秦野市議会 2022-09-27
令和4年第3回定例月会議(第3号・一般質問) 本文 開催日: 2022-09-27
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前 8時57分 開議
◯小菅基司議長【59頁】 ただいまの出席議員は22人で定足数に達しております。
これより令和4年9月秦野市議会第3回定例月会議第22日目の会議を開きます。
本日の議事日程はタブレット端末に掲載した日程のとおりであります。
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日程第1 一般質問
2
◯小菅基司議長【59頁】 日程第1 「一般質問」を行います。
一般質問は、発言通告一覧表に従い、順次質問を行います。
中村英仁議員。
〔
中村英仁議員登壇〕
3 ◯6番中村英仁議員【59頁】 おはようございます。先頭バッター、公明党、中村英仁でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
1つ目、不登校対策について伺います。
私は、ちょうど3年前、議員になりたての最初の質問で、不登校児童の対策について質問いたしました。あれから丸3年がたちました。
本年7月、
文教福祉常任委員会の所管事務調査で、京都府京都市の不
登校対策関連事業を視察させていただきました。京都市では、
こども相談センターパトナ、これは京都市
教育相談総合センターを中心に様々な機関と連携をしております。その中に、洛風中学校、洛友中学校という不登校学校があり、洛風中学校を視察させていただきました。京都市の不登校支援の歴史は古く、様々な支援があり、先ほどの
こども相談センターパトナで
相談カウンセリング、ふれあいの杜という学校とは別の場所の
教育支援センター、不登校学校、夜間中学校、
フリースクール等民間団体との連携で、在籍校以外での多様な学びの機会の確保をしておりました。説明してくださった筏担当課長の、子供たちに居場所を選択できるようにとの言葉が大変印象的でした。
また、
フリースクール東京シューレの理事長の奥地圭子先生の『明るい不登校』という本を読みました。この本ですけれども、その中に、「学校が合わない、学校が苦しい子にとって、学校と離れられることは、生きることが明るくなるための第一歩ではないでしょうか。しばらくして、友人は、勉強は、将来は、と不安になったときに、学校以外の多様な学びの場があると知ると、子供は本当に明るくなります。」とあります。このように、学校が合わない子にとって、学校以外の居場所が必要となると考えます。
そこで、お聞きします。
本市の不登校児童・生徒への支援体制はどのようか、伺います。
2つ目、職員の人材育成について、伺います。
現在、日本は、世界でも類を見ない超少子高齢化社会を迎えており、多くの業界・業種で人手不足が課題となっております。様々な企業が人手不足対策を検討、実施する中、多くの自治体も人手不足問題に直面し、試行錯誤をしております。優秀な人材を確保するために、企業は様々な手法で人材を獲得しております。しかし、自治体には制限も多く、企業のように自由に人材獲得をできないのが現状です。
そうしますと、どのように優秀な人材を確保するのかが課題となりますが、ここは考え方を変えて、秦野市役所を選んでくれた職員を優秀な人材に育成することが最良なのではないかと考えます。
そこで、お聞きしますが、本市には秦野市職員(ひと)
づくり基本方針がありますが、人材育成をどのように進められているのか、伺います。
3つ目、
ヤングケアラーの支援について(その3)について、伺います。
こちらも
文教福祉常任委員会の所管事務調査にて、兵庫県神戸市へ先進事例の視察をさせていただきました。神戸市は、兵庫県の南部に位置する兵庫県の県庁所在地でもあり、政令指定都市です。市域は、垂水区、須磨区、長田区、兵庫区、中央区、灘区、東灘区、北区、西区の9区から構成されます。
2020年の国勢調査の速報値によると、人口は152万7,022人、大阪市や京都市とともに、京阪神大都市圏における中心都市なので、人口も大きく違いますし、一概に本市へ神戸市の施策をそのまま取り入れるのは難しい状況でしたが、大変勉強になりました。特に、全国で一番に
ヤングケアラーの相談窓口を設置するなど、革新的な取組をされていました。神戸市に関しては、後ほど再度触れさせていただきます。
さて、私は、令和3年6月、本年6月と、
ヤングケアラーの支援について一般質問をさせていただき、実態調査や担当窓口の早期実現、早期設置を訴えさせていただきました。その後の
ヤングケアラーの支援の状況はどのようか、お伺いいたします。
二次質問以降については、質問者席で行わせていただきます。
〔中村英仁議員降壇〕
4
◯小菅基司議長【60頁】 教育部長。
5
◯原田真智子教育部長【60頁】 私からは、御質問の1点目、不登校対策について、お答えいたします。
まず、市内における不登校の児童・生徒数ですが、令和元年度は小学生50人、中学生147人、計197人、令和2年度は、小学生52人、中学生135人、計187人となっております。
次に、具体的な支援の状況についてですが、各校からの報告を分析しますと、近年、その要因や背景は様々で、各家庭の状況や児童・生徒一人一人の心情に寄り添った支援がますます重要となってきています。
各校では、不登校に限らず、学校生活において、例えば、遅刻が多くなった、学習意欲が低い、食欲がないなど、様々な兆候が見られた場合、まず、学年内で学年主任の教員を中心に情報を共有するとともに、特に欠席が目立つ、そのほか、アンケート等で気になる状況が確認された場合には、相談業務の中心を担う教員、
教育相談コーディネーターに情報が集約され、原則として週1回、管理職を交えた担当者会議で、情報共有と支援方針の確認等を行い、早期発見、早期対応に努めております。
さらに、こうした校内会議において、心理や福祉の専門家による支援が必要となる場合には、教育委員会も交えたケース会議等を開催することもあり、それぞれの児童・生徒や保護者のニーズに合わせて、校内での個別支援のほか、家庭訪問をするなど、家庭と緊密に連携しながら支援を進めております。
以上でございます。
6
◯小菅基司議長【60頁】 総務部長。
7
◯正岡義海総務部長【60頁】 私からは、御質問の2点目、職員の人材育成について、お答えをいたします。
本市の人材育成は、秦野市総合計画の基本施策の1つとして、公平・公正で活気あふれる開かれた市役所づくりの推進として位置づけられており、市民の期待に応え、信頼される職員づくりを目指しております。
これを受け、職員・職場に係ります3つの基本理念をうたった秦野市職員(ひと)
づくり基本方針を定めております。この基本方針では、市役所の目指すもの、つまり、秦野市職員の使命を秦野への思い、英語のloveの「愛」と、職員自らが行動するという一人称の「I」を掛け合わせまして、「愛(i)の力で未来を創ろう!」とを掲げております。
また、職員のあるべき姿として、「最善を尽くせ しかも一流であれ」、職場のあるべき姿として、「絆でつながる、いきいきとした職場」としてございます。その上で、この基本理念を具現化するため、職員づくりの役割を人事管理、労務管理、人材育成の3分野に大別した秦野市職員(ひと)
づくり基本方針実施計画を策定いたしまして、54の具体的な施策を展開しているところでございます。
現在、令和3年度からスタートいたしました、第2期実施計画によってその進行管理を行っているところですけれども、引き続き、時代に即したメニューを適宜取り入れるなど、柔軟に対応しながら、質の高い職員の育成に取り組んでまいります。
以上でございます。
8
◯小菅基司議長【61頁】
こども健康部長。
9
◯梶山孝夫こども健康部長【61頁】 私からは、御質問の3点目、
ヤングケアラーの支援について(その3)について、お答えいたします。
本年6月の定例月会議の一般質問以降の取組についてでございますけれども、
ヤングケアラー支援が複合的課題であるとの認識の下、庁内連携を図る必要があるため、こども健康部、福祉部、くらし安心部、そして、教育部の計11課で、令和3年度に立ち上げた
ヤングケアラー庁内打合せ会を中心に、国が推奨する方策であります社会的認知度の向上、支援策の推進、早期発見・把握という3つの視点から、取組を進めております。
まず、1つ目の社会的認知度の向上では、国の
啓発リーフレットを高齢福祉、障害福祉等のサービス事業所やぽけっと21などの
子育て支援センター、また、地域住民の身近にある公民館等へ配付し、幅広い周知を進めております。
また、併せて、
ヤングケアラーの情報・相談窓口を掲載したチラシを子供の所属機関である学校等へ配付し、周知を図っているところでございます。
2つ目の支援策の推進では、庁内打合せ会にワーキング・グループを設置し、
ヤングケアラーの可能性がある子供について、具体的に個々の状況を確認するための実態把握、そして、アンケート形式で統計的な数値を出すための実態調査、この2つについて実施するための協議を行いました。
さらに、実態把握により個々の子供の状況を把握してから、支援までどのようにつなげていくかという流れの確認や、実際の支援の在り方等を検討しております。
3つ目の早期発見・把握では、
ヤングケアラーを把握する可能性のある学校等の関係機関、身近な地域の
民生委員児童委員協議会等に対して、研修や学ぶ機会の推進を図ってまいりました。本年8月には、保育所や小・中・高等学校の教職員、要
保護児童対策地域協議会の構成員、民生委員・児童委員等を対象に、
一般社団法人日本ケアラー連盟代表理事である
学校法人日本女子大学の堀越名誉教授をお招きし、
ヤングケアラーへの支援について考えるための講演会を開催いたしました。約80人の参加をいただき、「
ヤングケアラーへの理解が深まった」、「
ヤングケアラーに気づくポイント、気づこうとする意識が高まった」等の感想が多く寄せられました。
さらに、教育部との連携によりまして、スクールソーシャルワーカーや、庁内打合せ会職員よる教職員向けの研修も実施しており、
ヤングケアラーの可能性に気づいた場合、子供の気持ちを丁寧に聞き取り、その意思を尊重しながら、必要な支援につなげていくことの大切さを関係教職員と共有しております。
このような研修を踏まえた上で、
ヤングケアラーとして実際に困難を抱える子供の実態把握について、庁内打合せ会で協議した把握から支援までの流れのプロセスに沿って、子供の所属機関であります学校等及び庁内打合せ会の関係11課において、
チェックリスト形式による
アセスメントシートなどを活用しながら、個々の子供の実態把握を進めております。
現時点におきましては、
ヤングケアラーにとっても、また、発見者にとっても、最も相談しやすい身近な窓口を中心に、早期に
ヤングケアラーを把握し、横の連携により情報を共有しながら、適切な支援先につなぎ、具体的な支援を早期に行うよう、迅速に対応しております。
また、今後の支援体制の在り方につきましては、組織定数の所管部署と協議を行いながら、引き続き、検討してまいります。
以上でございます。
10
◯小菅基司議長【62頁】 中村英仁議員。
11 ◯6番中村英仁議員【62頁】 それぞれ御答弁、ありがとうございました。順次、二次質問に入っていきたいと思います。
スクリーンを御覧ください。
これは、文部科学省がまとめた2020年の不登校児童数です。全国で19万6,127人、前年の18万1,272人よりも、8年連続の増加で、過去最多です。また、8.2%、約1万5,000人の増となっております。
先ほどの御答弁では、本市は、小学校52人、中学校135人で、計187人。2021年に比べると、10人減っているという状況ですけれども、依然高止まりをしている状況です。
先ほど現在の支援状況をお聞きしましたが、今後、急激に不登校児童・生徒が減ることは考えづらく、早急に対応していかなければいけない状況だと考えますけれども、本市の今後の不登校児童・生徒への支援体制をどのように強化していくのか、お伺いいたします。
12
◯小菅基司議長【62頁】 教育部長。
13
◯原田真智子教育部長【62頁】 今後の支援体制の強化について、お答えいたします。
令和元年に文部科学省より送られた通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」によりますと、不登校は問題行動ではなく、取り巻く環境によってはどの児童・生徒にも起こり得ることとあります。また、学校に登校するという結果のみを目標にするのではなく、社会的に自立することを目指すための新たな学びの場の創出が重要であるとされています。
これを踏まえまして、本市では、平成7年度より、児童・生徒が安心できる居場所づくりとして、小集団活動での支援を行う教育支援教室「いずみ」を設置し、さらに、平成30年度には、各家庭を訪問して、個別に支援を行う「つばさ」を設置し、新たな学びの場の確保と、個に応じた支援の充実に努めてまいりました。
また、
GIGAスクール構想により、児童・生徒一人一人にタブレット端末が配置されたことを受け、第3の新たな学びの場として、デジタル教材を活用した学習支援を本年6月より開始したところです。この支援は、学校に登校したくてもできない児童・生徒を対象として、
オンライン教材の利用を呼びかけるもので、現在のところ、小学生7人、中学生10人、計17人の利用が確認されています。
今後は、このデジタル教材をきっかけに、利用する児童・生徒と、まずはメールや電話等によりコミュニケーションを深め、「いずみ」、「つばさ」への通室等にもつなげていきたいと考えております。
以上でございます。
14
◯小菅基司議長【63頁】 中村英仁議員。
15 ◯6番中村英仁議員【63頁】 「いずみ」、「つばさ」は、前回も質問しておりますので、そこは、来られている方、対応できる生徒に関しては、そのほうで対応していただき、そこは本当にありがとうございます。
もう一つ言われた、
GIGAスクール構想による
オンライン教材の利用を今、行っているということで、まだ小学生7人、中学生10人の計17人で開始しておりますけれども、今後、こちらを広げていっていただきたいと思います。
例えば、東中学校に、東Tuberといって、先生がユーチューブで上げたりしていて、その当時、私の娘が北中学校にいたのですけれども、北中学校でも、東Tuberの先生のものが見たかったという話もあったので、今後とも、そのように楽しく、皆が見られるような形で、学校に行けているか、行けていないかは別として、そういう形で学びを止めないようにできることが、これからもっともっと浸透してくれるといいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
次の質問に移りますけれども、先ほども紹介しました、京都府京都市の洛風中学校ですが、こちらは不登校の特例校です。不登校の特例校というのは、学習指導要領の内容などにとらわれず、不登校の状態にある児童・生徒の実態に配慮した特別な教育課程を編成し、実施している学校のことだそうです。文部科学大臣が指定する学校で、正式名称は、不登校児童生徒を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校ということだそうです。
我が公明党は、この不登校支援策として、不登校特例校の設置拡大をずっと文部科学省のほうに要望してまいりました。2022年4月時点で、全国10都道府県、21校が設置されていて、その取組が注目されておりますけれども、本市のこの不
登校特例校設置についての御見解をお伺いいたします。
16
◯小菅基司議長【63頁】 教育部長。
17
◯原田真智子教育部長【63頁】 再度の御質問にお答えいたします。
7月の
文教福祉常任委員会所管事務調査には、私も同行させていただき、京都府京都市の不登校特例校である洛風中学校を視察いたしました。議員が言われましたように、京都市では、子供たちそれぞれの不登校の状態に合わせた支援をしており、段階的なカウンセリングを経て、まずは、在籍校への復帰を促しますが、在籍校を離れて学習支援を受けたい場合は、無理に在籍校に戻ることを強要せず、本人の意思を尊重し、不
登校特例中学校である洛風中学校へ転入学することになります。
本市におきましても、先ほど答弁いたしましたように、学校に行くことだけが目標ではなく、「いずみ」や「つばさ」、デジタル教材など、不登校対策の様々な選択肢を視野に入れている点では、京都市と同じ方針だと思います。
京都市の経緯を調べますと、洛風中学校は、平成16年、教育相談や
教育支援センターを含む
こども相談センターパトナの敷地内に設置されております。また、洛友中学校は、平成19年、再編されて廃校となった旧
京都市立郁文中学校の校舎を活用し設置され、夜間中学校も併設されております。さらに、京都市は、小・中学校合わせて220校と、本市の10倍の学校数となっております。
こうした中、本市では、平成30年度、
訪問型個別支援教室「つばさ」を設置しましたが、当時、県教育委員会では、夜間中学校の設置を目指していたことも踏まえ、様々な角度から調査・研究いたしました。
その結果、
訪問型個別支援教室が本市の実情に合っていると考え、現在の「つばさ」の設置に至った経緯がありますが、神奈川県内では本年4月、大和市が不登校特例校を設置した事例もあることから、調査の必要性について、議論を開始したところでございます。
さらに、本市におきましては、新たな学びのスタイルに応じた学校施設の在り方についての検討も開始しており、「いずみ」、「つばさ」の再編も含め、より大きな視点で、新たな居場所づくりについて調査・研究してまいります。
以上でございます。
18
◯小菅基司議長【64頁】 中村英仁議員。
19 ◯6番中村英仁議員【64頁】 ありがとうございます。
一応、検討していただけると受け取っていいですかね。ありがとうございます。
要望になりますけれども、現在、様々な場面で多様性という言葉が使われるようになり、個性や特性によって選択できることは、大切なこととなりました。
先ほども御紹介しました、奥地圭子先生の『明るい不登校』という本の中では、全国の登校拒否の子供のアンケートで、学校に行かない理由の1位は、子供同士の関係、2位は、学校の雰囲気ということで、我々大人というか、私が個人的に考えるところでは、学校に行かない不登校の理由にはいじめが一番多いのではないかと考えていたのですけれども、そのような短絡的な理由ではなく、現在の、これが特徴ではないかと思います。
また、学校は子供のためにつくられたものですが、子供と学校制度の間にも現在、ミスマッチが生まれていると書いてあります。今、不登校の問題は、子供と学校制度と、どちらを取るかという選択みたいなものではないかと私は感じております。だからこそ、子供たちの居場所として選択できるようにしていただきたいというのが要望なのですけれども、この思いというのは、私の個人的な思いですが、京都市の視察でお聞きしたことでもありますし、この『明るい不登校』にも書いてあることですけれども、子供たちが将来のことを自分自身で考え、選択していけるようにしてあげたいと思っております。学校が全てではなく、学校に行かない方法でも、あなたの夢はかなうし、やりたいことも見つけられる世の中になったと、そのように先生方に接してほしいということと、選択できる環境づくりを要望して、この質問を終わります。
では、続きまして、職員の人材育成についての二次質問に移らせていただきます。
秦野市職員(ひと)
づくり基本方針第2期実施計画を拝見しましたけれども、この中に第3章・戦略に基づく施策の展開があります。そこに3つの基本戦略があり、1つずつ説明させていただくと、1、意欲の高い人材の確保と誰もが活躍できる職場づくりの推進、2、心身共に健康に働くことのできる環境づくりの推進、3、意識改革や感性を磨く人材育成の場づくりとあります。
まずは、1の意欲の高い人材の確保と誰もが活躍できる職場づくりの推進に着目して、質問したいと思います。
先ほど申しましたとおり、人材育成をすることで、本市の発展に貢献できる人材に育成していくことが大事だと考えますけれども、そのためには、計画的に新入社員の段階から考えていかなければならないと思います。事前に資料を頂きまして、これは本市の職員の市内・市外在住の割合ですけれども、全職員の割合は、市内在住が67.8%、市外が32.2%、これを採用5年以内に絞りますと、市内在住が58.1%、市外在住が41.9%となります。これは、あくまでも秦野市出身か、そうでないかということではありませんけれども、近年、秦野市に住まれていない職員が増えていると考えられます。
その上で、先ほどの秦野市職員(ひと)
づくり基本方針の中の、意欲の高い人材の確保と誰もが活躍できる職場づくりの推進の中の1番のところに、秦野愛の醸成という言葉があります。
そこで、お伺いしますけれども、市外からの採用が増えていると考えられている中、秦野愛を醸成するためにどのような取組をされているか、お伺いいたします。
20
◯小菅基司議長【65頁】 総務部長。
21
◯正岡義海総務部長【65頁】 職員の秦野愛の醸成をするための研修でございますけれども、まずは、市外、市内問わず、秦野の地理、歴史を知ってもらうことからが必要であると考えてございます。
そこで、今年度は、新採用職員を対象とした第1部研修で、研修会場を表丹沢野外活動センターやはだのクリーンセンターなど、庁舎以外の様々な施設で実施しているほか、はだの歴史博物館の職員を講師といたしまして、古代から秦野の歴史を学ぶ機会を設けました。また、自然をはじめとした秦野の豊かな観光資源をじかに感じてもらうメニューとして、表丹沢魅力づくりのプログラムを新規に加えたほか、新聞等にも掲載されましたけれども、塔ノ岳への清掃登山研修も実施したところでございます。
さらに、市民目線での感覚を養うため、ピースキャンドルナイトなどのイベントへボランティアとして参加することによりまして、様々な場所で、市民の方々と時間を共有する経験を積む機会も設けたところでございます。
そのほか、例えば、グループワーク研修におきまして、秦野の現状や課題を洗い出しまして、秦野はどうあるべきか、そして、職員としてどうすべきかを考える議論も展開してございます。その成果の1つとして、昨年度には、自分たちで感じた秦野の魅力を探求し、その魅力を紹介するショートムービーを作成してございます。この動画は、今年度から、採用案内時などで活用しているところでございます。
近年、インターネットを通じました採用活動の普及等によりまして、御紹介にありましたとおり、市外からの職員の採用も多くなっておりますけれども、市内の出身者も含め、秦野の魅力を学び、理解し、自らが秦野を好きになることで、ふるさとをさらによくしたいといった思いが、自発的に沸き上がり、よりよい成果につながっていく、そうした研修活動に努めてまいりたいと考えてございます。
以上です。
22
◯小菅基司議長【65頁】 中村英仁議員。
23 ◯6番中村英仁議員【65頁】 御答弁、ありがとうございました。
一応私が思っていた以上に、新人の職員研修は充実しているのかなという印象ですけれども、1つ御提案させていただくと、私は秦野生まれ、秦野育ちで、秦野以外に住んだことがなく、48年過ごしてきたのですけれども、それでも議員になって初めて知った文化財や名所などが多くあり、意外と秦野を知らなかったと反省しております。
その上で、昨年でしたか、E4の高校生議会を拝見させていただいたときに、高校生たちがもっと秦野を知る機会が欲しいと言っていたことが大変印象的でした。なので、公共交通機関等や徒歩で秦野市内の名所を巡って、市民目線での探索といいますか、そのようなことをしていただくのもまた一つ、秦野を知ってもらったりとか、こんなところがあったのだと思っていただけるように、秦野を知るということにつながると思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、中堅職員の人材育成についてですけれども、本年4月の朝日新聞にこんな記事が出ておりました。川崎市は、係長になるために昇任試験を行うのですけれども、その昇任試験を受ける職員が減り続けていると。20年前は、約7割の職員がその昇任試験を受けていたのですけれども、現在は45.7%まで減っているそうです。やりがいの部分やモチベーションというところにも原因があるのかなと推測はされますけれども、川崎市では、最も早い職員で、33歳にこの試験が受けられるそうです。となると、中堅職員にこれからなっていくところではないかと思うのですけれども、本市では、この中堅職員にはどのような研修を行っているか、お伺いいたします。
24
◯小菅基司議長【66頁】 総務部長。
25
◯正岡義海総務部長【66頁】 職員の研修でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、秦野市職員(ひと)
づくり基本方針第2期実施計画に基づきまして、各職位に求められる役割と能力を身につけるため、新採用職員を対象とした第1部研修のほか、3年目から主査2年目を対象とした、いわゆる中堅職員には、第2部から第7部までの階層別研修を集合研修として実施しております。その中では、地方自治法、公務員法、行政法といった基礎座学のほか、ディベートや条例立案、グループワークなどを実施してございます。
人材育成の基本的手法であります職員研修は、いわゆる自己啓発、職場内研修、職場外研修を3本柱として、本市では、この階層別研修を研修体系の幹として位置づけるとともに、職場内研修でありますOJTの導入、自己啓発活動への支援、各種研修機関への派遣研修や国・県、民間組織への派遣のほか、本市の特徴的研修の1つとして、次代の職場の中心的な役割を担い、持続可能な行政に対応できる職員を育成することを目的としまして、次世代育成アカデミーも実施しているところでございます。
以上でございます。
26
◯小菅基司議長【66頁】 中村英仁議員。
27 ◯6番中村英仁議員【66頁】 ありがとうございます。説明のほうは理解しました。
今の御答弁の中に、次世代育成アカデミーという言葉が出てきましたので、次はそこに着目して質問したいと思います。
次世代育成アカデミーは、1度だけですけれども、発表を拝見させていただきましたが、とてもいい施策ではないかと、私は見ていて感じました。
ただ、何点か意見を申し上げるなら、1つ目は、次世代という言葉を使うのでしたら、私は、若手のほうがいいのかなと思っています。それは言葉の問題ではありますが、この次世代育成アカデミーが人材育成の観点からなのであれば、要は、政策とか施策に結びつかないといけないかなと考えております。
そこで、お伺いしますけれども、次世代育成アカデミーの成果が施策に結びついているのか、また、次世代育成アカデミーは今後、どのようなところを目指していくのかということについて、伺います。
28
◯小菅基司議長【66頁】 総務部長。
29
◯正岡義海総務部長【66頁】 次世代育成アカデミーでございますけれども、平成27年度より実施をしておりまして、今年度で8年度目を迎えます。今年度は、公募と各部選抜の男性9人、女性3人の12人が受講をしているところでございます。
具体的には、3人の大学教授によります高度で先進的な講義の後、グループワークや先進地視察を通じた研究を重ねまして、最終的には、人口減少時代における秦野市への提言を行うという自主的活動によりまして、次代を担う管理職の登竜門として、職員のスキルアップを図っているところでございます。
特に近年は、実践を踏まえた研修に主眼を置きまして、本市が抱える現実的な課題に対する政策提言を行う内容に注力した結果、現在、幾つかの提言が具現化、あるいは、具現化の過程にございます。
また、先ほど管理職になりたくない職員が多いというお話もございました。職員の大量退職期を経て、課長代理への昇格が40歳付近になるなど、近年は、従来と比較し年齢、経験が若く、浅い段階で管理職になる職員が増えておりますけれども、限られた職員数の下で、社会情勢の変化や様々なニーズに応えるため、本来、マネジメントを主体とした管理職が多くの場面でプレーヤーとならざるを得ないといった声も聞いてございます。
さらに、新型感染症の蔓延に端を発した諸施策は、職員、特に、管理職の迅速な判断や的確な指示、効果的な対応が不可欠であり、従来の仕事に対する向き合い方にスピード感も加えられております。
こうした管理職の実態が、若い職員に人気のない一因になっているとも推測いたしますけれども、次世代育成アカデミーに関しては、人事異動の際に、提言した職員をできるだけ所管課に配置するなど、受講生のさらなるキャリア開発とやる気の醸成に取り組んでおりまして、昨年度までの受講者102人のうち52人が管理職となってございます。
縮減社会への折り返しを迎え、中堅・若手職員は、今までもより早い段階で相応の経験と職員としての能力を身につけることが求められており、次代の担い手である彼らが、思いや考えをより伝えやすい雰囲気づくりとそのための場を設け、やる気を喚起する環境を整備する必要があると考えております。
次世代育成アカデミーをはじめとした研修におきましても、時代に即したメニューを取り入れながら、より即効性のあるものへと発展させていきたいと考えております。
以上でございます。
30
◯小菅基司議長【67頁】 中村英仁議員。
31 ◯6番中村英仁議員【67頁】 ありがとうございました。では、要望をさせていただきます。
先ほどから述べているとおり、人材育成の戦略がこれからの時代は必要と考えますけれども、大阪府池田市では、昨年、新人材育成基本方針として、人材育成基本方針を改定しております。大阪府池田市の人材育成基本方針は、職員の能力開発を効果的に推進するため、人材育成の目的や方策を明確に示すものです。管理監督者が自らのマネジメント力を高め、職場でのあらゆる場面を人材育成に活用し、意欲ある職員を育てる風土づくりを目指しますとあります。
その大阪府池田市は、面白いというか、変わった取組ですが、従来の職員研修に加えて、近隣都市職員や地域住民なども参加できるローカルアカデミーでありますいけだウォンバット塾ということを行っており、そこで先進都市事例研究会や喫緊の課題研究会などを開催し、参加者による活発な意見交換などを通じて、所属間同士の水平連携や市町村職員のネットワーク構築を支援し、新たな施策や方針を見いだし、地域というか、現場で実践するためのヒントを提供するという取組を行っております。
先ほどの次世代育成アカデミーもそうですけれども、いろんな職員でグループワークをするということとか、それが外に広がれば広がるほど、いろんな意見ができると思うので、そういうことが広がったような状況かと思います。
また、静岡県藤枝市では、平成22年と割と早い段階で、藤枝人材育成・活用戦略と銘打って、取り組まれてきました。静岡県藤枝市の30年先の将来の発展のためということをキーにして、長期的なビジョンの下に、人材育成・活用戦略を静岡県藤枝市の新しい経営戦略として重点的に実施していくと、当時のこれには書いてあります。
このように、他自治体も人材育成を戦略的に行っており、本市でも、具体的に人材育成を行っていく必要があるのではないかと思っております。
先ほど本市の人材育成について伺ってまいりましたが、私が個人的に考えるのであれば、新入社員にもっとよく秦野を知ってもらって、秦野のよさをどのように生かせばいいのかということを若いうちに考えていただいて、30歳前に現在、行っている次世代育成アカデミーを受けて、そこで施策に結びつくような研究発表を行っていただいて、そして、中堅である30代で具体的な政策提言ができるような職員になってもらう。
これは具体的に言うと、次世代育成アカデミーとは違って、例えば、市長、副市長、部長と、市の幹部に対して、直接、政策のプレゼンテーションを行うような場、そういうことが仕組みとしてあればいいのかなと思っています。新入のときと中堅に上がる前の若手、中堅でという3段階でやっていったらいい、そのように計画をしていくといいのではないかと思います。
その上で、提案だけではなくて、自分の提案の内容について精査していただいたものをフィードバックするとか、しっかりした返事というか、自分が政策提案したことに関して、ここがよかった、ここがもう少しとか、いろんなことがあると思うのですけれども、そういうことで評価が返ってくるような形にしていただいて、本気で政策提言ができる場をつくって、その上で、市の幹部になっていただくのが一番いいのではないかと思いますので、よろしくお願いします。
あと現状の本市の人材育成も、大変頑張っているのは本当によく分かっております。研修だけではなくて、今後の人材育成というのは、フィールドワークとか実践が必要な世の中になってきていると思うので、そういうところも計画の中に入れていただければということと、先ほどの静岡県藤枝市も、人材育成を市の発展のための戦略にするとありましたけれども、本市の発展を望んでいくのであれば、やっぱり宝であります職員たちをどのように育てていくかがすごく大事になると思いますので、この人材育成に時間とお金をかけても損はないと思います。
