• 付議事件(/)
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  1. 藤沢市議会 2022-12-19
    令和 4年12月 定例会-12月19日-05号


    取得元: 藤沢市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    令和 4年12月 定例会-12月19日-05号令和 4年12月 定例会               12月19日 (第5日)           ────────────────────── 議事日程  日程第 1  一 般 質 問   清 水 竜太郎                   土 屋 俊 則                   平 川 和 美                   山 内 幹 郎                   井 上 裕 介                   谷 津 英 美           ────────────────────── 付議事件  議事日程のとおり           ────────────────────── 出席議員      33名       1番  土 屋 俊 則 議員     2番  味 村 耕太郎 議員       3番  山 内 幹 郎 議員     4番  柳 沢 潤 次 議員       5番  原 田   建 議員     6番  石 井 世 悟 議員       7番  西     智 議員     8番  桜 井 直 人 議員
          9番  佐 賀 和 樹 議員    10番  安 藤 好 幸 議員      11番  神 尾 江 里 議員    12番  谷 津 英 美 議員      13番  友 田 宗 也 議員    15番  松 長 由美絵 議員      16番  北 橋 節 男 議員    17番  山 口 政 哉 議員      18番  井 上 裕 介 議員    19番  清 水 竜太郎 議員      20番  大 矢   徹 議員    21番  永 井   譲 議員      22番  杉 原 栄 子 議員    24番  佐 野   洋 議員      25番  平 川 和 美 議員    26番  東 木 久 代 議員      27番  武 藤 正 人 議員    29番  竹 村 雅 夫 議員      30番  有 賀 正 義 議員    31番  堺   英 明 議員      32番  吉 田 淳 基 議員    33番  神 村 健太郎 議員      34番  加 藤   一 議員    35番  塚 本 昌 紀 議員      36番  松 下 賢一郎 議員           ────────────────────── 欠席議員       3名      14番  栗 原 貴 司 議員    23番  甘 粕 和 彦 議員      28番  柳 田 秀 憲 議員           ────────────────────── 説明のため出席した者   市長      鈴 木 恒 夫      副市長     和 田 章 義   副市長     宮 治 正 志      総務部長    中 山 良 平   企画政策部長  宮 原 伸 一      財務部長    山 口   剛   防災安全部長  斎 藤 隆 久      市民自治部長  平 井   護   生涯学習部長  板 垣 朋 彦      福祉部長    池 田   潔                        子ども青少年部長   健康医療部長  齋 藤 直 昭              三ツ橋 利 和   環境部長    福 室 祐 子      経済部長    饗 庭   功   計画建築部長  三 上 雅 之      都市整備部長  川 﨑 隆 之   道路河川部長  北 村 和 利      下水道部長   鈴 木 壯 一   消防局長    衛 守 玄一郎      教育長     岩 本 將 宏   教育部長    峯   浩太郎      代表監査委員  中 川   隆           ────────────────────── 議会事務局職員   事務局長    藤 本 広 巳      事務局参事   福 室 政 美   議事課長    浅 上 修 嗣      議事課課長補佐 安部川 和 博   議事課課長補佐 菊 地 靖 彦      議事課書記   後 藤 美 緒   速記      関 口 陽 子           ────────────────────── ○議長(佐賀和樹 議員) これから本日の会議を開きます。                 午前10時00分 開議           ────────────────────── ○議長(佐賀和樹 議員) この際、市長から発言を求められておりますので、これを許します。鈴木市長。 ◎市長(鈴木恒夫) 16日金曜日の本会議に出席し、答弁することができず、誠に申し訳ございませんでした。           ────────────────────── ○議長(佐賀和樹 議員) お諮りいたします。議事日程は、お手元に配付したとおり進行することに御異議ありませんか。               (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(佐賀和樹 議員) 御異議がありませんので、この日程に基づき議事を進行いたします。  休憩いたします。                 午前10時01分 休憩           ──────────────────────                 午前10時02分 再開 ○議長(佐賀和樹 議員) 会議を再開いたします。  これから日程に入ります。 △日程第1、一般質問を行います。  あらかじめ定めました順序により、発言を許します。19番、清水竜太郎議員。               〔清水竜太郎議員登壇、拍手〕 ◆19番(清水竜太郎 議員) 岩手県の被災地には車で海側から入る予定でした。しかし、道を間違えてしまいまして、山側から入ることになりました。まだ山々に囲まれた上流なのに、川沿いの建物は津波に巻き込まれ、瓦礫と化していました。陸前高田市の町は全て流され、幾つかのビルの残骸が残るだけです。人影もほとんどありませんでした。町を出た後も衝撃は続きました。行方不明だった市長の妻の御遺体が近くで発見されたのです。津波から藤沢を守りたいという思いが強く残りました。  東日本大震災では1万5,000人余りが亡くなったほか、2,500人以上が行方不明となっています。東北大学の災害科学国際研究所は県警から提供された9,000人余りの情報を分析しています。土木学会東北支部での発表によりますと、溺死が圧倒的に多くて91%となっています。続いて不詳が5%と続いています。それ以外を見ますと、焼死、窒息、頭部の損傷、外傷性ショックなどとなっています。中でも頭部の損傷や外傷性ショックは、瓦礫などに当たったことが原因だと考えられます。研究所は亡くなった場所にも注目しています。溺死は名取市や仙台市など平野で95%に上っていますが、同じ沿岸部でも入り組んだ気仙沼市や女川町など、リアス地形のところは89%と少し低くなっています。リアス地形では死因が特定できない不詳をはじめ、頭部の損傷、そして胸部の損傷、外傷性ショック、それに低体温症などが多くなっています。これらの分析から平野の地形では溺死が多いことが分かります。  藤沢市を含めた神奈川県南部は平野ですから、今回の分析に照らせば、津波による犠牲が出る場合、溺死が多くなる可能性が高くなります。溺死が推測されれば、その対応もおのずと決まってきます。津波避難ビルなどがない空白地への対策として、これまで地下型の避難シェルターやカプセル型の避難艇の配置を提案してきました。当時、犠牲者の多くが瓦礫などに当たって亡くなったと指摘されていたからです。もし溺死なら、ライフジャケットを着れば助かる可能性も出てくるのではないかと思います。ただ、事は簡単にはいきません。研究所は、また区分では溺死になっているけれども、実際は解剖などができなかったため、低体温症など様々な要因があった可能性も否定できないとしています。  それでも私はライフジャケットの可能性に希望を感じます。遠くに逃げることができたり、さらに高い場所があれば問題はありませんが、必ずしもそうはいきません。災害では初動が全てです。できることは全てやっておく姿勢が重要だと思います。  藤沢市は津波に備えるため、民間のビルと協定を結んで、いざというとき避難できる津波避難ビルを指定しています。4月現在、津波浸水想定区域に含まれる範囲で140件が指定を受けていて、およそ14万人を収容できます。辻堂から鵠沼、そして片瀬地区の海側が対象となっています。これまで高さについては3階以上の部分があるとされてきましたが、浸水深に加えて、津波がせり上がった高さを加えた基準水位の考えが導入されました。これによって、屋上の駐車場が基準水位よりも高いため、有効と判断された鵠沼海岸5丁目のスーパーや、鵠沼海岸6丁目にある八部球場の内野スタンドが追加されています。  藤沢市は最大の津波を相模トラフを震源とするマグニチュード8.7の、相模トラフ沿いの海溝型地震(西側モデル)を想定しています。津波の最大の高さは、市内のほとんどの海岸では8.8メートルで、到達までの時間は8分としています。藤沢市は避難できる時間を5分と想定していて、一般的に300メートル避難できる計算です。藤沢市では津波が想定される区域外に逃げることを第一としていまして、長距離の避難が必要な区域を、片瀬海岸2丁目と3丁目、鵠沼海岸1丁目から5丁目、辻堂西海岸3丁目、辻堂東海岸3丁目と4丁目などとしています。その上で、これらの区域に住む人たちが避難ビルに逃げられるように、ビルの確保を進めているわけです。  その避難ビルをハザードマップ上で見ますと、避難ビルがある場所は、国道134号線や国道467号線、それに警察署前の鵠沼海岸線沿いに集中していて、空白地があることが分かります。最近では空白地と言える辻堂東海岸4丁目は湘洋中学校、鵠沼海岸4丁目は鵠南小学校に避難施設ができたため、多くの住民の方の安全な避難が期待できます。ただ、ハザードマップをよく見ますと、まだ3つのエリアが特に空白地としてリスクが高いことが分かります。鵠沼海岸3丁目の場合、近くの避難ビルは老人ホームくらいで、鵠南小学校に避難するには2か所の橋を通って引地川を渡らなければなりません。しかも、海に向かって避難しなければならないため心理的にも勇気が必要です。片瀬海岸3丁目も同じような空白地です。隣の片瀬海岸2丁目には湘南白百合学園がありますが、やや距離があります。藤沢市は個人宅のある土地を買い取り、避難施設を建設する計画で、ここは対策が打たれようとしています。境川沿いに位置する片瀬4丁目も空白地と言えます。東側に高台やマンションがありますけれども、数か所ある江ノ電の踏切を渡らなければなりません。こうした空白地は最大で3メートルから5メートルの津波が想定されています。300メートルはあくまで目安で、お年寄りや障がい者ら支援が必要な方々は避難が難しくなります。空白地をいかに少なくすることができるか、それに代わる対策を打つことができるかが問われます。  横須賀市にある国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所は人工の津波を作って様々な研究を行っています。4年前、研究グループが発表した研究結果は、ライフジャケットの装着によって津波による犠牲を大きく減らせる可能性を示したものとして注目です。研究グループでは、施設にある水路を使って人工的に津波を作り出しまして、何もつけないときのダミーの等身大の人形と、ライフジャケットを着けたときのダミーの人形がどのような動きをするのか、特に頭部がどのような動きをするのか実験しました。水路は長さが184メートル、幅が3.5メートル、深さが12メートルあって、人工津波の高さは50センチメートルです。使われたライフジャケットオーストラリア製のもので、アメリカ沿岸警備隊の基準で作られたライフジャケットだそうです。  ライフジャケットを着けていない場合の実験が6回行われましたが、2秒後には津波の渦に巻き込まれ、一旦深く沈んだ後、水面近くまで上がるんですけれども、全てのダミーが二度と水面に浮き上がることはなく、水中で上下への動きを繰り返しました。これに対して、ライフジャケットを着けた場合の実験は4回行われまして、ダミー自体は水中に巻き込まれることなく、頭部は常に水面の上にとどまることができたのです。実験では、頭部に加速度計をつけて頭部の動きを正確に計測しましたが、ライフジャケットを着ければ頭が沈むことはありませんでした。頭部が水中に沈むと水を飲み込んでしまって呼吸が難しくなり、どんなに泳ぎが得意でも水面になかなか上がれないと指摘されています。また、津波の力は巨大で、一度巻き込まれると脱出はほとんど不可能です。頭が沈まず呼吸ができることが重要です。  研究グループは、これまでの研究は、津波が沿岸部に到達する時間や、その津波の高さ、高台に避難する組織づくりや啓蒙活動に注がれてきた。しかし、溺死による犠牲をどう減らしていくかの研究も大事ではないかとして、ライフジャケットの着用による可能性に活路を見出しています。研究グループのお一人は、ライフジャケットの有効性について、50センチメートルでの実験しかできなかったので、データ的な回答はできないけれども、実験からは、どの高さでも有効ではないかという印象を受けたと話しています。誰もが津波対策としてのライフジャケットの可能性について、思い浮かんだことがあるのではないかと思います。しかし、それを証明する研究があったことに驚くとともに、希望を感じざるを得ません。  東北大学災害科学国際研究所の栗山進一教授は、津波に飲み込まれても助かる可能性が高まる対策が大事だとして、津波対策用のライフジャケットの開発に取り組んでいます。たとえ意識を失っても浮いていられるようなライフジャケットが必要だとしています。東北大学は4年前から、埼玉県にある会社と津波用のライフジャケットを共同開発しています。会社の宮坂龍彦取締役は、東日本大震災の経験から、子どもやお年寄りを一人でも救いたい、来る地震による津波に備えてライフジャケットを普及させたいと話しています。  まず大事なのが浮力で、国が定めた認証基準である、7.5キロの重りをつけても72時間浮くことを確認したということです。さらに、意識がなくなっても、あおむけに浮かばなければなりません。開発しているライフジャケットには高発泡ポリエチレンという浮力材が使われていまして、大人用の浮力テストでも常に顔が上に向くように浮くことが分かったとしています。浮かぶ素材の配置を考えた上で、後ろにあるリュックサック部分に水が入ることで、必ず反転するように工夫されているということです。ライフジャケットには耐久性も必要です。水平や垂直の強度試験、そして引き上げるときの強度試験を実施し、全て損傷がないことが確認されたとしています。  ここで、そのライフジャケットを持ってきたんですけれども、(資料を提示)これが開発しているライフジャケットです。ライフジャケットは3か所で留めるようになっておりまして、こういう感じで、実際、津波のおそれのある小学校にも配備されて、子どもたちが30秒以内で装着できたとしています。津波に流されても早く発見できるような工夫も、また大事です。オレンジ色で目立つほか、夜でも発見しやすいよう、非常用のスティックライトで対応するとしています。東日本大震災のときのように低い水温が体力を奪っていくだけに、一刻も早い救出も必要です。栗山教授らはGPSを取り付けるなど、改良に取り組んでおられます。  私個人が心配なのが瓦礫など漂流物への対策です。頭部をいかに漂流物から守ることができるのかが大事な点だと思います。会社によりますと、胸や腹の部分には、腹部には浮力材がしっかり入っていまして、この浮力材がプロテクターとして漂流物から体を守ると話しています。ちょうどここの部分ですね。前方のここの部分です。いかに頭部、頭を守るかについて栗山教授は、外的な衝撃にも相当程度強いと思うが、頭部のほうが大変な重要な問題で、引き続き研究開発していると話しています。  津波や水害用のライフジャケットは、ほかの会社でも手に入ります。浜松市の会社が作ったライフジャケットは北海道や兵庫県の警察本部、地元の信用金庫などへの販売実績があるそうです。避難困難区域や要支援者が存在する中、藤沢市でも避難するだけではなくて、津波に巻き込まれた場合の対策も想定する必要があると思います。  ライフジャケットの可能性について、将来的な配布につながるよう、藤沢市として、まず研究してほしいと思いますが、お考えをお聞かせください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 斎藤防災安全部長。 ◎防災安全部長(斎藤隆久) おはようございます。清水議員の一般質問にお答えいたします。  津波災害時の避難行動につきましては、地域防災計画津波避難計画等に基づいて、現在、本市では津波から命を守るため、早く避難するにはどうすべきかという観点に重点を置き、取り組んでおります。その中で、まずは津波避難対象区域外への避難、または高い建物等へ避難することを啓発し、より早く、より高い場所へ逃げるための避難先と避難ルートの確保に努めているところでございます。  ライフジャケットに関しましては、浮力が確保できることで要救助者となった場合に一定の効果が想定できるものと考えております。一方で、津波に巻き込まれて漂流物等に接触した場合に頭部等にダメージを受けること、及び、ライフジャケットを保有した場合に過度の安心感等が生じて避難行動に支障が生じる可能性等もあるものと考えております。このようなことから、現在本市では津波対策といたしましてライフジャケットの備蓄はしておりませんが、専門機関の研究結果や他自治体の先進事例等を注視しながら研究してまいりたいと考えております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 清水議員。 ◆19番(清水竜太郎 議員) ありがとうございます。  防災は初動が全てです。初動の対応でいかに犠牲を減らすことができるかが大事です。それには準備が必要です。津波対策は総力戦です。たとえ課題があっても打てる手は全て打つ姿勢が大事だと思います。  研究の意味は、物事を詳しく調べたり深く考えたりして、事実や真理を明らかにすることとあります。まずはしっかり研究をしていただきたいと願っております。  災害に強い藤沢をつくりましょう。ありがとうございました。(拍手) ○議長(佐賀和樹 議員) これで清水竜太郎議員の一般質問を終わります。  休憩いたします。                 午前10時20分 休憩           ──────────────────────                 午前10時21分 再開 ○議長(佐賀和樹 議員) 会議を再開いたします。  引き続き一般質問を行います。1番、土屋俊則議員。               〔土屋俊則議員登壇、拍手〕 ◆1番(土屋俊則 議員) 皆さん、おはようございます。日本共産党藤沢市議会議員団の土屋俊則です。  それでは、会派の一員として通告に従い一般質問を行います。  件名1「福祉行政について」  要旨1「国民健康保険について」です。  日本国憲法は、25条は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」とあります。これは、国民に生存権があり、国は国民の生活を保障していかなければならない。こういうことであります。もちろん市町村が全く関係ないということではなくて、国と一緒になって住民の生活を生存権の立場から保障していかなければならないということは、言うまでもありません。  戦前、国民健康保険法の第1条は相扶共済の精神でした。それが戦後、1958年の全面改正で社会保障及び国民保健の向上に寄与するとなりました。この制度は単なる相互扶助ではなくて社会保障であり、そのために国が財政責任を果たすという趣旨であるということです。国民健康保険の運営協議会の委員に配られる国民健康保険必携の冒頭でも、国民健康保険は憲法に定める社会保障の一環として実施をされていると記載がされています。社会保障制度は国の責任で国民の生存権を保障する制度であり、国民健康保険もまた、この社会保障制度の一環であると私は思っておりますが、その点、まず市の認識を問います。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 土屋議員の一般質問にお答えいたします。  社会保障制度とは、病気、けが、老齢、障がい、失業などが原因で生活の安定が損なわれた場合、国や地方公共団体などが一定水準の生活保障を行う制度のことでございます。具体的には社会保険制度社会福祉制度公的扶助制度、保健医療・公衆衛生の4つの柱から成り立っており、国民健康保険につきましては医療給付を行う社会保険制度であることから、社会保障制度の一環であると認識をしております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) 社会保障制度の一環であると認識をしているということであります。
