何かをやっていなければいけないような状態というのが、今の自治会の活動の実態ということでございます。
これは、市でとっていただいたアンケートですけれども、先ほども質問のときに言いましたように、「やりたくない」、「加入するメリットを感じない」、「加入しなくても困らない」という、この太字の部分が大体3つの大きな要因だということで、市でも、自治会でも一生懸命加入促進ということをおっしゃるわけですけれども、そんな赤字のところを見ますと、自治会から勧誘されない、10人しかいないわけですね。加入の仕方が分からないも9人しかいない、108人で19ですから、1割以下、ほぼ九十何%、皆さん、自治会から勧誘されたり、自治会のことはよく御承知だということですね。つまり、言い方は悪いのですけれども、確信犯的に加入されないということだと思いますので、単に一軒一声運動だとか、そういうことをやっているレベルではないのかなと。やはり自治会の在り方というか、これからの自治会をどうやっていったらいいのかと根本的に見直さないと、なかなか加入者も増えていかない、そんな状況かなと心配をしています。
それともう1点、これはレターケースに入っていましたので、議員の皆様お持ちだと思いますけれども、市民からお手紙みたいなものが来ていまして、この方は大変積極的な方で、自治会事業をやりたいのだけれども、75歳ぐらいまでしか元気でできないと、80歳を過ぎたらどうするのだと。そういうときは除名してもらえるのかとか、出ない人は、出不足負担で、会費を余分に払うとかと、一生懸命おっしゃっていますけれども、その中に、市発行の回覧はA部署、自治会募金はB部署、ごみ収集関係はC部署など、市役所の職員で、これは住民のため、この問題なら私に任せろと言ってくれる方がいたらいいのですがと、たらい回しにされても解決策が得られないという御指摘もございます。
こういった話を聞きますと、やはり窓口の一本化、自治会の問題とか要望事項というのは、大変多岐にわたるのだと思います。恐らく市の中のほぼ全ての部署に関わる問題を自治会が抱えられて、それが全部フィードバックされて、市民活動支援課ですか、そこに来ているのかなと思うのですけれども、そういったときに、多分、これはあっち、これはあっちと、このように振っておられるのかなという気がいたします。ぜひそういったところを一本化というか、もう少しスマートにできないのかなと思ってもいます。
これは、大根地区の自治会長から言われたのですけれども、やはり防犯灯を頼んだときに、どこそこに防犯灯が欲しいといったときに、市のほうの答えが、それだったら、地権者の了解を取り付けてから、また、来てくださいみたいな話もされたそうですけれども、自治会長に言わせると、いや、それくらいは市でやってくれたっていいのではないかみたいな話もされておられましたので、そういった意味で、さらなる自治会役員の負担軽減に向けて、そういったいろいろな要望事項、あるいは、相談等の一本化といいますか、スリムなやり方というのはお考えになられないのかどうか、お聞きをしたいと思います。
102
◯横山むらさき議長【80頁】
くらし安心部長。
103
◯五味田直史くらし安心部長【80頁】 再度の御質問にお答えいたします。
自治会活動の相談や要望などの窓口の一本化という御質問でございました。自治会役員の方々が、市民活動支援課の窓口へ相談に来庁された際には、まず、相談の内容をお伺いし、可能な限り、市民活動支援課職員が対応しております。しかし、相談の内容によっては、担当部署の職員から詳細な説明や聞き取りが必要なケースもございます。そのような場合は、市民活動支援課職員が担当部署を御案内し、お伺いした内容を引き継いでおりますけれども、そうした対応の中で、自治会役員の方に負担とならないよう、引き続き、関係部署と連携し、丁寧な対応に努めてまいりたいと思います。
以上です。
104
◯横山むらさき議長【81頁】 今井実議員。
105 ◯17番今井実議員【81頁】 今回、この質問をするに当たりまして、担当課の皆さんといろいろ打合せもさせてもらったのですけれども、この市民活動支援課の職員数も大変少なくて、例えば、そういったことをお願いしたり、今、一本化などということを軽く言っているのですけれども、実際、そういうことに対してきちっと市民活動支援課で、単位自治会は240もあるそうですけれども、そういったことを含めて、市民の皆様の要望をそこで受けて、現状しっかりそういう対応はできるのでしょうか。
106
◯横山むらさき議長【81頁】
くらし安心部長。
107
◯五味田直史くらし安心部長【81頁】 市民活動支援課の職員数ということでしたけれども、市民活動支援課だけでなくて、自治会の活動に関係する防災、防犯、それから、交通安全の部署もくらし安心部内にございます。それ以外の業務の活動も自治会のほうでやっていただいておりますけれども、そうした防災や防犯、交通安全といった、自治会の活動以外の主立った活動の部分につきましては、くらし安心部内にあるわけでございます。
限りある職員数ではございますけれども、関係する部署と連携をして、しっかりと対応をしてまいりたいと思います。
以上です。
108
◯横山むらさき議長【81頁】 今井実議員。
109 ◯17番今井実議員【81頁】 いろいろな部署で連携をして、何とか頑張ってやっていきますということでありますけれども、実際、話をしていますと、本当に手が回らないような状況が見え隠れもしたりもします。
私は、時々こういう状況を見ますと、秦野市もいろいろと職員数の削減ですとか、職員数の適正化などということで、大分職員を削ってまいりまして、そういったところのいい意味と、逆に弊害みたいなものも出ているのかなと。本当に必要な職員数とか、本当に必要な人員が足りているのかなと時々心配をしたりもしています。
質問する際に、そういうところも気になりますので、ぜひよく精査をしていただいて、やはり必要なところへは必要な人材なり、お金なりをつけていただいて、しっかりとそういう市民の安心・安全を守っていただけるような体制をおつくりいただければありがたいと思います。
いずれにしましても、これから自治会を継続していくには、継続可能な自治会の在り方というものを考えていかなければいけない。確かに、これは自治会が主体になっておやりになっているものですから、市としてはなかなか動きづらい、声をかけづらいというお話もありましたけれども、そうは言いましても、やはり地域コミュニティーの核としての自治会というのは必要で、かつ、これは継続していただかなければいけないものだと思っていますので、そこを何とか地域の皆様と協力をして、できるだけスリム化をしていただいて、削れるところは削っていただいて、中に事業の見直しとか、イベントのスリム化みたいな話もありましたけれども、自治会長によっては、今までやってきたものを自分の代で減らすのはすごく嫌だみたいな、自分のために何か自治会活動が小さくなってしまったみたいに、結構無理をされたり、そういうところで心配をされている方もたくさんいらっしゃいますので、そういったところを相談に乗ってあげていただいて、一部自治会だけではなくて、やはり秦野市全体の自治会でそういう共通認識を持っていただいて、これからの自治会の在り方というのですか、ぜひそういうことを進めていただきたい。その流れの中で、やはりここまでは市がやりますよ、ここはきちんと地元でやってくださいねみたいな、そういう分かりやすい取組の仕方をしていただければありがたいと思いますので、それを要望しまして、この質問を終わります。
それから、2番目の防災訓練の在り方についてにいきたいと思います。
今年9月3日に防災訓練がありまして、私も地元の自治会とか、小学校、中学校に行ってまいりました。行った感想は、緊張感がないというか、そんな感じを率直に受けましたので、今回、質問をさせていただいた次第でございます。
くらし安心部長の御答弁ですと、地区配備隊、23か所の広域避難所全てを開設して、おやりになったということでございます。避難スペースを作成する段ボールの間仕切りの設置訓練等とありましたけれども、私も一緒に地域の皆様と聞いていまして、そういうときに市民の中から、段ボールの間仕切りなどの作り方ですとか、強度ですとか、いろいろな細かい質問が出るのですけれども、担当の人が答えられないのですね。そうすると、そこにいる市民たちは、何だよみたいな雰囲気にもなりますので、ぜひ、こういう防災訓練などのときに取り組む中身について、担当の職員、あるいは、消防団、そういう皆さんは、内容をある程度事前に勉強するというか、検討するというか、周知をされて、やはり市民の皆さんが見に来られたときに、しっかりと説明ができたり、補足できるような体制にしておいていただけるとありがたいと思います。
それから、人数が今年は1万6,117人増えて、令和元年度と比較して3万4,237人ということでございました。しかし、人数が増えればいいということではなくて、先ほど来言っているように、本当に緊張感というか、そういったものがないと、なかなか実際の被害のときに効果が出ないのではないかという気がしています。やはり先生がおっしゃったように、災害はいつ来るか分からないわけですから、本当はそういう体制というか、練習をしておかないと、いざというときにできないという感じがします。
その中で、秦野市は、みんなで作る防災マップというものを各自治会で作っていただけるようにお願いをされていると思います。これの目的は、これまでの様々な実情や中山間地における土砂災害、河川氾濫における水害などの特性を踏まえて、地域を回ってみんなで作ってくださいと、それが実際、いろいろなケースを想定して、毎年それも見直しをかけてやってください、このように呼びかけていらっしゃるはずです。
そこで、みんなで作る防災マップの状況は、今、どのようになっているか、お答えいただければと思います。
110
◯横山むらさき議長【82頁】
くらし安心部長。
111
◯五味田直史くらし安心部長【82頁】 みんなで作る防災マップについてでございますが、このマップは、市で作成しているハザードマップでは把握することが難しい狭隘道路や、危険ブロック塀などの地域の危険箇所を踏まえて作成する自治会オリジナルの防災マップでございます。作成状況につきましては、本年10月1日現在で、239自治会のうち、93自治会が作成済みとなっております。
みんなで作る防災マップを作成するに当たりまして、危険箇所を避けて、救助支援に向かう経路の選定や、一時避難場所までの避難経路を確認するなど、防災に対する共通認識を持つことで、地域防災力の向上が期待できるほか、多くの住民が参加することにより、地域コミュニティーの活性化の一助になるなど、副次的効果も期待できます。
なお、まち歩きで明らかになった危険なブロック塀や危険木などは、市の補助金制度の活用を案内するなど、早期に解決ができるよう取り組んでおります。まだ作成をされていない自治会に対しましては、作成に向けた啓発と積極的な作成支援を行ってまいります。
以上です。
112
◯横山むらさき議長【83頁】 今井実議員。
113 ◯17番今井実議員【83頁】 ありがとうございます。
239自治会のうち93自治会ということで、4割弱ですかね。先ほどの「いちのいち」の浸透から比べると、大分少ないなという感じがします。「いちのいち」も大変便利で、いいアプリで、これからの時代は必要なものでしょうけれども、それ以上に、その地域、地域の単会自治会にとってもこういうマップというのは大変重要ではないかと、本当にいざというときに役に立つ、使うものでしょうから、この辺ももう少し取り組んでいただける自治会が増えるように、お力添えといいますか、御努力をいただければ、ありがたいと思います。
その防災マップですが、市のほうではいいことが結構書いてあるのですよ。これを見ますと、自治会オリジナル防災マップを自治会内で共有して、災害時に安全かつ余裕を持って避難行動に役立てるものだと、防災マップというのは、そういうものだそうでございます。
そこに、作成に当たっての留意点として書いてあります。1番目に、大きな地震が起きたことを想像する。2番目に、住んでいる地域が浸水や土砂の危険区域か把握する。3番目が自分の避難場所や避難経路を確認する。4番目に、天候や時間帯を踏まえて考えると、こういう項目があります。そこには地震がいつ起こるか分からないと。発生の時間帯や季節や天候を踏まえると、状況に対応した避難行動につながりますと書いてあります。
また、その下に、みんなで作る防災マップは、1回作ったら終わりではないのだと。防災訓練や自治会の集まりなどで定期的に見直しを行い、常に最新のマップにしておくということが重要だということを市は市民に訴えておられるわけですね。であれば、先ほどから言っているように、市役所も防災訓練のときには、そういったことを自ら範を示すべきではないのかと思ったりもしておりますので、今日、こんな質問をさせていただいております。いつ来るか分からない災害でございますので、言うだけではなく、やはり市自らそういう対応で臨んでいただきたいと、お願いをしておきたいと思います。
それから、もう一つ気になっているのが、今、日本中、世界中で大変ペットばやりでございます。秦野市にもたくさん、犬猫をはじめとしてペットがいると思います。今、ペットはどちらかというと、家庭でいうとお父さんよりも大事でございまして、お父さんなんぞは二の次という、それが常識みたいになっていまして、当然そうなりますと、災害のときには、ペットを連れて避難されてくるのかと思ったりもするのですが、秦野市はその辺について、これまでどういう取組をしてきたのかと感じました。ペットと一緒の避難訓練というのはやったことがあるのか、ないのかという気がしますので、今日は改めて、その辺をお聞きしたいと思います。
114
◯横山むらさき議長【83頁】
くらし安心部長。
115
◯五味田直史くらし安心部長【83頁】 再度の御質問にお答えいたします。
本市では、大規模地震や風水害などで開設する避難所にペットスペースを設け、同行避難ができるよう体制を整えております。ペットは家族の一員であるという意識が一般的になりつつあることから、ペットと同行避難することは、動物愛護の観点のみならず、飼い主である被災者の心のケアの観点からも重要であると考えております。
本年9月の
