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令和 元年 6月 総務常任委員会-06月14日-01号

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  1. 藤沢市議会 2019-06-14
    令和 元年 6月 総務常任委員会-06月14日-01号


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    最終取得日: 2023-05-14
    令和 元年 6月 総務常任委員会-06月14日-01号令和 元年 6月 総務常任委員会 総務常任委員会の記録 令和元年6月14日 藤沢市議会                   目   次 令和元年6月14日 (1) 陳情 1第 5号  辻堂市民センター改築工事入札前のコスト検証実施についての             陳情 …………………………………………………………………… 4 (2) 報   告  ①  藤沢市内部統制推進のための運用ガイドライン及び令和元年度             内部統制の取組について ……………………………………………29 1.日   時  令和元年6月14日(金) 午前9時30分 開会 2.場   所  第1議会委員会室 3.出 席 者      委 員 長  友 田 宗 也      副委員長  桜 井 直 人      委  員  山 内 幹 郎   松 長 由美絵
               甘 粕 和 彦   柳 田 秀 憲            有 賀 正 義   堺   英 明            松 下 賢一郎      欠席委員  な し      議  長  加 藤   一      傍聴議員  原 田   建   石 井 世 悟            西     智   安 藤 好 幸            神 尾 江 里   栗 原 貴 司            大 矢   徹   杉 原 栄 子            佐 野   洋      意見陳述者 上 野   孝      理 事 者  小野副市長、宮治副市長、林総務部長、斎藤総務部参事、            阿部総務部参事福室総務部参事古郡職員課主幹、            山之内職員課主幹木村文書統計課長福田総務部参事、            中村内部統制推進室長東山内部統制推進室主幹、            佐保田企画政策部参事、松崎財務部長、新田財務部参事、            中山財務部参事臼井財政課主幹、石塚契約課長、            阿部財務部参事中村検査指導課長加藤検査指導課主幹、            宮原市民自治部参事藤岡市民自治推進課主幹、            平井市民相談情報課長石原計画建築部長奈良計画建築部参事、            髙橋建設総務課主幹福島公共建築課長渡辺公共建築課主幹、            江添会計課長、福室監査事務局参事、その他関係職員      事 務 局  黒岩議会事務局長室伏議会事務局参事、田口議事課長、            浅上議事課課長補佐堀井議事課上級主査羽鳥議事課書記 4.件   名  (1) 陳情 1第 5号  辻堂市民センター改築工事入札前のコスト検証実施についての陳情  (2) 報   告  ①  藤沢市内部統制推進のための運用ガイドライン及び令和元年度内部統制の取組について       ────────────────────────────── ○友田宗也 委員長 ただいまから総務常任委員会を開会いたします。       ────────────────────────────── ○友田宗也 委員長 では、最初の常任委員会ということでございまして、皆様に一言御挨拶を申し上げさせていただきたいと思います。  1年間、委員長として務めさせていただきます友田宗也でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  総務常任委員会は、命にかかわる問題であったり、防犯も含めて、またほかの常任委員会には属さない事項であったり、さまざまな案件を取り扱う委員会でもございます。どうぞ闊達な御意見と、そして議論をしていただきたくよろしくお願いいたします。  また、副委員長には桜井委員になっていただきまして、サポート万全という状況で、一緒に協力しながら議会の運営、こちらの委員会の運営をさせていただきたいと思いますので、1年間どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手) ○桜井直人 副委員長 おはようございます。総務常任委員会の副委員長を仰せつかりました桜井直人でございます。  ほかの所管の委員会以外の全てのことを議論する委員会でございますし、また国政の話なども陳情、請願でよく出てくるわけであります。メンバーを見ますと、非常に闊達な議論がこれから想定されるすばらしいメンバーだと思いますので、しっかり副委員長の任を務めていきたいというふうに思います。  友田委員長は、本当にまじめにこつこつお仕事をされる委員長だと思います。ちょっと私では頼りないかもしれないけれども、一生懸命支えながら、皆様のお力をかりて1年間頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)       ────────────────────────────── ○友田宗也 委員長 お諮りいたします。委員会の日程は、お手元に配付されたとおり進行したいと思いますが、御異議ございませんか。               (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○友田宗也 委員長 御異議がありませんので、そのように決定いたしました。       ────────────────────────────── △(1) 陳情 1第 5号  辻堂市民センター改築工事入札前のコスト検証実施についての陳情 ○友田宗也 委員長 日程第1、陳情1第5号辻堂市民センター改築工事入札前のコスト検証実施についての陳情を議題といたします。       ──────────────────────────────   陳情 1第 5号  辻堂市民センター改築工事入札前のコスト検証実施についての陳情 【陳情項目】  辻堂市民センター再整備は、工事請負入札に入る前に、建築コスト専門家を入れた第3者による設計図書の検討・検証をするよう、市に働きかけください。 【陳情理由】  辻堂市民センター再整備の設計検討は、市が設置した建設検討委員会のもとで基本構想・基本設計・実施設計の3段階の検討が進められ、2019年1月31日委託設計会社より設計図書完了(設計図・積算資料・他の成果品)届けが提出されました。市の検査部門は、2月7日に設計納品検査を行い、即日、受託者に合格通知書を発行し、設計完了を認めました。  この検査には以下のような瑕疵や疑義があります。 ①設計委託契約書に示す検査内容に沿った検査が適確に行われておらず、数時間で膨大な成果品の品質やコストについて検査を終了し、合否の判定を当日おこない合格通知している。 ②建築設計の完了検査でありながら、建築設計完了検査用の書式及び藤沢市の建築物検査基準検査項目チェックリストなど)を用意せず、検査は当日の担当者の知識・経験・技量にゆだねられており、合否の判定に客観性・信頼性が無い。 ③当日の検査結果はその実施状況の記録が文書化(議事録等として)し、必要な決裁者や関係部門に共有化され保存されるべきものであるが、不存在である。 ④積算の公的専門機関と費用について共同検証をしたところ、建設費5億円、維持管理費(ライフサイクルコスト)を含むと10億円を越える予算を縮減できる可能性がある事が判明した。  本来、設計成果品の内容確認を市民に代わって検査し、品質はもとより公費の支出が妥当であるのか否かの確認をするのが、行政検査部門の役割です。設計受託者が契約書に基づき、最小のコストで必要な目的を達成するための十分な検討を行なったかを精査しなければなりません。辻堂市民センター改築設計のコスト精査の内容は明らかに不十分であり、このままの設計内容で工事請負入札に進めば推定5億円以上の損失を市民に与えることは確実です。この種の公共施設は完成と同時に長期間(50年~60年以上)にわたり次世代の子供達や孫達にも財政負担を強いる事になります。これを回避するため、建築コスト専門家を入れた第3者による設計図書の検討・検証を工事入札前に行うよう、市に働きかけください。                                令和元年6月3日                       住所 藤沢市辻堂西海岸2-8-3-507                       団体名称:辻堂まちづくり研究会                       陳情者 共同代表 上野孝 藤沢市議会議長 加藤 一 様       ────────────────────────────── ○友田宗也 委員長 本件につきましては、趣旨説明の希望がありますので、意見陳述者の入室をお願いいたします。               〔上野 孝意見陳述者入室〕 ○友田宗也 委員長 最初に、審査の手順について説明をします。  まず、意見陳述者の方から本陳情における趣旨説明を5分以内で発言をお願いいたします。なお、5分の時点でベルが鳴りますので、速やかに終了してください。  次に、趣旨説明終了後、委員から意見陳述者の方に対する質疑を行います。質疑が終了しましたら、意見陳述者の方は退席をしていただき、委員による陳情の審査を行います。  それでは、ただいまから陳情の趣旨説明を行います。説明の際は冒頭、自己紹介をしていただき、御説明をお願いいたします。 ◎上野孝 意見陳述者 それでは、5分間お時間をいただきましたので、趣旨説明を、陳述をさせていただきます。  私は、辻堂の西海岸2丁目に住んでおります上野孝と申します。私は、もともと平塚に住んでおりまして、その後、社会人になって、東京に勤務するために藤沢市に移住しました。現在まで30年近く藤沢に住んでおりますけれども、大変すばらしい環境、また住みやすい土地であるということで、本当に心から藤沢市を愛している者であります。  日ごろ、私たち研究会は、何度かこの席で陳情させていただきました。皆さん方にも貴重なお時間を割いていただいて、御指導や御鞭撻をいただいたことをこの席をもって御礼申し上げます。  さて、私が本日、この席に立ちましたのは、研究会の代表ということで、まちづくり研究会の代表ということでこの席に立たせていただきました。これまで設計段階からたくさんのワークショップを私たちは取り組んでまいりました。資料の11ページに、私たちの研究会、一番最後につけておりますので、後日見ていただければありがたいです。  私たちは、この藤沢市のために何かできることはないかということで、地域の住民が集まり、いろいろと勉強しながら、単に苦情や不満を申し上げるのではなくて、あくまでも代替案をつくり込む、これをモットーに取り組んでいる研究会でございます。この件につきましては、こちらにいらっしゃる地元の有賀議員さんに再三御指導いただいてまいりました。  それでは、本日の陳情目的についてお話をさせていただきます。これは本日のコストに関する経済性に関する辻堂市民センターの問題について陳情をさせていただこうということであります。  1月31日、設計が完了いたしました。そして当局による検査も終了したという情報を耳にし、私どもはその内容が当初の要求を満足しているのか、もちろん技術的な面、経済的な面を含めて内部で検証いたしました。この結果、大変重要な問題があることを私たちは検証することができました。このまま放っておきましたら、大きな損失を市民に与えるのではないか、また、次世代の子どもや孫たちにもこの結果が延々と続くこと、これは耐えられないことであります。  そこで、本日、議員の皆様方に当局に対して、現在完成したと言われる設計図書、これをコストの専門家を入れて再度見直していただきたいというのが今回の陳情目的でございます。  金額的には、見ていただければわかりますが、コストの専門家を交えて私たちが検証したところ、建設費において5億円以上、そして建物ができてから生涯建物が廃棄されるまで、これをライフサイクルコストというふうに言っております。今これが非常に重要な問題になっておりまして、これも国土交通省の資料をもとに検証したところ、約100億円ぐらい近い出費が予定されております。こういった点をぜひきょうは御審議いただいて、将来の、未来の藤沢市のために、何とかすばらしい市民センターを実現していただきたいということで陳情を申し上げた次第でございます。  陳情項目は資料の中に具体的に4点ございます。1つは、検証そのものが、最後の検査そのものが不適格であったんではないかということです。2つ目は、検査をするための体制、こういったものが藤沢市には整備されていない。3点目は、その結果が公開されない。非常にリスクマネジメントに匹敵する大きなテーマだと考えております。その結果、未来の子どもたちにツケを残すんではないかというのが私たちの考えです。ありがとうございました。 ○友田宗也 委員長 趣旨説明が終わりました。  この陳情に関し、意見陳述者の方に対する質疑はありませんか。 ◆松長由美絵 委員 松長です。こちらの陳情理由の中の④公的専門機関、先ほど専門機関と検証しましたとおっしゃっていらっしゃいましたけれども、こちらの公的専門機関の名称をぜひ教えていただきたいのと、あとこの際、見直した建設費で、予算は5億円縮減できる可能性があるということなんですが、設計の条件、資材ですとか、そういったものは全く同じ条件でということなのか教えていただきたいと思います。 ◎上野孝 意見陳述者 まず、検証した専門機関に対するお答えをしたいと思います。今こちらに持ってきておりますけれども、(資料を提示)日本で最も権威のある社団法人日本建築積算協会、ここの副会長と直接面談しまして、こちらの専門家と私、3度ほどお会いし、現在の完成した図面、実は私たちにはまだその完成した図面とか予算書を公開していただいていないんです。要求はしたんですけれども。ですから、基本設計段階の資料しか私どもにはありません。その基本設計段階のをもとに、この設計がいかにどういう点に問題があるかということを詰めさせていただきました。  あと、建築コスト管理システム研究所という、これは国土交通省の外郭団体で、設計に関する指針を出している、こちらの担当官ともお会いしてまいりました。そのほかもあるんですが、一応専門機関と言われるのはその2つでございます。  