小田原市議会 2019-12-19
12月19日-07号
令和 1年 12月 定例会 令和元年
小田原市議会12月
定例会会議録(第7日)令和元年12月19日
-----------------------------------議事日程 小田原市議会12
月定例会議事日程 令和元年12月19日 午前10時開議 日程第1 議案第125号 令和元
年度小田原市
一般会計補正予算 日程第2 議案第126号 小田原市常勤の
特別職職員の給与に関する条例の特例に関する条例 日程第3 議案第127号 事業契約の変更について(小田原市
斎場整備運営事業) 日程第4 同意案第26号
固定資産評価審査委員会委員の選任について 日程第5 意見書案第2号 国に私学助成の拡充を求める意見書 日程第6 意見書案第3号 神奈川県に私学助成の拡充を求める意見書 日程第7 陳情第21号 久野地区
イオンタウンの早期開業についての陳情書 日程第8 陳情第28号 骨髄移植等によりワクチンの再接種が必要になった場合の再接種費用を助成する制度創設を求める意見書の提出を求める陳情 日程第9
常任委員会視察報告について
-----------------------------------本日の会議に付した
事件 ◯議事日程のとおり
-----------------------------------出席議員(27名) 1番
川久保昌彦議員 2番
鈴木敦子議員 3番
清水隆男議員 4番
小谷英次郎議員 5番
荒井信一議員 6番 金崎 達議員 7番
宮原元紀議員 8番
池田彩乃議員 9番
角田真美議員 10番
鈴木和宏議員 11番
鈴木美伸議員 12番
安野裕子議員 13番
鈴木紀雄議員 14番
俵鋼太郎議員 15番
奥山孝二郎議員 16番 楊 隆子議員 17番
神戸秀典議員 18番 篠原 弘議員 19番
井上昌彦議員 20番 大川 裕議員 21番
木村正彦議員 22番 武松 忠議員 23番
横田英司議員 24番
田中利恵子議員 25番
岩田泰明議員 26番
杉山三郎議員 27番
加藤仁司議員-----------------------------------説明のため出席した者 市長 加藤憲一君 副市長 加部裕彦君 副市長 時田光章君 教育長 栢沼行雄君 理事・教育部長 内田里美君 企画部長 鳥海義文君
政策調整担当部長 杉本錦也君 総務部長 豊田善之君
公営事業部長 隅田俊幸君 市民部長 加藤裕文君
地域コミュニティ担当部長 杉崎貴代君 防災部長 杉山博之君 文化部長 安藤圭太君 環境部長 神名部耕二君
福祉健康部長 山崎文明君
子ども青少年部長 北村洋子君 経済部長 座間 亮君 都市部長 石塚省二君 建設部長 小澤千香良君 下水道部長 石井謙司君
市立病院病院管理局長 簑島信次君 消防長 穂坂明利君 水道局長 湯川 寛君 総務課長 尾上昭次君 財政課長 石井裕樹君
-----------------------------------事務局職員出席者 事務局長 佐藤克明 副事務局長 向笠勝彦
議事調査担当課長 室伏正彦 副課長 渡辺博之 副課長 藤澤信吾 副課長
高橋洋子-----------------------------------
○議長(
奥山孝二郎君) ただいまから昨日に引き続きまして
小田原市議会12月定例会を開きます。 午前10時0分 開議
○議長(
奥山孝二郎君) 本日の出席議員は全員であります。定足数に達しておりますので、これより直ちに本日の会議を開きます。
-----------------------------------
○議長(
奥山孝二郎君) 本日の議事日程は、お手元に配付したとおり定めましたので御了承いただきます。
-----------------------------------
○議長(
奥山孝二郎君) 日程第1 議案第125号 令和元
年度小田原市
一般会計補正予算から、日程第3 議案第127号 事業契約の変更について(小田原市
斎場整備運営事業)までの3件を一括議題といたします。 提案理由の説明を求めます。 市長、登壇願います。 〔市長(加藤憲一君)登壇〕
◎市長(加藤憲一君) それでは御説明申し上げます。 初めに、議案第125号 令和元
年度小田原市
一般会計補正予算でございますが、第8款土木費におきましては、
上府中公園内にある
小田原球場の空調設備が11月29日に故障し使用不能となったため、更新工事に係る経費を、市債を財源に計上するとともに、年度内の完成が見込めないことから、所要の額を繰り越すものであります。 また、
小田原こどもの森公園わんぱくらんどの
こども列車が、11月12日に故障したことから、修繕工事に係る経費を計上するとともに、
運行停止期間中の
施設管理運営委託料を増額するものであります。 次に、第10款 教育費におきましては、台風第19号に伴う増水により冠水した
酒匂川スポーツ広場の
災害復旧工事につきまして、所要の経費を、市債を財源に計上するとともに、年度内の完成が見込めないことから、所要の額を繰り越すものであります。 次に、議案第126号 小田原市常勤の
特別職職員の給与に関する条例の特例に関する条例につきましては、元
公営事業部職員の不祥事に関連し、市長の給料を減額するため提案するものであります。 次に、議案第127号 事業契約の変更についてでございますが、小田原市
斎場整備運営事業におきまして、斎場への
新規進入路整備が、
埋蔵文化財調査の長期化により、契約金額を変更する必要が生じたことに伴い、平成31年3月25日に議決をいただきました「議案第55号 事業契約の変更について」の内容の一部を変更するため提案するものであります。 以上をもちまして、提案理由の説明を終わらせていただきます。
○議長(
奥山孝二郎君) 提案理由の説明が終わりましたので、引き続いて議案の細部説明を求めます。
◎財政課長(石井裕樹君) それでは細部説明を申し上げます。 本日追加いたしました補正予算は、
小田原球場の
空調設備更新工事、
小田原こどもの森公園わんぱくらんどの
こども列車車輪修繕工事、
酒匂川スポーツ広場の
災害復旧工事の3件につきまして、所要の経費を計上するものであります。 それでは、補正予算の詳細について
歳入歳出補正予算事項別明細書の説明欄に基づきまして御説明申し上げますので、12ページ、13ページをお開きください。 第8款 土木費の公園緑化費でありますが、
上府中公園内にある
小田原球場の本部室等の空調設備につきまして、11月29日に故障し、専門業者が確認したところ、修繕不能であることが判明しました。この空調整備は、平成2年度に設置したものであり、来年の夏までに稼働させる必要があることから、本補正予算に更新工事に係る経費を、市債を財源に計上するとともに、年度内の完成が見込めないことから、所要の額を繰り越すものであります。 また、
小田原こどもの森公園わんぱくらんどの
こども列車につきましては、11月12日に異音が発生したため運行を停止し、専門業者が確認したところ、車輪の磨耗が原因であることが判明しました。
こども列車は来園者に最も人気が高く、また、その利用料金は
指定管理者の主要な収入となっていることから、来園者がふえる春休みの運行再開を目指し、車輪の修繕に係る
工事請負費を計上するとともに、
運行停止期間中の列車利用料の減収分を
指定管理者に対し補てんするため、
施設管理運営委託料を増額するものであります。 第10款 教育費の体育施設費でありますが、台風第19号に伴う増水により冠水した
酒匂川スポーツ広場の
災害復旧工事につきまして、
河川管理者である県や利用者団体との調整を経て設計が完了したことから、
工事請負費を計上するとともに、年度内の完成が見込めないことから、所要の額を繰り越すものであります。 なお、財源につきましては、市債を計上するほか、現在、国の
災害復旧事業の査定を受けるべく、関係機関と調整中でございます。 以上をもちまして、細部説明を終わらせていただきます。
◎総務課長(尾上昭次君) それでは、私から条例議案及び事件議案の細部説明を申し上げます。 議案及び
議案説明資料の5ページをお開きください。 初めに、議案第126号 小田原市常勤の
特別職職員の給与に関する条例の特例に関する条例は、元
公営事業部職員による不祥事、
競輪事業資金の横領に関連し、市長の給料を減額するために制定するものでございます。 内容でございますが、市長に対し支給する令和2年1月分の給料月額を30%減額するものでございます。これによりまして、市長の令和2年1月分の給料月額は、69万1600円となります。 次に、議案及び
議案説明資料の3ページをお開きください。 議案第127号 事業契約の変更についてにつきましては、平成31年3月25日に議決をいただきました「議案第55号 事業契約の変更について」におきまして、
埋蔵文化財調査が当初の想定より日数を要したため、
新規進入路整備に係る
事業費増額の契約変更を行うものです。 この変更に当たりまして、去る12月13日の本会議において、補正予算をお認めいただいた後、12月13日に事業者と2249万5000円増額の仮契約を締結したことから、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律第12条の規定により議会の議決を求めるものでございます。 次に、7ページをお開きください。 当該事業につきましては、本年6月定例会において、
埋蔵文化財発掘調査について補正予算をお認めいただき、太枠で囲った
新規進入路整備箇所において、発掘調査を実施したところ、長雨や想定より多くの住居跡があったことから、調査に日数を要したため、
新規進入路の整備工程などを見直すことといたしました。このため、
新規進入路の整備に係る経費について増額するものでございます。 以上をもちまして、細部説明を終わらせていただきます。
○議長(
奥山孝二郎君) 以上で細部説明は終わりました。 議案調査のため、この際、暫時休憩いたします。 再開は午前10時40分といたします。 午前10時9分
休憩----------------------------------- 午前10時40分 開議
○議長(
奥山孝二郎君) 休憩前に引き続き再開いたします。 ただいま議案となっております各議案につきましては、先ほど説明が終わっておりますので、一括で質疑を行った後、初めに、議案第125号の討論、採決を行い、次に、議案第126号の討論、採決を行い、最後に、議案第127号の討論、採決を行いますので、あらかじめ申し上げます。 これより質疑に入ります。
◆7番(宮原元紀君) 議案第125号、
酒匂川スポーツ広場災害復旧工事請負費についてお伺いいたします。 まず、先ほど、国の
災害復旧事業費など、現在調整中という御説明をいただきましたけれども、その割合や実施時期のタイミングなど、見通しがありましたら教えてください。 それから、従前と比較して非常に今回高額な復旧費用であると考えますけれども、この1億1000万円の根拠をお伺いします。 続いて、毎回この復旧費用が非常にかかっておるわけでございますが、これは税金の無駄遣いというとらまえ方もされるのではないかと思います。そこで、今後も継続してこの金額をかけていくのか、まずお伺いいたします。
◎文化部長(安藤圭太君)
酒匂川スポーツ広場の復旧に関連して3点御質問をいただきました。まず1点目の補助金の関係でございます。現在、国土交通省の
都市災害復旧事業に係る補助金の申請を検討している段階でございまして、今、国や県と調整を図っているところでございます。補助率につきましては、
補助対象事業となりましたものの経費の2分の1となる見込みでございます。それから、時期につきましては、まだ現在調整中でございますので、はっきりと今の段階では申し上げられないということでございます。 2点目の1億1000万円の根拠ということでございますけれども、このたびの災害におきましては、非常にグラウンドの土の流出が多いということですとか、砂利や石などの漂着物が非常に多くて撤去費がかかるということ。また、芝が混在している場合は、その廃棄に当たりましては
産業廃棄物扱いになるということで、経費が上がるということもございます。また、資材費の高騰ですとか、このたびの消費税のアップということも当然増額の要因になっておりまして、全体として一番大きなものはグラウンドの復旧工で約5000万円程度、場内整備工で約1700万円程度、それからフェンスなども傷んでおりますので、そういった施設の整備などで約800万円程度、主なものはこういったものでございます。 それから3点目の、引き続き
酒匂川スポーツ広場を継続するのかという御質問でございます。本会議の一般質問でも御答弁を差し上げたところでございますけれども、
酒匂川スポーツ広場は、子供から大人まで大変多くの方に御利用いただいているということでございまして、また、いろいろな市内外の大会なども多数開催されているということでございます。こういった状況を考えますと、当然、現状のグラウンドの面数が必要になってまいりますので、そういった中で、直ちにその代替の場所を確保することが難しいという状況もございますから、そういった事情で当面は継続していきたいというふうに考えております。 以上でございます。
◆7番(宮原元紀君) ありがとうございます。 今の
酒匂川スポーツ広場、一般質問でもお話しさせていただきましたけれども、元来、水が流れるところでありますので、あと先日の
厚生文教常任委員会でも、水に対して水害に強いつくりという質問が出ていたかと思います。ただ、そこは非常に難しいというお話であったかと思います。 私から改めて伺いたいのは、具体的にこの間、
曽我みのり館から
小田原球場に関しては農振というところが一つあるのと、あと圃場整備されていたという話があったかと思いますけれども、今回また具体的に、県道711号(小田原松田)でしょうか、今、鬼柳の工業団地を開発しているところの周辺も非常に広い土地があるので、そちらに移転してはいかがかというところをお伺いします。
◎文化部長(安藤圭太君) 今御提案をいただきました場所につきましても、いろいろ土地利用上の制約等もあろうかと思いますので、さまざまな課題がありますけれども、当面は継続をせざるを得ないという状況ではありますが、こういった大雨被害が多発するという状況もございまして、私どもとしても危機感を持っているところでございます。したがいまして、中長期的には内陸部への移設も視野に入れて、これは検討していかなければいけないというふうに思います。御提案いただいた土地も含めて、さまざまな観点から移転場所については検討してまいりたいというふうに思います。 以上でございます。
◆4番(
小谷英次郎君) 議案第126号 小田原市常勤の
特別職職員の給与に関する条例の特例に関する条例について質問させていただきます。 この減額の多寡を指摘したいのではなく、一月分30%というこの減額基準、これはどういったものを基準として判断された結果なのか、まずお伺いさせていただきます。
◎市長(加藤憲一君) 私の給料の減額にかかわる条例の内容、基準ということでありますけれども、これまでにも何度か市議会にお諮りしてお認めをいただいてきておりますが、基本的には、各事案それぞれで、起きた内容、また背景、社会的影響それぞれでありまして、そういったものを総合的にかんがみながら、都度、私の方で判断して決めさせていただいているということでございますので、こうだったから何カ月ということを明確に持っているわけではございません。 以上です。
◆4番(
小谷英次郎君) それでは再質問させていただきますが、過去のいろいろな減額の事案を調べさせていただきました結果、今回、本当にすごく大きな減額であるということがわかりまして、今回の市長の厳しい御決断は深く理解しているところでございます。ただ、私は、今本市が最も目指すべきことは、本条例のような議案が再び提出されることのないよう、再発の防止策に取り組むことであると考えています。今回の件が起こった過程、状況を、包み隠さず
再発防止策とともに市民に公開し、今後の改善過程を見える化していくことと考えております。 今回、当該職員に至っては、決して許されるべき行為ではございませんが、とても若い職員だということも聞いており、その後の人生を少し考えてしまう部分がございます。
再発防止策として、私、教師としての経験上、強い監視であったりとか厳しい監視のもとに置かれているよりも、本当にその一人一人の職員が信頼されて、認められて、そして風通しのよい職場で輝いて働けることこそが一番の、性善説に立っているのかもしれませんが、そういうふうに私は思っておりますので、そういった観点も取り入れながらの
再発防止策をお願いしたいのですけれども、市長の強い御決意をお聞かせください。 以上です。
◎市長(加藤憲一君) この件については、今回の議会の中でも私の思いと取り組みに向けての姿勢はお話をしておりますけれども、改めてお伝えいたします。 公表された後に、直ちに全部局長を集めまして、
コンプライアンス推進委員会を開催いたしました。その中で、これはたしか1番
川久保議員にお話しした中で触れておりますが、この数年間の中で何度か不祥事がありまして、それに対して複数の、我々が考え得る対策については、すべて列挙して取り組んできたつもりでありましたが、それは結果的には今回の事案を防ぐことにならなかったということにかんがみますと、まさに4番小谷議員御指摘いただいたように、その我々が発した取り組みの方針であるとかメッセージが、職員一人一人の心まで届いていなかったということに尽きるわけでありまして、この点を非常に私は重く受けとめました。 そういった意味におきましては、今御指摘いただいたように、一人一人の職員がそれを受けとめてもらえるだけの発信の仕方、伝え方が極めて重要になりますけれども、一方で、私としても性善説に立ちたいところでありますが、今回は、そうやって悪意を持った場合にできてしまう物理的状況があったということも、これまた明らかになってしまいましたので、それをまずふさいでいくということ。これは皆さん方に説明会でもお話ししましたが、これは職員を守る意味でも、ほとんどの職員はそういった心すら持たないわけでありますが、仮に万が一そういうことが起きてしまったときにも、そういうことに手を出せない状況、物理的な状況をつくる、これも大事であるということ。3点目には、職員一人一人がいろいろな状況を抱えて悩みを持ったときに、それを一人にしない職場環境をつくるということが極めて重要であるということで、この三つの点を、
コンプライアンス推進委員会の中で改めて私から直接各部局長に伝えたところでございます。 こういった取り組みを含めて、当然市民の皆さん方には非常に御心配をかけておりますので、今後の取り組みについてもつまびらかにしつつ、そういった取り組みを市民の皆さん方にもぜひ応援していただければというふうに思っております。 以上です。
○議長(
奥山孝二郎君) 質疑も尽きたと思いますので質疑を終結いたします。 お諮りいたします。ただいま一括議題となっております各議案については、委員会の審査を省略することにして御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
奥山孝二郎君) 御異議ないものと認めます。よって、委員会を審査を省略し、まず、議案第125号について討論に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
奥山孝二郎君) 御発言もありませんので討論を終結いたします。 採決いたします。議案第125号について、原案に賛成の方は起立を願います。 〔
賛成者起立〕
○議長(
奥山孝二郎君) 全員賛成であります。よって、議案第125号 令和元
年度小田原市
一般会計補正予算については、原案のとおり可決確定いたしました。
-----------------------------------
○議長(
奥山孝二郎君) 次に、議案第126号について討論に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
奥山孝二郎君) 御発言もありませんので討論を終結いたします。 採決いたします。議案第126号について、原案に賛成の方は起立を願います。 〔
賛成者起立〕
○議長(
奥山孝二郎君) 全員賛成であります。よって、議案第126号 小田原市常勤の
特別職職員の給与に関する条例の特例に関する条例については、原案のとおり可決確定いたしました。
-----------------------------------
○議長(
奥山孝二郎君) 次に、議案第127号について討論に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
奥山孝二郎君) 御発言もありませんので討論を終結いたします。 採決いたします。議案第127号について、原案に賛成の方は起立を願います。 〔
賛成者起立〕
○議長(
奥山孝二郎君) 全員賛成であります。よって、議案第127号 事業契約の変更について(小田原市
斎場整備運営事業)は、原案のとおり可決確定いたしました。
-----------------------------------
○議長(
奥山孝二郎君) 次に、日程第4 同意案第26号
固定資産評価審査委員会委員の選任についてを議題といたします。 提案理由の説明を求めます。 市長、登壇願います。 〔市長(加藤憲一君)登壇〕
◎市長(加藤憲一君) それでは御説明申し上げます。
固定資産評価審査委員会委員の宮崎清さんにつきましては、12月18日をもちまして、その任期が満了となりました。 宮崎さんは、平成22年12月以来、
固定資産評価審査委員会委員としてその職務に御尽力をいただき、心から感謝いたしております。 後任といたしましては、杉山輝雄さんを選任したいと存じます。 杉山さんは、本市職員としての行政経験が豊富であり、人格、識見ともにすぐれ、
固定資産評価審査委員会委員として適任であると考えますので、選任いたしたいと存じます。 以上をもちまして、提案理由の説明を終わらせていただきます。
○議長(
奥山孝二郎君) 以上で提案理由の説明が終わりましたので、直ちに質疑に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
奥山孝二郎君) 質疑もありませんので質疑を終結いたします。 お諮りいたします。本件につきましては、委員会の審査を省略することにして御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
奥山孝二郎君) 御異議ないものと認めます。よって、委員会の審査を省略し、直ちに討論に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
奥山孝二郎君) 御発言もありませんので討論を終結いたします。 採決いたします。同意案第26号について、原案に賛成の方は起立を願います。 〔
賛成者起立〕
○議長(
奥山孝二郎君) 全員賛成であります。よって、同意案第26号
固定資産評価審査委員会委員の選任については、原案に同意することに決しました。
-----------------------------------
○議長(
奥山孝二郎君) 次に、日程第5 意見書案第2号 国に私学助成の拡充を求める意見書を議題といたします。
----------------------------------- 令和元年12月13日