総合防災訓練では、合同訓練会場において、秦野市獣医師会に参加をいただき、災害時におけるペットの備えや避難所での飼養など、飼い主が不安に思うことを獣医師に相談できるブースを設けたほか、人とペットの防災ハンドブックやリーフレットの配布と併せて、飼い主が不在の際、ペットを近所の方などに保護してもらうためのペットレスキューステッカーを配布いたしました。
議員から御質問のペットを連れた防災訓練につきましては、まだ実施をしておりませんが、ペットを連れた訓練は、飼い主が同行避難の意識や避難所のルールを知る機会が持てるほか、ペットを飼っていない住民に対しても、同行避難を知っていただく機会にもなることから、今後、秦野市獣医師会をはじめ、関係部局等と実施に向けた検討をしてまいりたいと思います。
以上です。
116
◯横山むらさき議長【84頁】 今井実議員。
117 ◯17番今井実議員【84頁】 今後、ペットを連れた避難を検討ということでございますけれども、検討で終わらず、できるところから取り組んでいただきたいと。実際、災害が起きてから、何もやっていなくて、ペットが来てしまって、さあ、困ったではまずいと思いますので、やはり日頃からそういうペットを連れた訓練も積極的に取り組んでいただきたい。
それは、中央会場だけではなくて、むしろ、各単位自治会の防災訓練のときに積極的にやっていただいて、地域にどんなペットがどの程度いてという1つの把握にもなる。それから、ペットといっても犬と猫だけではないはずなのですね。多分、いろいろなペットがいるのではないか。市のほうでは、犬とか猫ぐらいはある程度、把握されているのでしょうけれども、それ以外のペットについては、何がいるかなどというのはなかなか分からないのだと思うのですよ。だから、できるだけそういうときに各単会の避難の中で、自治会にそういうことを御協力いただいて、できるものなら、どんなペットがどんな地域にいるのかということを把握されることも、実際、そういう災害があったときに役に立つのかと思ったりします。
それから、秦野市のほうは、避難所ごとにペットの管理場所というのは決まっているのか、管理場所ごとに決まっているのではなくて、ペットが避難できる避難所が決まっていると、そういう理解でよろしいのですか。
平塚市を調べますと、例えば、何とか小学校と避難所が決まっているとすると、その中である程度、ペットのエリアまでも決めておかれるそうなのですね。さっきから言っていますように、ペットがどの程度、何がいるか分かりませんので、そういうことも、災害が起きて、自治会の方の避難所の運営委員みたいな方に決めてもらうというよりも、ある程度、日頃から想定をされておくほうがいいのではないか。
その防災ハンドブックの中には、ケージに入れて持ってこいという話が書いてありますので、そうすると、うちなどは大型犬なのですけれども、やはりその綱でぐるぐる回るような大きな犬は不向きかなと思ったりもしますので、そういうことがある程度、事前に分かっていれば、避難するときに大変役に立つのだと思います。
それから、親戚、知人に預けるという話もありますけれども、大体、大きな災害というのは、秦野市中が災害ということで、多分、秦野市の中で預けるところなどはないはずですから、預けるというのは、大分遠いところに預けるようになると思うので、なかなかそういうケースも難しいのかなと思ったりもしますので、その辺もしっかりと対応をお願いしておきたいと思います。
それから、防災訓練全般で申し上げますと、秦野市はいろいろな団体等と協定を結ばれております。本当にいろいろな会社とかグループとかで、全部で131ぐらいですか、協定を結んでおりまして、その中に隊友会、これは自衛隊をお辞めになった方、退役された方と協定を結ばれていると聞いております。それで、実際の防災訓練のときに、中央会場みたいなところにはお見えになっているそうですけれども、大体その131団体等を市民の方は全く知らないのではないか。特にこういう隊友会の皆さんなども、結構やる気になっておられたような記憶がございますので、ぜひそういった防災訓練のときなども、各地域に出向いていただいて、こういう方も一緒になって、実際の災害のときに助けてくれるのだということを知っていただくのも大変いいことではないか。やはりふだんから顔の見える関係をつくっておくというのは、いざというときに役に立つと思いますので、そういう協定をされているいろいろな団体がございますけれども、できるだけ絡めるのであれば、絡めていただいて、市民の頭の中にインプットさせていただければ、大変有効ではないかと思います。
それから、一軒一声運動というお話でございますけれども、私のところの隣組もそうですが、結構距離がありまして、そうすると、いざ災害が起きたときに、隣組というよりも、やはり向こう三軒両隣という意識のほうが、災害のときのことを考えますと、大変重要かなと。まさか隣の人が、自治会に入っていないからほうって行くというわけにいかないでしょうから、ぜひ向こう三軒両隣みたいな意識を広げていただくとありがたい。
特に、今、言ったように、自治会に未加入の方をこれからどのようにしていくのかと、そういう防災の中で。今日は時間がないので、そこまではお尋ねしませんけれども、その辺も市のほうでもしっかりと御対応いただいて、自治会の加入率との関係もございますけれども、未加入の方がいざ災害のときにお困りにならないような認識を、また、自治会の人ともそういう認識を持つ必要があると思いますので、ぜひしっかりと取り組んでいただきたい。これも要望に代えて、この質問は終わりたいと思います。
それから、最後に、宮永岳彦記念美術館の利活用についてでございます。やはり無理ですよと、こういうお話でございました。文化スポーツ部長の答弁の中に、建設候補地について検討していたところ、当時、鶴巻温泉に温泉施設の建設計画があり、美術館を併設することになったという話でございます。いろいろな商店会や自治会との同意を得られたため、建設したと書いてありますけれども、だから、そもそもあそこに美術館を造るということではなくて、寄附を受けてしまったのだけれども、どこかに造らなければいけないから、考えてみたら、鶴巻でやるから、そこでやろうよと思いついてやったということだと思います。
しかも、当初、私の記憶では、2階に造るのだみたいな話があって、地元でごちゃごちゃやった記憶もありますよ。2階になんか造ったら、お湯の湿気で絵が傷んでしまうだろうと、そんなこともあって、別棟のあそこに造ろうかということで、結構御苦労されてあそこに造られたと記憶はしています。
そして、これは当然、美術館ということでございます。宮永岳彦という個人名称がしっかりついてしまっていますので、なかなか誘客といったって、そんなにできるはずもなくて、これはこれで致し方ないのかと思ったりもするのですけれども、そうはいっても、やはりさっきから言っているように、大変厳しくて、スクリーンに映した資料は宮永岳彦記念美術館の運営状況ですけれども、この赤い字で書いてあるのが全部、その単年度の赤字なわけで、大体毎年のように1,500万円前後で、これは多分できてからずっとだと思います。
これを解消するために、小田急電鉄株式会社とも、平成28年10月に特設コーナーをつくったりとか、連携をされて、コラボもされてきましたけれども、なかなか集客人数が上がらない。それは言ったように、宮永岳彦記念美術館という限定された、また、美術館という特殊性で致し方ないのかなと思うのですけれども、ただ、今、鶴巻にもいろいろな動きがございます。そういう中で、なぜあそこでなくてはいけないのか、もう一度聞かせていただければありがたいと思います。
118
◯横山むらさき議長【86頁】 文化スポーツ部長。
119 ◯宇佐美高明文化スポーツ部長【86頁】 再度の御質問にお答えいたします。
先ほども申し上げましたけれども、宮永岳彦記念美術館は、宮永作品を常時展示するという寄附条件に基づきまして、御遺族から寄附を受けた名古木の土地も含め、検討を行っておりましたけれども、交通の利便性、あるいは、土地の形状的な条件などから、御遺族の理解を得た上で、現在の鶴巻の地に建設することとなったものでございます。
また、仮に、移転を考えた場合には、建設当時の御遺族や美術関係者の合意などの課題、あるいは、収蔵庫の在り方、市民ギャラリーの確保など、解決しなければならない課題も多く、新たに多大な経費をかける状況ともなります。そういった経緯を踏まえますと、まずは、鶴巻において引き続き、貴重な市民の共有財産でございます宮永作品を広く紹介し、市民の創作活動を支える文化芸術振興の場として継続していく中で、移転等については、現段階では難しいと考えておりますけれども、適正配置を含め、将来にわたって長期的な視点に立って、研究していくものと考えているところでございます。
また、今後の管理運営に当たりましては、引き続き、工夫を凝らした企画展示、あるいは、ギャラリーコンサートなどの自主事業等により集客に努めるとともに、新たな記念物品の開発など、自主財源の確保にも努めてまいりたいと思っております。
以上でございます。
120
◯横山むらさき議長【86頁】 今井実議員。
121 ◯17番今井実議員【86頁】 新たな自主財源の確保というお話がありましたけれども、なかなか宮永岳彦記念美術館として自主財源を確保するのは大変厳しいと思います。そういうものではあそこはないのでしょうから、美術館ですから、それはいいのです。
ただ、やはり本市の厳しい財政状況の中にあって、こういう今、事業の実態なわけですね。これがずっと続くと。単純にあと23年やると、3億4,500万円ぐらいの経費がかかると。だから、今、文化スポーツ部長は、多大な経費が新たにかかってしまうみたいなことをおっしゃいますけれども、何もしなくたってそれだけかかるわけですよ。
とっくに考えていれば、そういうお金で美術館ができてしまったのではないですかね。私が、今、言っているのは、そうではなくて、そこをうまくバランスをとることによって、あそこでもっと利益を生むようなことをされたほうがいいのではないですかということを言っているわけです。
これは、公共施設再配置計画でもそうですけれども、行政評価でもこうなっていますね。平成19年、将来にわたり保管を続ける上で、そのために要する経費は長期的に見ても莫大であり、現在の方法が好ましいとは思われない。長期的な視点に立って保管形態を見直し、経費を削減の上、むしろ企画内容に重点を置くべきと考える。
平成20年は、現状の作品の保管方法は莫大なコストがかかり妥当ではない。長期的な視点に立ち、計画的な取組をすべきだと。平成22年、資産の活用とともに、今後の展示制度の在り方を検討すべきだと。
そもそもあそこは美術館として造ったわけではないのですよね。博物館法に基づく登録博物館、博物館相当施設ではなく、博物館類似施設として市の条例で設置をした。つまり、収蔵庫、図書館、利用者休憩室、学芸員の配置等、文部科学省設置のものとは別ということでございます。だから、ほかの偉い先生などの作品も飾りづらいという条件だったと思います。
今回、この平成29年の行政評価でいうと、市の文化芸術の発信拠点として確保することについて、どの程度、費用対効果を求めていくのか。また、効果の検証はどのような指標とするのか。現状の規模、所有作品の中で、観覧者を増やすため、地域の商店会、温泉会、自治会はもとより、周辺の観光、商業施設等への優待等に研究しなさいということも書いてあります。そういうこともいろいろやってこられたはずですが、なかなか増えない。
これは、公共施設の中でも言われていますけれども、美術館の機能を再検討するとともに、カルチャーパーク内の建物の一角に移動し、観覧者数の改善を図るなどの方策を検討してはどうかと、これは相当前から言われていますよ。私が議員になった頃からこういう状況が続いている。だから、あえて申し上げています。
それで、今の鶴巻を取り巻く状況はどうかといいますと、弘法の里湯の指定管理者が、市長の予定でいきますと、来年度になるのですかね。それから、小田急線4駅周辺のにぎわい創造に、今、全力で取り組んでいるところでございます。これも市長のマニフェストで、目玉でございます。それから、大山のバスの季節運行というものもやっております。ジビエでまちおこしもやっています。そして、隣の伊勢原市に、10年以内に操車場ができて、新駅ができるという、まさに、今、鶴巻はそういう状況の中にいるわけでございます。
そういうことを見たときに、弘法の里湯はにぎわっている、入り切れない、そういう全体のこと、いろいろなことを見たときに、あそこにどうしても美術館がなければいけないのかと。正直言って、大山のバス運行だって7年目でしょう。相当お金も突っ込んでいますよ。民間だったら、もうやめてしまうのではないですかね。でも、何とか活性化をしたい、地元の人間としてはありがたいことです。
だったら、そういう成果を上げる方向に考えたっていいのではないのか。極端なことを言えば、あそこは今、ジビエでまちおこしをやっていますので、新横浜ラーメン博物館ではないけれども、ジビエ館みたいなものを造ってみたらどうですか、本気でやるのなら。そうやって、少しでも活性化をして、少しでもマイナスを減らすと、そういうことは考えられませんか。もう少し柔軟に考えたらいかがでしょうかということを今回、しつこいぐらい聞いているわけでございます。
市長も言っているように、自主財源を稼ぐのだと。スクリーンに映した表、これは我々が苦労してやっているわけですよ、議会の広告など、これだけやってやっと1,500万円ですよ。これが毎年、足し算、引き算でやるとゼロになってしまうという状況なので、少しでもそういった発想の中で、やはり市長の言う小田急線4駅周辺のにぎわい創造は、大変な仕事だと思っています。生半可ではできない。バスの運行だって、はだの魅力づくり担当部長は怒るかもしれませんけれども、30人乗らなければ採算が取れないところに15人ですよ、7年やってきて。そういう状況を考えると、いいかげん結果を出さなければいけない。鶴巻温泉は、観光地ですから、やはりそういったことを総体的に考えると、あそこにどうしても美術館がなければいけないというのは、何かいまいちよく理解ができない。
むしろ、OMOTANから始まって、小田急線4駅周辺のにぎわい、ジビエでまちおこしなど、いろいろなことを全体的にやっています。隣の伊勢原市はこれから開けるかもしれない。多分、伊勢原市は大山を神奈川県第4の観光でやっていますから、力入れてやっていきますよ。今までみたいなことはないと思います。そういうことも全部含めて、やはり鶴巻温泉駅周辺をどうするのだと、そういう全体を考えた中で、あの美術館をどうするのだという考えでしていただきたいということで、今回、質問をさせていただきました。