現在、人材育成の担当は1人だと思うのですけれども、この人材育成の戦略的な計画となると、やっぱり1人では対応ができないのではないかと考えますので、人と予算を取って、しっかり人材育成に取り組んでいただきたいと要望して、この質問は終わります。
最後に、
ヤングケアラーの支援について(その3)について、二次質問に移らせていただきます。
御答弁の中に、支援策の推進のための
ヤングケアラー庁内打合せ会にワーキング・グループを設置して、
ヤングケアラーの可能性がある子供について、具体的に個々の状況を確認する実態把握、そして、アンケート形式で統計的な数値を出す実態調査についての協議を行いましたとありました。
協議の内容はどのようだったか、お伺いいたします。
32
◯小菅基司議長【68頁】 教育部長。
33
◯原田真智子教育部長【68頁】
ヤングケアラーにおきます学校でのアンケート形式の実態調査について、お答えいたします。
先ほど
こども健康部長が答弁しましたとおり、教育部でも
ヤングケアラー庁内打合せ会に参加し、
ヤングケアラーの対策に取り組んでおります。また、昨年12月より、文部科学省から派遣いただいている地方教育アドバイザーからも、全国の先進自治体の情報提供を受けたほか、8月30日には、教育行政学を専門とする公立大学法人横浜市立大学国際教養学部の阿内教授をお招きして、藤沢市が行っている取組などについて意見交換を行ったところです。
こうした経緯や議会からの要望等も踏まえまして、校長会との共通理解も図りながら、9月15日から10月7日までの期間で、
ヤングケアラーの実態を把握するためのアンケート調査を実施しているところです。この調査は、中学3年生を対象としており、
ヤングケアラー庁内打合せ会での議論を経て、タブレット端末による無記名のアンケートとなっております。
引き続き、庁内や学校と協働して対策を進めてまいります。
以上でございます。
34
◯小菅基司議長【69頁】 中村英仁議員。
35 ◯6番中村英仁議員【69頁】 昨年より訴え続けてまいりました実態調査を行っていただけるというか、現在進行形だと思いますけれども、そういう御答弁だったと思います。大変にありがとうございました。
実態把握をして、早期発見、早期支援にもつなげていただきたいと思いますし、本市の
ヤングケアラーの状況もしっかり分かるのではないかと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
では、次の質問に移らせていただきます。
今までの視点と少し変えまして、
ヤングケアラーの発見という観点から質疑させていただきます。
現状、
ヤングケアラーを早期発見する手段というのは何点かありますけれども、子供の身近にいて一番発見しやすい場というのは、学校ではないかと思います。その学校という場において、
ヤングケアラーの発見、支援につなげていくためにはどのように対応されているのか、お伺いいたします。
36
◯小菅基司議長【69頁】 教育部長。
37
◯原田真智子教育部長【69頁】 再度の御質問にお答えいたします。
学校内の支援体制につきましては、先ほど不登校対策でも答弁いたしましたが、各校では、
教育相談コーディネーターの教員を中心とする相談体制が整備されています。
一例ですが、遅刻が多くなる、学習意欲が低下するなど、
ヤングケアラーではないかと懸念されるような児童・生徒が確認された場合には、学校と医療や福祉との連携を専門とするスクールソーシャルワーカーを派遣して、対応しております。
一方で、不登校と同様に、児童・生徒の学校における様々な行動の変化の要因や背景は複雑化しており、特に、
ヤングケアラーという新たな社会課題については、まず、啓発活動が重要と考えております。
今回、実施しているアンケートでは、回答終了後に、
ヤングケアラーについての
啓発リーフレットや秦野市内の相談窓口の案内を掲載しております。そのほか、
ヤングケアラーに関するポスターなどを教室に掲示するよう各校に依頼したり、教職員向けの研修会も開催したりすることで、早期発見や早期対応につながるように努めております。
さらに、令和2年に相談窓口として開設したはだのっ子安心相談室においては、これまでの電話相談に加え、メールでの相談業務も開始いたしました。このような児童・生徒自身が相談できる窓口を周知することで、子供たちが、誰にも相談できず孤立することがないよう、体制を強化してまいります。
以上でございます。
38
◯小菅基司議長【69頁】 中村英仁議員。
39 ◯6番中村英仁議員【69頁】 ありがとうございました。
まず、今、お話しのあった
教育相談コーディネーターですけれども、1校に対して1人とお伺いしております。また、その1人が担任を持っているという割合が、これは私が勝手に言っていますけれども、半分ぐらいいるのではないかと感じております。ただでさえ、担任の先生は学校の業務が大変で、その上にコーディネーターの役割で、
ヤングケアラーだけではなくて、不登校や様々な相談の対応、支援につなげるという形になっていると思うのですけれども、そのようにしていくと、学校がいつまでたってもブラック企業みたいな言われ方をしてしまうので、今後は、担任を持っていない先生が
教育相談コーディネーターを担っていけるような形にしていただけないかと、要望をさせていただきます。
また、現在のように、学校現場の限界という、学校の運営以外のところのいろんなことをやっていったときに限界があるとも見えてきました。ここは、この
ヤングケアラーの問題の中心になる部署がやっぱり必要ではないかと考えております。
これは、兵庫県神戸市の相談支援窓口の資料ですけれども、これは、こども・若者ケアラー相談支援窓口の広告ですね。やっぱりこのような役割を担う部署が必要なのではないかと思います。
このように、
ヤングケアラーの支援の中心や役割、連携、周知、そして、事例研究なども必要になってきますので、ぜひ
ヤングケアラーの支援の中心の部署を早急に決めていただき、こちらが兵庫県神戸市の相談から支援の流れだったりとか、あとは、イメージ的には相談窓口がやることとか、こういうところがあるのですけれども、相談窓口も当然そうですけれども、中心となる部署、窓口を早急に設置していただきたいと要望いたしまして、質問を終わりにします。
ありがとうございました。
40
◯小菅基司議長【70頁】 以上で、中村英仁議員の一般質問を終わります。
暫時休憩いたします。
午前 9時51分 休憩
─────────────────────────────────────────────
午前 9時58分 再開
41
◯小菅基司議長【70頁】 再開いたします。
休憩前に引き続き、「一般質問」を行います。
谷和雄議員。
〔谷 和雄議員登壇〕
42 ◯13番谷和雄議員【70頁】 創和会の谷和雄でございます。ただいま小菅議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従い一般質問を行います。
まず初めに、森林を守り育てる取組について。
以前から、一般質問や代表質問で、森林の保全再生及び林業者の自立を促す取組について、質問させていただきました。日本の国土の約7割、本市の市域の約5割を占める森林は、長年、木材供給という経済活動の一端を担ってきました。しかし、安価な輸入木材の拡大により国産材の需要が減り、さらには、林業者の後継者不足や働き手の不足などにより、杉、ヒノキの人工林は伐採されず、手の入らない森林は荒廃が進んできました。その影響により、水源かん養機能の低下、鳥獣被害の拡大、生物多様性の危機、そして、近年の異常気象による豪雨での土砂災害など、本来の森林が持つ多面的、公益的機能が崩壊してきました。
そこで、神奈川県は、平成19年度から水源環境の保全と再生を目指し、水源環境保全税を導入し、本市をはじめとする水源地域における取組の後押しをしてきました。国も、令和元年度の森林環境譲与税を創設し、激甚化する自然災害に適用するよう譲与税の前倒しをするなど、森林整備に力を入れております。また、本市においては、それ以前から、水源林の整備や里地里山保全を独自に進めてきております。
このような財源を用いた森林の保全再生施策において、どのような成果が得られたのか、伺います。
次に、市民のにぎわい創出イベントへの支援について。
食品衛生法改正による市民への影響と本市の対応について。新型感染症により、現在もイベントの開催の可否については、各自治体や団体の判断は慎重にもなるかと思います。しかし、先日、開催された本市のたばこ祭は、感染対策をしながら盛大に開催されたことは、一市民として大変ありがたく、うれしく思っております。
さて、この一大イベントの開催をするに際しては、以前とは異なる県の条例改正がありました。それは、本年6月1日に改正された、食品衛生法に基づく営業の施設基準等に関する条例が施行されたことであります。この法令改正に伴い、縁日、祭礼等の臨時的な行事に付随して、仮設の店舗において簡易な調理をする営業、いわゆる施設基準等が定められております。
秦野市では、この改正内容を平塚保健福祉事務所秦野センターにて説明会を開催されたようでありますが、食品衛生法や神奈川県の食品衛生法に基づく営業の施設基準等に関する条例の趣旨、改正内容はどのようか、伺います。また、市として、こうした法令改正をどのように受け止めておられるのか、伺います。
次に、メディアを生かした広報活動について、宮永岳彦氏の作品について伺います。
私は先月2日にテレビ放映を見ておりましたところ、テレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」の中で、宮永岳彦画伯の作品が鑑定され、350万円という評価がされました。この番組を見て私が感じたことは、本市のクアーズテック秦野カルチャーホールの大ホール、小ホールの大きなどんちょうは、どれほどの価値があるものだろうと、改めて宮永画伯の作品の功績に気づかされました。
御承知のとおり、宮永岳彦画伯の作品は、鶴巻温泉駅前の昨年10月開館20周年を迎えた宮永岳彦記念美術館にあり、市内にも多くの作品がありますが、宮永岳彦画伯の作品を本市はどのように捉えておられるのか、伺います。
次に、メディアを生かした広報活動について、「鎌倉殿の13人」について、お尋ねいたします。
今、人気のNHK大河ドラマ、「鎌倉殿の13人」が放映されている中で、8月より本市ゆかりの源実朝が登場し、活躍しているところであります。現在、県内外問わず、各所で大河ドラマと合わせて広報活動やイベント企画に取り組んでおられます。こうした機会を捉え、本市においても、市内外に秦野市の魅力を発信すべきと考えておりますが、これまでの取組はどのようか、伺います。
以上、御答弁よろしくお願いします。二次質問以降は、質問者席で行います。
〔谷 和雄議員降壇〕
43
◯小菅基司議長【71頁】 環境産業部長。
44 ◯岩渕哲朗環境産業部長【71頁】 私からは、御質問の1点目、森林を守り育てる取組について、お答えします。
本市では、持続可能な森林づくりを目指し、水源環境保全税と森林環境譲与税を重要な財源として、計画的に森林整備を進めております。
まず、水源環境保全税を活用した施策についてですが、水源環境保全税は、平成19年度から令和8年度までの20年間の水源環境保全・再生の取組全体を示すかながわ水源環境保全・再生施策大綱と、この大綱に基づく再生実行5か年計画を推進するための財源としております。
本市では、主に3つの事業に活用しておりまして、林道からおおむね200メートル以内の杉やヒノキが生えている1ヘクタール以上の人工林において、森林組合と森林所有者が10年から20年間の長期の森林整備や管理を契約し、施業の集約化を図る地域水源林長期施業受委託事業、人工林や広葉樹林において、市と森林所有者が協約を締結し、市が林業事業者に委託して間伐や枝打ち等の森林整備を行うふるさと里山整備事業、そして、里山保全再生活動を行うボランティア団体へ補助を行う里山ふれあいの森づくり事業に活用しております。
この成果としては、平成19年度から令和3年度までの3期15年間で、延べ約1,205ヘクタールを整備したことで、荒廃林の解消や水源かん養等の公益的機能を発揮させ、保水調整能力が高い森林づくりを進めることができたと考えております。
なお、水源環境保全・再生かながわ県民会議による意見書においても、森林整備等の効果が現れるまでに時間を要するものの、下層植生の回復や土壌保全など、施策開始時に期待された効果は、着実に確認できていると評価されております。
次に、森林環境譲与税を活用した施策についてですが、森林環境譲与税は、森林の整備、人材育成・担い手の確保、普及啓発、木材利用の促進などの施策に充てることとされております。令和6年度からの森林環境税の賦課徴収に先立ち、令和元年度から譲与が開始されておりますが、本市では、水源環境保全税の対象とならない竹林整備やナラ枯れ対策のほか、西中学校多機能型体育館の内装の木質化などに活用してきました。この成果としては、幅広く森林里山の環境整備を進めることができたとともに、秦野産木材の利用促進にも取り組むことができたと考えております。
令和3年度からは、鳥獣対策やナラ枯れ等の課題解決に向けた里山林整備に取り組んでおりますので、このような事業に活用するとともに、伐採した樹木をウッドチップ舗装や丸太椅子に加工するなど、日常生活の中で、木に触れて親しむ環境づくりにも積極的に活用していきたいと考えております。
今後も、水源環境保全税と森林環境譲与税を有効に組み合わせて活用し、より効果的な森林里山の整備を進めてまいります。
以上でございます。
45
◯小菅基司議長【72頁】
こども健康部長。
46
◯梶山孝夫こども健康部長【72頁】 私からは、御質問の2点目、市民のにぎわい創出イベントへの支援について、お答えいたします。
まず、食品衛生法の趣旨と改正内容についてでございますけれども、同法は、食品汚染や腐敗、食中毒といった食の事故、飲食による健康被害の発生を防止し、食品の安全性を確保するため、飲食店等を営もうとする者に対し、都道府県知事の許可を得ること等を定めております。
このような中で、平成30年に、健康志向の高まりや健康食品の利用拡大を受け、食の安全・安心が一層意識されるようになったことから、食を取り巻く環境の変化や国際化等に対応するため、営業許可を必要とする業種の見直しなどが行われました。
次に、県条例ですが、神奈川県では、この法改正を受けて、同法に基づく県知事の許可基準等を定めた、食品衛生法に基づく営業の施設基準等に関する条例を改正し、県の独自策として、臨時的な行事に付随して、仮設の店舗において簡易な調理をする場合の施設基準に関する規定を新たに設け、本年6月1日から施行されました。
以上の法改正、条例改正によりまして、同日以降、縁日、祭礼等の臨時的な行事におきまして、仮設の店舗で食品を調理・加工などをして飲食させる営業を行う場合には許可が、また、公共性のある行事で、県において営業とみなされない場合には、届出が必要となりました。
次に、市として、今回の制度改正をどのように受け止めているかということでございますけれども、食品衛生法は、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、国民の健康の保護を図ることを目的としておりますので、その目的に沿った今回の制度改正そのものについては、必要なものとは考えます。しかし、市民への影響という部分について考えてみますと、例えば、地域等における飲食を伴う行事の開催に当たって、市民等に新たな負担が生じる場合が出てくるのではないかと受け止めております。
以上でございます。
47
◯小菅基司議長【72頁】 文化スポーツ部長。
48 ◯宇佐美高明文化スポーツ部長【72頁】 私からは、大きな項目の3つ目、メディアを生かした広報活動についてのうち、宮永岳彦氏の作品について、お答えをいたします。
平成7年に御遺族から寄贈いただきました約400点の作品は、郷土ゆかりの画家である宮永岳彦画伯の功績を伝えるとともに、市民の芸術文化の向上を図ることを目的として、平成13年10月にオープンいたしました宮永岳彦記念美術館の常設展示室で順次、公開をしています。これまで合計39回の企画展示を行い、7万人以上の来館者を数え、新型感染症流行前には、毎年約3,000人の方々に宮永画伯の作品に親しんでいただきました。
本市としては、多くの方々から高い評価をいただいている宮永作品を本市の文化芸術の財産として捉え、大切に保管するとともに、多くの方々に御覧いただきたいと考え、様々な周知を行っております。
約半年ごとに行っている展示替えの際には、市内公共施設、近隣美術館、マスコミ関係など約170社に対し、展示作品の一部を使用したチラシ、あるいは、ポスターなどを送付しています。また、宮永岳彦記念美術館においては、毎年夏に美術館ワクワク探検として、小・中学生を対象に、美術作品の製作体験と宮永作品の鑑賞を行っております。また、ギャラリーコンサートとして、常設展示室内で、宮永作品に囲まれた中で音楽鑑賞を楽しむイベントなどを行っております。
さらに、初代特急ロマンスカーのカラーデザインや内装をはじめ、箱根、丹沢、江の島などの旅客誘致のポスターを手がけるなど、宮永画伯との関わりが深い小田急電鉄株式会社などに御協力をいただき、周知しているところでございます。
令和元年7月には、こども広報はだのっ子で宮永岳彦特集号を発行し、子供たちに周知するとともに、昨年の広報はだの8月1日号からは、毎月1回、Miyanagaコレクションとして作品と解説を掲載し、また、同記事をホームページでも詳しく紹介をしております。
以上でございます。
49
◯小菅基司議長【73頁】 政策部長。
50 ◯石原学政策部長【73頁】 私からは、御質問の3点目、メディアを生かした広報活動についてのうち、「鎌倉殿の13人」について、お答えをいたします。
現在、NHKの大河ドラマで放送されております「鎌倉殿の13人」ですが、鎌倉を舞台とするドラマであることを受け、令和2年3月に神奈川県を中心に、神奈川県鎌倉殿の13人連携協議会が発足し、本市もこれに参加いたしました。本市には、鎌倉殿の13人の1人である和田義盛は鶴巻地区に、源頼朝と北条政子は上地区に、そして、源実朝は東地区にと、市内一円にそれぞれゆかりのある史跡や言い伝えなどが残っていることから、本年3月には、市内8か所にあるこうした史跡等に、のぼり旗を設置するとともに、秦野ゆかりの地めぐりパンフレットを作成するなど、本市独自のPRに努めております。
特に、知名度が高い源実朝御首塚周辺では、毎年11月23日に実朝まつりが開催され、実朝公の供養のほか、きらびやかな衣装をまとった子供たちが練り歩く稚児武者行列など、非常に多くの方々からの注目が集まります。
市といたしましても、大河ドラマを契機としたPR活動を行う中、新型感染症の影響で実朝まつりが中止となったことで、恒例の稚児武者行列でのお披露目がかなわなかった、東地区の子供たちをモデルに起用し、広報はだの4月1日号で、「秦野と源氏をつなぐ縁」と題した特集を行いました。甲冑を身につけ、出来上がったばかりののぼり旗を手にした子供たちの雄姿を表紙に、秦野市と実朝公をつなぐ歴史的背景や、御首塚敷地内に整備された波多野金槐植物苑などの情報を2面にわたって紹介し、市と大河ドラマの関連性を広く市民に周知することができたと考えております。
また、6月には、国立大学法人横浜国立大学の学生グループ、秦野市観光協会及び本市の3者で交わした合意書に基づき、音声型観光案内サービス「GURURI」を活用した、史跡情報を文章と音声で紹介する観光サービスを開始したほか、8月には、スルガ銀行株式会社との連携協定により実施する、自転車を活用したプロモーション事業「はだくる」の初回イベントとして、「鎌倉殿の時代へ~秦野ゆかりの地めぐり編」と題し、市とスルガ銀行のツイッター等SNS及び特設ホームページで発信いたしました。
また、西公民館では、7月15日から8月14日まで、和田義盛と二階堂行政の足跡を示したハイキングコースや、鎌倉殿にまつわる情報を紹介する鎌倉殿と秦野展を、また、はだの歴史博物館では、9月3日にミュージアムさくら塾「吾妻鏡を読む 源実朝暗殺事件を中心に」と題した講座をそれぞれ開催したほか、8月19日には、実朝公にゆかりのある東田原の金剛寺が所有する木造阿弥陀三尊立像を市の指定重要文化財に指定いたしました。
さらに、先日開催されました秦野たばこ祭では、登場人物のオリジナルポストカードを配布し、来場者へのPRを実施したところでございます。
以上です。
51
◯小菅基司議長【74頁】 谷和雄議員。
52 ◯13番谷和雄議員【74頁】 それぞれ御答弁、ありがとうございます。それでは、二次質問は順序を入れ替えて、市民のにぎわい創出イベントへの支援についてから、再度お尋ねいたします。
食中毒の事故のないよう消費者を守るための法改正と捉えておられるとのことで、重要と認識しております。にぎわい創出のイベントは、市民が楽しみにしている一方で、市民が主催者側として参加し、活動を市が支援することも重要と捉えております。市民参加型の本市の大きなイベントとしては、秦野市市民の日がございます。この県の食品衛生法に基づく営業の施設基準等に関する条例の改正後のイベントにおいては、市民活動をどのように後押ししていくのか、再度お尋ねいたします。
53
◯小菅基司議長【74頁】 くらし安心部長。
54 ◯青木裕一くらし安心部長【74頁】 御質問の、食品衛生法に基づく営業の施設基準等に関する条例の改正に伴います市民の日の対応について、お答えをいたします。
秦野市市民の日は、市民の連携と協調の下、市民意識の高揚と豊かな秦野の創造を目的として、昭和55年から開催しており、今年で43回の歴史を重ねることとなります。今回の市民の日につきましては、2年半に及ぶコロナ禍を乗り越え、3年ぶりの開催となりますが、新型感染症対策を徹底した上で、社会経済活動と地域コミュニティーの活性化を目指すイベントとして、現在、準備を進めております。
御質問にありました、県条例の食品衛生法に基づく営業の施設基準等に関する条例が本年6月に改正されたことに伴いまして、市民の日の飲食ブースをどのように運営していくかということになりますが、市民の日につきましては、市民が自主的に企画・運営するプログラムを中心に構成されておりまして、特に、市民やボランティア団体等が自ら調理した飲食物や物品を販売する私の個店はとりわけ人気がございまして、大勢の来場者が訪れます。この私の個店は、今回の県条例の改正により、基本的には、公共性のある臨時的な行事における仮設店舗で、簡易的な調理をする臨時出店に位置づけられます。提供できる飲食物の取扱い品目等が規定されるとともに、調理に当たって手洗い設備等の備品が必要となり、主催者である運営委員会が保健所に届出を行うこととなります。そのため、出店者向けの募集要項やホームページ等に、今回の変更点といたしまして、販売できる物品と飲食物の種類、そして、1つのテントで取り扱うことができる販売品目の組合せを分かりやすく記載いたしました。
具体的には、販売品目の組合せの可否を複数例示するとともに、テント内の配置例をイラストで示すなど工夫するとともに、新たに必要となるテントの横幕や手洗い設備、廃棄物容器等の貸出しを行うこととしてございます。
さらに、今月30日には、保健所の職員を講師に招きまして、出店者を対象とした食品衛生講習会を開催し、今回の県条例の改正を受けた飲食物の販売方法について丁寧に説明をするとともに、出店者の様々な疑問に答えることで、きめ細やかな対応をしてまいります。
以上となります。
55
◯小菅基司議長【75頁】 谷和雄議員。
56 ◯13番谷和雄議員【75頁】 ありがとうございます。きめ細やかな対応をしていただいているようでございます。
この市民まつり以外にも、これから市民主体のふれあいまつりや公民館まつりなど、イベントが企画されております。御答弁でも、地域における市民主体の飲食を伴う行事開催に当たり、主催者等への負担が増えることも心配しておられますので、市民活動の支援をぜひよろしくお願いいたします。
新型コロナウイルス感染症の蔓延により、3年弱、多くのイベントや地域での祭りが中止になってまいりました。イベントや地域でのお祭りは、1年を通して季節を感じることができ、それにより、市民が心豊かになり、楽しんでいただくことは重要なことと捉えております。
市民にとって、この秋を感じる一大イベントは、先日開催された秦野たばこ祭であります。3年ぶりに開催された秦野たばこ祭は、祭りの原点に立ち返り、地元が盛り上がる秦野らしさのある祭りでありました。市民のお一人お一人が感染症対策を徹底され、オール秦野で祭りを成功させたいとの思いがかない、無事に大盛況の下、終了することができたと思っております。土曜日は、台風の影響から天候不安もありましたが、皆様の思いが天に届いたのか、夕方からは天気が回復し、日曜日は秋晴れの下の開催となりました。
伝統ある恒例行事を無事に終え、最後の2,000発の打ち上げ花火においては、市民の心が1つになり、感動のクライマックスであったと感じております。大勢の市民の皆さんが拍手をして、喜んでおられました。この2日間の来場者数は、主催者発表で23万7,000人と伺っております。私の感覚的には、コロナ禍以前よりもにぎやかな開催になったような気がいたします。これも市民の皆様、各出演団体の皆様、露店関係者の皆様、そして、職員の皆様や議員各位の多大なる御協力があったたまものであると認識をしております。
コロナ禍以前は、祭りの開催は当たり前の光景であったと思います。今年は、こんなにも特別な時間であったことに気づかされました。多くの皆さんが協力して開催してくださったということに改めて気づいたということであります。主催者を含め、来場者全ての方々も実感されたのではないでしょうか。
こうして、秦野たばこ祭を大成功に収めることができたことは、コロナを吹き飛ばした安全・安心な祭りとして、秦野市の姿勢を近隣市町村に発信できたものと、誇りに思っております。この場をお借りして、皆様の御理解、御協力に感謝を申し上げます。
この質問の県の条例改正の打合せ当初、食品衛生法は県のことだから、法に沿っていくしかないとの話も聞こえましたが、私は、県の決まり事の中で、本市がどのように市民活動を支援していくのかが重要であるとの思いに、執行部の皆さんも積極的に取り組んでいただきました。感謝を申し上げます。
この県条例改正の臨時営業の施設基準を簡単に申し上げれば、テント営業の中に店舗をつくってくださいという考えと受け止めております。市民団体がイベントに出店するためには、以前よりハードルが上がっていることは確かでございます。イベント開催のたびに、今後の課題もより多く見えてくるものと思いますが、御答弁のとおり、きめ細やかな対応をしてくださるとのことですので、よろしくお願いします。
本市には、市民活動支援課があって、本当によかったと思っております。御活躍をお願いして、この質問を終わります。
次に、メディアを生かした広報活動について。
宮永岳彦氏の作品について。様々なPR、取組をしていただいているようです。しかし、市民にも、宮永岳彦記念美術館が鶴巻にあることや、作品についても、あまり知られていないように感じるときがございます。私は、より多くの市民に宮永作品を知っていただくことが重要と考えます。
そこで、伺いますが、今後、宮永岳彦作品を本市としてどのように活用し、広報活動をしていくのか、伺います。
57
◯小菅基司議長【76頁】 文化スポーツ部長。
58 ◯宇佐美高明文化スポーツ部長【76頁】 再度の御質問にお答えをいたします。
先ほど小田急電鉄株式会社との連携についてお話をさせていただきましたけれども、昨年4月に海老名駅にロマンスカーミュージアムがオープンいたしました。その際に、ロマンスカーミュージアムの方が宮永岳彦記念美術館にお越しになられまして、お互いに交流をし、情報交換を行いましょうということになり、まずは、お互いのチラシの配架を始めたところでございます。
また、小田急電鉄株式会社のこども100円乗り放題キャンペーンの際には、秦野駅で、宮永画伯のポスター作品のレプリカを掲示するためのデータの提供を行うなど、協力を行っております。
今後も小田急電鉄株式会社と連携し、例えば、ロマンスカーミュージアムに、旅客誘致ポスターなどの作品の貸出し展示、あるいは、宮永岳彦画伯の紹介のコーナーを設置していただくなどの取組ができないか御相談をしながら、誘客に努めたいと思っているところでございます。
また、以前、近隣の美術館の企画展示に合わせまして作品をお貸ししたこともございましたので、今後も要請があれば、貸し出すことなども可能であると考えております。
宮永画伯は、本市とゆかりのある偉大な画家でございます。このすばらしい功績と芸術作品をしっかり市民の財産としてPRして、宮永岳彦記念美術館への来訪を促してまいりたいと思います。
以上でございます。
59
◯小菅基司議長【76頁】 谷和雄議員。
60 ◯13番谷和雄議員【76頁】 宮永画伯の作品が多く本市にあることを、今回のテレビのように多くの方々に知っていただき、鶴巻温泉駅周辺のにぎわいにもつながっていくことを願っております。
御答弁の中でも、その作品の貸出しということを述べておられました。であれば、本市にははだの歴史博物館もございます。そこで企画展を開催して何点か展示するのも、より多くの市民の目に触れることになると思いますので、ぜひ御検討をよろしくお願いいたします。
次に、「鎌倉殿の13人」についてであります。現在、源実朝公活躍中の大河ドラマが放映中に、11月に開催予定であった、地域が開催する実朝まつりの中止が決定したと聞いております。地域の方々もコロナ禍にあって、大変苦渋の選択であったものと拝察いたします。
しかしながら、今回の大河ドラマ放映を背景に、市と実朝公の関わりを市内外にPRする絶好の機会であることは間違いなく、地域だけに頼ることなく、市として大河ドラマを生かした広報活動に取り組むべきと、私は考えます。
そこで伺いますが、「鎌倉殿の13人」にあやかり、本市のPRにつながる今後の取組はどのようか、伺います。
61
◯小菅基司議長【77頁】 政策部長。
62 ◯石原学政策部長【77頁】 再度の御質問にお答えをいたします。
新型感染症の影響を受け、3年続けて実朝まつりを中止するという地域の決定は、大変苦渋の決断であったと思います。平成29年に開催された実朝まつりは、第30回の節目の改正であったことに加え、実朝公没後800回忌となる記念の年でもあったことから、地域の皆さんの手で、「実朝公御首の行方」と題する紙芝居を作成し、会場で子供たちにお披露目したほか、鎌倉市長がお祝いにお越しになるなど、鎌倉との絆を深めたお祭りとなりました。
大河ドラマでは、今まさに、実朝公が活躍する場面が多く描かれていることから、市民にとっても、実朝公をより身近に感じていることと思います。
このような中で、今後の取組についてですが、県が3回に分けて実施するデジタルスタンプラリー「神奈川『ゆかりの地』めぐり」の第2弾において、11月12日までの間、上地区にあるゆかりの地3か所がチェックポイントとされております。
また、はだの歴史博物館では、ドラマで放映される時代の秦野の様子、登場人物と秦野の関わり等、『吾妻鏡』等から解説する企画展「鎌倉時代の秦野」を10月8日から12月25日まで開催する予定となっております。
こうした取組を多くの市民の方に知っていただくため、11月3日に開催されます市民の日において、関連するパンフレットや観光ガイドなどを配布できるよう、ブースの設置を考えているところでございます。
最後に、本年2月下旬に源実朝役として、俳優の柿澤勇人さんが決定したという報道を受けまして、先ほど御紹介いたしました、4月1日号の広報はだのにメッセージをお寄せいただくことができないかと考え、秦野記者クラブの記者を通じてNHKに打診をいたしましたが、編集日程の中での調整がつかず、実現できなかったという経緯がございました。大変残念でしたが、今回の御質問のメディアを活用した広報活動についての趣旨を踏まえまして、今後とも、秦野記者クラブの皆さんとの連携を密にし、機会を通じて、様々な御相談をさせていただきながら、テレビをはじめ、様々なメディアを活用しながら、市の魅力を発信していきたいと思っております。
以上です。
63
◯小菅基司議長【77頁】 谷和雄議員。
64 ◯13番谷和雄議員【77頁】 御答弁ありがとうございます。
本当に様々なメディアを駆使して、一言でメディアと申しましても、幾つあるか分からないぐらいのメディアでございますが、やはりテレビというものは大きな影響力がございます。本市にまつわる実朝公をはじめとするPRだけではなくて、イベントをタイムリーな実のあるものにしていかなければならないと考えております。