小田原市議会議長
奥山孝二郎様
小田原市議会議員 鈴木敦子(印) 〃
小谷英次郎(印) 〃 荒井信一(印) 〃 安野裕子(印) 〃 楊 隆子(印) 〃 横田英司(印) 意見書案第2号 国に私学助成の拡充を求める意見書 上記の議案を別紙のとおり会議規則第15条の規定により提出します。
----------------------------------- 国に私学助成の拡充を求める意見書 全国では高等教育の約3割、幼児教育、大学教育においては約8割を私立学校が担っており、私立学校は公教育の場として大きな役割を果たしているが、教育条件等の整備にかかる経費の多くは保護者が負担している。 私立高等学校と公立高等学校の学費格差については、平成26年度の高等学校等就学支援金制度の拡充と、同年新たに実施された高校生等奨学給付金制度により、一定程度是正された。 しかし、私立高等学校の学費は就学支援金分を差し引いても全国平均で初年度納付金年額61万2000円であり、入学金を除いても44万8000円と高額な負担が残るとともに、各都道府県の財政状況により授業料減免制度に差が出ており、居住する場所によって学費負担の大きな差が出る「学費の自治体間格差」が存在しており、この格差解消のためには、国の就学支援金制度の拡充が必要である。 また、平成29年度に、政府は私学高等学校の授業料無償化を盛り込んだ「新しい経済政策パッケージ」を閣議決定し、これを前提に、いくつかの自治体では授業料減免制度を改善する動きがあったが、学費の自治体間格差はいまだ存在していることから、格差解消に向け、令和2年の国による私立高等学校の授業料無償化を確実に実施することを強く求める。 OECD(経済協力開発機構)諸国の教育への公的支出を比べてみても、日本は下位に低迷しており、未来を担う子どもたちのために、私立学校に通う生徒等の保護者の学費負担を軽減し、私学教育本来の良さを一層発揮させる教育条件の維持、向上を図るためには、国の教育予算を増額し、就学支援金制度及び私立学校への経常費助成費補助金の拡充が必要である。 よって、国におかれては、公私の学費格差をさらに改善し、全ての子どもたちに学ぶ権利を保障するため、私学助成の一層の増額をされるよう強く要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和元年12月 日衆議院議長参議院議長内閣総理大臣 あて総務大臣財務大臣文部科学大臣
小田原市議会-----------------------------------
○議長(
奥山孝二郎君) お諮りいたします。本件につきましては、提案理由の説明、質疑及び委員会の審査を省略することにして御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
奥山孝二郎君) 御異議ないものと認めます。よって、提案理由の説明、質疑及び委員会の審査を省略し、直ちに討論に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
奥山孝二郎君) 御発言もありませんので討論を終結いたします。 採決いたします。意見書案第2号について、原案に賛成の方は起立を願います。 〔
賛成者起立〕
○議長(
奥山孝二郎君) 賛成多数であります。よって、意見書案第2号 国に私学助成の拡充を求める意見書は、原案のとおり可決確定いたしました。
-----------------------------------
○議長(
奥山孝二郎君) 次に、日程第6 意見書案第3号 神奈川県に私学助成の拡充を求める意見書を議題といたします。
----------------------------------- 令和元年12月13日
小田原市議会議長
奥山孝二郎様
小田原市議会議員 鈴木敦子(印) 〃
小谷英次郎(印) 〃 荒井信一(印) 〃 楊 隆子(印) 〃 横田英司(印) 意見書案第3号 神奈川県に私学助成の拡充を求める意見書 上記の議案を別紙のとおり会議規則第15条の規定により提出します。
----------------------------------- 神奈川県に私学助成の拡充を求める意見書 神奈川県の私立学校は、各校が建学の精神に基づき、豊かな教育をつくり、神奈川の教育を支える担い手としての役割を果たし続けている。 神奈川県では、年収590万円未満世帯について、国の高等学校等就学支援金と神奈川県私立高等学校等生徒学費補助金を合わせて、県内私立高等学校の平均授業料相当額まで補助され、授業料の実質無償化が実現した。 しかし、施設整備費は保護者負担となっており、学費負担が可能な家庭でも、不測の事態が起こって家計が急変すれば、たちまち学費の納入に支障を来たす状況である。 東京都では年収760万円未満の世帯まで授業料平均額が補助され、埼玉県では学費補助の対象に施設整備費を含め、年収500万円未満世帯では、授業料と施設費を合わせた額が補助されており、大阪府や京都府でも同様の学費補助拡充が行われている。この様に私立高等学校無償化は全国に広がっているが、神奈川県はこの流れに遅れをとっている状況にある。 神奈川県の私立学校に対する生徒一人当たりの経常費補助額は、国基準以下で、全国最下位水準とされており、私立高等学校の入学金を除く平均学費は関東で最も高く、全国的にも極めて高くなっている。近年、各私立学校においては、将来の大地震への対応が大きな課題となっているが、神奈川県には施設整備費助成がないため、すべてが保護者の負担となることが、高学費の要因の一つとして挙げられる。 また、神奈川県の公立中学校卒業生の全日制高校進学率は全国的に低い水準が続いているが、その要因の一つとして、高い学費により私立高等学校を選択できないことが挙げられることから、すべての子どもたちに学ぶ権利を保障するため、私学助成の抜本的な改善によって私学経営の安定を図り、保護者の学費負担を軽減することが急務である。 よって、神奈川県におかれては2020年度予算において私学助成を拡充するよう強く要望する。 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 令和元年12月 日神奈川県知事 あて
小田原市議会-----------------------------------
○議長(
奥山孝二郎君) お諮りいたします。本件につきましては、提案理由の説明、質疑及び委員会の審査を省略することにして御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
奥山孝二郎君) 御異議ないものと認めます。よって、提案理由の説明、質疑及び委員会の審査を省略し、直ちに討論に入ります。 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
奥山孝二郎君) 御発言もありませんので討論を終結いたします。 採決いたします。意見書案第3号について、原案に賛成の方は起立を願います。 〔
賛成者起立〕
○議長(
奥山孝二郎君) ただいま採決いたしましたところ、可否同数であります。よって、地方自治法第116条の規定により、本案に対する可否を裁決いたします。 本案については、議長は可決と裁決いたします。よって、意見書案第3号 神奈川県に私学助成の拡充を求める意見書は、原案のとおり可決確定いたしました。
-----------------------------------
○議長(
奥山孝二郎君) 次に、日程第7 陳情第21号 久野地区
イオンタウンの早期開業についての陳情書を議題といたします。
----------------------------------- 閉会中継続審査申出一覧表 令和元年12月19日陳情番号件名付託委員会21久野地区
イオンタウンの早期開業についての陳情書建設経済常任委員会
-----------------------------------
○議長(
奥山孝二郎君) ただいま議題といたしました陳情については、所管の常任委員長から、お手元に配付しております閉会中継続審査申出一覧表とおり申し出がありました。 お諮りいたします。申し出のとおり、閉会中の継続審査とすることに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
奥山孝二郎君) 御異議ないものと認めます。よって、陳情第21号については、所管の常任委員長からの申し出のとおり、閉会中の継続審査とすることに決定いたしました。
-----------------------------------
○議長(
奥山孝二郎君) 次に、日程第8 陳情第28号 骨髄移植等によりワクチンの再接種が必要になった場合の再接種費用を助成する制度創設を求める意見書の提出を求める陳情を議題といたします。 ただいま議題となっております陳情については、お手元に配付した陳情文書表のとおり所管の委員会に付託の上、閉会中の継続審査といたします。
----------------------------------- 小田原市議会12月定例会陳情文書表 令和元年12月19日陳情
番号件名陳情者の住所氏名陳情の要旨受理年月日付託委員会28骨髄移植等によりワクチンの再接種が必要になった場合の再接種費用を助成する制度創設を求める意見書の提出を求める陳情小田原市中村原303
加藤哲男件名のとおりR1.12.17
厚生文教常任委員会-----------------------------------
○議長(
奥山孝二郎君) 次に、日程第9
常任委員会視察報告についてを議題といたします。 ただいま議題となっております
常任委員会視察報告については、お手元に配付した報告書のとおり、各常任委員会から提出されておりますので、御了承願います。
----------------------------------- 行政視察報告書 令和元年12月19日委員会名総務常任委員会参加者委員長俵 鋼太郎副委員長鈴木和宏委員川久保昌彦 池田彩乃
奥山孝二郎
井上昌彦 武松 忠 岩田泰明
杉山三郎期間令和元年10月16日(水)~18日(金)視察地、
調査項目
及び概要高知県
香南市1 津波対策をはじめとする防災対策について
(1)本市の現状と課題
今年度、県から小田原ブロック(小田原市・真鶴町・湯河原町)が、津波災害警戒区域のモデル地域に指定されることとなり、本市としても、基準水位を活用した、より効果的な避難対策の推進が課題となっており、今後、津波に対する地域づくりとして、効率的な避難対策や避難促進施設における避難体制の強化等を進めようとしているところである。
(2)調査目的
香南市では、平成24年10月に高知県から公表された津波浸水予測(最大クラス)に基づき、津波ハザードマップを作成し、市内全世帯に配布するとともに、市内沿岸部に津波避難施設(津波避難タワー)の設置を進めている。
今回は、南海トラフ地震の発生を想定して行われている、津波対策をはじめとする様々な災害対策とその課題について調査を行うことを目的とする。
(3)調査概要
香南市における津波避難タワーは、避難高台、避難ビルと並んで、津波発生時の避難場所の一つであり、県設置の3基を含め22基が計画されている中、既に18基が完成している。
また、津波避難計画及び地域計画には、平成24年6月から平成25年1月の間に開催した計35回のワークショップにおいて、自主防災組織等が主体となって地域住民の視点による避難場所、避難路、避難標識や照明、要援護者対策などについて検討した結果が反映されている。
その他、避難路の確保や市街地の安全確保を目的に、避難道の整備や耐震化等補助制度、老朽化住宅等除却事業など、各種災害対策事業を実施している。
(4)考察
香南市の津波対策は、高知県全体で進められている津波避難タワーの設置が大きな柱であり、効果も期待される事業であるが、本市に同様のものを設置というのは難しいのが現状である。
香南市では、住民参加により香南市津波避難計画を作成しただけでなく、より実践的で実効性のある地区別津波避難計画の作成や訓練が行われており、市民に南海トラフ地震に対する危機感が十分共有され、それがスムーズな施設設置や様々な事業の実施にもつながっていると考えられる。
本市においても、市民の防災意識を高め、より実効性の高い避難計画の策定やそれに基づく訓練の実施、また、避難路確保策として、空き家対策と連携した老朽化住宅除却事業などは参考となるものであった。高知県
高知市1 公共調達条例について
(1)本市の現状と課題
公契約条例について、本市としてはこれまで、労働環境の整備は、実効性や公平性を担保するため、基本的には国が対応すべきものであり、条例制定は考えていないという立場をとってきている。
しかしながら、労働者の賃金等の労働環境の整備は重要な課題であり、公契約条例を制定している自治体も、わずかではあるがふえているため、条例の制定の検討を促す意見もあるところである。
(2)調査目的
高知市では、平成22年に「公共工事における賃金確保法」の条例制定に関する請願が採択され、また、高知市入札・契約制度検討委員会から、公共調達の基本理念を宣言した「基本条例」の制定について検討すべきとの提言等を受け、平成24年に「高知市公共調達基本条例」を制定した。その後、平成26年に報酬下限額の支払い義務等が盛り込まれ、いわゆる「公契約条例」となった。
今回は、条例制定の経緯やその効果について調査を行うことを目的とする。
(3)調査概要
条例に報酬下限額の支払い義務を盛り込むことについては、請願採択の経緯もあり、議会の責任として、議員提案により改正が行われた。以降は、毎年度、労働報酬下限額の改定について、10月頃に公共調達審議会に諮問し、12月上旬に答申を受け、翌年1月1日に告示を行っている。
条例改正当時は、全国的に生活保護基準と最低賃金との逆転現象が問題視されており、それが条例改正を進める理由の一つであったが、近年高知市では、労働報酬下限額が地域別最低賃金を下回ってしまう逆転現象が生じる状況にあり、社会情勢の変化や労働報酬下限額の適切な設定の難しさを感じるとのことであった。
(4)考察
議員提案で始まった労働報酬下限額の設定であったが、実際に運用していく中では、公共調達に関わらない業種で、最低賃金ぎりぎりで働かざるを得ない労働者も多数存在し、同じ市民の中に、公金をもって、条例で守られる労働者が存在することの不公平感や、条例の制定趣旨に沿った実行性のある労働報酬下限額の設定の難しさなどがあることがわかった。
理念については決して否定するものではないが、公契約条例の制定には更なる調査・検討が必要と感じた。香川県
丸亀市1 地域コミュニティのまちづくりについて
(1)本市の現状と課題
本市では、平成21年度以降、地域コミュニティ組織の設立を進め、平成27年度までに全26地区で設立が完了した。
各地域コミュニティ組織では、福祉や防災、環境等、地域の様々な課題を解決するための取組を行っているが、活動を支える拠点施設や自主財源の確保に課題がある。
(2)調査目的
丸亀市では、17の小学校区ごとにコミュニティ組織があり、それぞれ部会を設置し、地域の課題解決に取り組んでいる。
各地区にあるコミュニティセンターが活動の拠点施設となっており、一部島しょ部を除き、当該地区のコミュニティ組織が
指定管理者となって管理運営を行っている。
今回は、コミュニティ組織の活性化に向けた支援事業や平成27年度に設立された丸亀市コミュニティ協議会連合会について調査することを目的とする。
(3)調査概要
丸亀市では、地域コミュニティの活動に対する支援として、運営助成金のほか、自主的に策定したまちづくり計画に基づいて実施する事業に対し補助金を交付している。
また、平成27年度からは、地域活動と行政運営の連動に向けて、地域担当職員制度を導入したほか、各コミュニティ組織の連携により地域力向上を図るため、丸亀市コミュニティ協議会連合会を設置している。
丸亀市コミュニティ協議会連合会では、2ヵ月に1回の理事会のほか、市の関係課を交え、連合会の運営や地域課題について協議するプロジェクト会議など、活発に活動が行われている。
(4)考察
各コミュニティセンターは、それぞれの地域や施設の特色を生かした活動を行っており、視察会場の城坤コミュニティは、施設の中心に据えらえた図書室を生かした「まちライブラリー事業」が活動の柱になっていた。
視察当日も、サークル活動が行われ、管理者を含め多くの人が談話スペース等に集い賑わっており、活動の拠点が整備されていること、またその管理をコミュニティ組織自らが担っていることが、地域コミュニティの活動の活性化につながっていることを実感した。
また、丸亀市コミュニティ協議会連合会は、コミュニティ組織の横のつながりを強化し、市全体の地域力向上を図るとともに、プロジェクト会議で協議した内容を市や市議会への提言書として提出するなど新たな取組を行っており、参考となるものであった。 行政視察報告書 令和元年12月19日委員会名
厚生文教常任委員会参加者委員長鈴木敦子副委員長篠原 弘委員
小谷英次郎 荒井信一 角田真美
安野裕子 楊 隆子 横田英司
加藤仁司期間令和元年10月23日(水)~25日(金)視察地、
調査項目
及び概要福岡県
筑後市1 市立病院の経営状況について
(1)本市の現状と課題
本市市立病院は、救命救急センターを有する三次救急医療機関としての役割を担うとともに、広域二次病院群輪番制による二次救急医療体制の一翼も担っている。
高齢化の進展に伴い、救急患者が増加しても、重症患者に対応できる環境整備と救急専門医の確保が喫緊の課題となっている。
軽症患者の受診の増加は、病院経営の圧迫につながっており、経営改善策についての協議と対策が必要となっている。
(2)調査目的
独立行政法人化により、効率的な病院運営が実現したことにより、経営黒字が継続している筑後市立病院を視察し、本市市立病院が課題としている経営効率化、収益の確保に向けた取組を把握することを目的とする。
(3)調査概要
筑後市立病院は平成23年4月に地方独立行政法人化し、病院独自での医師の確保及び診療の効率化による収益の増加を図った。法人化後は経常収支比率100パーセントを継続的に達成するとともに、地域のニーズに応じた医療提供体制を確保している。
地方独立行政法人化により、採用・給与・予算面での権限と責任が病院に移り、給与制度の見直し、診療材料や薬品等の調達方法の見直し、ジェネリック医薬品の使用拡大など、運営体制の大幅な見直しが可能になり、より効率的な病院運営が実現した。
(4)考察
筑後市立病院は地方独立行政法人化以降、黒字経営を継続してきた。法人化後は裁量権が大幅に広がり、医師や職員の採用、給与面についても病院の裁量となったことにより、専門的な職員の養成が可能となった。しかし、数年で異動となる市職員とは異なり、同じ場所で長く勤務することとなるため、職種が合わずに離職する職員が増加し、新たな採用、研修などのコストが増加してしまうという新たな課題が生じた。
地方独立行政法人化については、経営効率化の点で、多くの効果が見られていることから、本市市立病院でも採用の余地はあると考えるが、筑後市立病院の例を見ても、本市と同様に軽症患者の受診数増加による減収の一方、人件費や消耗品等の支出は変わらないことから、今後は収益減が見込まれており、さらなる経営効率化が必要となっている。本市においては、地方独立行政法人化以外の経営効率化手法についても合わせて検討していく必要があることがわかった。熊本県
熊本市1 市民病院再整備事業について
(1)本市の現状と課題
本市市立病院は、全面改築から30年以上が経過し、24時間365日稼働という特殊性や耐用年数などから空調設備や受電施設をはじめ、建物や設備の老朽化が目立つようになっている。
また、本市市立病院は新耐震基準に適合する建物ではあるが、免震構造ではないため、大規模地震等の災害発生時に必要な機能が果たせなくなることが懸念されており、早急な病院再整備が必要となっている。
(2)調査目的
熊本市民病院は「平成28年熊本地震」の経験から、基礎免震構造を採用。さらにライフラインの多重化など、震災に強い病院を目指して再整備を行った。本市においてもいつ起きるかわからない大規模災害に対応できる病院づくりに向け、適切な助言等を行う必要がある。そこで、熊本市民病院再整備事業について視察し、病院再建の過程で生じた問題点とその解決策について学ぶことを目的とする。
(3)調査概要
旧熊本市民病院は築70年以上が経過し、耐震基準を満たしていないとの結果を受け、現地建てかえに向け協議を行っていた。しかし人件費・資機材料費高騰の影響で着工を凍結。新たな建設方法を検討していた矢先、「平成28年熊本地震」が発生。建物の崩落、給水施設等の損傷により病院機能の大半が失われ、診療継続が困難となったことから早急な新病院建設が必要となった。
新熊本市民病院は、基礎免震構造の採用やライフラインの多重化など施設面の整備はもちろんのことであるが、自衛隊や警察署、消防署が隣接しており、災害発生時はこれらの施設と即時に連携が可能な体制を取っている。また、高速道路のインターチェンジに近いため、災害発生時でも人員、医療資機材、食料、燃料等の円滑な運送が可能となっている。震災に強い病院を目指し、病院再建基本計画の策定段階でこれらの条件を満たすような場所を建設候補地としたことから市民からの評価も高く、計画は順調に進み震災後の再建計画策定から約3年で新たな地域基幹病院が誕生した。
(4)考察
大規模震災はいつ起こるかわからないため、本市においしても早急に震災に強い病院建設を進める必要がある。今回、熊本市民病院の再建基本計画を見て、震災に強い病院づくりとは、ただ施設を頑丈に整備するだけでなく、他機関との連携や病院への適切なルート確保が必要であることがわかった。現在の小田原市立病院の立地では付近に幹線道路はなく、日ごろから慢性的に交通渋滞が発生している状況にある。一方で新熊本市民病院周辺の道路は広く、病院の周辺を囲うように緊急輸送道路が通っている。災害発生時には多くの人が集まり、多くの物資や食料が必要となる病院は、これまでの病床規模維持や耐震構造、免震設備の有無のみで建てかえ判断を行うのではなく、周辺道路の広さ、形態を十分に把握し、交通の便の良い他所での建てかえも視野に入れながら計画を策定していく必要があるという考え方は大変参考となった。
また、建てかえ場所に関わらず、なぜその場所での建設が必要なのか、市民にとってどのようなメリットがあるのかについて、しっかりと再建基本計画に盛り込むなど、市民に納得してもらいながら整備を進めていくことの重要性を改めて感じた。熊本県
八代市1 小中一貫教育、教育のICT化、教育サポートセンターの取組について
(1)本市の現状と課題
情報通信技術の進展などに見られる高度情報化など、社会全体が大きく変化している中、教育の分野では、子供たちの学ぶ意欲や学力、体力、運動能力の低下、不登校、いじめや問題行動など早急に対応しなければならない様々な課題が生じている。
教育の現場では、ICT化による学習意欲や質の向上、学習の質の向上、さらには子育て、保育、発達支援が必要な児童への対応など、他部署と連携した教育環境づくりが求められている。
(2)調査目的
八代市では、小中一貫教育、教育のICT化、教育サポートセンターの充実に力を入れており、本市の教育現場で起きている諸課題の解決に向けた助言等を行うため、これらの先進的な取組を把握することを目的とする。
(3)調査概要