そういったことも含めて、御検討いただけるとありがたい。私は、何とか市長の言うように実現もしたいと思っていますので、そういった意味で、美術館という点で考えるのではなくて、やはり全体を俯瞰して、鶴巻の発展になるような、そういう考え方をぜひ取り入れていただくことを要望しまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
122
◯横山むらさき議長【88頁】 以上で、今井実議員の一般質問を終わります。
午後 1時56分 休憩
─────────────────────────────────────────────
午後 2時03分 再開
123
◯横山むらさき議長【88頁】 再開いたします。
休憩前に引き続き、「一般質問」を行います。
古木勝久議員。
〔古木勝久議員登壇〕
124 ◯16番古木勝久議員【88頁】 ともにつくる秦野の古木勝久でございます。ただいま横山議長の許可をいただきましたので、発言通告に基づき、3項目質問させていただきます。
1、震生湖周辺整備について。震生湖を震災遺構として、また、震災100年を後世に引き継いでいくことを再確認する節目として、先般9月2日に多くの関係者をお招きされ、歴史的な記念式典が厳粛の中、かつ盛大に開催されました。また、100年という節目で、このような式典に御案内をいただき、立ち会えましたことに改めて感謝を申し上げます。式典終了後は、文化庁文化財調査官の柴田伊廣氏による講演「震生湖の魅力と災害遺構のこれから」では、阪神・淡路大震災の特徴を表した活断層を切り取った野島断層保存館や、1891年の濃尾地震でできた岐阜県の根尾谷断層、2016年の熊本地震の布田川断層帯などの震災遺構の保存事例が紹介をされました。柴田氏は、震災遺構、震生湖の魅力をお話しになる中で、鎮魂のためや防災意識の向上に加えて、災害に対する科学的なものの考え方を学ぶ、このようなことをリードしていたのではないかなと思いました。震災100年を後世に引き継いでいくことでは、これまでの一般質問に対して、「次の100年につなげていけるよう取り組んでまいります」という大変前向きな御答弁をいただいております。中井町との連携では、散策路や太鼓橋などの整備などの取組がございます。新たな100年をスタートして、今後どのような取組をされていかれるのか、御答弁をお願いいたします。
2、ポストコロナの地域医療体制についてお伺いいたします。新型コロナウイルス感染症患者数の情報の公表については、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴う患者の全数把握の終了により、令和5年5月8日から本市のホームページの更新が終了しました。本市のホームページによると、「定点医療機関による患者の報告に変更され、神奈川県衛生研究所のホームページで公表されることになります」と、このように記されています。
一方、報道などによりますと、神奈川県は9月4日から10日の1週間の新型コロナウイルス感染症の定点把握による1医療機関当たりの新規の感染者数は、県内361の医療機関から7,737人の新規感染者数が出ており、1医療機関当たりの平均は21.43人と、4週連続で増加したとあります。また、9月12日の公益社団法人東京都医師会の記者会見では、都内では感染者の増加傾向が続き、医療が逼迫しているとし、5類への移行でもう終わったように思っている人もいるが、都内だけで毎日、新たに1万5,000人ほどの患者が出ている、このような状況だと。第9波に入っており、第8波のピークに近づきつつあると、このように述べております。このような状況下にあって、神奈川県衛生研究所のホームページなどの情報等の定点観測では、県内及び本市の状況を把握することは困難であります。そこでお伺いします。現状の本市の新型コロナウイルス感染症の患者数や病院等の対応、または状況はどのようか、御答弁をお願いいたします。
3、少子化対策と子ども・子育て支援についてお伺いいたします。国は、こども家庭庁の発足に際して、子供・子育て支援については、次元の異なる少子化対策実現に向けて、待ったなしの課題という認識を示してきました。さらに、6月の骨太方針発表後には、こども未来戦略の策定を掲げました。ここで厚生労働省の調査から、国の少子化対策の30年間の大枠をざっと振り返ってみたいと思います。
出生数で見ると、少子化対策がスタートしたエンゼルプランが立案された平成6年が124万人、子ども・子育てビジョンが策定された平成22年が107万人、令和2年の少子化社会対策大綱策定時が87万人、出生数は低下の一途をたどり、昨年はとうとう80万人を切り、歯止めがかかっておりません。この30年間の大きな特徴は、識者や専門家からは、子育て支援や少子化対策に対応する政策目標が猫の目のように変わり、しかも、事業全体のPDCAや総括がなかなか見当たらないと言われております。
一方、このような状況下にあっても、積極的な財政政策を打ち出し、社会福祉や子供・子育て支援にしっかりと取り組んだ結果、市税収入をアップさせ、しかも人口増という成果を上げている自治体が、少数でありますが見受けられます。そこでお伺いします。本市としてのこの30年間の少子化の問題、この原因をどのように分析されていらっしゃるのか、また、子供・子育て支援ではどのような課題があったのか、それぞれ御答弁をお願いいたします。よろしくお願いします。
〔古木勝久議員降壇〕
125
◯横山むらさき議長【89頁】 文化スポーツ部長。
126 ◯宇佐美高明文化スポーツ部長【89頁】 私からは、御質問の1点目、震生湖周辺整備について、今後の取組を総括してお答えいたします。本年9月1日に震生湖誕生100周年を迎え、9月2日に開催いたしました式典をはじめ、様々な関連事業や取組を行ってまいりました。今後も中井町と連携を図り、四季折々の風景を楽しむことができる自然湖としての姿に回復させることを基本に、震災遺構の学びの場として活用し、後世に引き継いでいきたいと考えております。このため、まずは訪れた方が安心して利用いただけるよう、散策道や休憩広場等の適切な維持管理を行ってまいります。令和6年度には、今後100年の新たなスタートとして、本市と中井町をつなぐ太鼓橋の架け替えを行う予定でおります。
また、今回の震生湖誕生100周年を機に、市内の小・中学校5校から、震生湖をテーマとする学習への協力依頼があったことから、講師として、南地区自治会連合会震生湖部会の方に御協力いただいたほか、はだの歴史博物館の職員2人を派遣し、また、南公民館を休憩所として利用していただきました。各校では震生湖を地域資源と捉え、文化財や自然遺産、防災などの観点で学習をし、南が丘小学校、南が丘中学校、本町小学校は、9月17日、18日に横浜国立大学を会場として開催されました「ぼうさいこくたい2023」に学習成果のポスター発表という形で参加いたしました。
本町小学校の児童には、9月1日に震生湖を訪れ、南地区自治会連合会震生湖部会の方を講師として、震生湖の成り立ちやこれまでの歩みなどについて学習していただきました。関東大震災での被害を知ってもらうことで、自然災害の脅威についても肌で感じてもらえたのではないかと思っております。教育委員会でも、「秦野ふるさと科」の取組として、継続的な学習に位置づけたいとの報告を受けていますので、引き続き各校から要請があった場合には、講師派遣はもとより、子供にも分かりやすく工夫をした内容の小冊子や市来沢のデジタルコンテンツなどの活用について、学校のニーズにも応じながら協力していきたいと考えておるところでございます。
次の100年に向けて、新たな時代を担うのは今の子供たちです。地域資源を愛し、湖の歴史だけでなく、子供たちの防災や減災の意識にも結びつけていきたいと考えております。さらに、はだの歴史博物館では、震生湖誕生100周年に当たり、写真展や企画展をはじめ、震生湖周辺における地層の観察といった現地見学会を開催してまいりました。今後も引き続き、はだの歴史博物館において、市民の皆様に定期的に震生湖をテーマとした展示や学習機会を提供することについても努めてまいりたいと、そのように考えております。
以上でございます。
127
◯横山むらさき議長【90頁】 こども健康部長。
128 ◯古尾谷明美こども健康部長【90頁】 私からは、御質問の2点目、ポストコロナの地域医療体制についてと、御質問の3点目、少子化対策と子ども・子育て支援についてお答えいたします。
まず初めに、ポストコロナの地域医療体制についてのうち、初めに、本市の新型感染症の患者数についてお答えいたします。新型感染症が5類感染症に移行したことに伴い、感染者数の公表が定点観測となりました。神奈川県では、神奈川県衛生研究所のホームページで、1医療機関当たりの1週間の新規感染者数を政令市、保健所別に公表しております。本市を所管いたします県平塚保健福祉事務所秦野センター管内の感染状況を申し上げますと、8月28日から9月3日の週が16.6人と一番多く、その後は毎週減少し、直近のデータでございます9月18日から24日の週では5.1人にまで減少しております。
次に、病院等の対応についてでございますが、県は5類への移行に合わせ、かかりつけの患者に限らず、発熱などの症状がある患者を受け入れ、検査から診療まで幅広く行う外来対応医療機関の情報を県のホームページ上に掲載しておりますので、外部リンクによりまして、本市のホームページからも閲覧できるようにしておりますが、本市に29施設ある外来対応医療機関につきましては、本市のホームページ上で直接見られるように御案内をしております。
最後に、市内の医療機関の受診状況でございます。一般社団法人秦野伊勢原医師会の情報によりますと、5類感染症への移行後、新型感染症による受診者は増加傾向にございましたが、その後は緩やかに減少しているということでございます。しかし、例年になくインフルエンザが早い時期から流行したことで、医療機関が対応に追われている状況が続いているということでございます。引き続き医師会と情報を共有し、医療機関への影響なども把握していく必要があると考えております。
続きまして、少子化対策と子ども・子育て支援についてお答えいたします。
少子化の原因分析と子育て支援の課題についての御質問でございますが、国による少子化対策の流れにつきましては、ただいま議員から御説明をいただきましたが、これまでの少子化につながる社会的な背景といたしまして、昭和60年に男女雇用機会均等法が制定され、女性の社会進出が進む一方で、経済的な不安定さや仕事と子育ての両立の難しさ、子育てに対する孤立感や疲労感、子育てや教育に係る費用負担など、若者や子育て世代が育児に対してネガティブなイメージを持ってしまったことで、子供を産み育てたいという希望を持ちながらも、その実現が阻まれ、少子化につながっていると言われております。
本市の出生数でございますが、30年前の平成5年は1,500人を上回っておりましたが、平成28年には1,000人を割り、その後も減少を続けておりますので、少子化対策は先送りすることのできない重要な課題であると捉えております。そのため、秦野市子ども・子育て支援事業計画に基づく子育て支援事業を着実に実行し、安心して子供を産み、喜びと責任を持って子育てができる、よりよい環境づくりに努めていく必要がございます。
続きまして、子育ての支援の課題についてでございます。多様化する子育てニーズに対応していくため、計画の策定前には必ずニーズ調査を実施しております。第2期計画の策定に当たりまして、平成30年度に実施いたしましたニーズ調査では、子育て世代の女性が、結婚や出産により仕事を中断することなく働いていること、祖母に当たる世代、おおむね50歳代以上の女性の就業率が増加し、子育ての経験がある親族から育児などのサポートを受ける機会が減っていること、また、子育てについて気軽に相談できる相手が近くにおらず、1人で悩みを抱えている保護者が増えている現状が把握できましたので、これらに対応するため、子育て世帯包括支援センターを拠点といたします、妊娠・出産・育児までの切れ目のない支援や、地域交流の拠点であるぽけっと21などの子育て支援センターの拡充、子供の居場所づくりに取り組む市民団体への支援など、子育てしやすい環境づくりに地域ぐるみで取り組んでいるところでございます。
また、女性の社会進出が進んだことで、保育所における待機児童の解消も喫緊の課題となっております。そのため、保育所整備や、幼稚園から認定こども園への移行による保育の受皿の拡大、保育コンシェルジュによる丁寧な相談などによりまして待機児童の解消に努めてまいりました結果、令和4年度以降の待機児童はゼロとなっております。
以上でございます。
129
◯横山むらさき議長【91頁】 古木勝久議員。
130 ◯16番古木勝久議員【91頁】 それぞれ御答弁ありがとうございました。それでは、まず最初に、震生湖周辺整備についてお尋ねをいたします。様々な取組を実施され、また今後も盛りだくさんなプログラムを御準備されているようで、期待をしたいところであります。
それでは、スクリーンを御覧ください。震生湖の太鼓橋の脇に、湖畔にある寺田寅彦の句碑であります。これは、以前にも私、お願いをしましたが、この句碑の解説と寺田寅彦の学術的な功績が分かるようなもの、全国的に非常に知名度の高い寺田寅彦の存在が一目で分かるようなものを設置していただけないだろうか、このようなことを質問しました。単に今、句碑があるのですけれども、スクリーンでは、国登録の看板の脇に建っているのですけれども、震生湖を広く知らしめ、秦野市にとっても非常に恩のある人であるのかなと。寺田寅彦の業績をここに記録していただいてはどうかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
131
◯横山むらさき議長【91頁】 文化スポーツ部長。