また、スクリーンを見ていただきまして、御答弁にもありました市民まつりや、その次にある丹沢まつりの頃になっても、まだ大河ドラマにまつわる効果はあるのではないかと、私は考えております。だとすれば、この丹沢まつりで、御答弁にもございました実朝公役の俳優の柿澤勇人さんなどを招いて、征夷大将軍がパレードをすると、そのような企画も考えてみてはいかがかと思っております。
今回、メディアを生かした広報活動についてと題し、例として、主にテレビを通してのシティープロモーションについて、お尋ねいたしました。今の時代は、テレビ、新聞だけではなく、ユーチューブ等のメディアもありますが、それでも、テレビ放映での広報は大きな効果があるものと考えております。
これ以外にも、テレビで秦野のよい情報発信を見かけました。まず、1つ目には、9月17日ですか、tvkの「あっぱれ!KANAGAWA大行進」で田原ふるさと公園の源実朝公御首塚なども紹介されました。そして、先日の秦野たばこ祭の模様も、NHKで大きく取り上げられました。
そして、広報という意味で申し上げれば、3つ目には、9月9日のニュース番組で、政府が物価高騰対策の地方交付金を創設する中で、政府に先駆け、物価高騰対策として水道料金半額のまちと秦野市が紹介されました。夕方6時30分頃の放送で、多くの人の目に触れたものと思います。こうした番組放映情報もいち早く市民にお知らせいただければ、市の取組を御理解いただけるのではないかと考えております。
今後も、さらにあらゆるメディアを生かして、秦野市の知名度向上、地域愛着度向上に向けて御努力いただくようお願いいたしまして、この質問を終わります。
最後になります、森林を守り育てる取組について。成果としては、森林整備の数値化というものは難しいと思いますが、20年前に比べれば、森林の健全化は進んでいるものと感じられます。そして、私も山に入り、その状況を見ております。
本市では、2050年、ゼロカーボンシティを目指すことを宣言して、地球温暖化対策に取り組んでおります。この豊かな森林は、本市の特徴であり、カーボンニュートラルの切り札になると考えております。
また、甚大な被害をもたらす台風や地震といった自然災害の被害防止にも、健全な森林は重要な役割を果たします。来年、発生から100年となる関東大震災では、丹沢では山崩れ、蓑毛や菩提でも大きな被害があったと聞いております。今まで以上に、森林の持つ多面的機能が求められる状況にある中で、現在の森林環境の維持には、森林環境譲与税だけでは対応できないと考えますが、令和8年度で終了予定の水源環境保全税の、その先の令和9年度からの水源環境保全税に代わる税財源の確保をどのように考えているのか、伺います。
65
◯小菅基司議長【78頁】 環境産業部長。
66 ◯岩渕哲朗環境産業部長【78頁】 水源環境保全税に代わる税財源の確保について、お答えいたします。
まず、令和3年度の歳入決算額を見ますと、水源環境保全税を財源とした県補助金額は1億1,400万円、森林環境譲与税は2,175万4,000円であり、水源環境保全税は非常に重要な財源であります。決算全体では、経常収支比率や実質収支は改善されていますが、市税収入の先行きは不透明であることに加え、義務的経費である扶助費や医療・介護など、社会保障分野への繰出金は増加傾向にあるなど、依然として厳しい財政状況が続くことが見込まれます。
そのような中で、水源環境保全税が終了するとなると、本市の森林づくりに大きな影響を及ぼします。財源確保に向け、例えば、秦野市森林組合では、施業の効率化に加え、自ら製材した木材やまきを販売するなど、新たな財源確保に取り組まれております。本市としても、さらなる秦野産木材の利用促進や付加価値の向上を図り、林業の収益性の向上につながるような施策を展開し、少しでも補助金に依存しない、自立した持続可能な林業の構築を目指しておりますが、本市の森林整備の促進に水源環境保全税が果たしてきた役割は、非常に大きいものがあります。
そこで、この継続について、丹沢を抱える厚木市、伊勢原市、愛川町、清川村及び本市で構成する広域行政連絡会や、市長が今年度から会長を務めております神奈川県森林協会から、神奈川県に対して継続の要望をしてまいりました。県では、これまでの取組の成果等を検証、評価し、市町村や県議会、県民の意見を聴き、しかるべき時期に今後の方向性をまとめるとしております。
しかし、水源環境の保全再生は、短期間に効果が現れるものばかりではなく、むしろ多くは、長期にわたる継続的な取組が必要とされますので、引き続き、強く継続の要望をしてまいります。
以上でございます。
67
◯小菅基司議長【79頁】 谷和雄議員。
68 ◯13番谷和雄議員【79頁】 御答弁、ありがとうございます。
では、県の水源環境保全税の継続要望と併せて、国の森林環境譲与税についてはどのように活用していくのか、伺います。
69
◯小菅基司議長【79頁】 環境産業部長。
70 ◯岩渕哲朗環境産業部長【79頁】 森林環境譲与税の活用についての御質問にお答えいたします。
森林環境譲与税は、森林の整備、人材育成・担い手の確保、普及啓発、木材利用の促進などの施策に充てることとされております。
森林環境譲与税の配分については、見直しを求める声が上がっておりますが、現在の譲与基準は、民有林人口林面積5割、林業就業者数2割、人口割3割となっておりまして、都市部への譲与額が多くなっております。そこで、水源環境保全税の対象とならない里山林整備や竹林整備に活用するだけではなく、譲与額が多い都市部において、秦野産木材を使っていただけるよう、これまで以上に、木材利用の促進や普及啓発への活用に力を入れて、取り組んでまいります。
以上でございます。
71
◯小菅基司議長【79頁】 谷和雄議員。
72 ◯13番谷和雄議員【79頁】 森林を守り育てる取組について、私が訴えている、健全な森林の重要な役割を執行部の皆さんも認識しておられることが確認できて、心強く感じております。
国の森林環境譲与税の譲与額は、御答弁にもございました人口割が多くを占め、令和元年度の一般質問でも御答弁いただいておりますが、その当時の譲与額の比較では、本市が約1,000万円、これに対し、横浜市は約1億4,000万円であり、国産木材の都市部での有効活用を目的とした税であります。
その一方で、県の独自課税である水源環境保全税は、水源かん養機能の低下、鳥獣被害の拡大、生物の多様性の危機、そして、近年の異常気象による豪雨での土砂災害など、本来の森林が持つ多面的、公益的機能が崩壊してきたことを防ぐための役割がございます。つまり、治山事業は、植林などにより山を整備し、河川の水流整備をして水害を防ぎ、運輸をよくすることにつながるものであります。
来年で発生から100年を迎える関東大震災と丹沢山地の森林をテーマとした講演会が9月3日、相模原市において開かれました。この資料がそうですが、これによれば、大正12年9月1日に発生した関東大震災については、東京や横浜の大火が象徴的に語られてきましたが、山岳地域の丹沢では、斜面崩落が多発、緑区を流れる早戸川や神之川流域でも大きな土砂災害を伴う被害があったとのことでございます。
関東大震災による森林荒廃は、本震による山腹崩壊の後、2週間後の15日に断続的に降った雨が大雨となり、同日午前9時に山津波が発生し、大山町を襲い、死者は12人となったそうです。今でも丹沢の山へ登ると、震災の崩落の爪痕を見ることができます。
また、山津波は本市でも発生し、今でも表丹沢野外活動センターのグラウンドの下には、この山津波で崩れ落ちた大きな石が埋まっており、その隙間に、雨が降ると、今でも大きな穴が空くことがございます。こうしたことからも、水源環境保全税は、単に、神奈川の水源を守るだけのことではなく、下流域の自然災害対策にとっても重要な取組であります。本市の山を守る取組は、神奈川県にある自治体としての責務であります。
このように、国の森林環境譲与税と県の水源環境保全税とは、すみ分けがしっかりできており、決して二重課税でないことがお分かりいただけたのではないかと思います。ということは、今後も、県の水源環境保全税は、神奈川県にとって必要な財源であります。これからも私は、令和8年度に終了する県の水源環境保全税に代わる税の創設や財源の確保に向けて関わりを持ち続け、取り組んでいく覚悟でございます。
執行部の皆さんにおかれましては、本市と同じ環境下にある自治体と連携し、県要望をすることが重要であると考えます。これは御答弁でもお聞きいたしました。それはなぜかと申しますと、県全体の人口約920万人の中で、政令市の人口は約600万人でございます。県全体の実に3分の2は、政令市が占めております。それ以外の市町村が3分の1であり、秦野市の人口約16万2,000人は、県全体から見れば約2%であります。この2%の声を御答弁にもありました、秦野市、厚木市、伊勢原市、愛川町、清川村が加盟する広域行政連絡会を通して、より大きな声として県要望をしていただくことを要望いたしまして、私の一般質問を終わります。
ありがとうございました。
73
◯小菅基司議長【80頁】 以上で、谷和雄議員の一般質問を終わります。
暫時休憩いたします。
午前10時52分 休憩
─────────────────────────────────────────────
午前11時04分 再開
74
◯小菅基司議長【80頁】 再開いたします。
休憩前に引き続き、「一般質問」を行います。
伊藤大輔議員。
〔伊藤大輔議員登壇〕
75 ◯2番伊藤大輔議員【80頁】 よろしくお願いします。新人、伊藤です。
今議会は決算議会です。今日は、本市の歳入の課題についてということで、資料1、こちらの3項目について、小項目を立てずに、順を追って説明させていただきたいと思います。
本市の抱える財政的な課題は、大きく2つだと思っているのですよ。執行部の言葉を借りて表現させてもらうなら、まず、歳入面の課題、歳入の根幹をなす市税の増収が見込めないこと。もう一つは、歳出面の課題、超高齢社会の本格化により、社会保障費が伸び続けていること。この2点が主な財政的な課題、大きなところだと思うのですよ。
今日は、主に1の歳入について。執行部は、市税の増収が見込めないと表現しているのですけれども、現実的には、減り続ける市税の減少の幅をいかに抑えていくことができるのかという表現のほうが近いと思うのです。とにかく、この状況に対して、本市は、具体的な作戦を何か持っているのか。
正直、今の秦野市政を見ていて、何をやりたいのか分からないという人が結構いらっしゃると思うのですよ。今日は、本市の抱える財政的課題を明らかにして、作戦を考える、また、考え直すよい機会としたいと思っています。
それでは、早速、本題に入っていきたいと思います。
これは席からは見づらいかもしれないのですけれども、話で想像してください。まず最初に、減少し続ける市税についてです。こちらの資料を見てください。歳入決算額の推移です。この10年間の歳入の、自主財源だとか依存財源とかのグラフなのですけれども、特徴を言うと、この10年間、歳入全体の額は150億円ぐらい増えているにもかかわらず、新型コロナウイルス感染症による近年の影響を差し引いたとしても、100億円以上は膨張というか、膨らんできているのですよね、歳入、歳出ともに。それにもかかわらず、自主財源である市税の割合は年々低下していっているのです。これが最大の問題なのではないかと。
9年前には自主財源の割合が50%を超えていたのが、現在は36.5%です。簡単に表現すると、自前のお金は減っているのに、毎年出費が増えて、他人のお金に依存している状態が年々深刻化していっていると言えると思うのです。本市の自主財源比率44.2%は、県内16市中、三浦市、横須賀市に次いでワースト3位です。
次の資料を御覧ください。
これは、令和3年度の歳入決算額の構成比です。先ほど自主財源と依存財源という言葉を使ったのですけれども、この地方税というのが自主財源に当たる、自前のお金ですよね。あと残りの国庫支出金だとか、地方債だとか、都道府県支出金だとか、地方交付税とかというのは、基本的には、他人の依存財源ということになると。ただ、残りのその他10%のところに、使用料だとか、手数料だとか、後で触れますけれども、ふるさと寄附金みたいなものが含まれています。ただ、この円グラフから見て分かるとおり、歳入の根幹はどう考えても市税です。この表から見て分かるのではないですか、根幹は市税であると。
次、これは本市の市税収入の推移です。個人市民税と固定資産税と都市計画税を足したものを市税収入とさせてもらって、10年ぐらいの表にさせていただいたのですけれども、法人市民税を入れなかった理由としては、歳入全体に占める額が小さいということと、令和3年度を例にすれば、市税約221億円のうち法人市民税の額は約8.5億円だと、歳入全体に占める割合は3.8%だと。次の理由としては、本市が幾ら努力しても、やっぱり企業の業績に左右されてしまう面が法人市民税はあるから。
それで、今日は、歳入の根幹である市税の、根幹の根幹みたいな話がしたいのですよね。市税の最も基礎的な部分、この土台の話をするときに、法人市民税を入れるのではなく、今日は、この3つを前提として、話させていただきたいと思っています。
ここで、最初の質問です。これは、ぱっと見ると、右肩下がりだと思うのですよね。右肩下がりでは、持続可能な歳入、財政とは言えないと思うのですよね。ここで質問なのですけれども、このままの右下がりの状態が続いていった場合、本市はどのような財政状況に追い込まれていくのか、お答えください。よろしくお願いします。
〔伊藤大輔議員降壇〕
76
◯小菅基司議長【81頁】 政策部長。
77 ◯石原学政策部長【81頁】 本市の市税が年々減り続けているということで、このまま減り続けると、どのような状況になるかという御質問でございます。
本市は、現在のところ、地方交付税の交付団体であるため、市税収入が減少した場合には、その一部は普通交付税や臨時財政対策債で補われます。しかし、財源補填としての普通交付税の交付額ですとか、臨時財政対策債の発行額というものは、市税収入の減少分全てではなく、理論上ではありますが、市税減収額の75%でありまして、差引き25%分の行政サービスを引き下げざるを得ない状況になると。そういうことから、そのようにならないために、緊張感を持って財政運営に当たっているといったところでございます。
以上です。
78
◯小菅基司議長【81頁】 伊藤大輔議員。
79 ◯2番伊藤大輔議員【82頁】 引き下げざるを得ない行政サービスとは、具体的にどんなサービスが考えられるでしょうか。よろしくお願いします。
80
◯小菅基司議長【82頁】 政策部長。
81 ◯石原学政策部長【82頁】 基本的に、今後、実施すべき施策というのが、多くの市民の方の議論等を踏まえて策定しました総合計画に、施策の方向性というものは定められております。したがいまして、そういった事業については、基本的には執行していくと。
そのほか、義務的経費と言われています人件費、扶助費、公債費、これらについては、当然、支出していかなければいけない経費になりますので、言ってみれば、それ以外の経費、大ざっぱなお答えになってしまいますけれども、それ以外の経費ということになると思います。
以上です。
82
◯小菅基司議長【82頁】 伊藤大輔議員。
83 ◯2番伊藤大輔議員【82頁】 具体的にどんなサービスかという質問だったのですけれども、考えられる範囲でいいので、具体的に。だから、総合計画に位置づけられた投資的経費とか、人件費だとか、扶助費だとかという、法律で定められた義務的経費というのは、もちろんやっていかなければいけませんと。それ以外の経費のところで、足りなくなった場合は、行政サービスの低下を考えていかなければいけないと。
私の質問は、具体的にどんな行政サービスの低下が考えられますか。例えでいいので、二、三個でもいいので、よろしくお願いします。
84
◯小菅基司議長【82頁】 政策部長。
85 ◯石原学政策部長【82頁】 行政サービスというのは、市の予算にもありますとおり、議会費から始まりまして、議会費、総務費、民生費、衛生費、農林業費、商工費、土木費、消防費、教育費と、多岐にわたっております。
具体的な一番分かりやすい例で言えば、例えば、道路舗装などは、そのような経費になると思いますし、そのほか、今後も持ち続けていかれなければいけない公共施設に対して、必要かつ十分な維持管理経費を捻出できなくなるとか、そういったことが考えられます。
以上です。
86
◯小菅基司議長【82頁】 伊藤大輔委員。
87 ◯2番伊藤大輔議員【82頁】 次に、あちらのグラフ、右肩下がりの主な要因をどう分析されているのか。よろしくお願いします。
88
◯小菅基司議長【82頁】 総務部長。
89
◯正岡義海総務部長【82頁】 御紹介のありました、このグラフの関係でございます。市税収入についてということだと思いますけれども、まず、個人市民税の収入額につきましては、長期的に見ると、緩やかな減少傾向にありますけれども、最近5か年では、新型感染症の影響を受けました令和3年度を除いては、ほぼ横ばいと考えております。
しかしながら、個人市民税は、全国的な少子高齢化によりまして、本市におきましても進行しておりますので、税収の担い手となる生産年齢人口の減少によりまして、今後、また減少傾向になるのではないかと推測しております。
また、固定資産税については、御承知のとおり、土地、家屋、また、償却資産に対する課税でございますけれども、家屋及び償却資産については、毎年、評価額の増減がほぼ均衡しております。税収についても大きな増減はないと考えております。
一方、土地については、リーマンショック以降、一部工業地域を除きまして、市内の土地の価格は横ばい、または、下降傾向が継続しております。
したがいまして、全体として、固定資産税の減少傾向は、不動産市場の動向を評価額に反映するため、市内の不動産土地取引におけます価格の低迷が減額の要因になってくると考えております。
以上です。
90
◯小菅基司議長【83頁】 伊藤大輔議員。
91 ◯2番伊藤大輔議員【83頁】 まず、個人市民税についてからですけれども、今の答弁だと、ここ最近、5か年はほぼ横ばいの状態にあると。これを見てもらうと、令和3年度を含めるか、含めないのかという問題もあるのですけれども、あの表の右から、令和3年度はなくて、令和2年度からなので、右から4つ目の平成29年度と比べると、市税233億円に対して、令和3年度は221億円で、マイナス12億円なのですよね。でも、令和3年度は、多分コロナの影響を思いっ切り受けただろうと。
令和2年度と比較すると、平成29年度233億円に対して、227億円、マイナス6億円なのですよね。この5か年で横ばいという表現は、雑だと思うのですよ、このマイナス6億円というものに対して。それについて一言、どうでしょうか。
92
◯小菅基司議長【83頁】 総務部長。
93
◯正岡義海総務部長【83頁】 減少傾向にはありますけれども、今、ここにありますとおり、スケールによって見方が随分大きく見えてくると思います。そういった中でお話をさせていただいたということで、減少には間違いないということでございます。
94
◯小菅基司議長【83頁】 伊藤大輔議員。
95 ◯2番伊藤大輔議員【83頁】 歳入全体は増えていっていますと。市税がたとえ横ばいだったとしても、自主財源比率はやっぱり下がっていくのですね。先ほど御見解をいただいたように、今後は、少子高齢化の影響も受けて、下がっていくだろうと。
確認ですけれども、そういった認識で私は間違っていないでしょうか、よろしくお願いします。
96
◯小菅基司議長【83頁】 総務部長。
97
◯正岡義海総務部長【83頁】 私どもも、そのように考えてございます。
98
◯小菅基司議長【83頁】 伊藤大輔議員。
99 ◯2番伊藤大輔議員【83頁】 答えをトータルでまとめると、市税収入、自主財源をキープしていくための課題は割と明確だろうと。
まず1つは、生産年齢人口の増加だと、そこをキープしていくことですと。あともう1個は、不動産市場の評価額だと。こちらはやっぱり固定資産税に影響してきますと。
それで、財政力指数がまだ1を超えていたと。財政力指数というのは、後で分からない人はググってくださいね。2009年度、前の話と比べてみると、個人市民税は、2009年度当時、204億円あったのが92億円になったのです、令和2年度ベースで。これはマイナス12億円です。固定資産税はどのぐらい減ったかというと、101億円に対して、97億円、令和2年度ベース。これはマイナス4億円なのですよね。個人市民税が12億円減ったのに対して、法人市民税は4億円だと。市税をキープしていくための最大のポイントは、やっぱり個人市民税だと考えるのが普通だと思うのですよね。
その自主財源をキープしていくための今後の対策を教えてください。よろしくお願いします。
100
◯小菅基司議長【83頁】 政策部長。
101 ◯石原学政策部長【83頁】 自主財源を確保するための今後の取組でございますが、将来にわたって安定的な行政サービスが提供できるよう、まずは歳入確保に最大限努力いたします。移住・定住促進の取組による人口減少の抑制ですとか、企業誘致のほか、ふるさと寄附金、あるいは、ネーミングライツの取組など、税外収入についても積極的に確保していきたいと、このように考えております。
以上です。
102
◯小菅基司議長【84頁】 伊藤大輔議員。
103 ◯2番伊藤大輔議員【84頁】 自主財源をキープしていくための対策としては、今、4つほどお答えいただいたと。まず、移住・定住政策ですと、次に、企業誘致ですと、あと3つ目としては、ネーミングライツだと、4つ目がふるさと寄附金だと、この辺が今後の対策として課題になっていくのではないかというお答えだったと思います。
次の資料を見てください。これは先ほどの資料なのですけれども、ネーミングライツとふるさと寄附金は、自主財源とはいえども、市税以外の自主財源なのですよね。この表でいったら、先ほどのその他10%、使用料手数料、寄附金は、市税以外の自主財源なのですけれども、全部合わせても歳入全体の2%以下なのですよ。その他で10%となっていますけれども、この使用料手数料だとか、ふるさと寄附金というのは、全部足したとしてもうちの歳入の2%以下だと。歳入全体に占める割合は決して高くはないのではないかと。ここの市税以外の部分の努力というのは、意外と貢献度というか、寄与度というのはそんなに高くないのではないかと、取れるところから取ろうとしたとしてもですよ。
もう1点、南足柄市のふるさと寄附金は、アサヒビール株式会社と組んで、一時、この議会でも話題になっていたのですよね。ほかの議員の方で、いらっしゃったのですよ、うちにもこういう企業を呼んで、南足柄市のようにみたいな感じだったのですけれども、結局、ここの工場は撤退になったと。なので、やっぱりふるさと寄附金、私は別に政策が悪いと言っていませんよ。ただ、持続可能性だとか、本市の歳入の根本である市税の土台の土台みたいな話をするときに、このふるさと寄附金というのは、やっぱり持続可能性という点で疑問が残りますと、どうしても。
それで、私は、今日はもっと根本に目を向けるべきだと思っているのですよね。意外と根本の話をできる人はいないと思って。それで、歳入の根幹である市税を増やすことにやっぱり注力をしていくべきなのですよ、うちは。
ここで、質問なのですけれども、市税をキープするための最大の課題は、個人市民税だと思うと、二、三回言いましたと。個人市民税を増やすための対策として、最も効果的だと思われる政策は、今、挙げられた4つのうちのどれでしょうか。よろしくお願いします。
104
◯小菅基司議長【84頁】 政策部長。
105 ◯石原学政策部長【84頁】 個人市民税をキープするためには、移住・定住施策の取組によって、日本全体の人口が小さくなる中において、本市においても減少率をできるだけ抑制していく取組になります。
以上です。
106
◯小菅基司議長【84頁】 伊藤大輔議員。
107 ◯2番伊藤大輔議員【84頁】 しつこいですけれども、本市の自主財源をキープしていくためには、やっぱり市税が大切だと。その市税をキープしていくためには、個人市民税というものがポイントになってくると。それで、個人市民税がキープしていくためには、政策として移住・定住政策というところに行き着くと思うのですよ。それで多分間違いないと思うのです。
既に、もう成功例もありますと。このシルバー民主主義全盛の時代に、公共事業や補助金ばらまき型の成長戦略から脱して、政策の柱を子供に転換して、結果を出した自治体ももう既にありますと。
次の資料を御覧ください。
これは、兵庫県明石市の、先ほどと同じ秦野市の個人市民税、固定資産税、都市計画税の合計額の推移です。これは、ぱっと見て、まず、本市の市税収入が右肩下がりだったのに対して右肩上がりですよね。どっちが持続可能性ですかと。まず、単純にそんな話だと思うのですよね。
先ほどの本市のグラフは、こんな感じですから、これとこれを比べて、どっちが持続可能かというのは、割と一目瞭然だと思います。
それで、兵庫県明石市の市長である泉市長は、人口30万人規模の地方自治体が行う、企業誘致による財政的効果はたかが知れているとして、本市においても、法人市民税全体の僅か3.8%ですから、たかが知れているとして、高度経済成長を前提としたハード中心の古い施策から、人に焦点を当てたソフト施策へ転換したのですよね。これはハードからソフトへ、私はいつも言っているのですよ、ギアチェンジが必要だと、それと同じですよ。
また、子供に投資をすることで、定住人口増、交流人口増、出生数増、市税収入増、地域経済の向上と、まちに好循環を生み出したのです。これは、私の言っている子供の国・秦野ですと。何か子供の政策に投資していくというと、一見時間がかかるようなイメージだったり、何か経済政策とは違って、時間がかかったり、今までの施策とは違うように感じるのですけれども、この兵庫県明石市の場合は、子供に投資したことによって、見事税収も右肩上がりに回復させて、今では、補助金をもらっていた商店街の人も、子供に投資をするということに誰も反対しなくなったと。それは、結果が出ればそんなものですと。
次を見ていきましょう。これは秦野市の人口です。これはぱっと眺めるだけでいいです。これは秦野市の人口の推移です。次は兵庫県明石市で、右肩下がり、右肩上がり、全部そんな感じですよね。これは出生数の比較です。上が兵庫県明石市、下が秦野市、これも緩やかであるが、右肩上がりか右肩下がりかと、そういう図です。
それで、ここで質問なのですけれども、ちょっとしつこいのですけれども、子育て世代の移住・定住を図るという作戦は、本市の減り続ける市税収入に対して、大変理にかなった政策だと考えられますけれども、もう一度聞いてもいいですか。よろしくお願いします。
ちょっと早口で分からないでしょうか。移住・定住施策といっても、子育て世代に絞ってやってきましょうと私は言っているのです。子育て世代の移住・定住を図るという本市の施策というか、作戦というか、これからの戦術というのは、本市の減り続ける市税収入に対して、私は大変理にかなっていると。今日の今までの答弁で、それを証明してきたと思うのですけれども、理にかなった政策だと思うのです。それについて一言どうでしょうか。
108
◯小菅基司議長【85頁】 政策部長。
109 ◯石原学政策部長【85頁】 減り続ける市税収入に対して、移住・定住施策を推進していくということにおきましては、本市でも、今年度からはだの丹沢ライフ応援事業ということで、年齢40歳未満、いわゆる生産年齢人口世代をできるだけ呼び込みたいということで、そのようなところに重点を置いた施策を進めているところでございます。
以上です。
110
◯小菅基司議長【85頁】 伊藤大輔議員。
111 ◯2番伊藤大輔議員【85頁】 コロナ禍による影響で、都心を離れる若者が増えてきましたと。それで、本市の人口も僅かながら、令和3年度には転入超過となるなど、本市の移住・定住政策にとって、今、またとない追い風が吹いていると思うのですよ。これについてどう思いますか。よろしくお願いします。
112
◯小菅基司議長【85頁】 政策部長。
113 ◯石原学政策部長【85頁】 御紹介のように、社会増減につきましては、令和3年度転入超過という状況になっております。また、令和4年度におきましても、現在のところまで転入超過の状況が続いているところでございます。
秦野にしかない魅力、表丹沢、そして、名水、そういったものに加えて、交通利便性が大変いいということで、そういう特色を施策に結びつけながら、生産年齢人口を中心に、人口の減少抑制に努めていきたいと考えております。
以上です。
114
◯小菅基司議長【86頁】 伊藤大輔議員。
115 ◯2番伊藤大輔議員【86頁】 追い風が吹いていますと、始めるなら今ですというのがまず一つあると思うのですけれども、私が言いたいのは、意外と追い風が吹いているときには、もう既に時は遅いみたいということもあるのですよね。私は、少なくとも3年前ぐらいから言っていましたと。その話はいいですか。
それで、今日、もう1個言いたいのは、私は、この兵庫県明石市の成功例を持ち出して、一元的に何かこれを本市でもやれば、必ず成功するなどとは思っていないです。そんないいかげんな提案というか、一元的な発言はしていないと自分では思っています。
だけれども、兵庫県明石市と本市の地理的条件をちゃんと考えた場合には、兵庫県明石市は神戸まで電車で30分です。大阪まで1時間ですと。本市は、新宿も、横浜まで1時間ぐらいですと。この辺の地理的条件とか、大都市周辺のベッドタウンとしての共通項を考えるならば、兵庫県明石市の成功例は、本市にも大変参考になるのではないかと思っているのです。ブームだろうが、何だろうが、乗るものには乗ったほうがいいと思っているのですよ、こういうときは。それについて一言どうですか。大変参考になる成功例だと思うのですけれども、一言どうでしょうか。
116
◯小菅基司議長【86頁】 政策部長。
117 ◯石原学政策部長【86頁】 兵庫県明石市が子育て世代を中心に、ここ9年ぐらい連続で人口増加をしているということで、一番の要因としては、やはり今、伊藤議員がおっしゃいました立地条件、150万都市の神戸に近接していると。あるいは、50万都市の姫路、そこら辺の立地条件が一番大きいのかなと思います。
それに加えて、子育てのいろんな無償施策等をしていることも、当然、増加する要因にはなっていることと思います。
以上です。
118
◯小菅基司議長【86頁】 伊藤大輔議員。
119 ◯2番伊藤大輔議員【86頁】 この兵庫県明石市の泉市長のすごいところは、働く、学ぶの分野で無理を重ねたところで、周辺都市より抜きん出るのは簡単ではないとして、子育て世代の転入をターゲットとする代わりに、大学進学や就職による若者の市外流出を防ぐことを、ある意味諦めたのです。これは、意外とリーダーシップとしてできないと。これは、無理なものは無理ですと。うちはもっと少ない資源をここに集中させていきますと、これが本当のリーダーシップですと。
それで、学び、働くは市外で、暮らすは明石市といって、ターゲットをさらに絞ったのですよね。これは、多分市長はお分かりだと思うのですけれども、よほどなビジョンを持って挑まない限りは、こういう行政というのは総花的になってしまう。
ただ、総花的にやっていたら、なかなか成果は出ないと。やっぱりリスクを持って、少ない資源をどこかに集中させていくと。子育て世代をターゲットとした移住政策1つをとっても、学ぶ、働くは市外で、暮らすは明石市でと、ターゲットを絞ったところに商機があったと思うのです。
別に、子供を商品のように考えているわけではなく、これは政策として語らせてもらいたいのですけれども、その根本には、困っている子供を誰一人取り残さないという、普通の気持ちは皆さんお持ちだと思うのです。そこは、みんなお金があるのだったら、やりたいと思っているはずなのですよ。
それで、人は、そこに立派な都市計画道路があるから、秦野に移住してくるわけではありませんと。自然豊かな住環境だったり、おいしい水だったり、安い不動産だったり、地元産の安心できる小麦粉でできたおいしいパン屋さんだったり、オーガニックな学校給食だったり、当然だが、都内にはないものを求めて人は秦野に移住してくるのです。
市長はよく言っています。新東名高速道路の開通による本市の新たな発展とか、本市のイメージアップのための企業誘致、これは、私はいつも聞いていて、受け入れる側の、ローカル側の人間の心理であって、決して移住者目線でありませんと。ローカルな人間にとっては、ただ、がらんとした農地であっても、都会の人間にとってはそこがオアシスになると。自然が豊富ですばらしい場所ですねとなるのですよ。それが私にとっては、戸川土地区画整理事業の産業利用促進ゾーン、15ヘクタールの土地だったのです。まさにその典型だと思うのです、この話は。まず、そこのニーズを間違わないというのは、大事です。そのためには、子育て世代のニーズに応えるべきですよ。まずは、彼らの声を聞いてみてはどうかと思うのですが、どうでしょうか、一言。
120
◯小菅基司議長【87頁】 内田副市長。