それから、同じ条件で比較をされたかということなんですけれども、もちろん同じ条件で比較しました。ただ、私どもは、本来のこの目的、市民センター・公民館をつくる目的、これを機能というふうに私たちは捉えているんですけれども、その目的に合うために過剰な要素があれば、これは明らかに無駄であると。オーバースペックという言い方があります。この辻堂の静かな文教地区、そして風致地区、高齢者住宅、障がい者の施設に囲まれた中に、この機能を果たすことができるのかという観点から、専門家の御意見も伺って、コストの内訳を、内訳というか、内訳は出ないんですが、項目を明らかにし、5億円以上の、正式に検討すれば可能性があるという結論に至ったものでございます。よろしいでしょうか。 ◆山内幹郎 委員 何点か質問させていただきます。陳情者から4点の建設コスト費用に関する疑義が述べられたわけでありますけれども、私は、これはきょうのもう一つの報告であります市の内部統制の4つのリスクにかかわる指摘だと受けとめております。  藤沢市のこれまでの不祥事というのは、お金にかかわる誰でもこれはおかしいとわかるような問題が取り上げられてきたと思うわけですが、建築設計委託、こうした事業という規模の大きい問題については、なかなか我々にはすぐにこれはおかしいというのがわからないし、判断基準そのものが周知されていない問題、比較検討する材料が与えられていないとか、わからない、素人には難しかったと思うわけです。辻堂で今回陳情を出された方は、建築設計の専門家でもあり、私も地元辻堂団地での専門家を集めての学習会にも参加させていただきました。ワークショップにも何回か参加させていただきました。この機会に、専門家であります上野さんのコメントをぜひ聞かせてほしいと思います。  まずは、上野さんのこれまでの専門家としての活動と略歴などを伺いたいと思います。 ◎上野孝 意見陳述者 それでは、私がこれまでどういう活動をしてきたかという御質問をいただきましたので、簡潔にお答えいたします。  私は、一級建築士という立場で、価値工学という公共施設の価値を研究する研究員として30年近く取り組んでまいりました。仕事としては、まずは設計として、建築の設計や工事、そして調達コストの管理、それから技術者教育、こういうのが主たる私の仕事でございました。その後、国のほうの機関から公職を命じられまして、日本の公共工事におけるコスト縮減のガイドラインをつくるということで、海外の調査団の専門委員として体験させていただきました。その後、国土交通大学校の講師として7年間、全国の国の技術者、また政令市の技術者を約700名ほど、こういったテーマで教育させていただきました。  大きな自治体としての実績なんですけれども、これはまず、日本で最初にこういった公共施設の研究を自治体がした神戸市さん、これは日本最初ということで非常に注目され、私がそのリーダーとして派遣され、取り組んでまいりました。その後、きょうは藤沢市さんという地方自治体などで、北海道の釧路市さん、仙台市さん、そしていわき市役所さん、そして横浜市さん、静岡市さん、大阪のほうに行きまして、福山市さん、そして遠く沖縄の宮古島市さんというふうに、北海道から九州までのそういった行政の皆さん方と御一緒にやって、この問題の難しさを本当に感じてまいりました。ただ、こういったことを広めなければいけないという意識がありましたので、ぜひ私どもの辻堂でよりいいものをつくるためにみんなで勉強しようということで、今日までやらせていただきました。よろしいでしょうか。 ◆山内幹郎 委員 ありがとうございました。毎年日本各地の公共設計に十分かかわられた専門家だということはわかりました。
     それでは、4つの疑義について、この後の質問でまたお聞きしますけれども、最初に、既に実施設計も終わり、2月7日には納品検査も合格したと。あとは工事業者との細かい説明の交渉の場しか与えられていないというような、こういう状況のもとなんですが、あえて専門家として、今度の建築設計にかかわる市の検査のあり方に、あえて異議を唱える動機、どんな思いで陳情されたのか、まずお聞かせください。 ◎上野孝 意見陳述者 全てのものはそうだと思いますけれども、外部に委託した成果品を発注者が検査をするというのは当然のことでございます。建築におきましても、委託仕様書に基づいて1億2,000万のお金を、公金を使いながら、できた成果品を役所として市民にかわって厳密に検査をしていただく、これは国の基準でも明確に示しておりますし、それを実行していただけたかどうかを私は文書請求という形でその検査結果をお聞きしました。その結果、わずか1枚の資料で検査をしたというだけで、その日のうちに全て承認して、その発注者、納品者に合格通知を出している、こんなことはあり得ません。この仕事の設計図面を見ていただければわかりますけれども、建築構造図、意匠図、設備図、そしてそれに伴う積算資料、これは委託契約の中の成果品の中に明確に書いております。それをわずか1人の検査官が1ないし2時間で検査をして合格したということは、私の経験、他市、他の県、外国も含めて、検査というのはもう1週間ぐらい前から少しずつ検査しながら、最終的に全員を立ち会いして、内容について精査するということなんですけれども、全くそれが行われていないということ、そんな事実が判明しました。  そして、その結果、どういう打ち合わせをしたのか、これは行政の文書主義というのでしょうか、その記録が残っているはずでありますから、それをお示しいただきたいという要望もしました。藤沢市ではそれはつくっておりません。ほとんどの検査がつくっておりませんという御返事です、現段階で。こんなことはあり得ないと思いますね。30、40億近い公金をつぎ込む設計図書、これの完了検査が、一担当者によって検査が終了したという形式的なものではなかったかということを強く感じまして、陳情をさせていただきました。検査に関しては、検査とその体制について、私が感じていることでございます。 ◆山内幹郎 委員 今の1枚の工事検査報告書というのはこれのことでしょうか。(資料を提示)後でごらんになっていただきたいと思いますが。  次の質問です。陳情の動機、今お伺いしたところ、今、動機そのものが既に、これから審議される市の内部統制リスクのことだというふうに私は受けとめたわけです。そうなりますと、もう上野さんが考えられますこれまでの辻堂市民センター建設設計プロセス、これにおける内部統制リスクについての見解を十分に伺いたいと思うんです。非常に大切なことだと思うわけですので、述べていただきたいと思います。 ◎上野孝 意見陳述者 公共施設、建物というふうに今回は限定させていただきます。これをつくるためには、その前段階で設計という段階がございます。設計では何をどのくらいの予算でつくるかということが非常に重要なことです。設計にコストのコントロールがなかったら暴走するだけです。受託した設計者は、よい作品をつくりたいという思いに駆られてどんどん華美になっていきます。これは今回のコストの専門家もそのように言っておりました。私は、この完成品、(資料を提示)これを皆さんもごらんになっていると思いますけれども、これが小学校、中学校、養護施設、そして住宅に囲まれた前にこのような施設ができてしまうんです。これは設計段階で当然コントロールができ、設計条件にはこのような要求は契約書の中には入っておりません。これはもう設計者の思いで幾らでもできるわけですね。これをチェックするのが建設設計段階建設検討委員会であり、それにかかわる行政の専門家だというふうに思っております。  そのコストのコントロール、これは財務の信頼性の確保という(資料を提示)、リスクマネジメントの3番目にあります。これが全く欠如しているというあかしであります。建設検討委員会34回の中で、一度もコストの検討はされておりません。どこがコストの検討をされたんでしょうか。その結果、公金5億から10億というものが本当に無駄な形としてなってしまうおそれがあります。まだこの段階ではおそれというふうに言っておきます。そのツケは誰が負うんでしょうか。財政厳しい藤沢市の中で、私たちの世代は何とかいいんでしょう。これ、建物ができてから長寿命、50年、60年、この建物は一旦でき上がると毎日のように出費していくものです。生涯100億円近いお金が出るということは、国交省の試算式でも明らかになっています。こんなことを今私たちが許してしまったら、本当に今の大人たちは何をしているんだと、こういう思いが私の中にはありました。  たまたま私は建築やコストの専門業務をしてきたので見えるわけですけれども、一般の人はこれを見て、(資料を提示)すごいいいものができるね。9割の人は、このパースを見てすごいいいものができますねと言います。でも、現実に現場に行って、ここの敷地がどういう状況か、(資料を提示)こんな住宅に囲まれた学校の前に、都心の商業ビル、(資料を提示)銀座か何かの商業ビルでできる単価なんです、この単価、価格は。これは価格表、私も実はデータをここに、全国の施設を分析したジャパン・ビルディング・コスト・インフォメーションという過去10年間の類似のデータがあります。(資料を提示)それと比べても飛び抜けて高い価格なんですね、37億というこちらから出ている。(資料を提示)内訳は私たちはまだ見せていただけません。こんなものが建設に入ってしまったら、どうなるかというこの思いでこの席に立たせていただきました。 ◆山内幹郎 委員 コストの問題、貴重な御指摘だと思いますし、私も辻堂の事例こそこの内部統制リスクにかかわる事例として受けとめるべきだと思っております。  それにしても、ここまで情熱を持って地域の皆さんと長い間本当に御苦労さまでしたと言いたい。上野さんの藤沢市民としての思いや専門家としての御提案が、辻堂だけでなく、藤沢市全体の公共事業でも実現することを私も願っている一人です。  今回陳情された4つの疑義について、具体的にそれぞれまだ議論されていないと思いますので、補足説明していただきたいんです。私としては、私らは素人なので、主に他市との比較とか、あるいは国交省のそうした建築設計のガイドラインがあるということですが、それに照らして説明していただけるとありがたいと思います。 ○友田宗也 委員長 委員に申し上げます。質問の中で、意見は後ほど言える場所がございますので、そちらのほうでよろしくお願いいたします。 ◎上野孝 意見陳述者 実は私が指導させていただきます静岡県庁さん、(資料を提示)これは日本で最もこういう検討が進んでいる県と言われて、マイルズ賞というグランプリを受賞した県でございます。ここでやっている事実、これは毎年職員さんがチームを組んでワークショップをしながら、延べ150億ぐらいの成果を公の場で全県民に知らせる講習会を開きながらやっているという。藤沢市さんもぜひ事業の内容をオープンにしていただいて、私たちはこれだけ市民のために努力をしているということを望んでおるものでございます。そのやり方につきましては、国土交通省の国土総合研究所がそのマネジメントのルールや手順をここに示しております。(資料を提示)全国の自治体さんは、多分一度はこの国の講習会に参加されていると思いますけれども、これがテーブルの中にしまってあるだけでは全く意味がないんです。これを実施するための体制と教育をしなければこの成果は出てきません。ぜひ私はそういうやり方を学ぶ機会をつくっていただいて、しかるべき公益社団法人や国土交通省のコスト研究所、または建設大学校等で学んでいただければ可能であると。本当にすぐれた藤沢市の職員さんであれば、本当に1年ないし2年で実現します。また、ファシリテーターとか、そのためのアドバイザーを入れれば、1週間で成果は実は出せるものなんです。こういうことを申し上げたいと思います。 ◆山内幹郎 委員 4つの疑義のうち、私たち市民にとってはコストの問題は大変関心があります。先ほど5億円ということが言われました。5億円以上は高過ぎると言われました。そして、生涯維持管理コストはその何倍にもなるというように予測しているようでありますけれども、その積算根拠について、大きなものだけでも結構ですので、概算がわかっていれば、例を挙げて教えていただきたいと思います。 ◎上野孝 意見陳述者 この時間で個々の積算について触れるのはちょっと皆様方にとって難しいことだと思いますけれども、私が専門家とした中で大きな根拠を申し上げたいと思います。建築のコストというのは、基礎工事、それから建物の骨組みに当たる本体の躯体工事、そしてお化粧に当たる仕上げ工事、(資料を提示)それから空調や冷暖房の設備、こういったものが含まれて建築のコストというわけですから、その個々の内容をまず分析します。コスト分析いたします。そして本来の性能が満足しているかどうかをチェックし、それが過剰であれば、コスト縮減可能と、こういう手続を踏んでまいりました。  今、山内委員さんの御質問にお答えします。まずは、最も皆さん方が納得できるのは、この外装でございます。(資料を提示)これは塩害地域、海を近くに抱えて、大きな塩の塩害の影響を受けます。ですから、この建物を清掃したり、長寿命にするためには相当なお金が出る。ですから、この外装を変えるだけで、まず1億は間違いなく低減をするということです。大きなお話です。  それから、躯体、建物の本体でございますけれども、この建物は3つの建物に分割してつくっているんです。この狭い土地にわざわざ消防棟、体育館棟、市民センター・公民館棟、3つの建物を独立してつくっているんです。建築技術的には、それぞれくいをしっかりと打ちながら、外壁も余計に出ていきます。私たちのこの目的を達する同じ面積で同じ性能を実現できる提案を基本設計の段階で出しました。これは今回の試算には入れませんけれども、今の設計でも、くいそのものが予測できないので、あらかじめ余裕を見るということは十分わかりますけれども、くいが平米5万円という単価が私どもがいただいた資料の中にございました。これはもうあり得ないことです。平米2万円でできる。たくさんの実績のデータから読み取ったということです。この土地が特別に軟弱地盤であったり、地盤改良をするということであれば、その2.5倍の単価も可能だと思いますけれども、私はそこまで検証できませんので、標準的なこの地域の地盤状況を踏まえて、くいが非常に大幅に高くなっている。  それから、屋上が非常にでこぼこなんです。なぜこんなでこぼこにしなきゃいけないのか。学校の前のシンプルな非常にいい空間です。お年寄りがくつろいだり、屋上で子どもたちが天体観測したり、避難の人がたくさん逃げてくる。平らでフラットで最大限屋上を利用し、湘南の景色を楽しんでいただける空間がでこぼこなんです。3棟ともでこぼこです。そこに避難する階段もばらばらなんです。これは全く機能的に目的を達成していません。これは設計者であれば誰しもわかっているはずです。