132 ◯宇佐美高明文化スポーツ部長【91頁】 再度の御質問にお答えいたします。東京帝国大学の教授で物理学者の寺田寅彦は、昭和5年9月に二度にわたって震生湖を訪れ、現地の測量調査を行い、調査論文を『東京大学地震研究所彙報』第10号第1冊に発表しています。彙報に発表した調査論文「秦野に於ける山崩」は本市でもデータ保存しており、先月まではだの歴史博物館で開催いたしました企画展「震生湖 保存と活用の歩み」において展示活用いたしました。寺田寅彦は物理学者でございましたけれども、「天災は忘れた頃来る」ということわざを残すなど、夏目漱石を師とする俳人としても知られており、震生湖を訪れた際に3つの俳句を詠んでいられます。「山裂けて 成しける池や 水すまし」「穂芒や 地震に裂けたる 山の腹」「蕎麦陸穂 丸い山越す 秋の風」、これら3句について市内に句碑がございますけれども、このうち「山裂けて」の句碑は、震生湖の湖畔に秦野市観光協会が建立したもので、寺田寅彦の無二の親友でありました文学者の小宮豊隆が揮毫し、昭和30年9月1日に建設披露式が行われました。この句碑の前には、市民をはじめ来訪者に詳細について知っていただけるよう2次元コードを設置し、震生湖や寺田寅彦、そして、句碑の開設に関するホームページにアクセスできるよう、解説の充実に向けて取り組んでいるところでございます。
以上でございます。
133
◯横山むらさき議長【91頁】 古木勝久議員。
134 ◯16番古木勝久議員【92頁】 今、2次元コードを設置して解説しているということですけれども、解説ではなくて、私が思うに、寺田寅彦を顕彰することが必要ではないかなと。2次元コードでは、顕彰したことにはなかなかならないのではないかなと思います。国登録に至る礎になった人と言っても過言でないと思うんですよね。逆に言えば、国登録の案内板の隣になくてはならない存在だと思います。時間はかかっても結構ですから、お考えいただきたいのですけれども、顕彰碑をお建てになること、いかがでしょうか。
135
◯横山むらさき議長【92頁】 文化スポーツ部長。
136 ◯宇佐美高明文化スポーツ部長【92頁】 今、御提案いただきましたことにつきましては、周知の方法等、いろいろあると思いますので、所管課におきましていろいろ整理をさせていただいて考えてまいりたいと思います。
以上でございます。
137
◯横山むらさき議長【92頁】 古木勝久議員。
138 ◯16番古木勝久議員【92頁】 今、考えていただけるということなので、ぜひお願いをしたいなと。当時、地元の方がわざわざ、寺田寅彦の友人である、学習院女子短期大学の初代学長だった小宮豊隆氏のところに会いに行って、石塀への揮毫をお願いしているわけです。これは、はだの歴史博物館の中にも記載されています。それから、御承知のように、寺田寅彦の学問的業績というのは、恐らく平成27年12月1日から平成28年1月31日までに行われた京都大学防災研究所の研究結果にも受け継がれている。秦野の魅力を発信する上では、この上ないネームバリューの高い寺田寅彦氏ですから、顕彰できない理由はないと思います。関東大震災100年で、最近、私も読みましたけれども、『まんがで名作 これから科学者になる君へ 寺田寅彦エッセイ集』は今、大変売れているそうです。関東大震災100年を記念してコーナーが置かれて、寺田寅彦の本もたくさん売れているという話を聞いたのですけれども、これは今、時期がずれてしまったのですけれども、逆に、寺田寅彦の知名度を上手にお借りして、さらなる秦野の魅力を発信していただきたいなと要望をさせていただきます。
それから、次の質問ですけれども、山や畑などが崩れて震生湖ができました。申すまでもありませんが、なぜ山や畑が崩れたのか。ここが震生湖の一番要の話と言われているところであります。つまり、その原因を示すのが、震生湖周辺にある露頭と言われる貴重な地層の断面です。幸いにも、その断面は、震生湖周辺、何か所か残っております。こういった露頭は恐らく民有地が多いと思います。これらの保存など、今後、どのように取り組んでいかれるのか、お答えいただけますか。
139
◯横山むらさき議長【92頁】 文化スポーツ部長。
140 ◯宇佐美高明文化スポーツ部長【92頁】 震生湖の誕生に当たりましては、東京軽石層という箱根火山の噴火によってもたらされました地層が滑り面となり、その上の火山灰土と火砕流堆積物が滑り、崩落いたしました。この東京軽石層の露頭は、震生湖の周辺では、下流の市木沢のほか数か所で確認することができますが、おっしゃるとおり、民有地を含んでいることから、市で手をつけるということについては難しい点がございます。
そこで、まず市木沢については今年度、360度デジタル画像撮影をし、東京軽石層や地殻運動によって生じた断層を、現地へ足を運ばずに観察できるビューワーを作成しており、インターネット上で解説とともに閲覧できるようにしております。また、その他の露頭についても、震生湖周辺における地層の現地見学会を開催しており、引き続き土地所有者に配慮しながら、学習機会の提供として取り組んでいきたいと考えております。
141
◯横山むらさき議長【92頁】 古木勝久議員。
142 ◯16番古木勝久議員【93頁】 土地の所有者に配慮しながらということでありますが、土地所有者と情報を共有していかないと、いつの間にか掘削されてなくなってしまう可能性もあります。地中にある埋蔵文化財などの場合は、文化財保護法である程度、いわゆる周知の埋蔵文化財の包蔵地として一定、情報が共有されているかと思うのですけれども、ここの場合は法の網はかけられません。だから、保護できるかどうかは別として、本市と土地所有者は情報の共有化を図っておく必要があるかと思います。いかがでしょうか。
143
◯横山むらさき議長【93頁】 文化スポーツ部長。
144 ◯宇佐美高明文化スポーツ部長【93頁】 再度の質問にお答えいたします。本市といたしましても、土地所有者に対して、まずは東京軽石層という地層が確認できる状況にあるということが大変貴重であるということを認識していただけるよう説明するなどして、土地所有者との間で情報の共有化を図っていくように努めてまいりたいと、そのように考えております。
145
◯横山むらさき議長【93頁】 古木勝久議員。
146 ◯16番古木勝久議員【93頁】 情報の共有化は非常に重要な話ですから、進めていただきたいなと思います。平成30年9月に発生した北海道胆振東部地震では、同年9月13日、朝日新聞の23面に、当時、京都大学の防災研究所の千木良雅弘先生がこのようにコメントを寄せています。「今回の北海道の大規模な土砂崩れ同様に、熊本地震で起きた阿蘇地方の地滑り、1927年の関東大震災で神奈川県秦野市の震生湖をつくった地滑りも、軽石層や火山灰の層が滑って起きたもので、地震による地滑りは、緩やかな傾斜地で発生することが多く、土砂災害防止法に基づく急傾斜地の対象にならず、ノーマークのところが多い」と、このように結んでいます。秦野盆地にノーマークのところがどれくらいあるか分かりませんが、東京軽石層の分布状況の把握によって、地震の発生のメカニズムや被害想定など、さらには被災に備える手段にもなり得ると思います。今後は、秦野盆地特有の地層断面の見える化と同時に、市民に対しても、東京軽石層などの情報の共有化を図っていただきたいと要望して、この質問は終わります。
次に、ポストコロナの地域医療体制について、再度質問させていただきます。先ほどのこども健康部長の御答弁ですと、県内は9月後半から新型コロナウイルス感染症がやや鎮静化に向かっていると、そのように伝えられている。しかし、近隣の大きな病院では、医療提供体制が逼迫している状況が伝わっているようであります。一方、例年になくインフルエンザが早い時期から流行との話も承っております。一喜一憂する中で、新型コロナウイルス感染症の5類移行後の感染者の増減があるでしょうけれども、支援の構築や市民の不安軽減に向けた対策はどのようか、御答弁お願いします。
147
◯横山むらさき議長【93頁】 こども健康部長。
148 ◯古尾谷明美こども健康部長【93頁】 再度の御質問にお答えいたします。支援の構築と市民の不安軽減に向けた対策についての御質問でございますが、新型感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症に移行したことに伴い、市の支援策として行ってまいりました、自宅療養者などに対する食料品の支援や除菌水の無償配布につきましては、本年5月7日をもって終了となりました。
一方で、新型感染症専用の問合せ窓口として設置をしておりましたコールセンターは、5月8日以降も継続をしてまいりましたが、問合せ件数が減少したことなどの理由によりまして、9月30日をもって閉鎖をしております。なお、10月からは、従来の感染症の所管課でございます健康づくり課が、新型感染症の問合せ窓口を担当しております。
現在も感染状況は増減がございまして、市民の皆様も不安になっていると思いますので、まずは、安心につながる確かな情報発信をしてまいりたいと考えております。また、ワクチン接種の情報提供のほか、誰もが日常的に取り組めることといたしまして、手洗い、換気などの基本的な感染症予防や食事、運動、睡眠といった生活習慣による体づくりにつきましても継続的に普及啓発を図り、市民に分かりやすい感染症対策を講じてまいります。今後、もし感染が拡大するような状況になった場合には、これまでの新型感染症の対応から得られた知識や経験をしっかりと生かせるよう、庁内関係課と連携をし、市民への支援体制を構築してまいりたいと考えております。
以上でございます。
149
◯横山むらさき議長【94頁】 古木勝久議員。
150 ◯16番古木勝久議員【94頁】 新型コロナウイルス感染症に関しては、今月から既に医療に係る公費負担などの割合の見直しが行われました。どのような見直しがあったのか、また、市として新たな支援策は検討されているのか、御答弁お願いします。
151
◯横山むらさき議長【94頁】 こども健康部長。
152 ◯古尾谷明美こども健康部長【94頁】 10月1日以降の医療に係る見直しと、それに伴う市としての支援についてお答えいたします。新型感染症に係る医療の公費支援の縮小内容でございますが、全額公費負担であった治療薬の患者負担額は、医療費の自己負担割合に応じて3,000円から9,000円が患者負担に、入院医療費の補助額も最大2万円から1万円に減額をされます。今回、国が行う見直しでは、患者への急激な負担増が生じないよう配慮し、医療の公費支援を継続していくということでございます。
また、医療機関に対しましては、これまで病床確保に対する空床補償といたしまして支給されておりました補助金につきましては、感染状況が一定基準を超えるまで支給がされないとしております。これらの新型感染症の医療に係る変更に対しまして、本市として特別な支援を行う予定は今のところ考えておりません。このような状況で市が行わなければならない支援は、市民に対して正確な情報をスピーディーに提供すること、また、日常生活における基本的な感染症対策などの啓発に努め、感染者を増やさないということだと考えております。
以上でございます。
153
◯横山むらさき議長【94頁】 古木勝久議員。
154 ◯16番古木勝久議員【94頁】 普及啓発に努めていただけることはありがたいのですけれども、やはり、この3年近く、新型コロナウイルス感染症でどんなことが起きたのか、やはり弱いところ、子供たちや高齢者にしわ寄せが行くというのが実感ではないかなと思うのですけれども、必要なところに必要なとき支援が行くような、適時的確な取組のお願いを要望します。
次に、地域医療体制についてお伺いします。新型コロナウイルス感染症拡大では、地域のことは地域の人が決定していくという原則が強調されました。地域医療の重要性を改めて認識しているところであります。地域医療については、ちょうど今から4年前、9月に厚生労働省が公立・公的医療機関等の具体的な対応方針の再検証を要請する機関として、具体的な名前を公表しました。再編統合の一つの象徴として、秦野市は神奈川病院、秦野赤十字病院が名指しで指定をされてしまいました。対象となる医療機関は2025年を見据え、他の医療機関との機関統合や機能縮小等の方向性から病床数を検討し、地域医療構想調整会議において再検討するような運びになっていると聞いております。また、現在策定中の第8次神奈川県保健医療計画には基準病床等の、いわゆる地域医療構想が位置づけられていると思います。再検討の状況、その後の展開はどのようか、御答弁をお願いします。
155
◯横山むらさき議長【94頁】 こども健康部長。
156 ◯古尾谷明美こども健康部長【94頁】 第8次神奈川県保健医療計画策定に関連した御質問にお答えいたします。令和元年9月に、公立・公的医療機関のうち、病床の削減や機能転換など再検証が必要と公表された医療機関は、全国で424機関、県内には10機関がございます。このことにつきましては、令和2年1月に、国から各都道府県に再検証の実施通知が発出されたため、各地区の地域医療構想調整会議、本市の管轄は湘南西部地区保健医療福祉推進会議になりますが、その会議の場や病院関係者で構成するワーキンググループにおいて協議を行っております。
県では令和2年4月に、各地区の地域医療構想調整会議の協議内容を踏まえ、再検証が必要とされる県内10機関は、これまでも病床機能の見直しに取り組み、いずれも地域に不可欠な医療機関として、県の医療ニーズに適したものとなっているとし、大幅な見直しは行わない旨を国に報告をしております。また、令和3年9月の湘南西部地区保健医療福祉推進会議でも、県は地域医療構想で示した推計値では病床不足が見込まれることから、現時点では病床削減や統廃合を積極的に進める状況にはないとしております。
今後の展開でございますが、国から各都道府県が策定いたします第8次医療計画の中に、新型感染症による医療法の改正に伴い、「新興感染症発生・まん延時における医療」の項目を追加するよう示されておりますので、神奈川県はその中で病床の機能分化や連携、民間医療機関も含めた各医療機関の対応方針を検証し、見直しなどを行い、計画を策定していくものとしております。そのため現在、各地区の地域医療構想調整会議におきまして、それらの協議を継続しているところでございます。
以上でございます。
157
◯横山むらさき議長【95頁】 古木勝久議員。
158 ◯16番古木勝久議員【95頁】 秦野赤十字病院は令和元年度段階で既に、たしか病床を47床、急性期病床から回復期病床、いわゆるリハビリとかを促す病床、そっちに移行するようなお考えだと聞いています。一方では、コロナ禍、全国的な流れとして、急性期の必要性が考えられ、急性期病床の確保は喫緊の課題だと言われています。昨今の医療提供体制を鑑みて、本市の秦野赤十字病院の御見解について考えを改めていただくように促すことはどうなのでしょうか。難しいのでしょうか。