     1950年、当時の厚生省社会保障制度審議会社会保障制度に関する勧告(50年勧告)では、いわゆる社会保障制度とは、疾病、負傷、分娩、廃疾、死亡、老齢、失業、多子その他の困窮の原因に対し、保険的方法または直接の公の負担において経済的保障の途を講じ、生活困窮に陥った者に対しては、国家扶助によって最低限の生活を保障するとともに、公衆衛生及び社会福祉の向上を図り、もって全ての国民が文化的社会の成員たるに値する生活を営むことができるようにすることを言うとあります。貧困や病気は自己責任だとする資本側の論理を克服し、国による生存権保障を求める運動が世界各国で広がる中、第2次世界大戦後、1948年には世界人権宣言、1966年、国際人権規約では、社会保障を受ける権利など社会権を定め、人権としての社会保障が世界的に確立をしていきました。社会保障は施しでも、お金で買う商品でもありません。病気や老いによる衰えは個人の努力だけで解決できません。だからこそ、誰もが安心をして医療や介護、福祉などを受けることができるように国が責任を持つ公的な社会保障制度が整えられてきました。  国民健康保険が社会保障であるということは、これは助け合いの制度ということではなく、国や行政が財政的責任を負い、お金のあるなしで差別されないという制度であるということです。そして、日本の医療保障は、日本に住んでいる人々が、いずれかの公的医療保険に加入をする体制となっています。これを国民皆保険制度と呼んでいます。国民健康保険は国民皆保険制度の下支えをする役割を担っています。それは、国民健康保険以外の公的医療保険の対象とならない人々が全て加入することになっているからです。病気は自己責任や助け合いで解決できません。社会保障として医療保障の仕組みを整備することで、誰もが安心をして医療にかかることができます。  ところが、こうした医療保障の根幹を揺るがしているのが、マイナンバーカードと健康保険証を一体化するための健康保険証廃止です。河野デジタル相は10月13日の記者会見で、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を前倒しするため、2024年度秋に現在の健康保険証の廃止を目指すと表明しました。マイナンバーカードを持ちたくない、持たない人、あるいは持てない人から医療を受ける権利を奪うようなやり方は、国民皆保険制度の国であり得ません。誰もが使う健康保険証の機能をマイナンバーカードに一本化することで、法律上任意とされてきたカードの取得を事実上強制するもので、そのことも許せません。健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化をすることについて、現時点での方針はどのようになっているのでしょうか。また、マイナンバーカードを作らない国民健康保険加入者を医療から排除するべきではありませんが、その点についてどのようになっているのか、お聞かせをください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 本年10月に、国は現行の保険証を令和6年秋に廃止し、マイナンバーカードと保険証を一体化することを発表いたしました。マイナンバーカードの保険証利用のメリットは、被保険者がマイナポータルから自らの医療や健診、医療費などの情報を随時閲覧することが可能となることで、適正な受診行動や健康づくりに向けた行動変容の機会が得られることなどが挙げられております。医療費適正化対策を進める保険者として、本市といたしましては積極的に受け止めているところでございます。  一方で、マイナンバーカードを保有しない方が医療から排除されるような状況は、あってはならないことと認識をしております。これに対処するために、神奈川県と県下の全市町村が共同して、国に対し、制度設計に当たっては、マイナンバーカードを取得しない方も含め、全ての人が医療給付を確実に受給できるようにすることなどの内容を含んだ要望書の提出を準備しているところでございます。  国においても、例外的なケースに関する保険診療検討会を設置するとされていることから、動向を注視してまいります。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) さて、これは誰にとってのメリットなのでしょうか。そして、適正な受診行動や健康づくりに向けた行動変容の機会ということですが、本来保健衛生の仕事を個人の健康維持・改善の努力に求めるということなのでしょうか。個人に医療費抑制の努力を行わせるということなのでしょうか。まさに健康の自己責任化です。  2022年12月現在、藤沢市でマイナンバーカードを保険証として読み込むカードリーダーが導入をされている病院、医科、歯科の診療所は合わせて150か所になります。市内には病院が16、診療所が404、歯科医療機関が286ありますから、21%にすぎません。健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化をすることの問題点として、日常的にマイナンバーカードを持ち歩くことによる紛失リスクの増大、さらに、マイナンバーカードのICチップは5年、カードは10年ごとに更新があり、手続が必要です。一方、健康保険証は何もなければ2年ごとに更新されます。紛失による再発行や更新手続の間、保険資格の確認はできません。暗証番号の忘れや、あるいは復唱によるリスクもあります。マイナンバーカードは法律上も、国会答弁でも義務ではないとしてきました。そうであれば、今ある保険証の制度をそのまま使うと言えばいいだけの話であります。  さて、本市では8万1,918人、5万4,695世帯が国民健康保険に加入をしています。加入世帯の職業の構成割合は、給与所得者が1万8,544世帯で33.9%、営業所得者が6,427世帯で11.8%、農業所得者が111世帯、0.2%、その他年金などの所得の世帯が2万1,010世帯で38.4%、収入及び申告のない世帯が8,603世帯で15.7%となっています。平均の所得は、旧ただし書所得で1人97万833円、世帯当たり145万4,040円です。1人当たりの平均の保険料が11万37円になります。加入者の平均年齢が52.9歳と、やや高めとなっています。所得層も、所得なしから100万円未満が51.2%で低所得者層が多く、加入者の所得は低いのに保険料は一番高いのが国民健康保険であり、これが国民健康保険の構造的問題なのです。市民の暮らしが本当に厳しい中で、払いたくても払えない高過ぎる保険料は、もう限界です。  この十数年、雇用破壊と、そしてコロナ禍により、失業者や非正規労働者が国民健康保険に流入をし、構造改革によって自営業者や農林漁業者の経営難、廃業が加速をするなど、加入者の貧困化が急速に進行しました。他の公的医療保険、協会けんぽ、組合健保、共済組合などと比べ高齢者の加入率も高く、無職の方、無収入の方の加入も多くなっています。  それでは、具体的にどのくらい違うのでしょうか。藤沢市の国民健康保険料が中小企業の従業員や家族が加入をしている協会けんぽで、年収400万、4人家族の場合での試算についてお示しをください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 国民健康保険と協会けんぽのそれぞれの保険料を、世帯主の収入が400万円、配偶者と子ども2人を扶養している世帯を例に試算いたしますと、国民健康保険に加入した場合は年額で35万7,770円、一方、協会けんぽに加入した場合は年額で40万1,880円となります。ただし、協会けんぽの場合は事業主と被保険者が折半しますので、本人負担分は20万940円となります。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) 国民健康保険料では35万7,770円、以前これを聞いたときと比べて高くなっております。また、協会けんぽでは本人負担が20万940円、これも以前聞いたときと比べて、これは下がっております。15万6,830円、高いということになります。約1.8倍であります。それは雇用者、事業者の負担がないからです。同じ収入や世帯構成の家族が、加入をする保険が違うだけでこれだけの負担を強いられるなど、まさに異常事態です。加入をする保険によって負担や給付に大きな格差があることは、そもそも制度の趣旨に反します。協会けんぽや組合健保、共済組合などの社会保険にある事業者・雇用者負担が国民健康保険にはなく、それを補うものが国庫負担と市町村の法定内繰入金ですが、それでも足りないので法定外繰入金を行っているわけであります。  こうして、払いたくても払えない高過ぎる保険料は滞納につながります。2021年の滞納者は8,557世帯で15.6%となっています。こうした方々に対し、滞納者の生活実態をつかんで困窮者に寄り添い、親身で丁寧な対応をしているかどうかが問われます。全国では収納率向上の掛け声の下、生活苦や経営難で保険料を滞納せざるを得なくなった人々に対する、無慈悲で強権的な差押えが問題となっています。九州のある市では、国保税ですが、10万円を滞納し、自営業のための必要な道具まで差し押さえられた。こうした話が最近あったところであります。このような強権的な滞納処分が一気に拡大する契機となったのが、2000年代以来の厚労省の指導の強化です。また、総務省の方針で国保税、住民税などの徴収業務の民間委託が広がり、地方税回収機構など広域徴収機関が徴収を担うようになったことも、機械的な取立てを横行させる一因となりました。  人権無視の強権的な取立て、滞納への機械的な差押えではなく、滞納者の生活実態をつかんで困窮者に寄り添い、親身で丁寧な対応が求められます。本市の差押えは2019年度には502件でしたが、2021年度は170件の差押えと件数は減っています。機械的な差押えはやめるべきです。本市の対応はどうなっているのでしょうか。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 国民健康保険料に滞納が生じた場合には、滞納者と早期折衝を図るとともに、その理由を把握するよう努めているところでございます。そのような中、預金や生命保険等の財産調査の結果、納付資力がありながら再三の通知にも御連絡をいただけず、納付の意思が見られない場合には、やむを得ず差押え等の滞納処分を行い、保険料滞納の早期解消に努めております。また、納付相談や生活状況を調査する中で、納付できない特別な事情があると判明した場合には、関連する部局と協力し、被保険者に寄り添った丁寧な対応を行っているところでございます。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) 滞納整理の事務は、国民健康保険料を払い切れない加入者に対して親身に相談に乗り、加入者一人一人の事情に応じて減免制度や分割納付を適用するなど、困窮者に寄り添い、親身で丁寧な対応をすることを第一にするべきです。  さて、滞納が続くと、一定の要件の下で、通常は2年の有効期間が1年とか、あるいは半年とか、短く区切られた短期保険証、医療機関の窓口で一旦全額の10割負担をする資格証明書が発行されます。本市では短期保険証が532件、資格証明書が38件、以前聞いたときは短期保険証が1,087件、資格証明書が116件ということでしたから、それからすると半減をしています。国民健康保険は社会保障であり、医療保険のセーフティーネットであります。医療保険として使えるように短期保険証、資格証明書の発行についてはやめるべきです。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 短期被保険者証及び資格証明書につきましては、再三にわたる督促状、催告書の発送、電話催告、現地訪問等の手法を用いても納付や御相談をいただけない世帯に対しまして、法令等に基づき交付しているものでございます。その大きな目的は、保険料を滞納している被保険者との納付相談の機会を増やし、保険料の納付につなげることでございます。また、納期までに納めている多くの被保険者との公平性の観点からも、今後も必要な措置であると考えております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) 神奈川県内では、横浜市あるいは平塚市などで短期保険証や資格証明書の発行をやめています。保険料の滞納、それと医療保険として医療を受ける権利とはしっかり分けて、私は考えるべきだと思います。新型コロナウイルス感染症の影響により、保険料の納付が困難な世帯等に対して保険料を減額、免除をする制度が新設をされました。新型コロナウイルス感染症により、世帯の主たる生計維持者が死亡または重篤な傷病を負った世帯は保険料が全額免除をされます。また、世帯の主たる生計維持者の事業収入等の減少が見込まれる世帯で、一定の条件に合致をすれば減額となります。制度ができて以来、現在まで2,124件の申請があり、承認は1,788件と大変多くの方が活用しています。  新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少し、生活が厳しくなった、こうした方々の助けとなる大事な制度です。今後も継続すべきではないでしょうか。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 令和2年度に開始された減免制度は、今年度も国による支援により継続しているところでございます。今後も減免制度を継続することにつきましては、減免の総額からも国による支援が必要不可欠でございますので、国の動向を注視してまいりたいと考えております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) 今、新型コロナウイルス感染症は第8波と再び拡大をしております。営業や仕事への影響が懸念をされるところで、制度は継続するべきです。  さて、社会保険には加入者が仕事中の事故以外の理由で、病気やけがの療養のために仕事を休んだ場合に所得補償を行う傷病手当金の制度があります。新型コロナウイルス感染症により仕事を休んだ場合にも当然支給をされます。ところが、国民健康保険には、こうした傷病手当金の制度、ありませんでした。が、しかし、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、傷病手当金が新型コロナウイルス感染症に限り導入をされることになりました。限定的とはいえ、一歩前進だとは思います。  この傷病手当金、これまで177人が支給を受けています。が、しかし、残念ながら、事業主やフリーランスは対象となっておりません。中小業者、小規模事業者にとっては被用者、事業者とも同じように労働もし、区別をする必要はありません。当然、事業主、フリーランスの方も感染をすれば仕事はストップをし、収入は入りません。感染防止という観点からも併せて、傷病手当金について、事業主やフリーランスも含めて支給対象者を拡大するべきであり、相模原市では、新型コロナウイルスに感染をした個人事業主に1人7万円の傷病見舞金を支給しています。こうした制度を検討できないものなのでしょうか。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 相模原市の傷病見舞金制度につきましては、財源として国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用する制度であると伺っております。本市が同様の制度を実施することにつきましては、国民健康保険の次年度以降の傷病手当金の実施が未確定なこと、新型コロナウイルスに感染した際の療養期間が段階的に短縮されてきたこと、また、個人事業主、フリーランスの方の所得減少を正確に把握することが困難であることなどから、実施は難しいものと考えております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) 実施は難しいということでありますが、本当に困っている事業主やフリーランスの方々に対する支援をしていく、こういうことで、ぜひ検討することを要望いたします。  保険料は医療分、後期高齢者支援金分及び介護分を、加入者の賦課対象所得額の合計から計算をする所得割と、加入者の人数に応じて計算をする均等割、それと、1世帯ごとに計算をする平等割、それぞれごとに計算をし、その合計額を保険料としています。応能割である所得割と応益割である平等割、均等割の比率は56対44と条例で決めています。以前は70対30でした。この賦課割合を所得割である応能負担を高くし、所得に関係のない応益割を低くすることによって、所得の低い階層の保険料を引き下げることができるようになります。この賦課割合は自治体によって異なっております。各自治体で決めることができるわけです。  所得にかかわらず頭割りで課される応益割の比率を下げることは、とりわけ中・低所得者の負担を軽くするものです。具体的には応能と応益の負担の割合、70対30にするべきではないでしょうか。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 国民健康保険料における応能応益割合につきましては、平成30年2月定例会において、50対50から56対44とすることを含めた条例改正議案について、議決をいただいたところでございます。その過程において、70対30も含めて様々なケースを試算した結果、応益割合を引き下げることは応能割合を引き上げることとなり、中間所得者層の保険料負担が過度となるため、県が示す標準負担割等を参考に56対44としたものでございます。  なお、低所得者層につきましては、法定軽減のほか、本市独自の減額措置を行っているところでございます。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) 応益割を増やせば低所得の人に負担がきつくなるのは当然のことであり、中・低所得者層の負担軽減のためにも応益割の比率を下げるべきです。  さて、国民健康保険は子どもも含めて、世帯内の加入者数に応じて賦課をされる均等割があることは、子育て支援という観点からも逆行しています。特に、子どもの数が多いほど負担が引き上がる均等割に対し、多くの団体、関係者が見直しを要望していたこともあり、2022年度から就学前の子どもに限って未就学児童の均等割額を2分の1としました。対象人数は2,105人、1,658世帯で、1人当たりの軽減額は1万7,100円になります。しかし、そもそも支払い能力がない子どもを均等割の対象にするべきではありません。未就学児童の均等割額を2分の1にすることを契機として、ゼロにするべきではないでしょうか。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 子どもの保険料につきましては、国民健康保険法施行令の改正により、本年4月1日から全世帯の未就学児に係る均等割分の保険料負担が5割軽減となっております。さらなる子育て世帯の負担軽減につきましては、対象年齢や軽減割合の拡大など、制度の拡充について、全国市長会を通じて国に対して要請を行っているところでございます。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) 要請を行っているということでありますが、このゼロにするために必要な金額は約3,600万円になります。できない金額ではありません。子育て支援、こうした観点からも実施をするべきです。  さて、本市の一般会計からの法定外繰入金は、2020年度、8億1,069万4,000円、2021年度が7億8,195万5,000円、2022年度、7億7,867万5,000円になります。2017年度の13億3,000万円まで繰り入れた頃と比べると、8億円でも3分の2程度にすぎません。本市の国民健康保険加入者1人当たりの法定外繰入金は全県の中でも決して高いとは言えません。法定外繰入金が8億円を超えた2020年度でも県内10位でした。保険料の負担軽減を図るためにも、法定外繰入金を2017年度水準までに戻すべきではないでしょうか。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 一般会計からの繰入金のうち、法に定められた公費補填分以外の繰入金、いわゆる法定外繰入れにつきましては、国民健康保険財政の決算補填を目的とする繰入金の解消を国から強く求められております。本市ではこれまでも一定額の削減を行ってまいりましたが、保険料が大幅に上昇する場合には削減を行わないこととしております。持続可能な保険制度を維持するための法定外繰入金の在り方につきましては、引き続き庁内関係部局と調整してまいりたいと考えております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) 保険制度を維持するということが目的ではありません。保険料の引下げがなぜ必要なのでしょうか。生活がそもそも厳しい中、新型コロナウイルス感染症の拡大に加え、物価の高騰により市民の暮らしが大変厳しく、払いたくても払えない保険料が、もう限界だからです。加入者の所得は低いのに保険料は一番高いのが国民健康保険です。払いたくても払えない高過ぎる保険料を、様々な手だてを講じて1人1万円以上引き下げ、払える保険料にするべきです。市の見解を伺います。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 本市ではこれまで、前年度からの繰越金の多くを保険料賦課総額に充てることなどにより、保険料水準の抑制を図ってまいりました。今年度につきましても、本市が神奈川県に支払う国民健康保険事業費納付金の大幅な増額に比例して、保険料の増額を検討いたしましたが、大幅な保険料率の引上げは被保険者の生活に大きな影響を与えてしまうことから、基金繰入金及び繰越金等を活用することで保険料率の引上げ幅を抑制いたしました。  令和5年度以降におきましても、国民健康保険事業費納付金が年々増額され、今年度以上に厳しい財政状況が続くことを想定しております。本市といたしましては、将来にわたり健全な保険制度を維持するために、引き続き保険料率の適正な設定に努めてまいります。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) 国民健康保険が社会保障であり、また、市民の命と健康を守る国民皆保険の一環として進められるように、払いたくても払えない高過ぎる保険料を藤沢市として引き下げていくべきです。  国民健康保険の構造的な問題である、加入者の所得は低いのに保険料は一番高い、このことを解決するために神奈川県の役割はこれまで以上に重要になっています。国民健康保険の都道府県単位化に伴い、神奈川県は年度ごとに市町村の医療費水準と所得水準などから国民健康保険事業費納付金を算定し、市町村はこれを納付するということになりました。本市の納付金は2020年度、約113億円、2021年度、約112億円、2022年度、約117億円になります。この納付金を下げなければ保険料は高いままです。神奈川県に納付金の引下げ、求めるべきです。  それにも増して、国の責任はより一層重大になっています。現行の国民健康保険制度がスタートした当初、政府は、国民健康保険は被保険者に低所得者が多いこと、保険料に事業主負担がないことなどのために、どうしても相当額国庫が負担をする必要があると認めていました。ところが、1984年、当時の自民党政府は、医療費の45%とされていた国民健康保険への定率国庫負担を38.5%に引き下げる改悪を強行し、その後も国民健康保険の事務費や保険料軽減措置などへの国庫負担を縮小、廃止してきました。その結果、国保の総会計に占める国庫支出の割合は、1984年度の50%から、2008年度には24.1%と半減をしてしまいました。  こうしたこともあり、全国知事会、全国市長会、全国町村会なども国民健康保険の定率国庫負担の増額を政府に要望し続けており、2014年には公費を1兆円投入して、協会けんぽ並みの負担率にすることを政府・与党に求めたところでもあります。この1兆円、定率公費負担として投入をすれば、現在、国、都道府県合わせて医療給付費の50%である公費負担割合は、63%に引き上がります。保険料を協会けんぽ並みに引き下げることができます。  高過ぎる保険料を引き下げ、国民健康保険の構造的な問題を解決するためには、国庫負担を増やす以外にありません。国に国庫負担の増額を求めるべきと申し述べ、要旨1を終わります。  それでは、続いて要旨2「介護保険について」であります。  2000年4月に、家族から社会で支える介護へ、介護の社会化としてスタートをした介護保険制度は今年施行23年を迎えました。利用者は年々増加の一途をたどる一方で、スタート当初から保険あって介護なしと言われ、介護保険制度をめぐり様々な困難が広がっています。経済的な事情などで必要な介護サービスを利用できないケースは後を絶ちません。家族の介護を理由とする介護離職は年間10万人前後で推移をしています。介護心中、介護殺人と称される大変痛ましい事件もなくなっていません。介護事業所では職員を募集してもなかなか応募がないなど、慢性的な人手不足と厳しい経営困難が続いています。  今、介護保険制度自体が3つの危機に直面をしています。第1にサービスの危機です。必要なサービスを利用できない、あるいは提供できないことであります。第2に人の危機です。現在も、そして将来においても深刻な人手不足が続くと予想がされています。第3にお金の危機です。利用料負担もある中で保険料は上がる一方、負担は増すばかりです。  今回はこうした観点から順不同で質疑をいたします。  介護保険の利用者である65歳以上の高齢者は全国で3,626万人に上ります。戦前、戦中、戦後の苦難の時代、身を粉にして働き、家族と社会のために尽くしてきた人たちです。今の現役世代を育ててきたのは当時の現役世代である今の高齢世代です。現役世代と高齢世代を対立させるかのような議論が一部でありますが、意味があることではありません。いずれにしろ、高齢者が安心をして暮らせる社会をつくることは政治の重要な責任です。本市の65歳以上の高齢者は10万8,737人で、そのうち世帯の本人もしくは世帯全員が市民税非課税者、こうした非課税世帯層は約5万8,397人、約54%と全体の半分を超え、高齢者の生活は大変厳しいと言えます。