それをコントロールできない技術者、そして、しかもそのためにコストがどのぐらいかかるかというのは、その設計の都度わかるんです。その関係のお金が約3,000万明らかになります。  それから、空調費、設備費というのは、今3億から4億計上されていると思いますけれども、空調です。この部屋の空調、温度を統制するために、外壁がどのような状況になっているか。外壁面積が大きければたくさんの熱を吸収してしまいます。冬は発散してしまいます。ですから、建物が独立して3個あるということは、空調、冷房の設備も非常に割高になっております。これを合理化することによって空調費の2割は下がるということで、約5,000万ぐらいは明らかに可能でございます。  それと災害の問題、これは最初から提言しているんですけれども、駐車場を体育館の下につくりました。そのために、わずか16台の駐車場のために、その建物をつくらなければいけないわけですね、荷重を支える建物。それが全く無駄ですね。1台当たり1,000万かかるんですよ。今回のこの計画で車1台とめるために1,000万かかります。しかもそれを維持していかなければいけませんから、ですから、これは明らかに外部に、同じ敷地内で駐車場を外に出せば、ここの空間、建物の駐車場空間はそのまま下げることが可能なんです。これは全く使う人に不便を生じるものではありません。むしろ外部駐車のほうが使いやすいです。その値段が約7,000万という数字が出ております。  その他、建物が3個に分かれるために、エキスパンションといって雨漏りなんかがしないように、そのジョイントの金物類が出てくるわけです。これは私も専門ではなかったんですけれども、積算の専門家は、この金物が1メーター当たりどのぐらいするかわかっておりますかと逆に質問されました。それらが、ちょっと私の記憶なんですけれども、約1,000万ぐらいかかります。  それから、これは皆さんの意思を確認しなければいけないことなんですけれども、スロープ、津波時の避難用のスロープがございます。これはすごいスペック仕様になっておりますね。もちろん基礎を立ち上げて、コンクリートを打ちます。そして手すりを全面的につけて、外部からお化粧して、これがそうですかね。(資料を提示)このようなお化粧をして2階まで上がっていきます。わずか2階まで、車椅子1台通るため、それも地震が来たとき以外は無用の長物、これに対してどのぐらいかかるかを皆さんから随分質問がされました。今回積算の専門家とはじいたところ、9,000万という数字が出ました。9,000万は全く意味のないコストです。これは皆さん方が内部で評価していただいたらよろしいかと思いますけれども、今までお金の議論をしなくて、これが欲しい、あれが欲しいということをやってきたのが34回の建設検討委員会です。何のコストに関するリスク管理がされておりませんでした。これをこの際見ていただきたいということで、都合合わせると5億円、今の段階でも5億円相当の可能性があるということを私は報告させていただきました。細かいデータはありますので、後日、必要であればお届けいたします。 ◆山内幹郎 委員 最後にします。コストの問題でもう一つだけどうしても聞かせてください。当初の基本設計及び実施設計の委託仕様書における建築工事費は約28.8億円となっております。最近の資料による建築工事費は約36億円と想定されていることを今言われましたが、建築設計において、当初計画よりこの7億円も増加するようなことが起こることなのかどうか。わずか3年ぐらいの間です。これまで他市の事例を見てきてどういうものなのか見解をお聞きしたいと思います。 ◎上野孝 意見陳述者 公共工事には、土木関係の工事と建物の工事がございます。土木関係は、当然、現地の事情や地盤状況が変わることによってどんどんどんどん設計が変更していきます。これは当たり前のことなんです。でも、建築はもうあらかじめこの敷地にどういう条件で建物をつくるかというのは、制約条件は最初に明らかになっております。ですから、賢明な設計者であれば、こういうものができますということを一番最初の基本設計の最初の段階で明示して、コストはこのくらいですよと、そこから出発しますから、その後、特別な要求や仕様変更がない限り、コストが上がるということは原則的にありません。逆に賢明な設計会社は、ここをこうすればもっと安くできますという提案をする、そういった時代なんです。  それが今回は、そのような提案を私は一切見たことがございません。私たちがそれを提案しても評価する意思もありません。原案ありきでどんどんどんどん積み上げています。知らぬ間にコストが上がっています。一度公開の場でコストアップの要因を説明していただく機会をお願いしたいと思っています。  それから、一番最初の予算はどういう根拠でつくりましたかということを質問させていただきました。それは直近の類似の建物の平米単価を使って辻堂の予算を出しましたということもお聞きしています。その直近は六会の建物なんですね。この六会の単価が、平米単価がたしか四十何万という数字なんです。これそのものが非常に異常値なんです、コストの日本全国のデータ、公共建物のデータから見ると。六会の非常に高い平米単価を使って、そのまま辻堂の面積に比例した単価を掛けると、28億とかという公表された予算になっています。六会はたしか20億ぐらいでできているんですよね。ただ、規模が小さいから平米単価が上がってしまったということだと思います。私は、その細かいデータはありませんけれども、公表された資料から、平米、たしか五十何万です。五十何万ということは、私たちの感覚で坪150万です。150万の今建物が、銀座でもどこでもいいですから、探してください。そんなものはありませんて、一昨日、コスト研究所の方からデータを示して見せていただきました。このビルはよっぽど稼げるビルなんですねと。(資料を提示)お客様をたくさん招くために豪華にして、稼げるんであれば、確かにそのような投資も必要でしょうけれども、全くこの公共施設は一銭も稼ぎません。建った瞬間から冷房費、暖房費、管理費が出ていくだけなんです。そこになぜこのような高いお金をかけて投資してやるのか。  これは投資倍率という考え方を設計でもするんですけれども、これだけの投資をして本当にいいのか、もっとこうすればこれだけメリットがあるというスタディーが行われなければいけないと思います。それは建設大学校のテキストを見ていただければ十分理解できると思いますし、藤沢市さんの行財政改革でも、厳しい財政の中で少しでも無駄を省こうという時代ですから、当然だというふうに考えております。 ◆甘粕和彦 委員 コストの件は非常によくわかりました。ありがとうございます。  それでこの瑕疵や疑義があるということの①、②、③、当日に合格通知をしているということ、さらにはその合否の判定に客観性、信頼性がない、そして3つ目が、その保存されるべき資料がないということなんですが、上野さんは、仕事の経歴の中でもお聞きしたとおり、日本各地の公共設計とかに携わっていたということで、そういったときで、ほかの行政のこういった中を見るような機会というのは、そのときはございましたか。 ◎上野孝 意見陳述者 私どもは設計の過程を行政の職員さんと一緒につくり込むというアドバイザーなんです。検査というのは完成してからなんですから、やっぱり内部、設計者とは別の立場から、藤沢市さんでは財務部という公共建築さんとか、つくり込んできた方とは違った目で厳正な精査をするということなんで、直接はありませんでしたけれども、今回の件がありましたので、私は、静岡市役所、静岡県庁、和歌山県庁、福山市役所、その4つの部長級の方と直接お話をして事情を聞きました。そうしたら、これは非常に厳正な仕事であるので、必ずそういう文書は残さなければいけないというのが基準の中にもあるということを検証しました。それで、あとインターネットで三、四取り寄せましたけれども、そこにもございます。それで、藤沢市さんの場合の一番問題は、土木の工事の完成検査の書式しかないんです。土木の工事の完成検査ですよ。道路ができた。検査員が道路に行って、何メーターちゃんと舗装ができている。はい、合格。その検査と、設計業務委託というのは、設計業務というのはたくさんの図面をつくり上げて、積算書まで納品する、委託業務ですから、その検査が同じこの1枚の書式で使われているということに私は異議を申し上げました。そうしたら、これが藤沢市のやり方だと。もう十何年変わっていないですね。それは後ほど御質問してください。私のお答えできるのは、ですから、この文書が全く意味をなさない、かがみだけなんです。この合格通知はよろしいです。合格通知をしたときに、どんな人が立ち会って、どこでどのような検査をし、指摘事項は何だったんですか。いや、指摘はありませんでした。結果、合格といたしました。記録がなければ、これは偽造もできますよね。ぱっぱっと帰ってきて、押して、合格、その日のうちに業者さんに合格しましたので、請求をしてください。これも不自然ではございませんか。この席のテーマとは違うと思いますけれども。それは監査の問題かもしれません。  ですから、よそを調べれば、文書の形はいろいろございます。議事録という形であったり、検査報告書というフォーマットであったりしますけれども、なければ行政の業務は保障できないわけですよね。報告書というのは今後のために検証できるためにつくるわけですから、それがなければ、検査員が行って、あとメンバーがかわってしまったら、どんな検査をしたかすら検証できませんね。これはすごく大切なことだと考えております。 ◆甘粕和彦 委員 さらにその検査が一、二時間とか、検査官が1人だったとか、そういったことがあり得ないということでしたが、それは何と比較してあり得ないのかを教えていただきたいです。 ◎上野孝 意見陳述者 建築の設計というのは、御存じかと思いますけれども、構造設計という専門の成果品、それからデザインを担当する意匠設計という専門家、また設備や電気を設計する専門家、このような方がメンツをそろえない限り、検査ができないんです。私も建築士ですけれども、建築の領域は検査ができますけれども、私がやったとしたら、ほかは全くめくら判です。そのように、検査をする体制が1人ということは、事務的に何しろ検査官が立ち会っていたというアリバイがあればいいというふうに思われているんではないでしょうか。これは議員の皆様が検証していただければありがたいです。 ◆甘粕和彦 委員 それはほかの行政地域、市町村ではこういう体制がとられていないということですか。 ○友田宗也 委員長 意見陳述者の方に申し上げますが、委員長と御発言の上、御答弁のほうをよろしくお願いいたします。 ◎上野孝 意見陳述者 調べるときに、公共工事イコール土木というのはもう圧倒的なんですよ。公共工事は8割以上が土木工事ですから、土木の道路だとか、補修したとかというのはもう市レベルの工事だと何百件とありますから、これ1枚でいいと思うんですね。でも、今回の場合はそのような類いと全く違う建築の委託成果品を検査するというふうに条件をつけて、どうしていますかということをお聞きしないと、いや、土木ではこれ1枚でやっていますよというお話になってしまいます。そこだけ御注意いただいたらと思います。私も追って調べたら御報告をさせていただきたいと思います。 ○友田宗也 委員長 今の質問のほうは、他市の例としてそういったことがあるかというような趣旨の質問かと思いますので、もう一度御答弁のほう、よろしいですか。 ◎上野孝 意見陳述者 他市の行政ではどうしているかということ、検査をということですね。これは私はちょっと浜松市役所さんにこの件についてお電話でしました。それから、和歌山県庁さん、これは有田市の建築部長をやって、和歌山県庁に今現在来ている方なので、市の事情もお話ししてくださいました。そこでは、まだ送っていただいていないんですけれども、その文書はあるということで、後日送っていただけるという、今の段階では、私が直接その文書を見たのは、その送っていただいた2件でございます。これから必要であれば、させていただきたいと思います。 ◆有賀正義 委員 先ほど意見陳述者の方から私の名前が出ましたんで、その辺について確認させていただきたいこともあるんですけれども、私、自分自身の勉強のために、合意形成の手法について学んできた中で、たまたま辻堂市民センターのお話があって、そして上野さんから御相談を受けた経緯があります。そのときに、私が学んできたステークホルダーを一堂に会して、丸い形、向き合う形で合意形成を図っていこうとする沖縄式円卓会議、これが非常に今回の辻堂市民センターの合意形成を図る上で有効ではないかということで、市民自治部だとか、あるいは辻堂市民センターに紹介させていただいた経緯があります。その中で、辻堂市民センターワークショップがどのように行われて、どのような成果を上げたのか、あるいはどこが不足だったのか、その辺について上野さんなりの御見解をお聞きできればと思います。 ◎上野孝 意見陳述者 簡潔に申し上げます。有賀委員から御紹介いただきまして、私が考えていたワークショップは、本格的な市民が参加できるワークショップを短時間でやるという企画を出しました。それに対して、沖縄でこのようないい事例があるという今のお話でした。それをしっかりと勉強して、準備を2週間以上かけて、その運営について検討したんですけれども、何の条件がそろわなければそれがうまくいかないかというのはもう明らかなんです。このワークショップというのは、そのファシリテーターという関係者の意見を本当に中立的に吸い上げてあげて整理できる能力、これは専門的なスキルなんです。以前こちらの会議の中でも御指摘していただいたと思うんですけれども、ファシリテーターが藤沢市さんの職員の中にはいないということを私どもの研究会の村山委員長に話がございまして、何とかあなた方の仲間でこれができる人はいないかということで、私が中に入って、東京からそのような経験のある方を3名、ボランティアで参加していただいて、結果的には私はすばらしい、市民レベルのワークショップでは本当に日本を代表する進め方だと言ってもいいくらい私は今自負しております。そこで125件近い提案書をまとめました。これは一般の市民ではできないです。たまたま私どものグループに、個人名は出しちゃいけないと思うんですけれども、一級建築士の現役の方、私のように、公共事業の価値を分析したり、提案を指導している人間がいたということで、本当にもう二、三日徹夜して、しっかりとした提案書をつくりました。それをお出しして、初めてワークショップというのは参加者の声がそこに生かされるということなんですね。このための体制だとか、ファシリテーター、人材の養成、それからやっぱりそういうことをやろうという風土といいますか、意識がないところで単なる、よそでやっているやつを持ち込んで、形だけワークショップと言っても全く意味をなしません。