159
◯横山むらさき議長【95頁】 こども健康部長。
160 ◯古尾谷明美こども健康部長【95頁】 御質問の急性期病床の確保という課題についてでございますが、秦野赤十字病院は平成28年8月、320床の総病床数は変えずに、急性期病床47床を回復期病床に転換をしております。これは2025年に向けて、少子高齢化、団塊の世代が75歳以上になることを見据え、医療機関の担うべき役割として、地域包括ケア病床を拡充したものでございます。
その後、新型感染症の流行により逼迫した医療機関での病床確保が重要な課題となっております。先ほども少し触れさせていただきましたが、第8次神奈川県保健医療計画の策定では、新興感染症が医療体制の整備・充実の項目として新たに追加をされておりますので、新興感染症の発生や蔓延時の病床確保などの対策も含めまして、現在、湘南西部地区保健医療福祉推進会議において協議をしている状況でございます。これまでも、公立・公的医療機関には、地域医療における重要な役割が求められ、新型感染症の感染拡大の中では大きな役割を果たしてきております。本市の公的医療機関であります秦野赤十字病院と神奈川病院は中核的な役割を担う医療機関であり、引き続き市民に安心できる質の高い医療が提供できるよう、本市が所管いたします湘南西部地区保健医療福祉推進会議での協議の内容を注視してまいりたいと考えております。
以上でございます。
161
◯横山むらさき議長【95頁】 古木勝久議員。
162 ◯16番古木勝久議員【95頁】 2025年に向けて、地域包括ケア病床を拡充したものです、注視していきますということですけれども、この考え方というのは、2019年の、いわゆる第7次の保健医療計画の考え方だと思うんです。あれから4年が過ぎて、医療状況がパンデミックによって変わってきた。そして、やはり一番大事なのは、急性期病床は命の危機に直面している患者、年齢に関係なく救急対応が求められている、こういったところで、今、全国的な病院、機関などでも、急性期をもう一度考え直そうと。いきなり急性期から回復期に持っていったのは、やはり総括しなきゃいけないという意見が出ているわけです。秦野市の実情は、私、細かいことは分かりませんけれども、この実情を、先ほどこども健康部長がおっしゃっておられた湘南西部地区保健医療福祉推進会議に持ち上げていただきたいなと要望して、この質問は終わります。
最後の質問ですけれども、少子化対策と子ども・子育て支援についてお尋ねいたします。私は冒頭、子育て支援ではどのような課題があったのかという質問をさせていただきました。補足して申し上げれば、秦野市が子育て支援事業のPDCAを回して、その結果、解決すべき行政課題がありましたかという問いかけをしたつもりですが、大変失礼いたしました。私の質問の仕方が悪くて、お答えしにくかったのかなと思います。先ほど、私は30年間の国の戦略について申し上げました。事業のPDCAや総括がなかなか見えないという専門家や識者がいらっしゃいます。そういう意味では、秦野市は国とは正反対で、この30年間、常に前向きに課題に向き合ってこられたと、問題なく順風満帆に課題についてほぼ解決済みであるという、こういう理解をさせていただきました。
さて、秦野市では、先月15日から今月13日まで、「あなたの想いをきかせてください」というウェブアンケートを実施しています。この中で、「こどもと女性、そして、子育てに関わるすべての方々が幸せに暮らすことができるよう、秦野市では皆様の意見をもとに様々な取組みを展開したいと考えています」、このように記されております。このウェブアンケートの概要の説明は結構ですが、ここで言われる様々な取組を展開したいとありますが、様々な取組とは何かをお示しいただけますでしょうか。また、本来ならばアンケートに使用目的を明記されるか、あらかじめ具体の取組を明記されるべきではなかったかと思いますが、いかがでしょうか。
163
◯横山むらさき議長【96頁】 こども健康部長。
164 ◯古尾谷明美こども健康部長【96頁】 ウェブアンケートに対する御質問でございます。今年度、国ではこども家庭庁を設立し、次元の異なる少子化対策の実現に向け、こども未来戦略方針を打ち出しております。この方針には、今後3年間に集中的に取り組む加速化プランといたしまして、子育てについての経済的支援の強化や、妊産婦への産前産後ケアの拡充、幼児教育・保育の質の向上等に取り組むことが示されております。
本市では、総合計画や子ども・子育て支援事業計画を策定し、これらの計画に沿って子育て支援事業を推進しておりますが、これまで取り組んでまいりました事業を振り返るとともに、加速化プランに示されております、今後実施していかなければならないとされています多世代交流ができる居場所づくり、病児保育、こども誰でも通園制度など、何項目かの取組についてアンケートの中に具体的に記載をしております。これらの様々な支援のうち、市民の皆様が何を求めているかを把握した上で、今後本市が取り組むべき施策を総合的に判断していくこととし、アンケート調査を実施いたしました。
また、より多くの方に気軽に参加していただけるよう、「あなたの想いをきかせてください」といたしまして、アンケートの使用目的につきましては、あえて導入部分へは記入せず、アンケートの回答を終えた後に御確認いただくという方式といたしました。
以上でございます。
165
◯横山むらさき議長【96頁】 古木勝久議員。
166 ◯16番古木勝久議員【96頁】 本来ならば先に書くべきだったと思いますけれども、今の御答弁で、市民の方が真に求めているものは何であるか、こういうものを見いだすためにアンケートを行いましたということですけれども、ランダムな世論調査でしたら、幅広く対象や的を絞らなくてもいいと思うのですよ。この問題では既に対象者や、あるいは当事者数、あるいは本市の課題なども明確に分かっているわけです。出ています。ですから、母数をできるだけ実数に近づけていくようなサンプリング手法を取られたほうが、より精度の高い調査結果が得られたのではないかなと私は思います。今回の手法では、真に求めているものがかなり薄まってしまうのではないか、そのように危惧します。御答弁は結構です。
ウェブアンケート実施に先立ち、6月にプロジェクトチームを結成し、全ての子供と女性の多様性が尊重されるとともに、家庭や地域の中で子育ての喜びが実感できるまちを実現するための調査・研究を行っていると、こういう話も伺っているところでありますが、具体のチーム編成はどのようか、また、調査・研究はどのようなことをやっていらっしゃるか、お答えいただけますか。
167
◯横山むらさき議長【97頁】 こども健康部長。
168 ◯古尾谷明美こども健康部長【97頁】 プロジェクトチームの編成についての御質問にお答えいたします。こども未来戦略方針が打ち出され、その後、加速化プランが示されました6月に、こども健康部の中からメンバーを募っております。当初4人だったメンバーでございますが、現在は12人に増えております。プロジェクトチームで行っている調査・研究についてでございますが、子供と女性のサポートという大きな視野に立ち、子育て支援全般にわたる事業の振り返り、また、子育てをする女性への直接的な支援の在り方や必要性、男性の育児参加など多岐にわたっております。
以上でございます。
169
◯横山むらさき議長【97頁】 古木勝久議員。
170 ◯16番古木勝久議員【97頁】 少し具体の話が見えないのですけれども、まだ何も決まっていないという理解でよろしいですか。
171
◯横山むらさき議長【97頁】 こども健康部長。
172 ◯古尾谷明美こども健康部長【97頁】 このプロジェクトは、6月から始めまして、まずはアンケートを取って、市民の声を聞こうというところから始まっております。その市民の声をこれから、幾つか我々が抽出しました課題と照らし合わせ、それから、過去にやってきました事業などを振り返って、この内容を精査し、策定していきたいと考えております。できれば早いうちにこれらを策定して、加速化プランという3年間の目標がございますので、それに合わせて進めていきたいと、このように考えております。
以上でございます。
173
◯横山むらさき議長【97頁】 古木勝久議員。
174 ◯16番古木勝久議員【97頁】 昨年の12月の定例月会議に、秦野市私立保育園園長会から、私立認可保育所及び認定こども園の保育士・保育教諭配置数の改善を求める陳情が出されました。審査結果では、賛成全員で採択されました。陳情の願意で特に強調されているところは、認可された全ての民間保育所及びこども園の1歳児保育担当保育士及び保育教諭を公立園と同様に配置できるようにと、このような内容でした。
一方、先月9月12日に開かれた市主催のいわゆる第2回保育の質の向上に向けた意見交換会、ここに資料はございますけれども、保育士の配置数の検討ではなくて、補助基準の見直しに力点が置かれたように思いますが、その理由をお聞かせいただけますか。
175
◯横山むらさき議長【97頁】 こども健康部長。
176 ◯古尾谷明美こども健康部長【98頁】 ただいまの御質問にお答えいたします。
まず、今、配置基準と補助基準という2つの項目のお話がございました。少しお時間をいただいて、配置基準と補助基準という似て非なる言葉について、誤解のないように御説明をさせていただきたいと思います。
まず配置基準でございますが、児童福祉法第45条の規定に基づき、国が児童福祉施設の最低基準となる配置基準を定め、都道府県が条例で基準を定めなければならないとされております。念のため、国に確認いたしましたが、配置基準を定めることができるのは、原則、都道府県及び政令指定都市と中核市となっております。しかし、県条例の中で市町村が配置基準を定めるよう委ねられている場合にのみ、市町村が配置基準を定めることができるということでございます。
神奈川県の条例はといいますと、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例第46条第2項におきまして、国が定める配置基準と同様の内容となっており、市町村が配置基準を定めるような条文ではございませんでした。したがいまして、市単独に配置基準が定められるものではないということになります。この件についても念のため、県に確認をしております。
一方、補助基準でございますが、法令上の最低基準である配置基準とは異なり、市の補助金交付要綱に基づき、配置基準を超えるプラスアルファの職員が配置できた場合などに補助を交付するための基準でございます。そのため、補助金上の基準が達成できた場合に補助金が交付される仕組みでございます。念のため、厚木市や小田原市、平塚市にも確認いたしましたが、配置基準の条例上の規定はなく、あくまでも補助基準により運用しているということでございます。つまり、法令上、最低基準として守らなければならない配置基準と、実質的に手厚い人員配置ができたときに補助金として手当てをする補助基準とで大きな違いがございます。また、全保育所を対象として実施いたしましたアンケート調査では、年度当初から、もしくは年度途中から保育士確保が困難となることが見込まれると回答した園は合わせて14園で、この設問に回答した園のうちの58.3%を占めておりました。
また、人材確保の現状についての問いでは、年々難しくなっていると感じている園が67.9%あり、全体的に人材を確保するために苦労されていることが分かりました。このように本市のアンケート結果からも、人材確保が難しい状況が明確であるため、引き続き補助基準の見直しについて検討していきたいと考えております。
繰り返しとなりますけれども、NHKの報道などにおきましても、独自の財源で手厚く保育士を配置している自治体の状況が紹介されておりますが、神奈川県の一般市におきましては、補助基準により、独自の財源で手厚い保育士配置を可能としている状況であり、法令上の配置基準ではございません。
以上でございます。
177
◯横山むらさき議長【98頁】 古木勝久議員。
178 ◯16番古木勝久議員【98頁】 スクリーンを御覧ください。これは、大和市、秦野市、厚木市、平塚市、小田原市、これを見ると秦野市がお得感があるようなのですが、そもそも、大和市、厚木市、平塚市、小田原市、いずれも国基準よりも上回った保育園の保育士の配置数があります。大和市で言えば4対1、それから、3歳児に限って言いますと、たしかこれは16対1ですよね。国基準だと20対1なのですけれども、いずれも秦野市よりも制度が違うところに無理やり補助基準を当てはめた。この計算式って非常に分かりづらいというか、1歳児の4対1配置に対する補助メニューがある補助基準額ということですけれども、赤枠の秦野市の地域区分は100分の1であります。これは、市役所の職員の皆さんの地域手当の100分の6と同じです。最後の行に、100分の6地域の割合で計算した場合には、本市が最も高いと書いてあります。つまり、大和市は16万5,000円となっています。これは、地域区分では、秦野市の分子6を大和市の地域区分の分子10を割り算し、大和市の基準月額を換算した数値です。分かりやすく言えば、本市の民間の保育の労働価値は大和市の6割しかない、こういう理解でよろしいですか。
179
◯横山むらさき議長【99頁】 こども健康部長。
180 ◯古尾谷明美こども健康部長【99頁】 ただいまの御質問にお答えいたします。
この質問に関しましては、第2回の保育の質の向上に向けた意見交換会におきましても、全く同様の御意見を頂戴したところでございます。議員がおっしゃる資料の該当部分でございますが、本市ベースで比較するため、それぞれ地域区分の異なる市の基準月額を、本市の100分の6地域の割合で計算した場合で比較したものでございます。あくまでも参考として掲載したもので、この割合を基に補助基準月額を決定するものではございません。よりよい見直しとなるよう検討していくことに変わりはございません。当日もこのような御説明をさせていただいておりますが、御理解をいただけてないようであれば、次回の意見交換会の中でもきちんと説明をさせていただきたいと思います。
また、今後できるだけ、様々な意見がある中で、このアンケート結果、それから現場の意見、それらをきっちりと踏まえながら補助基準を見直していけるよう、検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