こうした中で、介護保険料は制度開始当初が2,800円、中間では4,500円、そして、第6期と第7期では4,700円で据え置いたものの、第8期は5,500円と、第7期から800円値上げをし、制度開始後、約2倍となっています。年金は上がらず下がる一方、物価は高騰する中、こちらも保険料負担はもう限界に来ています。第9期の介護保険事業計画では、様々な手だてを講じ、介護保険料を引き下げるべきではないでしょうか。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 介護保険制度の財源につきましては、利用者負担分を除く介護サービスにかかる費用、いわゆる介護給付費の総額のうち、法令で定められている公費と第2号被保険者の負担分を除いた約23%を、65歳以上の第1号被保険者から徴収する保険料で賄うこととされております。  高齢化の進展による介護認定者の増加とともに、介護給付費もますます増えることが見込まれる中、安定した介護保険を運営し、持続可能な制度を維持していくためには、保険料の引下げは大変厳しい状況にあると認識をしております。現在、国において令和6年度の介護保険制度の改正に向け、様々な検討が行われているところで、本市といたしましては、その動向を注視するとともに、介護保険事業計画の次期改定に当たり、介護サービスに対する利用ニーズ等を的確に捉え、適切な保険料の算定に努めてまいります。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) 引下げは厳しいということでありました。しかし、高齢者の半分以上が住民税非課税世帯であり、多くが年金天引きで徴収をされている65歳以上の介護保険料の負担も、生活圧迫の大きな要因となっています。その年金も物価高騰にかかわらず、6月支給分から0.4%削減をされています。介護保険の利用料も負担が重く、必要なサービスを削ったり、介護施設から退所をする人たちが少なくありません。運営基金の取崩しや市が繰入れをするなど、様々な手だてを講じて保険料を引き下げ、負担軽減していくべきです。  続いて、特別養護老人ホームについてです。特別養護老人ホームは介護老人福祉施設で公的な介護保険施設になります。在宅での生活が困難になった原則要介護3以上の高齢者が対象で、終身にわたって介護を受けることができます。多床室とユニット型の2つのタイプがあり、古くからある多床室の多くは4人部屋となっています。2002年からユニット型が制度化をされ、全て個室で、10人程度を1つのユニットとして介護を行います。また、費用負担ですが、国が定める食費、居住費等の標準額から試算をすると、およそ1か月7万円から15万円とのことでありました。負担額は増えてはきていますが、民間運営の有料老人ホームと比べると、まだまだ比較的費用が安いのが特徴であります。本市には17施設あります。  そこで、特別養護老人ホームの本市の待機者数は現在何人となっているのでしょうか。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 特別養護老人ホームの入所待機者数につきましては、本年4月1日現在で要介護3以上の方、661人でございます。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) 令和4年4月1日現在で要介護3以上の方が661人ということであります。まだまだ多くの方が待機者となっています。高い保険料を払っているのに、いざとなったら使えない。これでは制度の根幹に関わる大きな問題にもなります。第9期では待機者解消を目標とした施設整備を進める計画を立てるべきではないでしょうか。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 待機者の解消に向けましては、第8期介護保険事業計画において100床の整備を目標とし、令和3年度には短期入所から本入所への転換などにより、50床を整備いたしました。また、現在老朽化した既存施設の移転、改築に伴う増床により、さらに50床の整備を進めているところでございます。しかしながら、今後も入所希望者の増加が見込まれる中、いまだ多くの方が待機している状況にありますことは、課題として認識をしているところでございます。  次期介護保険事業計画の策定に当たり、近年増加する有料老人ホームなどの高齢者施設の整備状況や、不足する介護人材等も考慮しながら、必要な整備数等を検討するなど待機者の解消に取り組んでまいります。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) 既存の施設のショートステイなどからの転換で50床、さらに老朽化をした既存の特別養護老人ホームの移転、改築で50床を整備していく。合わせても100床しか増やさないのであれば待機者が多いままなのも当然であります。特別養護老人ホームの入所で多くの待機者が生まれる背景には高齢世代の貧困があります。低年金、低所得の人が要介護状態となったときに最期まで入居をできる施設、それは比較的費用が安い特別養護老人ホームしかないからであります。待機者解消を目標にした整備に力を入れるべきです。  その特別養護老人ホームなどの介護施設の現場では、ベッドは空いているのに人手が足りないために入所者を受け入れられない、そんな状況があると聞いています。そこで、今度は介護労働者について伺います。公益財団法人介護労働安定センターの令和3年度介護労働実態調査の結果が発表されています。調査には、全国の介護保険サービス事業を実施する8,809事業所と介護労働者1万9,925人が回答しています。  介護事業所全体の人材の不足感は60%台で推移をしています。7割弱の事業所で65歳以上の労働者を雇用し、高齢化傾向にもあります。労働者の賃金ですが、介護労働者全体では365万9,292円、訪問介護員324万3,882円、介護職員345万7,919円であります。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によれば、全産業の平均年収は463万4,900円ということでありますので、まだまだ100万円ほどの差があるというわけであります。そして、労働条件、仕事の悩みでは、新型コロナウイルス感染症のこともあり、健康面の不安が顕著に増加をしていますが、人手が足りないこと、仕事の割に賃金が安いこと、身体的負担が多いこと、これが悩みの上位を占めています。  以前の質疑では、介護職員の採用が困難になる中、介護現場で働く方が長く働き続けられる環境づくりが、より一層求められていると答えています。この状況は変わらないばかりか、新型コロナウイルス感染症により、ますます大変になってきているのではないでしょうか。労働環境などの改善のために、事業所の努力に対するバックアップ、あるいは市として独自の対策を行うべきではないでしょうか。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 介護人材の確保と定着に向けた本市独自の施策といたしましては、介護職員初任者研修の受講料の助成、また、従事者のキャリアアップに資する研修費用の助成のほか、介護ロボット、ICTの活用による従事者の負担軽減等を目的とする先進的介護実証事業を行っているところでございます。  また、現在、国や県におきまして、事業所の生産性向上や外国人など多様な人材の参入促進などの検討が進められていることから、本市といたしましては、国や県の動向を注視するとともに、事業者の御意見も伺いながら、引き続き、より効果的な支援の在り方を検討してまいります。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋議員。 ◆1番(土屋俊則 議員) 国や県待ちにならずに、市として今以上に積極的な支援が求められます。その事業所も経営は今、大変厳しくなっています。経営が不振などの理由により、市指定の介護サービス事業所の廃止は3か所ありました。確認をしたところ、ほかにも神奈川県指定の訪問系サービス事業所で2か所、通所サービスで2か所あったということであります。  新型コロナウイルス感染症の影響に加え、原油価格や物価高騰により、介護サービス事業所を取り巻く環境は厳しくなっています。市として減収分を補填することなども含めて様々な対策を具体的に行い、介護サービス事業所を支援するべきではないでしょうか。 ○議長(佐賀和樹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 本市といたしましては、コロナ禍の影響や物価高騰等により、介護サービス事業所を取り巻く環境が厳しさを増している状況にあることを課題として捉え、様々な対策を講じているところでございます。具体的には、新型コロナウイルス感染症に対し、国が行うサービス提供の際に報酬上の上乗せ措置を認めるなどの基準緩和、県が行う通常のサービス提供では想定されない、掛かり増し経費に対する財政支援などを実施しております。本市といたしましては、今後とも事業所に対して、諸制度の活用に関する周知徹底並びに相談対応等に取り組んでまいります。  一方、物価高騰等に対しましては、本年9月にお認めいただいた補正予算により、多分に影響を受けている通所系及び施設・居住系サービスの事業所に対して財政的支援を実施しているところでございます。  加えて、今後予定されている介護報酬の改定に当たっては、新型コロナウイルス感染症や物価高騰等に対する影響額が適切に反映されるよう、国に要望をしてまいります。 ○議長(佐賀和樹 議員) 土屋俊則議員
    ◆1番(土屋俊則 議員) 9月補正のような財政的支援を行う、このことはとても大事なことであります。必要があれば第2弾、第3弾と実施をするべきです。積極的に取り組むことを要望いたします。ただ、その際、利用者負担あるいは保険料の負担とならないよう国や行政が責任を持つ、このことは言うまでもありません。  さて、介護保険制度は3年に一度大きな見直しが行われ、次は2024年になります。今まさに見直しの議論が行われている最中で、間もなく結論が出るところであります。ただ、その中身は負担増がめじろ押しです。特に大きな影響があると見られているのは、利用者負担の原則2割化、ケアプランの有料化、要介護1、2の総合事業への移行、この三大改悪です。介護保険の利用者負担は、制度開始当初、原則1割負担でした。しかし、介護保険の利用が広がるにつれ、制度の持続可能性を口実に負担割合を増やしてきました。所得上位層には2015年に2割負担、2018年に3割負担を導入、そして今、原則2割化、あるいは2割、3割負担の対象者の拡大まで狙われています。  現在、ケアプランの作成は自己負担なしで利用できます。これは、専門知識を持つケアマネジャーが利用者の適切なサービス利用を保障するためで、制度開始から維持されてきました。もし有料化されれば利用控えの増加や、本当に必要なサービス利用ができなくなることが懸念をされます。要介護1、2の訪問・通所介護を保険対象から外し、市区町村が運営をする総合事業に移行させることについてです。既に要支援1、2の訪問介護、通所介護は移されています。藤沢市で言えば、訪問型サービスAは、それまでの基準を緩和させた市の独自基準による訪問型サービスです。サービスは市の独自で実施をした研修を修了した方々が行います。調理あるいは掃除、洗濯などの日常生活上の支援、生活援助的なことを行い、単価は介護予防訪問型1の70%になります。このように現行の基準を緩和するということは、サービスの基準を掘り崩し、専門性と質の低下につながっていきます。それを要介護1、2のサービスまで対象を広げるのは露骨な給付削減のサービス外しであり、いわゆる軽度者の重度化も危ぶまれます。  ほかにも多床室での室料の徴収拡大、補足給付の資産要件に不動産を加える、現在40歳以上の被保険者の範囲の拡大、福祉用具の貸与を販売することが俎上に上がっています。こうしたことが実施をされれば、文字どおり保険あってサービスなし。コロナ禍で疲弊をし、物価高騰に苦しむ高齢者や家族は、さらに負担を強いられ、必要な介護を受けられなくなる人も続発しかねません。介護の現場からも負担増とサービス削減に反対の声が相次いでいます。  市民を苦しめる介護保険改悪を国はやめるべきだと最後に申し述べ、一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(佐賀和樹 議員) これで土屋俊則議員の一般質問を終わります。  休憩いたします。                 午前11時19分 休憩           ──────────────────────                 午前11時30分 再開 ○議長(佐賀和樹 議員) 会議を再開いたします。  引き続き一般質問を行います。25番、平川和美議員。               〔平川和美議員登壇、拍手〕 ◆25番(平川和美 議員) 皆様こんにちは。藤沢市公明党、平川和美でございます。本日午前、最後の質問ということで、12時を少し回ってしまうと思いますが、すみません、よろしくお願いいたします。なるべく簡潔にやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。  それでは、会派の一員として通告に従い質問をさせていただきます。  件名1「子どもの健康を守る取組について」  要旨1「子どもの視力について」  近年、子どもの視力低下は深刻な社会課題となっており、近視は世界的に急増しています。これを受け、WHO(世界保健機構)も深刻な公衆衛生上の懸念を表明し、緊急対策の必要性を指摘しております。視力が低下することにより、生活や勉強など様々な支障が出てきます。GIGAスクールが始まり、1人1台のタブレットが導入され、子どもの目にとっては、ますます苛酷な環境となっています。私のところにも保護者の方から、お子様の視力低下を御心配するお声をいただいております。  文部科学省は、全国の国公私立の幼稚園や小中学校、高校を対象に、毎年における幼児、児童及び生徒の発育及び健康の状態を明らかにすることを目的として、学校保健統計調査を実施しています。調査によると、視力が1.0未満だった子どもの割合は、1979年度は小学生17.91%、中学生35.15%、高校生53.02%でしたが、20年後の1999年度は、小学生29.71%、中学生52.54%、高校生59.37%と増加し、本年7月に公表した令和3年度学校保健統計調査によると、裸眼視力が1.0未満の小学生は36.87%、中学生は60.28%、高校生は64.41%で、1.0未満の割合は年齢が高くなるにつれて、おおむね増加傾向となっております。学年で見ると、小学1年生で約4人に1人、小学6年生では約半数となっています。  そこでお聞きしますが、本市の公立小中学校での視力検査の1.0未満の児童生徒の人数はどのように推移しているのか。また、検査結果からどのようなことが考えられるのか、教育委員会の見解をお聞きします。 ○議長(佐賀和樹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) 平川議員の一般質問にお答えいたします。  本市立小中学校での視力検査の結果につきましては、5年ごとに統計を取っております。平成25年度、視力が1.0未満であった児童生徒の割合は、小学校が28.6%、中学校が54.5%、直近の平成30年度は小学校が33.7%、中学校が63.2%となっており、視力が1.0未満であった児童生徒の割合は増加しております。子どもの視力低下の要因は、ICTの普及等、様々考えられますが、学校と家庭が連携し、子どもたちの目の健康に配慮していく必要があるものと考えております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 本市においても視力低下が増加しているとのことです。裸眼で視力が出ていないと黒板が見えにくい、スポーツに支障が出るなど、学力、身体の成長、コミュニケーションなどに悪影響が出ると言われています。さらに、近視が進むことにより、緑内障や眼底出血などの目の病気が引き起こされるリスクが高まり、失明につながるおそれもあるとの報告も出ています。近視が様々な病気を引き起こす危険性を認識し、早期の治療や、できるだけ早く生活習慣を改めるなど、対策を講じることが重要ですが、視力が低下した児童生徒や保護者に対してどのような対策をしているのか、お聞きします。 ○議長(佐賀和樹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) 定期健康診断での視力検査の結果を保護者宛てに通知するとともに、視力が1.0未満であった場合には専門医による精密検査の受診を案内しております。精密検査受診後は受診結果票を学校に提出してもらい、保護者との情報共有に努めております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 保護者との連携を密にし、早期治療につながるよう、今後も推進をしていただけるようお願いいたします。  子どもたちの視力低下の要因として挙げられているのが、コロナ禍でパソコンやスマートフォン、学校でのタブレット端末を見る機会が増えたことも影響しています。内閣府令和3年度青少年のインターネット利用環境実態調査によると、10歳から17歳の子ども97.7%がインターネットを利用しているとの調査結果が出ています。2020年度からの新型コロナウイルス感染拡大により、在宅勤務や在宅学習など、リモート生活へと変化が進み、インターネットは情報交換や情報収集、コミュニケーションの手段として日常生活に必要不可欠となっています。特に最近は子どもの学校でのタブレット端末の使用や、スマートフォンを利用する時間が長くなり、視力への影響が保護者の間でも不安視されています。今後、子どもたちの目の健康は、何らかの対策をしない限り悪化する一方となることが懸念されています。  子どもの目の健康を守り、視力低下を防ぐための対応策として学校ではどのような指導を行っているのか、お聞かせください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) 現在学校では、子どもの視力低下の対応策として、文部科学省が作成した「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」を活用し、ICT機器を使用する際の画面を見る角度や姿勢、教室の明るさなどを配慮するようにしております。また、教育委員会で作成した端末の利用に関するガイドラインを学校から家庭へ配付し、端末を使用する際の姿勢や、連続使用時間を30分とすることの周知など、児童生徒の視力低下の対策に努めております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 目によい習慣として、1日2時間、屋外で活動し、十分な光を浴びることで近視の進行が抑えられることが分かってきています。台湾では、近視にならないようにするには子どもの頃からの対策が重要と、2011年から子どもの屋外活動を増やし、2時間以上、屋外で光を浴びるようにした結果、視力0.8未満の小学生の割合が5%以上減ったということです。このような目の健康にとって有効な対策もありますので、子どもたちには自分の目の大切さや外遊びの必要性も伝えていただき、視力低下の抑制になるよう期待しています。  これまでは学齢期の視力低下についてお聞きしてまいりました。子どもの目の機能は3歳頃までに急速に発展し、6歳ぐらいには、ほぼ完成すると言われています。日本弱視斜視学会のホームページによると、赤ちゃんは生まれたばかりのときは明るいか暗いかくらいしか分からない。1か月ぐらいで物の形、2か月ぐらいで色が分かるようになり、4か月ぐらいになると動くものを追って目を動かすようになり、視力は言葉や歩行などと同じく、成長に伴ってだんだん獲得する能力で、ゼロ歳では0.1ぐらいの視力しかなく、3歳になると半分以上の子どもが1.0見えるようになり、6歳で大部分の子どもが大人と同じ視力に達するとされています。  幼少時の目の代表的疾患としては斜視と弱視で、斜視は字のごとく、片方の眼球が外側に向いたり内側に向いたりしているので、素人の親でもすぐに分かりやすいため、斜視は比較的発見されやすく対応も取りやすいということです。問題は弱視で、人間のいろいろな能力は正しく繰り返し使うことで発達します。視力も赤ちゃんの頃からいろいろなものを見ることにより、刺激となり、神経細胞や脳細胞が発達し、健康に視力も発達します。しかし、この成長期に何らかの邪魔が入って正常な視力の成長が止まってしまい、眼鏡をかけてもよく見えない状況を弱視と呼びます。弱視という言葉は、通常の教育を受けるのが困難なほどの低視力という意味で一般に使われますが、医学的には視力の発達が障害されて起きた低視力を指し、眼鏡をかけても視力が十分でない場合を指すと明記されています。この弱視の割合は50人に1人と言われています。  目はほかの器官に比べて後回しにされがちです。そのために手遅れになってしまうことも少なくありません。弱視は早期発見、早期治療で改善できます。3歳で発見された弱視の多くは就学までに良好な視力を得ることができますが、4歳以上では治療も小中高学年まで長期に継続され、子どもにとっても不利な状況になると言われています。  本市では3歳6か月児健康診査で視力検査を行っていますが、3歳6か月児健康診査の受診率は何%か。また、健診に来られていない方の把握と勧奨についてお聞かせください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 齋藤健康医療部長。 ◎健康医療部長(齋藤直昭) 3歳6か月児健康診査の受診率につきましては、令和3年度の実績で申し上げますと、3,715人の対象者のうち3,402人が受診し、受診率91.6%となっております。なお、健診に来られていない方の把握と勧奨につきましては、健診月の2か月後に未受診者の抽出を行い、手紙による受診勧奨及び受診の意向確認を行うとともに、必要に応じて電話や訪問などでさらなる受診勧奨を行っているところでございます。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 市も訪問、受診勧奨と行ってくださっていることには感謝いたしますが、一人でも多くのお子さんの早期発見につながるよう、把握に努めていただきますようお願いいたします。  弱視の早期発見には屈折検査が有効です。国は2022年度予算で、自治体による屈折機器の購入費を補助する事業を開始しました。本市でも3歳6か月児健康診査において屈折検査を導入されていますが、検査で異常が出たお子さんの人数、パーセントをお聞かせください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 齋藤健康医療部長。 ◎健康医療部長(齋藤直昭) 令和3年度の実績で申し上げますと、3歳6か月児健康診査において屈折検査機器であるスポットビジョンスクリーナーによる測定を受けたお子さんが3,385人おり、そのうち正常範囲外となったお子さんが236人、約7%となっております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 正常範囲外となったお子さんが約7%いたとのことですが、3歳6か月児健康診査の視覚検査において、この7%のうち精密検査となったお子さんの人数と受診率、また、その結果、弱視と診断されたお子さんがどのぐらいいたのかをお聞きします。 ○議長(佐賀和樹 議員) 齋藤健康医療部長。 ◎健康医療部長(齋藤直昭) 令和3年度の実績で申し上げますと、3歳6か月児健康診査における視覚検査で精密検査が必要となったお子さんは179人おり、そのうち受診したお子さんが147人、受診率は82.1%でした。