121 ◯内田賢司副市長【87頁】 伊藤議員の質問にお答えをいたしますが、今、ニーズを間違わないようにというお話があったのですけれども、少なくとも、私どもが今、進めようとしていることについては、様々な条件やら御意見ということを踏まえた上で、内部で十分に検討した結果として、御提案させていただいているものでございまして、ニーズを間違えているという認識ではありませんので、その辺はぜひ御理解いただきたいと思います。
以上でございます。
122
◯小菅基司議長【87頁】 伊藤大輔議員。
123 ◯2番伊藤大輔議員【87頁】 耳を傾けることが重要だと思うのですよね、とにかく。今度の○○○○○○も、こういった子育て世代のニーズが分かるような人材登用をしていただくということも、有効的なのではないかと、私の意見ですけれども、述べさせていただいて、次の、戸川土地区画整理事業における税収効果について、移りたいと思います。
この事業に関するメリット・デメリットの話は、この議会でもさんざんもうやってきました。しかし、前回の6月の定例月会議の戸川土地区画整理事業を強力に推進することを求める決議についての質疑、議員との珍しいやり取りにおいて、私は、提出者の解像度というのがあんまり高くないと。情報を正確に共有できていないのではないかという思いを抱いたので、この場をお借りして再度お伺いしたく、質問させていただきます。
この2億円の税収増という話です。法人市民税と固定資産税です。これは、バブル絶頂期の1991年の堀山下テクノパークの例を参考に、執行部がはじき出した数字です。これは、バブル絶頂期の例を基に算出している時点で、まず、2億円の税収増など見込めるわけがないと考えるのが普通ですよね、どう考えても、30年前の絶頂期のところを基に算出しているわけだから。そんなことが起こり得るわけはないというのが、まず前提なのだけれども、そういう話をしていると、この事業に関するメリット・デメリットの議論が進んでいかないので、仮に2億円と仮定した場合でも、本市に返ってくる実質的歳入は幾らになるのか教えてください。よろしくお願いします。
124
◯小菅基司議長【87頁】 先ほど○○○に関して不穏当発言がありましたので、後ほど私のほうで精査をさせていただきます。
政策部長。
125 ◯石原学政策部長【88頁】 戸川土地区画整理事業は、あくまでも、これは2億円と仮定した場合の実質的な歳入でございますが、税収増の2億円、この全てが交付税に算入される税と仮定した場合でございますが、普通交付税の算定におきましては、その75%であります1億5,000万円が基準財政収入額のほうに算入されるため、仮に、基準財政需要額のほうに変動がないという前提条件の下で試算しますと、実質的な歳入は、5,000万円ということになります。
以上です。
126
◯小菅基司議長【88頁】 伊藤大輔議員。
127 ◯2番伊藤大輔議員【88頁】 あちらを御覧ください。本市は交付税交付団体なのですよね。その交付税というのは、どのようにはじき出されるかと言ったら、基準財政需要額から基準財政収入額が引かれた、あの計算で、計算されますと。
先ほど政策部長がおっしゃったように、税収入が増えても、その75%があそこの基準財政収入額に組み込まれてしまうため、交付税交付団体である本市の実質的歳入は5,000万円になると。ただ、その条件としては、基準財政需要額の変動がないという話だったと思います。これは、去年やってきた、ここまで引き出しているのですよ。
さらに、お伺いしたいのですけれども、この基準財政需要額に変動がないという前提条件の下と今、お答えいただいたと思うのですけれども、今回の土地区画整理事業において、基準財政需要額に変動はないとお考えでしょうか。よろしくお願いします。
128
◯小菅基司議長【88頁】 政策部長。
129 ◯石原学政策部長【88頁】 お答えをいたします。
普通交付税の算定におけます基準財政需要額には、消防費、社会福祉費、道路橋りょう費、小学校費など数多くの費目がありまして、それぞれ単位費用に測定単位と補正係数を乗じて算定されます。測定単位につきましては、国調人口、道路の面積や延長、児童数、学級数、学校数などがございます。
そこで、戸川土地区画整理事業等の実施によります基準財政需要額の変動についてでございますが、企業の進出によりまして、新たな雇用が生まれます。そして、そのうちの何人かは、市内のほうに居住されるということが見込まれますから、当然、その分の需要額は増えます。また、都市計画道路として整備予定の菩提横野線が全線開通した場合には、道路橋りょう費の需要額が増えます。この道路橋りょう費につきましては、道路の面積や延長で算定されますが、計画上の菩提横野線の延長1,280メートル、面積2万480平方メートルで試算してみますと、基準財政需要額は約170万円の増となります。
以上です。
130
◯小菅基司議長【88頁】 伊藤大輔議員。
131 ◯2番伊藤大輔議員【88頁】 あそこの土地に企業が来た場合、従業員の雇用が増えてという話があったのですけれども、その個人の単位を考えるより、都市計画道路の基準財政需要額のほうが断然多いと思うのですよ、事業としても大きいし、あとは個人が何人来るか分かりませんと。それで、基準財政需要額は、1,286メートル掛ける幅16メートルの道路を造ったとしても、170万円だと。それで、先ほどの式に当てはめると、基準財政需要額が170万円増えるけれども、基準財政収入額が1億5,000万円あそこに組み込まれるので、トータルで考えると、5,170万円だということだと思うのです。
あとは、個人の単位が端数的には増えるかもしれないですけれども、私が言いたいのは、実質的歳入は2億円といっても、ここまで追求して考えていくと、やっぱり5,170万円、プラス都市公園を造ったらちょろちょろみたいな、5,000万円かちょっと、それが今、推測できるというマックスで掘り下げられるところだと思うのですよ。ここの数字は大事ですよ。
それと、別な面で、本市には、企業誘致するための奨励や優遇措置というものがあって、長い名前の条例なのですけれども、そういう優遇措置の条例があって、固定資産税及び都市計画税の課税免除の要件には、投下資本額の総額が3億円以上であることや、その対象が製造業または情報通信業であることが条件として定められております。
そこで、この課税免除の期間はどのくらいですかという質問を、まず年数だけでいいので、この条例の長い名前とかは要りませんので、課税免除の期間だけお答えください。よろしくお願いします。
132
◯小菅基司議長【89頁】 はだの魅力づくり担当部長。
133 ◯磯崎篤はだの魅力づくり担当部長【89頁】 私からは、条例の適用期間ということでございますが、適用期間は4年間でございます。
以上でございます。
134
◯小菅基司議長【89頁】 伊藤大輔議員。
135 ◯2番伊藤大輔議員【89頁】 次に、今回の企業誘致における業務代行者は、物流企業の誘致にたけた業者であると聞いているのです。
仮に、物流企業が本市に来る場合、この奨励措置の適用範囲を物流業まで拡大すべく、条例の一部改正の可能性などはあるのでしょうか。よろしくお願いします。
136
◯小菅基司議長【89頁】 はだの魅力づくり担当部長。
137 ◯磯崎篤はだの魅力づくり担当部長【89頁】 現状の条例を改正するかどうかという御質問だと思います。
現在の条例ですと、御指摘のとおり、運送業等は該当いたしません。今後、土地区画整理事業の進ちょくを踏まえまして、条例等の改正を検討していきたいと思っております。
また、現状の条例ですと、戸川地区の産業利用促進ゾーンにつきましても、指定区域に指定されておりませんので、その辺も含めて検討する必要があると考えております。企業が立地選定時に重視する要素は、用地価格、交通アクセス、取引先や市場との近接性等が挙げられます。
今後、新東名高速道路の全線開通、令和5年度末には、戸川地区の市街化区域への編入を目指しているところでございます。この好機を最大限に生かし、本市への企業立地を促進し、企業活動をさらなる地域経済の成長につなげていくため、条例を時代に即した、より魅力ある制度にすることも、併せて検討してまいります。
以上でございます。
138
◯小菅基司議長【89頁】 伊藤大輔議員。
139 ◯2番伊藤大輔議員【89頁】 もう少し具体的にお伺いしたいのですけれども、物流業、運送業が来たときに、この条例の適用範囲を拡大するおつもりはありますか。今のところ、可能性は大きいという認識でよろしいでしょうか。よろしくお願いします。
140
◯小菅基司議長【89頁】 はだの魅力づくり担当部長。
141 ◯磯崎篤はだの魅力づくり担当部長【89頁】 先ほどと同じような御回答になると思いますが、時代に即した、状況に即した条例にしていくよう検討をしていくというところで、それ以上のお答えをすることはできないと思っています。
以上です。
142
◯小菅基司議長【89頁】 伊藤大輔議員。
143 ◯2番伊藤大輔議員【90頁】 では、別の角度からいくと、本来、この条例の適用範囲を決めたのは、製造業と情報通信業ですよね。これは、本市に何らかのメリットがあったのですよ、かつては。私は、かつてはという立場ですよ。雇用や市内の下請業者にトリクルダウンだったり、雇用だったりと、かつてはメリットがあったから、この条例をつくって、本市は適用してきたのですよ。しかし、その適用範囲が時代に合わないとか、この物流企業まで拡大したときに、本市にとってメリットは、具体的に何か残るのですか。当時、物流業を入れなかったのは、やっぱり物流業というのは、あんまり本市にとってメリットがなかったからであって、だから、製造業と情報通信業に絞って、この条例をつくってきたのであって、その条例範囲を物流業まで拡大するということは、うちにとってメリットが残らないということにならないでしょうか、よろしくお願いします。
144
◯小菅基司議長【90頁】 はだの魅力づくり担当部長。
145 ◯磯崎篤はだの魅力づくり担当部長【90頁】 倉庫業、運送業を当時、条例をつくった際、また、条例を一部改正した際に参入しなかったということは、メリットがないということではなくて、製造業につきましては、多くの雇用を生むということでございます。これは、今年3月に八尋議員に御答弁させていただいた内容でございます。その繰り返しになりますが、ここは整理をさせていただきたいと思いますので、あえてもう一度御答弁させていただきます。
令和元年度に、企業立地に係る経済波及効果の調査をしております。そこでは、立地の前提条件や業種の想定を仮に設定した上で、市内の産業等に与える影響を把握するため、企業が立地する際に発生する建設、設備投資による操業前効果と、企業の立地後、毎年の操業により発生する生産の増加による効果や新たに生み出される雇用の誘発効果について、産業連関表を用いて推計をしております。
この試算に当たっては、製造業が多く立地した1つ目のパターン、運送業が多く立地した2つ目のパターン、製造業と運送業がバランスよく立地した3つ目のパターン、この3パターンに分けて試算をしてお答えをしております。
これによりますと、製造業が多く立地した1つ目のパターンの効果額は、建設時に約154億円、操業後が毎年521億円と推計され、これに伴う雇用誘発につながる業務量として、建設時に約1,100人程度、それから、操業後に2,000人程度の業務量が発生すると推計しております。
次に、運送業が多く立地した2つ目のパターンの効果額は、建設時に約285億円、操業後、毎年187億円と推計され、これに伴う雇用誘発につながる業務量として、建設時に2,700人程度、操業時に900人程度の業務量が発生すると推計され、運送業の立地は、建設時の効果が高くなり、製造業の立地は、操業後の効果が高くなるという結果になっております。
最後に、製造業、運送業をバランスよく立地した3つ目のパターンの効果額は、建設時に232億円、操業後が毎年354億円と推計され、これに伴う雇用誘発につながる業務量として、建設時に2,100人程度、操業時に1,700人程度の業務量が発生すると推計されております。
この試算の額や業務量については、仮置きした前提条件や業務の想定により結果が異なりますし、推計に用いた産業連関表も、例えば、雇用関係は2011年のデータを基にしております。また、新型コロナウイルス感染症発生以前に行われた調査であるということで、あくまでも試算として御理解をいただきたいと思います。
この結果を基に、今後、条例等も含めて検討してまいりたいと考えております。
以上です。
146
◯小菅基司議長【90頁】 伊藤大輔議員。
147 ◯2番伊藤大輔議員【90頁】 この話は、八尋議員の前回、前々回ぐらいに出ていた話であって、今は膨大な量の原稿を浴びせられたと、結構貴重な時間だったのですけれども、お答えは、聞いていない製造業の話までされて、結構時間を使われてしまったという私の印象です。
私が簡単に聞きたいのは、4年間の課税免除までして物流業を誘致するメリットは本市にあるのですかと。先ほど言った、製造業が来た場合、1,100億円だとか、物流業が来たら285億円で、操業時は187億円だと、これは全部税収ではないのですよね。税収ベースの考えではなく、最初にそこの企業が来たときに、現地でお弁当を買って、そういった費用も全部含まれて、そういった額の試算なので、この数字が、そこの試算となった元の場所が東京都内で行われたのか、本市で行われたのか、その辺の条件とかも一切そろっておらず、この試算というのは、私はあまり当てにならないと思っています。
もうさせませんよ、もう時間もありませんので。
それで、ここまでして、私が今日、この件に関して言いたかったのは、例えば、今後10年間の税収効果を考えた場合、まず、一番最初として、執行部のはじき出した数字をやみくもに、そのまま信じてしまった場合は、2億円掛ける10年間、20億円の税収効果がありますと考えるのですね。皆さんそうだと思います。それに対して、実質的な歳入と一歩踏み込んでいくと、この最初の4年間は、先ほどの御答弁だと、物流業でも時代に合わせたように、前向きに対応していきたいというお答えだと私は受け取ったので、最初の4年間課税免除しますと、税収ゼロですと。残りの6年間は、5,000万円プラス5,170万円掛ける6年間で、約3億円ですと。今後、10年間の税収を考える際に、20億円の税収があるかと考えるのと、3億円の税収があると考えるのと、ここの数字を見ずして、この数字を理解しないで、何で賛成ができるのですかという話なのです、まず1個は。
それを申し上げて、あとは理論的なことに行きたいのですけれども、残り時間も少なくなってきたので、今日は行けるところまでいきますと。次の資料、10番を見てください。
これは、基準財政収入額と基準財政需要額の推移です。本市の結構長いスパンです。
次を見てください。これは、収入額というものが減ってきて、本市の標準的なサービスを維持するために必要な前年度の実績に対して算定される基準財政収入額が下がってきている。それに対して、机上の算定値である基準財政需要額は、上がっていって、この差が広がっているのです。これが本市が地方交付税が増えてきた理由なのですよ。
それで、これは、すぐ財政力指数に跳ね返ってきていて、財政力指数というのは、この計算式で求められますと。それで、長いスパンで見ると徐々に下がってきていますと。本市は、12年前ぐらいまでは財政力指数1を超えていたのですよね、たかが12年前ぐらい。私は、本市の財政的目標として、ここを目指すべきだと思っているのですよ。この財政力指数1を超えたという状態は、税収入が増えたとしても、75%基準財政収入額に組み込まれるということがないので、それはそのまま本市の収入につながって、私は職員のやる気にもつながってくると思うのですよ。
次の表、これは普通建設事業費と義務的経費の経年推移です。少子高齢化のおかげで、義務的経費、扶助費だとか人件費というものが右肩上がりに増えていって、それとともに、投資的経費、普通建設事業費は下がってきますと。これはバブルの頃と比べても4分の1の額ですと。これは昔を知っている議員とか、執行部の方とか、市長世代の職員の方々は、寂しいのだと思うのですよ。投資的経費というのが下がってきて、4分の1になりましたと。だけれども、2009年から直近12年ぐらいで見たときには、先ほどのグラフから書き出したものですが、やっぱりやや右肩上がり傾向にあると。私は、やっぱりここに注目しているというか、ここが何で右肩上がりに増えているのだという話をするのですね。本市は箱物は造らないとか、公共施設再配置計画を結構全国の自治体に先駆けて宣言した自治体ではあるのに、ここが何で右肩上がりなのかと。
時代は、成長型社会から成熟型社会へ移行しているわけだから、やっぱり時代に即したやり方を考えていかなければいけないと思うのですよ。具体的に言ったら、これまでの土木型投資的、経費的財政から、環境・福祉・教育型財政への転換ですよね。バブル崩壊までは、自治体の財政運営まで、上下水道だとか、道路だとか、学校だとか、保育園などのハードの都市建設を行うために投資的経費を生み出すことを中心にやってきたのです。しかし、バブル崩壊後は、少子高齢化で、環境、社会教育、地域福祉、子育てなど、人に焦点を当てたソフトの行政サービスへの需要が高まっているのです。
私が言いたいのは、先ほどのグラフでいったら、義務的経費が増えていくのは当然ですと、社会構造を考えて。それなのに、義務的経費ばっかり抑えようとするのは、間違っているのではないかということを私は今日、言いたいのです。
それというのは、義務的経費ばっかり抑えようとしていますと。それで、過去の投資的経費は4分の1に下がったのだけれども、そこに対して過去の成功とか、いろいろやってきたことに対して未練だとか、寂しいみたいな気持ちがあるので、直近で見ると、投資的経費はやや上がっている。これでも、義務的経費が増えていくというのは当然だと思ったら、投資的経費は増やせないのではないかというのが1個、財政の考え方としてあると思うのですよ。
もう時間がなくて、はしょってしまいますが、これは予算のつくり方なのですね。私は、市長と真っ向から反対なのですよね、基本的には。一政治家として考え方が。私はハードからソフトへ、人に焦点を当てたソフト政策をやっていくべきだと。ただ、先日の文教福祉分科会で内田副市長に提案をしたのですけれども、小児医療費の18歳までの完全無償化はどうですかと。やっぱり予算がございませんとなるのです。
それはどういうことかと私は考えたのですよね。そうすると、行き着いたのは、次の図です。これは、総括質疑の市長の答えにもあったのですけれども、歳入ありきの考え方だと思うのですよ。この歳入から、先ほど政策部長もおっしゃったように、義務的経費と、リーディングプロジェクトに結びつけられた投資的経費を引くので、残りの業務運営費、ここで回していこうと。これは大野委員からの質問があったのですけれども、業務運営費は、今年プラス19億円になりましたと。それだったら、もう新しい事業は受け付けませんよと、それは内田副市長、それほど大した理由も語らず、予算がございませんという話になりますよね。これは、実は構造的な問題なのではないかと考えたのです。
それで、これをどうやって変えていったらいいかと思ったら、次の考えなのですけれども、ちょっとはしょります。歳入ありきの考え方ではなく、歳入ありきの考え方は、家計の原則です。これは前にここの議会でも一度話させていただきました。やっぱり歳出中心に、必要なことは本当にやっていく、借金してでもやっていく、建設債があるように、子供は未来への投資ですよ。だから、子供債というものをつくって、それで、子育て政策というものを今、移住・定住のブームと一緒に二階建てでやっていく必要というのがあるのではないかと思っているのです。
とにかく今、全国的にブームですよね、学校の無償化、保育料、小児医療費、全国的にどこの自治体も男気を問われて、競わされているみたいな。これは、戦略なしに参加しても、ラットレースですよと。私が言いたいのは、きちんと戦略を持って本市はそれに臨むべきなのではないか。本市というのは、兵庫県明石市などの参考事例を参考にして、子育てに向いているという政策にかじを切れば、今からやろうとしている移住・定住政策と、子供の国秦野ですよ、子供の環境だとか、教育の環境、私は、移住には目玉が必要だとして、上小学校にオルタナティブ教育を導入するとか、いろいろと言ってきたのですけれども、二階建てという考え方で戦略を持って、無償化のブームというものに今後、対応していくべきだと思っているのですけれども、一言どうでしょうか。
148
◯小菅基司議長【93頁】 政策部長。
149 ◯石原学政策部長【93頁】 今後の取組につきましては、先ほどお答えしましたとおり、令和7年度までは、総合計画はだの2030プランに、各種、市の都市像、目指すべき姿、それを達成するために、様々な施策が盛り込まれております。それぞれの施策というものも、秦野の豊かな自然と地下水、そして、恵まれた交通アクセス、こういったものを生かしながら、それぞれ具体的な施策、そして、毎年度の予算編成の中で、最も安価で効率的なやり方を探りながら、進めていくということでございます。
ハードからソフト、例えば、収支比率などを見ても、そういった状況は、本市のみならず、全国的な状況であります。そうならざるを得ない部分がございますが、より効果的な人口減少抑制策、あるいは、地域経済活性化策を今後も講じていきたいと、このように考えております。
以上です。
150
◯小菅基司議長【93頁】 伊藤大輔議員。
151 ◯2番伊藤大輔議員【93頁】 最後に、使用料と手数料について、令和元年度に行われた保育料の改定について触れながら、最後、ちょっとクライマックスに持っていきたかったのですけれども、時間もないので。
今日、私が一貫して言ってきたのは、自主財源をこれからもキープしていくには、生産年齢人口の確保というのは、それなりにキーになっていて、それは本市にとっての移住・定住政策です。それは、本市も3年前と比べて、ぼちぼち移住・定住政策に力を入れてきている。
今日、私が言ったのは、移住・定住政策だけではなく、子育て政策も併せて二階建てでやるべきだと、それについての御意見が欲しかったのですけれども、でも、こっちをやろうとすると、ばらばらに考えていくと、やっぱり予算がございませんとなるのですよ、内田副市長は。予算がございませんとなるのです。そうではなく、これをセットで考えて、同時進行的にやっていく。
それは具体的にどうかというと、先ほどの予算の考えでいったら、予算をまず取る際に、そのリーディングプロジェクトに移住・定住政策というものを組み込む必要があるのではないかと私は思っています。予算を確保する構造上の問題です。具体的にどうですか。移住・定住政策をリーディングプロジェクトに組み込む必要が今、政策の転換を図る必要があるのではないかと思っているのです。どうでしょうか。
152
◯小菅基司議長【93頁】 政策部長。
153 ◯石原学政策部長【93頁】 先ほど申し上げました、総合計画はだの2030プランの中には、当然、表丹沢魅力づくり構想、4駅のにぎわい創造等、大きな施策があります。そういったものは、予算づけをするときに、優先的に予算を措置するような予算編成方針を策定しまして、そのような予算編成をしているといったところでございます。
以上です。
154
◯小菅基司議長【93頁】 伊藤大輔議員。
155 ◯2番伊藤大輔議員【93頁】 例えば、表丹沢魅力づくり構想ですが、自主財源のキープという観点で、どのように貢献していくのでしょうか。よろしくお願いします。
156
◯小菅基司議長【93頁】 政策部長。
157 ◯石原学政策部長【93頁】 表丹沢魅力づくり構想は、本市が生かせる資源を十分活用して、人口減少抑制、そして、交流人口、関係人口の増、そういったものが、将来的には定住人口の増にもつながってくるであろうと、そのように考えております。
以上です。
158
◯小菅基司議長【94頁】 伊藤大輔議員。
159 ◯2番伊藤大輔議員【94頁】 間接的なのですね。まずは、本市に交流人口で魅力を感じていただいて、その後に住んでもらう、そういう二段構えだと解釈してもよろしいでしょうか。どうですか。
160
◯小菅基司議長【94頁】 政策部長。
161 ◯石原学政策部長【94頁】 はだの丹沢ライフ応援事業のように、直接的な移住・定住策もございますし、そのほか、交流人口、関係人口を通じて、将来的な定住人口の増につなげるといったものもございます。
以上です。
162
◯小菅基司議長【94頁】 伊藤大輔議員。
163 ◯2番伊藤大輔議員【94頁】 間接的とはいえ、市長がやろうとしている観光や企業誘致というのは、あくまで外部に頼った、税収でいったら、法人市民税を増やしていく。もちろん、交流人口、地域経済の好循環みたいなものはあるのですけれども、私はそんな曖昧なものではなく、もっと政策として、財政的な数値目標を踏まえた上で、きちんと自分の政策を語る必要があると思っているのですよ。
最後に、市長になのですけれども、最後は、市長がおっしゃっている4駅のにぎわいだということは、財政的な裏づけがどのぐらいあると思っているのかということと、もう一つ、今、コロナという追い風が吹く中で、政策を転換するべきときなのではないか。この2点について、軽く触れながらでもいいので、お答えいただければと思います。よろしくお願いします。
これは、結構リーディングプロジェクト、市長が決めたことだと思うのですね。私が今日、一貫して言いたかったのは、みんな縦割り行政なので、それぞれ頑張っているのです。保育料の改定にしたって、財源が少ない中、取れるものを取って、ほかのものに生かそうとしている。ただ、全体のビジョンとしての方向性が本市はないので、そこをもう少し作戦を持ってやっていったらいいのではないかと。それはやっぱり市長のリーダーシップでしょうと。最後に一言、お答えいただけないでしょうか。よろしくお願いします。
164
◯小菅基司議長【94頁】 政策部長。
165 ◯石原学政策部長【94頁】 施策の財政的な裏づけについてだけ、私のほうからお答えさせていただきます。
先ほどから総合計画はだの2030プランというお話をさせていただいておりますが、それを策定するに当たっては、財政推計を行いまして、それに加えて、各種施策を実施するのに不足する財源については、行革プランでその効果額を捻出しながらプランを策定したというところでございます。したがいまして、財政的な裏づけを持った計画となってございます。
以上です。
166
◯小菅基司議長【94頁】 伊藤大輔議員。
167 ◯2番伊藤大輔議員【94頁】 今日、お見せした本市の市税収入の推移と、兵庫県明石市、これは市長、5年目に入って、そろそろ結果が問われる時期だと思うのですよ。私は、やっぱり4年とか5年やって、結果を出せなかった人は、やっぱり6年目に劇的に結果が出せるとは思っていないと。変えられる人は、1年目から何かを変えていますと。
今、こうやって結果が出ていない状態だから、今こそ政策の転換、結果が出てこなかったのですよね、今まで市長のこのリーディングプロジェクトに関して、少なくともこの数値上では出ていませんと。そこをしっかり反省して、政策の転換も含めて、移住・定住政策をリーディングプロジェクトに挙げて、本市はやっていくぞという感じでやっていただけたらと思います。
以上で終わります。
168
◯小菅基司議長【94頁】 以上で、伊藤大輔議員の一般質問を終わります。
暫時休憩いたします。
午後 0時04分 休憩
─────────────────────────────────────────────
午後 1時03分 再開
169
◯小菅基司議長【95頁】 再開いたします。
休憩前に引き続き、「一般質問」を行います。
福森真司議員。
〔福森真司議員登壇〕
170 ◯12番福森真司議員【95頁】 創和会の福森真司でございます。ただいま小菅議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問を行わせていただきます。
それでは、大項目の1、コロナ禍における救急業務について。
まず、救急出動の現状について、お伺いします。新型感染症の感染拡大が始まってから約2年半が経過しました。この間、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの対処が図られてきましたが、その猛威は依然として収束には至っておりません。報道によりますと、現在の第7波では、各地で新規感染者が過去最大となる中、新型感染症に加え、お彼岸も過ぎ少し秋らしくなりましたが、今年は連日の猛暑などの影響によりまして、救急出動が非常に多くなっていると伺っております。
そのような中、世間では、ウイズコロナの風潮が少しずつ高まっているところではありますが、救急需要の増加は、医療機関や救急隊の業務の負担が増すことにより、救急患者の受入先がすぐに決まらない、搬送が困難な事例が多くなるなどを懸念しております。なかなか出口が見えない中、今後、また新規感染者が増えますと、これまでに経験したことのない対応も必要になるのではないかと思うところでございます。
そこで、本市の救急出動の現状はどのようか、お伺いさせていただきます。
次に、派遣型救急ワークステーションの運用について、お伺いいたします。令和2年10月から秦野赤十字病院において、感染防止対策を徹底しながら救急ワークステーションを運用していただいておりますが、このようなコロナ禍においても、市民の生命・身体を守る上で、特に一刻を争う救急医療の現場では、搬送されてくる患者さんの対応だけでなく、その機動力を発揮して、医師や看護師が救急隊と共に現場に向かい、早期医療の介入による救命率の向上や後遺症の軽減につなげることは、とても重要であると考えております。こうした中、全国的には、発熱外来は逼迫し、救急診療も悲鳴を上げている状態だとされております。
そこで、お伺いします。現在の派遣型救急ワークステーションはどのように運用されているのか、お伺いさせていただきます。
次に、大項目の2、防災・減災対策について、お伺いいたします。
今年6月下旬から7月上旬は記録的な高温となり、その後、8月中旬にかけては、各地で記録的な降水量を観測する大雨となりました。特に8月1日から6日にかけては、前線の影響により、北海道や東北、北陸地方を中心に大雨となり、複数の地点におきまして、24時間降水量が観測史上1位の値を更新しております。
また、8月3日には、東北地方で初めて顕著な大雨に関する情報が発表され、線状降水帯と呼ばれる、非常に発達した雨雲の帯がかかり続け、橋の崩落や河川の氾濫といった被害が多発しました。
さらに、先週、日本列島を縦断し、大雨や暴風などの影響をもたらした台風14号は、一時、最大風速54メートルを超える猛烈な強さに発達するなど、海水温の上昇などの影響により、風水害はますます激甚化しております。
本市でも、近年は台風による被害より、短い時間で狭い範囲に、非常に強い雨を降らす局地的豪雨の浸水被害が増えているように感じております。本市では、このような避難判断が難しい風水害や、大規模地震時の市民の確実な避難行動を最大限支援するため、本年7月1日から、秦野市総合防災情報システムの運用を開始されました。
私も、台風8号、14号、そして、先般の15号が来た際には、自分のスマートフォンから操作をしてみました。緊急情報メールとともに連動し、避難情報の発令に際し、地図上の対象地域を色づけて分かりやすく表示され、河川水位情報や通行止めの情報など、市民が災害時に必要な情報が見やすく掲載されていると感じました。今後も、協働で開発された市内企業と連携していただき、より扱いやすい、また、見やすいシステムに構築していただきたいと思いますが、運用を開始されてから2か月が経過いたしました。現在の運用状況はどのようか、お伺いをさせていただきます。
次に、大項目の3、ふるさと納税について、お伺いをさせていただきます。
応援したい自治体に寄附をすると、住民税などが軽減されるふるさと納税でございますが、県と県内33市町村への昨年度の寄附額は155億204万円、前年度比27億6,676万円増。県民が他自治体に寄附することによる本年度の住民税控除額(流出額)につきましては、595億4,692万円、同142億522万円増と、ともに過去最高額を更新したとの結果が出ております。
ふるさと納税をめぐる全国的な返礼品競争は、依然として続いておりますが、県内では、23市で寄附の受入額が増え、中でも、ビールや高級化粧品の返礼品が人気で、受入額3年連続トップは南足柄市でございます。
また、箱根町や湯河原町では、宿泊泊券の返礼品が人気があり、また、ワイヤレスイヤホン、キーボードなどの電子機器を取り扱う自治体につきましても、需要が集まったとの結果が出ております。中には、市独自の特設サイトを設置し、受入額を増やした自治体もございました。
一方で、体験型やイベントチケットなどの返礼品が多い自治体などは、受入額が低調で、これは、新型コロナウイルス感染症拡大による旅行や外出の自粛が響いたとのことで、気になる本市の受入額につきましては、県内14位との結果が出ております。