181
◯横山むらさき議長【99頁】 古木勝久議員。
182 ◯16番古木勝久議員【99頁】 市長も笑っておられましたけれども、自治体間の比較は、例えば地域区分にある公定価格をそれぞれの実数から割合を求めないと数字は出ないと思いますよ。例えば、年齢や定員に応じて施設に給付される標準的な額の割合を計算する。例えば、秦野市は伊勢原市の97%なのですよ。こういった公定価格を基本とする計算式を御提示すべきだったと思います。スクリーンに映した違うグラフで見ると、伊勢原市は100分の10、それから秦野市は100分の6となっているのです。この計算でいくと、秦野市は非常にお得感が見えるのですけれども、実際、秦野市と伊勢原市の違いって97%ですよ。これ、公定価格で計算すれば、きちんと出てきますよ。
以上、終わります。
183
◯横山むらさき議長【99頁】 以上で、古木勝久議員の一般質問を終わります。
暫時休憩いたします。
午後 3時04分 休憩
─────────────────────────────────────────────
午後 3時19分 再開
184
◯横山むらさき議長【99頁】 再開いたします。
休憩前に引き続き、「一般質問」を行います。
小山田良弘議員。
〔小山田良弘議員登壇〕
185 ◯12番小山田良弘議員【99頁】 創和会・市民クラブの小山田良弘でございます。通告に従いまして質問いたしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
1、秦野丹沢スマートインターチェンジ周辺整備について。秦野丹沢スマートインターチェンジが開通して1年半となります。県外からも多くの車が訪れ、私も新東名高速道路をよく利用いたしますが、特に私の住んでおります北地区にとりましては、とても使いやすく、そして便利になったと実感をしており、改めて新東名高速道路の早期全線開通を願っております。そのスマートインターチェンジ周辺で計画されている戸川土地区画整理事業につきましては、都市マスタープランに新市街地ゾーンとして位置づけられ、新たな産業系の土地利用を検討することとしており、関連する道路整備を行うため、本年4月に菩提横野線が都市計画決定されています。秦野市戸川土地区画整理準備組合では、これまで100回にも及ぶ役員会を開催して、様々な議論を重ね、地権者の意見を反映するための土地利用計画の見直しなどを行うとともに、事業計画案や定款案を作成し、来年3月の組合設立に向けて、現在、地権者からの同意書取得の手続を行っていると伺っております。そこで、戸川土地区画整理事業及び関連する都市計画手続、さらに企業誘致について、これまでの経緯の概要、現在の状況、課題、そして今後の取組についてお伺いいたします。
2、東海大学との連携によるまちづくりについて。少子高齢化が進み、生産年齢人口の減少や地域の担い手不足など、秦野市に限ったことではありませんが、持続可能な社会を築き上げる上で大きな不安要素となっています。その不安要素を少しでも払拭するための一つの方策として、東海大学との連携によるまちづくりについて御質問をさせていただきます。
東海大学は隣の平塚市に所在する大学ですが、駅名にもありますとおり、本市には小田急線東海大学前駅があり、毎日数万人の大学関係者が乗降するゲートとなっております。また、大学周辺の本市市域には学生寮やアパートもたくさんあり、学生街としての様相をなしております。そのようなことから、前半でお話ししましたとおり、東海大学との連携強化により、まちづくりの様々な場面で、大学教授や学生たちに参加していただきたいと思います。秦野市の将来のため、例えば、共同研究や企業との連携などにより、大学の知的財産を活用し、また、学生の若い活力が地域を支えるパワーとなって地域活動していくなど、総合大学としてのスケールメリットを生かして、秦野のまちづくりをさらに活発にしていく必要があるのではないかと考えますので、以下、お伺いいたします。
まず、これまでの東海大学との交流連携について、経緯と分野別の取組についてお伺いいたします。また、それらの中で生じた市と大学と地域との考え方のギャップなどがありましたら、お聞かせください。そして、今後の取組についてもお伺いいたします。
以上で1回目の質問を終わります。
〔小山田良弘議員降壇〕
186
◯横山むらさき議長【 100頁】 都市部長。
187 ◯高垣秀一都市部長【 100頁】 私からは、質問項目の1、秦野丹沢スマートインターチェンジ周辺整備についてお答えします。内容として、戸川土地区画整理事業や関連する都市計画の手続、さらに企業誘致のこれまでの経緯、現状と課題、今後の取組についてでございますが、まず、戸川の土地区画整理事業の関係でございます。
平成30年3月に準備組合が設立されて以降、市も技術支援しながら、これまで約100回にわたり役員会を開催し、協議を重ね、準備組合総会は9回開催し、事業計画案の検討や権利者の合意形成に努めてきました。本年7月開催の第9回総会で承認された事業計画案と定款案を基に、現状において、土地区画整理法で定められている権利者の3分の2以上の同意、これは現状、約7割の同意が得られましたので、組合認可申請書を神奈川県に10月末までに提出いたしまして、来年3月末の組合設立を目指しています。今後も本事業を円滑に進めるために、引き続き未同意の権利者の方からも御協力いただけるよう取り組んでまいります。
次に、都市計画の手続ですが、準備組合の動きに合わせまして、神奈川県等と様々な関係機関協議を進め、本年3月には県や国との農政協議も終了させ、本年4月には神奈川県に対し、本地区を市街化区域に編入するための都市計画案の申出を行いました。今後、都市計画案の縦覧や県及び市の都市計画審議会での審議等を経て、今年度末の市街化区域編入を目指しています。
次に、企業誘致ですが、これまで市内外の企業に対し、本市への進出希望に係るアンケート調査や誘致パンフレットの配布などPRに取り組んできました。本地区に興味を示していただいた企業は複数社あります。しかしながら、組合設立や都市計画等に関する手続を進めている段階ですので、決定はしてない状況でございます。
今後ですが、まずは今年度末の組合設立と市街化区域編入を計画どおりに進め、事業スケジュール等を明確にしていくとともに、引き続き企業誘致に積極的に取り組み、本市のPRにもつながる優良な企業に立地していただけるよう取り組んでまいりたいと考えています。
以上です。
188
◯横山むらさき議長【 101頁】 政策部長。
189 ◯石原学政策部長【 101頁】 私からは、御質問の2点目、東海大学との連携によるまちづくりについてお答えいたします。
まず、東海大学との交流連携の経緯と分野別の取組についてです。秦野市は、他の自治体に先駆けて、昭和58年(1983年)1月に東海大学と連携事業に関する申合せを締結し、これまで40年間にわたって様々な分野で連携しながら、地域社会と大学の発展に努めてきました。毎年度の提携事業につきましては、市長並びに学長をはじめ、幹部職員で構成する提携事業運営協議会を開催し、事業の実績や進捗状況の確認、新年度事業の企画・立案、年間事業計画の決定などを行いながら、幅広い分野における事業展開を図っております。
分野別の提携事業について幾つか例を申し上げますと、「市民と協働のまちづくり」では、市の最上位計画である総合計画の策定に当たり、東海大学の学生3人を含む大学生や高校生合計13人に市民
ワークショップに参加していただき、若者ならではの視点で、まちづくりに関する様々な意見をいただきました。現在は、東海大学人間環境学研究科の教授並びに2人の学生に、市制施行70周年記念事業の市民企画会議に参画していただき、市民の記憶に残る記念事業の企画・立案に御協力いただいております。
また、秦野市4駅にぎわい創造検討懇話会では、東海大学前駅懇話会と鶴巻温泉駅懇話会に、それぞれの駅を実際に使用している大学職員や学生に参加していただき、にぎわい創造に向けた検討を進めております。
ほかにも、教育分野では、秦野市教育委員会委員や秦野市社会教育委員への就任、学校運営協議会や図書館協議会への委員派遣、中学校部活動への指導者派遣、教員志望の学生による児童・生徒の学習活動へのボランティア協力、海洋調査船「望星丸」を活用した広域連携中学生交流洋上体験研修の実施、さらには、留学生による小学校での異文化理解講座の開催など、様々な事業が展開されております。
また、文化・スポーツ分野では、大学の授業と同じ水準の講義を市民向けに行う市民大学への講師派遣、はだの歴史博物館企画展や彫刻を触る体験ツアーなどの共同開催、はだの水無瀬マラソン実行委員会への委員派遣や、大会当日の陸上部員による選手誘導、教養学部芸術学科の学生による女子野球タウンのロゴマークデザインなどが行われております。
このほかにも提携事業は、健康・福祉、環境、建築、都市計画など様々な分野にわたり、内容も人材派遣や事業の共同開催などにとどまらず、文化・スポーツ施設の相互利用や学生インターンシップの受け入れ、市職員の大学聴講や研修派遣など、この場では紹介し切れないほど広範囲にわたり、東海大学の知的財産や学生の活力が秦野のまちづくりに生かされております。
次に、連携事業において、市、大学及び地域の考え方にギャップは生じていないかとの御質問にお答えいたします。東海大学や地域と連携した事業の企画・立案に当たりましては、関係者があらかじめ目的や実施方法等を共有し、相互理解と協力の下に進めることで、考え方にギャップなどが生じないよう取り組んでおります。また、事業完了後には、関係者へのヒアリングや参加者へのアンケートなどを通じて検証し、次回以降に反映することで、事業の充実・拡大に努めております。
最後に、今後の取組につきましては、提携事業をさらに拡大・充実させ、人口減少、超少子高齢社会などの社会的課題にも、大学と連携して取り組んでいきたいと考えております。特に現在、取り組んでいる大学の教養課程と秦野市の施策との連携をさらに強化し、先生方や学生の地域への理解を促進することで、大学と地域と行政がともに地域の課題解決に取り組みながら、提携事業の目的である地域社会と大学の発展に努めていきたいと、このように考えております。
以上です。
190
◯横山むらさき議長【 102頁】 小山田良弘議員。
191 ◯12番小山田良弘議員【 102頁】 ありがとうございました。それでは、再質問に入らせていただきたいと思います。
まず、1の秦野丹沢スマートインターチェンジ周辺整備についてですが、先ほど都市部長から、合意形成についての御答弁をいただきました。現時点で法定の3分の2以上をクリアしていて、約7割の同意をいただいているというところだったのですが、まず確認ですけれども、法定の同意3分の2以上、人数と面積、それぞれ3分の2以上クリアしなければいけないという法的な規定があるのですが、先ほど御答弁いただいた約7割というのは、面積、人数においても、それぞれ約7割に達しているということでよろしいでしょうか。
192
◯横山むらさき議長【 102頁】 都市部長。
193 ◯高垣秀一都市部長【 102頁】 3分の2の法定同意率でございますけれども、権利者が105権利ありますけれども、現時点で72の権利数という、同意をいただいていますので、約69%弱ということで3分の2を超えています。また、面積につきましても、全体で16万4,653平米ございますけれども、11万82平米ということで、面積も3分の2を超えているという状況でございます。
以上です。
194
◯横山むらさき議長【 102頁】 小山田良弘議員。
195 ◯12番小山田良弘議員【 102頁】 ありがとうございました。両方ともそれぞれ3分の2を超えているという確認がまずできました。神奈川県では、市街化調整区域を市街化区域に編入するには土地区画整理事業が条件なのですが、その条件としている同意率の県の指導というのは現在、どのようになっているのでしょうか。
196
◯横山むらさき議長【 102頁】 都市部長。
197 ◯高垣秀一都市部長【 102頁】 同意に関しての県の指導ということですけれども、法定同意3分の2以上は当然なのですが、ただ、具体的に県から数字で何割だとか何%、そうした数字を求められている状況ではございませんが、ただ、3分の2を超えたからといってではなくて、一人でも多く同意をいただけるように努力をしていただきたいと、そういう声はいただいています。
以上です。
198
◯横山むらさき議長【 102頁】 小山田良弘議員。
199 ◯12番小山田良弘議員【 102頁】 ありがとうございました。私の経験ですと過去には、私も平塚市で区画整理を数多く手がけてまいりましたが、よく言われたのは、当時8割というのは恐らくおおむねという概念だと思うのです。おおむねという概念は8割というのが原則ですので、8割以上を目指してくださいというようなお話をいただいていたのですが、現在はそのような具体的な指導はないということでございました。そうしましたら、今後、一人でも多くの方に御理解をいただいてということですが、具体的にはどのような取組をされていくおつもりなのか、お聞かせください。
200
◯横山むらさき議長【 103頁】 都市部長。
201 ◯高垣秀一都市部長【 103頁】 合意形成の取組でございますけれども、未同意の権利者の多くの方は、区画整理事業自体に反対しているというよりも、区画整理によって、御自分の住環境がどのようになるのか心配で協力できないといった声が多くございます。そうした中には、住宅移転のない権利者の方でございますけれども、そうした方を対象に、準備組合がこれからも説明会、あるいは意見交換会を開催して、また、個別にもしっかり声を伺いながら、住環境に係る対応策などをしっかり説明することで、皆さんに理解され、同意につながると考えてございます。
土地区画整理事業は、権利者の個人の財産に大きく関わる事業ですので、権利者の皆様が安心してできるよう、準備組合や業務代行予定者とともに支援する本市といたしましても、組合設立に向けてはもちろんですが、事業が完了するまでしっかりサポートしていきたいと考えています。
以上です。
202
◯横山むらさき議長【 103頁】 小山田良弘議員。
203 ◯12番小山田良弘議員【 103頁】 ありがとうございました。しっかりとサポートするということですが、現在、約7割という同意率で、一人でも二人でも同意者が増えればということだと思います。10月末には予定どおり、組合認可申請をされるということでよろしいでしょうか。