また、精密検査の結果、疑いを含め弱視とされた方が51人おり、3歳6か月児健康診査における発見率といたしましては1.5%となっております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 1.5%のお子さんが弱視の疑いがあると診断されていますが、先ほども述べたように、3歳くらいまでに弱視を発見でき、適切な治療を受ければ、視力はかなり回復すると言われています。弱視の早期発見に向けては保護者の方の意識啓発も重要になると考えますが、現在どのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。 ○議長(佐賀和樹 議員) 齋藤健康医療部長。 ◎健康医療部長(齋藤直昭) 本市では従来から3歳6か月児健康診査において、御家庭で実施する視覚1次検査及び、必要に応じて小児療育相談センターによる視覚2次検査を実施しております。それに加え、令和2年10月からは屈折異常を判定できるスポットビジョンスクリーナーを導入し、弱視につながる目の疾患の早期発見を図るとともに、3歳6か月児健康診査の問診票等を送付する際に弱視に関するチラシを同封し、早期発見の必要性について啓発を行っているところでございます。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 小さなお子さんは、目が見えにくかったとしてもそれが普通だと思い、自分から目の異常を伝えることができません。周りの大人が気づいてあげることが大切です。子どもの目の健康を守るため、何度も言ってきていますが、早期発見、早期治療に結びつけていくことが重要ですので、また、これは専門医とも連携した取組が必要です。市として今後、この専門医との連携とか、どのように取り組んでいくのか、お伺いさせてください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 齋藤健康医療部長。 ◎健康医療部長(齋藤直昭) 本市といたしましては、子どもの目の健やかな発達を促すためには、3歳6か月児健康診査において弱視を早期に発見し、必要な治療に結びつけていくことが重要と考えております。今後につきましては、まずは、より多くのお子さんに3歳6か月児健康診査を受けていただくよう、保護者に対し、この時期の視覚検査の必要性について伝え、受診勧奨を図るとともに、精密検査が必要となったお子さんの保護者に対しては、確実に受診していただけるよう啓発してまいります。また、視覚検査の結果を基に、藤沢市医師会眼科医会と、より効果的な視覚検査の在り方について協議し、一人でも多くのお子さんの弱視を早期に発見し、治療に結びつけていくよう取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) ぜひよろしくお願いいたします。  また、弱視は就学前から治療することが望まれます。眼鏡の聖地として有名な福井県鯖江市では、子どもの頃からの目の健康づくり、目の健康に関する意識を高めてもらうことを目的に眼育プロジェクト事業を行っています。鯖江市さんに取組などをお聞かせいただきました。就学前までに視力検査を3段階で実施しているそうです。これは、3歳児健診で屈折検査を行い、4歳児で視力検査を保育園、幼稚園で実施して、そして、最終チェックとして、就学前検診視力検査で屈折検査を導入した単独検査を実施しています。就学前に屈折検査を行うことにより、小学校に入って目が見えないということで学力や生活に支障がないよう、就学前までに弱視を見つけて適正な治療に結びつける取組です。発見が遅れ、治療が遅くなれば、弱視の回復も困難になります。本市でも就学時健康診断での屈折検査の導入を早急に進めるべきと考えますが、教育委員会のお考えをお聞かせください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) 就学時健康診断における視力の屈折検査につきましては、今年度、実際の健診会場にて実施について検討を行いましたが、会場の明るさや広さ、健診にかかる人員や時間の確保等、課題があるものと捉えております。今後は就学時健康診断における視力の検査方法も含め、弱視の早期発見について学校医の眼科医部会の先生方と相談しながら課題の整理をしてまいりたいと考えております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 意見・要望を申し上げます。課題の整理をしていくとのことですが、子どもの弱視は待ってくれません。弱視により学習の遅れや生活への支障があります。支障となる事項を取り除くことを考え、早急に対応していただきますよう要望いたします。  要旨2「子どもの歯を守る取組について」  歯は健康にとって非常に大切です。人間が生きていくためにも食べることです。口の健康を守ることで、おいしく食事を取ることや楽しく会話をすることができ、人との交流も深まり、健康で活力ある毎日を過ごすことができます。皆さんも知っている8020運動、おいしく食べて健康で長生きをするために一生自分の歯を保つことを目指して、80歳になっても自分の歯を20本以上持とう、保とうという運動で、厚生労働省と日本歯科医師会の呼びかけで平成元年から始まりました。20本保つために、また、歯の病気で歯を失わないために、毎日の生活から心がけていかなければなりません。  健康で豊かな生涯を過ごすためには歯の健康はとても重要と言えます。80歳まで20本を保つには小児期の対策が必要と考えます。そのことから、これから子どもの歯の健康について質問させていただきます。  子どもの歯の健康は家庭の状況に大きく左右される実態があります。先日、歯科医の先生にお話を伺ったところ、子どもの虫歯自体は減ってきている。理由としては様々ありますが、意識の高まりであったり、また、1つには、少子化の影響で子どもにお金をかけられるようになったからということもあるそうです。文部科学省の調査でも、この20年ほどで子どもの虫歯が減少しているとの報告があります。一方で、このコロナ禍により、経済的に困難な状況に置かれている家庭もあります。そういう御家庭が子どもの歯の治療を諦めたり、また、先延ばしをするということも考えられます。  子どもの歯の健康について市としてはどのように考えているのか、まずお聞かせください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 齋藤健康医療部長。 ◎健康医療部長(齋藤直昭) 子どもたちが心身ともに健全な発育、発達を遂げるために歯の健康は重要と考えております。本市といたしましては、食べる、話すなど、生活と深く関係する歯の健康づくりを支援できるよう、子どもたちや保護者に対して検診、相談、健康教育を実施しております。また、保護者だけでなく、子どもに関わる保育士や教員などに対しても講習会などを実施し、歯科保健の普及啓発に努めております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 本市で実施している幼児健診における歯科検診において、何らかの治療が必要と診断される人の割合と、具体的にどのような内容が多いのか、お聞きします。 ○議長(佐賀和樹 議員) 齋藤健康医療部長。 ◎健康医療部長(齋藤直昭) 幼児健診における歯科検診で治療が必要とされるもののほとんどが虫歯となっております。令和3年度の歯科検診で虫歯があると判定された子どもの数は、1歳6か月児健康診査では、受診者3,299人のうち20人、0.6%、2歳児歯科健康診査では、受診者2,893人のうち64人で2.2%、3歳6か月児健康診査では、受診者3,400人のうち284人で8.4%となっております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 今の数字でも、やっぱり小さいうちは虫歯が多いということですが、この虫歯について、文部科学省の調査によると、虫歯を持つ子どもの割合が、この20年ほどで急激に減少していることが分かりました。理由としては保護者の意識の変化が挙げられ、また、虫歯の減少と反対に、ここ数年に増加傾向にあるのが歯科矯正です。歯科矯正がこれほど注目される理由としては、歯科矯正で子どもの歯並びをきれいにしたいと考える親御さんが増えているからということです。  そこでお聞きしますが、現在、学校での歯科検診の結果についてお伺いいたします。 ○議長(佐賀和樹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) 市立小中学校での歯科検診の結果につきましては、5年ごとに統計を取っており、直近では平成30年度の虫歯のある児童生徒の割合は、小学校で15.5%、中学校で16.9%となっており、平成30年以前と比べると最も少ない数値となっております。一方、歯列、咬合、顎関節の検診項目において要受診となった児童生徒の割合につきましては、既に矯正治療中を含めた値となりますが、平成30年度は小学校が3.2%、中学校が3.6%となっており、以前と比べ増加傾向にあります。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 本市でも虫歯は減少傾向だが、矯正歯科は増加傾向にあることが分かりました。歯並びが悪いと見た目やかみ合わせの問題だけでなく、虫歯や全身の健康に影響します。頭痛や肩凝り、学習面では反対咬合、これは受け口のことですが――や開咬、奥歯がかみ合っても前歯がかみ合わない状態といった不正咬合の場合、サ行やタ行の発音が不明確になり、特に外国語は正しい発音ができないばかりではなく、ひどいときには相手に意味が通じないことも考えられます。また、歯が重なっているなど歯並びが悪いために、歯ブラシの先が隅々まで届かず、虫歯や歯周病といった歯の病気にかかりやすくなります。このように歯並びが健康に及ぼす影響が大きいと考えますが、お考えをお聞かせください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 齋藤健康医療部長。 ◎健康医療部長(齋藤直昭) 子どもの歯並びは成長とともに変化するものであり、歯並びの悪さが必ずしも健康に影響を及ぼすものではないと考えております。なお、顎変形症などの食べる、話すといった口腔機能に大きく影響を及ぼす疾患については治療を要する場合があり、これらを把握した場合は専門の医療機関を紹介しております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 子どもの歯科矯正については時期や治療方法など様々ですが、歯科医によると歯並びや滑舌が気になる場合など、生え変わりの時期にしかできない治療もあるとのことです。治療など、その子に合った時期、方法がありますが、保険適用になる範囲についてお伺いいたします。 ○議長(佐賀和樹 議員) 齋藤健康医療部長。 ◎健康医療部長(齋藤直昭) 令和4年10月現在、歯科矯正治療において公的医療保険が適用されるものは、厚生労働大臣が定める61種類の疾患で、これらに起因した顎の変形や、かみ合わせの異常について保険診療の対象となっております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 先ほどの文科省の調査にでも、歯科矯正が増加傾向にあるとのことです。歯科矯正には、ただいまお聞きしました保険診療の対象と、歯並びの場合など保険診療にはならず保険適用外になってしまい、高額な費用がかかるため、なかなか治療が受けられないというお声を、今年に入り私のところにも保護者の方からたくさんお声が寄せられました。この保護者の方からは歯科矯正に助成を望む声が多く寄せられています。子どもの歯並びが悪いままだと、将来虫歯や歯周病になりやすくなるなど健康リスクが高くなり、それだけではなく、見た目のコンプレックスにつながることや、食べ物がしっかりかめずに消化不良を起こしやすくなる可能性があります。  先日、歯科医の先生にもお聞きしましたが、歯科矯正は増えていますが、1期、2期、3期となる場合もあります。ただ、高額な治療のため1期でやめてしまう人も多いと伺いました。体の健康にまで影響を及ぼす可能性がある、こういう歯科矯正のことについて、早く取り除いてあげることが大切ではないでしょうか。保険診療の対象は国が決めることではありますが、市として将来を担う子どもたちが健やかに育つよう支援していくことも必要ではないでしょうか。市のお考えをお聞きします。 ○議長(佐賀和樹 議員) 齋藤健康医療部長。 ◎健康医療部長(齋藤直昭) 歯科矯正につきましては、先ほど御答弁させていただきましたとおり、口腔機能に支障を来すような疾患は保険適用となっていると認識しており、現状においては、それらの疾患に該当しない歯科矯正について市独自の補助を行うことは検討しておりません。なお、発育段階にある子どもの歯科矯正は、世帯収入にもよりますが、医療費控除の対象として認められております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) なかなか補助というのは厳しいのかもしれませんが、ただ、金額も、50万円、また、30万円、50万円、100万円とかかっています。高額医療費の控除があるとしても、それ以上のお金はやっぱりかかりますので、なるべく子どもさんにかかる費用、負担を和らげるためにも、ぜひ市のほうにも考えていただきたいということをお願いして、次の質問に移ります。  件名2「誰一人取り残さない教育行政について」  要旨1「ディスレクシアについての現状と理解について」お伺いいたします。  今月13日、文部科学省の調査で、通常学級に在籍する公立小中学生の8.8%に発達障がいの可能性があるとのことが分かりました。発達障がいは、その特性や現れる困り事によって大きく3つのタイプに分けられています。ADHD(注意欠如・多動性障がい)で、忘れ物や遅刻などの不注意、じっとしていられなかったり集中できないといった多動性、衝動性を主な特徴とする障がいです。ASD(自閉症スペクトラム障がい)、対人関係の困難や興味、関心の限定、特定の行動を繰り返すなどの特徴があります。LD(限局性学習症、学習障がい)、読み書きや聞く、話す、計算、推論することが著しく苦手な特徴があります。主に学習障がいと呼ばれることが多いということです。  今回は、LD(学習障害)の一つで、全体的な発達には遅れはないが、文字の読み書きに限定した困難さを抱えるディスレクシアについて質問させていただきます。
     最初に、ディスレクシアについて、主に就学期前後から明らかになる発達障がいの一種ですが、どういうものか、改めて教育委員会のお考えをお聞かせください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) ディスレクシアについてでございますが、学習障がいの一つのタイプとされ、全体的な発達に遅れはないものの、文字の読み書きに限定した困難がある状態を指し、発達性読み書き障がい、発達性ディスレクシアとも言われております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) ありがとうございます。  このディスレクシアとは、1896年、イギリス人医師のモーガンという方が最初に報告した学習障害(LD)の一種であり、ギリシャ語で困難を意味するディスと、読むの意味があるレクシアを合わせた単語です。御答弁にもありましたが、知能や聞いて理解する力、発話で相手に自分の考えを伝えることなど、全体的な知能の発達には問題はないが、文字の読み書きの能力だけに困難を示す障がいのことを言います。そのため、外見上はその困難さが目立たないことや、正しい理解がされていないことから誤解され、学業不振や不登校の原因になる可能性もあると言われています。  著名人では、ハリウッド俳優のトム・クルーズさんが、この障がいを世界の人に広く知ってほしいと、ディスレクシアであることを公表しています。子どもの頃にいじめに遭い、つらい思いをしてきたことや、俳優になってからも脚本の文字を目で理解することが困難であったため、周りの人に台本を読んでもらい、せりふを暗記して撮影に臨んでいたそうです。  ディスレクシアの発症率は欧米では10から15%、日本の小学生では約7から8%に存在すると言われており、したがって、読み書きを苦手とする児童はクラスに平均二、三人いると見られます。目には見えない障がいであり認知度も低いために、周りも本人も気づかず、努力不足だと周囲から怒られたり、自分は頭が悪いのだと自分を責めたりして幼いうちから自尊心を失ったり、学習意欲が低下したりと、深刻な問題につながっています。  筑波大学元教授、発達性ディスレクシア研究会理事長の宇野彰氏は、発達性読み書き障がいは、どの障がいよりも出現頻度が高いと言われているのに認知度が低い、また、人によって症状や程度の差が様々なので、大人になっても気づかないままという人も多いと言われています。障がいが正しく理解され、適切な支援につなげるためには、ディスレクシアと疑いのある児童生徒を早期に発見することが重要であります。  そこでお伺いいたしますが、本市では早期発見のためにどのように取り組まれているのでしょうか。お聞きします。 ○議長(佐賀和樹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) 本市では、ディスレクシアに特化した早期発見の取組は現在のところございませんが、担任と新入生サポート講師が連携し、学校生活における学習面や生活面等において困難な状況がないかどうか、きめ細かに児童の様子を見取るようにしております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 本市では早期発見の取組は現在のところしていないが、児童の様子をきめ細かに見ているとのことですが、気づかれずに見過ごされてしまう児童生徒もいるのではないでしょうか。  先日、茅ヶ崎市にあるNPO法人発達サポートネットバオバブの樹、理事で言語聴覚士の沖村可奈子先生からお話を伺わせていただきました。そのときにおっしゃっていたのが、ほかの苦手さ、ちょっと個性的とか、落ち着かないなど、併せ持った人たちは気づかれることもありますが、読み書きに限定した苦手さのディスレクシアだけのお子さんが一番気づかれにくいとのことでした。発達性読み書き障がいは周囲から気づかれにくいため、客観的な検査によって支援を必要としている子どもに早い段階で気づき、適切な対応につなげることが大切です。  6年前からスクリーニング検査を導入して、発達性読み書き障がいの支援に取り組んでこられたつくば市さんに取組を伺わせていただきました。つくば市では、小学1年生、中学1年生全員と中学2年生のほか、学校判断でディスレクシアの心配があるお子さんにスクリーニング検査を実施しています。特に小学1年生の場合、平仮名を習い終える夏休み前に検査を行い、子どもが読み書きに困難を感じていないかを確認します。平仮名は夏休み中にも勉強してもらい、同じテストを夏休み明けにも行います。その後、10月に入っても平仮名の読み書きが難しい場合、発達性読み書き障がいの疑いがあるとして本格的に個別の対応を始めるとのことでした。また、中学2年生で検査をするのは、中学2年生までに見つけ出すことで入試の際に合理的配慮で支援ができるためと伺いました。また、笠間市でも小学校1年生、中学校1年生全員にディスレクシアの検査を導入しているとのことです。  藤沢市でもスクリーニング検査を導入し、早期発見のため、しっかりと検査をしていく必要があると考えますが、御見解をお聞かせください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) 早期発見の取組についてでございますが、先進市の事例としてスクリーニング検査を行っていることは聞いております。本市としましては、学習障がいも含め、様々な発達障がいがある中でディスレクシアの検査を行うことについては、保護者の理解や体制の整備等、様々な課題が考えられますので、他市の事例等を参考に研究してまいります。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 検査の実施について、つくば市さん、笠間市では、保護者の方には丁寧にこの検査について案内をしているそうです。子どものためにも早期に発見し、支援を充実していくことが重要で、そのためには適正な検査が必要と考えますので、早急に体制を整えるよう期待しています。  また、発見できても教職員やスクールカウンセラーの理解がなければ正しい支援につながりません。そのお子さんに合った方法で指導や支援が必要となります。先生により気づきにも差が出たり、対応が違うのでは本当の支援につながらないと危惧しています。まずは教職員、スクールカウンセラーなど、障がいに対する理解を深めることが大事です。  宇野先生は、見た目では分かりにくい障がいであり、就学時の検査により早期発見するシステムを整え、検査、指導できる教員を養成していく必要があると指摘しています。先ほども紹介しましたつくば市では、毎年、市内45校全ての学校から1名ずつ先生を集めて専門的教育養成講座を開催し、ディスレクシアについての概要、検査方法、検査後の分析、支援方法等、専門的な研修を行い、先生の意識を深め、専門的な指導ができる教員を育成しています。本市においても教職員への研修が必要と考えますが、今後の研修についてお聞かせください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) 教員がディスレクシアの理解を深めるための取組についてでございますが、本市では毎年、教育文化センターにおいて、ディスレクシアを含む発達障がいを理解し、多様な教育的ニーズのある子どもへの指導と支援を進めるための研修会を開いております。今年度は国立特別支援教育総合研究所の総括研究員を講師として招き、研修を行いました。さらに、初任者研修など、教職員のキャリアステージごとに行われる経験者研修においても支援教育への理解について扱っております。今後も多様な教育的ニーズに合った研修となるよう、内容の充実を図ってまいります。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 本市も行ってくださっているとのことですが、つくば市のような専門的な指導ができる教員の育成が必要と申し述べておきます。  研修を受け、それをどう生かして支援につなげていくかが重要だと考えます。当事者の方から、先生により対応が違う、ディスレクシアだと気づかれなかったというお声もお聞きしました。学校現場において各学校、先生により対応が変わってはならないと思いますが、適切な支援につなげるため、研修を受けて学校現場においてどのような支援、対応が取られているのかお聞きします。 ○議長(佐賀和樹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) 教職員が子どもの読み書きに対する困難さに気づいた場合につきましては、個々の状況に応じた手だてや支援策について、担任や支援担当教員を中心として組織的に考えております。また、保護者や本人と面談を重ねる中で困り事などを共有し、必要に応じてスクールカウンセラーや学校教育相談センターにつなぎ、児童生徒が安心して学校生活が送れるよう努めております。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 先ほど御紹介したバオバブの樹の沖村先生から、藤沢市は近隣市の中でも比較的支援が進んでいるとお聞きしました。藤沢市の相談センターからよく紹介されているとのことでした。しかし、相談センターにつながった子は適切な支援を受けられていますが、見過ごされている子もまだまだいると言われていました。