八代市の小中一貫教育は9年間の切れ目のない教育環境において、上級生と下級生の交流の場を創出している。また、教育のICT化に力を入れており、効率的な学習を目指し、授業にパソコンやタブレットの導入を積極的に進めている。さらには、教育サポートセンターにおいては、学習の質の向上のための教材づくりだけでなく、いじめ、不登校などの様々な教育現場での問題に対する研究を行い、日々教育現場へ助言を行っている。障がいのある子供への対応においては、部署の垣根を越えた連携により適切な支援が可能となった。
結果として、小中一貫教育においては中学校進級時の壁がなくなり、児童のことを把握している教諭がそのまま中学校相当の学年まで関わることが可能となり、より適切な指導を行うことが可能になった。
教育のICT化においては、より効率的で詳細な学習指導が可能になっただけでなく、児童の授業に対する意欲向上にもつながっている。しかし、担当教諭によりICT教育の採用方法に差があり、今後はICT教育の手法についてどのような基準を設けるかなどの諸課題も見え始めている。
教育サポートセンターについては、教諭が学習指導の中で抱える悩みの相談の場ができたことにより教諭の精神的負担の軽減にもつながった。
(4)考察
本市における小中一貫教育の導入と教育ICT化については、学校施設をどう統一するか、ICT化のための設備導入費用等が多くかかるなど、実現に向けては大きな課題が多く存在している。しかしながら八代市の例を見ても、導入は児童の学習意欲向上や社会性の向上につながることから、導入の検討について今後検討の余地はあると考える。
教育サポートセンターについては、現在本市が整備を進めている(仮称)おだわら子ども教育支援センターにおいて同様の役割を担う部分があることから、八代市のように部署の垣根を越えた連携による、教育現場の負担軽減が期待でき、結果として、より効率的な学習支援が可能となることが期待できる。
今後は児童に関する相談の増加、複雑・多様化が想定されることから、教育に関する総合相談窓口の存在とその役割は非常に大きいものである。そのため、多忙を極める教諭であった。 行政視察報告書 令和元年12月19日委員会名建設経済常任委員会参加者委員長木村正彦副委員長神戸秀典委員清水隆男 金崎 達 宮原元紀
鈴木美伸 鈴木紀雄 大川 裕
田中利恵子期間令和元年11月5日(火)~7日(木)視察地、
調査項目
及び概要福岡県
糸島市1 浜の活力再生プラン等の販路拡大の取組について
(1)本市の現状と課題
本市では、地魚ブランド化や各種の水産振興イベントの実施など水産振興を図っており、小田原漁港が重要な観光資源の一つとなっている。そこで、今年11月に「漁港の駅 TOTOCO小田原」のオープンを契機に、地魚の消費拡大につなげていくことが課題となっている。
(2)調査目的
糸島漁業協同組合を中心に、サワラの高鮮度処理による販路拡大や、地魚ブランドの育成、JA(農協)及びJF(漁協)の産地直売施設等の直接販売の取組や、冬季には複数の牡蠣小屋を営業している。
今回は、地魚の販路拡大の取組について調査することを目的とする。
(3)調査概要
糸島漁業協同組合を中心に糸島市・福岡県が参画した「糸島市地域水産業再生委員会」を組織し、減少したハマグリの資源管理を徹底した。
販売単価の低かったサワラには、船内で活けしめ・冷却をする高鮮度処理技術を漁業者に広めていき、ブランドロゴを付与したところ、販売単価が高くなり、県外への出荷拡大にもつながった。
直接販売の取組については、JF糸島の直売所「志摩の四季」を中心に、糸島産の農産物や工芸品等の異業種連携のほか、未利用魚・低価格魚の受入が可能になり、観光客の増加にもつながった。また、売値を漁業者が決められるため、漁業者の経営が安定した。
牡蠣小屋の取組については、冬場の漁が少ない時期に養殖牡蠣の提供をするために、平成13年に冬季限定営業で開設。市やビールメーカー、交通事業者等と連携してPRに取り組んだ結果、年間53万人が来場するまでに拡大した。この取組により、漁業者の冬季の収益源の確保、高齢の漁業者等の働く場づくり、若者が漁業を体験する場づくりに貢献しており、現在、国の補助を受けて各店舗で常設化を進めている。
(4)考察
サワラの高鮮度処理技術を漁業者に徹底することで付加価値を高めることが、県外への販路拡大にも寄与しており、さらには直売所により漁業者の販売単価を高めることが、漁業者の所得向上につながった。
販路の拡大については、地魚、地場野菜、工芸品等が様々に取り揃えられる大規模な直売所での販売が、観光客の誘致にもつながっている。
年間50万人を集める牡蠣小屋の取組は、漁の少ない冬季の漁業者の所得向上だけでなく、若者が漁業を体感できる副次的な効果もあった。
また、ビールメーカーや交通事業者、旅行会社等の民間との連携により徐々に集客数を伸ばしていることから、本市においても、農業振興や観光施策における民間の動き等の異業種交流を通じて、水産振興につながる可能性があると考える。福岡県
八女市1 伝統的町並みを生かしたまちづくりの取組について
(1)本市の現状と課題
本市では、平成23年度に「歴史的風致維持向上計画」を策定し、現在も、歴史的建造物利活用エリアコーディネートプランに基づき、歴史的な邸宅等の保全・活用を通じて、観光客等の回遊促進に向けて取り組んでいる。
今後は、
指定管理者制度等を活用した民間事業者の参入により、改修した歴史的建造物の有効活用を図ることが課題となっている。
(2)調査目的
八女市は、平成5年に「八女市伝統的町並み景観整備規則」を制定し、継続的に町並みを生かしたまちづくりに取り組んできた。
今回は、伝統的な町並みを生かした町家活用のための官民連携や、その利活用の手法について調査することを目的とした。
(3)調査概要
八女市内の八女福島エリアは、福島城の城下町として、商人型町家と職人型町家が並ぶ、伝統的町並みが色濃く残るエリアである。
民間主体としては、平成7年に事業推進住民組織である「八女福島町並み保存会」、地元設計士等から成る「NPO法人 八女町並みデザイン研究会」、平成16年には移住促進を図る「NPO法人 八女町家再生応援団」が発足しており、市の企画部が調整役となっている。
ハード整備については、平成6年以降、国土交通省の街なみ整備環境整備事業(国費50%)や、文化庁の伝統的建造群保存修理事業(国費65%・県費約10%)を活用し、年間約10棟ずつ改修を図っている。
空き家活用については、「八女町家再生応援団」が所有者と町家利用者のマッチングを行っている。同団体が市の補助を受けて改修した後に希望者と賃貸契約をするなど、運用形態は様々であるが、建物は民間所有のままとしていることが特徴的である。
空き家活用が促進される要因としては、民間所有であるために使い勝手の自由度が高いこと、設計を専門とする「八女町並みデザイン研究会」が支援するリノベーションのデザイン性が高いこと、店舗と住宅を併設するような整備で、移住促進が図られていることが挙げられる。
これら町並み整備の効果として、若い移住者が営む個性的なカフェや宿泊施設等が増えており、女性客等の観光客の増加などが見られる。
(4)考察
八女市では、大学、NPO法人、住民組織など多様な民間主体と連携して27年間継続的に市費を投じて取り組んだ結果、伝統的建物が点在するのではなく、エリア全体で伝統的町家が保全・活用されている。
本市においては、観光拠点やまちあるきの休憩拠点として、市が建物を所有して
指定管理者等に管理・運営を委託する事例があるが、一方では、市民が独自に古民家をリノベーションし、個性的な店舗等として活用する事例もある。
本市の歴史的建造物も民間の創意工夫を生かした利活用を図っているため、こうした民間の動きを支援・補助する方向性や、住居と一体的な整備による移住促進の取組との連携など、今後も研究していきたい。福岡県
北九州市1 競輪事業における民間包括委託の範囲と効果について
(1)本市の現状と課題
本市では、平成30年度の「小田原競輪の今後に向けた検討会議」の結果、民間包括委託やミッドナイト競輪等の収支改善策と、来場者の安全性を確保するために最低限必要となる施設改修費を把握するための調査を実施した上で、今後の存廃も含めて再検討することとなった。
このため、令和2年度から予定される民間包括委託の2年間の試行等について、本委員会にて所管事務調査を進めている。
(2)調査目的
小倉競輪場は、全国に先駆けてミッドナイト競輪や民間包括委託に取り組んでおり、民間事業者のノウハウを生かした事業運営をしている。
今回は、小倉競輪場における民間包括委託の取組の効果的な運用方法や、委託の効果について調査することを目的とした。
(3)調査概要
小倉競輪場では、平成18年から民間包括委託を実施しており、この間、公益財団法人JKAが受託している。
委託内容は、受託者には、施設営繕(200万円以内)、ファンサービス、広報宣伝、警備や清掃などの管理運営業務のほか、メディアドームの貸館業務、テナントの契約、その他開催事務なども委託している。
人件費の削減効果は、正規職員が10人削減でき、市の直接雇用だった従事員は委託先からの再委託となったことで、黒字化につながった。
また、受託者が貸館について各種セールスをしており、日中に幼稚園、企業の運動会を誘致しており、安定した収入源の一つとなっている。
(4)考察
北九州市においては、全国に先駆けて競輪事業の民間包括委託を実施しているが、清掃、警備、発券等に分散した委託業務を集約することで効率化が図られるほか、発券業務に強い業者等が参画することで機械化を促進するなど、人件費の削減効果が大きかった。
競輪事業の実態としては、全国的にインターネット販売が主流になりつつあり、入場者数の減少傾向を踏まえ、施設の維持管理費に見合う改修内容を見極めていく必要がある。
小田原競輪場おいては、どこまで多様な用途に使えるかは検討の余地があるが、入場者数の減少傾向も踏まえて精査しなければならない。
今後の民間包括委託の試行期間は2年間という短期間であり、当初は人員体制の大幅な変更は予定されていないが、将来的な人員削減の方法については、試行期間の中で検討していく必要があると考える。山口県
宇部市1 コンパクトシティに係る地域公共交通の再編について
(1)本市の現状と課題
本市では、持続的な都市経営を推進するため、小田原市立地適正化計画を策定し、多極ネットワーク型コンパクトシティの実現に向けて取組を進めている。今後、高齢化等により移動手段に困難を抱える世帯が増えると考えられるため、地域公共交通のあり方が課題となっている。
(2)調査目的
宇部市は、高齢化や中心市街地の空洞化に対して、平成29年3月に「地域公共交通再編実施計画」を策定し、路線バスの主要幹線化のほか、デマンドバスやコミュニティタクシーの試行などに取り組んでいる。
今回は、地域公共交通の再編について、具体的な手法と取り組む上での課題を調査することを目的とした。
(3)調査概要
宇部市の路線バス事業では、近年、運転手の不足や郊外路線の利用者減少等により、既存路線の維持が困難となっていたため、市は、地域公共交通再編計画を策定。交通結節点である宇部新川駅と居住誘導区域内の地域拠点を結ぶバス路線を主要幹線に設定し、高頻度等間隔運行などの利便性を高めるとともに、他の路線バスとの乗継拠点を整備した。
路線バスが運行していない地域の日常生活の移動手段として、コミュニティタクシー等を導入。各地域に設けたコミュニティタクシー運営協議会が、市の補助(約8割・国費含む)を受けてタクシー会社に委託するスキームであり、1乗車100円~300円程度の安価な路線バスのように、病院やスーパーなどと住宅地を結ぶルートで運行している。
(4)考察
本市においても、高齢化等により移動に困難を抱える人が増えていくにあたり、公共交通の重要性は増していくと考える。
コミュニティタクシーは、路線バスのない地域内交通として有効な手段の一つであるが、高齢化により需要が高まる中、継続的な市費の投入が必要であるため、導入には慎重な判断が必要である。
本市は市営バス事業を持たないが、民間店舗の送迎サービスや社会福祉協議会、商業者の移動販売、タクシー事業者など多様な主体と連携をしつつ、持続可能な公共交通のあり方について、研究を深めていきたい。
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○議長(
奥山孝二郎君) 以上で本日の付議事件はすべて終了いたしましたので、昨日に引き続きまして一般質問を行います。 23番横田議員、登壇願います。 〔23番(横田英司君)登壇 拍手〕
◆23番(横田英司君) 日本共産党の横田英司です。私は、三つのテーマ、防災対策、市民ホール、教員の変形労働時間制について質問いたします。 まず1、台風被害の教訓を生かした防災対策についてです。 本議会では防災について多くの議員が質問しましたが、まだ十分議論されていないと思う点がありますので、質問いたします。 (1)異常気象の認識について伺います。 ことし9月に国連で地球温暖化対策を議論する気候行動サミットが開催されましたが、安倍首相はCO2削減の消極的な姿勢により演説を断られました。そして、12月11日にはCOP25で日本は「化石賞」を授与されました。その一方、長崎県壱岐市議会が9月に「気候非常事態宣言」を可決し、神奈川県でも鎌倉市議会が10月に「気候非常事態宣言に関する決議」を決議しました。両者とも、気候変動は人間活動に起因し非常事態であると認識した上で、地球温暖化防止のために取り組むことを求め、呼びかけています。国の消極的な環境政策に対し、自治体レベルから変えていくことはできます。また、気候変動は非常事態であるとの認識がないと、これからの災害に対して有効な防災計画はつくることができないのではないかと考えます。 そこで質問します。防災計画は、異常気象などによる経験したことのない大雨、洪水、風水害を想定した対策をすべきと考えますが、市の認識と対応を伺います。 次に、(2)高潮被害について伺います。 酒匂では防潮扉が流され、そこから波が駆け上がってきて、国道付近まで砂を運び、また、駐車していた車も数メートルほど流されました。前川、国府津でも、堤防を波が越え、海岸道路は砂で埋まりました。また、高潮が運んできた岩や石がぶつかることによってガレージや家屋が壊されました。高潮による住宅被害は、一部の地域で局所的に限定されているためか、その被害は、浸水被害などと比べて広く知られていないようです。また、地域防災計画にも高潮対策については記述が余りされておりません。 そこで質問します。高潮による被害状況について伺います。 そして、高潮被害に対して、市はどのような対応をするのかを伺います。 (3)森戸川の水害対策について伺っていきます。 森戸川は水害が想定されておりますので、以前から拡幅工事が計画されておりました。川下から工事は進められ、既に親木橋から天神橋付近までの拡幅工事は終わり、次の天神橋付近から第一森戸橋までの拡幅工事について、ことしの2月に事業説明会が行われました。しかし、住民からの合意が得られなかったと聞いております。そして、台風第19号によって森戸橋付近の護岸が崩れてしまいました。住民から話を聞きましたが、拡幅工事には反対していないのです。ただ、「庭や家屋が削られる。立ち退きしないといけないのか。削られるくらいなら、いっそ立ち退きしたほうがましだが、その補償は十分なのか」と話は簡単ではありません。個々の住民の状況と気持ちを考えた丁寧な対応が必要なのではないでしょうか。 そこで質問します。2月の事業説明後の対応と、今後のスケジュールはどうなっているかを伺います。 (4)要配慮者の避難と避難所について伺っていきます。私は、特に障がい者の避難について伺います。 重度訪問介護の支給決定を受けている肢体不自由な方から話を伺いました。この方は、沿岸部に住んでいるので、民生委員と電話で連絡をとりましたが、近くの小学校の避難所はトイレがバリアフリーでないので、行くことはできません。そこで、民生委員が調べて生きがいふれあいセンターいそしぎを教えてくれたので、タクシーで移動しました。夜は車いすからおろしてもらい、床に横になって一夜を過ごしましたが、板の間で痛くてつらかったそうです。 そこで伺います。「小田原市要配慮者支援マニュアル」には、「身体障がい者用トイレや畳・マット等の資機材の整備を行う」と記述されておりますが、今回、障がい者など支援を必要とする人たちを受け入れられる避難所の状況はどうであったのでしょうか。 次に、2番目のテーマ、市民ホールについて質問します。 まず、(1)市民ホールの整備事業についてです。 市民ホール整備事業は、1986年に市の総合計画において市民会館の建てかえの検討を開始して以来、実に30年余り、紆余曲折を経て着工に至りました。初めに(仮称)城下町ホール建設計画が破綻。次に、市民参画で策定した芸術文化創造センター建設計画も、東日本大震災の復興工事などの影響で建設費が1.7倍にもはね上がり、入札不調に陥りました。そこで、新しい市民ホールの設計が行われたのですけれども、市民からさまざまな意見や要望が出され、また、日本共産党市議団も議会ごとに質問し改良を求めてきました。市も市民の声に真摯に耳を傾け、意見交換の場を設けるなど誠実に対応し、エスカレーター設置、小ホールの階段設置と市民用トイレの設置、楽屋の見直しと楽屋入り口の変更、このようなさまざまな改良を加え、市民の使いやすいホールとなってきております。 そこで、まず、ア、建設工事の進捗について質問します。現在、どのような工程を行っているのか、また、今後、整備スケジュールはどのようになっているのか、工事は順調に進んでいくのかを伺います。 次に、イ、屋根材の検討状況について質問します。屋根材については、事業者から、フッ素塗装ガルバリウム鋼板が提案されましたが、市民から、塩害対策を考慮し、これよりも耐久性にすぐれたチタン亜鉛合金がふさわしいという意見が出され、再三検討を求めてきました。私も、本年6月の定例会でこの屋根材の見直しについて質問しました。そこで、現在、検討状況はどのようになっているのでしょうか、また、結論が出ているのなら、その結論と理由を伺います。 三つ目に、ウ、舞台機構になどについて質問します。これについても6月の定例会で私は、和物の専門家が指摘している舞台機構の検討状況を質問しました。特に専門家の方は、和物のみならず、舞台全般の観点から、「ライトブリッジの位置が悪く、舞台の奥に影が生じる。舞台装置がうまくつるせない。こういった問題点について、どう対応するのか」と指摘しております。そこで伺います。現在、舞台機構などの検討状況はどのようになっているのでしょうか。 次に、(2)「市民ホールの主役は市民」について質問していきます。 これまで本市では、2017年に市民ホールシンポジウムを行い、2013年から計21回、文化セミナーも開催してきました。こういう積み重ねで、昨年11月に市民ホール管理運営実施計画が策定されました。ここには、市民ホールの基本理念として「市民ホールの主役は市民のみなさんです」とうたわれております。これが、ただのうたい文句に終わらないように、主役が市民とはどういうことなのか、どうやって実現するのかについて質問していきます。 一つ目として、どうやって「主役は市民」を実現していくのかについてです。 市民ホールの建設には、多くの市民が受け身ではなく意見を出し、議会でも各会派が議論し、時には担当職員とぶつかり合いながら一致点を見出して、建設に着工してまいりました。話し合いの基盤は、市民ホールを建設することを通じて培われており、ホールの管理運営に引き継ぐべき財産であると私は思います。 そこで質問します。市は、市民が主役となる仕組みや青写真を描いているのでしょうか。どのような方法で、市民が主役となる運営をしようと考えているのでしょうか。このことを伺います。 二つ目として、利用の面から、「市民が主役」とは何かについて伺ってまいります。 文化とは、さまざまな文化が地域に存在し育っていることが、地域全体の知的レベルと活力、居心地のよさを生み出すものであり、文化に関心を持たない、直接かかわりを持たない人たちにとっても、恩恵を生み出すものです。このことは、逆に文化が育っていない地域を想像すれば容易にわかります。それでも、新しい市民ホールは、関心のなかった市民にも間口を広げることができると私は思っております。実は、市民ホール管理運営実施計画の中で、劇場法において「新しい広場」という概念が紹介されております。 そこで質問します。従来、市民会館に足を運ばなかった市民にとって、直接利用しない市民にとって、新しい市民ホールはどういうかかわりを持つことになるのかを伺います。 最後のテーマ、教員の長時間労働と変形労働時間制について伺っていきます。 文部科学省と県教育委員会の二つの調査は、教員の長時間労働の深刻な実態を示しています。文部科学省の勤務実態調査によると、中学校では月45時間以上の超過勤務をしている教諭は88.8%、小学校では81.8%。ことし10月にまとめられた神奈川県教育委員会の「神奈川の教員の働き方改革に関する指針」には、単に「長時間勤務の実態」ではなく、「教員の長時間勤務の深刻な実態」と記述されております。 安倍政権は、1年単位の変形労働時間制を可決しましたが、現場の教員からは、「年中繁忙期にし、寝る間を惜しんで働けというのか」、こういう抗議と悲鳴が上がっています。実際、本市の本年度の教育関係行事予定表を所管に確認しましたが、8月には研修会、研修講座の行事がぎっしり詰まっていて、ないのは10日から16日の7日間のみ。そのうち、10日から12日は土日と振替休日ですから、夏休みとしてまとめて使えそうなのは4日間くらいです。8月が閑散期とは決して言えません。また、休日も十分にとれていない実態もあります。文部科学省の教員実務実態調査によると、担当している部活動の週平均活動日数は、6日が49.2%、7日、つまり1週間すべて部活動を担当している教員は15.1%。そして有給取得日数は、小学校では10日以下しか取得されていないのが43.5%、中学校は63.7%にも上っております。 そこで質問します。小田原市は、勤務時間など教員の長時間労働の実態をどのように把握して、どう評価しているのでしょうか。 次に、(2)長時間労働の解消について伺っていきます。 政府は、1年単位の変形労働時間制を導入して、閑散期に休みをまとめ取りできるようにすると言っておりますが、教員には閑散期がないことはさきに述べたとおりです。そして、もし導入されたなら、教員の健康がますます損なわれるおそれがあります。なぜなら、人間の心身が繁忙期の疲労を閑散期で回復できるようになっていないからです。だからこそ、1日8時間労働の原則が存在しています。1年単位の変形労働時間制は、人間の生理にあった1日8時間労働の原則を破るものではないでしょうか。 また、夏休み中に研修や部活などの業務が集中し、また、年休の消化すらできていないのに、休暇のまとめ取りが可能でしょうか。仮に、変形労働時間制導入でまとめ取りを設定したとしたら、各自の代休や有給はどこでとることになるのでしょうか。結局、変形労働時間制は、時間外労働を見せかけ上、減らすにすぎず、問題を見えなくさせるだけです。 そこで、変形労働時間制の導入について、市の見解を伺います。 以上、登壇しての質問を終わります。答弁よろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(
奥山孝二郎君) 市長、登壇願います。 〔市長(加藤憲一君)登壇〕