204
◯横山むらさき議長【 103頁】 都市部長。
205 ◯高垣秀一都市部長【 103頁】 現時点で法定同意率に達しておりますので、予定どおり、10月末までに組合認可申請を出す予定でいます。
以上です。
206
◯横山むらさき議長【 103頁】 小山田良弘議員。
207 ◯12番小山田良弘議員【 103頁】 ありがとうございました。組合認可申請をすればそれで全てということではないと思います。事業が始まって、いろいろな権利者の方の思いが、課題がずっと解決しないまま事業認可、いわゆる組合設立認可になって事業がスタートしても、途中で止まってしまったり、いろいろな弊害、問題が起きることがありますので、その辺は、10月末に組合認可申請をされる予定だということですが、それから認可は恐らく来年の3月という話なのですけれども、ぜひそこまでの間、よく一般的に言う丁寧に説明ということではなくて、きちんと相手の立場に寄り添った考え方で、相手が何を不安に思っているのか、何を望んでいるのかということを考えてあげていただいて、あげていただくというのは少しあれなのですけれども、考えて、住民組合でもしっかりときめ細かく対応していただくようにお願いしたいと思います。
続きまして、今、スクリーンに映し出しましたのは戸川土地区画整理事業の土地利用計画図案になっております。まずは、市道52号線の拡幅と代替案について質問をさせていただきたいと思います。市道52号線というのは、今、拡大をいたしましたが、地図は北が上ですので、地区境のところに東西に走っている道路でございます。それが市道52号線です。当初は、市道52号線の、さらに拡大いたしますと、住宅地との間、こちらに車道が5.5メートル、歩道が0.8メートルで住宅地があってということになっていたのですが、この歩道を、2.2メートルだったかな、土地区画整理事業によって広げて、歩行者の安全性の確保を図ろうとしていたところを、住民とかいろいろな方の御意見をいただいて、もっと右側にあります、遊歩道と矢印が書いてありますが、それが4メートルの歩行者専用道路になると伺っておりますが、既存の道路、市道52号線の歩道は0.8メートルのままで、その機能を住宅の裏側というか北側、北側に4メートルの歩専道として機能を持たせようという、そういう代替案だと認識しておりますが、そこで少し確認をさせてください。
まず、そうなりますと、市道52号線が、区画整理が今後進んでいっても、幅員7.4メートル、車道5.5メートルと歩道が1.1メートルと0.8メートルのこの幅員は、恐らく将来的にもずっとこのままになってしまうのですが、まずこの辺の認識を、これは都市部長なのか道路管理者なのか分かりませんが、お答えいただければと思います。
208
◯横山むらさき議長【 104頁】 都市部長。
209 ◯高垣秀一都市部長【 104頁】 既存の市道52号線の歩道の拡幅をしないでということになるわけですけれども、市では当初の計画では、住宅の裏側の管理用通路を歩道化しようという考えがなかったということで、既存の今おっしゃられた、図でいうと0.8メートルの既存の市道52号線の歩道を、道路の基準に基づいて2.2メートルに拡幅するよう指導していたわけでございますけれども、市道52号線の歩道を拡幅する代わりに、管理用通路の歩道化によって車両と歩道が分離されますので、一層安全性が高まり、緑豊かな散策路、散策路の整備の話はまたこれからになりますけれども、そうした緑豊かな散策路としても整備することで、環境にも配慮した産業系のまちづくりにつながると現状では考えているところでございます。
以上です。
210
◯横山むらさき議長【 104頁】 小山田良弘議員。
211 ◯12番小山田良弘議員【 104頁】 ありがとうございます。今のお話ですと、遊歩道と書いてあるところは、もともと管理用の通路として4メートルの幅員で、特にそこに人を通す予定はなかった。それを0.8メートルの既存の道路の拡幅をしない代わりに、そちらに人を回して、そこを遊歩道、歩行者専用道路として活用するということで、既存の0.8メートルの歩道では安全がなかなか確保できなかったけれども、そちらに機能移管することで安全性は確保できるよということだったと思います。そうしますと、今度、今まで道路に面していた歩道が、全部住宅があるわけじゃなくて、途中公園もできますけれども、住宅の北側になることによって、例えば死角であったりという、そういう治安面についてはいかがでしょうか。
212
◯横山むらさき議長【 104頁】 都市部長。
213 ◯高垣秀一都市部長【 104頁】 住宅の裏ということで、北側には、私たちが目標とする企業の立地というのが将来的には来ると考えておりますけれども、今、おっしゃられた死角であるとか、いろいろなことを含めて、1つの対策として、夜であれば防犯灯をしっかりつけて明るくするとか、そうした細かい、地域の方、そこに住まわれる方が安心して住むことができるような、地域の方からも御意見をしっかり聞きながら、どんな対応をしなきゃいけないかという詳細はまた詰めていきますけれども、それに当たっても、そこに住まわれる方の意見はしっかり聞いていきたいと考えています。
以上です。
214
◯横山むらさき議長【 104頁】 小山田良弘議員。
215 ◯12番小山田良弘議員【 104頁】 地域の方の意見を聞きながら、しっかりと歩専道の整備をしていきたいというようなお答えでした。
次に移ります。もう1点、市道51号線、これは戸川方面から北公民館方面、菩提方面に向かう幹線道路で、幹線道路といっても地区の幹線道路なのですが、こちらについて少しお話を伺いたいと思います。ここは、戸川でいうと、戸川原地区、戸川西地区、あるいは三屋地区の、児童・生徒、幼稚園生もそうなのですが、通うメインの通学路になっておりますので、そういった観点から御質問をさせていただきたいと思います。
まず、スクリーンに映した写真を御覧いただきたいと思います。これは、雨天時の通学路の様子の写真です。まず、この写真を見てどのように感じられるか、感想でも結構ですので、お願いします。
216
◯横山むらさき議長【 105頁】 都市部長。
217 ◯高垣秀一都市部長【 105頁】 市道51号線は、現状の歩道は両側1.4メートルということで、非常に狭くて、写真のとおり、お子さんが通学のときに傘を持ったりすれば、擦れ違いなどもなかなか難しくて、車道に出てしまうような状況があると思いますので、歩道につきましては、土地区画整理事業の中で、歩道を広くする、そういう必要性は非常にあるだろうなと感じています。
以上です。
218
◯横山むらさき議長【 105頁】 小山田良弘議員。
219 ◯12番小山田良弘議員【 105頁】 ありがとうございます。皮肉にもこの写真を見ますと、道路標識があって、道路標識があるがために、あそこで歩道から車道に下りなきゃいけないとも感じ取れます。それは少し余談なのですが、今、都市部長がおっしゃったように、本当に非常に危険な状態です。何が起こってもおかしくないような状態ですので、安全な通学路を確保するためには、今、都市部長がおっしゃったように、歩道拡幅をする必要があるなと思っております。
それで、スクリーンを御覧ください。こちらに市道51号線の幅員構成、現在、両側1.4メートルずつのマウンドアップした歩道があって、車道が5.5メートル、それを土地区画整理事業によって、歩道が両側3メートルと車道が7メートル、7メートルだから多分、センターラインが真ん中に引けると思うのですけれども、全幅13メートルの道路に整備しますよということで、今に比べて歩道が倍以上になるわけですので、数段安全性が確保できるのかなと思うのですが、一方で、安全性は確保できるのですが、企業誘致によって、企業のトラック、大型車ですとか、あるいは関係する車両等が増えることもそのとおりだと思うのです。ですので、その辺の対策をしっかりしなければ、ただ歩道が広がったというだけではないと思います。
それで、道路構造令上、それがいいのかどうかというのは少し検討してみないと判断できないのですが、道路構造令上の話じゃないですけど、例えば、今、両側3メートルなのですが、西側の企業誘致のところ、こちらについては出入口がないというようなお話もいただいておりますので、出入口がないところ、面しているところにつきましては、例えば4メートルにして、その東側、約4.5ヘクタールの企業誘致のところは幾つか出入口ができる可能性がありますので、そちら、ぶつ切りになってしまいますので、そういったところは、3メートルではなくて例えば2メートルにするとか、4メートルと2メートルにして、より通学路としての安全性を確保するというのも一つの考え方と思います。
さらに、先ほどの歩行者専用道路が4メートルの歩道があって、市道51号線の西側に4メートルの歩道ができれば、同じ4メートルの歩道の回遊性が確保できるというような利点もあるのかなと思うのですが、その辺の考え方についていかがでしょうか。
220
◯横山むらさき議長【 105頁】 都市部長。
221 ◯高垣秀一都市部長【 105頁】 先ほどお話の中で、西側の大きな街区には、そこの街区から市道51号線には車両の出入口は設けない予定で計画しております。今、おっしゃられた歩道を、西側の歩道を広くするという考え方でございますけれども、警察や学校等との十分な調整が当然必要になってくるわけですが、今、議員がおっしゃられた東側の歩道の幅員を少し狭くして、それで車両の出入口のない、市道51号線西側の歩道幅員を4メートル、そういうお話であったかと思いますが、そういう形にするということは、そしてまた、横断防止柵という、歩道から出ないような柵などを設ければ、写真で先ほどもお話しいただいたような、雨の日でも車道に出たりするようなことがなくなるということで、これについては、先ほど申し上げたように、学校とか警察とか今後しっかり協議して、そういった提案も考えていきたいと思っています。
また、今、お話で最後、歩行者の管理用通路を歩道化するわけですけれども、そこも4メートルの予定ですから、そこと区画の中から来て、市道51号線の4メートルのところをぐっとつながって歩いたりすれば、区画整理全体のエリアの中で周遊できるみたいな形にもなりますので、これはお子さんたちに限らず、周辺に住まれている住民の方が、これから緑の配置とかいろいろやっていくわけですけれども、全ての地域の方が回遊できるような、そういったまちづくりにつながるようなことも考えていますので、調整になりますけれども、ぜひその辺はまた検討していきたいと思っています。
222
◯横山むらさき議長【 106頁】 小山田良弘議員。
223 ◯12番小山田良弘議員【 106頁】 ありがとうございました。本当に子供たちの通学の安全性というのは一番大きな課題ですので、そこはしっかりと取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、地権者の方々から御相談をいただいたりするのは、従前地買収の件です。土地区画整理事業というのは本来、従前地買収をする事業ではなくて、区画整理事業によって仮換地を受けて、それを自分で土地活用するのか、あるいはその後に売却をするのかというのは一般的な事業のスキームになっているのですが、戸川の土地区画整理事業の場合には、従前地買収のお話が出ているそうです。これについて少し御説明をいただければと思うのですが、従前地買収と、あとは通常の換地を希望する地権者の方も恐らくいらっしゃるのだろうなと思うのですが、その辺は業務代行予定者が説明するときも、しっかりとその辺の混乱を招かないような説明をしていただきたいなと思うのですが、まず、その辺について御見解を伺います。
224
◯横山むらさき議長【 106頁】 都市部長。
225 ◯高垣秀一都市部長【 106頁】 従前地買収と換地希望の権利者への丁寧な説明ということになろうかと思いますけれども、区画整理事業は、土地の造成や公共施設の整備に伴う費用を捻出するために、権利者が自ら持っている土地の一部を、減歩という形で提供することでその費用を賄うという事業になります。そのため、減歩され残った土地を換地という形で所有することになりますけれども、その土地の活用等が区画整理の進捗や、あるいは目的とする企業誘致の動向に、スケジュール的なことも含めて大きく左右されるということでございます。そのために、こうした懸念を解消するために、業務代行予定者の一つの手法として、従前地買収という方法で、業務代行者が区画整理組合認可後すぐに、換地の前に権利者から土地を買収するというものでございます。
今回、こうした提案が業務代行予定者からありまして、先ほど申し上げたような、懸念されるようなことがございますので、権利者としてはある意味、自らの土地の選択肢が増えるということになりますから、そこについては引き続き、少し複雑な手続ですので、権利者の方に理解していただけるように引き続き丁寧な説明をしていきたいと思います。
226
◯横山むらさき議長【 106頁】 小山田良弘議員。
227 ◯12番小山田良弘議員【 106頁】 ありがとうございます。従前地買収は慣れなかったのでお伺いしたのですが、業務代行予定者からそういう提案があったということだと理解をいたしました。一方で、従前地買収に応じようとする人もいるかもしれないのですが、仮換地として受けて自分で活用したい、あるいは借地をしてそれを利活用したいという方もいらっしゃるかと思いますが、その辺の調整というのは今後どのように、市ではないのでお答えしづらいのかもしれませんが、準備組合としっかりと連携を取って進めていかないと、何を心配しているのかといいますと、スクリーンに映し出している、土地利用計画図案で黄色く塗ったところは一般の住宅地になるわけでして、8.3ヘクタールとか4.5ヘクタールと書いてある産業用地につきましては、全部従前地買収してしまったらどうなるのだろうと少し不安になるのです。結果、そこを持っている業務代行予定者が全部買って、残りの住宅地のところは住宅の地権者がそのまま残って、土地区画整理組合という構成になるのかと思うのですが、そういうことも含めて、一般的なやり方ではないので、よりきちっと地権者の皆さんに理解がされるような説明を、あるいは資料も含めてなのですが、していっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