先生方には一人も見過ごすことがないよう、さらに意識を持っていただきたいと思います。  学校現場で発達障がいのお子さんの困難さに気づいて、ディスレクシアの疑いがあると思われる際、保護者との連携を十分に図ることが重要であります。さらに、学校だけではなく専門医の診断を必要とする場合もあります。医療機関との連携や、早い段階で適切な療育につなげる必要もあると考えますが、どのように連携を図っているのか、お聞きします。 ○議長(佐賀和樹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) 医療機関との連携についてでございますが、学校生活において困難を抱える児童生徒の相談ニーズがあった場合には、保護者の承諾を得た上で医師やメディカルソーシャルワーカーと連携を図り、支援の手だてを考え、必要に応じて適切な療育につなぐなどの取組を行っております。連携している公的な医療・療育機関といたしましては、神奈川県立総合療育相談センター、県立こども医療センター、県立精神医療センター及び藤沢市民病院がございます。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) 発達障がいの疑いが分かった場合、適切な支援につなげるためにも医療機関との連携は大事ですので、よろしくお願いいたします。  ここからは学校での学習支援についてお聞きします。  一口に発達性読み書き障がいといっても、一人一人違いがありますが、発達性読み書き障がいの子にとって大きな負担となるのが書くことです。黒板の文字をノートに書き写す、いわゆる板書に時間がかかるという傾向があります。そこで、1人1台使用しているタブレットで、ノートに書き写す代わりに文字を入力することや、タブレットで撮影したり、教科書についてもデジタル教科書のルビ振り機能や音声読み上げ機能を利用するなど、困難を抱えている子どもたちの学ぶ権利が保障されるよう、学校現場においてタブレット端末の活用やデジタル教科書を効果的に活用するなど、学習サポートが必要と考えますが、学習支援についてお聞かせください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) 学校における学習サポートについてでございますが、読み書き等に困難を示す児童生徒には、デイジー教科書という音声教材や、1人1台端末等を活用し視覚的、聴覚的なサポートを行っております。また、黒板の文字が見えやすいように教室の座席の配置に配慮したり、ルビつきの試験問題を準備したりするなど、一人一人の困難さの状態や教育的ニーズ、発達段階を考慮し、合理的配慮の観点を踏まえた支援に努めているところでございます。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川議員。 ◆25番(平川和美 議員) ありがとうございます。  当事者の保護者の理解はもちろんのこと、他の児童生徒や保護者の理解も必要だと考えます。合理的配慮への周囲の理解不足から特別扱いしているとの誤解や、理解してもらえないことから不登校やいじめにつながる可能性もあります。発達性ディスレクシアに関する周囲の理解が深まるよう、東京・練馬区が作成している、こちらになります。(資料を提示)「発達性読み書き障害早わかりガイド」、こちらがあります。これはダウンロードできますので、どなたでも見られるようになっております。漫画とか、こういう形で、すごい分かりやすくなっていますので。あと、先ほど御紹介しましたバオバブの樹の沖村先生も、このように2種類、「ディスレクシアについて知っていますか」ということでリーフレットも出しております。(資料を提示)こういうものを活用しながら、ぜひ学習会や、また研修会、講演会などを実施し、理解を深める必要があると考えますが、お考えをお聞かせください。 ○議長(佐賀和樹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) 周りの児童生徒や保護者への理解についてでございますが、児童生徒に対しては、障がいのあるなしにかかわらず、多様性を認め合い理解する関係が築けるよう、学校の教育活動全体を通して他者を尊重する態度を育む人権教育に取り組んでおります。また、保護者等に対しましては、講演会やリーフレットを通じて藤沢の支援教育について周知しているところでございますが、様々な配慮が必要な児童生徒への理解がより深まるよう、内容等を常に見直すなど工夫をしてまいります。 ○議長(佐賀和樹 議員) 平川和美議員。 ◆25番(平川和美 議員) ありがとうございました。  学習障がいにはいろいろあり、対応も一人一人違いますが、対応や支援によっては不登校の原因にもなります。最も多い不登校の原因は勉強が分からないことだそうです。宇野先生は、ディスレクシアは認知度が低い障がいであること、症状が人により様々であることなどから、見過ごされたり周りから理解されず、できないことを責められるなどして精神的にダメージを受け、二次的な影響が出る子もいます。障がいは病気ではなく、治るものではありませんが、得意なところを生かしながら、それぞれに合ったトレーニングをしたり、道具を使ったり、サポートを受けるなど、一人一人に合った学習方法や生活様式にすることで困難さを軽減することができるとおっしゃっています。  今後も本市のきめ細かいサポートを望み、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(佐賀和樹 議員) これで平川和美議員の一般質問を終わります。  休憩いたします。                 午後0時21分 休憩           ──────────────────────                 午後1時35分 再開 ○副議長(大矢徹 議員) 会議を再開いたします。  引き続き一般質問を行います。3番、山内幹郎議員。               〔山内幹郎議員登壇、拍手〕 ◆3番(山内幹郎 議員) 皆さん、こんにちは。日本共産党の山内幹郎です。私も、これが最後の一般質問になるかと思います。希望としては、これからの老後は自分らしい年金生活を楽しみたいと思ってはいるところですが、暗雲垂れ込める状況下で、またこれからも一市民として駅頭で平和友好を訴え続けたいとも思っております。これからもどうぞよろしくお願いいたします。  さて、今回のテーマは有機フッ素化合物の汚染についてであります。たまたまちょうど今年9月の決算議会のときに、有機フッ素を含む泡消火剤の漏出事故が米軍厚木基地で起きたところです。そして、11月23日に、私も属する日本共産党の神奈川県委員会主催のシンポジウムが大和のシリウスで開かれたところです。今回のテーマも、そして今日用いております多くの資料も、そのシンポジウムで公表されたものを使いますので、最初に、このシンポの概要を紹介させていただきたいと思います。  このシンポのメインの講演は、元神奈川県環境科学センター職員で、また、元静岡理工科大学教授の惣田昱夫氏でありまして、「PFOSをはじめとした有機フッ素化合物の有害性」というテーマでありました。そして、県内で基地を抱える自治体の議員、横須賀市、綾瀬市、座間市、各市の議員から、それぞれの地域での汚染状況の報告と、県議会議員からは、県議会として初めて抜本的対策を求める意見書を全会一致で可決したこと、そして、国、県、市による厚木基地への立入調査が行われたことが紹介をされたところです。また、このシンポには沖縄の議員もオンラインで参加しまして、沖縄の汚染状況と最近取り組んだ大規模な血液検査の中間報告もされたところであります。  実は、私自身も、日本国内の米軍基地における泡消火剤を発生源とする汚染問題が各地で報道されるようになって初めて、この化学物質がかつて問題となりました、テフロンフライパンに含まれていました有機フッ素化合物のPFOS、あるいはPFOAと同じものだったことに気づかされたという次第でありました。  問題になっている有機フッ素化合物(PFAS)について、ここで簡単に触れさせていただきます。このPFOSやPFOAなどの有機フッ素化合物は、およそ5,000種類の合成化学物質の総称でありまして、炭素とフッ素が鎖状につながった物質で、自然界では極めて分解されにくく、フォーエバーケミカルズと呼ばれております。人や動物では長く蓄積され、発がん性など6つの病気との関連が、2004年からのデュポン社に対する7万人の集団訴訟の中で明らかにされたという歴史が知られているところです。PFASは1938年にデュポン研究所で発見され、戦後、テフロン製品として、また、今もある3Mのスコッチガード、あるいは、1970年代からは泡消火剤の用途などで幅広く使われるようになりました。2000年代の年間生産量は約50万トンとされることが、これは岩波ブックレット№1030の、ミッチェル氏の書いた「永遠の化学物質 水のPFAS汚染」に紹介されているところですので、引用させていただきました。  さて、この問題は既に神奈川県でも、また、綾瀬市、大和市、座間市、横須賀市などでは議会でも質疑されてきているところであります。藤沢市では議会対応が遅れましたが、既にデータも資料もありますので、市民の健康影響についてこれからしっかりとフォローして、議員の皆さん、市民の皆さんと共に情報共有していただけたらと思います。  それでは、本題に入りたいと思います。なお、以下、有機フッ素化合物という言葉を、先ほども使ったわけですが、多く使いますので、適宜、英語の略称のピーファス(PFAS)と略すこともありますので、よろしくお願いいたします。  それでは、モニターをお願いいたします。(資料を表示)  件名1「有機フッ素化合物汚染について」  要旨1「藤沢市、県、国の汚染状況の概要について」であります。  早速、神奈川県内でのPFAS汚染についてですが、資料を見たところでは、県では既に2007年から県内17河川のPFOS、PFOAの調査を行っております。その結果については、2016年の神奈川県の環境科学センター研究報告№39に記されております。それによりますと、2007年の引地川富士見橋のPFOS濃度は180ナノグラム・パー・リットルであり、これは同年の環境省の全国調査におけるPFOSの最大濃度、140ナノグラム・パー・リットルと比較して1.3倍であったと記録されていることは、大変重大な問題であります。本市のホームページでも、引地川富士見橋と境川の境川橋の2015年からのPFOSとPFOAを足した、その経年変化が示されておりまして、富士見橋の値は測定開始以来一貫して、50ナノグラム・パー・リットルの指針値をオーバーしておりまして、これも大問題なところです。  それでは質問ですが、まずは、藤沢市のホームページにあるPFOS+PFOAのこれまでの調査結果につきまして、神奈川県や国の調査結果とも比べて概括的にお聞きしたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 福室環境部長。 ◎環境部長(福室祐子) 山内議員の一般質問にお答えいたします。  PFOS及びPFOAについては、世界的に製造、輸出入、使用の制限等が規定され、国内においても製造及び輸入が事実上禁止されております。なお、環境省においても、平成25年度に公共用水域における要調査項目として位置づけ、知見の集積を図り、令和2年度に要監視項目として位置づけられ、指針値が定められました。また、水道水質基準については令和元年度に暫定目標値が設定されました。  これまでの調査概要についてですが、神奈川県においては、平成19年度から平成23年度及び平成29年度から平成30年度に概況調査を実施し、比較的濃度の高い引地川の詳細調査を実施したところ、大和市の福田1号橋を境に、当該地点より下流で指針値を超過しました。また、引地川に合流する蓼川の綾瀬市の藪根橋においても指針値を超過していました。  令和元年度に環境省が実施した全国存在状況把握調査においても、引地川で指針値の超過があり、令和2年度の同調査では、綾瀬市内の地下水で指針値を大きく超過する地点が確認されました。その結果を受けて神奈川県が周辺調査を実施しましたが、本市を含む周辺5地点の井戸調査では指針値の超過はなく、地下水の汚染は確認されませんでした。  本市におきましても、環境省や神奈川県の調査結果を踏まえ、平成27年度から調査を開始しております。 ○副議長(大矢徹 議員) 山内議員。 ◆3番(山内幹郎 議員) これが今話された結果の一つです。(資料を表示)答弁にありますように、本市でも2015年より独自に調査をされ、神奈川県の調査と同様、藤沢市の調査でも引地川富士見橋においては一貫して暫定指針の50ナノグラム・パー・リットルの値を超えた状態が続いております。  続けて、引地川流域のPFASの結果は、先ほどその概要を答弁していただきましたが、2020年より継続調査されております。この暫定指針である50ナノグラム・パー・リットルを基準にして測定地点を、基準を超えたところ、赤丸と、以内のところ、未満のところを青丸でプロットしてみました。  それでは質問です。国の報告によりますと、この暫定指針を超える値の場合には、1つ、注意喚起、2つ目に継続検査、3つ目に汚染範囲の把握などの追加調査を行うということになっておりますが、これまでの調査では富士見橋だけではなく下土棚大橋でも値が高かったわけですが、この点、具体的にはどのように対応されたのか、伺いたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 福室環境部長。 ◎環境部長(福室祐子) これらの国の調査結果を受けまして、本市では令和2年度に県及び上流市と連携し、引地川の水質の監視を継続していくこととしました。また、引地川及び境川へ流入する支川について調査を行い、藤沢市域を流れる支川において指針値の超過はなかったことを確認しております。なお、これらの調査結果につきましては、ホームページで公表しております。 ○副議長(大矢徹 議員) 山内議員。 ◆3番(山内幹郎 議員) 引地川支流では高くはなかったということでありました。そうすると、もうこの図で見るように、汚染源は引地川本流と蓼川に挟まれた場所であります米軍厚木基地が大変疑わしいことになります。そして、9月24日には厚木基地内で、このPFASの流出事故が実際に起きたわけですから、これはもう普通は現行犯であるわけであります。しかし、日米地位協定があるために、なかなか現場を調べることもできない状況が続きました。いまだに河川の汚染責任を認めないなど、こんなことがあっていいのかと思うわけです。  次の要旨に進みます。  要旨2「水道水、地下水、農業用水の汚染について」です。  市民の最も関心のある飲み水の安全性についてです。水道の水、井戸の水、あるいは引地川の水を農業用水として用いている農産物の汚染についても調べなければなりません。まず水道水ですが、本市の水道水を取水している寒川浄水場のある相模川上流の座間市の状況ですが、座間市でも以前からPFASの汚染が問題になっております。これは2022年4月1日の記事ですね。具体的には、2021年、2022年の神奈川県による相模原市と座間市内の調査では、飛行場のある米軍キャンプ座間に隣接した河川、鳩川の数か所で暫定指針を上回る有機フッ素化合物が検出されております。  このように、鳩川の各測定地点でのPFASの値は県ホームページで見ることができます。さらには、座間市の地下水、これが問題ですが、地下水の追加検査では、基地に隣接した緑ケ丘の井戸で暫定指針を超過したほか、その後、さきの新聞報道で見ましたが、あるように、この表にある栗原地区の水源用地下水でも暫定目標値を超過し、ついに座間市民の水源の一つが取水停止となったわけであります。このように、相模川上流の支流ではPFASの汚染が進んでいるわけで、寒川浄水場の水も安心できない状態であります。  そこで質問です。当時と今の寒川取水場での水質は、国のほかの取水場の値と比べてどうなのか、お聞きします。 ○副議長(大矢徹 議員) 福室環境部長。 ◎環境部長(福室祐子) 神奈川県の公表資料によりますと、令和2年度の県営水道の寒川浄水場の原水及び浄水につきましては、いずれも水道の水質目標設定項目の目標暫定値を下回っていることを確認しております。 ○副議長(大矢徹 議員) 山内議員。 ◆3番(山内幹郎 議員) あっさりと目標暫定値を下回っているとの答えでありました。  これが、今、御答弁されました寒川浄水場のいただいたデータです。ちなみに、全国的には水道源水を地下水から取水するようなところでは暫定目標値を上回り、取水停止するような、さきの座間市だとか、ほかにも沖縄嘉手納基地の近くの水源もあるわけですが、幸い、寒川では大きな河川から取水しているところなので、暫定目標値を下回っているということかもしれないと思っております。  ただ、この表で気づきますのは、PFASであるPFOS及びPFOAの検出限界が5ナノグラム・パー・リットルとなっていることに注目したいと思います。先ほど見た引地川での神奈川県や藤沢市の調査でのPFOSの検出限界は、0.1ナノグラム・パー・リットル及びPFOAの検出限界は0.2ナノグラム・パー・リットルと記載されておりました。飲み水の水質検査のほうが河川の水質検査より検出精度が50倍も低いということを指摘させていただきたいと思います。さらに言えば、アメリカやEUのPFASの指針がますます厳しく、低くなっていく今の情勢の中で、こんな検査では安心できないと思います。寒川浄水場のPFASの検出精度を引き上げるべきことを要望したいと思います。  次に、井戸水についてです。まず、綾瀬市のことですが、ここでは厚木基地の南側の本蓼川地区の井戸で、2020年に1,300、2021年には2,600ナノグラム・パー・リットルという高濃度の汚染が見つかりました。そこで井戸水飲用を控えるようにとのチラシが配布されたということです。本市の引地川周辺の井戸の調査について伺いたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 福室環境部長。 ◎環境部長(福室祐子) 綾瀬市本蓼川地区の井戸におきまして、PFOS及びPFOAが高濃度で検出された事案につきましては、令和2年度に環境省が実施した全国存在状況把握調査において判明したものでございます。その結果を受けて、神奈川県が主体となり、上流市と連携し、本市内1地点を含む発生源周辺において地下水調査を実施しましたが、全ての地点で暫定目標値以下であったため、本市の井戸において汚染はないと考えております。  引地川及び流入する支川の調査結果から、汚染源が上流域にあると考えられますが、今後の状況に応じて調査を検討してまいります。 ○副議長(大矢徹 議員) 山内議員。
    ◆3番(山内幹郎 議員) これがその結果であります。今のところ引地川流域での地下水汚染は、この綾瀬市の厚木基地の南側の本蓼川地区だけで、その後の周辺地区での井戸水調査、具体的には引地川本流と蓼川に囲まれた地域の井戸5か所では、いずれも汚染はなかったとしております。しかし、本当にこれで将来にわたって汚染されないと言えるでしょうか。  この報告の右側の3のところに書かれている今後の対応についてを読みますと、引き続きPFASの把握に努めますと書かれております。この点について少し地下水のことを勉強してみました。これは内閣官房水循環政策本部の地下水についての解説書です。これは昨年8月に書かれたものです。これには、地下水の場合は川などの地表水と異なり、汚染物質が入ると数年、数十年かけて下流に影響が出る場合もあるとのことです。この地下水汚染は飲み水ともなる最も肝心なことなので、PFASによる地下水汚染について全国での事例が3例あるので紹介したいと思います。  最初は大阪の摂津市です。上の欄の項目名を書き忘れましたが、この大阪府の地下水、赤いところですが、先の43.6というのはPFOSの値です。その次の1,812、基準を超えている、ここはPFOAの値で、その次が両方を足した値になっております。PFOAが指針を超えているということになります。次は、沖縄の宜野湾市のデータです。ここも、宜野湾市、下から5つ目ほど読みますと、PFOSで1,110、PFOAで193という基準を、指針をオーバーしているデータになっております。3番目は東京・多摩地区で今問題になっている、横田飛行場のある下流のところなんですけれども、ここでもそのことが確認できます。この3者とも、2019年からの国のPFOS及びPFOA全国存在状況把握調査結果一覧の中に、いずれも過去の調査からPFASの検出が見込まれた地区として測定地点として選択されたと書かれているところです。以上の3地点では、PFASが地下水や農業産物に入り、人体に取り込まれ、血中濃度を高め、後で触れますが、様々な影響をもたらしている事例とされているわけです。  申し遅れましたが、これらの事例の出どころは、全て沖縄、大阪、多摩地区で研究を続けられている京都大学大学院環境衛生学の小泉教授が公表している資料を使わせていただいております。  さて、将来的に大変懸念される、この地下水汚染ですが、今のところ藤沢市内では高くはないとのことでした。しかし、卑近な例ですが、私の家の近くの引地川近くにも皆さんがよく使っている井戸水があり、時間帯によっては行列ができている日もあります。私も、水道水よりおいしいので時々利用させていただいておりますが、PFASのことを調べると大変不安です。  そこで質問です。神奈川県の資料を読みますと、この井戸水の調査は各自の自己負担でやるように書いてあるわけです。井戸水が汚染されたのは市民に責任があるわけではない。何万円もするような、この水質検査を市民に負担させるべきではないと考えますが、いかがでしょうか。少なくとも市としては水質検査費用の一部だけでも助成すべきと考えますが、見解を伺います。 ○副議長(大矢徹 議員) 福室環境部長。 ◎環境部長(福室祐子) 井戸水の飲用につきましては所有者の責任において行われるものでございますので、水質検査費用の助成は考えておりませんが、今後市内で汚染が確認された場合は、国、県と調整を取りながら、本市において調査実施の検討をしてまいりたいと考えております。 ○副議長(大矢徹 議員) 山内議員。 ◆3番(山内幹郎 議員) 助成はできないということでした。  確かに、もっと発生源に近い引地川周辺地域で指針を下回っていたということと、費用助成については助成の基準が決められないという理由でありました。しかし、今後市内で地下水汚染が確認された場合には検討するとの話でありました。  さきの神奈川県の2021年春の地下水調査は、別のところでも実施したと書かれてありました。また、引き続き調査する旨が記されておりますので、藤沢市としても独自にも、引地川周辺のPFASの調査範囲を広げ、飲み水として利用している井戸水の検査をすることを要望いたします。  次に、農業用水についてです。あらかじめ藤沢市での引地川からの農業用水の利用についての聞き取りでは、藤沢市内では13の水利組合があり、面積が60ヘクタール、農家戸数が364戸が登録されているとのことでした。実際に利用されているかどうかまでは分からないとのことでしたが、それでもかなりの戸数が引地川の水を利用しているからには、汚染水の影響があるかと考えるわけです。  そこで質問です。引地川の水を農業用水として利用している農家への周知と、土壌調査などの対応状況について伺いたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 福室環境部長。 ◎環境部長(福室祐子) 現在、国や県におきまして、水田土壌や農作物へのPFOS及びPFOAの蓄積などに関する評価基準については設定がなされていないため、市では農家への周知や土壌調査を実施しておりません。 ○副議長(大矢徹 議員) 山内議員。 ◆3番(山内幹郎 議員) 確かに、国の土壌や食べ物中のPFASの評価基準がなければ、単に風評被害をあおるだけともなりかねません。