◎市長(加藤憲一君) 23番横田議員の御質問に順次お答えをいたします。 初めに、本市の防災計画についての御質問をいただきました。近年、各地で大規模な自然災害が発生しており、今まで以上に地域防災力の重要性は高まっていると認識しております。本市も台風第19号を受けまして、かつてない避難者を受け入れるなどの経験をし、ハード面、ソフト面においてさまざまな課題が見つかっております。この経験を糧として、ハード面の整備だけではなく、避難者の受け入れ態勢などのソフト面の整備を行いまして、防災計画の見直しも含め、進めてまいりたいと考えています。 次に、高潮の被害状況についてお尋ねをいただきました。沿岸部の被害状況につきましては、東町の山王川の河口から前川の前羽幼稚園付近にまで及んでおりまして、海岸に面した家屋等をくまなく調査等を行いました。この結果、家屋の損壊が13カ所、工作物の損壊が28カ所、合わせて41カ所の損壊被害を確認しております。 次に、高潮被害に対する市の対応についてであります。今回の家屋等の損壊被害を受けまして、海岸を管理する県に対し、先月中旬、私が浅羽副知事と面談を行い、国府津や前川等の堤防のかさ上げなどについて、直接要請してきたところでございます。 次に、森戸川の水害対策に関連し、事業説明会後の対応や今後の事業スケジュールについて御質問でございます。県では、天神橋から第一森戸橋までの改修事業に着手するため、本年2月に説明会を開催しておりますが、用地取得を伴う事業の進め方などについて、十分な合意形成が得られておりませんでした。そこで、事業を促進する本市といたしましては、関係者全員と個別に面談を重ね、改めて県市合同説明会を開催したことで、おおむね基本的な合意が得られたところでございます。県では、今後測量等を進めまして、令和2年の秋ごろをめどに用地交渉に入りたいと伺っております。 次に、避難場所の状況についての御質問でございます。風水害避難場所の多くがバリアフリー化に未対応でありましたため、必要な方には、エレベーターや障がい者用トイレなどの設備が整った生きがいふれあいセンターいそしぎの利用を御案内いたしました。いそしぎでは、要配慮者を中心に和室を御利用いただきましたが、部屋の入り口に段差がありましたため、車いすの方は体育室やトレーニング室などにお通しいたしました。資機材につきましては、災害用の毛布や備品の座布団等を提供いたしましたが、避難者数が多く対応し切れなかったことや、ベッド等の備えがなかったことは、今後の課題と認識したところでございます。 次に、市民ホールに関しまして建設工事の進捗状況についてお尋ねをいただきました。市民ホールは現在、基礎工事及び1階の躯体工事を行っております。今後の整備スケジュールにつきましては、躯体工事がさらに進み、来年4月には全体の骨格が見えてまいります。次に屋根や外部仕上げに取りかかりまして、来年の秋には、建物の全体の外形が確認できる見込みでございます。工事工程の検討段階において、荒天による影響も考慮しておりまして、また、人員配置や作業スケジュールを調整したことによりまして、現時点で遅延はなく、予定どおり令和3年3月末に完成する見込みでございます。 次に、屋根材についてでございます。屋根材につきましては、施工費と維持修繕費等を含めたライフサイクルコストなどを総合的に検討した結果、従来のガルバリウム鋼板よりも腐食抑制効果が大きい鋼板であります「ニスクフロンSGL」としたところでございます。 次に、舞台機構についてであります。舞台機構につきましては、最終段階で和物への対応も含め、バトンの配置等の調整を行うなど、舞台機構設備全体として機能性を向上させる改良を行っております。 次に、市民による運営についての御質問がございました。レセプショニストとして活動する文化サポーターのように、現在の運営面での先進的な市民参加は、すべて市民ホールに引き継いでまいります。このほかに、自主企画事業の企画立案から広報、実施等においても市民参加を促し、市民と市民ホール職員が協力し合いながら、市民ホールを盛り立てていく工夫を考えております。このような市民がかかわれる運営をすることによりまして、より「市民が主役となる」市民ホールを実現できるものと認識しています。 次に、市民と新しい市民ホールとのかかわりについてであります。市民ホールには、大・小ホール等の有料施設のほかに、無料で集うことができます舞台創造回廊や観光交流センター、広場など、市民会館にはない施設としての機能が整備されます。これによりまして、これまで市民会館に足を運ぶ機会のなかった人々をも呼び込むことができる施設になるものと考えています。ホールとしての機能以外にも、このような日常的な利用が、市民ホールに集う人同士の出会い、つながりを生むことになりまして、多くの市民と市民ホールとの新しい関係が始まるものと期待しております。 23番横田議員の御質問のうち、教員の長時間労働と変形労働時間制につきましては、この後、教育長より御答弁申し上げます。 以上をもちまして、23番横田議員の御質問に対する私からの答弁とさせていただきます。
◎教育長(栢沼行雄君) 23番横田議員の御質問のうち、教員の長時間労働と変形労働時間制に関する御質問につきましては、私から御答弁申し上げます。 初めに、本市の教員の長時間労働の実態と見解について御質問がございました。教育委員会では、1カ月間の超過勤務の合計が80時間を超えた教職員について、毎月調査をしております。平成30年度は、小学校580人中延べ205人、月平均18.6人、中学校320人中延べ109人、月平均9.9人の超過勤務の報告がございまして、ここ数年、増加傾向にあります。教育委員会といたしましては、現状の超過勤務時間数を減らすためのさまざまな取り組みを、今後も引き続き行っていく必要があると認識しているところでございます。 次に、変形労働時間制の導入について御質問がございました。公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特例措置法の一部を改正する法律が、今月4日の参議院本会議で可決され、令和3年4月から教育職員について変形労働時間制を条例により実施できるようになったことは認識しております。また、この法改正を受け、県教育委員会では、その導入についてこれから検討していくと聞いております。市教育委員会では、まずは、現在策定中の「小田原市の教員の働き方改革に関する指針」を着実に推進し、働き方改革に対する教員の意識改革を進めることが先決であると考えておりまして、現時点では変形労働時間制の導入については考えておりません。 以上をもちまして、23番横田議員の御質問に対しての答弁とさせていただきます。
◆23番(横田英司君) それでは、大項目1の防災対策について、順に再質問していきます。 まず、異常気象の認識については、非常事態であるという認識で防災を抜本的に見直さないと、後追いの対策になり、想定外の大災害が起こるのではないか、こういうことを私は危惧しております。私に具体的考えがあるわけではないのですが、今までの防災計画の延長の強化ではなく、質的転換、パラダイムシフトが必要ではないかと考えております。これについては問題提起と受けとめてください。 では、高潮対策について再質問します。 私も被災した場所を見てお話を伺ってきました。沿岸部に一様に被害が出たわけではなく、特定の場所に被害が出ておりました。これには原因があると思われます。実は、酒匂の防潮扉が流された場所は、海岸部は船の係留ためにスロープ構造になっており、波が上りやすくなっております。また、防潮扉の上を通っている西湘バイパスは、この付近に来るまでは盛り土構造で堤防状になっております。そして、ここだけが橋梁構造で空間があいているので、スロープを駆け上ってきた波が防潮扉に集中して打ち寄せてきたようです。前川、国府津で高潮により家屋が壊された付近では、堤防から海岸におりられるよう、海岸に向かって広い階段が設置された場所になっていて、そこを波が駆け上がってきたようです。また、昔からここに住んでいた人たちは、「海岸が侵食され狭くなり、波が近くなった」と言っておりました。このような高潮と地形の関係は、実は以前、海岸工学の専門家が指摘していたと、こういう話も住民から伺いました。 そこで伺います。こういう構造的な原因が住民からも指摘されておりますが、今後、どのような対策をしていくのか、御答弁をお願いします。
◎建設部長(小澤千香良君) 高潮被害の原因や今後の対応につきまして御質問がございました。本市では、高潮対応に関する県への要請の際、被害に関する詳細な調査結果を報告したことにより、沿岸部における危機感について県と共有することができたと思っております。この結果、県では早速、海岸工学の有識者を交え現地調査を行い、地形や施設の構造等を踏まえた原因につきまして検証を進めているところであり、今後、効果的な工法を決定し、対策を講じていく予定となっております。
◆23番(横田英司君) ぜひ、その海岸工学の専門家の意見を聞いて、構造的な対応をよろしくお願いします。 次に、森戸川について伺います。 今回、護岸が崩れた付近は、土砂がたまり草が生えておりました。過去何回か浸水した下菊川の川下付近は、護岸工事としゅんせつが行われており、今回は被害がありませんでした。 そこで、森戸川の護岸の崩壊の要因や、今後の維持管理についてどのように対応していくのかを伺います。
◎建設部長(小澤千香良君) 森戸川の護岸崩壊の要因や、今後の維持管理につきまして御質問がございました。護岸崩壊の要因につきましては、御指摘のございました堆積土砂による影響もあったものと考えております。今回の崩壊箇所は、拡幅整備が行われる区間でございますが、完成までには相当な期間を要しますことから、この間、適切な通水断面を確保する必要があると考えており、先ほど市長より御答弁申し上げました高潮対策の要望とあわせ、堆積土砂の計画的な掘削につきましても県に要請してきたところでございます。
◆23番(横田英司君) ぜひその対応を進めてくださるようお願いします。 次に、障がい者の避難について再質問します。 私、視覚障がい者の夫妻にも話を伺ってまいりました。この方は、「盲導犬もいるので、初めから避難所に行くことはあきらめていた。民生委員と連絡を取り合うこともなかった」と言っておりました。 そこで伺います。「小田原市要配慮者支援マニュアル」には、「自主防災組織要配慮者班、民生委員・児童委員は、『避難行動支援者所在マップ』に登録されている要配慮者宅に訪問または電話等で安否確認を行う」と記述されておりますが、今回、実際には障がい者に対してどの程度安否確認が行われたのでしょうか。そして、それを市はどのように把握や調査しているのでしょうか。
◎
福祉健康部長(山崎文明君) 障がい者など要配慮者の安否確認についてお尋ねがございました。今回の台風では、警戒レベル4の避難勧告を発令しておりまして、要配慮者の方々も、一人一人がその状況に応じて、在宅での垂直避難や各風水害避難場所への避難など、必要な行動をとられたものと考えております。また、避難行動要支援者名簿の登録者に対しましては、民生委員が担当区域内の対象者に電話や訪問により声かけをすることとしており、各地区ではさまざまに支援活動が行われたと聞いておりますが、それぞれの地区で情報伝達や避難支援が具体にどのように行われたかについて、詳細は把握してございません。 以上でございます。
◆23番(横田英司君) 私も安否確認をきちんと行ってほしいと思いますが、マニュアルどおりそれが実施されていなかったということを殊さら非難しているわけではないのです。避難所には多くの人が駆けつけて、職員は数人のみで頑張っておりました。収容人数の観点からも、対応能力の面からも、キャパシティーを超えているのではないかと思います。そういう状況で、なかなか手が回らない人たちがいたと思っております。また、自主防災組織要配慮者班、民生委員・児童委員自身も自分の身を守らないといけないし、多くの方が高齢です。根本は、防災の観点からは市の職員が少な過ぎる、削減ではなく増員すべきとの結論が引き出されたのではないでしょうか。そういうことを言いたいと思います。 そこで質問します。現実的には対応可能な方策は何かを、今回の教訓を生かして、マニュアルに練り直すことが必要だと思います。そのためには、当事者の障がい者の意見を聞くことが必須であると考えていますが、これについはどのように計画されているかを伺います。
◎副市長(加部裕彦君) 要配慮者支援マニュアルの見直しについてのお尋ねでございます。今回の台風対応を通じまして、要配慮者の避難行動支援と避難場所のあり方の両面で多くの課題が明らかになっております。避難行動支援につきましては、各地域での避難行動要支援者名簿の活用とその個別計画づくりを軸にマニュアルの見直しを進めてまいりたいと思います。一方、避難場所につきましては、バリアフリー対応や人員配置、資機材配備などの課題がございまして、まずは現状において最適な避難場所の配置や運営のあり方を再検討してまいります。いずれも、当事者の状況を的確に把握するためにも、その御意向を伺いながら進めてまいりたいと思います。
◆23番(横田英司君) 当事者の御意向を伺いながらという答弁でした。実は、私が言いたいのは別なところにあるのです。障害者権利条約が採択されたのは2006年12月13日でした。実は今世紀に入って初めての人権条約です。この条約をつくるために多くの障がい者が審議に参加しました。キーワードは「私たち抜きに、私たちのことを決めないで」です。実は、ここに「えほん障害者権利条約」を持ってまいりました。見えますか。実はこの障害者権利条約の表紙のトップに書いてあるのが、「私たち抜きに、私たちのことを決めないで」、こういう言葉が書かれているのです。見えますか。ここです。これが一番大事なことなのです。 ですから、今後、防災計画やマニュアルなどの見直しをするときに、障がい者の声を聞くだけでなく、当事者が実際に作成に参加する。障がい者の方から、自分たちのことは自分たちで決めたい。そういうことが一番大事なのです。このことを当事者の皆さんから強く要望された。このことをお伝えして、防災に関する質問を終わります。 それでは、2番目のテーマ、市民ホールについて再質問していきます。 まず、建設工事の進捗は順調とのことで安心いたしました。本当に御苦労さまです。 次に、屋根材についてですが、ニスクフロンSGL、これが採用されたと答弁されましたが、市民ホールは海岸に近く、重塩害地域、ただの塩害地域ではありません、重塩害地域であることから、ガルバリウム鋼板では耐久性に問題があり、チタン亜鉛合金がよいとの意見が出されてきたのです。 そこで、採用されたニスクフロンSGLの耐久性はどうなっているのか、そして、建設費にどのような影響があるのかを伺います。
◎文化部長(安藤圭太君) 屋根材に関連して御質問いただきました。まず、ニスクフロンSGLの耐久性についてでございます。メーカーによりますと、ニスクフロンSGLはガルバリウム鋼板に比べまして3倍を超える腐食抑制効果があるということでございますので、耐久性はかなり向上するものと思っております。 それから、この屋根材を変更したことによる建設費への影響でございます。ニスクフロンSGLはフッ素塗装ガリバリウム鋼板より高コストにはなりますけれども、建物の全体のコストコントロールによりまして、建設費の上限額内で屋根材の変更が可能となったものでございます。 以上でございます。
◆23番(横田英司君) 今後50年間は使用するホールです。屋根材の変更によって、チタン亜鉛合金ほどではないと思いますが、ニスクフロンSGLでも耐久性がかなり向上したということでした。その分、コストアップしたことはやむを得ないことであり、建設費内に抑えられたことは大変によかったと評価いたします。 次に、舞台機構についてですが、私が指摘した専門家の意見も取り入れ、さらに改良を重ねたとの答弁でした。ライトブリッジの位置も修正し、舞台機構の問題点はおおむね解決したのではないかと思っております。 ところで、この舞台機構を改良することは、音響性能に影響を及ぼす可能性があります。音響についても市民の要望があり、この分野では定評のある株式会社永田音響設計の協力を得ることになっております。 そこで質問します。舞台機構改良後の音響性能の確認はされているのでしょうか、そして、そうなのならどういう評価になっているか伺います。
◎文化部長(安藤圭太君) 音響性能の確認と、それに対する評価ということで御質問がございました。音響につきましては、株式会社永田音響設計が協力をいたしまして、舞台機構の改良後にも音響シミュレーションを行い、すぐれた音響性能が確保されていることを確認しております。また、この音響シミュレーションの結果からも、市民ホールは、クラシックコンサートからポップス、演劇、講演会までさまざま使用目的に適した音響計画となっております。 以上でございます。
◆23番(横田英司君) 音響シミュレーションを行い、結果も良好であるということで安心いたしました。 ただ、言うまでもありませんが、実際とシミュレーションが同じである保証はありません。ですから、施工途中における中間音響測定、そして竣工時の竣工時音響測定、これを確実に行って、良質な音響と遮音を実現していただきたい。このことを要望しておきます。 次に、(2)「市民ホールの主役は市民」について再質問していきます。 この問題について、実は、いわき芸術文化交流館アリオスから招聘された担当課長といろいろディスカッションしてまいりました。その課長の方向で実はやってほしいと思うのですが、今回の答弁、余りそこまで突っ込んだ答弁ではなかったので残念です。 次に、私としては、「主役となる市民とは何か」の前提について伺っていきたいと思います。なぜなら、現在、外国人や異文化を嫌い、他者を攻撃・排除する排外主義の風潮が広まっているからです。一方、共生社会を築こうとする流れもあります。ヘイトスピーチ禁止の条例が9月に川崎市で全会一致て可決されました。 小田原市にも共生社会の伝統があります。20年近く前ですが、NHKスペシャルで「日本人はるかな旅」、ここで小田原の中里遺跡が取り上げられました。東の縄文人と西からの渡来人が協力して、新しい弥生文化を築き始めた遺跡として描かれております。実は、近畿地方では、先住の縄文人の集落を、渡来人が西からやってきて侵略しました。その証拠となるのが、石のやじりが17個も突き刺さり、争いで殺されたとされる縄文人の骨です。一方、小田原の中里遺跡からは、そのような争いの遺跡は発見されておりません。水田を備えた広大や集落跡からは、文様のない渡来系の土器と、複雑な文様を持つ縄文系の土器が共存して発見されております。ロマン的な解釈かもしれませんが、私は、文化も顔かたちも異なる縄文人と渡来人の共生社会が始まることで、日本人が生まれたと考えたい、それを現代に引き継ぎ、生かしたいと思うのであります。 現在、小田原駅には外国人観光客の姿が目立ちます。また、外国人労働者も多く住むようになりました。外国人との共生は、排外主義の風潮の中、現実的な課題です。文化行政の一つである市民ホールが矢面に立たされることもあるでしょう。逆に共生社会を築いていく役割も果たせると思っております。 そこで質問します。外国人も「主役の市民」となるには、市民ホールはどのようなやり方で役割が果たせるのか伺います。
◎文化部長(安藤圭太君) 外国の方々と市民ホールのかかわりについて御質問がございました。本市では、自然や歴史、文化が豊かな都市として、さまざまな国や地域から多くの観光客の方が訪れております。こうした海外からの観光客や、さらには、本市に居住いたします外国人の方々も市民ホールに呼び込みたいというふうに考えております。そのためには、市民ホールが、生活習慣や文化の違いをお互いに理解する場として、また、芸術文化による外国の方々とのコミュニケーションの場としての役割を果たしてまいりたいと、このように考えております。
◆23番(横田英司君) 市民ホールの果たすべき役割と可能性が大きいことが理解できました。そのためには、「表現の自由を守る」という前提も問われていると思います。文化・芸術・芸能こそ、政治に利用され、制限されるからです。旧ソ連では、スターリンによって作曲家ショスタコーヴィッチが批判され、そしてナチスは、気に入らない作品に退廃芸術の烙印を押して、これを禁止しました。戦前の日本でも、軍国主義により多くの作品が検閲され、国威発揚のための芸術文化を強制しました。 そこで、「表現の自由を守る」ということについて見解を伺います。
◎文化部長(安藤圭太君) 表現の自由についての御質問でございます。「表現の自由を守る」ということは、表現の自由を最大限に尊重するということでございます。これを可能な限り制限しないということでございます。ただ、市民ホールにおきましては、公の秩序または善良な風俗を害するおそれがあるといったことが認められる場合には、使用を制限することとなりますので、この点はぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。 以上でございます。
◆23番(横田英司君) その制限が拡大解釈されないようにお願いしたいと思います。 そして、この問題は、所管だけでなく、トップこそが矜持を持ってやっていただきたい、そしてそのことを期待していると表明しておきます。 最後、三つ目です。教員の長時間労働と変形労働時間制についてですが、答弁からは、80時間以上の超過勤務の教員数は把握されているようでした。勤務時間そのものや休暇の取得については把握できていないようです。実際、神奈川県教育委員会も客観的な勤務時間の把握を課題に挙げております。これでは、どうやって教員の健康管理をしていくのか心もとありません。また、超過勤務時間の一番多いのが副校長、教頭先生です。そこに変形労働時間制が導入されれば、一人一人の教員の事情を聞き取り、年間スケジュールを決める業務がふえ、ますます長時間労働となります。これは本末転倒です。 長時間労働の解消に必要なのは、教員の増員と業務の削減ではないでしょうか。特に30代未満の若い教員の労働時間が突出しています。私も街頭宣伝をしているとき、見知らぬ若い教員から、長時間労働の解消と教員をふやしてほしい、このことを切々と訴えられました。また、超過勤務時間記録簿についても、「記録簿に記入しても何も変わらない。記入するために時間をとられるなんて」、こういうあきらめ切った声も聞いております。こういう現場の実態を市はよく知っていると思います。 神奈川の教育の働き方改革検討協議会がことし3月にまとめた「神奈川の教員の働き方改革に向けた意見(最終まとめ)」には、協議会の意見に「定数改善を考えないと根本的な解決につながらないと思う。教員定数をふやせるよう早急に対応してほしい」、そして、変形労働時間制については、「1年単位の変形労働時間制を導入しても、教員の学内総勤務時間数は今までと変わらないのではないか」と述べられています。 長時間労働が恒常的に蔓延し、8月の夏休みの時期も閑散期とは言えない状況で、変形労働時間制導入は、教員の長時間労働の解消につながりません。また、教育の観点からも、子供たちにとって、最も身近な大人である教員の長時間労働を見せることは、ブラックな働き方は当然だ、ブラックな働き方でも仕方がない、こういうふうに思わせることにつながるのではないでしょうか。 現場の教員からの切実な声である、教員の定数の増員と、多過ぎる業務の見直しこそが求められていると述べて、私からの一般質問を終わります。
○議長(
奥山孝二郎君) この際、暫時休憩いたします。 再開は午後1時20分といたします。 午前11時53分