ぜひ藤沢市さんでも本当に他市のまねのできない、本当に住民が参加してよかったというワークショップを実現してほしいのが私の願いでもございます。 ◆有賀正義 委員 今までになかったワークショップを開催されたということなんですけれども、ワークショップの開催タイミングとか、その辺もいろいろと絡みもあると思うんですけれども、その辺、今後、成果を上げるためのポイントというのはどのようにお考えかお聞かせいただければと思います。 ◎上野孝 意見陳述者 僣越でございますが、藤沢市さんの考え方の中には、一旦決めたものはもとに戻さないという風土が現実にございます。ワークショップを成立させることは、どの段階でも、そこでよい案ができたら反映するという前提条件がございます。今回は私はそれを信じて基本設計に入った段階で、別に配置計画が決まっているものではないと、もう自由に利用者の立場から意見を出して、そこに経済性や技術性のメリットがあるんだったら、どんどん提案しましょうということでしましたけれども、結果的にはその提案はまともな審議はされませんでした。もう原案があるんでこれはだめですという排除です。こんなことはルール上ございません。私は、建設大学校で7年間、国土交通省の係長クラスの方に、いつでも設計というのは、よいものが発見できたら、そこで、もちろん経済的なメリット、工期が延びる、そういう要素も踏まえて、投資効果がある、必ずリターン、メリットがあるといったら実現するんだということを言い伝えましたし、マニュアルの中にもそのようになっています。世界的には米国がそれをリードしている、米国ではそれを立法化して、どのタイミングでなければいけないなんていうことは一切言っていません。どのタイミングでもいいんです。入札段階でもよろしいんです。工事に入ってからでもよろしいんです。もちろん基本構想でもいいし、基本設計でもいい、これがワークショップというものです。これだけは明確に申し上げておきたいと思います。  ですから、これまで私たちが拒否されたのは、もう原案があるんで、これは戻れませんということを、何の知識もない監督員といいますか、行政の方が、そういったことを堂々と私たち専門家に対して言ってきて、時には排除されます。退場しなさい、ここでそんな意見を言うんだったら、退場しなさい。これは人権問題に至る話かもしれません。そのようなマネジメントスタイルがまだ藤沢市に残っていること自身、皆様方にも考えていただければと思います。 ◆柳田秀憲 委員 では、お聞きいたします。今さまざまな御主張をなさっているわけでありますけれども、意見陳述者の方はこの設計といいますか、建物の設計がちょっとおかしいのではないかと、簡単に言えば、そういうことかと思うんですけれども、今の建物の設計に至るプロセス、そちらはいかがでしょうか。これもおかしいというふうにお考えでしょうか。 ◎上野孝 意見陳述者 プロセスというのは形は踏んでおります。最初に提言を受けて、庁内の委員会で、庁内会議で形をつくり、外部のコンサルタントに基本構想をつくらせ、基本構想をもとにプロの設計事務所に入札で参画させ、基本設計を終わらせ、そこで検収をし、次に実施設計に入って、最後の完了し、コストのチェックもしたと。プロセスは何ら変わっておりません。でも、その中身は全く形骸化されたものであることを私は専門家として断言させていただきます。そこにかかわるメンバーの中に建築コストの専門家がいない限り、このような大規模な建物はコストコントロールはできません。庁内にそういう方を養成するとは言いませんけれども、そのために今コストの専門家の日本社団法人の建築コスト積算協会という立派な組織が今全国で活躍しております。海外からもオファーがあって、協力をしております。そういうことを利用する体質が藤沢市にはございますのでしょうか。私はまだ2年半しか外部から見ておりませんけれども、そういうことをしない限りコストは暴走します。明らかなんです。委託された先はよいものをつくりたいという思い、これは建築のデザイナー、当たり前なんです。それを内部でチェックする、これがまさにリスクマネジメントではないでしょうか。しかもでき上がるまでの話ではありません。でき上がったらそれがどのくらいの維持コストに影響するかというライフサイクルコストの分析やデータが蓄積されなければいけないわけです。  私が質問したら、藤沢市にはそういうライフサイクルコストのデータはありませんと堂々と返ってきました。では、全くチェックができないわけです。それを設計事務所にやらせればいいではないですか。その指示もしないから、このようなずさんな設計しか出てこないわけです。ずさんかどうかは私が決めることではございません。予測を申し上げたわけでございます。 ◆柳田秀憲 委員 さっきお話を伺っていますと、5億円のコストの削減というのが可能性があると言いましたね。ちょっと伺った限りだと、外壁のことであるとかということだったんですけれども、どういう建物が必要かということに関して、設計建物の建築設計の専門的な視点ではなくて、利用者の方々の視点で積み上がってきたわけですよね。また、あそこは高浜中学校のテニスコートもあったりとか、そういった関係もあり、あくまでも今利用されている方々、公民館とか、そういったことを利用者を中心にどういうのが必要かというのを積み上げてでき上がった必要の諸室、どういうものが必要かということで、とりあえずはまずそこで構想ができてきたわけではないですか。それ自体もおかしいとお考えですか。 ◎上野孝 意見陳述者 確かに報告では、地域の声を吸い上げて、学校の関係、具体的にはテニスコートを残してほしい、正面にエントランスを持ってきてほしい、体育館も欲しい、いろんなところが要求は出します。その要求をただ積み上げたら、もうべらぼうなものになってしまうんです。これは当たり前なんです。お金の考えない要求はおねだりと同じですから、あれも欲しい。それを総合的に評価しながら、優先順位を明確にして、これはちょっと将来にわたって無理であるという、そのやりとり、コミュニケーション、また合意形成という中で激しいやりとりがあっていいんです。それは双方が情報公開されて、こちらはこういう理由で必要なんだ。でも、税金を払う私たちからしたら困るとか、例えばもっと卑近な例は、遠くに行ってしまうことによって、今の浜見山の現市民センターの近くに住んでいらっしゃる方は、本当にお年寄りなんかは、茅ヶ崎の境界のところまでもう行けませんよ。これはもう利便性が完全に欠如します。  それから、消防についても、皆さん、常識的に考えてください。学校の前に消防の音、救急車の音、これが将来にわたってどういう影響を与えるか。また、近隣のお年寄りの住宅に日照条件が今でも悪くなる、これは当然やめてくださいという、それも要求ですよね。これはいいんです。全部出させればいいんですよ。それをどう評価したかということが非常に合意形成の上で重要なんですけれども、辻堂では非公開でした。非公開、情報を出さない。合意形成の手続を一切しておりません。私たちの提案も、一部の不満分子が出てきた一部の意見だというふうに取り扱っています。決してそうではありません。オープンな場でワークショップ市民センターさんが呼びかけてくださって、そこに本当に意思のある代表者が40名ほどが集まったということは、非常に地域を真剣に考えた人たちの私は要求事項であったと思います。それをまとめたのがコーディネーターですから、コーディネーター個人が出したなんていう発言はとんでもない発言ですね。私は撤回を要求したいと思いますけれども、議事録を見ていただければ、そのようなことが繰り返しして、どんどんどんどん既成事実を積み上げて、完成まで来ました。検討はこれで終了という終了宣言までビラにして、一斉に4万3,000戸に配りました。一般の市民はもうそれでギブアップです。ああ、もうここまで来たんだったら、もう私たちが意見を言ってもしようがないね。こんなすばらしい、幾らかかるかわからないけれども、つくってもらったらいいではないですか、ふてくされています。そのような状況を本当に認められるのかどうか。手続は形の上ではしていますけれども、形ではないんです。その中身が伴った手続が保障されなければ、価値のある公共施設はできないということを断言させていただきたいと思います。 ◆柳田秀憲 委員 陳述者の方の思いといいますか、御意見はそれはそれで受けとめたいと思いますけれども、一方で、辻堂市民センター・公民館建設検討委員会の方々も、これは三十何回ですか、真摯に御検討されて、しかも中心的に辻堂地区のこの市民センターであったり、公民館であったり、そういった活動を中心的になさっている方々が私はメンバーに選出されているというふうに理解しているんですけれども、そういう意味では、民主主義の手続の中で、どういうふうにやればそれ以上の民主的な手続と言えるのかといったあたりについてのお考え、これはつまり、この検討委員会の方々が辻堂の住民を代表していないというふうにお考えですか。いかがですか。 ◎上野孝 意見陳述者 大変難しい、正解があるものではないんですけれども、現実論として、34回の議事録を見ていただければ明確ですけれども、地域を代表されるという形で選ばれた委員さんははっきりと明言しています。私は地域を代表しているわけではありません。ボランティアで協力をしております。そして、意見は言うけれども、将来のこと、この建設の意思決定をできるだけの知見も情報も持っておりませんということが、随時、議事録の中であらわれていますから、今、柳田委員さんがおっしゃったように、本当に地域を代表して意見を吸い上げられる機能をしてくださったら、本当にありがたいことですよね。私も何度もお話しして、この御年配の方が、34回も無償でやられたということはすごいことなんですけれども、でも、その結果が暴走しているだけなんですよ。それをカバーするのがワークショップであったり、行政と設計者と住民が一緒に入って、ここまで建設検討委員会さんが積み上げてきたけれども、この節目、もう一度皆さんやりましょう。そこには建築の専門家も、コストの専門家も、工事の専門家も、行政の専門家も入ってくださいと、これが本当のワークショップというものなんです。情報が共有化され、専門家が集まって、自由に意見をしながら優先順位を確認して、最も価値のある提案を具体化する、そこまでしないとワークショップではないんですよ。これはもう私の個人的な見解ではなくて、今どんな資料を見てもそのように言っていますし、現実に、埼玉だとか、そういう学校の周辺の整備の中で、小学生たちも入れてどんどん、長野でもやっています。私は5つぐらいの現場関係者の報告も聞きに行きました。  辻堂市民センターはまさに文教地区です。小学校、中学校、高等学校、養護学校、まず学校があります。その方たちの本当に将来使う子どもたちの意見なんて全く吸い上げた形跡はございません。PTAの会議でちょこっと報告書をしたと、それが合意形成とはとても言えませんから、むしろ私は今の御提案に対しては、小さなミニワークショップをいろんな階層でやっていただいて、それを吸い上げて、公式な専門家による評価、優先順位を確定し、しかも予算のチェックをして、これはここにお金をかけていいですねと、それが本来の公共事業のあり方ではないでしょうか。 ◆柳田秀憲 委員 今、陳述者の方が御説明いただいたようなプロセス、ワークショップ中心といいますか、そういった手法も確かに私もすばらしいというふうに思います。それに引きかえ、今回の辻堂の市民センターの建設に際する住民合意形成のプロセスは、確かにおっしゃるとおりで、まるで違いますね。ですから、認められないと。何年間ですか、この数年間かけて三十何回検討した内容は、そもそも委員の方々も地域を代表しているとは言いがたいと。さらにはその手法、ワークショップもやっていなければ、密室とは言いませんけれども、非公開の、会議録もちゃんとないような中で話し合いが行われていて、プロセスがなっていないので、全く認められないということですか。今のお話を聞いていると、私はそういうふうに聞こえるんですけれども、いかがですか。 ◎上野孝 意見陳述者 いいんです。過程でいきますが、その節目節目で成果をチェックする場というのは必ずあるんですね。基本構想が終わった段階で、これはデザインレビュー、コストレビューということでチェックを必ずするんです、プロセスで。それが行われればいいですよ。ですから、今回も、これまでの経過で今設計図が完成したと、1月31日に言われました。それをもとに、わずか1週間かければいろんな、私は、やめるということではないですよ。さらに工夫すれば、これだけの無駄なお金が節減でき、満足するものができるというチャンスが今十分にあるということで、今回の陳情をさせていただきました。入札して工事の準備までにはまだまだ時間があります。私の最短経験では、3日間で行政の方が専門家を集めて、2日間で実践のワークショップをします。その結果を幹部が集まって評価会して、この案は採用しようという審査委員会を開いて、即設計会社にこれについて検討する。もちろん追加は設計会社に対してお支払いしますけれども、1,000万の設計料を追加して1億のコストが下がれば、9,000万の財政的なメリットが生まれるんです。これは投資倍率という言葉があるんですけれども、私は1,000万かけるからもったいないという感覚の方と、1,000万かけて1億円の無駄が今発見できるとしたら、それは思い切ってその方向に走るべきなんです。これははっきり言って市長のリーダーシップですよ。私はそのように思っていますので、今、柳田委員がおっしゃったように、今までやってきたのは無駄ではなくて、今までやってきたからこういう形が出てきたんで、それをもとに皆さんでさらに知恵を出しましょうということを申し上げているんです。 ◆柳田秀憲 委員 ちょっとよくわからないのが、ずっと伺っていると、だめだと、今までのこのプロセスではだめだから一からやり直せというふうに聞こえなくはないんですよ。でも、そうでないと。そうしたら、どの段階で何をすればよろしいんですか。 ◎上野孝 意見陳述者 本来は、基本構想の終了段階、また基本設計の終了段階、詳細設計の終了段階、それが本来あるべきなんですけれども、その計画書がもともとなかったわけですから、これは担当者を責めるものではなくて、市としてそういうシステムが整備されていないこと自身の問題で、これから今後に向けて整備していただければいいんですけれども、この辻堂案件は今瀕死の状態で、負の遺産が工事に入ろうとしているんですから、ここで思い切って検討して、それが改善できる可能性は十分あるんですよ。それを踏み切るか、委員の皆さんが、もうこれまで積み上げてきたから、やっても意味ないと、多少5億や10億ぐらいいいのではないの、次の世代に負担をさせろと、そういう決断をなさるのか、そのような私は問題意識でこの陳情をさせていただきました。 ◆柳田秀憲 委員 設計も大分できている中で、建物が3つあるとか、なので余分なコストがかかっている。