今日の私の質問も責任を伴うものになりかねませんが、あえて市民の健康を考えて質問させていただいております。御了解ください。  次に、大切な、要旨3「人体への影響について」の質問です。  最初に、人体への影響について、暫定指針とはどういうものかを伺いたいと思います。これまで日本では50ナノグラム・パー・リットルという暫定指針というものを使ってきました。最近、アメリカではさらに厳しい指針を検討しているとのことです。この辺のところを御説明いただきたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 福室環境部長。 ◎環境部長(福室祐子) 暫定指針につきましては、令和2年5月28日付の環境省水・大気環境局長通知「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について」によりますと、現時点では毒性学的に明確な基準値及び指針値の設定は困難であるものの、各国、各機関が行った評価の中で妥当と考えられるものを参考に、暫定的な目標値として設定したものとされております。  また、世界での基準の見直しについては、ドイツの健康関連指針値は、PFOS、PFOAとも水1リットル当たり300ナノグラムですが、米国環境保護庁の飲用水に関する生涯健康勧告値では、これまでPFOSとPFOAの合算値を水1リットル当たり70ナノグラムとされていたものが、令和4年6月にPFOSが暫定で水1リットル当たり0.02ナノグラム、PFOAが暫定で水1リットル当たり0.004ナノグラムに引き下げられております。 ○副議長(大矢徹 議員) 山内議員。 ◆3番(山内幹郎 議員) ここで、初めに紹介しましたシンポジウムでの惣田先生の講演レジュメからPFASについての規制の経緯について御紹介したいと思います。  ここでは、2004年のPFASを初めて製造したデュポン社を訴える裁判の中で、7万人の疫学調査が行われ、PFOAとがんについての関連が初めて明らかにされたことが重要です。そして、アメリカ環境保護庁(EPA)をはじめ、国連、欧州などの知見が示される中で、今回のEPAの見解が示され、規制する方針が示されたとのことでした。  6月15日に発表された、さきのEPAのPFASに関するガイドラインの内容と、その理由には次のように書かれております。PFASが発がん性や免疫力の低下など人体に及ぼす悪影響の可能性を踏まえ、基準を全般的に大幅に強化したと。惣田先生によりますと、毒性の観点からの評価ではなく、発がん性、あるいは特に免疫力の低下などの指標での評価であるということでした。  次に、食物摂取からの取り込みについてです。引地川ではコイとか、ボラの子どもをイナッコと呼びますが、それを釣っている人がおられます。魚の中の含有量を調べるべきだと思いますが、見解を伺います。 ○副議長(大矢徹 議員) 福室環境部長。 ◎環境部長(福室祐子) PFOS及びPFOAについては、現在のところ農作物を含む生物に残留、生物濃縮している濃度等の具体的な知見も十分に集まっておらず、環境省からも明確な判断基準は示されておりません。現在、暫定指針値として設定されている水1リットル当たり50ナノグラムという数値は、毎日2リットル飲み続けても安全とされる数値であることから、引地川については直ちに健康被害が生じるものとは考えにくいため、引き続き水質調査を継続し、状況の把握に努めてまいります。 ○副議長(大矢徹 議員) 山内議員。 ◆3番(山内幹郎 議員) これも、市から提供いただいた2020年度の環境省による生物モニタリング調査分析結果データです。水質データとは単位は違って、これはピコグラム・パー・グラムウェットになりますが、水質にこれを合わせればナノグラム・パー・キログラムウェットとなりますので、生物による、このPFOSの蓄積の程度は、この表でも見ることができます。  例えば、この表で神奈川県川崎市扇島沖のスズキのPFOS濃度は570ナノグラム・パー・キログラムウェットということになりますので、水質の暫定指針の50ナノグラム・パー・リットルの10倍となっております。しかし、この点も、御答弁されたように土壌と同じで、判断基準をまだ国は示していないということでした。私は、生物蓄積性の最新の知見から早急に判断基準を示すべき今日の段階であることを申し上げて、国へも要望することを求めたいと思います。  次に、血液検査の意義についてです。この点は人体への影響ということで重要なので、日本国内で分かっている先ほどの3事例について詳しくお示ししたいと思います。これは、冒頭示しました11月のシンポジウムで、オンラインで参加した沖縄の議員からの報告資料です。今年の6月から7月にかけまして、沖縄の6市町村の387名のPFASの血中濃度の測定を、先ほどの京大大学院環境衛生学教室が行った、その中間報告でありました。  このように、全国調査と比較して、沖縄のPFASの血中濃度について、沖縄のPFOSは環境省の同時期、2021年調査と比べて1.5から3.1倍であること、また、PFOAは、同0.8から3.0倍であることが中間報告されたわけです。1つだけコメントしますと、人のPFASの血中濃度の単位はナノグラム・パー・ミリリットルでありまして、さきの水質の測定単位の1,000倍の濃度だということです。人の血中濃度は自然界のものに比べて1,000倍高いことを覚えておきたいと思います。  次に、これは大阪府摂津市のデータです。ネット動画では、京都大学の小泉教授は、地下水汚染が確認されている摂津市の住民の血漿中のPFOAの濃度は、非汚染地区と比べてこのように明らかに高く、また、1年後に同じ人を調査しても、ほとんどデータが変わらなかったことを述べています。その危険性を訴えているわけです。ちなみに、この表の住民の8番の方の2021年のPFOAの値は103.4ナノグラム・パー・ミリリットルでしたが、これは前の表の住民Aさんと同じ人であり、1年前のPFOAの値は110.4ナノグラム・パー・ミリリットルと、ほとんど変わっていないことが分かります。  事例の3つ目は東京・多摩地区のデータです。2020年の調査結果の概要がネットに公表されていました。これでも概要が分かるわけですが、11月のシンポジウムでの惣田先生のレジュメにも、この結果の統計的分析が記されております。これによりますと、府中地区のPFOS及び府中地区と国分寺地区のPFヘキサスルホン酸の血中濃度は、コントロール群に比べて有意に高いことが記されているわけです。  次の質問です。沖縄県などの地域において、水道や河川からPFOS、PFOAが検出されている問題で、市民団体が研究者と一緒になって住民の血液検査を行い、血中濃度の高い結果が出たと発表しております。引地川では長い間、暫定指針を上回る汚染数値が検出されているところです。引地川周辺においてもリスクの高い人から血液検査をすべきと考えますが、市の見解を伺いたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 福室環境部長。 ◎環境部長(福室祐子) 引地川につきましては、水道水源になっていないこと、地下水の汚染がないこと、また、飲用している井戸の実態がないことから、本市といたしましては現時点での血液検査の実施は考えておりませんが、今後、国、県の動向を注視しながら必要に応じて検討してまいります。 ○副議長(大矢徹 議員) 山内議員。 ◆3番(山内幹郎 議員) 一言申し添えますが、世界では指針値の見直しが検討され、環境省においてもアメリカなど、国際動向を見守る姿勢を今示しております。国内においても京都大学の大規模疫学調査が沖縄では調査が終わり、多摩地区では現在進行形です。間もなく研究報告がされることになっております。  本市においても沖縄、多摩地区ほどではないにしても、中間的な汚染レベルであることから、この新しい汚染物質における人体影響を調べる意義があると思います。沖縄や多摩地区の汚染状況を調べるためにも、しっかりとした比較調査が必要になります。沖縄や多摩地区を人ごととするのではなく、自分事として調べることを要望いたします。  では、何のために血液検査が必要なのかですが、PFASの人体影響について小泉教授が示している低出生体重率の統計を示したいと思います。ここで赤字の地区が水道水汚染が疑われる地区で、御覧のように、非汚染地区と比べて低出生体重率が高いというエビデンスが沖縄で認められているところです。次に、大阪府摂津市でも同じようなことが示されていることを付け加えたいと思います。  最後に、人体被害については、デュポン社に対しての2004年からの裁判について触れたいと思います。この裁判の中で、工場周辺の7万人の血液検査の結果、ここにありますように、血液濃度が高い人は、高コレステロール、妊娠性高血圧、甲状腺疾患、精巣がん、腎臓がん、潰瘍性大腸炎の発症率が上昇していたとのエビデンスが、2012年のこの裁判の経過において確認されたところです。これは大変重要なことであります。この7万人という集団訴訟という、恐らく史上最大の裁判が始まったのは、既に18年前の2004年のことであります。日本ではこのことをほとんど知られていないのではないでしょうか。私もシンポジウムの資料を読むまで知りませんでした。しかし、資料を読み、2019年に公開されたデュポン裁判のことを描いたアメリカ映画「ダーク・ウォーターズ」を見て初めて、この事態の重大性を認識したという次第であります。  藤沢市のことを顧みますと、2007年には河川のPFOS水質濃度としては日本一の汚染水質であったこと、そして、それから15年間、国の水質暫定指針を超え続け、しかも、この水を利用し続けている引地川であります。こんなことを放っておくことはできません。藤沢市においても周辺住民の血液検査の必要性を重ねて訴えるものです。  では、人体影響についての質疑を終えまして、要旨4「排出源対策について」伺います。  PFOAとその塩の使用は、2021年10月のいわゆる化審法、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律改正により、製造及び輸入が原則禁止され、あらかじめ聞いたところでは、当藤沢市においてはこれらの物質は使用されていないということでした。  次に、質問ですが、古い泡消火剤はいまだ使ってよいことになっているようですが、廃棄すべきと考えますが、現在どのようにされているのか、伺いたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 福室環境部長。 ◎環境部長(福室祐子) 環境省及び消防庁におきまして、PFOSによる環境汚染を未然に防止するため、消防設備の点検等の機会を捉えて、可能な限りPFOS含有消火器等の代替製品への切替えをお願いしております。本市の消防局では届出や検査等の機会を捉え、周知を行い、切替えを推奨していると聞いておりますが、環境部としましても消防局と連携を図り、周知をしてまいります。 ○副議長(大矢徹 議員) 山内議員。 ◆3番(山内幹郎 議員) 古い泡消火剤の事故が米軍基地等で頻発しているわけでありますから、速やかな周知指導を求めるものです。  最後に、件名最後の要旨は「米軍基地からの汚染対策について」です。  これは、東京新聞さんが整理しました米軍基地周辺のPFAS汚染問題の経緯です。これまでの質問で事例として取り上げてきた沖縄、東京・多摩地区の事例では、汚染による人体影響、とりわけ血液検査の要望が広がっていることは、さきに述べたところです。この点についてですが、質問です。全国、また横須賀市、厚木基地での流出事故と、藤沢市の汚染状況と被害も踏まえ、藤沢市でも横須賀市、綾瀬市と大和市がやったような立入調査を行い、泡消火薬剤の保管、調整池の現地確認視察と採水などを求めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。 ○副議長(大矢徹 議員) 福室環境部長。 ◎環境部長(福室祐子) 厚木基地につきましては、綾瀬市及び大和市に立地している施設であることから、本市として基地への立入調査等を求めることは考えておりませんが、本市など米軍基地に関係する県内8市と県で構成する神奈川県基地関係県市連絡協議会として、これまでPFOS等流出対策等について要請を行ってまいりました。今後も厚木基地に起因する問題解決のため、必要に応じて要望等を行うことが重要であると考えております。 ○副議長(大矢徹 議員) 山内幹郎議員。 ◆3番(山内幹郎 議員) 最後になります。沖縄と多摩地区における基地周辺の水質調査と血液検査に取り組んでこられた、京都大学大学院環境衛生学の小泉教授の提言を紹介したいと思います。  本提言は2020年の8月に「沖縄タイムス」に掲載されたものです。これは前文5段落ありますが、結論の後半の3段落を読み上げて、私の要望として共有させていただきたいと思います。  「PFOSは発がん性や、低体重児の出産など子どもの発育への影響が指摘されている。今後、新たな有害性が明らかになる可能性もある。嘉手納井戸群は重要な水源の一つで、県民の飲み水になっている。水源の上にある汚染された土壌を放置していては危険だ。政府には危険な飲料水をつくらない、守るという立場を明確にしてもらいたい。そこで提案したい。政府は土壌汚染対策法を整備し、PFOSなどによる汚染が判明した時点で、米軍に対策を求められるように変えるべきだ。汚染土壌を米本国へ早期に持ち帰って処理させるなど、具体的に求める必要がある。日米地位協定の見直しは必須だ。この問題は沖縄だけにとどまらない。米軍基地のあった場所や、基地のある全国各地で同様の環境汚染が生じている可能性は高い。日本政府は基地問題としてではなく、環境問題として捉え、国民の健康を守るという大局的な視点に立って対策を進めるべきだ」。  以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(大矢徹 議員) これで山内幹郎議員の一般質問を終わります。  休憩します。                 午後2時17分 休憩           ──────────────────────                 午後2時30分 再開 ○副議長(大矢徹 議員) 会議を再開いたします。  引き続き一般質問を行います。18番、井上裕介議員。               〔井上裕介議員登壇、拍手〕 ◆18番(井上裕介 議員) 皆さん、こんにちは。それでは、早速でございますけれども、一般質問をさせていただきたいと思います。  まず、件名の1について。「市民窓口センターについて」であります。  要旨については課題ということでありますけれども、今までも議会の中で、この窓口の課題、特にこの民間委託、行財政改革という名の下に民間委託の方式を取って、それがどうなのかと。検証するにも効果というものがなかなか見当たらない、そして実感がないと言われる中で、先日、前議会ですか――でも質問をさせていただいた際でも、平均で約2時間41分の平均の待ち時間になってしまっているということで、市民サービスが向上をしているということには到底結びつかないという状況であったと思います。  その中で、私がこの6月議会で課題提起という中で議論をさせていただいた中で、いろいろ工夫を凝らして官民連携をして、スムーズにワンストップでつなぐということが、今されているとは思うんですけれども、その効果がどうなっているのかということも、またこれからしっかり検証していかなくてはならないと思います。  その上で、私なりにいろいろ調べていく中で、この待ち時間というものをどのように、例えばしていくべきなのか。そもそも市役所にいなくてはならないのかとか、待ち時間が長い、例えば遊園地であれば、今、ファストパス制度とかがあったりとか、そこを予約することによって待たなくていいとか、優先順位がいろいろあるとか、そういった工夫が凝らされて、ストレスなく遊んでいただくということで、市民サービスも同じ発想に立たなくてはならないのかなと私は思っております。  そこで、まずお聞かせをいただきたいんですけれども、このストレスを感じることなく待ち時間を見える化というんですか。そういったことの現状の取組についてお聞かせをいただきたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 平井市民自治部長。 ◎市民自治部長(平井護) 井上議員の一般質問にお答えいたします。  市民の待ち時間に係る対策についてでございますが、本市では番号発券機を使用し、発券用紙に記載された2次元コードをお手元のスマートフォンで読み込んでいただくことで、呼び出しの順番を確認できる仕組みを導入し、お待ちになる市民が一時的に離席できる環境を整えております。また、窓口カウンターの上部に設置した電光掲示板に各種届出の待ち人数を表示するほか、市のホームページにも窓口の混雑状況を表示しております。 ○副議長(大矢徹 議員) 井上議員。 ◆18番(井上裕介 議員) 御答弁ありがとうございます。  今、何もしていないわけじゃないということで、このような取組をしているということで、例えばスマートフォンで読み取りというところがあったりとかというところで、離席していても見ることができるという環境にはあるということであると思うんですけれども、そこで、その環境について、私もいろいろ調べさせていただいて、課題があるのではないかなと実感をいたしております。例えば2次元バーコードということで、今、バーコードリーダーとかって、すごく主流になってきて、いろいろな部分でプロフィールがそのまま飛ぶとか、見たい情報に飛ぶとかというのがあると思うんですけれども、ワンストップ化というと、なかなかワンストップにつながっていないのかなという気もいたします。  そこで、課題について、まず、どこが課題なのかということを少し課題共有させていただきたいので、ちょっとモニターをお願いできればと思います。(資料を表示)これが、例えばネットから窓口の混雑状況というところで見られる状態になっているんですけれども、それぞれ、例えばこの情報であれば、市民窓口センターで10人ということになると思うんですけれども、ここでの課題が、例えば戸籍、住民異動、印鑑登録・廃止、また、マイナンバーというものも、例えば、今、少し落ち着いてきていると思うんですけれども、繁忙期というのは、すごい待ち時間になっていたりとかというところで、市民の方からも非常に、なかなか意思の疎通が合わなくて、市民の方が少し御気分を害するような対応になってしまったりというのも、非常にいただきました。  その中で、一元的に、この窓口センターで10人という人数になってしまっていて、どこが、何が混んでいるのかというのが分かりづらいということであって、この点が非常に課題になっているんですけれども、改善に向けた取組をすべきと思いますけれども、いかがお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 平井市民自治部長。 ◎市民自治部長(平井護) 議員御指摘のとおり、市のホームページにおける戸籍の届出や住民異動届、マイナンバーカードの申請など、市民窓口センターに係る各種手続に関しましては、手続種別ごとの待ち人数が確認できない表示となっておりますので、早急に改善してまいります。 ○副議長(大矢徹 議員) 井上議員。 ◆18番(井上裕介 議員) ぜひ改善をしていただきたいと思います。全然難しいことではなくて、市民側、従事者側ではなくて、市民窓口センターで情報発信しているという観点に立ってしまったら、こういうことになってしまうと。ただ、市民側から見れば、どこで何が混んでいるのかというものは、もっと細かくしっかりと発信をすることによって、では、今日は混んでいるからやめようとか、あしたにしようとか、時間をずらそうとか、そういった視点というものを見える化というものを、しっかり進めるべきかなと思います。  そこで、私の提案として、この2時間41分から見えてくる課題というところで、ストレスなく待ち時間というものも、時間の有効活用をしていただくという方法をしていくべきではないかなと考えております。いろんな全国の事例、これはやっぱり行政とか市役所となると、窓口というのは1丁目1番地とも言われる、一番利用率の高いところとなって、様々な工夫を凝らすというところもされていて、いろんな工夫をしなきゃいけないなと思っております。それは、待つ場所がというんですか。この、例えば1時間、2時間待つ場所が、どのぐらいかかるのかも分からない中で、あのロビーにずっと待っていなきゃいけないのかと考えたときに、もっと分かりやすく伝われば、車にいたってよいし、買い物に行ったっていいし、今、コロナ禍と言われる中では、密を避けるという状態の中では、あそこに一時期、本当にこんな密になっちゃっていいんですかというお声もあったんですけれども、繁忙期になればフロアがすごい人数になるわけじゃないですか。そこを見える化することによって分散をするとか、車で待つ、ショッピングに行く、ランチに行くとかと、いろんな方法を考えられると思うんですけれども、それがなかなか情報発信がされない、見えにくいと言われる中で、では、どのような事例がそういうことを改善するのかなということで、モニターをお願いできればと思います。(資料を表示)  例えばです。この分かりやすい、今、この色と番号で統一をされて、こういう呼出し番号とかというので大きな表示がされて、高齢者の方にも見えやすくなっていると思います。これが例えばです。本当にお金のかからないやり方と言われる中で、今の技術というより、普通に、例えば私がこの前にいて、動画サイトから、ユーチューブとか、いろいろあると思うんですけれども、ずうっと発信をしていることによって、それを見る方は、例えば交付をしたと。申請をして、今、私がどこにいるのかというのは、QRとかを、そういう細かいことより、これでリアルタイムで発信をすれば分かるという状態が、それがずうっと別に何もなく、例えば使わなくなったiPhoneを上からつって、ずっとやれば、そのまま配信がされるということで、ナレーションも何も要らないわけです。ずうっと流しておけば、ここが、このテレビが動いちゃえば別ですが、そんなことあり得ない中で、そういったものが、こういった待ち人数というものも、朝8時半からずうっと音楽も何もなくてよく、普通に流れていれば、それを普通に、今、皆さんも同じだと思うんですけれども、スマートフォンから動画を見るってすごく当たり前のことになっていると思うんですね。その当たり前のことを、こうやって見える化して、これは予算もかからない、費用もほとんどかからない。民間媒体のいろんなものを使えるという、動画共有サイトとか、そういったことでやることによって、こういった2時間41分の待ち時間というものも、繁忙期になって、また増えてしまうということであれば、こういうことによって改善をするという方法もあるのではないかと思いますけれども、導入の検討についてお聞かせをいただきたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 平井市民自治部長。 ◎市民自治部長(平井護) 他市で既に導入され、効果を上げている電光掲示板のライブ配信についてでございますが、市民の方々が日頃からなれ親しんでいる動画配信サイトを活用し、待ち時間の状況を確認いただける仕組みについては大変有効であると捉えております。つきましては、先ほどいただきました、ホームページ上の待ち人数表示の御意見と併せまして、年度末の繁忙期における市民の待ち時間に対する負担軽減策を検討してまいります。 ○副議長(大矢徹 議員) 井上議員。 ◆18番(井上裕介 議員) ぜひお願いしたいと思います。  市民にとっても非常に分かりやすいということになると思います。例えば、市のホームページに行って、ホームページから飛んで、そのホームページからサイトに行くということではなくて、今、いつ混んでいるかというのを自分で検索して、ワンストップで回るという方法もあると思いますし、そこまで難しいことではないですし、では、繁忙期はいつになるのかと考えれば、もう年明けから、どんどん4月に向けて市民の方が窓口を使われるということも多いと思いますので、ぜひ進めていただきたいと思います。よろしくお願いをしたいと思います。  それでは次に、件名2の「安全安心について」です。  通学路等の課題についてであります。私も初当選から、もう約4期目の終わりを迎えまして、四四、十六年ですから15年とちょっとになって、いろんな地域の声というものをお聞きして、こういった一般質問でも課題提起をさせていただいて、皆さんと議論をして建設的に課題を解決していくということをモットーとしてまいりました。その中で、この通学路等の課題について多くいただきました。それは、例えば3・11の際の避難誘導と言われる中でも、これはもちろん避難ということもあったんですけれども、そこから見えてくる通学路の危険な箇所というものも非常に御指摘をいただいて、例えばグリーンベルトを徹底した上で分かりやすい避難経路とか通学路というものにつながるというものも、見えてきた課題で、質問したこともあったなと思います。  そういった中で、では、保護者の方、また、例えば地域の方、地域の方のボランティアの方々ですとか、いろんな方が見守りをいただいて、ここは危険なんじゃないかということを教えていただくこともあると思います。そして、現場の先生方からも、ここってやっぱり危険なんだよねというところが見えてくる課題もあると思います。  そこで、この通学路の点検で、まず確認した上で、今までどのようにやってこられたのかということ、また、件数はどのようになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 峯教育部長。