228
◯横山むらさき議長【 107頁】 都市部長。
229 ◯高垣秀一都市部長【 107頁】 換地であったり従前地というのは、先ほど申し上げましたとおり、議員が今までやってこられたこととは違うような形かと思っていますけれども、これも一つのやり方でございますが、どちらにしても地権者の方は、その後、換地を受けたとしても、貸すのかとか売るのかとか、また、そういったいろいろな問題が出てきますので、そこについては市も事務局としてしっかり準備組合と連携してサポートしていきたいと思っています。
230
◯横山むらさき議長【 107頁】 小山田良弘議員。
231 ◯12番小山田良弘議員【 107頁】 ありがとうございました。本当にそこは混乱のないように取り組んでいただければと思いますので、お願いいたします。
続きまして、企業誘致についてです。先ほど、優良な企業が進出してくれるようにというお話をいただきました。9月末の日本経済新聞に載っていたのですけれども、令和4年度の個人住民税の課税対象所得が9年連続で増加し、全国の約3割に当たる494市区町村がバブル期を上回ったとし、特に地方では、高速道路の整備による企業立地や農産物の高付加価値化などが進んだことが起因していると分析していますという記事がございました。私も先ほどから申しておりますとおり、平塚市で経験しておりますが、高速道路の整備効果は、市域の経済をはじめ人口や雇用、もちろん税収もそうですけれども、あらゆる面で可能性が十分にあると思います。4年後には新東名高速道路が全線開通をいたします。その整備効果を最大限に発揮するには企業誘致がとても重要であると考えておりますが、誘致を考えている企業のイメージがありましたら、お答えください。
232
◯横山むらさき議長【 107頁】 都市部長。
233 ◯高垣秀一都市部長【 107頁】 本事業区域に優良な企業に立地していただければ、今回の市街化区域への編入による税収増をはじめ、企業の設備投資などに伴う税収増、また現在、この世の中、デジタル、
カーボンニュートラル、SDGsといった様々な視点で企業活動が行われておりまして、これまで関連業種だけの縦割りの企業の付き合い、そういった波及効果が主にという考えがございましたけれども、様々な企業への波及効果というのもこれからの世の中というのは期待されると考えております。
そうした中で、業種にもよりますけれども、これまでにも答弁させていただいていますけれども、秦野名水のPRができる、あるいは工場見学とかできるような企業であれば、近隣の表丹沢や県立秦野戸川公園などとも連携した観光客の誘致など、そうしたまちづくりにもつながるような企業誘致をしていきたいと考えています。
以上です。
234
◯横山むらさき議長【 107頁】 小山田良弘議員。
235 ◯12番小山田良弘議員【 108頁】 ありがとうございました。波及効果を期待したいということでした。そのとおりだと思います。雇用だけではなくて、地域経済がいかにうまくプラスに回っていくのかというのも大事な視点ですし、もちろん市としては税収増も期待するところであると思います。
参考までになのですが、私が3月までおりました平塚市ツインシティ大神地区土地区画整理組合のところでは、従前、従前というのは区画整理が始まる前、調整区域の段階での約68ヘクタールの区域の税収が約1億円だったのですが、区画整理が整い、さらにいろいろな企業が立地することによって16億円に増えるということで、差額15億円なのですけれども、そうすると68ヘクタールで15億円ということで、戸川地区と単純に比較計算はできませんが、面積が約3分の1ということを考えると、5億円ぐらいの税収増ということも、平塚市を例にすると考えられるのではないかなと思います。それには、先ほど都市部長がおっしゃったように、優良な企業も含めて、地域経済の活性化に資するような企業をぜひ誘致していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、あと1点、この戸川土地区画整理事業で少し気になっているところが、暫定の用途地域です。現在、市街化調整区域から市街化区域に編入するための都市計画手続をしていて、今後、縦覧をやったり、都市計画審議会に諮ったりという御説明が先ほどありました。一方で、市街化区域にしたときには土地区画整理事業が始まるのですが、土地利用計画がまだきちんと固まってないということで、暫定用途として、この区域全体を工業専用地域に指定するというようなお話もいただきました。確認なのですが、この事業を進める上で、一時的なのですが、特に住宅のところが工業専用地域になってしまうということで、その辺は事業には特に支障がないのかということを確認させてください。
236
◯横山むらさき議長【 108頁】 都市部長。
237 ◯高垣秀一都市部長【 108頁】 現在、準備組合で計画しているスケジュールですけれども、申し上げたとおり、来年3月の組合設立後から本格的に事業に着手する、そんな段取りで進めているわけですけれども、そのために、組合設立後に土地区画整理の換地設計、あるいは道路や公園などの公共施設管理者等との最終的な協議や調整を行いまして、その後、事業全体の詳細な設計を行っていき、それらを総括して、最終的には地区計画を決定するという、このような段取りを組んでいることから、組合の設立時には、議員がおっしゃられたように、暫定的に工業専用地域といたしまして、その後、先ほど申し上げました、定める地区計画決定後に、最終的な本用途である工業地域へ変更するものでございます。
そうした中で、一時的に縛りの強い工業専用地域になるために、地権者の方を含めて、若干御迷惑をおかけする部分があるわけですけれども、先ほど申し上げた、組合設立後に予定しているそれぞれの手続をしっかり着実に進めまして、住宅を移転等する権利者の方などへの負担を極力少なくするように、軽減できるように取り組んでいきたいと考えています。
以上です。
238
◯横山むらさき議長【 108頁】 小山田良弘議員。
239 ◯12番小山田良弘議員【 108頁】 ありがとうございました。これは都市計画の手続上、暫定用途というのは私も理解できるのですが、工業専用地域だというのを聞いて少し驚いたところです。さらに本用途なのですが、今回の事業区域全体を工業地域にするということですが、一方で、土地利用計画図案を見ますと、先ほど説明しました市道52号線から南側の既存の市街化区域、こちらは第1種住居地域かなと思います。第1種住居地域ですと準防火地域の指定があるのですが、事業区域はこの黄色く塗ったところも工業地域になってしまいますと準防火地域の指定がなくなるのですが、その辺は道路の両側で不整合が生じないかというのが少し心配なのですが、いかがでしょうか。
240
◯横山むらさき議長【 109頁】 都市部長。
241 ◯高垣秀一都市部長【 109頁】 大きく道路を挟んで、用途地域として工業地域と住居系ということで準防化ということになりますけれども、延焼等の安全性の問題ですけれども、これについては現状では支障がないと考えています。
以上です。
242
◯横山むらさき議長【 109頁】 小山田良弘議員。
243 ◯12番小山田良弘議員【 109頁】 ありがとうございます。建築基準法上、建物の確認申請するときに、準防火地域だったらこういう設備を設けるとかというのがありますよね。何を言いたいのかというと、できるだけ住宅を守るという観点では、先ほどの歩行者専用道路を住宅の北側に4メートルの道路を通すということだったので、地形地物界がそこになるわけですよね。だとすると、市道52号線から歩行者専用道路までの住宅のゾーンについては、南側の既存の住宅と同じ住居系の用途地域にしても、将来的に本用途にするときに何ら問題ないのではないかなと思いますので、その辺は御提案をさせていただきたいと思いますので、御検討をよろしくお願いいたします。
時間がなくなってしまったので、東海大学の関係の質問に移りたいと思います。東海大学の連携につきましては、政策部長からかなり詳しく答弁いただきまして、ありがとうございました。約40年にわたって協議会を続けられていて、市長をはじめ大学の学長ですとか幹部職員が毎年協議を行っているというところも理解できました。ただ、心配なのは、それが形骸化されてないかどうか。本当に生意気な言い方で申し訳ないのですけれども、中身を知らなくて聞いているのですが、そういうところが一番心配で、市民としては大学に何を望むのかという視点が、私はこれから非常に大事かなと思います。そこで、市内の工業関係の企業との連携の取組などについて御紹介いただければと思います。
244
◯横山むらさき議長【 109頁】 政策部長。
245 ◯石原学政策部長【 109頁】 市内工業関係企業との連携についてお答えいたします。東海大学は、知的活動によって得られた知の財産を企業や地域と連携して社会に還元するために、産学公連携にも積極的に取り組まれております。コロナ禍以前には、東海大学と
秦野商工会議所が連携し、東海大学教授が実装研究の内容や成果を市内企業に紹介する講演会やセミナーなどが開催されており、こうした企業と大学との交流を契機に、特許取得申請につながった例もございます。また、東海大学と市内企業の連携や市内企業との間での協働事業を目指した工場見学会、東海大学が保有する高額な分析装置の企業への貸出しのほか、産学共同研究の可能性を探るための人事交流の場づくりなども進められてきました。こうした取組は近年、新型感染症対策の観点から開催が見送られてきましたが、今後、改めて産学公連携に取り組んでいきたいと考えております。
以上です。
246
◯横山むらさき議長【 109頁】 小山田良弘議員。
247 ◯12番小山田良弘議員【 109頁】 ありがとうございました。工業の分野におきましても様々な取組、特に特許取得申請につながったというお話もありまして、非常に興味深いなと思いました。本当にるるいろいろな事業をこれまでやっていらっしゃって、改めて大変だったのだろうなと思うのですが、一方で、これだけやっていることを16万人の市民の皆さんがどれだけ知っていらっしゃるのかということも気になるところですので、今後も含めて、その辺の市民への周知についてはどのようにお考えでしょうか。
248
◯横山むらさき議長【 109頁】 政策部長。
249 ◯石原学政策部長【 109頁】 市と東海大学の関係では、東海大学との間の協議会ですとか、課長級職員で構成する幹事会等でこれまでも協議を進めた中で、いろいろな事業を企画立案して、将来の秦野市の発展、そして東海大学の発展につながるような事業を行ってきたところですけれども、確かに議員おっしゃるように、そこら辺が市民へどのくらい伝わっているのか、周知できているのかと言われますと、そこのところは十分ではないのかなという気もいたしますので、今後、そこら辺の観点も含めて、東海大学との連携事業を市民に周知できるような、どういった方策がいいのかということも含めて少し検討させていただきたいと思います。
以上です。
250
◯横山むらさき議長【 110頁】 小山田良弘議員。
251 ◯12番小山田良弘議員【 110頁】 ありがとうございます。ぜひ市民への周知をしっかりとやっていただいて、周知をすることによって、例えば、地域でいろいろと困っていることを、そうだ、では、東海大学に相談してみようと展開していけばもっともっといいと思うのです。ですので、そんな展開になるようによろしくお願いしたいと思います。
9月に東海大学に伺いまして、副総長にお会いしてまいりました。そこでいろいろな、これまでのつながりですとか、あるいは今後も含めてお話をさせていただきました。そんな中で、例えば大学の来年度のカリキュラムに、地域との参画ですとか協働によるまちづくりなどをテーマに取り組むことってどうですかって言ったら、遅いと言われてしまったのです。今やるんだったら、来年度ではなくて再来年度の授業のカリキュラムになるということでしたので、そういうことも踏まえて、スピード感を持っていろいろなことに取り組んでいただければなと思います。
私、8月のお盆のときに、東海大学の平塚市の土屋にあります硬式野球部のグラウンドに行きまして、市内の少年野球チーム、全チームに声をかけたら六、七十人集まったのですが、そこで学生の選手たちから直接いろいろな指導をしていただきました。雨だったので雨天練習場とトレーニングルームと、あとは監督、コーチ、親御さんは食堂でいろいろな話合いの場を設けたのですが、子供たち、すごく目が輝いていまして、プロにほとんど近いようなレベルですので、そういったことからすると、もっともっとこういう機会を増やしたいなと思っています。
そのときのあるチームから、学校で練習しているときに学生が来てくれないかというお話をいただいて、今、日程調整をしておりますが、そのように学生も指導することによって、自分たちのモチベーションもそうなのですが、知識もノウハウも高まっていくということもありますし、子供たちはもちろんそうです。親御さん、コーチにとってもそうですので、ぜひそういったことを広めていきたいなと思っています。それは一少年野球だけではなくて、いろいろなスポーツに通じて言えることだと思いますので、総体的に申しますと、スポーツだけではなくて芸術もそうですし、まちづくり、あるいは自治会活動、先ほど今井実議員から自治会の加入率のお話もございました。古木議員からも観光の視点での話がありましたが、いろいろな視点で大学の参加の可能性を探ることが非常に重要だなと思いますので、チャレンジしていただければと思いますので、よろしくお願いします。
これで質問を終わります。ありがとうございました。
252
◯横山むらさき議長【 110頁】 以上で、小山田良弘議員の一般質問を終わります。
次に、間地薫議員の質問順位でありますが、会議規則第51条第4項の規定に基づき、これを取り消します。
お諮りいたします。
本日の会議はこれで延会いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
253
◯横山むらさき議長【 111頁】 御異議なしと認めます。
したがって、そのように決定いたしました。
本日はこれで延会いたします。
午後 4時18分 延会
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