それもそうなんでしょう。あと配置計画に問題があるのか、あるいは避難のスロープとか、そういったことを陳述人のおっしゃるようにやめていくということで、大幅な設計変更になろうかと思うんですよ。それって、1,000万円でできるんですかね。ほぼゼロからやり直すのに近いのではないでしょうか。そこはいかがですか。 ◎上野孝 意見陳述者 これは私も設計を20年ぐらい大手の会社でやってきました。確かに、はっきり言ってゼロからやり直すという考えもありますけれども、これまで設計をつくり込む過程でいろんな条件とかそういうものはもう整理されているデータがあるんですよ。あとは作図でちょっと変えるだけなんで、これまでスタディーしたことがほとんど使えるんですよ。ですから、私はそんな手間をかけなくて、例えば今1億2,000万で当初設計をお願いしていますけれども、二、三千万円で十分だと思います。もしそれができなければ、1,000万でできる設計会社をプロポーザルで提案していただいたら、こんな社会的な仕事に私たちの力が貢献できるなら、ぜひ受託させてくださいというところが出てくると思いますよ。私はそういうケースはたくさん知っていますし、私自身、台湾政府からすごい宿題をいただいて、日本のそういう団体が私たちを指名して、お手伝いに行って、本当に10日間で一気に案をつくって、すごく喜ばれた経験も持っていますし、そういうことは可能なんですよ。皆さん、成功体験がないから、ここで変更するということは大変なことだろうと思いますけれども、私にとって、全くこの程度の建物だったら専門家が集まれば、一気にできるし、作図なんていうのはもうコンピューターでできるんですよね。その辺を委員さんは大変だというふうにやっぱりお考えなんでしょうか。質問してはいけないんですね。失礼しました。 ◆柳田秀憲 委員 そういうふうにできるとおっしゃるなら、それ以上言ってもしようがないなと思うんですけれども、そこに、今ここに至るプロセスとしては、辻堂市民センター・公民館建設検討委員会の方々が、そこのメンバーの方の、これは言葉のあやかどうかわかりませんが、やはり辻堂市民センターの基本構想なりを考える、一定の案をつくり出していくという権限はお持ちだったことは間違いないわけですよね、その方が。御自分の自覚は別ですよ。そういうことですよね。そういう方々が集まっているのは私は事実だと思いますけれども、それはそうではないということでよろしいですか。 ◎上野孝 意見陳述者 それは何度も、ここに組織がありますけれども、(資料を提示)市民代表の6名の方をおっしゃっていると思うんですけれども、この方たちと何度も私たちの研究会はお話をしました。全く代表として権限を持っているという意識は、当事者はございません。これは議事録を見ていただいて検証してください。柳田委員さんのおっしゃるように、やっぱり権限と知見を持ってやっていただけたら、本当にすばらしいものができるはずなんですよね。でも、そういう意識はないですし、行政のほうもこの委員会を権限のある公式な意思決定機関というふうに認めていらっしゃいませんよね。私は、あるとき、委員長の指示に基づいて動こうとしたんですけれども、委員長には権限はありませんと、ずばり返ってきました。ですから、それはどうなんでしょう。権限がない人たちをあたかも意思決定の住民を代表する組織だというふうに位置づけながら、(資料を提示)実際には違ったところでどんどん設計が進められて、1カ月に一遍委員会に諮って、委員長さん、どうでしょう、皆さんどうですか。もちろん素人の方はすごいいいものができるね、これはいいのではないの、これもついでに入れてもらいましょう、議事録を見ていただいたら、そういう議論しかありませんから。これはぜひ34回の議事録を見ていただけたらありがたいと思います。 ○友田宗也 委員長 ほかに質疑はよろしいでしょうか。                (「なし」と呼ぶ者あり) ○友田宗也 委員長 これで意見陳述者の方に対する質疑を終わります。  意見陳述者の方は退席していただいて結構でございます。               〔上野 孝意見陳述者退室〕 ○友田宗也 委員長 次に、この陳情に対する市当局の考え方について説明を求めます。 ◎松崎 財務部長 陳情1第5号辻堂市民センター改築工事入札前のコスト検証実施についての陳情について御説明申し上げます。  この陳情については、辻堂市民センター再整備は、工事請負入札に入る前に、建築コスト専門家を入れた第三者による設計図書の検討、検証をするよう市に働きかけを求めているものでございます。  まず、本市における工事に関する検査業務でございますが、藤沢市請負工事検査規程に基づき、対象となる工事が当該契約図書及び工事関係図書に適合しているかについて、観察、検測、試験その他の手段により確認する行為であり、地方自治法に規定される契約の適正な履行の確認を受注者に対して行うものでございます。また、今回のような工事実施につながる設計委託の検査につきましては、ただいま御説明いたしました工事検査規程を準用して行うものとされております。  このたびの辻堂市民センター改築設計委託につきましては、本年2月7日に行った検査の結果、工事実施につながる設計図面や工事費を積算するために必要な積算数量調書等について、設計委託仕様書で定められた内容の成果物が定められた数量にて納品されていること、これらにつきまして確認をし、検査を合格としたものでございます。  なお、辻堂市民センターの再整備につきましては、建設検討委員会等で出された市民の皆様の御要望、御意見を基本設計としてまとめたものでございます。また、この基本設計に基づきまして、国の統一基準である公共建築工事積算基準にのっとり、建設工事に必要な設計図及び工事費内訳書等の実施設計を行ったものでございます。  以上で陳情1第5号の説明を終わらせていただきます。 ○友田宗也 委員長 説明が終わりました。  これから質疑を行います。質疑はありませんか。 ◆山内幹郎 委員 意見は言わないようにしますけれども、内部統制の問題ですけれども、コストの問題などを今、陳情者はるる述べられたわけです。この辻堂市民センターは、きょうのもう一つの報告でもあります、テーマでもあります、まさに内部統制が対象とするリスクそのものではないのか、こういう認識はあるのかどうかまずお伺いいたします。 ◎藤岡 市民自治推進課主幹 内部統制でございますけれども、基本的に法令等の遵守、事務事業の有効性及び効率性の確保、財務報告の信頼性の確保、資産の保全の4つの目的が達成されないリスクを一定の水準以下に抑えるためのプロセス、こちらが内部統制であるというふうに考えております。ですから、市が行う全ての事業、業務につきましては、この目的に基づいて行われていると。  辻堂市民センターの改築事業につきましても同様であります。先ほど陳述者の方もプロセスのお話をされておりましたが、これまでも内部統制のプロセスに従いまして取り組んでまいりましたし、今後につきましても、同様に、内部統制のプロセスを基本に進めてまいります。 ◆山内幹郎 委員 それでは、陳情者が言っている4点について、以下4点について、市としてのコメントを伺いたいと思います。陳情者にたくさんの質問をして、同じように、平等に質問をさせていただきたいと思います。  まず1つ目の検査時間が短過ぎるという点です。今回の比較的大規模な難しい設計の完了の検証にしては非常に短過ぎるという点で聞きましたけれども、これは何か他市と比較したりする、できるような資料はあるのかどうか伺います。 ◎加藤 検査指導課主幹 工事設計等の業務委託の検査時間の他市との比較についてでございますけれども、設計業務ではなく、さらに契約金額が大きい請負工事の完成検査の場合になりますが、契約の規模や出来高の有無により、1件につきおおむね1時間から1日程度が多いと、他市との情報交換を通じて聞いております。なお、工事設計等の業務委託の検査時間について他市と比較できる資料はございません。  また、平成31年2月7日に実施いたしました辻堂市民センター改築設計委託の完成検査につきましては、地方自治法、藤沢市契約規則及び藤沢市請負工事検査規程等に基づき、設計業務の成果物が契約図書に適合していることを確認するため、検査指導課における約2時間の検査の中では、契約図書に定められた成果物が定められた数量にて納品されていることを確認し、検査を合格としており、検査内容に対する検査時間は妥当であると考えております。 ◆山内幹郎 委員 先ほど上野さんが言われましたように、その中身についての検査はやはり確認していないということでした。上野さんの陳述では、こうした建築設計の場合の検査時間はこんなものではないということだったのと好対照だと思います。  次に、2点目です。建築設計の検査のときの合否判定のチェックリスト、これについて上野さんは言及されております。これも他市との比較及び国からのガイドライン等はあるのかどうか伺います。 ◎加藤 検査指導課主幹 合否判定のチェックリストについてでございますけれども、他市と比較できる資料はございません。また、建築設計の完成検査に関する国のガイドライン等につきましても公表されていないことを確認しております。なお、工事設計委託の完成検査につきましては、工事成績採点表兼工事検査調書等を活用するほか、建築基準法等の関連法規等の適用において、法令等の所管部署による審査に合格していることもチェックしており、本設計委託の完成検査につきましても、法令等の適用を含め、客観的かつ適切な検査を実施しております。 ◆山内幹郎 委員 3点目です。検査実施時の記録の文書化という点ですが、これは存在はしていないと聞いております。その理由を聞かせていただきたい。この点、他市との比較及び国からのガイドラインはあるのかどうか、同様です。お聞かせください。 ◎加藤 検査指導課主幹 検査実施時の記録の文書化についてでございますけれども、先ほどと同じように、他市と比較できる資料はございません。また、先ほどと同じように、建築設計の完成検査に関する国のガイドライン等につきましては公表されていないことを確認しております。  なお、藤沢市請負工事検査規程等に基づきまして、工事成績採点表兼工事検査調書及び工事検査報告書等により、本業務委託の完成検査の結果につきましても、文書管理を適切に行っております。 ◆山内幹郎 委員 この点について4点目のコストについてですけれども、これについては六会との坪単価の比較と、原点である建設コンセプトに立ち返っての建設費の正当性、妥当性についての評価を聞かせてください。 ◎菅野 公共建築課課長補佐 六会市民センターとの坪単価の比較でございますが、六会市民センターの既設体育施設の改修工事費を除く設計金額は約15億1,000万円で、延べ床面積は2,945平米でございますので、坪単価にいたしますと約170万円でございます。辻堂市民センターの設計金額は、現在入札前でございますので、公表できませんが、六会市民センターの設計時が平成25年度でありますことから、物価変動や消費税の増税等を考慮いたしますと、一概に辻堂市民センターの設計金額との単純比較は難しいものと考えております。  次に、建設費の正当性につきましては、繰り返しにはなりますが、設計段階におきまして、検討委員会、市民の皆様より出されました意見、要望を設計に反映し、基本設計をまとめておりまして、国の統一基準であります公共建築工事積算基準にのっとって工事金額を算出しておりますので、建設費の正当性としては確保されているものと考えております。 ◆山内幹郎 委員 今の答弁なんですけれども、昨日の鵠南小学校の質疑では、塚本委員の要請で概算を公表いたしましたね。私には公表できないというんでしょうか。概算でいいので、ここで述べていただきたいと思います。 ◎菅野 公共建築課課長補佐 入札前でございますので、設計金額については公表できませんが、辻堂市民センターの当初予算といたしましては約36億9,000万円としております。 ◆山内幹郎 委員 次に行きますね。今の問題にかかわりますが、陳情者にも伺いました当初の基本設計及び実施設計の委託仕様書における建築工事費は約28.8億円となっています。最近の資料による建築工事費は、今おっしゃいましたように約36億円という想定がされている問題について、7億円も増加したわけでありますが、その理由は何か、市財政が苦しいというときに、これこそ内部統制にかかわるリスクであるはずのものではなかったのか見解を伺います。 ◎近藤 市民自治推進課課長補佐 建設工事費につきましては、これまでの間の検討を重ねた結果、仕様や機能等が具体化されてまいりましたので、これらに基づきまして、またこの間の物価上昇なども考慮した上で精査し、本年度予算として計上させていただいたものでございます。今後、この予算の中で工事発注に入ってまいりますので、この結果により、工事費が確定するものでございます。 ◆山内幹郎 委員 今の答弁なんですけれども、ここで上昇した原因が、仕様、機能の変化という第1点と、それから物価上昇を考慮したという第2点、2つ言われておりますが、そのうち物価上昇の影響は、この3年間でそんなに大きくないと想像するんですけれども、何%で幾らぐらいだとしているんでしょうか。 ◎近藤 市民自治推進課課長補佐 物価上昇は1つの要因でございます。この間、上昇したものは、例えば六会市民センターの設計時が平成26年3月でございますけれども、そこから基本設計をまとめた29年9月の間では4.7ポイントほどではなかったかと。これは建設工業経営研究会の標準建築費月報に基づくものでございます。 ◆山内幹郎 委員 今の物価上昇のこの28.8億円から36億円、7億円増加した。そのうちの物価上昇の影響はどのくらいかということをお聞きしたんですけれども。 ◎菅野 公共建築課課長補佐 基本設計からの物価上昇としましては、想定ですけれども、1億3,500万円程度と算出されております。 ◆山内幹郎 委員 検査の合否判定というのとは別に、各自治体では、委託業務成績評定という点数化をして成績評定をつくっているということです。藤沢市でのこの現状はどうなのかという点です。これはどういうもので、どのくらいの時間をかけてつくっておられるものなのか、また評定点が低いと合格しないというものなのかどうかについて伺いたいと思います。 ◎中村 検査指導課長 工事設計等の業務委託の成績評定についてでございますけれども、本市では、公共工事の品質の確保を図るため、請負業者の適正な選定及び指導、育成等に資することを目的としまして、藤沢市請負工事検査規程及び藤沢市請負工事成績評定要領に基づきまして、工事設計等の業務委託の成績評定を行っております。