休憩----------------------------------- 午後1時20分 開議
○議長(
奥山孝二郎君) 休憩前に引き続き再開いたします。 25番岩田議員、登壇願います。 〔25番(岩田泰明君)登壇 拍手〕
◆25番(岩田泰明君) それでは、通告に従いまして順次質問をいたします。 1、防災対策等についてでありますけれども、既に議員諸兄姉より質問がございまして、重なる部分があるかとも思いますけれども、質問をしてまいります。 台風第19号による狩川の水位上昇による影響について伺います。 今回の台風第19号においては、狩川流域では水位上昇による内水はんらんが5カ所確認されているとのことであります。いずれも浸水想定区域内で、戦後に農地を転用した造成地であるようであります。建設省国土地理院の「土地条件調査報告書」によれば、「酒匂川および支流狩川では洪水を連続堤で制するのではなく、洪水を堤外に排出し破堤を防ぐために現在でも霞堤が用いられている。酒匂川扇状地上には旧河道が幾本か延びており、洪水時には通水路となりうる」などと指摘をされております。現在農地となっている区域には、はんらん時に浸水被害を受けてきたために、宅地としての利用が行われてこなかったところもあるところでございます。今回被害が生じた地点は、いずれも農業用排水路が狩川に合流する付近であり、他の土地よりも内水はんらんの発生可能性が高い地域と考えます。 狩川の水位上昇による浸水被害の状況について伺います。 上記を踏まえて、同浸水被害の原因と対策について伺います。 次に、農地転用と水害対策、災害復旧支援について伺います。 市街化調整区域内の農地の転用は、神奈川県知事の許可が必要とされ、市街化区域内の農地の転用は、小田原市農業委員会ヘの届け出が必要とされています。 ところで、今回の浸水被害の発生箇所には、先述の遊水機能を持った霞堤付近の農地が造成された住宅を含んでおります。下流霞堤は、はんらんさせることが基本的な目的であり、当然に周辺は他地域よりも浸水可能性が高いと考えられます。 これらを踏まえ、浸水想定区域内の農地転用許可はどのようになされているか伺います。 また、これら地域が浸水想定区域であること、特に農業用水路や霞堤の付近である具体的条件から想定される事情について周知が必要であると考えます。 造成を希望する者への周知、造成地を新たに取得する者への周知について、本市の取り組みを伺います。 霞堤など付近においても、都市計画において農業用地を他用途に転用することを阻止し得ず、既に酒匂川、狩川等へ農業用水路流入口付近の農地を造成した住宅地が広範囲に形成されている以上、内水はんらんによる被害を完全に防ぐことは困難であると考えます。一定の被害発生が予測できる以上、その被害の復旧に要する費用をすべて被災者本人の負担とすることは、居住する地域によって災害に関連する費用負担を著しく異ならしめることにもつながり得ます。1番
川久保議員が既に詳細に質問された点ではございますけれども、そこで被災した市民に対し自然災害によって生じた被害に対し、見舞金等を支給する制度、あるいは復旧に係る費用の一部を助成する制度などが求められるものと考えます。 災害復旧に関する支援策を検討する考えはないのか、市のお考えを伺います。 次に、避難所の運営について伺います。 台風第19号の対応に関連し、過去最大の避難所への避難者があったことは、既にるる述べられているところでございますけれども、避難所運営に当たる関係者がその任務を十全に果たすことのできるような条件の保持が必須であると考えます。 この観点から、現時点での市の避難所運営の課題認識とその解決の方向性について伺います。 次に、大規模災害発生時の職員体制について伺います。 今回の対応に当たり、市は職員の半数を動員する体制をとったとのことであります。政府は、大規模災害が発生した際、市町村は災害対応の主体として重要な役割を担うことから、災害時に資源(人、物、情報等)が制約を受けた場合でも、一定の業務を的確に行えるよう、業務継続計画を策定し、その対策を事前に準備しておくことが必要として、「地震発災時における地方公共団体の業務継続の手引きとその解説」を2010年に策定しております。ところが、地方公共団体における業務継続計画の策定が進まなかったことから、2015年5月に「市町村のための業務継続計画作成ガイド」を作成し、市町村に同計画作成を一層促しております。これを受けて、本市においては2015年12月に「小田原市業務継続計画(BCP)地震災害対策編」が策定されております。 また、政府は2016年4月の熊本地震を受け、「地方公共団体のための災害時受援体制に関するガイドライン」を2017年3月に作成しております。そこでは、広域的な応援・受援に具体的な運用方法・役割分担がいまだ確立していないこと、応援の受け入れに当たり県と市町村の役割分担が明確でなかったことなど、被災地方公共団体における受援体制が十分に整備されていなかったことから、多くの混乱が見られたとして、地方公共団体は災害時の受援体制をあらかじめ整備することを求めております。 小田原市地域防災計画においては、第3章 災害時応急活動事前対策の充実、第14節 広域応援体制の拡充の中に「市は、大規模地震で被災した場合に、円滑に他機関からの応援を受け入れるための広域受援計画の作成を進めるとともに、訓練等を実施し、内容の検証と充実に努めます」とあります。同計画によれば、現在策定されている受援計画は、小田原市消防広域応援・受援計画のみであり、業務継続計画等との関連を持つ受援計画は、まだ策定されていないようであります。 業務継続計画、受援計画の策定状況について伺います。 ところで、災害発生時に対応に当たる職員についての課題として、「阪神・淡路大震災以降、警察官・消防士・自衛官といった災害現場で活動する救援者のメンタルヘルス対策の必要性が示され、各組織で対策がとられるようになった。しかし、現状では、復旧・復興作業に従事する自治体職員はその対象に含まれていない」との指摘が研究者からなされております。 熊本地震では「災害対応業務に加え、非常時でも中断できない通常業務を、みずからも被災する中で実施しなければならない被災自治体職員には、多大な心理的肉体的疲労が発生した」とされております。「自治体では、業務継続計画によって、通常業務の休止・縮小をあらかじめ決めるケースが多くあるが、災害経験がない中でどのような対応業務が発生し、どの程度の人員が必要になるかなどの予測ができないので、通常業務の休止・縮小率も適切なものになっていない」との指摘もございます。適切な予測を行い、必要な準備を行うことは、災害対応で住民と継続的に接し、復興終了まで任に当たる自治体職員の安全と健康を守る上でも必須と考えます。支援者としての職員が後顧の憂いなくその業務に専念できる環境なくしては、十全な被災者対応は困難であるとのことは論をまたないと思います。 特にさきに挙げましたが、主に復興期の住民支援に当たる被災自治体の一般職員のメンタルヘルス問題が顧みられることはまだ少ないとの状況下で、住民よりはるかに深刻な自治体職員のメンタル状況等があるとの指摘がなされていることについては、決してこの対応はゆるがせにできないものと考えます。前田正治福島県立医科大学医学部教授は、復興期の自治体職員が精神保健上の問題を抱える要因について、「1.終わりの見えない状況、2.人的資源不足による高負荷、3.住民の怒りへの曝露、4.助けを求めにくい支援者としての立場、5.自身も被災者であることによる役割葛藤、自責感情」などを挙げております。その上で、「職員の精神保健上の問題に対する、自治体組織及び職員自身の危機感は著しく欠けている」としております。そして、その改善のためには、「首長が『職員が疲弊することは、結局、復興のおくれ、被災者の不利益につながる』という考えに立てば、おのずと職員のケアの必要性、重要性に目が向き、ケアの体制をできる範囲ながらも整えていくはずである」と述べております。「災害時、住民から非難を浴び、メンタルを悪化させる自治体(一般)職員に対し、消防隊員や自衛隊員は感謝・称賛されヒーローとなる。前出・東北大の調査で、消防職員の精神保健状況が、他の支援者どころか被災住民よりも良好だった最大の要因は、ここにあると考える」との指摘は、特に留意されるべきとも考えます。もちろん、消防隊員、自衛隊員にとって、そういった問題がないということではなくて、一般職員についての問題との関係でこのことは指摘されております。 かかる観点に立ったとき、被災者の迅速な救援だけでなく、職員を守ることにつながる受援計画が必要との指摘は極めて重視されるべきであると考えます。 また、業務継続計画等においても、「復旧・復興の長い時間を地域と向き合い事業を進めていくのは、被災自治体職員である。自宅や家族が被災した中で、被災者と支援者という二面性を持ち続けなければならないだけでなく、その状態はどの組織の職員よりも長く続く。災害復興事業を自治体職員が円滑に実施するためには、やはり心身ともに健康な状態に早く戻れる環境づくりが必要であり、彼らを救援者の一人であると位置づけた対策が必要である」との知見は生かされるべきであると考えます。 現時点での本市の如上の点についての所見並びに計画等への反映の状況について伺います。 次に、市町村合併による防災力空洞化について伺います。 先日の26番杉山議員の質問に対して、市長は、気分ではないと答弁をされておりましたけれども、気分ではないからこそ、私は大問題だと思うわけでございまして、市町村合併が、地域、特に合併によって周縁部となった地域の防災力についてどのような影響を与えたかについては、研究者によって調査研究の事例から厳しい指摘がなされております。中林首都大学東京名誉教授は、「自治体合併による行政区域の広域化は、複合的な災害に遭遇する可能性と広域巨大災害に巻き込まれる可能性を高めると想定できる」と指摘し、今井照福島大学行政政策学類教授は、「被災地から見れば、道州制や市町村合併の動きは、ますます社会的脆弱性を増進させる無謀な主張のように見える。なぜなら、実質的に行政機能が崩壊して、緊急期の支援活動に支障が生じているのは、広域合併をして周縁部になった孤立地域のほうだからである」と、市町村合併による防災力空洞化の指摘がなされております。 市は、先般の南足柄市との2市協議に当たり、これらの観点から調査を行ったのか、行っていないとすればその理由、行ったとすればこれに関する見解を伺います。 次に、大項目2、支所・連絡所・窓口コーナー、生涯学習センター分館、図書館分館の廃止見直しについて伺います。 廃止に係る市民合意形成に関する問題点について伺います。 説明会に係る諸点として、新たな住民窓口サービスの開始、支所等廃止、併設社会教育施設廃止という課題が、「新たな住民窓口サービスと支所等の再編に関する市民説明会」と題し、一括して市民説明会が開催されました。支所等と併設社会教育施設は、合併以来の旧町村地域の重要施設であるとともに、その性格の異なる施設であり、その施設性格に沿った適切な議論が必要であったと考えます。参加した市民においても、一回の説明会で三つの事柄について説明を受け、質問等を行うこととなり、必ずしも内容を熟考できる対応になっていなかったと考えます。 仮に一括で行うのであれば、説明会について通常より時間をとるか、あるいは回数をふやすなどの工夫が必要であったかと思うが、市のお考えを伺います。 関連して、「広報小田原」に関して伺います。 2018年6月1日発行の「広報小田原」第1190号の「変わる住民窓口サービス」との記事中に「説明会、こんな意見が出ました」として、四つの意見が掲載されております。その中には、「住民窓口の再編は、よい選択」、「窓口の廃止もやむを得ない」など濃淡はあるものの、市方針に賛成ないしは受容するものがある一方で、反対するものはございませんでした。ところが、地域別説明会の議事録を見ますと、支所等廃止に反対を表明している意見も少なからずございました。 説明会で出された意見の比率と、集約され紙面に掲載された意見との間に著しい乖離があると考えますが、市の見解を伺います。 次に、小田原市公共施設再編基本計画、小田原市立地適正化計画と支所等廃止についての関係性でありますけれども、市は、2019年3月に公共施設再編基本計画や立地適正化計画を策定しております。支所や併設社会教育施設のような、市域全体に配置された重要施設の存廃については、指針となるこれら計画が策定された後に、個別具体化として進めるのが手順として適当と考えますが、市の見解を伺います。 次に、2019年1月から3月にかけての支所等と新たな住民窓口サービスの利用実態について伺います。 決算特別委員会提出資料によれば、支所等と新たな住民窓口サービスの利用については、2019年1月から3月の併用期間において、その利用件数においては、支所等8518件、コンビニエンスストア、郵便局759件と約11倍の開きがあることが確認できます。 この利用状況の格差について、市は、併用期間であったこと、周知不足を理由として挙げておりますが、新たな行政窓口サービスの利用が少なかった要因について、これ以外の要因について、市はどのように考えているのか伺います。 次に、編入旧町村地域の振興、災害対応と支所等再設置について伺います。 地域振興のため、支所等の公共施設を再配置し、便利で住みやすい環境を整備することで人口維持あるいは増加を期すること、また、支所等職員が地域で活動することにより当該地域の市民と顔が見える関係を構築し、今後想定される大規模災害時の対応など、地域防災力の向上を図ることも可能と考えます。地域の拠点施設として、従来の支所機能にとらわれず、大胆に機能強化することも含めて支所等の再配置が求められていると考えますが、市の見解を伺います。 次に、旧町村地域の社会教育の振興と生涯学習センター分館、図書館分館の再設置について伺います。 町村合併の際の建設計画等に基づき、旧町村立公民館を継承するなどして公民館分館が設置されました。公民館は、社会教育法第20条で「公民館は、市町村その他一定区域内の住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もって住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする」と規定されております。公民館にかわって設置された生涯学習センターの性格については、2005年9月定例会で木村信一議員が、生涯学習センターとは何か、そのセンターの法律、条例上の位置づけについて質問し、「生涯学習センターは、中央公民館機能をあわせ持つ社会教育施設であることから、社会教育法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律が根拠法令となる」との答弁がなされております。2006年12月定例会においても木村信一議員の同趣旨の質問に対して、「生涯学習センターは、これら公民館の機能と施設を継承する」、「引き続き社会教育施設として位置づけていく」との答弁がなされております。 そうであれば、公民館に準拠した設置が求められます。そこで、2003年の「公民館の設置及び運営に関する基準」を見ますと、第2条で「公民館を設置する市町村は、公民館活動の効果を高めるため、人口密度、地形、交通条件、日常生活圏、社会教育関係団体の活動状況等を勘案して、当該市町村の区域内において、公民館の事業の主たる対象となる区域を定める」とされております。1959年の旧基準では、「当該市町村の小学校又は中学校の通学区域、人口、人口密度、地形、交通条件、社会教育関係団体の活動状況等を勘案して」とされているところでございます。 2019年現在、公立中学校は9371校、公立小学校は1万9432校となっております。公民館は、2015年10月現在、1万4171施設と、小学校よりは少ないですけれども、中学校よりは多く設置されております。この意味で、旧町村単位に配置されてきた分館が廃止されたことは、基準や全国の実情に照らしても適当でないと考えます。 生涯学習センター分館の廃止により、旧町村地域の社会教育に負の影響が生じたと考えますが、市の見解を伺います。 次に、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)は、「学習権宣言」というものを1985年に出しておりまして、「学習権は未来のためにとっておかれる文化的ぜいたく品ではない。それは、生存の欲求が満たされた後に行使されるようなものではない。学習権は、人間の生存にとって不可欠な手段である。学習活動はあらゆる教育活動の中心に位置づけられ、人々を、なりゆきまかせの客体から、自らの歴史をつくる主体にかえていくものである」としております。 教育基本法では、第12条において「個人の要望や社会の要請にこたえ、社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によって奨励されなければならない」、第2項「国及び地方公共団体は、図書館、博物館、公民館その他の社会教育施設の設置、学校の施設の利用、学習の機会及び情報の提供その他の適当な方法によって社会教育の振興に努めなければならない」としております。 民主主義社会において、等しく社会教育を受ける権利を保障する具体的施設としての公民館、社会教育施設の役割は大変に重いと言えます。 中央教育審議会答申におきましても「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について」(2018年12月21日)では、「公民館、図書館、博物館等の社会教育施設には、地域活性化・まちづくりの拠点、地域の防災拠点などとしての役割も強く期待されるようになっており、住民参加による課題解決や地域づくりの担い手の育成に向けて、住民の学習と活動を支援する機能を一層強化することが求められるようになっている」と指摘しております。また、「行政による学習機会の提供に当たって、行政的な視点が優先され、学習に関する住民の自主性・自発性が阻害されることのないよう、地域住民の意向の反映に留意することが必要」とも指摘しております。 市民の学習権の保障、今後の市域の均衡ある維持・発展をかんがみるとき、旧町村地域の社会教育の振興のためには、生涯学習センター分館と図書館分館は再配置することが求められていると考えます。本市の見解を伺います。 次に、大項目の3、富水駅前無料自転車駐車場に係る諸課題について質問いたします。 富水駅前無料自転車駐車場が2019年11月30日に閉鎖されました。この問題が浮上してからは、浅野議員が質問をしたこともございますけれども、6月定例会で、無料自転車駐車場について交通権、道路利用の歴史的観点から私も触れました。自動車台数の急増に伴う自動車交通量の急激な増大により駐車問題も顕在化いたしました。1960年の道路交通法においては、第45条以下十数条にわたり駐車に関する規定を置いております。これに対し1947年制定の道路交通取締法では、第21条に規定されるのみでございます。かくのごとく、道路利用の形態は、車両交通の発展に伴い、法的に順次整備されてきたものと言えます。これは、歴史的に多様な道路利用の形態に淵源を持つ種々の権利に対し、人権間の調整原理である公共の福祉に基づいて調整がなされてきたものと言えます。 自転車駐車場の問題は、従前駐車可能であったものが社会的要請によってできなくなるのであるから、個人的な解決に任せるのではなく、社会的に解決されるべき性質の問題と言えます。それがゆえに、自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律が制定されたものと言えます。確かに同法第5条は、駐車場整備の努力義務を課すのみ、無料であることを求めてはおりません。しかしながら、有料であることもまた求めておりません。本市の今後のあるべき地域交通体系の方向性をかんがみますと、駅利用者の利便性や経済的な負担、公共交通機関利用の推進をしていくべきものと考えます。そこにおいて、市内無料自転車駐車場の役割は欠くべからざるものと言えます。 そこで、富水駅前無料自転車駐車場を再設置する考えはないか伺います。 次に、営利企業設置駐輪場の通学利用者に対する料金助成について伺います。 6月定例会答弁において、民間事業者による自転車駐車場等が整備される限りにおいて、市営無料自転車駐車場はその機能を移譲し廃止していく旨が示されております。その場合、無料自転車駐車場が整備されていない場合、通学に自転車駐車場を利用している高校生などについて、自転車駐車場利用料が保護者の負担になっていると考えられます。他自治体においては、通学利用者に対し、一定の利用料助成を行っている事例がございます。 そこで、本市において営利企業が設置している民間自転車駐車場の通学利用者に対し、利用料金を助成する考えはないか伺います。 以上で登壇しての質問を終わります。(拍手)
○議長(
奥山孝二郎君) 市長、登壇願います。 〔市長(加藤憲一君)登壇〕