以上のことを踏まえて、改めて質問をさせていただきます。
ふるさと納税については、本市が2014年度から本格的に事業に取り組み始めて、今年度で9年が経過いたします。当時と比較いたしますと、寄附件数は、88件から約150倍の1万3,370件となり、寄附額は、約330万円から約100倍の3億1,000万円になっております。このふるさと納税の制度は、2008年から始まったと記憶しておりますが、2011年に、東日本大震災の災害支援の1つの形として注目を浴び、その後、2012年には、ふるさとチョイス、2014年には、ふるなび、さとふるといった、複数のふるさと納税サイトの開設に加え、メディア等の発信により、急速に世間一般への認知が広がっていったこともありますが、何より本市の寄附件数が約150倍になったのは、本市の担当職員の皆様と事業者の方々の尽力のたまものではないかと思います。
コロナ禍で財政状況が厳しい状況では、ふるさと寄附金は、億単位の貴重な税外収入を獲得できる事業ということで、これまでも代表質問、一般質問等、あらゆる機会を通じて質疑をさせていただいております。
そこで、まずは、令和3年度の寄附実績及び返礼品の傾向など、分析結果についてお伺いをさせていただきます。
また、集まった寄附金は、まちづくりにおける多くの事業に充てられていると思いますが、どのような事業に充てられているのか、お伺いをさせていただきます。
以上、御答弁のほどよろしくお願いいたします。二次質問以降につきましては、質問者席にて行わせていただきます。
〔福森真司議員降壇〕
171
◯小菅基司議長【97頁】 消防長。
172 ◯杉田佳一消防長【97頁】 御質問大項目の1、コロナ禍における救急業務について、お答えします。
まず、1点目、救急出動の現状については、新型感染症が蔓延する以前の令和元年の救急出動件数は8,399件、令和2年は、新型感染症の感染拡大に伴い、感染対策の徹底や不要不急の外出自粛といった市民の行動変容による要因等から、7,716件と減少しましたが、令和3年は、行動制限の緩和等もあり、8,314件と再び増加に転じています。令和4年は、本格的な暑さを迎えた6月下旬頃から、猛暑により体調不良を訴える救急要請と併せて、7月は、新型感染症の第7波による感染拡大の影響から、救急出動件数としては統計上過去最高の1,018件、8月は、過去2番目の記録となる967件の救急出動がありました。
また、同様のコロナ禍であった、令和3年1月から8月までの救急出動件数は5,459件、令和4年の同時期の救急出動件数は6,564件で、件数では1,105件、増減率は20.2%の増加となり、極めて出動が多かったことがうかがえます。
出動時間については、119番通報を受信し、救急出動してから帰署するまでの1件当たりの平均出動時間については、令和元年が約74分であったのに対し、令和4年の8月末日までが約81分となり、新型感染症が蔓延する以前より、平均で約7分増加しています。
このように、増え続ける救急出動に当たり、新型感染症対策は、危機管理上重大な課題であるとの認識の下、保健所をはじめ、各医療機関との連携強化、職員の感染予防対策、健康管理の徹底を図りながら、救急活動体制の維持に努めています。
今後も、新型感染症の感染拡大傾向を的確に捉え、救急業務へ影響が出ないように、引き続き、しっかりとした対応をいたします。
次に、2点目、派遣型救急ワークステーションの運用についてですが、早期医療の介入による救命率の向上と後遺症の軽減を図ることを目的として、秦野赤十字病院に救急車と救急隊を派遣し、重症傷病者の救急要請に対して、医師や看護師が救急車に同乗して出動するものです。救急隊員は、知識や技術の向上を図るため、病院内や救急現場で医師から直接指導を受け、研修を併せて実施しているものです。
この救急ワークステーションの運用は、令和2年10月から週3日、東海大学医学部付属病院から秦野赤十字病院へ救急科専門医を派遣していただき、開始いたしました。令和3年4月からは、東海大学医学部付属病院の派遣医師が増員されたことにより、運用日は月曜日から木曜日までの週4日となっております。
令和4年中、これまでの運用実績は、新型感染症による影響で、1月下旬から3月中旬まで中断しておりましたが、8月末日までで、延べ96日、救急隊員延べ288人を派遣し、救急ワークステーション隊が出動した件数は、122件となっております。この運用を支える市内での救急医療の体制は、本年4月から秦野赤十字病院の救急科に常勤医師がさらに1人増員されたことにより、救急ワークステーションにおける救急患者の病院への収容強化が図られたところです。
さらに、119番通報の内容で緊急性を判断し、医師と看護師が救急車で出動する医師同乗出動判断基準の見直しを図りました。この経緯については、毎月1回、医師、看護師、救急隊員によるワークステーション検討会を開催し、ここで提案された意見を基に課題を集約し、検討した結果、これまで3回の改定を行っているものです。
これまでの主な改定内容については、119番通報受信時に、通報内容から息苦しさ等の内容で、アレルギーなどのショック症状が見られた場合や、自宅等で分娩が始まっている場合に出動することや、他の救急隊への出動指令内容から、医師の早期介入が必要と判断した場合に、速やかに出動する体制を新たに追加しました。
医師同乗出動判断基準の改定後の成果としましては、アレルギーなどによるショック症状に対する出動が4件あり、その中でも、救急ワークステーションの医師により救急隊員が投与することのできない薬剤を投与しながら、医療機関へ搬送し、救急車内において症状が劇的に改善した早期医療介入の効果的な成果が現れた事例もありました。このように、傷病者への医療介入がスムーズに行われるようになりました。
今後も、積極的な救急ワークステーションの運用により、救命率の向上やさらなる地域医療体制の強化を図ってまいります。
以上でございます。
173
◯小菅基司議長【98頁】 くらし安心部長。
174 ◯青木裕一くらし安心部長【98頁】 私からは、御質問の大項目の2点目、防災・減災対策について、お答えをいたします。
災害発生時の市民一人一人に合った避難行動を支援するため、被害状況や避難所の混雑状況、道路の通行止め等の災害情報をウェブ上で公開する秦野市総合防災情報システムの運用を本年7月1日から開始いたしました。既に、運用開始から間もなく3か月が経過いたしますが、先週末の台風15号を含めまして、これまで10回、台風や局地的豪雨の発生に合わせシステムを稼働しており、台風接近に伴う注意喚起や道路の通行止め、停電情報や河川の水位警戒情報等をお知らせページや地図上に表示するなど、住民への周知を行いました。
また、災害対応を行う建設部や消防本部等とのシステムを活用した、効果的な災害情報の共有や事務の効率化を図ることができ、庁内連携による災害対応にも効果を発揮しています。幸い、システムの導入後、人的被害や避難所を開設するような事案は発生しておりませんが、8月末までの2か月間で、システムへの総アクセス件数は1万7,363件に上り、さらに、今月の中旬、九州地方に甚大な被害をもたらし、本州付近を北上しました台風14号では、9月17日からの4日間で2,472件のアクセスがあり、市民の認知度も向上していると感じております。
今後も、災害発生時のシステム運用を踏まえたシステムの検証と改善を継続的に事業者と行い、より効果的なシステムの運用ができるよう、努めてまいります。
以上となります。
175
◯小菅基司議長【98頁】 総務部長。
176
◯正岡義海総務部長【98頁】 私からは、御質問の3点目、ふるさと納税について、お答えをいたします。
まず、令和3年度の寄附実績でございますけれども、先ほど議員から御紹介をいただいたとおり、寄附件数では1万3,370件、寄附額では約3億1,382万円となりまして、令和2年度と比較して、件数では2,195件、寄附額では約6,862万円の増加となりました。
増加の要因といたしましては、楽天ふるさと納税など、新たな契約によります計7つのポータルサイトから寄附が可能になったこと、また、秦野市の紹介や寄附金の活用事例などを掲載したパンフレットの作成、さらに、『日経トレンディ』などの経済情報雑誌への掲載のほか、地域情報サイト・レアリアに本市のふるさと納税特設サイトを開設したことによりまして、寄附者の方の目に触れる機会が増えたことが考えられます。
パンフレットにつきましては、令和3年度に初めて作成いたしまして、寄附者がふるさと納税の寄附の検討を始める10月に、前年度の寄附者の皆様に御送付したことで、リピーターの確保に結びついたものと考えております。
そのほか、秦野市公式LINEによる返礼品に関する情報発信や、インターネットをあまり活用しない中高年世代に向けて、読売新聞や朝日新聞に折り込み広告を行うなど、様々な手段による情報発信などが、新規寄附者の獲得につながったものと考えております。
また、令和3年度の返礼品に関する傾向といたしましては、令和2年度では、新型感染症の影響により落ち込んだ旅行、体験型等の返礼品に対する寄附が回復するとともに、巣籠もり需要によるパンなどの加工食品への寄附が引き続き多かったこと、これが寄附の増加につながったものと考えております。
次に、寄附金をどのような事業に充てているのかという御質問ですが、頂いた寄附金は、本市のまちづくりに役立てることを目的に設置されております秦野市ふるさと基金に積み立てられております。そして、寄附をいただく際に、どのようなまちづくりに役立ててもらいたいか、例えば、「子育て支援、充実」や「地下水、湧水の保全」など、「指定なし」も含めまして、10項目から選択できるようになっておりますので、翌年度以降、寄附者の思いを踏まえまして、庁内調整後に使い道を決める仕組みになってございます。
令和3年度の具体的な事業といたしましては、給食施設の維持管理事業や公園施設の維持管理事業など、17事業に活用させていただいております。
以上でございます。
177
◯小菅基司議長【99頁】 福森真司議員。
178 ◯12番福森真司議員【99頁】 それぞれ御答弁、ありがとうございました。それでは、まずは、コロナ禍における救急業務につきまして、再度、質問をさせていただきます。
救急出動件数につきましては、新型感染症の感染拡大により増加しており、救急業務における負担も大きくなっていると思います。そうした中で、さらに猛暑等の影響により、熱中症と新型感染症の症状の区別がしにくいなど、救急隊員の皆様は本当に御苦労をされていると思うところでございます。また、救急ワークステーションにつきましても、着実に運用していただいていることにより、市民の安全・安心に尽力されていることに、感謝を申し上げる次第でございます。
そこで、再度の質問になりますが、先ほどの御答弁の中で、救急出動が7月に、一月の件数で過去最高を更新したとのことでございましたが、今後、ウイルスが変化を続け、人への感染力を高め、第8波などの襲来も懸念される中で、今まで以上に救急需要が増加し、本市にある救急隊全てが出動してしまい、さらなる救急要請が入って、救急隊が足りなくなることや、救急隊員が新型感染症にかかり、業務の継続に支障を来すおそれがあるといった不測の事態も考えられますが、そのような場合、どのような対応を図っていくのか、お伺いをさせていただきます。
179
◯小菅基司議長【99頁】 消防長。
180 ◯杉田佳一消防長【99頁】 救急隊が全隊出動したときの対応及び救急隊員が新型感染症にかかり、救急業務に支障を来したときの対応について、お答えいたします。
まず、秦野市消防本部各署所には、常時6隊の救急隊を配置しています。全ての救急隊が出動し、さらに救急要請があった場合には、平日の勤務時間内であれば、消防本部の日勤職員の中から、救急救命士等の資格を有する職員で救急隊を臨時で編成し、非常用救急車を使用して救急出動をしています。
一方、平日の勤務時間外や休日に、6隊の救急隊が全て出動した場合には、消防隊員のうち、救急隊員の資格のある者3人で救急隊を編成する場合や、消防隊を先行出動させ、傷病者の応急処置等の対応を行うこともあります。
このような体制を取りますが、さらに、連続して救急要請があった場合には、近隣市へ、神奈川県下消防相互応援協定に基づき、救急出動の応援要請を行い、状況に応じて、近隣市の救急隊が本市の救急事案へ対応する応援体制が確立されています。
次に、救急隊員が新型感染症にかかり、救急隊が6隊維持できないおそれがある場合は、消防本部では、業務継続計画に基づき、的確かつ円滑な消防業務体制の維持に努めることとなります。この計画では、自宅待機等の療養者の人数に応じて、レベル1から7までの段階的に各課の業務を縮小し、救急業務に対応できるよう示しています。
また、業務継続計画においても、対応が困難となり、消防本部の機能が停止するおそれがある場合は、先ほどの神奈川県下消防相互応援協定により、近隣市に応援部隊の要請を行い、本市の災害への対応を行うこととなっております。幸い、これまでに業務継続計画のレベル対応を図った事象は発生しておりませんが、引き続き、消防職員一人一人が感染予防への自覚を強く持ち、より一層の感染防止対策を図っていくことで、現在の危機に全力で対応していきたいと考えております。
以上でございます。
181
◯小菅基司議長【 100頁】 福森真司議員。
182 ◯12番福森真司議員【 100頁】 御答弁ありがとうございました。
コロナ禍におきまして、救急現場はまさに命の最前線であり、過酷な状況であることは、本当に我々も認識をしているところでございます。現場対応をしていただいている救急隊員の皆様は、常に感染のリスクがあるため、猛暑の中でも、ゴーグルやN95マスク、さらには、感染防止衣を着用して活動しなければならず、自身も熱中症の危険と向かい合いながらの活動であること、さらに、連続した出動や長時間の出動など、新型感染症に伴う出動は、多忙を極めていると拝察をするところでございます。
救急隊や医療機関、また、関係機関の皆様におかれましては、それぞれの職務を遂行される中で、昼夜を問わず新型感染症の感染拡大を防ぐため、本当に御苦労されていると思います。改めて、感謝を申し上げる次第でございます。
医師の派遣につきましては、高橋市長が以前から、東海大学医学部付属病院に継続的に訪問を重ねられ、顔の見える信頼関係を築くなどの取組により、医師の拡充がなされたものと理解をしております。救急医療の充実・強化を図るといった強い思いを実感させていただいています。いまだ収束しない新型感染症への対策、対応もあり、大変な状況でございますが、引き続き、市民の安全・安心のため、万全な救急体制を維持していただきますよう、お願いを申し上げまして、この質問を終わらせていただきます。
次に、防災・減災対策について、再度の質問をさせていただきます。
近年、災害は複雑・多様化しております。今後も、企業や関係部局と連携強化に努めていただき、市民が扱いやすく、本システムを基に、自分で決めた避難行動を促進するようなシステム構築に努めていただきたいと思います。
また、第2回定例月会議の一般質問におきまして、私から、システムの運用開始に伴う高齢者のデジタルデバイド対策について、質問をさせていただきました。その際、くらし安心部長から、「高齢者やスマートフォンの操作が不慣れな方などを対象といたしまして、やさしい防災講習会を開催いたします。」と御答弁をいただきましたが、実施状況はどのようか、お伺いをさせていただきます。
183
◯小菅基司議長【 101頁】 くらし安心部長。
184 ◯青木裕一くらし安心部長【 101頁】 再度の御質問にお答えをします。
総合防災情報システムの運用開始に伴います、やさしい防災講習会の実施結果についてですが、本市では、65歳以上で、スマートフォンの操作が不慣れな方を対象に、7月15日から8月1日にかけて、全ての公民館を会場として、参加者御自身のスマートフォンを使ったシステムの操作方法を学ぶ、やさしい防災講習会を開催いたしました。
コロナ禍での開催となりましたが、参加者には、受付時の検温や健康状態の聞き取り、職員はフェースシールドを着用するなど、感染症対策を徹底しながら、11回の開催で、延べ87人の方に御参加いただき、参加者の平均年齢は74.4歳、最高齢となる92歳の方にも御参加いただきました。
講習会は、防災課の職員に加えまして、防災士の資格や、防災ボランティアとして活動した経験のある秦野市防災アドバイザーの協力も得まして、参加者一人一人の理解度に合わせ、丁寧な操作講習が実施できたことから、参加者からは、これなら私でも操作できるといった、前向きな感想もいただいてございます。
また、現在は、自治会や民生委員等からも操作講習の要望が多数寄せられており、激甚化する災害に、御自身のスマートフォンから確実な防災情報が取得できるよう、引き続き、周知啓発を進めてまいります。
以上となります。
185
◯小菅基司議長【 101頁】 福森真司議員。
186 ◯12番福森真司議員【 101頁】 御答弁、ありがとうございました。
実は、私も8月1日に、南公民館で開催されましたやさしい防災講習会に参加をさせていただいたところでございます。その際、スマートフォンの操作が不慣れな御高齢の方々に、防災課の職員、そして、秦野市防災アドバイザーの方々が本当に寄り添って、分かりやすく丁寧に、親切に教えてくださっていたのが印象的でございました。ぜひ、今後も、高齢者のデジタルデバイド問題の解決に向けて、従来の取組だけではなく、デジタルに関心がない高齢者層にも興味を持ってもらえるような取組も引き続き、お願いしたいと思います。
台風は、例年9月以降になりますと、日本付近を通るようになり、本市にも被害をもたらした令和元年東日本台風も10月に発生しております。令和元年東日本台風の際は、各地で多くの避難者があったようでございます。他市では、避難しても避難所が定員を大きく上回り、他の避難所へ移動しなければならないといった事案が報道されていました。被害を最小限に抑えるためには、市民の方が自らの判断で、適切な避難行動を起こすことも重要になってまいります。
今後、ますます多様化する自然災害から市民の命を守るためには、行政からの避難命令が出たら逃げるという指示待ち型避難ではなく、住民の方々自らが雨量や河川などのリアルタイムな情報に基づく主体的行動型避難をできるようにすることが必要であると、私も考えております。そのため、情報の配信・収集は大変重要なものであり、実災害時に多くの市民が秦野市総合防災情報システムを活用した情報収集や、迅速かつ適切な避難判断が行えるよう、今後もシステムの周知を進めていただくことを要望させていただきまして、この質問を終わらせていただきます。
続きまして、ふるさと納税について、再度の質問をさせていただきます。
令和3年度は、新型感染症の影響から、前年度に落ち込んだ旅行や体験型の返礼品が回復したことや、巣籠もり需要により、引き続き、パンなどの加工食品が多かったことにより、過去最高の寄附金を集めたとのことでございました。
また、本市への寄附者の思いが込められた寄附金が多くの事業に充てられ、本市のまちづくりに生かされているとのことでございます。
そこで、現在、新型感染症の第7波が収まりつつある中で、今年度現時点の寄附状況と昨年度の同時期とを比較し、返礼品の傾向に何か変化があるのか、また、その分析結果を踏まえ、最終的に目標であります4億円を達成するためにどのように取り組まれているのか、お伺いをさせていただきます。
187
◯小菅基司議長【 102頁】 総務部長。
188
◯正岡義海総務部長【 102頁】 再度の御質問にお答えをいたします。
まず、令和4年度の寄附の状況でございますが、令和4年4月から8月末までの寄附件数は、2,503件、寄附金額は約1億894万円となっており、昨年度の同時期の寄附件数2,996件、寄附金額約6,950万円との比較では、寄附件数は493件減少、割合として約16.5%の減少となっておりますけれども、寄附金額は約3,944万円の増加、割合として約56.7%の増加となってございます。
今年度の返礼品の傾向といたしましては、新型感染症に伴います自粛ムードが緩和される中、昨年度に申込みの多かった、巣籠もり需要によるパンなどの加工食品の減少がございます。一方で、昨年11月から返礼品に登録されましたリユースのタブレット端末やノート型パソコンへの寄附の増加が挙げられております。こちらは比較的寄附単価が高く、全国的にもあまり例のない返礼品であることから、大きな注目を集め、人気の返礼品となっているところでございます。
次に、今年度の寄附額4億円の目標を達成するための取組ですけれども、今年度は、国内大手ポータルサイト・ふるさとチョイスで、本市が専用に使える自治体特別PR枠が確保できましたので、こちらを有効に活用し、広く情報発信を行うとともに、引き続き、市公式LINEの活用、また、地域情報サイト・レアリアでの特設ページの開設、そして、『日経トレンディ』では、12月号への掲載、また、大手新聞社の関東一円への新聞折り込みなども実施する予定でございます。
リピーターの確保では、市公式LINEを活用しました情報発信に加え、ふるさと納税のパンフレットを作成しまして、昨年度の寄附者約1万人に対して送付をいたします。そのほか、現在は、主に新聞や雑誌などの紙媒体で行っている広告に代わりまして、インターネット広告等も活用していくことを検討しております。
返礼品の新規開拓では、はだの魅力づくり推進課との連携を図りまして、はだのブランド「みっけもん秦野」の認証品を返礼品として新規に登録していただけるよう、事業者へアプローチをするとともに、既に登録をいただいております事業者とは、情報交換を密に行いまして、新商品の追加や新規事業者の紹介につなげていきたいと考えております。
いずれにいたしましても、様々な手段による情報発信を効果的に活用することで、寄附者にアピールするとともに、魅力ある新たな返礼品の発掘にも力を入れまして、目標の寄附金額4億円が達成できるよう、担当課では全力でふるさと納税、ふるさと寄附金事業に取り組んでいるところでございます。
以上です。
189
◯小菅基司議長【 102頁】 福森真司議員。
190 ◯12番福森真司議員【 102頁】 ありがとうございました。
質問をさせていただくために、総務部長を中心に、担当課の皆様の目標達成に向けた取組に対する意気込みを感じさせていただいておりまして、心強く感じるところでございます。
結果を出すのは本当に難しいことだと思います。昨年度は、過去最高の寄附額ではございましたが、残念ながら、4億円の目標を達成することはできませんでした。今年度は、先ほど御答弁にもございましたが、新型感染症については、巣籠もり需要が一段落したということで、パンなどの加工食品は減少したものの、昨年度、新たに登録をさせていただきました単価の高いリユースタブレット端末・パソコン等の返礼品が人気となり、昨年度を上回るペースで寄附金が寄せられているとのことでございます。
そこで、担当の皆様が頑張っていただいているからこそ、この勢いを落とすことなく、目標である4億円達成のために、私からの提案でございますが、本市に工場があり、リサイクルスマートフォンを取り扱っている事業者がございます。この事業者につきましては、既にリユースパソコン、タブレット端末での尽力をいただいている実績もございます。この会社はリユースのスマートフォンを取り扱っているところでございますけれども、現在、新品のスマートフォンにつきましては、
機種等にもよりますが、20万円を超えるような非常に高額なものもございます。ですので、市場では、手頃な価格で購入できるリユーススマートフォンの需要が高くなっているところでございます。
そこで、スクリーンを御覧いただきたいのですけれども、少し小さいので見にくいですが、一番左が現在、取扱いに成功したふるさと納税の返礼品でございます。上からエクスペリア等、その中でも今年度、一番出ているのがiPad59台、また、312台という結果でございまして、この指標につきましては、1月から8月につきましては、既に実績の中で、納税額5,415万6,000円、846台が出ているということになっております。これはあくまでも指標でございますので、9月から12月につきましては、試算となります。ここから先、ここで提案ではございますけれども、リユーススマートフォンの取扱いに今、取り組んでいるところでございますが、11月をめどに返礼品として取り扱うことができたらというところで、11月から単価を入れさせていただいております。年間の見込み台数が約2,600台で、1億2,300万円という試算が成り立っております。
これも左の一番下にございますが、キャリアスマートフォン、キャリアタブレット端末となっておりまして、3万円ずつになっておりますけれども、これは一番低価格で積算をしております。実際には、この3倍から4倍の金額で、ふるさと納税の返礼品の単価となる予定でございます。
これも実績でございますので、事実でございますが、こういった中で、合計金額が1億2,000万円を超えてくる、これは担当の皆さんのおかげでございます。これを返礼品に登録するためには、当然クリアしなければいけない課題が山積しているところでございます。特に、リユーススマートフォンには大量の個人情報が含まれておりまして、返礼品として取り扱うためには、各種法令等の厳守もちろん、寄附者が何よりも安全・安心に御利用いただかなければなりません。
また、本年6月には、総務省のふるさと納税に係る指定制度の運用と、その運用のQ&Aが改定されたことから、返礼品への登録に向けて、国の定める地場産品基準を満たすかどうかなどの確認も必要となっているところでございます。
これまで、リユースパソコン・タブレット端末を返礼品として取扱いをするまでにも、実は大きな壁がございました。担当課の皆様をはじめ、官民の連携で実現することができ、現在に至っているところでございます。当然、返礼品の開拓には時間もかかりますし、問題もございますが、地元の企業の生産性が上がったり、そのことによって納税額も上がり、また、雇用も生まれるといった好循環も生まれるわけでございます。
そういった中で、その問題をクリアするためには、業者だけの自助努力だけでは解決できないこともございますので、引き続き、官民一体となって、問題点の提起、そして、問題点の解決に取り組んでいただき、今年度は、ぜひとも目標を達成していただきたいと思うところでございます。
そして、目標達成まであと少しとなってきました、この勢いをさらに加速させるためにも、この業務に専念できる環境づくりも重ねてお願いしたいところでございます。
先般、創和会の総括質疑におきまして、高橋市長の御答弁に、コロナ禍も重なり、「中長期的には厳しい財政状況が続くことが見込まれますが、ふるさと秦野を誰もが輝く暮らしよい都市(まち)とするための取組を着実に進める必要があります。そのため、市税はもとより、国や県などの補助金の活用や新たな財源の確保など、歳入を増やす取組を積極的に行った上で、将来の収支見込みを的確に捉えた財政推計に基づき、限りある財源を真に必要な事業に配分してまいります。」と述べていただきましたが、まさに市長のおっしゃるとおりで、財源の確保はマストでございます。市民サービスをさらに向上させていくためには、まさに財源が必要でございます。
その結果、先ほど御答弁いただきましたとおり、子育て支援、充実や地下水・遊水の保全、さらには、給食施設の維持管理事業、公園施設の維持管理、小・中学校のトイレ快適化整備事業などへの投資が実現できるわけでございます。言うはやすく、行うは難しですが、一つ一つの積み重ねでございます。
私も、本市の財源確保に向け、引き続き、全力で取り組み、仕組み、戦略、そして、戦術を考えて、御提案をさせていただきたいと思いますので、今後も寄附に対する分析や研究を続けていただき、本市を応援していただけるよう熱い思いを持ってふるさと寄附金業務に取り組んでいただくことをお願い申し上げるところでございます。
最後になりますが、令和3年度は、ふるさと寄附金が約7,000万円増額するなど、税外収入を増やす取組の成果が着実に現れているところでございます。繰り返しになりますが、金額的には小さくても、自主財源を増やす一つ一つの取組を重ねてこそ、持続可能な行財政運営につながるものであると考えます。
執行部の皆様におかれましては、日頃より、健全な行財政運営に向けて御尽力をいただいていますことに、改めて感謝を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
191
◯小菅基司議長【 104頁】 以上で、福森真司議員の一般質問を終わります。
暫時休憩いたします。
午後 1時47分 休憩
─────────────────────────────────────────────
午後 1時53分 再開
192
◯小菅基司議長【 104頁】 再開いたします。
休憩前に引き続き、「一般質問」を行います。
風間正子議員。
〔風間正子議員登壇〕
193 ◯20番風間正子議員【 104頁】 それでは、小菅議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、3点についてお伺いしたいと思います。
1、フレイル予防について、お伺いいたします。
人生100年時代を生きがいを持って謳歌するためには、誰もが健康で元気に生き生きと暮らせるよう、心身の状態をより健康な状態に近づけていくことが大切です。厚生労働省の発表によりますと、令和元年の平均寿命は、男性81.41歳、女性87.45歳となっており、日本は世界でもトップレベルの長寿国となっております。
しかし、その一方で、同じ年の健康寿命は、男性が72.68歳、女性が75.38歳であり、平均寿命と比較すると、男性では約9年、女性では約12年もの開きがあります。高齢期を自分らしく生き生きと過ごすためには、平均寿命と健康寿命の差を少しでも縮めることが重要です。それには、市民一人一人が自分自身の健康に関心を持ち、健康によい行動を習慣化できるよう、意識啓発を進めていく必要があると考えます。
健康寿命の延伸に関しては、これまでも介護予防や高齢期の嚥下の問題など、様々な角度から質問をさせていただいておりますが、先月24日に「フレイル予防で健康寿命を延ばそう」というテーマで講演会が開催されました。
ここで、スライドを御覧ください。
このスライドは、講演会で使用されたもので、フレイル予防のための3本柱である栄養、運動、社会参加について御紹介したものです。フレイルとは、筋肉や認知機能、社会とのつながりといった、心身の活力が低下した状態をいい、多くの人がこの状態を経て、要介護状態になると考えられます。
こちらのスライドは、筋肉量をチェックする指輪っかテストの様子です。ふくらはぎを両手の親指と人差し指で輪っかをつくるように囲み、囲めない、または、ちょうど囲める場合にはよいのですが、隙間ができている場合は、筋肉量が少なくなっている可能性が高いそうです。当日、私たちも講師の指導で、この指輪っかテストと栄養や運動、社会性に関する11の質問に「はい」と「いいえ」で回答するイレブンチェックも体験いたしました。講師である東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢先生のお話は分かりやすく、とてもためになる内容でした。
そこで、今回の講演会の内容やフレイル予防の必要性について、お伺いいたします。
2、はだの市民活動団体連絡協議会の在り方について、お伺いいたします。
ボランティアの活動は、平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災の被災地での多くの活動や、その後、平成10年に施行された特定非営利活動促進法などにより、市民活動の果たす社会的役割は大きなものになってきました。このような社会的背景を受けて、本市では、平成12年に秦野市市民活動推進検討委員会が設置され、平成13年に、8団体によるはだの市民活動団体連絡協議会、愛称「れんきょう」としてスタートいたしました。これまで環境保護、福祉、教育など、様々な分野で活躍するボランティア団体が横の連絡を取りながら、それぞれの活動の充実と発展を図るために活動されてきたと認識しております。
特に、東日本大震災の被災地への支援を生かして、本市の災害ボランティアセンターの開設、訓練への参加など、本市のボランティアの先駆者となってきましたが、活動をサポートしている市民活動サポートセンターや、はだの市民活動団体連絡協議会の現在の加盟状況や活動状況はいかがでしょうか、お伺いいたします。
3、事業系生ごみの減量について、お伺いいたします。
昨年12月から中学校給食が始まり、地場野菜を豊富に活用するなど、成長期の子供たちの栄養管理や食育推進も図られ、また、保護者の方からは、朝のお弁当作りの時間がなくなって、時間に余裕ができてありがたいという声も聞いております。学校給食は、食育や栄養管理のほか、子育て支援にも大きく貢献しており、本当にすばらしい取組が実現できて、よかったと思っております。