     なお、成績評定の作成に要する時間につきましてですが、成績評定に当たります検査員のほか、工事担当課の複数の調査職員が評定に携わるため、成績評定に要する時間数は正確に把握しておりませんけれども、おおむね延べ半日から1日程度ではないかと捉えております。  また、評定点と検査の合否の関係につきましては、藤沢市請負工事検査規程において、検査に合格し、目的物の引き渡しを受けた後に、当該工事にかかわる請負人についての評定を行うとされているため、検査の合否に評定点は影響しないものでございます。 ◆山内幹郎 委員 今の答弁で、この評定点は一般市民にも公開されているものなのでしょうか、それとも中だけのものなんですか。 ◎中村 検査指導課長 評定点につきましては、最後の工事検査報告書、そちらのほうでの合計点につきましては公表とさせていただいておりますけれども、各担当の調査員が採点しました評点表につきましては、今現在、その業者に対しての評点としているため、別の方への公表は控えさせていただいております。 ◆松下賢一郎 委員 先ほど意見陳述の中で、今回のこの設計がオーバースペックになっているということで幾つか御指摘がありましたけれども、その点について、本市として仕様、機能の変化をされたことによって、今、積算根拠が上がったというお話もありましたけれども、そのオーバースペックという指摘に対する本市の見解をお聞かせいただきたいと思います。 ◎菅野 公共建築課課長補佐 オーバースペックというお話がございましたけれども、今回の計画につきましては、市民の方から十分な意見を取り入れた中で基本設計をまとめ、工事積算をしております。また、近年、建築されています善行市民センターですとか、そういった建物と比べましても、仕様については特にオーバースペックではないと考えております。 ◆松下賢一郎 委員 先ほどの陳述者の指摘の中で、オーバースペックになっている1つの大きな部分として、基礎の部分が辻堂は平米単価5万円で積算されているけれども、本当は2万円でできるんではないかというような御指摘もありましたけれども、この辺についてはいかがなんでしょうか。 ◎福島 公共建築課長 今、御質問にあった主なくいの部分なんですけれども、当然実施設計、基本設計の中で、構造耐力上必要なくいの構造計算を行って決定しておりまして、くい工事については、専門業者の見積もりをとった上で積算をしておりますので、適正な単価で積算されていると考えております。 ◆松下賢一郎 委員 そういう意味において、今回陳情されている方は全くコスト分析がされていないという御指摘があったわけですけれども、先ほど部長の御説明の中でも、コスト分析についても具体的にこのように取り組んでいるというようなお話はなかったわけですが、そのコスト分析に対する本市の取り組みの姿勢と、今後これからいわゆる工事に入っていくわけですけれども、その中におけるそのコストに対する考え方をもう一度お聞きしたいと思います。 ◎福島 公共建築課長 まず、先ほど何回か御質問にお答えしている部分ですけれども、建設検討委員会等、市民の皆様の要望、御意見をまず取り入れた中である程度のプラン等は決定していっている経緯がございますので、当然決められてきた建設仕様プラン等に、それを実現する上で必要以上のコストは、当然公共建築課等もチェックしますし、設計事務所も当然専門的な目で見ますので、使用材料等、その辺の選定等についても基本設計の中で、当然コストの比較をした上で決定しております。あと、材質を変えれば安くなるというコストは当然なんですけれども、ただ、市民センターということで、その地域のシンボル的な建築物になると思いますので、ある程度のデザイン性はどうしても設計の中には、設計事務所としてのデザイン性の加味はされてきていると思います。ですから、そのまとまった基本設計のやつをいかに単価等を精査した上で、適正な単価で設計するというのが実施設計になりますので、その中で、先ほどうちの菅野のほうもお答えしましたけれども、公共工事積算基準という形で、ある程度国のほうで決められた基準に基づいて算定しておりますので、コストの検証と工事金額の適正化についても一応確認はしているものと考えております。 ○友田宗也 委員長 ほかに質疑はございませんか。                (「なし」と呼ぶ者あり) ○友田宗也 委員長 休憩いたします。       ──────────────────────────────                 午前11時10分 休憩                 午前11時11分 再開       ────────────────────────────── ○友田宗也 委員長 再開いたします。  それでは、質疑を終了する前に、これより議員間討議に入ります。委員より御発言はございませんでしょうか。                (「なし」と呼ぶ者あり) ○友田宗也 委員長 これで議員間討議を終わります。  休憩いたします。       ──────────────────────────────                 午前11時12分 休憩                 午前11時13分 再開       ────────────────────────────── ○友田宗也 委員長 再開いたします。  これで質疑を終わります。  これから討論を行います。討論はありませんか。 ◆山内幹郎 委員 本案件に関する地域住民からの陳情は、これまで3年の長きにわたってこれで12回になるもので、これだけ見ても異例なことです。移転、複合化ありきで進められてきた本計画に対して、私どもの会派は、これまで総務常任委員会では一貫してこれらの陳情に賛成をしてきました。時期的には既に検査が終了し、入札を目前にし、専門家の立場からコスト等の問題で疑義が出されたわけです。建設費が通常より5億円も多いこと、その根拠として、1つは、内訳を少し言いますと、外装で1億円、躯体構造のくいの費用、これは総額は言いませんでしたけれども、先ほど平米単価が2万から5万になっているという話、それから3点目で構造が平らでフラットなものに比べて、3棟ともでこぼこで、これで3,000万という計算も出ておりました。もう一つ、外壁がこういうことになっているために、空調費の割高で3,000万円という数も出たところです。一言でオーバースペックという言い方をされたわけです。もしこれが本当でありましたら、それこそ内部統制リスクの問題です。ここまで言われたわけです。そんなことはないよとこの場で説明を幾つか受けたわけですが、陳情を否決することは私にはできません。そんなに軽い問題提起ではないからです。  コストの問題でいえば、昨日も自主的な幼児教室を運営する皆さんから、幼児教室にも無償化助成を求めての陳情が否決されました。これに係る市のコストは5億円より桁が違う6,000万円だということでした。それだけではなく、100歳以上の医療費無料化事業など行政改革12事業の見直しが決まっていますが、その全ての額でも8,000万円弱です。こんなに福祉や健康、安全にかかわる予算を削っておりながら、辻堂公民館だけはオーバースペックの商業施設並みのものを建てて、5億円も無駄になるかもしれない。村岡新駅をつくることに関しても我々は言いました。保育園を落ちた子どもが1,000人超えたのに、村岡新駅建設に50億円使う場合かということですよ。今度も同じことを言いたいんです。歴史と伝統ある幼児教室が潰れそうなときに、5億円のお金を余分に使っている場合なのか、こういうことではないでしょうか。  上野さんは極めてまともで謙虚ですよ。だめだと言っているわけではありません。工事入札に入る前に、建築専門家を入れた第三者に検証してくださいと極めてまともな言い分だと思います。  以上、私もこの陳情には賛成です。趣旨了承といたします。 ○友田宗也 委員長 これで討論を終わります。  採決いたします。陳情1第5号は趣旨了承とすることに賛成の方の挙手を求めます。                  〔賛成者挙手〕 ○友田宗也 委員長 挙手少数。したがって、この陳情は趣旨不了承と決定いたしました。       ────────────────────────────── △(2) 報 告  ①  藤沢市内部統制推進のための運用ガイドライン及び令和元年度内部統制の取組について ○友田宗也 委員長 日程第2、報告①藤沢市内部統制推進のための運用ガイドライン及び令和元年度内部統制の取組についてを議題といたします。  この案件については市当局から報告発言を求められておりますので、発言を許します。 ◎林 総務部長 それでは、藤沢市内部統制推進のための運用ガイドライン及び令和元年度内部統制の取組について御報告いたします。  資料1は、藤沢市内部統制推進のための運用ガイドラインの概要と本ガイドラインに基づく令和元年度の取り組みを記載したものでございます。資料2につきましては、本市における統一的な内部統制の取り組みを進めるための基準として策定しました藤沢市内部統制推進のための運用ガイドラインでございます。本日は、資料1により御説明させていただきます。資料2につきましては、後ほど御確認くださいますようよろしくお願いいたします。  それでは、資料1の1ページ、1、本ガイドラインの概要の(1)趣旨でございますが、本市では、業務に潜むリスク想定とその対処方針をあらかじめ定めておくことの必要性等に重点を置いた内部統制の取り組みを推進してまいりました。しかし、公金の私的流用等の一連の不祥事が発生し、藤沢市職員による不祥事の再発防止策を講じる事態となりました。また、昨年度には支払い事務遅延等の不適正な事務処理が発覚し、平成29年度決算について、一般会計及び介護保険事業費特別会計が不認定となり、支払い事務遅延等の再発防止策を定めました。  こうした中、外部団体と共同で、内部統制強化のための研究を行い、制度上の課題と対応策及び職員の意識調査結果から見た運用上の課題と対応策について提言がなされ、全庁における内部統制機能の見直しと庁内組織の整備を図ったところでございます。一方で、3月に総務省から地方公共団体における内部統制制度の導入・実施ガイドラインが発出され、地方公共団体は組織としてあらかじめリスクがあることを前提として法令等を遵守しつつ、適正に業務を執行することがより一層求められている状況にございます。  これを受けまして、これまでの取り組みに加え、一連の不祥事や支払い事務遅延等の再発防止策についても包含し、さきに定めました藤沢市内部統制基本指針に基づき、全庁一体となった統一的な取り組みを進めるための基準としまして、本ガイドラインを策定したものでございます。  続きまして、(2)地方公共団体における内部統制でございます。ア、地方自治法の改正でございますが、地方自治法等の一部改正により、都道府県及び指定都市においては、内部統制制度の導入の義務づけ、その他の地方公共団体においては努力義務とされていることを記載しております。  2ページにお移りいただきまして、イ、内部統制とはでございますが、内部統制とは、①法令等の遵守、②事務事業の有効性及び効率性の確保、③財務報告の信頼性の確保及び④資産の保全の4つの目的が達成されないリスクを一定の水準以下に抑えることを確保するために、業務に組み込まれ、組織内の全てのものによって遂行されるプロセスで、統制環境やリスクの評価と対応など、6つの基本的要素が基盤となることを記載しております。  続きまして、(3)藤沢市における内部統制でございます。ア、内部統制が対象とするリスクの範囲でございますが、リスクの範囲を業務運営や市民サービスの提供に支障を生じさせる事態や信用失墜につながりかねない、事前に対策が可能な問題である組織リスクとすることを記載しております。  イの内部統制に関する留意点につきましては、内部統制の整備及び運用において優先的に取り組む事項、求める内部統制の水準及び外部有識者の活用につきまして記載しております。  次に、ウの内部統制に関係を有する者の役割でございますが、市長、副市長等の理事者や部局長の役割と責任、その他の職員については、課等の長など役職に応じた役割と責任、また監査委員と内部統制との関係についても記載しております。  エの内部統制体制につきましては、内部統制の全庁的な推進体制として、市長を本部長とする内部統制推進本部会議と内部統制機能を担う関係課の長を委員としました内部統制庁内推進委員会の設置について記載しております。  次に、オの基本的な取組でございますが、風通しのよい組織風土づくりから、不祥事等の再発防止のための取り組み(リスクの低減策)まで記載の7項目を基本的な取り組みとしまして実施することを記載しております。  3ページにお移りいただきまして、(4)内部統制に関する報告書等の作成及びガイドラインの見直しでございます。内部統制に係る各年度の取り組みにつきましては、報告書等を作成しまして公表すること、本ガイドラインは、取り組みの進捗状況や国の動向等により随時見直しを検討することを記載しております。  次に、2の令和元年度の取組でございますが、本ガイドラインに記載しました基本的な取り組みに基づきまして、令和元年度におきましては、具体の取り組みといたしまして、(1)職場風土の改革、(2)外部有識者の意見反映、(3)リスクの再点検と帳票の改訂、(4)内部統制に関する報告書の作成、(5)不祥事等の再発防止のための取組、(6)研修の実施、(7)内部統制制度における帳票の活用及びリスク事案の共有及び(8)のモニタリングの実施の8項目の取り組みを実施してまいります。  地方公共団体における組織目的は、住民福祉の増進を図ることでありますので、この組織目的が達成されるよう、適切に内部統制を推進し、事務事業の適正な執行の確保及び質の高い行政サービスの提供に努めてまいります。  以上で藤沢市内部統制推進のための運用ガイドライン及び令和元年度内部統制の取組についての御報告を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。 ○友田宗也 委員長 報告が終わりました。  この報告に関し質疑はありませんか。 ◆甘粕和彦 委員 このガイドラインでいうところのリスクというものは、どういうものを想定していらっしゃいますか。 ◎串田 内部統制推進室室長補佐 本市の内部統制におけるリスクでございますが、例えば支払いの誤りですとか、データの二重入力ですとか、本市の業務運営や市民サービスの提供に支障を生じさせる事態や信用失墜につながりかねない、事前に対策が可能な問題である組織リスクとしてございます。 ◆甘粕和彦 委員 この事前に対策が可能な問題、リスクというのは、当然、このリスクが発生しないように、それぞれの課で事前に対策を検討して措置を講じることになると思うんですが、そこで適正な事務は確かに必要だとは思うんですけれども、その結果として、ただ単純に、ダブルチェックだとか、トリプルチェックというのが重なっていくだけですと、職員の負担だけが増大していき、それが新たなミスにつながりかねない。