◎市長(加藤憲一君) 25番岩田議員の御質問に順次お答えをいたします。 初めに、二級河川狩川の水位上昇による浸水被害の状況について御質問がございました。狩川流域での浸水被害は、左岸側の5カ所で確認しており、いずれも排水路が狩川に放流する付近において、内水はんらんが発生したものであります。家屋への浸水被害は、床上浸水が27カ所、床下浸水が93カ所となっており、流域全体で120カ所を確認しています。 次に、浸水の原因とその対策についてであります。浸水の原因については、都市化の進展に伴う河川への流出量の増加に加えて、上流域での記録的な豪雨が重なり、放流先となる二級河川狩川の水位が上昇したため、排水路が流下能力不足を起こし、浸水が発生したものととらえております。対策につきましては、公共下水道雨水渠整備を推進いたしますとともに、既存排水路のしゅんせつやかさ上げなどの改良を実施していく予定であります。また、狩川を管理する県には、堆積土砂の計画的な掘削を要請してきたところであります。 次に、浸水想定区域内の農地転用許可はどのようになされているのかとの御質問でございます。農地転用は、農地法に基づき神奈川県知事が許可をいたします。神奈川県が定めた審査基準では、浸水想定区域について、特別の制限はないので、浸水想定区域外の農地と同様に扱われます。審査基準に適合すれば農地転用許可がなされるものでございます。 次に、宅地等が浸水想定区域内にあることについての御質問でございます。浸水想定区域につきましては、平成30年2月に酒匂川洪水ハザードマップを作成し、自治会に加入している市内全世帯に配布したほか、平成31年3月には、これに山王川や狩川の浸水想定区域を加えた洪水ハザードマップを作成いたしまして、関係自治会全世帯に配布しております。また、不動産取引の際、宅地建物取引業法に基づく重要事項説明書に浸水想定区域を記載する義務はありませんが、防災対策課窓口に宅地建物取引業者等が調査に来られた際には、当該物件が浸水想定区域内にあるかを確認し、説明を行っています。 次に、災害復旧に関する支援策の検討についてでございます。本市では、被害を受けられた方に対する支援の御案内を発行いたしまして、各種の支援について、担当課において対応しております。支援の内容は、罹災証明書の発行のほか、住宅の応急修理など住まいに関する支援や、神奈川県被災者生活再建支援金の給付、災害援護資金の貸し付け及び税・保険料の減免などの支援を行っています。 次に、避難場所運営における課題と解決の方向性についてであります。避難場所の運営につきましては、地域の方や配備職員から、運営に従事する配備職員が少ないこと、学校施設の利用方法、ペットの同行避難、自治会の方の交代がいないことなどの課題が挙げられております。今回、明らかになった課題につきましては、マニュアルの整備などを含め、自治会の皆様や関係部局で具体的な協議を始めたところでございます。 次に、業務継続計画及び受援計画についての御質問でございました。業務継続計画につきましては、平成27年12月に策定しており、非常時優先業務の内容及び職員の参集可能人数について、毎年見直しを行ってきております。受援計画につきましては、現在、業務継続計画により明らかとなった必要な人的及び物的資源の不足について算出しているところであり、今年度末に策定する予定であります。 次に、本市の大規模災害発生時における職員の健康対策等についてであります。災害対応の際には、ふだんと異なる環境下での長期間にわたる切れ目のない対応が見込まれ、職員の身体的・精神的負担が増すことが想定されますことから、本市地域防災計画の中に、職員の健康管理に関することを位置づけております。具体的な内容といたしましては、災害対応時には、一定の時間で交代できる業務ローテーションを組むための全庁的な職員応援体制や、会議室を活用した休憩場所の確保など、職員の健康面への配慮を図っているところであります。また、災害対応後に通常業務へ戻る際には、臨床心理士によるカウンセリングや、保健師による健康指導の実施など、職員が過度のストレスを抱えた場合のケアを図っています。 次に、2市協議における防災力空洞化調査の実施状況についてであります。2市協議では、それぞれの市の情報受伝達手法や独自の取り組み等について比較を実施したものであり、いわゆる防災力空洞化の調査は実施してはおりません。 次に、平成29年度に実施した「新たな住民窓口サービスと支所等の再編に関する説明会」の開催方法についてでございます。コンビニエンスストアや郵便局で証明書の交付が受けられる「新たな住民窓口サービス」は、支所等の窓口サービスの代替サービスとして導入したことから、また、生涯学習センター分館等の社会教育施設は支所と併設しており関係性が高いことから、個別に御説明するよりも、あわせて御説明したほうが市民にとってわかりやすいと考えたものでございまして、開催方法については適当であったと考えています。 次に、広報紙に掲載した市民意見についてでございます。掲載した市民意見は、平成29年12月から平成30年3月までに実施した市民説明会において、参加者の方からいただいた御意見の中から、新たな住民窓口サービスへの御意見も含めて特徴的な御意見を掲載したものでございます。 次に、諸計画策定と支所等廃止の手順についてでございます。厳しい財政状況の中、老朽化する支所等の施設を更新・維持していくことは困難でありますことから、持続可能な行政サービスを実現するための方策について、以前より検討を進めてきたところであり、国の交付金制度活用などの機をとらえまして、平成30年度に新たな証明書交付サービスを導入し、市民の利便性の確保を図り、支所等を廃止したものでございます。支所等の再編につきましては、並行して策定を進めてきた小田原市公共施設再編基本計画及び小田原市立地適正化計画との調整・整合も図ってきたところでございまして、支所等廃止の手順については適切であったと考えています。 次に、新たな住民窓口サービスの利用が少なかった要因についてでございます。新たな住民窓口サービスのうち、証明書コンビニ交付サービスについては、利用に必要なマイナンバーカードの交付率が17%程度であったこと、また、証明書郵便局交付サービスについては、今まで利用されてきた支所等の窓口サービスが提供されていたため、郵便局の窓口を利用するに至らなかったことなどが要因であると考えています。今後も継続して新たな住民窓口サービスの普及啓発を行いまして、利用促進を図ってまいります。 次に、地域拠点としての支所等の再配置についてであります。支所等につきましては、施設の老朽化や利用状況等を総合的に勘案するとともに、社会情勢の変化に合わせた行政サービスのあり方を見直す中で判断し、本年3月に廃止したものであり、再配置については考えてはおりません。 次に、生涯学習センター分館廃止による社会教育への影響についてであります。本市は、平成23年4月より「キャンパスおだわら」を開設し、生涯学習センター本館けやきを核に、尊徳記念館などの社会教育施設や他の公共施設を活用し、総合的な学習を推進しております。あわせて、キャンパス講師などを地域に派遣し、地区公民館を活用した講座の開設にも積極的に支援していくことで、全市的な社会教育の振興に努めているところでもございます。生涯学習センター分館が廃止になった地域でも、他の地域と同様に、既存の公共施設や地区公民館等を活用することによりまして、分館廃止の影響は抑えることができるものと考えております。 次に、生涯学習センター及び図書館分館の再配置についてでございます。本市の社会教育は、公共施設や地区公民館を活用することによって振興を図ってまいりたいと考えます。図書サービスにつきましては、地域センター等にある図書室との連携や自動車文庫による配本などによりまして、既に充実が図られております。いずれにいたしましても、生涯学習センター及び図書館分館については、施設の老朽化や利用状況等を総合的に勘案するとともに、社会情勢の変化に合わせた行政サービスのあり方を見直す中で廃止を判断したものでございまして、再配置については考えておりません。 次に、富水駅前に無料自転車駐車場を再設置する考えについてでございます。駅前の無料自転車駐車場につきましては、さきの6月定例会で答弁したとおり、民間事業者等が自転車駐車場を設置するなどにより、路上駐車対策が講じられる場合には、市の無料自転車駐車場の廃止を検討することとしております。御指摘の富水駅は、民間自転車駐車場を代替とすることで、駅前の自転車駐車場機能は確保される判断に変わりはございませんので、改めて設置する考えはありません。 次に、市内民間自転車駐車場の通学利用者に対し、利用料金を助成することについてでございます。民間駐車場の利用料金は、学生割引の導入を含め、事業者が事業採算を考え設定されているものでございますが、学生に対し利用料金の一部を助成している自治体があることは認識しております。通勤・通学には自転車のほか、鉄道、バス、自家用車や徒歩などさまざまを交通手段を使用することが考えられますことから、民間事業者の有料自転車駐車場を利用する学生に対して助成を実施するという考えはございません。 以上をもちまして、25番岩田議員の御質問に対する答弁とさせていただきます。
◆25番(岩田泰明君) 答弁の向き承りました。それでは再質問をさせていただきます。 まず、3点目の富水駅前無料駐車場廃止にかかわる諸課題について伺います。 再設置の考えはないということでございますので、地域に住む住民の一人として大変残念であります。今後の市の交通体系を考えるとき、向後に禍根を残すものではないか。これは私が最近聞いたのですけれども、小田原にちょっとした用事、30分ぐらいの用事があるので、自転車を使っていこうと思っていたのだけれども、考えてみたら駐車料金が100円かかる、それと小田急線の往復で行ったら、では車を使って有料駐車場にとめても大して額はかわらないなということで、車で行ったよなどという話を聞きました。やはりそういう事例が一事が万事とは申しませんけれども、そういう事例もそこそこあるのではないかということを考えますと、これは大変問題が多いのではないかと思います。 さて、助成を実施する考えはないとのことでございますけれども、市が設置している小田原駅、鴨宮駅の自転車駐車場には、定期利用について学生割引が設定され、一般利用者より安価に利用できております。そこで、学生割引を導入していない有料自転車駐車場の事業者に対し、学生割引を導入するよう要望したことはあるのか伺います。
◎市民部長(加藤裕文君) 有料自転車駐車場を運営する事業者に対し、利用料金の学生割引を導入するよう要望したことはあるのかとの御質問でございます。富水駅無料自転車駐車場の廃止を機に、周辺の自転車駐車場事業者に対し、学生割引の導入について問い合わせを行っております。事業者からは、現在、その事業者のほうでほかにも自社自転車駐車場を設置されていて、そこの利用料金は学生割引を導入していないということもございますので、市内自転車駐車場に学生割引を導入することは難しいとのことでございました。
◆25番(岩田泰明君) 今、事業者から困難との回答をいただいたとのことでしたけれども、少なくとも市に無料自転車駐車場整備の考え方はないのでありますから、引き続き強力に事業者に割引実施を求めるようお願いいたします。同時に、市営駐車場基準の助成を通学利用者に行うことをぜひ検討していただきたい。この点も強く要望しておきます。 それでは、次に、防災対策等についての再質問をいたします。 被害状況、原因と対策について了解いたしました。ところで、酒匂流域平野部でのはんらんは、右岸では1909年の坂口堤決壊による桜井村栢山、左岸では1910年の豊川村桑原、1913年の曽我村西大井で被害となったものが直近のもののようでございます。また、破堤寸前となったものに、こちらは記憶に新しいと思うのですけれども、1938年の吉田島九十間堤決壊がございました。1909年の件については「足柄上郡誌」に「櫻井村水害の時全郡青年聯合して救助に盡力」などの記述がございます。 本市においては、これら過去の事例の調査研究を本市防災対策に生かすために行っているか、または行っていく考えはあるか伺います。
◎防災部長(杉山博之君) 過去の災害の事例について御質問をいただきました。過去の災害の事例は、今後起こり得る災害の対策や市民の皆様への防災意識にも参考になると考えられますので、風水害の古い資料についても可能な限り活用していきたいというふうに考えております。 以上です。
◆25番(岩田泰明君) ぜひお願いしたい。と申しますのは、私の曾祖母が1900年の生まれでございまして、小さいころ、ちょうどこの水害に遭っておりまして、たまたま曾祖母は長生きしたもので、「家が流されたりしたのだよ」なんていう話を聞いたことがあるのですけれども、そんなことを経験者から直接聞いたことのある人も、ほとんどこれからはいなくなろうかと思いますので、そういうことも含めて、掘り起こしをぜひしていただけたらなと思うのです。 農地転用の件については、答弁を承りました。今回、浸水被害を受けた箇所に農地がございましたけれども、答弁を踏まえますと、やはり遊水機能保持の観点からも、農地保全のために何らかの取り組みを行うことが必要でないかと思いますので、この点は申し述べさせていただきます。 避難所について再度伺います。早目の避難が求められているところではございますが、実際には暗くなってから避難された方もいらっしゃるわけで、「暗くなり入り口がわかりづらかった」との声がございます。避難所建物の入り口などは、防災訓練などで平素行ったことがある人はわかりますけれども、そうでないと、避難所敷地までは行っても、そこから建屋入り口にたどり着くまでは時間がかかるものでございます。日没後や停電時など、避難所入り口誘導についての市の考えを伺います。
◎防災部長(杉山博之君) 避難場所の入り口の誘導についての御質問をいただきました。広域避難場所や風水害避難場所となる学校は、地域にお住まいの方のほか、学校を余り利用されない方も避難されてまいりますので、屋内運動場までの入り口の誘導、暗いところでも明るく識別できる看板を、昨年度から設置を始めました。ですので、今後、この見やすい明るい看板の設置を進めてまいります。そのほか、災害時にはカラーコーンとか学校にあるものを使って識別できるようにしていきたいというふうに思っております。 以上です。
◆25番(岩田泰明君) ぜひお願いしたいと思います。体育館などですとわかるのですけれども、校舎のほうになりますと、昇降口がかなりたくさんあって、電気もいろいろついて、行ってみたらかぎがあいてなかったみたいなこともあるようでございますので、ぜひそういうことをお願いしたいと思います。 風水害避難場所については、今回、私ども桜井地域におきましては県立城北工業高等学校も指定され、地域の方が避難されました。周辺は酒匂川の至近の地域で、鉄筋コンクリート3階建て以上の建物も集合住宅以外にはない地域でございまして、高校が避難場所となって、「川と隣接しているという立地の不安はあるけれども、大変ありがたい」との声を聞きました。避難所として開放されたのが数教室でございましたけれども、今回の避難者数等を受けて、施設利用について県側と再度調整を図る予定はあるのか伺います。
◎防災部長(杉山博之君) 城北工業高等学校の施設の利用についての御質問をいただきました。城北工業高等学校とは、風水害避難場所としての協定を締結しておりまして、今回の台風第19号では、96名の方が避難されたということです。その後の振り返る中でも、施設の利用法について課題が上がってまいりました。ですので、地域と学校施設管理者を交えて協議を行ってまいりたいと考えております。 以上です。
◆25番(岩田泰明君) ぜひお願いしたいと思います。 それでは、広域避難所運営に当たっては、地元自主防災組織の役割が大きいとされておりますけれども、その責任者の避難所への参集と不在時の代行順位等については確認をされているのか伺います。
◎防災部長(杉山博之君) 自主防災組織についての御質問をいただきました。それぞれの自主防災組織では、規約を作成しておりまして、自治会長、副自治会長の役職を、それぞれ防災本部長、防災副本部長としております。それぞれその職務は、防災本部長は広域避難所全般に関すること、それから防災副本部長は本部長の補佐、また事故のあるときの代行という形で職務が決まっております。このように、自主防災組織の任務については、それぞれ自治会が地域の実情に応じて定めていただいているというところでございます。 以上です。
◆25番(岩田泰明君) ぜひ順次その方向で進めていっていただきたいと思います。 次に、大規模災害発生時の職員体制について伺います。 古い言葉でございますけれども、「輜重輸卒が兵隊ならば、蝶やとんぼも鳥のうち」、こういうような言葉がございますけれども、兵站軽視の旧軍の体質をあらわした歌でございますけれども、やはり、災害発生時もそれを支える職員、後方の体制というものをきちんとしておくということは非常に重要だと思うわけでございます。 そこで、熊本県「熊本地震の概ね3か月間の対応に関する検証報告書」によれば、県・市町村職員とも「発災後、一定期間、参集できない職員も存在した」とあり、その理由に「家族の面倒を見る人がほかにいなかった」、「交通網の寸断、交通手段がなかったため」、「自宅が被災したため」という理由が多いのですが、市としてはこの点をどのように考えているか伺います。
◎防災部長(杉山博之君) 災害時に職員が参集できない場合の対応という御質問をいただきました。職員が被災して参集できないという事態は想定しております。そして、これを他市からの職員に応援を求めて解決していこうというふうに考えているのですが、他市からの応援職員にお願いする業務内容ですとか必要な人数は、これから受援計画をつくっていこうと思っておりますので、その中で決めていこうと思っております。 以上です。
◆25番(岩田泰明君) ぜひその方向で進めていただきたいと思います。 また、同調査におきましては、「発災後、災害対応業務に従事する職員の水、食料の確保に苦慮」として、「県では災害時の初動対応に当たる職員向けに食料等を備蓄していたが、熊本地震においては、全職員体制で災害対応に当たったため、備蓄食料がすぐに底をついた。また、災害時の職員用の食料については、自己調達を基本とするが、発災直後は、被災により営業していない店舗が多かったこと、24時間体制で災害対応に当たっていた職員は、外出すらままならない状況であったことなどにより、多くの職員が食料の確保に苦労した」とあり、市町村でも同様だったことが記されております。現地自活みたいな方針というのはよろしくないのだろうと思いますので、その点についてどのようになっているのか伺います。
◎防災部長(杉山博之君) 職員の食料の確保についての御質問をいただきました。市では、市民の皆様には、最低3日間、推奨1週間分の水、食料を備蓄してくださいという形でお願いしております。職員についても同様に、業務が遂行できるように、おのおの水、食料を確保していくようにということで呼びかけております。 以上です。
◆25番(岩田泰明君) 御答弁承りましたけれども、先ほどの不祥事の件でもありましたけれども、やはり任意に任せるのではなくて、客観的な条件として一定保障されているということが機能の発揮にとって必要だと思いますので、ぜひ検討していただけたらと思います。 次に、防災力の向上にかかわる合併の影響についての御答弁を承りました。防災担当部局の増設や増員など、確かに答弁にあるような肯定的な面もあるわけでありますけれども、一方で、自治体面積の増加による災害種類の増加、全域被害の場合の面積・人口当たり職員数の減少による人員力の不足などが弊害として指摘されております。また、単独行政では、全域被害の場合、自治体がその被害を発信できるが、合併して周辺となった旧自治体が全域被害を受けても、合併自治体としてはその区域の一部となることにより、被害状況の周知、必要な支援の要請などについての発信力で非合併自治体との格差を生じることなどが指摘されております。 この点で思い起こしますのは、新潟県中越地震というのがございましたけれども、2004年10月23日に発生しているわけです。山古志村というのを覚えていらっしゃる方も多いかと思うのですけれども、山古志村は当時2005年4月1日に長岡市に編入合併されることが決まっておったわけです。村が残っている時期に発災して、長島村長という大変立派な村長がいられて、後で国会議員にもなられていますけれども、この方が一生懸命やって、長岡市との合併まであと2週間という3月中旬に復興計画などを打ち出しておりまして、私どもも山古志村と聞くと新潟県中越地震で被害を受けたところだなとか思い出すわけですけれども、合併して長岡市の一部となると、印象も含めて大分違ったのだろうなというふうに思うわけでございます。 また、それと同時に、先般、22番武松議員が震災地応急側図と土砂災害というのを紹介されたのですけれども、それが入っている書籍の中に関東大震災の被害地図が載っていて、片浦村400何人とかと書いてあるのです。地図にも片浦村が書いてあるわけです。これも当時小田原市だったら、小田原市で何百人とくくられてしまうのですけれども、そういう地図が残っている形で、片浦はそれだけ被害が出たのだ。これはやはり独立した行政があるということの一つの意味を、自分は紙で書いていたのですけれども、今、実際に体感したところでございます。 そういうことも含めまして、防災の観点から求められるのは、独立した市町村間の災害対策における日常不断の緊密な連携と、広域、専門的対応を担う都道府県、国の適切な機能発揮であります。地域における独立した政治単位である市町村を消滅させる合併は、地域防災力向上の観点から見たとき首肯されないということを意見として申し上げておきたい。 再質問の最後でございますけれども、支所等、生涯学習センター分館の廃止見直しでございます。 あわせて説明したほうが市民にとってわかりやすいと考えたとのことですが、この間の市民への市の説明会の持ち方等を見ますと承服しがたいわけでございます。例えば、支所等の廃止を含む再編検討については、2017年6月に議会報告があり、公になっております。その後、当時、小田原市は南足柄市との2市協議を行っておりましたけれども、2017年9月に片浦地区で開催された「南足柄市との2市協議に係る市民説明会」では、「片浦支所が合併後も事業として存続、継続していくのか」との市民からの質問に対し、市長答弁で「片浦地域に対して提供している行政サービスの質を落としたり、あるいは量的な削減をしたりすることはない」とした上で、「支所等をどうするかなどは、合併の議論とは別に全市的な、全市的に説明をさせていただきながら進めています」、「合併とは関係ないところで議論をしている」と述べております。既にこの時点で支所廃止を含む議論をしておりながら、そのように直截な表現をしておりません。確かに正しいことしか言っておりません。誤ったことは言ってないのですけれども、明らかに質問者の意図は、支所が残るのかということを聞いているわけですから、「合併とは関係のないところで支所等の廃止を含む検討を行っている」と、返答が質問者の意を酌んだ答弁であったのではないかと思います。事実、支所等再編の市民説明会では、「合併説明会において、合併後も出先施設は存続するとの回答を受けていたので、今回の説明には驚いている」との発言が出ております。説明に不足があったことは明白であります。 また、これは2市協議にかかわる答弁としても不適切であったと考えます。片浦支所は1954年に片浦村が小田原市に合併した際に建設計画に盛られた重要事項であります。それを覆す検討を進めるということは、南足柄市が合併したときにも、その際の約束というのは、重要事項であってもいずれ覆される可能性があるということを示すものでありました。このような2市合併にかかわる重要な判断材料を提供しないという点でも問題であったということであります。いずれにいたしましても、市民に対する説明という点で問題があったと考えるが、市の見解を伺います。
◎市民部長(加藤裕文君) 平成29年9月に開催された「南足柄市との2市協議に係る市民説明会」での支所等の存続に関する答弁について御質問がございました。ただいま25番岩田議員おっしゃいましたように、説明会の質疑の中で、「地域へのサービスのあり方、例えば支所などの機能については、合併の議論とは別に、全市的に御説明させていただきながら進めていく」というふうに回答を行っております。合併の議論とは別に全市的に検討していますよということを回答させていただいているところでございます。支所等の廃止につきましては、その後開催した「新たな住民窓口サービスと支所等の再編に関する市民説明会」や広報等で市民の皆様に市の考えをお伝えし、御理解いただけたものととらえております。
◆25番(岩田泰明君) 余り説得力がある御答弁だとは考えられないのですけれども、次に移りたいと思います。 先ほど、「広報小田原」の件に関しては、特徴的な御意見を掲載したとの御答弁でございました。市民説明会の開催概要によれば、支所や分館を存続させてほしい旨の意見の方が廃止意見より多い。もちろん、最も多いのは質問です。どうなるのかという具体的な質問だけで、賛否については言っていないものが多いわけですけれども、単純に賛否を表明しているような意見で言えば、廃止意見よりも、存続させてほしいという意見のほうが多いわけです。少なくとも支所、分館存続が、支所、分館廃止をしてほしい、あるいは進めていいですよというような意見に対して、大きく下回るものではないわけです。賛否両論ある中で、市方針に反対する意見が特徴的でないというのは全く理解に苦しむわけであります。なくすという方針が出ていて、なくさないでくれというのは、なぜ特徴的でないのかわかりません。 そこで、改めて、支所、分館は残すべきとの意見をなぜ掲載しなかったのか、市の見解を伺います。