しかし、少し残念に思うことは、給食の残渣についてです。せっかく栄養士が栄養価を計算し、バランスのよい献立を作っても、食べ残しが出てしまうことに対し、残念に思っております。1食の中でも栄養バランスが整っているので、おいしく食べ切ってもらいたいのですが、やはり中学生ともなれば、体格の差、食欲、好みによって、食べる量は一人一人違ってくると思います。これは当然だと思います。しかし、秦野市は、小学校と同じ食缶方式にしたことで、食べられない子供は少なめに、食べられる子は多めに配膳することができて、クラスの中で調整ができると聞いております。
昨年度、給食を実施した4か月の中学校給食の残渣は、1人約3.4キログラムであったと伺いました。まだ中学校給食は始まったばかりですので、今後の様子を見守らないと分かりませんが、もっとクラスの中で上手に配膳していただき、なるべく食べ残さない、食品ロスを出さない取組を大人も子供も、みんなで考えてもらいたいと思います。
そこで、お伺いしたいのですが、中学校給食を開始するに当たり、こうした残渣の処分計画はどのようであったのか、お伺いいたします。また、本市では、昨年度に改定したごみ処理基本計画において、はだのクリーンセンター1施設での焼却体制への移行を、当初の計画から2年前倒しし、令和5年度末までに実施することを決定されました。本市では、これまで様々な減量施策を実施してきており、市民の皆さんの協力もあって、順調に可燃ごみの減量が進んでいるところですが、1施設化の実施後においても、安定的に可燃ごみを処理していくためには、引き続き、減量に取り組む必要があります。
昨年12月の定例会における一般質問でも、市民に対する分別の徹底を促進することを要望いたしましたが、事業系の生ごみ全体としての減量も重要だと思います。
そこで、お伺いいたしますが、事業系生ごみの排出状況と減量施策はどのようか、それぞれ御答弁をお願いいたします。
二次質問については、質問者席にて行わせていただきます。よろしくお願いいたします。
〔風間正子議員降壇〕
194
◯小菅基司議長【 106頁】 福祉部長。
195 ◯古尾谷明美福祉部長【 106頁】 私からは、御質問の1点目、フレイル予防についてお答えいたします。
フレイル予防の必要性と普及啓発活動についての御質問でございますが、人は年を取ると徐々に体の力が弱くなり、外出する機会も減り、病気にならなくても、手助けや介護が必要な状態になります。このように、心と体の動きが弱くなってきた状態をフレイル(虚弱)と呼んでおります。
議員のお話の中にもございましたように、日本は、男女とも平均寿命が延伸し、世界トップクラスの長寿国でございますが、これからは、元気で自立した日常生活を送ることができる健康寿命を延ばしていくことが重要となってまいります。しかし、フレイル予防という言葉を聞いたことのある人は増えておりますが、どう行動に移したらいいか分からない人が多いのが現状でございます。
そのため、本市では、介護予防事業の柱にフレイル予防を据え、様々な取組を行っております。今回、御参加いただきました講演会は、これまで年間を通じて開催してまいりました、フレイル予防講座をもっと多くの方に知っていただくため、フレイル予防の第一人者であります、東京大学高齢社会総合研究機構の飯島教授を講師に招き、市民公開講座として開催したものでございます。
先ほど御紹介いただきました指輪っかテストのスライドにもございましたように、高齢になるにつれ、筋肉量が低下するサルコペニアという現象が現れてまいります。働き盛りの時期とは異なり、高齢期に何もしなければ筋肉量は自然と減り、フレイル状態になりやすいと言われております。さらに、フレイル状態にある人は、そうでない人に比べ、病気やけがをきっかけに介護が必要な状態に陥りやすいとも言われております。
今回の講演会では、サルコペニアを防ぎ、筋肉を減らさないため、メタボ予防からフレイル予防へと発想を転換しなければならないことや、筋肉の基となるたんぱく質を中心に、バランスの取れた食事をきちんと取ること、そして、何よりも社会とのつながり、人と人とのつながりが大切であることなどが紹介されました。
聞いているだけの一方的な講演会ではなく、参加型だったこともあり、講演会終了後のアンケートでは、96%の方が満足されており、「ユーモアを交えながらの講演は楽しく、あっという間だった」、「きちんと根拠を示して説明してもらったことで、納得ができた」など、参加者から好評をいただいております。また、98%の方が「講演会で学んだことを身近な人に伝えたい」と回答しており、多くの参加者が内容を理解し、誰かに伝えたいという気持ちになっていただけたことは、大きな成果であると考えております。
以上でございます。
196
◯小菅基司議長【 107頁】 くらし安心部長。
197 ◯青木裕一くらし安心部長【 107頁】 私からは、御質問の2点目、はだの市民活動団体連絡協議会の在り方について、お答えをいたします。
はだの市民活動団体連絡協議会は、市民活動団体がお互いに連携を図りながら、各団体の活性化やパートナーシップの関係性を形成し、活力ある地域社会の発展に貢献することを目的として、平成13年9月に発足をしました。この連絡協議会の事務局を担う市民活動サポートセンターについては、市民活動の活性化やボランティアの裾野を広げるため、平成15年6月に、現在のはだのこども館に開設し、その後、平成25年には、はだのこども館の貸し館機能を充実する目的で、保健福祉センターに移転し、今に至ります。
はだの市民活動団体連絡協議会の現状ですが、現在、51の団体が加盟しております。加盟団体は、市民活動サポートセンターの会議室やコピー機等の作業コーナー、PCコーナーを利用し、活動パンフレットの作成、各種講座やイベントの開催準備を行うなど、円滑な団体活動を展開するとともに、活動内容の質を高めることができております。これにより、団体と市民との交流や団体間の垣根を越えた連携が促進されており、加盟を希望する団体の創出や市民活動団体の輪が広がることが期待されます。
さらに、市民活動サポートセンターには29団体の登録があり、会議室等を利用して活動を行っております。
また、市民活動団体を資金面から支援する取組としては、市内外企業等の協賛金とバザーの売上げにより運営をしておりますはだの市民活動いきいき基金と市の交付金を原資といたしまして、市民活動サポート事業を実施しております。このサポート事業は、平成17年度から始まり、昨年度につきましては、音楽療法講座、八重桜ジョイント栽培拡大に向けた調査・広報活動、目の不自由な方へ声の情報を届ける活動、若者が自ら住み暮らすまちの現状や未来を考え、その思いをまちに届けるために実施した高校生議会等の4事業に対しまして、1事業につき15万円を支援している状況となってございます。
以上となります。
198
◯小菅基司議長【 107頁】 教育部長。
199
◯原田真智子教育部長【 107頁】 私からは、御質問の3点目、事業系生ごみの減量についてのうち、学校給食センター建設時における残渣処分計画について、お答えいたします。
学校給食の運営につきましては、様々な法律や衛生基準を満たすことが求められており、専門性の高い事業であることから、受注事業者の豊富な知識や経験と高い技術力を生かして、給食事業に安全かつ効率的に取り組むため、給食調理のほか、各校への配送や食器の回収、給食残渣等の処分までを一括委託しています。
本市では、中学校完全給食事業を実施するに当たり、秦野市学校給食センター(仮称)施設整備及び運営事業実施計画(要求事項)におきまして、事業者に環境への配慮を強く求めており、学校給食センターは、省エネルギー、リサイクル可能な建築資材及び廃棄物の抑制等、環境に配慮した施設とし、CO2排出量の削減とライフサイクルコストの低減を求め、特に、給食残渣の処理については、本市のごみ処理基本計画等も踏まえて提案していただくよう、要求事項に位置づけてきました。
これを受けまして、事業者からは、本市のごみ処理基本計画も踏まえ、ごみを出さない工夫として、調理場内に厨芥処理機を導入し、野菜くずや食べ残しの残渣を粉砕・脱水し、総量の3分の1から5分の1まで圧縮し処分する機器を備え付け、ごみの減量化を図っているところです。令和3年12月から給食を実施した4か月間の残渣量は、1人当たり約3.4キログラムでしたので、これを3分の1から5分の1まで圧縮すると、0.7キログラムから1キログラム程度になります。
決算総括質疑の中でお答えいたしました、生徒1人当たり1日の量68グラムは、残渣量としての重さになりますので、事業系生ごみとしましては、4分の1と換算し、約15グラムに、また、議員から御指摘いただきました、4か月で14トンという年間換算量も、約3トンから約4.5トン程度に圧縮して、排出量の抑制に努めてきております。
一方、事業者においては、秦野市ごみ処理基本計画を念頭に、圧縮処理以外にも、堆肥化等によるごみ排出量の削減についての構想を持っていましたが、社会情勢の変化から、計画の変更に迫られ、現在はやむを得ず、事業系一般廃棄物として排出しており、新たな事業系生ごみの削減計画についても、引き続き、検討しているところでございます。
以上でございます。
200
◯小菅基司議長【 108頁】 環境産業部長。
201 ◯岩渕哲朗環境産業部長【 108頁】 私からは、御質問の3点目のうち、事業系生ごみの排出状況と減量施策について、お答えします。
まず、事業系生ごみの排出状況ですが、本市における事業系一般廃棄物の排出量は、令和3年度実績で8,068トンと、可燃ごみの約4分の1を占めております。他自治体が実施している事業系一般廃棄物の組成調査を参考にしますと、そのうち厨芥類、いわゆる厨房から出る生ごみに占める割合は、約3割となっておりますので、令和3年度実績に換算すると、約2,400トンと推測されます。
次に、生ごみの減量施策ですが、電気を使わず環境に優しい生ごみ処理機であるキエーロのモニター協力店を募集し、これまで10店舗に御協力をいただいております。
また、一部の小売店、スーパーでは、生ごみを県外にあるメタン発酵施設で資源化していることから、分別・リサイクル優良事業所に認定しております。
このような取組を本年3月に発行したごみ減量通信や、広報はだの8月15日号のごみダイエット特集号などで広く紹介し、他の事業者への取組の拡大を図っているところであります。
以上です。
202
◯小菅基司議長【 108頁】 風間正子議員。
203 ◯20番風間正子議員【 108頁】 それぞれ御答弁ありがとうございました。それでは、3点ありますので、順番にいきたいと思います。
フレイル予防について、ありがとうございました。これも大変好評で、参加された方たちが結構笑いを交えて、先生も大変お話が上手なものですから、笑いが出て大変いい勉強会になりました。参加者全員が自身のためになるだけではなくて、誰かに聞いた情報を教えたくなるような、そんな講演会でしたので、ぜひまた、このような分かりやすい内容の講演会を繰り返し企画していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
では、講演会以外で、フレイルに関する普及啓発のために、市としてどのような取組を行っているのか、お伺いいたします。
204
◯小菅基司議長【 109頁】 福祉部長。
205 ◯古尾谷明美福祉部長【 109頁】 再度の御質問にお答えいたします。
フレイル予防の普及啓発の取組でございますが、先ほど御紹介いたしました講演会のほか、今年度からイオン秦野店におきまして、東京大学高齢社会総合研究機構の協力により、年6回、年金支給日であります偶数月の15日にフレイル普及啓発イベントを開催しております。会場では、簡易フレイルチェックやパネル展示のほか、食品売場に東京大学と神奈川県未病産業研究会の共同で作成いたしました、フレイル予防に役立つ献立やレシピなどを並べたことで、買物客の目を引くイベントとなっております。このイベントには、地域高齢者支援センターやフレイルサポーターにも御協力をいただくなど、大きな広がりを見せております。買物のついでに気軽に立ち寄れるコーナーとなっておりますので、ふだんフレイル予防や認知症の情報に触れる機会の少ない方々にも、ぜひ活用していただきたいと思います。
また、本年11月13日から16日にかけて行われますねんりんピックでは、会場内に未病ブースを設置し、フレイル予防の普及啓発も併せて行う予定でございます。
フレイルは、身体的な衰えだけでなく、歯や口の衰えも大きな要因となります。そこで、今回の未病ブースでは、かむ力を計測するオーラルフレイルコーナーや、当日参加も可能なフレイル予防体操のミニ体験教室なども実施する予定でございます。大会参加者だけでなく、多くの市民の皆様にも気軽に御参加いただきたいと思います。
これまでフレイル予防の取組を説明してまいりましたが、フレイル予防は継続していくことが重要でございます。本市にはサロンや体操の会など、定期的に活動を行っている通いの場が約100団体ございます。今後は、これらの通いの場を活用して、フレイル予防体操や栄養改善などの啓発を行い、高齢者がフレイル予防を楽しく継続していけるよう、努めてまいります。
また、今回の講演会のように、誰もがすぐに実行できるような内容を組み込み、親しみやすく、分かりやすい講座を定期的に開催し、多くの方々にフレイル予防の必要性を周知してまいりたいと考えております。
以上でございます。
206
◯小菅基司議長【 109頁】 風間正子議員。
207 ◯20番風間正子議員【 109頁】 ありがとうございます。
それでは、これからも事業を進めていただけるということですので、イオン秦野店はお客さんがたくさんいらっしゃるところですので、ぜひ分かりやすくやっていただけるとありがたいと思います。
また、メタボリックシンドロームは、今や国民の誰もが知るほど認知されておりますが、フレイルに関しても同様に広く知られる概念となるよう、これからさらに周知を図ってほしいと思います。
また、昨年6月にも、高齢期の嚥下の問題について質問をし、食べることの喜びから生きる力につながるような支援に取り組んでいただきたいとお願いいたしましたが、栄養改善やオーラルフレイルに関してどのように取り組まれているのか、お伺いいたします。
208
◯小菅基司議長【 109頁】 福祉部長。
209 ◯古尾谷明美福祉部長【 110頁】 栄養改善とオーラルフレイルの取組について、お答えいたします。
高齢者は、加齢とともに、様々な機能が低下してまいります。むせる、食欲がない、軟らかいものばかり食べるといった、口回りのささいな衰えをそのままにしてしまうと、フレイル状態となり、転倒を繰り返すなどの症状が現れ、やがて認知症へと進んでまいります。そのため、口周りのささいな衰えを早く見つけ、しっかり対応していくことが重要でございます。
本市では、いつまでも自分の歯でしっかりかんで、おいしく食べていただけるよう、口腔機能の維持改善を図るため、管理栄養士と歯科衛生士がチームを組み、介護予防に関する普及啓発や訪問指導を実施しております。訪問指導では、口腔機能や食に対する正しい知識を身につけていただくため、一人一人に合った指導を丁寧に行っております。その結果、指導の対象となった方々の体重や活動量が増加するなど、改善が見られております。
また、フレイル予防は、高齢期に入ってから行うものと思われがちでございますが、食事習慣や歯の治療などは、悪くなってからではなく、早い段階から行動を起こすことが予防効果につながります。オーラルフレイルによる心身機能の低下といった、負の連鎖を少しでも遅らせるため、若い世代に対する周知啓発など、新たな取組も必要となってまいりますので、関係部署との連携を図ってまいりたいと思います。
以上でございます。
210
◯小菅基司議長【 110頁】 風間正子議員。
211 ◯20番風間正子議員【 110頁】 ありがとうございます。人生100年時代ということで、これを乗り切るには、健康で長生きということが必須でございます。この先生の話は、大変内容が濃くて、この冊子を頂いてから、お友達にも何人か教えてあげて、自分にもイレブンチェックといって、このように面白いチェックもありましたので、栄養、口腔、運動、社会性ということで、自分がそこに幾つ該当するかということだったのですが、そんなこともお遊びしながらできたということで、大変いいものができたと思っております。
まとめになりますが、フレイル予防のための対策は、高齢になってからでは遅いのではないかと思います。長寿に影響を与える要因のうちで、遺伝的な要因は25%にしかすぎません。要因の75%は、自分自身の管理で可能になるということだそうです。フレイル予防の3つの柱に適切に対応するなど、心身のよい状態を長く保つことができるということを広く浸透させていただきますよう、健康長寿社会を目指し、また、関連部署とも連携を図りながら、フレイル予防対策に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
これは、これで終わります。ありがとうございました。
続きまして、はだの市民活動団体連絡協議会の在り方について、創立20周年ということで、実は、今回、はだの市民活動団体連絡協議会の活動はもう20年がたったということですね。実は、あまりにも懐かしく思いました。そのときの市民の力という広報が出てきたのですが、もう8年前なのですね。「市民の力」というもので、市民が本当に生き生きと、自分たちがこのまちで活躍していくということが鮮明に出ていたのが大変印象的な広報でした。
ボランティアの裾野を広げるためのサポートセンター、また、はだのこども館に開設して、平成25年には保健福祉センターに移動したということです。市民活動団体を資金面から支援する取組として、市民活動サポート事業の発表会に私も今回、参加させていただきました。とてもこの活動はよいと思います。今後、ぜひ続けていただきたいと思います。
また、はだの市民活動団体連絡協議会は、昨年、創立20周年を迎えましたが、新型感染症の影響によりまして、記念事業を今年度に延期したと伺っております。8月の実施で、コロナ禍であったため、やむを得ないこととは思いますが、加盟団体全てが何らかの形で参加できればよかったと思いました。
そこで、記念事業の内容などについてどのように決められたのか、お伺いいたします。
212
◯小菅基司議長【 111頁】 くらし安心部長。
213 ◯青木裕一くらし安心部長【 111頁】 再度の御質問にお答えをいたします。
はだの市民活動団体連絡協議会の設立20周年記念事業につきましては、昨年10月に開催いたしました同連絡協議会の役員会におきまして、コロナ禍を踏まえ、令和4年度に延期することが決定されました。その後、昨年11月、加盟団体に対しまして、記念事業に関するアンケート調査を実施しましたところ、各団体から活動紹介を希望する回答が多く寄せられてございます。そのため、当初、団体紹介ブース等を設けまして、多くの来場者と交流を図る予定でございましたが、記念事業を実施しました本年8月は、御承知のとおり、新型感染症の第7波のさなかにございましたので、規模を縮小して、パネル展示やポールウォーキング、琴の体験等、希望する加盟団体のみの活動紹介となりました。
以上となります。
214
◯小菅基司議長【 111頁】 風間正子議員。
215 ◯20番風間正子議員【 111頁】 ありがとうございました。今年度、それを再開されたということです。
それで、若者にボランティアに関心を持っていただく、また、人材を育てるということは大変重要だと思いますが、ぜひはだの市民活動団体連絡協議会に多様な担い手による協働の推進を目指して、本市の市民活動を活性化していただきたいと思います。特に、これから子育てやまちづくりの主役となる高校生や大学生といった若者たちと協働でまちづくりに参加する取組が必要だと考えます。
昨年も質問いたしましたが、私は、若者たちの活動の拠点として、市民活動サポートセンターがまちの中にあることが有効ではないかと考えております。先ほどの答弁の中でも、市民活動センターについてはいろいろな経過があり、現在の保健福祉センターに移動したということであります。これから新型感染症の影響もあると思いますが、現在の市民活動サポートセンターの状況はどうか、お伺いいたします。
また、ニーズの把握と、特に若者たちがまちににぎわいをもたらすためにはどうしたらよいのか、また、話し合えるような拠点や居場所が必要であると考えます。若者を集め、多様な世代が集まる、市民が主役の拠点づくりにおける市民活動サポートセンターの在り方についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
216
◯小菅基司議長【 111頁】 くらし安心部長。
217 ◯青木裕一くらし安心部長【 111頁】 再度の御質問にお答えをします。
市民活動サポートセンターは、はだのこども館にあった当時、年間約4,000人の方の利用があり、保健福祉センターに移転後は、コロナ禍の時期を除きますと、年間約3,300人前後の利用で推移をしている状況でございます。
本市としましても、市民活動サポートセンターの在り方につきまして、総合計画はだの2030プランの基本施策の1つに位置づけ、多様な担い手による協働の推進に向けて、若者の活動拠点を含めた検討を進めております。
昨年8月に開設されました本町地区まちづくり委員会の活動拠点「あつまれ本町公民館」は、秦野駅に近いことから、市内の高校生や大学生がイベント開催の打合せを行うなど、地域住民と世代を超えて交流が図れる場となっており、本年7月にも、学生団体と市が共催で開催しましたイベント、「インハイ」におきまして、事前準備の場として活用されたところです。
本町地区まちづくり委員会の活動拠点に、若者の活動拠点を置く試行的な取組を通しまして、若者の声に耳を傾け、若者からのニーズや声を細かく分析した上で、駅周辺の立地の必要性について検証してまいりたいと考えております。
また、現在、保健福祉センターで活動を続ける既存の団体の方々にも、市民活動サポートセンターの在り方について、意見を聴く必要性があると認識をしてございますので、昨年度実施いたしました、利用団体を対象としたアンケート調査の結果も踏まえ、意見交換をする機会を用意したいと考えてございます。
その上で、市民活動サポートセンターの在り方について、市としての方針を示してまいりたいと考えてございます。
以上となります。
218
◯小菅基司議長【 112頁】 風間正子議員。
219 ◯20番風間正子議員【 112頁】 ありがとうございます。
市民活動サポートセンターがまち中にあったときには、年間約4,000人の利用があったということと、それから、コロナ禍ではありますが、移動したことによって年間約3,300人の利用ということでした。それから、この前、アンケートを取っていただきましたら、駐車場の関係があるとすれば、やはり保健福祉センターのほうがよろしいということで、アンケートではそういう結果が出ました。
しかし、もう一つの狙いとして、若者たちを取り囲むために、あの場所でいいのかどうかということは、再三私も一般質問等でもお話しさせていただいております。そうなってくると、県道705号の開設により、まちづくりの中の一角として、そういうものが少しずつでも参画できるようになればいいのかと思います。
ただ、先日、保健福祉センターの4階にお邪魔したのですが、そのときはイベントが何もなかったので、閑散としていました。4階の一番奥のほうに入っていきましたら、突き当たりですから、もう何もないわけです。そこに事務員が1人いました。そこに会議室もあって、パソコンもあってということで、市民の加盟している方が自由に使えるのですが、私だったら、1人であそこで留守番はできない、静かで気持ちが悪くて。あの事務所は1人でいるときには鍵をかけてしまう。だから、そういう場所でいいのかなと思います。やはりそういうことを考えていくと、あの場所で、早く何かいい方法を考えてもらいたいというのが、私の率直な実感でした。
たまたまこの前、用事があって行ったのですが、すごく静かで、本当に4階の一番奥なのですね。これは私だったら、ここの事務員にはなれないと感じました。そういうことを考えると、あそこにいる事務員も大変だなと思いました。
保健福祉センターの活用について、例えば、1階のスペースのどこかに、もう少しはだの市民活動団体連絡協議会の活動報告みたいなものを置いていただいて、こんな活動をしていますという紹介も、1階のどこかの場所にそういうスペースがあったらいいのかなと思います。それは、保健福祉センターとの兼ね合いがありますので、あまり言えませんが、ただ、あの状況は、あまりいい環境ではないと私は直感しました。
市民活動サポートセンターをすぐに変えてくれとは言いませんが、ただ、ああいうところにあったら、市民の人たちは行かないのではないのかと思いましたよ。アンケートでは、再三言いましたけれども、車で行くから駐車場があると便利だということで行かれますが、普通にぶらっと来た人が寄っていくかとなったら、そこにはまだまだ関心がないと感じましたので、これは要望ですが、ぜひその辺はお願いしたいと思います。
あと高校生たちもやってきましたが、こういうボランティアカードというものがありまして、これがすごく子供たちに大変好評で、学校にこういうものも配っていただいています。夏と冬に、こういうチャレンジということをやっておりまして、これも全校に一人一人配っているそうです。それで、参加してくると、こういうボランティアカードをもらって、5個判子がたまると、記念品がもらえるということです。
記念品をもらうことが目的ではないのですが、興味を持ってもらうということで、ボランティアの募集をするときに、団体の人たちが皆さん御紹介していますので、そこへ直接自分が連絡をして、それで集まってボランティアをやるということですが、これも大変いい効果を生んでいますので、こんなことももっと活発になれるようにしていただけるとありがたいと思います。ぜひこういうチラシなどを学校に配ったり、公民館にも配っているようですが、もっと声をかけていただいて、市民活動サポートセンターを使っていただくようになるといいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それから、最後になりますが、それぞれの取組状況はよく分かりました。しかし、このごみ処理問題については、日本ばかりではなくて、今や、世界中が1つになって考えなければいけない大きな問題になってきております。
私は、このSDGsという考え方が提唱される前から、ごみ問題に関しまして大変興味を持ち、可燃ごみの中には約40%以上の生ごみがある、水分を含んでいるということであります。そういうことで、行政視察や企業視察なども行いながら、ライフワークとして少しずつ取り組んできました。そして、小学校への生ごみ処理機の導入提案もその1つだったと思います。
そこでお伺いしますが、先ほど教育部長から、中学校給食の残渣は、減量しながら排出量の抑制に努めているとお答えがありました。しかし、それにも限界があると思います。
そこで、スライドを御覧になってください。この生ごみ処理機は、土の中に埋めるということで、下に数字が書いていませんが、埋める深さが一番大きいところが1.9メートルで、その幅は1.8メートルで、緑のところまで土壌に埋めてしまうということです。その下のものがジュニアといって、日量約10キログラムです。これも大体深さが1.3メートルで、幅が1.8メートルということで、隣の日量1キログラムというものは、ファミリー向けのもので、こういうものでございます。自然のものを自然に土に戻すという方法で、生ごみをこの籠に埋めるだけで、土壌菌や生ごみを発酵させて土に戻すという簡単なものです。電気とかガス、化石燃料も使っておりません。
先ほど教育部長から減量しながら排出量の抑制に努めているとお伺いいたしました。そこで、この生ごみ処理機のように、メンテナンスの必要がなく、自然の力を利用した、土の中に埋め込み型の自然還元システム、トラッシュといいますが、これを給食センターや学校の敷地内に設置し、活用してはどうかと思いますが、いかがでしょうか。
220
◯小菅基司議長【 113頁】 教育部長。
221
◯原田真智子教育部長【 113頁】 学校給食センター内、または中学校の敷地内に、今、議員から御紹介ありました、自然還元型の生ごみ処理システム、トラッシュを設置することはできないかという御質問にお答えいたします。
中学校給食を実施するに当たりましては、建設予定地を最大限活用し、食材の搬入の動線、また、トラック等の駐車位置等を工夫しながら、よりよい配置となるよう学校給食センターを建設したところです。さらに、周辺には民家や工場が隣接しており、敷地内に生ごみ処理機等を設置することは困難な状況にあります。
そのため、事業者の提案におきましては、先ほども答弁いたしましたとおり、センター敷地内での処理による方法以外で、資源化を図る計画も視野に入れていましたが、様々な課題があり、実施には至っておりません。
しかし、議員からの御質問にもございましたように、本市では、はだのクリーンセンター1施設での焼却体制移行に向けて、ごみ全体としての減量が急務となっており、中でも事業系生ごみの減量化は必須であり、このことは、学校教育におけるSDGsに係る循環型社会の構築の観点からも、重要課題と見ております。
自然還元型の生ごみ処理システム、トラッシュは、ランニングコストも軽減できる処分方法であり、特にSDGsの観点からも、二酸化炭素を発生させない環境に配慮した処分方法として、今後も有効な手だてになるのではないかと、調査研究に着手しているところでございます。
既に、学校給食センターで圧縮した事業系生ごみを学校で資源化することは、法的にも問題ないと確認しており、各校からの排出量を基に、設置場所等を検討しながら、自然還元型の生ごみ処理システム、トラッシュを含め、資源化による処分方法を導入できないか、受注事業者とも連携して検討し、事業系生ごみの減量を進めてまいります。
以上でございます。
222
◯小菅基司議長【 114頁】 風間正子議員。
223 ◯20番風間正子議員【 114頁】 ありがとうございます。
まずは、給食を残さず食べてもらうことが大切ですが、献立の工夫や各学校での配膳の工夫などにより、残渣の軽減に努めていただきたいと思います。
また、トラッシュにつきましては、ランニングコストが低減できる処理方法ですが、長期的に考えていただき、御検討いただきたいと思います。
そして、このことにつきましては、今、既に秦野市でも、幾つかの保育園で導入していただいております。そして、今、ちょうどみどりこども園で導入していただきました。そのことを考えますと、これからこの方式をぜひお願いしたいと思っております。
次に、事業系生ごみの減量について、再度お伺いいたしますが、事業系一般廃棄物のうち、生ごみの占める割合は約3割で、令和3年度実績で換算すると、約2,400トンとのことでした。はだのクリーンセンター1施設で安定的に可燃ごみを処理していく上では、事業系生ごみの減量も進めなくてはならない大きな課題であると思います。現在、キエーロのモニター協力店は10店舗とのことでした。敷地の広さもあり、設置できる事業所は限られてしまうと思いますが、もっとPRしていただき、さらにモニターが増えるよう、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
また、答弁では、一部スーパーで生ごみを県外の処理施設で、ガス化により資源化をしている事例があるとのことでした。先ほど教育部長からも、資源化に向けた答弁がありましたが、一般的に生ごみを資源化することは、焼却処理に比べて費用がかかると思います。このように、事業系生ごみを資源化するには、費用はどのくらいかかるのか、お分かりでしょうか。教えてください。
224
◯小菅基司議長【 114頁】 環境産業部長。
225 ◯岩渕哲朗環境産業部長【 114頁】 事業系生ごみの資源化の費用について、お答えいたします。
生ごみのメタン発酵にかかる費用につきまして、受入れ事業者により料金が異なりますが、一例として御紹介いたしますと、現在、市内の小売店、スーパーが持ち込んでいるメタン発酵施設が公示している1キログラム当たりの処分単価は、はだのクリーンセンターの焼却費用と比べ約1.5倍となっております。
また、そのほかにも別途収集運搬費用がかかりますが、県外への搬出になりますので、はだのクリーンセンターへの収集運搬費用よりも高くなると考えております。
以上でございます。
226
◯小菅基司議長【 115頁】 風間正子議員。
227 ◯20番風間正子議員【 115頁】 ありがとうございます。
やはり燃やすほうが早いですね。経費の面からいくと、焼却処分となるのですが、今のこの時代では、なかなかできなくなりました。そして、燃やすことによってCO2を排出するということで、やはりこれは私たちは避けなければいけないと思っております。民間事業者ですので、ごみの処理費用は安く抑えたいというのが当たり前で、約1.5倍の費用をかけてまで生ごみの処分というのは、大手スーパーなどの小売店がやっているのだろうと思います。