さらには、職員としてやらされているんだと、そういった感覚が積み重なっていくと思うんですけれども、その点についてはいかがお考えでしょうか。 ◎東山 内部統制推進室主幹 内部統制制度でございますが、この制度につきましては、地方公共団体の全てのリスクをゼロにすることを可能とするものではございませんで、内部統制につきましては一定の限界がある、こういうことにつきましては認識しておく必要がある、これが内部統制に対する一般的な考えとなっております。  その上で、内部統制の整備及び運用に係るコスト、これと得られる便益、リスクの減少度合いということになりますが、これらを踏まえまして、重要性の大きいリスクに優先的に取り組んでいく必要があると考えております。  業務のバランスをとりながら内部統制を充実させていくこと、これにつきましては非常に大切、大事なことというふうに捉えておりますので、各課でリスクを分析する際には、そのリスクの影響度とそれを判断いたしまして、限られた時間、限られた予算の中で適切に、また効率的に対策をとっていかなければならない、そんなふうに考えております。 ◆甘粕和彦 委員 内部統制に限界があるというのはおっしゃるとおりだと思います。内部統制を導入すれば、一切のミスがなくなるということになっていく場合に、もし問題が発生した場合、それが、その問題を隠蔽していくような、そういったことにならないか、そういったあたりはどのように考えていらっしゃるかお聞かせください。 ◎中村 内部統制推進室長 リスクを一定の水準以下に抑えるために、例えばリスクが発生した場合やヒヤリハットなどにつきましては、状況の把握、それに対する対応、今後の再発防止策をリスク発生時記録表にまとめまして、同様なリスクが発生しないような取り組み、PDCAサイクルによりまして、制度の運用のほうを図っております。こういった事案を全庁で共有いたしまして、ほかの課でも同様の事案が発生しないよう取り組んでいくことで、全庁における内部統制の推進を図っております。  制度につきましては、全てのリスクをゼロにすることを可能とするものではございませんが、内部統制の仕組みを整備いたしまして、実際に運用する職員に対しまして研修を行うなどでコンプライアンス意識の向上を図りまして、全庁一体となってリスク、不祥事の発生を限りなくゼロに近づけてまいりたいと考えております。 ◆松長由美絵 委員 一定の基準をつくるという意味でのガイドラインなんですけれども、実際ガイドラインができましても、職場には組織改編だったりとか制度の改定だったりですとか、システム変更があったりいたします。また、そのような中で状況が変化していく中で重要なことというのは、先ほど研修があるとおっしゃっていらっしゃいましたが、コンプライアンス意識を保つことなどかなと。例えばコンプライアンス意識を保ったり、リスクを発見したときに周囲と共有したりとか、また風通しをよくするだとか、こういったことをするために具体的に何をされていらっしゃるのか伺えればと思いますが、お願いいたします。 ◎串田 内部統制推進室室長補佐 ただいま風通しのよい職場づくりということでお尋ねいただきましたが、風通しのよい職場づくりにつきまして、内部統制の6つの基本的要素のうち、1番の統制環境が最も重要な基本的な要素とされておりまして、法とモラルを守る藤沢、不適正な事務処理は絶対に行わないといった内部統制の目的を達成しようとする、市長を初めとした市役所全体の雰囲気や風土が重要となってございます。  今年度は、市長及び副市長が各職場に出向きまして、市長メッセージの発信や意見交換を通じまして、職員間のコンプライアンス意識の向上を図るなど、また職員研修においては、職員間のコミュニケーションを円滑にし、働きやすい職場をつくっていくため、職場での意見交換会を職場研修で必須として実施するようにしておるところでございます。 ◆松長由美絵 委員 ありがとうございます。先ほどもバランスというお話が出ましたけれども、やはり行政はサービスですから、働く側の方も気持ちよく明るく意欲を持って働いていただくことがこのコンプライアンスの意識とともに重要なことだと思います。風通しのよさというお話も出ましたけれども、この仕事に対するモチベーションを保ったりだとか、そういったことのために、下のほうから意見を吸い上げるような、そのような取り組みはございますでしょうか。 ◎東山 内部統制推進室主幹 意見集約という部分になりますが、職場におけるコミュニケーションの強化を図りまして、風通しのよい職場づくり、また不祥事を起こさない、そのような環境づくり、こういったことを目的といたしまして、所属長による全職員ヒアリング、そういったものを実施しているところでございます。  昨年度につきましては、ほかの職場で起こったことであっても、他人事とせずに、みずからのこととして考える、こういったことをテーマといたしまして、不適切な事務処理事案を知った際に、自分または自分の所属内の業務に置きかえてどういうようなことを考えたか、こういったところにつきましてヒアリングを行いまして、各所属長が意見集約等を図ったところでございます。  テーマにつきましてはちょっと検討しているところでございますが、今年度につきましても、引き続きそのような形での意見集約等を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆松長由美絵 委員 ありがとうございます。では、今回また不祥事が起こってガイドラインを策定するということに関連しまして、過去の不祥事についてなんですけれども、過去に給食費横領のことがあったと思います。ちょっと額も大きいですし、このことにつきまして市民の関心も高いかと思います。ちょっと現状、裁判などの報告についてお教えいただければと思います。 ◎東山 内部統制推進室主幹 2月の総務常任委員会のほうで1度報告をさせていただいたところになります。その後の状況という形でお答えさせていただきます。  刑事告発の部分につきましては、引き続き捜査中ということで、藤沢警察署のほうから詳細については答えることはできないということで、このあたりは進展はございませんが、引き続き状況の確認のほうは続けてまいりたいと考えております。  また、元職員に対する求償訴訟、そこにつきましても、引き続きまして本人尋問、あと口頭弁論、これが開かれておりまして、元職員が市に支払うべき額につきまして、双方、主張の整理が現在も続いているところでございます。  なお、退職手当の返納請求の訴訟につきましては、既に判決が確定しまして、債権の額が確定しているところではございますが、元職員への求償訴訟、そちらの結果とあわせまして対応を図ってまいりますので、今現在そのような状況になっております。 ◆松長由美絵 委員 先ほど何か事象が起きたときに、リスクに関して情報共有をされているというお話がございました。過去に不祥事があったときに、過去の資料で、外部有識者の方に意見を聞いたものがございまして、その中には、ほかの自治体とこの不祥事の案件だったりだとか、そういったものの情報共有を図ることが有効であるというような内容のものがございました。それに関しまして、特別何かされていることがあるのかお伺いしたいのですが、お願いいたします。 ◎串田 内部統制推進室室長補佐 委員御指摘のリスクや不祥事につきまして、ほかの自治体との情報共有を行うといった特段の仕組みは現在ございませんが、少し古い話で恐縮ですが、平成29年度には県内他市の事例をもって、各部局内会議に総務部の管理職が出向きまして、そういった事例につきまして、自分事として、自分たちの組織に置きかえて考えてみることをしてみようというようなことで、そういったことを促すということで、他市の事例についても対岸の火事ということにはせずに、新聞報道などで情報を得た場合には、本市の場合に置きかえて考えるように、必要に応じて庁内情報共有を行っているところでございます。 ◆山内幹郎 委員 この本ガイドライン策定までの経緯について、特に藤沢市におけるこれまでの不祥事との関係で、タイミングよくといいますか、国の法改正とか総務省からのガイドラインが出たということですが、藤沢市との関係で幾つかお聞きいたします。  最初に、この国のガイドラインが出てきた背景についてですが、私も国の資料を読みましたが、現状が書かれていないんです。さっぱりわかりません。これではどういう目的で出てきたのかわからないので、ネットで調べてみました。その中で、全国市長会も加盟している地方自治研究機構という、当藤沢市も共同で取り組んだ全国の調査結果が2017年にあったわけです。そこで、本市で起きたような不祥事、11項目について詳しく調査されております。私も驚いたわけですが、50万人以上の市では11項目の不祥事、その項目のうち7項目以上の不祥事があった割合が何と56%だったという数字が出ておりました。この調査に藤沢市も参加していると思いますが、全国との比較できる数字があれば教えてほしいと思います。このときの調査では藤沢は何項目の不祥事があったと報告されたのかどうか伺います。 ◎串田 内部統制推進室室長補佐 委員御指摘の調査につきましては、平成29年3月に、地方自治研究機構によります市区町村等の内部統制型リスクマネジメントに関する調査研究の不祥事等のリスク発生実態の件と思います。平成28年度に本市に調査の依頼がありまして、調査の内容は平成25年度から27年度までの不祥事の発生状況ということで回答しております。  本市の状況につきましては、処理すべき事務を行わないことに関する不祥事や職員の公務外の法令違反、行為等に関する不祥事など、9項目に該当と回答しております。人口規模別の50万人以上で見ますと、半数以上の団体が7項目以上に該当すると回答しておりまして、本市の状況もこれと同様であると考えられます。人口規模が大きいということは、一定数の職員を任用しておりまして、不祥事等の発生リスクが小規模団体より高くなっているものと認識をしてございます。 ◆山内幹郎 委員 私はこれをもって、これまでの不祥事を免罪するつもりは全くないわけですけれども、藤沢市で起きてきたこうした問題は、肝心の国のガイドラインの中ではその背景も現状も書かれていなかったわけで、さすがに自治体のシンクタンクでは調べをしていることを指摘したかったわけです。  次に、本文です。7ページの下に内部統制に係るコストと便益を踏まえ、過度な文書化、過度な統制は避けることが書かれております。私もこれが心配なわけです。既に新たな部署もつくり、人員も会議も、またマニュアルも、事後の報告書もかなりの事務量だと想像されるわけです。人件費にかかわる人工数はまだ試算されていないということですが、それでは、職員は全体で何人ふえたのでしょうか、お聞きします。 ◎斎藤 総務部参事 職員の配置でございますが、本年4月、この組織改正によりまして、新たに内部統制機能の強化のため、内部統制を専門で扱う部署として内部統制推進室を設けたところでございます。この推進室の新設に当たりましては、職員2名を増員した執行体制となっております。 ◆山内幹郎 委員 これも今後各部でふえそうな事務量、そしてその人工数ということに私は大変関心も持っております。これは後日算出することを要望したいと思います。  3点目です。本文資料の2の16ページに内部統制の基本的枠組みの図が載っております。私にはどう整理していいか正直よくわからなかったわけです。本市の場合は、11月に既に支払い事務遅延の再発防止策が具体的につくられて、これで十分だとも感ずるわけでもあります。あえて、このトータルなイメージの管理方針をつくる意味はあるのかどうか、私には16ページのトータルな枠組みがよくわかりません。ガイドラインはあってもいいわけですが、職員のやる気とか自主性、自発性に寄与するような簡潔でわかりやすさが大切ではないかと思います。  長い文書ではなく、絵やイラストで職員にわかりやすい解説版をつくれないかどうか、またこの内部統制の取り組みで、契約業者さんへの説明も煩雑になるようなことも心配しておりますが、そういった負担はないのかどうかお聞きします。 ◎東山 内部統制推進室主幹 委員御指摘いただきました内部統制の基本的な枠組み、この4つの目的ですとか、6つの基本的要素、こういった概念につきましては、確かに委員御指摘いただきましたとおり難しい部分があるというふうにこちらのほうでも感じております。職員に対しましては、実際の運用に当たりまして実務要領と簡素でかつわかりやすい資料のほうにつきましても、今現在作成中でございます。  また、契約という部分になりますが、昨年度に取りまとめました支払い事務遅延等の再発防止策、こちらにつきましては、事務処理の適正な執行に向けまして、チェック機能の強化を図っているところでございます。これにつきましては、契約の相手方、業者さん等に負担を強いるものではございませんし、主にはこれまで電子で行っている状況で、見えにくくなっている部分、そういったものにつきまして紙の帳票等を使いまして、課内の職員が共有して可視化できるような環境の整備、そういったところを構築してきたものでございます。また、そのほかにも物品等の検収後、2週間を経過しても請求行為がない場合、そういった場合につきましては、こちらのほうでも速やかに促すこと、そういったところを徹底しております。  これらの取り組みにつきましては、適正に事務手続を進めまして、債権者の方へ速やかに支払い等事務を行っていくためのものでございますので、今後につきましても、市、また契約の相手方、業者さんとお互いにスムーズに事務が進められるよう、引き続き御協力のほうをお願いしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ◆堺英明 委員 それでは、内部統制の取り組みですけれども、ここ何年か本市でもずっと続けられておりましたが、この3月ですか、総務省から制度の導入という形の話が示されたということでありますが、この取り組み、改めてなんですけれども、本市としてはどういった成果を期待しているのか、効果をどういうふうに考えているか、まずちょっとこの点をお聞きしたいかと思います。 ◎串田 内部統制推進室室長補佐 本市の内部統制制度につきましては、平成24年1月から4つの基本的な帳票の活用を基本とする制度を進めてきまして、そういった業務の手順ですとか、リスクをあらかじめ想定した中でのリスク管理といったことに重視して、内部統制の4つの帳票に取り組みを進めてきました。そういった中でも、平成29年度には外部団体との共同研究を行いまして、今までの取り組みについての検証といいますか、取り組みについて一緒に共同研究を行いまして、藤沢の弱いところといいますか、制度上の課題と対応策と、あとは運用上の課題と対応策といったことでいただきました。  制度上の課題につきましては、基本指針の策定ですとか、あとは庁内の検討体制としての本部会議ですとか、庁内推進委員会の設置を経まして強化されてきました。また、運用上の課題については、今回のガイドラインにも書いてありますけれども、リスクの見直しといったことについてもう一度、いま一度やっていくと。また、職員への内部統制の浸透を図るべしということで研修にも力を入れていきたいといった今までの取り組みを整理したものを、国の地方自治法の改正等で都道府県、政令市が義務づけされるといったタイミングで、我々のような一般市は義務づけではなく努力義務といったところですけれども、それについて我々、今までの取り組みがありますので、また過去の不祥事の再発防止策といったものを包含して、統一的な基準として設けて、全庁一体となって進めていきたいといったことで今回ガイドラインをつくったものでございます。そういったことを期待してつくっているものでございます。 ◎東山 内部統制推進室主幹 国のガイドラインのほうでいきますと、この内部統制制度の導入によりまして、例えば組織の長にとってはマネジメントが強化されまして、政策的な課題に対して重点的に資源を投入することが可能になるという点ですとか、また職員にとりましても業務の効率化が図られるですとか、業務目的がより効果的に達成させられる。それによりまして、職員にとっても安心して働きやすい魅力的な職場環境が実現されるということがございます。また、これらによりまして、信頼に足る行政サービスを住民、市民の方が享受することができる、そういったところにつながっていくものとして内部統制制度があるものと考えております。