◎市民部長(加藤裕文君) 広報に支所を残すべきとの意見を掲載しなかった理由について質問がございました。御指摘のとおり、各地区で開催した市民説明会では、支所の存続を望む声も含めてさまざまな御意見をいただいたところでございますが、「広報小田原」2018年6月号では、「コンビニでも証明書を受け取れる! マイナンバーカードを作って、もっと便利に」というような記事の中で、限られた紙面の中で市民意見を四つに絞り掲載したものでございます。市の広報紙には単純に賛否を掲載するのではなく、各地区の市民説明会で複数の方からいただいた御意見の中から、今後に向けて市民の皆様に知っておいてほしい内容の意見を掲載したものでございますので、御理解いただきたいと存じます。
◆25番(岩田泰明君) ちょっとそれは理解に苦しむのですよ。というのは、先に言いますけれども、6月1日発行の市報ですよ。支所廃止が議決されるのは6月15日ですよ。市としての方針を議会が決定する前に、賛否が分かれている話題で、一方の意見のみ掲載するというのは、市の意思決定過程として問題があると思うのです。 説明会に出席するのは、基本的にその課題に関心のある市民の方ですよね。そうした市政に積極的なかかわりを持とうとする市民の方が説明会に行って、発言やアンケート回答したにもかかわらず、それが市の広報に全く載ってないのだったらいいのですよ。でも、載っていてその中に何も出ていないというのでは、一方の見解だけが掲載される。広報とはこういうものなのかと。本当に市の信頼というものが維持されるのかどうかという点で疑問だと思います。これは意見として述べておきます。 支所の窓口の理由、並行期間に郵便局とかよりも多かった理由についての御答弁がありましたけれども、9月の定例会で16番楊議員が「ご遺族支援コーナー」の質問をされまして、これは支所の問題とは全然関係なく、ぜひやっていただきたいと私も思うのですけれども、その中でワンストップで手続できた支所が廃止されて不便だとか、現実に賛成・反対を問わず、実際の不便としてあったわけで、こういった支所は、証明書交付から届け出だけでなく、行政にかかわるさまざまな相談と、市民が安心して利用できる、地域における市役所の分身として、力能を保持し信頼を得ていたことは明らかであります。単に証明書の交付や料金の収受ができるだけの場所ではない。利用状況から見れば、市民は、地域の行政窓口として支所等を支持したと考えられますが、改めて市の見解を伺います。
◎市民部長(加藤裕文君) 支所の利用状況、それを市民は支持したのではないかというような御質問でございます。長年、支所等を利用されてきた市民の方にとっては、なれ親しんだ窓口サービスの利用が好まれた結果、支所等が廃止になるまでの期間は、支所等の窓口が多く利用されたというところであろうと考えています。一方で、新たな技術を活用して、利便性のある行政サービスを実施し、さまざまな方法でサービスを利用できるようにしていくことは重要であると考えております。支所等を廃止したことで、市民の皆様には今までの習慣を変えるといった御負担をおかけしていると思いますけれども、手続が滞っているなどといった話は今のところ届いておりませんので、一定の御理解を得られていると考えております。
◆25番(岩田泰明君) 何度やっても見解は一致しないところでございますので、次の質問に移ります。 並行期間における利用実績等を見ても、支所等の再配置はしないということでございますけれども、ここで1点だけ伺っておきたいのは、今後将来にわたって旧町村地域に支所等の再配置を検討することはないのか、お聞かせ願いたいと思います。
◎副市長(加部裕彦君) 25番岩田議員におかれましては、毎回さまざまな観点から支所等の問題を取り上げていただいておりますけれども、将来にわたって再設置の検討の余地はないのかという御質問でございますが、人口減少が今後も見込まれる状況も踏まえて、公共施設の再配置を考えていく必要がございますから、25番岩田議員の支所等への強い思いというのは、本当に私も個人的には敬服いたしますけれども、現状の見通しの中では支所等の再配置を検討する予定はございません。
◆25番(岩田泰明君) 思いは理解していただいていることはわかりましたけれども、次に移ります。 既存の公共施設や地区公民館を活用することにより、分館廃止の影響を抑えることができるものと考えているとのことでありますが、法に規定する公民館と、地方自治法第244条の規定に基づく集会施設では位置づけが異なります。公民館は、地方自治法の規定だけに基づいて設置されているのではなくて、憲法第26条、教育条項ですね、教育基本法、社会教育法第3条などに基づいて、同第20条で目的を規定して、第21条で「公民館は、市町村が設置する」、同条第3項で「公民館の事業の運営上必要があるときは、公民館に分館を設けることができる」とされているわけであります。ですから、行政が社会教育に対する任務を行うに当たっては、法に規定された、全市的に公設公営の公民館を適切に配置するべきであると考えますが、市の見解を伺います。
◎副市長(時田光章君) 公設公営の公民館を設置すべしという再質問をいただきました。社会教育法上、公民館の設置及び管理につきましては、市町村の教育委員会の事務とされているところでございますけれども、市域全体で社会教育を振興する上で、地区公民館と連携しながら、地域の特性に応じたきめ細かなコーディネートを行っていくということは、一つの理想の姿ではございますけれども、現在の本市の財政状況、あるいは公共施設再編基本計画、公共施設マネジメントの考え方などを勘案いたしますと、全市的に公設公営の公民館を設置していく、これは難しいことであるというふうに考えているところでございます。 以上でございます。
◆25番(岩田泰明君) 答弁は承りました。他の生涯学習センター分館の廃止をいささかも許容するものではございませんが、今回行われた分館廃止のうち、とりわけ豊川、上府中の両分館については再設置が望まれます。というのはなぜかというと、利用状況や周囲の施設設置状況から、公共施設マネジメントの考え方にもかかわらず、市民集会施設として残置されたからであります。豊川も上府中も人口1万人前後でありまして、その規模を考えれば、当面残置ではなく、市が直接責任を持つ社会教育施設として整備していくことが、地域の振興にもつながると考えます。 建物自体については、将来的に学校施設などとの併設も考えられますが、いずれにしても、法上の根拠を持つ公設公民館として設置するべきではないかと思います。豊川、上府中に公民館機能を少なくとも配することは必要ではないか、改めて市の見解を伺います。
◎副市長(時田光章君) 豊川及び上府中地区への公民館の設置について再質問いただきました。いずれの施設も、施設の老朽化や行政サービスのあり方を見直す中で廃止という判断をしたものでございます。利用状況等にかんがみまして、現在は地域の自治会等の管理のもとで市民集会施設として暫定的に活用されているものでございます。改めて公民館を設置することにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、本市の財政状況や公共施設マネジメントの考え方などを勘案すると難しいと考えておるところでございまして、豊川及び上府中地区に限らず、既存の公共施設や地区公民館を活用することで、本市としての社会教育の振興充実を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
◆25番(岩田泰明君) 市の苦しい財政状況は理解するものでございますけれども、公民館施設は、単なる集会施設ではないのです。法上の規定が違うものを、なくていいのだというのは大変困るわけです。 市は「持続可能なまちづくり」といいますけれども、地域から支所や社会教育施設をなくして、今後は学校施設すら統廃合の対象となっていくわけです。合併時の約束はほごにするは、これでどうして「持続可能なまちづくり」が可能となるのか、全く理解ができないところであります。市の見解を伺います。
◎市長(加藤憲一君) 25番岩田議員の今の言い方を聞くと、あたかも支所機能も、また学校の教育関係機能も、社会教育施設もすべてなくそうとしているように聞こえますが、決してそのようなことはございません。老朽化が著しい支所等については、やむなく廃止をいたしますけれども、そこで提供されていたサービスについては、しっかり代替機能をもって、そこは落とさないようにやりながらやっていくということでございますので、これはくれぐれも、聞かれる方が誤解して受けとめることがあるというふうに懸念します。 大変厳しい財政状況の中でありますけれども、老朽化するすべての公共施設を維持・更新していくことは困難であるということ、これは御理解いただけると思うのですが、そういった観点からもこの3月に公共施設再編基本計画を策定して、あくまで市全体の機能・配置の適正化、またそういった中でも総量縮減をしながら、一方で、市民の皆さんがこれまで受けとめていたサービスの提供については、代替のサービスの導入、あるいはこれから先においてはまたいろいろな形でそういったものを補っていく、利便性の確保というものを検討しながら進めていくということでございますので、全体として地域の皆さん方に御不自由ができるだけ及ばないようにするということ。また、先ほど支所が行政の本庁舎の体現としてというような表現もありましたけれども、そういう観点からいくと、地域担当職員が現在はくまなく地域に入り込んで、いわゆる支所に求められていたもの以上に細かないろいろな要望も聞くような体制ができておりまして、また、地域の方では地域コミュニティの委員会も立ち上がり、地域の課題を皆さんで共有するという取り組みも育ってきております。こういったもの総体によって、この地域の、小田原の持続可能性をしっかり育てていきたいと考えておりますので、くれぐれもよろしくお願いいたします。 以上です。
◆25番(岩田泰明君) 最後に申し上げておきたいのは、ことし八丈島の隣にある八丈小島というのが全村離島してから50年に当たるのです。これは1969年に全村離島したのですけれども、電気、水道、医療の設備がないとか、係留施設がないとかということで、もう暮らしていけないということで出ていったわけなのです。そこの元村長が歌った歌があるのです。「五十世に暮らしつづけた我が故郷よ 今日限りの故郷よ かいなき我は捨て去れど 次の世代に咲かして花を」とか、こういう歌があるのです。こういう歌を市内の各地域でさせてはいかぬ、こういう思いで質問いたしました。 以上です。
○議長(
奥山孝二郎君) 24番田中議員、登壇願います。 〔24番(田中利恵子君)登壇 拍手〕
◆24番(田中利恵子君) それでは、これより日本共産党の一員として一般質問を行います。 初めに、台風第19号による山王川の護岸の損壊等について伺います。 住民への対応と連携についてから伺います。 先般の台風第19号による被害は甚大でしたが、本市も床上・床下浸水が131カ所あるなど被害が及びました。台風が近づく当日は、御近所等に声をかけさせていただき、避難所に誘導する場面もありました。台風が去った翌朝は、地域や山王川護岸を見て回りましたが、地域は目立った被害はなかったものの、山王川護岸沿いの久野地区では、護岸周辺が泥水に浸っていて、河川の溢水による被害があったことを目の当たりにいたしました。住民総出で泥かきをしていましたが、間一髪で床上までの浸水を免れた商店やお宅では、ここまで水が来たと指をさしながら説明をしてくださいました。そうした家が何軒もありましたが、河川から遠く離れた道路の相当奥まで浸水があり、そこをたどっていくと、御近所の方から水の恐ろしさについて訴えられました。河川は流木が流れてきていましたが、水位は高く、濁流がまだ完全に鳴りを静めていない状態でした。 そのような中で大変気になったことは、「土のうが欲しくて市役所や消防に電話をしたが、対応が悪かった。土のうについて、次はこんなことがないようにしてほしい」という声などがあったことです。また、その日以降、護岸を歩いた中で聞かれた声は、「テレビで、あちこちで堤防が決壊しているのを見て怖かった」、「今回は大丈夫だったけれど、このあたりも怖いね」、「子供と一緒に実家に避難をしました」という声等です。住民は相当不安だったと思います。 河川の拡幅工事等、県の計画はどのようになっているのか、住民にはもっと先が見通せる説明が必要ではないでしょうか。それと、台風第19号の予想される猛威に市役所内も多少混乱したのではないかと思っています。事前の土のうの配布等、本当に大変だったと思っています。少しでも混乱を避けるために、土のうは住民みずからがとりに来られる土のうステーションを設置したらいかがでしょうか。 そこで質問ですが、山王川の改修事業の取り組み状況を周知することは、何よりも住民の安全・安心に必要なことで、市民のさらなる防災意識の高揚にもつながると考えますが、どのように考えるか伺います。 そして、土のうスーテションの設置について、ぜひ設置すべきと考えますが、どのように考えるか伺います。 次に、護岸の維持・管理等について伺います。 今回の台風第19号により護岸のコンクリートがずれ落ち、はがれ、損壊していることも発見しました。これは小田急線橋梁のすぐ下流の護岸で、現在は修復工事がされています。なぜ護岸の損壊があったかは、所管からは、川底の土砂が洗い流される、洗掘等によるものとお聞きしています。護岸は命を守る重要な構造物ですが、洗掘防止、河川のしゅんせつ等は、良好な河川維持・管理をする上ですべて連動していると思っています。今回の台風第19号による全国各地での河川の堤防や護岸の決壊を通じて、教訓としなければならない多くのことを学ぶことになりました。 そこで、久野自治会連合会からの堆積土砂のしゅんせつ要望はどのような扱いとなっていたのか伺います。 次に、人口減少下にどういう市政を目指すのかについて伺います。 日本の人口は、現在推計で約1億2600万人ですが、ピーク時の2008年からすると100万人が減少しています。なぜ人口がふえないのか。これは一言で申し上げますと、国の政策の失敗にあると思っています。非正規雇用が蔓延し、安全・安心に暮らしていくことができず、とりわけ若い世代が将来に希望を抱くことができない。結婚、出産、子育てに希望を見出すことができない等が少子化を深刻にしていると思っています。 しかし、そのような中で、首都東京はこの間、最も人口増となっています。これは、東京一極集中をなくすとしながら、実はその反対で、国際競争力強化を口実に大規模開発を推進し、東京圏一極集中を加速する都市再生政策を進めているからです。そのために、東京に仕事を求めて、地方からヒト・モノ・カネが集中し、その弊害として地方の衰退、疲弊が広がっていると考えています。このように、国際的な都市間競争に勝ち抜くために東京に投資の集中をすればするほど、地方の衰退は免れないと思っています。 厚生労働省の2018年人口動態統計の年間推計によりますと、合計特殊出生率は先進国で比較すると、韓国の1.05、イタリア1.34、日本が1.43と低く、ドイツは1.60、アメリカ1.77、イギリス1.79、スウェーデン1.85、フランスが1.92と高くなっています。先進国の中で、この間、子供の人数が大幅に減っているのが日本です。フランスは少子化を克服してきましたが、この国の手厚い政策に学び、真剣に少子化と向き合い、政策の大転換をすべきだと思っています。 加藤市長が市長に就任いたしましたのは2008年5月ですが、当時は自民党政権でした。その約1年後に総選挙があり、民主党政権に変わりました。その後、2012年5月の市長選により市長として2期目を就任いたしますが、その年の12月に総選挙があり、第2次安倍政権が誕生いたしました。 そこで、市長のマニフェスト2012の「第2ステージへの視座」に書かれている「この国が目指すべき地域社会の姿を、身をもって体現していくべきと考えます」とありますが、国が目指すべき地域社会とはどのような地域社会であると御認識しているのか、具体的に伺います。 次に、これまでの本市の取り組みについて伺います。 2014年、安倍政権のもと合併が強められてきました。人口減少、自治体消滅などとマスコミを使ったキャンペーンで、地方創生などといって、新たに周辺部が切り捨てとなる地方再編の方向が示されました。2014年5月に、元総務省の増田寛也氏を中心とした日本創成会議が、全国896市町村が消滅可能性自治体になると発表しました。そして、三大都市圏(首都圏・中部圏・近畿圏)への人口流出を防ぐダムが必要だとして、地方財政と行政サービスを一定規模の都市に集約させることなどを政府に求めました。 新たな広域連携制度などと、地方中枢拠点都市とその周辺市町村との連携や、条件不利地域と都道府県との連携、三大都市圏における市町村間の水平的連携、地域での基幹集落への集約が想定されておりますが、これらは、周辺市町村の文化施設、図書館、福祉施設などの公共施設や行政サービスの拠点を集約化することを意味します。結果的に周辺地域は切り捨てられ、地域の疲弊をさらに推し進めるものと言わざるを得ません。 さて、加藤市長は南足柄市との合併を進めました。加藤南足柄市長が合併しないという宣言のもと合併には至りませんでしたが、賢明な判断だったと思います。私は合併には反対してきましたが、今思えば、何のために合併を急いだのか、その根拠がわかりません。合併は、先ほど申し上げたようなことで、国・県と一体に進めてきたと考えますし、今後も広域連携の名のもとに合併はあきらめていないと考えています。支所等廃止は、では何のために行ったのでしょうか。公共施設統廃合の突破口としたのではないでしょうか。 そこで、合併、支所等廃止は市民にとってどういう利点があったのか伺います。 次に、今後の本市の取り組みについて伺います。 人口減少が進む中で東京一極集中を続けていくと、ますます地方の人口は減るばかりですが、そこで考え出されたのがコンパクトシティ、立地適正化計画だと思っています。国土交通省によると、コンパクトシティは、人を都市部に集約することで、社会インフラを効率的に利用し、持続可能な社会を実現しようとする都市計画であり、立地適正化計画は、居住機能や医療・福祉・商業・公共交通等のさまざまな都市機能の誘導により、都市全域を見渡したマスタープランとして位置づけられる市町村マスタープランの高度化版としています。 私はもっと素朴にとらえていますが、コンパクトシティは、人口減少に合わせてまちを縮小させることだと思っています。財政効率を考えると、中心部に集まって住んでいただいたほうがよいので、中心に集まって住むように誘導させていくことだと思います。公共施設も都市機能も中心部に集めますが、この働きをするのが立地適正化計画だと考えます。公共施設再編は老朽化している等ありますが、統廃合によるハード・ソフト面の経費節減と、そもそも公共施設が点在しているとコンパクトシティにはならないので中心部に集めることになっていると思っています。また、その際、民間委託等も進めるということになっているのではないでしょうか。 そこで、コンパクトシティを目指す立地適正化計画、また公共施設再編、民間委託等は市民にとってどのような利点があると考えているのか伺います。 次に、自治体戦略2040構想について伺います。 これからの自治体は、「サービスプロバイダー」から「プラットフォームビルダー」ヘ変えるとしています。つまり、自治体は直営サービスから撤退し、サービスは民間やコミュニティに移しなさいということだと思っています。利益の上がるものは企業へ、上がらないものはコミュニティにゆだね、自治体は「プラットフォームビルダー」のサービス提供に当たっての計画立案、基準づくり、給付等の仕組みづくりに限定されていくと思っています。こうなることを「スマート自治体」とも呼ばれますが、それによって職員の削減もできて、税収が減っても生き残れるとしているのではないでしょうか。これが進みますと、自治体職員の現業部門は廃止されて、民間に移されていってしまうと思っています。 そこで、自治体戦略2040構想をどのように評価しているのかお伺いし、登壇しての質問を終わります。(拍手)
○議長(
奥山孝二郎君) 市長、登壇願います。 〔市長(加藤憲一君)登壇〕
◎市長(加藤憲一君) 24番田中議員の御質問に順次お答えをいたします。 初めに、山王川の改修事業の周知について御質問をいただきました。事業者であります県からは、河口から上流に向けて計画的に改修事業を進めており、その中で現在、小田急線橋梁上流側の落差工までの約200メートルの区間を整備しております。このような状況を沿川住民へ周知することは、事業への理解が深まると同時に、事業の推進にもつながるものと考えられますので、県と周知に向けた調整をしてまいりたいと考えております。 次に、土のうステーションの設置について御質問をいただきました。本市におきましては、台風などによる浸水被害の軽減を図るため、道路側溝や河川・水路からの宅地等への雨水の流入を防ぐ場合に限り、市民からの要請に応じて土のうを配布しております。今回の台風では、100件以上の要請がございまして、このほとんどが台風上陸前に集中したため、水防活動に支障を来す場面も生じました。こうした状況から、土のうステーションの設置につきましては、有効な方策の一つと考えておりまして、他市の取り組み状況なども参考に検討してまいりたいと考えています。 次に、久野地区自治会連合会からのしゅんせつ要望についてであります。この要望につきましては、ことしの9月、地元自治会連合会から相談を受けまして、本市が同行し、県小田原土木センターに要望を行ったものであります。県では、堆積ぐあいを確認するため測量の準備を進めておりましたが、結果的には未対応の状態で被災を迎えることとなってしまいました。通水断面を適切に管理するには、河床に堆積した土砂の掘削が効果的でありますことから、管理者である県に対して、先月中旬、私が浅羽副知事と面談し、堆積土砂の計画的な掘削について、直接要請してきたところであります。 次に、2期目のマニフェストについてお尋ねをいただきました。私がその中で示しました「この国が目指すべき地域社会の姿」とは、端的に申し上げれば「持続可能な地域社会」のことでございまして、小田原に暮らし小田原に生きる私たちが、自分たちと次の世代のために、地域の現場から持続可能な地域社会をつくり出していく、その小田原の姿によって、この国の未来を照らしていきたいとの思いを表現したものでございます。なお、持続可能な地域社会の姿につきましては、3期目のマニフェストに掲げまして、これを後期基本計画の「視座」に位置づけますとともに、「重点テーマと取組の方向性」において具体化を図り、自然環境の保全や充実、未来を拓く人づくり、地域経済活性化等の取り組みを現在推進しているところでございます。 次に、合併に向けた取り組みについての御質問でございます。南足柄市との2市協議は、人口減少や高齢化が進む中にあって、安定的な行政サービスの提供が難しくなることが想定されましたことから、合併を含めたさまざまな検討を行ったものであります。この協議によりまして、市民にとっては、本市の財政状況や行政サービス水準等の現状を客観的に理解し、まちづくりをより身近なこととしてとらえる機会となったのではないかと考えています。また、2市協議は終結という結果となりましたが、事務事業の調整を通じて、類似団体の実施状況等の知見を得られましたことは、持続可能な地域社会への寄与につながっているものと考えています。 次に、支所廃止の市民へのメリットについてでございます。厳しい財政状況の中、人口減少等の社会環境の変化に対応していくことを考慮いたしますと、すべての公共施設を維持・更新していくことは困難であり、支所等につきましては、施設の老朽化や利用状況、地域コミュニティの推進等を総合的に勘案し、新たな住民サービスで代替可能との判断から廃止をいたしました。支所の廃止は、直接的に現在の市民のメリットになることを意図したものではございませんが、こうした取り組みによって、必要な行政サービスを安定的に提供し続けられるようにしていくということが、将来にわたっての市民のメリットになるものと考えています。 次に、立地適正化計画におけるメリットについてであります。全国的に市街地の人口密度が低下し、日常生活を支える施設の衰退や1人当たりの行政コストの増加などが見られます中、本市においても市民生活への影響が懸念されております。この課題に対応するため、交通利便性の高い拠点へ、居住や医療・福祉・子育て・商業等の生活サービス機能の集約を図り、持続可能なコンパクトシティを目指す、立地適正化計画を策定したものであります。この計画に基づき、公共交通の利便性を生かし、歩いて暮らせる生活圏を構築することによりまして、子供から高齢者まで、だれもが健康で快適な生活が送れるものと考えています。 次に、公共施設再編基本計画や民間委託の市民へのメリットについてでございます。公共施設再編基本計画は、公共施設の老朽化や将来的な財源不足に対応するために、施設の数や規模を縮小しながらも、市民に必要な機能はできる限り維持することを目指しておりまして、機能配置の適正化に伴う予算の集中により、未来に残していく施設の魅力を高めるとともに、さらなる質の向上を図ることができると考えています。また、民間委託につきましては、限りある財源を有効に活用するため、職員のマンパワーを職員でなければできない業務に集中し、民間でできることは委託をすることで、民間ならではの創意工夫を生かしたサービスの向上やコスト削減等のメリットが期待されるものであります。いずれの取り組みも、行財政改革という共通の側面から、行政サービスの質の向上や持続可能性を高めることで、市民のメリットにつながっていくものと考えています。 次に、自治体戦略2040構想についてであります。本構想では、2040年ごろに想定される子育て、医療、産業等の個別分野と自治体行政の課題に対する危機対応について整理がされております。本市では、これまでも人口減少と少子高齢化を見据えた市政運営を進めてきておりますが、この報告で多面的に描かれた2040年ごろの状況は、より厳しい現実を突きつけられたものと感じています。将来にわたって住民の持続可能な暮らしを支えていくためにも、これらの諸課題に全方位で対応していく必要があると認識しておりますが、課題の解決は容易なものではなく、目の前の課題に真摯に向き合っていくことが肝要であると考えています。 以上をもちまして、24番田中議員の御質問に対する答弁とさせていただきます。