現在では、コロナ禍で停滞していた経済活動が元に戻りつつあり、今後、事業系生ごみが増加に転じる可能性も否定はできません。また、本市の高齢化率も30%を超えており、今後、家庭や介護施設などから出る紙おむつの量が増加するといった予測もあります。こうした中で、はだのクリーンセンター一施設による焼却体制の移行を2年前倒しで達成し、安定稼働するためには、さらに可燃ごみの減量を進めなければなりません。そのためには、費用をかけて生ごみを資源化することも重要ですが、費用をかけずに生ごみを資源化する取組も重要だと思います。
そこで、先ほども紹介させていただきましたトラッシュですが、耐用年数は20年以上で、一度導入してしまえば、電気代などのランニングコストもかかりませんので、事業系生ごみの減量のためにも、今後はこのトラッシュの導入についても、事業者に呼びかけていただきたいと思います。循環型社会の実現のためには、市民のみならず、事業者の皆さんの協力なしには進みません。
秦野市全体が一丸となって、実現に向けて取り組んでいただきますよう要望して、一般質問を終わります。
ありがとうございました。
228
◯小菅基司議長【 115頁】 以上で、風間正子議員の一般質問を終わります。
暫時休憩いたします。
午後 2時43分 休憩
─────────────────────────────────────────────
午後 2時58分 再開
229
◯小菅基司議長【 115頁】 再開いたします。
休憩前に引き続き、「一般質問」を行います。
吉村慶一議員。
〔吉村慶一議員登壇〕
230 ◯1番吉村慶一議員【 115頁】 一般質問をします。
1、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」と本市の行政・教育について。
私は、さきの参議院議員選挙において、小田原市出身、在住の井上義行氏を安倍元首相の側近であり、本市のために政治力を期待できる身近な候補者として、でき得る限りの応援をしました。私は、井上氏が旧統一教会の組織的な応援を受けていたことを知らされていませんでした。しかし、旧統一教会の被害に苦しむ人々がいて、安倍元首相がその中の1人に暗殺され、井上氏は、旧統一教会の組織的な応援を受けていたことにより、社会の厳しい批判を浴びる結果となった現在、たとえ知らされない立場にあったとしても、私はこの事件の当事者の1人になったと思います。
私には、政治家として旧統一教会の被害に関わる問題を傍観することなく、それに取り組む政治責任があります。その立場から、以下の質問をいたします。
第1に、国はこの事件を受けて、旧統一教会の被害に関わる問題についての省庁横断の相談体制をつくりましたが、本市においては、国の指示の下、あるいは、本市独自の判断によって、この問題に対する相談体制がつくられているのか、どうか。あるいは、つくろうとしているのか、お伺いをいたします。
旧統一教会の信者の数は、全国に8万人とも10万人とも言われ、人口で案分すると、本市にも100人強の信者が存在することと予想され、また、小田原市や伊勢原市には旧統一教会の教会があります。本市の市民にとっても旧統一教会は身近な存在であり、既に被害者である市民がいらっしゃる、あるいは、将来被害者になる市民が出る可能性がありますので、十分な相談体制が必要であると考えますが、いかがでしょうか。
第2に、今回の事件は、憲法第20条に規定される、信教の自由に基づく宗教上の行為に、同じく憲法で保障される他の基本的人権を損なう行為が含まれることがあるということを実証したものと考えられます。義務教育の段階において、宗教行為による被害に関わる裁判の判例などを題材として、宗教行為の持つ否定的な側面も児童・生徒に学んでもらい、宗教行為による被害を予防する力を涵養することが必要と思いますが、教育委員会のお考えを伺います。
なお、教育基本法第15条(宗教教育)は、「宗教に関する寛容の態度、宗教に関する一般的な教養及び社会における地位は、教育上尊重されなければならない。2、国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない。」と規定し、中学校学習指導要領の第2章・各教科、第2節・社会の第3・指導計画の作成と内容の取扱いの3には、「内容の指導に当たっては、教育基本法第14条及び第15条の規定」、この第15条はさっき言った、宗教教育に関する部分ですが、「に基づき、適切に行うよう特に慎重に配慮して、政治及び宗教に関する教育を行うものとする。」との記述があります。
義務教育の段階において、宗教行為による被害に関わる裁判の判例などを題材として、宗教行為の持つ否定的な側面も児童・生徒に学んでもらい、宗教行為による被害を予防する力を涵養することは、ここに規定する宗教に関する一般的な教養を教える宗教に関する教育であると思いますが、いかがでしょうか。
2、戸川土地区画整理事業と矢坪沢整備事業の在り方について。
議会が本年6月21日、戸川土地区画整理事業を強力に推進することを求める決議を議決した直後の6月25日に発行された、『緑のはだの』、緑のはだの発行委員会が発行している同人誌だと思いますが、戸川住みよいまちづくりを考える会事務局、久保寺公正氏が「矢坪沢自然公園(仮称)と周辺の資源を生かした市民による広域観光まちづくり構想の提案、環境破壊の企業誘致はリセット」という題名の12ページからなる論文を載せました。その論旨は明確であり、戸川土地区画整理準備組合が事業実施主体であり、秦野市が技術支援を行っている当該事業には同意できないことを最終的に宣言したものと受け取らざるを得ません。
そこで、まず伺いますが、市は、この事案の技術支援にどれだけの時間と人員、そして、予算をこれまでに投じてきたか、伺います。
3、はだのクリーンセンターの次期建て替え場所について。
はだのクリーンセンターが稼働してからおよそ9年半が過ぎました。焼却工場の寿命は30年ないし40年と言われます。はだのクリーンセンターを秦野市内に造ることが決まってから、建設用地を現在の場所に決めるまで、およそ10年の時間がかかっています。その後の建設事業者の選定から工場の完成までにも三、四年はかかりました。
そうすると、はだのクリーンセンターの次期建て替え場所について、次は伊勢原市内ですよと、高橋市長が高山伊勢原市長に打診して、協議を開始すべき時期が来ていると思いますが、市のお考えを伺います。
ちなみに、はだのクリーンセンターがある御門自治会の皆さんは、はだのクリーンセンターの使用期間は30年であるとの共通認識を持っておられると聞いております。
二次質問は、質問者席で行います。
〔吉村慶一議員降壇〕
231
◯小菅基司議長【 117頁】 くらし安心部長。
232 ◯青木裕一くらし安心部長【 117頁】 私からは、御質問の1点目、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」と本市の行政・教育についてのうち、本市の相談体制について、お答えをいたします。
まず、国における現在の相談体制ですが、旧統一教会に関して、社会的に指摘されている問題を関係省庁間で適切に連携し、各相談窓口における体制を整備し、今月5日から30日までの期間を旧統一教会問題・相談集中強化期間とし、合同電話相談窓口を開設しております。
この合同電話相談窓口は、被害者救済機関として、内閣官房、警察庁、消費者庁、法務省などが関係省庁となっており、相談者の主訴を把握した上で、その内容に応じて、問題の解決に最も適している既存の相談窓口や制度を案内しております。また、関係省庁においては、個別に集中的に対応できるように、法テラス・サポートダイヤルなどの電話相談窓口を設置しております。
本市においては、旧統一教会問題が報道等で取り上げられて以降、相談が寄せられた実績はございません。現在、旧統一教会問題に絞った相談体制はしいておりませんが、市民相談全般において御相談があれば、国と同様に、既存の各種市民相談制度を利用し、相談者からの聞き取りを通して相談内容を把握した上で、お困り事に応じた相談窓口を決定していきます。
相談内容の種類としては、金銭的被害、身体的被害や危険行為の強制、献金等による生活困窮、誹謗中傷や嫌がらせ、個人情報が悪用されないかの不安、心の健康に対する悩み、親族関係の悩みなどを想定してございます。
相談内容に応じて、国や県が設置している相談窓口が望ましいのか、あるいは、市の既存の相談窓口で対応できるのか適切に判断をしながら、相談者と向き合い、解決に結びつけたいと考えております。
例えば、相談者が悪質商法により金銭的被害を受け、金銭などの財産を取り返したいという場合には、国の法テラス・サポートダイヤルや、御希望があれば、市の法律相談や消費生活センターを御案内いたします。
また、相談者が信者であることを理由に、差別的な取扱いや嫌がらせを受けたという場合には、みんなの人権110番や警察相談専用電話や市の人権相談を御案内いたします。
本市としては、国が開設した合同電話相談窓口との連携を図りながら、既存の各種市民相談制度を、市民に情報発信する際には、信仰上のトラブルに関する相談も具体的事例に含めた上で、利用していただくよう案内することとしております。相談者がお住まいの地域で、旧統一教会問題と仮に銘打った相談会に参加することは、周囲の目を気にするデリケートな要素もございますので、相談者にとって利用しやすい相談体制をしくことが必要とも考えてございます。
また、国の相談機関が終了いたします来月以降におきましては、全国の相談状況等が何らかの形で公開されるのではないかと思っておりますので、その動向やその後の対応を確認するとともに、本市において複数の関係機関と協力して開催しております相談会などもございますので、旧統一教会問題に関して相談を受け付けることができるかなど、関係機関の考えを伺いながら、検討してまいりたいと考えてございます。
以上となります。
233
◯小菅基司議長【 118頁】 教育部長。
234
◯原田真智子教育部長【 118頁】 私からは、御質問の1点目、「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」と本市の行政・教育についてのうち、宗教行為による被害を予防する力の涵養について、お答えいたします。
学校における宗教教育ですが、日本国憲法第20条・信教の自由には、「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」とされておりまして、また、教育基本法第15条第2項においても、「学校が特定の宗教のための宗教教育、同じく特定の宗教を排斥することを目的として行われる教育についてはしてはならない。」とされております。
また、議員が御指摘されました、教育基本法第15条第1項の宗教に関する一般的教養につきましては、教育課程を編成する際の基準を定めた学習指導要領におきまして、宗教の分布や生活や文明と宗教の関わり、国際社会における宗教の多様性等が挙げられており、これらについて客観的に指導することが明記されております。
そのため、教育基本法及び学習指導要領を踏まえますと、特定の宗教の被害に関する判例を題材とすることや、宗教行為の持つ否定的な側面を学校で指導することは、難しいと考えております。
一方で、宗教行為による被害に関わらず、子供たちが将来、多額な寄附等の消費者問題の被害に遭わないよう行動ができる力を養っていくことは、子供たちの自立のために重要であると考えておりまして、予防の観点から、日々の教育活動の中で消費者教育等の推進を図っております。
例えば、道徳の教科書には、現代の諸課題に対応する内容として、消費者問題を取り上げた内容があります。また、中学校家庭科の教科書においても、現行の学習指導要領から消費者被害への対応に関する内容が新設されるなど、各教科の特性に応じ、自立した消費者になるために必要な力を養っているところです。
また、学習指導要領では、様々な社会の変化や問題に対して、子供たちが進んで考え、解決していくことができるような力、例えば、情報活用能力や問題発見・問題解決能力を育むことも重要であるとされております。
特に、現代社会においては、インターネット等の活用により様々な情報を得やすくなっていますので、自ら進んで情報を集めたり、集めた情報を見極めて、正しく判断したりするといった態度や能力を育むことで、様々な社会課題を自分事として考え、行動する力が育まれるのではないかと考えております。
本市では、令和4年2月に神奈川新聞より講師をお招きし、教職員向けに情報モラルや情報活用能力の重要性についての研修会を開催しました。また、一般社団法人LINEみらい財団と連携し、児童・生徒に情報モラルや情報活用能力を育むための教材「GIGAワークブック」を今年度中に配布できるよう計画しております。
引き続き、子供たちが社会に出た際に、様々な社会の変化や課題に対応することができるよう、情報活用能力や問題発見・問題解決能力の育成を図ってまいります。
以上でございます。
235
◯小菅基司議長【 118頁】 都市部長。
236 ◯高垣秀一都市部長【 119頁】 私からは、質問項目の2、戸川土地区画整理事業と矢坪沢整備事業の在り方について、お答えします。
これまで市が行ってきた技術支援についてですが、戸川土地区画整理準備組合が平成30年3月に設立されまして、翌4月に準備組合から市に対して、土地区画整理法に基づく技術的援助の要請があり、これを受けまして、現在まで取り組んできました。
主な支援内容といたしましては、準備組合の事務局運営をはじめ、事業計画案の作成支援や準備組合運営支援、業務代行予定者選定支援など、多岐にわたっています。
また、人員ですけれども、都市部都市整備課のインター周辺整備担当、現在では戸川区画整理推進担当と担当名を変更しておりますけれども、戸川以外の業務も含めまして、若干の増減はありましたが、職員3人で、平成30年4月から現在まで4年以上にわたり、技術支援に対応しております。
これまで支援にかかった費用ですが、事業計画案作成委託業務など、令和3年度までに9件を予算執行しておりまして、総額では約1億1,000万円となります。
以上です。
237
◯小菅基司議長【 119頁】 環境産業部長。
238 ◯岩渕哲朗環境産業部長【 119頁】 私からは、御質問の3点目、はだのクリーンセンターの次期建て替え場所について、お答えいたします。
ごみ処理施設の設置及び運営責任は、秦野市伊勢原市環境衛生組合にありますので、組合からの要請を受けて、本市及び伊勢原市が次期建設場所の協議を開始するものであります。
現時点では、その要請がありませんので、御質問にお答えする立場には至っていないと認識しております。
なお、御質問で触れられた、建設に要する期間や施設の寿命については、あくまで二市組合で判断していくものではありますが、二市組合との連絡調整を所管する立場であることと、現はだのクリーンセンター設置場所の選定業務を本市が行ったことから、若干説明をさせていただきます。
はだのクリーンセンターの建設では、地元自治会へ説明会や周辺自治会との協議会などで御理解、御協力を得ながら、環境影響予測など必要な手続を行い、建設候補地の選定開始から平成25年の竣工までに約16年間を要し、建設費は約94億円となっております。
一方、公共施設の管理については、参考までに、本市政策部で所管している公共施設等総合管理計画を御紹介しますと、施設特性を考慮の上、安全性や財政状況を踏まえつつ、損傷が軽微である早期段階に予防的な修繕等を実施し、機能の保持・回復を図る予防保全型維持管理を導入し、必要な維持管理・更新等を適切に行えるよう、施設の長寿命化を図るとしております。
また、同じく公共施設再配置計画も参考にいたしますと、鉄筋コンクリート造りの一般的な施設については、60年を建て替えの目安としております。
二市組合におかれましても、様々な観点から十分検討されるものと考えております。
以上です。
239
◯小菅基司議長【 119頁】 吉村慶一議員。
240 ◯1番吉村慶一議員【 119頁】 では、順番を変えて、はだのクリーンセンターのことから、再質問をいたします。
協定書というものがあります。秦野市(以下甲という)、秦野市伊勢原市環境衛生組合(以下乙という)及び御門自治会(以下丙という)は、クリーンセンターの建設及び管理運営に当たり、次のとおり、協定を締結する。この第8条に、甲及び乙、だから秦野市と二市組合は、丙、御門自治会に対する「秦野市ごみ焼却場(クリーンセンター)老朽化後の建て替え場所について(回答)」、平成21年7月6日付を遵守するものとする。この回答書というものが添付されていて、秦野市ごみ焼却場(クリーンセンター)老朽化後の建て替え場所について回答。
これは、当時の御門自治会長に対して、二市組合の組合長ではなく、秦野市長が回答しています。ここで建設するクリーンセンターの建設予定地及び、その緩衝緑地帯は、再度ごみ焼却場として活用いたしませんと書いてある。この回答を甲乙で遵守することを甲乙が丙に約束しましたよというものが協定書です。
確認書というものが別にありまして、平成21年7月6日付で、秦野市長が御門自治会に提出した回答文書については、今期のクリーンセンター建設予定地の将来に向けた土地利用に関するものであります。したがって、次期更新施設の建設場所については、秦野市長と伊勢原市長との間で適切な時期に改めて協議しますと書いてある。
主役は、秦野市長と伊勢原市長で、二市組合長から何か言ってくるのを秦野市は待っていますよという構成の協定文書ではありません、この文書は、法律的に言って。二市組合の組合長から何にも言ってこないから、秦野市長は何もしないでいいのですよ、そういう協定にはなっていない。当事者が秦野市長、伊勢原市長、それと御門自治会長です。
もう1回お伺いしますけれども、さっき環境産業部長が言ったように、秦野市長は、二市組合の組合長、組合長もあなた自身ですけれども、組合長であるあなた自身から、秦野市長であるあなた自身に、もうそろそろ時が来ましたよと言ってくるのを待っているのですか。いかがでしょうか。
241
◯小菅基司議長【 120頁】 環境産業部長。
242 ◯岩渕哲朗環境産業部長【 120頁】 この関係につきましては、先ほどもお答えいたしました二市組合において十分検討されるものでありまして、それを受けまして、両市で判断していくものと考えております。
以上でございます。
243
◯小菅基司議長【 120頁】 吉村慶一議員。
244 ◯1番吉村慶一議員【 120頁】 これは、御門自治会長に対して、秦野市長が回答しているのです。もう二度と造らないでくださいねということから造りませんよと。二市組合の組合長が回答しているのではないのですよ、御門自治会に対して。その時期だとか、問題を二市組合の人の判断に任せてしまうのですか、高橋市長。
それでは、あまりにもこの御門自治会に対して、当時の秦野市長がした約束が軽んじられていると思いますけれども、市長、どうですか。あなたは本当にそういう考えでいいのですか。
245
◯小菅基司議長【 120頁】 市長。
246 ◯高橋昌和市長【 120頁】 ただいま吉村議員からお話をいただきましたけれども、これにつきましては、当然、建物を設置、管理運営しておりますのは、秦野市伊勢原市環境衛生組合でございますので、そこから、当然、建て替え時期のお話は来ると私自身は認識をしております。先ほど環境産業部長が答弁を申し上げましたように、二市組合において今後、十分検討され、それを受けて、その確認書がございますので、そういう中でしっかり対応をしてまいりたいと思います。
247
◯小菅基司議長【 120頁】 吉村慶一議員。
248 ◯1番吉村慶一議員【 120頁】 当事者の1人は、御門自治会の自治会長。御門自治会から秦野市長に対して、30年という約束を守ってもらうには、そろそろ市長、あなたがリーダーシップをとって、この秦野市長と伊勢原市長の間の協議、協議は秦野市長と伊勢原市長の間でするのです、二市組合は関係ない。この跡地、次期更新施設の建設場所については、秦野市長と伊勢原市長との間で適切な時期に改めて協議しますと、二市組合なんてどこにも書いていない。
御門自治会のほうから、市長、そろそろ時期ではないですか、協議を開始してくださいという御要望があった場合、あなたはどうしますか、伺います。
249
◯小菅基司議長【 121頁】 環境産業部長。
250 ◯岩渕哲朗環境産業部長【 121頁】 繰り返しの答弁になりますが、次期建て替え場所の件につきましては、二市組合のほうで十分協議、検討された上で、それを受けまして、判断をしていくものと考えております。
以上です。
251
◯小菅基司議長【 121頁】 執行部の答弁が重複しておりますので、考慮して質問してください。
吉村慶一議員。
252 ◯1番吉村慶一議員【 121頁】 最終確認だから、御門自治会の皆さんに向かって答えるつもりで、市長、答えてください。御門自治会からそういう御要望があっても、私は、二市組合のほうで、もう建て替えをしなければいけないという時期が来るまでは、皆さんの御要望は受けられませんと、あなたは答えると今、言ったのだから。最終的にそうなのだということをこの場で確認してください。
253
◯小菅基司議長【 121頁】 市長。
254 ◯高橋昌和市長【 121頁】 先ほど答弁したとおりでございます。
以上でございます。
255
◯小菅基司議長【 121頁】 吉村慶一議員。
256 ◯1番吉村慶一議員【 121頁】 議会ではここまででしょう。ただ、これは法律問題として、民事訴訟の対象になれば、私は経験上、役所は勝てないと思う。御門自治会の御意思もあるでしょうから、議員としては、ここまでにしておきます。
ちなみに、この、二度と御門自治会の場所にクリーンセンターを建てないという条件で、御門自治会の御了解を当時の市長が得ることについて、私も当事者の1人でした。だから、その責任において、今日、この約束だけは守ってくれという趣旨の質問をさせていただきました。御回答はよく分かりました。
それでは、次に、最初の質問についてですが、これも市長にお伺いしますけれども、旧統一教会の被害に関わる問題については、秦野市として積極的に対応するという政治的メッセージを市長が発信することが、本市において旧統一教会の被害を予防する第一歩になると思います。
つまり、秦野市というのは、旧統一教会の被害というものが世の中に存在するということを認識して、そういうことについては予防措置も講ずるし、何かあれば相談にも乗るし、積極的に関与していきますよというメッセージを発するだけで、ある一定の予防効果があると思います。
市長の御見解を伺います。
257
◯小菅基司議長【 121頁】 市長。
258 ◯高橋昌和市長【 121頁】 市長の見解ということでございますので、私からお答えをさせていただきますけれども、この旧統一教会に関わる問題は、信仰については信教の自由という考え方もあるため、多角的な視点、そして、慎重な判断が必要だと考えております。
一方で、宗教行為を端緒として、個人の権利が侵害されることや人生が奪われるようなことがあってはならないとも考えております。被害に遭われてお困りの市民がいらっしゃるということであれば、その内容をよくお聞きいたしまして、本市だけでなく、国や県の機関とも連携しながら、しっかり対応をさせていただきたいと、かように考えております。
以上です。
259
◯小菅基司議長【 122頁】 吉村慶一議員。
260 ◯1番吉村慶一議員【 122頁】 ありがとうございました。市長がメッセージを発したということだけで、相当の秦野市を守る、そういう意味合いが私はあると思います。
次に、伺いますが、中学校の公民の教科書に、「精神の自由」と題して、次のような記述があります。「日本国憲法は精神の自由を保障しています。精神の自由には、自分で物事を考え判断する思想、良心の自由や、宗教を信仰するかしないか、どの宗教を信仰するかを自分で決める信教の自由があります。」という記述です。
これに関して、例えば、親が子に特定の宗教を強く勧める行為や布教が目的であるにもかかわらず、正体を隠してボランティア活動などを通して、深い人間関係を築いた上で入信を勧める行為は、信教の自由に即した行為と言えるかという発問、つまり、問いを発するわけですね。
私は、『教育力』という明治大学の教育学の齋藤孝先生の本を、岩波新書だったと思いますけれども、読んだときに、要するに発問が大切だと。教科書を題材としつつも、それを基にして、教師がいかに児童・生徒に考えさせる発問をするか、そこが大切ですよということが書いてある。今、言ったような具体的な発問を教員がすることができると思いますか、思いませんか。いかがでしょうか。
261
◯小菅基司議長【 122頁】 教育部長。
262
◯原田真智子教育部長【 122頁】 再度の御質問にお答えいたします。
信教の自由の指導に当たって、具体的なケーススタディーにつながる発問が可能かという御質問かと解釈しております。
小・中学校の学習指導要領では、信教の自由の指導につきましては、日本国憲法が基本的人権の尊重、国民主権及び平和主義を基本的原則としていることについて理解することと示されており、基本的人権とは何かといった概念について学ぶことが目的とされております。
一方、高等学校学習指導要領公民編では、「自由権、平等権及び社会権など日本国憲法が保障している基本的人権のうち、それぞれ設定した主題に関わるものを取り上げ、そのような基本的人権の意義及び保障の在り方等について具体的な問題状況に即して考察すること」とあります。このことから、小・中学校の発達段階においては、やがては高等学校で行われる具体的な問題状況に即して考える活動、議員がおっしゃられますケーススタディーを行う上で、必要となる基本的人権に関わる基礎的・基本的な理解を深めることが重要であると考えております。
以上でございます。
263
◯小菅基司議長【 122頁】 吉村慶一議員。
264 ◯1番吉村慶一議員【 122頁】 お借りした道徳の教科書の宗教に関する記述、小学校5年、6年、中学校1年、2年、3年、道徳の教科書をぱっと見て、探したのですけれども、5か所出てきます。
1か所目が小学5年生の教科書、27番というところに、「銀の燭台」という名前で、ヴィクトル・ユーゴーの『レ・ミゼラブル』で、ジャン・バルジャンが、キリスト教の教会の燭台を盗んでしまうのですよね。それで警察官に捕まってしまう。これはお宅で盗まれたのではありませんかと警察官がジャン・バルジャンを連れて行ったときに、そこの司教が、いえ、違います。これは彼にあげたのですと言ってくれるのですね。それで助かるという、寛容ということを教えたかったのだと思います。
小学6年生の6番に、マザーテレサの話が出てきます。インドのコルカタにある死を待つ人々の家の話です。要するに、もう死に行く人は、誰も関心を持たずにほうっておかれる。でも、その最後の瞬間ぐらいは、あなたと共にある人間がいますよということを分かってもらいたい。だから、人間愛みたいなものをこれは伝えたかったのか。
34番に、「青の洞門」という菊池寛の『恩讐の彼方に』という小説からの引用ですが、豊前の国、大分県で仏僧が人々のために、生涯をかけて手でトンネルを掘る話。これは贖罪なのですね。若い頃に、人をあやめてしまって出家した人が、贖罪でこういうことをやる。
中学校に行くと、1年生の28番で、「よく生きることとよく死ぬこと」というものが出てきて、ホスピスの話が出てきます。そこで、キリスト教と仏教の宗教観みたいなものが記述されている。中学3年生の35番、「カムイモシリとアイヌモシリ」、これはアイヌ民族の宗教観が語られている。
総じて、道徳の教科書を読むと、宗教は肯定的な印象をもたらしていると私は思いました。つまり、宗教的なバックボーンがあって、善い行いをするというか、そういうニュアンスを子供に与えるのだろうという気がします。
そうすると、宗教によって洗脳されてしまって、財産をことごとく寄附してしまったとか、恋愛の自由が許されずに、集団で結婚をするみたいなことが起きたりとか、あなたは先祖のたたりで御家族が病気なのですよみたいなことで脅されて、うちの宗教から抜けると地獄へ行きますよみたいなことで、脱退できないという現実があるとすると、この道徳に書かれている記述は、少しバランスに欠けているのではないかと思います。
それから、公民、歴史、地理にも宗教の話は出てきますが、総じて文化として取り上げられていますね。文化ですから、文化というのはイメージとしてはいいこと。今の学校教育の内容は、社会科にしても道徳にしても、宗教に対してはプラスのイメージであって、マイナスのイメージを感じてもらう部分が少ないです。だから、バランスを取る必要がある。
それで、もう1回聞きますが、さっき発問はできますかと言ったら、できますという答えが返ってこなかったのだけれども、さっき私が言ったような発問はできますか。できると言ってほしいのだけれども、御回答をお願いします。
265
◯小菅基司議長【 123頁】 教育部長。
266
◯原田真智子教育部長【 123頁】 繰り返しの答弁になりますけれども、小・中学校におきましては、そういう教育はできないのですけれども、やがて高等学校におきましては、基本的人権の具体的な教育になりますので、それまでにつきましての宗教の概念の教育のみできるということで、先ほどの発問につきましては、できないとお答えします。
267
◯小菅基司議長【 123頁】 吉村慶一議員。
268 ◯1番吉村慶一議員【 123頁】 さらに、同じ問いを重ねてもお困りになるでしょうから、要望に代えますが、洗脳という行為が現実に認められると思います。要するに、もう帰ってこられなくなってしまう世界に行ってしまう、不可逆的などと言いますね。つまり、信仰とか宗教というのは、信じるということが基本的な姿勢ですよね。疑わない、信じる。それが度を超すともう帰ってこられなくなってしまう。だけれども、教育とか学問一般は、疑う、問いを持つのが基本ですよね。だから、はっきりと矛盾した2つの人間の営為だと思います。
だから、やっぱり教育で疑問を持ってもらいたいなら、高校まで待ってとか言っていないで、その子の年齢が若ければ若いほど、小さければ小さいほど、洗脳される可能性は高いのですよ。そういうことは御認識をいただきたい。これは、指摘だけさせていただきます。
では、最後に、2番目の戸川土地区画整理事業ですが、3人の人間が4年間従事していますということになると、1人の人間をコストベースで考えると、800万円ぐらいのコストがかかる。3人だと2,400万円。4倍なら9,600万円。だから、さっきの予算ベースと合わせると、2億円の費用が既に投じられていると考えられると思います。
そして、この件に対する市民を代表する議会の意思は、さきの6月21日の決議で決定しております。市としては、戸川土地区画整理準備組合の意思決定に従い、土地区画整理法及び都市計画法に基づいて、粛々と技術支援の実を上げる以外の道はないと思いますが、お考えを伺います。
269
◯小菅基司議長【 124頁】 都市部長。
270 ◯高垣秀一都市部長【 124頁】 今、粛々と技術支援を行っていく中で、市の考えという質問だと思います。
この戸川土地区画整理事業につきましては、経過ですけれども、新東名高速道路に設置されるサービスエリアにスマートインターチェンジを誘致したいという動きの中で、北地区自治会連合会からの周辺環境整備に関する要望などを受けまして、市としても、総合計画や都市マスタープランなどの上位計画に基づいて、平成26年7月に、秦野SA(仮称)スマートICを活かした周辺土地利用構想を策定いたしまして、その中で、この戸川地区を産業利用促進ゾーンと位置づけました。
その後、平成28年11月には、神奈川県による第7回線引き見直しにおいて、この産業利用促進ゾーンが市街化区域に編入できる一般保留フレームとして位置づけられました。これ以降、地元の皆さんと行政が協働いたしまして、地元有志によるまちづくり推進検討会などを通して、事業に対する機運を高め、平成30年3月に戸川土地区画整理準備組合が設立された経過がございます。
市としましても、人口減少、少子超高齢社会が本格化していく中で、将来を見据えた持続可能なまちづくりを進めていくためには、この産業利用促進ゾーンへの市にも、また、地域にも貢献できる優良企業の誘致が不可欠であると考えて取り組んできました。
こうした経過がありまして、多くの権利者の方はこの事業に合意されていますけれども、一部合意されていない方もいらっしゃいます。区画整理を完了させ、優良企業に来ていただくためには、1人でも多くの権利者の方の御理解と御協力が不可欠だと考えておりますので、引き続き、同意いただけるよう、しっかり取り組んでいきたいと考えています。
以上です。
271
◯小菅基司議長【 124頁】 吉村慶一議員。