    ◎教育部長(峯浩太郎) 通学路の安全点検につきましては、毎年、市立小学校に対して通学路の危険箇所の報告を依頼しております。防犯交通安全課や道路維持課など庁内関係各課とともに報告内容を精査し、警察、神奈川県藤沢土木事務所等を含む通学路安全対策検討会議において、関係機関がそれぞれの所掌に応じて必要な対策を進めるほか、案件により現地にて合同点検を行っております。  危険箇所に係る対策状況は年度末に各学校に報告しており、令和3年度の実施状況につきましては、学校から167か所の危険箇所の報告を受け、そのうち時間を要するものや実施には課題のある箇所を除いた96か所の安全対策を実施いたしました。 ○副議長(大矢徹 議員) 井上議員。 ◆18番(井上裕介 議員) 今、御説明を御答弁いただきまして、例えば令和3年度であれば167件の危険箇所の報告を受けていると。それに対して早急な対応が96件されたということで、例えば、この96件で3分の2は行われたけれども、あとはどうなっているのかという声もあるのかなと思うんですけれども、ただ、これってすごく課題があって、例えばガードレールを造るべきだとなれば、道路幅の課題があったりとか、ここはどうしても技術上、予算の問題ではなくて技術上無理だということがあったりとか、いろんな様々な事情はあると思うんです。  そこで、一番重要なのは、次の質問をさせていただきたいんですけれども、そういうことが例えば点検を、私も年に何回か合同点検という上で、例えば地域の、月1回は例えば町内会、また地元の自治連、交通安全対策協議会、防犯協会であったり、そういった青少協の方であったりとか、パトロールを御一緒させていただいて一番聞くのが、今回一般質問させていただいた意味は、毎回言っているんだけれどもという話で、ここって危険だよねという話で、これはどうなったのかなとか、毎年言っているのよねというのを、私も毎回とは言いませんよ。毎月やっていて毎回だったら、それは私がどうなっているんですかという話なんですけれども、やっぱり合同点検とかとなると、例えば公園にあった防犯カメラが壊れたという。要は点灯をしていないとか、そういったところが、子どもたちを危険から守るのでやるんだけれども、点灯していないから壊れているんじゃないのと言ったけれども、この間の、例えば冬にパトロールすると、夏に言ったんだけれどもどうなったのかな。やっぱりそういう声がレスポンスをされていないということがあったりとか、どこかでせっかくやったのに、せっかく調査して調べたのに、要は言われて御指摘を受けたのに、レスポンスが行っていない結果として、あれがどうなったということが伝わり切っていないと。相手方の役員さんが替わってしまっているとかって、あり得ると思うんですね。1年交代で役員さんが替わるところは。でも、どう考えても、幹部の方々だったりとか、伝わっていないというところが見えてきたりしてしまっていて、そこは教育委員会がどうこうとかではなくて、やっぱり全庁的に進めていかなくてはならないと思うんですね。土木部も、もちろん関わることですし、学校も関わること。県が担うこともあれば、もしかしたら国有地が入ってしまっているかもしれないということがあったりするんですけれども、でも、地域に一番身近な事務局機能があったりするのは市だと思うんです。そこが、ここはどうなったのかと説明をすることって、別に全然難しくはないことで、誰かが言ったんじゃないかという発想から、結局誰も言っていなかったとか、書面で渡したからとかとなってしまっていて、実は事情がこうだったんですというのが伝わっていないケースが多く見受けられるのかなと思います。  そこで、やはり一度、私も御指摘をさせていただいた、たらい回しは役所の伝統なのかということもつながると思うんですけれども、やっぱり一番近いのは、では、どこなのかと考えると、私はセンターとか公民館、そこの機能が、機能という以前ですよね。そこの一番身近に町内会長さんとか、地元の役員の方々と交流をされている、意見交換をされているということだと思うので、やっぱりそこがしっかりしないとというところが私は強く思います。  先日も通学路にも関わるところで、バスの停留所が、降りるところが切下げがされていないところにずれてしまっているのではないかということで、高齢者の方々が踏み外してしまうということがあって、最初、公民館に相談をして、公民館は、バスの経路であれば都市計画系じゃないかということで、町内会長が都市計画のほうに行ったと。うちじゃないという話になっちゃって、結局、では、どこなのかと考えれば、やっぱり公民館機能から考えれば、とにかく土木で切下げとかとなったりとか、そういうところで対応ができるんじゃないのかというより、センター・公民館がしっかりリーダーシップを取って役所に言ってもらうとかではなくて、庁内同士連携をすれば、そういった縦割り論とか、たらい回しもなくなるんじゃないかなというところで、この通学路の安全対策のレスポンス等も、そういった連携を密にしていただきたいなと思うんですけれども、どのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) 通学路点検の結果等につきましては、毎年度末に各学校に報告し、さらに学校を通じてPTAや青少年育成協力会など、地域の関係者と共有をしております。一方で、それぞれの地域における交通安全の視点から、より多くの方々と円滑な情報共有を図ることが望ましいと考えております。  このようなことから、通学路点検の結果など交通安全の課題等につきましては、各地区交通安全対策協議会などの地域団体との連携も重要になるため、通学路安全対策検討会議の構成員である市民自治部や防災安全部等を通じて、地域の拠点である市民センター・公民館との連携を一層強化し、情報共有を行ってまいります。今後も通学路の安全に向け、学校、地域の関係団体、警察及び庁内関係部局等との情報連絡体制の充実を図ってまいります。 ○副議長(大矢徹 議員) 井上議員。 ◆18番(井上裕介 議員) ぜひお願いをしたいと思います。  今、この通学路という観点、また、通告の上でさせていただいているので、教育委員会からの御答弁をいただいていると思うんですけれども、通学路って子どもたちだけが使うものではなくて、高齢者の方から、私どもも、もちろん日常に使う住宅街の生活道路という部分もあると思います。その上で、だから、子どもたちだけの危険ではなくて、もちろん高齢者の方々への危険とか、私たちは日々、日常において危険箇所じゃないかというところで考えると、今の御答弁のとおり、全庁で課題を捉えて、では、そこが全庁で地元のところの機能と一番密接なのはどこかと考えれば、公民館や市民センターではないかというところの機能強化というものを、これは予算の問題ではないと思います。視点と発想のことだと思いますので、ぜひ連携をさらに強化していただきたいと要望させていただきます。  それでは、次に件名の3でございます。「まちづくりについて」。このまちづくりについては、まちづくりの一つとして、この駐輪場、生活に密着したまちづくりの一つとして進めていただきたいと思う中で質問もさせていただきます。  先ほどから、やっぱり振り返るとおり、この15年目の節目の一般質問を迎えて、私も25歳で初めて選挙に出馬をした際の、市民の皆さんと共に声を上げさせていただいたのは、この駐輪場の増設でございました。その中で、この15年間の中で非常に皆さんに本当に親身になって増設をしていただいて、例えば北口通り線の計画道路を通る際に、そういった土地が出るならばという工夫を凝らしていただいて、駐輪場を建設してもらって、北側に住む、北口側に住む皆さんが駅まで来る通勤、通学には非常に利用率も高く、好評を得ていると思います。そして、放置自転車という中で、1つエピソードをお話しさせていただくと、私も初めて選挙に出て声を上げさせていただくと。南口の、例えば名店ビルの前と駅舎の真ん中のロータリーのところといいますと、もう夕方になって放置自転車の方々の指導がなくなった途端に、もう無法地帯になってしまっていて、その前で私も訴えること、演説を、駅前の駐輪場の増設をすべきだと、日々行っていたんですけれども、やっぱりそこでも厳しい声をいただいて、この目の前の課題を解決してからやれという話を、非常にお叱りを受けたのをしみたことを、今、思い出して質問もさせていただいております。  では、止める場所がないと。要は駐輪場が、止める場所がないのに、ここが止める場所になってしまっている。では、止める場所がなければどこに止めればよいのかと。止める場所も作らず撤去をして、駅前のこのスペースにも止めるなというものは、違反ということになってしまって、撤去をされれば費用まで取られてしまっていると。そういったことが現実に起きているということをお叱りをいただく中で、だから増設をしなきゃいけないということを私も感じたところでありました。  今、南口もこれから再整備、再開発ということが進んでまいりまして、いろいろな地域貢献型というものも発表されたりしているんですけれども、そこで、まず認識をお聞かせをいただきたいのは、今のこの駅前の駐輪場の状況をどのように捉えられているのか、お聞かせをいただきたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 北村道路河川部長。 ◎道路河川部長(北村和利) 自転車等駐車場の整備につきましては、ふじさわサイクルプラン実施計画に基づき新設、有料化、機械化などを進めております。また、自転車駐車場を新たに有料化した駅周辺は自転車等放置禁止区域に指定し、放置されないよう指導、啓発することで歩行者の安全かつ円滑な交通の確保を図っております。  市内全体の自転車駐車場の利用状況につきましては、コロナ禍前の令和元年度では平均87%の利用率でありましたが、感染拡大に伴い、令和2年度では68%、令和3年度につきましては79%でございました。本年度につきましては、10月までの平均で83%と徐々に増えてきております。その中でも依然として藤沢駅周辺では定期利用の予約待ちがあることや、昼過ぎには駅周辺の自転車駐車場が満車になることがあるなどの状況を確認しております。 ○副議長(大矢徹 議員) 井上議員。 ◆18番(井上裕介 議員) ありがとうございます。  認識は、要は増やしている中で一定の増設はされたんだけれども、やはり需要と供給、また人口も増えているという中でのものがあるのかなと感じております。  そこで、私が思う課題として、やはり子育てと言われる中でも、お子さんを乗せて走られている方もいらっしゃると思います。そして、多くいただくのは、ミニバイクやバイクの駐輪場というものも、なかなか止める場所が全くないと。お金を出すのが嫌とかではなくて、出してでも止める場所がないと、身近な乗り物という中では、なかなか困ってしまっているというお声もいただくんですけれども、その点、課題等をどのように捉えられているのか、お聞かせいただきたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 北村道路河川部長。 ◎道路河川部長(北村和利) 藤沢駅周辺につきましては、既設自転車駐車場の老朽化、運用方法、電動自転車や子ども乗せ自転車などの自転車の大型化への対応、また、原動機付自転車などの対応を含めた自転車等駐車場が不足していることが課題だと考えております。 ○副議長(大矢徹 議員) 井上議員。 ◆18番(井上裕介 議員) やはりそこを課題と捉えていただいて、では、その課題をどのように、これからしていかなくてはならないのかということを進めていかなくてはなりません。それってやっぱり、官民連携をして行っていかなくてはならないというのは、では、駅前に行政が持っている用地ってどこにあるのかといったら、なかなか見当たらなくなってくる中で、官民連携は、この間発表された、例えば地域貢献型というのが、このサイクルプランの位置づけであれば、そういった駐輪場みたいなものを併設してくれる、何台以上とかというものも、そういった地域貢献型の一つなのかななんて、この間思ったりとか。  あとは、シェアサイクルというものも、一時期、全然需要がなかったと思うんですけれども、最近、自転車というのは、今回はもちろん市民の方に、まず止める場所をということであるんですけれども、観光客の方々とか、地方から来られたという方々が、非常に市役所にもあったりとかすると思うんですけれども、シェアサイクルの可能性というものも非常に出てきているのかなと思うんですけれども、このような、今日、御答弁もいただいて、私も課題として捉えられて、お伝えをしたことを踏まえて、今後の利便性の向上とか増設に向けた考え方、官民連携の考え方をどのように捉えられているのか、お聞かせをいただきたいと思います。 ○副議長(大矢徹 議員) 北村道路河川部長。 ◎道路河川部長(北村和利) 藤沢駅周辺の自転車駐車場不足を解消するために、新たな用地の確保、既存施設の老朽化対策に合わせた増強を検討しているところです。また、民間事業者と共同で行っている駐輪シェアサービス、いわゆるみんちゅうの拡大や民間駐輪施設の増設などをお願いしてまいりたいと考えております。さらに、交通系ICカードの利用ができるゲート設置など、機械化を進めるとともに、定期、一時利用の配分の調整を行い、より多くの方に自転車駐車場を利用いただけるよう指定管理者と検討しているところです。引き続き、特に藤沢駅周辺においては自転車駐車場の増強に取り組むとともに、官民連携を図り、利用者の利便性の向上に努めてまいりたいと考えております。 ○副議長(大矢徹 議員) 井上裕介議員。 ◆18番(井上裕介 議員) ぜひ、この駅周辺、特に定期利用の方々、また、一時利用という方々、そして、コロナ禍で電車から自転車に変えたという、ライフスタイルの変化というんですかね。環境的な部分の配慮とか、あとは乗ってみたら意外とこっちのほうがよかったとかって、あると思うんですね。そういったことも考えますと、この地域性を考えると、まだまだやっぱり自転車を使われる方というのは、減るのではなくて増えると思います。そういったところをまちづくりの一つとして進めていただきたいというのが私の今回の一般質問の考え方と、お伝えをしたいことであります。  そして、用地という中で工夫なんですけれども、これも以前に委員会や、この本会議等々でもお伝えをさせていただいているんですけれども、民間には、やってくれ、やってくれ、やってくれれば補助を出しますということでやっても、なかなか進まなかったりとか、ただ、百貨店さんとかは大きくラックをつけていただいて、今、有料というところが主流になってくる中で、使いやすい価格で止めさせていただくような連携が進んでいるんですけれども、ただ、足元を見ると、例えばこの市役所の本庁舎、また、向こうの分庁舎においても、土日隙間だらけですよね。使っていない時間が非常に増えてしまっていて、例えば、事例は自転車じゃなくても、もっとハードルの高かった、例えば朝日町駐車場でさえ、タイムズとのいろんなカーシェアを入れたりとか、一定に管理を委託するということによって大きな成果を上げていると思うんです。  もちろん費用面を考えれば、民間参入がなかなかないところであるんですけれども、市民に対して還元をするというやり方であれば、行政と官民と連携をして公共用地を使う、この本庁舎のところでさえ、今、ラックもついていないと思うんですよね。もう今まで同僚の一般質問があって、例えば通勤、通学で使ってしまっているのがあるんじゃないかみたいなところも出たりして、そのような状況になっている中で、やっぱり本当に使われる方、使いたい方が土日であればスペースが残っているのであれば、別に有料でもお貸しをするということは、公共用地の有効活用になると思うんです。そういったことを行政もぜひ発信をしていただいて、そして、官民で、民の勢いをあおるぐらいなことを進めていくべきかなと思いますので、その点も要望をいたしまして、私の一般質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(大矢徹 議員) これで井上裕介議員の一般質問を終わります。  休憩します。                 午後3時02分 休憩           ──────────────────────                 午後3時03分 再開 ○副議長(大矢徹 議員) 会議を再開いたします。  引き続き一般質問を行います。12番、谷津英美議員。               〔谷津英美議員登壇、拍手〕 ◆12番(谷津英美 議員) 皆さんこんにちは。民主・無所属クラブ、谷津英美でございます。本日最後の登壇となりました。お疲れのところだと思いますけれども、いましばらくお付き合いいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  早速ですが、通告に従いまして始めさせていただきます。  件名1「持続可能な藤沢について」  要旨1「オーガニック給食について」です。  藤沢市の小学校給食は、ギョーザの皮から作り、化学調味料や添加物を使わず、だしやうまみで味つけをし、素材本来のおいしさを大事にした給食であり、本当に全国有数の質だと考えております。これ以上何を求めるのかと感じる方もいると思いますが、実際、私も議員になる前、市民活動においては同じように意見をしたことも確かにあります。  学校給食における食材の購入費には限りがあります。これまで使用していた食材より高い価格帯の食材を使用するのは難しい面もあり、有機食材を使用するには財政的支援が必要であり、その目的や必要性が厳しく問われると思います。子どもたちや生産者、地域全体への好ましい影響があることや、関係部署や議会の同意、市民のニーズが反映されなければ実現はできません。しかし、藤沢市には有機農業生産者がおり、市民団体による予算要望もあり、近隣市に勝る藤沢市の資源が既にあります。次世代の責務として、食の地域づくりを今回は提案したいと思います。  初めに、有機農業について確認をさせてください。モニターをお願いします。(資料を表示)有機農業は、生物の多様性、生物的循環及び土壌の生物活性など、農業生態系の健全性を促進し強化する全体的な生産管理システムであり、WHOにより設置された国際的な政府機関、コーデックス委員会が作成したガイドラインに、その生産の原理が規定され、日本も加盟をしております。コーデックス委員会は消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保などを目的としております。  次に、我が国の有機農業推進に関する法律による有機農業の定義です。こちらは平成18年度に策定された法律でありますけれども、有機農業を化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業というふうに定義をされております。  それでは、これまで農業の推進について、予算や決算委員会などで度々質問をさせていただきました。改めて有機農業についてお伺いさせていただきます。  まず、環境保全の観点から見た有機農業の取組についてお聞きいたします。 ○副議長(大矢徹 議員) 饗庭経済部長。 ◎経済部長(饗庭功) 谷津議員の一般質問にお答えいたします。  近年、食料の安定供給や農業の持続的発展と地球環境の両立が強く求められており、その活動に起因する環境負荷の軽減を図り、豊かな地球環境を維持することが持続可能な生産活動には不可欠であり、次世代に向けて取り組まなければならない重要な課題とされております。このような状況を受け、国は令和3年5月に、みどりの食料システム戦略を策定し、カーボンニュートラルなどの環境負荷軽減を推進するため、2050年度までに耕地面積に占める有機農業の取組面積を、全体の25%である100万ヘクタールに拡大する目標を掲げ、取組を進めているところでございます。 ○副議長(大矢徹 議員) 谷津議員。 ◆12番(谷津英美 議員) 環境負荷の軽減を図りながら生産活動を展開していくことが重要であると国も考えているようですが、このことは本市においても大変重要だと考えます。  モニターをお願いいたします。(資料を表示)国では、みどりの食料システム戦略推進交付金のうち、有機農業産地づくり推進として事業化をしております。事業の対策ポイントとして、地域ぐるみで有機農業に取り組む市町村を推進するため、有機農業の団地化や学校給食の利用、量販店での有機コーナー設置などの利用や、有機農業の生産から消費まで一貫し、農業者のみならず事業者や地域内外の住民を巻き込んで推進する取組の試行や体制づくりについて、物流の効率化や販路拡大等の取組と一体的に支援し、有機農業推進のモデル的先進地区を創出しております。  今お話ししました、こちらが国の示した事業イメージになります。令和4年度予算づけをして、オーガニックビレッジとして全国展開を始めております。県内では相模原市が手を挙げているところです。2025年までに100市町村、2030年までに全国の1割以上の取組を推進していく予定でおります。  さて、本市には新規就農者を中心に有機農業の取組を行っている方が増えていると認識はしておりますが、昨年度改定した藤沢市都市農業振興基本計画において目標に掲げている有機農業取組面積の拡大について、現状と今後の課題をどのように捉えているのか、お伺いいたします。 ○副議長(大矢徹 議員) 饗庭経済部長。 ◎経済部長(饗庭功) 第2次藤沢市都市農業振興基本計画の基本方針の一つに農業に関する環境施策の推進を位置づけており、本市の有機農業取組面積を現状の19.7ヘクタールから、令和8年度までに54.2ヘクタールに拡大することを目標値として設定しております。その中で、今後、有機農業に取り組む担い手をどのようにして増やすか、また、有機農業の取組面積拡大により増加する農産物の販売先をいかに確保するかが課題であると捉えております。  先月26日に辻堂神台公園におきまして藤沢産オーガニックマルシェを開催したところ、生産者だけではなく来場者からも大変御好評をいただきました。今後も有機農業者と消費者が触れ合えるイベントの開催や、有機農業の取組面積拡大という目標の達成に向けまして協議会を設置するなど、本市の有機農業の推進に取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(大矢徹 議員) 谷津議員。 ◆12番(谷津英美 議員) ありがとうございます。  先日開催された藤沢産オーガニックマルシェに私も伺わせていただきました。そこで有機農業生産者の方の本当に熱い熱いお話を、じかに聞く機会に恵まれました。有機農業を推進するためには消費者の理解を深めていくことも大変重要だと感じることができました。  先ほどの答弁での課題として、販売先の確保ということがありましたが、国のみどりの食料システム戦略推進交付金の産地づくり事業の提案などもあります。さらに、国の動向を先行して取り組んでいる好事例もあります。千葉県いすみ市の有機米による産地づくりの取組です。こちらを紹介させてください。モニターをお願いいたします。(資料を表示)こちらは千葉県のいすみ市、有機農業産地づくりの農林課の担当の方の資料になります。ちょっと飛ばさせていただきまして、5ページの、千葉県いすみ市のほうでは、先進的なのは豊岡市や今治市などの先進事例を参考にしておりますが、このいすみ市の特徴としましては、有機米から始め、有機農業者がゼロからスタートして、4年で産地を形成いたしました。学校給食における残食の減少、イメージアップ、ブランド化、農業所得の向上、新規就農希望者の増加などが成果として挙げられております。  そして、こちらは有機米生産の推移になりますが、2013年、ほぼゼロの状況ですが、7年後には面積25ヘクタール、生産量は100トン、農家の戸数も23まで広がっております。  ちょっと飛ばさせていただきまして、今、販路として学校給食に使用することが活路となったということ。学校給食が活路となりました。多くの人が消費する場所として、やはり学校給食を利用することが、有機農業者にとって、こちらに書いてありますように売れ残りの心配がなく、安心して有機米を生産でき、さらに、生産者としましては子どもたちのために生産するという意欲が向上します。そして進展させることにつながることができます。また、学校給食の需要を通じて産地形成もできるほうが、地域循環としての経済効果もあり、ずっとよいと考えます。  このように、千葉県のいすみ市では、学校給食に100%地元産有機米を使用するなど、未来ある子どもたちの食を大切にするとともに、米農家の将来を守る仕組みとして、公民連携による学校給食事業に着目した産地づくりの取組を行っています。このような取組は本市でも有効な取組の一つかと考えますが、市のお考えをお伺いいたします。 ○副議長(大矢徹 議員) 饗庭経済部長。 ◎経済部長(饗庭功) 現在本市では市内産米を学校給食に提供しているところですが、有機米の割合は一部にとどまっております。しかしながら、本市には環境への負荷を低減する取組を実施しているエコファーマーが100人以上おりますので、環境に配慮した生産方式の米の産地として今後PRしていくことが、現状では米農家の将来を守る仕組みとして有効なものと考えております。 ○副議長(大矢徹 議員) 谷津議員。 ◆12番(谷津英美 議員) 産地づくりとしての現状の取組、今、御答弁いただいた内容で一定の理解はできますが、このいすみ市の取組は、地域の有機農業の推進と生産物の消費を学校給食で支えるという連携の好事例です。有機米ゼロから有機米100%に続き、今現在では農作物8品目に取り込んでいるということです。全国のほうでも話題になり、報道でも取り上げられて注目されているところです。学校給食は子どもから保護者へ、保護者から地域へと市場拡大を果たす可能性が高いものであります。また、どの自治体も学校給食にかかる食材費用は相当な金額となっており、これを地域に取り戻すことができれば、その経済効果は大きくなります。米だけにとどまらず、市内で生産されている有機農産物を利用することで食育、食農教育への反映など、単に生産と消費にとどまらない将来にわたる効果もあることは、先進的、今治市のほうからも見えますことですが、本市では有機農産物の給食利用についてどのような見解なのか、また、今後の取組をどう考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。 ○副議長(大矢徹 議員) 峯教育部長。 ◎教育部長(峯浩太郎) 有機農産物の給食での利用につきましては、環境負荷が少なく食料生産の持続性につながるという有機農業の特性から、子どもたちが学ぶことも多くあろうかと思います。特に、地産地消推進校におきましては、近隣の生産者の協力をいただきながら食育にも取り組んでまいりました。有機農業に関しましては、アイガモ米を導入しておりますが、さらに作付の広がりとともに生産者との連携の可能性も広がっていくものと考えております。  今後の取組といたしましては、地産地消と食育の充実に向けて、米以外の有機農業の産物活用につきましても課題の整理などに取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(大矢徹 議員) 谷津議員。 ◆12番(谷津英美 議員) 御答弁ありがとうございます。  今回申し上げました有機農産物の給食については、安全性を高めるだけに焦点を置いたわけではありません。どのような子どもたちに育てたいか、地域の農業をどうしていきたいか、どのような人が住んでいる地域にしていきたいのか、農業、環境、教育、医療、消費者である市民として、縦割りを超えた総合的な課題として捉えて推進していくことで合意形成が生まれると考えます。  安心して食べ続けるには、食べる人、作る人がともに食の未来を見通すビジョンが必要です。大勢で消費するまで一貫して責任を持って食べることで、地産地消の向上や生態系を守り、食の安全性を追求し、次世代の子どもたちが安心して健康に暮らしていく社会を目指していきます。それでこそサステーナブルな人、地域をつくると考えます。食を未来につなぐためには、子どもの頃から手間をかけて食に親しむことで将来にわたる財産につながります。現に生産者の見える藤沢メニューの学校給食におきましては、喫食率のよさや会話が弾む様子など、よい影響については先生や保護者の方からお話をよく伺っております。  食には力があります。日々の積み重ねの大切さを教えてくれます。私ごとですが、例えば生協の活動においてはビジョンフードという仕組みがあります。安全なものが食べたいから生産者に消費する約束をして、安心して品質のよいものを作ってもらっています。そして、その約束のおかげで比較的安価に良質なものを食べることができ、生産者が余剰ができるような体制になれば、ほかの販路、例えば高級な量販店など、高値で販売が可能となって利益が得られるような仕組みもできて、私は食べ続けております。持続的な農業、持続的なフードシステムを構築し、安全な食の確保に官民連携して取り組んでいただきたいと考えております。  藤沢にある資源を生かして、地道な積み上げを学べる食と農の教育を通して、持続可能な有機農業の進展の活路として、大勢で食べて学校給食を活用していただきたいと意見を申し上げて、件名1を終わらせていただきます。  次に、件名2です。「ジェンダー平等について」  要旨1、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律、簡単に申しまして女性支援新法と申します――についてです。  困難な問題を抱える女性に対し、66年間もの間、売春防止法による婦人保護事業で対応しており、補導、更生させるのが当然という視点から、人権意識は無視され、個人の責任として扱われ、社会問題化されてきませんでした。しかし、今、10代、20代の若い女性への深刻化する問題、例えばDV、自死の増加など本当に痛ましいことが多く、昨今感じられます。伴走支援による自立や回復の視点がない法整備では解決し切れず、追い込まれていく女性が生きていていいんだと思えるような、そんな支援が必要ということで支援法が生まれました。  すみません、モニターをお願いします。(資料を表示)その支援法というものは、2022年5月の議員立法により、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律ができました。施行は2年後です。目的としましては、こちらに書いてありますとおり、困難な問題を抱える女性の福祉の増進を図るため、困難な問題を抱える女性への支援のための施策を促進し、もって人権が尊重され、女性が安心し、及び自立して暮らせる社会を実現することに寄与する。定義としましては、困難な問題を抱える女性とは、性的な被害、家庭の状況、地域社会との関係性、そのほか様々な事情により、日常生活または社会生活を円滑に営む上で困難な問題を抱える女性、そのおそれのある女性を含んで言います。売春防止法の差別的な理念を抜本的に変えることができたという意義は大きいです。複雑化する女性の困難を踏まえて、女性の意思の尊重をしながら福祉増進、発見、相談、心身の回復のための援助、自立して生活するための援助など、多様な支援を包括的に提供する体制整備や関係機関及び民間団体の協働が掲げられました。さらに、人権の擁護と男女平等の実現に資するとの理念が示されていることは、大きな意義だと思います。  女性支援新法にある課題について伺っていきたいと思います。長くなりました。  では、本市の現状を最初に質問させていただきます。女性の声が上げづらい、困難な問題を抱えやすい状況として、1つ、男女の賃金格差や社会的地位の差など、社会構造から起因するものが1つと考えられます。男女の雇用形態から現状をどう捉えているのか、お伺いいたします。 ○副議長(大矢徹 議員) 宮原企画政策部長。 ◎企画政策部長(宮原伸一) 令和2年の国勢調査において、本市における雇用形態は、男性では正規雇用が8割を超えているのに対し、女性では45.3%となっております。内閣府の令和3年版男女共同参画白書によりますと、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、サービス業を中心に女性の非正規労働者が特に深刻な打撃を受けたと指摘しており、本市も同様の傾向にあると捉えております。 ○副議長(大矢徹 議員) 谷津議員。 ◆12番(谷津英美 議員) 答弁にある雇用形態の数字でも表れましたように、女性は社会の仕組みにより働く形態を限られること、契約付、非正規雇用などを選ばざるを得ない状況に陥り、比較的安いということが、機会が少ない事実を見過ごすことができないなと感じております。性別役割分担意識は家庭内だけではなく、社会内にも大きく浸透しているように思います。コロナ禍により、女性の社会的に弱い立場であることが浮き彫りとなりました。昨今の保育園や高齢者施設への事件を見ましても、弱い立場の方が弱い立場の方へ危害を与える構図、本当に胸が痛みます。格差社会の構図を表しているようにも思えます。  では、本市の女性相談員の数、相談内容、過去3年の相談件数についてお伺いいたします。 ○副議長(大矢徹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 現在、本市では困難な問題を抱える女性への支援策の一環といたしまして、生活援護課に3人の女性相談員を配置しており、御相談の内容は、配偶者等からの暴力、親族関係、男女問題、住居問題、経済問題、医療問題など多岐にわたっております。過去3年間の相談件数につきましては、令和元年度が286件、令和2年度が365件、令和3年度が391件と、増加傾向にあるものと捉えております。 ○副議長(大矢徹 議員) 谷津議員。 ◆12番(谷津英美 議員) モニターのほうをお願いいたします。(資料を表示)こちらは、藤沢市における女性相談件数になります。2016年からの女性相談件数の推移をグラフに表しました。6年前の2016年から見ますと約1.5倍というふうになっており、増加傾向が答弁のとおり、よく分かります。  女性相談の内訳としましては、全国的に約8割がDV相談と言われております。また、2020年4月、国連事務総長はおっしゃっています。多くの女性や女児にとって最も安全であるべき場所の家庭内で暴力の脅威にさらされています。全ての政府に新型コロナウイルス感染症の応急処置として、女性に対する暴力の防止と救済を要請しますとメッセージを出しておられます。
     そこで、本市のDV相談件数の過去3年間の推移についてお伺いいたします。 ○副議長(大矢徹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 過去3年間の本市のDV相談の件数につきましては、令和元年度が236件、令和2年度が324件、令和3年度が335件でございます。なお、相談件数の内訳は3年間の平均で、住居問題が1.2%、親族問題が4.8%であるのに対しまして、DV相談は85.9%と相談件数の大半を占めており、御相談に至らない多くのケースが存在することが推測されますことから、DV対応は喫緊の課題であると認識をしております。 ○副議長(大矢徹 議員) 谷津議員。 ◆12番(谷津英美 議員) モニターをお願いします。(資料を表示)今、答弁いただいたとおり、こちらのモニターはDV件数の推移となっております。深刻なDV増加件数がよく分かりますが、やはり6年前のデータからすると約2.3倍、コロナ前とコロナ後の比較、2019年と2020年の比較では約1.4倍増加しているという状態になっております。新型コロナウイルス感染症が始まった年は、在宅ワークなど家庭内環境変化や生活不安などによるストレスが増し、深刻化したと推測がされます。また、男女の収入格差は家庭内の地位格差につながりやすいとも考えられます。  次に、女性相談についてです。女性相談についてもう少し詳しくお話をします。やっとの思いで市役所の女性相談にやってくる方が多くいらっしゃいます。仕事の合間に、ようやく時間をつくってやってきたというお声も聞いております。そうですが、解決できなくて、もやもやして帰らないためにも、やはりワンストップの体制は大変重要で、構築されているのか伺いたいと思います。  また、女性相談合計数が6年前と比べて約1.4倍に増加している状況下です。生活援護課に確認したところでは、平成21年度、約13年ほど前から女性相談員の3人体制は変わらないため、負担が大きいかと懸念がされます。負担軽減や相談内容の多様化に伴う相談員の資質向上についてもお伺いいたします。 ○副議長(大矢徹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 御相談に対しましては、ワンストップを原則としながらも重層的な支援体制の中で相談窓口の選択肢は広げており、いずれの窓口に御相談があった場合にも女性相談員に情報を集約するとともに、必要に応じて関係部門、関係機関やNPO法人などと連携し、相談者に寄り添った切れ目のない支援を行っております。  女性相談員の負担軽減につきましては、女性相談員のほかに生活保護のケースワーカー及び査察指導員、合わせて5人が協力して対応しており、相談員の負担軽減に努めております。女性相談員の資質の向上につきましては、女性相談員が相談者に対し適切な支援を行うため、知識や技術の向上を目的といたしまして、各種研修会や講習会への参加、他の自治体や関係機関の担当者等と情報共有や意見交換を行うなど、多様化、複合化する相談内容に対応できるよう取り組んでおります。 ○副議長(大矢徹 議員) 谷津議員。 ◆12番(谷津英美 議員) 相談件数、DV件数の増加、ジェンダー平等の低さに表れた性別役割分担意識の社会的構造の蔓延など、女性を取り巻く環境は、まだまだ大変厳しいと思います。なぜ女性だけと、男性も大変だと思われる方もいらっしゃると思います。ですが、女性という性別からチャンスが減るような社会構造に起因する要因が多いから、このような今、法律ができたんだと感じています。  子どもや高齢者、障がい者は福祉があります。しかし、女性に関しては社会的に弱い立場でありながら福祉的要素が今まで低かった。むしろ平等な社会であれば福祉の視点が要らなくなっていたのではないでしょうか。残念ですが、新しい法律が必要となり、包括的な支援体制が必要になりました。ふじさわジェンダー平等プラン2030では目標として拡充していくとの記載がありますが、現状を踏まえた考えをお伺いいたします。 ○副議長(大矢徹 議員) 池田福祉部長。 ◎福祉部長(池田潔) 本市における相談支援に関しまして、現状では女性相談員が主にDV相談に対して適切な制度やサービスの御案内、また、様々な機関や支援団体等と連携しながら対応しております。しかしながら、御相談の内容は多様化、複雑化しており、今後はこれまで以上に多様な主体による包括的な相談支援を継続することが重要だと考えております。今年度につきましては、住居を失った女性が入所できるNPO施設と新たに連携するなど、支援の拡充に努めてまいりましたが、複雑化するそれぞれのケースに即した的確な支援が可能となるよう、関係部局や関係機関等との協力体制を強化し、相談支援体制のさらなる拡充に取り組んでまいります。 ○副議長(大矢徹 議員) 谷津議員。 ◆12番(谷津英美 議員) ありがとうございます。  では、周知啓発について質問をいたします。ジェンダー平等の先進国最下位のレベルの日本であります。新聞報道などでも大変よく取り上げられるテーマとなったと感じています。最近では、11月の国際男性デーの記事の多さには本当に驚きました。また、3月の国際女性デーも活発になり、気づかないうちに意識下に根強くしみついている男女のらしさに気づかされること、そういった機会も少しずつ増えたように思います。  本市においては、2019年3月、男女共同参加に関する市民意識調査報告書によりますと、男女参画社会を実現していくために行政に望むことはという問いに対し、育児や介護に関するサービスの充実に次ぎまして、学校教育や社会教育の場で男女の人権を尊重する学習の充実という、49.4%の高い数字になっています。そこで、今後の取組についてお伺いいたします。 ○副議長(大矢徹 議員) 宮原企画政策部長。 ◎企画政策部長(宮原伸一) 本市における令和4年度ジェンダー平等・男女共同参画講演会につきましては、女性活躍をテーマに、働き方や意識改革について、本市職員の研修と併せて広く市民の方にも御覧いただける内容として企画をしたものでございます。そのほかにも、今年度は若年女性の悩み、子育て、セクシュアルマイノリティーなど様々なテーマで講演会を開催しており、今後も予定をしております。さらに、講演会だけでなく、藤沢市ジェンダー平等推進週間に合わせたポスター展の開催、市民編集員によるインターネットを活用した情報発信など、多様な実施手法を用いて啓発に取り組んでいるところでございます。  今後につきましても、政策課題への取組と連動させながら、市民、企業、学校など様々な主体と協働して啓発事業を推進してまいります。 ○副議長(大矢徹 議員) 谷津議員。 ◆12番(谷津英美 議員) ありがとうございます。  事前に聞いた学習会に関して、職員ニーズに対して市民参加がちょっと少なかったのが残念でした。今後も情報発信の工夫をして集客に努め、学習する機会の提供を期待しております。  それでは、最後の質問になります。2024年4月の女性支援新法施行までに、国をはじめ、各都道府県や市町村で実効性のある基本計画や施策をつくることで、女性支援相談員の配置を含む体制を整え、予算を組むことなど課題は多く、中身のない法律にならないよう、この1年が正念場だと考えます。既に国の財政支援体制もありますが、自治体が女性支援に向けて動きやすくなる法律が今回の女性支援新法だと考えます。  横須賀市や茅ヶ崎市におきましては独自の男女参画センターを持って、学習会や情報発信、土日の相談、現状の把握など場の力があり、効果的に務めています。一方、10代から20代の若年女性支援においては、NPO法人など民間団体の取組が進んでいるところです。  地方公共団体は、単独で、または共同して、困難な問題を抱える女性への支援を適切かつ円滑に行うため、関係機関や民間団体、そのほかの関係者によって構成される支援調整会議を組織するよう努めるものと示されております。藤沢市の現状に合うような藤沢市基本計画をつくることも有効で、必要かと考えられますが、いかがでしょうか。 ○副議長(大矢徹 議員) 宮原企画政策部長。 ◎企画政策部長(宮原伸一) 本市といたしましては、かながわ男女共同参画センターが市内に設置され、県域の拠点施設として機能していることから、同センターとの連携を深めるとともに、庁内関係各課等の横断的な取組を推進することが重要と考えております。今後につきましては、令和6年4月の困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行に合わせた円滑な支援実施に向け、自治体と民間団体等で構成する支援調整会議を設置し、困難な問題を抱える女性の発見、相談等の具体的な支援に関し、協議及び情報交換を行ってまいります。  また、全ての女性が能力を最大限に発揮でき、全ての人が性別にかかわらず平等に機会が与えられる社会をつくるというSDGsの視点に基づいた最適な支援が包括的に届けられるよう、課題の整理を進めながら実施体制を整備してまいります。 ○副議長(大矢徹 議員) 谷津英美議員。 ◆12番(谷津英美 議員) ぜひ、2024年4月に順調なスタートが切れるよう、市の課題をしっかり捉えていただくようお願いしたいと思います。  男女参画の市民意識調査での、男女の地位の平等感というものがありました。平成25年10.8%、最新値では平成30年9.7%との数字で、ほぼ変わっていないということがジェンダープラン2030にも記載がありました。日本のジェンダー平等に関して、100年はかかるだろうと書かれた記事を読んだことがあります。ですが、新型コロナウイルス感染症や、旧統一教会問題によってあぶり出された課題、そのことにより、ジェンダー平等の社会が数十年早まることを私は期待しているところです。  世界で最も男女平等に近い国と言われるアイスランド。そのアイスランドの大統領は、こう申しておりました。ジェンダー、年齢、皮膚の色、差別や格差があれば直していくために、育休や賃金格差に法的な枠組みが重要だと申しております。また、日本へのメッセージとして、時間がかかりますが、ジェンダー平等は公平さに加えて経済発展や幸せな生き方にも関わり、進める意義がありますと、メッセージを新聞のほうに掲載してありました。  私の9月の定例会や、先週の北橋議員の一般質問、タウンニュースの掲載でも取り上げられていた、藤沢に50年住んでいた山川菊栄さんも言っています。女性の自立開放には差別のない社会が必要とおっしゃっております。100年たっても変わっていない課題にショックを受けたところなんですけれども、藤沢にそのような方がいたことが誇らしくて、少しずつではありますが、よい方向に向かう機運、希望を持って子どもたちに接していきたいと考えることができました。男らしさ、女らしさではなく、自分らしさを大切にできれば、全ての人の生きづらさ、軽減していけるのではないでしょうか。女性を応援する、真の子育てしやすい、住みやすい藤沢になると私は考えます。  様々な問題を抱える女性への支援に関しては、DV相談で隠れることが中心になる要素が今は多くありますが、例えば土日に気軽に寄って相談できたり、情報共有をしたり、意識啓発ができる、学習ができる、そういった場の力も大変重要であることを最後に意見として付け加え、1期目最後の一般質問とさせていただきます。御清聴のほう、ありがとうございました。(拍手) ○副議長(大矢徹 議員) これで谷津英美議員の一般質問を終わります。           ────────────────────── ○副議長(大矢徹 議員) これで本日の日程は全部終了いたしました。  次の本会議は12月20日午前10時に再開いたします。  本日はこれで散会いたします。                 午後3時43分 散会           ──────────────────────...