    ◆堺英明 委員 ただいまの御答弁、本制度は努力義務ということでありますが、やっぱり本市は、こちら報告書に書いてあるとおり、たび重なる不祥事があった経緯がありまして、また違った見方をされるのかなというふうに思うわけであります。  本制度を活用するのは大いに結構なんですが、やはり並行して、この制度に頼らずに、皆さんの職務を行政の職務としてしっかり正しく、そういった意識をやっぱり持っていただくのが一番重要なのかなと思っております。そういった意味で、やはり強いメッセージを上のほうからしていただいて、当然この制度と同様に、やはり正しい行政の職務をしてほしいというような、そういうメッセージを改めて、こういう制度が改めてということですので、ちょっと一言、行政のほうからいただければと思います。 ◎林 総務部長 本ガイドラインは、今担当のほうから答弁しました目的でつくったわけですが、やはりこれまでの不祥事とか、事務の不適切、そういったことを踏まえて、より内部統制を職員全体がしっかりと理解する、共通理解するということでは、やはり1つにまとめたものをつくって、これが若い職員から全ての職員が、今後また入ってくる職員もこれからおります。そういう全ての職員がこのガイドラインに沿って本市の内部統制がこういう形でできているんだということをしっかり理解して、その内部統制そのものが、ひいては市民のための適正な行政サービスに、それから福祉増進につながっていくものだということをしっかりと理解した上で、この内部統制をしっかり活用して、自分たちの業務を適正にするという意識をしっかり持っていただくと。そういうことを浸透させるためにも、このガイドラインというのは非常に重要だと思っていますんで、このガイドラインとあわせて職員の意識づくりもさまざまな機会を通じて強化していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆松下賢一郎 委員 今回、やはりこの公金の私的流用と一連の不祥事、そして昨年は突然のように支払いの遅延ということで、不適切な事務処理が発覚をしたということを受けてということの御説明も先ほどございましたけれども、そういった中で、令和元年の取り組みが幾つかある中で、外部有識者の意見反映ということがありますけれども、これについては、今年度、この令和元年度どのように取り組みをされていくのかお聞かせいただきたいと思います。 ◎串田 内部統制推進室室長補佐 令和元年度の取り組みで外部有識者の意見反映ということでございますが、内部統制制度を公認会計士の先生に企業等も見ていただいているということもありまして、公認会計士の先生にまずは御意見を伺うということの取り組みを、年度当初、4月から5月までの間に、公認会計士の先生にお願いしまして、今回、昨年度中に構築した本市の内部統制の体制、また現在報告させていただいておりますこの内部統制のガイドラインにつきまして、外部有識者の方に評価、意見をいただきました。  そういった形で評価をいただいたんですけれども、この内部統制のガイドラインにつきましては、必要十分な内容が記載されていますかということでお伺いしたところ、ガイドラインに記載された内容は必要十分であるということと、また、内部統制を進める市長を本部長として、取り組みを先導するということについては、行政の説明責任を果たす上でも重要であるといった御指摘をいただきました。  また、支払い事務遅延ということにつきましては、リスクの可視化ということで提案といいますか、できますかねということでいただいたのは、会計上の処理で、通常とは異なる動きがあった場合、例えば長期間未精算ですとか、長期間手がついていないものといったものについてわかるような仕組みがあるといいですねといった御指摘をいただいたところでございます。 ◆松下賢一郎 委員 必要十分であるという御意見もいただいているということなんですが、全国的に内部統制の取り組みが各自治体で進んでいる中で、いわゆるリスクとして、法的なリスクという観点で、日常の日々の業務等に潜む法的リスクを把握して、それに対するその対策をするリーガルチェックシートというものをきちっとこのガイドラインといいますか、そういった各自治体の計画の中にもうしっかり入れ込んでいるところがあるんですが、本市の今までのこの今の状況を見るとリーガルチェックシートはないようですけれども、その辺の法的なリスクに対するお考えについてお聞かせいただきたいと思います。 ◎串田 内部統制推進室室長補佐 リーガルチェックということで、本市内部統制の基本指針を策定する際に、静岡市さんを参考とさせていただきました。静岡市さんの内部統制の取り組みでは、そういったリーガルチェックシートといったことも活用しながら取り組みを進めていましたといったお話、示唆をいただいたところですけれども、そういったものと、あとリーガルチェックの中から見えてきたリスクといったことで、リスクのリスクチェックシートといったほうに最近は、視察に伺ったときには力を入れているというお話を伺いました。  先ほどの御質問でもございましたが、外部有識者を活用ということで、必要に応じて我々は方針の中で活用していくということにしておりますので、過去にも弁護士の先生に不祥事の再発防止策の御意見をいただいたところもありますので、そういったことでいうと、弁護士の先生にも有識者としての意見を伺うということも可能というふうには考えております。  ですので、リーガルチェックシートにつきましては、各課のリスクの見直しとかを把握するといった中で、特段のシートはございませんが、そういった視点で、法改正ですとか、制度改正についても対応するように、そういったリスクについても見直していただくという視点が必要かというふうには考えております。 ◎東山 内部統制推進室主幹 本市の内部統制を推進していく上で4つの基本的な帳票を活用しております。その中で、業務記述書の中につきましては、どういう法律をもとにして、またその事務事業を行っているのかというような部分を記載するところもございます。ですので、そういった基本となる法律、条例等の改正等につきましても、当然各課では確認しながら、シートの活用、またリスクの管理等も今現在行っているところでございます。 ◆松下賢一郎 委員 わかりました。外部ではないんですけれども、内部統制に関係を有する者の役割の中に監査委員さんがあるわけですけれども、本文というか、この資料2のほうには監査委員さんのところの記述があって、いわゆる簡単に言うと、通常の監査、定期監査の中で見ていきますよと。そしてそこで指摘があれば、それを全庁的に展開していくというようなことがここに書いてはあると思うんですが、監査委員さんは、私も監査をやったことがあるんですけれども、やはりいろんな指摘が今までもあったことが生かされてこなかったというのは非常に大きな課題だったと思うんですが、その中で、これ以上監査をふやすというのは大変かもしれないんですけれども、通常の監査の中での内部統制にかかわっていくという、さらっと書いてあるこの考え方が、果たしてこれで十分なのかというのはとても感じているんですけれども、その辺についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎福室 監査事務局参事 監査の監視というところでございますけれども、これまでも監査は、定期監査において識見監査委員による業務記述書兼リスク管理票のヒアリングを実施し、その中で問題点等があった場合は指摘を行ってまいりました。また、定期監査の結果において、各課に留意や指摘、その他問題点等があった場合は、内部統制を推進する担当課のほうに報告をするなど、これまでも連携を図ってまいりました。  いずれにいたしましても、これまでの監査のかかわり方は継続しながら、内部統制の今後の整備状況及び運用状況を注視しながら、不備等があった場合は内部統制推進室のほうに確認をし、監査委員より適切な改善、是正を求めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆松下賢一郎 委員 定期監査があって、2年に1度ぐらいしか部が回ってこないような状況ですけれども、今回この公金について不適切な事務処理が相次いだわけですけれども、そういった部署は、やはりしばらくの間は集中的に、定期的にしっかり監視をしていかないと、ほかの部署を見ることも大事なんですが、やはり問題があった部署というのはもうちょっときちっと監査のほうで監視を続けていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。 ◎福室 監査事務局参事 委員おっしゃるとおりでございまして、昨年起きました介護保険課、また保育課の案件につきましては、これも一応監査委員会議にお諮りしないといけないんですけれども、例えば次の定期監査の中でその調査項目、例えばふやしたり、例えばヒアリング等、要は監査はあくまでも財務監査でございますので、財務にかかわらないものはちょっと監査はなかなか厳しいところがありますけれども、ヒアリング等で、担当課等と調整なり、確認をしていくような形で、今後、検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○友田宗也 委員長 ほかに質疑はございませんか。                (「なし」と呼ぶ者あり) ○友田宗也 委員長 休憩いたします。       ──────────────────────────────                 午後0時01分 休憩                 午後0時02分 再開       ────────────────────────────── ○友田宗也 委員長 再開いたします。  これで質疑を終わります。  報告に対する意見はありませんか。 ◆松長由美絵 委員 先ほどほかの自治体との情報共有に関しましてなかなか仕組みがまだないというお話だったんですけれども、都道府県ですとか、指定市は義務づけられているということですから、何かしらの対策ですとかがあるかと思いますし、近隣だけではなく、全国の自治体、また市町村と言わず、都道府県なども含めてぜひ情報共有に関しては頑張ってしていただきたいなと思っております。  また、本市がこのような内部統制に関して、いろいろ仕組みを一生懸命つくっているということに関して、ほかの自治体の参考にもなるかと思いますので、積極的に情報発信もしていただきたいなと思っております。  また、よその自治体、仕組みがないところもまだ多い、これからだと思うんですけれども、仕組みがないということは、裏を返せばその必要性が特に検討されていなかったという、本来あるべき姿かなとも思います。本市においてもこのガイドラインなどができる前に、問題が起きていなかったと、見つからなかったのかもしれませんが、起きていなかったということですから、大事なのは、今回このガイドラインを策定しますということなんですが、大事なところはそこではないのかなというような思いがしております。  また、先ほど来、総務部長から全ての職員が理解するためにこのガイドラインがございますと、意識づくりをしていただけるということですが、本当にまず大事なのはそこの一人一人の職員の皆様にどう落とし込んでいくかという、そのためのガイドラインだと思いますので、ぜひそのあたりに関して、より積極的にいろいろと考えていっていただきたいなと思います。  また、このようなガイドラインが策定されることで、当たり前ですけれども、もう二度と不祥事が起こらないということを全力で努力していただきたいなと思っております。 ◆山内幹郎 委員 専任職員を2人ふやしても不祥事が減らなかったらどうするのかという、私は大変責任を問われる業務ではないかと思います。また一方で、管理される側の職員の事務量は、特に問題となってきた保育や介護や福祉などではふえている一方ではないかと想像もされるわけです。私はこうしたことが、全国でとりわけ大規模な自治体で不祥事がふえている要因ではないかと思うわけです。確かに機械の技術、便利になって小さなミスを防ぐことにつながるとは思いますが、しかし、一方で村岡の事業の問題とか、先ほどの辻堂の問題とか、市民全体で合意できていない問題、それは当然職員でも納得がいかないで仕事をするという問題がふえてきているのではないかとも思うわけです。こういう点で、私はまず、風通しのよい職場づくり、職員ポータルネットワークなどの掲示板で本当に何でも言える環境、多様な意見を認め合う環境づくりが肝要であることを意見といたします。 ○友田宗也 委員長 これで意見を終わります。       ────────────────────────────── ○友田宗也 委員長 これで本日の日程は全部終了いたしました。  そのほか委員の方から発言はありませんか。                (「なし」と呼ぶ者あり) ○友田宗也 委員長 これで委員会を閉会いたします。       ──────────────────────────────                 午後0時05分 閉会       ────────────────────────────── 以上のとおり相違ありません。 藤沢市議会委員会条例第62条第1項の規定により、ここに署名する。 総務常任委員会 委員長  友 田 宗 也...