272 ◯1番吉村慶一議員【 124頁】 矢坪沢整備事業について伺いますが、この事業は、あくまでも新東名高速道路のスマートインターチェンジの開設により必要となった、都市計画道路の地盤の整備と、矢坪沢の水路の災害対策上の安全性の確保を目的としたものであって、市が矢坪沢自然公園なるものに市民の税金を投じることはないと思いますが、いかがですか。
273
◯小菅基司議長【 124頁】 建設部長。
274 ◯齋藤雄一建設部長【 124頁】 矢坪沢水路整備について、お答えしたいと思います。
矢坪沢につきましては、現在、都市計画手続を進めております都市計画道路・菩提横野線の計画ルートと一部の区間において重複しているとともに、のり面の風化や河床の洗掘によりまして、のり面の崩落や浸食が進んでいることから、都市計画道路と合わせて水路整備を行うものです。
矢坪沢は、砂防指定や土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンに指定されていることから、河床の洗掘防止のために、現在よりも河床勾配を緩くし、必要な水路断面を確保し、護岸整備を行った上で、斜面の崩落等を防止するなど、安全・安心な水路の整備を目的としたもので、今、お話にありましたように、新たに自然公園を整備するものではございません。
矢坪沢の整備に当たりましては、これまで様々な御意見をいただいてきましたが、本年4月の説明会でお示ししました整備案を基本に、今年度実施いたします詳細設計や関係機関との調整内容を踏まえ、法令等の基準に照らしながら、安全・安心な水路機能を確保した上で、多自然川づくり基本指針の考え方を参酌し、地域の景観と自然環境にも配慮しながら、事業を進めていきたいと考えております。
以上です。
275
◯小菅基司議長【 125頁】 吉村慶一議員。
276 ◯1番吉村慶一議員【 125頁】 一応用意しておきました質問事項は、全部終わったのですけれども、少し時間がありますので、最後に要望というか、考え方について申し述べさせていただきたいのですが、この戸川土地区画整理事業については、その効用というかメリットについて、要するに、雇用だとか、税収、それから、なかなか計算できませんけれども、波及効果ということが議論になります。
実は、これも最初の頃の役所の資料には、あまりそういうことを書いていなかった。私が、何も書かないのはまずいから、ある一定の条件設定の下にそういう数値も出したほうがいいよということを強くお勧めして、そうしたら、雇用が500人だったか、税収が2億円とか、波及効果はたしか通知はなかったと思いますけれども、そういうものが出てきました。
島津製作所のある堀山下テクノパークのことを参照して、そこから推計して出したというやり方だったと聞きましたけれども、それがもう全然時代遅れで、そんな数値は当てにならないのではないかという議論がされて、それに対して執行部が答えなければいけない局面があります。その局面をつくった原因は、私です。私が余計なことを言ったから、そういうことになってしまったと。
ただ、例えば、税収ですけれども、議論を聞いていると、秦野市は地方交付税の交付団体だから、税収が上がったって、そのうちの4分の3は、今日もありましたけれども、国に取られてしまうのだから、そんなに効果はないという議論でした。それは、確かにそうとも言えるのだけれども、自分で事業を起こして税収を上げるのと、国から、税収が足りないから地方交付税をもらうというのは、その土地に住んでいる人間のプライドとか、モラルとか、そういう意味で、私は全然違うと思う。
だから、日本中にある地方公共団体のほとんどは、地方交付税をもらっていますよね。でも、ほとんどの地方公共団体は、企業誘致をしたり、いろんな知恵を働かせて税収を上げようとしている。やったって、地方交付税をその分減らされてしまうのですよ、みんな。それでもやろうとするのは、それはやっぱりプライドとモラルでしょう。
地方交付税制度というのは、物すごくいい制度ですよ。要するに、豊かな地方公共団体から上がった税金を国土の均一な発展と行政の実施のために配分する。これまでの日本の政治が成し遂げてきた、世界に冠たる制度だと思う。でも、その仕組みの中では、その地方、地方が頑張って税収を上げても、そのうちの4分の3は国に戻さなければいけないのだから、あまり効果はないということになってしまう。それでも、やっぱりやる価値はある。それは自分の手で生きていくのだという意思表示だから。
これは、比較するのが適切かどうか分からないけれども、生活保護も、本来で言えば、自分の年金収入とか稼ぎと生活保護水準との差額が交付される。ひとり住まいなら13万円とか14万円とかですよね。自分が頑張って働いて10万円稼いだら、生活保護からもらえるのは、その差の3万円とか4万円になってしまう、生活保護からもらうのが減ってしまうから。合計すれば前と変わらない。でも、やっぱり働く人は働く。それで、もう働いても収入が一緒なら、生活保護をもらっていたほうが楽でいいやと思う人もいる。それは、憲法で保障された権利だから何とも言えないけれども、そこに違うぞと、俺は自分の手で稼ぐのだよと。憲法で保障された権利だから、もらってしまえと、どちらかに分かれてしまうのですね。
本当にできるところまではやろう。5万円しか稼げないけれども、5万円分は働こう。残りは生活保護だと、そういう人の例というのは、あんまり多くないと聞いています。比較が適切かどうかという問題は置いたとして、自分の手で税収を稼ぐ。働く場というのは、やっぱりここに住んでいる人が自立するための機会だから、10でも20でも、30でも40でも、多ければ多いほどいい。それを苦労してつくる。大局的に数値だけ見れば、税収だってそんなに上がらない。働く場だって大したことはないかもしれないけれども、それでもやっぱりやらなければ駄目ですよ。日本中がみんな諦めてしまったら、日本という国が潰れる。そういう性格の事業ですから、今後とも頑張ってやってください。
それから、はだのクリーンセンターの跡地の問題は、さっきのような答弁では絶対済まない。私は済ませない。秦野市長が伊勢原市長に、そろそろ時期ですよと言わないでどうするのですか。どうやって物事が動くのですか。
そう申し上げて、質問を終わります。
277
◯小菅基司議長【 126頁】 以上で、吉村慶一議員の一般質問を終わります。
暫時休憩いたします。
午後 3時58分 休憩
─────────────────────────────────────────────
午後 4時07分 再開
278
◯小菅基司議長【 126頁】 再開いたします。
休憩前に引き続き、「一般質問」を行います。
野々山静香議員。
〔野々山静香議員登壇〕
279 ◯4番野々山静香議員【 126頁】 市民クラブの野々山です。議長より発言の許可をいただきましたので、発言通告に従い、一般質問をさせていただきます。
1、地域共生社会における取組について。
少子高齢化、核家族化などに加え、新型コロナウイルス感染症拡大と、地域のつながりが希薄となる中で、多様化、複雑化している心配事や悩み事など、周囲に相談できずに孤立してしまうケースが増加していると感じます。
そのような中では、身近で信頼のおける相談相手の役割が重要となります。それぞれの地域には、身近な相談相手として民生委員・児童委員がいます。毎年5月12日は、民生委員・児童委員の日とされており、この日から1週間を活動強化週間として情報交換を行う集会や、ポスターやチラシを用いた広報活動などで広く民生委員・児童委員の活動の周知などを行っています。しかし、一般的には、民生委員・児童委員の方がどのような役割を持って活動されているのか、名前は聞いたことがあっても、その活動内容をよく知らないという方が多いと感じます。
そこで、お伺いいたしますが、民生委員・児童委員、また、主任児童委員の地域での役割はどのようか、お伺いします。
2、子育て共助について。
人口減少、少子化の進行などにより、子育て家庭を取り巻く環境が変化し、様々な課題が浮き彫りになっています。国においても、子供を誰一人取り残さず、健やかな成長を社会全体で後押し、子供の視点に立った政策を推進、こどもまんなか社会の実現に向けてこども家庭庁を設置し、国全体で子育て支援に取り組む方向性を示しています。
そこで、お伺いしますが、子育て世代が抱える課題が複雑化、多様化する状況において、個々のニーズに合わせた支援が必要であると思いますが、本市における子育て施策はどのようか、お伺いします。
二次質問以降は、質問者席で行います。
〔野々山静香議員降壇〕
280
◯小菅基司議長【 127頁】 福祉部長。
281 ◯古尾谷明美福祉部長【 127頁】 私からは、御質問の1点目、地域共生社会における取組について、お答えいたします。
民生委員・児童委員の役割についての御質問でございますが、民生委員は、民生委員法に基づき、厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員でございます。給与の支給はなく、ボランティアとして活動していただいております。また、民生委員は、児童福祉法に定める児童委員も兼ねることとされております。
選出に当たりましては、地域の実情に精通し、社会福祉の増進に熱意のある人など、民生委員法に定める要件を満たす人を市町村ごとに設置される民生委員推薦会において選考・推薦し、最終的に国から委嘱される流れとなっております。
民生委員・児童委員は、それぞれが担当する区域で、高齢者や障がい者世帯の見守りや安否確認など、生活上の様々な相談に応じるだけでなく、適切な支援やサービスが提供できるよう、行政や専門機関へのつなぎ役として、重要な役割を担っていただいております。
なお、民生委員・児童委員の一部は、厚生労働大臣により主任児童委員に指名されております。主任児童委員は、子供や子育てに関する支援を専門に担当し、担当区域を持たず、区域担当の民生委員・児童委員と連携しながら、子育て支援や児童の健全育成活動などに取り組んでいただいております。
以上でございます。
282
◯小菅基司議長【 127頁】
こども健康部長。
283
◯梶山孝夫こども健康部長【 127頁】 私からは、御質問の2点目、子育て共助について、お答えいたします。
地域のつながりが希薄化している中で、本市においても、子育てにおける孤立感や負担感が増加しているものと懸念されます。
こうした中、新型感染症の影響も重なり、児童虐待の顕在化、子供への貧困の連鎖等、子育てを取り巻く環境はより複雑かつ深刻となり、育児や家事、教育に限らず、仕事や介護など、子育て世代が抱える悩みや不安は一様ではないと考えます。
そのため、本市では、様々なニーズに合わせた対応ができるよう、相談体制の強化や居場所づくりなど、保護者に寄り添った子育て環境の整備に取り組んでいます。妊娠期や産後は、心も体も不安定になりやすい時期であることから、保健福祉センター内に設置している子育て世代包括支援センターにおいて、母子保健コーディネーターや助産師、保健師等が丁寧に相談に応じるとともに、産後ケア事業などを実施し、出産や育児の不安の軽減、解消を図っています。
また、特にひとり親などは、仕事と育児を1人で担わなければならず、どうしても負担が大きくなり、不安や悩みも多くなりがちです。そのため、平日だけでなく、お仕事がお休みのときに相談に来ていただけるよう、新たに本年9月から、毎月第2土曜日にもひとり親家庭への相談日を広げることといたしました。併せて、これまでの対面に加え、オンラインによる相談を実施しています。
このほか、移転手続をされた家庭でお子さんがいる場合には、後日、こちらから個別に連絡を取って、子育て支援情報の提供を行うことや、親族や知人が近くにおらず、不安がある人には、同じ子育てをする保護者との交流ができるコミュニティ保育や、地域
子育て支援センターぽけっと21等につなげるなど、新たに事業を開始いたしました。
さらに、保育所やこども園は、就労等を要件とした入所に加え、保護者の疾病により養育が困難であるといった、支援を必要とする子供の受入れを行うとともに、地域の子育て拠点としても位置づけられているため、地域で子育てを行っている個々の保護者の相談に応じるなど、市民の子育てニーズに合わせたきめ細やかな支援をしています。
以上でございます。
284
◯小菅基司議長【 128頁】 野々山静香議員。
285 ◯4番野々山静香議員【 128頁】 それぞれの御答弁、ありがとうございました。それでは、順番を入れ替えさせていただきまして、子育て共助について、二次質問をさせていただきます。
御答弁にもございましたように、地域の希薄化に加えて、新型コロナウイルス感染症の拡大、児童虐待の顕在化、子供への貧困の連鎖と、それぞれの家庭が抱える課題は一様ではないため、それぞれのニーズに合わせた取組が必要であると感じます。
先日、私ども
文教福祉常任委員会では、富山県中新川郡舟橋村へ所管事務調査を行ってきました。舟橋村は、面積3.47平方キロメートルと、全国の自治体の中でも最も小さい自治体ではありますが、現在も人口、世帯数とも増加傾向にあり、特に、子育て世代の転入が最も多いとお聞きしています。
豊かな自然環境に恵まれ、富山市中心部へは電車で15分と恵まれた立地条件に加えて、駅に併設されている、今、スクリーンにもございますが、村立図書館では、図書館としての機能だけではなく、これは多分コミュニティースペースとしての機能も持ち合わせているように感じました。また、つながりを大切しながら、地域住民が協力した子育て支援を進めており、
子育て支援センターぶらんこでは、立派な施設や遊具もなく、スタッフは経験値の浅い専門職のみでありますが、誰でも気軽に利用していただける仕組みづくりをしたことで、新米ママや子育て経験者など、様々な住民がつながり、利用者の隙間や物足りなさをお互いに埋め合うような取組になっていると感じました。
100%の下準備をせず、70から80%の準備で迎えることで、20から30%の不足分は、利用者に関わってもらうことで、与えられるサービスから関わる楽しさが、村外からも訪れたくなる人気の秘密であると感じました。
そこで、お伺いいたしますが、こうした共助による取組が必要と考えますが、本市における地域の力を活用した取組はどのようか、お伺いします。
286
◯小菅基司議長【 128頁】
こども健康部長。
287
◯梶山孝夫こども健康部長【 128頁】 本市における地域の力を活用した取組につきまして、お答えいたします。
かつては、家族を中心に地域で子育てをしていた時代もあると思いますが、核家族化や女性の社会進出、高齢者の就業の増加など、家庭や地域の子育て力が低下するとともに、さらには、少子化による社会全体の活力低下が懸念されていることから、近年、行政による子育て支援が求められているものと認識しております。
本市でも、様々な子育て支援の取組を進めているところですが、その中で、住民同士で支え合う共助に視点を置いた子育て支援の取組といたしまして、コミュニティ保育やファミリー・サポート・センターなどがございます。
コミュニティ保育では、就園前の子供とその保護者が自主的にグループをつくり、地域の公園や児童館などにおいて、週1回から2回程度、活動されています。現在、小規模のグループも含めて、市内に9つのグループがあり、身近な地域で楽しく遊びながら交流を深め、子育ての同じ悩みを共有し、相互に支え合う関係性を築くなど、子育て共助の視点での活動がされており、本市でもその活動を支援しております。
また、ファミリー・サポート・センターは、市民の中で子育ての援助を受けたい依頼会員を子育ての支援をしたい支援会員が支える取組です。現在、依頼会員が1,442人、支援会員が537人、子供を預けたり、また、預かることもできる両方会員が43人、合計で2,022人の会員の登録があります。主な依頼内容は、保育所やこども園などの送迎や放課後の預かりとなりますが、保護者のリフレッシュといった理由でも利用が可能です。
しかし、こうした共助による取組がある一方で、個人情報の取扱いや会員間でのトラブルなど、市民同士でつながることが難しいケースが生じることもあります。このため、ファミリー・サポート・センターでは、市の委託による事務局を置き、依頼会員の希望に合わせ、受け入れる支援会員とのマッチングをする際には、事務局職員が同席をしながら、依頼会員と支援員会員とで事前面接を行い、顔の見える関係性を構築した上で、スムーズな利用となるようコーディネートしています。
以上のほか、子供の居場所づくりの一環として、地域住民が運営するみんなの食堂では、様々な年代の仲間が集うことができる多世代交流の場にもなっており、市では、必要とする人が気軽に利用できるよう、市民に広く周知するなど、その活動を支援しております。
以上でございます。
288
◯小菅基司議長【 129頁】 野々山静香議員。
289 ◯4番野々山静香議員【 129頁】 御答弁、ありがとうございました。
確かに、共助の取組には、お互いの信頼関係があって成り立つものもあると感じます。個人情報の取扱いであったり、会員間のトラブルなどの回避として、コーディネーターとしての位置づけの役割を持つ方も大変重要であると感じます。今は、SNSなどでも簡単に子育てに関する情報が手に入ったり、ほかの人とつながることができる環境ではありますが、SNSなどでのつながりは、物理的な距離を縮めることはできますが、心の距離までも縮められるのは、お互いに顔が見え、触れ合える関係性だと考えます。例えば、子育てに不安がある人へ大丈夫という言葉がけは、全然捉え方が違うという、その言葉一つが持つ意味やニュアンスも含めて伝えられて、より安心感を与えることができると考えます。
こうしたことから、今後、ますます地域の力が必要となる中で、本市で子供を産み育ててよかったと思ってもらえるよう、地域全体で子育てをするために、今後、どのように進めていくのか、お伺いします。
290
◯小菅基司議長【 129頁】
こども健康部長。
291
◯梶山孝夫こども健康部長【 129頁】 地域で子育てするために今後、どのように進めていくのかという御質問にお答えいたします。
子育ては、夢や希望に満ちたものと考えられますけれども、時として、不安や悩みが上回り、家族だけでは解決できないことが起こる場合もあります。家庭の中が見えにくくなっている現代において、子育て世代を支えるためには、行政だけの取組ではなく、市民力や地域の力により、重層的な支援が求められていると考えられます。
本市では、市内10か所にぽけっと21などの地域
子育て支援センターを開設し、未就園児の親子の交流と子育てに関する相談ができる体制を整備していますが、このうち鶴巻地区にある「ちっちゃなて」は、自治会組織が運営しており、共助による子育て支援の場となっております。子育て経験のあるボランティアがスタッフとして常駐し、気軽に利用や相談ができるため、多くの親子に利用していただいております。行政による支援はもちろんですが、身近に子育ての経験者や頼り合える仲間がいることは、何より心強く感じるものではないでしょうか。
このことから、これまでの取組を着実に進めつつ、既存の事業であっても、地域力を活用した取組に発展させることなども今後、検討してみたいと考えます。今後も、人と人とのつながりを大切にしながら、地域全体で子育てできる環境づくりを進め、子育て世代にとって、魅力あるまちづくりに努めてまいります。
以上でございます。
292
◯小菅基司議長【 130頁】 野々山静香議員。
293 ◯4番野々山静香議員【 130頁】 ありがとうございました。
昨今には子育てシェアという言葉がありますように、子育ての分担をする、共有をするなどの機運が高まっているように感じます。私にも経験がありますが、子育てをする中で、不安や悩みが生じた際に、身近に頼りがいのある仲間がいることは大変心強いと感じます。
また、子育て世代のみならず、子育てが落ち着いた世代からの長年の経験に触れるということは、子育て世代にとっても励みとなります。その中で、支援される側から支援する側へとの子育てのよい循環が生まれて、地域に対しての愛着も生まれるのではないかと考えております。
今後も、子育て共助の視点を生かしながら、地域全体で子育てができる環境づくりの支援をよろしくお願いいたします。
この質問は、以上で終わります。ありがとうございました。
続きまして、地域共生社会における取組についての二次質問をさせていただきます。
御答弁にもございましたが、民生委員は、民生委員法に基づき、厚生労働大臣より委嘱された非常勤の地方公務員で、ボランティアであることと同時に、児童福祉法に定める児童委員も兼ねるとされています。
社会奉仕の精神をもって、常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い、福祉事務所等や関係行政機関の業務に協力するなどして、社会福祉の増進に努める方々であること。主任児童委員は、子育て支援や児童健全育成活動に取り組まれていること。また、最近では、
ヤングケアラーの課題にも取組を進めていく中において、民生委員・児童委員を対象とした、
ヤングケアラー支援の研修会などの開催の観点から見ても、包括的に地域と行政をつなぐ総合的な窓口のような存在であると感じます。
そこで、お伺いしますが、令和4年11月30日に任期満了を迎える民生委員・児童委員の全国一斉改選が行われるとお聞きしています。現在、一斉改正に伴う推薦活動をされているようですが、現在の選出状況はどのようか、お伺いします。
294
◯小菅基司議長【 130頁】 福祉部長。
295 ◯古尾谷明美福祉部長【 130頁】 再度の御質問にお答えいたします。
一斉改選における選出状況の御質問でございますが、まず、本市における民生委員・児童委員の選出方法等について、御説明させていただきます。
今年は、民生委員の全国一斉改選の年でございます。そのため、5月中旬から下旬にかけて、各地区で選出活動の説明会を行い、その後、各地区自治会連合会会長と民生委員経験者で構成いたします秦野市民生委員推薦会の委員を中心に、理事会の協力などもいただきながら、約3か月間の選出活動を行ってまいりました。期限までに選出された候補者につきましては、民生委員推薦会で審査決定し、県に推薦をしております。
今後、県の社会福祉審議会民生委員審査専門分科会での審査・決定を経て、最終的に厚生労働大臣から委嘱されます。新たな民生委員の任期は、本年12月1日から令和7年11月30日までの3年間となります。
今年度の一斉改選に伴う推薦の状況でございますが、本市の定数は260人で、現在までに246人の候補者を推薦することができましたので、14人が不足している状況でございます。なお、再任率につきましては、63%となっております。
以上でございます。
296
◯小菅基司議長【 131頁】 野々山静香議員。
297 ◯4番野々山静香議員【 131頁】 ありがとうございました。
民生委員・児童委員の選出の御説明については、各地区の自治会連合会会長と民生委員経験者で構成されている秦野市民生委員推薦会の委員を中心に、自治会に御協力をいただきながら、候補者の選出をされているということでございました。
スクリーンを御覧ください。
秦野市のホームページから民生委員・児童委員の定数を持ってきたものなのですが、民生委員・児童委員の定数は、本町が24人、南が23人、東18人、北16人、大根17人、西22人、渋沢23人、末広21人、南が丘15人、広畑15人、鶴巻23人、堀川19人で、計236人、主任児童委員は12各地区2人ずつで、計24人が定数であります。
また、定数設定に当たっては、厚生労働省の各中核市、本市が当たりますが、市長宛ての通知では、平成13年度には、市区町村ごとの管内人口や面積、地理的条件、世帯構成の類型等を総合的に勘案し、住民に対するサービスが適切に行われるよう、地域の実情を踏まえた弾力的な定数設定について留意することとありますが、平成19年度の一部改正では、市町村合併により、定数が大幅に変更する場合や、1人の民生委員・児童委員(主任児童委員を含む)が担当する範囲が地理的に広大になる場合等については、住民に対するサービスの低下を招くことのないよう、地域の実情を踏まえた弾力的な定数設定となるよう留意することと、一部改正しております。
本市においては、高齢化の進行などで見守り対象が増加しており、それに伴い、負担軽減の観点から、今後、民生委員の定数を増やす可能性がありますが、そうなった場合でも、欠員区域を生じさせてはならないと思います。
そこで、お伺いしますが、現在、本市が行っている選出では、定員が14人不足されているとのことでした。担い手不足の要因と欠員区域への対応はどのようか、お伺いします。
298
◯小菅基司議長【 131頁】 福祉部長。
299 ◯古尾谷明美福祉部長【 131頁】 再度の御質問にお答えいたします。担い手不足の原因と欠員区域への対応についてでございます。
民生委員は、地域の福祉活動に欠かせない存在であり、地域とのつながりが大切であることから、その地区にお住まいの住民の中から選出することとなっております。そのため、自治会に選出の御協力をお願いしてきますが、高齢化の進行や年金受給対象年齢の引上げに伴う定年延長などにより、地域のために貢献していただける方々の年齢も高くなっており、民生委員のみならず、地域の担い手不足が深刻な状況となっております。また、地域における人と人とのつながりや絆の希薄化もこの要因の1つと考えられます。
民生委員の欠員区域が生じた場合、同地区の他の民生委員が欠員区域の見守りなどをカバーすることになりますので、1人当たりの負担が増えるだけでなく、見守られる側にとっても不安要素となってしまいます。
そのため、欠員区域の民生委員をできるだけ早く選出できるよう、自治会等の御協力をいただきながら、現在も選出活動を行っているところでございます。
以上でございます。
300
◯小菅基司議長【 132頁】 野々山静香議員。
301 ◯4番野々山静香議員【 132頁】 ありがとうございました。
民生委員の欠員区域が生じた場合、同じ地区の民生委員が欠員区域の見守りをカバーするなど、1人の負担が増える、また、見守られる側としても、不安の要素となることもよく分かりました。
スクリーンを御覧ください。
厚生労働省のホームページより、1実例として挙げている民生委員・児童委員の活動の一例です。社会調査では、県・市の民生委員・児童委員協議会では、配食サービスの協力や声かけ、安否確認などの活動を通して、住民の実態やニーズを日常的に把握するよう取り組んでいる。また、相談では、その中で、民生委員・児童委員の委員は、ある90歳の方のお宅を訪問した際、家族から、自宅で介護を続けたいが、心身ともに疲労しているので何とかしたいと相談があり、ゆっくり話を聞いた。情報提供では、家族の希望に沿って、介護保険制度で利用できるホームヘルプサービスやショートステイ等のサービスについて情報提供をした。情報では、その後、委員は、本人と家族の申出により、市の窓口に連絡し、サービスを受けるために必要な対応を依頼した。
ここまでが民生委員・児童委員の日常の見守り活動の中で起こり得るような実例であると思います。
次の調整移行という項目がございますが、実際には、行政や社会福祉協議会などの支援先が関わってくるので、民生委員が主体となっていくわけではないとは思いますが、民生委員の活動が多岐にわたり、大変重要な役割を果たしていることがうかがえます。
本市でも、類似の活動、また、活動の量などがあれば、負担を感じ、成り手が不足するのではないかと懸念されます。
そこで、担い手不足解消に向けた取組はどのようか、お伺いします。
302
◯小菅基司議長【 132頁】 福祉部長。
303 ◯古尾谷明美福祉部長【 132頁】 再度の御質問にお答えいたします。
担い手不足解消に向けた取組でございますが、民生委員・児童委員の任期は3年となっておりますので、3年間活動してこられた率直な御意見をお聞きするため、任期終盤にアンケート調査を行っております。
令和元年度に行ったアンケートでは、約8割の方から「やってよかった」、「元気をもらえた」など、「やりがいを感じている」との回答をいただいております。やりがいを感じた方の中には、地域への見守り活動を通じて、顔見知りが増え、まちで挨拶を交わす機会も多くなった。また、「困り事を抱えた人を支援し、笑顔を取り戻せた」など、民生委員でなければ体験できない喜びを感じられた方が多い一方で、「市や社会福祉協議会が主催する行事への参加、民生委員の会議、または、研修会への出席が負担だ」という御意見や、「民生委員の活動を住民が理解しておらず、活動がしづらい」といった声もございました。
また、業務見直しの基礎資料とするため、令和3年度には、民生委員の業務内容を分析し、業務量の多い項目や役割を抽出した報告書を作成いたしました。
これらの基礎資料を基に、関係各課や社会福祉協議会と協議し、3年間をかけて19項目にわたる業務負担の軽減に取り組んでまいりました。
一例を申し上げますと、民生委員に配付を依頼しておりました文書や敬老祝い金などにつきましては、郵送や口座振込への変更を、社会福祉協議会が行っている共同募金につきましては、協力人数の削減を、民生委員の会議・研修会につきましては、オンラインでの開催や、回数を削減するなどの負担を軽減する内容となっております。
これらの見直しだけでなく、地域をよく知る自治会に対しましても、民生委員活動は自治会との連携が必要であるため、活動内容を周知するとともに、選出活動への協力を求めてまいりました。
さらに、民生委員・児童委員の活動内容などを掲載した会報誌につきましても、これまで会員配付だったものを自治会を通じた組回覧に変更したり、広報はだの特集号の発行、タウンニュースへの掲載、秦野駅やイオン秦野店でのデジタルサイネージなど、様々な手段を使って、民生委員活動の周知を図ってまいりました。
民生委員の担い手不足は本市に限らず、全国的な課題となっておりますので、本年度に実施いたしましたアンケートの集計結果を分析するとともに、選出方法につきましても、先進市の取組などを調査し、今後に生かしてまいります。
誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせる地域共生社会を目指すためには、民生委員・児童委員はなくてはならない存在でございます。今後も、困っている人を支援する身近な相談相手として、活動しやすい環境を整えるとともに、担い手不足解消に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。
304
◯小菅基司議長【 133頁】 野々山静香議員。
305 ◯4番野々山静香議員【 133頁】 ありがとうございました。
民生委員・児童委員の方の任期ごとにアンケート調査を行っていただいて、業務の見直しの基礎資料とするための報告書の作成や、関係各課、社会福祉協議会との協議の中で、3年間をかけて19項目にわたる業務負担の軽減に取り組まれたということでございます。ありがとうございます。
しかし、日々、市民からの相談を受ける中では、どこまで踏み込んでよいのだろうかと、その線引きに悩み、ちゅうちょし、戸惑うことがあると思います。だからこそ、日頃からの関係性を築くことが大切なのではないかと思っています。
今後も、民生委員が一人で抱え込まないよう、市や社会福祉協議会、あるいは、地域高齢者支援センターなど、連携した見守り支援体制づくりを進めることで、民生委員が活動しやすい環境を整え、担い手不足の解消に取り組んでいただきたいと思います。
また、地域の見守りは、民生委員や地域高齢者支援センターだけではなく、地域のつながりが大切だと考えています。コロナ禍において、お祭りや敬老会などの地域行事もなかなかできず、人と人とのつながりがさらに希薄になっている状況だとは思いますが、自治会や地区社協などの活性化を図っていただき、それらを中心とした地域づくりを進めることで、地域で共に支え、誰もが安心して暮らせる地域共生社会を実現していただきますよう、お願いいたします。
それと1点、令和5年4月1日にこども家庭庁が創設されることによって、児童委員制度の所管がこども家庭庁に移管されるということですが、全国民生委員児童委員連合会は、こども家庭庁設置後も、民生委員・児童委員が地域において不可分一体の活動を継続し、必要な措置を講じるよう要望されております。
これまでも、保育所は厚生労働省、幼稚園は文部科学省、認定こども園は内閣府が所管するなど、複数の行政にまたがっているのが現状としてあります。自治体としても、その辺りを注視していただくよう要望しまして、私の一般質問を終わります。
306
◯小菅基司議長【 133頁】 以上で、野々山静香議員の一般質問を終わります。
お諮りいたします。
本日の会議はこれで延会いたしたいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
307
◯小菅基司議長【 134頁】 御異議なしと認めます。
したがって、そのように決定いたしました。
本日はこれで延会いたします。
午後 4時43分 延会
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