◆24番(田中利恵子君) 一定の御答弁をいただきましたが、再質問をさせていただきます。 それでは、台風第19号関係から再質問をさせていただきます。 山王川の改修事業の周知については、県と調整をしていくとの御答弁がございました。ぜひ検討していっていただきたいと思います。 山王川の河川の溢水によって被害を受けた方たちは、今回だけではないのです。過去にも同じような場所で被害が出ていますので、そのたびに被害に遭われて不安を抱えることになっております。将来の河川の拡幅工事等がどのようになっているのかがわかると、ただ不安を抱えているのと違いまして、そこは少し安心感が出てくると思っています。そういう意味でよろしくお願いしたいと思います。 次に、土のうステーションの設置についても、これも前向きな御答弁がございました。よろしく御検討していただきたいと思います。 静岡県浜松市では、台風や大雨等による浸水被害を軽減するために、自治会に対し必要な土のう及び土のう保管庫を給付する事業を行っています。実施要綱を定めて、目的、定義、対象者、対象品目、給付の制限、給付方法及び保管場所の確保などを明らかにしています。埼玉県蕨市では、市民がいつでも自由に土のうを持ち出し、自助としての浸水対策ができるよう、市内7カ所の公園などに設置しています。土のうが不足した際の連絡、高齢者など被害弱者への配布で、自主防災会の協力があれば幸いとしています。そのほかにも東京23区等が実施していますが、土のうステーションが設置できれば、市は他の水防活動に専念できることになりますので、また、市民は事前に自主的に事前準備をすることができます。そういった点で、どうぞ設置に向けてよろしくお願いしたいと思います。 以上についての引き続きの質問はございません。 次に、久野地区自治会連合会からの堆積土砂のしゅんせつ要望についてですが、要望に対し、県は今後どのような対応をしていくのかお伺いいたします。
◎建設部長(小澤千香良君) しゅんせつ要望に対する県の今後の対応につきまして御質問がございました。先ほど市長が答弁申し上げましたとおり、本市では、久野地区自治会連合会が県へ要望書を提出した際、同行し、県へ働きかけを行うなど、関与してきた経緯がございます。県では、台風後の堆積土砂について測量を実施し、その結果に基づく対応を、要望者である久野地区自治会連合会へ説明する予定となっておりますので、本市も同席し、状況把握に努めてまいりたいと考えております。
◆24番(田中利恵子君) ぜひお願いしたいと思います。 ここについては、台風襲来以前から溢水の心配があるため、しゅんせつ要望が出されていたわけですが、それにもかかわらず、要望が実現されていませんでした。実現できていたらと思うと非常に残念でなりません。地元住民の皆さんも同じ気持ちです。今回の台風では、市の職員、久野第11分団などが市民の生命と財産を守ろうと、一生懸命土のうを積んでおられたことは承知をしております。それだけに重ねて残念に思います。確認の意味で、久野地区自治会連合会からの堆積土砂のしゅんせつ要望についてですが、要望に対し、県は今後どのような対応をしていくのかというところなのですが、それは一定わかったのですが、もう一度、しつこいようですけれど、確認をさせていただきたく思います。
◎建設部長(小澤千香良君) 重ねての答弁になりますが、先ほど申し上げましたとおり、今後、県では河川の測量をすると言っておりますので、その結果、従前との対比、その他状況を見きわめながら、その対応策を、要望者であります連合自治会のほうに御回答すると言っておりますので、その席に我々市の職員も同席させていただき、しっかりと状況を把握してまいりたいというふうに考えております。
◆24番(田中利恵子君) 済みません。重ねて御答弁いただきましてありがとうございました。よくわかりました。 今回の台風の被害状況を調査するため、漁港や河川、海岸と防波堤や護岸等を見てまいりましたが、行く先々で、特に建設部職員による対応が施されていたのを目にいたしました。被害に遭われた住民の皆さんの声をよく聞かれていると、そういうふうにも思いました。本当にお疲れさまでございました。 次に、市長のマニフェストについて伺います。 「この国が目指すべき地域社会の姿」について、どのように御認識されているのかは一定わかりましたが、地域社会と言えば「持続可能な地域社会」を私は思い浮かべましたが、コミュニティの持続可能性、自然、インフラなどの地域基盤の持続可能性、経済の持続可能性があると思っています。ただ、合併等で周辺部が切り捨てられていくと思っておりますので、「持続可能な地域社会」と言いながら、実は真逆なことをしていると思っております。そこに問題があると思っています。 さて、私がなぜマニフェスト2012にこだわるのかといいますと、市長の市政に対するそれまでと違う覚悟のようなものを込めた決意を見てとれるからです。 そこで、これまでの市長就任の1期目から3期目を通して現実の市政を見詰めたときに、マニフェストをどのように評価しているのか伺います。 それと、マニフェスト2012について、市政にかける気持ちの変化はあったのか伺います。
◎市長(加藤憲一君) 今回は珍しく私のマニフェストについてお尋ねいただきまして、ありがとうございます。 このマニフェストに掲げた内容について、これは1期目から3期目までというお話でしたので、改めて、私の思いも含めて振り返りますけれども、この3期の中でマニフェストに掲げた取り組み、これは、私が当選以後の特に総合計画等に事業計画として位置づけまして取り組んでまいりましたので、それらについてはそれぞれきちんと進捗し、用に供されてまいりましたが、相当程度これについては実現ができてきたものと、私自身は総括しております。なかなか時間がかかるものもありましたし、また、その到達度についてはまだ十分納得いかないものもございますが、全般としては着実に推進できてきていると思っています。少し例を挙げて申し上げますと、三大案件の進展、協働によるさまざまな取り組みや住民自治の進化、また教育環境の整備、担い手の発掘・育成、共生社会の実現、エネルギーの地域自給、民間投資を呼び込むための地域経済の好循環、こういったものは当然のことながら市長また行政だけでやってきたものではなくて、多くの市民の皆さんとの協働によって達成することができておりまして、これは一定程度成果化できたものと、この辺は申し上げることができるというふうに思っております。 もう一点です。マニフェスト2012の指針において、心境の変化があったかというような趣旨だったかと思うのですけれども、これはございました。それは直前に起きた東日本大震災でございます。私のマニフェストの中では、一番最初から一貫して、「持続可能な地域社会」をつくっていくべきである。それには市民と行政がしっかり協働して、また市民活動や地域の力を高めていくことによって、地域の問題解決能力を高めていくべきである。自給可能な地域の姿をつくっていくべきである。こういったことを一貫して言ってきましたが、ある意味、東日本大震災が直面した我が国の状況は、まさにそのことが問われたということでありますし、逆にその観点からいうと、まだまだやるべきことがいっぱいあるではないかということを突きつけられた震災だったというふうに思っています。そういう意味におきまして、その問題意識はよりはっきりしましたし、逆に取り組むべき課題も非常に鮮明になった時期でございましたので、そこについては、より強い決意を持ってマニフェストに盛り込んだつもりでございます。それは、先ほど24番田中議員が取り上げていただいた、この小田原の姿をもって、この国の未来を照らしていくといったような、そういったフレーズに集約されているわけでございまして、まさしく震災を踏まえて、直面した状況を受けての強い決意のあらわれであったと受けとめていただいて結構です。 以上です。
◆24番(田中利恵子君) いろいろとマニフェストについて市長のやってこられたこと、そしてお考えになっていることがわかった次第です。相当実現できたと。全般的に進展したと。このような、御自分で評価をしておられましたが、私はマニフェストについていろいろ申し上げたいことがあるのですが、特に競輪事業について申し上げたいのです。マニフェストに競輪事業の段階的な撤退に向けての検討開始についてとあります。これはどうなっているのでしょうか。マニフェストにあることが少しも進んでいないのではないかと、こんなふうに私は思っております。 「長年にわたり事業収益によって市の財政を支えてきた競輪事業ですが、観客の著しい減少、事業収益性の低下など、その歴史的な役割を終えており、数年のうちに単年度収益は赤字となる可能性が大です。小田原らしさの源泉となっているお城通りの周辺の文教地区の核心部という立地に適した、競輪事業に替わる新たな土地活用と事業計画推進に向け、段階的撤退と跡地の有効活用についての検討を開始します」と、2008年、市長が市長選に出られたときのマニフェストにあったわけです。これについて、本当に実行していないということから、これは問題だと強く申し上げておきます。 そして、1期目のマニフェストにある職員の地域担当制の導入についてですが、趣旨は市長と大分異なりますが、私も必要だと思っています。「地域コミュニティを再建するには、行政職員が、これからは地域の現場に精力的に係わり、未来に向けて安心のできる地域運営の仕組みづくりを立ち上げるべく、地域住民の最良のパートナーとして活躍することが必要」だとマニフェストには書かれております。そのとおりです。地域運営はコミュニティ組織と行政が両輪になることが求められていると思います。先日、一般質問で1番
川久保議員が述べられていた災害時の対応や防災関係、そして子育て、高齢者や障がい者に関することなど多々ありますが、職員が地域に出ていって協働で進めるべきだと考えます。マニフェストには、「職員の地域での常駐拠点については、小中学校の空き教室などの公共空間を最大限活用するなどし、拠点整備コストは最小限に抑えていく」とあります。 そこで、これらの進捗状況と、ここにあることは実現させるということで理解してよろしいのでしょうか、確認したく伺います。
◎
地域コミュニティ担当部長(杉崎貴代君) 地域担当職員と小学校などの空き教室を活用した常駐拠点の整備の進捗について御質問がございました。地域担当職員につきましては、積極的に現在も地域に出て活動しておりますけれども、庁内での検討の結果、地域の出先機関での常駐も考えられるものの、地域がみずから考えまちづくりの活動を進めている中、地域コミュニティ組織と向き合っていくことが、まずは妥当であるという判断をさせていただいているところでございます。地域担当職員はパイプ役として庁内連携や各組織との調整のほうに重点を置きながら、コミュニティ組織と向き合っていくことがまずは妥当であると判断させていただいているところでございます。地域担当職員は当初4人から配置を始め、現在は8人が1人当たり5~7地区を2人1組で担当しております。今後、地域担当職員は、地域事務局を地域にお願いすることとあわせながら配置してまいりたいと考えております。また、小・中学校での拠点につきましては、地域コミュニティ組織の活動の場として、昨年度からその整備に着手しておりまして、来年度も何校か整備する予定で調整しているところでございます。 以上でございます。
◆24番(田中利恵子君) まずは地域の自主性を見守っていく、こういうようなスタンスであるのかなと思いましたが、見守ることは、言葉は悪いですけれども、地域に丸投げとなってしまうような、そういうことにだけはならないようにぜひお願いしたいと思います。 次に、合併と支所等廃止についてですが、2年前の12月定例会は、前年10月に開始となった小田原市・南足柄市「中心市のあり方」に関する任意協議会がすべての工程を終え、しかも加藤南足柄市長が、同時期に開催されていた南足柄市議会12月定例会において、合併はするべきではないと明言されたのを受けて、いわば合併についての総括的な定例会となりました。私は一般質問において、加藤憲一市長が国のビジョンに沿って合併、中核市、新たな広域連携を推し進めていることが、任意協議会、合併等の議論を通して浮き彫りになっていたと申し上げましたが、新たな広域連携とは、地方中枢拠点都市、人口20万以上の市とその周辺市町村との連携等を行い、周辺市町村にある文化施設、図書館、福祉施設などの公共施設や公共サービスの拠点を集約することで、そうなりますと、合併、やがては国が目指す道州制に道を開くことになりかねないということも申し上げてまいりました。市長は、こうしたことについて、「避けて通れない」というように述べてきておられましたが、合併、行き着く先の道州制についての考えをぜひ改めるように求めさせていただきます。 支所等廃止は、これも厳しい言い方になりますが、地域コミュニティを壊し始めていると私は思っております。決して行うべきではなかったということを、これは意見として申し上げておきます。 次に、立地適正化計画について伺います。 中心に住居も誘導するお考えですが、中心に公共施設や都市機能を集約すれば、おのずとその地域は便利になるので、そちらに住みたいと思うでしょうし、そちらに住みたいと思う若い方々は、初めからそちらに住むでしょう。中心から離れた不便なところに住んでいるとすれば、引っ越しもするでしょう。しかし、高齢者や障がい者の方はそうはいきません。環境の変化に影響されやすく、不便になってもおいそれと引っ越しなどはできません。それに多くの方は、住みなれたところで安全・安心に住み続けていきたいと思うものです。ですから、コンパクトシティを目指す立地適正化計画は、そうした願いに逆行するものです。どのように考えるかお伺いします。
◎都市部長(石塚省二君) 居住に対する思いと立地適正化計画の考え方についてお尋ねがございました。立地適正化計画は、「高齢者でも出歩きやすく健康・快適な生活を確保すること」、また「子育て世代などの若年層にも魅力的なまちにすること」など、安心で快適に生活できるコンパクトシティを目指すものでございます。この計画に基づく誘導区域への移動につきましては、居住者等の意向を尊重することとしておりまして、おおむね20年後を見据え、各種機能の緩やかな誘導を図るものであることを御理解いただきたいと思います。 以上でございます。
◆24番(田中利恵子君) コンパクトシティを目指す立地適正化計画は問題が多いということは申し上げておきます。 次に、公共施設再編はこれも地域コミュニティを変えようとしてしまうものなのです。市民との合意形成なくして進めることは、今後、一切あってはならないと思っています。民間委託等については、問題となった公共施設包括管理マネジメント事業、そして競輪の包括委託は認められないということを改めてここでも申し上げておきます。 次に、自治体戦略2040構想について、本市の取り組みについてどのようなことを考えているのか伺います。
◎副市長(加部裕彦君) 自治体戦略2040構想に対する本市の取り組みについての御質問でございます。本構想に係る考え方に本市の取り組みを重ね合わせますと、例えば、将来を見据えた協働の仕組みや地域コミュニティ組織の充実、自治体職員数が減っても住民サービスを持続的・安定的に供給し続けるためのAIやRPAの導入検討等がございます。本市といたしましては、2040年ごろに生じる変化や課題に的確に対応するため、今後も国の動向を注視しつつ、市民や議会、民間事業者等の皆さんと共通理解を醸成しながら、地域のきずなづくりや人材育成などの取り組みを中心に、持続可能な地域社会の実現を目指して取り組んでまいりたいと思います。
◆24番(田中利恵子君) 登壇しての質問の中でも、自治体戦略2040構想については申し上げてまいりましたが、本当にこうしたことを今後もよく注視してまいりたいと思うのですが、職員の大幅な削減などにつながることで、私は、こうした構想についてはあってはならないというふうに考えているところです。 今回の質問は、市長のマニフェスト、それから合併や支所等廃止、コンパクトシティを目指す立地適正化計画、国の自治体戦略2040構想について伺ってまいりました。質問に取り組むに当たりまして、これまでの市政運営において、市長が国と一体になって合併等を進めてきているということがよく見てとれました。そういう意味では、市長は就任1期目から今日まで、そういったところはぶれていないというふうに思っています。相当確信あるお考えをお持ちになって、お進めになっておられるのだと思っています。ただ、国の施策の展開との関係において、進めている取り組みが市民の幸せにつながっているのかということとは別です。 そこで、国の施策との関係も踏まえながら進められている本市の取り組みは、市民の幸せにつながっていくのかどうか、こういったことでお伺いしたいと思います。
◎市長(加藤憲一君) 24番田中議員の質問を伺っていますと、多分、この構造としては、国の何らかの政策的誘導の意図があって、小田原市がその政策に乗っかって動いているというふうに私には聞こえてしまうのですけれども、仮にそうでなかったらごめんなさい。そういうふうに聞こえてしまうのですが、決してそのようなことはないです。先ほども、国と一体となって進めている加藤市長の政策と言われましたが、それも違います。どちらが先にやるかと言えば、言うまでもなく、この小田原を含めて県西地域、特に小田原における持続可能な地域社会をつくっていく。そのことによって、幸せというのは人それぞれでさまざまでありますけれども、その共通基盤をなすべき持続可能な地域社会の姿、そこを支えていく行政のサービスのあり方、こういったものをずっと考えていく中で、おのずとその持続可能性については、例えば、合併も視野に入れなければいけない、また支所等の再編も考えなければいけない、こういうことを考えていく中で、そのときに、SDGsもそうですけれども、国のほうで進めている施策のいわば追い風を受ける、また活用できるものは活用していく、そういう観点で取り組んできたものでありますので、そういう順番であるということで、まず御理解をいただきたいと思います。 そういった観点を踏まえてさらに申し上げれば、今申し上げたように、幸せという概念は、個別のお一人お一人の受けとめ方によって非常に違いますけれども、でも、その根っこには、不安がなく安心して暮らせて、必要なものは一定程度手に入り、そして暮らしていける、もちろん仕事もあって、子供たちも育っていく、そういうベーシックな幸せの概念はあると思うのです。それを支えていくのが行政の役割だと思っています。行政は幸せそのものを差し上げることはできませんけれども、それをつくっていくために、市民が暮らしていくことを支えるということにおいて最大の力を尽くすということが行政の仕事だと思っていまして、それは言いかえれば持続可能な地域社会をつくる、そのために行政が働くということだと思っています。そういった点においては、私は、これまでの取り組みは一貫してそこを目指したものでありますし、我々の取り組みは市民の皆さんの幸せにつながっていく、あるいはそのためにやってきたということをぜひ受けとめていただければと思います。 以上です。
◆24番(田中利恵子君) 加藤市長の進めてこられた施策が全部悪いというふうに申し上げているのではないのです。いいところはいい、そして、そうでないところはここが悪いという意味において、これまで私も、市政をどう進めていくのかということでいろいろと申し上げてまいりました。 国の意図があって小田原市がそれに乗っているというふうに聞こえているということなのですが、聞こえているということでいいと思っています。国と県と地方と一体となって、やはり市政を進めていっているというふうに思っておりますし、近年では加藤市長は、合併等、支所の廃止もそうですが、そういったところをよく分析すると、そういうふうなことに見てとれるというようなことを伝えておきたいと思います。 市長は4選を目指し市長選を迎えるわけですが、ぜひ、市民にとって、抽象的な言い方になったかもしれませんが、本当に市民の幸せにつながるような、そうした思いで市長選を戦っていただきたいと思います。 以上です。
○議長(
奥山孝二郎君) 以上で本定例会における議事はすべて終了いたしましたので、この定例会を閉会いたします。 午後3時24分 閉会
-----------------------------------以上会議のてんまつを記載し、その相違ないことを証するため、ここに署名する。 令和元年12月19日 議長
小田原市議会議長
奥山孝二郎 小田原市議会副議長 大川 裕 署名議員
小田原市議会議員 鈴木和宏
小田原市議会議員 安野裕子
小田原市議会議員 鈴木紀雄...